ZENSHIN 2012/09/24(No2553 p06)

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第2553号の目次

大阪市役所前での9・16橋下打倒集会に910人が結集。関西生コン支部、港合同、関西合同労組、高槻医療福祉労組、日教組奈良市などの旗を先頭にした御堂筋デモに圧倒的な注目が集まった(9月16日 大阪市) =記事3面

1面の画像
(1面)
脱落日帝の領土略奪=戦争・改憲攻撃の激化と闘おう 記事を読む  
青年労働者の反乱で外注化阻め
解雇撤回・JR復帰へ国鉄全国運動の発展を  橋下打倒、11月へ進撃しよう
記事を読む  
【要項】10・7三里塚全国総決起集会、10・13さようなら原発集会(仮称) 記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
(2面)
“外注化は必ず止める” 記事を読む  
医療・福祉現場で反合闘争を
労働を武器に合理化粉砕し新自由主義と闘う11・4へ  革共同医療福祉労働者委員会
記事を読む  
(3面)
全職場で外注化阻止を闘い11・4へ  9・16大阪 市役所前で“橋下倒せ”
御堂筋デモに1千人が立つ(大阪・O)(9月16日)
記事を読む  
本部は一切反論できず
国労組合員権訴訟 歴史的事実つきつけ圧倒(9月19日)
記事を読む  
外注化阻止決戦と11月集会へ具体的で実践的な方針を論議
労組交流センター 大阪で拡大全国運営委(9月15、16日)
記事を読む  
自治体労働者は11月2倍結集を
橋下打倒・復興特区粉砕・民営化絶対反対で闘おう  革共同自治体労働者委員会
記事を読む  
(4面)
10・7三里塚へ!市東さんの農地守れ
外注化阻止決戦と一つになり三里塚は勝利の扉を押し開く
第3誘導路の来春供用粉砕を(白川賢治)
記事を読む  
団結街道裁判  “原告適格は明白だ”  成田市の居直りを許さず(9月18日) 記事を読む  
反対同盟は訴える 記事を読む  
2012年日誌 9月11日〜17日
生活保護受給、最多の211万人/中国の反日デモ数十都市で
記事を読む  
【要項】第7回千葉県三里塚集会 記事を読む  
(5面)
9・14官邸前 原発継続方針に怒り  福島の女性「この国は暴力国家」(9月14日) 記事を読む  
JR外注化 出向事前通知に反撃(9月13日) 記事を読む  
“子どもの命を守りたい”  フクシマを生き抜く 労働者と農民の訴え(下) 記事を読む  
(6面)
オスプレイ反対! 沖縄県民大会参加者の感想 記事を読む  
迎賓館・横田爆取弾圧裁判  3同志がデッチあげ弾劾
T証人の採用をかちとる(9月18日)
記事を読む  
星野暁子さんの訴え  9・28に東京高裁包囲星野同志陳述書提出へ 記事を読む  
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  

週刊『前進』(2553号1面1)(2012/09/24 )

 脱落日帝の領土略奪=戦争・改憲攻撃の激化と闘おう

 9月11日、日帝・野田政権は釣魚台(尖閣諸島)の「国有化」を強行した。日帝の新たな領土略奪、戦争・排外主義攻撃そのものだ。これに対し中国各地で激しい反日デモが爆発している。また韓国でも独島(竹島)をめぐり、日帝の領有権主張に抗議行動が高まっている。日本国内ではこの領土問題を契機に、右翼やマスコミを先頭に「日本の領土を守れ」という排外主義・国家主義の扇動が巻き起こっている。労働者階級はこの問題をどうとらえ、どう闘うべきか。

 米日帝の対中対峙・対決政策貫く「国有化」

 まず第一に、日帝・野田政権の「尖閣諸島国有化」とその後の動きは、米帝の新軍事戦略に対応した対中対峙・対決と戦争・改憲の攻撃であり、日米安保同盟の強化、沖縄闘争圧殺の攻撃だ。
 日帝・野田は、米軍の新型輸送機オスプレイの配備に反対する9・9沖縄県民大会が10万人の大結集をもって闘いぬかれた直後の11日に、「尖閣諸島国有化」を強行した。断じて許せない。
 この問題を考える上で米帝の世界戦略を見ることが重要だ。大恐慌の激化のもとで、没落を深める米帝オバマ政権は、「アジア太平洋最優先」の新軍事戦略を確定し、とりわけ自らの安保=戦争政策の軸を対中国・対北朝鮮の侵略戦争・世界戦争政策にあらためて据えきろうとしている。
 日帝も日米安保同盟とこの米帝戦略に沿って中国への対決政策を強めている。今回の「尖閣諸島国有化」もその一環だ。米帝は「尖閣諸島は日米安保の適用範囲だ」と繰り返し公言してきた。
 それゆえ日帝による「尖閣諸島国有化」は、オスプレイの沖縄配備、辺野古新基地建設と一体の攻撃としてある。またこれは、自衛隊が実際に戦争するための「動的防衛力」構想の推進のテコであり、自衛隊の南西(沖縄)拠点化を推し進めるための大攻撃だ。そのために中国との軍事的緊張をあえてつくり出し、沖縄の闘いを圧殺しようとしているのだ。
 さらに今回の領土問題は、大恐慌と3・11情勢に直撃され、労働者階級人民の闘いの高揚で体制的な危機を深める脱落日帝の、排外主義と侵略・戦争・改憲の攻撃として噴出してきたものだ。
 民主党代表選と自民党総裁選は、いずれも中国への強硬姿勢、排外主義を競う選挙戦となり、そこでは改憲、集団的自衛権、「日本独自の海兵隊創設」などの反動的主張が渦巻いている。

 日清・日露戦争で略奪した「固有の領土」

 第二に、そもそも日帝が「尖閣諸島」や「竹島」を「わが国固有の領土」と主張していること自体が、過去の侵略戦争で領土に編入したことを論拠とするもので、歴史的正当性は何もない。
 まず「尖閣諸島」についての政府の主張は、「単にこれが無人島であるのみならず、清国の支配が及んでいる痕跡がないことを慎重確認の上」、1895年1月14日に閣議決定して領土に編入したというものだ。
 だが、19世紀末に帝国主義列強が相次いで中国侵略に乗り出し、植民地の奪い合いを行っている最中に、日本はこれに遅れまいと1894年8月から日清戦争を開始し、翌95年1月には中国大陸に次々と侵略軍を送り込んでいった。そのただ中で「尖閣諸島」の領有宣言を行ったのである。
 「竹島」についても同様だ。政府は1905年1月の閣議決定で独島を島根県に編入し、領有の意思を再確認したと言っている。だが、これも1904年2月に政府がロシアに宣戦布告した日露戦争の最中のことだった。日露戦争は、朝鮮半島の勢力圏化をめぐる帝国主義戦争であり、この戦争の最中の第1次日韓協約(04年8月)によって当時の大韓帝国の外交権を奪い、「竹島」を日本の領土とする閣議決定が行われた。そして1910年には朝鮮の植民地化を強行したのだ(韓国併合)。
 いずれも侵略戦争で相手に銃剣を突き付け、何も言えない状態にして、領有宣言を行った。この歴史的経緯からしても、とうてい「日本の固有の領土」などと言えるものでないことは明白だ。

 労働者階級には領土も国境も存在しない

 第三に、世界単一の革命的階級であるプロレタリアートには、もともと領土も国境も存在しないということである。
 そもそもブルジョア民族国家形成の歴史過程で生まれた国家・国境・領土などの概念は、労働者人民を分断し、団結を破壊し、外への排外主義的動員のために使われてきた。戦争になれば資本家階級の利益のために、労働者同士が殺し合いをさせられる。世界の労働者はこれをのりこえ、団結して闘わなければならない。だからこそ『共産党宣言』は、「万国のプロレタリア、団結せよ!」と呼びかけたのだ。
 日帝の「国有化」に抗議して反日デモが激しく巻き起こった中国は、新自由主義とグローバリズムのもとで帝国主義資本の最大の生産基地となってきた。ここ数年、日米欧など外国資本と中国スターリン主義の抑圧を突き破って、労働者と農民のスト・デモ、暴動が続発してきている。
 そして今回重要なことは、中国の労働者階級の中に民族排外主義の立場をのりこえて、階級的立場を明確にして領土問題に対応する勢力が登場していることである。「人権がなければ、国土面積が増えても、奴隷労働の土地が増えるにすぎない。公平がなければ、経済発展が進んでも搾取の苦難が増すだけだ」などと(ツィッターから)。
 韓国では、民主労総を先頭とする労働者階級が、首切りと賃下げ、非正規職化の新自由主義攻撃と真っ向から闘い抜き、イミョンバク政権を危機に追い込んでいる。

 外注化と闘う階級的労働運動の前進こそ

 第四に、「領土問題」と戦争・排外主義攻撃の激化との闘いは、階級的労働運動の前進と労働者階級の国際連帯の強化に一切がかかっているということだ。現在の激動的な大情勢の中に、最末期帝国主義の危機と新自由主義の破産、それゆえの絶望的凶暴化をみてとり、プロレタリア世界革命の時代が到来したことに圧倒的な確信をもって断固前進しよう。
 10・1JR外注化阻止・非正規職撤廃の決戦に勝利し、11・4労働者集会をプロレタリアートの国際連帯の大集会としても大成功させよう。野田政権と安倍・橋下などの極右勢力の戦争・改憲への動きと対決し、国鉄決戦と反原発決戦を軸にして、労働者階級と労働組合の力で粉砕しよう。
 日本、韓国、中国の労働者階級人民は、世界のプロレタリアートとも固く団結し、「領土問題」で噴出する戦争・排外主義と闘い粉砕しよう。
 この闘いは、労働組合の革命論的意義の明確化の地平に立ち、革共同の戦略的総路線であった「連帯し侵略を内乱へ」の闘いを引き継ぎ、発展させ、労働組合と階級的労働運動を基礎に、プロレタリア世界革命の勝利を切り開く闘いである。

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週刊『前進』(2553号1面2)(2012/09/24 )

 青年労働者の反乱で外注化阻め

 解雇撤回・JR復帰へ国鉄全国運動の発展を

 橋下打倒、11月へ進撃しよう

(写真 大阪市役所前での9・16橋下打倒集会に910人が結集。関西生コン支部、港合同、関西合同労組、高槻医療福祉労組、日教組奈良市などの旗を先頭にした御堂筋デモに圧倒的な注目が集まった【9月16日 大阪市】=記事3面)

 9・16橋下打倒闘争は、大阪市職や大阪市教組の労働者、関西生コン支部や港合同などの労働組合を先頭に、橋下を階級的に痛撃する大阪市役所前集会―御堂筋デモとして圧倒的に闘いとられた。10・1JR外注化阻止決戦は、国鉄分割・民営化以来の労働運動の屈服と後退をのりこえ、労働運動全体に地殻変動をもたらす闘いへと発展しつつある。10・1外注化阻止から11・4全国労働者総決起集会の巨万の大結集に向けて、全産別・全職場で外注化阻止・非正規職撤廃を闘おう。1047名解雇撤回・JR復帰へ国鉄闘争全国運動を大きく発展させよう。

 平成採がスト破り拒否

 10・1外注化阻止決戦は最大の山場を迎えている。この1週間が大決戦だ。動労千葉は、10・1外注化に向けた強制出向の事前通知の受け取りを全員が拒否し、連日、管理者に対して弾劾闘争をたたきつけている。
 「何のための外注化なのか!」という激しい追及に、管理者は下を向いて沈黙。外注化の必要性についてまったく答えられず、攻撃の不当性・違法性が完全に暴かれている。デタラメで破産的で、10・1外注化と強制出向という結論ありきのやり方に、職場は怒りで煮えたぎっている。9・14動労千葉総決起集会では、強制出向の事前通知を受けた動労千葉の組合員が全員登壇し、根底からの怒りを表明した。
 「若い人たちの出向だけでも止められないのか」と、自分のことよりも青年労働者の未来のために闘う動労千葉組合員の発言は、集会参加者の心に激しく響いた。9月19日には出向差し止め仮処分の審尋が東京地裁で行われ、動労千葉の青年労働者が外注化と強制出向に絶対反対の意見をたたきつけた。
 動労水戸は9月14日、外注化絶対反対のストに決起し、JR東労組の青年労働者が集団でスト破りを拒否する画期的な事態が生まれた。これに追い詰められたJR水戸支社は、14日までに出向事前通知ができない状況に陥った。JR東日本は、東労組カクマルを先兵にして外注化強行を狙っているが、逆に青年労働者の怒りに火をつけた。国鉄分割・民営化から25年、ついにJR東労組内部から青年労働者の闘いの火の手が上がった。これは労働運動全体を揺るがす歴史的な事態だ。
 国労幕張電車区分会は国労本部の裏切り妥結と千葉地本の無方針を突き破り、分会として事前通知の受け取りを拒否し闘っている。動労千葉や動労水戸の外注化阻止決戦が労組の枠を越えた闘いをつくり出している。車両の検査修繕という鉄道輸送の安全を担う労働者を、紙切れ一枚で外注会社に強制出向させることなど、断じて許せない!
 9月30日まではJRの制服を着ていた労働者が、10月1日からは出向先の制服を着て、同じ仕事をする。外注化とは、資本の利益のために労働者の誇りを奪う許しがたい攻撃だ。外注化は偽装請負であり、強制出向の先には転籍と非正規職化が狙われている。
 JR外注化阻止決戦は全労働者の未来をかけた闘いだ。資本家どもは、JR全面外注化で動労千葉や国労のみならず東労組も解体し、すべての労働組合を根絶して全労働者を非正規職にしようとしているのだ。

 6・29の画期的な判決

 だが、外注化攻撃は根底のところで打ち破られつつある。動労千葉や動労水戸の職場では、管理者への弾劾闘争がたたきつけられ、職場全体が外注化への怒りに満ちあふれ、外注化準備がまったく進まない状態だ。10・1外注化を強行すれば、労働者の怒りはさらに爆発し、外注化の矛盾がいよいよむきだしになる。
 国鉄分割・民営化以来、労働組合の屈服と協力で外注化・非正規職化が全産別で強行され、青年労働者の2人に1人が非正規職に突き落されてきた。JR外注化阻止決戦は、外注化・非正規職化に歯止めをかけると同時に、国鉄分割・民営化以来の全攻撃に労働者の側から大反撃をたたきつけ、誇りや権利のすべてを奪い返す攻勢的な闘いだ。プロレタリア革命勝利に向け、やむことのない闘いが始まった。新自由主義攻撃の核心である外注化・非正規職化を粉砕し、階級的労働運動を全産別で復権させよう。
 6月29日の動労千葉の鉄建公団訴訟判決で、国鉄分割・民営化は国家的不当労働行為だと認めさせた。この画期的な地平に立って、国鉄1047名解雇撤回・JR復帰へ闘おう。
 11・4労働者集会まであと40日。巨万の大結集の力で新自由主義と闘う労働組合の全国ネットワークをつくろう。11・4大集会は国鉄1047名解雇撤回、外注化阻止・非正規職撤廃、反原発・反失業を闘う国際統一行動だ。ここに労働者の未来がある。職場・地域から総結集しよう!

