ZENSHIN 2012/07/23(No2545 p06)

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第2545号の目次

7・16さようなら原発大集会の参加者でぎっしり埋め尽くされた第1ステージの代々木公園サッカー場(東京・渋谷区)

1面の画像
(1面)
“国と社会のあり方変える”
NAZEN先頭に17万人が大結集  8月広島・長崎・福島-8・15へ
記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
【要項】7・29革共同政治集会 記事を読む  
(2面)
10・1外注化阻止へ総力を  動労千葉総決起集会 田中康宏委員長が訴え
分割・民営化に決着をつける(7月14日)
記事を読む  
動労水戸 “絶対反対を貫き闘う”  支社外注化提案を徹底弾劾(7月13日) 記事を読む  
結審強行に怒り  鉄道運輸機構訴訟 葛西の証人採用を拒否(7月19日)
弾劾の声が法廷覆う
記事を読む  
全駐労沖縄地本がスト突入  再雇用パート導入撤回求め(7月13日) 記事を読む  
(3面)
国労大会に向け訴える
外注化阻止の方針を確立し 連合加入を狙う本部打倒を  革共同国鉄委員会
記事を読む  
鈴コン分会支援・連帯 共闘会議の結成に260人  “ナショナルセンター越え”(7月15日) 記事を読む  
労働者の力強いカンパで革命に勝利する党つくろう 記事を読む  
【要項】ジェコー解雇撤回裁判 記事を読む  
(4面)
福島の怒りと固く結んで政府のもくろみを打ち倒そう!  “命脅かすすべてに反対する”(7月16日) 記事を読む  
2012年日誌 7月10日〜16日
「線量ゼロ」の子でも被曝/内閣府「宇宙戦略室」が発足
記事を読む  
(5面)
福島の怒りと固く結んで政府のもくろみを打ち倒そう!
“廃炉まで声あげ続ける”  インタビュー 7・16集会参加者の熱い思い(7月16日)
記事を読む  
7・13福島大 山本太郎さんら熱く語る
当局の妨害破り討論集会(福島大・F)(7月13日)
記事を読む  
10・1JR外注化阻止・非正規職撤廃と解雇撤回に総決起しよう  今こそ国鉄全国運動の発展を 記事を読む  
(6面)
次は8・6ヒロシマ大行動  実行委アピール 野田の式典出席許すな 記事を読む  
星野闘争 徳島弁護士会の人権侵害「勧告書」  徳島刑が差し入れ妨害 記事を読む  
第3誘導路許可取消裁判 国・NAAを追及  反原発の怒りと結合し(7月17日) 記事を読む  
7・13広島 松井英介さんが講演  内部被曝の仕組みあばく(H)(7月13日) 記事を読む  
新自由主義との闘い
在留カードは粉砕できる  怒りの法務省デモで突破口(7月9日)
記事を読む  
【要項】8・6広島−長崎 反戦反核反原発闘争 記事を読む  

週刊『前進』(2545号1面1)(2012/07/23 )

 “国と社会のあり方変える”

 NAZEN先頭に17万人が大結集

 8月広島・長崎・福島-8・15へ

(写真 7・16さようなら原発大集会の参加者でぎっしり埋め尽くされた第1ステージの代々木公園サッカー場【東京・渋谷区】)

(写真 「野田打倒!」「再稼働反対!」の怒りが充満。原宿コースのデモに立つNAZENの大隊列)

 強い日差しが肌に突き刺さる猛暑の中、「さようなら原発10万人集会」が7月16日、東京・代々木公園で開催され、17万人が集まった。野田の原発再稼働と新自由主義に憤る労働者や若者、60年・70年闘争世代など、すべての怒りが総結集し、戦後階級闘争史を塗り替え、新たな時代を開く闘いとなった。(4、5面に関連記事)

 止まらない人びとの波

 午前9時前、早くも人びとが会場に集まりはじめた。11時、原宿駅から会場入り口までまったく途切れることなく人の流れが続く。渋谷駅方向からも人びとがNHKホール前のケヤキ並木通りをいっぱいに広がって進んできた。集会開始時間には代々木公園一帯が人で覆われた。第1ステージのサッカー場を市民団体などが埋め尽くす。第2ステージのイベント広場を全国の労働組合が組合旗を林立させて陣取る。福島の労働組合が大挙決起し、それを先頭に自治労、日教組、私鉄総連、都市交などが大動員した。原発立地県の労組が「福島を返せ!」「柏崎刈羽原発を廃炉に!」「伊方原発の再稼働NO!」などの横断幕を掲げて集まった。
 メインの第1ステージでは12時50分から集会が始まった。司会の福島県いわき市出身の講談師・神田香織さんの開会あいさつに続き、7人の呼びかけ人が次々発言した。
 作家の大江健三郎さんは「750万を超える署名を持って首相官邸に行ったが、それに対する答えは大飯原発の再稼働だった。政府のもくろみを打ち倒さなければならない」と訴えた。
 大飯原発のある福井からは小浜市の明通寺住職の中嶌哲演さんが発言に立ち、30年前の反対運動の時にある小浜市民が言った「3、4号機が増設されたならば、私たちの子や孫に死刑宣告を受けたのも同然」という言葉を紹介し、これからも闘っていくと宣言した。
 福島からは「ハイロアクション福島原発40年実行委員会」の武藤類子さんが「福島の現状はあまりにも厳しい。4号機、甲状腺検査、再稼働、がれき問題、安全保障、廃虚と復興のはざまでひっそりと絶たれていく命たち。分断のわなに落ち込むことなく、賢くつながり合っていきましょう。ともに歩んでいきましょう」と呼びかけた。
 原宿駅に近い第4案内カーではデモ出発まで、福島の黒田節子さんらが再稼働撤回、原発廃炉を訴えた。第3案内カーでは午後4時までライブとトークが続き、福島の木田節子さんや原発立地で闘う人びとが原発をなくそうと訴えた。両カーで韓国の2組織が日本の闘いへの連帯を表明した。

 新自由主義に強い怒り

 集会途中の午後1時半から3コースに分かれてデモが出発した。警察は不当にもデモ隊を1車線に規制し、250人ずつに寸断しようとした。全車線を制圧した集会と大デモ隊に震え上がったのだ。「ふざけるな!」「弾圧をやめろ!」の怒りの声が次々に飛ぶ。警察は人民を弾圧する一方で、野田や「野田首相の決断に敬意を表す」とエールを送るJR東海会長・葛西敬之ら資本家どもを守っているのだ。絶対に許せない。
 原宿コースの先頭は「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」を始めとする福島の部隊だ。「怒 福島隊」ののぼりを押し立てて進んだ。福島への分断と棄民の攻撃を絶対に許さず、福島とひとつになって闘われた。NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議=な全)も3千人の大部隊が5梯団(ていだん)で行進した。「再稼働やめろ!」「野田を倒せ!」――熱いコールが地鳴りのように続いた。全学連旗を先頭に福島大、法大文化連盟、京都大など大学旗の列は、学生運動の大高揚期の到来を予感させ、注目を集めた。
 渋谷コースの先頭を占めたのは福島県教組。全国の労働組合が続く。「原発いらない福島の女たち」も横断幕を掲げて歩んだ。その間にも渋谷駅方面から集会参加者の波が押し寄せ、デモ隊と入れ替わるように代々木公園に入っていった。渋谷コースのデモは38梯団にも及んだ。
 7・16集会への17万人の大結集は新たな時代の幕開けだ。原発再稼働だけではなく、消費増税、TPP、オスプレイ配備、非正規職化、低賃金、”命よりも金もうけ”の新自由主義、資本主義への怒りが7・16集会の根底に流れている。この国と社会を根本から変えなければ、自分たちも子や孫たちも生きられない、今こそ立ち上がるときだという意識に全体があふれているのだ。
 大恐慌下で、日帝は原発事故で帝国主義間・大国間の争闘戦から脱落し、ますます絶望的に民営化と外注化・非正規職化の攻撃を強めている。だが、それは青年労働者を始めとする労働者階級の怒りを呼び起こし、反原発闘争の飛躍的な拡大に結びついた。野田と、それを支える連合ダラ幹による原発推進、消費増税賛成、民営化・非正規職化推進、解雇撤回闘争放棄・敵対への労働者の怒りが解き放たれつつある。
 連合本部を打倒し、闘う労働組合をよみがえらせ、動労千葉を先頭に10・1JR全面外注化阻止決戦に立とう。7・29革共同政治集会―国会大包囲デモ、独ゴアレーベンとともに8・6広島―8・9長崎闘争、8・11福島集会の大勝利を実現しよう。「原発なくそう! 改憲はばもう!」8・15労働者・市民のつどいに総結集しよう。

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週刊『前進』(2545号1面2)(2012/07/23 )

前進速報版から 前進速報版から

▼国労組合員資格確認訴訟で歴史を偽造する本部を追及▼インドのスズキ子会社工場で暴動▼学祭規制撤廃へ、7・12法大包囲デモ

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週刊『前進』(2545号1面3)(2012/07/23 )

【要項】7・29革共同政治集会

7・29革共同政治集会

外注化阻止・非正規職撤廃! 再稼働阻止・被曝労働反対!
日帝・野田政権打倒し、プロレタリア革命勝利を切り開こう

〈東京〉

基調報告 深田 力(中央学生組織委員会議長)
7月29日(日)午前11時開会
豊島公会堂(豊島区東池袋1-19-1)

 

〈関西〉

基調報告 山本 進
7月29日(日)正午開場 午後1時開会
大阪市立西区民センター(大阪市西区北堀江4-2-7)

 

〈東北〉

基調報告 岡崎康史
7月29日(日)正午開場 12時30分開会
仙台市戦災復興記念館地下展示ホール(仙台市青葉区大町2-12-1)

 

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週刊『前進』(2545号2面1)(2012/07/23 )

 10・1外注化阻止へ総力を

 動労千葉総決起集会 田中康宏委員長が訴え

 分割・民営化に決着をつける

 JR東日本による検修・構内業務全面外注化攻撃との闘いが正念場中の正念場に突入している。緊迫した情勢の中、動労千葉は7月14日、総決起集会を千葉市内で開催した。組合員と支援250人が結集し、外注化阻止闘争への総力決起を宣言した。長田敏之書記長の基調報告、さらに外注化対象となっている幕張支部、京葉支部、木更津支部を始め現場組合員の決意みなぎる発言は圧巻だった。また6・29東京地裁判決を受け動労千葉争議団と弁護団が新たな闘いへの決意を表明、動労水戸の国分勝之副委員長も駆けつけた。この集会での田中康宏委員長の冒頭あいさつ(要旨)を紹介します。(編集局)
(写真 緊迫した情勢の中、7・14動労千葉総決起集会に250人の組合員と支援が結集した。発言者は田中康宏委員長【7月14日 千葉市】)

 労組が抵抗したらできない

 検修・構内外注化攻撃との闘いが、本当の意味で正念場を迎えました。今日の集会の獲得目標は明確です。10・1外注化を絶対に止めるために、ここに集まりました。
 この闘争は12年間にわたる延々たる闘いです。だけど僕らは12年間外注化を止めてきた。だからこれからも絶対に止める。このことを共通の決意にしたい。
 6月21日に裏切り妥結した東労組、東労組が妥結したとたんに裏切り妥結した国労本部を始めとする他労組を絶対に許すことはできません。なんで現場で働く労働者を売り渡して、組合幹部だけが会社とうまくやって生き残ろうとするのか。こんなものは労働組合ではない。その結果、起きることは検修・構内で働く1千人の労働者の強制出向です。なんでこんなものをのむのか。
 この本社での裏切り妥結を受けて、事態は各支社に移りました。仙台支社は6月29日に支社の外注化提案を行いました。強制出向約70人です。新潟支社でも提案があり、7月10日〜12日には水戸支社でも外注化の提案をしています。水戸支社の強制出向者は100人です。
 千葉支社は今の時点で、いつ提案をするかも明らかにできていません。この状況で10月1日実施なんか強行できるんですか。労働組合がまともに抵抗したらできないはずです。仙台支社では、8月1日には強制出向の人選をはっきりさせ、出向者の説明会を行うと言っています。団体交渉はいつやるのか。いま提案して10月1日に強行? 冗談じゃない!

