ZENSHIN 2012/01/16(No2519 p06)
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週刊『前進』(2519号1面1)(2012/01/16 )
東アジアをプロレタリア世界革命の根拠地に
日本革命の扉開く2012年
外注化阻止・非正規職撤廃に決起し脱落日帝を打倒しよう
全原発廃炉へ! 3・11福島へ!
労働者階級人民と革共同は、今年こそプロレタリア世界革命の巨大な扉を絶対に押し開くのだという決意をもって2012年決戦の劈頭(へきとう)に立っている。すでに動労千葉は1月10日、京葉車両センターで青年労働者を先頭にストライキに突入した。三里塚では反対同盟・鈴木謙太郎さんの急逝(1月7日)という悲しみを断固のりこえて、1月8日、現地デモと旗開きが行われ、鈴木さんの闘魂を引き継ぎ三里塚闘争の勝利をかちとることを固く誓った。国鉄決戦と反原発・反失業闘争を2大基軸に全力で闘おう。「3・11」から1周年の3・11福島県民集会(郡山市開成山球場)に総結集しよう。
金正日の死と朝鮮半島情勢の大激動
2012年を根底で規定しているのは、世界大恐慌とそのもとでの昨年12・17の金正日の急死、それを引き金とする北朝鮮スターリン主義体制崩壊の危機の切迫、朝鮮半島−東アジア情勢の大激動への突入である。
金正日の死はまず、大恐慌下で危機と没落を深める米帝オバマの「アジア太平洋最優先」の新安保戦略に示される、帝国主義の戦争重圧のもとで起きた。その上で何よりもチュニジア・エジプトを突破口とする抑圧体制打倒の革命の波がシリアなど北朝鮮と関係の深い国々にも波及し、北朝鮮スターリン主義を決定的に追いつめる中で起きた。本質的に、全世界的な労働者人民の革命的決起が金正日を打倒したということだ。
朝鮮半島の南北分断体制は、第2次大戦後の帝国主義とスターリン主義の世界体制を支えた最大にして最後の支柱としてあった。その破綻と崩壊の始まりは、世界大恐慌の本格的激化とともに、戦後体制の最後的崩壊を決定的に促進する。これは、南北朝鮮のプロレタリアート人民、中国の労働者・農民、米帝足下の労働者階級、そして日本の労働者階級が連帯し団結して闘い、東アジアをプロレタリア世界革命の根拠地とし、その突破口として日本革命の勝利をかちとるならば、世界革命を切り開く圧倒的展望をついに手にする情勢の到来を意味している。
11月労働者集会をもって築き上げてきた日韓米労働者階級の国際連帯闘争の発展は、この革命の現実性を示している。
米帝オバマは1月6日、昨年11月の新安保戦略(キャンベラ演説)に続き「新国防戦略」を発表し、従来の朝鮮半島と中東有事を想定した「2正面作戦」を見直し、北朝鮮と中国を見すえた「アジア太平洋重視」の安保戦略、すなわち対中対峙・対決の戦争政策をあらためて打ち出した。同時に、イランの核武装問題で、米帝と欧州連合(EU)がイラン産原油禁輸という制裁行為に踏み切り、それに対抗してイランがホルムズ海峡封鎖の動きを見せる中で、封鎖すれば「軍事的に解除する」(1月8日、デンプシー統合参謀本部議長)と戦争恫喝を加えるに至っている。
大恐慌下での没落米帝とオバマの新たな戦争政策、大恐慌と3・11情勢にあえぐ脱落日帝・野田政権の超反動的な攻撃、この絶望的な戦争と大失業(非正規化)の攻撃に対決し、大恐慌をプロレタリア世界革命に転化するために、2012年こそは国鉄決戦と反原発・反失業闘争を2大基軸に闘い、労働組合拠点と革命党の一体的建設に全力を挙げよう。
原発推進・大増税へと突き進む野田
ついに国家破産と「国債暴落時代」を迎え、ユーロ崩壊が音を立てて進行している。それは中国バブルの大崩壊とドル大暴落へと波及していく。とりわけ「イタリアの次は日本」と言われる中で、日帝ブルジョアジーは日本国債暴落の危機に震え上がっている。
世界大恐慌は、米帝の没落、ユーロとEUの解体、日帝の脱落、中国バブルの崩壊として一層激化している。この中で特に帝国主義の戦列からの脱落の危機にあえいでいるのが日帝だ。
昨年1〜11月の貿易収支はついに2・3兆円の赤字に転落した。日帝は「14〜15年度にも経常赤字に転落する」「歳出削減と増税で財政再建の道筋を示さなければ国債は暴落する」と叫んでいる。だから野田は「不退転の決意」で消費増税を正面突破しようとしている。だがその一方で借金が税収を上回る法外な一般会計予算を立て、八ツ場ダムや整備新幹線などの大型プロジェクトを復活させた。原発輸出と一体でJRは新幹線輸出にのめりこんでいる。そして他方では社会保障費を減らせ、公務員の首を切れとわめいている。
だが一体全体、誰がこんな膨大な借金をつくったのだ。大企業や大銀行の救済に湯水のように財政投入したからではないか。こんな無責任なやつらを打倒しない限り青年労働者に未来はない。野田打倒へ総決起しよう。
第一に、野田の原発再稼働攻撃を絶対に粉砕し、全原発の停止・廃炉をかちとろう。原発は地上にすえられた原爆だ。54基もの原発、広島型原爆80万発分の「死の灰」との共存など絶対にできない。野田政権は昨年12月に「事故収束」宣言まで行って、原発再稼働へ突き進もうとしている。激突は非和解だ。福島の怒りを自らの怒りとし、3・11福島決戦へ全国から総決起しよう。
第二に、消費税大増税を粉砕しよう。野田政権は1月6日に消費増税を柱とする「税と社会保障の一体改革」素案を決定した。2段階で15年10月に消費税率を10%にするすさまじい大増税攻撃である。しかも「公務員制度関連法案の早期成立をはかった上で増税を実施する」と、公務員労働者への大攻撃が大増税とセットになっているのだ。大阪市長・橋下をファシスト的先兵とした公務員大攻撃との一大階級決戦に勝利しよう。
第三に、TPP参加を絶対に阻止しよう。TPPは米帝オバマの対中対峙・対決政策、日帝の日米安保強化の政策と一体であり、労働者にはリストラと大失業・非正規化、農民には農業破壊、さらに医療や保険制度の崩壊をもたらす大攻撃だ。労働者、農民、全人民の怒りで粉砕しよう。
第四に、「復帰40年」の節目を迎える安保・沖縄闘争の大爆発をかちとろう。昨年12月28日未明に野田は辺野古新基地建設に向けた「環境影響評価」書をこそ泥のように沖縄県庁に搬入した。沖縄の労働者人民の怒りは爆発し、闘いの炎は燃え上がっている。
沖縄は日米安保の矛盾の集中点、日帝の政治支配の最大の破綻点だ。同時に革命の火薬庫である。基地をその内側から解体する闘いに決起した1970年の全軍労のような闘いが今こそ必要だ。階級的労働運動を復権し、労働組合の力で安保・沖縄闘争を闘おう。
動労千葉を先頭に国鉄決戦の勝利へ
2012年における最大の階級的激突点、階級決戦の成否を決める攻防点は国鉄決戦である。国鉄決戦を最大の戦場として、4大産別を先頭に全産別で民営化・外注化・非正規化粉砕の大決戦に突入しよう。
動労千葉は1・10京葉車両センターでの指名ストで2012年国鉄決戦の火ぶたを切った。昨年6月提案の京葉車両センターの構内業務外注化は、「青年労働者の働き口を奪うな!」という動労千葉の渾身(こんしん)のオルグが国労、東労組に大分岐をつくりだし、職場丸ごとの決起をかちとる中で粉砕されてきた。そこで2日勤を1日勤に削る業務委託の再提案を1月5日に行い、27日にも実施しようというのだ。東労組カクマルの裏切りで形式的に業務委託の実績をつくり、4月全面外注化を強行しようとしているのだ。
さらに予科生等運転士登用差別事件について最高裁での弁論が再開されようとしている。09年9・30の東京高裁逆転勝利判決を覆そうという大反動である。敵は動労千葉解体攻撃に本格的に踏み込んできたのだ。この攻防に勝利することが外注化阻止・非正規職撤廃の天王山である。JR青年労働者の反乱を組織し、組織拡大で前進し、絶対に勝利しよう。
外注化・非正規職化は職場の団結をずたずたに破壊し、労働者の誇りを奪い、青年の未来を奪う攻撃である。だからこそ青年労働者は根底的な怒りをもち、必死に団結を求めている。郵政非正規ユニオンや鈴木コンクリート工業分会の闘いに続き、外注化阻止・非正規職撤廃の闘いを全産別で巻き起こそう。
3・11福島県民集会へ向かう過程は日帝・資本との激突であり、熾烈(しれつ)な党派闘争だ。動労水戸が切り開いた反原発労働運動と一体で、国労郡山工場支部の仲間は、福島県教組や放射能から子どもを守るために闘う福島の母親たちと連帯し、3・11闘争を福島から全原発廃絶の突破口とするため闘っている。国鉄決戦と反原発闘争を一体的に闘おう。
八尾北医療センターの明け渡し、西郡での住宅明け渡し攻撃を断固粉砕しよう。
放射能から子どもたちの命を守り、心のよりどころとなる医療施設を福島に建設しよう。
すべての青年、闘う労働者は革共同に結集し、2012年決戦の勝利へ進撃しよう。
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週刊『前進』(2519号1面2)(2012/01/16 )
“市東さんの農地守りぬく”
鈴木謙太郎さんの急逝のりこえ
(写真 三里塚反対同盟が新年デモ・旗開き 〈上〉のぼりを掲げ空港敷地内を縦断するデモ。〈下〉市東孝雄さんが悲しみをこらえて「謙太郎とともに進む」とあいさつし乾杯の音頭を取った【1月8日 成田市】)
1月8日、三里塚芝山連合空港反対同盟の新年初の現地デモと団結旗開きが行われた。空港に深々と突き刺さる形で位置する東峰開拓組合道路を会場に午前10時半、反対同盟と支援の労働者人民140人が結集した。
司会の萩原富夫さんが厳しい表情で切り出した。「反対同盟事務局員・鈴木謙太郎さんが1月7日午前10時9分に入院先の病院で急逝されました。死因は心原性脳梗塞(こうそく)。57歳でした」。倒れて入院、そして一度は危難を脱したかに見えたが、容態が急変し帰らぬ人となるまでの経過が語られた。参加者一同が悲しみで胸の奥を締めつけられた。
黙祷をささげた後、伊藤信晴さんが反対同盟の「2012年闘争宣言」を読み上げ、反対同盟の新年の決意を表し、3・25三里塚全国総決起集会への大結集を訴えた。
萩原進事務局次長は、「沖縄、福島、三里塚、労働運動、学生運動――、あらゆる戦線で支配階級との激突は避けられない情勢だ」とこの1年の奮起を促した。
動労千葉の繁沢敬一副委員長は「農地の取り上げを絶対に阻止する」と述べ、さらに外注化攻撃に対しストで闘う不動の決意を明らかにした。
続いて反対同盟顧問弁護団の葉山岳夫弁護士が「昨年の激闘に次ぐ激闘の末に鈴木謙太郎さんは“戦死”された。この事態を強いたNAAに怒りをたたきつけよう」と、弁護団の気迫を示した。
心を奮い立たせて「市東さんの農地を守りぬくぞ!」と高らかにシュプレヒコールを上げ、直ちにデモに出発した。
途中に立ち寄った東峰神社では鳥居に新しいしめ飾りをつけ、さらに天神峰の市東さん宅前までのデモをやりぬいた。
午後1時、成田市内のレストランで団結旗開きが160人の参加で開かれた。北原鉱治事務局長は冒頭のあいさつで、「成田空港建設は完全に間違いだった。47年の反対同盟の正義の闘いがこの完成を阻んでいる」と勝利の地平を確認した。
続いて反対同盟全員が前に並び、市東孝雄さんがマイクを握った。「謙太郎の死を受け入れるのには、時間がかかるかも知れない。だが前に進まなくてはならない。謙太郎とともに闘いますので昨年以上に力を貸してください」と述べ、ひときわ力を込めて「乾杯!」と音頭を取った。
動労千葉の田中康宏委員長を皮切りに、関実、顧問弁護団、群馬・市東さんの農地を守る会の青柳晃玄さん、市東さんの農地取り上げに反対する会、闘う農民、動労水戸の木村郁夫書記長、ス労自主、全学連の斎藤郁真委員長、婦人民主クラブ全国協、都革新の長谷川英憲さん、「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」の星野暁子さん、革共同の鎌田雅志同志ら、参加者が次々と、謙太郎さんの遺志を受けとめ、決意を表した。
締めくくりに萩原進事務局次長が立った。「2012年は市東さんの農地を武器に現体制に対して闘いを挑む年だ。人民の渦の中に飛び込んで総決起を促す」。そして福島農民の苦悩によりそい、その怒りを共有し、市東さんの農地を守ることを必死の形相で訴えた。最後に鈴木謙太郎さんの逝去について、「空港が彼を苦しめ、虐げた結果だ。この無念を晴らさずにはおかない。彼の遺志を引き継いで、反対同盟はもがきながらもこの1年全力を出して火の玉となって闘います!」と涙をこらえ声を振り絞って叫んだ。会場は割れるような拍手で応えた。
最後に太郎良陽一さんのリードで団結ガンバローを三唱。かけがえのない人を失った大きな痛みと、それを歯を食いしばりのりこえて闘う熱気の中で、2012年の三里塚決戦が幕を開いた。
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週刊『前進』(2519号1面3)(2012/01/16 )
前進速報版
▼三里塚新年デモ・団結旗開き動画▼動労千葉京葉車両センターで時限スト▼連休明け中国でスト相次ぐ▼河南省安陽市3万人が暴動
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週刊『前進』(2519号2面1)(2012/01/16 )
外注化阻止の正念場に突入
動労千葉 実施強行の動きに反撃
京葉車両センターでスト・緊急抗議
計画縮小して27日実施狙う
動労千葉は1月10日、京葉車両センターにおける構内運転業務の外注化強行の動きに対して時限ストに決起、早朝からの緊急抗議闘争を打ち抜いた。いよいよ検修全面外注化をめぐる正念場の攻防が始まった。
JR千葉支社は5日、京葉車両センターでの構内業務外注化に関する修正提案を行った。内容は当初計画の「2日勤」を「1日勤」に縮小して千葉鉄道サービス(以下、CTS)に委託、実施日は1月27日とし、そのための訓練を7日にも始めるというものだ。
動労千葉が昨年、外注化阻止に総力で立ち上がる中で、東労組京葉車両センター分会内においても青年労働者を中心に「外注化反対!」の声が公然とわき上がった。他労組も含めてCTSで働くほとんどの労働者が外注業務を請けることを拒否した。追い詰められた千葉支社は、計画をぎりぎりまで縮小し、東労組元役員のカクマル分子2人と、運転士の免許を持っている管理者1人をかき集め、何がなんでも外注化を実施する攻撃に踏み込んできたのだ。
会社が外注化強行の姿勢を見せるや、東労組千葉地本はすぐさま「修正提案受け入れ」を表明、職場では「提案を受けなければ一方的に進められてしまうから…」と卑劣な言い逃れをしている。そんなごまかしが通用すると思っているのか!
