ZENSHIN 2012/01/23(No2520 p06)
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週刊『前進』(2520号1面1)(2012/01/23 )
新自由主義と闘う2・15国鉄集会へ
外注化阻止・反原発大闘争で野田「大増税」改造内閣打倒を
2・11代々木公園反原発集会へ
(写真 若者を先頭に80人が「すべての原発を廃炉にしよう」と訴えてデモ行進した【1月14日 横浜市】)
超反動の野田政権は、1月13日に内閣を改造し、岡田を副総理にし、野田=岡田体制で「社会保障と税の一体改革」という名の消費大増税と社会保障制度の解体、大民営化=公務員労働者360万の大量首切りを強行する攻撃に踏み切った。同時に野田政権は大飯原発のストレステストで「安全性が確認できた」と強弁し、原発再稼働と六ケ所核燃再処理工場再開の策動に全力を挙げている。さらに1月11日、神戸地裁は尼崎事故裁判でJR西の前社長を無罪にし、また同日、JR東は4月1日からの駅業務全面外注化を打ち出した。日帝・資本と労働者階級の激突は非和解だ。2・15国鉄集会から3・11福島決戦を頂点とするこの1〜3月、国鉄決戦と反原発・反失業闘争の大爆発をかちとろう。
4月JR全面外注化粉砕!
すでに激突と闘いは始まっている。1月16日の最高裁による「日の丸・君が代」不起立裁判判決は、不起立を最先頭で闘う者への棄却と分断の攻撃であり、3・11情勢下の大阪市長・橋下を先兵とする公務員攻撃への怒り、子どもたちを放射能汚染にさらす東電・文科省に対する教育労働者の怒りの決起への恐怖にかられた、分断と圧殺の攻撃である。この敵の狙いを見抜き、怒りと誇りをもって闘うなら、勝利は必ず切り開かれる。
新自由主義の絶望的凶暴化の最先兵・JR資本による新たな全面外注化攻撃は、脱落日帝・野田政権の大増税、原発再稼働、労働運動解体攻撃と完全に一体のものだ。JR資本は尼崎事故という大犯罪の責任を免れ、構内業務と駅業務全体の外注化・非正規化を強行して、国鉄労働運動を全面解体しようとしている。
これに対する1月10日の動労千葉によるJR京葉車両センターのストは、労働者の正義性と誇りに満ちた階級的反撃だ。JRはわずか1日勤の外注化のための訓練さえ、偽装請負でしかやれない。ストに決起した繁沢敬一副委員長は、「追いつめられたJR当局は何十年も運転をしていない人間に2週間の訓練で事故の一番多い構内運転の(外注化による)仕事をやらせるという。安全無視は絶対許さない」と弾劾し、青年部員は「東労組の裏切りを見ただろう。しかしまだやれることはたくさんある。自分たちの仕事を奪う訓練なんかに協力しないで一緒に闘おう」と、職場の青年労働者に訴えた。
さらに1月18日、和解を拒否して闘う4人の国労闘争団員が国労本部を相手に組合員籍奪還裁判を開始した。一昨年の4・9政治和解で国労本部は「二度と闘わないから涙金をくれ」と権力・資本にはいつくばり、昨年7月の大会で、JRに雇用されている者以外は組合員ではないと規約改定し、闘い続ける闘争団員を労働組合の名で再々度解雇した。これは1047名解雇撤回闘争の解体と同時に、今のJRの全面外注化とグリーンスタッフ大量雇い止めへの全面屈服だった。
4闘争団員の裁判は国鉄闘争の火を消さず、解雇撤回・非正規職撤廃を貫いて青年労働者に団結を呼びかける決起だ。この労働者魂を発揮した闘いは、3・11福島集会への大結集のエネルギーでもある。2・15国鉄集会を成功させ、連合・全労連下の反乱を国鉄決戦と反原発闘争の爆発へ、闘う労働組合運動の復権へと転化しよう。
「一体改革」と公務員大攻撃
米格付け会社S&Pによる、フランスなどユーロ圏9カ国の国債格付けの一斉引き下げは、大恐慌がユーロの分裂・崩壊と国債暴落・国家破綻の時代へと突入しつつあることを示している。この中で帝国主義間・大国間の争闘戦、相互絶滅戦はさらに激しく進む。
同時にこの大恐慌のもとでの金正日の死は、朝鮮半島情勢−東アジア情勢の大激動と、朝鮮南北分断体制の崩壊、第2次大戦後の帝国主義とスターリン主義の世界支配の最後的崩壊をもたらす重大情勢だ。それはロシア革命以来の、スターリン主義による国際階級闘争の歪曲、圧殺、変質を打ち破る革命的情勢の到来をも意味するのだ。帝国主義と残存スターリン主義はチュニジア・エジプト革命以来の世界の労働者階級人民の大反乱に根底から恐怖し、戦慄(せんりつ)している。
こうした中で没落米帝オバマ政権は昨年11月以来、「新安保戦略」「新国防戦略」を打ち出し、中国・北朝鮮をにらんだ「アジア太平洋最優先」の対中対峙・対決政策、大恐慌下の戦争政策の激化へと踏み切ってきた。これは同時にTPP(環太平洋経済連携協定)問題が示すように、米帝の日帝解体的な争闘戦激化の政策でもあるのだ。
1月13日に発足した野田改造内閣は、岡田を副総理に据えて、消費大増税への強行突破を狙った、凶暴かつ絶望的危機の政権である。野田は同時に原発再稼働、TPP参加、日米安保強化、沖縄・辺野古新基地建設など、脱落日帝と資本の政策意志を全面的に体現し、反動性をむきだしにしている。
野田の税と社会保障の一体改革とは、「財政破綻」の恫喝でもって、一方では消費大増税と社会保障制度の解体を強行し、他方では大民営化、道州制を推進して、公務員労働者360万人の大量首切りと非正規職化を極限的に推し進める、とんでもない階級戦争攻撃だ。それは労働者を分断し、一切の労働組合運動と団結を解体する攻撃である。道州制と一体の「復興特区」攻撃は、被災地の労働者に原発事故による被曝を強制するとともに、非正規職化、賃下げ、労働法制・労働組合解体として襲いかかるのだ。
今日、こうした攻撃の最先兵となっているのがJR東資本であり、連合である。連合会長・古賀は1月18日に首相官邸で野田と会談し、「方向性は一致している」と政府の「一体改革」などを全面支持した。本当に許し難い。連合ダラ幹指導部を労働者の怒りでぶっ飛ばし、外注化阻止・非正規職撤廃の国鉄決戦−4大産別決戦の爆発と、3・11福島を当面の最大焦点とする反原発闘争の大高揚で、野田・岡田の超反動政権を打ち倒そう。
3・11福島に総結集しよう
「赤字解消」を口実にした国鉄分割・民営化から25年目の今年、JRと政府は3島会社と貨物の今後数十年の赤字存続を認めた。分割・民営化はブルジョア的にも破綻したのだ。1047名解雇撤回闘争の不屈の継続と国鉄闘争全国運動は、戦後労働運動の限界を完全にのりこえている。今日のJR資本とカクマルの結託体制の崩壊、JR大再編情勢は、動労千葉の職場闘争、反合・運転保安闘争と外注化阻止の闘いが生み出した情勢だ。
動労千葉を先頭に激しく闘われている外注化阻止闘争の熱気を、2・15国鉄集会へと総結集し、3〜4月決戦へ進撃しよう。JR東は5年で雇い止めされる青年を自殺に追い込みながら、労働者を採用時から出向・転籍させる全面外注化=「駅業務委託のさらなる推進」の4月1日実施を打ち出してきた。最大の決戦局面だ。絶対反対で闘おう。自治労、日教組をはじめ国鉄−4大産別労働者を先頭にあらゆる職場で外注化・非正規化・偽装請負と闘い、4・1JR全面外注化阻止の大決戦に決起しよう。
稼働原発が5基に落ち込む中で、野田政権は再稼働に躍起となっている。1月下旬からの六ケ所核燃再処理工場の試験再開策動、伊方3号機、東通原発の再稼働が最大焦点だ。1月17日には原発運転を最長60年間とする方針を打ち出し、18日には大飯原発の「安全評価」を強行した。だがこれは人民の怒りの火に油を注いでいる。1月14〜15日、横浜で世界30カ国1万1500人の参加による反原発の国際会議が大高揚した。勝負はいよいよこれからだ。
重要なことは、福島原発事故という人類が経験したことのない国家と資本の大犯罪への責任追及を貫くことだ。事故は「収束」するどころか、放射能汚染はいよいよ深刻化している。今後もありうる巨大な余震と大津波、あるいは水素爆発や水蒸気爆発。そうなれば福島原発は完全に「お手上げ」だ。原発推進・再稼働の野田政権打倒は死活的課題だ。2・11代々木公園反原発大集会に全力で決起し、3・11福島現地決戦(郡山)へ、全原発の再稼働阻止と廃炉を真っ向から掲げ、労働組合を先頭に組合旗を林立させて大結集を!
2・15国鉄集会を大成功させ、2〜3月の重層的な決戦へ進撃しよう。
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週刊『前進』(2520号1面2)(2012/01/23 )
脱原発世界会議に1万1500人
全学連が賛同団体 廃炉求め横浜宣言採択
ゴアレーベンの代表も参加
昨年12月16日の野田首相による福島第一原発事故「収束」宣言に怒り、「原発も核もない社会」を求める世界と日本全国の労働者民衆の闘いのうねりが高まっている。
1月14、15日、横浜市西区のパシフィコ横浜で「脱原発世界会議 2012 YOKOHAMA」(「脱原発世界会議」実行委員会主催)が開催され、メイン会場を中心に1万1500人が駆けつけた。会場入り口は参加者が長蛇の列をなし、野田政権と東電への不信と怒りがみなぎった。賛同団体として全学連(斎藤郁真委員長)も参加し、多くの学生・青年との交流を実現した。会議は2日間の活発な討論とイベントの後、「原発を廃炉に」「再稼働反対」「原発やその部品の輸出禁止」などをうたった「原発のない世界のための横浜宣言」を発した。
会議では、子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク代表世話人の中手聖一さんも発言、「政府は『100_シーベルトでも安全』とデマ・プロパガンダしている。避難の権利を確立することが必要」などと訴えた。第五福竜丸元乗組員の大石又七さんは「1954年、アメリカのビキニ水爆実験で私は被爆した。5年から10年たってから発症する」と弾劾した。
海外約30カ国の代表も参加して活発な論議を行った。ドイツ・ゴアレーベンからは、核廃棄物処分場絶対反対で1100人を組織して闘う現地反対同盟代表のケアスティン・ルーデックさんら3人が参加。35年間にわたる核廃棄物処分場建設との闘いを報告した。さらに各国の参加者がそれぞれの闘いを報告、「ヒロシマ・ナガサキとフクシマは一体だ」と語り、「内部被曝は人体に深刻な影響を及ぼす」「福島の子どもたちを守ろう」などの意見を表明した。
2波のデモが野田を痛撃
14日、世界会議と深く結び横浜市内で二つのデモも闘われた。午前11時40分には、止めよう原発!神奈川・東電デモ実行委員会主催の東電神奈川支店デモ第4弾がJR桜木町駅前をスタート。80人の参加者が東電に弾劾の声をたたきつけた。デモにはゴアレーベンのルーデックさんらドイツの3人も参加した。
1時間後、出発地点の桜木町駅前に帰還し、早速リレートークを行った。最初にルーデックさんが「団結し一緒に闘っていきましょう」と力強くアピール。さらに、前回から参加している若い女性、茨城県の東海第二原発に反対している仲間、アメリカ在住の女性など多彩な参加者が原発廃絶まで頑張ろうとの心からの思いを表明。川崎市の保健所で働く労働者は「原発と、人員削減や非正規の問題は根っこは同じ」と弾劾した。
動労千葉の後藤俊哉さんは「福島まで行ってデモをしてきた。動労千葉は安全破壊の基地統廃合・外注化攻撃とも闘っている」と熱いアピールを発した。合同労組神奈川の労働者は「3・11福島現地へ!」と訴えた。
さらに午後3時からは、ポートサイド公園で首都圏反原発連合主催の集会とデモが行われた。この行動は「脱原発世界会議」の一環として取り組まれ、神奈川・東電デモ実行委も合流し、4500人が参加した。
労組の旗掲げ3・11福島へ
14、15日の世界会議・デモへの万を超える結集と怒りの直接行動は、野田政権の「収束」宣言を跳ね返し打ち砕く熱気であふれた。
3・11から10カ月を経て、福島第一原発事故に対する労働者階級の怒りは深さを増し、全原発の廃炉をめざす闘いは昨年を超える勢いだ。
11日の神奈川労組交流センターの2人の仲間のデッチあげ逮捕・弾圧は、反原発の奔流の前に立ちすくむ野田政権と警察権力の危機感の表明にほかならない(20日、2人を奪還)。18日の原子力安全・保安院のストレステスト「安全評価」の暴挙を許すな! 3・11福島県民集会の大成功でさらに野田政権を追い詰め、労働者の団結した力で再稼働を絶対に阻止しよう。
職場の仲間や友人を誘い、労働組合の旗をなびかせ、2月11日代々木公園、3月11日福島県民集会(郡山市開成山球場)に集まろう。
(写真 〈上〉「脱原発世界大行進in横浜」。脱原発世界会議の一環として会場近くのポートサイド公園で4500人が集会。)
(写真 〈下〉約4・3`のデモをやり抜いた【14日 横浜市】)---------------------------------------------------
週刊『前進』(2520号1面3)(2012/01/23 )
前進速報版から
▼八尾北・西郡決戦へ新年団結旗開き▼「希望テント」運動がサンヨン自動車工場を包囲▼サンヨー電機中国工場で大ストライキ
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週刊『前進』(2520号1面4)(2012/01/23 )
日程 国鉄分割・民営化で不当解雇から25年 2・15労働者集会
国鉄分割・民営化反対! 1047名解雇撤回!
外注化阻止・非正規職撤廃、偽装請負・雇い止めを許すな!
