ZENSHIN 2012/02/13(No2523 p06)
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週刊『前進』(2523号1面1)(2012/02/13 )
4月JR全面外注化阻止を
国鉄全国運動の発展かちとり非正規職撤廃・偽装請負粉砕へ
大飯原発再稼働の策動うち砕け
(写真 「星野さんを奪還するぞ」−デモ後、600人が徳島刑務所に怒りのシュプレヒコール【2月5日 徳島市】)
この2〜3月の闘いの核心は、2012年の『前進』新年号路線をさらに実践的に深化・発展させ、国鉄を基軸に全産別の全労働者が外注化阻止・非正規職撤廃の大決戦に総決起すること、そしてこれと一体のものとして原発再稼働阻止・全原発廃炉への闘いのうねりを全力でつくり出すことにある。とりわけ今や4月JR全面外注化阻止の国鉄決戦は、分割・民営化攻防以来の最大の決戦に突入している。何よりも2・15労働者集会の大成功をかちとり、2〜3月闘争へ進撃しよう。
経労委報告は日帝の悲鳴
今日、世界大恐慌と3・11情勢下で帝国主義として脱落の危機にあえぐ日帝ブルジョアジーの存亡が、JR体制の成否にかかっており、また同時に日本プロレタリアートと労働運動の命運が、JR大再編と対決する国鉄決戦にかかっている、と言って過言ではない。
日本階級闘争と労働運動の根底的転換、階級的飛躍をかけて、今こそ外注化阻止・非正規職撤廃の闘いの爆発と国鉄闘争全国運動の大発展をかちとる時だ。青年労働者を先頭に2・15国鉄集会の大成功でその突破口を開こう。
1・24野田施政方針演説と経団連「2012年版経営労働政策委員会報告」は、大恐慌と大震災・原発事故に直撃されている脱落日帝の危機と絶望的悲鳴を露骨に示すものだ。そして一種の「ショック・ドクトリン」を引っさげて登場している大阪の橋下反革命=「維新の会」のあがきも、新自由主義の絶望的破産と凶暴化の表れだ。
しかも、これら一連の日帝の危機的動向を根底で規定しているものこそ、日本における新自由主義の本格化であった国鉄分割・民営化攻撃の未完成と破綻なのだ。日帝ブルジョアジーは、動労千葉と国鉄1047名闘争の存在により労働組合の絶滅攻撃をいまだ完遂できず、民営化攻撃は達成できていない。また外注化攻撃と9割の労働者の非正規化(「95年日経連プロジェクト報告」路線)の目標も、依然として道半ばだ。さらに道州制や公務員労働者360万人の大量解雇攻撃も、「先送りされた課題」(1・24野田施政方針演説)となっている。
これらを反革命的に突破し、脱落日帝が延命するための絶望的あがきが、野田施政方針演説であり、今次経労委報告であり、JR大再編と4月全面外注化の攻撃だ。
国鉄分割・民営化攻撃が根底的に破産していることが、分割・民営化から25年の現在、「2012年は企業にとっては生き残りをかけた正念場の年」「国内事業環境は悪化を続け、他国に大きく劣る状況に陥っている」(経労委報告)現実として、日帝国家と資本を万力のごとく締め上げている。
経団連会長・米倉は、経労委報告の序文で「経済の成長なくして財政の健全化や持続可能な社会保障制度の構築は実現できず、雇用の維持・創出も困難となる」と、現在の危機を突破するために“企業の存続”を叫び、“労働者はその犠牲になれ”とわめいている。
闘って団結と組織を拡大
だが「新自由主義の展開は、金融独占体がその存続のため、国家を自由勝手に利用し尽くすところにまで至っている。その下でこの体制の存続は、労働者民衆に対する徹底的収奪、その生活・生活基盤を破壊する以外になくなっている」「しかし、資本は労働者なくしては存立しないのに対し、労働者は資本なくしても存立しうる」(国鉄全国運動呼びかけ人・鎌倉孝夫さん)のだ。ここにこそ革命の主体的な根拠、国鉄決戦と外注化阻止・非正規職撤廃闘争の世界史的な意義がある。
「2・16」は1047名解雇撤回闘争の原点だ。それは、分割・民営化と2010年の4・9政治和解の反革命に対決し、動労千葉を先頭に“国鉄闘争の火を消すな”と全力で闘い抜いてきた勝利の地平に立って、大恐慌と3・11情勢の激烈な進展に一歩も引かず、破産した新自由主義の絶望的な凶暴化にすべてをかける日帝ブルジョアジーとその最悪の先兵=連合など体制内派を、国鉄闘争と反原発・反失業闘争でぶっ飛ばす闘いの日だ。
またそれは、労働者階級の団結の力がどれほどのものか、誰が社会の真の主人公であるのかを、ブルジョジアーどもに突きつけ、国鉄分割・民営化と原発事故がもたらした事態の一切の責任をとらせる戦闘宣言の日だ。
今こそ、国鉄闘争全国運動の拡大・発展をもって戦後日本労働運動を総括し、『前進』新年号で宣言したように労働運動の階級的戦闘的な全的統一をかちとるために、総決起していく時だ。まさに「私たち労働者は奴隷ではありません。いま必要なのは闘う労働者の団結です。全国には多くの闘う仲間がいます。仲間の団結で闘う新しい労働運動を築こうではありませんか」(同・花輪不二男さん)ということだ。
国鉄闘争全国運動と動労千葉の外注化決戦を貫く外注化阻止・非正規職撤廃闘争の革命論的意義をはっきり確認しよう。
国鉄分割・民営化は、20万人の国鉄労働者を大量解雇し、200人を自殺に追い込んだだけではなかった。民営化の次はあらゆる業務でのアウトソーシング(外注化)だった。JRでは2000年以降、保線、電力、信号通信、建築土木、一部車掌業務、駅など、ほとんどの仕事が外注化された。最後に残ったのが検修業務(車両のメンテナンス部門)と基地構内の運転業務だった。これを動労千葉は10年間にわたって止めてきた。
この動労千葉の闘いのすごさは、この10年間の闘いの中で国労、東労組、鉄産労の組合員も含めたJR職場の全員が外注化に反対となったことだ。外注要員として動員しようとした労働者の全体を動労千葉の側に獲得したのである。
動労千葉の田中委員長はこれを次のように総括している。「外注化を止めることができた最大の理由は、闘いのたびに御用組合から動労千葉に組合員が加入する状況をつくったことです。原則を守った労働組合が団結を維持し、組織を拡大し、社会的影響力を大きくしていく。その時に闘う労働組合をつくりなおす展望も生まれてくる。労働組合は、労働者一人ひとりが持っている力を団結させることができれば、もっともっと大きな力を持てる。社会を動かす力を持つ存在です」と。
青年を先頭に2〜3月へ
世界大恐慌は、ヨーロッパ恐慌を先端にしてますます激化・深化の一途だ。このもとで没落や脱落の危機にあえいでいるのが米帝と日帝だ。とりわけ2011年貿易統計で、貿易収支(輸出額から輸入額を引いたもの)が2兆6089億円の赤字(旧基準時代を含めれば実に48年ぶり!)に転落した日帝の危機はすさまじい。貿易赤字が今後も構造的に続き、それが経常収支の赤字化を引き起こし、国債暴落に発展していく。日帝の大失業攻撃もむしろこれからが本番なのである。
野田は施政方針演説をふまえ、1月31日の行革実行本部の初会合で、「行革に不退転の覚悟で臨みたい」と強調、13年までに国家公務員の総人件費を2割削減する目標を掲げた。さらに野田は「原発事故収束宣言」のもと、原発再稼働の大攻撃に躍起となっている。大飯原発のストレステストに「妥当」の結論を出すことで、4月再稼働を必死に狙っている。
だが福島第一原発では、凍結対策が放置された結果、配管が野ざらしとなり、高濃度の放射能汚染水の漏れが続き、また2号機では原子炉内の温度が70度を超え急上昇している。六ケ所核燃再処理工場の稼働試験の準備も失敗し、中断している。被曝労働と偽装請負も次々に暴露されている。日帝の原発政策が根幹で完全破綻しているのだ。再稼働阻止と全原発廃炉へ全力で闘おう。
2・15労働者集会に大結集し、国鉄闘争全国運動の本格的発展をかちとろう。とりわけ4大産別で外注化阻止・非正規職撤廃、国鉄闘争全国運動の圧倒的前進をかちとることが重要だ。青年労働者の「生きさせろ!」の闘いを先頭に2月決戦攻防を闘いぬき、それと一体のものとして2・11から反原発の3・11福島決戦へと総決起しよう。さらに大阪の橋下反革命と闘う3・18八尾北・西郡決戦に全国から大結集しよう。
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週刊『前進』(2523号1面2)(2012/02/13 )
2・5徳島刑務所包囲デモ
600人が“星野さん返せ”
「全部聞こえた」と星野同志
(写真 「星野さんを奪還するぞ」−デモ後、600人が徳島刑務所に怒りのシュプレヒコール【2月5日 徳島市】)
(写真左 徳島刑務所正門前で「星野さんを返せ!」と叫ぶデモ隊。中央で横断幕を持つ星野暁子さん、右は戸村裕実共同代表)
(写真右 徳島刑務所を上から一望できるコースから「星野さ〜ん!」の声が星野同志に届いた)
“刑務所に入るべきは資本家”
2月5日、全国労組交流センターと星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議の呼びかけのもと、全国から600人が星野文昭同志奪還を掲げて徳島刑務所包囲デモに立ち上がった。
「ついにこの日、この時が来ました!」――全国再審連絡会議共同代表の狩野満男さんがデモ出発点の徳島市入田支所前で第一声を発した。
全国労組交流センターの徳島総会で代表に就任した辻川慎一さんが、「3・11大震災と原発事故はどれだけ多くの労働者を殺し、子どもたちに放射能を降り注いでいるのか。刑務所に入るべきは誰だ! 星野さんではなく、日本の腐ったブルジョアジー、政治家どもこそ刑務所に入れるべきだ」と激烈に訴え、「この1年の闘いで奪還しよう」と呼びかけた。
星野暁子さんが星野文昭同志からのメッセージを読み上げた。「本日の行動は、階級的労働運動と星野闘争が一つに結合し、闘う労働組合を中心とする99%の労働者人民の力で、労働者の自己解放を通した人間解放と、星野解放をかちとっていく闘いを大きく開く行動です。今日の行動が実現したことは、私と暁子の大きな喜びであり、参加された皆さんすべての喜びです。再審無罪・釈放を、解放を絶対にかちとりましょう」
暁子さん自身も言葉を継いで「今この時も文昭の心は闘う私たちとともにあります。文昭が徳島刑務所に移監された1987年10月30日から24年間、面会を続けてきました。文昭が解放されたら、今日のデモコースを必ず一緒に歩きたい。今日のデモで文昭の解放を呼びかけるとともに、刑務所にいる労働者人民に私たちの声を届けましょう」とアピールした。
全学連の斎藤郁真委員長が、星野同志の不屈の闘いに励まされて法大闘争を闘いぬいたことを報告。結集した全国各地の星野救援会から、地元徳島の救う会が「全国労組交流センターの決断が刑務所包囲デモをついに可能にした。労働者階級の力で星野さんを取り戻すこの路線が正しかった」と語り、全国24番目の名乗りをあげた愛媛の会、被災地・福島や宮城の会などから星野奪還への決意が語られた。
星野再審弁護団の和久田修弁護士も「弁護団を結成して21年、星野さんを取り戻す証拠を発見できた。あともう少しです」と檄を飛ばした。
星野同志に肉薄この声が届け!
暁子さんと動労千葉の田中康宏委員長らを先頭にデモに出発した。「星野を返せ! 星野は無実!」「沖縄の基地をなくせ!」「暖房入れろ!湯たんぽ入れろ!」
刑務所への道筋、住民からもエールが送られる。徳島刑務所は正門を閉じ、内側に刑務官が勢ぞろいだ。緊迫感をシュプレヒコールが打ち破る。600人に膨れ上がった長蛇のデモが刑務所の塀に沿って進み、刑務所を取り囲む。声を限りに「星野を返せ!」「星野さん! みんなで来ました」と叫ぶ。この声は星野さんに絶対に届いたはずだ――。
デモ終着点で暁子さんが「私たちの思いは星野文昭と受刑者、心ある看守のもとに届いたと思います。労働者が団結した力で闘えばどんな困難な状況も解決できる。3・11福島県民大集会、5・15沖縄闘争へ立ち上がろう」と呼びかけた。最後に田中委員長が「こういう闘いがいよいよできるようになった。今日は星野さんを奪い返す闘いの出発点だ」と新たな闘いを宣言した。
星野同志奪還へ、時代は大きく動き出した。
暁子さんと面会“大きな闘いだ”
翌6日、暁子さんが星野同志と面会した。「完全に聞こえたよ」と話す星野同志。「入田支所前の集会からかすかに聞こえ、その後、だんだん近づいてくるのが分かった。刑務所裏に来た時は一つひとつの言葉がはっきり聞こえた。本当にうれしかった」「労働者階級と分断しようとする攻撃に対して、心を一つにして闘うことができた。本当に大きな闘いだ」と確信に満ちていた。
2・5闘争の大勝利の反動として、徳島刑務所は友人面会を理由も告げずに不許可にした。こんな理不尽なことがあるか。
労働者階級の力で星野同志を取り戻そう!
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週刊『前進』(2523号1面3)(2012/02/13 )
前進速報版から
▼第3誘導路裁判、NAAの居直りを弾劾▼徳島刑務所包囲デモ▼デモの声、星野同志に届く▼八尾北・西郡決戦勝利へ、大阪で集会
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週刊『前進』(2523号1面4)(2012/02/13 )
【集会要項】国鉄分割・民営化で不当解雇から25年2・15労働者集会、原発いらない!3・11福島県民大集会
国鉄分割・民営化反対! 1047名解雇撤回!
外注化阻止・非正規職撤廃、偽装請負・雇い止めを許すな!