 違法不当な強制出向止める

 千葉支社が、いまだ提案の日程すら明らかにできないのは、12年間の闘いが敵を追い詰めているからです。千葉支社はなんの確信も持ってない。東労組も、裏切り妥結したといったってなんの確信も持ってない。
 われわれは6月末に検修・構内関係の全組合員に集まってもらい意思統一を行いました。攻撃が具体的に動き出したら、検修職場の80人の仲間が強制出向拒否の集団訴訟に立ちます。動労水戸の仲間も含め動労総連合100人以上の仲間が集団訴訟を起こす。これは日本の労働組合の歴史上にもなかった闘いです。
 こんな出向が法的に言ってもまともに通るとは思えません。強制出向で他の会社に行けということですよ。年間の休日数を始めとする労働条件も変わる。しかも今度の場合、「片道切符」的に出向に行けという話です。いつ帰ってこられるのか、どこに帰るのか、当局は絶対に約束できない。元の仕事はなくなるわけだから。だから僕らはストライキを含めてありとあらゆる闘いに立ち絶対に阻止する。
 なぜ動労千葉は、ここまでこだわって外注化攻撃と闘ってきたのか。こんなことをしたら安全が全部崩壊するからです。

 鉄道の安全破壊する外注化

 電車のメンテナンスや構内での入れ換え作業は、そんなにヤワな仕事ですか。10年やって一人前になれるかどうかです。こういう仕事を、今まで検査・修繕も構内入れ換え業務の経験もない下請け会社に丸投げして安全が崩壊しないはずがない。「尼崎事故」が起きるんですよ。107人が殺されるんですよ。
 会社は机上だけの空論で「全部下請け会社に移す。今後は検査・修繕部門の労働者は下請け会社で雇う。JRから完全に分けてしまう」と言ってますが、こんなことできるはずがない。安全が崩壊することを百も承知で、僕らはこれに黙っていていいのかということです。
 保線の全面外注化の結果、何が起きたんですか。レール破断の多発です。これに対して、僕らが100日以上にわたる闘争をやって千葉支社だけで数百`のレールを交換させ、ようやく破断が収まった。グリーン車の車掌業務を外注化した結果、現実に起きたことを見てほしい。女性労働者への暴行事件が毎日のように起きています。こんなことが次は電車のメンテナンスで起きたらいったいどうなるのか。

 労働者の未来切り開く闘い

 2番目の理由は、雇用が全面的に破壊され、すべて非正規職に突き落とされるからです。
 東労組や国労は「一部をJR本体に戻したから成果」なんて言ってますがふざけている。動労千葉との団体交渉では当局は「将来にわたってこのまま本体で持つとは言ってません。将来はすべて外注化します」と言っている。戻る職場などありません。転籍、非正規職化なんです。
 最近、野田政権が設置した国家戦略会議が改革案を出しました。中心は雇用問題です。40歳定年制を打ち出した。雇用流動化のために期限の定めのない雇用はなくし、すべて有期雇用にして40歳定年制にするというのが柱です。同じ日に、厚生労働省の発表が報じられています。国民年金加入者約2千万人のうち2割は年収50万円以下だそうです。国鉄分割・民営化以来の二十数年間の新自由主義攻撃で労働者の現実はここまで来た。労働組合が民営化を認め、外注化を認めて行き着いた先がこれです。こんなことをいつまでも認めていたら、労働者の権利はとことんまで打ち砕かれ、9割どころかすべての労働者が非正規雇用にされる。だから僕らはJRで絶対に歯止めをかけたい。労働組合がもう一回息を吹き返し、胸を張って社会に登場できるように僕らはこの外注化攻撃と絶対に闘いぬく。
 昨日も原発再稼働に反対して首相官邸前に15万人が結集しました。先週も15万人、その前の週は20万人です。労働組合がこれほどダメになり、どこも動員をかけてない。だけど、この社会のあり方すべてにがまんがならないという怒りの声が国会を渦巻くように結集している。労働組合が闘う力を取り戻せば歴史は動く。腐りきった野田政権を打倒し、労働者が胸を張って生きていける社会をつくる。その一歩手前まで来ています。この怒りの声は職場から闘いぬくための援軍です。

 1047名闘争と2本柱で

 だからこそ僕らは、この外注化阻止決戦を闘います。組合員と支援のみなさんの力を総結集して、この闘いに立ち上がっていただきたいと思います。
 最後にもう一点、訴えます。1047名の解雇撤回闘争の裁判で6月29日、ひとつの大きな判決をかちとりました。
 この判決は、とんでもない反動判決です。他方で画期的な判決でした。動労千葉組合員12人が、JR発足にあたって採用差別を受け首にされました。理由は、停職6カ月以上または停職2回以上の処分を受けているというものでした。判決は、この不採用基準そのものが、改革労協(現JR総連)と国鉄当局が手を結んだ不当労働行為だったことを認めました。解雇された動労千葉組合員は当初は名簿に登載されていた。不当労働行為がなければJR東日本に採用されていたはずである。このことも認めました。4者4団体もかちとれなかった画期的判決です。
 しかし、「JRに採用されていたはずである」とまで書きながら解雇を撤回しない。「慰謝料でいいだろう」? 冗談じゃないですよ。
 この判決は、僕らの25年間の闘いが、解雇撤回の一歩手前まで来たことを示しています。外注化阻止闘争と解雇撤回闘争、この二つの柱を押し出して国鉄分割・民営化攻撃に決着をつけます。国鉄分割・民営化以降、1500万人もの労働者が非正規雇用に突き落とされた。このひどい現実に決着をつける。それがこの外注化阻止決戦であり1047名解雇撤回闘争です。参加されたみなさんの総決起を訴えてあいさつとします。

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週刊『前進』(2545号2面2)(2012/07/23 )

 動労水戸 “絶対反対を貫き闘う”

 支社外注化提案を徹底弾劾

 JR東日本水戸支社による検修・構内業務全面外注化に関する提案に対して、動労水戸が発した緊急声明を紹介します。(編集局)

 「グループ会社と一体となった業務体制のさらなる推進について」(水戸支社)に対する緊急声明

 声明

水戸支社の検修・構内外注化案と徹底的に闘おう!
 JR東日本水戸支社は、JR東労組とは10日、国労等とは12日に「経営協議会分科」を開催し、10・1検修・構内外注化に向けての支社提案を提示した。奴隷的な総合協約を拒否しているわが組合に対しては、他組合との「経協」が終わってから最後に「勉強会」という名目で提示された。その内容は、本社提案からは後退しているものの「派出を除く仕業検査」「構内運転士」「倉庫」を全面的に外注化し、「誘導」については1年後に外注化するという内容である。本社交渉妥結について「機動班を外注化から除外させた」ことを最大の成果とする東労組や国労は「交番検査も残した」と誇るのだろうか。労働者を分断するために時間差があるだけで、会社はあくまで「検修・構内全面外注化」の方針だ。
 支社の提案順序が示していることは、この支社提案は東労組の了解が前提になっており、その内容のあまりの不正義性ゆえに動労水戸に対しても説明しないわけにはいかなかったということだ。その証拠に、説明文書には水戸支社の外注化について「8月末妥結」「9月中旬異動内命」が明示された上で、動労水戸の追及に対して、「出向先の労働条件については、発令を出してから提示する」と答えている。東労組の合意無しに妥結のスケジュールまで提示されるわけがないし、出向発令が出されてから労働条件が知らされるなどというとんでもないことがまかり通るはずもない。東労組も国労も、労働組合として一体どこまで会社になめられているのか。そして、どこまで現場の労働者を愚弄(ぐろう)し続けるのだろうか。
 労働組合が外注化を認めるということは、勝田車両センターでいえば構内、仕業、誘導の外注化はちょうど庁舎の下半分を外注会社に明け渡すことになる。それは、組合として仲間を半分切り捨てることと同様の意味を持つ。さらに職場の労働者を分断し全面外注化に対する労働者の抵抗力を奪うことになる。会社は外注会社の労働条件や賃金条件が明らかに悪いことも認めている。労働組合ならば、外注会社の労働者たちこそ、本体に入れ、労働条件を改善することを要求すべきではないのか。
 東労組も国労も、本社本部間でさしたる交渉もせずに「スピード妥結」した。そのため、まさに外注化の核心的問題点が明らかになる支社提案=現場段階の交渉で本質的には何もできない。動労水戸が本社交渉での拙速な妥結を拒否し交渉を継続しているのは、現場の矛盾や問題こそ本社で徹底的に争う必要があると考えるからだ。東労組の青年たちが怒りの声を上げ始めている。東労組の水戸地本大会で、あるいは「政策フォーラム」の中で、外注化反対を堂々と訴える青年労働者が現れた。自らの人間としての権利について闘争できない者は踏みにじられるしかない。自ら闘争し、勝利し生き抜くからこそ仲間との団結の必要性がはっきりする。
 あらゆる外注化計画に対し、鉄道の安全と労働者の団結を守るため、絶対反対を貫き徹底的に闘いぬくことを動労水戸は改めて宣言する。共に闘おう!

 2012年7月13日
 国鉄水戸動力車労働組合

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週刊『前進』(2545号2面3)(2012/07/23 )

 結審強行に怒り

 鉄道運輸機構訴訟 葛西の証人採用を拒否

 弾劾の声が法廷覆う

 秋田闘争団の小玉忠憲さんを原告とする鉄道運輸機構訴訟の控訴審が7月19日、東京高裁第14民事部(設楽隆一裁判長)で行われた。裁判長は原告側が請求していた葛西敬之(現JR東海会長、国鉄分割・民営化当時は国鉄職員局次長)らの証人調べをすべて却下し、結審を強行した。この暴挙に、法廷は激しい怒りに包まれた。
 小玉さんは改革労協(現JR総連)の突き上げで葛西らが87年2月に急きょ策定した不採用基準によりJR採用候補者名簿から削られた。その不当性が最大の焦点だ。
 原告代理人は、動労千葉鉄建公団訴訟の6・29判決を踏まえ、葛西らの証人採用を迫る発言に次々と立った。「動労千葉判決は、不採用基準がなければJRに採用されていたと明確に認定した。本件でも葛西らの証人調べは不可欠だ」「前回、被告代理人は、名簿に載らなかった以上、小玉さんは排除されて当然だと言った。だが、動労千葉判決で、それでは済まなくなった」「前回の小玉さんの本人尋問で、秋田鉄道管理局では全員採用と報道されていたのに、一転して小玉さんだけが不採用とされた事実が明白になった。不採用基準の問題は絶対に避けて通れない」「葛西らを調べず結審すれば、審理不尽の違法は免れない」
 いたたまれなくなった鉄道運輸機構側の向井千杉代理人は、顔を青ざめさせつつ、「動労千葉判決は誤っている。判決は不当と言うわれわれが、証人調べは必要ないと言っている以上、証人調べは必要ない」と口走った。傍聴席から激しい怒りがわき上がった。原告代理人も「前代未聞の言い分だ。判決が間違っていると思うなら、ここで徹底的に審理すべきだ」と追撃した。機構側は動労千葉判決に徹底的に打ちのめされている!
 事態に窮した裁判官は、合議を宣告して姿を消したが、すぐに現れ、裁判長が「証人申請は一括して却下」と言い放った。その理由も告げず、判決日を一方的に指定して、裁判官は逃げるように法廷から立ち去った。この卑劣な振る舞いに法廷の怒りは収まらず、弾劾の声はしばし続いた。
 裁判後の総括集会で小玉さんは、「今日は負けた気がしない。動労千葉の判決は裁判所と鉄道運輸機構を締め上げている。だから彼らは真実から目を背けた。外注化阻止決戦と国鉄闘争全国運動の力で勝負しよう」と力強く語った。
 判決日は10月11日。反動判決を許さず、1047名解雇撤回へさらに闘いを推し進めよう。

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週刊『前進』(2545号2面4)(2012/07/23 )

 全駐労沖縄地本がスト突入

 再雇用パート導入撤回求め

 全駐労沖縄地本は7月13日、AAFES(エーフィス、注1)での再雇用労働者のパート導入撤回を求め第1波24時間ストライキに突入した。ストに入った全駐労ズケラン支部のAAFES労働者1600人、それと一体となったマリン支部、空軍支部の基地労働者6500人の実力でかちとられた。AAFES職場のある15カ所のゲートには朝6時からピケ隊が配置され、AAFES職場を完全に止めた。
 今回のストは、AAFESの現場労働者が当該のズケラン支部を動かし、全駐労沖縄地区本部を突き上げて実現した。スト当日、本部となったキャンプフォスター(キャンプ瑞慶覧、米軍司令部)前にはAAFESの現場労働者を中心に700人以上が結集した。圧倒的に青年・女性労働者が多い。これまでは定年後の再雇用は週40時間のフルタイム勤務だった。米軍当局はこれを強制的に週30時間未満のパートに切り替え7月1日から実施を強行した。賃金は10万円程度になる。再雇用パート対象の女性労働者は「半分の賃金でどうやって生きていくのか。若い人たちにこんな制度は絶対に残したくない」と怒りをもって語った。
 今回のストはAAFESの青年労働者・女性労働者の渾身(こんしん)の決起だ。政府・米軍権力との非和解的闘いが進んでいる。“勝利するまで第2波、第3波も闘う”というのが現場の基地労働者の決意だ。そして第2波、第3波は、全基地を対象とした沖縄地区本部レベルのストへ発展させようとしている。
 7月11日、米軍当局はスト当日のすべての基地労働者の年休を無給とする攻撃をかけてきた。民主党政権もそれを容認する立場だ。この弾圧に先だち、5月18日には米軍司令部前での座り込みと署名活動に対し、米軍権力は日米地位協定第3条を盾に「在日米軍規則40―1号」をもって「基地内の組合活動禁止」「懲戒処分」をチラつかせた弾圧を加えてきた。
 基地労働者はこれらの弾圧をはね返して第1波を打ち抜き、第2波、第3波へと突き進んでいる。ズケラン支部ズケラン分会のブログは「何も恐れることはない。自分たちには140万県民がついている」と書いている。これはかつての全軍労闘争を闘った基地労働者の言葉だ。全軍労闘争は、基地で働く青年労働者の中についによみがえり始めた。
写真 スト本部が設置されたキャンプフォスター【米軍司令部】ゲート前に700人以上が結集【7月13日】)

