ZENSHIN 2012/10/01(No2554 p08)
|
週刊『前進』(2554号1面1)(2012/10/01 )
外注化阻止、本格的段階へ
領土・安保・戦争・改憲の極反動=野田・安倍・橋下に階級の怒りを
10・7三里塚から11・4巨万決起へ
10・1JR外注化阻止の闘いは、動労千葉や動労水戸を先頭に、ついにJR東日本の青年労働者総体の反乱となった。この日本労働運動の地殻変動に胸おどらせて、ともに全力で闘おう。この階級的躍動をすべての職場と地域に持ち込み、怒りと団結を組織しよう。新自由主義と闘う階級的な労働組合の建設に一切をかけ、巨大な組織拡大大会として、職場から11・4全国労働者総決起集会に根こそぎ結集しよう。11・4は同時に、労働者国際連帯の力で「領土」をめぐる排外主義、戦争・改憲攻撃と闘い、反原発・反失業を闘う国際統一行動だ。10・1外注化阻止から11・4へと真一文字に突き進もう。
10・1からストに突入
労働者の団結に依拠し、団結を拡大して闘えば、絶望的で凶暴極まる新自由主義攻撃としての外注化は、絶対に止められる。動労千葉や動労水戸を先頭にすでに火を噴いている10・1外注化阻止決戦は、今やJR東日本の労働者全体の闘いに発展し、労働組合運動の歴史を塗り替えている。日本階級闘争・労働運動は今、新たな飛躍の瞬間にいる。
動労千葉は9月23〜24日に定期大会の大成功をかちとり、この無謀な外注化強行を大逆転させる新たな具体的方針を確立した。大会直後から、徹底的な職場抵抗闘争に突入した。10月1日からは、検修・構内業務外注化を粉砕する強力なストライキに突入する。
「全国の検修職場から『総反乱』と言っても過言ではない怒りの声が噴き上がっている。われわれの闘いがそれをつくったのだ。強硬姿勢の背後で、外注化政策はもはやボロボロになって崩れ落ちようとしている。われわれは負けていない。外注化は、労働者の雇用を破壊して未来を奪い、安全を根本から解体する攻撃だ。検修・構内外注化攻撃は明白な偽装請負だ。違法な強制出向は絶対に許さない。われわれは外注化攻撃を完全に粉砕するまで闘い続ける」「国鉄分割・民営化を絶対にあいまいにしない。国鉄分割・民営化攻撃によって労働運動が解体された結果、労働者に何が起きたのか。それ以降の労働運動の後退、嵐のように吹き荒れた民営化攻撃、非正規職に突き落とされた1500万人の怒り、打ち砕かれた権利、その全てをわれわれは忘れない。いよいよそれに決着をつけるときがきた」。大会宣言はこう言い切っている。
この動労千葉の闘いにすべてのJR労働者、全国・全産業の労働者は続こう。管理職さえその矛盾とデタラメさに「反対」を口にせざるを得ないほど、外注化は破綻的だ。しかも偽装請負そのものだ。青年労働者の総反乱で闘いを貫けば、必ず粉砕できる。JR資本は今、闘う組合さえつぶせれば業務がどうなってもいいと言っている。これこそ分割・民営化の25年が総破産している証拠だ。
「労働運動の再生は絶対可能だ。われわれはその思いのすべてを11・4労働者集会に結集させる。そのすべての決意を組織拡大闘争に注ぎ込む。大震災後の歴史的情勢と対決し、11月集会に1万人を結集させよう」。大会宣言でこう訴える動労千葉に続こう。ともに団結し、10・1外注化阻止・非正規職撤廃、解雇撤回・JR復帰の決戦と11・4の巨万の決起へ進撃しよう。
大恐慌下に戦争の危機
大恐慌―3・11情勢と新自由主義の絶望的凶暴化に真っ向から対決する外注化阻止決戦の白熱的高揚は、他方で帝国主義間・大国間争闘戦の激化のもとでの戦争・排外主義と改憲攻撃との闘いを決定的にしている。これに対し労働者国際連帯と国際統一行動を発展させること、沖縄―福島と結び、反原発・反失業と沖縄・安保・改憲阻止の闘いを貫くことが11・4の歴史的課題になった。
全世界で反米デモが爆発し、イラク・中東からたたき出され追いつめられる米帝は、イランへの戦争攻撃を新たに激化させている。ペルシャ湾と近隣海域で、米軍を中心に30カ国以上が参加する過去最大規模の国際掃海訓練が、9月後半、12日間にわたり強行された。これに海上自衛隊の掃海母艦「うらが」も参加した。中東での絶望的危機の巻き返しをかけ、「アジア最重視」をうたい対中対峙・対決を貫くのが米帝の新軍事戦略だ。
脱落日帝の野田政権は、この米帝戦略に沿いながら、排外主義と戦争・改憲の絶望的な攻撃として釣魚台(尖閣諸島)の「国有化」を宣言し、独島(竹島)の領有権主張に突き進んでいる。これに対する中国の反日デモは、帝国主義とその資本への根底的な怒りの決起であり、同時にそれは中国スターリン主義への怒りと反乱にも転化していくものだ。
一方で9月22日には、陸上自衛隊と米海兵隊が米領グアムで「敵に占拠された島の奪還」を想定した、共同の上陸作戦訓練を強行した。このただ中で野田政権は、米軍新型輸送機MV22オスプレイの「安全宣言」を出し(9月19日)、岩国で試験飛行を強行し、沖縄配備に突き進んでいる。9・9県民大会を倍する怒りが沖縄・全国で巻き起こっている。
野田政権は脱落日帝の危機を外注化・非正規職化、労組破壊などの攻撃と同時に、領土問題(新たな領土略奪)=国家主義・排外主義と日米安保強化、戦争・改憲の攻撃で絶望的に突破しようとしている。自民党総裁に極めつきの右翼政治家・安倍晋三が選出されたのも、完全にこの流れの中での事態だ。
道州制・大民営化と労組破壊を狙う維新の会の極右・橋下も含め、領土と安保・戦争・改憲の攻撃に突き進む野田・安倍らを、労働者こそが労働組合の団結と決起で串刺し的に打倒しなければならない。9・16橋下打倒闘争の大成功に続き自治体労働者、教育労働者は先頭に立とう。
新自由主義は、プロレタリア革命の主体である膨大な労働者を全世界に生み出した。この労働者階級と団結し、労働組合を再生させ、世界革命を実現するために闘うことこそ、「連帯し侵略を内乱へ」の闘いの今日的な継承・貫徹であり、戦略的な発展である。
さらに福島の怒りと固く結び、被曝労働・内部被曝問題と必死に対決し、原発再稼働が核武装政策と深く一体であることを暴き、労働組合の決起の力で、議会や法律を超えた反原発の100万人決起の実現へ闘おう。10・13さようなら原発集会(日比谷野外音楽堂)へNAZEN運動を先頭に決起しよう。
青年の決起と組織拡大
11・4労働者集会に向け、外注化阻止決戦と職場支配権をめぐる動労千葉などの闘いから学び、階級的団結と職場闘争の実践的で路線的な核心をつかみ、すべての職場で青年労働者を先頭とする組織拡大に立とう。
国鉄分割・民営化以降の25年、連合とJR総連カクマルの支配は何をもたらしたか。新自由主義はこうした階級の裏切り者ぬきには成り立たなかった。今や職場の合理化、解雇・失業、病気やストレスの問題は極限的だ。何よりも2500万人もの非正規労働者が生み出されている。「15年で50万人の自殺」は階級戦争による殺人であり、体制内労組幹部はその共犯者だ。ストライキは数十分の一に激減し、資本は一切を「労働組合を闘わせない」「ストライキは絶対やらせない」「団結させない」ことにかけてきたのだ。
だが今や新自由主義はこのブルジョア社会自身を壊している。青年労働者が、いったん団結して闘い始めたら、「原発ゼロは雇用・経済から考えなおせ」「反日デモから在留邦人を防衛しろ」と叫ぶ連合幹部など、一瞬で階級の敵であり、裏切り者だとわかる。
動労千葉の6・29判決は、国鉄改革法と分割・民営化の不当労働行為性を初めて認定した。これは2010年4・9政治和解の大反動を現場からひっくり返す画期的地平だ。これを絶好の武器に全労働組合にオルグに入り、外注化阻止・非正規職撤廃、解雇撤回・JR復帰と11・4へ、全産別・全職場の労働者の正規・非正規の分断をのりこえた闘いと組織化に突入しよう。労働者は革命的な歴史的存在だ。必ず立ち上がる。この確信に燃えて断固進もう。
10・7三里塚全国闘争に労農同盟の旗を高く掲げ総結集しよう。そしてそこから11・4の巨万決起へ、全員が火の玉となって闘おう。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2554号1面2)(2012/10/01 )
動労水戸 出向通知に怒りのスト
“外注化を絶対に止める”
動労水戸は9月26日、外注化絶対反対を掲げて第3波ストに決起した。出向事前通知を受けた当該を先頭に、勝田車両センターで働く全組合員が始業からストに入った。
午前8時30分から車両センター門前でスト突入集会を開催した。
出向事前通知を受けた組合員の職場の仲間に向けた訴えは圧巻だった。「本当にこのまま10月1日を迎えるのか。9月14日の動労水戸のストの時、みんなが見せた力はすごかった。本当に感動した。会社を一日中、ギャフンと言わせた。みんなの人生は始まったばっかりだ。事前通知発令以降、みんな暗くなってるじゃないか。職場は明るくないとダメなんだよ。力をあわせて外注化攻撃と闘おう」。作業の手を止めてじっと聞き入る労働者もいた。
石井真一委員長は「会社とMTS(水戸鉄道サービス)は作業ダイヤも作業内規も説明しない。『出向社員は駐車場に車を置くな』と突然言い出す。指摘されなければMTSはヘルメットも用意しない。構内運転士にはアノラックはあるが検修にはない。長靴も安全靴もない。どうやって仕事をやれというのか。MTSに作業責任者として出向する管理者は検修なんてやったこともない人間だ。そんなことで安全が守れるわけがない」と発言。辻川慎一副委員長は「構内運転、仕業検査外注化だけでは終わらない。数年のうちにすべての仕事が外注化される。会社は、青年労働者を下請け会社に塩漬けにして、最終的には転籍にするということだ。東労組はこんなデタラメな外注化に妥結した。こんなふざけた労働組合があるか」と東労組を弾劾、動労水戸に結集してともに闘おうと呼びかけた。
早朝から駆けつけた全学連の坂野陽平書記長もマイクを取り訴えた。
最後に照沼靖功組合員が青年を代表して登場、「われわれはこの間、3回のストに突入しています。なぜか。外注化を絶対止めたいからだ。こんな外注化になんの意味があるのか。われわれは10月1日以降も、他労組の労働者とともに闘います。みなさん動労水戸とともに闘いましょう」と熱く訴えた。
照沼組合員のリードでシュプレヒコールを繰り返したたきつけ、スト突入集会をやりぬいた。
(写真 勝田車両センター門前でスト突入集会。仲間に熱く決起を呼びかけた。右奥は車両の検査修繕のための車庫【9月26日 茨城県ひたちなか市】)---------------------------------------------------
週刊『前進』(2554号1面3)(2012/10/01 )
連帯高崎 籠原で総決起行動
外注化反対で大半を組織
動労連帯高崎の主催で「外注化阻止!強制出向粉砕!総決起行動」が9月25日、高崎車両センター籠原派出があるJR籠原駅前でかちとられた。
午前7時30分、動労連帯高崎の赤い旗を先頭に、さいたまユニオン、群馬、栃木、東京の労働者と全学連の学生など約15人が集まった。
動労連帯高崎の和田山繁委員長は、籠原の構内業務34人全員の仕事を高崎鉄道サービスに外注しようとしているJR東日本を弾劾した。
JRの労働者が次々と集会をのぞきに出てきて和田山委員長に手を振り、「がんばれ!」と大声で声援を送り、あるいは駆け寄って日頃のうっぷんをぶちまけた。動労連帯高崎がJR労働者のあらゆる怒りを体現し、一部カクマル分子を除けば職場の過半の労働者の怒りをまとめ、職場からの総反乱を牽引(けんいん)している。
9時10分、籠原派出で構内運転士として働く漆原芳郎副委員長が仕事あけで職場から登場した。漆原副委員長は、たった今まで行っていた当局追及の様子を報告した(写真)。「決まっているのは10月1日に外注化をやることだけ。国労や東労組がやった苦情処理への回答は『事前通知通り』というひどいものだ。副所長が今朝それぞれに密封封筒で配っている」と当局の対応を徹底的に弾劾した。
婦人民主クラブ全国協議会埼玉支部を始めとする支援の仲間が檄布(げきふ)を手渡し、全学連の倉岡雅美さんのリードで元気にシュプレヒコールを上げた。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2554号1面4)(2012/10/01 )
前進速報版から
▼高山弁護士先頭に鳥取地裁前で「裁判員制度はいらない!」▼中国山西省・太原の富士康工場で数千人の暴動▼動労水戸9・26スト
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2554号2面1)(2012/10/01 )
動労千葉定期大会 10・1外注化にスト配置
闘いを継続し新たな飛躍へ
動労千葉は9月23〜24日、第41回定期大会をDC会館で開いた。検修外注化との闘いが最大の山場に入る中、新たな闘いに一丸となって突入する決意を固めた歴史的大会となった。
冒頭あいさつで田中康宏委員長はまず、昨年秋以降の京葉車両センター構内業務外注化を巡る攻防、さらに佐倉運輸区新設―組織破壊攻撃との闘い、鉄建公団訴訟6・29東京地裁判決の意義などを中心に1年間の激闘を勝利的に振り返った。そして、国鉄分割・民営化以来の重大局面を迎えた外注化阻止闘争、特に10月1日以降の闘いについて基本的方向性を提起した(要旨別掲)。
三里塚反対同盟の北原鉱治事務局長、動労千葉顧問弁護団長の葉山岳夫弁護士などの来賓あいさつに続き、総括を繁沢敬一副委員長が、内外情勢を川崎昌浩執行委員が、JRを巡る動きを大竹哲治副委員長が、方針を長田敏之書記長が提案した。
さらに2日目の午前、前夜の各支部代表との突っ込んだ討論をふまえ、決戦段階での具体的闘争戦術を長田書記長があらためて提起した。@9月24日からの1週間は、出向説明会開催に徹底抗議の上、出席の業務指示が出された場合には指名ストに入る、A事前通知に対する苦情処理に当該組合員の全力結集で臨む、B仮に10月1日外注化が強行された場合はストライキを配置して闘うこと――などだ。
長田書記長は、10月1日から始まる闘いの獲得目標について「構内計画、機動班、機能保全業務などさらなる外注化を阻止し、2〜3年のうちに外注化された業務をJR本体に戻す。千葉鉄道サービス(CTS)での偽装請負摘発・追及を徹底的に闘い、最大の反撃の武器である組織拡大闘争に全組合員が総決起しよう」と強調した。
(写真 運動方針を提起する長田敏之書記長【9月23日 DC会館】)
職場を基軸に徹底的に抗戦
討論では現場から決然たる決意が次々表明された。幕張支部の山田護支部長は「これからが本当の闘いだ。『2〜3年で外注業務をJRに戻す』と方針提起されたが、そんなに長くかかるとは思わない。徹底的に闘う」と確信を込めて述べた。車両技術分科会の代表は「これまで管理者の指示が間違っていても柔軟に対応してきたが、10月1日以降は契約以外のことは一切やらない。偽装請負摘発に全力を挙げる。乗務員に対しては『外注化の結果、対応できない』という心苦しい場面も出てくるかもしれないが絶対にあいまいにしない」と発言した。運転職場からも外注化阻止に立ち上がる決意が続いた。
総括答弁で田中委員長は再度訴えた。「何よりもこの1週間、10・1外注化阻止へ全力で闘おう。さらに10・1ストから、われわれも初めて経験する闘いが始まる。構内入れ換え業務がどこかで止まり、本線も全部止まっちゃうような闘いになる。運転士の側からも『ふざけんな! こんな状況でハンドルが握れるか』と声を上げる。最終的には外注化を完全につぶす。外注化と偽装請負、出向・転籍、非正規職化の問題は労働者全体、労働運動全体の核心問題だ。否応なく真っ向勝負になる。本当に腹を据えて闘いぬく必要がある。外注会社の労働者も動労千葉に組織し、JR本体と外注会社の両方から闘う。10・1からの闘いは、そういうことも含めた新しい労働運動のあり方の提起でもある。動労千葉の新しい一歩がここから始まる」と力を込めて訴えた。
代議員、傍聴者は大きな拍手で応えた。大会議案を満場一致で可決、スト権が確立され新たな闘争体制が力強く打ち立てられた。
大会当日から次々指名スト
大会終了後、直ちに闘いが始まった。
24日からの出向説明会で当局は、CTSの制服とヘルメット、2双の軍手だけを渡し「10月1日から下請け会社に行って下さい」と言うだけ。あまりにデタラメだ。追及に対して現場の管理者すら「私たちだって何もわからないし何も聞かされていない。本音を言えばこんなことは間違っていると思います」と言うしかない状況だ。動労千葉組合員は徹底抗議の上、次々と出向説明会拒否の指名ストを貫徹した。
-----------------------
当局はガタガタだ! 外注化を必ず止め労働運動復権へ
田中康宏委員長のあいさつ
千葉支社は91人に強制出向の事前通知を出しましたが、あと1週間なのに現場では何も準備が進んでいない。われわれの闘いが、ここまで当局を追い詰めてきたんです。
動労千葉はこの1年、全力で闘いぬいてきました。京葉車両センターでの構内業務外注化と闘い、基地統廃合−組織破壊攻撃も粉砕した。もうひとつの大きな前進は1047名闘争です。鉄建公団訴訟の6・29東京地裁判決では、国鉄分割・民営化で起きたことが国家的不当労働行為だったこと、採用基準そのものが違法であったことを認めさせた。われわれが25年間、立ち向かってきた国鉄改革法の壁を打ち破る一歩手前まで来た。
動労千葉はなぜ、外注化との闘いにこれほどこだわってきたのか。国鉄分割・民営化をきっかけに1500万人もの労働者が非正規職に突き落とされました。労働者派遣法がつくられ、労働分野の規制が緩和されたから自動的に労働者が突き落とされたわけではない。現場での外注化・民営化攻撃に労働組合がすべて屈服し容認してきたからです。この攻撃をどこかで止めなければ闘う労働組合の復権なんて空論です。われわれは外注化阻止闘争を開始する時、自らの職場でこの流れを止めることを固く決意しました。
12年間の闘いに追い詰められたJR東日本と東労組カクマルが、しびれを切らせて10・1外注化強行に出てきました。しかし私は負けている気がしません。当局はガタガタです。東日本全体の検修職場から総反乱が始まっている。千葉では現場の助役まで反乱を始めている。この外注化が偽装請負、不法行為であり、行き着く先は安全崩壊であることを管理者も納得せざるをえないところまで暴いてきたからです。
この攻撃は10・1外注化では終わりません。数年のうちに全検修業務が外注化され、選択肢がない形で転籍を迫られる。徹底的に闘い続ける決意を、本大会で固めなければいけない。偽装請負追及の職場抵抗闘争に全力で立ち上がろう。
もう一点、訴えたい。外注化を止めるために新しい闘いに入ります。下請け会社の労働者を動労千葉に組織します。私は「できる」という確信を持っています。労働者にとって今、最大の問題は非正規職化です。本体と下請け、正規と非正規の労働者が本当にひとつになった闘いは日本にはない。これがなければ労働者の権利は守れません。
動労千葉は何度も「もう終わりだ」と言われてきました。ジェット燃料貨車輸送阻止闘争、動労本部からの分離独立闘争、そして国鉄分割・民営化反対闘争の時もそうでした。動労千葉は、繰り返しこういう状況を闘いぬき、団結をさらに強めてきました。これらの闘いを通して私は、労働組合というのは本当にすばらしいものだということを組合員のみなさんから教えてもらいました。
労働組合は単なる闘いの手段じゃない。労働者が弱いから団結しているだけでもない。労働組合として団結することで、労働者一人ひとりが人間として誇りをもって生きることができる。そこには社会を変える力さえある。労働者にとって労働組合とは単に手段や方法じゃなく、生きていくすべそのものです。
団結さえ崩さなければ新自由主義とも闘える。こんなもの矛盾だらけなんだから必ず粉砕できる。このことを動労千葉は外注化阻止闘争で示してきました。怒りの声は社会に満ちています。闘う労働組合を復権させたら必ず社会は動きます。
壁は厚く困難ですが、全組合員の力で本格的な組織拡大を実現しよう。これが実現できたら僕らは胸を張って「この道を進もう!」と訴えることができる。そのことを通して、この時代に立ち向かうことのできる闘う労働組合に新たに生まれ変わりたい。私自身、そう決意しています。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2554号2面2)(2012/10/01 )
