ZENSHIN 2012/04/23(No2533 p06)
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週刊『前進』(2533号1面1)(2012/04/23 )
反原発・反失業メーデーに決起し6・10国鉄集会の大結集へ進もう
青年・学生を先頭に5・15沖縄闘争へ
西郡住宅明け渡し強制執行弾劾 詳報次号
4月19日朝、八尾市と大阪地裁は事前通告も一切なしに、西郡への住宅明け渡し強制執行を強行した。この間2度にわたる強制執行阻止の闘いに追い詰められた揚げ句の暴挙だ。さらに同じ19日、法大包囲の学生デモの爆発に、警視庁公安が襲撃的な弾圧を強行し、学生1人をまったく不当にも逮捕した。4〜6月の闘いは、1〜3月決戦の前進に恐怖する日帝権力や新自由主義攻撃の絶望的凶暴化との激突だ。国鉄全国運動の発展で、権力・資本との闘いに勝利的決着をつけよう。4・28沖縄・憲法集会と5・15沖縄現地闘争に決起しよう。5・1メーデーを闘い、6・10国鉄大集会の成功へ突き進もう。
非正規青年労働者への弾圧を許すな
「千葉県警は直ちに仲間を返せ!」「不当弾圧を絶対に許さないぞ!」――4月15日、千葉中央署を青年労働者の張り裂けんばかりの怒りが包囲した。4月12日早朝、ちば合同労組で闘う青年労働者A君がデッチあげで不当逮捕され、千葉中央署に勾留されたのだ。20日、千葉地裁は勾留を10日間延長した。許せない!
A君は非正規職の労働者で、低賃金で「生きていけない」現実に対し、怒りを燃やし必死に闘ってきた。彼は職場で「偽装請負」という違法行為を摘発・弾劾し、不当な「雇い止め解雇」を受けても団結の力で解雇撤回をかちとり、労働組合を結成した。そして非正規職撤廃のために青年労働者の先頭で闘ってきた。今春闘でも「10円の時給引き上げ」や、自ら闘い取った「期限の定めのない雇用契約への転換」を、自分だけでなくみんなに適用させることを要求して、職場での仲間づくりと団交準備に走り回っていた。
その矢先に、「虚偽の住民登録をした」という理由で不当逮捕されたのである。手取り10万円ちょっとの低賃金ながらも、親元を離れアパートに引っ越した。なんでそれが犯罪なのだ! これは必死に生きようと闘っているすべての青年労働者にかけられた弾圧だ。プロレタリア家族への許し難い攻撃だ。
今、新自由主義の先兵=橋下徹のもとの大阪市などを先頭に、生活保護打ち切り攻撃が全国で激化している。自治体の生活保護受給窓口に警察OBを配置するなど、生活保護を受けることが犯罪であるかのような許し難い現実が進行している。これが野田政権の進める「税と社会保障の一体改革」の正体だ。
非正規職の労働者、働きたくとも働けない労働者に死ね、監獄へ行けという、こんな社会は絶対に間違っている。一刻も早く労働者の団結した力で、青年労働者から未来を奪う新自由主義を打倒するべきだ。監獄にぶち込むべきは東電幹部や原子力村の連中、野田や橋下などの政治家、そして権力自身だ。
今こそ新自由主義への煮えたぎる怒りを団結の力に転化しよう。労働者人民が本気になって新自由主義と闘う全国的な大運動をつくりだそう。新自由主義を打倒するために、あらゆる人びとが結集する大運動が国鉄闘争全国運動だ。青年労働者を先頭に大挙して6・10国鉄大集会に結集し、外注化阻止・非正規職撤廃、原発再稼働阻止、野田政権打倒へ進もう。5・1反原発・反失業メーデーを闘い、6・10へ大結集しよう。
国鉄決戦と反原発が革命勝利を開く
6・10大集会は、動労千葉の4・1外注化阻止と3・11郡山反原発大集会の高揚、「生きるための闘い」をさらに発展させ、新自由主義を打倒し革命をたぐり寄せる闘いに結びつけていくために階級的力関係を一変させる重大な決戦である。
フクシマの怒りと結びついた原発再稼働阻止の闘いと国鉄決戦の一体的前進こそ、資本家階級と労働貴族(連合)による反動攻撃を粉砕し、プロレタリア革命を切り開いていく道筋だ。一昨年の国鉄1047名解雇撤回闘争をめぐる「4・9政治和解」の反革命によって国鉄闘争の火は一度は消えかかり、3・11大震災と原発事故以降の「政治休戦」攻撃に体制内指導部が屈服することで、悔しくも労働運動は後退を強いられてきた。
しかし、3・11郡山に国労郡山工場支部を先頭に労働組合旗が林立したように、今や職場から労働者の怒りの決起が新たな爆発を開始している。体制内労組幹部が屈服し、度し難い腐敗をさらそうとも、生きるために現場労働者は必ず立ち上がるのだ。「団結して闘えば新自由主義攻撃に勝てる」「生きるために闘おう」。この確信と実践こそ労働者階級の思想であり、生き方だ。
ストライキと組織拡大でJR東日本という大企業を追い詰め、4・1外注化を阻止した動労千葉の闘いや、被曝労働拒否で闘う誇り高い動労水戸の決起を見よ。3カ月雇用の非正規労働者でも労働組合をつくり、資本を圧倒し、勝利できる展望を示している西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会、全国に力強く羽ばたこうとしている郵政非正規ユニオン、労組解体・住宅追い出し―更地化攻撃と不屈に闘う八尾北・西郡などの闘いを見よ。そして教育労働者は新自由主義と激突し、団結をつくりだす不起立闘争を貫いている。
これらの闘いは権力と資本、野田や橋下を激しく追い詰めている。連合、全労連の幹部や4者4団体派は「労働者は闘っても勝てない」「社会を変える力はない」「闘っても無駄だ」と労働者を抑圧してきた。だがこんな思想は「全部ウソだった」のだ。「労働者を軽んじ、蔑視(べっし)する考えに取り込まれない限り労働者は必ず勝てると確信している」。動労千葉の中野洋前委員長のこの思想と実践こそ国鉄全国運動の神髄だ。
欧州では緊縮財政政策と労働法の規制緩和=解雇容認の攻撃に対し、ゼネストが爆発している。中国でも非正規労働者が労働組合をつくり、資本と非和解で闘っている。6・10大集会は世界の労働者階級とひとつになり、新自由主義を撃つ国際連帯闘争でもある。
戦争・大失業と闘う労組拠点の建設を
4月13日の北朝鮮スターリン主義・金正恩体制による「人工衛星」=長距離弾道ミサイルの発射(失敗)は、新自由主義と闘う全世界の労働者階級への敵対と妨害であり、断固弾劾しなければならない。しかし、これを餌食にして米帝オバマと日帝・野田が米日韓体制のもと朝鮮侵略戦争へと事実上突入していることを弾劾し、反撃しなければならない。
米帝オバマは「衛星発射」後、直ちに北朝鮮への食糧支援を打ち切り(米朝合意の破棄)、米帝主導で「追加制裁」を含む国連安保理議長声明を採択し、さらに大規模軍事演習などの戦争重圧をいよいよ強めている。日帝・野田は北朝鮮ミサイルの脅威をあおり、沖縄と本土を大々的な迎撃臨戦態勢、有事体制にたたき込んだ。さらに都知事・石原慎太郎は釣魚台=「尖閣諸島」を都が「買い上げる」との方針を突然ぶち上げ、中国に対する排外主義と戦争をあおっている。
この中で野田は、許し難いことに大飯原発3、4号機の再稼働方針を決めた。この攻撃の先頭に立っているのが民主党政調会長代行・仙谷由人であり、経済産業相・枝野幸男、原発担当大臣・細野豪志である。
4月17日から経済産業省前テントで再稼働阻止の新たなハンストが始まった。地元の福井県でも県庁前などで闘いが起きている。全学連は4・19法大デモに立ち、「20_シーベルト基準」を今なお撤回しない文部科学省弾劾の闘争をも打ち抜いた。この闘いは法大生とともに福島大生が牽引(けんいん)した。稼働原発をゼロにする闘いをさらに強化し、危機と絶望的凶暴化を深める野田政権を打倒しよう。
4・28沖縄・憲法集会の成功をかちとり、5・15沖縄現地闘争に総決起しよう。反原発・反失業を真っ向から掲げて5・1メーデーを全国各地で闘い、6・10国鉄大集会へ進撃しよう。
4〜6月決戦は同時に組織拡大の決戦だ。革命的情勢が主客にわたって成熟している今こそ、大衆的基盤を拡大し、拠点建設と党組織建設へ邁進(まいしん)しよう。闘う青年労働者・学生を先頭として革共同に結集し、反帝国主義・反スターリン主義世界革命の勝利へ闘おう。
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週刊『前進』(2533号1面2)(2012/04/23 )
不当逮捕はね返し 怒りのデモ 法大包囲
4・19 福島大生らが文科省を追及
(写真 再稼働阻止・処分撤回に立つ【4月19日千代田区】)
“ついに一つの壁を越えた!”――4月19日にキャンパス内から決起した法大生の感想の中にすべてが凝縮されている。
4月19日、法政大学での「原発いらない/大学生が立ちあがる日」一日行動は、昼休み直前の門前での「いよいよこの日がきました! みんなデモに出よう」という洞口朋子さんのアジテーションから始まった。福島大学をはじめ全国の学友、福島の闘うお母さん、青年労働者も集まった。門前での呼びかけに応え、千人を優に超える法大生がキャンパス中央に集まり、注目と声援を送り、一体化した。法大生の決起を押しとどめようと超厳戒態勢を敷いた法大当局も警察権力もこの高揚を前になすすべもない。
全学連の斎藤郁真委員長が訴える。「目の前にあるこの抑圧の体制こそが原発政策そのものです。こいつらこそ私をはじめ闘う学生を処分して追放し、こんな腐った社会をつくってきました。この大学のあり方を変えることで原発を止められる。今日は大学生がすべての怒りを爆発させて立ち上がる日にしよう」
キャンパスから法大生が続々とデモ隊に合流して「みんな法大がおかしいと薄々気づいているはずです。法大の中には原発事故に関する議論がありません。大学が学生の自由な意見を抑えつけている。私たちが社会を批判的に見て議論して、大学をつくろう」と訴え、福島大生も「原発事故は収束していない。福大当局が公安とつるんで反原発の学生を呼び出すという人権侵害に、怒りをぶつけよう」と感動的なアピールを発し、デモに出発した。
「再稼働やめろ! 処分撤回! 大学を取り戻そう!」。解放的なデモの最先頭で生き生きと闘う法大生に恐怖した警察権力は、デモ解散地近くで突然一人の学友に襲いかかり、「公務執行妨害」をデッチあげて不当逮捕した。原発事故を引き起こした犯罪者は誰一人監獄にぶち込まれない中、どれだけ多くの反原発デモに決起した仲間が逮捕されてきたのか! 直ちに取り戻そう。
4・19デモは野田政権の原発再稼働への真正面からの反撃だ。法大当局は09年と10年には全国デモのたびのキャンパス中央を封鎖し、昨年は大震災に乗じて4月いっぱい休講にした。この圧殺体制をはね返し、法大生が堂々とデモに大合流した。新自由主義大学=法大を打ち破る主体が屹立(きつりつ)したのだ。
デモ後、文部科学省に「被曝20_シーベルト基準」と国立大学法人体制の撤回を求める要請行動を福島大生を先頭に行った。夕方から弾圧粉砕の総決起集会を行った。斎藤委員長が「@学友の即時奪還、A法大闘争のさらなる高揚、B反原発闘争を発展させる5月沖縄闘争への決起、C学生自治会建設」の方針を熱烈に提起し、4〜5月決戦の爆発を誓った。
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週刊『前進』(2533号1面3)(2012/04/23 )
“大飯原発再稼働させぬ”
中嶌哲演さんら経産省前でハンスト開始
4月17日、経産省前テントで大飯原発3、4号機の再稼働を阻止するための集団ハンガーストライキが始まった。国内で唯一稼働中の泊原発3号機がストップする5月5日まで続ける。
17日正午、各地から参加した人びとが「再稼働反対/ハンスト決行中」と記したそろいの鉢巻きと法被を身につけ、記者会見を行った。
3月25日から31日まで福井県庁ロビーで断食した福井県小浜市の明通寺住職の中嶌哲演さんも駆けつけて発言。「大飯原発3、4号機が再稼働されれば、各地の原発がなし崩しに再稼働されていく。近未来に国内の原発が全面停止するのは第2の福島が続発する時だ。かつての軍国主義政権はオキナワ、ヒロシマ、ナガサキ、大空襲という過酷な犠牲の後に初めて敗戦を決断した。『原子力村』の一角を担う現政権は福島だけではまだ懲りないのか。再稼働を認めることはできない。ヒロシマ原爆120万発分の死の灰、48万人の被曝労働者、福島の36万人もの子どもたちの犠牲を生み出してしまった54基の原発。子どもの日に福島と世界の子どもたちに原発ゼロをプレゼントするため、頑張りましょう」と呼びかけた。(写真)
「原発いらない福島の女たち」の黒田節子さんも訴えた。「中嶌哲演さんの闘いにつながろうと、3月31日からリレーハンストを始めました。すでに100人以上でリレーしています。脱原発社会を夢見ながら、今まで会えなかった人ともつながって、楽しみながらハンストをしています。脱原発社会に本当に近づくために再稼働を阻みましょう。福島で今も被曝している子どもたちを助けてください」
記者会見後は、福島をはじめ全国各地から参加した人たちが次々とマイクを握り「再稼働を絶対に阻もう」という熱いリレーアピールが続いた。
再稼働を阻み、全原発の廃炉へ進むことができるのかどうか正念場だ。全国各地で、職場で、闘いをさらに広げよう!
