ZENSHIN 2012/08/20(No2548 p06)
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週刊『前進』(2548号1面1)(2012/08/20 )
外注化阻止で労組再生を
国境を越えて労働者階級は団結し「領土」めぐる戦争・排外主義粉砕へ
100万人デモで野田・橋下を倒せ
8月大攻勢は、8・6広島−8・9長崎の反核・反原発闘争の大高揚と、動労千葉・動労水戸の外注化阻止・被曝労働反対のストライキ決起を頂点に、激しく闘いとられている。沖縄を先頭にオスプレイ配備絶対反対の怒りと闘いが爆発している。日帝・野田は政権の危機を深め、消費大増税や原発再稼働を始め、新自由主義を続けようと絶望的に凶暴化している。この野田政権とそれを支える連合指導部を打倒しなければ、労働者階級は生きていけない。8月大攻勢を推し進め、外注化阻止と反原発の決戦を新自由主義を打ち破る一つの階級決戦として闘い抜き、11月巨万の総決起へ全力で進撃しよう。
(写真 原発再稼働を強行し、核武装を狙う野田に怒り 野田の祈念式典参加を弾劾し長崎市内をデモ。福島の佐藤幸子さん【前列左】が先頭に立った【8月9日】) 8・28集団訴訟とストへ
6〜7月の数万、数十万の反原発デモの歴史的高揚は、8・6広島−8・9長崎で福島、ビキニ、沖縄の怒りと一つにつながり、ヨーロッパ反原発闘争の総本山、ドイツ・ゴアレーベン反対同盟と固く結びついた。同時に、京葉車両センターを先頭とする動労千葉の外注化反対のスト決起、水郡線・大子を先頭とした動労水戸の被曝労働拒否の連日のストが猛然と闘い抜かれている。
さらに動労総連合(千葉・水戸・高崎)は8月28日、外注化と強制出向差し止めを求める集団訴訟とストライキに立つ。日本の労働運動史にもなかった画期的な闘いだ。8・28総行動に、JR職場から、そしてあらゆる産別から大合流しともに闘おう(要項2面)。
外注化は動労千葉などの労働組合を解体し労働者をバラバラに分断し、委託―下請け―非正規職化をトコトン進める。鉄道の安全や労働者の誇りなどは最後の一片まで奪い去る。そもそも出向・転籍の強要を始め、誰も責任を取らない労働者支配のやり方は原発労働に典型的であり、そこには非正規雇用と偽装請負の問題性が凝縮している。
外注化・偽装請負、非正規職化の攻撃は今や世界的に一大問題化している。日本では鉄道や原発が最先端だ。野田の「日本再生戦略」は、医療・福祉を始め、民営化や公務員労働者の全員解雇攻撃と一体で、「命より経済」をすべてに最優先し労働組合をも根絶しようとしている。労働力の商品化を核心とする資本主義社会の歴史的限界と破綻が隠しようもなく突き出されている。労働者の団結による労働と生産の奪還、社会の根底的革命の中にこそ未来がある。
動労千葉・動労水戸のストライキ決起は、JRで、またあらゆる産別・職場で、合理化・失業と闘い、解雇撤回・非正規職撤廃に向けて闘う労働者の、現場からの決起が続くことによってこそ、さらにその意義を増す。
労働者階級は企業や産業、地域や国境を越えて団結し、新自由主義攻撃と対決し、「万国の労働者は一つだ」と確信した時に、爆発的に決起し、連帯していく。すべての労働者は、職場で闘い、拠点をつくり、今こそ闘う労働組合を断固としてよみがえらせよう。
昨年の〈3・11〉は、新自由主義による政治が、原発問題を始めすべて「ウソと脅し」の暴力支配でしかないことを全人民的な規模で暴いた。動労千葉・動労水戸の闘いや、ついに始まった非正規職労働者自身の渾身(こんしん)の決起は、2500万の非正規職労働者を始めとする6千万プロレタリアートにとって、生きるための道を必死でこじ開ける闘いだ。そして国鉄1047名解雇撤回闘争は、動労千葉を先頭とする4・9政治和解に屈しない闘いが、裁判所も国家的不当労働行為を認めざるを得ないという画期的地平を切り開いた。
国鉄闘争は戦後の労働運動の金字塔だ。このことを勝利によって、青年の闘いが続くことによって、今やはっきりと示す時だ。動労千葉の30年に及ぶ国鉄分割・民営化絶対反対の闘い、外注化を12年間阻止し続けた闘いは、国鉄決戦を軸に反原発決戦と結んで、いよいよ階級的大反乱に発展していく。なぜならそこには、新自由主義による階級戦争の攻撃に負けないで闘ってきた労働者階級の未来と希望があり、仲間を裏切らない、現場から逃げないという団結と人間的な共同性がほとばしっているからだ。
消費大増税攻撃への怒り
野田政権は、原発再稼働への巨万の怒りの決起に激しく痛撃されながら、さらにすさまじい強収奪・大幅賃下げ攻撃である消費大増税法を強行成立させた。これはヨーロッパで吹き荒れる「緊縮策」と同じであり、道州制・民営化・公務員全員解雇の攻撃と一体の、ただただ大資本を救済するための絶望的な攻撃だ。年収100万円以下、50万円以下の生きていけない世帯が数百万に及んでいる。労働者はけっして黙っていない。
今や日本帝国主義・新自由主義の政府は、どんなに大震災と原発事故でウソとペテンが暴かれても、国家と大資本が生き延びるために、労働者人民ははいつくばれと言ってはばからない。生きたければ他人を蹴落とせ、それでもだめなら他国や他民族を排撃せよ、などと叫んでいる。まったく冗談ではない。
われわれは大恐慌・大失業の中で懸命に生きる労働者、また〈3・11〉で故郷を追われ、あるいは高放射線量下に放置されてなお必死に生き闘う福島の労働者人民と、どこまでも固く一つに団結して進むのだ。そのために闘う労働組合を何がなんでも復権させよう。その闘いを通して闘う労働者党を労働者自身の事業としてつくり上げよう。
とりわけ日帝と野田政権は今、釣魚台(ちょうぎょだい、尖閣諸島)や独島(トクト、竹島)の問題で焦点化した「領土」をめぐり、排外主義・国家主義と戦争・改憲の扇動に突入している。労働者階級に国境はない。「固有の領土」も存在しない。「領土」問題に対する労働者の立場は、国境を越えた団結と世界革命だ。日本・韓国・中国の労働者の国際連帯で、「領土」をめぐる排外主義と戦争の攻撃を断固粉砕しよう!
第2次世界大戦=帝国主義世界戦争における日本帝国主義の敗戦から67年。世界大恐慌と〈3・11情勢〉のただ中で「国家と革命」の問題がこの上なく鋭く浮き彫りになってきている。脱落日帝・野田政権は、統治能力の極限的な危機の中で労働者階級の分断と圧殺にかけるしかない。
世界の労働者階級と固く結び、大失業と戦争に対する階級的人間的な怒りに燃え、今こそ100万人の大デモで野田を倒すために闘おう。
新自由主義との徹底対決
「1%」の支配への「99%」の怒り、国際的団結を求める世界史的な労働者階級の闘い――これを破壊して労働者を分断し、社会を崩壊させてでも搾取と収奪の体制を守ろうというのが帝国主義戦争・侵略戦争の目的だ。その根底には最末期帝国主義と新自由主義の絶望的な危機と破綻がある。排外主義と戦争を打ち破る労働者の国際的団結、プロレタリア世界革命によってこそ、搾取と階級社会を終わらせることができるのだ。
欧州恐慌は臨界点を超え、世界大恐慌は「二番底」の奈落に向かっている。ギリシャに始まり、スペインを襲う恐慌の大波は、フランスやドイツにひたひたと押し寄せ、ユーロ崩壊・EU解体も不可避となりつつある。米帝・日帝経済の新たな失速・減速、中国バブルの崩壊は大恐慌を決定的に激化させる。
ここで重要なことは、ギリシャやスペインの労働者階級の幾度ものゼネスト決起とその不屈性だ。国家財政破綻の前に屈しろという脅しに断じて負けていない。ユーロのもつ根本的な矛盾、米・独などの巨大金融資本がバブル的に南欧を食い物にしてきた結果の危機を、労働者を犠牲にしてのりきろうなどということに深い怒りを爆発させているのだ。
動労千葉・動労水戸のスト決起に続こう。原発再稼働・消費大増税への怒りの決起でギリシャ・スペイン労働者に続こう。それは福島を始め「東北の静かに怒る鬼」の存在と固く結び、何よりも労働者が人間らしく生き働くことが許されない社会、青年労働者の半分が職に就けない社会を吹き飛ばすまでやむことのない闘いだ。
革共同は、10・1外注化阻止の国鉄決戦と再稼働粉砕・全原発廃炉への反原発決戦を一個の階級決戦として闘う。そして労働組合を再生し、8月大攻勢から、オスプレイ配備に反対する9・9沖縄県民大会、9・16橋下打倒闘争の大高揚をかちとり、11月巨万の総決起へ文字通り全力をあげて突き進む決意だ。
この社会を破滅に導く帝国主義・新自由主義を一刻も早く倒そう。真に人間的な共同社会−共産主義社会は遠い未来のことではなく、労働者階級が本気で決意し、労働組合を軸に団結を拡大して闘い、危機のブルジョア権力を打倒すれば必ず実現できる。そのために『前進』を労働者人民の新聞としてさらに改革し、数倍、数十倍に拡大しよう。夏期一時金カンパ闘争を貫徹しよう。
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週刊『前進』(2548号1面2)(2012/08/20 )
野田帰れ!怒りのデモ
8・9長崎 核と原発の廃絶を誓う
8・6ヒロシマ大行動の高揚を引き継ぎ、その息吹を持ち込んで被爆67周年の8・9長崎反核・反原発闘争が圧倒的に打ち抜かれた。野田首相の平和祈念式典参加を弾劾して午前中、集会とデモが闘われ、午後には長崎反原発反戦反核集会が福島との熱い連帯のもとに闘いとられた。
(関連記事4面)
午前10時から爆心地近くの城栄公園で80人が決起集会を開いた。67年前のこの日、長崎に投下されたプルトニウム原爆で27〜28万人が直接被爆、うち7万4千人がその年のうちに死亡した。多くの人びとが体と心に深い傷を負って戦後を生きてきた。国が内部被曝を今も認めていないこともあって、被爆者の苦しみは今日もなお続く。集会では核戦争の元凶=帝国主義への怒りを新たにし、反戦反核、帝国主義打倒を誓い合った。
何よりも原発事故を居直って福島の人びとを切り捨て、資本家の先兵として再稼働を強行した野田政権への怒りの発言が続いた。「この野田が祈念式典に参加し『平和』を語るペテンを絶対に許すな! 怒りのデモを闘おう」と決意を固めた。
直ちにデモに出発した。福島の佐藤幸子さん(子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク)がデモの先頭に立った。平和公園ではこの時刻に原爆犠牲者慰霊平和祈念式典が行われている。野田がどれほど人民の怒りの爆発を恐れているか、周辺を警備する警官のものものしい姿がそれを表している。デモ隊は平和公園の入り口近くで「野田は帰れ!」と繰り返し弾劾の声をあげた。
その後、国道沿いに爆心地公園までデモした。爆心地公園には、被爆者の遺族を始め多くの人びとが追悼のために集まっている。デモ隊の元気な隊列と「核をなくせ! 原発なくせ! 野田を倒せ」のコールは、ともに闘うことを呼びかける熱烈なアピールとなった。
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週刊『前進』(2548号1面3)(2012/08/20 )
福島の怒りと結んで8・15集会
8月15日午後、「原発なくそう改憲はばもう/福島−広島−長崎−ビキニの怒りを共に/国益と排外に憲法は屈するのか8・15労働者・市民のつどい」(主催 同実行委)が東京・なかのZERO小ホールに520人を集めて開かれた。8・6広島−8・9長崎の大高揚を引き継ぎ、フクシマの怒りと結合し秋の闘いのスタートを切る集会となった=記事6面
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週刊『前進』(2548号1面4)(2012/08/20 )
【要項】9・9オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会、9・16橋下打倒集会
オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会
9月9日(日)午前11時開会(10時からアトラクション)
宜野湾海浜公園多目的広場
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9・16橋下打倒集会
9月16日(日)午後2時開会(集会後、御堂筋デモ)
大阪中之島公園・女神像前
(大阪市役所南側 地下鉄・京阪「淀屋橋」徒歩5分)
主催 9・16集会実行委員会
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週刊『前進』(2548号1面5)(2012/08/20 )
前進速報版から
▼右翼の妨害はねのけ8・15靖国弾劾デモ▼動労西日本が山田副委員長の雇い止め解雇撤回求め提訴▼8・6ヒロシマ大行動の動画
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週刊『前進』(2548号2面1)(2012/08/20 )
外注化阻止へ8・28総行動に立とう
動労千葉・動労水戸が集団訴訟へ
日本労働運動史上かつてない強制出向粉砕の闘いに合流を
動労千葉と動労水戸、動労連帯高崎はJR東日本を相手取り、検修・構内業務の外注化とそれに伴う強制出向の差し止めを求める仮処分の訴えを8月28日に東京地裁に起こす。外注化の対象となっている職場で働く全組合員が当事者として名を連ねるかつてない集団訴訟だ。この日は、両組合の総力決起で、「強制出向粉砕・偽装請負弾劾」を掲げて東京地裁を包囲する一大行動に立ち上がる。全力で支援・連帯行動に立ち上がろう。JR東日本で働くみなさん、とりわけ青年労働者のみなさん。今こそ動労千葉、動労水戸の闘いに合流し、検修・構内業務の全面外注化阻止へともに立ち上がろう!