(写真 「外注化阻止! 動労千葉とともに闘おう!」。車両センター門前でシュプレヒコールをあげ職場の仲間に呼びかけ【1月10日 千葉市美浜区】)
あらゆる闘い駆使し止める
外注化のためのハンドル訓練が始まる10日早朝、京葉車両センターの門前には、京葉支部や幕張支部を先頭に、怒りに燃えた動労千葉組合員と支援が集まった。
始業から1時間の時限ストに入った繁沢敬一副委員長は「会社は27日から外注化を実施すると言っている。しかも、何十年も運転の仕事をやってない人間に、正味2週間の訓練で一番事故が多い構内運転の仕事をさせる。安全をまったく無視した攻撃でもある」と発言。同じくストに入った
京葉支部の青年部組合員は職場の仲間に「一緒に闘おうぜ!」と心から呼びかけた(発言別掲)。発言には、ともに反対の声をあげて昨年10月の外注化実施を中止に追い込んだ仲間への信頼と確信があふれていた。東労組の青年の中にも「自分たちの仕事を奪う人間になんで仕事を教えないといけないのか」という怒りが満ちている。
幕張支部の山田護支部長は「この1日勤外注化は単なる1日勤じゃない。検修業務全面外注化の一歩だ」と断罪し、門前に居並ぶ管理者に「お前らの子どもや孫の就職口も無くなるんだぞ! お前らが未来を奪っているんだよ!」と突きつけた。田中康宏委員長は「今回の1日勤外注化を担当するのはすべてJRからの出向者、教育・訓練をやるのもJRだ。CTSには構内運転の技術などない。すべてが偽装請負、法律違反だ」と弾劾した。基地統廃合反対の指名ストを闘う銚子支部や千葉運転区支部、他支部の組合員や駆けつけた支援もマイクを握って決起を呼びかけた。
長田敏之書記長がまとめを提起し「あらゆる闘いを駆使して27日の外注化実施を阻止する。今日の闘いを期して動労千葉は外注化阻止の決戦に突入する」と宣言。最後に全員が「外注化を阻止するぞ! 動労千葉とともに闘おう! 闘って未来を切り開こう!」とシュプレヒコールをあげて抗議行動を終えた。
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みんなが団結すれば勝てる
青年部の発言
京葉車両センターで働くみんな、おはよう! 今日、訓練が始まるんだけどなんでこんなことになっちゃったのか。東労組は反対行動みたいなことをやってきたけど本当に反対してたのか。
みんなが東労組で一生懸命がんばってきたこと、それは見事に裏切られたけど、その力はうそじゃないと思っている。まだやれることは、いっぱい残っている。みんなが団結してやればなんとかなる。仕事がなくなってからじゃ遅いぞ。
今日は、おれと繁沢さんがストに入るけど、その穴埋めは誰がやっているの。東労組の若い連中じゃん。それを指示しているのは誰なんだ。東労組の管理者じゃないか。なんで東労組は仲間を守らないんだよ。みんな組合費、払ってるんだろ。弱いもんを守るのが労働組合じゃないのかよ!
今回の訓練で、おれたち動労千葉の組合員は日勤の仕事から外された。その仕事は2年前ぐらいにハンドルを持った若い連中がやらされている。その中には最近、子どもが生まれた人もいる。自分たちの仕事を取られることを分かりながら、なんで訓練に協力しなきゃいけないのか。一緒にやろうよ! 仕事が無くなってからじゃ遅いよ! みんなで闘おう!
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週刊『前進』(2519号2面2)(2012/01/16 )
動労千葉旗開き 決戦本番へ決意あふれ
“闘う労働組合復権の年に”
動労千葉の団結旗開きが1月7日、DC会館で開催され、170人が集まった。今年の旗開きは、検修構内業務の外注化攻撃がいよいよ動き出し、また基地統廃合反対の指名ストライキを闘う中での開催となり、決戦突入宣言を高らかに発する場となった。
冒頭、繁沢敬一副委員長が「今年は動労千葉にとっても国鉄分割・民営化以来の決戦の年。外注化阻止、基地統廃合―組織破壊攻撃粉砕で、みなさんとともに意気高く闘い抜いていきたい」と戦闘的に開会を宣言した。
あいさつに立った田中康宏委員長は、3・11大震災と福島第一原発事故をはじめとする激動の1年を振り返った上で、「2011年に起きたことは始まりに過ぎない。世界中で労働者の闘いが爆発し始めている。この動きはもう誰にも止められない」と述べ、「今年やりたいことは闘う労働組合の復権だ。それができれば間違いなく時代は動き出す。何十万人、何百万人もの人びとの怒りの声、変革への思いが渦巻いている。これが団結し、その団結の中心に労働組合の旗を立てることだ」と2012年の課題を突き出した。
そして「私たちはこの労働組合復権の闘いを、国鉄闘争にこだわり抜く中からつくりたい。国鉄分割・民営化からすべてが始まった。そして、この攻撃は今も血を流しながら続いている。3月には大量の契約社員(グリーンスタッフ)が首になる。しかもJRは、首にしたベテラン労働者を自らの派遣会社に抱え込み、より低賃金で働かせようとしている。青年を使い捨て、未来を奪って暴利をむさぼるような社会でいいはずがない。労働法規が規制緩和されたから自動的に労働者が非正規職に突き落とされたわけではない。一つひとつの職場攻防を労働組合が闘えなかった結果だ。動労千葉は『外注化・非正規職化は止めることができる』ということを現実の闘いで示したい。そのことを抜きに労働組合復権と言っても空論に過ぎない」と当面する闘いの意義を明らかにした。
来賓あいさつの冒頭、この日の午前に三里塚反対同盟の鈴木謙太郎さんが急逝されたことが司会の大竹哲治副委員長から伝えられ、参加者に衝撃が走った。大竹副委員長は反対同盟と固く連帯して闘い抜くことをあらためて表明した。
動労千葉顧問弁護団などのあいさつの後、家族会の山田佐知子新会長らと田中委員長が鏡開き。全員が杯を掲げて12年の奮闘を誓い合った。
決戦の先頭に立つ動労千葉争議団の中村仁さん、幕張支部の山田護支部長、京葉支部の青年が次々とマイクをとって決意表明。山田さんは「本当に外注化阻止で闘う時が来た。青年部で国鉄分割・民営化と闘った頃の気持ちで、組織拡大をかちとり、絶対に外注化を止める」と烈々たる闘争意志を示した。基地統廃合反対の指名ストを継続中の千葉運転区支部と銚子支部の代表は、3月ダイヤ改定時の基地統廃合を粉砕したことを勝利感をもって報告し、さらに当局を追い詰めていく決意を語った。
動労千葉は昨年、外注化阻止と組織拡大の闘いを軸に大前進を切り開いてきた。組合員の発言にはその自信と確信があふれ、いよいよ決戦本番を迎えた緊張感と決意にみなぎる旗開きとなった。
(写真 田中委員長と家族会が鏡開き。決戦渦中の旗開きで2012年の奮闘を誓いあった【1月7日 DC会館】)
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週刊『前進』(2519号2面3)(2012/01/16 )
1・18組合籍奪還裁判闘争へ
国労本部の裏切り許すな 労組の本来の姿取り戻せ
労働組合による「首切り」の攻撃
国鉄1047名解雇撤回闘争で4・9和解を拒否した4人の国労闘争団員が国労本部を相手に組合員資格の確認を求める裁判の第1回期日が1月18日、東京地裁527号法廷で開かれる。裁判に立ち上がったのは、秋田闘争団の小玉忠憲さん、旭川闘争団の成田昭雄さん、鳥栖闘争団の石ア義徳さん、小倉闘争団の羽廣憲さんだ。
国労本部は昨年7月に開かれた国労全国大会で、組合員資格を「JRまたはJR関連会社に雇用された者」に限定する規約改定を行った。しかも、改定案を一般組合員の職場討議に一切付することもなく、大会での反対意見も無視し、本部派代議員による強行採決によって国労闘争団員から組合員資格を奪ったのだ。これは「労働組合による首切り」(訴状)以外の何ものでもない。しかも国労本部は、この不正義きわまる規約改定についていまだに組合員に明らかにしていない。なんという卑劣さだ。
さらに許しがたいのは、この規約改定によって、今後JR資本によって解雇された組合員は、解雇された時点で自動的に組合員資格を失うことになることだ。JR東日本によるグリーンスタッフ(契約社員)の大量解雇が迫る中、国労本部自らが“解雇撤回闘争には取り組みません”と資本に誓約する犯罪的裏切り行為だ。グリーンスタッフの雇い止めに対して国労本部は「セーフティネットの確立を求める」などと言っている。その中身は、外注会社やJRが設立した派遣会社でグリーンスタッフを雇用しろというものだ。外注化と非正規職化を自ら推進しているのだ。
大震災と原発事故、大恐慌・大失業の中で、JRは外注化・非正規職化の攻撃をさらに激化させようとしている。全資本の最先頭で原発再稼働に突進しているのもJRだ。そして、尼崎事故をめぐるJR西日本前社長・山崎正夫に対する1・11無罪判決で、国鉄分割・民営化と根底からの安全破壊のすべてを居直ろうとしているのだ。このJR資本と対決してこそ、とりわけ青年労働者の未来は開かれる。
4人の原告の裁判闘争は、JR大再編に立ち向かい、JR職場から闘う労働組合を再生・復権する闘いと一体だ。原告団とともに1・18裁判闘争に全力で結集しよう。
(写真 11・6集会で登壇した4原告。右から成田さん、小玉さん、石アさん、羽廣さん)
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「共に闘う国労の会」が訴え
1月18日の裁判に向けて「共に闘う国労の会」会報19号に掲載されたアピールを紹介します。(編集局)
激動の2012年がついに到来しました。全国の国労組合員のみなさん! 和解を拒否した4名の闘争団員は昨年11月24日、国労本部を相手取り、組合員としての地位確認を求める訴訟を断固として提起し、1月18日が第1回の期日と決まりました。
和解を拒否した4名の闘争団員は、国労を守り抜くために分割・民営化に全力で対決して不当に解雇された、国労にとっても日本の労働組合にとっても、かけがえのない存在です。そして現在もなお意気軒高と不当解雇撤回を求めて自力自闘で闘い抜いています。しかるに連合加入を策動する国労本部は、あろうことか昨年7月の全国大会で「JRに雇用された者のみを組合員とする」規約改定を一般組合員には完全に秘匿して、被解雇者全員を国労から追放する暴挙を強行採決したのです。そして現在に至るもこの犯罪的事実を公表することから逃げ回り、組合員や支援共闘の仲間の弾劾の声に恐れおののき、口をぬぐっているのです。
全国の国労組合員のみなさん! 私たちがこの間、声を大にして批判してきたこれが4者4団体路線の真の正体だったのです。
原告団と共に闘う国労の会は、この提訴をとうして全労働者に問いかけたい! いったい労働者や労働組合の存在とはこんなものなのだろうか! こんなことを許して労働者の未来はあるだろうか! どんな理由があろうともこんな暴挙を承認してはなりません! 原告団はそのアピ−ルで『誰が何と言おうと私たちこそ国労組合員だ!』と主張しています。絶対に勝利しようではありませんか!
