ZENSHIN 2012/06/18(No2540 p06)

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第2540号の目次

(写真 参加者全員でインターナショナルを斉唱。圧倒的な感動と高揚感の中、集会を終えた【6月10日 東京】)

1面の画像
(1面)
10・1外注化阻止の号砲  全産別で新自由主義攻撃と闘う
“本物の労働運動がここにある”  6・10国鉄全国集会 1800人の大拍手と熱気
6・7詐欺罪デッチあげ 女性労働者2名不当逮捕弾劾 記事6面
記事を読む  
勝利し前進する革共同に圧倒的な大カンパを 記事を読む  
『前進』速報版から 記事を読む  
(2面)
被災地・福島と固く結び職場闘争で資本の支配を打ち破る
“国鉄闘争の火をさらに大きく” 6・10集会の各発言(6月10日)
記事を読む  
6・10集会の各発言  解雇撤回・外注化阻止へ(6月10日) 記事を読む  
6・10集会の各発言  新自由主義のもとでは労働者は生きられない 埼玉大学名誉教授 鎌倉孝夫さん(6月10日) 記事を読む  
6・10集会の各発言  国鉄決戦の現場から(6月10日) 記事を読む  
(3面)
被災地・福島と固く結び職場闘争で資本の支配を打ち破る
生きる道開くため闘う  6・10集会の各発言(6月10日)
記事を読む  
6・29動労千葉鉄建公団訴訟へ  反動判決を許さぬ大結集を 記事を読む  
動労水戸損賠訴訟 “昇進差別は明らかだ”  試験制度の全容開示要求(6月8日) 記事を読む  
(4面)
再稼働阻止・全原発廃炉へ闘うぞ
東電会長ら33人を告発! 原発事故の責任とれ  福島県民1324人が訴状提出(6月11日)
記事を読む  
伊方原発再稼働させぬ  1300人が愛媛県庁を包囲(6月10日) 記事を読む  
“福島は続いている”  首相官邸前 福島の女たちの訴え(6月7日) 記事を読む  
「再稼働宣言」弾劾  野田が「安全確認」と大詭弁(水樹豊)(6月8日) 記事を読む  
2012年日誌 6月4日〜11日
保安院、美浜「40年超」を容認/オスプレイ7月末沖縄搬入へ
記事を読む  
(5面)
外注化・非正規職化・被曝労働と闘う階級的労働運動の大前進を
7・16代々木公園10万人結集へ
記事を読む  
JP労組大会 新賃金制度否決を  交流センター非正規ユニオン 本部打倒を訴え(6月13日) 記事を読む  
7・8三里塚闘争招請状  労農連帯強化し農地死守を 記事を読む  
7・1関空闘争呼びかけ  橋下・道州制攻撃との闘い 記事を読む  
訂正 記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
6・7デッチあげ「詐欺罪」 不当逮捕許すな  2名の女性労働者奪還を(6月7日) 記事を読む  
全証拠開示・再審開始  7・1高裁包囲デモへ(中)
“捜査官が誘導したから詳細な供述に”  デッチあげ居直る棄却決定
記事を読む  
国際労働運動 8月号  原発労働者に聞いた 記事を読む  

週刊『前進』(2540号1面1)(2012/06/18 )

 10・1外注化阻止の号砲

 全産別で新自由主義攻撃と闘う

 “本物の労働運動がここにある”

 6・10国鉄全国集会 1800人の大拍手と熱気

 6・7詐欺罪デッチあげ 女性労働者2名不当逮捕弾劾 記事6面

(写真 参加者全員でインターナショナルを斉唱。圧倒的な感動と高揚感の中、集会を終えた【6月10日 東京】)

(写真 〈上〉争議団・闘争団員が登壇。発言者は動労千葉の中村仁さん〈下〉全発言者が登壇しインターナショナルを歌う)

  国鉄闘争全国運動が主催した6・10全国集会に、東京・文京シビックホールを埋める1800人が大結集した。国鉄分割・民営化から25年、いよいよそのすべてに歴史的決着をつける一大決戦への突入集会として戦闘的にかちとられた。「国鉄闘争の火をさらに大きく燃え上がらせよう。この集会から怒りをもって反撃の闘いに打って出よう」――動労千葉の田中康宏委員長の熱い訴えは全参加者の共同の決意となった。職場生産点で分厚く開始された実践を踏まえ、どの発言にも解放感があふれていた。「ここに本物の労働運動がある」(呼びかけ人・鎌倉孝夫さん)、参加した誰もがそう確信できる感動的な集会となった。

 大和田さんの遺志を継いで

 冒頭、3月17日に亡くなった呼びかけ人の大和田幸治さん(全国金属機械労働組合港合同事務局長)の死を悼み1分間の黙とうが行われた。闘う教育労働者とともに司会を務めた港合同昌一金属支部の木下浩平書記長は、「国鉄闘争に全力を傾けてきた大和田事務局長の遺志を引き継ぎ闘う」と決意を述べた。
 呼びかけ人の手嶋浩一さん(元国労九州本部書記長)の開会あいさつで集会が始まった。
 連帯あいさつでは、三里塚芝山連合空港反対同盟の萩原進事務局次長が「動労千葉を始め三里塚を闘い抜いてきた勢力がその真価を発揮すべき時が来た」と語り、重大局面を迎えた三里塚闘争への決起、7・8現地闘争への結集を強く訴えた。
 盛大な拍手の中、韓国民主労総の金属労組亀尾(クミ)支部KEC支会のオムジョンフム教宣部長が登壇。5月21〜25日の日本遠征闘争について「日本の同志たちの支援は千軍万馬の力、感動的でした」と謝意を表し、75人解雇撤回の勝利を報告するとともに「会社との闘いはこれからが正念場だ」と述べた。参加者は、ともに「トゥジェン(闘争)!」と拳を上げ連帯を示した。
 「階級的労働運動の復権に向けて」と題して4人の呼びかけ人が訴えを行った。全日建運輸連帯労組関生支部の高英男副委員長、愛媛県職労の宇都宮理委員長、日本近代史研究者の伊藤晃さん、新たに呼びかけ人となった富士地区労議長の前嶋登さん(元全日建中央副執行委員長)のいずれも、この間の全国運動の前進を踏まえ「闘いは間違いなくここから始まる」(高英男さん)という確信に満ちた発言だ。
 続いて「国鉄闘争の火をさらに大きく!」と題して、1047名解雇撤回、外注化阻止に向けた圧巻の発言が続いた。

 国鉄現場から圧巻の決意が

 動労千葉の田中康宏委員長は、10年以上にわたる外注化阻止闘争で得た手応えを踏まえ、「今年の集会では『国鉄闘争の火をさらに大きく!』と掲げた。職場から、地域から、そしてあらゆる産別で、階級的労働運動を復権することはまったく可能だ」と言い切った。そして「動労千葉は、いよいよ正念場を迎えた外注化阻止決戦に全力で突入する。国鉄分割・民営化で起きたこと、分割・民営化以来の25年間に起きたこと、そしてこれから起きようとしていることの一切に、怒りをもって反撃を開始しよう」と熱烈に訴えた。
 鎌倉孝夫さん(埼玉大学名誉教授)は、新自由主義に対する鋭い理論的分析を行い「金融独占資本が支配するこの社会を変える力は、職場生産点に基礎を置いた労働組合の組織的闘い以外にない」と明言し、参加者に向けて「ここに本物の労働運動がある。みなさんと連帯し、新自由主義を粉砕するためにともに頑張る」と発言した。鎌倉さんの提起は、参加者に大きな自信を与えた。
 さらに、動労千葉争議団の中村仁さん、国労旭川闘争団の成田昭雄さんが解雇撤回への不動の決意を表明、動労千葉運転士登用差別裁判再審勝利に向けて当該と弁護団が発言した。さらに検修外注化阻止の闘いへ、動労千葉の山田護幕張支部長と繁沢敬一副委員長、動労水戸の石井真一委員長、国労郡山工場支部の橋本光一さんが「職場全体の闘いをつくり絶対に止める」と決意を示し会場の熱気は最高潮となった。葉山岳夫動労千葉顧問弁護団長は「1047名闘争を始めとする裁判闘争勝利へ生涯かけて闘う」と発言した。

 野田の再稼働に福島の怒り

 後半では、国鉄闘争と連帯して闘う福島・被災地・大阪など闘いの最火点からの発言が続いた。
 呼びかけ人の清野和彦さん(元福島県教組委員長)、子どもたちを放射能から守る福島ネットワークの佐藤幸子さん、仙台市役所・動労千葉を支援する会の労働者が、野田首相の「再稼働宣言」を激しく弾劾するとともに、全原発廃炉への闘い、福島診療所建設の取り組み、復興特区攻撃と闘う決意を表明。
 さらに大阪市長・橋下との闘いの最前線から大阪市職労の青年労働者、八尾北医療センター労組の藤木好枝委員長が発言に立ち「橋下は倒せる」と宣言。外注化阻止・非正規職撤廃の闘い、沖縄、青年労働者と学生の決意表明が続いた。全学連の斎藤郁真委員長が法大暴処法裁判での無罪戦取、京都大での同学会再建の勝利を報告すると、会場全体が沸き立った。
 「集会宣言」の提起に立った呼びかけ人の山本弘行さんが「確実な闘いの槌(つち)音が全国にこだましている。国鉄闘争全国運動はこの闘いを束ね、その結集軸として立つことをともに宣言しよう」とまとめ、呼びかけ人の大野義文さん(元安芸労働基準監督署長)の閉会あいさつ、団結ガンバロー、インター斉唱で圧倒的な熱気のうちに集会を終えた。

 7・16反原発10万人集会へ

 国鉄闘争全国運動は、一昨年の4・9政治和解の大反動に抗し、「国鉄闘争の火を消すな!」を合言葉に全力で闘い抜き、全国41組織、会員1400人へと拡大した。その中心には、JR東日本の検修外注化を止め続けている動労千葉、139日間の産業ゼネストを打ち抜いた関生支部が立ち、新自由主義と闘う確固たる対抗軸として自らを打ち立ててきた。
 しかし、情勢との関係で全国運動の果たすべき役割はさらに大きい。発足から2年目の6・10全国集会は、さらなる転換と飛躍をかけた挑戦としてかちとられた。
 集会には、〈国鉄・橋下・原発・被災地>を闘い、非正規職撤廃を闘う労働者・農民・学生が大結集し、社会に満ちあふれる新自由主義への怒りを体現して闘いの檄(げき)を飛ばした。今年前半の大前進のすべてが集約され、解放感に満ちた集会となった。とりわけ単組や支部、分会を丸ごと対象とした職場実践が豊かに報告され、労働運動再生の現実性が力強く示されたことが重要だ。全国運動の「本格的な運動体への発展は、具体的な職場の実践と闘いによってのみ保障される」(集会宣言)のだ。
 ここを新たな出発点にJR東日本の10・1検修全面外注化阻止、7月国労大会を焦点とする国鉄決戦に総力で突入しよう。原発再稼働への怒りを解き放ち7・16代々木公園10万人集会成功の先頭に立ち、8月広島・長崎反戦反核闘争へと進もう。

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週刊『前進』(2540号1面2)(2012/06/18 )

 勝利し前進する革共同に圧倒的な大カンパを

 全国の闘う労働者人民の皆さん! 革共同は圧倒的な夏期カンパを心から訴えます。
 「国鉄闘争の火をさらに大きく」を掲げた6・10全国集会が1800人の参加で大成功しました。この集会の大成功に、今年前半期の労働者階級の闘いの前進が結実しています。闘う労働者人民は今年前半、3・11福島県民大集会、JRの検修全面外注化4・1実施阻止、全原発の停止、そして八尾北医療センターや法大暴処法弾圧をめぐる裁判の勝利判決、京大同学会の再建など、大きな勝利を次々とかちとってきました。
 資本主義の末期を示す新自由主義を打ち破る力は、労働組合の団結に依拠し、職場生産点の闘いを大きく発展させていく中にこそあります。そしてその闘いは、動労千葉を先頭にした国鉄闘争全国運動を水路にして、大きく始まっています。6・10集会の高揚は、この運動にこそ労働者階級の未来があることを鮮明に示しました。
 この闘いをさらに前進させるために、渾身(こんしん)のカンパを寄せて下さい。
 大恐慌のもとで、生活保護受給者が211万人(3月)という過去最多に達しています。東日本大震災の被災地では、政府の棄民政策によって多くの労働者が失業と生活困難に直面しています。福島では原発事故で膨大な人びとが家や田畑、生活・生業を奪われ、明日をも知れない不安な避難生活を余儀なくされています。
 これほど労働者人民が困難に直面している時に、野田は原発再稼働と消費税大増税を強行しようとしているのです。これは、野田民主党政権が労働者階級を徹底的に搾取し犠牲にして資本家階級の利益を追い求めるブルジョア政府だということです。しかもそれが連合という労組ナショナルセンターの腐りきった幹部によって支えられているのです。
 民主党と連合幹部を労働者階級の団結した力で絶対に打倒しなければなりません。資本家階級の支配の要は職場支配にあります。職場での闘いに勝利することが一切の階級的力関係を決定し、プロレタリア革命の勝利を切り開きます。
 労働者階級は今、全世界で帝国主義への怒りを爆発させて立ち上がりつつあります。その労働者階級の闘いが敵階級の反動を打ち破って勝利するためには、闘う労働者党の強固な建設が絶対に必要です。革共同はその最先頭で闘います。労働者自己解放の無限の力を夏期カンパとして集中し、国鉄決戦、反原発闘争に勝利しましょう。そして闘う労働者党を建設しましょう。絶大な夏期カンパを重ねて訴えます。

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週刊『前進』(2540号1面3)(2012/06/18 )