国鉄分割・民営化で不当解雇から25年 2・15労働者集会
2月15日(水)午後6時半 すみだ産業会館
(墨田区江東橋3−9−10丸井共同開発ビル8階/JR錦糸町駅南口すぐ)
呼びかけ/国鉄闘争全国運動
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週刊『前進』(2520号2面1)(2012/01/23 )
全国農民交流集会の成功を
なくせ原発止めようTPP 生き抜くためにいま闘う時
革共同農民闘争組織委員会
3・11東日本大震災、原発事故被災地の福島で酪農を営む鈴木光一郎さん、千葉の三里塚で農業を続けながら空港建設反対闘争を続ける萩原進さんをはじめ、各地の農民有志によって、福島をはじめとする全国の農民に向けて「なくそう原発! 止めようTPP! 2・1〜2全国農民交流集会」への結集が呼びかけられた。生き抜くために闘う全国の農民の結集を! 全国農民交流集会の大成功をかちとろう!
怒りを声に、行動に一歩を踏み出そう
3・11東日本大震災と福島第一原発事故は、単なる自然災害などでは絶対にない。資本の利潤追求を何よりも優先させ、労働者や農民、農業のことなどは資本の金もうけの手段としてしか考えていない資本家ども、新自由主義が引き起こしたものだということは、いよいよ誰の目にも明らかになってきている。
それどころか東電、財界、政府などは、ただただ自分たちの利益のために、本当は危険なことなど過去のチェルノブイリ事故などを通して百も承知していながら「安全だ」とウソを言い続け、「国策」としてしゃにむに原発を推進し続けてきた。これだけ膨大な被害を引き起こした原発政策を、彼らは、さらにこれからも大々的に推進しようとしているのだ。
彼らは何ひとつ反省などしていない。攻撃にさらされているのは福島だけではないのだ。彼らは原発の再稼働をやろうとしている。彼らは「第二、第三のフクシマ」が起きることなどへっちゃらなのだ。これからも全国各地で、さらには原発の輸出を通して全世界で「第二、第三のフクシマ」を引き起こそうとしているのだ。絶対に許せない。農漁民の怒りは極点に達している。
いま必要なことは、この農民の怒りを声にすることだ。いま声にしなかったら無視され踏みにじられていってしまう。逆に、農民が発する腹の底からの怒りの声は、すべての労働者人民を動かす力を持っている。このことに自信を持とう。
この怒りを声に、公然たる行動に、農民の運動に、組織に、そして闘いにと、一歩踏み出していくことが求められている。全国農民交流集会を、その一歩にしよう。
農地と漁場を資本が奪う「特区」構想
3・11東日本大震災と原発事故によって、農民を取り巻く情勢は一変した。3・11大震災は、一瞬にして2万人もの人命を奪った。加えて、福島第一原発事故によって、福島県では原発から30`圏内の営農は禁止され、福島県内全域の漁業はすべて禁止されている。
なによりも、福島第一原発事故は「収束」どころか、いまなおそのめどすら立っていないのだ。野田内閣が昨年末に行った原発事故「収束」宣言は、たとえ実際には福島原発事故が「収束」などしていなくても、現在停止させている原発を何がなんでも再稼働させ、これからも原発推進を日本の基軸的政策として強行するという「宣言」なのだ。
われわれが今、怒りをもってはっきりさせなければならないことは、野田民主党内閣も自民党も、財界・資本家も、農業や漁業の復興のことも、農民や漁民のこれからのことも、まったく考えてなどいないということだ。考えていないどころか、この大震災と原発事故を絶好のチャンスとして最大限利用し、福島・被災地の農民から広大な農地を奪い取り、漁民から漁業権を奪い取って、資本のものにしてしまおうと考えているのだ。野田内閣と日本経団連・財界のもとで進められている「復興特区」構想がそれだ。
「津波で被害を受けた沿岸37市町村では、半年がたった9月段階でも、瓦礫(がれき)の撤去がほとんど進んでいない。たとえば女川(おながわ)原発がある宮城県女川町は、1000人が死亡・行方不明で、家屋の9割が損失する大被害を受け、半年たった現在も瓦礫の撤去は44%しかおこなわれていない。その他撤去率が異様に低いのは宮城県の石巻市26%、利府町34%、多賀城市28%、福島県新地町32%などである」(『共産主義者』171号)。
資本は農民や漁民を追い払った「更地」がほしいのだ。被災地を「震災復興特区」にして農地法の適用から外し、農漁民から農地、土地を取り上げてしまうことを考えているのだ。
「農民から農地を奪い、漁民から漁場を奪い、すべてを大資本に集積してしまおうとしている。何百ヘクタールという広大な土地、肥沃(ひよく)な農地、数百`にわたる三陸沖の漁場を一挙に手に入れることができるチャンス」(同)だと考えているのだ。
そうするためには、瓦礫の撤去を遅らせ、農漁民をはじめとする元の住民が帰りたくても帰れなくしているとさえ言えるのだ。
福島第一原発事故による放射能被害は、さしあたっては酪農、果樹を含む福島の農業、農民全般に壊滅的な打撃を与えている。しかし、これはあくまで「さしあたっては」福島の農民の上に襲ってきているということであって、その被害が福島にとどまる保証など、どこにもない。
すでに原発事故による放射能被害は、福島県境を越えて拡大しており、さらに広範に拡大し続けている。さらに、原発事故が福島の事故で終わる保証もどこにもない。いま”すべての原発をただちに止めろ””全原発をただちに廃止しろ”という闘いをやり抜かなかったら、全国に「第二、第三のフクシマ」が現実となってしまうのだ。
3・11東日本大震災と福島第一原発事故という形をとって、いま農民・労働者の上に襲いかかってきている大攻撃は、単なる自然災害でもなければ、大事故の一つというものでもない。ついに世界大恐慌として爆発した最末期帝国主義の新自由主義攻撃そのものなのだ。
全国の農民を襲う極限的な農業破壊
農民の上に襲いかかってきているこうした大攻撃は3・11で始まった攻撃などではない。3・11が起きるはるか前から、資本の農業破壊の攻撃は全国の農民の上に襲いかかってきていた。すでにこれまでに、家族経営の最後のよりどころである農業後継者、若い労働力にいたるまで、農民から奪えるものはすべてを奪いつくしてきているのだ。
家族経営といっても、その労働力は限りなく「1農家につき1人」に近づきつつあり、農業後継者を持たない農家がほとんどとなってきている。そして、農民の平均年齢は限りなく70歳に近づきつつある。資本はこの農民から、最後に奪うものとして農地に手をつけてきているのだ。
「1%」大資本の延命を狙う
野田政権と日本経団連は、TPP(環太平洋経済連携協定)参加交渉に踏み切るという意思を内外に明らかにしている。この野田政権の意思表明は事実上、「震災復興特区」構想と表裏をなすものといっていい。
すなわち、今日の世界大恐慌情勢の中でいよいよ激化する国際競争戦において、自分たち、すなわち「1%」の大資本が生き残るためには、農民を含む「99%」の利害を踏みにじってもよい、犠牲になってもらうしかない、そうしないかぎり、自分たち「1%」の大資本も生き残れない、それほどにいま日本資本主義の危機は深刻なのだ、という立場に、これまで以上に画然と立ったということだ。
「1%」が「99%」を踏みにじり、切り捨てなければ生き残れないということは、すでに資本主義・帝国主義の支配がその根底のところで崩壊してしまっているということなのだ。「1%」は、「99%」を本当に切り捨ててしまったら自分自身が存在できなくなるのだ。「1%」は「99%」を搾取し、収奪することで、すなわち「99%」の存在によって初めて存在できているのだ。
労農連帯の真価をかけた歴史的決戦
福島の農民だけではなく、すべての農民にとって現在の情勢は、農民の中から何人もの自殺者が出てしまっていることに見られるように、このままでは生きていけない大変な情勢だ。こうなったら腹を据えて開き直ることだって必要だ。農民が腹の底からの怒りを爆発させ、闘いに立ちあがったら巨万の労働者人民を動かす力を持っている。農民が立った時には必ず歴史は動いたという事実を思い起こそう。
農民は労働者とともに、資本主義社会を、なおかつ一つの人間社会として、一歴史社会として成り立たせている基本的な階級、勤労階級の一員なのだ。
全国農民交流集会の呼びかけ人の一人である三里塚の萩原進さんは、年頭にあたって次のように述べている。「三里塚の旗を沖縄・福島の民衆のど真ん中に登場させ、労農連帯の真価を発揮して闘おう。2011年は、日本の歴史のみならず三里塚闘争にとっても大変な年だった。天神峰現闘本部裁判における井上高裁裁判長の反動判決と5月20日の大量不当逮捕。仮執行の宣言。そして8月6日の強制執行。他方、3月11日の大震災を契機とする巨大な被害と原発の爆発−放射能被害。さらにリーマンショックを一層拡大するような現在進行形のヨーロッパ経済の危機。あらゆる意味で歴史を画する年となった。だからこそ46年間、日本の政府が体重をかけて推し進めてきた国策である成田空港建設を押しとどめている三里塚闘争の意義が示される年でもあった。三里塚農民の46年間にわたる不屈の闘いは、福島をはじめ被災現地、全国の農民を励ましている」
いよいよ農民も動き出している。「なくそう原発! とめようTPP! 全国農民交流集会」を、その歴史的な一歩としてかちとろう。
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週刊『前進』(2520号2面2)(2012/01/23 )
国労組合員資格確認訴訟
“青年始め全組合員の問題”
小玉さん・羽廣さんが意見陳述
和解を拒否した国労闘争団員4人が国労本部を相手に訴えた組合員資格確認訴訟の第1回口頭弁論が、1月18日、東京地裁民事第11部(白石哲裁判長)で開かれた。
一昨年の4・9政治和解を受け入れた国労本部は、昨年7月の全国大会で組合員資格を「JRとその関連会社に雇用される者」に限定する国労規約の改定を強行し、闘争団員から組合員資格を奪った。この暴挙に反撃する闘いがこの裁判だ。
被告の国労本部は裁判に出席もせず逃亡した。これは異例の対応だ。彼らは自分の行為に何の確信も持っていないのだ。他方、鉄道運輸機構の職員が傍聴席に入り込んだ。国労本部と同機構の密通関係は明らかだ。
法廷では、代理人の鈴木達夫弁護士が訴状を要約して陳述。『資本論』を引用して、本件の核心点を次のように論じた。
「マルクスは『資本家という吸血鬼は、まだ搾取される一片の肉、一筋の筋、一滴の血でもある間は、労働者を手放さない。労働者を悩ます蛇に対する防衛のために、労働者は団結しなければならない』と言った。被告は、労働者が生きるために団結して闘う基本的武器である労働組合の根本原則を否定し、原告の団結する権利を奪った」
さらに、国労本部が改定後の規約をいまだに印刷物にもせず組合員に隠している事実を暴くと、法廷に驚きが広がり、裁判長も身を乗り出して聞き入った。改定された規約の存在を本部側が立証できなければ、組合員籍剥奪(はくだつ)は当然にも無効になるからだ。
(写真 裁判に先立ち、昼休みに原告団を先頭にして東京地裁前で宣伝行動を行った【1月18日 霞が関】)
腐った指導部など必要ない
続いて原告の小玉忠憲さん(秋田闘争団)が意見陳述に立った。小玉さんは、JR不採用以来、解雇撤回を求めて闘ってきた人生を振り返り、国鉄分割・民営化以来の「あるがままの25年の現実こそが、私が国労組合員であることの何よりの証左だ」と断言した。
さらに、規約改定が当該の闘争団員の意思をなんら確認することなく強行された事実を暴いた。
そして、これは闘争団員だけでなく、雇い止め解雇に直面しているグリーンスタッフを始め全組合員の問題だと強調して、「国労に加入して未来を託した青年組合員が仮に3月末で雇い止めとなったら、私と同じように自動的に組合員資格を剥奪されることになるというのだろうか! この決定的事実を青年組合員が知ることになったら、どんなに絶望することだろうか! 何らかの形で組合員が事故の責任を問われ、結果として免職・解雇になったとき、組合員資格を剥奪されることになるというのだろうか!」と声を強めた。
また、高放射能にさらされる福島の国労組合員が、3・11大集会の中心軸を担おうとしていると述べ、原発事故に対し何の方針も出さない国労本部を徹底的に弾劾した。
次に、原告の羽廣憲さん(小倉闘争団)が意見を述べた。国労5・27臨大闘争弾圧被告でもある羽廣さんは、組合員を権力に売り渡した国労本部に怒りをたぎらせ「国労闘争団員への統制処分と5・27弾圧の行き着いた先こそ、闘争団員の組合員資格剥奪だ」と喝破。「国労の歴史は闘う組合員の団結によって守り抜く。腐った指導部など必要ない」と断じ、野田の原発事故「収束」宣言のペテンを暴いて、「国鉄分割・民営化反対、1047名解雇撤回、国鉄闘争勝利、非正規職撤廃、反原発を国労組合員として、仲間と団結して闘い続ける」と表明した。
裁判に先立ち、原告と「共に闘う国労の会」は、早朝から新橋駅前で、昼から東京地裁前で宣伝行動を展開した。国労本部が被解雇者から組合員資格を奪った事実を伝えるビラや、国鉄闘争全国運動の2・15集会への結集を訴えるビラが次々と手渡された。新橋駅前の宣伝は、国労本部に向かう本部役員に戦闘宣言をたたきつける場にもなり、組合員に今なお事実を隠し、鉄道運輸機構の手先に転落した彼らへの怒りがみなぎった。
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週刊『前進』(2520号2面3)(2012/01/23 )
