ZENSHIN 2012/04/09(No2531 p06)
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週刊『前進』(2531号1面1)(2012/04/09 )
再稼働と戦争の野田打倒を
労働者全員解雇=非正規職化の新自由主義に団結し反撃しよう
新入生と合流し学生運動爆発へ
星野同志への再審棄却弾劾する 6面記事へ
(写真 鉄道業務の外注化を狙うJR東日本本社を弾劾する動労千葉の川崎昌浩執行委員の訴えに青年が足を止め、1047名解雇撤回の署名に応じた【4月1日 新宿駅南口】
団結して闘えば新自由主義に勝てる! この確信を広範に生み出した1〜3月決戦は、3・11福島県民大集会の画期的成功と動労千葉の4・1検修・構内業務外注化阻止の地平を始めとして歴史的な勝利を切り開いた。4〜6月は、6・10国鉄闘争全国運動の大集会を頂点にして、職場に新自由主義と闘う労働運動をつくり出す大決戦だ。同時にこの中で野田政権によるミサイル迎撃態勢突入と米日帝国主義による朝鮮侵略戦争策動を、労働者の階級的力で粉砕しよう。原発再稼働を絶対に阻止し、全原発停止・廃炉という歴史的事態を労働者の団結と決起で実現しよう。
PAC3の配備に沖縄の怒りと闘い
大恐慌は全世界で、大失業・非正規職化の攻撃と同時に、戦争情勢を激化させている。北朝鮮の「人工衛星」=長距離弾道ミサイル発射予告を奇貨とし口実とした野田政権によるミサイル迎撃態勢突入と米日帝国主義による朝鮮侵略戦争策動を許さず、労働者階級の決起で、戦争・改憲に突き進む野田政権を打倒するために今こそ闘おう。
野田政権は3月30日、ミサイル破壊措置命令を発令し、海上配備型迎撃ミサイルSM3を搭載したイージス艦3隻をF15戦闘機の警護つきで沖縄近海と日本海に展開し、地対空誘導弾PAC3を沖縄本島2カ所(那覇市、南城市)、宮古島、石垣島と、首都圏3カ所(市ケ谷、朝霞、習志野)に配備した。救援隊と称して陸上自衛隊も宮古、石垣、与那国島に配備し、それを南西諸島への自衛隊配備の突破口にしようと狙っている。すでに沖縄では怒りと闘いが爆発している。
しかも連日マスコミを総動員して、北朝鮮への脅威論と敵対心を排外主義的にあおり、労働者人民の原発、大失業、大増税への怒りを北朝鮮に向けさせようとしている。野田政権こそ、新自由主義の絶望的凶暴化を体現した超反動政権だ。絶対に打倒しよう!
北朝鮮スターリン主義による「人工衛星」=長距離弾道ミサイル発射予告それ自体は、体制崩壊の危機に直面する金正恩世襲体制による反人民的で瀬戸際的な政策だ。だが北朝鮮を追い詰めてきたのは、米帝オバマの対中対峙・対決を核心とする新軍事戦略であり、北朝鮮を実戦的攻撃対象とした米韓、米日韓の軍事演習の激化である。戦争をやろうとしているのは、米日帝の側なのだ。
世界大恐慌の本格的爆発は、帝国主義間・大国間の争闘戦を激化させ、労働者人民には大失業・非正規職化と生活破壊、そして戦争への攻撃として襲いかかっている。大恐慌と原発事故に打ちのめされた日帝は、政治・経済・軍事の全面において、もはや再生する力を完全に失っている。ソウルの核安保サミットでは、野田首相はどこの国とも公式会談ができず、蚊帳の外だった。これこそ脱落帝国主義としての危機と破綻の象徴だ。
脱落日帝の破滅的な現実が、野田政権を絶望的な軍事的突出にかりたてている。そこに何か展望と勝算があるわけではない。ただただ資本家階級の利害をむき出しにして暴力的に突き進んでいるのだ。軍事的突出だけではない。野田政権は、労働者派遣法改定や消費大増税法案の閣議決定を強行し、原発再稼働にも躍起だ。東京地裁は「日本航空の客室乗務員とパイロットの整理解雇は有効」という超反動判決を行い、東京高裁は無実の星野文昭同志に対する第2次再審請求を棄却した。絶対に許せない!
だがこのような絶望的凶暴化は、逆に労働者人民の根底的な怒りを爆発させ、決起を生み出す。欧州では国家財政破綻の責任を労働者に転嫁し、緊縮財政や増税で生活と社会保障を解体する大攻撃に、ギリシャを先頭に怒りのゼネストが爆発している。われわれはこの日本で、「命よりも金もうけ」の資本主義社会をひっくり返すために決起しよう。
25年目のJR体制打倒、6・10集会へ
この4〜6月、国鉄決戦と反原発・反失業闘争のさらなる爆発にむけて、新自由主義と闘う労働運動を職場からつくり出そう。
動労千葉は、検修・構内業務の4・1外注化実施を阻止し、4・1付で新たな組合員を獲得する大勝利をかちとった。基地統廃合による動労千葉破壊攻撃にも、「佐倉運輸区に動労千葉最強の支部をつくる」と宣言している。動労千葉は、外注化を阻止することで、団結して闘えば新自由主義攻撃に勝てることを示している。反合・運転保安闘争路線で、組合員が一丸となって外注化と闘うことで、労働者の誇りを呼び覚まし、強固な団結を形成している。
労働者の誇りを奪う外注化の不正義性を暴露・断罪する動労千葉の闘いは、今や青年労働者の反乱をつくり出し、他労組を含めて職場丸ごと獲得する地平をつくり出している。労働者の誇りと団結した力が職場支配権を打ち立て、外注化という大合理化攻撃を阻止する力を生み出しているのだ。動労千葉は、「合理化と闘っても勝てない」という戦後労働運動の限界を突破して、合理化攻撃と闘って勝てること、新自由主義と闘って勝てることを職場の実践で示しているのである。
新自由主義は労働者を徹底的に搾取・収奪し、全員解雇と非正規職化を強行し、資本の利益を暴力的に貫き、社会をも根底から破壊していく。そのために労働者の誇りと団結を破壊し、労働運動を絶滅しようとする。だが逆に、労働者が誇りを取り戻し、職場と組合で団結して闘えば、新自由主義は打ち砕くことができるのだ。
動労千葉に続き、東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の賃金仮払い決定の勝利、橋下反革命と闘う八尾北・西郡での強制執行粉砕の勝利など、新自由主義と闘う拠点が各地に生み出されつつある。団結にのみ依拠して闘えば、労働者の無限のエネルギーが爆発的に引き出される。全国に新自由主義と闘う拠点を無数につくり出そう。
大阪市長・橋下による公務員労働者への攻撃を絶対許すな。橋下は公務員労働者が命令に従うのは当然だと言う。ふざけるな! 公務員労働者は権力の奴隷ではない。橋下は公務員労働者の誇りを傷つけ、団結を破壊して、資本の利益のために自治体業務を丸ごと民営化しようとしている。それは教育や医療・福祉を壊滅的に破壊する。自治体労働者、教育労働者は、階級的正義と誇りにかけ、労組破壊と民営化攻撃を粉砕しよう。
全職場で外注化阻止・非正規職撤廃を闘い、動労千葉を支援する会を結成・拡大し、新自由主義と闘う労働運動をつくり出そう。その力をもって6・10国鉄集会に大結集しよう。4・21尼崎事故弾劾闘争に全国から決起し、25年目を迎えたJR体制を打倒しよう。
4・28集会―5・15沖縄闘争に立とう
野田政権は原発再稼働へ絶望的に突き進んでいる。現在稼働している原発は、北海道電力泊原発3号機だけだ。それも5月5日に停止する。1年を超える反原発闘争の爆発が、再稼働を許さない力関係をつくってきた。追い詰められた野田は、再稼働に踏み切れば、労働者人民の根底的怒りが大爆発し、政権が吹っ飛ぶ恐怖を感じている。だが野田は激しく動揺しながらも、「安全基準を満たした」と強弁して、原発再稼働を狙っている。
そもそも「原発は絶対安全」「地震や津波に耐えられる」と言って原発を推進してきた連中が、福島原発事故で誰も監獄にもぶち込まれず、再び「原発は安全」と強弁して、再稼働を決めることなど許せるか! 東京電力や政府など原子力村の責任を徹底追及し、やつらを支配の座から引きずり降ろし打倒しよう!
5月5日までが決戦だ。福島の女たちがリレーハンストに立ち上がっている。この命がけの決起に続こう。新入生とともに4・19法大デモと対文科省行動に立とう。1カ月の決戦を闘い、全原発停止を労働者の団結で実現しよう。再稼働阻止・全原発廃炉の闘いと結合し、放射能から子どもたちの命と健康を守るために、福島に診療所を建設しよう。
原発は地上に据えつけられた原爆だ。再稼働を阻止し、原発をなくす闘いは、核兵器と基地を廃絶する闘い、戦争・改憲を阻止する闘い、そして辺野古新基地建設阻止、沖縄米軍基地撤去・日米安保同盟粉砕の闘いと完全にひとつのものだ。
4・28集会から5・1メーデーへ、「復帰」40年目を迎える5・15沖縄闘争へ、4〜6月国鉄決戦と6・10大結集運動を軸に闘いぬこう。
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週刊『前進』(2531号1面2)(2012/04/09 )
4・1対JR行動 外注化阻止へ戦闘宣言
国鉄分割・民営化25年 全国各地でJRを弾劾
(写真 鉄道業務の外注化を狙うJR東日本本社を弾劾する動労千葉の川崎昌浩執行委員の訴えに青年が足を止め、1047名解雇撤回の署名に応じた【4月1日 新宿駅南口】)
1987年の国鉄分割・民営化からちょうど25年目を迎える4月1日、労組交流センターを中心に全国で対JR行動が取り組まれた。鉄道業務の全面外注化を狙うJR資本に対して、分割・民営化絶対反対、外注化阻止のさらなる戦闘宣言をたたきつけた。
東京では、JR東日本本社のある新宿駅南口を中心に、中野駅、錦糸町駅でJR資本を弾劾する街頭宣伝が行われた。
新宿駅南口では『4・1付日刊動労千葉号外』を始め、国鉄闘争全国運動の6・10全国集会への結集を訴えるビラなどを配布した。
動労千葉の川崎昌浩執行委員がマイクを握り、検修外注化を阻止した勝利を報告するとともに、JR東日本が被災地の岩泉線の廃止を打ち出したことを怒りを込めて弾劾した。さらに、JR東日本が、福島第一原発から25`圏内の常磐線の営業運転再開に踏み切り、労働者や乗客に被曝を強いている現実を暴いた。
共に闘う国労の会も、駅で働く契約社員を雇い止め解雇したJRを徹底的に弾劾、国鉄1047名解雇撤回闘争を貫く決意をたたきつけた。
九州では、国鉄全国運動・九州主催の大街頭宣伝がJR博多駅前で行われた。約30人の労働者が参加し、九州新幹線事故の責任を開き直るJR九州にシュプレヒコールをたたきつけ、6・10全国集会と6・24国鉄全国運動・九州結成2周年集会、5月反原発佐賀2万人集会への決起を訴えた(写真)。
1047名当該の羽廣憲さんは、「労働者が生きていけるかどうかのかかった闘いだ。4・9政治和解を拒否し、解雇撤回まで闘う」と力強く宣言。また、国鉄全国運動・九州の水上晋事務局長やNAZEN福岡の若い仲間が、汚染がれき受け入れ反対を訴えた。
沖縄では、国鉄闘争全国運動・沖縄に結集して闘う沖縄労組交流センターや中部・南部の合同労組の仲間たちが、国際通りの三越前で街頭宣伝を行った。全国運動呼びかけ人の宮城盛光さんらがアピールし、PAC3と自衛隊の沖縄配備を弾劾、闘う労働組合をよみがえらせようと訴えた。
関西では2日、JR西日本本社前の梅田交差点で動労西日本、共に闘う国労の会、関西労組交流センターがJR西日本入社式闘争に決起、4・21尼崎闘争を呼びかけた。
JR西日本は、新入社員を街頭宣伝に触れさせまいと、新入社員を7〜8人ごとに分け、当局者を前後につけて入社式へと引率した。
だが、動労西日本の山田和広副委員長の契約社員制度撤廃・非正規職撤廃の訴えや、橋下・維新の会と闘う大阪市職の青年労働者の演説が新入社員に響き渡った。「頑張って」と青年から声が上がるなど、かつてない大きな反響だった。
尼崎事故の全責任を高見運転士に押し付け、入社式冒頭から「黙祷」を強制するJR西日本をこの日の行動は直撃した。
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週刊『前進』(2531号1面3)(2012/04/09 )
3・31〜経済産業省前
女たちがリレーハンスト
野田政権による大飯原発3・4号機再稼働の動きに福島の女性たちの激しい怒りの炎が噴き上がった。「原発いらない福島の女たち」が全国に呼びかけた再稼働阻止のリレーハンストが3月31日から始まった。不退転の決起である。
2日目の4月1日、呼びかけた黒田節子さん、椎名千恵子さんを始め10人を超える女性たちが経産省前でのハンストに立ち、40人近くの労働者民衆がそれを包んだ。再稼働を絶対許さない怒りがみなぎっている。
午後1時から記者会見を行った(写真、マイクを握るのは黒田さん)。最初に黒田さんが発言に立ち、「福島の現状は何ひとつ変わってないだけでなく、除染するから大丈夫という流れが強まっている。日々被曝している子どもたちの現状を世界に訴えるため、やれることはすべてやる勢いで毎日やっている」と決意を表明した。黒田さんは続けてリレーハンスト声明を読み上げ、大飯原発の再稼働に反対して福井県小浜市明通寺の住職・中嶌哲演さんが福井県庁で断食に立ち上がったことを聞き、リレーハンストに踏み切ったことを明らかにし、「泊原発が停止する5月5日までリレーハンストをやる。再稼働を絶対に許しません」と訴えた。
椎名さんがマイクを握り、「福島では、皆さんが予期しない事実がたくさん起きています。浪江町赤宇木の避難所にいた住民のうち3人が亡くなっています。同じ浪江町で、立ち入り禁止区域の自宅に許可を得て戻った50代の女性がトイレで倒れ、亡くなったそうです」と福島の現状を怒りを込めて報告した。続いて、連帯してハンストに立ち上がった女性たちが一人ひとり思いと決意を語った。記者たちからいくつもの質問があった。
記者会見後、皆で会津磐梯山古式踊り「かんしょ踊り」を輪になって踊り、笑顔も出るなか闘いの機運は一層高まった。
福島と全国の闘いで野田政権を追い詰め、再稼働を絶対に阻止しよう。
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週刊『前進』(2531号1面4)(2012/04/09 )
前進速報版から
▼裁判員制度も原発も廃止へ弁護士会館で集会▼卒業式闘争で勝利の決起集会/大阪▼法大新歓、規制をぶち破りサークル員が決起!