 「原発いますぐゼロ」へ

 反原発闘争も重大な決戦局面にある。野田政権は9月19日、原子力規制委員会を発足させ、初代委員長に原発推進の田中俊一を就任させた。同時に、実務を担う原子力規制庁も発足し、初代長官には前警視総監・池田克彦が就任した。規制庁の職員約470人のうち、8割が経済産業省原子力安全・保安院出身だ。原発再稼働に向け、「原子力ムラ」の連中を実体にして形だけを変えた新たな原発推進組織を立ち上げたのだ。ほんとうに許し難い。
 しかも経産相の枝野幸男は、建設停止中の大間原発、島根原発3号機、東京電力東通原発1号機の建設再開を容認した。大間原発では、プルトニウムを燃料に使うプルサーマル発電をも容認した。政府の「エネルギー・環境戦略」は、高速増殖炉「もんじゅ」を中核とする核燃料サイクルを維持するとしている。野田政権は、「原発いますぐゼロ!」を求める圧倒的多数の声を踏みにじり、1%にも満たない資本家階級の利益のために、原発推進・再稼働に突き進んでいるのだ。
 福島県民の甲状腺検査で18歳以下の子どもが甲状腺がんになっていたことが明らかになった。ところが山下俊一が座長を務める福島県民健康管理調査検討委員会は、福島原発事故による影響を即座に否定した。山下は「チェルノブイリ事故後、ウクライナでは健康影響をめぐる訴訟が多発し、補償費用が国家予算を圧迫した」とぬかしている。山下らは、福島の子どもたちが被曝し続けがんなどの病気になった時に、原発事故との関係を否定するために存在している極悪犯罪人だ。
 福島の子どもたちが日々命の危険にさらされているのに、原発事故を引き起こした連中は責任を取らず、今も原発堅持を唱えている。経団連は「命よりも金」をむきだしにしている。自民党総裁選では全候補者が原発堅持を叫び、改憲や集団的自衛権の行使など戦争政策を競い合っている。醜悪極まりない! 永田町・霞が関を揺るがす毎週金曜日の反原発行動を100万人決起へと発展させ、「原発いますぐゼロ!」を闘いとろう!

 領土問題と戦争・改憲

 オスプレイ配備反対の9・9沖縄県民大会には10万3千人が大結集した。だが野田政権は19日に「安全宣言」を行い、岩国基地でオスプレイ試験飛行を強行し、今月中にも沖縄・普天間飛行場に配備を始める。こんな暴挙を許せるか!
 労働者人民の思いや訴えをすべて踏みにじる国家と政府。それは労働者人民の命を守らない。資本家階級の利益を守る暴力装置そのものだ。この資本主義・帝国主義のもとでは労働者人民は生きられない。帝国主義を打倒し、労働者が主人公の新しい社会をつくる。そこに労働者人民の未来がある。そのためにこそ国鉄決戦と反原発決戦で階級的労働運動を全産別に復権させよう。その突破口こそ10・1外注化阻止決戦だ。
 世界大恐慌、3・11情勢、日米争闘戦の激化のもとで危機にあえぐ脱落日帝の「領土問題」として噴出する排外主義と侵略・戦争・改憲攻撃を、労働者の決起と国際的団結で粉砕しよう。11・4労働者集会への大結集をかちとり、国境を越えた労働者の大隊列を階級闘争の最前線に登場させよう!
 市東さんへの農地強奪攻撃を絶対に許すな! 国鉄―福島―沖縄と結び、10・7三里塚全国集会に大結集し、11・4労働者集会へ真一文字に突き進もう。

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週刊『前進』(2553号1面3)(2012/09/24 )

【要項】10・7三里塚全国総決起集会、10・13さようなら原発集会(仮称)

第3誘導路粉砕・市東さんの農地を守ろう!/フクシマ連帯・原発再稼働許すな!/TPP反対!/軍事空港粉砕・改憲阻止!
10・7三里塚全国総決起集会
 10月7日(日)正午
 成田市東峰 反対同盟所有畑
 主催/三里塚芝山連合空港反対同盟
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10・13さようなら原発集会(仮称)
 10月13日(土)東京・日比谷野外音楽堂
  (地下鉄「霞ヶ関」「日比谷」下車)
 午後1時 会場/1時30分 オープニングコンサート
 2時 集会/3時 パレード出発 

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週刊『前進』(2553号1面4)(2012/09/24 )

前進速報版から 前進速報版から

▼中国で労働運動弾圧に青年労働者が連日の抗議行動▼法大処分粉砕へ9・18開講日闘争▼日本原子力学会の大会に広島大生が抗議

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週刊『前進』(2553号2面1)(2012/09/24 )

 “外注化は必ず止める”

 動労千葉 決戦本番に総決起集会 強制出向の事前通知に怒り

 JR東日本は検修・構内業務外注化に向けて、9月12日から出向の事前通知を始めた。
 動労千葉の組合員は通知の受け取りを拒否、各職場は管理者への追及で騒然たる状況にたたき込まれた。14日の総決起集会には組合員と支援300人が結集し、10・1外注実施絶対阻止へ徹底抗戦を宣言した。
 幕張支部の山田護支部長は「就業規則には『会社の業務上に必要な場合は社員に出向を命じる』とありますが、『業務上の必要性とは何か?』と会社に聞いても何も答えられない。答えられない出向に行くつもりはない。『エルダー社員の雇用の場の確保』『技術指導のため』、全部うそばっかり。工具もロッカーも含めて職場全部を10月1日に下請け会社に持っていく。偽装請負そのものです。絶対に認められない。絶対に止めます」と表明した。
 千葉支社では14日までに91人が事前通知を受けた。うち動労千葉組合員は44人だ。集会では事前通知を受けた組合員が次々と発言した。「これから本当の闘いが始まる」「コスト削減のために外注化するなんて言ってますが、われわれは安全が売り物なんです」「通知を受けた東労組の若い人を見てると本当に落ち込んでいる。うちの青年部を守るのは当然ですが、東労組の若いのも獲得したい」「事前通知以降、これまでになかったほど職場が沸き立っている。平成採も怒り心頭ですごい勢いだ」「運転職場の若手も興味を持ち始めている。組織拡大へともに闘う」
 青年部は闘いの先頭に立っている。
(写真 10月1日まで2週間の歴史的決戦へ、動労千葉組合員と支援300人が検修業務外注化を絶対阻止する決意を固めた総決起集会【9月14日 千葉市民会館】)

 40分にわたり所長徹底追及

 通知を行った車両センター所長を40分にわたって追及した青年部組合員もいる。外注化の趣旨説明が団交さながらの場になったことも報告された。「趣旨説明では他労組の若い人も一緒。『日刊動労千葉に書かれていることは本当だったんですね』と感想を言っていた。うちの新聞に書いてあることは本当のことだと思ってなかったんですね」。“3年で出向から帰れる”と何の根拠もないうそで現場組合員をだましてきた東労組執行部の悪行が満天下に暴かれたのだ。
 車両技術分科会の代表は「暑い日も寒い日も、雨でも雪でも、365日手を抜くことなく業務にあたり車両の安全を担ってきた。われわれの仕事は車両に触れ、さまざまな事象にあたり、経験を積んでナンボなんです。技術・経験のない会社がやるなんて無理。安全と技術継承、なによりも職場を守るために全力で闘う」と発言。幕張車両センターで働く関道利本部執行委員は「現在、存在しない会社に、われわれが乗り込んで制服だけが替わる。こんなことを許したら、ますます非正規が蔓延(まんえん)し大変な世の中になる。ここでくい止める。国鉄分割・民営化の時にくい止められなかった思いも含め、10月1日まで全力で頑張りたい」と述べた。

 指名スト配置2週間決戦へ

 司会の繁沢敬一副委員長は「みんな笑顔で話していたが内心は怒りで煮えたぎっている。全組合員の力ではね返す」とあらためて決意表明した。
 田中康宏委員長は「外注化との闘いは通知が出ようが出まいが終わらない。10月1日強行を阻止するために当面する2週間、12年間の闘いのすべてを込めて闘い抜こう」と熱烈に訴えた。
 当面する取り組みについて長田敏之書記長が提起し「教育や訓練など外注化の準備作業に対して指名ストに入る。事前通知と東労組の裏切りへの怒りを、組織拡大に転化するために闘おう。あらゆる闘いがひとつになった時、必ず外注化は阻止できる」と確信を込めて述べた。
 集会では三里塚芝山連合空港反対同盟の伊藤信晴さん、国鉄闘争全国運動呼びかけ人の山本弘行さんが連帯あいさつを行った。組合歌斉唱と団結ガンバローで集会を締めくくり、正念場の決戦に突入する態勢を固めた。

 動労水戸 新組合員を軸にスト 東労組青年もスト破り拒否

 9月14日、動労水戸は外注化のための強制出向発令通知に対する抗議のストライキに立ち上がった。13日から15日にかけて24人の組合員がストに突入、当局による代務(スト破り)が青年労働者の怒りの闘いでことごとく粉砕されるという歴史的・画期的な事態を生み出した。
 動労水戸は14日早朝から勝田車両センター前抗議行動と水戸運輸区前抗議行動を闘いぬき、午後2時から水戸市内で総決起集会を開催した。結集する組合員は、誰もが胸を張り決然としている。強制出向への怒りがあふれている。

 支社を大混乱にたたき込む

 集会は木村郁夫書記長の司会で力強く開始された。石井真一委員長が基調を提起。「青年を先頭にスト破り拒否の闘いが爆発している。支社は大混乱だ。動労水戸は外注化の本質を暴き、団交の報告をし、東労組と国労の裏切りを弾劾してきた。今の時点で支社は出向を発令することができていない。われわれの闘いが追い込んでいる」と感動的に報告した。
 そして、「われわれの団交は終わっていない。支社は何も答えることができない。『エルダー社員の働く場の確保』などはすべてがデタラメだった。外注化は違法出向であり、偽装請負だ」と激しく弾劾した。また8月28日に提訴した出向差し止め裁判の争点を分かりやすく提起して、「画期的な裁判闘争だ。JRの外注化を止めれば全社会に波及する。全労働者の権利を守る闘いだ」とまとめた。
(写真 ストライキに立ち勝田車両センター前でJRに対し抗議行動を展開する動労水戸【9月14日】)

 新加入の青年に満場の拍手

 続いて勝田車両センターの照沼靖功君が、8月21日以来の支社団交の先頭に立ち、職場で討論を組織してきた闘いを生き生きと報告した。
 満場の拍手とどよめきの中で、8月28日に東労組と決別して動労水戸に加入した大子支部の羽部圭介君が立ち上がった。羽部君は「自分が加入したのは、同じ職場で一緒にやっていた仲間が出向になるのはおかしい、ということが最初です。労働者を守るのが労働組合です。東労組のやり方に疑問があり、我慢できなくなって加入しました。ライフサイクル攻撃の時、これでいいのかという思いがありましたが、自分がここに立てるとは夢にも思っていませんでした。これからよろしくお願いします」と発言した。感動の拍手が鳴り止まない。
 青年に続き、強制出向当該の組合員が次々と発言。勝田でのスト破り拒否の闘いがリアルに語られ、「青年の未来を守ろう」と強調された。
 辻川慎一副委員長が闘いの総括と今後の方針を次のように提起した。
 「勝田車両センターで、動労水戸結成以来、JR始まって以来のとんでもないことが起きている。照沼君に続いて羽部君が加入してくれたことが大きい。青年たちは動労水戸の情報をよく読んでいる。13日になって想定外のことが起きた。東労組の青年たちが自らの判断で猛然と立ち上がり、ついに青年の全員がスト破りを拒否した。一度受けた青年も自分で助役に断りに行った。支社は顔面蒼白(そうはく)だ。年配者が代務を受けると、青年が取り囲んで弾劾する。すごいことだ。東労組は、たまらず急きょ会社に団交再開を頼み込み、闘うポーズをとって、青年が動労水戸に行くことを必死で妨害している」
 「13日夕方からの2人のスト決起でこの事態になった。胸のすく思いだ。本当によくやった。外注化阻止へ徹底的に闘おう。これからが本番だ。JR本体と外注先の水戸鉄道サービスが震え上がるような闘いをやろう。動労水戸は、分割・民営化絶対反対で25年間闘いぬき勝利している。青年の奮闘に応えて総決起しよう」
 集会後、水戸鉄道サービスへの申し入れ行動に立ち、JR水戸支社前で怒りの弾劾行動を闘いぬいた。さらに羽部君を迎えての大歓迎会でこの日の闘いを締めくくった。
 常磐線の心臓部・勝田車両センターは、検修構内業務の外注化・強制出向発令への怒りに満ちあふれている。動労水戸の絶対反対の闘いと団結が、職場のすべての青年を獲得し、支社や闘わない組合幹部への怒りの炎が燃え上がっている。新自由主義と闘いぬく青年たちの闘いの火種は、どこの職場にもある。動労水戸の闘いはこのことを実証した。11・4の巨万の結集へ、今秋、新自由主義との闘いをすべての職場から開始しよう。
(写真 ストライキの先頭には羽部組合員【左】と照沼組合員【右】の2青年が立った【JR水戸支社前】)

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週刊『前進』(2553号2面2)(2012/09/24 )

 医療・福祉現場で反合闘争を

 労働を武器に合理化粉砕し新自由主義と闘う11・4へ

 革共同医療福祉労働者委員会

 資本と実力で対決し権利かちとった「ニッパチ闘争」

 今、医療・介護職場は、人員不足による絶えない事故や儲(もう)けのためなら必要な治療や介護も行わないなど、激しい合理化攻撃の中にあります。現場では「いつか大きな事故が起きる」「労働者の方が先に倒れる」「この事態をどうにかしなくては!」という思いと同時に、「仕方がない」というあきらめの気持ちもあります。
 あきらめさせられてきた現状を覆す力は、現場の労働者の中以外にはありません。労働者が労働組合として団結して、現場で労働そのものをめぐって資本と実力で闘い、現状を覆してきた歴史はたくさんあります!
 例えば、1968年新潟県立病院で始まった「ニッパチ闘争」です。看護師不足、1人夜勤、流産や不妊の相次ぐ看護婦、目の前の患者……。ある看護婦の死をきっかけに、この現実に対し労働組合で「2人夜勤・月8回まで」という闘争(労働)シフトを「組合ダイヤ」として組み、実力闘争で「2人夜勤・月8回まで」をかちとった歴史的闘争です。
 ところが今、医療・介護職場ではこの「ニッパチ闘争」の地平が、労働組合が激しい合理化攻撃と対決しきれず切り崩されています。こんなに悔しいことはありません。
 医療・介護職場で吹き荒れる合理化の嵐は、「税と社会保障の一体改革」「TPP」など、この社会を破壊しつくしながら延命する資本家階級の新自由主義攻撃の根幹をなすものです。激しい社会保障解体攻撃の中でなお国民皆保険制度の解体にほとんど手が着けられない日本では、この問題は一気にギリシャ情勢と直結します。だから敵の側も必死です。
 しかし労働組合が本気でこれと対決し得るならば、必ず道は切り開かれることを動労千葉の闘いが示しています。動労千葉は反合理化・運転保安闘争と、この闘争でつくった団結で外注化阻止・非正規職撤廃の闘いを切り開いてきました。このような闘いをしている労働者はどこにでもいる普通の(しかし闘っているがゆえにとても魅力的な)労働者です。私たち医療・介護労働者にもできるはずです。
 職場から合理化攻撃と実力で対決する闘争をつくりだそう! 