動労水戸旗開き “反原発の先頭に”
駅全面外注化提案に怒り
動労水戸の旗開きが1月13日、水戸市内で意気高く開催された。
あいさつに立った石井真一委員長は、大きな前進を切り開いてきた昨年の闘いを振り返った上で、野田政権による原発事故「収束」宣言に強い怒りを表明し「動労水戸は、いわき市内に闘いの拠点を設置し、地元に根付き、地元の労働者と一体となって反原発闘争の先頭に立ち、全原発を廃炉にする闘いを前進させる。国労郡山工場支部で闘う仲間と固く連帯して、3・11福島県民集会に全力で結集しよう」と組合員に訴えた。
石井委員長はさらに、この間の団交でJR東日本が駅業務の全面外注化を提案してきたことを報告し「これは、検修業務の全面外注化と一体で、一部管理者以外の現場労働者はすべて外注化・非正規化する攻撃だ。さらに多くの青年を動労水戸に獲得し、こうした攻撃を絶対に粉砕しよう。検修全面外注化を2年にわたって止めてきたように闘えば勝てる情勢だ。今年も明るく闘っていこう」と述べた。
家族会の辻川あつ子さんの音頭で乾杯。参加者は杯を傾けながら交流を深めた。
来賓として、三里塚芝山連合空港反対同盟の伊藤信晴さんがあいさつに立った。伊藤さんは7日に急逝した反対同盟の鈴木謙太郎さんへの熱い思いを語り、「今年は市東さん農地決戦の年だ。労働者と農民の結合をつくり出し必ず勝利する」と述べた。司会の組合員は「鈴木さんは本当に無念だったと思う。3・25三里塚全国集会に今までにない規模で結集しよう」と呼びかけた。
さらに、茨城・星野文昭さんを取り戻す会、障害者解放を闘う仲間、自治体労働者など、駆けつけた地元の仲間が次々とあいさつした。また全学連の斎藤郁真委員長は「今年は全国で学生運動を爆発させていく。みなさんと連帯して闘っていく」と決意を語った。
昨年秋に動労水戸に結集した照沼靖功君は「今年は検修外注化と新人事賃金制度が問題になる。所属している組合に関係なく同じ職場で働くすべての仲間の力で闘わなければいけない時だ」と元気に決意表明、会場を大いに沸かせた。最後に全員で一本締めを行い今年の奮闘を誓い合った。
(写真 旗開きの冒頭にあいさつする石井委員長。昨年を上回る奮闘を訴え【1月13日 水戸市】)
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週刊『前進』(2520号2面4)(2012/01/23 )
「君が代」処分最高裁判決 分断判決を弾劾する
不起立闘争つぶしを許すな
根津さん上告棄却
最高裁で1月16日、「日の丸・君が代」不起立闘争を闘いぬいた東京の教育労働者171人に対する反動判決が下された。06年3月卒業式の不起立を理由に根津公子さんが停職3カ月、河原井純子さんが停職1カ月の処分を受けた件と、03年度周年行事・04年3〜4月の卒・入学式で小・中・都立校の教育労働者169人が不起立・不伴奏で処分された件(うち1人は減給1カ月、残りは戒告)で、処分取り消しと損害賠償を求めた訴訟の上告審判決である。
最高裁は昨年5〜7月、03年「10・23都教委通達」、起立・斉唱を命じた職務命令、嘱託不合格などをすべて合憲とする判断を下している。今回はその合憲判決を前提に、戒告・減給・停職と累積加重される処分が都教委の裁量権を超えるかどうかという点に限って判断を下したものだ。
判決は、不起立で戒告処分を受けた168人については処分を取り消した高裁判決を破棄して容認。他方、河原井さんの停職1カ月、1人の減給1カ月については「裁量権を超えて違法」とし、処分を取り消した。ところが根津さんの停職3カ月については上告を棄却して処分を容認した。許しがたい分断攻撃だ。
なぜ根津さんの停職処分は取り消されなかったのか。根津さんが過去に不起立以外にも処分を受けていることを列挙し、これらが「積極的に式典や研修の進行を妨害する行為にかかるものである」ことがその理由だ。
判決が非難した根津さんの行為は教育への不当な支配に抗した職場闘争だ。また05年の不起立で処分された後、同年7月の「再発防止研修」という名の被処分者に転向を迫る研修に対して、他の被処分者とともに抗議のゼッケンをつけて臨んだ件だ。いずれも教育労働者として絶対に譲れない当然の行動ばかりだ。
(写真 報告集会で不当な分断判決を弾劾する根津さん。左端は河原井さん【1月16日 社会文化会館】)
実力闘争に恐怖
根津さんは累積処分で「最後は解雇」という恫喝をも突き破って「絶対反対」を貫いて不起立闘争の先頭で闘ってきた。そのことで全国の教育労働者の闘いを牽引(けんいん)し、階級的団結を拡大する闘いの中心に立ってきた。今回の判決の核心は、この闘いへの支配階級の憎悪と恐怖である。
他方で判決は停職・減給取り消しの理由として不起立を「積極的に式典の進行を妨害する内容の非違行為」でないと記した。”裁判所が許容する枠内にとどまれ”とする反動的意図に満ちた判決に、被処分者から「不起立闘争の意義をおとしめるものだ」という怒りの声も上がっている。
また、戒告処分を取り消した東京高裁判決を覆したことも絶対に許せない。そもそも不起立を理由とした処分自体が絶対許されないものである。
判決後、「河原井さん根津さんらの『君が代』解雇をさせない会」の報告集会が社会文化会館で行われた。根津さん、河原井さんが発言し(要旨別掲)、今後も闘いぬく決意を述べた。
不起立闘争の勝敗は法廷では決まらない。実際、大阪市長・橋下は今回の判決を受けてなお、「不起立3回で免職」とする教育基本条例案を転向強要研修を付け加えて制定しようとしている。東京で転向強要研修を打ち破ったのも「君が代」解雇を阻んだのも職場からの実力闘争だ。勝負は職場だ。原発絶対反対、子どもの命を守る闘いと一体で今春卒・入学式でも不起立を拡大しよう。その力ですべての処分撤回、10・23通達撤回をかちとろう。大阪の教育基本条例をうち砕こう。
報告集会の発言
■根津公子さん
まさに政治的判決です。でも私がターゲットにされたことにより、「いくらなんでも停職はだめ」という原則がつくられた。ここまで不起立を続ける人がいなかったら、停職処分は取り消されませんでした。
私の上告棄却の理由は「お前はこれまでもいくつも処分を受けて、反省してない」ということ。しかしその何件ものことも「君が代」不起立も、教員として子どもたちに対してどうあるべきか、その一点においての行為です。私にとってはまったく同じことです。
都教委は04年に「不起立3回でクビ」と言っていた。私は08年には「確実にクビにされる」と思っていた。しかし結局私をクビにできなかった。今日の判決もその中で出たものだと思います。
■河原井純子さん
判決の旗出しは、絶対開きたくなかった「分断判決弾劾」の旗になってしまいました。しかし「停職は違法」という判決が、現場の教員にどれだけ勇気を与え、背中を押したことか。大阪の教育基本条例への歯止めにもなると思います。
分断判決は許せませんが、どんな全面敗訴も、私たちが学校現場や地域で抵抗を絶やさなければ怖くない。逆に全面勝訴も、現場・地域で具現化しなければただの紙切れです。これからも私は「頑張らない、あきらめない、楽しみたい、つながりたい」で行きます。
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週刊『前進』(2520号3面1)(2012/01/23 )
民営化=公務員360万人解雇と復興特区・道州制粉砕、橋下打倒へ
革共同自治体労働者委員会
1・11神奈川弾圧は反原発闘争の歴史的大高揚と自治体における階級的労働運動の前進への支配階級の恐怖の表れだ。12年階級決戦は職場をめぐる新自由主義攻撃との死闘となった。自治体労働運動をめぐる時代・情勢を明らかにし、職場闘争の白熱的展開の中で民営化・外注化・非正規職化阻止の路線を確立し、それを党と労働組合の一体的建設として進めよう。
橋下・維新の会との大激突
橋下徹・大阪市長と大阪維新の会の進める大阪丸ごと民営化・道州制、公務員首切り・労働組合壊滅攻撃との闘いは、大恐慌・大失業情勢のもとで大阪―全国の公務員労働者、全労働者の未来のかかった決戦だ。このウルトラな新自由主義反革命を労働者の怒りと誇り、団結で粉砕しよう。
橋下は12月28日、大阪市議会での施政方針演説で攻撃の核心を述べた。
その第一は自治体丸ごと民営化だ。「地下鉄やバスなどは行政で抱え込む必要はまったくありません」「民間でできることは民間に任せ……民間に金を回す……役所が抱えてきた仕事を民間に開放する」。民営化と市場原理導入で自治体業務を資本の利潤追求の餌食とし、医療や福祉、教育を崩壊させ、新自由主義を極限まで徹底する。
第二は道州制導入、統治機構の転換だ。「大阪に新しい自治の仕組みをつくり、大阪から日本を変えていく」「これが目指すべき『国のかたち』だ」。関西広域連合と大阪都構想の推進だ。
第三は公務員の大量首切りだ。「区長には私と同じ思いを抱く人を全国から公募しますが、身分保障は与えません。成果が上がらなければ罷免もあります。まさに公務員の絶対的身分保障への挑戦でもあります」。区長公募、「職員基本条例」「教育基本条例」の2月制定で〈公務員の首切り自由〉に突き進む。
第四は民営化・道州制・首切りのための公務員労働組合解体だ。これが橋下演説の結論にして最大の眼目だ。
橋下は資本主義の危機の爆発と労働者階級の反乱、プロレタリア革命に恐怖と憎悪、猛烈な危機感を抱いている。「ギリシャを見てください。公務員と公務員の組合をのさばらせておくと国が破綻してしまいます。ですから、大阪市役所の組合を徹底的に市民感覚に合うように是正、改善していくことによって、日本全国の公務員の組合を改めていく」「大阪都構想と組合の是正で日本再生を果たしていきたい」
大恐慌下、金融資本救済のための際限のない財政投入こそ国家財政危機の直接の原因だ。公務員労働者・労働組合への責任転嫁は許されない。
橋下・維新の会の〈丸ごと民営化・道州制=公務員首切り、労働組合解体〉は大恐慌下に資本主義が延命するための絶望的な階級戦争だ。
市労連幹部の総屈服許すな
一切は労働組合をめぐる攻防にかかっている。労働組合抹殺へ宣戦布告した橋下に対し、大阪市労連・中村義男委員長は1月4日、橋下に奴隷のようにひれ伏して許しを請い、忠誠を誓った。現場労働者の誇りを踏みにじり売り渡す行為だ。民営化・外注化・非正規職化を丸のみしてきた体制内労組幹部の屈服と腐敗は4・9政治和解と3・11大震災以来極まっている。いったいこれが労働組合か!?――全国の労働者は怒り心頭だ。公務員労働者の誇りと尊厳、労働組合を否定する橋下への怒りを糾合し、真っ向から対決しよう。
国鉄−公務員巡る階級決戦
「1929年以来のもはや後のない歴史的な世界大恐慌」「国債暴落と国家破産の時代の到来」「大恐慌は大失業と戦争をもたらすだけではない。それは革命情勢を生み出し、プロレタリア世界革命勝利の歴史的好機を到来させる」(革共同政治局2012年1・1アピール)
日本の国家債務は11年度末で1024兆円を超える。国家破産状態だ。財政改革論議はもちろん、大増税でも解決できない。野田政権は原発政策の堅持・推進とともに「財政危機突破」を掲げた「社会保障と税の一体改革」、社会保障制度解体と大増税、公務員制度改革による国家丸ごと民営化・外注化=公務員360万人首切り・非正規職化と労働組合解体に絶望的に突進せざるをえない。最末期帝国主義の体制存続のためには国鉄闘争と公務員労働組合を解体し、労働者階級の反乱を圧殺する階級戦争にうって出るしかない。政治危機下、公務員攻撃に突進する橋下・維新の会はその反革命的突撃隊だ。
新自由主義を極限まで行き着かせる階級戦争を許すならば、労働者は大失業と極貧にたたき込まれ、命まで奪われる。橋下やマスコミがどんなにデマゴギーで公務員を攻撃し、消費増税の必要性をがなりたてようと、資本主義には経済発展も財政再建もありえない。資本主義打倒のプロレタリア世界革命と労働者が主人公となる社会の建設だけが労働者人民の未来を開くことができる。
協約締結権付与の大ペテン
内閣府が公表した「法令の特例等を活用した公共サービス改革に関する調査報告書」(11年3月25日)は、民営化が自治体で進展しない理由は「公務員身分の硬直性」と「偽装請負問題」にあると結論づけている。公務員制度改革と偽装請負問題を突破し、民営化・外注化=公務員360万人首切り、労組解体を進めようとしているのだ。
連合・公務員連絡会は「公務員の労働基本権回復」「協約締結権獲得」を口実に公務員制度改革をあくまで進めようとしている。しかしそれは野田政権が掲げる「社会保障と税の一体改革」による社会保障制度解体、大増税と一体の行政改革、公務員人件費削減=首切り・賃下げ、総非正規職化のためのものだ。すでに民主党政権と公務員連絡会との交渉で「たとえ労使間で協定・協約が締結されても関係する法律が制定されない限り無効となる」と明言されている。本来の「協約締結権」は法律より上に位置する。公務員連絡会の唱える「協約締結権付与」はまったくのペテンだ。
連合・自治労本部は資本主義擁護の立場から経団連とともに野田民主党政権を支えている。「財政再建」を至上命題に「社会保障と税の一体改革」、公務員制度改革の先兵となり、「子ども・子育て新システム」導入をはじめ自治体丸ごと民営化・外注化・非正規職化の露払い役を買って出ている(1月26―27日の自治労中央委員会議案にも明記)。階級的労働運動の復権、職場闘争の爆発で野田政権、橋下・維新の会もろとも連合・自治労本部を打倒しよう。
