ZENSHIN 2012/09/10(No2551 p06)

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第2551号の目次

“反原発100万決起の実現へ”
全学連第73回定期全国大会が9月5、6日に東京で開催され、25の大学、100人を超える参加と56本の発言で大成功をかちとった。福島の怒りをともにし、社会を根本から変革する反原発100万人大行動の実現と学生自治会建設へ向け団結を打ち固めた(5日)=記事次号

1面の画像
(1面)
国鉄闘争全国運動の前進かちとり 外注化阻止・解雇撤回へ
9・16大阪市役所前に全国から結集し 橋下打倒・御堂筋デモを
全学連大会が大成功!
記事を読む  
10・7三里塚に総決起を  反対同盟が招請状 市東さんの農地守れ 記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
訂正 記事を読む  
(2面)
外注化阻止し11月大結集へ
4団体が11・4集会呼びかけ
記事を読む  
国労組合員権訴訟 9・19裁判に集まろう
解雇撤回闘争を全面否定した裏切り本部への根底的怒りを
記事を読む  
外注化・出向差し止め仮処分裁判の争点
強制出向は完全に違法・無効  代理人・石田亮弁護士に聞く
記事を読む  
動労西日本 出向中の青年が加入  JR西の安全破壊に怒り(8月24日) 記事を読む  
新潟 外注化反対で集会  “会社・組合を越え闘おう”(新潟・増田)(9月2日) 記事を読む  
(3面)
9・16橋下打倒集会へ  地元大阪から大結集を訴えます
階級的労働運動の復権こそ新自由主義を打ち破る力だ
記事を読む  
自治労函館大会 “橋下打倒!”で総決起
代議員ら270人が賛同署名(8月30、31日)
記事を読む  
「いじめ」を口実とした団結破壊・民営化許すな
(投稿) 京滋・元教育労働者 むらじ よう子
記事を読む  
労組つぶし狙った雇い止め
ジェコー労組解雇撤回裁判  組合員が怒り込めて証言(7月23、30日)
記事を読む  
“不起立処分・不当研修をやめろ”(8月31日) 記事を読む  
(4面)
子どもの命を守ろう
8・31金曜行動 あくまで原発反対  4万人の怒りが野田を包囲(8月31日)
記事を読む  
“山下は人殺しだ”  集団疎開裁判の会 文科省前で抗議(8月31日) 記事を読む  
フクシマを生きぬく 労働者と農民の訴え(中) 記事を読む  
2012年日誌 8月28日〜9月3日
断層上の原発運転容認へ/オスプレイ事故は「操縦士のミス」
記事を読む  
(5面)
大飯原発をすぐ止めろ
直下に地震起こす「破砕帯」  「危険ない」と保安院がうそ
記事を読む  
山下俊一の発言弾劾  「国が崩壊する」と検診を妨害 記事を読む  
「即時廃炉」しかない  再稼働容認の「脱原発基本法案」批判する 記事を読む  
シリア内戦 勝利の道  体制内打ち破る労働者の階級的な決起が鍵だ(川武信夫) 記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
星野同志奪還・全証拠開示を  9・28東京高裁包囲デモへ 記事を読む  
第73回全学連定期全国大会 大会宣言
福島の怒りをわがものとし10月反原発行動に総決起を
記事を読む  
【要項】三里塚裁判傍聴を!、9・18迎賓館・横田裁判闘争 記事を読む  

週刊『前進』(2551号1面1)(2012/09/10 )

 国鉄闘争全国運動の前進かちとり 外注化阻止・解雇撤回へ

 9・16大阪市役所前に全国から結集し 橋下打倒・御堂筋デモを

 全学連大会が大成功!

(写真 “反原発100万決起の実現へ” 全学連第73回定期全国大会が9月5、6日に東京で開催され、25の大学、100人を超える参加と56本の発言で大成功をかちとった。福島の怒りをともにし、社会を根本から変革する反原発100万人大行動の実現と学生自治会建設へ向け団結を打ち固めた【5日】=記事次号)

 10・1JR外注化絶対阻止へ、階級的労働運動路線の最大の決戦が到来した。この決戦を通して日本労働運動の再生を絶対にかちとろう。すでに勝利への圧倒的な前進が開始されている。8月28日、動労総連合は外注化攻撃に対しストライキと強制出向差し止めの集団提訴をたたきつけた。大阪では入れ墨調査拒否者への処分に怒りが爆発し、橋下打倒への火の手が上がった。ここで新自由主義攻撃を真っ向から打ち破ることが一切の闘いの勝利を切り開く。この確信に燃えて9〜10月を闘い、11月労働者集会へ攻め上ろう。全学連大会の大成功を力に、100万人の反原発大決起をつくりだそう。

 非正規職化攻撃との決戦に突入した

 8月28日の動労千葉、動労水戸、動労連帯高崎の組合員60人による強制出向差し止めの集団提訴は、日本労働運動史上かつてない歴史的な決起だ。首をかけ、人生をかけて、未来を担う若者のために外注化・非正規化を絶対にここで止める!と立ち上がったのだ。この労働者魂に満ちあふれた決起が膨大な労働者に希望を与え、勝利の展望を示し、私たちも続くぞ、という決起を次々と呼び起こしている。
 そして同じ8月28日、ついに29歳の青年運転士がJR東労組を脱退し、動労水戸に加入した。彼は加入にあたって「『労働者を守るのが労働組合』という信念は絶対に譲れない。『仕方ない』『今さら反対しても』ではなく、とにかく嫌なら嫌とはっきり言うことが大切だ」と述べている。本当にその通りだ。こうした労働者の自己解放的決起こそが、外注化・非正規職化という帝国主義の最後の延命策、新自由主義の絶望的凶暴化をぶち破ることができる。
 外注化・非正規職化は労働者の首切り、貧困、健康破壊、団結破壊をもたらし、労働者階級の未来を奪っている。16年間連続で年間自殺者は3万人を超える。20代で自殺を考えた若者の割合は約29%。10代と20代では4年で2・5倍に増加。これは資本による殺人だ!
 ところが経団連は、「若者は非正規雇用を自ら積極的に選んでいる」と一切を労働者の「自己責任」に転嫁し、政府・マスコミは、生きるすべを奪われて生活保護を受けるしかない労働者家族を犯罪者扱いしている。資本と国家は労働者階級に対し、人間的共同性を徹底的に破壊する階級戦争をしかけているのだ。外注化・非正規職化との闘いは、この新自由主義を打倒し、社会を労働者階級の手に取り戻す闘い=プロレタリア革命そのものなのである。
 JR東日本は9月14日までに強制出向命令を出そうとしている。まなじりを決して外注化阻止の9月大攻勢に打って出よう。何よりも、職場の支配権をかけて資本・当局と絶対反対で闘うことだ。動労千葉は幕張支部の闘いを先頭に、日常不断の職場闘争を土台にJRから職場支配権を奪い返す闘いを十数年間貫き、団結を拡大し、外注化を阻止し続けてきたのだ。この闘いに続こう。
 そして外注化問題を一大社会問題化するために総決起しよう。外注化は「偽装請負」「偽装出向」のオンパレードだ。行き着く先は労働者全員の非正規職化である。しかもJRの外注化は鉄道の安全を徹底的に破壊する。乗客・乗員107人の命を奪った尼崎事故を絶対に繰り返させてはならない。
 そしてこの外注化・非正規職化攻撃の極限に原発における被曝労働があり、福島第一原発事故があるのだ。今や職場・街頭には、この現実に対する怒りが渦巻いている。外注化を阻止する闘いを真っ向から訴え、青年を先頭に全労働者の決起をつくりだそう。
 こうした中で政治危機の極点に達した日帝・野田政権は、領土問題をめぐる対韓国、対中国の排外主義をあおって支配の危機をのりきろうと必死になっている。韓国のイミョンバク政権、中国の残存スターリン主義政権も同様に、排外主義を組織しあおることで自らの体制的危機を突破しようとしている。労働者階級にとって「固有の領土」など存在しない。労働者の国際的団結で「領土」をめぐる対立と戦争・排外主義を打ち砕き、プロレタリア世界革命へ向かって攻め上ろう。

 資本・国家と非和解に闘い原発廃炉へ

 原発再稼働に対する怒りの決起は、すでに延べ100万人を超える歴史的な闘いとなっている。毎週金曜日に首相官邸前・国会前を中心に永田町・霞が関一帯に広がるデモは、日帝・野田政権を決定的に追いつめている。今や野田・民主党を始め与野党の国会議員が、次期衆院選ののりきりを策すために、ただその一点で「脱原発」を口にし始めている。ふざけるな! すべてうそ、デタラメだ。
 実際に進行していることは何か。野田は原子力規制委員会の5人の人事案を国会採決を経ず首相任命でのりきろうとしている。委員長候補はゴリゴリの原発推進派・田中俊一である。この委員会に独裁的な権限を与えて、大飯に続く全原発の再稼働に突き進もうというのだ。
 さらに、原発直下に地震を引き起こす活断層があっても一律に運転を禁止しなくてよいとする新基準の導入さえもが検討されている。電力資本とぐるになって「耐震安全性に問題ない」というお墨付きを与えるためだ。これが政府・民主党、国会の姿だ。
 福島県が行った18歳以下の甲状腺検査では、35・8%もの高率で結節(しこり)やのう胞(液体がたまった袋状のもの)が発見された。にもかかわらず「直ちに問題ない」とされている。その理由を福島医大副学長で甲状腺検査責任者の山下俊一は、「日本という国が崩壊しないよう導きたい。チェルノブイリ事故後、ウクライナでは健康影響をめぐる訴訟が多発し、補償費用が国家予算を圧迫した。そうなった時の最終的な被害者は国民だ」などとぬけぬけと言っている。国が補償費用を出さなくてよいとするために、「100_シーベルト以下は安全」のデマを言い続けているのである。
 子どもの命を平気で切り捨てていく国家などいらない! こんな腐りきった社会を根本から変えよう。今闘われている数万、数十万の反原発のうねりはまさに、この国家と非和解的に対決するものとなっている。
 「脱原発基本法」制定運動はこの闘いを発展させるのではなくねじ曲げるものだ。「今すぐ廃炉」を否定し、法案の「目的」に国民の生命・健康を守ることと並んで「経済の安定確保」を掲げることは、野田の再稼働の論理と一体どこが違うのか。また「脱原発を実現するにあたって生じ得る電力会社等の損失に対して適切に対処する」とは、東電の免罪そのものではないか。
 法案のQ&Aでは「再稼働については、最新の科学的知見に基づく基準の合格を必須条件として、事故のリスクを極力減らす努力をします」と言っている。完全に再稼働OKなのだ。もうこれはフクシマの根底的怒り、「再稼働絶対反対」で立ち上がっている巨万の大衆的怒りとは相いれない。
 原発・核と人類は非和解である。原発絶対反対の統一と団結を守りぬき、反原発の非和解的闘いをどこまでも発展させよう。

 11・4労働者集会への巨万の結集を

 大恐慌がますます激化する中で、全世界で労働者階級と新自由主義との激突は非和解的になっている。労働者階級と資本・国家との力関係を決定的に変える闘いこそ、11・4労働者集会への巨万の結集だ。
 情勢は確実に激変している。自治労函館大会は、橋下に対する怒りの深さとともに、絶対反対で闘うものへの限りない共感と連帯が広がっていることを示した。鈴コン闘争への支援運動が地域の労組に次々と拡大し、郵政非正規ユニオンは職場に労働組合をつくって雇い止め解雇を粉砕する闘いを通して組織拡大を実現している。非正規労働者、青年労働者は「団結して闘えば、実は新自由主義はもろい」ことを闘いの中でつかみ、確信をもって続々と誇り高く決起している。
 そして橋下打倒ののろしは上がった。橋下の「入れ墨調査」を拒否して戒告処分を受けた青年労働者を先頭に、大阪市役所前で懲戒処分粉砕の大反撃がたたきつけられた。道州制・360万人首切り・労組破壊と戦争・改憲推進の橋下を打倒する9・16集会の大高揚をかちとり、10・1JR外注化を阻止し、11・4労働者集会への空前の大結集へ突き進もう。これと結合して10・7三里塚闘争に全国から総決起しよう。
 またこの決戦は、革命に勝利できる労働者党を力強く建設していく決戦である。機関紙『前進』を新自由主義と対決する全内容のつまった新聞、現場の生き生きとした階級的労働運動の実践があふれ出る新聞にもっともっと変革し、『前進』を全労働者の中に持ち込もう。党と労働組合の一体的建設を『前進』を軸に推し進めよう。闘う労働者、学生は革共同に結集しともに闘おう。

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週刊『前進』(2551号1面2)(2012/09/10 )

 10・7三里塚に総決起を

 反対同盟が招請状 市東さんの農地守れ

 三里塚芝山連合空港反対同盟が10・7全国総決起集会への招請状を発した。三里塚闘争は市東孝雄さんの農地をめぐる文字通りの決戦局面を迎えている。市東さんの農地を絶対に守り抜こう。反原発の巨万の決起と結びつき、全国から総結集しよう。(編集局)
(写真 「農地死守」の不動の決意で現地デモの先頭に立つ三里塚反対同盟【7月8日】)