国鉄1047名解雇撤回! 三つの裁判闘争に勝利を
JRの検修業務外注化を阻止する闘いが最高の決戦に突入する中で、国鉄1047名解雇撤回闘争も動労千葉鉄建公団訴訟の一審判決を機に、新たな飛躍の時を迎えている。国鉄分割・民営化以降、大首切り・非正規職化の攻撃が労働者階級を襲った。1047名闘争は外注化阻止決戦とともに、これと真正面から対決する闘いだ。11・4全国労働者総決起集会は1047名解雇撤回を柱のひとつに掲げている。国鉄闘争全国運動のさらなる発展をかけて11・4集会への大結集をかちとろう。1047名解雇撤回へ、三つの裁判闘争に勝利しよう。
画期的な地平開く 動労千葉鉄建公団訴訟
6月29日に東京地裁が出した動労千葉鉄建公団訴訟の一審判決(6・29判決)は、「(国鉄当局は)改革労協側の姿勢に触発されるなどして、動労千葉等、分割・民営化に反対する労働組合に所属する職員を不当に差別する目的、動機の下に、名簿不記載基準を策定した」「本件名簿不記載基準が策定されなければ、原告らは採用候補者名簿に記載され、その結果、JR東日本に採用されたはずである」と明確に認定した。
国鉄分割・民営化は、国鉄改革法に基づき強行された。国鉄改革法は国鉄とJRを「別法人」と規定したが、これはまさに虚構だ。国鉄がJRに移行した1987年4月1日午前0時にも、列車は間断なく運行されていた。「国鉄とJRは別法人」という仕組みは、「JRは職員を新規採用する」という建前で、国鉄労働者の首を切るための手段だった。
しかも、国鉄改革法23条は、JR社員の採用手続きを「国鉄による採用候補者名簿の作成」と「JR設立委員会による採用候補者名簿からの採用者の決定」の2段階に切断した。国鉄が採用候補者名簿作成の段階で動労千葉組合員を排除するなどの不当労働行為を行っても、その責任をJRには負わせない仕組みを作ったのだ。
採用候補者名簿作成の権限を手にした国鉄当局は、87年2月初頭、「6カ月以上または2回以上の停職処分を受けた者は名簿に載せない」という名簿不記載基準を策定した。これにより、85年11月と86年2月の分割・民営化反対ストを理由に停職処分を受けた動労千葉組合員が、採用候補者名簿から削除された。
もともとJR東日本、東海、西日本、四国の4社は、採用希望者が定員を下回っていた。だから国鉄当局は当初、4社については希望者全員を名簿に載せる方針だった。にもかかわらず名簿不記載基準が策定されたのは、分割・民営化を率先推進した改革労協(現JR総連)が「分割・民営化反対の不良職員を採用するな」と猛烈に国鉄当局を突き上げたからだ。これが今、外注化の手先となって立ち現れたJR総連の悪行の原点だ。
87年4月の国鉄分割・民営化に際し、国労、動労千葉、全動労の組合員など7628人がJR不採用とされて国鉄清算事業団に送られた。3年後の90年4月1日には、1047名が清算事業団からも解雇された。
動労千葉鉄建公団訴訟は、この90年解雇の撤回を求め、国鉄清算事業団を引き継ぐ鉄道運輸機構(前身は鉄建公団)を相手に、04年12月、動労千葉争議団9人によって起こされた。
国鉄分割・民営化による解雇を巡り、それ以前にも多くの裁判が争われてきた。国労、動労千葉、全動労はそれぞれ、組合員のJR不採用を不当労働行為として各地の労働委員会に申し立てた。動労千葉はこれと並行し、JRに雇用確認を求める裁判も展開した。
地労委や中労委は、JR不採用を不当労働行為と認め、被解雇者を採用せよとJRに命じた。だが、この命令の取り消しを要求してJR各社が起こした裁判で、裁判所は「国鉄が採用候補者名簿作成に際し不当労働行為をしたとしても、その責任はJRには及ばない」という反動判決を繰り返した。これは、03年12月22日の最高裁判決で司法判断として確定した。
また、後述する国労闘争団の鉄建公団訴訟判決は、名簿不記載基準を「それ自体は合理的」とし、停職処分者のJR不採用を全面的に容認、慰謝料請求すら棄却した。
このように国鉄改革法は解雇撤回闘争に立ちはだかる巨大な壁だった。
だが、動労千葉は名簿不記載基準を徹底的に追及した。09年12月には名簿作成の実務にかかわった伊藤嘉道JR高崎支社長を法廷に引き出し、動労千葉組合員らの名簿からの削除を指示したのは葛西敬之国鉄職員局次長(現JR東海会長)だったことを証言させた。
判決の論理破綻はあまりに明白
こうした闘いは、ついに国鉄改革法に風穴を開けたのだ。
他方で6・29判決は90年解雇を有効とし、JRに採用されていたら得られたはずの賃金分の損害賠償についても、「労働能力自体を喪失したわけではない」という理屈をつけて、わずか3年分しか認めなかった。この点では断じて許せない反動判決だ。
だが、判決の論理破綻は歴然としている。名簿不記載基準を不法行為と認定し、それがなければ動労千葉組合員はJR東日本に採用されていたと言うのであれば、解雇撤回・JR復帰が裁判の結論になるはずだ。
動労千葉の闘いは、解雇撤回・JR復帰へあと一歩のところまで敵を追いつめたのだ。
屈辱的な和解拒み 国労鉄道運輸機構訴訟
国労闘争団員の解雇撤回闘争は、JR資本や国家権力との闘いであると同時に、闘争を裏切る国労本部との激烈な闘いでもあった。
98年5月28日、東京地裁はJR不採用を不当労働行為と認定した労働委員会命令を取り消す反動判決を出した。それ以降、国労本部は急速に裏切りを深めた。00年5月には「JRに法的責任がないことを大会決定せよ」と迫る4党合意を受け入れて解雇撤回闘争を自ら解体しようとした。
これに反対する国労闘争団員は「闘う闘争団」を結成し、02年1月に旧国鉄を引き継ぐ鉄建公団を相手に90年解雇の撤回を求めて提訴した。さらに第2陣の国労闘争団員が、鉄建公団から改組された鉄道運輸機構に対し、04年11月に同様の訴訟を起こした。そのためこの裁判は鉄道運輸機構訴訟と呼ばれている。
動労千葉もこれに呼応して鉄建公団訴訟を起こし、全動労も損害賠償請求訴訟を起こす中で、組合を超えて1047名全体を統一する「1047連絡会」が06年2月に結成された。
他方、国労本部は、「闘う闘争団」に対する統制処分を策動した。02年5月27日の国労臨時大会に際して統制処分反対を訴えた組合員を警察権力に売り渡す暴挙にさえ手を染めた(5・27被告団は現在、上告審闘争を展開中)。
05年9月15日、国労闘争団による鉄建公団訴訟の一審判決が出された。判決は、北海道・九州の闘争団員については国鉄の不当労働行為により採用候補者名簿から排除されたことを認めながら、採用希望者が定員を上回っていた以上、名簿に記載されたとしてもJRに採用されたとは言えないとして、わずかな慰謝料しか認めない不当なものだった。90年解雇についても、国鉄改革法などを盾に有効と強弁した。
「闘う闘争団」幹部は、この判決を機に解雇撤回の旗を投げ捨て「政治解決」にのめり込んでいった。動労千葉を排除する一方、自分たちを統制処分にした国労本部とも結託して4者4団体を形成した。10年4月9日に民主党など4政党が政治解決案を示すと直ちに受け入れ、6月には最高裁で和解し、鉄建公団訴訟などを取り下げた。
だが、4人の国労闘争団員が和解を拒否し、動労千葉と連帯して裁判闘争を継続した。その一つが、秋田闘争団の小玉忠憲さんを原告とする鉄道運輸機構訴訟だ。
動労千葉訴訟の原告と同様、小玉さんも名簿不記載基準でJR不採用とされた。これが不当労働行為であることは明白だ。鉄道運輸機構訴訟の控訴審判決は10月11日に出される。論理的には解雇撤回の判決以外にありえない。だが、裁判所が控訴棄却の反動判決を狙っていることも間違いない。動労千葉訴訟と並び、この訴訟も判決を機に新たな段階に入る。
小玉さんとともに和解を拒否した羽廣憲さん(小倉闘争団)、成田昭雄さん(旭川闘争団)、石ア義徳さん(鳥栖闘争団)の鉄建公団訴訟は、11年6月の最高裁の上告棄却決定で、慰謝料のみという反動判決が確定した。だが、最高裁が何と言おうと、当該労働者があきらめない限り闘争は終わらない。3人はあくまで解雇撤回・JR復帰に向け闘い続けている。
裏切りの本部倒せ 国労組合員資格訴訟
4・9政治和解を強行した国労本部は、11年7月の全国大会で解雇撤回闘争の終結を宣言し、闘争団員から組合員資格を奪った。この暴挙に対し、和解を拒否した4闘争団員が11年11月、国労組合員であることの確認を求め、国労本部を相手に訴訟を起こした。
資本と闘い、被解雇者を守りぬくことは労働組合の使命だ。ところが国労本部は、「JRまたは関連会社と雇用関係があることが組合員資格の前提」と強弁している。だが、国労には、解雇された者は組合員資格を失うとされた公共企業体等労働関係法の規定と対決し、被解雇者を守りぬいてきた歴史がある。それをも全面否定する国労本部は、今やJR資本の手先に完全に転落した。検修外注化を巡っても、国労本部は資本の攻撃を推進する側に回っている。
この現実を覆し、本部を打倒して、国労を現場組合員の手に取り戻すために、国労組合員資格訴訟は闘いぬかれている。それはまた、1047名解雇撤回をあくまで貫徹するための闘いだ。
1047名解雇撤回闘争をあらためて階級闘争の軸に押し上げ、労働者全体を襲う解雇−非正規職化の攻撃と闘おう。1047名解雇撤回を掲げる11・4集会への大結集をかちとろう。
------------------------
国鉄1047名解雇撤回闘争の主な経過
1986.11.28 国鉄改革法などが成立
1987.2.2 鉄道労連(現JR総連)結成大会。国労・動労千葉組合員を採用するなと特別決議
この頃、国鉄が名簿不記載基準を策定
4.1 国鉄分割・民営化。JR発足
1990.4.1 国鉄清算事業団が1047名を解雇
1998.5.28 東京地裁が「JRに責任なし」の反動判決
2000.5.29 国労本部が4党合意受諾
2001.1.27 機動隊包囲下の国労大会で4党合意を強行決定
2002.1.28 国労闘争団の鉄建公団訴訟始まる
2003.12.22 最高裁が「JRに責任なし」の反動判決を確定
2004.11.30 国労闘争団の鉄道運輸機構訴訟始まる
2004.12.24 動労千葉の鉄建公団訴訟始まる
2005.9.15 鉄建公団訴訟の一審判決
2006.2.16 「1047連絡会」結成
9.16 4者4団体、鉄道運輸機構に提出した要求書から解雇撤回の項目を削除し屈服方針を明確化
2009.12.16 動労千葉鉄建公団訴訟で伊藤嘉道が証言
2010.4.9 4者4団体が政治和解案を受諾
6.13 国鉄闘争全国運動が発足
6.28 4者4団体が最高裁で和解
2011.6.7 和解を拒否した国労闘争団3人の鉄建公団訴訟で最高裁が上告棄却の反動決定
7.29 国労大会で闘争団員の組合員資格剥奪を決定
11.24 国労組合員資格確認訴訟始まる
2012.6.29 動労千葉鉄建公団訴訟の一審判決
----------------------
【要項】 鉄道運輸機構訴訟控訴審判決
10月11日(木)午後4時
東京高裁101号法廷
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2554号2面3)(2012/10/01 )
11・4で排外主義粉砕を
反戦共同行動委全国活動者会議 方針巡り活発な議論
■投稿/反戦共同行動委員会事務局長 北島邦彦
10・1JR外注化阻止決戦―11・4労働者集会の巨万決起へ向けて、反戦共同行動委員会全国活動者会議が9月22日に開催されました。全国労組交流センターを始めとする各団体、青森・広島・長崎など各地方からの参加を得て、活発な議論が交わされました。
私が基調を提起し、3・11情勢と世界大恐慌のもとでの「尖閣・竹島」の領土問題を契機にした排外主義と戦争挑発を新自由主義の最後の延命策としてとらえ、反戦共同行動委員会はこれといかに闘っていくのか、結成の立脚点を歴史的かつ路線的に整理しながら報告しました。労組交流センターを組織的・運動的軸芯にした反戦運動の構築という反戦共同行動委員会の階級的存在意義が、今ほど問われている時はないとの視点から報告・議論が行われたことは重要でした。
動労千葉からは外注化阻止決戦の死闘が具体的に報告され、青年労働者の主体的決起が集団的に開始されたことに、国鉄決戦に最終的決着をつける時がきたとの確信を深めました。
三里塚現地から、現下の情勢で三里塚闘争が健在であることの意義と市東孝雄さんの農地強奪を巡る闘いが正念場を迎えていること、その勝利のために10・7三里塚全国集会への結集が訴えられました。全学連委員長の斎藤郁真さんからは、全学連大会の大成功、とりわけ全国25大学から100人を超える参加をかちとった運動の成果を生かし、今秋反戦闘争の大爆発を学生が先頭になって切り開く決意が明らかにされました。
また、NAZEN事務局長の織田陽介さんから、10−11月の反原発闘争が抱えている課題と可能性についての提起があり、さまざまな反原発運動の状況を見据えつつ、「福島とつながる100万デモでいますぐ原発なくそう!」という闘いの方向性が出されました。
広島・長崎から8・6−8・9闘争の勝利的総括が、オスプレイ岩国闘争や地域における反核運動の組織的前進として報告されました。青森からは、日本帝国主義の死重と化している六ケ所核燃再処理工場と大間原発反対闘争の現状が報告された上で、青森・三八闘争と反戦反核ツアーへの参加が訴えられました。
討論の最大の課題として、領土問題を契機とする排外主義―戦争攻撃との闘いをどう構えるかが議論となり、国際連帯集会の11・4労働者集会の大結集をかちとろうと確認しました。情勢認識や闘争方針を巡って議論が活性化することは、反戦共同行動委員会のこれからにとって、きわめて重要な転機になることを確信できる全国活動者会議となりました。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2554号3面1)(2012/10/01 )
出向通知に反乱拡大
全JR職場から徹底抗戦を
動労千葉、動労水戸、動労連帯高崎の外注化阻止闘争は、JRの全職場を揺さぶっている。動労千葉は9月24日から連日、出向説明を拒否して指名ストに立ち、動労水戸も26日、時限ストを貫徹した。国労郡山工場支部や国労幕張電車区分会でも、強制出向の事前通知の受け取り拒否などの抵抗闘争が闘いぬかれた。外注化に対し、職場内外から大反撃をたたきつけよう。
「外注化と強制出向には絶対に納得できない」という怒りの声が激しく噴き出している。動労総連合の不屈の闘いは、今やJR東日本の全管内に波及した。
横浜支社の検修職場では、集団で強制出向の事前通知の受け取りを拒否し、苦情処理申告を提出する闘いが起きている。東京支社でも、団交中であることを理由に多数の労働者が事前通知の受け取りを拒んでいる。国鉄分割・民営化以来、まさに例のない情勢だ。
JRが外注化を強行すれば、職場は大混乱にたたき込まれ、業務が回らなくなることは避けられない。それでもJRは10・1外注化を強行しようとしているのだ。
以下、JR東日本の中枢をなす東京支社が7月24日に提案した外注化の具体的中身を暴露し、これと徹底抗戦することを訴える。東京で総反乱が巻き起これば、外注化は根本から破産する。
東京支社の提案内容は、別表の通りだ。
委託しない個所・業務として現段階で示されているのは、東京新幹線車両センターの信号、仕業検査、資材倉庫業務、尾久車両センターの交番検査、松戸車両センターの資材倉庫業務のみだ。これ以外の業務は全面的に外注化するとあからさまに言っているのだ。しかも、外注化しないとされている業務についても、東北縦貫線の開設など、その後の施策次第では外注化の対象となることも十分ありえる。
東京・横浜・八王子・大宮の4支社全体を見ると、@ほぼ本社提案通りが横浜支社、A4段階に分けた提案が東京支社、B構内計画が提案されていないのが八王子支社と大宮支社となっている。その上で、C4支社全体では10月1日の段階で19職場、延べ48職種、338人が外注化の対象とされている。
これは、断じて許すことのできない攻撃だ。青年労働者の反撃をとことん抑えつけ、労働組合の存立基盤さえ根こそぎ奪い、出向・転籍を労働者に強いようとJRはたくらんでいる。
だが、東京支社の提案に見られるように、外注化の実施時期を3〜4段階に分けていることに、JR資本の弱点・矛盾点がはっきりと示されている。JR東日本本社は「外注化の全社一斉実施」を打ち出したが、支社段階では「一斉実施」など不可能なのだ。
何よりも、外注化はそのすべてが偽装請負だ。これを突いて闘えば、必ず勝てる。
動労総連合に続き、全職場から立ち上がろう。安全を崩壊させ、労働者を非正規職に追い込み、青年の未来を奪う大攻撃に対し、団結を固め、職場から断固とした反撃に立とう。
注1 東京総合車両センター 東京総合車両センター(東京都品川区)は、車両工場の大井工場と車両基地の山手電車区を04年6月に併合。旧大井工場の地に造られた。
東エリアとは、旧山手電車区部分を指し、山手線で使用されるすべての電車、試験車、事業用車が配置され、定期検査、臨時修繕が行われている。
西エリアとは、旧大井工場部分を指す。国鉄時代から、東京地区の電車を専門に検修・改造が行われてきた。1871年発足の新橋工場がその前身。品川派出、赤羽派出、池袋派出を持つ。
注2 東北縦貫線 現在、上野駅止まりの宇都宮線・高崎線・常磐線を延長して東京駅までの乗り入れるためのもの。JR東日本は14年度完成予定で計画を進めている。
---------------------------------
東京支社の検修外注化提案
2012年10月1日実施予定
上野新幹線第二運転所,構内入換
松戸車両センター,構内入換、信号、誘導、仕業検査
同我孫子派出,構内入換、誘導、仕業検査
東京総合車両センター東エリア,仕業検査、資材倉庫
東京総合車両センター西エリア,構内車両移動入換、塗装
2013年4月1日実施予定
東京総合車両センター西エリア,ノントラ、パンタグラフ修繕、コンプレッサー修繕
2013年10月1日実施予定
池袋運輸区,構内計画、構内入換、誘導、仕業検査
下十条運転区,構内計画、誘導
蒲田電車区,構内計画、構内入換、仕業検査
東京総合車両センター東エリア,構内計画、構内入換
東京新幹線車両センター,構内計画
中野電車区,構内計画、構内入換、誘導、仕業検査
松戸車両センター,構内計画
同我孫子派出,構内計画
実施日未定(東北縦貫線など、その他施策の策定後に予定)
田端運転所,構内計画、構内入換、誘導、仕業検査、交番検査、資材倉庫
上野運転区,構内入換
田町車両センター,構内計画、構内入換、信号、誘導、仕業検査、交番検査、資材倉庫,尾久車両センター,仕業検査、資材倉庫,
委託しない個所と業務
東京新幹線車両センター,信号、仕業検査、資材倉庫
尾久車両センター,交番検査
松戸車両センター,資材倉庫
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2554号3面2)(2012/10/01 )
教育現場から民営化と闘い青年労働者の未来を開こう
11・4集会大結集の先頭に立つ
革共同教育労働者委員会
10・1検修業務外注化阻止決戦はついに職場から平成採の総反乱が始まる決定的な局面を押し開いた。JR職場での総反乱を号砲とし、労働運動全体の大分岐と流動をつくり出し、あらゆる職場から階級支配を根底から転覆する大攻勢に打って出よう。外注化阻止・非正規職撤廃を掲げた11・4全国労働者総決起集会に向けて革共同教育労働者委員会は先頭で闘う。
JR外注化阻止の闘いの爆発に続く
検修部門の外注化を強行すれば、JRの運転保安は崩壊する。すべての産別・職場で総非正規職化が進行し、労働者は生きていけなくなる。外注化阻止の闘いにすべての労働者の現在と未来がかかっている。
日本の非正規労働者は今や2500万人、その大半が青年労働者だ。新自由主義はすさまじい勢いで失業と非正規職化と貧困を拡大してきた。12年版経労委報告は「多くの労働者が自発的に非正規雇用を選択している」とうそぶいている。非正規になったのも失業したのも「自己責任」だと言うのだ。野田政権は「日本再生戦略」を閣議決定し、「10割非正規職化」を目指している。ふざけるのもいい加減にしろ! 労働者は資本の奴隷じゃない!