被災地先頭に本格攻防突入
被災地を先頭とする全国の自治体職場での渾身(こんしん)の闘争決起は、12年冒頭からさらに本格的に展開されている。復興特区を突破口とする全面的規制緩和、民営化・外注化・非正規職化との労働組合の存在をかけた激突である。
民営化・合理化による人員削減と震災関連業務による極限的な過重労働のもとで重大な公務災害・死亡事故が多発している。宮城県教組では教員の3割が抑鬱(よくうつ)状態、東京都内の職場でも職員の1割近くが精神疾患を発症している。「仲間の死を無駄にするな! 二度と繰り返すな!」――労働組合の原点をかけた闘いだ。
職場で階級的労働運動を
この決戦をいかに闘うか。国鉄闘争こそ全産別の基軸だ。職場に「動労千葉を支援する会」を立ち上げて国鉄闘争支援に取り組み(支援)、闘いの結集軸として職場闘争を推し進め(連帯)、階級的労働運動の再生へ邁進(まいしん)しよう。
公務員決戦は既存の労働運動のやり方が通用しない、一切の妥協を許さない攻防となっている。民営化絶対反対と職場の闘う団結を総括軸とする階級的労働運動の推進こそ勝利の路線である。
首都圏の現業職場では体制内幹部が「民間委託に伴う非正規職員全員の雇用保障」を取り付けたが、受託企業が組合脱退・団結破壊攻撃をしかけてきた。これまでの労使関係を踏み破る攻撃との激突となっている。
大阪では青年労働者が民営化・外注化・非正規職化絶対反対、団結破壊粉砕の闘いの先頭に立っている。全国の保育職場で「子ども・子育て新システム」による民営化=公務員首切り・非正規職化に絶対反対する闘いが自治労・自治労連本部の敵対をはね返している。給食調理の民間委託攻撃に対する外注化阻止・偽装請負弾劾の闘いで当局の説明会を大衆団交に転化した。呉市営交通の民間移譲と全職員分限免職との闘いは、既成労組幹部の裏切りを断罪し、職場の仲間を結集させている。国鉄1047名闘争を引き継ぐ社会保険庁労働者の分限免職撤回の闘いに続くものだ。また再任用労働者の人事評価・雇い止め絶対反対の闘いが労働者の期待を集めている。首都圏で「動労千葉を支援する会」を拠点に「国鉄闘争支援」と「反原発」の組合大会決議をかちとり、動労千葉物販、3・11福島集会参加の闘いが進んでいる。
再稼働阻止・全原発廃炉と被曝労働拒否の闘いが全国で闘われている。2・15国鉄集会を成功させ、3・11福島集会に組合旗を林立させよう。
労組拠点と党の一体的建設
12年決戦は労組拠点建設と職場細胞建設と一体である。職場の労働者の先頭に立ち、当局・資本との闘いを実際に組織し、自らの手で団結をつくり、労働組合と労働運動に全責任をとろう。国鉄―公務員決戦を闘い、職場細胞と自治体労働者委員会を建設し、労組権力を奪取しよう。青年指導部の建設を軸に闘う労組青年部の再生が鍵だ。自治体労働者は12年決戦を最先頭で闘いぬこう。
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週刊『前進』(2520号3面2)(2012/01/23 )
JR西前社長無罪弾劾
尼崎事故 原発事故と同じ「想定外」
神戸地裁は1月11日、尼崎事故の刑事責任を問う裁判でJR西日本の山崎正夫前社長に「無罪」の判決を言い渡した。尼崎事故被害者の遺族を先頭に、JRを免罪した判決への激しい怒りが巻き起こっている。
この判決は第一に、3・11情勢下、国家権力と資本の階級意思を徹底的に貫く反動判決だ。帝国主義間争闘戦の戦列から脱落しつつある日帝は、復興特区の設置を皮切りに労働者を徹底的に非正規職化するとともに、原発再稼働と原発や新幹線の海外輸出に延命の道を託している。その最凶悪の先兵こそJR資本だ。この判決で国家権力は、国鉄分割・民営化を絶対的に正義であると宣言し、支配階級の総力を挙げてJR体制を擁護すると表明した。
JR西日本は「日勤教育」に象徴される懲罰で労働者を自殺に追い込み、運転士資格剥奪(はくだつ)の恐怖によって労働者支配を貫徹してきた。「稼げ」というスローガンに示されるように、私鉄から乗客を奪うために安全を度外視して急カーブを設置し、過密ダイヤのもとでスピードアップを強行し、列車速度を落とさないためATS(自動列車停止装置)も設置せず、ストップウオッチを持った背面監視まで行って現場労働者を締め付けてきた。その行き着いた先が尼崎事故だったのだ。そのすべてを司法権力は容認した。
判決は第二に、「事故の全責任は労働者にあり、資本には一切ない」と言ったに等しい。107人の労働者を殺したJR西日本が「無罪」であれば、今後、労組破壊や労働者への強権的労務支配、安全無視の利潤追求は野放しにされる。それは、福島県民のみならず人類そのものを殺し続ける政府・東京電力も「無罪」ということを意味する。
判決は第三に、「JR西日本が現場の危険性を認識していたとは言えない」として「危険の予見可能性」を否定した。これは、原発再稼働に向けての反動判決にほかならない。司法権力は、マグニチュード9・1という巨大地震も高さ十数bの大津波も「想定外」だったという政府・東京電力の居直りを、これによって容認したのだ。
判決は第四に、動労千葉・動労水戸の外注化・非正規化阻止闘争、被曝労働阻止の闘いへの大反動にほかならない。動労千葉・動労水戸の闘いは、検修全面外注化や車両基地統廃合の攻撃に立ちはだかり、JR青年労働者の大反乱をつくり出すことによって分割・民営化体制を根底から揺り動かしつつある。このことへの恐怖に駆られて、JR体制に「無罪」を宣告したのがこの判決だ。
しかし、こんな判決に頭を垂れているのは4・9政治和解で破産をさらけ出した4者4団体派や、「労働組合が資本の安全を守る」という転倒した立場で「労使安全会議」にくみしている国労西日本本部の日本共産党・革同幹部だけだ。
判決は第五に、「原子力村」と同様、根底から腐敗しきったJR体制を擁護するために出されたものだ。
事故原因を解明すると称する「航空・鉄道事故調査委員会」は国交省の下部機関でしかない。その委員の大部分がJRからの天下りであり、JR西日本はその委員にわいろを贈りペテン的な「報告書」を書かせていたことが暴かれている。
山崎裁判に出廷したJR西日本・東海・四国や私鉄の会社幹部は、「危険は想定していなかった」というウソの証言を繰り返した。それをうのみにした裁判官は、列車が120`のスピードで走る本線と35〜40`で走る駅構内のカーブを同列視して「半径300bのカーブは多数あり、事故現場のみが危険とはいえない」と判示した。まさにこれは「原子力村」ならぬ「JR村」の連中の「ウソとペテンとわいろ」で固められた判決である。
動労千葉は1月冒頭からのストライキで2012年国鉄決戦の口火を切った。「共に闘う国労の会」は、被災地・福島での闘いを先頭に1047名当該の国労組合員籍奪還訴訟、伯備線事故弾劾・後藤車両所労災死亡事故弾劾の1・21米子闘争に向けた闘いなど、職場での闘いに立ち上がり始めている。
今年4月に至る過程は、外注化・非正規職化阻止、新人事・賃金制度粉砕、JR体制打倒に向けたかつてない決戦だ。
国鉄闘争全国運動が呼びかける2・15集会に国鉄労働者の大結集をかちとろう。JR資本と自らの職場で激しく闘い、青年労働者を闘いの戦列に獲得しよう。3・11福島県民集会を国鉄決戦そのものとして闘いぬき、4・25尼崎闘争にJRの闘う青年労働者の圧倒的隊列を登場させよう。
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週刊『前進』(2520号3面3)(2012/01/23 )
中四国革共同集会 “労働組合運動復権へ”
若き新たな指導部が登壇
1月15日、革共同中四国政治集会が広島市東区民文化センターにおいて開催され、130人が結集した。4時間にわたる集会がかつてなく白熱的感動的にかちとられた。
昨年11・6全国労働者総決起集会の報告ビデオの上映とシュプレヒコールで集会が始まった。労働者同志の開会のあいさつに続き、反戦被爆者の会の下田礼子さん、動労西日本の仲間から連帯のあいさつを受けた。下田さんは「まだまだ少ない。会場があふれて立ち見が出るくらいにしてほしい」と期待を込めてさらなる奮起を促し、2・11NAZENヒロシマ結成集会、3・11福島への結集を呼びかけた。動労西日本の仲間はJR尼崎事故裁判におけるJR西日本前社長・山崎の無罪判決に怒りを燃やし「労働組合が闘う以外にない」と訴えた。星野文昭同志奪還へ向けて徳島と広島の同志が2・5徳島刑務所包囲闘争への決起を熱烈にアピールした。
秋月丈志同志が『労働組合とマルクス主義を復権し人類史をわかつ2012年階級決戦へ』と題して基調報告を行った。秋月同志は「大恐慌の本格的爆発と3・11情勢の中で圧倒的に証明されたのは、労働者階級は絶対に生き抜く、生き抜くために闘う、そういう存在だということ。その先頭に福島の怒りがあり、われわれがいる」と総括。消費税大増税と原発再稼働の野田改造内閣の凶暴化を暴露し「後戻りのできない地点から生き抜くことをかけた革命へ。労働者階級200年の闘い、マルクス主義復権のために闘ってきた反スターリン主義・革命的共産主義運動半世紀のすべてをひっさげ、人類史をわかつ階級決戦へ!」と檄(げき)を飛ばした。さらに国債暴落時代に突入した大恐慌情勢、朝鮮半島・東アジアをめぐる革命的情勢の核心、原発をめぐる情勢を新自由主義の歴史的大破産と革命の現実性として展開。「未曽有の大恐慌と原発事故を引き起こし、戦争にまでいたる資本の破壊的な価値増殖運動を止めるのは、労働者の階級的団結による実力強制しかない」と訴え、「一切は階級的労働運動の復権・労働組合の再生にかかっている。国鉄・反原発を2大基軸に、革命に向かってもっともっと労働運動を組織できる党になろう」と提起し、会場全体は熱気で包まれた。
動労千葉・動労水戸とともに外注化阻止・偽装請負粉砕、契約社員制度=非正規職撤廃の闘いの先頭に立つ2人の同志が国鉄決戦アピールを発した。マル学同広大支部の同志が3・11福島決戦アピールを行った。2012年決戦の鍵を握る産別委員会の決意表明に移り、郵政、自治体、教労、医療福祉、合同・一般労組の同志が壇上に並んだ。階級的労働運動の復権と「壁の突破」をかけた新たな実践、挑戦を開始してきた同志の発言のすべてが、自らの職場・地域での苦闘や喜びと一体であり、党として団結し一つの闘いを闘っていることを実感できるものであった。
マル青労同・マル学同が全員登壇した決意表明で、集会の熱気は最高潮に達した。労組つぶし・団結破壊のデッチあげ弾圧に対して非転向で闘う同志が職場の新たな仲間と並んで誇らしく決意を述べた。非正規職撤廃・反原発の闘いで結集してきた青年労働者は新自由主義粉砕の闘いを宣言した。広島大学1年生を先頭に岡山大学・徳島大学からも自らの飛躍をかけた反原発闘争・全学連運動の前進が報告され、2012年決戦の先頭に立つ決意が表明された。新たな若き階級の指導部の圧倒的な登場こそ2011年の闘い地平の大きさを示すものであり、誰もが2012年決戦の勝利を確信した。
団結ガンバロー三唱、インターナショナル斉唱の声はかつてなく高く響きわたった。野田改造内閣打倒、 2・5徳島から3・11福島へ、革共同中四国地方委員会は党の団結を打ち固め、2012年1〜3月決戦へ猛然と突入した。
(写真 4時間に及ぶ革共同中四国政治集会を白熱的・感動的にかちとり、最後に参加者全員で意気高く団結ガンバローを三唱【1月15日 広島市東区民文化センター】)
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週刊『前進』(2520号3面4)(2012/01/23 )
Solidarity vol.8発刊
拠点労組建設の武器に
マルクス主義青年労働者同盟中央機関誌『Solidarity〔ソリダリティ〕』第8号が発刊された。階級的労働組合を建設する決定的な武器として活用してほしい。
今号はマル青労同第8回大会の報告・決定集だ。大会基調、討論、感想と大会総括などが収録されている。大会では12年の決戦方針を「JRを先頭に外注化阻止・非正規職撤廃を闘う労組青年部を4大産別につくり出そう」「被災地と固く連帯し反原発・反失業を闘う階級的労働運動を復権させよう」「プロレタリア世界革命勝利へ、あらゆる職場にマル青労同の旗を打ち立てよう」と圧倒的に確認した。
なかでも「大会基調」の「方針【6】階級的労働運動の実践とマルクス主義の学習−―マル青労同の原点の闘いをやりぬこう」(33〜37n)は大会で最も議論が集中した点だ。それは「労働組合運動に責任を取り切る変革と飛躍。労働者階級の団結とは何か。労働組合を原則的に運営し本来の力を発揮できる職場細胞建設論」(大会総括)についてであり、拠点労組建設の課題が提起されている。ぜひ読んでほしい。
そして今号の目玉は大会討論集だ。労働組合をよみがえらせようと奮闘する青年労働者の職場実践の教訓が満載されている。
3・11大震災と原発事故に立ち向かってきた被災地の闘い、全面外注化と対決するJR職場、橋下との決戦に挑む自治体職場、反原発闘争、非正規職撤廃闘争の最前線の攻防などが生き生きと報告されている。労働者同士の日常的な関係づくり、時代認識を持って資本と闘っていくこと、闘う路線を深化させていくこと……。新自由主義攻撃によって団結を徹底的に奪われてきた青年労働者が階級的団結を一からつくり上げていく苦闘が、一つひとつの討論に凝縮されている。ここにこそ階級的労働運動の復権の手がかりがある。
青年指導部建設の手引き書として活用し、12春闘を闘おう!