 新自由主義との闘いそのものだ

 この基地労働者の闘いは、10・1JR外注化阻止決戦を闘う動労千葉の闘いと一体だ。基地労働者は動労千葉を先頭とした国鉄労働者と同じ課題で闘っている。
 1987年の国鉄分割・民営化と同時期、政府と米軍当局はHPT制度(時給制臨時従業員制度)を海軍職場に導入した。HPT労働者は95年日経連プロジェクト報告の翌年から急増した。まさに、87年のHPT制度導入が基地の外注化・非正規職化という新自由主義の転換点だった。ここからHPTや派遣など膨大な基地の非正規労働者が生みだされてきた。
 2011年の在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)に関する特別協定改定の中で、全駐労中央本部が裏切り的に容認したIHA(注2)労働者430人分の人件費削減(解雇だ!)が、AAFES再雇用労働者のパート化(非正規職化)の直接の引き金となった。今回のストは87年以降の攻撃に対する基地労働者、とりわけ青年労働者の根底的な怒りの爆発だ。
 勝利の道筋は、新自由主義と闘う国鉄闘争、とりわけ10・1JR外注化阻止決戦の中にある。この決戦を打ち抜き、基地労働者の外注化・非正規職化攻撃との闘いに勝利しよう! 全駐労―基地労働者への労組解体、団結破壊攻撃に対し、第1波ストの地平を打ち固め職場からさらに闘いを強化していこう。 第2波、第3波ストを打ち抜こう! 8・5オスプレイ配備反対10万人県民大会を全力で闘おう。
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 注1
 AAFES(米陸軍・空軍エクスチェンジサービス) 食堂や売店など米軍基地内のサービス部門を運営する米陸軍・空軍共同運営の福利厚生組織

注2
 基地労働者の雇用にはMLC(基本労務契約)とIHA(諸機関労務契約)とMC(船員契約)の3種類がある。MLCは各部隊の事務、技術職など軍業務に直接かかわる仕事。IHAは食堂や売店などの職種が対象。いずれも日本政府が賃金を支払っている。

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週刊『前進』(2545号3面1)(2012/07/23 )

 国労大会に向け訴える

 外注化阻止の方針を確立し 連合加入を狙う本部打倒を

 革共同国鉄委員会

 国労第81回大会は目前に迫った。労働運動の原点に返り、1047名解雇撤回、民営化・外注化・非正規職化阻止へ闘って、新自由主義と対決する国労を組合員の手に取り戻そう。本部執行部の連合加入策動を木っ端みじんに粉砕しよう。世界大恐慌の深まりと福島原発事故で時代は一変した。資本主義の支配体制はボロボロになり、階級関係の非和解性が突き出されている。全組合員があきらめを捨て去り、乾坤一擲(けんこんいってき)の決起を闘いとろう!

 反原発17万決起を援軍に勝利開こう

 7月16日、原発再稼働に怒りを燃やす労働者人民17万人が代々木公園を埋め尽くした。その怒りは根底的であり、政府やブルジョアジーと非和解的に対決している。戦後革命期以来の決定的な闘いが始まったのだ。これは野田を打倒し、全原発を廃炉に追い込むまで、つまり日本帝国主義を打倒するまでやむことのない闘いだ。原発再稼働の先頭には、電力資本と並びJR東海・葛西を始めJR資本が立っている。これと激突する巨万の決起と結びついてこそ、国鉄闘争の勝利はある。
 国鉄闘争全国運動は6月10日の集会に1800人を結集し、階級的労働運動を再生させる荒々しい闘いに突入した。
 6月29日の動労千葉鉄建公団訴訟・東京地裁判決では、JR総連の突き上げで採用候補者名簿から動労千葉組合員を削除した事実を不当労働行為と認定させる画期的地平を闘いとり、4・9政治決着の反動を大きくのりこえた。
 検修外注化の4月1日実施を阻止した動労千葉―動労総連合を先頭に、国労の現場組合員と平成採の青年労働者の怒りは、10月1日外注化実施を策動するJR資本と東労組カクマルとの結託体制と激突し始めた。ここに階級闘争の焦点があり、この勝負の行方に階級的労働運動の将来がかかっている。

 外注化阻止決戦は労働運動再生の鍵

 今回の国労全国大会の第一の獲得目標は、外注化阻止−非正規職制度撤廃、反合理化・運転保安確立へ現場組合員が団結して闘う方針を確立することにある。
 JR資本は新自由主義の権化として外注化に突進し、「不退転の決意でやる」と言い放った。そのため、一度は切り捨てた東労組カクマルとの結託体制を修復し、外注化の手先にする決断をした。人事賃金制度改悪では主務職を中心に100億円をばらまいた。この腐りきった結託体制で青年労働者の怒りを抑え込もうとしているのだ。
 外注化10月1日実施の攻撃を引き出した東労組カクマルと競い合って、国労東日本本部も外注化を容認した。彼らは、偽装請負を前提にした外注化に対し、「偽装でないようにする」との資本の回答で妥協した。まさに偽装請負の共犯者だ。
 だが、こんなことで青年労働者、現場の怒りを圧殺することはできない。検修・駅業務外注化攻撃は「定年後の雇用の場の確保」ではなく、「グループ会社とプロパー社員の育成」「施策を実施した結果としてコストダウン」というものだ。「出向は10年後に解消する」と言うが、それは10年後には「グループ会社に転籍」ということだ。そもそもグループ会社に鉄道業務養成体制はない。この間、外注化した構内・検修業務は、すべてJRの退職者かエルダー社員か若年出向者で回している。駅業務の外注化も同じだ。JRは、半年ごとに100人規模の契約社員を解雇して、「グループ会社にエントリーシートを出せ!」とほざく強欲資本だ。
 全面外注化は技術継承を寸断し、安全輸送体制をズタズタにし、労働条件を改悪する。JR資本のやりたい放題は、飯山線踏切事故で明らかだ。事故の責任は百パーセント経営幹部にあるのに、現場の2人の労働者を解雇した。尼崎事故の責任者の一人・JR西日本前社長の山崎は「無罪」に居直り「安全研究所」の技術顧問になった。
 合理化攻撃は、組合が闘わないことを前提としており、反対運動を組織すれば絶対に止めることができる。外注化阻止の闘いは、資本の合理化攻撃を根本から打ち砕くことができなかった戦後労働運動の限界をのりこえる闘いであり、日本労働運動再生の展望を一気に切り開く闘いだ。連合支配を覆し、4・9政治決着以来の労働運動根絶攻撃を打ち砕く闘いでもある。国労の現場組合員がこぞって外注化阻止へ決起した時、国労組合員の本来持つ戦闘的・階級的魂はよみがえり、国労を現場組合員の手に取り戻すこともできるのだ。
 偽装請負の摘発や出向・転籍反対、尼崎事故を繰り返すなの闘いを職場から組織しよう。究極の競争と若年出向・転籍攻撃を全面的に暴露し、偽装請負の摘発も含めて、青年労働者の怒りの決起を導き出そう。使い捨てられ、非正規に突き落とされる青年の怒りと結合して、班や分会などから闘いを組織しよう。

 解雇撤回貫き連合合流阻め

 第二の獲得目標は、現場の外注化阻止の闘いと1047名の解雇撤回を貫き、本部の連合加入策動を打ち破る方針を確立することにある。
 まず、組合員資格剥奪(はくだつ)と闘う4人の闘争団組合員の闘い、とりわけ原告団物販を現場がともに担いぬくことだ。
 966人の被解雇者組合員は、第79回大会で代議員になる資格を奪われ、昨年の第80回大会で組合から排除された。これに対して4人の組合員が組合員資格確認訴訟に立ち上がった。この訴訟で本部は、「JR等組織対象企業との雇用関係が回復できないことが明確になれば、組合員としての資格を失う」「これは国鉄時代以来の前提」と言い放った。まさに歴史の偽造だ。国労は、清算事業団解雇が強行された1990年以来、規約5条(組合は、組合員名簿に登録された者をもって組織する)に沿って、被解雇者を組合員としてきた。この条項には、1957年の国鉄新潟闘争を前にした53年年末闘争で、解雇処分不可避と判断した新潟地本が、「組合員が解雇されても、地本・本部機関が『不当処分』と認定すれば組合員とみなす」という規約改正を行って指導部の組合員資格を守り、さらに全国大会でその内容を本部規約に盛り込ませた闘いの歴史が刻まれている。
 JR資本は「JRを攻撃したことを謝罪しろ! 闘争団を組合から排除しろ」と叫び、それに屈した国労本部は4・9政治決着で「二度と雇用や不当労働行為を争わない」と宣誓した。今や本部は、3月31日に雇い止めになった契約社員の組合員の解雇撤回闘争にも取り組まず、組合員資格を奪って平然としているありさまだ。
 国鉄闘争は一貫して、4党合意や02年5・27臨時大会など、国労の解体・根絶をねらう政府・権力の介入との激突だった。究極の支配介入が5・27臨大闘争弾圧だ。われわれはこれを全面的に打ち破って前進してきた。1047名闘争は政府・JR資本との非和解的対決構造の中にある。これを誇りとし、新自由主義を打ち破る最前線の闘いとしてともに闘おう。職場に資本との闘いがある限り、連合合流策動は前に進まないのだ。

 福島の怒りと結び被曝労働の拒否を

 第三の獲得目標は、福島の怒りと一体になり、反原発闘争の先頭に立って闘うことだ。
 JR貨物は復興キャンペーンを「もうけのチャンス」として瓦礫(がれき)輸送を請け負い、運転士やコンテナ検修の労働者に被曝労働を強制している。JR総連やJR連合は国交省に瓦礫輸送請け負いの「申し入れ」までやった。原発事故と放射能汚染の責任は政府と東電資本にある。東電の責任も追及しないで「瓦礫を全国で分かち合おう」などという本末転倒を根本からひっくり返そう。政府の安全・復興キャンペーンを許さず、瓦礫輸送反対、被曝労働拒否で闘おう。
 原発再稼働阻止の声は霞が関を、全国を覆っている。国労こそ、職場から原発反対・再稼働阻止の闘いに立とう。原発再稼働を根底から粉砕する方針を確立しよう。

 青年の未来に責任をとる!

 すでに資本主義社会の命脈は尽きた。命脈が尽きたから「もうけられれば何でもいい」という新自由主義が横行してきた。労働者の団結を破壊し労組を根絶することが新自由主義攻撃の根幹であり、国鉄分割・民営化はその第一歩だった。
 どの国でも攻撃のターゲットは青年労働者だ。だからこそ、失業と非正規職、競争と分断に追いやられている青年労働者の怒りを表現し、労働者の誇りを呼び覚まして、闘いの階級的正義性を訴えれば、闘う労働組合の組織拡大も可能になる。
 すべての責任は国鉄採世代にある。分割・民営化での国労解体・根絶攻撃を粉砕し、四半世紀にわたって民営化反対を闘ってきた国鉄労働者の誇りにかけて、新自由主義と闘い、青年労働者の未来を切り開く国労方針を確立しよう。

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週刊『前進』(2545号3面2)(2012/07/23 )

 鈴コン分会支援・連帯 共闘会議の結成に260人

 “ナショナルセンター越え”

