ZENSHIN 2012/08/03(No2547 p08)
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週刊『前進』(2547号1面1)(2012/08/03 )
動労千葉・動労水戸スト突入
8月大攻勢から11月総決起へ
広島・長崎の反核反原発闘争が大高揚 消費大増税への怒りで野田・橋下倒せ
(写真 8・6ヒロシマ大行動に1300人が立つ 【8月6日 広島県立総合体育館小アリーナ】=記事4面)
東京、関西、東北の7・29革共同政治集会は、10・1JR全面外注化絶対阻止の一大決戦に総決起する激しい決意をみなぎらせて、圧倒的にかちとられた。動労千葉と動労水戸は、10・1外注化阻止に向け、すでに断固たるストライキに立ち上がっている。外注化阻止決戦の火ぶたは完全に切られた。この8月からいよいよ大決戦だ。この外注化阻止の闘いと一体のものとして、国会や首相官邸など霞が関一帯を揺るがす反原発闘争が数万、数十万の規模で爆発し、さらに8・6広島−8・9長崎の反核・反原発闘争が野田政権を痛撃する大闘争として闘い抜かれた。8月大攻勢から11月総決起へ進撃し、日本革命を切り開く闘いが断固開始された。さらに100万の労働者人民の歴史的な決起をかちとり、危機と超反動の日帝・野田政権を打倒しよう。外注化阻止と反原発の階級決戦を闘い抜こう。
(写真 野田首相が出席した記念式典会場を包囲して怒りのコールを響かせた朝のデモ。上関原発建設にしがみつく中国電力本店も直撃した【平和大橋手前】
外注化阻止は労働者の未来を決する階級決戦
8・6ヒロシマ大行動は、反核・反原発の怒りがフクシマ−ヒロシマ−ナガサキ−ビキニ−オキナワを一つに結んで、圧倒的に闘いとられた。ドイツ反原発闘争の総本山・ゴアレーベンと固く連帯し、アメリカの反戦の母、シンディ・シーハンさんからは闘いのメッセージが届き、国際的な反核・反原発の歴史的な大行動ともなった。そして8・6ヒロシマのこの大成功は、何よりも階級的労働運動路線がその中心に座った闘いとしてかちとられ、大きな前進を切り開いたのである。
この地平から、いよいよ10・1JR全面外注化阻止の歴史的決戦に総決起する時が来た。この闘いはJRで働く労働者のみならず、全産別の労働者の未来を決する階級決戦だ。JR千葉支社が7月24日に行った10・1外注化とそれに伴う87人の要員削減提案に、外注化攻撃の悪らつな正体が示されている。
そもそも87人全員が出向となり、そのうち動労千葉は49人だ。しかも外注化提案の翌日、京葉車両センター所長が、京葉車両センターで働く動労千葉組合員に対し、10・1で外注化する仕事の見習訓練を行うことを通告してきた。動労千葉組合員を外注会社に強制出向させるための攻撃だ。絶対に許すな!
10・1外注化攻撃の最大の狙いは、動労千葉の解体にある。JR東日本は、動労千葉組合員を大量に強制出向させて組織破壊を行い、外注化に怒るJR東労組の青年労働者が動労千葉に合流することを阻止して、JR全面外注化を貫徹しようとしているのだ。
この攻撃に対して動労千葉は、8月7日、2人の組合員が見習訓練を拒否して指名ストライキに立ち上がった。自らの首をもかけた命がけの決起が始まったのだ。国鉄分割・民営化を超える歴史的な大決戦に突入した。
動労千葉は2000年の外注化提案以来、12年間も外注化を阻止してきた。これはJRでの外注化・非正規職化を許さないだけでなく、95年日経連プロジェクト報告による「9割非正規化」の大攻撃を、根幹において阻止する階級的力関係をつくりだしてきた。
1047名解雇撤回闘争の解体と労働運動の根絶を狙った2010年の4・9政治和解に対しても、動労千葉は国鉄闘争全国運動を呼びかけ、労働運動の階級的再生の最先頭で闘ってきた。さらに国鉄分割・民営化の不当解雇の撤回を求めた動労千葉鉄建公団訴訟の6・29東京地裁判決では、「解雇は有効」としながらも、同時に分割・民営化は国家的不当労働行為であったことを初めて認定させる画期的な地平を闘いとった。
今やこの動労千葉が勝利してきた闘いが、数十万人規模に発展した反原発の巨大なうねりと結合する時を迎えた。それはまさにプロレタリア革命の現実性を意味する。
この情勢に震え上がったJR資本と日帝ブルジョアジーは、動労千葉解体の意図をむき出しにして、10・1外注化に出てきた。敵は、動労千葉解体とJR全面外注化で、全産別での外注化をさらに激しく推し進め、全労働者を非正規職へとたたきこもうとしている。外注化阻止決戦こそは、日帝ブルジョアジーの延命をかけた攻撃を、労働者階級の総力でたたきつぶす階級決戦だ。
偽装請負と安全崩壊をもたらす一大社会問題
動労千葉はすでに、外注化阻止に猛然と決起している。8月3日には、厚生労働大臣に対し、検査修繕業務と構内運転業務の全面外注化は偽装請負であり違法行為だから、是正措置を求めるという申告書を提出した。
そもそもJR東日本が外注化しようとしている会社には、車両の検査修繕業務や構内運転業務を行う技術・能力・経験はまったくない。JR東日本も「鉄道サービス会社は、9月30日まで鉄道業務に関する技術経験がない」と認めている。だがJR東日本は、千葉支社で87人もの労働者を10月1日から千葉鉄道サービスに強制出向させることで外注化を成り立たせようとしているのだ。いったいこれを偽装請負と言わずして何と言うのか!
労働者を将棋のコマのように外注会社に出向させ、やがては転籍・非正規職に突き落とそうとしているのだ。労働者を何だと思っているのか。しかもこの許しがたい外注化攻撃の先兵になっているのがJR東労組カクマルだ。この連中は、自分たちの利益と延命のためにまたも労働者を資本に売り渡している。JR東日本と東労組カクマルの腐った結託体制を、労働者階級の怒りでぶっ飛ばそう!
動労千葉は「出向協定」を結んでいない。だがJR東日本は、業務命令で強制出向させようとしている。出向を拒否することは解雇にもつながる。だが動労千葉は出向に応じないと宣言している。組合員は自らの首をかけ、人生をかけ、労働者の未来のために立ち上がっている。この動労千葉の渾身(こんしん)の決起の中で、外注化阻止決戦を闘うために国労から動労千葉に加盟する決起が生まれている。労働者の誇りをかけた動労千葉の壮絶な闘いに奮い立ちともに闘おう。
この動労千葉の闘いと一体で、動労水戸が7月30日以降、被曝労働拒否のストライキに決起し、スト破りを拒否する青年労働者の決起を生み出している。この動労水戸のストライキは10・1外注化阻止の闘いであると同時に、被曝労働を絶対に許さない闘いだ。
動労千葉や動労水戸の感動的な闘いを職場や街頭で訴えよう。外注化は偽装請負であり、鉄道輸送の安全崩壊をもたらす。鉄道労働者と乗客の命を脅かす一大社会問題だ。この重大事態を職場や街頭で猛然と訴え、一大政治問題化させよう。
動労千葉を支援する会を職場につくろう。動労千葉物販に積極的に取り組もう。動労千葉と動労水戸に続き外注化阻止・非正規職撤廃、被曝労働絶対反対の闘いを、全産別・全職場で闘おう。
野田政権支える連合を職場から打ち倒そう!
消費大増税のための、民自公3党の腐り切った結託、談合、政争など断じて許せない。もはや労働者人民の議会や議員に対する幻想は完全に吹き飛んだ。労働者人民は、自分たちの団結した闘いのみが社会を変え、歴史を動かし、未来をつくりだすことを闘いの中でつかんできた。反原発闘争に決起し、新自由主義によって破壊されてきた人間的共同性や団結した力を、急速に取り戻し始めている。
ギリシャやスペインのゼネスト決起を始めとして、全世界で労働者人民の闘いが爆発している。資本主義体制は終わりの時を迎え、時代はプロレタリア世界革命の前夜だ。闘う労働組合を10・1外注化阻止決戦でよみがえらせ、原発再稼働、消費大増税、オスプレイ配備強行、そして改憲・戦争の野田政権を打倒しよう。野田政権を支える連合ダラ幹を職場から打ち倒そう。反原発の歴史的なうねりをさらに百万人の巨大な決起へ発展させよう。
今秋決戦の壮大な爆発と11月集会の巨万の総決起に向けて、「原発なくそう! 改憲はばもう! 8・15集会」(要項8面)に結集しよう。
9・16橋下打倒の大阪市役所前大集会に、自治体労働者を先頭に全国から総決起しよう。
外注化阻止決戦と反原発決戦の大爆発へ、革共同にさらなる圧倒的な夏期カンパを! 『前進』夏季特別号で学習し、武装して、歴史的な階級決戦に全力で進撃しよう。
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週刊『前進』(2547号1面2)(2012/08/03 )
“再稼働絶対とめるぞ”
8・6朝記念式典 怒りの大デモ、野田直撃
8月6日、広島の地でフクシマの怒り、核と原発への全世界の怒りをともにする「被爆67周年8・6ヒロシマ大行動」が打ちぬかれた。原爆ドーム前では、早朝から記念式典会場の野田首相を直撃するヒロシマ・アピール集会と弾劾デモがかちとられた。(関連記事4、5、8面)
「野田首相! 福島の子どもを守らないで原発再稼働なんてありえない! ヒロシマ、ナガサキ、フクシマの思いを踏みにじるな! 再稼働を絶対に止めるぞ!」
野田が式典の式台に近づこうとした時、福島の佐藤幸子さんが絶叫した。式典会場までわずか150b地点、元安橋のたもとにデモ隊の先頭が着いた時だ。原発再稼働を強行し核武装を推進する野田が記念式典にのり込み慰霊碑の前に立つ暴挙に対して、一斉に野田弾劾のコールが起きる。そして元安橋から平和大橋までの川沿い400b(地図参照)がデモ隊1千人の旗やのぼりで完全に埋まり、怒りのコールが野田発言をはさむ20分間、式典会場に響いた。
デモ隊は続いて中国電力本社前に登場。中電は許し難いことに島根原発2号機の再稼働と上関原発の建設を強行しようとしている。平日なのに鉄柵シャッターを降ろし、門という門を閉ざした中電資本に怒りが爆発し、徹底糾弾を浴びせた。
先頭が表通りに出ようとしたとき、反戦被爆者の会会長を務め昨年8月19日に被爆の影響によるがんとの闘病の末に亡くなった故大槻泰生さんのご遺族の姿があった。そこから大槻さんの遺影がデモの先頭に立ち、平和大橋から平和公園に入って大勢の式典参加者と感動の合流を果たした。
再びマイクを持った佐藤さんが、「福島の子どもたちの未来を命を守るために再稼働をさせない、野田を倒す。この一つに集結して下さい」 と呼びかけた。
追い詰められた野田は、機動隊を配置しデモ隊列の寸断や沿道の労働者人民との分断を試みたが、完全に粉砕された。式典会場に響いた野田弾劾のコールを聞いて青年がデモに合流してきた。 デモに先立ち、午前7時30分から原爆ドーム前で「核廃絶・全原発廃炉!ヒロシマ・アピール集会」(大行動実行委主催)が開催された。
反戦被爆者の会の下田禮子さん、福島診療所建設委員会事務局長の渡辺馨さん、ドイツ・ゴアレーベン核廃棄物処理場建設反対同盟委員長のマーティン・ドナートさん、NAZEN沖縄の青年労働者、広島大生と福島大生、長崎の被爆者・城臺美弥子さんが闘いを報告し決意を述べた。
「2012年8・6ヒロシマ・アピール」を読み上げる被爆2世の壱貫田康博さんの声が平和公園一帯の人びとを包み、1200人の集会参加者が大きな拍手で応えた。原子力の「平和利用」で分裂を強いられた反核運動をのりこえ、ヒロシマ、ナガサキ、オキナワの怒りがフクシマの怒りと一つになり、首相官邸前を始め反原発の怒りと一つになった歴史的アピールだ。
原爆投下時刻の8時15分、核で命を奪われたすべての人々への黙祷(もくとう)を行った。
(写真 「核と原発をなくし人間としてともに生きられる社会をとりもどそう!」と8・6ヒロシマアピールを発した原爆ドーム前の集会【8月6日 広島市】)---------------------------------------------------
週刊『前進』(2547号1面3)(2012/08/03 )
前進速報版から
▼ゴアレーベン、上関へ▼ヒロシマと連帯し米国でデモ▼8・3官邸前デモ、環境省前も制圧▼政府「意見聴取」で福島の怒りが爆発
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週刊『前進』(2547号2面1)(2012/08/03 )
10・1外注化阻止へ決戦態勢に突入
動労千葉 強制出向粉砕へ指名スト
不当な業務指示に激しい怒り
動労千葉は8月7日、京葉車両センターで働く繁沢敬一副委員長と小林俊雄さんへの不当な業務指示、露骨な組織破壊攻撃に対して、当該の2人の組合員が指名ストに立った。9日、10日にも見習指定された組合員がストに入った。
検修・構内業務の全面外注化に向けた支社提案(7月24日)の翌日、京葉車両センター所長は、上記の2人を含む9人の労働者に対して、突然、仕業検査および西船橋派出の見習を指定した。見習とは配置転換のための教育・訓練だ。
現在、2人の組合員は京葉車両センターの機動班で働いている。機動班は10・1外注化の対象からは外されており、仕業検査は外注化対象に入っている。支社提案直後に見習をやらせる狙いは、2人の動労千葉組合員を強制出向の対象とするためだ。出向に出さない場合でも京葉車両センター本区から派出に出し、動労千葉の影響力を削ぐことを狙っているのだ。あまりに露骨な組織破壊攻撃に、組合員は激しい怒りを燃やして決起した。
(写真 京葉車両センター前に結集しスト突入集会を開催。指名ストライキに入った繁沢さん、小林さんを先頭に怒りのこぶしをあげた【8月7日 千葉市美浜区】)
外注化の出向要員づくりだ
8月7日早朝、組合員と支援は京葉車両センター門前に結集してスト突入集会を開催した。前日までの8・6ヒロシマ大行動に参加した組合員、さらに8時半からの勤務を控えた組合員も含め多くの仲間が駆けつけた。出勤してくる東労組の青年にスト突入を伝えるビラを手渡しながらシュプレヒコールとアピールを繰り返した。
冒頭、長田敏之書記長がマイクを取り「この攻撃は検修全面外注化と一体だ。狙いは明白だ。京葉車両センターから動労千葉の中心メンバーを排除するためだ」と会社の狙いを暴露・弾劾した。
ストに入った繁沢副委員長は「今回の見習指定は、外注化のための出向要員づくりだ。今日の闘いを皮切りに、全面外注化阻止へ総決起しよう」と檄(げき)を発した。7月19日付で動労千葉に加入した小林さんは「国労で30年間がんばってきた。今回、動労千葉に加入したのは絶対に職場を守りたい、仲間とともに闘いたいという一心だ」と述べ、職場の青年に向かって「出向に行くためにJRに入ったんじゃないだろ! 動労千葉に結集してともに闘おう!」と熱く呼びかけた。
外注化の対象となっている幕張支部、津田沼支部、鴨川支部、京葉支部、さらに青年部、動労千葉を支援する会の発言が続いた。最後に田中康宏委員長が、あらためて今回の見習指定を徹底弾劾するとともに、「東労組は、組合員がこうやって出向に駆り出されることを『取り組みの成果』だなんて言っている。仲間を平気で売り渡す労働組合を絶対に許すことはできない。この闘いは、鉄道の安全と、子や孫の世代の雇用がかかった闘いだ。ありとあらゆる闘いで絶対に10・1外注化を止めよう」と訴えた。
動労千葉は、10・1検修構内外注化阻止へ総力決起態勢に入った。この8月が勝負だ。東日本各地の車両センターへのビラまきを、さらに強化しよう。動労千葉を支援する会が発行する『外注化阻止ニュース』は現場でよく読まれ、会社と東労組を揺さぶっている。今回の露骨な組織破壊攻撃も、最焦点のひとつである京葉車両センターで青年の総反乱が起こる現実性への恐怖と反動そのものだ。東労組内部からの反乱を巻き起こし検修外注化を止めよう。非正規職を撤廃しよう。
厚労相に違反申告
“検修外注化は偽装請負”
動労千葉は3日、厚生労働大臣あてに偽装請負の違反申告を行った。違反申告は昨年8月に続いて2回目だが、今回は外注対象となっている仕事を担当している49人の組合員が連名で申告者となった画期的なものだ。
長田書記長を先頭に組合員と支援10人が千葉労働局を訪れ、担当者に趣旨を説明し、早急に具体的な調査と是正措置を行うよう求めた。
申告書は、JR東日本と業務を受託する千葉鉄道サービス(CTS)の双方が現時点でCTSには鉄道業務に関する技術経験はないことを自認していること、87人ものJR労働者を出向させることで初めて成り立つ外注化は明らかな偽装請負であると指摘している。また、すでに構内入れ換え業務の一部が外注化された京葉車両センターで現に起きている偽装請負の実態を告発している。
申告後、動労千葉はDC会館で記者会見を行った。10社が参加しJR東日本での偽装請負問題への関心の高さを示した。
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週刊『前進』(2547号2面2)(2012/08/03 )
動労水戸 除染作業強制に抗議
大子支部が連日のスト態勢
動労水戸は7月30日、JR東日本水郡線営業所運輸科で強行されている気動車のラジエター除染作業に反対して、大子支部の検修職と乗務員の全員がストライキに決起した。この日の作業は中止に追い込まれた。また、ストに入った動労水戸運転士の代替えを巡って、他労組の青年労働者がスト破りを拒否する画期的な事態も生まれた。
翌日からは、検修職の組合員が除染作業のみを拒否する指名スト態勢に入った。当日朝、組合員に除染作業指示が出たらその場で指名ストに入るという連日のスト態勢だ。31日にも1人がストに入り、8月3日、6日、7日と酷暑の中、不屈の闘いが続いている。
JR水戸駅と郡山駅を結ぶ水郡線の気動車は、高線量地域を走行するためラジエターには放射性物質を含むチリが付着する。水戸支社は当初、チリを圧縮空気で吹き飛ばそうとしたが、現場から怒りの声が上がり、1年以上にわたってこの作業を中止してきた。
会社は6月に説明会を開き「高圧水で洗浄すればチリが飛び散らないから問題ない」と作業を強行しようとした。しかし、管理者が行ったテスト洗浄の際には雨ガッパ・ゴーグル・専用マスクの完全防備で作業した。会社も放射能を扱う除染作業であることを自認しているのだ。
動労水戸は「ラジエター清掃は放射能を扱う除染作業だ。特に若い労働者には絶対に作業をさせてはいけない」と要求してきた。会社は「国の基準より線量が低いから問題ない」とあくまで作業を強制してきている。
さらに、会社による重大な汚染隠ぺい工作も発覚した。8月1日、現場労働者が放射線量を測定し、ラジエター除染を行っている場所の排水溝(溜マス)の線量上昇を確認、作業中止を迫った。会社はこれを無視して青年労働者に除染作業を指示した。この日の作業終了後、水戸支社車両グループ副課長、大子運輸科長、助役が突如として、溜マスの汚泥の除去作業を行った。動労水戸組合員がこれを発見し追及すると、「泥が詰まったから掃除しているだけだ!」と猛然と開き直った。いざ作業を始めたら線量が上がったため証拠隠滅を図ったのだ。
また、この間の除染作業はカッパも防護メガネも着用せず行われている。作業着も半袖で水しぶきがかかりっぱなしだ。放射能の不安を訴える現場労働者に対し、安全指導を徹底するのではなく、逆に「このくらいの作業は問題ない」と被曝労働を強いている。
この重大事態に対して動労水戸は3日、会社に対して作業中止を求める緊急申し入れを行った。
他方、東労組常陸大子支部は当初、現場の怒りに押され「安全が確保されなければ清掃作業はやらない」としてきたが、7月24日に会社が作業強行を表明すると、27日の支部大会で支部長が「作業に協力する」と会社に屈服した。現場労働者がまともな装備も付けずに作業させられているのを見てもなんとも思わないのか!