私たちは、新年第1波の闘争日として1月18日、原告団を先頭に全力で闘います。職場から地域から仲間を組織して総結集しよう。
(共に闘う国労の会事務局)
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日程 国労組合員地位確認訴訟
1月18日(水)午後2時30分〜
東京地裁527号法廷
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週刊『前進』(2519号2面4)(2012/01/16 )
新潟 “営利追求のJR許さぬ”
羽越線事故6年で集会・デモ
死者5人・重軽傷者32人を出したJR羽越線事故から6年目を迎え、12月23日に新潟市で階級的労働運動の力強い登場をめざすデモと集会が闘いとられた。
まず県内外から結集した60人の労働者が、JR新潟支社前の公園で怒りのシュプレヒコールをたたきつけ、パワハラ解雇撤回の街頭署名をやっている女性労働者たちの熱い声援を受けながら、新潟駅周辺のデモを意気軒高と打ちぬいた。
集会は、国労東新潟機関区分会の杉野彰さんの司会で始まった。
主催者を代表して星野文男国労新潟県支部執行委員が「今年、飯山線で死亡事故が起き、越後線で小学生の死亡事故が起きているが、JRは現場労働者と子どもに責任を押しつけている。しかも羽越線の一部に風速計を設置し、風規制値を事故以前に戻した。吸血鬼のごとく営利を追求するJR東日本経営陣は絶対に許せない」と弾劾した。非正規職撤廃の先頭で闘う動労西日本の山田和広副委員長のメッセージが紹介された。
福島・水戸からも熱いアピール
次に福島県労働組合交流センターの渡辺馨代表が「野田政権はフクシマの怒りを復興、除染、収束キャンペーンで万力のように押しつぶそうとしている。本当に怒ったときに団結できる。3・11福島県民集会に総結集し、診療所を建設しよう」と力強くアピールした。また国労秋田闘争団・鉄道運輸機構訴訟原告の小玉忠憲さんが「組合員籍をめぐる裁判は、労働組合とは何かを問うものだ。韓国・ハンジン重工業争議の『希望バス』のように、労働者、青年の未来をかけて闘う」と発言。被災地・宮城からは全金本山労組の長谷武志さんが「資本はビジネスチャンスとして被災地を別天地にしようとしている。被災地で旗を振って闘う」と決意を語った。
続いて動労水戸の石井真一委員長が講演を行った。石井さんは「JRは放射能の測定も除染も『する必要はない』という姿勢で一貫している。被曝労働に対して労働組合がストで闘ったのは初めてだ。動労水戸はJR労働者、国労の組合員と団結して闘う」と述べた。石井委員長とともに参加した動労水戸の照沼靖功さんは「正しいことを正しいと言えることはすばらしい」と動労水戸に結集した経過をエネルギッシュに語った。
特別報告に立った国労郡山工場支部の橋本光一さんは、現場で除染要求を突きつけて闘いながら「3・11」へ支部として総決起する決意を明らかにした。
さらに、JR大再編の一環である関連会社の統合による雇い止め・組合解散と闘う青年労働者、ミスや事故の責任を押しつけるJP資本と闘う青年労働者、正規職化を求めて闘う新潟地域一般労働組合の青年労働者、新潟市再任用被解雇者の斎藤実さんが、それぞれ2012年の階級的大決戦を闘う決意を語った。
最後に動労千葉を支援する会・新潟の坂場信雄代表の音頭で団結がんばろうを行い、集会を締めくくった。
(新潟・M)
(写真 〈上〉闘う国労組合員を先頭に新潟駅前を意気高く進むデモ隊〈下〉動労水戸の石井真一委員長が講演【12月23日 新潟市】)
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週刊『前進』(2519号3面1)(2012/01/16 )
労働組合つぶしに突進する大阪市長・橋下に大反撃を
労組に宣戦布告
大阪市長・橋下徹が12月28日、大阪市議会での施政方針演説で大阪市の労働組合に宣戦を布告した。橋下は「大阪を再生させ、大阪から国のかたちを変える」と宣言、「大阪都」構想の実現へ「市の労働組合の体質改善に取り組む」と強調した。「市の労働組合を徹底的に改善していくことで全国の公務員組合を改めていく」。大阪市職員の労組のみならず全国の公務員労組を力ずくで破壊すると挑戦状をたたきつけたのだ。
大恐慌下で日帝には道州制・民営化・外注化・非正規化、公務員制度改革=公務員360万人首切り、労組解体の新自由主義政策以外に延命策がない。最大のターゲットは公務員労組だ。そこで日帝ブルジョアジーは、連合を最大の基盤とする民主党政権を支持し、労働者を支配しようとしてきた。さらに、このファシスト的先兵として橋下徹を大阪市長に就け、デマゴギーと暴力で公務員労組を屈服させようとしているのだ。
橋下は昨年成立させられなかった首切り条項満載の職員管理条例と教育基本条例を2月にも市議会に提出する。これは労働三権否定、憲法違反の法律上書き条例で労組壊滅を狙う道州制―震災復興特区攻撃だ。
労働組合をめぐる攻防がすべてを決する。被災地の怒りと結び、動労千葉のように闘うことが勝利の道だ。大阪市、大阪府の公務員労働者を先頭に全国の公務員労働者は橋下の労組破壊攻撃を断固受けて立ち、猛然たる怒りの反撃に出よう。
道州制と首切り
橋下演説の骨子は以下のとおりだ。まず港湾や水道、病院など大阪市・府にわたる広域行政について「大阪のパワーをひとつに集結してアジアとの競争に挑まないと大変」と都市間競争敗退の危機を叫んだ。府・市の事業の統廃合と民営化を徹底的に進めようとしているのだ。
「市政改革」では「地下鉄やバスなどは行政で抱え込む必要はまったくない」と民営化の断行を宣言した。巨大な財政赤字の原因は現業労働者の「高給」にあるとし、赤字解消のために現業部門を資本に売り渡そうとしている。民営化の最大の狙いは大阪市の労働運動の戦闘性を保ってきた現業労働運動の解体だ。
さらに橋下は公務員制度改革の突破口を開くことを宣言した。「区長に身分保障を与えない。成果が上がらなければ罷免もある。公務員の絶対的身分保障への挑戦でもある」。身分保障を幹部から剥奪(はくだつ)し、次に全員に及ぼそうとしている。公務員360万人首切りの始まりだ。
そのうえで橋下は「住民サービスのやり方を変える」「既得権の破壊が私の使命」「高齢世代にお金をばらまくのではなく、現役世代に重点的に投資する」と述べた。社会保障や仕事を奪い、民営化でもうけの場を大資本に提供し、公務員の首を切り、労組を破壊する攻撃だ。
労働者のストを
橋下が最も「執念を燃やしている」のは労組解体だ。「公の施設(市庁舎)内での政治活動(市長選)について「謝罪文1枚では済まない。断じて許さない」と報復を宣言、「市役所の組合の体質が今の全国の公務員の組合の体質の象徴だ」と決めつけ、「ギリシャを見てください。公務員と公務員の組合をのさばらせておくと国が破綻してしまう」と絶叫した。橋下は”ギリシャのように公務員労組がゼネストを繰り返すと国家が破綻してしまう。やめてくれ”と悲鳴を上げているのだ。労働組合が闘えばブルジョア国家はつぶれる――この現実は今全世界で起こりつつある。
日帝の財政赤字はギリシャの比ではない。しかも福島第一原発事故は収束不可能だ。放射能汚染への怒りが激しく渦巻いている。ここで全国の公務員労組が決起すれば、国債は暴落、国家は破綻する。脱落日帝にとどめを刺せる。これこそ橋下と野田、経団連、日帝支配階級が恐れている事態だ。追いつめられているのはやつらだ。橋下は「巨大な公務員組織に対峙しようと思ったら、力ずくでいかないといけない」と金切り声を上げている。橋下にはなんら正義も道理もないのだ。
市労連の総屈服
泣きわめく橋下に対する回答は、労働組合をよみがえらせ、団結して闘うことだ。ところが1月4日、大阪市労連の中村義男執行委員長は90度に腰を折り、深々と頭を下げて橋下に謝罪した。このぶざまな市労連幹部のもとでは組合員の未来はない。橋下が傲岸不遜(ごうがんふそん)でいられるのは腐敗労組幹部が屈服し、闘いを呼びかけないからだ。組合員の怒りを解き放ち、ストライキで労働者の力を見せつけてやろう。
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週刊『前進』(2519号3面2)(2012/01/16 )
“非正規も団結できる”
鈴コン分会 解雇撤回へ総決起集会
年末も押し詰まった12月22日、合同・一般労組全国協議会の仲間を先頭に、東京北区の赤羽会館に340人が集まった。東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の「解雇撤回! 非正規職撤廃! 総決起集会」にだ。開場時間前から都内や首都圏をはじめ、被災地など遠方からも多くの人びとがつめかけた。本当に心を洗われ、熱い気持ちがこみ上げ、力がわいてくる集会となった。労組や街頭から多数の署名も集まり、新たな出会いも生まれている。
集会は西部ユニオン、北部ユニオンの青年労働者の司会で始まった。全国協・小泉義秀事務局長の開会あいさつからボルテージが上がる。「鈴コン闘争に非正規職をはじめ国鉄闘争と一体の全労働者の未来がかかっている。合同・一般労組全国協は、この闘いを集まった仲間の最先頭で闘う。全国協のもとで闘うすべての組合員は奮い立って闘おう」
全日建運輸連帯労組関西生地区コン支部から熱のこもった連帯メッセージが寄せられた。また、動労千葉の繁沢敬一副委員長の連帯のあいさつは「決戦の真っただ中」でともに闘って血路を開こうという激励だった。国鉄闘争全国運動から動労千葉を支援する会の山本弘行さんは、「われわれが多数派であることに確信をもとう」と呼びかけた。さらに、郵政非正規ユニオンの斎藤裕介委員長が、「鈴コン分会とわれわれの闘いはまったく一つだ」と訴えた。
「組織しろ。負けるな。勝ちに行け!」。基調報告は、全国協の共同代表であり鈴コン分会書記長で解雇当事者の吉本伸幸西部ユニオン委員長だ。「恐れているのは資本の側だ。資本を食わせているのは俺たちだ。資本は命よりも金だというが、そういう彼らは必ず滅びるし、こんな連中に負けるわけにはいかない。資本はストライキに恐怖した。われわれのストは正義だ。当たり前の行動だ。デタラメをやってきたのは誰だ。職場にこだわろう。非正規労働者でも団結して闘えることを示しているのが鈴コン分会。これに続こう。2012年、敵の危機も攻撃も、労働者の怒りもともに限界点を越えて爆発する。問題は労働組合だ。この力を強めれば解雇撤回・職場復帰は必ずできる。ともに闘おう!」
続いて内尾稔分会長が力強く闘争宣言を発した。「鈴コンと実体がまったく同じ東豊商事は、ストに対し出勤停止、解雇を重ねて乱発してきた。断末魔の叫びと同じだ。いまだに職場で悔し涙をのむ仲間の先頭に立ち、続いて立ち上がる仲間を信じる。必ず職場に戻る!」
同じく解雇された組合員も渾身(こんしん)の決意を表明した。「道は必ず二つある。やるのかやらないのか。闘ってもまた二つ出てくる。やらないための理由はいくらでもある。でも、そうしているうちに墓標が立つ。だから今やらないと今後もできない。そうはいかない。断固闘おう」
職場に残る組合員2人は残業を強いられ、到着が遅れた。彼らの発言も感動と爆笑を呼んだ。「俺たちは自分だけ良いってのはだめなんだ」「こういう日だけ残業させるような会社、ダメだ。俺たちが社長、替わってやろうか」。したたかに明るく闘う決意が会場を一つにする。
連帯発言が続いた。ふくしま合同労組は代表4人が駆けつけ、市川潤子委員長が「解雇の報に心配したが、逆に元気をもらった。福島も政府・東電の仕打ちに怒りの爆発へ向かっている。団結して3・11へ向かおう」と決意を表明。これに都内・全国の合同労組が続いた。そして福島、東海、新潟の各合同労組から鈴コン分会に檄布(げきふ)が贈られた。
弁護団からは鈴木達夫弁護士をはじめ3人があいさつ。最後に世田谷地区労顧問の花輪不二男さんが支援の訴えを、「すべてみなさんに言ってもらった。闘って道を開こう」とまとめた。カンパは18万円を超えた。
この日の午後、東京地裁での地位保全裁判の審尋が始まった。会社側はたじろいで防戦しかできなかった。前日の団交では不遜な態度の会社を徹底追及した。
資本に勝つには無数の鈴コン分会をつくることだ。火花は上がった。全国の職場に熱く伝わるのは間違いない。
(東京西部ユニオン Y・S)
(写真 被解雇者の地位保全裁判に続く夕方からの総決起集会。締めくくりに発言者が勢ぞろい。基調報告者の鈴コン分会・吉本書記長が決意を表明した【12月22日 東京北区】)
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週刊『前進』(2519号3面3)(2012/01/16 )
“必ず職場に戻るぞ!”
社前で新年の闘争宣言
1月6日の朝から、昨年末を引き継ぐ闘いが始まっています。鈴コン分会と都内各ユニオンの支援合わせて30人が鈴コンの舟渡工場正門前に登場、堂々と新年冒頭の闘いの幕を開けました(写真)。
8時から50分間の解雇撤回・就労要求の社前闘争です。職場の仲間への「必ず勝って職場に戻る」という宣言は、工場全体とミキサー車庫に響きわたり、出勤・待機する労働者の多くがあいさつしてくれ、話の輪ができていきます。かたや会社側は恒例の新年朝礼もやらずに、沈んだ顔でビデオ撮影するというていたらくです。
分会は、2年半の組合活動の正当性と社前や駅前での街宣を解雇理由にしてきた違法不当を弾劾し、「労働者が働いているから会社が成り立ちもうけてきた。『雇ってあげてる』なんていう考えが間違いなんだ」「全国の仲間とともに闘う」ときっばり言いました。
近隣住人が「また来てるね。見にきたよ。頑張って」と声をかけていきます。裁判の答弁書で会社側は、「近所の小学生から通りかかりに会社を揶揄(やゆ)され」と悲鳴を上げています。労働者や労働者家族は何が正義で真実なのか、皆わかるのです。
社前では都内の各ユニオンから連帯アピールを受け、最後に北島邦彦西部ユニオン執行委員の音頭でシュプレヒコ−ルを行いました。
2012年の大激動の先頭で国鉄・反原発・非正規職撤廃闘争を貫き、団結を拡大していく先陣を切る闘いとなりました。
年末年始過程、野田政権や経団連、大阪・橋下など資本・権力・反動の攻撃が次々と出ています。しかし、これらはすべて資本主義が終わること、何より労働者が会社や立場や国籍をこえて団結して立ち上がることへの恐怖の表れです。
闘う団結と労働組合を職場につくって、今春の国鉄決戦、3・11福島闘争へ、鈴コン分会に続きましょう!