 招請状

 全国の労働者、農民、闘う仲間のみなさん。時代は変革へと大きく動き出しました。「原発ゼロへ、今すぐに」の巨万の直接行動が堰(せき)を切り、消費大増税とTPP(環太平洋経済連携協定)、オスプレイに対する人々の怒りが、野田政権を倒壊寸前にまで追い込みました。民衆の行動にこそ時代を動かす力がある! この巨大なうねりとひとつになって、反対同盟は10月7日に「国策」=空港建設と対決し身体を張って農地を守る全国総決起集会を開催します。多くの皆さんの結集を強く呼びかけます。
 3・11大震災と原発事故による被曝の脅威は、この社会に対して根本的な問題を突き出しました。競争原理のもとで利益だけを追求し、「国策」の名の下に人の命と尊厳までも踏みにじるこの社会のあり方を転換することが問われています。
 野田内閣はこれに応えるどころか、政治主導の事故収束宣言やストレステストから原子力規制委人事に至るまやかしの政治で原発の再稼働を強行し、その存続に血道をあげています。民衆を裏切りあざむく政治の裏で、軍事利用を可能にする原子力基本法の改訂までも強行しました。
 さらに、生活苦を追い打ちする消費大増税。生計がたたず次代に引き継ぐこともできない農業、非正規化・低賃金の労働政策、16分間に一人という自殺社会! TPPはまったく異常なこの現実をさらなる競争原理に叩き込み貧困と格差を促進する最悪の選択です。日米同盟の強化に向かう露骨な動きが、「尖閣」「竹島」北方領土の軍事的緊張と排外主義を激化させています。
 反原発・脱原発の一点で行動する巨万の決起と官邸前抗議の底流には、変革を求める民衆の怒りが渦巻いています。
 歴史が動くこのときに、三里塚は市東孝雄さんの農地をめぐる決戦を迎えました。
 みなさん! 成田空港は実力抵抗の闘いによって、アジアハブ(基幹空港)から陥落し、羽田国際化へと政策転換を余儀なくされた未完の欠陥空港です。市東さんの農地強奪の動きは、このぶざまな現実に追いつめられたあげくの暴挙です。それゆえ攻撃は凶悪であり、現闘本部北側の農地だけにとどまらず自宅前の出荷場や農機具置き場など営農手段のすべてを奪う収用攻撃そのものです。市東さんの闘いは農業壊滅と闘う日本の農家の縮図です。この秋から来春、三里塚は拙速審理―不当判決と第3誘導路
供用開始(3・31)に対決して闘う文字通りの決戦に入ります。
 三里塚闘争は、「労農連帯」の旗の下、北富士―砂川の闘いを引き継ぎ
「国策」=空港建設と46年間闘い続けてきました。反戦・反核・反基地闘争の砦です。脈々と受け継がれる民衆闘争の歴史、絶対反対の実力闘争、三里塚が堅持してきた真価が、巨大な変革へのうねりのただ中で、未来に向かって解き放たれるときがきました。10・7三里塚全国集会は、新たな歴史の扉をひらく決戦突入集会です。
 反対同盟とともに車の両輪として闘い続ける動労千葉、動労水戸の組合員が10・1外注化阻止の決戦に入りました。労働組合の真価をかけた国鉄1047名解雇撤回、非正規職撤廃に向かうストライキに連帯して闘おう。
 いまこそ大胆に、違いをこえて連帯し、巨万の力を生み出そう! 反対同盟はなによりも被災地・福島の闘いと連帯します。反原発・反TPPの全国農民会議に闘う農民を糾合しよう。オスプレイの普天間配備を許すな! 沖縄を始めとする反戦・反基地闘争、関西を始めとする住民運動、市民運動と連帯しさらにすそ野を広げよう。あらゆる差別・抑圧を粉砕し、排外主義を打ち破り、韓国やアメリカ、全世界の労働者・農民と連帯して闘おう。10・7全国集会総結集へ、青年・学生の力強い決起を訴えます。
 2012年9月2日
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   記
【集会名称】
第3誘導路粉砕・市東さんの農地を守ろう!
フクシマ連帯・原発再稼働許すな!
TPP(環太平洋経済連携協定)反対!
軍事空港粉砕・改憲阻止!
10・7全国総決起集会
【日時】10月7日(日)正午
【会場】成田市東峰 反対同盟員所有畑
【主催】三里塚芝山連合空港反対同盟

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週刊『前進』(2551号1面3)(2012/09/10 )

前進速報版から 前進速報版から

▼中国・延安で非正規雇用化に反対しストライキ続く▼外注化に反対し新潟で集会▼青年運転士がJR東労組を脱退し動労水戸に加入

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週刊『前進』(2551号1面4)(2012/09/10 )

 訂正

 前号1面巻頭アピール5段11行目の「篭原」は「籠原」の誤りでした。また同アピール8段2〜4行目に「野田政権が昨年策定した400項目におよぶ『日本再生戦略』」とあるのは「菅政権が一昨年策定した400項目におよぶ『新成長戦略』」の誤りでした。

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週刊『前進』(2551号2面1)(2012/09/10 )

 外注化阻止し11月大結集へ

 4団体が11・4集会呼びかけ

 闘う4団体が11・4全国労働者総決起集会への賛同と参加の呼びかけを発した。JR東日本での10・1検修外注化を絶対に阻止し、11・4労働者集会への巨万の結集に向かって突き進もう。(編集局)

新自由主義とたたかう労働組合の全国ネットワークをつくろう!
国鉄1047名解雇撤回! 外注化阻止・非正規職撤廃!
反原発・反失業をたたかう国際統一行動を!

 11・4全国労働者総決起集会への賛同と参加のお願い

 全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部
 全国金属機械労働組合港合同
 国鉄千葉動力車労働組合
 国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動

 時代が大きく動き出しています。7月16日、東京・代々木公園に反原発を掲げ20万人近い労働者・市民が集まり、大集会とデモを闘いとりました。国会議事堂・首相官邸前・全国各地で毎週、「再稼働反対」「野田辞めろ」を叫ぶ10万から20万人の労働者・市民が集まっています。
 この決起は、社会のあり方を変える根源的怒りの爆発です。日々被曝を強制され、このままでは「子どもたちは殺されてしまう」という福島の怒りであり、全国の労働者・母親の怒りです。また新自由主義攻撃のもとで団結と労働組合を奪われ、分断・競争に駆り立てられてきた青年労働者の怒りです。この怒りとどこまでも共に進み50万、100万人の決起をつくりだすことです。
 この怒りを発展させ、原発のない社会をつくりだすためには、反原発・反失業を掲げストライキをうてる、たたかう労働組合を全国につくり出そう。新自由主義と闘う労働組合をよみがえらせよう。新自由主義とは、規制緩和・撤廃、公的事業の民営化であり、一握りの大資本の利潤拡大と労働者・民衆の生活破壊・貧困化です。そして、それを推進するための国家暴力(クーデター・弾圧・処分・組合破壊・不当労働行為)です。
 日本における新自由主義攻撃は、1980年代の国鉄分割・民営化が出発点でした。それ以降30年、社会のあり方がことごとく破壊され、これまで大資本・政府が宣言してきたことがすべて「ウソ」だったことが暴かれました。それは何よりも原発事故であり、収束―再稼働宣言です。交通をはじめとした規制緩和・撤廃によって、関越道ツアーバス事故を引き起こしました。尼崎事故とまったく同じです。2000万人もの労働者が非正規雇用に突き落とされました。とりわけ青年労働者は未来を奪われています。同時に一握りの独占的資本の利益拡大のための中小零細企業の切り捨て―倒産、首切り、消費大増税です。
 この新自由主義攻撃といかに闘うのか。まず新自由主義の出発点である国鉄分割・民営化に反対し、国鉄1047名解雇撤回を掲げて闘う国鉄闘争全国運動を全国に広げることです。
 第二の分割・民営化であるJRの全面外注化阻止・非正規職撤廃、偽装請負弾劾のたたかいに動労千葉は立ち上がっています。この攻撃は労働者の9割を非正規に追い込むことを狙っています。動労千葉の鉄建公団訴訟6・29東京地裁判決は、「名簿不記載は不当労働行為」を司法が初めて認定しながら解雇を容認する反動判決を出しました。東京高裁での解雇撤回・JR復帰の判決を求める賛同運動を全国ではじめよう。
 大阪・橋下、そして震災復興特区を柱とした自治体・教育・郵政・医療などの新自由主義攻撃と職場から闘い抜き、労働組合をよみがえらせよう。
 そして新自由主義攻撃と対決し、闘い抜いている関生型産業別労働運動を全国に広げよう。地域の崩壊をもたらす新自由主義攻撃の中で「企業の塀をこえて―港合同の地域闘争」は、これからますます求められています。労働組合の闘いで地域を取り戻そう。合同労組を強化・拡大しよう。
 そして沖縄・三里塚・TPP・改憲阻止のたたかいに立ち上がろう。世界大恐慌の中でヨーロッパを中心にゼネスト・デモに立ち上がっています。万国の労働者の団結した力で新自由主義に立ち向かおう。11・4反原発・反失業の国際統一行動を呼びかけよう。すべての怒りを日比谷野音に総結集しよう。
 志を同じくするすべてのみなさんの賛同をお願いします。
2012年8月
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 11・4全国労働者総決起集会
 11月4日(日)正午 東京・日比谷野外音楽堂

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週刊『前進』(2551号2面2)(2012/09/10 )

 国労組合員権訴訟 9・19裁判に集まろう

 解雇撤回闘争を全面否定した裏切り本部への根底的怒りを

 9月19日、東京地裁民事11部(白石哲裁判長)で、国労闘争団員4人の組合員資格確認訴訟の第5回口頭弁論が開かれる。この裁判は、4・9政治和解を拒否し、解雇撤回を求めて闘う小玉忠憲さん(秋田闘争団)、成田昭雄さん(旭川闘争団)、石ア義徳さん(鳥栖闘争団)、羽廣憲さん(小倉闘争団)が、国労本部を相手に組合員資格の確認を求めた訴訟だ。
 国労本部は、2011年7月の国労第80回大会で、闘争団員の組合員資格を奪い去った。

 国労の歴史を偽造する暴論

 前回の口頭弁論で、国労弁護団の宮里邦雄弁護士は、「(組合員資格は)雇用関係が大前提であることは、国鉄時代以来の扱いだ」と言い放った。これは国労の歴史を偽造する暴言だ。国鉄時代、国労は当局から不当解雇された労働者を「離籍専従」として組合役員に配置してきた。何よりも、国鉄分割・民営化によって首を切られた闘争団員を組合員とし、ともに闘ってきたのだ。
 国労本部は、闘争団員からの組合員資格剥奪(はくだつ)を居直るために、「労働組合の活動の大部分は、現に雇用関係にある労働者の労働条件の維持改善に関するもの」と言い始めた。だが、現に雇用関係にある組合員の労働条件の根本にかかわる外注化・非正規職化攻撃に対し、国労本部は何ひとつ闘っていないではないか。
 この裁判で原告は「労働組合の存在意義は、解雇されたときにこそ団結して闘うことにあるから、組合員資格は『雇用関係が基本的な前提』という被告の主張は、労働組合の原則を破壊するもの」と主張してきた。これを国労本部は「労働組合の役割の一部を強調する極めて一面的かつ偏頗(へんぱ)な主張」と決めつけている。まさにこれは、解雇との闘いは一切しないという宣言だ。

 解雇者守った誇りある闘い

 国労規約第5条は「組合は、組合員名簿に登録された者をもって組織する」と規定している。「雇用関係が大前提」などというのは大うそだ。
 この条項には、被解雇者を守り当局と闘ってきた国労の歴史が刻み込まれている。1953年の年末闘争で、組合指導部への解雇処分は不可避と判断した新潟地方本部は、「第5条解釈確認」を「組合員が解雇されても、地本・本部機関が『不当処分』と認定すれば規約第5条の組合員とみなす」という内容に改めて、指導部の組合員資格を守りぬいた。
 これを受けて、1956年の第15回全国大会で「組合は国鉄職員で組織する」とされていた規約が今の形に改められた。『国労20年史』は、この規約改正を「公労法の枠を破った」ものと評価している。この闘いの歴史を平然と投げ捨てたのが、現在の国労本部だ。
 組合員資格確認訴訟は、組合員の団結した力で解雇者を組合員として守ってきた労働組合の原点を取り戻す闘いだ。

 本部を打倒し外注化阻止へ

 国労本部は4・9政治和解を全面的に居直り、次のような暴論を吐いている。「(闘争団員から組合員資格を奪った)第80回大会決定は、JR不採用・1047名問題の24年間にわたる闘争の終結に当たって、圧倒的多数の者の意思を体現した措置を決めたものとして合理的なもの」「(4人の原告が解雇撤回闘争を継続していたとしても)労働組合として……雇用関係の存否やその可能性を判断し、組合規約に則り、当該組合員の組合員資格について決定をすることができる」
 解雇撤回闘争を貫く闘争団員を国労から無理やり排除することにより、国労本部は検修外注化攻撃の推進者に完全に転落したのだ。解雇撤回闘争と外注化阻止闘争は一体の闘いだ。9・19裁判闘争に総結集しよう。
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 【要項】国労組合員資格確認訴訟
 9月19日(水)午前10時30分
 東京地裁527号法廷

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週刊『前進』(2551号2面3)(2012/09/10 )

 外注化・出向差し止め仮処分裁判の争点

 強制出向は完全に違法・無効

 代理人・石田亮弁護士に聞く

 動労千葉・動労水戸・動労連帯高崎の組合員60人が8月28日に東京地裁に申し立てた、JR東日本による検修業務外注化と強制出向の差し止めを求める仮処分裁判のポイントについて、代理人である石田亮弁護士にうかがった。(編集局)
 ――申立書は、JR東日本の検修業務外注化に伴う強制出向は、会社の「権利の乱用にあたり無効」と主張しています。
 石田 JR東日本の就業規則には出向規定がありますが、就業規則に書いてあれば会社は何をやってもいいわけではありません。
 出向は、労務提供の相手が変わるということですから、それ自体が重要な労働条件の不利益変更にあたることが多いです。本人の同意がない場合、出向命令の業務上の必要性やその程度、出向による不利益の度合い、出向を命じる動機・目的などが問題になります。これらに照らして厳格に判断すれば、本件出向命令が違法であり無効であることは明らかです。
 ――出向めぐる裁判は過去にもありますか。
 石田 出向に関して個人が争った裁判はかなりあります。勝っているケースもいくつもあります。例えば、就職する時には子会社はなく、子会社への出向が想定されていなかった場合、その子会社への出向は許されないと判断された事例もあります。労働者にとってあまりにも不利益が大きい場合、会社が命じたからといって必ずそれに従わなければいけないとはなりません。
(写真 東京地裁前で発言する石田亮弁護士)