(写真 強制出向粉砕へ指名ストライキに立つ動労千葉【8月7日 京葉車輌センター】) 9月中旬に出向の事前通知狙うJR
JR東日本での検修・構内業務全面外注化をめぐる攻防は最高に緊迫した局面を迎えている。JR東日本は、9月中旬には強制出向の事前通知を行う構えだ。
千葉支社では8月中旬段階で、東労組を除く労働組合とは支社提案をめぐる団体交渉すら始まっていない。常識的に考えたら、こんなペースで10月1日外注化実施など無理だ。しかし千葉支社はあくまで、東労組とだけ先行して団交を進めて8月中にも妥結し、10月1日外注化実施を狙っている。東労組は本社交渉時と同様に、またもや裏切り妥結を行って傘下の青年たちを強制出向に追いやるつもりなのか。
動労千葉は8月7日から、京葉車両センターで働く繁沢敬一副委員長と小林俊雄さんを強制出向の対象に加えるための不当な業務指示に抗議し、仕業検査等の見習を拒否する指名ストを継続している。9日、10日、15日にも指名ストを貫徹し当局を追い詰めている。動労水戸も、水郡線営業所における被曝労働(ラジエターの除染作業)強制と強制出向に反対し、大子支部が連日のスト態勢で闘い抜いている。
こうした職場での闘いと一体で、今回の集団訴訟が闘われる。これまで強制出向や転籍をめぐって個人が争った訴訟は数多くあるが、労働組合としてこれほどの規模で集団訴訟に立ち上がること自体、日本の労働運動史上にもなかったことだ。
業務外注化(アウトソーシング、外部委託)によるコストカットと団結破壊こそ、新自由主義攻撃の中心をなす攻撃だ。それに伴う「偽装請負」「強制出向」「安全破壊」との闘いは、製造業はもとより自治体、教労、郵政、医療・福祉、交通運輸など全産別の労働者が直面している普遍的な課題だ。
今日のように膨大な労働者が非正規職化され、貧困が全社会に蔓延(まんえん)する現実について、動労千葉の田中康宏委員長は「これほどひどい現実は自然に起きたことでも避けがたい必然だったわけでもない。労働組合が屈服と変質を深め、手先となることによって生み出されたものだ」と繰り返し訴えてきた。30年にもおよぶ新自由主義政策の展開、そして連合や全労連の率先協力の中で、どれほど多くの労働者が職場を追われ、生活や命を破壊されてきたのか。動労千葉と動労水戸はこの現実に真正面から立ち向かい、打ち破ろうとしている。
連合支配うち破り労働運動の復権へ
10・1JR外注化阻止決戦の持っている歴史的な位置についてあらためてはっきりさせたい。
「原発再稼働反対・全原発廃炉」を掲げて首相官邸と国会を包囲する巨万の決起は、消費税増税、TPP参加、オスプレイ沖縄配備強行への怒りと一つになり、日本帝国主義の階級支配を根底から揺るがしている。
野田民主党政権の危機は連合の危機そのものだ。「どこまでも野田を支える連合とは、いったいなんなんだ!」。首相官邸を包囲する怒りの決起は連合をも直撃している。日本帝国主義による階級支配の要をなしてきた連合支配を覆すべき条件は成熟している。
その主戦場は、一方で、反原発闘争の無限の発展をかちとる闘いであり、他方で、国鉄分割・民営化から25年にわたる攻防の決着をかけた国鉄決戦だ。これを一つの階級決戦として闘おう。
89年総評解散と、その後の新自由主義政策の全面展開の突破口となったのが国鉄分割・民営化だった。それは中曽根元首相が公言してきたように改憲を射程に入れ、反戦反核闘争を始めあらゆる社会運動の息の根を止める攻撃でもあった。
そこで最悪の先兵の役割を果たしたのが動労カクマル、すなわち現在のJR総連だ。その中心組合であるJR東労組は今や、一握りの幹部どもの保身のためにJR大合理化に率先協力し、傘下の組合員を強制出向―転籍へと追いやろうとしているのだ。国鉄分割・民営化攻撃との約30年の攻防に勝ち抜いてきた動労千葉や動労水戸が今、「国鉄1047名解雇撤回」「業務外注化阻止・非正規職撤廃」の大義を掲げてJRで働く青年の心をとらえ、JR東日本の全社で青年労働者の雪崩をうった総反乱が起こりかねない大流動を巻き起こしている。これは本当に決定的だ。JR資本やJR総連にとっては、あってはならない事態だ。
これはJRという一企業の問題ではすまない。連合による労働者支配がその核心である国鉄戦線(JR)で総瓦解(がかい)しかねない危機なのだ。動労千葉を先頭とする闘いは「新自由主義を打ち破る労働運動は可能だ」ということを自らの実践で示す全労働者への檄(げき)だ。反原発闘争のうねりを積極的に職場に還流するとともに、今こそ職場から思い切って労働運動を巻き起こし、闘う拠点を分会・支部・単組レベルで次々と打ち立てる時が来た。
だからこそ攻防全体の最前線であるJR外注化をめぐる激突に、労働者階級の総力で勝たなければならない。労働者としての人生と誇りをかけ、首をかけて総決起している動労千葉や動労水戸とともに10・1JR外注化を絶対に阻止しよう。
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【要項】
強制出向粉砕・偽装請負弾劾
8・28外注化阻止総行動
午前9時30分 DC会館集合(千葉市中央区要町2-8)
午後1時30分 東京地裁前
外注化・強制出向差し止め仮処分申し立て/宣伝行動
午後2時 弁護士会館で報告集会
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週刊『前進』(2548号2面2)(2012/08/20 )
偽装請負が前提の外注化
6月下旬から7月にJR東日本の各支社で具体的な外注化提案が行われた。千葉支社では検修職場の半分にあたる87人が強制出向の対象になる。水戸支社で約半分、東日本全体で約1200人の仕事が下請け会社に丸投げされる。仕業検査、構内、信号、首都圏以外の駅派出の業務が中心だ。当面JRに残る仕事も1年後から数年後にはすべて外注化される。JR東日本も明言している。
動労千葉や動労水戸は出向協定を締結していない。JR東日本は「出向規定」が明記された就業規則を盾にして強制出向に踏み切ろうとしているが「同意なき出向」が強制できるのかについてはJR東日本本社も明確に答えられないグレーゾーンだ。出向は早晩「転籍」となり完全に別会社化されるまで完成しないのが外注化だ。なんとしても今ここで止めることが必要であり、今職場から声を上げれば絶対に止められる。
9月30日までは技術経験はない
なによりも、検査・構内業務の全面外注化は労働省告示37号(86年4月17日)に違反する偽装請負だ。ここに今回の攻撃の最大の弱点がある。以下、動労千葉が8月3日に厚労相に申し立てた偽装請負の違反申告書から具体的に見てみる。
千葉で外注業務を受託する千葉鉄道サービス(CTS)には車両の検査・修繕に関する技術経験はまったくない。労働省告示の本来の趣旨は、請負が適正なものであるためには「単に肉体的な労働力を提供するもの」であってはならないというものだが、CTSには提供する労働力さえなく、発注会社(JR東日本)から87人もの労働者が出向して業務を処理することで業務委託が初めて成り立つ。同じ職場で、同じ労働者が、同じ仕事をするのだ。何のために無理を重ねて外注化する必要があるのか。要するに、将来の転籍や別会社化、非正規職化と人件費削減を狙ったむちゃくちゃな外注化なのだ。
車両入れ換えはJRが一元管理
構内業務や信号業務については労働省告示違反は誰の目にも明らかだ。
車両基地構内から本線にまたがって複雑なダイヤが組まれている鉄道では、指揮命令系統は厳格に一元化されていなければ安全も安定輸送も守れない。各車両基地での業務計画は当然にもJR東日本が作る。各日の作業を概括的に下請け会社に指示するだけでは済まず、文字通り一つひとつの作業がJR側からの「通告」(指揮・命令にあたる)によって遂行される。労働省告示が求める「請け負った業務を契約相手から独立して処理する」ことなど、はなから無理なのだ。
JRが外注会社の仕事肩代わり
すでに一部業務が外注化された職場では、もっと低水準でデタラメな事態が横行している。
構内業務の一部が外注化された京葉車両センターでは、CTSが担当する「仕業1」とJRが担当する「仕業2」がペアで車両を入れ換えている。7月に超過勤務が発生した際、CTSの担当者が超勤できなかったためJRの指示で「仕業1」の仕事を「仕業2」の担当者が肩代わりした。他支社でも同様の肩代わりは日常茶飯事だ。
違法・不当な偽装請負を前提とした強制出向など無効だ。こんなことは百も承知で傘下の組合員を出向に追いやる東労組は絶対に許せない。
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※用語
仕業検査/6日ごとに行われる列車の定期検査
構内業務/車両基地構内での車両入れ換え運転や誘導、基地から始発駅までの運転(出区)、終着駅から基地までの運転(入区)などがある
信号業務/構内での入れ換え信号機の開通・停止の制御および開通確認の通告を行う業務
駅派出/本線で発生した車両故障などについての臨時の検査・修繕や、仕業検査を行うために駅に配置された検査の派出所
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週刊『前進』(2548号2面3)(2012/08/20 )
動労西日本 契約社員制度撤廃へ
雇い止め容認した 中労委命令許さず提訴
8月10日、動労西日本は山田和広副委員長の雇い止め解雇を容認した不当な中労委命令の取り消しを求めて、東京地裁に提訴した。
山田副委員長は2005年12月、JR西日本岡山駅に契約社員として採用され、2009年1月動労西日本に加入し、9月に副委員長に選出された。山田副委員長は組合方針に基づき、組織拡大の取り組みを岡山駅の職場で開始した。彼の訴えに多くの仲間、とりわけ青年労働者は共感を示した。組合掲示板を貸与されていない動労西日本にとって、ビラが唯一の宣伝手段である。組合ビラを彼は、職場の仲間に手渡していった(休憩時間に、休憩室で、封筒に入れた組合ビラを、一人づつ話しかけながら相手の同意をえて手渡した)。
ところが、職場の仲間の中に広がる共感と支持の声に驚愕(きょうがく)したJR西日本は、この正当な組合活動を嫌悪し、就業規則違反として訓告処分を発令した。これは、労働組合の活動を禁圧する不当労働行為そのものだ。そればかりか、4年間でたった4回の遅刻を理由に戒告処分を出すとともに、5年の満期(2010年12月)に8カ月余を残して2010年3月31日に雇い止め解雇を強行した。
これは、明らかに組合の弱体化を狙った不当労働行為にほかならない。動労西日本はこの不当労働行為に対し、労働委員会に申し立てをして闘ってきた。
中労委命令は、職場内ビラ配布に対する訓告処分は不当労働行為と認定しながら、遅刻への戒告処分、雇い止め解雇は正当とする、まったく矛盾した判断を下した。
山田副委員長に対する雇い止め解雇は、解雇権の乱用だ。山田副委員長は4回の契約更新を繰り返しており、反復更新により期間の定めのない雇用契約と実質的に異ならない状態にあったのだ。雇用継続に対する期待にも合理性がある。「解雇権乱用法理の類推適用」の対象である。また、中労委命令は、契約社員制度のもとでは雇い止めは正当と判断しているが、これは、契約社員制度(非正規職制度)がまさに不当労働行為の隠れみのになっていることを示している。
動労西日本はこの不当きわまる中労委命令の取り消しを求めて新たな裁判闘争に立ち上がった。今こそ労働者の団結を拡大し、外注化阻止・非正規職撤廃へ闘おう。
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週刊『前進』(2548号2面4)(2012/08/20 )
東労組は外注化の先兵
早くも破綻をさらけ出したカクマルとJRの「再結託」
現場労働者の怒りでJR体制打倒を
JR東日本の検査・修繕業務外注化を阻止する大決戦が火を噴く中で、東労組カクマルとJR東日本資本が「再形成」した結託体制に、早くもひびが入り始めた。資本とカクマルの結託に矛盾を強いているのは、動労千葉・動労水戸を先頭とする外注化阻止の闘いであり、青年労働者の外注化とそれを推進するカクマルへの怒りだ。結託体制に生じた新たなきしみは、青年を先頭に労働者が職場から外注化阻止へ総決起していく絶好の条件を生み出している。
“組合活動への介入”と悲鳴を上げる東労組