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週刊『前進』(2533号1面4)(2012/04/23 )
前進速報版から
▼西郡住宅への強制執行を弾劾する▼NAZENナガサキが玄海原発再稼働阻止で申し入れ▼中国の電話会社で非正規労働者がスト
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週刊『前進』(2533号1面5)(2012/04/23 )
【要項】第83回日比谷メーデー、反原発・反失業東京メーデー行動
第83回日比谷メーデー
5月1日(火)午前9時50分開会 11時デモ出発
日比谷野外音楽堂
主催 第83回日比谷メーデー実行委員会
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反原発・反失業 東京メーデー行動
5月1日(火)午後6時30分から集会 8時デモ出発
文京区民センター3A会議室
主催 東京メーデー集会実行委員会
※全国各地でメーデー行動に決起
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週刊『前進』(2533号2面1)(2012/04/23 )
「全員解雇」=総非正規職化を打ち出した橋下を打倒しよう
国鉄決戦を基軸に一大反転攻勢へ
大恐慌下の丸ごと民営化、全員解雇・非正規職化に突き進む橋下反革命との全面激突の時が来た。橋下徹大阪市長は、現業丸ごと民営化と医療・福祉・教育など施策・事業の「ゼロベース」での見直しで、正規職員の半数=約2万人の分限免職と、公共部門で働く二十数万人の労働者の大量解雇を相次いでぶち上げた。国鉄闘争全国運動6・10集会への大結集を力に、自治体職場から、「復興特区」と橋下反革命を頂点とする究極の新自由主義への総反撃をたたきつけよう。
民営化と事業の切り捨てで職員大量解雇
大阪市戦略会議は3月7日、2015年10月までに3万9800人の大阪市職員を半減させる大量解雇方針を打ち出した。交通、病院、水道、下水道、ごみ収集・焼却、保育園・幼稚園の丸ごと民営化で、そこで働く全職員1万6400人を分限免職する。さらに市役所本庁や区役所で働く行政職や教員なども退職不補充と委託、府市統合、学校統廃合などで1350人を減らす。総数1万9550人を解雇する歴史的攻撃である。
さらに4月5日、大阪市改革プロジェクトチームは「市役所のゼロベースのグレートリセット」と称する「施策・事業の見直し(試案)」を公表し、大キャンペーンを始めた。大阪市の行ってきた予算規模1億円以上の443事業のうち104の施策・事業について見直し、3年間で総額548億円をカットするというのだ。高齢者医療・福祉施設の廃止、病院への拠出金の10億円削減、小学校の経費削減、障害者・高齢者世帯などの上下水道費減免廃止、民間保育所補助の廃止、低所得世帯への国保料3割減免廃止や保育料徴収、コミュニティバス補助金7割カットと敬老パス有料化などが項目として上げられている。生活の根幹にかかわる施策・事業を切り捨て、「受益と負担の適正化」と称して貧困世帯からむしり取る大衆収奪だ。
同時に、公共部門で働く公営・民営の労働者二十数万人に対しては、大阪市音楽団の音楽士をはじめ廃止・削減対象とされた事業の正規・非正規職員を大量解雇し、無権利・超低賃金の「有償ボランティア」を大量導入することをうち出した。
橋下は、この削減案について「収入に合わせ、ぜいたくを改める」「この作業を繰り返さないと地域の活性化はあり得ない」と述べた。生きるか死ぬかの生活を余儀なくされている貧困世帯への福祉対策のどこが「ぜいたく」だというのか!
橋下の言う「地域活性化」とは資本家のためのものでしかない。
労働規制撤廃、「首切り自由」の社会を狙う
橋下は、堺屋太一との共著『体制維新―大阪都』(文春新書)の中で「公務員も能力や意欲がなければクビを切られるし降格もされる。労働基本権の問題は、この価値を前提に考えられるべき」と言ってのけた。労働基本権を奪い、首切りや賃下げ、公務災害責任の放棄すら当局の意のままとするということだ。
同書では「民営化が経済を成長させて税収をあげ、利便性も向上し、行政改革で確保できた財源とともに医療、福祉、教育といったサービスに還元できる」と宣伝していた。しかし今や、その大うそさえ投げ捨て、医療・福祉・教育の解体をもたらすむき出しの新自由主義に突進しているのだ。
労働運動を最大の焦点に歴史を分かつ決戦の時が来た。資本主義の危機は最末期に至り、大恐慌と大失業が全世界を覆っている。
JRでの業務全面外注化、原発再稼働、「復興特区」、そして橋下反革命を突破口とする究極の新自由主義攻撃は、労働者人民の職と生活、命まで奪いつくし、社会全体を崩壊のふちに追いやるものだ。
橋下・維新の会は、マスコミを総動員して公務員バッシングを激化させ、あたかも公務員であることが悪であるかのように描き出し、労働者の誇りを踏みにじって分断と団結破壊を狙う。抵抗する力を奪い、事業廃止・民間譲渡の際に「就職の機会を与える」(採用試験を受けることができるようにする)だけで分限免職ができるとする職員基本条例の制定を強行しようとしている。
大恐慌下の公務員攻撃と労働規制撤廃・「解雇自由」攻撃は何を意味するか。解決不能の債務危機が再燃するギリシャ、スペイン、イタリアの現実を見よ。各国政府は公務員削減を全面化させ、雇用の「硬直化」に危機の原因があるかのように宣伝して、「解雇禁止」の見直し、規制緩和による首切り・賃下げ、年金破壊に突進している。
日本版「ショック・ドクトリン」(惨事便乗型資本主義)としての「復興特区」に呼応して、アメリカの保守系シンクタンクCSIS(戦略国際問題研究所)は、@安定的エネルギー供給(原発存続)、A税制改革(法人税引き下げ、消費税増税)、B規制改革(特に労働規制の緩和)、C貿易自由化(TPP=環太平洋経済連携協定交渉参加)を提言とした。つまり、労働規制撤廃で「アジア諸国との比較において事業環境のイコール・フッティングを確保すること」(日本経団連「復興・創生マスタープラン」)、すなわちアジア諸国並みの労働条件実現に支配階級の狙いがある。その核心が「解雇自由」、総非正規職化だ。
日航労働者148人に対する3月29日、30日の東京地裁「解雇有効」判決は、国鉄闘争解体の一昨年4・9政治和解を引き継ぐ新たな「4・9反革命」だ。「整理解雇4要件」を葬り去り、「解雇自由」と労働組合解体を進める極反動判決である。今やJR全面外注化阻止決戦を基軸に、「復興特区」と橋下反革命による全員解雇・非正規職化との激突が最大の攻防となった。
連合系の自治労本部や大阪市労連本部こそ、こうした民営化攻撃にさおさし、推進する最悪の裏切り者だ。今や彼らは、経団連とともに民主党政権を支える柱となって、消費税大増税と社会保障切り捨ての「税と社会保障の一体改革」、公務員首切り・賃下げの「公務員制度改革」、新自由主義を全面展開する「新成長戦略」を実務者の立場から提案し労働代官として推進する立場に完全移行した。
彼らにとって民営化・外注化・非正規職化は当然の前提であり、社会保険庁解体による全職員2万8千人のいったん解雇・選別採用がそうであったように、組合員の大量解雇すら自らの権益確保のためのネタにする存在になり果てている。今年の1月4日、橋下市長に腰を90度折って恭順の意を示した大阪市労連・中村義男委員長の恥ずべき姿こそ彼らの本質だ。
現場の激しい怒り解き放ち6・10集会へ
大恐慌下の全員解雇・労組絶滅攻撃に対してはこれまでのような当局・資本との労使協調路線では通用しない。体制内幹部から労働組合を奪い返し、現場の怒りを爆発させて団結の拡大を総括軸に絶対反対で闘いぬくことこそ勝利の道である。
新自由主義に成算などない。戦後革命期に匹敵する支配の崩壊、既成党派の衰退が進行している。被災地を先頭とする生き抜く闘い、労働者の怒りと団結が資本の圧政を打ち倒すのだ。
労働者が黙って首を差し出すと思ったら大間違いだ。現場の怒りを爆発させ、デマとペテンと恫喝で虚勢を張る橋下・維新の会を労働者の力で打ち倒そう。それは間違いなく、新自由主義を〈逆包囲>し葬り去る労働者総反乱の号砲となる。
倒すか倒されるか。労働運動をめぐる「関ケ原」ともいうべき歴史的決戦の到来だ。すでに大阪では、八尾北・西郡決戦として橋下への大反撃が始まった。大阪市の職場で、青年労働者を先頭に怒りに満ちた闘いが繰り広げられている。「日の丸・君が代」不起立決起は、職場の団結をよみがえらせ、全国の労働者に勇気を与えている。大阪市の現業労働者2万人、大阪市労働者4万人、二十数万人の公共部門労働者、全国の労働者が団結し、ストライキを復権させて解雇絶対反対で闘い抜くならば、橋下反革命を粉砕しつくすことはまったく可能だ。
動労千葉の4・1外注化阻止・組織拡大の歴史的地平に続き、外注化阻止・非正規職撤廃、偽装請負弾劾を闘い抜こう。全職場で国鉄闘争全国運動を進め、6・10集会への大結集をかちとろう。
(大迫達志)
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大阪市改革PTが見直し対象にあげた主な事業
【「受益の負担の適性化」】
敬老バス(半額負担に)
国民健康保険(保険料引き上げ)
保育料減免・民間保育所補助
学校給食協会交付金
【施設・事業の廃止】
大阪市音楽団
青少年施設、学習センター
男女共同参画センター
上下水道の基本料金減免措置
新婚家賃補助の停止
老人憩の家への運営補助
【事業再構築・縮小】
コミュニティバス(補助カット)
老人福祉センター(26→18カ所)
区民センター(34→9カ所)
温水プール(24→9カ所)
スポーツセンター(24→9カ所)
※すべてが労働者人民を直撃する、なにが「ぜいたくを改める」だ!
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週刊『前進』(2533号2面2)(2012/04/23 )
ちば合同労組 A君の不当逮捕弾劾
千葉県警に激しい怒り爆発
絶対に許せない弾圧が起きている。千葉県警は4月12日早朝、ちば合同労組の組合員A君を「電磁的公正証書原本不実記録・同供用」をもってデッチあげ逮捕した。
千葉県警は「(A君が)住む意思がないのに虚偽の住所を記した転居届を提出し、住民基本台帳に記録させた」などと勝手に決めつけている。
4月15日にはA君が拘束されている千葉中央警察署に、ちば合同労組青年部を先頭に千葉県内や東京各地区から40人が結集して千葉県警弾劾闘争が闘われた。A君と同じ職場で働く仲間が「A君聞こえますか? 職場のみんなも早く出てくるといいねって言って待ってるよ」「A君は全然悪い事なんかしてない。完黙貫いて胸張って戻ってきて!」と感動的なアピールを発した。千葉地裁前では連日、抗議のビラまきが行われている。
A君の賃金は手取り10万円ちょっとだ。住む意思もないのにアパートを借りる余裕がどこにあるのか。それでもA君は、自らアパートを借り、友人から電子レンジや炊飯器をもらい、炊事道具などを必死で買いそろえて自立生活の準備を進めてきた。そして布団を運び込んだ数日後、千葉県警は出勤しようと家を出たA君を待ち伏せして不当逮捕したのだ。千葉県警は、青年労働者が必死で生きていることを犯罪と言っているのだ。人間として絶対にやってはいけない恥ずべき行為だ。これが破綻した新自由主義、資本主義の姿だ。
生活保護受給者が200万人を超え、生活保護費を打ち切られて餓死や孤独死が起きる現実。働きたくても仕事がなく、仕事があっても非正規職で低賃金。労働者が生きていけない社会をつくりだしたのは誰なのか。資本家どもではないか!
資本主義社会は労働者が生きることすら否定するに至った。原発事故を引き起こした東電社長や偽装請負をやっている資本家は逮捕せず、必死に生きるA君を不当逮捕した警察権力! 青年を貧困に突き落とし、生きることすら否定する国家。こんな腐りきった社会など2千万青年労働者の怒りで打倒し、労働者が主人公の新しい社会をつくらなければならない!
A君不当逮捕は、必死に生きているすべての青年労働者への弾圧であり、非正規職撤廃・偽装請負弾劾闘争への敵対、労働運動圧殺攻撃だ。
リーマン・ショック以降、「派遣切り」の嵐が吹き荒れる中、A君に対しても不当な解雇通告が行われた。だがA君は、ちば合同労組の仲間とともに偽装請負を告発して解雇撤回をかちとった。しかも、それまで3カ月ごとの契約更新だった雇用形態を「期間の定めのない雇用契約」に転換させる大勝利をかちとった。A君の闘いは、団結して闘えば新自由主義に勝てることを示すものであり、偽装請負告発・弾劾闘争の先がけだ。
またA君は、2年前の「4・9政治和解」の反革命(国鉄1047名解雇撤回闘争の圧殺と労働運動絶滅攻撃)が行われる中で、仲間とともに自分の職場に、ちば合同労組M分会を立ち上げた。昨年は、大震災後の「政治休戦」攻撃の中で春闘団交を闘い、賃金アップや職場に備品を置かせる地平を切り開いた。そして今年、12春闘団交を1週間後に控えて準備をしていた中で不当逮捕された。A君逮捕は、国家権力による労働運動への支配介入そのものであり、ちば合同労組とM分会への組織破壊攻撃なのだ。
A君を絶対に奪還しよう!