国鉄分割・民営化で不当解雇から25年2・15労働者集会
2月15日(水)午後6時半 すみだ産業会館
(墨田区江東橋3−9−10丸井共同開発ビル8階/JR錦糸町駅南口すぐ)
呼びかけ/国鉄闘争全国運動
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原発いらない!3・11福島県民大集会
3月11日(日) 午後0時半 開場/午後1時 オープニングコンサート
午後2時 集会開始/午後3時15分 行進出発
開成山野球場(福島県郡山市開成1丁目5−12)
主催/福島県民集会実行委員会
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週刊『前進』(2523号2面1)(2012/02/13 )
外注化を10年間も阻んだ動労千葉
国鉄闘争全国運動を職場・地域に
4・1JR全面外注化阻止は“分割・民営化前夜”の大決戦
JR東日本の検修・駅業務全面外注化をめぐる攻防は、国鉄労働運動と日本階級闘争の命運を決める決戦だ。動労千葉を先頭とする4・1外注化阻止の闘いは、1985年の国鉄分割・民営化反対スト前夜に匹敵する緊迫した闘いの渦中にある。この決戦の重大な位置を明らかにするために本稿では、動労千葉の10年余の外注化阻止の地平からあらためて学び、全国からの支援と連帯を心から訴えたい。2・15国鉄集会の成功を突破口に国鉄闘争全国運動を職場・地域に広げよう。
国鉄労働運動の絶滅許さず
国鉄労働運動はいま、掛け値なしに国鉄分割・民営化以来最大の正念場に突入している。
1047名解雇撤回闘争をめぐる一昨年の4・9政治和解は、1047名闘争と動労千葉の解体を狙うものだ。そして、検修全面外注化や運転基地大再編などの矢継ぎ早の攻撃は、動労千葉の絶滅をもくろむ大攻撃だ。これは階級的労働運動全体を最後的に解体する攻撃と一体のものだ。
日帝・支配階級とJR資本は大恐慌情勢下で、国鉄労働運動の息の根を最後的に止めるために最大級の位置づけをもってこうした攻撃に打って出たのだ。それはいまも、火花を散らしながら続いている。この攻撃を直視し、これを打ち破って初めて日本労働者階級は未来を展望できるのだ。
4・1検修外注化によって、数千人が働く検修職場で当面1千人を超える労働者が強制出向の対象になる。仮に強行されれば、千葉支社管内でも1〜2カ月のうちに幕張車両センターや京葉車両センターの庁舎を千葉鉄道サービスに明け渡し、現場レベルで7割の労働者が出向の対象となり、その選別が始まる。これまでに外注化されてきた施設部門(保線・電力・信号通信・建築・土木など)に加え、検修や駅業務(2521号2面参照)も全面外注化されれば運転士・車掌を残すのみとなり、いずれは全部門が外注化されJR直営の現業職場は消滅する。
現場労働者にとっては、一から仕事を覚え、鉄道の安全のために誇りをもって仲間と働いてきた職場が丸ごと外注会社に放り出されることを意味する。“JRに残留か出向・転籍か”――出向先からJRに戻るためには仲間を裏切り、会社にゴマをするしかない。分割・民営化ですべての国鉄労働者が直面したことが検修職場の労働者に再び突きつけられている。
幕張支部巡る激烈な攻防
動労千葉は、JR東日本が2000年11月に打ち出した「ニューフロンティア21」を〈第2の分割・民営化攻撃>ととらえ、10年余にわたって血のにじむような外注化阻止闘争を継続してきた。
ニューフロンティア21では、「ステーションルネッサンス」と称する上野や品川、新宿、東京駅などの大規模ショッピングセンター開発や、ICカードシステムSuicaの導入などが打ち出され、鉄道事業は事業戦略の3番目に位置づけられた。外注化を軸にかつてない大合理化計画が打ち出され、「5年でメンテナンスコスト2000億円削減」という方針のもと、施設部門は全面外注化され、千葉以外では検修・構内業務も逐次外注化が進んだ。
01年4月から始まったシニア制度(再雇用機会提供制度)は、こうした外注化(合理化)と組合員の再雇用を抱き合わせにして組合に認めさせる攻撃だった。これを認めれば全面外注化に行き着く。動労千葉は協約締結を拒否した。「子どもが学生で、再雇用されないと生活できない」という組合員との間で並大抵ではない激論がくり返された。毎年、二けたの組合員が退職する中で厳しい討論が数年間続いた。
さらに幕張支部では、支部の総力をあげた非協力闘争や、検修職場での反合理化・運転保安闘争(きっちり仕事をして要員削減=合理化をさせない)で外注化を阻み、逆に増員をかちとり、ついには二けたの強制配転者を幕張に戻した(04〜05年)。06年の構内脱線事故でも仲間を守り切った。その中でついに平成採の青年労働者が動労千葉に結集した。国労からもスト破りを拒否して動労千葉に合流した。
会社は報復的に次々と支部役員を強制配転し、残った組合員も平成採と一緒の仕事から外された。こういう攻撃にも耐え、動労千葉は幕張車両センターでの外注化を立ち往生に追い込んだ。
青年の決起が攻撃を止めた
続いて焦点になった京葉車両センターでは動労千葉組合員は少数派だ。だがこの10年間で他労組も含めて職場全体が「外注化反対」になった。動労千葉のエルダー組合員はもとより、他労組のエルダー社員も外注業務を請けることを拒否した。結局、東労組元役員のカクマル2人と元助役だけが手をあげた。
京葉車両センターで働く労働者の大半は平成採だ。外注化は彼らの未来がかかった問題だ。ついに10年12月、東労組と決別して1人の青年労働者が動労千葉に加入した。
「これは自分たちの身を守る闘いだ。鉄道の安全を守り、まともな就職先もなく未来を奪われたおれたちの世代全体の権利を守ることにもつながる。本気で立ち上がれば外注化を止めることは可能だ。あきらめるな。千葉では10年止めてきた。それは動労千葉の闘いがあったからだ」――彼の訴えは東労組傘下の青年労働者の心をわしづかみにした。これが翌11年2月1日の外注化計画を頓挫に追い込む力となった。JRは、ようやく1年後の今年1月27日、構内運転1日勤を外注化したが、本当の勝負はこれからだ。
どんなにごまかそうとも、東労組はすでに01年に外注化に協力する協約をのんでいる。京葉外注化についても「雇用の場の確保なら反対しない」「技術継承のために始業検査だけは直営に」と外注化推進の組合案まで作成しているのだ。彼らの正体を暴き出し、さらなる現場からの総反乱を巻き起こそう。
青年の反乱と組織化が核心
動労千葉と国鉄1047名闘争こそ、国鉄労働運動根絶という国鉄分割・民営化に込めた支配階級の野望を最後の一線で阻んだ存在だ。
動労千葉は、国鉄の分割・民営化という戦後最大の労働運動解体攻撃に対して、85年、86年の2波のストライキで団結と組織を守り抜いた。この闘いは国労津田沼分会の決起を生み、86年10月の国労修善寺大会では現場組合員の決起で国労本部の労使共同宣言締結を葬った。89年末〜90年には動労千葉は、解雇撤回闘争の一括和解策動粉砕の3波のストに決起、こうした激闘を経て1047名闘争が登場した。
動労千葉は、まさに乾坤一擲(けんこんいってき)の闘いに立つことで国鉄分割・民営化という歴史的試練に労働組合として耐え生き残った。
そしていま動労千葉は、反合理化・運転保安闘争路線と階級的団結論で分割・民営化反対闘争を25年にわたって継続するとともに、外注化攻撃との闘いの中で新たな画期的地平をつかもうとしている。01年以降の血のにじむような外注化阻止闘争をとおして、JR青年労働者の反乱―動労千葉と動労総連合への結集(組織拡大)を実現したのだ。1人の青年労働者の決起が職場丸ごとの反乱をつくりだし、JR資本とJR総連・東労組の結託体制を粉砕する可能性を完全につかんだのである。実際に東労組京葉車両センター分会では、大会や職場集会で青年労働者から圧倒的な「絶対反対」の声が公然とあがっている。
非正規職化の根源と対決し
外注化とは、日本帝国主義にとって「企業の存続」(12年版経労委報告)をかけた核心的攻撃だ。動労千葉を先頭とする国鉄労働運動は、この攻撃を真正面から見据えて闘う中から、JR総連・カクマルとの最後的決着をつける闘いの緒戦に突入した。
平成採の総反乱―JR総連解体闘争こそ、階級的労働運動路線の成否をかけた戦場だ。それは、国鉄分割・民営化攻撃の開始以来30年余の、いや63年三河島事故後の動労の安全保安闘争をめぐる「闘争中止」にカクマル松崎明が屈服した時以来の路線的決着をかけた歴史的決戦だ。
これは、JR(国鉄)という日本資本主義および日本階級闘争にとって特別の意味をもつ産別において、外注化攻撃を実際に打ち破り、新自由主義を根底から覆す労働運動が歴史的に登場することを意味する。それは、日帝の新自由主義攻撃を支えてきた史上類例のない反革命労働運動=JR総連を解体し、国鉄分割・民営化攻撃についに決着をつける歴史性をもった闘いだ。
動労千葉の闘いは同時に、非正規職化の根源との闘い(非正規職化させない闘い)に、正規−非正規の分断を超え4大産別の正規職が決起する画期をなす闘いでもある。自らの労働者としての誇りにかけ、労働者階級全体の利益をかけた闘いに立ち上がっているのだ。
新自由主義と闘う2・15集会
日本の中曽根、米レーガン、英サッチャーの登場を前後して始まった新自由主義30年余の展開は、ついに世界大恐慌にまで行き着いた。資本家階級には、労働者階級を犠牲にする以外に整合性・合理性・有効性のある政策はもはやない。その意味で新自由主義の根幹中の根幹は、労働者階級の反撃を粉砕すること、労働運動を根絶すること、この一点にある。
4・9政治和解は、日本労働者階級の階級的反撃の芽を根こそぎ断つことを狙った攻撃だ。JR職場での全面外注化は、これと表裏一体だ。1047名闘争圧殺攻撃は常に、JR職場での外注化攻撃と一体で進められてきた。00年の4党合意も保線などの施設部門外注化による国労の拠点破壊と一体で強行された。
日帝の最大の階級政策である国鉄闘争解体攻撃を正面から見据え、国鉄闘争を継続するための必死の反撃として始まったのが国鉄闘争全国運動だ。職場生産点で必死に外注化と闘う動労千葉が、全国に発した「国鉄闘争の火を消すな!」の訴えは、国鉄闘争に心を寄せる全国の労働者、各界の諸人士の心に響き、一昨年6月13日の感動的な結成集会に結実した。
1047名闘争と動労千葉は、今なお日本労働運動再生の可能性の中心にあり、新自由主義を打ち破る新しい労働運動創造の現実性を開示し続けている。何よりも動労千葉が、外注化との闘いの渦中で平成採の反乱と本格的な組織拡大、JR総連打倒情勢を引き寄せるならば労働運動全体に巨大なインパクトを与えることは間違いない。
139日間の歴史的な産業ゼネストを闘った全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部や動労千葉の闘いを筆頭に、新しい階級的労働運動が歴史の舞台に登場し始めている。動労総連合は、水戸や高崎で偽装請負を告発し、動労水戸は被曝労働強制と対決するストライキでついに青年労働者の加入を実現した。郡山総合車両センターやJR西日本・後藤総合車両所での偽装請負追及の闘いなど、全国のJR職場で闘う労働運動の再建が始まっている。何よりも動労千葉争議団、和解を拒否して闘う国労闘争団員が1047名解雇撤回の闘いを不屈に貫いている。
さらに郵政・自治体・教労などでも、動労千葉に続く挑戦が始まっている。大阪市長・橋下との闘い、仙台市職など被災地での闘いなど、4・9和解との対決を貫く国鉄闘争全国運動がその真価を発揮するのはまさにこれからだ。
階級的労働運動の復権は、国鉄闘争全国運動が本格的な運動として発展するかどうか、そして動労千葉が、JR総連の内部からの青年の反乱と組織拡大を実現できるかどうかにかかっている。
“4・9和解と闘う国鉄闘争全国運動”という階級的構図を鮮明に突き出し、全国・全産別で国鉄闘争全国運動への結集をさらに大胆に呼びかけよう。その先端で闘う動労千葉への組織破壊攻撃を許さず、支援・連帯闘争を職場生産点に組織しよう。
国鉄決戦とは、日本の労働運動をめぐる階級決戦そのものだ。国鉄闘争全国運動と動労千葉を支援する会の会員拡大、動労千葉争議団と国労原告団の物販闘争に全力で決起しよう。そして労働学校運動をさらに全国で発展させよう。2・15国鉄集会の大成功を突破口に、全国の職場・地域・産別で階級的労働運動をつくりだそう。
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週刊『前進』(2523号2面2)(2012/02/13 )
2・21鉄運機構訴訟に結集を
結審策動粉砕・葛西証人採用へ
4・9政治和解を拒否し、解雇撤回闘争を継続する国労秋田闘争団・小玉忠憲さんの鉄道運輸機構訴訟裁判が2月21日、午後1時半から東京高裁で開かれる。この日の裁判は、結審策動を粉砕し、JR東海会長・葛西敬之らの証人採用をかちとるのか否かを巡るきわめて重大な攻防になる。
原告の小玉さんは、葛西のほか、国鉄分割・民営化当時、首相であった中曽根康弘ら15人の証人申請を行っている。これに対し、鉄道運輸機構側は、小玉さん本人の証言も含め、証人尋問は必要ないという意見書を提出し、裁判所もこれに同調する構えでいる。
4・9政治和解を拒否した小玉さんは、旧代理人弁護士を解任し、主張の内容を大きく構成し直して裁判に臨んでいる。とりわけ、本州JRは定員割れであり、当初は採用候補者名簿に載せられていた小玉さんら本州闘争団員の名前が、「停職6カ月以上または停職2回以上の処分を受けた者はJRに採用しない」とした不採用基準により名簿から削られたことの不当性を最大の争点に位置づけ直した。また、小玉さんに対してなされた処分が違法・無効であることも新たな主張として押し出している。
動労千葉の鉄道運輸機構訴訟では、不採用基準を策定し、採用候補者名簿の作り直しを命じたのは、当時、国鉄職員局次長だった葛西であることが明らかになっている。葛西の証人採用は、小玉さんらが不採用とされた経過を明らかにするために必要不可欠だ。
