ZENSHIN 2011/11/14(No2512 p06)

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第2512号の目次

11・6労働者集会後、呼びかけ3労組と米韓独の代表を先頭に大横断幕を掲げデモ(銀座)

1面の画像
(1面)
TPP粉砕・野田政権倒せ  労働組合の拠点建設の力で大恐慌をプロレタリア革命へ
外注化・非正規職撤廃! 原発再稼働阻め
記事を読む  
動労千葉 線見訓練拒否のスト突入  基地再編・組織破壊に反撃(11月5日) 記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
(2面)
11・6全国労働者集会
〈反原発・反失業〉貫き新自由主義打ち破る国際的団結  青年・国鉄先頭に労働組合再生へ(11月6日)
記事を読む  
全世界で資本主義倒す闘い 国際連帯アピール(11月6日) 記事を読む  
(3面)
11・6全国労働者集会
〈反原発・反失業〉貫き新自由主義打ち破る国際的団結  再稼働阻止、全原発廃炉へ(11月6日)
記事を読む  
福島の医療施設建設へ突破口開く大カンパを 記事を読む  
(4面)
立ち上がった福島の女たち
全原発廃炉、子どもの避難を(10月27〜29日)  経産省前座り込み 呼びかけ人らの訴え
記事を読む  
今すぐ避難させて  座り込み参加者の声、声、声 記事を読む  
福島第一原発  炉心の状況さえ分からないのに「収束」などあり得ない 記事を読む  
2011年日誌 11月1日〜7日  南スーダンPKO派兵を決定/G20で消費増税を公約 記事を読む  
(5面)
11・5労働者国際連帯集会
職場で闘い国際連帯を  動労千葉がスト突入を報告(11月5日)
記事を読む  
民主労総が三里塚訪問  “労農連帯の模範的な闘い”(11月4日) 記事を読む  
11・6若者集会 青年パワーあふれ  “原発・非正規なくせ”(11月6日) 記事を読む  
“TPP反対・農地死守”  6千人集会に三里塚旗(11月8日) 記事を読む  
〈焦点〉 復興掲げ大増税狙う野田  消費税10%を「国際公約」 記事を読む  
〈焦点〉 南スーダンPKO粉砕を  日米同盟強め資源争奪戦 記事を読む  
三里塚裁判傍聴を! 記事を読む  
訂正 記事を読む  
(6面)
“私は無実。2〜3年で出る――” 星野同志と決意共にし奪還を
死闘戦突入 11・27星野全国集会へ
記事を読む  
ビデオ「紛失」を追及  星野再審ビデオ国賠 「国と都の責任明白」(11月1日) 記事を読む  
面会不許可を弾劾  ゼルツァー氏徳島刑務所で ブラザー星野はすごい(11月8日) 記事を読む  
法大弾圧裁判 4・24弾圧
不当判決に怒り爆発  控訴審 学生たちが法廷を圧倒(10月31日)
記事を読む  
玄海再稼働に緊急抗議  九電本社 社長室まで押しかけ(11月2日) 記事を読む  
原発と核燃廃絶へ決意  八戸市で労組結集 福島県教組もアピール(10月21日) 記事を読む  

週刊『前進』(2512号1面1)(2011/11/14 )

 TPP粉砕・野田政権倒せ

 労働組合の拠点建設の力で大恐慌をプロレタリア革命へ

 外注化・非正規職撤廃! 原発再稼働阻め

 11・6全国労働者総決起集会は、闘う労働組合が勝利する時代が到来したことを鮮明に示した。大恐慌と3・11大震災情勢という未曽有の大激動の中で、5950人の一人ひとりが、職場生産点、大学キャンパスや地域・街頭で全力で闘い抜いて結集した。そして反失業・反原発のスローガンのもとに、米韓独と世界の労働者、福島をはじめ被災地労働者とともにこの集会をかちとった。そして11・6集会は新自由主義攻撃と対決し、プロレタリア革命への戦略的準備そのものとして闘いとられた。この力で、TPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加など、経団連の手先となって労働者人民を犠牲にする日帝・野田政権を打倒しよう。職場から闘いを巻き起こし、階級的労働運動を発展させ、世界革命へ前進しよう。
(写真 11・6労働者集会後、呼びかけ3労組と米韓独の代表を先頭に大横断幕を掲げデモ【銀座】)

 新自由主義攻撃に大反撃した11・6

 11・6集会は第一に、「外注化粉砕・非正規職撤廃・偽装請負弾劾」の闘いを、実践を通して世界革命の路線へと押し上げた。大恐慌のもと、資本による階級支配、労働者の生活破壊の現実に対する闘いが「われわれは99%だ」という叫びとなり、国境を越え広がっている。日本労働運動は今やその中心に躍り出た。
 アメリカからは、ILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル21のダン・コフマン委員長が参加した。ローカル21は、西海岸ロングビュー港における巨大穀物ターミナル建設による港湾の民営化・外注化、労組破壊と対決し、夏以来213人の逮捕者を出しながら激しく闘っている。
 中東から始まった革命的激動は、体制的危機に陥る欧州諸国のデモやストライキ、さらにアメリカの青年たちの「ウォールストリートを占拠せよ!」運動として全世界に波及・拡大した。ILWUローカル21の闘いの全米的波及はこの「占拠」運動と一体だ。
 韓国からは民主労総ソウル地域本部の32人の大訪日団が参加した。「非正規職撤廃」を掲げた韓進重工業での高空籠城(ろうじょう)闘争と全土からの支援・激励の「希望バス」の大合流、そして本部委員長らが連行された米韓FTA批准阻止大闘争のただ中での大結集だ。結成以来の民主労総の歴史は、IMF管理下の構造調整=新自由主義攻撃との闘いの歴史そのものだった。
 動労千葉の田中康宏委員長は集会で、「われわれは外注化を阻止する闘いを展開することで、階級的労働運動の展望と可能性を示したい」と訴えた。外注化を10年間阻止し続けた地平に立つこのアピールが、国際階級闘争に勝利の道筋を示した。ここに労働運動再生の具体的展望がある。
 最末期の資本主義は、医療や教育、社会保障を次々と破壊し、「1%」に過ぎない資本家階級が富の大半を独占する社会を生み出した。日帝ブルジョアジーは、未曽有の大災害に苦しむ労働者・農漁民・人民から復興特区創設ですべての権利を奪い、その生き血で延命しようとしている。これに対する大反撃の出発点として、11・6集会がかちとられた。

 福島の怒りと結び原発すべて廃炉に

 11・6集会は第二に、福島・被災地の怒りと結合して全原発の廃炉をめざして闘われた。
 福島は今や怒りと闘いがあふれる日本革命の決定的火点だ。この間、6・5国鉄集会で被災地との団結を固め、福島現地での6・19怒りの大行動が闘われ、全国各地の職場・地域でさまざまな創意工夫のもとに反原発闘争が取り組まれた。9・19明治公園集会には6万人が大結集、そして福島から労働組合の再生と11・6への結集を呼びかける「フクシマアピール」が発せられた。
 階級的労働運動の発展こそが、福島と団結し、子どもたちを守り、全原発を止め廃炉にする道であることが明らかになった。その正しさを示したものこそ、被曝労働を拒否した動労水戸のストライキであった。
 11・6集会は第三に、集会の実現が革命への戦略的準備そのものであった。そこに向けて職場やキャンパス、地域で闘われてきた課題と実践のすべてが、革命への準備そのものということだ。
 外注化・非正規化粉砕への職場からの挑戦、反原発・福島連帯の闘いは、資本主義の矛盾を根本から暴き革命への道を切り開く。このことを大胆に確認し、1万人の結集という具体的目標の追求にあくまでこだわり、課題を鮮明にしながら闘ってきた。職場闘争の再生と労働運動の力に確信をもって、階級的労働運動の創造と大発展の道に真一文字に突き進もう。
(写真 検修・構内業務外注化、職場大再編の攻撃に対しストで闘う動労千葉は、11・6集会・デモを終始戦闘的にリードした【日比谷】)

 欧州に広がる体制的危機

 大恐慌情勢は、米帝の没落、EUの解体的危機、日帝の帝国主義陣営からの脱落状態、中国バブル崩壊の開始としてものすごい勢いで進行している。世界が直面している危機は、プロレタリアートがブルジョア権力を自らの力で打ち倒し、プロレタリア権力を樹立する――すなわち革命をやる以外に、もはやいかなる解決方法もない。
 EU解体情勢は激しい。ギリシャ危機は完全にイタリアに飛び火した。9日、イタリア10年物国債利回りが7・4%に急上昇し、ユーロ導入後の最高を更新した。
 欧州にはイタリアの債務危機を救済する能力はもはやない。イタリアの政府債務残高は昨年末で1兆6千億ユーロ超と、ギリシャの約3500億ユーロの5倍近い。これは国家の破産そのものだ。
 10月19日、ギリシャではゼネストと12万人のデモが行われた。イタリアでは11月5日、首都ローマで数万人がデモ。ポルトガルでも8日に大規模ストライキが闘われ、首都リスボンの鉄道が8割以上ストップした。
 各国の「緊縮財政」が労働者階級にもたらすものは、首切りや社会保障の解体以外にないことがはっきりした。
 「富める者がますます豊かになり、持たざる者の暮らしが壊れていく」――ニューヨークの「占拠」運動から発せられたこの叫びは、今や全世界共通の怒りだ。新自由主義政策の核心である外注化・非正規職化攻撃との対決は、全世界労働者の共通した課題だ。このことを11・6集会は鮮明に示した。

 組合拠点化と職場細胞建設を一体で

 TPPはもともとオバマの「今後5年間で輸出を倍増し、200万人の雇用をつくる」という国家戦略に基づくものだ。それは中国に対抗する米帝主導のアジア・太平洋の勢力圏化であり、日帝をとことんそこに引き込み動員するものだ。
 日帝は、大恐慌と3・11情勢に追い詰められながら、TPP交渉に参加することで米帝との争闘戦に絶望的に突入しようとしている。TPPは被災地への復興特区攻撃と一体で、「関税自由化」の名のもとに農業を破壊し、労働者・農民からとことん搾り取り、医療や社会保障、教育を崩壊させるものであり、被災地はじめ全労働者・農民・人民への大攻撃だ。
 その先には資源と市場の争奪戦、侵略・勢力圏化と戦争が待っている。全人民の怒りの先頭で、TPP粉砕・野田政権打倒へ決起しよう。
 12・10−11反原発連続行動に決起し、民主党と連合による労働組合支配をぶち破る決起を実現しよう。労働組合の拠点化と職場細胞建設を一体で進めることが、この激動を革命へと転化する決定的なてこだ。労働者自己解放の思想としてのマルクス主義の復権は、不可欠のかぎだ。「動労千葉を支援する会」をランク&ファイルの職場フラクションとして組織しよう。動労千葉、動労水戸が最先端で切り開いた外注化・非正規職化との闘い、被曝労働拒否の闘いに学び、自らの職場から立ち上がろう。
 キャンパスで新自由主義粉砕、反原発の闘いを巻き起こし、学生自治会を再建しよう。
 冬期カンパ決戦は「被災地連帯、全原発廃止、福島医療施設建設」を訴える取り組みであり、革共同が21世紀革命に勝利する党へと飛躍する歴史的挑戦だ。冬期カンパ決戦に総決起しよう。

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週刊『前進』(2512号1面2)(2011/11/14 )

 動労千葉 線見訓練拒否のスト突入

 基地再編・組織破壊に反撃

 動労千葉は11月5日、佐倉・銚子運輸区新設、ローカル線切り捨てに反対し、本人希望を無視した線見・ハンドル訓練阻止に向けて指名ストライキに突入した。
 5日の労働者国際連帯集会の冒頭、田中康宏委員長はこの闘いの意義について「JRは私たちの職場を大再編しようとしている。来春には千葉だけでも数百人の運転士・車掌を配転し、この配転で労働組合を破壊することが狙いだ。この基地再編のための訓練に対して銚子支部の組合員が本日から訓練を拒否する指名ストに入った。来春に向かって長期にわたる闘いになる。検修・構内業務外注化阻止の闘いと一体で職場から闘いをおこし、腐りきった労働運動の現状を変えていく」と述べた。戦闘的な報告と決意に会場の熱気は一気に高まった。
 ストに入った銚子支部の小倉明副支部長は「会社は新設される運輸区の要員も行路数もまったく明らかにしないままにただただ『訓練をやれ』と言ってきている。こんな間違ったやり方には絶対に反対する。長期の闘いになるが支部の団結で当局を倒していきたい」と語った。千葉運転区支部の大野茂支部長も「千葉運転区支部でも来月から線見訓練が入っている。千葉運転区では40人が訓練対象者で、うち動労千葉が8人。労働者、労働組合をなめきった姿勢を会社が改めない限り、われわれは指名ストで徹底的に闘いぬく」と決意表明した。大野支部長も訓練対象者に指定されている。

