ZENSHIN 2011/11/07(No2511 p08)
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週刊『前進』(2511号1面1)(2011/11/07 )
反原発・反失業の闘いのうねり全世界「99%」の反乱の先頭に
大恐慌と対決し非正規職撤廃・TPP粉砕へ
6000人が被災地・フクシマと連帯
(写真 結集した5950人が「職場闘争と、闘う労働組合を取り戻し、新自由主義を粉砕して社会を労働者の手に取り戻すために団結しよう」とこぶしを突き上げた)
11・6日比谷 “原発とめるまで闘う”
労働者の団結が社会変える
11・6全国労働者総決起集会が東京・日比谷野外音楽堂で開かれ5950人が結集し、福島原発事故と再稼働、大失業と非正規化攻撃に対する総反撃を宣言した。大恐慌下の新自由主義攻撃との闘いの渦中にある韓国やアメリカなど世界の闘う労組代表が参加した。ストライキで闘う動労千葉や動労水戸、1047名解雇撤回を闘う国鉄労働者を先頭に、日本の階級的労働運動復権の闘いが、全世界の「99%」の労働者人民の反乱の先頭で、プロレタリア世界革命に合流しつつあることを確信させる集会となった。この集会の大成功と階級的気概をもって、野田政権の原発再稼働・TPP交渉参加強行を粉砕し、11〜12月へ進撃しよう!(発言紹介など次号続報)
司会は動労水戸平支部の川俣辰彦さん、ふくしま合同労組委員長の市川潤子さん。開会は本集会の呼びかけ4団体のあいさつから始まった。
全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の高英男副委員長は、昨年7月から4カ月に及んだ産業ゼネストで関西の建設現場の8割をストップさせた闘いを報告し、全国金属機械労働組合港合同の中村吉政副委員長(写真)は「現在の労働組合の責任と課題は、どんな社会をどうつくるかの展望を明らかにすること。団結こそ命」とアピールした。動労千葉の田中康宏委員長は、運転基地統廃合反対の指名スト突入を報告し、「大失業と原発事故の根っこは同じ。職場から新自由主義に立ち向かおう」と呼びかけた。国鉄闘争全国運動の呼びかけ人・伊藤晃さんは「資本主義を揺るがす世界の民衆運動と合流を」と訴えた(8面に関西生コン支部と動労千葉の提起を掲載)。
新自由主義と闘う国際連帯
国際連帯アピールで、韓国代表団32人が登壇し民主労総ソウル本部のイジェウン本部長が「新自由主義は労働者がつくり出した価値と生産性を一握りの資本家が独り占めにする社会構造をつくり出した。韓日の労働運動が世界の運動と合流し、新自由主義の息の根を止めよう」と呼びかけた。
アメリカからはILWU(国際港湾倉庫労働組合)ローカル21のダン・コフマン委員長が全国一般東京ゼネラルユニオンの通訳で発言した。コフマンさんは、伊藤忠商事などが出資する企業が労働協約を破って組合員の採用を拒否していることに抗議し、港湾の穀物列車を実力で阻止した闘いを報告。「資本と大企業の欲張りにノー! 史上最悪の財政詐欺で数兆jを労働者から盗んだウォールストリート(金融街)に対する占拠闘争が全米と世界に広がっている。連帯を」と訴えた。
ドイツからは「マルクス主義イニシアティブ」のディーター・エルケンさんと「職場・組合・社会運動フォーラム」のラーベン・ブロンシュタインさんが発言した。滞日・在日外国人の仲間が多数壇上に並び、クルド、バングラデシュ、ビルマ、インド、イランなどの代表が訴えた。
集会カンパのアピールと韓国民主労総の律動隊「コットゥソニ(茜=あかね)」の演技をはさみ、大挙参加した被災地の仲間たちが登壇した。福島からは福島県教組の清野和彦・元委員長と「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」の中手聖一さん、佐藤幸子さん、椎名千恵子さんが発言。清野さんは「いま福島市の放射線量は1・18マイクロシーベルト。一般人の入れない放射線管理区域より高い」と警鐘を鳴らし、中手さんは「除染と称して目の前の命を守らずにどうする」と政府を批判した。さらに仙台市職労の神保美彦副委員長が「復興特区というさらなる新自由主義を許さない」と述べた。
三里塚が労農連帯アピール
「闘いの最前線から」の発言では、三里塚芝山連合空港反対同盟の萩原進事務局次長(写真)、憲法と人権の日弁連をめざす会・森川文人弁護士、原発と闘う医師たちを代表して広島高陽第一診療所の医師・吉田良順さん、NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議=な全)事務局長の織田陽介さん、とめよう戦争への道!百万人署名運動事務局長の西川重則さん、沖縄行動団代表の宮城盛光・北中城村議らが発言した。
この中で萩原さんは「農民は労働者の同盟軍だ。TPP(環太平洋経済連携協定)参加をねらう野田政権と徹底的に闘おう」と訴えた。また吉田さんは「闘う医療施設を福島につくる」と決意を語った。
西川さんは10月21日に憲法審査会が始動し、明文改憲の第1ラウンドが終わったことに強い警鐘を乱打。宮城さんは普天間基地の辺野古移設阻止を訴えた。
青年・学生のパワーあふれ
「1047名解雇撤回・国鉄闘争勝利にむけて」で多数の国鉄労働者が登壇。青年部を再建した動労千葉青年部長の北嶋琢磨さんや、この10月に動労水戸に加入した青年労働者を始め、動労千葉争議団の中村仁さん、国労小倉闘争団の羽廣憲さん、国鉄闘争全国運動の手嶋浩一・元国労九州本部書記長が発言した。手嶋さんは「玄海原発再稼働阻止の九電本社座り込みは201日目だ。11・13現地1万人集会へ」と呼びかけた。
決意表明は自治体、教労、郵政、医療、合同労組、全金本山労組、福島の青年労働者と全学連の斎藤郁真委員長らが行った。斎藤委員長は「大学で2度と原発推進の研究はやらせない。それが福島と学生の連帯だ」と訴えた。
発言の最後に関生支部執行委員の武谷新吾さんが「若い人に負けないで体を張って闘う」と閉会あいさつ。全国金属機械港合同・昌一金属支部の木下浩平書記長の音頭による団結ガンバローで集会を締めくくった。
デモは警察と右翼の妨害を粉砕して東電本店に怒りをたたきつけた。銀座〜東京駅を通るデモが都心を席巻した。
(写真 大挙して集会に参加した被災3県の労働者住民が登壇、大きな声援と拍手が送られた。子どもたちを放射能から守る福島ネットワークの中手聖一さん、佐藤幸子さん、椎名千恵子さんは、経産省前座り込み行動でつくった指編みロープの地球を掲げながら、政府を厳しく批判した)
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週刊『前進』(2511号2面1)(2011/11/07 )
労働組合拠点建設と党勢拡大で30年代の闘いのりこえ革命へ
今なお臨界の危機! 全原発を廃炉に
11・6労働者集会は原発と失業・非正規職化への怒りをばねにして、全国からの大結集で闘いとられた。日本・韓国・アメリカ・ドイツで新自由主義(外注化・非正規職化)と激しく闘っている渦中の労働者・労働組合が肩を並べ、「労働組合の国際的団結で世界を変革しよう」と誓い合った。また、大震災被災地と福島の人びとが大挙結集し、野田政権の被災人民への圧殺政策を断じて許さず、全原発の廃炉をめざして闘うことを参加者全員で誓い合った。さらに闘いを進めよう。
大恐慌の深化と革命情勢
世界と日本の情勢は、日々激動を深めている。ギリシャの債務不履行(デフォルト)=国家破産寸前情勢は欧米全域の金融危機に拡大している。世界同時株安が進み、米欧の大手金融資本がばたばたと倒産し始めた。仏ベルギー系大手銀行デクシアに続き、アメリカの大手証券MFグローバルが10月31日に破綻した。破綻時の資産規模は3兆円を超え、自動車大手クライスラーを超える米史上8位の大型倒産である。仏金融大手ソシエテ・ジェネラルやBNPパリバの株価も大きく下落し破綻の危機に直面している。
このように世界の帝国主義は例外なく危機を深めている。とりわけ日帝は大恐慌・震災・原発事故・タイ洪水・円高という四重五重の重圧に直面し、帝国主義の生き残り競争からの脱落が決定的だ。電機・自動車・金融を始めあらゆる産業・企業で大量首切りと賃下げ、非正規化の嵐が吹き荒れている。原発事故を起こした東電(7千4百人)、大幅な赤字転落のパナソニック(1万5千人)、TDK(1万1千人)、日立造船(千2百人)など大規模なリストラ計画が目白押しだ。
