ZENSHIN 2012/05/28(No2537 p06)
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週刊『前進』(2537号1面1)(2012/05/28 )
6・10大結集の力で10・1へ
JR外注化阻止、非正規職撤廃、国労再生へ国鉄全国運動発展を
全原発廃炉!7・16反原発に立とう
八尾北医療センター明け渡し裁判で全面勝訴
(写真 “裁判員制度の息の根を止めよう” 各地の会と裁判員候補者が登壇、高山俊吉さんが行動提起【5月21日 日比谷公会堂】=記事5面)
動労千葉は、佐倉運輸区が開設された5月19日、佐倉に強制配転された全運転士がストライキに決起し、その中で佐倉支部の結成大会をかちとった。「全員が活動家となり、佐倉運輸区での職場支配権を握って動労千葉最強の支部をつくる」という戦闘宣言を発し、渡辺新支部長を先頭に抗議行動に立ち、新庁舎を包囲して、怒りのシュプレヒコールをJR資本にたたきつけた。昨年6月提案以来の基地統廃合との闘い、さらに5カ月におよぶ線見訓練拒否の指名ストを闘いぬいて、今ここに組織破壊攻撃を打ち破り、団結をより強化して勝利したのである。動労千葉はこの新たな闘争体制のもと、10・1外注化阻止と組織拡大に向けた新たな決戦へ力強く突入する。6・10国鉄全国運動大集会の爆発的成功へ進撃しよう。
(写真 「強制配転を絶対に許さないぞ!」。ストライキに決起した佐倉支部組合員を先頭にJR佐倉駅北口に建設された佐倉運輸区庁舎に対して怒りのシュプレヒコール【5月19日 千葉県佐倉市】)
夏の過程が勝負の時だ
この過程で重大な事実が明らかになった。検修・構内業務全面外注化の4月1日実施を粉砕された当局が、東労組と結託して今秋10月1日の実施強行を目指して動きを強めているというのだ。
JR東労組が行った「『グループ会社と一体となった業務体制のさらなる推進』に関する『組合案』実現を求める」という交渉(全面外注化を推進するための組合提案とその交渉だ!)において、会社側は「10月1日に実施したい」と回答し、東労組はなんと「地方で必要な議論を行うことを確認」してそれを受け入れたのである。東労組はこれを、「グループ会社においてプロパーを採用・育成することを確認」したと成果として誇り、出向者に2千円の手当を出して「協力する社員に報いるべきだ」などと哀願している。
これに対して動労千葉の田中康宏委員長は「この夏が勝負だ」と宣言し10・1外注化阻止の新たな決戦への檄(げき)を飛ばした。国鉄闘争全国運動の6・10大集会は10・1外注化阻止と非正規職撤廃、新自由主義に対決する労働運動の復権をかけた闘いの全国総決起集会として、決定的な位置をもつに至った。東京・文京シビックホールを埋める大結集を絶対に実現しよう。
労働者階級と革共同は、この1〜4月の「大恐慌と3・11(大震災と福島原発事故)」に対する闘いにおいて、新自由主義の本質をあらためて深くつかみ直し、労働運動の力で新自由主義を打倒し勝利できる確信を打ち固めた。新自由主義と闘う道は何よりも労働組合をよみがえらせることにある。新自由主義とは、帝国主義の最末期の絶望的攻撃であり、労働者階級の団結と労働組合を徹底的に解体する攻撃である。これと総力で闘ったのが80年代の国鉄分割・民営化阻止決戦だ。
この分割・民営化攻撃と25年間、非和解的に原則的に闘ってきた動労千葉は、現在、外注化阻止・非正規職撤廃・偽装請負弾劾の先頭に立って日本労働運動全体を牽引(けんいん)している。4・1外注化阻止の地平は実に巨大だった。その上でJR資本とそれに全面屈服するJR東労組の10・1外注化策動との新たな決戦へ全面的に決起しようとしているのだ。
昨年の〈3・11〉は、労働組合の復権と職場での原則的・全面的な闘いなしに労働者階級が生きていけない現実を突きつけた。動労千葉に続く革命的な拠点建設が死活的に必要だ。動労千葉が数十人の活動家集団を形成して資本と日常不断に闘っているように、職場に闘う活動家集団をつくり出すこと、そのために労働運動・労働組合の全体に責任をとる「責任勢力派」に飛躍することが求められている。
それを可能にするのが国鉄闘争全国運動だ。新自由主義と対決し、今日の大恐慌情勢と労働運動の鋭い現状認識を踏まえつつ、闘う労働組合・労働運動を復権する闘いだ。6・10大集会で国鉄闘争全国運動の大発展を切り開き、10・1外注化阻止の勝利の展望を打ち立てよう。
橋下反革命と闘い勝つ
10年4・9政治和解の反革命をもって1047名解雇撤回闘争を裏切り、最後的に投げ捨てた国労本部は今、90年4月の国鉄清算事業団による1047名の解雇の時点から被解雇者の闘争団員は組合員資格を失っていたかのように言い出し、国労の歴史をも偽造しながら新たな許し難い攻撃に踏み込んでいる。
そして国労を連合に合流させ、連合の最先兵となって、国労を始めすべての労働組合を変質・解体し、労働者の解雇撤回闘争への決起を圧殺しようとしているのだ。だがこれに対して国労組合員の深部から必ず怒りの決起が起こるし、すでに起こりつつある。国労本部の連合化路線を粉砕し、闘う国労を復権・再生する力こそ国鉄闘争全国運動だ。6・10集会の圧倒的成功をかちとり、6月代議員選挙−7月国労大会決戦へ突き進もう。
4・9反革命の核心は、今後二度と解雇撤回は闘わないし、闘わせないということにある。それは労働者の団結と労働組合の徹底的な解体にまで行き着く。その最先端の攻撃として、公務員労働者360万人を全員解雇して非正規職化し、団結もずたずたに破壊する大阪維新の会・橋下反革命がある。
労組破壊、首切り自由、特区=更地化、道州制導入、改憲を叫ぶ橋下は、脱落日帝の新自由主義攻撃の最後の最悪の先兵だ。7月末の策定を狙う「市政改革プラン」の「素案」は、市の106事業を廃止・縮小し、総額486億円の歳出削減を強行し、労働者とその家族の生活を徹底破壊する内容だ。
橋下反革命は凶暴きわまりないが、本質は脆弱(ぜいじゃく)で、労働者の階級的団結の力で激突すれば、破綻は不可避である。5月24日、大阪地裁での八尾北医療センター明け渡し裁判第一審判決で、八尾北医療センター側が全面勝訴した。これは橋下の更地化攻撃への怒りの爆発と、何よりも「団結の勝利」である(詳報次号)。橋下はすでに「労組アンケート」や「家庭教育支援条例案」の問題でも、ぶざまな破産をさらし、墓穴を掘っている。
6・10大結集を橋下反革命との全面対決としても闘い、大阪現地での橋下打倒の今秋大決戦に向かって突き進もう。
再稼働阻止へ労組軸に
さらに6・10大集会は、3・11福島県民大集会−5・5「稼働原発ゼロ」の地平から、被災地・福島との団結をいよいよ強く打ち固め、政府・電力資本による大飯原発3、4号機再稼働へのあがきを粉砕し、全原発廃炉へと突き進んでいく闘いだ。昨年の3・11以降、反原発闘争の根幹で闘いを推進し、先頭で牽引してきたのは、何よりも労働組合だった。
とりわけ3・11郡山での闘いを質・量ともに大爆発させた力は、福島県教組の労働者とともに、国労郡山工場支部の決起と闘いだった。国鉄闘争全国運動の昨年6・5大集会がその後の闘いに決定的な位置をもった以上に、今年の6・10集会は決定的だ。残る2週間の闘いで昨年を上回る大結集を実現しよう。
東電が約1・8bと推定していた福島第一原発1号機の格納容器内の水位は、わずか40aしかないことが明らかになった。毎時6dもの冷却水を注いでいるのに、ほとんどが漏れている。また2号機は60aしかないことがすでに実測されている。
地震動と津波で破壊された福島第一原発は、今現在も膨大な放射能をまき散らし、大気と大地と海を汚染し、労働者人民に被曝を強制し続けている。原発で作業に携わっている労働者は、大量被曝によりどんどん人手が足りなくなっている。低線量被曝・内部被曝や放射能汚染がれきの拡散・広域処理との闘いもいよいよ死活的で、決定的になっている。
フクシマの怒りとさらに固く結び、6・10大結集をかちとり、7・16代々木公園での反原発10万人大集会へと決起していこう。
6・10大結集の組織化の決定的な武器として、動労千葉物販、国労原告団物販に取り組もう。国鉄闘争全国運動の2千会員、「共に闘う国労の会」の300会員の獲得・組織化に向け、職場と地区で決起しよう。
この6・10への闘いと一体のものとして、青年・学生の未来をかけ、京都大学同学会(学生自治会)の大衆的再建、闘う権力樹立へ、万全の体制と決意をもって闘いぬこう。
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週刊『前進』(2537号1面2)(2012/05/28 )
動労千葉 “佐倉支部を最強の支部に”
強制配転反対・外注化阻止! 24時間ストライキに立つ
佐倉運輸区が開設された5月19日、動労千葉は佐倉に強制配転された全運転士がストライキに決起し、ストの中で佐倉支部の結成大会をかちとった。(関連記事2面)
午前中に開催された佐倉支部結成大会で新支部長に就任した渡辺靖正さん(前銚子支部長)は、「全員が活動家となり、佐倉運輸区での職場支配権を握って動労千葉最強の支部をつくろう」と力強く呼びかけた。
来賓あいさつを行った本部の田中康宏委員長は、長期にわたった基地統廃合−組織破壊攻撃との闘いを勝利的に総括するとともに、検修・構内業務の全面外注化について10月1日の実施強行を目指して当局と東労組が動きを強めていることを暴露・弾劾し、新たな決戦への決起を訴えた。
怒りのコールに包まれる新庁舎
佐倉運輸区前に移動した組合員は、汗ばむほどの陽気の中で、怒りの抗議行動を展開した。JR佐倉駅前や新庁舎前に管理者たちが戦々恐々の面持ちで並んでいる。
渡辺新支部長を先頭に新生佐倉支部の全員が順番にマイクを取り、強制配転と支部破壊攻撃に激しい怒りをぶつけた。そして、新たな職場で働き始めた平成採の青年たちに「ともに闘おう」と呼びかけた。開業したばかりの新庁舎は怒りのコールに包囲された。
さらに、臨時大会を開催して新執行体制を確立した千葉運転区支部と銚子支部の新支部長が、佐倉支部とともに闘う決意を熱く語った。幕張支部の山田護支部長は、再び緊迫の度を強めている検修・構内業務外注化について「絶対に阻止する」と強い決意を示した。動労千葉を支援する会、なんぶユニオン、全国労組交流センターも連帯発言を行った。
11カ月におよんだ動労千葉の一糸乱れぬ基地統廃合反対闘争は、当局をギリギリまで追いつめた。強制配転のための線見訓練を拒否する指名ストは5カ月間におよび、動労千葉の歴史の中でも最長の闘いになった。佐倉・千葉運転区・銚子の3支部で新たな執行体制を確立した動労千葉は、外注化阻止と組織拡大を軸にした新たな闘いに踏み出した。
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週刊『前進』(2537号1面3)(2012/05/28 )
前進速報版から
▼八尾北裁判で勝利判決▼福島で自治労中央委▼支援する会・北陸が総会▼国鉄全国運動・東部の会が集会▼秋田で再稼働阻止へデモ
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週刊『前進』(2537号2面1)(2012/05/28 )
6・10うち抜き7月国労大会決戦へ
外注化阻止貫き労働運動再生を
JR連合との合流たくらむ国労本部を今こそ打ち倒せ
革共同国鉄委員会
国鉄闘争全国運動の6・10集会は目前に迫った。国鉄決戦はこの夏から秋に向けてさらに重大な攻防に入る。JR東日本は4月1日実施を阻止された検修・構内業務の外注化を10月1日に強行する構えでいる。外注化こそ圧倒的な労働者を非正規職化するための新自由主義の基軸的な攻撃だ。6・10はこの攻撃と全面的に対決する決戦陣形を打ち固めるための重大な集会になった。この攻防を闘いぬき、国労本部打倒の7月国労大会決戦に上り詰めよう。
新自由主義と全面的に対決して勝利を開いてきた地平
3・11の現実に真っ向から対峙してきた国鉄闘争全国運動は、国鉄闘争と反原発闘争を完全にひとつのものとし、「国鉄闘争の火を消すな」から「国鉄闘争の力で新自由主義にとどめを刺せ」へと飛躍する巨大な地平を実現してきた。
3・11福島県民大集会に至る国労郡山工場支部の闘いは重大な教訓に満ちている。この闘いを先頭で担った仲間は、「一昨年の4・9政治和解以降、社民党や共産党支持の人たちとの間で対立と不団結があったことは否めない。しかし震災と原発事故の中で、労働組合としての団結が問われていることを痛感し、そのためには執行部が一つの方向に向かわなくては、との決断が自分の中に問われ、そしてそれを実践に移した時、分かったことは、実は彼らも同じことを考えていたということだった。支部の指導部が一つの方向に向かったことが、組合員の5割動員につながった」とその闘いを総括している。
原発事故と高放射能汚染という福島の現実の中で、階級的立場を真っ向から主張し実践することが、従来の党派関係を突き破り、組合の強固な団結をつくりだしたのだ。
われわれはまた、尼崎現地闘争で「国鉄分割・民営化にわれわれの側から決着をつける時代が来た」と宣言した。それは、道州制−民営化や外注化・非正規化との闘い、反原発闘争などを自らの職場における闘いとして貫くということだ。
10・1外注化を絶対に阻もう
動労千葉は佐倉運輸区開業に対し5月19日、ストライキに決起し、佐倉支部を結成した。
他方JR東日本は、東労組が検修外注化提案の丸のみ妥結を意図してペテン的な「組合案」を出したことをテコに、外注化の10月1日実施を公然と打ち出した。新人事・賃金制度の導入やグリーンスタッフ(契約社員)の雇い止め、駅業務の全面外注化に続く決定的な踏み込みだ。
JR西日本も、尼崎事故の最高責任者だった山崎正夫元社長を「安全研究所」の技術顧問に就任させると発表した。山崎無罪判決をテコに尼崎事故を徹底的に居直りつつ、大合理化に突き進もうというのだ。これに対してわれわれは、尼崎事故の犠牲者や国鉄分割・民営化によって殺された仲間、首を切られた仲間の怒り・悔しさを晴らす徹底的な闘いに立つ。
JR貨物が打ち出した「経営自立化計画」を巡っては、日貨労(JR総連)と貨物鉄産労(JR連合)がそれぞれに瓦礫(がれき)輸送推進を唱え、JR体制の延命のためには労働者も住民も被曝させて構わないという態度をむき出しにした。