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週刊『前進』(2531号1面5)(2012/04/09 )
【要項】尼崎事故弾劾4・21全国総決起集会
尼崎事故弾劾
4・21全国総決起集会
と き 4月21日(土)午後1時
ところ JR尼崎駅北口広場
呼びかけ 国鉄千葉動力車労働組合
国鉄闘争全国運動・関西準備会
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週刊『前進』(2531号2面1)(2012/04/09 )
安全を崩壊させたJR
大事故もたらす外注化
4・21尼崎闘争−6・10大集会へ
尼崎事故後も労災死は続発
検修全面外注化の4月1日実施を阻止した動労千葉の闘いは国鉄決戦を新たな段階に押し上げ、JR体制打倒への大きな突破口を切り開いた。JRにとって、大恐慌・大震災情勢の中で延命を図る道は、鉄道業務の全面外注化を強行する以外にない。だがそれは、鉄道の安全を根本的に破壊し、大事故を不可避とする。外注化攻撃と徹底的に闘い、4・21尼崎現地闘争を打ち抜いて、新自由主義と対決する6・10国鉄闘争大集会の圧倒的成功をかちとろう。
05年4月25日の尼崎事故は、国鉄分割・民営化の大破産を突きつけた。それから7年、尼崎事故弾劾の現地闘争が4月21日に闘われる。JR資本は、神戸地裁が1月11日に出したJR西日本前社長・山崎正夫の「無罪」判決で尼崎事故問題にけりを付け、さらなる外注化・合理化に乗り出そうとたくらんでいる。
しかし、これは一層の安全崩壊を促進する。JR発足後から06年8月までに、労働災害によって死亡したJRの正社員は66人、下請け労働者は251人に上ると言われる。犠牲は下請け労働者に集中している。
尼崎事故、羽越線事故(05年12月25日)、伯備線事故(06年1月24日)と連続して起きた重大事故後も、20人近い下請け労働者が労災によって殺されている(表参照)。
JR東日本では01年以来、設備部門の外注化が強行されてきた。それによる矛盾は、数年もたたないうちに事故の続発という形で噴出したのだ。
昨年4月7日にはJR西日本の後藤総合車両所で、下請け会社の労働者が移動してきた天井クレーンの「運転室」と塗装装置の間にはさまれて死亡した。この「運転室」は、クレーンが地上操作方式に変えられたことにより不要となっていた。米子労働基準監督署からも、運転室を撤去せよとの改善勧告が出されていたが、JR西日本はそれさえ無視し、死亡事故を引き起こしたのだ。
昨年10月、この事故を弾劾して、国労米子地本の闘う国労組合員が偽装請負を告発する申告を厚生労働大臣に出した。動労千葉・動労水戸・動労連帯高崎の偽装請負告発に続くこの闘いは、JRを震え上がらせた。
JRはもとより、あらゆる産業で外注化は偽装請負という不法行為なしには成り立たない。これが法違反として禁止されれば、新自由主義攻撃の根幹が崩れる。だから厚生労働省は、この問題を各県の労働局には判断させず、中央直轄事項とすることでもみ消しを図っている。またJRは、偽装請負を告発した労働者に、あらゆる重圧を加えてきた。
だが、労働者を死亡させたJRの責任を、国家権力も抹殺しきることはできなかった。後藤総合車両所の事故について、米子労基署は3月末、JR西日本と当時の車両所所長を労働安全法違反で書類送検した。山崎「無罪」判決にもかかわらず、JR西日本はまたしても会社としての責任を問われたのだ。
労働者の命の使い捨て狙う
明らかに外注化を原因とする重大事故が、ここ数年、立て続けに起きている。
その一つに、10年7月22日のJR西日本・山陽新幹線の須磨トンネル内での保守車両同士の衝突事故がある。衝突した保守車両はそれぞれ別の下請け会社が所有し、実際の作業は孫請け会社の労働者が行っていた。労働者の団結は奪われ、作業上の指揮命令系統もバラバラに分断されていた。
11年5月27日のJR北海道・石勝線で特急列車がトンネル内で炎上した事故も、根本の原因は外注化だ。ディーゼルエンジンから車輪に動力を伝える推進軸が脱落したことが車両火災を引き起こしたが、検修業務の外注化がその背後にあることは間違いない。JR四国やJR東日本でも、ディーゼルカーの推進軸の脱落事故は相次いでいる。これに加え、JR北海道は、航空会社と対抗するため列車のスピードアップを図り、ディーゼルカーを振り子式にするという危険な施策に踏み込んでいた。
今年2月17日には、JR西日本・山陽本線の西明石駅構内の社員専用踏切で、特急と下請け業者のトラックが衝突する事故が起きた。この踏切はトラックが脱輪しやすく、03年3月と06年10月にも事故が起きていた。現場の労働者は踏切に遮断機と障害検証装置をつけろと要求していたが、JR西日本はそれを無視し危険を放置してきた。
外注化によりこれだけの事故が起きているにもかかわらず、さらに全面的な外注化を強行しようとたくらむJR資本は、労働者の命など使い捨てにして構わないと思っているのだ。まさにそれが、新自由主義攻撃と非正規職化の行き着く先だ。このことを最も悪らつな形で示しているのが、原発事故と原発再稼働の策動だ。
運転保安確立へ闘いぬこう
事故が起きれば労働者が真っ先に犠牲にされる。解雇され刑事責任を押しつけられもする。山崎「無罪」判決のように経営者の責任は不問にされる一方で、伯備線事故などでは、あらゆる矛盾を押しつけられた現場の青年労働者が書類送検されている。昨年2月に起きた飯山線・森宮野原−足滝駅間の踏切事故では、現場労働者2人が解雇された。
労働者の命は資本と闘うことによってしか守れない。事故という労働者にとって最も切実かつ深刻な問題を、真正面から闘争の課題としてきたのが動労千葉の反合理化・運転保安闘争だ。
安全を確保するためには、労働のあり方そのものを労働組合の支配下に置く闘いも必要となる。動労千葉が03年3月に展開した安全運転闘争を、支配階級の代弁者となった中労委は「争議行為として正当性の範囲を逸脱するもの」と口を極めて非難した。このように、労働組合が労働そのものを支配する闘いは、敵階級との非和解的な激突になる。その壁を破れなかった戦後労働運動の限界を突破して、動労千葉は団結の強化・拡大を総括軸に反合・運転保安闘争を長期強靱(きょうじん)に展開している。
外注化阻止の闘いは反合・運転保安闘争そのものだ。外注化・非正規職化によって、青年労働者をこれまで以上に事故の矢面に立たせることなど絶対にできない。にもかかわらず、東労組も国労東日本本部も検修外注化について基本的に団交を終え、すでに了承を与えているのが現実だ。こんなことが許せるか。
4・21尼崎現地闘争から6・10国鉄闘争大集会へ、4〜6月国鉄決戦を総力で闘おう。
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【表 JRの主な労災死亡事故(2006年以降)】
06年5月30日 東日本 日光線・鶴田−鹿沼駅間 建設用機械が転倒し挟まれる
6月8日 九州 鹿児島本線・鳥栖−肥前旭駅間 レール溶接作業員が貨物列車にひかれる
7月8日 東海 東海道本線・新居町駅構内 ポイント検査の監督者が特急列車にひかれる
8月22日 東日本 新宿駅構内 高所作業中、墜落
8月22日 東日本 東北新幹線・新幹線総合車両センター 塗装作業中、移動してきた車体に挟まれる
8月25日 西日本 神戸新幹線保線区西神戸保守基地 ベルトコンベアーのローラーに巻き込まれる
10月13日 東日本 羽越本線・酒田駅 駅舎屋根のふき替え作業中、墜落
10月20日 東日本 東北本線・自治医大駅構内 駅員が線路内で貨物列車にひかれる
07年6月27日 西日本 大阪環状線・弁天町−大正駅間 高圧配電線に感電
7月17日 貨物 東北本線・東青森駅構内 入れ換え作業中、列車にひかれる
08年1月17日 西日本 湖西線・近江舞子駅構内 線路上の落とし物を拾おうとして触車
9月17日 東日本 東北本線・黒磯駅構内 停電されていない高圧電線に触れ感電
9月25日 東日本 八戸線・侍浜−陸中夏井駅間 工事の作業準備中、建設機械に挟まれる
09年2月20日 西日本 神戸線・明石−西明石駅間 保線作業中、列車にひかれる
7月3日 東海 東海道線・三島−沼津駅間 保線作業中、列車にひかれる
9月10日 東日本 東北新幹線・仙台駅構内 トロリー線が跳ねて胸部を強打される
12月20日 東日本 東北新幹線・上野−大宮駅間 落下した機材に直撃される
10年3月20日 東日本 青梅線・宮ノ平駅構内 作業中、木製の電柱が折れて墜落
3月26日 東日本 総武線・両国駅構内 保守車両とホームとの間に挟まれる
11年4月7日 西日本 後藤総合車両所 検修作業中、クレーンに挟まれる
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週刊『前進』(2531号2面2)(2012/04/09 )
“橋下に大反撃したぞ”
関西交流センター 卒業式闘争の勝利集会
橋下・維新の会の新自由主義攻撃・教育の民営化を打ち破る卒業式闘争が勝利しました。卒業式闘争の歴史的勝利を打ち固め、4月からの闘いに攻勢的に打って出るために、関西労組交流センターは3月31日、大阪市内で緊急集会を開催しました。労働者・学生60人が結集し、勝利感と解放感があふれて大成功しました。
基調報告をした教育労働者は、1〜3月の勝利を「新自由主義に対して絶対反対で闘い、階級的団結の拡大を実現して、責任勢力への飛躍を成し遂げ、圧倒的な勝利を切り開いた。階級闘争の焦点において権力や体制内指導部の弾圧や制動・分断を打ち破って前進し、それぞれの仲間が自らの職場で新自由主義との闘いの具体的実践を開始した」と鮮明に提起しました。そして橋下・道州制攻撃直下の大阪で、卒業式での不起立を貫いた教育労働者の闘いを「渾身(こんしん)の決起が、ただちに歴史を動かす新しい情勢を生み、巨大な情勢を切り開くことを、目の当たりにさせてくれた」と総括しました。
卒業式を不起立で闘った大阪の教育労働者4人が、確信に満ちた報告を行いました。「不起立をどういうものとして闘うのか、仲間と討議して決起した。それは学校選択制・統廃合・首切りと続く、教育破壊・労働組合破壊攻撃との激突だ。新自由主義と闘う労働組合をつくる。その意義を確信して分会での討論を軸に闘った。『勝った!』と実感している」「『職場が混乱する』『これまで守ってきた既得権が脅かされる』などの意見も出たが、『嵐が過ぎ去るのを頭を下げてやり過ごしてもだめ。これはみんなの問題だ』と訴えて絶対反対で闘った」「体制内執行部はなりふり構わず『不起立やめろ』の悲鳴を上げたが、職員会議で『不起立するな』と大合唱して断念させようとした管理職や体制内執行部の思惑を吹き飛ばした」「『教育破壊、労働組合破壊とどう闘うのか?』という提起に職場の仲間が共感してくれた」と勝利感に満ちてにこやかに報告しました。
大阪と奈良の自治体青年労働者、八尾北医療センター労組の末光道正さん、関西合同労組、全学連が職場・地域での闘いを報告しました。
橋下・道州制攻撃は教育労働者・自治体労働者に対する数千人・数万人規模の処分・解雇攻撃です。国鉄分割・民営化型の大量処分・解雇攻撃が襲いかかっています。3月卒業式ではこの数万人の労働者の怒りと結合し、日教組をよみがえらせる画期的な地平をつくり出しました。この最先頭に労組交流センターの労働者が立ちました。処分・解雇を絶対に許さずともに闘おう!
(関西・I)
(写真 職場に団結をつくり出して不起立を貫徹した卒業式闘争の勝利を確認し、4月以降の闘いに向けて団結ガンバロー【3月31日 大阪市】)
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週刊『前進』(2531号2面3)(2012/04/09 )
東京「日の丸・君が代」闘争
根絶攻撃を打ち破って 9年目の不起立貫く
東京では、卒・入学式の「君が代」斉唱時に起立と斉唱を命じた2003年「10・23都教委通達」から9年目の卒業式で教育労働者の堂々たる不起立闘争が貫かれた。
東京都教育委員会は3月29日、卒業式で「日の丸・君が代」強制に反対し不起立した教育労働者3人に処分を下した。処分されたのは2回目と4回目の不起立処分となる教員。これまで2回目は減給1カ月、4回目は停職1カ月だったが、今回いずれも戒告となった。
1月16日の最高裁判決と、橋下大阪市長の不起立への処分・解雇攻撃を受け、不起立闘争を最後的に根絶・収拾しようとする動きの中での卒業式闘争だった。その動きに抗して、処分を受けて立って「日の丸・君が代」強制反対を貫いた教育労働者が登場したのだ。
他方、追い詰められた都教委は被処分者の「服務事故再発防止研修」をエスカレートすることを決めた。同研修は昨年までは「地方公務員法について」と題して夏休みに行われ、「日の丸・君が代」には一言も触れられなかった。その内容を「教育における国旗掲揚及び国歌斉唱の意義」などと変更し、回数も増やし、しかも最初の研修を入学式直前の4月5日に行うことにしたのだ。
30日、水道橋の全水道会館で、卒業式処分発令抗議集会が行われ、処分を受けた教育労働者が不起立した思いを訴え、都教委の不当処分を弾劾した(発言別掲)。
処分を受けた教育労働者は「大阪で悩み闘っている人たちと連帯したい」という思いで不起立したと訴えている。今年の不起立闘争は、橋下大阪市長による「君が代」斉唱条例、教育2条例・職員基本条例に立ち向かう大阪の教育労働者への熱いエールでもある。
石原や橋下の攻撃がどんなに傲慢(ごうまん)に見えようとも、団結して闘えば打ち破れることを、東京の9年間の闘いは示している。不起立を貫き、新自由主義攻撃を打ち破る教育労働者の団結をつくろう!