 動労千葉の反合・運転保安闘争から学び職場で闘おう

 動労千葉の10・1検査・修繕部門外注化との闘いは、正念場を迎えています。強制出向の事前通知を出されている91人のうち44人が動労千葉の組合員です。しかし現場は何ひとつ屈服していません。8月28日には、動労千葉、動労水戸、動労連帯高崎の仲間60人が外注化と出向差し止めの仮処分の申し立てを行いました。強制出向の準備作業、教育、訓練に対する指名ストライキ通告もしました。JRは動労千葉からの追及に何ひとつまともに答えていません。あまりにデタラメです。
 このような外注化や強制出向がこの20数年間あらゆる産別でやられてきて、これに対して既成の労働組合は何ひとつ反撃せず、裁判すら起こさなかった。動労千葉はこの戦後労働運動の壁をぶち破って前進しています。
 動労千葉は、巨大なJR資本が全体重をかけた攻撃と徹底抗戦し得る300人の団結をいかにしてつくり、何に依拠して闘いぬき、何を成し遂げようとしているのか。このような問題意識で動労千葉から学び、医療・介護現場を見ていきたい。
@日常不断の資本とのぶつかり合い
 『俺たちは鉄路に生きる3』では、幕張支部が日常不断の職場闘争を土台にJR当局から職場支配権を奪い返していった闘いを、現場指導部が次のように語っています。
 幕張支部は、分割・民営化反対闘争の時に、中心的活動家はみんな駅の売店などに強制配転されたといいます。山田支部長が1997年に強制配転先の駅売店から幕張に移った時には職場闘争が困難な状況にありました。しかし、とにかく一個一個、おかしいことに対して「おかしい」と言うことから始め、危険な作業に対しても当局を徹底的に追及しました。職場闘争を通して次第に職場の組合員の信用と気持ちを結集させていきます。「労働運動って、いろいろ言っても、やっぱり人と人の関係なんだよ」(山田支部長)
 幕張支部は職場闘争について、「退(ひ)くも押すも組合の方針で職場全体が動くというのは力なんですよ」「職場闘争って、いろんな戦法をとれる。そうやって押し返しているから、組合員の雰囲気も全然負けていない」と言っています。
A合理化の矛盾を突く
 「あらゆる企業で、建前というのはあるわけです。例えば医療の場合には、病気になった人たちを治さなきゃいけないわけですよ。それがどうでもいいなんて言う病院だったら、つぶれるんだよ。……だけど効率化を進めていくと、そういう建前をすぐ忘れる。だからそこに弱点が生まれる。それを見抜く力が大切です。これは目を皿のようにして見る」(中野洋動労千葉前委員長著『俺たちは鉄路に生きる2』)
B労働を武器に実力闘争
 2001年4月の退職者から対象になったシニア制度(外注化を認めなければ組合員を再雇用しないという攻撃)との闘いでは、「動労千葉を辞めてシニア試験を受けたい」「じゃあ外注化を認めていいのか。職場を売り渡してもいいのか」というシビアな討論がくり返されました。この闘いを通して外注化要員が車両整備会社に行くことをストップさせたため、千葉支社は外注化をまったく提案できなくなります。さらに外注化を止めた結果として検修職場で要員が足りなくなり、駅への強制配転者を十数人戻すこともできました。
 会社は報復として、繁沢副委員長と長田組織部長(現在は書記長)を幕張から強制配転。この攻撃をきっかけに動労千葉は、新保全体系という車両検査体制の抜本的な合理化攻撃に対して、支部の総力をあげた非協力闘争・反合理化闘争に入ります。
 一つは、時間外労働・休日労働の拒否。もう一つは、車両の検査体制を変え、検査周期も延期して要員を削減する合理化攻撃に対して、職場でしっかり仕事をやって遅らせることです。日々の労働をめぐって当局とのすさまじい攻防戦・抵抗闘争を実力闘争的に闘いぬきました。そのため、千葉支社は外注会社に仕事を回すこともできなくなりました。
 幕張支部は、検修職場における反合・運転保安闘争で職場支配権を奪っていきます。「仕事はきっちりやる。これが組合運動の基本。幕張でやっている検修は、間違いなく東日本で一番いい仕事をしていると自信がある。そうだからこそ当局に対してもばんばん言えるんだよ」(『俺たちは鉄路に生きる3』)。
 動労千葉の職場闘争には、労働者は社会と職場の主人公というマルクス主義の核心が見事に体現されています。労働のあり方をめぐって資本と非和解的に闘い、その中で労働者の団結と職場支配権、社会と職場の主人公としての誇りを取り戻すのが労働組合運動です。労働それ自体を資本に対する労働者の最大の武器として闘うことに動労千葉の反合・運転保安闘争路線の神髄があるのです。労働組合が生産過程を支配するためには、生産技術・ノウハウなどあらゆることについて労働者が資本・経営を凌駕(りょうが)しなければなりません。そしてそれはできるのです。現場のことを一番知っているのは労働者だから。「JR当局がいなくても、千葉の電車はすべて動労千葉が動かせる」(中野洋著『甦る労働組合』)。
 動労千葉はそのことを通して、職場丸ごとの闘いをつくり出し、資本の職場管理・労働者支配を圧倒し、労働者の自己解放のエネルギーと誇りを生き生きと引き出しているのです。

 本来の医療・介護への思いを貫いて労働組合の闘いに

 医療の市場化・民営化、新自由主義の本格的攻撃はまさにこれからです。医療・福祉における国家・政府の責任を大幅に後退させ、一切を市場原理に委ねるというものです。医療と医療労働そのものの変容を強制しようとしています。
 例えば、定額・包括払い制度の導入で、「貧血予防の注射を使うと病院の持ち出しになるが、輸血すれば利益になる」と感染症などの大きなリスクのある輸血を労働者に強いる病院経営の現実。ここには診療報酬制度など厚生労働省による強い誘導があります。「治療をせずに患者を病気にさせた方が儲かる」という資本の論理に労働組合が闘わずに屈すれば、労働者は「経営者も診療報酬改定の被害者」「1万円の注射を病院の持ち出しで使えば、夏のボーナスが減ってしまう」と、自分たち医療労働者の権利や生活を守ることと、患者の権利や命を守ることがあたかも対立関係にあるかのようにされてしまいます。それは、労働組合が診療報酬を前提にした経営の枠内で「労働者の取り分」を交渉しているに過ぎないからです。
 しかし、「患者を安全に治療するのが仕事だ」という医療労働者としての思いも当然あります。現場は常に葛藤の中にあるのです。この「本来の医療・看護・介護をやらせろ!」というどんな労働者にもある思いを貫き当り前の労働をキッチリやると、資本とぶつかる。職場から合理化攻撃と実力で対決する闘いをつくりだすことです。これは労働そのものをめぐって、労働者と、労働を儲けの手段にしている資本とがぶつかる非和解の闘争なのです。
 医療・介護職場では、激しい非正規職化の攻撃がかけられています。非正規雇用は、人間が生きるために必要な医療・介護労働を、労働力商品として儲けの対象にする究極の姿です。他人の命を守る労働が、自分の命も維持できないほどの低賃金・不安定雇用であっていいはずがありません。デタラメな雇用形態を許して労働者の不団結が生まれれば、現場は資本の論理にからめとられてしまいます。労働を武器に資本と闘うとは、現場に分断を持ち込まない闘いでもあるのです。
 安全を守るために、本来は労働者2人以上でしてきた注射確認などのダブルチェックを、資本は電子カルテ化によるコンピューターと労働者によるチェックに置き換えようとします。そんな省略された作業では、どれほどミスが生じやすくなることか。現場の労働者はすぐわかります。しかしそれを問題にしなければ、現場労働者はいくらでも合理化された労働をこなそうと必死になります。その結果、ミスが起きても「自分が悪い」とされるのです。日常不断にダメなものはダメだと資本とぶつからなければ、合理化で事故が起きても労働者の「自己責任」にされてしまう。
 この合理化攻撃の本質は、医療の労働組合・労働運動を「医療の新自由主義攻撃の先兵にしていく攻撃」であり、この攻撃への屈服を通して「医療労働者の心理やイデオロギーを新自由主義のもとに組み敷いていく攻撃」でもあります。
 問われているのは階級的な医療・福祉労働運動です。合理化攻撃と真っ向から対決しぬけば、新自由主義を根幹から打ち砕くことができます! この闘争で労働組合の「資本と非和解に闘う」団結を職場によみがえらせよう! この労働組合の闘争と団結を絶対に勝利させるために、社会保障解体攻撃という新自由主義の柱を打ち砕く闘いとして発展させよう!
 11・4全国労働者総決起集会に職場・職種・雇用形態の違いも国境ものりこえ、闘う医療・福祉労働者の隊列の登場をかちとろう!

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週刊『前進』(2553号3面1)(2012/09/24 )

 全職場で外注化阻止を闘い11・4へ

 9・16大阪 市役所前で“橋下倒せ”

 御堂筋デモに1千人が立つ

 「負ける気がしない!勝ちに行きましょう!」 大阪市職の赤田由行さんは発言の冒頭でこう宣言した。9月16日、大阪市役所前の中之島公園・女神像前で開催された橋下打倒集会には全国から910人が結集した。
 豊中市職の深町加代子さんの司会で集会が始まった。八尾北医療センター労組委員長の藤木好枝さんが基調報告。「八尾北・西郡闘争は新自由主義の先兵である橋下と最先端で激突し、絶対反対の階級的団結で闘えば勝てることをつかみとってきた。既成労組幹部が闘わずに屈服していることが、橋下のようなやつをのさばらせている。絶対反対を貫き人生をかけ決然と決起することが、外注化・非正規職化阻止決戦に勝利する道です」
 大阪市職の赤田さんは「時代を動かしているのは橋下市長ではなく僕ら労働者だ。たった一人の決起で時代を大きく動かす、大チャンスが来ている。橋下の狙いは現場の絶対服従だ。調査票という紙切れ一枚で労働者の生首を切り人生を左右する。労働組合が闘わないことでこういう攻撃への道を開いた。しかし現場に闘いがあれば、こんな社会のあり方をひっくり返すことができる。橋下は『政治活動規制条例』で闘いを抑えこもうとしているが、追いつめられたがゆえの最後の弾圧にすぎない。今こそ闘う労働組合をよみがえらせよう」と訴えた。
 大阪市教組の沼田祐子さんは「君が代処分は私個人の問題にとどまらない。服務規律に従わない者をどんどん処分・解雇する。そして全員を『賃下げ自由・首切り自由』の非正規職に置き換える教育の民営化攻撃そのもの。絶対に認められない。橋下・維新の会の狙いは道州制=大民営化攻撃であり、労働組合をたたきつぶすこと抜きには実現できない。だからなりふりかまわず組合破壊・団結破壊の攻撃をかけてきている。橋下は労働者が処分を恐れず絶対反対で立ち上がることを一番恐れている。一番恐れている闘いをやろう」と元気いっぱいに宣言。
 解雇撤回闘争を闘う大阪市斎場労働者からのメッセージが読み上げられた。連帯のあいさつを行った全国金属機械港合同の中村吉政副委員長は「橋下と対決し大阪の労働運動を変えることで、日本の労働運動全体を変えていこう」とアピール。全日建運輸連帯労組関西生コン支部の高英男副委員長は「労働者の闘う力を奪う権利侵害との闘いは全国のすべての労働者の課題。一人の決起は必ず労働者全体の決起につながる」と提起。
 動労千葉の田中康宏委員長は「ペテン師・橋下が首切りをやって大阪を丸ごと民営化しようとしている。この橋下に宣戦布告をしましょう。動労千葉も外注化阻止のストライキで青年労働者を獲得する。絶対に負けません」と外注化阻止決戦勝利のアピールを行った。
 被災地から動労水戸の石井真一委員長が被曝労働拒否のストライキで青年労働者を獲得していると報告。仙台市職労の神保美彦副委員長は「復興特区」攻撃との闘いで階級的組合につくりかえると発言。橋下との対決の核心に迫るものだ。
 部落解放同盟全国連西郡支部の佃文弘青年部長のカンパアピールに続き、北海道庁の労働者、東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会、日教組奈良市、婦人民主クラブ全国協、全学連が次々と発言した。

 組合旗先頭に

 国労の富田益行さんのまとめで御堂筋デモに出発。関生支部の宣伝カーを先頭に関生、港合同、関西合同労組、高槻医療福祉労組、日教組奈良市、愛媛県職労、全金本山など組合旗を林立させた1千人近いデモが大阪市中心部を縦断した。
 橋下打倒の闘いが労働組合をよみがえらせる最も現実的な方針となった。激しい処分攻撃がかけられる中で、自治体労働者も教育労働者も職場での身を削るような議論を経てこの日を迎えた。結集した労働者の後ろには「参加しようか朝まで悩んだ」同僚がたくさんいる。9・16闘争は目に見える回答となった。
 自治体労働者や教育労働者が決起すれば橋下を打倒できる。力関係は確実に転換した。10・1外注化阻止決戦から11月労働者集会へ突き進もう。(大阪・O)
(写真 ペテン師・橋下に宣戦を布告。10・1JR外注化阻止決戦と一体の橋下打倒集会に全国から 910人が結集、大阪市役所前に労働組合旗を林立させた【9月16日 大阪・中之島公園】)

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週刊『前進』(2553号3面2)(2012/09/24 )

 本部は一切反論できず

 国労組合員権訴訟 歴史的事実つきつけ圧倒

 国労組合員資格確認訴訟の第5回口頭弁論が9月19日、東京地裁民事第11部(白石哲裁判長)で開かれた。
 国労本部は2010年に1047名闘争の解体を狙って4・9政治和解を強行し、翌11年7月の定期全国大会で解雇撤回闘争の終結を宣言するとともに、闘争団員から組合員資格を奪った。これに対し、和解を拒否し解雇撤回闘争を継続する小玉忠憲さん(秋田闘争団)、成田昭雄さん(旭川闘争団)、羽廣憲さん(小倉闘争団)、石ア義徳さん(鳥栖闘争団)の4人の闘争団員が、国労本部を相手に組合員資格の確認を求めてこの裁判を起こした。
 国労本部はこの間、「国労は企業内組合だからJRとの雇用関係があることが組合員資格の大前提」「雇用関係が大前提であることは、国鉄時代以来の扱い」という主張を繰り返してきた。
 法廷では、原告代理人弁護団が本部の主張が虚偽であることを徹底的に暴き出した。
 1947年6月に国労が結成された時の規約は、「組合は、国有鉄道職員をもって組織する」となっていた。しかし、国鉄当局による不当解雇との闘いの中で、56年8月の全国大会で、規約は「組合は、組合員名簿に登録されたものをもって組織する」と改正された。当時、国鉄労働者に適用された公共企業体等労働関係法(公労法)は、「公共企業体の職員でなければ、その公共企業体の職員の組合の組合員又はその役員となることができない」と定め、これを口実に国鉄当局は、被解雇者を役員に据えた国労との団交を拒否するなど、不当な対応をとり続けていた。これに屈することなく、被解雇者を組合員・役員として守り抜く姿勢を示したのが、この規約改正だ。
 しかもそこには、当時の新潟地本が3年がかりで国労本部を突き上げ、規約改正を実現させた現場組合員の闘いの歴史が刻み込まれている。
 国労本部自身が作成した『国労20年史』も、この規約改正を「公労法の枠を破った」ものと評価しているのだ。
 90年4月の国鉄清算事業団からの1047名解雇を目前にした89年の大会でも、国労は被解雇者を組合員として守ることを確認している。
 こうした事実を突き出して、原告代理人は「これは被告代理人もよく知っている歴史的事実だ」「被告の主張は国労の歴史を偽造するものだ」と断定した。
 その迫力の前に、宮里邦雄弁護士ら国労弁護団は何の反論もできないところに追い込まれた。
 裁判に先立ち、和解を拒否した闘争団員と「共に闘う国労の会」は、国労本部にほど近い新橋駅前で早朝からの宣伝行動を貫徹した。国鉄1047名解雇撤回の不屈の意志を表明し、これに敵対する国労本部を弾劾するとともに、鉄道の安全を破壊するJRの検修外注化絶対反対を訴える宣伝に、通勤途上の労働者の熱い共感が寄せられた。

