ZENSHIN 2012/06/11(No2539 p06)
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週刊『前進』(2539号1面1)(2012/06/11 )
京大同学会をついに再建
冨山統一候補に3000の投票・信任
全国大学に自治会うち立て 300万学生の壮大な決起を!
革共同中央学生組織委員会
京都大学全学自治会同学会の再建成る! 6月8日まで行われた同学会正副委員長選挙で3千人が投票、冨山小太郎統一候補の圧倒的信任で革命的執行部が樹立された。大恐慌が資本主義の限界を突き出し、野田政権が新自由主義と原発再稼働へ突進する中、京大学友の巨大な歴史選択だ。6・10国鉄闘争全国集会と一体のこの歴史的勝利は、5・31法大暴処法裁判無罪判決と並んで情勢を一変させ、敵との力関係を転換させる。2012年階級闘争の大爆発へ! 青年・学生先頭に、21世紀革命を切り開こう。
(写真 京大同学会に革命的執行部が樹立! 左から同学会副委員長候補の作部羊平君【工】、委員長候補の冨山小太郎君【農】、副委員長候補の大森靖之君【薬】、平田郁生君【理】) 原発御用大学、教育の民営化、「国立大学法人」粉砕へ
京大同学会再建を全労働者階級人民と全国学生の共同の勝利として謳歌(おうか)したい。われわれは日本における戦闘的学生自治会運動と全学連運動のすべての歴史を継承し、京大同学会権力樹立を突破口に、新自由主義をうち破る21世紀の学生運動を本格的に登場させる決意だ。
今回の同学会選挙の勝利は第一に、新自由主義大学の許しがたい現実に対し、団結の力で徹底対決することによってかちとられた。
冨山統一候補は、選挙の統一スローガンとして、◆「大学奪還」=「学生が団結すれば大学を変えられる! 大学を学生の手に取り戻せ!」、◆「総長団交」=「@原発の再稼働阻止! 原発御用大学を変えよう! A学生の生活を守れ! 学生自治寮の発展、防衛を! B国立大学法人化反対! 大学を金もうけの道具にするな!」を掲げて闘った。
大学取り戻す闘い
史上最悪の福島第一原発事故に直面してもなお、原発政策を推進・容認してきた自らのあり方を反省するどころか、責任を居直り原子力ムラの一員として生き延びようとする京大当局(東大と京大こそ原発政策の中枢中の中枢であり、原発事故を引き起こしたA級戦犯だ!)に対する怒りの声は、キャンパス内に充満している。
「今、大学は大資本や国家の食い物にされているんじゃないのか? 『真理の探究』『自由の学風』はどこへ行ったのか?」「3・11以降原発の問題が表面化するにつれ、京都大学でも原子力ムラとの癒着が明らかにされてきました」「今や大学は市場原理が適用され、金もうけの道具にされています。さらには、真理を発信するという大学の権威が金で買われ、社会に害悪をもたらしています。こんな大学の現状をどうにか変えたい」(統一候補アピール)という怒りと決意だ。
京都大学は、工学部原子核工学コース、大学院原子核工学専攻、そして原子炉実験所を抱え、札付きの原発御用学者を生み出すとともに、原発反対を訴える研究者を徹底的に疎外してきた。しかも経営協議会に関西電力元社長・藤洋作を迎え入れ、電力資本と深々と癒着してきた。さらには関西経済連合会のメンバーとして大飯原発再稼働攻撃の先頭に立っている
「大学はこれでいいのか! 御用学者と藤洋作をたたき出せ!」。「学問」の名をもって、被曝労働を強制し、おびただしい労働者の命をむしばみ、破壊する。現に今、200万福島県民を被曝の苦しみに突き落としている。京大生の根底的怒りが全学選挙を通して爆発したのだ。
そして京大当局が学内でやっていることは、自治寮を強権的に廃寮にし学生の生活と権利を奪うということだ。全人民の誇るべき共有財産である熊野寮・吉田寮に、執拗(しつよう)に自治破壊と寮つぶしの攻撃を加えている。“金もうけにならない寮など要らない”ということだ。
冨山統一候補は、原発翼賛大学と自治寮廃寮攻撃と対決し、全京大生の意志として松本紘総長との団交を実現し、諸悪の根源である国立大学法人化体制粉砕を訴えた。「国立大学法人化によって大学が変質する中で、学生は商品としておとしめられ、とことん収奪の対象とされてきました。資本、国家政策、大学当局の収奪の攻撃に対抗するために、学生は団結体として学生自治会を持つ」「大学において、圧倒的多数を占めるのは学生です。京都大学2万3千人の学生が一つの意志として動いた時に、大学当局にはなすすべがありません。これこそが学生自治の力の根拠となるのです」「大学の新自由主義的運営に対し、これと対抗できる学生自治会を復権させます。それは、学生が大学運営の責任主体に飛躍するための挑戦をするということです」「学生が責任主体となれたかどうかの決定的メルクマールとして、総長との対等な交渉である総長団交の実現を準備します」(立候補声明)。
04年からの国立大学法人化が「教育の民営化」攻撃を加速させた。それは、大学を文部科学省と独占資本が全一的に支配する新自由主義攻撃そのものだ。そのなれの果てが、東大・京大に象徴される原発御用大学だ。しかし、同学会選挙の勝利と京大生の団結の復権は、法人化体制の先兵である松本総長体制を打倒するとともに、1974−75年世界同時恐慌以来の30年余の新自由主義攻撃のすべてを、大学の中心部からうち砕いていく決定的な力を持っている。
法大闘争の全地平
同学会権力樹立の原動力は、06年3・14以来6年超にわたって闘い抜かれる法大闘争だ。冨山統一候補を中心とした一人ひとりが、法大キャンパスで国家権力・法大資本による分断攻撃をはね返して闘い、法大生との団結をうち固めてきた仲間たちだ。
法大闘争は「119人の逮捕−33人の起訴」という未曽有の弾圧、そして2けたの学内処分という闘争圧殺−団結破壊攻撃に対し、どこまでも団結を武器にして絶対反対で闘い、常に新たな法大生を獲得し、暴処法弾圧無罪判決にまでのぼりつめている。立ち向かう敵は新自由主義攻撃を推し進める大学資本と「教育の民営化」であり、仲間を守り抜き団結と組織をつくることで勝利できると実践で証明してきた。その闘いは、労働者階級との強固な連帯をつくり出し、国際的な獲得性を持っている。法大闘争こそ日本学生運動の金字塔であり、日本学生運動の底力であり、勝利の展望を指し示してきた。
この法大闘争の全地平が2012年、音を立てて全国に拡大し始めている。ブルジョアジーとの激突点であり怒りの集積地でもある福島と沖縄の地に全学連運動がよみがえり、ついに京大に学生自治会を建設したのだ。
闘う京大生は、法大闘争を法大生・全国学生とともに最先頭で闘いながら、自治寮廃寮攻撃を広範な大衆的決起で粉砕し続けてきた。学生自治の権力をめぐる激突として決戦を構え、繰り返しの大衆行動と団体交渉で怒りをたたきつけ、拠点を守り抜いてきた。その中で、強力な活動家集団と大衆的リーダーをつくり出してきた地平が、全学自治会建設に結実しているのだ。
そして、同学会権力樹立と一体でかちとられた5月31日の法大暴処法弾圧無罪判決は、全国の労働者・学生に勇気を与え、勝利できることを告げ知らせている。戦前来の治安弾圧法である「暴力行為等処罰ニ関スル法律」をもって、09年に国家権力は法大闘争の壊滅を狙ったが、全国学生と労学連帯の力でこの階級決戦に勝ち抜いた。労働者・学生がひとたび団結を固めて反撃すれば、新自由主義攻撃などはもろくも崩れ去ってしまう。危機に立つ支配階級はまったく脆弱(ぜいじゃく)である。
勝利の道を驀進(ばくしん)する法大闘争と京大闘争をさらに発展させよう!
動労千葉とともに
同学会再建と法大闘争の前進は、動労千葉を先頭にした階級的労働運動潮流および11月労働者集会の中にこそ新自由主義の粉砕と300万学生の未来があることを確信し、ともに闘う中で実現されてきた。これが21世紀革命の先頭に立つ新たな学生運動だ。
動労千葉労働運動と国鉄闘争全国運動が、1047名解雇撤回闘争を投げ捨てる「4・9政治和解」の反革命と断固対決し、新自由主義攻撃の出発点としての分割・民営化攻撃をはね返し続けている真価がいよいよ発揮される。外注化阻止・非正規職撤廃の闘いが2千万青年労働者の怒りと結びつき、全面的な組織拡大が実現されようとしている。新自由主義への最大の反撃は団結の復権にある。6・10集会の全参加者が労働組合・学生自治会の建設を誓った。同学会再建はその最大の実践だ。
〈3・11〉と世界大恐慌下で学生反乱の最先端を開く
今回の同学会選挙の勝利は第二に、ますます激化する世界大恐慌下の「大失業と戦争」の攻撃、そして日本における「3・11情勢(大震災と原発事故)」を、資本主義・帝国主義打倒のプロレタリア革命に転化する突破口だ。
原発再稼働止める
原発再稼働攻防は激化している。5月30日、野田政権は関西電力大飯原発3、4号機の再稼働についての最終判断を近く行うことを決定し、野田は記者会見で「夏の電力確保だけでなく、日本の経済社会の安定と発展のため原子力発電は引き続き重要だ」と支配階級としての本音を露骨に語った。
しかし、「再稼働反対の冨山統一候補か、原発推進の松本総長・藤洋作か」という対決構造の中での全学選挙における3千投票こそ、原発再稼働に絶対反対という京大生の鮮明な意思表示だ。
政府とブルジョアジーによる「日本の経済が止まったらどうするのか」という恫喝の前に、関西広域連合をはじめペテン的「脱原発論」が次々と屈していく中で、“ではいかにして原発を止めるのか、なくすのか”ということが再び三たび階級意識の大焦点となっている。京大生は全学選挙でこれに回答を出した。原発こそ「命よりも金もうけ」の新自由主義の象徴であり、原発なくして日本帝国主義は成り立たない。であるならば、労働者・学生が自らの職場・キャンパスで団結をよみがえらせて「資本の論理」を粉砕し、資本主義・帝国主義を打倒すれば原発を廃絶できる。
7月16日の代々木公園における反原発集会への10万人大結集をかちとり、労働組合・学生自治会がその中心軸に据わって日本帝国主義に全原発の廃炉を強制しよう。京大同学会はその先頭に立つ。そしてそのうねりを、被爆67年のヒロシマ−ナガサキ反戦・反核闘争の大爆発へと押し上げていこう。
怒りに火をつけよ
時代は革命情勢だ。2012年に入っての世界大恐慌のさらなる深まりは、一方において「原発事故」「大失業」「戦争」に象徴的に示されるように、もはや資本主義・帝国主義のもとでは労働者人民は人間らしく生きていけないことを突き出すとともに、他方においてブルジョアジーの強欲な搾取と「資本の論理」を廃絶するプロレタリア革命によってのみ新たな人類史が切り開かれることを日々明らかにしている。そして現に労働者階級が陸続と革命的に決起している。
ブルジョアジーによる支配は完全に崩壊している。彼らはただただ労働者人民の生活を破壊し、青年・学生から希望と未来を奪うことしかできない。社会にまったく責任をとれないのだ。そして、全世界で澎湃(ほうはい)と巻き起こる「生きさせろ!」の階級的反乱の中に、人間的共同性と共産主義社会の原型がある。キャンパス・職場の支配権を、真の主人公である学生と労働者が実力で確立する闘いの中に、プロレタリア独裁権力への道がある。
社会の隅々にまで充満しきっている新自由主義への怒りに火をつけるのは、京大生であり全国学生運動だ。同学会権力樹立を一点の火花として、全社会に闘いの炎を燃え広がらせよう。野田政権も大阪市長・橋下も京大・松本体制も京大生の力でぶっ飛ばし、2012年の大反転攻勢へ進もう。
京大を先頭に学生こそが時代変えるために闘おう
今回の同学会選挙の勝利は第三に、全国学生運動の歴史的新段階突入を意味する。2万3千京大生の団結体としての同学会、300万全国学生の団結体としての全学連の飛躍的発展をかちとろう。
21世紀学生運動を
何よりも京大学生運動は全国学生運動の本流として驀進(ばくしん)する。
京大社研と京都学連事件(1925年〜)以来の闘いの伝統をもつ京大学生運動は、戦後直後の46年12月に国立大学としては初めての全員加盟制自治会として同学会を発足させた。同学会は、50年代における2回の解散命令をうち破り、59年に再建され、60年安保闘争と全学連運動を牽引(けんいん)した。70年安保・沖縄闘争の空前の爆発は巨大な反動を不可避としたが、京大生は常に権力とカクマル反革命との対決の先端で闘い抜いてきた。そして21世紀現代において、これまでの同学会の形骸(けいがい)化をのりこえ、真に闘う自治会が京大生の手で打ち立てられようとしている。
それはつまり、北小路敏同志(59年同学会再建準備会議長、元全学連委員長代行、2010年に逝去)、山崎博昭同志(67年10・8羽田闘争で弁天橋上で国家権力に虐殺される)、福島慎一郎同志(元全学連副委員長代行、86年1月20日にクラス討論中に反革命カクマルに虐殺される)をはじめとした闘う京大生の比類ない革命的魂を継承し、同学会が全国大学での学生自治会建設と日本学生運動の爆発に全責任をとりきる主体へと飛躍していくということだ。
9月全学連大会へ
そして歴史を画する大飛躍として9月全学連大会をかちとるために、京大に続いて全国大学で学生自治会建設に挑戦しよう。
すべての大学で学生自治会は建設できる! これが今回の同学会選挙決戦の最大の教訓だ。大激動の時代情勢と真っ向から切り合い、学生の団結に依拠して闘い抜く勝利の路線をはっきりさせ、鍛え抜かれた活動家集団をつくり出した時、扉は押し開かれる。京大でつかみとった全内容を全国学生のものとし、ただちに挑戦を開始しよう。同学会再建は、京大におけるすべての学部自治会の戦闘的再生と京都府学連の再建、そして全国の学生自治会および活動家を一挙に獲得することを次の死活的な課題として提起している。われわれはその圧倒的な可能性を手中にしている。
日本の学生運動は一貫して階級闘争全体を前進させる起動力の役割を果たしてきたが、世界大恐慌と「3・11情勢」の中で開催される本年9月の全学連大会を、同学会権力樹立の地平の上に立って、48年9月の結成大会、66年12月の再建大会を超える、300万学生の全的統一と団結をつくり出すものとしてかちとっていこう。学生運動が先頭に立ち、新自由主義粉砕とプロレタリア革命の展望を明々と指し示そう。
中核派に結集せよ
さらに全国学生の中核に「反帝国主義・反スターリン主義世界革命」を掲げる強固な革命党を建設しよう。
新自由主義と原発事故への怒りを革命に転化するために、真のマルクス主義の復権が求められている。全学連運動の比類なき強靭(きょうじん)性と大衆性の基礎は、世界革命を裏切り青年・学生の主体性を破壊するスターリン主義反革命を根底的に批判し、のりこえる革命思想とその党をつくり上げてきたことにある。法大闘争と京大再建同学会に脈々と受け継がれるその革命的パトスを、21世紀革命の実現に向けてさらに発展させていこう。京大生と全国学友は、マルクス主義学生同盟中核派に結集しよう。
われわれは京大で歴史的挑戦に踏み出し、そして勝利した。目の前に広がるものは前途洋々たる未来であり、恐れるものは何もない。全世界を獲得するために、団結をうち固め、ともに闘おう!