被処分者/「教え子を戦場に送るな」継承
■都立高校教員 Nさん(2回目の不起立処分)
都教委は減給や停職を出せなくなったので、僕らを研修攻めでいじめようとしています。しかしその程度だったらどうぞご自由にって感じです。
職場の人には「どうして立たないの?」と聞かれます。私は両親から戦争体験や戦後の食糧難の話を聞いて育った。教員の先輩たちも憲法と教育基本法を大事にして、戦争を繰り返さないために頑張ってきた。国家に忠誠を誓わせる「君が代」起立・斉唱はやりたくない。それで処分されても、研修ぐらいなら、食糧難や徴兵よりははるかに軽い。「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンを引き継ぎ、できることをやっていきたい。
■都立特別支援学校教員 Tさん(2回目の不起立処分)
職場の人から「起立できないなら、式場外の仕事にするように校長に持ちかけようか」と言われたが、「不起立することは私自身の大切な教育活動。私の教育の機会を奪わないでください」と話して、式場に入って不起立しました。
不起立したことで、卒業生の親や同僚、また在校生からも「ありがとう」という声が届きました。うれしかった。
「日の丸・君が代」反対の闘いを支援してくれる人は少なくないと感じられて、都教委が減給処分を出せなかったことと合わせて、大きな希望の光だと思っています。
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週刊『前進』(2531号2面4)(2012/04/09 )
今こそJR総連解体を
新人事・賃金制度は東労組の裏切り妥結で導入された
JR東日本はこの4月、新人事・賃金制度の導入に踏み切った。この攻撃は、1月31日にJR総連・東労組がJR東日本の修正提案を丸のみで妥結したことによって引き出された。まさにそれは、青年労働者を始めJRの全労働者の未来を資本に売り渡す大裏切りだ。分割・民営化推進に匹敵する歴史的大罪に東労組はまたしても手を染めた。この東労組を徹底的に断罪する。
基本給表廃止し競争と分断で労働者支配
JR東日本による新人事・賃金制度の導入は、労働者を徹底的に分断し、競争を強いて低賃金に突き落とす攻撃だ。
新制度では、等級・号俸で定められてきた基本給表が廃止された。賃金額は労働者個々に発令され、資本の恣意(しい)がまかり通る。昇給も「優秀な社員」には「特別加給」がなされる。飛び級制度も導入され、職場に新自由主義的な競争原理が徹底して持ち込まれる。
初任給は若干引き上げられるが、定期昇給幅は引き下げられる。青年は生涯賃金で大幅な賃下げとなるのだ。
管理職に主幹職、主務職、技術専任職というポストが新設された。主務職は「職場のフォアマン(職長)層」と位置づけられ、助役を補佐する。資本による専一的職場支配の貫徹が狙われている。しかも、管理職には管理手当が払われる。
技術専任職は、JR本体での技術力とその継承のためとされているが、設備や検修部門の全面外注化を視野に設定されたものだ。
提案直後から妥結を前提に新制度を美化
昨年1月13日、JR東日本は「人事・賃金制度の見直しについて」を提案した。翌14日に東労組は、「提案をうける環境整備を行ってきた」(『業務部速報』43)として会社提案を受け入れた。また、「本制度の良い点・評価できる点」として、「年功賃金を維持したこと」「55歳以上の賃金を見直すこと」「運転士の特殊性が守られたこと」、これら3点が盛り込まれていることを挙げ、提案内容を最大限に美化した。
さらに彼らは「(交渉においては)質の高い議論を行うことを約束する」と、妥結前提で交渉に臨むことを表明した。東労組のスローガンは「働きがいのある人事賃金制度をつくり出そう」(『業務部速報』59)となっていた。つまり、制度の策定に主導的に関与したいということだ。これを受けて会社は、「(提案は)東労組の討議資料などを検討した上で出している」と応じた。
東労組が妥結に積極的に動いたのは、JR東日本の労務政策の転換により、資本から使い捨てにされる危機に東労組が直面していたからだ。2010年秋以降、JR東日本は就業規則と施設管理権を理由に、これまで東労組に与えてきた権益(施設の自由使用)などに制限を加えた。特に東労組カクマルがわが物顔に振る舞う運転や検修職場で、「ローカルルール」と呼ばれる東労組優遇の職場慣行の是正に乗り出してきた。
東労組の権益は分割・民営化を推進した数々の裏切りへの見返りとして与えられてきたものだ。それは労働者階級の利益とは絶対に相いれない。それらの権益を含め、東労組カクマルの存在が資本にとってくびきに転化した時、東労組は切り捨てられる運命にあった。
何よりも動労千葉の存在と闘いが、JR東日本の労資結託体制にくさびを打ち込み、東労組がもくろんだ労資癒着の協力関係を根幹から打ち砕いているのである。
JR東日本は02年11月の浦和電車区事件の立件から07年7月の一審有罪判決、同年8月の懲戒解雇処分決定を契機に、労務政策の転換を明確にした。同時に会社は、資本の専一的支配のもとに労働者と労働組合を組み敷くあり方への転換を鮮明にした。
この現実に直面した東労組カクマルは、自己の有用性をあらためて示すことで、資本との関係修復に進もうとあがいた。東労組が新人事・賃金制度妥結を積極的に推進した最大の動因もここにある。
JR総連・東労組に寄生する一握りのカクマル分子の生き残りのために、平成採組合員を始めすべての組合員、そして全JR労働者を資本攻勢の前に差し出したのだ。
こうして東労組カクマルは、新自由主義攻撃の先兵としての歴史的役割をあらためて自覚し、資本攻勢の先頭に立つことを明らかにした。
今年2月10日、東労組第38回定期中央委員会の総括答弁で、吉川書記長は次のように述べた。
外注化推進へ「技術専任職」の新設を要求
「(新設された)技術専任職は職場のプロづくりであり、職場のリーダーになる人だと思っています。全系統に専任職の配置を求める必要があります。構内検修の外注化、駅のあり方などを含めて職場のプロの配置を求めて議論を作り出していきます」(『緑の風』第541号)
吉川は新人事・賃金制度の目玉として「技術専任職」設置を取り上げ、検修部門や駅全面外注化を進める上で管理職配置が決定的意義を持っていることを確認している。そして、「全系統に専任職の配置を求める」「職場のプロの配置を求めて議論を作り出していきます」と、鉄道業務の全面外注化を積極的に進めることを明らかにした。
08年3月、JR東日本は経営戦略「グループ経営ビジョン2020−挑む−」で、「業務の指導ができるマネジメント層(管理者や企画部門社員等)を育成します」「人材育成を推進していく有機的な仕組みを不断に検討し、人事・賃金制度や研修等を戦略的に見直していきます」と、管理者層の育成に重点を置く人事・賃金制度への転換を打ち出した。
そこに貫かれているものは、鉄道業務の全面外注化(フルアウトソーシング)の考え方である。そのために管理者を育成することが目標として設定された。09年9月、これに応えるように東労組は、『考えよう 組合員のための人事・賃金制度』を発行し、組合内での論議を先行させた。これを東労組は「前段のたたかいの成果」(11年1月「職場討議資料」)などと総括し、人事・賃金制度改悪の先頭に立つことを表明した。
交渉過程でも東労組の言動は裏切りに満ちていた。11年1月18日の「第1次解明要求」提出を皮切りに、「第2次解明要求」「基本要求」「ゆずれない要求」など、申し入れを5本、要求220項目を提出し、合計28回の交渉を主導した。そして11年12月2日には1300人の組合員を動員して「人事・賃金制度を実現する12・2大集会」を開いた。妥結に向けての意思統一を図ったのだ。
東労組は、「会社提案の狙いと問題点」などを挙げて批判的言辞をもてあそび、「働く者が主役の人事・賃金制度を実現しよう」というデマゴギーで組合員をだましつつ、資本の悪らつな狙いを体現していったのだ。
今回の妥結に際し、東労組は「自分たちが作り上げた人事制度」と豪語した。この手法は、「シニア協定」「検修外注化」「設備メンテナンス外注化」「車両メンテナンス近代化」「ライフサイクル」などで妥結した時とまったく同じだ。
会社が今年1月25日に出した最終提案「人事・賃金制度の見直しについて(修正)」を受け、東労組は「最終提案を会社より引き出しました。……一定の成果は確認できます」と述べた(『業務部速報』号外1・26付)。とんだ茶番だ。東労組が最終的に出した「ゆずれない要求」の各項目は、新設される職名や55歳以上の賃金減少幅などに違いはあるものの、会社の最終提案に記載されたものになっている。東労組は会社の意向に沿って要求書を作成していたのだ。
この東労組カクマルの反労働者的裏切りと犯罪性を徹底的に断罪しなければならない。何よりも青年労働者の怒りを掘り起こし、JR総連解体・JR体制打倒へ総決起しよう。JRの全職場で、外注化阻止、新人事・賃金制度粉砕、非正規職撤廃を貫き、組織拡大の4〜6月決戦に立とう。国鉄闘争全国運動の発展をかけ、6・10国鉄大集会への結集運動を、JR職場を先頭に職場生産点と学園、地域において猛然と推進しよう。
(矢剣 智)
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週刊『前進』(2531号3面1)(2012/04/09 )
ショーワ・ジェコー4・27闘争へ
4・1JR外注化阻止に続き非正規職撤廃へ総決起しよう
一般合同労組・さいたまユニオン主催の4・27ショーワ本社工場包囲闘争とJAM神奈川ジェコー労働組合主催の4・27ジェコー本社弾劾行動が呼びかけられている。
ジェコー・ショーワの闘いは、新自由主義攻撃に立ち向かう典型的な製造業派遣現場での闘いである。ショーワは90年代末から日研総業などの請負・派遣会社から請負・派遣労働者を導入しており、ジェコーも01年から導入した。派遣会社が用意した寮(民間アパートの借り上げ)に他人と同居で昼夜2交代、3交代の現場に徒歩や自転車で通い、仕事がなくなれば職を失い、他の派遣先に行かざるをえない。08年末の「派遣切り」で社会問題化した現実そのものである。行田地区には最盛期で2千人近い派遣労働者がいた。
ジェコー・ショーワの闘いは、06年のジェコーでの組合加入・正社員化要求から始まり、ショーワでのさいたまユニオン行田分会結成に引き継がれ、解雇・派遣切り攻撃にストライキ闘争で反撃し、現在、裁判闘争と労働委員会闘争、門前闘争を闘っている。
この闘いは第一に、今日の新自由主義攻撃のもとで強制されている製造業派遣の過酷な現実に対し、派遣労働者が自ら労働組合に団結して闘うことで派遣労働の廃止や派遣法撤廃を求めた先駆的な闘いである。大恐慌・大失業情勢下の新自由主義攻撃に対し、国鉄決戦を基軸に真っ向から激突する労働者の反乱の開始そのものである。
第二に、体制内労働運動の犯罪性を弾劾し、戦後労働運動が越えられなかった壁を突き破り、闘う労働運動を復権させる闘いである。
派遣労働者の受け入れは労働組合の承認が不可欠である。製造業派遣は「派遣は必要」「派遣は派遣のままでよい」とする電機・自動車などの連合型労働組合が容認することで成り立ってきた。
しかしこの体制内労組との党派闘争にとどまらず、現場からそれをのりこえる労働組合的団結を派遣労働者や同じ職場の正規労働者が自らの力でつくり出せるかどうかの挑戦でもある。バラバラに分断されて紐帯(ちゅうたい)を奪われた労働者が団結を取り戻すことは容易ではない。正規労働者への怒りや不信もある。解雇・失業中の生活の厳しさは尋常ではない。
しかしジェコー・ショーワの労働者たちは、必死の闘いで団結を守り、資本と対峙し続け、連合をのりこえる労働組合を自らの力でつくり出す挑戦を続けている。
第三は、派遣法による資本の現場支配体制を、労働者の団結で打ち破る闘いである。
派遣労働者を組織した例はほかにもあるが、派遣元に一定の処遇改善を求めた例が大半である。派遣先であるジェコーに正社員化を要求し、偽装請負を告発して直接雇用を実現した闘い。「派遣切り」の責任を派遣先に求め、団体交渉を要求して闘ったショーワの闘い。解雇攻撃に現職復帰を求めて裁判闘争、労働委員会闘争に立ち上がった闘い。最も過酷な労働を派遣ゆえに強制されることとの闘いなどだ。いずれも派遣法支配の根幹をつき、奪われて久しい戦後労働基準法の「均等待遇」「労使対等」を奪い返す闘いである。
正社員と同じ仕事で、ボーナスも昇給・昇格もなく結婚もできない。「正社員にして下さい」という要求にはこの現実への怒りがあるのだ。
国鉄分割・民営化の大攻撃のもとで制定された労働者派遣法は、当時から「数百万の派遣労働者から憲法や労組法が定める団交権や団結権を奪う」との批判があった。これに対し「派遣先との団体交渉応諾義務を問題にすると、労働組合法の改正問題を呼び起こすから、そこには踏み込まない」(85年参議院。高梨昌信州大学教授答弁)などと、戦後的労資関係を転覆する意図が公言されていた。そこに新自由主義攻撃の突破口としての国鉄改革法と派遣法の一体性がある。
ジェコー・ショーワの闘いは、派遣法で奪われた労働者の権利を、派遣労働者自らが現場からの団結と闘いによって奪い返す闘いである。
第四は、動労千葉が10年間にわたる外注化反対闘争を通してつくり出した地平と一体の闘いだということである。製造業派遣が拡大した2000年代、JRでは保線・電力などあらゆる業務が次々と外注化され、検修部門と基地構内運転の外注化は「最後の攻防」となっていった。この攻撃を動労千葉は10年間阻止し続け、12年4・1の全面外注化攻撃もぶっ止めたのである。「これを認めたらJRで働く労働者のほとんどが非正規職に突き落とされる」という労働者としての誇りをかけた闘いだった。それは、体制内労組が「派遣には気の毒だが自分を守るためにはやむをえない」と派遣導入を容認したこととは対極の選択だった。
「膨大な労働者が非正規職に落とされたのは、労働法規の規制緩和ですが、それだけではない。職場で労働組合が闘えなかったからです。ここで止める。止めることができると示す。それが重要です。このことを抜きに労働組合の復権を語っても空論だ」(動労千葉・田中康宏委員長)
ジェコー・ショーワの闘いは、この動労千葉の闘いと一体で正規・非正規職が団結し、外注化を阻止し非正規雇用を撤廃する闘いだ。国鉄決戦と結合して、100万派遣労働者が団結を取り戻し、新自由主義攻撃を打ち破る闘いである。
それは被曝労働を強いられる原発労働者の組織化と全原発廃炉の展望をかけた闘いでもある。国鉄闘争全国運動がめざす新自由主義攻撃への対抗軸の組織化だ。
6・10国鉄闘争全国運動に合流し、その大成功をかちとろう。 4・27行田現地闘争へ!