東労組の8月13日付「組織部情報」は、「明らかに組合活動への介入が行われています」「労働協約を遵守(じゅんしゅ)させるために闘おう」と叫び立てている。東労組我孫子運輸区分会が7月17日に執行委員会を開いた際、会議室の使用が午後8時を超えたことを口実に、会社が東労組組合員に超勤を発令して事情聴取を行い、「執行委員会に参加したか」「参加した人の名前を覚えているか」と問いただし、ボディーチェックまでしたというのだ。東労組とJR東日本資本との関係に、異変が起きていることは間違いない。
この間、東労組カクマルは、検修外注化の先兵となることで資本との結託体制を「再形成」した。だが、資本はカクマルの裏切りを利用するだけ利用した上で、東労組カクマルに与え続けてきた特権は取り上げようと企てている。この中で、結託体制は再びぎくしゃくし始めたのだ。
2010年秋、JR東日本は「ローカルルールの是正」と称して、それまでJR東労組を特権的に扱ってきた職場慣行(=ローカルルール)の排除に動き出した。施設管理権などを理由に、会議室の使用、組合掲示板の設置、組合機関紙などの職場への郵送などに制限を加え、禁止を通告した。
これに対して東労組は、中央委員会、定期大会などで「スト権確立論議を」などと騒ぎ、資本への圧力としようとした。だが、ストを打つ気などさらさらない「スト権論議」が、資本に脅威となるはずがない。だから東労組カクマルの唯一の方針は、会社の施設管理権を認めた上で、新たな労資協約(=ローカルルール)の締結を懇願することだった。
そのために東労組カクマルは、資本の合理化攻撃に積極的にくみする道を選択した。それまで頓挫していた09年10月提案の検修全面外注化と、11年1月提案の新人事・賃金制度の攻撃が進行し始めたのは、まさに東労組の裏切りによる。
11年7月29日、東労組は4カ月余り中断していた新人事・賃金制度について、妥結を前提とした「解明交渉」の再開を申し出た。これを皮切りに14回の団交を進め、12年1月26日に会社が「修正提案」を出すと、1月31日、これに飛びついて丸のみ妥結した。
12年1月11日、JR東日本が「駅業務委託のさらなる推進(駅の全面外注化)」を提示すると、これも妥結を前提とした団交を進め、2月9日には丸のみ妥結した。
その直後の2月10日の中央委員会で、吉川書記長は「異常な職場管理については本部大会(6月)までに解決を目指します」と発言した。合理化への率先協力と引き換えに、資本との結託の「再形成」をこいねがったのだ。
これらの裏切りは、ついに検修・構内業務外注化の丸のみ妥結に行き着いた。
検修外注化は、動労千葉の闘いで11年間阻止され、12年4月1日実施も完全に粉砕されていた。11年11月に開かれた東労組の「2011政策フォーラム」では、「委託を拡大すべきではない」「出向するためにJRに就職したのではない」など、外注化への怒りが多くの青年労働者から突き出された。動労千葉の闘いへの共感が現場に深く浸透していたのだ。
外注化を率先推進して資本のピンチ救う
JR東日本は、東労組カクマルの裏切りに依拠する以外に外注化強行の手段を失っていた。カクマルは直ちに資本の救済者として立ち現れた。今年5月14日、東労組は検修外注化について「『組合案』実現を求める申入れ」を提出。5月16日には第1回目の団交が異例の早さで行われ、その後の団交も矢継ぎ早に進められた。6月19日に会社が「修正提案」を提示すると、21日、東労組はこれも丸のみ妥結した。
このように東労組カクマルは、今年1月からの半年の間に、新人事・賃金制度、駅業務外注化、検修外注化の三つの合理化施策について、妥結協議を主導した。
その裏にあった思惑は、東労組の機関紙『緑の風』6月1日号の次の記述に明らかだ。「4月下旬、(会社は)『会社の総意ではないが、組合にとって不穏当で誤解を与えるものであった』と組合の指摘を受け止め、今後の問題として留意していく」「ローカルルールについては……2009年5月の本部・本社で整理した時点に戻して議論し、対立点があれば本部・本社間で整理することを確認した」
JR資本は、新人事・賃金制度と駅業務外注化を推進した東労組の対応を見て、東労組との関係を検修全面外注化提案前に戻すことを確認したのだ。つまり、外注化実施のために結託体制の「再形成」を最後的に選択したということだ。
これを機に、検修全面外注化は急速に動き出した。東労組カクマルにとっては、断末魔の結託体制にしがみ付く以外に延命の道はないのだ。
大会で会社を非難する異様な事態に発展
ところが6月26日の東労組第28回定期大会では、結託体制の「再形成」が東労組にとってはほとんど実効性がないことが突き出された。
千葉委員長は大会あいさつで、「(ローカルルールについて)一定の整理をしてきた。しかし労使で議論している最中にも関わらず、職場では次々と問題が発生している。会議室の使用制限、指導員指定等」「本部・本社間で議論しても現場で全く違う方向で事象が現れることは信義に反する」(『緑の風』7月15日号)と述べた。JR東日本の冨田哲郎社長以下、居並ぶ来賓を前にこうした発言をすることは、異例の事態だ。
だが、「信義に反する」などというのは、組合員をだますための詭弁(きべん)に過ぎない。なぜなら、『緑の風』6月1日号に書かれている「4月下旬の確認」なるものは、検修外注化を狙うJR資本が、その先兵に東労組を使うために結んだものにすぎず、カクマルが求める「ローカルルール」の具体的中身について、なんら約束するものではないからだ。
東労組カクマルはそのことを十分に承知していた。総括答弁で吉川書記長は、「会議室の問題は、協約の問題です。ローカルルールとは切り離して議論をしていきます」(同)と、さらなる屈服を表明した。
一握りのカクマル分子の延命だけが東労組執行部の絶対的な価値基準だ。だが、合理化に屈服に次ぐ屈服を重ね、出向・転籍強要に行き着く検修外注化に道を開けたカクマルへの組合員の怒りは収まらない。大宮地本代議員の「現場長に向かうより組合員に向かうことの方が怖かった」という発言は、そのことを端的に示している。
東労組大会は、労資結託体制の矛盾が全面的に噴出していることを突き出した。JR東日本は、外注化実施のために東労組カクマルを使うしかない。しかし、そのことが足かせとなり、まともな労務管理ができなくなっている。他方、東労組カクマルにとっても、これは現場組合員との軋轢(あつれき)をさらに激化させずにはおかない。矛盾は労資双方の思惑を超えて爆発しつつある。
外注化阻止決戦の爆発は結託体制に最後のクサビを打ち込む。今こそ東労組カクマルのくびきを打ち砕き、青年労働者の自己解放的エネルギーを解き放つ時だ。外注化への青年労働者の怒りは現場に渦巻き、日々高まっている。JRの青年労働者は、動労千葉とともに10・1外注化阻止へ満を持して立ち上がろう。
(矢剣智)
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週刊『前進』(2548号2面5)(2012/08/20 )
夏季特論文の誤植訂正
第2546号の夏季特別号論文(7〜9面)に以下のような誤りがあったのでおわびし訂正します。
@7面の「はじめに」に「イラン侵略戦争」とあるのは「イラク侵略戦争」の誤り、A同面第1章第2節にJR千葉支社の外注化・要員削減提案が「7月27日」とあるのは、「7月23〜24日」の誤りでした。
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週刊『前進』(2548号3面1)(2012/08/20 )
国鉄・反原発と一体の全逓決戦
10・1外注化阻止をともに闘い雇い止め阻止・非正規職撤廃へ
職場拠点建設しJP労組本部打倒を
革共同全逓委員会
被災地・福島を先頭とする労働者階級人民の怒りが全面的に解き放たれつつある。首相官邸前や国会を「再稼働反対」の叫びで埋め尽くし制圧する闘い、そして7・16東京代々木公園の17万人の大結集は、破綻し寿命の尽き果てた新自由主義・帝国主義の打倒へ突き進むしかないものだ。勝利の展望はひとえに労働組合の階級的再生の中にある。その核心は、国鉄分割・民営化以来営々と闘い抜かれてきた国鉄決戦、とりわけJR東日本10・1検修全面外注化阻止にかかっている。動労千葉は鉄建公団訴訟の6・29判決をもって、分割・民営化以来のすべての解雇の不当性を法廷の場で認めさせた。わが全逓委員会は、10・1外注化阻止決戦をともに闘い、国鉄・反原発闘争と一体で郵政民営化絶対反対―外注化・非正規職撤廃へ総決起する。
(写真 6月のJP労組大会闘争に臨む郵政労働者【東京】)
「10割非正規職化」狙うJR外注化うち破ろう
JR東日本の10・1検査修繕・構内業務全面外注化攻撃は、現下の「9割非正規職化」攻撃の中軸だ。今日的には国家戦略会議が打ち出した「10割非正規職化」攻撃の切っ先である。これが87年国鉄分割・民営化攻撃の行き着く先だった。
JR資本はすべてを外注化しようとしている。「出向・転籍」となれば戻る職場はない。非正規職化の攻撃なのだ。このJRの非正規職化は全労働者の非正規職化につながる。まさに「95年日経連報告」の現実化だ。
全面外注化攻撃は悪辣(あくらつ)な労働組合破壊攻撃だ。バラバラの民間委託会社に労働者を分割し分断するものであり、戦闘的労働運動の破壊と御用組合化の攻撃だ。その主要な目的は動労千葉、動労水戸―動労総連合の破壊にある。
勝利の核心は、労働運動の力で、3・11と世界大恐慌に突き動かされ、新自由主義を絶望的に推進する日帝を国鉄決戦の階級的激突に引きずり込み、「闘えば勝てる」勝利の展望を示すことだ。
JRという日帝を代表する大資本が外注化攻撃を展開できなくなれば、全労働者の非正規職化の実現など不可能だ。10・1JR外注化阻止決戦は、労働者と資本家双方にとって天王山なのだ。
4・9反革命の「根拠」粉砕する
外注化・非正規職化をめぐる攻防には、日本労働運動と国鉄闘争のすべての歴史が凝縮している。この中に階級闘争の力関係を全面的に塗り替える展望がある。
革共同は日本労働運動の主戦場である国鉄決戦を全力で闘い、動労千葉は新自由主義攻撃の突破口である国鉄分割・民営化攻撃に勝ちぬき、分割・民営化の先兵、JR総連―カクマルを打倒し、新自由主義攻撃と真っ向から激突してきた。
分割・民営化―新自由主義攻撃と闘い、外注化攻撃に勝利する闘いは、連合支配を打ち破り、4・9反革命(国鉄1047名闘争の政治和解)以来の労働運動根絶攻撃を打ち砕く闘いでもあり、日本労働運動再生の展望を一気に切り開く闘いだ。
また動労千葉鉄建公団訴訟の6・29東京地裁判決において「不当労働行為を初めて認定させた」意義は大きい。外注化阻止決戦の前進が6・29判決の地平において、分割・民営化攻撃を実体的に中から食い破っていく闘いになるのだ。この闘いは、4・9反革命の「根拠」を粉砕し、労働運動の主流派として動労千葉派が一気に躍り出るチャンスである。
さらに、10・1外注化阻止決戦は原発再稼働反対の決起と一体であり、この社会のあり方すべてが我慢ならないという非正規職労働者を中心とした怒りと完全に結びついた闘いである。
何よりも新自由主義との全面的闘いであり、決起を開始した全人民に「階級的団結で闘おう!」と勝利の展望を鮮明にさせ、労働者階級の階級的魂を取り戻す闘いが外注化阻止決戦だ。
9月雇い止め・解雇の攻撃を絶対阻止しよう
郵政非正規ユニオンを先頭とする郵政非正規職労働者の決起や東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会などの闘いは、非正規職撤廃の闘いが現代プロレタリア革命の核心的課題であることを突き出した。
新自由主義の攻撃は、資本主義・帝国主義の崩壊的危機と自らの破産として大恐慌を勃発(ぼっぱつ)させ、過剰資本・過剰生産力の矛盾の爆発のうえに、膨大な「失業・半失業」労働者を絶対に解決不能な問題として生み出したのである。
新自由主義は「失業・半失業」を民営化・外注化、非正規職化攻撃として極限的に激化させ、階級的分断支配を貫き、労働者の誇りと団結を徹底的に奪う攻撃である。労働者の尊厳、人間的なあり方そのものをズタズタにしていく。
だからこそ非正規労働者は、外注化阻止・非正規職撤廃の先頭に立ち、資本による分断を打ち破り、労働者の誇りと人間的共同性を取り戻し、階級として団結することによって資本の支配を根底からひっくり返す主体なのだ。労働者階級自己解放としてのプロレタリア革命の決定的主体そのものなのである。郵政非正規ユニオンの「人間らしく生きるために団結し労働組合をつくろう」の叫びはこのことだ!