(東京西部ユニオン・S)
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週刊『前進』(2519号3面4)(2012/01/16 )
元旦に全国で全逓ビラ
東京・新宿 非正規ユニオンが登場
リストラで年賀配達の大破綻も
全国労組交流センターは1月1日、全逓労働者部会の仲間を先頭に全国のすべての主要局で元旦一斉ビラ入れ行動を行った。北は北海道から南は沖縄まで、年賀状配達に出勤してきた労働者たちにビラが手渡された。
東京・新宿局では、郵政非正規ユニオン委員長が登場(写真)、同委員長に対し「バイトの分際で組合なんかつくりやがって」などの暴言や不当労働行為に及んだ大工原課長への弾劾をたたきつけた。同課長は東京多摩支店で弾劾の声に包囲され、転勤と称して新宿支店に逃げ込んでいた。「大工原出てこい!」の怒りの声が元旦の新宿局周辺にとどろいた。
多くの郵政職場で年賀状配達がパンクする事態も頻発している。大量雇い止めによって仕事がまわらない職場が激増、一旦解雇した労働者を呼び戻すなどの混乱が広がっている。そして元旦に年賀を配達しきれない事態が相次いだ。2012年は、郵政大リストラ攻撃に対する職場生産点からの全面的な反撃をつくりだす年だ。正規・非正規の分断をのりこえ、全国の全逓労働者の総決起で闘い抜こう。
(労組交流センター全逓労働者部会)
暴言課長を異動先で追及
1月1日、全国労組交流センターの仲間とともに全国数百カ所の郵政職場で一斉に元旦ビラ入れを行いました。東京・新宿局前には郵政非正規ユニオンと全学連の仲間をあわせて約10人が合流し、私に対する「バイトのくずども」などの暴言と脅迫行為のあげく東京多摩支店から新宿局に異動になった大工原課長に対し、暴言の撤回と謝罪を求める追及行動を行いました。ユニオンは、全国の仲間とともに同課長の謝罪と暴言撤回をかちとるまで徹底的に闘います。
2012年は幸先の良いスタートとなりました。新たな仲間もユニオンに加盟することになりました。
2012年は非正規労働の廃止に向かって、資本との大戦(おおいくさ)に打って出ます。そして日本郵便の16万非正規労働者を組織するために全国に打って出ます。ともに闘いましょう。
(郵政非正規ユニオン委員長・斎藤裕介)
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週刊『前進』(2519号3面5)(2012/01/16 )
大阪・西郡 “更地化・廃村うち砕く”
11家族追い出し議決許すな
新たに11家族を西郡住宅から追い出す議案(議案71号「訴え提起の件」)の採決など絶対に許さない! 12月21日、家賃供託者を先頭に部落解放同盟全国連西郡支部、八尾北医療センター労組、八尾北命と健康を守る会、関西労組交流センターの労働者ら約100人は、八尾市議会壇上での末光道正議員の反対討論と一体となって八尾市弾劾闘争を闘った。
追いつめられたのは八尾市と日本共産党だ。共産党は、全会派を代表して賛成討論に立った。むき出しの4・9反革命としての登場だ。八尾市の議案説明をそのまま繰り返し、「住民を追い出せ」と声高に叫ぶ共産党に対して、供託者を先頭に傍聴者の怒りは爆発し、賛成討論を吹き飛ばした。窮地に立った市議会議長は、強行採決し、前代未聞の傍聴者全員退場という暴挙に及んだ。傍聴者は退場命令をはね返し、怒りのシュプレヒコールをたたきつけ議場を制圧した。
そして、昼休みの市役所前に登場。岡邨洋支部長と11家族の一人、佃弘文支部青年部長が戦闘宣言を発した。「西郡住宅闘争15年、八尾北闘争11年が八尾市を追いつめている。共産党、解同本部派=地区協を粉砕してムラの総決起をつくり出す」(岡邨支部長)。「こんな議会で自分の人生が決められるなんて絶対に許さない。ムラの団結、全国の労働者の団結で住宅追い出し、更地化・廃村を打ち砕く」(佃青年部長)。市職員に向けた街宣を闘い、八尾アリオまでのデモを闘った。
議案71号、西郡の駐車場値上げ議案、八尾市職員給与を最大3%削減などを決める八尾市職員給与条例の改正議案、住民に負担増を迫る八尾市手数料条例改正議案、乳児の重篤事故を引き起こした八尾市の責任を放棄するファミリーサポート問題などの強行採決は、傍聴者全員退場の密室でしかできなかった。田中市政を支える共産党・市職労執行部への怒りは爆発寸前、八尾北労組と合流する情勢が切り開かれた。
最高裁は昨年12月1日、応能応益家賃制度絶対反対の先頭に立つ岡邨支部長をはじめ3人の上告棄却を決定し、住宅追い出し強制執行攻撃に踏み切った。さらに八尾北医療センター明け渡し裁判も早期結審=反動判決の情勢にある。
この八尾北労組・西郡支部への絶滅・団結破壊の攻撃は、大恐慌、3・11情勢下における野田政権の原発推進、復興特区、TPP攻撃、橋下=維新の会を突撃隊とする大阪都−道州制・大民営化・公務員360万人首切りと非正規化、労組解体の新自由主義攻撃と一体であり、その先端である。
八尾北・西郡の闘いは被災地での闘いとともに、新自由主義の絶望的凶暴化との激突であり、部落解放闘争の命運と階級的労働運動の死活をかけた闘いである。われわれは絶対に西郡の更地化、住民追い出し、八尾北医療センター廃院攻撃を粉砕する。この攻防を国鉄決戦、反原発、反失業・非正規職撤廃の闘いと一体の闘いとして闘おう。
1月7日の村内街宣から決戦の火ぶたは切られた。3月大闘争に全国から駆けつけよう。
(投稿/西郡支部・植村清)
(写真 末光市議と一体で市議会闘争を闘い市庁舎前街宣からデモに立った【12月21日 八尾市】)
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週刊『前進』(2519号3面6)(2012/01/16 )
世界に翔びたとう13
『階級的労働運動の復権をめざして』
総評のりこえた動労千葉
国際連帯の新地平
動労千葉が『世界に翔(と)びたとう13/階級的労働運動の復権をめざして』を昨年末に発行した。
『世界に翔びたとう』シリーズは、2003年7月に動労千葉が初めて米サンフランシスコを訪問した時に創刊された。第2号は、同年10月に動労千葉の中野洋前委員長らが韓国・民主労総を訪問し、当時の民主労総委員長・タンビョンホさんらと会談した時の記録だった。動労千葉は以来9年間、日米韓の3カ国連帯を推進し、毎年の11月労働者集会、韓国の労働者大会などを通して交流を深めてきた。
第13号となる本誌は、昨年11月、日本と韓国で開かれた日韓理念交流会での伊藤晃さん(日本近代史研究者)とタンビョンホさんの講演、11・6労働者集会に来日したILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル21のダン・コフマン委員長、民主労総・金属労組キリュン電子分会のユフンヒ分会長のインタビュー、田中康宏委員長の「刊行にあたって」、訪韓した動労千葉組合員の座談会――で構成されている。
それぞれが昨年11・6労働者集会に示された国際連帯闘争の新地平の大きさを示しており、階級的労働運動の復権をめざす上で重要な問題を提起している。
日韓の労働運動史
特に、日韓理念交流会での二つの講演は、日韓双方の労働運動の歴史と直面している課題を明らかにしており、学ぶべき点が多い。
11月7日に千葉市・DC会館で行われた理念交流会では、タンビョンホさんが、日本帝国主義による占領下で始まった韓国労働運動が、戦後の独裁政権のもとで民主労組運動を発展させ、民主労総を結成して何度もゼネスト闘争を闘ってきた歴史を紹介している。その上で、民主労組運動の方向性は、自主性と民主性、階級性、連帯性、闘争性、変革指向性であるとして、非正規職労働者の組織化、産別労組への転換など、直面する課題を提起した。民主労総の第3代、第4代の委員長を務めた闘士だけに、その一言ひとことが実に重い意味を持っている。
11月14日にソウルで行われた理念交流会では伊藤晃さんが講演した。本誌の編集後記には、「故中野洋動労千葉顧問は常々『動労千葉の闘いのなかで生みだした路線は、戦後労働運動を総括できる地平を切りひらいており、その核心こそ反合・運転保安闘争と団結である」と語っていた。その遺志を田中委員長が引き継ぎ、今回伊藤晃さんが『戦後日本労働運動の諸問題』として発展的に総括された」とある。伊藤さんは、戦後の総評労働運動が「変革的な労働組合であったのか」と問題提起し、合理化攻撃と闘えなかった歴史を総括し、動労千葉の反合・運転保安闘争と国鉄闘争全国運動の意義を明らかにしている。
本誌を階級的労働運動復権の武器として活用しよう。
(大沢康)
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A5判 118n 頒価500円
◆注文先 千葉市中央区要町2−8DC会館
TEL 043-222-7207 FAX 043-224-7197
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週刊『前進』(2519号4面1)(2012/01/16 )
革命を切り開く情勢がやって来た
地方委員会の年頭の決意 上
(写真 2011年5・14国際通りデモ【沖縄・那覇市】)
新自由主義攻撃うち破り国鉄-八尾北・西郡決戦へ 革共同関西地方委員会
2012年冒頭から、ブルジョアジーの悲鳴が世界を駆けめぐっている。世界大恐慌―資本主義経済の崩壊は「国家破産」として現実のものとなり、ブルジョアジーは一切の打つ手をなくしている。また、米帝オバマは、二正面軍事戦略を放棄し、イラク・アフガニスタン戦争の敗退とアメリカの国家破産的事態を公然化した。
チュニジア・エジプト革命以来の全世界的な革命運動のうねりは今年、いよいよ決定的な高揚へとたどりつくだろう。今こそ、日本における階級的労働運動が世界の労働者階級の仲間と団結して資本主義の打倒、社会主義社会建設へ突撃していく時だ。
何よりも「3・11」1周年をめぐる階級攻防に断固勝利しよう。一切の反動が、「3・11」1周年をもって階級闘争を鎮圧する方向に動きだしている。原発再稼働、「復興特区」―道州制攻撃、消費大増税に資本主義の命運をかけてきている。しかし、被災地の怒りをもはや誰も消すことはできない。被災地を先頭に労働者階級が団結すれば、絶対に勝利できる。
この攻防の核心に、国鉄決戦があり、JR大再編との攻防がある。検修全面外注化をめぐる攻防が動労千葉の基地統廃合粉砕、京葉車両センター構内業務外注化絶対阻止闘争として激しく闘われている。これは新自由主義―外注化・非正規化粉砕、「特区」・道州制攻撃粉砕の頂点をなす。青年労働者の決起を先頭に、国鉄闘争全国運動の大発展をかちとろう。
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八尾北・西郡決戦―橋下反革命打倒を新自由主義を打倒する3−4月決戦の環として闘おう。
この攻防は、まさに破綻した新自由主義の絶望的凶暴化との真っ向からの闘いであり、部落解放闘争の命運とともに、階級的労働運動の死活をかけた闘いである。
最高裁は2011年12月1日、応能応益家賃制度絶対反対の闘いの先頭に立ってきた岡邨支部長を始め3家族の上告棄却を決定し、住宅明け渡しの強制執行攻撃に踏みきった。同時に八尾市は他の11家族に対する住宅明け渡し提訴も強行した。さらに八尾北医療センター明け渡し裁判も早期結審=反動判決の情勢にある。
