ZENSHIN 2012/04/02(No2530 p08)
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週刊『前進』(2530号1面1)(2012/04/02 )
野田のミサイル迎撃態勢粉砕へ
米新軍事戦略、米日韓軍事演習、PAC3沖縄配備に反撃しよう
全産別で国鉄全国運動の前進を
被災地・福島(郡山)を先頭に、日本と世界の労働者階級人民が反原発へと総決起した3・11一周年の闘いを新たな出発点に、階級闘争は新自由主義との非和解的な激突局面へ急速に発展している。動労千葉は、4・1検修業務全面外注化を阻止し、動労水戸は被曝労働強制を弾劾してストライキに決起した。国鉄決戦・反原発闘争の高揚と一体となり、八尾北・西郡の闘いと三里塚闘争が決戦に突入した。そしてこの4月、大学キャンパスに新入生を迎え、新しい力も合流してくる。闘いの気運は満ち満ちている。6・10国鉄闘争全国運動の大集会に向け、いよいよ4〜6月決戦に全力で打って出よう。
(写真 日比谷野音での原発再稼働阻止6千人集会をかちとり、躍動感あふれるデモで全体をリードするNAZEN隊列【3月24日 千代田区】=記事6面) 米日韓体制の戦争重圧
ヨーロッパの政府債務危機の爆発と国債暴落時代への突入を現在的な最先端に、世界大恐慌がいよいよ激化し進展する中で、全世界で大失業・非正規職化攻撃の嵐とともに戦争の危機が切迫している。その今日的な焦点こそ、朝鮮半島をめぐる米日帝国主義と米日韓体制による朝鮮侵略戦争切迫の危機である。
この間、北朝鮮の「衛星」=長距離ミサイルの発射予告に対し、米帝は日帝や韓国、さらに中国、ロシアも引き込みながら、ソウルでの核安保サミットなどの場で、北朝鮮包囲網と戦争臨戦態勢の形成に全力を挙げてきた。オバマは北朝鮮に、ミサイル発射は「さらなる孤立と制裁を招く」「挑発への見返りはない」と恫喝している。
これを受けて日帝・野田は、ミサイル迎撃態勢構築に突入した。海上自衛隊のイージス艦3隻をF15戦闘機の警護のもと沖縄近海と日本海に展開し、海上配備型迎撃ミサイル(SM3)と地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の2段構えで、ミサイルを迎撃するという。PAC3は沖縄4カ所、首都圏3カ所に配備し、田中防衛相は3月30日、北朝鮮の弾道ミサイルへの「破壊措置命令」を発令した。これは完全に朝鮮有事体制の発動であり、日帝・自衛隊が対北朝鮮の実戦に突入するということだ。
北朝鮮スターリン主義の「衛星」=弾道ミサイル打ち上げ予告それ自身は、金正日の死をも契機とした体制崩壊の危機の中での、きわめて反人民的、瀬戸際的な対応である。しかし北朝鮮をここまで追い詰めてきたのは、米帝オバマの対中対峙・対決の新軍事戦略であり、それに基づくこの間の激しい米韓軍事演習、米日韓軍事演習の大々的な展開だ。それは対中国の戦争体制構築を含む、北朝鮮への体制転覆的な戦争重圧であり、実戦発動そのものと言える重大な攻撃だ。
この情勢下での、日帝・野田の反動的突出は際立っている。野田は政権の存亡をかけて消費大増税と原発再稼働に全力を挙げると同時に、日米安保強化=戦争政策にものめり込んでいる。破綻した新自由主義の絶望的凶暴化が野田の階級的正体だ。北朝鮮ミサイルへの迎撃臨戦態勢突入と米日帝の朝鮮侵略戦争策動を、日本労働者階級の団結と決起、日米韓の国際連帯で断固粉砕しよう。
4〜6月決戦に突入を
動労水戸は3月23日、JR東日本による被曝労働強制と検修業務外注化に反対し、全勤務者が終日ストに立ち上がった。
動労水戸は、原発事故「収束」宣言−原発再稼働策動と一体で強制される被曝労働を拒否するストライキを闘ってきた。そして今回、いわき運輸区で働く20代の女性車掌が、常磐線広野駅までを往復する1回の乗務で、積算15マイクロシーベルトもの被曝をしたことが明らかになった。不安を訴える労働者に、当局は「特別扱いはできない。わがままはとおらない」と乗務を強制し続けた。
JR水戸支社は、原発事故を引き起こした政府と東電が何の責任も取らず、「安全だ」と言っていることだけを根拠に、被曝労働を強制している。これが、国鉄分割・民営化以来、営利優先で安全を切り捨て、闘う労働組合を敵視して攻撃してきたJRの真の姿だ。
これに対し動労水戸は、政府・東電とグルになり、原発推進のために労働者・乗客・住民の安全を売り渡すJR資本に、「被曝労働強制をやめさせるまで徹底的に闘う」と怒りをたたきつけた。これこそ労働組合本来のあり方だ。
4月1日で国鉄分割・民営化から25年を迎える。この日、JR東日本は検修業務の全面(丸投げ)外注化の強行を予定していた。だが動労千葉の渾身(こんしん)の闘いが、この計画を打ち砕いた。動労千葉は、2000年以来の壮絶な闘いで、会社による組合破壊攻撃を粉砕し、検修全面外注化を阻止し続けてきた。他労組も巻き込んだ青年労働者の決起を生み出し、新たな組合員をも獲得して勝利したのだ。この偉大な地平に立ち、4・1には全国で対JR総行動が闘いぬかれる。
これに追い詰められたJR千葉支社は、動労千葉の組織破壊を露骨に狙い、3月20日から「佐倉・銚子運輸区」新設に伴う異動の事前通知を強行した。千葉運転区5人、銚子運転区8人の動労千葉組合員が佐倉への配転を通告された。千葉運転区と銚子運転区の支部長と本部執行委員が狙い撃ちされている。全面外注化の貫徹に向けた、動労千葉への露骨な組織破壊攻撃だ。
だが意気軒高と闘う動労千葉は、「闘いはこれからだ。これからが勝負だ」と、全組合員と全国の支援者に檄(げき)を発した(日刊動労千葉号外4・1付)。動労千葉の勝利は、労働組合が団結して断固闘えば新自由主義攻撃を打ち破ることができることを、現実の闘いをもって示してきた。たとえ少数派であっても、労働組合が階級的正義に立脚し絶対反対を貫いて反撃すれば、多数派を突き動かして多くの労働者を獲得し、勝利を切り開けるのだ。
全面外注化攻撃と対決し、野田政権を打倒する4〜6月国鉄決戦への号砲が、今や発せられた。国鉄闘争全国運動の拡大、動労千葉を支援する会2000人会員の組織化、6・10国鉄大集会の成功へと総決起しよう。
原発再稼働絶対阻止!
3月26日、福島第一原発2号機の格納容器内の水位が、わずか60aしかないことが明らかになった。冷却のために毎日9d近い水を注入しているが、ほぼ全量が漏れ出ている。昨年3・11の大地震で格納容器が損傷してしまったからだ。またその翌日には、同機内で最大で毎時7万2900_シーベルトのきわめて高い放射線量が計測された(通常、原子炉が停止した状態では、格納容器内の放射線量は0・1_シーベルト程度)。6分で人が死ぬ大変な量だ。
しかもこの高線量に耐えられる機器は開発されておらず、廃炉への展望もいよいよ危機的となっている。さらに、原子炉格納容器内の蒸気を抜くベントを行う際に、外部に出す放射性物質を千分の1程度まで軽減するベントフィルター(国際的には常識)が設置されている原発は、日本にはまだ一つもない(東京新聞3・27付)。作業員を被曝から守る対策などもまったく進んでいない。
にもかかわらず、野田は3月27日、核安保サミットが開かれたソウルで原発の「安全対策」を強調し、再稼働強行を国際社会に向け宣言した。翌28日には、民主党政調会長の前原が、国内で唯一稼働している北海道電力・泊3号機が運転を停止する5月5日までに、他の原発を再稼働させると公言した。労働者階級人民の命と生存をかけて、大飯原発、伊方原発の再稼働を阻止しよう。
青年・学生を最先頭に
日本の自殺者は14年連続で、年間3万人を超えている。昨年は、全体では人数が減ったが、「学生・生徒」が前年よりも1割以上増えて(19歳以下は12・7%増)、統計を取り始めた1978年以降初めて1千人を超えた。この背景には、大学・専門学校卒で52%、高卒で68%、中卒で89%が卒業しても失業か非正規・半失業状態に置かれている耐え難いまでの現実があるのだ。
青年・学生の未来を奪っているのは新自由主義とその絶望的凶暴化だ。87年の国鉄分割・民営化を本格的突破口とする新自由主義政策の二十数年の展開、民営化、規制緩和、非正規職化、労組破壊が社会と人間の生存をズタズタに壊したのだ。
だがこの期に及んで国鉄分割・民営化をあくまで正当化し、「国鉄型」の攻撃を全社会化する攻撃が強まっている。連合の体制内指導部が、それを推進している。その当面する攻防の焦点は、一方でJR大再編−全面外注化・非正規職化と闘う4〜6月国鉄決戦であり、他方では大阪市長・橋下徹を先兵とする大民営化=公務員360万人大量首切りと、道州制・「特区」攻撃だ。
国鉄闘争全国運動の6・10大集会は、新自由主義と闘い、1047名解雇撤回、外注化阻止・非正規職撤廃をかちとる総決起大会であり、消費大増税、原発再稼働、日米安保強化=戦争政策に突き進む野田政権を打倒する決定的な集会だ。4〜5月決戦を6・10大結集運動を軸に闘おう。
青年労働者と新入生を始めとした全国学生を先頭に、闘って闘い抜いて未来を切り開こう!
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週刊『前進』(2530号1面2)(2012/04/02 )
3・25三里塚 “労農連帯で農地死守”
福島と結び闘う決意に満ち
3月25日、三里塚芝山連合空港反対同盟が主催する三里塚全国総決起集会が開かれた。集会は、@福島と連帯し原発再稼働を阻止する、A市東孝雄さんの農地を守る、という二つの闘いが結合した総決起の場になった。(7面に関連記事)
前日の雨もあがり、東峰十字路北の市東さんの畑を会場に、全国から労農学人民1055人が結集した。演壇には急逝した鈴木謙太郎さんの遺影が飾られ、集会横断幕には「原発再稼働許すな!
TPP反対! 農地取り上げ阻止!」と、三つのスローガンがシンプルに明記されている。
婦人行動隊・宮本麻子さんの司会で正午に開会。最初に参加者全員が鈴木謙太郎さんへの黙祷(もくとう)を捧げた。
森田恒一さんが開会宣言を行い、「機動隊が市東さんの農地を奪いに来たとき、私は95歳だが先頭に立ち命をかけて闘う」と決意を示した。
北原鉱治事務局長が主催者あいさつに立ち、1978年の福田内閣の3・30開港宣言を粉砕した開港阻止決戦を振り返りながら、「あの時と同じように実力で闘い、市東さんの家と畑を空港施設で囲い込む暴挙を必ず粉砕しよう」と訴えた。
(写真 三里塚全国総決起集会は市東さんの畑を会場に労農学1055人を結集し、福島連帯・原発再稼働阻止、農地強奪攻撃粉砕を誓い合った【3月25日 成田市天神峰】)
萩原さんが基調
萩原進事務局次長が基調報告を行った。沖縄米軍基地、原発、成田空港の三つを挙げ、「支配階級が、国策・国益と称して進めてきたものが、民衆を苦しめ死に追いやっている」と激しい怒りをたたきつけた。そして「福島の農民と一緒に農地を奪還する闘いに立つ」と宣言し、裁判闘争と現地闘争を全力で闘い、その闘争陣形を強化拡大することを全身全霊で呼びかけた。
反対同盟の熱いアピールに応え、動労千葉の田中康宏委員長が特別報告に立ち、「なんとしても市東さんの農地を守ろう!」と訴えた。そして4・1検修業務全面外注化を阻止したこと、23日に動労水戸が被曝労働強制と闘うストに立ち上がったことを高らかに報告。そして、拠点つぶしを狙う基地統廃合攻撃に対し「新設される佐倉運輸区に最強の拠点をつくる」と決意を表した。
沖縄と関西住民の特別報告に続き、市東孝雄さんが大きな拍手で迎えられた。市東さんは3・11福島県民大集会で農民の発言を聞き、怒りを共有したことを率直に語った。そして第3誘導路工事による追い出し攻撃、農地裁判での空港会社(NAA)の違法とデタラメに怒りをあらわにし、「私はびくともしません。”自然体”をとっぱらい、全力で闘います。日本を変えましょう!」と闘争心を前面に立てた決意を表明した。
続いて市東さんの農地取り上げに反対する会、群馬・市東さんの農地を守る会が市東さんとともに並び、決意を述べた。
農民会議が登壇
鮮やかな緑色ののぼりを掲げて、2月に結成された全国農民会議に結集する農民が壇上に勢ぞろいした。闘う農民組織が3・11福島に続いて三里塚に登場したのだ。福島のAさん、Bさん、反対同盟の萩原富夫さんの3人が、TPPと原発再稼働を進め、農業切り捨てに走る日帝・野田政権を徹底弾劾した。
司会を伊藤信晴さんに交代し、葉山岳夫弁護士を始め反対同盟顧問弁護団が登壇。法廷での闘いを具体的に報告し、署名偽造まで行うNAAの暴挙を暴き、裁判勝利への決意と展望を述べた。
婦人行動隊の鈴木加代子さんがカンパアピールに立った。悲しみをこらえながら、しかし堂々とした「とうちゃんの遺志を継いで娘とともに農業を続け闘っていく」との決意表明に、惜しみない拍手が送られた。
住民団体の発言の最初に、「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」の椎名千恵子さんが紹介された。椎名さんは「私が40年以上前に三里塚に来たときは、炎、煙、催涙弾の中でした」と回顧し、農地・大地が放射能によって根源的に脅かされてなお原発再稼働を進めようとする者たちに深く激しい怒りを表した。そして「三里塚農民の思いを福島につなげる」と結び、全参加者の胸を打った。
さらに婦人民主クラブ全国協議会、星野文昭同志のメッセージを代読する星野暁子さん、全学連の斎藤郁真委員長などが次々と発言に立った。最も若い発言者の斎藤君は、市東さんの農地死守に全力決起し、法政大、福島大から原発再稼働阻止の力をつくることを熱烈にアピールした。
野平聰一さんが集会宣言を読み上げ、太郎良陽一さんのリードで団結ガンバローを三唱。ただちにデモに出発した。
工事現場に怒り
東峰地区から市東さん宅前を通り、小見川県道へ。目の前は、高いフェンスに囲まれ巨大クレーンなどが稼働する第3誘導路の橋脚架設工事の現場だ。市東さん追い出しのためだけに巨費を投じて進められている工事にデモ隊の怒りが高まる。
さらに、NAAは来年3月完成期限に追いつめられ、真夜中も突貫工事を行うため3月26日から7月末まで、午後11時から翌朝5時の時間帯にこの小見川県道のトンネルの片側車線を市東さん宅前の道路に迂回(うかい)させるという告知看板を立てた。工事の騒音と車両の振動で睡眠を奪う気か! 許せない。
デモ到着地は、明け渡し攻撃と闘う市東さんの南台の畑だ。農地は農民の命であり、人間の命を育む源だ。怒りを倍加させてシュプレヒコールを行い、「この農地を絶対に守りぬく」と全参加者が誓った。
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週刊『前進』(2530号1面3)(2012/04/02 )
前進速報版から
▼中国日系工場で労組結成求め5千人スト▼西郡で岡邨さんへの強制執行を再び阻止▼動労水戸が被曝労働強制と外注化に怒りのスト
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週刊『前進』(2530号2面1)(2012/04/02 )
動労千葉 強制配転通知に怒りの反撃
総決起集会と千葉支社行動
動労千葉は3月28日、佐倉運輸区・銚子運輸区発足に向けた強制配転の事前通知強行を弾劾し、総決起集会とJR東日本千葉支社への抗議行動に立ち上がった。
集会で「よくこれだけ役員を集めたな」という声が上がるほど、今回の事前通知は露骨きわまりない組織破壊攻撃だ。佐倉運輸区へは動労千葉から13人(千葉運転区から5人、銚子運転区から8人)を、銚子運輸区へは動労千葉から11人(全員銚子運転区)を配転する事前通知がなされたが、佐倉への配転には銚子支部の支部長、書記長、本部執行委員、千葉運転区支部の支部長、本部乗務員分科会役員も含まれている。千葉支社は団交で「通勤などを考慮する」と回答していたが、それすらまったく無視するものだ。
(写真 配転の事前通知を受けた組合員が前列に並び、代表して渡辺銚子支部長が決意表明した【3月28日 千葉市・DC会館】)
佐倉に最強の支部をつくる
緊急の呼びかけにもかかわらず各支部の組合員と支援150人が続々と結集し、DC会館2階ホールを埋めた。会場には怒りが満ちあふれた。
大竹哲治副委員長の開会あいさつに続き、幕張支部の山田護支部長が4・1付で動労千葉に加入することになった新組合員を紹介した。組織破壊攻撃を跳ね返す勝利に会場が一気に沸いた。
冒頭あいさつに立った田中康宏委員長は、露骨きわまりない組織破壊攻撃を激しく弾劾するとともに新たな闘いの方針を提起した。「会社は、5カ月間の指名ストに困り果て、『前倒しで準備に入るしかない』と2カ月前という異例の早さで事前通知を行った。3月17日ダイヤ改定時の新運輸区発足もぶっ飛ばした。またローカル線切り捨て反対の闘いも予想を超えた広がりをつくり出した。なによりも基地統廃合反対の闘いと一体で検修業務4・1外注化を阻止した」と昨年来の闘いの大きな成果を確認、「ここで指名ストを集約し、千葉運転区、銚子運転区で総力で組織拡大の闘いに入る。その勝利をもって佐倉運輸区に乗り込み、最強の支部を打ち立てよう」と訴えた。
川崎昌浩執行委員の団交報告に続き、配転通知を受けた組合員が前列に並んだ。代表して銚子支部の渡辺靖正支部長が燃えるような決意を表明した。
基調報告で長田敏之書記長は「事前通知は会社の宣戦布告のようなものだ。これに対して会社の一番嫌がる闘いをぶつける。検修外注化についても本当の勝負はこれからだ。本格的な組織拡大こそ、組織破壊に反撃し、外注化を止める力だ。困難ではあるが、ここで負けるわけにはいかない」と強く訴えた。
集会終了後、参加者は千葉支社前で抗議闘争を展開した。支社管理者は外注した警備員だけを表に残して姿を消し、消灯した庁舎の窓からコソコソとビデオ撮影している。どちらに正義があるかは明らかだ。「隠れてないで出てこい」。組合員の怒りは倍加した。
銚子支部の渡辺支部長は「佐倉に行こうが銚子に行こうがとことんやってやる。絶対に後悔させてやる!」と怒りをたたきつけた。幕張支部の山田支部長も「検修外注化4・1実施は止めた。やれるもんならやってみろ! われわれは出向には行かない。絶対に外注化を止める」と宣言した。繰り返し抗議のシュプレヒコールを上げた。
(写真 集会終了後、参加者全員が千葉支社抗議行動を展開。怒りのシュプレヒコールをたたきつけた)
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週刊『前進』(2530号2面2)(2012/04/02 )
動労水戸 “被曝労働強制やめろ”
ストに立ち運輸区に抗議
動労水戸は3月23日、JR東日本による被曝労働強制と検修業務外注化に反対して春闘ストライキに立ち上がった。
1回の乗務で15マイクロSvの被曝
この日の闘いは青年労働者への許しがたい被曝強制に対する抗議から始まった。「被曝労働強制を直ちにやめろ!」。午前9時30分、いわき運輸区庁舎前に結集した組合員と支援は怒りのコールを繰り返した。
マイクをとった石井真一委員長は、いわき運輸区でこの間起きた事態を参加者に報告し、門前に居並ぶ管理者たちを激しく弾劾した。
