ZENSHIN 2011/12/05(No2515 p08)
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週刊『前進』(2515号1面1)(2011/12/05 )
被災地・福島の労働者・農民・学生とともに
12・10-11反原発総行動へ
野田の原発輸出・再稼働許すな
JR大再編と闘う動労千葉につづき外注化阻止・非正規職撤廃を
(写真 “星野さんを絶対に取り戻す!”の確信 11月27日、東京で「獄中37年を打ち破ろう! 星野全国集会」が600人の参加で熱気にあふれてかちとられた。「あと2、3年で出る」という星野文昭同志【徳島刑務所在監】の決意になんとしても応え、星野同志を早期に奪還し、再審を必ず実現することを誓い合った【墨田区錦糸町・すみだ産業会館】=記事8面)
11・6労働者集会の6千人結集の力を12・10−11反原発総行動へ、原発再稼働阻止、全原発停止・廃炉、「放射能に未来を奪われてたまるか!」の怒りの決起として継承・発展させよう。東京電力は11月30日、福島第一原発1号機で溶融した核燃料は、ほぼすべてが圧力容器を突き破って格納容器に漏れ出し、底のコンクリートを熱で分解しながら最大65a侵食したという解析結果を発表した。格納容器の外側の鋼鉄の板まで37aに迫っているという。何が「原発は安定」「年内に冷温停止(状態)」だ! フクシマの怒りと固く結び、原発輸出と再稼働に突き進む超反動の野田政権を絶対に打倒しよう。
放射能汚染と怒りの対決
日帝ブルジョアジーと野田政権は、福島県立医大の「放射線医療拠点化」なるものをうち出した。12月13日には同大学と日本経済新聞社で「福島モデルで挑む医産連携、世界に誇れる医療拠点を目指して」と称するシンポジウムを開催しようとしている。サブタイトルは「悲劇を奇跡に/福島県立医科大学の挑戦」だ。ふざけるのもいい加減にしろ!
福島医大の「放射線医療拠点化」とは、200万福島県民を放射能にさらし続けた上に、県民、特に被曝の影響を受けやすい36万人の子どもたちを、資本の金もうけの手段、被曝の研究・実験のモルモットにする、きわめて凶悪な犯罪計画だ。「復興ビジョン」を掲げて福島医大を放射線医療特区=「抗がん剤開発の人体実験の大拠点」にする攻撃だ。
3・11で未曽有の大災害を引き起こした下手人は日帝国家・資本家どもではないか。労働者人民に対するこの大犯罪行為を反省するどころか、史上最悪の原発事故を被曝実験としてとらえ、金もうけと核武装・原発政策続行のテコにしようとしているのだ。ここに大恐慌と3・11情勢のもとでの脱落帝国主義・日帝の腐りきった姿がある。
しかも放射能問題・被曝問題はいよいよ全労働者人民の死活的な問題になっている。福島を始め、放射能による健康の甚大なリスクに全人民が直面している。沖縄を含む45都道府県で飛散したセシウムが観測されている。とりわけ福島や首都圏・関東圏などの多くの子どもたちは、直ちに集団避難させなくてはならない高線量の放射能のただ中にいる。福島市内の渡利地区(6700世帯)などは、本当に待ったなしの状態である。
今回、福島第一原発の吉田所長が突然入院し退任した。病名も被曝線量も隠したままの異常事態だ。「もう駄目だ」と思った時が3回あったという吉田所長が大量被曝していることは想像に難くない。では爆発を起こした時に原発敷地内にいた多くの労働者と自衛隊員は、一体どうなっているのだ。
一切の情報を隠し、原発輸出と再稼働を推進し、核燃サイクルと核武装化政策をあくまで続けようとする日帝ブルジョアジーと野田政権を、労働者階級の団結と決起で絶対に打倒しよう。
大恐慌下でのストとデモ
大恐慌下の欧州金融恐慌は底なしに激化し、ユーロ崩壊とEUの解体・分裂は不可避となっている。イタリア、ギリシャを始めスペイン、ポルトガル、アイルランドの「PIIGS」と呼ばれた5カ国の政権がすべて倒れた。労働者階級は大失業攻撃に対決し歴史的なゼネストで闘っている。恐慌が大失業とゼネストを引き起こし、大失業とゼネストの波が恐慌をさらに激化させるプロセスだ。
イギリスではキャメロン政権が発表した年金制度改革案に抗議し、公務員200万人が11月30日、英全土でストライキに突入した。過去数十年で最大規模のストライキだ。同日、英全土の学校の4分の3は休校となり、病院は救急治療のみを受け付け、自治体機能は停止した。空港や港湾でも大きな影響が出た。
12月12日にはローカル21を先頭にILWU(国際港湾倉庫労組)が再びオークランド・ゼネストに決起する。そして世界大恐慌下の「99%」の決起が、ついにエジプト第2革命情勢を切り開いている。2月革命の成果を簒奪(さんだつ)してきた軍最高評議会による軍政を打倒するプロレタリア革命の開始である。その主役は2月革命を実現した労働者階級と青年たち(4月6日運動)だ。
中国の階級闘争もまったく新しい段階に入った。大恐慌下で中国の労働者と農民はスターリン主義体制と真っ向から激突し、権力・資本との闘いに立ち上がっている。韓国では、韓進(ハンジン)重工業闘争の勝利的前進を引き継ぎ、韓米FTA(自由貿易協定)批准阻止の実力闘争が爆発している。まさに大恐慌下で世界革命への炎が燃え上がっているのだ。
こうした中で、3・11情勢と対決する日本階級闘争は、世界革命の先端における激突である。脱落帝国主義の日帝・野田政権は、日本経団連と連合ダラ幹に支えられた超反動のボナパルティズム政権だ。それが推進するTPP(環太平洋経済連携協定)参加は、一方で対中対峙・対決と日米安保強化の戦争政策であり、他方で「復興特区」攻撃と一体の労働者への民営化・外注化・非正規化の階級戦争そのものである。それは同時に農業壊滅、医療崩壊の大攻撃に他ならない。
連合は、外国人労働者を流入させないとの条件を付けてTPPに賛成し、会長・古賀は労働者派遣法改定案から「製造業派遣」「登録型派遣」の原則禁止を削除する攻撃にも賛成している。労働法制を解体し、4・9政治和解=労働運動圧殺の反革命を推進する最先兵に、連合ダラ幹指導部がなっているのだ。
国鉄決戦先頭に全国で闘い進む
この中で国鉄闘争がいよいよ決戦を迎えている。12月攻防から2012年4月へ、JR大再編と激突し、勝利をかちとろう。JR大再編攻撃は、原発推進、TPP推進と一体の新自由主義攻撃そのものだが、まさに「分割・民営化25年問題」として敵の最大の破綻点でもある。これとの攻防が4月までの大決戦だ。
動労千葉は指名ストを闘い、基地再編粉砕・外注化阻止、組織拡大の決戦に突入して12・1外注化も完全に阻止した。動労水戸の決起は、労働者が反原発闘争の最前線に立つ闘いである。この動労千葉、動労水戸の闘いに続いて、動労総連合と国労共闘の労働者が職場闘争を全国で展開し、反原発闘争、偽装請負の告発、「雇い止め解雇」撤回・契約社員制度撤廃の闘いに決起していることは決定的なことである。
今こそ、外注化阻止=非正規職撤廃の闘いを全国の全産別で巻き起こそう。とりわけ東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の闘いは、解雇撤回と非正規職撤廃の闘いの本格的な爆発をかちとる決定的突破口だ。鈴コン分会に対する組合つぶしの攻撃は、新自由主義攻撃として今後さらにすべての非正規労働者にかけられようとしている。絶対に許すな! 全国から12・22集会に結集し、鈴コン分会の闘いを支援・防衛しよう。
さらに郵政非正規ユニオンの闘いを全国に広げるために「郵政非正規ユニオンを支える会」を組織し、郵政本体での職場闘争を組織して闘おう。
大阪での橋下・松井という「維新の会」のファシストどもの跳梁(ちょうりょう)に対し、自治体・教労を先頭に労働組合の団結と決起で大反撃しよう。
とりわけ仙台市職など被災地での労働運動攻防にかちぬき、全面的な飛躍を切り開こう。
さらにこの12月は、2012年の大決戦に向け、11・6集会の全面的な総括の上に立った組織拡大・機関紙拡大決戦、財政決戦の時である。
組織拡大と財政の大決戦
第一に、階級的労働運動とくに労働組合運動でもっと力をつけることだ。第2、第3の動労千葉を本当につくり出すことだ。第二に、そのために職場に労働者細胞をつくり、組合権力獲得、労働組合の拠点建設に全力で突入しよう。強固な産別委員会を建設し、それと一体で地区党建設、労働者党建設を推進しよう。第三に、職場闘争とマルクス主義の復権をかちとり、青年労働者の組織化とマル青労同建設に全力で取り組もう。
その上で12月の最大の決戦は、冬期一時金カンパ闘争である。
すべての同志、『前進』読者、支持者のみなさん。大恐慌をプロレタリア世界革命へ転化するために、革共同は労働組合での拠点建設を全力で闘います。動労千葉が切り開いた国際連帯闘争を世界革命に向けて徹底的に発展させます。そして被災地・福島の怒りと闘いに全力で結びつき、反原発闘争と福島医療施設建設を、多くの人びとと共に推し進めます。
革共同はそのための例年をはるかに超える圧倒的なカンパを心から訴えます。
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週刊『前進』(2515号1面2)(2011/12/05 )
2012年決戦の勝利へ革共同に絶大なカンパを
『前進』読者の皆さん。労働者、農民、学生の皆さん。革共同はこの冬、歴史的な大カンパ闘争に立ち上がっています。みなさんの力をぜひ貸して下さい。
11・6労働者総決起集会を経て私たちは全世界の労働者との揺るぎない路線的一致をかちとり、革命に向けた新たな出発点をつくることができました。
「反原発・反失業・国際連帯」「民営化・外注化阻止、非正規職撤廃」は、万国の労働者の共通の路線となりました。4大産別、非正規職、被災地から激動期のリーダーが続々と結集し、6千人の団結を力強くリードしました。
韓国のハンジン重工業で「整理解雇撤回」を求めて309日間の高空籠城(ろうじょう)を闘った民主労総のキムジンスクさんが笑顔で地上に降り立ちました。彼女の不屈の闘いは「希望バス」を生み、全労働者に深い感動と希望を与えました。「団結さえ崩さなければ、展望はいくらでも開ける」という動労千葉労働運動の教訓が、全世界労働者に共通の真実であることが示されたのです。
資本家どもは心底から震え上がっています。「99%」の労働者の反乱は世界中に広がり、「オキュパイ=占拠」が合言葉になっています。革命が日程に上っているのです。
大恐慌は国家財政の破綻段階に入りました。帝国主義の一角であるイタリアは国家破綻状態です。それはEU崩壊へと連動するものであり、まさに革命的情勢そのものです。
大震災、原発事故で帝国主義間争闘戦から脱落した日帝は、自らの死に脅え、資本の凶暴な本性をむき出しにしています。「復興特区」やTPP(環太平洋経済連携協定)参加で資本家を縛る規制を取り払い、労働者階級からの一層の搾取・収奪を狙い、福島県民を被曝にさらして「医療特区」による金もうけをたくらんでいます。
日帝は労働者の反乱を死ぬほど恐れ、非正規職撤廃の闘いを最先頭で闘う東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の組合員に対して組合つぶしの解雇攻撃をかけてきました。正当なストライキ、ビラまきなどの組合活動を「会社の信用を傷つけた」と言って労働者の首を切る資本の凶暴性は、まさに支配階級の末期症状です。
11・6労働者集会を通じて世界中の労働者階級が、ひとつにつながっていることがはっきりしました。次に必要なことは、この闘いを形にして組織的な団結に絞り上げることです。福島での医療施設建設を先頭に命と生活と団結を守るあらゆる拠点をつくり上げましょう。
獄中37年の無実の星野文昭同志の再審闘争は、新証拠を武器に、さらには世界中の労働者との団結を固めて大きく前進しています。あと「2〜3年で出る」と言う星野さんの訴えに、なんとしても全力で応えようではありませんか。
世界を変える闘いが日本を先頭にして始まりました。革命の時代に真っ向から対応した闘争資金が圧倒的に必要です。巨大な規模で労働者階級人民は革命を求めています。カンパの拠出から革命への決起が始まると言っても過言ではありません。
2012年決戦の勝利へ、絶大なカンパの集中を心から訴えます。
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週刊『前進』(2515号1面3)(2011/12/05 )
12・11 各地の主な行動
■東京
がんばろう!さようなら原発1000万人署名
12・10集会
東京・日比谷野外音楽堂
12月10日(土)オープニングコンサート午後1時15分〜、1時30分開会
※40分程度の集会後にデモ(日比谷公園→東電本社前→銀座→東京駅→常盤公園)
主催/さようなら原発1000万人アクション実行委員会
■宮城 すべての原発いますぐなくそう!全国会議みやぎ結成集会 佐藤幸子さんの講演/午後2時/仙台弁護士会館
■福島 午前10時〜12時半・生活村/福島テルサ /午後1時サウンドデモとサイレントデモ(選べる2コース)/主催・子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク
■埼玉 反原発アクションin埼玉 医師・肥田舜太郎さんの講演会/午後1時30分集会、4時デモ/さいたま市ときわ会館/主催・埼玉反原発アクション
■千葉 ふなばしデモ/午後3時/天沼弁天池公園(船橋駅北口近く)/主催・原発なくせ!ちばアクション実行委員会
■広島 知ろう!語ろう!つながろう!トーク&アクション 子どもたちを放射能から守る福島ネットワークの長谷川祐子さん、ヒロシマの医師の室本哲男さん/午後1時集会、3時30分デモ/広島平和記念資料館会議室/主催・すべての原発いますぐなくそう!全国会議ヒロシマ(準)
■沖縄 琉球大学名誉教授・矢ケ崎克馬さんの講演会/午後3時/那覇市牧志駅前ほしぞら公民館/主催・福島とつながる沖縄デモ実行委員会
■その他 札幌市、横浜市、宇都宮市、群馬県桐生市、長野市、富山市、岐阜市(10日)、名古屋市、三重県四日市市、大阪市など関西各地、福岡市などで街頭宣伝やデモが行われます。
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週刊『前進』(2515号1面4)(2011/12/05 )
前進速報版から
▼関西生コン支部への反動判決弾劾▼独ゴアレーベンの核廃棄物搬入阻止闘争▼ポルトガルでゼネスト▼サンフランシスコで星野闘争▼動画・動労千葉の訪韓闘争
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週刊『前進』(2515号2面1)(2011/12/05 )
動労千葉 職場闘争でJR追い詰める
京葉構内の外注化12・1実施も完全に阻止
動労千葉は10〜11月、業務外注化阻止・運転基地再編をめぐって、ぎりぎりとした職場攻防を闘い抜いてJR当局を追い詰めてきた。
京葉車両センターでの構内運転業務一部外注化については、10月1日に続き11月1日、12月1日の実施も完全に阻止する画期的勝利を切り開いている。JR当局が正式に提案した合理化案が2カ月以上も実施できなかったことは前例がない。
この地平は、現職組合員と、千葉鉄道サービスで働くエルダー組合員が一致団結して展開した「外注業務を請けないでくれ」「青年たちの未来を奪ってはならない」という本気の職場オルグ、ストライキや非協力闘争などの職場抵抗闘争と組織拡大の闘い、団交における偽装請負の追及、労働局への偽装請負の告発、東京地裁への外注化差し止め仮処分申請など、あらゆる手段を駆使して切り開かれた。
京葉車両センターでは動労千葉組合員の数は多くない。外注化阻止の展望があらかじめ存在していたわけでもない。10年間にわたって業務外注化を阻止してきた力関係と、こうした必死の闘いが他労組の組合員も含めて職場全体を揺さぶり、JR総連・東労組千葉地本の中からも外注化反対の声が噴出する状況をつくり出したのだ。
JR千葉支社は、「年内実施」という姿勢を崩していない。しかし、青年労働者の中から次々と反対の声が上がる中で東労組千葉地本との団交も決裂したままであり相当に厳しい状況だ。
さらに、動労総連合が厚生労働大臣あてに行った偽装請負の申告を受け、9月中に、茨城県労働局が勝田車両センターに、埼玉県労働局が高崎車両センター籠原(かごはら)派出にそれぞれ実態調査に入ったことも重大だ。JR西日本でも米子支社・後藤総合車両所で10月、2人の国労組合員が偽装請負の申告をした(前号既報)。こうした闘いの拡大はJR資本を震撼(しんかん)させている。鉄道は複雑に絡みあったひとつの巨大システムだ。その業務をバラバラにして外注化すること自体が安全を根底から崩壊させ、偽装請負をともなうことは明白だ。ここに業務全面外注化を軸とするJR大再編の最大の弱点があるのだ。
(写真 「運転基地再編粉砕! 外注化阻止!」を掲げJR千葉支社に抗議【11月11日】)
千葉運転区支部も指名ストへ
佐倉運輸区・銚子運輸区新設をめぐっても銚子支部、千葉運転区支部を先頭に一糸乱れぬ闘いが貫かれている。
11月5日から線見ハンドル訓練拒否の指名ストに入った銚子支部が闘いを継続するとともに、12月からは千葉運転区支部組合員も指名ストに入る。千葉運転区では本人の意思確認もないままに約40人の運転士が訓練指定された。うち8人が動労千葉組合員だ。
新設される佐倉運輸区・銚子運輸区については「来年3月末頃の運用開始を予定」と提案されている。3月ダイヤ改定時と想定すれば、あと3カ月余りしかない。にもかかわらず、いまだにダイ改スケジュールも、運転士・車掌の要員数も明らかにされていない。これ自体がとんでもない話だ。「誰が、いつ、どこに配転になるのか」の提案もないままに、ただただ強制配転のための訓練だけを強いる当局のやり方に、職場の怒りはますます高まっている。
JR大再編攻撃を迎え撃つ闘い
こうした闘争は、来春闘におけるJR大再編を迎え撃ち、打ち破る闘いの開始そのものだ。
国鉄分割・民営化から25年を迎える来年春、JR東日本では新人事・賃金制度導入、検修業務の全面一括外注化、運転基地の大再編、グリーンスタッフの大量解雇、東労組カクマルの最後的切り捨てと労務政策大転換などが一気に焦点化する。
日帝・支配階級とJR資本は、昨年4・9政治和解で国鉄分割・民営化問題に終止符を打ち、分割・民営化25年を期して「民営化の成功と完成」を大々的に打ち上げることを狙っていた。これは国鉄分割・民営化型の攻撃を教労・自治体を始め全産別で、より大規模に実施する攻撃の開始そのものでもあった。
しかし、動労千葉争議団と国労原告団を先頭とする国鉄闘争全国運動がこれに対峙(たいじ)し他方で、JR全体を揺るがす外注化阻止闘争(非正規職化阻止闘争)、動労水戸を先頭とする被曝労働拒否の闘いがJR資本を追い詰めている。JR北海道・四国・九州と貨物会社の深刻な経営危機、安全の根底的崩壊など、JR体制の破綻は隠しようもない。なによりも決定的なのは、東労組カクマルの支配を打ち破って青年労働者の「未来を奪われてたまるか!」という決起が広範に始まっていることだ。
今こそ、反原発の怒りと決起、非正規職撤廃の闘いと結びつき、国鉄分割・民営化以来の階級的力関係を転換すべき情勢が煮詰まっている。動労千葉の闘いはその最先端を切り開いている。この闘いに続こう!