 JR大再編攻撃と正面から対決

 線見訓練は、運転士が新たな運転行路の仕事に就くための訓練だ。実際の行路を指導役の運転士が乗務し(訓練対象者は添乗)、次に訓練対象者がハンドルを握って乗務する。最低でも往復5回、ハンドルを握って乗務する必要がある。
 JR東日本千葉支社が6月に提案した運転基地再編計画は、今ある銚子運転区、成田車掌区を廃止し、銚子と佐倉に運転士と車掌を一緒にした新たな運転職場(運輸区)をつくるというものだ。新しい銚子運輸区は運転士と車掌をあわせて100人程度、佐倉運輸区は250人程度とされており、JR体制の大再編、JR総連・東労組の切り捨ても絡んだ国鉄分割・民営化以来、最大級の運転基地再編だ。これはローカル線切り捨て攻撃そのものでもある。
 動労千葉は6月の提案以来、基地再編のスケジュールや要員数などを明らかにすることを求め続けてきたが、千葉支社はこの当たり前の要求にすら回答を拒否し続けてきた。11月1日に行われた動労千葉との団体交渉でも「いまだ決まっていない。12月ころに要員提案ができるのではないか」と白々しくうそぶいている。JR資本は、数百人にも及ぶ異動を組織破壊攻撃に徹底的に使い切ろうとしているのだ。
 今回、訓練指定された動労千葉組合員は、いずれも転勤をまったく希望していない。千葉支社は希望調査すらせず、佐倉・成田地域から1時間程度を通勤範囲とし、勝手に訓練対象者を指定してきた。こんなでたらめな話があるか。動労千葉は「異動は本人希望に基づき行う」という組合要求貫徹に向け、断固として闘いに突入したのだ。

 検修全面外注化巡る新たな攻防

 また、10月1日実施が阻止された京葉車両センターでの構内運転業務外注化について、JR千葉支社は計画を縮小してでも実施することを狙って激しく動き始めている。来年4月の検修全面外注化の強行をにらみ、なりふりかまわず千葉支社管内における外注化の実績をつくろうとしているのだ。JR東労組も、計画の丸のみを前提に裏切り団交を繰り返している。絶対に許せない。
 11日には「運転基地再編攻撃粉砕・業務外注化阻止」を掲げて動労千葉総決起集会が意気高く開催された(記事次号)。11・6集会で鮮やかに登場した青年部を先頭に、組織拡大の闘いも懸命に闘い抜かれている。JR大再編攻撃との全面激突となる来春闘に向けて動労千葉は新たな闘いに勇躍突入した。

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週刊『前進』(2512号1面3)(2011/11/14 )

前進速報版から 前進速報版から

▼韓進闘争が終結!キムジンスクさん、笑顔でクレーン降りる▼徳島刑務所がゼルツァーさん夫妻の面会拒否▼11・6集会・デモ動画

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週刊『前進』(2512号2面1)(2011/11/14 )

 11・6全国労働者集会

 〈反原発・反失業〉貫き新自由主義打ち破る国際的団結

 青年・国鉄先頭に労働組合再生へ

 11月6日に開催された全国労働者総決起集会は、東京・日比谷野外音楽堂に5950人の労働者・農民・学生・市民が集い、新自由主義攻撃を全世界的に打ち破っていく国際的団結を力強く打ち立てる場となった。なによりも国鉄・郵政を始めとする青年労働者の鮮烈な登場は、日本における労働運動の階級的再生への息吹を感じさせた。前号での関西地区生コン支部の高英男副委員長、動労千葉の田中康宏委員長の発言紹介に続き、11・6集会での発言要旨を紹介します。(編集局)
(写真 集会の最後に力強くこぶしを突き上げ”団結ガンバロー!”【11月6日 日比谷野外音楽堂】)

 呼びかけ団体の訴え

 団結こそ命、闘争こそ力! 全国金属機械労働組合港合同 中村吉政副委員長

 大変ご苦労様です。とりわけ東日本大震災と福島原発の被災者のみなさまにお見舞い申し上げます。故郷の空気を放射能で汚染され、充分な補償もなく、責任の所在さえあいまいにし、ささやかな営みさえ奪った原発事故は人間の尊厳を奪うものです。その上、TPP(環太平洋経済連携協定)交渉が成立するならば農民、漁民、多くの中小零細企業は壊滅してしまいます。
 「どのような社会を自分たちがつくっていくのか」が今、労働組合の責任と課題として問われています。私たちは「ゆりかごから墓場まで」を基本にこれまで四十余年、主に中小企業で働く労働者の権利を守るため闘ってきました。早くから「闘う労働組合のネットワーク」をつくるべく運動してきました。運動の中心は国鉄1047名闘争でした。JR資本の不法行為を許さず、和解を拒否して闘う国労の仲間と動労千葉争議団の闘いに連帯して勝利させるまで闘う決意です。
 どんな強大な敵でも弱点はあります。弱点を探し出し、攻撃を加え、労働者が主人公の社会をつくりましょう。「団結こそ命、闘争こそ力!」。ともに闘いましょう。

 国鉄全国運動前進させよう 国鉄闘争全国運動呼びかけ人 伊藤晃さん

 連合は3・11災害からの資本主義的復興の先導役を買って出ています。働く者の権利のために存在した労働運動は今ここまで変質しました。
 他方、民衆の意志が広く深い運動となって現れ、中近東の人民革命からヨーロッパ、アジア、ラテンアメリカの運動、さらにアメリカのウォール街占拠運動にいたるまで、恐慌の中で資本主義的支配構造を積極的に変革する道を切り開きつつあります。日本の民衆運動をこの大きな波に合流させないこと、これが日本の支配集団にとって資本主義再建の最大の課題になっています。
 これに抗して私たちは広く運動の連帯をつくりだし、世界の闘う民衆に合流しようとしている。そのための最大の課題は、労働運動を再建し本来の役割に立ち戻らせることです。国鉄闘争全国運動は昨年の4・9政治和解に抗して、闘う労働運動の伝統を積極的に再生させる目的でつくられました。この運動は3・11以降の事態に広い活動の場を見出している。必要なのはただ一つ、迷うことなく私たちの道を前進することです。

 国鉄闘争勝利に向けて

 ストを貫徹し青年部を再建 動労千葉 北嶋琢磨青年部長

 9月29〜30日、京葉車両センター外注化に反対するストライキ貫徹の末、私たち青年部を再建することになりました。今まで青年部復活をあきらめずにここまで頑張ってくださった先輩方の力だと思っています。
 先輩たちの力を引き継いで皆さんと連帯して、団結して闘い抜くことをここに決意表明してあいさつとします。青年部をこれからもよろしくお願いします。

 汚染車両検査に反対し闘う 動労水戸 照沼靖功さん

 紹介されました弱冠23歳の動労水戸青年部、今のところ一人ですが照沼です。うちの職場では今、福島第一原発から二十数`の所から運ばれてきた車両がずっと置きっぱなしになっていて、それを検査・修繕するとか、掃除させるなんてふざけたことばかり言っています。それに対して10月8日と13日にストを打って、検査反対をずっとやってきました。
 今度の土曜日、そんな危ない車両がある中で、車両センターまつりという一般公開をするなんてふざけたことを言っています。若い人、小さな子どもたちも来るのにです。安全が確保されなければ絶対にやらせることはできない。これについても動労水戸は全員団結して闘っていきます。

 「99%」が団結し解雇撤回へ 動労千葉争議団 中村仁さん

 われわれ国鉄職員が、国鉄分割・民営化を強行されてしまったことが、労働者のこういう現状を生んでいるんだと思います。非正規職を生んだのも国鉄分割・民営化です。われわれ「99%」の労働者が一つになれなかったからです。99%の労働者が一つになったら資本なんかなんでもないんです。福島の絶望を労働者の団結で希望に変えましょう。われわれは解雇撤回を闘います。

 組合員権剥奪の暴挙許さぬ 国労小倉地区闘争団 羽廣憲さん

 国労本部は自ら屈服しただけではなく、1047名解雇撤回を貫いて闘い抜いている私たちの組合員権を国労の定期全国大会において剥奪(はくだつ)するという暴挙に出ました。私たちはこんな暴挙を絶対に許さない。
 この怒りとともに、福島の怒りと本当に結びついた闘いが今、私たちに求められています。
 解雇撤回をどこまでも貫き、非妥協・非和解で闘い抜く原告団と動労千葉争議団も含めて、すべての闘う仲間とともに反原発・反基地、非正規職撤廃まで私たちもともに闘い抜きます。

 5・27反動判決許さぬ闘いを 国鉄闘争全国運動呼びかけ人/元国労九州本部書記長 手嶋浩一さん

 九州に玄海原発がありますが九電本社前に毎日、座り込んでいます。今日で201日目です。11月13日に福岡で1万人集会を行います。九州に知り合いの方があったら「11月13日に平和台球場で1万人集会をやるので参加してほしい」とぜひお伝え願います。
 一点だけ訴えたい。羽廣さんたちが4党合意に反対して国労本部に向かっていろいろ抗議をした時、羽廣さんほか8人が逮捕されました。権力側はこの5・27臨大闘争弾圧裁判で暴行罪という形で有罪判決を出しました。彼らが最初に狙った暴力行為等処罰法は適用できなかった。これは向こうが負けたんです。しかし、暴力行為だけは判決に出ました。「暴行だからよかった」「罰金でよかった」では済まされない。今後、闘う労働組合のところには警察が介入できることを認めていくことになりますから。
 羽廣さんをはじめ逮捕された人は、この闘いを負けないで闘っていくことをお願いします。全国運動のさらなる発展を訴えて呼びかけ人の一人として訴えます。
(写真 青年先頭に国鉄労働者がそろって登壇。発言者は動労千葉の北嶋さん)

 決意表明

 ●愛媛県職員労働組合 宇都宮理委員長

 私たち自治体労働者は被災地のみなさんとともに、先頭に立って、まず原発を止める闘いを闘います。それから今、自らにかけられている賃下げ攻撃がありますので、それと全力で闘います。
 今日、全世界の労働者の方々、来ていただきまして本当にありがとうございます。全世界の公務員労働者のみなさん、またすべての労働者のみなさんと団結して闘いたいと思います。

 ●三浦半島の教育労働者

 三浦半島でも高い放射線量が出ています。教育委員会は取った土を学校の敷地内に埋めています。組合員はみんなおかしいと思っているのに組合は抗議すらしません。文科省は今、放射能の副読本を作り学校に配ってます。そこには”放射能は自然界にたくさんあるんだよ、こんなに役立つんだよ、がんの原因はいろいろあるんだよ”――こんなふざけた教材に日教組は黙ったままです。労働組合の出番になんにもしないなら、私たちが労働組合の闘いにするまでです。今が労働運動を変えるチャンスです。

 ●日教組奈良市書記長 奥村善博さん

 8・6ヒロシマ大行動には5年前に組織連帯をしました。そして今年初めて、この11・6集会に組織として参加しました。日教組奈良市は市費の講師の首切り問題や、勤務時間管理シートや校務用パソコンなどで市当局と闘っております。そして今、子どもたちの未来を守るのは私たち大人の責任だと思っています。子どもたちよりも先に生きる者として組合活動を頑張っていきます。

 ●郵政非正規ユニオン 斎藤裕介委員長

 僕たちの思いは怒りです。「生きさせろ!」です。この一年、非正規で立ち上がり全国組織としてがんがん闘い続けています。この運動を支えてくれているみなさんに心から感謝します。
 でも韓国や世界の非正規運動と比べれば、まだ日本の歩みは遅いです。ですが99%を取り戻すことは必ずできます。郵政非正規ユニオンは、非正規・低賃金のすべての人のために闘います。組合運動、国際連帯で今こそ勝利をかちとりましょう。トゥジェン! ソリダリティ!  団結しよう! 今こそ奪われた99%の誇りと心を取り戻しましょう!

 ●東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会 内尾稔分会長

 みなさんお疲れさまです。解雇撤回、非正規職撤廃! 団結して合同・一般労組全国協の先頭で闘います。みなさんも鈴コンに続き、労働組合の復権をかけて闘おう!