国鉄分割・民営化攻撃こそが、こんなとんでもない社会をつくり出したのだ。これを根底からひっくり返す闘いが外注化阻止決戦だ。社会の隅々にまではびこる外注化・非正規職化と偽装請負こそ新自由主義の核心であり、諸悪の根源だ。外注化絶対反対・非正規職撤廃で闘う労働組合を取り戻すことは全産別の課題であり、とりわけ子どもたちの未来に責任を取るべき教育労働者の正面課題だ。国鉄闘争全国運動を拡大しよう。
力関係変えた橋下打倒宣言
9月16日、大阪市役所前に全国から結集した910人の労働者は、声高らかに「大阪市長・橋下打倒」を宣言し、圧倒的注目の中で御堂筋デモを闘いぬいた。道州制・民営化=360万公務員労働者全員解雇・総非正規職化攻撃に対して、大阪市教組と大阪市職の労働者を先頭に労働組合の反撃が始まった。
「職員基本条例」や「政治活動規制条例」をもって体制内労組幹部を屈服させ、処分と解雇の脅しで民営化・首切りを進めようとした橋下のもくろみは、処分を受けた教育労働者と自治体労働者が市役所前に堂々と登場し、烈々たる「橋下打倒宣言」を発することで打ち砕かれた。大阪市職の青年労働者は「負ける気がしない。勝ちに行きましょう!」と解放感に満ちて発言した。教育労働者や自治体労働者が職場から決起すれば、必ず橋下を打倒できる。
何よりも重要なのは、当該労働者が処分・解雇の脅しに屈せずに職務命令への服従を拒んだだけでなく、仲間を鼓舞激励しながら職場の団結づくりに一切の総括軸を置いて闘いぬいたことだ。こうした闘いを地区党と産別委員会での徹底的な討論を通じて、時代認識と路線の一致をかちとってつくり出してきたのだ。
全員首切り攻撃と闘う職場の団結を
今春、大阪府・市の卒業式・入学式で「不起立3回で分限免職」の脅しを打ち破って37人もの教育労働者が断固たる不起立闘争に立ち上がった。
橋下は「公務員組合をのさばらせておくと国が破綻する」と公言し、府議会で公務員の大量首切りを可能とする「職員基本条例」「分限・懲戒条例」を成立させた。大阪市長になってから「労使関係に関する職員のアンケート調査」や「入れ墨調査」などの攻撃を矢継ぎ早にしかけ、労組幹部の屈従を引き出す一方、「労使関係条例」「政治活動制限条例」制定で民営化をめぐる団体交渉や民営化反対の宣伝活動までも規制しようとした。
教育現場では「君が代」条例による起立・斉唱の強制を、闘う教育労働者の排除、労組つぶしと職場支配権解体の突破口として位置づけた。橋下は「思想信条の自由に関する問題ではない。組織マネジメントの話」だと発言した。つまり行政権力に教育労働者を服従させることそのものが目的だったのだ。
問われたのは「橋下の新自由主義攻撃=首切り自由の労資関係のための暴力的組合破壊攻撃にいかに立ち向かい、職場に団結を取り戻して闘う組合をよみがえらせるのか」ということだった。
今春の大阪の闘いの歴史を画する意義は、まず一つに、「教育の民営化絶対反対=外注化阻止・非正規職撤廃の闘い」を教育労働運動の最大決戦基軸として打ち立てたことだ。10・1外注化阻止決戦と国鉄1047名解雇撤回闘争と一体となって闘う、新自由主義と対決する階級的教育労働運動の高みへと不起立闘争を押し上げた。
二つに、職場に団結を再形成して職場で闘い、その団結の力で階級的労働組合を復権することこそ、新自由主義攻撃を打ち破る道であることを明らかにしたことだ。“いじめ自殺”問題を契機に今、教育委員会(制度)、学校と教育労働者が激しくバッシングされている。だが、これまで新自由主義が生み出した社会的生活基盤の破壊と格差社会の現実、そのもとでの学校の競争主義教育と学校評価や人事評価による職場の分断と協働性の破壊、極限的な労働強化こそ問題の元凶だ。バラバラにされた人間的共同性=労働者の団結を奪い返していく教育労働者の闘争こそ回答だ。
三つに、「君が代」不起立不当処分撤回の人事委員会闘争を、橋下打倒闘争の結集軸として、大阪市教組に拠点をつくり出すために闘っていることだ。人事委闘争の内容においても「橋下による労働組合破壊・団結権侵害に対して団結権を行使して闘う」という主張を貫いている。
「一人の決起は必ず労働者全体の決起につながる」(9・16集会での関西地区生コン支部の高英男副委員長発言)。闘う労働組合再生の力で橋下を打倒しよう。
新自由主義を推進する労組幹部倒せ
大阪から始まった道州制・民営化攻撃は、「公務員労働者全員解雇・総非正規職化」への突破口として、これまでの新自由主義改革とは根本的に次元を異にするものだ。
新党「日本維新の会」が掲げる「維新八策」は、「道州制が最終形」「公務員の強固な身分保障の廃止」「憲法改正」を掲げている。第4項「教育改革」では「教育委員会制度の廃止」「教育バウチャー制度の導入」「大阪府・市の教育関連条例の法制化」「教職員組合活動の総点検」を打ち出している。7月の改定案では「公立学校教員の非公務員化」を打ち出していた。公立学校を民営化し、国鉄分割・民営化型の攻撃で教職員組合を徹底的に解体する狙いはむき出しだ。
労働者の生活と権利を破壊し、教育を崩壊させ、社会そのものを破壊するこの攻撃は、労働組合が率先協力することで成り立っている。労組の屈服と協力=連合・体制内労組幹部による労働者支配こそ、新自由主義攻撃の必須の構成要素であるとともに、決定的弱点だ。だからこそこの労組幹部の支配を食い破り、階級的労働組合を職場からよみがえらせられるかどうかに、労働者階級の未来はかかっている。
公務員労働組合・公務員労働者は今、昨年の国家公務員7・8%大幅賃下げに続いて、退職手当400万円削減の攻撃に直面している。これに同意したのは公務労協議長である日教組の加藤委員長だ。組合員の賃金の400万円もの一挙削減に反対すらしない公務労協幹部や日教組本部を打倒し、闘う組合を奪い返さなければ、労働者は生きていけない。「絶対反対」の声を上げ、職場から総反乱を始めよう。
400万円削減攻撃は公務員全員解雇・総非正規職化の始まりだ。神奈川では黒岩知事が「神奈川独立国」構想という名の道州制攻撃を打ち出し、「神奈川臨調と教育調査会」を立ち上げ、県有施設全廃や教職員人件費の大幅切り下げ・首切り合理化を画策している。東京では「2020年の東京」計画で外部委託化や民営化の徹底による定員削減・非正規化が打ち出され、「学校事務の共同実施」が進められようとしている。大阪を先頭に全国の教育現場から外注化阻止・非正規職撤廃の闘いを始めよう。
新自由主義の発祥地であるアメリカのシカゴで9月、シカゴ教職員組合が終身雇用解体・不安定雇用化に反対して25年ぶりのストに決起した。新自由主義攻撃はアメリカでも雇用・医療・保育・教育・年金などを徹底して破壊した。資本主義が一つの社会として成り立っていく前提も掘り崩す新自由主義は、世界中に労働者革命の土壌をつくり出している。闘う労働組合の国際連帯の力で新自由主義を打ち破ろう。
福島の子どもに甲状腺がんが発見され、検査した4万2千人のうち44%に結節・のう胞が発見された。通常は1%だ。子どもたちの内部被曝が深刻だ。新たな「安全」宣伝と「復興・帰村運動」が展開されている。
福島と連帯し社会変えよう
今すぐすべての原発を廃炉に! 全国の教育労働者に、NAZEN運動と福島診療所建設基金運動を押し広げよう。
福島の子どもたちは守らず、略奪した「固有の領土」は守れと叫び、沖縄にオスプレイ配備を強行し、戦争と改憲へ突き進む国家。ワーキングプア青年の「生きさせろ」の叫びが官邸前20万人の反原発の大衆的決起として爆発した。これは「もうこんな社会は変えよう」という労働者階級の総反乱の始まりだ。
青年労働者とともに職場から反乱をつくり出し、闘う労働組合をよみがえらせよう! 党と労働組合建設を一体的に推進し、青年労働者の未来に責任を取る強大な革命党を建設しよう。11・4集会を、闘う労働組合のネットワーク拡大大会にしよう。全国の教育労働者はその先頭に立とう。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2554号3面3)(2012/10/01 )
明け渡しはJRの外注化と一体だ
“橋下打倒まで闘い抜く”
大阪・八尾北労組が定期大会
10・1JR外注化阻止への白熱した攻防と一つになり、八尾北医療センター労働組合第12回定期大会を9月10日、八尾北待合室でかちとった。
大会は、労組とともに闘いを切り開いてきた仲間からの連帯のあいさつと激励のメッセージを受け、直ちに議案の提案に入った。
「総括」を灰垣美佐子書記長が、「情勢」と「方針」を藤木好枝委員長が提案した。(要旨別掲)
(写真 大会で橋下打倒を宣言。組織拡大で明け渡し裁判控訴審に勝利することを確認した【9月10日 八尾市】)
勝利の地平確認
大会は第一に、「私たちは、橋下−田中八尾市長による道州制・非正規化攻撃と最先頭で闘い、更地化・八尾北つぶし=廃院・全員解雇攻撃を打ち破る画期的な明け渡し裁判5・24勝利判決をかちとった。全国に、労働組合が団結すれば打ち破れると確信を与えている」とあらためてはっきりさせた。1998年の大阪府による同和診療所全面廃止=民営化攻撃に、2000年に労組を結成し、2010年、八尾市が「土地・建物を明け渡して出ていけ」と訴えてから2年、「闘っても勝てない」という体制内の勢力と激突しながら職場に絶対反対の団結をつくり出してきた。
住民追い出し攻撃と闘う部落解放同盟全国連西郡支部、八尾北命と健康を守る会とともに闘い、団結の拠点となってきた。そして国鉄闘争全国運動の拠点となって闘う労働組合をよみがえらせ、被災地の怒りとつながって全原発廃炉にと闘ってきた。この全結晶が5・24勝利の地平だ。そこから断固として控訴審闘争に突入すると宣言した。
橋下打倒を宣言
第二に、今、時代が動き始め、その核心が、「10・1JR外注化阻止! 非正規職撤廃!」の闘いだとはっきりさせた。社会の根本的変革まで続く闘いが始まっている。10・1外注化阻止は労働運動を塗り替え、歴史を塗り替える号砲だ。医療・福祉産別−八尾北つぶしとの闘いは、これと一体の民営化・外注化・非正規職化との闘いだと確認した。
第三に、八尾北・西郡闘争は、新自由主義の先兵である橋下と最先端で真っ向から激突する闘いだ。八尾北労組は、責任勢力として、9・16橋下打倒全国集会を闘いぬくと宣言、新たな闘う執行部を選出し(全員留任)、団結ガンバローで閉会した。
新たな激突開始
今大会は、八尾北労組が、5・24の勝利の地平で、労働運動全体に責任をとる闘いを前進させる出発点となった。9・16橋下打倒全国総決起集会で、実行委を代表して藤木委員長が基調報告者として登壇し、橋下打倒まで闘いぬくと宣言した。そして、八尾北労組の旗を高く掲げ、関西生コン支部、港合同、動労千葉とともに堂々と御堂筋デモを貫徹した。
この力で、9月2日、八尾北明け渡し裁判の控訴審闘争に突入した。大阪高裁での裁判はこの日で結審し、判決は12月13日午後1時15分に予定されている。さらなる激突が開始された。私たちは、労組大会で打ち立てた路線を貫き、組織拡大・団結の拡大で絶対に勝利する。
ともに10・1外注化阻止と11・4労働者集会の巨万の大結集に向かって闘おう。
(八尾北労組・青木麻季)
-------------------------
●委員長の提起
「反原発・野田倒せ」という社会の根本的変革まで続く闘いが始まっています。世界大恐慌下の3・11、誰もが生きぬくために必死で闘い、国家ぐるみのうそとペテンを見ぬきました。社会を根本から変えないと生きていけない、自分たちで声を上げ、自分たちで決めようという行動です。
野田を議長とする国家戦略会議は、10割を非正規にたたき込む狙いをあけすけにしました。この基軸、切っ先が10・1のJRの検査・修繕部門全面外注化です。日本労働運動史上かつてない外注化阻止・強制出向粉砕の闘いが始まっています。
外注化に伴う「偽装請負」「強制出向」「安全破壊」は、製造業はもとより自治体、教育、郵政、医療・福祉、交通運輸など全産別の労働者が直面している課題です。八尾北の明け渡し攻撃は民営化、外注化=非正規化そのものです。
これを打ち破る闘いは10・1を頂点に橋下との激突として始まっています。体制内の労組幹部が闘わずして屈服していることが橋下をのさばらせてきたのです。人生をかけ、絶対反対を貫くことが勝利する道です。勝利の地平を打ち固め、西郡の更地化を完全に粉砕する闘いに打って出よう。11・4全国労働者集会に結集しよう。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2554号3面4)(2012/10/01 )
“泥棒が裁判するな”
8・6処分撤回人事委 元教育次長を弾劾
2009年夏の官制研修(10年経験者研修)期間に年休を申請し、8・6ヒロシマ大行動に参加した広教組組合員に対する不当処分を撤回させる人事委員会闘争が続けられている。8月20日の第4回公開口頭審理には被処分者の倉澤憲司さんと代理人の広教組組合員ら計4人が審理に臨み、20人の労働者、学生、市民が傍聴に駆けつけた。
09年8月6日、倉澤さんは申請していた年休を認められず、校長から研修に参加するよう職務命令を受けた。倉澤さんは「年休権の侵害であり、8月6日に研修を入れること自体が不当」と職務命令を拒み、8・6ヒロシマ大行動に参加した。
これに対して広島県教委は倉澤さんに戒告処分を下した。倉澤さんは人事委員会に不服申し立てを行い、10年9月に審理が始まった。ところが、人事委員3人の中に不起立処分の張本人である林誠・元県教育次長が入っていた。倉澤さんは林委員の辞任を求めたが、人事委はこれを拒否し、審理は1年9カ月中断。その上で、ついに審理の再開を通告してきた。倉澤さんと「8・6処分を撤回させる会」は、審理の中で林委員を徹底弾劾し、処分の不当性を暴いていくことにして、8月20日の審理に臨んだ。
広教組青年部元副部長の平野綾子さんが証言に立ち、冒頭、林委員を「泥棒が裁判官をしているようなもの」と批判。官制研修が教育労働者を支配するためだけのものであり、とりわけ青年労働者に過重な負担をかけている実態を、自らも研修期間に流産した経験を語りながら暴いた。
決定的なのは、平野さんが青年部副部長だった06年の青年部との交渉で県教委が「20日間の研修のうち15日以上出れば修了」と説明していた事実だ。倉澤さんは研修を1日欠席したが、研修自体は修了している。倉澤さんが処分を受ける理由は一つもないのだ。
被爆2世である平野さんは、8月6日に官制研修を入れたことも弾劾した。倉澤さんの闘いをとおして、県教委は10年以降は8月6日に研修を入れることをやめた。その県教委が倉澤さんの処分だけは撤回しないのだ。
倉澤さんらは、被爆者の下田礼子さんの証言を要求している。人事委員会の早期結審策動を許さず、絶対認めさせよう。
次回審理は10月29日午後1時半から、広島県庁東館の人事委員会審理審問室で行われる。当時県教委の研修責任者だった諸藤証人への倉澤さん側の反対尋問だ。さらに攻勢をかけ、必ず勝利しよう。
(広島県労組交流センター教育労働者部会)
(写真 公開審理に臨む倉澤さんと代理人、支援者【8月20日 広島】)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2554号4面1)(2012/10/01 )
11・4総決起から11・11へ
職場から立ち上がり福島とつながる100万人デモを
みなさん! 野田政権の再スタートを前後して、原発をさらに再稼働させ、新規建設も核燃サイクルもすべて進める、一言で言って、フクシマの事態をなかったことにするような政策が一気に進められています。絶対に阻止しなければなりません。100万人規模の怒りのデモが必要だ! アジサイ革命に立ち上がった一人ひとりが、職場でもアジサイ革命を開始し、労働者が職場から立ち上がろう。11・4全国労働者総決起集会に集まり、闘う労働組合をつくり出そう。100万人のデモで野田を倒し、すべての原発をなくそう!