東京高裁の結審策動を粉砕する決戦として、2月21日の裁判闘争に大結集しよう。
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週刊『前進』(2523号2面3)(2012/02/13 )
関西集会 橋下打倒へ戦闘宣言
八尾北・西郡先頭に220人
2月3日、大阪市エルおおさかで「八尾北・西郡決戦勝利!更地化・強制執行粉砕!労働組合破壊を許さないぞ!道州制粉砕・橋下打倒!2・3集会」が、関西労組交流センター・八尾北医療センター労組・部落解放同盟全国連西郡支部の共催で開催された。関西各地から220人の労働者が結集し、新自由主義の先兵である橋下に八尾北・西郡の拠点攻防での断固たる戦闘宣言を発した。
主催者あいさつに立った関西労組交流センター代表の南谷哲夫さんは、「これは労働者の未来、生き死にをかけた絶対譲れない闘いだ。新自由主義・道州制攻撃である西郡・八尾北への攻撃と非和解で闘おう。3・18大闘争に総決起しよう」と訴えた。
全国金属機械労組港合同からのメッセージが読み上げられた後、八尾北労組の藤木好枝委員長が集会基調を提起した。「西郡3家族に対する住宅明け渡し強制執行通告を絶対に許さない。12年決戦を国鉄、反原発、八尾北・西郡決戦の3本柱で闘おう」と呼びかけ、「橋下は階級的激突の修羅場をくぐった経験がなく、労働組合幹部と解放同盟幹部の屈服の上に乗っかっているだけ。4・9反革命を粉砕してきた国鉄決戦の地平で闘えば勝てる」と喝破した。そして、「八尾北・西郡決戦は新自由主義と全面的に対決する決戦です。西郡を出撃拠点として全産別職場で〈絶対反対・階級的団結>で闘い、その結集軸として八尾北・西郡決戦に総決起し、橋下・維新の会の土手っ腹を打ち抜こう」と力強く訴えた。
特別報告を行った大阪市職の赤田由行さんは、「橋下の登場は自治体労働運動の拠点を次々つくるチャンス。ユース部長選挙で『黙っていたら殺される。今こそストライキへ』の訴えに199票が寄せられた」と勝利感を込めた。そして「『もう限界』と職場の怒りは爆発寸前です。『3・11情勢が大阪に来た』――これが労働者の感性です。闘って橋下の不正義を暴き、資本主義の墓掘り人を拡大しよう。市労連執行部の屈服は許せない! 組合はこんなもんじゃないという労働者が膨大にいる。組織した分だけ花開く。全力で闘おう」と呼びかけた。
さらに大阪市教組の沼田祐子さんは、「橋下はわかりやすい敵、正体を職場で暴くことが重要。首切りと非正規化・労組破壊のための『教育基本条例』『職員基本条例』の2条例と対決し、職場に階級的団結を組織する」と述べ、「『君が代』最高裁判決は団結破壊であり、橋下と一体の攻撃。橋下は職場支配権に恐怖している。フクシマの怒り、西郡の怒りと一体で職場で闘う」と決意を語った。
国労共闘の富田益行さんは、「橋下は闘う労働組合の復権を恐れている。ここで勝負して勝てば打倒できる。25年前の国鉄での攻撃が、いま橋下を先頭に、大阪市だけでなく公務員360万人解雇の道州制攻撃として襲いかかっている。絶対反対で闘えるのは八尾北・西郡。絶対反対とは強固な団結を生み出す路線です。ついに道州制決戦で動労千葉のような拠点をつくりだすところにきた」と勝利の展望を明らかにした。
集会の熱気が最高潮になる中、住宅明け渡し強制執行の当該である西郡支部の岡邨洋支部長と辻西幸子書記長が決意表明に立ち、熱烈なアピールを行った(発言要旨別掲)。
集会のまとめを関西労組交流センターの平沼和典さんが行った。「橋下に対する怒りに満ちた声、生々しい闘い、この力をひとつにして巨大な力として橋下打倒へ突き進もう。この闘いで階級関係を変えよう」という提起は、すべての参加者の決意となった。
決戦の火蓋(ひぶた)は切られた。3・18八尾北・西郡全国闘争へ、新自由主義と闘う労働組合の拠点建設に突き進もう。
(写真 “強制執行と断固闘う” 住宅明け渡し当該の決意に応え3・18への総決起を誓
った【2月3日 大阪市】)
住宅明け渡しと闘う決意
●岡邨洋支部長
八尾北医療センター民営化反対11年と西郡住宅闘争15年は、新自由主義を追いつめています。八尾市は医療センターの廃院と桂小中学校を統廃合し、ムラ丸ごと資本に売り渡そうと追い出し攻撃をかけてきています。闘いの拠点である八尾北労組と全国連西郡支部をたたきつぶし、八尾市800事業の民営化、公務員首切りをやろうとしています。西郡の更地化・廃村攻撃こそ橋下・道州制、復興特区攻撃の切っ先であり正体です。
住民や労働者をなめるな! 西郡の青年は「生きさせろ!」と声をあげています。追いつめられた市は「あんたとこ1軒残ったら水道もガスも止められる」という脅しで供託を降ろさせようとしています。こんな腐りきった連中を絶対に許さない。すべてを取り戻そう。新自由主義と対決し支部1千名建設で橋下・道州制粉砕の最先頭で闘います。3・18全国闘争への総決起を訴えます。
●辻西幸子書記長
私は今日この場で、すごく安心しうれしく思っています。住居から追い出す応能応益家賃が導入されたとき、道州制が始まりました。国や八尾市は部落の中でもまず西郡を標的としてきました。このときみんな家賃供託運動に立ち上がりました。十数年間の運動は絶対間違っていなかった。
どんなかたちで強制執行が来ようと、みなさんの力と応援でやりきれる。そういう自分自身に感動をもっています。自分は一人じゃない。みんなで闘って、みんなの苦しみ、みんなのつらい思い、それにみんなの力でうち勝っていくんだと、この場で自覚しました。「運動したらあんな目にあうんだ」と言われるけれど、そんなことはない。「こうしてやったら開ける」という見本をつくりたい。「アカンもんはアカン」とやりきったら展望は開けることを見せたい。
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八尾北・西郡決戦勝利! 道州制粉砕・橋下打倒!
3・18全国総決起集会
3月18日(日)午後1時〜
幸町五丁目第1公園(大阪府八尾市幸町5―12―1/最寄り駅・近鉄八尾駅)
主催/八尾北医療センター労働組合
部落解放同盟全国連合会西郡支部
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週刊『前進』(2523号3面1)(2012/02/13 )
福島県教組と団結し全国の教育労働者は3・11福島へ
闘う日教組運動を奪い返そう
革共同教育労働者委員会
2012年、日教組運動を現場組合員の手に奪い返す重大な決戦の時が到来した。最大の焦点は、再稼働を許さず全原発の廃炉を実現する反原発闘争と、教育労働者の首切り・賃下げ・教育の民営化攻撃を全面的に推し進めようとする大阪維新の会・橋下との闘いである。いずれも勝負どころは職場だ。職場から反原発・反橋下の闘いを巻き起こし、その力で、職場・地域の仲間とともに「原発いらない!3・11福島県民大集会」に駆けつけよう!
反原発闘争に立ち労働組合甦らせる
世界大恐慌はアメリカ帝国主義の没落、EUの解体、日本帝国主義の脱落、中国バブル経済の瓦解(がかい)へと進展している。1974〜75年恐慌以後、利潤追求をすべてに優先させる新自由主義が登場した。そして1980年代以来の新自由主義の満展開で蓄積した矛盾を大恐慌として爆発させ破産した。脱落帝国主義となった日本帝国主義は、「復興特区」・原発再稼働・輸出攻撃など、なんの勝算もない破産した新自由主義に突進している。
大阪市長・橋下と大阪維新の会は「関西広域連合・大阪都構想」という道州制・民営化を掲げて登場した。危機にのたうつ資本家階級の最後の延命策=新自由主義攻撃の先兵だ。だがその新自由主義はすでに破産しているのだ。橋下・維新の会は、民主党・野田政権となんら変わらない資本家階級の利害の代弁者だ!
9割の労働者を非正規化し、低賃金で「解雇のやりたい放題」にする。こんなことが許せるか! 労働者は生き抜くために競争・分断を拒否し、階級的に団結してこの攻撃に立ち向かう。だから新自由主義攻撃の中心に労働組合つぶしと労働者の団結破壊がある。核心は労働組合をめぐる階級決戦だ。
資本家階級は、80年代の国鉄分割・民営化攻撃で国鉄労働運動を根絶しようとした。この大攻撃に対して、国労本部は闘わずに嵐の過ぎ去るのを待とうとした。その結果、20万人の国鉄労働者が職場を去り、200人もが自殺に追い込まれた。しかし動労千葉が組織の存亡をかけてストライキで闘ったことによって、国労も残り、1047名の労働者が解雇撤回闘争に立ち上がった。そして動労千葉の闘いは今、世界中の新自由主義と闘う労働組合の国際連帯の軸になっている。
労働者階級は総評・連合の労組幹部の屈服をのりこえて、新自由主義の労組破壊攻撃と闘い抜いてきた。資本主義社会は労働組合を根絶できないまま世界大恐慌に突入した。エジプトでは労働者階級が労働組合を軸として革命を起こした。ギリシャでは公務員労働者を中心としてゼネストが起こり、政権が崩壊した。資本主義の崩壊、国家財政の破綻に資本家階級はどうしようもない危機を迎えている。
「子ども守れ」と教研で議論
昨年12月に「事故収束」を宣言した野田政権は、原発再稼働・原発輸出へと突進している。原子力安全・保安院は大飯原発3・4号機のストレステストを妥当と判断、4月に稼働原発がゼロとなる前に1基でも動かそうと躍起となっている。
何が事故収束か。高濃度汚染水が連日のように漏れ出し、2号機の原子炉の温度が急上昇している。にもかかわらず野田政権は4月から年20_シーベルト未満の地域の避難区域指定を解除し、高線量の汚染地域で小・中学校を再開して子どもたちに帰還を促そうとしている。まさに国家による殺人行為以外の何物でもない。
こうした中で福島県教組は、深刻な放射線被曝の現実やデタラメな人事異動に立ち向かいながら、原発即時停止・廃止の闘いの先頭に立っている。1月28日から富山市で開催された日教組全国教研集会では、全分科会にレポーターを送り、フクシマの怒りを無視し、原発を正当化する政府・文科省弾劾を訴えた。全体会での中村委員長あいさつには「反原発」の一言もなかった。しかしほとんどの分科会で”福島県教組と連帯して放射能から子どもたちを守ろう”ということが共通のテーマとなった。さらに闘う日教組にこそ誇りと希望を見いだし、本部の制動をはねのけて決起する青年労働者が登場している。
「放射能安全」教育を拒否し、子どもたちを放射能から守る闘いを職場からつくり出し、反原発闘争に総決起しよう。ここにこそ、闘う労働組合を甦(よみがえ)らせる闘いの環がある。
「原発いらない!3・11福島県民大集会」に全国から総結集しよう。郡山市の開成山球場を林立する組合旗で埋め尽くそう。
大阪・橋下の民営化と労組破壊に反撃
大阪の「『君が代』起立条例」「職員基本条例」「教育基本条例」がいかに狡猾(こうかつ)で激しく見えようと、危機にのたうち回っているのは資本家階級であり、野田政権であり、関西財界=橋下・維新の会の側なのだ。このことに圧倒的な確信を持とう!
橋下は、地下鉄・バス、清掃、幼稚園、保育所などの民営化攻撃を矢継ぎ早に繰り出してきている。「公の施設で政治活動をしているのは問題だ」として、市庁舎からの労組事務所の退去を通告した。体制内労組幹部がどんなに腰をかがめて屈服しても、労組破壊・解雇と非正規化・民営化を進めるということだ。
橋下に群がるブレーンたちは、「教育特区」「教育バウチャー制度」などによって、教育も全面的に民営化しようとしている。かつての「同和教育推進校」2校を小中一貫の「スーパー特進校」として、大阪市全域から通学できるようにし、教育の民営化の突破口にしようとしている。その発想は西郡で地区内の桂小・中学校を統廃合し更地化する特区攻撃とまったく同じで、教育労働運動・解放運動つぶしの狙いに貫かれている。
アメリカでは教育の民営化により何が起こってきたのか? 民営化に群がる教育産業が利潤追求のために公教育を破壊してきたのだ。
05年夏にアメリカ南東部を襲ったハリケーン・カトリーナの被災地では、「復興特区」の名のもとに公立学校が次々民営化され、7千人もの教育労働者が解雇された。
こうした攻撃に対しカリフォルニア州の教職員組合・UTLA(ロサンゼルス統一教組)は、財政破綻の責任を労働者に転嫁することを許さず、名指しの教員たたきに団結して反撃し、組合つぶしに立ち向かっている。
日本でも「自由化」「多様化」の美名のもとに教育の民営化が進められてきた。現場労働者とりわけ青年労働者の多忙化は耐え難いものとなり、病気・過労死が続出しているではないか。
学校選択制、教育バウチャー制、評価システムは教育民営化の柱だ。橋下は、公立学校の定員割れを意図的につくり出し、統廃合、民営化を進め、「組織改廃による分限免職」=公務員整理解雇を進めようとしているのだ。
現場労働者にあふれる怒り
現場労働者は、組合ダラ幹のぶざまな姿に腹の底から怒っている。橋下は教育の民営化を推進するために「私立小・中学校に子どもを通わせている市職員や教員の割合を調べるように」と市教委に求めた。なんとその翌日に現場の管理職は学校職場の教育労働者に報告を命じて、調査をしようとした。しかし現場労働者は黙っていなかった。「こんなものに応じてられるか!」がその返事だった。ちなみに、攻撃の材料にしようという橋下の想定は”はずれた”と報道されている。
職場は闘いの機運に満ちている。橋下よ、労働者を甘く見るな! 労働者階級が団結した力のすさまじさを思い知るがいい!
教育労働者が動労千葉のような闘いに立ち上がる時がついに来たのだ。労働現場を動かしているのは労働者だ! それが橋下・維新の会の道州制・民営化攻撃と闘って勝利できる最深の根拠だ。問題は「労働者が分断をはね返して階級的に団結できるのか?」「職場から闘いを開始し労働組合を甦らせることができるのか?」にかかっている。
今困っていること、腹の立つこと、現場で起こっていることすべてが新自由主義攻撃だ。一人の抵抗が職場の労働者の団結をつくり出し、団結を守り抜いた時、新自由主義の攻撃は破産する。
職場からの反撃こそが橋下を打倒する力なのだ。闘いは力強く開始されている!