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週刊『前進』(2520号4面1)(2012/01/23 )
新自由主義への怒りを解き放つ時
地方委員会の年頭の決意 下
(写真 2011年6・19怒りのフクシマ大行動【福島市】)
人間の命と尊厳奪う体制に被災地から根底的な怒りを 革共同東北地方委員会
革共同東北地方委員会は、3月11日の大震災と大津波、福島第一原発事故と真っ向から対決し、犠牲となった多くの仲間の無念を胸に刻み、必死に生き抜く闘いで階級的団結の拠点建設を職場生産点、地域で大きく前進させた。
むき出しの国家暴力による戒厳体制と、連合メーデー「自粛」の大反動を打ち砕いた5・1メーデー闘争は、階級的反撃の号砲となった。6・19フクシマ怒りの大行動の1500人の大デモは、フクシマの怒りと結びつき、9・19で全国の反原発の怒りと一つとなり、帝国主義を打倒し、プロレタリア革命を実現するまでやむことのない闘いとして発展している。
この2011年の激闘の原動力こそ、4・9政治和解攻撃と国鉄闘争全国運動で対決した全国の同志の支援と団結、動労千葉を先頭とする労働組合、労働者人民の支援と団結、国際連帯の力である。動労千葉の外注化阻止・非正規職撤廃の闘い、動労水戸の被曝労働を許さない闘い、そして全学連、青年労働者の反原発・反失業の闘いは、「命より金」の社会を根底からひっくり返し、自らの未来を切り開くものだ。
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被災地でも、日刊の『生き抜くために闘う! 東日本救援対策本部ニュース』を毎週職場にビラ入れし、2人の死亡事故に「全職場で安全と労働条件を取り戻そう」と労働組合の原則をかけて決起した仙台市職労、被曝労働や外注化攻撃と職場生産点で闘う国労郡山工場支部、子どもたちの命と未来を守る福島県教組、そして相次ぐ震災解雇攻撃との闘いなど、全力で労働組合を甦(よみがえ)らせるために闘い抜いてきた。
2012年は、この職場生産点での必死の格闘、生き抜く闘いを徹底的に意識的に、階級的労働運動を実践する拠点建設、それを支える細胞建設として実践し、プロレタリア革命に向かって労働運動を組織できる党へと飛躍するときだ。金正日の急死をも契機に、世界大恐慌と帝国主義世界体制の崩壊は、すさまじい勢いで進行している。世界の労働者階級が、破綻した新自由主義に対し労働組合を拠点に闘っている。求められているのは、『綱領草案』を実践する革共同の歴史的登場だ。
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東北地方委員会は昨年末に宣言したように、5大拠点建設をもって2012年決戦を全党の最先頭で切り開く。「復興特区」の名による民営化・外注化・非正規職化と職場で格闘し、被災地に動労千葉に並ぶ階級的労働運動の拠点をつくり出す。福島医大の「放射線医療特区」、東北大の「東北メディカル・メガバンク構想」など、新自由主義攻撃の先兵である大学を革命の拠点へと転化する学生自治会運動を復権する。
放射能汚染と復興特区で農地、漁場が奪われようとしている中で、フクシマ、被災地の農漁民は、三里塚闘争の農地死守の闘いと結びつき、歴史的な闘いを開始している。この怒りを一つとし、子どもたちの命と健康を守り、被曝労働と闘う拠点として、福島の地に人びとのより所となる診療所建設を何としても実現しよう。
3月11日に郡山市で開催される「安心して暮らせる福島県を取り戻そう!3・11県民大集会」(仮称)は、フクシマの怒り、被災地の怒り、新自由主義への怒りをプロレタリア革命へと解き放つ歴史的な日だ。どす黒いヘドロの大津波と福島第一原発の激しい爆発が2万人もの人びとの命を奪い、7万人を超える福島県外避難者など、数十万、数百万人の労働者人民の生活を破壊し続けている。
資本主義、帝国主義はこれほどまでに人間の命、尊厳を奪い、生活を奪い、自然を根底から破壊しておきながら、誰も責任をとろうとはしない。こんなことは絶対に許せない。「フクシマを返せ、すべてを元に戻せ。責任を追及し、あらゆる賠償、補償を行え」という根底的な怒りを爆発させよう。原発再稼働、復興特区とTPP、大増税に延命をかける野田政権を、フクシマの怒りで打倒しよう。民主党・野田政権を支え、3・11大集会に敵対する連合を職場生産点で打倒し、労働組合の旗、職場の旗を林立させて、3・11郡山に総結集しよう。
国鉄決戦を軸に4大産別と合同労組での労働者獲得へ 革共同東海地方委員会
資本主義社会の本当の姿が、3・11福島原発大事故で赤裸々になった。ウソで塗り固められた「原子力村」の虚構が崩れ落ちた。「命よりも金もうけ。われ亡きあとに洪水よ来たれ」。これが資本主義社会の本質である。これぞ新自由主義の極致である。そうであるならば労働者階級こそが、こんな腐りきった資本主義社会を打倒して「労働者が主人公」の共産主義社会を建設しようではないか! 労働者階級には、その力がある! 国鉄決戦と反原発・反失業の2011年の東海地方委員会の前進は、そのことを確信させた1年間であった。
3・11大震災以降、「生きぬくこと」が資本主義社会と激突する革命のスローガンとなった。民主党や連合などの「挙国一致」攻撃を粉砕した力は、4・9反革命と真っ向勝負した動労千葉など国鉄闘争全国運動の前進にあった。
3・12動労千葉を支援する会・東海の結成は、東海での新たな出発点を築いた。われわれは、職場闘争を軸にした合同労組建設とフクシマの怒りに肉薄する反原発闘争への取り組みで新しい仲間を獲得して11・6へ攻めのぼった。この中で突きつけられた「1万人の壁」の突破は、職場でおのれが何者であるか公然化する、職場の労働者をオルグするために自己変革的に相手と格闘する、資本と闘う実践に踏み出すことで階級的団結をつくり出すことにある。われわれは、このような職場闘争の実践を軸に青年労働者をマルクス主義と労働者魂で獲得するのだ!
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1月13日、ついにフランス国債の格付けが落とされ、ユーロが急落した。没落米帝オバマは、財政破綻で2正面戦略を変更し、対中国対峙・対決政策と日帝への争闘戦をTPPと一体で推進した。そして金正日急逝は、世界大恐慌と世界戦争情勢を一層促進させる。ヨーロッパ、中東、韓国、中国、アメリカ、日本において労働者階級の怒りと闘いが拡大している。
「階級的労働運動の復権をかちとり革命に勝利できる党を建設」(1・1アピール)することが、求められている。
昨年12・16付日経新聞インタビューで、JR東海会長であり原子力損害賠償支援機構運営委員である葛西敬之は、「東電の将来像」について、国鉄分割・民営化方式で、福島原発処理と原発推進を行えという、おそるべき極反動発言を行っている。われわれは、国鉄闘争と反原発闘争の結合した力でこんな葛西を打ち倒す階級的労働運動を東海の地につくり出すことを宣言する。
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激動と飛躍の2012年は、名古屋と四日市での郵政元旦ビラ入れで幕が開けた。国鉄・郵政・自治体・教労など4大産別での闘い、とりわけJR名古屋工場などへの情宣とJR労働者への工作を継続してJR青年労働者を獲得する。郵政・自治体・教労における産別方針を細胞と一体でつくり出すことのできる党へと飛躍することが課題である。民主党と連合が支配する「トヨタ城下町」においてわれわれは、国鉄と反原発・反失業で階級的労働運動の火柱をつくり出す決意である。公務員削減=道州制導入の橋下大阪市長とタッグを組む大村愛知県知事・河村名古屋市長連合を労働者階級の怒りで打倒しよう。
われわれは、昨年の合同労組建設の飛躍的な前進と一体となって分会を運営・強化しながら組織拡大を自己変革的に闘い取る。合同・一般労組全国協議会に結集するすべての合同労組と連帯して、非正規職撤廃・偽装請負粉砕で青年労働者を獲得する。
昨年の4波の中部電力本店抗議闘争を闘い抜いた仲間とともに、地元にある浜岡・もんじゅの廃炉を目指し、2・26NAZEN東海結成集会をかちとり、「事故収束」宣言を粉砕して3・11福島県民大集会へ総決起する。2・5星野文昭同志奪還・徳島刑務所包囲デモを全国労組交流センターの仲間とともに闘う。
東海地方委員会は、全国の同志と固く団結して2012年の激戦・激闘に勝ち抜くぞ!
JR再編・原発推進と闘いマルクス主義の党建設する 革共同北海道地方委員会
世界大恐慌は3・11で一挙に深化し、国債暴落という形で帝国主義国家が次々と倒壊していく寸前だ。行き詰まった帝国主義は、侵略戦争と国内への階級戦争、世界戦争に突き進む。金正日の急死で、朝鮮・東アジア情勢は戦後体制全体を吹き飛ばす威力を秘めて鳴動し始めた。
全世界的にまん延する非正規職化。各国は1930年代を上回る大失業時代にすでに突入している。これを強いて、かつ隠しているのは労働運動の体制内指導部だ。労働者階級人民が「生きぬくこと」そのものが、プロレタリア世界革命を達成する以外にありえないというのが時代の真相だ。
被災地から、韓国から、アメリカから、全世界で巻き起こっている労働者階級の決起は、「あの時からこの世界革命は始まっていた」と振り返ることができるものだ。問われているのは全世界の労働者階級が自己解放的に闘い、団結できる路線。それを革共同は〈階級的労働運動の復権、それを実現できるマルクス主義の党の建設〉として発信する。それが2012年決戦だ。
2万を超える命を奪い、今なお放射能で膨大な命を奪いつつある3・11は、最末期帝国主義の新自由主義とその破産がもたらした。だが日帝・野田政権は、「復興」を掲げて被災地の労働者階級人民に大量解雇・非正規化・労働条件切り下げを強制するだけでなく、「事故収束」宣言で新たな大量被曝すら強制しようとしている。
被災地の同志たち、仲間たちを始めとする現地の労働者人民を先頭にした2011年の闘いは、プロレタリア世界革命を切り開く道として、国鉄決戦と反原発闘争の2大基軸を打ち立てた。非正規職撤廃の闘いが一切を切り開く鍵であることを、青年労働者を先頭にした闘いが実践的に証明した。2012年は、この路線の全面的な実現をかちとる年だ。
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被災地と並ぶ前半戦の最大の攻防はJR大再編との闘いである。「国鉄改革25年」を控え、分割・民営化の矛盾が噴出している。5月の石勝線事故、9月の中島社長の自殺にさらけだされた通り、北海道会社はJR体制の最大の破綻点である。完全民営化を口実に、さらなる外注化・非正規職化、新幹線建設に伴う在来線の切り捨てやリストラも狙っている。
こんな会社が存在しているのは闘う労働組合が存在していないからだ。4・9政治解決と闘争団切り捨ての国労本部の裏切りは許されない。国鉄分割・民営化こそが原発稼働を支える被曝労働と非正規労働、大失業の根源である。青年労働者の怒りは出口を探して渦巻いており、これと結びつける国鉄闘争全国運動の全面的登場は待ったなしだ。
2011年、労働運動の体制内指導部の正体がはっきりした。4・9反革命の結果は、石勝線事故弾劾を言えない国労道本部、服務実態調査と全面対決できない北教組本部、「原発やらせ」や14年目を迎える道職員給与削減とすら闘わない全道庁本部の姿に示されている。現場の労働者は納得も支持もしていない。われわれの課題は、現場の労働者とりわけ青年労働者の怒りと結びつき、職場闘争の爆発をかちとり、あらゆる産別・職場に闘う労働組合と党を一体的に建設することだ。
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昨年、3・11以降初めてとなる営業運転が泊原発3号機で再開された直後、国と道、北電による「やらせ」が発覚した。にもかかわらず、今年は同1・2号機の営業運転再開、函館の鼻先での大間原発建設再開が強行されようとしている。福島県民の怒りを共有して、北海道の労働者人民の最先頭で反原発を闘う。さらに、北海道農業・関連産業を壊滅させるTPPを粉砕する。
われわれは国鉄と反原発を軸に、階級的労働運動の復権、それを実現できるマルクス主義の党の建設へ2012年、まっしぐらに突き進み、勝利する。あらゆる職場で階級的労働運動を前進させると同時に、動労千葉に続く階級的労働運動の拠点の建設をめざす。
民営化・非正規化うち破り闘う労働組合建設の先頭に 革共同北陸地方委員会
2011年は大恐慌下で3・11情勢が爆発し、日帝を未曽有の危機にたたき込む歴史的年となった。そして、その中からフクシマや被災地を先頭に労働者階級の怒りの根源的決起が開始された。「動労千葉や動労水戸のように闘いたい」と心底から願う青年労働者や学生が、闘う労働組合や学生自治会を甦らせる闘いに猛然と決起している。また、この闘いを軸にして農民、漁民、子を持つ親など全大衆的な怒りの高揚が開始されている。
いまや危機に立つ没落帝国主義・米帝を先頭に帝国主義間の争闘戦的対立は深まり、戦争と大失業を激化させている。その中から帝国主義の支配をひっくり返す労働者の決起が世界各地で開始されている。またスターリン主義の圧制下からも労働者の決起が始まっている。いまや帝国主義の世界支配を終わらせ、労働者による新しい社会建設を望む声は世界の労働者の声だ。プロレタリア革命の時代がやってきた。これがわれわれの時代認識だ。
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この情勢の中から始まった国鉄闘争の前進と反原発・反失業・非正規職撤廃の日本の労働者階級の闘いは、11月労働者集会を頂点として、世界革命の趨勢(すうせい)を決定的に位置づける最先端の闘いとしてうち抜かれてきた。
今こそ、階級的労働運動の拠点建設の前進とプロレタリア革命を実現できる革命党建設の発展をかちとり、プロレタリア世界革命を実現する闘いの先頭に立とう。勝利の鍵は、真に労働者階級とともに歩む党と労働組合を一体的に建設することである。長きにわたってゆがめられてきたマルクス主義の旗を職場生産点やキャンパスから甦らせ、労働者階級が持っている資本主義−新自由主義への怒りを解き放つことだ。
それは労働者階級の持つ無限の可能性を引き出し、資本による支配を吹き飛ばし、原発事故のような一見解決不可能に見える問題、資本主義によってもたらされているさまざまな問題を解決する力を開花させるであろう。
その壮大な事業を成し遂げるためにも、労働者階級の中に飛び込み、階級と結びつき、トコトンまで人生を労働組合の組織化と労働者党建設のためにかけきることだ。とりわけ職場生産点での闘いは決定的である。国鉄分割・民営化と同様の攻撃が全国各地の職場にかけられている。現場に怒りは満ち満ちているのだ。一つひとつの細流を巨大なうねりにするために労働組合を組織する力を現場の労働者とともにつくりあげよう。そしてそれはプロレタリア独裁に向けた目的意識的闘いとして闘い抜くことだ。
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北陸地方委員会は、まず第一に、職場生産点での闘いに断固決起し、闘う労働組合建設の先頭に立つ決意だ。外注化・民営化・非正規化攻撃と対決し、国鉄闘争勝利に向けて動労千葉を支援する会の発展をかちとる。
第二に、全国学生運動の最先頭で、富山大学生運動の歴史的大前進を必ずやかちとる。新自由主義大学の最先端をいく富山大を学生の手に取り戻し、学生自治会建設を成し遂げ、新樹寮自治会の再建に向けて闘う。その礎は11年の闘いで手にしている。