A君不当逮捕は、脱落帝国主義と化した日本帝国主義の断末魔の悲鳴だ。日帝は、反原発闘争と、2千万青年労働者の非正規職撤廃・偽装請負弾劾の闘いの爆発を恐怖している。だから、その先頭で闘うA君を、デタラメな理由をデッチあげて逮捕したのだ。
A君は、警察・検察の卑劣な転向強要と対決し完全黙秘・非転向で闘っている。2千万青年労働者の怒りを爆発させ、必ずA君を奪還しよう!
(4月19日)
(写真 千葉中央警察署前で声を限りに県警を弾劾し、A君に激励を届ける仲間【4月15日 千葉市】)
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週刊『前進』(2533号2面3)(2012/04/23 )
「がれき広域処理」に反対を
原発事故への怒りの圧殺と再稼働への地ならしを狙う
自治体労働者を先頭に反撃しよう
野田政権は4月13日に関係閣僚会議を開き、関西電力大飯原発3、4号機の再稼働を認める方針を決めた。翌14日には枝野経済産業相が福井県庁を訪れ、西川知事らに再稼働の理解を求めた。これに対し「再稼働絶対反対!」の声が全国いたる所からわき起こり、地元福井を始め東京・全国でさらに激しい闘いが展開されている。この中で野田政権は再稼働攻撃と連動して「がれき広域処理」を強引に推進している。そこに込められた狙いを暴き、徹底的に批判する。
焼却も埋め立ても放射能拡散させる
野田政権はマスコミを動員し「がれき処理はみんなで分かち合おう」の「国民運動」まであおっている。原発への労働者人民の怒りと闘いを圧殺し、原発再稼働と原発推進の道を掃き清めるのが狙いだ。放射能に対する不安や疑問の声さえ根絶しようということだ。
環境省は昨年6月23日、福島県内の「放射性物質により汚染されたおそれのある災害廃棄物」を市町村などの清掃工場で焼却したり再生利用したりしてよいという方針を発表した。環境省は、バグフィルターを設置してある施設であれば「木くず等の可燃物」を焼却しても放射能を取り除けるから安全だと言い、「焼却に伴い発生する主灰及び飛灰」についても「安全な埋め立て処分が可能」と強弁している。
これは当初は福島県内でのがれきの処理方針だったが、岩手県・宮城県のがれきの「広域処理」を推進004するため全都道府県の方針に拡大した。
同じく昨年6月、政府は「放射性セシウム濃度が8000ベクレル/`グラム以下であれば埋立処分できる」と、これまでの「100ベクレル/`グラム」の基準を一気に80倍に引き上げた。
東日本大震災・福島原発事故から1年目の3月11日、野田首相は記者会見で、被災3県を除く全国の各都道府県に文書でがれき受け入れを正式に要請し、がれきを焼却したり、セメントや紙などの製品としてリサイクルが可能な民間業者にも協力を要請する方針を発表した。「がれき処理が進まないから復興が進まない」なる大うそで、被災現地がまったく望んでいない「広域処理」に踏み切った。
拡散防止・集中管理が鉄則だ
放射性物質で汚染されたものは、拡散を防止し集中管理することが絶対的な鉄則だ。がれきの焼却や埋め立ては、放射性物質を大気中・土壌・海洋に拡散させる。
3・11以前の土壌環境値はどんなに高くても1ベクレル/`グラムよりもはるかに少ないと言われている。福島第一原発事故の結果、東日本は広範囲に汚染された。例えば東京東部では7000ベクレル/`グラム程度にまで汚染が進んでいる。これ以上、1ベクレルであっても汚染させてはならない。ましてやほとんど汚染されていない西日本を汚染するなど絶対に許されない。
環境省の「がれきを焼却しても安全」との宣伝は「ウソも百遍言えば本当になる」式の悪質なデマゴギーだ。環境省が主張する「安全」の唯一の論拠は「バグフィルターで放射能は99・99%除去できる」なる説だ。環境省のパンフレットでは「排ガスから放射性セシウムがほぼ100%除去されます」とバグフィルターの図解入りで大仰に解説している。
バグフィルターとは、ダイオキシン対策で整備された「ろ布式集じん機」と呼ばれる排ガス処理装置だ。布や不織布で作られた袋状フィルターで、掃除機のフィルターと基本的に同じである。
バグフィルターで放射性物質が除去できるという説明には何の科学的な証明もない。バグフィルターではダイオキシン対策にも限界があることは、横浜市栄区の栄清掃工場周辺の小学校児童のぜん息罹患(りかん)率の高さなどの例でも明らかになっている。またバグフィルターが破れる事故が頻発していることも問題となっている。
国際的にも「広域処理」に対する批判が起こっている。ドイツの民間団体であるドイツ放射線防護協会会長のセバスティアン・プフルークバイル博士は昨年11月27日、次のような勧告を行った。
「汚染がれきの各県への配分、焼却、および焼却灰の海岸埋め立て等への利用は、放射線防護の観点から言えば重大な過ちである。焼却場の煙突から、あるいは海洋投棄される汚染焼却灰から、がれきの中の放射性物質は必然的に環境に放出される。ドイツ放射線防護協会は、この計画の至急撤回を勧告する」
規制緩和、私権制限も徹底的に進める
さらに「がれき広域処理」は、日本版「ショック・ドクトリン」で資本家階級が巨大な利益をあげることが狙いだ。日帝ブルジョアジーは、帝国主義間・大国間の争闘戦に踏みとどまり、世界大恐慌下で生き延びるために、農漁民から農地と海を奪い、労働法を解体して労働者を一層非正規職・低賃金と労働地獄にたたき込み、被災地と全国を一変させようとしているのだ。
昨年3月31日、日本経団連は「震災復興に向けた緊急提言」を提出した。ここで「復旧」と区別した「復興」構想を打ち出した。そこでつくられた流れを受け、JAPIC(社団法人日本プロジェクト産業協議会)の日本創生委員会が6月27日、「『東日本大震災』復興に向けて/『緊急プロジェクト提言』」を発表した。JAPICとは新日本製鉄会長の三村明夫が会長を務め、セメント協会・電気事業連合会・日本埋立浚渫(しゅんせつ)協会・日本建設業連合会などが団体会員の、全国のほとんどの業種・大企業を網羅する団体だ。
「提言」は、「震災復興」は「日本経済復活」のチャンスとし、「非常時モード」で「規制緩和や私権制限」もどんどん行えと叫び、「この大震災が、日本の社会システムのパラダイム転換を図る契機として極めて重要」と言い放っている。
具体的な「提案」として「ガレキ等の国直轄による一貫処理体制構築と復興資材・リサイクル材等への活用」などを列挙し、大もうけを狙っている。これは野田政権の「がれきの広域処理」方針とうり二つの内容だ。JAPICでがれき処理を担当している「環境委員長」の青山俊介は千葉県の産業廃棄物処理業を請け負う新井総合施設株式会社の親会社アラックスの顧問を務めている人物である。「広域処理」を推進しているのはこういう連中だ。
連合幹部、日貨労は広域処理の先兵だ
政府や資本家連中の手先となり「広域処理」を積極推進しているのが連合幹部どもだ。3月11日の野田記者会見と時期を同じくして、原発所在県を先頭に連合の各県連合会は今年3月、それぞれの知事あてに同じ内容の「要請書」を一斉に提出した。この中で連合は「がれきの受け入れについて……原子力事故による残留放射線の影響などを理由に消極的な対応が目立って」と危機感を募らせ、「国難」「がれきの処理は喫緊かつ最重要な課題」と声高に叫んでいる。その先頭を走っているのがJR総連・日貨労だ。日貨労中央本部は「瓦礫(がれき)輸送に対して、社内でプロジェクトを立ち上げ収入確保に繋(つな)げること」を会社に要求している。JR貨物資本の意をくみ、その手先となって経営危機をのりきりろうという魂胆だ。
連合中央やJR総連の狙いは明らかだ。原発所在県が焦点になっているように、彼らの目的は政府・電力資本と一体となった原発の再稼働だ。3・11福島県民大集会への労働者・労働組合の大結集が示すように、原発への怒りをも水路に労働運動の地殻変動が始まった。4・9政治和解攻撃をうち破って国鉄全国運動がその中軸に座っている。連合やJR総連の動きは、この巨大な流れを押しとどめようという企てだ。資本の先兵となって「復興特区」攻撃を進め、運輸労働者・清掃労働者をはじめ労働者人民、子どもたちを放射能にさらし、外部被曝・内部被曝で命と健康を脅かすものだ。
「がれき広域処理」との闘いは労働運動の正面課題だ。自治体職場をはじめとして闘いは始まっている。動労水戸の被曝労働拒否のストライキこそ階級的正義の闘いであり、「こういう闘いが必要だ!」の声が全国に広がっている。この闘いのなかで階級的な労働運動の一層の発展を実現し、原発再稼働を絶対に阻止しよう。
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「広域処理」の手先となり現場労働者に被曝を強制するJR総連とJR連合
JR総連・日貨労
「需要が見込まれる瓦礫(がれき)輸送に対して、社内でプロジェクトを立ち上げ収入確保につなげること」を会社に要求
(本部業務部「交渉速報」、2月23日付)
JR連合
「JR連合は……JR貨物が瓦礫輸送の主たる役割を担えるよう各方面に働きかけを強化しながら、東日本大震災からの復興の一翼を担っていく決意である」
(「民主化闘争情報」3月22付)
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週刊『前進』(2533号2面4)(2012/04/23 )
【要項】 ショーワ行田本社工場弾劾闘争、ジェコー行田本社工場弾劾闘争
ショーワは団体交渉に応じろ! ショーワ行田本社工場弾劾闘争
4月27日(金)正午 ショーワ本社工場前
(行田市藤原町1−14−1)
主催 一般合同労組・さいたまユニオン
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第2節n解雇撤回! 正社員として採用しろ! ジェコー行田本社工場弾劾闘争
4月27日(金)午後4時 ジェコー本社工場通用門(行田市富士見1−4−1)
主催 JAM神奈川ジェコー労働組合
※いずれもJR高崎線・吹上駅より総合教育センター行きバス15分、長野1丁目下車、徒歩10分
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週刊『前進』(2533号3面1)(2012/04/23 )
郵政新人事・給与制度葬れ
基本給3割カットと成果主義
現場の分断を粉砕し猛反撃を
JP労組本部打倒・非正規職撤廃へ
1千億円単位の大賃下げ
日帝郵政資本は現在、非正規職の仲間に対する4万6000人の大量雇い止め計画をはじめとする「郵政大リストラ」攻撃のただ中にある。民営化の「戦略事業」と銘打ったJPEX計画(小包み部門の分社・子会社化)の破綻で1000億円もの損失を出したことへの窮余の措置だというデマ宣伝が大々的に行われている。
そのデマ宣伝の一環として郵政当局は、多数派組合である連合・JP労組本部との共同提案で大規模なリストラ・賃下げ・合理化プランの大枠を「郵便再生ビジョン・バージョン1〜2」と称して打ち出していた。その中心が基本給3割カットと成果主義賃金で現場を分断する「新人事・給与制度」だ。
この攻撃は、非正規職化と並んで労働組合の抵抗力をそぎ落とす民営化の核心をなす施策だが、現場の猛反対で約5年間凍結されてきた。しかし郵政資本は、JR東日本が国鉄分割・民営化以来の“懸案”だった成果主義賃金導入を4月から強行した動きにあわせ、また郵政リストラを加速させる「郵政改革法案」の衆院通過(4・11)と同時に、この新人事・給与制度導入の正面突破を図る姿勢を公然化させた。JP労組本部は6月13日〜15日のJP労組全国大会を焦点に、「職場の意見集約日は5月2日」などと一方的に通告している。
賃下げ額もすさまじいが、現場労働者を徹底的に分断する成果主義が、賃金制度として導入されること自体が重大だ。郵政労働運動は、JP労組本部の度し難い裏切りと屈服にもかかわらず、現場の8割を非正規職に置き換え、成果主義の導入を図ったあのJPEX計画を挫折させた底力を持っている。現場労働者の大半が子会社(JPEX)への出向を拒否する画期的な勝利だった。この底力を引き出したのは、他でもなくわが階級的労働運動派の職場生産点における闘いだが、この現場の団結力の基盤そのものを、徹底的な競争と分断の制度化によって解体することが、郵政資本当局の狙いだ。
「新人事・給与制度」は、「頑張ったものが報われる賃金制度」などと称する典型的な成果主義のスローガンで飾られているが、その内実はすさまじい賃金削減だ。「基本給3割カット」は郵政グループ全体で4000億円(毎年)、郵便事業会社だけで1800億円にも達する。グループ全体の純利益が4000億円を超え、民営化から3年間の郵便事業会社の営業利益が平均で600億円を超える事業体として度はずれた賃下げだ。
すでに郵政資本は、JPEX計画での失策と犯罪(後述)でつくった1000億円規模の「営業赤字」(事業会社)を口実に「郵政大リストラ」と称する非正規職の大量雇い止めを強行し、さらに1150億円(グループ全体)もの大幅ボーナスカットを2年連続で強行した。実はこれだけで巨額の「赤字」は解消している。その上に上記の巨額の賃下げを永続化させる計画なのだ。