 ●八尾北医療センター労組 藤木好枝委員長

 私たち八尾北労組は、2010年3月末以来、土地建物を明け渡して出ていけという八尾市の攻撃を打ち破って、日々、医療と介護を続けています。明け渡し裁判で八尾市と裁判長は早期結審、反動判決を出そうとしています。許せません。
 絶対に勝てる時代が来ました。世界は革命情勢です。怒りは満ちています。私たちも八尾市の800事業民営化と闘う自治体労働者とつながる、そういうチャンスの時代が来たのです。労働者が本当に腹をくくって闘えば労働者の力はすごい。この闘いの過程で、そのことを証明し敵階級にたたきつけてやりたい。

 ●全金本山労働組合 長谷武志執行委員

 激闘34年を経て職場復帰して以来、工場に組合旗を掲げ、朝ビラをまき、ハンドマイクでアジテーションをし、第2組合の労働者を獲得するために頑張っています。
 これからも震災解雇を許さず、復興特区を粉砕し、国鉄1047名解雇撤回、反原発を全国の仲間とともに闘い、一人の首切りも許さない労働者の団結と闘いをつくっていきましょう。

 ●福島県本宮市職員労働組合 富川和朋さん

 被災地・福島を代表して決意を表明します。本日、私は札幌から来ました。私の妻と4カ月の子どもは実家の札幌に避難しています。1カ月ぶりに子どもに会いました。
 先日、福島に行った民主党の議員はこう言いました。「国に力はない。だから福島県の人で除染をやってくれ」。ふざけるんじゃない! 多くの同僚や知人が、子どもや妻を避難させています。仕事をやめざるをえない同僚もいます。絶対に核と人類は共存できません。すべての原発をすぐ、今すぐ廃炉にしましょう! 福島はその先頭で闘います。

 ●全学連 斎藤郁真委員長

 この間、全学連は福島との連帯をかけて、さまざまな行動を打ち抜いてきました。10月21日、福島大学現地行動、28日文科省への抗議の申し入れ行動。そして今日、この場に福島大学の学生が来ていることを報告したいと思います。
 大学から御用学者を追い出し、二度と原発推進のふざけた研究などさせない。そういうことが私たち学生の福島との連帯だと思っています。学歴だけのふざけた政治家連中がどんなご託を並べようが、この社会を動かしているのは労働者です。私たち学生の未来は、労働者との連帯の中にあります。
(写真 福島大を始め全国から大結集した全学連の隊列。東京電力本店に向かって怒りのシュプレヒコールをたたきつけた)

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週刊『前進』(2512号2面2)(2011/11/14 )

 全世界で資本主義倒す闘い 国際連帯アピール

 新自由主義の息の根止める

 韓国から/民主労総ソウル地域本部 イジェウン本部長

 日本で発生した原発事故による被害、失業と生活の問題は労働者とその家族に押し付けられています。このとてつもない原発事故は、人間の尊厳を踏みにじり、資本の利潤だけを追求する新自由主義の貪欲(どんよく)の結果だと思います。
 韓国社会は不幸にも半世紀の間、力と金を持った者たちが社会を支配し国家権力を私有化してきました。21世紀の韓国社会は政治的・経済的に飛躍的な発展をしましたが、軍事独裁政権が退いたその場所に新自由主義が位置を占め、依然として社会正義と社会権と労働権が踏みにじられたままの野蛮な社会が続いています。整理解雇と非正規職が蔓延(まんえん)しています。
 これは、世界で同時に進行している問題です。資本は国境を越えていますが、労働はいまだに一国の労働運動から少しも離れられずにいます。韓国と日本の労働者が、アジアに、ヨーロッパに、労働者国際連帯を広げ、力を失っていく新自由主義の息の根を止める闘争をつくっていかねばなりません。新しい世の中は可能です。労働者が主人になる世の中のために力強く闘いましょう。

 利益むさぼる資本家と闘う

 アメリカから/国際港湾倉庫労働組合(ILWU)ローカル21 ダン・コフマン委員長

 ILWUとILWUローカル21は今、本当に大きな労働争議の真っ最中です。私を含めて多くの組合員が刑事告訴されています。相手はEGTという会社で、それに出資しているのがバンギー、伊藤忠、そして韓国のSTXトランスオーシャンです。EGTは地元採用を拒否し、労働協約に違反しています。公益より会社が利益をむさぼることが優先されています。
 世界の労働者、貧困者たちは、もううんざりしています。「オキュパイ・ウォールストリート」(ウォール街を占拠せよ)、「オキュパイ・オークランド」(オークランドを占拠せよ)の運動はアメリカ全土と世界各国に広がっています。
 アメリカ政府に全面支援されたウォール街の会社が、人間の歴史で最大の金融的詐欺を行っています。規制も制限もない経済制度がそうなってしまうのは当たり前です。数兆jを盗んでいる人びとは罰せられないのに、われわれ組合員が自分の雇用を守ろうとしただけで逮捕されるのは公平とは言えません。
 みなさんの闘いは、われわれの闘いでもあります。世界の労働者の団結を! 最後に星野の釈放を訴えます。

 原子力経済は直ちに停止を

 ドイツから/マルクス主義イニシアティブ ディーター・エルケンさん

 資本主義における人類の生産力の発展は、裕福で平和な生活の前提をつくりだしました。しかし、資本主義の無制約的展開は同時に、こうした人類の夢の実現を妨げています。戦争や恐慌、破壊的技術の発展などがそれです。
 エネルギー産業で利益を得ている連中や政治的支配者たちは、警告も無視して地震地帯に原発をつくり、福島原発事故である地方全体が放射能の犠牲になるという事態をつくりだしました。
 ドイツでは今、反原発運動の圧力のもとで政府が老朽化原発の停止を発表しました。この停止された原発は、一年前は「安全」とされていたものです。私たちは原子力産業もその利害を代表する政治家たちも信頼してはなりません。原子力経済を全世界で直ちに止めましょう!

 民営化・非正規化と闘おう

 職場・組合・社会運動フォーラム ラーベン・ブロンシュタインさん

 「職場・組合・社会運動フォーラム」を代表して一言言わせて下さい。
 ストで闘っているベルリンの病院CFMシャリテと介護施設アルペンラントの労働者からの連帯のあいさつを送ります。CFMシャリテの労働者たちは、病院の民営化、外注化、非正規労働に対して闘っています。彼らに支援の手をさしのべてください。
 国際連帯万歳! 団結! がんばろう!

 一人ひとりに社会変える力

 滞日・在日外国人の発言から(抜粋)

 ●バングラデシュ
 僕はバングラデシュから亡命してきた者です。日本で難民申請をしてます。バングラデシュで活動していた時、集会にたびたび参加したけど、あの集会と今日の集会には大きな違いがあります。むこうでは、どこかからカリスマが出てきて自分たちを救ってくれるというような気持ちで集まっている。今日の集会はみんながカリスマで、みんなが力を持っている人に見えます。この社会を変える力はみんなそれぞれ持っている。
 私たちみんな労働者ですから、肌色や言葉の違いを超えて団結することができます。団結すれば全世界から核とか原発をなくし、戦争をなくすこともできます。団結してこの世界、この社会を変えていきましょう!
 ●ビルマ
 ビルマ民主化活動家の一人です。日本では私たちの権利が奪われています。ここにいる人は入管収容所から出た人がほとんどです。私も二度も入管収容所に入ったことがありますが今日はとてもすばらしい集会です。どんな攻撃でも、力をあわせて闘えば力は百倍になり壊せると思います。
 ●イラン
 「99%」のみなさん、こんにちは! イランに始まって中東、ヨーロッパ、アメリカの占拠闘争、資本主義に対する抗議闘争が世界中で起こっています。歴史が動いています。この歴史は後戻りすることはありません。新しい世界、自由で平等な世界をつくることができる。それは労働者の力でできるはずです。

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週刊『前進』(2512号3面1)(2011/11/14 )

 11・6全国労働者集会

 〈反原発・反失業〉貫き新自由主義打ち破る国際的団結

 再稼働阻止、全原発廃炉へ

(写真 集会をかちとり東電本店弾劾後、銀座の数寄屋橋交差点を進む被災地の隊列【11月6日 東京】)

 被災地から

 東電と政府の責任追及する 元福島県教組委員長 清野和彦さん

 9月30日、政府は緊急時避難準備区域に指定していた5市町村の解除を表明、南相馬市の一部の学校は開校しています。本当に子どもたちは大丈夫なのでしょうか。原発から60`近く離れた福島市役所の線量は1・18 マイクロシーベルト。放射線管理区域よりも高い数字です。
 政府は10月11日、放射能で汚染された地域の除染計画を発表、除染後の土壌は排出した市町村で仮置き場を設けて3年間管理し、その後は県で中間貯蔵施設を造り30年間管理するとしています。仮置き場の場所が見つからない。高濃度になるわけですから誰もやらない。「核と人間は共存できない」ことを事実をもって示しています。
 原発事故以来、県民は行き場のない怒りに包まれています。この状態を脱却するためには、東電と国策として原発を推進してきた政府の責任を徹底的に追及する以外にない。県内でも様々な団体、県民が行動を起こしております。すべての原発を直ちに廃止する行動を強化し、再稼働は絶対に阻止しなければなりません。野田首相は国連総会で「脱原発」には触れず原発輸出の継続を表明しました。許せません。
 沖縄米軍基地、国鉄分割・民営化、それに続く総評の解体、原発推進は、資本主義社会を根底から変革する以外にないことを明らかにしています。そのために労働者の闘いをなんとしても築き上げねばなりません。
(写真 登壇した被災地の人びと。発言する清野さん。脇に置いてあるのは指編みの毛糸のロープを巻いた地球玉)

 子どもたちの命守る活動を 子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク 中手聖一さん 

 原発事故から8カ月、いよいよ事故の被害が始まろうとしています。7万人以上の福島県人が、今まで築き上げてきたものをすべてを失い、家族がばらばらになりながら、難民のように日本全国に散りました。
 しかしほとんどの人が福島に残っている。「安全」という宣伝にだまされているわけではありません。とどまらざるを得ない状況を政府がつくったからです。
 今もまだ30万人近い子どもが危険な汚染地帯に残っている。大人たちはとどまりながら、毎日必死で子どもを守ろうとしている。今日も福島駅のそばで多くの年配の方が落ち葉を集めていました。落ち葉にはたくさんの放射性物質がたまっている。一日も早く片付けなければ安心して暮らせないんです。
 私たちは“子どもたちを年間20_シーベルトまで被曝させていい”という文科省通知と命懸けで闘い、撤回させました。ところが今度は経産省が避難の基準を“大人も子どもも20_シーベルトまでは避難させない”とした。私が住む福島の渡利地区もそうです。
 政治家たちは口々に「脱原発、除染、補償」と言うが、「避難」は絶対に言わない。脱原発も除染も補償も大事だけれど、目の前の命を守らずにどうするんですか。
 40年間、原発を建てさせ、動かし、止めきれずにきた大人の一人として、子どもたちに責任を取らなければいけない。だからけっしてあきらめずに活動を続けます。
 チェルノブイリ事故から25年たち、176の村がなくなり、今も被害は続いています。このまま手をこまねいていては私たちの大事な福島はなくなってしまう。
 日本全国の人びと、世界中の人びとの心とつながり合い、子どもたちを守っていく活動にぜひ力を貸してください。

 亡き母に原発絶対廃止誓う 子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク 佐藤幸子さん

 私は「母として女として、もう黙っていられない」という福島の女たちと一緒に10月27日から経産省に座り込みをしました。福島の女たちは怒っています。8カ月間、本当に辛い思いできた、その思いをぶつけて座り込みました。野田首相は、全国の女たちが福島の女たちにつながって座り込んでいる間に、こともあろうか、ベトナムへの原発輸出を調印した。玄海原発を再稼働した。こんなひどいことを許してはおけないと思います。
 私は3・11の後、20年前に亡くなった母の墓に最後のお墓参りをしてきました。母に「原発を止めるまで二度とお墓参りには来ません」と約束してきたんです。これ以上は引き下がれません。世界中の人たちがつながれば絶対実現できると思います。どうぞよろしくお願いします。

 女たちの決意込めた地球玉 子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク 椎名千恵子さん

 女たちの経産省前座り込みを始める時に、「指編みで毛糸のロープをつくろう」と提案しました。みなさんの労働現場を支えてきたのは生活の現場です。そこで女たちは、有史以来連綿と指と体を動かしながら命を支えてきました。女が仕事の場に立ってからは、暮らしの現場と労働の現場の両方で矢面に立って暮らしを支えてきました。
 3・11はその暮らしの現場を分断しました。子どもたちはあどけなく外で遊ぶことも許されません。お母さんたちは安全な食品を家庭のテーブルに載せられません。一つひとつ疑って脅えながら日々生活しています。そうした女たちの無念、怒り、思いを一編み一編み、編み込みました。この毛糸のロープは女たちの怒りと無念と、暮らしを脅かした者に対する決意の表明でもあります。
 座り込みの途中で、右翼が私たちを取り囲みました。しかし女たちは冷静に「違う」と叫びながら、手を動かし続けました。女たちは自らの思いを立ち上がるエネルギーにしたんです。そうした思いこそ、永遠に続くこの闘いの大きな力です。
 福島の座り込みと指編みはその後、全国の女たちに引き継がれ、毛糸玉はどんどん膨らみました。最後に佐藤幸子さんがロープで大きな地球をつくりました。真ん中に赤道も入っています。地球を包み、次の未来をはらむ地球玉です。
 これは女たちの闘いの決意と思いです。指編みに込めた女たちの思いを引き継ぎましょう。

 オークランドのように闘う 仙台市職員労働組合副委員長 神保美彦さん

 あれから8カ月、被災地は今「復興」の名のもとに、「復興特区」という形でさらなる新自由主義の攻撃がかけられようとしています。家族を失い、住まいを失い、すべてを失った上に、仕事がない、明日の生活の見通しが立たない。8カ月たっても、その状態です。多くの人々が今、野田政権に対する怒りを感じています。
 仙台市役所でも、この5年間に1千人の行革・合理化の中で、3・11以降4人の仲間の命が奪われています。このこととしっかり闘い始めようと、11月集会に向けて問題を取り上げ、発言し、仲間と討論し結集しました。
 「闘っても勝てない」と言って連合がTPP賛成に回っています。この日比谷野音では毎週のように障害者や保育士や農民が総決起集会をやっているこの時に、労働組合が団結して声を上げて闘うことが必要だ。
 宮城でも、連帯ユニオンが新たな労働者を結集して、解雇撤回闘争を貫いています。動労水戸が被曝と徹底的に闘う組合の闘いを職場からつくっています。アメリカのオークランドの市役所の前を埋め尽くした5千人の労働者の怒り。あのような闘いを本気になってやろうではありませんか。仙台市役所の前にも勾当台広場というのがあります。オークランドのような闘いを自分の職場の労働組合からつくっていきたい。
(写真 労組旗を林立させデモに出た広島など全国から結集した部隊。福島の怒りと一体で全原発廃炉へ決意がみなぎる)