さらなる原発再稼働へと踏み切る野田政権倒せ
9月19日、民主党代表選を前に新宿駅西口の立会演説会に立った野田首相は、労働者民衆の弾劾の嵐にあった。「帰れ!」「人殺し!」「脱原発を後退させるな」「財界の顔ばかりうかがってるな!」――再スタート前から怒りに包まれている野田政権をもっともっと追いつめ、倒そう!
野田政権は同じ19日、「2030年代の稼働原発ゼロ」を盛り込んだ「革新的エネルギー・環境戦略」の閣議決定を見送った。15日には青森県知事との会談において、枝野経産大臣が「核燃料サイクルは引き続き進める」と宣言、建設中の大間原発、東京電力東通原発、島根原発3号機についても「経産省として設置、着工を許可した原発について変更することはない」と表明した。これは「電力はそもそも足りている」という議論を百歩譲って行ったとしても、「電力供給のための一時的な再稼働」という次元ではないことは明らかです。さらに原子力規制委員会の人事については、国会の同意がないまま首相が任命を強行、田中俊一ら原発推進派で固めて再稼働政策を進める体制をつくった。
福島第一原発事故。そして今も被曝を強制され続けている福島を始め全国の子どもたちや労働者の現状。収束作業員が命を奪われている許し難い現実。これらすべてをなかったことにし、3・11以前のように原子力政策を平然と戻し、原子力産業(マフィアだ!)を救済するということだ!
こんなことは絶対に許せない。何が「脱原発依存社会」だ。野田首相がペテン的な公約すら完全に投げ捨ててきたことに対して、今すぐ100万人規模のデモで永田町・霞が関を埋め尽くし、野田政権を倒すような闘いが必要です。
あらためて訴えたい。私たちが行うべきことは、国会内の茶番につきあうことではなく、茶番の国会そのもの、3・11に行き着いた政・官・財・司法・マスコミ・大学・労働組合幹部らの癒着と腐敗の社会構造のすべてに責任を取らせ、覆していくことです。
職場でアジサイ革命を!闘う労働組合つくろう
日本の国家が福島でやってきたことは何でしょうか。SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)の情報を隠して、福島の子どもたちや労働者民衆を平然と被曝させ、ついに甲状腺がんが発見されても、因果関係を認めず、避難させず、今も被曝を強制し続けている。この国家的殺人をやっている最大の犯罪人が、福島県放射線リスク管理アドバイザーである山下俊一・福島県立医大副学長です。
彼は「100_シーベルト以下の健康リスクは 明らかには証明されていない。……日本という国が崩壊しないよう導きたい。チェルノブイリ事故後、ウクライナでは健康影響を巡る訴訟が多発し、補償費用が国家予算を圧迫した。そうなった時の最終的な被害者は国民だ」(毎日新聞8・26付)とまで言い放った。
子どもの命も守れないで何が国家だ。そんな国家は崩壊して構わない。何よりもまず子どもたちを避難させろ! 私たちは、命という本当に譲れないものを守る要求から出発し、命を脅かすあらゆるものと闘います。
そして何より、こうした闘いの軸は私たち労働者民衆の直接行動にあるということです。昨年4月に万単位のデモが開始され、5・5稼働原発ゼロをかちとっていったあの感動を思い出してください。そして大飯原発3、4号機を再稼働させることをもって回答してきたことに対するアジサイ革命。首相官邸前のあの連帯感と解放感。誰がここまで原発をなくすリアリズムを生み出せると予想していたでしょうか。まだまだこれからです。茶番の国会のような3・11以前のあり方ではなく、私たちの行動にこそ、原発をなくすリアリズムがあるのです。
100万人が集まれば何ができるでしょうか。6月以来わが物顔でデモを弾圧し監視する国家権力を追いやり、全車線を埋め尽くし、あの連帯感と解放感をもう一度奪い返せる。首相官邸や国会の中、経産省を始めとした省庁、さらに裁判所、犯罪人の一人ひとりを引きずり出して牢屋(ろうや)にぶち込むような闘いができる。
原発をなくすリアリズムはどこから生まれるか
いかに100万人規模のデモをつくり出すのか。このことを今、真剣に議論することが必要です。鍵は私たちの職場にある。どんな職場にも、あの憎たらしい管理者がいて、私たちは安い賃金でモノのように扱われながらも働いています。この職場にもアジサイ革命が必要です。労働組合をつくる。職場から立ち上がり、100万人デモをやりましょう。
政府の「革新的エネルギー・環境戦略」の閣議決定見送りは、国家戦略会議への米倉弘昌経団連会長のボイコットを始め、財界の意思そのものです。そしてもうひとつ、古賀伸明連合会長が「30年代原発ゼロは乱暴だ」などと労働組合の名をもって口を出した。こうした構造を覆せるのは労働者だけです。
「労働組合の闘いが見えない時代」などということは事実に反しています。動労千葉や動労水戸などの労働組合は、JRの検査修繕・構内運転部門の他会社への丸投げ外注化に対しストライキを配置して闘っています。
「若者の2人に1人は非正規雇用」という現実は、ただ資本が暴利をむさぼるためだけに、安全コストを切り捨て、偽装請負を始め違法行為のオンパレードで進められてきました。「原子力ムラ」に巣くう腐った労働組合の幹部どもが、これに全面協力して、ともに暴利をむさぼってきたのです。絶対に許せない。
この外注化阻止の闘いの中でJRの青年労働者たちが闘う労働組合に結集し、他労組からスト破り拒否の闘いを巻き起こすなど、怒りの反乱を開始しています。
社会を実際に動かしているのは労働者です。だから労働者が立ち上がれば社会を変えることができるのです。原発労働者に被曝を強制し、その命を奪っておいて「原子力はクリーンで安価なエネルギー」などと言ううそだらけの社会は、労働者が立ち上がれば成り立たないのです。
問題は、職場にもアジサイ革命は起きるということです。本当に我慢は限界に来ている。そして首相官邸前に集まる私たち一人ひとりが労働者です。職場から声を上げよう。11・4労働者集会を成功させ、その地平から100万人デモの実現へ進撃しよう。
福島と共に闘い生きられる社会を求めて闘おう
最後に訴えたいことは、福島と向き合い、福島とともに闘い、生きられる社会を求めて闘おうということです。
福島では生きることが脅かされています。人間は一人では生きられず、仲間や家族、もしくは故郷や自然とともに生きています。これが今、福島で引き裂かれている。労働とは、ひとと自分の命を紡ぎあう素晴らしい行為のはずです。ところが原発で働く労働者は被曝労働という自己犠牲を強いられる。核(原発)と人類は相いれない。
この福島から、命を守りあうためにつながろう、団結しようと診療所建設が呼びかけられています。新自由主義という政策によって団結を奪われてきた私たちが、福島とともに、職場に、社会全体に団結を取り戻し、福島とともに生きられる社会をつくり出そう。
さようなら原発1000万人アクションが呼びかける10・13集会に集まろう。10月19日には青森核燃サイクルの地元でも集会が行われます。ぜひ全国から結集を! 職場から闘い、11・4労働者集会に集まろう! 福島とつながる11・11の100万人デモですべての原発いますぐなくそう!
〔織田陽介〕
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2554号4面2)(2012/10/01 )
9・25 原発推進の経団連弾劾!
緊急行動に1300人立つ
「原発推進の諸悪の根元は経団連だ。米倉が一番悪い。米倉が憎い! 経団連が憎い!」。都内から参加した女性は、そう言い切った。
9月25日午後6時から、首都圏反原発連合が呼びかけた経団連会館前抗議行動に、1300人が参加した。毎週金曜日の首相官邸・国会前をさらに上回る怒りが、千代田区大手町の経団連会館にたたきつけられた。多くの参加者が腹の底からの怒りを表明した。
「国民の8割以上が原発反対だ。原発や青森県六ケ所村の核燃料サイクルを進める経団連を俺たちは許さない!」「福島原発事故から1年半がたった。この1回の事故で国民のほとんどは気づいたんだ。二度と原発事故を起こしてはならない、そのために原発をなくさなければならないと。経団連はいろいろ言っているが、これまでのもうけをなくしたくないんだ」
アピールの合間にコールが繰り返された。「再稼働反対! 経団連解体! 電事連解体!」。若い女性が「こどもを被ばくさせるな!」のボードを高く掲げた。アピールがさらに続いた。「三井、三菱などの財界、そして経団連、何が再稼働だ。ふざけるな。福島県民の避難を考えるのが先だろう。この期に及んで原発ゼロを認めないなんて許せない!」
11・11国会へ
行動の最中にも仕事を終えた労働者が次々と集まった。経団連会館前は巨大な怒りの渦となった。40代の男性労働者は「首相官邸前の行動にも何度も行っています。原子力規制委員会が発足して、今までのような抗議行動では通用しない。きょうは今後の行動を占うものになると思い参加しました。財界は自分たちのもうけしか考えていない。経団連はなくしたほうがよい」と語った。
江戸川区にある職場から駆けつけた女性は「官邸前にも4回行きました。野田首相の『2030年代までに原発ゼロ』はペテンだと思ったが、経団連とアメリカの横やりで急展開して、それすらも投げ捨てた」と怒りをあらわにした。抗議行動とひとつになって福島県出身の女性が「ふくしま集団疎開裁判」のビラを通行人に配布。「命を犠牲にする原発はいらない!」と思いを語った。
午後8時、抗議行動を終了。呼びかけ団体が参加者数を1300人と報告し、歓声が上がった。さらに「経団連を解体しよう。労働者市民は絶対にあきらめない。原発をゼロにする。11月11日、100万人で国会前を占拠しよう」とまとめの提起があり、全員が拍手で応えた。
野田政権の「2030年代までに原発ゼロ」のうそには誰もだまされない。野田は打倒だ。他方で、正面突破で原発を推進しようというのが米倉と経団連、電力資本や原発メーカーの資本家どもだ。「原発推進」を叫んでいる連合本部もこいつらの仲間だ。資本家連中や連合本部の足元から闘いを始めよう。本物の闘う労働組合をよみがえらせ、その力ですべての原発をなくそう。11・4労働者集会、11・11国会前占拠に集まろう。
(写真 「米倉出てこい! 経団連解体!」――原子力産業の元締め・経団連に向けて怒りのつぶてが投げつけられた【9月25日 千代田区大手町】)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2554号4面3)(2012/10/01 )
福島各地で金曜日行動
“官邸前につながりたい!”
毎週金曜日に行われている首相官邸前行動にあわせて、福島県内各地で「原発反対」を訴える金曜日行動が次々始まっている。7月に郡山駅前で「原発いらない福島の女たち」の呼びかけで始まった金曜日行動を皮切りに、8月からは福島駅前、いわき駅前でも始まっている。今号では、9月14日の「福島駅前で声をあげよう」行動、21日の郡山駅前の「原発いらない金曜日in 郡山」を報道します(編集局)。
フクシマ返せ 9・14福島駅前
「福島駅前で声をあげよう」行動は、JR福島駅東口から通りを1本渡ってすぐの角で行われている。駅前の最も人通りの多い交差点だ。9月14日の金曜日午後6時、のぼり旗や横断幕、一人ひとりの手づくりのメッセージボードを掲げた人たちが並び、次々とマイクを回しながらアピールが始まった。
福島市の若い女性は訴えた。「こんな危険なところで子どもたちを生活させるのは、緩慢な殺人になる可能性さえあります。市も県も国も私たちのことをだまそうとしている。何も主張しなければ、私たちは見殺しにされかねません。子どもたちを守るのは大人の責任です。『私たちはだまされていない。怒っているんだ』ともっと声を上げていきましょう」
50代の女性は「原子力規制委の委員長になろうとしている田中俊一さんは、お米の全袋検査の機械の開発を妨害した人です。伊達市の除染の時、集まった人に『危険に見えるからマスクははずしてください』と言ってはずさせた人です。そんな人を委員長にさせてはなりません。しっかり声を上げましょう」とアピールした。
発言の合間にみんなで「原発いらない! 今すぐなくそう! 再稼働反対! 福島から声を上げよう! フクシマ返せ!
畑を返せ! 海を返せ!」とコールした。
20代の男性は「全国の原発を即停止、即廃止にすべきです。自分は3カ月前から活動し始めました。福島から怒りの声を上げて、首相官邸前行動とつながりたい。僕ら若者の未来は原発再稼働によって失われたも同然です。10年後、20年後の社会を担う僕らこそ、怒りの声を上げていきましょう」と訴えた。「来週金曜日もまた集まろう!」と呼びかけて、多くの住民の注目の中で7時に行動を終えた。
(写真 青年・女性が次々と「毎週金曜日、フクシマから声を上げ続けよう!」と訴え【9月14日 JR福島駅東口】)
地元から声を 9・21郡山駅前
郡山はJR郡山駅西口の人通りの多い噴水前の広場での行動だ。9月21日の金曜日、午後6時から1分間アピールが始まった。「原発いらない金曜日in郡山」や「原発いらない福島の女たち」ののぼり旗と横断幕が並び、メッセージボードを持った参加者がそれを取り巻いて輪をつくる。
郡山市の若い女性は「私はきょうが2回目の参加。パネルをつくって持って来ました。表はピンクで『NO Nukes』、シンプルに原発はいらない、です。裏はブルーで『Don’t Forget』。知り合いの女子高校生が『最近、福島が忘れられかけているんじゃないか。福島のことを忘れないでほしい』と訴えていたからです」と述べた。
田村市で長年、有機農業に取り組んできた女性は「福島でこれだけの被曝を受けているのに、まだ原発に頼ろうとする政治家ばかり。でも一人ひとりが自分の思いをいろいろな場所で発言していくことが世の中を変える力です」と呼びかけた。
ふくしま合同労組の女性労働者は「私たちは今、放射線管理区域並みの汚染地域に強制的に住まわされています。政府も県知事も命より金もうけ優先。日々命が削られている現実です。自分たちが生きていくために闘いましょう」と訴えた。
かんしょ踊りや歌の合唱など、歌あり踊りありのとても豊かな行動だ。
最後に、原発いらない福島の女たちの黒田節子さんの音頭で「再稼働反対! 子どもを守れ! 原発いらない! 命を返せ! 避難をさせて!」とコールを唱和し、「来週また一人が一人を呼んで参加しましょう」と訴えて行動を終えた。
終了後、黒田さんは「声を上げにくい現地だからこそ、なんとか声を上げたいと思い、金曜日行動を呼びかけました。とにかく山下俊一(福島県放射線健康リスク管理アドバイザー)が許せない。ものすごくやわらかい表情で『100_シーベルトまでは大丈夫』とにっこり。犯罪的なんてもんじゃない。殺人者です。郡山で始めたら福島駅前でも始まったし、いわき駅前でも一人からスタンディングを始めた。粘り強く行動し続けます」と力強く語った。
(写真 福島の女たち・黒田節子さんの音頭で「命を返せ! 子どもを守れ!」とコール【9月21日 JR郡山駅西口】)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2554号4面4)(2012/10/01 )
9・21文科省前 怒りの声、次々に
“子どもを避難させろ”
9月21日夕方から、首相官邸・国会議事堂前と霞が関一帯で、野田政権による原子力規制委員会の発足などの原発推進政策を弾劾し、伊方原発を始めとする再稼働に反対する闘いが行われた。首相官邸前の行動には法政大学文化連盟を先頭に全学連の学生も参加し、「再稼働を許さないぞ!」「原発労働者を守れ!」と声を上げた。
文科省前では午後5時から、ふくしま集団疎開裁判の会が抗議・宣伝活動を行った。10月1日に仙台高裁で行われる審尋(審理)に合わせて同日、仙台市内で行われる集会・デモへの参加を呼びかけるチラシを配布、「集団疎開を求める署名」も呼びかけられ、参加者が次々と応じた。
ふくしま集団疎開裁判の会代表の井上利男さんがマイクを握り、「11日に福島県は子どもの甲状腺検査結果を発表しました。去年の検査結果に比べて、今年検査された子どもたちの甲状腺異常の割合が36%から44%に跳ね上がっています。今年検査を受けた子どもたちの方が高いということは、深刻な事態がどんどん進行していることを意味します」と報告し、「もう時間がない。教育行政を預かる国家公務員としての良心があるならば、今すぐに動いて下さい」と強調した。
俳優の山本太郎さんは「放射線管理区域以上の放射線量のところに子どもたちが住んでること自体が異常だ。子どもたちの命と引き替えに経済を守ろうとする鬼が日本にはいる。一秒でも早く子どもたちを汚染地から出さなければならない。僕たちは声を上げることをやめない」と力の限り訴え、参加者とともに「避難をさせろ!」と文科省を糾弾した。
財務省前でも
午後6時、首相官邸前でアピールするために弁護団長の柳原敏夫弁護士と井上代表が出発。皆で「がんばれー」の声で見送った。司会の青年が「この国は根本からおかしい。声を上げよう!