JP労組本部は「3割カットを2割にする交渉中」とか「3年間の激変緩和措置」とか、はたまた「新制度は人件費削減を意図したものではない」などと、愚にもつかない弁明に躍起だが、破廉恥というほかない。
全員を競わせ班で損益責任
そしてこの新人事・給与制度の決定的なねらいは、「役割成果給」と称する成果主義賃金の導入にある。あらゆる業務項目が当局の一方的な「評価」の対象となり、この「評価」が個別の賃金に反映する。しかもJP労組本部が要求した「絶対評価」(各労働者の能力の「絶対値」をA、B、C評価)は当局に一蹴され、「相対評価」を通告されて本部はまともに反論もしていない。
相対評価とは、本人の能力や実績に関係なく職場内で「出来る者」と「出来ない者」、「組織に貢献する者」と「貢献しない者」を相対的に分類し評価するという意味だ。職場の仲間全員が互いに競争相手になる。「自主的」に労働量を増やす「チャレンジ精神」も評価基準だ。こうした評価が全部「成果給」のプラス・マイナスに反映する。当局の資料によれば、成果給のプラス分を受け取れる労働者は全体の2割にすぎない。
問題はさらにある。この成果主義による分断を最大限有効にするための「小集団活動」と「班単位の損益責任」制度だ。班(5、6人から10人程度)という現場の最小単位の損益が数字で表され、これが各班ごとの「責任制」になる。そしてその収益の多寡が賃金に反映される。班員を競わせ、班同士を競わせるのだ。「班長(現場労働者)の権限を強める」と称して、班長に「班長手当」付の指揮・命令権を与えてマル生分子(管理者の手先)を育てる仕組みも導入される。
この小集団活動は、すでに民間大資本で導入され、御用労組の現場執行部が公然と労働代官の役割を担い、すさまじい賃下げと労働強化のテコとなっている現実がある。班の「収益」が上がらなければ班員が「責任をもって」カバーしなければ賃金が削られるからだ。
もし仮に、このような賃金制度が音もなく通された場合、現場労働者の団結と相互の信頼関係がどれほど傷つけられるかは議論の余地もない。これは労働組合の存亡のかかった攻防なのである。
「大赤字」は経営陣の犯罪
そもそも雇い止めや賃下げの「郵政大リストラ」なるものが、「事業危機」への対応として語られること自体がまったくもって本末転倒だ。「1000億の赤字」を出して民営化を破綻させた最大の要因はJPEX計画の破綻だが、事業計画それ自体が新旧経営陣、とくに西川善文前社長らの特別背任行為だったことが政府第3者委員会の調査(刑事訴追しないとの不可解な確認)で判明している。ペリカン便とゆうパックの合併・子会社化が事業として成り立たないとの試算が出たのに、「民営化を後戻りさせないために」、すなわち郵貯・簡保の300兆円もの金融利権を私物化(株式上場!)するために「事業収支予測」をねつ造してまで計画を強行したのだ。「株式上場」で大もうけするために、小包みや集配部門全体を“計画倒産”で切り捨てる計画だったのだ。
これは純然たる刑事犯罪であり、本来なら西川はじめ責任者は全員刑務所行きだ。民事訴訟(株主代表訴訟)になれば、新旧経営陣の役員報酬の全額返上は当たり前で、損失賠償(役員個人の責任が問われる)も発生する。そして民営化を強行した政府も、100%株主として「赤字」に全面的な責任を負う立場だ。
「経営陣と政府は赤字の全責任を取れ!」という現場の要求はまったく正当なのだ。抽象的な責任問題ではなく、日帝ブルジョアジー中枢と郵政資本が人民の資産を文字通り略奪した事件なのだ。これが「生産性向上」綱領を採用させた大御用組合の育成とならぶ、郵政民営化のもうひとつの正体だった。
マスコミでは「郵政の赤字」は事実だからリストラはやむを得ないとの論調が支配している。しかしこれ自体がウソなのだ。経営陣による略奪行為が、「事業再生」や「郵政リストラ」問題にすり替えられ、現場労働者をいかに犠牲にするかの問題として扱われること自体が、まったくもって論外中の論外なのである。「赤字の責任は一切現場にはない!」と郵政労働者の怒りが爆発していることは掛け値なしに正当なのだ。
民営化・新自由主義粉砕を
小泉政権の郵政民営化は、国鉄分割・民営化に続いて労働者と労働組合の抵抗力を解体する新自由主義攻撃のもうひとつの柱だった。一握りの金融資本と巨大企業が利益を独占し、非正規職化(郵便事業会社の6割を超えた)による身分保障のはく奪をテコに、現場労働者の賃金と労働条件は劇的に削られてきた。
これを保障したのが連合・JP労組本部など大御用労組指導部の支配だ。彼らが、かのJPEX計画を積極推進した裏切りを現場労働者は熟知している。経営陣の犯罪行為を告発するどころかそれを隠し、現場を黙らせることで労働貴族としての権益を守った。目の前で大量に首を切られる非正規職の仲間たちの現状に沈黙しながら、彼らの年収は会社役員なみの3000万円を超えているのだ。
しかし、郵政資本のあまりに理不尽な犯罪行為の犠牲にされている非正規職の仲間たちを先頭に、現場労働者の怒りは充満している。とりわけ今や郵便配達現場の大半を支えている非正規職への大量雇い止めの理不尽さだ。彼らこそ、民営化による過酷な労働現場を、身分保障のはく奪と過酷な低賃金で支えてきた仲間たちだ。その彼らが真っ先に「赤字」の責任を負わされて首を切られている現実は、とうてい許されない問題だ。
現場労働者の反乱は不可避だ。そして問われているのは闘う労働組合の復権と団結だ。24万人の多数派を組織し、郵政大リストラの先兵となっているJP労組本部の支配の実態は空洞化している。現場労働者はもはや誰一人として彼らを支持していない。郵政非正規ユニオンの仲間たちの渾身(こんしん)の決起に連帯し、職場生産点から郵政労働運動全体の革命的転換の拠点をつくり出す闘いの機は熟している。これは郵政労働運動の垣根を越え、国鉄をはじめとする全産業労働者の闘いと結んで、日帝ブルジョアジーの民営化と新自由主義攻撃の根幹を揺るがす闘いだ。
民営化の破綻示す「改革法」
小泉政権による郵政民営化が破綻したことは、民主党の「郵政改革法案」が自公を籠絡(ろうらく)した内容(持株会社=日本郵政への3分の1の政府関与を残し、郵貯銀行と簡保の完全民営化=100%上場はしない)で決着したことで決定的となった。しかし、その顛末(てんまつ)が「事業危機」ゆえのリストラを競い合うとは許し難い本末転倒なのだ。小泉派の残党がしがみつく完全民営化(100%上場)であれ、民主・公明主導の3分の2以下の上場であれ、株式上場が具体的に始まり「株価」が経営上の問題となれば、現場へのリストラ圧力は猛烈に強まる。それ故に、郵政資本は今回の「新人事・給与制度」で大幅賃下げを永続化させ、現場労働者の団結と抵抗力を徹底的に分断・破壊する成果主義賃金の導入に決定的な重きを置いているのである。
6月JP労組全国大会に向かって、正規・非正規職の分断をのりこえる郵政労働者の総決起をかちとり、新人事・給与制度を葬り去ろう! この闘いを通して階級的労働運動の職場支配権を奪還し、JP労組本部打倒・非正規労働撤廃へ本格的反撃の突破口を開こう!
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週刊『前進』(2533号3面2)(2012/04/23 )
全面外注化を打ち破ろう! 新自由主義との対決E
出向・転籍強要する外注化
国鉄分割・民営化以降、本人同意のない強制出向が横行
外注化は労働者に対する出向・転籍の強要を伴うのを常とする。JR東日本が行おうとしている業務の外注化も同様だ。外注先にはもともと、受託した業務を行える技術力も経験もない。そうした会社に業務を委託しようとすれば、これまでその業務を行っていた経験豊かな労働者を受託先企業に出向させるか転籍させる以外に方法はない。
そもそも、独立して業務を行う技術力のない会社に業務を請け負わせること自体が偽装請負だ。
01年以降の設備部門の外注化では、JR社員2500人が関連会社に出向に出された。JRがたくらむ検修部門の外注化では、1500人の出向が予定されている。
こうして資本は、労働者を出向・転籍という形で意のままに動かそうとする。だが、そこに外注化攻撃の弱点もある。
労働契約は本来どういうものか
本来、労働契約は、労働者が資本に労働力を提供するのと引き換えに、賃金を得るという契約だ。労働者は、労働契約を結んだ資本のもとで働くことを約束したのであって、それ以外の資本のもとで働かなければならない義務など負わない。
ところが出向は、労働者の籍は元の会社にとどめたまま、実際の労働は他の企業で行うというものだ。これが当たり前のように行われている現実は絶対におかしい。こんなことが無制限に行われれば、労働力を資本の間で好き勝手に転売することも許される。それはもやは人身売買と異ならない。「奴隷労働の禁止」「自由意思による契約」というブルジョア社会の建前は、建前としても破壊される。新自由主義がもたらしたのは、まさにそうした事態だ。
労働者の同意がなければ出向を命じることはできない。これが原則だ。しかし、この原則はほとんど無視されている。
74−75年恐慌後、資本は「減量経営」を叫び、大手民間資本を中心に出向が広がった。さらに国鉄分割・民営化以降、本人同意のない強制出向が横行するようになった。
この現実をつくりだしたのは、JR資本とJR総連カクマルだ。
国鉄分割・民営化を前に、動労カクマルは当局への忠誠を示すため、「余剰人員対策」と呼ばれた出向に応じることを傘下の組合員に強制した。国鉄分割・民営化後は、「国鉄改革に汗を流さなかった者は許せない」と叫んで、国労組合員を出向に出すようJR資本を突き上げた。
国鉄分割・民営化直後の国労は、革同が支配する西日本などを除き、まだJRとの出向協定を結んでいなかった。だが、JR総連カクマルにそそのかされたJR資本は、本人同意も労組との協約もないまま、国労組合員を自動車会社などへの強制出向に駆り立てた。
司法もこれに追随した。それ以降、JRに限らずあらゆる産別をめぐって、本人同意がなくても出向を命じることができるという反動判決が相次いだ。その際、労組が資本との労働協約で出向を認めていることが最大の口実に使われた。しかも許し難いことに、多数派労組の結んだ協約は職場全体を拘束するとした判決さえある。
だがそれは、資本と国家権力の出向拒否闘争への恐怖の現れだ。労組幹部を裏切らせ、労働者を分断しなければ資本の攻撃は貫徹できない。資本は、出向に対する本格的な集団的抵抗を鎮圧した歴史的経験を持ってはいないのだ。
偽装請負を隠蔽する「偽装出向」
資本は派遣労働に対するさまざまな制約を免れるために、「偽装出向」という手段をとることもある。06年9月、日野自動車は人材派遣会社から労働者1100人を「出向」という形で受け入れていたことが発覚し、労働局から是正指導を受けた。実質的には派遣なのに、出向という形を取ることによって、派遣の受け入れ期間制限を免れていたのだ。
松下プラズマディスプレイは、偽装請負を摘発されて、雇用形態を派遣に変えた後、再び請負契約に切り換えた。請負先に200人規模の自社社員を出向させ、その社員が請負先の労働者を指揮命令すれば偽装請負にはならないと居直ったのだ。これも違法行為として労働局から指導されたが、このやり方が否定されたら、あらゆる産業で外注化は成り立たない。だから資本は、偽装請負という概念そのものをなくせと叫び立てている。
転籍の場合、労働者は元の会社の籍を失い、新たな会社に雇用される。これは、本人の同意が絶対的な条件だ。労働者本人に変わって労働契約を結ぶことなど、誰にも許されないからだ。
NTTで大規模に行われた攻撃
しかし資本は、事実上の転籍強要を「労働者本人の合意」という形を取りながら行うことを常とする。これまで労働者が担ってきた業務を、分社化や外注化によって「別会社」に移管し、今までの仕事がしたければ「別会社」に転籍しろ、と強いる手法だ。
NTTでは、こうした攻撃が大規模に行われた。NTTの固定電話事業はNTT東日本・NTT西日本・NTTコムに3分割され、他の部門は347社もの子会社に細分化された。これまで行っていた業務はNTT本体には残されず、多くの労働者はやむなく子会社への転籍に応じざるを得なかった。子会社の賃金は従来の7割にされた。
こうした攻撃はすべて、労働組合が分社化・外注化を容認したことによって成り立っている。労働者が団結して闘わなければ、すべては「本人も合意した」こととして容認されてしまうのだ。
検修業務外注化を阻止した動労千葉の闘いは、この現実を覆す突破口を開けた。労働者が団結して外注化される業務に就くことを拒んだ時、資本は打つ手を失ったのだ。6・10国鉄集会を成功させ、新自由主義の基軸的攻撃としてある外注化を阻もう。
(長沢典久)
(シリーズおわり)
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週刊『前進』(2533号3面3)(2012/04/23 )
三里塚裁判傍聴を!