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週刊『前進』(2553号3面3)(2012/09/24 )

 外注化阻止決戦と11月集会へ具体的で実践的な方針を論議

 労組交流センター 大阪で拡大全国運営委

 全国労組交流センターは、9・16橋下打倒集会と一体で、9月15日〜16日、大阪市内で第25回拡大全国運営委員会を行った。
 9月12日からJR東日本で10・1外注化の出向事前通知が出され、それに対して動労千葉、動労水戸が総力を挙げて拒否や弾劾を闘い抜いた。他労組の平成採が自らの闘いとしてスト破り拒否や通知受け取り拒否を開始し、JR当局を大混乱にたたき込み、外注化は完全に止められる情勢となっている。拡大全国運営委員会は、このJR平成採を先頭とした青年労働者の根底からの怒りと決起に心から感動しともに闘うものとして開催された。
 事務局が「10・1外注化阻止・非正規職撤廃、国鉄1047名解雇撤回で階級的労働運動の新たな高揚をつくり出し、11・4労働者集会に巨万の労働者隊列を登場させよう!」と題して基調報告を行った。討論はすべて11・4集会に向けた具体的方針論議となった。
 11月に向かっては何より、10・1外注化を全国の力で絶対に阻止し、支配階級との最大の攻防点で勝ってみせることだ。約3カ月間、全国でビラをまき平成採に訴え続けてきたことで、みんなが体を通して「10・1外注化阻止」を自分自身の闘いにしている。闘いは10・1でも終わらない。外注化・非正規職化という新自由主義攻撃の核心を打ち砕くまで続く。
 また、階級的労働運動の路線として「外注化阻止・非正規職撤廃」を職場で実践することだ。自分の職場の合理化、雇い止め解雇、非正規職の導入などさまざまな攻撃と真正面から向き合い、闘いを開始することで仲間との信頼関係がつくられている。闘いの中から生み出された団結こそ労働組合をよみがえらせていく最大の土台だ。
 さらに、国鉄闘争を基軸に闘うことだ。会議では6・29動労千葉鉄建公団訴訟判決の切り開いた地平を論議した。高裁で「解雇撤回・JR復帰」を闘い取るために地域の労組に呼びかけようということである。この間の物販オルグ、鈴コン闘争の労組まわりで、自分たちの職場の闘いと国鉄闘争をもって地域の労働組合をオルグする自信がみなぎっている。
 最後に、組織拡大、11月1万人結集に向かって自分たちの意識を変えようということだ。討論のまとめに立った辻川慎一代表は職場の平成採の主体的決起の素晴らしさを紹介、「自分たちの現状から発想するのではなく青年とともに切り開いたものが情勢の最先端だという認識で、今までの支配構造、自分たちのあり方もぶっ壊していかなければならない」と参加者に檄(げき)を飛ばした。
 どんな困難に直面しても展望はすべて闘いの中から切り開いてきたのが動労千葉、動労水戸の労働運動だ。「労働者の団結に徹底的に依拠する」――われわれの側がこのことを職場のみんなに見えるものにし、形にすることだ。
 労組交流センターも10・1外注化阻止―11月労働者集会に向け猛然と突き進む決意だ。(T)

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週刊『前進』(2553号3面4)(2012/09/24 )

 自治体労働者は11月2倍結集を

 橋下打倒・復興特区粉砕・民営化絶対反対で闘おう

 革共同自治体労働者委員会

 9・16橋下打倒闘争は自治体・教育労働者を先頭に910人の結集で大成功した。被災地・仙台市職労の闘いに続く大阪の拠点化への大前進だ。国鉄決戦と一体で、11・4労働者集会1万人結集へ全国の自治体職場で闘い抜き、闘う労働組合を再生しよう。

 大阪市役所前橋下への怒りで埋め尽くす

 橋下徹大阪市長の処分攻撃に屈しない大阪市職青年労働者の決起が全国の自治体労働者の胸を打った。自治労大会、自治労連大会などで500筆を超える橋下打倒賛同署名が集まり、9・16集会への大結集が実現した。
 集会は、市役所前の公園全体が橋下への怒りで埋め尽くされた。橋下に負けてたまるか。橋下の攻撃は全国の自治体労働者、全労働者にかけられている。闘う大阪の労働者を先頭に、外注化阻止・橋下打倒までやむことのない闘いの開始だ。
 10・1JR全面外注化阻止決戦はいよいよ大激突過程に突入している。JR東日本は、9月12日から強制出向の事前通知を始めた。事前通知を受けた動労千葉組合員はその場で「出向拒否」をたたきつけ、動労千葉は14日、JR全面外注化を”絶対に止める!”総決起集会を開催し、動労水戸とともにストライキ決起で猛然たる出向拒否・組織拡大闘争に入った。
 ここに労働者の未来がある。国鉄決戦に決起し全職場で民営化・非正規職化絶対反対で闘おう。

 被災地先頭に過重労働粉砕、諸権利防衛へ

 東日本大震災と福島原発事故から1年半、被災地である仙台市役所の職場では、通常業務と復興業務の累積によって当局自身が昨年5月、「職員の9割がメンタル疾患をかかえ、5割が抑うつ状態」と公表した現実がさらに深刻化している。多くの労働者が心身ともにすり減らされ、労働災害で殺されている。
 復興特区攻撃とは、「復興」の名において労働者に犠牲を強いて、労働組合の抵抗をつぶし、徹底した規制緩和と民営化・非正規職化で労働者の権利を奪い、震災をも資本の利益の道具にする新自由主義攻撃そのものだ。政府は「日本再生戦略」で「被災地の復興を日本再生の先駆例に」とし、この復興特区攻撃を日本全体に拡大しようとしている。
 復興特区攻撃を現場の怒りと団結で打ち破り闘う労働組合を再生する闘いが、仙台市職労での闘いを先頭に断固闘いぬかれている。大阪・橋下打倒の闘いとともに、復興特区=民営化・非正規職化攻撃粉砕に全国の職場で総決起しよう。

 現業職場の全廃

 労働組合が闘わないことをもって、現業職場の全廃と非現業部門の外注化(民間委託)が全国の職場で進行している。
 全国の自治体当局は大恐慌下の税収減を労働者の責任に転嫁し、自治体業務に群がる資本のために民営化・外注化を激しく進行させている。
 しかし、福祉や保育、医療や介護、上下水道や清掃、公園や道路の管理をはじめ、自治体業務は人間が生きていく過程のすべてにかかわっている。これを民営化して資本の利潤追求の餌食とするなら、いったい何が起こるか。介護保険制度の惨状に明らかだ。社会保障の解体であり、社会の崩壊にまで行き着く。
 清掃、調理、用務、介護ヘルパー、土木、公営交通などの現業職場では日雇いや臨時雇用を正規職員にする闘いが「生きられる給料よこせ」の闘いとして激しく闘われ、戦後の自治体労働運動をリードしてきた。それに対して、第二臨調行革による民営化攻撃が87年国鉄分割・民営化を皮切りに始まった。それから25年、全国各地で民営化に反対する現業労働者の闘いが展開されてきた。”公務員は民間の同職種に比べ給料が高い、優遇されている”というバッシングの中で、各自治体が退職者不補充方針をとり、真綿で首を絞めるようにどんどん民営化を進めてきた。この攻撃に自治労・自治労連とも「現業活性化」や「聖職論」にもとづく「働こう運動」を掲げ、現場の絶対反対の闘いを抑えつけてきた。その結果が、職の廃止による分限免職攻撃の本格開始だ。09年末社会保険庁解体・全員解雇に続き、今年4月に呉交通の広島電鉄への民間移譲による全員解雇・選別採用、大幅賃下げ攻撃が強行された。労働組合が民営化攻撃に屈し”当局が転職のあっせんをしたにもかかわらず応じなかったから””試験に受からなかったから分限解雇だ”という手法がまかり通ろうとしている。
 今こそ外注化阻止・非正規職撤廃、1047名解雇撤回闘争の国鉄決戦に総決起し、「子ども・子育て新システム」や大阪・橋下型の現業丸ごと民営化・公務員全員解雇攻撃に対する自治体労働者の総反乱を起こそう。

 非現業の外注化

 非現業部門の外注化・非正規職化との闘いも始まった。
 非現業職場の外注化・非正規職導入の典型的な形が窓口業務の部分委託である。戸籍・住民登録、税務、国保、介護保険、生活保護、総合案内などのすべての窓口業務が対象になっている。
 当局は人員削減と過大な業務で毎日、残業しないと仕事が回らない状況をつくり出して労働者をボロボロにし、”こんなに忙しいなら委託(外注化)しても仕方ない”と組合が認めることで外注化・非正規職化が進められてきた。現場には怒りがあるが組合が屈服・妥結することで闘っても勝てないと思いこまされてきた。窓口業務などの部分委託は、完全な偽装請負だ。しかも委託のための企画立案、入札など管理業務はかえって増え、過重労働は解消されない。そのもとで予算の付け替えと労働者の非正規職化が進んでいる。
 もうひとつが市民税や国民健康保険料、介護保険料などの滞納者への催告業務(コールセンター)の委託である。
 労働者の4割が非正規職に突き落とされている中で、膨大な滞納者が生まれている。しかし、委託労働者は法律上、税金を徴収することはできない。認められているのは催告のみである。個人情報漏えい、偽装請負の問題がある。しかし、その制限を踏み破る新たな策動が始まりつつある。
 7月27日、東京・足立区が呼びかけた「日本公共サービス研究会」が発足し、総務省、内閣府と御用学者、153自治体が参加した。
 そこでは、これまでの外注化では限界とされた非現業部門、各種窓口業務、会計・出納、国保・介護保険関連、設計・積算・入札・契約などの全面的な外注化のための謀議が始まった。
 広域自治体が連合して外注化の受け皿「第2市役所」をつくる。そこに自治体職員を出向させ、業務のノウハウを伝授し外注化を行おうというのだ。動労千葉の外注化阻止の闘いで明らかになったJRの出向・転籍攻撃とまったく同じ手法だ。一握りのコーディネーター、手配師以外は自治体労働者を全員丸ごと外注会社に出向・転籍・解雇していく大攻撃だ。

 人事評価粉砕!

 「頑張った者には恩恵を」などと称して始まった自己申告と評価制度による成果主義賃金制度は総額人件費の削減と究極の労働者の分断、団結破壊の攻撃だ。恣意(しい)的に職員をランク分けして当局の意のままに動く職員をつくる制度だ。大阪での「入れ墨調査」「マイカー通勤で処分」「たばこ処分」などと同じく、分断と選別、処分と解雇をちらつかせて労働者の団結を破壊し、公務員360万人解雇=外注化を行うための道具だ。8月自治労函館大会でも人事評価絶対反対の闘いが報告された。
 千葉県下の市職労の仲間は職場全体を組織し、人事評価制度を解体に追い込む先進的勝利をかちとっている。自己申告を拒否して不当な再任用雇い止めをされた新潟市職の仲間は、解雇撤回を求め裁判闘争を闘って当局を追いつめ、労働組合の再生をめざして闘い抜いている。最低ランクのD評価を受けた仲間は、異議申し立てを行って組合を動かし、当局を追いつめる中でともに闘う仲間の組織化に奮闘している。
 全国の全職場で闘いが巻き起こっている。民営化・外注化阻止、非正規職撤廃へ、絶対反対で闘い抜こう。

 闘う労働組合を再生させる絶好機の到来

 闘う自治体労働運動をつくる絶好のチャンスが到来した。
 10・1JR外注化阻止決戦と結合した9・16橋下打倒闘争の大高揚は、全国の自治体労働者に大きな勇気と展望を与えている。すべての自治体職場で起きている過重労働、賃下げ、サービス残業、人事評価、民営化・外注化に対する怒りを解き放ち、真っ向から絶対反対で闘おう。原発推進と公務員首切り・賃下げの民主党・野田政権を支える連合・自治労本部への怒りを爆発させよう。情勢は激変した。闘う労働組合をよみがえらせることは絶対に可能だ。
 11月労働者集会1万人結集こそ、階級決戦の勝敗を決める。全国の闘う自治体労働者は、昨年の2倍の結集の実現に向かってあと1カ月強を猛然と闘い抜こう。
 第一に、10・1JR外注化阻止決戦をともに闘い抜き、「復興特区」粉砕・橋下打倒を先頭とする外注化阻止・非正規職撤廃の職場闘争で勝負しよう。
 第二に、国鉄分割・民営化に決着をつける闘いだ。「不当労働行為」を認めた動労千葉6・29鉄建公団訴訟東京地裁判決の地平の上に、国鉄闘争全国運動と「解雇撤回・JR復帰の判決を求める」大署名運動で11月集会を組織しよう。
 第三に、「フクシマの怒り」を共有し反原発・反失業、被曝労働拒否の闘いに総決起しよう。
 党と労働組合の一体的建設、地区党建設と産別委員会建設・産別指導部建設を進め、全国の自治体職場に職場細胞を建設しよう。組織拡大の最大の武器こそ機関紙『前進』である。『前進』をもっともっと自治体職場に持ち込み、階級的労働運動の復権をかちとろう。全職場で闘って闘って闘って、11・4労働者集会に攻め上ろう。

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週刊『前進』(2553号4面1)(2012/09/24 )

 10・7三里塚へ!市東さんの農地守れ

 外注化阻止決戦と一つになり三里塚は勝利の扉を押し開く

 第3誘導路の来春供用粉砕を

 反原発20万、沖縄10万人決起を始め、民衆の決起が激しく支配階級を揺さぶっている。3・11で一変した世界が、新しい時代に進もうとしている。次の時代に進む力は、新自由主義と真っ向から闘ってきた勢力が、決戦を勝ち抜くことで生み出される。10・7三里塚全国集会は、10・1外注化阻止の闘いとひとつになって、未来を切り開く集会だ。大結集しよう。
(写真 「農地死守」掲げ北原事務局長【中央】と市東さん【右】がデモの先頭に【5月28日 千葉】)