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週刊『前進』(2515号2面2)(2011/12/05 )
和解拒否国労闘争団 組合員資格確認求め提訴
労組の本来の姿とり戻す闘い
国鉄1047名闘争解体を狙って仕掛けられた昨年4月9日の「政治和解」を打ち砕く新たな闘いが始まった。和解を拒否し、あくまで解雇撤回闘争を貫く秋田闘争団の小玉忠憲さん、旭川闘争団の成田昭雄さん、鳥栖闘争団の石ア義徳さん、小倉闘争団の羽廣憲さんの4人が11月24日、国労本部を相手に組合員資格の確認を求める裁判を東京地裁に起こした。
国労本部は今年7月28、29日に開かれた国労全国大会で、組合員の資格を「JRまたはJR関連会社に雇用された者」に限定する規約改定を強行し、闘争団員から組合員資格を奪った。まさにこれは、国鉄分割・民営化によって解雇された労働者を、国労本部自らの手で国労から追放する許しがたい暴挙だ。
これに対して起こされた4原告の裁判は、団結して資本や国家権力と対決する労働者の絶対不可欠の権利を奪い返すための闘いだ。
4原告の訴状は、マルクスの『資本論』をも引用しつつ、労働組合の本来のあり方を次のように格調高く論じている。
「労働組合は、資本主義社会において自らの労働力を売って賃金を得る以外に生活の糧を手に入れる方法をもたない労働者が、『失業の自由』『飢える自由』から免れ、人間としての生存を確保するために、労働者自らがつくり出した一つの歴史的産物である。生産手段を独占し、国家権力までも支配する『強者』たる資本家に対して、一人ひとりでは圧倒的『弱者』に止(とど)まらざるをえない労働者は、団結し労働組合を結成することによって社会的に対等な立場をめざしたのである。資本家・使用者に対して団結して闘い、生活と権利を守ること、ここに労働組合の原点がある」
その上で、国労本部が強行した規約改定を「原告らの組合員資格を奪うだけにとどまらない。今後は、解雇が資本の不当労働行為によるものであれ、JR資本により解雇された組合員は解雇されると同時に組合員資格を自動的に失うことになる。今、雇い止め攻撃に直面しているグリーンスタッフの組合員からも、組合員資格を奪うことになる。したがって、この規約の改定は、その解雇撤回闘争に取り組まないことをJR資本に誓約していることを意味する」と鋭く弾劾している。
4原告は、単に自分たちの権利を守るだけでなく、労働組合を本来の姿によみがえらせるためにこの闘いに打って出た。
検修業務外注化や基地統廃合と闘う動労千葉、被曝労働の強制と闘う動労水戸、非正規職撤廃へ闘う動労西日本と連帯し、今や被災地を先頭に闘う国労組合員は、国労本部の反動を突き破って職場でJR資本と激突を始めている。
その最先頭で、4人の闘争団員が1047名解雇撤回闘争をあくまで貫き、国労を資本と闘う本物の労働組合によみがえらせるために立ち上がったのだ。物販闘争を武器にこの闘いを支えぬき、JR体制打倒の職場闘争をさらに不屈に闘おう。
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週刊『前進』(2515号2面3)(2011/12/05 )
12・22鈴コン闘争総決起集会へ
資本の組合つぶし絶対許さず解雇撤回までとことん闘おう
12月22日、北区赤羽会館大ホールで開催される「12・22鈴コン闘争勝利!総決起集会」(要項別掲)に全国から総決起することを訴える。鈴木コンクリート工業資本は、一般合同労働組合東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会(以下鈴コン分会)に対して解雇予告通告を乱発し、組合壊滅攻撃をかけてきた。革共同合同・一般労組委員会は、鈴コン分会に対するこの攻撃を絶対に許さない。総力を挙げて、必ずや解雇撤回をかちとり鈴コン分会を守り抜く。
(写真 鈴木コンクリート工業の工場門前で10月20日、抗議闘争を闘う鈴コン分会と支援【写真は合同一般労組全国協HPより】)
団結破壊狙う「3カ月契約」
鈴コンの闘いは2千万非正規雇用労働者の総反乱を切り開き、資本主義を根底から転覆する闘いの基軸だ。12・22総決起集会を、韓国・韓進(ハンジン)重工業のキムジンスクさんの309日間の闘いを支えた「希望バス」のような闘いにしよう。雇い止め解雇を許すな。3カ月・6カ月・1年という小間切れの有期労働契約そのものを粉砕しよう。派遣法撤廃、非正規雇用労働撤廃! 有期労働契約を廃絶し、すべての労働者を無期労働契約で雇用せよ!
鈴木コンクリート工業株式会社は1952年に設立され、東京都豊島区に本社を置き、板橋区舟渡に工場を持つ。建築現場で使用する生コンクリートの製造・販売・運送などを事業内容とする資本である。労働者の数は20〜30人ほどだ。
他方、1985年に設立され現在20数人の労働者が働く「有限会社東豊商事」が労働委員会・裁判の直接の被申立人・債務者である。
労働者の数があいまいなのは、鈴木コンクリート工業と東豊商事の労働者が厳密に区分できないからだ。鈴コンの社員は管理職と生コン試験担当、東豊商事の労働者は運転手だけであるが、21年前に社員と契約社員の運転手に分断された。東豊商事は82年に総評運輸一般東京生コンの労働組合が警察権力の弾圧によってつぶされた後、運転手に労働組合をつくらせないための予防措置としてつくられたダミー会社である。ほとんどの労働者を3カ月雇用の非正規労働者に置き換えたのはそのためだ。
両者は同一の所在地にあり、本年10月6日に死亡した鈴木コンクリート工業株式会社の代表取締役と、有限会社東豊商事の取締役社長・鈴木富美子は夫婦である。3カ月の「臨時労働契約書」を取り交わして資本の都合のいいように使い捨てにする構造は、国鉄分割・民営化、外注化・非正規化と同一のものであり、新自由主義を露骨に体現してきた資本が鈴木コンクリート工業=東豊商事なのである。鈴コン分会の闘いの歴史の中に、国鉄分割・民営化と闘い抜いてきた動労千葉労働運動と同質の闘いがある。日本の非正規雇用労働者の置かれている現実のすべてがあり、鈴木資本との闘いの中に新自由主義攻撃と闘う非正規雇用労働者の闘いの最高の団結形態がある。
鈴コン分会は、2009年7月5日に東豊商事と3カ月の臨時労働契約を結ぶ労働者10人で結成された。資本による組合の分裂攻撃をはね返し、現在6人の組合員が分会の団結を守り、闘い抜いている。
6人の組合員のうちの4人が解雇通告を受けた。鈴コン分会の決起と闘いは、非正規雇用の労働者が自ら団結して立ち上がった非正規職撤廃、外注化を許さない闘いの象徴であり、すべての非正規雇用労働者の怒りと闘いの道筋をさし示している。鈴コン分会の団結の質と明るさはかけがいのないものだ。
“労働者は奴隷じゃない!”
分会結成から1年、昨年の第2回大会で分会長は次のように述べた。
「鈴木コンクリート工業の会社の実態は、日本の非正規雇用の悪の実態そのものです。独裁社長・鈴木富美子の支配のもと3カ月雇用契約を続け、労働条件は劣悪で賃下げを強行しようとする。モノを言う労働者には徹底的ないじめをやり、3カ月雇用契約をタテに『いつでも首を切るぞ』と脅しをかける。労働組合結成にいたる思いと決意は、こうした背景の中にありました。労働者は奴隷じゃない。労働者は必ず決起し、団結した労働者の力、労働組合は、独裁者・鈴木富美子経営を絶対許さない。長年の怒りの蓄積を胸に今もって闘っています。鈴コン分会結成から1年が経ち、3カ月雇用契約の度の1日休みの廃絶、会社都合の休業補償を過去にさかのぼって出させました」
東豊商事の3カ月の契約社員は、3カ月の契約期間の後「契約休み」という丸1日労働契約がなされない日をはさんで、翌々日からまた再契約されるという信じがたい有期労働契約を強いられてきた。アルバイトには有給休暇はなかった。
今回、雇い止め解雇通告を受けた労働者の勤続年数は長い人で22年だ。この労働者は最初、鈴木コンクリート工業に入社し、雇用期限の定めのない労働者だったが「形だけのことで心配はいらない」から東豊商事に転籍してくれと言われ、02年に東方商事に移籍。3カ月の有期契約労働者にされ、この年から40回の契約を更新してきた。分会長の雇用年限は一番短いが、それでも5年2カ月であり21回の契約更新をしてきた。西部ユニオン執行委員長・同分会書記長は8年7カ月、33回の契約更新を重ねてきた。
今回の解雇攻撃は「臨時労働契約終了予告通知書」なるものによってなされた。通常解雇でも懲戒解雇でもなく、臨時労働契約が終了したため「次回の再契約はいたしません」という形をとった解雇である。
ここに有期労働契約における雇い止め解雇の本質が露わになっていると同時に、鈴木資本の最大の弱点がある。20〜40回も契約更新を繰り返してきた実態として雇用期限の定めのない労働者を、こんな形で雇い止め解雇することなどできないことは数多くの裁判の判例が示しているところだ。
今回の「臨時労働契約終了予告通知書」には「就業規則○○条○○号違反」などと就業規則の条項が羅列され「本来懲戒処分とすべきところではありますが、永年の功労を以って情状酌量し、懲戒処分を留保」すると記されている。このように労働者をなめきった言葉で解雇することなど絶対に許してはならない。くだくだと書かれた就業規則違反とは「会社の名誉を損ない」とか「会社の信用を傷つける宣伝扇動、反抗的な行為」というようなものだ。それが具体的に何を指すのかは一言も書いてはいない。書けないのだ。書いた途端に資本の大うそが明らかになるからだ。
「非正規職撤廃」の成否かけ
今回の雇い止め解雇予告の直接的な発端となったのは、9月27日のストライキと10月20日の浮間舟渡駅前街宣である。
09年11月に解雇され、解雇撤回闘争を闘い抜いてきた田口守組合員が本年8月に急性脳梗塞で倒れ、死亡したことに対して、鈴木資本は「逝去が弊社における対応と全く関係がない」として、田口さんの遺族と分会が解雇撤回の要求を継続していることについて団体交渉を拒否してきた。さらに、皆勤・精勤手当8000円の一方的カットを通告してきた。9・27ストは、それに対する抗議と撤回を求めてのものだ。
鈴木資本は「同ストライキに正当性がなく」とか「もしストライキを行う場合にはしかるべき措置を行うことを回答している」という労働者の団体行動権そのものを否定する文書をもって、ストに対し3〜7日の「出勤停止処分」攻撃をかけてきた。日給月給の日当1万円の労働者にとって1週間の出勤停止は7万円の賃金カットとなる。街宣での組合員のアピールは鈴木資本のありのままの現実を暴露したにすぎない。田口組合員の死は、解雇されアルバイトをしながら解雇撤回闘争を闘い抜いてきたゆえのことであり、鈴木資本の解雇攻撃が田口組合員の死と無関係ではない。
鈴木コンクリート工業資本は、昼休み休憩を日常的に奪い、ミキサー車への過積載の強要などは日常茶飯事だ。これは労基法違反、道交法・車両法違反である。先日起きた人身事故では、責任の一切を運転手になすりつけ、ついには辞めさせてしまった。「3カ月ごとの健康診断」など名ばかりで、実態は「10年間に1回だけ」というものだ。こういう真実を暴露したから就業規則違反・解雇だというのである。
社長は「そんなに会社が嫌で文句があるのであれば、いつ辞めてもいいのよ」「男のくせして残業代とか言って、いくら欲しいの。細かいことばかり言っているんじゃないわよ」と恫喝をかけ労働者を辞めさせてきた。田口さんへの解雇攻撃は「会社に盾をついたらこうなるのよ」というみせしめ弾圧だった。鈴コン分会の団結の要は「仲間が目の前で解雇になるのに見て見ぬふりする労働者が、会社、社長と闘えますか。解雇撤回を闘えないで労働組合と言えますか。一人の仲間も見捨てない」という労働組合の原則を貫いたものだ。
新自由主義との最先端攻防
今回の鈴コン分会への解雇攻撃の本質は、労働組合壊滅を狙う労働者階級全体にかけられた新自由主義攻撃そのものだ。亡くなった田口さんを含めて解雇者は5人に上り、組合員を全員解雇しようとする組合絶滅攻撃である。この鈴木コンクリート工業のあり方に新自由主義攻撃の典型的姿が示されている。そして、鈴コン分会の闘いこそ、非正規職化攻撃と激突する今日の階級闘争を牽引(けんいん)する決定的位置を持っている。郵政非正規ユニオンの雇い止め解雇撤回闘争と鈴コン分会の闘いは、非正規職撤廃闘争の最先端的役割を果たしている。
鈴コン分会にかけられた連続する雇い止め解雇との闘いは、単に鈴木という一資本との闘いではない。新自由主義を掲げた階級攻撃、今日の階級攻防の最先端に位置する闘いである。非正規職撤廃闘争の成否をかけた階級決戦だ。不当な雇い止め解雇を撤回させるために総決起しよう!
鈴コン分会はビラで訴えている。「解雇は死刑宣告だが、分会は何度も生き返って、明るく、したたかに、職場に残る組合員や労働者と団結して、信じて闘い続けている。絶対勝てる! 国鉄闘争を先頭で闘う動労千葉・動労水戸の闘いと西部ユニオン鈴コン分会、郵政非正規ユニオンの闘いは二つにして一つだ。12・22にさらなる大結集を訴えます!」
〔革共同合同・一般労組委員会〕
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【集会要項】
解雇撤回・非正規職撤廃
12・22鈴コン闘争勝利! 総決起集会
と き 12月22日(木)午後7時開会
ところ 東京・北区赤羽会館大ホール
主 催 12・22集会実行委員会
呼びかけ 合同・一般労働組合全国協議会/一般合同労働組合東京西部ユニオン/西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会
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週刊『前進』(2515号3面1)(2011/12/05 )
派遣法撤廃・非正規職なくせ
「製造業」「登録型」派遣推進の連合・古賀を断じて許すな!