◎市東さん行政訴訟・農地法裁判
4月23日(月)午後1時30分 千葉地裁
◎第3誘導路許可取消裁判
5月1日(火)午前10時30分 千葉地裁
(傍聴券抽選のため1時間前に集合)
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週刊『前進』(2533号3面4)(2012/04/23 )
三里塚 盛大に団結花見
4月15日、成田市の三里塚第一公園で三里塚芝山連合空港反対同盟主催の団結花見会が開かれた。晴天に恵まれ、散りぎわの桜の風情を感じながら、大いに飲み、食べ、歌唱力が抜群だった鈴木謙太郎さんをしのびつつ、カラオケやパフォーマンスに興じ、第3誘導路粉砕・農地死守決戦へ英気を養う一日となった
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週刊『前進』(2533号4面1)(2012/04/23 )
「復帰」40年 5・15沖縄闘争に総決起を
米新軍事戦略と日帝の有事体制の全面発動に反撃しよう
革共同沖縄県委員会
はじめに
世界大恐慌の時代に米帝の新軍事戦略が具体的に発動され、日帝の有事体制が全面的に発動されている。これに追いつめられた北朝鮮スターリン主義による13日の「人工衛星」=ミサイル発射。ここにわれわれの眼前で日々進行している情勢の核心がある。その中で沖縄は今や完全に戦時体制下にたたき込まれている。これは新たな沖縄戦への道だ。しかしこれに対する140万県民の怒りが渦巻いている。
世界大恐慌の一層の進展と3・11情勢下での沖縄の闘いは、新自由主義との闘いそのものである。沖縄の闘いは、フクシマとの連帯・結合を希求し、300万学生の決起と、連合を打倒する闘う労働運動をよみがらせることを求めている。さらに、帝国主義とスターリン主義による分断をのりこえる国際労働者階級の団結をよみがえらせることを求めている。
「復帰」40年の5・15沖縄闘争はこのような情勢下で闘われる。「革命の火薬庫」の真価が問われる情勢に突入した。すべての闘う青年労働者と学生は、職場から、キャンパスから、「復帰」40年5・12沖縄集会、5・15平和とくらしを守る県民大会に総決起しよう!
自衛隊の沖縄蹂躙許すな
PAC3が民間貨物船や海自輸送艦「おおすみ」に搭載され沖縄に向かう光景、イージス艦が佐世保から、舞鶴から出航する光景は、軍隊が戦場に向かう光景そのものだった。沖縄を戦場にする「侵略軍隊」として自衛隊が派兵された。
そして沖縄を自衛隊がわが物顔で蹂躙(じゅうりん)していった。沖縄島(那覇市・南城市)と宮古島・石垣島にPAC3が配備され、石垣では「警備」と称して自衛官が自衛隊施設外では初めて実弾入りの銃を携行した。自衛隊が沖縄県民に銃口を向けたのだ。しかもこれを石垣市長が容認した! さらに宮古空港では自衛隊ヘリが常駐体制を取った。
県庁・那覇・南城・宮古島・石垣・竹富・与那国・多良間の各自治体に合計30人の自衛官が配備された。宮古島市や石垣市では自衛官が迷彩服で庁舎内に陣取った。沖縄全体では約950人の自衛官が派遣され、与那国島にも陸自と空自を合わせて50人が配備された。その中で自治体労働者は北朝鮮の発射予告に合わせて午前6時からの出勤を強制された。さらに宮古・石垣には核・生物・化学兵器に対応できる機動隊が派遣された。
また4月4日には、県教育庁が発射の際には「室内待避を」の注意文書を市町村教育委員会委員長・教育事務所長・県立学校長あてに郵送した。さらに13日の昼休みに、沖縄大学の正門前で自衛官2人が募兵のビラまきを行った。これは前代未聞のことだ。
そして13日当日、北朝鮮の「人工衛星」=ミサイル発射後直ちに、宮古島では自衛隊が照明弾を打ち上げ、石垣島ではヘリが発進態勢に入った。
これらの動きに沖縄県内では怒りが沸々とわき上がっている。「ここでは毎日、米軍のヘリが頭の上を飛び、墜落事故も起きている。北朝鮮のミサイルが落ちるのと、米軍機が墜落するのと、どっちの確率が高いのか」。5日のJアラートの試験では、「攻撃対象地域……沖縄県」という怒りなしには語れない表示がなされた。しかし「狭い沖縄で逃げる場所はない。沖縄戦でわかっていることだ」「軍隊は住民を守らない」。これが沖縄戦の血の教訓だ。
一方米軍は、10日にFA18が12機も普天間基地に飛来し、その爆音で入学式が中断に追い込まれた。この機種は7日にアメリカで墜落事故を起こしている。嘉手納基地には弾道ミサイル偵察機などが続々と飛来した。そのような中で、11日にはモロッコで合同演習中のMV22オスプレイが墜落し、搭乗していた2人の海兵隊員が死亡した。
このオスプレイが今秋にも沖縄への配備が強行されようとしている。すでに佐世保に配備されている強襲揚陸艦がオスプレイ配備に対応した船種に交代し、普天間基地の格納庫の改造工事も始まっている。辺野古への新基地建設攻撃と一体で普天間基地の補修工事が本格的に開始されている。
沖縄に自衛隊と米軍が殺到して満展開した。「復帰」40年の沖縄はすでに「戦場の島」だ。
米日帝はすでに戦争突入
起こっている事態の核心は、米帝と日帝が世界大恐慌下での侵略戦争に突入しているということだ。米帝の新軍事戦略と日米安保の全面的発動、日帝の有事体制の全面的発動だ。
戦後世界体制の基軸帝国主義として君臨した米帝が、世界大恐慌情勢下で歴史的な没落を開始した。ここからの巻き返しをかけて出されたのが、アジア太平洋重視・対中国対決路線である新軍事戦略である。これは新自由主義下における侵略戦争をさらに徹底的に推し進めるものであるとともに、帝国主義としての延命をかけて他の帝国主義、とりわけ日帝を徹底的にたたく戦略でもある。
実際、米韓両軍20万人を動員しての「フォールイーグル」演習(3月1日〜4月30日)が続けられている。この大演習自身がすさまじい戦争行為である。マスコミなどが連日大々的に「北朝鮮の脅威」などをを叫び立てているが、戦争をあおり、実際に戦争に突入する機会を虎視眈々(こしたんたん)と狙っているのは米帝なのだ。
この米帝の新軍事戦略に必死に対抗しながら脱落帝国主義からの凶暴で絶望的な「脱出」をかけて、日米安保同盟を全面発動し、有事体制を全力で発動しているのが日帝・野田政権だ。そのために今回の事態を徹底的に利用して、南西諸島の拠点化そのものとして、沖縄県全体を有事体制にたたき込んでいるのである。
自治体への自衛官の常駐と実弾を込めた銃の携行、学校への生徒・児童の「室内待避」指示などは、まさに「国民保護計画」の名のもとでの有事体制の発動そのものである。それは昨年の3・11に際して発動された米軍・自衛隊の「トモダチ作戦」をさらに大がかりに発動し、沖縄全体をその実戦態勢下に置くという攻撃である。
こうした米帝と日帝の帝国主義としての延命をかけた戦争政策に対して、国際プロレタリアートの団結した闘いで帝国主義の打倒を呼びかけるのではなく、反労働者的な「人工衛星」=ミサイル発射と核武装で対抗しているのが北朝鮮スターリン主義だ。それは労働者階級の自己解放的な決起に敵対し、国際プロレタリアートの団結を破壊するものとして、徹底的に断罪されなければならない。
米日帝国主義による侵略戦争と闘い、さらにスターリン主義による団結破壊と闘って、労働者階級の国際的な団結をこの情勢下でよみがえらせなければならない。この闘いの先頭で沖縄の労働者階級は立ち上がろう。沖縄は世界大恐慌情勢下でこそ、「国際連帯の島」としてその旗を振り続けなければならない。
労働組合が情勢を決める
最大の攻防点は労働組合をめぐる闘いだ。有事体制の全面的発動は労働者の団結形態の根こそぎの破壊なくしてはあり得ない。そのためにすべての労働者を解雇し、全員を非正規雇用化して、労働者の団結をずたずたに引き裂こうとしている。新自由主義攻撃の最大の狙いはここにある。大阪市長・橋下徹はその先兵だ。
実際、役場には自衛隊がわが物顔で乗り込んできた。朝6時からの出勤を強制した。子どもたちの授業を屋内に変更した。
労働組合として労働者が団結してこそ、有事体制と闘うことができる。しかし実際にはそうなっていない現実がある。それは連合が水先案内人として日帝・野田政権の有事体制の全面発動を容認しているからだ。
だが、労働者には怒りがあり、闘いを求めている。3月11日の福島県民大集会には1万6千人の「原発はいらない!」という怒りの結集が実現した。闘いが呼びかけられるならば、労働者が立ち上がる時代が到来しているのだ。沖縄に渦巻く怒りに火を放ち、有事体制を粉砕して、すべての基地を撤去していくことはまったく可能だ。この闘いの中心に労働組合が屹立(きつりつ)することが一切を決める情勢が到来した。
戦後沖縄の労働運動は、常に闘いを体制内的に集約しようとする既成指導部と、闘いの発展を求める現場の労働者との激突でもあった。沖縄教職員会の闘いしかり。全軍労の闘いしかり。その戦闘性を継承し、発展させよう。今や既成「革新」の語る偽りの「沖縄の闘いの歴史」ではなくて、本当の沖縄の労働者階級の闘いの歴史が新たな世代に受け継がれようとしている。動労千葉が切り開いてきた階級的労働運動こそが、この沖縄の労働者階級人民の胎動と結びつくことができる。労働者の団結こそが未来を切り開いていくという動労千葉の闘いが、沖縄の労働運動の階級的再生と発展の道を指し示している。
「復帰」40年は沖縄の労働運動をめぐる歴史的な決戦となった。情勢は闘うわれわれの味方である。今こそ沖縄の労働運動の「責任勢力」として勇躍登場する時代が到来した。
新自由主義と徹底対決を
「復帰」40年の5・15沖縄闘争は、新自由主義と対決する決定的な闘いとなった。何よりも3・11から1周年の福島県民大集会の切り開いた階級的な地平を発展させる闘いとして、5・15沖縄闘争を闘おう。基地と安保、核と原発はあくまで一体のものとして、戦後の日帝の存立基盤を形成してきた。それは同時に日帝の労働者支配そのものだった。だから沖縄の労働者は福島の労働者との団結を心から求めている。「革命の火薬庫」=オキナワと、「革命の根拠地」=フクシマが一体となることで、2012年階級決戦のさらに壮大な展望を切り開こう。
この闘いに、青年労働者と学生は自らの未来を取り戻すために総決起しよう。300万学生はキャンパスから沖縄に駆けつけよう。沖縄の学生は5・15闘争の先頭で闘おう。
青年労働者は連合を打倒して労働運動をよみがえらせる闘いとして、5・15沖縄闘争を闘おう。体制内勢力と対決し、職場で日々積み重ねてきた闘いが、ついに花開く情勢が到来した。5・15沖縄闘争を闘う青年労働者の手に取り戻そう。そして労働組合を労働者の手に取り戻そう!
何よりも帝国主義とスターリン主義による団結破壊と分断を打ち破り、国際プロレタリアートの世界革命に向けた団結をよみがえらせ打ち固める闘いが沖縄闘争=安保・沖縄闘争だ。国際連帯闘争そのものとして5・15沖縄闘争に勝利しよう!
最大の激突点は辺野古への新基地建設をめぐる攻防だ。今回の事態を米帝と日帝は辺野古への新基地建設攻撃の突破口としようとした。しかし1996年SACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)合意から15年余り、沖縄と全国の労働者・学生の地をはうような宣伝戦と、体を張り血を流して闘った海上実力闘争で、新基地建設を阻止してきた。この地平は、今日なお日々勝利し、米帝と日帝を締め上げ続けている。たとえ「地元」を誘致派が牛耳ろうが、たとえ体制内勢力が闘いを裏切ろうとしようが、この闘いと勝利の地平をかけがえのない財産として全国の労働者階級人民は守り抜く。
そして辺野古の闘いの中から生まれた多くの闘う青年労働者が「労働者階級の中へ!」を実践し、階級的労働運動の復権の先頭で闘っている。この闘いは「基地との共生」=「振興策」という幻想を職場生産点から打ち破り、「死すべきは基地であり、労働者は死んではならない」という、かつての基地労働者=全軍労牧港支部青年部の魂を継承する闘いだ。辺野古新基地建設との闘いを階級的労働運動派=動労千葉派が責任勢力として闘う戦闘宣言を今年の5・15闘争で発しよう。5・14の名護市内デモを昨年を上回る戦闘的デモとして闘おう!
米帝の新軍事戦略と日帝の有事体制の全面的発動=PAC3沖縄配備という大攻撃を、「復帰」40年の5・15沖縄闘争の大爆発で粉砕しよう!