(写真 ストに入り水郡線営業所前でシュプレヒコールをあげる組合員【7月30日 茨城県久慈郡大子町】)
安全丸投げは外注化と一体
こうしたJR東日本の安全無視と無責任は、鉄道会社としての全責任を外注会社に丸投げする、10・1検修・構内業務外注化と一体だ。労働者が被曝しようが、ホットスポットができようが、安全が破壊されようが、その責任は下請け会社に丸投げされる。JR東日本は今後、外注化をあらゆる部門で進めていくと明言している。労働組合が被曝労働も外注化もやむを得ないとあきらめた時、命も安全もより一層切り捨てられていく。
動労水戸は、福島を始め放射能と闘うすべての人びととの連帯にかけて決起している。郡山総合車両センターでは現場労働者が放射能問題と必死に格闘している。福島第一原発の中からも非人間的な収束作業の実態を告発し闘う労働者が現れている。国会前では毎週、数十万人もの人びとが声を上げている。これらの闘いと動労水戸の闘いは一つだ。
反原発闘争で起きていることは職場でも起きている。現実を変える力は職場の労働者の中にこそある。被曝労働への怒りや不安は「おれたちは使い捨てのモノじゃない」という当然の思いだ。
被曝や出向を強制し、労働者をモノのように扱うJRに対し、今こそ腹の底からの怒りをたたきつける時だ。動労水戸は大子支部の連日スト態勢として外注化阻止決戦に猛然と突入した。全国から激励と支援を集中し、ともに闘い抜こう。
(写真 ラジエターの除染作業の様子【8月3日】)
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週刊『前進』(2547号2面3)(2012/08/03 )
国労大会 裏切り本部を徹底弾劾
共に闘う国労の会 伊東市内でデモに立つ
7月26〜27日、静岡県伊東市で行われた国労第81回全国大会に対し、「共に闘う国労の会」は裏切り本部を徹底弾劾し、1047名解雇撤回・検修外注化絶対阻止の決戦方針確立を訴える闘いに立った。
大会前日の25日にはJR伊東駅前での宣伝行動を行い、前日から大会に向かう代議員・傍聴者にビラを配布。また鉄道の安全を損なう外注化反対、浜岡原発を始めとした全原発の廃炉を伊東市民に訴えた。
大会1日目の26日早朝、共に闘う国労の会はのぼりを林立させ、横断幕を広げて大会会場のホテル聚楽前に陣取った。
静岡県警やホテル資本と結託した国労本部は、組合員をホテル敷地内に一切立ち入らせない措置をとった。会場に入ろうとする組合員を暴力で排除する静岡県警の弾圧に、闘う国労組合員の憤激は一挙に高まった。
「外注化阻止へ組合員が全力で決起しようとしている時に、警察に守られて大会を開くとはどういうことだ」「闘争団組合員から組合員籍を奪い、国労の歴史を偽造する本部を許すな」「国労組合員は公安と対決して何度もストライキを貫徹してきた誇り高い労働者だ。解雇撤回・外注化阻止・被曝労働拒否の方針を確立せよ」「動労千葉鉄建公団訴訟判決は、不当労働行為があったことを認めた。われわれは4・9和解絶対反対を貫き闘う」という声が大会会場を直撃した。
全国から結集した組合員は、外注化の結果、労災事故が多発している現実を突き出して、闘う決意をみなぎらせた。
地元の「動労千葉を支援する会・静岡」と神奈川労組交流センターの仲間も、連合加入をたくらむ国労本部を弾劾し、外注化阻止の決戦に立つと、力強く表明した。
昼前には伊東駅前に移動して宣伝行動を貫徹。JRの検修業務外注化反対、原発廃止を訴えるビラが市民に次々と手渡された。伊東駅駅長や横浜支社の職制による妨害を跳ねのけて、宣伝行動は闘いぬかれた。
(写真 全国から駆けつけた組合員が裏切り本部に激しい怒りをたたきつける【7月26日 静岡県伊東市】)
主流派に転じる展望を切り開く
午後には、共に闘う国労の会の主催で「国鉄闘争勝利!原発再稼働反対!7・26総決起集会」が伊東市内で開かれた。基調報告を行った郡山工場支部の橋本光一さんは、「資本主義が崩壊し始める中で、『一人は万人のために、万人は一人のために』という労働者の団結に依拠した行動原理が『自分さえよければ』という行動原理に取って代わらなければ、新自由主義によって崩壊した社会は立て直せない。3・11反原発福島県民集会への取り組みの中で、このことを確信した」と力強く提起した。
5・27臨大闘争弾圧被告団長の富田益行さんや新宿駅分会の白石滋さんを始め、現場の国労組合員の発言が続いた。小倉闘争団の羽廣憲さんと秋田闘争団の小玉忠憲さんは、国鉄闘争と反原発闘争を結合し、解雇撤回へ闘いぬく鮮明な決意を表明した。動労千葉を支援する会・静岡と神奈川労組交流センターの仲間は、JR検修外注化阻止の闘いを労働者の命運をかけた階級決戦として打ち抜こうと強調した。
集会で確信を固めた参加者は、直ちに国鉄闘争勝利と全原発廃炉を訴えるデモに出た。「浜岡原発廃炉」の横断幕を先頭に、「解雇撤回・非正規なくせ」「外注阻止して安全守ろう」「原発廃炉、子どもを守ろう」のコールを響かせて進むデモ隊に、伊東市民の熱い共感が寄せられた。国労大会会場付近にさしかかると、デモ隊は「1047解雇撤回・外注化阻止」の声をひときわ強く張り上げた。
この集会とデモは、地元の伊豆新聞でも報道され、闘いへの市民の関心の高さを示した。
共に闘う国労の会は、国労が本来とるべき方針となすべき闘いを自ら提起し実践して、国労の主流派に転じる展望を大きくこじ開けた。
(写真 市内を進むデモ隊に注目が集まる【7月26日】)
外注化推進の委員長あいさつ
他方、国労本部の石上浩一委員長は、大会で「安全かつ安心して働き続けることのできる明るい職場づくりはJR会社との健全な労使関係なくしてあり得ない」と言い放った。外注化を容認し、JR資本とは絶対に闘わないということだ。彼はまた、「名実ともにJR産別としての社会的責任を全うする」とも述べた。JR連合とまったく同じ言い回しを使って、4・9政治和解を再確認し、資本と権力への屈服をあらためて表明したのだ。
さらには、東日本大震災に触れて、「がれきの処理などいまだ進んでいない状況」とわざわざ言った。JR貨物のがれき輸送を推進し、組合員に被曝労働を強いるということだ。野田政権を支え、ひいては原発再稼働を容認するに等しい。
大会2日目の早朝、共に闘う国労の会は、警察権力の弾圧を跳ねのけて再びホテル前に布陣し、委員長あいさつを徹底批判するとともに、外注化による強制出向絶対反対、偽装請負摘発の闘いを訴える新たなビラを、大会参加者に配布した。
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週刊『前進』(2547号2面4)(2012/08/03 )
新システムは首切り・民営化
自治労全国保育集会で反対訴え
推進する本部に現場の怒り
自治労第33回全国保育集会が8月3〜5日、高知市で開催された。会場の高知県民文化ホール前に、全国労組交流センター・自治体労働者部会の仲間が登場し、全国から結集した1200人の保育労働者、保育現業労働者らに「自治労本部の子ども子育て新システム推進は裏切りだ! 新システム絶対反対の現場からの闘いをやろう。そのためにこそ今集会で徹底論議しよう」と呼びかけた(写真)。2日間で計4回の街宣・ビラまき・署名活動を行い、署名は132筆に及んだ。
1日目の記念講演が予定されていた村木厚子内閣府政策統括官(高知出身の官僚、新システムの制度設計者であり先取り実施してきた張本人)は欠席した。現場の怒りと弾劾の的になることを恐れ逃亡したのだ。
シンポジウムで本部は「公立は残る。幼保連携型認定子ども園への企業参入はなくなった。後は単組、自治体の問題」と単組に丸なげする弁明に終始した。しかし会場は誰も納得していない。
2日目。第9分科会「保育制度改革」で、厚生労働省の幼保連携推進室長の説明に対して交流センターの仲間が先陣を切って質問、「民営化について自治労本部は闘ってきたのか。特定財源が取れなかったんだから公立はつぶれるということではないか。新システムは首切りだ」と分科会の雰囲気を一気に絶対反対へ転換させる。核心を突かれた本部は「どこに解雇などと書いてあるんだ」と食ってかかってきた。さらに「青森では分限免職になっている。明日の自分たちにかかってくる攻撃だ。本部はどう闘うのか」と追及すると答えられない。
本部は現場の切実な訴えに対して法律用語や行政用語を使ってごまかし、現場の苦しみや怒りが言えない雰囲気があったが、われわれの登場がそれをとっぱらい次々と発言を引き出していった。「人員不足で休めない」「何人もの子どもを見ないといけないのでまわらない」などの切実な訴え、怒りに、本部は「単組の交渉次第」と逃げるばかりだ。「認定子ども園法にある政治活動の禁止によって組合活動ができなくなるのでは」「公私連携型認定子ども園は公立つぶしではないのか」という質問にも即答できず、翌日になってようやく「課題だ」「民営化が進むから反対」と弱々しく回答し、無方針ぶりをさらけ出した。
本部は3年がかりで策謀してきた「労組も参加する子ども子育て会議」に幻想を持たせることで一切の怒りを封じ込めようとした。この子育て会議こそ労使一体でさらなる首切り・非正規職化・労働強化にお墨み付きを与えるものだ。われわれの闘いがこの本部の思惑をぶっとばしたのだ。
1日目の夕方に設定した交流会には初めての若い保育労働者も参加し、認定子ども園の現状や狙いについて熱く交流した。2日目の夕方には9・16橋下打倒集会賛同署名を訴えたが、現業旭川集会に続き率先して署名に応じる仲間が多く、入れ墨調査拒否で闘う青年労働者の絶対反対の闘いへの共感と感動の声が圧倒的に寄せられた。
20万人が国会を包囲し、ボロボロの民主党政権の崩壊がカウントダウンに入った。これを最後的に支える連合・自治労本部の裏切りは満天下に示された。いよいよ8月30日から始まる自治労函館大会が焦点にせり上がった。
(関西・YD)
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週刊『前進』(2547号2面5)(2012/08/03 )
訂正
前号2面の動労千葉を支援する会総会記事にある「李東硯さん」は「李東碩さん」の誤りでした。おわびし訂正します。
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週刊『前進』(2547号3面1)(2012/08/03 )
7・29 革共同集会で今秋階級決戦を宣言
若き指導部の登場のもと大成功
7月29日、東京、関西、東北で革共同政治集会が開催された。10・1JR外注化絶対阻止決戦を革共同の一切をかけて闘う決意と態勢を固めた。首相官邸前20万人決起に示される革命的情勢に応え、党の飛躍をかちとる意欲に満ちた青年・学生が新たな指導部として登場、圧倒的な成功を収めた。獄中38年を迎える星野文昭同志から集会へのアピールが寄せられた(8面に掲載)。各地の報告を掲載します。(編集局)
(写真 中央学生組織委員会議長の深田同志の基調報告に聴き入る参加者【7月29日 東京・豊島区】)
“外注化阻止が未来決す”
東京 革命情勢に応え飛躍誓う
東京は豊島公会堂で開催され、880人が結集した。国鉄決戦と反原発決戦を軸にして闘ってきた前半戦を総括し、党の路線への確信を深めるとともに、反原発闘争の数十万人決起に示される革命的情勢の到来に全力で応え、飛躍する決意を打ち固めた。何よりも一切をかけて10・1JR検修・構内業務全面外注化を絶対に阻止するために、動労千葉、動労水戸、国労共闘を始めとする国鉄労働者と固く連帯し総決起することを誓い合った。
この日は夕方から反原発国会包囲行動に決起するため、例年よりも早く午前11時から開会された。開会1時間前には続々と労働者・学生が詰めかけた。
今年の革共同集会の特徴は、青年労働者と学生が大挙結集し、また革共同の若い指導者が先頭に立って集会の成功を牽引(けんいん)したことだ。革共同が「青年・学生の党」として新たな一歩を歩み始めたことを鮮烈に印象づける集会となった。
司会は、法大暴処法弾圧裁判で勝利判決をかちとった新井拓同志と、全学連書記長の坂野陽平同志。基調報告は深田力同志(中央学生組織委員会議長)が行った。
深田同志は冒頭、@JR検修・構内業務の10・1全面外注化絶対阻止、A再稼働阻止・全原発廃炉・野田政権打倒、B8・6ヒロシマ闘争とオスプレイ阻止沖縄県民大会への決起、C獄中38年を迎える無実の星野文昭同志奪還、D21世紀革命に勝利する労働者党の建設という5点の課題を提起し、これに絶対勝利する態勢を本集会で打ち固めようと訴えた。
その上で現在の階級攻防の最大の決戦として国鉄決戦があることを強調、外注化阻止は同時に非正規職撤廃の闘いであると訴え、この決戦は「労働者階級の未来を決し革命の帰すうをかけた歴史的な闘いだ」と呼びかけた。
さらに「大恐慌は、資本主義の寿命がもはや尽きたことを示している。労働者が人間らしく生きられない、こんな社会の延命を許してはならない」「みずみずしい世界革命の思想と運動こそ革共同の真骨頂だ。激しい自己変革をやり抜き、歴史の表舞台に躍り出よう」と熱烈に呼びかけた。党として闘う誇りとエネルギーが内側から沸き立ってくるような、明快で力強い基調報告だった。会場を埋めた全参加者が拍手と「異議なし!」の声で応えた。
続いて「国鉄労働者の決戦アピール」が3人の労働者から行われた。動労千葉の労働者は87人の要員削減提案に対してストライキ、強制出向拒否、偽装請負告発などあらゆる戦術で闘う決意を述べ、動労水戸の労働者は被曝労働拒否へ翌30日からストライキを闘うと表明。国労共闘の労働者は国鉄闘争全国運動と物販運動を水路に、職場で仲間を獲得するために断固闘うと決意を語った。
さらに織田陽介同志が反原発闘争への特別アピールを行った。数十万人が決起している情勢の革命的意義を語り、「人びととともに闘い、学び、意識化して返していくこと」「腹の底から怒り、再稼働阻止・全原発廃炉・野田打倒を実現するために全力で闘うこと」「オーソドックスな共闘、統一戦線」など党の課題を提起し、決起を呼びかけた。
基調報告に先立ち、連帯のあいさつとして、三里塚芝山連合空港反対同盟、星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議、外登法・入管法と民族差別を撃つ全国実行委員会、沖縄戦線で闘う仲間、部落解放を闘う仲間、闘う弁護士から熱い連帯のアピールが行われた。