音を出そう」と訴え、文科省を弾劾するコールが始まった。「今すぐ疎開!」「子どもを守れ!」。ドラムや太鼓の激しい音とコールがひとつになり、文科省前一帯に響き渡った。
抗議行動は、寸劇、一言メッセージ、歌とさまざまな企画が続き、弁護団から分かりやすい解説がなされた。「山下俊一が2000年に長崎県の子ども250人の甲状腺を検査した結果では、2人(0・8%)しか異常は発見されなかった。福島県の子どもの検査結果がどれくらい異常か明らかだ」「もっと驚くことに特に症状が悪い子どもに対して2次検査をし、まだ2割くらいの子どもしか済んでいないが、1人に甲状腺がんが発見されてしまった」と文科省を弾劾した。
文科省前での行動の後、ふくしま集団疎開裁判の会を先頭に首相官邸に近い財務省前まで移動、10時まで抗議・宣伝活動を続けた。
(写真 たくさんの人がマイクを握り「子どもたちを守ろう!」と必死に訴えた【9月21日 文科省前】)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2554号5面1)(2012/10/01 )
労働者の力で原発なくそう 11・4集会へ大結集を @
子ども3万人に甲状腺異変
福島県検討委 「放射能の影響なし」強弁
山下俊一が医療禁圧・人体実験 子どもたちを被曝から守れ
反原発闘争を労働者階級の力でさらに発展させよう。「原発なくせ」の声を11・4労働者集会へ。そのために4回の連載を始めます。
今福島で何が起きているか
9月11日、第8回福島県「県民健康管理調査」検討委員会が開かれ、福島市の18歳以下の子どもを対象に行われた12年度甲状腺1次検査の結果概要が公表された。(表1)
それによれば、検査を受けた43・7%の子どもたちの甲状腺に結節(しこり)や「のう胞」(液体がたまった袋)があることが判明した。11年度に行われた福島第一原発に近い周辺市町村(大熊町、富岡町、飯舘村など)の検査結果は35・8%で、今回はこれと比べて8ポイント増えている。年齢区分における甲状腺異変の割合は、0〜5歳が22%、6〜10歳が52%、11〜15歳が52%、16〜18歳が47%となっている。
一般的に子どもに甲状腺の結節や「のう胞」ができるのはきわめてまれであり、将来がん化するリスクが高いという(ドイツのデルテ・ジーデンドルフ医師)。そして、これまでの一般事例では「10歳前後の小児に『のう胞』が発見される割合は、0・5〜1%前後」(松崎道幸「ふくしま集団疎開裁判意見書」)なのである。
これに照らして見た時、原発事故後1年前後で、子ども8万人のうち40%にあたる3万2千人に甲状腺異変が見つかり始めたことは、大変な事態だ。
オーストラリアのヘレン・カルディコット医学博士は、「子どもたちが呼吸と飲食によって取り込んだ放射性ヨウ素による甲状腺被曝量が尋常でない高さであることは、疑いの余地がない」と指摘する。そして「多種多様ながんの発症を予測させるに十分な、非常に悪い前触れ」と危機感をもって訴えている。
原発事故で放射性ヨウ素以外にセシウムなど何百種類もの放射性核種が放出された。子どもたちに甲状腺の内部被曝が現認されたことは、これらの放射性核種が体内に入り、甲状腺だけでなくさまざまな臓器・組織に内部被曝を進行させていることを意味している。
子どもの健康にとってこのようなきわめて深刻な問題点が突き出されているにもかかわらず、検討委員会がなんら言及していないことは、犯罪以外のなにものでもない。これ以上の悪化を防ぐため、今すぐ子どもたちを避難させろ!
1人は甲状腺がんと判断!
また、この第8回検討委員会では、11年度甲状腺2次検査で、子ども1人に甲状腺がんが見つかったと報告された。
結節や「のう胞」が大きいB判定は11年度と12年度を合わせて計425人で、2次検査を受けた子どもは60人。そのうち結果が判明したのが38人で、その1人が甲状腺がんと判断されたのだ。3・11福島原発事故以来、福島の子どもの甲状腺がんの発生が明るみに出たのは初めてである。
これについて同委員会の鈴木眞一(福島医大教授)は、「チェルノブイリ事故でさえ甲状腺がんは発生まで最短で4年。事故後1年半しか経過していない福島県では、放射能の影響は考えられない」と、3・11福島原発事故でばらまかれた放射能が甲状腺がんの原因であることを否定した。
しかし、このチェルノブイリ原発事故の甲状腺発生4年説が事実でないことは、表2を見れば歴然としている。ベラルーシの子どもの甲状腺がん発生は、1986年に起きた事故の前は年あたり0〜2人だが、事故1年後の1987年には4人、その後5人、7人と増え続け、4年後から爆発的に急増している。1年後から放射能の影響がすでに出始めたと見るのが当たり前ではないか。
福島医大副学長で検討委員会座長の山下俊一は、3・11以前の2000年に「チェルノブイリ原発事故後の健康問題」という論文を発表している。その掲載表ですら「ベラルーシ共和国ゴメリ州における小児甲状腺がん登録」にも、事故前に1件だったのが1987年以降、4人、3人、6人と増え、4年後から急増している傾向が示されている。これには口を閉ざし、鈴木のでたらめなコメントを検討委の見解と肯定し、子どもの甲状腺がん発生と福島原発事故の因果関係を否定しさる山下のなんと卑劣で無責任なことか!
チェルノブイリの実相歪曲
さらに無視できないのが、チェルノブイリ事故直後から3年間は、ベラルーシを含む旧ソ連では被曝などの原発事故関連情報が完全に極秘扱いされていたことである。
ソ連保健省は1986年6月27日付で機密規則「U―2617C」を発令し、「事故のデータ、発生した疾患の予後、チェルノブイリ原発事故の除染作業に従事した労働者群の被曝線量に関するデータはすべて極秘」とした(核戦争防止国際医師会議ドイツ支部著『チェルノブイリ原発事故がもたらしたこれだけの人体被害』)。政府とKGB(ソ連国家保安委員会)は多数の機密規則を乱発し、医師たちには放射能に関連すると思われる症状をカルテに記入することを禁止したのだ。
最悪の事態を防ぐため最前線で働いた80万人といわれる労働者(リクビダートル)をはじめとした旧ソ連人民の最も重要な事故直後の被曝・健康被害実態は、ソ連スターリン主義によって隠滅され、ねつ造されたのである。だから事故の初期のデータをそのまま信用することはできない。事故から3年間の甲状腺がんの発生数はもっと多かった可能性が大きい。
山下を主犯とする検討委員会は、チェルノブイリ原発事故の被曝の実相をねじ曲げ、福島原発事故による健康被害を抹殺し、あるいはできるだけ小さく見せかけようと躍起になっている。今回、被曝線量などの甲状腺がんの詳しい情報を一切非公開にしたのも、同じ意図にほかならない。
診療所建設を実現し廃炉へ
「子どもは外で遊んでも大丈夫」などと大うそをついた山下俊一。福島県の幼稚園や小中学校に対し被曝線量設定基準を放射線管理区域の4倍の20_シーベルトに引き上げた文科省。このフクシマの怒りの的である両者をはじめ、ヒロシマ・ナガサキ、ビキニの被爆者の怒りの的である厚労省・放影研・放医研や、大飯原発再稼働強行の張本人の内閣府などが、健康管理調査検討委員会の構成メンバーとなっている。原子力ムラの連中が密集する検討委は、福島の子どもを被曝人体実験のモルモットにする核犯罪組織集団だ。
山下や同じく副学長の神谷研二ら御用学者が牛耳る福島医大は4月、「健康管理調査」の実施機関である放射線医学県民健康管理センター内に国際連携部門を設置した。そして5月には同大客員教授として、国際的な核推進機関であるIAEA(国際原子力機関)の「ヒューマンヘルス」部長のレティ・キース・チェムが就任した。
この布陣には、核を体制的支柱とする米帝・日帝の帝国主義強盗どもが、共謀して放射能による健康被害を隠蔽(いんぺい)し偽造し握りつぶし、核・原発政策を引き続き推進していく狙いがある。
核武装・原発利権にしがみつく野田政権は、大間原発、東通原発(東京電力)、島根原発の建設再開と六ケ所再処理工場・もんじゅの核燃サイクル続行を強行しようとしている。
これに対し、原発廃絶を求める巨万の労働者民衆が毎週金曜日に首相官邸前・国会周辺・霞が関に結集し、「再稼働反対!」「福島の子どもたちを救え!」と心の底からの叫びをあげ続けている。フクシマとつながり反原発闘争の100万決起をかちとろう。福島診療所建設の大運動をさらに前進させよう。外注化阻止・非正規職撤廃、反原発・反失業を闘う国際統一行動―11・4労働者集会へまっしぐらに突き進もう。
(河東耕二)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2554号5面2)(2012/10/01 )
「原発事故の責任とれ」
原子力学会大会に抗議
広島大生とNAZENなど
9月19日、この日から3日間広島大学東広島キャンパスで行われる日本原子力学会の「2012年秋の大会」に対し、広大生とNAZENヒロシマ、8・6ヒロシマ大行動実行委員会のメンバーが抗議行動に立ち上がりました。
福島原発事故後も原発推進の立場を変えず、核兵器開発のための核燃サイクルを進めている日本原子力学会に対して、被爆地ヒロシマで学ぶ学生、市民として絶対に許すことはできないという思いからです。
事前に打診したところ、学会長の野村茂雄氏(日本原子力研究開発機構出身)自らが申し入れ書を受け取るとの返答があり、申し入れ行動が野村学会長への追及の場となりました。(写真)
学生の代表が申し入れ書を読み上げたところ、まずもって「原発を今すぐなくして電気が足りなくなってもいいのか」というお決まりの文句が飛び出しました。こちらが、この夏を原発2基で乗り切ったことを指摘すると何も言えなくなり、沈黙。また「福島のような事故を二度と繰り返してはならない」というものの、「より安全性の高い原発を推進していく」「原発をやめるかどうかは政府が決めること」「学会としては専門的、科学技術的な観点からかかわっていく」という回答でした。国策に追随し福島原発事故を引き起こしたことへの反省も自己批判のかけらもない態度でした。
また、原発内での被曝労働について質問したところ、「労働者の被曝は徹底的に管理されるべき」「そのような提言を学会としても行ってきた」と言うだけで、その実施に一切責任をとるつもりはありません。労働者の命などなんとも思っていないのです。
参加者の怒りの追及は止まらず、15分の予定が30分間の追及行動となりました。後日、正式な文書で回答することを約束させました。
申し入れの後、学会参加者にビラまきを行いました。反応は上々でした。約200枚のビラが受け取られました。敵意むき出しの学会員もいれば、「自分も原発反対」と名刺を渡してくれる学会員も。最後に、会場である総合科学部講義棟に向けシュプレヒコールをあげて行動を終わりました。
私たち広大生および被爆地は、原子力ムラ・御用学者を絶対に許しません! この秋、福島の怒りとさらにつながり、御用学者山下・神谷教授追放の学生運動を全国の先頭で巻き起こし、反原発闘争の大発展をつくりだす決意です。
(広島大学・MF)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2554号5面3)(2012/10/01 )
伊方原発の再稼働阻止へ
自治体労働者先頭に職場と地域から大運動を起こそう
3号機再稼働を狙う野田政権
大飯原発の停止から全原発廃炉へ、今こそ福島の怒りと結びつき反原発の百万人決起を実現しよう。野田政権は、日帝ブルジョアジーと米帝の原発継続の意思に全面的に従い、ペテン的に掲げた「2030年代原発ゼロ」方針の閣議決定もとりやめた。結局、労働者階級人民と日帝支配階級は、どこまで行っても非和解なのだ。「脱原発基本法」が入り込む余地など一切ない。再稼働反対・全原発廃炉の要求と闘いは、原発・核を絶対的に必要とする帝国主義体制を打倒するプロレタリア革命によってしか貫徹できない。
いま決定的に求められているのは、10・1JR外注化阻止決戦の地平から階級的労働運動、労働組合の再生をかちとっていくことである。反原発闘争の巨大な高揚を11・4労働者集会の大結集・大成功に結実させよう。福島の怒りをともにし、「大飯原発停止・伊方再稼働阻止、全原発の即時廃炉!」を闘おう。
野田政権は9月19日に原子力規制委員会を発足させ、初代委員長に原発推進の田中俊一を就任させた。初代長官は前警視総監の池田克彦だ。マスコミでも「信頼回復にはほど遠い」「デモ規制に本領発揮」の人事と言われている「再稼働推進委員会」「再稼働推進庁」そのものだ。
そしてこの体制で四国電力伊方原発の再稼働へ突き進もうというのだ。すでに伊方3号機は3月末に大飯3、4号機に続いて「ストレステストの一次評価」が終了しており、まさに「伊方があぶない」状況だ。3号機は福島3号機と同じでMOX燃料を使い、猛毒のプルトニウムを大量にばらまくプルサーマル発電が導入されている。伊方原発こそ「地上に置かれた原爆」であり、再稼働など絶対に認められない。
愛媛県知事・中村時広は、大阪維新の会・橋下徹市長と「盟友」である。6月10日に「伊方原発を止める会」の呼びかけによる1300人の県庁包囲デモが行われた直後の6月18日、中村は「条件を整えた上で再稼働は必要」と表明した(それまでは「白紙」を強調)。橋下さながらに労働運動や大衆運動を恐怖し憎悪する中村の正体が露骨に現れている。再稼働阻止決戦は維新の会一派の中村知事を打倒する闘いそのものだ。闘う労働組合こそその先頭に立つ時だ!