(写真 三里塚反対同盟、裁判員制度と闘う弁護士たち、原発と闘う医師団、NAZEN、百万人署名運動、沖縄行動団がそろって登壇)

 闘いの最前線から

 TPP阻止へ怒りの結集を 三里塚芝山連合空港反対同盟事務局次長 萩原進さん

 野田政権が明日にもTPP(環太平洋経済連携協定)交渉への参加方針を表明しようとしています。「震災からの復興のため」と言い含めて農地法を撤廃したり、規制緩和をやって日本農業を壊滅させようとしています。労働者に低賃金と首切りを強制し、医療や金融や労働力までも新自由主義で餌食にする許し難い攻撃です。全世界の人たちと団結して闘いぬくのと同じように、労農同盟をますます強化しつつ、原発は絶対に廃炉にしなければならない。
 三里塚は政府の国策中の国策である成田空港建設と45年間、五分と五分の闘いを今日まで展開してきました。労働者を先頭とする人民の闘いによって今日が保証されているわけです。これをもっと押し広げて、沖縄の怒りと福島の怒りと労働者の怒りを結集したならば勝利できるわけです。
 三里塚ほど労働者の戦闘的労働運動を待ち望んでいるところはありません。ともに進む同盟軍です。すべての労働者、農民、市民そして今日集まった万国の人民が団結して、われわれ働く人民が主人公になる社会を築くために闘いましょう。

 裁判員制度も原発もいらぬ 憲法と人権の日弁連をめざす会/弁護士 森川文人さん

 今年は革命と民衆蜂起の年。日本では3・11震災に始まる「復興」キャンペーンと原発をめぐる闘いの年です。
 弁護士だけ被曝しないことがありえないように、弁護士も新自由主義の攻撃にさらされ、「就職難、貧困、借金苦」に追い込まれ、失業時代を迎えています。戦前と同じです。しかし、資本主義経済が世界中で悲鳴を上げて、展望なき現実を無残にさらしています。
 3・17渋谷デモに始まった反原発デモは、9・19で6万人にまで広がりました。10年内に廃止などという民主党推進派と変わらない日弁連。99%の私たちは大衆の中で、ともに闘う弁護士として、弁護士会ごと変えなければなりません。
 原発即時廃止、再稼働阻止。とりわけ原発の番犬と言われる裁判所の責任を徹底的に追及する。
 最高裁から30万人に向けて発送される裁判員候補者名簿記載通知に正面からぶつける形で、11月11日正午、「裁判員制度も原発もいらない」と日比谷公園から昼デモを行います。原発とも裁判員制度とも人類は共存できない。

 反原発闘争で霞が関占拠を すべての原発いますぐなくそう!全国会議事務局長 織田陽介さん

 野田政権は原発を再稼働するだけではなく、原発が安全で輸出できる商品だとアピールするために、安全ではない事実や怒りをすべてつぶそうとしています。すべての若者の未来を奪う攻撃です。「命より経済」「1%と99%」という社会を根本から変えることが私たちの回答です。
 再稼働阻止のために原発立地に組織を立ち上げることです。12月3日にはもんじゅ闘争が、12月10日には日比谷野音でさようなら原発集会が呼びかけられています。12月10日、11日を全国統一行動として闘い抜きたい。
 福島現地の大きな課題に真正面から立ち向かうことです。子どもたちの避難の権利、子どもたちの医療を保障する。職場、キャンパス、地域から立ち上がり、労働組合や学生自治会をよみがえらせて下さい。福島の女たちは経産省を包囲し、学生は文科省に闘いを開始しました。労働者は厚労省を、農民は農水省を占拠して下さい。弁護士は裁判所を燃やし尽くして下さい。国会も首相官邸も霞が関すべてを占拠する闘いを、反原発闘争でやっていきたい。

 改憲への突進絶対許さない とめよう戦争への道!百万人署名運動事務局長 西川重則さん

 一年中、国会傍聴している立場で、「戦争は国会から始まる」という歴史の事実に基づいて国会報告をします。
 国家緊急権や自衛権、自衛軍の明記、集団的自衛権の行使や徴兵制、基本的人権の制約その他。改憲派は、憲法の全面改悪を東日本大震災を奇貨として、今こそチャンス到来とばかりに、フクシマや被災地で行われていることも含めて生存権の剥奪(はくだつ)、基本的人権の破壊を公然と進めようとしています。
 こうした中で今年の5月18日、参議院憲法審査会の規程案が可決・成立しました。しかも圧倒的多数によって一瞬のうちに。投票総数229人、賛成の投票数218人、反対は11人でした。
 10月20日からの臨時国会で、衆議院・参議院の憲法審査会の委員と委員長、幹事が決まりました。そして21日には、両院の憲法審査会の初会合が開かれ、改憲のための憲法審査会が動き出しました。
 フクシマの怒り、オキナワの怒りと一つになって、「反原発、反改憲」の百万人署名運動を力を尽くして展開したい。

 「復帰」闘争の決着かけ闘う 沖縄行動団代表/北中城村議会議員/元全軍労 宮城盛光さん

 野田政権は発足するや、普天間基地の辺野古への移設攻撃を全面化させ、年末までには環境影響評価(アセスメント)の最終評価書を提出し辺野古沿岸部の埋め立てを沖縄県知事に申請しようとしています。知事が申請を却下した場合に備えて特措法の制定ももくろんでいます。さらに、南西諸島への自衛隊の配備も進めようとしています。絶対に許せません。
 私たちは階級的労働運動の復権を目指して3月に「国鉄闘争全国運動・沖縄」を結成しました。非正規雇用労働者の比率が全国一高い沖縄で、外注化・民営化・非正規職化・偽装請負の職場で闘う青年労働者が、「労働組合で闘う以外に未来はない」と決意してこの場に参加しています。また、沖縄米軍基地の死命を制する基地労働者も、新しい仲間とともに参加しています。
 沖縄は来年「復帰」40年を迎えます。「基地のない平和で豊かな沖縄」を目指して闘われた「復帰」闘争は、いまだ終わっていません。その決着をかけて私たちは新たな闘いに立ち上がっていきます。

 福島に医療施設をつくろう 原発と闘う全国の医師団広島高陽第一診療所医師 吉田良順さん

 東日本大震災、福島原発事故で、現在までに広島型原発約50個分の放射性物質がまき散らされていると思います。利益のためには人の命を顧みない新自由主義がもたらした人災です。新自由主義者は被災地の「復興」を名目に新たな策動を行おうとしています。福島医大の「放射線医療特区化」計画です。かつて広島ではABCC(原爆傷害調査委員会)によって被爆者の健康情報が集められ、それは被爆者の治療に使われることなく原爆の人体実験材料として利用されました。このことを知っている私たち広島の医者は「放射線医療特区化」計画にABCCと同じ意図を感じます。
 広島・長崎の被爆者は闘うことで自らの命を守り、医療を取り戻してきました。私たちは全国の仲間の力で福島の人たちの健康を守る、闘う拠点としての医療施設を福島の地に建設しようと思っています。NAZENと連帯して、すべての原発をなくすまで闘います。
 TPPによる医療の自由化で、曲がりなりにも守られてきた国民皆保険制度は解体されます。新自由主義と闘う全世界の方々と団結し、医療と健康を守る決意です。

 閉会あいさつ

 早速明日から実践しよう! 全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部執行委員 武谷新吾さん

 みなさんの現場での闘いに敬意を表します。前段の若者集会ではたいへん元気をもらいました。関西のおっさんの代表として体を張った闘いをすることをお誓いします。
 呼びかけ団体を始め、多くの現場の闘いが報告され、多くの闘いが提起されました。確認したことを早速明日から現場で実践することを提起します。頑張りましょう。

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週刊『前進』(2512号3面2)(2011/11/14 )

 福島の医療施設建設へ突破口開く大カンパを

 すべての『前進』読者、労働者・学生の皆さん。熱烈な冬期カンパを心から訴えます。
 今次冬期カンパ闘争は第一に、労働組合の拠点建設、労働者階級の階級的団結の荒々しい復権をかけたカンパ闘争です。
 今年の国際階級闘争は、労働組合の闘いが中軸となって前進しています。2月エジプト革命、ギリシャ労働者階級の反復的ゼネスト、さらにILWUのゼネスト、韓国・民主労総のハンジン重工業闘争へと闘いは発展しています。そしてこの中心に9・19の反原発6万人決起―11・6全国労働者集会をかちとった日本労働者階級の闘いが立っています。
 他方、右翼・ファシスト勢力もこの階級的激突に引きずり込まれてきました。1930年代の国際階級闘争以上の激突が労働組合を軸にして始まったのです。まさに世界はプロレタリア革命に向かって動き出しました。
 この世界革命の嵐に勝利するための核心は労働組合の拠点建設に絶対に勝利することです。そのためのカンパ闘争です。
 第二に、福島で原発事故―放射能被曝と必死に闘い、生き、闘っている労働者階級と子どもたち、その未来を絶対にとり戻すために、全原発の廃炉と福島医療施設建設をかちとろう。そのための大カンパ闘争です。
 福島の労働者と農漁民・住民は、帝国主義の原発政策と最先頭で対決しています。野田政権はこの闘いを圧殺するために「復興特区」、TPP、労働組合解体攻撃をしかけています。福島こそ、最も激しい階級戦争の戦場です。だからこそ私たちは、福島の労働者階級・家族と生死をともにします。子どもたちとともに生き、守りきる医療拠点を建設し、福島の未来を取り戻すために闘おう。青年医師や青年弁護士を先頭とする医師団・弁護団、青年労働者・学生が先頭で闘おう。
 この冬期カンパ闘争は、数億円規模の医療施設建設・全国基金運動の突破口を切り開く闘いです。ぜひとも絶大なカンパをお願いします。
 第三に、革共同は全世界の労働者階級の総決起でプロレタリア世界革命を実現するために全力で闘います。
 今次大恐慌は新自由主義の大破綻を全面的に明らかにしました。新自由主義こそ、最末期帝国主義の姿です。
 この帝国主義を打倒するのは、労働者階級の国際連帯の力であり、動労千葉労働運動の国際主義の発展です。労働者国際連帯の闘いをさらに前進させるために、絶大なカンパをお願いします。

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週刊『前進』(2512号4面1)(2011/11/14 )

 立ち上がった福島の女たち

 全原発廃炉、子どもの避難を

 経産省前座り込み 呼びかけ人らの訴え

 

(写真 座り込み3日目の10月29日、日比谷公園から東京電力本店前に向かうデモには1000人が参加。先頭には子ども福島の「怒 福島隊」ののぼり旗が並んだ)
(写真 初日の27日、福島からの代表団30人が経産省に要請行動を行った。写真は経産省に入る代表団)
 10月27〜29日、「ついに女たちは立ち上がり、そして座り込む! 原発いらない福島の女たち100人の座り込み」が東京・霞が関の経産省前で行われ、3日間の参加者は延べ約3千人にのぼった(前号既報)。福島から駆けつけた同行動の呼びかけ人や参加者にお話を伺った。(編集局)

 原発なくし福とり戻す 子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク世話人 佐藤幸子さん

 「半年たっても何も改善されない。堪忍袋の緒が切れた。福島現地から声を出そう」という思いで、座り込みをやることを決めました。記者会見で発表したら、問い合わせが殺到。さらに「ついに女たちは立ち上がり、そして座り込む」というチラシをネットにアップしたら一気に広まりました。一人ひとりが拡散してくださったからです。
 27日に福島を出発する時は「100人以上にはなるだろうね」と言いながら来たけれど、経産省前に着いたらそれどころじゃなかった。1日目に受付を通った人だけでも700人を超えました。うれしかったです。
 今回掲げた四つの要求の一つが「子どもたちをただちに国の責任において避難・疎開させること」。福島には今も27〜28万人の子どもが残り、何の対策もされないまま学校や保育園に通っている。政府や県は「除染」ばかり言って、「避難」は絶対に認めない。でも私たちは早い時期から「除染をすればなんとかなるレベルではない」「本気で除染をやりたいなら、子どもたちを避難させてからやるべき」と言ってきたんです。
 県民健康調査の問診票には健康状態を書く欄が1行もない。「3月11日から外で何時間、家の中で何時間過ごしたか。家で採った野菜を食べた量は小皿、中皿、大皿に何皿分か」などを書かせるんですが、体調不良を書く欄はない。まったく意味のない調査です。
 風邪を引きやすくなった、鼻血が出ている、下痢をしたなど、体調を崩している子どもはいっぱいいます。だけど病院に行っても「お母さん、気にしすぎですよ。そのストレスのせいじゃないか」と言われて終わる。
 子ども福島では今、知識の普及に力を入れています。「安全キャンペーン」が張りめぐらされ、疑いつつも信じている人たちが多い。だから講演会も続けているし、子ども福島の活動を知らせるフリーペーパーも毎月発行しています。
 避難できない子どもたちは必ず残ってしまうし、避難するまでの間だって防護はとても大事なので、防護の知識などを伝えるイベント「生活村」もやっています。汚染されていない食べ物を食べる。もし食べてしまったら、排出を促す食べ物を食べる。結局、昔ながらの食事が大事なんです。今の子どもはスナック菓子やマクドナルドみたいなものばかり食べて、農薬と添加物で免疫力が落ちている。それも含めて改善しないと、チェルノブイリより深刻な被害が起きてしまう。
 福島は福がたくさんある島でした。きれいな空気と水、大地、そして採れる食べ物はおいしい。そういう福をすべて奪われてしまいました。
 だけど、この大惨事が全国の原発を止めるきっかけになれば、福島の私たちはこの苦難をのりこえることができます。
 全国から、全世界から原発をなくした時に、本当に福のある福島になることができると思います。今までのしがらみを捨てて、あらゆる人とつながっていきたい。