三里塚反対同盟からは北原鉱治事務局長と萩原進事務局次長があいさつ。萩原さんは、「反原発の巨大な決起の基礎に三里塚の闘いがある。国鉄決戦と反原発と三里塚が固く結び合うことが権力には最も恐ろしい。だから、今こそ三里塚闘争をしっかりと闘おう」と呼びかけた。
熱気が最高潮に高まる中、最後に労働者と学生戦線の決意表明が行われた。郵政、教育、自治体、医療・福祉、合同・一般、マルクス主義青年労働者同盟の労働者が、それぞれの職場闘争の報告と決意を語り、何よりも10・1JR外注化阻止決戦と、党と労働組合の一体的建設のために全力で闘う決意を表明した。全学連の斎藤郁真委員長は、「革命の時代が来た! 革命を切り開く者はいつも若者だ。その役割を全学連は担う。9月全学連大会の圧倒的成功へ」と熱烈にアピールした。
こうして今年の革共同政治集会は、青年・学生を先頭とする党の団結力で歴史的な成功をかちとった。集会後、直ちに反原発国会包囲行動に決起した。
(写真 登壇した三里塚反対同盟。北原事務局長に続いて連帯のあいさつを行う萩原事務局次長)
“労組を奪還する”
関西 9・16橋下打倒へ進撃
関西は大阪市立西区民センターで開催され、全関西から220人が結集、熱気あふれる集会として大成功した。
前半の司会を担うマル青労同の女性同志が意気高く開会を宣言。基調報告に登壇した山本進同志は、まず本集会の決定的位置を鮮明にさせた。
「プロレタリア世界革命に向かって巨大な進撃が開始された。原発再稼働への怒りは、野田を打倒し、社会を変える巨大なうねりへと発展している。社会を変えるためには、今までの労働運動を根底的に変えることだ。核心は、10・1JR検修全面外注化を阻止する闘いだ。これに勝利したとき、日本の労働運動をひっくり返し、プロレタリア革命を切り開く力が生み出される」
そして、次のように提起した。「10・1外注化阻止決戦は労働者階級の未来と革命の帰すうをかけた歴史的闘いであり、革共同のすべてをかけて突入し絶対に勝利しよう。体制内労働組合が外注化・非正規化を推進してきた。動労千葉は12年間阻止し続け、青年労働者の決起を引き出している。外注化阻止・非正規職撤廃の大運動をまき起こし、青年労働者の手に労働組合を奪還し、その力で革命をたぐり寄せよう」「反原発闘争をフクシマの怒りと一体でどこまでも闘う。核心は被曝労働絶対反対だ。9・16橋下打倒全国闘争を職場拠点建設の大前進で闘う。10・1外注化阻止決戦と一体で、11月全国労働者集会大結集への決定的跳躍台としてかちとろう」「拠点建設、党建設の前進が敵階級の新自由主義攻撃を破綻させてきた。党と労働組合の一体的建設をさらに強力に推進しよう」
青年労働者同志が関西地方委員会報告に立ち、「関西地方委は10・1外注化阻止決戦の最先頭に立つ。その中身で9・16を闘おう。拠点建設・地区党建設をかけ職場で勝負しよう。すべては青年労働者の組織化にある」と熱烈に訴えた。
星野文昭同志のメッセージ紹介の後、3本の特別報告が行われた。
まず「八尾北・西郡決戦の報告」。部落解放同盟全国連西郡支部・岡邨洋支部長は「絶対反対の階級的団結で勝利できることを西郡の闘いは示した。西郡支部は全国に羽ばたき、新しい全国組織建設の先頭に立つ。非正規職撤廃を正面課題とし更地化粉砕と一体の闘いとして闘う」、八尾北医療センター労組・藤木好枝委員長は「道州制・更地化、全員解雇・廃院攻撃を絶対許さない。八尾北労組は9・16橋下打倒の闘いの先頭に立つ」と訴えた。
「京大・同学会決戦の報告」は全学連の冨山小太郎君。「今大事なのは時代認識での武装と労働者階級が団結すればこの社会のすべてを取り戻せること。風穴を開けるために同学会を再建した。9・16から11月集会への大結集をつくり出す」と決意を語った。
「6・7弾圧粉砕の報告」を女性同志が行い、「権力の弾圧を労働組合への団結破壊としてはっきりさせ、徹底的に反撃して勝利した。労働組合をよみがえらせる闘いとして攻勢的に闘う」と勝利の確信を語った。
自治体労働者同志がカンパアピール。後半に入り、国鉄労働者が国労大会決戦を報告、10・1外注化阻止は動労千葉、動労総連合、国労共闘が組織拡大するチャンスとしてとらえ全力で決起すると述べた。橋下の処分攻撃と闘う教育労働者は「卒入学式闘争を、地区党・教労委員会での徹底討論を通して団結の拡大として闘った。この闘いを貫いて拠点建設ができる確信をつかんだ。9・16に総決起しよう」と確信に満ちて提起した。
さらに各産別委員会が熱烈に闘いを報告した。「非正規労働者の雇い止め解雇絶対反対で組織を拡大して闘う」(全逓)「橋下の職員規制条例を許さない。橋下は絶対反対の団結を恐れ追い詰められている。9・16の先頭で闘う」(自治体)「職場で非正規労働者の決起が始まった。非常勤労働者の課題を組合として取り組み勝利した。職場における党建設を軸に拠点建設をかちとる」(医療・福祉)「原発再稼働阻止の巨万の決起が情勢を動かしている。プロレタリア革命に転化する闘いが求められている。10・1決戦に勝利しよう」(合同・一般)
マル青労同を代表し橋下の処分攻撃と不屈に闘う自治体労働者同志が、「この1年間で最も決定的だったことは各自が職場で格闘する中で、20万の決起に間に合う革命家になってきたこと。マル青労同は党建設の先頭に立つ」と述べた。マル学同の学生同志は「大学権力を学生が奪う。すべての大学に階級の拠点として自治会を再建する」と決意を明らかにした。
最後に関西地方委員会の同志がまとめと方針提起を行った。
(写真 発言者全員が登壇し団結ガンバロー。9・16橋下打倒闘争から10・1JR外注化阻止、11月労働者集会の成功を誓った【7月29日 大阪市】)
“復興特区と闘う”
東北 時代を切り開く決意
東北は仙台市戦災復興記念館で開催、東北各地から140人が結集した。首相官邸前20万人決起や7・16集会17万人決起という革命情勢の到来に対して、革共同と労働者階級の新たな挑戦として10・1外注化阻止を闘う決戦方針を確立した。
司会は宮城の青年労働者と福島の女性労働者が務め、基調報告を岡崎康史同志が行った。冒頭、7月7日に急逝された女川原発反対同盟の故阿部宗悦さんを心から追悼し、原発、核をなくし、労働者、農漁民、すべての人びとの生活と未来を取り戻すためにともに闘おうと呼びかけた。
そして、新たな歴史的情勢の開始に対して求められていることは、土台から崩れた資本主義社会をつくり直すのではなく、資本家階級がすべてを犠牲にして生きのびようとする帝国主義、新自由主義にノーをたたきつける行動であり、この情勢を感動を持ってとらえようと提起した。次は100万人結集をつくりだそう、それは職場と地域に闘う労働組合をよみがえらせ、外注化阻止・非正規職撤廃、被曝労働を許さない労働運動を強力につくり出すことであり、10・1JR外注化阻止決戦勝利へ動労千葉、動労水戸、国労郡山工場支部とともに決起しようと訴えた。
資本の復興と非正規職しか生み出さない復興特区との闘い、生きていけない農漁民の怒りは、ますます日帝と非和解になっている。原発と放射能汚染から生活を取り戻す、新自由主義からすべてを取り戻すための共同のよりどころとして福島診療所建設の闘いを大前進させることに、被災地の労働者人民が生き抜く闘いの展望があることをつき出した。
連帯のあいさつに、子どもたちを放射能から守る福島ネットワークの佐藤幸子さんが駆けつけた。佐藤さんは、3・11で時代が変わったこと、色々な立場の人に脱原発を伝えていくために、まずは自分が本気であることを態度で示すことが大事だと、福島での闘いの報告を通して語った。参加者は、必死で闘う福島の女たちとともに絶対に原発をなくそうと決意を固めた。
集会のハイライトは国鉄決戦を担う仲間からの発言だった。国労秋田闘争団の小玉忠憲さんは、腐った国労本部から組合を取り戻すと鮮明な決意を語った。国労郡山工場支部の橋本光一さんは、外注化を絶対に阻止する、「みんなは一人のために、一人はみんなのために」という組合をつくり出したいと訴えた。新潟の国労の仲間は、「外注化阻止ニュース」を配布する中で現場に変化が始まったと報告した。
もう一つのハイライトは各産別、戦線からの決意表明だった。マル学同福島大支部を再建した仲間は「敵をあいまいにし学生の決起を弾圧する大学への怒りを解き放って前進してきた」と感動的な報告をした。星野文昭同志のアピールが代読され、奪還への訴えが行われた。さらに女性解放戦線、教労、全逓、自治体、NTT、民間、合同労組の仲間から力強い決意が次々と語られた。
集会を牽引したのは若々しい気概にあふれる青年・学生だった。農民戦線で闘う青年労働者は、大きな労農同盟をつくり出すために闘いたいと決意表明。新潟の青年労働者は、火を噴くようなアジテーションで多額のカンパを呼びかけた。青森の青年労働者は、核燃を止めるために生きてきた故坂井留吉さんの遺志を引き継ぎ、職場からNAZEN運動を闘うと、革共同への入党を宣言した。宮城のマル青労同の仲間は、一進一退の組織拡大の状況に触れ、自分が革命を起こすんだと変わることで、生きるためにともに進む仲間を獲得していくと熱くアピール。最後に、マル学同東北大支部の仲間が、全国学生自治会建設に勝利すると決意を述べた。
情勢に興奮し、時代を自ら切り開く決意にあふれる集会として大成功した。革共同が労働者階級の党であるとあらためて実感させるとともに、闘志むき出しの同志の姿から、革共同、労働者階級の時代がついに来たことを誇らしく感じさせる集会だった。
(写真 革共同・労働者階級の時代の到来を実感し、最後に肩を組みインターナショナルを斉唱【7月29日 仙台市】)
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週刊『前進』(2547号3面2)(2012/08/03 )
郵政非正規ユニオン全国協を結成
“自分の職場を拠点に”
8月5日、広島市広島東区民センターで、郵政非正規ユニオン全国協議会の結成集会が行われ、全国の郵政労働者を始め約150人が参加した。非正規職撤廃を求めて、各地の合同労組で郵政非正規部会の結成と闘いが進んでいることが報告された。
齊藤裕介委員長は基調報告で、昨年8月の東京多摩支店での18人雇い止めに対する労働委員会闘争の進展を報告しつつ、現在郵政当局が進めている4万6千人雇い止め計画との闘いが正念場を迎えていることを訴えた。そして、「40万人の郵政労働者の意識は急速に変化している。それぞれの職場支配権を確立する闘いに突入しよう」と提起した。
広島連帯ユニオン郵政支部、関西合同労組郵政非正規部会、東京のなんぶユニオン、えひめ地域連帯労組などの組合員が発言した。ささいなミスで自主退職を迫られ、これを拒否して闘っている非正規職の仲間や、管理者のパワハラを跳ね返して職場の組織化を進めている仲間の闘いが次々と報告された。
この中で関合労郵政非正規部会の仲間は、「新たに4人の分会員が結集している。職場支配権を打ち立てることが必要であり、新自由主義というこの社会のあり方は許せないという怒りを組織することが勝利の道だ」「非正規職だからとビクビクする時代は終わった。自分の職場を拠点化しよう」と強調した。
最後に、合同・一般労組全国協議会の代表が「1年間の闘いで、郵政非正規ユニオン全国協議会を本格的に組織する出発点を築いた。飛躍をかけて闘おう」と訴えた。齊藤委員長の音頭による団結ガンバローの声が会場に響いた。
(写真 全国の郵政労働者を始め約150人が参加。齊藤委員長が基調報告を行った【8月5日 広島市】)
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週刊『前進』(2547号4面1)(2012/08/03 )
被爆者、福島、沖縄の怒りはひとつ“核廃絶・全原発廃炉へ”
8・6ヒロシマ大行動
“内部被曝・被曝労働に反対、労働組合こそ闘いの先頭に”
独ゴアレーベン反対同盟と熱く連帯
「被曝67周年 8・6ヒロシマ大行動」集会が8月6日午後、広島市の総合体育館小アリーナで行われ、1300人が結集して大成功した。
今年の8・6大行動は、福島第一原発事故を絶対に許さず、ヒロシマ・ナガサキがフクシマと怒りをともにして闘われた。さらに核と原発をめぐる日帝との最大の攻防点である内部被曝と被曝労働の大テーマに切り込む画期的な闘いとしてかちとられた。
集会前半の司会を被爆2世で婦人民主クラブ全国協議会広島支部の井上千代さん、後半の司会を広島大生の百武拓さんが行った。
(写真 1300人のデモ隊が「核と原発をなくそう」と訴え、本通り商店街を行進【8月6日 広島市】)
被爆者が訴え
冒頭、「大行動」共同代表で反戦被爆者の会の下田禮子さんが「今日の集会を皆さんと心を合わせて成功させたい」と心からの開会あいさつを行った。前半の最初に「広島の被爆者の訴え」として、広島県「黒い雨」原爆被害者の会連絡協議会事務局次長の松本正行さんと、高陽第一診療所の患者であるひまわり会の佐々木澄江さんが発言した。松本さんはまず「国は1976年、宇田道隆博士らが作成した降雨図に基づき『黒い雨』の大雨地域を健康診断特例地域に指定し、降雨時そこにいた人に被爆者健康手帳を交付した。この地域指定に対して『小雨地域はなぜ指定しないのか』と運動が起こった」と降雨域を示す地図を掲げて報告した。さらに「2010年、厚労省へ6350人の署名を持って陳情したが、厚労省は認めなかった」と弾劾し、「皆さんと一緒にこの集会を盛り上げたい」とともに闘う意思を表明した。
佐々木さんは「6歳の時に自宅で母、弟とともに被爆した。父は昭和25年(1950年)1月、血を吐きながら亡くなった」と時に声を詰まらせながら被爆体験を語った。さらに自らの乳がんの体験を明らかにして、「福島の子どもたちがとても心配です。皆さんと協力していきたい。行動を起こしましょう」と呼びかけた。
次に福島から、子どもたちを放射能から守る福島ネットワークの佐藤幸子さんが発言に立ち、昨年3月31日の神谷研二の記者会見での発言を弾劾した。さらに「私の中学3年生の娘は米沢に避難していたが『元の学校に戻りたい』と言うので戻した。健康調査は症状を書く欄もなく誰も信用していない。子どもたちの甲状腺検査の結果も開示してもらえない。夏休みに入って、子どもたちは各地に保養に行っている。子どもたちの元気な顔がいつまでも見られるように、ご協力お願いします」と訴えた。