今年2月、いわき運輸区で働く女性車掌Aさんが、常磐線広野駅までを往復する1回の乗務で積算15マイクロシーベルトもの被曝をしたことが明らかになったのだ。Aさんは運輸区区長に、「将来、子どもを産むのにすごく不安です。広野に行く行路には乗りたくない」と訴えた。しかし区長は「Aさんだけ特別扱いはできない。わがままは通らない」と一蹴したというのだ。”放射線被曝に不安の声を上げる者のほうがおかしい”と言わんばかりだ。Aさんは思わず「みんな不安に思ってます!」と声を上げたという。JR水戸支社は、動労水戸を先頭とする現場からの追及に押されて積算線量計を乗務員に持たせるようになったが、浴びた線量の個人管理もしない、今後どれだけ被曝するかの試算もしない。まさにアリバイ的に持たせているだけだ。本当に許せない。
辻川慎一副委員長も、すごい迫力で管理者たちに迫り「被曝労働強制をやめさせるまで徹底的に闘うぞ」と突きつけた。組合員の訴えに地域住民も注目し、涙しながら聞き入る女性もいた。
(写真 いわき運輸区庁舎前に登場し、被曝労働を強制する管理者たちを徹底的に弾劾する辻川副委員長【3月23日 いわき市】)
組織を拡大し外注化止める
昼食をはさみ水戸地裁で、昨年9月に提訴した損害賠償請求訴訟の第2回口頭弁論に全員が臨んだ。運転士不登用事件をめぐる最高裁判決の完全履行と、分割・民営化以来の昇進差別・賃金差別による損害の賠償を求める裁判だ。JR東日本の準備書面に組合側が反論の書面を提出した。また、求釈明を妨害した裁判長に組合側代理人が抗議すると、あわてた裁判長がいきなり「退廷させますよ!」と高圧的訴訟指揮を行う一幕もあった。会社寄りの姿勢もあらわな裁判長を、代理人弁護士が徹底追及し完全に圧倒した。
裁判終了後、水戸市内で決起集会が開かれた。
基調報告で石井委員長は、検修外注化4・1実施阻止の勝利の大きさを総括するとともに「会社はあきらめておらず予断を許さない。組織拡大こそ検修外注化を止める力だ」と闘いの方向性を示した。また、組合差別と不当労働行為を根絶する闘い、被曝労働強制に対する闘いの強化など当面する方針を提起した。
討論では、平支部を拠点にした新たな闘いや、組織拡大闘争に向け意欲的な発言が続いた。全学連の斎藤郁真委員長、動労千葉の中村仁執行委員、県内労組などが連帯あいさつを行った。
最後に辻川副委員長が「カッコつけるだけの労働運動なんか通用しない時代だ。やるからには真剣勝負でやる。労働組合としてやるべきことをきっちりやることこそ組織拡大の土台だ」と訴え集会をまとめた。
動労水戸は”職場の仲間とりわけ青年の未来を守るのはわれわれだ”という気概に燃えてストを貫徹した。そして、本当に職場に責任を取りきるためにも本格的な組織拡大に立つことをがっちり意思統一した。
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週刊『前進』(2530号2面3)(2012/04/02 )
鈴コン闘争 支援共闘(準)が発足
非正規の闘いの先頭に立つ
「解雇撤回!非正規職撤廃!東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会闘争支援・連帯集会」が3月24日、赤羽会館小ホールで開催された。春闘の真っ最中、反原発闘争など連続的な闘いの合間をぬって195人もの人びとが駆けつけた。
集会は、東京地裁の2・29賃金仮払い仮処分決定の大勝利を確認し、「鈴コン闘争を全国の2千万非正規労働者の闘いの先頭へ」を合言葉にした。そして鈴コン分会闘争支援・連帯共闘会議(準)の発足を宣言した。折しも3・11一周年を前後して、「労働組合再生が必要だ」との叫びがあらゆる職場・地域でわき起こる中、新たなのろしが上がったのだ。
集会の初めに、組合結成以来の闘いをまとめたDVD上映で盛り上がった。地元東京北部の労組青年部が司会を務め、精研労組委員長が開会あいさつ。世田谷地区労顧問で国鉄闘争全国運動の呼びかけ人でもある花輪不二男さんが、「かつての全国争議支援の経験も生かして、鈴コン闘争勝利と非正規職撤廃の全国闘争に残りの人生をかける」という熱い主催者あいさつを行った。
全日建運輸連帯労組・関西地区生コン支部の高英男さんの「最後の勝利までともに闘う」という力強いメッセージが紹介され、動労千葉の田中康宏委員長は「自分たちの外注化阻止、非正規職を生まない闘いと鈴コン闘争は一体。勝利は職場の闘いと団結の拡大にある」と熱く訴えた。
さらに埼玉で派遣切り・組合破壊と闘うJAM神奈川ジェコー労組行田分会、さいたまユニオン行田分会のショーワの労働者、郵政非正規ユニオンの斎藤裕介委員長が特別アピールをした。
全体が高揚する中、当該の鈴コン分会が5人で登壇。内尾稔分会長の分会闘争宣言を先頭に、どんなにひどい資本との闘いでも団結して闘えば勝てることを確信とユーモア満載でアピールした。亡くなった組合員を含め固くて深い団結と、腹を固めた労働者の突き抜けた明るさは、笑いと感動の渦を生み”鈴コンワールド”をつくる。「この闘いは自分たちだけじゃなく、多くの労働者に闘えば勝てるし生きていけることを示す闘いだ」「クソ会社と思ってたが、こんな闘いが味わえて、この職場に来てホントによかった」という言葉が素直に飛び出した。
(写真 解雇撤回闘争の勝利、非正規職撤廃へ「団結してガンバロー!」【3月24日 東京都北区】)
上部団体の違い超え支援広がる
支援・連帯共闘会議(準)の呼びかけ人・事務局が壇上に並び、共闘会議結成の主旨を訴えた。4人の呼びかけ人のもと多くの賛同を得てほどなく本格結成すること、職場を軸に本裁判・労働委員会闘争も闘うこと、何より国鉄闘争全国運動と一体となって非正規職撤廃へ地域・全国、産別、合同労組で徹底して団結・共闘を拡大する大運動を推進すること、その力で勝つことが満場の拍手で確認された。
さらに弁護団、地元を始め全国各地の合同労組と動労水戸が発言。
支援・連帯共闘会議(準)の結成に向けて、地域・産別・上部団体の違いを超えて多くの労働組合から東京地裁への要請署名が寄せられている。鈴コン分会の闘いは、労働組合世界に衝撃を走らせている。たった数人の分会が団結だけを武器にして直球勝負で勝ち抜いていることに大きく揺さぶられているのだ。どこまでも団結を拡大すれば、世界はおれたち労働者のものになる!
(東京西部ユニオン・Y)
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週刊『前進』(2530号2面4)(2012/04/02 )
6・10国鉄闘争全国運動大集会の成功へ
新自由主義と闘う広範な陣形をつくり労働運動復権しよう
新自由主義と闘い、労働運動の再建を目指すことが国鉄闘争全国運動の使命だ。〈原発・復興特区・橋下・教育・医療福祉〉などを焦点に新自由主義攻撃が激化している。米国でのショック・ドクトリン(惨事便乗型資本主義)の日本版とも言える攻撃だ。日本における新自由主義の出発点である国鉄分割・民営化と25年にわたって闘ってきた国鉄労働運動を軸に、今こそ新自由主義と闘う広範な陣形を形成しよう。これが国鉄闘争全国運動6・10全国集会の最大の課題だ。
労働組合の原点甦らせた動労千葉の闘い
検修・構内業務全面外注化の4・1実施を阻止した動労千葉の闘いは、日本労働運動の新たな地平を開きつつある。
4・1外注化阻止の教訓は何か。端的に言えば〈新自由主義と闘うことはまったく可能だ〉ということだ。
動労千葉は1970年代の船橋事故闘争以来、反合理化・運転保安闘争路線を団結の要に闘ってきた。動労千葉は、究極の合理化である職場丸ごとの外注化と必死に闘う中で、反合・運転保安闘争路線を深化させ、本格的な組織拡大に挑んでいる。それは戦後労働運動の限界を打ち破り〈合理化攻撃と徹底的に闘う労働組合が組織拡大を実現する〉新たな挑戦だ。
動労千葉が検修・構内業務外注化を10年以上も阻止できたのはなぜか。
JR東日本の本格的な外注化攻撃は2001年から始まった。最大の戦場となったのが幕張車両センターだ。幕張支部は、検修職場での反合理化・安全闘争を創造し、これを武器に徹底的に職場闘争を展開した。
検修部門では02年から「新保全体系」と呼ばれる車両検査体制の抜本的な改悪が職場を襲った。3カ月に1回の交番検査を年1回に延伸するなど、要員削減を伴う激しい合理化だった。
幕張支部は、時間外労働・休日出勤を拒否する非協力闘争に突入した。この闘争の要諦(ようてい)は絶対に仕事の手を抜かないことにあった。職制の厳しい監視のもとでも毎日しっかり仕事をやりぬく。手を抜かなければ遅れが出る。「この人数では終わらない」と逆に増員をかちとるところまで職場の力関係をつくった。
幕張支部組合員は交番検査から外され、支部役員の相次ぐ強制配転など組織破壊攻撃が続いた。だが、闘いのたびに新たな組合員を獲得し、会社を圧倒する職場支配権を打ち立ててきた。
「労働」を武器に職場支配権握る
合理化攻撃の核心は、新たな管理体制、設備・技術の導入、生産性向上運動などを通して労働者に対する資本家の支配力を強化することにある。資本は、合理化攻撃で労働者の自発性や自主性をも資本の支配下に置くことを土台に、生産手段や人員を整理し、労働強度の増大や労働時間の延長も含めて、生産性向上と利潤の最大化を目指す。資本は、こうした合理化運動をテコに、自分の労働に対する労働者の発言力や誇りを奪い、労働者同士が一緒に働くことで生まれる共同性(団結)も破壊して資本の支配を強化するのだ。
社会を維持する生産的労働を担っている労働者は、資本主義的生産様式のもとではもっぱら資本家のもとで生産し、賃金を受け取って生活するしかない。労働者を支配する資本の力を再生産しているのは、実は労働者の日々の労働でもある。だからこそ、反合理化闘争は資本との力関係を転換させる基底的力となる。
動労千葉は職場生産点での「労働」をめぐって非和解的にせめぎあってきた。「仕事はきっちりやる。これが組合運動の基本。幕張でやっている検修は、間違いなく東日本で一番いい仕事をしていると自信がある。そうだからこそ当局に対してもばんばん言える」(『俺たちは鉄路に生きる3』)。労働そのものを武器に、奪われた労働条件を奪い返してきたのだ。
中野洋動労千葉前委員長は「自分の仕事に誇りを持てない労働者は団結もできない」と繰り返し訴えていた。動労千葉組合員は、運転士や検修労働者としての強い誇りをもって闘っている。だからこそ、熟練労働者を排除し、安全を切り捨て、青年から職場と未来を奪う外注化に心底から怒りを爆発させ、会社や職制にも屈せず階級的正義をたたきつけ、団結して闘い抜いているのだ。
労働者としての誇りをかけて
労働者が誇りと正義を奪い返し、労働組合が組織的に徹底抗戦し、職場で「労働」を武器に闘った時、偽装請負や、出向・転籍問題など外注化の持っている矛盾が一挙に爆発していく。
動労千葉の反合理化・運転保安闘争は、組合員の誇りを呼び覚まし、団結を強め、それが他労組も含めて職場全体をとらえて平成採の反乱をつくり出している。組合員の中に結晶した労働者としての誇り、団結への信頼、そして組織拡大の欲求――ここに外注化を阻んだ根源的力がある。〈労働者を組織すること〉こそが資本と御用組合をもっとも震え上がらせるのだ。
ユニオン(UNION)――すなわち結合・団結すること(UNITE)が労働組合の始まりであり、究極の目標だ。動労千葉の外注化阻止闘争は、この労働組合の原点を復権し、階級が持っている力を解き放って勝利を切り開いてきた。ここに団結を総括軸にした動労千葉労働運動の普遍性がある。
「公務員=悪者」論を打破し怒り解き放て
新自由主義は、人間の尊厳を奪い、あらゆる人間的紐帯(ちゅうたい)を裂き、社会を破壊することをストレートに資本の利潤に結びつける。
大阪市長・橋下を筆頭とする古典的とも言える労働者・労働組合バッシングの背後には、国鉄分割・民営化と同様に、むき出しの資本の利害が貫かれている。
日本帝国主義の矛盾と閉塞(へいそく)感を公務員労働者のせいにし、労働組合を血祭りにあげる「公務員=悪者論」と徹底的に対決しなければならない。
橋下のしていることは公務員を悪者に仕立て上げ、その裏で教育や自治体業務、社会保障を丸ごと民営化して資本に差し出す大陰謀だ。水道・市営交通・教育の民営化など、すべてが資本のもうけ話とつながっている。冗談ではない! なぜこんなことのために公務員が犯罪者扱いされなければならないのか。全国の公務員労働者がどれほど悔しさに歯ぎしりし、誇りを奪われて肩身の狭い思いをしているか。
労働者の「こんなうそは許せない!」という気持ちに火を付ける手がかりは「労働者の誇り」を取り戻すことだ。ヤミ・カラキャンペーンや国鉄労使国賊論を打ち破ってストライキに決起した動労千葉の闘いに再び脚光を当てる時だ。
全国運動の組織 無数につくろう
1980年代の国鉄分割・民営化の過程で、動労千葉組合員1100人と家族は、不安や悩みを抱えながらも、激論を闘わせ、自己の生きざまをかけて2波のストを貫徹した。
「労働者が仕事をしないから国鉄は赤字になった」「すべての責任は労働組合にある」――マスコミを総動員した大宣伝が行われ、「カラスが鳴かない日はあっても国鉄のことが新聞にのらない日はない」と言われた。
動労本部カクマルは民営化の先兵となり、国労内では全党派が「嵐の時に闘うのはおかしい」と公言して闘いを避けた。国鉄労働者の大半が無方針のまま個別攻撃にさらされ、10万人以上の組合員が国労を去った。
しかし動労千葉は「国鉄赤字の責任は自民党や財界、官僚にある。分割・民営化は国民をあざむく希代の大陰謀だ」と暴露・弾劾し、「組合の団結さえ崩されなければ展望は開ける。組合が闘わなければ結局は仲間を裏切らざるをえなくなる」と訴え続けた。
後に、中野前委員長は『俺たちは鉄路に生きる2』で次のように語っている。「世の中は、とてもじゃないけど分割・民営化に反対してストライキをやるなんて雰囲気じゃない。それはものすごく重たかった。しかし国鉄労働者はみな、『冗談じゃない。俺たちは朝から晩まで夜中も仕事をしているのに』『俺たちのせいで赤字になったんじゃない』『一発異議申し立てをしなかったら、腹の虫がおさまらない』という気持ちはみんな持っていた。問題はそれにどう正しく火を付けるかということでした」と。
今こそ反合理化・運転保安闘争路線をあらゆる産別・職場で創造的に展開し、バッシングを打ち破って労働者の誇りと階級的正義を甦(よみがえ)らせる時だ。新自由主義は、一見強大に見えても内部矛盾に満ちている。新自由主義に対する怒りは、労働者階級の中で膨れあがっている。
国鉄闘争全国運動は、2年前の4・9政治和解に抗し、「国鉄闘争の火を消すな!」の叫びに多くの人びとが応えて始まった。国鉄労働運動を始め、「日の丸・君が代」不起立や民営郵政打倒の闘いなど、新自由主義と闘うための階級的地平と教訓は豊かに存在している。今こそ、日本労働者階級の階級的・戦闘的要素をひとつに結集し、新自由主義攻撃を打ち破る広大な戦線をつくるべき時が来ている。
国鉄闘争全国運動への結集をあらゆる職場・産別でさらに大胆に呼びかけよう。2000口への会員拡大にこだわり、職場に動労千葉を支援する会、共に闘う国労の会、全国運動の組織を無数につくろう。そのすべてを国鉄闘争全国運動6・10全国集会に結集しよう。
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週刊『前進』(2530号3面1)(2012/04/02 )
尼崎事故弾劾!4・21闘争へ
外注化こそが事故の元凶 JR体制打倒へ総決起を
2012年の尼崎闘争は、JR大再編情勢のもと、「国鉄改革25年」を叫ぶJR体制と全面的に対決する大決戦となった。JR7社の完全民営化を貫徹できないJR体制は、その危機突破をかけて破滅的な新自由主義にさらに打って出てきている。それは鉄道業務全体を外注化しようとする大攻撃だ。この攻撃と真っ向から対決し、国鉄分割・民営化との決着をつける闘いに打って出よう。尼崎闘争をJR体制を打倒する労働者の総反乱をつくり出す闘いとしてかちとろう。
(写真 風雨を突き闘われた昨年4月23日の尼崎現地闘争は尼崎事故と原発事故への怒りが満ちた) JR西も外注化を狙う
動労千葉を先頭とする国鉄労働者は、4月1日の検修全面外注化を阻止した。JR東日本の社運をかけた攻撃を2年続けて打ち破ったのだ。これは労働運動の歴史を塗り替える決定的勝利だ。「資本と対決したら負ける」という戦後労働運動の「常識」を吹き飛ばす勝利であり、階級的労働運動を全面的に復権させる号砲だ。
しかし、JR東日本は執拗(しつよう)に全面外注化を狙っている。駅の全面外注化も開始されようとしている。4月1日からは、全面外注化を前提にした新人事・賃金制度の実施にも踏み込んできた。そのためにもJRは、動労千葉・動労水戸つぶしに躍起になっている。動労千葉・動労水戸の闘いが、これまでの外注化の「実績」そのものも吹っ飛ばし、労働者の結集と総反乱をつくり出しつつあるからだ。
JR西日本もJR東日本と競うように、外注化・非正規職化に本格的に突入しようとしている。JR西日本近畿統括本部は今年2月、「平成24年度初に実施する諸施策について」を提案してきた。6月1日にアーバン(近畿圏)の車両検修業務体制を大幅に見直し、それに伴い電車区における運転部門と検修部門の業務体制を見直して、新たな体制をつくろうというのだ。
「車両検修体制の見直し」の柱は、「吹田工場を総合車両所化」することにある。そして、「車両運用に即した区所、派出の整理」と「近畿統括本部車両課と総合車両所の役割整理」を実施し、「近畿圏における効果的な検修体制を実施する」としている。さらに、区所における事務職への契約社員の導入=非正規職化が狙われている。
これは、吹田工場を中心にして、車両検修体制を全面的に再編成しようとする大攻撃だ。吹田工場に車両検修部門を一元的に集約し、車両検修部門の全面外注化に道を開こうというのだ。JR西日本の現場では、以前から「管理職以外の係職は外注化でいい」と言われていた。その攻撃が今まさに本格的に始まろうとしているのだ。
JR貨物は3月上旬、きわめて激しい内容の「経営自立計画」を提示してきた。2018年度までに「経営を自立化する」と叫ぶこの計画は、次のような内容である。
(1)2011年4月時点で5277人の鉄道事業部門の人員を2018年には4700人に減らし、(2)「多能化の推進、運転士勤務体制の見直し等による現業部門の効率化」「現業要員の削減」、(3)「非現業部門の業務体制の見直し」「非現業要員の削減」、(4)「トラックの積極的な活用」「検修基地の配置の見直し」「検修要員の削減」などを進め、(5)駅を125駅から97駅に減らす一方、ORS(オフ・レール・ステーション、線路のない場所につくられるトラック輸送拠点)を36から62に増やす。要するにこれは、外注化で大幅な要員削減と圧倒的な労働強化を行い、JR貨物の構造的危機の一切を労働者に押しつけようというのだ。
許せない!山崎「無罪」