だが労働者階級は生存の危機に直面する中で、全世界で立ち上がっている。カリフォルニア州オークランド市ではILWU(国際港湾倉庫労組)を先頭に65年ぶりのゼネストが闘われた。「99%」の労働者人民によるウォール街占拠闘争も継続し、アメリカ全土で階級闘争のうねりが「1%」の支配階級を襲っている。韓国・民主労総は、植民地的従属を強いる韓米FTA(自由貿易協定)に反対し委員長以下70人近くが逮捕される大闘争を展開した。
特徴的なことは、全世界の労働者人民が新自由主義との闘いに総決起していることだ。1929年の世界恐慌、30年代階級闘争をのりこえて、労働組合を軸にした闘いを開始している。
今日の世界大恐慌は、「百年に一度」どころの話ではない。18世紀末の産業革命以来二百数十年間、資本主義は常に危機を抱え労働者階級の反乱に直面しながら何とか生きながらえてきた。しかし、いよいよ最後の時を迎えているのだ。
「カネよりも命」「資本家に奪われた労働の成果を奪い返そう」――労働者階級にとって当然のこの階級的真理が、大恐慌と原発事故を契機にして労働者の行動原理となり、世界を根底から変える時代がやってきた。また、そうしなければ労働者は生きられないのだ。
労働組合をよみがえらせ、巨万の怒りの決起で資本家の支配をひっくり返そう。労働者が権力を握ろう。新自由主義で荒廃した世界を再建できるのは唯一、労働者階級の団結力だけである。
反動的な野田の所信表明
10月28日の臨時国会で野田首相が所信表明演説を行った。野田は、当面する重点課題として、@震災被災地の復興、A原発事故の収束、B日本経済の建て直し――の三つを挙げた。そのために第3次補正予算の成立と実行に全力をあげると表明した。これは日帝支配階級が震災・原発事故・大恐慌にいかに深い打撃を受けたかを示している。だからこそ、その突破をかけた政策は、労働者と農漁民、人民にすべての矛盾と犠牲を押しつけ、独占的大資本の延命に一切をかけるものとなるのだ。野田政権は日本経団連の忠実な手先だ。
すなわち、第一に「復興を大きく加速するために」と称して、「大胆な規制緩和や税制の特例を認める復興特区制度の創設」をうたい、法人税の5年間無税化など「前例のない措置によって、新たな企業の投資を内外から呼び込む」と言っている。これは最低賃金制や労働時間規制などの現行法の制約を全部取っ払って、労働者を「アジア並み」の低賃金で働かせ、徹底的に搾取するということである。日帝は大震災と原発事故に大打撃を受けながら、それをもテコとして「非常時」「国難」を叫び、新自由主義政策を全面的に強めようとしている。
第二に、福島原発事故の責任を完全に開き直り、逆に原発再稼働と原発輸出に向かって攻撃を強めている。「原子炉の年内の冷温停止状態の達成」「工程表の着実な実現」などと大うそをつく一方で、地元から出されている「子どもたちを今すぐ避難させよ」という切実な要望を踏みにじり、「除染すれば安全」という犯罪的なデマで闘いを圧殺しようとしている。福島県民を見殺しにする政策を強引に進めながら、「福島の再生なくして日本の再生なし」「住民の不安を早く解消する」などとぬけぬけと野田が語ることを断じて許してはならない。
第三に、「日本経済を建て直す」「産業空洞化の圧力に抗する」と言って、5千億円の「立地補助金」、2千億円の「節電エコ補助金」など、巨額の補助金を大資本にばらまこうとしている。賃下げ、首切り、増税、福祉切り捨てで労働者人民から搾れるだけ搾り、そのカネを大資本救済に回そうとしているのだ。
そのために「震災復興」「非常時」を口実に「国家公務員給与の7・8%削減」法案をこの臨時国会で成立させることを狙っている。許し難いことに連合と公務員連絡会は、これに反対の声一つあげないどころか、積極的に推進している。大幅賃下げに積極的に賛成するなど、労働組合のやることではない。
野田はさらに、日本郵政グループやJTのリストラ、地域主権改革(道州制のこと)や公務員制度改革、大増税を公言した。労働者階級への階級戦争の宣言である。
第四に、「外交・安全保障」の中にTPP(環太平洋経済連携協定)を位置づけ、「早期に結論を出す」と表明した。そして11・12〜13アジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議の前に「TPP交渉への参加」を正式に表明しようとしている。労働者・農漁民の生活と生業、医療を押しつぶして大資本の延命をはかるTPP参加を絶対に許すな!
第五に、「普天間飛行場の移設実現に向けて全力で取り組む」と語り、辺野古への新基地建設をあくまで強行しようとしている。
このように野田の所信表明演説は、日本経団連の意向に完全に沿い、大資本の利益と延命のために労働者・勤労人民を徹頭徹尾、犠牲にするものである。資本家の手先となって大反動に突き進む野田・民主党政権を労働者の力で打倒しよう。
職場闘争で団結の拡大を
福島原発事故では、核分裂反応が原子炉内で継続して起きていることが明らかになった。高濃度の放射能が今も大量にまき散らされている。政府・東電はこうした重大な情報を隠蔽(いんぺい)して「収束に向かっている」との大うそで人民・子どもたちを被曝させ続けている。本当に許せない。九州電力玄海原発4号機の運転再開を徹底弾劾しよう。
労働者を虫けらのように扱う資本家への怒りに燃えて、賃下げ、首切り・リストラと闘い、放射能汚染・被曝労働の強制と対決して闘おう。労働者が人間として生きる当たり前の要求を掲げ職場で闘うことは、ますます重要だ。労働者の職場闘争は、どんなきっかけで始まっても、一切の余裕を失った資本家階級と真っ向から激突し、巨大な階級闘争の一翼を形成するものとなる。そしてまた、資本家の労働者支配の手先=連合を打倒し、闘う労働組合を生き生きとよみがえらせてゆくものとなるからだ。
動労千葉、動労水戸のストライキは、世界大恐慌と原発事故の時代に労働者階級がいかに生き闘うべきかを示している。ストライキは帝国主義と闘う労働者の武器だ。国鉄闘争と反原発闘争を水路に職場の団結を前進させよう。労働組合の拠点建設と党勢の強化・拡大を一体的に推し進めよう。そうした闘いの一歩一歩の積み重ねが、確実にプロレタリア革命の勝利を切り開くのだ。
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週刊『前進』(2511号2面2)(2011/11/07 )
橋下と平松が労働運動解体を競い合う大阪市長選の反動性
ゼネストによる反撃が勝利の道
再稼働とTPP一体の団結破壊
大阪府知事の橋下徹が知事職を辞職し、「大阪都構想」なるものを掲げて大阪市長選(11月27日投票)に出馬することを表明した。出馬の理由について「大阪市役所から大阪市民を解放する解放戦争」などとうそぶいているが、その本質は反原発の9・19明治公園6万人大集会と11・6国際労働者集会に対する反動であり、3・11東日本大震災を契機とする反革命攻撃をうちやぶって決起を開始した労働者階級全体に対する弾圧と団結破壊の攻撃である。
大恐慌の2番底に突入した世界経済、ドル基軸通貨体制がついに崩壊した中で帝国主義の最弱の環としての姿をあらわにした日本資本主義はあがきにあがいている。9・19と11・6は、この資本主義の危機に対して、日本の労働者階級が世界プロレタリア革命の命運を握る存在として登場したことを示した。
追いつめられた民主党・野田政権は、9・20原発再稼働宣言―9・30緊急時避難準備区域の解除に続いてベトナム、トルコなどへの原発輸出の継続(10・31日本ベトナム共同声明)と玄海原発再稼働(11・1深夜)を強行した。
同時に野田政権は、秋闘に際して連合中央の支持の下に人事院勧告制度解体・戦後公務員労働運動解体への歴史的踏み切りにうって出てきた。原発再稼働と道州制・民営化攻撃(復興特区とTPP)に対する労働者階級の闘いを真っ向から解体しようとするたくらみである。
リストラを競う同じ穴のムジナ
今問われているのは選挙ではなくゼネストだ。エジプトやギリシャ、米オークランドの労働者のように闘う時だ。
9月30日、大阪市議会開会日に平松邦夫市長は「職員倫理条例案」を提出し、市議会は賛成多数で即座に可決した。民営化にともなう整理解雇を明文化し、懲戒処分の項目に職員への損害賠償請求権を規定することなどを含むとてつもない反動攻撃である。