 福島―沖縄―国鉄と結んで闘う意義

 「オスプレイ断固反対!」。赤一色に彩られた沖縄県民大会に集まった復帰後最大規模の10万3千人。文字通りの島ぐるみ決起だ!
 「これ以上の基地負担を断固として拒否する」とした大会決議。沖縄県民の怒りは、基地撤去以外におさまらない。
 全駐労沖縄地本が組織参加した。「解雇撤回・基地撤去」を闘いぬいた全軍労の闘いを引き継ぐ決起が開始されている。
 同日、沖縄に呼応して東京では1万1千人が国会を包囲した。原発への怒りと沖縄の怒りがひとつになり、闘いの輪が広がっている。胸躍る時代の到来だ。
 7・16代々木公園の反原発17万決起は、命と未来を脅かすものに対して、人民は闘うのだということをまざまざと示した。行動が行動を呼び、直接声を上げることで政治を変え、社会を変えていこうという息吹があふれている。再稼働反対の金曜行動に続いて、火曜日には反TPP(環太平洋経済連携協定)、水曜日には反消費税の官邸前行動が行われている。
 「2030年代に原発ゼロ」なる政府の「新エネルギー戦略」は何だ! 原発存続政策以外の何ものでもない。「今すぐゼロだ」「野田を倒せ!」の声がちまたにあふれている。
 何よりも許せないのがJRの外注化だ。千葉では91人の出向対象者のうち44人が動労千葉だ!
組織破壊、組合破壊の攻撃を絶対に許すわけにはいかない。だが、動労千葉、動労水戸をはじめ闘う労働者は、職場から怒りをつくりだし、団結をうち固めて闘いぬいている。
 民衆が続々と決起する大流動の中で、闘って未来を切り開く情勢がやってきた。この時、三里塚はこの情勢に呼応し、ひとつになって決戦に立ち上がろうとしている。
 三里塚闘争は46年間、帝国主義の侵略と圧政に対して農地を武器に体を張って闘い、打ち破ってきた。その三里塚が今、福島、沖縄、国鉄決戦と結んで闘う意義ははかりしれない。46年間、反対同盟とわれわれが労農連帯の旗のもとで国家権力と真っ向から渡り合ってきた真価を発揮する時がきたのである。

 TPP強行による農業破壊許さない

 「首切りと非正規雇用、食べていけない低賃金労働、ここに襲いかかる消費大増税、TPPとオスプレイ、――これらを打ち破り、原発を廃棄して、人が人として生きられる社会を目指す変革の波が押し寄せている」(全国農民会議の10・7結集アピール)
 闘う農民の隊列が三里塚にその姿を現した。
 日本農民はいま、日帝の新自由主義農業政策に対して「このままでは生きられない」「もう我慢ならない」と闘う魂を呼び覚まし、立ち上がり始めている。農民が腹の底からの怒りを爆発させ、闘いに立ちあがる時、それは歴史の転換点だ。
 日帝は、資本主義の競争原理に農業を次々と放り出して衰退させておきながら、「このままでは農業は地盤沈下」だと言いなし、「攻めの農業」「効率化が必要だ」と叫んで大企業の農業参入に道を開く。その最たるものがTPPだ。
 農業収入を主とする主業農家は36万戸に落ち込み、農地は激減の一途だ。農水省の試算でも、TPPで関税が撤廃されれば、農林水産業は年間生産額が約3兆4千億円減少する。TPPの先に日本農業の未来はない。
 TPPは農業壊滅だけでなく、医療、保険から雇用、福祉、食の安全に至るまで、生活のすべてをむき出しの競争にさらすものだ。社会の制度そのものを新自由主義に改編する大攻撃だ。絶対に許せない。 
 三里塚闘争は資本主義の農業収奪、農地強奪に対して反旗をひるがえす農民闘争である。その核心には農地死守・実力闘争、絶対反対が貫かれている。それはどこから来たのか。農民、労働者人民の闘いの継続からだ。
 三里塚は北富士、砂川闘争を引き継ぎ発展してきた。さかのぼれば「内灘」「妙義」など米軍用地接収に対する反基地闘争、さらに、足尾鉱毒、谷中村の土地収用との闘いにさかのぼる民衆闘争の歴史を今に引き継ぎ、発展させた闘いなのだ。
 この脈々として貫かれてきた民衆闘争、農民闘争の歴史の上に、いまわれわれは立っている。この闘いと、始まった巨大な反原発、基地撤去・沖縄闘争の巨万の民衆決起が結びついた時に真に歴史が動く。10・7は、3・11以後を総括し、真の変革に向かって闘い進む決戦突入集会である。

 労農連帯こそ勝利への道だ

 さらに決定的なのは「労農連帯」だ。三里塚と動労千葉は一貫して「車の両輪」として闘い、これまで幾多の破壊攻撃を連帯してうち破り、敵の危機を促進してきた。
 1985年、動労千葉・動労水戸をはじめ国鉄労働者が分割・民営化攻撃と闘っていた時、三里塚では2期工事着工攻撃との激しい決戦の渦中にあった。
 「戦後政治の総決算」と称した中曽根の新自由主義政策、総評労働運動解体攻撃に対して、動労千葉と三里塚はがっちりと連帯して闘いを守り抜いた。
 以来、動労千葉は分割・民営化と闘い続け、ついに6・29判決という形で採用差別を認めさせ、分割・民営化の不当性を根本から明らかにした。三里塚の不屈の闘いは、B滑走路の計画変更を強制し、欠陥空港としてのぶざまな現実を強制している。
 現下の攻防は支配階級との存亡をかけた闘いだ。それゆえ国鉄も三里塚も決戦は不可避である。勝利する道は何か。
 「車の両輪」として培われた「労農連帯」を、階級的労働運動路線のもとで、壮大な労働者と農民のスクラムへ発展させることだ。資本主義を打倒し日本革命に向かう「労農同盟」へと押し上げるために闘うことだ。
 10・7は、外注化阻止・非正規職撤廃をストライキで闘う労働者と、三里塚をはじめ全国農民会議に結集する農民、原発やTPPに反対して立ち上がった農民との「労農同盟」に向けた新たな扉を開く集会である。労働者と農民ががっちりと肩を組んで、決戦に勝利することこそ、民衆決起とひとつになって新自由主義を打倒する力である。

 反対同盟とともに農地死守・廃港へ

 あらためて決戦攻防を確認したい。9月10日、千葉地裁民事第3部(多見谷裁判長)は、口頭弁論を打ち切り強行した証人尋問において、最重要証人である元国交省成田空港課長の石指雅啓証人について、ビデオリンク(テレビ会議方式)で行う決定を下した。誰が見ても理屈の通らない不当決定だ。証人隠しそのものである。市東さんと弁護団は即座に裁判官忌避を申し立て対抗した。
 9・10裁判は農地裁判の画期をなす。多見谷は態度を一変させ、国策裁判の先兵として、農地取り上げの訴訟指揮を行う姿勢を露骨に表した。「多見谷裁判長、お前もか!の思いだ」と裁判報告会で市東さんは抗議の姿勢を訴えた。この一言に表されるとおり、裁判の方向は明らかだ。われわれはこうした国策裁判を絶対に認めることはできない。原子力ムラの言うがままに「原発安全神話」に加担してきた原発裁判と同じだ。
 市東さんをはじめ、地域の生活を破壊する第3誘導路は、来春3・31供用開始に向けて必死の工事を強行している。
 本紙前号の松井論文が述べているように、市東さんへの農地強奪攻撃は営農手段のすべてを取り上げ、農民に対して「死ね」と言うものだ。しかも農地と農民の権利を守るべき農地法を使って、裁判所が収用機関として振る舞う、こんなデタラメを絶対に許さない。
 三里塚闘争勝利、市東さんの農地死守とは、こうした攻撃との全面対決であり、決戦への不抜の決意と陣形である。
 反対同盟の決意に断固として応え、仲間に呼びかけ、友人を誘い、10・7全国集会に駆けつけよう。外注化阻止が動労千葉や国鉄労働者だけの闘いではないように、農地取り上げとの決戦は三里塚だけの闘いではなく、日本農民・人民の未来のかかった決戦だ。青年労働者・学生こそが先頭になって反対同盟とともに立ち、未来を切り開こうではないか。
 10・1JR外注化阻止から10・7三里塚闘争へ。そして、11・4全国労働者総決起集会へ。この秋の階級決戦に全力で決起しよう。
 〔白川賢治〕

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週刊『前進』(2553号4面2)(2012/09/24 )

 団結街道裁判

 “原告適格は明白だ”

 成田市の居直りを許さず

 9月18日、千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)で、団結街道裁判の弁論が開かれた。団結街道廃止攻撃に対し、反対同盟と支援の労働者・学生・市民が怒りをかきたてて法廷を埋めた。
 被告・成田市は、「道路法は公益を保護するもので、住民の個別利益を保護する法律ではないから、市東さんらには原告適格がない」などと主張している。反対同盟顧問弁護団はこれに対し、「個人の利益保護をふくまない“公益”とは空疎な観念論。原告適格があることは明白だ」と鋭く全面的に批判した。
 また「毎日耕作地に通う道路を廃道にした例がほかにあるのか。挙げてみよ」との追及に対し、市は「事例を列挙することはまったく意味がない」などと居直りを決め込んでいる。弁護団は「それこそ前例のない違法だ!」と断罪した。
 裁判長はあちこちで口をはさみ、成田市側のずさんな主張を取り繕うことに腐心した。
 次回期日を12月18日(火)として閉廷した。
 近くの会場で、伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた。
 最初に北原鉱治事務局長があいさつに立ち、「拙速裁判を許さず、裁判とともに現地での闘いを強めよう」と訴えた。
 葉山岳夫弁護士は、9・18柳条湖事件から81年のこの日、日本の帝国主義的領土拡大と排外主義に対する闘いの重要性を確認した上、「成田市はNAAの言うなりで道路を廃止し、安く払い下げ、第3誘導路建設に協力した」と厳しく断じた。これに続いて弁護団全員が決意を語った。
 動労千葉と関実が連帯発言を行った。動労千葉の滝口誠さんは「10・1JR外注化を阻止し10・7に全力結集する」と決意を述べた。
 最後に萩原進事務局次長が、「農地裁判では多見谷裁判長に忌避を申し立てている最中だが、石指証人尋問が予定されていた10月15日に千葉中央公園を出発する市内デモを行う」と新方針を提起し、「10・7全国集会の位置は決定的だ。全国からの大結集を!」と情熱を込めて訴えた。

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週刊『前進』(2553号4面3)(2012/09/24 )

 反対同盟は訴える

 労農連帯にこそ未来が 事務局長 北原鉱治さん

 47年になろうとする三里塚闘争は、農民・労働者・人民にとって「生きる権利は自ら闘ってかちとるもの」ということを身をもって示してきた闘いであった。政府・空港公団は、国家暴力を用いてこの地に空港建設を強行してきたが、われわれはその不当・不条理を、逮捕・流血をいとわぬ闘いにおいても、また裁判闘争においても告発し警鐘を鳴らしてきた。彼らは自分たちの行いのあまりの理不尽ゆえに「謝罪」のポーズをとることもあったが、真に反省したことなど一度もなく、ゆえに反対同盟、農民・住民の頑強な闘争に阻まれ、成田は未完成の欠陥空港の姿をさらしている。
 そして今、市東孝雄さんの農地をめぐる攻防がいよいよ緊張を増している。親子3代90年にわたって耕し続けた農地を奪うために、NAA(成田空港会社)は千葉地方裁判所と手を組み、来春には反動判決を狙っている。そして市東さんの家を空港施設で囲い込んでしまおうと、第3誘導路工事を急ピッチで進めている。一農民の必死の叫びを踏みにじり、地上げ屋まがいの行為に及ぶ彼らには、一体人間の心というものがあるのか!
 全国の皆さんは三里塚の大地に立って、この現実を自分自身で確認してほしい。日本の将来のために何が必要かを、考えてほしい。政治家は民衆の声を聞くことなく、利権を絡めた政権抗争に明け暮れている。民主党・野田政権はTPP参加へと突っ走っているが、経済界の利益を第一とし日本農民の血と汗をないがしろにするこのTPPには、絶対に反対しなければならない。
 労働者は武器・兵器の輸送などの戦争協力を拒否し、農民はこれに呼応し生命の糧を生産する、この労農連帯にこそ、日本の未来がある。その確信を若い青年労働者、学生たちに語り継ぎたい。
 決戦が間近に迫る10・7三里塚全国総決起集会への、全国の方々の大結集を心から訴えます。

 福島・沖縄と手を結び 事務局次長 萩原進さん 

 市東さんの農地を守る闘いは「代執行」との闘いになることを、はっきりと見すえなければならない。敵はまさに市東さんの耕作地、作業場、農機具置き場、離れなど、母屋を残して一切の農業基盤を「明け渡せ」と迫っている。そして「離作補償は1億8千万だ」と言う。大変な金額だが、要するに市東さんが農民として生きられない状況をつくり、農民としての市東さんを抹殺する、その「香典」ということだ。絶対に許せない。
 農地裁判が来春に結審情勢を迎えれば、そういう暴力的な土地強奪攻撃に否応なく直面する。これとどう闘いぬくのかということを、ぜひ皆さん一人ひとりがここで真剣に考えてほしい。
 今成田―羽田の一体的運用ということがしきりと言われているが、日帝の航空政策の破綻の結果だ。成田は閣議決定から50年近くたっても完成しない欠陥空港だ。格安航空の誘致で延命しようとしているが、あの“安さ”はすべての矛盾を強労働、賃金カット、首切りなどの形で労働者に押しつけて実現するものだ。「こんなものは必ず大事故・大惨事につながる」と今の時点から声を大にして強調したい。起きてから「想定外」と言わせてはならないのだ。
 3・11で社会が一変し、首相官邸前や国会前に人びとが万、十万という単位で集まっている。沖縄県民大会も10万人を超える大結集となった。「国策」の名で行われてきた三里塚、福島、沖縄――今これらが手を結び闘うことが急務だ。
 この人民大衆の大きなうねりの中に、三里塚の旗を高く掲げて思い切って大胆に飛び込み、ともに闘う道を進まなければならない。オスプレイの配備が沖縄―全国に強行されようとしているこの時、また領土問題の激動で日本人民の立場が問われるこの時、10・7三里塚の持つ意義はきわめて重要だ。日本階級闘争を牽引する怒りと行動力がここに結集し、その人びとがそれぞれの持ち場に帰り、全国の闘いをさらに燃え上がらせることが決定的だ。この中で、市東さんの農地を守る闘いに勝利する陣形を構築し、拡大強化しよう。