〔小川 徹〕
(写真 初の全国闘争として打ち抜いた昨年の4月の闘い【埼玉県行田市・ジェコー行田工場門前】)
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【集会要項】
■ショーワは団体交渉に応じろ! ショーワ行田本社工場弾劾闘争
4月27日(金)正午 ショーワ本社工場前(行田市藤原町1−14−1)
主催 一般合同労組・さいたまユニオン
■解雇撤回! 正社員として採用しろ! ジェコー行田本社工場弾劾闘争
4月27日(金)午後4時 ジェコー本社工場通用門(行田市富士見1−4−1)
主催 JAM神奈川ジェコー労働組合
※いずれもJR高崎線・吹上駅より総合教育センター行きバス15分、長野1丁目下車、徒歩10分
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週刊『前進』(2531号3面2)(2012/04/09 )
日航判決 国家的不当労働行為許さず 国鉄と結び解雇撤回へ
3月29、30日、東京地裁は不当解雇撤回を求める日本航空機長組合、乗員組合の運航乗務員76人と日本航空キャビンクルーユニオンの客室乗務員72人の請求を棄却し「解雇有効」とする極反動判決を下した。
国家が強行した労組解体の攻撃
この反動判決は、脱落帝国主義・日帝の絶望的危機の中で、裁判所自身が手を染めた歴史的な国家的不当労働行為そのものである。無制限の首切りに道を開き、安全の崩壊で第2の日航ジャンボ機墜落事故(85年、520人の犠牲者を出した)に行き着く新自由主義の極致ともいうべき反動判決である。当該の組合員は怒りを燃やし意気軒高と闘っている。国鉄1047名解雇撤回闘争と結合し解雇撤回・原職復帰
までともに闘いぬこう。
今回の判決は第一に、日航資本と政府・企業再生支援機構による労働組合解体の不当解雇を「有効」とした国家的不当労働行為そのものである。
10年1月に経営破綻した日本航空は、会社更生法のもとでグループ企業労働者の3分の1にあたる約1万6千人の人員削減計画を打ち出し、50歳以上の労働者と病欠・休職者などの整理解雇人選基準案を一方的に提示した。その狙いは労働組合役員と活動家層を狙い撃ちすることにあった。政府・裁判所に後押しされた企業再生支援機構は、対象とされた労働者を10月以降一切の乗務から外し、「希望退職か整理解雇か」と迫って退職を強要した。10年11月、日航キャビンクルーユニオンと日航乗員組合の解雇撤回スト権投票の際に、資本は「争議権を撤回しない限り、更生計画案で予定されている3500億円の出資はしない」とする恫喝で公然たる支配介入を行った(11年8月東京都労働委員会はこれを不当労働行為と断じた)。そして10年12月31日、すでに目標以上の希望退職にもかかわらず、165人の不当解雇を強行し、これに対し9割の労働者148人が不当解雇撤回を求めて提訴し闘ってきた。
東京地裁はこの不当労働行為の一切をなきものとし棄却したのである。
当該労組は「日航ジャンボ機事故を繰り返さない」ことを誓い、資本の合理化と安全破壊の攻撃にストライキで闘ってきた。その闘う労働組合を狙い撃ちする大攻撃に裁判所も手を染めたのであり、国鉄闘争解体の10年4・9政治和解に続く許し難い反動判決である。
大量首切り容認は安全崩壊招く
判決は第二に、整理解雇4要件を解体し資本の「首切り自由」に道を開く、極悪の新自由主義攻撃そのものである。
判決は、「全ての雇用が失われる破綻的清算を回避し、更生計画の事業規模に応じた体制にするには、人員削減の必要性があった」と強弁した。しかし営業利益は目標の640億円を上回る1586億円に達していた。当時の稲盛和夫日航会長は「そのときの収益力から誰が見ても雇用を続けることは不可能ではない」と証言したが、判決は、それをも「主観的心情を吐露したにすぎない」と切り捨てた。
今回の判決は、国鉄分割・民営化に匹敵する歴史的大攻撃である。裁判所は、福島原発事故の元凶である「原子力ムラ」の張本人であることに加え、動労千葉登用差別裁判の最高裁反動判決とともに自らが労働者の首切りと労組破壊、安全崩壊をもたらす新自由主義の先兵であることを公然と表明した。東京地裁は、どんなに支離滅裂であろうと、「解雇有効」判決を出すことに執着した。それは大恐慌下の労働者反乱に恐怖する日帝・国家権力の意志であり、絶望的な攻撃そのものだ。こんなデタラメな判決を誰が認めるか。追いつめられているのは敵の側だ。労働者が闘えば必ず打ち破ることができる。
判決は第三に、安全崩壊と大事故を引き起こす許されない犯罪行為だ。
今、航空会社の現場では、極限的な合理化と人員削減、労働強化のもとで、労働者の悲鳴と怒りが充満している。「会社更生」を口実に、団結を破壊して抵抗を奪い、ベテラン乗務員の大量首切りを強行して合理化・外注化・非正規職化を進める時、何が起こるか。85年日航ジャンボ機御巣鷹山事故は、労組攻撃と安全無視の合理化・外注化によってもたらされた。もはや第2の御巣鷹山事故がさし迫っている。新自由主義を打ち破る労働組合の闘いが必要だ。
職場攻防に立ち解雇撤回貫こう
反合・運転保安闘争と外注化阻止・非正規職撤廃の職場闘争が決定的である。極反動判決への怒りを爆発させ解雇撤回へ闘いぬくとともに、職場支配権を奪い返し資本との階級的力関係の転換をめざし総決起しよう。
職場を動かしているのは労働者だ。日共中央のように職場攻防から逃亡して裁判闘争に切り縮めるのではなく、動労千葉のように労働者の誇りに依拠し絶対反対を貫くことで勝利をかちとることができる。国鉄闘争全国運動を進め階級的労働運動の復権へ闘いぬこう。
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週刊『前進』(2531号3面3)(2012/04/09 )
解雇撤回を求め提訴
新潟市職斎藤さん 再任用拒否許さぬ決意
3月22日、新潟市の再任用職員・斎藤実さんが1年前の任用継続拒否を不当処分とする行政訴訟を新潟地裁に提訴し、記者会見と提訴報告集会が開かれた。解雇撤回へ新たな闘いの出発だ。
夜の報告集会で、斎藤実さんは決意を語った。「新潟市を相手に裁判を闘う。人生の大勝負だ。定年の前年、組合の委員長選挙に出たことが転機だった。人事評価は絶対反対だと主張して選挙を闘った。これが原点。私が首を切られるとは思わなかったが、自己申告を迫る市当局には譲れないと思った。自分が闘うことは、非正規職の仲間の待遇を改善し非正規職そのものをなくす闘いだ。
新潟市では定年後の雇用が深刻な問題になっている。今年は定年退職者の半数を越える126人が再任用を希望したにもかかわらず、21人を不採用にした。
法廷内の論争だけでなく運動をつくる。首切りは大変なことだと市当局に思い知らせる。解雇を止めさせるはずの組合本部は、私の問題になしのつぶてだ。現場から組合本部を変えていきたい」
続いて代理人の高島章弁護士が、再任用更新拒否処分の取り消し、再任用職員としての地位確認、損害賠償を内容とする訴訟であるとし、「本件訴訟は原告の労働者・市民としての権利を確保し、公務員労働者が人間らしく生きるための闘いだ。東日本大震災で明らかになったように、労働者の権利を守れずに住民の安全や生活向上もない。その要を労働組合が握っている。職場に労働組合をよみがえらせ、労働者が職場と社会の主人公になるために闘う」と訴訟の意義を訴えた。
地域一般の青年労働者が「組合として断固支持する。自分も解雇撤回を闘う」と決意表明。国労の仲間は「非正規職化の始まりが国鉄分割・民営化だった。1047名解雇撤回闘争での国労の政治和解が、労働運動に解雇撤回はできないという敗北主義を蔓延(まんえん)させた。斎藤さんの闘いは労働運動の大きな焦点。私たちもJR大再編と闘い、1047名闘争を闘い抜く」と発言。さらに「新潟市再任用解雇撤回を支える会」の会則を発表し、会の発足を全体で確認した。
斎藤さんの闘いは、労働者とりわけ非正規労働者の解雇撤回闘争だ。屈服した市職労運動をよみがえらせる闘いだ。階級的労働運動の真価をかけて、斎藤さんの解雇撤回裁判に勝利しよう。
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週刊『前進』(2531号3面4)(2012/04/09 )
“ハンストで再稼働阻む”
(写真 経産省前で「かんしょ踊り」【4月1日】)
原発再稼働を阻むために3月31日からのリレーハンストを呼びかけた「原発いらない福島の女たち」呼びかけ人の黒田節子さん、椎名千恵子さんにお話を伺った。連帯してともに闘いぬこう!(編集局)
日々被曝する子ども守ろう 原発いらない福島の女たち呼びかけ人/ハイロアクション福島 黒田節子さん
4月1日、川内村では正式に役場機能が再開されます。郡山市は川内村から避難している人も多いので、避難している若いお母さんたちともよく話します。村に戻っても仕事はないし、大きな病院は閉鎖されお店も開いてない。みんな、本音では帰りたくないんです。
だけど行政の方針に従わないと”残る人は勝手にしろ”と何のサービスも受けられなくなる。しかも仮設住宅暮らしだと「あなたたちはいずれ帰るんでしょ」と正規雇用の仕事にもつけない。小さい子どもを抱えた若い人は、特に厳しい状況に置かれています。
郡山市や福島市は子どもたちはすぐ逃げ出して欲しいほど高線量。子どもたちが日々被曝しています。国やマスコミが「除染すれば大丈夫」と大宣伝しているからです。本当に犯罪的です。殺人行為です。この現実の中で運動しているわけですから、正直、焦っています。
にもかかわらず、一体どうして再稼働を考えるのか。はらわたが煮えくりかえります。再稼働は絶対に許しません。
私たちは昨年4月、ほんの10人くらいで集まるところから動き始めました。それが3月11日には「原発いらない!」を掲げて1万6千人の集会が実現できた。大きな力になってきていると感じています。だけどまだ1けた足りない。もっと大きなうねりをつくりたい。
リレーハンストを全国に発信したら、数え切れないほどの人が名乗りを上げてくださいました。
福島の問題は福島だけでは解決しません。放射能は県境も国境も越えます。自分たちの子どもや孫のこととして、一緒にやっていきましょう。
リレーハンストは、泊原発がとまって全原発がストップする5月5日まで続けます。廃炉に向けて頑張りましょう。
テントで経産省にらみつけ 原発いらない福島の女たち呼びかけ人/子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク 椎名千恵子さん
経産省前で「未来を孕(はら)む女たちのとつきとおかのテントひろば」を12月1日に始めて、今日でちょうど4カ月がたちました。
このテントがいろんな人たちとのつながりの核になり、「原発いらない福島の女たち」も各所で行動してきた中で、今回のハンストの呼びかけにいたりました。
再稼働を許すかどうかということは、再びの「福島」を許すのかどうか、という問題です。過去を知り、歴史を学んでこそ、未来は展望できると思います。福島を絶対に繰り返させないためには、再稼働を止めなければならない。
このテントから経産省をにらみつけ、再稼働を絶対に阻みたい。5月5日を廃炉記念日とできるように、みなさんとつながっていきたい。テントにもいらしてください。
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週刊『前進』(2531号3面5)(2012/04/09 )
全面外注化を打ち破ろう! 新自由主義との対決C
地方切り捨てる新自由主義
国鉄一等地は大資本が奪い 不採算地は自治体のツケに
公的部門の外注化・民営化は、労働組合を解体し、膨大な労働者を非正規職化する攻撃である。同時に、大資本による公的資産の略奪(私物化)と地方切り捨て攻撃だ。これについて、旧国鉄清算事業団の用地売却問題を切り口に見ていく。
都内の最優良地独占した大林組
日本における新自由主義攻撃の先がけとなった1980年代の国鉄分割・民営化の過程で、旧国鉄の83路線が廃線とされた(45路線がバス転換、36路線が第3セクター化、2路線が私鉄に譲渡)。また、多くの労働者が働いていた貨物操車場などが大合理化され、膨大な国鉄用地が売りに出された。
国鉄清算事業団が国鉄から引き継いだ土地は、2003年までに8936f、97%が売却された。金額では約6兆8327億円にのぼる(『国鉄清算事業本部史』、03年9月)。
そのうち一等地のほとんどは、大手ゼネコンを媒介して電通や日本生命などの大資本に払い下げられた。中でも大林組は、国鉄清算事業団の理事を自社に天下りさせ、落札予定価格や他社の入札予定価格などを不正に入手し、大資本と共同で次々と最優良地を競り落とした。旧国鉄本社跡地、汐留A地区、品川駅前、横浜MM21―28街区(現みなとみらい)、八重洲北口、錦糸町などだ。大林組は落札した土地での建築工事を一手に受注しボロもうけした。
国鉄清算事業団の土地処分には、さらなる疑惑が指摘されている。
こうした最優良地は、バブル期に売っていれば相当な高額で売れたはずだが、「土地価格高騰を招く」という理由で10年近く売却が凍結され、土地価格が大幅下落した97〜98年に集中的に売却された。大林組は”お手頃価格”に下がったところで、まんまと最優良地のプロジェクトを手にした。旧国鉄資産に群がって甘い汁を吸うゼネコンと大資本、政治家、旧国鉄官僚−清算事業団幹部たちの意図が働いたことは明らかだ。
こうして旧国鉄資産が食い物にされた結果、87年分割・民営化時に清算事業団が引き継いだ国鉄長期債務約25兆5千億円は、多くの土地を売却したにもかかわらず、利息が利息を生んで約28兆円に膨れあがった。この債務は、国鉄清算事業団解散時に国の一般会計に引き継がれた。