平松は、橋下と競い合って労働運動を破壊し、首切りを推進する先兵となって登場している。「橋下のように2条例を作らなくてもリストラは可能だ」と言っているにすぎない。「4年間で8570人を削減した。2015年までにさらに5千人減らす」と表明している。橋下はマニフェストで「1万2千人削減」と平松を上回る外注化・非正規化方針を打ち出した。府知事候補となった池田市の倉田薫市長も「地方分権推進」を掲げる同じ穴のムジナだ。
橋下の府知事辞任・大阪市長選立候補とは、こうした道州制・民営化の大合唱の中で、「労働組合こそ真の敵だ」と資本と国家の究極の路線をむき出しにしたものだ。橋下のファシスト的な“現状破壊性”と暴力性は、戦後民主主義的な統治と延命の手段を失い、追いつめられたブルジョアジーの最後の選択なのである。
自治労や日教組は、「橋下は許せないが、平松や倉田の方がましだ」として組合員を平松・倉田支持運動に駆り立てている。それは公務員制度改革と道州制への屈服を強制するものだ。職場では「人事院勧告見送り」を号令する一方で、福島県教組や仙台市職への解体攻撃を先頭に、月刊ダイヤモンド『おいしい公務員』キャンペーン、北教組など4教組「不適切勤務」キャンペーン、大阪市「組合活動上限時間超過」懲戒処分、「相互チェックシート」導入策動など、労働組合解体攻撃が激化している。
労働者の団結で職場から反撃を
重要なことは、労働組合が徹底して団結して闘えば、これらの攻撃を必ずうち破ることができるということだ。
何よりも、大阪の教育労働者、自治体労働者はものすごい怒りで闘いに立ち上がっている。10・21大阪府労連闘争には、動員割り当てを超えて続々と職場からの決起が生まれた。連合・全労連指導部の支配を突き破る革命的エネルギーが噴き出しているのだ。労働組合が決起したとき、この怒りは無限に発展し爆発する。大恐慌の中で、労働者階級が自らの政治権力を打ち立てる絶好機が来ているのだ。
分会・職場を拠点に絶対反対で決起し、団結を拡大しよう。9・19―11・6の地平を発展させる道がここにある。動労千葉・動労水戸のスト決起に続き、被災地・東北の闘いと結合して6千万労働者の階級的団結を闘い取ろう。
(革共同関西地方委員会・黒沢肇)
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週刊『前進』(2511号2面3)(2011/11/07 )
オークランドでゼネスト 港湾機能は全面停止
全米で労働者が連帯デモ
港湾、銀行、商店など全市が閉鎖
11月2日、帝国主義世界体制の心臓部、アメリカ・オークランド市でゼネラル・ストライキによる労働者階級の大反撃が始まった。1946年のオークランド・ゼネスト以来65年ぶりの闘いだ。米西海岸で第2の巨大港湾、オークランド港は完全に機能を停止した。
巨大な人の波がハイウェーを占拠し、市中心部から西オークランドの港湾地区に向かうのを、誰も止められない。ピケ隊は港湾施設の入り口でピケットラインを作り、施設内のトラックやコンテナの上に登って、港湾地区全体を占拠した。
ILWUローカル10(国際港湾倉庫労組第10支部)の組合員たちは、冷凍コンテナの安全問題を掲げ、あらゆる港湾労働を拒否した。
銀行、大手スーパーなどはピケ隊の封鎖によって営業不可能になった。そして多くのレストランが、「われわれは(富が集中する1%の富裕層に対する)99%だ。オークランド占拠運動を支持する!」という看板を出して閉店したのだ。
(写真 オークランド市中心部でゼネスト決起集会を行う労働者たち。巨大な人波が市街を占拠し、多くのレストランなども連帯して閉店した【11月2日】)
力関係で実質的ストもぎ取る
今回の闘いは、10月25日の市庁舎前広場への機動隊の殺人的襲撃に対する怒りの緊急行動として決定されたため、各労組は、通常のストライキの手続き――スト権投票やピケ隊の任務分担確認など――を準備する時間をほとんど取ることができなかった。
にもかかわらず、現場労働者たちは組合指導部をつきあげて当局・経営者と交渉させ、市庁を含む多くの職場で「休暇をとって11・2ゼネスト・デモに参加しても処分はしない」という確約を取り付けたのである。
11・2の決行前にゼネスト・一日行動を支持する態度を公表できた労組――オークランド教組、SEIU1021(市職員等)、チームスターズ・ローカル70(トラック運輸)、カーペンターズ(建設)、CNA(カリフォルニア看護師労組)――に加えて、UFCW(統一食品商業労組)が、デモ隊のために食事を提供するテントを設置するなど、それぞれの特色を生かして積極的にゼネストに参加したことも画期的だ。
全米で連帯行動のデモが拡大
全米で1千カ所といわれる規模に発展した「占拠運動」は、今回の11・2ゼネストに連帯するデモと集会を行った。
シカゴでは、イリノイ大学などの学生たちが、オークランド・ゼネストに連帯して授業をボイコットし、街頭にくり出してデモを敢行した。
ニューヨークでは「ウォール街占拠運動」がデモを行い、これに多くのイラク・アフガニスタン帰還兵たちも加わった。
アメリカ労働者階級の渾身(こんしん)の闘いと連帯し、世界で立ちあがる労働者人民とともに帝国主義を打倒する壮大な闘いに決起しよう!
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週刊『前進』(2511号2面4)(2011/11/07 )
韓米FTAで大激突
ソウル 労働者学生が国会突入
韓国では、韓米FTA(自由貿易協定)批准、済州島(チェジュド)海軍基地建設、韓進重工業の整理解雇撤回闘争などをめぐり、労働者階級をはじめとした全人民とイミョンバク政権との死活をかけた激突が連日、闘われている。
11月3日には、韓米FTA批准に反対する5千人の集会が開かれ、国会西門から構内へ突入しようとして警官隊と激突、23人が連行された。この闘いでこの日の国会本会議は中止に追い込まれた。
10月28日にも7千人の大集会がソウル市内中心部で開かれ、「1%の利益のために99%を犠牲にするな!」の叫びがあがり、参加者は「人間の帯」となって国会へデモ行進、国会構内に突入して70人近くが連行された。このとき連行された中には民主労総のキムヨンフン委員長や全国農民会総連盟のイグァンソク議長も含まれている。
10月11日のイミョンバク訪米の直前から、それまで密室で進められてきたFTA交渉の内容が明らかになるに従い、全社会的な怒りが一斉にわき起こっている。FTAによって米帝の大資本が韓国の経済と社会をほしいままに支配し、じゅうりんしようとしていることに、「第二の乙巳(ウルサ)条約だ」の声が上がり、絶対阻止の闘いが爆発しているのだ。
乙巳条約とは100年前、日帝による韓国併合に道を開いた条約のことだ。実際に米韓FTAは、韓国政府に対して同協定が一切の国内法に優先することを義務づけながら、米国内での韓国側の行動については米の連邦法・州法の制約下に置かれるとしている。関税や投資規制の撤廃はもとより、FTAをテコに韓国の法と制度を丸ごと一変させ、米資本の全面的な専制支配下に置こうとする大攻撃である。
民主労総は「これまで深夜労働の撤廃や最低賃金確立のための闘いを続けてきたが、FTAが批准されればそのすべてが水の泡になる」(チョンウィホン首席副委員長)と訴えている。FTAで真っ先に打撃を受ける農民は、「農民がみな死んで国が生きられるのか」と決死の覚悟でテント座り込みに決起している。
とりわけ怒りを呼んでいるのは医療の民営化だ。10月24日には医療労働者が「FTA阻止、営利病院導入阻止」を掲げて集会とデモに立ち上がった。
イミョンバク政権は10月中の国会承認を何がなんでも強行しようとしたが粉砕された。決戦は11月に持ち越されたが、国会をめぐる攻防がどうなろうと、一層の矛盾の拡大、階級的大激突は必至である。
韓進重工業の闘い、済州島海軍基地建設反対の闘いも重大局面に入っている。韓進重工業では11月1日、民主労総釜山本部指導委員のキムジンスクさんがクレーン上での高空籠城(ろうじょう)闘争に突入してから300日目を迎えた。
民主労総は今年、第1次の労働者大会を11月13日にソウルで、第2次労働者大会を11月26日に釜山で開催することを決定した。連帯し、ともに闘おう!