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週刊『前進』(2539号1面2)(2012/06/11 )
前進速報版から
▼「福島の女たち」が首相官邸前でダイインと座り込み行動▼「7・16集会へ」再稼働阻止で6・6日比谷に2300人▼法大包囲デモ「無罪とったぞ!学生勝てるぞ!」▼韓国KEC75人の整理解雇撤回かちとる!
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週刊『前進』(2539号1面3)(2012/06/11 )
新刊案内 近日発行! 国際労働運動 8月号
反原発総特集
労働組合よみがえらせ全原発廃炉へ
福島原発労働者のインタビューなど、充実した内容で6月18日(月)に発行。
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週刊『前進』(2539号2面1)(2012/06/11 )
10・1JR検修外注化絶対阻止する
職場からJR資本と対決し闘う国労を断固再建しよう
7月国労大会めぐる決戦へ
6・10国鉄大集会を経て、国鉄決戦はJR東日本の検修外注化10月1日実施を阻止する新たな攻防に突入した。その中で7月26、27日の国労第81回定期全国大会に至る過程は、国労を階級的な労働組合に再生させる重大な闘いになった。すでに大会代議員選挙も始まっている。JR資本の先兵に転落した国労本部を打倒し、現場組合員の手に国労を取り戻そう。
(写真 3・11福島県民大集会には国労郡山工場支部を始め闘う国労組合員が意気高く結集した) 外注化を推進する国労本部を許すな
JR東日本は検修・構内業務外注化の10月1日実施に向けて全力を挙げている。その手先となっているのが東労組カクマルだ。東労組は5月14日、外注化を容認する「組合案」なるものをJR資本に提出し、この間、それに基づく団体交渉を集中的に行ってきた。東労組は、6月中にも妥結する構えだ。
国労東日本本部もこれに追随し、外注化を基本的に認めている。5月29日、国労東日本本部はJR東日本との団交を行った。そこでの国労の要求は「施策実施にあたっては……偽装請負にならないようルールを明確化すること」「出向については、本人同意を原則とすること」「作業環境の整備については、JR直轄同様に取り扱うこと」というものだ。絶対反対で闘うどころか、「スムーズ」に外注化を遂行するための方策を組合の側から提案しているのだ。
この団交を受けて東日本本部が発行したビラには、「出向者の業務は車両検修業務に限定せよ」と書かれている。資本がやろうとしているのは検修業務の一括丸投げ外注化だ。これに真っ向から反対せずに、どうして攻撃と立ち向かえるのか。
検修外注化が強行されれば、JRのあり方は根本的に変わる。運転・車掌も含めて鉄道業務を徹底的に外注化し、JRそのものはいわば持ち株会社、金融会社に特化させるというのが、JRの狙っている方向だ。
JR東日本の新社長に就任した冨田哲郎は、この秋にも「グループ経営ビジョン2020−挑む−」に変わる新たな経営計画を策定すると打ち出した。NTTは02年以来の「構造改革」の過程で、業務を347社の子会社に細分化し、労働者に子会社への転籍を強いた。JRも、検修外注化を突破口に、そこに踏み込もうとしているのだ。
検修外注化が強行されれば、安全は完全に崩壊し、労働者と乗客は生命の危険にさらされる。現場労働者なら誰もがこれを実感しているから、現場は外注化絶対反対だ。
01年以来の設備部門の外注化がもたらしたのは、尼崎・伯備線・羽越線事故に示される大事故の続発だった。また、保線を中心に多くの組合員が帰るあてのない出向を強いられた。その悔しさを、外注化を覆す闘いに転じなければならない。
ところが国労本部は、JR総連やJR連合と競い合って、外注化を推進しているのだ。これへの怒りをたたきつけ、国労を外注化と闘える労働組合によみがえらせよう。
原発再稼働叫ぶJR東海の葛西
国鉄決戦は日本帝国主義の中枢と対決する闘いだ。JR東海会長の葛西敬之は、5月29日付産経新聞で「(原発)再稼働がリーダーの使命」と言い放った。葛西は、労働者人民の圧倒的多数が原発に反対している現実を「表層民意」と言い捨て、そんなものに迎合せず「『深層民意』を洞察しつかみ出すのがリーダーシップ」だとわめいている。反原発の闘いを圧殺し、大量の人民を死に追いやっても資本家の階級的利害を貫くべきだと言うのだ。それは追いつめられたブルジョアジーの断末魔の悲鳴だ。
何よりも、動労水戸や国労郡山工場支部を先頭に、JR体制内部から被曝労働拒否の闘いが巻き起こっている。稼働原発をゼロにさせた今日の力関係は、3・11福島県民大集会によって決定づけられた。これを切り開いたのは、国労郡山工場支部の闘いだ。だから日帝は、あらためて国鉄労働運動を解体しようと全力を挙げ始めたのだ。
野田政権は葛西を行政改革懇談会のメンバーに加え、大阪市長・橋下とともに公務員労働者360万人の首切りに当たらせようとしている。葛西がここまで持ち上げられているのは、資本家階級総体が国鉄分割・民営化で労組をつぶした葛西の「手腕」にすがりたいからだ。だが、その葛西自身、JR総連カクマルの裏切りに依拠して初めて国鉄分割・民営化を強行できたにすぎない。
JR総連カクマルの存在を前提にしたJR体制は完全に破産した。国労本部はそのJR体制の支柱に純化しつつある。
JR連合への合流など断じて認めぬ
国労本部は昨年の大会で、組合員の範囲を「JR及びその関連会社に雇用された者」に限定する規約改定を強行して、闘争団員から組合員資格を奪った。これは、どんな形であれ解雇された者は組合員ではないとして、資本に絶対的な忠誠を誓う裏切りだ。4・9政治和解は、ついにここまで行き着いたのだ。国労本部は、今年3月末に雇い止めにされたグリーンスタッフ(契約社員)からも組合員資格を奪い、その解雇撤回闘争に取り組むことを一切拒否した。
国労本部は連合加入への最後の関門を超えようとしている。7月全国大会に向けて国労本部が出した「2012年度運動方針(案)第一次草案」には、「ナショナルセンター連合などとの連携や関係強化等、共闘について引き続き議論を深めていく」と書かれている。
外注化を率先推進する側に回った国労本部は、国労を実質的に連合化させる大裏切りの道をひた走っている。
運動方針案は、JR貨物の瓦礫(がれき)輸送についても、「復旧・復興の妨げになっている瓦礫輸送での積極的な役割発揮」としている。貨物労働者に被曝労働を強いる立場に立ったのだ。
外注化と対決し連合化を阻もう
国労本部は、JR東日本がカクマルとの結託体制の全面清算に踏み切ることを当て込んで、JR連合への合流をもくろんでいた。これによりカクマルに代わる”奴隷頭”の位置を占めようと夢想していたのだ。
JR資本は検修業務の外注化に乗り出すにあたり、東労組カクマルを切り捨てるという決断を一度は下した。だが、動労千葉を先頭とする闘いは外注化の4月1日実施を阻み、JRは東労組の裏切りに依拠する以外に攻撃の手段がないところに追い込まれた。この事態は、4・9政治和解以降、一挙にJR連合への合流に進もうとしていた国労本部の筋書きをも根本的に破産させた。
検修業務や駅業務の全面外注化、被曝労働の強制と職場から徹底的に対決してこそ、国労本部を打倒し、国労を階級的に再生させる展望を切り開くことができるのだ。
共に闘う国労の会の本格的な建設を
7月国労大会に至る過程を、「共に闘う国労の会」300人組織化を目的意識的に貫いて闘いぬこう。その鍵は青年労働者の組織化にある。
「共に闘う国労の会」は、解雇者を絶対に守りきり、4・9政治和解をのりこえて1047名闘争を最後まで貫徹するための組織だ。同時にそれは、JRの外注化・大合理化と職場で闘う現場組合員の結集体だ。
国労の中には、従来の党派系列のもとにいる組合員も多い。だが、階級対立が非和解化している今日だからこそ、最も原則的・階級的な路線を真っ向から提起すれば、従来の党派関係を超えた組合の団結をつくり出すことができる。それは、労働組合という形式を徹底的に踏まえ、労働組合の方針を巡っての真剣な路線闘争を、組合員の面前で真正面から貫くということだ。
新自由主義によってすべてを奪われた青年労働者の怒りに立脚し、国労組合員の根源性・戦闘性を心から信頼してこの闘いを貫けば、「共に闘う国労の会」を国労の主導勢力として建設することは必ずできる。
外注化阻止・JR体制打倒の展望をこじ開けるために、国労大会に至る決戦を全力で闘おう。
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週刊『前進』(2539号2面2)(2012/06/11 )
“断固反対は無責任”と青年を恫喝する東労組
早期妥結をねらう カクマルに職場の反乱を
JR東日本は検修・構内業務の外注化の10月1日実施をなんとしても強行しようとしている。この攻撃に道を開いているのは、東労組カクマルの裏切りだ。東労組と会社は5月中旬以来、立て続けに6回の団体交渉を入れ、基本的な部分での交渉をすでに終えた。東労組カクマルは6月中にも妥結する構えでいる。
だが、外注化を強引に押し通そうとすればするほど、その矛盾は際だってくる。青年を始めとする現場労働者の東労組カクマルへの反乱が巻き起こることは必至だ。
昨年11月に行われた東労組の「2011政策フォーラム」は、外注化推進で組合員を統制しようとたくらんだカクマルの思惑が、けっしてそのままでは貫徹できない現実を映し出している。動労千葉(動労総連合)を先頭とする外注化絶対反対の闘いは、東労組組合員を含むすべてのJR労働者の資本に対する怒りに火をつけた。それによりJR資本は、予定していた今年4月1日の外注化を強行できないところに追い込まれた。
「政策フォーラム」における東労組千葉地本京葉車両センター分会の報告では、次のように語られている。
「提案当初、職場内は『外注化断固反対』のムードでした。他労組が『外注化=転籍だ』などと……虚言を吹聴し、若手の不安をあおっていたためです。しかし、年金支給開始年齢の引き上げに伴う65歳までの雇用確保の必要性や、協約・協定の重みなどについて職場集会で粘り強く議論してきました。『断固反対』という無責任なたたかいではなく……現実に踏まえたたたかいを創りだしてきました」「分会は千葉労(ママ)から『委託はたたかえば止められる』という煽(あお)りもあり、反対意見からの出発でした。……国鉄改革で苦労してきた先輩のために、エルダー組合員の雇用確保の必要性や協定締結の過程など中身を議論し一致をさせて、協約に沿って向き合う方針に転換し提案を受けてきました」
動労千葉の闘いによって東労組青年部の中からも外注化絶対反対の声が噴出したため、東労組役員は「エルダー社員(定年退職後、再雇用されて外注先に出向させられる労働者)の雇用確保」を恫喝材料に、青年たちを押し黙らせようとしたのだ。だが、青年の怒りはそれによって鎮圧されはしなかった。エルダー層も、出向先で外注業務に就くことを拒んだ。こうして4月1日の外注化実施は阻まれたのだ。
外注化の具体像が現場段階で明らかになればなるほど、労働者の怒りは高まっている。にもかかわらず、東労組カクマルは組合員に一切の口を挟ませず、早期妥結に突き進んでいる。その手口はきわめて反動的で凶暴だ。だがそれは、カクマル支配の危機を生み出さずにはおかない。
東労組の中からカクマルへの反乱をつくり出すことこそ最大の反撃だ。6・10国鉄集会を受け、10・1外注化阻止の大決戦に突入しよう。
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週刊『前進』(2539号2面3)(2012/06/11 )
JP労組大会に向け訴える
非正規職撤廃・新賃金絶対反対
連合・JP労組本部の支配うち倒し 新自由主義と闘う労働組合の再生を
6月13日から都内で開かれる連合・JP労組大会で、本部は非正規職の大量雇い止め問題に沈黙し、当局と「共同提案」の新人事・給与制度の導入について「大会での事実上の承認」を取り付けようとしている。大会会場の内外から満身の怒りをこめて「非正規職撤廃!」「新人事・給与制度絶対反対!」の声をたたきつけ、連合・JP労組本部の支配を覆す現場労働者の総反乱の突破口を切り開こう!