この二つの攻撃は、八尾北・西郡闘争と八尾北労組・西郡支部の絶滅・団結破壊の新自由主義攻撃である。橋下=維新の会を突撃隊とする大民営化・公務員360万人首切りと非正規化攻撃の道州制攻撃そのものとして、八尾市による更地化、住民追い出し、民営化・八尾北医療センター廃院、労組破壊攻撃がある。この攻防を、国鉄決戦、反原発闘争、反失業闘争・非正規職撤廃の闘いと並び、かつ一体的な大決戦として闘う。
80年代の地対協路線は、単に同和対策の打ち切りではなく国鉄分割・民営化と完全に一体の新自由主義攻撃であった。さらに90年代に公営住宅の民営化と一体の同和住宅解体攻撃があった。解同や全国連本部の屈服、腐敗のもとで、これらの総決算をかけ、今日、闘う階級的団結の砦(とりで)である八尾北医療センター、西郡支部の解体をしかけてきた。それは大恐慌、3・11情勢下で新自由主義との最も鋭い激突点となっている。まさに橋下の民営化、道州制、労組破壊の大反革命を粉砕する最高の攻防である。TPP・医療破壊、医療の産業化(利潤追求)、「医療特区」攻撃との闘いでもある。階級的労働運動の先頭に立った部落解放闘争の階級的団結を打ち立てる闘いである。
3〜4月決戦へ、八尾北・西郡決戦大集会を全国結集で闘おう。
◇
労働者階級は、闘いの中で自らをひとつの階級として組織し、さらにブルジョアジーを打倒する政治勢力へと自己を組織する。職場闘争を時代認識と階級的労働運動路線で闘えば、必ず党建設へと結びつく。これは昨年の闘いでつかみとった核心問題である。労働組合を組織できる党への飛躍とは、職場闘争を路線的に闘える細胞と地区党―中央委員会建設にある。巨大な階級情勢と結合し、プロレタリア革命に勝利する労働組合拠点を無数につくりだそう。
復帰40年の安保沖縄闘争を福島の怒りと連帯して闘う 革共同沖縄県委員会
全国・全世界の同志と闘う仲間の皆さんに、沖縄県委員会のアピールを送ります。
3・11の東日本大震災と東電福島原発事故で歴史は変わり、一日一日が文字通り「生き抜くための闘いの日々」となった。命脈のつきた資本主義・新自由主義の断末魔に今こそ断を下せ! そのような新たな決意で闘い抜き勝ち抜いてきた。
沖縄の労働者階級も2011年、この情勢と対決して闘い抜いてきた。一昨年の「4・9政治和解」攻撃と対決して闘い、昨年の3月6日には「国鉄闘争全国運動・沖縄」を結成した。これは3・11と闘う主体的な準備そのものだった。体制内指導部の「政治休戦」「挙国一致」をぶっ飛ばして闘われた5・15沖縄闘争、8・6―8・9と一体の闘いとして実現した8・11シンディ・シーハン講演会。また3・6から開始した闘いは、6・5国鉄闘争全国運動大集会から11月労働者総決起集会への沖縄行動団の過去最高の結集へとのぼりつめた。
この1年間の闘いの基礎・基盤として、動労千葉の闘いと沖縄の労働運動とを結合させる動労千葉物販の職場での闘いと、「動労千葉を支援する会」の結成・拡大の取り組みが粘り強く展開されてきた。そしてこの闘いは沖縄闘争=安保・沖縄闘争の主体である沖縄の労働者階級が、闘う労働運動と労働組合を復権していく闘いであった。
そしてこれら一連の闘いをフクシマとの連帯=反原発・反失業として闘ってきた。「古里を返せ!」「フクシマを返せ!」の血叫びは最も根底的かつ非和解的な闘いの原点だ。「命を守る闘い」=フクシマの闘いと沖縄の闘いはまったく一体だ。
◇
「基地が沖縄に来てから、ずっと加害はくり返されてきました。基地がある故の苦悩から、私たちを解放してほしい/私たちに静かな沖縄を返してください/軍隊のない、悲劇のない、平和な島を返してください」(1995年10・21県民大会での女子高生の発言)
沖縄闘争は戦後60年以上不屈に闘い続けられ、その中で「復帰」闘争も闘われた。沖縄の労働者階級人民は闘い続けることで希望を未来へつないできた。この闘いがついに勝利する時代が到来した。2012年は沖縄闘争の勝利に向かっての第一年の年だ。
沖縄県委員会は沖縄の労働者階級とともに、「復帰」40年・沖縄闘争をフクシマと連帯して闘う。普天間基地の辺野古移設攻撃は決戦段階を迎えた。昨年末の防衛省による県庁への未明の環境影響評価書の強行搬入を見よ。この評価書の中で防衛省は、オスプレイの配備により騒音被害が拡大することを開き直っている。あるいは八重山での「つくる会」系の教科書の導入策動を見よ。与那国島への自衛隊基地建設に向けた動きを見よ。大失業と戦争、農漁業破壊のTPP推進の動きを見よ。一切を規定しているのは世界大恐慌と大震災という情勢下で、帝国主義戦後世界体制の基軸をなしてきた米帝の没落と、さらに日帝の脱落という事態だ。「新安保戦略」=新たな国防戦略で米帝は「二正面戦略」を放棄し、対日帝との争闘戦と対中国対決=アジア太平洋戦略へと舵(かじ)を切った。米帝の体制的危機=帝国主義の戦後世界体制の危機はここに極まった。だからこそ、アジアをめぐる激突が世界革命の突破口となる。「この全情勢と対決し、逆に今こそ東アジアを世界革命の巨大な根拠地に転化していくために全力で闘うときである」。戦後世界体制の最大の矛盾こそ日米安保同盟であり、沖縄米軍基地はアキレス腱(けん)だ。
◇
沖縄はフクシマと並ぶ「革命の火薬庫」である。導火線はすべての労働者の闘いの戦場=職場とつながっている。この火薬庫に火が放たれた時、その火柱は全世界の労働者階級の進むべき道を照らし出す松明(たいまつ)となって燃えさかり、プロレタリア世界革命の勝利へと導くだろう。3・11福島県民大会と5・15沖縄闘争を一体の闘いとして大爆発させよう!
革共同沖縄県委員会はこの闘いの先頭で闘う。米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒へ、沖縄の青年労働者と学生は沖縄県委員会に結集してともに闘おう!
民営化・外注化粉砕闘争と反原発闘争の一体的爆発を 革共同中四国地方委員会
福島原発事故と後のない歴史的大恐慌の爆発の中で、絶対に後戻りできない地点から、「生き抜くこと」をかけた新自由主義反革命に対する革命的闘争が青年を先頭に全世界で始まった。2012年は、この開始された世界プロレタリアートの闘いをプロレタリア世界革命に転じていく決定的な年である。資本主義200年を貫く労働者階級の資本の支配に対する絶え間なき闘いの歴史。反スターリン主義・革命的共産主義運動半世紀の地平。そのすべてをひっさげて、人類史を分かつ2012年階級決戦に敢然と躍り込むのだ。
◇
昨年、中四国地方委員会は3・11反革命を打ち破る闘いの先頭に立ってきた。「第3の原爆」というべき福島原発事故に対し、真っ先に怒りの声を上げるべき被爆地ヒロシマは、原発推進の側に移行してきた連合・原水禁、日共・原水協の支配のもとで「死の沈黙」を強いられようとしていた。これを打ち破ったのは、4・9反革命に対して、国鉄闘争全国運動を軸にとことん階級的に闘い抜き、中央委員会と完全に一体的に建設されてきた中四国地方委員会・広島県党の決断と決起である。
われわれは、3・11直後から震災と原発事故の一切が新自由主義によってもたらされた階級的事象であることを暴露し、連日街頭に立って不眠不休で闘い抜いた。そして被災地・福島の労働者、農民の怒りと被爆者の怒りを結合し、「フクシマ・ヒロシマ発の1000万人署名」を呼びかけ、NAZEN結成−8・6反原発世界大会に至る反原発闘争の階級的発展への道を切り開いた。国鉄決戦と反原発・反失業闘争を2大基軸とする新自由主義粉砕の闘い、階級的労働運動復権の闘いを職場・地域・学園・全戦線において展開し、3・11反革命と大恐慌下での11月集会へと攻め上っていった。
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われわれは、昨年の偉大な勝利の地平に立って、さらに階級的労働運動の再生、労働組合の拠点と党の一体的建設とマルクス主義の復権に一切をかけて闘う。もっともっと労働運動、労働組合を組織できる党になろう。すべてがわれわれの変革にかかっている。現場労働者と必死に格闘し、階級的団結の中心として党がぶっ立ち、プロレタリア革命へ向かって労働運動を組織する。それが共産主義者の党=階級の指導部の任務だ。
第一に、国鉄決戦勝利へ、国労米子地本・後藤車両所分会で開始された偽装請負粉砕の闘い、動労西日本の山田副委員長を先頭とする契約社員制度粉砕・非正規職撤廃の闘いを、動労千葉の外注化阻止闘争と固く団結して徹底的に推進する。この闘いを通してJR・関連会社の青年労働者の決起をかちとり、東西からJR体制打倒ののろしをあげる。さらに4大産別を始めすべての職場で、民営化・外注化・解雇・非正規化を阻止する階級的労働運動を具体的に創造していく。なかでも呉市営バス民営化・解雇阻止の闘いは、公務員360万人首切り攻撃との最先端の攻防であり、国鉄闘争全国運動と階級的労働運動路線の真価が問われる闘いだ。ここでこそ階級的団結の拡大をもって勝利する。
第二に、3・11福島決戦に向かって原発再稼働阻止へ総決起する。1月に島根原発、愛媛の伊方原発が定期検査入りし、中四国における原発はすべて止まる。だが野田政権は、伊方を再稼働の最大の突破口として位置づけている。国鉄闘争全国運動を先頭で担ってきた愛媛の自治体労働者、郵政労働者を先頭に、民営化・外注化粉砕と反原発闘争の一体的爆発をかちとる時だ。2・11にはNAZENヒロシマが、青年労働者、被爆者・被爆2世・3世、医師らを中心とした陣形で、満を持して結成されようとしている。被爆者解放の拠点として建設された高陽第一診療所40年の闘いの地平に立ち、福島診療所建設運動を担うのはヒロシマの階級的責務だ。
星野同志奪還の2・5徳島刑務所包囲闘争こそ、2012年階級決戦の決定的突破口を開く闘いだ。徳島県党先頭に中四国地方委員会は2・5闘争に総決起する。
4・9反革命に打ち勝った地平から3・11情勢と対決 革共同九州地方委員会
わが革命的共産主義者同盟九州地方委員会は、「国鉄決戦と反原発・反失業の闘いでプロレタリア革命を切り開け!」「階級的労働運動の復権をかちとり革命に勝利できる党を建設しよう!」と呼びかけた革共同政治局の新年号アピールに応え、2012年決戦の先頭に立ち、プロレタリア革命勝利へ階級的労働運動と地方委員会建設の大飛躍を実現する決意である。
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過ぐる2011年は、「大恐慌」と「3・11」という情勢下で、エジプト2月革命から始まる世界的な大激動が始まった年であった。これと一体となって日本プロレタリアートは、9・19反原発6万人集会や11・6全国労働者総決起集会の大高揚に示される日本階級闘争の激動情勢の扉を力強く押し開いた。
わが九州地方委員会は、「4・9反革命」と対決して闘いぬいた2010年の激闘の地平の上に「大恐慌下の3・11情勢」という未曽有の大反動と真っ向から全力で対決し、必死の闘いをうちぬいてきた。
とりわけ国鉄1047名当該を先頭に国鉄闘争全国運動のさらなる前進をかちとり、4大産別の闘いや合同・一般労組運動の不屈の前進を切り開いてきた。また8・9ナガサキ反戦反核反原発集会の成功や11・13反原発福岡集会1万5000人の決起−11・20NAZEN・福岡の結成など、反原発・反失業闘争を大きく前進させ、「3・11世代」ともいうべき青年労働者を先頭に、一段とパワーアップして前進してきた。
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2012年は、かつてない大激動の年となる。ついに資本主義の最末期の姿を示す新自由主義を打倒し、プロレタリア世界革命を実現する時代がきたのだ。世界の盟主であるアメリカの没落を見よ! 大恐慌情勢に拍車をかけるユーロ・EUの解体的危機を見よ! 世界の工場と呼ばれてきた中国バブルの崩壊を見よ!