 職安法違反の労働者供給だ

 石田 何よりも今回の出向命令には業務上の必要性がまったく存在しません。
 一般的に言えば、仕事量が季節によって変動したり、一時的に仕事が増える場合、それをこなすだけの人員を自社で抱え込みたくないというのが外部委託する時の企業側の発想だと思います。
 しかし、JR検修関係の仕事は季節によって変動するわけでもなければ、将来的になくなっていくわけでもない。それなのになぜ、技術も経験もない会社にJRからそっくり人を出してまで外注化するのか。一時的には、下請け会社に作業責任者を配置するためコストも増える。今まで通りJR本体でやらない理由は何なのか。関連会社への技術指導を目的とした一時的な出向ですらなく、いまJRでやっている仕事を、同じ人が、同じ職場でやる。これは「単に肉体的な労働力を提供するもの」にあたり労働者供給事業を禁じた職業安定法44条に違反するものです。
 ――職業安定法とは?
 石田 職業安定法は、戦前に横行した中間搾取(ピンハネ)をなくすために戦後すぐにできた法律です。戦後ずっと、労働者供給事業は認定を受けた労働組合しかできませんでした。
 この大原則に穴を開けたのが中曽根政権下で制定された労働者派遣法です。これ自体がすごい悪法なのですが、派遣法にすら企業へのさまざまなしばりはあります。今回のJR東日本のように「出向命令」という形で事実上の労働者供給事業をやっていいなら、職業安定法や派遣法さえ無視して何をやってもいいという話になってしまいます。

 偽装請負のための出向命令

 ――申立書はさらに、検修外注化は偽装請負であり、本件出向命令には正当な理由が認められないと指摘しています。
 石田 偽装請負は、実際上の使用者(今回で言えばJR東日本)が形式的に「請負」と偽り、労働基準法や労働安全衛生法、派遣法などの適用を逃れて、労働者の使用に伴うさまざまな責任を免れる違法行為です。
 法律用語で「報償責任」という考え方があるんですが、実際に労働者を雇用して利益をあげている者が、それに伴うリスクも負うという考え方です。当然のことですよね。
 しかし、一般的には下請け会社には体力がないところが多い。発注元が実際には指揮・命令しているのに、仮に事故が起これば下請け会社に押しつけたりすることが横行しています。労働力は搾取するけど、労働の過程で起きたことには使用者としての責任はとらない。それはおかしいでしょ、ということです。
 今回のJR東日本のケースでは、契約上は下請け会社が指揮・命令しないといけないのに実際は違っている。独立して業務を遂行する能力もなければ施設も機材もない。教育・訓練のノウハウも施設もない。そもそも、JRのように全体が有機的に動いている職場において、別々の会社の人がいて、いちいち作業責任者を通さなければいけないとなったら仕事になるはずがないんです。
 今回の裁判は、直接的には1986年に出された労働省告示第37号を根拠に争っているわけですが、労働局などでも労働省告示自体が非常に緩い運用をされるようになってきています。“完全に黒じゃなければいい”というように。しかし、あくまで職業安定法44条、つまり労働者供給事業禁止が原則なんです。その例外として派遣法が作られたわけですが、そこから少しでも外れた事例はすべて黒なんです。
 ――申立書は最後に、本件出向が戻る場所のない「片道切符」「実質的な転籍」であり、JR東日本の権利乱用にあたると指摘しています。
 石田 動労千葉から相談を受けた時、なんでこんなめちゃくちゃな外注化をやるのかと思いました。今回の出向命令の最終的な目的は、正規雇用の職員を転籍させることによって、人件費の大幅な削減と、労働者を雇用するにあたって負うべき責任やリスクを子会社に放り投げていくことにあると言わざるをえない。本件の出向命令は、出向を装った実質的な転籍ですから権利乱用にあたることは明らかです。

 雇用破壊許さず職場を守る

 ――労働組合として闘うことの意義は。
 石田 現在、労働事件のほとんどが労働審判で処理されています。労働組合としての集団的争議は本当に少ない。
 労働審判は06年4月にスタートした制度ですが、早期結審が原則で、だいたい3回で終わり。不当解雇と認められても金銭解決が原則ですから金を払って「解決」としてしまう。
 ――仮に当該の方が職場復帰したとしても、その業務そのものは外部委託や子会社化され、職場を守れない場合が多い。
 石田 労働組合としてみんなで闘えば、企業としてもその業務が回らなくなります。そういう形で闘っていかないと、会社の方針自体を根本的に変えさせることはできないと思います。
 仕事上、企業ともかかわりを持つんですが、企業側も派遣や請負の問題は神経質に取り扱っています。JRが今回やろうとしていることが認められれば、それは全社会に波及します。現在の均衡状態すら破るものになり、労働者の権利はさらに破壊されてしまう。
 もっと根本的には、いろんな業者がどんどん中間で抜いていって、最終的に労働者の手に渡る賃金は微々たるもの――東電が原発労働でやっていることですよね、そういうことをこれ以上、社会として許していいのかということをかけた争いだと思います。
(写真 外注化阻止8・28総行動。仮処分の申し立てに先立って東京地裁前でこぶしをあげる動労総連合と支援)
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【要項】外注化阻止!強制出向粉砕!
 9・14動労千葉総決起集会
 9月14日(金)午後6時開場 千葉市民会館地下ホール

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週刊『前進』(2551号2面4)(2012/09/10 )

 動労西日本 出向中の青年が加入

 JR西の安全破壊に怒り

 動労西日本への青年労働者の新規加入(本紙前号既報)を伝える機関紙「動労西日本」63号を転載します。なお転載にあたり実名で記載されている部分は「A君」としました。(編集局)
   ◇   ◇   
 8月24日、一人の青年労働者が動労西日本に加入した。現在、レールテックに出向中のA君である。彼の加入はJR西日本に対する青年労働者の怒りが、沸騰点に達していることを示している。
 A君は、この5年間レールテックに出向させられてきた。このあいだにはっきりしたことは、レールテックというJR西日本の下請け会社(グループ会社)がいかに会社としての体をなしていないのかということだ。
 レールテック会社の幹部は、JR西日本本社からの出向社員であり、レールテックに全く責任をとろうとしていない。JR西日本本社の「稼げ」の意向だけを気にして、職場の現実と向き合おうとしないのだ。
 工事の数が過多になり、担当だけではやりきれなくなっているのに何ひとつ対応しようとしない。「こんなことで、肝心な安全が守られるわけはない」とA君は動労西日本に結集してきたのである。
 動労西日本は、外注化阻止・非正規職撤廃の闘いとともに、労働者を虫けらのように扱うJR西日本の強権的な労務政策に抗して、一人ひとりの労働者の生活と権利を守る為に、闘います。団結してともにに闘おう!

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週刊『前進』(2551号2面5)(2012/09/10 )

 新潟 外注化反対で集会

 “会社・組合を越え闘おう”

 外注化阻止決戦の渦中、動労千葉の長田敏之書記長を招いて9月2日、新潟市内で「会社・組合を越えてJR外注化と闘おう!9・2新潟集会」が開催され40人が結集した。
 長田書記長は講演で、2000年からのシニア協定をめぐる苦闘を振り返りながら、勝利してきたことを力強く総括し、常にJRは動労千葉の組織破壊を狙ってきたが、「支部の役員を何人も検査派出へ強制配転されても、組織をつくり直し、組織拡大につなげて力関係を維持し、外注化を阻んできた」と語った。また、10・1検修外注化阻止に向けて「飛びぬけた奇策はない。職場の闘いが基本となる。8月28日、60人が集団訴訟に立ち、偽装請負も告発したが、強行したら職場で徹底的に闘う。そうしたらJRはパンクする。外注化阻止を日本労働運動再生の起爆剤にしたい」と熱く語った。
 これを受けて星野文男国労新潟県支部執行委員が偽装請負告発の闘いについて報告した。また、下請け会社の青年労働者は「以前は電車1両の製造に1億2〜3千万円かかっていたが、今は7千万円と言われている。JRはメンテナンスよりも安い車両を造ってもうけようとしている」と外注化の実態を暴露した。
 新潟地域一般労組の青年労働者が、わずか5日で解雇された非正規職としての怒りを語り、ともに闘う決意を明らかにした。最後に70歳を超えて毎週『外注化阻止ニュース』の職場ビラ入れに決起し、現場労働者に熱く語りかけている動労千葉を支援する会・新潟の坂場信雄代表による元気な団結がんばろうで締めくくった。
 動労千葉の闘いは『外注化阻止ニュース』配布で平成採の注目の的となり討論が始まっている。全国で平成採の決起をつくり反転攻勢に転じよう。
 (新潟・増田)
(写真 外注化攻撃との闘いについて講演を行う動労千葉の長田書記長【9月2日 新潟市】)

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週刊『前進』(2551号3面1)(2012/09/10 )

 9・16橋下打倒集会へ

 地元大阪から大結集を訴えます

 階級的労働運動の復権こそ新自由主義を打ち破る力だ

 9・16橋下打倒集会が目前に迫った。橋下による入れ墨調査処分攻撃は現場の怒りを倍加させ、当該労働者の闘いが全労働者を鼓舞激励し、巨大な決起をつくりだしつつある。橋下打倒の闘いは、10・1JR外注化阻止決戦から反原発百万人決起、11・4労働者集会の巨万結集への跳躍台となる闘いだ。以下、地元大阪からのアピールを掲載します。(編集局)
 9・16橋下打倒集会に向けて、大阪の労働現場で労働組合をめぐる激しい攻防が闘われている。
 大阪市の自治体職場では「入れ墨調査拒否者」6名への「戒告」処分に対して処分撤回闘争が開始された。組合執行部や職制は声を合わせて「怒りはわかるが、いずれ揺り戻しがくる」などと言って現場の怒りを抑えつけ、「タコツボ」に入ることを強要している。
 こうした組合幹部の裏切りの中で、当局が職員に対して「あらゆることが口実となって処分が出される。自販機でモノを購入するのは良いがそこで談笑はするな」「コンビニでトイレを借りるのは良いが商品は見るな」などというデタラメな命令さえ行われている。
 民営化攻撃がかけられている交通局の職場では、組合執行部がなんと「民営化によって橋下と手が切れるから、組合として民営化に協力していく」と、民営化の率先推進を表明している。
 教育現場では、大阪市教組の教研集会会場として使われてきた小学校が「使用禁止」とされた。市教組執行部はアリバイ的な「仮処分」申し立てを行っただけで組合員の怒りをまったく組織しようとせず「小学校で開催できなくなりました」と通達するのみだ。執行部の屈服によって、分会会議さえ職場でやれなくなるところまで追い込まれている。橋下の攻撃とは体制内労組執行部が現場労働者の怒りを抑えつけることによって成り立っているにすぎない。
 しかし現場には激しい怒りが渦巻いている。「このまま橋下をのさばらせるのは許されん」「萎縮していたらダメ。何もやらんでいたらますますやられるだけや」
 怒りの声が寄せられ「橋下打倒」のビラに対し「やってるねえ」とうれしそうに職場の労働者が反応している。組合の肩書きを書いて集会賛同署名に応じてくる労働者も次々に生まれている。
 関西の労働組合では、組合指導部が「大阪で起こっていることは大阪だけの問題じゃない。『橋下打倒!』はオレの気持ちそのものだ」と発言し組合としての組織賛同を決定した。また青年がビラを武器に「橋下打倒集会に連れて行って組合に組織する」と組織拡大の先頭に立っている。
 9・16集会は、全国の組合や職場の激しい攻防の最大の焦点となっている。自治労函館大会では自治労本部に対する怒りが渦巻き、集会賛同署名が次々と寄せられた。今こそ、橋下や公務員全員解雇攻撃への怒りを具体的な形に組織し、9・16の大爆発につなげよう。
(写真 入れ墨調査処分を労働組合の力で粉砕しよう! 関生支部の街宣車で大阪市役所前大宣伝【8月29日】)

 闘いが橋下の本性暴き出す

 橋下の登場から9カ月。橋下は「いうことを聞かなければ自主退職してもらう」と言っていたが、すべてが尻すぼみだ。「職員アンケート」は市職労働者1千人の決起でシュレッダー行きになり、入れ墨調査の強制も6名の拒否者の存在がその本質を明るみに出した。「君が代」不起立闘争が橋下による学校選択制=教育の民営化という正体を暴き出した。八尾北医療センター明け渡し裁判では、組合の団結を軸に地域の怒りと結びつき更地化攻撃をうち砕く展望をこじ開けている。
 20万人の労働者が「原発再稼働反対! 野田を倒せ!」と決起した瞬間に、橋下は「原発再稼働容認」に転じ、闘いを圧殺するその本性をむき出しにした。「がれき受け入れ」説明会は大紛糾し、橋下はSPに囲まれて逃げ帰った。
 橋下を労働者の怒りが包囲し、攻撃は何一つうまくいってない。すべては労働組合をめぐる攻防にかかっている。橋下の狙いはただ一つ。労働者の団結を壊滅させ労働組合をつぶすことだ。法律も憲法も踏み破って労働組合をつぶしにくるその本質は、とことんぜい弱でデタラメ極まりない。国政選挙にうって出ようとうごめいているが、その足下から体制内労組執行部の裏切りを突き破る闘いが始まっている。

 労働組合をよみがえらせる

 世界で始まっていることは大恐慌の底なしの激化であり、資本主義の終わりだ。全世界の労働者が新自由主義に立ち向かい、「この腐った社会のあり方を変えよう」(動労千葉・田中委員長)と闘いを始めている。
 野田が議長に座る国家戦略会議は日本再生戦略で、「日本は急激な坂道を転げ落ちている」「40歳定年制」「有期雇用を基本とした社会に」しなければ日本資本主義は滅びるとして、破綻した新自由主義攻撃の凶暴な展開を宣言した。
 重要なことは国鉄分割・民営化絶対反対を貫いて闘う労働者の団結が資本を追い詰めていることだ。労働者が団結すれば新自由主義は打ち破れる! 10・1外注化阻止闘争は、この地平の上に日本労働運動を根底からよみがえらせる闘いだ。
 青年の激しい闘いが始まっている。動労千葉・動労水戸のストライキの先頭に青年がいる。外注化阻止決戦が階級情勢を根本から塗り変え、動労千葉・動労水戸・動労西日本で青年労働者の組合加入が相次いでいる。
 関西生コン支部は1千人の組織拡大を実現し、港合同は地域への水曜行動街宣にうって出て、闘う団結を強化している。
 10・1外注化阻止決戦は新自由主義にトドメをさす闘いだ。階級決戦を闘いぬき、9・16橋下打倒集会を突破口に、階級的労働運動の復権をかちとろう。

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週刊『前進』(2551号3面2)(2012/09/10 )