 きっちり落とし前を! 子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク世話人 椎名千恵子さん

 3日間の行動がここまで大きくなるとは思っていませんでした。初日からたくさんの人がお見えになって、差し入れも山のように届く。女たちのほとばしるような意志と「黙ってはいられない」という思いが届く。すごいことだと思います。
 私は20年ほど前に広瀬隆さんの講演で「いざとなったら浜通りより中通りが危ない」ということを震えながら聞いていました。しかし暮らしに追われ十分に反原発の運動をしきれず、3・11以降は悔やみ、申し訳なさでいっぱいになりました。
 当初は自分の力のなさばかりを責めて、苦しかった。しかし無念さや悲しみ、苦しみを抱えているだけでは力にならない。子ども福島の立ち上げに参加してからは、仲間につながり、動くことで学んできました。
 私は70年安保闘争の時に戦列の端っこにいました。4月以降動き出してからその回路が目覚めてきて、自分の役割が見えてきた。今では世話人の一人としてとても元気に動いています。
 今回の事故は絶対に許してならない大惨事だけれど、生きる場は自分たちで守らなければならないことを教えてくれた。自分たちの生き方を自立して考え、話し合い、つながって次々一歩を踏み出す、ある意味ではすばらしい機会が与えられた。人間が次に進むために与えられた試練だと考えると覚悟ができるし、エネルギーがわきます。
 「ただちに影響はない」はうそです。多くの子どもに鼻血、吐き気、だるさが出ています。大人にも不調が出ています。私も目がやられ、のどがいがいがになりました。福島は間もなく学校全体が保健室になり、町全体が病院になります。
 子ども福島では防護のセクションにいます。避難できたら一番いいけれど、避難できない人たちの被曝を少しでも軽減できるよう、体の手当てや食事の知恵などを届けている。私は農業をとおして自然治癒力というものを学んできた。山ははげ山になっても、ちゃんと緑をふき返す。人間も、人間の存在自体が治癒力を持っている。命そのものの中に問いも答えもあると確信しています。
 再稼働や原発輸出を進める野田首相は、金で世界を構築しようとする傲慢(ごうまん)な人間たちの利害関係だけで動き、今の体制を守ることしか考えていない。一人ひとりの命が脅かされていることに痛みを感じない者に政治を預かる資格はありません。
 私は3・11までは自給自足的な生活をして海外からの研修を受け入れたりしていました。しかし放射能に汚染され、里山での美しい生活は続けられなくなりました。活動に専念するため、福島市内に引っ越しました。原発の問題を無視して自分の暮らしはありません。闘いが暮らしです。
 こういうことになったのは自分が過去に課題を積み残したせいでもあると思っています。闘いぬいて、自分にも、東電にも、国にも、きっちり落とし前をつけます!

 「除染」の大宣伝に怒り ふくしま合同労組委員長 市川潤子さん

 今「除染、除染」と叫ばれているけれど、みんな「除染と言っているだけでいいのか」と疑問を持っている。汚泥を除去しても、結局左から右に移すだけで、何も解決にはならない。「これでは解決にならない」と思いながら、それでも除染をせざるを得ない。すごく悔しい思いを抱えている。「除染すれば、また福島に住める。そうすれば日本の復興も始まる」みたいな言い方がとりわけ許せないです。
 しかもその除染作業も国や東電がやるわけではない。高圧洗浄機の購入費が助成されるだけで、それを使って被曝しながら作業をするのはみんな地元の人。結局は自己責任で、被災地に責任を押し付けている。
 除染をやることになった地区の区長さんもすごく悩んでいた。区長としてはみんなに呼びかけて集まってもらわなければならないけれど、自分は除染ばかり言うのは間違っていると思っている。でもそう言ったら「非国民」扱いされかねない。しかも除染自身は必要なことでもある。「いや、『出なければいけない』ではなく『出なくてもいいんですけど』と言って勧めたらどうですか」と話しました。
 県民健康調査も始まりました。962億円もの金を使うのに、それが治療目的じゃないことは福島の人はみんな知っています。「私たちはモルモットじゃない」というのは切実な訴えです。
 私は病院で働いていますが、県内の病院はほとんどが福島県立医大から研修医や当直医が派遣され、医大の研修生が手伝いに来る。県立医大の考えや方針に対して医者や病院が異を唱えるのが難しい構図がつくられているんです。
 高線量の福島市を絶対に避難対象にしないのは結局、「県庁所在地で新幹線が走っている福島市の機能をとめるわけにはいかない」ってこと。避難を認めたら、原発自体の存在を否定しなければならなくなるからです。
 内部被曝や低線量被曝のことを絶対に問題にしないのも、それを問題にしたら原発は続けられないからです。そんなことで福島県民を放射能汚染のまっただ中に放置し続ける政治に、怒りでいっぱいです。
 職場でも3・11直後に看護師さんが仕事を辞めて避難しました。最近も辞めた人がいます。家族と離ればなれになって、職場もなげうって退職して引っ越しして、将来設計もめちゃくちゃです。本当に「原発さえなければ」と思います。
 3・11以降、「こういう経済優先の社会でいいのか」と価値観が変わった人はいっぱいいる。地元の合同労組として「みんなで行動して政治を動かそう」と声を上げて、全原発をなくすまで闘っていきます。

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週刊『前進』(2512号4面2)(2011/11/14 )

 今すぐ避難させて

 座り込み参加者の声、声、声

 子ども守りたい

■福島市在住の元養護教員 平和のための運動にシフトしようと思い、6月末で退職しました。
 27日に経産省へ要請行動に行った時も「除染に力を入れる」と言われた。でも校庭の表土を除去した時は土が舞って、校舎内の線量は上がった。除染すると一時的に周りの線量は上がる。だから「子どもと妊婦を安全なところに避難させてから除染をやって、除染が終わってから戻して」と話しました。
 県民健康調査と子どもの甲状腺検査に962億円が使われている。だけど健康調査をしても、避難しなかったら放射能を浴び続ける。まずお金をかけなければならないのは子どもたちの被曝線量を下げる対策です。962億円を全部、避難や疎開に使って欲しい。
 チェルノブイリ事故の後、ベラルーシやウクライナで死産、ダウン症、小頭症、免疫の低下、高血圧、白内障、心臓の異常などがたくさん起きた。そういう真実を福島県民に伝えて欲しい。
 勤めていた学校でも、転校した子どもはかなりいました。お母さんは避難させたくても、子どもは友達と離れたくない。「学校行事が終わるまでは転校しない」という子もいる。だから本当は集団疎開が一番いい。
 鉄筋コンクリートは木造より線量が低い。疎開が無理なら、24時間学校で合宿生活をすればかなり低くなる。客が入らずに困っている温泉地の鉄筋コンクリートの旅館やホテルを借りて、線量の高い木造の自宅で寝泊まりしている子どもたちから希望を募り、バスで学校に送り迎えをするのが現実的かなと思っています。子どもたちを守るために、今すぐできることをやって欲しい。
(写真 指編みの輪が広がった)

 体に次々異変が

■福島市在住の女性 私自身、体に異変が出ています。事故直後は夜眠ろうと目をつぶるとまぶたに青い線がいっぱい出た。痛くて眠れないほどののどの痛み。風邪の症状。次の日は舌が痛くなった。足の古傷の痛み。次の日には手の指が痛くなった。頭全体が締め付けられて、手で押さえなくちゃならないような頭痛にも襲われました。
 チェルノブイリ事故の本を見たら、みんな、チェルノブイリの人たちの症状と一致していた。ある集会では女性がのどの痛み、頭痛、手術跡の痛み、肺炎のような症状、全部初めての経験だったと話していました。
 子どもたちのことが本当に心配です。子どものためにも革命をやるしかないと思っています。

 新しい生き方へ

■須賀川市在住の女性
国の対応が後手後手で子どもたちがどんどん被曝させられ見殺しにされている。原発を経済の軸にするのではなく、もっとみんなが幸せになる産業をつくって欲しい。人の命を守って欲しい。そうでなければ私たちの犠牲の意味がなくなる。原発なしで生きる新しい生き方に日本がシフトするチャンスにしたい。

 被曝労働中止を

■福島市在住の女性 27日の経産省要請行動で被曝労働について話しました。原発は何重もの下請けの労働者の被曝労働で成り立っている。被曝作業員全体の被曝量はどんどん上がっている。「そんな非人間的な労働がなければ成り立たない原発が、人を幸せにするわけがない。即刻中止して」と話しました。
 原発が建てられてきたのは本当に貧しいところなんです。自分の夫や息子が原発労働に従事しているから、反対したくても反対できなくさせられてきたんです。
 確かに原発は核の製造工場になるけれど、その一言で終わらせず、原発労働のことをもっと多くの人に知って欲しい。

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週刊『前進』(2512号4面3)(2011/11/14 )

 福島第一原発

 炉心の状況さえ分からないのに「収束」などあり得ない

 福島第一原発事故はなんら収束していない。炉心をめがけてただ打ち水をしているだけだ。東京電力は2号機で局所的に「臨界」が起きた可能性があると言った翌日にそれを否定、「自発的核分裂」と断定した。野田政権と東電は事故が「収束」に向かっているかのように取り繕おうとしてきたが、大変な危機が続いていることが露呈した。労働者人民は皆「やはり」と怒っている。
 ところが政府と東電は「事故収束の工程表」に沿って「年内に安定的な冷温停止状態を達成し、ステップ2を終える」という。しかも政府は9日、東電に1〜4号機の廃炉に向けた具体的な工程表の作成を指示した。 とんでもない。予定調和的な「収束」や「廃炉」などとても考えられない現状だ。原子炉の状況は何も分かってない。再臨界、水素爆発、水蒸気爆発の危険はなんら去っていない。放射性物質の大気への放出、汚染水の増大と漏出、地下水・海の汚染は止まらない。
 政府・東電のでたらめな「収束」「除染」キャンペーンや原発再稼働・輸出策動、200万福島県民をモルモット化する「福島放射線医療特区」攻撃を許さず、子どもたちを避難させ、放射能から守るために闘おう。

 「局所臨界」から「自発核分裂」へ

 東電は11月2日、福島第一原発2号機で核分裂反応が連続する「臨界」が局所的に起きた可能性が高いと発表した。1日に採取した格納容器内の気体から「微量」の放射性キセノン133と同135が検出されたことに基づく。どちらも自然界には存在せず、核分裂に伴って生成される核種であるため、臨界状態の証拠とした。
 ところが東電は3日、中性子が当たらなくても起きる「自発核分裂」でキセノンが生じたとするとし、臨界が起こった可能性を否定した。▼検出されたキセノンの濃度は臨界が起こった場合の1万分の1である▼臨界になると核分裂の連続で発生する熱によって温度、圧力が上昇するが、計測された温度や圧力は低い▼キセノンの計算量と検出量とが一致する――などを理由に挙げた。そして「冷温停止状態」や工程表のステップ2の達成に大きな影響はないと主張したのだ。
 「臨界」から「自発核分裂」への一夜にしての変遷――こうした動揺と狼狽(ろうばい)は、炉心の燃料がどのように溶け落ち、圧力容器の中で固まっているのか、外に漏れているのか、まったく分からず、原子炉をなんらコントロールできていないことの現れだ。
 原子炉内の核分裂の有無を調べる中性子線の計測器は事故によって壊れたままだ。現在、原子炉の中の状態は、ごく一部の計測器による温度や圧力の値をもとに推測、判断しているにすぎない。
 臨界が起きた可能性は否定できない。また損傷した燃料の形状、分布によっては今後、再臨界が起こる可能性があると考えなければならない。
 再稼働を阻止し、全原発を止め、廃炉にしよう。

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週刊『前進』(2512号4面4)(2011/11/14 )