1月11日の神戸地裁によるJR西日本前社長・山崎正夫への無罪判決こそ、外注化・非正規職化推進の反動判決だ。107人の命を奪いながら、「事故は予測できなかった」と言えば無罪なるというのだ。こんなでたらめな話はない! 国・裁判所は、金もうけのためなら安全を無視して何をやっても構わないとお墨付きを与えたのだ。
外注化は安全を崩壊させ、重大事故が続発している。このままでは第2、第3の尼崎事故は必至だ。だが国と裁判所はそれでも「JRには事故責任はない」と強弁した。それは福島原発事故とまったく同じ構図だ。
2月17日には、西明石駅構内の社員専用踏切で、特急「スーパーはくと10号」とトラックが衝突する事故が起きた。この踏切では、03年3月と06年10月にも事故が起きているにもかかわらず、JR西日本は安全対策をとらず放置してきた。
非正規化粉砕へ職場から反乱を
決定的なことは、JR大再編情勢のもとでの外注化・非正規職化攻撃は敵の破綻点であり、そこを突く形で労働者の総反乱情勢がつくり出されていることだ。
JR東日本での外注化攻撃は青年労働者の怒りを引き出し、彼らの動労千葉・動労水戸への結集をつくり出した。これは、JRの労働運動全体が大流動・大再編に突入したことの表れだ。JRによるむき出しの外注化・非正規職化攻撃は、労働者の怒りと危機感を至る所でかき立てている。同時に、外注化を阻止する闘いは、労働者に階級的労働運動への信頼を生み出している。
それはまた、体制内労働運動の破産と、そこからの労働者の離反を生み出している。JR西日本はJR大再編情勢の中で、尼崎事故以来の「労使安全会議」体制を取っ払って攻撃をかけ始めた。これに国労を含む体制内労組執行部はまったく対応不能に陥り、現場労働者から不信と怒りを買い始めている。
問われているのは、闘う労働者自身の職場からの闘いだ。職場からの外注化・非正規職化・偽装請負粉砕の闘いが、青年を先頭とするJR労働者の魂を揺さぶり、JR体制への総反乱をつくり出していくのだ。
尼崎闘争を外注化・非正規職化・偽装請負と闘うJR職場からの総決起として打ち抜こう。JR労働者の大結集をかちとろう。非正規職を撤廃する闘いをつくり出そう。
国鉄全国運動を基軸に
尼崎闘争は1〜3月決戦の勝利を引き継ぎ、階級闘争のヘゲモニーを握りしめ、国鉄闘争全国運動を発展させる闘いだ。
4・1外注化を阻止した勝利を決定的な土台に、3・11郡山に1万6000人が結集する労働運動の新たな段階が切り開かれた。3・18八尾北・西郡闘争は、更地化攻撃阻止・道州制粉砕・橋下打倒の大高揚をつくり出した。3月21日には、橋下の足下で教育の民営化・大量解雇攻撃と真っ向から闘う教育労働者の不起立闘争がたたきつけられた。新自由主義に階級的団結の拡大で立ち向かい、労働組合をよみがえらせる歴史的な闘いが始まったのだ。
1〜3月決戦は、破滅的な新自由主義攻撃に対して、国鉄・反原発闘争で革命を切り開く闘いとして打ち抜かれ、巨大な勝利の展望を切り開いた。4〜6月は、これへの大反動として仕掛けられた国家権力の大弾圧や動労千葉・動労水戸つぶしの攻撃を粉砕し、国鉄闘争全国運動の大前進をつくり出す決戦だ。
1047名解雇撤回闘争の解体を狙った一昨年の4・9政治和解に対し、「国鉄闘争の火を消すな!」と国鉄闘争全国運動を立ち上げたことは決定的だった。3・11情勢と立ち向かう階級的力も、国鉄闘争全国運動がつくり出したのだ。
1〜3月決戦が生み出した労働運動全体の大流動・大再編情勢のただ中で、国鉄闘争全国運動を軸に階級的労働運動の大躍進を実現する時が来た。動労千葉に続く階級的労働運動の拠点を圧倒的につくり出そう。4・21尼崎闘争の大高揚から6・10国鉄闘争全国運動の大集会に進撃しよう。
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【要項】 尼崎事故弾劾
4・21全国総決起集会
4月21日(土)午後1時
JR尼崎駅北口広場
呼びかけ 国鉄千葉動力車労働組合
国鉄闘争全国運動・関西準備会
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週刊『前進』(2530号3面2)(2012/04/02 )
大阪府・職員基本条例弾劾
公務員大量首切り狙う橋下に団結して反撃を
3月23日、大阪府議会は松井大阪府知事が提出した職員基本条例、教育行政基本条例と府立学校条例を可決・成立させた。同条例は4月1日に施行される。他方、大阪市議会では28日、職員基本条例案と教育2条例案(教育行政基本条例案、市立学校活性化条例案)の継続審議が決まった。
大阪府のこの条例は、昨年9月に大阪維新の会が提出した教育基本条例を教育行政基本条例と府立学校条例の二つに分割し、分限処分・懲戒処分については教育労働者も職員基本条例を適用するとするなど、若干の修正を施したものだ。
しかし条例の本質は何一つ変わってはいない。核心は何よりも自治体労働者・教育労働者の大量首切り条例であるということだ。大阪市長・橋下は、公務員360万人を全員いったん解雇・選別再雇用する道州制攻撃を大阪から始めることを狙っているのである。
2年連続してD評価は免職
ここでは、職員基本条例の首切り条例としての本質を、この条例可決と同時に改悪された「職員の分限に関する条例(=以下、分限条例)」や「職員の懲戒の手続及び効果に関する条例(=以下、懲戒条例)」と併せて暴露・弾劾する。
まず、職員基本条例は第15条で「任命権者は、相対評価により、人事評価を行う」とした上で、別表で第1区分から第5区分までの「分布の割合」を定め、「第5区分―100分の5」と明記した。人事評価を絶対評価から相対評価に変更し、毎年必ず5%の職員に第5区分=「D評価」を付けるということだ。
そして分限条例第3条は「人事評価が継続して任命権者が定める基準を下回る場合であって、研修その他必要な措置を実施しても勤務実績の改善がない場合」は「これを降任し、または免職することができる」とした。さらに同第6条は「人事評価の結果の区分が2年以上継続して最下位の区分であって、勤務実績が良くないと認められる職員」には研修などを実施し、「改善されない場合は……降任または免職の処分が行われることがあることを文書で警告」するとした。
つまり、毎年5%の職員にD評価を付け、管理職や行政当局による恣意(しい)的でデタラメな人事評価により、分限免職者を毎年出し続けようというのだ。
職務命令違反・不起立3回で
職員基本条例第27条2項は「職務命令に違反する行為を繰り返し、その累計が5回(職務命令に違反する行為の内容が同じ場合にあっては、3回)となる職員に対する標準的な……処分は、免職とする」と定めた。「君が代」起立・斉唱を命じる職務命令に抗して不起立をしたら、3回で免職ということだ。
昨年9月に提出された条例案では「1回目の処分は減給か戒告、2回目は停職、3回目は分限免職」となっていた。それを1回目は戒告とし、2回目の処分内容は明記しなくしたものの、3回で分限免職という結論はなんら変わらない。
しかも第29条1項は「懲戒処分を受けた職員に対し、指導、研修その他必要な措置を講じなければならない」と定め、1回目の処分で「指導、研修」を行うとした。同2項は「懲戒処分を受けた職員が、再度職務命令に違反した場合は……免職することがあることを文書で警告する」と、処分を2回受けた者には文書で恫喝することまで明記した。懲戒条例第9条では被処分者に「非違行為を反省し、今後非違行為を行わないことの誓約をさせることができる」と定めた。
すでに2〜3月の府立高卒業式で「日の丸・君が代」強制に反対して不起立を貫いた教育労働者に、府教委は戒告処分を下すとともに研修を行い、”今後は起立・斉唱を含む職務命令に従う”という誓約書への署名・捺印(なついん)まで求めた。しかし不起立で処分を受けた教育労働者は、不当な誓約書提出を拒んで闘いぬいている。
民営化による選別的解雇
さらに分限条例第8条7項で「任命権者は、事業の全部または一部を国その他公共団体以外の法人または一部事務組合に譲渡し、または移管する場合において、当該事業に従事する職員に事業の譲渡または移管を受けた者に就職する機会が与えられているときは……当該職員を免職することができる」とし、民営化で公務員労働者の職場を奪った場合の選別解雇を合法化しようとしている。
国鉄分割・民営化時の国鉄改革法23条や、社会保険庁解散・日本年金機構への移行時の年金機構法附則8条は、新会社への新規採用方式を規定することで労働者を選別し、国鉄労働者1047名のJR不採用=国鉄清算事業団送りや、社保庁労働者525人の分限免職を強行した。これと比べても、「就職する機会」を与えさえすればいくらでも自由に免職できるというこの条例の規定は、きわめてあくどいものである。
団結し闘えば打ち破れる!
公務員大量首切りを狙う橋下の攻撃は非常に凶暴だ。しかし「処分と免職で脅せば屈する」という労働者をなめきった攻撃は、労働者が団結して立ち向かえば絶対打ち破ることができるものだ。
2003年「10・23都教委通達」以来9年間の東京の教育労働者の「日の丸・君が代」強制反対の闘いがそのことを示している。根津公子さんらを先頭に「不起立3回で免職」という脅しを突き破って闘い続けてきたことで、不起立による解雇も阻んできたのだ。橋下の「日の丸・君が代」強制に対しても、大阪の教育労働者は卒業式で断固として不起立を貫き、橋下に大打撃を与えた。
橋下に全面屈服する組合幹部の制動を突き破り、職場にあふれる橋下への怒りを束ねて団結を押し広げ、大反撃に立ち上がろう。自治労本部・日教組本部の全面屈服を弾劾し、賃下げと首切りの公務員制度改革と闘う団結をつくり出そう。
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職員基本条例の概要
■2年連続D評価で免職
「相対評価により人事評価を行う」とし第5区分5%と規定(職員基本条例第15条)
「人事評価が継続して……基準を下回る場合であって、研修その他必要な措置を実施しても勤務実績の改善がない場合」は「降任し、または免職」(分限条例第3条)
■同じ職務命令違反・不起立3回で免職
「職務命令に違反する行為を繰り返し、その累計が5回(職務命令に違反する行為の内容が同じ場合にあっては、3回)となる職員に対する標準的な……処分は、免職とする」(職員基本条例第27条)
■事業譲渡・移管時の廃職・過員で免職
「事業の全部または一部を……譲渡し、または移管する場合において……就職する機会が与えられているときは、原則として当該職員を免職することができる」(分限条例第8条)
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週刊『前進』(2530号3面3)(2012/04/02 )
橋下・維新の会を絶対倒す
労組巡る攻防にかちぬき道州制攻撃を粉砕しよう
橋下打倒の展望は切り開かれた
動労千葉の外注化阻止・非正規職撤廃の闘い、3・11反原発集会(郡山)への1万6000人の決起、道州制による更地化攻撃と対決してかちとられた3・18八尾北・西郡全国闘争の高揚は、日本階級闘争を新たな段階に押し上げた。新自由主義を打ち倒し、プロレタリア革命をたぐり寄せる地殻変動的な階級情勢が切り開かれた。脱落日帝を打倒する力が、ついに労働者階級の中から姿を現した!
絶望的に追いつめられた日帝ブルジョアジーの最悪の”救済者”になろうとあがいているのが、大阪市長・橋下徹と維新の会だ。だが、橋下は登場とともに労働者の怒りと闘いに迎え撃たれ、破産したぶざまな姿をたちまちさらけだしている。
1〜3月決戦は、橋下に緒戦における敗北を強いたのだ。拠点労組建設と党建設をもって対決すれば、橋下のように階級決戦をまともに経験したこともない政治勢力など、必ず労働者の団結の力で打ち倒すことができる。これが、新自由主義の破綻とその絶望的凶暴化としてある道州制攻撃との対決の核心である。
われわれは1〜3月決戦での階級的労働運動の前進の中で、〈時代認識と路線〉を踏まえた党と労働組合の一体的建設の豊かな教訓をつかむことができた。一切は労働組合をめぐる激突であり、職場支配権をめぐる攻防にこそ核心がある。
すべての拠点職場で「3・11情勢下での4・9反革命」との激突になっている。階級的労働運動派が絶対反対で闘った時、最悪の反革命として襲いかかってくるのが体制内労組執行部だ。この攻防に勝ち抜き、階級的労働運動派が労組権力を奪い取ることこそ、労働者階級全体を組織する真の責任勢力への飛躍ということである。
絶対反対を貫くことが勝利の鍵
大阪市は市職員を「4年で半減させる」という方針を打ち出した。地下鉄、バス、市立病院、上下水道、ゴミ収集、保育所・幼稚園などの現業労働者を丸ごと民営化によって全員解雇するというのだ。行政職員や教員についても4年間で1割以上の削減をもくろんでいる。橋下は、大阪市の小中校297校のうち101校を統廃合によってつぶすと宣言している。まさに道州制による更地化攻撃そのものだ。
この橋下反革命との対決の戦場は労働組合にある。職員基本条例や教育基本条例は、大阪市労連や大阪市教組などを徹底的に攻撃し、その「スピード感」と「激しさ」で平伏させ、階級的労働運動を壊滅させようとするところに核心がある。
市職員に対して「アンケ−ト調査」と称して組合活動を密告させる、自作自演のねつ造されたデータを使って「組合員による政治活動」を摘発する、さらには庁舎内から組合事務所を問答無用でたたき出す、これが橋下のやっているデマとペテンの手法である。
しかしこんな底の浅い攻撃など、体制内労組幹部が縮み上がって自ら既得権や職場支配権を譲り渡すことによってのみ成立するにすぎない。階級的労働運動派が絶対反対で立ちはだかり、職場に団結を組織した時、こんな攻撃は逆のものに転化することができる。
大阪市職本部は3月15日、組合事務所の「自主退去」を組合方針とするために臨時大会を開催し、「市役所内で争っても市民に支持されない」などと言い逃れている。さらには橋下にやり玉にあげられた「時間内組合活動」を「一部の不適切な事例」(組合執行部)として闘いを放棄し、組合員を差し出そうとしている。これが労働組合のやることか! 組合事務所を差し出すその手で大量の労働者のクビまでも差し出そうというのか!
この橋下の破産した新自由主義攻撃に対して、労働者の歴史的な決起が始まっている。大阪市の教育労働者が、3月卒業式での「日の丸・君が代」強制の攻撃に対して断固たる不起立闘争に決起して橋下を震え上がらせた。
この教育労働者は、「学校選択制、学力テストの公表、学校の統廃合によって教育が破壊されると同時に、膨大な労働者が解雇されようとしています。基本条例では、『整理解雇』を合法化し、ありとあらゆることを個人の責任にして『評価』と『処分』をくり返し、アメリカ型の職員の首切りをやろうとしています。これはみんなの問題です。橋下は処分でおどせば労働者は屈服すると思っている。今、何もせずにいたとしても、どんどん容赦なしに襲いかかってくると思います。労働組合がどう闘うかが問われています。まずは職場から怒りの反撃をたたきつけましょう。あらゆる反撃が積み重なれば、力関係も変えられると思います」と、自らの「不起立宣言」の中で訴えた。これこそがすべての現場労働者の怒りだ!
この闘いに追いつめられた橋下は、「立ちたくなければ欠席するのも大人の知恵」などと打撃感をあらわにした。これこそ労働者の職場支配を一掃できない橋下の敗北宣言そのものだ!
この不起立決起に対して、市教組執行部は教育委員会と一体となって襲いかかってきた。まさに「4・9反革命」だ。体制内労組執行部が新自由主義攻撃の最悪の担い手になっている。この激突の中で組合執行部への怒りが渦巻き、現場からの決起が始まっている。職場支配権をめぐる激しい党派闘争に勝ち抜き、闘う労働組合をよみがえらせる決定的な展望が切り開かれているのだ。
労組拠点と党を建設する闘いに
橋下反革命の核心は、国鉄分割・民営化型の「いったん全員解雇・選別再雇用」の攻撃を自治体や教労で開始しているところにある。しかし、その国鉄分割・民営化攻撃は、すでに破産しているではないか。4・1外注化を阻止した動労千葉の闘いは、橋下・道州制攻撃そのものを直撃している。国鉄闘争全国運動の発展を職場闘争そのものとして闘うことに一切の勝利の道がある。
この攻防は、新自由主義によって奪われてきた青年労働者の未来をすべて奪い返す闘いである。
大阪市内のある郵政職場で、非正規職労働者が恐るべき奴隷労働を強制されている現実が明らかになった。「対話票」なるものの累積で、大量の労働者に3月末雇い止め攻撃が襲いかかった。この「対話票」とは、ほんのささいな事象をあげつらい、「対話」と称して脅し、押印させるというものだ。例えばホワイトボードに張っておいたマグネットが劣化して床に落ちていただけで「対話票」、さらにこの「対話票」への押印が薄かったというだけでさらにもう1枚「対話票」というものだ。しかもJP労組組合員である職制は、この「対話票」を非正規労働者に押印させた数を競わされ、グラフにして張り出されているという。こうして労働者性も階級性も奪い去り、徹底的に団結を破壊している! こんな職場は、JP労組幹部がとことん資本と一体となり労務支配を行っていることで成り立っている。これこそが民営化の本性であり、新自由主義の極限的姿だ。
しかし、現場労働者の怒りの決起は、この解雇攻撃を粉砕し、4月からの継続雇用をかちとっている。労働者が新自由主義によって奪われてきたすべてを奪い返す闘いが、まさにこの1〜3月決戦の大勝利によってついに始まった。
大恐慌と3・11情勢下で、労働組合の拠点建設と党建設をもって新自由主義を打ち砕く闘いに打って出よう。6・10国鉄全国集会を今年前半の最大の結集軸として闘おう。わが大阪市委員会は、真のプロレタリア独裁権力を闘いとる地区党への飛躍をかけて、断固階級的労働運動路線をもって突き進む。これこそが橋下反革命に対する革命党の回答である。
〔革共同大阪市委員会〕
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週刊『前進』(2530号4面1)(2012/04/02 )
新自由主義と闘い全原発廃炉へ全学連とともに未来を開こう
4・19法大包囲−対文科省行動へ
新入生のみなさん。全学連(全日本学生自治会総連合)とともに反原発闘争を全国の大学からまきおこそう。原発廃絶は「金もうけがすべて」の新自由主義をぶっ飛ばす闘いです。全学連は、大学の主人公たる学生が団結して未来を闘いとっていくための組織です。新入生歓迎企画として、全学連から新入生のみなさんに向けたアピールを掲載します。(編集局)
(写真 3・11福島県民大集会に全国から学生が結集。デモに出発する全学連の隊列)
資本主義はもう終わりだ 原発なくし社会変えよう 斎藤郁真委員長(法政大)
青年・学生が歴史を動かす
新入生のみなさん! 青年・学生が歴史を動かす時代が来た! 大震災と原発事故がこの社会のふざけた支配構造をさらけ出し、何千万という人びとの価値観を変えました。多くの若者が未来をかけて行動に立ち上がり始めました。それが政府と”原子力ムラ”を揺るがし、ついに稼働原発をあと1基にまで追い込んでいます。団結して闘えば社会を変えることはできる!