第三に、NAZEN北陸を先頭に、フクシマとトコトン団結して原発再稼働阻止の最先頭で闘う決意だ。昨年12月のもんじゅ現地闘争は20年余を数える闘いの歴史を塗り替える画期的な闘いになった。反原発闘争の先頭にNAZENありという地平を築いた。
第四に、非合法・非公然の革命党建設に勝利するために闘う。敵は危機であればあるほど凶暴に襲いかかってくる。労働組合や学生自治会運動を縦横無尽に階級の中で発展させていくためにも、一切の反動をはねのける非・非党建設が重要性を増す。
最後に、以上の闘いの勝利は、マルクス主義を復権することにかかっている。マルクス主義を徹底的に学び、現場の闘いと呼吸しながら前に進むような党学校を必ずや実現する。
2012年を北陸地方委員会の飛躍の年とする決意だ。ともに闘おう。
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週刊『前進』(2520号4面2)(2012/01/23 )
2012日誌 1月1日〜16日
政府が消費増税素案決定/米、新国防戦略下でも「辺野古」
●嘉手納基地に米電子偵察機 沖縄県の米空軍嘉手納基地に、赤外線カメラを備えた電子偵察機RC135U(米ネブラスカ州オファット空軍基地所属)が飛来した。北朝鮮の軍部や国内の動きなどを監視するために飛来したとみられる。(5日)
●財政難、米が新軍事戦略 オバマ米大統領は、国防費の削減にあわせた新しい軍事戦略を発表した。二つの大規模な地域紛争に同時に対応する「2正面戦略」に必要な戦力は維持しない方針を表明。一方、アジア太平洋地域の戦力は増強する。(5日)
●消費増税素案を決定 野田政権は消費増税と社会保障の一体改革の素案を正式に決定。現在5%の消費税率を2014年4月に8%、15年10月に10%へ段階的に引き上げることが柱。閣議に報告され了承された。3月末までの法案提出をめざす。(6日)
●「最悪シナリオ」首相の元へ 東京電力福島第一原発で事故が起きた2週間後の昨年3月25日、事故が拡大すれば、東京都も含む半径250`圏内の住民が避難対象になるという「最悪シナリオ」を政府が想定していたことを、細野豪志原発担当相が明らかにした。(6日)
●イランへの武力行動も パネッタ米国防長官は、イランが原油輸送の大動脈であるホルムズ海峡の封鎖に踏み切れば軍事行動も辞さない構えを強調した。イランは原油輸出に制裁を科された場合、ホルムズ海峡封鎖で対抗する可能性を示している。(8日)
●JR西前社長、無罪 107人が死亡し、562人が負傷した2005年4月のJR宝塚線(福知山線)脱線事故で、業務上過失致死傷罪に問われたJR西日本前社長の山崎正夫被告の判決で、神戸地裁は無罪(求刑禁固3年)を言い渡した。(11日)
●イラン制裁、日本同調 安住淳財務相は、訪日中のガイトナー米財務長官と会談し、核開発問題をめぐるイランへの経済制裁に協力することで一致した。日本政府はイランからの原油輸入量を減らす方針。(12日)
●野田内閣改造 野田佳彦首相が、改造内閣を発足させた。防衛相に田中直紀民主党総務委員長を据えるなど5閣僚を入れ換えた。首相は、岡田克也副総理と連携し、消費増税に道筋をつける決意を表明、「消費増税シフト」を鮮明にした。(13日)
●新戦略下でも「辺野古」 米国防総省のシファー次官補代理(東アジア担当)は、アジア太平洋地域重視を打ち出した新国防戦略について、在日米軍再編と「完全に合致している」と指摘、沖縄県の米軍普天間飛行場の名護市辺野古への現行移設計画を引き続き推進する姿勢を強調した。(13日)
●君が代不起立で最高裁判決 卒業式などの式典で日の丸に向かって起立せず、君が代を斉唱しなかった公立学校の教職員らに対する東京都の懲戒処分が争われた3件の訴訟の上告審判決で、最高裁第一小法廷は「戒告は裁量権の範囲内だが、減給・停職は慎重に考慮する必要がある」とする判断基準を初めて示した。(16日)
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週刊『前進』(2520号5面1)(2012/01/23 )
大飯原発「安全評価」許せぬ
2〜3月再稼働決定阻止を
労組を先頭に3・11福島集会へ
再稼働のため「テスト」実施
1月18日に経産省原子力安全・保安院は、関西電力の大飯原発3、4号機(福井県)のストレステスト(耐性評価)について、「妥当で安全性が確認できた」との判断を下した。この判断は、経産省内で専門家の意見聴取会に示す形で行われた。意見聴取会が傍聴者を排除して強行されようとしたため、傍聴者が会場に突入して猛然と抗議した。ところが保安院は別室に逃げ、警官隊を導入して傍聴者が近づけないようにした上で、「妥当」という結論だけをゴリ押しして通したのだ。
ストレステストでの国のゴーサインは初めてである。野田政権が、原発の再稼働のためなら、どんな強硬手段にでも訴えることが明白になった。3・11福島闘争は再稼働か否かの最大の山場にせり上がった。
野田政権・資本家階級は、このままでは4月に全原発が停止してしまうことに恐れおののいている。1月13日には、四国電力の伊方原発2号機が定期検査のために停止した。3号機が運転を始めた94年以来、全3基が停止するのは初めてである。残すは全国で5基、これも4月までには定期検査入りする。
野田政権はなんとか再稼働させようと、12月16日に「福島原発事故の収束」宣言を強行し、1月から本格的に踏み込んできた。1月10日には、青森県六ケ所村の核燃料再処理工場でのガラス固化試験の再開に向けて、ガラス溶融炉の加熱を始めた。昨年11月25日には、再処理工場の推進機構である日本原燃に対し、原子力安全・保安院から製造試験にかかわるストレステストの実施が求められてさえいる。日本原燃の報告書提出は4月以降になるという。それなのに、なぜ試験が再開されるのか。
再処理工場では事故・トラブルが相次ぎ、その原因は何一つ明らかになっていないのだ。通常の原発よりもはるかに危険性の高い再処理工場が、このように野放しで再開されることなど、絶対に許されない。
さらに1月16日には、東電が柏崎刈羽原発1、7号機のストレステスト1次評価結果を原子力安全・保安院に提出した。東電の結果提出は初めてである。そして今回、大飯原発3、4号機のストレステストについて、ついにゴーサインを出したのだ。
しかし保安院はストレステストの審査・判断の基準を示しておらず、実に恣意(しい)的なものだ。福島第一原発事故の真因が明らかになっていないから、安全審査の基準など出るわけがない。しかもストレステストの意見聴取会は、司会役の岡本孝司委員を始め、三菱重工などの原発業界から寄付を受けている委員が進行を主導している。
地震で配管が損傷し事故に
そもそもストレステスト自体、電力会社が得手勝手にコンピューター上で地震や津波への耐性を分析するもので、内容はどうにでもなる。「評価」とか「テスト」とかいう言葉が付いていること自体がおかしい。
いや、もっと重大な問題がある。野田政権は、福一事故の最大原因が地震による配管の損傷だったという真実を必死で隠そうとしている。政府は12月に事故調査委員会の中間報告を出したが、“津波が原因、あとは人為的な操作ミス”とごまかし、地震との関係には一切触れなかった。しかし一方で、保安院は12月に示した「福島第一原発1号機 非常時復水器(IC)作動時の原子炉挙動解析」という文書で、地震によって原子炉配管に小さな亀裂が入った可能性があること認めざるを得なくなった(12・15東京新聞)。本紙2506号(10月3日付)で、配管損傷によりこのIC(2〜4号機ではRCIC)が動かなかったと暴露したが、その指摘どおりだ。政府の事故調とは別に作られている国会の事故調査委員会では、この地震原因説が大勢を占めつつある。
地震による配管損傷が事故原因だと明らかになると、再稼働できないどころか全部廃炉にするしかなくなる。日本の原発のほとんどが活断層の上にあるからだ。3号機の再稼働が狙われている伊方原発も、瀬戸内海沖合8`の海底に巨大活断層「中央構造線」がある。太平洋のプレートが動くことによる「南海地震」も警戒されている。
しかも伊方3号機にはMOX(プルトニウム・ウラン混合酸化物)燃料が使われている。放出する放射線を比べると、MOX燃料はウラン燃料より、アルファ線で約15万倍、中性子線で約1万倍、ガンマ線で約20倍で、とてつもない危険性を持つ。大地震が起きてMOX燃料が飛散すれば、福一事故以上の大惨事になるのは必至だ。これほど危険な伊方3号機を再稼働することなど、許されてはならない。
大手ゼネコンが「除染事業」
2〜3月が再稼働阻止の決戦となる。政府は再稼働に向けた今後の最短シナリオを次のように描く。「国際原子力機構(IAEA)の調査団の助言も踏まえ、2月初めにも最終的な評価を原子力安全委員会に報告。2月にも野田首相や枝野経産相ら4閣僚が再稼働を容認し、2〜3月の地元の県議会で了承を取ったうえで、首長の同意を得る」(1・19日経新聞)
六ケ所再処理工場の再開と、伊方、大飯、そして東北電力・東通の各原発の再稼働を絶対に阻止しよう。3・11福島闘争を、再稼働絶対阻止の最大の闘争にしよう。
11月からの福島での「除染モデル事業」は、日本原子力研究開発機構(原子力機構)が担っているが、大手ゼネコンの大成建設、鹿島、大林組が各幹事会社を務める企業共同体に再委託されている。この3社は全国の原子炉建屋の建設でもトップ3だ。原発を造った張本人が、事故後の除染でまたぼろもうけをしようとしているのだ。これと同じことが、「復興」の名で被災地全体で狙われている。どこまでも労働者人民に犠牲を強いようとする資本家階級への怒りを燃やして、3・11に決起しよう。
1月14、15日の「脱原発国際会議」には青年が大結集し、「再稼働すべきではない」と国際会議として宣言した。野田政権の「事故収束」宣言と再稼働策動に対する怒りは、世界レベルで渦巻いているのだ。その怒りを結集すれば、必ず再稼働は止められる。そのために何よりも、福島の怒りをねじ曲げ圧殺しようとするあらゆる策動と闘おう。全国の労働組合こそが反原発で決起し、3・11大結集の中軸となるために死力を尽くそう。
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週刊『前進』(2520号5面2)(2012/01/23 )
法大デモ “大学から原発とめよう”
ドイツの仲間のコール響く
1月16日、新年1回目の法大デモを行いました。スローガンは@原発再稼働阻止A処分撤回Bフクシマ連帯の三つです。
この日は脱原発世界会議に参加するため来日したドイツ・ゴアレーベンの反原発運動の人士も参加し、国際連帯の発展もあり、大成功しました。
デモ前の打ち合わせでは、法大文化連盟委員長・全学連委員長の斎藤郁真君がデモの基調を高らかに述べました。「私や倉岡さんをはじめ、多くの法大生が学問を金もうけの道具にしているこの大学のあり方に反対したために、法政大学から処分を受け、追放されてきました。一方、3・11と原発事故をもって、御用学者の存在により大学がどれほど腐っていたか明らかになりました」
「闘う学生を追放し、学生から真実を奪ってきた大学が、社会からも真実を奪い、原発政策に協力してきた。私たちの目の前にあるこの大学のあり方こそが原発政策の基礎だ。大学の雇った弾圧専門職員を追放し、私たちの処分を撤回することと、原発をなくす闘いは一体だ。世界中で、青年・学生が先頭に立って巨大な運動が爆発している。私たち学生にはそういう力がある。だから彼らはそれを恐れて、こんな態勢をしいているにすぎない。原発はもう残り5基しか動いていない。フクシマの怒りと連帯し、原発の再稼働阻止へいっしょに今日のデモを成功させよう!」
ゴアレーベンから参加したドイツの方は、マイクでアピールしてくれただけでなく、法大キャンパスに入って弾圧職員の写真を撮るなど、やりたい放題。普段は居丈高な弾圧職員や警備員も「外圧」に弱いのか、何もできませんでした。
最後に東洋大生から、1月7日に東洋大学で行われた御用学者・菊地透の講演会に対して中止を求めて申し入れ行動を行ったことが報告され、「大学から学生が立ち上がれば原発はとめられる。法大生のみなさんもいっしょにやりましょう!」と熱烈にアピールが発せられた。
そしてデモに出発! 「大学から原発とめよう! 御用学者を追放しよう! 弾圧職員を追放しよう! 処分を撤回させよう!」のコールが飯田橋一帯に響き渡りました。ドイツの方もドイツ語でコールをする場面もあり、デモは大成功しました。
3・11福島県民大会の大高揚をつくりだすため、法政大学文化連盟と全学連は今年も法大闘争を徹底的に闘います!(法大・S)
(写真 ドイツの仲間が先頭に立ち新年初のデモに出発。「弾圧職員追放!」のコールが学内外に響いた【1月16日 法大正門前】)
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週刊『前進』(2520号5面3)(2012/01/23 )
法大弾圧裁判 暴処法弾圧
最終弁論 “私たちは全員無罪”
被告5人が元気に陳述
1月13日、法大暴処法弾圧裁判の第27回公判が東京地裁刑事第1部(若園敦雄裁判長)で行われた。2009年5月15日の不当逮捕以来、織田陽介君、新井拓君、内海祐一君、恩田亮君、増井真琴君の5人は2年半をこえる弾圧との闘いに勝ち抜き、最終弁論を元気に迎えた。
法大当局は、闘う学生を排除するために個人名を書いた違法な「立ち入り禁止看板」を門に掲げた。本件は、この「看板が壊された」と大騒ぎする法大当局と結託した国家権力が、戦前から続く治安弾圧法である暴処法を使って、全国一斉の大規模な学生運動弾圧を行ったものだ。
「本件は公訴棄却されねばならない」。弁護団が百ページをこえる分厚い最終弁論を力強く読み上げた。
「2006年3・14弾圧以来続く法大当局による学生への不当処分や暴力行為の責任こそが追及されるべきだった。しかし、国家権力は法大当局に肩入れして学生を次々とデッチあげ逮捕し学生運動を抑圧してきた。正義公平に反し訴追裁量を逸脱している」と権力犯罪を真っ向から批判した。
そして、暴処法について「戦前に労働運動死刑法と言われた治安警察法17条が装いを変えて生まれ変わり、労働運動などの社会運動の抑圧を目的とした違憲の治安法だ」とし、「本件公訴はそれ自体違憲・違法であり棄却されねばならない」と言い切った。さらに「本件に暴処法は適用できない」とする批判が続いた。弁論は、暴処法に厳密な構成要件を要求する画期的な法律的解明を行い、「本件には、共同器物損壊の立証がなく、無罪が言い渡されなければならない」と断じた。
そして、監視カメラの不鮮明な画像を勝手に解釈してのデッチあげなど、論告の破産ぶりが徹底的に突き出された。
被告団5人の最終意見陳述に移った。
恩田君「6年目に入る法大闘争は、学問の自由とそれを保証する大学の自治、そして未来を創造する闘いだ。強権による弾圧では、どんな社会対立も矛盾も抑圧できない」
織田君「新自由主義は、社会の浄化と称して、あらゆる団結や社会的つながりを暴力的に破壊してきた。私は法大闘争で、仲間のために闘う人間的感動を味わい革命の輝かしい展望をつかんできた」
新井君「私たちは国家権力・資本主義の存亡をかけた政治弾圧を打ち破って完全黙秘・非転向で百パーセント勝利した。職場に闘う労働組合を、キャンパスに学生自治会を作り上げていこう。法大闘争でつかんだ団結こそその答えだ」
増井君「日本の学生運動史に名を残す悪らつ極まりない弾圧だ。約12万円の看板がどうしたという法益侵害の程度とあまりに不釣り合いであり、法大のキャンパス支配のために裁判が利用されている。私たちは全員無罪だ」
内海君「法大生を立ち上がらせないための弾圧は破綻した。法大闘争は飛躍的に前進し、斎藤全学連委員長体制を確立した。2012年は学生運動の復権に突き進む」
