ZENSHIN 2012/04/30(No2534 p10)

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第2534号の目次

(写真 尼崎事故から7年 怒りのデモ 尼崎事故から7年を迎える4月21日、動労千葉、全国金属機械港合同、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部を先頭に380人が事故現場までのデモに立ち、事故を居直るJR西日本に戦闘宣言をたたきつけた=記事3面)

1面の画像
(1面)
非正規職撤廃へ闘おう  2千万青年労働者の怒り爆発させ職場拠点に闘う労働組合つくろう  マル青労同の2012年メーデー・アピール 記事を読む  
おことわり 記事を読む  
春季特別号 紙面案内 記事を読む  
【要項】 第83回日比谷メーデー、反原発・反失業東京メーデー行動、原発ゼロの日さようなら原発5・5(ゴーゴー)集会 記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
(2面)
6・10国鉄集会へ大結集を訴える
新自由主義と闘う労働運動の新たな飛躍を今こそ切り開け
記事を読む  
「郵政見直し法」 小泉以来の民営化が破産 株売却で大リストラ加速
職場の団結を固めて反撃へ
記事を読む  
“処分はねのけ闘うぞ”  大阪市立学校教員 不起立で橋下おいつめる(4月19日) 記事を読む  
【要項】国労組合員資格確認訴訟、鉄道運輸機構訴訟控訴審、5・23狭山闘争 記事を読む  
(3面)
4・21尼崎 事故弾劾し380人がデモ  JR体制打倒へ根底的怒り(4月21日) 記事を読む  
ちば合同労組 A君への勾留延長弾劾  警察署に再度、怒りの抗議(4月21日) 記事を読む  
JAL「解雇有効」判決を許すな  “判決は全労働者への挑戦”
解雇撤回貫く国鉄闘争と合流を(3月29、30日)
記事を読む  
新刊紹介 国際労働運動 6月号  日帝の先兵=橋下徹 記事を読む  
(4面)
5・15沖縄闘争のために 米新軍事戦略と日米安保強化 記事を読む  
“証人隠しは許さぬ”  市東さん農地裁判 裁判長を鋭く追及(4月23日) 記事を読む  
2012年日誌 4月17日〜23日
釣魚台(尖閣列島)、石原が購入方針/米、北朝鮮に安保理決議順守要求
記事を読む  
三里塚裁判傍聴を! 記事を読む  
(5面)
全国学生は5月沖縄現地へ
新たな安保・沖縄闘争に立ちすべての基地と原発なくせ  革共同中央学生組織委員会
記事を読む  
5・15沖縄闘争へ向け役者はそろった!!  《投稿》 沖縄 真喜志康彦 記事を読む  
4・19学生総決起集会  法大生・福島大生先頭に 「全原発廃炉」誓う(4月19日) 記事を読む  
5・21全国集会in日比谷へ  裁判員制度の息の根止める時 記事を読む  
(6面)
7・9「在留カード」阻止を  第23回外登法・入管法と民族差別を撃つ全国研究交流集会
480人が集い画期的成功  在日外国人労働者が主軸に(4月22日)
記事を読む  
第23回外登法・入管法と民族差別を撃つ全国研究交流集会 発言(4月22日) 記事を読む  
4・19西郡 抜き打ち強制執行を弾劾
岡邨洋さん、怒りの戦闘宣言(解同全国連西郡支部 植村清)(4月19日)
記事を読む  
星野再審棄却許さぬ  暁子さん最先頭に 東京高裁弾劾のデモ(4月20日) 記事を読む  
面会・手紙国賠 2・5デモに恐怖  徳島刑務所が準備書面(4月20日) 記事を読む  
【要項】迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧差し戻し控訴審第1回公判 記事を読む  
(7-9面)
国鉄決戦と反原発決戦の一体的発展で新自由主義・日帝打倒=革命勝利を開け
6・10国鉄-7・16反原発-8月広島へ
記事を読む  
【要項】「復帰」40年5・12沖縄集会、5・15平和とくらしを守る県民大会 記事を読む  
(10面)
世界大恐慌と階級決戦情勢の成熟
世界の労働者は猛然と立ち上がり人類史を決する世界革命へと進む
記事を読む  

週刊『前進』(2534号1面1)(2012/04/30 )

 非正規職撤廃へ闘おう

 2千万青年労働者の怒り爆発させ職場拠点に闘う労働組合つくろう

 マル青労同の2012年メーデー・アピール

(写真 尼崎事故から7年 怒りのデモ 尼崎事故から7年を迎える4月21日、動労千葉、全国金属機械港合同、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部を先頭に380人が事故現場までのデモに立ち、事故を居直るJR西日本に戦闘宣言をたたきつけた=記事3面) 

全国の労働者のみなさん、とりわけ青年労働者のみなさん! 5・1反原発・反失業メーデーをともに闘おう。メーデーは全世界共通の「労働者の闘争日」だ。「8時間の労働を、8時間の休息を、8時間の余暇を」――これが最初のメーデー・スローガンだった。それから120年以上たつ現在。深夜労働、サービス残業は当たり前。民営化・外注化、規制緩和によって青年労働者の半数が非正規雇用だ。どこに青年の未来があるのか! 私たちマルクス主義青年労働者同盟(マル青労同)とともに闘う労働組合をつくり、こんな間違った社会は根本から変えよう!

 4・12弾圧を許さない

 4月12日早朝、ちば合同労組で闘う青年労働者A君が、「虚偽の住民登録をした」とデッチあげられ、千葉県警に不当逮捕された。
 A君はどこにでもいる非正規雇用の若者で、低賃金で「生きていけない」という現実に怒り、必死に生きてきた。労働組合の仲間と出会う中で自分の人生、たくさんの人びとの将来を真剣に考えてきた。そして労働者の非正規職化という社会の仕組みに怒り、生きるために闘いを始めた。資本の「偽装請負」という違法行為を告発・弾劾して自らへの雇い止めを撤回させ、職場に労働組合をつくった。そして賃上げと「期限の定めのない雇用契約」をかちとり、不当逮捕の1週間後には団体交渉を控えていた。またA君は昨年3・11の福島原発事故とその後の政府の対応を目の当たりにして、福島に今も住むたくさんの人たちに思いをめぐらせ、原発反対の行動に立ち上がってきた。A君はそういう、本当に人間的で誇り高い青年労働者なのだ。
 そのA君が家族を大切に思い、少ない賃金でもこつこつとお金をためながら自立しようと必死に生きていることを「犯罪だ」などという社会は、絶対に間違っている! 監獄にぶち込むべきは偽装請負をやってきた資本であり、東電幹部や原子力ムラの連中ではないのか! 青年労働者は4・12弾圧を未来永劫許さず、国家権力を打倒するまでともに闘い抜こう。

 未来を奪う新自由主義

 A君をはじめ青年労働者の半数を無権利の非正規職にたたき込み、未来を奪ってきたのが新自由主義だ。日本における新自由主義の突破口が1987年の国鉄分割・民営化だった。“これで労働運動を解体し、改憲・戦争をやるんだ”と、当時の首相・中曽根康弘はうそぶいた。国鉄での労働組合に対するバッシングは200人もの労働者が自殺に追い込まれるほどすさまじいものだった。
 しかし、国鉄千葉動力車労働組合(動労千葉)は唯一ストライキで反撃に立ち上がった。動労千葉は現在も団結を守り抜き、JR東日本が総力をあげた今年4月の検修・構内業務全面外注化を阻止した。また動労水戸は放射能で汚染された車両を検査・修繕させることや運行することに対し「被曝労働反対」のストライキに立ち上がり、青年労働者を獲得した。「絶対反対で団結して闘えば新自由主義は打ち破れる」ことを実際の闘いをもって示したのだ。この国鉄労働者の闘いにどれだけの青年労働者が勇気づけられたことか! A君もその一人だった。
 そして、この国鉄闘争と一体となって「解雇撤回、非正規職撤廃」で闘う東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会、郵政非正規ユニオン、そしてA君たちによる非正規職労働者の闘いが全国で始まった。日本の資本家階級、国家権力はこのことに死ぬほど恐怖している。A君に対する弾圧はその恐怖の現れだ。労働組合にはこれほどの力があるのだ。
 独占資本と彼らに雇われた政治家たちは一見巨大に見えるが、彼らは世界大恐慌という新自由主義の破綻に直面し、それでも新自由主義の一層の推進以外に支配階級としての延命策を見いだせず、あがきにあがいているのだ。そして彼らが「このままでは先進国から脱落する」とわめきながらあがけばあがくほど、青年にはますます耐え難い現実が強制される。「競争すればみんな豊かになる」「市場原理は万能だ」「原発は安全だ」――。昨年の3・11以来明らかになったように、彼らの言うことはすべてウソだったのだ。これ以上だまされてたまるか。大阪市の橋下徹市長が公務員労働者を攻撃しながら実際にやろうとしているのは、労働者全員の首を切って非正規職にしていくことだ。労働者全員を「生きていけない」状況にたたき込もうというのだ。この橋下を先兵とした新自由主義・野田政権を一刻も早く打倒しない限り、青年、いやすべての労働者民衆の未来はない。
 3・11東日本大震災と福島原発事故から一周年に開かれた「原発いらない!3・11福島県民大集会」の1万6千人の決起は、国労郡山工場支部をはじめとした労働組合を先頭に反原発・再稼働阻止の闘いが新たに始まったことを示した。日本帝国主義ブルジョアジー(資本家階級)の側は、これまでの古い支配の方法がすでに崩壊しているにもかかわらず、新しい労働者支配の方法を確立できていない。労働者階級の側は現状の変革を望み、すでに自発的に行動を開始している。こういう状況を革命情勢というのだ! 青年を先頭に労働者階級が再び歴史の全面に出る時代を迎えたのだ。

 6・10に職場から結集を

 この破綻した資本主義・新自由主義の最後の救済者となっているのが、腐敗した組合幹部が牛耳る労働組合−連合だ。「国鉄? 連合? 私には関係ない」――そうではない。この構造の中で労働者が支配され、生活と権利が奪われている現実があるのだ。民主党・野田がその政権発足にあたり、最初にあいさつに行ったのが連合だ。連合は、野田政権の原発再稼働と被曝労働強制や消費増税、戦争発動、非正規職化・外注化の攻撃を自ら徹底的に推進している。
 もちろん、連合傘下にあっても労働組合に所属する現場労働者は、連合中央に支配され続ける存在ではない。ブルジョアジーや連合指導部の言う「生産性向上」「頑張る者が報われる」など、職場の現実を見れば百パーセントでたらめであることがわかる。資本当局は、すべての犠牲を現場に強いているではないか。多くの人がそう思い、怒っている。
 しかし、どうしてこんなでたらめがまかり通っているのか? 根本原因は何なのか? それは新自由主義攻撃と闘わない組合幹部の存在だ。国鉄分割・民営化以来、日帝ブルジョアジーがやってきたのは、「ものを言わない労働者」「イエスマン」をつくることだった。そして最高の「イエスマン」が連合なのだ。
 この構造を職場生産点から打ち破るのが今、最先端の変革なのだ。日々の労働をめぐって現場から反撃を開始するならば、勝利の展望を切り開くことは絶対にできる。社会を動かしているのは労働者だからだ。その労働者こそ、自らの労働に発言権を持たなければならない。「イエスマン」から卒業しようということだ。
 こうした闘いと対極にあるのが一昨年「4・9政治和解」にかじを切った国労本部とそれに追随する勢力だ。彼らはなんと言っているか。「闘ったら分裂する」「闘っても勝てない」――。闘わない口実を組合員のせいにする指導部など、まったくもってナンセンスだ。労働組合の主体は組合員だ。そして組合員は闘う方針を心から欲している。
 この「4・9政治和解」と真正面から対決して生まれたのが「国鉄闘争全国運動」であり、この運動はこれまでの政党・党派関係を超えた大結集をつくり出している。私たちマル青労同はこの国鉄闘争全国運動の呼びかけに応えて全国の職場で闘いを開始し、4・12弾圧に全国の仲間が瞬時にして反撃するほどの強固な団結をつくり出してきた。簡単な闘いではなかったが、このことにものすごい誇りをもっている。
 2千万青年労働者のみなさん! 職場から闘いを始めよう。自分の仕事に誇りをもって、ものを言おうではないか。正規・非正規、公務員・民間のあらゆる分断を許さず、労働者の団結をつくり出していこう。国鉄闘争全国運動が呼びかける6・10大集会にあらゆる職場から集まろう! そして自らの職場で新由主義と闘う団結をつくり出そう!

 戦争阻止、5・15沖縄へ

 沖縄をはじめとした全土の戦時下への突入、それをも利用した原発再稼働策動を許してはならない。こうした動きと闘うのも労働組合だ。
 世界大恐慌が爆発する時代に米帝オバマが新軍事戦略を発動し、世界戦争に突き進んでいる。そして日帝・野田は日米安保の強化と軍事国家化へと全力で動き出している。そのもとで米韓20万人を動員した合同軍事演習「フォールイーグル」が明白に北朝鮮・中国への戦争発動として行われているのだ。これに追いつめられた北朝鮮スターリン主義の長距離弾道ミサイル発射(失敗)を絶好の口実として、日米韓による戦時体制突入が強行されている。これが事の本質だ。日米こそが戦争をやろうとしているのであり、時代は確実に市場と資源、勢力圏を奪い合う帝国主義世界戦争へと向かっているのだ。
 日米が北朝鮮・中国への侵略戦争に踏み切るときには、同時に日本の労働者に大変な攻撃が襲いかかる。1千万人単位の失業者を生み出し、労働者の権利を一切合財奪い尽くす。日本の労働者を屈服させ、動員することを通して、侵略戦争に突入しようとする。沖縄はすでに戦時下に突入し、戦時動員攻撃も自治体労働者、港湾労働者などに対し始まっている。普天間基地を補修−強化し、最新型ヘリMV22オスプレイを配備、辺野古に新基地を建設する攻撃が本格化している。
 しかし沖縄の労働者人民はこうした現実に怒りを爆発させている。労働組合破壊と大失業、「経済特区」という名の非正規職化−ひとことで言えば新自由主義攻撃をもって40年間、基地の現実を強制してきた沖縄「5・15体制」が根底から崩壊するときが到来した。沖縄での非正規青年労働者による労働組合結成こそ、その号砲だ。
 だからこそ、労働組合がどうするのかが大事だ。帝国主義の侵略戦争は、労働者を「生きていけない」状況にたたき込むと同時に、国境によって労働者を究極的に分断しようとする。差別や排外主義もあおりながら労働者を殺し合わせる。「労働者には国境などない」というインターナショナルな立場と労働組合の国際的団結、そして自国帝国主義との対決が、生きるために必要なのだ。
 「復帰」40年を迎えた今年の5・15沖縄闘争は、3・11郡山1万6千人結集で闘われた反原発闘争と一体で世界中の労働者が新自由主義への怒りでひとつに団結し、基地と原発と戦争をなくす闘いだ。沖縄現地に結集し、ともに闘おう! すべての青年労働者はマル青労同に結集してともに人類史を切り開こう。

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週刊『前進』(2534号1面2)(2012/04/30 )

 おことわり

 本号を春季特別号(10n)として発行し、5月7日付号は休刊します。次号は5月14日に発行します。

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週刊『前進』(2534号1面3)(2012/04/30 )

春季特別号 紙面案内

6・10国鉄集会へ大結集を 2
「郵政見直し法」で大リストラ 2
尼崎事故弾劾し380人がデモ 3
JAL「解雇有効」判決許すな 3
米新軍事戦略と日米安保強化 4
全国学生は5月沖縄現地へ 5
横浜で入管集会が成功 6

春季特別号アピール 789
国鉄決戦と反原発決戦の一体的発展で新自由主義・日帝打倒=革命勝利を開け
6・10国鉄−7・16反原発−8月広島へ
世界大恐慌と階級決戦情勢 10

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週刊『前進』(2534号1面4)(2012/04/30 )

 【要項】 第83回日比谷メーデー、反原発・反失業東京メーデー行動、原発ゼロの日さようなら原発5・5(ゴーゴー)集会


5月1日(火)午前9時50分開会 11時デモ出発
日比谷野外音楽堂
主催 第83回日比谷メーデー実行委員会

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 反原発・反失業 東京メーデー行動
5月1日(火)午後6時30分から集会 8時デモ出発
文京区民センター3A会議室
主催 東京メーデー集会実行委員会
 ※全国各地でメーデー行動に決起

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原発ゼロの日さようなら原発 5・5(ゴーゴー)集会
5月5日(土) 午後1時 コンサート/午後1時30分 集会/午後2時30分 デモ出発
芝公園23号地(東京都港区芝公園3丁目)

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週刊『前進』(2534号1面5)(2012/04/30 )

前進速報版から 前進速報版から

▼総合雑誌『序局』第2号が出る▼星野ビデオ国賠で権力による証拠隠滅を追及▼4・19法大闘争、不当逮捕はね返しデモ@movie

◎休刊中の最新ニュースは『前進』速報版に随時掲載します。

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週刊『前進』(2534号2面1)(2012/04/30 )

 6・10国鉄集会へ大結集を訴える

 新自由主義と闘う労働運動の新たな飛躍を今こそ切り開け

 新自由主義への対抗軸となる全国運動に飛躍できるか否か。これが国鉄闘争全国運動6・10大集会の課題だ。大恐慌と大震災、すさまじい政治危機のもとで日本における新自由主義は新段階に入った。〈国鉄・橋下・原発・被災地>を焦点に新自由主義に反撃しよう。国鉄闘争全国運動のスタートから2年、新たな飛躍をかけ6・10集会への大結集を訴える。
(写真 被災地の人たちを始め1780人が国鉄・反原発闘争を宣言した昨年6月5日の国鉄大集会)

 公務員全員解雇を狙う橋下との対決が最焦点

 当面する最大の焦点は大阪だ。大阪府議会で教育2条例、職員基本条例が制定され、市議会では継続審議となっている。360万公務員解雇をめぐる最焦点である。橋下は、大阪市職員約3万8千人を4年間で約1万9350人へ半減させる計画を明らかにしている。地下鉄やバス、清掃、病院、保育所・幼稚園などで民営化を進め、非公務員化して1万6400人を削減するという。
 4月5日には「市役所のゼロベースのグレートリセット」と称して施策・事業の見直し(試案)を発表。国民健康保険料の引き上げ、敬老パスの有料化、上下水道料金の福祉減免の廃止、保育料の引き上げ、学童保育事業補助金の廃止などを打ち出した。平均年収約280万円の非常勤職員を同122万円の有償ボランティアに置き換えることも提唱している。
 5月市議会で審議予定の市職員基本条例案は、府条例よりずっとエスカレートしている。人事評価の導入や処分の累積過重だけでなく、定員削減・民営化による解雇について「就職の機会が与えられているときは、当該職制に所属する職員を分限処分として免職することができる」としている。国鉄改革法23条は国鉄職員の中からJRへ採用すると規定していた。また、賃金などの労働条件は基本的には国鉄からJRに継承された。国鉄改革法よりはるかに悪質な解雇条項が市の条例として決められようとしているのだ。
 橋下のもとには、上山信一(元運輸官僚)、古賀茂明(元通産官僚)、堺屋太一(元経済企画庁長官)、野村修也(弁護士)、中田宏(前横浜市長)、山田宏(前杉並区長)ら新自由主義を信奉する元官僚や学者、元首長、コンサルタントらが多数集結している。極悪の新自由主義者どもが公務員・労組バッシングを突破口に大阪を新自由主義の実験場にし、国政進出をも狙っているのだ。

 「復興特区」で非正規化強行

 昨年12月7日に制定された復興特区法は、規制緩和のオンパレードだ。進出企業の法人税は5年間ゼロ。企業立地も特例で市街地調整区域・農用地区域のままでも開発を許可し、建築基準法の用途規制も緩和する。
 漁業権も、現行制度は地元漁協が優先だが、企業にも知事が直接与えることができる。復興需要は大手ゼネコンが独占。水産加工業は大手商社、野菜工場(アグリビジネス)は外資が狙っている。医薬品・医療機器産業の拠点を形成するために医療に関する規制の弾力化も盛り込まれた。補助金などで取得した財産を簡単に転用できる仕組みまである。
 居酒屋や介護ビジネスを展開するワタミグループが岩手県陸前高田市に開設したコールセンターは、岩手県の最低賃金と同額の時給645円。ワタミは「周辺の需給バランスが崩れると他の企業が参入しにくくなる」と説明している。
 復興特区法は、企業のビジネスチャンスがすべてだ。被災地で徹底的に規制を緩和し、土地や農地、漁業権を大企業が取り上げて市場化して投機の対象とし、大量の低賃金・非正規雇用労働者を生み出すのだ。
 これはアメリカでのハリケーン・カトリーナの時とまったく同じだ。
 ブッシュ政権は、防災予算を大幅に削減し、民間に丸投げした。災害対策の民営化だ。防波堤が未完成のまま05年8月に米国南部を襲ったハリケーン・カトリーナによってルイジアナ州ニューオーリンズ市は8割が水没した。
 復旧作業に当たって州政府は、貧困地域を特区に指定して最低賃金法を撤廃、地元企業ではなく州外の大企業が巨額の復興利権を独占した。「落ちこぼれゼロ法」で公立学校は民間が運営するチャータースクールに切り替えられた。約100校の公立学校は10分の1になり、教職員7500人が解雇された。公共機関の民営化、公立学校の廃校、病院の民営化、職員の全員解雇……ニューオーリンズ市の復興は住民のためではなく大企業のために行われたのだ。

 災害など危機に便乗しエスカレートする攻撃

 日本労働者階級は今、国鉄分割・民営化以来の新自由主義攻撃の巨大な攻撃に直面している。これを絶対に見据えなければならない。
 日本資本主義の「国是」ともいえる貿易黒字が赤字に転じ、日本製造業は総崩れの窮地にある。日本帝国主義の土台から瓦解(がかい)が始まっている。
 こうした中で、大阪や被災地を焦点に激しい新自由主義攻撃が展開されているのだ。新自由主義攻撃は、災害や戦争、政治的危機やクーデターを契機として決定的にエスカレートする。このことを歴史から学ぶ必要がある。

 70年代以来の命がけの攻防

 1973年9月11日、チリのアジェンデ「社会主義」政権は、米CIAに支援された軍部のクーデターで倒された。ピノチェト軍事独裁政権によって労組活動家など約3万人が殺害された。その後、チリがシカゴ学派による新自由主義の実験場にされたのは有名な話だ。スト禁止、解雇自由、外国資本の出資制限の撤廃、何百もの国営企業売却などが行われた。
 英国では、サッチャー首相がフォークランド戦争で急上昇した支持率を背景に、「今度は内なる敵と戦う。炭鉱ストは自由にとって大きな脅威だ」と、炭鉱ストに対して盗聴・スパイなどあらゆる手段を使って数千人の負傷者、1千人の解雇を出して徹底弾圧した。
 サッチャーは電話・ガス・空港・航空・水道などの国有企業の民営化や規制緩和、金融システム改革や、所得税・法人税の大幅引き下げと消費税の引き上げを強行した。教育は荒廃し、医療制度は機能不全に陥った。
 2003年のイラク戦争で米国は、フセイン政権を倒し、米国に都合の良い「国家」の創設を行おうとした。イラクを事実上管理するCPA(連合国暫定当局)の代表として送り込まれたブレマーは、就任翌日にイラク国営企業200社の民営化を発表。45%だった法人税を15%に引き下げ、50万人の国家公務員が解雇された。さらに外国資本がイラクであげた利益を100%無税で国外に持ち出せるようにした。

 労働組合の団結こそが敵のもくろみ打ち砕く

 何をもって新自由主義を打ち破り、勝利の展望を示すのか。労働組合の屈服が新自由主義に「力」を与えている現状を打破することが絶対に必要だ。ポイントは公務員バッシングを打ち破ることにある。動労千葉の国鉄分割・民営化反対ストの教訓を生かす時が来ている。
 国鉄分割・民営化攻撃では「赤字は労働者が働かないからだ」という悪宣伝がすさまじい物量で行われた。1985年に国鉄分割・民営化の最終答申が出された時、誰も反論できない雰囲気だった。だが動労千葉は「ここで反撃しない限り組合解体の危機に直面する」と判断し、最後のチャンスを生かしてストライキに決起した。
 労働組合は、職場のつながりや、家族ぐるみの付き合いも含めて団結が形成されている。組合が解体されたら組合員はバラバラだ。一歩でも後退すればさらなる後退を要求され、最後は組合の解体まで要求される攻撃だった。
 だが、〈労働組合は、いざという時に力を発揮する組織でなければならない>〈労働者はいざという時には闘う>――この確信をかけて動労千葉は決起したのだ。
 ここで勝負は決せられた。動労千葉が団結を守りぬき、ストライキに決起した時、国鉄分割・民営化攻撃の狙いは半ば粉砕された。日本労働運動は大きな後退を強いられたが、動労千葉は団結と組織を維持して新会社に乗り込み、国鉄1047名解雇撤回闘争が生まれ、核心的な階級的地平を守り抜いたのだ。
 中野洋動労千葉前委員長は、著書『俺たちは鉄路に生きる2』で「動労千葉はなぜ闘うことができたのか」としていくつか指摘している。@労働者の誇りをかけて闘った。労働組合はどうあるべきか、何が正しく何が間違っているかをかけて闘った。A労働組合観が違った。組合員の階級的利益を守るために闘うのが労働組合だ。労働者が本当に苦況に立った時こそ労働組合の存在理由がある。B「危機の時代には、闘いようで敵を揺るがすこともできる。敵の矛盾は必ずある」という時代認識。C各職場に現場労働者と広範な接点を持った活動家が存在し、各支部が職場闘争をやる力をもって職場支配権を握っていた。
 これを生み出した基軸的路線が反合理化・運転保安闘争路線だ。職場生産点で日常的に労働と安全をめぐって資本と非和解的に闘い、労働者の団結と誇りを形成する路線だ。新自由主義と闘う階級的労働運動をつくり出すことは可能だ。
 国鉄闘争を結集軸に新自由主義と闘う全国的な陣形をつくり出すのが国鉄闘争全国運動だ。全国運動は、一昨年の4・9政治和解に抗して1047名闘争の火を燃やし続け、動労千葉の外注化阻止闘争や全日建運輸連帯労組・関西地区生コン支部の139日間の産業ゼネストなど、階級的労働運動の再建の新たな足がかりを形成してきた。
 新自由主義攻撃は、うそとペテンで塗り固められ矛盾に満ちている。労働者階級が萎縮(いしゅく)せず、団結し、社会の主人公としての力を行使すれば、敵の一方的な攻撃に必ず反撃できる。腹を固め、社会の荒廃と崩壊をもたらす新自由主義に対する広範な怒りに依拠し、労働者階級のあらゆる階級的・戦闘的要素を結集させる。それが国鉄闘争全国運動だ。