(写真 韓米FTA批准阻止で警察と対峙する韓国の労働者・学生。デモ隊は国会を包囲して構内に突入した【10月28日 ソウル】)
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週刊『前進』(2511号2面5)(2011/11/07 )
前進速報版から
▼韓米FTA阻止デモが国会突入▼オークランド市ゼネスト▼玄海原発再稼働阻止、九電緊急抗議▼シチズン工場の中国労働者が訴え
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週刊『前進』(2511号3面1)(2011/11/07 )
数千万人が無保険者に
医療破壊するTPP
参加へ突き進む野田打倒へ
野田民主党政権は11月に米ハワイでのAPEC(アジア太平洋経済会議)首脳会議でTPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加を正式発表しようとしている。TPP参加で日本の農業・農民は壊滅的な打撃を受ける(前号参照)。新自由主義のもとで崩壊しつつある医療と「国民皆保険制度」もとどめを刺される。資本が医療を支配する米国と同様、数千万人が無保険者、医療難民となる。一層の賃下げと非正規化、大失業が労働者を襲う。原発、非正規化、TPPに万余の怒りを爆発させた11・6大闘争を引き継ぐ大攻勢で野田政権を打倒し、TPPを粉砕しよう。
TPPで中国抑制を狙う米帝オバマ
TPPは2006年5月にニュージーランド、シンガポール、ブルネイ、チリの4カ国の加盟で発効した経済連携協定だったが、2010年10月から米帝の主導のもとに9カ国(4カ国プラス米、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシア)でTPPの協議が進められるようになった。そこに日帝も加わろうとしている。
転換点はオバマの昨年1月の一般教書演説だった。オバマは世界大恐慌と基軸国・米帝の没落の危機を突破するために「今後5年で輸出を倍増させる」と打ち出し、それを通じて「200万人分の雇用を創出する」と目標を掲げた。そのターゲットとしてアジア太平洋地域があり、中国を排除したTPPがある。
政権就任当初、オバマはNAFTA(北米自由貿易協定)や2国間のFTA(自由貿易協定)に否定的だったが、世界大恐慌が深化する中で方針転換したのだ。
米帝のブロック化政策としてあったNAFTAは逆に、国内経済を空洞化させ、雇用を減らし、失業者を増大させ、米帝没落の一因となってきた。南アメリカ諸国の大半が反米に傾き、南北アメリカのFTAA(米州自由貿易協定)の展望も薄れた。他方、アジアでは中国が急速に経済大国化し、米中の相互依存と対立も強まった。これらの危機と矛盾を突破するために、米帝によるアジア太平洋地域の勢力圏化を狙ったTPP推進に踏み切ったのだ。
米帝は日帝をこのTPPに抱き込んで将来のFTAAP(アジア太平洋自由貿易協定)の主導権を握ろうとしている。
日本が加わるとしてTPP10カ国の全GDP(国内総生産)のうち米国は65・2%、日本は24・5%、オーストラリアは5・5%を占める。日米でTPPの約9割、世界経済の4割を占める。この力で中国を牽制(けんせい)し、抑え込もうとしているのだ。
これに対し日帝は、日米同盟を基軸とする以上、米帝のTPP―FTAAP戦略に加わる以外に基本的に延命の道がないと、TPPへの参加を必死に追求している。
経団連は、EU(欧州連合)や米帝が韓国とFTAを締結したことに危機感を抱き、「このままでは日本製品が国際競争に負けてしまう」と焦りをあらわにし、「TPPに参加できないなら海外に移転する」と野田政権を脅し、TPP参加を強く迫っている。自動車や電機などの輸出産業のためには、農業の保護につながる規制を撤廃し、自由化し、国際競争にさらして農業をつぶしても構わないという考え方だ。野田も基本的に同じだ。
米帝資本の進出で皆保険制度も壊滅
米帝はTPP交渉で自分の都合を押し通すために協議内容を秘密にしているが、NAFTAや米豪、米NZ、米韓のFTAの例から何が行われているか推察できる。
TPP協議は21分野に及ぶ。関税など経済的規制の撤廃や、社会的規制の共通化が問題となる。米帝は自分の都合のよい基準・ルールへの変更を迫る。家畜への抗生物質投与、遺伝子組み換え、食品安全基準などだ。
また米帝は知的財産権の強化を主張している。医薬品の特許期間の延長、ジェネリック医薬品の製造データ秘匿などで医薬品価格の独占的引き上げを狙っている。
さらに米帝は投資家のために強力な投資保護、市場開放、紛争解決手続きの規定を盛り込もうとしている。ICSID(国際投資紛争解決センター)を仲裁機関とすることに固執している。
NAFTAで米系投資企業は規制を課した政府を相手に訴訟を起こし、しばしば数百億jもの損害賠償金を得てきた。
医療では、オバマ政権のUSTR(米通商代表部)が2010年3月、「外国貿易障壁報告書」で対日要求を提起した。
報告書は、ブッシュ時代からの医薬品・医療機器分野における規制改革要求に加えて、健康保険、医療サービス、医療IT(情報技術)の各分野における規制改革を要求した。特に「日本の市場開放の第1段階として営利法人が営利病院を運営し、すべての医療サービを提供できる機会(経済特区を含む)を開くこと」を要求した。これらはTPPでも貫かれる。
TPP推進のための米国企業連合もつくられている。医療に関しては、金融のシティグループ、通信のAT&T、建設のべクテル、ITのヒューレット・パッカード、IBM、インテル、マイクロソフト、オラクル、医薬品のファイザー、ジョンソン・エンド・ジョンソン、先進医療技術協会、生命保険会社協会などが参加している。世界的な大企業ばかりだ。
TPP参加で日本が医療の市場開放を行えば、米国の巨大資本が日本に進出して営利病院を建設・経営し始め、日本の病院と競争する。製薬や保険も競争が激化する。
営利事業化した医療機関はもうからない医療を提供しない。もうからなければ医療機関として成り立たず駆逐される。医療機関は高額所得者を対象にした自由診療の高額医療を優先するようになる。低所得者は冷遇され、普通の医療(保険診療)さえ受けられなくなる。「国民皆保険」の解体だ。すでに日本でも健康保険に入れない人、使えない人が1千万人に迫っている。TPP参加で米国のように数千万人が無保険者、医療難民となる可能性が生じる。
営利事業化した医療機関においてはコスト削減と効率化が最優先だ。利益は投資と配当に分けられる(現行では医療機関の「利益」は自らの医療機関への「投資」に向けなければならない)。このため安全・衛生は崩壊する。労働者は酷使され、疲弊し、事故が多発する。医療崩壊だ。
医療の営利事業化進める民主党政権
医療の営利事業化、産業化は経団連=大資本が近年強く要求し、歴代政府もこれに応え追求してきた新自由主義政策だ。
2004年、小泉自公政権の規制改革・民間開放推進会議は混合医療の導入、株式会社の医療機関経営への参入を求めたが、強い反対の声が起こり、全面解禁は水際で食い止められた。だが昨年6月、菅民主党政権は「新成長戦略」の最重要分野の一つに「ライフイノベーション」を掲げ、医療・介護を成長牽引(けんいん)産業として位置づけた。
経済産業省も医療・介護・子育てを戦略産業分野とし、医療の産業化、医療サービスの輸出、医療ツーリズムを打ち出した。経団連もあらためて混合医療の解禁、株式会社の診療領域の拡大を要求した。医療滞在ビザは今年1月に創設された。