 『前進』速報版から

▼警視庁がまたもデッチあげ弾圧▼中国・四川省成都の富士康で1000人の騒乱▼福島の女たちが首相官邸前でダイインと座り込み行動

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週刊『前進』(2540号2面1)(2012/06/18 )

 被災地・福島と固く結び職場闘争で資本の支配を打ち破る

 “国鉄闘争の火をさらに大きく” 6・10集会の各発言

(写真 国鉄闘争の火を燃え上がらせて、あらゆる職場から階級的労働運動を復権させることを参加者一同があらためて決意した【6月10日 東京・文京シビックホール】)

 国鉄闘争全国運動の6・10大集会は、JRの10・1検修外注化を阻止する決戦を軸に、階級的労働運動の復権に向けての大号砲をうち鳴らした。集会は、職場での資本との闘いを実践してきた各参加者の高揚感と熱気に包まれた。集会での各発言を紹介します。(編集局)

 開会あいさつ

 国鉄と原発は密接不可分だ 元国労九州本部書記長 手嶋浩一さん

 昨日の読売新聞に「原発稼働で生活を守る」という大見出しが載っていました。原発で生活を守れますか? 福島で証明されたんじゃないですか。本当に憤りを感じます。野田総理は「私が再稼働の責任をもちます」と言った。その前に福島に責任もてよ、というのが筋じゃないですか。
 野田さんも最初は「将来的に原発は廃炉に」と言っていた。今は「原発は廃炉にできない」に変わっている。日本の核武装が目的なんです。
 国鉄と原発は密接不可分です。読売新聞社の正力松太郎と中曽根がつるんで日本に原発を持ち込んだ。そして、国鉄分割・民営化と労働者派遣法を同時に通した。労働者派遣法が食うや食わずの2千万人の非正規労働者をつくったんです。
 国鉄闘争を幕引きしようとしても、ごまかせない。羽廣さん、石アさん、成田さん、小玉さんが国鉄分割・民営化をあくまで認めないと声高らかに言っています。これを消してはいけない。さらにこの闘いを全国で燃やし続けようではありませんか。

 司会あいさつ

 国鉄闘争勝利を墓前に誓う 港合同昌一金属支部書記長 木下浩平さん

 3月17日に大和田幸治事務局長が急逝した折には、全国の皆さんから多くの弔問をいただきました。お礼を申し上げます。大黒柱を急に失い、非常に不安もありましたが、皆さんの激励で気持ちを奮い立たせて闘いを進めているところです。
 大和田事務局長は日頃から国鉄闘争に全力を傾けてきました。その思いを引き継いで国鉄闘争に勝利することなくして、大和田事務局長の墓前に顔向けできません。皆さんとともに闘いぬくことをお誓いします。
闘いの継続が社会を変える

 呼びかけ人の訴え

 全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部副委員長 高英男さん

 昨年は勾留されていてこの集会に参加できませんでした。残念ながら一審で懲役1年2カ月の有罪判決が出て、現在、控訴審を闘っています。
 この弾圧は、一昨年、大阪のほとんどの生コン工場を止めたゼネラルストライキへの反撃として、13人が逮捕されました。メーカーやゼネコン、権力の必死の巻き返しが今も続いています。今年2月、関西宇部の別の工場で起こった問題で、14人の仲間に任意出頭がかけられました。こうした弾圧と必死に闘いながら、生コン産業における産業別労働運動を一生懸命推進し、拡大しています。
 関生だけじゃなく、多くの労働運動に弾圧が仕掛けられています。階級的労働運動を目指す戦線が少数だから、そういうことになるわけです。
 しかし、社会に影響のないような運動なら資本や権力は放っておきます。弾圧は私たちの闘いの正しさを証明しています。本当の意味で社会を変える闘いは、少数からしか始まらない。
 大阪で生コン工場の解雇事件がありました。ここは十年来オルグしてきたけれど、組合には参加してこなかった。ところが、企業閉鎖や解雇があった時、われわれの戦線に参加した。闘いがあるから、影響を及ぼせた。
 闘いを継続することで多くの労働者に「労働運動は社会を変える可能性を秘めている」と知らせることができる。それを分からせるのは、職場における闘いです。

 伊方再稼働に正面から反対 愛媛県職労委員長 宇都宮理さん

 本日、地元で伊方原発を止める1千人集会が開かれています。
 私たちは、皆さんから学んだことを、そのまま要求書に書いて出しているだけです。例えば、現業の直営堅持の問題。外注化をすれば偽装請負になるということを学べば、団交の場でもそういう話をします。
 団体交渉では、いかに決裂するかだけを考えています。私の役割は最後に「やれるもんならやってみろ」と捨てぜりふを吐くことです。交渉員のみんなが納得するタイミングでやる。その点だけに気を配っています。
 組合と決裂したままやるのは当局にとっては相当しんどいようです。条件闘争よりはるかに抑止力がある。いかに方針が大切かと感じています。
 解雇撤回を闘い続ける労働者・労働組合を支援するのが労働組合です。ここに何の異論の余地もありません。国鉄闘争全国運動の本質は、この一点にあります。
 今、県民の総力で伊方原発の再稼働を止めています。40年前、私たちの組合は建設に正面から反対することができませんでした。今は再稼働反対、原発の廃炉を求めることに何の迷いもありません。原発労働者の健康や命と引き替えに発電することを認めてよいのか、の一点です。
 今、多くの労働組合が方針を見失っています。1日も早く全国の多くの仲間とともに闘えるよう頑張りましょう。

 労組の反撃で資本に対抗を 日本近代史研究者 伊藤晃さん

 今、日本の労働運動は全体として押され気味です。多くの労働組合が自信を失っている。戦後、労働運動が獲得してきた多くのことを自ら投げ捨てる労働組合が多いことも事実です。
 この状況の本質は何か。新自由主義のもとで攻撃が強まっていることは事実です。やりたい放題です。しかし、資本は昔からこんなもんでした。では、どこが変わったのか。昔は攻撃に対して反撃する労働組合、労働運動があった。今、それが非常に弱くなっている。だから労働組合が反撃さえすれば、対抗関係をつくることはできる。
 その可能性は、客観的状況ではなく、ひとえに労働者の意思と行動の中にあるのです。団結を崩さなければ、われわれは負けているわけではない。自分から土俵を降りないことです。労働運動というのは、土俵に自分のかかとがかかってから本領が試される。
 私も一緒に頑張るつもりです。

 全原発廃炉に 消費増税反対 富士地区労議長 元全日建中央副執行委員長 前嶋登さん

 四つの提案をします。
 第一に、原発再稼働問題です。経済優先、人命安全を二の次にしての再稼働には絶対反対、全原発廃炉しかありません。
 第二に、電気料金値上げです。総括原価方式という打ち出の小槌(こづち)を一振りすれば、事故補償費、原発安全神話のための宣伝費、政官財・メディア・御用学者対策費、役員の高額報酬に3%の利益を上乗せできる。原発ムラ利益集団による電力料金値上げは絶対に認められません。
 第三に消費税増税の問題です。庶民を搾取した税金を大企業へ還流する消費税の増税には絶対反対です。消費税そのものを廃止すべきです。
 第四に、先進的な闘いを進める韓国の労働者に学び、派遣労働法の撤廃に向けて闘いを強めなければなりません。解雇に対する規制の強化が求められています。国鉄を始め不当解雇され、弾圧に抗して闘っている仲間を勝利させる力は、この会場にいる仲間です。
 一人ひとりがこの会場の成果を地域で広く伝えることが、全国運動の大発展になると思います。

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週刊『前進』(2540号2面2)(2012/06/18 )

 6・10集会の各発言

 解雇撤回・外注化阻止へ

“闘う労働運動”を復権できる条件は十分ある 動労千葉委員長 田中康宏さん

 この運動は2年前、1047名解雇撤回闘争が闘いの旗を降ろしてしまうという大変な状況の中で、「こんなことを認めたら労働者の未来と権利はどうなるんだ」というところから始まりました。「国鉄闘争の火を消すな」と訴えてきましたが、今年は「国鉄闘争の火をさらに大きく」と掲げることができました。
 今、起きていることは、はらわたが煮えくりかえることばかりです。生活保護を巡るあの事態は何ですか。関越道でのツアーバス事故はまさに尼崎事故です。そして野田の原発再稼働宣言です。何が収束なんですか。何が安全なんですか。何が生活のためなんですか。被災地で起きていること、大阪の橋下がやっていることを認めることができるんですか。
 本当に悔しいのは、社会がここまで壊れ、2千万人もの労働者が非正規職に突き落とされるまで労働組合が何の抵抗もできなかったことです。
 必要なのは闘う労働組合をよみがえらせることです。怒りの声は社会の隅々まで積み上がっています。大震災と原発事故で何十万人、何百万人もの人がこの国の本質に気づきました。これだけの条件があるのだから、 闘う労働運動を復権することは不可能じゃない。
 このことを私は、10年以上にわたる外注化・非正規職化を巡る闘いを通して確信しました。
 動労千葉以外のすべての労組は、すぐに外注化に白旗を上げました。資本は「外注化を認める協定を締結しろ。協定を結んだ組合の労働者だけ、定年後、年金が出ない中で再雇用する」と来たからです。協定の中身は「労使は業務の委託について一層深度化し推進する」というものです。労使が推進するんです。
 動労千葉は、こんなものは結べないと直ちに決断しました。でも、結ばなければ動労千葉の組合員だけは60歳で解雇される。これは大変な攻防でした。組合員の雇用の確保のために必死に走り回り、「再雇用されなければ生活に困るんだ」という組合員と大げんかもした。でも、こういう闘いをやった結果、職場全体が外注化反対になった。
 関生支部の闘いも、バタバタと生コン業者が倒産する時代に、産業ゼネストで勝利できることを示しました。港合同のように、地域から階級的労働運動を復権する可能性をつかみました。
 国鉄闘争はいよいよ正念場です。資本は、11年間止まってきた外注化を10月に強行すると言ってきた。これと全力で立ち向かいます。国鉄分割・民営化で起きたこと、それ以降に起きたこと、これから起きようとしていることに反撃します。ともに闘いましょう。

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週刊『前進』(2540号2面3)(2012/06/18 )

 6・10集会の各発言

 新自由主義のもとでは労働者は生きられない 埼玉大学名誉教授 鎌倉孝夫さん

 私は新自由主義の本質を理論的に分析してきました。その結論は、新自由主義のもとでは労働者は人間として生きられないということです。
 株式や証券の売買だけでアッという間に大もうけする金融独占体が、自由な価値増殖、利潤追求を実現するための思想、政策が新自由主義です。
 その柱は労働者の組織的抵抗をなくすということです。国鉄分割・民営化は、その先鞭(せんべん)となるものでした。
 そして、日経連が提唱した「新時代の『日本的経営』」に即して、労働領域の規制緩和が進展してきました。日雇い派遣労働など非正規雇用の推進。下請け化・外注化による労働者の徹底的な物化・部品化。労働力のカンバン方式の導入です。
 しかも、私的企業でしかない金融独占体は、自ら引き起こしたバブルの崩壊で経営危機に陥ると、国家がそこに財政資金を注入する。これが財政危機を深刻化させている根本原因ですが、その対策として、消費税を引き上げ、福祉や公的教育費を削減し、公的部門の労働者の首切り・賃下げを強行する。
 いわゆる革新陣営にも、政府に要求すれば何かしてくれるんではないかという幻想がまだあります。相手に要求し、その実現を求めるということは、自分自身が変革の主体になっていない証拠です。
 独占体と国家の支配を打ち破り、変革する力はどこにあるのか。職場生産点に基礎をおいた労働者・労働組合の組織的闘い以外にはないと思います。職場生産点の本当の主体は労働者です。だから、労働者は組織を強化し、主体としての実力を発揮しなければならない。私たち労働者が人間として生きられるかどうかが、新自由主義と闘う労働運動の成否にかかっています。
 私も皆さんと連帯しつつ、新自由主義を粉砕するため、ともに頑張っていきたいと思います。

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週刊『前進』(2540号2面4)(2012/06/18 )

 6・10集会の各発言

 国鉄決戦の現場から

 福島や沖縄と共に闘いぬく 動労千葉争議団 中村仁さん

 全国の皆さんには物販でお世話になってます。われわれはなぜ物販を続け、解雇撤回を闘い続けるのか。もちろん自分たちの問題ですが、われわれが解雇撤回をかちとらなければ、福島も救われないし、沖縄の基地もなくならないからです。
 6月29日に私たちの裁判の判決が出ます。判決だけが目標じゃない。解雇撤回を闘う過程でつながった皆さんと一緒に闘う地平を切り開きたい。
 福島の診療所建設という大きなプロジェクトが立ち上がっています。皆さんの力でぜひ成功させて下さい。現場の一つひとつの闘いの積み上げが、大きな花を開かせると思います。これからも解雇撤回で闘います。

 物販で全国を駆け回りたい 国労旭川闘争団 成田昭雄さん

 KECや八尾北医療センターの勝利、法大暴処法裁判での5人の無罪判決。京大では学生が自治会をつくるために頑張っています。
 7月18日は組合員籍問題で国労本部とけんかする裁判、7月19日には小玉君が鉄道運輸機構を相手に裁判をやりますが、証人採用が拒否されて結審する可能性もある。皆さんの力を借りて解雇撤回の署名を裁判所に突きつけたいと思います。
 今回の物販のチラシには、本人もびっくりしたんですが、4人の原告がずらっと並んでいる。これをもって全国を駆け回りたい。
 外注化問題で、国労本部が資本家についている。許されることじゃない。福島も沖縄も闘ったら勝てたんです。原発はなくすということです。
(写真 10・1検修外注化阻止、被曝労働拒否、国労の連合化阻止へ、国鉄労働者が戦闘宣言)