続いて、愛媛県職労委員長の宇都宮理さんが発言した。労働組合として原発に反対するのは被曝労働反対の立場から当然と言い切り、「動労水戸や闘う自治体労働者のように、仲間を被曝させない。業務で住民を被曝させないのが労働組合らしい闘い」と明言した。地元の伊方原発についても「県庁前で金曜日に抗議行動を行っている。8月19日にも集会が予定されている。いよいよの時には大きな集会もあるので参加してほしい」と現地結集を呼びかけた。
会場の割れるような拍手に迎えられ、ドイツから駆けつけたゴアレーベン核廃棄物処分場建設反対同盟の3人の仲間が登壇した。まず委員長のマーティン・ドナートさんがマイクを握って「原子力時代は広島への原爆投下という人類に対する犯罪として始まった。私たちは原発に反対し、核廃棄物の輸送に反対する闘いを続けてきた。現在ではドイツ国民の多数が原発反対の状況です」と報告し、「ドイツ政府は2022年までに原発をなくすと言っている。しかし私たちは即時廃止を求めていく」と固い決意を表明した。
次に前委員長のケアスティン・ルーディックさんが「再稼働反対を全面的に支持する。原子力の平和利用などない。核のない社会の建設へ向け、息長く頑張ってほしい」とあいさつし、最後に日本語で『ゲンパツハンタイ!』『ノダカエレ!』と声を張り上げた。
(写真 ゴアレーベン反対同盟も全原発を直ちになくそうと訴えた)
8・6宣言発表
後半冒頭、カンパアピールが行われた。続いて福島診療所建設のアピールを高陽第一診療所医師の吉田良順さんが行い、「避難が最優先だが、福島に住み続けざるをえない人がたくさんいる。県のやっていることは、命や健康を守ることよりも『心配ない』と徹底させることが目的」と厳しく弾劾した。そして、福島に診療所を建設し、この秋に診療を開始する予定であると報告。「福島県民の意見を聞きながら進める。基金の支援をお願いしたい」と訴えた。
続いて「被曝労働を許さない」として、元全日本運輸一般労働組合原子力発電所分会委員長の斉藤征二さんが発言に立った。斉藤さんは「国は内部被曝をまったく言わない。原発は必要ない。人の命を虫けらのように扱い、労働者を使い捨てにすることを許してはならない」と強調し、「私たちが闘うには、闘う労働組合が必要。これから労働組合が中心になって原発をすべて廃炉にしよう」と先駆的な経験に基づき闘いの方向を示した。さらに「核のない平等な社会をつくっていこう。命ある限り力いっぱい頑張っていく」と気迫に満ちた声で語った。
発言の最後に、反原発と国鉄闘争を闘う労働組合からのアピールを動労千葉副委員長の繁沢敬一さんが行った。繁沢さんは「動労千葉は外注化攻撃と闘っている。これは原発との闘いと一体だ。会社は10月1日外注化を強行すると言ってきた。決戦に入った。明日から動労千葉は指名ストに入る。10月1日では闘いは終わらない。闘いはこれから何年も続く。JRは10年後には本体の検修社員をゼロにする計画を立てている。闘いの中で組織拡大をかちとり、外注化を阻止していく」と決意を語った。
集会も終盤に迫り、呼びかけ人で広島大生の鈴木研也さんが「被曝67周年、8・6大行動宣言」を若々しい声で読み上げた(8面に掲載)。
閉会あいさつと行動提起を、共同代表でセイブ・ザ・イラクチルドレン広島代表でもある大江厚子さんが行った。「昨日のNAZEN大集会、今朝の集会・デモ、そしてこの本集会と、私たちはやり遂げました」と晴れやかな笑顔でガッツポーズ。そして「すべてが腐りきった新自由主義を倒すために、職場で学校で具体的な行動を起こしていきましょう」と確信に満ちて提起した。
集会の大成功のなか、NAZEN事務局次長の富田翔子さんが壇上に立ち「デモに行くぞ!」と力強く呼びかけた。最後に呼びかけ人で島根人類愛善会会長の松浦武生さんの音頭で「団結がんばろう」を三唱した。
集会後、参加者は意気高くデモ行進に打って出た。旗やのぼりを林立させ、元気なコールを響かせる隊列に、広島市民や全国から「8・6ヒロシマ」に駆けつけた労働者民衆が注目した。
平和資料館前での総括集会では被爆者青年同盟の中島健さんが「広島・長崎は福島の怒りをともにする。今こそすべての核と原発をなくそう」と、公園一帯に声をとどろかせて訴えた。呼びかけ人で動労西日本委員長の大江照己さんの音頭で「団結がんばろう」を三唱し、2日間の熱い闘いを勝利のうちに締めくくった。
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週刊『前進』(2547号4面2)(2012/08/03 )
産別集会 “民営化・外注化阻止”
郵政、自治体、教労など交流
5日午後、各産別の全国交流集会が広島市東区民センターで開かれた。
●郵政
郵政産別交流集会では愛媛の郵政労働者が基調報告を行い、郵便局会社と郵便事業会社の「10・1統合」による雇い止め攻撃が切迫していることを訴え、「10・1JR外注化阻止決戦をともに闘い、郵政の職場支配権を握る闘いを前進させよう。反原発闘争の先頭に私たちが立ち、11月労働者集会へ突き進もう」と呼びかけた。岡山の郵政労働者OBも参加し「10人の職場で2人いれば職場支配権は取れる」と連帯のアピールを行った。
また東京の郵政労働者は「民営化から5年、若い労働者が闘いに合流し、現場の労働者意識が確実に変わっていると実感している。職場権力への挑戦を」と訴えた。
●自治体
50人を超える参加で自治体労働者総決起集会を開催した。10・1外注化阻止決戦、反原発決戦と一体で8月末自治労大会(函館)闘争、9・16橋下打倒闘争から11月労働者集会へ、労働組合を再生し職場から総決起していく決意にあふれた。
野田と橋下への怒りが爆発した旭川での自治労現評総会闘争、「総合こども園」構想が大破産し公務員首切り・民営化の本質が明らかとなった高知での自治労全国保育集会闘争の報告、さらに橋下と真っ向から対決して闘う大阪市職青年労働者の戦闘性あふれる報告に加え、労働組合の団結で橋下型労組解体・アンケート攻撃と対決し粉砕した闘いの報告、被曝労働に反対し全原発の廃炉を求める単組としての闘いの報告は圧巻だった。
●教労
「ヒロシマとフクシマをつなぐ8・5教育労働者全国交流集会」が行われた。
基調報告は「動労千葉とともに外注化阻止に立とう」と訴え、大阪から橋下打倒・公務員全員解雇反対の闘いが始まったことを確認し「『教師から教育労働者へ』生き方を転換し、青年を先頭に新自由主義と闘う団結を築こう。9・16橋下打倒集会、11・4集会で再会しよう」と呼びかけた。
福島、大阪、労働組合復権へ闘う青年労働者の3本の特別報告を受け、各地の教育労働者の討論が続き、闘う日教組を現場組合員の手に奪い返すために職場・組合で奮闘しようと誓い合った。
●医療・福祉
医療・福祉労働者交流集会では高陽第一診療所労組の森末一義委員長が基調を提起。内部被曝・低線量被曝の隠蔽(いんぺい)と「核の平和利用」論をのりこえる先頭に医療・福祉労働者が立つこと、「医療特区」攻撃と対決し職場の外注化・非正規化攻撃と闘い本当の医療を奪い返すこと、そのためにもJR外注化阻止決戦を担うこと、福島診療所建設の先頭に立つことを確認。
討論では、「電子カルテ」導入反対の闘いなど全国からの豊かな職場実践が次々と語られた。
広島連帯ユニオン草津病院支部は、獄中に奪われている中山崇志委員長のメッセージを報告。八尾北医療センター労組は9・16橋下打倒闘争を呼びかけた。
●合同・一般
合同・一般労組全国協議会総決起集会には、25労組百余人が参加した。広島連帯ユニオンの鈴木範雄委員長は主催者あいさつで「非正規雇用撤廃のためにも被曝労働を許さない」と発言。基調報告は関西合同労組の黒瀬博匡委員長が行った。
郵政非正規ユニオン齋藤裕介委員長、東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の吉本伸幸書記長のアピールの後、ふくしま合同労組、みやぎ連帯ユニオンの仲間が特別アピールを行った。福島の仲間は「福島では放射線管理区域の中で働いているのと同じ状況だ。8・11集会から福島診療所建設に向かって闘う」と力強く訴えた。
●民間交運、電通
民間交運では、労組交流センター民間交運部会の正式立ち上げのスタートをきる重要な産別交流集会となった。大恐慌と3・11情勢下で部会の立ち上げは待ったなしだと全員で確認された。
電通労働者の交流集会も熱気にあふれた。
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週刊『前進』(2547号4面3)(2012/08/03 )
青年集会 JR外注化阻止へ一丸
動労千葉青年部「組織拡大へ」
「オキナワとヒロシマを結ぶ全国青年労働者交流集会in Hiroshima」が5日夕、広島市東区文化センターホールで開かれた。万余の青年が反原発闘争に決起する中で開かれた今年の集会は、青年の未来と闘う労働運動の再生をかけて10・1JR外注化阻止へ総決起していく場となった。
初めに被爆者青年同盟委員長で広島大学生協労組委員長の壱貫田康博さんが記念講演を行った。被爆2世の壱貫田さんは、被爆者は爆心地からの距離や「黒い雨」の地域で分断され、ビキニの被爆者や原発労働者とも分断されてきたと指摘。それが福島で繰り返されていることに対し「今こそ分断の歴史をのりこえてヒロシマの怒りを解き放つときだ」と訴えた。
続いて広島連帯ユニオン青年部長の井上亮さんが基調を提起、「原発再稼働を強行した野田を打倒し、団結して社会を変えよう。自分も職場でがんばる。JRの青年労働者と固く団結して10・1外注化阻止決戦を青年労働者の未来がかかった闘いとしてやろう」と連合打倒、闘う労働組合の再生を呼びかけた。
オスプレイ配備阻止の闘いの報告では岩国の自治体労働者が発言、沖縄から沖縄北部合同労組の富田晋委員長の連帯メッセージが紹介された。
決戦局面を迎えたJR職場から10・1外注化阻止へ熱烈な決意が表明された。まず動労千葉青年部の2人が職場でねばり強く組織拡大オルグをしていることを生き生きと報告した。「若い人のために」と動労千葉に新たに加入した前国労組合員にも勇気づけられていると語り、「気合い入れてガツガツやっていく。青年部中心にがんばっていく」と力を込めた。
動労水戸の青年は、外注化に賛成した東労組の裏切りを徹底弾劾するとともに、「動労水戸は闘いの経験が豊富」「10・1まで2カ月を切った。後1カ月でいかに青年を獲得できるかが勝負だ。ここですべての力を使い果たす」と組織拡大への決意を述べた。
解雇撤回・契約社員制度撤廃を闘う動労西日本の山田和広副委員長は、岡山駅で契約期間を超えて再雇用されていることについて「契約社員制度は破綻した」と非正規職撤廃への展望を語った。
特別報告では大阪で闘う自治体労働者と被災地の教育労働者が発言。自治体労働者は9・16橋下打倒集会を呼びかけた。「9・16は野田や橋下の10割非正規化、労組破壊攻撃との対決だ。10・1外注化阻止と一体で、闘う労組をつくりだし新自由主義を終わらせる決戦だ。具体的な職場闘争をつくりだそう」と訴え、「入れ墨調査拒否を民営化、処分・解雇攻撃としてとらえて闘えば、国鉄支援陣形のような団結を生み出せる」と壮大な展望を語った。教育労働者は反原発で職場に団結が生まれていると報告。
決意表明では、NAZEN福岡の青年が福島の怒り、官邸前の怒りをともにし野田を倒そうと訴え、医療労働者が職場の外注化攻撃と闘って10・1へ上り詰めると発言。
広島連帯ユニオン青年部副部長の団結ガンバローで集会を締めた。
(写真 10・1外注化阻止、労働運動再生へ、全員で「団結がんばろう!」【8月5日 広島市】)
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週刊『前進』(2547号4面4)(2012/08/03 )
学生集会 “野田を絶対打倒する”
坂野全学連書記長が圧巻の基調
5日、全国学生集会が広島市東区民文化センターで打ち抜かれた。(写真)
冒頭、司会の広島大生・鈴木研也君(全学連副委員長)が「連日の首相官邸前行動に数多くの学生が集まってきている。全国の学生が原発反対運動にふれて自分にも何かできるんじゃないかと集まってきている中で、僕たちも同じ学生として広島に集まってきている。フクシマと怒りを共有して、これまでのヒロシマの反戦反核運動を塗り替えるような闘いをやろう」とアピールした。
反戦被爆者の会の下田禮子さんが連帯のあいさつで「日本は本当にウソばっかり言ってきた。誰も責任を取らない。学生には頑張ってもらいたい」と期待を寄せた。
基調報告を全学連書記長の坂野陽平君が行った。「今回の8・5学生集会、明日の8・6集会を広大生が先頭に立って本当に頑張って開催している」
「神谷研二・福島県立医大副学長(広島大学教授)が1千人以上の福島県民によって刑事告発された。コイツのせいでいま福島県民が殺されようとしているんだってことで、当局にどうなってんだ、あるいは再稼働やめろ、という申し入れをやって、この場に臨んでいる。これを全体で確認したい」
「本当に激しい状況の中で今回の被爆67周年のヒロシマ闘争が行われようとしている。われわれはどういう立場をとるのか。一点です。野田を絶対に打倒する――この確固たる立場をこの集会で固めよう」
「8月1日、福島市で開かれた政府の『エネルギー・環境の選択肢に関する意見聴取会』は『フクシマの怒り』の深さと大きさを示した。『フクシマの怒り』こそが反原発闘争の全国的高揚を切り開いた」
「反原発闘争の空前の高揚と一体となって、原子力ムラの中軸をなす京大から学生の反乱が開始された。9月全学連大会に向かって全身全霊でさらに大胆に、さらに積極的に、さらに広く訴えて行こう」
坂野君の圧倒的な基調報告に会場から万雷の拍手が巻き起こった。
そして福島大、広島大、法大、富山大、東北大、沖縄など全国の大学がこの間の闘いを報告し、全学連大会の歴史的成功に向かっての決意を表明した。
学生集会―ヒロシマ闘争の大高揚から9月全学連大会に全国の学生は総決起しよう!