(写真 5・1日比谷メーデーで、郵政本社に怒りのデモをたたきつける郵政非正規ユニオン)
新人事給与制度をめぐる郵政資本との激突が始まった
第2の国鉄分割・民営化と言われた07年の郵政民営化から5年。全国の配達業務の現場は「民営化」による極端な人減らしによって軒並み破綻状態に陥っている。僻村(へきそん)や離島を含む全国一律業務が義務づけられ、国家のインフラを支えてきた公益事業としての郵便事業が、「民営化」による金もうけの手段に変わった瞬間、正常な業務そのものが成り立たなくなったのだ。
そして民営化賛成で「生産性向上」を綱領に掲げ、闘う根拠を放棄したJP労組本部は、郵政資本を支える文字通りの御用組合に転落した。
この中で郵政労働者の6割以上(全社会平均は4割)が非正規職に突き落とされたのだ。彼らは正社員の3分の1の差別賃金を強いられ、身分保障のない半失業状態(3カ月〜半年の契約更新)に追い込まれた。集配労働者の非正規化率はすでに8割を超えた。そして理不尽な大量雇い止めが社会問題化したにもかかわらず、「大赤字と事業危機」を口実にさらに4万6千人もの雇い止め計画が進行中だ。
当局はこれを「郵政大リストラ」と称している。経営陣の背任行為などの犯罪が生み出した巨額の「赤字」と「事業危機」の責任を何の責任もない末端の非正規職に押し付け、首切りを強行しているのだ。
非正規職の多くは、怒りを語ることもできない状態に置かれている。しかしこのあまりに非人間的な労働環境への怒りは充満している。郵政非正規ユニオンを先頭とする勇気ある闘いが始まり、全国に広がり始めたことに郵政当局は危機感を募らせている。
この中で、民営化以来の郵政資本の懸案だった成果主義賃金=新人事・給与制度の導入が、民主党政権の「民営化見直し法案」の成立(4・27)を前後して、郵政当局と連合・JP労組本部の「共同提案」で打ち出されてきた。正社員の基本給を2割カット(当初案は3割)したうえに各労働者の「業績評価」を毎日行って賃金格差を広げる制度で、「評価者」の一員となる班長を”奴隷頭”に職場内を徹底的に分断する狙いだ。要は賃下げを自由にやれるようにするための制度で、これによって郵政当局は年間500億〜1千億円規模の大幅な賃下げをもくろんでいる。
この攻撃を先取りするように、多くの職場で新人事・給与制度の導入を前提にした当局の暴力的職場支配が始まり、激突が始まっている(本紙前号参照)。
問われているのはまさに労働組合だ。連合・JP労組本部はこの最悪の賃金制度を当局とともに「郵便事業再生」の柱と位置づけ、6月13日からの全国大会で”事実上の承認”を取り付ける構えだ。労働組合の根幹が問われる事態であり、郵政民営化絶対反対を掲げる階級的労働運動派の闘いの文字通りの正念場だ。
JP労組大会の会場内外から「非正規職撤廃!」「新人事・給与制度絶対反対!」の怒りの声を本部・労働貴族にたたきつけ、連合・JP労組本部打倒への革命的反乱の突破口を開こう!
経営陣の犯罪行為による「大赤字」を大リストラに転嫁
「郵政大リストラ」と称する大量雇い止めや新人事・給与制度の導入は、「大赤字と事業危機」を口実に進められている。その最大の原因は「民営化の戦略事業」と銘打ったJPEX計画(日通と共同出資で小包み部門を分社化=外注化。09年10月スタート)の強行と破綻だ。10年度に1千億円を超える巨額の営業赤字を出し、さらに破綻したJPEXを郵便事業本体に再統合して大混乱を引き起こし、顧客離れも進み、毎年度1千億円規模の損失を出し続けるほどの破綻会社に変貌(へんぼう)させてしまった。純然たる経営の”失敗”なのだ。
だが問題はこの「大赤字」が、西川善文(元三井住友銀行頭取)ら旧経営陣の背任=犯罪行為によるものであることが、政府第3者機関などの調査で明らかになったことだ。JPEX計画が事業として成り立たないことを事前に知りながら、「批判の出はじめた民営化を後戻りできなくするために」(同機関の調査報告)、西川本人が直接「数字を書き換えさせて」強行したという。破綻はあらかじめ予定されていたのである。
西川らが、民営化による膨大な金融利権(ゆうちょ銀行の130兆円もの債権管理業務を三井住友系が独占落札)や不動産利権(かんぽの宿の不正売却事件)を私物化したことが後に明らかになったが、問題のJPEX計画も、三井住友グループと資本関係にある日通から赤字部門(旧ペリカン便)を切り離して、彼らを救済する仕掛けだったことも最近暴露された。
経営陣の意図は、最終的には小包みを含む「利益の薄い」郵便集配部門全体を、破綻させて切り捨てる計画だったのだ。全国一律に展開する公益事業の郵便が、民営ビジネスでは成り立たないことは百も承知だったのだ。その結果が現在の郵便業務の破綻なのだ。「大赤字」の正体は彼らの犯罪行為だった。これが小泉政権が「民間でできることは民間で」と叫んだ郵政民営化の正体だったのである。
では民主党政権下で入れ替わった新経営陣はどうか? 斎藤次郎(日本郵政社長)や鍋倉眞一(郵便事業会社社長)らはこの犯罪をことごとく隠蔽(いんぺい)した。彼らは日帝の中枢を占める巨大企業をわたり歩く同じ支配階級の一族郎党なのである。彼らはゆうちょ銀行とかんぽ生命の株式100%売却(完全上場)を明記した旧郵政民営化法の規定を撤回し、政府関与を残す「民営化見直し法案」なるものを成立させた。
しかし民営化の基本方針には何の変更もない。法案成立後ただちに斎藤社長が「人件費の大幅削減」を宣言したことに、現場労働者の怒りは沸騰している。
そして決定的な問題は、これら経営陣の責任を追及するどころか、これを支えているJP労組本部の労働貴族だ。彼らは「労働組合」ダラ幹としての権益を守るために、この犯罪者たちと公然と手を組み、労資の共同提案で「郵政事業の再生」を語り、大量雇い止めや大幅賃下げに手を貸しているのだ。これが新自由主義といわれる労働者支配のもうひとつの決定的な特徴だ。
本部の屈服許さず職場・生産点から闘い巻き起こそう
政府の報告書が事実なら、本来なら旧経営陣全員が「特別背任罪」で刑務所行きである。経営陣の個人賠償責任も当然発生する。民営化を強行した政府も100%株主として全責任を負う立場にある。その彼らが全員”おとがめなし”で巨額の退職金とともに逃亡し、彼らがつくった「大赤字」の全責任が現場労働者、とりわけ非正規職に転嫁され、大量雇い止めが強行されている。この度し難いまでの本末転倒が「郵政大リストラ」の正体なのである。
そして問題は再び労働組合だ。「郵政大リストラ」に率先協力しているJP労組本部の役員たちの年収は、経営陣なみの2500万〜3000万円に達する。彼らがあのJPEX計画を当局と共同で推進したことを忘れてはならない。郵政現場の非正規職化が猛烈に進んだのは、実は彼らが当局の労務政策に協力してきたからだ。だから彼らは、目の前で仲間がクビを切られている現実に沈黙するのだ。この屈服こそが、ボーナスを2期連続で1000億円以上も削減されて1時間のストも打てない組合に転落した理由なのだ。
この組合本部の屈服に現場から憤激の声が上がっている。今こそ非正規職の仲間たちの怒りと闘いに連帯し、労働貴族=JP労組本部の支配を倒す時だ。新人事・給与制度との闘いでここが決定的に問われている。1人の雇い止めを職場の全員で跳ね返せるような闘う労働組合の力を職場生産点からよみがえらせる時だ。新自由主義に打ち勝つ階級的労働運動の再生を職場生産点から組織しよう!
「郵政民営化絶対反対!」「非正規職撤廃!」「新人事・給与制度絶対反対!」の声でJP労組大会を席巻しよう!
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週刊『前進』(2539号3面1)(2012/06/11 )
現場労働者の怒りで橋下は倒せる
市労連、自治労本部の屈服打ち破り労働組合再生へ
革共同自治体労働者委員会
橋下徹大阪市長の凶暴な新自由主義攻撃への反撃が炸裂(さくれつ)している。5月24日に八尾市の八尾北医療センター明け渡し請求を棄却する大阪地裁判決がかちとられた。大阪市の労働者15人が入れ墨調査への回答を拒否した。大阪市労連幹部や連合・自治労本部の屈服を打ち破り、現場労働者が怒りに燃えて立ち上がっている。闘う労働組合をよみがえらせれば、橋下を打倒し、全員解雇・総非正規職化を粉砕することができる。JR外注化阻止決戦、反原発闘争を闘い、自治労の7月現評総会、8月保育集会、函館大会決戦に総力決起し、秋の橋下打倒闘争から11月労働者集会へ突き進もう。
(写真 自治労中央委員会の会場前で次々署名に応じる組合員。闘いの方針を求めている【5月24日 福島市】)
入れ墨調査回答拒否15人を先頭に反撃の火ぶた切る
5月20日、関西労組交流センター自治体労働者部会・教育労働者部会共催の「道州制=全員解雇粉砕!橋下打倒!労働者討論集会」が、自治体・教労16単組の活動家をはじめ、関西合同労組の全支部、八尾北医療センター労組、スタンダード・ヴァキューム自主労組(ス労自主)などの結集でかちとられた。
5月21日、大阪市が全職員約3万7千人を対象に「入れ墨調査回答」の職務命令を出し、新たな激突の火ぶたが切られた。ところが大阪市職・大阪市従の本部は、反撃や抵抗の方針を出さないばかりか、執行部が率先して「回答」を提出するありさまだ。
5月23日、橋下市長は「新たな労使間ルール」(前進2537号2面参照)と「給与制度改革」(現業賃金25%カットなど)を大阪市労連に提案、さらに「入れ墨調査回答拒否者への懲戒処分」と「政治活動への刑事罰条例策定」の方針を発表した。「政治活動刑事罰条例案」は「2年以下の懲役または100万円以下の罰金」の罰則規定を盛り込んでいる。罰則のない地方公務員法を大きく超え、国家公務員法に迫るものだ。
5月25日には「職員基本条例」「教育行政基本条例」が公明党の賛成を得て成立、6月1日に施行された。橋下は2条例可決を前に処分の脅しで入れ墨調査回答拒否者の一掃をたくらんだ。職場では課長や部長が入れかわり立ちかわり「回答」を迫る。拒否者は毅然(きぜん)と迎え撃つ。「この忙しい時になんちゅうヒマ人や」と橋下や管理職への怒りの声が上がる。5月29日、入れ墨調査回答拒否者は16人と発表された(31日、15人に)。
5月30日、大阪市現業3単組(市従・学給労・学職労)の総決起集会が中之島中央公会堂で開かれた。5月31日、市教委は方針を転換し、所管の教職員約1万7千人に入れ墨調査を実施することを決め、巻き返しを図っている。
これらの激闘のただなかで5月23日に動労千葉争議団の中村仁さんを交えた大阪市職労働学校で、5月27日に関西生コン会館における青年集会実行委員会で、橋下との闘いの方針と展望が徹底的に論議された。
橋下は労使関係アンケート破綻の取り戻しを入れ墨調査にかけ、「大阪市の100%の労働者を屈服させたうえで2条例を成立させる」ことをもくろんだが、青年を先頭とする職場からの反撃で粉砕されたのだ。
「再稼働容認」で敗北を自認
この過程で橋下は原発推進をめぐって破産と敗北にたたき込まれた。
橋下は、昨年3月11日の東日本大震災と福島第一原発事故をもって、電力と電力資本を制覇することが支配者として必須であることを思い知らされた。そこで自称「脱原発」論者で、その実ベストミックス(核、石油・天然ガス、再生可能エネルギーの組み合わせ)論者の古賀茂明(元経産省官僚)や飯田哲也(環境エネルギー政策研究所所長)、植田和弘(京都大学教授)らを大阪府市の特別顧問・特別参与としてかき集め、府市エネルギー戦略会議を設置した。そして原発をめぐる支配階級の危機や矛盾につけこんで野田民主党政権打倒のネタにし、国政進出の道筋をつけようとした。
このようなたくらみは、反原発をまじめに追求して活動する人びとからは見向きもされない。関経連をはじめとするブルジョアジーも、いつまでも橋下が原発問題をもてあそぶことを許さない。こうして5月30日に大阪市を含む関西広域連合が原発再稼働容認声明を出すに至った。橋下は再稼働問題で民衆を欺くことにも、支配階級内部でヘゲモニーを握ることにも失敗したのだ。
処分・条例にひるまず青年を先頭に職場から反乱を
橋下に敗北を強制した決定的な要因は、処分にも条例にもひるまない労働者が橋下の足元から立ち上がったことだ。
5月30日の大阪市現業3単組の総決起集会には、市内のさまざまな現業職場から1千人を超える労働者が結集した。会場前では入れ墨調査回答拒否者が先頭に立ってアジテーションを行い、労組交流センター自治体労働者部会のビラ「UNITE!」やタブロイド判6・10国鉄集会ビラを配布、圧倒的な注目を集めた。
集会の名称は「良質な公共サービスを提供し、市民の安心と安全を守る!総決起集会」だが、結集する労働者は橋下への怒りに燃え、職場での反撃方針を提起しない本部へのいら立ちに満ちている。集会では藤本初雄・自治労本部現業局長だけが「公務員制度改革法案が審議入りする。いよいよ地公法改正、57条(「単純労務」規定)削除のときだ」と発言したが、まったく盛り上がらない。市労連幹部、自治労本部は、労働者の怒りとエネルギーを抑え込み、橋下の攻撃をかわし、労組を野田民主党政権の支持基盤として固めることにきゅうきゅうとしているが、成功していない。
青年を先頭に橋下に対する職場からの反撃を強化しよう。自治労の現業評議会総会・現業組織集会(7月19〜21日、旭川市)と全国保育集会(8月3〜5日、高知市)、自治労定期大会(8月30〜31日、函館市)で職場の怒りをぶつけ、橋下打倒方針を訴えよう。
(写真 総決起集会に結集し中之島公会堂を埋めつくした大阪市の現業労働者【5月30日 大阪市】)
自主的賃下げ・首切りの制度
5月11日、総務省は「地方公務員制度改革について(素案)」を打ち出した。2008年民主党衆院選マニフェストがうたった「国家公務員総人件費2割削減」「自律的労使関係制度」に沿ったものだ。
国家公務員総人件費2割削減とは、賃下げと人員削減、民営化・外注化、分限免職・大量首切りを意味する。国家公務員の賃下げは7・8%で決着したが、賃下げ・首切り、地方公務員への波及の圧力は止まらない。
総務省の素案は「T 自律的労使関係制度の措置」で、人事院勧告や給与法改正を経ずに労使交渉で「自主的・自律的に」賃下げ・首切りを決めるシステムへ移行し、「U 能力及び実績に基づく人事管理」を導入するとしている。
この全面的な公務員制度改革攻撃と対決する意志と力にあふれる現業労働者を「新しい技能職の確立」運動、「単純労務規定削除」運動にねじ曲げ、押し込むことが7月現評総会・現業組織集会の目的だ。自治労本部は「職の確立が不十分」なため民営化されたと、現場に責任を転嫁し、現業労働運動破壊と公務員大量解雇を推進している。
民営化・外注化・非正規職化は日帝ブルジョアジー中枢による新自由主義攻撃だ。階級的力関係の転換と職場支配権の獲得によって阻止しよう。
保育集会での抑え込み狙う
5月10日、衆院本会議で子ども・子育て新システム関連3法案が審議入りした。野田政権は新システムを「社会保障と税の一体改革」の「第1の柱」「民主党政権の真骨頂」として、消費増税法案とともに成立に全力を挙げている。
審議では、自民党議員が質疑で「新システムは質の低い業者の参入で混乱を招きかねない」と追及、岡田副首相が答弁で「自公政権からの現行制度の延長だから協力してほしい」とすり寄った。
新システムは戦後福祉行政の原理的転換=「措置から契約へ」の総仕上げであり、福祉を全面的に解体し、市場開放する新自由主義攻撃だ。公的保育制度を最後的になくし、安価な女性労働力を大量に確保し、労働者の9割を非正規職化し、保育を資本の金もうけの場に変える。民営化・合理化・外注化、労組破壊の攻撃に粘り強く抵抗し反撃してきた保育士、用務員、給食調理員、看護師、栄養士など保育公務員労働者数十万人の団結を破壊する攻撃だ。
この本質がだれの目にも分かり反撃が拡大する前に法案を通してしまおうとしているのが野田民主党政権と連合・自治労本部だ。8月全国保育集会のメイン講演は内閣府政策統括官・村木厚子、パネリストは厚労省保育課長だ。自治労本部は政府中枢に保育労働者を直接オルグさせ、翼賛集会にしようとしている。
自治労本部は現評総会・現業組織集会と全国保育集会で、自治体労働運動の最強部隊をなす現業労働者と保育労働者を抑え込み、定期大会を政権翼賛大会にしようとしているのだ。
「国鉄改革の成功」の大デマに依拠する橋下の破綻性
橋下も、これを支える大阪府市特別顧問の堺屋太一(元経済企画庁長官)や上山信一(慶応大学教授)も、事あるごとに「国鉄改革の成功」などとほざいている。だが「国鉄改革」は成功したのか? 否だ!