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週刊『前進』(2534号2面2)(2012/04/30 )

 「郵政見直し法」 小泉以来の民営化が破産 株売却で大リストラ加速

 職場の団結を固めて反撃へ

 小泉政権下で05年10月に成立した郵政民営化法を一部修正した「民営化見直し法案」が4月12日、民主、自民、公明などの賛成多数で衆院を通過した。ゆうちょ銀、かんぽ生命の金融2社の株式を「17年9月までに全株売却を義務づける」(日本郵政グループから分離して完全民営化)としていた旧法を修正し、「全株売却をめざす」という玉虫色の努力目標に転換した。自民党からの造反は中川秀直元幹事長ら4人だけで、国鉄分割・民営化と並ぶ新自由主義攻撃のもうひとつの柱だった小泉「構造改革」路線、その「本丸」とされた郵政民営化の破綻は浮き彫りになった。
 「官から民へ資金を流す」というデマ・スローガンで労働者人民の資産を巨大金融資本が食い物にし、現場労働者の大半を超低賃金で身分保障のない非正規職に追い込んだ郵政民営化が、核心部から破綻したのだ。民営化を決定づけた05年「郵政解散」で圧勝した自民党が見直し法案に賛成票を投じたのも、支配階級の動揺と腐敗の象徴だ。

 会社の利益がすべてに優先

 しかし一部のマスコミが「国営郵政への逆戻りだ」うんぬんと論評するのはおよそ的はずれだ。
 そもそも「持ち株会社の株式の3分の1超を政府が保有する」という規定は、旧法も新法も同じだ。そして小泉派の残党や金融資本のボスたちが主張する完全民営化(株式の100%売却)であれ、3分の1の政府関与を残す(取締役解任や事業譲渡等への拒否権を残す)本法案であれ、ゆうちょ、かんぽの金融2社と持ち株会社・日本郵政の株式を売却する方針に変わりはない。民主党政権誕生(09年)後に成立した「株式売却凍結法」は解除されるのだ。
 株式売却とは、会社の資産増減が「株価」で表され、「株価」が業務遂行の指標となるという意味だ。文字通り「労働者の賃金ではなく会社の利益」がすべてとなる。上場が問題となった瞬間、現場労働者へのリストラと賃下げへの圧力は今後さらに一層エスカレートするのだ。郵政資本が一昨年末から開始した「郵政大リストラ」の動機は実はここにある。

 必ず破産する総合担務制度

 本法案で、郵便事業会社と郵便局会社は統合される。「2社の垣根がなくなり便利になる」との触れ込みだが、当局はこれもリストラのテコにしようと考えている。「総合担務制度」の復活もそのひとつだ。
 配達員が貯金や保険の営業を強制されたり、窓口の労働者が集荷や配達を兼務する労働強化だ。「それができないやつは辞めろ」という攻撃でもある。加重労働への現場の怒りで、公社時代ですら成り立たなかった代物だ。民営化による「集配局の再編」で1千カ所以上の郵便局が「無集配局」となった現在、破産は最初から見えている。
 そもそも民営化で現場の労働量は以前の3倍になった。その結果、全国の郵政職場はほぼ例外なく業務が回らない混乱に陥っている。事故の激増やメンタル疾患の蔓延(まんえん)が、リストラの結果であることは現場の常識だ。
 だいたいバイクや自動車が足りないとか、配達カバンが足りないとか、日本最大の郵便・物流会社として信じられないレベルの破綻だ。離島でもハガキ1枚50円で届く公益事業があるから社会は成り立つが、これを金もうけのビジネスに変えた結果なのである。郵便事業の民営化は成り立たない証明でもある。民営化政策の本家・アメリカですら郵便事業は国営のままなのだ。
 それでも政府・郵政資本は株式売却を強行する。何が起こるかは明らかではないか。

 国際金融市場参入の破滅性

 政府・郵政資本のもうひとつの狙いは、300兆円近い資産の約7割を国債で運用する金融2社が、利幅の大きな住宅ローンや第3分野保険(ガン保険など)に割り込むことだ。うまみの大きい第3分野保険は、日米経済戦争で外資が日本市場の8割近くを独占してきたが、金融2社が株式の半分以上を売却すれば参入自由となる。
 また持ち株会社の日本郵政は金融2社の株式売却益をもって、金融大恐慌を引き起こしたあの“国際金融詐欺市場”に参入することも可能だ。ここに「政府の信用」を残して参入できる。本法案に、日本の大銀行や米金融資本、さらには米政府までが猛反発するゆえんだが、実に醜悪なブルジョアジーの争いだ。
 彼らこそ、労働者を飢餓賃金にまで追い込み、天文学的な公的資金(税金)で延命し、社会的生産とも無縁の金融バブルとその崩壊をつくり出して世界中の労働者・農民を塗炭の苦しみに突き落とした新自由主義の権化ではないか。郵政「見直し法案」が目指す道は、「政府の信用」(徴税権)をも利用して、この破滅的な新自由主義を極限まで進めるということだ。政府は、持ち株会社の株式売却益で、被災地の生活再建とは無縁の「復興特区」に群がる独占資本に資金を流そうともしているが、これも醜悪きわまる。

 赤字は瞬時に賃下げに転嫁

 郵便事業会社は2012年度の事業計画で、盗っ人たけだけしくも「営業利益97億円の黒字化」との見通しを発表した。非正規職への4万6千人もの雇い止め(進行中)やボーナスの大幅カット(2年連続)で、経営陣がつくり出した「大赤字」はいとも簡単に転嫁された。この上さらに新人事・給与制度による大規模な賃下げを準備しているのだ(本紙前号参照)。
 郵便業務そのものを破綻させてまで続行される「郵政大リストラ」は末期的だ。非正規職の仲間たちの渾身(こんしん)の怒りを先頭に、連合・JP労組本部の支配を職場から革命的に転覆する階級的労働運動の全面的反撃を切り開こう!

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週刊『前進』(2534号2面3)(2012/04/30 )

 “処分はねのけ闘うぞ”

 大阪市立学校教員 不起立で橋下おいつめる

 4月19日、大阪市教委は市立小中学校の3月卒業式で「君が代」斉唱時に不起立した教育労働者2人を戒告、1人を文書訓告とした。大阪府下ではすでに、今春の卒業式で起立しなかった府立学校などの教員32人が戒告処分とされた。4月の府立学校の入学式でも2人の教育労働者が不起立し、25日に戒告処分を受けた。断じて許せない。
 だが、大阪市長・橋下徹による「日の丸・君が代」強制に対して、大阪府下の教育労働者は断固反撃に立ち上がっている。橋下の足元・大阪市でも処分の脅しを突き破って教育労働者は敢然と闘いぬいた。公表されただけで府下で37人の教育労働者が不起立で橋下に反撃をたたきつけた。そのすそ野には、数字には表れていない数多くの不起立者がいる。
 橋下は卒業式の前は「ルールに従わない教員はクビだ」「立てないんだったら公務員を辞めろ」などと居丈高に述べていたが、処分覚悟で断固として不起立をたたきつけた教育労働者の闘いを目の当たりにして、「立ちたくなければ欠席という選択をするのは大人の知恵」と敗北を自認せざるを得なくなった。

 “闘う労働組合をよみがえらせる”

 不起立で戒告処分を受けた大阪市立小学校の教育労働者は、職場分会で討論し、みんなの怒りを背景に不起立を貫いて、橋下の攻撃に絶対反対の声を上げた。
 この教育労働者は訴えている。「入学式では私を式場に入れないために『職員室での電話応対』という職務命令を出し、当日は監視して職員室に缶詰にした。橋下や市教委は『絶対反対』の闘いを本当に恐れている。私への処分は橋下の首切り攻撃の切っ先です。そして今狙われている学校選択制、学力テストの公表、学校の統廃合は、教育の民営化、教育労働者の首切り、非正規化に直結する攻撃です。既成の労組幹部は『君が代』強制と闘わないばかりか、管理職と一体となって『不起立をやるな』と押しとどめにかかった。闘わない労組幹部に存在意義はありません。自分の職場から階級的団結をつくり、新自由主義攻撃と真っ向から闘う労働組合をよみがえらせます」
 大阪の教育労働者は卒・入学式攻防をとおして、道州制、教育の民営化=教育公務員全員解雇という新自由主義攻撃への決定的な反撃を始めた。全国でも道州制、「復興特区」、原発再稼働、外注化・非正規職化攻撃への労働者の怒りが噴き出し、闘う拠点が打ち立てられている。反撃すれば新自由主義は破産する。職務命令の乱発でしか現場の怒りを抑えつけることができない橋下に生き延びる道はない。
 関西労組交流センター教育労働者部会は処分発令前日の4月18日、大阪市役所前で「『君が代』不起立処分を許さない。橋下の教育民営化=全員解雇攻撃に反撃しよう」と訴えるビラを配り、大阪市職の労働者にともに闘おうと呼びかけた。

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週刊『前進』(2534号2面4)(2012/04/30 )

【要項】国労組合員資格確認訴訟、鉄道運輸機構訴訟控訴審、5・23狭山闘争


国労組合員資格確認訴訟
 5月9日(水)午前10時30分
 東京地裁527号法廷

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鉄道運輸機構訴訟控訴審
 5月17日(木)午後2時
 東京高裁101号法廷

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八尾北・西郡闘争勝利! 民営化・更地化許さないぞ! 石川一雄さん不当逮捕49カ年糾弾! 狭山第3次再審闘争勝利!
5・23狭山闘争

■東京
5月19日(土)午後6時30分開会
南部労政会館(品川区大崎1-11-1)
主催 部落解放東日本共闘会議

■広島
5月20日(日)午後4時
広島市西地域交流センター(広島市西区福島町1-19-12/元西隣保館)3階第3研修室
主催 部落解放広島共闘会議

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週刊『前進』(2534号3面1)(2012/04/30 )

 4・21尼崎 事故弾劾し380人がデモ

 JR体制打倒へ根底的怒り

(写真 山崎「無罪」判決で事故を居直るJR西に怒りのこぶしをあげる【4月21日 JR尼崎駅前】)

 大和田さんの遺志引き継ぎ

 尼崎事故から7年目を迎える4月21日、動労千葉と国鉄闘争全国運動・関西準備会の呼びかけで事故弾劾の集会とデモが尼崎現地で闘われた。380人が結集した。
 今年の尼崎闘争は、検修業務全面外注化を阻止した動労千葉の闘いの地平の上に、JR西日本への怒りとともに”闘えば勝てる”という勝利感がみなぎった。国鉄闘争全国運動・関西準備会の軸を担う全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部や全国金属機械港合同と動労千葉との団結も一層固まり、国鉄闘争全国運動6・10大集会への決定的跳躍点となった。
 尼崎駅北口広場で行われた集会の冒頭、全参加者が3月17日に逝去した港合同の大和田幸治事務局長に黙祷(もくとう)をささげた。
 呼びかけ団体を代表し、動労千葉の長田敏之書記長と港合同の中村吉政副委員長が発言した。
 長田書記長は、JR西日本前社長・山崎正夫への「無罪」判決と107人の命を奪ったJR西日本をあらためて徹底糾弾するとともに「青年労働者がワーキングプアにされる現実は、御用組合と資本との癒着が生み出した。この構造を覆す。外注化に対して組織拡大で反撃する」と述べた。
 中村副委員長は、大和田事務局長が国鉄闘争に最大の力を注いできたと語り「国鉄闘争に勝利しなければ大和田委員長に顔向けできない」と述べた上で、「大阪は橋下市長の攻撃で大変な状況にあるが、多くの仲間とともに港合同は奮闘する」と発言した。
 基調報告に立った国労兵庫保線分会の富田益行さんは、まず「山崎『無罪』判決は分割・民営化とJR体制の不正義性を開き直るものだ。『事故は想定外だから無罪』というのは、福島原発事故を引き起こした東京電力も『無罪』ということだ」と述べ、「国鉄闘争と反原発闘争を一体で闘うことが新自由主義を打ち破り勝利を切り開く」と提起した。さらに、拠点労組の闘いの前進を明らかにし、特に橋下との攻防について「橋下の攻撃は労働者が団結して反撃しないことを前提に成り立っているだけだ」と喝破した。最後に「国鉄闘争の発展は大和田さんの闘いなしにはなかった」と述べ、「われわれの側から国鉄分割・民営化25年に決着をつける時が来た。JRの青年労働者を獲得し、6・10集会にすべての仲間を結集させよう」と呼びかけた。

 解雇撤回させ外注化阻止へ

 国鉄の現場から、国労郡山工場支部の橋本光一さんが発言に立ち、3・11集会は反原発の大きな力をつくりだしたと述べた上で、「私は事故が起きた後に後悔したくない。JRの外注化に現場から反撃する」と宣言した。動労水戸の木村郁夫書記長は、動労水戸のストライキについて報告し「現場の労働者の手にすべてを取り戻せば、尼崎事故も原発事故も起きない」と力強く発言した。
 1047名解雇撤回闘争当該の羽廣憲さん(小倉闘争団)、成田昭雄さん(旭川闘争団)、小玉忠憲さん(秋田闘争団)が壇上に並び、不屈に解雇撤回闘争を継続する決意を表明。
 さらに、動労西日本の大江照己委員長と山田和広副委員長、JR東日本の関連会社の青年労働者、幕張電車区分会・米子地本・新宿駅分会・福知山分会・大阪事業所分会の国労組合員が、反合理化・運転保安確立の闘い、組織拡大、契約社員制度撤廃などの取り組みについて発言した。

 “橋下倒す”と各産別の決意

 国鉄労働者の圧巻の発言を受け、各産別からの決意表明に移った。
 関生支部の福島聡執行委員は、尼崎事故も原発問題も大企業が利益のために人命を無視してきた結果だと弾劾し、「関生支部は7年で5回の弾圧を受けたが、弾圧すればするほど労働者は立ち上がる」と述べ、産業政策運動を貫き国鉄闘争をともに闘うと表明した。
 港合同を代表して、昌一金属支部の木下浩平書記長は「大和田事務局長の遺志を引き継ぐとは、まず国鉄闘争をしっかり闘うことだ」と訴えた。
 さらに、橋下による道州制−民営化攻撃を迎え撃つ八尾北医療センター労組、大阪市職の青年労働者、大阪市の教育労働者が、橋下打倒の手応えを語り、関西合同労組の郵政非正規分会、東京西部ユニオン鈴木コンクリート分会、全学連の熱い発言が続いた。
 最後に、集会のまとめをス労自主の上村敏行執行委員が行い、全参加者が団結ガンバローのこぶしを上げた。
 参加者は、直ちに尼崎事故現場に向けてのデモに出た。「尼崎事故弾劾」「国鉄分割・民営化絶対反対」のコールをとどろかせ、JRに根底的な怒りを突きつけた。

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週刊『前進』(2534号3面2)(2012/04/30 )

 ちば合同労組 A君への勾留延長弾劾

 警察署に再度、怒りの抗議

 「電磁的公正証書原本不実記録・同供用」容疑でデッチあげ逮捕されたちば合同労組の青年組合員A君に対して、千葉地裁は4月20日、5日間の勾留延長を決定した。絶対に許せない!
 21日、ちば合同労組を始めとする仲間が直ちに千葉中央警察署への弾劾行動を闘った。
 「仲間を返せ」「千葉県警を許さない」「A君の闘いが全国に広がっている」「A君は非正規労働者の星だ!」
 千葉中央警察署に集まった仲間が次々と怒りのアピールを行った。千葉中央署は、前回の抗議行動を上回る人数で警備に出てきたが、門を固く閉ざし終始うなだれた。

 4・20開示公判で感動的合流

 A君の闘いは階級的正義に貫かれている。「弾圧は倍にして返す」と、獄内外一体となり、仲間の団結はより強化されている。 
 4月20日、千葉地裁で勾留理由開示公判が開かれた。弾圧への怒りに燃えた40人の仲間が大結集し、A君との感動的合流を果たした。
 千葉地裁は18人しか傍聴できない法廷を指定して不当に傍聴を制限した。しかも、中尾佳久裁判官は、開廷する1分前から「発言を認めません」と退廷命令を発動。この異様な裁判所・裁判官の強権発動に怒り、抗議の声を上げた5人の仲間が退廷となり、廷吏によって暴力的に裁判所の外に排除された。
 弁護人も裁判所の不当な退廷命令を徹底的に弾劾し、渾身(こんしん)の意見陳述を行った。A君への弾圧が「電磁的公正証書原本不実記録」を口実とした不当なデッチあげ弾圧、政治弾圧であることをはっきりさせ、とりわけ検事の不当・不法な取調べ内容を怒りを込めて暴露した。警察・検察は、長時間にわたって組合活動の内容に関する取り調べを執拗(しつよう)にやっている。しかも「信念がない」「正社員になれないのはお前の甘えだ」「ハローワークに行け」などの罵詈(ばり)雑言を浴びせ、机をたたく、大声で怒鳴り散らすなどの恫喝を繰り返している。
 今回の弾圧は、非正規職労働者全体に向けられた攻撃であり、非正規職撤廃闘争の最先頭で闘うA君を徹底的につぶすための弾圧だ。低賃金の青年労働者が生きていくために労働組合をつくり、権利をかちとっていくことがどうして「犯罪」となるのか。全国の労働者の怒りは日増しに高まっている。
 公判後、ちば合同労組の仲間が会社との団体交渉の勝利的前進を報告した。A君の非正規職の現場で、原則的かつ地道な労働運動の実践が、弾圧を跳ね返して新たな闘いをつくりだしている。職場と獄内外が一体となって闘いが前進している。絶対にA君の釈放をかちとろう。 (4月25日)
(写真 「仲間を返せ!」。A君が勾留されている千葉中央警察署前で抗議行動【4月21日 千葉市】)

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週刊『前進』(2534号3面3)(2012/04/30 )

 JAL「解雇有効」判決を許すな

 “判決は全労働者への挑戦”

 解雇撤回貫く国鉄闘争と合流を

 「怒りは目覚めるたびに毎日膨らんでいます。白石裁判長は、JALが二度と沈まないために整理解雇したのは妥当だとしました。冗談じゃありません。勝利するまで闘います」。これは東京地裁のJAL「解雇有効」判決に対する客室乗務員原告団長・内田妙子さんの4・5総決起集会(支援共闘主催)での発言だ。地裁と日航資本は労働者の怒りの深さを知れ! 解雇撤回を闘うJAL労働者と固く結び、新自由主義に立ち向かう労働運動の再生をかちとろう。

 「首切り自由」の宣言−「整理解雇4要件」すら解体

 3月29、30日の東京地裁による日本航空運航乗務員・客室乗務員148人に対する「解雇有効」反動判決に対する怒りは、日を追うごとに燃え上がり、この社会のあり方そのものを変える闘いとして発展している。4・5集会で乗員原告団長・山口宏弥さんは、「裁判所だけが無菌状態であるはずがなかったのです。私は錯覚していました。司法・立法・行政すべて同じです。この闘いは日本のそういう状況を変える闘いなんだと思います」と発言した。
 解雇撤回を闘う142人の原告は、4月11日に東京高裁に控訴した。不当解雇への怒りをたぎらせ解雇撤回を貫くJAL労働者と固く連帯し、ともに闘いぬこう。
 東京地裁の3・29、30判決は第一に、整理解雇4要件を解体し、大恐慌下の「首切り自由」を宣言する極反動判決だ。
 4月12日の記者会見で日航キャビンクルーユニオン(CCU)委員長の内田原告団長は、「判決は当該原告だけでなく全労働者に対する挑戦」と厳しく弾劾した。
 東京地裁は、日航資本が「会社更生手続き」を口実にグループ企業労働者約1万6千人の削減を強行し、原告らの大量解雇を行った10年12月時点で、すでに更生計画目標を約900億円も上回る営業利益を上げていた。にもかかわらず、「すべての雇用が失われることにもなる破綻的清算を回避」(乗員訴訟判決)、「JALが二度と沈まないため」(客室乗員訴訟判決)と強弁して165人の大量解雇を妥当とした。整理解雇4要件すら一顧だにせず解雇を「有効」としたのだ。
 3・11大震災以降、震災を口実とする大量解雇と非正規職化が被災地の労働者に襲いかかり、「復興特区」を掲げた労働規制撤廃、無権利・低賃金化とすさまじい労働強化の大攻撃がかけられている。大阪市長・橋下らによる公務員大量解雇が始まり、あるいは改定派遣法による製造業派遣・日雇い派遣、偽装請負の居直りが激化している。東京地裁の3・29、30判決は、こうした大攻撃にお墨付きを与え、大恐慌下の「首切り自由」=非正規職化を一挙に全社会化する大攻撃だ。
 東京地裁判決は第二に、資本による公然たる指名解雇と労組解体、分断と団結破壊を承認する極反動判決だ。この点について内田妙子原告団長は、その核心を鋭角的に暴露・弾劾している(要旨別掲)。
 日航資本は、整理解雇の人選基準として「病欠・休職者」とともに「年齢基準」をあげ、副操縦士は48歳以上、機長は55歳以上、客室乗務員は53歳以上をその対象とした。そのほとんどが、御用組合・第二組合のJAL労組ではなく、CCUや機長組合、乗員組合組合員だった。東京地裁は、こうした年齢差別を駆使した組合差別・選別解雇に対しても「合理性がある」とした。国鉄1047名闘争解体のためにかけられた一昨年の4・9政治和解に続く”第2の4・9”とも言うべき大攻撃だ。

 「利益なくして安全なし」公言する会長・稲盛

 東京地裁判決は第三に、「利益なくして安全なし」(稲盛和夫会長)と公言し、際限のない外注化・非正規職化を進めるJAL資本の労務政策を支持することで、航空の安全を根底から崩壊させる許し難い判決だ。
 JAL労働者165人を始め、JAL関連労働者約1万6千人の首を切った稲盛和夫JAL会長(10年2月に就任)は、『日経ビジネス』(11年5月号)の「利益なくして安全なし」と題するインタビューで以下のように語った。「御巣鷹山がトラウマに/(1985年8月、520人の犠牲者を出した御巣鷹山での日航機墜落事故以降)安全のためにすべての経営資源を集中させるという考え方。乗客の安全こそ我々の使命で、利益を出すことは邪道という雰囲気があった。しかしこれでは本末転倒です。……利益を出して余裕がなければ安全を担保できるわけがない」
 御巣鷹山事故の大惨事は、なにゆえに引き起こされたか。経営当局と第二組合による団結破壊のもとで安全性を度外視した外注化・経費削減が進められ、外注工場での整備不良が原因で飛行中に操縦不能に陥り、墜落するに至ったのだ。その、絶対に忘れることのできない大事故の教訓を「トラウマ」「本末転倒」とかき消すとはいったい何ごとか! 「利益なくして安全なし」とは、福島第一原発事故を引き起こした政府・東電とまったく同じではないか。利益至上を貫くJAL稲盛経営のもと、すでに軽視できない重大事故が頻発している。東京地裁反動判決は、第2の御巣鷹山事故を引き起こす権力犯罪そのものだ。

 司法への幻想をあおった共産党中央をのりこえ

 JAL解雇撤回闘争の勝利は、国鉄1047名解雇撤回・外注化阻止闘争を先端とする新自由主義攻撃との全面対決なしにありえない。新自由主義に屈して職場闘争から逃亡する日本共産党中央指導の破産と制動をのりこえ、現場の怒りを爆発させて闘いぬこう。
 共産党中央は、3・29、30東京地裁反動判決の直前まで、JAL会長・稲盛の「解雇の必要はなかった」なる証言に飛びついて裁判所に対する幻想をあおり「勝利判決間違いなし」と言い続けた。資本の弱点を突く反合理化・運転保安確立の闘いや、業務外注化阻止、非正規職撤廃、偽装請負弾劾の職場闘争と法廷闘争を結びつけるのではなく、「整理解雇4要件」問題に争点を切り縮めた裁判方針を採ることで、共産党中央は資本と裁判所に対する許しがたい武装解除を蔓延(まんえん)させた。共産党中央は、一昨年の4・9政治和解に際しても「政府・資本との和解」などという幻想を振りまき1047名闘争解体に協力したが、それと同じことを繰り返しているのだ。
 新自由主義攻撃の中に資本主義の絶望的危機を見抜き、国家・資本との非和解の闘いを貫き、職場から階級的団結を拡大するならば、労働者は必ずや勝利することができる。3・11福島県民大集会1万6千人結集と原発再稼働阻止の闘いや、JRにおける4・1検修全面外注化を阻止した動労千葉の闘いは、そのことを示している。
 現にJALの職場では、際限のない外注化・非正規職化による安全崩壊が抜き差しならない問題となっている。職場の怒り、全労働者の怒りと結びついて組織拡大をかちとった時、資本と御用組合による職場支配は必ず崩れ去る。国鉄分割・民営化攻撃に真っ向から立ち向かい、業務外注化・労組破壊を阻んで闘う動労千葉と国鉄闘争全国運動に合流・結合し、解雇撤回・原職復帰までともに闘いぬこう。国鉄闘争全国運動6・10大集会に総結集し、新自由主義に立ち向かう労働運動の再生をかちとろう。