売れない土地は地方に押し売り
話はこれだけではない。清算事業団が売却した土地は右のような優良地はまれで、形状や面積、線路に近くても駅から遠いなど資産価値の小さいものがほとんどだった。有用な土地は、あらかじめJR各社に引き継がれていた。
優良地以外の土地の多くは、地方自治体か、自治体が出資する土地開発公社に押しつけられた。
最も大量の土地が売却されたのは北海道だ。多くの自治体が「民間業者による乱開発防止」などを大義名分に土地を買わされた。財政的理由で二の足を踏む自治体には、清算事業団が「ならば競争入札を実施して直ちに民間に売却する」と恫喝めいた圧力をかけた。
こうした動きを国も後押しした。バブル崩壊後の地価下落をくい止めるため、あるいは総合経済対策の一環として国は、地方自治体や土地開発公社による土地取得を促進した。財政上の優遇措置や、金利負担の一部を地方交付税に上乗せする形で措置するなど、土地の買い支えと景気対策のための公共事業用地取得へと自治体を誘導した。多くの土地開発公社が、使用の目途も立たないまま大量の土地を抱え込み、さらなる地価下落で膨大な含み損を抱え込んだ。
その後も、景気後退による税収の落ち込み、小泉政権下の「三位一体改革」以来の度重なる地方交付税交付金の削減、国民健康保険の国庫負担率引き下げ、生活保護の補助率カットなどが地方自治体に追い打ちをかけ、壊滅的ともいえる財政危機に陥れた。
これが、「行政改革」「官から民へ」「国から地方へ」を旗印にした新自由主義30年の実態だ。大銀行などには湯水のように税金を注ぎ込んで救済する一方、そのツケは次から次へと地方自治体や労働者階級人民に回してきただけではないか。
道州制−民営化は地方切り捨て
以上の点は、公的資産略奪と地方切り捨てのほんの一端にすぎない。分割・民営化当時の国鉄資産は、土地や車両、施設をあわせて2百兆円と言われた。巨大資本と一部高級官僚がこれに群がり、分捕り合いを演じ、山分けした。中野洋前動労千葉委員長は、こうした分割・民営化の本質を暴き「こんなことのために、なぜ国鉄労働者の首が切られて闇から闇に葬り去られなければならないのでしょうか。悪者にされ、犯罪人のように、なぜ扱われなければならないのですか。冗談じゃない」と国鉄労働者に決起を呼びかけた(『俺たちは鉄路に生きる』)。
分割・民営化後もJRは、不採算部門の切り捨てと都市部への経営資源集中を加速してきた。都市部でも、駅ナカ・ビジネスで客を囲い込むことで各地の駅前商店街を衰退に追い込んでいる。
JR東日本による業務全面外注化は、鉄道業務を丸ごと下請け会社に放り出すと同時に、徹底的に地方を切り捨て、文字通り生きていけない現実を強いる。全面外注化攻撃に職場と地域から広範な怒りの反撃をたたきつけよう。
(日高隆)
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週刊『前進』(2531号4面1)(2012/04/09 )
4・19法大デモ―文科省行動へ
処分撤回!原発再稼働阻止! 大学を学生の手に取り戻そう
4・19は大学から声を上げ行動を起こす日だ
「学生が声を上げる日にしよう」「大学で原発反対を言えないのはおかしい」「学生がすべての人たちの先頭に立つ日にしたい」「誰でも参加できる行動にしたい」――4・19法大デモ&文科省行動に向かって、学生それぞれの思いが語られ始めている。そこに共通していることは、“大学の現状を変え、学生の行動を巻き起こしたい”という思いだ。4・19行動に向かって、この思いが何より法大生の心からの希求として語られている。
“学生が声を上げられる日にしたい”――シンプルかつ当たり前とも言えるこの希求は学生のどのような現状から来ているのか。一つに3・11以降の大学の現状にある。3・11以降、全国で反原発デモが巻き起こり、一基の再稼働も許さない行動が展開された(現在54基中53基が停止)。多くの大学生がデモに参加している。一方で、街頭で学生が活性化している状況とは対照的に、大学では何事もなく授業が進められ、考える時間さえ与えられないほど就活やバイトに追われ、学生同士の結びつきがズタズタに断ち切られている。デモに出ている多くの学友から「キャンパスの現状をなんとかしたい」「大学に仲間がほしい」「もっと大学生の行動を巻き起こしたい」という声が相次いでいる。
二つに法大の現状にある。200台を超える監視カメラ、学生監視を専門業務とする職員、声を上げれば処分、年々強化されるキャンパス規制――。学生の行動を押しつぶすものばかりだ。これと一対で大学も学生も金もうけの手段とされ、その存在がトコトンおとしめられてきた。「教育の民営化」と学生の団結破壊――大学における新自由主義の核心だ。キャンパスの中から新自由主義を打ち破ることなしに、法大生が自由に声を上げることはできない。
法大闘争は新自由主義攻撃を打ち破ってきた
「大学が金もうけの道具にされている」「大学の中で学生が議論することもできない」――「教育の民営化」の実態と学生がバラバラにされている現実は、とりわけ3・11以降、多くの学生の共通認識となっている。今求められているのは「大学の新自由主義化を打ち破ることはできるか?」に対する回答である。
06年から始まった法大闘争は、大学当局との具体的攻防を通して新自由主義を打ち砕いてきた。その闘いは、常に国家権力と大学当局との壮絶な闘いの連続でもあった。先頭に立って声を上げる学生には処分・逮捕、ビラを受け取ればガードマンによる入構チェックや学生証チェック、サークル予算削減や処分などカネや単位を使っての恫喝。しかし、これら大学とは思えない卑劣なまでの攻撃との壮絶な闘いは、けっして辛さや苦しみだけが残る闘いではなかった。学生が太刀打ちすることができないかのように思える国家権力や大学資本を相手に、学生の団結した行動のみに依拠して一歩も引かずに真っ向から立ち向かうという壮大でダイナミックな闘いを展開してきた。しかも法大闘争はこの闘いに勝ち抜いてきている。
文連守りぬく
では、具体的に法大闘争はどんな攻防を通して新自由主義を打ち砕いてきたのか。
一つは、「非公認化」をはね返して学生の団結の要である文化連盟を守り抜いたことである。大学の新自由主義化の妨害物になっていたのが50年の歴史を有する文化連盟を筆頭とするサークル連合体であった。文化連盟は、3万法大生の先頭に立って大学の不正や規制を学生の団結と行動によってはね返していた自治組織であったからだ。
当局の「非公認化」のやり方は、実に卑劣極まりない。サークル予算カットと暴力ガードマン、カネと暴力で学生を黙らせたのだ。しかし、08年に斎藤郁真君(現全学連委員長)を文連委員長に押し立て「これ以上の大学の暴挙を許さない。一人の仲間も見捨てない」と発し、文化連盟が法大生の団結の要になってきた。それは「教育の民営化」攻撃が激化していく中で、いかなる処分も弾圧もはね返し、今も新たな仲間を加えながら前進するという前人未到の闘いである。4・19は、全国300万学生に「学生は新自由主義を打ち砕くことができる」ことを示す闘いにしよう!
営業権許さず
二つは、営業権・施設管理権との闘いである。「営業権」とは、「教育」を語って金もうけすることであり、利潤を生み出さないものを排除することである。また「施設管理権」とは、「大学の決定権は理事会にある」として、大学を私物化することである。これにより、何十年にもわたって法大学生運動の中で継承し発展させてきたサークル活動と自主法政祭を破壊しにきている。
法大闘争は「学生こそがキャンパスの主人公である」ことを掲げ、「営業権」「施設管理権」に絶対反対の立場で闘い抜いてきた。
これに対して大学肝いりの学生団体は「私立だからしょうがない」「学生は当局の力を借りないと何もできない」といった論調でひれ伏し続け、今年度から自主法政祭の全面禁酒も決定された。
今まで自分たちが振りまいていた“当局に譲歩すれば、規制が弱まる”といった幻想が打ち砕かれている。攻撃が激しい時こそ、勝利の展望は学生の団結の中からしか生み出されないのだ。すでに文化連盟の呼びかけに応えて「今度こそは規制を止めたい」という声が上がってきている。キャンパスを理事会から学生の手に取り戻す闘いは、これからが大勝負だ。
処分撤回闘争
三つは、処分撤回闘争である。当局と最先頭で闘い抜いてきた学友の処分が強行されるたびに、法大生は怒りの声を上げてきた。不当に処分された“学友のために声を上げる”中で当局の強権支配を打ち砕いてきたのだ。この中で学生としてトコトン踏みにじられてきた誇りや可能性、団結と共同性をよみがえらせてきた。
大学を学生の手に取り戻すことは、不当処分されキャンパスから排除された学生をキャンパスに取り返すことだ。4月19日、「不当処分撤回」を掲げて巨大デモで法大総長室に進撃しよう!
福島大生との連帯固め300万学生の先頭で闘う
7年目を迎えた法大闘争は、3・11以降、福島大生と強固に結びつきながら前進している。福島大学の中から「原発反対」の声を上げている福島大生は、法大闘争にずっと注目し、「学生は声を上げられる存在である」ことを法大闘争からつかんだという。あらゆる重圧のもと、福島大学の中から「原発反対」の声を上げようと必死に立ち上がろうとしている福島大生が法大に駆けつけてきてくれる。福島大生とどこまでも連帯する行動を4・19で開始しよう!
4月19日は、学生が大学から原発を止める行動を巻き起こし、「原発は安全だ」と安全神話を振りまいて人類を滅亡へと導く御用学者を追放し、社会を変えていく日にしていこう。法大生と福島大生はその先頭に立とう! 法大キャンパスから300万学生の巨大な行動を巻き起こしていきましょう!
〔マル学同中核派法大支部〕
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週刊『前進』(2531号4面2)(2012/04/09 )
法大入学式で新入生と合流
4月3日は法政大学入学式。全学連と文化連盟は、式会場の日本武道館前(写真)と法大市ケ谷キャンパスに繰り出し、新入生と圧倒的に合流しました。キャンパス中央広場は、数百人を超えるサークル員で埋め尽され、新入生にビラを渡す花道ができ上がっています。新入生が花道を通るたびに、サークル員から沸き上がる歓喜の声!
法大当局は「交通ルール」を口実に、例年行われていた歩道でのビラまきを禁止し、正門の開門幅を縮小してきました。新歓つぶしそのものです。しかし、サークル員のパワーで圧倒! 正門から身を乗り出してビラまきを開始したサークル員と一緒に私たちも元気にビラまきをやりました。
サークル・学祭規制との闘いはいよいよこれからが勝負です。多くのサークル員と新入生とともに、4・19法大デモを盛り上げていきます! (法政大・倉岡雅美)
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週刊『前進』(2531号4面3)(2012/04/09 )
中国スターリン主義は大激動に突入 全人代が示したもの
バブル崩壊で成長率見直し労働者・農民への弾圧も強化
中国の第11期全国人民代表大会第5回会議が3月5日から14日まで、北京の人民大会堂で開催された。人民解放軍や武装警官70万人を動員し、戦車まで配備した重警備態勢の中で開催された今大会は、バブル崩壊の中で陸続と決起する労働者、農民のストライキ、抗議、反乱、暴動や諸民族の闘いの前に追いつめられている中国スターリン主義の姿を示した。
温家宝首相は「文化大革命の再来(の危険性)」を絶叫し、始まった中国大動乱への恐怖をあらわにし、刑事訴訟法改悪をはじめとする弾圧体制を強化することで中国スターリン主義体制を守ろうと必死になっている。中国スターリン主義と中国労働者階級の大激突は今や本格的に始まろうとしているのである。
大会は、米帝の新軍事戦略とTPP(環太平洋経済連携協定)政策の展開、欧州危機の直撃、そしてその中でのバブル経済の崩壊という中で開催された。
(写真 日系企業オーム電機で5千人がストに決起【3月29日 深せん】)
巨額の債務と失業問題、インフレの危機
2008年のリーマンショックで本格化した世界大恐慌の中で、中国スターリン主義は経済成長を続けるために4兆元(当時のレートで約56兆円)におよぶ国庫からの資金投入を行い、バブルによって中国経済の成長を維持した。そのバブルにわく中国市場に米帝など帝国主義が資金を投入することで、破局に直面した世界経済は辛うじて延命してきたのである。
しかしこの政策の結果、温家宝首相の政府活動報告によれば、中国は中央政府と地方政府はそれぞれ5500億元(7兆1500億円)、2500億元(3兆2500億円)という膨大な借金を抱えることとなってしまった。もはや膨大な財政投入で経済危機をのりきるのは困難な状況に入っている。そこに欧州経済危機が中国経済を直撃し、バブル経済自身も今や崩壊過程に入った。同政府活動報告によれば、2011年度の都市の失業率は4・1%で1千万人にのぼるとされている(これはあくまで都市戸籍を持つ者で失業者として登録された数にすぎない)。特に大学生の就職問題は深刻で100万人余りの大学生が就職できない状況になっているという。さらに2億5300万人といわれる農村部の出稼ぎ労働者の問題が失業問題に拍車をかけている。
こうして今大会では、経済成長率(国内総生産前年比伸び率)の目標を7・5%にするとし、一方で消費者物価指数の上昇率を4%前後に維持するとした。また都市部登録失業率を4・6%以下に維持するとした。