支配階級は、規制緩和と競争力強化を叫び、民営化・外注化・非正規職化を強行し、労働者の4割を非正規職(半失業状態)に突き落とした。社会は労働者人民が生きていけない「命よりも金もうけ」の社会となった。ブルジョア社会を維持する全機構が崩壊へと進んでいる。その象徴が福島第一原発事故だ。こうした事態をもたらしたのは国鉄分割・民営化に始まる新自由主義攻撃だ。
国鉄分割・民営化自体も25年を経て、JRとJR総連との結託体制においても、全面外注化攻撃においても、動労千葉を先頭とする闘いによって破産している。国鉄闘争の終結を策した4・9政治和解という反革命もまた国鉄全国運動によって破産している。この「国鉄改革」を「成功」例として後追いする新自由主義とその先兵=橋下反革命に未来はない。それが、破壊しつくし破綻しては奈落に転げ落ちる資本主義の本性だ。
被災地・仙台でも、橋下反革命と連動して自治体労働者をすりつぶす攻撃がかけられている。自治体労働者は月100時間を超える残業を強制され、9割がストレスを感じ、5割が抑うつ状態となっている。当局はこういう数字を公表して開き直っている。これが「復興特区」攻撃だ。新自由主義の絶望的凶暴化が労働者を日々殺している。
「復興のため」と言って労働規制を取り払い、「民間の力を借りる」と称して公共部門を丸ごと民営化し、「職員の補充」を口実に非正規職を拡大する――こんなことを許してはならない。橋下反革命と復興特区攻撃と対決し、闘う労働組合をよみがえらせよう。
6・10国鉄集会の成功で時代は変わった。階級的労働運動が階級闘争のヘゲモニーを握る時代に入った。今夏のJR外注化阻止決戦、反原発・反戦反核闘争に勝利し、現評総会、保育集会から8月末自治労大会決戦、9月橋下打倒闘争、11月労働者集会へ駆け上ろう。
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週刊『前進』(2539号3面2)(2012/06/11 )
労働者の誇りかけて
新潟市再任用解雇撤回裁判 斎藤さんが意見陳述
新潟市再任用解雇撤回裁判が5月31日、新潟地裁で始まった。昨年3月末の解雇、そして新潟市人事委員会での門前払い決定を粉砕する闘いが始まった。第1回口頭弁論には、傍聴に駆けつけた地域の仲間たち20人と一緒に、原告の斎藤実さんが元気に出廷。裁判所と新潟市当局を圧倒する意見陳述を行った。
まず、代理人の高島章弁護士が「この裁判は、公務員だって労働者だと認めさせる裁判であり、定年制は憲法違反だ」と訴えた後、斎藤さんの陳述が行われた。
斎藤さんは3点にわたって訴えた。
第一に、「私の解雇は年金満額支給まで働くという当たり前の権利の侵害である」と新潟市の解雇のやり方を徹底弾劾した。「私に対する狙い撃ち解雇であり、人事評価反対の先頭に立ってきた私を屈服させることが狙い。私が屈服を拒否したことで、解雇という強硬手段に訴えたのだ」と事態の本質を暴いた。
非正規公務員をなくす闘い
第二に、「非正規公務員の置かれた現状を問い、非正規職をなくしていく闘いである」と自分の闘いを位置づけた。斎藤さんは「大量の非正規公務員は任期を理由に雇い止めされ、モノのように使い捨てにされている。民間よりも法的保護がない。にもかかわらず新潟市当局は『非正規の分際で雇い止めにされても文句を言うな』という傲慢(ごうまん)さ。許せない」と訴えた。
第三に、公務員労働者の誇りをかけて闘うと戦闘宣言した。「橋下大阪市長の『諸悪の根源は公務員、労働組合だ』の言葉に、はらわたが煮えくり返る思いだ。私は35年間市役所に勤務し、市民生活の向上のために懸命に働いてきた。安心して働ける職場にしようと労働組合活動にも精力を注いできた。これは私にとって誇りだ。新潟市は、私のこの生き方の転向を迫った。私に対する攻撃は、全公務員労働者にかけられた攻撃だ。理不尽な新潟市を徹底追及する」と堂々と訴えた。
相手側代理人はうなだれ、裁判官は傍聴者の拍手喝采を制止することもできない。緒戦の大勝利だ。この勢いで斎藤さんの解雇を撤回させ、原職復帰をかちとるぞ!
(新潟・YS)
(写真 原告の斎藤実さん【右】と代理人の高島章弁護士)
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週刊『前進』(2539号3面3)(2012/06/11 )
非正規職労働者に聞く
ショーワの派遣切りと闘う(下)
派遣先の「雇用責任」追及 工業団地に団結を広げる
最終段階迎えた労働委員会闘争
――労働委員会での闘いは?
Aさん 派遣の首を切ったのは派遣先のショーワだ。雇用責任がある。「団交に応じろ! 元の職場に戻せ!」と、まず埼玉県労働委員会に訴えた。でも、「ショーワには(派遣労働者に対する)使用者性はない」と却下された。
Cさん だけどそれは違う。働く場は行田工場という契約だったのに、別の工場に行かされたこともあった。許せない。
Bさん 残業や休日出勤の指示はショーワの班長がしていた。派遣元に申請した年休を「なんで夜勤が休むんだ」といって取り消したのも、免許がないのにフォークリフトの運転をさせたのも、ショーワだ!
Aさん 「1年6月以内のできるだけ早い期間に終結する」はずの中労委で、すでに1年半が経過した。中労委が和解の可能性を探ったけれど、こっちが最後陳述書を出したからね。昨年12月5日に証人審問した時、持ち時間を超えてもストップをかけなかった。部会長は中労委会長で、決定が出るのは6月か7月。却下するならしてみろ。問題はそこでの勝ち負けじゃない。
門前闘争に全金本山労組が来た
――4・27門前闘争とデモはどうでしたか?
Aさん 月1回の門前でのビラまきは分会結成以来、欠かさず続けてきたけれど、門前闘争は初めてだった。正直に言って10人くらい来てくれればいいと思っていたら80人も来てくれた。しかも全金本山労組まで。「宮城からよく来てくれたな。これはいいぞ」ってね。
Bさん 実は4・27に向けたビラの裏一面に本山闘争のことを載せたんだ。「泥沼化するぞ」と知らしめるために。
Aさん 地労委、中労委、地裁、高裁、最高裁と全部負けても34年間闘い続けて解雇を撤回させたお手本が、ショーワに来てくれた。
Cさん これは大きいよね。
Aさん 雨の中を工場の周りを一周するデモをやったら、どこへ行っても注目された。ビラを持って支援要請に行った事務所では、外に出てきて手を振ってくれた。
Bさん 偽装請負のやり方や、それがバレたら派遣に切り替えるやり方をジェコーに教えたのはショーワだと聞いた。
Aさん ホンダ系とトヨタ系だから仲が悪いはずだけど、労働者対策では手を組むんだよ。ここの工業団地一帯が自動車関連だし、いちばん大きいのがショーワとジェコーだから、二つの闘いの影響は大きい。正確にはわからないけれど、ショーワだけで正規・非正規合わせて700人以上いるはずだから。
「もっとビラを」社員からメール
――ショーワの状況、反応は?