大震災から1年、郡山市で開かれた「原発いらない!3・11福島県民大集会」には1万6千人が大結集しました。6人の福島県民が口々に「人の命も守れないのに、電力とか経済とか言っている場合ではない」「核と人類は共存できない」「『頑張ろう日本』ではなく『変えよう日本』だ」と怒りを込めて発言しました。自らの力で未来を切り開くため、人生をかけた決起が開始されています。
同時に、「1%」のために「99%」が犠牲にされる社会への怒りが世界中で爆発しています。エジプト・中東、イスラエル、ギリシャ、アメリカ、韓国、中国……、世界大恐慌の中での昨年2月のエジプト革命は、米ウォール街でのオキュパイ(占拠)運動へ発展しました。資本主義をのりこえて、新たな社会をつくりだす闘いが始まっています。
これらすべての闘いの先頭に青年・学生が立っています。米・オキュパイ運動は、「教育の民営化」=大学の商業化に反対する10人の学生の座り込みから始まりました。私たち学生は若く未熟であるかもしれない。しかし、私たちがいま何をし、何を考えるのかが未来の社会を決める。私たちこそが未来の担い手です。日本の学生はフクシマの怒りと連帯し、資本主義・新自由主義を倒そう! キャンパスに学生の団結組織=学生自治会をつくろう!
支配者を倒す壮大な挑戦
フクシマの怒りが広く深く世界に拡大する一方、野田政権は原発再稼働策動を強め、原発輸出すら狙っています。野田は「経済・環境・安全保障の観点から原発再稼働は必要だ」と言います。 「核の平和利用」の名目で推進されてきた原発は「安全保障のためにある」! やはりその正体は、核武装の隠れみのだったのです。
原発事故は収束のめどが立たず、10万人を超える人びとが避難を余儀なくされ、財産や仕事、生きがい、そして故郷を奪われました。しかも、放射能被害に対する政府の差別的対策が現地の人間的絆を分断しています。
フクシマの怒りをたたきつぶし、棄民政策をしているのは誰だ! 政府と”原子力ムラ”だけは原発を維持し、これまでのような支配を続けようとしています。マスコミ・大学を買収し、反対運動をカネで分断し、暴力で抑え込み、社会から真実を奪ってきました。そのもとで40万人ともいわれる膨大な労働者が超低賃金で被曝労働に従事させられてきました。”原子力ムラ”の言う「低コストの電力源としての原発」とは「人間の命が安く扱われている」ことと表裏一体です。こんなやつらは私たちの未来に絶対にいらない!
戦後67年、沖縄の怒りの声を押しつぶして犠牲を強制し、今また名護市・辺野古への新基地建設を進めています。この国のあり方とそのもとで私たちに強制されてきた「常識」を問い返し、社会そのものを変えなければなりません。原発をなくす闘いは、歴史を見据え、「考えても仕方ない」と思わされてきた私たち自身を変革しながら、支配者どもを打ち倒す壮大な挑戦です。
御用学者弾劾し大学奪還を
反原発の闘いの最大の焦点は、大学キャンパスの中にあります。私たち全学連は昨年、3・11直後から東北大の仲間への支援の行動を通して被災地と結びつきながら、3月31日には東京電力本店に抗議デモを行い、情勢を切り開いてきました。そして5月沖縄現地闘争に立ち上がり、7月8日には東北大キャンパスで全国学生集会を開き、8月ヒロシマ−ナガサキ闘争をうち抜きました。さらに10月28日には福島大キャンパスで全国学生集会をかちとり、原発の廃絶に向かって福島大生と団結を深めました。全国で御用学者を弾劾し、真の大学と教育を取り戻すために闘ってきました。
今の大学の現実は本当に許せません。福島原発事故前は「原発安全神話」をつくってきた御用学者たちが、事故後には「放射能安全神話」をつくり、「放射能を浴びても安全」というデマキャンペーンを行っています。政府内ワーキンググループは昨年12月15日に「年間20_シーベルトまでなら被曝は問題ない」と答申しました。被害を小さく見せかけ、賠償額を少なくすることに腐心しているのです。子どもの鼻血が異常に出るなど、放射能の影響と思われる事態が現地では出始めているにもかかわらず、すべてストレスのせいにされています。大学が先頭に立ち科学の名で殺人行為をやっているのです。
一方で、大学の中では「教育の民営化」で学生の生活が食い物にされています。高い学費に苦しめられ、奨学金という名のローン(借金)が押しつけられています。奨学金は98年以降、無利子の「第一種」の規模はほとんど変わっていない反面、有利子の「第二種」の規模は650億円から8185億円へと12倍以上に急拡大し、ビジネスになっています。資本・政府が非正規雇用を増やし続けているにもかかわらず、「就活」の失敗はすべて学生の「自己責任」にされます。学生の自殺者数は上昇し、昨年は1978年以来初めて1千人を超える学友が命を絶ったのです。
キャンパスで政治や社会を考え討論する場すらない。ルールばかりが増え、現状に抗議したら処分や単位をちらつかせた恫喝が加えられる。原発推進大学と学生から自由を奪う大学のあり方は一体です。学生から力を奪い、社会から真実を奪う大学はもうたくさんだ!
法人化で原発推進へと加速
なぜこんなことになったのか? 「大学改革」の柱であった国立大学法人化体制(04年〜)がその大きな要因です。国立大への運営費交付金を減らすことで、大学と企業の癒着を促進し、「産学連携」が一挙に進められました。私立大も巻き込んだ大学間の商業競争が一層激化しました。これと一体で01年に文部省と科学技術庁が統合し、文部科学省が誕生しました。科学技術庁は、「原子力の父」=正力松太郎が初代長官を務めた機関であり、「もんじゅ」など高速増殖炉と核燃サイクル技術を管轄する核技術開発=核武装のための機関です。
まさに、”資本による大学の買収”の過程と一体で、大学が一挙に原発推進へかじを切っていったのです。この構造のもとで御用学者が大量に生み出されました。
「学問」「教育」はこんなものでいいのか! 本来、人間を豊かにするための「科学」が、人びとの生活を無視し冷たい数字をもてあそび、人間を数値でしか扱わない「経済」のために命を奪う。この腐った体制そのものを学生の力で粉砕しよう!
資本主義は終わりです。世界大恐慌のもとでのヨーロッパやアメリカの現実、バブル崩壊の中にある中国の現実を見てください。資本が金をもうけるかぎりで私たちが生きていくことができるというふざけきった社会を根底的に変革する闘いが、世界中で始まっています。この日本でも同じです。3・11福島集会1万6千人が示したフクシマの怒りは資本主義と非和解であり、この闘いの先に新しい世界をつくることができます。
(写真 全学連による「法大解放!東電弾劾!」の連続デモが都内を席巻した【11年4月】)
学生自治会を創り上げよう
学生は、人間らしく生きていくために団結して闘おう。06年3月以来6年間にわたって闘い抜かれてきた法大闘争は、日本の学生の団結の可能性を示してきました。法政大当局の「ビラまき・立て看板規制」に抗議のデモを行った29人の学生全員の逮捕と、5人の法大生の停学・退学処分に対し、「処分撤回」を掲げて始まった法大闘争は、闘いの中で「一人の仲間も見捨てない」「教育の民営化粉砕!」「キャンパスを学生の手に取り戻そう」のスローガンを生み出し、のべ118人の逮捕と2けたを超える停学・退学処分をのりこえてきました。今、原発事故で大学と教育のあり方が問われる中で、新たな法大生が闘いに加わりながら発展しています。
法大闘争は、教育の民営化に伴う学生の団結破壊の大弾圧に対して日本で唯一負けなかった闘争です。カネやモノで分断してくる敵の攻撃を”資本こそが真の敵である”と見据え、学生の団結と誇りに依拠した闘争であるからこそ、新自由主義=市場原理主義の攻撃に勝ち抜いてきました。ついに昨年、その闘いは福島とつながり闘う福島大生を生み出しました。
私自身、07年に法政大に入学し、法大闘争の中で逮捕され退学処分を受けましたが、「処分撤回」を掲げて、全学連の委員長として全国学生の先頭で闘っています。闘いはいつも少数から始まります。最初は隣の学生から「そんなことを考えているのはお前だけだ」と言われるかもしれません。だが、それは絶対に違います。多くの学生が悩んでいます。そして、君の決起と呼びかけを待っています。
闘う学生は団結し、学生の未来をかけて闘う組織=学生自治会を創り上げよう! 私たちは、自らの組織をつくることで、社会変革の主体としての力と可能性を取り戻せます。反原発闘争と新自由主義大学との闘いのただ中で、学生自治会建設に挑戦しよう。
文科省が放射線被曝の「20_シーベルト基準」を決めた4月19日からちょうど1年。4・19法大−文科省包囲闘争にフクシマの怒りとの連帯をかけて全国学生は立ち上がり、福島大生とともに原発再稼働を阻止しよう! そして5月沖縄現地闘争へ! 米軍基地と戦争と日米安保、核武装と原発はすべて一体の問題です。核と安保を粉砕する闘いに立とう。
私は2012年、多くの新入生の仲間とつながりながら、300万学生の最先頭で闘う決意です。ともに闘おう!
福島大生の怒りと団結の中に原発廃止の力がある 坂野陽平書記長(上智大)
再稼働打ち砕く3・11郡山集会
すべての新入生、とりわけ福島大生のみなさん! 私は福島大学の怒れる学生とともに今、福島で闘っています。福島大生の怒りは世界を変える位置を持っている。ともに世界の原発と核をなくす闘いに立ち上がろう!
3月11日、1万6千人が集った「原発いらない!3・11福島県民大集会」。福島第一原発事故以来のあらゆる人びとの思いが結実しました。
現在稼働中の原発は1基のみ。原発事故直後から膨大な人びとが行動に立ち上がってきました。この力によって次々と原発が停止に追い込まれていきました。この怒りに追い詰められた野田政権は、すぐさま原発再稼働へ猛進し始めました。
政府が真っ先に行ったのは、フクシマの怒りを圧殺することでした。昨年12月には政府の「事故収束」宣言と時同じくして、郡山で子どもたちが避難の権利を訴える「ふくしま集団疎開裁判」における申し立て棄却判決が下された。これこそ「放射能は安全」なるキャンペーンの本質です。
これに対し3・11集会で福島現地から怒りの声が上がった。それは政府の原発再稼働政策を根幹で打ち砕くものでした。
「原発事故ですべてを失いました。飯舘村の農家は農地も牛もすべて失い、涙を流して廃業しました。もう飯舘村で農業を行うことができない。どうやって生きろというのですか」(菅野哲さん、飯舘村から避難)
3・11集会において、分断されてきた福島と全国がひとつになることができました。それは「日本人の国民性が再び試されている」(野田首相)といった挙国一致ではなく、政府・東電の責任をどこまでも追及し抜く、怒りとエネルギーに満ちあふれた団結です。
福島を圧殺・分断する政府・東電
しかし、野田首相は同じく本年3月11日、「原発再稼働の先頭に立つ」との宣言を発しました。原発再稼働阻止の正念場です。福島現地ではさらなる怒りの圧殺と分断の攻撃が始まっています。
一つに、賠償金による分断です。旧緊急時避難準備区域の精神的苦痛に対する賠償を原則として8月末で打ち切ることを決定、その一方で、県南9市町村の妊婦と子どもには賠償の範囲を拡大し、その上で、あくまで会津地方は賠償の対象外としています。県民同士がいがみ合わされ、政府・東電に対して怒りが向かわない構造がつくりあげられています。
二つに、「安全なんだから帰れ」「事故が収束したのだから避難者などいない」という帰還運動です。除染の効果はなく安全が確保されていないにもかかわらず、広野町をはじめ行政の帰還が始まっています。高速道路の無料化が4月1日で打ち切られ、自主避難者は「兵糧攻め」(福島民報3月25日付)にされる形で帰還を強制され、「安全」キャンペーンがますます強まっています。
三つに、「居住困難区域」である双葉郡への中間貯蔵施設建設と全国の自治体を動員したがれきの広域処理です。「各都道府県と福島のどちらに核廃棄物を持っていくのか」と福島と他県との分断が図られ、政府・東電の責任があいまいにされようとしています。福島を「核のゴミ捨て場」にしながら、そこに帰って生活せよと言うのは、政府によるおぞましい福島棄民政策です。
さらに福島から搾り取り金もうけをしているのが政府です。ほとんど効果がないと実証されている除染がビジネス化されています。政府は「除染モデル事業」を独立行政法人日本原子力研究開発機構(JAEA)に委託していますが、機構はゼネコンからなる三つの企業共同体に事業を委託。福島県民の命をなんだと思っているのか。こんなことが福島の望む「復興」では断じてない!
事故を生み出す体制の変革こそ
福島大学では、3・11集会の呼びかけ人でもある清水修二前副学長と学生の激突が続いています。これは、「原発を廃止していく力はどこにあるのか」をめぐる重大な対立です。
彼は「(チェルノブイリと比べて福島の)汚染は7分の1」「低線量被曝と共存(せよ)」(産経新聞12月15日付)と、事故の責任をあいまいにし、政府と同じ「帰還」の立場をとり、「福島を自然エネルギー開発の拠点に」と「脱原発ビジネス」を進めています。資本・企業のもうけにならない福島の「復興」はないという考え方です。
しかし、金もうけ中心の資本主義こそが原発をつくってきた大元です。それは被曝労働のような労働者の使い捨て、地方や教育・医療の破壊などの新自由主義に行き着きました。資本主義を前提とするかぎり、私たちは生きることすらできない。この社会を変えなければならないのです。
その力は学生の中にこそある。3・11集会に参加した福島大生は次のように語っています。「避難生活中の高校生の方は言いました。『人の命も守れないのに、電力とか経済とか言っている場合ではないはずです』……デモ中に聞こえた『政府と東電は責任を取れ』。これも当たり前です。……人の上に立ち、代表となっている人たち。……なぜ当たり前のことを理解し、実行することができないのか。ましてや、事実を隠蔽したり、問題を小さく見せかけて責任を逃れようとするのか」。責任追及とは単なる原因究明ではなく、事故を生み出した体制を転換し、私たち自身が社会の主人公となっていくことと一体です。
3・11集会を呼びかけながら、学生たちが学内に掲示したポスターをはがし、「『闘う学生自治会をつくろう』と呼びかける集団は認められない」と言い放つ清水教授。彼のようなあり方と対決し、学生こそが大学と社会を変える主体だと鮮明にさせていくことこそ原発をなくす力です。
そもそも原発事故以前から、私たち学生の生活と未来は奪いつくされてきました。若者の半数が非正規雇用、大卒者の5人に1人は定職につけない中で、少ないパイを巡って仲間との徹底的な競争が強いられてきました。学生から未来を奪い原発を最先頭で推進してきた大学が、反原発運動の先頭に立ち未来社会建設の機関となったとき、必ず社会は変えられる。
なんとしても原発の再稼働を阻止しましょう。原発に象徴されるこの社会のあり方を根本的に変革しましょう。すべての学生は4月19日法大―文科省行動に集まろう!
(写真 福島大キャンパスで300人の昼休み集会【11年10月】)
民営化反対と原発反対で広がる国際連帯闘争 国際部 松室しをりさん(慶応大)
「われわれ全員の共通項、それは、われわれは1%の強欲と腐敗に対してもう我慢できない99%であるということだ」――米ニューヨーク・ウォール街で始まったオキュパイ運動は、全米・全世界に広がっています。
3・11東日本大震災と福島第一原発事故は、資本主義・新自由主義とわれわれ99%は絶対に相いれないことを示しました。今年の「3・11」はそれゆえに、フクシマの怒りを先頭に、全世界の人びとの根底的な社会変革を求める行動が燃え上がる世界的な闘いの日となったのです。郡山市の開成山野球場を埋めつくした1万6千人。ドイツやフランスをはじめ、全世界21カ国、132都市で立ち上がった数十万の人びと――その先頭に立つ日本の学生・青年の行動に今、全世界の人びとが注目しています。
こうした中で全学連は実際に、アメリカやドイツ、韓国の仲間との国際連帯をつくりだしてきました。
(写真 高レベル核廃棄物最終処分場予定地のゴアレーベン「調査施設」の前で現地反対同盟委員長のケアスティン・ルーデックさん【中央の女性】らとともに【2011年8月】)
米韓独ブラジルにも訪問し団結
米カリフォルニア州では2010年3月4日、州政府による教育予算の削減や学費値上げに反対し、「公教育を守れ!」をスローガンに、幼稚園から大学まであらゆる教育機関の学生・労働者が100万人教育ストライキに突入しました。その先頭に立ったカリフォルニア大学バークレー校の仲間たちの招待に応え、全学連代表団も同大学門前でのピケット、デモや集会に参加し、歴史的な行動をともに成功させました。
さらに昨年8月にはドイツを訪問。福島第一原発事故後、直ちに50万人の大デモで政府の原発政策を覆した闘いに学ぶとともに、被災地を先頭とする日本の仲間の闘いを伝えてきました。ここから、35年間にもわたって核廃棄物の最終処分場建設を阻止してきたゴアレーベンの仲間たちとの交流が始まりました。
毎年11月には韓国を訪問し、民主労総の大会や闘争現場を訪れ、交流を深めています。韓国では非正規職撤廃闘争で労働者がひとつとなり、昨年には「希望バス」の闘いで韓進重工業の整理解雇を撤回させる歴史的勝利を実現しました。さらにブラジルをはじめ全世界の仲間との連帯、日本で闘って生きる在日・滞日外国人の仲間との連帯も決定的に重要です。
私たち学生・労働者の団結を破壊する新自由主義をいかに打ち破るか――これが全世界の闘いの焦点になっています。
キャンパスから世界につながる
国際連帯をつくり出してきた力は、キャンパスでの闘いにあります。法政大学では、7年間にわたって教育の民営化との闘いを前進させてきました。仲間との団結にすべてをかけて闘い、新自由主義を打ち破ってきました。このことが国際的に評価され、世界的な連帯をつくり出してきたのです。学生が大学の主人公として登場した時、社会を変え歴史を動かす力も取り戻せます。キャンパスでの闘いは全世界とつながっているのです。
国際的な連帯が核と原発をなくし、戦争を止める力となる時代です。すべての学生は4・19法大―文科省闘争、5月沖縄闘争に参加し、スケールの大きな闘いをやろう。国境を越える固い団結こそ、学生の可能性そのものです。全学連国際部は、新入生のみなさんの合流を心待ちにしています!