 7月15日、鈴木コンクリート工業分会闘争支援・連帯共闘会議(以下、共闘会議)の結成が高らかに宣言された。鈴コン分会員と呼びかけ人をはじめ地元の東京北部地域の労働組合、労働者ら260人が東京・赤羽会館に結集した。解雇撤回・非正規職撤廃を闘う熱気に包まれる中、闘う労働組合を復権する非正規職労働者の全国的闘いがいよいよ始まった。
 鈴コン分会は組合つぶしのための雇い止め・解雇に対して解雇撤回・非正規雇用をなくせと闘い抜き、地域に共闘を呼びかけてきた。解雇から7カ月目のこの日、10人の呼びかけ人のもと満を持して結成集会が開かれたのだ。昨年8月に急逝した田口守組合員の解雇撤回の遺志を継ぎ大きな顔写真も掲げられた。
 呼びかけ人で世田谷地区労の花輪不二男さんは主催者あいさつで、「鈴コン分会の闘いは総資本との闘いだ。この闘いに勝利することで非正規職労働者の戦線を拡大し、非正規雇用が蔓延(まんえん)している不条理な社会を変えよう。今日はその歴史的な日だ」と共闘会議の意義を提起した。そして「新自由主義の矛先をへしおってやろうじゃないか。必ず勝利しよう」と熱烈な戦闘宣言を発すると、会場は満場の拍手で応えた。
 連帯あいさつでは動労千葉の田中康宏委員長と鈴コン分会闘争弁護団の木下徹郎弁護士が登壇した。田中委員長は鈴コン闘争の「すごさ」が組合分裂工作に負けなかったことにあるとし、「日本の労働組合の歴史が突き破ることができなかった新しい一歩を踏み出そうとしている」とエールを送った。そして動労千葉も6・29判決を武器に解雇撤回の大運動を進め、10・1JR外注化を阻止し非正規化攻撃を止めると決意を表明した。
 木下弁護士は、鈴コン分会の裁判闘争の意義を「非正規雇用を打ち破り、労働組合の正当な活動を守る闘いだ。まさに労働運動全体にまたがる闘いだ」として、本訴でも勝つと意気込んだ。
 呼びかけ人からの発言が続いた。全日建運輸連帯労組関西生コン支部の高英男副委員長は「30年前につぶされた関東の生コン産別の闘いを復権させよう。産業別運動を根付かせれば労働者主導の産業に変えられる。まさに革命だ。鈴コン分会にはその先陣を担ってほしい」と期待を込めた。
 日本近代史研究者の伊藤晃さんは「私たちは新自由主義と闘い抜き、歴史の1ページを刻むだろう」と発言。東京一般労組東京音楽大学分会の高橋浩さんは、鈴コン分会が解雇撤回・非正規職撤廃を正面から掲げ、徹底したオルグと街宣を重ねていく「王道の闘い方」に感激して呼びかけ人になったと明かした。
 ス労自主の山川博康副委員長は「東京における労組交流センターの新しい挑戦だ」と語った。鈴コン分会と地元が同じ精研労組から諸永政廣委員長が「うちの職場の外注化・非正規職化との闘いに勝つためには鈴コンの闘いが勝利しなければならない」と断言した。
 そして呼びかけ人の鎌倉孝夫さん、織田信夫弁護士、前嶋登さんと民主労総KEC支会長のヤンテグンさんからの連帯メッセージが紹介された。
 集会のクライマックスは鈴コン分会の決意表明だ。分会員全員が前に並び、それぞれのユニークな発言に会場は笑顔に包まれた。吉本伸幸分会書記長は「労働組合、ナショナルセンターの枠を越えて団結しよう。こんな世の中は変えられる」と述べた。内尾稔分会長は「軸は職場と組合員。労働者のプライドをもって、俺たちが情勢をつくっていく」と決意を新たにした。
 事務局団体による共闘会議の活動方針が提起され、呼びかけ人・賛同人の拡大や署名・カンパ活動の強化が訴えられた。
 集会後、レセプションが盛大に行われ、青年・学生は7・16反原発集会を熱く訴えた。
 解雇撤回・非正規職撤廃へ労働組合の反撃ののろしが上がった。全国の労働者は鈴コン分会とともに闘おう!
 (東京西部ユニオン・M)
(写真上 力強い広範な陣形で、非正規職撤廃への不退転の闘いを宣言した【7月15日 東京・赤羽】)
(写真下 レセプションの最後に共闘会議呼びかけ人の花輪不二男さんの音頭で団結ガンバロー!)

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週刊『前進』(2545号3面3)(2012/07/23 )

 労働者の力強いカンパで革命に勝利する党つくろう

 『前進』読者のみなさん。支持者のみなさん。7・16反原発集会は猛暑の中、代々木公園に二十万人に近い人が結集する歴史的な大集会・デモとして闘いとられました。
 公園内と周辺の道路を立錐の余地なく人が埋めつくし、JR原宿駅と渋谷駅まで参加者の列が続きました。これまでの最大規模の結集です。「再稼働は絶対認めない」「福島の怒りと連帯しよう」「野田を打倒しよう」「原発止めて社会を変えよう」。直前の7・13首相官邸前行動で機動隊バスと鉄柵(さく)でデモ隊を分断し、おりの中に押し込めるような弾圧を強行した国家権力への悔しさと怒りをバネに、仲間を連れて結集したのです。
 日本階級闘争は、新たな歴史、新たな次元に突入しました。プロレタリア革命以外にいかなる解決も決着もない、革命的な大激動期への突入です。革共同はあらためて絶大なカンパを寄せていただくよう訴えます。

 革共同は労働者と共に闘いぬく

 7月6日、日帝・野田政権は「国家戦略会議」において、世界大恐慌と3・11情勢のもとでの日帝の脱落的現実への激しい危機感から、その絶望的突破をかけたものとして「日本再生戦略」を打ち出しました。それは鉄道・新幹線と水事業、原発の三つを軸とするパッケージ型インフラ輸出戦略であり、「40歳定年制」をはじめとした9割の非正規化攻撃です。結局、野田政権がやろうとしていることは、原発の再稼働と消費大増税を突破口に、一切の犠牲を労働者階級に押しつけ、命まで奪う攻撃です。また、沖縄へのオスプレイ配備を強行し、沖縄の労働者階級の闘いを圧殺し、改憲と戦争へ突き進もうとしているのです。そして、これら一切を強行突破するために新自由主義攻撃の絶望的エスカレートとして、外注化・総非正規職化を通じた労組(労働組合的団結)破壊に打って出ているのです。労働組合をめぐる攻防に勝利して、労働組合を再生し拠点をつくろう。
 7・16反原発集会には多くの労働組合の旗が掲げられ、反原発の怒りのもとで巨大な団結が実現しました。ブルジョア・マスコミを使った「市民と労働組合の対立」「個人と組織の対立」等の分断工作が一瞬にして打ち破られました。労働者階級の野田打倒の怒りの中で唯一、政権存続の機関となっている連合支配を根底からひっくり返す労働者階級のうねりが始まったのです。原発への怒りの根底性・非和解性は、あらゆる体制内的支配をのりこえ、打ち砕き、労働組合の革命的再生を必ず可能にします。
 日帝・野田政権を絶対に打倒しよう! いま必要なことは、実際に労働者階級が勝利することです。その時、7・16反原発集会に示された野田政権打倒の巨万の怒りは、革命に向かって怒濤(どとう)のように突き進みます。
 この時に日本労働者階級は、日帝打倒の決定的な武器を手にしました。それは、動労千葉と国鉄闘争全国運動がかちとった「動労千葉鉄建公団訴訟の6・29東京地裁判決」です。1047名解雇について、司法権力に初めて具体的かつ明確に不当労働行為を認定させたのです。6・29判決は、連合との対抗軸として存在してきた国鉄闘争において、動労千葉と国鉄闘争全国運動が責任勢力として存在していることを鮮明にしました。解雇撤回・非正規職撤廃を闘う国鉄闘争全国運動を推進しよう。

 10・1外注化は絶対に阻止する

 動労千葉は10・1外注化阻止の大勝負に入っています。10・1外注化阻止決戦こそ、数十万、数百万の労働者階級が、日帝・新自由主義との最大の激突点において、実際に勝利をかちとり、労働組合の再生の力を確信し、プロレタリア革命へと具体的に前進していく突破口です。革共同は反原発の闘いの先頭で闘い、この階級的力の爆発で動労千葉とともに10・1外注化を必ず阻止します。
 すべてのみなさん。革共同とともに、10・1外注化阻止決戦に立ち上がり、労働組合の再生を実現しましょう。労働組合の再生をテコに、巨大な反原発・野田打倒の怒りをプロレタリア革命に向かって解き放ちましょう。
 日常的な雇い止め解雇攻撃と闘っている非正規職労働者のみなさん、とりわけ青年労働者のみなさん。日本帝国主義・新自由主義を打倒し、非正規職を撤廃しよう。自らの未来を自らの手で切り開こう。革共同は、非正規職労働者とともに断固闘います。
 連合支配と職場・生産点で必死に闘いぬく公務員労働者・民間基幹労働者のみなさん。革共同とともに連合打倒へ総決起しよう。
 革共同は、動労千葉とともにプロレタリア革命に突き進む労働組合権力を全国各地に打ち立てます。労働者人民から寄せられた力強いカンパで革命党建設と労働組合再生の一体的推進を必ずやり遂げます。絶大な夏期カンパをぜひお願いします。

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週刊『前進』(2545号3面4)(2012/07/23 )

【要項】ジェコー解雇撤回裁判

 ジェコー解雇撤回裁判
 7月30日(月)午前10時(全日)
 さいたま地裁熊谷支部401法廷(JR熊谷駅・秩父鉄道熊谷駅徒歩15分)

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週刊『前進』(2545号4面1)(2012/07/23 )

 福島の怒りと固く結んで政府のもくろみを打ち倒そう!

 “命脅かすすべてに反対する”

(写真 第2ステージ【左】があるイベント広場を埋めた平和フォーラムや全労協傘下の労働者部隊。右奥が第1ステージのあるサッカー場。原発立地県の労組は「柏崎刈羽原発を廃炉に」「浜岡原発永久停止」「伊方原発再稼働NO」など横断幕を掲げて参加、福島県平和フォーラムを先頭に渋谷コースのデモに出た【7月16日】)

(写真 第1ステージで武藤類子さんの発言に聴き入る参加者。立ち上がっているのは放射能に汚染された庭の土を東電と経産省に突き返すため二本松市から背負って歩いてきた「灰の行進」の関久夫さん一行。武藤さんが紹介)

 7・16さようなら原発集会は、東京・代々木公園に被災地をはじめ全国から17万人が参加して大高揚した。第一ステージを中心に集会での主な発言(要旨)を紹介します。(編集局)

 呼びかけ人あいさつ

 声ふみつぶす内閣にノーを ルポライター 鎌田慧さん

 全国のあらゆる人たちの力を振り絞って750万、現在すでに780万筆ですけど集めました。それを6月15日、首相官邸に持っていき、藤村官房長官に提出しました。しかし、その次の日、大飯原発再稼働を決めました。主権者の声を、汗と涙によって集めた署名を踏みつぶして平然としている。このような内閣にノーを突きつけたい。
 フクシマがどうなるか、フクシマの子どもたちがどうなるか、まったくわからない。対策もない。今ある使用済み燃料がどうなるか分からない。原発が停止してても地震があったら爆発するかもしれない危険にありながら、まだ原発にこだわっている。国民の生命と財産を無視するような政府に対して徹底的に弾劾していきたい。
 政府は2030年15%で逃げ切ろうとしてます。とんでもない。ただちに0%です。
 かつて原発建設のときに、彼らはサクラを動員していろんな集会をやってきました。機動隊を配置してきました。それに徹底的に闘えなかった。しかし、みなさんの力で、とにかく原発ゼロまで押し上げていく。
 8月の政府案が出た後、もう一度、それに対する徹底的な集会を、9月、あるいは10月かもしれない、もう一度準備してやります。みなさん、まだまだやりましょう。

 福島の後に沈黙は野蛮だ 音楽家 坂本龍一さん

 思い起こせば42年前に、私はまだ18歳で、ここ代々木公園にいました。そのときは日米安保改定反対でしたけれども。今日は一市民として来ました。40年以上ぶりに、こうやって市民が声を上げるということは、感無量です。それほど原発に対する恐怖や日本政府の原発政策に対する怒りが日本国民に充満しているということだと思います。
 たかが電気のために、なんで命を危険にさらさなきゃいけないんでしょうか。たかが電気のために、子どもの命を危険にさらすようなことはするべきではありません。お金より命です。経済より生命。子どもを守りましょう。
 「フクシマの後に沈黙していることは野蛮だ」というのが私の信条です。

 主権者を脅す政府に服さぬ 経済評論家 内橋克人さん

 主権者である市民、国民の真剣な願い、必死の叫びをあざ笑うかのように、平然と大飯原発が再稼働されました。3号機に続けて4号機が再稼働され、今月下旬にも2基の原発がフル稼働する予定になっております。野田首相は再稼働の一番手、福井県知事に対して「敬意と感謝を申し上げる」などとたたえる言葉をささげました。四国の伊方原発3号機、北海道の泊原発、北陸電力の志賀原発。今や再稼働計画は目白押し状態です。
 二つのことに警鐘を鳴らさなくてはいけません。「原発の代わりはどうするのか」は、政府・官僚が、主権者である国民・市民を脅す、口を封じるための常套(じょうとう)手段でした。核心となる情報を隠しておいて「お上の言うことに盾突くとはけしからん。対案を出せ」。私は承服できません。
 新しい原発安全神話が大手を振るい始めたこともです。原子力基本法の基本方針に、こっそりと「わが国の安全保障に資する」という文言が加えられて改正案が成立してしまいました。「同意なき国策さようなら」と、私たちは声を上げ続けなければなりません。
 フクシマの悲劇を学ぼうとしない政治家を二度と再び国会に送ってはなりません。それこそが私たちの子どもや孫、未来への私たちの最低限の責任だと思います。