連合の古賀伸明会長は11月17日の記者会見で、労働者派遣法改定案をめぐる民主、自民、公明3党の合意を支持すると発言した。合意内容とは「製造業派遣、登録型派遣などの原則禁止規定の削除、日雇い派遣の原則禁止の緩和」などだ。野田政権と連合本部は、大恐慌と3・11情勢のもとで、日帝ブルジョアジーの延命をかけて新自由主義政策を加速させ、労働者への強搾取に突き進もうとしている。これに怒りをたぎらせる青年労働者、非正規雇用労働者を先頭に、国鉄決戦を基軸に外注化阻止・非正規職撤廃、偽装請負粉砕の闘いを爆発させよう。野田政権と連合本部を打ち倒すことは日本労働者階級の急務である。
派遣切りに非正規労働者の怒り爆発
古賀の派遣法改悪支持表明は、2008年末の大量の派遣労働者への雇用契約打ち切り、すなわち「派遣切り」解雇に対する非正規雇用労働者の怒りの爆発を過去のものとして葬り去るものだ。そして、04年に解禁された製造業派遣・登録型派遣・日雇い派遣に、労働組合ナショナルセンターとして「合法」のお墨付きを与えて積極的に推進するとの表明だ。階級的犯罪行為以外の何ものでもない。
派遣労働こそ、請負労働、期間限定雇用とならぶ外注化・非正規職化の環である。
08年、リーマン・ショックに端を発し世界金融恐慌が爆発した。この時、当時の日本経団連会長の御手洗を会長とするキヤノンやパナソニックなど製造業の巨大独占資本は、「派遣切り」解雇を強行した。数十万人の派遣労働者・期間雇用労働者をボロ切れのように切り捨て、年末の路頭に放り出した。
資本の理不尽な仕打ちに直面し職と生活の糧を失った非正規雇用労働者は、日比谷公園をはじめ全国の「派遣村」に結集して怒りを爆発させた。これに対するペテン的対処としてあったのが、労働者派遣法の改定作業だった。
1980年代の国鉄分割・民営化から新自由主義攻撃が全面化し、労働法制の改悪、資本に対する規制の緩和が進行した。04年には派遣法が改悪され、製造業への派遣を解禁するなど派遣労働が原則自由化された。行き着いた先が全労働者の4割、青年労働者2千万人の過半に達する非正規雇用のまん延であり、「派遣切り」解雇の横行であった。
これに対して首を切られた労働者が09年初頭、今日の「ウォール街を占拠せよ」運動の先駆けともいうべき数波に及ぶ経団連包囲デモに立ち、霞が関を揺るがした。派遣労働という使い捨て雇用形態とその法的根拠としてある労働者派遣法への怒りが、資本主義体制そのものへの怒りとして燃え上がったのだ。
非正規雇用労働者の反乱に恐怖した日帝支配階級は、既成の労働組合や市民運動幹部を使って、体制内的収拾と取り込みの策動を幾重にもわたってかけてきた。
09年8月30日の総選挙の敗北で自民党支配が崩壊し、民主党・連合政権が登場、引き延ばしに引き延ばしを重ねた末に出してきたのが今回の派遣法改定案だった。
日本経団連の要求に沿った「改悪案」
今回の「労働者派遣法改正案の修正」とは、そもそも連合本部の全面協力のもとで提出された派遣法改定案を、さらに根本的に変質させる改悪案である。製造業派遣や登録型派遣、日雇い派遣の禁止規定(解説参照)をあえて削除・緩和することで、「合法」のお墨付きを与えて奨励する暴挙に走ったのだ。
08年末、キヤノン工場における膨大な「派遣・非正規切り」が社会問題化した。違法な偽装請負を告発された経団連の御手洗会長は、「法律の方が悪い。法律を変えるべきだ」と居直り、それ以降、日本経団連は「アジア諸国並みの低賃金・労働条件」を「成長戦略」の土台とするために、「成長阻害要因である過度の労働規制の撤廃」を主張し続けてきた。
野田政権はこの日本経団連の意向に応えて、労働者派遣法改定案から禁止規定の削除を行い、連合もまたその先兵となることを表明したのだ。まさに大恐慌下の政労資一体となった新自由主義の続行、外注化・総非正規職化のための労働規制撤廃の大攻撃である。
厚生労働省の集計結果(速報版)によると、10年度の派遣労働者数は約267万人。登録型派遣は約175万人。現実には製造業派遣と日雇い派遣が急増している。「派遣切り」に続く大恐慌下の「震災解雇」や、外注化・非正規職化に伴ってふくれ上がる非正規雇用労働者の雇い止め解雇に対する怒りを、さらに一層爆発させて闘おう。
青年労働者を先頭に偽装請負粉砕を
大恐慌・大失業下の労働者派遣法改悪の攻撃は、非正規雇用労働者、とりわけ青年労働者の怒りの火に油を注ぐ。09年「派遣村」の闘いをもはるかに超える闘いが爆発する。労働者がこのまま黙って労働規制撤廃に応じると思ったら大間違いだ。
すでに、資本による雇い止め解雇・労組破壊攻撃を真っ向から受けて立ち、郵政非正規ユニオンや東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会が解雇撤回闘争を猛然と闘いぬいている。また、さいたまユニオン行田分会は、ホンダ系自動車部品メーカー・ショーワの「派遣切り」解雇攻撃に対して、派遣元に未払い賃金を支払わせ、さらに派遣先のショーワに対する団交要求の労働委員会闘争を継続している。
国鉄闘争と被災地の闘い、動労千葉と関西地区生コン支部、非正規雇用労働者を先頭に、反原発・反失業、解雇撤回と外注化阻止・非正規職撤廃の闘いが、全国全産別で巻き起こっている。わずか「1%」の資本家に対する「われら99%の労働者」の「生きぬく闘い」が、全世界でデモとゼネストとして爆発している。まさにこの時に、資本主義擁護の立場から国家・資本と身も心も一体化して、労働者階級の敵として立ち現われているのが連合本部だ。
闘いが労働者の未来を開く。青年労働者を先頭に闘う労働組合をよみがえらせ、新たにつくり、外注化阻止・非正規職撤廃の大闘争を職場生産点から巻き起こそう。現場労働者の闘いで、野田政権とその最大の支柱である連合本部を打倒し、派遣法を葬り去ろう。世界大恐慌をプロレタリア世界革命へ転化しよう! 12月を闘い、2012年決戦の勝利の突破口を切り開こう。
(大迫達志)
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■解説
製造業派遣 09年末の「派遣切り」の最大の対象。04年の労働者派遣法改悪で、それまで認められてこなかった製造業への労働者の派遣が認められるようになった。06年に偽装請負問題が発覚し、製造業界側は規制が厳しい請負から派遣へ労働力をシフトし、前年度の3倍以上にも膨れ上がった。
登録型派遣 労働者が派遣業者に登録を行い、派遣先の求めがあるときにだけ派遣業者との雇用契約の関係が生じる派遣労働の形態。今日の派遣労働者の4分の3以上がこの登録型派遣に当てはまる。
短期・日雇い契約を基本とし登録した派遣会社からの連絡(携帯電話へのメールなど)をもって現場に集合する。「スポット派遣」「ワンコール派遣」など派遣労働者をモノ扱いする典型であり、派遣社員を派遣先からさらに派遣させる違法な二重派遣、労災事故の多発と責任逃れ、「諸経費」を口実とする賃金の違法天引きなどの温床となっている。
日雇い派遣 登録型派遣のうち契約期間が30日以内の短期契約の派遣。今回の改悪案では「2カ月以内の日雇い派遣の禁止」を「30日以内」に緩和している。
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週刊『前進』(2515号3面2)(2011/12/05 )
橋下・松井の反革命体制を労働運動の力で打倒しよう
大阪ダブル選 労働者階級の回答は何か
11月27日の大阪市長・府知事ダブル選挙の結果、前知事の橋下徹が市長に、前府議の松井一郎が府知事に就任した。いよいよ労働運動の出番だ。労働運動がすべての人民の未来を決める決定的役割を果たす時が来た。橋下・松井体制の登場は、プロレタリア革命によってのみ労働者人民の解放があり、その絶好機が到来していることを示している。11・6労働者総決起集会(日比谷野音)への大結集は、その進撃が全国・全世界で結合して始まっていること、連合支配を打倒し労働組合をよみがえらせる闘いに一切の展望があることを鮮明にさせた。新自由主義を打ち破るエジプト、ギリシャ、アメリカを始めとした全世界の労働者の闘いに続こう。
本質は危機的で極めて脆弱
橋下・松井体制とは何か。大恐慌・大震災下の日本の資本家階級のきわめて凶暴な先兵であり、その本質は危機に満ちた脆弱(ぜいじゃく)きわまりないものだ。労働者階級が絶対反対で団結すれば、必ず打ち勝てる。
「大阪都構想」は、公務員全員解雇・非正規職化を狙う道州制の焼き直しであり、橋下が知事時代に結局はやりきれなかったものだ。しかし、3・11大震災を渡りに船として政府・資本家どもは、被災地への「復興特区」、TPP(環太平洋経済連携協定)への交渉参加をもって道州制・民営化攻撃を全面的に開始した。これは、大恐慌にのたうつ日本資本主義の生き残りをかけた大攻撃だ。橋下の「大阪都構想」とダブル選挙は、こうした日帝ブルジョアジーの絶望的な突撃にさおさし、一体化することで橋下自身の生き残りをもかけた策動である。
橋下・松井体制が掲げているのは、日帝ブルジョアジーが危機にのたうちながら労働者を餌食にして生き延びるための新自由主義政策そのものだ。それは全世界で破綻している。
日本でも被災地の労働者、農民、漁民を始めすべての人民が、明日生きるために団結して資本・政府と闘い、自ら時代を切り開いている。怒りと団結があれば、新自由主義を打ち破れるのだ。
首切りの平松 応援した連合
選挙結果に対する労働者階級の回答は何か。労働組合を連合・全労連幹部から奪い返し、労働者階級の武器としてよみがえらせることだ。
連合は選挙戦で、市長選では平松(前市長)、府知事選では倉田(前池田市長)の支持運動に組合員を動員した。狙いははっきりしている。政府・日本経団連の進める首切り・賃下げ・非正規職化への怒りをゆがめ、封じ込めるためだ。
そもそも平松・倉田は何と主張していたのか。「リストラをやって金ができたから学校の授業も充実した」(府下自治労単組での倉田のあいさつ)。「橋下みたいなやり方をしなくても、自分は市職員をすでに5千人削減した」(マスコミの平松へのインタビュー)など。橋下も平松も「大阪を変える」と言ったが、中身はどちらも首切りと賃下げ・非正規職化だ。こんな選挙にどうして労働者が協力させられなくてはならないのか。
それだけではない。連合傘下の自治労単組幹部は、「いい民営化もある。首切りと言うが、そんな事実はどこにあるのか」と組合員を脅して回っている。これが平松支持運動の正体だ。民営化・首切り・非正規職化の手先となり、自分たちだけが生き残ればいいという連中だ。こういう腐った体制内幹部を追放し、労働組合を労働者の手に奪い返そう。
国鉄大運動で職場に団結を
労働運動をよみがえらせるには、何が必要か。国鉄闘争を水路に闘う労働運動の路線を鮮明にし、職場から労働者を組織することだ。すべての職場に国鉄闘争全国運動、動労千葉を支援する会をつくって労働組合をよみがえらせよう。
国鉄1047名解雇撤回闘争では、昨年の4・9和解(解雇撤回を取り下げ、不当労働行為を二度と争わないと誓約)をのりこえ、4人の国労組合員と動労千葉が闘いを継続している。動労千葉と動労水戸は労組解体の外注化・非正規職化に対してストライキで闘い勝利し続けている。ここに労働運動の希望がある。
「教育・職員2条例」絶対反対、道州制・民営化・非正規職化絶対反対を国鉄闘争のように闘おう。動労千葉は、1980年代の国鉄分割・民営化攻撃に対して、2波のストライキを含む大闘争で団結を守りぬき、全国の労働者の奮起を呼び起こし、1047名解雇撤回闘争を生み出した。
労働組合が腹を固めて団結すれば、国家総がかりの攻撃も打ち破れる。団結を崩されさえしなければ勝利できるのだ。日本労働運動を塗り替える新たな闘いが国鉄闘争全国運動だ。動労千葉、国労闘争団、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部などが呼びかけるこの運動に自分たちの組合を合流させよう。組合活動家は総結集して闘おう。
労働運動が社会と歴史を変える時がついにやって来た。労働運動にはその力がある。資本・当局、連合・全労連幹部の弾圧・妨害をはねのけて、すべての職場を階級的労働運動の砦(とりで)につくりかえよう。
すべての労組活動家は革共同、マルクス主義青年労働者同盟に結集して闘おう。
(関西地方委員会・黒沢肇)
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週刊『前進』(2515号3面3)(2011/12/05 )
韓米FTA批准 闇討ち採決弾劾
民主労総1万人がスト
“批准は無効、イ政権退陣を”
11月22日午後4時すぎ、韓国のイミョンバク政権はクーデター的に韓米FTA(自由貿易協定)の批准同意案の国会採決を強行した! 力尽きて国会議場に立ちつくす野党議員たち……。しかし、だまし討ちで採決が強行されたことが伝わるや、労働者人民は直ちに反撃を開始した。
午後7時には、ソウルのヨイドにある国会近くの産業銀行前で強行採決を糾弾する千本のキャンドルがともった。「99%をめった打ちにする韓米FTA廃棄しろ」「1%の手先イミョンバクOUT(アウト)」のスローガンが掲げられ、青年たちは「私たちの未来を奪うな!」「イミョンバク政権打倒!」と叫んだ。
キャンドルデモの後、午後8時半から場所を明洞(ミョンドン)入り口に移し、キャンドル集会が続けられた。仕事帰りの労働者が続々と集結した。千人から9時過ぎには3千人にふくれ上がったデモ隊が明洞聖堂に向かってデモを始めると、警察部隊5千人が立ちはだかり、デモ隊に向け放水、19人が連行された。
(写真 韓米FTA批准案を強行採決したイミョンバク政権に対し、キャンドルをともして糾弾する労働者たち【11月24日 ソウル市庁前】)
「不平等条約」
イミョンバク大統領が訪米中の10月12日、米国議会はコロンビア、パナマとともに韓国とのFTA実施法案を可決した。オバマが「米韓FTAは米国の輸出を110億j程度増加させ、約7万人の雇用を創出するだろう。米国の輸出を倍増させる私の目標を達成できる」と述べたのに対し、イミョンバクはFTAを「韓米の130年にわたる韓米関係における重要な道しるべとなる歴史的成果だ」と語り、韓国国会での批准を誓った。
しかし、韓米FTAは徹底的に米資本を保護する不平等条約だ。例えば牛肉輸入問題だ。2008年春、韓国では米BSE牛肉輸入阻止で100万人がキャンドルデモに立ち上がった。しかし、韓米FTAには「牛肉はいかなる場合でも輸入禁止措置は行わない」と記されている。米国への最恵国待遇が貫徹され、米国企業にはアメリカの法律しか適用されない。そして教育・医療・保険を始め公共部門の民営化が確約されている。
イ政権は当初、10月中にFTA批准案を国会通過させることを狙っていた。しかしそれが粉砕される中、野党とマスコミには11月24日の本会議上程を示唆した上で、22日は与党ハンナラ党の議員総会を招集していた。
怒りを束ねて
その議論の最中に「決断の時が来た。韓米FTAを処理するために本会議場に移動しよう」と、軍事作戦さながらの強行採決に及んだのだ。
11・13労働者大会で反FTA総力闘争を宣言した民主労総は24日、1万人の拡大幹部ストを皮切りにFTA無効闘争に突入した! ソウル市庁広場では23日に5千人、24日には7千人がキャンドル集会を繰り広げ、連日の激突が続いている。