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週刊『前進』(2547号5面1)(2012/08/03 )
被爆者、福島、沖縄の怒りはひとつ“核廃絶・全原発廃炉へ”
NAZEN8・5集会 “よみがえれ反核運動”
結成1周年に大飛躍を誓う
“真骨頂はこれからだ”
8月5日午後、広島市東区民文化センターで、「よみがえれ反核運動/再稼働ゼッタイ許すな/全原発の廃炉をかちとるNAZEN結成1周年集会inHIROSHIMA」が開かれた。各地のNAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議=な全)の結成と奮闘を担ってきた青年労働者・学生を先頭に720人が結集した。2時間半の終始、解放感のあふれた集会で「闘いはこれから」と固く誓い合った。
司会は事務局次長の富田翔子さんとNAZENヒロシマの青年労働者。冒頭、7・29国会大包囲行動のDVDが上映され、美(ちゅ)ら島沖縄大使で琉球アーティストの宮村みつおさんの三線ライブが行われた。NAZENが持つ大衆的躍動感と自己解放的明るさが早くも会場に満ちた。
開会あいさつは、8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会事務局長の三角忠さん。「NAZENの真骨頂はこれからだ」とし、特に内部被曝と闘う任務を強調した。
続いて、ドイツのゴアレーベンの反対運動の代表が、一連の行動での最初のあいさつに立った。「原子力エネルギーは命に対する戦争だ」「放射能に国境はない」と激しく批判し、ビキニ事件で久保山愛吉さんが「原水爆の犠牲者は私を最後にしてほしい」と遺言に残したことを指摘。こぶしを突き上げて「ゴアレーベンは生きなければならない、日本は生きなければならない」と訴えた。反核・反原発が人類史を塗り替える歴史的闘いであることがあらためて鮮明になった。
事務局長の織田陽介さんが「よみがえれ!反核運動〜NAZEN結成1周年を振り返る、そして闘いはこれから」と題した提起をした。織田さんは、翌日の野田首相来広に対する決起を訴えた上で、1年間の闘いから見えてきた反原発運動の課題、運動の方向性を明らかにし、以下のことを特に強調した。
「原発とめよう」から「原発なくそう」への挑戦が問われているが、根底的な変革のうねりとつながれば不可能も可能になる。被曝労働反対の労働運動は大変なテーマだが、絶対に実現する。被曝労働と核武装は表裏一体であり、今こそ「原子力の平和利用」論を打ち破らなければならない。被爆者も福島も、内部被曝問題で国家・医療界・大学との対決に勝たなければならない。あじさい革命という形で巨万の労働者人民が立ち上がっており、ともに闘いどこまでも発展させるために闘う。すべては具体的な闘いの中でこそ、勝利の道が必ず見えてくる。
最後に、「具体的闘争の中から団結を固め、信頼関係や思いやりを取り戻すような人間らしい運動を」と結んだ。
(写真 NAZEN結成1周年集会に720人が結集、「闘いはこれから」と固く誓い合った。最後に団結ガンバローを三唱【8月5日 広島市東区民文化センター】)
各地の闘いを次々報告
この提起を受け、大きく三つのテーマで発言が行われた。そのどれもが、この1年間の必死で自己解放的な実践の報告であり、NAZENの無限の発展性を示して、感動の渦を巻き起こした。
まず、「福島・広島・長崎・青森・沖縄につらなる反核の闘い」と題し、各地のNAZENからの報告だ。福島からは原発いらない福島の女たち・子どもたちを放射能から守る福島ネットワークの椎名千恵子さんが訪米報告をし、「労働者が立ち上がれば世の中が変えられる、と確信した」と述べるとともに、被曝下の福島の現状を涙しながら訴えた。広島からはNAZENヒロシマ呼びかけ人で被爆者・キリスト者である吉原美玲子さんが、「原発はジリジリ原爆」という言葉を引いて、福島に心を寄せている被爆者の思いを切々と語った。長崎からは被爆者の城臺美弥子さんが、長崎で「被爆体験者」と言われてきた歴史・現実と福島での内部被曝の隠蔽(いんぺい)とは同じだと告発し、汚染がれきとの闘いを報告した。
青森からは八戸の南部バス労組執行委員長の間山正茂さんが、核の基地・青森の現実を暴露して「資本主義を壊滅しなければならない」と断罪した。沖縄からはうるまユニオンの富田沙織さんが、「人の命などどうでもいい」とする福島・沖縄への攻撃と非正規化に対する青年の怒りを述べ、全駐労ストの先頭に青年と女性が立っていることを報告した。
さらに「被曝労働と闘う労働組合」として、労働組合での闘いが報告された。動労水戸の木村郁夫書記長は被曝労働絶対反対の相次ぐストライキについて述べ、「青年労働者を絶対に守るという立場こそ労働者の思想だ」と呼びかけた。
元原発労働者で元全日本運輸一般労組原発分会分会長だった斉藤征二さんは、「被曝を分け合って原発を支えている」原発労働者に思いを寄せながら、労働組合も地域住民も心を一つにして闘おうと訴えた。さらに自治体労働者が、給食をめぐって子どもたちと労働者自身の被曝をともに許さない闘いに取り組んでいることを報告し、「被曝労働をさせられて労働組合はだまっていていいのか」と労働組合のあり方が根本から問われていることを鋭く提起した。
(写真 福島・広島・長崎・青森・沖縄から反核の闘いを報告。発言者は福島の椎名千恵子さん)
今秋福島診療所建設へ
続いて、「いよいよ今秋!福島診療所建設へ」と題して医師の杉井吉彦さんが渾身(こんしん)の訴えをした。集会に参加した医師も登壇して、診療所建設の熱意を示した。杉井医師は「10年、20年たって起こるであろう内部被曝」を直視し、福島に徹底的にこだわり続けるとともに、全国でも被曝した人とつながろうと訴え、医療関係者を始め全国の援助で診療所を建設しようと決意を込めて呼びかけた。
集会のまとめを弁護士で元日放労長崎分会委員長の鈴木達夫さんが行い、「時代は変わりつつある、いや変わった」と述べ、今後の具体的方針を次のように提起した。@官邸前や1000万人アクションを100万デモへ発展させるために闘う。伊方原発の再稼働阻止。A「黒い雨」と福島をめぐる内部被曝との闘いを具体的に行う。診療所建設の中身を豊富化し全力推進する。B原発労働者の権利を守り、放射線がれき=被曝労働の拡散に反対し、職場での被曝労働反対を組織化する。11月労働者集会など労働組合を組織化する運動にも連帯する。C沖縄とつながり反戦・反核闘争を闘う。10月の青森・六ケ所デモと三里塚集会に集まる。
最後に「団結ガンバロー」を三唱し、NAZEN2年目の大飛躍が始まった。
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週刊『前進』(2547号5面2)(2012/08/03 )
7・29反原発 20万人が国会包囲
(写真 国会正門前の全車線を労働者人民が占拠。国会前は解放区となった【7月29日 千代田区永田町】)
7月29日、国会包囲行動が闘われた。午後7時25分、国会前一帯の歩道を埋め尽くした労働者人民が警察の規制を突破し一斉に車道に飛び出した。それは一瞬のことだった。国会前の9車線の道路が200bにわたって完全に解放区となった。
これまでの人生で経験したこともない全身からわき上がる解放感。そして国会に向かって進んで行く爽快(そうかい)感。「再稼働反対!」「野田を倒せ!」。鳴りやまぬシュプレヒコールと歓声、太鼓のリズム……。大飯原発を再稼働した野田をたたきのめせ。東電や原子力村の連中、政治家や官僚ども、この連中を打ち倒さない限り労働者人民は生きられない。その巨万の怒りがついに大爆発したのだ。
20万人の労働者人民は国会前だけでなく、国会周辺から官邸周辺をも包囲した。
国会前では、警察は慌てふためき阻止線を張り、機動隊バスを国会正門前に並べた。「警察は弾圧をやめろ!」。デモ隊の抗議の声が周辺を揺るがした。その時だ。許し難いことに警察は2人の参加者を逮捕した。
この日は国会包囲行動に先立ち、午後3時半には国会近くの日比谷公園に労働者人民が大結集、東電本店と経産省を万余のデモ隊が直撃した。
7・29はまさに歴史が動いた瞬間だったのだ。
(写真 国会正門前に押し寄せる巨万の人波)
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週刊『前進』(2547号5面3)(2012/08/03 )
8・3 国会・官邸前に8万人
原発に対する労働者人民の怒りはより巨大な炎となって燃え広がっている。8月3日、のべ8万人の労働者人民が首相官邸前―国会前、そして今回は環境省前を埋め尽くした。
国会前では、小学5年生の男の子と母親が、大きな声で「再稼働反対!」と叫んでいた。子どもは「毎週金曜日にやっているのを知っていたので、今日来たかった。原発なくしたい」とはっきりした声で話す。
NAZENも織田陽介事務局長を先頭に「原子力規制委員会人事撤回! 田中俊一は辞めろ!」「再稼働反対!」の大コールをあげ闘った。
福島集団疎開裁判を闘っている人たちは、午後4時半から文科省前で行っていた抗議行動に引き続いて国会前で集会を行った。福島の女性は「毎週毎週、福島の今を伝えに来ています。私たちの命と健康が脅かされていることを東京の皆さんはもっと自覚して欲しい」と訴えた。
警察はより警備を強化した。参加者を分断し、歩道さえ通行止めにした。集会の誘導員をしていた女性は「警察の規制がひどくなり、かえって歩道が混雑して危ない。国民の権利だから車道も解放すべき」と話した。
午後8時に官邸前行動が終了。その後、環境省前に数千人が集まり、原子力規制委員会人事案の白紙撤回を求める抗議行動を行った。「田中俊一は『100_シーベルトまでは健康に影響ない。住民は放射線と折り合いをつけて住んでいくことが重要だ』と言った。そんな人に規制委員会の委員長は任せられない」と怒りの声が上がる。9時6分、環境省は人間の鎖で完全に包囲された。
100万人の怒りで霞が関を埋め尽くそう。
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週刊『前進』(2547号5面4)(2012/08/03 )
“元の福島を返せ”
8・1福島意見聴取会 細野担当相に怒り集中
8月1日、政府主催の「エネルギー・環境の選択肢に関する福島県民の意見を聴く会」が、福島市の福島テルサで開かれた(写真)。全国9番目となった福島での意見聴取会は、他会場のようにあらかじめ意見の選択肢を設けず、発言者も3倍近い30人とされた。当然にも意見表明のほぼ全員が「直ちにすべての原発をなくせ。廃炉にしろ」というものであり、4時間半に及ぶ福島の怒りの爆発の場となった。
「反省するべきはあなたたち政府であり東電だ。なのになぜ再稼働なんですか!?」「15%とか25%とか、そういう数字の問題じゃないでしょう! 労働者が命を削って作らなきゃならないエネルギーなんて、おかしいでしょ!」「再稼働で野田首相は『私が責任をとる』と豪語したが、福島の事故で誰が責任をとったのか。原発を廃止することが事故の本当の責任の取り方だ」「(聴取会は)原発再開のアリバイづくりではないか」「命あっての経済であり再稼働はおかしい」「大飯原発の再稼働にいたっては、『国民の生活を守るため』と野田さんは言いました。私たち福島県人は、国民ではないのでしょうか!?」
冒頭から、野田政権による「事故収束宣言」と、関西電力大飯原発の再稼働に批判が集中した。そして浪江町や富岡町から避難して仮設住宅暮しを余儀なくされている人たちの、怒りと涙なしには聴けない切実な訴えが続いた。「ふるさとを返してください!」「元の福島を返してください!」「今、何を、どんな選択をしても、本当に手遅れなんです。この苦しみを他の地域の人に広げちゃいけない、これからの世代の人に広げたくない。だから原発はなくすしかないんです」
最後に壇上に上がった細野豪志原発事故担当相が、「福島と、できる限り、みなさんと一緒にやれることが何かということを、政治家である限り、これからも追求をして歩んで参りたい」と発言すると、参加者から「原発を止めることだよ! それしかないだろう!」と怒号が飛んだ。会場の怒りは頂点に達した。
終了後には傍聴者が数十人で細野に詰め寄り、「この悲しみ、怒りを思ったら再稼働なんてあり得ない」「事故も収束できないで何が再稼働だ」と怒りをぶつけた。
この日、絶対非和解の「フクシマの怒り」の根底性をあらためて実感するとともに、この怒りを必ずや野田政権打倒に結びつけ、反原発・外注化阻止決戦の勝利を実現することを心に誓った。
(福島・W)
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週刊『前進』(2547号5面5)(2012/08/03 )
2012年日誌 7月24日〜8月6日
保安院「玄海1号機は健全」/オスプレイ10月運用動かず
●10都県でストロンチウム 東京電力福島第一原発の事故後、大気中に放出された放射性ストロンチウム90が福島、宮城両県以外の10都県で確認された。文部科学省が発表した。(24日)
●F22、嘉手納に再配備 米国防総省のリトル報道官は、最新鋭ステルス戦闘機F22について、近く沖縄県の米軍嘉手納基地への一時配備を再開する、と発表した。(24日)
●玄海1号機は「健全」 経済産業省原子力安全・保安院は、停止中の九州電力玄海原発1号機(佐賀県)の原子炉圧力容器が予想以上に老朽化しているとの指摘に「十分に健全だ」とする検証結果をまとめた。(27日)
●防衛白書、中国軍に強い警戒感 森本敏防衛相は閣議で2012年版防衛白書を報告。白書は「中国海軍の太平洋進出が常態化」と明記。(31日)
●原発暫定基準「不十分」 原子力規制委員会の国会同意人事をめぐり、衆参両院の議院運営委員会で、初代委員長として内閣が提案した田中俊一・前内閣府原子力委員長代理に対する所信聴取が行われた。田中氏は政府が4月に決めた暫定的な安全基準は不十分と指摘し、再稼働した大飯原発に「活断層があれば停止」と述べた。(1日)
●原発事故、告訴受理 東京電力福島第一原発事故をめぐり、福島、東京、金沢の各地検は東電幹部や政府関係者に対する業務上過失致死傷容疑などでの告訴・告発を受理した。(1日)
●エジプト新内閣発足 民衆革命後、エジプト初の民選大統領に選ばれたムルシ大統領は、カンディール首相による内閣を発足させた。同胞団系とテクノクラート主体の組閣。(2日)
●首相、増税案10日採決指示 野田佳彦首相は民主党の輿石東幹事長と会談し、消費増税関連法案の参院本会議採決を10日に行うよう指示した。自公を除く野党7党は採決前に内閣不信任決議案を提出することで合意。(3日)
●オスプレイ10月運用動かず 森本敏防衛相は米国防総省でパネッタ米国防長官と会談。米軍が沖縄に配備する新型輸送機MV22オスプレイは安全性が再確認されるまで日本国内で飛行させないことで一致。パネッタ氏は10月初旬の沖縄での本格運用先送りを否定。森本氏はオスプレイに試乗。(3日)
●意見聴取会、原発ゼロ支持7割 政府が全国11カ所で開いたエネルギー政策の意見聴取会が終わり、2030年までに原発ゼロを求める意見が7割を占めた。(4日)
●平和記念式典で首相あいさつ 野田首相は広島市の平和記念式典で「脱原発依存の基本方針のもと、中長期的に国民が安心できるエネルギー構成の確立を目指す」とあいさつ。(6日)
●広島「黒い雨」の援護地域拡大せず
野田首相は「黒い雨」の援護対象地域拡大を求める広島の被爆者7団体の代表に「放射線被害があったとは考えられないと報告されている」とし、拡大は困難との見方を示した。(6日)
●原発事故会議映像、加工し開示 東京電力は福島第一原発現場と本店を結ぶテレビ会議の加工映像の部分開示を報道機関向けに始めた。(6日)
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週刊『前進』(2547号6面1)(2012/08/03 )
9・16橋下打倒集会へ
民営化=全員解雇 絶対反対! 非正規職撤廃! 労組つぶし許すな
新自由主義と対決する労働運動を
9・16橋下打倒集会の呼びかけが発せられた。橋下徹大阪市長の「大阪都構想」=道州制攻撃による大阪府・市丸ごと民営化、公務員全員解雇=総非正規職化と労組解体、更地化の大攻撃に対して、怒りの反撃が現場から巻き起こっている。10・1JR外注化阻止決戦と一体の橋下打倒の闘いは、新自由主義攻撃の核心である外注化・非正規職化攻撃を打ち破り、階級的労働運動を再生させる巨大な突破口を開く決戦だ。全国で始まった橋下型攻撃と闘いぬいて組織化を進め、9・16集会に総結集しよう。以下、集会実行委員会のビラ本文と呼びかけ人3人のアピールを転載します。(編集局)
時代は動き出した!
7月16日、代々木公園17万人の集会とデモ、さらに「再稼働反対!」「野田やめろ!」と20万人の労働者・民衆が首相官邸から国会議事堂前一帯を完全に埋め尽くしています。
「既存の体制はなくなってほしい。早く新しいまともな人たちによる政府をつくってほしい」(参加者)――社会の根本的な変革まで終わらない、戦後革命期以来の大規模な決起が始まっています。
新自由主義はすでに破綻している!
野田政権は、原発再稼働・被曝労働の強制、消費大増税、オスプレイ配備、改憲・戦争攻撃に突っ込んできています。とりわけ7月6日、「国家戦略会議」は、「40歳定年制。有期雇用が基本」と、10割非正規化の攻撃を打ち出しました。
これに対して、労働者は「もう我慢できない! 自分たちの未来は自分たちできめる!」と怒りを噴出させ、極限的な新自由主義攻撃に対する非和解の決起を始めています。
橋下による「公務員全員解雇」と闘おう
橋下は、「大阪都構想」= 道州制攻撃をもって、地下鉄・市バス・水道・ゴミ収集・幼稚園・保育所・公立病院・公立学校など大阪府・大阪市を丸ごと民営化し、360万公務員全員解雇=総非正規職化の先頭に立っています。
その攻撃の核心は労組の解体破壊です。労働者の誇りや団結をたたきつぶし職場支配権を労働者から奪いとるために、労組事務所のたたき出し、処分の乱発など、資本の金もうけのためにやりたい放題をやっています。
さらに橋下は、部落差別を切っ先に労働者を分断し、「歴史的に終止符を打つ」(橋下)と解放会館など解放運動の拠点を2年後に全廃し、地域全体の更地化と民間への売却を狙っています。
闘えばどんな攻撃にも勝てる!