 30年間の差別を許さず闘う 動労千葉幕張支部 小沢勇さん

 私は運転士登用差別裁判の当事者の1人です。最高裁は、再審申し立てを棄却してきました。納得いきません。引き下がるわけにいきません。動労千葉は直ちに即時抗告を申し立てました。私は25歳ぐらいの時に運転士の資格を取り、それから約30年間、冷や飯を食わされてきました。30年間も差別をされてきたことだけは許すことができません。最後の最後までとことん闘います。

 組織拡大で外注化止める 動労千葉幕張支部支部長 山田護さん

 10月1日に検修・構内業務の外注化を実施すると当局は言ってきました。東労組は裏切り締結するために連続6回も本社交渉を行い、実施に協力しています。国労も「年間労働時間や休日数をJRと同じにしろ」「委託業務は車両検修業務に限定せよ」と、外注化を認めている。
 動労総連合の本社交渉では「提案からもう2年以上たっているんだから引っ込めろ」と言って闘ってきました。
 われわれは出向協定も結んでいません。承諾書も書きません。出向には行きません。組織拡大で外注化を絶対に止めたいと思います。

 事故が不可避の全面外注化 動労千葉副委員長 京葉支部 繁沢敬一さん

 今回の外注化は、東労組が先頭に立って会社に「10月1日にやれ」と言っているような攻撃です。絶対に阻止したい。
 千葉には幕張と京葉の二つの車両センターがありますが、京葉車両センターでは、この1月に1人分の構内業務が外注化されました。事故につながりかねない失敗が頻発しています。これが全面外注化になったらどうなるのかは明らかです。
 会社は車両センター2500人のうち1500人を出向させると言っている。JRから転籍させるということです。組織拡大でこの攻撃を阻止するため全力で闘います。

 被曝労働反対でストに立つ 動労水戸委員長 石井真一さん

 動労水戸は、広野に放置されていた車両の交番検査をしろという被曝労働の強制に対して2回のストライキをやり、若い仲間が組合に結集して交番検査を阻止しました。
 いわきから広野に走る電車で、20代の女性車掌が15マイクロシーベルトの被曝をして「もう乗りたくない」と区長に訴えたけれど、区長は「君だけ特別扱いはできない」と被曝労働を強制しました。彼女は東労組の組合員でしたが、動労水戸はストに立ち、いわき運輸区への抗議行動を行いました。
 JRは水郡線の気動車のラジエーターのゴミを吹き飛ばす作業を強いようとしています。労働者がいくら放射性物質を吸い込んでも構わないという態度です。高濃度の放射能がまき散らされている福島で働く労働者に何の責任もとらないJRが、さらに業務を外注化するなど絶対許さない。組織拡大が勝負です。
 私は7月、動労水戸を代表してアメリカに渡り、原発反対の闘いを訴えてきます。

 連合加盟反対を支部で一致 国労郡山工場支部 橋本光一さん

 昨年末、政府から原発事故の収束宣言が出されました。私は「このままでは福島県民は棄民にされる」と思いました。その時、2万人集会を開催するという話が持ち上がり、私は、これにかけるしかないと思いました。
 しかし、組合員はもとより東労組、外注先の労働者、工場全体を巻き込んだ運動をしないと、とても2万人はいかない。
 私は決意し、社民党、共産党の人たちに「2万人を一緒に実現しよう」と訴えました。4・9政治和解でいったん打ち壊された団結の再生が始まりました。福島の絶望的状況の中で、なんとか団結を回復しなければならないと思っていたのは、社民党や共産党の人も同じだったのです。
 JRの検修外注化に対し、工場全体で団結し勝てたら、でっかいものが生まれます。支部では、国労の連合加盟反対で一致しました。本気で外注化と闘うと決意した労働者が、連合加盟に賛成するはずがありません。
 福島の診療所建設は、被曝労働に悩み苦しむ労働者のつながる場所をつくる闘いです。支援をよろしくお願いします。
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 不当労働行為は明らかだ 動労千葉顧問弁護団長 葉山岳夫さん

 

中曽根新自由主義政権と葛西・松田・井手、そしてカクマル松崎らによる国鉄分割・民営化は、今や矛盾・破綻を露呈しています。国鉄分割・民営化も原発も、裁判所や鉄道運輸機構の弁護士がぐるになり加担してきたことが暴かれています。
 6月29日、東京地裁は動労千葉争議団の9人に対して判決を出そうとしています。葛西とカクマル松崎らが結託して87年2月に採用基準を作成し、採用候補者名簿に載っていた9人を名簿から削除したことが裁判で暴露されました。まさに不当労働行為であり、解雇撤回しかありえません。
 しかし、いささかの幻想も持つことはできません。反動判決が出されようと絶対に屈しません。階級的労働運動の勝利の中で解雇撤回・原職復帰の勝利をかちとります。

 

 不当な最高裁判決許さない 動労千葉顧問弁護団 石田亮さん

 運転士登用差別事件について、最高裁は「不当労働行為ではない」というふざけた判決を出しました。動労水戸の事件では不当労働行為を認めた同じ裁判官が「動労千葉については違う」とし、その理由も言わない。裁判制度の自殺です。
 弁護団はすぐに再審申し立てをしました。全国の弁護士に呼びかけ、合計20人の弁護士が代理人として裁判に参加しています。弁護団は当該と一緒に闘います。

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週刊『前進』(2540号3面1)(2012/06/18 )

 被災地・福島と固く結び職場闘争で資本の支配を打ち破る

 生きる道開くため闘う

 6・10集会の各発言

 反原発・被災地から

(写真 3・11以来1年3カ月、新自由主義への怒りをたぎらせ生きぬく闘いを繰り広げてきた被災地の仲間たちが壇上に勢ぞろいし熱烈にアピール)

 事故の責任を追及・告発へ 福島県教職員組合元委員長 清野和彦さん

 福島市内の放射線量はまだまだ安心できるような状況ではありません。子どもたちへの影響がどういう形で表れてくるかも、まだつかめない状態です。
 明日、東京電力の勝俣会長、清水前社長ら重役連中、原子力安全委員会と原子力安全・保安院、福島県の放射線管理アドバイザーとして子どもたちに被害を与えるおそれがある福島県立医大副学長の山下俊一氏と神谷研二氏、高村昇氏らの責任を追及するため、告発状を提出することにしています。
 3・11は、福島県内から8千人、全国から組合旗を持って約8千人、合計1万6千人にご参集いただきました。本当にありがとうございました。郡山の開成山野球場は満席になりました。今後に向けて非常に大きな力を持つ集会であったと思います。
 沖縄と福島、そして労働運動とりわけ国鉄労働運動の三つを並べて、「犠牲のシステム」を打ち破ることが必要だと思います。これは世界的に言われている1%と99%の闘いでもあります。
 私たちの生きる道を切り開くために、子どもたちのために、全力を挙げて闘い続ける以外にありません。互いに力を出して頑張りましょう。

 この国の政治変える闘いを 子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク 佐藤幸子さん

 昨年の3・11以前は、30年間、無農薬で野菜をつくる百姓でした。自然農法をやっていましたが、自然に近ければ近いほど、放射能の影響が出てくる。このことに怒りを感じています。
 診療所の建設に、私も呼びかけ人として名前を連ねています。本当は福島の医師が立ち上がってほしかった。でも、立ち上がれない状況がある。山下俊一氏がすべてを牛耳っているからです。
 7日に、福島の女たちが野田首相への要望書を持って内閣府に行きました。おおい町にも福井県庁にも行ってきました。にもかかわらず8日の野田首相の再稼働発言です。野田首相を引きずり降ろさなければ子どもたちは守れない。
 「福島から怒りの声が聞こえない」と、どこに行っても聞かれます。怒っていないわけがないじゃないですか。どうやって発信したらいいか分からないだけなんです。
 この国の政治を変えなきゃいけない。自分の選挙区から、原発を推進してきた議員は全部、落としてください。
 福島の子どもたち、日本の子どもたち、世界の子どもたちは未来の労働者です。ぜひ守ってください。

 復興特区攻撃に立ち向かう 仙台市役所・動労千葉を支援する会

 復興という名のもと、仙台市でも労働強化が行われています。9割の職員がストレスを感じ、5割以上の人間が抑うつ状態という、過酷な労働に追い込まれています。その中で、去年9月の台風で水道職員2人が命を落とすという痛ましい事件が起こりました。2人を殺したのは安全無視の労働強化のせいだと、われわれは仙台市当局と闘ってきました。
 この闘いで、体制内と対決する潮流が生まれてきました。
 私は税金に携わる職場にいますが、そこでも労働強化がすさまじくて、30人ほどいるセクションで5人ほどがメンタル関係で休むという状態です。
 その中で5・1被災地メーデーを闘いぬき、学習会をやりぬき、反原発の闘いも徹底的に闘ってきました。
 復興特区は仙台市丸ごと民営化の突破口です。これと徹底的に闘わなければなりません。動労千葉労働運動に学び、実践して、復興特区攻撃に立ち向かうことを宣言したいと思います。
 JR外注化阻止決戦は労働者階級の未来をかけた決戦です。国鉄闘争全国運動の力で打ち破り、ともに闘いましょう。

 連帯のあいさつ

 同志の連帯は千軍万馬の力 韓国民主労総・金属労組クミ支部KEC支会 オムジョンフム教宣部長

 2010年6月9日、KEC支会は780人の組合員の意志を集めてストライキに突入した。
 会社は複数労組法を悪用して御用労組をつくり、今年2月24日、KEC支会組合員75人を整理解雇した。御用労組が受け入れた賃金削減と労働強化に反対したからだ。
 動労千葉の支援で日本でKECの系列会社に打撃を加え、取引会社を圧迫した。日本の同志たちの連帯は感動的だった。千軍万馬の力だった。日本の労働運動の生きている力を見るようだった。
 5月30日、会社が一方的に整理解雇を撤回した。3カ月で整理解雇を撤回させた。韓国で初めてのことだ。
 まだ闘いは続いているが、労働と人間が尊重される世の中のために闘いをやめない。闘うすべての労働者の勝利のためにともに力を合わせよう。トゥジェン(闘争)!

 労農連帯でTPP粉砕を 三里塚芝山連合空港反対同盟事務局次長 萩原進さん

 先日の野田の再稼働を巡る記者会見は怒りなしに聞けませんでした。福島を始め被災者と連帯して闘うために、もっと強固な戦線を拡大しよう。
 新自由主義攻撃は農業でも激しく進行し、農業を切り捨て、あらゆる産業に悪影響を及ぼすTPPに行き着いています。労農連帯のもと、断固として打ち破りましょう。
 三里塚は今、市東さんの農地取り上げに対する決戦を迎えています。新たな代執行を絶対にやらせない闘いを反対同盟は断固として遂行します。
 原発と基地・沖縄、消費税増税、TPP、すべて妥協の余地のない闘いです。三里塚の闘いが真価を発揮する時です。
 反原発・反TPP、三里塚連帯を掲げて発足した全国農民会議に、多くの農民を結集したい。
 7月8日の三里塚現地集会への皆さんの結集を強く強くお願いします。

 労働者誰もが組合に入ろう 多国籍労働者を組織して闘う労働組合


 Vさん 先週、私の母国アメリカのウィスコンシン州で、公務員の団体交渉権を奪ったウォーカー知事が再選されてしまいました。1%の人間に言わせると労働運動そのものがもう死にかけているとのことです。私はそう思いません。企業と政府の弾圧に立ち向かうためには組合に入って活動するしかないんです。

 Pさん 1047名解雇撤回へエールを送ります。日本に来て、過密なスケジュールで運行される列車を整備し運転する労働者は過酷な条件で働いているのだろうと思いました。
 私たちが闘いぬける唯一の手段は労働組合です。しかし、今、多くの先進国では組合活動家は変人扱いされています。労働者誰もが労働組合に入ることが当たり前のことだと認識することが不可欠です。組合に入るのは当然だ!