一つひとつの闘いを総括し、討論して、新自由主義攻撃の本質を見据え、職場・分会で討論を始めよう。討論の開始は闘いの始まりだ。分会会議を定例化させ、職場分会を甦らせよう。抵抗・反撃をとおして職場で階級的団結をつくり出そう。
不起立貫き職場に階級的団結つくる
私たち教育労働者は1999年の「国旗・国歌法」の制定以来、卒・入学式における「日の丸・君が代」不起立闘争を全力で闘いぬいてきた。東京の不起立闘争は、03年「10・23都教委通達」以来、8年にわたって不屈に継続されている。
1月16日に出された最高裁判決は、団結破壊のための分断・圧殺攻撃だ。これを受けて橋下は「ルールを守らない公務員が処分されるのは当然と決めていただいた。職場の規律を乱す公務員を処分するのは当然」と加重処分を開き直った。不起立者に「指導研修」を強制し、反省しなければ現場復帰を認めないというのだ。
「『君が代』起立条例」「職員基本条例」「教育基本条例」の核心も、職場の団結と抵抗の解体、労組破壊にある。だが、転向強要研修も累積加重による免職も、根津さんを先頭とする東京の不起立闘争の爆発によって打ち破られてきたものだ。最高裁判決は、職場における闘いの爆発への恐怖の表れである。
八尾北・西郡の闘いが最先端
2月3日に大阪市で開かれた「八尾北・西郡決戦勝利!道州制粉砕・橋下打倒!2・3集会」で、教育労働者は意気高く「不起立を貫く」と宣言した。不起立闘争は新自由主義との最先端の闘い・階級的団結の軸として力を発揮する時が来た。今こそ労働組合を甦らせるために闘おう。
橋下の登場は、労働者階級を先頭に新自由主義攻撃と全面的・根底的に対決して勝利していく闘いの構図をいよいよ鮮明にした。
大阪では、八尾北医療センターへの民営化攻撃と部落解放運動の拠点・西郡に対する住宅明け渡し攻撃が、激突局面に突入している。
国鉄分割・民営化攻撃と同じ時期に、部落解放闘争を根絶するための地対協路線が登場し、その攻撃が八尾北と西郡にかけられた。医療センター民営化・住宅明け渡し・更地化の攻撃は、労働者階級にかけられた国鉄分割・民営化攻撃と一体の新自由主義攻撃なのである。
八尾北医療センターには民営化・明け渡し攻撃に立ち向かう労働組合の団結がある。部落解放を闘ってきた西郡支部と団結して闘い、その中でつくりあげてきた階級的団結がある。西郡支部には、住宅明け渡し・更地化(=特区攻撃)を拒否して闘い続けてきた住民の団結がある。八尾北・西郡は新自由主義攻撃と闘い抜いてきた階級的拠点だ。この闘いを通して青年の決起が始まっている。
八尾北・西郡の闘いこそ橋下・維新の会の道州制・民営化、労組破壊攻撃との最大の闘いである。「復興特区」攻撃と対決する被災地の闘いと並ぶ新自由主義・道州制攻撃との決戦場である。国鉄闘争、八尾北・西郡闘争、被災地の闘いは、新自由主義を打ち破り、階級的労働運動を甦らせる最前線なのだ。われわれはかけがえのない革命の拠点をすでに手中にしている。
職場から闘い福島と連帯を
私たち教育労働者委員会は、地区党と一体となった産別委員会での討論によって、職場で起こるあらゆる問題を新自由主義の攻撃ととらえ、闘いを開始する。その闘いの中で、現場指導部、何よりも青年労働者指導部を建設し、労組拠点を築いていくのだ。
あくまでも職場での闘いにこだわり、職場・分会で階級的団結を奪い返す闘いを貫こう。今こそ拠点建設と組合権力の奪取に向かって真っ向から闘う時だ。
こうした闘いを全国の職場で開始することが福島県教組と連帯する道だ。労働者が階級的団結を奪い返して、資本家どもを打倒しなければならない。そのためにも、分会の団結を土台にして「日の丸・君が代」不起立闘争に全力で立ち上がろう。
2・15国鉄闘争全国運動集会に集まろう! 3・18八尾北・西郡決戦に全国から駆けつけよう! 3・11に結集し、復興特区攻撃粉砕、全原発の廃炉・再稼働阻止へ、福島県教組と固く団結して闘っていこう!
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週刊『前進』(2523号3面2)(2012/02/13 )
三里塚第3誘導路裁判 危険性居直るNAA
“地域破壊する工事やめよ”
2月7日、千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)で第3誘導路裁判の弁論が開かれた。この裁判で三里塚芝山連合空港反対同盟は、国と成田空港会社(NAA)に対し、暫定滑走路・第3誘導路の許可処分取り消し、工事中止などを求めている。
暫定滑走路とへの字に曲がった誘導路の現実、そして天神峰の市東孝雄さんを追い出すために現在進められている第3誘導路建設は、成田空港の構造的欠陥の象徴だ。その違法性、危険性、反人民性を厳しく指摘したことに対し、国とNAAはおごりと居直りの弁明を書き並べた準備書面を出してきた。
民間航空に関する全世界共通の原則的基準を定めたシカゴ条約では、着陸帯の幅が300b必要とされているのに、暫定滑走路では半分の150bしかない。これについて被告らは「法的効力はない。従う義務はない」と反論してきた。とんでもない言いぐさだ! 航空法の第1条にも国際条約の規定に準拠して安全を確保することがうたわれているが、これを無視するというのなら、国際空港などと名乗る資格はゼロだ。
さらに、これまでの成田での数々の事故について「事例」「事案」と言い換えた上で、「管制官の指示に従わなかったパイロットのミス」「原因は確定できていない」などと責任逃れをし、「ただちに住民の生命身体に具体的危険を及ぼすものではない」と原発とうり二つの言い訳に及んでいる。
また東峰の森を破壊して造られた東側誘導路が今ほとんど使われていない実態、暫定滑走路が事実上着陸専用になっている現実について、NAAは「統計を取ってない」と空とぼけて数字を出すことを拒否した。
その一方で「航空需要が増大している」から「公共性がある」「一大国策だ」と強弁する。国際化した羽田に競り負け没落しつつある現実さえ認めぬとは、どこまで恥知らずな言いぐさか。
顧問弁護団は被告の居直り文書に徹底的な批判を浴びせ、「釈明を拒否する不当な態度をやめよ。統計調査を今から行え」と厳しく迫り、再度の釈明を求めた。
次回期日を5月1日(火)として閉廷。
弁護士会館で記者会見と報告集会が開かれた。司会は伊藤信晴さん。
北原鉱治事務局長が冒頭のあいさつに立ち、原発絶対反対・即時廃止の鮮明な立場と福島への連帯を表し、「成田は廃港以外にない。3・25三里塚全国総決起集会へ大結集を」と力強く訴えた。
葉山岳夫弁護士を先頭に弁護団が法廷の解説を行い、被告の国・NAAの安全を無視した居直りを鋭く全面的に批判した。続いて、動労千葉の後藤俊哉さん、関実、市東さんの農地取り上げに反対する会がそれぞれ連帯発言を行った。
最後に萩原進事務局次長がまとめの発言に立った。「団結街道の封鎖に加えこの第3誘導路の工事によって、天神峰、東峰、取香などの地元住民は子どもの小学校通学まで困難になっているのが現実だ。芝山も騒音によって廃村化が進んでいる。空港と共存共栄などうそだ。特に農業とは相いれない。現在のTPP推進、原発事故の状況を考えたとき、国策に立ち向かってきた三里塚の歴史が正しかったと証明できる」と確信をもって語り、現地闘争と裁判闘争を一体で闘う決意を明らかにした。参加者全員が熱い拍手で応え、2〜3月の反原発闘争から3・25三里塚への決起を誓った。
(写真 報告集会で参加者は国とNAAを徹底弾劾し3・25三里塚集会への結集を誓い合った【2月7日 千葉市】)
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【三里塚裁判傍聴を!】
◎市東さん行政訴訟・農地法裁判
2月20日(月)午前10時30分 千葉地裁(傍聴券抽選のため1時間前に集合)
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週刊『前進』(2523号3面3)(2012/02/13 )
東京「君が代」不起立闘争 1・16最高裁判決弾劾する
新自由主義攻撃と対決し福島県教組と連帯し闘う
全国労組交流センター・教育労働者部会
全国労組交流センター教育労働者部会が2月4日、東京「君が代」不起立闘争に対する1・16最高裁判決を弾劾する声明を発した。さらに職場から闘いを継続・拡大しよう。(編集局)
●1・16最高裁判決は政治的な分断攻撃だ
最高裁は1月16日、東京の「君が代」不起立闘争に対する三つのグループの判決を出した。都教委の職務命令などについて違憲でも違法でもないとした昨年の一連の最高裁判決を前提にして、この日は「裁量権問題」についての判断を示した。
判決は戒告処分を容認する一方、「戒告を越えてより重い…処分…については、慎重な考慮が必要」として、減給1カ月、停職1カ月の二人の処分は取り消しながら、「過去の…処分歴や不起立前後の行為における態度」を問題にして根津公子さんの停職3カ月は取り消さないとした。より積極的に闘う者は絶対に許さないという、実に狡猾で悪質な判決である。
核心は、「クビ」の恫喝をはね返して「絶対反対」を貫いて最先頭で闘ってきた根津さんを分断し、見せしめにしたことにある。
「すべての処分を撤回せよ! 分断を許すな!」。腹の底からの怒りを持って弾劾する。
●追い詰められているのは大阪市長・橋下だ
判決を受けて橋下大阪市長と大阪維新の会は、「最高裁判決を踏まえて」とわざわざ説明し、教育基本条例案に「指導研修」を新設すると表明した。闘う者を「学校の規律や秩序を破壊する」者として排除するという宣言だ。最高裁判決と橋下の攻撃はまったく同じ質、同じ狙いに貫かれている。
かつて国鉄労働者の「1047名解雇撤回闘争」をめぐる裁判においても、東京高裁は、国労闘争団の被解雇者のうち過去に処分歴のある者だけは「救済」対象からはずすという分断判決を下した。その判決を「評価」した人たちはその後、解雇撤回を投げ捨て、政治和解に応じ、国鉄闘争の幕を自ら閉じてしまった。この教訓を忘れるな。
闘いの中に分断を持ち込むのは国家権力の常套手段だ。彼らが恐れているのは、労働者が絶対反対を貫き、職場で団結して闘い続けることだ。
●不起立闘争は組合つぶしを打ち破る闘い
大恐慌の激化と3・11情勢の中で、労働者階級人民に半失業・失業の嵐が襲いかかっている。この中で青年労働者が続々と「本物の労働組合をつくろう」と闘いを開始している。生き抜いて未来を切り開くための命がけの闘いだ。
だから国家権力は、不起立闘争を放置できず、根絶に乗り出したのだ。それが資本・国家と非和解の階級的な闘い、典型的な職場闘争だからだ。今回の最高裁判決と橋下の攻撃は、労働者が職場で「闘い続けること」を国家権力がどれほど恐れているかを示している。
組合執行部が闘いを放棄する中で、現場労働者が「日の丸・君が代」強制反対という日教組運動の原点を守り抜き闘い続けてきたことが、どれほど国家権力を追い詰めていることか。われわれは闘って闘って、組合の団結の要を守り抜いてきたのだ。
●「教育の民営化」絶対反対の闘いで労働組合をよみがえらせよう
不起立闘争を敵視する橋下大阪市長は、既存の制度・体制から思考・発想まですべてを破壊しながら、道州制・新自由主義攻撃に突き進んでいる。民営化・外注化によって公務員大量首切りと非正規化を進めるために、”公務員は国賊だ”とわめき立てている。それは労働者階級に分断を持ち込み、労働組合を根絶・一掃するためだ。
橋下は私学助成を大幅にカットする一方、私立高校授業料無償化で府立高校の定員割れを意図的につくり出してきた。さらに教育基本条例案では、学区制撤廃で定員割れの府立高校をつくり出し、3年連続定員割れの高校は統廃合・民営化するとしている。小・中学校も学校選択制の導入で統廃合を進めようとしている。そしてここに教育基本条例案の「組織改編に伴う分限免職」条項を持ち込み、大量に教育労働者の首を切ることを狙っているのだ。これこそ新自由主義攻撃の最たるものだ。
大恐慌の震源地・米カリフォルニア州のUTLA(ロサンゼルス統一教組)は、賃下げ、大量解雇、学校の公設民営化攻撃に絶対反対して闘い、その闘いの中で闘う執行部を確立した。財政破綻を労働者に責任転嫁することを許さず、名指しの教員たたきに団結して反撃し、組合つぶしに立ち向かって闘い続けている。その闘いは、新自由主義攻撃への怒りを解き放ち闘って団結すれば、たちどころに情勢は一変し、労働組合をよみがえらせることができることを教えてくれている。
橋下の攻撃に現場労働者の誰もが怒りを募らせている。今が職場に団結をつくり出すチャンスなのだ。その闘いは始まっている。UTLAの闘いに学び、青年労働者と団結して、労働組合をよみがえらせることにかけきって闘おう。
●福島県教組と連帯し、3・11福島集会へ駆けつけよう
福島県教組は野田政権の「事故収束宣言」に怒りを燃やし、「原発いらない!3・11県民大集会」の成功に向けて最先頭で闘っている。
高線量の汚染地域に子どもたちを引き戻そうとする学校再開や、デタラメな人事異動が、福島の教育労働者の困難に追い打ちをかけている。子どもたちの被曝という深刻な問題と向き合いながら、文科省・教育委員会による「放射能安全教育」の押しつけを拒否して闘っている。この福島県教組の怒り・悔しさを共有し、心を一つにして、日教組運動の再生へともに闘っていこう。
今春の卒・入学式闘争は、教育の民営化、新自由主義による教育破壊との激突の最前線に押し上げられた。大阪―東京―全国を貫く不起立の闘いで、職員・教育基本条例案を粉砕しよう。最高裁反動判決を打ち破って闘い続けよう。
民営化・外注化・非正規化と闘い、「国鉄闘争全国運動」に結集し、全労働者の団結で新自由主義を打ち破る労働運動をつくり出そう!
3月11日、全国から組合旗を持って郡山市・開成山球場に駆けつけよう。3・11を原発を止める怒りの集会にするために、ともに闘おう!!