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 “歴史的闘争を組む”

 客室乗務員原告団長・内田妙子さんの発言

 判決はCCU組合を差別してきた労務政策にふたをしました。売られたけんかは買わずにはいられません。
 解雇者の多くがCCU組合員です。多くがCCU組合員であるということが”たまたまであった”という判決です。なぜ「たまたま」であったのか。それは30年、40年続けてきた年齢の高い人が、会社の差別で一般職に据え置かれてきた。その差別された人数が解雇の数です。フライトが好きで好きで、まじめに一生懸命乗務をし、客室乗務員として誇りを持ち、気概を持ち、また働くものとして差別に屈せず闘う労組の組合員として今日までやってきました。日航は大切にしなければならないこの人たちを無情にも解雇しました。司法に判断をゆだねましたが、司法はそれ以上に冷酷でした。この判決は絶対に許せません。
 「歴史的闘争になるだろう」と闘いの意義を家族と話し合った組合員もいます。まさに歴史的闘争を組まなければならないという責任を感じています。今後とも、ぜひご支援下さい。

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週刊『前進』(2534号3面4)(2012/04/30 )

 新刊紹介 国際労働運動 6月号

 日帝の先兵=橋下徹

 大阪市長・橋下徹=「大阪維新の会」は、脱落日帝による新自由主義の最悪の先兵としての姿をむき出しにしている。それは、まず大阪府の職員基本条例に見られるように、国鉄分割・民営化や社会保険庁解体をも上回る、公務員全員解雇の攻撃である。さらに破綻したとはいえ労組解体の意図を露骨にした「職員アンケート」の攻撃だ。橋下打倒の闘いは、360万公務員労働者の全員解雇・選別再雇用(=非正規職化)の攻撃を打ち破る最大の決戦である。それは、国鉄決戦、反原発闘争と一体のものとして、日本帝国主義を打倒し、プロレタリア革命を実現していく闘いの重要な一環である。
 「新自由主義・橋下の全員解雇攻撃許すな」と題した特集では、第1章で、現業労働者の全員解雇を始めとする労組破壊・民営化攻撃を暴露・弾劾している。
 第2章では、「大阪都構想」―道州制・改憲攻撃に焦点を当て、それが究極の新自由主義攻撃であることを暴き、橋下のファシスト的正体についても暴露している。
 第3章では、自治体労働者、教育労働者を先頭に、八尾北・西郡決戦と一体となって、動労千葉のように闘い、橋下反革命を打倒する展望を明らかにしている。
 討議資料として、橋下の著書や施政方針演説から、その反革命語録を暴露している。

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週刊『前進』(2534号4面1)(2012/04/30 )

 5・15沖縄闘争のために 米新軍事戦略と日米安保強化

 米帝の新軍事戦略「統合エア・シーバトル戦略」は沖縄を最前線基地とする中国・北朝鮮への侵略戦争態勢構築の攻撃だ。本稿でその狙いと背景を暴露する。新戦略下の日米安保の強化と対決し「復帰」40年の5・15沖縄闘争に決起しよう。

 統合エア・シーバトル戦略

 アジア・太平洋最重視と対中対峙・対決

 没落米帝の巻き返しかけ

 没落帝国主義・米帝は、巻き返しをかけてTPP(環太平洋経済連携協定)と一体の新軍事戦略で突破口を開こうとしている。それがアジア・太平洋最重視の対中対峙・対決路線としての新国防戦略「統合エア・シーバトル戦略」だ。
 米帝は2010年2月、QDR(「4年ごとの国防戦略見直し」)で新戦略構想を正式に認めた。
 クリントン国務長官は11年11月の「米国の太平洋の世紀」と題する演説で、戦略転換を「新しい世界の現実への対応」とし、「米国のこれまで10年間のイラクとアフガニスタンでの軍事努力はその重点を移し、今後の少なくとも10年間はアジア・太平洋にシフトする」と述べた。
 「二正面戦略」からの転換はイラク・アフガニスタン戦争での敗退の上に西太平洋海域での「外交・経済、軍事戦略の各面での関与が必要になった」、それは「中国の軍事力の近代化と拡大」「中国の軍事的意図の不透明さ」のためであるとした。パネッタ国防長官は、「米国はアジア・太平洋での軍事プレゼンス(存在・関与)を強化する」と述べている。
 これに対する日帝ブルジョアジーの立場をJR東海会長の葛西敬之が語っている。「安全保障と経済連携は表裏一体。安全保障は日米同盟、経済の繁栄は東アジア共同体でなどという不整合は成立しない。日本が独立を守り自由を守り、民主主義を望む限り、TPPに裏打ちされた日米同盟以外に選択肢はない。……不動の日米同盟が安全保障を担保し、TPPがその経済的裏付けとなった時に初めて、中国は紳士的な隣人となるだろう」。TPPはアジア・環太平洋経済圏に裏打ちされた米新軍事戦略と一体で推進される「中国包囲網」であり、世界・アジア・太平洋戦略としてのTPPだというのである。米帝にとっては、中国スターリン主義主導の「東アジア共同体」構想を牽制(けんせい)するための米新軍事戦略と一体の「経済・外交、軍事戦略」(クリントン)なのである。
(写真 5日朝、海自輸送艦「くにさき」から降ろされたPAC3は石垣市の中心地を通り抜け【上】、埋め立て地に配備された【下】)

 脆弱で凶暴な米帝の新戦略

 だが、別の角度からみれば、米新軍事戦略は、@国家独占資本主義政策の破綻、Aそこから生み出されてきた新自由主義とその破綻がもたらした世界大恐慌と米帝の経済危機、国家財政の危機、B情報型「軍事革命」、「IT革命」という帝国主義侵略戦争の「形態変化」が生み出した帝国主義軍隊の崩壊的危機から出されてきたものだ。
 米新軍事戦略は、新自由主義の破綻、イラク・アフガニスタン戦争での米帝の史上最大の敗退、国家財政と国内階級支配の危機という土台の上で構想されるきわめて脆弱(ぜいじゃく)な軍事戦略である。脆弱であるがゆえに絶望的な凶暴性をもった軍事戦略である。
 その破綻性と凶暴性は、核独占と無人機による無差別大量爆撃、地球上のどこでも1時間以内に攻撃できる通常型弾頭搭載型打撃ミサイル(CSM)の開発、攻撃型サイバー戦争の拡大に明確に示されている。米新軍事戦略の展開が激化すればするほど、世界中の労働者階級人民の生命と生活がますます破壊されていくのである。
 日本では福島原発事故は収束するどころか、2号機の格納容器内では毎時7万2900_シーベルトという高放射線量が測定され、4号機の使用済み核燃料プールが一時冷却不能に陥るなど今なお緊迫の度を強めている。こうした中、やみくもに原発再稼働に突進する日帝・野田政権と、米帝オバマの新軍事戦略の重なる展開こそが、破綻した新自由主義の姿である。それは、プロレタリア革命への道を帝国主義ブルジョアジー自ら押し広げていくのである。

 西太平洋地域めぐる争奪戦

 世界大恐慌下、米中にとって西太平洋地域が資源・市場争奪戦の中心をなす。米帝歴代政権は、過去60年以上、政治・経済・安全保障面で西太平洋海域が重要な国家利益を有するとしてプレゼンスを維持・強化してきた。中国スターリン主義の国家的利益もこのエリアに集中している。
 統合エア・シーバトル構想は、いまだ完成したものではないが、中国スターリン主義の「接近阻止・領域拒否戦略」を打破し、第一列島線内へ封じ込め、米帝の自由な作戦エリアを確保し続けるという軍事戦略である。
 戦略構想は、以下のようなものである。@中国の情報システムをかく乱し、攻撃し、中国軍の指揮コントロールシステムや攻撃能力に打撃を与え、米空海軍が制空権、制海権を奪取し主導権を握る。A空母機動部隊の機動性を組み合わせて中国の防空の弱点に切り込み、戦略の中心である中国内陸のミサイル基地などに全縦深(最前線から後方まで)打撃を加える。B潜水艦探知システムや水中無人機で中国の潜水艦活動を探り、米空海軍の空中対潜部隊に伝達、中国の潜水艦を撃滅する。

 軍拡競争激化と戦争の危機

 具体的には、第一に、西太平洋海域の軍事拠点整備の一層の強化である。09年、米帝は巨費を投じてグアムの空軍基地の拡張と海軍施設の整備を行い、主要な前方作戦基地とした。
 第二に、グアムの空海軍の常駐兵力の増強だ。米海軍はグアムに一個空母打撃群の配置を計画、攻撃型原子力潜水艦を15隻にまで増やした。米空軍は爆撃機6機、F15E戦闘機48機、無人偵察機グローバルホーク3機、空中給油機12機、最新型のステルス戦闘機F22Aラプターを増備する。
 第三に、西太平洋海域の空海合同軍事演習の強化だ。最新鋭の原子力空母ジョージ・ワシントンを横須賀に配備し、「同盟国、友好国」と東中国海、黄海、南中国海で空海合同実動演習を繰り広げ、中国の軍事力を威嚇(いかく)・牽制する。
 第四に、アジア・太平洋地域での基地建設の強化だ。マレーシア、シンガポール、タイ、フィリピン、ベトナムなどの東南アジア諸国、オーストラリアで新たな基地の建設、インドの軍事基地の借用を計画し、中国包囲網と西太平洋海域での危機対応力の強化を目指している。そして、東中国海の南沙(スプラトリー)諸島で中国とフィリピンの艦船が対峙している最中、米帝とフィリピンの統合軍事演習が4月16日から始まった。
 インドは4月19日、射程5千`の移動式長距離弾道ミサイル(アグニ5)の発射実験に成功したと発表した。いずれアグニ5はミサイル防衛網を突破する各個誘導多核弾頭(MIRV)を搭載する計画だ。インドは1974年に初の核実験を行った後、83年から国産弾道ミサイルの開発に着手し、今回のアグニ5で中国全土を射程圏内に入れた。今後1年間、アグニ5の実験を繰り返し、2014〜15年の配備を目指している。潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)も開発中であり、今夏試験運転し来年就航する国産初の原子力潜水艦アリハントへのSLBM搭載を目指している。
 このように米新軍事戦略は、対中対峙・対決を軸に必然的に軍拡競争を激化させ、世界を核戦争の危機にたたき込み、米帝の没落を促進する戦略なのである。

 対中対北朝鮮の侵略戦争出撃体制

 普天間存続、グアム移転、辺野古新基地

 日帝の動員を狙う安保強化

 30日の日米首脳会談を前に19日、日米外務・防衛当局の審議官級協議が行われ、以下のことが確認された。@06年合意の在沖米海兵隊のグアム移転8千人を4千人に縮小し、さらに5千人を海外基地に移転する。A在沖海兵隊1万9千人のうち1万人は沖縄に残す(実数は不明)。B移転費用に関しては、日本側が将来回収される融資などを除き28億jを負担する。
 協議の中で米は、09年の合意内容の枠を越えてグアム以外への移転費用の負担も日帝に要求した。没落帝国主義の危機にあえぐ米帝は、日帝を動員しなくては新軍事戦略へ転換できないのだ。
 昨年12月、米議会は国家財政の危機から軍事費を1兆j削減する予算案を可決した。米下院軍事員会「削減評価」によれば、海軍と海兵隊は現在の77万人が57万人に、陸軍大隊は100大隊が60〜70に、海軍艦隊は288隻が238隻に、空軍戦闘機は1990機が1512機に、戦略爆撃機は135機が101機に、戦略・戦術空輸機は651機が494機にそれぞれ削減される。
 米軍再編−海兵隊のグアム移転を急ぐ背景には、中国スターリン主義の台頭への「脅威」がある。米帝は中国の軍拡に即応する安全保障上の要請から、普天間基地の固定化・強化と一体で軍事力分散配置を推進しようとしているのだ。
 その具体化について協議では次のように提示した。沖縄の第3海兵遠征部隊(3MEF)司令部と主力戦闘部隊の第31海兵遠征部隊(31MEU)を沖縄に残し、主に歩兵・砲兵からなる第3海兵師団の多くを海外に移転する。自衛隊との連携を強める日米安保の強化措置だ。海外に移転する5千人はハワイ、オーストラリア、フィリピンなどの基地への固定駐留ではなく、秘密裏に移動する巡回駐留態勢で24時間型の有事即応体制の構築をめざしている。一部は韓国、岩国基地への移転も提示している。
 現在、米自治領・北マリアナ諸島のテニアン島への自衛隊駐留に向けて日米の調整が進められている。10年7月、自衛隊は「海賊対策」として北アフリカのジブチに戦後初めて海外基地を建設した。今回の米領駐留は自衛隊の南西拠点化に向けた本格的共同訓練のための海外拠点建設だ。「統合エア・シーバトル構想」のもとで歴史を画する日米同盟強化の踏み込みである。徹底的に弾劾しなければならない。

 各国と共同で対中国包囲網

 米帝の対中包囲網構築は、日帝との間では、@防衛施設の共同使用、共同訓練や監視活動の強化、Aサイバー攻撃での協力が推進されている。
 韓国との間では、@サイバー攻撃への戦略政策対話の創設が進められている。A次官級の統合防衛対話の創設。日米韓の統合軍事演習による北朝鮮への軍事重圧に加え、韓国国防省は19日、北朝鮮全域の核施設やミサイル基地を攻撃できる射程1千`以上の新型巡航ミサイルの実戦配備を完了したと発表した。
 オーストラリアとの間では、@サイバー攻撃に安保条約で共同で対処、A軍事施設の共同使用、米軍物資の集積が確認され推進されている。
 シンガポールには最新鋭沿岸海域戦闘艦(LCS)を配備する。
 ベトナムとは空母も動員した軍事交流・統合演習が強化されている。
 インドネシアには海洋監視用新型レーダーを導入する。
 ASEANとは、@海洋の安全保障を米軍が支援する枠組みを構築、A拡大国防相会合の毎年開催の提案、などを具体的に推し進めている。

 オスプレイの配備絶対阻止

 日米協議では沖縄基地返還は「3段階で行う」としているが、基地と施設は一体で機能する。施設の返還は基地機能を脆弱化させる。基地が存続・固定化される限り返還はあり得ない。
 米帝は海兵隊の分散型移動駐留の24時間有事即応態勢の構築とともに、7月から普天間基地へ新垂直離着陸大型輸送機MV22オスプレイを配備することを検討している(最終的には24機)。普天間配備の前にキャンプ富士、米軍横田基地、岩国基地、三沢基地などに一時駐機させることも検討された。一時駐機というが、継続させ常駐化させ、事実上の配備として固定化するのが日米帝のやり方だ。しかもオスプレイは墜落事故が後を絶たない欠陥機である。これを沖縄、本土に配備することは断固、阻止・粉砕しなければならない。
 つまり、「統合エア・シーバルト構想」の具体化としての海兵隊の移転とは、普天間の存続・固定化、辺野古新基地建設の推進であり、日本全土出撃基地化なのである。
 沖縄県民と労働者階級の唯一の立場は、沖縄から日本全土から全世界から米軍基地を全面撤去することである。「労働者は死んではならない。死すべきは基地である」

 ミサイル迎撃態勢への突入

 日帝・野田政権は13日の北朝鮮の「人工衛星」=ミサイル発射を「武力攻撃事態」として、海上配備型迎撃ミサイルSM3の配備に加え、地対空ミサイルPAC3の配備を強行した。「弾道ミサイル破壊措置命令」を発令し、全国Jアラート(全国瞬時警報システム)も初めて発動した。4カ所にPAC3を配備した沖縄では、自治体労働者・教育労働者を動員し、各自治体に自衛官を配置した。南西拠点化も狙って自衛隊がわが者顔で蹂躙(じゅうりん)する戦時体制下にたたき込まれた沖縄県民は怒りをたぎらせている。
 発射を前にした3月26日、空自総隊司令部(作戦部隊など約760人)が米軍横田基地に移転、「共同統合運用調整所」を新設した。そして米軍再編計画後初の日米弾道ミサイル防衛の一体的運用を行い、横田基地の米第5空軍司令部(指揮はハワイの第13空軍司令官)のもと、空自総隊司令官が指揮を執った。
 北朝鮮国内では「ミサイル」発射、金日成生誕100年軍事パレードの陰で、経済活動を中断した金正日哀悼期間の約5カ月間で2万人の餓死者が出たと報道されている。北朝鮮スターリン主義の「先軍政治」と核・ミサイル開発での反人民的な瀬戸際的軍拡政策は、北朝鮮の労働者階級人民の怒りの決起を必ずや引き起こすだろう。

 5・15沖縄に総決起を

 福島原発事故で高線量の放射能が全国の山河、大地を汚染し、内部被曝を日々拡大し被曝労働が強制されている。東電と政府が一体となり大手ゼネコンが放射能汚染がれきの処理で膨大な血税を懐にしている。一方、汚染がれきを処理しているのは原発労働者と同様、低賃金の非正規労働者だ。陸自隊員は1年9カ月、海空自隊員は2年1カ月の非正規労働者だ。ブルジョアジーにとっては隊員も原発労働者も非正規労働者もすべて使い捨ての対象でしかない。
 01年以降イラク・アフガニスタンに派兵された160万人の米軍兵士を対象にした調査では、62万人がPTSD(心的外傷後ストレス障害)と戦闘による脳障害を負って、今なお苦しんでいる。恐るべき数字である。
 3・11から原発対処で現地に動員された自衛隊員への防衛省の調査では、PTSDとトラウマ(心的外傷)を負った陸自隊員は5・5%、海自隊員は4・3%(さらにうつ病が5人)、津波で崩壊した松島基地を出撃拠点化するための作業に携わった空自隊員では14%だった。これすら氷山の一角でしかない。
 1%のブルジョアジーの利益のための戦争で99%の労働者・兵士が人間として破壊され、使い捨てにされているのだ。
 世界大恐慌−過剰資本・過剰生産力状態と労働者人民の困窮・飢餓は戦争を引き寄せるだけではなく、プロレタリア世界革命を急速に引き寄せる。資本主義・帝国主義とスターリン主義の破綻はプロレタリア革命情勢の到来を意味する。労働者階級と兵士の団結を獲得し、職場生産点で国鉄全国運動を前進させることが一切の突破口だ。
 日本全土を対中国、対北朝鮮への侵略戦争出撃拠点とする米日帝の策動を粉砕しよう。青年労働者・学生を先頭に、「復帰」40年の5・15沖縄闘争を爆発させよう。

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週刊『前進』(2534号4面2)(2012/04/30 )

 “証人隠しは許さぬ”

 市東さん農地裁判 裁判長を鋭く追及

 4月23日、千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)で三里塚芝山連合空港反対同盟・市東孝雄さんの行政訴訟・農地法裁判が開かれた。この日で口頭弁論を打ち切り、次回から証人調べに入る。法廷は証人尋問のあり方をめぐる緊迫した攻防となり、NAA(成田空港会社)と千葉県に肩入れする裁判長の偏った訴訟指揮が浮き彫りになった。
 冒頭、陪席裁判官の交代に伴う更新意見を反対同盟顧問弁護団の葉山岳夫弁護士が陳述し、NAAによる署名偽造問題、違法な買収による農地取得が無効であることなどをあらためて突きつけ、「NAAの主張は根拠を失っている」と断じた。そして最重要証人である藤ア政吉(旧地主)を証人採用するよう重ねて求めた。
 土地取り上げの唯一の根拠として出してきた「同意書」「境界確認書」と添付図面の偽造という大問題が露見した中、NAAはカギを握る藤ア証人隠しに必死だ。裁判長は立証責任を放棄するNAAを擁護し、とにかく日程を「予定通り」に消化して、早期に判決を下そうという姿勢を露骨に示した。「NAA側が反論はしない、文書も出さないと言っているのだからそれでいいじゃないか」と繰り返す裁判長を、弁護団は徹底追及した。
 さらに裁判長は、総論的調べとして最初にやるべき重要証人・石指雅啓(当時国交省成田空港課長)の尋問を理由なく10月に先送りした。弁護団の激しい追及にもかかわらず強引に押し通そうとする裁判長に対して、市東さんが鋭い一言を発した。「ここ(千葉地裁のこの法廷)でやるのは間違いないですね」。実はこれがこの攻防の核心だ。NAAは公開法廷ではなくビデオリンクを不当に要求している。裁判長は「それについては検討してから……」などと言葉を濁した。証人隠しの姿勢が露骨だ。絶対に許してはならない。
 次回5月28日から、いよいよ証人尋問に入る。最初の証人は農地取り上げの手続きを進めていたNAAの戸井健司だ。
 閉廷後、弁護士会館で報告集会が開かれた。司会は伊藤信晴さん。
 最初に市東さんがあいさつに立ち、「NAAはこちらの問いに10分の1も答えず、裁判長がそれを擁護する、こんなひどい裁判を絶対に許せない。今日は弁護士の先生方が頑張って、裁判長もしどろもどろでしたが、裁判をよりこちらの側のものにするためには傍聴の力が必要です。よろしくお願いします」と、支援の労働者・学生に訴え大きな拍手を浴びた。
 さらに弁護団一人ひとりが発言し、NAA・県と裁判所をさらに追いつめる決意を語った。
 北原鉱治事務局長がまとめのあいさつに立った。「弁護団の追及は鋭く、向こうは防戦一方だった。真実を守るためにみなさんとともに闘います」。47年間の不屈の闘いを担った北原さんの一語一語を受けとめ、全員が拍手で応え、農地死守の決意を新たにした。
(写真 法廷でも裁判長に迫った市東さんが、報告会で「こんな裁判は許せない」と怒りを表した【4月23日 千葉市】)

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週刊『前進』(2534号4面3)(2012/04/30 )

日誌'12 4月17日〜23日

 釣魚台(尖閣列島)、石原が購入方針/米、北朝鮮に安保理決議順守要求

●釣魚台(尖閣諸島)、都知事が購入方針 米ワシントンを訪問中の石原慎太郎・東京都知事は現地で講演し、都が釣魚台を購入する方針を明らかにした。すでに個人「所有者」側から同意を得ていると言い、年内にも都議会に提案する。釣魚台は中国の領土であり、購入は排外主義の扇動と挑発、侵略の既成事実化を狙うもの。(17日)
●がれき受け入れ、17道府県も前向き
 宮城、岩手両県のがれきのうち約400万dを全国で受け入れる広域処理を巡り、政府が3月に文書で協力要請した35道府県と10政令指定市のうち、新たに17道府県と5政令指定市が受け入れに向けた具体的な回答をしたことが分かった。細野豪志環境相が関係閣僚会議で報告した。(17日)
●北朝鮮が米朝合意の破棄表明 北朝鮮外務省は、ウラン濃縮活動や核実験の一時停止などを約束した2月の米朝合意に「これ以上、拘束されない」とする声明を発表し、合意破棄を表明した。朝鮮中央通信が伝えた。北朝鮮が「人工衛星打ち上げ」とする長距離弾道ミサイルの発射を受け、国連安全保障理事会が強く非難する議長声明を採択したことに反発したもの。(17日)
●米、北朝鮮に安保理決議順守求める
 米国務省のトナー副報道官は会見で、北朝鮮の米朝合意破棄表明について「北朝鮮は核開発計画の放棄や核実験の禁止を盛り込んだ過去の国連安保理決議を順守しないといけない。安保理は議長声明で、もし核実験などを実施すれば行動をとると明確にした」と指摘。核実験に踏み切った場合は追加の制裁措置を取る考えをあらためて示した。(17日)
●食品の放射能検査「独自基準やめて」 食品の放射性物質検査で、農林水産省はスーパーや食品メーカー、外食産業などの業界団体に対し、国が設けた放射性物質の基準を守るよう求める通知を出した。国よりも厳しい独自基準を設けて自主検査を実施し、「『放射性物質不検出』の食品しか売りません」などとする動きに歯止めをかけるのが狙いという。国は4月から、新基準(一般食品の放射性セシウムは1`あたり100ベクレル、牛乳と乳児用食品は50ベクレル、飲料水10ベクレル)を施行。(20日)
●米が新生児など1200人研究利用
 広島と長崎への原爆投下の数年後に、被爆者の親から死産したり、生後すぐ亡くなったりした赤ちゃんのうち、臓器標本やカルテが米国に送られ放射線研究に利用された人数が1200人以上に上ることが分かった。米国は戦後間もない時期から原爆の放射線による遺伝的影響の調査に着手。占領期に被爆者や新生児の標本が日本から米国に渡ったことは明らかになっていたが、具体的規模は軍事情報とされ不明だった。(21日)
●中ロが合同軍事演習 中国とロシアの両海軍による合同軍事演習が山東省青島沖の黄海で始まった。中国国防省によると、両軍から護衛艦や潜水艦など計25隻が参加する過去最大規模。緊迫する朝鮮半島情勢や、米韓両軍による演習を牽制する狙い。(22日)

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週刊『前進』(2534号4面4)(2012/04/30 )

 三里塚裁判傍聴を!