 決意表明 橋下を必ずぶっ倒そう

 ●大阪市職員労働組合 赤田由行さん

 闘えば橋下はぶっ倒せる。1千人の決起で職員アンケートを廃棄に追い込みました。君が代不起立の闘いは現場の怒りと結びつきました。
 この闘いを労働組合としてやれるか。敵の攻撃を見据え、どうすれば団結できるか。具体的な方針を出し切っていく飛躍が問われています。
 大阪市の労働者は必ず立ち上がります。10・1外注化阻止、国鉄闘争勝利と一体で橋下を打倒しましょう。

 ●八尾北医療センター労働組合 藤木好枝委員長

 病院廃院・全員解雇の民営化攻撃と闘い抜き、八尾北明け渡し裁判の判決で全面的勝利をかちとりました。橋下の道州制・更地化、非正規化攻撃を最先端で迎え撃ち、破産させています。
 国鉄闘争の火をさらに大きく! 関西で国鉄闘争を大爆発させる。新自由主義と闘う労働運動をよみがえらせます。

 ●呼びかけ人・世田谷地区労働組合協議会顧問 花輪不二男さん

 新しい労働運動の決意を話したい。国鉄闘争における政治和解は、国家的不当労働行為をあいまいにした。闘う闘争団員が一人でも納得しない限り、断固として闘う。
 鈴木コンクリート工業分会の仲間は全部、非正規です。正規雇用を求めて労働組合をつくったら弾圧された。ストライキを打ったら、あるいは駅前で宣伝したら解雇された。絶対に許さない。7月15日、支援共闘会議を立ち上げます。断固として勝利します。

 ●東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会 内尾稔分会長

 ストライキに対する処分と組合つぶしの解雇攻撃に対し、職場の団結にかけきり闘っています。職場に残った組合員も胸をはって闘っています。解雇予告効力停止、仮処分申し立てを行い、1年間賃金を支払えという決定をかちとりました。
 解雇撤回・原職復帰、非正規職撤廃を掲げ、非正規でも労働組合をつくれば分断と団結破壊の有期雇用、解雇と闘える。私たちの団結は無限大。終わりはありません。

 ●精神医学研究所労働組合 諸永政廣委員長

 現場に動労千葉の闘いをもちこみたいと闘ってきました。鈴コンの仲間と合流し地域の闘いをつくりだすことができた。非正規職の雇い止め解雇撤回、正規職の解雇攻撃に対して徹底的にやりぬく。春闘の中でのべ200人を超す組合員が30波を超えるストライキを行っています。新自由主義資本と闘いぬいて前進させたい。国鉄全国運動は私たちの勝利ですし、私たちの勝利は国鉄全国運動の勝利につながる。そういう闘いです。
(写真 3・11以来1年3カ月、新自由主義への怒りをたぎらせ生きぬく闘いを繰り広げてきた被災地の仲間たちが壇上に勢ぞろいし熱烈にアピール)
(写真 「非正規職労働者も労働組合をつくって闘えば、有期雇用、不当解雇と闘える!」 鈴コン分会が報告)

 ▼精研労組 非正規職の執行部から

 職場では、正規・非正規職を問わず経営側から強い圧力を受けております。利益を上げるために労働者を切り捨て、雇い止めし、いわれなき配置転換、そして解雇する。一人ひとりが力を合わせ立ち向かわなければ勝利はかちとれません。われわれは叫ぶことをやめません。労働者の利益を守り、子孫を守る道であると信じているからです。

 ●沖縄県北中城村議・元全軍労牧港支部 宮城盛光さん

 「復帰」40年の5・15は新自由主義と対決し動労千葉の10・1外注化阻止の闘い、沖縄と福島の怒りを一体化させる歴史的な闘いとなりました。
 普天間基地にMV22オスプレイの配備を強行する。TPPで農民や漁民の生活や命を奪おうとする。絶対に許せない。
 公務員労働者、基地労働者の闘いを押しつぶそうとする攻撃が始まっている。民営化・非正規化絶対反対で闘う。1047名解雇撤回、基地撤去、原発廃炉、国鉄全国運動を広げていきたい。

 ●全日本学生自治会総連合 斎藤郁真委員長

 京都大学で全学自治会同学会の再建に成功しました。冨山小太郎統一候補が3千票の得票、7割を超える信任をもって登場した。原子力村を掘り崩し、真実と学問を取り戻す歴史的な一歩を踏み出した。そして法大暴処法裁判で無罪判決をかちとった。全国大学で学生自治会建設に挑戦し、法大の無罪判決を全国に広げ「闘えば勝てるんだ」ということを示す。7・16原発反対10万人集会のどでかい高揚をつくりだしていきたい。

 ●動労千葉青年部 渡辺剛史さん

 10月1日に東労組が外注化をやると宣言した。第2ラウンドのゴングがなりました。絶対負けない闘いをしたい。それには組織拡大しかない。幕張や京葉車両センターだけでなく、全社の問題です。千葉県内だけでなく、全社に動労千葉みたいな組織をつくっていけたらと思います。
 青年部長と副部長が配転先の駅で闘っています。ライフサイクル制度撤廃も闘っていきます。

 ■カンパアピール 自治体の青年労働者

 国鉄全国運動をさらに広げていきましょう。
 今日出すお金は「前払い」という気持ちで、職場や地域で今日の報告をして集めましょう。
 私は仕事で「税金を払え」と言ってますが、税金を払うぐらいだったら闘う労働者へのカンパをしてほしいと心から思っています。私も、青年部の結成をかちとり、青年部の旗をもって11月集会に結集したい。ともに闘いましょう。

 集会宣言

 国鉄全国運動が結集の軸に 動労千葉を支援する会事務局長 山本弘行さん

 私たちは本日、「国鉄闘争の火をさらに大きく」の思いで全国から結集しました。
 スローガンとして五つを読み上げます。
 「日本労働運動の命運をかけて、JR東日本の10・1検修業務全面外注化を絶対に阻止しよう」「国鉄闘争と一体で、民営化・外注化阻止、偽装請負弾劾、非正規職撤廃、360万公務員解雇粉砕の新たな労働運動をつくり出そう」「原発の再稼働を阻止し、絶対に原発の廃炉をかちとろう」「復興特区攻撃を絶対に打ち破ろう」「大阪・橋下をとことん打倒しよう」
 確実な闘いの槌(つち)音が全国からこだましています。国鉄闘争全国運動はその闘いを束ね、結集軸として立つことを宣言します。
 今日の結集人員は1800人、大成功をかちとりました。

 閉会あいさつ

 職場に団結を地域に連帯を 元安芸労働基準監督署長 大野義文さん

 野田首相は、責任もとれないのに原発の再稼働をもくろんでいます。
 関西電力の労働組合は「安定した電力供給が使命であり、社の方針に逆行するようなことはあり得ない」と述べている。
 国労本部も同じです。組合員資格確認訴訟で、国労本部は「1990年に清算事業団を解雇され、闘争団に結集した組合員は、雇用の回復が確定すれば組合員でなくなることが予定されていた」と述べています。
 解雇撤回闘争を闘うのが、当たり前の労働組合の役割です。
 労資関係には「やつら」と「おれたち」しかない。競争しない、働きすぎない、怠けない、効率を求めない、仲間を大切にする。義理と人情、仁義を大切にした労働組合運動をつくり、職場における闘いの拡大を追求したい。職場に団結を、地域に連帯を!

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週刊『前進』(2540号3面2)(2012/06/18 )

 6・29動労千葉鉄建公団訴訟へ

 反動判決を許さぬ大結集を

 来る6月29日、動労千葉鉄建公団訴訟の判決が東京地裁で言い渡される。この裁判は、1987年国鉄分割・民営化でJR不採用とされ、90年に国鉄清算事業団を解雇された動労千葉組合員9人が、旧国鉄―鉄建公団(現在は鉄道運輸機構)を相手に、解雇撤回と未払い賃金の支払い等を求めた裁判だ。2004年12月24日の提訴から7年半、1047名解雇を巡って地裁段階で唯一残っている裁判だ。
 昨年8月3日の口頭弁論で東京地裁民事11部(白石哲裁判長)は、原告側が求めてきたJR東海会長・葛西敬之の証人採用を最後的に拒否し結審を強行した。以来、判決日が指定されないまま半年以上も経過してきたが、国鉄闘争根絶攻撃が強まる中で、6月29日に判決日が指定された。東京地裁が反動判決を狙っていることは明らかだ。

 運転士登用差別での再審を棄却

 一昨年の4・9政治和解以降、国鉄裁判を最後的に一掃しようとする動きが激化している。昨年6月7日に和解を拒否して闘う3人の国労闘争団員(旭川闘争団の成田昭雄さん、小倉闘争団の羽廣憲さん、鳥栖闘争団の石ア義徳さん)の上告が棄却され、秋田闘争団の小玉忠憲さんが闘う鉄道運輸機構訴訟控訴審の結審策動も強まっている。
 2月23日には、動労千葉運転士登用差別事件で最高裁が、東京高裁での勝利判決を取り消す超反動判決を強行した。まったく同一の内容である動労水戸事件(08年12月に組合側完全勝訴)には一言も触れず、同一法廷、同一裁判長でありながら自らが出した判決を無視する、本来であればあり得ない判決だ。
 動労千葉と弁護団は、「こんな判決は到底認めることはできない」と3月24日、異例とも言える民事再審請求を行った。最高裁はこの再審請求も「理由がない」の一言で6月1日に棄却した。しかも棄却決定を行ったのは、判決を出したのと同じ第1小法廷、櫻井龍子裁判長だ! 動労千葉は6月7日、再審棄却に対して、弁護団20人の賛同・参加をもって即時抗告した。

 闘う労働運動の復権かけた闘い

 こうした司法の反動的動きは、日航の大量解雇を「有効」とした東京地裁判決(3月29、30日)とも一体であり、労働基本権の最後的解体と「9割非正規職化」への道をさらに大きく押し開こうとする日帝・支配階級の国家意思そのものだ。
 動労千葉鉄建公団訴訟は、国鉄分割・民営化におけるあらんかぎりの国家的不当労働行為を絶対に許さず、違法企業JRの正体を暴き出し、解雇撤回の原則をとことん貫いて闘い抜かれてきた。またこの闘いは、2000年以降のJR職場での検修外注化阻止闘争と固く一体で闘われてきた。
 JR東日本による検修全面外注化を阻止する今夏〜秋の大決戦にとっても決定的に重要な闘いだ。6月29日、東京地裁を包囲する大結集で勝利判決をかちとろう。 ---------------
 動労千葉鉄建公団訴訟(判決)
 6月29日(金)午後3時 東京地裁527号法廷
 ※東京地裁正門前に午後1時半集合

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週刊『前進』(2540号3面3)(2012/06/18 )

 動労水戸損賠訴訟 “昇進差別は明らかだ”

 試験制度の全容開示要求

 動労水戸の損害賠償請求訴訟の第3回口頭弁論が6月8日、水戸地裁で開かれた。運転士登用差別事件を巡る最高裁判決完全履行と、昇進差別・賃金差別による損害の賠償をJR東日本に求めた裁判だ。当該組合員と執行部が指名ストに入って法廷に臨んだ。
 原告代理人の葉山岳夫弁護士はまず、原告側が求めた求釈明に被告のJR東日本が十分に答えていないことを指摘し「徹底的に事実を明らかにせよ」と強く迫った。
 JR東日本は、運転士不登用によって生じた未払い賃金について「本人の勤務実績に基づいてすでに支払った」としているが、まったく得手勝手な主張だ。代理人の松田生朗弁護士は、「最高裁で確定した命令は『平成9年6月1日付で運転士に発令したものとして取り扱え』であり、実際に運転士として勤務していたら得られたであろう賃金との差額の支払いを命じている。乗務手当や、乗務に伴う夜勤手当、超過勤務手当なども当然含まれる。JR東日本はこのことを無視している」と会社側を批判した。原告側は、水戸支社で運転士が実際に得てきた夜勤手当と超勤手当、その平均値など会社が隠している全データを明らかにするよう求めた。
 さらに、動労水戸組合員に対して執拗(しつよう)に行われてきた昇進差別・昇級差別について、会社が行ってきた試験制度の全容を明らかにするよう要求した。誠実な回答をしない会社側に対して、裁判官から「合否の基準を明確にせよ」と注文が付いた。会社側代理人はしどろもどろとなり、会社上層部の判断を求めなければ回答できるかどうかも分からない、その判断だけで1カ月半もかかるなどと言うにとどまった。この裁判が、JR東日本の労務政策の核心である旧試験制度を撃ち、さらに恣意的な労働者支配を強化した新人事・賃金制度を粉砕する決定的な闘いであることが明確となった。
(写真 総括集会でJR東の組合差別の実態を弾劾する動労水戸の石井委員長【6月8日 水戸】)

 青年の未来守る

 裁判終了後、水戸市内で総括集会が開かれた。
 この場で、代理人の山本志都弁護士はJR東日本での昇進試験の内容について強調し、「会社側が出している書面を見るだけでも、昇進試験は相当にひどい内容だ。『作文』や『日頃の勤務実態』が重視され、会社に一度にらまれたら絶対に昇進できないようになっている」と解説した。
 あいさつに立った石井真一委員長もこの点について「何回試験を受けても動労水戸組合員は一度も受からない。東労組はどんどん合格する。国労も『和解』以降、どんどん受かっている。所属組合による差別は明らかだ」と、JR東日本による組合差別、不当労働行為を突き出した。
 さらに石井委員長は、検修・構内業務全面外注化について、前日7日に動労総連合として本社団交を行ったことを報告。「団結を固め、外注化阻止へ闘おう」と訴えた。
 動労水戸の損害賠償請求訴訟は、JR東日本の悪行を暴き、青年労働者の未来を守り抜く闘いだ。次回口頭弁論は8月24日午後1時15分から水戸地裁で開かれる。

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週刊『前進』(2540号4面1)(2012/06/18 )

 再稼働阻止・全原発廃炉へ闘うぞ

 東電会長ら33人を告発! 原発事故の責任とれ

 福島県民1324人が訴状提出

(写真 告訴団長・武藤類子さんを先頭に、福島地方検察庁まで行進、1324人の告訴状を提出した【6月11日】)

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 被告訴・被告発人

■東電幹部15人
 勝俣恒久(東電会長)/皷紀男(東電副社長)/西澤俊夫(東電社長)/相澤善吾(東電副社長)/清水正孝(東電前社長)ら

■政府関係など15人
 班目春樹(原子力安全委員会委員長)/鈴木篤之(日本原子力研究開発機構理事長)/寺坂信昭(原子力安全・保安院長)/近藤駿介(原子力委員会委員長)ら