2012年2月4日
(写真 1・16最高裁前で)
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週刊『前進』(2523号4面1)(2012/02/13 )
ビキニデー58周年2・19集会へ
米の6回の水爆実験で千隻が被爆
第五福竜丸事件への怒りも新たに
(写真 操業中に水爆実験にあい、被爆して焼津港に帰った第五福竜丸【1954年3月16日】)
(写真 水爆実験の巨大なキノコ雲。破壊力は広島原爆の1000倍にも達した【1954年3月】)
多くの乗組員がガンなどで死んだ
今から58年前の1954年3月1日、太平洋マーシャル諸島近海で日本のマグロ漁船・第五福竜丸が操業していた。夜明け前、「西側の水平線から夕焼け色の淡い光が『サアー』と流れるように東側の水平線まで覆い尽くした」「耳をつんざく鳴動とともに巨大なキノコ雲が水平線上に姿を現わし(た)」(大石又七著『矛盾』)。
この日、米帝は対ソ核戦争体制の構築のために5月14日まで6回にわたる核実験(キャッスル作戦)の初回として、ビキニ環礁で広島原爆の1000倍の威力をもつ水素爆弾の実験を強行した。数千万度の熱で珊瑚礁が蒸発、大量の生石灰の微粒子となって上空に噴き上げられ、風で運ばれた。猛毒の放射能を帯びた“死の灰”はロンゲラップ島などのマーシャル諸島一帯に降り積もった。子どもたちは「雪」のような白い降下物に喜び、体になすりつけたりして遊んだという。
やがて島民の体に目やのどの痛み、皮膚のかゆみ・やけど、頭痛、吐き気、下痢、脱毛などの異変が起きた。そしてビキニ環礁から150`も離れた地点で操業していた第五福竜丸にも大量の死の灰が降り注いだ。乗組員23人は島民たちと同様の症状に襲われ、頭や顔、首などの体表面被曝、放射能に汚染された食べ物や水による内部被曝で地獄の苦しみに突き落とされた。
命からがら日本に帰ってきた第五福竜丸乗組員たちの被爆のニュースは衝撃をもって全国に伝わった。全員が入院し、半年後、無線長の久保山愛吉さんが壮絶な闘病の末に死亡。現在までに過半数の14人ががんなどを発病して亡くなっている。
第五福竜丸が水揚げしたマグロから高い放射線量が検出され、販売中止となった。帰港した他の漁船からも放射能に汚染された魚が次々と見つかった。漁獲物の汚染が判明した漁船は856隻、廃棄処分された魚は約500dにもなる。
5月頃からは強い放射能を含んだ雨が降り始め、農作物・牛乳・飲料水などを汚染した。労働者民衆の生命・生活を脅かす事態となった。しかし政府・マスコミは「人体に影響はない」と繰り返し、12月末、政府によるマグロ放射能検査は打ち切られた。
第五福竜丸以外にも一連の水爆実験で放射能被害を受けた日本の漁船・貨物船・調査船などは約600隻。世界全体では1千隻にも上る。多くの乗組員が内部被曝が原因とみられる造血機能障害を患い、がんなどで亡くなった。
日米が共謀し放射能汚染の実態隠す
米帝は54年3月からのビキニ核実験に際し、事前に世界122カ所に放射性降下物(死の灰)の量を測定する観測所を設置していた。三沢・嘉手納・立川・北硫黄島の米軍基地や広島・長崎のABCC(原爆傷害調査委員会)にも設けられた。実験後4カ月間の観測記録が55年に作られ、84年になって機密文書扱いが解除された。
降灰は爆心地ビキニ環礁から東西に広がり、日本列島やアメリカ本土までを覆った(図)。アフリカ大陸などでも確認され、放射能汚染が世界的規模だったことを裏付けた。文書には「放射性降下物の多くが日本に降下した」「日本列島の放射能汚染は、夏と初秋の実験で最大となり」と記されていた。
米帝は世界の労働者民衆ばかりか自国民の被曝まで想定し、最高軍事機密態勢でビキニ環礁での核実験を強行したのだ。第五福竜丸が持ち帰った高放射線量の死の灰は、分析の結果、水爆の爆発による放射性物質だとわかった。核兵器の放射能の残虐さが第五福竜丸乗組員の症状をとおして世界に発信された。
あわてた米議会原子力委員会は、「日本人漁夫の負傷は大したことはない。後々に悪影響を残すことはない。報告は事実を誇張している」と許し難いまでの被曝の過小評価と抹殺を試み、責任逃れを試みた。しかし、久保山愛吉さんの死をはじめ被爆した23人のその後の経過は、真実を鋭く暴き続けた。
『米公文書機密解除資料集98年度版』で、「水爆実験による福竜丸の被爆状況に関するCIA調査」の存在が明らかになった。そのもとで日本の外務省・警察・公安調査庁が乗組員の思想を調査していたことも分かった。そして米日政府は共謀して第五福竜丸の乗組員に対し、「爆発を偵察し記録し、反米プロパガンダのために意図的に被爆した」などとスパイのレッテルを貼り付けた。核に対する人びとの怒りの矛先をかわすための卑劣なデマゴギーだった。大量虐殺兵器=原水爆開発のために、ビキニ環礁から島民を追い出して核実験を強行し、大量の放射能をばらまき、マーシャル諸島の人びとや多くの漁民を被爆させた国家的犯罪の事実をあらためて断罪するべきだ。
米帝はビキニ水爆実験時、東風が吹いていて風下のロンゲラップ島などに多くの島民が住んでいることを知りながら、避難させずに実験を強行して「死の灰」を浴びさせた。さらに避難させた島民を、残留放射能のある古里の島に帰還させ、彼らをモルモットにして放射能の内部被曝の人体実験を行ったのだ。
ヒロシマ・ナガサキの被爆者に対してABCCが「被爆の影響データを採るだけで治療せず」という悪辣(あくらつ)な活動を行ったことは周知のとおりだ。それがビキニ事件で再現されたのである。
(図 1954年3〜5月にビキニ環礁で6回の水爆実験が行われた。図は5月16日時点の放射性降下物の分布図。日本列島全域が覆われた【南海放送「放射線を浴びたX年後」=1月30日放送】) ビキニとフクシマの怒りを結びつけ
ビキニ事件への労働者民衆の怒りは、重くのしかかっていた米帝のプレスコード(原爆情報へのアクセス禁圧)を吹き飛ばした。ヒロシマ・ナガサキの怒りと結びつき、米日支配階級を震え上がらせる反戦・反核運動に発展した。東京・杉並の主婦が始めた原水爆禁止署名運動は、54年12月末で2千万人に達した。今日まで闘い継がれてきた日本の反戦・反核闘争はここから始まったのだ。
核による戦後世界支配の危機に直面した米帝は55年、日帝との間で「一切賠償請求しない」条件で200万j(7億2千万円)の「見舞金」による政治決着を強行した。日本政府は「アメリカの核実験には協力する」と声明、その後も核実験は継続された。
事件当時、日帝は核武装能力の獲得を目的に「原子力の平和利用」を掲げる初の原子力予算を国会に提出していた。その矢先のビキニ事件だった。反核の声に包囲された日帝は、米帝の責任を涙金で免罪し、米帝から原子力技術と原子炉供与の約束を取り付け、今日に至る原子力政策をスタートさせたのである。
世界最悪の原発事故を引き起こし、“第二の3・11”の危機が依然として続く福島第一原発を抱え、なおも再稼働に執着する日帝の根源的な動機がここにある。
日帝の原子力政策はいま、被災地をはじめとする労働者人民の怒りの包囲で重大な危機に直面している。ビキニ事件58周年をも契機にした反戦・反核闘争、反原発・反失業闘争の革命的発展か、「平和利用」論による原発推進・再稼働を許すのか――歴史的攻防の決着をつける時だ。「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマを繰り返すな!」のスローガンを、いまこそ全労働者人民のものにする時だ。
“99%”の人民を犠牲に“1%”がのさばる資本主義社会に怒る無数の青年労働者・学生が全世界で立ち上がっている。この若者の怒りとフクシマの怒り、ビキニ、ヒロシマ・ナガサキの怒りが真に結び付くとき、核と搾取のない社会への道は大きく切り開かれる。
3・1ビキニデー58周年の2・19東京集会を成功させよう。「3・11原発いらない!福島県民大集会」(郡山市)に結集し、労働組合を軸に大衆的実力闘争の爆発で原発再稼働を絶対に阻止しよう!
〔河東耕二〕
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週刊『前進』(2523号4面2)(2012/02/13 )
【集会要項】 2・19ビキニデー58周年東京集会
くり返すなアジア侵略―ヒロシマ・ナガサキ、オキナワ、ビキニ、フクシマを
2・19ビキニデー58周年東京集会
【講演】大石又七さん(第五福竜丸元乗組員)
「ビキニ事件の真実」
【講演】松井英介さん(医師、岐阜環境医学研究所)
「内部被曝の特性とその健康影響」
◎特別報告 その1 国鉄水戸動力車労働組合
◎特別報告 その2 中道雅史さん(青森反戦反核学習会実行委員会)
2月19日(日)午後1時開場 午後1時半開会
千駄ケ谷区民会館(東京都渋谷区神宮前1−1−13。JR原宿駅下車)
主催 8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会
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週刊『前進』(2523号4面3)(2012/02/13 )
この地に生き闘いぬく 福島の労働者と農民の訴え 2
前号に引き続き、福島の労働者・農民のインタビューを連載します。この思いと深くつながって、「原発いらない!3・11福島県民大集会」(郡山市)に全国から集まろう!(編集局)
3・11にいらしてください 子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク世話人/原発いらない福島の女たち・未来を孕む女たちのとつきとおかのテントひろば世話人 椎名千恵子さん
3・11福島集会の名称が「原発いらない!3・11福島県民大集会」になりました。当初は、反原発・脱原発という言葉が入らず「安心して暮らせる福島をとりもどそう」というサブタイトルだけだったんです。私たちは当然、6万人が集まった9・19集会の流れで3・11集会を開催すると思っていたのに、労働組合の代表も市民団体の代表も呼びかけ人に入らず。
実行委の会議では十数人が意見を言いました。その後も声を上げ続け、ついに「原発いらない」の言葉が入った。私たちの声、福島の女たちの実力行動がかちとったと思います。並行して「自分たちでできる企画をどんどんやろう」とプレ企画も準備しました。「3・11原発いらない!地球(いのち)の集い」。福島にいる私たちが今知りたいこと、県外から来た人に知って欲しいことなどを企画しています。
子どもたちを放射能から守る福島ネットワークは鎌田慧さんの講演会や野菜カフェをやります。被曝労働者の問題や、被曝者援護法制定についての企画もやります。11日午前は福島での診療所建設に向けてお医者さんを囲んだテーブルトークもやります。2年目の闘いをさらに力あるものにするために、一人ひとりが強くなっていくための企画です。11日と併せてぜひご参集ください。
福島の女たちはこの1年間闘ってきて本当に鍛えられました。「命が一番大切」という根底的な思いとストレートな怒りにベールをかぶせないことが女たちの強みです。私たちは手加減しませんからね。
もちろん国や原子力村の責任を徹底的に追及していくわけですが、同時に私は自分たちの責任も問い返していく必要があると思っています。とりわけ子どもたちにはなおさら謙虚に、そうとらえ返さなければいけない。自分自身も変わっていくことで、この社会の現実を変える力をつくり出していきたい。
私は今、この大きな時代の転換点に立って、緊張感と同時に、本当に感慨深いものを常々感じています。本当のことに向かっていける、もうすべてをごまかさないでいいという解放感が確実にあります。まったく新たな仲間たちともいっぱい出会えました。青春の時のような解放感を持って日々を過ごしています。
12月1日に「未来を孕(はら)むとつきとおかのテントひろば・フクシマ村」を始めて2カ月あまり。1月27日には750人も集まってくださって、経産省の撤去命令を阻みました。予想した以上の反響です。みなさんがこういう場所を必要としていた。出会いを喜ぶ顔があり、「ここに来るのが楽しみだ」というリピーターがどんどん増え、27日の攻防をきっかけにテントの存在がますます広く知れ渡って、ものすごいエネルギーを「孕んで」います。みなさん、ぜひテント村にもお越しください。
福島では今、診療所をつくろうと運動しています。冬になって子どもたちがインフルエンザや風邪にかかっています。避難できずに無関心を装っているお母さんたちも、放射能汚染に不安がない人はいないから、お医者さんに「放射能の影響が出ているんですか」と聞くんです。だけどお医者さんは「あり得ない」と全否定する。するとお母さんたちは心を閉ざすしかなくなってしまうんです。正しい情報をもとに、子どもたちの命に親身に寄り添って心と体にアドバイスして導いてくれるお医者さんが必要です。ぜひ診療所建設にご協力をお願いします。
3月11日は福島の現場に立っていただきたい。命の問題というのは肌身で、皮膚感覚で物事を見るということ。地震の恐れもある中で、傷みきっている福島第一原発4号機の爆発も考えられる。線量が高いところですけれど、そこに立って感じとることによって、原発をなくすための次の行動に進むことができると思います。郡山にぜひいらしてください。
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【3・11プレ企画/原発いらない!地球の集い】
●3月10日(土)10〜20時半、11日(日)10〜13時
●ビッグアイ(郡山駅前)・郡山市労働福祉会館(郡山駅西口約1`)
●主催 子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク、ハイロアクション福島など
闘う農民運動を再生する いわき市の和牛畜産農家 Sさん
私はいわき市で和牛の繁殖に取り組んでいる畜産農家です。田んぼは主に牛に食べさせる飼料用としてやっています。稲WCS(ホールクロップサイレージ)と言って、茎と実を一緒に刈り取り発酵させて貯蔵飼料にし、水田を活用して飼料の自給率を上げるというやり方です。
3月11日、あの日はうちの子どもを学校から迎える時に地震が来て、停電になり情報も一切入ってこなくなって、水も出なくなりました。牛は1日に何十gと水を飲むのですが、井戸水も白く濁ってしまって、川から水をせっせとくんできたり発電機を借りたりで、3日間くらいは牛舎に水を運ぶのに追われていました。そのうちに電気は来たのだけれど、原発の情報なんか入ってこないし、地震直後のラジオニュースでは「原発は安全に停止しました」と言っていました。それが日がたつにつれて情報も少し入ってくるようになり、とうとう「原発が爆発した!」と。
うちの周りでも多くの人が避難していきました。磐越道は自衛隊と警察の車両しか動けなくて、新潟に向かう国道49号線をそれこそ『怒りの葡萄(ぶどう)』じゃないけど西へ西へとどんどん避難していった。でもうちは牛を飼っているから避難しようがない。
とにかく牛の餌の確保が大変でした。子牛だけでなく、子牛を産んだばかりの親牛にも十分に濃厚飼料を与えなければならない。ところが石巻市の工場が津波にやられてだめになり、また鹿島の工場にはきれいな水が入らなくて作れない。そういう中で全農の会議だ、地元の会議だと対策に追われました。