 「何くそ!」と闘志湧く 天神峰部落 市東孝雄さん 

 私の農地裁判では、この間証人尋問が続けられてきましたが、本当に怒りに堪えない場面ばかりです。成田市農業委員会とか、千葉県の農地課長とか、仮にも農民・農業の側に立って働くべき人が、NAAの言いなりになって、「自分は言われたとおりやっただけ」みたいなことを言う。NAAの数々の不当・違法については、訴えても調べもしない。
 農民が土地を奪われるということは、命を取られるのと同じことです。「そのことを分かっているのか!」と、元千葉県農地課長に問いただしましたが、彼はNAAと打ち合わせしたと思われることを繰り返すだけで、誠実に答える気がまるでなかったですね。
 「離作補償は1億8千万円だから十分だろう」などと平然と言うのにも本当に腹が立ちました。農民の日々の苦労や悩みを分かろうともしないのか。金さえ出せば人が言うことを聞くと思っているのか。冗談じゃない。
 これでは日本農業はすたれてしまいます。
 その一方、全国農民会議の方々が三里塚に心を寄せ一緒に闘ってくれているのは力強い。私も福島の農民と連帯し、自分の闘いとして反原発に取り組んでいます。7・16代々木公園には炎天下のもと私も参加しましたが、17万人も集まって原発に対する「廃止」の意思表示をしたことは、本当にすごいことですね。あの熱気と高揚を、三里塚でもつくり出したい。10・7集会には、一人でも多く集まって「農地強奪許さない!」の声を一緒に上げてほしい。
 うちの目の前で、第3誘導路の工事が進められています。私はこんな圧力に屈することはありません。むしろ攻撃が厳しいほど「なにくそ!」という気持ちが湧いてきます。現に私のところ一軒をどかすこともできなくて右往左往しているのは、空港の側です。
 沖縄の基地反対の闘い、動労千葉を先頭とする労働者の闘いとも、三里塚は一体です。 国、国交省、NAA、裁判所などの横暴、違法に黙っているわけにはいきません。勝利まで闘います。

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週刊『前進』(2553号4面4)(2012/09/24 )

日誌'12 9月11日〜17日

 生活保護受給、最多の211万人/中国の反日デモ数十都市で

●原子力規制委の発足を決定 野田内閣は閣議で、新たに原発の安全規制を担う原子力規制委員会を発足させ、田中俊一・前内閣府原子力委員長代理ら5人を委員長・委員に任命することを決めた。(11日)
●甲状腺検査、1人がんと診断 福島県は、福島第一原発事故による健康影響調査の一環で、18歳以下の子どもに行った甲状腺検査の結果約8万人分を公表した。425人で5・1_以上のしこり(結節)や、2・1a以上の液体の入った袋状の「のう胞」が見つかり、2次検査が必要とされた。このうち38人で2次検査が終わり、1人が甲状腺がんと診断された。(11日)
●F22また緊急着陸 7月から約6カ月間の予定で米軍嘉手納飛行場に暫定配備されているステルス戦闘機F22Aラプター1機が同飛行場に緊急着陸した。不具合の内容は不明。F22は8月13日にも片側のエンジンが止まった状態で緊急着陸している。(12日)
●生活保護211万人 5月時点で生活保護を受給している人の数が211万816人となり、前月より8735人増えて過去最多を更新した。厚生労働省が発表した。(12日)
●オスプレイ配備、政府に撤回要求 9日に開かれた「オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会」の実行委員会のメンバー44人が森本敏防衛相、玄葉光一郎外相、藤村修官房長官らを訪ね、MV22オスプレイの沖縄配備撤回と、普天間飛行場の閉鎖を県民大会の決議文を手渡して求めた。(13日)
●反米デモ、中東で拡大 イスラム教の預言者ムハンマドを冒涜(ぼうとく)する映画が米国で作られたことに対し、11日に始まった抗議デモはイランやイエメンなど九つの国と地域に拡大した。イランの首都テヘランでは、米国のビザ発給業務などを代行している在イラン・スイス大使館近くで「映像制作者に死を」「米国に死を」と叫んで気勢を上げた。(13日)
●再稼働容認、再処理も継続 野田政権はエネルギー・環境会議で、「2030年代に原発稼働ゼロ」を目指す新しいエネルギー政策「革新的エネルギー・環境戦略」をまとめた。原発を「重要電源」と位置づけ、再稼働する方針を明記。核燃料サイクル政策は継続する方針を示した。(14日)
●大間原発など建設継続 枝野幸男経済産業相は、電源開発大間原発(青森県大間町)など建設中の3原発について、「経産省としては、すでに設置・工事許可を与えた原発について変更することは考えていない」と述べ、稼働を前提に工事継続を認める考えを示した。青森市内での三村申吾知事らとの会談で表明した。(15日)
●反日デモ、警察と衝突 野田政権による10日の釣魚台(尖閣諸島)国有化方針正式決定に抗議する中国のデモが、15日に続き数十都市で起きた。一部が実力闘争化し、日系商業施設などを襲った。中国当局は警備態勢を強化して抑え込もうとしたが、広東省深?
市では中国共産党委員会の建物に押し入ろうとしたデモ隊が当局と衝突した。(16日)

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週刊『前進』(2553号4面5)(2012/09/24 )

【要項】第7回千葉県三里塚集会

市東さんの農地強奪を許すな!
第7回千葉県三里塚集会
9月30日(日) 午後2時30分
DC会館 (JR東千葉駅前)
千葉市中央区要町2―8
主催/千葉県三里塚集会実行委員会

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週刊『前進』(2553号5面1)(2012/09/24 )

 9・14官邸前 原発継続方針に怒り

 福島の女性「この国は暴力国家」

 「野田! 出てこい!」「いますぐ原発をやめろ!」。9月14日金曜日の夕方、首相官邸前の歩道を埋めた人びとがこぶしやボードを突き上げた。原発再稼働と原子力規制委員会人事案に反対する、首都圏反原発連合有志主催の行動だ。
 この日、野田政権はエネルギー・環境会議で新戦略を決定したが、その内容は「2030年代に原発稼働ゼロを目指す。核燃料再処理は継続する」というものだ。
 これに怒りの声がわき起こった。「ふざけたことを言うんじゃない! 
2039年は27年後だ!」。しかも、11日には、田中俊一ら原子力ムラの5人を国会の承認なしに委員長・委員に任命し、原子力規制委員会を発足させることを閣議決定した。さらに、規制委の事務局となる原子力規制庁の初代長官に前警視総監を起用しようとしている。「こんな人事は違法、無効だ!」。弾劾のコールが響きわたった。田中らによる福島第一原発視察も怒りを倍加させた。
 子どもたちの内部被曝が深刻だ。1分間アピールの初めに、並行して文科省前で抗議行動を続けている、ふくしま集団疎開裁判の会の井戸謙一弁護士が発言した。「一昨日、福島県の子どもに甲状腺がんが発見された。検査した福島市内4万人のうち43%に結節が発見された。通常は1%だ。一刻も早く子どもたちの避難を」と訴えた。
 福島第一原発事故の後、作業員の4割が線量計をつけていなかったことが分かっている。福島から木田節子さんがアピールした。「福島第一原発の収束作業は、鼻血を出しながら女の人もやっている。社員も作業員も、おれたちがやるしかないと入っている事実をしっかり覚えておいて下さい」と原発労働者と向き合うことを提起した。そして、「この国の方が暴力国家です。第二第三のフクシマを絶対に出さないで下さい」と満身の力を込めて呼びかけた。参加者は大きな拍手で応えた。
 オスプレイの沖縄配備反対で1万1千人が国会を包囲した9日の熱気を引き継ぎ、「沖縄の米軍基地をゼロに。原発をゼロに」「原発は平和の仮面をかぶった核戦争だ」と、反原発と反戦、沖縄を結ぶ発言も続いた。
 「原発ゼロ」は、核燃料再処理を継続し核武装化を推進するためのペテンでしかない。しかし、経団連会長・米倉は危機感をあらわに「了承しかねる」と野田に電話し、米英仏も「懸念」を表明した。野田も資本家どもも米政府もぐらぐらだ。
 福島から避難した友人の言葉を紹介した高校生は、「命に代わる政策などない」ときっぱりと言った。これがすべての労働者人民の答えだ。再稼働を撤回し、全原発を直ちに廃炉にしろ!
 この日は、国会前でも野田政権を弾劾するコールとアピールが響き、全国100カ所近くで抗議行動が取り組まれた。
(写真 首相官邸前を埋め、怒りの声をあげる【9月14日】)

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週刊『前進』(2553号5面2)(2012/09/24 )

 JR外注化 出向事前通知に反撃

 仙台 支社申し入れとデモ 意気高く一日行動闘う

 9月13日、仙台市内でJR検修・構内業務全面外注化の10月1日実施を阻止しようと一日行動に立ち上がりました。
 14日の出向の事前通知を許さないぞとの意気に燃えて、12人で朝8時、JR東日本仙台支社もよりの仙台駅・TSUTAYA前でビラまきを行いました。
 仙台市職労、JP労組、みやぎ連帯ユニオンの仲間がマイクで訴えました。「JRの検修外注化は大量出向の偽装請負です」「出向させられたら戻る職場はありません。出向先での転籍=首切りとなります」「動労総連合は総勢60人で出向差し止めを求めて提訴しました。労働組合が闘えば外注化を阻止できることを示していきましょう」。用意した500枚のビラをわずか45分間でまき切りました。 
 9時から仙台支社へ申し入れを行いました。対応したのは総務部広報室長ほか1人です。室長は人数制限をしてきましたが、私たちは「みんな休みを取ってきている」「JRの利用者として鉄道の安全を心配している」と抗議し、その場でみやぎ、福島両労組交流センター連記の申入書を読み上げました。室長に、申し入れの趣旨を関係部署に伝えることを約束させました。
 全体として硬直的な、ガチガチの対応でしたが、これは裏返せば、JRが今回の検修全面外注化の社会問題化をいかに恐れているかを表していると思います。
 午後2時半から仙台支社もよりの五橋公園で総決起集会を行いました。秋田の国労闘争団の小玉忠憲さんや動労千葉を支援する会・八戸の仲間も駆けつけ、25人でかちとりました。小玉さんは「JRは尼崎事故の責任を一切取っていない。そのJRが外注化で安全をさらにないがしろにしようとしている。絶対に許さない」と語りました。
 その後デモに出ました。JR仙台支社前を通りかかると、窓から労働者がデモ隊を見ているのが分かりました。大きな声で「外注化やめろ!」「強制出向を許さないぞ」と叫びました。
 一日行動を通して、今私たちは、新自由主義攻撃の核心である外注化攻撃を、労働組合の闘いで阻止する歴史的闘いを始めたのだという胸の高まりを感じました。(みやぎ連帯ユニオン・K)
(写真 JR東・仙台支社前をデモ行進)

 広島 マイクの訴えに共感 動労西日本ストと連帯

 JR東日本は、9月12日から検修・構内業務全面外注化の「10月1日実施」に向けて、強制出向の事前通知を強行している。動労千葉を支援する会・広島はこの暴挙を徹底的に弾劾する!
 動労千葉、動労水戸、動労連帯高崎の決起と固く団結して、9月14日、JR西日本広島支社前で朝7時半より、動労西日本を先頭に、広島連帯ユニオンや動労千葉を支援する会・広島の仲間15人が、「10・1外注化阻止第2波総行動」として、ビラまきとマイク街宣に決起した。
 8月28日に続いて広島支社前に登場しての宣伝に、ビラは1時間で300枚近くが配布された。支社前では、労働者が職場の状況を怒りをもって話しかけてきたり、青年労働者が何を訴えているのか尋ねてきた。通勤通学の労働者・学生に大いに注目された。
 動労水戸は、前日よりストに突入した。千葉や水戸、高崎で激しい組織攻防が闘われている。動労西日本はこの闘いの渦中で、1人の青年労働者の加入を実現し、平成採の組合員がストライキを打ち抜いた。闘えば勝てる! このことを動労総連合は明らかにした。全国の職場でこの闘いに続こう!
 労働組合が本気になって闘えば、外注化は止められる。動労総連合60人の8・28集団提訴は、戦後労働運動の歴史を塗りかえる決起だ。職場から闘いを起こし、闘う労働組合を再生しよう! 10・1外注化を阻止し、11・4労働者集会1万人決起へ!(広島・お)
(写真 JR西・広島支社前で訴え)
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鉄道運輸機構訴訟控訴審判決
 10月11日(木)午後4時
 東京高裁101号法廷

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週刊『前進』(2553号5面3)(2012/09/24 )

 “子どもの命を守りたい”

 フクシマを生き抜く 労働者と農民の訴え(下)

(写真 官邸前行動に連帯し、福島県内でも郡山駅前や福島駅前で毎週金曜日行動が行われ、女性たちが奮闘している【9月14日 JR福島駅東口】)

 子どもの避難を最優先に 福島市から米沢市に避難中 3人の子どもの母親 Kさん

 子どもは3・11の時点で高2の男の子、中1と小3の女の子です。3・11直後も私の家は電気はついていたので原発のニュースも見ていたけど、福島市まで影響があるなんて思いもしなかった。
 勤め先も福島市内ですが「出勤しないでいい」と言われていた。15日に会社からの電話で「東京本社から『屋外に出ている人を屋内に呼び戻せ。着ている服は脱いでビニール袋に入れろ』と指示が出た」と聞いたんです。びっくりですよ。16日には、本社から福島に来ている人はみな、子どもを東京に戻したと聞いた。「ええ? 子どもをどうにかしなくちゃ」と。友達に電話したら「これから西会津に逃げる」と言うので、「私も行きたい」と旅館を予約して、雪の降る夜道を2時間半運転して行って、20日までいました。
 その後、22日から私の職場が始まり、子どもたちを仙台にいる妹に預けて、私は市内に戻りました。放射能のことを勉強し始めたのはそれから。勤務が終わって家に帰ると、涙を流しながらネットで調べていました。
 4月に学校が始まり、子どもたちを福島市に戻した。学校に通わせていいのかわからなかったけど、「みんな行くんだから、行くしかない」って感じです。水は2gのペットボトル6本入り1箱を毎日、箱買い。お米を1回とぐにも2gぐらい使うんです。野菜も北海道や九州産を選ぶ。肉は「国産」は使えない。産地が明記してないと福島県産が入ってるから。
 会社から帰ると毎日、県庁や市役所、教育委員会、文科省に3時間くらい電話してました。あまりにひどい対応で、最後は「ふざけんな」と怒鳴りまくってました。

 子ども福島との出会いに感涙!