■福島県放射線健康リスク管理アドバイザー3人
 山下俊一(福島県立医科大学副学長)/神谷研二(同)/高村昇
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 「国と東電は福島第一原発事故による被害のすべての責任を取れ!」
 3・11から1年余、原発事故により多大な被害を受けてきた福島県民が反撃に立ち上がった。6月11日、東電幹部や国の関係者ら33人を業務上過失致死傷などの容疑で福島地方検察庁に刑事告訴したのだ。事故による被曝を傷害ととらえ、避難中に亡くなった人も被害者に含め、安全対策を怠り、また避難に関する情報を公開しなかったことで住民を被曝させたなどとして、刑事責任を追及するものだ。3月に結成された同告訴団の参加者は実に1324人に上った。今後も告訴人を募り、第2次告訴を行う。
 11日昼過ぎ、福島市市民会館に、県内各地からの参加者に加えて、県外に避難している人も含め約200人が集まった。福島地方検察庁に移動して、代表5人が検察庁に入り、1324人の告訴・告発状を出した。
 その後、福島市市民会館に戻り、記者会見と報告集会を行った。記者会見では告訴団団長の武藤類子さんが「日常を奪われ、自分たちの生活を根こそぎ変えさせられて、人権を踏みにじられたつらい思い、悔しい思い、悲しい思い。陳述書一枚一枚にはみなさんの心の叫びが書かれています。この責任をきちんと問わなければ、福島の復興はあり得ない。告訴は、責任をきちんと問うことで、若い人たちや子どもたちに責任を果たすことでもあります。私たちは事故によって傷つき疲弊しておりますけれど、『黙っていないぞ』という行動を取ることによって、私たちの力を取り戻したい」と訴えた。
 報告集会では、告訴人が次々と陳述書を読み上げ、告訴にかけた思いを訴えた。(別掲)
 地脇美和さんが福島原発告訴団・告訴声明を読み上げた。「世界を変えるのは私たちひとりひとり。けっしてバラバラにされず、つながりあうことを力とし、ひるむことなくこの事故の責任を問い続けていきます」。参加者が拍手で確認した。
 最後に、原発いらない福島の女たち・未来を孕(はら)む女たちのとつきとおかのテントひろば世話人の椎名千恵子さんが「6月17日、福井で『大飯原発再稼働を止めよう』と声を上げます。福島を繰り返さないためにも福井で一緒に声を上げましょう。7月16日、東京の10万人アクションにもバスを出します。告訴を成功させるため、一人ひとりが告訴人10人を目指して輪を広げましょう」と呼びかけた。
 福島の根底的な怒りと結びついて、大飯原発の再稼働を絶対に阻もう。7・16代々木公園10万人集会に全国から駆けつけよう。
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 告訴人の訴え


■いわき市の女性 夫と子ども2人と生活していました。3月12日夜に親戚の家に向かい、その後、新潟県に避難しました。夫は仕事でいわき市に戻らなければならず、私と子どもは避難先で、家族が離れて暮らすことに子どもたちの心が壊れていき、毎日、泣きながら暮らしていました。いわき市に戻る時は「もしかしたら死んでしまうかもしれない」という覚悟でした。汚染されたこの地でどう生きていけばいいのか、不安な日々です。これは事故という名の人災、犯罪です。

■会津若松市の男性 事故当時3歳、9歳、14歳の子どもを持つ父親です。原発から100`離れていても空間線量は事故前の数倍。安全な水を週2回くみに行き、汚染されていない食料を求め割高な食品を購入する。庭の土も2500ベクレル/キログラムを超える。たくさんの方々の健康と生活を変えた事故の責任がうやむやになるのは絶対納得できません。

■郡山市から札幌に避難した女性 夫と当時5歳、3歳、7カ月の息子3人と住んでいました。3月11日、塙町の実家に向かいました。子どもたちと家の中に引きこもる毎日。団地の砂場は1・5マイクロシーベルト、排水溝は8マイクロ。被曝する毎日に嫌気がさし、北海道へ避難しました。夫も仕事を辞めて避難し、今も無職です。郡山から避難した友人の息子に甲状腺の異常が見つかりました。お医者さまはレントゲンを見て泣いたそうです。子どもたちは今も毎日被曝している。この責任は誰にありますか。

■二本松市の女性 3月15日に屋外は100マイクロシーベルト。県や政府に「すぐに避難命令を出して」と電話しましたが、「お金がないから避難はさせません」という返事でした。16日に降った雪は80マイクロシーベルト。ヨウ素剤の存在も知らず、SPEEDIの情報が消されていることも知らずに被曝し続けたのです。事故当時、若いお母さんが乳母車に赤ちゃんを乗せて歩くのを見て、胸が張り裂ける思いでした。

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週刊『前進』(2540号4面2)(2012/06/18 )

 伊方原発再稼働させぬ

 1300人が愛媛県庁を包囲

 6月10日、愛媛県松山市において「伊方原発再稼働阻止!愛媛県庁包囲行動」が開催され、県内外から1300人が結集した。「伊方が危ない」と言われる中で、絶対に再稼働をさせないとの労働者・住民の思いは、愛媛県内での反原発運動では最大規模となる行動に結実した。
 市内中心部の堀之内公園・安らぎ広場の芝生は参加者で埋められた。スタート集会の開会あいさつにおいて、行動主催者の「伊方原発を止める会」草薙順一事務局長が力強く訴えた。「私たちは、原発事故によって故郷を奪われた福島の多くの人びとの壮絶な嘆きと怒り、放射能汚染におびえる不安な日々を送っている人びとの思いを心に深く刻みつけ、再稼働を絶対に許さず、廃炉こそが唯一の選択肢であることを心から訴えます。人類と原発は共存できません。今こそ歴史を変える転換点です。伊方原発を止める会は皆様とともに歴史を変えるために全力を尽くすことを誓います」。
 続いて九州・中国・四国・全国・福島・伊方・被爆2世・青年・弁護団、それぞれの参加者代表が次々と発言した。福島の人びとの被曝による健康被害の実態も明らかにされた。6月8日の野田首相大飯再稼働発言への怒りが会場にあふれた。最後に「政府は原発推進政策を直ちに放棄すべきだ。愛媛県知事と伊方町長は伊方原発の稼働に同意してはならない。四国電力は原発を稼働させてはならない」とする集会決議を採択し、県庁包囲行動に出発した。
 県庁包囲行動では、県庁前電車通りの南北両側の歩道をデモ隊列が埋め尽くした。県庁に向かって「伊方原発再稼働反対」「電力労働者を被曝させるな」「さようなら伊方原発」などと一斉にシュプレヒコールを上げた。1300人の叫びは、松山城のふもとにある県庁を包み、快晴の青空にとどろいた。
 その後は、大街道・銀天街の中心商店街を通り、ゴールの松山市駅前まで、シュプレヒコールやパフォーマンスを行いながら市民にアピール。林立する組合旗やプラカード、色とりどりのコスチュームやメッセージボード、楽器の奏でるリズムとコール――。参加者の表情は解放感にあふれ、商店街を歩いていた若者たちも合流し、闘いの勝利の展望を実感するものとなった。
 「原発を止めたままでは日本の社会は立ち行かない」「計画停電になれば命の危険にさらされる人、働く場がなくなる人も出る。国民生活を守る」「安全を確認した」「私が全責任をとる」――こんな詭弁(きべん)やデマゴギーを並べて再び原発を動かそうとする野田首相ら政府や資本家には、もう誰もだまされない。
 今回の行動には広範な市民運動や草の根の人びとが多数結集した。また結集の呼び掛けから運営に至るまで労働組合が大きな役割を果たした。職場やキャンパス、街頭での再稼働阻止・全原発廃止の闘いが「歴史を変える」。愛媛の闘う労働者は6・10国鉄集会に参加するとともに伊方原発再稼働阻止行動に立った。
(写真 伊方原発再稼働阻止へ県内で最大規模の集会と県庁包囲行動【6月10日 愛媛県松山市】)

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週刊『前進』(2540号4面3)(2012/06/18 )

 “福島は続いている”

 首相官邸前 福島の女たちの訴え

 大飯原発の再稼働を阻むため、6月7日、首相官邸前で「原発いらない福島の女たち」が呼びかけたダイインと座り込み行動が行われた。前号に続いて、福島の女性たちの発言を紹介します。(編集局)

■原発いらない福島の女たち呼びかけ人・椎名千恵子さん 6月2日、福島市で「山車フェスタ」が行われました。ただでさえ線量が高いのに、月2回は「復興」イベントが行われ、子どもたちがマスクもせず路上に駆り出されています。私の古里、伊達市梁川町では2万発という大規模な花火大会がありました。古里を愛する人びとの手づくりの花火大会ではありません。札束で全国の花火師を集めたんです。私は、古里が汚されたと思いました。
 須賀川のお医者さんが検査したら、10人の子どものうち6人が糖尿病と診断された。子どもたちの命が日々脅かされている。あきらめず、日々行動を起こしましょう。

■同・佐藤幸子さん 私は首相官邸で「男が動かしてきた政治を正すために女たちが押しかけました。私たち女に任せなさい」と言ってきました。子どもを守るためには、それくらいの覚悟が必要だと思っています。

■同・黒田節子さん 子どもたちを避難させて欲しい。3カ月単位の保養というような制度も含めて、被曝から守る制度をつくって欲しい。私たちの背景には不安な思いを抱えて暮らしている何百人、何千人の女たち、子どもたちがいる。こういう行動の機会をどんどんつくっていきたい。

■同・森園かずえさん
首相官邸で「福島の女性はすばらしいでしょ?」と訴えました。1年2カ月で、人類の創世記から原子力のことまで勉強し尽くしたんです。地球は人間だけのものではない。あらゆる動物が調和をとって地球を保っている。私たちもいつもいつも生かされているということを感じていきたい。

■福島市の女性 福島の事故があったのに、なんで再稼働なのか、ふざけるんじゃないという思いです。同僚は庭が5・0マイクロシーベルトもある家で子どもを3人育てている。だけど非正規職で引っ越しもできない。この福島の地でなんとか生きていかなきゃならないんです。この思いを首相官邸にぶつけたい。

■伊達市霊山町の女性
「電気が足りない」とあおるけれど、使い放題の生活をしていたらなんでも足りなくなる。福島は本当にひどい目に遭っています。家族さえばらばらな生活です。再稼働でこんな恐ろしいことを繰り返してはいけない。原発は人間の手に負えるものではない。全部廃炉にするまで闘います。

■福島市の女性 首相官邸では「こういう人たちがこの国を動かしているのか」と思うと、怒りがこみ上げてきました。この空間では何も解決しない。原発を生み出してきた政治をみんなの力で変えたい。福島の女たちにはそれができるんじゃないかと思いました。

■福島市の女性 子どもが誕生日を迎えて「おめでとう」と言ったら涙がこみ上げます。「背が伸びた」と言われて「よかったね」と言った後に涙がこみ上げます。安全な飲み物も食べ物もない。私たちは毎日、内部被曝している。第三者はいません。みんな命を奪われるんです。すべての人の命を奪うのが原発。核兵器そのものです。だから大飯原発の再稼働はどうしても許せません。

■田村市の女性 有機農業を約30年やってきました。有機農業を選んだのは安全で安心な食材で子どもを育てたいから。それが汚染された。毎日、「このニンジンは何ベクレルだろう」「キャベツは1回湯がいた方が、高校生の子どもには安全かな」、そんなことを考えています。政府の方に「あなたたちにはこの感覚がわからないでしょう? どのくらい福島にいらっしゃいましたか?」と尋ねました。大飯原発を動かそうとする人たちには、福島の人間のこのなんとも言えない閉塞(へいそく)感、言葉にならないつらさ、悲しみがわかっていない。
(写真 「大飯原発を再稼働しないで」。首相官邸前でダイインを行い抗議【6月7日】)

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週刊『前進』(2540号4面4)(2012/06/18 )

 「再稼働宣言」弾劾

 野田が「安全確認」と大詭弁

 「8日の野田首相の発言を聞いて、本当に野田首相の顔が悪党にしか見えませんでした。あの野田首相を引きずり降ろさなければ子どもたちは守れない!」。6・10集会で「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」の佐藤幸子さんは怒りもあらわに訴えた。会場の1800人が佐藤さんの訴えを聞き、怒りをともにして原発再稼働阻止・野田打倒の決意を新たにした。
 6月8日、首相官邸前で4千人が抗議する中、野田は記者会見で「国民生活を守るために大飯原発3、4号機を再稼働すべきだ」と述べた。絶対に許せない。野田が発した一言一句が許せない。しかもデタラメだ。
 野田は「政府の安全判断の基準は暫定的なもの」と認めながら、「福島を襲ったような地震・津波が起こっても事故を防止できる対策と体制は整っている」「(全電源を喪失しても)炉心損傷に至らないことが確認されている」と強弁した。
 そして、「原発を止めたままでは日本の社会は立ち行かない」「計画停電になれば命の危険にさらされる人、働く場がなくなってしまう人も出る」と脅し、「国民生活を守ることが、私がよって立つ唯一絶対の判断の基軸だ」とぬけぬけと言った。「福島で避難生活を余儀なくされているみなさんの複雑な気持ちは理解できる。しかし、……人びとの日常の暮らしを守る責務を放棄することはできない」。これは福島の命の叫びを切って捨てるという宣言だ。
 こんな暴言をどうして許せるか! 今もなお、原発事故のために16万人もの人びとが避難生活を強いられ、福島の子どもたちの命と健康が日々放射能によって侵され続けている。福島切り捨て政策のもとで、多くの人びとが生活の糧も生きる希望も奪われている。自ら命を絶つ人が急増している。すべてが野田政権と東電による犯罪、大量殺人だ。何が「国民生活を守る」だ!
 今も危険な状態が続く福島第一原発の現場では、大量の非正規職労働者が殺人的な高線量下で被曝労働を強いられている。この夏にも作業員が足りなくなるとも言われている。このうえ大飯原発が再稼働されれば、大量の労働者がさらなる被曝労働に投入されることになる。この一点で再稼働など言語道断だ!
 さらに、野田は「エネルギー安全保障という視点からも原発は重要だ」「私たちは立地自治体に敬意と感謝の念を新たにしなければならない」などと説教した。沖縄に米軍基地を押しつけるのと同じ論理だ。
 野田の最大のペテンは、原発再稼働をあたかも「国民全体」の利益であるかのように描き、原発のおかげで「雇用」や「国民生活」が保障されるかのように主張する。だが実際には、原発再稼働で利益を得るのは1%にも満たない支配階級だけだ。この連中にとって99%の労働者人民は搾取・収奪の対象だ。こうした階級社会が原発なしでは「立ち行かない」と言っているにすぎない。
 野田は原発を稼働させないと「大停電」が起こるかのように主張する。これもペテンだ。今日の社会において大量の電力は労働者人民の生活のためにではなく、まずもって資本の利潤拡大のために使われている。資本にとって電力とは、機械制大工業を成り立たせるための必須のエネルギーであり、機械とは「商品を安くするべきもの」「剰余価値を生産するための手段」(マルクス『資本論』)である。生産力の上昇、利潤の増大と引き替えに労働者は賃下げ、解雇、非正規職化される。
 「労働者を被曝させるな! 非正規職撤廃!」「解雇反対・原発廃炉」を掲げて闘う階級的労働運動を推進しよう。
 野田の再稼働攻撃には何の成算も展望もない。反原発の闘いは7・16の10万人集会に向けて怒りも新たに前進している。関西電力と結託してきた京都大学で全学自治会同学会が再建され、反原発を掲げる新執行部が樹立された。6・10集会の地平を打ち固め、闘う労働組合を先頭に7・16の10万人決起で原発再稼働を絶対に阻止し、全原発廃炉へ闘おう。
 (水樹豊)