医療の産業化の動きはTPP参加の動きと連動している。菅政権は昨年10月、横浜APEC首脳会議を前に新成長戦略会議で「国を開く」と称してTPP参加を打ち出し、11月にTPP参加に向けた国内改革のための「包括的経済連携に関する基本方針」を閣議決定した。同月のAPECでは菅は「TPP交渉参加に向けて関係国との協議に着手する」と表明、同時に農業の競争力強化に取り組む決意を示した。
TPP参加に向けた国内改革の一つが政府・行政刷新会議による規制・制度改革である。ここで医療の営利事業化の推進が打ち出されたが、反対の嵐に遭い、今年3月削除された。
もう一つが今年6月に成立した総合特区法だ。これには営利企業による特別養護老人ホームの設置、工業地域への病院建設、自由診療の拡大、混合診療の解禁、株式会社の診療領域拡大、病院のM&A、外国人医師の受け入れなど、規制緩和、税制・財政・金融支援が盛り込まれている。USTR文書も特区政策を明記している。特区では外国人を含め富裕層を対象に最新の先端医療を自由価格で行い、「格差医療」で資本がもうけることが可能となる。
TPP参加と規制撤廃、総合特区によって日本の医療と皆保険制度は根本から破壊される。
労農連帯、国際連帯の発展で野田政権を打倒し、TPP参加を阻止しよう。
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週刊『前進』(2511号3面2)(2011/11/07 )
全原発廃止、福島医療施設建設へ
被災地の挑戦に圧倒的なカンパを
革共同東北地方委員会
2011年3月11日――この日を境に、すべての労働者民衆が自分自身の生きる意味を根底から問い直し、自らが生きる社会の矛盾との深く激しい闘いを開始しました。そして日本階級闘争の時計の針は高速度で回転を始めました。時代は変わった! もはや後戻りはできない! 帝国主義を完全打倒するまでやむことのない激動の時代が到来しました。
あれから8カ月。被災地の労働者民衆の生存と資本家階級の延命は絶対に相いれないことが日々明らかになってきました。「震災解雇か解雇撤回か」「9割非正規職化か非正規職撤廃か」、なによりも「原発再稼動か原発廃止か」。いずれも金と命のどっちが大事なのかという根本的問いであり生きぬくための闘いそのものです。
東日本大震災救援対策本部の立ち上げを受け、4月3日に現地対策本部が発足しました。多くの支援に支えられて「被災地救援、震災解雇反対、すべての原発を廃止しよう!」の三つのスローガンを貫いて闘いぬいてきました。決戦はこれからです! あらためて圧倒的なカンパをお願いします!
3・11から8カ月間の激闘に勝利した
福島では、福島第一原発の爆発直後、救援対策本部に結集する仲間の間でも「避難するべきか、この地にとどまり闘うべきか」「街宣をやったら石でも投げられるんじゃないか」という激しい討論と逡巡(しゅんじゅん)の中、3月20日に10人の仲間で反原発街宣に立ち上がりました。以来、生きぬくために団結を求め、闘いの陣地を切り開いてきました。
6・19怒りのフクシマ大行動では福島現地に政府・資本と闘う旗を断固として立て、さらに8・6ヒロシマ―8・9ナガサキの闘いにおいては反戦・反核闘争と反原発闘争の歴史的結合をかちとりました。
9・11全国一斉闘争は、福島ではICRP(国際放射線防護委員会)やIAEA(国際原子力機関)を動員した国際専門家会議との激突となりました。子どもたちを放射能から守る福島ネットワークの仲間と固く団結し、福島県立医大を直撃する闘争・デモを共同でかちとり怒りで圧倒しました。仙台でも原発推進大学=東北大当局による学内集会妨害を打ち破り地域拠点攻防に勝利しました。
9・19明治公園に結集した6万人を超える労働者民衆の「原発なくせ!」の声。青年が先頭に立ち、労働組合の秘められた力を地の底から解き放ちました。10・10NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議=な全)福島結成集会では、あらゆる英知を結集して原発をとめようと新たな大衆運動建設への巨大な一歩を踏み出しました。
そして「怒」ののぼり旗を林立させて大挙登壇した11・6全国労働者総決起集会です。半年余りの間に数十年分の闘いが凝縮した激闘の中から、反原発の一点の火花を巨万の労働者階級人民の団結へと広げてきました。
さらに大震災と同時に始まった震災解雇の嵐、政治休戦キャンペーンとの闘いです。「震災だから解雇は当然」という資本家や「今は労働組合のやることはない」という体制内労組幹部の支配を打ち破り、「被災地発!怒りのメーデー」を皮切りに被災地に労組の闘う旗を打ち立てました。
動労水戸の被曝労働を許さないストライキ、JR大再編攻撃と闘う動労千葉のストライキを最大の援軍としながら、私たちは反原発・反失業闘争の創造的発展を切り開いてきました。8カ月間の闘いを断固勝利として総括します。
さあ、被災地の闘いはこれからが正念場です。震災復興特区による新自由主義攻撃との闘いが火を噴いています。経団連「復興・創生マスタープラン」を青写真とする労働基本権解体、被災地丸ごと民営化、超大幅賃下げと9割非正規職化など、野田政権が狙っているのは「労働法の適用除外特区」の創設であり、労組破壊の上に立つ資本による無制限の搾取と収奪です。これと軌を一にしてTPP(環太平洋経済連携協定)参加と沖縄・辺野古への新基地建設が狙われています。
階級的労働運動で五つの拠点建設を
被災地から始まった階級戦争に私たちはいかに立ち向かい勝利するのか。その回答は階級的労働運動の拠点建設を軸に国家・資本と闘う全人民的団結を五つの拠点建設として貫徹することです。すなわち@4大産別での拠点労組建設を軸とする階級的労働運動の不抜の拠点建設、A新自由主義大学と対決し福島決戦に責任を取る学生自治会建設、BNAZEN福島を先頭とする反原発闘争の全人民的拠点建設、C新たな農漁民の闘いとの結合、D医療特区攻撃と闘い放射線被曝から子どもたちの命と健康を守る医療拠点建設です。そして、以上のすべてに責任を取りきる地区党への変革を青年指導部建設を軸にかちとることです。
最大の攻防点は被災地労働運動の創造的発展です。
仙台市役所動労千葉を支援する会の仲間を先頭に復興特区―被災地丸ごと民営化との闘いが開始されました。過去5年間で約1千人の人員削減と、出口の見えない膨大な震災対応業務の中で、仙台市職労のかけがえのない仲間の命が奪われています。われわれは絶対に許さない! 闘う労働組合をよみがえらせ職場の安全と労働条件を取り戻します。仙台市長・奥山は人事委員会勧告そのものを行わず、「復興経費を行政改革で生み出す努力の中で人件費の問題を適正に判断したい」(河北新報10・25付)とさらなる人員削減と大幅賃下げに出ようとしています。野田政権と連合が進める人勧無視―国家公務員7・8%賃下げの暴挙を被災自治体を突破口に強行する日本版「ショック・ドクトリン(惨事便乗型資本主義)」そのものです。「第二の動労千葉建設」を目指して職場に支援する会を立ち上げた真価をかけて闘います。
福島県教組の仲間は、新規採用中止と兼務辞令による極限的労働強化と闘い、「子どもたちを放射能から守ろう! すべての原発を廃炉に」と立ち上がりました。福島県教組の闘いを防衛し、闘う日教組の再生をかちとりましょう。
震災解雇・9割非正規職化との闘いはこれからが正念場です。みやぎ連帯ユニオン、ふくしま合同労組を先頭に資本と非和解で闘う青年労働者の団結をつくろう。
福島決戦勝利の不可欠の環は学生運動の爆発です。大学が経団連・電力資本と一体で原発推進の最先兵となり、札束で買収された御用学者が「放射能も原発も安全だ」とわめき散らす現実! これを生み出したものこそ大学の民営化であり、法政大を頂点とする新自由主義大学への変質です。福島大当局の妨害を打ち破って福島大生を先頭にかちとられた10・21全学連反原発集会の成功が学生運動の新たな一ページを切り開きました。君たちを待っていたぞ、全学連! 闘う学生自治会を建設し大学から原発廃止をかちとろう。