 さよなら原発の運動は勝つ 作家 大江健三郎さん

 昨年9月、明治公園の集会に参加しました。そして生まれて初めての経験をしました。7万人を超える市民が集まりました。一人の女性、東北からやってこられた方が静かな声でお話しになりました。その言葉は私たちの胸に、魂にしっかり染みこみました。私はさよなら原発の運動は勝つと思いました。
 そして、私は750万を超える署名を持って首相官邸に行き、官房長官に渡しました。翌週、首相の「大飯原発再稼働」の声明を聞くことになりました。そして大飯原発は再稼働され続けています。原発事故のなお続くなかで大飯原発を再稼働させた。
 さらに再稼働を続けていこうとしている政府に、私らは自分が侮辱されていると感じます。私たちは侮辱のなかで生きていくほかないのか。あるいは次の原発の大爆発によって侮辱のなかで死ぬほかないのか。
 そういうことが起きてはならない。私たちは政府のもくろみを打ち倒さなければならない。そして確実に打ち倒せるし、われわれは原発の恐怖と侮辱の外に出て自由に生きていくことができると心から信じます。しっかりやり続けましょう。

 子どもたちに明日を残そう 作家 落合恵子さん

 なんという政治・政権でしょうか。「コンクリートから人へ」と言った人たちが、「命より原発」を選んでしまったのです。冗談じゃありません。私たちは命・暮らしへのこの重大な犯罪と侵略行為の共犯者になることはできません。私たちは二度と加害者にも被害者にもなりません。自らの存在にかけて闘うことをやめません。
 私たちはけっしてひるみません。けっして後戻りしません。原発はいりません。再稼働許しません。原発輸出させません。すべての原発を廃炉にします。私たちが守るのはたった一つ命です。命であり、暮らしであり、田畑であり、海であり、空であり、すべての命。脅かされてなるもんか。原発もオスプレイも基地も全部反対です。すべてが命を脅かすものだからです。すべての命を脅かすものと対峙していきましょう。
 野田政権に聞きます。あなたたちが「国民」と言うとき、誰を見ているのか。私たちの声は「大きな音」ではありません。原発推進も独裁も、挫折させてやろう。こんなにつらい思いをしている子どもたちに、もう少しましな明日を残しましょう。約束です。再稼働反対、原発そのものに反対、すべてに反対するところから命は再生していくということ。私たちは主張し続けていきましょう。

 未来のため核は無条件撤廃 作家 澤地久枝さん

 いま私たちがこうやって一生懸命やっているのは、いま生きている人たちからつながっている未来のためだと思います。核に汚染されて命がかろうじて細々と生き延びているという地球には絶対にしたくない。未来の子どものために、いま頑張らなければいけない。
 東京も食べる物を汚染されています。大人は覚悟をして食べればいいけれども、小さな子どもたち、それから子どもを産むお母さんたちは、それをどうやって避けるのか。もう道はないんですよね、日本列島全部ね。私は日本の政府は日本人から故郷を奪ったと、しみじみ思ってます。福島の人たちは故郷へ帰っていきたいけれども帰っていけないじゃありませんか。もう核は即時無条件撤廃ですね。核はいらないですよね。そうなれば輸出もしなくて済みます。
 みんながこの国に生まれて生きてよかったと思えるような国にしていく。みんな政治の主人なんですよね。

 集まり言い分を口に出そう 作家 瀬戸内寂聴さん

 100年前に大逆事件があり、人間が自由を奪われた時代がありました。そして人類のために新しい政治をしようとしたら全部捕まって何もできない時代がありました。過去の人たちがさまざまな苦労をして、さまざまな反逆をし、人間の自由を守ってきたから今日があるのだと思います。
 私たちのこの集まりを首相が聞くことをしない。私たちは集まらなければならない。なぜならば、政府に対して言い分があれば口に出して言っていいんです。力を合わせて、たとえむなしいと思うときがあっても、それにめげないで頑張っていきましょう。
 人間が生きるということは、自分以外の人のために少しでも役に立ちたい、自分以外の人間を幸せにする、そのために命をいただいているんだと思います。これは私たちだけの問題でなく、みんなの問題であり、世界につながる問題です。

 大飯現地と福島から

 地元の大多数は再稼働反対 福井県小浜市の明通の住職 中嶌哲演さん

 30年前に小浜市民は強力な反対運動を展開したわけですが、その折の一人の小浜市民の声をぜひ伝えたいと思います。「3、4号が増設されたならば、私たちの子や孫に死刑宣告を受けたのも同然」という言葉であります。大飯3号は残念ながらフル稼働にすでに入っています。
 関西広域連合は原子力ムラの面々から恫喝されたことによってあえなく再稼働を認めてしまいました。また大飯町や福井県は5億円のおこぼれにあずかるために容認をしてしまいました。しかし、大多数の若狭の住民や福井県民はけっしてこれを認めておりません。
 大飯3号が1日フル稼働しますと、原子炉の中には広島原発3発分の死の灰が生成されます。なぜ50万人になろうとする新たな被曝者、被曝労働者を必要としたのでしょうか。広島原爆100発分の死の灰が放出、拡散することによって福島県の36万人の子どもたちを含む県民の過酷な現状があります。
 今、若狭原発震災の前夜、第2、第3の福島が連発しうると第一線の地震学者たちは警鐘を乱打しています。わたしたちはビッグピンチに直面しています。ビッグピンチをビッグチャンスに変えていくべく、ここに結集されているみなさんの大きな輪の中にこれからも加わり続けていきたいと願っています。

 分断されずつながり合う ハイロアクション福島原発40年 武藤類子さん

 3・11からの日々、福島の人びとももちろんそうですが、福島原発事故に心を痛め、原発がある社会を憂えた日本中の人びとがやさしく支え合い、自分にできる何かをと立ち上がり、数々の行動を起こしてきました。
 明らかにされていく事実のなかで、さらにがっかりすることや驚きあきれることもたくさんありました。数々の分断は私たちをバラバラにしようとしました。暗闇の中で翻弄(ほんろう)され、傷つき混乱しながら、それでもつながり続け、一人ひとりが最善をつくしてきたと思います。それがこの公園に広がる色とりどりの花模様です。官邸前の熱い金曜日です。
 私たちは今日ここで、本当によくやってきたねと自分をほめ、隣にいる人をほめましょう。私たちの行動を支えてきた大切な体をいたわりましょう。明日を賢く生きるために、ひそかにほほえみと力を蓄えましょう。
 しかし、それでも福島の現状はあまりにも厳しいのです。4号機、甲状腺検査、再稼働、がれき問題、安全保障、廃墟(はいきょ)と復興のはざまでひっそりと絶たれていく命たち。福島原発事故という最悪の事態のなかから私たちはかすかな光をたぐり寄せ、いま青空のもとに集まっています。声なき声とともに、分断のわなにゆめゆめ落ち込むことなく賢くつながり合っていきましょう。

 福島の闘う人びと(第4、第3ステージで)

 ●黒田節子さん/原発いらない福島の女たち

 郡山市から来ました。福島では今日も子どもたちが被曝しています。ここで暮らしてはいけないという放射線量であるにもかかわらず、県や国はそれをいまだに認めません。学校の体育の授業で1時間、クラブ活動で2時間という3時間ルールがこの春撤廃されました。帰村宣言が川内村などで行われています。「福島は安全になったから」と原発が再稼働されました。許すことができません。許しません。福島の原発事故は今でも収束ができず、東電の下請けの下請けの下請けの働く人びとが命を削って爆発を抑えています。原発はウランを採掘するところから労働者を被曝させて成り立っています。ひとたび福島第一のような事故が起こると世界中が住めなくなります。福島を忘れないでください。ノーモア・フクシマ!

 ●木田節子さん/原発いらない福島の女たち

 去年の春から茨城県の水戸で避難生活をしています。この国は本当のことを言いません。福島県内では子どもたちの30%にしこりや嚢胞(のうほう)が出ています。体の外に水疱(すいほう)ができます。内部被曝から発生している嚢胞は、水ぼうそうと違ってまた出てきます。それを繰り返す。これは完全に初期の原爆症の症状です。肥田舜太郎医師がそう言っています。これを市も町も県も国も認めません。ごまかしているんです。マスコミにも責任がある。日本の政治と原発推進は大変な間違いです。絶対にこの国の好きなようにさせてはなりません。

 ●長沢利子さん/福島県双葉郡葛尾村で被災、福島県三春町で避難生活

 福島第一原発から30`圏内の葛尾村という自然豊かな村に住んでいました。先月お墓参りに村のわが家に行きました。山の緑も周りの景色も何も変わっていません。でも生活の音がまったくありません。原発なんていらない。再稼働を推進している人たちに葛尾村の現状を見てもらいたい。

 ●小島力さん/福島県双葉郡葛尾村で被災、東京都武蔵野市で避難生活

 双葉で四十数年間、反原発の運動を続けてきました。政府と東京電力、マスコミが一体となって原発の安全神話をつくり上げてきました。原発事故の後もSPEEDI情報隠しのせいで、最も放射線量の高い浪江町の北西部に避難させられ、飯舘村民は最も高濃度の汚染地域に1カ月以上放置されました。こうした棄民の思想の上に成り立つ原発をなくしましょう。

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週刊『前進』(2545号4面2)(2012/07/23 )

日誌'12 7月10日〜16日

 「線量ゼロ」の子でも被曝/内閣府「宇宙戦略室」が発足

●米汚染図放置を陳謝 野田佳彦首相は参院予算委員会で、東京電力福島第一原発の事故直後に米政府が提供した放射線測定資料を日本政府が公表しなかった問題について「住民の命を守るために適切に情報を公開する姿勢が希薄だった」と語った。(10日)
●「線量ゼロ」の子でも被曝 福島第一原発事故による福島の子どもの甲状腺被曝について、政府の原子力災害対策本部は昨年8月、調べた1080人の55%の保護者に「ゼロ」と通知したが、実際は一定の被曝をしていた可能性が高いことが分かった。(10日)
●東電会議録画、公開へ 東京電力は福島第一原発事故が起きた直後の幹部のやりとりを収めたテレビ会議の録画や音声記録を公開する方針。(10日)
●エジプト議会再開 エジプトで最高憲法裁判所と軍部に解散を命じられた人民議会が議事再開を宣言。(10日)
●東電に除染費1兆円を請求 政府は福島第一原発事故で飛び散った放射性物質の除染費用など約1兆円分を東電に請求する方針を固めた。(11日)
●「国民の生活が第一」結党 消費増税に反対した小沢一郎・民主党元代表は、都内で新党結党議員大会を開き、新党名を「国民の生活が第一」と発表し、代表に就任した。衆参の議員49人が参加した。(11日)
●釣魚台(尖閣)国有化方針を伝達
玄葉光一郎外相はカンボジアの首都プノンペンで中国の楊外相と会談し、釣魚台を「平穏かつ安定的に維持管理していくことが重要だ」と語り、国有化する方針を伝えた。(11日)
●「憲法裁決定に従う」 エジプトのムルシ大統領は「憲法裁の決定に従う」との声明を出し、議会の解散を命じた憲法裁に従う姿勢。(11日)
●集団的自衛権行使「一つの考え」
野田首相は衆院予算委員会で、自民党がまとめた国家安全保障基本法案に関して「集団的自衛権の一部を必要最小限度の自衛権に含むというのは一つの考えだ」と評価した。(12日)
●宇宙戦略室が発足 野田内閣は内閣府に宇宙戦略室を設置した。ロケットや衛星の商業利用を進め、日本の宇宙産業の国際競争力を高める。(12日)
●ASEAN外相会議、共同声明出せず閉幕 カンボジアの首都プノンペンで開かれていた東南アジア諸国連合(ASEAN)の外相会議は共同声明をまとめられないまま閉幕した。45回目の同会議で初めて。南中国海の記述で折り合えず。(13日)
●原発比率決定へ初の意見聴取会 2030年の原発依存度などエネルギー政策に関する意見聴取会がさいたま市で始まった。4日まで大阪、名古屋市など全国11カ所で開く。(14日)
●日本産原発建設国民投票へ リトアニアの国会は日立製作所が建設を受注する見通しのビザギナス原発について建設の賛否を問う国民投票を実施することを賛成多数で決めた。(16日)
●陸自が都内区役所で宿泊訓練 首都直下地震を想定し、陸上自衛隊は夜、東京都内全23区役所への初の展開訓練を行った。迷彩服の隊員が区役所に入った。7区役所に泊まった。(16日)

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週刊『前進』(2545号5面1)(2012/07/23 )

 福島の怒りと固く結んで政府のもくろみを打ち倒そう!