◎第3誘導路許可取消裁判
5月1日(火)午前10時30分 千葉地裁

◎団結街道裁判
5月8日(火)午前10時30分 千葉地裁
 (傍聴券抽選のため1時間前に集合)

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週刊『前進』(2534号5面1)(2012/04/30 )

 全国学生は5月沖縄現地へ

 新たな安保・沖縄闘争に立ちすべての基地と原発なくせ

 革共同中央学生組織委員会

 「原発いらない!/大学生が立ちあがる日」と呼びかけた4・19法大包囲デモ−文科省行動は、法大生と福島大生を先頭に全国学生が団結した感動的な闘いとなった。新入生や新しい仲間も次々と加わり、監獄大学=法政大への怒りに燃えて立ち上がった。全原発をなくし社会を変えるために、学生が行動する新しい時代が始まったのだ。
 だからこそ、法大包囲デモにおける学友A君の不当逮捕を絶対に許すことはできない。警視庁は、まったく正当な学生のデモに襲いかかり、「公務執行妨害」をデッチあげた。「こんな暴力に屈してたまるか!」。デモ隊は固くスクラムを組んで警察権力と対峙して闘った。A君の身柄を奪われた時の怒りは絶対忘れることができない!
 夕方の全国学生集会では、不当弾圧粉砕に総決起することを共同の決意とした。学生が原発の廃絶に向かって闘うこと、新自由主義大学のキャンパスから団結して立ち上がることそのものを「犯罪」と見なす国家権力。こんな腐りきった社会のあり方に、これ以上黙っていることはできない!
 弾圧粉砕闘争−法大闘争と一体で、原発再稼働を阻止し、すべての核・原発・基地をなくすための5月沖縄現地闘争に全国学友は総結集しよう。沖縄での学生運動の復権と階級的労働運動のうねりの中で、新自由主義を打ち破る沖縄闘争に立とう。
(写真 一日行動の最後に全国学生総決起集会。不当逮捕された学友の奪還と5月沖縄闘争への決起を誓い団結ガンバロー【4月19日】)

 反原発を闘う自治会を

 5月沖縄闘争は第一に、日本と世界からすべての核・原発・基地をなくし、社会を根底から変革していくために、反原発闘争と新たな安保・沖縄闘争の一体的爆発をかちとっていく闘いだ。
 〈3・11〉以来、福島を先頭とする民衆の怒りと闘いの力が、今日まで1基の原発も再稼働させなかった。そして5月5日には、現在唯一稼働している北海道電力・泊原発3号機が停止する。今私たちが渾身(こんしん)の力で立ち上がれば、原発再稼働は絶対に阻止できる。野田政権と「原子力村」の卑劣なあがきを許さず、全原発停止をかちとろう。
 そして「稼働原発ゼロ化」を新たな出発点とし、すべての核と原発を廃絶していく壮大な闘いを開始しよう。今求められていることは、一方において、ますます多くの人びととの団結を拡大し、福島の「切り捨て・棄民化政策」の現実に具体的に立ち向かっていくことであり、他方において、核・原発との「共存」を強いてきたこれまでの日本と世界のあり方を根底から変革する新たな反戦・反核闘争をつくり出すことだ。その鍵は、福島と沖縄の怒りが一つになり、反原発闘争と安保・沖縄闘争を一体的に爆発させていくこと、その先頭に闘う労働組合と学生自治会を登場させることにある。
 そもそも人類を絶滅させかねない核や原発が、私たちの生きる社会になぜ存在しているのか。原子力は、市場・資源・勢力圏をめぐる帝国主義間の争闘戦としての第2次世界大戦中に核兵器として開発され、広島・長崎への原爆投下をもってその恐るべき姿を現した。
 そして日本帝国主義は戦後、アメリカ帝国主義の原爆投下の責任を追及するどころか、むしろ米帝の「核の傘」のもとで帝国主義として復活を図り(日米安保同盟)、自らも「原子力の平和利用」と称して原発を導入した。表向きは「唯一の被爆国」「非核三原則」と言いながら、その裏で一貫して核開発を続け、全国に54基もの原発と核燃関連施設(最大の実体は高速増殖炉もんじゅと六ケ所再処理工場)の建設を進めた。これは、憲法9条で「戦力は保持しない」とうたい、表向きは「平和国家」を装いながら、実際には日米安保のもとで米帝の侵略戦争に積極的に協力・参戦し、沖縄に米軍基地(核基地)を押し付けてきた構図とまったく同じだ。
 この日米核安保体制と対決できず屈服してきた社・共主導の既成原水禁運動は、「東アジアの非核化」を掲げながら米帝と日帝の核・原発政策は一切問題にせず、米日帝国主義と一体となって北朝鮮や中国の核開発政策を声高に非難し、侵略戦争すら容認する運動へと転落していった。
 このような戦後日本の核政策の全面的な破産が福島原発事故という形で爆発したのだ。そして今や野田自身が「(原発再稼働は)安全保障の問題だ」(1月24日の施政方針演説)と公然と認め、福島原発事故の責任を完全に居直って核武装化へ突き進もうとしている。
 原発の再稼働を阻止し、すべての核と原発の廃絶を目指す闘いは、この欺瞞(ぎまん)に満ちた戦後日本のあり方そのものを根底から撃つ闘いだ。来る沖縄闘争をその決定的な突破口としよう。

 朝鮮・中国侵略戦争阻め

 5月沖縄闘争は第二に、切迫する米日帝国主義の北朝鮮・中国侵略戦争を阻止する闘いだ。
 世界大恐慌の深化が資本主義・帝国主義の支配の終わりを告げ知らせる中、米帝オバマ政権は、アジアを主戦場とした新たな戦争へと突き進もうとしている。すでに今年冒頭、米国防総省は「新軍事戦略」を発表し、中国スターリン主義を名指しで攻撃対象とした具体的な戦争戦略「エア・シーバトル構想」を打ち出した。これに即して米軍は日本や韓国と共同して大規模な軍事演習を繰り返し、アジア太平洋地域における米軍再編を進めている。海兵隊移転問題などの今日の沖縄米軍の動向は、すべてこの米帝の新軍事戦略の一環であり、断じて「沖縄の負担軽減」などというものではない。
 この動きに対応し、野田政権は4月29日からの訪米と日米首脳会談を通じて「日米同盟の強化」と「アジア太平洋新秩序の構築」をうたった新たな日米共同声明を採択しようとしている。声明では、日米同盟を「アジア太平洋地域の安定と繁栄のための公共財」と位置付け、日米主導による「秩序づくり」を表明し、「普天間飛行場の県内移設の早期実現(辺野古新基地建設)」を宣言しようとしている。
 それは「本土復帰40年」を期して、なんら変わらない基地の現実に対して爆発しようとしている沖縄の怒りと闘いに、公然と宣戦布告するものだ。断じて許すことはできない。
 この間の北朝鮮「人工衛星」ロケット発射を口実とした沖縄への自衛隊派兵・駐留、PAC3配備の攻撃は、まさに日帝自衛隊による沖縄蹂躙(じゅうりん)そのものだ。石垣島には実弾入りの銃を携行した自衛隊が配置され、迷彩服を着た自衛官が自治体庁舎内で指揮を執る異様な光景が現れた。
 さらに北朝鮮「人工衛星」打ち上げ直後の13日昼、自衛官2人が沖縄大学正門前に登場し、「自衛官募集」のビラを配り、学生に声をかけて募兵活動を行った。前代未聞の事態だ。「基地の島=沖縄」ゆえの高失業率=就職難の現実に付け込んで、沖縄の学生を日帝自衛隊そのものへ組織しようと乗り込んできたのだ。このことからも、今回の派兵が「ミサイル迎撃」を口実とした自衛隊恒久配備への「地ならし」であることは明らかだ。この間の都知事・石原、石垣市長・中山ら極右勢力による釣魚台(「尖閣列島」)「購入」策動も、中国への挑発と自衛隊配備に向けた突出だ。
 だが、こうした日帝の策動のすべては、基地と戦争に反対する沖縄の闘いをまったく制圧できないことへの焦りといら立ちを示すものだ。「復帰40年」を前に、沖縄の闘いはもはや既成の「革新勢力」の掲げる「普天間基地の県外・国外移設」論、すなわち安保容認、戦争容認の立場を大きくのりこえ、「基地も安保もなくせ!」という根底的な闘いとなって爆発を開始している。今こそ本土−沖縄一体の闘いで米日帝の朝鮮・中国侵略戦争を阻止し、すべての基地と安保をなくすために立ち上がろう。

 日本革命の展望開こう

 第三に、安保・沖縄闘争は日本革命−世界革命の決定的水路であり、革命の展望そのものだということを訴えたい。
 そもそも日米安保とは何か。それは米帝の側から見れば、戦後の対アジア支配政策にとって決定的な要をなす軍事同盟であった。米帝は第2次大戦後、全世界で一斉に巻き起った労働者人民の革命運動を暴力的に圧殺し、ドルを基軸通貨とする帝国主義世界経済を構築するために巨大な軍事機構を全世界に張りめぐらせた。1951年に締結された日米安保条約は、中国革命−アジア革命を軍事的に封じ込め、直接的には朝鮮戦争(1950〜53年)を遂行するための軍事的措置としてあった。
 日帝にとっては、敗戦によってひとたび武装解除されたが、その戦後的制約を突破して再びアジアを侵略する帝国主義として復活していくための唯一の世界戦略としてあった。日帝は戦後一貫して、国内経済発展の行き詰まりをアジアへの資本輸出・商品輸出によってのりきることで延命してきたが、その進出先は常に日米安保の軍事的制圧下にある国々であった。
 したがって日米安保同盟とは、日本がアメリカに「従属」させられているという関係ではなく、あくまでも帝国主義の強盗同士の同盟であり、日帝は独自の利害をかけて安保の維持・強化を図っているのである。それは今日的には、大恐慌下での生き残りをかけ、相互に激しい矛盾と対立をはらみながら、北朝鮮・中国をターゲットにした侵略戦争同盟として存在する。激化する自衛隊の沖縄・南西諸島配備の動きも、日帝の対米対抗的な意志を示している。こうした日米安保体制の最大の実体が沖縄の米軍基地である。
 だが、ここで重要なのは、沖縄が日米安保の矛盾の集中点であり、米日帝国主義の最大の弱点をなしているということだ。事実、米日帝の安保・戦争政策の前に戦後一貫して立ちはだかり、その存立を脅かしてきたのは、沖縄労働者人民の闘いであり、本土−沖縄が一体となった反戦・反基地闘争の爆発であった。とりわけ72年のペテン的「返還」を前後して爆発した70年安保・沖縄闘争では、〈沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒〉のスローガンのもと、無数の青年労働者・学生が革命の情熱に燃え、自らの生き方をかけて立ち上がった。
 今なおデッチあげ弾圧によって徳島刑務所にとらわれている星野文昭同志は、こうした青年・学生のリーダーとして、1971年11月の沖縄返還協定批准阻止闘争を闘った。それゆえに国家権力の憎しみを一身に受け、今日まで獄中37年を不屈に闘い続けているのだ。沖縄闘争の爆発で星野同志を絶対に奪還しよう。
 時代は70年闘争を超える新たな革命的激動期へ突入している。沖縄現地では、国鉄闘争全国運動を軸に新自由主義を打ち破る新たな闘いが開始されている。4・19法大闘争の高揚を引き継ぎ、すべての核・原発・基地を廃絶するために、全国学友は5月沖縄現地闘争へ駆けつけよう!

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週刊『前進』(2534号5面2)(2012/04/30 )

 5・15沖縄闘争へ向け役者はそろった!!

 《投稿》 沖縄 真喜志康彦

 4月17日、「『復帰』40年/5・12沖縄集会」の第1回実行委員会が宜野湾市で開かれました。
 実行委員会には、かつて70年安保・沖縄闘争をその中心で闘った電通労働者、全軍労闘争、とりわけ牧港基地内決起を実現した闘士の方々が40年の時を越えて勢ぞろいしました。総勢14人というかつてない結集です。
 最も感動したのは、元教組のSさんのお話でした。「5・15県民大会などは、議員や首長の発言ばかりでちっともおもしろくない。それに比べて実行委員会の集会は、若い学生や青年労働者が300人も集まる。こんな集会はほかにないですよ。私は、5月12日はおいの結婚式があって参加はできませんが、その代わりに1万円をカンパいたします」との発言に全員が感動しました。
 さらに、八重山在住の方からも5千円のカンパが寄せられていることが報告されました。
 NTTの労働者からはパート労働者や契約社員など7人で飲み会を行い、そこで5・12集会の呼びかけがなされたことが報告されました。
 またブックレット『基地も原発もいらない』はまったく時宜にかなったものとして、「70年代のあのような闘いを現代によみがえらせよう」と参加者の決意を固めるものになりました。
 「復帰」40年の5・15沖縄闘争へ向けて、役者はそろいました。5月沖縄現地でお会いしましょう。

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週刊『前進』(2534号5面3)(2012/04/30 )

 4・19学生総決起集会

 法大生・福島大生先頭に 「全原発廃炉」誓う

 4月19日、4・19法大―文部科学省行動実行委員会の呼びかけた「原発いらない/学生が立ちあがる日」一日行動が闘われた。学生1人の不当逮捕を突き破って法大包囲デモを闘いぬき、文科省への要請行動を行った。
 夕方からの総決起集会で、斎藤郁真・全学連委員長が方針を提起した。(前号既報)
 この集会には、学生の不当逮捕を聞いて首都圏の仲間も駆けつけた。全国の学生が弾圧への怒りと、自らの大学で学生自治会を再建していく決意を口々に語った。
 圧巻は、大学当局の分断攻撃を打ち破って新たな仲間とともに結集した福島大生たちだ。坂野陽平・全学連書記長は福島大学での6月全国集会に向かって「福島の怒りを全国に発信することによって、再稼働をとめて全原発を廃炉にし、この社会を根底からひっくり返していく。学生自治会の建設・奪取に本格的に挑戦して闘おう」と鮮明に提起した。
 法大包囲デモから全行動に参加してくださった子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク代表の佐藤幸子さんは、法大当局や警察権力の正体を目の当たりにし、「今回、若い人たちが自由に討論できない環境になっているこの日本がまずおかしいんじゃないかと実感しました」と学生への期待をこめた連帯あいさつを行った。

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週刊『前進』(2534号5面4)(2012/04/30 )

 5・21全国集会in日比谷へ

 裁判員制度の息の根止める時


 「裁判員制度はいらない!全国情報」編集長の中本源太郎弁護士から、裁判員制度はいらない!大運動が主催する「5・21裁判員制度廃止!全国集会in日比谷」への参加を呼びかけるアピールが寄せられた。この訴えに応えて、5月21日、日比谷公会堂に集まろう。(編集局)

 5・21裁判員制度廃止! 全国集会in日比谷へ参加を

 「裁判員制度はいらない!全国情報」 編集長 中本源太郎


 裁判員裁判の実施からまもなく3年を迎える。かねて指摘されてきた問題が案の定噴出、最高裁や日弁連がいくら「制度は順調」と強弁しても、その実態は、にっちもさっちもいかない完全な行きづまり状況にある。国民の不人気は相変わらずで、80%を超える国民の忌避(裁判員への辞退)が広がる一方だ。さいたまの連続殺人事件の100日裁判では、呼び出された候補者330人のうち18%の61人しか裁判所に来ず、当日の辞退者を除く34人から裁判員を選ばなければならなかった。この現象は3年間で2万8680人もの国民が裁判員を経験しても変わらない傾向だ。
 今や、「一度ぐらい人を裁きたい」という人や「時間的経済的に余裕があって裁判員裁判につきあえる人」「裁判所の呼び出しを断れない人」しか裁判員にならない、という実にいびつな「国民参加」制度に堕している。
 こうして、社会の治安を脅かす重大犯罪の裁判に関与させて国民に統治主体意識(お上の治安意識)を持たせようという国民動員、国民教化という制度の狙いは見事に失敗しているのだ。法務省も制度見直しの論点整理作業を始め、「裁判が相当長期間に及ぶ否認事件」や「覚せい剤事件・性犯罪事件」を裁判員裁判の対象から外すべきであるなどの議論が始まっている。国民の拒否と冤罪の危険の増大が制度を文字どおり立ち往生させている。
 一方で、裁判員に長く裁判につきあわせられないとして争点の整理、圧縮のために設けられた公判前整理手続が想定外に長引き、膨大な事件が滞留する深刻な状況も続いている。これは、公判前整理手続で「争点を整理した後には、仮にアリバイが見つかっても、原則として新証拠の提出が許されないことと関係している。弁護人としては(対応する検察官も)、手続終了後の主張や証拠の提出が禁じられるのを恐れ、考えられるだけの主張を出しておこうとすることにより、かえって争点の整理に手間がかかるのである」(5・21全国集会講師である関東学院大学教授・宮本弘典さんの講演録『裁判員制度は本当に必要か?』)。
 そして、見過ごせない最大の問題は、刑事裁判の原則の破壊が進行している点だ。被告人の黙秘権と防御権を無視する争点の整理、核心に絞った迅速な裁判の名による証拠の制限と圧縮、定めた審理計画どおりの短時間審理、被害者参加制度による被告人・弁護人の防御権侵害と圧迫(刑事裁判のお白州化)が進んでいる。「加えて、周到にも、検察側から開示された証拠を裁判の目的外に使用することが刑罰をもって禁止されており、政治・公安事件、冤罪事件において広く支援者やジャーナリストに証拠を見せて社会に訴える道が閉ざされている点も見過ごせない」(同上)
 そして極めつきが三審制の否定だ。最高裁は、裁判員裁判の無罪判決(覚せい剤取締法違反事件)を取り消して有罪とした高裁判決をひっくり返して無罪とし、よほどのことがない限り「裁判員裁判の結論を尊重すべきである」とした。裁判員裁判制度の推進のためにあえて三審制度という裁判の根幹をもゆるがせにしたのだ。しかし、この論理は、裁判員裁判の有罪判決にもそのままあてはまるはずであり、無罪となるべき被告人が救われず、冤罪を生み出す恐れをも内包している。「現に、裁判員裁判の施行後も、かつて国連から『精密司法』(?)と批判された有罪率99%超は一向に緩和されていない。刑事裁判の本来の目的である無実の発見は増えていないし、日本の刑事司法がはらんでいる誤判の構造、人身の自由への攻撃的構造もまったく変わっていない。刑事裁判は相変わらず『絶望的』だ」(同上)
 国民が求めてつくられたわけでもなく、これほど多くの問題をはらみ、百害あって一利もない裁判員制度は一日も早く廃止すべきことが明らかだが、国民に幻想を抱かせ続け、制度の延命のために悪質な役割を果たしているのがほかならぬ日弁連執行部だ。
 日弁連は3月に制度見直しの提言を公表した。「否認している被告人が望むなら、対象外の事件でも裁判員裁判で審理する」という”拡大”論が特徴。被告人に裁判員裁判拒否の選択権を与えようと言うのではない。この選択権は「それを認めたら制度が崩壊してしまう」(政府司法制度改革審議会)として一蹴された。今回の日弁連提言はこれとは真逆であり、裁判員制度が被告人にとって良いものだという幻想を振りまくための悪知恵である。だいたい、弁護人の誤導(美化)なしに「自ら望む」被告人がいるわけもない。全面的証拠開示・守秘義務の緩和・死刑全員一致制などその他の日弁連提言も、根本問題から意識的に目をそらしてマヤカシを図るものに過ぎない。日弁連はまたしても制度延命の旗を先頭で振るという役回りを買って出ているのだ。日弁連は「人権の砦(とりで)」から「治安の砦」の一角の担い手に成り下がっている。
 制度実施ちょうど3年の5月21日、この制度のまさに息の根を止めるための集会が開かれる。全国からの大勢の方々の参加を呼びかける。

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 5・21裁判員制度廃止!全国集会in日比谷

 5月21日(月)午後6時開場 6時30分開会
 日比谷公会堂(東京メトロ日比谷線・千代田線 日比谷駅A14、都営三田線 内幸町駅A7下車)
■5・21版「インコのアルバム日記 上映

第1部 講演 宮本弘典さん 関東学院大学教授(刑法、刑法史)
 「東西古今裁判物語/易く+速く+重く=?」
■3D寸劇
「インコライダー、怪人サイコウサイの野望をうち砕け!」

第2部 みんなの声

ビデオレター/各地から/裁判員候補者から

 主催/裁判員制度はいらない!大運動

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週刊『前進』(2534号6面1)(2012/04/30 )

 7・9「在留カード」阻止を

 第23回外登法・入管法と民族差別を撃つ全国研究交流集会

 480人が集い画期的成功

 在日外国人労働者が主軸に

 4月22日、横浜市開港記念会館で「新たな入管体制ゆるすな! 『在留カード』粉砕!」を掲げた第23回外登法・入管法と民族差別を撃つ全国研究交流集会が開かれた。集まった480人は民族・国籍・国境を越えた国際連帯、在日・滞日外国人労働者と日本人労働者の団結した力で「6・20世界難民デーに在留カード阻止・法務省包囲デモをやろう! 7・9在留カード制度開始反対の法務省行動を組織しよう!」と決議した。韓国からは民主労総ソウル本部のパクヨンチャン副本部長と移住労組のウダヤ・ライ非常対策委員長が参加。世界十数カ国・地域出身の外国人労働者、難民・仮放免者が一堂に会し、福島の怒りと固く結合し、世界大恐慌下で反原発・反失業、反新自由主義の新たな共同闘争をスタートさせた。(本紙・室田順子)
(写真 在留カード制度粉砕へ「団結ガンバロー」 【4月22日 横浜市開港記念会館】)

 福島の怒りと結合

 昨年9・28東京入管デモと3・11郡山の記録ビデオ上映後、全国実行委のビルマ民主化活動家と全学連の松室しをりさんの司会で開会した。
 連帯あいさつでは、在日中国人、在日ビルマ人が3・11以降、被災地支援に取り組んできたことを報告し、「昨年、日本で1867人が難民申請をしたが、難民認定されたのはわずか27人だけ」「外国人も人間である。難民も人間である」「団結して労働者の権利を守ろう」と呼びかけた。高校無償化からの朝鮮学校排除と闘う在日朝鮮人からの連帯メッセージが紹介された。
 〈再稼働とめよう! 世界の核と原発なくそう!〉のアピールでは、ふくしま合同労組の坂元太平副委員長と「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」の織田陽介事務局長が発言。坂元さんは「学校の除染作業にお母さんがフィリピン人の16歳の青年が従事している。私も原発から50`の東北自動車道のガソリンスタンドで働いている。ガソリンは被災者の命綱だと1日8時間以上働いてきた。低線量被曝なのか最近体調が悪いが、医者は原発のせいだとは言わない。そこでふくしま合同労組では信頼できる診療所をつくろうと運動をしている」と報告し、反撃の力は労働組合だと6・10国鉄全国集会への結集を訴えた。
 織田さんも「いま廃炉作業に従事している労働者のほとんどが在日外国人、被差別部落出身者、非正規労働者です。僕たちが国境を越え、あらゆる差別を超えて団結をつくり出すことができるかどうかが、勝負だ」と、原発再稼働阻止と福島診療所建設を訴えた。

 隣に外国人労働者

 集会の基調報告を牛久入管収容所問題を考える会の田中喜美子さんが提起した。冒頭「高英三(コヨンサム)さんを始め在日朝鮮人の新たな戦闘的潮流とともに89年に開始した全国実運動を今日的に継承し、発展させていこう」と確認。在留カード制度を軸とする新たな在留管理制度が「外国人を徹底管理し、排外主義をあおって日本の労働者階級との分断を図ろう」とするものであると指摘し、「今日、あなたの隣に仮放免者、難民申請者が多く座っています。80年代以降の新自由主義が多くの移住労働者を必然的に生み出しました。この集会も11月労働者集会も滞日・在日外国人が組織者として世界の労働者の団結を求めて闘っています。生きさせろ! 幸せになる権利は誰にもある。権利は闘ってこそです。私たちは団結した力で日本を、世界を変えましょう!」と力強く呼びかけた。会場から大歓声が呼応した。
 〈労働組合で団結しよう!〉として多くの国籍の労働者を組織している労働組合と、地元神奈川の湘北合同労組が外国人組合員とともに登壇し、外国人への社会保険適用の取り組み、劣悪な労働条件や解雇との闘いを報告した。
 〈国際連帯で勝利しよう!〉では民主労総ソウル地域本部が、今年10年目を迎えた動労千葉との国際連帯を発展させようと訴えた。(要旨別掲)
 カンパアピールの後、難民家族であるクルドの子どもたちと編む夢企画の織田朝日さんが、クルドの歴史を朗読した。国を持たない民族としては世界最大のクルド人。闘いの歴史を堂々と朗読した子どもたちは、自己紹介で得意科目と将来の夢を語った。入管との闘いは、この子たちの夢を実現させる闘いなのだ。
 続いて仮放免者の会が登壇し、7・9法務省デモを呼びかけた。「一緒に集まって団結すれば変えられる」「私たちは労働者だ。原発だけ、沖縄だけ、在留カードだけでは力にならない。すべてが労働者に対する新自由主義の攻撃なのだから、みんなですべてのことを解決し、世界を変えよう。この力で星野さんも取り戻そう」「外国人だけではなく、日本人と一緒になったらなんでもできる」「正義のために団結しよう!」
(写真 仮放免者の会が在留カード阻止の7・9法務省デモを呼びかけ)

 労働組合の再生を

 すべての発言を受けて動労千葉の田中康宏委員長が国鉄闘争全国運動6・10大集会への結集を呼びかけた。「もうがまんの限界だ。この社会を変えなければ生きていけない。新自由主義とは、労働者を競争に駆り立て、非正規職にし、未来を奪うことだ。労働組合破壊であり、民族差別そのもの、戦争そのものだ! 一番先に切り捨てられるのは外国人、それが在留カード攻撃だ。在日外国人と同じ怒りをもって連帯しよう。労働組合をよみがえらせれば、満ちあふれている怒りが大きな力となって、この国の政府を倒すことができる。この場から腐り果てた日本を変えるために立ち上がろう!」
 司会から7・9「在留カード」阻止の集会決議案が提案され、満場の拍手で決議された。
 最後に斎藤郁真全学連委員長の音頭で団結ガンバロー! インターナショナルが会場いっぱいに響きわたった。

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週刊『前進』(2534号6面2)(2012/04/30 )

 第23回外登法・入管法と民族差別を撃つ全国研究交流集会 発言

 労働者の団結で世界変えよう 民主労総ソウル本部 パクヨンチャン副本部長

 民主労総ソウル本部16万組合員を代表して、力強くトゥジェン(闘争)でごあいさつします。トゥジェン!!
 資本と政権の労働法改悪による非正規職の拡大、無差別整理解雇によって人間の基本権利さえ侵奪されています。才能学習誌教師労組、国立オペラ合唱団非正規職労組、ユソン企業労組、公務員労組、現代自動車非正規職労組など、多くの労働者が労働3権の保障を要求して今この時も力強く闘っています。
 韓進重工業での勝利に続き、数日前にはハニル病院で17人の解雇労働者が、100日間の闘争と8日間の占拠ろう城の上、当局を交渉に引き出し、合意して再び仕事場に戻るという成果もありました。
 民主労総ソウル本部は今年、日本との国際連帯10年を迎え、韓日労働者国際連帯事業強化および移住労働者国際ネットワーク構築を支援してアジアの労働運動への連帯と理念交流の実践事業を推進しようとしています。全世界の労働者、民衆が団結して、資本と政権に対する闘争ですべての差別を撤廃し、労働者と民衆が世の中の主役であることを確信させていきましょう。その道をともに歩みます。

 新自由主義が移住を生んだ ソウル京仁移住労働者労働組合 ウダヤ・ライ非常対策委員長

 新自由主義のために労働者たちが仕事を求めて他の国に移住し労働をしています。しかし資本家たちは移住労働者を安い労働力、いつでも解雇することができる労働力だと考え、搾取しています。経済危機が来ると資本家たちは、まず移住労働者と非正規職労働者を解雇します。全世界の資本家、政府が労働者を犠牲にしています。
 韓国政府は移住労働者の労働3権と移住労働組合を認めていません。政府は法律で移住労働者を登録労働者、未登録労働者に分け、登録労働者は事業主にやりたい放題に働かされ、未登録労働者は強制追放して働く権利を奪っています。強制追放は労働者個人だけでなくその家族たちの生存権も奪うものです。取り締まり過程で移住労働者が負傷し、死亡者も発生していますが、政府は何の責任も負いません。韓国人に比べて賃金遅配も多く、産業災害(労災)も多いのです。
 同志の皆さん。全世界の労働者階級は団結しなければなりません。私たちは個々人の利益で分裂するのではなく、労働者階級全体の利益のために一つにならなければなりません。労働者階級の解放は労働者の力でしかなされないことを忘れてはなりません。連帯だけが労働者の力です。連帯、トゥジェン!