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週刊『前進』(2540号4面5)(2012/06/18 )

日誌'12 6月4日〜11日

 保安院、美浜「40年超」を容認/オスプレイ7月末沖縄搬入へ

●野田第2次改造内閣発足 野田佳彦首相は第2次改造内閣を発足させた。参院で問責決議を受けた2閣僚を含む5閣僚を交代、改造理由を消費増税法案などを進めるためと説明。(4日)
●森本防衛相、普天間移設「辺野古が最善」 森本敏防衛相は米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設案は「今日考えうる最善の解決案だ」と推進への意欲を示した。(4日)
●アフガン米兵死者2千人に アフガニスタンに駐留する米軍兵士の死者が2001年10月のアフガン戦争開始以来、2千人に達した。米の民間団体「アイカジュアルティーズ」がウェブサイトで明らかにした。(5日)
●アルカイダbQ、米の攻撃で死亡
米大統領報道官は、国際武装組織アルカイダのザワヒリ容疑者に次ぐナンバー2のアブヤヒヤ・リビ幹部が死亡したことを明らかにした。AP通信によると、米中央情報局(CIA)が4日、パキスタン北西部の部族地域で無人機攻撃によって殺害した。(5日)
●滋賀・京都知事が大飯原発の限定稼働案を新たに提言 関西電力大飯原発3、4号機の再稼働について滋賀県の嘉田由紀子知事と京都府の山田啓二知事は、再稼働は電力需給の逼迫(ひっぱく)時に限定することなどを求める7項目の新提言を発表した。(6日)
●美浜2号機「40年超」容認 7月に運転開始から40年を迎える関西電力美浜原発2号機について経済産業省原子力安全・保安院は、10年間の運転延長を妥当とする審査結果を専門家会合で提示。原発の運転を40年までとする今国会審議中の法案に反する。(6日)
●米「オスプレイ墜落、機体に不具合ない」 防衛省は米新型輸送機MV22オスプレイの墜落事故について、米政府から「機体に不具合はなく安全性に何ら問題はない」と報告があったと発表した。墜落原因の詳細調査は「今年遅くに終了する」と先送り。(8日)
●野田首相「大飯原発の再稼働を」
野田首相は大飯3、4号機について「国民生活を守るため再稼働すべきだというのが私の判断だ。立地自治体のご理解をいただいたところで再稼働の手続きを進めたい」と表明。(8日)
●事故究明前にオスプレイ配備へ防衛相が容認 森本防衛相は、オスプレイ配備前に墜落事故の原因調査の詳細を公表するとしてきた野田政権の方針を転換し、「調査報告と配備のタイミングは決まっているわけではない」と強調、米軍が7月末に予定している沖縄搬入の容認を表明した。(8日)
●福井県専門委、知事に大飯「安全」と報告 福井県原子力安全専門委員会は、政府が示した暫定的な安全基準を妥当と評価し、大飯原発3、4号機の安全は確保できているとする報告書をまとめ、西川一誠知事に提出した。炉心溶融など過酷事故は起きない前提に立ち、汚染水対策も示さず。(11日)
●オスプレイの一時駐機を正式に要請
 防衛省の神風英男政務官は山口県の二井関成知事、岩国市の福田良彦市長と会談、オスプレイ沖縄配備前に米軍岩国基地に一時駐機させる方針を受け入れるよう正式要請した。(11日)

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週刊『前進』(2540号5面1)(2012/06/18 )

 外注化・非正規職化・被曝労働と闘う階級的労働運動の大前進を

 7・16代々木公園10万人結集へ

 6月10日、国鉄闘争全国運動の大集会は、10・1JR外注化阻止決戦への総決起を宣言し、国鉄闘争を軸に新自由主義と闘い、労働組合を革命的に再生して、プロレタリア世界革命を引き寄せる歴史的集会として圧倒的にかちとられた。世界大恐慌と3・11情勢に抗して闘う国鉄決戦と反原発闘争の高揚は、脱落日帝・野田政権を激しく追いつめている。野田は原発再稼働と消費大増税に絶望的にのめり込んでいる。しかし被災地・福島を始め労働者階級人民の怒りは、巨万の集会、デモ、ストライキとして爆発を開始している。6・10の勝利を突破口に、直ちに2012年の後半決戦に打って出よう。

 新たな時代が開かれた

 6・10大集会まで上りつめた今年前半決戦の地平はあまりにも大きい。
 日本の労働者階級人民は、3・11福島県民大集会(郡山)、4・1JR外注化阻止を頂点に、闘って闘って闘い抜いて勝利の地平を切り開いてきた。さらに5月沖縄闘争を打ち抜き、八尾北医療センター明け渡し裁判での全面勝利、韓国金属労組KEC支会の日本遠征闘争と75人の解雇撤回、法大暴処法弾圧裁判の全員無罪の大勝利、そして6月8日、3042人の投票と7割を超える信任で京大全学自治会同学会の再建をかちとった。
 こうした勝利の土台には、職場生産点と地域での、激しい攻撃や反動との地をはうような死闘があり、そこでの前進を基礎として戦後革命期に比すべき階級情勢の革命的激変が生み出されているのだ。6・10の感動的な大勝利から7・16反原発10万人集会(代々木公園)へ、7月国労大会決戦へ、この夏秋の壮大な闘いへと、息もつかせず打って出よう。組織拡大と拠点建設を総括軸にして闘い抜こう。
 6・10集会の大成功は、動労千葉を軸としたJR外注化阻止闘争と国鉄全国運動をその牽引(けんいん)車とする国鉄決戦が、4・9政治和解を根底から打ち破り、今や日帝中枢に位置するJR資本の分割・民営化の破産を宣告し、日本階級闘争・労働運動の中軸に座ったことを確信させた。国鉄決戦こそ反原発闘争と結びついて、新自由主義を打ち破る階級的土台だ。JRの外注化阻止・偽装請負粉砕・非正規職撤廃の闘いは、今や全産別・職場の普遍的闘いである。そこには同時に被曝労働絶対反対の実践が貫かれている。
 それはまた、国際連帯の内実をもなしており、青年・学生決起の無限の可能性を押し開く闘いだ。京大同学会再建は、原子力ムラの中枢を撃ち抜き、関西電力大飯原発の再稼働策動を痛撃した。いま青年・学生を先頭に、労働者階級人民は急激に大規模に、闘いに注目し、揺さぶられ、行動を欲している。
 6・10の地平を引き継ぎ、当面の最大の決戦として、7・16反原発10万人大デモへ職場生産点から青年労働者の決起と組織化を全力でかちとり、歴史をいまひとつ大きく激しく塗り変えよう!

 凶暴化する野田を倒せ

 世界大恐慌はますます激化し、深化し、発展している。とりわけ政府債務危機の爆発を引き金とする欧州恐慌は、ギリシャに続きスペインの財政危機、銀行危機にも火がつき、全世界に連動・波及し、米経済や中国など新興国も完全な景気失速状態に陥っている。今や大恐慌はリーマン・ショックに続いて「二番底」へと転落しつつある。
 ギリシャの再選挙とユーロ離脱情勢や、EUによるスペインの銀行救済にも危機打開の展望は見えず、もともと本質的な矛盾と構造的な問題を抱えているユーロの崩壊、そしてEUの解体もいずれ不可避となる。欧州恐慌は大恐慌を奈落まで突き落とす機関車だ。
 この中で、ギリシャを先頭に歴史的なゼネスト情勢と大デモの時代が到来している。大恐慌下で、青年の大失業は全欧州を覆い、ギリシャとスペインでは青年労働者の2人に1人が職につけないでいる。大恐慌下で激化する貿易戦争、為替戦争、帝国主義間・大国間の生き残りをかけた争闘戦は、大失業とともに世界戦争の危機を促進する。資本主義・帝国主義は完全に終わっている。プロレタリア世界革命で打倒するしかないのだ。
 こうした情勢下で、帝国主義の「最弱の環」である脱落日帝・野田政権の原発再稼働と消費税大増税のとんでもない攻撃は、逆に日帝政治支配の危機を爆発させている。
 野田は、関西電力大飯原発3、4号機の再稼働宣言を行い、大阪市長・橋下を先兵とする関西広域連合の屈服と「地元・福井の容認」を引き出し、再稼働強行につっ走っている。この反革命を絶対許さない。野田は「原発を止めたままでは日本の社会は立ち行かない」と強弁し、「計画停電になれば、命の危険にさらされる人、働く場がなくなってしまう人も出る。国民生活を守る、私がよって立つ唯一絶対の判断の基軸だ」とうそぶいた。野田の度はずれたうそ、ペテン、詭弁(きべん)、恫喝、居直りを、JR東海会長・葛西敬之の反革命言辞とともに絶対に爆砕しよう。
 どれだけ多くの福島の労働者人民と子どもたちが命の危険にさらされ、働く場を奪われ、今なお原発労働者、多くの労働者が被曝労働のもとで、生命、生存の危機と闘っていることか。「国民生活」を徹底的に破壊したのは国家と東電資本だ! この一切を開き直っている。断じて許し難いのは、原発事故の責任をまったく取らず、現に故郷を追われたり、高放射能にさらされ被曝している福島の労働者人民を無視し、打ち捨てていることだ。
 野田の恥ずべき反革命宣言に怒りをたたきつけ、被災地・福島と固く結んで、原発再稼働絶対阻止、全原発廃炉へ、7・16反原発10万人大デモの爆発へ全力で前進しよう。
 原発再稼働の強行とともに、野田は日帝ブルジョアジーの利害を体現し、自民党と結託して、消費大増税攻撃に「政治生命」をかけている。労働者人民への激しい大衆収奪、失業者や非正規労働者の生活を全面破壊する攻撃だ。またこれと一体で橋下を最先兵とする全員解雇・総非正規職化の大攻撃があり、さらには生活保護打ち切り=「生存権」の解体や「団結権」の破壊、「震災便乗的」に「非常事態条項」の導入を狙う改憲が策動されている。
 追い詰められて絶望的に凶暴化する野田を打倒しよう。内閣改造で新防衛相となった超反動・森本敏による、沖縄辺野古新基地建設と米海兵隊・垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの普天間配備を絶対に阻止しよう。

 国鉄全国運動の発展へ

 今こそ国鉄決戦と反原発闘争で野田政権を倒す時だ。日帝とJR資本はどんな手を使っても10・1全面外注化を強行し、動労千葉を解体しようと策動している。使い古しのファシスト=JR東労組カクマルや国労中央本部がこの先兵となっている。ここが敵の弱点だ。今や外注化・非正規化への青年の怒りが渦巻いている。その反乱が爆発し青年が決起すれば、10・1外注化は吹っ飛ばせるのだ。
 最高裁の裁判長が、動労千葉に出した反動判決への再審請求を自分で棄却するという信じ難い暴挙までやっている。なぜか。動労千葉を先頭に10・1外注化阻止が全階級の大決戦となることを心底恐れているからだ。
 階級的労働運動の力、労働者階級の団結の力は無限だ。それは一個の権力として発展する。闘いは「社会の主人公は労働者だ」「労働者が階級として団結すれば何でもできる」という実感・確信を与える。絶望的に焦りおびえているのは資本であり野田政権だ。屈せずに団結を広げれば、崩れるのは敵階級の方だ。
 新自由主義は「すべてうそだった」ことを暴き切ろう。3・11で現実が暴かれてなお、うそとデマによって労働者を分断することしかできない政府と資本に未来はない。これに取って代わる労働者階級の団結と決起を日々拡大しよう。それこそ新自由主義と闘う国鉄闘争全国運動だ。
 7・16代々木公園に組合旗を林立させ、再稼働阻止・全原発廃炉、被曝労働絶対反対で闘おう。福島診療所建設を推進しよう。
 6・10集会の大高揚に恐れをなした権力の6・7デッチあげ弾圧を全力で打ち砕こう。
 最後に、国鉄決戦・反原発決戦を先頭で闘う革共同への圧倒的な夏期カンパを心から訴えます。非合法・非公然の革命党建設に勝利しよう。『前進』を職場のすべての労働者の中に広め、拡大しよう。革共同とマル青労同・マル学同に結集してともに闘おう。

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週刊『前進』(2540号5面2)(2012/06/18 )