こんな攻撃の前に現場労働者が黙っているはずがありません。橋下との闘いのカギは、「全員解雇」攻撃を受けている公務員労働者が現場から反撃し闘いの軸となることです。そしてここでこそ闘う労働組合をよみがえらせることにあります。
すでに大阪市職でも、大阪市教組でも、闘いを放棄している労組執行部を突き破る現場からの闘いが始まっています。斎場労働者は解雇攻撃と闘い、「解雇撤回」を求める裁判闘争に立ち上がっています。
また八尾北・西郡では労組の絶対反対の団結を軸に地域ぐるみの決起をつくり出し、八尾北医療センター明け渡し(診療所廃止=全員解雇攻撃)裁判における全面勝利判決をかちとりました。
闘えばどんな攻撃もはね返せるのです。
10・1JR外注化阻止決戦と一体で
外注化=非正規職化を核心とする新自由主義攻撃は、国鉄分割・民営化攻撃から本格化しました。そのJRでは、外注化阻止・非正規職撤廃をかかげた青年労働者の未来をかけた決起が始まり、国鉄分割・民営化に決着をつける闘いに発展しています。
9月橋下打倒の闘いは、JRでの「10・1」外注化阻止と一体となって、労働運動の総反撃にうってでる闘いです。
労働者が地響きをたてて決起する情勢が始まってます。この中でこそ、闘う労働組合の拠点をつくり、新自由主義と対決する労働運動をつくっていきましょう。
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(写真 8・6ヒロシマ大行動。先頭中央が赤田さん、後ろ左側が藤木さん、右側2人目が沼田さん)
赤田由行(大阪市職員労働組合)
橋下による「入れ墨調査」に対して、自分を含めた労働者がこれを拒否し、橋下の解雇攻撃を断固迎え撃とうとしている。組合執行部と職制は声を合わせて「提出することがあなたのためだ」という。うそをつくな! 入れ墨を口実とした「配転」とは、国鉄の「人材活用センター」攻撃と同じ、解雇攻撃ではないか。全員にかけられた攻撃ではないか! 絶対反対で踏ん張る存在が一人でもいれば、あらゆる問題をチャンスにして、労働者全体が真剣な議論に入る。そのなかから、闘う団結は必ず生まれる。
沼田祐子(大阪市教職員組合)
私は卒業式に「君が代」の起立・斉唱の職務命令に従わなかったことをもって、戒告処分されました。これに対して、人事委員会に不服申し立てを行っています。この処分攻撃は、私個人の問題にとどまらないと思います。橋下は「教育の民営化」=「公立学校教員の非公務員化」のレールを実質的に走りだそうとしているからです。まずは、被処分者を今後の解雇者名簿の筆頭に載せようとしているのです。1人への処分・解雇は、全員解雇の始まりです。労働組合は組合員へのいかなる不利益をも許さず、処分攻撃と闘うべきです。
藤木好枝(八尾北医療センター労働組合)
八尾北明け渡し判決での全面勝訴は、橋下、道州制の足下でかちとられた決定的勝利だった。労働組合のもつ力にみんなが自信と確信をもった。「国や行政と闘っても勝てない」という体制内的な考えを打ち破って、おかしいものはおかしいと、絶対反対の非和解の団結を固めて闘えば必ず勝てるということを示した。さらに橋下は「部落解放運動拠点を2年後全廃」と言って、差別をつかって労働組合・労働運動そのものをたたきつぶす攻撃をかけてきているが、この勝利は、「このように闘えば勝てる」という展望を一気に切り開いた。
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【要項】
9・16橋下打倒集会
9月16日(日) 午後2時開会
大阪中之島公園・女神像前(大阪市役所南側 地下鉄・京阪「淀屋橋」徒歩5分 集会後、御堂筋デモ)
主催 9・16集会実行委員会
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週刊『前進』(2547号6面2)(2012/08/03 )
“控訴棄却は不当”
5・11関西宇部弾圧 関生支部が闘争宣言
7月27日、全日建運輸連帯労働組合関西地区生コン支部に対する5・11関西宇部弾圧控訴審判決公判が大阪高裁で開かれ、高英男副委員長ら13人の被告への控訴棄却の反動判決を言い渡した。
関西生コン支部は、「関西宇部事件の控訴審判決は控訴棄却という許しがたい不当な判決だ。労働組合活動の正当性を審理せず有罪というひどい一審判決に比して、一部労働組合活動の正当性を認める『補正判決』ではあるが、一審の有罪ありきの判決を支えるための言い訳じみた判決内容だ」(高副委員長)と徹底弾劾し、新たな闘争宣言を発した。
5・11関西宇部弾圧とは、一昨年5月14日、関西生コン支部が春闘で交わした労働協約の履行をめぐってセメントメーカー宇部興産の直系子会社関西宇部に対して行った抗議行動を「威力業務妨害だ」として、1年余りもたった昨年5月11日、大阪府警が高副委員長を含む役員と組合員13人を逮捕した大弾圧だ。
この大弾圧は、関西生コン支部が一昨年7月〜11月、139日間にわたって闘いぬき、大阪府下3大プロジェクトの工事現場を数カ月間ストップさせた生コン業界史上初の大ゼネストに対する、資本・権力が一体となった階級的報復弾圧だ。
大阪地裁・坪井祐子裁判官は昨年12月1日、「威力業務妨害」とされた関西生コン支部の行動が「労働組合活動」であったとしながら「その目的の正当性を検討するまでもなく違法性を阻却しない」という暴論で、13人の被告全員に対し、懲役6月から1年2月、執行猶予3年という有罪判決を下した。裁判所自らが、憲法28条で保障されたいわゆる労働三権を否定し犯罪視した、超反動判決だ。破綻的危機にあえぐ新自由主義を救済しようとする、司法権力によるむき出しの労組破壊攻撃(=改憲攻撃)だ。
被告団を先頭とした関西生コン支部、弁護団は、控訴審の全過程を貫いて一審判決の反動性、不当性を徹底的に批判し弾劾しぬいた。追い詰められた大阪高裁は「目的の正当性を検討しなかった一審判決は誤り」と認めざるを得なくなった。
裁判長は、「大谷生コン問題の解決」と「09春闘」が関西生コン支部の「行動の目的」だったと認めた上で、当日の行動の「正当性を検討する」「審理」のポーズを取らざるを得なかった。
しかし結局は、「関生支部の行動は威力業務妨害だ」「違法性を阻却しない」とこじつけ、関西生コン支部の控訴を棄却したのだ。
7・27控訴審判決は、「労組破壊」「有罪ありき」をむき出しにした一審判決を「補正する」ポーズをとってはいるが、「控訴棄却=全員有罪」を貫いた反動判決だ。敵・資本は、階級的労働運動の前進と拡大に対する恐怖でグラグラだ。関西生コン支部と団結して闘いぬこう。
(写真 関生支部の2010年のストは大阪の主要な建築現場を操業停止に追い込んだ【写真は梅田北ヤード】)
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週刊『前進』(2547号6面3)(2012/08/03 )
野田の「日本再生戦略」粉砕を
「全員有期雇用」「40歳定年」 外注化阻止決戦で打ち破れ
日帝・野田政権は、昨年10月28日、野田佳彦首相を議長とし、主要閣僚や日銀総裁、経団連・米倉弘昌会長、連合・古賀伸明会長らが出席する国家戦略会議を発足させた。7月6日に「フロンティア分科会報告」を公表し、31日にはそれまでの「新成長戦略」に代わる「日本再生戦略」を閣議決定した。
その内容は、資本の「解雇自由」、全労働者の非正規職化に向けた階級戦争攻撃そのものだ。
「坂を転げ落ちる日本」への恐怖
日本再生戦略に先立って公表されたフロンティア分科会報告には日帝ブルジョアジーの危機感が露骨に表明されている。
「現代は、坂を転げ落ちていく暗い将来を迎えるのか、それとも世界やアジアにおける日本の役割を高めつつ、人口や経済において安定した社会を実現できるかの岐路にある」
この脱落への危機意識を振りかざして「旧習にとらわれない」新たな国家ビジョンが不可欠であると主張しているのだ。
日帝ブルジョアジーは絶望のふちにある。唯一の延命策としてあった新自由主義は、未曽有の大恐慌と大震災、福島原発事故に行き着いた。国鉄と反原発を焦点に、巨大な労働者反乱が始まった。しかし支配階級には新自由主義以外に取るべき政策はない。
「日本再生」の展望などない。やろうとしていることは原発再稼働と同じだ。労働者人民の極限的犠牲の上に資本の延命を図って雇用と生活を破壊し尽くす。社会全体を再生不能の破滅に導く絶望的な最末期帝国主義の姿をさらけ出すものだ。
「復興特区」・規制緩和の極限化
日本再生戦略は「被災地の復興を日本再生の先駆例へ」として、「復興特区や民間資金の十分な活用を図りながら、新産業の創出などを先取りして実施」し、「前例のない税制特例(新規立地新設企業を5年間無税とする措置)や大胆な規制緩和を認める」とし、「公共サービス改革(市場化テスト)、行政改革など新たに取り組みを拡充する」とした。まさに被災地を食い物とする「復興特区」・規制緩和、民営化攻撃の全面化である。
「柔軟な雇用・解雇ルール」
フロンティア分科会報告の「40歳定年制」の主張はマスコミでも驚きをもって取り上げられた。
「企業内人材の新陳代謝を促す柔軟な雇用ルールを整備する」「定年制を廃し、有期の雇用契約を通じた労働移転の円滑化をはかる」「場合によっては、40歳定年制や50歳定年制を採用する企業があらわれてもいい」(分科会報告)
「人材の新陳代謝」とはなんだ。労働者は新陳代謝で使い捨てにされてかまわないということか。そこにあるのは利潤を唯一絶対の基準とする資本の論理そのものだ。
50歳定年制はすでにNTTが10年間にわたって労働者に強制してきた。NTT資本とそれに協力するNTT労組本部は、高年齢者雇用安定法によって定年年齢は60歳を下回ってはならないとする規制をすり抜けるために、“50歳で自主退職し子会社への転籍・3割賃金カットか、全国・遠隔地への強制配転か”の脅しで労働者に退職・転籍の道を選ばせてきたのだ。
分科会報告の唱える40歳・50歳定年制とは、法規制自体を廃止するとともに、文字通り全労働者を「解雇自由」の使い捨て労働、有期雇用にたたき込む大攻撃である。
これら総体が究極の外注化・10割非正規職化攻撃である。「『正規―非正規』に二分された就労形態の解消」とは、総非正規職化による無権利・超低賃金化以外のなにものでもない。
JR東日本が10・1検査修繕・構内業務の全面外注化の強行、子会社への出向・転籍の強要を行おうとしているのは、まさにこの攻撃の先取りだ。動労千葉を先頭とする闘うJR労働者が、職場の団結と組織拡大を武器に絶対反対で闘いぬいている10・1外注化阻止決戦には全労働者の未来がかかっているのだ。断固、闘おう。
社会保障解体と増税・収奪強化
日本再生戦略は、社会保障制度の解体と増税、収奪強化、公共部門の民間開放・営利化を一体的に進めようとしている。
「生活保護、失業保険など、これまでのセーフティネットのあり方や役割分担を整理統合していく」「現在の年金制度も改めるべき」「給付の削減や負担増を継続的に進め、できるだけ早い段階で……社会保障制度を改革する」「歳出削減、経済成長、増税などの負担増という3つのアプローチがあるが、これらのどの要素が抜け落ちても財政健全化は達成できない」(分科会報告)とぬけぬけと主張している。
「能動的な平和主義」でアジアへ
日本再生戦略のいま一つの歴史的踏み込みは、「能動的な平和主義」を掲げ、軍事力の強化と安保強化、戦争国家化をむき出しの形で進めようとしていることだ。
「アメリカや価値観を共有する諸国と安全保障協力を大幅に深化させ、ネットワーク化する」「集団的自衛権に関する解釈など旧来の制度慣行の見直し等を通じて安全保障協力手段の拡充を図る」(分科会報告)
昨年10月23日の第1回国家戦略会議において安住淳財務相は、内需拡大への絶望をあらわに以下のように言ってのけた。
「今さら、内需と言っても、もちろん、高齢化型社会に対応したものを開発するというのも大事ですけれども、結局、われわれはアジアに向かって、人口の多い地域に向かって同じ条件で同じフィールドを広げてクオリティの高いものを作っていく。一方、その富を我が国の方に還流させてライフサイクルを豊かにしていくということに尽きる……。その中で貧困を解決し、格差や高齢化社会に立ち向かうべきだと思います。ですから、歴史上、大英帝国の成熟期と同じように、外での本当に莫大な富を国内に返していくような循環の道、こうしたものをしっかりとツールとしてつくって、先ほど言ったように世界の中で魅力ある国家にならないと、この先なかなか厳しくなる」(議事録より)
まさに、帝国主義の対外侵略の典型的な主張そのものではないか。「坂を転げ落ちる日本」への恐怖は、アジアの市場・権益の確保とそのための改憲と戦争への突進にまで行き着くのである。
階級的労働運動を復権し闘おう
10・1JR全面外注化阻止決戦と反原発闘争の爆発、階級的労働運動の荒々しい登場こそ、労働者階級の回答だ。
新自由主義攻撃への怒りを倍加させて闘う労働組合を再生し、職場生産点での当局・資本との死闘に勝ちぬこう。野田政権を打倒しプロレタリア世界革命へ、11月労働者集会の巨万の結集をかちとろう。
(大迫達志)
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<フロンティア分科会報告から>
・我われが生きる現代は、坂を転げ落ちていく暗い将来を迎えるのか、それとも世界やアジアにおける日本の役割を高めつつ、人口や経済において安定した社会を実現できるかの岐路にある
・企業内人材の新陳代謝を促す柔軟な雇用ルールを整備する/定年制を廃し有期の雇用契約を通じた労働移転の円滑化をはかる/40歳定年制や50歳定年制を採用する企業があらわれてもいい
・生活保護、失業保険……年金制度も改める/給付の制限や負担増を継続的に進め……社会保障制度を改革する
・アメリカや価値観を共有する諸国と安全保障協力を大幅に深化させ、ネットワーク化/集団的自衛権に関する解釈など旧来の制度慣行の見直し等を通じて安全保障協力手段の拡充を図る
・TPP/グローバル特区/徹底的な規制改革
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週刊『前進』(2547号6面4)(2012/08/03 )
【要項】全学連第73回定期全国大会
全学連第73回定期全国大会
9月5日(水)〜6日(木)、東京都内
参加費1000円(会場代、資料代など。宿泊費は除く)
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週刊『前進』(2547号7面1)(2012/08/03 )
野田=民自公3党結託打倒し消費大増税実施粉砕ヘ闘おう
労働者階級の生活破壊を許すな
8月10日、消費増税関連法案が参院本会議で可決・成立した。民主党・野田政権と民自公の3党結託によるこの暴挙は断じて許すことができない!
だがこれによって野田は日本労働者人民の怒りの火に油を注いだ。野田・民主党はもとより3党合意で消費増税を推進してきた自民党、公明党などブルジョア政党、さらに財界、マスコミ、連合などへの怒りと不信感は、多くの人びとを直接行動へと駆り立てている。それは日本帝国主義を倒すまで終わらない闘いのうねりだ。
青年労働者の未来奪う攻撃
今回成立した法案は、現在5%の消費税率を、2014年4月に8%、さらに15年10月に10%に引き上げるというものだ。この増税が実施されれば今にもましておびただしい人びとが生活の困窮に追いやられ、命を奪われることは、火を見るよりも明らかだ。
消費増税は日本労働者階級に対する徹底的な賃下げ、リストラ、生活破壊の攻撃である。とりわけ失業・半失業状態に置かれている労働者を苦しめ、非正規職にしか就けず苦闘する青年労働者たちから未来を奪う。これが消費増税の本質だ。
現在日本では、生活保護受給者が210万人を超えている。日帝は、生保の「不正受給」を非難するキャンペーンを組織している。消費税の引き上げは、こうした生活に困窮する人びとや年金生活者などをえじきとして収奪する。
この増税の実施で真っ先にダメージを受けるのは、納税義務者である中小企業だ。大半の事業者は税率アップ分をそのまま価格に転嫁できず、差し当たり自ら負担するしかなくなる。生き残りをかけてあらゆるコスト削減を強いられる。それは当然、人件費削減、人員削減へと向かう。労働者への首切り、賃下げ、非正規職化の大攻撃となって襲いかかるしかない。
今年上半期、従業員5人未満の企業の倒産は倒産件数全体の70%を占め、過去20年間で最悪を記録した。全労働者数の約7割が中小企業で働いている中で、消費増税の実施が何をもたらすかは明らかだ。そしてこの消費増税に対し、いち早く賛成を表明した連合の罪は、決定的に重大だ!
「社会保障と一体」は虚構
「消費税は薄く広く負担を求める公平な税制であり、政府にとって安定した財源だ」としきりと強調されている。これはとんでもないウソとインチキだ。そもそも世界大恐慌のもとで日帝の財政が超巨額の負債を抱えている中で、「安定した財源」などどこにもあるはずがない。この消費増税は、労働者人民を一層徹底的に収奪し、財界・大企業の救済を図り、資本主義社会の体制の延命を追求するというものだ。支配階級が自ら招いた大恐慌と財政破綻のツケをなぜ労働者が負担しなければならないのか! 労働者庶民が身ぐるみをはがされて「日本経済の再生」だと!
野田はこれが「社会保障と税の一体改革」だと強調し、高齢化社会への対応、医療・介護の整備、さらに震災復興や原発事故への対応としても増税をやると主張する。マスコミに頻繁に登場し、大仰なパフォーマンスで「誰かが負担しなければ給付はない」と人民を脅しつけ、「政治生命をかける」とアピールしてきた。恥知らずな言動もいい加減にしろ! この一つひとつが虚偽であり欺瞞(ぎまん)だ。
野田政権がやってきたことは何か。福島原発事故が継続し危機が恒常化している中で、原発の海外輸出を決め、国内では原発再稼働を推し進めてきた。農業に壊滅的打撃を与えることを百も承知でTPP参加を推進してきた。事故が頻発するオスプレイの配備を認め、沖縄では普天間基地の名護・辺野古への移設を米帝と一体で進めてきた。
野田の政策のことごとくが日本の労働者人民、とりわけ福島・沖縄の人びとを苦しめ、危機と不安の中にたたき込むものだった。野田が「国民生活」を口にする資格は1ミリもない。
原発・基地への怒りと結合し
野田は、米帝の世界戦略との一体化を限りなく追求しながら、日本帝国主義・支配階級の延命を策している。このあからさまな反人民的政策の数々に、民主党は求心力を失い、大量の離反者を次々と生み出している。
自民党は公明党とともに「3党合意」で消費増税に率先協力しながら、民主党と野田政権の支持率低落につけ入り、「今選挙をやれば自民党が勝てる」という願望にすがり、土壇場まであわや3党合意も崩壊かという腐臭に満ちた茶番劇を演じてきた。だが結局はブルジョアジーの利害に沿って、野田との一蓮托生(いちれんたくしょう)ぶりをさらけだした。支配階級は消費増税への人民の怒りを抑え込む自信も確信もなく、大動揺のふちにたたきこまれている。「法案成立」で、野田政権は宿願達成どころか、一層政権崩壊の危機にあえいでいる。
労働者人民の怒りの先頭に立ち、外注化阻止決戦と反原発決戦を推し進め、日帝・野田政権を打倒し、消費大増税の実施強行を粉砕しよう!