 「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」を知ったのは5月半ば。前代表の中手聖一さんに電話して「部活で校庭を走らされる。どうしたらいいでしょう?」と話したら、「私が一緒に中学校に行ってあげます」と言ってくれて、びっくりして泣いちゃった。そんなことを言ってくれる人がいるなんて考えられなかったんです。
 直後の5月23日に文科省に「20_シーベルト基準撤回」を求めて交渉しに行くことも教えてもらった。仕事を休まないと行けないし、すごく悩んだけど、前夜10時に行くことを決めました。
 あの時の文科省の対応を見て、私たちはこんな被害を受けているのに、なぜわざわざ東京まで来て訴えなきゃいけないのかと思いましたよ。福島からの参加者にマイクが回されて「5年後、10年後に子どもに『どうしてあの時、止めてくれなかったの』と泣かれた時に、私は『国がこう言ったから、あなたたちはがんになった』と言いたくない」と話しました。
 その後は約9万円の線量計を買い、3万8千円くらいの高圧洗浄機も買って、家の壁も屋根も一生懸命除染した。あのころは毎時1マイクロシーベルトくらいありましたから。
 6月中旬に米沢に行き、市役所で避難について相談した。駐車場は福島ナンバーの車だらけ。翌週以降は米沢には物件がなくなったそうです。

 避難で家族が分かれ二重生活に

 夏休みに入ってすぐ引っ越しました。長男はあと半年で卒業だから、連れ合いと長男の2人は福島市に残り、下の女の子2人と私が米沢へ。私は米沢から福島市の職場に車で通勤。連れ合いと私の職場は近いので、毎日お昼ご飯を一緒に食べて、いろいろ打ち合わせするという生活です。
 転校先の学校は本当に親切にしてくれました。でも自主避難だし二重生活でお金もかかる。それでも下の子が18歳になるまでは福島市に戻すつもりはない。福島にいたことが心の傷になっても困るし、子どもを産む時も心配になると思うから。
 再稼働ももちろん反対だけど、「まず子どもの避難が先」という思いが強いですね。福島市に毎日出勤して、今も毎日被曝させられている子どもたちを見ているんです。
 なのに東京に行っても、どの政党も福島の子どものことを言わない。自民党の党首選で「少子化対策」とか言ってるけど、「福島で暮らしている健康な子どもたちを病気にさせようとしているのに」と思いますよ。
 自分の不勉強も恥じました。だからこそこれからは精いっぱい頑張ります。娘たちもストレスもあるし、ぶつかることもある。そうすると娘に「大人のせいで私たちはこんな目に遭っているのに」と言われる。つらいです。子どもの命の問題は「間違えた」では済まされない。この1年半で民主主義とは闘い取るものだと学びました。国策で進められてきたことである以上、国の責任は絶対に追及しぬきます。

 職場も台所も敵は同じ! 福島市在住 高校生の母親 Sさん

 一人息子が福島市内の高校に通っています。3・11直後は原発事故の恐ろしさなんて全然わかりませんでした。学校では4月から部活も始まって、学校には「この時期に部活をやっていいのか」と聞きましたが「文科省がいいと言っている」と。「20_シーベルトで安心なのか」と心配しているお母さんもいた。でも学校に電話すると「教育委員会が」と言い、教育委員会は「文科省が」と言い、文科省は「学校に任せてあります」。責任のたらい回しで本当に頭にきました。
 どうしたらいいかわからない中で5月初め、親御さんたちが「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」を立ち上げた記事を見て、子ども福島ネットにつながることができました。

 「友達と離れて避難はできない」

 その後、5月に福島の講演会で「外部被曝以上に内部被曝が深刻」という話を聞いて、「大変だ! ここから少しでも離れなきゃ」と思って、息子に話しました。でも息子は「友達と離れて自分だけ避難なんてできない。部活だってあるし」。高2にもなれば本人の意思を無視して避難させることはできない。こんなに危険な状況なのに避難させられないのがすごくつらかった。
 子ども福島ネットにつながってから、コアな情報が入ってきて、目からうろこが落ちる毎日でした。広島・長崎の後にアメリカが被爆者にやったのも人体実験のようなものだったことを知り「私たちも同じことがやられるんだ」とわかった。
 この1年半で政府への信頼がばたんと倒れちゃった。日本は敗戦後に民主主義になったと言われてきたけど、政府の本性は全然変わってなかった。「日本ってこういう国だったのね」と。
 「とにかく声をあげなくちゃいけない」と思いデモや講演会に参加し始め、9・19の明治公園6万人集会も行きました。10月末に「原発いらない福島の女たち」がやった3日間の座り込みは最終日のデモと経産省包囲に参加しました。今年3月11日の郡山の集会や、この夏の首相官邸前・国会前も行きました。「嫌なものは嫌」という意思表示が大事ですね。
 東京で子どもの甲状腺検査のことなどを政府に要望しに行く時などは、親が直接訴えた方がいいと思うので、できる限り参加しています。
 地元では去年の秋から、不安を抱えるお母さんたちが集まれるようにお茶会をしています。そういう場でまた新たにお母さんと知り合う。動くといろんな人たちとつながることができる。そういう出会いに助けていただいた1年半です。
 今は、高校生を含めて子どもたちを普通に活動させることで「福島は安全だ」とアピールし、経済優先の「復興」キャンペーンの道具にしています。これは子どもの「安全な環境で学ぶ権利」を無視した犯罪。けっして許されないことです。
 子どもの病気が本当に心配。おかしいところがあったら「もう一度検査しよう。気を付けて診ていこう」という姿勢できちんとあたってくれるお医者さんが必要です。
 まず、予防原則に立ったきちんとした検査体制が必要。血液検査、尿検査、心電図。目の検査も必要です。実際、3歳や小学生の子が白内障になっています。チェルノブイリでは7種類ぐらい検査をしたそうです。検体を取って、ちゃんと信用できるところで検査して、結果のデータをきちんと保管してくれる、そういう診療所をぜひつくってほしいと思います。

 東電社長や幹部が廃炉作業して

 本当は子どもたちの体をそっくり元に戻してほしい。それが無理なら、子どもたちが生きている限り、ずっと補償してもらわなきゃいけない。彼らは「いつ病気になるか」「もしかすると結婚できないかな」という不安を一生抱えて生きていかなきゃいけないんです。実際、結婚が決まっていた福島出身の女性が破談になったんですよ。
 なぜ被害者の私たちがこんなに苦しまなきゃいけないのか。東電の社長や会長、重役をみんな「廃炉の刑」にしたい。若い人に被曝させるなんて冗談じゃない。彼らが廃炉作業をすべきです。
 私もこの1年半で「自分の命は自分で守らないといけない」と痛感しました。政治とは、お財布にも台所にも命にも直結しているものなんですよね。労働現場でも台所でも闘う相手は同じです。結局は命につながっている。だからあきらめないで声を上げて、一緒に社会を変えていきたい。命を守りたいという思いは一緒ですから、一緒に頑張っていきたいです。

 母親たちが求める診療所を 福島市在住 高校生の母親 Mさん

 息子は今、高校2年生です。3・11直後はテレビも見られなかったから、原発が爆発したことも知りませんでした。
 原発のことを考え始めたのは4月以降です。友達に誘われて5月1日の「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」発足集会に行ったら250人も集まって、こんなに多くのお父さん、お母さんが放射能に関心を持ち、心配していることがよくわかりました。
 そして5月23日、文科省に「20_シーベルト基準の撤回」を求める行動に参加しました。
 4月に息子が高校に入学すると、学校から「同意書」を渡されました。「文科省基準は毎時3・8マイクロシーベルト。うちの校庭は3・6マイクロシーベルトなので屋外で運動させます。同意してください」という内容。その時はよくわからなくてサインして提出しました。
 その高校は線量がすごく高く、側溝は80マイクロもあった。その側溝の前にロープを張り「立ち入り禁止」と書いただけ。塀を置くわけでもない。PTAの集まりで校長先生にも言ったんですけれど、「心配しすぎると子どもたちに不安を与えかねません。学校としてもやるべきことはやりますから」という感じで、行政と一緒の対応でした。
 避難のことは真剣に考えました。それで夏休みに入って息子に話したら「とんでもない」と。入学して学校にも慣れ、お友達もできたころでしたから。毎日のように討論したけれど、息子は譲らなかった。もう避難は無理だと思い、約束をしてもらいました。「暑くても必ずマスクはする。食事はお母さんが気を付けてつくるから、その指示に従う。この約束を守れる?」。「わかった」と言って、約束は今も守ってくれています。

 山下俊一は悪魔に魂を売った人

 9月9日に山下俊一さんの講演を聞きに行ったんです。初めてじかに見ましたが、「福島は大丈夫です。100_シーベルト以下は影響は残りません」と、ゆったりとした笑顔を浮かべて語る。気持ちが悪くて、すぐに帰ってきてしまいました。まさに「悪魔に魂を売った」人です。この人に直接お話しをしても絶対に何も変わらない。全国でみんなで声を上げていく以外に変わらないとますます思いました。
 食べ物も水も気を付けなければならないし、生活は圧迫されている。お父さんもお母さんも疲れちゃって限界です。だから「安全だ」と言われれば、そちらにすがりつきたくなってしまう。家庭が崩壊したところもあるし、うつ状態になっているお母さんも多い。これらすべてが原発ゆえに起こされたことです。
 今年の夏も結局、電力は十分足りていた。大飯原発の再稼働も必要なかったわけですよね。結局、原子力は電気をつくるところではない、核をつくるためだけの施設だということがはっきりしたと思います。

 きちんと検査し正確な情報を

 診療所建設に全国から寄付が寄せられていることを本当にありがたいと思っています。その上でやはり、福島県民が自分たちでお金を出してつくる診療所にしなければならないと思います。
 県が行っている子どもの甲状腺検査に、息子は行かせませんでした。理由の一つは「同意書」が必要だったからです。検査で「A1(結節やのう胞を認めなかった)」とか「A2(5_以下の結節や20_以下ののう胞)」という結果が出たら、数年後に何かあっても「あの時の検査で問題なかったから放射能とは関係ない。ストレスのせい」という証拠にされるんです。しかも超音波検査で撮った画像の写真ももらえないんです。
 私は周りの人にも「甲状腺検査はほかの病院でも千円ぐらいでできるから、参加しない方がいい」と話しました。それでも受けてしまう人が多かったけれど、県の検査でA1、A2とされた99・5%の子どもたちは次の検査は2年後。みんな不安でいっぱいです。
 今、福島のお母さんたちが一番欲しているのは正確な情報です。「この診療所に来れば、6カ月に1回、甲状腺検査ができます」となれば、みんな来ますよ。定期的に検査ができ、その結果を正確に教えてくれて、データを保管し続けてくれるところを求めています。
 山下の息のかかった医療機関で「異常なし」と言われても誰も安心しません。本当に県民と子どもたちのための診療所だとわかれば、基金を出す人もいっぱいいます。息長く維持しなければならない診療所だからこそ、福島のお母さんたちが求めている診療所になってほしいです。

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週刊『前進』(2553号6面1)(2012/09/24 )

 オスプレイ反対! 沖縄県民大会参加者の感想

(写真 オスプレイ配備に反対する9・9沖縄県民大会。宜野湾海浜公園を全駐労【全駐留軍労働組合】を始めとする労組旗が埋めた)
 宮古・八重山大会を加え10万3千人が「オスプレイ配備絶対反対!」に立ち上がった9・9沖縄県民大会。140万県民の10人に1人だ。怒りの決起の先頭に労組・労働者が立った。反原発のうねりと結びつき、自らの行動で基地も戦争もない未来を築く、世界を変えるという強固な意志が、米日帝国主義の侵略戦争政策に対してたたきつけられた。参加者の感想を紹介します。(編集局)

 基地も原発も同じ人命軽視 沖縄県子ども会育成連絡協議会 玉寄哲永会長

 沖縄の子どもたちは、生まれた時から基地がある。米軍は毒ガスや枯れ葉剤を持ち込んで、その上、危険なオスプレイだというわけ。
 駐日大使だったライシャワーは「アメリカ海軍は核兵器を積んだまま日本の基地に寄港していた」と発言した。沖縄は米軍の自由に使えるというわけ。これに日本政府が加担していた。どこまで沖縄の人権や人命を軽く見るのか。
 基地も原発も同じ。この夏、福島の子どもたちを沖縄の海で遊んでもらおうと呼びました。
 きょうの県民大会は最大動員です。人の数は単なる数じゃない。世界を変えるのは人ですよ。

 沖縄の闘いは労働者が中心 国鉄全国運動・沖縄呼びかけ人 崎浜秀俊さん

 10万人を超したのはやはり県民の意志だと思います。反原発もそうですが、知事や国会議員には任せておけない。やはり全国が一つにならないと沖縄は変わらないと思いますね。
 僕もずっと教育労働者として闘ってきましたが、やはり沖縄の闘いは労働者が中心です。労働者は力強い。動労千葉とともに沖縄からも11月労働者集会に参加したいと思っています。

 労組に入って大会に初参加 青年労働者 Aさん

 実はこういう県民大会には初めて参加したんですが、人数的にも内容的にも歴史的な大会に立ち会えてよかった。この子らを連れてきたのも、将来こういうことに興味を持って動くような青年になってほしいと思ったからです。
 労働組合でビラを配っていると、普天間基地のすぐ近くに住んでいる女の人は子ども連れて絶対行くと反応を返してくれたり。オスプレイはみんな絶対反対なんですが、僕自身も去年、労働組合に入って初めてきょう県民大会に来たんで、きっかけが必要かなと。

 自分たちで動くしかない 元全軍労牧港青年部  B子さん

 今の状態じゃ絶対だめだし、変えてほしかったから民主党に期待した。でも民主党もだめだった。だから自分たちで動くしかないよね。東京でもそうでしょ、原発でも。一人ひとりがそれじゃいけないという目覚めですよね。国を動かすのは、一人ひとりの活動だと思う。国に任せる、政治に任せるっていう時代は終わりましたね。
 全軍労で闘った時はすごく使命感がありました。基地撤去と解雇撤回は矛盾するようだけれど、私たちの生活以前に沖縄から基地をなくすことが前提で、それが解雇撤回につながったのね。
 沖縄と日本全国と一緒になって闘ったら変えていくことができるかもしれない。変えましょうよ、みんなで。その時が来たと思います。

 基地労働者が安保粉砕する 沖縄北部合同労組うるまユニオン 富田晋委員長

 「安保の最大の実体は沖縄」とよく言われます。安保はその名の通り軍事同盟。しかし、米軍基地の運営は、沖縄という土地に沖縄の労働者がいることによって可能となっています。水道・光熱の管理はもちろん、米軍施設の管理・維持、沖縄全体の地下を通る米軍燃料の保守点検まで、ありとあらゆる基地運営に必要なことを行っているのは基地労働者です。
 であれば、安保の最大の実体は「基地労働者」と言えるのではないか。基地労働者こそ「安保」そのものであり、安保同盟を粉砕するとは、どこか別に政治闘争があるということではない。基地労働者を中心としたすべての労働者の決起こそが、安保を粉砕する本質的な中身なのです。この視点を鮮明にさせなければなりません。
 今回の9・9県民大会の10万人結集も、日米の領土問題を突破口としたすさまじい反動と、基地労働者のストライキを軸に対決し、現場労働者の力で組織的に闘って、団結を守って立ち上がった結果です。
 沖縄において政治闘争と経済闘争を分断することは絶対にできない。沖縄の経済基盤が基地中心とされているからです。
 日米政府は「基地労働者は準公務員並み給与を保障」「社会保障も充実している」という物質力とイデオロギーを使い、新自由主義政策によって非正規職(無権利・低賃金・重労働)にたたき落とした労働者を基地に雇い入れています。これが基地内外で行われている非正規化・外注化攻撃の構造です。この構図は、原発を抱えている地域もまったく同じです。
 沖縄の元バス労働者は「国鉄闘争とわれわれバス労働者、安保粉砕の沖縄闘争は車の両輪であり、燎原(りょうげん)の火なり!」と昆布闘争や県道104号線越え射撃演習阻止闘争に立ち上がりました。基地労働者=沖縄の労働者の闘いは10・1外注化阻止決戦と一体です。
 外注化を阻止する闘いは分断されてきた沖縄労働運動を根底からよみがえらせ、安保を粉砕する闘いなのです。ともに闘いましょう!