「反FTA!」「イミョンバク退陣!」の闘いは23日から主要都市の釜山、大■、大田、ウルサンなど全国で始まり、全国農民会総連盟など農漁民もソウルに上京、26日にはソウル光化門周辺が2万人で埋まった。
韓進重工業闘争の希望バスを引き継ぐ韓米FTA無効の闘いが、イ政権打倒へと突き進んでいる。労働者、農漁民、市民、学生など全人民の怒りを束ね、新自由主義から未来を奪い返す闘いが始まった。
(室田順子)
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週刊『前進』(2515号3面4)(2011/12/05 )
“共謀罪新設阻止する”
100人が参加しシンポジウム
港合同・関生・動労千葉が発言
野田政権は来年の通常国会に共謀罪法案を提出しようとしている。これとの攻防が重大化する中で、救援連絡センターなど弾圧と治安管理に反対する5団体が共同で呼びかけ、「共謀罪新設阻止! 汚い捜査手法導入反対! 11・20シンポジウム」が東京・日本橋公会堂で開催された。100人が結集し4度目の共謀罪断固粉砕を誓った。
最初に、東京経済大学教員の寺中誠さんが、国際人権運動を進める立場から講演した。「1990年代以降、G8(主要国首脳会議)など各国は体制変革勢力を主要弾圧対象としつつ、ウォール街占拠運動や反原発運動といった幅広い運動が急拡大していることに警戒を強めている。このような動きは、日本でも『国際化』を旗印にした入管体制の強化、コンピュータ監視法や共謀罪、同じく20年かけて導入しようとしてきた『新たな捜査手法』にもつながっている」と治安弾圧強化の流れを解き明かした。
関東学院大学の足立昌勝教授は、「共謀罪法案は必ず出てくる」と危機感を燃やして提起した。今国会に提出された「執行猶予の一部実刑化」法案(実刑へのハードルを下げ、執行猶予は長期の保護観察と奉仕活動強制に置き換える)と、来年の通常国会に提出されようとしている秘密保全法制にも警鐘を鳴らした。
山下幸夫弁護士も、共謀罪をめぐり切迫する状況を明らかにし、反撃することを訴えた。そして「新たな捜査手法」が「取り調べ可視化」論議を逆手に取り、「取り調べに依存しない『新たな刑事司法制度』」と称して進められていると暴いた。すでに全逮捕者のDNA採取、通信盗聴拡大、会話盗聴、潜入・おとり捜査、司法取引や黙秘有罪推定などが検討されているが、これらは共謀罪捜査を見据えたものだ。また、法律を変えずに始められたGPS捜査(携帯電話のGPS機能を使った追跡)に続き「通信記録のリアルタイム収集捜査もまもなく始まると考えられる」と指摘した。
現場からの発言では、労組破壊攻撃の激化を反映して、次々と労働組合が壇上に立った。全国金属機械港合同のカンパアピールに続き、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部が発言した。昨年5月の13人不当逮捕・起訴について「なりふり構わぬ弾圧で組合弱体化を狙っているが、逆に組合強化につなげている」と報告し、判決内容にかかわらず運動を前進させていく決意を表明した。
動労千葉は、警察・裁判所が一体となった不当な家宅捜索に断固反撃し、JR職場の外注化攻撃をストライキで阻止していると報告した。「国や裁判所が決めたから仕方がないといって闘わない組合など冗談じゃない」と、ストを含む闘いでますます展望を示していくと表明した。
世界中で資本主義に対する「99%」の反乱が始まった。労働組合を拠点に、あらゆる領域で階級的団結をうち固め、治安弾圧を打ち破ろう。共謀罪の問題をあらゆる所で訴え運動を広げ、永久に葬り去ろう。(東京・T)
(写真 共謀罪新設阻止に向けたシンポジウム。4度目の法案粉砕へ決意を固めた【11月20日 東京】)
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■当面の方針
12月10日(土) 有楽町情宣(10時30分〜12時)「旧マリオン」前
来年1月 通常国会開会日行動(8時30分〜午後1時) 12時に昼集会
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週刊『前進』(2515号4面1)(2011/12/05 )
日本経団連と連合に支えられた野田超反動政権を打倒しよう
労働者の決起で社会変える時
超反動の野田民主党政権は日本経団連と一体化し、原発再稼働や輸出、TPP(環太平洋経済連携協定)交渉への参加表明など、反人民的な政策を推し進めている。この野田政権を支えているのが連合本部だ。国家公務員の7・8%大幅賃下げ、労働者派遣法改定案の改悪など、次々と野田政権の反労働者的政策を支持し推進している。労働者の怒りで連合本部の労働貴族を打ち破り、野田政権を打倒しよう。本特集ではTPP、増税、原発の3点で野田政権の反動的正体を暴く。
TPPは憲法停止の攻撃
究極の民営化と非正規化 農業は壊滅し医療も崩壊
中国への対峙・対決と日米安保強化が背景に
11月12、13日、ハワイでの日米首脳会談とAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議で、野田首相はTPP交渉参加を表明した。国内の激しい反対を押し切り、日本帝国主義の存亡をかけてTPP締結へ突進しようとしている。TPP攻撃は対外条約と「国際競争」の名をもってする憲法停止の一大階級戦争攻撃であり、究極の民営化・外注化・非正規職化攻撃である。国鉄決戦を基軸に職場生産点で激突し、TPPを日帝・野田政権もろとも粉砕しよう。
野田のTPP交渉参加表明に対し、日本経団連はもとより、古賀伸明連合会長も露骨な野田支持表明を行った。11月17日付毎日新聞インタビューで「連合はTPPなど包括的な経済連携の推進を確認した。大局的な意味で国益をどう考えるか。(税と社会保障の一体改革、原発も含め、賛成・反対が渦巻くものばかりだが)最後は首相がきちんと決断することが求められる」と語った。
国鉄分割・民営化強行の極悪人、葛西敬之JR東海会長は対中国の対峙・対決と日米安保を前面に出し、「不動の日米安保が安全保障を担保し、TPPがその経済的裏付けとなった時に初めて、中国は紳士的な隣人となる」と言ってのけた(読売新聞11・27付)。
まさに、支配体制を構成する政労資中枢が一体となり、日帝の生き残りをかけてTPP参加に突き進もうとしている。TPP攻撃とは、そうした次元の「国のあり方を根本から変える」超重大な攻撃である。
問われているのは、日共スターリン主義や民族主義者が言うところの「亡国論」(政策論)的批判のレベルでは済まない。TPP攻撃とは、大恐慌のもとで最末期資本主義の生き残りをかけた究極の新自由主義・グローバリズムへの絶望的突進である。労働者階級人民にとっては、プロレタリア世界革命以外に勝利の道はない。まさに国鉄闘争を基軸に、職場で民営化・外注化・非正規職化と激突し、闘う労働組合を全国・全産別によみがえらせること、プロレタリア世界革命の戦略的準備を進めていくことこそが求められている。歴史選択を問う2012年の階級決戦が音を立てて始まったのである。
「復興特区」・道州制と一体の新自由主義政策
TPP攻撃とは、日帝・野田政権による「ショック・ドクトリン」(惨事便乗型資本主義)そのものだ。「黒船」=明治維新と「敗戦」に続く「第3の開国」を掲げた階級戦争攻撃である。それは被災地を突破口に全面化しつつある民営化・外注化・非正規職化攻撃を極限まで推し進める攻撃である。
農業・農民に対しては関税撤廃と市場原理全面導入を強制する。戦後農地法を破棄し農地・農業保護規定を撤廃し、食肉・遺伝子組み換え食品など食品安全規制を取っ払い、農業・農家・農村を解体しそれを資本が制圧し、生活を破壊する大攻撃である。それは福島を始め被災地における膨大な農民の離農と労働市場への流入、大失業として始まっている事態を一挙に全国化する。
NAFTA(北米自由貿易協定)のもとで、メキシコ農民はどうなったのか? 生業を破壊され土地を奪われて放り出された。しかし、そこから農民と失業者の「生きるための闘い」が爆発し、米帝支配を揺るがしていった。これをしっかりと見据えよう。
医療・福祉をめぐっては、混合医療と内外の巨大資本の参入をもって、すでに崩壊が進行している皆保険制度は最後的に解体される。そして医療・介護・福祉を資本の利潤追求の餌食とする「産業化」、民営化・外注化・非正規職化攻撃が、そこで働く全労働者と利用者に襲いかかる。それが何をもたらすか。アメリカでは、超高額・先端医療の充実とは対照的に、無保険者が5千万人に達し無医療状態がまん延している。たった一度の病気で借金苦と失業にたたき込まれる労働者も多い。その現実が日本でも始まるのだ。それはすでに、福島の住民、子どもたちを実験材料とし食い物とする「福島医療特区」攻撃として開始されている。
すべては労働者に対する攻撃だ。商業新聞ではTPPの「メリット」と称して「競争力向上のための労働規制緩和の禁止」が宣伝されている。こんなものは大ウソだ。
TPPのもとで実際には何が始まるか。「憲法より上位に位置する対外条約の効力」、私企業利益優先のISD(投資家対国家の紛争処理)条項の強制力で、労働法制を始め、これまでの国内慣行・国内法規をすべて打ち壊すのである。金融・投資環境、政府(地方自治体)調達を始め、国と資本の活動領域を網羅する21分野の規制撤廃、例外なき競争原理の導入が一挙に進む。外注化・非正規職化、首切り・賃下げと労働強化、分断と団結破壊が全面化する。
これによって経団連がことあるごとに求めてきた、「アジア諸国並み」の低賃金と最悪の労働条件が現実のものとなる。労働者派遣法改定案での製造業派遣・登録型派遣禁止条項の削除はその重大な一端である。
すでに、米政府は06年、「日米投資イニシアチブ」で、日本に対して〈金銭による解雇紛争の解決〉を求めた。国鉄1047名解雇撤回闘争の昨年の4・9政治和解攻撃そのものだ。こうして「アメリカ並みの金銭による解雇の自由」が、TPP締結で一挙に全面化しようとしている。まさに「資本家の天国」であり、労働者に地獄を強制する攻撃である。
さらに、「国際競争に勝つ」ことを至上命令として、国家主義・企業防衛主義と労働者分断・団結破壊が全面化する。連合はその先兵だ。
それらすべては、公務員制度改革と一体となり、国家丸ごとの民営化・外注化による公務員360万人首切り・総非正規職化、労組破壊を一挙に進行させる。まさにTPP攻撃は、「復興特区」・道州制、橋下・大阪維新の会の大民営化・公務員首切り攻撃と一体の「国のあり方を根本から変える」重大攻撃である。
連合の積極支持許さず職場から反撃の闘いを
いかなる闘いをもってこの一大階級戦争攻撃に立ち向かい、労働者階級人民の未来を開くか。
TPPへの突進が示していることは、資本主義の最後的危機以外の何ものでもない。すでに大恐慌下の新自由主義との激突が、空前のデモとゼネストとして全世界で激しく火を噴いている。TPPの先取りであるオークランド港巨大穀物輸送基地をめぐるILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル21の闘い、日韓労働者の解雇撤回・非正規職撤廃の闘い、国鉄闘争と被災地を先頭とする「復興特区」攻撃との闘い……。まさに11・6日比谷集会を新たな出発点に、「世界大恐慌をプロレタリア世界革命へ」の壮大な世界史的反乱が始まっている。ここにこそ未来はある。
階級的団結かその解体かをかけた労働組合をめぐる死闘に勝ちぬこう。国鉄闘争と被災地を先頭とする反原発・反失業、「復興特区」攻撃との闘いを職場生産点から巻き起こそう。TPP粉砕・野田政権打倒へ、12月の激闘から2012年決戦に攻めのぼろう。
〔大迫達志〕
消費税率10%へ引き上げ
社会保障制度解体と一体 「震災復興増税」が突破口
法人税減税=大資本救済の財源確保狙う
野田政権は、「震災復興」を口実とした大増税と、「税と社会保障の一体改革」を掲げた消費税の大増税に突き進もうとしている。これは、「復興特区」の創設や、TPP参加と一体の、新自由主義を押し貫く攻撃そのものだ。
野田は、来年3月までに消費税増税法案を閣議決定し、来年の通常国会で成立させると明言した。この方針に基づき、野田政権は消費税増税の具体的なスケジュールの策定作業を進めている。2013年10月か14年4月に消費税率を8%に引き上げ、15年4月にはさらに10%とするというのが、その具体的なプランだ。
財務副大臣の五十嵐文彦に至っては、「17%くらいにならないと、うまく社会保障制度を運営していけない」と言い放った。大恐慌下、大失業と非正規職化の攻撃にさらされ、低賃金にあえぐ労働者が、こんなすさまじい収奪にさらされたら、文字通り生きていくことはできなくなる。
そもそも、消費税増税の目的は「社会保障制度の維持」などでは断じてない。事実、野田政権は社会保障制度を解体する攻撃を次々と打ち出している。
その一つが、物価下落を口実に、来年度から年金支給額を引き下げる攻撃だ。野田が強行した事業仕分けでは、今の年金水準は本来の水準より2・5%も高いとか、「もらいすぎ」などという言葉が飛び交った。だが、本来、年金の物価スライド制は、インフレ時に実質的な年金額を目減りさせないために設けられた制度だ。それを逆手にとって、年金削減の手段とすることなど断じて許せない。すでに民主党政権は、今年度から物価下落を口実に年金を削減しているが、こうした攻撃は、年金制度の抜本改悪を強行した小泉政権でさえ手を着けられなかったものだ。
また厚生労働省は、年金の支給開始年齢を68歳に引き上げる計画を打ち出した。労働者人民の強い怒りの前に、これはひとたび引っ込められたが、野田がその貫徹を狙っていることは間違いない。これに加え、健康保険料や介護保険料の引き上げもたくらまれている。
ここに、消費税の大増税がのしかかるのだ。その本当の目的は、法人税減税に充てるための財源の確保だ。消費税が導入されて以来のその税収総額と、その間になされた法人税減税の総額はほぼ等しい。とことん資本を救済するために、野田は日帝の宿願であった消費税の大増税に突き進もうとしているのだ。
野田政権は11月21日、11年度第3次補正予算を成立させた。総額12兆円規模の補正予算で、新たに11・6兆円の国債(復興債)が発行され、11年度の新規国債発行額は55・8兆円に膨らんだ。
野田政権はこの財政赤字に対応して、臨時増税を強行するための財源確保法を30日、成立させた。
「復興」口実に25年間も所得増税、住民税も
臨時増税の内容は、@所得税を13年1月から25年間、一律2・1%増、A住民税(地方税)の均等割りを14年6月から10年間、年1000円増、B法人税の実効税率5%減を実施した上で、12年4月から3年間、納税額に10%上乗せする――というものだ。
労働者人民には大増税が襲いかかる。しかも、所得税増税が25年間も続くのに対して、法人税の臨時増税はわずか3年間で終わる。「国際競争力の強化」を名目にして、資本はとことん優遇されるのだ。
そもそも、震災の被害をここまで拡大させたのは、東京電力を始めとする大資本と歴代政府だ。労働者人民がそのしりぬぐいをしなければならない理由は一切ない。にもかかわらず、「復興特区」では新設企業の法人税は全額免除され、既存の企業についても、人件費の一定割合や設備投資の一部は税額が控除される。こんなでたらめな話があるか!