 “廃炉まで声あげ続ける”

 インタビュー 7・16集会参加者の熱い思い

(写真 3コースのデモのうち渋谷コースの先頭には、福島県教組や福島の労働者の大隊列が立った。「原発いらない福島の女たち」も【7月16日】)

(写真 原宿コースは、「怒 福島隊」ののぼり旗を掲げた「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」などの市民団体がデモの先頭に立った)

 7月16日に東京・代々木公園で開かれた「さようなら原発10万人集会」に、福島を始め全国各地から集まった参加者の声を紹介します。(編集局)

 福島だけの問題じゃない

 ●福島県教組・角田政志書記長

 除染して校舎の中の放射線量は少し下がっていますが、子どもたちの生活空間はまだまだ高い。私は福島市内ですが、家の中も0・45マイクロシーベルトぐらい。今年はプールはどうするのかとか、大変な状況になっている。そういう中で再稼働など考えられない。片仮名で「フクシマ」と記されるようになったことが本当に悔しい。
 私もあちこちに行って訴えていますが、福島を孤立させない、原発問題を福島だけの問題にさせないようにしなきゃいけないと思っています。

 ●福島県教組の組合員

 権力を持っている者のために庶民は犠牲になれ、子どもが死んだって構わない、という国のやり方に腹が立つ。
 学校では先週からプールの授業が始まった。プールサイドでは危なくて準備運動をさせられないから、校舎でやって、プールに行ったらシャワーを浴びて、ぱっと入って、シャワーを浴びてすぐ戻る。夏休みはプールはやりません。
 「放射能は危ない」と思っている人と「大したことない」と思っている人の感覚の違いが大きい。何をやるにももめる。プールも「やれ」「だめだ」と分かれる。それが本当に疲れる。
 なかなか東京には来られないけど、毎週金曜日に官邸前でやってくれていてうれしい。

 ●同

 「もう普通どおりに戻そう」という動きの中で子どもたちが被曝させられているのが、どうしても納得できない。大飯原発の再稼働も福島県民の気持ちを逆なでするもの。こういう時こそ労働組合が声を発していかなければならない。

 ●福島市の女性

 福島市の高線量のところでは、家の中でも0・8マイクロシーベルトもある。そこで今も子どもたちが毎日寝ているんです。1年何カ月も放ったらかし。それに対して「危ない」と言う人は「不安をあおる輩だ」とレッテル張りされる。住民の分断です。
 原子力発電はウラン鉱山の労働者も原発作業員も必ず被曝する。「雇用を守るために再稼働」と言うが、そんなことはない。すべての原発で廃炉作業をすれば、雇用がたくさん生まれ、町はにぎわいます。世界中から原発をなくして、被曝する人がいない美しい地球をよみがえらせたい。

 子どもを守る格闘の日々

 ●福島市渡利の男性

 小学校6年と3年の2人の子どもがいます。渡利は線量がとても高いので、避難も考えた。でも避難したら家族がばらばらになる。結局、市内の線量が比較的低い地区に自主避難して暮らしています。国や県は「安全」と言うけれど、健康被害がどうなるのか、実際にはわからない。子どもたちを守るために格闘して生活している毎日はつらい。こういう思いを伝えたくて参加しました。

 ●伊達市の男性

 ずっと無農薬で農業をしてきました。福島は山の恵みや川の恵みがいっぱいあった。香り米とか、いろんな種類の米をつくって友達に送り、友達から別の農産物を送ってもらう。自給して豊かな生活ができた。その生活がすべて奪われた。土も汚され、空気も、春の山菜も、川魚も全部だめ。もう農業はやっていません。
 福島第一原発4号炉の核燃料プールが崩れたらどうなるか、深刻です。みんなで声を上げよう。

 ●福島市の女性

 3・11後、政府はSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)を隠した。その時、福島市が線量が高いことも知らずにガソリンや水、食料を買いに外を走り回っていた。私たちはもうかなり吸っているんです。
 家から放射能を取り除くために何百万円もかけました。業者に頼んで家を水洗いしてもらい、立ち木を切ってもらった。だけど東電からはたった8万円の「ご迷惑料」だけ。放射能は人間が制御できないものです。もうやめてほしい。

 ●浪江町から伊達市に避難している男性

 自宅は第一原発から10`弱。3月12日朝に避難命令が出て、着のみ着のままで、浪江町の山側の津島地区にみんな避難して、2日も3日もいた。そこがとんでもなく放射線の高いところだった。浪江町民はみんな大量被曝だよ。
 浪江町の家には一時帰宅で何回か戻ったけれど、だんだん家が荒れていく。草だらけ。荷物を出し入れして、最後に家の周りを測ったら10マイクロを超えていた。なのに国は警戒区域見直しで住民を帰そうとしている。とんでもない国だ。

 ●福島市の女性

 福島は今も放射能と闘っている。どこがマイクロスポットになっているかもわからず、子どもを外で遊ばせるのもとても心配です。除染しても、集めたところの線量が高くなるだけ。学校も公園も民家も、削った土を持っていく場所がないから、そこに置いてあるままです。
 地元では放射能の話もしにくい。「ここで暮らすしかない」と思っている人たちに「放射能が危ない」と言っても苦しめるだけかなと思うと、なかなか言えないんです。
 福島も全然収束していないのに、原発を次々動かそうとしている。「福島が声を上げないといけない」と思い来ました。

 労働組合はストライキだ

 ●国労郡山工場支部の橋本光一さん

 この人波を見ながら「これからおれたちはなにをやる必要があるのか」と考えていました。労働組合はやはりストライキです。それが資本家への最大の打撃になる。そのエネルギーをもらいに来ました。
 職場での外注化拡大をどう止めていくのか。学習会、集会、チラシまきなどを重ねながら、職場全体の非協力闘争に発展させ、ストを打てる力を蓄えていく。どこの職場でも直接に原発問題でストをやるとはなかなかならないですよね。全国の現場で反合理化闘争を起こし、それが高揚していって大ゼネストになっていく。そういう意識も持って職場の外注化反対闘争をつくっていきたい。

 ●仙台市から参加した青年労働者

 野田が「国民の生活のために原発再稼働」「原発を止めたら雇用が失われる」と言っていることに一番腹が立つ。失われる雇用というのは、原発労働や非正規労働。そういう仕事しか若者には用意せずに”被曝労働を続けることが雇用を守ること”と言うのは許せない。労働組合が、そういう労働そのものを許さない闘いをやっていこうと訴えたい。

 ●動労水戸・木村郁夫書記長

 今の世の中全体のうねり、この息吹を職場に持ち帰り、「今やっている職場での闘いと同じ闘いなんだ。世の中自体を変える必要があるし、変えられるんだ」と伝えたい。職場でも若い人が動き始めていますから。今日参加した人が、この次には職場の人を連れてくる。その繰り返しの中で、どんどん闘いが大きくなる。そういう取り組みをしたいですね。

 ●憲法と人権の日弁連をめざす会代表・高山俊吉弁護士

 とうとうここまで来た。一つの到達点であると同時に次のさらにすごい闘いへの予兆でもある。戦後革命期以来のまったく新しい闘いが始まっていることに、震えるほど感動します。

 ●東京・精研労組青年部の赤羽進彦さん

 連合や電力総連が原発を推進し、若い労働者に被曝労働を強いている。これを変えていくために、連合の足下から労働組合をよみがえらせていく。連合をぶっ倒さないと原発は止まらないし、生きていけない現実は変わらない。だから職場の闘いと一体のものとして今日の集会に参加しました。

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週刊『前進』(2545号5面2)(2012/07/23 )

 7・13福島大 山本太郎さんら熱く語る

 当局の妨害破り討論集会

 7月13日、「あじさい革命」との連帯、また7・16結集に向けた企画として、福島大学で「福大から原発と大学を考える 山本太郎さん×森川文人さんトークセッション」が開催され、福島大生が本音をぶつけ合う熱い企画として大成功しました。
 俳優・山本太郎さんと弁護士・森川文人さんが福島大学キャンパス中央に登場すると、副学長ら数十人が、学生の結集を妨害してきました。「学生が議論して何が悪い。何十万人もの人びとが『再稼働反対!』でつながっている時に、あなたたちのスケールの小ささはなんだ!」。実行委員が副学長を押し返すと、福大生がどんどん集まってきました。大学当局は、「友だちを選んだ方がいい」「全学連の企画に参加するな」などと宣伝しましたが、福大生の決起がこれを完全に打ち破ったのです。
 夕方の企画では、実行委員が「お二人の話を聞いてから福島の思いを語ろう」と切り出し、参加者全体で討論するトークセッションとなりました。
 対談はとてもリズミカルで、全体がぐいぐいと引き込まれていきます。山本さんは「原発に反対するにはリスクだらけ。『おまえ売名行為やろ』と言われますが、収入が減る売名行為なんて聞いたことないですよ(笑)。でも、役者・芸能人という前に人間ですもん。生きたい。生きぬくためには声を上げるしかなくて運動を始めました」と語りました。
 また、福大当局が教室貸し出しを拒否したことを「学生が現実を見つめてアクションを起こすことを恐れている」と述べ、福大の新自由主義大学としてのあり方を暴露・弾劾しました。
 福大生が「危険とわかっているが、生まれ育った土地への思い入れはみな強い」と提起しました。「福島で生きるには」という切実な声にどう応えていくかは重大なテーマです。核心は、森川弁護士の語るとおり「責任は誰にあるのか。政府や東電だ」ということでしょう。
 最後に、原発反対運動を続けてきた福島の女性が「福島がこうなっているのに再稼働だなんて、最悪の総理。こういう時に一番立ち上がらなければならないのは地元であり若い人。未来はみなさん(学生)のものなのだから」と訴えました。
 福大生はキャンパスで声を上げ始めました。そして全国と結びつくために、7・16集会へ結集しました。次は8・6ヒロシマと全学連大会。福大生と全国学友の団結で野田を打倒して、すべての原発をなくそう。
 (福島大・F)
(写真上 学生とともに山本太郎さんも当局を弾劾)
(写真下 夕方のトークセッション)

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週刊『前進』(2545号5面3)(2012/07/23 )

 10・1JR外注化阻止・非正規職撤廃と解雇撤回に総決起しよう

 今こそ国鉄全国運動の発展を

 7・16さようなら原発10万人集会は、全国各地から17万人を超える労働者人民が大結集し、「野田打倒!」「再稼働反対!」の叫びと運動的うねりのすさまじい迫力を示した。原発をなくすまでこの闘いは終わらない。反原発闘争の空前の高揚は、野田を打倒し、この国と社会を根底から変革するまでとどまることのない闘いだ。この闘いをさらに発展させよう。7・29革共同政治集会の大成功をかちとり、外注化阻止決戦と8・6ヒロシマ大行動へ全力で突き進もう。

 私たちが主体だ。自分たちで未来決める

 7・16の歴史的大高揚とこの間の首相官邸前−国会−霞が関一帯の巨大なデモの背後には、さらに「一歩も引かないぞ、もうだまされないぞ」と怒り、決起しようとしている数百万、数千万の労働者階級人民がいる。
 7・16で呼びかけ人の大江健三郎さんは「私たちは政府に侮辱されている。次の原発の大爆発で死ぬわけにはいかない。政府のもくろみを打ち倒さなければならないし、確実に打ち倒せる。しっかりやり続けましょう」と訴えた。議会への幻想を断ち切った発言だ。
 ”ここにいる私たちが主体。未来のことは自分たちで決める”という明確な意志の表明。団結と解放感がみなぎる集会とデモ。もっとやろう、絶対に負けないぞという決意。
 ここには「コミューンの4原則」(『革共同綱領草案』78〜79n)に通じるものが激しく脈打っている。今やそういうふうに民衆が動き出した。60年や70年をも超える、戦後革命以来の歴史的な決起が始まったのだ。
 世界大恐慌の底なしの深まりの中で、3・11大震災と福島原発の大事故以来、積もりに積もった労働者階級人民の怒りが噴出している。特にフクシマの怒りと決起は、原発事故の過酷な現実を消し去ろうとする日帝・野田の分断攻撃をうち破り、燃え続けてきた。そして今年、3・11から1周年の福島の闘いを経て、首相官邸前の決起から7・16へと上り詰めてきた。6・29(20万)、7・6(15万)、7・13(15万)と波状的に続いた首相官邸前を埋める空前の抗議行動は、7・16を経て、さらに巨万の大結集になっていく。
 日帝・国家権力は、恐怖におののきながら、必死に弾圧を強化している。7月13日の首相官邸前行動に対しては、鉄柵と機動隊バスを並べて歩道と車道の間にバリケードを築き、抗議行動参加者を歩道上に押し込み、分断して、車道を占拠させないようにした。午後3時以降は地下鉄から地上に出ることも規制し、歩道上にも鉄柵を置いて通行を遮断し、官邸前へと近づけないようにした。
 7・16では、主催者と確認した「2車線・1てい団800人」を一方的にほごにし、「1車線・250人」というデモ規制に出た。また自衛隊5千人と在日米軍は当日から5日間、「首都直下型地震を想定」と称して防災演習を強行した。事実上の治安出動だ。
 野田も日帝ブルジョアジーも、起きていることはもはや革命の問題だと自覚している。だから必死に踏み込み、弾圧を強化してきている。しかし労働者人民の側はもはや引かない。これは大恐慌下で放射能・原発事故と日々対峙し、生き抜くための闘いだ。7・16で分断と弾圧を打ち破り「17万人決起」を体験した人民は、毎週金曜夜に「もっとやろう」と集まってくる。弾圧は破綻している。
 NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議=な全)の3千人の大デモは、圧倒的な迫力と存在感を示した。その中軸には、ストライキに決起して反原発・被曝労働拒否を闘う労働組合、動労千葉や動労水戸などの労働運動と青年労働者の決起がある。