 自治労函館大会 “橋下打倒!”で総決起

 代議員ら270人が賛同署名

 大会を戦闘的に塗り変える

 外注化阻止・橋下打倒か、公務員全員解雇・労働組合解体か。8・30〜31自治労函館大会闘争は、自治体労働運動の再生をかけた決定的な前進をかちとった。
 函館市内で開催された自治労第84回定期全国大会会場前に、全国労組交流センター自治体労働者部会と北海道労組交流センターの仲間25人が登場。自治労本部方針と対決する議場内の闘いに呼応し、外注化阻止・反原発、野田・橋下打倒の大宣伝戦を繰り広げた。大会全体を労働者の怒りに満ちた戦闘的な雰囲気に塗り変え、橋下打倒闘争への270筆もの賛同署名が寄せられた。
 「入れ墨調査」処分ふざけるな! 橋下は労働者の怒りでグラグラだ。闘えば勝てる。職場から闘いを始めよう!
 9・16橋下打倒集会への賛同と結集の熱烈な呼びかけに圧倒的多数の参加者が応えた。「百年ぶり」という函館の暑い日差しの中で演説に聞き入り、拍手が起こった。署名板に次々とグループで駆け寄り、弁当や飲み物の差し入れまで寄せられた。昼休憩と開会前の短時間に、270人もの大会代議員・傍聴者・スタッフが賛同署名に応じ、心からのメッセージを署名用紙に書き込んでくれた。「自治労本部はなぜ橋下との対決をはっきりさせないんだ」。何人もの単組委員長・書記長など役職者が署名の公表を可とし、橋下への怒り、大阪の仲間とともに闘う並々ならぬ決意を明らかにした。外注化阻止・橋下打倒の声は全国に満ちている。10・1JR外注化阻止決戦と一つの闘いとして、9・16橋下打倒に総決起しよう。
(写真 外注化阻止・橋下打倒を訴え【8月30日 函館市内】)

 首切り・労組破壊と対決し

 函館大会闘争を通し、「復興特区」や橋下・維新の会を突破口とし突撃隊とする民営化・公務員解雇・労組破壊の大攻撃に対し全国の職場で苦闘する労働者の思いは一つとなった。
 どうして当局による不当な民営化・外注化、首切りや大幅賃下げ、団結破壊の攻撃にひざを屈し、妥協・妥結しなければならないのか。社会保険庁や呉交通、全国の公立病院や保育所で本格化する労働組合絶滅の丸ごと民営化・全員解雇攻撃に対し、労使協調路線などまったく通用しない。一歩の屈服・後退が、全員解雇・非正規職化に道を開くこととなるのだ。
 野田政権は、日本再生戦略で「坂を転げ落ちる日本」への危機感を表し、「被災地の復興を日本再生の先駆例」として「復興特区や民間資金の十分な活用」を掲げ全面的な規制緩和・民営化と「40歳定年制」導入による労働者全員解雇・「有期雇用化」をうたった。
 総務省、内閣府と全国152自治体が連携し7月27日に第1回会合がもたれた日本公共サービス研究会は、自治体全業務の民営化に向けた偽装請負問題の暴力的突破を掲げた。JRとともに自治体民営化こそ新自由主義攻撃の焦点としてある。ここで断固闘おう。

 自治労本部への批判が噴出

 野田政権を支え、新自由主義をウソとペテンで塗り固めた自治労本部方針はことごとく破綻し、本質がさらけ出されている。今次大会で本部翼賛発言は影をひそめ、全国の職場に怒りが渦巻いていることを示した。
 被災地・福島からは、被曝と超過重労働で心身ともに疲弊し多くの仲間が退職を余儀なくされている現状が報告された。公務員制度改革は、労働3権の回復どころか、公務員首切りと大幅賃下げでしかない。先行する2割、3割の賃下げに続いて400万円を超える退職手当削減への怒りが続出した。「社会保障と税の一体改革」とは結局、大増税と社会保障制度解体ではないか。野田政権とそれを支える自治労本部への批判が巻き起こった。労働者分断・団結破壊と首切り・賃下げの人事評価制度に絶対反対で闘う報告が富山県本部から出された。連合の進める原発政策に「もの申す」と言いつつ後押しする自治労本部の二枚舌を暴き、原発再稼働と被曝労働を許さず全原発廃炉へ闘うことを訴えた愛媛県本部の発言に拍手が起こった。民間委託された職場で非正規職労働者が労働組合をつくって資本と対決する闘いが報告され、民営化に反対して闘うことを求める発言が出された。
(写真 大会代議員・傍聴者が続々と橋下打倒賛同署名に応じた)

 闘う労働組合の再生へ団結

 野田と連合・自治労本部を打倒し、階級的労働運動を復権しよう。民営化・外注化阻止、非正規職撤廃こそ勝利の路線だ。組織拡大を全力でかちとり闘う労働組合の再生へ。函館大会闘争は、11・4労働者集会の万余の結集を実現する巨大な突撃路を切り開いた。
 同時に、7月現評旭川総会闘争に続き、党と労働組合の一体的建設、産別委員会と地区党の建設の大前進をかちとった。前夜の総決起集会、大会両日の議場の内と外での奮闘と連夜の徹底した討論は、地区と産別の同志の白熱的な集中性をもってかちとられ、闘いの前進と路線の実践的深化を実現していった。路線的確信と団結の力があふれるようなやる気と活力を生み出した。
 断固この道を進もう。11・4集会の万余の結集に突き進もう。

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週刊『前進』(2551号3面3)(2012/09/10 )

 「いじめ」を口実とした団結破壊・民営化許すな

 (投稿) 京滋・元教育労働者 むらじ よう子

 大津市で起こった中学生による「いじめ」と自殺について、警察とマスコミが大きく取り上げています。子どもを亡くした親の無念と悲しみ、怒りは想像に余りあり、教育労働者もまた、この現実に直面し、何とかしたいと必死で取り組んできたと思います。
 しかし、今、進行しているのは、あらゆることを使った教育労働者と学校へのバッシング・キャンペーンの強まりです。「教育労働者も学校も教育委員会も対応不能だから一切を警察に委ねよ」とばかりに学校に警察が踏み込み、教育労働者や子どもたちを事情聴取しています。これに乗じて大阪市長・橋下徹らは、「加害者を転校させよ」とか「出席停止にせよ」とか言って子どもたちを追いつめています。
 橋下が突撃隊となって実行しようとしているのは、教育をも金もうけの手段にしようとする「教育の民営化」です。教育労働者を全員解雇し非正規職化するために、あらゆることを教育労働者個人の責任に押し付けて処分し、解雇する。教育労働者の団結を破壊し、職場支配権を解体して教職員組合をつぶす攻撃を仕掛けてきています。
 ここには「教育」など存在せず、教育をいっそう破壊し「いじめ」を激しくさせていくものと思います。

 根本原因は何か

 「いじめ」をもたらした根本原因は何か。
 毎年3万人が自殺し、卒業しても就職先もなく、見つかっても非正規職で低賃金。「いじめ」や自殺は、こうした社会の荒廃状況から起こっていることだと思います。
 社会にいじめが横行している時、子どもだけが無縁であることはなく、教育現場はその社会の縮図です。教育現場は超多忙化が進み、子どもたちとも職場の仲間ともゆっくり向き合う時間も取れない中、評価制度の導入で競争をあおり、処分をちらつかせて教育現場を破壊してきた責任は、資本と野田政権にあると思います。そしてこの政権と闘わず、支持母体となってきた連合・日教組本部にも一方の責任があります。

 職場の団結を

 職場で新自由主義=教育の民営化と闘い、階級的団結で労働組合をよみがえらせるため、職場・分会でまずは討論を起こしていきましょう。いじめの根本原因を明らかにし、個人責任の押し付けや処分はすべての教育労働者にかけられた攻撃であることを明らかにし、職場の団結をつくり出すことから始めましょう。
 その団結の力で9・16橋下打倒集会へ結集しましょう。

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週刊『前進』(2551号3面4)(2012/09/10 )

 労組つぶし狙った雇い止め

 ジェコー労組解雇撤回裁判

 組合員が怒り込めて証言

 7月23日と30日、さいたま地裁熊谷支部(栗田健一裁判長)でトヨタ系部品メーカー・ジェコー期間従業員不当解雇事件裁判(第一次訴訟)の証人尋問が行われた。
 この裁判は、JAM神奈川ジェコー労働組合の行田分会をつぶすために同分会員(6カ月契約の期間従業員)をねらった解雇の不当性を暴き、解雇撤回を求めるものだ。
 ジェコー労組は、1970年代半ばから激化した金属産別での闘う労組つぶしと闘いぬいてきた。2002年の川崎工場閉鎖・行田工場への配転攻撃をはね返して団結を維持してきた。行田工場への情宣活動を通して派遣労働者の組合加入をかちとり、ジェコーに対し彼らの直接雇用−正規職化への闘いを進め、組織を拡大してきた。
 これへの反動として09年4月、元派遣労働者だった期間従業員全員が解雇された。それに先立ち08年10月、分会員をねらった雇い止めで解雇された高橋美和、屋代和彦組合員が第一次訴訟を、09年4月に解雇された木村信子、千葉大助組合員が第二次訴訟を闘っている。

 是正指導の後も偽装請負を否定

 これまでの裁判で、ジェコーが偽装請負を続けていたことが、労働局の調査・是正指導文書で完全に明らかにされた。
 また、高橋組合員の雇い止め理由とされた長期欠勤は7年間も夜勤を強いられたためであることが、睡眠ポリグラフを測定したデータ解析で明らかにされた。この内容は、「2夜の睡眠構築から見た7年間にわたる夜勤専従生活の影響」という研究論文として学術誌『労働科学』(労働科学研究所・10年2月刊)に掲載された。
 原告組合員側、被告ジェコー側の主張がほぼ出そろい、それを受けての証人尋問となり、原告側4人、被告側4人の証人が法廷に立った。
 23日には、首を切った張本人であるジェコーの細萱(ほそがや)取締役と波多野総務人事グループリーダー(当時)が出廷し、「偽装請負ではない。労働局は会社の説明を聞かず一方的で不当だ。直接雇用に切り替えたのは会社の自主的判断だ」という主張を繰り返した。2人は「労働局はそう言っていたが、その指導を会社は受け入れていない」と言い張り、偽装請負を否定することに終始した。

 労働者酷使した犯罪的事実暴く

 ジェコーは、「勤務態度や欠勤が多く会社に損害を与えた」ことを理由に屋代組合員を解雇した。しかし、法廷に立った屋代組合員の証言で明らかになったことは、一人で四つのラインを受け持ち、代替えに入った正社員でもこなせないほどの過重な業務を引き受けさせられていたことだ。自分の健康を守り長く働き続けるために、残業や休日出勤を断らざるを得なかった。それを「勤務態度が悪い」と言いなして解雇したのだ。
 30日には、「長期欠勤を繰り返した」ことを理由に解雇された高橋組合員が証言に立った。派遣労働者時代の過酷な寮生活の実態、7年にわたる夜勤の強要で健康が破壊されたため欠勤せざるをえなかったことを暴いた。「夜勤は借金を抱えていたあなた自らが希望したものですね」というジェコー代理人に対し、「面接では昼間勤務と言われたのに、1週間後に夜勤に替われと言われた。最初から夜勤と言われていれば断った」と、きっぱりと証言した。
 また、ジェコーが派遣労働者を導入した当時の課長が原告側証人となり、「派遣導入を担当したのが波多野氏だ。人身売買のようなことをするのかと当時でも社内で批判があった」と決定的な事実を証言した。
 さらにジェコー労組の武田信義委員長は、会社が一貫して組合を敵視し不当労働行為を繰り返してきたこと、「屋代のミスは克明に記録を」と会社幹部が現場に指示していたことなどを暴き、組合員をねらった解雇だと弾劾した。
 次回は10月9日(火)午前10時から最終意見陳述が行われる。第二次訴訟の進行をめぐる陳述も行われる。全力で傍聴にかけつけよう。

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週刊『前進』(2551号3面5)(2012/09/10 )

 “不起立処分・不当研修をやめろ”

 東京都教育委員会は8月31日、「日の丸・君が代」強制に反対して、卒業式に続き入学式でも不起立して戒告処分を受けた都立校の教育労働者1人に対して「服務事故再発防止研修」を水道橋の教職員研修センターで行った。同研修は同センターでの研修、校内研修、訪問研修など計14〜15回も行われている。
 当日朝、会場前に教育労働者と支援者が集まり「不当研修をやめろ」「『日の丸・君が代』強制反対」とシュプレヒコールをたたきつけ(写真)、被処分者を会場に送り出した。研修は約2時間。会場から出てきた被処分者は、今後も闘い続けると元気に述べた。

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週刊『前進』(2551号4面1)(2012/09/10 )