そして7月に、稲わらから基準を上回るセシウムが検出され、飯舘村、双葉町の成牛も7月の競りまでは出ていたのが完全にストップしました。
村おこしを一生懸命頑張ってきた飯舘村はどうなったか。事故が起こらなければ素晴らしいところだったのに、はっきり言って今は“除染すれば戻れる”というような場所ではない。
和牛繁殖農家にとっては、老廃牛、つまり子牛を産まなくなった母牛が去年の8月の競りから県内ではストップして売れなくなった。そのため若い牛に世代更新できない。残されたのは、行き場を失った老廃牛、汚染された稲わら、汚染された堆肥。そして餌代はかかり借金がかさんでいくという状況です。
東電には補償を求めていますが、まったくあてにはなりません。飯舘の人たちからすれば、私のところは牛が飼えるという意味ではまだましとも言えますが。
うちの子どもたちは3月中旬に県外に避難させ転校させました。9月にはこちらの小学校に戻ってきたのですが、今は「牛舎にはなるべく近寄るな。外にはなるべく出るな」と言わなくてはなりません。牛が大好きなのですが……。
福島県民、福島の農家からすれば、とにかく「原発さえなければ」という思いなんです。
県内では県民健康調査というのをやってるが、「ニコニコ笑っていれば放射能の被害は受けません」とうそぶく人が県立医科大の副学長に就くような現実で、何が信用できますか。
連合福島は「脱原発」も言えない、民主党福島県連の活動方針には「脱原発」の一言も載ってない。県民・農民の声を代弁するところがどこにもない。そういう体たらくの中で、われわれ自身が声を上げる、今声を上げなければ上げる時がないという思いです。
いわきでは動労水戸の事務所が新たに開かれるという画期的なできごとがあり、ものすごく勇気づけられました。
福島、新潟、秋田は全日農運動の拠点でした。日本共産党はそこから分かれて農民連をつくったのですが、今それらが総体として闘う農民の運動という体をなしていない。そうした中で、労働者とともに、本物の闘う農民の運動をわれわれの手で再生しなければという思いです。
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週刊『前進』(2523号4面4)(2012/02/13 )
1月31日〜2月6日
福島・川内村が「帰村宣言」/日米が辺野古移設を再確認
●福島・川内村が帰村宣言 東京電力福島第一原発の事故で、ほぼ村ごと避難している福島県川内村の遠藤雄幸村長は「帰村宣言」をした。役場や小中学校などの公共施設を4月1日から元の場所で再開する。原発事故で役場ごと避難した県内9町村で時期を明示して帰還を表明したのは初。(31日)
●戦闘任務、来年に終了 パネッタ米国防長官は、アフガニスタンで活動している米軍主体の国際治安支援部隊(ISAF)が、来年後半で戦闘任務を終えることを明らかにした。その後は2014年末のアフガン政府への治安権限の移譲に向けて、同国軍の訓練や後方支援にあたる。(1日)
●沖縄防衛局長、名護の選挙でも「講話」 沖縄県宜野湾市長選(5日告示、12日投票)への投票を呼びかける「講話」をした真部朗沖縄防衛局長が10年1月の名護市長選か同年9月の名護市議選の前に、沖縄防衛局職員を集めて投票を呼び掛ける「講話」を行っていたことが明らかになった。防衛省幹部が1月31日に行った聴取で、真部局長は「名護の選挙でも行った」と説明したという。(1日)
●在韓米軍、日米訓練に参加 在韓米軍部隊150人が初めて参加した日米共同方面隊指揮所演習が、兵庫県伊丹市の陸上自衛隊伊丹駐屯地で報道陣に公開された。主に北朝鮮軍との戦闘を想定してきた在韓米軍を朝鮮半島以外でも活用すると同時に、日米韓の防衛協力を強化する狙い。(2日)
●再処理、試運転を延期 青森県六ケ所村で使用済み核燃料再処理工場を運営する日本原燃は、高レベル放射性廃液をガラスと混ぜて固める試験の準備段階で不具合が起きたため、試験開始時期を約1カ月延期し、3月上旬以降にすると発表した。試験終了の目標は予定通り今年10月としているが、達成は困難な状況。(3日)
●沖縄局長を更迭せず 田中直紀防衛相ら防衛省政務三役が、真部沖縄防衛局長を更迭するかどうか協議し、結論の先送りを決めた。(3日)
●広野町役場3月「帰還」へ 福島第一原発の事故で役場機能をいわき市に移していた福島県広野町は、3月1日に役場を本来の庁舎に戻す方針を固めた。(3日)
●福島2号機、高温 東京電力福島第一原発2号機の原子炉の底の温度が73・3度に達した。今月に入って急上昇。原因は不明。80度を超えると炉の安定冷却とされる「冷温停止状態」の条件を満たさなくなる。(6日)
●日米審議官級協議、辺野古移設推進を再確認 日米両政府は米ワシントンで沖縄の米軍再編見直しをめぐる審議官級協議を行った。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)を沖縄県名護市辺野古に移設する方針をあらためて確認した。両政府は普天間移設より先に米海兵隊の一部をグアムに移転させる方向で大筋合意している。グアム移転と切り離すことで普天間移設が頓挫する可能性もある。また、沖縄に駐留する海兵隊の一部を在日米軍岩国基地(山口県岩国市)に分散移転させる案はこの日、議題にならなかった。(6日)
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週刊『前進』(2523号4面5)(2012/02/13 )
おことわり
「放射線被曝から命を守れ」は今週は休みます。
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週刊『前進』(2523号5面1)(2012/02/13 )
大恐慌にあえぐ帝国主義打倒しよう
新自由主義は全面破産した! 3・11大結集で革命の未来開け
革共同中央学生組織委員会
はじめに
「国鉄決戦と反原発・反失業でプロレタリア革命を切り開け」、本紙新年号のスローガンのもとに2012年決戦を爆発させよう。世界大恐慌の深化の中、「生き抜くこと」は革命の欲求そのものだ。日本でも3・11情勢下での「挙国一致」イデオロギーをうち破り、国鉄、福島・沖縄、そして青年・学生から闘いが巻き起こっている。
1929年大恐慌をこえる未曽有の大恐慌が始まっている。これは、資本主義・帝国主義が歴史的に積み上げてきた全矛盾の爆発であり、とりわけ80年代以降の新自由主義攻撃の破産の結果だ。ブルジョアジーに「解決」の力はない。あるのはただ、「戦争と大失業」を激化させ、労働者人民をこれまで以上に搾取して社会を破壊することだけだ。
この大恐慌にいかに立ち向かい、未来を切り開くべきか。それは、「資本主義は終わった! 労働者が社会の主人公になる時だ!」ときっぱり言いきり、階級的労働運動の復権とプロレタリア革命に向かっての組織をつくり出すことだ。
現代史の出発点である1917年ロシア革命で、プロレタリアートは帝政とブルジョアジーを打倒し労働者国家をうち立てた。資本主義は終わりのある体制で世界革命は実現可能であり、労働者は国家権力を握って社会を再組織する力を持っていることを証明した。ここから世界史は「資本主義から社会主義・共産主義への過渡期」に突入し、それは今も現代世界を規定している。しかし、29年大恐慌に端を発する30年代の世界的な革命情勢は、スターリン主義の裏切りによって血の海に沈められた。この敗北を繰り返してはならない。20世紀からの100年越しの課題をのりこえる時は今だ。
支配階級はこの「革命の現実性」をリアルに感じているからこそ、この一世紀ひたすら労働者の団結を破壊し、革命の芽をつぶすことに全精力を注いできた。その頂点が新自由主義攻撃だった。しかし新自由主義が大破産した今、全世界の労働者人民が確信をもって闘いに立ち上がっている。今こそ資本主義にとどめを刺そう。「原発いらない! 3・11福島県民大集会」(郡山市)に総結集し、2012年の大飛躍へ突き進もう。
「国家破産」の時代が到来
07年パリバ・ショック、08年リーマン・ショック以来の世界大恐慌は、本格的爆発過程に入っている。
一つに、「国債暴落」と「国家破産」の時代が到来した。「国家の信用」はゼロ化している。二つに、米ドル体制の崩壊、世界経済の分裂、経済収縮が一体で起きている。とりわけ、戦後世界体制の基軸としての「ドル本位制」の崩壊は、帝国主義世界支配を最後的な大混乱にたたき込む。三つに、労働者階級にとって大恐慌とは「戦争と大失業」であり徹底的に非和解だ。大恐慌へのわれわれの回答は、ただ一つ革命しかない。
以下、世界の大恐慌の現状を確認しよう。
ユーロ崩壊に直面するEU
「EU解体−ユーロ崩壊」情勢は激しく進んでいる。EUは09年のGDPが16兆4500億jでアメリカの1・15倍、人口4億9800万人で同1・56倍であり、この巨大な経済圏が崩壊にひんしている。
「ギリシャ・デフォルト問題」は深刻化している。3月20日、145億
ユーロ(1兆4500億円)の国債償還期限を迎えるが、財政破綻のギリシャ政府に返済能力はない(国債が借り換え不可能)。ギリシャ国債を保有する民間金融機関が債務の70%(約1300億j超)を削減し、ギリシャ政府はEUからの第2次支援(約13兆円)の受け取りで危機をのりきろうとしているが、メドが立っていない。この債務削減規模は戦後最大であり、05年のアルゼンチン政府の約350億j、00年のロシア政府の約200億jと比べてもその巨大さが分かる。しかも、今回の債務削減を実施しても国家債務残高は高止まりのままだ。
第2次支援や債務削減の代わりに、EU支配階級は「ギリシャが間違った方向に進むなら、次の支援はない。3月に『破産(デフォルト)』が宣告される」(ユーロ圏財務相会合議長ユンカー)と恫喝し、殺人的な財政削減策を押しつけようとしている。今年の歳出削減額は30億ユーロ(3000億円)で、そのために最低賃金と休日手当引き下げ、年金支給の減額、2割削減済みの公務員給与のさらなる2割カット、そして今年中に公務員を1万5千人削減しようとしている。「なぜ支配階級の借金のツケを払わなければならないのか!」とのギリシャ労働者人民の怒りが爆発し、7日には全土で24時間ゼネストがうち抜かれた。
さらに国債危機はイタリアやスペイン、ポルトガル(1月31日に国債金利が19%台でユーロ発足後最高水準に)、東欧、ついにフランス(1月13日に最高格付けから引き下げ)にまで波及し、そのすべてで公務員首切りと民営化・非正規職化攻撃が激化している。
この事態を解決する力は、EUはもちろん、米・IMF、G20にもない。昨年12月にはECB(欧州中央銀行)が3年で約50兆円規模の緊急資金供給を行ったが、一時しのぎにすぎない。今年7月に設立される欧州安定メカニズム(ESM)の支援可能上限は計50兆円であり、スペイン(GDP規模はギリシャの5倍)やイタリア(同7倍)の危機が本格的に爆発すれば対応不可能だ。
金融緩和策で米帝危機深化
1月25日、FOMC(米連邦公開市場委員会)は「2013年半ばまで」としていたゼロ金利政策を「14年末まで続ける」ことを表明した。向こう3年間、米経済は低迷し続けることを米帝自身が認めたのだ。
「株価回復」と言われるものの実態は、中央銀行による資金供給策で一時的に支えられた時間稼ぎにすぎない。昨秋以降の中央銀行による資金供給で、日米欧の中央銀行の総資産は昨年末で約8兆9000億j、1年間で約25%も膨張している。いくら「ダウ平均株価がリーマン後最高」などと叫んでも、米国内の非製造業雇用者数は08年当時比で500万人以上も下回っている。
米帝は結局、QE3(第3次量的緩和)にのめり込み、市場へカネをばらまくしかない。10〜11年のQE2(約47兆円の米国債を購入)は、インフレと世界的革命情勢を引き起こしたが、QE3政策は間違いなくドル暴落、為替戦争と争闘戦の激化、巨大な人民反乱の引き金となる。
米財政赤字は4年連続で1兆jを突破する(11年10月〜12年9月で1兆790億j)。国債の再格下げと暴落は不可避だ。住宅不況による金融機関の不良債権の顕在化、地方銀行倒産、家計の過剰債務問題もこれから本格的に爆発する。8%超の失業率も高止まりのまま。基底にある過剰資本・過剰生産力状態は何ら解消していない。
この追い詰められた状態の中での1月オバマ一般教書演説は、一方で「格差問題の解決」をペテン的に掲げながら、他方で製造業への優遇税制によってブルジョアジーを救済し、他国市場に殴り込みをかける「輸出促進政策」で生き残ろうというものだ。しかもそれは、中国スターリン主義に対する戦争政策とセットになっている。
バブル崩壊が中国スタ直撃
欧米への大恐慌の直撃で深刻な危機にあるのが中国スターリン主義だ。昨秋以来の不動産バブル崩壊と欧州危機が連動し、輸出急減とGDP成長率減退を生み出している。鉄鋼、自動車、電機など製造業での過剰設備は深刻だ。中国政府は「外需の明らかな後退の影響で輸出困難となり、中国経済は下振れリスクに直面している」(財政相・謝旭人)と危機感をあらわにしている。
韓国の1月の貿易収支は2年ぶりの赤字(約1490億円)となり、欧州向け輸出は前年同月比44・8%減だ。「欧州景気の回復は見通せず、新興国経済も一時の勢いはない。世界経済の需要が減退し、狭まるパイの奪い合いが激しくなる」(韓国自動車産業首脳、2月2日付産経新聞)。さらにインドも、欧州向け輸出の減退で、11年の実質経済成長率見通しを7・6%から7・0%へ下方修正した。世界経済のバブル的延命を支えてきた中国を始め新興国経済の瓦解(がかい)は、まさに「世界経済史上最大の崩壊劇」となる。
国債大暴落におびえる日帝
帝国主義の最弱の環である日帝の危機は一層深刻化している。一つに、貿易赤字化=経常赤字化は不可避で、国家財政破綻と一体で国債暴落を引き起こそうとしている。
昨年、日本は30年ぶりの貿易赤字(約2兆5000億円)となった。その主因は、電機と自動車という基幹産業の衰退にある。12年3月期の業績予想でパナソニック(赤字7800億円、国内製造業として過去最大)、ソニー(2200億円)、シャープ(2900億円)で赤字合計が1兆2900億円となった。リーマン後の09年3月期赤字の2倍以上だ。昨年の輸出額は、自動車で10・6%減、半導体電子部品で14・2%減という壊滅的状態にある。
貿易赤字化と経常赤字化は、日本国債の買い手を喪失させる。金融機関として最大の日本国債(約42兆円)を保持している三菱東京UFJ銀行は、暴落に備えて「危機管理計画」を初めて作成した(2月2日付朝日新聞)。日帝も、財政破綻と国債暴落の危機にうち震えているのだ。
二つに、昨秋TPP(環太平洋経済連携協定)に参加せざるをえなくなったように、米帝とのアジアでの争闘戦で敗勢に追い込まれている。
三つに、福島第一原発事故の収束不可能化と全原発停止の現実性こそ、ボロボロの日帝の脱落状態を象徴している。
四つに、1月24日の野田施政方針演説と日本経団連・経労委報告だ。野田演説は、原発再稼働、消費大増税と社会保障解体、復興特区・道州制、公務員大首切りと賃下げ、TPP、改憲と沖縄新基地建設をすべて貫徹すると宣言している。その核心は、国鉄闘争破壊と労働組合解体、民営化・外注化・非正規職化攻撃にある。「経労委報告」とも一体だ。