「被曝労働絶対反対」で団結を
8・6ヒロシマ大行動集会で、愛媛県職労委員長の宇都宮理さんは「愛媛県職員労働組合は、労働者の被曝の犠牲の上に成り立つ原発を許すことはできません。動労水戸の労働者は『仲間を被曝させない』『自らの業務で住民を被曝させない』というストライキに立ち上がっています。これが労働組合の闘いだと思います」「新自由主義と対決し、9・16橋下打倒集会に集まりましょう」と発言した。
愛媛県職労は、動労千葉・国鉄全国運動とともに、「現業部門廃止=外注化絶対反対」の原則を貫いて闘っている。この闘いと一体で、中村知事・愛媛県当局に対して、「労働安全衛生の確保」という労働組合の当たり前の要求として、「原子力災害対策業務に関する申し入れ」を行った。
「組合は2月24日の団体交渉時に……私たちの労働安全衛生を守るために、伊方原発を廃止するよう改めて訴えた。▽組合要求 原子力安全対策業務においては、職員の労働安全衛生が守られることはなく、人体・生命に危険を及ぼす業務とならざるを得ないことからも、直ちに伊方原発を停止し順次廃炉にするよう、四国電力に要請すること」(3月6日付「県職通信」より)
この後も当局は3月27日に「危険な職務命令は絶対に行わない」という回答のみで、詳細をいっさい明確に回答せず(できず)、交渉は現在もなお組合の側から県当局を追い詰め、伊方原発の廃炉を求める行動となっている。
県の労働組合が「再稼働反対・廃炉」を求めて闘っていることが、中村知事にものすごい打撃を与えている。知事はひたすら交渉から逃げ続けている。愛媛県職労はこの交渉をバネにして、全原発の停止と廃炉へ闘う方針を決定し、3・11福島と伊方現地へ、さらに8・6ヒロシマ大行動に組合決定で取り組んだ。
資本・国家の側は「電気代が高騰し、大企業が海外に出ていって雇用が失われれば、最も困るのは労働者」という脅しとデマで労働者階級の分断を狙っている。それに対して労働組合は、「一人の労働者の被曝も絶対許さない」という立場に立ち切った時に、「原発絶対反対」を貫き、闘う団結をつくり出すことができる。特に、最大の被曝労働をやっている原発労働者と結びつくためには、「被曝労働絶対反対」を自分たちの職場で具体的な闘争として実現するために必死になって考え闘うことだ。動労水戸の「被曝労働強制反対のストライキ」に学んで、あらゆる職場から闘いを開始していこう。
公務員バッシングを打ち破れ
全国で百万規模の労働者階級が行動に立ち上がっている。非正規労働を強制されている多くの青年が反原発デモの先頭に立っている。この怒りの声と行動に、闘う労働組合が本当に結びついていく力が「被曝労働反対=非正規雇用撤廃」だ。労働組合が大挙して反原発デモの先頭で闘いを牽引(けんいん)する時、橋下や中村の「公務員バッシング」など一瞬にして粉砕される。
福島の怒りと結合したデモやストの発展・拡大こそが、全原発の廃炉を実現する最も現実的な力だ。自分たちの職場で闘い、団結を広げ、連合支配を打ち破って反原発闘争に総決起をつくり出し、「脱原発基本法案」運動を吹き飛ばそう。
階級的労働運動の大発展こそ
伊方原発反対闘争は、計画開始の1969年以来、地元で絶対反対で闘ってきた仲間と、3・11以降の運動が今結びつき、「保守王国」と言われてきた愛媛の中で闘いが確実に広がっている。6月10日の県庁包囲デモには1300人が結集し、県内では過去最大規模の行動をかちとった。毎月11日には伊方原発ゲート前で座り込み抗議行動が15〜70人で昨年6月から続けられている。さらに東京の行動に呼応して7月27日から、毎週金曜日に県庁前で再稼働反対の共同行動が50〜80人で取り組まれている。
さらにさまざまな労働者・市民団体が、地震問題、がれき受け入れ学習会などを企画し、交流が拡大している。こういった運動の中心に闘う労働組合が座ることで「資本のためには生活や生命などお構いなし」の原発政策=新自由主義を打倒する路線が確立できる。
一切の鍵は外注化阻止の国鉄決戦を巨大な突破口とする階級的労働運動の再生と発展だ。革共同愛媛県委員会は自治体や郵政などの拠点組合、拠点職場で「外注化阻止・非正規職撤廃・全原発廃炉」を掲げて「党と労働組合拠点の一体的建設」へ闘い抜いてきた。10・1外注化阻止決戦、さらに解雇撤回・JR復帰の新たな闘いの始まりは、新自由主義と闘って勝利する労働組合、階級的労働運動の無限の可能性を示し、現場で苦闘する全産別の労働者を続々と獲得していく展望を開いている。原発をなくす道も闘う労働組合の復権と階級的労働運動の前進の中にある。
11・4労働者集会の巨万の結集の組織化へ全力で闘おう。その力で愛媛の地に闘う労働組合を軸とした伊方原発再稼働阻止の広範な陣形をつくり出し、必ず勝利する。
〔革共同愛媛県委員会〕
(写真 6月10日に開かれた愛媛県庁包囲行動。1300人が伊方原発再稼働阻止を誓った【松山市】)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2554号5面4)(2012/10/01 )
9月18日〜24日
原子力規制委が発足/オスプレイ、国内初飛行
●柳条湖事件81年、100都市でデモ
「満州事変」の契機となった柳条湖事件から81年目、日本政府が釣魚台(尖閣諸島)を国有化したことに抗議して、中国の多数の都市で反日デモがあった。柳条湖事件の現場に近い遼寧省■(はん)陽の日本総領事館では、デモ隊の投石によって窓ガラス10枚以上が割られた。(18日)
●原子力規制委が発足 新たに原発の規制を担う原子力規制委員会が発足した。今後、新しい「安全基準」や事故が起きた場合の原子力防災指針などをつくる。(19日)
●核燃再処理工場が19回目の完成延期
日本原燃は、青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場の完成予定時期を今年10月から1年間延期すると同県に報告した。(19日)
●政府、オスプレイ安全宣言 森本敏防衛相と玄葉光一郎外相は、米軍が普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に配備予定の新型輸送機オスプレイについて、日本政府として国内で飛行を認める「安全宣言」を出した。これを受け、米軍は10月中に普天間飛行場で本格運用を始める見通し。(19日)
●F22に実弾装備 米軍嘉手納飛行場で、6カ月間の予定で配備されているステルス戦闘機F22Aラプター5機が千ポンド爆弾10発を搭載し離陸するのが確認された。19日にも爆弾を搭載し離陸するのが確認されている。F22が嘉手納に暫定配備された2007年以降、沖縄で実弾を搭載して飛行するのは初めてとみられる。(20日)
●オスプレイ、国内初飛行 米海兵隊は米軍岩国基地(山口県岩国市)に一時駐機させているオスプレイの準備飛行(試験飛行)を始めた。日本政府が出した「安全宣言」を受け、オスプレイが国内を飛ぶのは初めて。(21日)
●ムハンマド冒涜、デモ再燃 イスラム教の預言者ムハンマドを冒涜(ぼうとく)する米国発の映画に続き、フランスの雑誌が風刺画を掲載したことで、イスラム教の金曜礼拝日、世界各地で抗議デモが再燃した。(21日)
●「30年代原発ゼロ」を連合会長が批判 連合の古賀伸明会長は、2030年代までに原発ゼロを可能にするとした政府の「革新的エネルギー・環境戦略」について、「(目標時期を)デジタル的に書き込むのは少し乱暴」と批判した。(21日)
●島の奪還を想定、日米が上陸訓練
陸上自衛隊と米海兵隊は、米領グアムで、敵に占拠された島の奪還を想定した共同の上陸作戦訓練をした。訓練は離島の防衛などを想定して8月下旬から始まり、陸自から約40人、米海兵隊からは沖縄を拠点とする約2200人の部隊が参加している。(22日)
●原子力規制委員会、「ストレステスト不採用」 原子力規制委員会の田中俊一委員長がインタビューに応じ、再稼働に向けた原発の安全性の判断に関し、「規制委の判断基準として安全評価(ストレステスト)を採用しない」と述べ、安全評価の結果は審査せず、今後10カ月以内に定める新たな安全基準に基づいて判断する方針を示した。(24日)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2554号6面1)(2012/10/01 )
「領土」での分断うち破り11月へ
動労千葉と民主労総の交流10年
新自由主義と闘う国際連帯
山中 豪
動労千葉と韓国の民主労総ソウル本部との連帯交流が10年目を迎えた。世界最強の労働組合といわれる民主労総との国際連帯は、大恐慌の危機にのたうつ国際帝国主義の新自由主義攻撃と対決する決定的環だ。非正規職撤廃の闘いは今や世界の労働者の共通の課題であり、今秋「外注化阻止・非正規職撤廃!」を中心スローガンに掲げて開催される11・4全国労働者総決起集会を文字どおりの世界労働者大会としてかちとることが求められている。1987年労働者大闘争以来の民主労総の闘いの歴史を振り返り、日韓労働者の国際連帯の展望を明らかにする。
(写真 2010年11月に25日間の工場占拠ストライキを闘った現代自動車非正規職労組。横断幕には「同志たちの闘いは890万非正規職労働者たちの希望だ!」と書かれている)
87年労働者大闘争から
1980年代半ば、軍事独裁政権の圧制に対し「大統領直接選挙制改憲」要求に基づく民衆・学生の民主化闘争が高揚した。それへの超反動攻勢の中で87年1月に学生活動家の拷問致死事件を引き起こした全斗煥(チョンドファン)政権が、4月に直選制を拒否する「護憲措置」を発表。5月に在野勢力は「民主憲法獲得国民運動本部」を結成し、6月には全国34市、4郡以上の地域で500万人以上がデモに参加し、6月23日の平和大行進で民主化要求闘争は頂点に達した。この「6月民衆抗争」は全斗煥の後継者である盧泰愚(ノテウ)が「6・29宣言」で大統領直接選挙を受け入れたことで、急速に収束していった。
こうした局面で登場したのが労働者の隊列だった。87年7月5日、蔚山(ウルサン)の現代エンジン労組の結成で火がついた労働者大闘争は、9月4日に九つのスト現場に公権力が投入されて小康状態に至るまで、3300あまりの工場で全労働者の3分の1を超える労働者をストの隊列に結集させ、闘争の組織的な成果として1300あまりの新規労組が結成された。この87年労働者大闘争は民主労組運動を階級闘争の主軸に押し上げ、労働者にとって最も重要な闘争手段である大衆ストを定着させた。これらのストは地域と業種を合わせた全国的な連帯闘争に発展し、「労働者階級の全国的団結」「民主労組の総団結」「1千万労働者の総団結」を旗印として展開された。闘争の成果で組織を建設し、工場占拠ストとそれに基づく街頭闘争へ発展することが闘争様式となった。
87年労働者大闘争は、御用労組である韓国労総によって支配されてきた労資関係を変化させた。朝鮮戦争以後に展開されてきた在野勢力・学生運動主導の社会運動に代わって、労働運動が階級闘争を主導する出発点をなした。その意味で労働運動の一つの頂点となった闘いだった。
87年労働者大闘争は、労働組合の強力な部隊の形成が希求されていた80年光州蜂起の血のにじむ総括と、80年代前半の「社会構成体論争」によって準備された。(社会構成体論争とは、韓国社会を「半植民地半封建社会」と規定したいわゆるNL系と「新植民地主義国家独占資本主義」と規定したPD系、現場派・中央派系列の論争)
同時に、70年11月13日に「労働者も人間だ」「労働基準法を守れ」と叫んで焚身(ふんしん)したチョンテイル烈士の闘いから始まった民主労組運動がついにかちとった階級の首座であった。
360万人の政治ゼネスト
民主労組運動のいまひとつの頂点をなした闘いが96〜97年ゼネストである。
金泳三(キムヨンサム)政権は、95年に設立された民主労総の体制内的取り込みを図り、韓国労総との賃金をめぐる「社会的合意」を演出しようとしたが失敗し、民主労総との取り引きも挫折し、ついに96年12月26日、整理解雇制導入を中心とする改悪労働法と国家安全企画部法を抜き打ち通過させた。この攻撃は「労働柔軟化」と称する民主労組破壊に死活をかけた韓国資本主義の大攻撃だった。
民主労総は12・26抜き打ち通過に抗議し、ただちにゼネストに突入した。年をまたいで40日余りにわたって展開されたゼネストは、3206労組、のべ359万7011人が参加した朝鮮戦争以後最大の政治ゼネストだった。
これは、整理解雇制に対する労働者全体の怒りが団結を組織したこと、87年以降維持されてきた大衆闘争の経験、民主労総というナショナルセンターの存在と、大工場の労働組合の主力部隊の存在があったからとも言える。しかし97年1月16日、民主労総指導部が「柔軟な戦術」として水曜ストに戦術転換してからは闘争の主導権を失い、結局3月国会での労働法改定案の通過にとどまった。
97経済危機とIMF管理下で生存権死守
97年アジア通貨危機によりIMF管理下に入ったことを契機に金大中(キムデジュン)政権は新自由主義構造調整攻撃を全面化させた。「国難」イデオロギーを振りかざした労働者人民への犠牲転嫁とともに、労働界には労使政委員会への参加を呼びかけた。この「社会的合意」と称する民主労総の体制内取り込み攻撃に民主労総指導部は十分に対処できず、ついには98年2月に整理解雇制に合意し、実施を先送りさせていた整理解雇制の即時導入へと道を開いてしまった。
さらに2002年2月25日に始まった公企業民営化反対の鉄道・ガス・発電ストライキ、とりわけ1カ月以上にわたった発電ストへの事後弾圧によって後退を強いられる。新自由主義構造調整や「労働柔軟化」とは、整理解雇と非正規職化――公共部門の民営化と製造業(特に金属産別)での非正規職化と整理解雇攻撃であり、これに対し、議会主義的な政治勢力化を追求する民主労総指導部と現場労働者との乖離(かいり)が生じ始めた。
他方では、現場労働者の闘いは、98年現代自動車整理解雇阻止スト闘争と10月マンド機械労組スト、99年4月のソウル地下鉄スト、10月のハルラ重工業労組のスト、2000年3〜4月の自動車3労組の連帯ストと6〜8月のロッテホテル労働者闘争、8月の社会保険労働者闘争、12月の金融労働者のスト、韓国通信(KT)労働者スト、01年2月の大宇自動車整理解雇阻止スト、02年の韓国電力労働者の民営化阻止闘争、03年1〜3月のペダルホ烈士焚身対策闘争、2月以降の全教組の教育開放化反対闘争、4月の鉄道労働者民営化阻止闘争、5月の貨物連帯労働者の闘争、7月の鉄道労組のスト、金属労働者や病院労働者の闘争など、その闘争力と粘り強さは、まさに世界最強の労働組合だった。
こうした中で2000年以降、新自由主義構造調整攻撃の最大の被害者であり、未組織であった非正規職労働者が自ら民主労働組合を組織し、生存権死守をかけて闘い始めた。00年のイーランド闘争や韓国通信契約職闘争、03年の現代牙山(アサン)の非正規職の闘争などがそれだ。
大恐慌と対決し新地平
08年リーマンショックを始まりに世界大恐慌に突入した情勢下で、09年7−8月サンヨン自動車労組が77日間の工場占拠ストを闘いぬいた。この闘いは10年11月の現代自動車非正規職労組の25日間のウルサン本社工場占拠スト、11年1月に開始された韓進重工業労働者の85号クレーン籠城(ろうじょう)占拠闘争として継承された。
この韓進重工業の闘いは「希望バス」という大衆的大運動に発展し、11年11月、309日間の高空籠城を続けた民主労総釜山(プサン)本部キムジンスク指導委員は、「勝利して自分の足で降りていく」との宣言どおり資本に整理解雇撤回を表明させて地上に降り立った。
この08年以降の闘いは、世界大恐慌と真正面から闘いぬく新たな労働運動の局面を切り開いた。それはエジプトやギリシャ、スペインなど世界各地でのゼネスト決起に呼応し連帯する闘いであり、民主労組運動の新たな展望を開く闘いとなった。
この闘いを継承したものこそ、今年7月からの5次にわたった金属労組のゼネストだ。これに対してイミョンバク政権と資本家どもは、第2次ゼネスト直後にマンドやSJMなどの自動車部品製造会社で闘う労働者に暴力で襲いかかり、職場閉鎖と労組脱退強要・第2組合デッチあげなど卑劣な手段で労組破壊に血道を上げたのだ。
これに対し金属労組は「総資本対総労働の対決」として10万人を超える3波のゼネストで対決したのだ。
新自由主義攻撃との闘いの最大の焦点は、金属を中心とする製造業(現代自動車やサムソン電子などの輸出産業)での非正規職化粉砕、整理解雇撤回の闘いと、KTX(韓国高速鉄道)民営化阻止をはじめとする公共部門(学校・病院・公務員職場など)での民営化・非正規職化阻止の闘いだ。すでに大学非正規職労働者の組合やソウル大病院の非正規組合などが相ついで設立され、団結した闘いが取り組まれている。鉄道労組は度重なる懲戒解雇攻撃にもひるまず民営化阻止に立ち上がっている。
イミョンバク政権と資本は、民主労総を体制内化し、民主労組運動を解体しなければもはや一歩も進むことはできない。今や階級情勢を主導しているのは労働者階級だ。
外注化・非正規職撤廃へ
8月10日、イミョンバクが現職大統領としては初めて独島(トクト、竹島)を訪問し、12月大統領選への起死回生のパフォーマンスに打って出た。この日は、金属労組が▲深夜労働撤廃▲非正規職の正規職化▲労働弾圧糾弾などを掲げた第3次ゼネストに立ち上がった、まさにその日だった。10万人規模のゼネストを前に震え上がったイミョンバクは、自らの体制的危機を排外主義・国家主義でのりきろうと領土問題に飛びついたのである。
しかし現在、日韓、日中間で激化する領土問題をめぐる対立の根底には、深まる世界大恐慌下、新自由主義のどん詰まりの危機にあえぐ米日帝国主義の戦争衝動が横たわっている。
日帝・野田政権は9月11日、釣魚台(尖閣諸島)を「国有化」するに至った。これはまず第一に、米帝の新軍事戦略に対応した対中対峙・対決と戦争・改憲の攻撃であり、日米安保同盟の強化、沖縄闘争圧殺の攻撃としてある。
第二に、そもそも日帝が「尖閣諸島」や「竹島」を「わが国固有の領土」と主張していること自体が、朝鮮・中国への侵略戦争の過程で領土に編入したことを論拠とするもので、歴史的正当性など1ミリもない。盗人たけだけしいとはこのことだ。
そして第三に、世界単一の革命的階級であるプロレタリアートには、もともと領土も国境も存在しないのである。ブルジョア民族国家の形成過程で生まれた国家・国境・領土などの概念は、労働者人民を分断し、団結を破壊するものでもある。排外主義・国家主義の扇動によって国内の階級闘争を圧殺し、国外への侵略戦争へと駆り立てる常套(じょうとう)手段なのだ。
であれば第四に、「万国のプロレタリア」の任務は、階級的労働運動の前進と労働者階級の国際連帯の強化で「領土問題」と戦争・排外主義攻撃を打ち破り、プロレタリア世界革命へ断固突き進むことだ。
2010年11月23日の韓国・延坪島(ヨンピョンド)で起こった北朝鮮との砲撃戦に際し、工場占拠ストを闘っていた労働者は「戦争は延坪島で起こっているのではなく、ここ蔚山で、現代自動車資本と非正規職労働者の間で起こっているのだ」と宣言した。そして今、中国の労働者たちが「人権がなければ、国土面積が増えても、奴隷労働の土地が増えるにすぎない。公平がなければ、経済発展が進んでも搾取の苦難が増すだけだ」「自分の家を(中国政府の強制収用から)守りぬくことさえできないのに、小島の主権を守ろうとする。みんなは利用されており、それをまだ『愛国』だと思っている」(中国版ツイッター)という声を上げている。民族排外主義の立場をのりこえ、階級的立場で領土問題に対応する勢力が登場しているのだ。
新自由主義は世界中に労働者階級を生み出した。日本・韓国・中国の労働者の国際連帯で「領土」をめぐる戦争・排外主義攻撃を打ち破り、ひとつの階級として合流しよう!
10・1外注化阻止を闘う動労千葉先頭に
動労千葉、動労水戸、動労総連合は10月1日の検修・構内業務の外注化を阻止する闘いに死力を尽くして決起している。この闘いは外注会社への出向を拒否し、非正規化を阻止する労働者としての魂と存在をかけた闘いだ。だからこそ、世界の労働者への新自由主義攻撃、非正規職化攻撃に対決する闘いそのものであり、国際連帯闘争そのものなのだ。
動労千葉の国際連帯の闘いは、労働者が自らの職場で原則的に徹底的に資本と闘うことから始まった。動労千葉は執行部と現場が一体になって闘っている。民主労総の多くの同志たちが毎年11月労働者集会に日韓交流・連帯を求めて来日するのは、動労千葉が国鉄分割・民営化とストライキで闘い、1047名解雇撤回闘争を原則を曲げることなく闘いぬいているからだ。
10・1外注化阻止を貫く動労千葉、動労水戸を先頭に11・4労働者集会の大結集をかちとろう! フクシマの怒り、沖縄の怒りと結び、反原発・反失業の国際統一行動として、民主労総ソウル本部とともに東京・日比谷野外音楽堂に総結集しよう!