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週刊『前進』(2533号4面2)(2012/04/23 )
“人生かけ原発ゼロに”
全学連新歓 肥田舜太郎さんが講演
「一番、頭に来ることは放射能は微量なら害を及ぼさないといううそだ」。肥田舜太郎さんの言葉が参加者の心にズシリと突き刺さりました。
4月15日、「原発をなくして社会を変えよう」と題し全学連が都内で新入生歓迎講演会を行いました。講師は広島原爆の被爆者であり、内部被曝を長年研究している医師の肥田さん。すべてを吸収しようと皆が必死でメモをし聴き入りました。
肥田さんは「今の東電と政府は、とがめられることはないと確信をもって殺人をやっている」と喝破。政府と東電の責任を絶対にあいまいにしてはいけないということ。
内部被曝研究と被爆者治療はGHQ(連合国軍総司令部)・日本政府との壮絶な闘いの中で行われました。GHQに逮捕された経験を持つ肥田さんの「米政府や警察に捕まろうが監視されようが、自分の信念が間違っていると思ったことは一度もない」という言葉は、ビラまきひとつで妨害や監視を受ける法大生の心に染み渡りました。
強調されたのは、内部被曝はなかったと政府が国民にうそをつき通した状況が今も同じ点。ABCC(原爆傷害調査委員会)と医師会、広大病院が一体となった治療と研究への弾圧は今日の原子力ムラの構造と同じです。大学と学問を問い、御用学者追放や不当処分撤回の運動を進めることが原発をなくす力になると確信しました。
「ほうっておけば福島の人びとが何の保障も受けずに死んでいく。皆が闘わなくちゃいけない」「原発反対の立場で行動することこそ生きている者の責任」「残りの人生を原発ゼロにすることにかけろ」という強烈なメッセージも。締めくくりは「皆さんが社会の柱になってほしい」でした。
「弾圧に負けない原動力とは?」「がれき処理はどうすべきか?」など新入生の質問に、政府と東電への怒りと責任追及が重要だとの答え。最後に斎藤郁真委員長が「再稼働を阻止し、核と原発をなくすために学生が先頭で社会を変えよう」と提起。新入生とともにキャンパスから闘いを前進させる思いがあふれました。
(法大・倉岡雅美)
(写真 肥田さんの話に聴き入る【4月15日 都内】)
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週刊『前進』(2533号4面3)(2012/04/23 )
“大飯原発再稼働させるな”
広島 ハンスト出発式 福島の女たちに連帯し
4月11日午後5時から原爆ドーム前で、「原発再稼働を止める!」と、広島の女たちのリレーハンスト出発式が行われた。(写真上)
3月31日から始まった福島の女たちのハンストに連帯し、「福島の女たちに連帯するヒロシマの女たち」は、4月8日からそれぞれの職場や日常生活の場で1人24時間の断食リレーをしている。
出発式では、当日ハンスト中の婦人民主クラブ全国協広島支部の今川美恵子さんがヒロシマ女たちのハンスト宣言を読み上げ、反戦被爆者の会の下田礼子さんを始め、13人の女性たちが次々と「命より金もうけ」の野田政権の原発再稼働を弾劾して、ハンストに入る決意をアピールした。
そして、大飯原発、伊方原発の再稼働を絶対に阻止して、泊原発が停止する5月5日まで継続することを確認した。
道行く人や観光客はビラを受け取り、カメラを向けるなど注目度はバツグン。マスコミも「稼働原発ゼロへリレーハンスト」と報じた。
(広島 N・S)
吉祥寺 椎名さんもデモ “かんしょ踊り”に歓声
東京では4月14日、NAZEN吉祥寺(準)の呼びかけで「反原発★反失業吉祥寺デモ」第4弾が意気高く打ち抜かれた(写真下)。
野田政権はこの日、枝野経産相を福井県に送り、「地元の理解を得る」などとほざいた。ふざけるな! 原発再稼働への怒りは沸騰寸前だ。小雨の中、武蔵野公会堂前を出発したデモには、沿道から青年労働者が合流し、120人にまでふくれあがった。
福島から椎名千恵子さんも参加し、前夜作った「怒」の印の手っ甲をつけてデモの先頭に。デモは、この日のために練習を重ねた、かんしょ踊りでスタートし吉祥寺の街を練り歩いた。福島との団結を込めた〈民衆の抵抗の踊り〉に沿道が大注目。店から人が飛び出してきて歓声が上がった。
大通りに入り「大飯原発再稼働反対!」「枝野は福井に行くな!」「ミサイル迎撃絶対反対!
原発こそがよっぽど脅威だ!」「どさくさに紛れて再稼働するな!」のコールに、沿道から声援と多数の人が合流。
北朝鮮をめぐる緊張が増す中、機動隊や大量の私服警官が動員され、かつてない弾圧態勢だ。それをものともしない青年労働者・学生の熱気が燃え上がる。テンションが最高潮のまま解散地・井の頭公園へ。
交流会には初参加の青年が多数参加し、在日の青年が「新自由主義と対決するデモをもっとやろう」とアピール。デッチあげ不当逮捕されたちば合同労組の仲間への激励とカンパが寄せられた。
(東京・N)
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週刊『前進』(2533号4面4)(2012/04/23 )
4月10日〜16日
日英が装備品の共同開発で合意/安保理、北朝鮮非難で議長声明
●日英、装備品の共同開発で合意 野田佳彦首相は英国のキャメロン首相と会談し、防衛装備品の共同開発・生産を早期に開始することで合意した。昨年12月の武器輸出三原則の緩和後、初めて協力相手国が決まった。(10日)
●シリア、停戦期限後も緊張 アサド政権軍による反体制派弾圧が続くシリアで国連とアラブ連盟のアナン特使が呼びかけた停戦期限の発効後も戦闘で市民3人が死亡した。(12日)
●北朝鮮ミサイル失敗 北朝鮮は長距離弾道ミサイルとみられる機体を発射したが、機体は1〜2分の間に空中爆発した。北朝鮮も「人工衛星打ち上げ」の失敗を認めた。(13日)
●枝野経産相「原発は重要な電源」
停止中の関西電力大飯原発3、4号機の再稼働を巡り、枝野幸男経済産業相は福井県庁で西川一誠知事らと会談、安全性と必要性が確認できたとし再稼働に理解を求めた。西川知事は安全性確認手続きに入ると伝えた。(14日)
●国連安保理、シリアにPKO 国連安保理はシリアのアサド政権軍と反体制派の停戦監視のための平和維持活動(PKO)の先遣隊派遣を承認する決議案を全会一致で採択した。(14日)
●枝野経産相「原発一瞬ゼロ」 枝野経産相は徳島市で演説、北海道電力泊原発3号機が5月5日に定期検査で止まると「5月6日から(稼働原発は)一瞬ゼロになる」と述べた。(15日)
●アフガン首都、日本大使館にロケット弾 アフガニスタンの首都カブールで欧米の大使館が集まる地区や議会議事堂などを反政府武装勢力タリバンが攻撃し、保安部隊と銃撃戦。日本大使館にロケット弾4発が着弾。(15日)
●国連の駐屯地にスーダン軍空爆 南スーダン北部にあるPKO部隊の駐屯地がスーダン軍によって空爆を受け、市民ら9人が死亡した。(15日)
●北朝鮮非難の議長声明、安保理採択
北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射に対して国連安全保障理事会は「強く非難する」とし、再発射や核実験に踏み切れば「安保理として相応の行動をとる」とする議長声明を採択。(16日)
●米、グアム移転費負担増容認を迫る
米国務省のキャンベル次官補(東アジア・太平洋担当)は、長島昭久首相補佐官(外交・安全保障担当)らと会談し、4月末の日米首脳会談で在沖海兵隊のグアム移転経費の日本側負担増を受け入れるよう求めた。(16日)
●釣魚台、都が購入方針 石原慎太郎・東京都知事は米ワシントンで講演し、都が釣魚台(「尖閣諸島」)を購入する方針を明らかにした。個人所有者から同意を得ているといい、年内にも都議会に提案する。(16日)
●福島第一原発の4基を19日廃止 東京電力は、東日本大地震で事故を起こした福島第一原発1〜4号機(福島県大熊町、計281万2千`ワット)を19日付で「廃止」すると発表した。商業用原発は54基から50基に。(16日)
●米・フィリピン合同演習開始 米国とフィリピンは南中国海で合同軍事演習を始めた。27日まで。両軍の司令官は「災害対応と人道支援が演習の主眼」と強調。中国はいら立ち。(16日)
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週刊『前進』(2533号4面5)(2012/04/23 )
【要項】「復帰」40年5・12沖縄集会、関連企画(12日4時県民広場)、13日5・15平和とくらしを守る県民大会
フクシマと連帯し、すべての原発をなくそう! 今こそ命を守る闘いを!
国鉄1047名解雇撤回! 民営化・外注化・非正規職化・偽装請負と闘
う労働運動を!
辺野古新基地建設阻止! すべての基地を撤去し、基地のない平和で豊か
な沖縄を! 沖縄闘争を闘った無実の星野文昭さんを奪還しよう!
「復帰」40年 5・12沖縄集会
5月12日(土)午後6時開場
那覇市民会館中ホール(沖縄県那覇市寄宮1−2−1与儀公園となり)
主催 「復帰」40年 5・12沖縄集会実行委員会(呼びかけ団体…国鉄闘争
全国運動・沖縄/沖縄労働組合交流センター/沖縄万人の力で星野さんを取
り戻す会/NAZEN沖縄)
【関連企画】
5月12日午後4時から県民広場で集会、その後国際通りデモ
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5・15平和とくらしを守る県民大会
5月13日(日)午後0時30分
宜野湾海浜公園屋外劇場(沖縄県宜野湾市真志喜4―2―1)
主催 県民大会実行委員会(連絡先/沖縄平和運動センター)
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週刊『前進』(2533号5面1)(2012/04/23 )
5・21大集会で「裁判員」にトドメを
高山弁護士を中心に 闘う3氏がトーク
原発も裁判員も今すぐ廃止だ
【出席者】
高山俊吉さん
弁護士。「裁判員制度はいらない!大運動」呼びかけ人
中島偉晴(ひではる)さん
コーカサス民族文化研究家。「裁判員制度はいらない!大運動」賛同人。神奈川県川崎市在住
川添 望さん
婦人民主クラブ全国協議会。今年の裁判員候補者。
神奈川県相模原市在住
5月21日に開催される「裁判員制度廃止!全国集会 日比谷」(主催/裁判員制度はいらない!大運動)に大結集しよう。裁判員制度は3年を迎えたが、労働者人民の怒りと拒否で全面破綻の危機を深めている。現状と5・21集会にかけた熱い思いを、大運動を進める3氏に大いに語っていただいた。(編集局)
(写真 左から高山さん、中島さん、川添さん)
「辞退者9割」は制度崩壊
高山 裁判員制度になぜ反対か? 絞り込んで「私はここがいや」という点を挙げてもらえますか。まず、この間さまざまな街頭行動に参加された中島さんから。
中島 一般市民が義務として、刑罰とくに生死の判断をしなければならない。なぜ、市民の一個人が裁判所に動員されて、人を裁くことを強要されなければならないのか。「市民感覚を取り入れる」などという理由が公正さよりも優位に立つような、そういう言い方が非常にけしからんと思います。
川添 私も同じで、裁判員制度には、支配・強制されるというイメージしかないですね。やっぱり、それは嫌です。「皆さんの思いを取り入れます」と言われても、とても信じられない。
高山 市民が市民を裁くことを義務づけられるのはおかしい、納得できないということですね。では、支配・強制するのはなぜだろう。そこに踏み込んだときに反対運動の力がぐんと強まると思います。3月30日の東京の弁護士会館には、270人が集まりました。さまざまな方が新鮮な怒りをもって参加されて、とても感動的でした。
中島 私の地元からは6人が参加しました。感想をうかがったところ、「わかりやすかった」と言ってくれました。一人の方は、「労働組合の人が登場したけれど、どうなんだろう」という意見でした。もう定年退職している人なんですけど、組合が何も闘ってくれなかったらしくて、労働組合に強い不信をもっている。そういう人も参加してくれました。
高山 市民の方が6人もいらっしゃったとは、すごいですね。運動が広がっている。
中島 そうなんです。
高山 川添さんはこの1年間、3・11大震災と原発事故、消費増税など、問題がどんどん出てくる中で、運動的に大変な局面もあったと思うんですが、いかがですか。
川添 反原発の運動に集まってくる若い人が、「原発だけでなくて、すべてがつながっている気がします」と言う。私も本当にそう思うんです。裁判員にしろ原発事故にしろ、いっぺんにいろんな問題が噴き出してきたことで、敵はひとつだ、同じ問題なんだ、ととらえやすくなった。
高山 エネルギーが入ってきているのは、やはり追い詰めているからだと思うんです。3月には鹿児島で出頭者が激減して、形にならなくなってしまった裁判員裁判がありました。南日本新聞に記事が載っています(写真)。128人に呼び出し状を送って、9割が拒否して13人しか残らなかった。13人の中から補充を含めて9人を選ぶということで、はずす人がほとんどいなくなってしまった。こういう状況が各地で起きている。裁判員制度は完全に破綻していることをみんなが確信すること、そして”原発も裁判員制度も今すぐ廃止へ大きく前進しよう”と誓いを新たにすること、それが5・21集会の重要な意義だと思います。
(写真 辞退者なんと9割!南日本新聞3・3付)
「国難」の時代の戦時司法
高山 それからもうひとつ。私が裁判員制度を納得しない大きな理由は、この社会を〈「法を守る者」と「法を破る者」に二区分する社会■につくり変えようとしていることです。世の中には敵か味方かしかない、敵をどう成敗するかを考える、というんですね。以前には考えられなかった議論が出てきています。学者の中にも「敵味方刑法だ」と、それを批判する方がいます。
こういう議論が出てくるのは「国難」の時です。戦時司法はどういう形で出てくるか。参考になるのは戦争中の1942年に制定された戦時刑事特別法です。「有罪の言い渡しを為すにあたり、証拠によりて罪となるべき事実を認めたる理由を説明し法令の適用を示すには、証拠の標目および法令を掲ぐるをもって足る」と。有罪の判決を出すときに、なぜ有罪なのかというていねいな説明は要らないと言う。どういう犯罪を犯したか、どういう証拠を使ったか、法律の第何条によるのか、それだけでいいというんです。
その理由として、注釈書にはこう書いてあります。「大東亜戦争という空前絶後の超非常時に際会した戦時特例である。判事の労力と物資のいたずらな浪費を節約し、事件の迅速・適正な処理に努力することが戦時刑事裁判の神髄に触れるゆえんである」と。そうか、今が超非常時なんだ、裁判員裁判とはまさにこれだ、と思いましたね。