日誌'11 11月1日〜7日

 南スーダンPKO派兵を決定/G20で消費増税を公約

●南スーダンPKO派兵を決定 政府は南スーダンでのPKO(国連平和維持活動)に陸上自衛隊施設部隊を派遣することを閣議決定し、一川防衛相が派遣準備を指示した。(1日)
●玄海原発が再稼働 九州電力がトラブルで停止していた玄海原発4号機を再稼働したと発表した。(1日)
●原発防災区域を拡大 原子力安全委員会の作業部会が、原発事故への防災対策の重点区域を現行の半径8〜10`圏から約30`圏に拡大することで合意した。(1日)
●「復興庁」新設法案を提出 政府は復興庁を新設する法案を閣議決定し国会に提出した。復興庁の長は首相が務め、そのもとに実務上のトップとして復興相を置き、他の閣僚に対する勧告権を付与する。(1日)
●インド海軍との共同訓練に合意 一川防衛相がインド国防相と会談、海上自衛隊とインド海軍がシーレーン防衛のため初の2国間共同訓練を2012年に行うことで合意した。(2日)
●福島第一原発で核分裂反応 東京電力が、福島第一原発2号機で「臨界」が局所的に起きた可能性があり、核分裂を抑えるホウ酸水を原子炉内に注水したと発表した(2日)。その後、起きていたのは臨界ではなく「自発核分裂」だと発表した。(3日)
●独仏がギリシャに最後通牒 ギリシャ政府がEU(欧州連合)による金融危機打開包括策を受け入れるか否かを巡る国民投票実施を決定したが、独仏首脳から「包括策受け入れかユーロ圏離脱か」を迫られ、わずか1日で撤回した。(3日)
●野田首相が消費増税を国際公約 G20首脳会議が仏カンヌで開かれ、野田首相が各国首脳を前に「2010年代半ばまでに消費税率を10%に引き上げる」と発言した。(3日)
●イタリアがIMF監視下に G20首脳会議がイタリアの財政再建をIMF(国際通貨基金)とEUの監視下に置くことを確認して閉幕した。(4日)
●サイバー攻撃で米が中ロを名指し
米の国家防諜局がインターネットを通じた経済スパイ活動についての報告書を米議会に提出し、スパイ活動の実行者として中国とロシアの国名を挙げて非難した。(3日)
●米韓が北の核に備え共同訓練 韓国国防省が、北朝鮮の核脅威に備えた米韓合同の机上訓練を8〜9日に米ネブラスカ州の米戦略軍司令部で実施すると発表した。北朝鮮の核兵器への対応を想定した訓練は初めて。(4日)
●ロシアが北朝鮮崩壊を予測 ロシア科学アカデミー付属の研究所が「北朝鮮はすでに体制崩壊が進行中で、2020年代には韓国主導の統一過程に入る」と予測した報告書をまとめたと韓国紙が報道した。(4日)
●ローマでIMF監視に抗議デモ IMFの監視に抗議し、ローマでベルルスコーニ首相の退陣を要求する数万人のデモが行われた。(5日)
●フランスが追加緊縮策 仏国債の格付けを引き下げる動きを阻むため、フランス政府が追加の財政緊縮策を発表した。(7日)

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週刊『前進』(2512号5面1)(2011/11/14 )

 11・5労働者国際連帯集会

 職場で闘い国際連帯を

 動労千葉がスト突入を報告

 「激化する新自由主義攻撃と対決する労働運動を! 全原発を停止せよ! 非正規職撤廃!」を掲げた労働者国際連帯集会が11月5日、千葉市美術館講堂で開かれた。この日、動労千葉はJRの基地統廃合攻撃に対し、銚子運転区で線見訓練拒否のストライキに突入! 反原発・反失業を自らの職場から実践する国鉄労働者の闘いを軸に世界の労働者の国際的団結を打ち固めた。
 オープニングのビデオにはTPPと闘う米ILWU(国際倉庫港湾労働組合)の激烈な闘いが映し出された。続いて世界各国の労働歌を歌うバンドが会場を熱くした。
 動労千葉の繁沢敬一副委員長が「今日から銚子支部は指名ストライキに突入しました」と開会あいさつに立った。
 主催者あいさつで動労千葉の田中康宏委員長が「自らの職場で闘えない労働者が怒りの声と結びつくことはできない。原発と大失業、民営化・労組破壊の根っこは一つだ。闘う労働組合を復権させよう!」と訴えた。
 銚子支部の小倉明副支部長が「先陣を切ってストライキに入った」と宣言、千葉運転区支部の大野茂支部長も「組織破壊を許さず徹底的に闘う」と語った。
 被曝労働の強制にストライキで闘っている動労水戸の石井真一委員長が「安全キャンペーンの先兵であるJR、JR東労組を絶対に許さず闘う」と宣言した。国鉄闘争全国運動呼びかけ人の大野義文さん、子どもたちを放射能から守る福島ネットワークの佐藤幸子さんも駆けつけてアピール。
(写真 最後にインターナショナルを多言語で合唱し団結を固めた【11月5日 千葉市】)

 米韓独が次々と

 32人で来日した民主労総ソウル本部からイジェウン本部長が発言に立ち、「非正規職撤廃なくして韓国の労働運動は成り立たない。日本でも非正規職撤廃を闘おう」と呼びかけた。
 金属労組キリュン電子分会のユフンヒ分会長は「労働者も人間だ! 毎朝の出勤闘争、3回のハンスト、3回の高空籠城、やらなかった闘争はないほど6年間闘い、10人の正規職化をかちとった。世界の99%が一緒に見る夢は現実になる。人間優先の社会をともにつくろう」と訴えた。
 アメリカからはまずILWUローカル21のダン・コフマン委員長がアピールに立った。「『1人に対する被害はみんなに対する被害』だ。穀物メジャーから出る船は韓国に行く。この場に韓国の活動家がいてうれしい。勝つために労働者の国際連帯で闘おう」
 アメリカの運輸労働者連帯委員会のゼルツァーさん、ドイツの「職場・組合・社会運動フォーラム」のラーベンさん、マルクス主義イニシアティブのエルケンさんも国際連帯を呼びかけた。
 街頭署名で出会った青年たちによる弦楽四重奏の後、在日・滞日外国人のアピールに進んだ。

 団結の力に確信

 日本で難民として生きている外国人たちが次々と熱く訴えた。
 「福島の子どもたちは20_シーベルトでも安全とか、沖縄では基地で苦しんでいるとか、冤罪で獄中にいる星野さんとか、どうすれば解放できるのか。大きな問題も団結すれば解決できる」
 「さらば資本主義、万歳社会主義! 行動し資本主義にわれわれの団結した力を見せつけよう」
 「権利を取り戻すために反対することは私たちの権利である。逮捕・投獄される場面もあるが、めげずにがんばろう」
 「外国人に参政権を与えることは日本を滅ぼすことだとして票を集めようとする日本の政治家がいる。日本を滅ぼすのは外国人ではない。難民問題と向き合うべきだ」
 関西合同労組かねひろ分会の許用皓(ホヨンホ)さんは、11年に及ぶ解雇撤回闘争を報告し、「金銭解決を拒否し、絶対非和解で闘えば必ず展望が開ける」と自信を込めて語った。多国籍の組合員を組織する労組からは「マルクスが万国の労働者団結せよと言ったが、今こそ革命を起こそう!」とアピール。
 この国際連帯があれば世界は変えられる! 誰もが胸を躍らせた。
 日本の闘う労働者から「共に闘う国労の会」の小玉忠憲さん、全学連から国際部の松室しをりさんが決意表明し、「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」を代表し星野暁子さんが「国際連帯と労働者の力であと2〜3年で星野文昭を取り戻しましょう!」と訴えた。最後は、動労千葉の各支部が決意表明した。
 締めくくりに「インターナショナル」を合唱。多言語での合唱は国際連帯のだいご味だ。

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週刊『前進』(2512号5面2)(2011/11/14 )

 民主労総が三里塚訪問

 “労農連帯の模範的な闘い”

 

(写真 イジェウン・ソウル本部長【右】と北原鉱治事務局長が記念品交換。日韓の熱い闘魂が通い合った【11月4日】)
(写真 交流会の最後に参加者全員で「トゥジェン【闘争】!」)
 11月4日、民主労総ソウル本部の訪日団32人が三里塚にやってきた。
 正午過ぎに成田空港に降り立った一行は、動労千葉の案内で天神峰に直行し現地調査に入った。
 団結街道が封鎖された市東孝雄さん宅前で監視やぐらに昇って第3誘導路工事の現場を目の当たりにし、さらに南台の市東さんの畑、東峰の開拓組合道路、東峰神社などを訪れた。
 夕刻から歓迎会が開かれた。最初に闘争の歴史を記録したビデオ「三里塚・大地の乱」が上映された。そして現闘の同志たちによる心づくしの料理が振る舞われた。一日の農作業を終えた反対同盟が到着し、動労千葉執行委員の関道利さんの司会で交流会が始まった。
 鈴木謙太郎さんの音頭で乾杯したあと、北原鉱治事務局長があいさつに立った。「日本の誤った政策による植民地化と戦争について、日本人としておわびします」と北原さんは率直に語った。そして「日韓の労働者・農民が手を結べば平和な世界は実現する」と述べ、大きな拍手を浴びた。
 続いて田中康宏委員長が、動労千葉と反対同盟との強固な連帯をつくったジェット燃料輸送阻止闘争を語り、民主労総の三里塚訪問を歓迎した。
 訪問団を代表し、民主労総ソウル本部のイジェウン本部長があいさつし、「FTAに絶対反対で闘っている。農地死守の闘いの現場を見た。労働者と農民が連帯した模範的な闘いを三里塚で学びたい」と語った。
 ソウル本部と反対同盟相互の記念品贈呈に続いて、市東孝雄さんがマイクを握った。市東さんは「親子3代この地で農業を続け、国策である成田空港に反対しています。農地を明け渡せと不当な裁判にかけられているが、私は農民として、自分の命と同じくらい大事な土地を守り闘います」と鮮明な決意を語った。
 さらに民主労総元委員長のタンビョンホさんが、「資本の世界化に対して労働者の国際的な連帯はまだまだの水準にある。権力に奪われたものを労働者の手に取り戻すために、国際連帯を発展させていこう」と交流の意義を強調した。
 ソウル本部東部議長コヒョンホさん、反対同盟の萩原富夫さん、宮本麻子さん、伊藤信晴さん、北総農民の発言が続いた。この日の会場・食事を全力で準備した現闘の仲間も紹介され、惜しみない拍手が送られた。
 最後に田中委員長による「タンギョル・トゥジェン!」(団結・闘争)の音頭で全員が握りこぶしを突き上げた。

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週刊『前進』(2512号5面3)(2011/11/14 )

 11・6若者集会 青年パワーあふれ

 “原発・非正規なくせ”

 日比谷野外音楽堂で開かれた11・6全国労働者総決起集会に先立ち、「原発とめて!非正規なくして! うちら99%で社会をひっくり返そーぜ!若者大集会」が午前中に開催された。
 この間、労働組合をよみがえらせようと職場で奮闘してきた青年労働者や反原発行動に立ち上がる若者、学生たちが一堂に会し、この社会を変えたいというほとばしる思いを解き放った。
 司会の郵政非正規ユニオン委員長の斎藤裕介さんと学生が開会を元気よく宣言し、東京北部ユニオンのメンバーによるバンド演奏で若者大集会の幕が開いた。
 さっそくNAZEN事務局次長の富田翔子さんがアートパフォーマンスを開始した。舞台上で畳1枚分ほどの巨大なキャンパスに、集会の雰囲気に合わせて即興で一枚の絵を描き上げていくというものだ。
 アートパフォーマンスが続く中、青年のスピーチが始まった。一番手はストライキに決起した自治体労働者の発言だ。市当局は、非正規職の任期短縮や特別昇給の廃止などの攻撃を矢継ぎ早にしかけ、労働組合は無力だという組合つぶしのキャンペーンを行っているという。しかも自治労本部は「非正規の人に万が一のことがあったら責任もてない。非正規の人はストに参加しないでほしい」という事実上のスト破りを行っている。「何のために非正規を組合に入れたのかと現場から声が上がった。私たちが先頭に立って闘うことで、何人も非正規職員がストライキに参加した」。現場から団結を拡大していくことが闘う組合拠点づくりになることをつかみとった。大勝利だ。
 続いて、八尾市による住宅追い出しと闘う部落解放同盟全国連西郡支部の佃文弘支部青年部長が「闘いかちとってきた歴史ある住宅を八尾市の勝手にさせてなるものか」と闘争宣言を発し、八尾北医療センター住宅明け渡しにも絶対阻止の実力闘争で廃村攻撃、道州制導入を打ち破っていくとの決意を明らかにした。
 高校生も決起している。反原発デモに参加している高校生は「今の社会は企業や国のために効率よく利益をあげる『人材』になることばかりが要求される。原発も同じシステムだ。やりたいことをやって生きたい。意見を言える場をつくっていく。僕たちの時代を一からつくっていこう」と堂々と発言。
 東北大学の学生は「学生組合である自治会をつくろうではないか」と意気盛んに呼びかけた。
 スピーチの合間には、被災地から駆けつけたバンドの演奏などの熱いアトラクションで会場が盛り上がった。農業を営む青年は「原発事故の被害に加えてTPPの問題だ。さらに追い込むのかと怒りが収まらない」と演奏と併せて訴えた。
 労働組合を立ち上げて会社の偽装請負と闘うちば合同労組の青年労働者は、組合への信頼を集めるための苦闘を報告。職場では、管理職が「労働組合のやつらとやりあわせるのに都合がいい」とリーダー的な労働者に暴言をはかせている。「労働者を平気で傷つけるやつは許せない。労働組合にどれだけの力があるかみせつけてやります」。非正規労働者の力強い発言に、会場はともに闘う決意を固めた。
(写真 「うちら99%で社会を変えよう」。青年・学生の熱気があふれる集会となった【11月6日 日比谷野外音楽堂】)

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週刊『前進』(2512号5面4)(2011/11/14 )

 “TPP反対・農地死守”