Bさん 切られた直後に寮に連絡で来た契約社員らしい2人が、「うちの会社もひどい」と言っていた。その2人もその後すぐ切られた。組合に誘ったんだけどな。
Aさん 派遣切りの半年後に準社員が切られた。組合に入れよって言ったら「退職金が思った以上に出たから」という返事だった。会社は分会が闘っているのを知っているからな。
Cさん 金で抑えたんだね。
Bさん あれから正社員も飛ばされている。飛ばされて1カ月で戻ってきたところが日本精工で、その後三菱重工業に飛ばされた人もいる。
Aさん 正社員だと思うけれど、会社の内情を暴露して「もっとビラをまいてくれ」というメールが何回か来た。社員だって腹の中では思っている。
Bさん そういう人を組合に入れるために毎月ビラをまいているんだ。
これからの世代に派遣法残さぬ
――最後に、今後の闘いへの抱負と決意を。
Aさん これからの世代に派遣法なんて残しちゃいけない。福島のことがあり、動労千葉の話とか聞いて非正規職撤廃しかないと思っていた。それを4・27闘争ではっきり決意した。
Cさん 派遣切りで感じた悔しい思いは経験した人にしか分からない。同じ思いをほかの人には味わってほしくない。
Bさん 派遣法も非正規もすべて撤廃。派遣で首を切られて、田舎の福島にいつ帰れるかわからないダブルパンチを食らってるから、この国に怒りを覚える。会津も放射線量が高いのに、そこにおいっ子もめいっ子もいる。同じ福島県内なのに中心でぶった切って山側は内部被曝の検査をしない。新自由主義がどれだけひどいか。
これからまた失業者が増えるだろう。首を切っておいて「利益が過去最大です」なんて記者会見をやっている。ふざけるな! 働いている人間がみんな仕事をボイコットして工場から出ていったら経営陣はどういう顔をするか。やつらがギブアップしてこちらにすべてを任せればいいんだ。
――ありがとうございました。
(写真 4・27門前闘争では全金本山労働組合を始め各地から結集した労組の旗がショーワの工場門前に翻った)
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週刊『前進』(2539号4面1)(2012/06/11 )
危機にあえぐ野田政権打倒し消費大増税攻撃を粉砕しよう
滅ぶべきは人民ではなく国家だ
野田政権が消費大増税に突き進んでいる。今国会に消費税法の改悪法案を提出し、現在5%の消費税率を「14年4月から8%、15年10月から10%に引き上げる」としている。野田は、「国のためにやるべきことをやる。この覚悟以外、私心はない」と言い、「会期末の21日までに衆院で採決する」と叫んでいる。労働者人民に一層の犠牲を強いる消費大増税を絶対に粉砕しよう。
自民党と結託し突破狙う
大増税攻撃を貫徹するために野田は、民主党内で対立する小沢派の合意取りつけはあきらめ、自民党と結託する道を選択した。自民党の要求する問責2閣僚の更迭を行い、内閣改造では、もともと自民党のブレーンであり、自衛隊制服組出身の改憲論者・森本敏を防衛相に就任させた。野田は民主党の大分裂や政権の危機も辞さず、自民党にすり寄って、原発再稼働と同時に消費税大増税に突き進んでいるのである。
大恐慌の深まりのもとで、全世界的に失業と賃下げ、非正規職化の攻撃が吹き荒れている。日本の労働者階級の賃金は年々低下している(図1)。労働者家族は生活費を切りつめ、「1円でも安いものを」と買い求め、四苦八苦しながら子育てし日常生活を送っている。被災地では家族、家、仕事を失い、貧困と不安の中で暮らしている被災者がたくさんいる。福島では原発事故で今も16万人が避難生活を強いられている。
こうした人びとの上にさらに消費大増税の攻撃をかけようとしているのが日帝・野田政権だ。
東日本大震災を口実にして所得税と個人住民税の臨時増税が昨年秋、復興財源確保法で決められた。「臨時増税」といっても長期間の増税だ。所得税は来年1月から25年間、納税額に2・1%上乗せし、個人住民税は14年6月から10年間、一律年間千円を徴収する。そして、その上に消費税大増税という許し難い攻撃をかけてきている。
さらに生活保護をめぐる反動的宣伝と攻撃が強まっている。たくさんの生活困窮者が生活保護を奪われていることこそが大問題であるのに、問題を百八十度すり替えている。そしてこれをも消費大増税推進のテコにしようとしているのだ。絶対に許せない。
日本経団連の米倉弘昌会長は5日の記者会見で野田政権について、「スピードは遅くとも、国の将来を考え、政策がぶれない。高く評価する」と語り、政権への協力を表明した。野田は完全に経団連、つまり日帝・資本家階級の手先として動いている。
法人税の減税とセットで
野田が民主党の分裂や総選挙での敗北も辞さず、自民党と手を組んで消費大増税に突き進む理由は何か? 背景には、大恐慌下の帝国主義間争闘戦の激化、その中で敗勢に追い込まれ、ますます没落を深める日本帝国主義の絶望的な危機がある。
日本経団連が今年1月に出した「経営労働政策委員会報告」は、法人税減税と消費大増税が一体のものであることをあけすけに語っている。「法人実効税率を早期に主要国並みの30%とし、その後……25%程度まで引き下げる」と述べた上で、そのすぐあとに「同時に消費税率引き上げを含めた社会保障と税・財政の一体改革を一刻も早く実現する」と述べている。財界の要求どおり、法人税の5%減税は今年度から実施された(注)。ここ二十年余、法人3税(国税と地方2税)の減収・減税額と消費税の累計額はほぼ対応している(図2)。財界は、消費大増税によって法人税減税を一層進めようと狙っているのである。
5月15日に出した経団連の新提言「成長戦略の実行と財政再建の断行を求める」では、国際的な「法人税率の引き下げ競争」の中で、「さらなる減税への道筋(最終的には……20%台への引き下げ)を早期につけていくべきである」と述べている。さらに、消費税に言及している部分は怒りなしには読めないものだ。
「わが国の消費税率は先進国中、最も低い水準にある。そのため、増税の余地が大きい」「欧州各国は、消費税に相当する付加価値税を相次いで引き上げており、こうした中、日本が足もとで増税に踏み切れないことが明らかとなれば、財政に対する国際的な市場の信頼は、瞬く間に失われてしまう」「一体改革関連法案を早期に成立させ、着実に施行することが不可欠である」「16年度以降のさらなる消費税率引き上げ等の税制改革が必要である」
ここに明らかなように、野田政権の消費税率10%化は、16年度以降にさらに消費税率を上げるための第一段と位置づけられている。支配階級は20%前後まで引き上げることを狙っている。
さらに「税と社会保障の一体改革」とは資本家の要求であり、その意味は「法人税減税だけでなく、厚生年金、健康保険などの社会保険料の企業負担をやめろ、企業の負担を一切なくせ」「その分は、消費増税して国民から取り立てろ」ということだ。それを野田は、「高齢化社会に持続可能な社会保障制度の確立」などと、少しは人民の利益になるかのようなうそを言って、人民をペテンにかけているのだ。
野田政権の攻撃は、日帝資本家階級のすさまじい危機に規定された〈戦時下の階級戦争>だ。大恐慌下に、消費大増税が行われれば労働者人民は生きていけない。とりわけ、失業者、非正規労働者、そして高齢者や障害者は生きていけない。
ギリシャのように闘おう
ギリシャでは一切の緊縮策にノーを突き付けて労働者階級が幾度ものゼネストを闘っている。料金が支払えずに電気・水道・ガスが止められる家庭も続出しているが、労働者階級はともに助け合いながら生活し、デモを闘っている。団結の中で生きている。「財政危機を放置したら国が立ち行かない、滅びる」という恫喝を敢然と打ち破って闘っている。そうだ。滅びるべきは労働者人民ではなくブルジョア国家だ。ギリシャの労働者のように闘おう。
労働組合こそ、労働者が団結して資本家と闘う武器だ。消費税増税に協力する腐り切った連合幹部、労組御用幹部を打ち倒し、労働組合を現場労働者の手に取り戻そう。労働組合を、今こそ闘いの武器としてよみがえらせよう。国鉄決戦と反原発決戦で野田政権を打倒し、消費大増税を粉砕しよう。
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(注)減税後の法人税率は35・64%。これに3年間の復興特別税が課税され現在38・01%
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週刊『前進』(2539号4面2)(2012/06/11 )
“無罪をとったぞ!”
法大包囲する第2波デモ
「無罪判決をかちとりました!」――6月1日昼休み、法大キャンパスに倉岡雅美さん(人間環境学部・無期停学)の声が響きわたりました。
前日の5月31日、東京地裁でかちとった法大暴処法弾圧裁判全員無罪の大勝利をキャンパスに還流しようと、文化連盟と全学連は法大正門前に大結集し、4・19に続く第2波法大包囲デモをやり抜きました。無罪の勝利を謳歌(おうか)し、「法大当局の責任追及!」「大飯原発再稼働阻止!」「学祭規制絶対反対!」をスローガンに掲げ、明るく、圧倒的に打ち抜きました。
門前では、まず文化連盟委員長で全学連委員長の斎藤郁真君がマイクを握り、勝利の報告をしました。「昨日、東京地裁で、法大側と3年間争ってきた暴処法弾圧裁判で無罪をかちとりました! 本当にうれしい。今、野田首相が原発再稼働に突き進んでいる。法大でも学祭規制を強化していこうとしています。私たちへの処分も撤回されていません。しかし今回の無罪がはっきりさせたことは、学生が本気で団結して闘えば相手が暴処法だろうが国家権力だろうが勝てることです」
メインは無罪をかちとった学生からの大アジテーションでした。
被告団長であり前全学連委員長の織田陽介君が力強くアピールしました。「無罪はすごいことですよ。国家権力だって僕らは揺るがすことができる。今の時代は、仲間と一緒に団結して立ち上がることが本当に難しい時代です。原発のことだって『反対するなら雇用がなくなる、雇用がほしいなら反対するな』って分断じゃないですか。おれたち学生は歴史の主人公として、堂々と、仲間と生きていくために大学に来た。仲間を大事にしなければならない。それがおれたちの生き方ですよ」
続いて文化連盟の恩田亮君が熱く訴えました。「今、学費が上がっているじゃないですか。学生運動が沈静化してしまったからです。おれら学生は何をすればいいのか。バリケードストライキです。実力で封鎖して大学を解放区にしていくんです」
同じく文化連盟の増井真琴君は法大当局を鋭く弾劾しました。「法大は断固として謝罪しなければならない。無罪の人間を逮捕させ、起訴させ、裁判を受けさせ、処分するという不当なことをやってきたのが06年3・14以降の法大ではありませんか」
彼らのものすごい高揚感、気迫が伝わると、法大生は次々とキャンパス中央に立ち止まり、教室や屋上から注目しました。公安警察は根底的に打撃を受けている。
そしてデモに出発。学内で闘う法大生を先頭に「無罪とったぞ」「法大当局謝罪しろよ」「法大闘争絶対勝利」「学生勝てるぞ」というコールで市谷一帯を席巻しました。
今回の無罪判決は、119人の逮捕―33人の起訴という06年以来の弾圧体制そのものを粉砕し、新自由主義による団結破壊攻撃に対し、闘って勝利できることを3万法大生と全国学生に示しました。法大学生運動、全国の学生運動に対する国家権力の全体重をかけた大弾圧に完全勝利したのです。この勝利から法大生への全不当処分の撤回、学祭規制の撤廃、学生自治会復権へ、全学連は猛然と闘いぬきます。
(首都圏学生・K)
(写真上 6・1第2波法大包囲デモ。闘う法大生を先頭に暴処法裁判での大勝利を謳歌するコールが市谷周辺に響きわたった)
(写真下 法大正門前でアピールする増井君【右】と無罪をかちとった5人の名前入り色紙を持つ恩田君)
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週刊『前進』(2539号4面3)(2012/06/11 )
圧倒的な夏期カンパのお願い
革共同は国鉄決戦と反原発で時代を変えるために闘います
全国の同志、『前進』読者、支持者、そしてすべての闘う労働者人民の皆さんに、革共同は圧倒的な夏期カンパを心から訴えます。
新自由主義は破綻し資本主義体制は根底から崩れ去ろうとしています。世界大恐慌と3・11情勢と対決する闘いが職場から一歩一歩、着実に前進しています。それを示したのが国鉄全国運動6・10大集会です。階級的労働運動を復権し労働組合をよみがえらせようという熱烈な思いと息吹と闘う決意が、文京シビックホールを突き抜ける鬨(とき)の声となってあふれ出しました。
毎年3万人以上が自殺し、2千万人もの仲間が非正規職のワーキングプアに突き落とされ、年金もガタガタ、生活保護以外に生きられない人があふれています。しかも、この生活保護をめぐって新たな大攻撃が始まっています。こんな社会はもう社会とは言えない。ブルジョアジーの世の中はもう根本から崩れています。労働者階級がこれにとって代わり社会の全責任をとる。そういう時代がついに来たのです。
時代は今、大きく動き出そうとしています。その鍵を握って情勢を牽引(けんいん)しているのは、未来を担う青年労働者と学生です。
■国鉄分割・民営化反対が基軸に
すべては国鉄分割・民営化から始まりました。国鉄分割・民営化と真正面から闘えなかったために、総評と社会党は自ら解散し、階級的力関係が大きく変わって膨大な仲間が非正規職に突き落とされました。この社会の構造は今も変わっていません。否、この新自由主義を極限的に推し進めて生き延びることをブルジョジアーは露骨に宣言しています。
こうした新自由主義攻撃との対抗基軸こそ、動労千葉を先頭に国鉄1047名解雇撤回闘争として闘いぬかれてきた国鉄分割・民営化反対の闘いです。この火は誰にも消すことはできません。そこには労働者階級の本物の生きざまと階級的感性が宿り、不断に新たな共感と階級的団結を生みだし発展させていく原動力=限りない階級的大義、正義性と正当性があるからです。
国鉄闘争全国運動呼びかけ人の方々がこの核心を自分の人生をかけて、すべての仲間、青年労働者・学生に向かって心から訴えています。
「福島原発事故の原点は国鉄分割・民営化だ。分割・民営化も原発建設もどちらも中曽根の政策だ。労働組合破壊・国労つぶしと原発、これとの闘いを全国運動のひとつの柱にしよう」(元国労九州本部書記長・手嶋浩一さん)
「『新自由主義攻撃への対抗軸となる新しい労働運動をつくりあげる』に共鳴して、『呼びかけ人』にさせていただきました。全国運動を60年安保闘争のような国民運動にしよう」(元国労新鶴見操車場分会長・佐藤功一さん)