これこそ改憲じゃないか。この国を守ることを自分の思想・生き方とせよと要求される社会、そうしないとこの国がひっくり返ってしまうという危機に彼らは直面している。この社会がもうもたない、ぎりぎりのところに来ていると考えているのだと思います。
中島 高山さんがおっしゃったことはとても大事な点だと思います。裁判員制度の狙いは、司法を使って人々を分断することですね。分断、差別、排外の思想を出してくるのは侵略戦争にうって出るときです。
高山 川添さんには裁判員候補の通知が来たそうですが、あなたのように社会運動をやっている人を候補に選ぶなんて、裁判所はどういう了見なのかと思いますけど。
川添 本当にそうですね。
高山 でもよく考えてみると、最高裁は「昨日までのあなたとは変われ」と言っているわけです。「昨日までのあなた」は、三里塚に行くあなたです(笑)。それを、明日からはそういうことから足を洗え、というわけですね。
でも、変えるもくろみはみごとに失敗した。だって、最高裁の昨年の調査でも「裁判員をやってもいい」という人は16%しかいない。16%ぐらいだったら、おそらく前からいたでしょう。変わり済み(?)の人しか出てこないとしたら、なんのためにこんな犠牲を払ってやるのか。そういう状況に追い込んだということで、「やりたくない84%」という数字は、私たちの勝利を示す「戦勝旗」です。
日比谷公会堂に総結集を
高山 5・21集会への取り組みという点ではどうですか。
川添 これから全力で取り組みますが、婦民全国協では私のほかにも今年の裁判員候補の通知が来た人がいます。これも宣伝の材料に加えて、絶対反対の声を結集していきたいですね。
中島 大運動のウェブサイトに、新潟大学教授の西野喜一さんの論文が載っています。11月16日の裁判員制度合憲の最高裁判決を批判したものですが、とても分かりやすいので、5・21集会の大結集に活用したいと思っています。
川添 私たちは街頭宣伝も力を入れてやっていきたい。必ず反響がありますから。それから私の周りには反原発、反戦、改憲反対、労働運動をやっている人たちがいます。そういう人に、5・21集会の重要性を訴えたい。運動をやっている人こそ5・21集会に来て、もっと力をつけようと。
高山 それはとても大事だと思います。時代がおかしいから、いろんな運動があちこちで起きている。でも、「忙しいから5・21には参加できない」と考えちゃったら、ちょっと違う。5・21集会は、みんなが取り組んでいる大きな課題が連通管のようにつながっていることを実感する場になる。”これで元気づくよ。みんなで力を合わせれば必ず勝てるよ”と、確信を深める集まりになると思います。
中島 最高裁の裁判員制度合憲の判決が出されたからといって、これでいいんだと納得する人はいないですね。「何言ってるんだ」という感じで、みんな蹴っちゃっている。
高山 もう最高裁の権威がなくなってるんですね。『前進』読者の皆さんには、「ここで裁判員制度を絶対にやめさせる!」という腹をくくった取り組みをぜひともお願いしたいと思います。
中島さんの周りからも6人の方が3・30集会に参加されたように、新しい人たちが新鮮な思いで運動に参加する状況が生まれている。そういう人たちが参加してこそ、社会運動は成功する。そのことへの深い確信と信頼感をぜひ持ちたいですね。大きく動き出している社会状況の中で、私たち自身がもっともっと変わっていこうと。
最高裁が「昨日までのあなたとは変わってくれ」と言っている。これに対する私たちの回答は「そうだ、変わろう!」ですよ。「でも、その方向はあなた方が望んでいる方向ではない。〈お上に唯々諾々と従ってきた人間が、あなたたちをたたきのめす人間に変わる〉ということだよ」と言いたい。
いよいよ私たちがステージに上る時が来た。われわれがこの社会を変えるのだ。みんながそう思った時には、もう変革の時はすぐそこだという感じがします。
5・21に日比谷公会堂を満杯にする2千人が集まったら、裁判員制度は確実につぶれます。いろんなことが起きているこの時期に、それほどたくさんの人たちが裁判員制度廃止で集まったとなれば、それはどれほど最高裁を打ちのめす巨大な力になるか。まさに決起の時ですね。
集会の成功に向けて私たちはいまエンジン全開でチケット販売を進めています。1枚500円です。ぜひお求め下さい。事務局にご連絡下さればすぐお届けします。
3・30集会でインコさんのDVD「インコのアルバム日記」が好評でした。あのユーモア、おかしさは運動が前進している証拠です。何ごともうまくいっているときには面白いものが出てくるんですね。DVDの改定版をつくりました。これはもっと元気が出ます。ぜひとも活用して、5・21への大結集をつくりだしてください。
(写真 東京の2・11反原発デモの先頭に立つ「裁判員いらなインコ」と弁護士。前列左は高山さん)
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新DVD「インコのアルバム日記」活用を!
「裁判員制度はいらない!大運動」事務局に申し込んで下さい。定価300円です。
住所/東京都港区虎ノ門1−1−11マスダビル4F。電話03(5510)4985
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5・21裁判員制度廃止!全国集会in日比谷
5月21日(月)午後6時開場 6時30分開会
日比谷公会堂(下の地図)
第1部 講演 宮本弘典さん 関東学院大学教授(刑法、刑法史)
「東西古今裁判物語/易く+速く+重く=?」
★寸劇インコライダー「怪人サイコウサイの野望をうち砕け!」
第2部 リレートーク 各界より
第3部 各地のみなさんの壇上より決意表明
主催/裁判員制度はいらない!大運動
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週刊『前進』(2533号5面2)(2012/04/23 )
基地も原発もいらない 新自由主義と闘う沖縄
革命の時代の沖縄闘争論 5・15闘争組織化へ発行
3・11郡山をはじめ反原発闘争を闘う過程で、「基地と原発・核」は一体であり、フクシマと沖縄は不可分の問題であるという認識が急速に広がっています。1972年5・15のペテン的「返還」から40年目の沖縄が再び日本階級闘争の「台風の目」になる中、多くの青年労働者・学生の間に「3・11の次は沖縄に行って闘いたい」という機運が高まってきています。この思いに結びつき、闘いの武器に役立ててほしいという気持ちから、革共同沖縄県委員会と全学連の仲間、そして前進社出版部が協力して今回の沖縄ブックレットを刊行しました。
早速、「表紙がきれいでとっつきやすい」「なかなか手に入らない歴史的な写真がずいぶん掘り起こされている」「世界的視点から沖縄問題をとらえることができた」などの声が続々と寄せられ、「すぐに学習会に使いたい」という地区から注文が相次いでいます。反原発闘争・国鉄決戦と一体で5・15沖縄闘争を闘い抜くために、ぜひ手に取ってください。
世界大恐慌の激化・深化の中で爆発した2011年3・11で、情勢は一変しました。
3・11で一変
ジャズの町ニューオーリンズをはじめアメリカ数州に甚大な被害をもたらしたハリケーン・カトリーナ(05年8月、死者・行方不明者2500人)とチェルノブイリ原発事故(86年4月)をかけ合わせた事態の、なお数層倍の巨大な人災である11年3・11は、日本帝国主義に回復できない決定的打撃を与えました。
また、天皇制軍部が戦時中に検閲と報道管制のもとで垂れ流した「神風が吹くから日本は最後には勝つ」がウソであったように、「原発は絶対安全」はウソのかたまりであったことが、日本のすべての労働者階級人民にとって衝撃的に明らかになりました。このことも日本帝国主義にとって巨大な打撃になっています。
この時代認識を始めから終わりまで貫いているところに今回の沖縄ブックレットの大きな特徴があります。新自由主義が大破産する中で、それを直撃する沖縄闘争の位置がこのうえなく明瞭なものとなっています。
米新軍事戦略
戦後のアメリカ帝国主義は、つねに世界支配をかけて数限りない侵略戦争を強行し、そのためにいつも沖縄を米軍にとっての「太平洋の要石」としてきました。そのアメリカも、財政危機やドル暴落の切迫、イラク・アフガニスタン両戦争での敗退と米軍の内部崩壊などで、末期的な没落の危機にあえいでいます。オバマの新軍事戦略はそれを背景にして打ち出されています。その際、普天間基地の維持と辺野古への新基地建設が必須の条件となっていますが、それも沖縄・本土を貫く長年にわたる不屈の闘いによってまったくうまくいかない――それが米帝の危機をさらに深めている。まさに沖縄は米日の帝国主義・新自由主義を葬り去る「革命の火薬庫」となっているのです。
甦れ労働運動
今回のブックレットの最大の特徴は、沖縄闘争に勝利する大道が全国の闘いと一体で階級的労働運動を甦(よみがえ)らせていくことにあることを明らかにしたことです。その意味で、「特別報告・全軍労労働者の訴え」で紹介されている牧港支部青年部の闘いは圧巻です。ここから読み始めている仲間もいます。
青年労働者・学生を先頭に沖縄の地に総結集し、40年目の5・15を大爆発させて、すでにグラグラの野田政権に必殺パンチを食らわそう。
〔ブックレットA5判96ページ/500円+税/前進社刊〕
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週刊『前進』(2533号6面1)(2012/04/23 )
「在留カード」粉砕へ
第21回外登法・入管法と民族差別を撃つ関西研究交流集会
国際連帯で新自由主義倒す
“労働者階級は在留カードを真っ向から粉砕する決起を開始した!”。4月15日、大阪市浪速区民センターで開かれた「入管法・『在留カード』粉砕!4・15関西集会」に関西を始め西日本各地から240人の労働者・学生が結集し、新自由主義と対決する新たな団結を打ち固めた。韓国からは民主労総ソウル本部のキムスギョン副本部長が駆けつけ、動労千葉の田中康宏委員長は「時代は動き出した!」と6・10国鉄闘争全国運動大集会への結集を呼びかけた。
(写真 労働者・学生240人が集まり、労働者の団結で在留カードを粉砕する戦闘宣言を発した関西集会。最後は肩を組みインターナショナル【4月15日 大阪市浪速区民センター】)
沖縄、国鉄、ソウルから
冒頭、開会あいさつを行った八尾市議の末光道正さんは、「あらゆる分断を打ち破り労働組合を軸に団結すればこの社会はひっくり返せる。99%の怒りと悔しさはただちに革命の炎となる」と宣言した。
星野文昭さん、富崎正人弁護士からのメッセージが読み上げられた後、特別報告を沖縄の元基地労働者が行った。「今日なお基地の島とされている沖縄で、労働者は生きるために闘い続けている。その沖縄闘争は、戦争情勢に突入する中で労働組合がどう闘うかが問われている。『基地の県外移設・国外移設』とは分断攻撃です。死すべきは基地、労働者は死んではならない! 労働者はどこにいても生きる権利を奪われてはならない」と力強く訴えた。
続いて動労千葉の田中委員長が、「新自由主義は、労働者農民からの搾取とともに、民族主義、国家主義を強化するのが本質です。しかし敵の攻撃が国境を越え、民族を超えて団結することを教えてくれた。国境を越えた団結を分断する入管体制の改悪を絶対に粉砕しよう。労働組合を変えれば必ず時代は動き出す。労働者の国際的な連帯闘争こそが、新自由主義を倒す力になる。橋下などが絶望的に突進している攻撃に対して、職場から闘う労働組合をつくろう」と訴えた。
民主労総ソウル本部副本部長であり、保健医療労組ソウル本部長のキムスギョンさんが特別報告を行った。韓国で移住労働者を「使い捨て労働者」として搾取している雇用許可制と日本の在留カード制度は同じだと弾劾し、「労働者がひとつになって闘い、資本主義社会を打ち破り、労働者が主人となる社会のためにともに闘っていこう」と熱烈にアピールした(別掲)。
集会の基調報告を、実行委員会を代表して国労の橘日出夫さんが行った。冒頭、米・日帝国主義による朝鮮侵略戦争策動を弾劾し、「1〜3月決戦の勝利が示したことは、新自由主義攻撃に対しては、絶対反対の団結で勝利できるということです。新自由主義とは、住宅や土地を労働者階級から取り上げて民営化し、労働者階級の9割を非正規職にたたき込み、挙げ句の果ては被曝労働へと駆り立てる攻撃です。その核心は団結破壊にあります。『在留カード』とはこの団結破壊そのものであり、道州制=特区攻撃と研修生大量受け入れで、すべての労働者を『アジア並みの低賃金』にたたき込む攻撃です。6・10国鉄闘争全国集会の成功を軸に4〜6月決戦に総決起して7月9日『在留カード』施行を阻止しよう」と勝利の確信をもって提起した。
カンパアピールを行った大阪市職青年部の赤田由行さんは、「トゥジェン! 闘えば勝てる! どんな分断ものりこえて闘うのが労働者だ。橋下の公務員全員解雇攻撃に対して大阪の労働者はたった3カ月半で橋下から闘志を奪っている」と元気いっぱいに訴えた。さまざまな国籍の仲間からのアトラクションをはさんで、集会は最高潮に達した。
労働組合を団結の砦に
決意表明の冒頭に、八尾北医療センター労働組合と部落解放同盟全国連合会西郡支部が立った。「新自由主義は絶対反対の団結には無力です。住宅追い出しの強制執行を団結の力で粉砕している。八尾北労組が地域の団結の砦(とりで)になっている」と報告。
関西合同労組からは2人の在日外国人労働者が解雇撤回闘争の報告を行った。「2000年の不当解雇以来、絶対非和解で12年間闘っている。ウソとペテンの解雇を許さず、弁護士をつけずに1人で法廷で闘っている。全労働者の命運をかけ闘う」「契約が切れて仕事がなくなるとウソをつき中国人の私だけを『扱いにくい』と解雇した。団交で解雇を撤回させて職場に戻り謝罪させた。労働組合の力、団結した労働者は強い。中国人も日本人もひとつの同じ労働者、一緒に団結して頑張っていきたい」と感動的に訴えた。
京都・ユニオン自立、広島連帯ユニオンからも、国境を越えて非正規職撤廃を闘う決意が表明された。
全学連から京都大学の学生、大阪・星野文昭さんを取り戻す会が決意を述べた後、「すべての在日外国人と日本労働者階級、農民との結合・団結を破壊し、新自由主義攻撃を適用する攻撃が改悪入管法・『在留カード』制度だ。アジア−全世界の労働者が団結して『在留カード』制度粉砕の闘いに勝利しよう」と呼びかける「在留カード粉砕の集会決議」が採択された。圧倒的な熱気のうちに集会を閉じた。
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週刊『前進』(2533号6面2)(2012/04/23 )
資本主義社会うち破り労働者が主人の社会へ
民主労総ソウル本部 キムスギョン副本部長
民主労総ソウル本部の16万組合員を代表してトゥジェン(闘争)でごあいさつします。トゥジェン!