 JP労組大会 新賃金制度否決を

 交流センター非正規ユニオン 本部打倒を訴え

 JP労組の第5回定期全国大会が13日から東京都内で行われ、全国から集まった労組交流センター全逓部会と郵政非正規ユニオンの仲間たちが会場入り口に陣取り、入場する代議員や傍聴者に非正規職撤廃や新人事・給与制度導入阻止への闘いを訴えた(写真下)。そして大会会場を包囲するデモを行い、「郵政民営化に屈服し非正規化の先兵となった連合・JP労組本部の支配を今こそ打倒しよう」と訴えた。
 午前9時、仲間たちは、大会会場の東京ドームシティホール入り口で千枚を超える全逓部会のビラや討議資料を代議員たちに手渡し、次々とマイクをとって訴えた。
 「私は震災と原発の被災地・東北の郵便労働者です。津波で亡くなった郵便労働者は、行方不明も含めて60人。津波警報が聞こえているのに仕事で逃げ遅れた。労働者の命を守るのが労働組合なのに、原因も究明しない本部は失格です」
 「4万6千人も非正規職が首を切られて、組合本部が沈黙していることこそが問題だ。6割の非正規化に沈黙し、ボーナスを3割も削られてストも打てない。一体の問題です。あげくに現場全員を分断する新人事・給与制度だ。代議員の皆さん! こんな制度を会社と一緒に進める本部を今こそ倒そう!」
 「本部は郵政民営化を総括すると言ったのにできない。大赤字の原因は単純で、郵便事業という労働者の財産を経営陣が食いつぶした。この責任を隠して雇い止めや賃下げとは本末転倒だ。新賃金制度は絶対に否決しなければならない」
 非正規ユニオンの仲間も人間の誇りをかけて訴えた。「私は『非正規なんてゴミクズだ』と罵倒(ばとう)されて雇い止めになりました。自分で組合をつくって闘いを始めました。怒りはとっくに限界です。こんなブラック企業を支えるJP労組本部は即刻倒すべきです。組合員の皆さん、根性を見せてください!」
 「国鉄分割・民営化と同じく、郵政民営化に組合本部が屈服したことが根本問題です。闘いを放棄した中央本部を倒して階級的な労働組合をよみがえらせよう!」
 会場入り口付近は、立ち止まって耳を傾ける組合員たちでいっぱいになった。雇い止めの撤回を求める署名に応じた組合員は「(新賃金制度は)御用組合の制度だ。私は絶対反対」と語った。「君たちの意見に賛成だ。その横断幕をもっと近づけてほしい」と要請してくる組合員もいた。
 「議案を否決しよう!」「非正規ユニオンとともに闘うぞ!」。会場一帯に力強いシュプレヒコールが響いた。
(写真 JP労組本部打倒を掲げ、全逓部会と非正規ユニオンが大会会場を包囲するデモ【6月13日 東京都文京区】)

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週刊『前進』(2540号5面3)(2012/06/18 )

 7・8三里塚闘争招請状

 労農連帯強化し農地死守を

 7・8三里塚現地闘争が空港予定地内の農地を会場にして開催される。三里塚芝山連合空港反対同盟の招請状=呼びかけに応えて全力でかけつけよう。(編集局)
 闘う仲間のみなさん!
 三里塚芝山連合空港反対同盟は、7月8日、空港予定地内の農地で緊急闘争に決起します。反対同盟と心を一つにするみなさんの決起を強く訴えます。
 昨年8・6現闘本部破壊との攻防は、闘争の節目をなす闘いでした。反対同盟は東京高裁50名の不当逮捕をものともせず闘いましたが、これは新たな闘いの前哨戦です。市東さんの農地決戦が、闘争圧殺をうちやぶり本格的攻防に突入しました。
 なによりも、農地取り上げ阻止の裁判闘争が、5・28をもって緊迫した段階を迎えたことです。千葉地裁民事3部・多見谷裁判長は、この日をもって強引に証人尋問を開始しました。月1回の尋問期日を指定して年内に証人調べを終結させて反動判決に向かう動きが露骨です。国策裁判をなんとしてもうち破らなければなりません。
 他方、第3誘導路工事は昼夜兼行の突貫工事で取香2号線をトンネル化し、5・28裁判当日の不在をねらって開通させました。来年3・31供用開始を至上命令として、危険きわまる橋梁(きょうりょう)工事を強行しています。5・28千葉市内デモは、これらの攻撃に対する渾身(こんしん)の反撃として打ちぬかれました。
 攻撃の本質は、「国策」「公共事業」の名による農業からの徹底収奪と農民殺しです。破綻した収用委員会の代替機関として、裁判所を使って農地を事実上、強制収用する! 作業場と農機具置き場など営農にかかわるすべてを奪い取り、騒音地獄にたたき込んで移転を強要する!――この人を人とも思わぬ暴挙をどうして許すことができるでしょうか。この農地取り上げは、一人の農家の問題ではありません。原発・被災地と基地強化の沖縄、命と暮らしを破壊するTPP(環太平洋経済連携協定)、首切りと非正規化、消費大増税など、その根はひとつです。
 3・11大震災と福島第一原発の爆発は、これまでの価値観を一変させ、大集会とデモがすべての原発を停止させました。追いつめられた野田政権はなりふりかまわず大飯原発の再稼働を決定し、橋下大阪市長の変節に助けられてこれを強行しようとしています。
 恐慌と長期不況のもとで戦争・改憲攻撃が強まる中、いまや一切が妥協の余地のない闘いを求めています。絶対反対・実力闘争を不動の大原則とする三里塚が、その真価を発揮するときがきました。
 福島・沖縄・三里塚を結び闘おう! 動労千葉との労農連帯、関西を始めとする住民運動、学生、市民の運動をさらに発展させよう!
 農地死守!長期不屈の連続決戦へ。7・8三里塚に大挙、結集してください。
 2012年6月3日
 三里塚芝山連合空港反対同盟
(写真 5・28市東さん農地裁判に先立って千葉地裁に向け市内デモを打ち抜く)

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三里塚裁判傍聴を!

 市東さん農地裁判勝利 第3誘導路工事粉砕
 7・8三里塚現地闘争
 7月8日(日) 午後1時30分 萩原進さん宅の「横川」の畑(天神峰・市東さん宅南側の東峰開拓組合道路沿い)

 市東さん行政訴訟・農地法裁判
 6月25日(月)午後1時半開廷 千葉地裁(傍聴券抽選のため1時間前に結集)

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週刊『前進』(2540号5面4)(2012/06/18 )

 7・1関空闘争呼びかけ

 橋下・道州制攻撃との闘い

 関西新空港絶対反対泉州住民の会が橋下打倒への決意を込めて、7・1関西空港反対全国集会へ参加を呼びかけている。関空の地元・泉佐野現地への大結集をかちとろう。(編集局)
(写真 昨年の7・3闘争。集会後、空港島を望む海岸まで泉佐野市内をデモ)

 ◆ご案内

 全国の闘う仲間のみなさん、地元のみなさん、7・1関西空港反対全国集会への参加を呼びかけます。
 今年の関空闘争は、新自由主義との闘いであり、橋下維新の会の道州制攻撃との闘いです。新自由主義はものすごい危機に陥っています。世界恐慌はギリシャ危機から欧州、世界中に拡大しています。
 関空情勢が激変しています。泉佐野市は、関空で財政危機に陥ったため、千代松市長が3月に「市の命名権」を企業に売って金もうけしようと提案し、6月から募集をはじめました。「金もうけのためなら何をやってもいいのか!」と労働者、住民の怒りが吹き上がっています。さらに5月29日、千代松市長は突然、「岩手の不燃がれきを受け入れる」と発表しました。すぐに労働者、住民が反撃に立ち上がっています。大飯原発再稼働に向けた橋下−千代松の攻撃を粉砕しよう。
 関空・伊丹空港の経営統合に反対しよう。政府は7月1日に経営統合する方針ですが、巨大な危機を引き起こしています。新自由主義の始まりであった関空は、巨額の借金を抱えて経営破綻しています。誰も責任を取らず、大阪空港をひっつけて、また投資ファンド(資本家)に金もうけさせようというのです。経営統合は、労働者の首切り、外注化、非正規化で金もうけする破綻的な新自由主義施策なのです。
 LCC(格安航空)は新自由主義政策そのものです。4・29格安高速バス事故は、LCCとまったく同じです。新規企業が参入できるように規制緩和したため、低賃金労働者を大量につくって、強労働させた結果です。点検・整備費も削るために、事故が必ず起きるのです。ピーチを見てください。3月28日、長崎空港で事故を起こし、13便欠航しました。未経験者を十分研修もせずに安い給料で働かせた結果であり、起こるべくして起きた事故です。LCCでしか生き延びられない資本主義は、労働者の手で打倒しよう。
 関空島では、1万5千人働いていますが、関空は資本家をもうけさせるために、24時間労働監獄にして企業は金もうけしています。労働者の反撃が起きており、闘いは不可避です。泉佐野市は関空優先の新自由主義施策をやって大失敗し、早期健全化団体になり市民と職員を犠牲にしてきました。千代松市長は、職員給与8〜13%カット、民営化攻撃、職員基本条例、不燃がれき受け入れ表明など、橋下と同じ攻撃を全面化しています。自治体労働者は、体制内労働組合を批判して立ち上がりはじめています。
 泉州住民の会は4月総会を開き、関空労働者、自治体労働者、住民とともに闘う団結を拡大してきました。7・1全国闘争でさらに拡大していく決意です。
 7・1闘争を三里塚、沖縄、動労千葉、学生と一体で闘おう。動労千葉を先頭に6・10集会の成功から10・1JR外注化阻止、非正規職撤廃、国鉄全国運動を発展させよう! 八尾北医療センター明け渡し裁判に勝利した! 八尾北・西郡闘争を先頭に橋下打倒闘争を闘おう!
 左記の要領で集会を開催しますので、全国から多くのみなさんの参加をお願いします。
2012年6月
関西新空港絶対反対泉州住民の会  代表/国賀祥司 連絡先/泉佐野市中庄358−4 電話072−463−6640

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 関空・伊丹経営統合反対! 関空の軍事空港化絶対反対! 不燃がれき受け入れ阻止! 橋下、千代松を打倒しよう!

 関西空港反対全国集会

 7月1日(日)午後1時集合、1時半開会
 泉佐野市末広公園コミュニティひろば 集会の後デモします。
 主催 関西新空港絶対反対泉州住民の会
    関西労働組合交流センター

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週刊『前進』(2540号5面5)(2012/06/18 )

 訂正

 前号3面の自治体労働者委員会論文中、「上谷高正・自治労本部現業局長(大阪市従委員長」は藤本初雄・自治労本部現業局長の誤りでした。

 2538号7面の「電機の大量首切りを許すな」と題する記事中、ソニーのこととして「最新鋭の尼崎第3工場でのプラズマテレビ用パネルの生産はすでに中止された」と書いているのは、パナソニックについての事実を誤ったものでしたので、訂正します。

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週刊『前進』(2540号6面1)(2012/06/18 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 国鉄闘争全国運動の6・10集会に参加し 栃木 古田新治

 参加者数1800名、日本全体の労働者数から言ったら微々たる人数かもしれない。だがここに集まった人たちは自分たちで旅費を払い時間をさき、また、会場費を払い、かつ乏しい財布からカンパまで払う人たちだ。おまけに会場周辺には警察官や、私服の公安どもがウロチョロしている。そんな中で集まった1800名だ。
 また原子力村といわれる利権集団とも違う。個人的には何の利益もなく、むしろ多大の労力と場合によっては不利益をこうむることもありうる。そんな中で集まった人びとが労働者の未来をめざし、国鉄民営化を始めとした「新自由主義」にノーを突きつけた。
 参加団体、発言者個々人の思いは時間の制約で十分には話しきれなかったが、気持ちがひしひしと伝わってくる。
 最後にインターナショナルの合唱で締めくくった。人びとを貧困におとしいれ差別と分断を持ち込む新自由主義にむけた闘いが始まった。

 安全運転できるよう労働組合が闘いぬく みやぎ連帯ユニオンけやき交通分会 青柳 歩

 4月29日未明、関越自動車道で7名の死者、39名の重軽傷者が出る大事故が起こりました。
 規制緩和による安売り競争が引き起こしたこの事故において、バスの乗務員には一切責任はありません。責任は、この規制緩和にのっかって、乗務員を低賃金で働かせることによって利益を上げてきた経営者と、それを推進してきた国交省・政府にあります。
 そもそも、金沢から東京、浦安という長距離を深夜1人で運転させるということが「基準の範囲内」というのが間違っています。バスというのは、乗務員のすぐ後ろに乗客が座っています。運転中に少し疲れてきたりしても、窓を開けて外気を取り入れたり、ラジオをつけて気分を変えることもできません。
 「客」を乗せているとアクセル・ブレーキの加減やハンドルさばきにも神経を使います。
 それを人間が最も眠くなる時間に、1人で運転させることを認めてきた国土交通省と、労働者を「運転する機械」としてしか扱ってこなかった経営者にこそ、一番の責任があります。
 この間だけでも新潟・南魚沼でのトンネル爆発事故、広島・福山でのホテル火災、岡山・倉敷での海底トンネルの浸水事故など、次々と重大事故が起きています。最たるものは福島原発事故です。いったい、どれだけの労働者が殺され続けるのでしょうか。
 先日、たまたま国交省の労働組合の街頭宣伝に遭遇しましたが、今回の事故について「まず第一に運転手に責任があるのは当然ですが……」と言っていました。労働組合が、事故を起こした労働者を守るのではなく、逆に売り渡す。このような労働組合だからこそ、規制緩和が続いてこれたのでしょう。
 私たちみやぎ連帯ユニオンは、このような考え方は一切しません。ただちに規制緩和を撤廃させ、安全な運転ができるように労働組合が闘っていくしかありません。

 勝利の展望を示した小玉忠憲さんの怒り 東京 国木田 亨

 5月17日、国労秋田闘争団の小玉忠憲さんの解雇撤回裁判が東京高裁で行われました。動労千葉とともに和解を拒否して継続している1047名闘争の重要な裁判です。
 今回の小玉さんの証言は「ストライキで闘ってきたわれわれ国労を破壊するための不当解雇である!」と真正面から訴えるものでした。
 とりわけ希望者が定員を割っていたのに秋田でたった1人解雇された悔しさと怒りを涙を流して訴えた小玉さんの力強い証言に大法廷全体が完全に圧倒され、僕も涙が出ました。
 国労の執行部が小玉さんの労働委員会闘争をサボタージュし、どんどんと裏切る中で、小玉さんは現場の仲間の「必ず取り戻す」という言葉を信じて、組合の団結の原則を必死になって守り続けてきたのです。その歴史が一つひとつ明らかにされました。
 小玉さんのあまりの迫力に、居丈高で、いやらしい反対尋問で有名なあの憎らしい鉄道運輸機構の弁護士(JRや東電の弁護もやっている西法律事務所だ!)たちも終始うつむいていて、ほとんど反対尋問をしませんでした。できなかったのです。この時点で完全にこちらは勝っていると思いました。
 裁判官たちも葛西などの証人申請について、悩んだあげくに結論を言わないで、次回の期日だけを決めて逃げ去りました。本当は却下して結審にするつもりだったに違いありません。大勝利です。
 次回7月19日は結審策動との正念場です。7・26−27国労大会決戦に向けた重要な決戦として、大法廷を埋め尽くして勝利しましょう!