郵政非正規職の怒りを思い知れ
郵政非正規ユニオンの昨年6月結成以来の激闘は、日本郵政グループ全体で24万人にのぼる非正規職労働者の決起の号砲となった。
彼らは「バイトのクズども」と日常的にののしられ、低賃金と無権利状態の中で奴隷のような非人間的労働が強制され、揚げ句の果てに雇い止め・解雇攻撃にさらされている。その中で団結が奪われ、根底的怒りを蓄積させてきた。この郵政非正規労働者に「組合を作って闘えば勝てる」「団結に生きる」ことを雷鳴とどろくばかりに告げ知らせ、全国の非正規職労働者の「生き抜き、闘い抜く」決起の弁がこじ開けられた。
関西のある局では、まったく足掛かりがない職場に地区党と産別委員会が繰り返しビラまきをして訴え続け、非正規職労働者との接点をつくり出した。そして3月末の雇い止め通告に対して組合を結成して反撃し、これを阻止したのである。
8・5広島では郵政非正規ユニオン全国協議会が立ち上げられ、全国の郵政非正規労働者の本格的組織化―1千人建設の闘いが開始された。
JP労組本部の打倒は労働組合甦らせる闘い
現在、郵便事業会社の6割の労働者が非正規職労働者だ。集配労働の現場の多くはすでに9割近くまで非正規職化が進んでいる。これは新自由主義攻撃―民営化攻撃そのものだ。
かつて87年の国鉄分割・民営化攻撃が進められる中で、全逓(JP労組の前身)中央は国鉄分割・民営化攻撃に縮みあがり、「国鉄のようにはならないために」「民営化されないために」と称し、郵政当局の「事業危機論」に飛びついて企業防衛路線に転落・純化していった。
それと一体で「59・2輸送合理化」(注1)から深夜勤導入、集配合理化―新集配システム、1ネット・2ネット方式(注2)など、一連の「効率化」・合理化策を労資一体の運命共同体として容認し、その推進の先兵となってきた。
この中で郵政当局は、大量の人事交流(強制配転)によって労働組合的な団結を破壊し、民営化をテコに一挙に非正規職化を推し進めていった。新自由主義―郵政民営化攻撃の環として非正規労働者が位置づけられ、極限的な搾取と階級分断攻撃が進められたのだ。
しかし集配労働を中心に、職場支配権をめぐる攻防の決着はいまだついていない。非正規職撤廃の闘いと職場支配権をめぐる攻防は一体だ。
民営郵政資本と体制内労組指導部は、自らの手で「墓掘り人」をつくり出したのだ。郵政非正規労働者の労働組合としての団結と決起は、民営郵政資本の労働者支配―郵政民営化攻撃をさらに破綻に追い込む渾身(こんしん)の決起だ。また連合JP労組本部の体制内組合指導部としてのあり方や彼らの労働者支配を突き崩す決起だ。
マルクス主義で分断のりこえる
正規と非正規の「違い」があるからこそ、われわれはマルクス主義で団結できるのである。「違い」とは資本による労働者分断のくさびである。「非正規を正規に引き上げる」のが正規の課題ではない。逆にJP労組は本務者の組合であって、非正規職のために闘わないからダメだという立場にもわれわれは立たない。闘わないのは資本の分断支配に屈したJP労組本部である。
問われているのは「違い」に対する資本への怒りをバネに、その「違い」を根底からマルクス主義の立場でひっくり返すことである。それが郵政非正規労働者の闘いであり、JP労組本部を打倒して労働組合をよみがえらせる闘いなのだ。「資本は自らの墓掘り人を作り出した」とはそういう意味なのである。
この郵政非正規労働者の渾身の決起は、郵政大リストラ―9月末非正規労働者雇い止め・解雇攻撃との闘いを完全に決戦に押し上げている。
国家戦略会議が、労働者全員を有期雇用(非正規職)に切り替えて「40歳定年制」を導入するとの提言を打ち出した。資本主義の延命をかけた新自由主義の“最後の攻撃”だ。8〜9月郵政大リストラ―非正規職労働者の雇い止め・解雇攻撃との闘いは、そうした労働者階級の命運を決する、社会のすべての非正規職撤廃をかけた歴史的決戦であり、10・1外注化阻止決戦と一体で闘いぬくことでプロレタリア革命をたぐり寄せる闘いなのである。
民営化絶対反対路線で党と労働組合建設する
団結破壊・労組破壊そのものである新自由主義攻撃は、郵政職場においても10割の非正規職化―外注化・非正規職化への衝動を強めていくことは間違いない。「民営化の戦略事業」だったJPEX計画の破産を現場労働者の闘いによって強制したこと、そして何よりも国鉄闘争が新自由主義の根幹を日々破産に追い込み、これがついに階級決戦にまで押し上げられたことで、「外注化」攻撃がむき出しの攻撃となっていないだけだ。
しかし郵政資本は、集配労働者の団結の徹底的な解体計画を「郵便再生ビジョン1〜2」で満展開し、「事業危機・赤字」論のデマを組織することで大リストラ攻撃を推し進め、集配部門の外注化攻撃にまで突き進むものとして新人事・給与制度の導入を進めている。実質3割カットにもなる大幅な賃下げと競争・分断の徹底によって、現場労働者の全員を事実上の非正規職労働者に押し込むことが新制度導入の狙いだ。
その核心はやはり労働組合破壊と団結の破壊である。10割非正規職化―外注化阻止・非正規職撤廃の闘いそのものとしての新人事・給与制度と闘おう。
郵政民営化絶対反対―外注化阻止―非正規職撤廃の闘いを体制内組合指導部打倒、職場拠点と地区党建設の闘いとして貫こう。
開始された非正規労働者の決起を階級的団結として打ち固める闘いが、連合JP労組支配を打ち崩す闘いそのものだ。9月末雇い止め・解雇攻撃を阻止する闘いは、絶対反対の闘いを軸に、郵政の職場に無数の拠点をつくり出す展望を持っていることを鮮明にさせよう。『前進』夏季特別号アピール第2章で提起されているように、一切の鍵は党と労働組合の一体的建設であり、地区党建設と産別委員会の指導部建設である。
「9割非正規職化」攻撃に対する全面的な反撃の開始として、9月橋下打倒闘争の先頭に革共同全逓委員会は立とう。
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(注1)「59・2輸送合理化」 84年2月国鉄ダイヤ改正の貨物列車削減などにあわせ、当時の郵政省も専用の郵便列車廃止など合理化を進めた。
(注2)1ネット・2ネット方式 「1ネット」は小包・集荷を含む小エリアの集配全部をひとりで担当。「2ネット」は書留など対面配達とポスティングを分離。後者を非正規労働者が担当。
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週刊『前進』(2548号3面2)(2012/08/20 )
横浜市・生活保護課窓口への警察OB配置阻んだぞ
絶対反対・白紙撤回求め決起
今年2月、横浜市当局は横浜市全18区中4区(中、南、鶴見、旭)の生活保護課の窓口に特別相談員として警察OBを導入・配置する案を組合に提案しました。これに対し、4区の生活保護担当の現場を中心に、「導入は絶対に認められない」と職場での討議が組織され、労働組合として「白紙撤回」を求め、健康福祉局との交渉や要請行動を展開しました。
生活保護受給者の多い寿地区の市民団体とも連帯し、「福祉の現場に警察官は要らない」と絶対反対を貫き、「警察OBではなくケースワーカーの増員を!」と局に迫り闘いました。
局との最終交渉でも、仲間が当局に詰め寄り追い詰めました。この結果、4区の窓口への警察OB配置を断念せざるを得ないところに市当局を追い込みました。
全国ではすでに74自治体の生活保護課・福祉事務所に計116人(10年度末)の警察OBが配置されています。今回、攻防の最先端である職場から労働者が声を上げ粉砕したのは決定的でした。
重要なことは、現場の自治体労働者が正規・非正規の分断を打ち破り、団結して「絶対反対」「白紙撤回」で最後まで闘ったことです。
現場の怒りが当局を圧倒!
2月以降、毎日が闘いの連続でした。市当局が警察の配置を強行しようとする中で、絶対反対を貫いて本当に阻止できるか、仲間は決起するか、必死の思いでした。
この中で、現場が団結し闘えば勝利できること、何よりも闘いの中で自分たち自身に力があることを実感としてつかむことができました。
さらに「局配置はやむなし」で当局との合意を図った自治労横浜執行部のもくろみを許さず、「自治労横浜として特別相談員の配置は認められない」と組合として表明させたことです。
闘いに追い詰められた市当局は、健康福祉局保護課に「指導・適正化対策担当課」を新設し、4人の警察OBを配置することでなんとか警察導入の形を取ろうとしています。しかしその氏名や業務内容すら何ひとつ明らかにできません。現場労働者の怒りの決起を恐れているからです。
生活保護法の改悪と外注化
6月28日、神奈川県、神奈川県警、横浜、川崎、相模原の3政令市の担当者が出席し、「神奈川県生活保護不正受給防止対策協議会」が神奈川県警本部で発足しました。県全体で「不正受給」の摘発を強化するというのです。
7月中旬、厚生労働省は「生活支援戦略中間報告」を発表し、「生活保護」制度自体の一掃を狙っています。日本再生戦略で「生活保護・失業保険などセーフティネットのあり方や役割分担を整理統合する」と言われている攻撃と同じです。
狙われているのは、橋下による自治体丸ごと民営化、360万公務員全員解雇=総非正規職化と労働組合(自治労)の解体です。神奈川県知事・黒岩による土光臨調を手本にした「神奈川臨調」も同じです。
しかし問題は生活保護そのものでしょうか? 過去最多の210万人が生活保護を受けなければならない事態が生まれていることが問題なのです。3万人が毎年自殺し、2千万人が非正規労働者やワーキングプアになる。新自由主義の外注化・非正規職化攻撃が生み出したこの社会そのもの根本的な変革こそが問題になっているのです。当局はこれを治安問題にすり替えて弾圧の口実にしているのです。
報道にあおられ、ネット上で保護受給者への誹謗(ひぼう)中傷が増え、保護課にはタレこみ電話や手紙が増えています。「保護を受ける自分は悪い? 死ねばいいのか」と「不正受給」キャンペーンに傷つく受給者の悲鳴が上がっています。そして、市当局は特別相談員として各区に警察OBを派遣し、現場労働者の怒りを封じ込め、労働者の団結形態である労働組合の破壊を狙っています。
職場の団結を強化し、職場丸ごとの決起で警察OBが身動きできない力関係をつくり上げ、白紙撤回をかちとろう! 物販闘争を水路に動労千葉を支援する会を組織しよう。闘う労働組合の復権が勝利の道です。ともに闘いましょう!(横浜自治体労働者・K)
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週刊『前進』(2548号3面3)(2012/08/20 )
原子力規制委 人事案撤回!環境省を包囲
8月10日金曜、反原発・再稼働反対を掲げて国会前・首相官邸前を9万人の労働者人民が埋めた。さらに、午後8時過ぎには環境省を包囲して「原子力規制委員会人事案撤回を」の声を上げ続た。元原子力学会会長の田中俊一を委員長に充てるなど、政府の人事案は再稼働推進政策そのものだ。消費税増税法が成立したこの日の行動は、野田政権への労働者人民の怒りを徹底的に突きつけるものになった。
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週刊『前進』(2548号4面1)(2012/08/20 )
被爆者と福島の怒りは一つ
長崎で反原発・反核集会
8・9 佐藤幸子さん(子ども福島ネット)が講演
8月9日長崎で、午前中の野田首相弾劾デモに続き、闘う労働者・学生は午後1時半から長崎県勤労福祉会館で「長崎反原発反戦反核集会」を105人の参加で闘いとった。8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会・長崎実行委員会が主催した。
統一実行委事務局長の三角忠さんの主催者あいさつ、ビデオ上映のあと、福島から参加した佐藤幸子さん(子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク)が1時間にわたって講演した。佐藤さんは、被曝による健康被害・生活・仕事・学校・家庭の問題など、福島県民すべてが今さまざまな困難に直面している現実を、自分の周りで起きていることを具体的に挙げて語った。原発事故は全然、収束なんかしていない。それを「収束宣言」を行って福島県民を切り捨て、原発再稼働を強行した野田政権と東電・電力資本を怒りを込めて弾劾した。
佐藤さんは講演の最後に、「母親の墓の前で『原発を止めるまで二度と墓参りに来ません』と誓った。それぐらいの覚悟で私は闘っている」と強い決意を述べた。参加者は大きな拍手で佐藤さんの講演に応えた。
さらに、長崎の被爆者・城臺(じょうだい)美弥子さんが発言に立った。6歳の時に被爆し被爆体験を語り継ぐ活動を続けている城臺さんは今、NAZENナガサキの先頭で闘っている。城臺さんは「8・6ヒロシマ大行動に参加して大いに元気づけられた」と語り、内部被曝した被爆者を政府・裁判所が被爆者と認めず被爆者手帳の交付を拒否し続けていることに怒りを表明した。そして「長崎・福島・広島・ビキニのつながりをつくり、未来のために反原発運動を進めましょう」と訴えた。