3・11大地震と福島原発爆発が発生してから1年、その中でも少しもひるまず、力強い闘争を繰り広げている日本の同志のみなさんに敬意を表します。
韓国社会には約140万人の移住民がともに暮らしています。移住民とは移住労働者、結婚移住民、児童、難民などを含む言葉です。この中で移住労働者は50%に達します。それほど韓国社会は数多くの移住労働者を必要としています。
韓国では2004年に産業研修生制度の問題点を補完するために雇用許可制という制度を導入して施行しました。施行以後、8年が過ぎましたが、依然として現代版奴隷制という問題点を持っています。これは期間を定め、職場移動の自由を制限していて、移住労働者は低賃金、長時間労働、業務上災害、人種差別待遇にさらされていて、このような移住労働者を韓国政府は保護するどころか不法滞留者としてののしり、追放するために取り締まりばかりを強化しています。
韓国で働く数多くの移住労働者はひたすら生きるために逃げて高い建物から飛び降り、捕まれば出入国管理者から暴行を受け追放されてしまいます。追放された移住労働者は二度と韓国に戻ることはできません。韓国での賃金未払いがあったとしても受け取ることもできず、誰かに訴えることもできません。
80年代後半から数百万人の移住労働者が韓国社会と経済に大きな寄与をしてきたのに、韓国政府と事業主は移住労働者に社会的認定と待遇をせずに、かえって人権の死角地帯に追いやり、人種差別をしているのです。
移住労働者は依然として「使い捨て労働者」として劣悪な搾取を受けています。今年、日本では在留カード制度が施行されると聞きます。これは韓国の雇用許可制と異ならないと思われます。
日本に居住する移住労働者たちを分離して彼らを監視し、取り締まるというものです。これもまた労働者を人間ではなくひとつの機械として扱うというものであり、監視、取り締まりを行う出入国管理法だけを強化するというものです。
日本政府も韓国政府も、事業主は、移住、外国人労働者についての労働者性認定と、差別のない待遇、搾取されないことの保障、人種差別のない自国民と同一の保護制度を整え、不法に移住労働者を悪用して搾取する事業主らを処罰する制度を強化しなければなりません。
この場に参加した私たちは国籍と人種を超えて、労働者はひとつだという旗のもと、ひとつになった声で階級闘争を展開しましょう。資本主義社会を打ち破り、労働者が主人となる社会のために国籍と人種を超えてともに闘っていきましょう。トゥジェン!
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週刊『前進』(2533号6面3)(2012/04/23 )
迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判
福嶋同志の再審を必ず実現し3同志差し戻し控訴審勝利へ
緊急集会と公判闘争に結集を
上告棄却を絶対に許さず再審闘争へ
3月5日の福嶋昌男同志に対する上告棄却決定は、無実の福嶋同志に5年以上の下獄を強制するものだ。こんなことが許せるか。腹の底からの怒りでいっぱいだ。福嶋同志は階級的怒りに燃え、国家権力の政治的デッチあげ判決と徹底的に闘い抜くために再審闘争にうって出る決意を打ち固めた。福嶋同志と一体となり断固として闘おう。党と労働者階級人民は、国家権力のデッチあげ弾圧を絶対に認めない。粉々に打ち砕き、福嶋同志を奪還するために、団結を打ち固め再審闘争に突入しよう。
いよいよ須賀武敏、十亀弘史、板垣宏3同志の差し戻し控訴審が始まる。第1回裁判が5月15、16日の両日開廷される。25年間にわたる歴史的裁判闘争に対して、東京高裁は直ちに結審し、強引に「有罪」へ持ち込むことを狙っている。3同志は無実だ。東京高裁と実力で対決して早期結審策動を粉砕し、無罪をかちとるため、第1回公判に総力で結集しよう。
福嶋同志の再審と3同志の差し戻し控訴審に勝利するために、「完全無罪をかちとる会」が4・29緊急総決起集会を呼びかけている。4同志とその家族と一体となって国家権力のデッチあげ弾圧と闘おう。
早期結審の策動を粉砕する決戦攻防
1986年、「戦後政治の総決算」を呼号し国鉄分割・民営化を頂点に新自由主義攻撃にのめり込む中曽根政権と対決して、5月4日、東京サミット粉砕のロケット弾戦闘が会場の迎賓館に向かって敢行された。4月15日には、米軍横田基地に向かってロケット弾戦闘がたたきつけられた。
大打撃を受けた国家権力は、何がなんでも「犯人」を捕まえよという号令を発し、87年、4同志へのデッチあげ弾圧に走った。革共同の組織破壊を狙った「爆発物取締罰則1条違反」でのデッチあげ攻撃だった。以来25年間、4同志は国家権力の悪辣(あくらつ)極まる弾圧と16年間(福嶋同志は12年間)にもおよぶ未決勾留に不屈に立ち向かい、革命家の生きざまを貫いてきた。この闘いは、星野文昭同志の獄中37年と一体で、新自由主義の攻撃を根底で打ち砕くものであった。
福嶋同志は「両戦闘ロケット弾の飛距離を計算した」とされたメモ等を書いたとしてデッチあげられた。しかし、福嶋同志は無実である。終始一貫「私はメモなど書いていない」と主張し続けた。最高裁段階を含め、計4通の「メモの筆者は福嶋さんではない」という異筆鑑定書を裁判所にたたきつけてきた。さらにメモに付着したとされる指紋に関しても、上告趣意書および補充書において、「指紋は福嶋さんのものではない」とする「指紋鑑定検証実験報告書」を提出してきた。
追い詰められた最高裁は法も科学も無視し、やみくもな棄却決定を強行した。脱落日帝の絶望的凶暴性そのものだ。デタラメな判決に断じて屈せず、再審闘争で国家権力のデッチあげを弾劾・粉砕し、福嶋同志の無罪を絶対にかちとろう。
国家権力との大激突情勢の真っただ中で、3同志の差し戻し控訴審闘争が始まる。3同志を「有罪」とする「証拠」は何もない。2004年に、東京地裁では無罪判決をかちとった。
ところが、東京高裁は事実審理をまったく行わずに結審し、「無罪判決を破棄し、差し戻す」という許しがたい政治的デッチあげ判決を下した。
08年から開始した差し戻し裁判で、10年6月、東京地裁は検察によるデッチあげを追認、恣意的な憶測だけを並べたて、逆転「有罪」判決を下したのだ。こんな判決は断じて許せない。3同志・弁護団は即控訴して今日まで闘い抜いてきた。
現在、東京高裁第6刑事部の裁判長は「控訴審は事後審で事実調べはやらないのが基本」などと公言し、露骨な早期決着を策動している。5月15、16日の第1回公判が最大の勝負だ。3同志と弁護団は、差し戻し一審「有罪」判決のデッチあげを全面暴露し、逆転無罪判決をかちとるために事実調べ請求を3回にわたって提出している。
第1回公判は、裁判所に対し、これらすべての証拠と証人の採用を要求し、その実現をかちとる決定的な闘いとなった。3同志、弁護団、傍聴者が一体となって裁判所を追い詰め実力で事実調べをもぎりとろう。
密集した反革命を打ち破り前進する
世界大恐慌の深化と3・11情勢のもと、日帝は根底からグラグラになっている。とりわけ4・1JR検修・構内業務の全面外注化を阻止した動労千葉の闘いと、3・11「原発いらない!福島県民大集会」の1万6千人大結集の階級的力、怒りの巨大さが日帝を追い詰めている。この国鉄と反原発の闘いで、1〜3月決戦は「団結して闘えば新自由主義に勝てる」という確信を広範に生み出した。4〜6月はこの地平に立ち、6・10国鉄闘争全国運動大集会を頂点にして職場に新自由主義と闘う労働運動をつくり出す大決戦になった。
新自由主義の破綻、脱落の危機にあえぐ日帝と労働者階級人民との激しい大攻防に突入している。2月23日、「動労千葉運転士登用差別事件」において、最高裁は高裁判決を破棄して組合側敗訴の反動判決を行った。3月5日の福嶋同志上告棄却決定、3月30日の東京高裁による星野文昭同志の第2次再審請求棄却など、裁判所は日帝の意を体し新自由主義の先兵として、なりふり構わぬ極反動判決を繰り出してきた。まさに革命の前進は密集した反革命を不可避とするのだ。われわれはこの反動を階級的労働運動の団結の拡大で打ち破り、新たな前進を切り開くのだ。
裁判員制度導入を柱とする司法改革攻撃、共謀罪を環とする治安弾圧の激化に明らかなように、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判は、新自由主義の絶望的凶暴化としての改憲攻撃そのものとの激烈な階級決戦だ。
4・29緊急総決起集会に結集し、差し戻し控訴審第1回公判を迎え撃とう。不屈・非妥協の闘いと階級的団結の拡大で、必ずや日帝を追い詰め、デッチあげ弾圧を粉砕し勝利しよう。
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福嶋さんの上告棄却弾劾!再審へ!
3人の差し戻し控訴審勝利!
5・15〜16第1回公判に結集を!
迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判
4・29緊急総決起集会
4月29日(日)午後1時開場 1時30分開会
千駄ケ谷区民会館第1会議室
主催/迎賓館・横田裁判の完全無罪をかちとる会
●差し戻し控訴審第1回公判
5月15日(火)、16日(水)
両日とも午前10時開廷(全1日)
東京高裁429号法廷
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週刊『前進』(2533号6面4)(2012/04/23 )
“全証拠を開示せよ”
4・13集会 星野再審請求棄却に怒り
4月13日、杉並区阿佐ケ谷の地域センターで、「星野文昭さんをとり戻そう!東京連絡会」の主催で星野文昭同志の第2次再審請求の棄却を弾劾する集会がかちとられた。
同じ地域センターで12日から16日まで絵画展が開催されていたこともあって、午後6時に開場するとたちまち会場は満席となった。参加者は86人、再審請求を棄却した東京高裁の若原正樹裁判長に対する怒りがあふれる集会となった。
集会冒頭、3月30日に星野同志の再審請求が棄却されたことが司会から報告されると、会場は東京高裁を弾劾する声で包まれた。
まず初めに東電OL殺人事件の「無実のゴビンダさんを支える会」の今井恭平さんが連帯のあいさつを行った。
続いて郵政非正規ユニオンの斎藤裕介委員長が登壇して「全国で2千万人いると言われている非正規労働者、生活すらままならない労働者の組合を立ち上げて闘っています」と述べ、闘わなければ生きられない現実にある青年労働者は星野同志の奪還を自らの闘いとして闘うことを熱く訴えた。
東京連絡会を代表して発言した星野暁子さんは、再審棄却決定を弾劾する星野同志からの怒りに満ちた決意のアピールを読み上げた(本紙前号に全文掲載)。
「シロをクロと言って恥じない言辞。警察がねつ造した虚偽の供述を支持し、真実を闇に葬り、無実の者に無期投獄を強いる裁判所の腐敗を絶対に許すことはできない」という星野同志の怒りが暁子さんから参加者に伝えられた。
さらに暁子さんは、棄却決定が、学生たちの供述がねつ造されたものであることを証明した厳島鑑定を非難し、捜査官による誘導を容認、デッチあげを居直っていることを真っ向から弾劾した。
また、2・5徳島刑務所包囲デモは感動的な闘いだったが、それに対して徳島刑務所は手紙の墨塗りと禁止攻撃を加えてきていることを怒りをもって報告した。
カンパアピールの後、主任弁護人である岩井信弁護士が講演を行った。
「今日は元々は補充書の内容を説明するというように考えていました。ところが、再審棄却決定について説明しなければならないのは私にとってもとても悔しくて残念なことです。文昭さんからのメッセージが読み上げられましたが、文昭さんはこれをのりこえて、むしろこれによって確定判決の、裁判所のおかしさが明らかになったんだと言っています。弁護団としては、これをもとに次のステップに入っていきたい」と棄却決定をのりこえて再審闘争を闘う決意が語られた。
全参加者は星野同志を必ず取り戻せるという確信を深め、星野同志の無実を明らかにするすべての証拠を開示させることを満場一致で確認した。全証拠を開示せよの声を全労働者人民の中に広め、星野同志を必ずとり戻そう。
(写真上 棄却攻撃を文昭さんとともに打ち砕く決意を述べる星野暁子さん【4月13日 杉並】)
(写真下 岩井信弁護士が「星野さんのヘルメットに書かれた文字は〈反戦〉ではなく〈中核〉」と無実を表す重要証拠写真を解説、参加者の耳目を集めた)
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週刊『前進』(2533号6面5)(2012/04/23 )
【要項】 4・28沖縄・憲法集会
改憲阻止!原発なくせ!
4・28沖縄・憲法集会
講師 滝本匠さん(琉球新報記者)
清水雅彦さん(日本体育大学准教授・憲法学)
西川重則さん(百万人署名運動事務局長)
4月28日(土) 午後1時15分開始
北とぴあ2階 つつじホール(東京都北区王子1丁目、JR・地下鉄南北線 王子駅下車)
主催/とめよう戦争への道!百万人署名運動
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