今やJR資本は電力資本と並び日帝の中枢を形成するに至っている。野田政権は「土光臨調平成版」と称して行政改革懇談会をスタートさせ、そのメンバーにJR東海会長の葛西敬之や日航名誉会長の稲盛和夫、そして連合会長の古賀伸明を加えた。労資が一体となって公務員労働者の全員解雇―非正規職化の攻撃を強行しようというのだ。
こうした攻撃の先兵に大阪市長・橋下徹がいる。橋下との対決は「公務員労働者=悪玉論」を打ち破る「第2の国鉄分割・民営化絶対反対闘争」と言うべき闘いだ。
国鉄闘争で体制内指導部がたどった敗北の道を繰り返すのか、国鉄闘争全国運動を基軸に階級的労働運動を復権させ反撃を切り開くのかを巡る鋭い分岐・流動・再編情勢の中で、この闘いは闘われる。
闘争団から組合員資格奪い資本の手先に転落した本部
国鉄分割・民営化反対を貫けなかった勢力は野田に屈し「解雇自由」の推進者に転落した。国鉄分割・民営化反対を貫く動労千葉を軸とした国鉄闘争全国運動こそ、公務員労働者を始め全労働者に勝利の道を示すことができる。6・10を橋下打倒の出陣式としよう。
今や新自由主義は全面的に破産した。徹底的な規制緩和の結果引き起こされた関越自動車道事故の直後に、国交省は旅客機の安全に関する100項目もの規制撤廃方針を打ち出した。日航労働者の解雇を有効とした反動判決と一体で、労働者の階級的団結を破壊するために、安全を切り捨て、労働者の生命を奪い生存を踏みにじる攻撃に乗り出してきたのだ。
新自由主義に対する労働者階級の反撃は全世界で開始されている。欧州恐慌は〈金融危機→国家財政破綻→政治危機〉が連動する大乱の時代を招き寄せた。欧州全域で反緊縮のデモが巻き起こり、断末魔の新自由主義を労働者の国際連帯で打ち破る時代が到来した。
稼働原発をゼロにさせた日本の労働者階級の闘いも世界に誇るべきものだ。日本帝国主義の国家戦略を挫折させた力関係は、3・11福島県民大集会で決定づけられた。これを切り開いたのは、福島県教組と並び国労郡山工場支部の闘いだ。国労が動いた時に労働運動全体が動くという戦後労働運動の構造は、今も間違いなく生きている。
だからこそ敵階級は原発再稼働に向けて反動的凶暴化を募らせつつ、あらためて国労解体に全力を挙げ始めた。その手先へとますます純化しているのが国労本部だ。
彼らは国労闘争団員の組合員資格奪還訴訟で、「闘争団に結集した組合員……の地位は……雇用の回復ができないことが確定すれば組合員でなくなることが予定されたもの」と言い放った。闘争団員は25年前から本来は組合員ではなかったが、恩恵的に組合員扱いしてきたと言うのだ。
4・9政治和解の「二度と雇用や不当労働行為を争わない」という条項は「JR及び関連会社に籍のない者は組合員ではない」という組合規約改定に行き着いた。新自由主義の攻撃は、既成の労組幹部が資本の攻撃の推進者となることで貫かれる。国労本部はその役割を自覚的に担っている。
彼らは7月26、27日の国労全国大会で、JR連合との合流に向けた決定的な転回を遂げようとしている。JR連合は5月18日の「JR連合結成20周年を迎えて」と題したコメントで、「JRからの革マル派追放とJR労働界の一元化を果たすという組織課題を一刻も早く解決し、国を支える基幹インフラであるJRの持続的な発展と役割の発揮へ将来展望を切り開く」と言い立てた。国労本部はこれに呼応し、JR連合との合流へかじを切ろうとしているのだ。
JR連合とは修善寺大会で国労から逃げ出して除名された連中や、4党合意を推進し破産した末、国労からたたき出された連中だ。その彼らにどうして頭を下げることができるのか。今さらJR連合に行きたいという国労組合員は1人もいない。国労本部の腐敗を全面的に暴露した時、本部への現場組合員の怒りは必ず爆発する。
青年労働者の組織化を軸に「共に闘う国労の会」建設へ
われわれは国鉄闘争全国運動をもって職場の課題のすべてを引き受け、党派的大流動に突入した国労を巡る権力闘争に打って出る。もはや本部の屈服を批判しているだけの存在にとどまることはできないのだ。今こそ「共に闘う国労の会」300会員獲得へ全力を挙げよう。その核心は青年労働者の獲得にある。
「共に闘う国労の会」の目的は、まず何よりも「解雇者を絶対に守りきる」という労働組合の本質に関わる課題を実現することにある。それは4・9政治和解をのりこえる1047名闘争の継続・発展そのものであり、奪われた共同性・階級性を奪還する闘いだ。
これは、われわれが国労内の責任勢力となる闘いそのものだ。
大恐慌と大震災情勢のただ中で、われわれは動労千葉・動労水戸(動労総連合)の闘いと連帯し、和解を拒否した国労闘争団の解雇撤回に向けた裁判闘争や物販闘争、国労5・27臨大闘争弾圧被告団の闘い、郡山工場支部を先頭とした被曝労働強制との闘い、偽装請負弾劾・労安法違反告発−検修外注化阻止の闘い、尼崎・羽越・伯備線事故弾劾闘争、国労バッジを巡る闘いなどを貫いてきた。その一つひとつは本来、労働組合が担うべき課題だ。これらをさらに日常不断に推し進め、国労組合員の根源性・戦闘性を心から信頼し、引き出して闘うことが求められている。
この闘いは、徹底的に青年労働者の立場に身を置くことによって勝利できる。青年にとって頼りになり求められる組合を「共に闘う国労の会」として実現しよう。青年を軸とした拠点職場を打ち立てよう。
青年労働者は就職前から「スキルを磨け」「エンプロイアビリティ(=雇われる能力)をつけろ」と分断されてきた。非正規職化・半失業を強いられる青年の現実は国鉄分割・民営化が出発点だった。国労本部は、この青年の苦闘に応えるどころか、雇い止めされたグリーンスタッフから平然と組合員資格を奪っている。国労に結集した青年労働者の思いは、「おれが求めた労働組合はこんなものではない」ということだ。「こういう国労をつくりたい」という青年の思いに全面的に応えてこそ国労自身の未来も切り開かれる。
国鉄採用の世代にとっても、分割・民営化と首をかけて対決してきた自らの闘いの意義は、青年とともに闘ってこそ誇り高く確認できる。
青年の組織化とは、新自由主義によって奪われたすべてを青年の手に奪還する闘いを自らの実践を通してともにし、自ら立って資本と闘うことだ。これこそが生きたマルクス主義による青年の獲得だ。この闘いを通して初めて、労働組合を形成し運営する能力を真に獲得することができる。その試練をかいくぐった者のみが、権力党派=責任勢力となれるのだ。
この闘いに挑戦し勝利する絶対的な土台は、党建設の闘いだ。党中央と職場細胞を一体的に建設し、数十人の活動家を有する勢力に飛躍しよう。
6・10から7月国労大会に至る過程を、検修業務と駅業務の全面外注化攻撃に立ち向かい、階級的労働運動を復権させる決戦として全力で闘いぬこう。そのためにも6・10の圧倒的な成功をかちとろう。
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週刊『前進』(2537号2面2)(2012/05/28 )
国労原告団物販に協力を
和解を拒否して闘う4原告とともに国労を再生しよう
全国の闘う仲間のみなさん。3・11福島県民大集会の大高揚と、JR東日本の検修・構内業務全面外注化4・1実施を阻止した地平の上に、「解雇撤回・和解拒否」の闘う国労原告団の夏季物資販売闘争が力強く始まりました。
今季の物資販売闘争こそ、「一人の首切りも許さない」「仲間は絶対裏切らない」という国鉄1047名解雇撤回闘争の誇るべき歴史を継承発展させる闘いです。新自由主義と闘うすべての仲間、青年労働者の現在と未来を守る闘いです。
今こそ4・9反革命を跳ね返し、職場から階級的労働運動の再生と復権をつくり出しましょう。4原告と「共に闘う国労の会」の旗のもとに結集し、「共に闘う国労の会」300人建設で国鉄労働運動の歴史=日本労働運動の歴史を根本から塗りかえよう。国鉄闘争全国運動の先頭に立つ国労原告団物販をすべての職場に持ち込もう。
(写真 左から成田さん【旭川闘争団】、石アさん【鳥栖闘争団】、羽廣さん【小倉闘争団】、小玉さん【秋田闘争団】の4人の原告団組合員)
1047名解雇撤回の闘い貫き
国労原告団互助会は、夏季物販開始にあたり次のように訴えています。
「原告団4名は、一昨年の『4・9政治和解』を拒否して動労千葉争議団と共に解雇撤回を要求し、国鉄闘争全国運動の最前線で闘っています。しかし、国労本部は昨年の定期全国大会で、規約の一部改定を強行して職場討議もさせずに現場組合員の声を封殺して、和解を拒否して闘っている原告6名をはじめ全闘争団員の組合員としての資格を一方的にはく奪しました。
さらにGS(グリーンスタッフ・契約社員)の組合員が5年間の契約期限で雇い止め=解雇になることに対し、国労新宿駅分会の仲間が解雇撤回闘争を要請しましたが、本部はなにもせず、JR各社との間で雇用関係にない労働者は組合員資格がなくなるからとJR東日本会社の非正規労働者の使い捨てを容認しています。こうした現状に対し、共に闘う国労の会・原告団4名は、東京地裁で国労本部を相手に地位確認の訴訟を争っています。同時に、闘わない執行部を打倒して、国労を階級的労働組合に再生させようと、現場組合員に訴え、闘う会の会員獲得に奮闘しています。国労原告団互助会は、6月1日から9月末まで夏季物資販売を開始します。仲間の皆さんのご理解と商品のご購入を訴えて要請といたします」(アピールより)。
いま東京地裁、東京高裁で和解を拒否して闘う国労闘争団員の二つの重大な裁判が闘い抜かれています。国労本部を相手取った成田昭雄さん(旭川闘争団)、石ア義徳さん(鳥栖闘争団)、羽廣憲さん(小倉闘争団)、小玉忠憲さん(秋田闘争団)の組合員資格確認訴訟と、小玉忠憲さんの鉄道運輸機構訴訟控訴審闘争です。それぞれ次回口頭弁論が7月18日(組合員資格確認訴訟)、19日(鉄運機構訴訟控訴審)と連続して闘われます。同時に、6月29日には動労千葉鉄建公団訴訟の判決が東京地裁で強行されようとしています。国鉄闘争の火は消えるどころか、ますます燃え盛り、6・10集会を大きな転換点にいよいよ全国を席巻しようとしています。
職場全体に責任とる闘いに挑戦
今季物資販売闘争を職場でいかに取り組むか。このことは再び動き出したJR東日本の検修・構内業務全面外注化と対決して職場に労働組合をよみがえらせていくためにも、そして7月26、27日と決定された国労大会を真に国労の階級的再生を闘いとるものにするためにも、かつてなく重要な位置を持っています。
3・11郡山集会を全力あげて闘いぬき、そこでつかんだ教訓を国労共闘の仲間は次のように語っています。「1047名闘争の政治和解をめぐって組織の中での対立と不団結が1年以上続いていました。しかし、原発事故と3・11の集会ということもあって、生きるために、子どもの命を守るために、みなが一つにならざるをえない。何としても2万人集めよう、そうでなければおれらつぶされちゃうという現実の前に、一つになっていく過程がありました。役員として一致したのは『職場全体を動かすしかないだろう』『この際、2万人なんだから、国労組合員だけとかせこい話ではなく職場全体を動かそう』という考え方に立つわけです。そのためには全体が団結しなければならないということになり、ビラまき、宣伝、みんな頑張ってやって、その団結を組合員が見てみんなが動き出すわけです。国労全体が熱くなって行った時、東労組組合員、下請けの労働者も動き出す過程がありました。役員の中には当然、いろんな考え方の人も党派の人もいます。でも、やり方、考え方次第で変わっちゃう。やり方、考え方も特別なものではなく、労働組合としてのあり方を貫いただけのことだったわけです。全体の団結をつくりだす中でも、動労千葉派、小玉さん派、羽廣さん派という色を薄めることはまったくしなかった。物販も今までは個人的にやっていたけれど、あえて執行委員会にかけて議論しました。自分をさらけ出して真摯(しんし)に、包み隠さず議論する、おれを信用してくれということをやってきた。言ってみれば動労千葉の労働運動、首切りは許さないという小玉さんや羽廣さんと同じことを機関の中でやり始めたということかなと思っています」と。
この闘いの中に、6・10集会の成功と国鉄闘争全国運動の核心が詰まっています。物販闘争を通して仲間をつくり、機関を動かし、職場全体に責任をとっていく――この大変さと同時に醍醐味(だいごみ)は、全金本山が継承し、動労千葉が発展させ、今や国労原告団が闘う、戦後革命期以来の日本労働運動がつくりだした戦闘的伝統です。4原告を守り抜き、「共に闘う国労の会」300人建設で国労の階級的再生をかちとり、国鉄闘争全国運動の一大発展へ。今夏の物販闘争をその最大最良の武器として徹底的に活用しましょう。
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◇品目表◇ (円)
1 白粥(2食) 580
2 玄米粥(2食) 730
3 おかゆセット 650
4 北海道ラーメン 450
5 神埼そうめん 2100
6 じゃがバター 400
7 十日町産妻有そば1400
8 十日町産妻有ざるうどん 1350
9 三陸の恵みさば味噌煮とぶり大根 680
10 金笛だしの素 1100
11 からしめんたい 2200
12 日高昆布 660
13 野菜カレー(辛口) 1100
14 たまねぎスープ 600
15 海鮮スープ 600
16 くんせいたまご 660
17 からしたかな 500
18 もろみ 500
19 漁師のふりかけ 600
20 梅ちりめん 320
21 有機無農薬コーヒー 850
22 黒えだ豆 550
23 鮭皮チップ 280
24 ほし柿ようかん 550
25 ゆずようかん 550
26 いちごミルク 300
27 あずきオレ 360
28 おからかりんとう 400
29 われおかき 500
30 みかん棒ジュース 550
31 しょうが蜂蜜 550
32 ブルーベリー 1100
33 オキコミニラーメン 950
34 あぶり焼小いわし 600
35 京するめ 600
36 ウユニ塩湖の天然塩 490
37 よもぎせっけん 1050
申し込み先/国労原告団互助会
TEL 03-3329-8815 FAX 03-3329-8821
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週刊『前進』(2537号2面3)(2012/05/28 )
橋下の「交渉ルール」条例化は組合活動の全面禁圧が狙い
現場からの怒りの反撃で葬り去ろう
7月臨時市議会への提出を狙う
大阪市は23日、市労連との団交で「労使交渉のルール」を厳格化する条例案を7月臨時市議会に提案する方針を伝えた。