未来を担う学生こそが全原発廃炉へ行動を! 石田真弓副委員長(東北大)
新入生のみなさん、入学おめでとうございます。誰もがこの資本主義社会の矛盾に怒り、社会変革を望んでいます。政治家や官僚への不信や絶望が日増しに高まっています。野田政権と「1%」の支配者たちは、「99%」の労働者や学生の団結におびえ、一つの原発の再稼働もできない。5月5日には日本列島の全原発が停止します。2012年、未来を担う学生こそ“全原発廃炉”への行動の先頭に立とう!
3・11東日本大震災から1年がたちました。死者1万5854人、行方不明3155人、避難者34万3935人の大災害です。明らかになったことは“人災”だということです。腐りきった資本主義社会の姿です。多額の資金で各地に54基もの原発をつくりながら、最低限必要とされる地震・津波対策の予算すら切り捨てられ、本来なら失われることもなかった多くの命が奪われました。
そして原発事故と放射能汚染は、福島の人びとを「放射線管理区域」レベルの高線量の中に放置し、原発政策を維持するための「緩やかな殺人」が政府・電力会社によって続けられています。今年3月11日の福島県民大集会に集まった1万6千人の労働者、農漁民、学生は、すべての原発の廃炉を訴えました。
学生の怒りを団結と行動に変えよう! 大震災は、学生の団結と力の可能性を示しました。東北大学生自治会の仲間が大震災で直面したことは、団結して生きぬくことでした。電気・ガス・水道が止まり、食料もガソリンも手に入らない。誰も経験のない状況で仲間同士が何をすべきか、食料を分け合い、水くみや買い出しの分担など、一から議論し行動しました。
当時、ある寮生から「隣の部屋の寮生の生存確認さえできない」との相談もありました。新自由主義による団結破壊の現実です。しかし私たちは新自由主義と闘ってきたからこそ、あの状況を生き抜くことができた。全国の仲間の支援に本当に励まされました。
震災でもう一つ明らかになったのは、むき出しの「教育の民営化」です。東北大学が震災後に行ったことは、反原発闘争を闘う学生を学生寮からたたき出す攻撃でした。空き部屋があるのに、「教育」の名のもとに問答無用で学生の住居を奪おうとした。大学の堕落した姿です。街頭でわき上がる原発への怒り、御用学者への怒りをキャンパスに持ち込ませないための分断です。
しかし反原発の闘いは学生の団結を強め、分断をのりこえて勝利の道を進んでいます。昨年7月に東北大学川内キャンパスで行った「反原発!大学奪還7・8全国集会」では150人の学生が大学の中から声を上げ、退寮を強要されようとした仲間を守りました。
12月に行われた学生自治会執行部選挙では、反原発運動に立ち上がった仲間とともに「原発の再稼働阻止」を掲げて私も立候補し、732票の信任を集め、過去5年間で最高の信任率で当選しました。選挙後にある学生が「学生自治会は大学当局と対抗できる唯一の団体だから応援します」と激励してくれました。原発反対の闘いを通して学生の団結をつくる、その中から大学と教育を取り戻す学生自身の組織=学生自治会を建設することは決定的です。
学生の力で未来ある社会をつくろう。原発はいらない。命よりカネもうけ優先の社会を反原発闘争の力で変えよう。東北大生は、福島大生をはじめとした全国の仲間と連帯し、被災地から力強い運動をつくり出します!
ヒロシマの原水禁運動引き継ぐ自治会建設へ 鈴木研也副委員長(広島大)
広島大学より全国の新入生の仲間にアピールを送ります。
3月11日、福島県民大集会に1万6千人が結集し、怒りの火柱が立ちました。6人の福島県民が登壇し、「すべての原発をなくせ」「政府・東電の責任をあいまいにするな」と根底的な怒りを表明し、全世界へ闘いの“檄”を飛ばしました。福島県民の人間的な誇りと政府の腐った姿は対極にあります。
原発は電力のためだけにつくられたわけではありません。野田首相が原発再稼働の理由に「安全保障」を挙げたように、沖縄米軍基地などと同じ戦争政策、核政策としてつくられたのです。
原発からは核兵器の材料であるプルトニウムが作られます。原発導入の口火を切った中曽根康弘元首相は、軍人時代に「広島の原爆のキノコ雲を見て、原子力の時代を直感した」と語っています。核武装の潜在能力を持つために原発が導入されたのです。
1945年ヒロシマ・ナガサキ、そして54年ビキニ環礁での被爆。人類史上類例のない被爆を3度も経験した日本で、原水爆禁止運動が広がりました。この闘いが世界の反戦反核運動をまとめ、核開発競争にのめり込む米ソを軸とする戦後世界体制を根底から揺さぶりました。“この運動をいかにして分裂させ沈静化させるか”との思惑で「核の平和利用」が語られ、原発が導入されたのです。“核兵器は戦争のためだが、原発は平和的だ”と吹聴されました。
しかしこの虚構は福島第一原発の事故で吹き飛びました。核と原発の歴史をのりこえ、原発をなくし、社会を根本から変えるまでやむことのない反原発の怒りが、今うねりとなって全国に広がっています。
事故後、「放射能は安全」「核と人類は共存できる」というキャンペーンの先頭に立ったのが、「被爆地大学」「放射線医療の権威」を名乗る広島大学と長崎大学の教授たちです。
御用学者の代表である神谷研二(広島大教授)と山下俊一(長崎大教授)は、事故後「放射線健康リスク管理アドバイザー」として福島に出向き、「年間100_シーベルト以下の被曝は問題ない」と福島県民に高線量汚染地帯での生活を強制、被曝の影響が疑わしい症状について、医療機関に「放射能の影響と言うな」と働きかけ、被曝の影響と向き合う医者に「勝手に患者の検査をするな」と脅しています。
原発事故への福島県民の怒りを抑え込み、内部被曝による健康被害の事実を抹殺したヒロシマ、ナガサキ、ビキニの暴挙を繰り返そうとしているのです。
神谷と山下は福島県立医科大学副学長に就任し、「健康管理調査」の名で福島県民から被曝データを取り、それをもとに海外から製薬・医療資本を呼び込み、福島を「がん治療」ビジネスの拠点にしようとしています。被曝をネタに「医療特区」で金もうけ――こんな殺人行為が「医療」の名のもとに行われることを許していいのか! 御用教授どもに未来を奪われていいのか!
“ヒロシマ”があらためて問われています。原爆慰霊碑に刻まれた「安らかに眠ってください。過ちは繰り返しませぬから」の誓いは、二度と被ばく者を生み出さないためではなかったか。今年の8・6ヒロシマ反戦反核闘争を巨大な反原発闘争としよう。「こんな社会はフクシマで終わりにしよう」と歴史に刻もう。
広島大学から闘いを爆発させます。真の医学、科学、学問を取り戻そう。キャンパスから行動に立ちあがろう。学生の団結の証し、学生自治会を建設しよう!
「教育の民営化」と闘い大学を私達学生の手に 大森靖之副委員長(京都大)
新入生のみなさん! 私たち全学連は06年以来の法大闘争を通して、資本・大学当局に対して「絶対反対」で闘い、資本家階級の無責任と破綻を暴き、幾千幾万の労働者・学生の団結を生み出すことを学んできました。今やこの闘いの陣形が、3・11福島県民大集会をはじめ階級闘争全体を牽引(けんいん)する責任勢力となっています。原発再稼働を阻止し全原発を廃炉に! 新自由主義を打ち破る学生自治会を打ち立てよう! 京大生はその先頭で闘います!
京大は一見「自由な学風」に見えますが、中身は原発政策に加担する新自由主義の体制です。松本紘総長ら経営協議会は、関電元社長・藤洋作(04年美浜原発事故で労働者を殺し引責辞任)を委員に引き入れ、何度も原発再稼働を政府に要請しています。学内では「放射能は安全」とする御用学者の講演会が開かれ、「一般公開」された会場から「原発反対の意見を言う学生」を排除したのです。
1月31日には、ストレステストを「妥当」と判定し、大飯原発再稼働にお墨付きを与えた東大教授・岡本孝司らによる「高性能原発の研究会」が開催されましたが、そこで行われた議論とは、原発事故を「ビジネスチャンス」とし、従来の軽水炉(沿岸に設置する必要あり)に代わり「内陸につくれる」高温ガス炉が「津波を回避できる」から売り込めるというものでした。事故の根絶に責任をとるのでなく、ウソとペテンで新たな原発を売り込む御用学者の腐敗! 結局は金もうけ! これが新自由主義の「学問」です。
京大当局は今、1学年に20人規模で1人300万円の奨学金、100万円の研究費を出す「学寮型大学院」設置を計画、それと一体で橋下徹大阪市長が府知事時代に肝いりで作った高校と連携協定を結んでいます。松本総長は「提携校出身の学生には入試の際に加点する」と言い放ちました。公教育を破壊し、資本の先兵となることだけを求める教育。この構造が「原子力ムラ」の御用学者を生み出したのです。これを繰り返すだけの松本総長や橋下市長の破産した姿。新自由主義にくみする大学当局にまともな教育はできません。こんな連中と学生の利害は相いれません。
全学連は、この大学の腐敗への怒りを結集し、力関係を転換してきました。キャンパスで原発と社会のあり方をめぐる討論が展開され、クラスから「原発再稼働反対、関電藤洋作追放」の決議があがり、「反原発団交」を開催。講演会からの学生排除について全面謝罪をかちとりました。「高性能原発研究会」の会場に突入して再稼働を容認する岡本を厳しく追及し、京大からたたき出したのです。キャンパスから反撃すれば、「原子力ムラ」の変革は可能です。
新入生の皆さん! 僕は「教育の民営化」を学生の団結で打ち破り、共同で社会を動かす誇りを取り戻したい。それが大学における学生の当たり前の姿です。
闘いの中で、自分たちの学問が誰のための学問か、大学は誰のためのものかが見え始めました。社会との連関を「産官学の金もうけ」だけで語り、そこに位置づかない研究は切り捨てる。こんなことしかできない法人化体制の息の根を止め、大学を私たちの手に取り戻そう。そのために今こそ学生自治会を建設しよう! ともに闘おう!
学生弾圧に勝ち抜いた新自由主義粉砕の砦 洞口朋子書記次長(法政大)
新入生のみなさん! 歴史は大きく動いています。3・11福島県民大集会には法大生も大挙参加しました。この高揚を引き継いで4・19法大集会への参加を訴えます!
原発事故で大学が問われています。「3・11」で法大当局が行ったことは、キャンパス封鎖と私たちの仲間・倉岡雅美さんへの「無期停学」処分です。キャンパスで原発反対運動をやらせないということです。御用学者と大学の腐敗です。
法大は学生弾圧の一方で裁判所と結託し、入試期間中のビラまきを「営業権(金もうけ)」を盾に禁圧、違反すれば罰金100万円だと。原発の推進者となって学生を金もうけのダシにするとは「大学」「教育」のやることでしょうか。
法大闘争は新自由主義大学との闘いです。「大学の主人公は誰か」をめぐる学生と大学の非和解的な対立です。06年3・14弾圧(ビラまき・立て看板規制に抗議した学生29人逮捕)が、法大での新自由主義攻撃、学生の団結破壊と暴力支配の出発点でした。しかし学生の誇りをかけた反撃がたたきつけられたのです。
私は、学生を弾圧する大学に怒りを感じ、大学を変えようとの思いで闘い始めました。大学は学生が主人公でなければならないと思います。
法大では、私も含め多くの学生が逮捕され、退学や停学処分を受けました。「大学に逆らったらこうなるぞ」という見せしめです。
しかし法大闘争は、学生が団結すればどんな攻撃も跳ね返せることを証明しました。学生にはそういう力があります。「一人の仲間も見捨てない」という法大文化連盟のスローガンが生まれ、09年4・24にはキャンパスで1500人集会を実現しました。
戦前からの悪法「暴処法」による弾圧もかけられ、文化連盟や全学連のリーダーが一斉に獄中に奪われても、全員を取り戻し、続々と1年生が闘いに合流しています。
また新入生への学生証チェックへの抗議と、私の処分に反対するクラス決議に対し、法大当局は私に「無期停学」処分をかけました。それで「キャンパスで原発反対の声も上げられないとはおかしい!」と、新たな仲間が合流しています。
学生を力ずくで黙らせて金もうけとは、法大当局の支配は破綻しています。当局は08年に文化連盟を非公認化し、CSK(サークル支援機構)という御用団体をつくりましたが、原発反対など自由な表現活動を禁じ、学祭までつぶそうとする当局への怒りはもはや誰にも止められません。
法大闘争は世界とつながっています。私はカリフォルニア大学の学生に招かれて訪米し、ストライキに参加、「教育の民営化反対!」は世界共通のスローガンだと実感しました。彼らは今、オキュパイ(占拠)運動の最先頭にいます。
「自分も法大闘争のように闘いたい!」という福島大生が闘いに合流しました。反原発闘争の中で法大闘争は全国に広がっています。4・19法大―文科省行動へ! 法大市ヶ谷キャンパス正門前で会いましょう!