さらに広島の被爆2世の中島健さんは、自らが共同代表となった8・6ヒロシマ大行動が、既成の原水禁・原水協の屈服を打ち破って歴史的高揚をかちとったことを報告し、その上で「昨年、私は半年近くも脊椎の炎症で起きあがれなくなり、被曝の怖さを痛感した。友人の多くもがんで死んでいる。いつ倒れるか知れない不安の中で生きるのは大変なこと。それが福島に強制されようとしている」と語り、被爆者と福島の怒りを共有してともに闘うことを訴えた。また「すべての核・原発をなくす道は、闘う労働運動の再生にある」と語った。
国鉄不当解雇撤回闘争を25年間、不屈に闘う国労小倉闘争団の羽廣憲さんは「労働組合の闘いで、全原発を廃炉に追い込もう」と発言した。そして、10・1JR外注化阻止を全労働者の課題として全力で取り組み勝利することを訴えた。
放射能汚染がれき搬入強行に反対する北九州市の労働者、福島診療所建設に取り組む医師、動労千葉、NAZENナガサキと福岡、青年労働者、広島大学の学生がともに闘う決意を表明した。
最後にNAZEN呼びかけ人の鈴木達夫さん(弁護士)がまとめを提起し、「100万人の大デモを首都東京で実現しよう」「伊方原発の再稼働絶対阻止」「福島に診療所建設を」「闘う労働組合の再建を」などの課題を提起し、団結して闘うことを呼びかけた。
こうして8・9長崎の闘いは、午前中のデモ、午後の集会と連続的に打ち抜かれ、圧倒的な高揚をかちとった。労働者・学生は、この高揚を職場・キャンパスに持ち帰り、一層大きな闘いをつくり出すことを誓った。
(写真上 “原発も核も戦争もない世界をつくろう” 野田政権との対決を鮮明に、新たな闘いを誓いあった【8月9日 長崎市】)
(写真下 講演する佐藤幸子さん)
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週刊『前進』(2548号4面2)(2012/08/20 )
佐賀 玄海原発に抗議
“再稼働やめろ”と
8月7日午後、九州電力の玄海原発(佐賀県)に抗議・申し入れを行った。主催は8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会。20人余りが参加した。
施設の入り口に玄海エネルギーパークが建っている。九電が「原発は安全」とデマ宣伝するためのものだ。抗議団はその展望台から、眼下に広がる4機の原子炉に怒りを新たにし決起した。
原発施設に至る道の検問所の脇に横断幕を広げ約30分間、抗議・申し入れを行った。三角忠代表が原発当局者に対して申入書を読み上げ、「玄海原発・川内(せんだい)原発の再稼働を中止せよ」と強く申し入れた。他の参加者も次々と抗議・申し入れを行った。
75年に運転が始まった1号機は老朽化が進み、全国で最も危険な原発のひとつだ。また3号機はウランとプルトニウムを混ぜたMOX燃料を使う日本初のプルサーマル運転を行ってきた。原子炉が損傷する大事故が起きれば、西日本は壊滅的被害を受け、全国・全世界に深刻な放射能被害を及ぼす。抗議団は再稼働絶対阻止・廃炉を誓った。
(写真 原発の入り口で怒りのこぶし【8月7日】)
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週刊『前進』(2548号4面3)(2012/08/20 )
8・8 長崎大で“山下弾劾”
九電支社へも申し入れ
9日の闘争に先立ち、闘う労働者・学生は8日、長崎大学本部キャンパスを訪れ、長崎大生への宣伝活動と、山下俊一教授(福島県立医大副学長)の福島派遣中止・解任を求める申し入れを行った。
正午から長崎大学正門前に横断幕を広げ、ビラとマイクで宣伝とNAZENの署名活動を行った。労働者・学生が次々とマイクを握り、帝国主義の核・原発政策を弾劾し、福島との連帯を呼びかけ、8・9長崎反原発・反核集会への参加を呼びかけた。
夏休みでも大学を訪れる学生・職員や高校生・中学生は数多い。多くの人が正門前の宣伝隊の姿に注目し横断幕に見入り、ビラを受け取り、再稼働阻止の署名に応じた。福島から来た佐藤幸子さんの真剣な訴えは、聴く者の心をひときわ強くとらえた。
引き続き長大当局に対する申し入れ行動が構内で行われた。統一実行委の三角忠さんと全学連の代表が東條正副学長に対して片峰茂学長にあてた申入書を読み上げ、山下の派遣中止・解任を要求した。片峰学長は許しがたいことに、山下を「一貫して科学的に正しい発言をしている」と擁護している。
同行した佐藤幸子さんも発言し、いま福島で被曝による深刻な症状が広がっていること、その一方で山下俊一が福島で「原発と放射能は安全だ」という許し難いデマを繰り返して福島県民を苦しめていることを、声が震えるほどの怒りを込めて徹底弾劾した。そして「山下をすぐに福島から呼び戻してください。福島の子どもたちを守ってください」と強く訴えた。
副学長を始め長大職員は佐藤さんの発言にうなだれるばかり。それでもなお官僚的で反動的な対応に終始した。
その後、午後3時から九州電力長崎支社に対して「玄海原発・川内原発の再稼働中止」を求める申し入れ行動を貫徹した。
(写真上 長崎大学の正門前で訴え)
(写真下 九州電力長崎支社に申し入れ)
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週刊『前進』(2548号4面4)(2012/08/20 )
全駐労第2波ストへ 沖縄からのアピール
オスプレイ配備阻止と結びパート制導入撤回まで闘う
全駐労沖縄地本は、沖縄基地の再雇用労働者へのパート制度導入の撤回を求め、7・13ストライキに続く第2波ストに突入しようとしている。沖縄からのアピールを掲載します。(編集局)
「若い人に波及することを絶対に阻止する」「パート制度導入を許したらAAFES(エーフィス、米国陸軍および空軍が共同運営する福利厚生組織)の職場だけではなく、全職場に広がる」とAAFES労働者は訴えた。全駐労沖縄地区本部(6500人)は7月13日、第1波ストライキに突入した。
ストライキ当日、スト本部となったキャンプフォスター(キャンプズケラン・軍司令部)前には700人以上の全駐労組合員と組合OBが結集した。米軍当局と政府への怒りのシュプレヒコールが響きわたった。AAFESの労働者とりわけ青年労働者が全体をリードし、パート制度導入を撤回させるまで第2波、第3波のストライキで闘う決意が打ち固められた。軍当局・政府(防衛省)の分断攻撃をうち破って、職場(分会)の団結をさらに強化することが核心だ。その団結した力で第2波ストライキを貫徹しよう!
(写真 7・13スト突入時、米軍司令部前に青年労働者を先頭に全駐労組合員とOB700人以上が結集) 全基地労働者を非正規職にたたき落とす
そもそもAAFES再雇用労働者のパート化(非正規職化)の直接の引き金となったのは、2011年の在日米軍駐留経費(思いやり予算)に関する特別協定改定の中で、全駐労中央本部が裏切り的に容認したIHA(食堂、売店など)の労働者430人分の人件費削減(実質的な解雇攻撃だ!)にあった。米軍当局は7月1日から、定年後の再雇用労働者の週40時間勤務を強制的に週30時間未満のパート勤務に切り替えた。再雇用労働者は通勤手当以外の諸手当もなく、手取り給与は半額以下。その上にパート化で賃金カットされたら生活ができなくなることは目に見えている。さらに年金とのリンクで1953年生まれからは完全に無収入になる。これがAAFES再雇用労働者のパート化によってもたらされる現実だ。
とりわけ青年労働者は夢も希望も奪われる。AAFES労働者への攻撃は、すべての基地労働者を外注化・非正規職に突き落とす攻撃だ。団結破壊、労働組合解体という新自由主義攻撃の極致だ。AAFES労働者は攻撃の本質を見抜き、職場(分会)から論議を重ねて沖縄地区本部を突き動かし、ストライキ方針が確立されていった。パート制度導入撤回署名、5・18在沖米軍司令部前座り込み闘争、7・11ストライキ突入宣言集会(500人結集)から、パート対象となったAAFES職場の仲間を守り、全組合員が一体となって闘われたのが今回の第1波ストライキだ。
ストへの弾圧を粉砕し労働組合の再生を
第1波ストライキを打ち抜いた直後から、軍当局と政府による基地労働者の団結破壊と第2波ストライキへの妨害と破壊攻撃が激化している。軍当局は、7月上旬に「2年間導入を先送りする」という「譲歩案」なるものを持ち出してきた。しかし軍当局はこの「2年間先送り」を守る意志などなく、パート制度導入をあくまで基地労働者に迫ろうとしているのだ。
軍当局は、基地労働者のパート制度導入撤回署名に対し、日米地位協定3条の「管理権」を盾に「基地内の組合活動の禁止」「懲戒処分」を通告してきた。基地労働者の「生きるためのストライキ闘争」の圧殺を狙ったものだ。しかし、軍当局と政府による弾圧が激化すれば、基地労働者はこの現状を変えるためにかならず立ち上がる。年休行使に対する「賃金カット」攻撃は、AAFES労働者1600人をはじめ、全支部から労働者が年休を行使してスト支援に駆けつけるという事態をつくりだした。ストライキの先頭で闘いを牽引(けんいん)した青年労働者は弾圧をはね返し、闘う気概に満ちている。
1968年、全軍労は労働者の権利と人権を取り戻す闘いである「10割年休行使」(ストライキだ!)に決起した。すべての組合活動が基地内外で禁止され、この現状を突破するための闘いだった。米軍権力は、年休を行使した労働者に「出勤停止」「解雇」の報復攻撃を行った。全軍労は直ちに反撃に立ち、処分を撤回させた。
この闘いは全軍労闘争の始まりであった。同時に、全軍労牧港支部青年部(牧青)の職場を拠点に、軍権力と対峙して闘う出発点でもあった。基地撤去を闘うすべての沖縄労働者人民の先頭に、基地労働者が決起していくことを意味した。
まさに今回のパート制度導入撤回の第1波ストライキは、全軍労闘争と牧青の闘いの地平を甦(よみがえ)らせることになったのだ。
米軍当局は、基地内に労働組合(全駐労)が存在することそのものを、今も認めていない。2007年の2波の全国統一ストライキは青年労働者にとって初めての経験であった。その青年労働者が今回のストライキの先頭に立った。そして第1波スト総括と第2波ストに向かって、職場オルグ懇談会(各分会)の中心となって闘っている。
県民大会に全駐労の旗を打ち立てるぞ
軍当局と政府は、基地労働者の闘いが、反原発闘争、オスプレイ配備阻止の闘いと結びつくことをもっとも恐れている。
全駐労沖縄地本は、オスプレイ配備反対県民大会(9月9日)への組織参加を決定した。これは95年の少女暴行事件の県民大会以来のことだ。基地労働者は第1波ストライキの過程で「140万県民とともに闘う」ことを選択したのだ。ズケラン支部はブログで「何も恐れることはない。われわれには140万県民がついている」と書いた。軍当局や政府の「処分」攻撃など恐れていない。
沖縄地本はここ十数年にわたって、米軍基地に関わる県民大会は「自主参加」としてきた。それでも基地労働者の県民大会や基地包囲闘争への参加者はかなりの人数に上っている。組織決定の時より「自主参加」の時の方が多い。全軍労闘争以来の”解雇撤回・基地撤去”の闘いが、今も基地労働者の中に息づいているということだ。県民大会の場に全駐労の旗を打ち立てよう!
オスプレイ配備反対の闘いは、オスプレイが配備される基地内の仕事に関わる労働者にとって死活問題であり、「命を守る闘い」でもある。
オスプレイ配備をめぐって「安全性」が最大の焦点となっているが、「安全性」だけの議論は間違っている。なによりもオスプレイの沖縄配備は、オバマ政権の新軍事戦略にとって必要不可欠となっている。オバマ政権は、新軍事戦略のもとで中国・北朝鮮への戦争挑発を繰り返し、3・11の「トモダチ作戦」を、中国・北朝鮮に対する戦争として実戦的に構えた。基地労働者にとってオスプレイ配備阻止の闘いは、沖縄労働者人民の「基地撤去」と一体の闘いである。日米安保同盟との全面的な激突とならざるをえない。
AAFESのパート制度導入は、米軍事基地をどう維持するのかという問題だ。そして新たな基地強化をめざす在日米軍基地再編による基地労働者の大量解雇攻撃との闘いでもあるのだ。
AAFESの問題は基地労働者への大量解雇攻撃が始まったことを示している。軍当局と政府(防衛省)による第2波ストライキ圧殺のための弾圧をはね返そう。職場の団結を強化し、第2波ストライキを闘う組織体制をつくりあげよう。
外注化阻止・反原発の階級決戦を闘おう
基地労働者の闘いは、全国の反原発の闘い、10・1JR外注化阻止決戦を闘う動労千葉の闘いと一体だ。反原発と外注化阻止の階級決戦を闘い、危機・超反動の野田政権を打倒しよう。
新自由主義と闘う基地労働者の闘いは、米軍権力・政府(防衛省)を追いつめている。基地労働者が動くとき沖縄が動く。第2波ストを沖縄地本レベルに拡大し打ち抜こう! 9月9日のオスプレイ配備反対県民大会に全駐労の旗を翻そう!