橋下は市長就任当初から労働組合を「諸悪の根元」に仕立て上げ、「組合活動の適正化」「服務規律刷新」を振りかざして労組破壊を繰り返してきた。その内容は、@勤務時間中に行うことができる組合活動を賃金や福利厚生などの労働条件に関する交渉に限定、A予算編成や職員の配置、懲戒処分などのいわゆる「管理運営事項」については労使の意見交換や情報提供を廃止、B執行委員会などの会議を行う場合に認めていた無給での職務免除(職免)も廃止、C組合事務所など庁舎使用にかかる便宜供与の廃止、組合活動のための会議室使用の禁止、D賃金からの組合費天引き(チェックオフ)の廃止など全面的だ。
Aについては、違反した市側の担当者も懲戒処分の対象とし条例で罰則を設けるとしている。この間の「職場での喫煙問題」「入れ墨調査」も服務規律攻撃の一環としての大キャンペーンだ。
これらは1980年代の国鉄分割・民営化攻撃の中で行われた「職場規律」攻撃と同じであり、労働組合活動を全面的に禁圧するものだ。
職場で組合ニュースも配らせない、話し合いのための会議室も貸さない(時間外でも!)、組合費チェックオフが廃止されても職場での組合費徴収も認めない――つまり職場の団結や闘いをつくる活動は一切を認めないということだ。
こんなルールに従っていたら、労働組合の活動は当局が認める範囲内に限定され、労働組合は、次々と繰り出される大幅賃下げや、民間委託・人員削減提案を一方的に通告され、妥結し、現場組合員に押しつけるためだけの機関に成り下がるしかない。「ルール」の適用とは名ばかりで、事実上、労働三権を完全に否定する攻撃なのだ。
時間内組合活動や職免などの労組活動の制限は、総務省の指示のもと全国の自治体や公営企業の職場で、この数年来、重大な攻防点になってきた問題だ。また「管理運営事項」を盾に、職場の死活的課題について当局が交渉を拒否する事態が相次いできた。橋下は条例化でその正面突破を図ろうとしているのだ
橋下は「組合活動の適正化」と労組破壊を正当化しているが、労働組合活動に超階級的で「適正」な「ルール」など存在しない。組合活動の範囲を当局に決めてもらう必要もない。すべては団結と闘い、職場支配をめぐる力関係で決まる。
大阪市の職場には、市労連幹部たちの奴隷的屈服にもかかわらず、今も団結や職場支配権が網の目のように根づいている。悪名高き「職員アンケート」は現場の反撃で完全に粉砕された。
橋下が最も恐れている現場からの決起をたたきつけ、極悪の条例案を葬ろう。なによりも、橋下の決めた「ルール」など実力でぶち破る具体的な職場闘争を現場から巻き起こすことが決定的だ。しょせん法律や条令など、その後からついてくるものでしかないのだ。
現業大幅賃下げ政治活動に罰則
さらに大阪市は23日、市労連に対して現業職員への大幅賃下げ案(最大25%、平均約8%)も提示した。削減幅は最大で年収180万円減(現行約800万円の職員のケース)だ。
また橋下は同日、市職員の政治活動について、国家公務員と同様に罰則付きで規制する条例の制定を目指して、7月臨時市議会に向けて検討していることも明らかにした。成立すれば全国初になる。これ自身が超重大な攻撃だ。全力で粉砕しよう。
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週刊『前進』(2537号3面1)(2012/05/28 )
外注阻止へ新たな決戦
動労千葉 意気高く佐倉支部結成
“組織破壊攻撃に勝利した”
動労千葉は5月19日の佐倉運輸区開業を、強制配転された全運転士のストライキで迎え撃った。
この日の午前、DC会館で佐倉支部結成大会が開催された。ストに入った佐倉運輸区の組合員に加え、他支部からも多くの組合員が駆けつけた。会場のDC会館は100人を超える参加者の熱気で埋まった。
結成大会の冒頭、準備委員長の渡辺靖正さんがあいさつに立った。「昨年6月10日の基地再編の提案以来、怒りをもって抗議行動を展開してきた。JR東日本のローカル線切り捨てに対しても沿線住民の怒りの声が大きく広がった」と闘いの手応えについて述べた。そして「動労千葉11番目の支部として本日、佐倉支部を結成します。被解雇者や強制配転者の問題など銚子支部でやり残した問題も数多くあるが、千葉運転区、銚子運転区ともに新体制を確立していただいた。今の時代、本当に動労千葉のような闘いが求められている。若者の半分が非正規職という現実を打ち破るためにも、動労千葉が組織拡大を実現して私たちの闘いを継承する若い力を獲得していく必要がある。支部の全員で闘う佐倉支部をつくろう。その先頭で頑張ります」と述べた。決意あふれるあいさつに、参加者は大きな拍手で応えた。
来賓あいさつで田中康宏委員長は、昨年来の闘いについて「本当にご苦労さまでした」と労をねぎらうとともに、「敵は基地統廃合を使って動労千葉の団結を破壊しようとした。これと正面から闘って勝利し、動労千葉の団結はいっそう強化された。このことを最大の成果として確認したい」と振り返った。さらに「5カ月間にわたる指名ストで、3月の佐倉運輸区開業をぶっ飛ばした。ローカル線切り捨て反対の声も予想を超えて広がり、簡単には切れない力関係を当局に強制している」と述べた。
(写真 組織破壊攻撃との闘いに完全に勝利し新たに佐倉支部を結成。結成大会の最後に全組合員が並び渡辺新支部長が決意表明した【5月19日 千葉市】)
佐倉運輸区で組織の拡大を
そして、「本当の闘いはこれからだ。なによりも佐倉運輸区で組織拡大を実現した時、当局の狙いは完全に破綻する」と訴えた。
また田中委員長は、「検修・構内業務の全面外注化攻撃が再び動き出している。東労組・京葉車両センター分会の職場集会では『10月1日から実施することになった』という説明がされている。東労組は職場討議資料を配付し『出向者には基本給調整で2千円加算を求める』『10年間で出向を解消できる体制を』なんて言って、外注化を認めている。10年で技術も含めて下請け会社に丸投げ外注化する、2千円で職場も何も全部売り渡すということでしょ。こんなふざけた話がありますか!」と怒りをあらわに東労組の裏切りを断罪した。そして「夏の過程が勝負になった。敵の側は矛盾だらけだ。絶対に止めてやろう」と総決起を訴えた。
議案と予算案、新たな支部役員体制が提案され満場の拍手で確認された。最後に、佐倉支部の全組合員が前列に並び、選出された渡辺新支部長が熱い決意を表明した。
閉会あいさつにで大野茂支部書記長(前千葉運転区支部支部長)が「本結成大会の大成功をもって組織破壊攻撃に完全に勝利したことを宣言する。組織拡大を実現し、さらにワンステップ、ツーステップと飛躍しよう」と締めくくり、組合歌斉唱と団結ガンバローで結成大会を終えた。
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週刊『前進』(2537号3面2)(2012/05/28 )
東労組の“申し入れ”テコに外注化10・1実施狙うJR東
6・10大集会から総反撃を
JR東日本は、動労千葉を先頭とする現場からの反撃によって提案から2年半にわたってストップしている検修・構内業務の全面外注化について、JR東労組との団交の場で「10月1日に実施したい」と回答した。6〜8月過程が文字通りの一大決戦になった。
国鉄闘争全国運動6・10大集会の位置は、いよいよ重要かつ鮮明だ。なによりもJRで働くすべての青年労働者に熱烈に参加を呼びかけ、大結集をかちとろう。ここから真夏の大決戦の火ぶたを切ろう。
丸のみ妥結狙い欺瞞的「組合案」
会社と水面下で交渉を進めてきた東労組は5月14日、妥結をもくろんで全面外注化の「組合案」実現を求める申し入れ(申19号)を行い、5月16日、21日、22日と交渉を行った。その中で会社側が「10月1日実施」を明言したのだ。
東労組の「組合案」は一から十まで絶対に許せない代物だ。「グループ会社での労働条件向上」「基本給の調整を新設し2千円加えること」など、すべてが外注化丸のみを前提にした内容だ。
東労組は「入社後10年間は出向の対象としないこと」「10年でJR本体からの出向に頼らないグループ会社の体制確立を」「出向からの復帰は元職場に」などの要求も並べているが、これも現場組合員を欺くためのペテンでしかない。
今回の検修・構内業務外注化は、支社や職場ごとの逐次外注化ではなく一括全面外注化だ。車両センターで働く労働者は新幹線を除けば、東日本全体で約2千人。そのうち「約1200人が出向になる」と会社も回答している。管理者と技管(技術管理)、事務を除いて、ほとんどの労働者が強制出向に駆りたてられる。JR本体に残るのは総合車両センターと、ごく少数の技管ポストだけだ。帰る職場などないのだ。
東労組はそんなことは百も承知で「申19号」を出し、妥結前提で最終段階の団交に踏み切ったのだ。絶対に許すな。
「10月1日実施」を明言したものの会社も矛盾だらけだ。突きつけられた問題は何も解決していない。
動労千葉―動労総連合は、外注会社への強制出向を労働組合として拒否すると宣言している。「偽装請負に基づく違法な強制出向に行かなければならない理由など何ひとつない。検修職場のすべての仲間に訴えて、外注化・強制出向を許さぬために闘う。それでも強行するなら長期ストも辞さずに闘う。こんな状況の中で強制出向が貫徹できるのか? 本当に力を結集すれば外注化攻撃は阻止できる」と職場の仲間に訴えている(日刊動労千葉4・1付号外)。
4月29日に起きた関越道でのツアーバスの惨事は、国鉄分割・民営化に始まる規制緩和と業務外注化、重層的下請け支配が労働者に何をもたらすのかを、あらためて衝撃的に突き出した。鉄道業務を下請け会社に丸投げすることなど絶対に許してはならい。
青年を先頭に、JR職場からのさらなる反乱を巻き起こし、検修・構内業務の全面外注化を絶対に阻止しよう。
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週刊『前進』(2537号3面3)(2012/05/28 )
大和田幸治(港合同事務局長)の闘い受け継ぐ
階級的団結にかけた生涯に学び闘う労働運動復権する
革共同関西地方委員会
労働運動に命をかけた生涯
全国金属機械港合同事務局長であり田中機械支部委員長の大和田幸治さんが3月17日、急逝された。大和田委員長は昨年9月、医師から大腸がんが全身に転移し、余命は3カ月もない状態だと告げられていた。しかし大和田委員長は、港合同の前進と労働運動全体の復権のために、日々命を削る闘いを死の間際まで貫いた。大和田委員長の逝去は壮絶な戦死というべきであり、その労働運動一筋に一身をささげた生きざまは、労働者階級全体を獲得してやまない。
逝去のわずか1週間前、大和田委員長は港地区平和人権連帯会議の会合で講演し、橋下打倒の闘いの意義をものすごい迫力で1時間にわたって訴えた。そして命が尽きる直前まで争議を指導した。まさに鬼神となって労働運動の未来を切り開こうとした。
大和田委員長のこのすさまじい闘いこそ労働者階級の生きざまであり、われわれの生きざまだ。そこには「労働者階級は団結する階級だ」「労働者階級は鉄鎖以外に失うべきものはない。獲得するのは全世界だ」という労働者階級の本性が貫かれている。われわれは、大和田委員長のこの生きざまを断固として受け継ぎ、階級的労働運動を全面的に復権する闘いを実現する決意だ。
橋下うち倒す闘いを今こそ
「労働運動全体の攻防の帰趨(きすう)が橋下との闘いにかかった」「今こそ労働組合は橋下打倒に立ち上がれ」――3月9日の大和田委員長の講演を、われわれは命がけの“檄(げき)”と受けとめている。
大恐慌の全世界的な進行、3・11東日本大震災と原発事故は、資本主義の全面的破綻を日々明らかにしている。被災地「復興特区」と橋下反革命は新自由主義による絶望的攻撃であり、絶対反対で立ち向かえば勝利できる脆弱(ぜいじゃく)極まりないものだ。「公務員全員解雇」をうそぶく橋下を打倒する闘いは、労働運動の全面的復権を実現し、新自由主義を打倒する労働運動の総反乱をつくりだし、労働者階級の勝利を切り開く決定的な闘いになる。
われわれは大和田委員長の檄に応え、橋下打倒の闘いの先頭に立つ。すでに、攻防の渦中にある大阪市職・大阪市教組において、橋下に土下座をして組合員の首を差し出す体制内執行部から組合権力を奪い取り、労働組合をつくりかえる闘いが始まっている。そして橋下打倒の拠点として、八尾北・西郡闘争をさらに強力に爆発させる。
国鉄闘争勝利へ闘いぬいた
「大和田委員長といえば国鉄闘争」と言われてきた。大和田委員長ほど国鉄闘争を一貫して闘いぬいてきた労働運動の指導者はいない。全国金属に所属する労働組合の委員長が、労働運動全体の命運をかけた闘いとして国鉄決戦を闘ってきたのだ。そのこと自身が、大和田委員長が労働者階級全体の立場に立ってものを考える優れた労働運動指導者であったことを示している。
大和田委員長のこうした立場は、総資本・国家権力の倒産攻撃による労働運動破壊と対決してきた田中機械闘争を通して確立された。
1978年、日経連は全国の労働運動にとって階級的激突の焦点となっていた南大阪の労働運動をつぶすため、その拠点である田中機械に倒産攻撃を仕掛けた。79年6月の暴力的強制執行との対決を経て、80年代、港合同は田中機械支部を軸とした団結で、敵の総力を挙げた攻撃と対決する激烈な攻防を貫いた。
87年の国鉄分割・民営化も田中機械への倒産攻撃も、資本家階級による徹底した労働運動根絶攻撃だった。大和田委員長はこれらをひとつのものとしてとらえ、労働者階級全体の力で粉砕すべきだと訴え、闘った。
81年から始まるヤミ・カラキャンペーンや82年「現場協議制」廃止攻撃との攻防の渦中で、国労本部の「嵐が過ぎるのを待つ」という許し難い裏切り方針がまかり通っていた時、大和田委員長は大阪の国鉄労働者の現場のオルグに駆けつけ「労働者には職場団交権があるんだ。どんどん当局に職場要求を突きつけ、直接団体交渉をしろ!」と檄を飛ばした。以来、大和田委員長は国鉄労働運動が岐路にさしかかるたびに檄を飛ばし、闘いの方向を提起した。
特筆すべきは、98年5・28東京地裁による1047名解雇撤回闘争への反動判決と対決し、港合同・関西生コン支部・動労千葉の3労組共闘を立ち上げたことだ。
さらに、国家権力とJR資本、国労本部が結託した4党合意に対し、労働委員会闘争を提起し、自ら代理人となって“真の敵は誰か”を明らかにする闘いに取り組んだ。大和田委員長は国労5・27臨大闘争弾圧との闘いでもその先頭に立った。この闘いは4者4団体との全面的な路線闘争の戦場だった。解雇撤回の原則を貫くのかどうかがここで問われた。