国債大暴落の危機に脅える日帝を倒そう
野田政権は、第3次補正予算の成立で「復興債」の発行に踏み切ったが、@復興債はその他の国債とは別枠で管理し、25年間で全額償還する、A復興債の償還費用として、臨時増税による税収10・5兆円と税外収入7兆円を充てる――としている。
だが、7兆円の税外収入も、なんら確定したものではない。政府はJT(日本たばこ)株や日本郵政株の売却などで税外収入を得ようとしているが、日本郵政株売却の前提になる郵政改革法案には何のめども立っていない。その中で野田は、日本郵政株を売却可能とするために、今以上のやみくもな郵政リストラを押し貫こうと策している。
復興債を他の国債とは別枠で管理し、25年で償還するという野田の方針は、これまでの日本帝国主義のあり方からすれば、きわめて異例だ。08年9月のリーマンショック以降、さらにさかのぼればバブル崩壊以降、日帝は資本救済費を湯水のようにばらまき、返済のめどなど考えずに財政赤字を拡大してきた。ところが今回は一転して、臨時増税などの借金返済計画を示さなければ、復興債も発行できないところに追い込まれた。
これを規定しているのは、ギリシャ危機に端を発したヨーロッパ金融恐慌だ。ギリシャの財政危機は、瞬く間に全ヨーロッパに波及した。スペインやイタリアの国債金利(利回り)は7%台に跳ね上がり(国債価格は下落)、イタリアではベルルスコーニ政権が崩壊して、イタリアはIMF(国際通貨基金)の監視下に入った。ベルギー国債も格下げされ、ドイツでさえ国債の調達額に入札額が達しない「札割れ(ふだわれ)」という事態が起きた。
まさに、大恐慌は底なしの様相を深めている。この間、アメリカを始めとする各国帝国主義は、大銀行や大企業を救済するための財政支出を拡大し、財政赤字をとめどもなく膨らませてきた。それが危機の根源になっている。その危機を、さらにのりきるための政策的手段など、本質的にあるはずがない。
実は、こうした事態に最もおびえているのが日帝だ。11年末の日本の一般政府債務残高は対GDP比で233%、これはギリシャの166%やイタリアの158%という数値よりもはるかに悪い。日帝こそ、いつ国債暴落に見舞われてもおかしくない。
さらに、野田が心底恐れているのは、大増税と社会保障解体による超緊縮財政が、労働者人民の怒りの決起を引き起こすことだ。繰り返しゼネストに立ち上がるギリシャの労働者階級の闘いは、ヨーロッパだけでなく全世界の労働者を激励し、「99%」の反乱が至る所に広がっている。帝国主義にとっては、一日一日を生きながらえるためにも、こうした闘いを鎮圧しなければならない。
このことを熟知しているからこそ、日帝支配階級は労働運動の総体をたたきつぶそうと躍起になっているのだ。国鉄1047名闘争の解体を目的にかけられた4・9反革命以来の労働運動を巡る攻防の激しさは、これに規定されたものだ。
だが、これを打ち破る道も、11・6労働者集会によって鮮明に指し示された。あくまで職場に根を張った階級的労働運動をつくり出すことこそ、労働者階級の回答だ。
破産した新自由主義にしがみつき大増税を策す野田政権を、労働者階級の闘いで打ち倒そう。
〔岩谷芳之〕
原発推進へ「安全」を捏造
水素爆発、汚染水……ほど遠い事故収束 机上の計算で再稼働狙う
福島事故知らせず原発輸出
野田政権と電力会社は、定期点検で停止中の原発のストレステスト(耐性試験)を行い、「安全性が高まった」と大宣伝し、再稼働しようとしている。またベトナムなどとの原子力協定の国会審議を開始した。原発輸出を本格化させようとしているのだ。福島の子どもたちをはじめ多くの人びとに大量の被曝を強制していることと併せて絶対に許されない。
ベトナムの輸出原発建設予定地の人びとは福島第一原発事故のことを何も知らされていない。代替地を与えられ、一家の中心の息子が原発労働者になるという。原発に絡めとられ、黙らされた日本の原発立地自治体と同じ状況が「輸出」されようとしている。どこまでもあこぎなこの日帝資本・国家とベトナム・スターリン主義がぐるになり、労働者人民の搾取と犠牲の上に金もうけと核武装化を狙っている。
福島第一原発事故の解明も収束もできていない。放射能汚染で福島をはじめ全国の労働者人民が苦しんでいる。原発の再稼働や輸出、「もんじゅ」維持など許されない。12・10ー11反原発大行動で粉砕しよう。
格納容器の底を溶融燃料が侵食
東京電力は11月30日、福島第一原発1〜3号機で核燃料が圧力容器の底に溶け落ち、圧力容器を突き抜けて格納容器の底にたまり、格納容器の底のコンクリート床を熱分解し、溶かしたという解析結果を発表した。この発表自体、炉心がどうなっているか分からないままの、再稼働に向けたキャンペーンの一環でしかない。
東電は、最大で1号機は100%、2号機は57%、3号機は63%の燃料が圧力容器から外の格納容器に溶け落ちたと推定した。格納容器の底は厚さ2・6bのコンクリート製の床だ。燃料がコンクリートを熱分解する「コア・コンクリート反応」を起こしたという。侵食は最大で1号機で65a、2号機で12a、3号機で20a。1号機では侵食でコンクリートの厚さが37aになった。
この発表ですら事故がきわめて深刻で恐るべきものであることが明らかだ。東電は事故から8カ月もたって多くの人びとから指摘されたことをようやく認めたにすぎない。廃炉に向けて溶融した燃料を取り出す作業は基本的に不可能だ。
11月20日には3号機の点検扉付近から過去最高の毎時1600_シーベルトの高線量が観測された。14日にもほぼ同じ場所で毎時1300_シーベルトを記録した。格納容器からにじみ出た汚染水がたまったと見られる。ロボットによる汚染水ふきとりを試みたが失敗した。除染ができないと建屋内での人間の作業ができず、今後の工程が進まなくなる。
また1〜3号機には水素がたまっている。東電は原子炉の水量を減らして蒸気を発生させ、その力で格納容器の外に水素を追い出す「水素対策」を発表した。これと並行して圧力容器に直接窒素ガスを注入する。注水量を減らすと原子炉の温度が上がる。水素爆発の危険があるのだ。微妙な均衡の上を綱渡りしている状態だ。政府が掲げる「100度以下の冷温停止状態の年内達成」は困難だ。「安定」「収束」とはほど遠い。
「原子炉が安定し、放射線量が低くなったから、あとは除染すれば帰還できる」という宣伝もまったくの大うそだ。実際、線量はほとんど低下していない。「除染」などそもそも不可能であることも、実際に「除染」を試みてはっきりしてきた。「除染」で放射性物質が移動し、濃縮され、かえって危険性が増す。「除染」作業での被曝も不可避だ。100億円の政府予算を獲得して「除染」の長期巨大利権化、ビジネス化を狙う原子力研究開発機構や大資本のうごめきは許されない。
「原子力村」によるストレステスト
東北電力の東通原発(青森県)、東京電力の柏崎刈羽1、7号機(新潟県)、関西電力の大飯原発3、4号機(福井県)、四国電力の伊方原発3号機(愛媛県)などがストレステストを行った。大飯、伊方については1次評価が政府に提出され、11月29日に経済産業省原子力安全・保安院の意見聴取会が開かれて審議が始まった。
関西電力と四国電力がストレステストの結果をまとめるに至った計算手法などについて説明し、委員が原子炉で除熱機能を喪失した場合の備えなど、計算の根拠について細部まで質問したという。今後も継続して審議され、来年1月までに終え、国際原子力機関(IAEA)の評価を受ける。最終判断は野田首相ら4閣僚が行う。
ストレステストでは、▽地震▽津波▽全電源喪失▽海水への熱放出機能の喪失(冷却機能の喪失)――の四つのストレス(負荷)を受けた場合、どこまでなら原子炉を損傷せずに耐えられるかを調べる。
しかし、原発では地震や津波にあたるストレスを実際に与えて実験することができない。テストというが、得手勝手なシミュレーションであり、都合のよい机上の計算でしかない。
数値を入力する計算プログラムが間違っていたら意味がない。地震よりも何倍まで余裕があれば安全なのか、だれにも分からない。テストの結果で再稼働の是非を判断することなどナンセンスだ。これは意見聴取会の委員も認めていることだ。
しかもストレステストをやるのは電力会社ではなく三菱重工業や東芝、日立などの原発メーカーだ。メーカーが提出するのはテストの結論のみで、計算プログラムや詳しいデータは電力会社に提出されない。
事故を起こした原発のメーカーが「安全対策」を施し、政府が任命した「専門家」がお墨付きを与え、国が運転再開を認める――。原子力安全・保安院は「結果いかんで稼働する、しないを判断するわけではない。住民に安全性を理解してもらうための材料」と位置づけている。ストレステストは再稼働のための儀式、アリバイなのだ。
こんなもので「安全性が高まった」などと宣伝されてはたまらない。大事故を引き起こし、放射能をまき散らした政府・東電、原発メーカーの責任を追及し、原発再稼働・輸出を阻止しよう。
〔藤沢明彦〕
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週刊『前進』(2515号4面2)(2011/12/05 )
国際労働運動 1月号
労働者殺しのTPP
TPP(環太平洋経済連携協定)とは、世界大恐慌がもたらす没落帝国主義の危機を、米帝が対中対峙・対決を軸に日帝を引きずり込んでアジア太平洋を勢力圏化し、戦争の手段に訴えてでも延命しようとするものだ。日帝は、TPPに積極的に参加して日米安保を強化し、新自由主義攻撃を労働者農民人民により一層全面化させようとしている。こうしたTPPに対して全世界で、日本で人民の総反乱が起きている。
第1章は、米帝オバマのAPEC(アジア太平洋経済協力)を皮切りとする一連の国際会議で打ち出された狙いを暴いている。
第2章は、TPPが労働者階級に加える攻撃とそれとの闘いの死活性を述べている。TPPにはNAFTA(北米自由貿易協定)に盛り込まれたISD(投資家対国家の紛争処理)条項が含まれることは必至である。これは加盟各国政府よりも米大資本家の利益を優先させる条項だ。加盟国では労働関係法を改悪する事態が起きている。民営化・外注化・非正規職化の新自由主義攻撃が激化する。
第3章は、国際連帯でTPPを阻止する核心として階級的労働運動の発展を呼びかけている。日本の動労千葉、動労水戸の闘いはその最先端の闘いだ。
資料としてTPPに関する経団連と連合の見解を載せた。
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週刊『前進』(2515号5面1)(2011/12/05 )
“実験炉再稼働やめろ”
川崎 東芝原子力研究所に抗議
11月28日午前9時、東芝原子力研究所(川崎市浮島)への抗議行動を行いました。浮島にある東芝の原子力研究施設の実験用原子炉が28日にも運転を再開すること、また東芝が原発機器(タービンの周辺機器)をアメリカに輸出することも明らかになりました。
3・11福島第一原発事故から8カ月が経過しても、何ひとつ問題は解決していません。そもそも福島第一原発3号機、5号機は東芝が建設したのです。何の反省もなしに実験用原子炉を再稼働し、原発を輸出することなど絶対に許せません。
いま野田政権は、「原発再稼働、原発輸出、TPP推進」に突進し、これを日本経団連、資本家連中が積極的に支持し推進しています。東芝の原発輸出はこれに完全に沿ったものです。
3・11福島第一原発事故で、「安全・クリーン・安価」という原発推進派の論拠がすべて崩れ去りました。安全な原発などないのです。神奈川、横浜、川崎でもいたるところで基準値を超える放射線量が検出されています。労働者、子どもたちの被曝は深刻です。
にもかかわらず川崎市は東芝の臨界実験炉の再稼働を認めました。川崎市は、「川崎臨海部は市域のほぼ2割の面積を占め、日本経済を牽引(けんいん)する大きな役割を果たしているエリア」(市発表)で「国際競争拠点形成」のために臨海部開発を進めようとしています。要するに資本がもうけるための臨海部再開発であり、そのために実験炉の再稼働も認めるというのです。
他方で、川崎市・阿部市長はこの8年間で2500人以上の市職員を削減、保育所を民営化するなど、すべての犠牲を労働者住民に押し付けているのです。こんなことは絶対に許せません。
京浜労働者交流会が緊急行動を呼びかけ、神奈川労組交流センターの仲間、さらにブログ、ツイッターで緊急行動を知った方など13人で、東芝原子力研究所に申し入れ書を持って行きました。
しかし、所長をはじめ責任者は出てこず。当直=守衛は「対応しない」と言うのみで、責任者に取り次ごうともしない。本当にふざけている!
1時間近く抗議し、最後に「臨界実験炉の再稼働をやめろ」「原発輸出をするな」「被曝労働を強制する原発は必要ない」とする申し入れ書を読み上げシュプレヒコールをたたきつけました。抗議行動は翌日の東京新聞にも報道されました。
抗議行動に先立ち、最寄り駅の小島新田駅で出勤する東芝労働者、鉄鋼労働者など京浜工業地帯の労働者にビラ入れを行いました。ビラまき行動は初めてという方、居ても立ってもいられず参加された方、仕事を休んで参加された方も「再稼働やめてください!」と力いっぱい訴えました。関心と注目も高く、いつもの2倍、450枚のビラをまききりました。
福島では今この時も放射能汚染、被曝との闘いが続いています。「福島を返せ。子どもたちの未来を返せ」――。私たちの気持ちも一緒です。
私たちは、東芝が臨海実験炉の再稼働をやめるまで、そして原発輸出をやめるまで何度でも闘います。何よりも自分の職場で、地域でもっと声を上げ、仲間に広げ、怒りの声を大きな力にしていきましょう。
(京浜労働者交流会 T)
(写真 京浜労働者交流会のメンバーらが東芝原子力研究所に抗議行動【11月28日 川崎市浮島】)
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週刊『前進』(2515号5面2)(2011/12/05 )
アメリカで原発着工 34年ぶり
東芝の周辺機器輸出許すな
米国で34年ぶりに原子力発電所4基が年内にも着工されようとしている。東芝は12月上旬にもこの4基用にタービンの周辺機器(蒸気を水に変える)を輸出しようとしている。今後、着工には米原子力規制委員会(NRC)による建設・運転の一括認可が必要だ。
4基とはサウスカロライナ州のV・Cサマー原発2、3号機とジョージア州のアルビン・ボーグル原発3、4号機だ。東芝の米子会社ウェスチングハウス(WH)が08年春、総額約1兆5千億円で受注した。いずれも新型の加圧水型軽水炉AP1000だ。この炉は米国で新規建設が申請されている26基の半分以上を占める。出力は110万`ワット。中国でも4基建設中だ。16年以降に順次運転開始の予定だ。
この新型炉についてNRCは5月20日に新たな技術的問題が見つかったと発表した。ところがWH社は「三つの問題が残っているが、安全性の面で深刻な問題はなく、10年12月に提出した設計の変更につながるとは想定していない」と表明、手続きを進め、10月下旬に最終仕様書を提出した。安全は二の次だ。
米国では1979年3月のスリーマイル島原発事故後、新規の原発建設が凍結されたが、01年にブッシュ政権が中東石油からの脱却を掲げて原発推進に転換した。さらにオバマ政権は「原子力ルネッサンス」を掲げ、10年2月に国内の原発新設計画に政府の債務保証を付け、建設を促した。ボーグル3、4号機に83億j(約6500億円)もの債務保証が付いた。
ノースアナ原発
8月23日に首都ワシントンに近いバージニア州で起きた地震でノースアナ原発の2基が停止した。NRCの許可でこの原発が再稼働されようとしている(11月11日付ニューヨークタイムズ)。
同原発の責任者は「地震による原発の損壊は限定的で、表面をコンクリートで固めるだけで済んだ」と言う。検査に2100万j(約16億円)を投じ、安全対策は十分だと主張する。
だが8月の事態は深刻だった。地震はマグニチュード5・8で、震源は同原発から約16`。地震発生直後、同原発は外部電源をすべて喪失し、2基とも自動停止した。ディーゼル発電機が作動して緊急炉心冷却が行われた(ディーゼル発電機4機のうち1機が作動後の故障で停止)。だが原子炉2基のうち1基で緊急炉心冷却装置が正常に機能せず、原子炉圧力容器が過熱して圧力が急上昇した。通常なら1気圧の格納容器内の圧力が限界に近づく異常事態だ。水素爆発を避け、減圧するためにベントが行われた。地上50〜60bの高さまで水蒸気が上がった。炉心溶融一歩手前だった。NRCは原発非常事態を示す4段階の下から2番目「警戒」を宣言した。
ベントをしてもフィルター機能が完備しているので「放射性物質は漏れていない」と発電所側は主張しているが疑問だ。というのはノースアナ原発をはじめ米国にある104基の原発はすべて運転歴30年以上、3分の2は40年以上の老朽原発だからだ。これまで米国の65の原発サイトで放射性物質の地中への漏出・流出が起きている(9月初めNRC)。地震の揺れでノースアナ原発の老朽配管の亀裂や損傷が起きていてもおかしくない。
原発推進のオバマ政権と対決するアメリカ労働者階級人民と連帯し、反原発を闘おう。
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週刊『前進』(2515号5面3)(2011/12/05 )
対角線 放射性物質は誰の物?!
「原発から飛び散った放射性物質は東電の所有物ではない。したがって東電は除染に責任をもたない」
福島県二本松市のゴルフ場が8月、高い放射線量のため営業に障害が出ているとして、東京電力に放射性物質の除去と損害賠償を求めて東京地裁に仮処分を申請した。先の主張は、その裁判における東京電力の見解だ。
東電は、福島第一原発事故で飛散した放射性物質は「もともと無主物(所有者がない物)」と主張。「放射性物質はゴルフ場の土地に附合しているはずである。つまり、債務者(東電)が放射性物質を所有しているわけではない」、だから「このような作業(除染)を行うことができる立場にあるのは債権者(ゴルフ場)」というわけだ。
放射性物質は東電がまき散らしたものだ。それによってあらゆる人びとの生業が奪われている。その責任を被害者にすべてなすりつけるというのか。
ゴルフ場は営業停止に追い込まれ、従業員全員の職も奪われた。ゴルフ場には放射線量が毎時51・1マイクロシーベルトの場所もある。東電はこの数値にも「疑義がある」と言いがかりをつけた。どこまで腐っているのか。
許し難いことに、東京地裁(福島政幸裁判長)は10月31日付で申し立ての却下を決定した。放射性物質の除去については「国の施策に抵触する」と退けた。賠償請求についても、文科省が4月に示した校庭利用を制限する毎時3・8マイクロシーベルトという殺人的な基準を持ち出し、これを下回るとして「子どもでも屋外で活動できるのだから営業に支障はない」と退けた。東電を免罪したのだ。
ゴルフ場側は東京高裁に不服を申し立てている。大事故の上に労働者人民をふみにじる東電と裁判所の責任を徹底的に追及しよう。
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週刊『前進』(2515号6面1)(2011/12/05 )
12月〜1月機関紙拡大決戦へ
『前進』を武器に党組織建設と職場闘争を一体的に進めよう
前進経営局
11・6呼びかけたすべての人に広めよう!