〔川田 治〕
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週刊『前進』(2548号4面5)(2012/08/20 )
8月7日〜13日
消費増税法案が成立/F22戦闘機の嘉手納配備中止を要求
●鉛カバー「線量3割遮る」 東京電力とグループ会社の東京エネシスは、福島第一原発で鉛カバーを使って線量計を覆う「被曝隠し」が行われた問題で、カバーをつけると被曝量が実際より約3割低く計測される効果があったと発表した。下請け作業員8人が違法派遣の状態で働かされていたことも認めた。(8日)
●オスプレイ、中小事故率平均上回る 米海兵隊は、米軍普天間飛行場に配備予定の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイで2001年10月〜12年7月に起きた中・小規模のクラスB、C(200万j未満の損害やけが人発生)の事故率を公表した。飛行場での発生や飛行中の事故率は2・85〜11・41件で、海兵隊航空機の平均より0・78〜7・88件上回っている。(8日)
●米、使用燃料規則改善まで原発認可せず 米原子力規制委員会(NRC)は、使用済み核燃料の保管に関する規則を見直すまで、原発の新設や運転期間延長を認可しないことを決めた。福島第一原発事故後、安全性を不安視する声は米国でも拡大。今回の決定は、使用済み燃料の貯蔵が米国でも難題となっていることをあらためて示した。(8日)
●F22が訓練開始 7月末に飛来し、米軍嘉手納飛行場に約6カ月間暫定配備されるF22Aラプター戦闘機が飛行訓練を開始した。(8日)
●消費増税法案が成立 消費増税関連8法案が参院本会議で民主、自民、公明3党などの賛成多数で可決、成立した。消費税率の引き上げ法が成立するのは18年ぶり。税率は2014年4月に8%、15年10月に10%に引き上げられる。(10日)
●沖縄県民大会は9月9日 オスプレイ配備に反対する県民大会の実行委員会が県議会で開かれ、台風接近で延期された大会は、9月9日午前11時から宜野湾市の宜野湾海浜公園多目的広場で開催すると決定した。動員目標は当初の5万人以上を上方修正し、計11万6千人が参加した2007年の教科書検定意見撤回を求める県民大会を上回る過去最大規模とすることをめざす。(10日)
●F22暫定配備中止を要求 沖縄県嘉手納町議会は、嘉手納第18航空団、県、県議会を訪ね、F22Aラプター戦闘機の暫定配備に抗議し、配備中止を求める申し入れをした。F22は操縦士に低酸素症に似た症状が相次ぎ飛行を一時停止。12年5月からは飛行距離や高度を制限して運用していた。同町議会は6日にも沖縄防衛局と外務省沖縄事務所を訪れ、同様の意見書を手渡している。北谷町議会も7日の臨時会で、同様の抗議決議と意見書を全会一致で可決した。(10日)
●沖縄・米軍ヘリ墜落8年 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に隣接する沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落した事故から8年。米軍機の飛行に反対する集会や催しが市内各地で開かれた。新型輸送機オスプレイの普天間配備についても、参加者たちは「配備を許してはいけない」と口々に声をあげた。(13日)
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週刊『前進』(2548号5面1)(2012/08/20 )
全学連大会へ大結集しよう〈上〉
大学から反原発の怒り組織し 官邸前100万決起で野田打倒を
全国学生は未来をかけて9月全学連大会に集まろう。原発への怒りを一つに束ね、この社会を根底から変革する学生の行動と団結をつくろう。世界大恐慌が「戦争と大失業」として襲いかかっている。野田政権は「日本経済を救え」と絶叫して大飯原発再稼働を強行し、消費大増税、オスプレイ配備など次々と攻撃をかけてきている。「生きさせろ!」。60年、70年闘争を超える空前の規模で労働者・学生・農民、あらゆる階層の人びとが怒りの決起を開始した。6月以来、2カ月以上にわたり首都政治中枢(霞が関一帯)が数十万人の「再稼働やめろ! 野田倒せ!」の声で埋め尽くされている。
動労千葉を先頭に闘われるJR外注化阻止決戦と一体で、歴史を変える100万人大結集を首相官邸前に実現しよう。そして9月全学連大会を「フクシマの怒り」と結びつくものとして大成功させよう。
(写真 全学連先頭に野田を弾劾【8月6日 広島】)
8月広島・長崎が大高揚
今夏8・6広島−8・9長崎闘争は、反原発のうねりと反戦・反核の闘いが結びつく画期的な闘いとなった。オスプレイ配備、消費大増税、外注化・非正規職化……、すべて敵は一つだ。野田政権は福島県民を切り捨て、原子力ムラを始めとした「1%」の連中の救済に躍起になっているが、我慢も限界だ。
8・6広島の地に福島大生が大挙決起したことは決定的だ。福大生は8月6日朝の原爆ドーム前集会で熱烈に訴えた。
「毎日、私たちは大量の放射線をキャンパスで浴びせられています。私たち福大生は、今すぐ大学を移転させ、避難をしたいんです」「もしここで大飯原発が事故を起こしたらどうするんですか! 福島の二の舞いです。今こそ学生・労働者・住民が集まって団結し、一緒に原発を止めていこう!」「大学は学生のもの、職場は労働者のものです。1%のやつらに権利を与えないで、私たちの時代を、私たちの世界を、私たちの地球をつくっていこう!」
さらに、闘う広島大生が「100_シーベルトまで安全」とデマを吹聴する神谷研二(福島県立医大副学長、広大医学部教授)を弾劾して広大学長に申し入れ行動を行い、8・6闘争に参加している。この広大生の闘いが、福島県民集団訴訟での神谷研二の告発を検察に受理させることに寄与した。
広島−長崎−ビキニ、そして沖縄−福島をつないだ8・6−8・9闘争の高揚を引き継ぎ、すべての核と原発を廃絶する闘いに打って出よう。
うねりをキャンパスへ
「アジサイ革命」は発展している。7月29日、20万人が国会を包囲し、機動隊の封鎖を打ち破った。8月3日、10日も首相官邸前で大行動が打ち抜かれ、学生も仲間と連れ立って多数参加した。
「3・11」から1年半。膨大な人びとが急速に政治に目覚め、怒りを解き放ち、団結をよみがえらせ、このうねりを職場・大学に持ち込みたいとの欲求を強めている。この学生の思いに応え、共同の行動に高めるのが9月全学連大会だ。
野田政権と経団連は、反原発のうねりが職場・キャンパスに還流し大学当局・資本との激突が始まること、そして学生運動・労働運動として発展することを恐怖している。「解き放たれた巨万の労働者大衆は、戦後的体制内左翼の幻想と制動から自由となり、この革命的うねりは、瞬く間に職場に還流しようとしている。体制内勢力による職場支配の『最後の防波堤』である職場と街頭(政治)の分断が、外注化決戦と一体で、4大産別を先頭に、全産別において突破されようとしている」(本紙第2546号夏季特別号論文)。「フクシマの怒り」と官邸前のうねりが結合した時、そして青年・学生が闘いの先頭に立った時、野田を打倒し社会を変革する巨大な展望が生まれる。「アジサイ革命」を100万人の大行動へ!
当局の処分策動許すな
反原発100万人決起の時代だからこそ、キャンパスでは凶暴な攻撃が学生に襲いかかっている。「命よりカネ」「経済のためなら再稼働は仕方ない」――これこそ、私たちが大学の中で嫌と言うほど見せつけられてきた現実ではないか。人間らしく生きるための真の学問を投げ捨てたやり方ではないか。学生は街頭と並んで、キャンパスのど真ん中から学生運動を爆発させよう。
同学会(全学自治会)を再建した京都大学では、京大当局が「告示第5号」なる文書を6月22日に出した。「同学会規約に則って行われた選挙であるとは認められない」「京都大学全学自治会同学会とは一切関係のないもの」と同学会執行部選挙を全否定するものだ。絶対に許せない!
京大同学会選挙は、3000を超える投票と2100を超える信任で、学生自身がかちとった偉大な勝利だ。そして、京大生は原発にも原発翼賛大学にも絶対反対であると宣言したのだ。京大当局はこれに震え上がってなりふり構わぬ攻撃にのめり込んでいる。だがそれはさらなる京大生の怒りの決起で、やつらの墓穴に転化する。
私たちはこの6年半、法政大学において「119人逮捕−33人起訴−10人を超える退学・停学処分」という攻撃に一歩もひかず闘い、文化連盟を先頭に「一人の仲間も見捨てない!」というスローガンで団結し勝利してきた。その地平は福島大学や沖縄にも拡大している。この法大闘争をともに闘った京大の仲間が「原発反対! 御用学者追放!」を掲げて同学会選挙に挑戦し、同学会再建を果たした。京大生は学生の進むべき道を示したのだ。「告示第5号」を粉砕しよう! 同学会を守り発展させよう!
法大での新たな処分策動も粉砕しよう! 規制を認める学祭実への「2割不信任」が突きつけられた感動的な7・13全学説明会を経て、最先頭で闘った国際文化学部のA君に対し、学部名義で「迷惑行為の禁止について」(7月25日付)なる文書が送られてきた。「貴君は、『文化連盟』、『社会科学研究会』と称し、…学友会主催行事実行委員会に対して、嫌がらせや恫喝といった数々の迷惑行為を繰り返している」「今後もこれを繰り返す場合には、本学部は学則に基づいて厳正な処分を行う」
ふざけるな! 全学説明会で、学祭実は暴力職員の手も借りて文化連盟を会場から排除し、一方的に学祭規制を強行しようとしていた。国際文化学部は学部長・鈴木靖を先頭に11人がピケを張っていた。それへの弾劾行動を「迷惑行為」とデッチあげて不当処分を狙う法大当局こそ腐敗の極みだ。A君は処分策動に怒りを燃やし闘っている。
大学当局のこんなみすぼらしい弾圧・処分策動は絶対に破産する。全国学生の皆さん、「告示第5号」と法大処分を粉砕しよう! 全学連大会で熱く団結を固めよう! 残る2週間、300万学生に大会結集を全力で訴えよう!
マル学同中核派・法大支部
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全学連第73回定期全国大会
9月5日(水)〜6日(木)、東京都内
参加費1000円(会場代、資料代など。宿泊費は除く)
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週刊『前進』(2548号5面2)(2012/08/20 )
放影研の正体を見た
8・5見学会で参加者の怒り高まる
「黒い雨」での被曝を否定する理事
被爆67年目の8月5日、広島市内の比治山にある放射線影響研究所(放影研)の見学会が、8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会の主催で行われた。福島の佐藤幸子さん、椎名千恵子さんをはじめ反原発・反核を闘う多くの人びとが参加した。
放影研は、「検査するだけで治療は一切しない」人体実験で悪名高いABCC(原爆傷害調査委員会)の後継組織だ。展示と施設関係者の説明を見聞して、「被爆者の健康に寄与する研究」といううたい文句がなんと空々しいものか実感できた。
あらかじめの申し入れで、参加者の質問に応対したのは寺本隆信・業務執行理事。彼の答弁は、「放射能のリスクは大したものでない」という核政策推進側見解の空疎な繰り返しであった。今、大問題になっている内部被曝・低線量被曝のリスクについては、チェルノブイリ原発事故やイラクなどでの劣化ウラン弾による深刻な健康被害の実態、そして放射能が人体に及ぼす影響の生物学的研究などで明確になってきているにもかかわらず、「まだはっきりわからない」「データが少ない」と逃げ回るのみだった。
また、原爆炸裂直後に降った「黒い雨」(残留放射能)については「何時間滞在したかの記録がないので、今から行動を記録するのは無理」と、国の戦争・被爆責任をすべて棚上げにして、本末転倒にも検証責任を被爆者に転嫁する始末だ。
放影研は、多くの人が「黒い雨」に遭ったことを証明するデータを持っていながら、これまで隠し続けてきた。放射能に汚染された水を飲み野菜を食べて、がんなどの病気に罹患(りかん)した大勢の人たちがいる。被爆者認定・医療補償を求め、「黒い雨」に遭ったと証言しても、指定区域外だからと厚労省・国は被爆者に全面敵対してきた。放影研による「黒い雨」のデータ隠しは明白な証拠隠滅行為であり、被爆者は「憤り以外のなにものでもない」と弾劾している。
寺本は、被爆2世の遺伝的影響については、生活習慣病をことさら持ち出して、親の被爆による子どもの影響を否定しようとした。だが、広島・長崎の被爆者から生まれた子どもの約半数が死産・流産で亡くなっている(ABCCはそのほとんどを解剖している)。白血病で命を奪われ、免疫異常で苦しみ、さまざまながんで殺されている多くの被爆2世がいる。この事実を無視することなど絶対に許されない。
寺本は「放射線もがんになる一つの要素」と説明したが、「リスクを横に並べて評価することはおかしい」「放射線によってさらにリスクは増えるんだ」と参加者から指摘された。放射線のリスクをできるだけ小さくし後景化させようという放影研のどす黒い魂胆が浮き彫りになった。
被曝地・福島を放射線影響の人体実験場に設定し、膨大な被曝データを手に入れ金もうけと核武装に利用しようとする最悪の御用学者・山下俊一(放影研の科学諮問委員会委員になっている)を「チェルノブイリなどで大活躍している」と称賛する寺本に、参加者は放影研の正体を見た。
放影研は「日米共同で平和目的を確認している」とうそぶき、広島・長崎の被爆者への罪業を居直り、内部被曝問題にも「放射能=安全」論を押し通そうとしている。福島県民200万人の被曝データを最終的には放影研に集め、日帝の原発・核燃―核武装化政策に悪用しようと画策しているのだ。放影研を先兵とした日帝の内部被曝・低線量被曝隠蔽策動を打ち砕こう。(W)
(写真 逃げの答弁に終始する寺本理事に全員が怒りをかきたてた【8月5日 広島市・放影研】)
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週刊『前進』(2548号5面3)(2012/08/20 )
8・11福島シンポジウム
労働者・住民・医師の共同で 今秋、診療所開設へ
8月11日、JR福島駅前のコラッセふくしまで「民衆の手による診療所を!8・11福島シンポジウム」が開催された。福島診療所建設委員会が主催した。地元の労働者、子どもを抱えて福島で生きる保護者らが多く参加して、真剣に議論を重ねる場となった。
冒頭、福島診療所建設委員会の渡辺馨事務局長が診療所建設へ向けたこの間の経緯を報告した。
パネルディスカッションは、子どもたちを放射能から守る福島ネットワークの佐藤幸子さんがコーディネーターを務め、5人のパネリストが問題提起をした。トップはドイツから訪れたゴアレーベン反対同盟のマーティン・ドナート委員長だ。(パネリストのうち3人の発言は別掲)