10・1JR全面外注化を阻止し、国鉄闘争を軸に新自由主義と対決して、階級的労働運動を復権させるために革共同はともに闘います。
■政府と東京電力に根底的な怒り
大震災と原発事故以降、膨大な仲間が「国家の本質」を見ぬきました。「こいつらはおれたちを殺すんだ」と。3・11福島県民大集会で発言した福島の高校生は、「人の命も守れないのに、電力とか経済とか言っている場合ではないはずです」と言いきりました。津波で家族や地域の多くの人が流され、目の前で助けてくれという声が聞こえていたにもかかわらず、原発の爆発で避難しなければならなかった。肉親さえ振りきって逃げなければならなかった体験の中から絞り出すように発せられた言葉です。「目の前で人が殺されても文句を言うな」という、3・11が突きつけた国家のあり方は、資本主義・帝国主義・新自由主義の正体を示しています。そしてこれは今のJR(国鉄)を始めとする職場の現実そのものです。
被災現地の福島、宮城、岩手、茨城の労働者人民はこの現実に屈服し押し流されるのではなく、生き抜くための闘いに立ち上がり、政府と東京電力の責任を追及して闘っています。かつて人類が経験したことのないような国家と社会の崩壊の中で、労働者階級こそ人間的共同性をよみがえらせることのできる唯一の階級であり、農民・漁民を含めたすべての人民をひとつにして資本主義社会を根底から転覆し共産主義社会を建設できる階級であることを、身をもって示しています。
子どもたちの命と未来を守り、新自由主義と闘う拠点の建設が今こそ求められています。福島の怒りと結びつき、その呼びかけに応えて福島診療所建設をかちとりましょう。
追いつめられ絶望的に凶暴化する野田政権の原発再稼働を阻止し、すべての原発を廃炉にするために闘いましょう。自民党と結託した野田政権の消費大増税攻撃を、国鉄決戦と反原発決戦で粉砕しましょう。
■青年と学生を先頭に勝利を開く
時代の転換点は私たちに大きな飛躍を問うています。革共同は、結成以来半世紀を超える幾多の闘いの中で自らを組織的に強化してきました。そしていま青年労働者・学生がその中軸を担い、労働者階級自己解放の思想であるマルクス主義に立脚し、「反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命」の勝利に向かって闘っています。
「労働者階級(プロレタリアート)の解放は労働者自身の事業である」(マルクス)。革命的共産主義者同盟の目的はただひとつ、この労働者階級自己解放の闘いの全面的な貫徹とその完全な勝利です。「労働者は闘っても勝てない」という奴隷の思想を国鉄闘争を先頭にうち破って団結を固め、いまこそ全世界のプロレタリアートと連帯して世界革命の扉を開きましょう。プロレタリア革命の実現へ労働者階級の先頭で闘う革命党への組織破壊攻撃を許さず、革命の正否をかけ国家権力から非合法・非公然体制を守り抜きましょう。そして労働者階級人民の共同の大事業をともに達成しましょう。
世界大恐慌と世界革命の時代だからこそ、革命の勝利のために圧倒的な資金が必要です。労働者、農民・漁民、学生を始めとするすべての人民の皆さんに、革共同へのカンパを熱烈に心から訴えます。
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週刊『前進』(2539号4面4)(2012/06/11 )
5月29日〜6月4日
原子力規制庁法案審議入り/米国防長官「海軍の6割を太平洋に」
●原子力規制庁法案が審議入り 原発規制を見直す原子力安全改革2法案(原子力規制庁設置法案、原子炉等規制法改正案)が衆院本会議で審議入りした。(29日)
●原子力委、大綱策定中断へ 核燃料サイクル政策のあり方を議論していた内閣府原子力委員会の小委員会が原発推進側だけを集めた秘密会議を開いていた問題を受け、近藤駿介原子力委員長は、国の原子力政策の方向性を決める新大綱策定会議の議論を一時中断する方針を明らかにした。(29日)
●関西広域連合が大飯再稼働を事実上容認 関西広域連合は大飯原発3、4号機の再稼働について条件付きで政府に最終判断を委ねるとする事実上の容認声明を発表した。(30日)
●野田首相、再稼働決断へ 関西広域連合の声明を受け、野田佳彦首相は関係閣僚会合で、周辺自治体の理解が大筋で得られたと判断、立地自治体(おおい町と福井県)の同意を前提に「私の責任で判断する」と表明した。(30日)
●北朝鮮が憲法に「核保有国」明記
北朝鮮が運営するウェブサイト「ネナラ」は4月13日の最高人民会議で修正された憲法の全文を掲載した。序文で金正日総書記が「祖国を核保有国に変えた」と明記した。(30日)
●衆院憲法審査会で憲法9条議論百出
衆院憲法審査会は憲法第2章「戦争の放棄」(第9条)について議論した。民主党は所属議員の意見がばらつき、改正の是非に踏み込まず、自民党は自衛隊を「国防軍」と明記し、集団的自衛権の行使を認める改正を主張、共産、社民両党と対立した。(31日)
●原子力委、虚偽説明 原子力委が秘密会議を開いた問題で、「新大綱策定会議」で使用する議案の原案が2月16日の秘密会議で事前に配布され、その後内容が追加されていたことが判明した。(2日)
●米軍「オスプレイ墜落はミス」 米軍が沖縄に配備する新型輸送機MV22オスプレイの墜落事故原因を、米政府が「機体に問題はなく人為的なものだった」とする調査結果を防衛省に伝えていたことがわかった。(2日)
●米国防長官「米海軍6割を太平洋に」 パネッタ米国防長官はシンガポールでのアジア安全保障会議で、2020年までに海軍の兵力の6割を太平洋に重点的に配置し、太平洋と大西洋の割合を現在の5対5から6対4に変える方針を明らかにした。(2日)
●ムバラク前大統領に終身刑 エジプトの刑事裁判所は、昨年の反政権デモ参加者への発砲を治安部隊に命じたとして殺人罪などに問われたホスニ・ムバラク前エジプト大統領に終身刑(求刑死刑)を言い渡した。(2日)
●原子力安全委、「電源喪失対策不要」を電力業界に作文指示 福島原発事故の原因となった長時間の全交流電源喪失について、原子力安全委の作業部会が1993年に対策が不要な理由を文書で作文するよう電力業界側に指示し、東電が作成した文章をほぼ丸写しした報告書をまとめ、安全指針の改定を見送ったことが判明。(3日)
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週刊『前進』(2539号5面1)(2012/06/11 )
大飯原発再稼働阻止
橋下や葛西の策動を粉砕し全原発廃炉へと闘いぬこう
野田政権は関西電力大飯原発3、4号機の再稼働攻撃を急展開させている。5月5日の「全原発停止」は、原発の存続に自らの体制の延命をかける資本家階級とその政府を震え上がらせた。「全原発を廃炉にせよ!」は数百万数千万労働者民衆の闘いに必ず発展する。それに対する資本家階級の恐怖とあがきが、5月末から始まった大飯原発再稼働のたくらみだ。
反原発に恐怖しJR東海葛西がまた登場
再稼働攻撃の手先を務めるのが大阪市長・橋下徹だ。橋下は5月31日、大飯原発の再稼働を認めた。それまでの「反対」が労働者民衆を欺くぺてんであったことを暴露した。前日の30日には関西広域連合が再稼働容認の「声明」を発表。これを機に攻撃が加速した。この背後では資本家どもが総力でうごめいた。
JR東海会長・葛西敬之こそその中心人物だ。葛西は5月29日付の産経新聞1面に投稿を寄せ、「再稼働がリーダーの使命」と首相の野田を叱咤(しった)した。「原発をすべて再稼働させ」よ、それが「今回の事故に際して最も本質的で死活的な課題」だ、なぜなら「日本経済の活力、競争力」は「電力の安定供給に懸かっている」からだ、というのが葛西の言い分だ。
だが待て。そんなのは資本家階級の利益であって、労働者階級民衆の利益には百パーセント反する。3・11福島県民大集会で高校生の鈴木美穂さんが「人の命も守れないのに、電力とか経済とか言っている場合ではないはずです」と訴えた。これこそ若い感性が鋭くつかみ取ったすべての民衆の叫びであり、労働者階級の絶対的な真理だ。
資本家階級が口にする「経済成長」とか「競争に勝つ」とかは、つねに労働者・農民・漁民にすべて犠牲を集中し、労働者民衆の命をどこまでも軽んじ殺すことだ。労働者階級とその家族の生活も人生もずたずたに破壊することだ。そうすることで資本家階級がぼろもうけすることだ。
葛西は、新自由主義の本格的な突破口をなした1987年の国鉄分割・民営化を、国鉄職員局次長として積極的に推進した人物だ。労働者の人間性や人格をどこまでもいたぶる不当労働行為の数々で国鉄労働者200人を自殺に追いやり、20万人を職場からたたき出した中心人物の一人だ。107人が犠牲となった2005年の尼崎事故は民営化による「金もうけ優先」によってもたらされたものだ。4月29日の7人が死亡した関越道バス事故も、国鉄分割・民営化のあと一気に進行した民営化・規制緩和によって起こった。
葛西はおびただしい数の人びとを虐殺し、人生を破壊してきた確信犯だ。この血塗られた「手柄」でJR東海の重役に抜擢(ばってき)され、社長・会長への階段を上りつめ、今や資本家階級の中心にのし上がった。全原発停止という資本家階級の絶体絶命の危機の中で、こういうやつが「国鉄分割・民営化のように暴力と脅しで再稼働せよ」と登場したのだ。絶対に許せない。JRの外注化・非正規化も原発も推進しているやつらは同じだ。国鉄決戦と反原発の闘いは一つだ。葛西によって虐殺された人びとと家族の無念は必ず晴らさねばならない。
だが葛西は、「原発をすべて再稼働させる」展望などまったく持てていない。投稿は「『表層民意』は脱原発から反原発へと自己成長した」「国民の説得は1年前よりもさらに困難になった」と絶望感にあふれている。大飯原発は地元からも反対の声が上がりだし、再稼働はいっそう困難さを増している。
全原発の稼働など絶望的だ。政府がつくった再稼働の「前提」であるストレステスト1次評価でさえ原子力安全委員会で確認終了したのは大飯3、4号機のみ。あとはストップしたままだ。原子力安全委員会と原子力安全・保安院を統合させて発足予定の原子力規制庁もそのめどもたっていない。何よりも巨万の労働者民衆の怒りが原発を包囲している。原発は13カ月ごとに定期検査が義務づけられているが、万が一再稼働を強行しても、それを待つまでもなく怒りを爆発させた労働者階級人民の力で必ず停止させるであろう。
電産労組の闘いを現代に復権させる時
再稼働を絶対に粉砕し、全原発停止から廃炉に向かって進もう。労働者階級の団結した力こそあらゆる困難をのりこえ勝利を実現する道だ。
原発労働者、電力産業の労働者の怒りと結びつき、電力総連指導部を打倒し、闘う労働運動をつくろう。戦後革命の中軸を担った部隊の一つは電力産業の労働者だった。電気をぶっ止めた「電産スト」は世界史でもまれな闘いであり、労働者が団結した時にどれだけすごいことができるのかを衝撃的に示した。この闘いに資本家どもは震え上がり、レッドパージで電産から戦闘的労働者をたたき出し、電産労組の反共組合への変質を徹底的に推進させてきた。
だが賃労働と資本の関係のもとで、労働者である限り電力労働者の中に資本への怒りは絶対にある。3・11に直面した電力労働者の多くが労働者としての感性で受け止め、悩み・苦しみ・怒りを増幅させていることも間違いない。福島第一原発で収束作業に従事する労働者や全国の原発労働者の中にも怒りは深く蓄積している。
この労働者と結びつく闘いが重要だ。原発労働者・電力労働者の中に本物の労働運動をよみがえらせ、闘う労働組合が職場の支配権を握った時、全原発停止から廃炉への展望が広がってくる。原発労働者を被曝から守り、健康と生命・生活を守る闘いが重要だ。動労水戸の被曝労働拒否の闘いこそ原発労働者と結びつく闘いだ。がれき輸送や焼却に反対する自治体労働者や運輸労働者の闘いも同じだ。
「地元は再稼働を望んでいる」は分断攻撃だ。原発地元の反対の声と結びつき、地元のJRや自治体・教労職場を中心に国鉄と反原発を闘う労働運動を前進させよう。
そのためにも国鉄を始めとして被曝労働絶対反対に決起し、動労千葉を先頭に10月1日のJR検査・修繕部門の全面外注化を粉砕しよう。国鉄攻防にかち抜き、労働運動全体の力関係を覆すことが勝負を決する。
7・16代々木公園10万人集会大成功の先頭で闘い、8月広島・長崎反戦反核闘争の勝利を実現しよう。その力で資本家どものどのような悪あがきもねじ伏せ再稼働攻撃を絶対に粉砕しよう。
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週刊『前進』(2539号5面2)(2012/06/11 )
私たちはあきらめない
原発いらない福島の女たち 首相官邸前でダイイン
6月7日、首相官邸前で「原発いらない福島の女たち」の呼びかけたダイインと座り込み行動が行われた。「大飯原発再稼働を絶対に許さない」という思いを官邸に突きつけた直接行動だ。
正午に経産省前テントに集合。呼びかけ人の森園かずえさんが「未曽有の原発事故を招いた責任を東京電力とともに負うべき国に、原発の再稼働を認可する資格はありません。放射能汚染地域の住民、特に子どもたちの命と健康を守ろうとしない国に、原発の安全性を保証する資格はありません。大飯原発再稼働に突っ走る野田政権を絶対許しません」と訴えた。
その後、首相官邸前に移動。福島から上京した女性13人を始め約20人の代表団が官邸に入り、野田首相への要望書を提出した。官邸の向かい側の歩道では椎名千恵子さんの進行で、歌や発言で再稼働反対を訴えた。
歌手の加藤登紀子さんも参加し、福島市在住の詩人・和合亮一さんの詩による「貝殻のうた」とジョン・レノンの「イマジン」を熱唱。そこへ官邸から戻った福島の女たちが、順番に熱い思いを語った(一部別掲)。
続いてダイインだ。黒田節子さんの「最も平和的な行動で再稼働をストップするため、ダイインを行います」という呼びかけを合図に、10分間、女性たちが死んだまねをして歩道に倒れ伏した。
さらに会津磐梯山古式踊り「かんしょ踊り」。死と生をともに表現して「命を守るために行動し続ける」と発信した。
最後に呼びかけ人が発言した。佐藤幸子さんは「福島の女たちはこの1年数カ月、朝起きるたびに『夢であって欲しい』と自分の体にむちを打つようなつもりで生きてきました。私の子どもにも本当に苦しくつらい思いをさせた。こんな思いを日本中、世界中の子どもに二度とさせたくない」と述べた。黒田節子さんは「福島では毎日、子どもが生まれ、小さい子どもが生活している。だから私たちはあきらめるわけにいかない。再稼働を止めるまで、世界中の原発を止めるまで、しなやかに軽やかにアクションを続けます」と訴えた。
福島の怒りとつながって再稼働阻止・全原発廃炉へ闘おう!