 子どもの命を守ろう

 8・31金曜行動 あくまで原発反対

 4万人の怒りが野田を包囲

(写真 「人事案反対!」「田中【俊一】はやめろ!」「再稼働反対!」 ――怒りの声が野田首相がいる官邸に迫った【8月31日 東京】)
 8月31日も首相官邸前・国会前・霞が関抗議行動に4万人が集まった。誰もが野田に怒り、原発絶対反対、再稼働絶対反対、全原発廃炉のシュプレヒコールを叫び続けた。原発が全部廃炉になるまで闘いをやめないという決意と機運が増している。反原発100万人決起へ、反原発闘争とJR外注化阻止決戦=国鉄決戦との結合をかちとり、11月巨万の決起を実現しよう。
 「原子力規制委員会人事案反対!」「田中(俊一)はやめろ!」「更田(豊志)もやめろ」「中村(佳代子)下ろせ」「再稼働反対」「大飯を止めろ」「原発やめろ」「子どもを守れ」「命を守れ」「未来を守れ」――。午後6時から8時まで首相官邸、国会のある永田町から環境省、文科省、経産省などがある霞が関にかけて歩道を埋め尽くした労働者人民がシュプレヒコールをやり続けた。
 スピーチでは、子どもの命、人の命より国家財政が優先と公言する山下俊一福島医大副学長と野田政権や電力資本への怒りが表明された。
 「原発いらない福島の女たち」もアピールした。富岡町出身で水戸市で避難生活をしている木田節子さんは「私は原発事故で土地と家を失った。だから電力会社も政治家も原発をあきらめてくれと私は言ったが、彼らは何も変わらない。でもドイツのメルケル首相は『もし事故が起きたら責任を取れないから原発をやめる』と言った。それなのに野田総理は『私の判断で安全を認めたから原発を動かす』と言っている」「私の息子は福島第一原発で収束作業をしている。私は息子を含めいろんなものをあきらめた。あなた方も少しは本気になってください」と真剣に訴えた。
 郡山市から来た森園かずえさんは「野田首相! あなたは問責決議が出たのに原子力規制委員会の人事を通そうとしている。福島の子どもたちをほうっておいて、アメリカや原子力ムラの言いなりになって、私たちの命や健康を守ることができるんですか。子どもたちにも大人にも甲状腺にのう胞やしこりが見つかっている事実をあなたはどう責任を取るのか!」と追及。「国会議員の皆さんは議員バッジを外して福島第一原発の作業員として収束作業にあたりなさい。地元に帰って選挙活動している場合じゃない。女性はもうだまされない。強欲で強欲でどうしようもないあなた方を福島県民も日本中の女性も絶対に許さない。子どもの命を助けることを第一に考えて再稼働、規制委員会人事を撤回しなさい!」。野田を絶対に許さないという迫力ある発言に一斉に「そうだ」の声が上がった。
 埼玉の男性は「日本は核の『被害者』から加害者になった。即刻原発を止めることが日本の責任だ。核兵器をやめること、原発をやめることが日本の生きる道。明日地震が起こるかもわからない。地震国日本の原発をすべてなくしましょう」と提言した。青森・八戸市から来た男性は「私は六ケ所村核燃サイクルに反対して28年になる。この国は子どもたちに謝らず、何も変わらない。この国には原子力発電政策を進める資格はない。直ちに原発をやめるべきだ」と訴えた。大阪から来た視覚障害者は「再稼働した大飯原発で事故が起きたら私たちはどうやって逃げるのか。私たちは見殺しにされかねない。そんな原発は直ちにすべてやめてほしい」と切実な訴えを行った。
 多くの人びとが怒りを公然と表明し、闘いに参加することで自己を解放し、互いの連帯と闘いへの確信を強めている。資本や政府、議会、裁判所などのうそとごまかしはもう通じない。金曜行動はまだまだ続く。
(写真 「原発が安全なんて言えるのか」と手書きのボードを掲げて発言する木田節子さん)

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週刊『前進』(2551号4面2)(2012/09/10 )

 “山下は人殺しだ”

 集団疎開裁判の会 文科省前で抗議

 8月31日、首相官邸・国会前の行動と並行して、文科省前で「ふくしま集団疎開裁判の会」が抗議行動を行った。7月27日に文科省前〜首相官邸前抗議行動がスタートしてから6週連続だ。
 午後5時過ぎ、かんしょ踊りが始まった。原発いらない福島の女たちの黒田節子さん、木田節子さんも加わり、踊りの輪が次第に広がる。昨年5月23日に文科省に「20_シーベルト通知撤回」を求めた行動を再現した寸劇の後、フクシマからの報告が行われた。
 須賀川市の男性は「トンボや蚊が少ない。自然が変わってきている」と「深く静かに進行している」放射能汚染に怒りをあらわにした。
 続いて黒田さんがマイクを握った。足元に置かれた「あとから生まれてくる者たちのために原発などいらないのだ」と書かれたボードを木田さんが支える。黒田さんは、「安心して深呼吸もできないのに、子どもたちが外で長時間遊びなさいと言われ、プールが解禁されたことで裸で被曝させられている」と憤りを語った。さらに山下俊一の暴言を暴き、「命より国のことを考える教授が福島県立医科大学の副学長として居座っています。私たちは黙っているわけにはいきません」と文科省を弾劾した。
 静岡県富士宮市に家族と避難している郡山市の男性は「官邸前デモに6週連続で参加している。この活動をやめたら子どもを捨てることになる。福島の人間、また心ある人たちはしっかり声を上げていかなければ」と決意を語った。
 午後7時をまわり、首相官邸前に続々と人びとが集まっていく。それとひとつになって文科省前で抗議が続けられた。
 疎開裁判弁護団長の柳原敏夫さんは、「福島県の子どもたちの35%に甲状腺の異変が起きていることが世界中で問題になっている」と切り出し、「その原因は、子どもたちが、郡山市の公表よりも3倍近い高さの数値の被曝をさせられてきたからだ」と語った。そしてもう一つの原因は山下俊一だ。「彼は昨年3月、甲状腺学会の会員に向けて子どもたちに安定ヨウ素剤を配布しないように事実上命じる文書を出した」と糾弾すると、「そうだ!」「山下は人殺しだ!」と声が上がった。
 柳原さんはさらに、「彼は今年の1月にまたしても犯罪を犯した。異常が出た子どもやお母さんたちが相談に来ても検査を受けられないように命じる文書を出した。二度死刑になってもおかしくないくらいの悪逆非道の人間だ」と断罪した。
 8月22日、疎開裁判の会は首都圏反原発連合の代表たちに託して、野田首相に子どもたちの集団避難の即時実現を求める要求書を提出した。しかしこの日まで何ひとつ返事はない。これに対して柳原さんが怒りのメッセージを読み上げた。「野田総理は、大勢の子どもたちの命が危機にさらされている福島問題ではちっとも動かない」「日本政府が最も恐れている、たとえどんな迫害を受けてもけっして脱原発の決意を曲げない”不屈の絶対脱原発の信念”を多くの人にもってもらおう」
 最後に「8月上旬、仙台高裁から裁判を開くという通知がきた。二審は通常書面だけ。異例の出来事だ」と報告し、10月1日の裁判への傍聴を訴えた。
(写真 文科省前でも毎週金曜、「ふくしま集団疎開裁判の会」が抗議行動を続けている【8月31日 東京・霞が関】)

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週刊『前進』(2551号4面3)(2012/09/10 )

 フクシマを生きぬく 労働者と農民の訴え(中)

 安全な牛乳つくり続ける

 全国農民会議呼びかけ人 本宮市の酪農家 鈴木光一郎さん

 ここは福島第一原発から約55`です。本宮市は今の空間線量を毎時0・2マイクロシーベルト前後と発表しているが、うそばかり。測ってみましょうか? 牛舎の中は地上1bで0・370マイクロシーベルト。牛舎を出てすぐの場所は0・835マイクロ。牧草地では2マイクロなんて数値はいくらでも出ます。
 私たちは長い年月をかけて、牧草地で牧草を育て、その牧草を牛に与え、牛の糞尿(ふんにょう)で堆肥(たいひ)をつくり、堆肥をまた牧草地にまいて牧草を育てるという循環型酪農をつくってきました。
 今は牛乳から放射能を絶対出すわけにいかないから、徹底して厳しく管理しています。国は牛乳の基準値を「1`グラムあたり50ベクレル以下」と言う。だけど50ベクレルの牛乳なんて絶対に出荷するわけにはいきません。牛乳を一番飲むのは子どもたち。50ベクレルの牛乳を毎日飲んだら将来、みんな病気になっちゃいますよ。
 今ある測定器では10ベクレル以下は測れない。だからND(ノーデータ)と出た場合は、当然10ベクレル以下。それでもまだ多いと思うから、今はほぼ5ベクレル以下の水準で出荷しています。そうでなければ、われわれは牛を飼う資格がないと思ってますよ。
(写真 搾乳を終えた鈴木さんは「私たちはここに生き続けます」と笑顔を見せた【牛舎にて】)

 被曝を防ぐため線量を毎日測る

 毎朝、近所の5〜6軒の酪農家が搾乳した牛乳を3dのミルクローリー(牛乳輸送車)1台に集めて出荷します。そのローリーごとに毎日、放射線量を測定している。逆に言えば、福島県の牛乳は一番安全ですよ。福島の周辺県の牛乳からも放射能は出ているのに、伏せていますから。
 安全な牛乳をつくるため、3・11後、生産方法をすべて変えざるを得ませんでした。まず飼料。自分たちがつくった牧草は食べさせられない。牛には地元のものは草一本も食べさせません。トウモロコシも乾燥草もアメリカやカナダ産です。しかも今年は大干ばつでアメリカ産のトウモロコシの相場が跳ね上がり、2倍近く、大赤字です。
 でも東電は、直接の放射能被害以外は補償しない。餌の値段が高くなっても補償はされません。
 今一番力を入れているのは牧草地の除染です。10月に種をまき、来春までかけて育てて、5〜6月に一番草(いちばんそう)を刈り取る。去年の6月は、その一番草から放射能が出ちゃった。来春はそうならないよう、ここ数カ月はまずは土地をどうにかしようと取り組んできました。
 牧草地にゼオライトをまき、表土は30aひっくり返しました。だけど来春に牧草を刈った時に放射能が出るかどうかは、刈ってみなければわからない。牛は牧草を全部食べる。草刈り機で刈れば、根っこも土も少しは入る。どんなに除染に取り組んでも、本当に食べさせられる牧草ができるのか、大変不安です。
 去年うちで1頭、乳が出なくなったから廃牛にする牛が出た。今までは県外の屠場(とじょう)に持っていったけれど、「福島県の牛は県外に出しちゃだめ」。県内の屠場で順番待ちするしかなかった。それで屠殺した牛の値段がいくらだったと思う? 3・11以前なら10万円近かったのに、たったの950円。しかも運送料の1万5千円は自腹。1頭を廃牛にするだけで大赤字ですよ。

 帝国主義に必ず責任を取らせる

 3・11後は地域の酪農家で集まって団結集会をやって話し合いました。みんな、酪農組合や協同組合の団結がなかったら続けられなかったと思う。その点、企業は利益優先だから弱かった。ある意味、私たちが目指す未来社会を象徴していると思いました。3・11で人間が生きていくために一番大切なもの、その根本が問われたんです。
 酪農家の生活はすべてが牛中心です。搾乳は1日2回、朝7時半から10時過ぎまでと、夜7時から9時ごろまで。その間に牛の食事があり、合間は牧草地の仕事。うちは田んぼもあるので、田んぼの世話もある。毎朝5時に起きて、夜10時過ぎまで働いてます。農家はみんなそうです。
 こうやって日本の食を守り抜いてきた農民を、3・11をもって国は切り捨て、さらにTPP(環太平洋経済連携協定)でぶっ壊そうとしている。こういうやつらと闘いぬかなければ、農民は生きていけません。
 浜通りの酪農家は「3日ぐらいで戻れる」と思って牛をつなぎっぱなしにして避難して、1週間後に行ったら牛はつながれたまま餓死していた。何も食うものがなくなった豚が牛の死骸を食べている――そういう現実を目の当たりにしたんです。昨年6月に、壁に「原発さえなければ」と書き残して自殺した酪農家がいたでしょう? 気持ちはよくわかる。
 ここに生き続けて福島を再生したいし、こういう事態を引き起こした新自由主義・帝国主義にきっちりと責任を取らせていく闘いののろしを福島から上げていきたい。
 福島と全国の農民が立ち上げた全国農民会議を、日本のこの現実をひっくり返す力を持つ組織に必ずや育て上げていきたい。ぜひともご支援をお願いします。

 職場で青年たちと向き合う

 NTT労組福島分会組合員 福島県労組交流センター代表 渡辺 馨さん

 NTTで今、65歳までの定年延長とセットになった青年労働者の賃下げの問題が起きています。今春の賃金交渉の過程で会社側が提案してきたもので、来年4月1日実施が狙われています。
 名目は「65歳まで安定して働く仕組みづくり」ですが、1985年の民営化以降二十数年、採用を極端に減らした結果、どの職場でも若い世代が少なく、技術継承がなされていないという危機に追い詰められて打ち出した制度です。問題は61〜65歳の労働者の賃金の原資のために20〜40代の労働者の賃金を15%切り下げるということ。まさに青年の未来を奪うとんでもない制度です。
 NTT労組本部は会社提案について「やむを得ない」という立場で、闘うスタンスは皆無です。
 だけどさすがに若い人は耐えられない。「私たちの未来はどうなるんだ」「10万円そこそこでどうやって食べていけばいいんだ」という声が上がっています。20代前半の青年は基本給が約14万円、天引きされて手取りは10万円ちょっとです。しかもNTTは定期昇給制度が完全に解体されて評価賃金制度になっているから、今後の賃金の見通しもまったく立たない。こんな低賃金では本当に生活していけない。

 NTT労組大会で現場の声訴え

 7月11〜12日に仙台市で行われたNTT労組全国大会の会場前で、こういう現場の声をビラにして配りマイクで訴えました。宣伝活動を始めたら30人近い「大会警備」が出てきて、ゴミ袋を持ち出し、受け取った人からビラを取り上げる。カバンに入れた人はカバンを開けさせて取り上げた。もちろんそれでも抵抗して持っていく人もいましたけれど。組合幹部は「こんなゴミを全国大会会場に入れさせるな」とまで言いました。
 大会議案もひどいもので、原発も放射能も一言もない。大会スローガンは「『東日本大震災』からの復興・再生に総力をあげる」。民主党政権とまったく同じです。放射能汚染と日々向き合っている福島の現実など見向きもしない。それだけ本部と現場組合員の隔たりは大きくなっています。

 連合こそ資本の最後の救済者だ

 原発、外注化、非正規職労働者の激増――新自由主義攻撃のすべてを連合が支えてきた。連合こそ資本の最後的な救済者であり、この現実を職場からひっくり返すことこそ私たちの課題です。
 職場では原発の問題と職場のテーマを両方書いたビラを配り、「被曝労働で成り立つ原発と、青年の未来を奪う賃金制度改悪の根っこは一つだ」と訴えています。
 若い世代からは「『今の組合は問題がある』と言うけど、この現実を認めてしまったのはあなたがたでしょう?」という厳しい言葉もある。実際そうなんです。自分たちが闘いきれなかった結果だから。そういう言葉も率直に受け止め、闘う労働組合を奪い返すために青年たちと真剣に向き合っていきたい。
 職場で原発の話をしても、若い人はあまり乗ってこない。それは若い人ほど深刻に考えているからです。「しょうがない」とあきらめさせる重たさが今、ものすごい圧力が襲いかかっている。
 だからこそ僕らは「あきらめたら福島は殺される」と怒りを持続し、青年とともに職場から闘いをつくり出す。10・1外注化阻止へ闘う国労郡山工場支部の仲間と連帯して、フクシマの怒りの先頭で頑張ります。

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週刊『前進』(2551号4面4)(2012/09/10 )