11月労働者集会の参加者、参加を呼びかけたすべての人びとに『前進』を持ち込もう。11月集会への働きかけは、労働組合、反原発闘争、青年学生などかつてない層に広がっている。一人で120部の宣伝紙を配布している同志もいる。昨年までとは一変している。このすべてに『前進』を持ち込み、読者に獲得していこう。例年12月から新年号の出た1月が機関紙拡大・党勢拡大月間であり、また最大の財政決戦期である。そして、その闘いの最大の武器が機関紙である。一切の闘いの基礎に機関紙活動をすえて闘おう。
(写真 10・15怒りの新宿街宣)
組合権力奪取へ日々全国で闘いがつづく
大恐慌と3・11反革命と対決して闘われた11月労働者集会は、プロレタリア革命への戦略的準備として闘いぬかれた、世界に誇るべき集会であった。4・9反革命以来の国鉄闘争解体攻撃下で、職場・生産点の日々が激突であり、党派闘争であった。闘いの前進が団結の拡大となり、闘えなければ死をも強いられた。
この情勢はわれわれ革命派にとって最大のチャンスである。4大産別を先頭に労働組合権力の奪取に果敢に挑戦しよう。
労働組合を労働組合としてオーソドックスにつくり、運営し、維持していく実践的な力を身につけること、同時に党を一体的に建設することが求められている。そのように闘うことによって、革命に向かっての戦略的拠点として労働組合を建設することができる。
動労千葉、動労水戸の闘いは、範となる闘いで全情勢をリードした。第2、第3の動労千葉をつくるための闘いが首都・全国で意欲的に取り組まれた。
国鉄全国運動を柱に、労働組合・支部・分会で権力奪取に向かって、〈職場闘争・フラクション建設・党建設>を一体的に闘いぬくことである。
●A地方の拠点職場建設の闘い
労働者の命を奪う外注化攻撃に対し、福島の怒りと結合し、組合権力を取ることを決断し、渾身(こんしん)の決起をした。仲間が殺される事態を前に、もうこれ以上引き下がることはできなかった。非正規化の特区攻撃に対し、本部の屈服を弾劾し、現場から闘いを開始した。「絶対に許さない」という本部派と、「よくぞ言ってくれた」という当該の分岐が生まれた。〈反原発・外注化阻止・非正規職撤廃・大幅人員増>のスローガンを掲げて闘う地平に到達した。
動労千葉を支援する会のフラクション建設と運営、月2回の学習会の積み重ね、動労千葉物販による組合員との信頼関係の形成、党と労働組合の一体的建設であった。その根底を支えたのは、細胞の路線的・思想的一致のための粘り強い討論、権力を取るための決断と飛躍、細胞の団結であった。
動労千葉物販と機関紙オルグを一体で進め、青年を党に結集させ、日本共産党員を読者に獲得した。労組活動家を動労千葉派として獲得することと、党として獲得すること、そして、勝利の展望と確信のもとに労働運動と革命運動に生涯をかけることは一体の問題だ。
●B細胞の闘い
動労千葉を支援する会を職場権力として形成していく方針を確立し、昨年を倍する結集を実現した。支援する会の会合を毎月行い、支援する会の新聞を発行した。10月には毎週会合を行い、新聞を発行した。細胞会議で、どういう新聞を出すかという具体的な討議をやり、現場労働者と常任の団結をつくり出した。会合で現場労働者から出されることはきわめて具体的で生々しい。物販やビラでガンガン書いていることが職場の人に伝わり、職場の注目、当局の注目が高まっている。一番重要なのは細胞が活性化し生き生きしたことだ。闘う主体が自己解放的に「俺たちの時代が来た。一緒に闘おう」と呼びかけたことだ。
職場で日常的闘いを組織し、団結を組織していくことが、結局は11月集会への結集数を決める。
●C地区委員会の闘い
被災地と連帯して、被災地の決起に鼓舞激励されながら決戦として組織戦を闘ってきた。拠点分会から分会長を先頭に、新採を含む青年集団が結集した。戦略的な拠点をめぐって、あるいは人物をめぐって獲得に踏み出すことに勝利し、今後の展望につながるものが多い。しかし、地区党としての組織化の弱点と課題も突き出された。われわれが執行部として、情宣をし、方針を出し、政治活動、フラクション活動をしっかり日常的に行っていくこと。そのためには、組織を組織し、フラクションを運営する強力な指導部集団の建設が絶対に必要だ。
以上は職場に動労千葉を支援する会をつくった若干の例示である。職場フラクとして支援する会を建設することと党建設を一体的に進めることの教訓は明らかであろう。
次は党建設そのものについて。
●D地方の党勢拡大の歴史的飛躍
E市職をはじめ職場細胞から党建設が圧倒的に開始された。日本共産党の中心メンバーからの党への結集が続き、部落解放運動の中から党建設が始まった。党の綱領・路線の前進が労働者階級の革命への決起を可能にしてきた。「党員オルグは指導部がやること」というあり方をいい意味でのりこえ、細胞が細胞として闘いとる作風が生まれつつある。労働者階級を知識でオルグするのではなく、綱領的内容と路線でオルグするのだということをつかんできた。地区党建設、地区党の団結の前進が決定的である。E地方では今秋2けたの党員増を実現した。
●学生戦線
いったんは新自由主義によって破壊されつくした学生の団結と誇りを、腐敗した大学・教育を糾弾する反原発闘争の中からよみがえらせる。「職場に労働組合を、キャンパスに学生自治会を」を掲げ、大学キャンパスからの決起を全力で追求して福島大生との団結を実現した。
また、F大学では拠点建設方針を確定することによって、細胞が燃え立ち、感動的に団結して闘ったと報告されている。
職場で街頭で計画的に大胆に販売促進を
第一に、機関紙活動と『前進』拡大闘争を細胞会議の議題として討議することである。『前進』を勧めたことのない青年の同志は多い。細胞会議でていねいな討議をおこなっていこう。
第二に、機関紙拡大は計画的・目的意識的な党活動である。党として労働学校、読者会、フラクションなどを計画し粘り強く実践していこう。投稿運動を行おう。
第三に、反原発闘争、大衆闘争など街頭と闘争現場で大胆に前進販売を行っていこう。
第四に、学生戦線や反原発闘争など多くの新しい読者を獲得したところほど、読者の維持が新たなテーマとなっている。恒常的な関係を形成することなしに読者を維持することはできない。いろんな契機で知り合い、獲得した読者をどう、より強固に獲得するかは、細胞の第一級の課題である。
第五に、党財政を支える機関紙活動の意義について。
レーニンは、非合法時代において、人も資金も機関紙から生まれるし、それ以外に生まれようがないと熱烈に訴えた。労働者の新聞は一人ひとりの労働者の零細な拠金に依拠する以外にないが、自分たちの新聞のために拠金する習慣を身につければ、これは何者によっても打ち破れないと。機関紙財政なしに、党も機関紙も成り立たない。
第六に、党活動の3原則の不断の実践で細胞が団結することである。機関紙拡大闘争は生き生きとした細胞活動がなされ、党員が活性化しているかどうかである。
機関紙活動の飛躍で2012年決戦に突入しよう。
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週刊『前進』(2515号6面2)(2011/12/05 )
京大 反原発団交に勝利
全原発廃炉・新自由主義大学解体へ
学生自治会建設に挑戦しよう
マルクス主義学生同盟中核派・京都大学支部
11・6全国労働者総決起集会の息吹と高揚をキャンパスに還流する決定的な闘いとして、京都大学で11月10日に反原発団交に臨み勝利した(2513号既報)。「団結して闘えば勝てる!」――この確信のもとに、関西学生戦線は圧倒的にマル学同建設に勝利している。全原発の廃炉と新自由主義大学の解体に向け、全国で学生自治会建設に挑戦しよう。11月30日に開始された東北大学学生自治会執行部選挙に勝利しよう。12・10日比谷に全学連の大隊列を登場させよう。
(写真 6時間の徹底追及の結果、大学当局の全面謝罪を引き出した京大反原発団交【11月10日】)
12・10日比谷集会へ全学連の大隊列を
12・10闘争は日帝・野田政権の原発再稼働策動を阻止し、激動の2012年階級闘争に勝利する陣形を準備する闘いだ。「フクシマの怒り」は青年・学生が全国的全面的反乱に立ち上がる決定的契機となっている。新自由主義政策のもとで競争と疎外をたたきこまれてきた若者たちは、福島の人びととの連帯闘争に自らの人間性の奪還と階級的団結の回復の展望を見いだしている。
この状況の中で、新自由主義に屈服してきた体制内勢力との闘いはますます重要になった。
9・19明治公園集会に連合傘下労組の動員指令をはるかに上回る結集が実現され、他方で連合は「再稼働容認」を打ち出して野田政権の最悪の先兵となった。しかし、もはや既成指導部のたがはめで労働者・学生の怒りを抑え込むことはできない。エジプト「第2革命」や欧米における革命的反乱に鼓舞激励され、12・10集会から来年3・11郡山大集会に向かって、闘いのすそ野はますます拡大している。「自らが行動して再稼働を止める!」という思いが日本労働者人民の中にあふれている。連合による労働運動支配をいよいよ吹き飛ばす時が来たのだ。
帝国主義労働運動としての連合指導部に依拠することなくして、原発再稼働はできない。TPPも、沖縄米軍基地建設も、大増税も、公務員首切りもできない。ここに日帝・野田政権の決定的脆弱(ぜいじゃく)性がある。
大阪における橋下「維新の会」の台頭は、連合を先兵とする日帝政治委員会の腐敗に対する怒りをファシストがかすめとろうとするものだ。既成潮流の生み出す絶望こそファシスト台頭の根拠である。階級的労働運動がこの怒りと正しく結びつけば、橋本「維新の会」などは木っ端みじんに粉砕できる。
世界大恐慌と「3・11」が生み出す戦争・貧困・大失業を突破して労働者が生きる道は、労働組合の階級的再生、労働者階級自身による革命、プロレタリア権力の樹立、生産の社会的組織化にある。労働者の力でファシストをぶっ飛ばすのだ。
野田政権打倒の展望は、「フクシマの怒り」と結びつく青年・学生の総決起、それを連合打倒の闘いに糾合する国鉄闘争全国運動の全面的発展の中にある。
11・6集会の高揚を引き継ぎ、12・10集会・デモを闘いとろう。
福島の怒りと結び「安全」デマ粉砕を
日帝・野田政権は、「事故収束」のデマをまき散らしながら「フクシマの怒り」を鎮圧し団結を解体すること、ここに自らの延命の一切をかけている。そのことは、「除染はするが避難はさせない」という対応に露骨に示された。
福島・被災地の人びとは日々、「避難するべきか否か」「福島産の食品を食べるか否か」「体調不良を被曝によるものと疑うべき否か」という苦悩と煩悶(はんもん)を強いられている。これら一切は、原発事故と国と東電の無責任な対応から生み出された事態だ。「すべての被害を全面的に補償しろ!」「東電は全財産を吐き出せ!」「その後の社会はわれわれが運営する!」と言いきる。責任追及の手を緩めてはならない。われわれは、福島の怒りと連帯し、原発事故の責任を徹底的に追及する。
被曝労働の強制を阻止した動労水戸の闘いは、組合外の青年労働者をも守り抜く立場で組合員の総決起をかちとり、新たな青年の結集を生み出した。これこそ今すべての労働組合が立ち上がる道を示している。
そして、原発推進の御用学者を断罪し、キャンパスからたたき出す闘いを決定的に推し進めよう。その最大の目標は、山下俊一・福島県立医大副学長(福島県放射線健康リスク管理アドバイザー)の打倒・追放だ。山下こそ「放射能の影響は、ニコニコ笑っている人には来ません」と言い張り、「福島県民を避難させずに放射能にさらす」ためのデマゴギーの先頭に立つ人物であり、その「功績」をもって被曝研究の「権威」となり、被曝データをも原発とセットで売り込むことを大学の名で推し進める張本人だ。福島200万県民をモルモットにする「放射線医学県民健康管理センター」創設の中心人格だ。
そして、今や日本共産党スターリン主義は原発推進政策に屈服し、山下らと同じ「100_シーベルトは大したことない」の言辞を振りまいて、現場で闘う医療労働者の苦闘を圧殺しようとする者まで現れた。
全人民の力で福島医療施設建設をかちとろう。御用学者・山下を打倒しよう。この闘いの先端を切り開いたのが、京大支部の闘いだ。
(写真 京大原子炉実験所の原発推進講演会に対し怒りのデモを貫徹【10月1日 大阪・熊取町】)
京大から闘いが開始された
10月1日、京大原子炉実験所は放射線医学総合研究所から「年間100_シーベルト被曝しても大丈夫」と大ウソを吐く御用学者・島田義也を呼び、一般公開講演を行った。これに対し闘う京大生は、「科学の名で人殺しに加担するな」と中止を求める申し入れとデモを行ったが、原子炉実験所は開催を強行した。さらに、「反対する人は講演には参加させない」と構内に警察を導入し、学生たちを排除した。そこに示されたのは、九州電力「やらせメール」以上に悪辣(あくらつ)で、しかもあらかじめ反対意見を排除しないと成り立たない御用学者の脆弱な正体だ! こんな「学問」など粉砕の対象だ。
この暴挙に対し、京大生はキャンパスから大反撃を開始。クラスで大討論が沸き起こった。京大・松本総長が関西電力元社長・藤洋作(04年美浜原発事故で5人の労働者を全身やけどで殺し引責辞任)を京大経営協議会に就かせていること、京大も加盟している関西経済連合会が「原発再稼働」の要望を出していることへの怒りから、「@原発再稼働反対、A藤洋作追放」の決議が可決された。
このキャンパスからわき上がる怒りに圧倒され、11月10日に赤松副学長と原子炉実験所の森山所長、高橋副所長が学生の前に引きずり出された。この団交で学生たちは、最初は「100_シーベルト以下の危険性を示すデータはない」と居直っていた所長たちを6時間にわたって追及。御用学者が依拠するICRP(国際放射線防護委員会)報告を完膚なきまでに粉砕している「原爆症認定訴訟での原告19連勝」の地平や、年間10_シーベルト以下でも労災認定された原発労働者の例を示して反論し、「低線量被曝の危険性は認められている」と追及した。
驚くべきことに、御用学者どもはこうした事実を知っていながら、何の根拠も示さず「信頼性がない」などと言い、自分たちの講演・著書では「そもそもそんなデータはない」という大ウソまでついていたのだ。そんなあからさまなウソをつくのは、彼ら自身が低線量被曝の危険性を否定できないからにほかならない! まさに御用学者は、自らの言辞をデマゴギーと認識した上で「安全」を宣伝してきたのだ! それは原発政策推進者としての意識的自覚的な犯罪行為だ。
学生の怒りはここにおいて頂点に達し、徹底的な弾劾をたたきつけた。反論もできずに背骨を折られた当局は、10・1講演会での対応を全面謝罪するに至った。この勝利を生み出したのは学生の団結であり、被爆者・原発労働者の闘いの歴史的地平だ。
原発を許すか否かは、学生自治会の復権にかかっている。京大にも関西電力から年間5千万円が流れこみ、経営協議会を関電幹部が牛耳ってきた。そのことに対する全学生への説明を求められた松本総長は、「自治会(同学会)が要望していないから」という理由で学生の前に出てこない。要するに、大学当局は学生自治を破壊・形骸化させ、一部学生団体を取り込むことで「学生も認めている」という仮象をつくり出して原発推進にくみしてきたのだ。
京大キャンパスに闘う学生自治会が樹立されるならば「原子力村」の一角である大学を突き崩すことができる。闘う京大生は、自らの闘いの地平に確信を深め、原発推進の松本総長を打倒する全学自治復権(学生自治会権力の奪取)へと本格的に突き進むことを決意している。
法大闘争の地平を全国に拡大しよう
京大の闘いは、法大闘争5年半の地平から生み出された。「118人逮捕−暴処法弾圧」を打ち破った法大闘争は、斎藤委員長−坂野書記長の全学連新執行部に代表される「新自由主義と対決する学生指導部」を登場させた。
京大における闘争フラクションが「大学奪還学生行動」だ。昨年7月の結成当初から明確に新自由主義を打倒対象とし、新自由主義打倒の展望は大学の支配権を学生が奪還することだと言いきってきた。復権されるべき学生自治会とは、「破産した資本家階級に代わり、労働者階級とともに社会に責任をとる学生の団結体」だ。この学生権力樹立を意識的に推し進め、キャンパスを学生の手に取り戻す。京大の闘いは全学連新体制の大進撃の序章だ。
2012年、全学連は自治会権力樹立の力で全国学生の総決起を切り開く。マル学同中核派・京大支部は、その最先頭に立つ決意だ。
12・10から、2012年を闘い抜く鋼の団結をかちとろう!