(写真 そろいの白Tシャツと鉢巻きで身を固めた「原発いらない福島の女たち」が「野田首相は私たちの叫びを聞け」と迫った【6月7日 首相官邸前】)
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参加者の発言
■双葉町から避難している女性 家は原発から1・5`。逃げる時は「放射能が漏れる可能性があるから2`逃げて」と言われた。真っ暗でお財布も探せず3000円だけ持って家を出た。その後「放射能が漏れたから10`逃げて」。結果として放射能の高い方に逃げた。1週間、着替えも食べ物もなく、地獄を見た。死んだ方がいいと何回も思った。同じ苦しみをほかの人に味わわせたくない。家に帰ったら雨漏りしてかびが生え、お化け屋敷のようにぼろぼろ。もう戻れない。再稼働を考える人は双葉に行って現実を見て欲しい。
■伊達市の女性 山の中でひっそりと暮らしていたのに(事故が起きて)何のために生きているのかわからなくなった。たった一つ、やっと気がついたことがある。汚染されたところで生きることは本当につらいということを伝える――そのことだけで、私はもう少し生きていける。原発を続けたらみなさんも、いつかそういう目に遭います。だから原発はいけない。
■富岡町から避難している女性 住むところがなくなって10カ月間、何もできなかった。しかし「福島の女たち」と出会い、放射能管理区域のようなところで一生暮らせと言われている中通りの人たちの方が大変だと知りました。息子は原発作業員です。「原発は間違いだとわかっている。だけど誰もやらないから原発で働かなければならない。いったん足を踏み入れたら原発作業員として終わるしかない」と言っていた。でもその息子が最後に「お母さん、頑張れ」と言ってくれた。だから頑張れます。
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週刊『前進』(2539号5面3)(2012/06/11 )
組織強化へ熱い討論
交流センター女性部が全国大会
5月26〜27日、全国労組交流センター女性部の第19回定期全国大会が千葉市内で開催された。2月の全国労組交流センター徳島総会で提起された「国鉄決戦を軸に全産別で外注化・非正規職撤廃を闘う」の方針のもとに、非正規女性労働者の組織化、非正規職撤廃の闘いに本格的にのりだすことを大会全体の討論をとおして固めた。当面する最大の闘いは国鉄闘争全国運動6・10全国集会であることを全体で確認し、産別・職場・地域でオルグを重ねて大結集することを誓った。
大会は、長谷川ユキ部長の主催者あいさつ、議案提起に続き、討論の冒頭、5月24日に八尾北医療センター明け渡し弾劾裁判闘争に大勝利した八尾北労組書記長であり女性部副部長の灰垣美佐子さんの「全面勝利した!」との報告がなされ、会場は拍手喝采で勝利の喜びをともにした。
続いて被災地からの発言で、ふくしま合同労組の市川潤子さんが、3・11福島大集会をかちとるまでの闘いを、宮城の教育労働者が教育現場の現状を報告した。
広島と岡山からの代議員の提起を受けて、被災地福島・宮城との団結をさらに強く打ち固め、8・6広島−8・9長崎闘争へ決起し、全原発廃炉・反失業の闘いをさらに推し進めることを全員で確認した。
大会では次々に職場闘争報告がなされた。東京北部労組交流センターの代議員からは、精研労組が今年の春闘をとおして、「指名ストで活動家を組織する」「正規と非正規の団結をつくる闘い方をつくった」という職場闘争が報告された。合同一般労組で闘う代議員は、「非正規職撤廃の闘いはプロレタリア革命実現の戦略的課題である」と語り、職場、地域での階級的労働運動の実践が力強く報告された。
「日の丸・君が代」不起立、動労千葉物販の職場・地域オルグ、人事評価制度・「D評価」攻撃との闘い等々4大産別での闘い、セクハラ・パワハラ・雇い止めなど、中小民間、介護職場で働く非正規職女性労働者への資本の攻撃に対する職場闘争、さらに各地域での反原発闘争などの報告が途切れることなく続いた。
自治体労働者は「子ども子育て新システムは保育労働者への全員解雇=非正規職化攻撃だ。絶対反対で組合権力を取ることをはっきりさせて闘う。NAZENなどすべての闘いの前進が、労働組合をよみがえらせることにかかっている。国鉄闘争を軸に団結をつくり、組織化することが大切だ」と強調した。
沖縄の女性労働者を囲んでの交流会では、子育て、保育所、非正規労働者としての体験談が語られ、「女性労働者にこそ労働組合が求められている。階級的団結、労働組合の復権に向けてともに闘おう」との発言に固い握手が交わされた。
本部あいさつで田中康宏代表(動労千葉委員長)は、「労働組合の崩れ方が日本は世界一だ。原発事故についても一言も言わない。この状況を絶対変えなきゃいけない」「労働者の力に確信を持つことだ!」「動労千葉は11年間外注化を止めてきた。JRは10月1日にそれを強行すると言っている。動労千葉は勝負をかけたい。戦後の労働運動がのりこえられなかった限界を超える。すべての力をつぎ込んで決戦を始める」と熱く語り、6・10全国集会への大結集を訴えた。
最後に、2012年役員体制を確認し、女性部の組織強化を実現することを誓い、団結ガンバローで締めくくった。
(写真 6・10国鉄集会大結集と女性部の組織強化へ向け団結ガンバローを三唱【5月27日 千葉市】)
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週刊『前進』(2539号5面4)(2012/06/11 )
日比谷野音 “7・16代々木10万人を”
1千万署名第一次集約 再稼働反対で集会
6月6日、東京・日比谷野外音楽堂で「さようなら原発1000万人署名第一次集約・原発再稼働反対集会」が行われた。2300人の参加者には大飯原発再稼働への危機感があふれた。
オープニングコンサートでは、寿(KOTOBUKI)と加藤登紀子さんが「原発はいらない!」という熱い思いを込めて熱唱した。
集会ではまず署名運動呼びかけ人の鎌田慧さん、大江健三郎さん、落合恵子さんが発言。鎌田さんは「これまで722万筆を超える署名が集まった。1000万署名を必ず達成しよう。7月16日には代々木公園10万人集会を達成しよう」と呼びかけた。大江さんは「3・11をもって『原子力によるエネルギーは根本的に間違っている』ことが日本人全体のモラルになった。モラルが一番ないのが野田首相だ」と弾劾した。
落合さんは「野田首相は『私の責任で最終決断する』と言うが、あの方に命を預けた覚えは一度もない。もう一度、『私たちはけっしてあきらめない』と約束をしよう」と訴えた。
賛同人の佐高信さんは「ビートたけしは『地震が起きたら原発へ逃げるのが一番安全』と言っていた。それならば『今、原発に行け』と言いたい。次長課長の河本にあれだけ厳しく迫る芸能マスコミが、たけしには一言も言えない。電力総連のトップは『裏切った民主党議員には報いをこうむってもらう』とまで言った。かつて水俣病の時にチッソの労働組合は『恥宣言』を出して『労働組合として反省する』と表明した。今、電力総連こそ『恥宣言』を出すべきだ」と述べた。
また福井県から、さようなら原発福井ネットワークの山崎隆敏さんが「国と県はどちらも『最終的な責任は負いたくない』と責任を押し付け合っている。推進派は『原発がなければ地域経済が成り立たない』と言うが、これまでも原発は地域経済の役になど立ってこなかった」と訴えた。
各地での署名活動への取り組みの報告、署名用紙とともに届けられた手紙の朗読が行われ、子を持つ親や、3・11以降に初めて署名集めをした人たちの真剣な取り組みが報告された。
集会後はデモ行進。東京電力本店前ではとりわけ声を限りに「再稼働するな」「東電は事故の責任を取れ」と叫んだ。NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議)は学生や青年労働者を先頭に元気にデモを牽引(けんいん)。勤め帰りの労働者でにぎわう銀座を進むデモに、沿道から大きな注目が寄せられた。
(写真 暴処法無罪判決をかちとった法大文化連盟・恩田副委員長、増井企画局長がNAZENの先頭でデモ【6月6日 銀座】)
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週刊『前進』(2539号5面5)(2012/06/11 )
三里塚裁判傍聴を!
◎市東さん行政訴訟・農地法裁判
6月25日(月) 午後1時30分開廷 千葉地裁
(傍聴券抽選のため1時間前に集合)
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市東さん農地裁判勝利 第3誘導路工事粉砕
7・8三里塚現地闘争
7月8日(日) 午後1時30分 萩原進さん宅の「横川」の畑
(天神峰・市東さん宅南側の東峰開拓組合道路沿い)
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週刊『前進』(2539号6面1)(2012/06/11 )
7・9「在留カード」実施阻止を
「在留カード」は労働者階級分断する新自由主義攻撃だ
“法務省にデモをしよう”
7月9日に「在留カード」実施が迫った。「在留カード」制度とは、全労働者の9割を非正規職にしようという究極の新自由主義攻撃の一環だ。
これに対し、今や厳罰を振りかざした外国人治安管理強化と排除の新たな在留管理制度への怒りが燃え広がっている。
4月に東西で「在留カード粉砕!」を掲げて開催された「外登法・入管法と民族差別を撃つ研究交流集会」で在日・滞日外国人から「在留カード反対で法務省にデモしよう!」「団結して闘えば変えられる」「すべてが労働者に対する新自由主義攻撃だ。みんなで世界を変えよう!」と、熱い訴えが発せられた。
深まる世界恐慌と3・11情勢下、民族・国籍・国境を越えた労働者の団結した闘いに震え上がっているのは、日帝・野田政権であり、労働者から収奪して富を握る資本家どもだ! 入管法・入管体制こそ、在日・滞日外国人を徹底した治安管理で分断し、労働者が団結してひとつの敵と闘うことを阻むものだ。日本階級闘争を担うパートナーである日本人労働者と在日・滞日外国人労働者とを分断し、労働組合に結集して闘うことを許さないという攻撃だ。
それならば答えはひとつ、世界の労働者が団結して新自由主義攻撃に立ち向かおう! 7・9実施阻止へ、6月20日、世界難民デーに外登法・入管法と民族差別を撃つ全国実行委員会が呼びかける法務省デモを闘おう! 労働者階級の団結した力で「在留カード」制度を葬り去ろう!
(写真 全国実の呼びかけで昨年9月28日に行われた東京入管収容所へのデモ)
「中長期在留者」
「在留カード」制度の狙いは、外国人労働力の運用と治安管理にある。ポイントは新たに設けられた「中長期在留者」の枠組みだ。
永住者、日本人・永住者の配偶者などを含む170万人もの「3カ月を超える在留資格を認められている外国人」を「中長期在留者」としてまとめ、居住、就業など一切の動向を法務省が掌握し、一元管理するのだ。そのために外国人登録法も廃止する。
この「中長期在留者」に交付されるのがICチップ付きの「在留カード」だ。在留カードには「常時携帯義務」があり、「受領拒否」や「提示拒否」には「1年以下の懲役または20万円以下の罰金」、「不携帯」は「20万円以下の罰金」。届け出内容に変更が生じた場合、14日以内に届けなければならず、届け出ずに90日を超えた場合、在留資格が取り消され、収容・退去強制となる。
在留カードの表面中央に「就労制限の有無」という項目が新設され、@就労制限なしA就労制限あり/在留資格で認められた就労活動のみ可B就労不可/就労するには資格外活動許可が必要――このいずれかが記載される。カード裏面には「資格外活動許可の有無」が記載される。同時に雇用主に「在留カード」で「就労資格の有無」を確認することを事実上義務付け、違反した場合、雇用主が罰せられる。
外国人は不当解雇されても解雇撤回を闘うどころか、14日以内に記載事項の変更届を出し、3カ月以内に在留資格に見合った新たな就職先を見つけない限り、在留資格を取り消され、強制退去にされる。労働者の働く権利、生きる権利を踏みにじる入管法を粉砕しなければならない。
非正規職の拡大に狙いが
日帝は、人口減少が進む中で労働力確保のため外国人労働者の計画的導入を図っている。09年入管法改悪の際、それまで「研修」と「実習」に分かれていた在留資格を「研修・技能実習」にまとめた。その結果、昨年の研修・技能実習生は14万人に上り、外国人労働者の在留資格としては最大数になった。
この研修・技能実習生を「中長期在留者」として、「在留カード」で管理・掌握し、コントロール可能な低賃金労働力として確保しようとしているのだ。08年衆議院調査局がまとめた「研修・技能実習制度の現状と課題」という文書で「研修カード」の導入を提案しているが、これを全外国人に拡大しようというのが在留カードなのだ。
「特区」の労働力
これは労働者2千万人の非正規職化という日経連路線の具体化であり、労働法制を解体した「復興特区」に導入する労働力として技能実習制度の推進・強化がもくろまれているのだ。
この「特区」の試みとして、小泉政権のもとで03年に構造改革特区の一つとして「外国人研修生受け入れ特区」が実施されている。従業員50人未満の認定企業について研修生の受け入れ枠を通常の倍の6人(技能実習生も倍の12人)に拡大するという「外国人研修生受け入れによる人材育成促進事業」だった。09年までに愛媛県と北海道で計5カ所にこの研修生特区が設けられたが、その結果、非正規労働者が研修生・技能実習生に入れ替えられ、さらなる低賃金化が進んだ。同時に04年3月には派遣が製造業に拡大され、全労働者の非正規職化が激増する。
日帝は、研修・技能実習制度について、「我が国で開発された技能・技術・知識の開発途上国等への移転を図る」「国際協力であり、国際貢献だ」と主張している。
しかし、1981年の入管法成立時に盛り込まれた研修・技能実習制度は、単純労働力の導入を建前上禁止している日帝が、「研修」を名目にして単純労働力の導入を合法化したものだ。その後、91年改悪では研修生を招請できる企業の枠を広げ、業界(協同組合など)として導入すれば5人以下の中小零細企業でも研修生を迎え入れることが可能になった。しかし、その実態は「現代の奴隷労働」だった。
3・11大震災時、青森・岩手・宮城・福島・茨城5県にまたがる154市町村で被災した外国人は約7万5千人と言われるが、昨年10月時点で確認された外国人の死者は在日朝鮮人14人、中国人10人など合計32人、行方不明者はもとより、生存者の実態もつかめないままだ。統計上は被災地5県の中国人3万2289人のうち約1万3千人が研修生・技能実習生だったとされ、漁業、水産加工、農業、繊維などの業種で「時給300円」の低賃金で地場産業に従事していた。
さらに福島第一原発を始め、ガレキ処理などの被曝労働に従事している外国人労働者も多い。2カ月で50万円の解体作業に雇われて働いたが、賃金が支払われないなど、文字通りの使い捨てが横行している。
労働組合で団結し闘おう
4・22入管集会で動労千葉の田中康宏委員長は「新自由主義が日本で始まったのが国鉄分割・民営化。以降、1500万人が非正規職に突き落とされ、揚げ句の果てが原発事故です。しかも『復興特区』で全部非正規職化していく。その時に真っ先に首を切られるのが外国人、だから在留カードです。在日・滞日外国人が在留カードに怒っているのと同じだけ日本の労働者が怒らなければならない。怒りはひとつ、目的もひとつ! 新自由主義と対決して団結を取り戻そう! 労働者が団結して社会を変える力が労働組合だ。労働組合を復権しよう!」と呼びかけた。
今こそ、労働者の団結した力、労働組合で闘おう。新自由主義攻撃を打ち破る力はここにある。民族・国籍・国境を越えた労働者の団結で7・9「在留カード」実施をぶっ飛ばそう! 6・20法務省にデモしよう!