日誌'12 8月28日〜9月3日

 断層上の原発運転容認へ/オスプレイ事故は「操縦士のミス」

●原発直下断層に新基準 原発直下に地盤をずらす「断層」があっても原発の運転を一律に禁止せず、運転継続の可能性を残す新たな安全評価基準の導入を経済産業省原子力安全・保安院が検討していると分かった。(28日)
●防衛省「人為ミス」追認 防衛省は米軍普天間飛行場に配備予定の新型輸送機MV22オスプレイが4月にモロッコで墜落した事故に関し、「副操縦士の人的要因が大きい」とし、機体に問題が認められないとする日本政府の検証報告書を公表した。(28日)
●首相問責決議を参院可決 野田佳彦首相に対する問責決議案が自民党など野党の賛成多数で参院本会議で可決、国会は事実上閉幕した。増税法を成立させ、重要法案は先送り。(29日)
●「大阪都法」が成立 大阪市の橋下徹市長が掲げる「大阪都構想」を後押しする特別区設置法案など15法案が参院本会議で可決、成立した。(29日)
●南海トラフ地震、最悪32万人死亡を想定 南海トラフ沿いで起きるとされる巨大地震に関し、国の二つの有識者会議は被害想定を発表した。最悪で東日本大震災の1・8倍の1015平方`が津波で浸水、32万3千人が死亡、浜岡原発も水につかる。(29日)
●沖縄県知事「受け入れ困難」 森本敏防衛相は沖縄で、モロッコ・オスプレイ事故に関し機体に問題はないと説明、仲井真弘多知事は「不安が払拭(ふっしょく)されない限り受け入れるとは言えない」と述べた。(29日)
●フロリダ事故も「操縦上のミス」
6月に米フロリダ州で起きた米軍の新型輸送機オスプレイの事故について米国防総省は「操縦上の状況誤認」で気流の乱れに巻き込まれたことが原因との調査結果を公表した。(30日)
●「那覇海保」新設案 釣魚台(尖閣諸島)周辺の警備を強化するため、海上保安庁は第11管区海上保安部(那覇市)の組織を改編する方針。(31日)
●原発規制当局の独立性強化合意 ウィーンの国際原子力機関(IAEA)本部で開かれた原子力安全条約の特別会合は、原発の安全規制当局の独立性強化や厳格なIAEA安全基準の積極活用などの合意文書を採択。(31日)
●都が釣魚台を洋上調査 釣魚台(尖閣諸島)購入を目指す東京都は洋上から現地調査を実施。不動産鑑定に必要な島の地形や環境を調べた。(2日)
●APEC開幕 ロシアで初めてのアジア太平洋経済協力会議(APEC)がウラジオストクで開幕し、高級実務者会合などが始まった。(2日)
●高浜原発の浸水想定 福井県は県沿岸で最大8・7bとなる津波予測の見直し結果を公表した。従来は沿岸全域で2・5bだったが、最大で3・5倍。関西電力高浜原発は最大3・74bと想定され、原発敷地の高さ3・5bを超え、浸水する恐れ。(3日)
●6原発の審査結果公表 原子力安全・保安院は、北海道電力泊原発1、2号機など原発計6基について再稼働の条件となるストレステスト(耐性評価)1次評価の審査のとりまとめを公表。各電力会社が提出した報告書が妥当かどうかの判断はせず。(3日)

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週刊『前進』(2551号5面1)(2012/09/10 )

 大飯原発をすぐ止めろ

 直下に地震起こす「破砕帯」

 「危険ない」と保安院がうそ

 福井県にある大飯原発や敦賀(つるが)原発、石川県にある志賀(しか)原発など全国の原発敷地直下に「破砕帯」と呼ばれる活断層があることが次々明らかとなった。「断層」とは地面がずれてできた裂け目のことで、そのなかでも「活断層」とはいつ動いてもおかしくない場所だ。それが全国に2千カ所以上存在する。(地図左)
 活断層が動けば真上にある原発を直撃し、原子炉などの施設の倒壊・破損、大事故は避けられない。たとえ原子炉本体は「無事」だったとしても膨大にある配管が断裂すれば冷却機能がストップし、取り返しのつかない事態に発展することは福島第一原発事故が示している。大飯原発は直ちに稼働を中止させなければならない。全国のすべての原発を廃炉にすることが絶対に必要だ。
 だが経産省原子力安全・保安院はこれとまったく逆の道を突き進もうとしている。保安院は大飯原発など6カ所でアリバイ的に地質調査を行い、それを受けて「活断層であっても危険性はない」と詭弁(きべん)をろうし、原発政策を推進する魂胆だ。

 卑劣な「弱面」概念デッチあげ

 8月24日、保安院は「原子力発電所敷地内の破砕帯の評価に当たっての検討の考え方」(以下「考え方」)なるものを公表した。ここで、破砕帯が活断層と評価された場合、「@主断層、A副断層、B弱面」の三つに分類して検討するとしている。問題はBの「弱面」だ。これは、これまで保安院の文書にさえ登場したこともない新しい概念だ。このような、学問的にいっても何を意味するのか説明さえできないものをデッチあげ、「弱面」の場合は地盤に変動を起こす危険はないと強弁する思惑だ。
 「考え方」では「地震動によって弱面として地盤に変位を……生じる可能性が否定」できる場合もあると匂わせている。官僚独特の、人をだますことを目的に書かれた理解し難い表現だが、分かりやすい言い方に変えると”活断層であっても地震は起きない。だから大飯もほかの原発も稼働して大丈夫”ということだ。実際、保安院の専門家会議の委員は「志賀原発の断層は、弱面に分類される可能性がある」と、早くも野田や電力資本、官僚どもの思惑に沿った発言をしている。
 保安院は調査をごまかすためにもうひとつ悪質な手段を使っている。大飯原発の断層を調べるのは三菱系の「ダイヤコンサルタント」だ。同社は3、4号機の設置申請時に地質調査を請け負った。その調査結果をもとに関西電力は「F―6破砕帯」が活断層ではないと結論を出した。また3、4号機の原子炉は三菱重工が建設した。こんな会社が行う検査の結論は始めから決まっている。
 大飯原発の敷地の直下には、「F6―断層(破砕帯)」と呼ばれる活断層が通っている(地図下)。これが周辺の活断層と連動して動く危険性が指摘されている。敦賀原発を現地調査した産業技術総合研究所の杉山雄一主幹研究員は「典型的な活断層の破砕帯に非常に似ている」と語った。
 7月17日に行われた保安院の専門家会合では、委員の今泉俊文・東北大教授が志賀原発の資料を見て「典型的な活断層が炉心の下を通っている代表的な例だ」と発言した。これら以外にも、現在、高速増殖原型炉もんじゅ(福井県)と少なくとも五つの原発の直下に、活断層が存在する可能性が高い。
 なぜこのように突然、次々と活断層の存在やその可能性が明らかとなったのか。と言うよりも、歴代政府や原子力安全・保安院、東京電力や関西電力などの電力資本が、原発建設のために「うそ、ペテン」を重ねてきたということだ。原発建設予定地直下に活断層が存在するにもかかわらず、「活断層ではない」とごまかし、建設を強行してきたことが真実だ。だが、東日本大震災後の昨年4月に福島県南部で発生した地震で動かないタイプとされた断層が動いたこと、さらに原発反対運動の巨大な高まりによって保安院は再検証を余儀なくされ、事実が明らかとなった。

 伊方・泊原発の再稼働阻止を

 野田政権は、原子力規制委員会の人事を今国会では採決せず、野田が任命する方針を固めた。森本敏防衛相は就任前の今年1月、「原発は非常に大事な抑止力」と表明し、核武装のための原発推進であることを明言した。保安院の「考え方」、やり方はそれらと完全にひとつながりだ。保安院がレールを敷き、規制委員会がもっとあくどく原発政策を推進することが狙いだ。だが彼らにはうまくいく展望はない。もう労働者民衆をだますことはできない。連中は一握りの集団だ。
 問題は法律論議ではない。このような社会を根底から変革することだ。労働者民衆にはその力がある。7・16代々木公園17万人集会、首相官邸・国会前の数十万人決起でそれが端緒的に見えてきた。全国の力を合わせて大飯原発を絶対に止めよう。伊方、泊原発の再稼働を許すな。100万人の結集を実現し、全原発の廃炉を実現しよう。

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週刊『前進』(2551号5面2)(2012/09/10 )

 山下俊一の発言弾劾

 「国が崩壊する」と検診を妨害

 福島県立医大副学長の山下俊一が、8・26付毎日新聞の記事「福島・子供の甲状腺検査」で、「国の崩壊」を口にし、子どもの内部被曝と健康被害に心を痛める親たちの行動に敵意をむき出しにしている。
 まず、検査の目的を聞かれ山下は、「県民の健康増進のための医療サービスで、決して調査研究ではない」と返答。「山下俊一のモルモットにはならない」と県の健康調査表の封筒に書いて未記入で出した住民もいる。怒りを恐れた弁解だ。

 「国際的合意」を盾に被曝強いる

 次に山下は、「WHO(世界保健機関)の推計で、福島住民の被ばく線量はどんなに高くても100_シーベルト。100_シーベルト以下の健康リスクは明らかには証明されていない、または非常に小さいというのが科学者の国際的合意だ」と言う。でたらめだ。
 昨年10月、JR郡山駅西口で1時間あたり80マイクロシーベルトを超える放射線量が計測された。年間700_シーベルトになる。高校生の通学路だ。これが福島の現実だ。
 そもそも、WHOを基準にするなど危険だ。チェルノブイリ原発事故の死者数をみればわかる。WHOは、06年時点でヨーロッパ諸国全体(40カ国)も含め、死亡が1万6千人としている。しかし、公表された医学的データに基づいて調査したベラルーシの2人の医師によれば、04年までに98万5千人にもなる。
 しかも、ウクライナやベラルーシでは、年間5_シーベルトを超える地域の住民は強制退去と規定された。福島では、現在は50_シーベルト未満なら自由に一時帰宅できる。これがもたらす健康被害はいったいどれほどのものか。それはすでに現れている。

 35・8%の子どもに甲状腺異常

 昨年10月から福島県は震災時に0〜18歳だった子ども約36万人を対象に甲状腺の超音波検査を始めた。責任者が山下だ。その結果が6月に公表され、今年3月までに受診した3万8114人のうち35・8%の子どもの甲状腺に、結節(しこり)や嚢胞(のうほう・液体がたまった袋状のもの)があることが分かった。
 チェルノブイリ原発事故5年目から10年にわたり行われた調査でも、甲状腺に結節があったのは全体の1・74%。福島では1年もたたないうちにこれだけの率とは、大変事態だ。そのうち大きさが5・1_以上の結節や20・1_以上の嚢胞があった186人だけが2次検査の対象となった。それ以外は、医師の所見やエコーの画像を見るのにも、県条例に基づき情報公開請求をしなければならないし、開示されるのは静止画像のコピーだ。

 「検査をするな」と医師に指示

 不安になった子どもや親たちが、別の医療機関−県外での検査を受けようとするのは当然だ。
 しかし、山下は今年1月、自身が理事長を務める日本甲状腺学会など7学会に、「次回の検査(2年後だ)までの間に自覚症状が出現しない限り追加検査は必要ない」との文書を出した。検査するなという指示だ。「診療を拒否してはならない」という医師法に反しても、被曝による健康被害を押し隠そうとしているのだ。県外で検査を受けるケースが相次いでいることに山下は、「改善策を考えなくてはならない。医師の考え方とお母さんとの立場にギャップがある」とあせりを隠せない。
 山下の結論は、「県民と我々が対立関係になってはいけない。日本という国が崩壊しないよう導きたい」だ。「チェルノブイリ事故後、ウクライナでは健康影響を巡る訴訟が多発し、補償費用が国家予算を圧迫した」と言う(上の引用)。
 単に金のことではない。被曝強制への怒りがソ連スターリン主義体制を崩壊させる決定的要因となったことを百も承知でその再現を恐れているのだ。福島の子どもたちの健康診断すら認められず、原発事故の責任追及が「国の崩壊」につながるほど野田政権は危機にある。その危機をのりきるために、山下は「そうなった時の最終的な被害者は国民だ」と、福島以外の労働者人民に向かって、生きようとする福島の人びとを押さえ込めと号令しているのだ。分断し対立させ襲撃をあおる山下を許さない。フクシマと結び、山下もろとも野田政権を打倒しよう。
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 〈山下俊一の発言〉

日本という国が崩壊しないよう導きたい。チェルノブイリ事故後、ウクライナでは健康影響を巡る訴訟が多発し、補償費用が国家予算を圧迫した。そうなった時の最終的な被害者は国民だ。(8・26付毎日新聞)

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週刊『前進』(2551号5面3)(2012/09/10 )