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週刊『前進』(2534号6面3)(2012/04/30 )

 4・19西郡 抜き打ち強制執行を弾劾

 岡邨洋さん、怒りの戦闘宣言

 4月19日、大阪地裁と八尾市は、警察権力・機動隊を導入して岡邨(おかむら)洋さん家族への住宅追い出しの強制執行を行った。この暴挙を満腔(まんこう)の怒りをもって徹底弾劾する!
 どこまで卑劣な連中だ。われわれは2・28執行調書デッチあげを弾劾し、3・14強制執行を粉砕し、3・18全国総決起闘争を600人の大結集で闘った。そして3月27日の再度の強制執行も住民が次々とマイクをとって正々堂々と闘って粉砕した。
 追い詰められた大阪地裁と八尾市は、3月27日当日急きょ「期日を5月1日まで延期する」と決定し、その通知を同日夕刻こっそり岡邨さん宅の玄関に張って逃げ帰った。そこにわざわざ「執行期日は追って指定する」と書いた。
 ところが岡邨さんに何の通告もせず、機動隊と私服、業者など100人を動員して、抜き打ちでコソ泥的に強制執行を行おうとしたのだ。怒りは頂点に達した!
 朝9時すぎ、強制執行に気づいた住民が岡邨さんに直ちに連絡、岡邨さんを先頭に八尾北労組、全国連西郡支部、地域住民が41棟前に駆けつけ、徹底弾劾行動に立った。すでに階段入り口は警備員が二重にバリケードで封鎖し、「大阪地方裁判所、強制執行中」の立て看板。「通告もなしにいったいどういうことだ。本人がここにいるのだ。高石執行官は出てきて説明しろ」と、岡邨さんが怒り鋭く追及した。
 下請け業者の警備員には年配者や女性労働者もいるが、みなうなだれている。警備員を盾にして執行補佐官が後ろから「強制執行中、立ち入らないでください。公務執行妨害になります」と震えながらくり返す。本当に許せない! 住民が出てきて一緒に弾劾した。執行官は30分で執行を切り上げ、機動隊に守られ、逃げ去った。
 岡邨さんは、「大勝利だ。こんなデタラメなやり方でしかできないところへ敵を追いつめた。やつらはわれわれの絶対反対の団結に震え上がっている。八尾北・西郡闘争、絶対反対の団結に引きずり出され、グラグラになっている。3・18ですべてを奪い返す時代、闘いに入った」と断固たる戦闘宣言を発した。
 ともに強制執行を弾劾した住民は、「地区協は絶対許さん。岡邨さんたちと一緒に最後まで闘う」と表明している。そして、3・18全国総決起闘争が示したように、八尾北・西郡闘争が切り羽となって大阪市職や大阪市教組の橋下打倒の闘いが始まっている。今こそ支部1千名建設・八尾北労組拠点化、八尾市労働者の獲得で回答する時だ。国鉄闘争全国運動6・10集会の大結集を集約点に4〜6月決戦に突き進もう。闘う拠点を建設しよう。
 (解同全国連西郡支部 植村清)
(写真 強制執行に怒る岡邨さん  【4月19日 八尾市】)

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週刊『前進』(2534号6面4)(2012/04/30 )

 星野再審棄却許さぬ

 暁子さん最先頭に 東京高裁弾劾のデモ

 4月20日、星野文昭同志が申し立てた第2次再審請求を棄却した東京高裁を弾劾するデモが行われた。
 正午、日比谷公園霞門に110人の労働者学生市民が集まり、「星野さんをとり戻そう! 全国再審連絡会議」共同代表の狩野満男さんの司会で集会が始まった。最初に、再審請求棄却に対して、怒りのシュプレヒコールがたたきつけられた。星野暁子さんが、この日午前に行われた面会・手紙国賠訴訟の第2回裁判の報告をした後、「怒りなしには読めません」と再審棄却決定を徹底的に弾劾した。 
 決定は、「取り調べにおける捜査官の誘導も不当なものでない限り、記憶喚起のために有効」という、とんでもない主張を展開している。捜査官とは誰か。デッチあげの張本人、公安デカと検察官ではないか。心理学の知見を踏まえた「厳島鑑定書」を否定するために、東京高裁はこんなでたらめを決定文に書いているのだ。
 暁子さんは「文昭は満腔の怒りで跳ね返しています」と述べ、「新自由主義・原発が労働者人民の生命すらも奪おうとしていることに対して、人間解放をかちとる闘いとひとつに棄却決定粉砕、再審・釈放をかちとります」と決意を表明した。
 はるばる駆けつけた新潟の会の上原さんが、集会の周りを取り囲む公安デカに怒りをたたきつけ、出廷した原告が国賠訴訟を闘う決意を語った。
 再審弁護団事務局から棄却決定の本質と破綻が明らかにされた。全学連が、前日の法大デモと不当逮捕について訴えた。郵政非正規ユニオンの斎藤裕介委員長が、非正規を強制される青年労働者の怒りと一体のものとして星野闘争を闘うと表明。婦人民主クラブ全国協、動労水戸、東京西部労組交流センターが次々に決意を表明した。
 いよいよデモに出発だ。隊列を整え、東京高裁に向かった。デモ隊は腹の底からの怒りを込めて、「再審棄却弾劾!」「星野さんは無実だ!」「星野さんを取り戻すぞ!」「誘導を認めた若原裁判長を許すな!」「全証拠を開示せよ!」と、沿道に響きわたるコールを続けた。高裁前では、不当な警備の規制をはねのけ、さらに怒りを倍化したシュプレヒコールをたたきつけた。
 経産省前では、反原発闘争をハンガーストライキで闘っている人たちと、また原子力安全・保安院前では、福島のお母さんたちと合流。「福島の子どもたちを守って」との訴えに、デモ隊は「すべての原発を今すぐなくせ!」とシュプレヒコールを上げ、ともに闘うエールを送った。
 異議審に絶対勝利しよう。「全証拠を開示せよ」の大運動を全国で巻き起こそう。
(写真 星野暁子さん【中央】を先頭に110人が「再審棄却弾劾!」「星野さんは無実だ!」とこぶしを突き上げ、高裁弾劾のデモ【4月20日 東京】)

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週刊『前進』(2534号6面5)(2012/04/30 )

 面会・手紙国賠 2・5デモに恐怖

 徳島刑務所が準備書面

 4月20日、東京地裁民事38部で面会・手紙国賠第2回裁判が開かれた。星野暁子さんら原告、弁護団、傍聴者が一体になって徳島刑務所の攻撃を徹底的に弾劾した。
 裁判を前に被告・国側は「準備書面(1)」を提出してきた。その中で「街宣車を先頭に、徳島刑務所外塀周辺を一団で徒歩で周回しながら、拡声器を使用して『星野を返せ』、『今すぐ返せ』、『星野さんを奪還するぞ』などとシュプレヒコールを繰り返したり、太鼓を打ち鳴らし、施設内の星野受刑者に向かって呼びかけ」たと、2・5徳島刑務所包囲デモに対する敵意をむき出しにしている。これのどこが悪いのか。星野文昭同志奪還を訴える、正義の闘いそのものではないか。
 徳島刑務所は、2・5闘争への報復として、暁子さんの手紙4通に対する新たな「墨塗り」、『前進』や『星野再審ニュース』の「墨塗り」、「禁止」処分の連発などの攻撃をかけている。「禁止」とは、面会も手紙も差し入れも星野同志との交通を一切禁止する攻撃だ。手紙の「墨塗り」は総計22通に達する。
 第1回裁判に続いて、今回も、原告の意見陳述が行われた。兵庫県から上京した原告は、星野再審闘争にかかわった経過を説明し、「私の活動に賛同してくれた人たちのためにも、また、星野さんの再審を支援し運動を続けていくためにも、私は星野さんと会う必要があります」と、面会拒否の不当性を訴えた。
 西村正治弁護士が、徳島刑務所の新たな攻撃に対して「請求原因の追加」を行うと宣言した。裁判長が「次々追加されては」と難色を示すと、鈴木達夫弁護士が「この裁判は、処分の適否を争っているのだから当然」と、反論した。
 裁判後、参加者は東京高裁包囲デモに決起した。
 国賠裁判は、日帝・国家権力、徳島刑務所との全面戦争だ。この闘いに勝利し、星野同志との自由な交通権をかちとろう。全証拠の開示を求める大運動を全国で進め、星野同志を必ず取り戻そう。次回は7月6日午前11時半、705号法廷。傍聴に集まろう。
(写真 高裁弾劾デモ出発前、徳島刑務所に墨塗りされた手紙を見せて怒りを語る星野暁子さん【4月20日】)

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週刊『前進』(2534号6面6)(2012/04/30 )

【要項】迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧差し戻し控訴審第1回公判

迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧差し戻し控訴審第1回公判

5月15日(火)午前10時 東京高裁

5月16日(水)午前10時 東京高裁

 全一日公判 控訴趣意書の陳述
 9時30分までに傍聴券配布所に集合を

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週刊『前進』(2534号7面1)(2012/04/30 )

 国鉄決戦と反原発決戦の一体的発展で新自由主義・日帝打倒=革命勝利を開け

 6・10国鉄-7・16反原発-8月広島へ

(写真 郡山市で行われた3・11福島県民大集会に1万6千人が参加した)

 〔T〕 青年労働者と非正規の怒りを根底から解き放つ闘い始まる

 (1) 新自由主義を打倒できる確信つかんだ1〜3月決戦

 「国鉄決戦と反原発・反失業でプロレタリア革命を切り開け」の本紙新年号1・1アピール路線のもと、2012年冒頭以来の闘いはめざましい前進をかちとった。その地平は、新自由主義を打ち破り、資本主義を転覆して労働者が全社会の主体的担い手となる人類の本史へと大きく動き出したことを開示した。
 日本と世界のプロレタリアートの眼前で、新自由主義の最末期性、破綻性とそれゆえの凶暴性があらわになった。それときびすを接して全世界で歴史的な規模でのプロレタリアートのデモ、ストライキ、ゼネストが日々打ち抜かれ、プロレタリア日本革命−世界革命への序曲が始まったと断言できる。とりわけ、日本階級闘争が国鉄決戦と反原発闘争を2大基軸に、両者が相呼応し融合することで、戦後革命期の闘いや60年〜70年闘争をもその根幹においてのりこえるような闘いの渦中に突入した。何よりも、膨大な青年労働者、非正規職労働者の根源的な怒りの決起がついに本格的に始まった。
 とくに1〜3月の、JRの検修・構内業務全面外注化阻止の闘いと、3・11福島県民大集会の歴史的高揚を戦取する全過程とその偉大な勝利の地平は、革命的共産主義運動にとってひとつの金字塔と言えるものである。この闘いを通して新自由主義の破綻性を暴き出し、そして必ずや打倒できるという展望をつかみとったことの絶大な意義を確認したい。

 資本主義は終わりだ

 ひとつは、07年に始まる現下の世界大恐慌の解決不能の絶望的危機が、新自由主義の歴史的破産として爆発していることを明確にしてきた。帝国主義のあらゆるあがきにもかかわらず、大恐慌の進行・深化・発展の大きな流れは、押しとどめることなど不可能である。世界大恐慌と新自由主義の破産は、日々一体となって進行している。
 そもそも今日の大恐慌は、歴史上3度目の大恐慌である。1873年の恐慌と19世紀末に至る30年近く続いた大不況で、資本主義は基本的に終焉(しゅうえん)していた。しかし、帝国主義段階へと推転することで生き延びた。レーニンが喝破したように、帝国主義は「死滅しつつある資本主義」「プロレタリア社会主義革命の前夜」である。のみならず、帝国主義は社会主義・共産主義を実現するためのあらゆる客観的前提条件を成熟させた。
 だが、1917年ロシア革命や2度目の大恐慌である1929年恐慌と30年代の大不況にもかかわらず、帝国主義は世紀をこえて生き延びてきた。それは、帝国主義自身の中に生命力があったからではない。スターリン主義の登場による国際共産主義運動の歪曲と裏切りに助けられて、幾度にもわたる戦争と革命の逆巻く中を暴力的に突破し、生き延びてきたのである。
 だが戦後初の世界恐慌として爆発した1974〜75年恐慌で過剰資本・過剰生産力の根本的問題が突き出され、戦後発展も完全に終わった。帝国主義国の利潤率は半減し、企業はいかにあがこうとも実物投資の利潤率は上がらない状態が延々と続いている。同時にこの過程はアメリカ帝国主義の歴史的没落と一体のものとして進み、戦後の帝国主義世界体制は根底的動揺と崩壊の渦中に突入することとなった。
 こうした中で、最末期帝国主義の最後の絶望的延命策として登場したのが新自由主義である。しかし過剰資本・過剰生産力の絶対的壁が解決されない限り、危機と矛盾は悪無限的に拡大する。過剰資本・過剰生産力の壁とは、私有財産制と労働力商品化という資本の矛盾、資本主義の原理的矛盾の爆発以外の何物でもない。新自由主義は今や、国家機構や軍隊・戦争までも資本の金もうけの手段に変え、労働者階級の生存をも破壊する強労働・強搾取、大量解雇と非正規職化の攻撃を強めている。だが工場法以前の過酷な労働を強いても、資本主義・帝国主義の基本矛盾は絶対に解決できない。

 労働組合めぐる死闘

 新自由主義の破産としての今次大恐慌は、まさしく「後のない」大恐慌である。最末期帝国主義の生命力はつき果てている。そして全世界のプロレタリアートの前にその正体が暴かれ、生きるための根源的決起がたたきつけられている。今や、大恐慌が行き着く先は大失業と戦争の惨禍以外にない中で、労働者階級人民が今度こそ地の底からの大反撃に立ち上がることは不可避の趨勢(すうせい)に入った。
 二つ目には、新自由主義は労働組合の屈服・転向をその内部に取り込み、労働組合の名においてそれを推進するという構造を、階級的労働運動と労働組合の必死の実践を通して暴き出したことである。新自由主義との闘いは、労働組合の存在そのものをめぐる死闘であり、ここでの攻防が全情勢を決定づけるものになる。
 レーガン・サッチャー・中曽根らによる新自由主義への踏み出しは、アメリカのAFL−CIO(米労働総同盟・産別会議)、日本の連合などをその内部に完全に取り込んで行われた。民営化・外注化と解雇・非正規職化などを労働組合が提案し、資本・当局との団交で合意し、協約をつくり強行する。労働組合が率先して職場と労働者を資本に売り渡してきた。国鉄分割・民営化の先兵=JR総連・東労組はその典型である。
 しかし、大恐慌と昨年の東日本大震災・原発大事故から1年、社会全体を覆いつくす新自由主義の絶望的凶暴化に対して、労働者階級の生存をかけた絶対反対の階級的反撃が始まった。労働組合が階級的団結を必死に組織し、反撃すれば、大災害などの惨事をも逆に資本が餌食にして肥え太ろうとする新自由主義の「ショック・ドクトリン」を無力化させ、逆包囲し、新自由主義を打ち破ることができるのだ。
 JR東日本の検修・構内全面外注化を阻止した動労千葉の傑出した闘い。非正規職労働者の現場からの労働組合結成や解雇攻撃との不退転の闘い。新自由主義による学校と教育の破壊に非和解で反撃する教育労働者の闘い。公務員バッシング、「公務員=悪」論と徹底対決する自治体労働者の闘い。新自由主義の最後の先兵=橋下徹大阪市長の反革命を食い破る、八尾北・西郡を先頭とする決起。これらの闘いは、職場生産点で新自由主義の元凶である資本主義体制を根底的に批判し、労働者の団結した力に対する確信を取り戻すことが、階級的労働運動の前進と勝利をたぐり寄せることを実証した。
 何よりも決定的なことは、新自由主義のもとで最も踏みにじられてきた膨大な非正規職労働者・青年労働者の中からついに、労働者として人間としての根源的な怒りがせきを切って噴出し始めたことである。大震災と原発大事故の衝撃が、そこにさらけ出された資本と国家の腐りきった姿と犯罪的な居直りが「敵は誰か」を明確にし、青年労働者の自己解放をかけた決起を爆発的に解き放った。また、東京西部ユニオン・鈴木コンクリート工業分会の雇い止め解雇撤回闘争への決起は、すべての非正規職労働者の前に、団結すれば勝てるという大きな展望を切り開き、非正規職撤廃闘争の大爆発への突破口を開くものとなった。
 今や、階級的労働組合を復権するために、4大産別の青年労働者、非正規の青年労働者が屹立(きつりつ)して闘っている。青年労働者の怒りの決起と反乱が職場生産点に横溢(おういつ)し、新自由主義の一翼を構成する腐敗した労働組合指導部を打倒する道筋が切り開かれている。

 組織拡大闘争に突入

 さらにいまひとつは、新自由主義との闘いに勝ち抜くためには組織拡大が切実な欲求となり、実際に組織拡大で労働運動・労働組合の主導権をとる格闘が本格的に始まったことである。
 動労千葉労働運動が外注化攻撃を粉砕し続けてきた地平の核心には、青年部結成を始めとした組織拡大での打ち抜きがある。ここには労働組合の実践の中から創造した生きたマルクス主義が宿っている。労働組合とは団結することが出発点であり、絶えざる組織拡大の教訓と前進をテコにして強化されていく。動労千葉の2001年以来の全面外注化攻撃との10年をこえる攻防は、いくつもの試練と組織破壊攻撃、役員を先頭にした強制配転攻撃に直面しつつも、「組織拡大で反撃する」を合言葉にして一丸となって実践し、必死に勝ち抜いてきた歴史である。
 新自由主義のもとでの職場の労働者支配は、資本と一体化した労働組合が先頭に立って暴力的に行われてきた。この結果、資本自身の職場制圧力は圧倒的に弱体化し、空洞化している。職場で絶対反対で闘う1人の決起が今や職場全体を揺り動かす。あるいは少数組合の決起であっても、それが他労組や体制内労組の組合員も獲得して職場を制圧する。動労千葉や動労水戸を始めとしたいくつもの職場闘争の教訓をとらえ返せば明白である。
 だが資本はそのまま崩壊するわけではない。組織拡大で反撃し続けることが最大の力であり、資本を追いつめ、新自由主義を打ち破る武器となる。
 職場闘争が組織拡大に結びつく核心は、労働者の怒りと誇りと階級的正義をとらえつくし、束ねることのできる路線の確立と深化にある。動労千葉が4・1外注化を阻止した力は、反合理化・運転保安闘争路線を団結の中軸にすえて闘ったことである。とりわけ、究極の合理化である職場丸ごとの外注化と闘うことで、反合・運転保安闘争路線を深化させ、組織拡大に果敢に挑戦したことである。合理化攻撃と非和解で闘う労働組合が資本の攻撃を打ち破り、組織拡大も実現するという戦後労働運動における歴史的管制高地を切り開いている。
 総じて、階級的労働運動の必死の実践は、新自由主義の内部矛盾を暴き出し、新自由主義と闘って勝利できる可能性を、6千万労働者階級と非正規職の過酷な現実に苦悩し怒る青年労働者に示したのである。

 (2) 動労千葉の外注化阻止は国鉄労働運動再生の突破口

 2012年は、日本での新自由主義の突破口となった国鉄分割・民営化から25周年になる。JRはこの25年間にその矛盾を激化させ、さらに大恐慌と3・11情勢のもとで延命を求めて第2の分割・民営化攻撃を全面化させてきた。この攻撃は同時に、福島原発大事故によって全原発が停止寸前になろうとしている途方もない打撃からの日帝の絶望的延命と一体のものであった。 JRの第2の分割・民営化攻撃は、大恐慌が日帝を最も激しく直撃する中で、日帝ブルジョアジー全体の延命をかけ、戦後階級闘争の全歴史と階級的労働運動のすべてを根絶しようとする階級意志をもって仕掛けられた。全駅外注化、検修・構内業務の全面外注化・民間委託、グループ企業再編、ライフサイクル制度、契約社員制度、新人事・賃金制度、基地統廃合などの攻撃である。それは鉄道業務・現業部門のまぎれもない全面外注化・民間委託であり、総じて平成採労働者の配転、リストラ、出向、非正規職化に全面的にのりだすものとしてあった。
 この反革命は、JRを先端にし突破口にして、360万公務員の全員解雇を始め、全労働者の9割の非正規職化へと突進しようとするものである。さらに橋下大阪市長を反革命的先兵にした「大阪都構想」をテコにして、道州制の現実化をも引き寄せようとするものだ。
 しかし日帝とJR資本の総力をあげた全面外注化攻撃の中軸をなす検修・構内全面外注化の4・1実施は、動労千葉の01年以来10年にわたる外注化阻止闘争の威力を土台にしつつ、昨年11月以来の基地統合反対の長期の指名ストライキを含むあらゆる力を糾合して阻止された。動労千葉は、他労組の組合員や外注化先の民間委託会社における階級的統一的な拒否闘争をも組織して、攻撃にトドメを刺した。
 動労千葉は、資本のリストラ・合理化攻撃の本質をマルクス主義でとらえきり、〈資本との非和解的対決〉〈絶対反対〉〈階級的組織的団結の強化・拡大を総括軸として闘う〉という基本路線を貫き通して闘った。とりわけ、外注化・非正規職化攻撃の最弱点である偽装請負と出向・転籍を徹底的に弾劾しぬいた。この闘いは、今後の国鉄労働運動と日本労働運動の担い手となるべき平成採と青年労働者の決起を促し、その一挙的獲得への目的意識性に貫かれている。
 偽装請負の徹底追及と集団的な出向拒否闘争が火を噴けば、新自由主義の外注化・非正規職化の土台が崩壊することになる。それは新自由主義の存立基盤の崩壊そのものである。
 動労千葉は、1970年代の船橋事故闘争や三里塚ジェット燃料輸送阻止闘争、80年代の国鉄分割・民営化反対闘争と、連綿として日本労働運動に階級的魂を吹き込みつつ、革命的路線を打ち立て、日帝支配階級と資本の前に厳として立ちはだかってきた。そして今回の全面外注化阻止闘争で切り開いた地平は、日本と全世界の労働者階級にかつてない影響力と求心力を打ち立てるものになる。
 同時に確認したいことは、JRの全面外注化は新自由主義の絶望的延命として90年代に始まり、JR総連カクマルなどの既成労働組合を全面的に取り込んで総力をあげて組織されてきた。そして国鉄分割・民営化反対闘争の象徴でもある国鉄1047名闘争団を2010年4・9「政治和解」で解体することで、一挙に全面攻撃に踏み込んできたのだ。昨年以来の闘いは、こうした全圧殺体制を打ち破ったのだ。
 それは国鉄労働運動を再び歴史の前面に立たせ、労働運動をめぐる党派的大再編をも不可避とする大流動局面を生み出している。動労水戸の外注化阻止・被曝労働弾劾のストライキ、国労郡山工場支部と国労共闘の決起、1047名闘争を貫く国労原告団の不屈の闘いなど、動労千葉とともに国鉄労働運動はあらゆる試練をこえて、その経験と教訓の中から階級的労働運動の共有財産を生み出しつつ、新自由主義打倒へと突き進んでいる。その中から国鉄闘争全国運動が、新自由主義と闘う労働運動の潮流すべてを糾合する大運動へ飛躍する歴史的な発展が始まっている。