 退所強制撤回訴えビラまき 太希おきなわ自立労組 富里常典委員長

 「いざ暁の出陣!」と冗談を飛ばしながら、午前5時、私たちは県民大会へ出発しました。わくわくする気持ちをいっぱい込めて、午前9時前から集まり始めた参加者に「『太希おきなわ』は退所強制を白紙撤回せよ」と訴えました。用意した千枚のビラはあっと言う間に全部なくなりました。
 結集した10万人余の半分ほどは、青年や小さい子ども連れの家族ばかり。やっぱり、沖縄の未来がかかった復帰後最大の県民大会なんだ。
 私はこれまで15年間、障害者支援施設で働き、生活してきました。昨年、施設の廃止・移転問題がもち上がり、「これはおかしいぞ」と沖縄で初めての障害者自身の労働組合を立ち上げました。これに対してかけられてきたのが、私に対する「施設からの退所強制」でした。その上、現在はアウンサン・スー・チーさんのような軟禁状態にあります。
 本当に障害者が「自立」するとはどういうことなのか? ともに悩みを打ち明け、障害者だからと引っ込み思案になったり、消極的になる必要などないのです。
 まだ小さい団結を強く大きくするのが私たちの「退所強制」を撤回する闘いです。オスプレイ配備反対の10万人県民大会のエネルギーをもって、私たちはいま新たな挑戦に打って出ました。

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週刊『前進』(2553号6面2)(2012/09/24 )

 迎賓館・横田爆取弾圧裁判

 3同志がデッチあげ弾劾

 T証人の採用をかちとる

 9月18日、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判の差し戻し控訴審第4回公判が東京高裁第6刑事部(山崎学裁判長)で開かれた。
 公判では、須賀武敏、十亀弘史、板垣宏の3同志が堂々と本人尋問を闘いとった。26年にわたり国家権力と非妥協的闘いを貫いてきた3同志の証言は、自信と誇りに満ちていた。国家権力のデッチあげ弾圧に対する満身の怒りを込めた弾劾、真実の証言のもつ迫力が裁判官や検察官を完全に圧倒し、法廷全体を感動の渦に包みこんだ。
 3同志の証言は、留保されていた3人の弁護側請求証人のうちT証人を採用させ、裁判所の結審策動をも粉砕した。
 3同志へのデッチあげの核心は、岩手借家から押収された「メモ」だ。国家権力はこの「メモ」を1986年5月の迎賓館と同年4月の横田基地へのロケット弾戦闘のためのものであるとするために、勝手なへ理屈、推論、憶測を加えてストーリを作り上げていた。
(写真 裁判に先立ち霞が関一帯をデモ。東京高裁に向け「無罪判決を出せ」とシュプレヒコール【9月18日 千代田区】)

 命がけの闘い踏まえた証言

 最初に須賀同志が証言に立った。差し戻し一審判決(以下「判決」)が、迎賓館・横田戦闘への3同志の関与を認定していることに対し「そんな事実は一切ない。事実無根のデッチあげだ」と激しく弾劾した。そして、デッチあげ内容をことごとく明快に暴いた。
 @3同志が鍋爆弾のために「1班」を形成したのは、迎賓館・横田戦闘後の1986年6月。A岩手借家から押収された「メモ」はすべて、班が結成された後に作成された。B判決が「岩手借家で押収された物品を、岩手借家賃借前の段階から須賀被告人らが保管・管理していた」としているのは、勝手な推測にすぎず、完全なデッチあげ。C1985年7月から10月に住んでいた金沢借家は、須賀同志が病気療養のため借りたものであり、十亀・板垣同志とはまったく無関係、など。
 続いて、十亀同志が証言に立った。主要に、判決がメモ類について迎賓館・横田戦闘のために書かれた「オリジナルなメモ」としていることを徹底的に批判・弾劾した。判決がそう認定する根拠は一切ない。すべて勝手な決めつけ、恣意(しい)的な推測と憶測によるものだ。真実は「(別件の)鍋爆弾のために書き写した非オリジナルメモ」だ。十亀同志はこの事実を具体的に全面的に暴ききった。
 最後は、板垣同志がきっぱりと証言した。
 @岩手借家押収の書籍への指紋の付着は、岩手借家で付いたもの。A文献調査に関するメモは1986年6月以降に書いた。B岩手借家に入居した後も書籍などの購入を依頼しており、「文献調査や資料の検討をする理由も余裕もなかったはず」とする判決は誤りである、など。
 3同志の証言に打撃を受けた検察官と裁判官らは、なんとかデッチあげを維持しようとケチ付けにすらならない浅薄な反対尋問を試みたが、3同志は黙秘を貫き粉砕した。

 東京高裁弾劾し霞が関デモ

 公判に先立ち、労働者・学生・支援者を中心に、裁判所周辺デモを行った。国家権力は大量の公安警察を動員し威圧してきたが、デモ隊はこれを跳ね返し、「3人は無実だ。山崎裁判長は無罪判決を出せ」「3人の証人全員を採用しろ」「国鉄労働者と団結して外注化を阻止するぞ」と声を張り上げた。経産省前の反原発テント前では、「原発とデッチあげは権力犯罪だ。ともに闘うぞ」とシュプレヒコールを送った。
 裁判終了後の報告集会では、山本志都弁護士が勝利の核心を提起した。3同志は、それぞれ満身の決起で公判闘争を闘いきったと報告、絶対にデッチあげ弾圧を粉砕して無罪判決をかちとると決意を述べた。家族から26年という長期にわたる苦闘と勝利が語られると、参加者は心からの激励と連帯の拍手を送った。
 次回裁判は、「メモ」が書き写されたものという事実を客観的に明らかにするT証人が証言する。全力で結集しよう。

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週刊『前進』(2553号6面3)(2012/09/24 )

 星野暁子さんの訴え

 9・28に東京高裁包囲星野同志陳述書提出へ

 獄中38年、新境地で闘う星野同志

 文昭はとても元気です。マッサージで血圧も安定しており、水を飲むことで心臓の痛みも感じなくなったようです。
 文昭は今年66歳。獄中38年を不屈に闘うことで、日々新しく切り開くものがあると言っています。全学連大会へのメッセージに新しい境地が示されています。私たち二人の関係においても、愛情を深めながら一体の生き方を貫くことで、新たな化学変化が起きていると言ってきました。
 現在、9月28日に向けて「陳述書」を書いています。ゆとりを持って書き上げ、余分なところを削って清書しているようです。

 星野闘争が労働者人民の激励に

 裁判資料の差し入れを認めないのは不当な攻撃です。文昭は、刑務所長に「不服申し立て」を行いました。まだ回答は来ていませんが、「絶対にあいまいにできない」と闘う意思を表明しています。9月21日の面会・手紙国賠裁判では、徳島刑務所を弾劾します。
 文昭に対する攻撃は、今日の情勢と一体です。反原発の闘いは、労働者民衆が「もうがまんできない」と、次々に立ち上がっていることを示しています。これに対して、司法権力が反動化しています。これと対決し、38年間不屈の闘いを貫くことによって、星野闘争は労働者人民を激励するものになっています。今後、ますます激しくなる敵の攻撃に対して、労働者人民が立ち上がる中にこそ、勝利の展望があると考えています。
 9月9日には、私も国会前に行きました。沖縄の10万人と一体で1万人も集まったのは、とても重要なことだと思います。野田政権は、オスプレイの普天間基地への配備をあくまでも強行しようとしています。星野ビラもほとんどの人が受け取ってくれました。そのビラに署名したものが、事務所に郵送されて来ました。本当にうれしいです。
 毎週金曜日の反原発行動にも積極的に参加しています。フクシマの怒り、ヒロシマの怒り、オキナワの怒りとひとつに闘っていきます。

 従来の枠越える証拠開示の運動

 証拠の開示は、再審を闘っている人すべての課題です。検察官が自己に不利な証拠を開示しないことは、日本の刑事裁判の大きな問題です。これまでにない運動をまき起こして、再審の展望を開きたいと考えています。街宣をやっても、再審だけの時よりも共感が広がっているような感じがします。
 これまでの枠を越えた広がりをつくり出そうと考えています。150人を超える賛同が集まっていますが、再審運動や救援運動にとどまらず、反原発闘争、文化人、芸術家、宗教者など、あらゆる分野の人たちが集まっています。

 再審開始、無罪以外に結論ない

 第2次再審請求の中で、文昭の無実は完全に証明されました。確定判決の基軸証拠であるKr供述に誤りがあることを、東京高裁も認めざるを得ませんでした。Kr供述が検察官によるデッチあげであることを「厳島鑑定書」が明らかにしました。さらに、「一郎丸写真」も出てきました。結論は、再審開始、無罪以外にありません。しかし、東京高裁は国家権力の先兵として、再審請求を棄却しました。
 これを打ち破るには、闘いをさらに強化することが必要です。東京高裁に波状的にデモをかけます。9月28日は第2弾です。「補充書」提出の報告集会も開かれます。すべての皆さんの参加をお願いします。
 10・1JR外注化阻止、11・4労働者集会1万人結集は、私たちの展望を切り開く決定的な闘いです。私も一体で闘い抜きます。
 (9月19日談)
(写真 高裁デモに向け訴える暁子さん)
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星野文昭同志 再審闘争
異議申立「補充書」提出一日行動
9・28東京高裁包囲デモ
 9月28日(金)
 正午 日比谷公園霞門集合
 12時30分デモ出発
 ★「補充書」提出報告集会
 午後2時
新橋生涯学習センターばるーん(305学習室)

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週刊『前進』(2553号6面4)(2012/09/24 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 自治労大会で部会の仲間と橋下打倒訴え 北海道 OH

 8月30日、函館で行われた自治労第84回定期全国大会で、労働者の首を切る公務員制度改革など新自由主義政策を進める自治労本部を倒し、闘う労働組合を再生し、階級決戦にともに総決起することを訴える情宣活動に参加しました。
 外注化阻止の闘いが火花を散らし、橋下が労働者の団結、労働組合を壊そうと必死になっています。これとの、一人ひとりかつてやったことのない闘いをやろうと、前夜の集会で確認しました。
 当日、大会参加者は次々とビラを受け取り、入れ墨調査処分の当該・赤田由行さんのアピールも響きわたります。
 大会では、本部批判、民主党批判が噴出したといいます。公務員を全員非正規に置き換えるなどという新自由主義政策を現場労働者が許すはずがありません。
 私は、旭川での現評総会のとき、また今回と、労組交流センター自治体労働者部会の全国の仲間と交流できて本当に良かったと思っています。
 夜景で有名な函館は、見所がたくさんある観光地でもあります。また、小林多喜二の『蟹工船』では船が出航、帰港した舞台になっています。『蟹工船』では、「そして、彼らは、立ち上がった。もう一度!」と本文が終わっているとおり、縁起の良い場所です。
 橋下は蟹工船で労働者を弾圧した監督と同じです。労働者の団結の力で打倒しなければなりません。9・16橋下打倒集会にも参加したいと考えています。

 オスプレイ飛行訓練反対で県に申し入れ 新潟 O

 とめよう戦争への道!百万人署名運動新潟県推進委員会は8月28日、オスプレイ飛行訓練絶対反対の申し入れを新潟県に行いました。緊急の呼びかけにもかかわらず11人が駆けつけました。
 反原発闘争で新たに加わった人、JR外注化反対を闘う人、星野文昭さんの再審無罪の運動を行う教会の方など広範な人びとの怒りを実感しました。新聞、テレビでも大きく報道されました。
 県の担当者は「国防問題は国の専決事項」と逃げの姿勢でしたが、「国防問題に国民は口を出すなということか」「原発で国策が問われている時ではないか」などの発言が相次ぎ、文書での回答を約束させました。
 新潟県では、8月22日まで行われた柏崎刈羽原発県民投票条例制定を求める署名が6万7千筆(必要数4万)を超え、反原発の大きなうねりが起きています。この署名は、社民党や共産党が組織的な取り組みをほとんどしないなか、運動経験のない労働者、民衆の力で実現したものです。
 反原発のうねりは、沖縄の闘いと結び付き、「非正規職撤廃、生きさせろ」の闘いと結び付こうとしています。9月22日には県内の市民団体が合同で、オスプレイ沖縄配備と県内飛行訓練に反対する集会とデモを計画しています。新潟の百万人署名運動は、全国、とりわけ沖縄の皆さんとともにオスプレイの沖縄配備を絶対に阻止するために奮闘します。

 全学連大会に参加して 団結した学生の力で革命を 福島大3年 H

 9月5〜6日の全学連大会に参加して強く感じたことは、今の社会を変えたいという学生の熱い思いです。誰もが現在の大学や社会のあり方に疑問や不満を感じ、世の中を変えたいと思っていることです。
 私自身、今の大学のあり方に疑問を感じずにはいられません。反原発を主張して行動を起こす学生を弾圧し、原発に関する自由な議論を許さない大学は、もはや学問の最高府とは呼べません。
 今こそ学生は団結し立ち上がる時です。資本家の打倒を目指す労働者と連帯し、大学を学生の手に取り戻すとともに、大学から今の腐った社会を変えていきましょう。

 全学連大会に参加して 魂をぶつける議論を学内で 岡山大4年 T

 「魂をぶつける議論をしよう!」と開かれた全学連大会は、初参加者を中心に熱い議論が行われました。フクシマの怒りとどう連帯するかという課題を中心にして、自分のキャンパスでどう闘うかが問われました。
 岡大でもこの間、御用学者を呼んだシンポジウムが開かれ、岡大とJAEA(日本原子力研究開発機構)との提携が明らかになりました。シンポ中止の申し入れに対し、主催者は、賛成反対ではない「中立」の立場だと主張していましたが、JAEAから金をもらい御用学者を呼んで、3・11の反省もない「中立」などありません!
 ここを徹底的に暴露し、3・11後の情勢のなか、自分たちのキャンパスを、自分たちの生き方をどうするのか、魂をぶつける議論を自分のキャンパスでも展開したい。そこに、原発問題を「領土」問題や総選挙情勢へと流しこもうとする思惑をはねのけていく力があると信じています。
 今までの暮らしはできない――そういうフクシマの怒りと連帯して、今のままの岡大ではフクシマと本当の意味で連帯できない、という思いで首相官邸前100万人行動の実現に向けて頑張っていきたいと思います。

 全学連大会に参加して 学生に夢語り組織拡大する 富山大3年 I

 富山大からも多くの学生が参加しました。8・6ヒロシマ大行動に参加していた学生も参加。広島の行動で刺激を受けてモチベーションが高まっているなか、全国の学生と交流できることを楽しみに大会に臨みました。
 子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク代表の佐藤幸子さんのお話からスタート。最も印象に残ったのが大学(教育)のあり方です。人間が生きていく上で最も大切にすべきは「いのち」であることを教えず、競争に勝つことや金もうけの方法ばかりを教えていること、相手を思いやるゆとりを失わせる問題が深刻化していることを突きつけられました。
 私たち学生は社会を根底からひっくり返し、変革する力を持っています。その力を付けるには、大学を「人類発生の歴史から学び直し、真実を明らかにする学びの場」として復活させなければなりません。
 法政大学暴処法弾圧での無罪判決の勝利、京都大学の同学会再建、福島大学のキャンパス内の闘いなど、全国各地の大学で学生が決起して闘っています。富山大でも秋の決戦へ学内で闘う準備を着々と進めています。
 大学当局との力関係をひっくり返すには、ともに闘う学生との団結をさらに固くすること、学内で学生をオルグして組織を拡大することです。腐敗した新自由主義大学にうんざりしている学生に対して、「夢」を語りましょう! 学生が大学の主体になればキャンパスライフはもっと楽しくなることを伝えましょう! 学生一人ひとりの怒り、不満、悩みにとことん向き合いましょう!

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