まさに戦後世界体制は音を立てて大崩壊しているではないか。とりわけ「3・11東日本大震災と福島原発事故」で立ち直りのきかない打撃を受けた日帝の体制的危機は極限的に深まっている。今やG7から脱落寸前の状態だ。ゆえに野田民主党政権は、絶望的あがきを強め崩壊的危機を深めている。
だが崩壊と危機を深めたとはいえ新自由主義を打ち倒しきれなければ、労働者階級への搾取・収奪、さらに圧政と戦争政策はどこまでも続くのだ。新自由主義の打倒こそ労働者階級解放の道だ。国鉄決戦と反原発・反失業の闘いは、資本主義の最大の破綻点を突く闘いであり、プロレタリア革命勝利への道だ。そのためには、腐りきった連合支配を打ち破って労働(組合)運動を甦(よみがえ)らせなければならないし、プロレタリア革命に勝利する革命党をつくりださなければならない。わが九州地方委員会は、2012年を階級的労働運動の拠点づくりと党建設のエポックの年にする決意である。
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「3・11」1周年をどう迎え撃つか、このことをぬきに2012決戦の展望を語ることはできない。われわれは、「3・11」1周年を福島現地闘争を先頭にした福岡−九州での反原発闘争の総決起の日とする。
同時に、これと一つにして国鉄1047名の首切り22年目の4・1を「国鉄分割・民営化反対、1047名解雇撤回」の総決起の日とする。この闘いを柱にし大突破口にして2012年の大進撃を闘い取る決意だ。
この上に、8・6ヒロシマ−8・9ナガサキの闘いを始め、4−5月沖縄闘争や部落解放闘争をめぐっても決定的な年にする。とりわけ国鉄闘争と結合し青年労働者の闘いを先頭に民営化・外注化・非正規職撤廃、合同・一般労組運動の新地平を全力で闘い取る決意である。それと一体で地区党体制をさらに強化し、マルクス主義で党を武装し、九州地方委員会をプロレタリア革命に勝利する党としてさらに強化していく。
まさに2012年決戦は、九州地方委員会の大飛躍の年である。ともに闘おう。
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週刊『前進』(2519号4面2)(2012/01/16 )
12月20日〜31日
「環境影響評価書」、未明に搬入/武器輸出三原則を緩和
●日米首脳、電話会談 北朝鮮の金正日総書記の死去を受け、野田首相がオバマ米大統領と電話で対応を協議し、日米が緊密に連携することで一致した。玄葉外相もワシントンでクリントン国務長官と会談した。(20日)
●F35と南スーダン部隊派遣を決定
野田内閣は、安全保障会議を開き、航空自衛隊の次期戦闘機(FX)をアメリカのF35にすることを決定し閣議了承した。南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に部隊を派遣する実施計画も閣議決定した。(20日)
●政府と東電が廃炉工程を発表 政府と東京電力は福島第一原発1〜4号機の廃炉に向けた工程表を発表した。廃炉完了まで30〜40年とした。(21日)
●米、原発建設を認可へ 米原子力規制委員会(NRC)は、米ウェスチングハウスが開発した改良型加圧水型炉「AP1000」を、米国内で使用できる原子炉として認定。米で原発建設が認可されれば34年ぶり。(22日)
●来年度政府予算案決定 野田内閣は、2012年度政府予算案を閣議決定した。実質96兆6975億円の過去最大の予算規模となる。(24日)
●防衛省、与那国配備へ10億円 防衛省は、2012年度予算案で、陸上自衛隊の沿岸監視部隊を与那国島に配備するための用地取得費などとして約10億円を計上したと発表した。(24日)
●日中首脳会談開く 野田首相は北京で温家宝首相と会談し、「朝鮮半島の平和と安定は両国の共通利益」との認識で一致した。翌26日に野田は胡錦濤国家主席と会談した。(25日)
●政府事故調、中間報告書公表 福島第一原子力発電所事故について、政府の事故調査・検証委員会は、政府や東電が津波による過酷事故を想定せず対策が不備だったとする中間報告書を公表した。(26日)
●武器輸出三原則を緩和 野田内閣は、武器の輸出を原則として禁じる「武器輸出三原則」の緩和を正式に決め、官房長官談話として発表した。これまでは、例外として輸出を認めるかどうか個別に判断した。これを抜本的に見直し、新たに設ける基準に従い、輸出を容認する。(27日)
●核燃再処理工場、1月中旬に再開
青森県六ケ所村で使用済み核燃料の再処理工場を運営する日本原燃の川井吉彦社長は、工場の試験運転を1月中旬にも再開すると発表した。福島第一原発事故を受けて停止した原子力施設の活動再開は初めて。(27日)
●評価書、未明に提出 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に向けた環境影響評価(アセスメント)手続きで、沖縄防衛局の職員らが未明、評価書16部の入った段ボール箱16個を県庁守衛室に搬入。移設に反対する県民が県庁に押し寄せ、提出を阻んで座り込みを続けたが、県は受理する方針を決めて防衛省に伝達した。(28日)
●双葉郡に中間貯蔵施設 細野豪志環境相は、福島市で佐藤雄平福島県知事らと会談し、放射性物質に汚染された土壌などの廃棄物を保管する中間貯蔵施設を福島県双葉郡内に造る考えを示した。(28日)
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週刊『前進』(2519号5面1)(2012/01/16 )
六ヶ所核燃再処理工場再開許すな
原発再稼働阻止へ勝負時
伊方と東通原発が最大攻防
野田政権は12月16日に「福島第一原発事故の収束」宣言を強行した上で、1月に入って原発の再稼働への攻撃をさらにエスカレートさせつつある。1月10日に日本原燃は、青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場で、1月下旬からの試験再開に向けてガラス溶融炉の加熱を始めた。これは停止原発の再稼働に向けた必死の既成事実づくりであるとともに、破産した核燃料サイクルにしがみつこうとする絶望的なあがきでもある。日帝支配階級は、帝国主義の延命をかけた独自の核武装(=プルトニウム大量生産)の全面崩壊の進行に対する反革命的巻き返しにうって出てきているのだ。昨年3・11以来、反原発闘争に決起してきたすべての人々が今までに倍する怒りで決起し、絶対に粉砕しよう。
六ケ所村の再処理工場では06年3月末から、本格操業前に、実際の使用済み核燃料を使ってプルトニウムを取り出すアクティブ試験が始まった。だが事故・トラブルが続出。高レベル放射性廃棄物を液状化した上でガラス固化するための製造試験では、溶融炉底における白金族の堆積で08年にその試験すらもストップした。しかも、その事故の復旧中の09年1月、高レベル放射性廃液約150gが漏れ、回収できた16g以外は蒸発するという大事故が発生した。技術的に危険きわまりないことが、満天下に暴かれたのだ。
ところが昨年12月26日に青森県の三村申吾知事は、野田「収束宣言」を受け、再処理工場の試験再開をいとも簡単に了承するというとんでもない犯罪行為に出た。その理由は、日本原燃が12月に提出した安全対策について青森県原子力安全対策検証委員会が了承した、ただそれだけだ。こんなことは絶対に許されない! 原燃と青森県・政府は、直ちに再処理工場での試験再開をやめよ!
(図 原発停止と1次評価) 大間原発等も工事再開狙う
全国の原発の使用済み核燃料が集中し、ケタはずれの大量の放射能を扱う再処理工場の試験再開など、断じてあってはならない。資本家と政府が福一事故に責任を取らず、再処理工場でまたも大事故を繰り返すことなど、天人ともに許されない。さらに、再処理工場の直下には「六ケ所断層」と呼ばれる活断層があることが指摘され続けている。福一事故の最大原因が地震による配管損傷にあるという真実を隠し続けている者たちは今、活断層の上の再処理工場(配管長さ1300`メートル)でフクシマに次ぐかもしれない巨大核事故に手を染めようとしているのだ。
三村知事は、工事中止中の原燃のMOX(プルトニウム・ウラン混合酸化物)燃料工場(六ケ所村)、リサイクル燃料貯蔵(東電が株80%を所有)の使用済み核燃料中間貯蔵施設(むつ市)、電源開発(Jパワー)の大間原発についても、工事再開を了承した。知事は東北電力の東通原発の安全対策も了承したが、これは国の最終判断が必要である。しかし、それ以外はゴーサインが出たことになる。
これほどの一連の核施設の建設再開など絶対に許してはならない。これまで”核燃白紙撤回”を掲げて不屈に闘ってきた地元の労働者人民とともに、猛然と決起すれば、どの工事も中止に追い込むことが必ずできる。
原発再稼働をめぐる攻防も正念場を迎えた。1月13日には、四国電力の伊方原発2号機が定期検査のために停止した。これで国内で稼働している原発は5基となったが、この5基も4月までに定期検査入りする。
しかし政府・経産省はしゃにむに再稼働しようとしている。「経産省は早期の再稼働をあきらめていない。照準は地元との関係が良好な伊方3号機だ。2月下旬に始まる県議会までに地ならしを終え、今春の稼働を目指す。春に1基でも動かしておけば、他原発の夏場の再稼働にもつながると読む」(1・1付日経)
福島の怒りで3・11集会へ
伊方3号機1基、もしくは東通原発を含めた2基の再稼働を許すのかどうか。ここに、すべてがかかったということだ。伊方では2月に周辺住民の避難訓練が計画されており、これをもテコに再稼働策動が強まると予想される。伊方も東通も、現地攻防だけでなく全国的な力関係で勝負が決まるのは明白だ。
勝機は労働者側にあることに確信を強め、猛然と攻勢に出なければならない。政府も電力会社も”原発が止まると経済がダメになる”と宣伝しているが、それを上回る勢いで”とにかく全原発を止めてみろ”という声が労働者人民の中から沸き上がっている。この怒りを結集して、全国で電力会社に再稼働阻止の闘争をたたきつけよう。
野田政権は、原発再稼働のためにも、福島の怒りを圧殺して被曝を強制しようとしている。しかし、ペテン的な除染事業にしても、その正体が福島人民から完全に見透かされている。
1・4付「福島民報」は「除染の効果不透明、広がる懸念」との見出しで、「『有効な除染技術の確立はできないのでは』との懸念も広がっている」と報じた。12月に大熊町で除染作業をしたが、「しかし、職員は『風や雨などで放射性物質が運ばれてきたら、再び数値が戻ってしまう』と危機感を募らせる」。また「双葉町は『有効な除染技術が確立されていない現状で、国の膨大な経費を使うことに同意できない』として、モデル事業そのものへの参加を拒否している」。ペテン的な除染で高線量の地域に強制的に帰還させようとする狙いが打ち砕かれつつあるのだ。
福島の怒りを先頭に、再稼働を絶対に阻むため、2・11を全国各地で闘い、3・11福島大闘争に攻め上ろう。3・11を再稼働粉砕の最大の闘争にしよう。
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週刊『前進』(2519号5面2)(2012/01/16 )
原発いらない福島の女たち 東電・経産省は責任とれ
「御用納め」に上京行動
(写真 女性たちは深い怒りを込めて、福島第一・第二原発全10基の廃炉や避難の実現、被害者への完全な賠償などを求めた要請書を提出した【12月28日 東電本店前】)
12月28日、福島の女たちが東電・経産省前で「女たちの御用納め」行動に立った。呼びかけたのは10月末に3日間の経産省前座り込み行動を呼びかけ、延べ3000人を超える大きなうねりをつくり出した「原発いらない福島の女たち」だ。
3・11から9カ月たつのに避難も除染も補償も、東電および政府への責任追及もまったく不十分、しかも原発再稼働や輸出が行われようとしている現実に対して「こんな気持ちじゃとても年を越せない! 東電にも仕事納めなんかさせないわ!」という思いで同行動を呼びかけたという女性たちが福島から大型バス1台、約50人で駆けつけた。参加者は計300人になった。
最初に内幸町の東京電力本店前に登場、次々とマイクで訴えた。子どもたちを放射能から守る福島ネットワークの佐藤幸子さんは「東電のみなさん、福島に来て原発の中に自分で入ってみろ! 『収束した』なんてうそをつくな! あなたたちも食べ物を食べ、空気を吸い、水を飲んでいるでしょう? これをすべて汚しておいて、微々たる賠償金。ふざけるな! 福島の土地を元に戻してください。私たちがどんなにつらくても頑張れるたった一つの望みは原発をとめること。肝に銘じてください」と訴えた。
ハイロアクション福島の黒田節子さんは「自主避難者は避難先でも行政から支援されず、みんな苦労しています。私たちは福島の子どもたちを本当に逃がしたい。でも国や行政が避難を認めないから、多くの人たちが避難できず、毎日被曝しているんです。東電が何とかしろ!」と国と東電の対応を弾劾した。
同じくハイロアクションの武藤類子さんは「東京電力のみなさん。今日も怒りを込めて女たちがやって来ました。私たちの叫びを聞いてください。古里の海を返せ! 古里の空を返せ! 古里の土を返せ! 古里の友達を返せ!」と訴えた。俳優の山本太郎さんも参加して「自主避難者に一刻も早く賠償を!」と東電に迫った。
続いて東電への要請行動を行った。要請内容は「@福島第一原発及び第二原発全10基を廃炉とすること。A東電の責任において、避難を求める被害者が避難できるようにすること。除染も東電がすべての費用と人員を負担して実施すること。B被害者に対し、完全な賠償を行うこと。C東京電力及び社員、退職者の手で賠償のための基金を創設すること。D福島第一原発の現状について常に真実を明らかにし、公表し続けること」という5点。事前に正式に申し入れてあったにもかかわらず、東電は建物の中にも入れず、門のそばで立ったまま要請を読み上げて提出させられた。この東電の対応にますます怒りがかき立てられた。
次に、「とつきとおかのテント村行動」が続く霞が関の経産省テント前に移った。郡山の集団疎開裁判に取り組んでいる人、福島避難母子の会
関東の女性などの発言が続いた。3・11福島県民集会に向けて「郡山での3・11集会の準備会が発足しました。みなさん、ぜひ集まって下さい」という呼びかけも発せられた。
経産省前行動の最後に武藤類子さんが「『会津磐梯山』の歌と踊りは、農民たちが何度もの弾圧をくぐり抜けて守り抜いてきたものです。みなさん、『会津磐梯山』を一緒に歌って今日の行動を終わりましょう」と呼びかけ、全員で会津磐梯山を合唱した。
福島の女性たちはその後、銀座の三越前に移動して街頭宣伝を行った。「私たちは福島から来ました。原発事故は福島だけの問題ではありません。みなさん全体の問題です。福島の現実を知ってください」とマイクで訴え、チラシを配ると、チラシに真剣に見入る姿がいたるところで見られた。
福島を取り戻すため、子どもたちを守るため、全力で闘いぬいている福島の女性たちと固く団結して、2012年、全原発の廃炉へ闘いぬこう。3・11福島集会に職場から仲間とともに駆けつけよう!