------------------
民主労総創立までの歴史
▼1987年6月 民主化抗争
▼1987年7〜9月 労働者大闘争
▼8月 現代グループ組合協議会(現労協)結成。現労協は90年に現代グループ労働組合連合(現総連)へ発展
▼11月 全国事務金融組合連盟結成。以後、88年までに病院、貨物、言論、出版、建設、専門技術など13業種で業種別組合協議会が結成された。690労組、17万組合員に
▼12月 地域別組合協議会(地労協)結成。以後、89年11月までに16地域、630労組26万組合員が参加
▼1988年6月 全国労働運動団体協議会(労運協)結成
▼11月13日 5万余名で「チョンテイル精神継承および労働悪法改定のための全国労働者大会」開催
▼12月 地域、業種別全国会議(全国会議)を16地労協、4業種、20万余の組合員参加で結成
▼1989年5月28日 全国教職員組合(全教)結成。ノテウ政権は1500人余の加入教師全員に対し解職弾圧
▼1990年1月22日 全国労働組合協議会(全労協)結成。自主性、民主性、連帯性、階級性、闘争性、変革志向性を基本原則とし産別労組建設を組織戦略として宣言。全労協脱退を拒否していた韓進重工業労組パクチャンス委員長が監獄で疑問死
▼1990年5月4日 全労協は、現代重工業労組ゴリアテストとKBSスト支持で146事業場、12万人ゼネスト
▼1993年6月 ILOに加入し全労協を全国労働組合代表者会議に改編
▼1995年11月11日 全国労働組合総連盟(民主労総)創立。862単組、42万組合員のナショナルセンター誕生
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2554号6面2)(2012/10/01 )
国際労働運動 11月号
11・4集会への訴え
世界大恐慌の激化と新自由主義の絶望的凶暴化のもと、脱落日帝の新たな領土略奪、戦争・排外主義攻撃として独島(竹島)と釣魚台(尖閣諸島)問題が噴き出している。中国では反日デモ、韓国でも抗議行動、日本では右翼・マスコミの排外主義・国家主義の煽動が巻き起こっている。これに対する労働者階級の立場は日中韓の労働者の国際連帯で排外主義を打ち破ることにある。その土台は、03年から始まった動労千葉と韓国・民主労総との10年にわたる日韓連帯で粘り強く形成されてきた。
第1章は、民主労総の8・29ゼネスト。韓国資本の生き残りをかけた民主労組に対する暴力的破壊攻撃と非正規職化攻撃に対し金属労組ゼネストを経て8・29ゼネストが労働者の生存をかけた決起として闘い取られた。
第2章は、民主労総を柱とする韓国労働運動の歴史と総括。民主労総創立以来の闘いの総括と労働者の「政治勢力化」の課題に踏み込んだ提起がされている。
第3章は、「領土」問題への労働者階級の階級的立場を丁寧に提起している。日帝の領土略奪を弾劾すると同時に、労働者階級の敵は資本であり、「国家」であること。労働者の国際連帯で排外主義と戦争を打ち破ろうと訴えている。11・4労働者国際連帯集会への熱烈なアピールである。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2554号7面1)(2012/10/01 )
巨万労働者と結ぶ機関紙拡大で国鉄・反原発決戦に勝利しよう
前進経営局からの訴え
JR外注化阻止・国鉄決戦が正念場を迎え、霞が関一帯に数万、数十万人の「再稼働反対、全原発廃炉へ」の叫びがとどろく中、『前進』がいかなる重大な使命を担っているかは明白である。この始まった流動を、野田政権打倒、日帝打倒の巨万の労働者人民総決起へと発展させ、プロレタリア革命勝利へと進む道筋を明瞭に指し示すことである。三つの問題意識を提起したい。@10万〜20万決起に機関紙が「追いつく」ことが真に求められる。A夏季特別号を機関紙活動論として読み解き活用する。B今年1〜6月の機関紙拡大闘争は、職場で新自由主義攻撃と必死に闘いぬいたが、結果として部数は横ばいだった。党の変革、機関紙の変革が求められている。困難と苦闘の教訓を飛躍に変え、機関紙拡大に全力で取り組もう。
12年前半を総括し機関紙活動飛躍を
3・11―東日本大震災と福島原発事故は、それまでわれわれが積み重ねてきた党活動、機関紙活動にもとてつもない衝撃をもたらした。そして大災害から不屈に立ち上がる労働者・労働組合、反原発の闘いの中から帝国主義の支配と抑圧に怒りをたぎらせて決起した福島の人民(労働者、農民、女性・母親)との連帯が進むにつれ、『前進』の果たすべき役割は、原則的でありかつ巨大な飛躍が求められていることが痛感された。
階級的労働運動の前進を支える機関紙、党と労働組合の一体的建設の環としての機関紙活動が求められていることが鮮明になった。2012年前半決戦と機関紙活動を総括し、機関紙の大改革を実現し、後半決戦の拡大闘争に取り組もう。
党と労働運動の一体的前進
党の中央委員会と細胞建設は〈相互浸透と一体化>のもとで闘われている。これは「党の革命」以降の実践の中でつかみ取ってきたスターリン主義をのりこえる前人未到の組織建設論である。
中央委員会はそれだけで独立した存在ではなく、細胞と結合しなければ一日も維持できない。また、細胞は、職場では党を代表し、全国的=普遍的な水準で闘わなければ勝利できない。細胞が中央(全国)に集中され、深化した内容で、中央の立場に立って労働者を組織することである。この相互獲得性、相互浸透性こそ、党を建設し、階級的労働運動を推進する力である。
地区党は、中央委員会と細胞の一体的建設論のもとで、地区党指導部の中軸に現場の階級的指導部が位置する闘いとして前進し、本格的な地区党建設の出発点となった。地区党は、党・労働組合・ソビエトの中軸である。地区党は、労働者階級の階級意識の最高の結集体である。したがって、時代認識と路線の一致をとことん求める。
階級的労働運動は、連合派、体制内派を打倒し組合権力を奪取する段階に入った。労働者階級の階級性に依拠し、階級的団結を取り戻す闘いであり、勝利できる闘いだ。
こうした党と労働運動の一体的前進をかちとる環に機関紙活動がある。
宣伝・扇動戦での真剣勝負
今年前半期、日本階級闘争は大恐慌、3・11情勢と闘い、戦後階級闘争の壁を突破する力を本質的に持った闘いに立ち上がり始めた。既成政党に対する絶望の裏側で、真に力ある党と指導者、その勢力の目に見える登場が求められた。
われわれが「革命の時代に通用しているか否か」を判断する指標は宣伝・扇動戦にある。
宣伝・扇動が労働者階級とりわけ青年の胸を打ち、その根底的決起を生み出す内容があるのか否かは、きわめて重要な真剣勝負である。党の機関紙もまた日本労働者階級そのものにならなければならないのだ。
今年前期の機関紙拡大闘争は、新自由主義攻撃との激闘で一進一退であり、部数は横ばいであった。本紙夏季特別号は、こうした機関紙と機関紙活動の根本的飛躍を提起している。
全同志が作成者となり『前進』改革へ
まず、機関紙『前進』が労働者人民に求められるものとして、さらに根底から改革されなければならない。
(1)自己解放を求めて苦闘し闘う労働者階級全体が機関紙購読者となりうるものとして接近する。したがって、新自由主義攻撃と闘う全課題、全闘争を報道し解説し論じる機関紙へと飛躍・変革が求められる。
(2)産別指導部・労働者指導部が機関紙作成に決起する。
全指導部が根限りの力で機関紙をつくることに決起し、紙面改革を実現する。そうすることで、新自由主義と闘う労働者階級全体に通用する機関紙へと変革することができる。現場の生々しい実践が毎号報道される機関紙へと変革する。そのためには、編集局が現場に行くことはもとより、現場が『前進』作りに参加することが不可欠だ。全同志が機関紙への寄稿者、投稿者、作成者となる必要がある。
(3)共産主義運動の目的意識性を貫く機関紙活動が求められる。
機関紙は、プロレタリア革命を宣伝し、扇動する力をつける。マルクス主義を体系として、科学としてとらえる意識性をもって接近する。プロレタリアートは、ブルジョアジーが達成したすべてを労働者階級解放闘争の武器に転化する。ブルジョア政治家以上の力をつけることである。
機関紙拡大へ三つの挑戦を
次に、機関紙活動の変革を「三つの挑戦」として果敢に取り組もう。
第一は、全組織で機関紙配布網建設の闘いへ着手することだ。
機関紙活動の目的意識性をしっかり確立し、独自の配布網建設をかちとろう。地区委員全員に機関紙が配布され読了され、地区委員会が開催される体制を構築することである。営々たる積み重ねが労働者党建設の基礎である。
第二は、労働者細胞が職場で資本と原則的に闘うことが、機関紙拡大闘争の王道である。機関紙は闘いの武器である。職場で新自由主義の攻撃と闘う中で機関紙は拡大できる。細胞建設の突破口をつくることができる。
第三は、6千万労働者階級を対象とした機関紙拡大闘争へ挑戦する。60年闘争世代、70年闘争世代、80年代国鉄・三里塚決戦世代、現在の外注化・非正規職化攻撃の中で苦悶(くもん)する青年労働者――すべてが機関紙拡大対象である。他方、定期的な駅頭などでの機関紙販売や書店販売の努力も粘り強く行う必要がある。
機関紙拡大闘争は、地区党建設の基礎であり、細胞建設の力であり、財政闘争を前進させる。
財政闘争が党を打ち鍛える
党財政の基礎は機関紙にあり、機関紙の影響力を離れて党財政はない。財政で苦闘しない革命党はない。逆に財政闘争こそ、革命党を打ち鍛え、強固な信頼をつくり出すものである。大恐慌下、非正規職化攻撃下で厳しいからこそ、1部300円、月額1400円の機関紙代と、機関紙による団結こそが絶対に敗れない党財政の基礎となるのである。財政なしに機関紙はできない。
以上の課題と展望を各組織でしっかりと討議し、本年後半の機関紙拡大闘争へ総決起して勝利をかちとろう。
労働者新聞として自信もち勧める時
全国で取り組まれた機関紙活動の報告の中から、若干紹介したい。
A県委員会では、それまで蓄積されてしまった滞納金の解決・一掃のために一から読者を再掌握した。滞納の実態を県党の全同志に公表した。全員の協力を訴え、分担金を一人ひとりと面談して確定した。これに数カ月かかった。最大の力は労働者同志の決起であった。そして2年かかって滞納を一掃した。
教訓としては、2010年からの地方委員会の機関紙担当者会議で、機関紙活動についての学習や、各地区の教訓を学んだことが大きかった。基本会議も、機関紙中心の会議に変え、全同志が『前進』を活用できるよう努力した。毎月1回の県委員会で機関紙活動を第一議題とした会議を行ってきた。
問題は、機関紙拡大闘争が全メンバーの活動になっていないことだった。『前進』購読を提起し自分が中核派と相手に知られたら、関係が壊れるのではないかと恐れてしまう。だがこの間の実践で明らかとなったことは、壊れても壊れなくても、『前進』で関係をつくらなかったらだめということだ。
また、以下のようなエピソードが寄せられている。代々木公園に17万人が結集した7・16反原発闘争でコールをやって、ガラガラ声で職場に行ったら、同僚の先輩から「どうしたの?」と聞かれた。スポーツ新聞に載っていた闘争記事を見せながら、反原発闘争に行ってきたことを初めて話した。7・16闘争報道の『前進』コピーを見せたが、「知り合いが作っている新聞」と紹介。7・29闘争後もまたガラガラ声で出勤したが、そのときは「どうして私を誘わないのよ」と言われた。11月労働者集会には誘おうと県委員会で議論している。
闘争に参加した労働者が『前進』を初めて見て、「価値観が変わった」と言っている。自信をもって勧めることだと思う。ここに仲間がいると分かったら、必ず定期購読者になる。
今や『前進』が6千万労働者階級と結びつき、部数が拡大する機運は満ちている。そのために努力を惜しまず、あらゆることをやろう。
4大産別を始め、全産別、各職場の闘いを階級闘争として推進する方向を提起する新聞は『前進』しかない。社会的、政治的、国際的なあらゆる事件、事象を階級的観点から根本的に解明し解説するのも『前進』だけだ。『前進』は、職場闘争を闘い、組合権力を取るための決定的な武器である。
そしてこの機関紙拡大闘争へのねばり強い取り組みの中でしか党建設、党勢拡大も実現しない。
ノルマではなく、党の団結と自己解放的決起で実現することに確信をもち、全党一丸で機関紙拡大に取り組もう。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2554号7面2)(2012/10/01 )
法大開講日 “学祭規制許すな”
処分策動に怒りの反撃
全国の労働者・学生のみなさん! 今秋法大決戦の火ぶたが切られました。
9月18日、後期開講1発目の昼休み集会は圧倒的高揚でかちとられました。冒頭、斎藤郁真・全学連委員長が反原発闘争20万決起の息吹を語り、「キャンパスから首相官邸前に集まり100万人大結集を実現させよう!」と熱烈に訴えました。それに応えて「自分も官邸前に行ってみたい!」と法大生が署名をしました。
そして、自主法政祭への規制に対し絶対反対で闘う文化連盟の武田雄飛丸君が、怒りのアピールを行いました。
「僕の所属する国際文化学部の教授連中は、普段あれだけ人権だの自由だの言っておいて、鈴木良則学生センター長の僕への暴行には何らおとがめなしで、僕のもとには処分警告状みたいなものを送りつけてきた。絶対に許せない! 今や学祭実は当局とほとんど一体です。こいつらをぶっ飛ばすことでしか自主法政祭を守れません。僕ら文化連盟は規制絶対反対だ。学生が団結したら規制はうち破れる。後期は学内で集会でも何でもやって数の力を見せつけよう!」
この熱い訴えに、聞いていた法大生が拍手をする場面も!
追いつめられた法大当局は学生センター職員数人を動員して、武田君ら文連の学生のビラまきを暴力的に妨害してきました。「なんでビラをまいちゃいけないんだ!」という激しい抗議・追及に対して職員は、まともに答えることもできず、「中に入らないで」「ルールだから」と繰り返すばかり。「これが大学のやることか! 弾圧をやめろ!」と一層激しく全員で追及し、弾圧を粉砕しました。
そのやりとりを見ていた法大生から次々と声援が飛び、ビラを受け取りにくる学生や、「がんばれ!」と握手を求めてきた学生もいました。
最後は斎藤君の、後期も一層元気に闘いぬく決意表明と団結ガンバローで意気高く締めくくられました。
武田君への処分策動粉砕へ、闘いは決戦に突入しました。全国学生は10・19法大デモへ集まろう!
(法政大学・洞口朋子)
(写真 法大正門前で熱くアピール【9月18日】)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2554号7面3)(2012/10/01 )
農地死守! 第3誘導路粉砕!
いざ10・7三里塚へ
10・7三里塚全国総決起集会が目前に迫った。三里塚芝山連合空港反対同盟の呼びかけに応え、全力で立ち上がろう。
上の地図を見てほしい。集会場は成田空港の敷地をど真ん中で食い破り、暫定滑走路の南に立ちふさがっている東峰の萩原進さん(反対同盟事務局次長)の畑だ。デモの予定コース(破線矢印)はここを出発し、東峰部落に入り、天神峰の市東孝雄さんの畑と自宅の前を通り、第3誘導路の工事現場を突っ切り、農地裁判で最大の焦点である市東さんの南台の畑を到着地としている。
第3誘導路は来年3月供用開始へ向け工事が急ピッチで進められ、そのおぞましい姿を現しつつある。まさに市東さんをこの地から追い出すためだけに造られた巨大構造物である。複雑な高低差を持つ地形の上に大規模な造成工事を行い、無理やり暫定滑走路とエプロン(駐機場)を連結する誘導路を構築し、市東さんの家と畑を空港の中にすっかり囲い込んでいる。しかも成田空港会社(NAA)が公表した図によれば、滑走路双方向に向け「枝分かれ」している。
ここにジェット機をひっきりなしに行き来させ、その騒音・振動・排気などで圧力をかけようというのだ。たった一軒の農家を立ち退かせる目的のためだけに、ここまでとんでもない規模のしかけを講じる――まさにどんな民間の地上げ屋もまねできない、国策による究極の「地上げ」プロジェクトだ!
市東さんはこの攻撃のただ中で、闘志を燃やし日々農業に励んでいる。祖父の代から受け継いだ農地を守りぬく決意は微動だにしない(前号の反対同盟アピール参照)。まさにその大地に根を張ったたたずまいが国家権力、NAAを圧倒し、闘う労働者、農民、学生、人民を限りなく勇気づけ激励している。
三里塚闘争は日本階級闘争における労農連帯のとりでである。動労千葉を先頭とするJR外注化阻止決戦、福島の労働者・農民と連帯する反原発の闘い、オスプレイ配備強行を許さない沖縄反基地闘争と一体で、三里塚「農地死守」の闘いに勝利しよう。「市東さんの農地を守れ!」の声を全国に拡大し、毎回の裁判闘争に全力で傍聴・支援に駆けつけよう。第3誘導路を粉砕しよう。農地強奪攻撃に、実力闘争をたたきつけ現地攻防に勝ちぬこう。
10・7総決起を!
-----------------
15日千葉デモ
10月15日(月)、千葉地裁民事第3部で農地裁判が予定されていたが、テレビ会議方式での証人尋問強行の訴訟指揮に対し、弁護団が多見谷寿郎裁判長ら3人の裁判官の忌避を申し立てたため、現在裁判手続きはいったんすべて止まっている。
この10月15日には反対同盟の呼びかけで、強権的訴訟指揮を弾劾する千葉市内デモが行われる。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2554号7面4)(2012/10/01 )
DVD 真実はどこに?―放射能汚染を巡って―
チェルノブイリ 内部被曝の真実
御用学者・山下俊一を先兵に福島原発事故による被曝の真相、特に内部・低線量被曝の重大問題を隠し続ける政府・東電。その大きな背後を解く鍵を、ドキュメンタリー映画「真実はどこに?」が提供している。
2001年ウクライナのキエフで「チェルノブイリの健康への影響に関する国際会議」が開かれた。「国際的権威」をふりかざし内部被曝の健康被害をかたくなに否定するIAEA(国際原子力機関)、ICRP(国際放射線防護委員会)などの核犯罪組織集団。それに対し、内部被曝の危険性、悪化の一途をたどる現地の健康被害を必死に訴える医師・科学者たち。この映画は、同会議と被曝現地を密着取材し、チェルノブイリをとおしてヒロシマ・ナガサキ―ビキニ―フクシマにも共通する内部被曝の真実を克明に映し出す。
放射能汚染地域の数多くの子どもたちが甲状腺がんや白血病、さらに心臓・肝臓・腎臓病などの疾患にも襲われている。ベラルーシでは、チェルノブイリ事故以前は子ども100人あたり健康とみなされる子どもは80人だったが、15年後には20人になったという。
「一番懸念されるのは遺伝子の影響」「体内に長時間蓄積した“放射性核種に起因する新しい症候群”をなぜ否定するのか」と迫るロシアの生態学者ヤブロコフ氏。内部・低線量被曝で子どもたちが死亡する事実を科学者・医師たちは突きつけた。核マフィアの返答は、「内部被曝か外部被曝か、低量か大量かはどうでもいい」「放射能について私たちは何もかも知っている。チェルノブイリで新たに学んだことは何もない」「大多数の住民はチェルノブイリ事故による深刻な健康被害を心配する必要は一切ない」という耳を疑うとんでもないものだった。
体内に摂取されたセシウム137が生命に必要な臓器を徐々に破壊していくことなどを発見したバンダジェフスキー氏。チェルノブイリ原発事故直後、100`圏内住民の即刻避難を要求したネスレテンコ氏。核を国策とする支配階級は投獄・解雇などの弾圧を加えたが、被曝医療に命をかける彼らの意志を挫くことはできなかった。
帝国主義とスターリン主義の核政策は、被曝、特に内部被曝の問題を隠蔽(いんぺい)・軽視し続けることをとおして、かろうじて成り立ってきた。それが労働者民衆の反原発の大決起、疫学的・生物学的解明の前進によって崩壊し始めている。まともな反論もできず、革命的な新知見を踏みにじる核マフィアの姿。これ以上、やつらをのさばらせるな!
この映画を貫くチェルノブイリの怒りは、フクシマの怒りと完全に重なる。本DVDを学習会や集会でフルに活用し、原発絶対反対の闘いをさらに発展させ、核廃絶への大きな前進をかちとろう。(河東耕二)
(03年、スイス。51分/問い合わせ先 市民と科学者の内部被曝問題研究会・医療部会/インターネットでも視聴可)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2554号8面1)(2012/10/01 )
9・21 岩国 “オスプレイを飛ばすな”
広大生先頭に緊急抗議行動
9月21日、米軍岩国基地(山口県岩国市)に陸揚げされたオスプレイの試験飛行に抗議する緊急行動が岩国の市民団体から呼びかけられた。沖合に移転した広大な岩国基地に隣接する堤防沿いに、約90人が集まった。
広大の全学連の学生は、広島と岡山のとめよう戦争への道!百万人署名運動、労組交流センター、動労西日本、婦人民主クラブ全国協の仲間らとともに沖縄と岩国の怒りと一体となって、最先頭で抗議の声をあげた!