 (3) 「原発とは絶対非和解」の団結築いた3・11の大勝利

 戦後労働運動と階級闘争の歴史的結節環で決定的な位置と役割を担ってきた国鉄労働運動が今日、大恐慌と3・11情勢下で階級的力関係を変動させる闘いを爆発させていることは、反原発闘争の根幹に点火するものとなった。
 「原発いらない!3・11福島県民大集会」の革命的意義は計り知れないほど大きい。3月11日が、日本全土と世界に広がる全原発の廃炉と、資本主義・帝国主義を打倒し、人間の共同性奪還、自然と人間の一体化を通した人間の根底的解放に向かう闘いの日として刻印された。3・11は、福島現地・郡山に1万6千人、全国100カ所で10万人、全世界21カ国・132の都市で巨万の決起という歴史的大闘争になった。
 郡山開成山野球場での福島県民の発言は、「国家・資本の階級的大罪への責任追及」「社会の根底的変革への希求」という、日帝・野田政権の「慰霊」「復興」など粉みじんに粉砕する激しい怒りと不退転の信念にあふれていた。フクシマの根源的怒りは原発再稼働など焼きつくす激しさをもって日々発展し、原発立地県・地元を始めとして全国に燃え広がっている。
 「地上に置かれた原爆」である原発が、ヒロシマ型原爆の百数十倍もの死の灰=放射能をまき散らしながら爆発したのである。そして今現在も、この恐るべき事態は続いている。日帝・資本は何ひとつ責任をとっていない。この階級的大罪に対する労働者階級人民の怒りの大きさ、人間的根源的な怒りの深さ、そして価値観の転換と闘いへの力が階級闘争の大地にあふれ出している。原発全廃に至るまでやむことのない闘いの火ぶたは切られた。
 原発大事故は言うまでもなく日帝・新自由主義の大破綻としてあり、その打撃の回復不能の大きさゆえに、今や日帝は人類史上最悪の絶望的凶暴化に踏み込んでいる。野田政権は、昨年末の「事故収束」宣言と高濃度の放射能汚染下への帰還強制、日帝・独占企業の延命のための復興特区攻撃、そして原発推進・再稼働とそのための東京電力や「原子力村」体制の再建などにのめり込んでいる。「フクシマを返せ」という労働者人民のほとばしる叫びのことごとくが踏みにじられている。
 さらに福島県立医大副学長の山下俊一らの極悪御用学者を動員して、内部被曝・低線量被曝問題の深刻性を抹殺し、「年100_シーベルト以下なら問題ない」とまで言い放っている。深刻きわまりない被曝の現実も、「医療特区」攻撃のもとで資本の金もうけの餌食にすると言うのだ。
 昨年3・11から1年を経て日帝支配階級は、新自由主義の延命のためなら労働者人民、子どもたちを放射線下にさらし、生命の危機を引き起こそうが構わないというのである。ましてや福島第一原発事故の原因も解明できない中での「原発の安全宣言」など、天人ともに許されることではない。ここまで腐り果てた日帝・新自由主義を打ちち破るために、国家の虚飾を最後の一片まではぎ取り、打倒するという歴史的人類史的局面に立ったのである。

 労働組合が牽引軸に

 さらに強調したいことは、階級的労働運動の前進の中で日本の労働者階級が反原発闘争の圧倒的な中心部隊となり、同時に牽引(けんいん)軸として登場していることである。
 3・11福島県民大集会の爆発の根底には、この集会を戦闘的階級的に打ち抜くための必死の格闘があった。国労郡山工場支部の闘い、福島県教組の闘い、NAZENフクシマの闘い、さらに福島の女性たちの生存をかけた闘いである。のみならず動労千葉、動労水戸、国労共闘、そして国鉄闘争全国運動が職場生産点で階級的力関係を塗り替えて前進していることが決定的土台になっている。
 同時にNAZENが全国各地で結成されたこともあいまって、厚い層をなした統一戦線の戦闘的形成が実現し、全人民の迫力ある結集へとつながっていった。階級的労働運動派の力強い前進こそが、既成の労働組合の指導部の制動と抑圧を打ち破り、労働者階級の自主的・主体的決起として発展した。
 国鉄決戦と一体で爆発する反原発闘争の大高揚は、一挙的な党派的大再編と、巨大な規模での労働者階級人民の革命的行動を促進するものとなる。そして3・11の大高揚が、階級的労働運動の基盤と組織力を猛然と拡大する力になることは明白である。何よりも、郡山1万6千人の大結集は、階級闘争史上画期的な集会を通してひとつの団結した力になり、日帝・新自由主義への脅威として突き刺さったのである。
 そうであればこそ日帝・野田政権は暴力的決断をもって再稼働に踏み切ろうとあがいている。電力問題は今日の大恐慌情勢、とりわけ世界的な金融超緩和政策のもとで石油・LNG(液化天然ガス)が高騰しつつあり、深刻な問題に発展している。国際争闘戦での脱落を深める日帝にとってそれは新自由主義の延命の命綱になっている。
 しかし再稼働阻止・全原発の廃炉は可能である。フクシマを先頭とする労働者階級人民の巨大な反撃力はさらに広大に発展している。3・11一周年は、日帝・新自由主義打倒から資本主義社会の転覆―共産主義社会建設へと上りつめていく不動の出発点になったのである。
 3・11の地平のもとで、「4・9反核燃の日」青森行動は、「原発なくそう! 核燃なくそう!」の歴史的闘争になった。反原発闘争が原水禁・原水協の制動と裏切りをのりこえて、核武装阻止の闘いとして発展しようとしている。3・11の大高揚は、ヒロシマ・ナガサキ、ビキニ、沖縄をフクシマと結合させて、革命的共産主義運動のもとに甦(よみがえ)らせようとしている。この地平に立ち、3・11の大高揚が呼び出した密集した反動との闘いを、主流派=多数派への道に転じ、国鉄決戦と反原発闘争で新自由主義にトドメを刺そう。

 (4) 法大闘争の地平引き継ぐ全国学生運動の本格的発展

 新自由主義の30年は大学と教育を破壊し、学生から人間的主体性を奪い、学生自治会・サークル・自治寮などの学生の団結のことごとくを解体し、他方で「学費・奨学金・就活」の三重苦に縛りつけることに終始した。そうした大学の腐敗・腐朽の極みこそ、「原子力村」の中枢を占める御用学者と原発推進大学である。
 しかし、60年安保闘争、70年安保・沖縄闘争、80年代国鉄・三里塚決戦を通して、反スターリン主義・革命的共産主義運動のもとで不屈に発展してきた日本学生運動は、大恐慌と3・11情勢下で最強の力を獲得しつつ、新自由主義に断を下し資本主義・帝国主義を打倒する革命的先進部隊として立とうとしている。
 ひとつは、法大学生運動に対する史上類例のない権力・当局の圧殺攻撃に勝ち抜いて、21世紀のプロレタリア革命に向かう学生運動の可能性と展望を押し開いていることである。その地平は、新自由主義がいかに絶望的に凶暴化しようとも、日本の300万学生が労働者階級とともに決起すればそのことごとくを墓穴に転じることができるという不滅のものである。6年間で118人逮捕−33人起訴の大弾圧と退学・停学処分の乱発を踏み越えて、今や全学連とともに闘う学生たちが法大キャンパスに勇躍して登場し、3万法大生の団結の中軸に立ち、4・19法大デモではキャンパス内からの感動的な決起と合流がかちとられた。
 6年間の法大闘争は、学生運動の復権のための革命的イデオロギー・路線と、それらを体現し実践するリーダーたちをいついかなる時代をもこえて強力に生み出した。新自由主義と闘う学生運動の死闘の中から、戦闘的大衆的学生運動と革命的共産主義運動を巨万の規模で率いる指導部、同時に革命的共産主義の党を組織し率いる指導部を輩出したのである。マルクス主義を復権し、学生が本来もっている現代社会への根底的批判のエネルギーと力を確信し、そこに依拠してかちとった地平でもある。こうした法大闘争の試練が生み出した豊かな教訓と地平は、全国拠点大学での学生自治会の再建に必ずや結実する。
 いまひとつは、原発事故と高線量放射能直下の福島大学から、不屈・非妥協の法大闘争に続こうとする学生たちが歴史的決起を開始したことである。そして3・11郡山大闘争と結合して、マルクス主義学生同盟中核派福島大学支部を建設した。福島医大とともに大学が福島現地における反革命の最大の拠点になり、「原子力村」の延命と護持に走っていることに対する決定的反撃が始まったのである。福島大生の決起は、大学キャンパスを揺るがす全国学生の反原発闘争への総決起をかちとる革命的合図になろうとしている。のみならず、福島の地で労働者とともに学生が団結して立ち上がった時に、福島は「革命の根拠地」となる。
 さらに、全国最大規模の自治寮を死守しつつ、大学キャンパスから御用学者弾劾・追放の先頭に立つ京大学生運動は、その歴史を塗り替える大衆的爆発の緒についている。「原子力村」の中枢を占める京大において学生が自治会権力を奪取した時、新自由主義のウソとデマゴギーの虚構に塗り固められてきた大学の学生支配は崩壊する。
 全国学生は、〈全原発廃炉、再稼働絶対阻止〉の連続的大闘争の先頭に立ち続け、同時に反原発・反核・反戦闘争のイデオロギー的路線的確立を牽引してきた。それは、国鉄決戦と反原発闘争の一体的推進の根源的力になっている。
 こうした2012年冒頭以来の闘いの前進を受けて、階級情勢はますます日帝権力との非和解的な大激突、大激動の過程に突入した。日帝ブルジョアジーと野田政権は今や、労働者階級人民の怒りの決起の中にプロレタリア革命の現実性を見て、それへの恐怖から絶望的に凶暴化し、なりふり構わぬ弾圧や闘いの分断・圧殺攻撃に必死になっている。とりわけ青年労働者や学生の闘いが「燎原(りょうげん)の火」となって燃え広がることに恐怖しているのだ。
 この日帝・野田政権の絶望的凶暴化を逆に6千万労働者、2千万青年労働者の怒りの大爆発に変え、日帝の墓穴に転化して、さらに進撃していこう。

 〔U〕 新自由主義の絶望的凶暴化を闘う労働組合再生で打ち破れ

 (1) 日帝中枢との一大決戦に発展した4大産別での闘い

 2012年春の国鉄・反原発決戦において党と労働者階級は、新自由主義との闘いの路線をいまひとつ決定的に深化させた。

 新自由主義論の深化

 第一に、新自由主義の本質をあらためてつかみ直し、労働運動の力で新自由主義を打倒する決起が開始されたことである。
 大恐慌は全世界をのみ込み、帝国主義はその体制延命のために絶望的な新自由主義攻撃を激化させている。3・11大震災と福島原発大事故はこの新自由主義の恐るべき反人民的、犯罪的な姿を明らかにした。全党はこれへの怒りを燃やし、労働者階級の団結した力で新自由主義と対決し労働組合を甦らせる闘いへ総決起した。2012年春期の階級的労働運動は、新自由主義論の深化と一体で前進した。
 新自由主義とは、帝国主義の最末期の絶望的攻撃であり、労働者階級の団結を徹底的に解体する攻撃である。この攻撃と総力で闘ったのが80年代の国鉄分割・民営化決戦であった。分割・民営化攻撃と25年間非和解的に闘った動労千葉は現在、外注化阻止・非正規職撤廃・偽装請負弾劾の先頭に立って日本労働運動全体を牽引している。そしてついにJR体制と全面的に闘う決戦に突入した。
 JR資本は日帝ブルジョアジーの中枢である。今日のJR資本は実際に、日帝が掲げる新自由主義の新成長戦略の最先頭で、鉄道輸出に躍起となり、原発輸出・原発再稼働攻撃の最も強力な推進者となっている。
 JR資本は国鉄労働者支配のためにJR総連カクマルを徹底的に使ってきたが、今やカクマルとの結託体制を終わらせ、第2の分割・民営化攻撃に全面的にのりだした。全鉄道業務の外注化・非正規職化、新賃金制度導入などで職場の団結を徹底的に破壊し、労働組合を解体し、日帝資本が生き残るための帝国主義間争闘戦に全面協力する労働運動へと変質を迫っている。それは全労働者の9割を非正規職化するという攻撃の先陣を担うものである。
 今や国鉄決戦は、帝国主義ブルジョアジー中枢との一大決戦になった。日帝を打倒する環中の環となったのだ。
 国鉄決戦を先頭とする今春の4大産別決戦は、新自由主義論の深化と一体で闘いとられた。労働者階級の生き様、生き方に肉薄し、団結破壊に敏感に対応し、新自由主義への根底的批判をプロレタリア革命へ発展させる闘いを開始した。非正規職労働者の決起と一体で進む全逓労働者の闘い。教育の民営化攻撃との全面対決に決起した教育労働者の闘い。360万解雇攻撃粉砕へ決起した自治体労働者の闘い。非正規と正規の団結の拡大へ決起した医療労働者の闘い。何よりも非正規職の職場そのものから労働組合を結成して闘いが開始された。新自由主義と闘う階級的労働運動は、非正規職労働者を確実に獲得しつつある。それは、2千万青年労働者、非正規職労働者を獲得し、組織化する闘いの前進であった。
 さらに、80年代の国鉄分割・民営化論を軸として、80年代以来の新自由主義攻撃を全面的に分析の対象とする闘いを開始した。西郡・八尾北決戦論は、80年代の地対協路線が新自由主義攻撃の一環であり、部落解放闘争解体攻撃の転換点としてあったことをはっきりさせ、部落解放闘争は労働者階級の解放闘争そのものの中にあることの綱領的基礎を築いた。
 80年代、国鉄分割・民営化と並ぶ新自由主義攻撃のいまひとつの核心は、日米新原子力協定の締結であった。日帝はここで原発の大増設と核燃料サイクル確立を路線化し、労働組合破壊攻撃とともに戦争政策=核武装政策に明確にかじを切った。さらに労働法制改悪、一切の戦後的諸権利の剥奪(はくだつ)=規制緩和、団結破壊の攻撃が一挙に進んだ。この過程は、80年代指紋押捺(おうなつ)拒否闘争の爆発と90年改悪入管法への大転換の過程でもあった。さらに女性への差別・分断と帝国主義的動員を強める均等法攻撃、障害者抹殺攻撃など全戦線での攻撃が強まった。
 しかしこれらの攻撃は、動労千葉の大ストライキ闘争を通して1047名闘争団を生み出し、4・9政治和解攻撃をも打ち破って進む国鉄闘争全国運動を生み出し、国鉄闘争を日帝と全面激突する決戦へと発展させたのだ。

 改憲と戦争への攻撃

 第二に、新自由主義はすなわち改憲攻撃であることを明確にしたことである。
 世界大恐慌のもとで帝国主義間(大国間)の争闘戦は全面的に激化している。この争闘戦、市場・資源の再分割戦への突入の中で各国帝国主義は戦争攻撃を激化させる。この点で〈3・11〉はやはり決定的であった。日本帝国主義は非常事態法、国家緊急法の制定を叫んだ。改憲攻撃の遅れを国家存亡の危機として感じたのだ。そして米軍による「トモダチ作戦」のもと周辺事態法を実質的に発動したのである。
 新自由主義攻撃は帝国主義間争闘戦を激化させ、戦争国家体制への道を至上命令とする。新自由主義攻撃の集約が改憲である。それは、労働基本権の破壊、労働組合法の死文化などとして、すでに襲いかかっている。復興特区での事実上の憲法停止宣言、大阪での橋下の攻撃はその先端である。ここに、大資本による「機動国家」づくりの攻撃、道州制攻撃の核心がある。
 この改憲攻撃は同時に、権力内部での「重心移動」、一種のクーデターとしてある。その階級的性格は、政治支配の崩壊的危機に直面したブルジョアジーによる、新自由主義の絶望的延命とブルジョア独裁の維持をかけた凶暴な反革命である。橋下反革命はその典型だ。だがこの階級的性格ゆえに、労働者階級の団結した闘いが爆発すればその瞬間に吹っ飛ぶという根本的な弱さを抱えている。党と労働組合の一体的前進のもとでの階級的労働運動の白熱的推進、プロレタリア革命への転化こそが最大の反撃の道である。

 (2) 労働組合の革命的な拠点建設と地区党建設の一体性

 第三に、新自由主義攻撃の核心である団結破壊、労働組合解体攻撃を根本的に打ち破る本格的闘いを開始した。
 まず、党の変革と格段の飛躍にすべてがかかっていることをはっきりさせた。〈3・11〉とは、戦後的価値観とあり方の全否定であった。それは労働組合の職場での全面的な闘いを求めた。労働者階級の怒りを自らの怒りとして、戦闘的飛躍をかけて闘った。
 この攻撃をどこで突破するのか。全同志が地区党のもとに結集し、労働運動の現場に飛び込み、労働組合を立ち上げる実践を開始することであった。労働者階級自己解放闘争の普遍性に一切を投入して闘うことであった。他方では、地区党のもとで直面する全戦線の課題と格闘し、総力で闘うことが求められた。この決起は、地区党建設への新しい挑戦でもあった。
 地区党こそ、資本との日常的職場支配権をめぐる闘いに責任をとり、あらゆる分断を打ち破って全労働者を団結させ、在日滞日労働者と一体となり国際階級闘争の発展に責任をとる党組織である。労働組合運動を担いきる地区党への全面的な変革の課題を担うことが求められた。この階級的団結の最高形態としてある地区党への結集と、地区党の日常活動の変革こそ死活的課題であった。
 重要なことは、この地区党建設の中心に若き青年労働者が屹立して闘っていることである。党の革命、大恐慌と3・11情勢は、プロレタリア革命と地区党建設、中央委員会と細胞の一体的建設を、共産主義者の基軸的任務として現代革命に甦らせた。この団結力を基礎にして資本との非和解的闘いへ突入し、職場支配権をめぐる闘争へ決起し、闘う青年部建設へと突き進んだ。
 闘いの基軸は、中央労働者組織委員会の強化と産別指導部建設の前進にあった。この実践を通した革命的拠点建設論の確立にあった。拠点建設の闘いの前進は、動労千葉労働運動から徹底的に学ぶことで切り開かれた。そこには国鉄分割・民営化反対闘争を先頭で闘った数十人の活動家集団が基礎として存在していたこと、資本と闘う中でこの活動家集団は形成・建設されたことをつかみとった。
 すなわち労働組合の拠点建設とは、このような活動家集団をつくり出し、この活動家集団とともに進むことである。そのために労働運動・労働組合全体に責任をとるという責任勢力派としての党の変革が問われた。それは何よりも国鉄闘争全国運動を発展させる闘いとして、今日の労働運動の鋭い現状認識に根ざした「労働運動の壁を突破する闘い」として提起されている。

 労働組合の再生こそ

 第四に、新自由主義と闘う道は労働組合を甦らせることにあることを、より一層明確にして闘ったことである。
 労働組合とは何か。労働者階級は労働組合による団結の力をもって、職場の支配権を資本家階級の手から実力で奪い取り、社会的生産を支配していく力を獲得する。この労働者階級による職場生産点の支配とその全社会的な拡大こそ、ブルジョア国家権力の打倒=プロレタリア革命の勝利を保障する決定的条件である。労働組合は、プロレタリア独裁を支える〈党・労働組合・ソビエト〉という三つの柱の戦略的一環を形成している。今日的にはこの労働組合運動に全党の全エネルギーと全英知を結集して闘うことが、当面する戦略的闘い方である。
 動労千葉労働運動は、反合・運転保安闘争を基礎に、資本と絶対非和解で闘い、かつ団結を守りぬき発展させる路線を確立してきた。この反合理化闘争論は、戦後労働運動の限界を突破する決定的な内容をもっている。安全問題こそ労働運動の出発点であり、労働者を団結させる力をもつ。外注化攻撃は究極の合理化攻撃である。反合闘争は国鉄闘争の全総括をかけた闘いであり、労働運動の復権をかけた闘いである。この闘いは、激しい日常的な職場闘争を基礎として、職場支配権をかけた攻防となる。労働者階級は、この労働組合の生きた闘いを通して、プロレタリア革命を準備する階級として前進していくのだ。
 動労千葉労働運動の前進は労働学校で支えられている。この中から青年労働者が活動家として成長し、階級的労働運動の中心を担う闘いを開始している。これに学んで、全国各地に労働学校をつくり、発展させていこう。

 共産主義社会への道

 第五に、プロレタリア革命論と共産主義論の確立へ向け、新たな前進を開始したことである。
 階級的団結が一つの職場から他の職場へ、さらに産業全体、地域全体へと拡大し発展していくことこそが、プロレタリア革命をたぐり寄せる最も重要な決定的な手段である。労働者階級による権力の奪取=プロレタリア独裁の樹立は、階級的団結の全国的拡大が一個の国家権力へと凝縮し、高められる地平に到達することを意味する。この団結論を基礎にして、国家論的深化と共産主義論の深化をかちとり、プロレタリア革命の目的を、階級社会を廃絶して人間の類的人間性を奪還していく闘いそのものとして明確にしていくことである。
 そのために、全国単一のボルシェビキ党建設の重要性があらためて明確になった。革共同への敵対分子はすべてここから逃亡し、敵対したのだ。革共同は06年の「党の革命」以来、党建設をめぐるこの格闘を意識的に貫いてきたが、3・11情勢がこの闘いを一挙に前進させた。
 すなわち、ボルシェビキ党建設の核心は、中央委員会と細胞建設を同時一体的に建設していくことである。中央委員会が労働者細胞の最先端の切り羽に肉迫し、労働者細胞が中央委員会の立場から問題を提起する。この両者の限りない融合と一体化の中でこそ、党活動は前進する。
 以上のことを核心的につかんだのが2012年春季の決戦であった。

 〔V〕 脱落日帝・野田政権を打倒し日本革命勝利への扉押し開け

 (1) 国鉄と反原発で日帝との階級的激突に勝ちぬこう

 1〜4月決戦の革命的地平の上に、国鉄闘争全国運動の壮大な発展を跳躍台に反原発・反核闘争の一層の大高揚をかちとり、労働組合の再生をかけて今秋11月労働者集会1万人大結集へと驀進(ばくしん)しよう。帝国主義・新自由主義の歴史的崩壊とともに浮き彫りとなるプロレタリア世界革命の現実性を、一日また一日と渾身(こんしん)の力でたぐりよせる労働者党建設の新たな変革と飛躍をかちとろう。
 2012年決戦勝利の一切の帰すうは国鉄決戦にかかっている。25年目の「4・1」を画期に国鉄労働運動はさらに激しく一変し、階級攻防全体の一大焦点にせり上がっている。国鉄決戦が世界大恐慌と3・11情勢の底なしの激化のもとで、日帝ブルジョアジーの新自由主義攻撃との直接的で全面的な戦略的大決戦となっているのである。
 2012年前半から後半へ、国鉄決戦の革命的火柱を打ち立てつつ、国鉄決戦と反原発決戦をますます力強く一体的に前進させていかなければならない。さらに2012年決戦の飛躍の環として、4大産別を先頭に非正規職撤廃闘争の全国的発展をかちとることである。そして階級的労働運動の白熱的推進による、労働組合を軸にした革命的拠点建設と労働者党建設の一体的な組織戦を猛然と闘い、勝利しようではないか。
 当面の5〜7月、何よりも職場生産点から国鉄闘争全国運動の6・10集会への大結集に全身全霊を傾けよう。この6・10集会の大成功を新たな突破口に、再稼働絶対阻止の反原発決戦を7・16代々木公園への昨年9・19を上回る10万人大結集実現として巨大に発展させ、8月ヒロシマ・ナガサキへ驀進しよう。非正規職撤廃闘争を今こそ全国闘争に押し上げて闘おう。
 また反原発決戦と固く結びついた5・15沖縄・安保闘争と改憲阻止闘争の前進、三里塚闘争や八尾北・西郡決戦の前進は、2012年決戦をより豊かに躍動的に発展させるものとなる。巨大な飛躍への一大決戦過程に突入している学生戦線を始め、全戦線で、フクシマの怒りと結合し、被災地の闘いと一体となった、労働組合を軸とする革命的拠点建設の闘いに突き進もう。
 こうした闘いで日帝・野田政権を打倒し、これと串刺しに橋下反革命を吹き飛ばし、日帝・新自由主義を一挙に葬る突破口を開こう。階級的労働運動路線をどこまでも貫くことで、全世界で新自由主義に立ち向かう労働組合の再生と復権をかちとり、国際階級闘争のうねりを一つの巨大な奔流へと発展させるのだ。収奪者を収奪し、一刻も早くこの腐り果てた「1%」の支配を終わらせ、「99%」の団結した崇高な力のもとに全社会を取り戻さなければならない。
(写真 不当解雇から25年。国鉄闘争全国運動の本格的飛躍の道を示した2・15国鉄集会)