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【要項】4・19法大包囲デモ
「原発再稼働阻止! 不当処分を撤回しろ!」法大包囲デモ
4月19日(木)正午集合
法政大学市ヶ谷キャンパス正門前
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週刊『前進』(2530号5面1)(2012/04/02 )
国際労働運動 5月号
5・15沖縄で闘おう
世界大恐慌が深化し、新自由主義が破産し、帝国主義間・大国間の市場・資源をめぐる争闘戦が激化している。1月5日の新軍事戦略で米帝オバマは、アジア太平洋重視と対中軍事対決を明確にし、エアシーバトル(空海戦闘)を打ち出した。新自由主義は労働者階級の団結を破壊し、非正規化と貧困と飢餓に追いやったが、次は中国侵略戦争と世界核戦争の惨禍にたたき込もうというのだ。今こそ全世界の労働者階級人民は、新自由主義を粉砕し、帝国主義を打倒し世界革命をなし遂げよう。
第1章は、エアシーバトルを弾劾している。新自由主義のイラク・アフガニスタン侵略戦争の敗北で疲弊しきった米帝が、さらに大戦争に突入していく新自由主義の末期性を明らかにしている。
第2章は、日米安保堅持の野田政権打倒論。福島第一原発事故、トモダチ作戦で脱落帝国主義化を深める日帝は、日米安保の強化、朝鮮・中国侵略戦争、沖縄・本土の基地強化に走ろうとしているが、墓穴を掘っているのだ。
第3章は、日米安保の全矛盾の集中点である沖縄で、辺野古新基地建設阻止、基地撤去、安保粉砕闘争が沖縄を革命の火薬庫にと、階級的労働運動路線を軸に発展していることを明らかにしている。
討議資料として中国軍部のエアシーバトル批判を掲載した。
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週刊『前進』(2530号6面1)(2012/04/02 )
3・24日比谷さようなら原発 “再稼働に絶対反対”
6千人の先頭にNAZEN
野田政権が大飯原発3、4号機の再稼働への動きを強めるなか、3月24日に「再稼働絶対反対!」の労働者人民の怒りの声が上がった。3・11福島県民大集会の1万6千人の根源的な怒りは核と原発がなくなるまでやむことがない。
さようなら原発1000万人アクション実行委員会が主催する集会が東京・日比谷野外音楽堂で開かれ、雨の中、自治体労働者・教育労働者・医療労働者など6千人がのぼりや旗を掲げた労働組合を先頭に結集した。NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議=な全)は独自集会を行った後、青年学生を先頭に大挙して参加し、闘いぬいた。
集会では7月16日に10万人集会(代々木公園)を成功させようと宣言が発せられた。3・11集会の地平から8・6広島―8・9長崎へ、反原発・反核の巨万の労働者人民の闘いが開始された。また会場では本紙前々号(3・11福島県民大集会報道特集号)に多くの参加者が注目・共感し、購入、「すべての核と原発をなくすまで闘おう」の訴えに鼓舞されて集会に臨んだ。
(写真 「原発の再稼働を絶対許すな!」。3月24日、東京・日比谷野外音楽堂に労働組合を先頭に6千人の労働者学生が大結集し叫びを上げた)
原爆も原発も全部なくそう
山本コウタローさんによる反原発トーク&ライブの後、集会が開始された。主催者あいさつに立った作家で呼びかけ人の鎌田慧さんは「野田首相は自分が先頭になって再稼働をやると言っているが認められない。原爆も原発もすべて拒否する。7月16日、10万人集会を成功させよう。再処理工場を認めない、もんじゅも認めない」と強調した。
同じく主催者あいさつを作家で呼びかけ人の澤地久枝さんが行い「原発は私たちの力で絶対に止める。原発関連のものも全部止める。頑張っていきましょう」と訴えた。賛同人で人材育成コンサルタントの辛淑玉さんは「核、原発は人を殺すものだからダメです。私が原発に反対するのは差別だからです。福島に原発を置くのと沖縄に基地を置くのはまったく同じ構造」と弾劾した。
福島からは3・11県民大集会実行委員会の大内良勝さんが「福島の状況は変わっていない。来年も3月11日は福島で集会をやりたい。仲間をもっと増やして成功させましょう」と呼びかけた。新潟の代表は「3月26日、柏崎刈羽原発6号機が定期検査入りして全7基が止まる。絶対に再稼働させない」と発言した。
さらに幾つもの発言やメッセージを受け、作家で呼びかけ人の落合恵子さんがまとめを行い「原発は原爆と変わりはない。すべての核を捨てることを、すべての原発を廃炉にすることを誓いましょう」と呼びかけた。
4・19法大―文科省行動へ
集会後、2コースに分かれてデモ行進を行った。NAZENを牽引(けんいん)するのは青年・学生だ。福島集会のデモでも登場した「世界の核と原発なくせ」の横断幕が先頭を進み、全学連や法大文化連盟の旗が高く掲げられた。NAZENの隊列は新たに加わった人や飛び入りの人なども多数参加し、400人にふくれあがった。動物たちを殺すなと訴えるグループも。デモ途中で青空も見え始めたなか、熱いコールを連呼し都心を行進した。数寄屋橋交差点から東京駅八重洲口に至るほぼ1`メートルの間ではどこでも歩行者が歩みを止めデモに注目した。
解散地点の常磐橋公園に近づくに従って、先にデモを終え帰途につく多くの参加者がNAZENの隊列に手を振り、拳を突き上げてエールを送った。千葉から来た年輩の女性は「法大が元気いいですね」とにっこり。
NAZENはデモ終了後、総括集会を行った。織田陽介事務局長は「4月再稼働を狙う政府との緊迫した激突に入っています。何があろうとますます怒りを燃やして原発をなくすまでとことん闘おう。この社会そのものを変えよう。職場からキャンパスから立ち上がろう」と訴え、「20_シーベルト通知」から1周年の4月19日、正午からの法大闘争、午後3時からの文科省抗議行動を闘おうと呼びかけた。最後に8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委事務局長の三角忠さんのリードで団結ガンバローを三唱し、行動を締めくくった。
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【要項】 「4・9反核燃の日」全国市民集会、 NAZEN青森結成集会と現地闘争
「4・9反核燃の日」全国市民集会
4月7日(土)午前11時開会
青森市民ホール 会議室(1) JR青森駅正面口下車
主催/集会実行委員会
〈関連イベント>
★「4・9反核燃の日全国集会」とデモ
4月7日(土)午後2時/青い森公園(県庁となり)
主催/止めよう再処理!全国実行委員会
★六ケ所・再処理工場門前抗議集会
4月8日(日)午前10時30分
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NAZEN青森結成集会と現地闘争
4月7日(土)午後5時
NAZEN青森結成集会
青森市民ホール 主催/NAZEN青森準備会
4月8日(日)
◎NAZEN青森の六ケ所・再処理工場門前抗議行動
午前10時(10時30分全体に合流)
◎六ケ所村内デモ/11時30分〜
◎東通原発(東北電力)再稼働反対抗議行動/午後2時
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週刊『前進』(2530号6面2)(2012/04/02 )
がれき処理問題の本質 政府・東電の責任逃れと放射能の全国的拡散
連合が「受け入れ」の先兵に
「がれき広域処理」を重大な焦点に、政府、資本と連合が一体となって、原発再稼働と反原発闘争破壊の新自由主義攻撃を全面化させている。被災地の怒りと一つになって全国の闘いでこれを粉砕しつくそう。
資本の復興を優先した日帝
政府は“被災地のためにがれきを受け入れよ”と国を挙げた大運動を展開している。しかし、がれきはもともと現地処理が基本であり、“被災地が広域処理を求めている”ということ自体がデマである。
そういうデマで、汚染がれきの責任が東電・政府にあることをもみ消そうと狙っている。「広域処理」のがれきは宮城県と岩手県のもので福島県は対象外とするが、その宮城・岩手両県のがれきもまた放射能汚染されている。二本松ゴルフ場裁判で東電は、放出された放射性物質について「無主物だ」として責任逃れをし、裁判所もそれを容認した。
汚染がれきについても「広域処理」という形で、あたかも“全国民にがれき処理の義務がある”かのようにすり替え、東電・政府の事故責任をもみ消し、逃げようとたくらんでいるのだ。
さらに“少々汚染されていても被災者のために痛みを分かち合う”と言って全国に放射能汚染を受け入れさせ、反原発闘争はもちろん、原発への疑問視すら分断し解体しようとしている。
そもそも政府は昨年の3・11大震災以降、資本の求めるサプライ・チェーン(部品供給網)の再建には総力を投入して復旧させる一方、被災地住民の生きんがための苦闘と訴えは無視し、地元自治体によるがれき処理を妨害し続けてきた。その政府が突如、「がれき広域処理」を言い出し、この3〜4月に一斉に焦点化させているのはけっして偶然ではない。停止原発の再稼働反対運動の切り崩しを最初から狙った悪辣(あくらつ)な攻撃である。沖縄にまで持ち込もうとしているのは、沖縄の反基地・反核闘争の圧殺のためだ。
「被災地のため」と称して放射能汚染物質を押し付け、放射能汚染と核・原発に対する抵抗をくじき、分断し、再稼働を強行することなど、絶対に許してはならない。
「広域処理」で復興利権狙う
「広域処理」は、JR貨物を主軸とする運搬をはじめ全過程が被曝労働と放射能・有害物質の全国的な拡散そのものである。政府や各自治体は「放射線量は低いから大丈夫」とするが、それは悪名高きICRP(国際放射線防護委員会)基準での大ウソである。放射線はごくわずかでも人体に悪影響を及ぼす。「広域処理」にかかわる全労働者と、「広域処理」を押し付けられる全住民が、被曝するのだ。
しかも、がれき処理は新自由主義下で民営化が急速に進み、この「被災がれきの広域処理」も東電の子会社をはじめとする資本家の利益を最初から狙っている。
阪神・淡路大震災の際のがれきがすべて現地処理されたのに比して、今回「広域処理」などというやり方がとられるのは、遊休設備に苦しむ大資本が「復興利権」でボロもうけしようとたくらんでいるからである。「ショック・ドクトリン」そのものだ。福島原発事故を引き起こした電力資本が、その責任をとらずに居直るばかりか、その結果としての汚染がれきをわざわざ全国に拡散させてもうけ口にしようとしている。こんなことを絶対に許してはならない。
この「がれき広域処理」の要請に応える形で、大阪・橋下や東京・石原ら道州制を呼号する全国の反動首長・広域連合が名乗りを上げて、先陣を切ろうとしている。
何より許し難いのは、この「広域処理」に連合が率先協力し、各自治体に圧力をかけ、闘争の解体と汚染拡散の先兵と化していることだ。
産業報国会化する連合幹部
とりわけ再稼働が焦点となっている青森、愛媛、佐賀、茨城などの原発立地県やがれき受け入れを拒んでいる長野県などに対して、連合が乗り出す形で重点的に申し入れが行われている。
要請書において彼らは、「残留放射線の影響などを理由に消極的な対応が目立つ」が、「がれきの処理は喫緊かつ最重要な課題の一つ」であり、「『国難』にそれぞれの果たすべき役割を意識することが重要」として、「県におかれましても、一刻も早い被災地のがれきの受入れの実現」を求める、としている。
連合は、がれきの移動、焼却、焼却灰処理、排煙放出など一連の過程で、無数の労働者と住民が被曝を強制されることへの反対を「消極的な対応」と非難し、“広域処理に反対するのは非国民”とばかりに脅しつけているのだ。
3・11郡山集会に全国から集まった労働組合と労働者が反原発闘争を一層本格化させようとしている時、連合はこれに敵対し、全労働者と全住民に放射能汚染を強制しようとしている。
連合愛媛は、3月4日、12春闘決起集会を震災復興の「絆集会」として開催した。原発事故に触れることなく「復興」一色に染め上げ、連合ボランティアによる福島県内の側溝清掃の戦慄(せんりつ)すべき映像を流し、来賓の民主党国会議員は“がれきは100ベクレル以下だから食べてもいい”とまで言った。参加した組合員から「戦時中の産業報国会のようだ」との声が上がった。連合傘下の単組から反対意見が続出している。
新自由主義の最悪の支柱をなす連合をぶっ飛ばして階級的労働運動を再生し、全国の職場・地域で再稼働阻止・全原発廃炉の闘いを進めよう。
連合の「要請書」
「原子力事故による残留放射線の影響などを理由に消極的な対応が目立つ」
「がれきの処理は喫緊かつ最重要な課題の一つ」
「『国難』への対応でそれぞれの果たすべき役割を意識することが重要」
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週刊『前進』(2530号6面3)(2012/04/02 )
柏崎刈羽原発再稼働反対の申し入れ
東京電力柏崎刈羽原発6号機が停止した3月26日、「脱原発100万人アクションin新潟」が13人で同原発に対して再稼働反対の申し入れを行った(写真)。とめよう戦争への道!百万人署名運動・新潟県推進委員会、NAZENにいがたも一緒に取り組み、地元テレビ局が取材する中、「再稼働反対」の横断幕を広げ、申し入れ文を読み上げた。
そして参加者1人ひとりが怒りをぶつけた。「福島の人の気持ちを考えているのか」「申し入れをきちんと受け止めてほしい」「福島にいた子ども、孫が避難を余儀なくされた。東電は責任を取る気もなく、社長は値上げを『権利』と言うが、再稼働なんかとんでもない」
前日には、同団体が「3・25祝・原発停止前夜祭―ライブ&パレード」を新潟市中心部で開催した。あられや雨がほおを激しく打つ悪天候の中で、サウンドデモは中止されたが、青年を中心に「再稼働を許さない」「原発を休みにしたい」「人間らしく生きたい」と60人が元気よく仮装パレードをやりぬいた。市民団体を立ち上げる青年や3・11福島県民大集会に単独決起した大学生も参加し、翌日の申し入れも一緒に闘いぬいた。
残りはあと1基。再稼働の動きに青年の怒りは高まっている。国鉄決戦と結合して再稼働を阻止しよう。
(新潟・B)
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週刊『前進』(2530号6面4)(2012/04/02 )
泊原発地元の岩内で1500人集会
3月24日、「さよなら原発1000万人アクション北海道」の主催で「泊原発1、2号機の再稼働を許さない北海道集会INいわない」が原発の立地する泊村の隣、岩内町で行われ、1500人が集まりました。
タクシーの労働者を中心に10人以上の仲間が、NAZENさっぽろとともに参加(写真)、3・11郡山大集会の報告と「労働者の力で全原発廃止を!」のビラを配布しました。主催者のシュプレヒコールの合間にNAZENのシュプレヒコール「労働運動の力で原発をなくそう」「東電・北電責任とれ!」。周辺の人たちも唱和してくれました。主催者のシュプレヒコールは福島の闘いとのつながりが薄く、「再生可能なエネルギー」に唱和しない人も多数いました。
原発マネーが流れ込む岩内町は、公共施設は立派で、商業施設も沢山あり、確かに潤っています。でも一見豊かな生活は、ひとたび福島のような大事故が起これば半永久的に失われ、子どもたちの未来も奪われます。
北海道電力泊原発3号機の昨夏の営業運転再開は、地元4自治体の「合意」だけで高橋はるみ北海道知事が承認しました。今度こそ、泊1、2号機の再稼働を絶対に許さない、福島の叫びに応える闘いを職場でつくりだそうと決意しています。
(北海道M・F)
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週刊『前進』(2530号6面5)(2012/04/02 )
三里塚農地裁判 NAAの証人隠し追及
市東さん“藤ア証人採用を”
3月26日、三里塚芝山連合空港反対同盟・市東孝雄さんの行政訴訟・農地法裁判が千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)で開かれた。
攻防の焦点は、暫定滑走路北延伸の決定当時(2006年)、国土交通省成田空港課長だった石指雅啓の証人尋問だ。成田空港会社(NAA)は前回、「証人は神戸で海上保安庁の要職にあり、現場を離れられない」などというデタラメな口実で、「神戸地裁の裁判官による尋問か、テレビ会議方式による証人尋問を求める」「それがダメなら代わりにNAA職員を申請する」と意見書を出した。
あまりにもふざけた話だ! 石指は農地取り上げの決定過程を指揮した中心人物だ。この最重要証人を「直接尋問しないでくれ」とは、公開法廷の否定、証人隠しそのものだ。そしてNAAは、石指本人の「陳述書」を大急ぎで提出させ、法廷に出さないためのあがきを続けている。
法廷は、証人尋問をとにかく「予定通り」進めたい多見谷裁判長と、反対同盟顧問弁護団との大攻防になった。
石指尋問を4月に行うことが到底無理と考えた裁判長は、尋問の先送りを画策し、10月に予定していた反対同盟事務局次長・萩原進さんの尋問時間を削ってそこに押し込めないか、というとんでもない提案をしてきた。絶対に認められない! それでも裁判長は、石指への尋問を秋以降に適当に入れ込んであとは「予定通り」進めると言い張る。弁護団は粘り強く「石指は最重要証人であり、後回しにしていい加減にやるようなことはできない。尋問スケジュールの計画全体を見直すべき」と頑として譲らず闘った。その結果、次回4月23日は引き続き口頭弁論を行い、その後の尋問手順は、戸井証人の陳述書の提出を待って検討することになった。
さらに、旧地主の藤ア政吉について裁判長は「証人として不採用」の結論を出そうとした。ここで市東孝雄さんが立ち上がり、「藤アさんは地主でもないのに、何年間も地代をとり続けてきた。NAAの差し金とすれば公の場ではっきりさせたい」と怒りを込めて申し出た。弁護団も「NAAは『藤ア氏の依頼によりうんぬん』と藤ア氏を主語として多くの主張を展開している。藤アを呼んで立証する責任はNAAにある」と訴えた。裁判長は「不採用」決定を下せずに閉廷した。
次回は4月23日(月)午後1時30分。
弁護士会館に場所を移し、記者会見と報告集会が開かれた。最初に市東孝雄さんが立ち、「今晩から天神峰トンネルの片側車線を迂回(うかい)させて第3誘導路の深夜工事が始まろうとしている。負けずにがんばりますので一緒に闘ってください」と訴えた。
続いて葉山岳夫弁護士を始め弁護団全員が発言し、「このまますんなり証人調べに移れない」ところへ裁判所を追いつめた手応えを語った。
北原鉱治事務局長は、前日の全国集会の成功を確認し、「藤アを必ず法廷に引っ張り出そう」と呼びかけた。さらに動労千葉の滝口誠さん、関実、群馬・市東さんの農地を守る会の青柳晃玄さんが連帯発言を行った。
最後に萩原進事務局次長がまとめを提起、「国策裁判のデタラメを暴き、市東さんを守る陣形を強化し、現地の闘いを推し進め、三里塚闘争の一段の飛躍をかちろう」と呼びかけ、参加者は熱い拍手で応えた。
三里塚裁判傍聴を!◎市東さん耕作権裁判4月9日(月)午前10時30分 千葉地裁(傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合)
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週刊『前進』(2530号6面6)(2012/04/02 )
3月20日〜26日
北朝鮮ミサイル「破壊命令」へ/フィリピンに巡視船を供与
●北朝鮮ミサイル、来週破壊命令へ
北朝鮮による人工衛星の発射予告を受け、野田政権は21日、安全保障会議(議長・野田佳彦首相)を来週中に開く検討に入った。自衛隊法に基づく「弾道ミサイル破壊措置命令」を発令する。ミサイルが上空を通過する可能性がある沖縄県の先島諸島に地対空誘導弾パトリオット3(PAC3)を配備する必要があることを確認。破壊措置命令では、PAC3に加えて迎撃ミサイル搭載のイージス艦を周辺海域に配備し、迎撃手順や部隊の規模、行動範囲なども定める。(21日)
●原子力規制庁の1日発足断念 野田政権は、新たに原発の安全規制を担う原子力規制庁の4月1日発足を断念した。規制庁設置を盛り込んだ原子力安全改革法案の審議入りにめどが立たないため。原子力規制庁は、原発を推進してきた経済産業省から原子力安全・保安院を分離し、環境省の外局として新設の予定。それまで原発の規制は保安院などが担当し続ける。(22日)
●大飯原発、再稼働手続きへ 野田政権は、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働に向けた検討を始めた。来週中にも関係閣僚で安全性を確認し、再稼働可能と判断。4月上旬にも地元自治体の説得に入る。政権が原発再稼働の前提としているストレステスト(耐性評価)の1次評価について、原子力安全委員会が23日、大飯原発3、4号機を「妥当」とした経済産業省原子力安全・保安院の審査を認めたことを受けた措置。安全委による確認は初めて。(23日)
●比に巡視船供与 政府はフィリピンに対し、政府開発援助(ODA)を利用して巡視船艇を供与する方針を固めた。両政府による次官級戦略対話でこうした考えを伝達した。巡視船艇は装甲を強化しているため「武器」に当たる。昨年12月の武器輸出3原則の緩和で「国際貢献」を目的とした武器供与は可能になった。(23日)
●柏崎刈羽定期検査入り 東京電力の柏崎刈羽原発6号機(新潟県、出力135・6万`ワット)が発電を停止した。定期検査に入る。5月上旬には北海道電力の泊原発3号機(出力91・2万`ワット)も止まる予定で、再稼働する原発がなければ、国内54基すべてが止まる。(25日)
●米大統領「ミサイル発射なら支援困難」 核保安サミット出席のため訪韓したオバマ米大統領と韓国の李明博(イミョンバク)大統領がソウルの大統領府(青瓦台)で会談し、北朝鮮が「人工衛星打ち上げ」として予告した長距離弾道ミサイル発射について、国連安全保障理事会決議や米朝合意に違反するとし、撤回を求めることで一致した。オバマ大統領は会談後の共同記者会見で、北朝鮮が発射を強行すれば「制裁はさらに強まり、北朝鮮はさらに孤立する」などとし、前回と同様に国連安全保障理事会での対応などを模索する考えを示唆した。2月の米朝合意で約束した北朝鮮への栄養補助食品など24万dの支援についても、履行が「困難になる」との見通しを示した。(25日)
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週刊『前進』(2530号7面1)(2012/04/02 )
3・25三里塚 “農地守る決戦の到来”
(写真 集会後、「農地死守」の気概をみなぎらせ、第3誘導路工事現場へ向け反対同盟を先頭に長蛇のデモが出発した)
(写真 目にも鮮やかな緑色ののぼりを林立させ全国農民会議がついに三里塚に登壇。発言は萩原富夫さん【3月25日】)
農地死守決戦への本格的突入を宣言し、労働者と農民の強固な連帯を打ち固めた3・25三里塚全国総決起集会から、反対同盟3氏と動労千葉の発言要旨を掲載します。(編集局)
実力闘争以外ない 反対同盟事務局長 北原鉱治さん
三里塚に再び決戦の時が到来した。実力闘争以外に勝つ方法はない。闘う者はこれを避けて通ることはできないだろう。
47年前この三里塚の地に、地元住民に一切の説明も相談もなく、成田空港の建設が「閣議決定」され、農民がこれに怒り立ち上がった。
闘いによって開港が遅れに遅れた末に、1978年、当時の福田首相は「日本の国際的地位のために多少の犠牲はやむをえない」と3月30日の開港を強行することを宣言した。われわれは一方で横堀要塞(ようさい)での激しい攻防に1万人の機動隊を引きつけつつ、別の部隊が管制塔を急襲し、占拠・破壊し、3・30開港をものの見事に吹き飛ばした。このような闘いをやる時が再び訪れたということだ。
明日26日から第3誘導路のため、小見川県道の片側を迂回(うかい)させて深夜の工事を行うという看板が立てられた。この工事の末に、第3誘導路を造り上げ、市東孝雄さんの住宅と畑を空港の中に囲い込み、その圧力でたたき出そうという国家暴力が進められようとしているのだ。
3・30開港と同じように、われわれの力で絶対に粉砕しなければならない。そうでなければ日本の将来はない。若者に未来はなくなる。今の社会で、労働者が安心して働けるだろうか。
全国のみなさんに訴えます。今ここで正義の闘いが行われなければならない時だ。絶対に市東さんの住居囲い込みの暴挙を粉砕しよう。
TPPを粉砕する 反対同盟事務局次長 萩原進さん
「国策」「国益」として支配階級が進めてきたものが今どういう事態になっているか。沖縄米軍基地、原発、そして成田空港。すべて民衆を苦しめ、死に追いやるものではないか。体を張って闘いぬいてきた者として、今こそ胸を張って「国益、国策くそ食らえ!」と言える。米中対立の激化のもとで、普天間基地移設は辺野古へと強硬に進められ、「対北朝鮮ミサイル」として宮古島にはPAC3が展開されようとしている。これを許さず、沖縄県民の怒りと同じ温度でわれわれが本土で闘えば、基地撤去の勝利の展望も開かれる。
われわれは福島の地で2月に全国農民会議を結成した。TPPは農民だけの問題ではなく全人民の課題だが、農民が最先頭でこれを引き受け粉砕する。農民が生きられない状況をつくったことに対して、福島と三里塚が手を結び、農地を奪還して闘う覚悟だ。農民だけでなく、労働者階級人民の怒りのマグマが今爆発する時だ!