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週刊『前進』(2515号6面3)(2011/12/05 )
11月22日〜28日
エジプトで軍政との闘い激化/大阪で維新の会が「圧勝」
●米の財政赤字削減協議が決裂 米議会特別委員会での財政赤字追加削減をめぐる協議が決裂し、国防予算の強制削減が今後の焦点となった。(21日)
●韓国国会がFTA批准 韓国与党・ハンナラ党が米韓FTA(自由貿易協定)批准案を緊急招集した国会で強行採決し可決・成立させた。(22日)
●リビア暫定政府発足 リビアでキープ首相を首班とする暫定政府が発足した。(22日)
●東証・大証が統合 東京と大阪の両証券取引所が海外の株式市場との競争に勝つため、13年1月に経営統合することを正式発表した。(22日)
●韓国軍が大規模演習 韓国軍がヨンピョンドでの砲撃戦から1年を期して、ピョンヤン攻撃可能な戦闘機の出動訓練を含む大規模軍事演習を実施した。(22〜23日)
●ロシアがMDに対抗措置 ロシアが米とNATO(北大西洋条約機構)による欧州ミサイル防衛(MD)計画への対抗措置として、NATO隣接地域に最新鋭短距離ミサイルの配備を進めると発表した。(23日)
●ドイツ国債が札割れ ドイツ政府が新規に発行した国債の入札が、投資家からの応募額が募集額を下回る異例の「札割れ」になった。(23日)
●日米地位協定の運用見直し 日米両政府は、在日米軍の軍属による公務中の犯罪について日本が裁判権を行使できるよう、日米地位協定の運用を見直すことで合意した。(24日)
●エジプトでの対立非和解化 エジプトの軍最高評議会が新首相にムバラク前政権で首相を務めたガンズーリ氏を指名。デモ隊はこれを拒否し、タンタウィ軍評議会議長の退陣と即時民政移管を要求してタハリール広場での無期限座り込みに入った。(25日)
●核廃棄物輸送巡り激突 ドイツ北部のゴアレーベン近郊で核廃棄物の中間貯蔵施設への輸送に反対する2万人の集会が開かれ、デモ隊が線路を占拠し警察と激突した。(25〜27日)
●パキスタンが対米協力見直し アフガニスタンに展開する国際治安支援部隊(ISAF)がパキスタン軍の検問所を攻撃、兵士24人が死亡したことにパキスタン政府が抗議、米やNATOとの「あらゆる協力関係を全面的に見直す」と発表した。(26日)
●米が原発新設を再開 米国が34年ぶりに原発の新規建設にのりだし、年内に4基を着工する計画であることが判明した。(26日)
●大阪維新の会がダブル当選 大阪の市長・府知事同日選が投開票され、大阪維新の会の候補が圧勝した。市長選では維新の会の橋下徹代表(前大阪府知事)が、府知事選では松井一郎幹事長が当選した。(27日)
●シリアに経済制裁 反政府デモへの弾圧を続けるシリアに対しアラブ連盟が経済制裁発動を決定した。(27日)
●沖縄防衛局長が暴言 普天間飛行場の辺野古移設に向けたアセスメント評価書の提出時期を政府が明言しない理由について沖縄防衛局長が「これから犯す前に犯しますよと言いますか」と女性への性的暴行に例えた。(28日)
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週刊『前進』(2515号7面1)(2011/12/05 )
生きるため放射能汚染と闘う
福島の労働者・農民は訴える
福島第一原発事故は、「収束」「冷温停止」状態などという大うそのキャンペーンの一方で、福島県民を深刻な放射能汚染にたたき込んでいる。その中で生きるために懸命に闘い抜いている労働者・農民・漁民、福島県民と固く団結して、12・10―11反原発大行動―3・11福島現地デモに職場・地域から仲間とともに駆けつけよう。すべての原発の廃炉・再稼働阻止へ闘う福島の労働者・農民にお話を伺った。次号にも掲載します。(編集局)
子ども・妊婦を避難させろ 福島県本宮市職員労働組合 富川和朋さん
連れ合いが3・11の時に妊娠7カ月で、6月に出産予定日を控えていました。12日に1号機、14日に3号機が爆発して、いつまた次の爆発が起きるかわからない状況で、「このまま福島にいてはやばい」と札幌の僕の実家に行くことを決めた。電車もストップ、高速道路も通れないしガソリンもない。14日に「福島空港から札幌への直通便は動いている」というニュースがあったので、15日朝一番に福島空港まで送って札幌に行かせました。いつまでなんて決めていないけれど、その時はとにかく福島を去るしかなかった。
連れ合いとはその後、ゴールデンウイークに福島に戻るかどうか相談しました。でもとても戻れる状態ではなかった。4月にも震度6の地震があり、いつまた地震があるかわからない。出産の時に地震で停電になったらどうしようもない、と。
それで結局、6月に札幌で出産しました。こんな大変な状況なのに元気に産まれてきてくれて、本当にうれしかった。
出産後、9月に一度、福島に連れ合いと子どもを呼びました。でもやはり「こんな高線量のところに赤ちゃんがいてはいけない」ということで、また札幌に戻しました。
息子が産まれてから、僕は2カ月に1回くらいしか会っていません。飛行機1本で行けるけれど、しょっちゅう行くお金もない。でも今、「福島に戻そう」と判断できる状況にはない。本宮市の放射線量は今も低いところで毎時0・8〜0・9マイクロシーベルト、田んぼなどでは2・0とか3・0マイクロシーベルトです。
「国と東電の責任で子どもたちをみんな避難させろ」というのは当然です。避難したくてしているわけじゃない。原発事故がなければ避難なんて考えたこともない。家族がばらばらにされて、生活は一変、しかも経済的にも大変です。
同い年の同僚は職場を辞めました。3・11直後に連れ合いが1歳児を連れて実家の群馬に避難して「福島には戻れない」ということになり、彼は「長野で仕事を探す」と決めた。産まれたばかりの子どもがいる後輩も横浜に避難しています。
僕の連れ合いの友達も散り散りです。子どもを連れて新潟に避難した人もいるし、いったん避難したけれど、大変で戻ってきた人もいます。
許せないのは、避難した人も残っている人も、それぞれの判断任せにされていること。これはすごい分断です。しかも残っている人に「避難した人は逃げた」みたいに思わせて、対立するよう仕向けていることが一番許せない。
10月に本宮市の総決起大会があり、PTAや農民、商工会などが「放射能対策はすべて国と東電が責任を持て」と訴えた。でも参加した民主党の国会議員が言ったのは「国には力がないから、地元で除染をして欲しい」。国は何もやらないということです。参加者はみなぶちキレました。
国は「避難させない」という結論ありき。福島県民は郷土愛が強く、できれば残りたいという思いも強い。そういう郷土愛も使って、放射能汚染地域に子どもも妊婦も置き去りにしている。本当にむかむかします。
原発事故以降、闘わなければ殺されると痛感した。もし仮に僕が福島の仕事を辞めて札幌の実家に帰ったとしても、30歳を過ぎているから、ほぼ間違いなく正規職にはつけないし、めいっぱい働けるバイトもないだろう。今20代、30代で就職しようとしている人たちは絶望しかないということをすごく実感した。
3・11で新自由主義の本性がむき出しになった。原発を絶対に手放さず、TPP(環太平洋経済連携協定)で農民も労働者も切り捨てる。人間のことを大事に思うなら原発も止めるし、みんな避難させるはず。土地なんてどこにもある。だけど人間のことなど考えず、資本が利益を増やすことしか考えていない。
労働者を生きさせることもできないこの社会を変えるために、団結して立ち上がっていくしかない。再稼働阻止・全原発廃炉へ闘います。
百姓続けることこそ抵抗 福島市の果樹農家 Kさん
(写真 〈左〉収穫を終えたばかりのリンゴ畑。〈右〉真っ赤に熟したリンゴ)
うちは梨とリンゴを中心に生産していて、今日はリンゴの収穫を終えたところです。福島市内で5カ所ずつ、1週間おきに放射能の検査をしていて、うちの梨やリンゴはND(不検出)でした。
だけど「NDです」と言ってもあまり意味がない。福島産というだけで全然だめです。今年は関東地区の梨の出来が悪かったので、福島県産の梨も比較的スムーズに流通されたけど、5`や10`入りの1箱が、関東ものは3000円でも、福島産は2500円です。今日収穫したリンゴもおそらく二束三文でしょう。だけど捨てる手間を考えたら、どんなに安くても出荷した方がまだましってことなんです。
農協をとおした系統出荷だけでなく、直接注文を受け付ける直販もやっているけれど、今年は直販が5割近く減りました。「お届けする相手先に子どもがいるから、今回は遠慮します」という電話もありました。
出荷の条件も厳しくなった。風で揺れてぶつかったり小さな傷が付いたりしたリンゴは、これまではジュース用に出荷していた。だけど今年は「土に落ちたら放射能がつくから、コンテナに入れちゃだめ。未熟果、泥付き、鳥つつきなどは廃棄しろ」と言われ、これまで出荷していたものも出せなくなった。
桃農家はもっと大変でした。7月に南相馬市の牛肉からセシウムが出たので、その時期に流通していた桃の価格は暴落。ああいう報道があると、牛肉以外のものもがくんと影響を受けるんです。
桃の賠償は8月20日までの分は出たそうです。梨とリンゴがこれからどうなるかは、まだわかりません。過去3年間の平均単価と比べて安くなった分を補償するようですが、支払いもずっと先だし、それまで維持すること自身が大変です。
先日、果樹園の除染もやりました。収穫が終わった果樹の幹や枝を高圧洗浄機で流した。そうすると枝の数値は下がったけど、結局は水が下に流れていくだけで、土の数値はちょっと上がった。洗浄したらみんな阿武隈川に流れ出て、河口に向かって流れていくだけ。放射能は結局、回り回ってどこかに行くだけで、なくならないんです。
若い人で、子どもと一緒に避難している人もいます。これから福島の農業の後継者育成は、本当に難しくなりますよ。
最近、福島市大波地区や伊達市小国地区の米からセシウムが検出されて、出荷停止になった。あれは行政の怠慢です。大波地区は山から放射能がどんどん降りてきて、ホットスポットがぼこぼこ出ていた。危機意識を持っていたら土壌調査や水質調査などやるべきことはあったのに、県はやらなかった。俺たちはすごく心配して、いろんな問題を県に持ち込んだけど、まったく相手にされず。それによって福島の農家全体がえらい迷惑を受けています。
福島の農民はもっと怒らなくちゃならないし、原発反対の先頭に立つべきだよね。今は茶飲み話も東電や国の悪口ばかりです。こういう怒りが力になればいいと思う。
とにかくこれからのことが不安です。TPPのこともある。本音を言えば、何を考えたらいいかわからないぐらいの状況なんです。周りの農家と一緒に、頑張って仕事をしようという意欲がぷつんと切れないように維持するのが、俺の務めだと思ってます。
3・11以降、マスコミや行政をはじめあらゆる人が東電と癒着していることがわかった。一番悪いのは東電なのに、生産者が右往左往させられ、被害だけ受ける。すごく歯がゆい思いです。だけど俺たちは生きていかなくちゃならない。そのためにはいい品物をつくるしかないと思って、朝から晩まで働いている。
もともと俺は、どんどんふるいにかけて落としていくという農業切り捨て政策に負けないで百姓をやり続けることが国への最大の抵抗だと思ってきた。ましてやそこに原発事故やTPPの問題が出てきた。ますます、ここで百姓をやっていくことこそ最大の抵抗だと思って、負けないで頑張りますから、どうぞみなさん、応援してください。
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週刊『前進』(2515号7面2)(2011/12/05 )
成田・第3誘導路裁判 空港の欠陥・違法暴く
“国・NAAは工事中止せよ”
11月29日、千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)で第3誘導路裁判が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟が国と成田空港会社(NAA)を相手取り、暫定滑走路の第3誘導路の許可処分取り消し、工事中止などを求める裁判だ。
被告の国・NAAは恥知らずにも、「第3誘導路を造っても騒音・振動は大して増えないし、健康や生活環境に影響は出ない。だから市東孝雄さんや反対同盟に原告適格はない」と主張する。そして200億円もの巨費を投じて第3誘導路建設工事を現に進めている。
反対同盟顧問弁護団は、国とNAAの主張をすみずみまで徹底的に粉砕する書面を提出し陳述した。
騒音・振動などの被害は「大して増えない」どころか、そのとてつもない被害拡大によって市東さんを天神峰から追い出そうとする攻撃そのものだ。しかも市東さん宅付近での騒音調査をせずにそんなことを言う傲慢(ごうまん)さ。そして暫定滑走路は、着陸帯が国際標準である300bの半分しかなく、国際民間航空条約(シカゴ条約)に違反している。国は「条約に従う義務はない」と居直っている! また、誘導路と滑走路の間の最小離隔距離が182b必要なのに、への字誘導路部分では120bしかない。航空法違反は明白だ。
違法・脱法と地域住民の生活破壊を繰り返す欠陥空港の現実が明らかにされ、傍聴席を埋めた労働者、支援者は一層怒りをかきたてた。ただちに工事を中止せよ!
(写真 「空港建設こそ根本から間違いだった」と断じる北原事務局長【11月29日 千葉市】)
12・6農地裁判を傍聴しよう
次回期日は2月7日。閉廷後、近くの会場で報告会が開かれた。
鈴木謙太郎さんの司会で、冒頭に北原鉱治事務局長があいさつした。「46年間の闘いを振り返って今はっきりと言える。成田空港建設は根本から間違っていた! 一人ひとりが立ち上がり、今の間違った政治を根本から変えなくてはならない。TPPは日本の農業を破壊するものだ。日本の未来のために闘おう」
この渾身(こんしん)の訴えに参加者全員が惜しみない拍手を送った。
続いて葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団が、第3誘導路工事強行を怒りを込めて弾劾し、国とNAAを裁判で徹底的に追及し、現地闘争と一体で闘うことを明らかにした。
そして、12月6日(火)に開かれる市東さん農地裁判(行政訴訟と農地法裁判を併合)の傍聴に全力結集するよう、弁護団と鈴木謙太郎さんから呼びかけられた。
同じ多見谷裁判長のもとで開かれているこの農地裁判は、大きな山場を迎えている。解約許可決定にかかわる千葉県の事実誤認、そしてNAAによる証拠文書の偽造問題である。決定的事実を前に千葉県とNAAは逃走を謀り、裁判所は弁論の打ち切りと人証制限で年内結審へと動き出した。
反対同盟、弁護団、傍聴席の労働者人民一体の総反撃でいったんこれを押し返したが、12・6法廷は、この真相追及と弁護団が申請した24人の証人の採否をめぐり、再び白熱の闘争になるのだ。
反対同盟の呼びかけに応え、全力で結集して傍聴席を埋め、裁判所を包囲し、千葉地裁の早期結審策動を粉砕しよう。
農地強奪を絶対に許すな! 市東さんの農地を守りぬこう!
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【三里塚裁判傍聴を!】
◎市東さん農地裁判
12月6日(火)午前10時半 千葉地裁
傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合を
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週刊『前進』(2515号7面3)(2011/12/05 )
原発とめろ!新橋アクション
東電本店直撃デモ
初参加の青年、続々合流
11月29日、「原発とめろ!新橋アクション」の東電本社直撃デモ第6弾が開催されました。9・19の6万人決起を頂点とした反原発の大衆的高揚に対して、野田政権が挑戦的に原発維持の強硬姿勢を貫いています。他方、毎日のように展開されていた各運動体の東電行動はこの間、激減しています。正念場です。
東電前行動への警察の弾圧態勢はめちゃくちゃ強化されています。今回、警察の動員は最多を更新。100人を超える刑事が街宣の時から新橋駅前のSL広場を埋め、街頭からのデモへの合流を阻もうとしました。新橋駅前は東電のみならず大手企業の本社街であり、官庁街でもあり、いわば帝国主義の中枢地域です。もともと厳しい支配に置かれています。
しかし今回の新橋アクションはデモに出発するや、悪条件をすべて吹き飛ばした胸のすくような闘いになりました。ビラを手にしながら「これって東電直撃デモですよね」とデモ隊に声をかけながら歩道を横歩きする男女が合流し始め、店の前でビラを持って待ち構えている料理屋の従業員が握手を求めてくる。そしてバリバリのスーツの青年が「明日会社で何を言われても、今日こそデモをやります」と飛び入りし、さらに「自衛隊に友人がいるが、原発対策で現地に勤務して大変な状況になっている」と言ってデモの先頭に立つ男性など、次々合流が始まったのです。デモ隊のテンションは上がりっぱなしで東電前まで突き進み、本店前での激しい弾劾に対して、警察も狼狽(ろうばい)して警告すら出せません。
今回6回目の東電デモで、20人もの初参加者が生まれました。その大半は青年です。ついに地域情勢を押し上げて、連続闘争が実を結び始めました。
私たちは敵をはっきりさせ、その敵に食らいついて持久戦に持ち込み、やり合いの渦中で展望をつかんで最後に勝利するという労働組合型の闘いで新橋アクションを重ねてきました。地域全体を対象に系統的に宣伝・扇動し、闘争のたびに厳しい総括をし、一つひとつ積み上げてきた蓄積が、ついに実を結び始めました。もちろんまだささやかな一穴ですが、これを堤防決壊まで押し上げるために、さらに闘い続けていきます。
(投稿 なんぶユニオンW・K)
(写真 6回目の東電直撃デモで、街頭から20人もの初参加者が生まれた【11月29日 新橋駅前】)
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週刊『前進』(2515号7面4)(2011/12/05 )
辺野古新基地許さない
沖縄防衛局長更迭 アセスメント提出へ布石
野田政権は29日、田中聡・沖縄防衛局長を更迭した。沖縄・辺野古新基地建設のための環境影響評価(アセスメント)の現地責任者である田中聡が、評価書の提出時期を政府が明言していないことについて、「これから犯す前に犯しますよと言いますか」などと、言語道断の差別暴言を吐いていたことが明らかになったためだ。野田政権は大急ぎで田中を更迭し、「おわび」の会見を行ったが、暗礁に乗り上げている辺野古新基地建設攻撃がさらに危機に陥り、焦りを深めている。
野田政権の対応は田中暴言を反省してのものではなく、アセス提出の貫徹、辺野古新基地建設を強行するためのものだ。政府は、田中更迭の一方、TPP交渉参加と一体で「予定通り年内に評価書を提出する」と繰り返している。こんなごまかしが通用するはずはない。怒りを込めて、野田政権打倒、辺野古新基地建設阻止、日米安保粉砕の闘いを強めよう。
田中暴言は日帝の沖縄観そのものであり、その本音が露骨に現れたものだ。「犯す」とは暴力で意のままにするということであり、沖縄をねじ伏せる対象としてしか見ていないということだ。これまでもそのように沖縄を扱ってきたし、今後もそうし続けるという意志を語ったのだ。琉球処分以来の、沖縄戦以来の、日帝と沖縄の全歴史がそうだったのだ。
だから、これは田中更迭ですむ話ではない。一川防衛相の辞任、いや野田政権打倒で責任をとらせなければならない。沖縄と日帝の関係の革命的転覆、つまり沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒の道以外に解決はない。それは本土と沖縄の労働者階級の団結した力によってのみかちとられる。
新基地建設のためのアセス提出について、田中がこんなおぞましい例えを使ったことに示されているように、日帝はそれが沖縄県民に受け入れがたいものであることを熟知している。いやがるものを無理やり強行するから、時期は明言できないのだ。
野田政権は、日米合意に基づいて辺野古新基地建設を行うという。しかしそれは、アセス提出断念を要求する沖縄県議会全会一致の決議(11月14日)に明らかなように、今日的にはまったく受け入れられていない。にもかかわらず、日帝は辺野古を撤回することは考えられない。何よりも日米合意を貫徹することが至上命令なのだ。「アセス提出は予定通り」とは、最後は力ずくで強行するということであり、結局田中の行った通りやるということなのだ。何が「更迭」だ。何が「おわび」だ。ふざけるな!