革命的内乱が全世界に拡大
大恐慌は革命情勢を生み出す。昨年2月エジプト革命のうねりは世界へ拡大し、燃え広がっている。アメリカの「99%の占拠運動」は米帝打倒の展望を照らし出し、ヨーロッパでの決起が2月4日のロシアでのプーチン打倒12万人大デモへ発展している。シリアでも、独裁体制打倒の実力闘争が継続している。さらに、中国スターリン主義足下の内乱的闘いは、労働者が中心となって「スターリン主義打倒・第2革命」を目指す歴史的決起だ。世界は革命情勢のただ中にある。
「戦争と大失業」への怒り
今回の大恐慌は、1974〜75年世界恐慌で帝国主義の過剰資本・過剰生産力状態が露呈して以来の全矛盾が、新自由主義の破産として爆発した歴史的大恐慌だ。
新自由主義は「戦争と大失業」攻撃を激化させた。その破壊性・凶暴性の本質は、ひたすら貪欲に利潤を追求し、民営化・非正規職化で労働者の賃金を極限的に押し下げ、労働者の生活を破壊し、労働組合と労働者的団結(人間的共同性)を解体する巨大な反革命である。侵略戦争は、帝国主義の市場獲得戦の手段であるとともに、全世界的な労働者民衆の反乱をたたきつぶすために遂行されてきた。究極の「外に向かっての侵略戦争、内に向かっての階級戦争」が新自由主義だ。その破産の上になお、支配階級は「ショック・ドクトリン」さながらに「戦争と大失業」を推し進めようとしている。
大失業が労働者民衆をもはや生活できない状況にまでたたき落としている。昨年12月のユーロ圏全体の失業率は10・4%でユーロ導入以来の最高水準。スペインは22・9%、ポルトガルが13・6%、ギリシャでは若者の半数に職がない。アメリカは8・5%、フランスでも9・7%と失業率は高止まりしたままだ。これに加え、徹底した民営化・外注化・非正規職化で「半失業」の無権利状態が拡大している。ブルジョアジーは「最大の恐慌対策」として意識的に大失業をつくり出し、労働者階級を貧困のどん底へと追いやっている。
さらに、大恐慌は世界経済のブロック化を引き起こし、保護主義や為替戦争、市場分割戦を激化させる。オバマが昨年11月に「アメリカは太平洋国家だ」と宣言し、対中対峙・対決の「新安保戦略」へかじをきったことは重大だ。米帝は3・11で「トモダチ作戦」の名で戦争態勢に突入し、日帝との争闘戦に軍事面でも踏み込んだ。財政危機にあえぎながら、軍事予算はブッシュ政権時代を超えて拡大し続けていくことをオバマは言明した(1月5日防衛戦略見直しに関する大統領見解)。そして中国への恒常的な戦争体制構築に腐心し、「沖縄海兵隊4700人のグアムへの先行移転」計画を発表した。
金正日の死を受けた朝鮮半島情勢は、この米中対決の一環にある。米帝は3月に過去最大規模の米韓合同軍事演習を予定して激しく戦争重圧をかけ、アジア再分割戦にうって出ている。野田政権はこれが対日争闘戦でもあることに圧倒されながらも、「武器輸出3原則」緩和から日米ガイドラインの再改定などの戦争国家化攻撃にのめり込んでいる。
しかし、この「戦争と大失業」への怒りの中から革命が生み出される。朝鮮半島での戦争切迫情勢は、逆に南北分断支配をうち破る朝鮮人民の革命的決起を不可避とする。米日帝国主義の対中国・対北朝鮮の戦争政策を粉砕し、東アジアを反帝・反スターリン主義世界革命の根拠地としよう。
核廃絶・原発廃炉へ闘おう
当面する最大の決戦として、3・11福島大集会の大成功をかちとろう。
一つに、「再稼働阻止−全原発廃炉」の正念場だ。野田政権は全原発停止の現実性におびえ、関西電力大飯原発3、4号機の4月再稼働を狙っている。しかし、原発こそ「地上の原爆」であり、核武装政策だ。野田は施政方針演説で原発政策をいみじくも「安全保障」と表現し、プルトニウム製造のための核燃料サイクル再開を執拗(しつよう)に策動している。「核・原発・放射能と人類は相いれない!」――ヒロシマ、ナガサキ、ビキニの闘いと連帯し、福島から核廃絶の宣言を全世界に発しよう。
二つに、政府・東電の責任居直りを絶対に許すな。野田は昨年12月の「収束宣言」に続き、1月26日には除染「作業工程表」を発表し、福島県民を高線量汚染地域へ追い立てようとしている。それは、「安全」の虚構のもとでの再稼働攻撃だ。被曝労働や除染ビジネスも含め、これほど「人民の命の切り捨て−資本の利益を最優先」の本性が暴かれている時はない。福島県民の生活とふるさとを奪い、命まで奪う真犯人は誰か! 国家権力−資本−御用組合の責任を徹底追及する3・11としよう。
三つに、原発と新自由主義への怒りを一つにし、労働組合の大結集をつくり出そう。全原発廃絶の力は労働者の闘いの中にある。昨年9月の明治公園6万人結集がそれを示した。階級的労働運動の力で3・11を大爆発させ、再稼働を阻止しよう。3・11フクシマは、歴史を決する大決戦だ。
最後に、3・11大結集運動のただ中で、21世紀革命を切り開く革命的労働者党を建設しよう。マルクス主義の復権と階級的指導部建設で、2012年決戦をプロレタリア革命勝利に向けての偉大な進撃の年としよう。
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週刊『前進』(2523号5面2)(2012/02/13 )
大飯、伊方、福二の再稼働阻止を
福一2号機内温度が上昇 何が「冷温停止状態」だ!?
野田政権は1月下旬、六ケ所村・核燃料再処理工場での試験再開を皮切りに、「除染工程表」の発表や経産省前テント撤去通告などで、一気に原発再稼働に踏み込もうとしてきた。しかし、これらすべてが次々と破産してしまった。昨年12月の「事故収束」宣言以来、構えに構えてきた再稼働のための”正面突破攻撃”がいったん総崩れになったのだ。しかし、日帝にとって原発推進抜きに帝国主義として延命できない。焦りに駆られた野田政権は2月に入って再び、大飯、伊方、福島第二の原発再稼働に凶暴に突っ込みつつある。
今こそ勝負時だ。この絶望的なあがきを粉砕すれば、再稼働を阻止する展望が確実に開かれる。再稼働か否かの主導権を握っているのは労働者人民の側だ。3・11闘争こそ、あらゆる意味で再稼働策動に断を下す決戦となった。
(写真 ストレステスト意見聴取会に「再稼動やめろ】と人びとが猛抗議【2月8日 経産省前)
「除染」しても線量下がらず
核燃料再処理工場では1月24日から、使用済み核燃料をガラス固化体にする試験が始まった。これまでの試験は事故続きで、08年12月から中断していた。それほど無理な再処理工場の再開から手を着けたのは、日帝にとっての死活的な理由があったからだ。
一つは、福島原発事故の真相も明らかになっていない時点で原発を再稼働させるには、日帝にとって原発推進が必須不可欠であることを強引に押し出す必要があった。だからあえて、核武装化の軍用プルトニウムを抽出する再処理工場の再開、という”本丸”での攻撃に踏み切ったのだ。また、使用済み核燃料が各原発でも六ケ所でもほぼ満杯になるなか、”再処理工場で処理できる”という体裁をとらないと各地の原発も再稼働できない状況にあった。再処理工場再開は日帝にとってこれ以上にない”正面突破作戦”だった。
しかし、翌25日には試験失敗が明白となり、30日には日本原燃社長が作業中断を正式発表するはめになった。試験が失敗した理由も不明だ。にもかかわらず日本原燃は「予定どおり年内に試験終了」とうそぶいている。これ以上の悪あがきはやめよ! 再処理工場の破産はもはや確定した。核燃サイクルのすべてを廃炉・全廃にするしかないのだ。
また野田政権は1月26日に「除染工程表」を発表して、高線量の地域への帰還を強制しようとしていた。実際にも、環境省のガイドラインによって除染作業をしてきた福島市大波地区の市道では、総延長40`のうち8・6`で除染を終えた。しかし、放射性物質がアスファルト内部にこびりついていて、線量は下がらなかった(1月24日付福島民報)。除染しても新たな放射性物質が雨で流れ、風で飛んでくる。「除染」と称して実際は長期の被曝を強制し続けている野田政権に、怒りをたたきつけなければならない。
さらに1月以降、福島第一の冷却水用ホースは凍結して破裂し、何十カ所も水漏れしている。2月に入ってから2号機の原子炉内の温度が急上昇し、「冷温停止状態」と強弁した80度を超える寸前にある。東電の保安規定を上回る注水を繰り返しているが、温度が上昇した理由自体も不明だという。核分裂反応を防ぐためにホウ酸を注入してさえいる。これのどこが「収束」なのか。
1月27日の経産省前のテント撤去阻止闘争は、こうした再稼働攻撃の破産を追撃し、全国の労働者人民を限りなく励ますものとなった。野田政権は練りに練った”正面突破作戦”が総崩れになったことにぼうぜん自失となりながら、2月になって再びしゃにむに再稼働にのめりこみ始めた。
その最大の攻撃の一つは、福島第二原発の再稼働の動きだ。福二の1〜4号機は3・11直後に停止し、現在までストップしたままだ。ところが、かつて東電原子力部門のトップを務め、今も「原子力村」で大きな影響力を持つ人物が、菅政権時代に福二の再稼働を提唱していたという事実が発覚した(週刊朝日1月27号)。
クレーンなどですでに作業
この意見に東電の現役幹部が「全面的に賛同」という返事をしたという。東電本社幹部の中には、「来年には再稼働」と忘年会で言った人物がいたという。実際、1月31日に原子力安全・保安院に東電は福二の復旧計画を提出した。3・11郡山集会実行委のホームページには、「原発の屋上と周りにクレーンがあり、作業をしていた。再稼働に向けての作業と思う」と、福二現場を見た人の話が書かれている。
この事実に怒らない人がいるだろうか! 福二も昨年3・11の地震と津波により炉心溶融(メルトダウン)寸前にまでいっていたのだ! 東電が昨年8月に出した「福島第二発電所 東北地方太平洋沖地震に伴う原子炉施設への影響について」という文書を見れば明白だ。東電の「事故時運転操作手順書」にも書かれていない事態が発生し、それを現場の労働者が必死になって対応してかろうじてメルトダウンを防げたのだ。福二のある富岡町議も、「爆発こそしなかったものの、危機一髪だったというのが真相のようです」と言っている。
それを再稼働することなど絶対に許されない。それだけではない。経産省、各電力会社、再稼働賛成の自治体首長などすべての連中が、福二再稼働と同じ考えの極悪人だということだ。大飯原発3・4号機でも、2月8日にストレステストに「安全評価」を最終的に出したが、これを決めた者たちも同じだ。伊方原発の再稼働を狙うやつらも同罪だ。
あらためて怒りをたたきつけよう。切羽つまった野田政権による再稼働のあがきを絶対に許すな。全国から総力で3・11郡山に集まろう。
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週刊『前進』(2523号6面1)(2012/02/13 )
団結ひろば 投稿コーナー
意見聴取会は再稼働のためのアリバイだ 東京 島田 章
2月8日原子力安全・保安院で開催されたストレステストの意見聴取会に行きました。
はっきりしたのは、聴取会は原発の再稼働のためのアリバイ作りだということです。早くも、保安院は「これで意見は聞いた」として大飯原発3、4号機の再稼働攻撃を進めています。絶対に阻止しなければならない。それができるのは巨万の労働者民衆の実力行動しかない。
許せないのは、今回も会場での傍聴をさせなかったことです。遠く離れた別室で不鮮明な中継影像を観るだけ。
会場では保安院の官僚連中が書類の説明をしましたが、ただの棒読みです。多くの命を奪い、人類の未来を破壊する犯罪を平然と遂行しようとしている。しかも「最終的には大臣の政治判断で決める」と”再稼働ありき”の本心を隠そうともしません。意見を述べる委員も、原発メーカーから金をもらっている岡本孝司や山口彰など原子力村に巣くっている連中がほとんどです。まともな意見を表明したのは井野博満委員と後藤政志委員だけです。
保安院前では、聴取会が始まる午後3時前から大勢の労働者民衆が集まり「傍聴させろ!」と抗議行動を展開しました。さらに終了後も午後6時30分から8時まで、数百人で「再稼働反対!」「原発やめろ!」の大集会を行いました。
再稼働を阻止し、すべての原発を廃炉にするために全力で闘おう! 職場の仲間や友人も誘い3・11福島県民大集会に全国から結集しよう。
放射能を考える下町ネットで初デモ成功 東京東部 北川海翔
1月29日、放射能を考える下町ネットワーク主催で、たんぽぽ舎の山崎久隆副代表の「原発収束のウソと下町の放射能問題」と題する講演会が江戸川区で開催され、60人が参加しました。終了後、初の反原発下町デモが実現しました。
講演会で山崎さんは、世界の核実験期の1年間に降下した放射性セシウム・ストロンチウムと比べると、大熊、双葉、飯館では2千年分、福島、郡山、白河は100年分が降り注いでいることを衝撃的に明らかにしました。そして下町をはじめとした土壌汚染はますます内部汚染の危険性を増し、多摩地方の森林の汚染も実は深刻で、スギ花粉などは要対策だそうです。原発事故は収束などしていないのです。
また、「稼働中はあと3基だけ。全原発を2年止め続ければ電力会社の経営が悪化し撤退せざるを得なくなる可能性がある。再稼働を阻止し、まずは2年間運動を継続することが必要だ」と具体的に提起しました。
デモは強い風の中、老若男女が3`のコースを歩ききりました。途中、3人の飛び入り参加があり、商店街をはじめ沿道のビラ受け取りも良好。
再稼働策動に加え、3月には被災地から首都圏に震災瓦礫(がれき)を運ぶJRの貨物列車が毎日運転されるようになります。汚染瓦礫の受け入れ・焼却・埋め立て反対の闘いで、千葉や神奈川のように東京でも石原都知事・行政を追いつめましょう。
自分の地域・職場にこだわった反原発運動を全国でつくりましょう。
東京下町の放射能をめぐる攻防の詳細は「放射能下町ネット」で検索を!
「全学連の座談会がめちゃ面白かった」 水野 明
1月の半ば、前進読者から「新年号を新たに10部ください」という電話がありました。聞けば、「全学連の座談会がめちゃくちゃ面白かったから、知り合いに配りたい」とのこと。早速、持って行きました。
彼とは昨年の秋に知り合い、11月集会参加を前後して前進を定期購読することになりました。70年代後期に三里塚闘争などに参加してはいましたが、他党派系のグループにいた人です。80年代以降、新自由主義がずたずたにした社会を見ながら、若者の動向に関心をもって仕事を続ける中で私と出会いました。
全学連の座談会は、かなり衝撃的だったようです。最初、「こんな感じでいいのか?」と思ったと。彼が知っている運動の「暗さ、つらさ」がみじんもない。読み返すうちに、その勝利感と解放感に圧倒され、とても楽しくなってきたのだそうです。でも「これは何なのだろう?」「こんなに自由でいいんですか?」と言う彼に、私は「これが中核派です」と答えました。法大闘争5年間の地平に立ち、3・11情勢に立ち向かって青年・学生がひたむきに、思いっきり闘う。青年・学生の運動はそういうものでしょうと言ったら、「そうですよね」と彼。
2012年は、大胆に大胆に、組織し組織し、闘うことにかけよう!