 「即時廃炉」しかない

 再稼働容認の「脱原発基本法案」批判する

 一部の弁護士や諸人士による「脱原発基本法」制定運動は、原発の再稼働を認める運動であり、全原発の即時廃炉を要求する運動とはまったく異なるものだ。断じて認められない。
 何よりもこの法案は、原発労働者のことがまったく考えられていない。原発は通常運転の時でさえ、労働者が被曝することなしに成り立たない。定期点検の時などにどれほど多くの労働者が被曝労働を強制され、健康と命を奪われてきたことか。この一事からも原発の稼働など、もはや絶対に認められない。
 原発は、資本家の金もうけと国の核政策のためであり、労働者人民の安全など少しも考えていない。そのことが、福島原発事故によって、取り返しのつかない形で示された。ましてや日本は世界有数の地震地帯である。いつ3・11クラスの大地震が再び起きるかも知れない。そのとき「大事故はもう起きない」などと誰が言えるか? 誰も言えない。だから、「原発の運転は一基たりとも認めない」「大飯も今すぐ止めろ」「止まっている原発は絶対に動かすな」と闘う以外にない。
 ところが脱原発基本法は、そうした圧倒的人民の即時廃炉の願いを踏みにじり、国や電力資本のために原発の復活に道を開くものである。
 「脱原発法Q&A」は次のように言う。
 @「脱原発は、遅くとも2020年度から2025年度までのできる限り早い時期に実現されなければならない」
 福島の人たちの苦闘を忘れないようにしよう! 16万人もの人びとが住み慣れた家や田畑や仕事を奪われ今も避難生活を余儀なくされている。汚染された土地で暮らさなければならない人びとが何十万人もいる。労働者も農民も酪農家も漁民も大変な苦闘を強いられている。子どもたちには甲状腺の異常が多発し、大人も疲れやだるさに苦しんでいる人が多数出ている。このように、いったん事故が起きれば、被害は取り返しがつかなくなる。「全原発を今すぐ廃炉に」以外ありえない。
 A「再稼働については最新の科学的知見に基づく基準の合格を必須条件とし、事故のリスクを極力減らす努力をします」
 「原子力規制委員会が定める技術上の基準に合格することが最低限の条件である」
 福島原発事故は、「最新の科学」なるものの決定的限界を突き出したのではなかったか。国や電力資本、御用学者が「5重の防護策があるから絶対安全」と言ってきたことが全部うそだった。核反応を人間がコントロールできると考える思いこみ、「最新の科学」への過信が、取り返しのつかない大事故を生み出すのだ。
 しかも原子力規制委員会は原発推進を大前提とする機関だ。そこが定める「技術上の基準」など何一つ信用できない。
 B「脱原発を実現するに当たって生じうる電力会社等の損失に対する対策」
 電力会社は、政府によって手厚く保護され、原発によって莫大な利益を上げてきた。その電力資本の損失補てんのために税金を使い、労働者人民に負担を強いることなど、絶対に認められない。福島原発事故で誰一人責任をとっていない東電の経営陣らを免罪し保護するものである。
 C「大飯原発3、4号機の再稼働が強行されてしまったことも、残念ながら、現実として受け止めなければなりません」
 それを言うなら、商業用原発54基中の52基を、人民の闘いが停止させていることもまた現実だ。それを政府・電力資本に強制している人民の闘いの力に、もっと確信と自信を持つべきである。
 今、労働者人民は国会と既成政党の無力・腐敗を見てとり、自分の力で社会を変える闘いに立ち上がり始めた。その時、このような既成政党頼みの法案制定運動は、人民の運動を古い秩序と枠の中に押し込めるだけだ。
 いま必要なのは労働者階級の職場からの大決起だ。福島の怒りと結合した労働者のデモやストライキ闘争の発展・拡大こそが、新自由主義を粉砕し、全原発の廃炉を実現する最も現実的な力である。このことに絶対の確信をもって闘おう。

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週刊『前進』(2551号5面4)(2012/09/10 )

 シリア内戦 勝利の道

 体制内打ち破る労働者の階級的な決起が鍵だ

 シリアの労働者人民は、昨年3月の決起以来、新自由主義政策を推し進めてきたアサド政権の残虐なせん滅戦的な弾圧に屈せず、1年半におよぶ闘いを全土で続けている。昨年3月以来の死者は2万3千人を超え、避難民としてシリアを離れた人は15万人に上っている。シリア人民の勝利の鍵を握るのは労働者の階級的決起だ。

 人民の決起を恐れる米帝ら

 米帝をはじめとする帝国主義諸国、サウジアラビアなどの湾岸諸国、トルコなどの支配階級は、「アサド政権の非人道的行為反対」を掲げている。ロシア・中国・イランなどは「アサド弾劾反対」を叫んでいる。だが、彼らが相互の争闘戦を抱えながら、ともに最も恐れているのは、シリアの労働者人民が自らの手で反動的政権を打倒することだ。そしてチュニジア、エジプトに始まった民衆の反乱が、中東、北アフリカ、西アジアの中心に位置するシリアからこの地域全体に拡大し、地中海を越えたギリシャ、スペインの労働者の決起と結合することだ。そして、それが世界大恐慌の激化によって揺らいでいる世界の支配体制を根底から崩壊させることだ。米帝は、内外にわたる危機のなかで、この地域の制圧のための軍事介入の機会を狙っている。
 アサド政権は、シリア人民、そして中東の全労働者人民の敵だ。長期化した内戦のなかで権力中枢や軍の内部からも多くの離反者を出しながら、世界政治の力関係を利用しつつ、人民の大量殺りくを続けている。アサドの延命を許している要因は何か。それは何よりも、労働者階級が闘争の中心に登場していないことだ。

 反体制勢力の階級的な実体

 チュニジア、エジプト革命においては、労働組合を軸とした労働者階級が人民の怒りの先頭に立ち、ストライキ、工場占拠、街頭行動などを通じて反乱の方向性を決定し、反動政権をいわば一撃のもとに打倒した。
 シリアでは、チュニジア、エジプトの蜂起にただちに呼応した。2011年3〜4月の過程で広大な全土にわたる総決起をかちとり、「アサドを倒せ」「シリアは一つ」のスローガンのもと、嵐のような進撃を開始した。しかし、分散的なストはあったものの、「タハリール広場」のような労働者階級の革命的結集点を、ついに持つことはなかった。
 その政治的空間につけこんで、隣国トルコ(西アジアにおけるNATO=北大西洋条約機構の中軸国)で、シリア国民評議会(SNC)が結成された。アサド政権からの亡命政治家集団で構成され、「反体制勢力の代表」を名のり、米帝やサウジの強力な後押しによって、「アサドの後継政権」(反革命的”受け皿”)として世界的に押し出された。しかし、そのあまりの反人民性、帝国主義への屈服の露骨さのゆえに、反乱に決起している現地の支持を得ることに失敗し、現在、ほとんど空中分解状態だ。
 現在、アサド政権との軍事的衝突の先頭に立っていると報道されているのが自由シリア軍(FSA)だ。しかし、その階級的実体は労働者人民の武装勢力とはほど遠く、統一性を欠いた混成部隊だ。シリア国軍から反乱の側に投じた兵士たちや、住民の武装自衛組織を含んでいることは確かだ。しかし、サウジとカタールからトルコを経由して武器援助を受けている旧軍幹部や、ムスリム系諸グループ(シリアの少数民族、とりわけクルド人を敵視、敵対する)が、次第に前面に出てきていることは明らかだ。そして、相互の対立も先鋭化してきている。

 新自由主義への怒りが爆発

 アサド政権の激烈な新自由主義攻撃によってシリアの社会構造は、戦後的な変革を経た1970年代の頃から、さらに大きく変化した。現在、総人口2250万人のうち賃金労働者は270万人。家族構成員や膨大な失業者数を計算に入れると、人口の約70%が賃金労働者に依存していることになる(農業人口は30%以下に減少)。労働人口の25%は、教育労働者や医療労働者などの公共部門の労働者で、そのほか製造業、空港・鉄道・港湾・電力などの部門を担う労働者がいる。都市人口が農村からの流入者(土地を奪われた農民たち)を吸収し、全人口の75%を占めている。
 構造調整政策の結果、総人口の3分の1が生存水準以下の生活を強いられている(国連統計)。失業率は15%とも20%とも言われており、とりわけ人口の67%を占める青年層の失業が巨大な数に上っている。中東諸国では比較的高い水準にある教育を受けた大学卒業者の75%が、職のない状況に置かれている。
 現在、街頭に出て抵抗闘争を牽引(けんいん)している主力は、こうした若者たちである。新自由主義による賃金カットなどの攻撃を最も激しく受けているのが公共部門の労働者で、その40%がダブル・ジョブを強いられている。”昼間は教育労働者、夜はタクシー運転手”という現実なのだ。
 現政権の大統領バシャール・エル・アサドは2000年に、父ハフェズ・エル・アサドを継いで政権に就いた。以来、前政権によって1980年代から開始されていた新自由主義攻撃を、IMF(国際通貨基金)・世界銀行の指導下で、「世界市場への参入」のスローガンのもと、さらに大規模に徹底的に強行してきた。その主要な柱は、国営企業の民営化、外国資本の導入、国有化されていた土地の私有化、企業減税、関税の引き下げ、不動産取引の規制緩和、国際競争力の強化を口実とする賃金カット、社会保障制度の解体、そして、労働運動の弾圧などだった。
 土地を追われた農民が都市に流れ込み、非正規職職場に殺到した。民営化や外国資本の導入による新興ブルジョアジーの蓄財をめぐる利権争いと汚職、腐敗などが現れた。こうした新自由主義がもたらした現実への根底的な怒りが、シリア労働者人民を決起させていった。階級的性格は、チュニジア、エジプト革命とまったく同じだ。

 世界革命への国際的合流を

 では、シリアの労働者の階級的登場を妨げているものは何か。シリアでは前政権の1970年当時から2011年までの40年間、「対イスラエル戦争」を口実に戒厳令が敷かれてきた。そして、この「例外的国家支配」を継続してきたバース党(注)が、「国民進歩戦線」のもとに労働組合を吸収して体制内化し、共産党・社会党がそれに包摂され屈服してきた。
 しかし、シリア人民の決起を呼び起こしたのは、「チュニジア、エジプトに続け」「おれたちもやれる」であった。現にいま、チュニジア、エジプトでは、革命を簒奪(さんだつ)しようとする反動新政権に対して、8月中旬から新たなストライキの波が全土を揺るがしている。シリアの労働者人民の解放の道は、ここにある。体制内勢力を打倒する階級的労働運動が、プロレタリア世界革命の勝利をめざし国際的合流をかちとる時だ。
 (川武信夫)
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 (注)バース党
 “アラブ社会主義”(労働者権力圧殺の上に立った官僚的国有化)を名のったシリアの支配的政党。

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週刊『前進』(2551号6面1)(2012/09/10 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 冷房を入れさせない管理者に怒りが充満 東京F郵便局 森内一郎

 連日、東京の最高気温も32〜33度の日々が続く。とにかく暑く、身体を動かして仕事をするのがものすごく大変だ。
 F局ではとんでもないことが起こっている。
 ゆうパックの到着場所で働くエリアのエアコン電源を、当局が入れさせないのである。それを指示したのは管理職Gだ。みんな汗だくで仕事をして、中には体調不良で休んでしまう人もいる。ゆうパックを配達する人が、管理職Gに「冷房を入れてほしい」と要望したらGは何と言ったか? 一言「暑いの?」。
 ふざけるな! 最高気温が32〜33度の日は、この場所は36〜37度にもなるのだ。それなのに冷房を入れさせない。Gが仕事をしている所はガンガンに冷房を効かせているではないか。本当に許せない。これは人権侵害である。非正規労働で働く弱い立場の人に対し、こんなことが許されるのか。
 私が働いている場所は、さらに環境が悪い。別の非正規職の女性が「あそこはものすごく暑い。そこに生もののゆうパックが置いてあった。お客さんから腐っているから弁償してくれという電話がないのが不思議だ」と話していた。冷房の温度設定が「28度」だとほとんど効かないのだ。たまらず設定を下げると、管理者はものすごい勢いで怒鳴るのだ。
 彼らは上から言われたことは頭を使わず守る。そして現場の状況を判断する能力はゼロだ。こんなやつが出世して管理者になれたのも、当局の組合つぶしの結果だろう。
 ふさわしい人間は絶対に管理者にせず、現場の団結を壊す手先になるような者だけを管理者にする。御用組合のいやな執行部が管理者になるシステムが象徴的だ。
 彼らは高をくくっているようだが、怒りは充満している。こういう体制は必ず滅びると確信している。

 外注化阻止の闘いは全労働者共通の課題 東京 天馬龍騎

 JR東日本とカクマルが結託して強行しようとしている検修外注化は、労働者としても、通勤での利用者としても絶対に許せません。私も車両センターでの「外注化阻止ニュース」配布に、仲間と参加しています。
 私の職場は、私が入社する前から製造現場が次々と外注化され、労組活動の大半は、外注先の出向組合員との対応で占められていました。すべての外注先は、出向した労働者がいなければ一切事業ができない、まさしく「偽装請負」状態であり、常に矛盾の噴出する場となっています。
 私が企業内組合で工場の支部委員長をしていた時、残り少ない本体の製造現場の完全撤退方針を会社から説明されました。それに伴い、子会社をつくって多くの労働者を出向させる提案がされ、当時、私自身「外注化を阻止する」という発想すら持てず、私が会社に要求したのは「すべての労働条件を本体と同じにする」程度でした。
 この件の最終の団体交渉では、会社が姑息(こそく)にも「休日の変更は認めろ」と迫り、会社と結託した支部の一部の執行委員が「会社の言うことを認めろ」「委員長が会社とけんかするなど許せない」「本部になぜ確認しないのだ」と息巻いていましたが、「この協議をご破算にする」と席を立って、「すべての労働条件を本体と同じにする」ことを会社に認めさせました。会社の姑息な態度は、労働条件切り下げの足がかりを残したかったためです。その子会社は、子会社のプロパー社員を雇うこともなく3〜4年で解散、全員出向解除となりました。「同条件」では成立しないからです。
 外注化や非正規雇用化を御用組合が「労資合意」し、半失業の増大、低賃金化を社会にもたらす。こんな「労資合意」は犯罪そのものです。動労千葉の闘いからそのことをつかみました。
 労働者の団結を拡大し、10・1検修外注化を粉砕しましょう。

 ドイツ反原発闘争の行動力に学んで闘う 東京 吉玉ゆみ

 9月5日、「原発とめろ!新橋アクション」の講演会が大井町きゅりあんで開かれ、ドイツに30年在住し反原発運動に生涯かけて取り組む小林和彦さんが講演した。
 小林さんは、3・11大震災と福島原発事故を受けて、原発と核をなくすために国境を越えて闘うことを決意、昨秋から福島のことをドイツ各地で講演を重ねてきた。
 その講演を聞いたドイツの女性からのメールを紹介した。「日本の大人たちは、目の前にあんな悲惨なことがあるのに、なぜ一斉に大規模な実力行使に出ないのか。もしこれがドイツで起こっていたら、汚染された農産物は国会へ届けられ、被曝させられた子どもたちは首相官邸前を埋め、汚染された土は与党本部の建物の前に積まれ、事故を起こした電力会社の建物は民衆の襲撃で破壊され、首相の本宅は放火の危険にさらされるでしょう……。被曝させられた何万人もの子どもたち、ああ、なんということでしょうか。大きな権力に立ち向かうには、一人一人の市民の勇気と精神力が必要です」
 小林さんはこのメールを読んで何回も涙され、「福島で30万人の子どもたちが被曝した。これは大人の責任です。子どもを育てられない国は滅びます」と訴えた。
 ドイツでは、3・11直後に大規模なデモが闘われ、政権維持のためにメルケル首相が「脱原発」を決めた。ドイツ民衆の力が、確実に権力者を圧倒している。素晴らしいドイツ人一人ひとりの感性と行動力。しかしそれらも、血を流すような闘いの中で育まれてきたとのこと。特に戦後は、ドイツ国家の戦争責任追及が今も続いている。
 小林さんの見識は広く、これから日本で運動を広げるヒントをつかんだ気がする。福島と固くつながり、事故を起こした東電・政府、原子力ムラの責任を追及する。
 新橋アクションは、東電との闘いを本格的に準備していきたい。毎週の首相官邸デモにも全力で参加していきたい。