3・11大集会で福島県民の発言を聞き、感銘を受け涙が出た。今もう一度、原発・震災の問題をとらえ返す必要がある。これまでいつ原発大事故が起きてもおかしくなかったのだ。あれは災害ではなく人災、犯罪だ!
国と東電に一切の責任を取らせなければならない。自分たちが犯罪を犯しておいて、がれきを平等に分かち合えだと!
絶対に認められない。政府・東電の責任を徹底追及し、再稼働阻止、全原発廃止へ進もう。
南スーダンPKOで成田空港から迷彩服を着た自衛隊員と戦闘車両、物資などが送り出されている。5〜6月に再び本隊が出発しようとしている。これを許さず反戦闘争を推進しよう。
市東さんの農地を守る裁判は重要な局面を迎えている。NAAは違法とデッチあげを押し通そうとしているのだ。それを打ち破るのは民衆の力の結集だ。裁判所を人民の海で包囲し、その力で現地攻防にも勝ちぬこう。車の両輪として労農同盟を強化して闘おう。
市東さんの農地を守り第3誘導路粉砕へ、現地闘争を強化しよう。鈴木謙太郎さんの遺志を引き継ぎ、闘いの勝利を必ず彼に届けよう。
日本を変えよう! 反対同盟天神峰 市東孝雄さん
3月11日に福島県民大集会に行ってきました。発言の一人ひとりの言葉が心を打ち、中でも有機農業をしている農家の方の発言が印象的です。「わずか0・3%の基準値を超えた玄米があったことでセンセーショナルな報道がなされ、農家が加害者のように報道され、それがどれほど農家を苦しめたか」と。同じ有機農業を行う者として悔しさと怒りを覚えました。被害補償ですむ問題ではない。福島の方々と交流を深め、ともに農業のことを考えたいと思います。
私の家のそばで第3誘導路工事が強行されています。完成すれば2本の誘導路に挟まれ、相当うるさくなる。2500b滑走路に誘導路3本? 破綻した成田空港にそんなものは必要ない。そんなものに使う金が200億円もあるなら、福島の方に向けるべきです。
私が耕作をやめて出ていくように力ずくでやってきているわけですが、私は今まで通り、お金や力ではびくともしません。これまで通りがんばります。裁判も重大なところに入っています。千葉県やNAAのデタラメを見て、怒りがますますわきます。沖縄の基地、福島の原発、そして成田空港――国策ならどんなことをしてもいいという傲慢(ごうまん)を絶対に許しません。私は昨年までは「自然体」という言葉を使ってましたが、それを取り払って全力で闘います。ともに闘いましょう。そして変えましょう、日本を!
労働者の総反乱を 動労千葉 委員長 田中康宏さん
反対同盟は新しい一歩を踏み出し、福島の農民とともに全国農民の総反乱を呼びかけている。われわれも全国の労働者に総反乱を呼びかける。時代がいよいよ動き始めている。こんな腐りきった断末魔にあえぐ資本主義を打倒する時が近づいている。市東さんの農地をなんとしても全国の力を結集して守り抜かなければならない。
動労千葉は4月1日の検査修繕部門の全面的外注化強行の攻撃を止めた。この攻撃に対し10年間立ち向かい、止めてきた。動労千葉組合員だけでなく現場のすべての声が「外注化だけは絶対許さない」となった。これを強行すれば明確な偽装請負として正面から争われる。支配階級の側には自信も確信もない。
動労水戸の仲間が全組合員を対象にストに立ち上がった。若い女性の車掌が原発事故20`圏内ギリギリでの乗務をさせられ、「できない」と言ったら業務命令だと。こういう現実の中で職場から反原発の闘いに立ち上がった動労水戸に、大きな拍手を送りたい。
動労千葉は拠点つぶしの基地統廃合攻撃と今闘っている。5カ月間訓練を拒否する指名ストで闘ってきたが、新しくできる佐倉運輸区に、最高の拠点、労農同盟の象徴的な拠点支部をつくる。これが最大の反撃の道だ。
国鉄分割・民営化攻撃の開始以来30年、新自由主義がもたらしたものは、格差、貧困、農業の破壊だ! 団結を取り戻し反撃する時だ。
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週刊『前進』(2530号7面2)(2012/04/02 )
「復帰」40年 5・15沖縄闘争アピール
新自由主義攻撃の激化と対決し辺野古新基地建設を阻止しよう
革共同沖縄県委員会
3・11福島県民大集会は、郡山市開成山野球場を埋める1万6千人の結集で大高揚した。「原発反対、再稼働阻止」の訴えは、あらゆる反動を跳ね返し、野田政権に根底的な怒りをたたきつけた。この大勝利に続き、「復帰」40年の5・15安保・沖縄闘争に総決起しよう!
(写真 「基地の島」沖縄の怒りと福島・反原発の怒りを一つに! 3・11郡山集会・デモに決起)
3・11福島の怒りと結び原発と核基地をなくせ
3・11集会には、福島県教組や国労郡山工場支部の渾身(こんしん)の決起を先頭に、多くの労働組合が組合旗を林立させて登場した。原発再稼働阻止、全原発を廃炉に!――日本階級闘争は3・11の勝利によって新たな段階に入った。
こうした中で沖縄は今年、「本土復帰」40年を迎える。「復帰」後の沖縄の現実はどうか? 1972年「復帰」以降の沖縄「5・15体制」とは「基地との共存」を強制する体制だった。それが95年10月の沖縄県民総決起大会に8万5千人の労働者人民が決起し「基地との共存はノーだ」と叫ぶことで破綻を突きつけられた。あらゆる「振興策」をもってしても沖縄の怒りを抑えつけられなくなったのだ。
しかし日帝は、依然として解消されない高失業率と非正規・低賃金の現実(これ自身日帝が政策的に押しつけたものだ)をテコに、02年「沖縄振興特別措置法」を制定し、「沖縄経済特区」を設置していく。「雇用の確保」とは裏腹に、沖縄の労働者階級をとことん非正規へと突き落とし、すさまじい搾取と収奪、団結破壊と権利の剥奪(はくだつ)を行おうという攻撃なのである。しかし、その非正規の現場で青年労働者の決起が始まっている。
沖縄闘争(安保・沖縄闘争)はいよいよ正念場中の正念場に入ることになる。「革命の火薬庫」=沖縄の怒りが福島の怒りと真に結合した時に、日帝打倒・プロレタリア革命の勝利が一気にたぐり寄せられる。原発の根幹には日帝の核武装化計画があり、沖縄基地はもともと核基地としてあるのだ。「戦争国家づくり」ということでは、まさに原発も基地も国策中の国策なのである。福島の闘いと沖縄闘争は一体なのである。
3・11福島の勝利に続き、5・15(5・12〜14)沖縄闘争に総決起しよう!
米新軍事戦略と安保を階級の力で粉砕しよう
世界大恐慌情勢がますます深まり、米帝の没落が一層顕著になる中で、米帝は、アジア太平洋重視=対中対決路線を根幹とする新軍事戦略を打ち出した。それは中国への対峙・対決政策を本格的に構え、実際に中国との戦争に突入することを視野に入れたものだ。
米帝のこうした新軍事戦略の背後には、イラク・アフガン侵略戦争の敗北と撤退、そして戦争による巨大な国家財政赤字の危機、さらに陸軍・海兵隊における自殺者の激増に示される米帝軍隊の崩壊的状況など、まぎれもない米帝の没落という現実がある。そこからの巻き返しを図るために米帝は対中国戦争を構え、世界戦争に向かっているのである。しかしこの新軍事戦略は、新自由主義の破綻の上に打ち立てられたものであり、本質的に脆弱(ぜいじゃく)であり、それゆえの絶望性・凶暴性をもった軍事戦略なのである(「戦争の民営化・外注化」による「民間軍事会社」「戦争請負人」の投入や戦略的・戦術的無人機による無差別大量爆撃など)。そして米帝のこうした新軍事戦略の核心には、帝国主義間・大国間の争闘戦があるのだ。
特にアジアの支配権をめぐって米帝は、対中対決に本格的に転じるとともに一方で日帝との争闘戦に猛然と踏み込んできた。米帝によるTPP(環太平洋経済連携協定)攻撃は、新軍事戦略とともに対日争闘戦そのものである。TPPは、アジア・環太平洋経済圏における新軍事戦略と一体で推進されるもので、日本の農業の根本からの破壊・解体と、医療・福祉・金融・保険など農業以外の全産業分野に及ぶ争闘戦である。
さらに昨年の東日本大震災に際して強行された「トモダチ作戦」もそうだ。米帝の「トモダチ作戦」が、「震災救援」を名目に、しかし実際には対中国・北朝鮮戦争における核戦争を想定した実戦訓練としてなされたのに対して、日帝は原発への対処と指揮における脆弱性・無力性をさらけ出してしまったのである(政府の対応不能状態と自衛隊統合任務部隊〈JTF〉司令部の被災地住民を置き去りにしての100`圏外への逃避など)。日帝はこの米帝の「トモダチ作戦」をもって、大恐慌と3・11原発事故による危機からさらに深々と脱落帝国主義としてたたき落とされた。
野田政権の建設強行を許さない
こうした帝国主義間争闘戦を根幹に貫くものとして、米帝の新軍事戦略に基づく世界的な米軍再編の一環として新たなアジア・日本の米軍基地再編攻撃がある。
米帝の新軍事戦略に基づく米軍再編攻撃は、実体的には沖縄をますます「基地の島」として固定化・強化していくものである。沖縄からの米海兵隊の削減も(在沖米海兵隊8千人削減のうち4千人をグアムへ、とされている)、普天間基地の「返還」と切り離して(普天間基地を残し固定化・強化していくということ!)、グアムへ先行的に移転するというものだが、真の狙いは、沖縄基地を対中国戦争の最前線基地そのものとして(「第1列島線」)徹底的に強化し、グアム基地もまた「第2列島線」としてさらに強化していくというものでしかない。
さらに、垂直離着陸機MV22オスプレイを今年10月にも普天間基地に配備する計画があり、また新たに米本土から5千人の海兵隊をUDF(部隊配備計画)として派遣するとされている。「沖縄の負担軽減」どころか、対中国戦争に向けての「最前線基地=沖縄」の圧倒的な強化なのである。
そして、この米軍再編の最大の攻撃が辺野古への新基地建設である。すでに沖縄防衛局による環境影響評価書(アセスメント)の提出をめぐって攻防は始まっている。危機に立つ日帝・野田政権は何がなんでも建設を強行しようと、野田首相本人を先頭にこの間政府首脳の来沖を繰り返している。辺野古新基地建設を絶対に許してはならない。労働者の階級的力でこれを阻止しなければならない。青年労働者を先頭に「復帰」40年の5・15闘争の爆発的決起で粉砕しよう!
さらに日帝・野田は、脱落の危機からはい上がるために米帝・オバマの新軍事戦略と一体化し、日帝の対中国対決政策として南西諸島への自衛隊配備を策動している。また本島南部や宮古・八重山への地対空誘導弾パトリオット(PAC3)配備も策動されている。この間の八重山への「つくる会教科書」の導入攻撃なども、沖縄の南西軍事拠点化に向けた攻撃と一体のものとしてある。
「県外・国外」ではなく沖縄基地の全面撤去だ
これら一切が労働組合をめぐる攻防である。
「復帰」40年の沖縄闘争は決定的な決戦情勢に入った。国鉄闘争の幕引きを図った4・9政治和解という反革命は、沖縄においても破綻した。4・9派(体制内既成勢力)の衰退とそれに代わる新たな闘う勢力(動労千葉派=階級的労働運動派)の登場が始まったのだ。
先の宜野湾市長選での「革新のホープ」伊波洋一の敗北は、まさに「革新」といわれる体制内既成勢力の最期(沖縄における4・9派の最後的崩壊)として銘記されるべき事態である。伊波の掲げた「普天間基地の県外・国外移設」のスローガンは、労働者、特に青年労働者に支持されなかった。「県外・国外移設」論という安保と戦争を容認するスローガンはもはや通用しないということだ。
そもそも「普天間は世界一危険な基地」と言いながら、それと対決し撤去のために闘うのではなく、「県外・国外にもっていけ」という主張ほど犯罪的なことはない。それは沖縄と本土(全世界)の労働者の団結を破壊し、分断をもたらすものでしかない。求められているのは、労働者の団結であり階級的連帯なのだ。
大恐慌と3・11によって階級情勢が一変する中で、世界戦争の危機がますます深まっていく時代に、革命以外に選択の余地はないことははっきりしている。だからこそ、真っ向から基地の全面撤去と安保粉砕の立場に立ちきって闘わなくてはならないのである。
今や、これを闘い抜けるのは、動労千葉を先頭とする階級的労働運動路線に立った勢力しかいない。そして今、沖縄の低賃金・非正規雇用という現実の中で青年労働者が職場に労働組合をつくり、決起し始めている。階級の根底からの闘いが始まったのだ。
また基地労働者への新たな大量解雇攻撃の始まり(政府は、430人の基地労働者〈IHA=機関労務契約〉の労働者の削減=首切りをすでに開始している)に対して、基地労働者の怒りの声が巻き起こっている。「労働者は死んではならない。死すべきは基地だ」を掲げて闘ってきたかつての青年労働者の闘いがよみがえりつつある。
これらの闘いの根幹に国鉄闘争全国運動と動労千葉を支援する会の闘いがある。労働者の未来を切り開く闘いこそ国鉄1047名解雇撤回闘争だ。すべての産別・職場で動労千葉を支援する会を組織して闘おう!
破綻した沖縄「5・15体制」の最後的粉砕に向かって今こそ渾身の決起で闘おう!
70年安保・沖縄闘争を闘った無実の星野文昭さんを階級的労働運動の力で取り戻そう! 全国農民の先頭に立つ三里塚闘争と連帯して闘おう!
すべての青年労働者は5・15沖縄闘争に職場の仲間とともに立ち上がろう!
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週刊『前進』(2530号7面3)(2012/04/02 )
日帝が臨戦態勢突入
ミサイル破壊措置命令準備 米新軍事戦略に一体化
3月16日、北朝鮮は「人工衛星ロケット」を4月12〜16日に発射すると発表した。田中直紀防衛相は27日、自衛隊法の定める「弾道ミサイル破壊措置命令」を前にする準備命令を出した。
北朝鮮の「人工衛星ロケット」発射をめぐる日帝・野田の戦争態勢突入の大攻撃を満身の怒りをこめて弾劾する。
防衛省は、北朝鮮が予告した「東倉里から発射しフィリピン東方沖に着弾」に基づき、沖縄県内4カ所(沖縄本島の那覇市と南城市、そして石垣島、宮古島)にPAC3を配備し、与那国島には陸自「救援隊」を置く、「首都防衛」と称して首都圏3カ所にPAC3を配備する、さらにイージス艦3隻を沖縄周辺海域に派遣すると発表した。
これは日米韓の朝鮮侵略戦争の実戦大演習だ。また沖縄を始め全国で北朝鮮排外主義をあおり、階級闘争とりわけ国鉄決戦・反原発闘争をつぶすことを狙っている。絶対に許してはならない。
北朝鮮スターリン主義の「人工衛星」打ち上げの意図は、金正日死去後の金正恩世襲体制を確立することだ。北朝鮮は深刻な経済危機に陥っており、人民の根底的な怒りが充満している。それを核・ミサイルを武器に対米対抗性をもって固め、金正恩の政権継承の大義を得ようとしている。
米帝は、北朝鮮の体制崩壊を見据え、何よりも北朝鮮が保有している核兵器・核関連物質を確保するため、北朝鮮侵略戦争態勢に入っている。それが10年11・23の延坪島(ヨンピョンド)南北の砲撃戦だった。
米韓連合軍は、3月1日から4月30日まで20万人を動員して最大規模の軍事演習「フォール・イーグル」を行い、その中で米韓海兵隊の上陸演習を行っている。そしてこれと一体的に日米共同訓練が行われている。
3月26〜27日の核保安サミット(韓国ソウル)で米帝オバマの要請を受けて中国の胡錦濤国家主席は、北朝鮮のミサイル発射に反対であるとの態度を打ち出した。ここには米帝オバマのエアシーバトル(空海戦闘)という中国侵略戦争の軍事重圧がある。オバマは北朝鮮だけではなく中国をも軍事的に恫喝しているのだ。野田はまったく存在感を示すことができず脱落ぶりを表した。
野田は北朝鮮の「ミサイル」問題を「奇貨」として、PAC3を沖縄に配備しようとしている。もともと日帝・自衛隊は、中国侵略戦争のために与那国島、石垣島、宮古島への陸自配備を画策していた。しかし与那国島など3島や本島でPAC3配備反対の声が上がっている。PAC3はミサイルを撃ち落とすのではなく、ミサイル攻撃を呼び込むものなのだ。06年の米軍嘉手納基地へのPAC3配備には大反対闘争が起きた。PAC3の沖縄・首都圏配備に絶対反対の闘いが巻き起こることは必至である。
すでに、福島第一原発事故を通じて核・原発へのかつてない怒りがある。「安全神話」のウソへの怒りがある。日帝の国策など誰も信じない。
「日米安保は世界の公共財」と野田は言うがこれも同じだ。安保があるから沖縄が米軍基地の島となり、辺野古新基地建設の攻撃があり、朝鮮侵略戦争と中国侵略戦争の島に沖縄がされようとしているのだ。日米安保の真実とは安全ではなく戦争なのだ。
野田の北朝鮮の核・ミサイル脅威論などのウソも鮮明だ。核の脅威というが、日本で起きた原発事故の核爆発はほかならぬ日帝ブルジョアジーが引き起こした犯罪だ。日帝が核戦争の犯罪人なのだ。北朝鮮脅威論は日帝への怒りを北朝鮮にそらすものだ。日本の労働者人民の打倒対象は日帝である。
日帝・野田の「弾道ミサイル破壊命令」を徹底弾劾し、国鉄決戦、反原発闘争を柱に階級的労働運動を圧倒的に前進させよう。
(宇和島洋)
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週刊『前進』(2530号8面1)(2012/04/02 )
明け渡し強制執行再び阻止
3・27西郡住宅闘争 “住民の決起で勝てる”
3月27日、部落解放同盟全国連合会西郡支部の岡邨(おかむら)洋支部長宅への2回目の住宅明け渡し強制執行を、八尾北医療センター労組、西郡支部、八尾北命と健康を守る会、地域の労働者、学生は再び迎え撃ち、強制執行を中止させた。
私たちは、3月14日の岡邨さんに対する住宅明け渡し強制執行粉砕の勝利を引き継ぎ、「住宅追い出し、病院つぶしの更地化粉砕! 道州制・特区、改憲・労組破壊の橋下打倒! 3・18全国総決起集会」を勝利感あふれる大集会・デモとして打ち抜いた。
3・14〜18の大勝利に追いつめられた国・八尾市、大阪地方裁判所は、前回にもまして姑息(こそく)なやり方で再度の強制執行を「3月27日午前7時以降」と通告してきた。
そもそも初回の2月28日付「催告調書」がズサンでデタラメだった。岡邨さん本人が催告に立ち会ったにもかかわらず「催告に立ち会った者の署名押印欄」には岡邨さんの署名・押印がなく、実際には立ち会ってもいない雑賀なる人物が署名・押印しているのだ。これは公文書偽造だ。こんな違法で不当な強制執行など絶対に認められない。
さらに今回のデタラメさは極まっている。定められた書式もなく、急きょワープロで打った「調書(期日指定)」を、配達証明付きではない普通郵便で団地の集合ポストに配達しただけという、まったくいい加減なやり方だ。
3月27日午前10時、岡邨さんを先頭に、41棟前で待ち受けていると、高石貞大阪地裁執行官と八尾市代理人ら19人がおずおずとやってきた。しかも今回はムラの中心部を通ることができず、村はずれのバス通りを迂回(うかい)してきた。不当な強制執行、更地化攻撃に対する怒りが村内に満ちあふれている。彼らは自らの不正義性が、村内はもとより、橋下の道州制・特区攻撃への大阪全域、被災地を始め全国の怒りを爆発させることに心底おびえているのだ。
岡邨さんに通告もせずに強制執行が始められた。駐車場を閉鎖し、続いてコソ泥のように外の物置の鍵をこじ開けて、乳母車や三輪車など次々と段ボール箱に詰めていこうとする。
高石執行官はマスクで顔を隠し、作業員に囲まれ守られるように立っている。岡邨さんの怒りが爆発した。「高石執行官! 私の前に来て説明しろ!」「私の抗議を聞け!」。激しく弾劾された高石は岡邨さんの顔を見ることもできない。こそこそと作業員の後ろに隠れ、ひたすら追及から逃げ回った。
怒りの包囲が、立会人として署名押印した雑賀をこの中からあぶり出した。「あなたはいつどこで立ち会ったのか!」という岡邨さんの鋭い追及に、雑賀はなんと「4月下旬」と答えて、自分が立ち会っていないことを自己暴露してしまった。窮地に立った雑賀は、高石に「いつでしたか」と助けを求めるが、「黙っていろ」と恫喝され、沈黙してしまった。こんな一から十まで不正義の強制執行など絶対に許さない。私たちの怒りはさらに倍加した。
決定的なことは、団地から住民が出てきて自らマイクを握り、「これは泥棒だ」「今すぐやめろ」と、岡邨さんとともに強制執行を徹底弾劾、抗議したことだ。地域丸ごと総決起する情勢が目に見える形で現れてきた。
ついに高石執行官は「中止」を宣言せざるをえなかった。すごすご退散する執行官たち。見に来ていた解同本部派=地区協幹部もうなだれて帰った。「闘えば勝てる。
時代がそこに入った」と誰もが実感した。住宅明け渡しを提訴されたばかりの11家族も、「今日は倉庫の大掃除をしてもろうたようなもんやな」「住民の決起が本当にうれしかった」と底抜けに明るい。生きるために団結し、すべてを奪い返そう!