8・5NAZEN結成、10・10NAZEN福島結成をもって「すべての原発いますぐなくそう」のスローガンは全人民共通の具体的要求に高められました。子を持つ母親・父親、労働者、医師、弁護士、市民など、原発事故とそれを生んだ国家・資本に怒りを燃やす全民衆を結集する広範な大衆運動をつくり出しましょう。全国津々浦々にNAZEN組織を結成し、全原発の再稼動阻止、54基すべてを廃炉にしましょう。
原発事故は広大な農地と海を汚染し、農漁民の生業を日々破壊しています。放射能をまき散らした連中が同じ口で「TPPに参加せよ! 労働コストが高い! 農地も漁港も復興特区で大規模集約化せよ!」と叫び立てています。闘う農漁民の団結を広範に組織し、労農同盟を強固に打ち固め、その力でTPPと復興特区を粉砕しましょう。三里塚と福島の連帯を強化・発展させましょう。
労働者階級の力で子どもたち守ろう
山下俊一を先兵とする御用学者によって福島県立医大を中心とする「放射線医療特区」計画が進められています。子どもたちを日々放射能にさらしておきながら、200万県民全員を「被験者」にする医療特区にブルジョアジーが群がり、被曝者医療でボロもうけをしようとしています。
もはや資本の手に医療を委ねるわけにはいきません。救援対策本部が掲げる「労働者の力で被災地を救援しよう」のスローガンを発展させ、労働者階級人民の力で放射能から福島の子どもたちを守る医療拠点建設にただちに取りかかろうではありませんか!
被災地における闘いは革共同と労働者階級にとって壮大な挑戦です。財政闘争における飛躍的前進が一切の土台です。被災地で生きぬく闘いの先頭に立つ革共同に圧倒的カンパをお願いします。ともにプロレタリア世界革命の勝利を切り開きましょう!
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週刊『前進』(2511号3面3)(2011/11/07 )
控訴審でも勝ったぞ
東京・大嶽さん 業績評価裁判
世田谷区立小学校に勤める大嶽昇一さん(東京教組)が、不当な業績評価で定期昇給を延期されたとして、東京都と世田谷区を相手取った「業績評価裁判」の控訴審で10月26日、一審に続いて勝訴しました。東京高裁はあらためて「公正評価義務違反」を認め、大嶽さんの不服申し立てを棄却した東京都人事委員会の判定を「裁量権の濫用又は逸脱の違法がある」として取り消しました。
大嶽さんは7年越しの闘いを振り返って次のように述べています。「最初は教師としての誇りを傷つけられたことへの個人的な怒りから始まった闘いでした。しかし世田谷区立三浦健康学園(2004年度まで大嶽さんが勤務。この04年度に不当にC評価を受けた)から世田谷区内の小学校に戻って痛感したことは、業績評価制度の導入が教育現場を一変させたということでした。仲間に支えられて闘う中で『私個人の問題ではない。子どもたちのために、そして現場で必死に働いている仲間、特に若い仲間が希望を持って生き生きと働けるために、自分の闘いをやり抜くことが必要なんだ』という確信をつかんでいきました」
控訴審の最終意見陳述では次のように訴えました。「@業績評価は働く者同士を分断する。教育現場の協働・共同と団結を破壊し、組合を解体し、殺伐とした教育環境をもたらした。とりわけ賃金にリンクさせられるようになって、ますます職場に競争原理がもたらされた。A業績評価は職階制度の導入とあいまって、教育現場にトップダウンの管理系統をもたらした。教育労働者を『ものが言えない』ようにさせ、戦後培われてきた民主的な教育現場を破壊した。教員の創造的な教育活動を破壊した。『差別選別教育』を有無を言わせず担わせる踏み絵の役割を果たしている」
区への苦情申し出が却下され、都人事委への措置要求も審査・説明もなく棄却され、訴訟を提訴したのが08年3月でした。当初は弁護士と支援の仲間わずか数人からの出発でした。
しかし多忙を極める現職教員でありながら裁判を闘う大嶽さんの強靱(きょうじん)さは確実に支援者をつかんでいきました。回を重ねるごとに傍聴者が増え、特に10年5月に一審で勝訴して以降、全国の教育労働者から連帯が寄せられ、多くの支援者が集まりました。控訴審の傍聴は毎回満席。判決公判には80人が駆けつけました。
特筆すべきは、20代の若い同僚たちが大嶽さんの存在と闘いに揺さぶられ、平日の昼間に休暇をとって傍聴に来るようになったことです。
大嶽さんは「この闘いをとおして『仲間と団結して闘えば勝てる』と確信しました。今後は勝利判決を最大限生かして現場の闘いを呼びかけ、業績評価制度の撤廃まで闘う決意です」と決意を固めています。大阪の教育基本条例案に示されるように、今や業績評価は賃金リンクを越えて首切りの選別基準にされようとしています。すべての労働者は大嶽さんとともに業績評価制度の撤廃へ闘おう。
(東京西部 S)
(写真 控訴審闘争で再び勝利判決をかちとった大嶽さん【中央】【10月26日 東京】)
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週刊『前進』(2511号4面1)(2011/11/07 )
原発いらない福島の女たち “全原発廃炉まで行動し続ける”
10・27〜29 経産省前座り込みに3千人
直ちに子どもたちの避難を
(写真 「原発をすべてとめて! 福島の故郷を返せ! 福島の女は怒ってるぞ」とシュプレヒコールを上げながら東京電力本店前から銀座へ進む「原発いらない福島の女たち」のデモ【10月29日】)
「原発いらない福島の女たち」が呼びかけて10月27日に始まった3日間の経産省前座り込み行動は、28日、29日も意気高く闘いぬかれた(27日の行動は前号既報)。3日間の参加者は延べ約3千人にのぼった。開始された「すべての原発を停止させ廃炉にするまで、私たちは行動し続ける!」という女たちの熱い熱い闘いは、もうけっして押しとどめることができない。福島の怒りとつながって、全原発の廃炉へさらに闘いを広げよう。
怒りのリレーアピール
10月28日。前日を引き継ぎ、朝10時から経産省前座り込みが始まった。
午前中の記者会見では、呼びかけ人の佐々木慶子さんや黒田節子さんが前日の行動を報告。黒田さんは「中通り地方の福島、二本松、郡山はチェルノブイリで言えば避難の義務もしくは権利の地域。子どもたちと若いお母さんは即刻逃がさなければいけないのに、それぞれの家庭がいくつもの困難を抱えていて動けない。みんなが避難できるよう公的なお金を使うべき」と国の対応を弾劾した。
同じく呼びかけ人の佐藤幸子さんは「原発事故が起きた時、私は子どもたちに『お母さんはこの日のために生きてきた。これまでの人生は、この日を予測しての予行練習だったんだ』と話した。3・11を福島県民だけでなく日本中、世界中の人が今の暮らしのあり方そのものを考えるきっかけにしなければならない。原発事故でつらい思いをしている多くの人が報われるよう、福島からの発信を受け止めていただいて、いろいろなしがらみを捨てて一つになりましょう!」と呼びかけた。
午後も子どもたちを放射能から守る福島ネットワークの「怒 福島隊」ののぼり旗や横断幕、メッセージボードなどを掲げて経産省前で座り込みとリレーアピールを続けた。また「渡利の子どもたちを放射能から守ろう」対政府交渉にも合流して参加した。
夕方は首相官邸で内閣総理大臣補佐官・本多平直に面会し、福島の生の声を野田首相に届けるよう求めた。
(写真 28日には動労水戸の木村郁夫書記長も駆けつけてストライキで被曝労働を阻んでいることを報告)
東電本店に千人がデモ