午前9時20分、1機目のオスプレイが突如として空中に浮かび上がった。「オスプレイを飛ばすな!」「試験飛行反対!」「岩国にオスプレイはいらない!」「沖縄にもどこにもオスプレイはいらない!」と抗議の声が何度もとどろく。
しばらくホバリング(空中停止)を続けたオスプレイは、やがてプロペラを傾けて、目の前を轟然(ごうぜん)と飛んでいく。10万人の沖縄県民大会で叫ばれた怒りの声、岩国と全国の抗議を無視して! 尽きない怒りがこみ上げてくる。さらに9時50分に2機目のオスプレイが。叫ばずにはいられない。怒りのシュプレヒコールは1時間以上続いた。
福島原発事故の「収束宣言」を出し原発再稼働を強行した野田が、今度はデタラメな「調査結果」と「安全宣言」でオスプレイの飛行を強行した。何が「機体には問題ない」だ! わずかな「ミス」で墜落し、取り返しのつかない大事故を引き起こす、これで「機体に問題なし」だと?! 本当にふざけるな!だ。労働者人民の命を何と思っているのだ! 「命よりも原発」「命より基地・安保」。その原発と基地・安保=戦争によって「守られる」のは、一握りの資本家の利益だ。
福島の人びとから故郷を奪い生活を奪い、そして命を奪いながら、「領土を守れ」と絶叫し、排外主義と戦争をあおり立てる野田、石原、安倍、石破、橋下らの大ペテン! 新自由主義の破綻と大恐慌の果てしない激化、そして中東支配崩壊の中で、「アジア太平洋最優先」の新軍事戦略=対中国・対北朝鮮の侵略戦争に突き進む米帝。この米帝と一体化することによって延命を図る脱落日帝。この米日帝国主義と日本労働者階級、そして中国・朝鮮・アジアの労働者階級人民の生存は、絶対に相いれない。
9月28日から始まると言われている普天間配備を許すな! 沖縄の怒りを先頭とする労働者階級の団結と国際連帯の力で、オスプレイ配備を阻止しよう。それは絶対に可能だ。原発もオスプレイも即座に廃棄あるのみだ。
岩国ではさらなる闘いが呼びかけられている。階級的労働運動の再生と闘う学生自治会の再建をかちとり、その力でオスプレイ配備阻止・米軍基地撤去・安保粉砕をかちとろう。
(広島大・U)
(写真 米軍岩国基地に向かって1時間以上、抗議のシュプレヒコールをあげた【9月21日 岩国市】)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2554号8面2)(2012/10/01 )
“生きさせろ”の怒りで在留カード制度粉砕へ
在日・滞日外国人労働者との団結を
7月9日に改悪入管法に基づく新たな外国人管理制度=「在留カード」が実施された。これは同時に外国人登録法を廃止し、外国人の在留管理を法務省・入管当局によって一元管理しようとするものであり、世界大恐慌と3・11情勢に追い詰められた日帝・野田政権による戦後入管体制の抜本的改編として打ち出されたものだった。
しかし、敵の凶悪な意図にもかかわらず、在留カードのスタートは、在日・滞日外国人労働者と日本人労働者による怒りの法務省デモによって迎えられた。さらに在留カード手続きがコンピューターのシステムダウンで大混乱に陥るなど、在留カードの破綻性と入管体制の脆弱(ぜいじゃく)性があらわになった。
低賃金・使い捨て
新たに設けられた「中長期在留者」という枠組みこそが敵の狙いを示している。
一昨年、経団連会長・米倉弘昌は「日本に忠誠を誓う外国からの移住者をどんどん奨励すべきだ」と外国人労働力移入自由化を含むTPP(環太平洋経済連携協定)への参加を政府に促した。3・11大震災と原発事故を経て、資本家階級のこの欲求はさらに激化している。それが6千万労働者の総非正規職化の攻撃と労働法制を解体した「復興特区」に導入する労働力確保のための技能実習制度の推進・強化なのだ。
そしてこの研修・技能実習生を今回新たに設けた「中長期在留者」の枠組みの中核として在留カード制度で管理・掌握し、コントロール可能な低賃金労働力として確保しようとしているのだ。
不当解雇と摘発
在留カード導入によって、多くの非正規滞在外国人労働者が突然、不当解雇される事態に直面している。さらに新たな働き口を見つけることもできず、ホームレスとなった青年労働者もいる。
また、「資格外労働」の摘発も激化している。「留学」などの在留資格があっても資格外活動許可がないまま働いたり、資格外活動の許可はあるが、許可されている時間以上の勤務をしていた場合など、摘発・弾圧は広範囲に及んでいる。
この摘発によって入管収容所の被収容者が増加している。茨城県牛久市にある東日本入国管理センターでは3・11以後、減っていた被収容者が増加した上、仮放免許可が激減し、収容期間が長期化した。この中で400人近い被収容者のうち、約90人が8月20日から官給食を拒否するハンストをもって長期収容に対する抗議行動に立ち上がった。
この決起を受け、牛久入管で面会行動を続けている牛久入管収容所問題を考える会は、「命の糧である食を断つという行動が『やむにやまれぬ心の叫びである』と認識し、彼らの要求に誠実に耳を傾け、事態の解決に努力されることを強く要求します」と緊急申し入れを行った。
10・9までに返納
法務省は、この在留カード交付の対象外とされた在留資格を持たない非正規滞在の外国人に対し、10月9日までに外国人登録証を入管窓口まで返納せよと迫っている。難民申請者を含む仮放免者たちも例外ではない。
彼らは祖国で民主化闘争に立ち上がり、政治的運動を担い、あるいは宗教的理由などによる迫害を逃れてきた人びとである。生きるために国境を越えて働きに出た人びとであり、今は家族とともに日本で生活基盤を築いている人びとだ。
出身地もアジア各地を始め、遠くアフリカや南アメリカと多様であるが、80年代以降の新自由主義グローバリゼーションの結果、旧来の生活を奪われ、移民として国境を越えざるを得なかった人びとであり、強制送還は、生きることを奪われることとイコールだ。
まさに労働者階級の「生きさせろ!」の叫びがここにある。
戦後入管体制は一貫して在日朝鮮人・中国人の粘り強い闘いによって破綻を強制され続けてきた。今回の在留カードとの闘いも、福島の怒りと結合した巨万の反原発決起、動労千葉、動労水戸を先頭に闘いぬかれているJR職場での10・1外注化阻止決戦と結合し、民族・国籍・国境を越えた労働者の闘いとして、11・4労働者集会の大高揚の一翼を担う在日・滞日外国人労働者の決起を呼び起こすものになる。
排外主義許さず
現在、日帝・野田は安倍や橋下を含めて、領土・安保・戦争・改憲の極反動攻撃にのめり込んでいる。だが一見凶暴に見えるこの攻撃も、実は敵の弱点である。3・11福島第一原発事故を経て帝国主義国家の腐敗とうそを見抜いて巨万の人民が続々と立ち上がっている。世界大恐慌と3・11、情勢のヘゲモニーを握っているのは、世界の富を独占している1%のブルジョアジーに立ち向かう、団結した99%のプロレタリアート、すなわちわれわれなのだ。
1047名解雇撤回、外注化阻止・非正規職撤廃、反原発・反失業の組織拡大大会、国際統一行動としてかちとられる11・4労働者集会に民族・国籍・国境を越えて団結する労働者部隊を在日・滞日外国人労働者とともに登場させよう!
(室田順子)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2554号8面3)(2012/10/01 )
星野面会・手紙国賠 徳島刑務所の弾圧を追及
裁判資料の差し入れを妨害
9月21日、東京地裁民事第38部(定塚誠裁判長)で星野文昭同志面会・手紙国家賠償請求訴訟の第4回期日が開かれた。この日の焦点は、徳島刑務所による星野同志への差し入れ妨害に対する追及だ。開始前から戦闘的な雰囲気が傍聴席にあふれた。
徳島刑務所は、星野暁子さんが星野同志に送った徳島弁護士会の徳島刑務所あて「勧告書」と西村正治弁護士が送った裁判資料について、「一部抹消を認めなければ渡さない」と妨害している。星野同志は当然この措置を認めていない。裁判資料はいまだ星野同志の手元に届いていない。
「今後、人権侵害をしないように」という弁護士会の「勧告書」を、人権侵害を行った張本人の徳島刑務所が墨塗りした。こんなことをどうして許せるか。西村正治弁護士は裁判に先立ち、「訴訟資料を一部抹消する法的根拠は何か」「一部抹消する部分はどこか」「抹消しなければならない理由は何か」という3点の求釈明を行った。法廷でも「徳島刑務所が行っている不当な攻撃は、重大な事態だ」と追及した。
さらに原告の金山克巳同志も、「徳島刑務所が星野同志に次々と不当な攻撃を加えている。裁判長、この現実を見てほしい」と意見を述べた。
今回、国が提出した「準備書面」は、原告の「準備書面」で指摘した重要な事実にまったく答えていない。「星野文昭さんが無期懲役という困難の中で再審請求を行っている事実への言及がない。2月5日のデモは合法的なものだ。表現の自由、請願権をどう考えるのか」と、西村弁護士は厳しく追及した。
最後に星野暁子さんが意見陳述に立った。「短い面会時間を補って、私たちは手紙のやりとりの中で、あらゆることを話し合ってきました。夫婦の愛情を培っていくために、自由な手紙のやりとりが可能になるよう、重ねて強く要望します。自由な友人面会を文昭は必要としています」
終了後、地裁前で9・28東京高裁包囲デモに向け街頭宣伝を行った。面会・手紙国賠訴訟は獄中の星野同志の権利を守る重大な闘いだ。
次回期日は12月7日11時30分から705号法廷。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2554号8面4)(2012/10/01 )
三留理男さんが新写真集
3・11 FUKUSHIMA 放射能汚染の555日
福島被災農民に密着
カメラマンの三留理男(みとめ・ただお)さんが「福島」をテーマにした写真集を出した。60年安保闘争から三里塚闘争、70年安保・沖縄闘争の日本階級闘争の激動を闘いの側から記録し続けた三留さんは、70年代からはパレスチナ、アジア、アフリカなどの民衆に目を向け、数々の重要な仕事を続けてきた。
(写真 游学社 1995円)
●久しぶり日本取材
その彼が日本で取材し、それを本にするのは70年代初めの三里塚闘争(強制代執行阻止闘争)以来のことである。東日本大震災と福島第一原発事故は、それほど大きな衝撃を与えたのである。それは、彼の両親が福島県の出身であったというだけでなく、まさに人類史的な意味を持つ、避けて通れない事件に、真っ向から向き合おうとするものだった。今回はヘリを使った空撮にも挑戦している。福島第一原発の無残な惨状も周辺の荒涼たる景色も空からとらえられている。
著書には、福島第一原発事故後1年半の出来事が詰まっているが、とりわけ著者が熱心に通ったのが、放射能汚染にさらされた飯舘村の畜産農家である。小さな村を突然襲った事故のために、本当に理不尽な仕打ちを受けた農民の非日常化した日常が写し取られている。その深い怒りが農民の表情にたたえられている。著書の大半は、この飯舘村の様子だ。
「安全だ、大丈夫だ」と言われ、一転、「避難しろ」「牛を全頭処分しろ」と言われ、翻弄(ほんろう)される。それにあらがい、村から出るのを拒否して、牛を飼い、稲を育てる農民がいる。それ自体が東京電力と国に対する告発の意味を持っている。人物だけでなく、閉ざされた牛舎、無人の荒れ畑なども、多くのことを語っているように思う。
●60年安保以来の闘い
最後の方に6・29首相官邸前や7・29国会前の反原発の闘いを収めている。20万人が官邸前を占拠した6・29に、私は現場で著者と偶然遭遇した。カメラを抱えて「50年ぶりだよ、ここは」と日本の闘いの最前線に立ち会えていることを喜んでいた。現役カメラマンの真骨頂だ。
「今回の取材では、(福島とともに)もう一つの『ルーツ』に出会うことができた。国会の南通用門である。60年安保闘争では、ここから国会に突入しようとする全学連と機動隊の衝突が度々繰り返され、樺美智子さんが殺されている。2012年春以降、原発再稼働に対するデモの舞台となり、50年ぶりにここで撮影する機会に恵まれたのである」(おわりに)
『反逆の記録60→70』『三里塚―成田闘争の記憶(復刻版)』など、激動の日々を闘いの側に立って撮り続けてきた三留さんは、昨年春、その半生を『目撃者』(毎日新聞社)という本にまとめた。コピーは「最前線へ行け―時代を炙(あぶ)り出し続けた報道写真家、三留理男の軌跡」「格闘する眼の記録」とある。そこには世界を渡り歩き、民衆の目線で生活と闘いを記録してきた著者の、ぶれない立場がしっかりと刻まれている。
「原発事故による死者はいない」という言説に三留さんは怒っている。原発がなければ死なずにすんだ命がどれほどあったか。三留さんの結論は、「人間のコントロールできないものはやめるべきだよ」ということに尽きる。「核と人類は共存できない」ということだ。福島の現実を切り取ったこの本と向き合って、新たな闘いの糧としたい。
(高田隆志)
(写真 首相官邸前を占拠した6・29【著書から】)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2554号8面5)(2012/10/01 )
団結ひろば 投稿コーナー
原則的で社会主義的な立場に感謝します 上海 M(40代男性)
最近の中国における諸事件に関する、あなた方の原則的で社会主義的な立場に感謝します。
社会主義者が中国の労働者階級との平和と連帯のために、労働者大衆の闘いを組織し、真の敵は自分の国の内部にいることを日本の人民に示すことは重要なことです。
あなた方の幸運と、よりよい世界を建設するためのあなた方の努力が成功しますように。
劣化ウラン弾の被曝 イラク人医師が報告 福島市 渡辺 馨
9月7日、福島市において「イラクから福島へ/イラク人医師フサーム・サリッヒ氏によるイラクの現実の報告会」を行いました。
フサーム医師は、バスラ子ども専門病院に勤務する小児白血病専門医です。2004〜05年、広島大学病院で最新の白血病の治療を研修するために来日、06年からイラクでは科学者、医師、大学教授などが誘拐・暗殺され、そのため多くの人が海外に逃れましたが、フサーム医師はイラクにとどまり、子どもたちの治療に専念しています。
1991年、さらに2003年のイラク侵略戦争で劣化ウラン弾が使用され、深刻な事態となっています。03〜06年の年齢別の子どものがん分布では1歳から5歳までのグループが一番高い数値となり、湾岸戦争後、この年齢の子どもたちのがんの発症が増加しています。劣化ウラン弾から発せられる放射線により、両親も子どもも直接被曝したことが原因です。
がんと闘って完治し、一緒に来日された若い女性・ザイナブさんは「がん・白血病になった多くの子どもたちが亡くなっている。助かるのは奇跡の人。一人でも多くの子どもを助けたい」と言っていたのが心に残りました。イラク戦争の実態が突きつけられました。
福島では今も毎日、子どもたちが被曝させられています。原発はウランの採掘から原発の稼働、点検、そして事故、あらゆる過程で被曝者を生み出します。すべての原発を今すぐなくし、核兵器・劣化ウラン弾の廃止を実現しよう。
放射能汚染物処分場撤回求め住民が決起 栃木 北野風太郎
環境省が9月3日、栃木県矢板市塩田の国有林を高濃度の放射性物質(1`グラム当たり8000ベクレル超)を含んだ指定廃棄物の最終処分場の候補地として指定した。これに対して地元地区住民の怒りが広がっている。
24日、矢板市文化会館大ホールで開かれた「指定廃棄物最終処分場候補地の白紙撤回を求める矢板市民同盟会」の設立会議には1500人が集まった。私も参加した。
遠藤忠市長が経過報告を行った。市長は、「事前に何の相談もなく環境省から塩田の国有林が候補地として公表された。また、その説明をしたい旨の申し込みが一方的になされた。このような政府の対応に対し、説明を聞く段階でもない」と激しく弾劾した。また「説明を一緒に聞きましょう」という栃木県知事に、言外に不満をにじませた。
市の質問に対する環境省の回答によれば、処分量は推定9107立方bで、焼却施設も併設し調節池も造成する。
この塩田地区は矢板市民の飲み水を供給する寺山ダムに隣接し、関谷活断層のすぐそばにある地区である。住民は、こうしたことについて環境省がまったく考慮していないことを怒っている。
放射能汚染物処分場建設に対する全国初の闘いが始まった。連帯して闘おう。
オスプレイ・再稼働反対で労組の絆深め 徳島・青年 西 武
9月9日、四国各地でもオスプレイ反対行動があり、徳島駅前で宣伝、署名などを行いました。横断幕を持って街をデモし、「原発反対!」「フクシマ連帯!」「野田はNOだ!」と訴えました。商店街では大きな注目を受けました。
電力会社の前に来たとき、「オオイ→イカタ→タカハマとシリトリみたいに再稼働を進めるつもりですか?!」「社員のみなさん、労働組合の力で原発を廃炉にしましょう!」とマイクで呼びかけました。
人数は少なくても手応えがあるデモで、力強いコールが響き渡りました。青年の仲間の声がすごかった。熱が入っている、というのはこういうことを言うんだなあと思いました。
労組の仲間との絆(きずな)も深くなりました。この社会状況に、行動できてよかった。これからも続けていきたい。
労働者の闘いの圧殺狙う領土問題の攻撃 東京 大沼良知
日韓、日中間で領土問題を巡って緊張が高まっています。まずはっきりさせなければならないことは、領土問題をあおることそのものが、それぞれの国の労働者の闘いを圧殺するための攻撃だということです。
韓国や中国でも労働者の決起が巻き起こっています。この労働者の決起を国家主義によって圧殺する攻撃として領土問題があおられています。日帝の攻撃も外注化・非正規職化反対の労働者の闘いを圧殺する攻撃であり、沖縄の基地撤去の闘い・オスプレイ配備阻止の闘い、反原発の闘いを解体する攻撃です。
新自由主義のもとで、労働者に対して民営化、外注化、非正規職化の攻撃がかけられており、年間3万人もが自殺という形で命を奪われています。ブルジョアジーは民営化、外注化、非正規職化という階級戦争を仕掛けているのです。
そもそも国家とは階級対立の非和解性の産物であり、一階級が他の階級を抑圧するための機関です。日本は日帝ブルジョアジーの国家であり、韓国は韓国ブルジョアジーの国家であり、中国も中国スターリン主義の国家です。こうした国家は敵階級の国家であり、われわれ労働者の国家ではありません。
動労千葉を先頭に私たちは世界の労働者との国際連帯を進めてきました。領土問題で対立をあおる攻撃に対して、今こそマルクス主義の原則に帰って、「労働者に国境はない。万国の労働者団結せよ」と呼びかけなければなりません。全世界の労働者と団結して、プロレタリア世界革命に向かって闘い抜こう。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2554号8面6)(2012/10/01 )
【要項】迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判
迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判
差し戻し控訴審第5回公判
10月22日(月)午後1時30分(429号法廷)
◎午後1時 東京高裁傍聴券配布所集合
---------------------------------------------------