被告団は、ここで踏ん張り原則を守って闘ったからこそ、4・9政治和解と立ち向かい、これを粉砕することができた。
こうした地平の上に、自ら国鉄闘争全国運動の呼びかけ人となり、3・11情勢下での国鉄闘争の革命的な発展の礎を築いたのである。
港合同は国鉄臨時職員解雇撤回闘争を組織を挙げて闘いぬいている。大和田委員長がいかに国鉄闘争を自らの闘いとしてきたのかは、ここにも明らかだ。
「国鉄改革」から25年目の2012年、JR体制と国鉄労働者との決着をかけた激突が始まっている。JR体制に青年労働者の総反乱をたたきつけ、JR体制を打倒して階級的労働運動の反転攻勢を必ずや実現しようではないか。
党と労働組合の一体的建設
大和田委員長は一貫して「階級的団結」論、「階級形成」論に立って労働運動を指導してきた。“真の敵は誰か”“敵といかに闘うのか”にこだわり、その一切の鍵は労働者階級の団結にあることを自覚して闘ってきた。
労働者階級は、団結と闘いによって階級的に目覚め、労働者こそが社会建設の主人公であることを自負し、自己を労働者階級として形成していく存在だと位置づけてきた。これこそ橋下との対決や国鉄闘争への強い思い入れに貫かれている思想だ。港合同が「団結権の港合同」と言われるゆえんである。
大和田委員長が貫いてきた「階級的団結論」は、「党と労働組合の一体的建設」の提起そのものだ。われわれは、そのように大和田委員長の提起をつかみ直し、その闘いを全面的に受け継いで闘いぬく決意だ。
大和田委員長は71年からの細川鉄工闘争で、日本共産党の闘争破壊と対決した闘いの教訓を、「党の従属下に労働組合があるという考え方、労働組合が機関決定しても党の決定によって労働組合の決定を覆してしまうというというような考え方は絶対間違いだと思います」(『企業の塀をこえて』)と語っている。「党と労働組合の関係」に言及したその提起は重要だ。われわれはこれを、労働者自己解放としてのプロレタリア革命に勝利する党をいかに建設するのかという積極的な提起として受けとめる。
その核心は“労働組合の攻防にどこまでも責任をとる党であるか否か”ということだ。
レーニンは「労働組合を通じる以外に、労働組合と労働者階級の党との相互作用を通じる以外に、世界のどこにもプロレタリアの発達は起こらなかったし、起こることもできなかった」「プロレタリアの階級的団結の最高形態、つまりプロレタリアートの革命的な党は指導者と階級および大衆とを完全にひとつのものに結びつけるすべを学ばないうちは、その名にふさわしいものではない」と、労働運動の階級的再生の目的意識的実践を党活動の基軸に据えることを提起した。
プロレタリア革命の根幹に労働組合を軸とした階級的団結を据えきり、その「最高の団結形態」として党を建設する。これこそが大和田委員長の提起に応える唯一の階級的立場だ。
われわれは1〜4月の大前進を踏まえ、労働運動における拠点建設の闘いを全面的に発展させようと決意している。その闘いを実現するために、単一の労働者階級の党の建設、中央委員会と細胞の一体的確立(相互に獲得しあう関係の確立)、プロレタリア独裁の指導機関としての地区党建設のさらなる前進、そして党の労働運動指導機関としての産別委員会の確立に踏み出した。
戦後革命情勢を超える革命情勢、世界革命情勢が到来している。階級的労働運動の実践を通じた拠点建設を圧倒的にやりぬき、「党と労働組合の一体的建設」をもってこの情勢をプロレタリア革命に転化しよう。
革命的共産主義者同盟関西地方委員会は、大和田委員長の闘いに全面的に学び、その闘いを発展させ、階級的労働運動の復権と労働者階級の全面的勝利のために闘いぬくことを決意する。
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週刊『前進』(2537号3面4)(2012/05/28 )
御巣鷹山事故くり返すな
国交省が航空規制の大幅緩和策
関越道事故省みず、格安航空を育成
国土交通省は、旅客機の安全に関する規制の見直しを進めている。その狙いを国交省は、「規制を欧米並みに緩和してコストを下げ、航空会社の競争力を強化する」と公言してはばからない。
まさにこれは世界大恐慌情勢のもとでの新自由主義政策の一環であり、航空資本を救済し、安全を切り捨てる攻撃だ。
4月29日には関越自動車道でツアーバスの事故が起きたばかりだ。国交省による野放図な規制緩和で業者の参入は自由化され、価格競争と重層的な業務外注化が進んだことが、この事故の原因となったことは明らかだ。
ところが国交省は、これをなんら省みることなく、航空においてもさらなる規制緩和を強行するというのだ。
その主な内容は、@乗客が機内にいる時の給油は引火の危険性から禁止されていたが、これを認める、A国交省の審査官が行ってきた機長の昇格試験を、一部の航空会社に任せる、B訓練生から副操縦士への昇格試験は、実機を使わずシミュレーター(模擬操縦席)でもよいとする、C正副操縦士2人旅客機で、従来は60歳以上のパイロットはどちらか1人だけしか認められていなかったが、2人とも60歳以上でよいとする――などだ(表参照)。これらはすべて安全に直結する。
まさに第二の御巣鷹山事故(85年日航機墜落事故)、第二のJR尼崎事故を引き起こしかねない重大な攻撃だ。
航空産業の規制緩和は、国内の航空13社などが251項目を要望し、国交省が昨年12月以降に有識者会議で整理し、100項目を見直すという形で進められてきた。すでに実施に移されている項目もある。
国交省は、規制緩和により格安航空会社(LCC=ロー・コスト・キャリア)を全面的に参入させて、低迷する日本の航空業界の現状を打破しようと狙っている。
そもそもLCCは90年代以降、従来の航空会社の経営悪化と破綻が相次ぐ中で、従来のサービスを可能な限り切り捨てた「低価格」を武器に起業ブームが起こり、今日全世界的に「台頭」しているものである。
国土交通省戦略会議は2010年の報告書でこのLCCを「従来型と異なるビジネスモデルだ」と手放しで礼賛し、「成田・羽田等の拠点空港にLCC専用のターミナルを建設しろ」「技術規制を緩和してコストを削減しろ」と叫んだ。LCC参入は大破産した成田空港や関空を再浮上させる「起死回生」策としても位置づけられている。
さらに、日航労働者の解雇を有効とした反動判決と相まって、徹底した規制緩和と競争激化により航空労働者の階級的団結を解体し、労組をつぶすこともその狙いだ。
そのために航空の安全を切り捨て、人民の生命を危険にさらす規制緩和策は、福島第一原発事故を「収束した」と言い張り、原発再稼働に躍起となる野田政権の政策とまさに一体のものだ。
労働者が階級的利益をかけて闘ってこそ安全は守れる。航空規制の大幅緩和に反対しよう!
(写真 日航機の御巣鷹山墜落事故は520人の乗員乗客が死亡した【85年8月】)
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【航空規制緩和の主な内容】
・正副操縦士とも60歳以上でフライト可能・乗客が機内にいても給油可能・副操縦士昇格試験はシミュレーターでも可能・機長への昇格試験は一部の航空会社に任せる・航空機別の免許資格が必要だったものを、一 つの免許で2機種の航空機の操縦可能に・事故時に使う発煙筒は短距離飛行では不要に・パイロット免許の即日発行が可能に
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週刊『前進』(2537号4面1)(2012/05/28 )
大飯原発 再稼働絶対阻止を
橋下が「夏だけ再稼働」と助け舟
野田政権もろとも打ち倒そう
野田政権は大飯原発3、4号機の再稼働に向けあがきを強めている。その先兵として登場しているのが大阪市長・橋下徹だ。橋下は5月19日、細野豪志原発担当相が出席した関西広域連合の会合で、大飯原発3、4号機を「夏だけ再稼働」「1〜3カ月の臨時運転を」と逆提案し、危機を深める日帝を救おうと立ち回っている。
5月5日、日本の原発すべてが停止した。福島を始めとする日本の労働者人民が闘いとった歴史的な勝利だ。「5・5全原発停止」は、戦後60年にわたる日帝の原発政策・核政策を窮地に追い込んでいる。
(写真 放射能汚染がれきは搬入させない! 体を張った闘いで8時間半にわたりストップさせた【5月22日 北九州市】)
最後の「救済者」
ここに至って日帝の救済者の役を買って出、その本性をあらわにし、またしても墓穴を掘ったのが橋下だ。この間の橋下のあたかも再稼働に「反対」しているかのようなポーズは、労働者人民をあざむくためのファシスト的なペテンでしかなかった。橋下の「臨時運転」案は反原発闘争の高揚と「全原発停止」の永続化を恐れ、なんとか再稼働の風穴をあけようとの窮余の策だ。
橋下は、新自由主義 の絶望的凶暴化の最先兵であり、脱落日帝の最後の救済者として登場しようとしている。野田政権との違いは、労働者人民の闘いを解体し、再稼働を進める手法の違いということだけだ。橋下の狙いは、公務員労働者の「全員解雇・非正規化」であり、労働運動と労働組合の解体だ。「全原発を廃炉にせよ」の労働者人民の闘いの破壊だ。新自由主義攻撃を先頭で推進し、足元の関西電力や関経連を始めとしたブルジョアジーの利害を貫くことこそが橋下の目的なのだ。
事故くり返すな
藤村修官房長官は21日、「(原発停止は)日本経済が大変大きな影響」を受けるから「臨時的な稼働は念頭にない」と述べ、橋下の策をはねつけ、再稼働に向けた正面突破の狙いを語った。5月14日には福井県おおい町議会が全員協議会を開き、議会として再稼働を容認した。野田首相も17日、「判断の時期はそろそろ近い」とその意図をむき出しにした。
再稼働とは、福島第一原発事故を再び繰り返すことだ。福島第一原発事故ではセシウム137に換算して広島原爆80発分もの放射性物質が放出され、福島・東日本、そして海洋を大規模に汚染している。今なお福島のかなりの地域が放射線管理区域を超える放射能汚染地帯だ。避難者は、今年2月23日時点で16万人にのぼっている。
しかも福島原発は収束とはほど遠い。解析の結果、1号機の格納容器内の水位が40aしかない可能性が分かった。2号機の水位も約60aであることが実測で判明している。1号機は、格納容器本体と下部の圧力抑制室をつなぐ配管周辺に直径数aの穴が開いていることが明らかとなった。原子炉には毎時トン単位の水を注入しているが、ざるに水を入れている状態だ。廃炉の展望さえまったく見えない。
驚くべきことだが、大飯原発3、4号機の「安全対策」など皆無だ。ストレステストはコンピューター上で「余裕度」なる概念を計算したものでしかない。事故対応の拠点となる重要免震棟さえ建設されていない。放射性物質の流出を減少させるベントフィルターも未設置。津波に備えた防潮堤も完成は2015年度末の予定だ。原発には万全対策などあり得ないが、これでどう事故を防止できるというのだ。事故発生に際し、どう対応にあたれるのだ。
さらに再稼働とは、たとえ事故が発生しなくても通常の操業で何千人何万人の原発で働く労働者を被曝させ、殺し、健康を破壊し、労働者とその家族の人生をずたずたにすることだ。また原発停止後、原発とその関連で働いてきた労働者と地元住民の仕事と生活を保障することは電力資本と政府の責任だ。
5〜6月を全力で闘い、7・16代々木公園10万人集会の大勝利を実現し、大飯原発の再稼働を絶対に阻止しよう。
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週刊『前進』(2537号4面2)(2012/05/28 )
NAZEN 怒りの署名を提出
再稼働策す経産省弾劾
5月18日、NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議=な全)が経済産業省に対する第2回目の署名提出行動を行い(写真)、再稼働策動と原発推進政策を徹底的に弾劾した。
まず織田陽介事務局長が「今回の署名が1万4786筆、前回分と合わせると6万6896筆になる。原発の再稼働反対、原発をすべて廃止したいという気持ちの詰まった署名だ」と口火を切った。さらに「再稼働も新規建設も一切やめて、全原発の停止・廃炉を求める」などの署名の三つの趣旨を説明し、すべて実行するよう要請した。
NAZEN呼びかけ人で8・6広島―8・9長崎反戦反核統一実行委事務局長の三角忠さんは「再稼働ありきは絶対にやめてほしい。全国の原発反対の人たち、とくに福島のお母さんたちの怒りと結びついてこの署名を全国署名として集めてきた」と語った。続いて参加者が「原発は原爆と同じだ。世界を破滅させるものだ」「再稼働で第二・第三の福島をつくり出すつもりなのか」と弾劾をたたきつけた。
3人の経産省官僚は「日本の経済がたち行かなくなる」と再稼働の狙いを露骨に示した。中断している青森県大間原発の新規建設についても工事再開のもくろみを隠そうともしなかった。
最後に事務局の松室しをりさんが「この署名はスイスなど海外からもたくさんの人たちが集めて送ってくれた。福島から避難してきた人たちや福島原発で働いていた労働者の人たちもいっぱい署名してくれている」と込められた思いを語り、署名を提出した。
その後、経産省テント前で総括集会を行った。織田さんは「彼ら経産省は再稼働ありきで政策を進めている。署名運動をもっともっと進めよう。7月16日の10万人集会を成功させ、この夏を再稼働させずに突き抜けよう。外に向かって運動を広げて行こう」と訴えた。
三角さんはまとめで「夏休み前に第3次の署名提出をしよう。数をもっと集めて、まずは10万筆を突破しよう」と提起し、行動を終了した。
集会やデモとともに署名の1筆1筆が再稼働を阻止する力だ。全力でやり抜こう。
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週刊『前進』(2537号4面3)(2012/05/28 )
汚染がれき実力で阻む
北九州 トラックの前に座り込み
私は5月22日、北九州市での放射能汚染がれき試験焼却阻止の闘いを先頭で闘いぬきました。
私たちの仲間は、搬入が予定された22日の前夜から、「放射能ガレキNO」の横断幕を掲げ、焼却予定の日明焼却工場前に陣取りました。