辺野古新基地建設が行き詰まり、打開の糸口がないことが、政府や官僚の度重なる暴言として出てくるのだ。追い詰められているのは、日帝・民主党野田政権だ。彼らのやることなすことが沖縄の島ぐるみの怒りの火に油を注ぎ、対立を非和解的にする。攻めて攻めまくろう。
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週刊『前進』(2515号8面1)(2011/12/05 )
2月徳島刑務所包囲へ大結集誓う
全国集会 星野奪還の決意固く600人
フクシマの怒りと結び
再審闘争勝利へ熱い手応え
11月27日午後、「獄中37年を打ち破ろう 11・27星野全国集会」が、東京・錦糸町のすみだ産業会館に600人を集め、熱気に満ちてかちとられた。主催は星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議。星野文昭同志と固く団結して、労働者階級の決起で星野同志を奪還することを誓い合い、来年2月に徳島で総会を開く全国労組交流センターと共同して徳島刑務所包囲闘争を闘う決意を固めた。この集会に呼応し、翌28日、サンフランシスコで日本領事館抗議行動が闘われた。
40年前の71年11月沖縄返還協定批准阻止闘争の先頭に立ち、沖縄の永久基地化に反対して闘ったことへの弾圧として、デッチあげの殺人罪で無期懲役の牢獄にとらわれている星野同志を取り戻す闘いは、この1年、大きな前進を遂げた。再審請求の第2、第3の補充書が出され、7月には暁子さんを始めとする星野訪米団が国際的広がりをつくった。何よりも6月全国総会で星野同志自身の「あと2、3年で出る」という強い決意が表明された。
集会は、7月の訪米報告ビデオ上映で始まり、共同代表の狩野満男さんが「労働運動とともに壮大な星野奪還の大衆運動をつくり上げよう」と開会あいさつを行った。連帯のあいさつが全学連の坂野陽平書記長と動労水戸の石井真一委員長から行われた。坂野君は「星野さんを奪還した時にこの社会を変えることができる」と決意表明、石井さんは、この間の動労水戸の反原発の職場闘争を報告し、反原発闘争の中で星野さんを取り戻す決意を表明した。
獄中の星野同志のメッセージ(抜粋別掲)を星野暁子さんが朗読した。星野同志は、3・11情勢に真っ向から立ち向かい「福島の怒りを私たちの魂として闘おう」「国鉄闘争・反原発・反失業闘争の攻防の中に星野の攻防もある」と位置づけ、階級的労働運動路線に不動の確信を示し、「99%の力で勝利をかちとる」と力強く訴えた。
今年結婚25年を迎えた暁子さんは、「2月の徳島刑務所包囲闘争に、韓進重工業闘争のキムジンスクさんを支えた希望バスのように結集してください」と呼びかけた。
沖縄万人の力で星野さんを取り戻す会は辺野古新基地建設攻撃との闘いの決意を明らかにし、「福島と連帯し、沖縄も星野さんとともに頑張る」と語った。
被災地の福島、宮城から大挙駆けつけた参加者を代表して清野和彦元福島県教組委員長が、福島の放射能の現状に触れ、この責任を追及しなければならないと怒りを込めて強調し、全原発の撤去と労働組合の闘いの復活を訴えた。
全国労組交流センターの飯田英貴事務局次長が特別報告に立ち、「来年を星野奪還大運動の年とする」と2月徳島総会への戦闘宣言を発した。
全国再審連絡会議事務局が経過報告と行動提起に立ち、@国家権力との正面対決A労働組合の決起B国際連帯を推進し、星野さんの不屈・非転向の闘いと結んで第2次再審闘争、2月徳島刑務所包囲に立とうと訴えた。
アメリカと韓国から寄せられた星野闘争をともに闘うビデオメッセージが上映された。国際連帯が確実に広がっている。
(写真 星野全国集会には被災地の福島、宮城から星野救援会を先頭に労働者、学生が参加。壇上の発言者は清野和彦さん【11月27日 東京・錦糸町】)
“再審の扉を開く “再審弁護団
11月25日に西村正治弁護士が加わり、この1年で星野再審弁護団は倍増、さらに強力な弁護団となった。
西村正治弁護士は11月14日に提訴した面会・手紙国賠訴訟への意気込みを語り、藤田城治弁護士は4月に提訴したビデオ国賠訴訟(警視庁公安部が保管していた証拠ビデオを紛失したことへの損害賠償請求)の重要性を強調し傍聴を訴えた。
第2次再審闘争の現状報告として、岩井信弁護士が新証拠とともに提出した補充書(2)(3)について報告した。
「昨年8月検察官が開示した証拠の中から弁護団の予言どおり新証拠が出てきた」。機動隊殴打現場を過ぎた先で撮影された写真の星野同志が持っていた鉄パイプは真っ白な紙で覆われていた。星野同志が機動隊を殴打しなかったという証拠だ。「目撃者の供述調書を開示させるために意見書をすでに2回提出、来週も提出する。その証拠の中に絶対に星野さんの無実につながる証拠がある」と予言。「この再審闘争自体が日々進化している。新証拠が出てくることを確信している」と力強く断じた。
さらに和久田修弁護士が「再審の扉を確実に開くことができる」と宣言し、最後に鈴木達夫弁護団長が「星野闘争は力で取り戻す新たな段階へ入る。証拠開示を推し進める」とまとめた。弁護団から具体的に示された再審勝利の展望に全参加者が「星野さんを取り戻せる」と実感した。
奥深山幸男さんの免訴を実現する会が「星野さんを再審で取り戻す、奥深山さんを免訴で裁判から解放させる、この二つの闘いを同時に闘っていこう」と訴えた。
24番目として11月に結成されたばかりの愛媛星野文昭さんを取り戻す会を始め各地の救援会が登壇した。愛媛の会は、結成直前の権力のデッチあげ弾圧をはねのけて結成された。徳島、広島、新潟の会が発言した。
星野同志の弟の修三さん、いとこの誉夫さんと暁子さんが家族として闘う決意を表明した。
共同代表の戸村裕実さんが閉会あいさつで「今からが2月5日の闘いに向けての始まりだ」と宣言した。星野奪還の歴史的飛躍へ、全参加者が心を一つに踏み出した。
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週刊『前進』(2515号8面2)(2011/12/05 )
“希望バス”のように全国から徳島刑務所へ
全国再審連絡会議共同代表 星野暁子さん
今、この時も動労千葉は外注化反対の指名ストに立ち上がっています。福島の労働者、農民・漁民、市民が被曝の現実の中から政府と東電の責任を追及して立ち上がっています。文昭の言うように福島の怒り、闘う全世界の人民、99%の魂を自らのものとして立ち上がっていきましょう。
今年7月に動労千葉と訪米し、スティーブ・ゼルツァーさん夫妻が中心となって開催されたレイバーフェスタで星野絵画展とホシノ・ムミア集会が大成功しました。ムミアへの死刑攻撃にストライキで闘ったILWUとアメリカの労働者が星野のことに熱い思いを寄せてくださることに本当に大きな勇気をもらいました。
今年は71年11月14日、沖縄返還批准阻止闘争、渋谷闘争から40周年にあたります。1987年の上告棄却、無期確定攻撃は国鉄分割・民営化と一体の新自由主義攻撃としてかけられた沖縄への攻撃であり、沖縄と本土の分断攻撃でした。
動労千葉の闘いと星野闘争の分断を許さず、闘ってきた地平は新自由主義の攻撃を根本で打ち破ってきました。
星野文昭の37年間の獄中闘争は、人間としての未来と希望と信頼、無期からの解放の運動をつくり出してきました。
人間が人間らしく生きるためにはすべての人間が人間らしく生きられなければならない。このコミュニズムの原点を、文昭の獄中37年の闘いは実体のあるものとしてつくり出してきました。無期攻撃に屈しない、この地平はともに闘うすべての皆さんの地平としてあります。
今、権力はそんな地平など許さないと襲いかかり、面会制限、手紙の墨塗りを始め日常的なことで規則違反をデッチあげています。これらに対し、ビデオ国賠、処遇国賠を提訴しました。
さらに来年2月、全国労組交流センターが星野全国再審連絡会議と共催で徳島刑務所包囲闘争に立ち上がることを決定しました。星野の闘いが労働者の闘いと本格的に実際に結びついて発展する重要な飛躍点です。全国から徳島行動への参加をお願いします。
クレーン車で籠城(ろうじょう)闘争を309日続けた韓国の韓進重工業のキムジンスクさんを支えた希望バスのように2月5日、全国から徳島に結集してください。
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週刊『前進』(2515号8面3)(2011/12/05 )
星野文昭同志のメッセージ(抜粋)
「99%」の力で解放を
日々、多忙のなか、本日の集会に集まってくれたことに、暁子、家族ともども、心から感謝しています。これまでの取り組みの上に、ともに星野再審・解放を2〜3年でかちとるために、運動のさらなる大きな飛躍を本日の集会をステップにかちとろうとしていることに大きな力を与えられています。
1%の大資本家、大富裕層が富を独占し、99%に犠牲を強いている社会に怒りを蓄積していた99%の労働者人民が、アラブの春以降、立ち上がれば自分たちの力で世の中を変えることができるという確信・希望をもって全世界で立ち上がっています。99%の怒りが、9・19反原発6万人、11・6反原発・反失業・国際連帯6000人の決起によって、全世界の99%とともに、さらに根底的に解き放たれようとしています。
星野無期の核心は、星野に弾圧を集中し、99%と切断し、孤立させ、つぶすことによって、99%の闘いをつぶしていこうというところにあります。それは、資本・権力に永遠に労働者人民を隷属させようとする社共・既成指導部をのりこえて、労働者の自己解放によって人間解放をかちとっていこうとする70年闘争の炎を圧殺することであり、70年闘争の炎を、闘う労働運動として発展する国鉄労働運動を国鉄分割・民営化によってつぶそうとすることと一つでした。
星野もまた、暁子というかけがえのない存在とつながり結び、そのことによって皆さんとつながっていくことを軸に、星野に弾圧を集中し、孤立させ、つぶすという星野無期をうち破ることによって、99%とともに、99%の未来を開く星野として闘い勝利するという道を開いています。
それは、皆さんの日々の取り組みによって担われているものです。集会・交流会・絵画展によって獄中・暁子・家族と広汎な労働者人民をつなげ、運動的発展を広げている。署名・オルグ・会・会員の拡大によって、星野の運動を本当に力あるものにしている。これらの成果を結集し、勝利の大きな飛躍をかちとっていくものとして、本日の11・27があり、2月闘争があります。
福島の労働者、農・漁民、人民の怒りと闘い、新自由主義−リストラ・解雇・外注化・非正規職化、生活破壊が襲いかかる全労働者人民の怒りと闘いを私たちの魂とし、資本と権力を打倒し、労働者人民の手にすべてを奪い返して人間本来の社会を取り戻すために、全世界の99%との団結を拡大して闘いましょう。
この99%の闘いを圧殺するための星野無期を99%の力で覆し、再審・釈放闘争の勝利を全力でかちとりましょう。
無期との格闘は今振り返っても本当に過酷なものでした。その闘いを支えたものは、この困苦をのりこえる力が自らのなかにある、すべての人びとのなかにある、ということでしたし、誰もが人間らしく生きられることによって、人間は人間らしく生きられるということでした。
99%としてのつながりをつくり、99%の力で世の中を変え、星野解放をかちとることを可能とし、そのように日々を闘い生きることで、暁子とすべての人びとと、団結し、力を合わせ生き、未来を開いていくという労働者、人間としての本来のあり方を豊かに創造的に手にしています。
自らを信じ、仲間を信じ、人間を信じ、ともに力を合わせ、誰もが人間らしく生きられる未来を開くため闘い生きることで私たちはどんな困難ものりこえ未来を開いていく力を解き放っていくことができます。確信をもって日々を闘い、生き、未来を手にしましょう。
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週刊『前進』(2515号8面4)(2011/12/05 )
“今すぐ星野釈放を”
サンフランシスコ 日本領事館に申し入れ
11月28日正午(日本時間29日午前4時)、米サンフランシスコにある日本領事館に対し、星野文昭同志の解放を求める抗議・申し入れ行動が闘われた。アメリカ星野解放委員会(US Committee To Free Hoshino)が11・27星野全国集会に連帯する闘いとして取り組んだ。
11月集会に参加し徳島刑務所に星野さんとの面会を求めたスティーブ・ゼルツァーさん、鳥居和美さん、無実のケビン・クーパーさんを支援しているキャロル・セリグマンさんを始め、争議中のホテル労組のリーダーや地下鉄労組活動家など12人が参加し、労働運動、労働組合を軸にした行動となった。
領事館前で「星野文昭を自由に」「星野に正義を」などと書かれたプラカードを掲げて1時間にわたる抗議行動が行われた。マイクによるアピールが「ユニオンタウン(組合の街)」サンフランシスコに響きわたったのだ。キャロルさんは星野Tシャツを着て、手には星野カレンダーを持っている。
午後1時、領事と面会し、「政治犯・星野文昭の即時釈放とすべての在監者の民主的権利を求める署名書」を手渡した。署名領事は「この署名書の内容をしっかりと本国に連絡いたします」と回答した。
素晴らしい連帯行動が展開された。国際連帯をさらに強め、2月徳島刑務所包囲闘争に総決起しよう。星野文昭同志奪還へ全力で突き進もう。
(写真 日本領事館に星野釈放を要求するアメリカの労働者たち【11月28日 サンフランシスコ】)
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週刊『前進』(2515号8面5)(2011/12/05 )
団結ひろば 投稿コーナー
大阪W選-ファシストを打倒するチャンス 京都 M
大阪のW選では、ファシスト橋下と松井が当選しました。これはいったい何を意味するのかは明白です。すなわち独裁政治が大阪から始まるということです。
しかし、これはわれわれ労働者人民にとってチャンスだと言うべきです。なぜなら、闘う相手の顔がハッキリと明白に見えてきたからです。ドイツのヒトラーとて、選挙を通して「合法的に」独裁政治を始めたのです。
今回の大阪W選は「歴史は繰り返す」と言える出来事です。
ファシズムを打倒するのはわれわれ労働者人民であり、粉砕されるべきは橋下と大阪維新の会です。ようやく立ち上がる時が来ました。今こそ全力で闘いを開始する時です。
原発学習会メンバーとともに11・6参加 関東 駿河俊彦
原発学習会を6月から始めて、7回やりました。労組を回ったり、駅頭で街宣をやり、署名をもらった人を訪れたり、手紙を出したり、電話したりして、学習会への参加を呼びかけていきました。そのうち、ヨコに少しずつ拡がっていき、さまざまな人たちが参加するようになりました。
「地元の運動は生ぬるい」と、高円寺や新宿のデモに出かける青年。とても熱心なヘルパーさん。赤ちゃんを抱いた若い母親。塾の先生。避難した飼い主が放置した動物に餌をやりに福島県に通っている動物愛護者、等々。
私は学習会を始めるに当たって、@福島の怒りをともにしよう、A行動するための学習会にしよう、Bねばり強く継続してやっていこう、の3点を訴えてきました。学習会の前には、街宣をやりました。また、集会・デモには積極的に参加するようにしてきました。学習会の後での喫茶店での交流会がよかった。原発問題だけでなく、1047名解雇撤回の闘いなどについて話しました。
それで11・6には学習会メンバーの半数以上が決起しました。その多くが初参加です。前出の動物愛護者は、「原発の犠牲になる動物たちの恨みを晴らすのだ」と言って日比谷に結集しました。そういう11月決起の論理もあるのか?と、正直なところ驚いてもいます。その人は「あんなに大勢の人たちが仲間に入れてくれて感激した。これからもよろしく」と。こちらこそです。
残念だったのは、乳飲み子を持つ母親たちが、放射線量が高い東京に赤ん坊を連れて行けないと、参加を断念せざるを得なかったことです。首都圏は福島圏化しているのです。「あなたたちの怒りをみんなでぶつけてきます」と、私は答えました。
11・6を報道した『前進』をみんなに贈ったら、「すばらしい資料を送っていただきありがとうございました」という返事が来ました。ヨコ軸とタテ軸を織り混ぜながら、NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議=な全)の一支部として大きく発展させていきたいと考えています。
アメリカ農業の実態描く「フード・インク」 東京 みみずく翔律
壮大な農場、広大な牧場、まるで自動車工場のように何百、何千と流れ解体、加工されていく牛や豚、ニワトリの列と低賃金で危険な労働を強制される労働者たち。映画「フード・インク」をレンタルで借りて見て本当にびっくりすることばかりでした。
アメリカで行われてきた農業の新自由主義革命とも言うべきすさまじい規模の合理化と食物の工業化、安全の侵害は、想像をはるかに上回るものでした。
農薬でも枯れない遺伝子組み替えで作られたトウモロコシや大豆が化学の力であらゆる食べ物の原料となり、家畜のエサとなり、自動車の燃料にまでなっている。本来草食の牛にトウモロコシを食べさせることが新たな病気を生みだし、抗生物質づけにされた牛やニワトリは自分の体重で足が折れるほどホルモンやエサによって太らされ、そのおぞましい飼育現場は企業によって厳重に秘密にされている。農家は多くが大資本と契約して、資本の与える種を買い、資本の指導する方法でニワトリを太らせて出荷する。その支配に抵抗する農家は裁判によって容赦なくやっつけられる。それを監督すべき政府や裁判所は、食物資本の重役によって占められてきた。まるで日本の原子力ムラそのものです。
こうして作られた「安い」食べ物が、世界中の農民を破産させ、賃下げや工業製品の輸出の武器となり、飢餓を拡大させ、さらに将来の大規模な健康被害までもたらそうとしているのです。
映画ではさまざまな具体的事実に圧倒されますが、これを見て感じたことは、利益しか考えない資本の本性は、食物を大規模に扱うとき、ますます破壊的になって、人類をも滅ぼしかねないところにまで来ているということです。そして野田政権が復興特区やTPPで日本でやろうとしている農業改革がこれをモデルにしていることがよく分かりました。本当にとんでもないことです。
うれしかったのは農業労働者の闘いです。DVDの特典映像の中に、劇場公開版ではカットされた農業労働者の組合結成の闘いが収録されていました。アメリカの安いトウモロコシで破産したメキシコの農民がアメリカに越境し、アメリカの加工工場で無権利のまま搾取されています。そのなかで労働者たちが地道な運動で組合結成をかちとっています。
アメリカやEUが推し進めてきた貿易の自由化と農業の新自由主義は、自国と世界中の農民の生活、労働者の食生活をも大規模に合理化し破壊してきました。これは資本主義が生み出した農業問題の究極の姿です。
あらためて11月労働者集会にともに決起した、巨大穀物メジャーと闘うILWUや、FTAと対決する民主労総、安全を武器に合理化と闘う動労千葉の闘い、そして三里塚闘争が決定的だと感じました。資本のためのTPP粉砕!
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