(写真 住民の総決起で住宅明け渡し強制執行を阻止し、こぶしを突き上げて勝利を宣言する岡邨支部長【3月27日 大阪・八尾市】)
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末光院長、堂々意見 “すべてを取り戻す時だ”
岡邨さんへの住宅明け渡し強制執行をめぐる攻防のさなか、3月23日に八尾北医療センター明け渡し(廃院=全員解雇)弾劾裁判が結審した。
この日は、国鉄・被災地の闘いと一体のものとしてかちとられた3・18全国総決起集会の歴史的勝利を受け、末光道正院長(八尾市議)が堂々の最終意見陳述に立った。
末光さんは「八尾北の前身である幸生診療所に1974年に常勤医師として着任して以来、職員、地域住民とともに生き、闘ってきた。八尾北医療センターはなくてはならない診療所。八尾市の明け渡し攻撃は絶対に認められない。今、労働者階級が一つに団結し、すべてを取り戻す時が来た」と確信に満ちて宣言した。
判決公判は5月24日午後2時半、大阪地裁202大法廷だ。
3月決戦の歴史的勝利は、私たちが6千万労働者全体の責任勢力になる展望を鮮明に示した。八尾北労組を真に地域の闘いの拠点として建設する闘いに一切を絞りきることだ。
4〜6月決戦を、国鉄と反原発闘争を結合させ、6・10国鉄闘争全国運動大集会へ、意気高く闘いぬこう。
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週刊『前進』(2530号8面2)(2012/04/02 )
「在留カード」粉砕4月入管闘争へ
戦争と革命の時代に対応した新たな入管体制を粉砕しよう
階級的団結の力で分断・抑圧うち破れ
7月9日実施とされる新たな入管体制=在留カード制度を柱とする外国人在留管理制度は、在日外国人を「中長期在留者」と「特別永住者」と「非正規滞在者」の三つに分類し、分断・支配する攻撃だ。日本の労働者階級と在日外国人労働者の階級的合流を阻む予防反革命だ。
世界大恐慌下、3・11大震災と原発事故から1年のその日、フクシマの怒りが全国・全世界の壮大な決起を実現した。さらに世界的な労働者階級の決起。ここに革命の現実性を見て恐怖する支配階級は、凶暴な階級解体攻撃に打って出ている。震災解雇と非正規職化に追い打ちをかける消費大増税攻撃。改憲と道州制、労組解体、そして北朝鮮による「長距離弾道ミサイル発射」への対応と称して3月27日には「準備命令」が発せられ、沖縄本島、宮古島、石垣島、首都圏に地対空ミサイルPAC3を配備、東中国海には迎撃ミサイルSM3を搭載したイージス艦を展開する臨戦態勢に入った。30日、「弾道ミサイル破壊措置命令」が出された。
新自由主義の行き着く先は戦争だ! 高まる差別・排外主義を許さず、国鉄闘争全国運動を水路に階級的労働運動をよみがえらせよう。反原発・反失業を貫く2012年決戦を大前進させよう。
戦後の入管体制
日本の戦後入管体制は、戦争と革命に対応した予防反革命以外の何ものでもなかった。日帝が朝鮮・中国−アジア侵略戦争に敗北した1945年、解放された在日朝鮮人・中国人は直ちに日本人労働者と合流し、労働組合を組織して闘った。200万人を超えていた在日朝鮮人・中国人の戦闘性と革命性に恐怖した吉田茂首相が、GHQ(連合国軍総司令部)に要求したのが昭和天皇最後の勅令として制定された「外国人登録令」だった。
1952年サンフランシスコ条約発効時に「外国人登録法」(外登法)となり、14歳以上の外国人には外登証の常時携帯と指紋押捺(おうなつ)が義務づけられたが、同年9月の登録締め切りの時点で約4万人が未登録のままだった。500人以上が検挙されるという弾圧にも屈せず、指紋押捺制度実施は延期に次ぐ延期を強いられた。ようやく実施されたのは3年後の55年4月27日だった。この時期は朝鮮戦争(50年6月25日〜53年7月27日)と重なり、在日朝鮮人による日本国内で軍事物資輸送阻止闘争などが闘われた。
さらに、社・共をのりこえる反戦派労働者が歴史的に登場した70年安保・沖縄決戦は、同時に入管法制定阻止決戦だった。在日朝鮮人・中国人とともに闘い、4度の国会提出を廃案にし、入管法制定を阻止した。
82年、難民条約批准の国内法整備として「出入国管理及び難民認定法」が制定、施行された。入管法制定は新自由主義攻撃の始まりだった。85年1万4千人が立ち上がった指紋押捺拒否の闘いも、新自由主義を食い破る闘いだったのだ。この結果、2000年4月には指紋全廃をかちとった。(07年、「テロ対策」を口実に入国者の指紋採取が復活!)
新自由主義としての在留カード制度
「在留カード」攻撃は、全労働者の9割を非正規職にしようという脱落日帝の究極の新自由主義攻撃だ。3・11情勢下、「復興特区」に安価・使い捨ての外国人労働力を導入し、厳罰を担保に外国人を治安管理しようとしている。
この新たな在留管理制度の最大の特徴は、「3カ月を超える在留資格を認められている外国人」を「中長期在留者」として「分類」したことだ。居住、就業など一切の動向を法務省が掌握し、一元管理しようというのだ。170万人の「中長期在留者」には、昨年末現在で59万8436人と統計される一般永住者が含まれ、ICチップ付きの「在留カード」が交付され、常時携帯を義務付けられる。
在留カードの表面中央に「就労制限の有無」という項目が新設された。@就労制限なしA就労制限あり/在留資格で認められた就労活動のみ可B就労不可/就労するには資格外活動許可が必要、このいずれかが記載される。カード裏面には「資格外活動許可の有無」が記載される。個々の外国人がどのような「労働力商品」なのかが一目でわかるというわけだ。同時に外国人を雇用している雇用主に対しても、非正規滞在者や資格外であることを知らずに雇ったとは言わせないと、罰則付きで縛りをかけたのだ。
違反した外国人には厳しい刑事罰が科せられ、在留資格の取り消し、収容・退去強制への道が敷かれている。在留カードには「常時携帯義務」があり、「受領拒否」や「提示拒否」には「1年以下の懲役または20万円以下の罰金」、「不携帯」は「20万円以下の罰金」となる。届け出内容に変更が生じた場合、14日以内に地方入管局に届けなければならない。90日を超えて届け出なかった時には在留資格が取り消される。たとえ永住者でも例外はない。
不当解雇されても解雇撤回を闘うどころか、14日以内に記載事項の変更届を出し、3カ月以内に在留資格に見合った新たな就職先を見つけない限り、在留資格を取り消され、強制退去にされてしまう。労働者の働く権利を踏みにじる入管法を絶対に許さない。
東西で入管集会に集い怒りの行動へ
韓国では03年から「雇用許可制」が実施されている。「現代版奴隷制度」の悪名をはせた「産業研修制」(職場移動禁止、労働者性不認定)は07年に廃止となり、雇用許可制に一元化された。
しかし、雇用許可制も職場移動は3回までに制限され、職場を変更する場合の求職期間は2カ月、この期間を超えると在留資格が取り消される。これでは期限に追われて不利な条件で再就職するか、非正規滞在になるしかない。
09年の移住労働者の平均賃金は110万ウォン(約8万円)であり、労働時間は1日平均11時間だ。多発する労働災害、低賃金に加えて雇用主による不当解雇やパワハラの横行、さらに入管の摘発が襲いかかる。
これに対し2005年にソウル仁川移住労働者労働組合が設立される。移住労組は在留資格の有無にかかわらず移住労働者が加入できる。政府は「未登録移住労働者労組」だと労組認定を拒んでいる。移住労組は今も非合法労組だが、民主労総ソウル本部とともに力強く闘っている。
難民申請者、仮放免者を含む「非正規滞在者」にとって、在留カード制度は文字どおり生きるすべを奪われる攻撃だ。怒りの声が充満し「難民を生きさせろ!」「仮放免者に仕事をさせろ!」と法務省や入管への抗議デモが闘われている。
「労働者がこの世の中のすべてを動かしている。労働者が団結した時に労働者階級は社会を変革する力を持つのである。労働者に国境はない。万国の労働者は団結して共通の敵と闘おう」(中野洋動労千葉前委員長)
7・9在留カード制度施行を阻止しよう! 4月東西入管集会に結集し、怒りを行動へ! 闘って闘って闘って勝利しよう!
〔革共同入管闘争組織委員会〕
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週刊『前進』(2530号8面3)(2012/04/02 )
A同志を奪還!
「転び公妨」を見事に粉砕
3月30日、立川市内で転び公妨のデッチあげで逮捕されたA同志を奪還した。大勝利だ。
3月13日、ゴミ出しに部屋を出たA同志に警視庁公安部の警察官十数人が襲いかかり、取り囲んで拘束した上、公安一課の高橋政男と中山幹也が自ら転び、「公妨だ!」と叫んでA同志を逮捕した。この許し難い権力犯罪に怒りを燃やしたA同志は、完全黙秘・非転向で闘って勝利した。
東京地裁立川支部前と霞が関で連日ビラをまいて弾劾し、勾留理由開示公判で裁判官を徹底的に追及。不当な勾留延長に対し準抗告を申し立て、勾留期間を短縮させた。
3・13転び公妨弾圧は、3・11郡山1万6千人をはじめ全国で爆発した反原発闘争と、4・1検修業務外注化を阻止した動労千葉の闘いに追いつめられた政治弾圧だ。A同志奪還の勝利をもって4〜6月国鉄決戦と反原発闘争に突き進もう。
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週刊『前進』(2530号8面4)(2012/04/02 )
団結ひろば 投稿コーナー
周辺騒然、警察茫然の8次新橋アクション なんぶユニオン W
3月26日、新橋アクションは第8弾の東京電力本店直撃デモをやりました。毎月、東電本店に「原発をただちに止めろ」というデモを行ってきましたが、今回はまったく新たな地平を切り開きました。
この日未明、柏崎刈羽原発6号機が運転停止。東電の全原発17基が止まり、これで稼働しているのは北海道電力泊3号機のみ。しかし再稼働に向けた動きは激しく、関西電力大飯原発3、4号機はストレステストの1次評価も終わり、全原発停止か再稼働かをめぐって緊迫した情勢でのデモです。しかも3・11郡山集会が新しい情勢を切り開いています。地元を代表した6人の切実な訴えを、東京の地でこそ、東電経営陣に対してこそ、たたきつけなくてはならない。そして労働組合が軸になって、団結を強化・拡大していくためにねばり強く闘う運動こそ、東電をグラグラにすることができる、という意気込みに参加者は満ちあふれています。
大量に配置された私服刑事の妨害を、デモ隊の勢いが圧倒します。街頭から次々デモに加わってきました。福島出身でいてもたってもいられず東電前に来ていた人、「ネットで見てきました」と東電・勝俣会長のお面をつけて登場した3人組の若者、「もし何か行動があれば」とプラカード持参で連れ立っていた女性たち。かつてないバラエティーに富んだ隊列は、東電前で150人にふくれあがります。
「絶対再稼働させないぞ!」「東電は被災者に責任をとれ!」――東電前で怒りは爆発。あたりは騒然、警察はぼう然。資本に対する激しい怒りで参加者が一つになり、闘争を通じて新たな団結をかちとっていく闘い方に、勝利の展望を見いだした日となりました。
誰よりも怒っているのは福島の人びとだ 富山大学 中村和義
3・11、あの震災・津波そして原発事故から1年がたちました。私は福島県郡山市の開成山野球場で行われた「原発いらない!3・11福島県民大集会」に参加しました。全国から1万6千人が集まり、福島の怒りの大きさがよく伝わりました。
集会では福島県を代表して農家や漁師、お母さん、高校生ら6人が発言をしました。避難先の山形県米沢市から福島市の職場まで生活のために毎日出勤することの大変さ、生業の農業、漁業、畜産業を一瞬にして奪われたことの悔しさ、祖父母をおいて避難などできないという気持ちなど、福島の怒りとより一層つながることができる発言が多く出ました。発言した6人に共通していたことは、これまで原発を推進してきた国や電力会社、原子力ムラの連中の責任追及を徹底することでした。事故後の補償もロクにせず、原発再稼働をもくろんでいることに誰よりも怒っているのは、福島県の人びとなのだと感じとれた。
発言者の一人、高齢者の方が「私たちは国策による戦争、そして今回の原発事故で二度も国に棄(す)てられた」と発言したことが私にとっては衝撃だった。「命よりも金もうけ」の社会を変えない限り原発は止められない。このことを誰よりも自覚しているのも、福島県の人びとなのです。
私にとって今回の集会は大きな衝撃になりました。原発をすべて廃炉にするには、福島の怒りと連帯し続けることです。全国の私たち次第で今後の情勢は大きく左右されるのです。福島の人びとと徹底してつながり、ともに闘いましょう。
汚染ガレキ受け入れ細野大臣直撃の抗議 九州 H
私は、3月25日、「汚染ガレキの広域処理依頼」のために北九州市を訪れた細野環境大臣らに対して「汚染ガレキ受け入れ反対! 原発再稼働阻止」の声を力いっぱいあげました。
細野環境大臣が北九州に来た理由は、西日本で初めて汚染ガレキ受け入れ表明をしている北九州市の北橋市長を激励し、これを全国の自治体受け入れの突破口にするためです。
細野大臣は、北橋市長を激励した後、JR小倉駅南口にあるコレット(旧伊勢丹)前で演説しようとしました。しかし、聴衆は、私たちと、バイトのスタッフ、推進議員と警察、マスコミ各社、そして環境省の役人だけでした。
「ガレキはきれいだ」「石巻のガレキは撤去に100年かかる」「十分な説明をさせていただく」などのくだりになると、もう黙っていられません。誰かれとなく一斉に怒号をあげ、大臣、副大臣の声が聞き取れないほどでした。
小学1年生の女の子の感想は「ガレキはきれいと聞いてビックリ。ダメな大臣ですネ」。
細野大臣らはコレット入り口近くで「汚染ガレキ受け入れ」を求めるチラシをまきだしました。私たちは、ここでも細野大臣に食い下がり、「汚染ガレキを持ち込むな!」と直談判しました。細野大臣の答えは、「君たちは復興に協力しないのか、自分たちさえ良ければいいのか」などと逆恫喝をかけてきました。この姿に汚染ガレキ広域処理の真の狙いがあるとも感じました。
ガレキは、「クリアランス制度」で規定している「100ベクレル/`グラム」という「限界値」を超えるものばかりです。これまでなら「低レベル放射性廃棄物」として厳重に管理することが義務付けられていました。それを今度は、「8000ベクレル/`グラム以内なら安全だ」と、なんと「基準値を80倍!」も引き上げ、全国に受け入れを強制しようとしています。
「安全だ」「復興のためだ」というなら地元失業対策として被災地でやるのが一番です。わざわざ1兆700億円の予算をつけ、全国にばらまくほど税金の無駄遣いはありません。
「今こそ階級的労働運動の再生と労働者党の登場が求められている」との思いを強くしました。北九州の反原発闘争のど根性を示すことができました。
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