続いて福島の医療従事者2人が問題提起。「放射能の影響かも知れないという症例を日常的に聞くが、医療機関はそういう話を全然聞いてくれない。私たち自身の持っている命の力で健康を保ち、生き抜かなければならない。みんなの寄るべとなる診療所をつくり、自然医学の手当を含め、自分たちで命を守る方法を広げたい」「福島では放射能に危機感を持ちながらも、日常性に埋没せざるを得ない現実がある。そうやって意気消沈してしまう流れをくい止めるために診療所が必要。『被災者のため』と銘打ちながら、自己愛的な自己実現にとらわれているような組織ではだめ。福島の現実に本当にフィットすることを純粋に追求する診療所でありたい」。福島の現実に根ざして診療所建設運動を担う2人の発言に、大きな拍手が広がった。
次に、国労郡山工場支部の橋本光一さんが「被曝労働に悩む福島の労働者のつながれる場所に」と題して、また子どもたちを放射能から守る福島ネットワークの椎名千恵子さんが「みんなで力を合わせて生き抜いていくためのよりどころとして」と題して、それぞれ問題提起を行った。
5人の問題提起を受けてコーディネーターの佐藤さんは「広島・長崎では被爆者と認定されない人が『被爆体験者』と呼ばれている。その基準で言えば、年20_シーベルト未満の地域に住む私たちは被曝者になれず、被曝手帳ももらえず、医療も受けられない。こうした現実と闘う決意を固くした」と述べ、会場からの意見を求めた。
県内で暮らす母親たちは「鼓笛隊や運動会、プールも再開された。線量は下がっていないのに子どもたちをめぐる状況は悪くなっている。ちょっとした症状でも診てくれて、話ができ、集まった人が情報交換できる場が必要」「この1年半、声をあげないと命は守れないと痛感した。原発は禁止するしかない。診療所ができたら命に添ったお医者さんに子どもたちをきちんと診てもらえる。すごくうれしい」と、診療所建設を切望する切実な思いを訴えた。
参加した医師たちも次々と発言した。「福島の医師会はいまだに『100_シーベルトまでOK』と言っている。信じられない。未曽有の健康被害は必ず出る。この現実を医療関係者は絶対許さない。共同の闘いで診療所を建設し、長期にわたる強靱(きょうじん)な医療機関をつくろう」「医師会で箝口(かんこう)令がしかれている中で、放射能の危険性に心を痛めている医師一人ひとりに訴えていく。医療スタッフだけでなく、みんなで連帯・連携を広げたい」「ここに集まっているみんなで話し合い、知恵を出し合い、そこに医療スタッフが関与していくのが診療所。福島の人は今、不安を抱え、自信を失い、だけど必死で健康なふりをして生きている。体以外にも被害は出る。それも含めて受け止め、生き延びるための医療をつくろう」。討論をとおして、診療所建設は労働者、住民、医療従事者の共同の闘いであることが鮮明になった。
最後にゴアレーベンのケアスティン・ルーデック前委員長が発言した。「ドイツ各地で講演旅行をして、福島の現実と診療所の必要性を訴え、カンパを集めます。東電から経営権を取り上げよう。今の政府から権力を取り戻そう。全世界の原発を今すぐ止めよう。サイカドウハンタイ!」
シンポジウムの成功を受けて、診療所の今秋建設へいよいよ具体的な計画が動き出した。福島の労働者・住民とともに、全国から力を寄せよう。
(写真 ゴアレーベンからも診療所建設に熱い共感が寄せられた【8月11日 コラッセふくしま】)
パネリストの発言
命を守る独立した診療所を ゴアレーベン マーティン・ドナート委員長
山下俊一が「100_シーベルトまでは問題ない」と言っているが、大変な被害を受けた福島の人たちになんということを言うのか! 飯舘村や南相馬市を訪問したが、これらは集団疎開させる以外にない場所。広島・長崎ではアメリカによって原爆が落とされたが、福島では日本政府と原子力産業によって原爆が落とされた。子どもたちの命を守るために、山下のような人に支配されない独立した診療所が重要。そのためのカンパを佐藤幸子さんに渡します。
被曝労働の現場から闘う 国労郡山工場支部 橋本光一さん
3・11以降、JR会社に放射線量測定を要求したが、会社は「測定の必要はなし」と言い続けた。私たちが測り、汚泥は毎時7マイクロシーベルトもあったことを組合機関紙に書いたら「会社の機密事項を公開してはならない」。労働者の命や健康など考えていない。原発作業員に被曝労働を強いている国と同じ。
動労水戸は被曝労働を許さずストで闘っている。労働組合の職場の闘いが市民の反原発運動とつながった時に、もっと大きい闘いができる。
私たちが働く工場は放射能まみれのほこりであふれていて、みな「おれらは長生きしないだろう」と思っている。原発労働者も大変な状況にある。労働組合もないし、家族を抱え、線量が高いからと言って仕事を辞めるわけにもいかず、わが身を削って働かざるを得ない。でも彼らもなんとかしたいと思っている。
被曝労働をしている労働者の味方になってくれる医者が必要です。私たちが病気になって病院を訪れた時、「病気の原因は放射能だ。一緒に東電や国と闘っていこう」と言ってくれる先生と診療所であってほしいです。
つながり実感できる場に! 子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク 椎名千恵子さん
労働者が被曝労働の現場から立ち上がっている。これが今の官邸前のうねりに合体した時、原発反対運動はもっと広がると思うし、そのことをもっと伝えていきたい。
県民健康管理調査の報告会は「福島は安全であることを証明するための調査だ」と断言した。ミネラルウォーターで粉ミルクを溶いているお母さんには個別に電話して「その必要はない」という指導までしている。
診療所はこの巨大な敵に向き合い、”一人じゃない。つながっている”と実感できる場。それが必ず明日へ向かうエネルギーになる。できるところから始めましょう。
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週刊『前進』(2548号5面4)(2012/08/20 )
ゴアレーベン 上関・祝島-福島を訪問
“原発も核施設もなくす”
ドイツを代表する反核運動であるゴアレーベン核廃棄物処分場反対同盟のマーティン・ドナート委員長、ケアスティン・ルーデック前委員長、広報担当のレナート・ミュラーさんの3人は、8・6広島闘争を闘いぬいた後、7日に、中国電力・上関(かみのせき)原発建設予定地である山口県の上関町長島(ながしま)を訪問した。
広島市から約80`メートルにあたる上関原発2基の建設計画は1982年に決定されたが、予定地の対岸・祝島(いわいしま)住民を先頭にした闘いが30年間、着工を阻んでいる。09年9月には中国電力が埋め立て準備作業としてブイの敷設を始めようとしたが、反対派の漁船やシーカヤックが実力で阻止。昨年3・11を受けて工事は完全にストップしている。
自動車で車道の終着点まで行き着いた後、森林の中の道なき道を30分ほど下ると、建設予定地の砂浜に着く。森を抜けると突然目の前が明るく開け、美しい砂浜が広がった。この海を14万平方bにわたり埋め立て、原発を建設しようというのだ。対岸には原発に反対する島民が多く住む祝島がぽっかりと浮かぶ。
このすばらしい自然に感動したドナート委員長、ルーデック前委員長らは、服を脱ぎ捨てて海に飛び込んだ。すると無人の海岸線に設置されたスピーカーから突然、音が流れ始めた。「中国電力からお知らせします。田浦海岸に立ち入っている人はただちに退出してください」。ゴアレーベンの仲間は怒りを募らせ、大きな声で「ゲンパツハンタイ! ゲンパツハンタイ!」と叫んだ。
一行はその後、祝島を訪問した。祝島の港には「原発絶対反対」の看板や、原発反対の思いを豊かにつづった歌の看板などが立ち並ぶ。島民の「島の生活を守りたいから原発に反対」「福島の事故を見て、繰り返させてはならないと思った」などの声に耳を傾け、夕焼けに輝く海、穏やかな海に降りそそぐ月光などに深く心を揺さぶられ、「原発も核廃棄物処分場もなくすためにともに闘う」と熱く語った。
ゴアレーベンの一行は10日に福島市へ移動し、自治会館3階で記者会見を行った。
飯舘村の122マイクロ超に怒りと悲しみ
そして「年間100_シーベルトまでは大丈夫」とうそぶく山下俊一と、野田政権の原発再稼働を激しく弾劾し、独立した診療所建設の意義を強調した。
その後、飯舘村、南相馬市を訪問。今年4月まで警戒区域だった南相馬市小高区では、1年5カ月たった今も被害が生々しく放置された現実を目の当たりに。飯舘村では雨だれの落ちるコケの上で線量計の数値が毎時122・9マイクロシーベルト(年間1000_シーベルト以上)に跳ね上がり、あらためて怒りと悲しみに胸を震わせた。
(写真上 上関原発建設予定の海で「ゲンパツハンタイ!」/下 祝島の漁港の看板前で)
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週刊『前進』(2548号6面1)(2012/08/20 )
原発なくそう 改憲はばもう
2012年 8・15労働者・市民のつどい
「民衆の闘う時代」へ団結
福島の母の報告に大きな拍手
(写真 集会の最後に発言者が全員登壇。NAZENの富田事務局次長が音頭をとり「フクシマ返せ! 原発ハンタイ!」とコール【8月15日 東京・なかのZERO小ホール】)
8・15労働者・市民のつどいは、「野田政権打倒までもう一歩。日本でも山が動き始めた」と宣言した葉山岳夫弁護士の開会あいさつで始まった。朝の靖国デモの報告に立った全学連の坂野陽平書記長は「右翼の妨害をはねのけて闘った今朝の靖国デモは、領土問題であおられている挙国一致と戦争を許さない闘いであり、福島の怒りと一つになって世界を変える闘いだ」と語った。
革命情勢到来と改憲の攻撃
実行委員会からの基調報告を森川文人弁護士が行った。冒頭、「暑くて熱い時代、動と反動が入り乱れる歴史的な革命情勢が到来している。反原発の20万人の中に身を置くと、私たち民衆が主体的意志を自覚し始めている感触、力の覚醒を感じる」と感動を語った。この間激化している領土問題に触れ、「漁民、民衆にとって国境は存在しない。共通の敵を見定め、徹底的に責任を追及し、国と社会のあり方を変えよう」と呼びかけた。
提起は改憲情勢の分析に移った。「3・11直後の米軍のトモダチ作戦自身が日米間のすさまじい争闘戦だ。この中で帝国主義として脱落の危機にある政府は改憲衝動を募らせている。自民など3党が相次いで発表した改憲草案では国家緊急権や公務員の労働基本権からの排除が明記されている。オスプレイ配備や復興特区構想、裁判員制度など、明文改憲だけではなく、実質的に改憲がクーデター的に進められている。労働組合の最後的解体・破壊がその中心にある」と断言した。
最後に原発事故と福島の現実に触れ、「歴史の中に蓄積された99%の民衆の生きるための怒りが一挙にあふれ出てきた。敵は責任をあいまいにしている。私たちは責任を持って、責任を追及しよう」と訴え、「9・16橋下打倒大阪集会、10・1JR検修全面外注化反対を闘い、11・4日比谷野音の労働者集会に大結集しよう」と提起した。
(写真 力と情熱を込め基調報告を行う森川弁護士)
福島の一歩は歴史覆す一歩
次いで福島からの報告が行われ、木田節子さんが大きな拍手で迎えられた。3・11以来の引きこもりと原発労働者として働き続ける息子とのやりとり、彼の最後のメールは「それでもこの国には原発は必要」だったと語った。そして今年3月11日、首相官邸前で初めてマイクを握ってから5カ月、「58年の人生、日本はもう少しまともな国だと思っていた。この国はこのまま戦争に向かっているんだろうか。誇りにしていた国でなかったことが残念でなりません」と語り、この日の朝、友人に「子どもたちを国の思い通りにさせないように、終戦記念日の意味を26歳の娘にしっかり教えようと思います。子どもたちにこの国がやろうとしていることは間違いだと教えましょうね」とメールしたことを紹介し、「こんな私でも訴えていくことで気持ちが伝わるのであれば、もう少し頑張っていこうと思います」と結んだ。
NAZENの織田陽介事務局長の発言は木田さんの訴えに真っ向から応えるものだった。広島・長崎の被爆者が「福島とつながることで自分たちが見えてきた」と、この苦しみをつくり出している国家と闘おうとしていることを紹介し、「福島の深い苦しみの中から踏み出している一歩は、歴史を覆す一歩だ」と指摘。さらに福島診療所建設に向けて開かれた8・11シンポジウムなどをとおして「命を守るためにつながり、話し合い、団結することをつかんだ。未来をつくるために福島とつながる100万人デモを実現していく」と決意を語った。
解雇撤回闘争を闘う東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の鈴木善弘さんが「労働者に国境はない」と元気いっぱいのカンパアピール。
集会後半は「対決!ハシモト マツモト」と題する松元ヒロさんのコントで会場の大爆笑から始まった。
平和遺族会全国連絡会代表の西川重則さんが「国会憲法審査会の暴走を許すな」と題して、昨年12月から始まっている憲法審査会が明文改憲を目的にしたものだと暴露し、「審査会を停止させよう」と訴えた。
日韓労働者の共同闘争で
特別報告として韓国から駆けつけた民主労総ソウル本部会計監査のチェチュンファンさん(要旨別掲)、10・1外注化阻止を闘う動労千葉の田中康宏委員長が続いた。
8・15集会から始まった民主労総ソウル本部との国際連帯は今年で丸10年になる。チェチュンファンさんは日韓労働者がともに原発反対、民営化・外注化反対を闘うことを訴えた。
田中委員長は、「動労千葉とともに動労水戸もストライキで闘っている。反原発の20万人の怒りと結んで階級的労働運動を再建する。11月労働者集会で時代を大きく動かそう」とアピール。
NAZEN杉並の長谷川英憲さん、星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議の星野暁子さん、裁判員制度はいらない!大運動の丹羽民夫さん、9・16大阪橋下打倒闘争の呼びかけに続き、郵政非正規ユニオンの齋藤裕介委員長が「生きることは闘うこと、闘って勝ちにいく」と青年労働者の意気と誇りを示した。
最後にNAZEN事務局次長の富田翔子さんが「きょうから秋の闘いは始まります」と集約し、「フクシマ返せ! 原発ハンタイ!」のコール。団結ガンバローの声が会場にこだました。
日韓労働者は団結し民営化・外注化阻もう
民主労総ソウル本部会計監査 チェチュンファンさん
民主労総ソウル本部16万組合員の国際連帯と闘争の決意を込めてごあいさつします。
動労千葉でJRの10・1外注化を阻止するための闘争を組織していると聞きました。外注化が推進されたら非正規職が増えて不安定な雇用と低賃金に苦しむことになるでしょう。苦痛と被害はひたすら労働者に返ってきてJR資本は利潤を創出するでしょう。韓国でもKTX高速鉄道の民営化を強行しようとしています。
民主労総ソウル本部は動労千葉の同志たちの闘争を積極支持します。日本資本と韓国資本の反労働、民営化・外注化計画を日韓労働者たちがともに阻止しましょう。
去る6月、野田政権が大飯原発再稼働推進を発表し、これに反対する日本の労働者民衆20万人が集まってデモをするニュースに接しました。
人類の生命を脅かす原発に反対します。核戦争をやろうとする者どもの誤りを思い知らせ、子どもたちの未来を守らなければなりません。
歴史は労働者民衆の闘争と血で記録されるものです。労働者民衆は世の中の中心であり、変革の主体です。平等で平和な労働者民衆の世の中をつくるためにともに闘っていきましょう。
トゥジェン(闘争)!