午前9時、汚染がれきを載せたトラック6台が工場前に到着。トラックに体当たりをして止めるところから闘いの火ぶたを切り、さらにトラックの列の間に私たちの車を突入させ、完全にストップさせました。「やったぞ!」と歓声が上がり、市の環境局や警察はあわてふためいていました。
長時間のにらみ合いが続いた午後4時すぎ、環境局が「業務妨害」の警告を行い、警察隊が一斉に襲いかかってきました。私たちはトラックの前に座り込んでスクラムを組みました。警察隊の暴行は容赦ないもので、妊婦を押し倒し足を踏みつけるありさまです。この暴挙に市の環境局職員も加わっていました。
負けてたまるか! 若い女性は排除されても泣きながら何度も舞い戻り、トラックにしがみついて抵抗しました。怒号が飛びかい、けが人も多数出ました。だが、固いスクラムを簡単に崩すことができません。体を張った青年、高齢者、そして女性たちの闘いは50分間にも及びました。トラックの前に身を投げ出した青年など2人を不当にも逮捕し去った蛮行は本当に許せません。
私たちががれき搬入後に出てきたトラックを止めて荷台の線量の計測を行うと、何と0・6マイクロシーベルトもありました。驚いて「全員マスクをしてください」という大声が飛ぶほどでした。
夜になって機動隊が増員され、100人に膨れあがった反対派を押さえ込む形で、残りのトラック22台が入りました。本当に悔しいです。でも誰も負けたとは思っていません。それは、8時間半にわたって放射能汚染がれきの搬入をぶっとめた素晴らしい闘いを実現したからです。この闘いは、全国、否、全世界の反原発勢力、なによりも北九州市民に勇気と感動を与えたと思います。友人から「すごいぞ、よくやった」「お前たちの闘いは世界中に発信されているぞ!」というメールが何本も届きました。北橋市長は墓穴を掘りました。警察の力を借りなければ試験焼却ができない。この蛮行こそ放射能汚染がれき試験焼却の不正義性を凝縮するものです。
前日は集会と市へ抗議行動
前日21日の闘いもすごいものがありました。豊島耕一佐賀大教授や俳優の山本太郎さんらが加わった「市民検討会」の陣形はとても立派でした。放射能汚染拡大を阻もうとする反原発パワー、子どもを守ろうとするお母さんたちのパワーにも圧倒されました。市民検討会を途中で切り替え、山本太郎さんや避難者、焼却工場周辺住民を先頭に市庁舎に向かったデモ隊は、みるみるうちに500人に膨れあがっていったのには驚きました。
デモ隊は市庁舎に着くや非常階段を5階まで一気に駆け上がり、市長に面会を求めて秘書室前を占拠。さらに子どもを乗せた乳母車10台を並べて1階ロビーを埋め、「北橋、出て来い!」のコールをあげる姿は震えが来るほど感動的でした。
北橋市長は23日の定例記者会見で「6月タウンミーティング開催」を表明し、「6月末決定をずらすこともありえる」などと言い出しています。5・21〜22の闘いの威力は絶大です。この力を何倍も強化し、「6月市議会での受け入れ決定」と「本焼却」をぶっ止めようと思います。
(NAZEN福岡・A)
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週刊『前進』(2537号4面4)(2012/05/28 )
がれき受け入れるな
長崎市に抗議と申し入れ
4月1日、長崎市議会は被災地のがれき受け入れを決議しました。「被爆地が受け入れたのだから」と全国の自治体で受け入れを一挙に進めようとする攻撃を絶対に許すことはできません。
NAZENナガサキは5月11日、抗議し中止させるため長崎市役所に行き、被爆者の城台美弥子さんが申し入れ書(別掲)を朗読しました。
対応した環境部の部長を始め幹部職員は「市はまだ受け入れを表明していない」と弁明し、政府の公式見解を繰り返すだけ。一人は「被災地ではがれきを手袋で処理しているボランティアがいる。力になってやるべきだ」と発言し、「そういう考え方が問題だ」と弾劾の声が飛びました。「被災地救済」を掲げ善意を利用して国家総動員体制をつくる狙いを発言にはっきり感じました。
「廃棄物処理場は農業用水用の川と長崎漁港の近くにある。汚染されたら人と農業に大被害をもたらす。市長が辞職すればすむ問題ではない! 受け入れるな!」「長崎にも福島から移ってきた人たちがいる。今度は放射能汚染したがれきが追いかけてくることなどあって良いのか」と追及が続きました。
被爆地こそがれきを受け入れてはならないとの立場を鮮明に、8月の長崎集会に向けて頑張ります。
(長崎・K)
(写真 申入書を朗読した城台さん【右】を先頭に市を追及【5月11日 長崎市役所】)
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申し入れ(要旨)
被災地はがれきの全国受け入れなど望んでいません。がれきの中には被災した人たちの遺品も入っています。その意味でも被災地に埋めるべきです。長崎が原爆で被災したときも長崎で埋めており、全国にがれきは配布しませんでした。
長崎は被爆地です。この長崎が放射能汚染されたがれき処分を受け入れることは特別な意味を持ちます。「被爆地・長崎も放射能汚染されたがれき処分を受け入れたのだから、全国の自治体が受け入れるべき」という流れを促進するでしょう。「被災地救援」の「国民運動」の展開のもとに「放射能は怖くない」という雰囲気を全国につくりだし、被曝や被曝労働も当然ということになっていきます。それは原発や核開発に反対する人たちは「非国民」という空気を生み出し、原発の再稼働への流れに棹(さお)さすものとなっていくでしょう。被爆地・長崎こそ受け入れてはならないのです。
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週刊『前進』(2537号4面5)(2012/05/28 )
東京 石川一雄さんと連帯し狭山集会
階級的団結が核心
労組再生し狭山勝利へ
5月19日、部落解放東日本共闘会議の狭山集会が東京の南部労政会館で開催され95人が結集した。新自由主義の先兵、大阪市長・橋下と対決する八尾北・西郡決戦と一体で、無実の部落民・石川一雄さんへの不当逮捕49カ年を糾弾し第3次再審闘争勝利への決意を固めた。6・10国鉄全国運動集会の成功が狭山を始めあらゆる闘いの勝利の土台となることを確認し、大結集を誓った。
まず、3〜4月の大阪・八尾市西郡での住宅明け渡し強制執行阻止闘争のビデオを上映。当該の部落解放同盟全国連合会西郡支部の岡邨洋支部長を先頭に、攻撃を団結の拡大に転化して敵の狙いを見事に粉砕した闘いは全参加者の感動を呼んだ。司会が稼働原発ゼロを闘い取ったことを確認。主催者あいさつで岩本正治事務局長(東京労組交流センター代表)が、沖縄闘争と当日の動労千葉のストライキが大恐慌下で切り開いた地平に立ち、「労働者階級の力で狭山闘争の歴史的勝利を」と提起した。
全国連杉並支部の田中れい子支部長が基調報告を行い、狭山差別裁判は労働者階級への分断攻撃であり、差別裁判糾弾闘争が階級的団結を形成することを解き明かした。「現実の階級的団結の中で自己変革がかちとられ、部落解放がかちとられる」と勝利の核心と展望を示した。
支援者に向けた石川さんのメッセージが読み上げられた。「あれ程沢山の無実を示す証拠が提出されているにも関わらず『事実調べ』をしない」「『無罪』の二文字を勝ち取るまでは不退転に闘う」との訴えに、参加者はともに闘う決意を込めて拍手で応えた。
国家権力に対する石川さんの怒りと無念さを胸に決意表明に移った。東京労組交流センターに続いて、この日ストライキを打ち抜き佐倉支部を結成した動労千葉から後藤俊哉執行委員が6・10集会への結集を訴えた。被曝労働強制と闘う動労水戸、婦人民主クラブ全国協議会、全学連も闘う決意を述べた。
満を持して全国連品川・杉並両支部が発言した。品川支部は「狭山闘争は新自由主義との闘いの最前線。東京・南部地区の労働者とともに闘う。支部員の解雇撤回闘争をやりぬく」。反原発闘争の先頭に立つ杉並支部は、橋下による現業職場への労組解体・全員解雇攻撃を弾劾し、「労働運動と部落解放運動とが一緒に闘うときがきた」「7・16反原発10万人集会へ荊冠旗を掲げて行く」と表明した。最後に行動方針を確認し、6〜7月闘争総決起へ向け団結ガンバローで締めくくった。
(写真 東日本解放共闘が東京集会【19日 品川】)
高裁に要請行動
21日には、東京高裁前に登場し、ビラまきと署名活動を行い、高裁に対する要請行動に立ち上がった。事務的対応に終始する訟廷管理官に怒りの糾弾をたたきつけ、事実調べと再審、検察に対する全証拠の開示命令を求める署名を提出した。
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週刊『前進』(2537号4面6)(2012/05/28 )
広島 拠点づくりへ挑戦
歴史総括し路線鮮明に
5月20日、広島市福島町の西地域交流センター(旧西隣保館)で「5・23石川一雄さん不当逮捕49カ年糾弾!八尾北・西郡闘争勝利!」を掲げて部落解放広島共闘会議が狭山集会を開催した。3月の八尾北・西郡闘争の大勝利を受け、新自由主義と対決する部落解放闘争の路線を鮮明にさせ、6・10集会へ広島から大結集を実現する集会としてかちとられた。
冒頭、石川一雄さんのアピールを司会の広大解放研の学生が読み上げ、石川さんと怒りをともに闘う決意を全体で固めた。3・18西郡−強制執行粉砕闘争のビデオを上映。階級的団結拡大こそ勝利の道ということが映像からがんがん伝わってくる。先頭で闘った岡邨支部長のメッセージを第一基調報告として確認し、議長の富村寛久さん(元広教組組合員)が集会の意義を提起した。
基調報告を事務局が行った。まず狭山闘争の歴史的な総括、とくに74年寺尾判決以後の狭山再審闘争が国鉄労働運動を先頭とする階級的労働運動解体−新自由主義攻撃との闘いと完全に一つだったことを明確にした。80年代の中曽根内閣の臨調・行革、国鉄分割・民営化と一体の地対協攻撃、狭山再審棄却攻撃が労働者階級全体にかけられた団結破壊、差別・分断の攻撃であり、階級的団結と労働組合をめぐる攻防に部落解放闘争の勝利の核心があることが鮮明になった。八尾北・西郡に続く拠点建設、国鉄決戦、橋下打倒への総決起が呼びかけられた。
広島東郵便局解放研、広島連帯ユニオン、全学連が決意表明。中でも解放研の仲間は、狭山闘争と一体で闘ってきた反マル生、民営化反対闘争が新自由主義との闘いだったととらえ返し、「石川さんの怒りは資本・国家権力への怒りだ。今日の郵政職場の青年労働者の怒りと同じだ。団結して職場で仲間を拡大し拠点をつくることが狭山勝利・部落解放につながる。6・10へ向け挑戦する」と宣言した。最後に広島県労組交流センターの植野定雄事務局長が6・10集会大結集を呼びかけた。
(広島・OS)
(写真 団結固める広島解放共闘【20日 広島市】)
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週刊『前進』(2537号4面7)(2012/05/28 )
5月15日〜21日
TPP交渉の年内妥結断念/米国防総省が中国軍事力報告書
●沖縄軍用地、今後20年再契約 沖縄の米軍・自衛隊に土地を提供していた地主約4万7千人と政府が今後20年間の土地賃貸借契約を再締結。米軍基地の地主114人(約31・2f)は拒否したため、駐留軍用地特措法に基づき政府が強制使用した。(15日)
●嘉手納統合案に反対 沖縄県町村議会議長会の理事会が米軍普天間飛行場の嘉手納基地への統合案と暫定移設案に反対する決議案を全会一致で可決した。(15日)
●グアム移転費、再び削除へ 米上院歳出委員会軍事建設等小委が13会計年度歳出法案で在沖米海兵隊のグアム移転関連費2600万jを全額削除。上院も削除する見通し確実になった。(15日)
●TPP交渉、年内妥結断念 米通商代表部のワイゼル首席交渉官は6月の環太平洋経済連携協定(TPP)閣僚会合でも「明確な期限を設けない」と言明、年内妥結を断念する見通し。(16日)
●原発耐震指針で文書 経産省原子力安全・保安院は、06年に原発の耐震指針の改定を進めていた原子力安全委に「古い指針のままでも支障なし」と示すよう文書で求めていたことを明らかにした。(17日)
●韓国国防相、訪日中止 韓国の金寛鎮国防相が日韓の軍事情報包括保護協定締結のための今月末の訪日を中止。日本軍慰安婦問題などで「拙速は許されない」との声が出ていた。(17日)
●米国防総省が中国軍事力報告書 米国防総省が中国の軍事力を分析した年次報告書を発表。中国が軍事力増強を継続しアフリカや中南米で新たな活動をしていると警戒感を示す。(18日)
●仏、アフガン撤退を明言 仏オランド新大統領がオバマ米大統領との会談後、アフガニスタンの軍や警察の訓練に必要な要員は残すが仏軍戦闘部隊の年内撤退を実行すると明言した。(18日)
●米軍教育機関でイスラム人民無差別虐殺授業 米統合軍参謀大学(バージニア州)で広島・長崎への原爆投下、東京大空襲などの例を挙げ「イスラム聖地にも適用できる」と授業を行っていたことが判明した。(18日)
●海外初受注のロケット発射 海外から初めて受注した韓国の衛星を載せたH2Aロケット21号機が鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。海外衛星打ち上げ市場参入へ一歩となった。(18日)
●米ロケット打ち上げ中止 日本のH2Aロケットとほぼ同じ能力で価格は半額の米ロケット「ファルコン9」のエンジンが打ち上げ0・5秒前に自動停止し、打ち上げは中止に。(19日)
●ギリシャ国会が解散し再選挙へ 国会が連立政権づくりに失敗したギリシャで、パプリアス大統領は、17日招集の国会を解散した。再選挙の投開票は6月17日に行われる。(19日)
●G8「成長も重視」と宣言 米ワシントン郊外で開かれた主要国首脳会議(G8サミット)は、財政再建を進めながら経済成長も求めることを宣言した。(20日)
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週刊『前進』(2537号5面1)(2012/05/28 )
新自由主義と闘う自治会を
「原発再稼働阻止」を掲げて同学会再建を絶対かちとる
マルクス主義学生同盟中核派・京都大学支部