経済成長率を8%以下にしたのは8年ぶりである。一方で消費者物価指数の上昇率を4%前後に維持するとしたのは、激しいインフレが依然として続いていることを示している。インフレが依然として続く中で、経済成長率を見直し、減速させてなんとか成長を維持しようとしている。だが成長率の減速が失業問題の深刻化に拍車をかけることは明白である。
また「輸出入総額を10%伸ばす」としているが、これは、中国経済封じ込めを狙った米帝のTPP政策と全面激突することは不可避であり、米中対峙・対決を激化させ、対米対抗的な中国の軍事大国化を一層促進するものとなっていく。
全国に広がる決起恐れ刑事訴訟法を改悪
今大会で最大の焦点となったのが刑事訴訟法の改悪であった。特に問題となったのは73条と83条である。73条は「監視居住」制度(被疑者を警察の監視下に置く制度)について定めているが、今までの「自宅での監視」とは別に、「国家の安全に危害を及ぼす疑いのある犯罪やテロ活動犯罪、重要な賄賂(わいろ)事件で」「捜査に支障のある場合」は、「警察機関の指定した場所」で監視下に置くことができるという条項を新たに加え、政治的な嫌疑で被疑者を指定した場所に収容し、その自由を完全に奪うことができるようになった。83条は逮捕と勾留について規定しているが、「国家の安全に危害を及ぼす疑いのある犯罪やテロ活動犯罪で」「捜査に支障のある場合」は、「家族に通知せず」に逮捕や勾留ができることを新たに明文化した。
刑訴法改悪案は14日の最終日に、賛成2639票、反対160票、棄権57票で採択された。中国共産党の方針を支持する者以外はまず代表になれない大会で、これだけの反対票が出たことは、労働者階級の怒りの大きさを示している。
さらに刑事訴訟法の改悪と一体で、ネット規制の強化が打ち出され、実際に大会終了直後の3月16日から主要な四つの中国版ツイッター(微博、中国ではツイッターへのアクセスが禁止されており、中国独自のツイッター機能を持つミニブログがいくつもある)が実名登録制となり、実名と身分証番号を登録しないと書き込みなどができないようになった。
中国では今、バブル経済の崩壊の中で労働者のストライキが連日のように各地で闘われ、一方で烏坎村での闘争に促されて農民の決起が全国で相次いでいる。さらにチベットやウイグルでの諸民族の命懸けの闘いも爆発している。まさに中国は大動乱状況に突入しつつある。こうした労働者や農民、諸民族の闘いにおびえ、それをなんとしても圧殺しようとして刑事訴訟法が改悪され、ネット規制が強化されたのである。
温家宝「文化大革命」発言と重慶事件
こうした中国スターリン主義の大激動情勢への突入への危機感を吐露したのが、大会終了後の温家宝の記者会見での「文化大革命」発言である。
「今、改革は決定的な段階に入り、政治体制の改革がなければ、経済体制の改革は徹底せず、すでに得た改革と建設の成果を完全に失うこともありうるし、社会で新たに起きている問題に関しても根本的な解決ができなくなり、“文化大革命”のような歴史の悲劇が再び起きることもありうる。すべての責任ある党員と指導幹部は緊張感を持たなければならない」
この発言は、今大会を前にして発生したいわゆる「重慶事件」と関係がある。重慶市の副市長兼公安局長の王立軍が、不正事件の調査をめぐって薄煕来重慶市党委員会書記と対立関係となり、保護を求めて今年2月に米総領事館に逃げ込み、ついには薄書記の失脚につながった事件である。
昨年の中国共産党創設90周年に際して、薄煕来書記は自らの政治的思惑もかけて文化大革命期さながらの「紅歌運動」を展開した。人びとを動員して革命歌を歌う運動は、さらに中国革命の「革命聖地」ツアー運動とともに全国に拡大した。重慶市のみならず中央指導部も当初、「共産党への忠誠」を高める運動としてこれを推進したが、「極左的な思想を呼び覚まし、階級闘争というパンドラの箱を開ける恐れがある」(中国誌「人民論壇」)などの指摘が政権内部からされるようになった。
実際に運動の結果起きたことは、今の政権への疑問と怒りの拡大であった。例えば聖地ツアーで延安に行った労働者は、革命戦争当時の毛沢東の居室を見て「机とイスとベッド以外何もない。こんなに質素な生活をしていたのか……」とびっくりし、「今の共産党幹部のぜいたくな暮らしぶり……。あいつらは原点を完全に忘れている」という感想を持って帰ってくる。「紅歌運動」などの「共産党忠誠」運動は、皮肉なことに、労働者の階級意識を覚醒(かくせい)させ、階級闘争に拍車をかけてしまうのだ。
迫りくる大激動を肌身に感じている中国スターリン主義は、この恐れから「紅歌運動」を主導した重慶市指導部を憎悪し、この大激動を促進した責任を押しつけて彼らを処分したのである。
この事件は、一般的にはいわゆる太子党と共青団閥との党内権力闘争とされているが、そもそもこうした党内権力闘争自身が、今の中国スターリン主義のすさまじい破局の現実が生み出している「保守」派と「改革」派(一定の「政治改革」でのりきろうとする)の破産的な対立にほかならないし、重慶事件はその中国スターリン主義の破産が極限的な党内闘争として爆発したものだと言える。それは同時に、今年秋の中国共産党大会で確立するといわれている習近平新体制の危機を表すものでもある。
温家宝首相の「文化大革命」発言は、中国の階級闘争が新たな大激動情勢に入ったこと、それに対する中国スターリン主義の心底からの恐怖心を示している。今全人代は中国の階級闘争の現実を赤裸々に示した。
われわれは中国の労働者・農民の必死の闘いに連帯し、大恐慌と大震災・原発大事故にあえぎ、米帝の新軍事戦略と一体化してアジア侵略と原発再稼働へ進む日帝・野田政権を必ず打倒しよう。プロレタリア世界革命へ前進しよう。
〔河原善之〕
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週刊『前進』(2531号4面4)(2012/04/09 )
3月27日〜4月2日
2号機格納容器内は73Sv/防衛相がミサイル破壊措置命令
●2号機格納容器内、最高73シーベルト 東京電力は福島第一原発2号機の格納容器内で毎時7万2900_シーベルトの放射線を観測したと発表した。炉心溶融事故を起こした1〜3号機の格納容器内で放射線を直接測定したのは初めて。人は容易に近づけず、遠隔操作の機器も故障するおそれのある強さで、今後の廃炉作業の難しさが浮き彫りになった。(27日)
●保安院「活断層連動、考慮を」 原発周辺にある複数の活断層が連動してより大きな地震を起こす可能性を検討していた経済産業省原子力安全・保安院は、連動を考慮し耐震安全性を確かめるよう各電力会社に求めた。見直しを求められるのは、北海道電力泊、東京電力柏崎刈羽、日本原子力発電東海第二、敦賀、関西電力大飯、美浜、北陸電力志賀(しか)、中国電力島根の8原発と、研究炉の高速増殖原型炉「もんじゅ」。(28日)
●北朝鮮食糧支援、米が準備を中断
米国務省のヌーランド報道官は会見で、北朝鮮への食糧支援について「現時点で前進はない」と述べ、支援の準備作業を中断していることを明らかにした。「(米朝間の)合意事項が尊重されるとの確証がなければ食糧支援は困難だ」とも述べた。北朝鮮が「人工衛星打ち上げ」として長距離弾道ミサイルの発射を予告したことを受けた措置。(28日)
●北朝鮮有事想定、米韓両軍が訓練
米韓両軍は韓国東部の浦項で、1989年の米韓合同演習以降で最大規模となる合同上陸訓練を始めた。在韓米軍関係者が明らかにした。北朝鮮の有事を想定している。上陸訓練には米韓の海兵隊が参加し、1日で終える予定。(29日)
●ミサイル破壊命令 野田政権は安全保障会議(議長・野田佳彦首相)を開き、北朝鮮が発射予告した長距離弾道ミサイルが落下する場合に備え、自衛隊法に基づく「弾道ミサイル破壊措置命令」を発令することを決めた。これを受け、田中直紀防衛相は自衛隊に対して破壊措置命令を出した。命令期間は30日から4月16日まで。(30日)
●消費増税法案、閣議決定 野田内閣は消費増税法案を閣議決定し、国会に提出した。現在5%の税率を2014年4月に8%、15年10月に10%に引き上げる。亀井静香代表が連立離脱を表明して分裂状態にある国民新党の自見庄三郎金融相も閣議で署名した。消費税率引き上げ法案の閣議決定は、3%から5%への引き上げを決めた94年の村山内閣以来18年ぶり。(30日)
●避難区域見直しへ 野田政権は原子力災害対策本部で、東京電力福島第一原発周辺に設けた避難区域のうち、4月から南相馬市、田村市、川内村を先行させて見直す方針を決めた。放射線量が低い地域は立ち入り規制を緩め、道路の通行や一時帰宅もより柔軟に認める。(30日)
●大飯原発再稼働判断先送り 野田首相は枝野経産相らと協議し、大飯原発3、4号機再稼働の政治判断を先送りする方針を固めた。京都府や滋賀県などの反発を考慮して。(2日)
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週刊『前進』(2531号4面5)(2012/04/09 )
【要項】 4・19原発いらない!大学生が立ち上がる日、改憲阻止!原発なくせ!4・28沖縄・憲法集会
法大包囲の全国学生デモ&文部科学省行動
4・19原発いらない!大学生が立ち上がる日
★法大生への不当処分撤回!大学を学生の手に取り戻そう!
4月19日(木)
正午 法政大学市ヶ谷キャンパス正門前集合
法大九段校舎・総長室へ向けデモ
午後3時 経済産業省前テント集合
文科省へ要請行動
【呼びかけ】4・19法大―文部科学省行動実行委員会
(連絡先 全学連/法政大学文化連盟)
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【集会要項】
改憲阻止!原発なくせ!
4・28沖縄・憲法集会
講師 滝本匠さん(琉球新報記者)
清水雅彦さん(日本体育大学准教授・憲法学)
西川重則さん(百万人署名運動事務局長)
4月28日(土) 午後1時15分開始
北とぴあ2階 つつじホール(東京都北区王子1丁目、JR・地下鉄南北線 王子駅下車)
主催/とめよう戦争への道!百万人署名運動
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週刊『前進』(2531号5面1)(2012/04/09 )
大恐慌の現局面と4―6月決戦
超金融緩和で制御不能の暴走 過剰資本過剰生産力状態も解消されず
3・11一周年の闘いが、福島現地を先頭に圧倒的にかちとられたことの革命的意義は計り知れない。この一大決起はまさに戦略的意義をもち、大恐慌下の全階級情勢を揺るがす力をもつものだ。新自由主義の破産に直面し、国際争闘戦での脱落の危機に突き落とされている日帝ブルジョアジーは、労働者人民の怒りの爆発に恐怖し、今や人類史上最悪の支配階級として、延命を求めて絶望的凶暴化へと突き進んでいる。闘う労働組合による職場生産点からの決起を土台に、日帝と新自由主義に対する全階級、全人民の怒りをさらに決定的に解き放ち、階級的力関係の大転換をめざして進む時が来た。国鉄闘争全国運動6・10大集会へ向け全戦線で新たな決戦に打って出よう。以下、4〜6月決戦勝利のために世界大恐慌の現局面について明らかにする。
財政危機が爆発する一方で余剰マネーはあふれている
世界大恐慌情勢の現局面は、この間の米欧日帝国主義の超金融緩和政策で、状況が改善に向かっているかのように宣伝されている。しかし、これはまったく正反対である。本質的にはむしろ逆の事態が激烈に進行し始めている。
超金融緩和政策は、未曽有の大恐慌の重圧のすさまじさに決定的に追いつめられた帝国主義ブルジョアジーが、カンフルにつぐカンフルの展開という制御不能な暴走過程に突入してしまったことを意味している。
ギリシャを突破口に国債暴落時代へ突入
現在進行している超金融緩和政策の競争的展開を一挙にレベルアップしたのが、ECB(欧州中央銀行)による11年12月末の、欧州500金融機関への総額4890億ユーロ の巨大な資金供与であった。これは、QE2(金融の量的緩和第2弾)の際に米FRB(連邦準備制度理事会)が半年かけて展開した国債や公債の購入の総量=9千億jの半分を、たった1日で放出したということである。
しかもこの資金供与は、欧銀側のほとんど不良債権といっていいような債権を担保に、1%の超低金利、期間3年間、無制限貸し出しという野放図きわまる条件で行われた。
この巨大資金の供与は、破産の危機に瀕(ひん)している銀行には、いわば徳政令のようなものであった。この結果が当座の一時のりきりの役に立ったとしても、中長期的にみれば重大な危機を引き起こすことは明白なのだ。
ECBがこれほどの「暴走」をあえてしなければならなかったのはなぜか。11年11〜12月のプロセスで、ギリシャ危機の爆発からイタリア国債、スペイン国債の暴落、ひいてはフランス国債の暴落、ドイツの決定的動揺という事態へと発展する可能性が現実に存在していたということだ。
当時、欧州の銀行はすべて相互不信で、相互の流動性は凍りついて動けないという、かつてのリーマン・ショック時と同じ状況にあった。すなわち、ヨーロッパ恐慌の全面的大爆発の入り口に突入していた。これはけっして幻でも何でもない。本物の恐慌突入の重圧が現にあったのだ。
そして、当然のことだが、この欧州を襲った金融危機、金融システム危機の嵐が国債暴落時代の到来を突きつけるにいたった。各国政府は財政赤字の削減に競って突入するしかなかった。欧州の実体経済は急速に収縮し、軒並みマイナス成長(または超低成長)に陥った。世界経済の重要な一角で生じたこの経済収縮が世界全体に作用しないことなどありえなかった。