 新組織建設宣言した全国連杉並支部大会 東京西部 吉田 恵

 8月24日、杉並区内で部落解放同盟全国連杉並支部第11回大会が開かれ、支部員、共闘など40人が集い、熱気あふれる大会となった。支部と支部員個々人が、東京西部地区の職場・地域に根を張り、西部ユニオンやNAZEN杉並の闘いの一翼を担ってかちとった大会だ。
 率直に思ったのは、杉並支部は全国連の処分以来、自前の運動と組織建設にむけ、これほどまで必死で活動してきたのか、ということだ。「全国連の支部としての大会は今回で終わり。次は新しい組織で」と田中れい子支部長は自信をもって宣言した。
 大会は、石川一雄さんのDVD(動き出した「狭山裁判」)上映で始まり、議案・会計報告・人事案提案、さらに福島支援行動現地報告を盛り込み、さらに西郡から駆けつけた岡邨(おかむら)支部長が八尾北・西郡闘争の勝利的前進を報告した。最後に「全国組織結成にむけてのアピール」を全員で確認した。
 新自由主義のもとで、「血の入れ替え」ともいうべき旧来の部落の追い出し・破壊攻撃が進み、部落青年は劣悪な条件のもとで非正規、失業状態にたたきこまれている。西郡支部1千名建設と同時に、新たな解放運動の道筋は、非正規職撤廃、階級的団結の拡大にある。議案はそのことを鮮明に指し示した。
 役員の留任が承認され、この1年間に新たに支部に入った青年が、「それまで自分なりにさまざまな活動にかかわってきたが、昨年の11・6労働者集会に参加し、衝撃を受け支部に入った。最初は労働組合とか団結とか分からなかった。みんなと行動し、学び、考える中で支部の方針でやっていくことに確信もった。これからは青年に広げていく」と支部青年部をつくる決意を述べた。
 「水平社を担ったのは20代の青年。この時代、青年が未来を切り開くための新たな運動と組織をつくろう」と、田中支部長の音頭による団結ガンバローで大会を閉じた。階級的団結の形成にむけ、解放共闘の飛躍をかけともに闘おう。

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週刊『前進』(2551号6面2)(2012/09/10 )

 星野同志奪還・全証拠開示を

 9・28東京高裁包囲デモへ

 星野文昭同志の再審開始・釈放をかちとるための全証拠開示大運動が、全人民運動としての飛躍をかけて、全国で始まった。
 9月28日、再審弁護団は、異議申立「補充書」を東京高裁第12刑事部に提出する。この日、「星野さんをとり戻そう! 全国再審連絡会議」は、東京高裁包囲デモを中心とする一日行動を呼びかけている。この闘いに大結集し、東京高裁、東京高検に、「全証拠を開示せよ。ただちに再審を開始せよ」と、われわれの怒りをたたきつけよう。
(写真 再審棄却への怒りを東京高裁にたたきつけた7・1デモ)

 裁判資料差し入れ妨害する徳島刑務所許すな

 面会・手紙国賠裁判を担当する西村正治弁護士は、7月18日、訴訟資料を星野同志に郵送した。これに対して、徳島刑務所は「一部抹消する。それを認めなければ渡さない」という攻撃をかけてきた。当然にも、星野同志はこれを拒否した。そのため、現在なお、訴訟資料は星野同志に届いていない。
 西村弁護士が送ったのは、被告・国が提出した「準備書面@」と添付の書証15点、原告提出の「準備書面@」と、徳島弁護士会の「勧告書」である。
 訴訟資料を一部抹消(墨塗り)するのは、裁判書類の改竄(かいざん)以外の何ものでもない。都合が悪いからといって、裁判の書類を抹消する権限など、徳島刑務所にあるはずがない!
 星野同志への人権侵害にかかわる裁判で、弁護団が星野同志に訴訟資料を送り、意見を求めるのはまったく当然で、必要なことである。徳島刑務所による差し入れ拒否は、重大な訴訟妨害・弁護妨害であり、絶対に許せない。
 徳島弁護士会の「勧告書」を「一部抹消」するというのも、とんでもない攻撃だ。星野暁子さんが行った「人権侵害救済」申し立てに関して、徳島弁護士会は、徳島刑務所が行った面会拒否と手紙の墨塗りを明確に人権侵害と認め、「今後、同様の人権侵害がないように勧告する」という文書を送った。その「勧告書」を、人権侵害を行った当の本人が、都合の悪い部分を抹消するというのだ。
 この前代未聞の異様な攻撃の中に、星野闘争の前進、とりわけ2・5徳島刑務所包囲デモが敵に与えた打撃の大きさが示されている。38年間、政治犯をデッチあげで投獄していることに対し、600人の労働者人民の怒りのデモをぶつけた。このことが国家権力の中枢を揺るがしている。その根底には世界大恐慌と3・11情勢、首相官邸前や国会前、7・16の17万人デモに表れた労働者人民の原発への怒り、生きるための決起がある。
 星野同志への理不尽極まりない攻撃を打ち破り、星野同志が生きかつ闘うことを、絶対に守り抜こう。

 誘導による調書捏造を居直る第2次棄却決定

 3月30日、東京高裁第11刑事部は、第2次再審請求を棄却した。星野同志を有罪とする物証はない。あるのは、権力の密室でつくられた学生たちの供述調書だけだ。「再審請求書」と「補充書@、A、B」、「厳島鑑定書」によって、これらの供述調書が権力によるデッチあげであることが明白になった。
 棄却決定は、星野同志に対するデッチあげの核心であるKr「供述」について「請求人(星野同志)の服装の色がきつね色であったとする点で誤りを含んでいると考えられる」と認めながら、「声で(星野同志であると)分かった」と、あくまでもKr供述を維持しようとしている。そのために、「捜査官による誘導もそれが不当なものでない限り有効な記憶喚起の方法になる」とまで言っている。捜査官の誘導に正当なものがあるわけがない。誘導が記憶を破壊・変形することは、心理学研究において確定している。
 真実は、星野同志への「殺人」デッチあげの目的に沿った取調官の誘導で、「調書」が捏造(ねつぞう)されたのだ。
 棄却決定は、弁護団が繰り返し要求した証拠開示、とりわけ民間目撃者6人の供述調書の開示を拒否したまま強行された。これは、「無辜(むこ=無実の人)の救済」という再審制度の核心を踏みにじる、許しがたい攻撃である。
 警視庁公安部が作成した「総括捜査報告書」には、闘争現場を目撃した8人の民間人の調書が作成されたことが明記されている。しかし、そのうち2人しか裁判に出てきていない。残りの6人は、いまだに検察官が隠している。証拠は、検察官の私物ではない。検察官は、公権力を行使し「公益」の名のもとに証拠を収集したのである。それは、本来的に労働者人民のものである。
 検察官が隠し持つ証拠をすべて開示させれば、星野同志の無実は必ず証明される。全証拠の開示、これこそ異議審勝利の核心である。

 全証拠の開示を求める大運動を推し進めよう

 星野同志の家族、再審弁護団、星野再審会議の共同代表の呼びかけによる、全証拠開示を求める運動が全国で始まった。
 再審闘争・救援運動を闘う人たち、文化人・芸術家、宗教者、学生・青年、労働運動活動家等、これまでを超える賛同署名が寄せられている。
 3・11以降、新自由主義がもたらしている現実に対する怒りが、数万、十数万人の決起として燃え上がっている。
 動労千葉は、10・1外注化阻止に向かって全力で闘っている。8月28日には、動労総連合の組合員60人が、検修・構内業務全面外注化と、それに伴う強制出向の差し止めを求める集団訴訟を起こした。鉄道労働者と乗客の安全を投げ捨て、また全労働者の非正規化を狙う攻撃に対して、大反撃が開始されたのだ。その中で、動労千葉と動労水戸に新たな組合員が結集して闘っている。
 労働者人民の生命をないがしろにし、正義も真実も踏みにじる国家権力への大反乱の開始だ。これは、無実の星野同志が国家権力のデッチあげで38年間も監獄に入れられている現実への怒りと完全に一体となった闘いだ。
 全証拠開示・再審開始の大運動を、デッチあげを覆す力ある闘いとして、全力で発展させよう。星野同志を必ず奪還しよう。
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【要項】 星野文昭同志 再審闘争
異議申立「補充書」提出一日行動
東京高裁包囲デモ
9月28日(金)
正午 日比谷公園霞門集合
12時30分 デモ出発

★「補充書」提出報告集会
午後2時
新橋生涯学習センターばるーん(305学習室)

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週刊『前進』(2551号6面3)(2012/09/10 )

 第73回全学連定期全国大会 大会宣言

 福島の怒りをわがものとし10月反原発行動に総決起を

 9月5日、6日の両日に都内で開かれた全学連第73回定期全国大会は、今秋の反原発闘争100万人決起、全国大学での闘う学生自治会再建、10・1外注化阻止決戦勝利へ向け、多数の初参加者を先頭に熱烈な討論が繰り広げられ、大成功をかちとった。採択された「大会宣言」全文を掲載します。見出しは編集局でつけました。(編集局)

 大会宣言

 歴史が大きく動き始めている。
 3・11大震災と原発事故以降示された国家の本質、全世界の労働者階級の決起が呼び覚ます感動と一体感、そして首相官邸前20万結集を頂点とする反原発闘争の中で自らが掴(つか)みとってきた社会変革の可能性―今次全学連大会に結集した学生は、天下国家を問い、学生はいかに生きるべきかを真剣かつ白熱した議論を通じて明らかにしてきた。本大会の地平をもって明日からの闘いに打って出よう。
 第一に、「フクシマ」とさらにつながり、反原発闘争をさらに拡大しよう。全原発を廃炉にしよう。
 「フクシマ」の現状の中に、これまでの社会の矛盾があり、これからの社会の行く末を握るカギがある。「フクシマの怒り」をわがものとし、自らのキャンパスにおいて原発に反対する具体的闘争をつくり上げよう。福島大生とどこまでも連帯しよう。
 首相官邸前行動を100万人に拡大しよう。首相官邸前行動に立ちあがる人々は、3・11以来1年半にわたって、原発の是非について真剣に考え、国家・政権の本質に悩みに悩んだ末行動に立ちあがった人々であり、このうねりは決して止まることはない。しかし「脱原発基本法」をはじめ、反原発闘争の高揚を選挙運動と議会主義に収斂(しゅうれん)する動きが始まっている。あらゆる策動と既成潮流による分断を打ち破り、首相官邸前行動を100万人規模に発展させよう。
 伊方原発をはじめとする原発再稼働を絶対に止めよう。広島大生をはじめとする闘いで低線量・内部被曝問題の圧殺と原子力の平和利用論を打ち破ろう。全国学生は10月反原発行動に総決起しよう。
 第二に、新自由主義大学と闘いぬく中で、学生自治会を建設しよう。
 昨年の全学連大会以降、私たちはキャンパスにおける闘いを大きく前進させてきた。とりわけ、大学における原発推進政策と御用学者、国立大学法人化以降の学生自治破壊と闘い全学自治会・同学会を再建した京都大学生運動は、内外に大きな衝撃と共感をもたらしている。京大同学会に続き学生自治会を建設しよう。
10月19日法政大学において開催される全国学生集会に集まろう。世界大恐慌と新自由主義政策の激化の下に起きる大学・教育・学問の変質。これは何よりも学生の自治破壊と闘う学生への処分として現れてきた。法大生に対する処分阻止・撤回闘争こそ、300万学生全ての未来をかけた闘いだ。東北大・富山大をはじめとする全国大学でサークル攻防・寮攻防にかちぬこう。
 第三に、11・4全国労働者総決起集会に全国学生は駆けつけよう。学生は労働者とともに闘おう。
 この集会には、労働組合を中心に、国境を越え、新自由主義と闘うあらゆる人々が結集する。これこそが社会を変革し、次なる社会を形成し、運営する力だ。この集会の中にあらゆる人々の未来がかかっている。
 11月集会を主催する動労千葉は、国鉄分割・民営化という国家をあげた労働組合破壊攻撃と闘い、労働組合を守り抜き、新自由主義に勝利してきた労働組合である。日本労働運動の最大の戦場でありつづけた国鉄(JR)。ここにおける勝利こそが、労働組合を甦(よみがえ)らせ、日本階級闘争を一変させる位置をもつ。11月集会とともに、学生は10・1外注化阻止をともに闘おう。
 明日の首相官邸前行動、9月9日、オスプレイ配備に反対する沖縄県民集会と国会前行動をはじめとする当面の闘争に全力を傾注しよう。9・16橋下打倒闘争、10・7三里塚闘争に総決起しよう。
 これほどまでに大学と学生の可能性が奪われ、その存在が貶(おとし)められた時代があっただろうか。長らく奪われてきた学生の団結と闘い。しかし競争と分断にさらされ、可能性を奪われてきた学生が、ひとたび団結し、誇りを取り戻した時、どれほどの力を発揮するだろうか。首相官邸前にあつまる人々の姿は、キャンパスに生きる隣の仲間の明日の姿そのものである。学生の可能性をどこまでも信じ、キャンパスで、街頭で不屈に闘おう。
2012年9月6日 
第73回全学連定期全国大会 参加者一同

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週刊『前進』(2551号6面4)(2012/09/10 )

【要項】三里塚裁判傍聴を!、9・18迎賓館・横田裁判闘争

三里塚裁判傍聴を!
◎市東さん行政訴訟・農地法裁判
9月10日(月)午後1時30分 千葉地裁
★渡辺清一・元千葉県農地課長の証人尋問
◎団結街道裁判
9月18日(火)午前10時30分 千葉地裁
(傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合)
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9・18迎賓館・横田裁判闘争
9月18日(火)
★東京高裁包囲デモ
午前11時 日比谷公園霞門集合
11時20分 デモ出発予定
◎午後1時 高裁傍聴券配布所集合
公判開廷 午後1時30分(429号法廷)

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