全国の学生・労働者のみなさん! 闘う京大生は、同学会=全学自治会の歴史的再建に挑戦しています。同学会執行部選挙(5月25日〜6月8日)において冨山小太郎統一候補は「大学奪還」「原発再稼働阻止、関西電力元社長・藤洋作の追放」「自治寮つぶし反対、学生の生活を守れ」「大学の私物化反対、国立大学法人化反対」を掲げて闘い、全学の信任をもって総長団交へ突き進みます。京大同学会の再建は、御用学者を生み出し、福島を圧殺し、学生の生活を破壊する京大・松本紘総長体制を覆す闘いであると同時に、新自由主義と対決する学生運動をつくる社会変革の闘いの号砲です。
原発廃炉をめぐる歴史的決戦局面が来ています。5月5日、ついに稼働原発ゼロを実現しました。再稼働絶対阻止の闘いは、実力闘争として発展しながら、7・16代々木公園10万人集会へと進んでいます。京大生はその最先頭で闘おう。
反原発闘争は「いかに原発を廃炉にするか」への回答を示す段階にきています。
それは新自由主義を打ち破る労働運動・学生運動をよみがえらせ、反原発闘争の階級的発展をかちとることです。そして何より自らの現場で闘い、労働組合・学生自治会を建設することです。だからこそ国鉄闘争全国運動の6・10全国集会が決定的です。京大生は同学会再建の勝利から6・10全国集会―7・16集会へ大結集しよう。
(写真 教室で全原発の廃炉と同学会の再建を訴える冨山統一候補【5月23日 京都大学】)
御用学者を大学からたたき出そう
闘う京大生は昨年10月1日、御用機関「放射線医学総合研究所」の研究者・島田義也(「10万マイクロシーベルトなら安全」という発言を繰り返してきた)による京大原子炉実験所での一般公開講演会に対して中止を求めて申し入れを行ったが、実験所はこれを強行。京大生は当日、抗議のデモを行った。会場内では意見を述べようとする学生を高橋千太郎副所長が「反対意見を持つ者は参加させない」と排除した。さらに警察車両を構内に引き入れて威嚇、原発利権のために公開の議論も踏みにじる「原子力村」の腐敗を露呈させた。
これに対して京大生はキャンパスで「原発再稼働阻止、関西電力元社長・藤洋作の京大からの追放」決議運動を行い、11・10反原発団交へとのぼり詰めた。団交では赤松明彦副学長、原子炉実験所の森山裕丈所長や高橋副所長らを徹底追及。彼らが著書や講演で低線量被曝の危険性(被爆者認定訴訟の勝利、原発労働者の労災認定など)を故意に隠蔽(いんぺい)していた事実を突きつけ、6時間におよぶ団交の末、全面謝罪させた。
さらに今年1月31日、大飯原発再稼働にお墨付きを与えた東大教授・岡本孝司が座長を務める新型原発「高温ガス炉プラント」研究会に突入し、岡本をたたき出した。岡本は「自分は再稼働にお墨付きなんか与えていない」と言い訳しつつ、追及に耐えかねて途中で逃げ帰った。
闘う京大生は、キャンパスからの反撃で力関係を転換し、御用学者を圧倒しています。学生が行動し、デマとペテンを暴ききれば、御用学者は粉砕できます。
学生・労働者の団結で、キャンパスと職場から「原子力村」を粉砕する展望をつかみ取ることは必ずできます。京大同学会再建は、御用学者を追放して大学を学生の手に取り戻す闘いです。
自治寮解体・自治破壊狙う松本総長
松本総長は今、原発推進と一体で、日本経団連が提起した「グローバル人材の育成」を貫徹するために、大阪市長・橋下徹と大阪維新の会が設置した「エリート校」との提携、松下政経塾のようなブルジョアジーのための「エリート」を養成する「学寮型大学院」の設置、「国際競争力強化」を名目にした留学生の激増、京大吉田南キャンパスの「国際交流拠点化」などを推し進めようとしています。
これらは資本の利害のために大学を徹底的に利用し、学生をその先兵にする新自由主義攻撃をさらに進行させるものです。それは学生自治・寮自治を全面的に解体することなくして貫徹できないものです。
松本総長は08年10月の総長就任後ただちに、付属病院の初診料をつり上げてぼろもうけ路線に転換させた西村周三副学長や、京大職組元委員長で任期付職員制を容認してきた学生部委員会第三小委員会の川添信介委員長とコンビを組んで、自治寮の破壊攻撃を満展開してきました。しかし闘う京大生はこの西村―川添による自治破壊攻撃に「絶対反対」を貫き、教授会や職組が抵抗できなかった法人化を根底で阻み、打ち返してきました。その結果、西村らは目的を達成しないまま任期切れとなり、「国際交流拠点化」は計画倒れの危機に瀕(ひん)するにいたりました。
追い詰められた当局は吉田寮自治会と赤松副学長との交渉を4月になって突如打ち切り、強制的に食堂を解体することを通告してきました。「強制執行」の恫喝で自治寮を屈服させることを狙った攻撃です。しかし4月23日に行われた「説明会」には200人が詰め掛け、8時間も徹底追及した末に、強制執行と交渉打ち切りを撤回させ、事実上の団交として、赤松副学長からの確約をかちとりました。同学会再建は学生の生活と教育を守る闘いです。
大学法人化で「原子力村」への関与拡大
国立大学は、2004年からの国立大学法人化をもって本格的に「原子力村」に組み込まれていきました。法人化こそ大学・教育への新自由主義攻撃そのものです。そして今、京大では「グローバル人材の育成」路線を推し進める松本総長と対決することが決定的に求められています。
松本総長は、09年5月に京大を関西経済連合会に加盟させ、10年10月には04年の関西電力美浜原発事故(配管破断、高温ガス噴出事故)で労働者5人を殺した下手人である関電元社長・藤洋作を「経営協議会委員」に任命しました。
京大当局は3・11以降、関電の「電力不足」デマのお先棒を担ぎ、金もうけのために労働者を殺す関電=藤洋作式の経営を行ってきました。昨夏は「10%節電」を強行し、関経連の「原発再稼働要請」の先頭に立ちました。エアコンの使用が制限され、ぜんそくの発作が悪化する学生が出ても、生協食堂には「人が倒れても節電は続ける」という訓辞が出されました。しかし京大生の闘いでエアコン使用制限は撤回させました。藤洋作を京大からたたき出し、国立大学法人化体制を粉砕しなければなりません。
06年から11年までの5年間に33億円もの原子力関連予算が京大に流入し、そのほとんどが研究内容を指定される「受託研究」でした。法人化後に予算は10%以上削減(総額約75億円)され、予算配分競争は激化し、国・資本が予算を盾に研究内容に介入する構造が固められてきました。
法人化は総長の権限を強化し、大学自治を形骸(けいがい)化させ、「原子力村」の腐敗を極限まで拡大しました。経営協議会のメンバーの任命権限も総長に一任されています。
この構造を撃つべく、11・10団交に向けては総長の出席を要求しました。ところが当局は「総長は学生代表権がある全学自治会(同学会)としか会わない」と回答。しかし肝心の全学自治会はまともに選挙も行われず、執行委員会の所在も分からないありさまでした。大学の「原子力村」化も、教育の民営化も、すべて闘わない学生団体と大学当局が癒着することによって成り立っているのです。
この構造の一切を同学会再建で覆そう。総長団交をかちとり、大学を学生の手に取り戻そう。同学会選挙から京大生は反撃を開始します。
大学を学生の手に奪い返す
闘う京大生は、新自由主義に対して、自治と団結で大学に責任を取る立場を貫き、キャンパスの決定権を一つひとつ当局から奪い取り、大学を学生の手に奪還してきました。
4月からの連日のクラス討論の中で、キャンパスにおける議論がかつてなく活性化しています。この中でついに同学会執行委員会を再建し、同学会を再建する大衆的な主体を続々と生み出しています。いよいよ闘いは全学選挙を実施し、闘う執行部を登場させる段階にきています。
全国学生のみなさん! 学生の団結は社会を変革する力を持っています。新自由主義を打ち破り、学生の手に大学を取り戻す団結体=自治会を建設しよう! 京大同学会再建をその突破口にしよう!
京大同学会の再建は、世界大恐慌のもとでの全世界的な青年・学生の反乱と一体となって、資本主義の転覆=プロレタリア革命への道を切り開く壮大な闘いの第一歩です。法大闘争に勝ち抜き、福島大―沖縄大でかちとった高揚とうねりを次は京大へ!
そして階級的労働運動派が大結集する6・10国鉄全国運動集会に「新自由主義を打ち破る全学自治会再建」の宣言をもって結集し、階級闘争の力関係を一変させよう!!
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週刊『前進』(2537号5面2)(2012/05/28 )
裁判員制度廃止集会 “裁判員も原発も廃止だ”
全国の運動体が新たな決意
裁判員制度が施行されてちょうど3年目の5月21日、東京の日比谷公会堂で「裁判員制度廃止!全国集会」が開かれた。主催は「裁判員制度はいらない!大運動」。全国から950人が参加し、多彩なプログラムで裁判員制度廃止へ一層闘う体制を打ち固めた。
集会は、交通ジャーナリストで「大運動」呼びかけ人の今井亮一さんの開会あいさつから始まった。今井さんは、「国民を罰則付きで裁判に参加させる――こんな『国民参加』はない」「『手直し』は国民の手で裁判員制度を廃止するところから始めよう」と呼びかけた。
(写真 教室で全原発の廃炉と同学会の再建を訴える冨山統一候補【5月23日 京都大学】)
簡易・迅速・重罰化の~戦時裁判”
集会のメイン企画として宮本弘典さん(関東学院大学教授、刑法学)が講演を行った。宮本さんは40分間の講演で、「疑わしきは被告人の利益に」などの近代刑事裁判の理念形成の歴史を語り、裁判員制度がそれを根底から覆すものであること、そして裁判員裁判登場の時代的背景として、体制の危機と新自由主義、財界の要求、「福祉国家」から戦時国家への転換の問題などを指摘した。
そして結論として、裁判員裁判は、@危機管理国家の治安管理装置である、A戦時下の社会防衛装置であり、被告人を法的・道徳的に市民社会から追放するものである、B簡易・迅速・重罰化で、刑事裁判をますます国家の支配の道具とするものである――と徹底的に断罪した。
したがって、「一切の見直しや修正などナンセンスだ。裁判員制度は、原発や自衛隊と同じく、いかなる妥協も譲歩もなく、即時廃止以外にない」と結んだ。切れ味鋭く明快な宮本さんの講演に、参加者は圧倒的な拍手で応えた。
続いて3D寸劇「インコライダー、怪人サイコウサイの野望をうちくだけ!」が上演された。劇の筋書きは、おなじみの「裁判員いらなインコ」と大運動が、最高裁、法務省、マスコミ、日弁連の結託体制と闘って追い詰めるもの。プロの劇団員に落語家の林家時蔵さんも加わった寸劇に、会場は笑いと拍手に包まれた。
さらに、各界の3氏がビデオレターを寄せた。漫画家の蛭子能収(えびすよしかず)さん、映画監督の崔洋一さん、俳優の山本太郎さんが、裁判員制度になぜ反対するか、生活者の立場、表現者の立場、原発と裁判員制度のことなど、それぞれの裁判員制度反対の思いを語った。
高山俊吉弁護士「勉強し行動を」
集会が最高に盛り上がったところで、全国で反対運動を闘ってきた人びとが旗や横断幕を広げて壇上に勢ぞろいした。北海道から九州まで約20団体がこの間、裁判所抗議や学習会、講演会、街頭宣伝など地道な闘いで廃止運動を広げてきたことが紹介された。海外からも韓国・民主労総の金属労組の労働者が集会に参加しともに闘っていることが紹介された。
さらに、この3年間に通知を受け取った8人の裁判員候補者が登壇し、それぞれの思いを述べた。8人が一斉にボードを裏返すと、「ひとりの拒否をみんなの拒否へ!みんなの拒否で制度の廃止!」のスローガンが鮮やかに現れた。
勢ぞろいした各地の会と裁判員候補者をバックに、大運動呼びかけ人の高山俊吉弁護士がまとめと行動提起を行った。「裁判員制度は惨たんたる状況です。85%が拒否している。私たちが頑張ってこの状況をつくってきた。ひとりの拒否からみんなの拒否へ、実際に廃止する段階へさらに闘いを進めよう」「勉強し行動しよう。今こそしのぎを削る闘いを!」と明るく結んだ。
国家権力、日弁連執行部、マスコミ一体の「施行3周年」の推進キャンペーンを打ち破る日比谷集会の大成功は彼らに強烈な打撃を与えた。原発も裁判員制度も人民の9割が反対している。こんなものは即刻廃止だ! 集会の成功をばねに各地で闘いを強め、裁判員制度の息の根を止めよう。
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週刊『前進』(2537号5面3)(2012/05/28 )
子ども子育て新システム法案に職場から反撃を!(下)
「待機児童ゼロ」掲げ民営化推進
全員解雇=分限免職狙う橋下倒せ
民営化・合理化で保育も安全も崩壊する
現在でも民間の保育士の平均勤続年数は5年、平均年齢は27歳だ。深夜に及ぶサービス残業を強制され、生活の成り立たない低賃金しかもらえないため、長い年数働き続けられない。正規職員が不足し、子どもの多い時間帯だけ雇うパート労働者のつなぎで現場を回すことになる。フルタイムであっても有期雇用職員は低賃金で、期限が来れば雇い止め=解雇だ。
時間単位で子どもも職員も入れ替わる。経験の継承もなく、マニュアル保育になる。十人十色で一時も目の離せない子どもたちに詰め込み保育。「来月はクビにならないか」とおびえながらもの言わぬ保育労働者。これでは安全や保育が守られるはずがない! 実際、ちびっこ園など無認可保育所では死亡事故が絶えない。小泉政権の「待機児童ゼロ作戦」以降、認可保育所でも死亡事故が急増している。
当局は責任放棄
八尾市のファミリーサポートで生後4カ月児が心肺停止する事故が起こった。この制度では、たった3日の研修を受けただけのファミリーサポーター(資格も経験もなし)が子どもの命を預かる。登録会員制度で直接契約だ。八尾市は「直接市は関与していない」と責任を放棄している。
橋下徹・大阪市長が推進する保育ママ制度も同じだ。橋下は「1人預かれば8万円、3人で24万円の収入になる。どんどん登録してください。何かあれば市が補償する」と言う。しかし事故やトラブルが起こって実際に「補償する」のは大阪市ではなく保険会社だ。しかも補償の対象は「けが」だけで、「病気」は除外されている。
NPO(非営利組織)や企業が独自に保育ママを雇い、居宅やマンションなどを借りてやることもできる。雇用も保育料も給食も民間に丸投げし、現場の責任を保育ママに押しつける制度だ。
新システムの先取り実施が進んでいる
保育の民営化は、公立保育所の民間移管、認証保育所・認定こども園・保育ママ制度の拡大だけでなく、一時保育・在宅支援事業・枠外入所などによる非正規職化、調理・用務の退職者不補充、委託化・外注化という形で進められている。