〔革共同入管闘争組織委員会〕
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週刊『前進』(2539号6面2)(2012/06/11 )
全証拠開示・再審開始
7・1高裁包囲デモへ(上)
3・30星野再審棄却に怒りを燃やし 全証拠開示の大運動を
3月30日、東京高裁第11刑事部(若原正樹裁判長)が無実の星野文昭同志の第2次再審請求を棄却した! 4月3日、怒りに燃える星野同志と弁護団は東京高裁に異議を申し立てた。「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」は4・20東京高裁包囲デモに続き、「全証拠開示・再審開始を求める7・1東京高裁包囲デモ」を呼びかけている。獄中35年、無実の星野同志を奪還するために星野再審闘争の現局面と課題を今回から3回にわたって掲載する。
(写真 全国から600人が結集し獄中の星野同志とともに闘われた2・5徳島刑務所包囲デモ)
星野同志は完全に無実だ
われわれは、満身の怒りで棄却決定を弾劾する。この決定を必ず粉砕し、国鉄闘争を基軸に労働組合をよみがえらせる闘いで星野同志を奪還する。星野同志は「一から十まで白を黒とするペテンを恥じない再審請求棄却決定」と「まっすぐの向き合って乗り越えた」と語っている。
棄却決定は、正義と真実を踏みにじる絶対に許せないものだ。第2次再審において提出した証拠によって、星野同志の無実は完全に明らかだ。確定判決が唯一依拠する6人の供述調書は、心理学の知見と実験に基づく「厳島鑑定書」によって完膚なきまでに粉砕された。高裁が出すべき決定は、再審開始以外になかった。
第2次再審請求書と「厳島鑑定書」に追い詰められた揚げ句の棄却決定は、きわめて反動的で悪辣(あくらつ)だが、実に脆弱(ぜいじゃく)なものだ。「捜査官の誘導もそれが不当なものでない限り有効な記憶喚起の方法」だとして再審請求を棄却した。いったいこれは何だ! 捜査官の誘導は不当なものでない?! 有効な記憶喚起の方法?! ここまで露骨にデッチあげを賛美した裁判官がいるだろうか。
実際に行われた取り調べは朝食後すぐに始まり、夜の9時、10時まで続いたとKr証人は法廷で述べている。昼食も夕食も取り調べ室だった。こんなことが、3人の少年に40日以上も強制されたのだ。まさに、不当そのものではないか。
棄却決定を読むたびに全身に沸き上がる怒りを抑えることができない。こんなものは粉砕あるのみだ。徳島刑務所で37年間不屈に闘う星野同志と固く連帯し、何がなんでも奪還しよう。
2・5徳島刑怒りの大包囲
帝国主義・新自由主義の破綻と危機は激しく進行している。野田政権は消費税大増税、原発再稼働、辺野古新基地建設、TPPなどに絶望的に突進している。大阪市長・橋下がその最悪の先兵として登場している。これらを決定的に支えているのが、連合を先頭とする体制内労働運動である。
6・10国鉄全国運動の大集会は、体制内労働運動を打倒し、闘う労働組合をよみがえらせる巨大な展望を切り開いた。ここに世界と日本の労働者階級勝利の道がある。
新自由主義とは、帝国主義の最末期の絶望的攻撃であり、労働者階級の団結を徹底的に解体する攻撃である。動労千葉は、国鉄分割・民営化と25年間、絶対反対を貫き、非和解で闘い続けて新自由主義の本質と破綻性を突き出してきた。新自由主義は今や、社会そのものを崩壊させている。労働強化、安全無視、非正規職化、生活破壊、原発再稼働・放射能汚染を極限的に推し進め、ついには、改憲・戦争にまで突き進もうとしている。
3・30棄却決定は、2・5徳島刑務所包囲デモにまで上りつめた闘いに恐怖し、星野同志と労働者階級の分断を狙った新自由主義の攻撃そのものだ。
しかし、3〜5月反動をのりこえ、労働者階級人民の新たな闘いが激しく始まっている。フクシマとオキナワの怒り、国鉄労働者の根底的決起、青年労働者・学生が体制内勢力を踏みしだいて、革命的に躍り出ている。
労働組合軸に全人民の力で
異議審に勝利するために全証拠を開示させる大運動を始めよう。すべての証拠が開示されれば、星野同志の無実は不動のものになる。
再審裁判における証拠開示は、通常の裁判以上に決定的な位置を占めている。税金と公権力を使って集めた証拠は、検察官の独占物ではない。それは、正義と真実を求める者のためのものである。にもかかわらず、日本の刑事裁判においては、検察官はデッチあげに都合の良い証拠だけを法廷に提出し、それ以外の証拠はひた隠しにしてきた。こんな現実を今こそ打ち破ろう。
全証拠開示のためには階級的・政治的力が必要である。労働組合、労働者階級を軸に全人民的な大運動をつくり、この力で検察官と裁判官に全証拠開示を強制するのだ。
この闘いは、3・11情勢下の階級的労働運動の前進、労働組合をよみがえらせる闘いと一体である。全証拠開示を求める大運動を全国で推進し、星野闘争を圧倒的に強化しよう。各地の会を拡大し、全国に星野救援会をつくろう。同時に、国際連帯の巨大な前進をかちとろう。
「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」は、6月30日と7月1日に、2012年全国総会を開く。
7月1日には、2・5徳島刑務所包囲デモを引き継ぐ東京高裁包囲デモへの総決起を呼びかけている。再審請求を棄却した東京高裁と無実の証拠を隠し持つ東京高検に、労働者人民の怒りをたたきつけるのだ。
7・1高裁包囲デモに総決起し、星野文昭同志を奪還しよう。
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【要項】7・1東京高裁包囲デモ
全証拠開示・再審開始を求める
7・1東京高裁包囲デモ
7月1日(日)午後2時 日比谷公園霞門集合
主催 星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議
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週刊『前進』(2539号6面3)(2012/06/11 )
団結ひろば 投稿コーナー
5月沖縄闘争を闘って 「基地反対」を大声で叫んだ 沖縄・学生 TA
先日の沖縄闘争に沖縄の学生として参加させていただきました。とても楽しく、かけがえのない人生の友だちと出会えた気がします。
国際通りのデモにおいても意外と普段は身近すぎて沖縄では言えない「基地反対」という言葉を、沖縄で一番にぎわう街で大きな声で叫ぶことができたことが一番印象に残っています。
1週間前、基地反対デモが沖縄の各地で起きたばかりというのに、沖縄では今日も僕の頭の上を戦闘機が通ります。無神経に戦闘機はゆうゆうと低く飛び、県民に腹を見せ、戦闘機の爆音が大きくゆっくりと「行ってきます」と言っているように聞こえます。今日も戦闘機は「行ってきます」と人を国を破壊する練習をしに行きます。最近は特に戦闘機の出動が多いです。戦闘機を見ない日はありません、まだ5月15日から1週間しかたっていないというのに。
最近はますますあの沖縄闘争に思いをはせます。琉球列島という島に生まれ、いやおうなく差別や不平等にさらされてきて、社会問題に関心を持たないことの方が無理がありました。
そんなわけでこの前の沖縄闘争は、僕の生まれてから抱いてきた疑問、憤り、心の痛み、沖縄の哀しみ、そして米軍基地に関わるすべての哀しみを体を使って表現し、少しでもデモが盛り上がるよう努めました。
僕の頭の上を通る戦闘機を見るたびに、「来年も参加しなければ」という思いが募っていきます。
5月沖縄闘争を闘って 労組が中軸に座ったら強い 法大2年 H
わたしが沖縄に行って3年目。だが、それでも初めて感じたことが3点ある。
一つ、「労働組合が中軸に座った時の強さと活気」をまざまざと実感できた。私は、南風原壕(はえばるごう)に行く途中で自治労の平和行進に遭遇した。そこに参加している人間の大半は青年労働者で、東京で見かけるようなお焼香デモではなく、みんなが主体的に声を上げ、とても活発であったことに驚いた。辺野古でも、東交の青年部が来て「安保粉砕」を叫ぶところにも遭遇したが、やはり主催が労働組合だと戦闘性が違う。
二つ、「福島と沖縄の結合」である。原発=原爆の関係、「国策」でいったい誰が得をしているのか、という怒りは沖縄と福島でやはり一緒だった。敵は完全にひとつである。
三つ、「沖縄地元民の参加」である。何よりも怒っているのはウチナンチュである。いくら本土で基地撤去を叫んでも、地元現場の闘いなくしては進まない。今回の沖縄はその第一歩になったと思う。
だが、もうひとつ学ばされるものがあった。沖縄でも福島でも、運動をするにも個人の生活がかかっている。それにつけ込んで分断しているのもやはり国である。こんな国の姿は醜悪そのものである。
原発も基地も法大も構図は同じであり、私たちが法大で行動しているこで「つながる」ことができると実感した。法大闘争をもっともっと社会的に拡大していきたい。
5月沖縄闘争を闘って 福島と沖縄が完全に結合! 富山大学 F
私は今回、5・15沖縄闘争に初めて参加しました。「復帰40年」とは沖縄県民にとって「復帰」とは名ばかりで、米軍基地が強制され、固定化されている許し難い日であり、おじい、おばあ、若者にまで世代を問わず日常の怒りを爆発させていました。
危険な米軍基地の大半を沖縄に押しつけている構造は原発と同じです。昨年の3・11で立ち上がった福島県民が多数、沖縄を訪れていました。そう、フクシマの怒りとオキナワの怒りが完全に結びついたことが今年の闘争の最大のポイントでした。今まで分断されてきた沖縄と本土。3・11を経て基地問題を全国共通の問題としてとらえなければなりません。
沖縄では教職員が立ち上がり、県教組、沖教組として現在も国策と闘い続けています。また、基地の労組である全軍労牧港支部青年部の闘いを始め、非正規職の青年労働者が新たな労組を結成しているのが沖縄です。
沖縄に続き、私たちの職場にも闘う労働組合を、大学キャンパスに闘う学生自治会をよみがえらせていこう!
5月沖縄闘争を闘って 死すべきは新自由主義だ 広島 安西優希
全国の仲間からのカンパに支えられ、5月12〜13日の2日間、初めて沖縄闘争に参加しました。初日の国際通りでのデモでは沿道から大声援を受け、沖縄の怒りと連帯を実感できました。
ひめゆり資料館や嘉手納基地の見学も行いました。そこには、戦争でむしばまれた沖縄の姿がありました。日本の米軍基地の75%が沖縄に集中するこの現実。いったいこれを「侵略」と呼ばずに何と呼ぶのでしょうか。
2日目に行われた県民大会には、自粛ムードの中で縮小実施された昨年を打ち破る、およそ3千人の大衆(主催者発表)が結集しました。沖縄の「返還」がいかにペテンに満ちたものであるかを裏付ける決定的瞬間です。
夕方には、全国青年労働者交流集会が開催され、元・基地労働者の方が講演を行い、全軍労牧港支部青年部(牧青)の闘いについて学びました。沖縄の地での”牧青”の闘争は、全世界の労働者の希望です。
沖縄に上陸しているものは「基地」だけではありません。今、沖縄の労働者に対して牙(きば)をむいているのは、多くの青年労働者の未来を奪い続けてきた、あの「新自由主義」です。
「新自由主義」は、資本家が労働者に共倒れを強要する「心中主義」そのものです。しかし、その横暴を跳ね返すがごとく、遂に沖縄の労働者から職場で「労働組合」を結成して仲間を獲得した青年が現れたことは、まさに「革命」です。
沖縄における闘争は、「労働者は闘えば勝てる」という地平を示しています。労働者は、沖縄の怒りと連帯し、6・10国鉄−8・6広島−8・9長崎に向け、固く団結しましょう!
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第12期党学校で 非正規職労働者の現状を知ってほしい 澄川春花
1年間党学校に通っていて、他の県の人などと知りあってとてもよかったです。1年間疲れました。
あと、講師の人に質問しても、その時に答えを出してほしかったです。現場労働者の今の状況を知ってもらいたかったです。非正規職の人(私も含めて)の話、今の状況を知ってもらいたかったです。
第12期党学校で 階級的労働運動路線でロシア革命に勝利 両城達夫
全11回の内、半分以上が「通信学生」となってしまった。第1回「綱領草案の核心点について」と最終回「新自由主義と闘う世界の階級的労働運動」に出席できたのは幸いでした。昨年2月に定職に就き、自己と組合の団結を維持・強化するための日々の闘い。日曜は集会・闘争・会議などで出席できませんでした。しかし、レジュメや資料その他を通して、自分としては毎回出席しているかのように学べました。
印象的だったのは、9回目の「ロシア革命とレーニン主義(前半)」で、『なにをなすべきか』をどのように読むかということで非常に考えさせられました。10回目「ロシア革命とレーニン主義(後半)」の「階級的労働運動路線で勝利したロシア革命」も含め、この分野での展開(転換)が求められると思いました。
また、革命的共産主義運動史も印象深かった。この事業をともに担えたことは幸いでした。
レーニンの言う通り、革命を語る(記述する)よりも、実際に革命(労働運動)を実践する方がおもしろい。でも、勉強は重要ですね。
第12期党学校で 学生同志と共に学び討論したことが収穫 浜田久代
他地区の同志、とりわけ学生の同志と、ともに学び、討論し、批判も受け、考えたことが収穫でした。
現場の労働者なので、日曜日の登校はしんどい面もありましたが、楽しかったです。
ただ一つ、スケジュールの変更は厳しかったです。学校の期日に合わせ、地区の会議やプライベート予定をねじ込みながら、変更されることは打撃で残念でした。
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