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週刊『前進』(2547号7面2)(2012/08/03 )
動労水戸・石井委員長が訪米
被曝労働拒否のストに熱い共感
昨年10月からの動労水戸の被曝労働拒否ストライキ・職場闘争は全世界に電撃的に伝わった。サンフランシスコのレイバーフェスタは動労水戸の石井真一委員長を招き、7月16日「福島原発と労働運動」という集会を開いた。世界の核・原子力支配を根本から覆す国際的団結が強まった。
(写真 石井真一委員長【右端】はゼルツァーさん【左端】司会のラジオ番組に出演【7月16日 サンフランシスコ・KPFAスタジオ】)
職場ストで原発と闘う労働組合
ILWUローカル34(国際港湾倉庫労組第34支部)は03年以来、日本の11月労働者集会に毎年参加してきた。その組合ホールで集会が開かれた。
発言者も同支部執行委員ラッセル・ミヤシロさん、ローカル10元執行委員ジャック・ヘイマンさん、UTU(統一運輸労組)ローカル239元議長ブライアン・ルイスさんなど、労働運動の現場指導者が軸となった。
まず、レイバーフェスタの主催者で司会のスティーブ・ゼルツァーさんが、「私の知る限り職場でストライキなどで原発と闘っている労働組合は全世界で動労水戸だけだ。これが反原発闘争を切り開いている」と動労水戸を紹介し、石井委員長は圧倒的な拍手で迎えられた。
ウラン採掘から始まって原発のすべてが労働者の労働に依存している。だから、腐敗したダラ幹が支配している大労組が原発を推進しているが、職場で被曝労働拒否で闘えば原発を止められる。全世界の労働運動の現状を覆せる。参加者全体がこれに確信を持った。
20万人首相官邸包囲の感動語る
石井委員長は6月29日20万人の首相官邸包囲に参加した感動を語り、戦後革命期以来の闘いの息吹を伝えた。十数時間前の7・16代々木公園17万人集会はアメリカでも報道されていて、日米同日集会の意気が高まった。
石井委員長は、昨年10月ストライキで、3・11以来広野駅に放置された電車の検査修繕を阻止したこと、3月いわき運輸区で被曝労働拒否の意思表示をした女性労働者にそれを強制した会社にストで反撃したこと、そして今、水郡線でラジエター清掃の被曝労働が強制されようとしていることを報告した。特に昨年10月の闘いで青年労働者1人が決起し、動労水戸に加入したことを報告した時、大きな拍手が起こった。
発言の終わりには全員がスタンディングオベーションで感動を表した。
続いて「原発いらない福島の女たち」の椎名千恵子さんが放射能汚染の現実を切々と語った。「安全だ」と宣伝するために子どもたちにマラソン大会などの行事をさせている。症状が出て被曝の影響ではないかと福島の医者に訴えても取り合ってもらえない。特に子どもたちを守る診療所を建設したいと協力を訴えた。皆、身を乗りだして聞き入った。
椎名さんは7月7日以来連日、各地で講演、福島の現状と闘いを伝え、共感を広げてきた。その中でサンオノフレ原発、ディアブロキャニオン原発の地元反対運動と密接な関係がつくられた。
ローレンス・リバモア研究所(核兵器開発を担っている米国の二つの研究所のうちの一つ)の地元で闘ってきた団体、トライバリー・ケアズの代表、マリリア・ケリーさんは、「アメリカでも政府、核兵器・原子力業界の圧力で沈黙の壁が作られている」「フクシマの子どもが行事にかりだされ利用されているように、リバモア研究所の労働者も『安全』宣伝のためにマスクなしで労働させられている」「労働組合としての闘いが重要」と発言した。
(写真 7・16集会で最後にインターを歌う。右から椎名千恵子さん、石井さん、ゼルツァーさん)
「ムミア・星野」イベントに参加
14日、石井委員長は、レイバーフェスタの「労働運動とムミア・星野」というイベントに参加した。日米の労働運動と政治犯解放運動の連帯のためのイベントだ。
99年にムミア・アブ・ジャマルさんの死刑阻止のために、西海岸全港湾封鎖を先頭で組織したジャック・ヘイマンさんらが、政治犯解放運動が階級的労働運動の再生に大きな役割を果たしたことを語った。また星野文昭さんの奪還を訴える妻・暁子さんのビデオメッセージが上映された。
7月16日朝には、スティーブ・ゼルツァーさん司会のラジオ番組に石井委員長が出演した。このラジオ局、KPFAのスタジオで、ILWUの船員部門、IBU(内国船員労組)のサンフランシスコ地域の委員長、セッキターノさんと出会った。今年も金門橋フェリーのストライキで闘っている組合だ。福島第一原発事故の実態を真剣に聞いてくれた。
16日午前、裁判所労働者のストライキに遭遇し、ピケットラインにともに立った。そばを通る車が連帯のクラクションを鳴らしていく。この地域の労働者の連帯感と誇りの高さも、労働運動の闘いの中でつくられてきたものだ。
今回の訪米で特に共感を呼んだことは被曝労働拒否、外注化=非正規職化反対闘争で組織拡大をしていることだ。ここに世界の新自由主義との闘いのポイントがある。10・1JR外注化を阻止し、国際連帯をさらに発展させよう。
(写真 裁判所労働者のストライキに合流。広げた動輪旗が注目の的に【7月16日】)
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週刊『前進』(2547号7面3)(2012/08/03 )
TPP交渉参加阻止を
アジア市場再編・独占狙う米帝
日帝はTPPと日米同盟で延命策す
原発再稼働、消費増税、オスプレイ配備などを次々と強行する野田政権は、新自由主義の最後の延命策としてTPP(環太平洋経済連携協定)交渉への参加強行へと突き進もうとしている。TPPとは何か。単なる貿易ルールでも農業だけの問題でもなく、たった1%の日米のブルジョアジーが、クーデター的な手法で、国内外にさらに徹底的な新自由主義攻撃をかけるものだ。
(写真 TPP参加交渉国会合に対し市民団体などが大規模な反対の声を上げた【7月7日 米サンディエゴ】)
新自由主義の破綻と米帝の対日争闘戦
TPPとは、参加するアジア太平洋地域の各国に関税障壁の撤廃や投資、金融、労働者の移動、知的所有権などの広範な分野での規制の緩和、民営化などを強制し、労働組合を破壊するものである。
TPPは第一に、自由貿易主義をうたうWTO(世界貿易機関)を使った新自由主義攻撃の頓挫という情勢下における、米帝の凶暴で激烈な帝国主義間争闘戦政策である。それは「新軍事戦略」と一体で、とりわけ日帝に対し屈服を強い、「解体」を要求するに等しい攻撃だ。
「自由化」を掲げてきた新自由主義が、「国際規準」ではなく囲い込み競争を始めているという点で、TPPはもはや「グローバリズム」でも「自由」でも何でもない、新自由主義の末期的政策である。その末路は世界戦争なのだ。
第二に重要なことは、TPPが日米同盟の飛躍的強化として強行されようとしているということである。米帝がTPP交渉への参加を決断した09年は、日本の自民党政権が民主党政権に交代し、鳩山(小沢)政権が日米同盟を相対化し中国との関係を重視する方向に動き始めたときであった。当時の米帝のTPP戦略は、日帝を争闘戦的に排除したアジア・ブロックの形成に向かっていたことは明らかである。
この事態を一変させたのが、世界大恐慌のもとでのさらなる米帝の没落と3・11東日本大震災・福島原発事故である。3・11は原発を推進してきた日米同盟の新自由主義の決定的な破産であった。これを放置するならば、米帝が主導してきた核支配政策が完全に破綻し、アジアにおける米帝の影響力は後退し、中国の台頭を促す。この危機の突破をかけて発動されたのが米軍が主導したトモダチ作戦であった。
さらにそれに続いて、米帝ブルジョアジーが先頭に立って日本経団連と一体となるシンクタンクを設立し、日米同盟を基軸にする日帝の戦略を研究し、強力にアドバイスし始めた。それがジョセフ・ナイやリチャード・アーミテージらが参加する米国戦略国際問題研究所(CSIS)と日経新聞が設立したバーチャル・シンクタンクである。
“復興政策を資本の利益に従属させよ”
野田政権が今やっていることは、驚くほどにこのシンクタンクの提言そのものである。ボーイング社の会長兼CEO(最高経営責任者)のジム・マクナリーと経団連会長の米倉弘昌が序文を書いているCSIS報告「復旧とより力強い未来のためのパートナーシップ」では「息を吹き返した日米同盟」を掲げ、一切の復興政策を資本の利益に従属させることが日本国民の国際的な使命だと宣言し、「災害救助と災害予防、マクロ経済と財政再建、エネルギー、健康、同盟関係、そして市民社会」という広範な分野にわたって「提言」を行っている。そこでは経済復活の要として「安定したエネルギー供給、税制改革、規制緩和、そして貿易自由化」を挙げ、被災地に資本のための特区をつくることを成長のモデルにすると言い切っている。農業政策については、同シンクタンクは貿易の自由化を「食料安全保障」だとし、さらに「農業の構造改革」と称して「農地の転用許可の厳格化」(推進だ!)、「農地利用権の信託制度の整備・証券化」を唱え、農地を資本が自由に支配し投機の対象にできるようにしようと主張している。
さらに重大なことに、米帝式の労働協約関係を日本に拡大し、労働組合の力を決定的にそぐことが画策されている。原発再稼働も、消費増税も、オスプレイも、TPPも、すべて日米同盟の強化として、日米資本の要求に沿って強行されている。
世界銀行やIMF(国際通貨基金)は、これまで食料を自給してきた農業国に債務返済のための換金作物(バナナ、サトウキビ、綿花、コーヒー、パームやしなど)の生産を指導し、アメリカの余剰穀物の販路としてきた。
米帝支配下で「食と農」を徹底的に破壊
とりわけ穀物はあらゆる食品に加工されるようになり、家畜の飼料としても、さらには自動車の燃料にまで使われることによって、急激に消費量が増え、価格が高騰し、アメリカ帝国主義にとって欠くことのできない戦略産業となっている。とりわけこの間のバイオ燃料の拡大や投機マネーの流入などの穀物価格の高騰誘導によって世界中の貧しい国々では、たちまち飢餓に陥るようになってしまった。穀物資本は、飢餓をつくってボロもうけしているのだ。
アメリカの多くの農民は、モンサント社が作る遺伝子組み換え作物の種子の購買を強制されるなど、農業生産に必要な手段においても、農作物の販売においても、巨大資本の支配下に置かれている。アメリカの種子・農薬・化学肥料などの資本・商社は、国内における農民の支配と一体で、米帝政権と癒着しながら世界各国の農業への支配を拡大している。
このような構造を強化したのが、「生命」にまで工業製品と同様の特許権を認めた知的財産権の拡大や、NAFTA(北米自由貿易協定)による域内貿易の自由化である。NAFTAによって、例えばトウモロコシの原産地であったメキシコにアメリカの安いトウモロコシが流入して多くの農民が離農に追いやられ、「不法移民」としてアメリカの工場で低賃金、非正規で強搾取されるという構造を生みだした。こうして作られる大量の安い食料品は労働者の再生産費を決定的に引き下げ、労働者を非正規職化して極限まで賃金を引き下げることを可能にした。
TPPに基づき関税がゼロにされたとき、沖縄では主要作物であるサトウキビの生産は壊滅すると言われている。
資本による農業支配の拡大は、いまや大規模な環境破壊や危険な食べ物の氾濫(はんらん)となり始めている。最先端のバイオテクノロジーを駆使した最新の農業生産物は、生命の営みとは相反する化学肥料や農薬、抗生物質が充満する化学工場の製品と化し始めている。見た目はきれいでもかつての農作物とはまったく違う成分でできた野菜。ほとんど病気寸前の状態で飼育されている家畜からとられる牛乳や肉。大量に使われる化学肥料は農地や自然を破壊し、うち捨てられた農地はさらに環境や農村まで破壊し始めている。種がとれない野菜が満ちあふれ、食べた虫を殺す遺伝子組み換え農作物、除草剤でも枯れない農作物を人間が食べ続けている。これにたくさんの食品添加物や化学物質が加わり、さらに原発から流れ出た放射性物質が農作物を汚す。資本による農業の支配は、農民のみならず、人類全体をも絶滅しかねないところに追いやろうとしているのだ。
労農連帯で世界の人民とともに反撃へ
しかし何よりも重要なことは、アメリカ帝国主義の足下で労働者がTPPに反対して立ち上がっていることだ。御用組合のナショナルセンターであるAFL−CIO(米労働総同盟・産別会議)ですら、TPPは失業と外注化を推進するとして反対している。とりわけ昨年、日本の伊藤忠商事が参加するEGT社によるアジア向けの巨大穀物エレベーター(貯蔵施設)での労組破壊攻撃に対しILWU(国際港湾倉庫労組)が実力で反撃したことは、TPP攻撃との最先端での労働者の闘いとして歴史的な意義をもっている。このILWUの決起にアメリカの農民団体である「家族農場を守る会」が、「ILWUが海外向けのスト破り穀物を阻止していることは、アメリカの納税者に巨大な貢献」と連帯声明を発している。
「このままでは生きていけない!」。これが世界中の農民の切実な怒りの声だ。この怒りと労働者が結びついたとき、プロレタリア革命は現実のものになる。TPPはきわめて凶暴であると同時に、きわめて脆弱(ぜいじゃく)だ。なによりも日本の交渉参加がいまだに決められず、その秘密主義、デタラメな内容や決定プロセスをめぐってすでに農民を先頭に広範な怒りが拡大している。
被災地の農民の闘いと歴戦の三里塚闘争、そして動労千葉を軸とする労農同盟の意義はあらためて明確になっている。今年の11月労働者集会をTPP粉砕の国際的労農同盟の発展をめざして闘いぬこう。
(国木田亨)
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週刊『前進』(2547号8面1)(2012/08/03 )
団結ひろば 投稿コーナー
国労大会にぶつけたデモで闘う力を実感 静岡 高杉和夫
国労大会が開催された静岡県伊東市で、開催期間中の7月26日に集会とデモがあった。共に闘う国労の会や静岡労組交流センターなどが呼びかけた。今年はデモもやると聞いて、喜び勇んで参加した。
期待した以上に、デモはよかった。「1047名解雇撤回を闘う国鉄労働者と共に、解雇撤回・原発反対を叫ぼう!」というデモだ。炎天下、われわれ自身が激しく火を噴き上げているようなデモだった。車の運転席からも声援。家から出てきて拍手。子どもたちがはしゃぎながらついてくる。伊東は海辺の静かな温泉地。69年アスパック闘争思い出の地だ。
集会では、国労秋田闘争団の小玉さんが、「あのホテルでやっているのは大会ではない。この集会こそが本来の国労大会だ」と述べていた。その通りだと思った。基調報告は、国労郡山工場支部の3・11福島県民集会への取り組みの教訓などが生き生きと語られ、圧巻だった。外注化反対で支部が一致しているというのは、大したものだ。
この集会とデモの力はすごかった。翌日、地元紙・伊豆新聞に「闘争勝利訴え行進」「国労の会総決起」の3段の見出しの記事が3段の写真入りで載った。
集会の前日には、地元の労組を訪問した。7・16反原発集会・デモを報道した『前進』を出すと、みな喜んで「行きました」「行きました」と盛り上がる。そして、「買いますよ!」。別の労組では、委員長が金庫から代金300円を出してきた。
国労で闘う労働者同志集団との交流がこんなに密着してできるなんて、こんなに幸せなことはない。少数派が世の中をひっくり返してきたんだ。よし、頑張るぞ!
現地調査、集会、援農三里塚は革命の拠点 関西・学生 K
7月7日〜9日、三里塚で現地調査、集会、反対同盟の方たちとの交流会、援農に参加しました。この3日間、三里塚でつかみ取ったこと、それは革命を行うということにおいて三里塚での闘争を絶対に主軸にすえていくことが、学生運動、労働運動を飛躍させ続けるということです。それがあたり前の運動としてブルジョア国家権力と真っ向から闘える気概になると思う。
援農に行かせてもらった鈴木さん宅で聞いた三里塚の壮絶な闘争、農地買収で農民を分断して追い出すという攻撃は、いま僕たちが直面している京大同学会に対する当局の圧力と一体ではないか。三里塚農民の土地を奪ったのは政府・国家権力じゃないか。そういう怒りが三里塚を通してつかみとれた。だからこそ、国家権力、大学当局の圧力に対して徹底的に打倒するという立場で登場し、勝利したい。
三里塚は革命の原点であり、その運動を連鎖的に普及させていく、そのことが革命を遂行する力だと確信した。だからこそ、京大同学会で2万3千人の学生と真正面で議論していく。そしてその中身をほかの大学に輸出し、当局と闘える学生自治会を次々に生みだしていく。そのことにしか展望はない。絶対非和解で当局と闘い、勝利する。大学内にはびこる御用学者を打倒し、大学を学生の手に取り戻そう!
「LCCは安全だ」と主張する関実に怒り 関西 NM
7・1関空反対闘争で、「関実がLCC(格安航空)は安全だと言っている」と聞いたので、関実のブログを開いてみた。5月17日ブログだったがまったくその通りだった。
4月に東関道で起きた「格安バスの大事故からの類推で危険だという論が出ていますが、そうなのでしょうか」と反問して、「LCCは安全だ」「新しいビジネスモデル」だと賛美しているのには本当にあきれた。
関実は、航空会社を経営する資本家の側から物事を考えている。「(LCCの)サウスウエスト航空は、不況の中でも利益を出し続けている」「航空自由化の中で生き残ったビジネスモデル」と絶賛している。これでは、空港に反対する理由はない! 「もっともうけられるような会社をつくれ」と資本家を応援する立場でしかない。
私たちは、労働者の側から情勢を見る。LCC資本の下で、労働者がどれだけ強労働を強いられて、低賃金で働かされ、安全も破壊されているのか、ここを問題にする。
4月29日に起きた格安バスの悲惨な事故は、小泉の規制緩和でバス会社を増やしたため、ダンピング競争が起こり、勝ち残るために運転手に低賃金で無謀な深夜連続運転を強要したために起きた事故で、明らかに資本の責任だ。
LCC資本は「命より金もうけ」の典型だ。空港にいる時間を40分にまで縮め、その間にパイロットや客室乗務員に、掃除や点検まで何役もやらせ、飛び立っていく。
運賃を安くしたのは、人件費を削ったからだし、整備など安全を犠牲にしたからだ。これを賛美する関実は、「空港反対」を言う資格はない!