 (2) JR資本と全面対決貫き国鉄闘争全国運動の発展を

 今日、日帝の新自由主義攻撃と最先端で真っ向から激突しているのが、動労千葉の外注化阻止・非正規職撤廃・偽装請負弾劾の闘いである。動労千葉や動労水戸、そして国労郡山工場支部がJR大再編下の外注化攻撃と全面対決し、さらに反原発闘争と一体化しながら被曝労働の強制と不屈に闘い、組織拡大を必死に推し進めていることが、日帝・資本の新自由主義攻撃を最も核心部において打ち破り、主客の全階級情勢を決している。
 今やこの国鉄決戦に現代プロレタリア革命の正面の攻防軸があり、革命運動の最大の基軸、推進軸があると言って過言ではないのだ。
 大恐慌と3・11情勢によって新自由主義・日帝はその「国民統治」を現実的本質的に崩壊させ、ひとつの社会として成り立たせることができなくなっている。この未曽有の存亡の危機にあって、日帝の延命の屋台骨を形成しているのがJR資本であり、JRに群がる財界、官僚、政界である。このJR資本が分割・民営化の大破産とともに、今日、生き延びるすべてをかけてきたのが外注化・非正規職化の大攻撃であった。
 したがって動労千葉が検修構内業務の全面外注化を阻止した「4・1」は、階級闘争全体の力関係の変動に大きなインパクトを与えるとともに、次の新たな大激突の始まりとなったのである。
 駅業務の全面外注化攻撃は、鉄道業務の恐るべき変貌(へんぼう)である。駅で働く契約社員(グリーンスタッフ)の雇い止め解雇、運転士を駅業務にたらい回しするライフサイクルに続いて、運転・車掌業務の全面外注化となった時、鉄道の生命は崩壊を開始する。さらに基地統廃合による動労千葉への組織破壊攻撃に加え、4・1から新人事・賃金制度の導入が強行された。これらは国策会社JRでの鉄道業務の丸ごと外注化(フルアウトソーシング)を通して、日帝・野田とブルジョアジーが全産業で「9割の非正規職化」を果たそうとする攻撃である。
 まさに動労千葉が切り開いたJRの外注化阻止・非正規職撤廃・偽装請負弾劾の闘いが、日帝・新自由主義の中枢と激突し、力勝負で打倒していく大決戦が到来しているのである。
 この国鉄決戦の階級的革命的意義の高まりは、6・10集会と国鉄闘争全国運動の巨大な歴史的役割をますます浮かび上がらせている。
 国鉄闘争全国運動は、4・9反革命と闘い、1047名解雇撤回闘争をどこまでも不屈に闘う運動として成立した。そして今日、新自由主義攻撃と最も鋭く対決していく運動となっている。大恐慌がさらに激化し、外注化・非正規職化攻撃が全産別、全階級に激しく襲いかかる中で、まさにこれらの攻撃を打ち破った動労千葉のような労働組合の団結を全国に一挙に拡大していく時が来ている。国鉄闘争全国運動の中にはその新たな生命力がみなぎり、あふれている。

 全員解雇攻撃粉砕へ

 今日の日帝の新自由主義攻撃の大きな柱は、労働法規の規制撤廃をテコとした全員解雇・非正規職化攻撃である。「改定労働者派遣法」が今国会において、支配階級の反動的密集によって強行された。その核心は、製造業派遣・登録型派遣の禁止や違法派遣、特に偽装請負などの労働規制を事実上ことごとく取り払い、首切り自由、総非正規化の攻撃を徹底的に推し進めるものである。
 また大阪の橋下は「職員基本条例」で、国鉄方式の「いったん全員解雇・選別再雇用」から「選別再雇用」を取り払った「全員解雇・全員非正規職化」の攻撃に踏み出した。
 さらにJAL(日本航空)労働者への大量解雇容認の反動判決は、整理解雇4要件の規制を解体し、まさに全員解雇・全員非正規職化を合法化する攻撃として打ち出された。この反動判決は同時に労組破壊攻撃そのものであり、階級的激突の真っただ中での資本の「首切り自由」の宣言である。こうした新自由主義攻撃が、被災地への攻撃をテコに、あらためて4・9反革命への全労働者階級の全面屈服を迫るものとして打ち出されている。
 だがそれは、国鉄決戦と反原発闘争の爆発による新たな党派的大流動の激化とともに、スターリン主義や社会民主主義のもとに組織されている広範な労働者をも獲得していく力をもった、国鉄闘争全国運動の決定的意義をますます鮮明にさせているのである。新自由主義が可能なのは、そこに他ならぬ労働組合の屈服があるからなのだ。新自由主義の破綻点をつかんで離さず、4・9反革命を粉砕し、労働組合の再生と団結強化を求めて職場生産点から決起するならば、勝利の展望は必ず切り開かれる。
 国鉄闘争全国運動とともに、国鉄1047名解雇撤回闘争の再生をかけ、解雇撤回と職場での反合理化闘争、外注化・非正規職化阻止の闘いとを結びつけて闘い抜こう。国鉄闘争全国運動の発展をもって、新自由主義と真正面から対決して闘う労働者階級の巨大な隊列をつくりだそう。「動労千葉を支援する会」「共に闘う国労の会」を全国の職場に拡大し、無数の労組拠点を建設しよう。

 (3) 人間社会の共同性の奪還かけ全原発廃炉へ総決起を

 反原発闘争は、全階級的決戦課題として、生産点を基軸とする国鉄決戦という階級的労働運動の前進および勝利と結合することで、全労働者の確信に満ちた広大な決起と革命運動の力強い発展を切り開いている。まさに国鉄決戦と並ぶ21世紀現代革命への水路の新たな創造形態と言ってよい。
 原発は地上に置かれた原爆である。それが福島第一原発において爆発し、今なお再臨界などの危機は去っていない。この原発事故によってばらまかれた放射能=死の灰の途方もない量は、福島200万県民を始め膨大な労働者人民からすべてを奪いつくし、破壊するものとなった。これへの根源的怒りは、放射能のもたらす恐怖の現実と闘いつつ、もはやどんな方法をもってしても鎮静化できないものとなっている。
 この新自由主義がもたらした原発事故と被曝という極限的現実、生活、教育、労働のすべてが高放射能下にさらされる現実の中で、労働者階級はもとより農民・漁民など全人民が生きるための必死の闘いに立ち上がった。その先頭に闘う労働組合が立った。動労水戸や国労郡山工場支部の、被曝労働の強制と闘う鉄道労働者の決起はものすごい闘いであり、反原発闘争の決定的柱である。この基軸的柱が打ち立てられている限り、新自由主義が被災地に仕掛けるあらゆる分断攻撃に勝ち抜いて、3・11のような巨大な階級的団結を築くことができる。
 原発問題の根底的解決は、人間には制御できない原子力・放射能によって破壊され切断された人間と自然の関係、人間と人間の関係を回復し、不断に変革するために、労働者階級が資本と徹底的に闘い、人間労働の共同性を奪還することの中にある。すなわち労働者階級がその団結の力で資本主義社会を転覆し、人間社会の共同性を奪還することなのである。プロレタリア独裁のもとでのこの共同性=団結の力こそ、原発事故がもたらしたどんな惨禍も困難も必ずやのりこえることができる道を開くのだ。
 被曝労働の強制との労働組合的団結の闘いは、この人類史的な階級的挑戦の決定的出発点である。日帝の原発推進政策は、連合・電力総連幹部のような資本と一体化し腐り切った労働貴族を生み出す一方で、現場で働く原発労働者を完全な無権利・使い捨ての非正規労働者として大量に生み出した。原発労働者のおかれた過酷な現実と重層的な支配構造は、新自由主義の労働者支配の典型である。闘う労働者がこの被曝労働を真っ向から対象化し、労働者の命を守るために団結して決起することは、資本の支配を根底から覆していく闘いそのものだ。
 日帝・野田政権にとって原発再稼働は至上命令となっている。福島第一原発の4基を含めて54基すべてが停止すれば原発全廃の闘いはさらに加速し、日帝の原発政策・核政策は崩壊してしまうからである。それは新自由主義の崩壊であり、帝国主義体制そのものの崩壊となる。だが再稼働を強行すれば、怒りはますます非和解的に拡大する。このどうにもならない破綻的現実に日帝ブルジョアジーは七転八倒し、労働者階級の決起に恐怖して、その圧殺のためにあらんかぎりの分断攻撃を仕掛けている。
 その最大の先兵は連合である。民主党政調会長代理の仙谷がのさばっているのはそのためだ。まさに連合を打倒する階級的労働運動が決定的に求められる情勢を迎えている。

 福島に診療所建設を

 今日、この原発事故をめぐる新自由主義による労働者階級への分断攻撃との最大の対決点は、低線量・内部被曝問題である。それは単なる理論問題ではなくすぐれて実践的問題であり、福島を中心として日々起きている放射能汚染の恐るべき現実との闘いである。ここに決定的に立ち向かい、団結を拡大していく革命的拠点として、福島の地に診療所建設をかちとろう。
 反原発闘争の中で青年を先頭につくりだされた大衆的で躍動的な運動体であるNAZENを、さらに大きく発展させよう。全原発の廃止へ、さようなら原発1000万人アクションが呼びかけている7・16の10万人集会の大高揚に向かって前進しよう。8月ヒロシマ、ナガサキは、フクシマの怒りと一層固く結びついた反核・反原発の国際大会である。8・6ヒロシマを、NAZEN結成1周年の歴史的大集会としてかちとろう。
 とりわけ福島診療所建設の大運動は、韓国民主労総ソウル本部の組織的取り組みを先頭として、国際的闘いに発展した。闘う福島県民とともに全力でその勝利をかちとろう。

 (4) 解雇と非正規化の攻撃に青年先頭に総反撃に立とう

 非正規職撤廃闘争の大発展をかちとり、4大産別決戦の勝利へ進撃しよう。非正規職撤廃闘争こそ、まさに現代プロレタリア革命の核心的課題となっている。
 非正規職労働者は新自由主義のもとで、まともに労働者とも人間とも扱われていない。だが非正規労働者こそ、資本主義の搾取に徹底的にさらされた労働者階級そのものである。労働者の戦闘的魂が誰よりも息づき、分断への激しい怒りと団結への希求がある。とくに非正規の青年労働者がひとたび決起し団結するならば、そこにまたたくまに階級的共同性が築き上げられ、奪われた労働者の誇りが輝くのだ。
 資本のはてしない価増増殖運動は、労働力の商品化を基礎として、労働者階級の一部を常に失業・半失業の状態におき、労働市場での競争を不断に激化させることによって搾取の度合いを強めることを柱にすえている。すなわち資本主義は、労働者階級を絶えざる失業・半失業状態におき、労働者を分断し対立させ、激しい競争にたたき込むことを通して資本の労働者支配を貫こうとするのである。だがこのことは、労働者の失業・半失業状態が同時に資本の価値増殖運動の存立条件であるという根本矛盾を抱え込む。
 今日の新自由主義において、「失業・半失業」とは首切りと非正規労働の存在のことである。今や新自由主義の破綻として大恐慌が爆発し、大失業が解決不能の問題として激しく拡大し続けている。これに対して新自由主義は、「失業・半失業」を民営化・外注化、非正規化攻撃として極限的に激化させ、階級的分断支配を貫き、しかもそこでは、労働者と労働(結合労働)をも絶えざる分断におき、労働者の誇りと団結を徹底的に奪うのである。
 したがって今日、非正規労働者こそ、外注化阻止・非正規職撤廃の先頭に立ち、資本による分断を打ち破り、労働者の誇りと共同性を取り戻し、階級として団結することによって資本の支配を根底からひっくり返す、まさに労働者自己解放としてのプロレタリア革命の決定的主体そのものなのである。
 外注化―民営化阻止・非正規職撤廃の闘いを、全産別、全労働者に拡大しよう。郵政非正規ユニオンを先頭に、正規・非正規の分断を打ち破って、4大産別で非正規職撤廃闘争に立ち上がろう。鈴コン分会の闘争は、非正規職撤廃闘争の巨大な可能性を示している。そこには3カ月有期雇用の非正規労働者が労働組合を結成して闘い抜き、地域と産別に連帯を拡大して、2千万非正規労働者・青年労働者の全国的団結の拡大をかちとる価値創造的世界が広がっているのだ。鈴コン闘争を突破口に合同・一般労組全国協の闘いと組織を大発展させていこう。

 橋下反革命を許すな

 今日、大阪の橋下反革命は新自由主義攻撃の最先端であり、自治体、教労を先頭とした4大産別、全産別の階級的団結の力で粉々に粉砕しなければならない。
 橋下は口では「弱者」とか「地方」を掲げ「大衆」の味方ヅラをしているが、その本質も実体も「1%」の財界の利害を徹底的に守り、99%の労働者階級人民から徹底的に搾取・収奪しきっていく新自由主義の突撃隊である。ブルジョアジーの利害のためならウソやペテン、恫喝を使い、弱者、地方を切り捨て、労働者階級人民の生活も生存も踏みにじるのが新自由主義者・橋下の正体である。
 橋下の新自由主義攻撃の原点は、日本における新自由主義の始まりであった国鉄分割・民営化である。橋下はこの国鉄分割・民営化が「成功した」という大ウソをもって、その破綻した現実の突破をかけて登場したのである。それは大恐慌と3・11情勢のもとでの脱落日帝の危機突破をかけた、一個の「ショック・ドクトリン」攻撃への突進である。
 したがってその手法はまたもやウソとペテン、脅迫である。かつての「国鉄改革」に似せたまがいものの「教育改革」を掲げ、職員基本条例・教育2条例の「全員解雇方式」を突破口に、関西経済同友会の道州制提言にある「国・地方の公務員360万人のいったん解雇」をやりとげようというのだ。民営化・道州制攻撃推進をもって、全員解雇・全員非正規化、労働組合の絶滅、さらに「特区」攻撃の更地化によって大資本にボロもうけさせることに、破綻した新自由主義の延命をかけてきたのである。
 だがこの狙いは、国鉄分割・民営化がそうであったように、「絶対反対」の階級的団結があれば、必ずもろくも破産する。一切は労働組合再生への総決起にある。
 自治体では、橋下反革命の公務員大攻撃―大量・全員解雇に不屈に立ち向かい、道州制導入・「復興特区」攻撃、がれき広域処理攻撃に対し、被災地と連帯して闘い抜こう。全国全職場で外注化・民間委託阻止―偽装請負弾劾を闘い、被災地と関西を先頭に労組拠点建設に敢然と打って出よう。
 教労では、橋下教育改革・民営化―道州制・首切り攻撃と徹底的に闘い、その最前線で「日の丸・君が代」不起立闘争を職場の団結拡大としてかちとろう。被災地で必死に生き闘う福島県教組と固く連帯し、全教育労働者が原発再稼働阻止・全原発廃炉に総決起しよう。労組拠点を建設し、日米の国際連帯を発展させよう。
 全逓では、郵政民営化見直し法案が改定派遣法に続いて成立した。郵政民営化の完全な破綻は新自由主義の「小泉改革」のウソとペテンを徹底的に暴いている。見直し法案は、破綻した民営化をなおも強行しようとする絶望的で凶暴な攻撃である。郵政民営化絶対反対・非正規職撤廃を掲げ闘おう。
 医療・福祉産別は、新自由主義攻撃の最前線にある。正規・非正規の分断をのりこえ、階級的団結をかちとり、労組拠点建設に勝利しよう。

 (5) 大増税と戦争・改憲に突進する野田政権を打倒しよう

 野田政権は大恐慌下の脱落日帝の体制崩壊的危機、政治支配の危機に対して「命をかける」と豪語した。経団連や財務省など日帝ブルジョアジー主流の「救世主」然として、ブルジョア独裁の暴力的な政治力行使へと突き進んでいる。野田こそ新自由主義の権化であり、それ以外に延命できない超反動政権として登場している。
 その反革命的突撃の方向は、第一に消費増税の強行突破であり、「税と社会保障の一体改革」である。この消費大増税は労働者人民へのすさまじい収奪と生活破壊であり、これと表裏一体で、民営化・道州制攻撃=360万公務員労働者の全員解雇・全員非正規職化の反動的大攻撃に突進してきている。第二は、大飯原発3、4号機を突破口とする原発再稼働攻撃である。
 この野田の強引な消費大増税と原発再稼働の同時推進のもつ政治的破綻性・危機性は、日帝政治体制をさらに大分裂にたたき込む。4月26日の小沢無罪判決は、この消費大増税や原発再稼働問題をめぐり、小沢や橋下の反労働者的・反革命的なうごめきを加速し、日帝政治はいよいよ危機と大激動に突入していく。野田は破産した支配階級の先頭に立ちながら、その支配階級を統一できず、連合の労働貴族を最後の頼みとして、労働者階級に最後の階級決戦を挑もうとしていくのである。それはまさに新自由主義の極致である改憲と戦争である。しかしこの決戦において日帝・野田を打倒し、小沢や橋下、そして釣魚台(尖閣諸島)の買い取りを突如としてクーデター的に宣言し、中国に対する排外主義と戦争をあおり立てている東京都知事・石原らの反革命策動をたたきつぶすならば、プロレタリア革命は圧倒的に引き寄せられるのである。

 5・15沖縄現地闘争へ

 日帝・野田は、米日帝の北朝鮮・中国侵略戦争の切迫と米軍再編の進行下で、日米同盟の強化と沖縄の侵略最前線基地化にあらためて必死に突き進んでいる。2012年、沖縄闘争もまた決戦を迎えた。そしてこの最大の攻撃が辺野古への新基地建設である。
 野田政権は、北朝鮮の「人工衛星」ミサイル迎撃を口実に大々的にPAC3を配備し、沖縄を一気に戦時体制にたたき込んだ。新自由主義の破綻である米帝の新軍事戦略と日帝の有事体制の全面発動と対決し、「復帰」40年の5・15沖縄闘争に総決起しよう。
 一切は労働組合をめぐる攻防で決せられる。基地労働者への新たな大量解雇に怒りの声がわき起こり、その怒りは、低賃金・非正規雇用の現実に労働組合をつくり決起している青年労働者の怒りと団結に結びついている。ここに沖縄闘争の根底的飛躍と発展の環があるのだ。70年闘争時の全軍労労働者のような闘いが、日米帝の戦争体制との激突の中で再び甦ってくることは不可避である。鍵は青年労働者の決起にあることを確信して進もう。

 三里塚闘争の発展を

 この激動する情勢の中で「三里塚に再び決戦の時が到来した」(北原鉱治反対同盟事務局長の3・25集会での発言)。46年の三里塚闘争は今やフクシマの怒りと結びつき、福島および全国の闘う農民とともに全国農民会議を2月福島の地で結成し、ついに日本農民運動の新たな歴史を切り開いている。農民が自らの闘う全国組織をもって、労働者階級とともに日帝との全面対決に立ち上がったことは、戦後革命期以来の歴史的闘いへの突入である。
 市東さんの農地死守は全国農民の最先端の闘いであり、新自由主義と対決しTPP(環太平洋経済連携協定)を粉砕する闘いの火柱である。労農同盟を不抜に打ち固め、三里塚闘争の不屈の発展をかちとろう。
 世界大恐慌の深まりのもと、日帝・野田政権は、その絶望的凶暴化の集約として改憲攻撃を激化させている。それは一方では、労働基本権を規定した憲法28条の破壊、労組法の死文化として現に今、「復興特区」や橋下反革命による攻撃を先頭にとうとうと進行している。他方では、共謀罪、秘密保全法、裁判員制度、天皇の「元首」化や「自衛軍」などの攻撃だ。さらに道州制での「機動国家」、緊急事態条項導入と憲法停止による戦争国家化攻撃である。こうした中で9条改憲が狙われているのだ。
 改憲とは権力によるクーデターであり、新自由主義の絶望的延命のための凶暴な反革命だ。これに対する闘いは、階級的労働運動の白熱的推進で、日帝の改憲攻撃をプロレタリア革命に転化していくことである。弁護士戦線はその最先頭に立とう。

 (6) 階級的労働運動と結合し全戦線での戦略的大前進を

 大恐慌下の革命的情勢の成熟は、新自由主義がもたらす分断と団結破壊との烈火の攻防によって進行していく。この闘いに勝ち抜いていくための革命的拠点を、何よりも職場生産点に、労働組合と労働運動を甦らせる闘いとして全力で築き上げるとともに、全戦線での拠点建設をこれと一体で推し進めていかなければならない。

 学生運動の大飛躍へ

 第一に、日本学生運動は、4・19法大デモ・対文科省行動・全国学生総決起集会をもって一大飛躍の渦中に突入した。新自由主義のもとで積もりに積もった学生の根底的怒りと行動へのエネルギーが噴出を開始した。法大闘争の歴史的地平は、国家権力や大学当局のどんな弾圧も圧制も無力化させる地平をすでに切り開いている。
 国鉄決戦と反原発闘争がプロレタリア革命へと向かうその先端を、大学キャンパスからの学生の反原発闘争への大衆的決起、とくに御用学者追放の闘いとして切り開こう。とりわけ福島大前副学長・清水修二を打倒して福島大学を反原発闘争の革命的拠点につくりかえていくことである。この闘いと一体で、新自由主義大学への怒りを爆発させ、学生の団結を甦らせ、京都大学を始めとして全国拠点大学での自治会権力の建設に総決起していくことだ。
 法大闘争はその中心に位置している。4・19闘争を新たな出発点に、法大を全国学生の結集軸として不抜の拠点建設・組織建設を切り開こう。5月沖縄闘争の最先頭に立ち、フクシマの怒りと結合して、野田政権打倒の決起をバネに沖縄学生運動の復権を闘いとろう。広島大学拠点化の闘いは、反核・反原発闘争が原水禁運動をのりこえて発展する鍵を握っている。8月ヒロシマの歴史的闘いを実現する先頭に広大が立とう。
 マルクス主義を武器に、全国のキャンパスに大量の活動家を全学連運動の担い手としてつくりだそう。2012年の大学キャンパスを新自由主義・帝国主義打倒のるつぼに転化して闘おう。
 第二に、労働組合青年部の建設に挑戦しよう。今日の革命的激動情勢を前にして、青年労働者の中には組織拡大へのほとばしる欲求がみなぎっている。それは青年が生きるために求める団結であり、団結拡大のための自己変革へのみずみずしく、かつ旺盛な欲求である。労組青年部の建設は、それ自身が労働組合の再生、復権、そして労組拠点建設の闘いであり、階級的労働運動路線の大きな発展の基礎である。
 第三に、橋下反革命との今日の最大の激突は、八尾北・西郡決戦である。それは八尾北医療センターと八尾北労組、西郡支部という、新自由主義と対決する階級的労働運動と部落解放闘争の最前線の革命的拠点を守り抜き、地域に拡大していく創造的闘いである。新自由主義と闘う全戦線の先頭で闘い抜こう。
 障害者解放闘争、女性解放闘争、反軍闘争など、すべての戦線で新自由主義との対決を徹底的に強化し、階級的労働運動と結合した新たな闘いの拠点をつくりだそう。

 星野奪還へ闘おう!