一時保育とは1日単位の預かり保育で、親との直接契約・現金払いだ。事務室を仕切ったり、廊下や階段下を使ったり、倉庫を改築したり、ぎりぎりのスペースで行われている。発達の違う子どもたち10人に職員2人が配置される。非正規職が多い。毎日違う子どもに合わせて離乳食やアレルギー除去食に対応しなければならず、大混乱だ。
枠外入所とは「待機児童解消」を口実に、例えば子どもの定員20人の部屋に25人を詰め込み、定員外の子どもには非正規職員を配置するもの。これで非正規が一気に増えた。しかも劣悪な最低基準制度さえ昨年廃止、大都市ではさらに詰め込んでよいとした。枠外入所は非正規職化の手口だ。
昨夏、「節電」攻撃でトヨタなどの自動車工場が土日に稼働した。愛知県豊田市では保育所も土日オープンとなった。工場は木金が代休になったが、保育所は完全無休状態にたたき込まれた。「母子とも悲鳴」と報道されたが、悲鳴を上げたのは保育労働者だ。これを機に企業ニーズに応えるためとして保育の年中無休化が狙われている。
体制内労組幹部は「とにかく人手が要る」として非正規職(臨時・パート)を要求し、大量導入を促進してきた。その結果、正規職員は非正規職員を細々と指導し補う責任を負わされる。休暇も取れず、疲れ果て、声も上げられず、病気に追い込まれ、辞めていく。
K市では昨年9月、組合との事前協議もなしに保護者への「年末ニーズ調査」が持ち込まれた。闘う保育労働者は、新システムに対応した首切り攻撃だと暴露したビラを全園で配った。給食現業には何の話もない。「調理は不要とされるのでは」と不安と怒りの声が上がった。しかし労組執行部は「公務員バッシングの最中、当局と大同団結し市民のニーズに応えることが橋下のような攻撃を阻む」と労資一体の本性を自己暴露した。
青森・東通村でこども園開設、分限免職強行
正規職の処分・解雇が始まった! 青森県東通村は4月、保育所、幼稚園、児童館を廃合し、民営こども園を開設した。退職勧奨に応じなかった職員11人を3月31日付で分限免職とした。
橋下・大阪市長は組合破壊を明言し、「公立幼稚園全廃」「事業の譲渡に伴う分限免職」、すなわち全員解雇方針を打ち出した。労組の職場支配の現実に悲鳴を上げ、権力ずくで対決してきたのだ。橋下のまったく不当な全員解雇=労組破壊攻撃を餌食に職場の団結を強化・拡大しよう。
保育の質口実に
ここで「保育の質」が問題となる。「けがが多い」「かみつきやけんかが多い」「対応が悪い」など、どれも人員不足や施設の悪さ、継承性の欠如、未経験、疲弊から起こることだが、それらは個人の責任にされ、首切りの口実になる。
また「保育の質」をめぐり公立対民間、正規対非正規、資格や力量の有無、年齢の違いなど競争と対立、分断が強まる。
だからこそ労働運動の力で「苦情」「処分」「人事評価」「非正規職化」「移管」などと現場で闘い、職場の団結をつくることが重要になる。民営化絶対反対で闘えば勝てる! 新システムを粉砕できるのだ。
新システムの争点は自治体の労働組合をめぐる攻防にせり上がった。自治労本部が要求していた「特定財源」はなくなった。公立は「兵糧攻め」される。それでも自治労本部は「お願い・推進」路線だ。彼らは「子育て支援事業のポストの拡充を」と当局に要求し、自らの生き残りだけを追求している。自治労本部は8月3〜5日に高知市で開く全国保育労働者集会に内閣府待機児童ゼロ特命チームの事務局長・村木厚子を呼ぶ。集まった現場労働者を「新システム全面推進」で染め上げようとしているのだ。
一方、自治労連本部の新システム反対運動はあくまで「利用者」を盾にした運動だ。彼らは「公立が残るため」と称して、現場に降りてくる先取り攻撃を積極的に推進している。泉佐野市職労は、最低基準改悪や給食外注化、こども園建設の攻撃に「老朽化した保育所を建て替えるチャンスは今しかない」と賛成している。八尾市職労も成績主義賃金を容認し、現場に屈服を強いている。
民営化・外注化絶対反対貫きストライキを
民営化・外注化・合理化は解雇、賃下げ、非正規職化、労働強化、安全破壊、健康破壊の攻撃だ。労働者階級の利益に反するものであり、社会を崩壊させた。大恐慌下の新システム導入、税・社会保障一体改革で労働者とその家族は生きていけなくなる。絶対反対の闘いが必要だ。
自治労や自治労連は「新しい公共」「よりよい公共サービス」「公契約条例」「処遇改善」を掲げる。民営化・外注化・合理化・非正規職化を前提化し、闘わず、屈服し推進する路線だ。
動労千葉のように闘おう。動労千葉だけが国鉄分割・民営化に絶対反対を貫きストライキで反撃した。反合理化・運転保安闘争路線で検修職場の外注化・非正規職化を今日まで10年以上にわたって阻み続けている。
大阪府豊中市・深町保育事故処分撤回闘争を軸に一切の処分=解雇を許さず反撃しよう。国鉄、反原発、非正規職撤廃の闘いで橋下・野田の新自由主義攻撃を打ち砕こう。新自由主義を推進する体制内労組幹部を職場闘争の展開で打倒し、ストライキで闘う労働組合をよみがえらせよう!
〔革共同関西自治体労働者委員会〕
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週刊『前進』(2537号5面4)(2012/05/28 )
法大裁判に集まろう!
★暴処法弾圧裁判(判決公判)
5月31日(木)午後1時30分
東京地裁429号法廷
(午後1時に傍聴券配布所に集合)
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週刊『前進』(2537号6面1)(2012/05/28 )
迎賓館・横田差し戻し控訴審 怒りの陳述が法廷を圧倒
3同志先頭に早期結審粉砕
迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判の差し戻し控訴審の第1、2回公判が、5月15、16日の両日闘われ、東京高裁第6刑事部・山崎学裁判長による早期結審策動をものの見事に粉砕して事実審理に入る道を押し開くという、緒戦での決定的な勝利をかちとった。
山崎裁判長はこの初公判開始に先立ち、弁護側請求の証拠・証人調べをすべて却下して直ちに結審に持ち込もうという極反動の意志をあらわにしていた。そして法廷が「荒れる」ことを予測して警備を大幅に強化し、傍聴人に対して厳戒態勢で臨んできた。だが3同志と弁護団が満を持して準備した控訴趣意書の堂々たる陳述は、その真実性と正義性において法廷を完全に圧倒し、どうあがいても事実審理を拒否できないところに裁判所を追いつめたのである。
他方で検察官は、これに対抗して自らの「答弁書」を読み上げず、ほとんど一言も発することができなかった。
15日は、弁護人の控訴趣意書が陳述された。差し戻し一審判決のデタラメ性と破綻性が徹底的に暴かれ、争点が明確にされ、3同志の無実が圧倒的な説得力をもって浮き彫りにされた。16日は、弁護人に続き、3同志の控訴趣意書が弁護団によって代読された。きわめて核心的であり、迫力があり、怒りあふれる内容で裁判所を圧倒した。
板垣宏同志は「25年間にわたって、私は無実であることを真剣に訴え続けてきた。命がけで闘ってきたと言っても過言ではない。にもかかわらず、差し戻し一審判決は私を『有罪』と認定した。裁判所とは、裁判とは何なのか。警察や検察による明白なデッチあげすら見抜くことができないのか。裁判所は、真実や正義を実現することができないのか。私は、警察・検察の、政治的意図に基づくデッチあげを追認する裁判所を断じて許さない」と心からの怒りを込めて、デッチあげ権力犯罪を弾劾し抜いた。
須賀武敏同志は「差し戻し一審判決に対し、25年間に蓄積した怒りが全身を駆け巡り、沸騰する怒りを抑えることができない。裁判官の有罪判決は、国家権力を背景に真実を問答無用の言葉の暴力で蹂躙(じゅうりん)し踏みつぶそうとする意思が貫かれている。判決で裁こうとしているのは、私たち3人の革命思想だ。デッチあげ犯罪を、この地上から一掃し廃絶するその日まで闘って、闘って、闘いぬく」と裁判長に迫った。
十亀弘史同志は「私は労働者であり、共産主義者だ。本件の裁判で対峙しているのは、直接的には検察・裁判所と私たち『被告』だが、その背後には資本家階級と労働者階級の対決がある。対立するその二つの階級のどちらに未来があるのかを明らかにすることは、本件のような政治的裁判において、大いに意味がある」「労働者の力に、限界はない。そう遠くない未来に、世界の労働者が、自らを人間の歴史を切り開く主体へと解放し、真に人間的な社会をつくり始めることを確信する」と勝利の確信に満ちて提起した。
傍聴席からは割れんばかりの拍手と「異議なし」の声が上がった。こわもてで強権的な訴訟指揮を繰り返していた裁判長は、声も出なかった。
この弁護団と3同志の意見陳述が裁判所を徹底的に追いつめ、早期結審策動を完全に粉砕したのだ。次回公判は7月4日。全力で結集し、被告団・弁護団・傍聴者の総力で、すべての証拠・証人を採用させ、必ずや無罪判決をかちとろう。
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週刊『前進』(2537号6面2)(2012/05/28 )
爆取弾圧 福嶋同志が下獄
同志・友人の熱い激励受け
5月17日、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧と不屈に闘い抜く福嶋昌男同志が下獄闘争に突入した。正午、弁護士会館ロビーには、福嶋同志をはじめ、家族、支援者、友人、仲間たちが続々と結集。再審弁護団から3人の弁護士も加わり、その数50人の大結集だ。
みんなが福嶋さんに駆け寄り、握手し肩をたたき、激励の言葉をかけた。福嶋同志は、まさに「勝利者として下獄する」と宣言した通り、明るく、堂々と対応した。
無実の福嶋同志はデッチあげ指名手配から25年、未決勾留12年、裁判闘争19年、完黙・非転向を貫き、デッチあげ弾圧を弾劾し、無実・無罪を訴え続けて闘いぬいた。裁判闘争では検察のデッチあげの「証拠」をすべて一つ残らず粉砕しつくし、完全に勝利した。にもかかわらず、裁判所は日帝権力による政治弾圧の目的を押し通すためにのみ、無理やり「有罪」を宣告し、5年2カ月の下獄を強制したのだ。まさに権力犯罪そのものだ。断じて許さない。
全体が円陣を組んで集会を開始。「迎賓館・横田裁判の完全無罪をかちとる会」共同代表の桜井善作さんが、「こんな不当裁判で下獄するなんて、がまんできない。下獄という言葉もわれわれにはふさわしくない。再審をかちとり、福嶋さんを奪還しよう」と新たな戦闘宣言を発した。続いて呼びかけ人の関東学院大学教授・足立昌勝さん、3同志を代表して板垣宏同志が発言し、全学連をはじめ共闘団体、支援者、古くからの仲間、友人たちから激励の熱いエールが送られた。
再審弁護団主任弁護人の青木秀樹弁護士があらためて再審勝利への決意を述べ、西村正治弁護士、萱野一樹弁護士もともに闘う決意を明らかにした。最後に「団結がんばろう」を三唱し、福嶋同志を先頭に意気揚々と検察庁に向かった。そこでもみんなが福嶋同志に手を差し伸べ、握手また握手の感動的場面がしばし続いた。福嶋同志は最後に大きく手を振りながら、毅然として、3人の弁護団とともに検察庁に入っていった。
迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧との闘いは、新自由主義による極悪の政治弾圧との25年にわたる対決として、国鉄闘争とも一体で闘いぬかれてきた。前日の3同志の公判闘争では福嶋同志も公判を傍聴した。下獄前日まで4同志がまさに一体となって闘ったことは決定的だった。
われわれの闘いの前進に恐怖し、数十人の公安刑事が弁護士会館を取り囲み、さらに検察庁付近には厳戒さながらの警備態勢が敷かれた。この不当な弾圧体制を打ち破って、圧倒的な下獄突入闘争がかちとられた。
無実の福嶋同志を5年を待たず、奪還しよう。福嶋同志とともに闘い、再審闘争に勝利しよう。
(写真 仲間たちの熱い声援・激励に応える福嶋同志【5月17日 検察庁前】)
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週刊『前進』(2537号6面3)(2012/05/28 )
新自由主義と対決する総合雑誌 序局 第2号発行
「放射能から命を守る闘い」を特集
昨年11月に「新自由主義と対決する総合雑誌」を掲げて創刊された『序局』の第2号がこのほど発行された。
世界大恐慌下、3・11大震災と原発事故によって、資本と国家の本質がいよいよ鮮明になる中で、『序局』の創刊は「全世界を根底的に変革する闘いの武器」(葉山岳夫弁護士「創刊に寄せて」)の登場だった。被災地の労働者の座談会や、全日建連帯労組関生支部の武建一委員長インタビューを始め多彩な内容でスタートした。
それを受けて第2号では、労働現場の闘いが新自由主義と対決する鍵であることが、前面に出ている。被曝労働に反対してストライキに決起した動労水戸の座談会、かつて原発労働者の組合を作った斉藤征二さんの話、沖縄の労働者座談会などが柱になっている。中江昌夫元動労副委員長の話は、戦後の労働運動史を総括する上で不可欠だ。
椎名千恵子さんや、福島県教組の柴口正武さんらの福島の声も貴重だ。
鎌倉孝夫さんを始め、重要な論考も並んだ。
新連載として、「労働裁判の最前線から」として弁護士の各氏から、さまざまな労働問題の攻防が報告されている。
映画評論家の白井佳夫さんが現代映画を熱く語る新連載も魅力的だ。
内容は以下の通り。
特集 放射能から命を守る闘い
▼原発事故にストライキで対決した!/動労水戸労働者座談会 石井真一照沼靖功 辻川慎一 他
▼原発労働の実態と原発労働者の闘い/元全日本運輸一般労組原発分会長斉藤征二さんに聞く
▼全国農民会議の旗揚げ/農民交流集会ドキュメント
▼福島現地の声
3・11を経た私自身へのレポート/椎名千恵子(子ども福島ネット役員)
3・11以降の世界/橋本俊彦(自然医学放射線防護情報室)
分断の元凶を曖昧にしない/市川潤子(ふくしま合同労組委員長)
福島原発事故は学校現場に何をもたらしたか?/柴口正武(福島県教組双葉支部長)
▼「低線量」放射線内部被曝による子どもの健康障害/松井英介(岐阜環境医学研究所)
放射能被曝と除染について/室本哲男(広島・むろもとクリニック理事長)
▼国鉄闘争と動力車労働組合の歴史/中江昌夫元動労本部副委員長が語る
▼経済先読みA電機産業崩れ貿易赤字/島崎光晴
▼新連載 白井佳夫の現代映画論講座/レニ・リーフェンシュタールは戦争犯罪人だったのか?