29日は、動労千葉の田中康宏委員長が座り込みを訪問し、トルコのUIDIDER(国際労働者連帯協会)から届けられた反原発署名を女たちに手渡した。記者会見では、呼びかけ人の武藤類子さんが「日本が原発を輸出しようとしているトルコから1万1217筆の署名を送ってくださいました。トルコのみなさん、ありがとうございます」と紹介した。
記者会見では佐藤幸子さん、工藤朝子さんも発言。佐藤さんは前日の渡利地区住民の対政府交渉を報告し、「政府側の回答は、子どもたちを渡利に置いたまま除染もしない、調査もしないというもの。国は避難対象の目安を年間20_シーベルトに設定した時点で『福島市内には20_シーベルトを超えるところがない』と思っていたのではないか。福島市内で避難勧奨地点を出したくないという姿勢が見え見え。本当に許せない」と述べた。
工藤さんは「3月11日以来、空気も水も、山で採れる山菜も、畑で採れる野菜も、子どもたちが転げ回って遊ぶ土も、すべて放射線を測らなければならなくなりました。恐怖と悲しみ、怒り、絶望感を感じながら、やっと生きてきました。子どもたちは今もマスクをつけ、放射線積算計をぶら下げて生活している。200万福島県民の苦しみは、豊かな生活のために仕方がないことなのでしょうか? 同じことがまた起こって日本中が福島のように汚染されるまで原発を許しますか? 私たちは原発を許すことができません」と訴えた。
正午からはデモが行われた。福島の女たちを先頭に、全国の女たちが大挙駆けつけ、デモ参加者は1000人にふくれあがった。
日比谷公園中幸門を出発したデモ隊列は、東京電力本店前で「原発をすべてとめて」「福島の故郷を返せ」「福島の女は怒ってるぞ」「女は世界を変えるぞ」とシュプレヒコールを繰り返した。
デモは銀座・数寄屋橋から東京駅前を通り、常盤公園まで。「福島からやってきました!」という宣伝カーの訴えを聞いて沿道の多くの人が立ち止まり、チラシを受け取って読みいった。
(写真 東電本店前で「東電は責任を取れ」と訴えるデモ隊)
デモ後、再び経産省前に戻り、経産省包囲行動を行った。3日間、座り込みをしながら女たちが指編みした毛糸のロープを1本につなげ、ロープにつながって人の輪をつくった。経産省の本館・別館がある区画の周りの約900bの歩道に長く長く続く人の輪ができた。「つながりました! 経産省を完全に包囲しました!」というマイクの声に歓声が上がり、人のウェーブが続いた。
その後、日比谷公園かもめの広場に移って、クロージング集会を行った。福島と各地の女性たちの発言が続き、最後はこの行動を呼びかけた福島の女たちが前に並び、ハイロアクションの武藤類子さんの音頭で「女は原発いらないぞ! 女は社会を変えるぞ!」と声を合わせた。
3日間の座り込みを引き継いで翌30日から11月5日まで座り込む全国の女たちの行動の呼びかけ人に指編みロープを渡して、引き続きの行動を呼びかけた。
そして参加者全体が一緒に童謡「ふるさと」を合唱。「ふるさと」の言葉を「フクシマ」に変えて、「志を果たして いつの日にか帰らん 山は青きフクシマ 水は清きフクシマ」と歌いながら、多くの女性が福島の現実に思いをはせ、目をうるませた。
最後に、呼びかけ人の椎名千恵子さんが「今日は終わりではなく始まりです。たくさんの方に支えられて3日間の行動を成功させることができました。ありがとうございました」と訴えて、集会を終えた。
今この瞬間も福島の子どもたちが被曝させられ続けている現実に対する根底的な怒りと、「こんな思いは私たちで最後に。だから全原発の廃炉まで行動し続ける」という強い決意。この期に及んでも原発維持にしがみつくこの国の政治家や資本家たちと真逆の、女たちの深く強い愛情が巨大なエネルギーとなって解き放たれた行動だった。
(写真 29日のクロージング集会で呼びかけ人が並んで、「女は社会を変えるぞ」と唱和した【日比谷公園】)
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週刊『前進』(2511号4面2)(2011/11/07 )
渡利の子どもたち守れ
地元の住民を先頭に300人が対政府交渉
「除染」の連呼に怒り沸騰
10月28日午後、女たちの経産省前座り込み行動と並行して、「渡利の子どもたちを放射能から守ろう」対政府交渉が参議院議員会館で行われた。渡利の子どもたちを守る会、子どもたちを放射能から守る福島ネットワークなどが主催し、バスで駆けつけた約20人の渡利地区住民を先頭に300人以上が集まった。
福島市渡利地区はJRの福島駅から1`ちょっと、阿武隈川沿いの県庁のすぐ川向かいにある住宅街で、6700世帯1万6400人が暮らす。高線量が測定され「地区全体を特定避難勧奨地点(注)に指定して避難させろ」という声が上がってきた。背後に弁天山などの山林を抱え、雨が降るたびに汚染された泥や葉が流れ込み、それが乾燥して、さらにセシウムが濃縮されているのだ。
8月には勧奨地点の指定に際して行う詳細調査が行われたが、渡利で調査したのは全世帯の約15%だけ。しかもその結果、2世帯が基準値を超えたが、国はその2世帯も「当該世帯が避難を希望していない」ことを理由に指定しなかった。
10月8日には渡利小学校で説明会が開かれ、夜7時から深夜12時過ぎまで約600人が国と市を徹底追及した。国の現地対策本部は「渡利には年間20_シーベルトを超える地点はない。このままお住まいいただいて構わない」と述べ、激しい怒りがたたきつけられた。
この住民説明会を引き継いで行われたのが、今回の対政府交渉だ。独自調査では渡利小学校の通学路では1a高で毎時22・6マイクロシーベルト(年間換算198_シーベルト)、水路では1aで毎時9・8マイクロシーベルト(年間換算86_シーベルト)などの高線量が頻発していることを示し、政府側に「地区全体を勧奨地域に指定しろ。子ども・妊婦のいる世帯は一般基準より厳しい特別の基準を設けろ。避難区域外からの自主避難者や残った者に対しても確実に補償を行え」と求めた。
(写真 子ども福島の中手聖一さん【マイク】を先頭に、政府の責任を鋭く追及する渡利地区住民。手前は政府側参加者【10月28日午後 永田町・参議院議員会館】)
子ども・妊婦には特別基準を
とりわけ怒りの的となったのは、福島市では子どもや妊婦のいる世帯について特別の基準を設けなかったことだ。南相馬市は1b高の計測で毎時3マイクロシーベルト以上という一般基準に加え、子どもや妊婦がいる世帯は50a高で毎時2マイクロシーベルト以上を基準とし、その結果、子どもや妊婦がいる世帯が勧奨地点に指定された。しかし福島市は、子どもや妊婦がいる世帯について別な基準を設けなかったのだ。
この点について問いただすと、政府側は「渡利地区で50a高で毎時2マイクロシーベルトを超えた世帯は309世帯あった」と答えた。「南相馬の子どもと福島の子どもで、なぜ基準が違うのか! 福島の子どもは南相馬より放射能に強いとでも言うのか!!」。父親が怒りをたたきつけた。しかし政府側は「今後、除染をしっかりやる」と繰り返すばかりだ。
「私たちは必死で除染作業を繰り返してきた。でも除染した結果、ますます高線量が出る場所も出ている。もう除染では解決しないことがはっきりした。避難するしかないんだよ!」。住民の切実な訴えが続くが、政府側は「除染に取り組みます」と繰り返す。
しかもその除染も、すぐ始めるわけではない。「除染計画を立て、除染をする準備ができたら、除染に向けて調査を行います」というなめきった回答に、子ども福島の中手聖一さんは「それは結局、渡利が除染廃棄物の仮置き場や中間貯蔵施設を受け入れなければ準備が整わない、準備が整わなければ調査もしないということじゃないか!」と鋭く迫った。