弁護士会の公文書を抹消する徳島刑務所 徳島 仙田哲也
7月30日、徳島刑務所による星野文昭同志に対する差し入れ妨害に対して、徳島・星野文昭さんを救う会、徳島医療福祉労働組合など6者の連名で「わたしたちは、徳島刑務所によるたび重なる人権侵害に強く抗議します」という緊急アピールが発表された。
さらに同日、救う会は「暑さ対策」を求める請願書と一体で、徳島刑務所への申し入れ行動を行った。
県庁で行った記者会見は、徳島新聞、毎日新聞に報道された。
6月22日に徳島弁護士会から徳島刑務所に出された「人権侵害」事案の改善を求める勧告書の閲覧が刑務所当局によって妨害されていることが7月の星野暁子さんと星野文昭さんの面会で発覚したのだ。
緊急アピールは、「受刑者の家族が、受刑者に郵送した弁護士会の勧告書まで、徳島刑務所は閲覧し『一部抹消をしないと受刑者には渡さない』としています。/受刑者は、社会復帰にむけて生きている、私たちと同じ人間です。外部交通により、正確な情報を知り、自ら判断することは人間として最も大切なことです。/これに対し、人権侵害を行った当事者である徳島刑務所が、自身への改善勧告書を閲覧し、一部抹消する。こんなことがあってはなりません。/徳島刑務所が、非人間的な人権侵害行為をやめ、受刑者に人間らしく接するようにもとめます」と訴えている。
星野同志は、一部抹消を断固拒否して闘っている。徳島刑務所が無条件で星野同志に「勧告書」を交付するよう労働者人民の怒りを集中しよう。
今回の暴挙に対して、地元徳島の元地方議員、人権団体会員、労働組合、個人など今までの星野救援運動を礎にしつつ、さらに広い陣形がつくられ発信された。目の前で団結がよみがえっていくさまは感動のきわみだった。
JR外注化阻止の決戦の夏、沖縄のオスプレイ阻止闘争と一体で、全証拠開示大運動を全国で推し進めよう。徳島刑務所の弾圧を打ち破り、自由な友人面会を再開しよう。東京高裁への波状的闘いを組織し、星野同志を奪還しよう。
パート導入にストで対決した基地労働者 元基地労働者 金城正夫
7月13日、全駐労沖縄地区本部(6500人)はAAFES(エーフィス)職場における再雇用労働者へのパート制度導入撤回(米軍は7月1日から実施)を求めた第1波24時間ストを決行しました。全駐労ズケラン支部のAAFESの労働者1600人がストライキに入り、マリン支部と空軍支部の労働者も一体となって闘いました。米軍基地内のAAFES職場のある15カ所のゲートにピケ隊を配置し、AAFES職場を完全に止めました。
AAFESの当該の現場労働者(青年・女性労働者の多い職場)28名がズケラン支部を動かし、全駐労沖縄地本を動かしてストライキは実現しました。
私も2007年の全国統一スト(第1波、第2波)から4年ぶりに基地ゲート前でピケ隊としてともに闘い、ストライキの本部が置かれたキャンプフォスター・米軍司令部前の集会に合流し、多くの組合員と討論・意見交換を行いました。
米軍は「基地内の組合活動の禁止」と「懲戒処分」をちらつかせた弾圧と分断をしかけ、スト前の7月11日には、ストライキ当日のすべての基地労働者の年休を無給とする攻撃をかけてきました。基地労働者はこの弾圧をはね返し、「パート制度導入撤回署名」と「職場オルグ懇談会」をかちとってストライキ態勢をつくりあげました。
ストライキ本部での集会には、700名余の組合員が結集。当該の女性労働者は怒りをもって「パート導入を許したら、半分の賃金でどうやって生きていくのか。若い人たちにこんな制度は絶対に残したくない」と発言をしていました。参加者全員がAAFES職場の闘いは、自分たちの問題、すべての基地労働者の問題だと考えています。パート制度導入を撤回させるまで、第2波、第3波を打ち抜いて、勝利まで闘う決意を固めています。
沖縄地区本部は「1961年全軍労結成」と「1968年十割年休行使=実質的ストライキ」の当時の資料を、青年労働者に配布しました。当時の全軍労は「十割年休闘争」への処分攻撃を粉砕した経験をもっています。今回のストに対し、米軍と政府は報復処分を明らかに狙っています。
基地労働者は直感的にとらえています。AAFES労働者への攻撃が、すべての基地労働者を外注化と非正規職に突き落とすものであると。これとの闘いは、オスプレイ配備を阻止する闘いと一体です。まさに基地労働者が動く時、沖縄が動くということです。
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週刊『前進』(2547号8面2)(2012/08/03 )
デッチあげ弾圧を粉砕
転向強要を許さず奪還
7月24日、広島県警・警視庁公安部によって「免状不実記載」(注)をデッチあげられ不当逮捕されたAさんが、8月3日午前、勾留されていた広島西警察署(広島市西区)から釈放された。
国家権力は、どこまでも高まる再稼働反対の怒りのデモが8・6ヒロシマでも爆発し、記念式典に来る野田を直撃しようとしていることに恐怖して、デタラメなデッチあげ弾圧を強行してきたのだ。しかし、権力は最初から何の展望もなく、取り調べも「免状不実」とはまったく無関係の転向強要に終始した。Aさんは断固として完全黙秘を貫き、権力を日々消耗させた。
7月31日に行われた勾留理由開示裁判では、権力のデッチあげに怒りを燃やす広島の闘う労働者、市民が傍聴席を埋め尽くし、Aさんは、証言台に立つことも拒否し、田中清道裁判官を完黙でにらみ据えた。
西村正治弁護士が圧倒的迫力で公安警察のデッチあげを暴き、裁判官・検察はグウの音も出ない。傍聴席からは拍手がわき起こった。
閉廷に際して傍聴席から「裁判官・検察官こそ犯罪人だ!」と怒りの声が飛び、裁判官も検察官もほうほうの体で退散する中、Aさんと傍聴人はエールを交わし合い、一気に法廷は解放的空間に。こうして7・24弾圧は、完膚なきまでに粉砕され尽くした。
(中四国救援対策部)
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注 免状等不実記載罪
公務員に虚偽を申し立て「免状・鑑札・旅券」に不実の記載をさせるという罪。1年以下の懲役又は20万円以下の罰金。
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週刊『前進』(2547号8面3)(2012/08/03 )
またも「免状不実」
三里塚 逮捕の同志奪い返す
7月31日、千葉県警と埼玉県警によって「免状不実記載」でデッチあげ逮捕されたB同志を、8月10日奪還した。8月3日のA同志奪還に続き、
繰り返された「免状不実記載」弾圧を完全に打ち破ったのである。
B同志への「免状不実記載」は、百パーセントデッチあげのでたらめな政治弾圧だ。
B同志の逮捕理由は、昨年1月に行った運転免許証の更新の際に、「虚偽の住所を記載した」というものだ。ふざけるな! B同志が、家族とともに住み、住民登録をしている住所のどこが虚偽なんだ。
こんな見境のないデッチあげで、B同志を逮捕し、10日間も勾留し、B同志の自宅と三里塚の闘争拠点に家宅捜索と検証まで強行した警察権力を断じて許すことができない。
三里塚の闘争拠点では家宅捜索に加え検証まで行われた。午前6時前から昼近くまで長時間、敷地、外周と建物、部屋の寸法の計測や、違法な写真撮影やビデオ撮影まで行った。三里塚闘争の破壊を目的とする、違憲・違法な政治弾圧である。
7・16反原発集会に17万人が結集し、首相官邸や国会を「原発再稼働反対!」「野田政権倒せ!」を叫ぶ10万、20万もの人びとが包囲している。国家権力は、この労働者階級人民の怒りに震え上がり、国策の空港建設と46年間も闘っている三里塚闘争と合流することに恐怖しているのだ。
破綻しきっている「免状不実記載」弾圧に、B同志は完黙・非転向をたたきつけた。治安弾圧をものともせず、8・6ヒロシマ−8・9ナガサキは、フクシマの怒りと一つになって大勝利した。そして、10・1JR外注化阻止決戦が、労働者階級の未来を決する最大の階級決戦として、力強く始まった。
あらゆる弾圧を跳ね返し、プロレタリア革命へ前進しよう。
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週刊『前進』(2547号8面4)(2012/08/03 )
被爆67周年 8・6ヒロシマ大行動宣言
私たちは、原爆投下から67年目を迎える今日、すべての核と原発をなくすために立ち上がることを決意し、この広島の地に集まりました。福島の怒りと思いを心の底から共有し、子どもたちをはじめとするすべての命を守るために、私たちは本日この場より、新たな闘いの開始を宣言します。
◇
時代は大きく動き始めました。大飯原発3号機、4号機の再稼働を強行した野田政権に対して、日本中の人々が怒りに燃えて立ち上がっています。7月16日、東京・代々木公園を埋め尽くした17万人の集会・デモ。最大20万人を結集した毎週金曜日の首相官邸前抗議行動。そして7月29日の国会議事堂を包囲した20万人デモ。全国各地で行われた数々の連帯行動。空前のスケールで人々が立ち上がり、3・11−福島原発事故まで行き着いた社会のあり方を根底から変革する闘いがはじまっているのです。今日の会場にも同じ怒りと闘いの決意がみなぎっています。
この開始された巨大な民衆行動を徹底的に拡大し、100万を超える大デモで首相官邸を包囲し、野田政権を打ち倒しましょう。大飯原発を直ちに停止させ、この広島においても伊方原発の再稼働を絶対に阻止し、全原発停止を勝ち取りましょう。
◇
今求められているのは、ビキニ事件以来の反核運動を甦(よみがえ)らせること、そして「原子力の平和利用」をめぐって分裂してきたこれまでの反核運動の限界を乗り越えていくことです。
日本は戦後、日米安保体制のもとで一貫してアメリカの侵略戦争を支え、その「核の傘」のもとで原発を導入しました。「平和利用」と称して54基もの原発と核燃サイクル施設の建設を進め、その下で膨大な数の労働者を被曝させてきました。また、沖縄を米軍の核基地として提供し、密約まで結んで核兵器の持ち込みを認めてきました。そして、野田政権はこの6月、原子力基本法を改悪し、原子力開発の目的を「安全保障に資するため」と明記しました。「平和利用」という建前さえかなぐり捨て、公然と核開発・核武装に踏み切ることを宣言したのです。背景にあるのは、米オバマ政権が本年冒頭に発表した「新軍事戦略」であり、北朝鮮・中国をターゲットにした新たな侵略戦争・核戦争の策動です。岩国−普天間へのオスプレイ配備も、この戦争準備の一環です。
私たちは、核との「共存」を強いられてきたヒロシマ以後の世界を根底から変革するために、今こそ全世界の労働者民衆と連帯して立ち上がることを決意します。オキナワ―ヒロシマ―フクシマの怒りを一つにして、すべての核・原発と米軍基地をなくすために闘いましょう。
◇
アメリカの核戦略も、日本の原発政策も、いっさいは内部被曝を隠蔽(いんぺい)することによって成り立ってきました。日米政府はもとより、大学や医療界までもが一体となって、広島・長崎・ビキニの被爆者の訴えを踏みにじり、「100_シーベルト以下なら影響はない」とする虚構を築き上げてきたのです。その果てにフクシマが引き起こされ、今も多くの子どもや住民の命が脅かされています。
福島の命を守るために、今こそヒロシマ・ナガサキの原点からすべての真実を明らかにしなければなりません。私たちは、被爆者の命をかけた闘いと固く団結し、被爆者認定訴訟、「黒い雨」の内部被曝を国に認めさせる闘いをはじめ、あらゆる闘いをともに闘います。福島県民に告発されている長崎大教授・山下俊一、広島大教授・神谷研二ら御用学者による、内部被曝の隠蔽を絶対に許さず、命を守るための医療と真実の学問を取り戻しましょう。福島診療所建設運動を推進し、保養や生活相談をはじめ、あらゆる取り組みを具体的に開始しましょう。
被曝労働の強制を許さず、原発労働者を被曝から守るために闘うことは、私たちがめざす新たな反核運動のもっとも重要な課題です。今もなお福島第一原発の現場では、まともな被曝対策もされず、殺人的な高線量下で多くの労働者が被曝させられています。さらに、汚染がれきの拡散によって、あらゆる職場に被曝労働が拡大されています。
被曝労働は、国鉄分割・民営化以来、全面的に進められてきた民営化・外注化による労働者の無権利化・非正規職化と完全に一体で進行してきました。そこには、連合・電力総連に代表される御用労組が国や資本に協力し、膨大な非正規労働者に被曝労働を押し付けている現実があります。原発を本当になくすためには、こうした御用労組による労働者支配を打ち破り、闘う労働組合を甦らせること、原発労働者がともに立ち上がることができる運動を創(つく)り出していくことが必要です。被曝労働拒否のストライキを闘う動労水戸のような闘いを、全国のあらゆる職場で開始しましょう。
◇
本日、ドイツ・ゴアレーベンの核廃棄物処分場建設反対同盟代表団が、8・6ヒロシマ大行動に駆けつけてくれました。今、世界中の人々がフクシマに思いを寄せ、日本の民衆の闘いに注目しています。このヒロシマの地から、私たちは呼びかけます。国境を越えて団結した民衆の力で、世界から核と原発をなくそう!
すべての命を守るために、力を合わせてともに立ち上がりましょう!
2012年8月6日
被爆67周年8・6ヒロシマ大行動参加者一同
(写真 8・6ヒロシマ大行動のデモを闘いぬき原爆資料館前で総括集会【8月6日 広島】)
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週刊『前進』(2547号8面5)(2012/08/03 )
星野同志 革共同集会メッセージ
一つに団結し闘うことは根底的欲求であり喜びだ
7・16代々木公園、首相官邸前はじめ、数万、数十万が連続して決起する闘いは、今、声をあげ行動しなければ、フクシマが、ヒロシマ・ナガサキ、ビキニ、チェルノブイリが繰り返されて労働者人民のすべてが根こそぎ奪われてしまう、今立ち上がり、これを絶対に阻止する闘いとして、また同時に、原発・再稼働と同じく1%のために99%がないがしろにされるこの世の中そのものへの怒りを解き放ち変える闘いとして、根底的であるがゆえに継続的で非妥協的で勝利的な歴史的闘いになっています。
そのような闘いとして、社会的なあるいは内なるあらゆる制動・クビキをのりこえて立ち上がり、原発ゼロを強制し、再稼働へさらに根底から立ちあがり、再稼働の拡大を阻止し、原発・核廃絶への道を開いています。
労働者人民の力を信頼し闘おう
決定的なのは、誰もが闘えば勝てる、世の中を変えられる、その力をもっている、という確信を深めていることにあります。
そして、立ち上がり前進する中で、原発・再稼働を進めているものも、今日の大恐慌・大失業、国鉄分割・民営化−外注化・非正規化、消費税、戦争・基地・オスプレイを進めるものも一つのもので、資本・権力が今日の大恐慌を生み、なお延命し金もうけするために労働者人民の職場も生活も生命も破壊するという資本主義・帝国主義とその新自由主義にこそあることをつかみ、その一つの敵を、生産を担い社会を動かしている労働者人民の団結した力でそれらの攻撃を阻止しつつ、ついには資本・権力を倒し、人間本来の誰もが人間らしく生きられる社会を実現する闘いを押し開く力を間違いなく手にしつつあります。
私たちが、国鉄分割・民営化−それとの闘いを終わらせる4・9合意、3・11挙国一致攻撃によって労働者人民が団結して立ち上がることもできない状況をつくることを、労働者人民の全未来をかけて突き破ったこの間の闘いが、間違いなくこの闘いの地平を開いていますし、それは、ヒロシマ・ナガサキ反戦・反核闘争そのものの地平でもあります。
この歴史的闘いを、どこまでも労働者人民自身の自己解放的闘いとして発展をかちとり、勝利をかちとることが私たちの責務です。
星野無期を覆し勝利しよう
労働者人民の力をどこまでも信頼し、この歴史的闘いを、原発・核、国鉄−外注化・非正規化、消費税、戦争・基地・オスプレイと一つに闘い、さらに職場、学園、地域、全国・全世界に一つに団結した闘いとして根づかせ、資本・権力を倒しすべてを奪い返し、労働者人民の力を解き放ち、誰もが喜びをもって働き人間らしく生きられる社会を実現しましょう。
その団結と闘いを圧殺するために、私の無実を百も承知で無期を強いる星野無期を、再審・全証拠開示の闘いで覆し、団結と闘いを強め、ともに勝利しましょう。
一つに団結し闘うことは、根底からの欲求であり、喜びです。そのように闘い、勝利しましょう。
★無実の星野文昭同志(66)は8月6日で獄中38年目に突入した。71年11・14沖縄返還協定批准阻止・渋谷暴動闘争のデッチあげ殺人罪で無期懲役となり、徳島刑務所で不屈・非転向の獄中闘争を闘っている。今年3月30日、東京高裁が第2次再審請求を棄却した。現在、異議申し立て中。
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週刊『前進』(2547号8面6)(2012/08/03 )
【要項】8・15 労働者・市民のつどい、靖国弾劾デモ
福島-広島-長崎-ビキニの怒りを共に
原発なくそう 改憲はばもう
8・15労働者・市民のつどい
―国益と排外に憲法は屈するのか―
8月15日(水)正午開場、午後1時開会
なかのゼロ小ホール
木田節子さん(原発いらない福島の女たち)
森川文人さん(弁護士)
西川重則さん(平和遺族会全国連絡会代表)
コント 松元ヒロさん
韓国・民主労総ソウル地域本部
田中康宏さん(動労千葉委員長)
主催 戦後50年を問う8・15労働者・市民のつどい全国統一実行委員会
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原発再稼働阻止! 野田打倒!
日帝の核武装阻止!
8・15靖国弾劾デモ
8月15日(水)
午前8時 外濠公園・法政大学正門前集合
8時半 デモ出発
主催 反戦共同行動委員会
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