 6千人集会に三里塚旗

 11月8日、東京の両国国技館において「TPPから日本の食と暮らし・いのちを守る国民集会」が実行委の主催で開かれ、三里塚芝山連合空港反対同盟が参加者へのビラまき・情宣に立ち上がった。
 野田首相がTPP参加をいよいよ決める。この情勢に危機感と怒りを抱く農民・漁民をはじめ、生協、医療、自治体などの労働者・関係者6千人が全国から参加した。いつもは大相撲でにぎわう両国駅前から国技館までの一帯が、この日は野田政権への激しい憤りで満たされた。
 三里塚反対同盟の伊藤信晴さんと三里塚闘争支援連絡会議は開場と同時に国技館前に登場し、TPP反対を訴えるとともに成田空港の農地強奪攻撃を暴露し弾劾するビラをまき始めた。傍らには「三里塚・反TPP」と大書されたむしろ旗、赤い反対同盟旗とのぼりが立てられ、「農地死守」の非妥協の闘いを日々45年間も貫いてきた自負を誇示した。
 正午前から大型バスがどんどん到着し、入り口に続々と参加者が押しかけた。「空港建設のための農地取り上げ絶対反対!」のかけ声とともにビラは次々と手渡され、市東孝雄さんの耕作地の地図が入った農地裁判の解説はむさぼるように読まれた。
 集会は午後1時半から開始され、TPP参加によってもたらされる農業をはじめ日本の全産業への大打撃を想定し、「断固阻止!」の覚悟と決意で終始貫かれた。特に福島原発事故が一向に収束しない現在に、あえて強行する野田首相に6千人の怒りが集中した。各党代表の国会議員も「阻止に向け精いっぱいがんばる」などと威勢のいい発言をしたが、民主党、自民党に弾劾と不信のやじがたたきつけられた。
 三里塚と全国農民のTPPへの怒りの結合をさらに強めよう。労農連帯の力でTPP粉砕を!
(写真 “TPP阻止!”怒りに沸く両国国技館前で農地死守を訴える反対同盟と支援連【11月8日】)

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週刊『前進』(2512号5面5)(2011/11/14 )

焦点 復興掲げ大増税狙う野田

 消費税10%を「国際公約」

 野田首相は11月3日、フランス・カンヌで開かれたG20(20カ国・地域首脳会合)で、2010年代半ばまでに消費税率を段階的に10%まで引き上げると表明した。「国際公約」だ。
 野田政権は、今年度中に消費税増税のための法案を国会に提出し、2012年にも増税に着手する構えできた。それを「国際公約」の圧力で労働者人民にのませようとしているのだ。
 すでに野田政権は「震災復興」を口実に所得税の定率増税や住民税の定額増税を始めとする臨時増税法案を国会に提出している。だがそもそも福島第一原発事故への対応に要する費用などは、東京電力が全額負担すべきものだ。それを労働者人民に転嫁することなど断じて許されない。
 他方で資本には徹底した減税が施される。まずは法人税の実効税率を5%引き下げる。その上で「震災復興」のための臨時増税として法人税を引き上げるが、それは「5%以内の範囲」とされている。要するに減税だ。
 さらに「復興特区」では新設企業の法人税は免除される。既存の企業についても、人件費の一定割合や設備投資の一部については税額が控除される。
 こうして野田は、「国際競争力強化」を叫んで資本減税を要求する日本経団連ら大ブルジョアジーの意思を全面的に押し貫こうとしているのだ。消費税増税も、実はこうした資本減税に充てるための財源確保が目的だ。消費税が導入されて以来のその税収総額と、その間になされた資本減税の総額はほぼ等しい。
 今年1月には扶養控除の一部が廃止された。社会保険料のアップも続いている。一握りの大ブルジョアジーの利益のために、低賃金にあえぐ労働者は徹底的な収奪にさらされている。そこにこれまで以上の大増税が襲いかかるのだ。これでどうして労働者人民の生活が成り立つのか。
 野田が消費税増税を「国際公約」としたのは、ギリシャ危機に端を発した金融恐慌がヨーロッパから全世界へと波及しているからだ。帝国主義の一角をなすイタリアも国債が暴落し、ついにIMF(国際通貨基金)の監視下に置かれる事態になった。2011年末の日本の一般政府債務残高は対GDP比で233%。これはギリシャの166%やイタリアの158%という数値よりもはるかに悪い。日帝こそいつ国債暴落に見舞われてもおかしくない状況にある。だから野田は“大増税で財政を再建する”と国際帝国主義に必死でアピールしているのだ。
 だが野田の思惑どおり大増税攻撃が貫徹されるとは限らない。増税問題を巡っても階級間の大激突は避けられない。
 08年のリーマンショック以降、帝国主義各国は、大銀行を頂点とする大資本を救済するため、野放図に財政赤字を拡大してきた。今度はその財政赤字が危機の震源になっている。国債暴落で危機に瀕(ひん)する銀行を公的資金で救済すれば、国家財政の破産は一層深刻なものになる。この悪循環から逃れる政策的手段など本質的に存在しない。新たな段階に入った大恐慌はまさに資本主義の終わりの時を告げている。

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週刊『前進』(2512号5面6)(2011/11/14 )

焦点 南スーダンPKO粉砕を

 日米同盟強め資源争奪戦

 日帝・野田政権は11月1日の閣議で南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)への陸上自衛隊施設部隊の派兵を決定した。これを受けて一川防衛相は同日、陸自に派遣準備に入るよう指示した。年明け以降、海外侵略部隊である中央即応連隊約200人を先遣隊として現地に送り、5月ごろに施設部隊を投入しようとしている。
 このPKO派兵は、今年7月にスーダンから「分離独立」した南スーダンに設置されたUNMISS(国連南スーダン派遣団)からの「派遣要請」に基づく。民主党政権は現地に調査団を派遣していた。自衛隊のPKO派兵は国連ハイチ安定化派遣団など、現在活動中の部隊を含め8回目となる。
 南スーダンでは10月末に政府軍と反政府組織の衝突で75人が死亡した。政府・防衛省は今回の南スーダンPKO派兵を通してPKO協力法の参加5原則の武器使用制限撤廃を狙っている。
 それだけではない。野田政権はTPP(環太平洋経済連携協定)への参加方針や沖縄辺野古新基地建設など、日米同盟政策を対中国対決政策としてエスカレートさせている。南スーダンPKO派兵はその一環だ。「集団的自衛権の承認」などの軍事政策上の重大な転換点としても位置づけている。
 日米同盟政策に大きな影響力を持つ米シンクタンクの中心人物の一人、元国務副長官のアーミテージは11月8日、日本で行われたシンポジウムで「震災後も日本が1等国であり続けるか2等国になるかの問題だ」として、野田政権にTPP参加や自衛隊運用を含む日米同盟政策強化への決断を促した。野田の南スーダンへの自衛隊派兵決定はこれへの回答だ。
 今年7月の「南スーダン共和国」独立の本質は、スーダン南部の石油資源をめぐっての米英帝国主義による中国スターリン主義などに対する争闘戦、アフリカ侵略・再分割戦である。
 スーダンでは長年、アラブ・イスラム系の北部が主導するスーダン政府と黒人・非アラブ・非イスラム系の南部の自治・分離独立運動(スーダン人民解放軍が主導)との内戦が続いてきた。米英などの帝国主義はスーダン国内の「宗教対立」をあおり、隠然たる政治的軍事的介入で南北の地域分断を図ってきた。その中で07年、政府軍は西部のダルフール地方で南部系の人民を大虐殺するに至った。
 米欧帝国主義は200万人の犠牲者を出した内戦に「人道主義」の名で公然と介入し、スーダンから南部を分離独立させる政策に踏み切った。米英、イスラエルは今年1月の国民投票による南スーダン独立を真っ先に支持した。
 スーダンはアフリカ有数の産油国であり、レアメタルなどの埋蔵も豊富だといわれる。ここ数年、中国スターリン主義がイスラム主義を強めたスーダン政府を支持、南部の石油利権の獲得に乗り出した。これに危機感を抱いた米英帝国主義が内戦と南スーダン独立問題への介入を激化させたのだ。
 日帝の南スーダンPKO派兵は米英帝国主義と中国スターリン主義によるアフリカの資源・勢力圏をめぐる争闘戦と再分割戦への参入であり、日米同盟強化策だ。TPPと日米同盟強化への全人民的な怒りの反撃をたたきつけよう!

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週刊『前進』(2512号5面7)(2011/11/14 )

 三里塚裁判傍聴を!

 ◎第3誘導路裁判
 11月29日(火)午前10時半 千葉地裁
  ※傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合を

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週刊『前進』(2512号5面8)(2011/11/14 )

訂正

 前号5面「『復興特区』攻撃粉砕を」の1章6段目10行目の「コメの関税は約400%」を778%に訂正します。

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週刊『前進』(2512号6面1)(2011/11/14 )

 “私は無実。2〜3年で出る――” 星野同志と決意共にし奪還を

 死闘戦突入 11・27星野全国集会へ

 はじめに

 「私は無実だ。私はやっていない。にもかかわらず35年の無期刑を強いられている。この理不尽が許されるのか。心の底から怒りでいっぱいだ」
 09年11月27日に提出した第2次再審請求の陳述書で星野文昭同志は、烈々たる怒りを日帝・東京高裁にたたきつけた。世界大恐慌下での3・11大震災と福島原発大事故という大犯罪を犯した日帝国家権力は、獄中37年の星野同志の不屈の闘いが労働者階級人民の怒りと結合することを根底から恐怖している。
 全国労組交流センターが来年2月に第19回定期総会を徳島で開催し、徳島刑務所を包囲する大闘争に取り組むことを決定した。星野同志の不屈の闘いが労働者階級本体の闘いとの結合を開始したのだ。11・27星野全国集会を成功させ、星野同志奪還へ総力決起を!

 星野無期判決はデタラメ

 星野同志は、1971年11月14日の沖縄返還協定批准阻止をかけた渋谷暴動闘争で「殺人罪」をデッチあげられ、無期懲役判決を受けた。
 しかし有罪の証拠は一切ない。あるのは未成年3人を含む学生6人の密室でデッチあげられた「供述調書」のみだ。このうち5人は裁判で「取り調べの検察官、警察官にウソの供述を強いられた」と証言している。
 79年2月13日、検察は星野同志に死刑を求刑したが、労働者人民の怒りが爆発し、半年間で死刑阻止の12万筆の署名が集まった。しかし東京地裁は、密室で作られた「供述調書」のみを「証拠」に星野同志を有罪とし、20年の懲役刑にした。
 東京高裁の草場良八裁判長は、無罪を立証する弁護側証人調べを打ち切り、83年7月13日に一審判決を破棄し、無期懲役刑の判決を強行した。87年7月、最高裁は草場判決を追認、星野同志の無期刑が確定した。
 星野同志と再審弁護団は96年4月17日、第1次再審請求書を東京高裁に提出した。「有罪」とする核心的証拠の一つである、星野同志の服の色が「きつね色」だとするKr証言は誤りであり、真実は「薄青色」であることを最高裁に認めさせた。Kr証人は「このような服装の人は星野さんしかいないので、顔は見ていないが、殴っている人は星野さんだったと思う」と言っているのだから、殴打者は星野同志ではない。
 だが最高裁は「後ろ姿で分かった」「声で分かった」と決めつけ、08年7月、第1次再審請求を棄却した。
 このようなデタラメは裁判ではない。国家権力が設定した裁判ルールを権力自らが暴力的に踏み破り、何がなんでも星野同志を無期懲役にしたこの異様さは国家支配の危機の現れだ。 

 新自由主義攻撃との対決

 星野無期の攻撃は、帝国主義の戦後支配体制が74〜75年世界恐慌をもって危機を深め、レーガン・サッチャー・中曽根による新自由主義攻撃が始まった情勢のただ中で行われた。2度にわたる全島ゼネストを敢行した沖縄労働者人民の闘いと連帯した渋谷暴動闘争の炎が、プロレタリア自己解放に向かう沖縄と本土を貫く強固な団結に発展した。これに恐怖した日帝権力は、この団結を断ち切ろうと星野無期攻撃を加えてきたのだ。
 82年11月に成立した中曽根内閣は、「土光臨調」答申を受けて国鉄分割・民営化に踏み出そうとしていた。それはブルジョアジーが食い物にして生み出した膨大な国鉄債務を労働者に転嫁する攻撃だった。総評の中軸をなす国鉄労働運動の解体が不可欠だった。国鉄分割・民営化で労働者階級の団結を破壊する攻撃と、星野無期攻撃で沖縄・本土の階級的連帯と団結を解体することは一体の攻撃だった。
 分割・民営化攻撃に真っ向から立ち向かい、今なお外注化を阻止する動労千葉の闘い、被曝労働を強いるJR資本にストライキで対決する動労水戸の闘いと、獄中37年の不屈の星野同志の闘いは、これらの新自由主義攻撃を根幹で打ち破っているのだ。
 第2次再審をめぐる日帝国家権力との闘いは、星野同志の不屈の闘いと結合した労働者・市民・各地救援会の死闘戦というべき段階に突入した。
 再審請求を提出した翌10年2〜3月、東京高裁に証拠開示を迫ると、3〜4月になっておよそ言いがかりに過ぎない理由で星野同志に2度にわたる懲罰を加えてきた。9月には弁護団の面会を回数に数えて暁子さんとの面会すら不許可にした。

 第2次再審をめぐる攻防

 弁護団は検察に開示させた証拠写真の中から星野同志の無実を証明する決定的な写真を発見した。加えて「証拠」とされたKr、Ar、Ao3人の「供述調書」が警察と検察のデッチあげであることを証明する厳島鑑定書その1の二つを柱にした補充書@を9月30日に提出した。
 さらに翌11年1月31日、厳島鑑定その1を心理学的実験によって決定的に補充する鑑定書その2を踏まえた補充書Aを提出し、無実の星野同志の再審を即時に開始せよと迫った。
 日帝権力はこの第2次再審闘争の飛躍的な前進に追い詰められ、3月には東京高検が再審請求を直ちに棄却せよと高裁に迫った。さらに徳島刑務所は4月7日、星野同志の獄中処遇を4類から3類に降格した。星野闘争圧殺を狙った攻撃だ。
 今や第2次再審をめぐる攻防は、11・6労働者集会に国境を越えて結集した労働者人民の力が星野無期を打ち破るのか、その圧殺を許すのかという階級的死闘戦に突入したのだ。
 9・19明治公園に集まった「フクシマの怒り」は、この社会を根底から覆す以外に生きられない労働者人民の怒りの爆発だ。闘う労働組合を労働者人民自身の手に取り戻すときだ。この闘いが「あと2〜3年で出る」という星野同志の決意に応える道である。
 労組交流センターは来年2月の徳島総会と徳島刑務所闘争に向けて戦闘宣言を発した。11・27全国集会に総結集し、来年2月徳島に攻め上り、星野同志を奪還しよう!