最終弁論と被告団の闘う姿は暴処法弾圧を縦横無尽に切り裂き、裁判所も圧倒し、5人の無実・無罪を鮮明にするものとなった。法大闘争とその中で打ち固められた団結が、激動の2012年決戦と革命の展望を大きく切り開いている。今年前半決戦を豊かに闘いぬき、5月31日の判決公判に大結集しよう。
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週刊『前進』(2520号5面4)(2012/01/23 )
吉田義久著『アメリカの核支配と日本の核武装』を読んで
帝国主義の核政策を断罪 今こそ青年学生必読の書
故吉田義久さんが心血を注いで世に送り出した本著を、私のようなものが評するなど到底できません。しかし、彼の「労働運動や学生運動の若いリーダーたちにこそ読んでほしい」という思いに、私も心から同感し、彼の思想と生き様を受け継ぐべく、本著の学習を勧めたいと思います。大恐慌と3・11、とりわけ福島第一原発事故という事態をうけて、原発事故と帝国主義の核政策の関係をつかみ、原発反対運動と安保・沖縄闘争の連帯の基礎を構築し、帝国主義世界体制とその命綱たる安保体制総体を破壊し世界を変革していくために、必読の書です。
現代帝国主義
吉田さんは当初、本著の題名を『現代帝国主義』としようとしていたと言います。序章において「本書のテーマ」を「米国の世界戦争の戦略的構想の全体像を明らかにし、日本がそれとどう対応し、一方、独自に対抗していこうとするのかを、歴史的に、実証的に明らかにすること」とし、世界戦争の本質について、「あくまでも、死に瀕(ひん)した金融資本の悪あがきとしてのシナリオであり、政策である。しかも、米金融資本は軍事政策によって戦争がなくても、危機を演出し、膨大な軍事費を費消し、そのことによって世界の民衆の生き血を吸って生きながらえようとする」と断じた上で以下のように結論づける。「今日、生き血を吸われ続けてきた民衆の怒りも全世界で沸騰している。核ミサイルが実際に発射されるのか、それともその危機をチャンスに変えて核ミサイルを民衆が接収、解体することができるのか。その帰趨(きすう)が問われる。同時にそれは、ドル危機を反撃し、民衆が金融資本を接収、解体できるのかも問われることになる」。彼は、世界大恐慌をうけて世界中で立ち上がる人びとが必ずや核戦争の危機に抗し、その原因を独占金融資本を本質とした帝国主義の世界体制そのものに見出し、力強く変革していくことを信じて本著を執筆したと言えます。
ロシア革命の聡明な指導者レーニンは1916年、『資本主義の最高の段階としての帝国主義』を執筆しました。レーニンの問題意識とは、世界戦争という歴史上経験のない事態の本質を、帝国主義段階へと世界史的に推転した資本主義における階級矛盾の現れとしてとらえ、革命の現実性を明らかにすることにありました。
核戦争としての世界戦争。この新しい危機を前に、吉田さんは死力を振り絞って理論的・実践的にこれに立ち向かい、この戦争の原因と本質を提起し、世界を本当に人間らしく変革していくためにこの本を著した。まさに『現代帝国主義』なのであり、革命の書です。
本書の内容はコンパクトながら全面的です。
戦争への怒り
アメリカのアジア・中東をめぐる戦争政策の具体的検討とその根拠である日米帝国主義の経済的危機の歴史的検討、国債や実際の戦争という形をとった、帝国主義国家を介しての世界の人民への犠牲の強制と、それを背景とした軍需産業の巨大化の実態、原爆をめぐっての歴史的総括と日米帝国主義に対する怒りの断罪、アメリカの核独占政策に対抗する日本帝国主義の核政策の実態、朝鮮半島に対して計画される核戦争と日米安保の関係、そして戦争を阻止する道の提言。第1次大戦を通じて5千人から10万人に企業規模を拡大し、第2次大戦においては連合国側の40%の火薬を提供し、マンハッタン計画の中心にあった火薬大手デュポンの吸血鬼のような発展は、戦争と核政策、資本主義社会の本質を暴露するに十分です。
マンハッタン計画を中心として、ノーベル賞を携えた「科学者」たちの軍需産業と癒着する姿など、「原子力村」は原発のみならず、核兵器と軍需産業をも包摂した、一個の巨大な体制であることがわかります。そして何より、戦争なしには生きていくこともできない寿命の尽きた体制として帝国主義を断じていく姿勢が秀逸です。
最も胸を打つのは彼の帝国主義に対する怒りです。帝国主義の時代における戦争は労働者や子どもも含めた総力戦であるがゆえに、その総力を殺(そ)ぐための無差別大量虐殺兵器は帝国主義の本質そのものであり、核兵器は切っても切れないものとしてある。この非人間的現実こそ帝国主義なのだという人間としての怒りです。
本当に「二度と戦争を繰り返さない」と誓うのならば、動いている歴史のただ中で本質をつかみ、立ち向かい、この戦争を阻止しなければならない。帝国主義の時代を生きる根底的変革者として彼がこうした歴史的挑戦に生きた、そのすべてが詰まっています。吉田義久という聡明な頭脳を持つことができた日本の労働者・民衆は、必ず勝利できると確信します。
この理不尽な社会が続く限り、彼の思想は生き続け、尊敬すべき人間として記憶され続け、青年労働者・学生をとらえ続けることは間違いありません。 (前全学連委員長・織田陽介)
(写真 編集工房朔発行 2100円)
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週刊『前進』(2520号5面5)(2012/01/23 )
団結街道裁判 廃道処分は違法
NAA・市の居直りを追及
1月17日、千葉地裁で団結街道裁判の口頭弁論が開かれ、三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、そして支援の労働者、学生、市民がともに闘いぬいた。
被告の成田空港会社(NAA)と成田市は、団結街道の廃止を一方的に決めて強行したことについて「住民の同意を得る必要はない」ととんでもない居直りを決め込んでいる。そして「道路法は公益を保護するための特別法であり、住民個々の個別的利益を保護した法律でない」などとあつかましく述べ立てるのだ。
天神峰で市東孝雄さんは、自宅と耕作地とを直接結ぶ団結街道を一日に何度も往復して営農を続けてきた。この生活と密着した道を問答無用で一方的に封鎖・破壊するという重大な権利侵害を働いておきながら、「公益」を振りかざして正当化しようとは、強盗の居直りに等しい。
弁護団は怒りを込めて「沿道住民が隣接土地を耕作しているのに、道を廃止した例はこれまであるのか」と具体的事例を挙げるよう迫り、客観的な基準がまったくない廃道処分の違法性を鋭く弾劾した。
また、市がNAAに団結街道の土地を法外な低価格(鑑定評価額の5分の1)で払い下げたことについて、「帯状の形だから価格は安い」などと詭弁(きべん)をろうしていることを厳しく追及した。だれがどう見ても空港と行政の癒着そのものだ。
口先での法律解釈に逃げ込むようなことは絶対に許さない。NAAと成田市による違法・無法への追及はまだ始まったばかりだ。次回期日は5月8日。
閉廷後、弁護士会館で記者会見と報告会が、伊藤信晴さんの司会で開かれた。
北原鉱治事務局長が最初にあいさつに立ち、「彼らは空港の中に市東さんの家と畑を囲い込もうとしている。絶対に許してはならない」と力を込めて訴えた。
続いて葉山岳夫弁護士をはじめ顧問弁護団がそれぞれ法廷を振り返り、解説した。特に、住民の具体的個別的利害を踏みにじって持ち出される「公益」「国策」の悪らつさが徹底的に断罪された。
まとめの発言に、萩原進事務局次長が立った。「なにが公共性か。ふざけるんじゃない。市東さんの土地取り上げの手先に成田市が成り果てている。人民の力でこんなあり方を打ち倒さなくてはならない。3・25三里塚全国総決起集会の大結集を実現し、福島と連帯して、農地強奪を粉砕しよう」と力強く呼びかけ、一同は大きな拍手で応えた。
2012年の三里塚の闘いは、鈴木謙太郎さんを突如失った衝撃の中から、悲しみをのりこえて大きく一歩踏み出した。
(写真 記者会見で葉山弁護士ら弁護団がNAAと成田市の居直りを批判【1月17日 千葉市】)
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三里塚裁判傍聴を!
◎市東さん耕作権裁判
1月23日(月)午前10時30分 千葉地裁
◎第3誘導路許可取消裁判
2月7日(火)午前10時30分 千葉地裁
(傍聴券抽選のため1時間前に集合)
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週刊『前進』(2520号6面1)(2012/01/23 )
団結ひろば 投稿コーナー
徳島NAZEN発足 佐藤幸子さんが講演 徳島 T
動労千葉の仲間が外注化絶対反対の指名ストを闘った翌日の1月11日、かたや資本の利益のために多くの乗員乗客家族の命を奪ったJR尼崎事故で裁判所が元社長に無罪判決を出しました。この新自由主義との激闘の中で、徳島のNAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議)発足会を行いました。
子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク世話人の佐藤幸子さんが原発事故と補償をめぐる現状を報告してくださいました(写真)。避難、賠償をめぐり地域の絆(きずな)、家族の絆、職場の絆を分断しているのは、東電資本と東電の大株主、政府だということがよく分かりました。
基調報告に立った青年は、2日後に全面停止する伊方原発の再稼働を阻止する団結と行動を呼びかけました。面会で徳島に来られていた星野暁子さんも参加、「原発反対と沖縄・星野の闘いは新自由主義との闘いです。2月徳島刑務所闘争へ」と訴えました。
職場帰りの労働者や夕食の準備を済ませた主婦らが小雪の中をかけつけ、「私たちは何をしたら福島の人たちと一緒に取り組めますか?」などのやり取りが続きました。避難してきている方からの声も届けられ、熱気あるNAZENのスタートとなりました。
絶対許せぬ空港公団による「文書」偽造 岡山 松尾光武
空港公団が市東さんの農地取り上げのために文書を偽造したことが暴露されました。本当に怒りで、はらわたが煮えくりかえる思いです。
私は2001年「空港公団幹部」の「ゲリラ活動の調査」のためと称する「私文書偽造」でデッチあげ逮捕・起訴されたからです。2年間の獄中生活と、その後の体調不良を強制されています。その空港公団が盗人猛々(ぬすっとたけだけ)しく農地を奪うために文書偽造とは。怒りの沸点を超え、あきれてものも言えません。
私の弾圧でも「筆跡鑑定」が出ましたが、資料も乏しく警察の科捜研すら投げ出す有様でした。公団の文書偽造を鑑定したのは、日本の筆跡鑑定の権威とも言える日本筆跡鑑定協会会長です。証拠能力では雲泥の差でしょう。ところが私は逮捕・起訴と獄中生活。一方の公団はお咎(とが)めなしのやりたい放題。こんな現実を許すことは絶対にできません。
私の裁判と獄中闘争では反対同盟をはじめ、全国から多くの皆さんのご支援をいただき勝利的に終えることができました。あらためて皆さんに感謝します。体調不良で久しく三里塚現地には足を運んでいませんが、公団の文書偽造が明るみに出て、いてもたってもいられません。今年はなんとか工夫して三里塚現地に足を運びたいです。反対同盟の皆さんや獄中37年の星野文昭同志と心を一つにして、自分なりに頑張る決意です。
世界を破壊した資本主義と企業の本質 東京 国木田享
「企業とは何か?」――この問いにナオミ・クラインやマイケル・ムーア、新自由主義の論客フリードマン、企業のCEOらが答えていくドキュメンタリー映画『ザ・コーポレーション』。04年にカナダで制作され、資本主義の本質に迫る興味深い映画だ。
法律上は「人」だが、道徳も公共性もなく投獄もされず、株主のみに忠実な「人」。彼らは利益のためなら中南米やアジアの少女たちを搾取し、危険食品を平気で売り有害廃棄物をまき散らす。
古くはエンクロージャーに始まった資本主義は農地も海も、空路もハッピーバースデーの歌も売買の対象にし、公共機関も私有化するに至った。生物の特許まで認め、遺伝子組み替え作物による世界支配を可能にし、世界中の生物の種を支配する特許戦争が起きている。
米国家と企業は癒着し、国家安全保障局の会議にはCIA、FBIと並んでコカコーラ、モービル、コダックなどの大企業が参加。国家のあらゆる部署に大企業の重役が座る。これとの闘いも紹介されている。
企業の搾取を告発した少女労働者の闘い、モンサントとFOXテレビ労働者との闘い。水の民営化と闘ったボリビア住民の闘いも感動的だ。
労働運動と階級的な立場がない点が惜しまれるが、それはマルクス主義を復権する私たちの課題だろう。新自由主義についての問題意識と理論的課題を提起する秀作としておすすめしたい。
在日クルド人、トルコ政府を弾劾してデモ 東京入管収容所を考える会 S
トルコ政府がクルド民間人35人をF16戦闘爆撃機で虐殺した事件に抗議する在日クルド人のデモが1月13日、東京で行われました。事件は昨年12月28日、分離独立を求めるクルド労働党がイラクからトルコへ侵入をはかったとして、これを空爆したもの。死亡したのはトルコ東南部の村に住む12歳から28歳までの若者たちで武装組織とは無関係の民間人だった。トルコ政府は、民間人の誤爆については謝罪したが、補償などについては沈黙している。
渋谷・神宮通公園に家族ぐるみのクルド人たち約120人が集まり、牛久入管収容所問題を考える会と東京入管収容所を考える会、東部ユニオンや全学連も参加した。デモは青山通り、国連大学前、表参道から神宮通公園に戻るコース。「クルド人を虐殺するトルコはテロリストだ」などと弾劾のコールを上げ、牛久の会の田中喜美子さんも沿道にアピールした。
デモ終了後、国連大学前に移動して虐殺現場を表現するパフォーマンスで数人が広場に横たわった。申し入れの受理を国連に要求し、職員が出てこない中で入り口に押し掛けて面接を要求した。勢いに押され、やっと国連の職員が出てきて申入書を手渡し、誠意ある対応を約束させた。
トルコ政府は、独立国家設立を求めるクルド労働党への武力弾圧を強めており、昨年からクルド人地域への残虐な爆撃を続けている。デモは、世界中でクルド人の怒りが高まっていることを強くアピールした。
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週刊『前進』(2520号6面2)(2012/01/23 )
無実の星野同志奪還をかけ2・5徳島刑務所包囲デモへ
団結し獄壁ゆるがす闘いを
世界革命の一翼なす闘い
2012年は激しい幕開けとなった。世界が大恐慌と戦争情勢に入っている。脱落日帝の野田政権は、絶望的な危機感で原発推進と大増税、TPP(環太平洋経済連携協定)参加、沖縄辺野古新基地建設に突進している。青年を先頭に世界中で労働者階級人民の怒りが爆発している。本紙新年号路線で武装し、国鉄決戦と反原発・反失業の闘いで労働組合、労働運動をよみがえらせよう。プロレタリア世界革命の扉を全力で押し開こう。
星野文昭同志奪還の闘いはその重要な一環だ。昨年の激闘で革命の戦略的準備を前進させた党と労働者階級は、ブルジョア国家による37年間もの分断を絶対に打ち破って星野同志を奪還する闘いを正面課題に据えた。2・5徳島刑務所包囲デモを、全国労組交流センターと「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」が呼びかけている。激動をチャンスとし、断固として星野同志奪還へ攻めのぼろう。
「2・5徳島に行く」という声が全国に満ちあふれている。徳島刑務所を労働者人民の怒りで包囲しよう! 星野同志と労働者階級の団結で、徳島刑務所の分厚い壁をグラグラに揺るがし、星野同志を奪還しよう!