(写真 経産省テント前で開いた集会の最後に、民衆の抵抗の歴史が刻まれた歌「会津磐梯山」を合唱した)
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週刊『前進』(2519号5面3)(2012/01/16 )
東洋大学 「放射能安全」シンポやめろ
大学当局の加担を弾劾
2012年全学連運動の突破口を東洋大学から切り開きました。1月7日、東洋大当局は東洋大学キャンパスで「東電福島原発事故に伴う放射性物質への対応策」というシンポジウムを行い、菊地透(自治医科大学RIセンター管理主任)という「100_シーベルト以下なら健康に影響はない」とデマを主張する人物に基調講演をさせようとしていました。このシンポジウムは野田政権による「低線量放射能は安全」論と原発再稼働に大学が全面協力するものであり「科学の名をかたった殺人」です。
これを学生として許してはならないと議論し、東洋大生有志で結成した東洋大反原発学生会議は申し入れを行いました。内容はシンポジウムを中止せよということと、大学としての見解を明らかにせよということです。何より許せないのは、菊地透の「低線量放射能は安全」というデマコギーを東洋大自身が垂れ流して、福島県民を高濃度汚染地域に帰還させようとし、被曝強制に対して福島の人が怒りの声を上げる方がおかしいという分断をつくり出していることです。
講演会当日は、大学の門前で「御用学者シンポジウムを許さない」というビラをまき、多くの学生、労働者、近隣の市民が受け取りました。「こんなことを大学がやっているのか。学生に頑張って欲しい」と署名する労働者もいました。
東洋大の学生課職員が現れ「住民から苦情が来ている。演説をやめなさい」と弾圧してきました。これに対し「学問の名による殺人に大学として加担するのか」と弾劾し「大学の立場はどうなのか」と問うと、「そんなことは知らない」としか答えません。こんな無責任極まる大学の支配を学生の行動で覆すしかないと確信しました。
菊池の講演は絶対に許せない内容でした。「最も深刻なことは不安とストレスによる風評被害。親の務めはニコニコしていること」と主張した上で、「原爆症認定訴訟で低線量も影響あることが証言されているではないか」という質問に対して「認定は放射能の影響ではありません」と断言。原発労働者の労災についても「みなし認定なので放射能の影響ではありません。誤解のないように」と言いました。さらに「『除染をせよ』という人もいますが、除染にかかる費用は次の子どもの世代が負担することになる。本当に子どものことを考えたらそうしますか」などと完全に政府と東電を擁護する立場に立ち、福島の怒りをつぶそうとするものでした。このようなシンポジウムを大学で行ったことは絶対に許せません。
総括は一つに、野田政権の原発再稼働を推進する大学の腐敗したあり方に真っ向から対決する行動として打ち抜いたということです。こうした大学のあり方を覆すことが福島との連帯をつくり出すものです。二つに、この闘いは新自由主義の大学支配を覆していくことと一体です。学生に声も上げさせないような大学にしてきた首都中枢から、東洋大生は立ち上がりました。これは新自由主義と闘って学生は団結できると示してきた法大闘争の地平です。三つ目に、それは大学を誰が支配するのかをかけた激突であり、新自由主義と闘う学生の団結体=学生自治会建設で決着をつけるということです。
全国の仲間と団結して、300万学生の団結した行動で学生自治会の建設へ進撃します。ともに闘いましょう。
(東洋大生 K)
(写真 東洋大反原発学生会議はシンポジウムの中止を求めて学生部に申し入れを行った)
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週刊『前進』(2519号5面4)(2012/01/16 )
米帝オバマが新軍事戦略
対中国・北朝鮮をにらみ
米大統領オバマは1月5日、「米国の世界的リーダーシップの維持と21世紀の国防の優先事項」と題する新軍事戦略の指針を発表した。大恐慌下の財政危機で米帝の世界支配の限界が露呈し、巨額の軍事費削減を迫られる中での戦略転換で、軍事的・経済的に台頭した中国スターリン主義を名指しで脅威と認定、「アジア太平洋での米軍戦力の増強」を最重要課題とした。「アジア・太平洋優先」の戦略を鮮明にしたオバマの11月キャンベラ演説の具体化だ。
金正日の死で北朝鮮スターリン主義の体制問題が焦点化し、朝鮮南北分断体制が根底から揺らぐ中、米中の政治的・軍事的激突情勢のさらなる拡大は必至だ。
大恐慌下の米帝の没落は顕著だ。「二つの戦争」で軍事費は年間7千億j(約54兆円)に膨らみ、国防総省は今後10年間で4500億j、トリガー条項分を含めると1兆jを超す予算削減を迫られている。これ自体が、軍事的な制圧を担保にかろうじて維持してきたドル基軸体制を崩壊させる問題だ。アメリカ一国で世界全体の軍事費の半分を占めるという異常さで成り立ってきた戦後世界体制の終局はもはやぬぐいがたい。
しかし帝国主義の世界支配の本質はここから最も危機的に露呈する。今回の新戦略指針で、米帝は海空両軍の統合作戦能力を高める「エア・シーバトル構想」を打ち出した。中国が「東アジア有事」で米軍を作戦海域に接近させない「接近阻止・領域拒否戦略」を採用し、海洋進出能力の向上や米空母を標的にした対艦弾道ミサイルを開発したことなどを実際に無力化する構想だ。すでに新型の有人・無人ステルス爆撃機やミサイル防衛能力、対潜能力、宇宙戦能力の向上などが進んでいる。「核なき世界」をうたったオバマ政権が、最近プルトニウムを使った新型核兵器の実験を強行したことも対中軍事戦略の一環である。
一方の中国は、「改革・開放」路線下での巨大バブル経済の崩壊が始まり、「成長」の犠牲となった10億人を超える労働者・農民の怒りがスターリン主義官僚の支配を揺るがしている。彼らはさらなる資源確保や海洋権益の拡大を求める対外戦略を先鋭化させる以外にない。そして米帝は、北朝鮮情勢の大激動が中国スターリン主義の危機を激しく促進させる情勢をにらみ、対中対峙・対決政策をあらためて明確にした。ここに今回の米帝の新指針の核心がある。
そして決定的な問題は、中国を排除したTPP(環太平洋経済連携協定)への参加を含め、辺野古新基地建設を始め日米同盟の大エスカレートに踏み切る以外になくなった日帝支配階級の危機の深さだ。米帝の対日要求は「集団的自衛権行使」に象徴される日米同盟の実質的な双務的関係への転換であり、対中国・北朝鮮侵略戦争への参戦を可能とする政治体制の確立である。震災を口実に強行された日米「トモダチ作戦」が、対中・対北朝鮮の大規模軍事作戦を想定していた事実は重大だ。
こうした大恐慌と戦争の全情勢が国鉄決戦を始めとする現下の階級的大激突を規定している。今こそ大恐慌を反帝国主義・反スターリン主義のプロレタリア世界革命に転化するために闘おう!
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週刊『前進』(2519号5面5)(2012/01/16 )
消費税率10%化狙う野田
「一体改革」叫んで大増税
野田政権は1月6日、社会保障改革本部で、消費税率を2014年4月に8%、15年10月に10%に引き上げるとした「社会保障と税の一体改革大綱素案」を正式決定した。政府は消費税増税のための法案を今年度中に国会に提出する方針だ。消費大増税阻止の攻防は最大級の階級決戦である。
野田政権はすでに、消費税の大増税とは別枠で「震災復興」を口実とした臨時増税を決めている。消費税率が10%に引き上げられた場合、臨時増税の影響も含め、夫婦と子ども2人で年収が500万円の世帯の場合、実質可処分所得は31万4千円減少するという試算もある。まして、年収200万円以下の非正規職労働者の場合、消費税の大増税はその生存を脅かすものとなることは明らかだ。
しかも、この大増税は社会保障の解体とセットになっている。野田は、年金水準を今年10月から3年間で2・5%削減する方針を打ち出している。
日本帝国主義は、大恐慌下でギリシャに始まりヨーロッパ全体を襲った金融恐慌に心底おびえている。政府は昨年末、44兆2千億円の新規国債発行を伴う2012年度予算案を決定した。新規国債発行額が税収を上回る当初予算案が組まれるのは、これで3年連続となった。その結果、日本の国家と地方自治体の抱える長期債務残高は、2012年度末には937兆円に膨らむ見通しだ。世界で最大の累積財政赤字を抱えている日帝こそ、国債暴落やデフォルト(債務不履行)の危機にいつ見舞われてもおかしくない。
こうした中で野田やブルジョアジーは、「財政再建のためには消費税増税以外にない」と叫んでいる。これまでも、消費税の導入(89年)や税率引き上げ(97年)に際し、必ず「財政再建」という口実が唱えられた。だが、消費税増税により国家財政が好転したことなど一度もない。なぜなら、法人税減税を始めとする企業減税が繰り返されてきたからだ。消費税導入以来の消費税の総額と、法人税減税の総額はほぼ等しい。これに加え、恐慌対策として膨大な資本救済費の支出が続けられてきた。まさに、国家財政に大穴を開けた張本人は、ブルジョアジーにほかならない。
にもかかわらず、野田政権は今年4月から法人税率をさらに引き下げる。また、「復興特区」では、新設企業の法人税は免除され、既存の企業についても、人件費の一定割合や設備投資の一部については税額が控除されることになっている。そのつけはすべて労働者人民に回されるのだ。
さらに許し難いのは、一体改革大綱素案に、「公務員総人件費削減など自ら身を切る改革を実施した上で消費税引き上げを実施する」「給与臨時特例法案、国家公務員制度関連法案の早期成立を図る」と明記されたことだ。消費税増税は、公務員労働者へのバッシングを軸とする労働組合破壊の攻撃にさらに拍車をかけている。
その最先兵が大阪市長・橋下と大阪維新の会だ。だが、破産した新自由主義をより凶暴な形で押し貫こうとする攻撃は、労働者の根底的な怒りを必ず呼び起こす。階級的労働運動を復権し、野田政権を労働者の力で打倒しよう。
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週刊『前進』(2519号6面1)(2012/01/16 )
団結ひろば 投稿コーナー
『序局』読み原発推進の司法に新たな怒り 千葉 笠井隆
新自由主義と対決する総合雑誌『序局』創刊号に掲載された高山俊吉弁護士の「最高裁はいかに原発推進政策を支えてきたか」を読みました。
その中で高山弁護士は、原発訴訟における最高裁判決の最大の問題点を「司法の審査対象を徹底的に絞り込むことにより、司法がなすべき判断を完全に放棄し、その責任を事実上行政に丸投げしたこと」と指摘しています。
「憲法の番人」と呼ばれ、「憲法及び法律にのみ拘束される」とされる最高裁が、実は「審査対象を徹底的に絞り込む」やり方で「原発の安全性への全面的な検証」を意図的に放棄し、行政に原発推進のフリーハンドを与えてきたのです。 最高裁が「拘束」されていたのは憲法や法律ではなく行政(資本家の政府)だったのです。
次のような事実があります。味村治最高裁判事(90〜94年在任)が98年から2年間にわたり、米GE社と提携する原発メーカー「東芝」の社外監査役に天下っています。この味村こそ92年に四国電力伊方原発と東京電力福島第二原発1号炉の原子炉設置許可処分の取消しを求めた二つの裁判で、原告住民の上告を棄却し原発の安全性に「お墨つき」を与える判決を行った人物なのです。最高裁は「憲法の番人」ではなく「資本家の番犬」だったのです。
反原発闘争は新自由主義と対決する闘いの環であり労働者民衆の未来をかけた闘いです。その先頭に司法の反動化と闘う弁護士が続々と立ち上がっています。労働者民衆のひとりとして資本家とその番犬である最高裁と闘う弁護士が登場しているのです。
『序局』の学習こそ原発廃絶まで止むことのない新たな階級的団結をいっそう強化する武器になると実感しました。
シチズン争議に続き中国・日立工場でスト 春山薫
ハードディスク駆動装置(HDD)の製造・販売を手掛ける日立グローバルストレージテクノロジーズ(HGST)の中国・深セン市にある工場で、12月日以来、千人規模の無期限ストライキが爆発している。労働者は、低賃金や残業代の不払いに抗議して闘っている。この工場に15年間も働いている労働者の賃金は1千元(1万2千円)ちょっとと言われ、残業代もごまかされている。労働者は4日の夜から工場に結集し、翌日からストライキに突入した。
10日早朝、警察隊が工場に突入し、労働者と激突した。労働者は逆に警察隊を包囲して徹底的に闘った。多くの労働者が負傷し、連行され、妊娠していた女性労働者が警察の暴力で流産したという。会社側はさらに12月末に再び警察隊を導入したが、労働者は不屈にストを続けている。
深センのシチズンの工場で10月から闘われていた約2週間にわたるストは、11月に労働者側の要求を工場側に基本的にすべて認めさせる大勝利をかちとった。警察による工場支配に屈せず、中国スターリン主義の支配体制としてある工会の介入を許さず、労働者自身が工場と直接交渉(集団交渉制度、事実上の団交)をして勝利した。これは中国で初めての歴史的な地平を切り開いた。
シチズン争議の大勝利を経て、中国の労働者は上海のシンガポール系家電企業Hi−Pでもストに立ち上がっている。中国の労働者との連帯をかけて労働運動の新たな発展をかちとろう!