 「県民健康管理調査」怒りあびた官僚答弁 北川海翔

 6月1日、政府側による質問状たらい回しで延期されていた政府交渉「福島の子どもたちを守ろう! 県民健康管理調査のあり方〜甲状腺検査を例に〜」に参加しました。
 福島で今行われている「県民健康管理調査」は「不安の解消」が目的で、甲状腺検査に必須の血液検査を行わず、エコー画像を撮っているだけ。結果の数値等を一切教えないので、ほかの医師の判断も仰げません。病院には県放射線健康リスク管理アドバイザーの御用学者・山下俊一が手を回しており、個人受診での検査が拒否されるようになったそうです。調査への不信感から問診票の回収率は2割にとどまっているそうです。
 福島から対政府交渉に参加した方々は「国は福島県に対して低線量被曝を重視した適切な指導をし、被曝低減のために無償医療を合わせて行い、被爆者手帳のようなものを交付すること」を要求しましたが、厚労省の官僚・金城慎司氏は「予算は国が出しているが、調査は福島県と専門家が実施していること。電離放射線障害防止規則は原子炉の真下等での作業を想定しており、福島の線量が放射線管理区域並みだとしても分けて考えるべき」と発言し大ひんしゅくを買いました。
 浪江町の住民は毎時200マイクロシーベルトの土を除染させられた事例を、小野町の住民は風邪が長引く傾向をそれぞれ訴え、交渉は終わりました。
 政府と東電に年間1_シーベルト基準を守らせ、子どもたちを避難させましょう。

 第12期党学校で 労組・労働運動すえた『なにをなすべきか』 広野孝明

 党学校、これほどまでに飛躍しているのかと、驚きでした。私たちの綱領草案をふまえて、3・11情勢−大恐慌情勢の中で徹底的に労働運動−労働組合をすえて、マルクス主義・レーニン主義を実践的に深化・発展させているということを実感しました。
 特に『なにをなすべきか』の読み方は完全に変わりました。学生当時は軸は対カクマル戦で、『なにをなすべきか』は党建設論として読むということが一般的だったと思います。これは一面的で労働運動・労働組合ということをすえられていなかったこと、講師はわが党はもちろんこういう視点はあったという言い方をされていましたが、非常に平面的にとらえていたところがあったと思います。
 それと、思想的にはいろいろな意味でやはり共産党の影響力、思想が入っているなと思いました。社会主義・共産主義社会建設論における段階論的とらえ方、「闘っても勝てない」ということもそうだと思います。この思想を党の闘いと自らの実践の中で批判しのりこえていくことができているなと思っています。
 党学校の目的として、自らが講師としてやれる力をつけていくことがあると思います。ロシア革命の実践は、ますます重要になってきています。これをどう党全体のものにしていけるのか、が課題です。
 党学校、労働学校という学習会の体系を無数に、縦横につくり上げていくことが必ず党建設−組織拡大へとつながっていくと思います。

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週刊『前進』(2540号6面2)(2012/06/18 )

 6・7デッチあげ「詐欺罪」 不当逮捕許すな

 2名の女性労働者奪還を

 絶対に許せない! またもや警視庁公安部によるデタラメな弾圧が行われた。
 6月7日、警視庁は関西の2人の女性労働者を、銀行口座の開設を理由に「詐欺罪」をデッチあげて不当逮捕した。
 「詐欺罪」など、まったくのデタラメである。マンションの家賃と水光熱費を支払うために銀行口座をつくった。そのどこが悪いというのか! 何が「銀行員をだました」だ! 逮捕される理由など一切ない。
 逮捕の7日当日、警視庁は早朝から大量の機動隊と公安刑事を動員し、東京の前進社本社、神奈川支社、大阪の関西支社(8日)など計7カ所を不当捜索した。どこの捜索場所でも公安刑事どもはわが同志たちの怒りと正義の反撃に迎え撃たれ、消耗し、ほうほうの体で逃げ帰った。
 関西の女性労働者の居宅では、警視庁公安一課・肝付伸一ら十数人が窓ガラスをたたき割り、暴力的に部屋に押し入って労働者を逮捕した。許せない。
 警視庁は、逮捕した2人の労働者を東京に移送し、連日、朝から夜まで8時間にも及ぶ長時間の拷問的取り調べを続けている。取り調べの中身は事件とはまったく関係ない。2人の闘いへの誹謗(ひぼう)と中傷であり、転向強要であり、「人でなし」「極悪人」などの罵詈雑言(ばりぞうごん)だ。また衣類の差し入れを妨害したりしている。
 2人の女性労働者は、不当なデッチあげ弾圧に怒りを燃やし、完全黙秘・非転向で闘っている。公安刑事は違法な取り調べをやめろ! 無実の労働者への人権侵害をやめろ!
(写真 女性労働者逮捕の際、警視庁公安一課・肝付伸一らは1b四方の窓ガラスを粉々に割った!【7日 兵庫】)

 闘いの前進への恐怖と反動

 2人は、職場や地域で労働運動の前進のために闘ってきた。今回の弾圧は、労働者階級の今年前半の闘いが、国鉄闘争と反原発闘争を軸に大きく前進していることへの日帝権力の恐怖に基づくものだ。さらに、八尾北医療センター明け渡し裁判での5・24勝利判決(大阪地裁)や、法大暴処法弾圧裁判での5・31全員無罪判決(東京地裁)など、闘う人民の側が次々と勝利し、闘う陣形を拡大している。それが日帝・支配階級に大打撃を与えている。それで警視庁が危機感をもって、6・10国鉄闘争全国集会の直前を狙って不当弾圧を行ってきたのだ。
 だが、どんな弾圧も闘いの前進を押しとどめることなどできない。敵権力の狙いを打ち破って、6・10国鉄大集会は大成功した。団結した労働者の力は無敵だ。2人の労働者の即時奪還をかちとろう。そして、職場から階級的労働運動をよみがえらせ、国鉄闘争と反原発闘争を一層前進させよう。それこそがデッチあげ弾圧に対する労働者階級の革命的回答だ。

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週刊『前進』(2540号6面3)(2012/06/18 )

 全証拠開示・再審開始

 7・1高裁包囲デモへ(中)

 “捜査官が誘導したから詳細な供述に”

 デッチあげ居直る棄却決定

 「復帰40年」と星野再審闘争

 「復帰40年」の沖縄の現実は、日米安保の実態である在日米軍基地の75%が集中したままだ。
 70年安保・沖縄決戦は2波にわたるゼネストで闘った全軍労を中心とした沖縄労働者、これと連帯して本土の青年労働者・学生たちが総力で核付きの沖縄基地の固定化に反対し、命がけで闘った。日帝・国家権力は、この闘いの中に沖縄闘争が日帝を打倒する闘いに発展しつつある現実を見て、その分断と破壊のために、先頭で闘った星野文昭同志に無期懲役の攻撃をかけてきたのだ。
 だが、星野同志はこの弾圧をはね返し37年間不屈に闘いぬいて、今、世界恐慌と革命情勢の最先端に立っている。沖縄・三里塚・国鉄、そして何よりも非正規雇用と反原発の闘いのすべての戦場に星野同志は青年労働者・学生とともに立っている。
 第2次再審請求は、星野無期が国家権力の犯罪であることを徹底的に暴き出し、それを断罪するものである。星野同志の獄中37年、非転向の闘いは労働者階級の魂をとらえて2・5徳島刑務所包囲デモとして日帝国家権力を追いつめた。
 原子力村の一角を占めて新自由主義攻撃の先兵となってきた裁判所は、星野同志の闘いとこれ以上対峙することに耐えられないと悲鳴を上げ、ボロボロになって3・30再審棄却決定を下したのである。
(写真 星野暁子さん【前列中央】を先頭に5・12那覇国際通りデモを闘う星野全国再審連絡会議)

 6人の学生の「供述」は虚偽

 星野同志は無実である。物的証拠はない。あるのは、Kr供述をはじめ、デッチあげられた6人の学生の供述調書のみである。
 東京高裁の3・30棄却決定は、「殴打者はきつね色の服を着ていた。そのような服の人は星野さんしかいないので、殴打者は星野さんだ」とのKr供述について、「Kr供述は、請求人(星野同志)の服装の色がきつね色であったとする点で誤りを含んでいる」(真実は薄青色のブレザーだ)と認めざるを得なかった。
 にもかかわらず、”Krは単に服の色を間違えただけだ。供述調書は信用できる”と言うのである。Kr自身は法廷でも、殴打者の服の色はあくまでも「きつね色だ」とこだわっているのに、裁判官が勝手に「記憶違いだ」と決めつける。こんなでたらめが許されるのか。
 さらに棄却決定は、あまりにも詳細な供述調書は真実の記憶の再現ではあり得ず、捜査官の誘導による作文だと批判した「厳島鑑定書」を口を極めて非難している。”Kr供述は捜査官によって誘導されたから詳細でよくできている”と言うのである。だが、当の学生たちは法廷で「供述調書は捜査官によって作られた」と証言しているのであり、厳島鑑定の正しさは明らかなのだ。
 公開の法廷での証言よりも密室で作った調書の方が信用できると、これほどあからさまに「誘導」を開き直った裁判所の言葉をいまだかつて聞いたことがない。まさに国家暴力そのものだ。
 さらに許せないことは記憶喚起のために費やされた時間が長ければ詳細で正確な記憶が喚起できると、12時間を超える過酷な取り調べや、少年法を悪用した40日間を超える長期勾留を行い、連日取り調べたことを賛美していることである。このような長時間、長期間の取り調べのどこが「不当でない」と言うのか。
 このような取り調べは拷問であり、検察官の質問・誘導により原記憶が破壊され、変形させられてしまうのだ。
 記憶の意図もなく、混乱状態の一瞬の出来事を、事件から3カ月もたってから詳細に思い出せるわけがない。証拠とされている「供述調書」は捜査当局のストーリーに沿ってデッチあげられた作文にすぎない。こんなものを「証拠」として星野同志に無期の獄を強いる棄却決定は絶対に許してはならない。
 棄却決定は、まさに法をも無視して資本の自由を暴力をもって貫徹してきた新自由主義攻撃と一体のものである。その限りでは凶暴であるが、しかし誰一人説得できない、最初からボロボロに破産した姿をさらしており、労働者階級の団結した力で粉砕できる。

 全証拠開示が無実証明する

 星野同志の無実を証明する証拠は検察官が隠し持っている。警視庁公安部の「総括捜査報告書」には、闘争現場を目撃した8人の民間人の名前が明記されている。そのうち法廷で証言したのは2人だけで、残りは検察官がいまだに隠している。
 この証拠開示を弁護団は強く要求している。何よりも星野同志自身が全証拠の開示を要求していることが決定的に重要だ。
 初期捜査で収集された証拠の中には星野同志無実の証拠が絶対に存在する。だから、すべての証拠が開示されれば、必ず星野同志の無実は証明される。
 全国的な大運動で裁判所と検察庁を追いつめ、すべての証拠を開示させよう。

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週刊『前進』(2540号6面4)(2012/06/18 )

 国際労働運動 8月号

 原発労働者に聞いた

 3・11から1年余り、5月5日に福島の怒りを根源に「原発ゼロ」をかちとった。しかし野田は、福島第一原発事故の責任を取らず、何の反省もなく大飯原発3、4号機の再稼働を宣言した。反原発闘争は再稼働をめぐる大激突になっている。当面の闘いの最大の焦点は7・16代々木公園10万人集会を大成功させることにある。さらに8・6広島、8・9長崎を福島との連帯を柱に闘いぬくことだ。そのための闘う武器が本総特集だ。
 第1章は、福島第一原発の原発労働者・前川原さんへのインタビューである。前川原さんはその中で、なぜ福島第一原発に入ったのか、放射線汚染の広がり、原発労働者の雇用実態を述べ、廃炉の展望、被曝労働、労働組合、階級的な反原発運動などで動労水戸組合員と熱い論議を交わした。
 第2章は、福島原発事故が今なお拡大していること、政府・東電の事故責任を徹底追及し続けることを訴えている。
 第3章は、福島現地において一貫して県民に放射線被曝を強制している重罪人・山下俊一に鋭い批判を浴びせ弾劾している。
 第4章は、全原発を廃炉にするめには、新自由主義と対決して労働組合をよみがえらせること、労働者の団結を取り戻すことだと鮮明にしている。

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