 労働組合再生の闘いで現情勢と結びつく

 闘う労働者と革共同は、7・16からさらに数万、数百万の決起に向かう、これまで誰も経験したことがない闘いと、どう結びついていくのか。それは何よりも、国鉄闘争全国運動の6・10大集会に示された闘う労働組合の復権と再生によってである。労働組合を復権・再生していくすごい情勢が到来している。階級的労働運動を土台から支える、組織された労働者の力と労働組合を復権しない限り、革命も権力も問題にならない。6月の「あじさい革命」をプロレタリア革命勝利へと推し進める闘いの核心と課題がここにある。
 だからこそ国鉄を軸に、外注化阻止決戦の爆発と勝利で、階級的な労働組合をよみがえらせるのだ。首相官邸前や7・16に参加した労働者は、感動し興奮して職場で体験を語り始めている。動労千葉も、反戦青年委員会の街頭闘争や三里塚闘争に参加した青年労働者が、その息吹を職場に持ち込んで闘い、今日を築いてきた。職場と街頭が相互に結びつき、労働組合の復権がかちとられていく。

 外注化阻止の決戦には勝利の展望がある

 この情勢下で10・1JR外注化阻止決戦を全力で闘おう。勝利の展望は開かれている。
 6月30日に仙台支社が「10・1外注化実施」を提案した。8月1日から出向予定者の訓練開始、9月14日には事前通知が出るという。団交もやらずに一気呵成(かせい)に強行しようとしている。水戸支社での提案に対しては、7月13日、動労水戸が「検修・構内外注化と徹底的に闘う」という緊急抗議声明を発した。動労千葉にも提案することを通告してきている。今やこの7〜8月が大決戦になった。
 動労千葉はこの攻防の中で、国鉄闘争全国運動の6・10大集会をかちとり、鉄建公団訴訟の6・29判決をもぎり取った。解雇は有効とする反動判決だが、1047名の解雇をめぐり初めて具体的に不当労働行為を認定させた画期的判決でもある。解雇撤回まであと一歩のところまでJRを追い詰めたのだ。「国家的不当労働行為を絶対に許さない! 1047名解雇撤回!」という原則を曲げず、不屈に闘い続け、もぎり取った地平だ。
 JR検修・構内全面外注化は鉄道輸送の根幹にかかわる大問題だ。これを許したら第2、第3の尼崎事故が次々と起きる。
 しかも今度のJR外注化は、文字どおり全労働者の9割非正規化の決定的突破口である。野田政権の国家戦略会議の「フロンティア構想」では「40歳定年制」を打ち出した。雇用契約は有期を基本に総非正規化を進めるというのだ。この中で大阪市長・橋下は、教育労働者の非公務員化を公言している。まさに外注化阻止はすべての労働者階級人民の命運を決する歴史的な階級決戦だ。
 ブルジョアジーは全産業において、再雇用の名目などで非正規化を推進し、現場の人員不足解消と言っては非正規労働者を入れてきた。この新自由主義の労働政策と労働組合が闘うことは無理なのか。否である。動労千葉は12年間、検修職場の外注化を阻んできた。今こそ動労千葉や動労水戸が組織拡大を軸にこの決戦に勝利し、新自由主義を粉砕できることを、天下に示す時だ。
 野田が絶望的に突っ走っているのは、連合という帝国主義労働運動に支えられているからだ。労働組合の裏切り者として育てられてきた連合ダラ幹は、ブルジョアジーの意を体現しどんなことでもやる。だが危機の時代のJR資本にもう後はない。10・1外注化強行に向け、JR総連・東労組カクマルが腐った結託体制のもと、新たな先兵となっている。国労本部がこれに続いている。
 だが分割・民営化での大裏切り者として知れわたったカクマルに、JR資本が再び頼らざるを得ないのは、敵の最大の弱点だ。この外注化をめぐる攻防は、青年労働者の反乱と組織拡大で絶対に勝利できるのである。

 野田の記念式典あいさつなど許せるか

 7・16は、8・6ヒロシマ大行動を一大焦点に押し上げた。原発を再稼働させた野田、米海兵隊の強襲上陸と侵略戦争のためにオスプレイ配備を強行しようとしている野田が、「過ちは二度と繰り返しません」などと言って記念式典で発言することなど許せるか。8・5沖縄県民大会と一体の闘いとして、6日早朝、原爆ドーム前に結集し、野田を迎え撃とう!
 ヒロシマ大行動の成功を軸に、8月広島・長崎・福島を闘おう。
 さらに8・15「原発なくそう! 改憲はばもう!」大集会の成功をかちとろう。
 JR東労組と競って10・1外注化推進の手先に転落した国労本部を弾劾し、7・26−27国労大会闘争に立とう。7・26伊東集会と伊東市内デモに断固決起しよう。
 この夏から秋、数十万、数百万の大衆決起と密接に呼吸し結合して、常にその先頭に立ち続けることが重要だ。そしてこのようにして始まった巨大な決起をプロレタリア革命へと発展させていくために、労働組合を再生できる革命党の、きわめて具体的で実践的な変革と飛躍こそが問われている。
 最後に、7・29革共同政治集会への大結集と、夏期カンパ闘争への決起を熱烈に訴えます。ともに勝利しましょう。

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週刊『前進』(2545号6面1)(2012/07/23 )

 次は8・6ヒロシマ大行動

 実行委アピール 野田の式典出席許すな

 被爆67周年8・6ヒロシマ大行動への賛同と参加を呼びかける実行委員会のアピールを紹介します。17万人の怒りが大結集した7・16。次は8・6ヒロシマ大行動だ!(編集局)
 〈3・11>から二度目の「8・6ヒロシマ」を迎えるにあたり、私たちは訴えます。原発再稼働を強行した野田首相の広島訪問、「祈念式典」参加を絶対に許さない!
 首相官邸前の「あじさい革命」、7・16「さようなら原発」集会に集まった17万の怒りを、全世界が注目する8月6日の広島に結集しよう。核の惨禍(さんか)を拡大する野田首相を怒りの大デモで包囲し、打ち倒そう!
 「ヒロシマ・ナガサキ、ビキニをくり返すな」「核と人類はあいいれない」と、被爆者が命がけで叫び続けてきたこの国で、「フクシマ」が引き起こされてしまった。福島で降り注いだ放射能、ヒロシマ・ナガサキの「黒い雨」。起きたことはまったく同じです。だが国は67年たった今も「黒い雨」の被爆者の存在すら認めようとしない。この悔しさ、怒りを私たちは絶対に忘れることはできません。福島の人々、子どもたちに被曝を強制し続け、「国民の生活を守るため」と称して原発再稼働を強行した野田首相よ。「過ちは繰返しませぬから」と刻まれた原爆慰霊碑の前で何を語るというのか! これほどの被爆者に対する冒とくがあるでしょうか!
 私たちは絶対に許さない。8月6午前7時半、原爆ドーム前に集まり、福島の怒りとヒロシマ・ナガサキ、ビキニの被爆者の怒りを一つにし、核廃絶・全原発廃炉を世界に訴えよう。そして野田首相を直撃する大デモへ打って出よう。平和公園を「再稼働反対! 野田を倒せ!」「核をなくせ! 原発廃炉!」の声で埋め尽くそう!
 そしてこの8・6ヒロシマから、すべての核と原発をなくすための新たな運動を創(つく)り出していきましょう。
 核兵器と原発をつくり続けていくためにねつ造された「放射線=安全」のデマを許さず、徹底的に隠ぺいされてきた内部被曝・低線量被曝の危険性を明らかにしなければなりません。何よりも原発廃炉を本当に実現するためには、原発労働者を被曝から守りぬき、彼らと団結して闘う労働組合が必要です。「非正規職撤廃!」「被曝労働絶対反対!」を掲げて闘う労働組合をつくりだそう。いまこそ反原発・反戦反核の闘いの先頭に立つ労働組合を甦(よみがえ)らせるときです。
 今夏8・6ヒロシマの闘いは、基地撤去・オスプレイ配備阻止に立ちあがる沖縄の闘いと一つです。野田政権は原子力基本法を改悪し、原子力開発の目的を「安全保障に資する」ためと明記しました。原発再稼働の真の狙いは、「安全保障」=戦争のための核武装にあることを公言したのです。今こそヒロシマ・ナガサキ、ビキニ、沖縄、そしてフクシマの怒りを軸に、全世界の「99%」の団結した力で、核・原発・基地・戦争を必要とする「1%」の支配をくつがえそう。8・6ヒロシマ大行動へ賛同と参加をお願いします。

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週刊『前進』(2545号6面2)(2012/07/23 )

 星野闘争 徳島弁護士会の人権侵害「勧告書」

 徳島刑が差し入れ妨害

 徳島刑務所は、星野暁子さんが差し入れた、徳島弁護士会の「勧告書」を、星野文昭同志に交付することを拒否している。徳島刑務所の常軌を逸した人権侵害を断じて許すことができない。全国の怒りで弾劾し、この差し入れ妨害を打ち破ろう。
 星野暁子さんは、2010年の9月17日、24回目の結婚記念日の面会を拒否された。徳島刑務所は、9月10日に行われた岩井信再審弁護人の接見を1回としてカウントし、9月分の面会回数が終了したとして暁子さんの面会を拒否したのだ。これに加え、5月から8月の間、5通の手紙を墨塗りした。
 暁子さんは、この面会拒否と手紙墨塗りに関して、徳島弁護士会人権擁護委員会に対して人権侵害救済の申立を行った。今年6月22日、徳島弁護士会は「いずれも申立人の通信の自由及び面会の自由を侵害する」行為であることを認め、「今後、同様の人権侵害がないように勧告する」とした「勧告書」を出した。
 「勧告書」は、「再審請求の委任を受けている弁護士と受刑者星野との面会は、未決拘禁者との接見の保障に準じた保障を受けるべきであるから、刑事施設の長による回数制限に原則として服するべきではなく、したがってこの回数制限の回数にカウントすべきではないと解される」と明確に認定している。そして、暁子さんの面会を拒否したことは、「裁量権の逸脱ないし濫用がある」と断じている。
 手紙の墨塗りについても、「受刑者とその親族との間の信書の発受は、原則として自由であるべき」「削除部分は、旅行に関する事項であったり、再審に関する事項」であり許されないと、明確に徳島刑務所を断罪している。
 この「勧告書」を暁子さんが星野同志に郵送したところ、徳島刑務所は星野同志に対して、「一部抹消する必要がある。抹消を認めればその部分を抹消して交付する。認めなければ交付しない」と通告したのである。 
 星野同志は「徳島弁護士会が発した公式文書の抹消は認められない」と答え、現在も、「勧告書」が交付されない状況が続いている。
 星野同志の要求は、あまりにも当然のものだ。違憲・違法な人権侵害をなした徳島刑務所が、徳島弁護士会が精査して発した「勧告書」の批判部分を抹消する暴挙が許されていいわけがない。
 星野同志に対する極悪の分断攻撃と人権侵害を怒りをこめて弾劾し、星野同志を守り抜こう。獄壁をぶち破って取り戻そう。星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議は、6・30〜7・1全国総会で全証拠開示大運動に決起する方針を確立し、7月1日には、180人で東京高裁包囲デモに決起した。
 徳島刑務所に怒りを集中し、「勧告書」を無条件で即時交付するよう要求しよう。星野同志を守り抜き、奪還しよう。
(写真 星野文昭同志の再審棄却を弾劾し、全証拠開示を求めて180人が7・1東京高裁包囲デモ)

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週刊『前進』(2545号6面3)(2012/07/23 )