弱者への攻撃で有名だった「大工原課長」 東京F局 森内一郎
郵政職場では、95年頃から激しくなった不当労働行為が97年にひとつの頂点を迎えた。貯金・保険で始まった強制配転が集配に拡大。うちの局でも当時の支部長が全郵政の拠点局に強制配転となった。闘う人への露骨な配転攻撃だ。その後やはり当局と闘っていた2人の役員も飛ばされた。
以後多くの仲間が脅えて物が言えなくなった。管理者のパワハラやセクハラ行為にまで沈黙させられる状況となった。そして当局は言いなりになる人間を組合の役員にすえた。その時、私は全逓の組合員だったのに組合役員の選挙権はなかった。これも本当にナンセンスなことだ。
組合員を当局に売って役員になったやつらは言葉にできないくらいのひどい事をやった。自分の出世のために仲間を売る。そのためにノイローゼになった人も多い。
当局は組合つぶしのために総務主任を他局に行かせたり、若い人を先に出世させたり、平気で人権侵害する人を総務主任や課長代理にした。多摩局で郵政非正規ユニオンの斎藤委員長に「バイトのくず」などと暴言を吐いた大工原課長は、他局にいた時代から契約社員など弱い立場の人を攻撃することで有名な横暴管理者だった。
ビラを読んだ郵便課の仲間たちが大工原を覚えていて「あいつなら(暴言を)言いかねない!」と大声で叫んでいた。
今、当局も組合役員も仕事量が増えても人を増やそうとしない。本当に腹が立つ。こういうやつらを打倒して”闘う全逓”を取り戻すことが私たちの仕事だ。
山本×森川トークで再稼働阻む展望実感 東京東部 北川海翔
昨年12月21日の阿佐ケ谷市民講座「トーク 原発はいらない! 山本太郎さん(俳優)×森川文人さん(弁護士)」の報告をします。
ドイツ・ゴアレーベンの放射性廃棄物輸送阻止闘争に参加した太郎さんは、プロサッカーの国際試合中に停電を起こして「原発がないと電気が不足する」というキャンペーンが行われたり、国会が2010年の全原発廃炉をさらに10年先送りにした事実を述べ、「原発の段階的廃止」のインチキさを強調しました。
チェルノブイリ原発を訪問した時には、4号機の石棺につながる鉄扉前まで到達すると、彼の簡易線量計は一瞬で10マイクロシーベルトを記録! 原子炉を監視している労働者は「真実は隠される。(原発では)働きたくないが、金がいいから」と言ったそうです。
最後に訪れたベラルーシではすさまじい独裁・弾圧体制が敷かれ、国外に向けて放射能被害を暴く本を出している医師や団体も真実を一切語らなかったそうです。「25年後の日本をこういう国にしないために今すぐ全原発を止めよう」と彼は締めくくりました。
この講演会の2日前、佐賀地検が太郎さんに事情聴取を行いました。玄海原発の再稼働阻止行動で「佐賀県庁に侵入した」とする案件です。弁護をしているのは日弁連(原発段階的廃止を主張)を変えるべく奮闘する森川弁護士です。太郎さんは黙秘で闘い、1週間後、証拠不十分で不起訴となりました。再稼働阻止闘争は大きく前進しています。
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週刊『前進』(2519号6面2)(2012/01/16 )
反原発の国際的高揚に対する治安弾圧粉砕を
1月11日、神奈川県警は「詐欺」事件をデッチあげ、神奈川労組交流センター副代表Aさんと同事務局員のBさんを不当逮捕した。神奈川県警は「住居と偽って神奈川労組交流センターの事務所の賃貸借契約を結んだ」として不当逮捕したが、まったくのデッチあげだ。契約時には事務所として使用することを明らかにしており、表札にも「神奈川労組交流センター」と表記している。
これは反原発闘争の高揚と階級的労働運動の前進に恐怖する警察権力による一大治安弾圧だ。14、15日は「脱原発世界会議」が横浜で開催され、野田政権に怒りを燃やして万余の労働者人民が全世界から結集する。神奈川でも「原発とめよう」「生きさせろ」の闘いが拡大し、神奈川労組交流センターもともに闘い抜いてきた。14日は世界会議にあわせて、東電神奈川支店デモ第4弾が呼びかけられている。
まさに日本全国と世界で巻き起こる反原発闘争に対する大弾圧だ。絶対に許さない。県警はただちに2人を釈放せよ! さらなる闘いで弾圧を粉砕しよう!(1月12日)
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週刊『前進』(2519号6面3)(2012/01/16 )
栃木 スーダン派兵やめよ
陸自駐屯地に申し入れ
南スーダンへの第1陣の派遣が1月11日にも強行されようとしていることに対し、年明け早々の6日、第1陣部隊の中心を担う陸上自衛隊宇都宮駐屯地の中央即応連隊に派遣決定の弾劾と中止を求め、とめよう戦争への道!百万人署名運動・栃木県連絡会が申し入れを行いました(写真)。
この派兵には、スーダン内戦に積極的に介入して「資源確保」に躍起となる日帝の姿が露骨に示されています。
野田政権は「軍服を着た労働者」である自衛隊兵士とスーダン人民を殺し合わせるとともに、原発を推進して福島はもとより全国の労働者、農民を死に追いやろうとしているのです。このことへの渾身(こんしん)の怒りを込めて、弾劾の嵐をたたきつけました。
宇都宮駐屯地には、宅配などさまざまな業者の車が頻繁に出入りしています。その車を止めて、行動に注目する労働者の姿も多く見られました。百万人署名運動の仲間が大音声で読み上げる申入書の内容は、宇都宮駐屯地に響き渡りました。
まさに国鉄決戦と反原発・反失業でプロレタリア革命を切り開く闘いの一環として、新年冒頭の行動をやり抜きました。
(投稿/栃木・小林)
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週刊『前進』(2519号6面4)(2012/01/16 )
小幡隆同志を追悼する
階級的労働運動路線を職場で貫き通した生涯
革共同神奈川県委員会
2011年3・11ですべてが変わった。世界は革命的情勢に突入した。その真っただなかでかちとった11・6闘争が同志の最期の闘いとなった。革共同神奈川県委員会・三浦半島地区委員会の指導部であった教育労働者・小幡隆同志が2011年12月7日、革命家として74歳の人生を全うし、逝去された。
執り行われた葬儀には、三浦半島地区教組の仲間をはじめ県内そして関東一円から多くの同志がかけつけてくれた。温厚実直でありながら頑固一徹、内に秘めた階級的怒りは年をへても衰えることなく、生涯にわたって革共同の路線のもとで階級的原則を貫いた小幡隆同志の逝去はあまりにも早く残念でならない。
反戦派労働運動の闘いを路線に
小幡同志は、日共の敵対と対峙するなか60年安保闘争を横浜国立大学の学生として闘い、1961年に横須賀市立小学校教員となった。
当時、革共同の「戦闘的労働運動の防衛と地区党建設」という三全総路線のもとで、全学連と一体となった反戦派労働者の実力闘争が爆発し、69、71年の二つの11月闘争を打ちぬき革命的左翼が日本階級闘争の主導権をにぎる情勢にあった。
こうした時代を背景に、横須賀市教組、三浦市教組、逗子葉山教組と横須賀市高校教組など行政区単位に分かれていた組織をひとつにして、68年、三浦半島地区教職員組合が結成された。小幡同志はその結成に執行委員として参加し、三教組の創生期を担った。
70年代、日教組をはじめ既成労働組合が経済闘争主義に転落するなか、小幡同志は、安保粉砕・基地撤去と横須賀原潜闘争、沖縄返還・ベトナム反戦闘争などの三教組運動の先頭に立ち、経済闘争と政治闘争をひとつのものとして結合しつつ牽引(けんいん)し、76年に書記長を降りるまで執行委員・執行副委員長・書記長を歴任して、文字通り三教組運動の礎を職場の反戦派教育労働者とともにつくってきた。
三教組運動の原点を自ら実践
組合役員を降りてからも、長く在籍した大楠小学校分会をはじめ沢山小学校、そして山崎小学校で退職するまで、彼がこだわり抜いた”職場に組合を、闘いは職場から”という”三教組運動の原点”を、自らが分会の先頭で実践してきた。小幡同志は、教労戦線において革共同の階級的労働運動路線をわがものとして真正面から受け止め、職場で苦闘し、仲間とともに実践した。それは職場分会の労働者の圧倒的信頼として表われ、ともに闘ってきた仲間は「彼の存在と生きざまがオルグ力をもっていた」と彼の逝去の報に涙した。
日々の教育実践を大事にしながら職場に根ざして闘い、その一方で既成労働運動の限界を感じつつ、軍事空港絶対反対・労農連帯を貫く三里塚闘争に結集し、国鉄分割・民営化攻撃に真正面からストライキで立ち上がった動労千葉労働運動と出会い深い感銘を覚えた。
時代はまさに中曽根反革命による戦後政治の総決算=新自由主義にもとづく行政改革と国鉄分割・民営化攻撃が吹き荒れていた時である。職場闘争と政治闘争の実践のなかで、小幡同志は労働組合のなかに階級的原則を貫くことと革命党の一体的建設の決定的重大さを確信し、80年代国鉄分割・民営化決戦の真っただなかで革共同神奈川県委員会に結集した。
職場の仲間への揺るぎない信頼
89年総評解散−連合結成の戦後労働運動の曲がり角に際し、三教組はどうするのか、われわれはどう考えたらいいのかを、小幡同志と夜を徹して何度も何度も議論したことを忘れない。連合に行くのか否かをめぐって開催された臨時大会での「反戦・反基地、職場闘争という三教組の旗を掲げて連合を下から変えよう! そこに同じ仲間がいる」という”小幡節”はまさに圧巻であった。小幡同志の”労働運動にかけた情熱”と”闘う三教組の誇り”が、闘いが困難にぶつかるたびに、私たちを労働者と労働組合の原点に立ち返らせてくれた。
また小幡同志は、機関紙活動とフラクション建設を重視し、原則的に実践してきた。人と人とのつながりを大切にし、しかし労働者としての原則を曲げない同志のひたむきな組織活動が、今現在、多くの青年労働者の職場での闘いとして着実に開花している。
「日の丸・君が代」闘争や教基法決戦でも「職場の組合員を信じて行動方針を立てよう」と力説した。階級的労働運動を再建することは、実に困難な事業である。しかしわれわれは「労働者の団結こそ社会を変える力であるという思想」を実践する労組交流センター運動を小幡同志とともに踏み出すことができた。
被災地と連帯し闘う一大拠点へ
昨年の11・6全国労働者総決起集会が、小幡同志にとって最期の闘いとなった。「無理をしない方がいい」というご家族や仲間の進言に、「今年行かなければ、来年は行けない」と言い切って、出発のため玄関で仁王立ちしていた。
最期の病床にあって、見舞いに来た組合員に「いつまでもぐずぐずしていないで、いっしょに闘わないでどうするんですか! 立ち上がるのは今ですよ…」と語る姿は、生涯一労働者として闘う小幡同志の”生きざま”そのものであった。また青年教育労働者が職場から立ち上がっていることに涙して喜び、福島の子どもたちの未来を案じ、何よりも階級的労働運動の再建=闘う指導部を職場から生み出す闘いを現場労働者として貫き通した最期であった。
「あなたたちが三教組です」――。これが仲間への最後の檄となった。小幡隆同志! 私たちは、生涯一労働者としてのあなたの生きざまとともにあったことを心から誇りとします。あなたが心から愛してやまず、労働者としての生涯をささげた三教組を必ずや再び現場組合員の手に奪い返し、大恐慌と3・11情勢という労働者がついに社会の主人公となる時代が到来したなかで、被災地・福島と連帯し現場労働者が誇りをもって”職場に組合を、闘いは職場から”を実践できる労働組合とするため、神奈川県委員会と三浦半島地区委員会は総力をあげることを決意するものです。
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週刊『前進』(2519号6面5)(2012/01/16 )
共産主義者171号
3・11福島現地闘争に向け被災地3論文で路線提起
共産主義者171号は2012年冒頭の決戦に向けた重要な路線論文集として出された。
巻頭の島崎論文は、巻末に再録した革共同・清水丈夫議長論文で提起された今日の大恐慌をとらえる「米帝没落・EU解体・日帝脱落・中国バブル崩壊」の規定を深化・発展させる情勢論文である。世界大恐慌情勢と全世界的な階級闘争の激化に視点をすえた革命論的経済分析だ。日帝のTPP(環太平洋経済連携協定)への参加という路線がアジアのブロック化をめぐる争闘戦においてもいかに破滅的であるかを暴き出し、日帝打倒の展望を照らし出している。
復興特区攻撃の狙いを全面暴露
本号の目玉は「特集・3・11福島現地大闘争へ」の被災地から寄せられた三つの論文である。
革共同宮城県委員会論文は、復興特区攻撃の狙いを初めて全面的に暴露した決定的な論文である。そもそもこの特区攻撃は、その中身を経団連がつくり、それを政府が法制化し、被災自治体が実行するという構造だ。その狙いは資本のために被災地を丸ごと民営化し道州制導入の突破口にすることだ。TPPと一体でアジア並みの低賃金、労働基本権の解体と9割非正規職化を狙うなど、被災地をめぐる攻防が労働運動の最大の決戦となっている。帝国主義の復興攻撃・イデオロギー攻撃を階級的に打ち破るための必読論文である。
岡崎論文は農漁民の3・11反革命との闘いと労農同盟の革命的展望を指し示している。生きんがために決起した農漁民の闘いは本当に感動的であり、歴史的である。日帝は戦後一貫して、農民運動と労働運動の分断によって支配を貫徹してきた。新自由主義による農漁業の切り捨てと大資本の収奪こそ、3・11とTPPの正体であるとともに、帝国主義の存立基盤を自ら粉砕するものにほかならない。いまや労農同盟の本格的組織化は必須の課題となった。
福島県委員会論文は、文字通り「革命の根拠地となった福島の闘い」そのものである。突如襲いかかった原発事故の恐怖の中で、逃げるべきか、とどまって闘うべきなのか、すさまじい葛藤を闘う団結の中で突破し、JR郡山工場の闘いを拠点に労働運動を軸にした反原発闘争をつくり出していった福島県委員会の闘いが生き生きと報告されている。「党の革命」を通してつかんだ動労千葉労働運動、階級的労働運動路線で大震災・原発事故と対決し、福島の母親や農民を始めとした全人民を獲得して前進してきた福島県委員会の同志たちの闘いは、革共同の路線の最大の勝利であり、感動的精華である。
被災地3論文は被災地の同志たちの闘いが生んだ結晶である。読み込んで武装し、五つの拠点建設と3・11福島現地大闘争を大成功させよう。
外注化阻止の展望示す国鉄論文
北倉論文は、2011年、動労千葉・動労水戸を先頭にして国鉄闘争が切り開いた勝利的地平を総括し、12年決戦の課題を提起した国鉄論文である。今年25年目を迎えた国鉄分割・民営化の無残な破綻的現実を圧倒的に確認し、これをつくり出した動労千葉・動労水戸の外注化との闘い、被曝労働との闘いを総括した。すべての職場で外注化阻止闘争を開始するための貴重なヒントが込められている。
霧嶋論文は、米帝による歴史的な対中対峙・対決政策、中国バブル経済崩壊の現状、新段階に入った中国階級闘争の様相を描き出している。中国の労働者階級との団結をめざす意欲的な論文だ。
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