 第四に、星野闘争の階級的、全人民的大発展を切り開こう。星野第2次再審闘争の前進に追いつめられた東京高裁は、3月30日に再審請求棄却決定の暴挙を強行した。一方で2・5徳島刑務所包囲闘争に大打撃を受けた日帝国家権力は、手紙の禁止や墨塗りによる抹消などの攻撃を加えている。星野闘争は、大恐慌と3・11情勢下の没落・日帝と真正面から激突する一大階級攻防に押し上げられたのだ。
 闘いは、国家権力と労働者階級人民の力対力の勝負に突入した。全証拠開示の大運動を爆発させよう。「正義と真実」を武器に全人民、全大衆の激しい怒りを組織し、国家権力に再審開始と星野文昭同志の即時釈放を強制する力ある大運動を構築しよう。
 福嶋昌男同志に対する最高裁の棄却決定に怒りをたたきつけ、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判の差し戻し控訴審闘争勝利と福嶋同志の再審をかちとろう。

 国際的団結の強化を

 第五に、革命的情勢の全世界的な急速な成熟のもとで、プロレタリアートの国際的団結と国際的統一行動の強化がますます重要になっている。動労千葉が10年にわたって切り開いてきた日韓米の闘う労働者・労働組合の国際連帯と交流をさらに大発展させるとともに、「資本の支配を全世界的に覆すための労働者階級の国際的な軍勢」(綱領草案第3項)をつくりだし、自らをその一員と位置づけて闘おう。
 在日・滞日外国人労働者と日本人労働者との階級的団結は、その不可分の一環だ。7・9「在留カード」導入による新たな極悪の分断攻撃を打ち破り、法務省行動に立ち、国際的に単一の階級としての労働者階級の強固な団結をつくりだそう。

 〔W〕 プロレタリア革命勝利へ向け本格的な革命党を建設しよう

 新自由主義との最も激烈な攻防は、労働組合と労働運動をめぐる攻防であると同時に、労働者階級の党をめぐる帝国主義権力との死闘である。今日の革命的情勢において、時代認識と路線で武装し、資本と絶対非和解の階級的団結を貫く労働組合と党の一体的な建設こそ、新自由主義を一層の破綻に追い込み、プロレタリア革命を現実に切り開く闘いである。労働組合の拠点建設の圧倒的前進と、それと一体となった革命的労働者党の建設、組織拡大こそ勝利の道である。2012年の勝負はここにある。
 そこには、レーニンが強調する、革命的情勢を現実の革命そのものに転化していく「革命的階級の能力」の今日的・実践的な形成があるのだ。それを通して労働者階級全体の階級形成をかちとり、プロレタリア革命への戦略的準備を闘いとっていくのである。
 ここにおいて決定的なのは、マルクス主義の全面的な復権と獲得である。1917年のロシア革命を変質させたスターリン主義と延命した帝国主義のもとで、長期にわたって歪曲され解体されてきたマルクス主義の労働者階級自己解放の思想を、現代世界を根底から変革する武器として全階級的、大衆的規模において甦らせることである。
 革共同は、すでに09年の「綱領草案」の採択と発表をもって、反スターリン主義・革命的共産主義の思想と立場を全世界に明らかにした。その上に立って、革共同の半世紀にわたる闘いの歴史を総括し、今日の到達地平と進むべき道を、そこに至る格闘と併せて日本と世界のプロレタリアートの前に全面的にさし示す闘いに挑戦する。それは同時に、現代におけるマルクス主義の創造的復権としてある。
 この『革共同50年史』刊行委員会の闘いを先頭に、全党の同志が今こそマルクス主義をどん欲に学び、現代革命の生きた武器として打ち鍛えるための闘いにともに総決起しよう。党学校、労働学校を重視し、とりわけ青年・学生の中にマルクス主義の一大学習運動をつくりだして闘おう。
 マルクス主義で武装し、時代認識と路線で武装した党を建設する上で、最も重要なのは機関紙活動である。『前進』『国際労働運動』『共産主義者』を熟読すると同時に広める闘いをやり抜こう。とりわけ毎週の『前進』を読んで討議と一致をかちとり、かつ読者を拡大し組織していくことは、党を党として建設する中心環だ。機関紙こそ細胞建設、地区党建設の武器であり、中央委員会と細胞の一体的建設を日常的に闘いとっていく手段である。機関紙活動の飛躍的強化をかちとろう。
 新自由主義と闘う総合雑誌『序局』の第2号発行は、階級的労働運動派の総合雑誌として重要な意義をもっている。階級的な思想と立場を全社会的に甦らせていく努力の一環として重視し、歓迎したい。

 非合法・非公然の党

 革命的情勢の成熟は、党の非合法・非公然体制を一段と強化することを死活的に求めている。日帝権力は、政治支配の崩壊と労働者階級の大決起が進めば進むほど、労働組合つぶしとともに革共同への組織絶滅攻撃にますます一切をかけて襲いかかろうと必死になっている。司法権力をも総動員したデタラメな弾圧、デッチあげ弾圧の激化はその証左だ。
 だが非合法・非公然体制の強固な確立の上に成り立つ党は、どんな弾圧にもけっして負けることはない。党の非合法・非公然体制こそ、敵権力のあらゆる監視と弾圧網をかいくぐり、労働者階級の闘いの自由な発展を保障すると同時に、最後はブルジョア国家権力を実力で打倒していく階級的な力を築き上げる土台となるものだ。プロレタリア革命―権力奪取の勝利を今から準備していく闘いとして、非合法・非公然体制の圧倒的強化をかちとろう。
 獄中37年の星野文昭同志と固く連帯して決起しよう。この5月には福嶋昌男同志が新たに5年2カ月の下獄闘争に突入する。獄中同志との獄壁を越えた団結をかちとり、星野再審・福嶋再審を闘いとり、奪還を必ず実現しよう。超長期の指名手配攻撃と不屈に闘う同志と連帯し、デッチあげ弾圧を粉砕しつくそう。
 すべての闘う労働者、とりわけ青年労働者と学生は革共同に結集し、ともに世界革命への道を切り開こう。

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週刊『前進』(2534号7面2)(2012/04/30 )

【要項】「復帰」40年5・12沖縄集会、5・15平和とくらしを守る県民大会

フクシマと連帯し、すべての原発をなくそう! 今こそ命を守る闘いを!
国鉄1047名解雇撤回! 民営化・外注化・非正規職化・偽装請負と闘
う労働運動を!
辺野古新基地建設阻止! すべての基地を撤去し、基地のない平和で豊か
な沖縄を! 沖縄闘争を闘った無実の星野文昭さんを奪還しよう!

 「復帰」40年 5・12沖縄集会

5月12日(土)午後6時開場
那覇市民会館中ホール(沖縄県那覇市寄宮1−2−1与儀公園となり)
主催 「復帰」40年 5・12沖縄集会実行委員会(呼びかけ団体…国鉄闘争
全国運動・沖縄/沖縄労働組合交流センター/沖縄万人の力で星野さんを取
り戻す会/NAZEN沖縄)
【関連企画】5月12日午後4時から県民広場で集会、その後国際通りデモ

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5・15平和とくらしを守る県民大会
5月13日(日)午後0時30分
宜野湾海浜公園野外劇場(沖縄県宜野湾市真志喜4-2-1)
主催 県民大会実行委員会(連絡先/沖縄平和運動センター)

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週刊『前進』(2534号10面1)(2012/04/30 )

 世界大恐慌と階級決戦情勢の成熟

 世界の労働者は猛然と立ち上がり人類史を決する世界革命へと進む

 あらゆる延命策が破産大恐慌は深化・発展する

 今次世界大恐慌は、新自由主義・帝国主義が野放図というべき財政・金融政策をいかに繰り返し発動しても、もはや爆発的進行に至るその深化・発展のすう勢を止めることはできない。
 これはなんら不思議な事柄ではない。「過剰資本・過剰生産力」の重圧が基軸国・米帝の没落という形で「世界経済の分裂化・解体化」を引き起こし、それが相互に作用しあって、資本主義の経済的根底を吹き飛ばすような形で爆発したのが今次世界大恐慌であるからだ。新自由主義は、この恐るべき資本主義の末期的危機的な症状に対して、野放図な財政・金融政策、労働者階級への「自由」勝手な資本攻勢を展開することでのりきろうとし、具体的な経済政策としてはバブル経済に次ぐバブル経済を推進してきたのだ。そして、この新自由主義の絶望的延命策動の全面的破綻として歴史的に爆発したのが、今次世界金融大恐慌であったのである。
 しかも新自由主義は、1929年恐慌の大爆発を辛うじてのりきった帝国主義が大恐慌の爆発への防波堤として形成した金融規制などを破壊することで成立したのだが、決定的だったことはまさにそのことが直接の契機となって、ついにリーマンの歴史的破綻となって、今次大恐慌は未曽有の金融的大崩壊を引き起こし、世界史を画する未曽有の世界大恐慌を爆発させてしまったことである。そしてそれは、基軸国・米帝の全面的な恐慌突入によって、世界経済全体を大恐慌過程にたたき込み、「世界経済の分裂化・解体化」に向かって突き落とすものとなったのだ。
 しかも、この際、新自由主義が金融資本主義化を深め、グローバル化を一層推進し、世界を新自由主義経済的に塗りつぶしていったことによって、基軸国から発する大恐慌は文字どおり全世界を大恐慌過程にたたき込むものとなった。この世界同時性・一様性は新自由主義が促進し、形成し、資本の絶望的延命方式となったが、大恐慌を29年大恐慌をもこえるすさまじい世界大恐慌として展開させることになったのだ。
 この結果、ちょっと先回りしていえば、いま世界は同時に、至るところで資本主義では解決できぬ大恐慌の重圧にのみ込まれ、支配階級は絶望的にプロレタリアートに階級決戦を挑みかかり階級的延命を策しているが、それはもはや労働者階級を生かしていくことも食わせていくこともできない階級攻撃となっており、労働者階級の革命的決起を絶対的に促進する結果をつくり出しているのだ。
 このことは、これから今次大恐慌の進行・激化・深化とともに果てしなく進むために、世界の労働者階級はプロレタリア世界革命に突き進むことをとおして生きぬき、かちぬいていく階級情勢に入っていくということである。
 人類史を決するプロレタリア世界革命に向かって、労働者階級は英雄的にたくましく必ず立ち上がっていく。いや、すでにそれは始まっている。労働者階級、その決定的な基礎的団結形態である労働組合が、この事態に立ち向かう中で全体情勢を認識し、目的・到達点を明確にして、現在直下の階級決戦を職場生産点を軸に全階級闘争領域で決起していくことが重要になっている。党と労働組合の一体的形成・強化こそがその死命を決する。
(写真 2月7日、ギリシャ全土で賃金凍結・年金引き下げ・増税などの緊縮政策に反対して官民の2大労組連合組織が24時間ゼネスト。国会へデモする鉄鋼労働者【アテネ】

 野放図な財政投入策で米帝の危機は一層激化

 具体的に世界大恐慌情勢を見てみよう。
 今日の大恐慌情勢を見ていく上で決定的な事態は、米欧日・全世界をとおして、財政危機からする国債暴落というとてつもない破滅的危機に直面していることである。国債暴落は究極的にはドル暴落の爆発をはらみ、世界経済は根底から崩壊・分裂・解体の危機に直面していく。
 米帝についてもこの点は決定的だ。

 「改善」は見かけだけ

 米帝経済は今、新自由主義的延命策としての野放図な財政投入、超低金利(ゼロ金利といっていい)政策によって、辛うじて大恐慌過程の大不況重圧に対応、対抗している。これは不断にFRB(連邦準備制度理事会)が超緩和政策を展開することで成り立っている。
 そのことによって、いわゆる「経済の改善」なるものが繰り返しつくり出されている。だが、これは金融・財政政策でばらまかれたマネー(これはたちまち世界に流れ込むものだ)を土台に、国際展開する大独占企業や金融独占体が一定の生産活動・販売活動を内外で展開し、とてつもない独占的利益をむさぼる構造として実現しているのである。したがって、これは一時的に大いに好調をうたいあげても、すぐさま、また行き詰まるものである。
 雇用・労働市場的に見ると、このような「経済の改善」の実態は、大独占企業的生産や設備の拡大が、高学歴者や高度熟練労働者をぎりぎり最少人数採用し、一定の量的拡大の必要には派遣、期間工の採用などで対応する方式で行われている。しかも、巨大な労働市場をなす中小企業は、この過程から大きくはずり落ちて、部品生産などへの時々の一定の動員という扱いを受けているのである。
 したがって、今日の米帝労働市場は、大恐慌に際して行われた千数百万人という膨大な首切り・レイオフによる大失業情勢を、根底から改善する力も方式も存在していないのである。
 このことは、3月の雇用統計でもはっきり示されている。この間、3カ月間20万人以上の非農業雇用労働者数の増加が続いたが、3月は2月の24万人増の半分、12万人増にとどまった。また、失業率は8・2%で前月比0・1ポイントの改善とされているが、これとて大半の理由は、失業の長期化から就職活動をやめてしまう人が生みだされ労働人口全体が減少していること、それが、失業率を見かけの上で下げているということでしかない。要するに、この間の経済の「改善」なるものは、新自由主義的な経済体制下の独占企業的な雇用政策のもとで、大恐慌のつくり出した大失業者を再吸収できるような質も量ももっていないということである。
 むしろ、この間の情勢からすれば、欧州恐慌、中国バブルの崩壊(経済成長の急低下)の中で、国際的独占的企業の活動が収縮し、工場の閉鎖などが次々と発表されている。急成長しているのはIT関連の一部の産業にすぎないのだ。
 また、雇用情勢と一体で進む住宅建設の状況は、完全に二番底に突入している。

 大失業、国債暴落危機

 このような情勢の中で、米国経済は大失業の重圧にのたうち回っている。【今日の大失業情勢については、公式の雇用統計に沿って数字的にみるだけでなく、『ルポ貧困大国アメリカ』T・U(堤未果著、岩波新書)などによってつき出されているすさまじい労働市場の状況や社会情勢を、しっかりと把握する必要がある。】
 ここから、米帝オバマ政権は雇用拡大を中心にすえて、大統領選挙戦を推進している。そのために財政・金融政策を展開する必要にかられているが、財政危機はすでに4年も連続して1兆j以上の財政赤字を蓄積しており、もはや限界に達している。すでに11年には米国債の一段の格下げさえ行われた。しかし、現状を放置すれば失業者はあふれ、失業率は高止まりという状況が続く。
 また、大独占企業、巨大金融機関、そして株式市場は、バーナンキ(FRB議長)によるQE3、すなわち第3次の大量金融緩和によるマネーの洪水状態化の再現を要求している。この4〜7月情勢は米帝内外の情勢から不況重圧が強まる形勢にあるため、バーナンキはQE3に踏み切るかもしれないが、これはもはや米帝の末期的な自爆行為であろう。
 原油情勢(油価上昇)とあいまって、インフレに火がつく可能性も増している。また、欧州情勢などからして、国債暴落の嵐が世界を襲うことも必至である。これは米国債暴落の危険を限りなく増大させる。まさに、資本主義の終焉(しゅうえん)の鐘が鳴る――という情勢が切迫してくるのだ。

 欧州恐慌も一層進行し大恐慌の爆発点と化す

 欧州恐慌情勢は今や世界大恐慌の白熱的爆発点となってきている。まさに世界大恐慌そのものの様相がここにある。以下、若干のポイントにしぼって略記する。

 ギリシャ経済は崩壊

 昨年、欧州はギリシャ危機に端を発し、国債暴落の危機がイタリアをぐらぐらにするところまで発展した。今日明らかにされている諸データと証言から、昨年10〜12月期において、欧州は完全にリーマン・ショック前後の米帝的なパニック状態(恐慌状態)に突入していたことは明白だ。だからこそ、ECB(欧州中央銀行)は合計1兆ユーロもの資金供給を全欧州の全金融機関に行ったのだ。まさに「ヘリコプターでのばらまき」に近い。
 このリーマン的パニックに昨年第4四半期(10〜12月)に突入した事態の意味は大きい。その後、ギリシャ支援体制がひとまず成立したとか、今年3月末にESM(欧州安定メカニズム)体制が一応形成されたという経過があるが、こうした事実をもってしても、恐慌状態にいったん突入し金融システムが機能しなくなった事態がもたらしたインパクトの大きさをおし隠すことは、到底できない。また、ギリシャが70%を超える借金の棒引きによって「ひとまず危機をしのいだ」などという話も、まったく信用できない。このことは、この3〜4月の動きから、早くも暴露されてきている。
 ギリシャとギリシャ国債は、基本的にはデフォルトしたのだ。この破壊力は大きい。この結果、実際にはギリシャ経済はほとんど崩壊状態にある。
 まず、国債の事実上のデフォルトの結果、ギリシャの銀行は壊滅的打撃を受けた。ギリシャの大手銀行であるポストバンクは、いわゆる狭義の中核的自己資本比率が今年3月以前には19・9%もあったのに、「支援体制」後にはなんとマイナス20%、つまり膨大な債務超過に陥ってしまった。こうしてギリシャの金融機能はほとんど機能不全に陥っている。「緊縮財政」の押しつけは、経済成長のマイナス化を促進するだけである。
 この中で決定的なことは、政治・階級情勢だ。5月の総選挙をめぐって動いているが、3月のEU(欧州連合)とIMF(国際通貨基金)のギリシャ支援はギリシャ圧殺であり、ギリシャのプロレタリアートの生活と生存の圧殺である。これに対するプロレタリアートの革命的反乱がますます激化していくことは確実だ。それはギリシャ資本主義の安易な延命などを許すものでは断じてない。プロレタリア革命の足音が近づき、欧州の全プロレタリアートの決起の引き金を引く日は近づいている。

 スペイン恐慌本格化

 スペインの恐慌は、まさにいま全面爆発に向かって火を噴きはじめた。
 この間のブルジョア・エコノミストのスペイン分析は、超楽観論者も批判的ポーズの論者も、みな大うそつきである。この間、ギリシャ危機の爆発の陰で、「スペインの危機はギリシャほどではない」などという宣伝が行われてきた。
 だが、スペインの住宅バブルは、ヨーロッパはおろか世界でも最大級のものであった。これがついに全面的に爆発する時が来たのだ。すさまじい住宅バブル崩壊の嵐が吹き荒れている。住宅価格は暴落している。11年第4四半期には、実に11%も下落した。
 この結果は、銀行の不良債権の巨大化・膨大化である。日本の住宅バブル崩壊の時よりひどい。このスペインの銀行危機のすさまじさを証明するデータは、ECBがこの間ユーロ圏向けに行った銀行融資の半分(!!)はスペイン向けであったという事実である。不良債権を大量に抱えた銀行は担保の投げ売りに走り、住宅価格をさらに下げている。
 これに対して、「スペインは銀行は不良債権で苦しんでいるが、政府の財政赤字はそれほど巨大ではない」などと気休めを言う分析家がいるが、とんでもない誤りだ。御用学者もいい加減にしろと言いたい。リーマン・ショックのとき、アメリカの巨大銀行はサブプライムローンで埋まり借金地獄にのたうち回ったが、この時に米政府は何をしたか? 天文学的なレベルの財政投入だった。スペインだって、銀行がバタバタと破産することを政府が見て見ぬふりをするとでも言うのか。財政赤字が巨大化していくことは目に見えている。
 すでに国外の金融機関や投資家・ファンドなどは、スペイン経済の減速、失業増大、財政赤字拡大をみこして、スペイン国債の売り切りに走っている。この結果、「ギリシャ支援体制の形成」やECBの2月29日の5千億ユーロの追加的資本提供の展開などで一時下降していたスペイン国債の利回りは、4月に入ってどんどん上昇しつつある(つまりスペイン国債は下落しつつある)。
 4月4日には、スペインの中長期国債の入札が不調に終わるという事態が発生した。予定の29億ユーロは下限ギリギリで調達できたが、高い利回りなしには不可能だった。4日以降の国債利回りは連日上昇を続けている。
 4月4日 5・7%
   5日 5・8%
   10日 5・9%
   11日 6・0%
   13日 6・0%
 7%と言われる危機ラインに日々接近している。
 スペインの債務残高も、4月3日の政府発表では、11年末は対GDP比68・5%だったのが、12年末には79・8%にまで拡大するとしている。しかし、これで収まるとは到底考えられない。

 全欧州で失業率悪化

 欧州恐慌の問題で重要なことは、実体経済面の恐慌的下降が今まさに進行しているということだ。これはECBの発行するGDP統計が、ユーロ圏のすべての国が12年にマイナス成長になるとしていることに示されている。その結果、失業率のものすごい悪化が全欧州、とりわけ南欧諸国で進行していくということだ。
 欧州各国の失業率、とりわけ若年労働者(25歳未満)の失業率の高さはすさまじいばかりである(日本経済新聞4・10付)。
 まずスペインの失業率は23・6%である。そして、ユーロ圏全体の失業率は10・8%である。
 とりわけ25歳未満の若年労働者の失業率は、以下のとおりである。
 スペイン   50・5%
 ギリシャ   50%超
 ポルトガル  35%
 イタリア   30%
 アイルランド 30%
 フランス   20%
 ドイツ    7%
 ユーロ圏   22%

 労働者への攻撃激化

 こうした実体経済の危機のもとで国債暴落の危機がすでに完全に地平線上に現れてきている。ギリシャではすでに爆発した。スペインでも、今まさに爆発しようとしている。
 これに対するEU、ECBの基本政策は、ドイツ帝国主義の利害を軸にして、徹底した緊縮財政措置をとって財政赤字をゼロ化することである。いわゆる「財政条約」が合意され、各国の批准などが始まっているが、これは世界大恐慌下の現実、欧州の実体経済の現実の中では、経済の激しい縮小化をつくり出す。その中で失業者はさらに増え続け、財政赤字は歳入・歳出両面からさらに拡大していく以外にない。
 この中でドイツ帝国主義を軸に欧州の資本家階級は、この財政赤字削減=国債暴落阻止で労働者階級を脅迫し、労働者階級の既得権を剥奪(はくだつ)し、労働法制の全面改悪へ突っ走ろうとしている。イタリアでは整理解雇を自由にする法制を敷こうとしている。スペインではそれに加えて賃下げを容易にする労働法の改悪を強行しようとしている。ギリシャは労働者階級の解雇の自由化、年金支給率の引き下げ、大幅賃下げなど極限的な攻撃を追求している。フランスも、サルコジが規制緩和で労働者階級の既得権を全面的に剥奪することを狙っている。ドイツはすでにこれらの攻撃を済ませ、それを強めようとしている。
 要するに、大恐慌−欧州恐慌によって生じた財政危機→国債暴落の危機をむしろ奇貨として、労働者階級の諸権利を剥奪し、労働組合の力を破壊し、労働者の職場支配を粉砕し、新自由主義を百パーセント貫徹するやり方にもっていこうという、すさまじい反革命がたくらまれているのだ。
 しかし、そうした攻撃はいったい何をもたらすか? すでにギリシャのプロレタリアートが前人未踏ともいえる大ゼネストの波状攻撃と巨大デモをもってEUおよび自国資本家階級と激突し生きぬこうと闘っているではないか! あの闘い方がすべての諸国の労働者階級のものとなり、欧州大陸をゼネストと戦闘的デモの巨大な激浪の逆巻く大陸へと転化することは確実である。それは、もはやプロレタリア革命の勝利まで止むことはないのだ。そしてこれこそが、世界情勢を大恐慌−欧州恐慌のさらなる全面的爆発へと発展させていくものとなる。

 まやかしの「安全網」

 スペインの恐慌爆発と国債暴落は決定的に欧州恐慌情勢を揺るがす。スペインの経済規模は、欧州大陸でイタリアに次ぐ第4位の大きさをもつ。ここで爆発する国債暴落の危機は、必ずイタリアに波及し、さらにフランスをも今度は確実にのみこむ。すでにイタリア国債の利回りは、不気味に再び上昇カーブをたどっている。
 この間、3月30日にEUは、財政危機への「EU安全網」として、EFSF(欧州金融安定化基金)とESMを統合して、いわゆる「8千億ユーロ体制」を敷いた。
 しかし、これはまやかしにすぎない。この8千億ユーロのうち、実際これから諸国の財政危機の支援に投入できるのは、実は5千億ユーロでしかない。これでは、スペイン、ひいてはイタリア、フランスにまで波及する危機にはまったく対応できない。このためIMFが現行の「4千億j支援体制」から5千億j増額して「9千億j体制」に強化しようという動きを始めたが、なんと米帝の自国中心主義からあっさりと葬り去られてしまった。直近の主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は何ら有効な対応をとれないハメにおい込まれている。

 党と労働組合の強化で最弱の環=日帝打倒へ

 中国スタ崩壊の危機

 欧州恐慌は、スペイン恐慌の爆発によって一挙に新局面に突入しつつある。日・米・欧・中という世界経済体制の決定的存在である欧州での恐慌の爆発は、世界大恐慌の一環そのものであり、これは米帝にも決定的打撃を与える。しかし、直接的に最大の打撃を受けているのは、残存スターリン主義・中国である。
 自己自身のバブル経済の破綻過程で大動揺している時に、最大の輸出先である欧州経済の急激な収縮は、中国にとって大きな打撃である。中国のGDP成長率は、今年第1四半期(1〜3月)に8・1%にまで下降した。中国にとっては、8%の成長率は米欧日帝国主義の0%にあたるようなものである。
 この下降の最大の要因は、EU向け輸出の急速な減速である。EU向け輸出はこれまでの20〜30%の年率膨張から、今年の第1四半期には一気に7・6%にまで下降してしまった。
 3月の全国人民代表大会(全人代)では、今年のGDP成長率の目標を、実に7・5%にまで引き下げた。中国バブルは、大恐慌の過程をとおして、今や確実に崩壊しようとしている。
 さらに重要な事態は、中国のスターリニスト的支配体制における深刻な分裂と政治的死闘が始まったことである。これは、大恐慌下で残存スターリン主義・中国の巨大な市場とその成長に依存する以外にないという、帝国主義の絶望的延命形態としての新自由主義の特質を象徴する事態である。そしてスターリニスト指導部の分裂と政権の解体的危機は、経済大国化した中国の崩壊を確実に生みだすのだ。
 2012年はこの意味で、中国バブルの崩壊が引き出す世界史的大動乱が、世界大恐慌を新自由主義・帝国主義の手ではどうにも収まらない混沌(こんとん)たる情勢にたたき込む年になる可能性がある。

 労組の階級的再生を

 新自由主義・日帝は、この中で百パーセント「最弱の環」と化している。3・11情勢のもとで日帝は、再起不能的な大打撃を受け、死の苦悶(くもん)にあえいでいる。日帝・野田の消費税増税、労働組合圧殺との決戦、原発再稼働との決戦は、この中で闘われる。
 以上見てきた全世界の大恐慌情勢の激動の中で、日本の階級闘争は2012年階級決戦を迎えている。この中で日本の労働者階級は、国鉄決戦と反原発決戦を結合し、日帝・野田打倒の闘いに今、全力投球で決起している。しかも、1〜4月においてこの闘いは、確実に階級的労働運動の勝利としてかちとられている。
 6・10国鉄大集会−7・16反原発10万人大集会を大きな飛躍台として2012年決戦を闘い、圧倒的にプロレタリア革命の赤旗をこの日本の地にうち立てよう。そしてエジプトからギリシャ、イタリア、フランス、スペイン、アメリカ、ブラジル、トルコ、何よりも韓国、朝鮮、中国のプロレタリアートとともに国際的隊列を形成し、プロレタリア世界革命へ進撃しよう。
 労働組合の階級的再生にすべてのプロレタリア革命への道を開く力が宿っていることを決定的に確信し、この日本の地で、革命的実践をもって、その勝利を示していこう。

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