この欧州恐慌の爆発開始への恐怖がECBを超金融緩和政策へと走らせた。そしてまた、欧州の実体経済の収縮の世界経済へのインパクトの重大性が明確になった。この二つの事柄から、12年に入って米欧日帝国主義の財政金融当局による超緩和政策が全面的に、競争的に展開されることになった。
こうして、米欧日においては財政危機にもかかわらず野放図な財政投入が行われ、余剰マネーがあふれかえっている。では、これによって世界経済は大々的に回復し、大恐慌を脱却していくことができるのか。絶対に否なのである。
今次大恐慌は歴史的な「過剰資本・過剰生産力」の蓄積を基底に爆発している。しかも、それが基軸国・米帝の没落による世界経済体制の根底的崩壊、世界経済の分裂化・ブロック化の進行と同時に、一体的に爆発している。欧州恐慌はこの大恐慌の一環として、それを激化させるものとして、ついに爆発したものだった。
これと一体で、中国バブルの崩壊が残存スターリン主義の矛盾の爆発として、恐るべき政治的危機の爆発と一体化して今まさに進展している。この中国の本格的な「恐慌的収縮」は、2012〜13年の過程を契機に一挙に進むものとしてある。こうして、欧州情勢や中国情勢は米帝をも揺るがすし、日帝をも徹底的に揺るがすのだ。
今次の大恐慌においては、過剰資本・過剰生産力の実体的破壊はきわめて不十分で、ほとんど本格的には進行していない。はっきり言って、自動車産業でいえばGMなど、とっくの昔に消え去っていなければならないものだった。しかし、帝国主義的独占体の力と帝国主義政府の政策、とりわけ財政散布の野放図なマネーの洪水方式がとられ、帝国主義間争闘戦の激しい進行もあって、こうした「資本整理」は進行していない。この意味では米・欧・日はいずれも似たり寄ったりだ。
したがって、NYダウが1万3千j台を超えたとか、日経平均が1万円の大台を超えたとか、円が円高から円安へあっという間に急落したとか言っても、大恐慌の深化・発展の流れを止めることなどけっしてできない。今次大恐慌の過程でも、何度も何度も「今度こそ改善へ」と言われながら、実際にはジグザグしているにすぎない状況なのである。
世界市場の分割・再分割戦と帝間の軍事的対立が激化へ
以下、簡単に、米・欧・日について問題点を確認していきたい。
欧州では、あまりの危機の深さに奈落の底を見て震えあがったが、ECBの超金融緩和の暴走で一時しのいでいることを「改善」と言っているだけだ。ギリシャ支援体制がひとまずできたと言っているが、これはギリシャ問題の爆発を阻止するものにはなりえない。恐るべき超財政緊縮政策で、すなわちギリシャの労働者人民を全面的に犠牲にし圧殺して、のりきることなど不可能だ。ギリシャ・プロレタリアートは絶対にこれと対決して、この反革命を粉砕していくだろう。
経済的にみてもギリシャの実体経済は、11年第4四半期のGDP(国内総生産)成長率がマイナス7・5%である。7四半期続けてのマイナスだ。超緊縮財政下で2012年がプラス成長になるはずはない。ギリシャの財政はさらに破綻する。ドイツ・フランスもECBも、この現実を根底的にのりこえる力も方策もない。
さらに、スペイン、ポルトガルなどへの財政危機爆発の波及は必至だ。ポルトガルの国債利回りは再び上昇して14%台になり、スペインも5%強でイタリアより高い利回りになった。これらの国はGDPも収縮を続けている。失業率が跳ね上がっている。スペインの若年失業率はなんと50・1%! 遅かれ早かれスペインなどの国債暴落が始まり、それは再びイタリアを直撃し、フランスに迫っていく。要するに欧州恐慌の爆発はこれからなのだ。EU(欧州連合)解体の危機はどんどん深まっていると言って間違いない。
危機の突破をかけた米帝の新軍事戦略
アメリカでは、FRB議長のバーナンキが14年末まで超低金利を保証するから投資を、いや投機もどんどんやれ、株式投資をしろとわめいている。これで株価が上がれば資産効果を生み、高額商品が売れ、設備投資も動き、雇用も増えるなどとしている。
だが過剰資本の整理のない過剰マネー氾濫(はんらん)は、必ず商品投機とりわけ原油などへの投機となり、悪性インフレを招来して、最後は長期不況の危機にのめり込むことになる。
この間の米経済の「好調」うんぬんのデータは、大きくは多国籍大独占企業の輸出、特に中国への輸出の「好調」が土台になっている。しかしこれはたちまち崩れるはずだ。今の金融超緩和競争の結果、日帝も追いつめられて「インフレ目標」政策に突っ込んだ結果、円安の方向に向かっている。これは対ドルで相当の力となり、このままの円安が続くなら米市場・世界市場で米帝の勢力拡大の進行がストップを強いられるのは必至である。
すでに米の輸出は伸び悩んでいる。これには中国経済の大減速の進行も大きく作用しており、欧州経済の収縮も作用している。つまり大恐慌の大波が外から米帝を襲い始めたのだ。
財政投入や余剰マネーの氾濫では、住宅不況も根底的にはのりこえられない。住宅価格は今や2番底に突入している。過剰資本・過剰生産力のもとでのマネーの氾濫で、大独占は独占的利益を得ても、膨大な失業者を再吸収することなど到底できない。むしろ、リストラでますます失業者を生み出している。また、雇用増大といっても超低賃金の非正規雇用が圧倒的で、個人消費の拡大など本格化しない。
米帝はこうした行きづまりのなか、オバマ政権のもとでますます「輸出戦略」=帝国主義間争闘戦に国内矛盾ののりきりをかけている。だが今日の大恐慌情勢の現実は、財政投入やマネーの氾濫では結局どうにもならないということ、世界経済は全体として停滞しているということである。
そこから出てくることは、膨張しない、逆に収縮する世界市場で激しく分割・再分割戦をやり、そこで勝ちぬくことだ。それが米帝にとっての大恐慌対策の特効薬となる。そのためには他の帝国主義を打倒し、滅ぼさなければならない。それがまた市場を狭める。争闘戦はいよいよ激化する。軍事対立もますます激化する。この軍事対立の現実こそ、大恐慌の現局面の恐るべき特質として、しっかり確認しなければならない。米帝の新軍事戦略は、これに対応した米帝の世界大的な争闘戦戦略として打ち出されてきているのだ。
争闘戦からの「脱落」的危機深める日帝の絶望的凶暴化
こうしたなかで、日帝はまさに国際争闘戦における「脱落」的危機を深めている。3・11大震災と原発大事故による打撃はのりこえられない。帝国主義としては無理なのだ。さらに日帝の財政赤字問題は、国債暴落時代の重圧にもはや耐えられない。
今日進行している円安には、二重の問題がはらまれている。ひとつは、円安は当面、対米・対世界で日帝の輸出力の上昇に通じるが、これは他帝とりわけ米帝とEU帝が打撃を受けることになる。米欧がこの日帝の動きをそのまま許すことはない。あらゆる形で日帝への重圧がつくりだされる。つまり日帝の輸出立国など到底成立しない。
いまひとつ、円安問題は、ひとつ転べば日本国債からの外国資本の引き揚げという問題を引き起こしかねない。結局、円安は日帝の救いなどにはならないということだ。
日帝にとって今、決定的なことは、大恐慌下の世界経済の収縮傾向の激化がすさまじい国際争闘戦となり、日帝が他帝国主義による最大の攻撃対象となっていることだ。そもそも日帝の最大の同盟者である米帝こそ、最大の対日攻撃者なのである。
追いつめられた日帝ブルジョアジーと野田政権は、激しい新自由主義攻撃とその絶望的凶暴化政策へと突進している。それは、滅び去る階級の破れかぶれのあがきとして、労働者階級人民に暴力的に襲いかかっている。まさしく「ショック・ドクトリン」的な凶暴な政策へののめり込みである。
大増税、再稼働、戦争と改憲の野田打倒を
ひとつは、消費税大増税への突進であり、そのための前提という形をとった公務員労働者―4大産別への大量首切りと非正規職化、労組破壊の大反革命攻撃である。これはしかし、JR再編攻防をめぐる国鉄決戦を基軸として、全プロレタリアートと必ず激突する。それはすでに、野田の攻撃と一体の橋下反革命をめぐる階級的激突の激化として進行している。
いまひとつは、原発再稼動―原発政策推進への暴力的突入策動だ。電力問題は今日の大恐慌情勢下で、国際争闘戦の焦点として、石油・天然ガスの高騰など深刻な問題に発展しており、原発再稼働は日帝・新自由主義の命綱になってきている。日帝は、東電や原子力村体制の延命と再建をかけ、暴力的決断をもって再稼働に踏み切ろうともがいているが、そこには労働者人民の巨大な反撃力が立ちはだかっている。
三つめには、戦争・改憲策動の強まりである。帝国主義間争闘戦の戦争的爆発の危機が、イラン情勢、北朝鮮情勢、あるいはシリア・パレスチナ・アフガニスタン情勢といった形で激化している。また、巨大経済大国化した中国スターリン主義の軍事力拡大政策の重圧が日帝の焦りに拍車をかけている。日帝はこのため日米同盟の強化を唱えつつ、日帝自身の軍事力の強大化を必死に狙っている。
北朝鮮の「人工衛星」=長距離ミサイル発射を巡る日米帝の臨戦態勢、とりわけ日帝のミサイル迎撃態勢構築は、朝鮮侵略戦争への有事体制発動そのものだ。戦争・改憲攻撃の決定的激化であり、沖縄闘争圧殺の攻撃である。反原発闘争の圧殺とこの沖縄・安保政策は一体だ。また橋下の教育労働者や自治体労働者への攻撃は、4大産別への民営化・外注化攻撃と対決する労働者階級、労働組合への破壊攻撃であると同時に改憲策動そのものだ。
これら一切の攻撃に対し、3・11一周年の闘いに大勝利した力をさらに打ち固め、労働者階級人民の闘いを爆発させていくなら、原発再稼働阻止をはじめ全攻撃の粉砕は可能である。それは、日帝とその政治体制を崩壊的危機にたたき込み、階級的力関係を根底から変えるものとなる。
「国鉄決戦と反原発・反失業闘争の一体的大爆発でプロレタリア世界革命へ」――本年1・1アピールで提起したこの路線を徹底的に実践することこそ、現在の世界大恐慌情勢に最も正しく対応するものだ。世界のプロレタリアートは今、ギリシャ、ヨーロッパで、アメリカで、韓国、中国で、エジプト、インド、ブラジルで、全世界いたるところで新自由主義との闘いに決起している。日本の労働者階級と労働組合が今こそ立ち上がる時である!
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週刊『前進』(2531号5面2)(2012/04/09 )
裁判員制度廃止へ集会
“原発と最高裁も終わりに”
「裁判員制度はいらない!大運動」の主催で、「終わりへ!裁判員制度・原発と最高裁」を掲げた集会が3月30日、東京・霞が関の弁護士会館2階クレオで開かれ、270人の労働者・市民が集まった。集会は、破綻しきっている裁判員制度を必ず廃止に追い込むことができるという確信を全参加者に与えた。
第1部は、大運動呼びかけ人の高山俊吉弁護士がインタビュアーの質問に答える形で進んだ。
「3・11以降、裁判員制度の意味も変わったのでは」と問われた高山弁護士は次のように強調した。「国民が国を信用せず、権威を認めなくなったことが決定的だ。裁判員制度と原発は深くつながっている。ほとんどの国民から嫌われているのに、支配階級はこれらをやめようとしない。政治・経済の危機を裁判員制度や原発で突破しようとしているからだ」
また、最高裁が震災直後に東北各県で裁判員裁判を強行しようとしたことを「人間のすることではない」と怒りを込めて弾劾した。最高裁は、裁判員裁判による一審有罪判決を覆した高裁判決を「裁判員裁判の結果を尊重すべきだ」という理由で再度逆転させている。また小川法相は、裁判員裁判でも死刑は是認されているとして死刑執行を強行した。
高山弁護士はこれらの事実を暴きつつ「司法がなりふり構わなくなっているのは、今がすでに戦時に入っているからだ。戦時司法の特徴は“簡易・迅速・重罰”だ」と指摘、最後に「裁判員に選ばれて出頭する人は15%程度で、制度は完全に破綻した。全原発が停止すれば空はさわやかになる。そこに裁判員制度廃止の旗を高く掲げよう」と訴えた。
第2部は、先の日弁連会長選挙戦を闘った森川文人弁護士の司会で、大運動呼びかけ人の織田信夫弁護士、「週刊金曜日」編集部の成澤宗男さん、郵政非正規ユニオンの斎藤裕介委員長が壇上で熱く討論。
織田弁護士は「裁判員制度は『国民の司法参加』という外形をとりながら、内実はきわめて国家主義的だ。裁判員に動員される国民の負担は考えていない」と発言。
成澤さんは「裁判員制度をいいものに描いてきたメディアの責任は大きい。80年代、土光臨調を持ち上げて新自由主義を真っ先に持ち込んだのもメディアだ。そのうそが全部ばれた」と述べ、「権力の策動が見事に破綻したのは原発と裁判員制度。今が裁判員制度を覆せるかどうかの正念場だ」と訴えた。
斎藤委員長は、裁判員候補者に選ばれたという通知が来たことを報告し「私にこんな通知が来たのはチャンス」と闘志をみなぎらせた。非正規労働者の現実に触れ、「青年は政府を信じていない。誰かがなんとかしてくれるとは思っていない。自分が行動しなければ変わらない」と述べ、「国は『原発は安全』とうそをついた。人の命を奪っている彼らを裁かないで、裁判員制度などナンセンス。こんなものに参加できない」と宣言。
仙台弁護士会所属の織田弁護士が「原発事故で生活の一切を奪われた。私たちが本当の主権者なら、権力を持つ者を疑い、批判し監視して、必要な制裁を加えなければならない。市民の英知を結集して裁判員制度廃止を」とまとめ、5月21日に日比谷公会堂で開かれる裁判員制度廃止集会の大成功を呼びかけた。
(写真 パネルディスカッションで熱い討論【3月30日 霞が関】)
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週刊『前進』(2531号5面3)(2012/04/09 )
三里塚裁判傍聴を!