▼新自由主義と暴力――ナオミ・クライン『ショック・ドクトリン』を読む/鎌倉孝夫
▼TPPとは?農業にとどまらぬ問題/石原健二
▼『蟹工船』と北洋警備/荻野富士夫
▼沖縄の労働者は何を目指すか――「復帰40年」の闘い/座談会 真喜志康彦 富田晋 他
▼労働裁判の最前線から
鈴コン「雇い止め解雇」撤回闘争/藤田正人 動労千葉の外注化阻止・非正規職撤廃の闘い/石田亮 対国労本部の組合員資格回復裁判/鈴木達夫
郵政非正規ユニオンの都労委闘争/酒井健雄 弁護士が団交を主導する問題/藤田城治
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編集 破防法研究会
発行 アール企画
年2回刊 A5判240ページ 1200円+税
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発売 星雲社 〒112-0012
東京都文京区大塚3-21-10 TEL 03-3947-1021 FAX 03-3947-1617
書店の店頭にない時は「星雲社発売の『序局』第2号」と注文して取り寄せて下さい
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週刊『前進』(2537号6面4)(2012/05/28 )
三里塚裁判傍聴を!
◎市東さん行政訴訟・農地法裁判
5月28日(月)
★千葉市内デモ
正午、葭川(よしかわ)公園集合(千葉市中央区中央・モノレール葭川公園駅前)
午後1時30分開廷 千葉地裁
◎市東さん行政訴訟・農地法裁判
6月25日(月)
午後1時30分開廷 千葉地裁
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週刊『前進』(2537号6面5)(2012/05/28 )
団結ひろば 投稿コーナー
(写真 沿道からの拍手・声援を受けながら国際通りを力強くデモ【5月12日】)
5月沖縄闘争を闘って 基地への強い怒りを感じた 福島大3年 M
今回の沖縄闘争で感じたことは、米軍基地に対する沖縄の人たちの強い怒りでした。
終戦から70年近くたった現在も、沖縄には国内全米軍基地の75%が押し付けられたままです。その理由は「安全保障のため」だとされていますが、これには疑問を感じずにはいられません。米兵による少女暴行事件や大学構内への米軍機墜落事故など、沖縄の人びとの安全が保障されているとはとても考えられないからです。いったい誰のための、また何のための「安全」だというのか。基地をすべて撤去した方が、安心して暮らせるはずだと強く思います。
また、沖縄の現状は福島と似ているとも感じました。避難したくても住み続けるよう強いられ、被曝を強制される人もいれば、避難先から帰還するように言われている人もいます。
「原発は安全だ」と主張し、原発推進をもくろむ国により、このようなことが行われているのです。沖縄と福島、どちらも国策のために県民が犠牲になっています。このようなことが許されていいはずがありません。今回、沖縄の学生が参加してくれました。今こそ福島は沖縄・全国と連帯し、社会を変える運動を拡大していくべきだと思いました。
5月沖縄闘争を闘って 初めてのデモ支持多く驚き 東北大1年 S
僕が沖縄に行ったのはこれが2回目でした。
全国の学生と一緒にまわった戦跡めぐりでは、あらためて戦争の悲惨さを感じることができました。ひめゆり資料館見学で学徒隊だった人の話を聞き、実際に戦地になった荒崎海岸などを訪れました。特に、戦時中に多くの負傷兵がいたという南風原陸軍病院を訪問しましたが、治療どころか、人が住むことすらままならないような劣悪なところでした。
12日の国際通りデモは、僕にとっては生まれて初めてのデモでした。デモ行進の話を聞くことと、実際にやることは大違いでした。一番驚いたことは、現地の人からの支持が多かったことです。それだけ多くの人が米軍基地や今の社会に対する不満を持っていることを感じました。実際に普天間基地や嘉手納基地にも行きましたが、その物々しさ、沖縄の人びとを威圧し、脅しているかのように陣取っている姿に、自分も同じ思いを抱くことができました。
「『復帰』40年5・12沖縄集会」や全国の学生との交流会も、多くの人の訴えや沖縄の人びとの生の怒りを聞けて、大変面白かったです。今回の沖縄行きは大変有意義なものでした。
5月沖縄闘争を闘って 沖縄戦の現実が胸に迫った 東北大1年 K
今回の感想を一言にまとめるならば、まさに“百聞は一見に如かず”だと思います。ニュースや新聞、本などを通して沖縄や労働者運動や学生運動を多少知っていましたが、やはり実際に沖縄の戦跡をめぐったり、運動の様子を見ることで多くのことを学びました。
沖縄の戦跡めぐりとして、ひめゆり学徒隊関連の場所に行きましたが、資料館での資料などを見るうちに心苦しくなりました。それは、沖縄戦があまりに悲惨過ぎることを実感したからであり、同時に多くの一般人さえも犠牲にしなければならない戦争の現実に疑問を抱いたからです。
今回初めてデモにも参加しました。デモ行進する人びとの熱意やエネルギーのすさまじさを実感し、沿道の人びとが手を振って応えてくれたり、多くの人びとが現状に不満を持っていることも感じることができました。
戦跡めぐりや米軍基地見学はもちろんのこと、普通では経験のできないデモにも参加できたことが大きな経験になり、いい思い出になりました。
5月沖縄闘争を闘って 沖縄の戦争はまだ続いてる 広島大1年 G
沖縄の基地や戦争に関するモニュメントを見て回ることで、沖縄が抱える問題の異常性を実感しました。沖縄には、戦争での悲惨な歴史があり、それが受け継がれていました。沖縄県民は、生活の中でも平和への想いを強く感じていると思います。しかし、今なお、沖縄に米軍基地が存在することで、沖縄は戦争とは切っても切れない関係にあります。言い換えれば、沖縄の戦争は、まだ続いているということです。沖縄が新しいスタートを切るためにも、まずは沖縄から基地をなくすことが必要だと思います。沖縄の現状を現地で見ることで、そう思えるようになりました。沖縄県民が言うように、沖縄のことを語るなら、まずは現地へ行くべきです。今回の沖縄研修は、そういった意味で、とても貴重な体験となりました。
高速ツアーバス事故で職場の議論進める タクシー運転手 東京 山中和仁
4月29日未明、群馬・関越道上り線で夜行バスが側壁に衝突して大破し、7人死亡、3人重体、36人重軽傷という大事故が発生しました。「安い。速くて便利」と若者にも人気があり利用されている方も多いと思います。人の命を預かる同じ職業ドライバーとして他人事とは思えず、私のタクシー職場でも関心が高く、議論を進めています。
原因は「運転手の居眠り」とされています。会社(千葉・陸援隊)の社長は、「運転手が悪い。過重労働とは考えていない」と記者会見で責任逃れの発言をしています。本当に許せません。
実はタクシー業界でも大小の事故は毎日のように起きています。「疲れてウトウトして危ない思いをした」。ほとんどがそういう経験をしています。事故を起こした乗務員に聞いてもほとんどが「自分が悪い。会社の所有物であるクルマを壊してしまった。処分は致し方ない」と答えます。「会社に迷惑をかけた」と職場を去った人も少なからずいました。
この現実を変えるためには、「事故は労働者だけの責任ではない!」という立場に立つことが必要です。しかしそう言いきるのは簡単ではありません。事故の背景、労働者の置かれている状態など踏み込んだ議論が必要なのです。「規制緩和・競争至上主義・低価格・低賃金・劣悪な労働・すべて自己責任」――。今回のツアーバス事故はさまざまな問題を投げかけています。
「人の命・安全よりももうけの方が大事」。この新自由主義との対決は、職場で行動を起こすことから始まります。議論をすればするほど、問われているのは現場労働者・労働組合だということを痛感します。すべての職場で声を上げよう!
まるで「軍隊化」状態 成果主義制度許すな 郵政労働者 天城聡
わが郵政も新年度が始まり1カ月がたった。わがM支店では支店長や課長が代わり新体制になった。さかんに今、管理者が言っていることは「単年度黒字」という言葉だ。耳にたこができるくらい聞かされた。
新しい支店長が来てから朝礼も長くなり(毎日20〜30分)業務にあせりがでてきている。何も現場のことをわかっていない。目の前には大量の今日配達する郵便物があり、まるで軍隊化状態だ。
さて、昨年度期間雇用社員を雇い止め解雇(首切り)した結果、どこの支店もきっと現在超勤の嵐だと思う。うちのM支店もその一つだ。それどころか、私の職場では人事交流の名のもと、50歳以上の職員が配転された。許せない。班によってもばらつきはあるが、残留が発生している班もあり異常事態としか思えない。しかも、またアルバイト募集のチラシまきを命じられる。職員を入れろとJP労組の支部に言った。返事はこないのが実態だ。
来年度から始まろうとしている新たな給与制度、いわゆる「成果主義」には反対だ。あれが導入されてしまうと職場はぎくしゃくしたものになってしまい、団結なんていうことがなくなってしまう恐れがありそうだ。
最後に、全国で働いている郵政のみなさん。毎日の業務に大変でしょうけど、ともに闘いがんばっていきましょう。
反原発関係の本読み国家の無責任を痛感 関東 T
ここしばらくの間、反原発関係の本を次々と読んでいて、感想文を書き、自分の考えをまとめてみたいと思います。
まず、一番私の心に響いたというか、共感した言葉があります。
一字一句正確に覚えているわけではないのですが、それは、「日本という国は法治国家らしい。国民には法を守らせて責任を取らせるのに、原発を推進した人たちは何の責任も取っていない。彼らを監獄に入れたい」という内容の言葉です。
確かに、この言葉は正論だと思いました。
国民は、政治家や官僚・役人、そして東京電力等の言うことに従って原発に賛成させられておいて、いざ事故が起きたら強制被曝させ続けられている上に、補償金や内容まで国民の間で差をつけられ、仕事はほぼ100%に近い状態で1〜6カ月等の非正規有期契約。人間としての生存条件を盾にして、お上の言う「法治国家としての責任」を国民は取らされているのに、何故に原発を強制したお上は何も責任を取らないのかということについては、誰もが疑問に感じるでしょう。
「法治国家としての責任」を国民に強制するなら、お上も同様に責任を取るべきであって、それができないのであれば、「どの口で法令順守(いわゆるコンプライアンス)等と言ってるのか?」と強く感じるし、彼らも国民と同様に責任を取らないのであれば、それこそが最大の「差別・分断」というものでしょう。
つまりが、「お前ら愚民も楽をしたいなら、政治家・役人・資本家になれよ。それが嫌ならおれたちにひざまずいて惨めに生きろや」というわけです。
そう考えていくと、とても怒りの感情を覚えてしまいます。
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週刊『前進』(2537号6面6)(2012/05/28 )
第12期 党学校で
理論と実践を通じて 反原発の闘いに確信 二階堂久美子
気軽に参加したものの、初めに党綱領草案を1日でやる速さに驚かされているうちに、このくらいのペースでないと1年間ではできないなと思いました。『共産党宣言』『賃労働と資本』から党の歴史から『資本論』とロシア革命にいたるまで、本当によく勉強させていただきました。
今年は3・11情勢があり、日程の変更などもあり、実践と理論勉強とを両立させていくことが大変でした。
マルクス主義で武装し、階級的労働運動を党と労働組合の問題として闘うことだと思いました。ロシア革命史でレーニンの組織論を学び、本当に今、日本でも階級的労働運動とソビエトをつくる問題として闘うことだということを痛感しています。
今年の3・11の福島県民大集会は、2万人が集まったと言っていい闘いだった。原発は人類とは相入れない。どうして、こんな危険なものをこれほどまでにつくってきたのか信じられなかった。
でも、これが現実なのだ。福島原発の処理も全然できていないのに、何が再稼働か。新自由主義の最末期帝国主義では、原発をやらざるを得ないのだ。プロレタリア世界革命でしか、全原発はとめられない。
地区の会議でも、毎回少しずつ『共産党宣言』を読み合わせています。理論と実践を通して闘っていきたいと思います。
ロシア革命の講義で労農同盟認識深める 高村宏信
現場活動が多かった私にとって、党学校は「近くて遠い」存在でした。所属地区で何回か学習会はありましたが、これほどまとめてのマルクス主義の学習は、党学校が初めてでした。今回参加した自分から過去の自分を見た場合、マルクス主義の理論を学習しないで、よく活動ができてきたものだとの思いを感じているものです。それほどに党学校は、私にとって衝撃的で、受講してよかったと思っています。
党学校で何を身につけたのかと問い返すと、一言で言えば、階級的労働運動の復権!と労農同盟の発展!でした。
革共同の綱領草案で言えば、「資本主義・帝国主義の完全打倒=プロレタリア世界革命の完遂と階級社会の廃止、真の人間的な共同社会=共産主義社会の建設」「われわれ革命的共産主義者同盟の目的はただひとつ、労働者自己解放の闘いの全面的な貫徹とその完全な勝利」「これを労働者自身の事業として達成する」。このことを学んだと思っています。
受講の中で、プロレタリア革命と労農同盟について、ロシア革命の歴史の講義学習から大いに認識を深めました。
総じて自己の中では、マルクス主義に限りなく近づいたと同時に、まだまだ限りなく距離があるということです。たとえば、講義を聴いて感動する! しかし、討論の場で、自分の意見が出ない!という自己矛盾が何度もあり、自分の勉強不足を痛切に感じ、よし、もう1年受講しようという気持ちになりました。
そして、党学校で学習しながら、自分の軸として、レーニン『労働組合論』とマルクス『資本論』の自己学習を決意しました。『資本論』の英語版序文(1886年)の中で、エンゲルスが「資本論は労働者階級の聖書」「資本論は、日ごとますます労働者階級の大きな運動の基本的な諸原理となりつつある」と指摘している文章に、私は今一体感を感じます。
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