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 獄中37年を打ち破ろう

 11・27星野全国集会

 ・・2月徳島刑務所闘争へ
 11月27日(日)12時開場/午後1時開会
 すみだ産業会館8階・サンライズホール(JR錦糸町駅南口から1分「丸井」上)
 主催/星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議

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週刊『前進』(2512号6面2)(2011/11/14 )

 ビデオ「紛失」を追及

 星野再審ビデオ国賠 「国と都の責任明白」

 11月1日、東京地方裁判所民事第45部(石井浩裁判長)で、「星野再審・ビデオ国家賠償請求訴訟」の第3回期日が開かれた。この国賠訴訟は、星野同志の一審で証拠採用されたビデオテープ2巻を警視庁公安部が「紛失」したことに対して、東京都と国の責任を追及するものだ。テープは1971年11・14沖縄返還協定批准阻止闘争を報道した各社のテレビニュースを録画したもの。死亡した機動隊員の脇を走り抜けるデモ隊の様子が写されていた。
 星野同志は、デッチあげ「供述調書」のみを証拠に無期懲役判決を受けた。ビデオテープは闘争現場映像で重要な客観的証拠だ。警視庁公安部はテープを「紛失」したのではなく無実の証拠を隠滅したのだ。
 そもそも裁判所には証拠品を保管する義務がある。法律では「運搬又は保管に不便」なもの以外の外部保管は認めていない。なぜデッチあげの張本人、警視庁公安部に保管させたか。国にはその理由を説明する義務がある。だが国は答えに窮し回答を拒絶してきた。
 東京都は、星野同志はビデオテープの所有者ではないから、このテープに何の権利関係もない、だから「紛失」しても都に責任はないと強弁する。無実の証拠を隠滅した者によるこの居直りは断じて許せない。藤田城治弁護人は、国と東京都の言い逃れを切っ先鋭く弾劾し、法廷を埋めつくした傍聴人とともに彼らを厳しく追いつめた。
 開廷前、星野暁子さんと星野全国再審連絡会議は総勢7人で裁判所前街宣を行った。この日地裁前では石川一雄さんと支援の皆さん、労働争議を闘う数十人の労働者が、それぞれ街宣を行っており、マイクを交互に渡し訴えた。
 次回期日は来年1月17日(火)10時20分から東京地裁527号法廷。

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週刊『前進』(2512号6面3)(2011/11/14 )

 面会不許可を弾劾

 ゼルツァー氏徳島刑務所で ブラザー星野はすごい

 

 11月8日、米運輸労働者連帯委員会のスティーブ・ゼルツァーさんとお連れ合いの鳥居和美さんが徳島刑務所を訪れ、星野文昭同志との面会を申請した。しかし徳島刑務所はこれを不許可にした。大阪、岡山から駆けつけた仲間が徳島刑務所を弾劾した。
 午後2時、面会に向かう星野暁子さんと2人を拍手で見送った。これに対し、刑務所の「第一統括」が「面会の必要性を認めない。所長決定だ」と面会させない。
 ゼルツァーさんは今回の面会に向けて手紙やはがきで「裁判勝利のために直接会って討議したい」と呼びかけていた。星野同志も返事を送り、「ぜひ会いたい」と応えていた。星野再審弁護団も面会を認めるよう申し入れていた。
 ゼルツァーさんは「日本の受刑者の民主的権利がいかに蹂躙(じゅうりん)されているかよく分かった。ブラザー星野がこんなところで37年間も闘っているのはすごいことだ。国際的に発信し、星野さんを解放しよう」と訴えた。
 暁子さんが出てきて、星野同志が面会を楽しみにし、英語メッセージも用意していたと伝えた。「自分は元気で闘っている。みんなから元気をもらっているからだ」と語っていたと報告した。
 暁子さん、ゼルツァーさん、鳥居さんが再び構内に入って抗議した。ゼルツァーさんは「今日、あなたたちが面会を認めれば大きな問題にはならなかった。面会不許可は国際的な問題に発展する」と刑務所に告げた。駅前街宣では暁子さんも面会不許可を弾劾した。
 夜は「国際救援集会」が開催された。ゼルツァーさんは「オキュパイ・オークランドは警察の襲撃を跳ね返して闘っている。テント村を奪い返し、11月2日にゼネストが行われた」と報告。「アメリカ革命は大爆発の前夜だ。カギを握るのは労働組合だ」と熱く訴えた。全国労組交流センターは、来年2月の第19回定期総会を徳島で開くことを決めた。11・27星野全国集会を成功させよう!
(写真 〈左〉国際救援集会で発言するゼルツァーさん。 〈右〉徳島刑務所前にて【11月8日】)

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週刊『前進』(2512号6面4)(2011/11/14 )

法大弾圧裁判 法大弾圧裁判 4・24弾圧

 不当判決に怒り爆発

 控訴審 学生たちが法廷を圧倒

 東京高裁第9刑事部(小倉正三裁判長)は10月31日、法大4・24弾圧裁判で控訴棄却の判決を下した。
 小倉裁判長は「開廷します」と発するや、間髪入れず判決文を読み始めた。被告人とされた学生6人が堂々と法廷を圧していることに恐怖し、弾劾されたくないという卑劣な意図が見え見えだ。だが、判決を読み上げる裁判長を6人の学生と傍聴人20人が一体となって徹底弾劾した。小倉裁判長は「退廷」を連発したが、学生たちの怒りは小倉裁判長を圧倒した。
 判決内容は、一審判決の焼き直しに加え、法大当局の処分乱発・暴力ガードマンや警察権力の導入を「大学の自治」だと強弁するとんでもないものだった。被告団と弁護団は即日上告した。
 小倉裁判長は、9月22日の控訴審第1回公判で、弁護団の証拠調べ請求をすべて拒否し、抗議する被告人を次々と退廷にして結審を強行した。大学当局と警視庁公安1課の法大闘争圧殺を狙ったデッチあげ政治弾圧を容認する極反動の東京高裁は断じて許せない。
 4・24法大解放闘争は、06年3・14以来の警視庁の弾圧と法大当局の処分乱発、暴力ガードマンを使った暴行にひるまず、法大生1千人が「処分撤回、法大解放」を掲げて決起した画期的な闘いであった。それは新自由主義による「教育の民営化」「資本による大学の私物化」に突き進む法大当局と闘い、大学と教育を資本家から奪い返し「大学の自治」を取り戻す闘いだ。この闘いに法大生1千人が決起したことに恐怖した国家権力は大弾圧に走った。
 恩田亮君と倉岡雅美さんに対しては、4・24当日に公安条例違反で逮捕し、勾留満期の5月15日に2・19暴力行為等処罰法事件で再逮捕、そして勾留満期の6月5日に恩田君を暴処法で起訴した。同日2人を4・24法大解放闘争で建造物侵入・威力業務妨害で起訴した。齋藤郁真君、増井真琴君、内海佑一君に対しては、5月15日に暴処法で逮捕し、勾留満期の6月5日に増井君と内海君を起訴。同日3人を4・24法大解放闘争で再逮捕し、6月16日に起訴した。
 さらに冨山小太郎君を5・15沖縄闘争の帰路の関西空港で、4・24法大解放闘争の件で逮捕。6月8日に起訴した。実に3カ月間にわたるすさまじい弾圧だった。法大生と全国の学生はこれと真っ向から対決し、完黙・非転向を貫き、キャンパスでの闘いと一体で裁判闘争を闘ってきた。
 11・6反原発・反失業全国労働者集会の成功は世界革命の実現を確信させた。法大闘争はその最先端の闘いだ。反動判決をぶっ飛ばし、最高裁までトコトン闘うぞ!

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週刊『前進』(2512号6面5)(2011/11/14 )

 玄海再稼働に緊急抗議

 九電本社 社長室まで押しかけ

 九州電力が11月1日深夜11時に玄海原発4号機の再稼働強行と2日中の発電再開を発表したことに対し、2日、100人を超える仲間が緊急抗議行動に立った。行動は午後6時半まで続いた。
 合同労組レイバーユニオン福岡、とめよう戦争への道!百万人署名運動福岡県連絡会、NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議)福岡準備会の仲間は、福岡・全九州の闘う人びととともに参加し、抗議行動を闘い抜いた。 
 九電本店前には12時半頃から九州各地の仲間が結集した。突然の再稼働宣言を行った九電原子力発電本部・豊嶋直幸部長の「今回の再稼働で地元了解は必要ない」との発言に怒りが集中した。
 午後1時半から申し入れ行動。5団体が怒りを込めた申し入れ文をたたきつけた。「九電は3・11福島原発事故から何を学んだのか」と厳しい追及が行われた。
 福島から福岡に避難している幼い子どもを抱えたお母さんが「10月4日の4号機事故の時も眠れなかった。再稼働は信じられない!」と怒りをたたきつけた。九電当局は「再開に問題はない」とくり返し、怒りはさらに大きくなった。
 「火力発電はコストが高いから再稼働だと言うが、4号機は定期検査での運転停止までわずか1カ月半。人の命とお金とどっちが大切ですか」との追及に、担当者は「今回の事故は技術的ミスにすぎないから再開できる」などと不誠実きわまる答弁に終始した。
 青年たちが「社長に直接話を聞きたい」と社長室に押しかけた。広報室担当者は「責任を持った者が対応する場を設ける」と対応したが、いくら待っても「責任者」は現れず、「次回には対応を検討する」「11月9日の説明会で」と逃げの姿勢に終始した。
 今回の玄海原発4号機再稼働は、再稼働ありきの野田政権と電力資本の悪らつさを際だたせた。「やらせメール」で示された九電の安全無視・人命無視の体質は何ひとつ変わらない。
 11・13反原発福岡1万人集会、11・20NAZEN・福岡結成へ! すべての原発の即時停止を! 九電経営陣と九電労組委員長らを辞任に追い込もう!(九州・F)
(写真 玄海原発の再稼働に100人を超える仲間が緊急抗議行動【11月2日 福岡市】)

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週刊『前進』(2512号6面6)(2011/11/14 )

 原発と核燃廃絶へ決意

 八戸市で労組結集 福島県教組もアピール

 10月21日、青森県八戸市で「原発なくせ!核燃いらない!青森・三八労働者集会」が開催された(呼びかけ=南部バス労組・間山正成委員長、百万人署名青森県連絡会・中道雅史代表、後援=平和労組会議三八地本)。労組を軸に130人が結集し会場を埋めた。
 福島県教組の角田政志書記長は「被曝被災地の現状」と題してアピール。「学校が授業の既成事実づくりをどんどんやっている。教師は振り回され、学校の2校兼務、遠距離通勤、夫婦子ども別居が広がり、被災者は人間扱いされていない。怒りを持って県と交渉を続けている」と仲間を守る闘いを報告。自宅の側溝の泥の線量が毎時8マイクロシーベルトに達する衝撃的な事実も明らかにされた。
 また早急な対応が必要な課題として、除染、食品、学校給食の問題などをあげ、子どものモルモット化を許してはならないと訴えた。
 ス労自主の入江史郎委員長は「反核闘争と労働運動」で問題提起。「原発・核燃への人員・資材輸送をストライキで止め、それを地域労組が支えるような闘いを目指そう」と訴えた。
 ストライキで闘う動労水戸の石井真一委員長は、職場からの青年の決起を紹介し、「青年たちはJR資本も大したことないと感じている」と現場労働者の自信をアピール。全金本山労組の長谷武志副委員長は、解雇撤回原則を貫き現職復帰を果たした勝利を報告。「復興特区攻撃を粉砕し、被災地で労働組合の拠点を!」と闘う決意を表明した。
 最後に、百万人署名青森県連絡会の中道代表が「青森反核運動のこれから」と題し方針提起。六ケ所再処理工場、MOX加工工場、むつ中間貯蔵施設、大間原発建設が日本の原発推進を支え、核武装攻撃の元凶になっていると指摘し、青森での闘いの重大性を熱烈に提起した。
 参加者は熱いアピールに仕事帰りの2時間を集中して聞き入った。現場は闘う方針を求めている。原発・核燃廃絶へ、福島の仲間と団結して突き進もう。
(写真 労働組合を軸に130人が参加【10月21日 八戸市】)

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