37年間の不屈の獄中闘争
70年安保・沖縄闘争は、日米安保体制とその最大の実体である沖縄米軍基地の現実を打ち破る闘いだった。日帝・佐藤政権が掲げた沖縄政策は、沖縄の労働者人民の「本土復帰」の願いを逆手に取って米軍基地を維持・強化、固定化するためのペテンな沖縄「返還」であった。
これに対し、沖縄の労働者学生人民は真っ向から闘いを挑み、1971年11・10の全島ゼネスト闘争を頂点に立ち上がった。この闘いに心から連帯し決起したのが11・14渋谷闘争である。この日、日帝・国家権力は、都内の集会、デモを一切禁止し、1万2千人の警察機動隊で渋谷の街を制圧した。
星野同志を先頭とする青年労働者・学生・人民は、権力の弾圧体制を突き破って深夜まで闘いぬいた。日帝・国家権力は、313人を不当逮捕し、池袋駅では教育労働者の永田典子同志を虐殺した。
しかし国家暴力の壁は各所で打ち破られ、この中で機動隊員1人が死亡した。渋谷は「解放区」と化した。これに衝撃を受けた国家権力は星野同志に階級的憎しみを集中し、機動隊殺害の「実行犯」にデッチあげたのである。
革命の恐怖にかられた国家権力は、70年安保・沖縄闘争を闘った労働者学生たちの階級的団結を破壊しようと、破防法弾圧を加え、反革命カクマルによる武装襲撃をけしかけた。そして星野同志にデッチあげ無期攻撃を仕掛けたのだ。しかしわれわれは、この国家権力の全体重をかけた反革命攻撃と不屈に闘いぬき、打ち破ってきた。
星野同志は無期懲役の現実と真っ向から対決し、星野暁子さんとともに勝利し続けている。そして無期の獄中から、プロレタリア世界革命への檄(げき)を全世界に飛ばしているのである。
階級的団結こそ勝利の力
全世界の「99%」の労働者人民の怒りが爆発している。民営化と非正規職化で一切の犠牲を労働者人民に転化してきた資本主義が、労働者の実力反撃の前に進退窮まっている。昨年の9・19明治公園での反原発6万人決起、11・6東京日比谷の労働者集会はその最先端の闘いだ。
動労千葉は外注化攻撃にストライキで反撃している。動労水戸は被曝労働拒否でストを打ち抜いた。郵政の非情な雇い止め攻撃に対して、郵政非正規ユニオンが立ち上がり非和解的な闘いを開始した。あらゆる労働現場が階級的団結をつくり出す場だ。今こそ階級的労働運動の拠点を全国につくり出そう。
階級的団結の力で、星野同志を奪還しよう。2〜3月の激闘を2・5徳島刑務所包囲デモで切り開こう。「獄中37年を打ち破れ」「獄中弾圧をやめろ」「星野同志を解放せよ」の声を高くあげ、星野同志と合流しよう。
………………………
●徳島刑務所包囲闘争
2月5日(日)正午・徳島駅集合/午後2時・徳島市入田支所前集合(徳島市入田町春日121の1)/午後2時半・刑務所包囲デモ
【主催】全国労働組合交流センター/星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議
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週刊『前進』(2520号6面3)(2012/01/23 )
神奈川労組交流センター弾圧
1・20 2人の仲間を奪還
職場から「権力に負けるな」
1月11日、神奈川県警公安3課は「詐欺」容疑をデッチあげ、神奈川労組交流センター副代表Aさんと事務局員Bさんを逮捕し(前号既報)、同13日、10日間の勾留延長を強行していたが、20日の勾留理由開示公判直前になって釈放、2人の仲間は奪還された。神奈川労組交流センターの仲間たちの渾身(こんしん)の反弾圧闘争に圧倒され、権力は起訴を断念せざるを得なかった。完全黙秘・非転向の闘いの完全な勝利だ。
この弾圧は、原発の「事故収束」宣言で福島県民を被曝させ、「税と社会保障の一体的改革」などの労組解体と消費増税、原発再稼働をもくろむ野田政権の攻撃と一体のものだった。しかし野田政権の思惑とは逆に、反原発闘争は3・11県民集会に向かう福島の怒りを先頭に燃え上がっている。1月14〜15日、世界30カ国から1万数千人が横浜に結集した脱原発世界会議と4500人の世界大行進では、「収束」宣言への爆発的な怒りがたたきつけられた。
こうした中で、AさんとBさんは昨年から横浜で繰り返し行われてきた対東電デモの先頭に立ち続けた同志なのだ。14日にも世界会議と一体で第4弾の対東電デモを組織していた。今回の弾圧は、この反原発闘争のうねりに恐怖した国家権力の予防拘禁だった。
「労働組合は脅迫者だ」と暴言
今回の弾圧では、労働運動再生のために闘っていたAさんに対し、取り調べの刑事が「労働組合は脅迫者だから逮捕できる」と暴言を吐き、警察情報を大手マスコミに流して逮捕を報道させた。労働者と労働組合への権力の憎しみはむきだしだった。AさんとBさんは職場の仲間とともに「動労千葉を支援する会」の組織化に力を入れていた。この弾圧との闘いは大阪維新の会・橋下による労組解体の大攻撃との最先端の攻防でもある。
しかし労働者階級の怒りを弾圧で抑え込むことはできなかったのだ。そもそも「住居と偽って契約したマンションを交流センター事務所として使用した」とする「詐欺罪」は事実無根のデッチあげだ。契約時に事務所として使用することは明示され、堂々と表札も掲げられている。
職場から怒りの声が次々と
職場や地域の怒りは拡大した。神奈川労組交流センターは、横浜市内18カ所の区役所に「神奈川県警の政治的大弾圧を許すな!」のビラを入れ、自治体労働者の怒りと感動的な決起を生み出している。「警察が踏み込むなんておかしい」「個人でマンションを借りてNPOなどの事務所にするのは普通のことだ。詐欺罪で逮捕とは特別な弾圧だ」「社会主義者への弾圧を許せば、次はリベラリストや宗教者だ。労働組合の先頭で闘うAさんを守ろう」「権力に負けるなと本人に伝えて」など職場から多くの声と檄文が寄せられた。
2人の仲間を奪還した勝利の地平に立ち、3・11県民集会(郡山)に労働組合の大隊列を!
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週刊『前進』(2520号6面4)(2012/01/23 )
お別れ会に100人が参加
吉田同志の家族を囲んで
12月23日、吉田義久さんお別れ会が相模原市営斎場で開かれ、在りし日の吉田さんとともに闘い抜いた労働者、学生、市民など100人余りが参加、残された家族を囲んだ(写真)。
神奈川労組交流センターの鈴木一久さんが司会を務め、西村綾子さんが、3・11直後から怒りを燃やして決起した吉田さんの闘いとともに、「核と放射能に殺されてたまるか!」と激痛に耐えながら最後まで生きる希望を捨てなかった吉田さんの闘病を報告した。
革命的共産主義者同盟を代表して木崎冴子同志が「吉田さんの不朽の名著『アメリカの核支配と日本の核武装』こそ彼の生涯そのものだった。労働運動の現場に身を置き、20年にわたり革命的議会主義を闘い、国際連帯を担うなど、世界的スケールで活動された。革共同は吉田先生の闘いを受け継ぎ、成就するために邁進(まいしん)することを誓います」と追悼の言葉を贈った。革共同神奈川県委員会の代表も「吉田さんを今失ったことは残念ですが、彼の遺志を引き継ぎ、すべての原発を止め、この社会を根底から転覆するために闘います」と誓った。
8・6広島―8・9長崎反戦反核全国統一実行委員会の三角忠さん、NAZEN事務局長で前全学連委員長の織田陽介さんや相模原市民などがお別れのあいさつ。最後に家族が悲しみをのりこえていくと語った。
1月29日、吉田義久さんを偲ぶ会が開かれる。
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週刊『前進』(2520号6面5)(2012/01/23 )
吉田義久同志を追悼する
反核・反原発に生涯をかけた世界的リーダー
革共同神奈川県委員会
2011年12月19日、反核反原発の全国的国際的なリーダーである吉田義久同志が、大腸がんで逝去された。われわれの無念と怒りは天を突き燃えている。
福島原発事故に怒り燃やし
吉田義久同志は、3・11福島第一原発の事故直後の4月、全学連が開催した新入生講演会で次のように檄を飛ばした。
「原発は商品たりえない。人間を日夜殺して安全運転などとはありえない。労働者が反戦・反核の闘いに立ち上がることが核や原発を廃絶する力だ。資本主義・帝国主義は、労働者を核の恐怖で支配してきたが、核なしに延命できない崩壊寸前の体制だ」「労働者は核廃絶へ闘わなければ団結できないし、核を必要とする体制を倒さなければ生きられない。怒って怒って怒らないといけない。人類を破局から救う道はプロレタリア世界革命以外にない」
この吉田義久同志の渾身のアピールを受け継ぎ、われわれは国鉄決戦と反原発・反失業でプロレタリア世界革命の道を切り開くことを厳粛に確認する。
常に日本階級闘争の戦場で
吉田義久同志の72年の人生は、常に日本階級闘争と革命的共産主義運動の戦場にあった。東京工業大学に入学するや60年安保闘争に決起し、以来日本共産党の裏切りを粉砕した全学連とともに闘いぬいた。69年に相模女子大学の教職につき、軍都・相模原の天皇制大学の改革運動に、2千人決起を誇った学生自治会とともに取り組んだ。この国鉄・安保・沖縄の70年闘争を、職場で労働組合の書記長として闘い、付属幼稚園から小中高、大学の多種多様な職種の労働者の賃金制度を一本化する画期的な闘いを実現した。
70年闘争は多くの弾圧を呼んだ。神奈川県教育委員会は「被逮捕者・起訴者に懲戒免職」の攻撃を加えた。吉田同志は湘北教組の解雇者2人をはじめとする反戦派青年労働者とともに民同執行部をはねのけ、県教委を相手に5年余の人事委闘争を打ち抜き、全国初の職場復帰をかちとる快挙を成し遂げた。
70年闘争の爆発は同時に破防法攻撃と反革命の攻撃、革命的拠点への破壊攻撃との攻防だった。動労千葉ジェット燃料輸送阻止闘争から国鉄分割・民営化粉砕決戦、三里塚軍事空港粉砕の大闘争に、神奈川では食品労組を拠点に故・古波津英興さんらと6人のリーダーとして、三里塚百万人動員神奈川実行委の呼びかけ人として闘った。
カ大留学から核との対決へ
80年9月から1年間、アメリカ・カルフォルニア大学バークレー校に留学。目的は物理教育論の研究だったが、レーガン政権の対スタ対決・争闘戦貫徹の核軍拡エスカレートに直面し、「現代世界と核」に根本的に立ち向かう闘いに入った。
以来30年余の活動と研究の集大成が、歴史的名著『アメリカの核支配と日本の核武装』だ。独占資本と大学の癒着、「進歩的」科学者の総屈服の中で孤立しながらも、反帝・反スターリン主義の立場から反核・反原発、反戦を展開した唯一の書だ。行動する大学教授としての活動領域は膨大で書きつくせない。
県下の教育現場には、同志執筆の学習パンフレット『核兵器ノート』が30万部も配布され大好評を得た。相模女子大では「核と現代社会」という一般教養課目を設定し、20年以上の授業を実現、地域では「核兵器と現代社会」という市民大学講座を開設した。そして「反核市民の会」を立ち上げ、原爆被災者の会と市職労とともに、毎年欠かさず「平和と音楽のつどい」が開催され、その中心を担った。
また91年以来20年間の相模原市における革命的議会主義の闘いは、吉田義久同志の存在ぬきにはありえなかった。8・6広島―8・9長崎統一実行委員会の闘い、ビキニデーと六ケ所村闘争、国際連帯活動で決定的な地平を切り開いた。
厳しい病床にあっても、現代医療への根底的批判、全学連と青年労働者の決起への揺るぎない信頼、ついに立ち上がった「な全」(すべての原発いますぐなくそう!全国会議)がもつ全原発廃炉への希望と展望を確信をもって語っていた。
吉田義久同志が心から希求し、成し遂げられなかった全原発の廃炉、労働者階級解放という大事業を、同志の遺志を引き継ぎ、絶対に成し遂げよう。同志の無念とわれわれの悔しさを力として、反原発闘争の大爆発に転化しよう。
革共同神奈川県委員会は4大産別を先頭に全産別・全戦線の総決起で国鉄決戦と反原発・反失業を闘いぬく。そしてプロレタリア革命への戦略的大拠点を職場と地域に建設し、全同志が固く団結して前進することを決意し、反核闘争とプロレタリア革命に生涯をささげた吉田義久同志への心からの追悼とします。
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