 第3誘導路許可取消裁判 国・NAAを追及

 反原発の怒りと結合し

 7月17日、千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)で成田空港の第3誘導路許可処分取り消し訴訟の口頭弁論が開かれ、三里塚芝山連合空港反対同盟を始め支援の労働者・学生・市民が傍聴に駆けつけともに闘った。
 この日の法廷は、ほぼ準備書面の手続きのみに終始したが、原告・反対同盟側が成田空港の反人民性、公共性の喪失、第3誘導路の空港施設としての無意味、安全性の欠如、天神峰の市東孝雄さんを追い出す攻撃であることなどを全面的に暴き突きつけた。これに対し、被告の国・空港会社(NAA)はまともに反論できず、まったく逃げ腰であることが浮き彫りになった。
 閉廷後、弁護士会館で報告会が開かれた。
 伊藤信晴さんが司会を務め、最初に北原鉱治事務局長が発言に立った(写真左)。北原さんは首相官邸前での再稼働への抗議活動が野田政権を揺るがしていることを確信をもって語り、あらためて反原発の闘いと一体で第3誘導路建設・農地強奪攻撃と闘いぬくことを明らかにした。
 続いて葉山岳夫弁護士(写真右)が、前日の「さようなら原発」代々木公園17万人集会の熱気に触れながら、準備書面で被告らに対して「全面的な認否をしろ、釈明に応じろ」と突きつけたことを報告した。
 次に弁護団一人ひとりが報告と決意を述べ、この中で、今年1月に急逝した鈴木謙太郎さんの訴訟継承について、国とNAAが「認めない」「訴訟終了宣言を出させるべき」などと主張していることが報告され一同の怒りをかき立てた。さらに誘導路供用に伴って生じる市東さん、萩原進さん宅への騒音・低周波被害を「予測してない」と居直っていることを弾劾した。
 次回の第3誘導路裁判は10月23日(火)。反原発闘争との合流をさらに進め、農民追い出し攻撃の誘導路工事を粉砕しよう!
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 三里塚裁判傍聴を!
◎市東さん耕作権裁判
7月23日(月)午前10時30分 千葉地裁
(傍聴券抽選のため1時間前に集合)

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週刊『前進』(2545号6面4)(2012/07/23 )

 7・13広島 松井英介さんが講演

 内部被曝の仕組みあばく

 7月13日、8・6ヒロシマ大行動実行委員会とNAZENヒロシマの主催で松井英介さんの講演会が広島市市民交流プラザで開かれました。この日の首相官邸前行動と連帯し、約100人が参加しました。
 岐阜環境医学研究所長であり、市民と科学者の内部被曝問題研究会副理事長の松井さんは「福島原発事故と『低線量』放射線内部被曝」というタイトルで、スライドを使って内部被曝の仕組みや、その影響、特にチェルノブイリ事故の影響によってどのような被害がもたらされているのかを分かりやすく講演しました。
 現在の内部被曝の源として「原発事故による放射能拡散」「除染という名の移染」「汚染がれきの広域処理」「デタラメな安全基準値による汚染された食品の摂取」をとりあげ、内部被曝の理解は被ばくと闘うすべての人が手をつなぐための必須条件だと訴えました。
 質疑応答では、子どもたちの健康への不安、原発労働者の健康について、被ばくの遺伝的影響について、どうやって廃炉を実現していくのかなど活発な質問と討論が行われました。また、参加していた広島の黒い雨の被爆者から、黒い雨を浴びて数年間の体の異常などの訴えがありました。ヒロシマ・ナガサキの被爆者にとっても内部被曝の問題が切り捨てられ、いまだにその被害について無視され続けている現状が明らかになりました。
 講演終了後、高陽第一診療所医師の吉田良順さんが、御用学者・山下俊一らを先頭とした放射能被害と不安の切り捨てと闘い、放射能に対する不安に寄り添う福島診療所の建設に協力しようとアピールしました。
 またNO NUKE
HIRODAIを代表して2人の広島大学の学生が、山下と並ぶ御用学者である神谷研二と闘う決意をアピール。集会の最後にNAZENヒロシマの井上亮事務局長が、野田の大飯原発再稼働を徹底弾劾し、7・16から8・6ヒロシマ大行動への大結集で野田を打倒しようと呼びかけました。
 新たな出会いが生まれ、再稼働絶対反対、8・6ヒロシマ大行動へと団結を固める集会として成功しました。
 (H)
(写真 松井英介さんの講演を受け、子どもたちの健康問題など活発な質疑応答【7月13日 広島市】)

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週刊『前進』(2545号6面5)(2012/07/23 )

 新自由主義との闘い

 在留カードは粉砕できる

 怒りの法務省デモで突破口

 「在留カード絶対反対!」「差別をするな! 人権守れ!」「今すぐみんなにビザを出せ!」−−新たな在留管理制度=在留カード制度が始まる7月9日、東京・霞が関の法務省は在日・滞日外国人を先頭とする200人を超える怒りのデモで包囲された。「仮放免者の会」の呼びかけに応え、牛久入管収容所問題を考える会、外登法・入管法と民族差別を撃つ全国実行委員会(全国実)が動労千葉や各地の合同労組とともに結集し、在日・滞日外国人とともにこぶしを突き上げた。
(写真 仮放免者の会を先頭に200人が7・9法務省デモ)

 「野田倒せ!」

 3・11東日本大震災と福島第一原発事故は文字どおり世界を変えた。最悪の原発事故となってなお、日帝は人の命よりも原発優先だ。「みんなうそだった!」「国家も議会も政党も信用できない!」。この福島の怒りと、大飯原発再稼働を宣言し、強行した野田政権への怒りが、首相官邸前を埋める10万、20万人の怒りとなり、7・16代々木公園からあふれ出る17万人の巨大なデモとなった。「政府のもくろみは確実に打ち倒せる。原発の恐怖と侮辱の外に出て自由に生きよう!」と呼びかけた大江健三郎さんの言葉は、集まったみんなの実感だ。
 この史上空前の反原発の闘いと一つになって今春、在留カード粉砕の闘いが推し進められてきた。4月東西入管集会を在留カード決戦総決起の場としてかちとり、6−7月法務省デモを全力で闘いぬいた。
 在留カード粉砕の第1波は、全国実が呼びかけた6・20世界難民デーの法務省デモだった。各地の合同労組を軸に在日・滞日外国人、日本人労働者ら100人が怒りの法務省デモを闘いとった。
 この闘いに向かって東京労組交流センターは、自治体労働者を講師に在留カード制度の学習会を開催し、労働者・労働組合の闘争課題として在留カード制度を軸とする新たな入管体制との闘いを開始した。在留カード制度が在日・滞日外国人を正規・非正規で分断し、さらに就労資格で選別・管理する究極の新自由主義攻撃であること、だからこそ民族・国籍・国境を越えて労働者が団結して立ち上がれば粉砕できるのだという確信を深めることができた。その実践が6・20−7・9法務省デモだった。
 永住者、日本人・永住者の配偶者などを含む170万人もの「3カ月を超える在留資格を認められている外国人」を「中長期在留者」として分類し、居住、就労などの動向を法務省が掌握し、一元管理しようとする新たな在留管理制度。その狙いこそ、外国人労働力の導入だ。そのために強力な治安管理体制として入管体制を立て直すことが急務だったのだ。
 昨年実績で14万人を数える研修・技能実習生こそ、在留カードで管理・掌握し、コントロールが可能な低賃金労働力の柱だ。在留カードを見ればカードの持ち主の「就労資格の有無」「資格外活動許可の有無」が一目で分かるようにし、雇用主にも在留カードを見て「就労資格の有無」を確認することを罰則付で義務付けた。中長期在留者は在留カードを常時携帯しなければならず、「受領拒否」や「提示拒否」は「1年以下の懲役または20万円以下の罰金」、「不携帯」は「20万円以下の罰金」などという重罰が科せられる。そうなれば在留資格の取り消し、退去強制だ。
 このような外国人労働者政策は、外国人のみならず全労働者の権利侵害に直結する。これは9割非正規職化への道であり、「復興特区」、道州制への道だ。差別・分断を許さず、外国人労働者と労働組合で団結しよう。

 民間委託破産

 在留カード制度の破産は7・9初日から噴出した。成田、羽田、中部、関西の4空港と全国の入管施設など69カ所で在留カードの交付手続きが始まったが、カード発行が大幅に遅延する全国的なシステム障害が発生し、大混乱となった。東京入管などでは数百人の列ができた。システム自体も問題だが、ここには入管業務の民間委託の大破産という問題があるのだ。
 「官から民へ」を掲げて小泉政権のもとで始まった「市場化テスト」に入管業務も対象となった。この競争入札で14年3月までの期間、全国170カ所の法務局や、入管(東京、横浜、大阪)で外国人の在留許可申請の受付業務などを請け負っているのが民間企業2社(ATGcompanyと関連会社アイエーカンパニー)だ。
 この2社に対し、法務省が7月2日、1カ月間の全業務停止を命令し、契約を解除する事態になった。昨年春、業務上知り得た情報を悪用したとして2カ月間の一部業務停止、さらに今年1月には労組の刑事告発で厚生年金・健康保険法違反で略式起訴処分(罰金)となっていた。さらに5月からは賃金の未払い・遅配が続いていた。2社は「給料が払えず、入管業務を続けられない」として6月末、自己破産を申請した。
 これが外国人在留管理の法務省への一元化の実態だ。外注化が職場の安全崩壊をもたらすように、コスト削減の結果の管理能力喪失と信用失墜。日帝の入管体制はここまでぼろぼろなのだ。
 在留カード制度との闘いは文字どおり、「市場化テスト」で推し進められてきた外注化・民間委託との闘いだ。10・1JR外注化阻止決戦は、在留カード制度をも吹き飛ばす闘いだ。今こそ階級的労働運動の再生へ、ともに闘おう。

 闘って生きる

 7月9日、在留カード実施とともに外国人登録法が廃止となり、外国人住民も日本人同様に住民基本台帳に登録される新制度が始まった。実施に先立ち全国の市区町村では5月7日時点で住所、氏名などを記載した「仮住民票」を外国人登録者に送付した。だが、東京新宿区では3万通を郵送したが6月1日までに9300通(29%)が宛先不明で戻ってきた。同様に横浜では1万890通(15%)、浜松市2903通(12%)、大阪市4028通(5%)など、外登法の破産も浮き彫りになった。
 在日朝鮮人・中国人は80年代指紋押捺拒否闘争を頂点とする実力闘争を貫いてきた。今回の「特別永住者証明書」への切り替えは、この地平を切り崩し、入管法に従うのか否か、新たな「踏み絵」を強制する攻撃だ。
 7・9在留カード実施を控え、Aさんは「7月8日で辞めてもらう」と告げられ、長年、夜勤専門で働いてきた職場から解雇された。牛久入管に収容されているBさんは、福島県内の廃棄物処理場で働いていた。3・11後、福島第一原発周辺のガレキ処理に従事、昨年後半、体調に不安を感じて辞めた直後に入管に収容された。未払い賃金がある上、のどや腹部の痛みなど被曝労働の結果に不安を抱いている。
 非正規滞在家族の子どもたちの教育や医療など、在日・滞日外国人をめぐり日常的に発生する問題と向き合い、地域・職場で生きるための共同体、団体をつくりあげよう。闘う労働組合をよみがえらせよう。
 歴史が動き出した。一見凶暴にみえる在留カードだが、攻勢的に闘えば敵の最大の弱点となる。在留カード粉砕へ、闘って闘って闘いぬこう。
 〔革共同入管闘争組織委員会〕

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週刊『前進』(2545号6面6)(2012/07/23 )

【要項】8・6広島−長崎 反戦反核反原発闘争

 

8・6広島−長崎 反戦反核反原発闘争
 ヒロシマ・ナガサキはフクシマの怒りをともにする!

 8・6ヒロシマ大行動

 今こそすべての核と原発をなくそう
 再稼働反対! 野田首相をたおせ!

 8月6日(月)午前7時30分 原爆ドーム前

 核廃絶・全原発廃炉! ヒロシマ・アピール集会
 午前8時20分 野田首相弾劾デモ
 原爆ドーム前→元安橋→平和大橋東詰→中国電力前

 8・6ヒロシマ大行動大集会

 12時30分 広島県立総合体育館小アリーナ
 8・6ヒロシマ大行進
 午後3時 デモ出発(→原爆資料館前まで)
 主催 被曝67周年8・6ヒロシマ大行動実行委員会

 8月5日(日)NAZEN結成1周年集会

 午後4時〜6時 広島市東区民文化センターホール(広島市東区東蟹屋町10-31)
 主催/すべての原発いますぐなくそう!全国会議

 <関連行事>全国青年労働者交流集会
 全国学生集会/各産別労働者集会(いずれも5日午後 東区民センター)

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 8月7日(火)
 玄海原発プルサーマル運転再開阻止闘争

 午後3時30分 現地集合
 主催/8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会

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 長崎 8月9日(木)

 8・9野田首相弾劾デモ

 午前10時 城栄講演(路面電車・大橋下車)

 8・9長崎 反戦反核反原発集会

 午後1時30分 長崎県勤労福祉会館(路面電車・公会堂前下車)
 主催/8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会

 長崎原爆朝鮮人犠牲者追悼式典

 主催/長崎在日朝鮮人の人権を守る会
 午前7時半 爆心地公園の原爆朝鮮人犠牲者追悼碑前

 

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