(写真 「トゥジェン!」で結ぶチェチュンファンさん)
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週刊『前進』(2548号6面2)(2012/08/20 )
靖国弾劾のデモに立つ
「野田打倒!」 沿道から拍手
「靖国反対! 野田政権を打倒するぞ!」「原発反対! 再稼働反対!」
8月15日朝、法政大学正門前に力強いシュプレヒコールが響きわたった。靖国弾劾デモの主催者・反戦共同行動委員会の北島邦彦事務局長がマイクを握り、「8・6広島、8・9長崎の成果の上に、本日の8・15靖国弾劾デモを闘いぬいて、10・1JR外注化阻止を闘いぬこう!」と訴えた。そして、「本日も動労千葉は指名ストを闘い抜いています」と紹介した。
動労千葉から、佐藤正和さんと、この日京葉車両センターで見習い発令を拒否して指名ストに決起した組合員が並んで発言。「右翼うるさいぞ!」と、警察と一緒になって集会・デモ破壊に押しかけた右翼を一喝し、「外注化は必ず阻止する。職場闘争をやり、日本を変えるために動労千葉に加盟し決起しました! がんばりましょう」と決意を語った。
動労千葉とともに参加し、紹介された民主労総ソウル本部会計監査のチェチュンファンさんは、「きょう一日、みなさんと一緒に闘います!」とアピールした。
続いて全学連の斎藤郁真委員長が「あの右翼たち、支配階級の姿勢は絶対に許せない。靖国神社なんか粉砕すべきだ!
原発再稼働に消費増税、オスプレイ配備を許すな。われわれはもっともっと国際連帯を拡大してともに闘おう!」と呼びかけた。
最後に反戦共同行動委員会の三角忠さんが、「靖国反対! 核武装阻止! 8・6、8・9の成果の上に立って断固靖国解体デモに立とう!」と檄(げき)を飛ばし、右翼の妨害をはねのけてデモに出発した。
「ヤスクニ解体! 原発廃炉! 改憲反対!
力を合わせて未来をつかもう!」「ヤスクニ解体! 再稼働反対!」
右翼の妨害に対抗して沿道から拍手をする人。脇を走るバスからもみんなが手を振る。120人に膨れ上がった元気なデモを貫徹した。
(写真 動労千葉と民主労総の旗を先頭に右翼の妨害をはねのけて進むデモ隊。沿道から拍手が起こり、隊列は120人に膨れあがった【8月15日 東京・千代田区】)
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週刊『前進』(2548号6面3)(2012/08/20 )
星野同志ビデオ国賠 警視庁にテープ「預けた」
裁判所の責任を追及
1971年11月14日の沖縄返還協定批准阻止闘争で、機動隊員が死亡した事件の実行犯として「殺人罪」にデッチあげられた星野文昭同志は、75年の不当逮捕以来、8月6日で獄中38年目に入った。星野同志は無実だ。再審・無罪をかちとるために、検察官が隠し持つ全証拠を開示させる大運動を全人民的規模で爆発させよう。この力で一日も早く星野同志の釈放をかちとろう。
こうした決意のもと、7月31日、東京地裁民事第45部(石井浩裁判長)で、第8回星野ビデオ国賠裁判が闘われた。星野同志の無実を示す重要な証拠であるビデオテープを、東京地裁が警視庁公安部に「預け」、警視庁公安部がこれを「紛失」した(証拠隠滅だ!)ことを徹底的に弾劾する裁判闘争だ。
ビデオテープは渋谷闘争当日のデモを報じるテレビニュースを録画したもので、星野同志が率いるデモ隊の動きや闘争現場が映っている。星野同志の無実を示す重要な証拠である。これを東京地裁は、ビデオテープを見て証言が行われた一審第49回公判(77年2月17日)の4日後に、警視庁公安部に「預けた」というのだ。
今回、星野同志の代理人・藤田城治弁護士は、被告の裁判所(国)と警視庁公安部(都)に対して、「預けた」ことや「紛失」したことについて徹底的に追及した。
裁判所は、ビデオテープは「適切な温度(15度〜25度)や湿度(40%〜70%)等、保存に適した環境で保管しなければ磁気テープの劣化が生じる恐れがあるが、裁判所にはその環境がないので警視庁公安部に『預けた』のであり、違法ではない」と主張している。
これに対して藤田弁護士は、「裁判所内は温度、湿度とも普通の条件であり保管はまったく可能だ」と指摘。さらに、ビデオテープが74年から77年2月まで2年以上も裁判所内に保管されていた事実を突きつけ、裁判所のウソを弾劾した。
そもそも、裁判の証拠を星野同志をデッチあげた張本人である警視庁公安部に「預ける」ことは、証拠の隠滅や偽造を可能にする。断じてやってはならないことだ。
しかも、裁判所がビデオテープの「紛失」を知ったのは、なんと2008年になってからだ。裁判所は責任を持って管理すべき証拠品を警視庁公安部に「預けっぱなし」で、その所在に何の関心も持たなかった。警視庁がいつ「紛失」したのかすら不明なのだ。
これは、裁判所が証拠を精査することもしないで星野同志に無期懲役判決を下した(83年7月、東京高裁)ことを意味する。なんという無責任、デタラメ、腐敗! こんな判決は無効だ。星野同志をただちに釈放せよ!
裁判終了後、東京高裁前で「再審棄却弾劾!
全証拠を開示せよ!」と星野暁子さんをはじめ9人で宣伝活動を行った。7・1高裁包囲デモに次ぐ対高裁闘争第2弾だ。
続く9月28日(金)の第2回高裁包囲デモに決起しよう。次回裁判は10月9日(火)10時20分から527号法廷。
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週刊『前進』(2548号6面4)(2012/08/20 )
団結ひろば 投稿コーナー
フクシマとヒロシマ結ぶ反核運動始まる 広島大 川崎あゆみ
被爆67年の8・6ヒロシマ闘争は、首相官邸前・国会前の再稼働反対行動の息吹を引き継ぎ、フクシマの人びとと原発事故をきっかけに長年の怒りを解き放ちはじめた被爆者がともに闘い、つながる行動として大成功しました!
私たち広大生は「No Nukes HIRODAI」という反原発グループを学内に立ち上げ、8・6ヒロシマのデモを盛り上げるために目立つ横断幕を作ったり、「はだしのゲン」をモチーフにしたポスターを作ったりしました。さらには、福島県民から刑事告発を受けた神谷研二教授に関して広大当局に申し入れを行うなど、学内で運動をつくり出しながら、そこで出会った新たな仲間と一緒に8・6ヒロシマの行動を最先頭で闘いぬきました。
8月5日の学生集会で、広大の初参加の学生は「原発、基地、オスプレイ、増税……。すべての問題はつながっていることを知った。広大で反原発運動を巻き起こしていきたい」と決意を語り、会場は拍手喝采!
8・6当日の野田打倒のデモは、再稼働を強行した野田が原爆慰霊碑の前に立つ資格はないというフクシマの怒り、被爆者の怒りをたたきつけ、平和公園周辺の人びとと一体となる高揚感を感じました。
午後からのヒロシマ大行動では、ヒロシマの「黒い雨」被爆者と福島の佐藤幸子さんの発言で、ヒロシマの被爆者の内部被曝を一切認めない国と御用学者に対して怒りが語られたことに、広大生として広大・原医研の神谷研二教授を絶対に福島から引き戻そうと決意を新たにしました。
首相官邸前での金曜日行動と8・6ヒロシマを引き継ぎ、全国の学生は9月全学連大会へ集まろう!
8・6で野田を打倒し原発廃炉にと決意 東京 町田春子
原爆投下の時刻、ドーム前で黙祷(もくとう)しました。目をとじると、セミの声だけが聞こえてきました。この暑い朝に、原爆が頭上で炸裂し一帯が熱風に包まれ焦土と化したことを想像しました。
そして原発は地上に置かれた原爆であり、平和記念式典に参加している野田が本当に許せず、打倒して原発を廃炉にしよう!と決意しました。
そして朝デモに出発しました。「野田は帰れ!再稼働やめろ!」。式典会場の近くにさしかかり、佐藤幸子さんが「福島の子どもを守らないで原発再稼働はありえない! ヒロシマ、ナガサキ、フクシマの思いを踏みにじるな、再稼働を止めるぞ!」と叫ぶと、デモ隊の声はもっと大きくなり野田を弾劾しぬきました。また中国電力前では「中国電力原発やめろよ!」というコールをしました。
メイン集会では、高陽第一診療所の患者である佐々木澄江さんが発言しました。「今でも8月6日が忘れられない。ヒロシマでは家族と自分と多くの人が被爆しました。福島のこどもたちの将来を思うと胸が張り裂けそうです。まだフクシマは終わっていないのに、野田首相が原発を再稼働したことは許せない。福島で診療所建設が進んでいる、とてもいいことだと思います」
ドイツで30年以上にわたり、核燃料の最終処理施設反対で闘う、ゴアレーベン反対同盟も参加しました。前日のNAZEN集会で「日本の闘いはドイツの闘いでもあります!」という発言に励まされました。労働者に国境はない!
若者と鈴コンが先頭に立ち、国会前行動の再来ともいえる熱いデモをやりました。それに応えるように、次々と飛び入りの参加者が増えました。
ヒロシマ、ナガサキ、オキナワ、フクシマの怒りがひとつになり、核と原発のない社会をつくろうというヒロシマ闘争になりました。
この闘いを職場に持ち帰り、仲間との団結づくりにつなげていきたいと思います。
オスプレイ配備反対沖縄県民大会参加を 全学連沖縄現地行動隊 U
台風で延期されていたオスプレイ配備反対の沖縄県民大会が9月9日に決まりました。
オスプレイは、4月にモロッコ、6月に米フロリダ州で今も墜落事故をくり返している構造的欠陥機です。にもかかわら日米両政府は、事故の原因を「人為的な操縦ミス」で片付け、「機体に問題はない」と強弁しています。
それどころか、森本敏防衛大臣は、もともと県民大会が予定されていた8月5日を前に訪米し、オスプレイに試乗して「大変快適だった」と言い放ちました。ふざけんな! そもそも、森本は大臣になる前、普天間に代わる海上基地を辺野古につくることを正当化するためにオスプレイの危険性を主張していた人物です。大臣になったとたんに「安全だ」とは、どこまで人をなめるのか!
しかし、これに対して沖縄の怒りはかつてなく爆発し、至る所で感動的な闘いが始まっています。パート化反対のストライキを闘っている全駐労沖縄地本が「組合員の命にかかわる」と1995年の県民大会以来の組織参加を決定しました。140万県民の先頭で、ついに牧青(全軍労牧港支部青年部)の魂を引き継ぐ基地労働者の闘いが始まったのです。
また、沖縄大学では学生有志がオスプレイ配備の是非を問う学内シール投票を呼びかけ、学生の真剣な議論が始まりました。そして、投票した人の約8割、390人が「オスプレイはダメ」と意思表示し、キャンパスぐるみの決起が始まっています。
福島を切り捨てて原発再稼働・核武装を強行する野田政権。沖縄と日本全体をオスプレイ基地にして北朝鮮・中国への侵略戦争に突き進む野田政権。私たちが生きるためには、こんな政権、今すぐ倒すしかない。社会を変えるしかない。すべての怒りを一つにし、沖縄と本土が団結して野田政権を倒そう。
9・5−6全学連大会の爆発から9・9沖縄県民大会の爆発へ! ぜひ9月9日は全国からも沖縄に集まってください!
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週刊『前進』(2548号6面5)(2012/08/20 )
三里塚裁判傍聴を!
◎市東さん行政訴訟・農地法裁判
9月10日(月)午後1時30分 千葉地裁
★渡辺清一・元千葉県農地課長の証人尋問
(傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合)
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