◎市東さん耕作権裁判
4月9日(月)午前10時30分 千葉地裁
◎市東さん行政訴訟・農地法裁判
4月23日(月)午後1時30分 千葉地裁
(傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合)
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週刊『前進』(2531号6面1)(2012/04/09 )
団結ひろば 投稿コーナー
『私たちが見えますか』を読み目頭熱く 東京 栗原祐希
「ろう城をやりながら新しい人生を迎えた。みんなで話し合いをしながら自分たちの意志をはっきりと言う。今では所長が『おばさん』と言おうもんなら、『おばさんって何よ。名前で呼べ』と誰かが言う。『これこそまさにうちらの力だ』」(『私たちが見えますか―弘益[ホンイク]大清掃・警備労働者の物語』イ・スンウォン、チョン・ギョンウォン共著、広沢こう志訳、労働者学習センター発行)
労働者は闘いで生まれ変わる。闘って労働者になる。韓国・弘益大学の清掃・警備の非正規・請負労働者たちが、最低賃金以下の給料、昼食をトイレでとる劣悪な労働環境、組合結成に対する突然の解雇、労働者と労働を軽視する大学当局への憤りから、組合をつくり、ろう城ストを闘って勝利した物語だ。
仲間のほとんどが朝鮮戦争の時代に生まれ、軍事政権とIMF構造調整に翻弄(ほんろう)された人生を歩み、さまざまな事情からこの仕事についたという。
目頭が熱くなった。自分の親の世代、しかも普通の労働者がろう城闘争?――初めは困惑した。しかしそれが労働者なのだ。理屈ではなく絶対に立ち上がる。そして怒りと闘いを組織する人がいた。僕らが11月に会う民主労総・公共連盟ソウル支部の組織戦も描かれている。
「人間として扱え」と叫び、「闘いの中で団結を知り人間性を取り戻した」この闘いは、大恐慌下のすべての労働者の叫び、欲求だ。大学に直接雇用を求め、「非正規職を子や孫に残すな」と職場に戻って闘いは続く。
仲間を組織するために何を訴えるのかを考える一助になります。
津波警報下に仕事を続けさせる請負・派遣 湘北合同労組 立石亜夜
私は普通に見えてアスペルガー障害を持つ、湘北合同労組の組合員です。昨年の3月11日、広告代理店から請負・派遣され、藤沢でめがね店のオープンキャンペーンのティッシュ配りをしていました。全員女子で朝から夕方まで仕事をして、夜には「別の人」が来ることになっていました。
体力を相当使ったお昼頃、周りのビルがゆがんで見え、私も立てなくなりました。地震が来たのです。津波警報が流れましたが、どこが震源地でどこから津波が来るのかもわからず、恐怖の中、会社に連絡しようとみんなで電話をかけたりメールをしたりしました。私がつながり、メールで指示が出ました。「継続して配布してください」
「ふざけるな!!「津波がどこから来るのかわからない」とメールしましたが、応答はなく、気づいたらクライアントのめがね店は閉店。中止命令がないので配りました。交代の「別の人」(別会社の人で「二重派遣」)は来ず、その人たちがやるはずの最後の時間まで配り続けました。
この後、仕事の募集はあるものの電車が動かない。しばらくして仕事の話はなくなりました。給与明細書を会社に請求しましたが、ここからが大問題。何度も催促したのですが、社長は「会社のパソコンまで行けないので待ってくれ」と意味不明な回答を続け、1カ月後にようやく届きました。その後、会社へのすべての電話番号は突然つながらなくなり、全員が職を失ったのです。
究極の非正規である請負・派遣が破綻し始めているのです。資本主義は終わりだ! 革命を起こし、資本主義を破滅させるしかないのです。
映画「ジャマイカ/楽園の真実」に衝撃 東京 国木田亨
堤未果の新刊『政府は必ず嘘(うそ)をつく』で紹介されていた映画「ジャマイカ/楽園の真実」(2001年)を見て衝撃を受けた。
観光客には「カリブ海に浮かぶ楽園」としか見えないジャマイカ。実は農業も畜産も新自由主義によって徹底的に破壊され労働者は窮乏化した。
IMFが「途上国」への融資の条件として市場の開放、規制緩和、国内保護措置を撤廃させた結果、アメリカやカナダからの安い農産物で農業は壊滅的な打撃を受けた。
さらに政府が雇用創出として進めた経済特区では、労働者はアメリカのブランド衣料品などをすさまじい低賃金のもと、厳しいノルマを課せられて作らされた。ついに怒りはストライキとなって爆発した。しかし外国資本はさんざん荒稼ぎした後、賃金も未払いのまま、さらに賃金が安い国へと移転。ジャマイカには特区建設の借金だけが残った。税金が上げられ暴動が頻発。いまの中国の先取りのようだ。
何よりも驚いたのは、安い粉ミルクが輸入されたために廃墟(はいきょ)になった牛舎が、放射能でめちゃめちゃにされた福島の農家とそっくりなこと。労働組合も禁止され奴隷のように働かされるフリー・トレードゾーンこそ復興特区がめざすものだ。こうやって資本主義は延命してきたのだ。自然災害や戦災、原発震災に乗じて利益をむさぼる資本との対決は、われわれ自身の課題となった。
映画にはボブ・マーリーを始め多くのレゲエ音楽が流れる。革命や団結を訴える反骨のレゲエがジャマイカから生まれた理由を初めて知った。世界と一つになり、資本との戦争に勝利しよう。
福嶋さん上告棄却弾劾4同志の奮戦に応える 岡山マスカットユニオン P
3月5日、福嶋裁判の上告棄却決定がなされました。上告審闘争では、福嶋昌男同志有罪の根拠とされた筆跡鑑定・指紋鑑定に対し、科学的視点からの反論をたたきつけました。その上での棄却決定です。絶対に許すことはできません。
須賀同志、十亀同志、板垣同志の差し戻し控訴審も目前に迫ってます。
3同志への最初の無罪判決の大きさに恐怖した高裁の差し戻し決定。差し戻し一審の判決は、物証などの直接的証拠がない中で、検察・裁判所が一体となって推論に推論を重ねた暴論を満展開し、3同志に重刑を科しました。断固、粉砕しなければなりません。
日帝は帝国主義間争闘戦から脱落し、危機に瀕(ひん)しています。だからこそ、日帝は迎賓館・横田裁判に執念を持ち、長期の獄中生活(未決勾留)を強制した上で、「見せしめ」的に更なる長期投獄を狙っています。それは日帝の「強さ」の表れではなく「弱さ」の表れです。
何よりも、私たち自身が4同志の無実を確信し、怒りを燃やすことが必要です。4・29集会は決定的です。上告棄却弾劾、差し戻し控訴審勝利へ、4同志の奮戦に全力で応えましょう。
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週刊『前進』(2531号6面2)(2012/04/09 )
直ちに異議申し立て 星野同志と弁護団
真実を踏みにじる高裁決定
3月30日、東京高裁第11刑事部(若原正樹裁判長)は、無実の星野文昭同志の第2次再審請求を棄却した。われわれはこの暴挙を絶対に許さない。4月3日、星野同志と弁護団は、沸き上がる怒りを込めて、東京高裁に異議申し立てを行った。獄中の星野同志と一体で4・20東京高裁包囲デモに立ち上がろう。
2・5闘争で窮地
星野同志は無実である。2009年11月に提出した第2次再審請求書と補充書(1)(2)(3)で、検察が星野同志を「機動隊員殺害の実行犯」にデッチあげたことは、具体的な根拠に基づき完全に明らかにされている。若原裁判長は、それを百も承知で棄却を決定したのだ。
この攻撃は日帝・野田政権の絶望的なあがきだ。世界大恐慌と3・11情勢下、脱落日帝は自らの延命のために労働者階級人民を犠牲にしようとしている。生命と生活を脅かされた労働者人民は、「生きさせろ!」という根底からの怒りを広大に燃え上がらせている。
2・5徳島刑務所包囲デモは、星野同志の怒りと青年労働者の怒り、被災地の人民の怒りが結合し、「星野を返せ」の闘いとして大爆発した。
日帝国家権力は、この闘いに追い詰められて、再審請求を棄却したのだ。星野同志奪還をめぐる国家権力との大攻防に突入している。労働者階級の団結を圧倒的に拡大し、星野同志奪還へ決意も新たに踏み出そう。
(写真 獄中37年、デッチあげ殺人罪−無期刑攻撃と不屈に闘う星野文昭同志。徳島刑務所在監) 取り調べを賛美
星野同志を犯人とするいかなる物的証拠もない。あるのは権力が密室で捏造(ねつぞう)した6人の学生の「供述調書」だけである。
第2次再審請求では、取調官の強制と誘導で「供述調書」がデッチあげられた事実を、「厳島鑑定書」によって科学的に暴いた。人間の記憶に関する心理学的知見と実験で、デモに参加した学生の「供述調書」が本来の記憶に基づくものではないことを明らかにした。
これに打撃を受けた若原裁判長は、「捜査官による誘導もそれが不当なものでない限り有効な記憶喚起の方法になる」と開き直った。若原はさらに、厳島教授が行った実験で、被験者が記憶している事柄が少ないのは「記憶喚起のための時間が短いからだ」と非難し、逆に「検察官調書が詳細なのは記憶喚起のために費やされた時間が長いからだ」と賛美している。
ふざけるな! 検察官の誘導は百パーセント不当だ。星野同志をデッチあげるために学生たちにうその「供述」を強制したのだ。取り調べは朝食後直ちに開始され、就寝時間を過ぎた午後9時、10時まで40日以上も続けられた。昼食も夕食も取り調べ室で取らされた。そして、「殺人罪」の恫喝でうその「供述」を強要され続けたのである。
若原裁判長は再審請求を棄却するために科学をねじまげ、デッチあげのための取り調べを賛美・正当化している。断じて許すことができない。
政治的な決定
星野同志が闘った1971年11・14沖縄返還協定批准阻止闘争の主力は青年労働者だった。国家権力は彼らへのデッチあげ弾圧を狙ったが、完全黙秘の前に粉砕されてしまった。追い詰められた権力は翌年1月半ばに方針転換。星野同志を「殺人犯人」にデッチあげるために群馬の学生に矛先を向け、見込みで次々と逮捕したのだ。
第2次再審請求書は具体的な証拠によってデッチあげ弾圧の構図を暴ききった。しかし棄却決定は「そのような事情から直ちに確定判決の事実認定が左右されるとは考えられない」と強弁。正義も真実も基本的人権も投げ捨てた政治的決定だ。
全証拠の開示を
国鉄決戦と反原発闘争は生きるための闘いに決起した全労働者人民の結集軸として発展している。動労千葉は4・1検修・構内業務外注化を阻止した。郡山での3・11原発いらない福島県民大集会には1万6千人が大結集、福島の怒りを圧殺し原発再稼働を狙う野田政権に大打撃を強制した。この勝利の地平から星野同志奪還へ突き進もう。
勝利の鍵は全証拠の開示である。検察官は星野同志の無実を証明する証拠をいまだに隠し持っている。全証拠を開示させる大運動を全国で巻き起こそう。全人民的大運動をつくり出そう。
星野同志と固く団結し、東京高裁徹底弾劾・星野同志奪還の闘いに猛然と決起しよう。4月20日、星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議が呼びかけている東京高裁包囲デモに全力で結集し、怒りの声をあげよう。
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週刊『前進』(2531号6面3)(2012/04/09 )
数人に交通全面禁止
徳島刑務所が報復的弾圧
全国から600人が結集して闘い抜かれた2・5徳島刑務所包囲デモに大打撃を受けた日帝・法務省・徳島刑務所は、再審請求棄却決定の前、2月中旬、星野同志との分断攻撃をさらにエスカレートさせてきた。
2・5デモを先頭で闘った同志・支援者を特定して、星野同志との交通を一切禁止してきたのだ。これがなんと数人に上っている可能性がある。面会、手紙、差し入れなどを全面的に禁止する攻撃であり、断じて許すことができない。
さらに、獄外から送った手紙が差し止めにされ、星野同志に届かなかったものが5通、手紙の一部が墨塗り・抹消されたものが9通だ。星野暁子さんの手紙も墨塗りされたり、星野同志へ届くのが遅れたりしているのだ。
また、『前進』、「星野再審ニュース」をはじめ、各種機関紙、パンフ、ビラなども、2・5闘争に関する部分が全部墨塗りされている。
2・5闘争は、家族、友人、闘う仲間と星野同志を分断してきた獄壁を打ち破り、全国労組交流センターなど600人が星野同志と一体となった。今回の弾圧はこれに恐怖した徳島刑務所のまったく不当な分断攻撃だ。心底から怒りが沸き起こる。
1975年8月に不当逮捕されて以降、獄中37年を生き抜き、闘い抜く星野同志への獄中弾圧を打ち砕こう。星野同志を国家権力の攻撃から防衛し、星野同志奪還へ、広大な救援運動を闘いとろう。
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週刊『前進』(2531号6面4)(2012/04/09 )
“必ず再審かちとる”
下獄する福嶋同志が壮行会で
3月5日、最高裁第二小法廷(千葉勝美裁判長)は無実の福嶋昌男同志の上告を棄却した。福嶋同志と被告団は直ちに徹底弾劾する声明を発した(2528号)。下獄に向け3月26日に前進社本社で行われた壮行会での福嶋同志の決意を紹介します。(編集局)
(写真 上告棄却決定を徹底弾劾し、再審と下獄への決意を述べる福嶋同志【3月26日 前進社】)
福嶋同志の決意
私は1987年の迎賓館・横田基地事件でデッチあげ指名手配されて以来25年間、国家権力の転向攻撃に対し勝利してきています。
指名手配6年間を闘い、93年3月30日に不当に逮捕されましたが、19年間の裁判闘争を終始攻勢的に闘い抜いてきました。
未決勾留での11年8カ月を闘いました。後半は体調を崩して大変でしたが、多くの同志、皆さんのおかげで保釈をかちとりました。保釈後、約3カ月で幻聴も治っています。
上告審闘争は攻勢に次ぐ攻勢の闘いです。被告・弁護団、救対、裁判事務局、「かちとる会」の皆さん、弟のなみなみならぬ上告審闘争・申し入れ行動に、最高裁は追い詰められたのです。たった2nの棄却理由が如実に物語っています。許し難い反動判決です。
最高裁の言うことは「爆発物取締罰則」は合憲であり、爆取違反の被告は有罪だ、という階級弾圧です。“裁判所が筆跡、指紋、メモ解釈で事実誤認していることなど関係ない”という許し難い反動判決です。最高裁は真実・無実の私の上告趣意書・補充書−申し入れ行動から逃げたのです。
私は勝利者であることをはっきり宣言します。
この国家権力への勝利は、多くの同志との絆(きずな)によって、家族・弟の人生をかけた支援・気持ちによって、かちとることができています。同時に今の私があります。
あらためてここに感謝を申し上げます。
私は、1968年の東大闘争の渦中で、東大宇宙研で、職員の立場から軍学協同反対闘争を闘いました。宇宙研職員組合の執行委員になり、T委員長をはじめ職組の皆さんとともに闘いました。
69年の10・21国際反戦デーに職場から決起しました。10カ月の勾留後、東京の北部反戦に復帰し、地区活動とともに反軍戦線を4年余り、闘いました。
75年1月に地下に移行し、その直後に(本多延嘉書記長への)反革命カクマルの3・14襲撃を受け、ここにおられる同志の皆さんとともに、”3・14をみすえ、そそぎ、のりこえる”闘いに入りました。
報復戦の勝利の中で、86年4月に横田基地戦闘が敢行され、5月、天皇在位60年式典・東京サミット爆砕戦闘が敢行されたのです。
翌年の87年に、須賀武敏同志、十亀弘史同志、板垣宏同志がデッチあげられ、不当に再逮捕されました。私は突然に指名手配されました。指名手配の驚きはいまでもはっきりと覚えています。指名手配以来の闘いは、最初に述べたとおりです。
私は国家権力との闘いに勝利しています。
まだ収監の通知が来ていないのですが、通知日から2週間ほどで下獄になります。本社の同志の皆さんの壮行・激励を受けて、5年2カ月の獄中闘争を闘ってきます。必ず勝利します。
家族・弟が直接の窓口になりますが、2人の同志とも面会できるようですので、外の同志と一層の連帯・絆を深めていきたく思っています。弁護人の方々は、先日、”福嶋さん、面会に行きますよ。またこの場でお会いしましょう”と言っておられました。
今後とも同志の、明宏(弟)への御指導・御鞭撻(ごべんたつ)をよろしくお願いします。健康第一に、必ず再会を期します。私たちの闘いは、確実に3・11福島に引き継がれて爆発していることに圧倒的確信を持っています。
“必ず再審を”と思っています。その節は、またよろしくお願いします。
多くの同志、皆さんと必ず再会を期します。
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【表 福嶋昌男同志の略歴】
1966年 東大宇宙研に就職。職員労組加入、執行委員になる。軍学協同に反対し職場闘争を組織
1969年 10・21国際反戦デー闘争に決起。高田馬場で逮捕。有罪判決を受け解雇
1971年11月 安保・沖縄決戦に決起。星野同志とともに闘う
1975年1月 非公然部門に移行。3・14本多書記長虐殺報復戦に決起。先制的内戦戦略第1・第2段階を先頭で闘う
1985年 国鉄・三里塚決戦が爆発
1986年4〜5月 東京サミットと天皇在位60年式典粉砕闘争が爆発
10月 岩手爆取弾圧で須賀・十亀・板垣同志逮捕
1987年10月 3同志、迎賓館・横田戦闘でデッチあげ弾圧。獄中で再逮捕。福嶋同志にデッチあげ全国指名手配攻撃
1993年3月 福嶋同志、逮捕
2002年12月 3人が保釈出獄
2004年3月 東京地裁、3人に無罪判決。検察が控訴
11月22日 福嶋同志保釈出獄(12年の未決勾留)
2006年3月 東京地裁、福嶋同志に懲役12年の有罪判決
5月 東京高裁、3人への一審無罪判決を破棄。差し戻し
2008年3月 東京高裁、福嶋同志の控訴を棄却
2010年6月 差し戻し審で3人に懲役11年、8年の逆転有罪判決
2012年3月5日 最高裁、福嶋同志の上告を棄却(残り刑期5年2カ月)
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週刊『前進』(2531号6面5)(2012/04/09 )
【要項】星野再審棄却弾劾!4・20高裁包囲デモ、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判4・29緊急総決起集会
再審請求棄却弾劾!
東京高裁は再審を開始せよ!
4・20東京高裁包囲デモ
4月20日(金)正午 日比谷公園霞門集合
午後0時半 デモ出発
主催/星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議
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福嶋さんの上告棄却弾劾! 再審へ!
差し戻し控訴審勝利、5・15〜16第1回公判へ結集しよう!
迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判
4・29緊急総決起集会
4月29日(日)午後1時開場、1時30分開会
千駄ケ谷区民会館
主催/迎賓館・横田裁判の完全無罪をかちとる会
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