2・24最高裁申し入れ行動に参加しよう 迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判被告 福嶋昌男
2月24日(金)、最高裁への申し入れ行動を行います。午後1時に弁護士会館正面ロビーにお集まりください。みなさんの参加を呼びかけます。
私は迎賓館・横田基地事件には、一切関与していません。私は無実です。1987年以来、国家権力によるデッチあげ弾圧に対する怒りをバネに、今日まで25年間を闘い抜いています。
今、19年にわたる裁判闘争の一切を上告趣意書に、補充書に込めて上告審を闘い抜いています。
この間、最高裁に提出したA大学B教授の指紋の報告書は、メモの指紋は私のものではないことを実証しました。さらにC大学D教授による指紋鑑定に関する意見書は、警視庁鑑識課・石川俊一による指紋鑑定が誤鑑定であることを明らかにしました。
また、メモの字は私のものではないことを明らかにする新たな筆跡鑑定書を2通提出しました。これで、合計4通の異筆鑑定書を提出したことになります。
さらに、昨年12月16日には筆跡に関する補充書(3)を提出しました。
最高裁第二小法廷はデッチあげ筆跡鑑定と指紋鑑定を退け、無罪判決を出せ。私は無実だ。
昨年の3月と12月に引き続き、3度目の最高裁申し入れ行動に決起します。2・5徳島刑務所包囲デモの大成功と一体で、国家権力の牙城である最高裁に、闘いを挑みます。申し入れ行動をともに闘いましょう。
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週刊『前進』(2523号6面2)(2012/02/13 )
3・8国際婦人デー闘争へ
福島の怒りとひとつになって 新自由主義うち破ろう
「命より金もうけ」団結破壊を許すな
3・11からまもなく1年を迎える。昨年12月16日に野田首相は、福島原発が「冷温停止状態」に入ったとして「原発事故収束宣言」を発表した。しかし、誰が見ても大地震・大津波による被害と、レベル7と言われる福島第一原発事故はまったく収束などしていない。いまもって15万人が避難しており、住み慣れたふるさとから切り離され、生活が破壊され、家族もばらばらにされるなど、何も終わってはいない。1回限りのわずかな見舞金(妊婦と子どもに40万円、その他8万円)でどうやって暮らしていけというのか。避難区域の見直しで高線量の村へ帰れというのか。福島県民200万人を見殺しにしていく棄民政策だ。
一方でこの1年間福島から根底的な怒りの決起がわき上がってきた。福島の女性たち、福島県教組、国労郡山工場支部、農民、漁民の怒りの決起だ。とりわけ福島の100人の女たちが呼びかけた「ついに女たちは立ち上がり、そして座り込む−経産省前座り込み行動」はただちに全国の女たちの決起に結びつき、労働者階級人民全体を鼓舞激励し、敵を震撼(しんかん)させた。1917年ロシア2月革命の突破口をひらいたペテルブルグの女性労働者たちの決起を彷彿(ほうふつ)とさせるではないか。
2012年国際婦人デー闘争を福島の怒りとひとつになって闘うことを宣言しよう。
(写真 福島の100人の女たち経産省前座り込み行動でデモ行進に参加した婦人民主クラブ全国協【10月29日】) 特区と道州制で非正規職化狙う
1月24日通常国会冒頭、野田首相は施政方針演説で「経済再生」「国際競争力」の観点から「脱原発依存」もかなぐり捨てて「原発再稼働・輸出」を打ち出した。さらに「地域主権」「復興特区」で外注化・民営化、非正規化―道州制攻撃をとことん進めると宣言した。そして消費大増税、TPP(環太平洋経済連携協定)、日米安保の深化−沖縄新基地建設を強行する方針だ。
同日、日本経団連は、2012年の「経営労働政策委員会報告」で「危機を乗り越え労使で成長の道を拓(ひら)く」として労働者の徹底的取り込みと分断で、賃金切り下げを打ち出してきた。
これらすべてが、大恐慌下の最末期資本主義が絶望的破産をくりかえしながら行き着いている新自由主義の攻撃にほかならない。彼らに何ひとつ展望はない。しかしこれしかないのだ。労働者階級人民の生活を取り戻すことなど一顧だにしていない。一握りの資本家の生き残りのために、「みんな非正規になれ、労働運動などつぶせ」と叫んでいるのだ。
「平時」では絶対に受け入れられない「改革」=規制緩和・民営化・道州制・増税などを危機的状況を活用して強行するというショックドクトリン(惨事活用型資本主義)そのもののやり方だ。公務員攻撃−労組破壊、労働運動つぶしを強行しようとしている橋下大阪市長は、破綻した新自由主義を守るための反革命突撃隊にほかならない。
新自由主義は要するに「命より金もうけ」「安全より金もうけ」だ。そして徹底的に労働者階級人民を分断し、団結を破壊しバラバラにして闘えないようにするのが特徴だ。74−75年恐慌から国鉄分割・民営化、均等法、派遣法と始まって労働者の団結は破壊され、労働条件はどんどん改悪されてきた。連合・全労連など体制内労組がこれを推進してきた。
生まれた時から新自由主義の中で育ち、非正規職しかないところで働いてきた青年が生きるために格闘している。労働者家族もずたずたにされている。もう一時もこんな新自由主義を許しておくわけにはいかない。生き抜くために闘おう。
階級的労働運動の力で社会を変える
今の課題は何か。闘ったら勝てるのか? 労働運動の力で勝てるのか? という疑問に階級的労働運動の力で社会を変えることができると、きっぱり答えていくことだ。
反原発・反失業のエネルギーがふつふつとわき上がっている中、日帝国家権力は何を恐れているのか。労働者階級の決起だ。新自由主義は、労働者階級の団結した闘いが爆発した時にはまったく脆弱(ぜいじゃく)だということだ。だからこそ体制内労組を政権に抱え込み、闘う労働運動をつぶしにかかるし、労働者階級の中にあらゆる分断を持ち込んでくるのだ。
労働力商品としての存在から解き放たれて労働者階級が自己解放的に決起し、団結して闘った時には労働者の天井知らずの力が発揮される。
階級的労働運動・労働組合は、労働者階級の生きた団結形態だ。プロレタリアとプロレタリア家族に襲いかかるすべてと対決して団結を求めて闘いぬく存在だ。
「パンと平和」のスローガンが最も広範に階級の全体を団結させ、すべての創造性を発展させたように、階級的労働運動・労働組合が軸になって闘えば、この社会を労働者階級人民の側に奪い返すことができる。労働組合を通して権力をとる闘いは、ロシア革命でロシアの労働者階級が実現したことだ。
国鉄分割・民営化に対して徹底的に闘って外注化・非正規職化を阻止し続けている動労千葉の労働者の誇り高い姿、ストライキで被曝列車の運行を拒否して闘いぬく動労水戸の団結に、非正規職労働者、地元住民が圧倒的な歓呼の声で決起した。道州制攻撃と真っ向から対決する八尾北・西郡の闘いが橋下大阪市長のファシスト的突出を突き破っていくものに発展することは間違いない。
マルクス主義の立場で階級的労働運動を実践し、資本との非和解性を徹底的に明らかにしよう。今や新自由主義は世界中に膨大な資本主義の墓掘り人=プロレタリアートを生み出している。労働者階級は国際的に一つであり、本質的に国際連帯して闘える存在だ。自らの職場に階級的労働運動・労働組合を組織し、建設していこう。
反原発−改憲阻止の闘いが重要課題
”原発再稼働阻止! すべての原発今すぐなくそう”と全力で闘おう。54基中、現在稼働している原発は3基のみとなった。すべての原発がストップし、廃炉になることは日帝にとっては主要帝国主義からの脱落を決定づけるものだ。
3・11福島へ全力で決起しよう。福島と連帯して闘いの拠点たる診療所建設にすべての力を集めよう。子どもたちを放射能から守ろう。
最末期の資本主義の危機の中では、帝国主義間争闘戦は激化する一方だ。米帝オバマは新軍事戦略を打ち出し、日帝も沖縄新基地建設強行へむかっている。3・11直後の米帝の「トモダチ作戦」に始まり、今春、戦後最大の米韓合同演習が控えており、侵略戦争の緊張が高まっている。
「武器禁輸三原則」も踏みにじられ、被災地・「復興特区」攻撃のもとでは、およそ「生存権」「団結権」など労働3権もない「憲法停止宣言」下そのものの状態だ。今こそ改憲阻止の闘いは重要だ。労働者階級人民の根底からの決起を引き出そう。
婦民全国協は階級の利害貫く
最末期の帝国主義が「死の苦悶(くもん)」にのたうち回りながら繰り出す労働者階級への極限的な搾取・収奪と侵略戦争への動員攻撃は、労働現場にとどまらず、労働者とその家族の全生活を破壊尽くしている。1%の資本家どもが利益をむさぼる一方で、他の諸階級・諸階層全体が貧困と抑圧の中にたたき込まれ、これへの怒りが渦巻いている。女性解放・人間解放は労働者階級の解放そのものの中にある。プロレタリア革命情勢が成熟する今こそ人間解放のチャンスだ。
こうした中で職場と地域を結びつけ独自の全国政治機関紙を発行し、時代認識を真っ向から訴え組織しているのが、婦人民主クラブ全国協議会だ。階級全体の利害を自らの利害とし、階級的労働運動の発展に未来があることを訴えきる婦人運動の存在と闘いは決定的な位置をもっている。ここに戦後の女性運動の中のブルジョアフェミニズムやスターリン主義の影響を受けてきた部分を超えてプロレタリア革命の側に圧倒的女性労働者・女性大衆を獲得し、ともに進む道がある。
国鉄闘争全国運動の全職場・産別における物質化=日本労働運動の階級的・革命的再生へ、われわれは最先頭で組織化の先頭に立つ。そして、婦民全国協の闘いを「都市と農村における搾取され抑圧された幾百万の女性大衆」の巨大な運動として発展させていくことは、革命への一斉武装蜂起とプロレタリア独裁権力の樹立を今日的に準備していく闘いそのものだ。
労働者階級には力がある。婦民全国協の組織を拡大し、階級闘争の先頭に立って闘おう。
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【要項】
■東京 3・3国際婦人デー行動
女たちの東電デモ&集会「命よりも金もうけの社会を変えよう!」
★東電・銀座デモ 3月3日(土)正午 日比谷公園かもめ広場
★集 会 3月3日(土)午後2時 京橋プラザ区民館
主催 3・8行動実行委員会
連絡先 婦民全国協関東ブロック/東京労組交流センター女性部
■関西 3・7国際婦人デー集会
革命的大動乱の今 フクシマの怒りと結びつきすべての原発をいますぐとめよう! 労働者民衆に力あり!
3月7日(水)午後6時開場 エル大阪/大会議室
主催 婦民全国協関西ブロック/関西労組交流センター女性部
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週刊『前進』(2523号6面3)(2012/02/13 )
法政大で入試情宣
受験生と圧倒的な結合
2012年法大決戦の火ぶたは切られた! 2月5日より始まった法大入試に全学連と文連が登場し、法大当局による「半径200b情宣禁止」弾圧をうち破って飯田橋駅前で情宣活動を行い、受験生との圧倒的結合をかちとっています!
受験生に「原発再稼働阻止!」「3・11フクシマへ!」と訴えると、吸い込まれるようにビラが受け取られ、反原発署名が怒涛(どとう)の勢いで寄せられました。法大の1、2年生も連日決起し、「原発推進の大学を学生の手で変えよう!」「法大に入ってともに闘おう!」と訴えました。
受験生からは「原発反対なら署名する」「何で東電の連中は逮捕されないんだ!」という反応が次々と寄せられ、また福島出身の受験生が親子で署名するという事態も。
今や大飯原発のストレステストをはじめ、あくまで原発再稼働を狙う野田政権に対する怒りは日に日に高まっています。やればやるほど結合できる情勢です。「受験中だから……」という日和見主義をぶっ飛ばし、ストレートに「原発は許せない!」と訴えることがカギだと、この入試情宣の中でつかみとりました。
また昨年は駅前の情宣すら弾圧してきた公安警察も、今年は全学連・文連に一指もふれられず、われわれと受験生との結合を指をくわえて見ていることしかできていません。
一方で法大当局の弾圧職員は、なんと駅前のわれわれの情宣を監視し、ビデオ撮影を行うという暴挙に出ました。これが大学の「業務」だとでもいうのか! こうした連中こそ原発を54基もつくってきた下手人そのものだ。(事実、東電には通称TCIAなる弾圧機関が存在している)
再稼働を阻止し全原発をなくせるかどうか、一切は私たちの行動にかかっている。2〜3月の闘いが決定的だ。受験生をはじめ街頭、寮、サークル、あらゆる場所で学生とつながり、「原発いらない!3・11県民大集会」に巨万の学生・労働者の結集を実現しよう!
(写真 飯田橋駅前で法政大学入試情宣【2月5日】)
仮処分決定弾劾! “情宣禁止は教育破壊”
2月1日、東京地裁で法大の入試期間中におけるビラまき禁止仮処分をめぐる審尋が行われました。東京地裁は法大当局の主張を全面的に認める仮処分の決定を下しました。まさに憲法停止であり、満腔(まんこう)の怒りで弾劾する!
法大当局は2010年以来、全学連に対して「2月入試期間中における半径200b以内のビラまき・情宣活動および立ち入りの禁止」を求める仮処分申請を行い、裁判所もこれを認める反動判決を下し続けています。しかもたった1回の、審尋ならざる審尋でもってです。手続き的にも許せません。
しかも今回決定を下したのは、福島のゴルフ場裁判で「放射能は無主物」「東電に責任はない」との反動判決を下した悪名高き裁判官・福島政幸(民事第9部)です。まさに原発推進と一体の反動判決にほかなりません。
斎藤郁真全学連委員長は審尋の冒頭に「教育とは次の社会に責任を取りきることだ。受験生にビラをまくことを禁止することは、教育破壊以外の何ものでもない」「3・11以降、大学の腐敗が突き出され、法大闘争が何と闘ってきたのかが明らかとなった」「裁判所は原子力ムラの一角であり、権威は失墜している。これ以上権威を失墜させるような判決を下すな」と訴え、原子力ムラの一角である裁判所と大学のあり方を徹底弾劾!
さらには求釈明で、この仮処分が「学生に政治活動をやらせない」「原発反対の声をやらせない」ものであることを完全に暴き、裁判所も法大当局も求釈明にまったく答えられないばかりか最後は逃げるように帰っていくのみでした。どちらが正義であるかは火を見るより明らかです。
この反動的な仮処分決定に対し、さらなる闘いの爆発で応えていこう! 受験生・学生と結合し、3・11フクシマへ!
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