政府側はとにかく呪文のように「除染、除染」と唱える。「一刻も早く避難させろ」と求めても「除染」、「再調査を行え」と求めても「除染」、「せめて除染が終わるまでの間、子どもと妊婦を避難させろ」と求めても「除染」。不誠実極まりない対応に、父親が「渡利には今も子どもが暮らしているんだ! 今この瞬間も、毎日毎日被曝させられているんだよ!」と声を荒らげた。
交渉終了後の集会では渡利の住民が次々とマイクを握った。「『国が安全だと言うんだから安全』という親もいる。でも子どもと妊婦はとにかく逃がしたい。その一点で一致をつくり出して頑張っていきたい」「先週金曜、うちの庭先を測ったら毎時5・8マイクロシーベルトだった。市の環境課に電話したら『電話が1日に何百件も殺到していて、対応しきれない』と言われた。除染なんて夢物語。4月からずっと除染してきたが、雨が降るたびに数値が上がる」
子ども福島の中手さんは「文科省の20_シーベルト問題とずっと闘ってきたが、今度は経産省の20_シーベルト問題だ。経産省は子どもに20_シーベルトを被曝させようとしている。あきらめるわけにはいかない。力を合わせて絶対に撤回させよう」と呼びかけた。
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注 特定避難勧奨地点
「警戒区域」「計画的避難区域」などに指定されていない地域でも高線量のホットスポットがあることが明らかとなる中で、国は6月から特定避難勧奨地点の指定を始めた。基準は「事故後1年間の年間被曝線量が20_シーベルトを超えると推定される地点」。これまで国が特定避難勧奨地点に指定したのは、南相馬市や伊達市、川内村の計245世帯。
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週刊『前進』(2511号4面3)(2011/11/07 )
もう黙っていられない 呼びかけ人と参加者の訴え
福島の女たちの座り込み行動の呼びかけ人と参加した女性たちの声を、今号と次号で紹介します。(編集局)
女たちは世界変える力持つ ハイロアクション福島 武藤類子さん
福島で暮らしていると日々、つらいこともいっぱいあります。すごく閉塞(へいそく)した気持ちにもなります。「もう黙っていられない。みんなで経産省の前に行って座り込んで、自分の身をそこに置いて訴えたい」という気持ちでこのアクションを企画しました。
もう一つ、私自身が元気になりたいと思いました。女たちが集まると、本当に元気になります。それが女たちの本当の力強さだと思います。
クロージング集会で「ふるさと」を歌ったのは、すごく思い入れのある歌だからなんです。去年8月6日、福島第一原発3号機にプルサーマルが入った当日、みんなで正門前で反対集会をした時にあの歌を歌ったんです。その時のことを思い出すと、いつでも泣きたくなります。
でも3日間の行動をやりきって、女が力を取り戻すことが世界を変えるカギだと確信しました。みんながもっともっと「自分の中に世界を変える力がある」ということを再認識して、世界を変えるために元気に行動を起こして欲しいと思っています。私たちのアクションが福島から日本中へ、そして世界中へ広がっていくことを心から望みます。
即時停止へ手を携えよう ハイロアクション福島 黒田節子さん
チェルノブイリ事故の後、私も小さい子どもの手を引いて第一原発の周辺をデモ行進した。だけど今になって思うとまだまだひとごとだった。
県外の人から「福島のお母さんはなぜ子どもを連れて逃げないのか」と言われるけれど、一人ひとり何種類もの困難を抱えている。それをのりこえた人は避難できたけれど、圧倒的多数は不安を抱えながら動けない。公的な力がないと多くの人は残されてしまう。国が正しい情報を正しく知らせるべきなんです。とにかく子どもの命が最優先。私たちが東京に来ているこの瞬間も子どもたちは被曝している。子どもたちをとにかく避難させて欲しい。
原発は即時にとめないとだめ。ましてや再稼働なんて話が出てくること自体が信じがたい。
この行動を多くの人が支持してくれて感激している。だけど、もはや福島だけの問題ではない。東京でも全国でも放射線量を測れば、どこでも高線量が出る状況。1億総被曝時代だし、みんなの問題。即時停止のため手を携えていきましょう。
「除染」はうそ
■田村市都路町から三春町に避難している女性
政治家や科学者がテレビで、あたかも除染したらきれいになるかのような話をするたびに「もう言わないで」と言いたくなる。口にばんそうこうを張ってやりたい。
5a以上の表土をはがしたら、古里は古里じゃない。山の木を切って表土をはいでしまったら、福島のよさは何もなくなる。みんな「古里に帰りたい」と言うけど、原発の爆発以前の古里に帰りたいんです。爆発以前の古里を返してください。
都路町は9月末で緊急時避難準備区域が解除されたけど、誰も帰りません。除染機を買うだけで「自分たちで除染しなさい」と。「そんなもんで除染できるか」とみんな怒っています。意味のない除染に使うお金があるなら、国が先導して、福島県を全部ほかの地方に移して欲しい。
事故の前から、原発で地域のコミュニティーは壊されていた。原発がきて以降、自殺者も犯罪者も激増しました。原発を推進する国はあまりにもわがままな国。絶対いい国にはなりません。原発はけっして人間が幸せになる道ではありません。
■福島県出身の母親とともに参加した14歳の中学生
おばあちゃんといとこが福島に住んでいる。いとこは14歳と16歳。放射能が心配だから、本当は避難してこっちに住んで欲しい。東電にはしっかり賠償する責任があると思うので、それを問いつめるために来ました。国と東電がきちんと賠償することを約束したら、避難できるようになると思うから。
■福島市在住の女性
25日夜のニュースで、原子力委員会の小委員会が「原発事故により、発電コストは1`ワット時で最大1・2円上昇する」と試算したというのを見たんです。「そんなコストを出すことなんてあるか!」とすごく腹が立ちました。
私はそのニュースに続きがあるかと期待したんです。「問題はコストじゃない。放射能の恐怖や不安を抱えて生活している人、避難している人が大勢いる」と。だけどこれだけ大変な目に遭っている人たちのことは何も言わなかった。
自分たちがこれから闘っていく相手が見つかった気がした。原子力委員会は福島の心の傷や恐怖心、不安や怒りを抑え込むための機関です。「やっぱり棄民だ」と思いました。声を大きくして訴えていかなきゃいけないと思って参加しました。
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週刊『前進』(2511号5面1)(2011/11/07 )
「復興特区」攻撃粉砕を
大資本が農地と漁業権を略奪
労働者には「アジア並み賃金」
民主党・野田政権は10月28日、東日本大震災の被災地での立地規制の特例や大資本への優遇策を進める復興特別区域(復興特区)法案を閣議決定した。小規模農家の農地を取り上げて集積する規制緩和、大資本による漁業権の略奪、大企業の法人税免除、進出企業への「復興」交付金、そして労働者には「アジア並み低賃金」と非正規職化を極限化させることが柱だ。大恐慌下で延命の展望を絶たれた日帝ブルジョアジーが、TPP(環太平洋経済連携協定)加入による農業破壊や弱肉強食的な産業政策への転換と一体で、むき出しの新自由主義的な国家政策に踏み切ることが狙いだ。労働者人民、農漁民の怒りは支配階級を震撼(しんかん)させている。11・6労働者集会の成功の力で野田政権打倒への全人民的決起を切り開こう!
猛然と反対に立ち上がる被災地漁民
6月に宮城県の村井嘉浩知事が、「復興構想」の一環として漁業への大資本の参入を促す「水産復興特区」を提案し、地元の漁業協同組合などが猛烈な反対運動に立ち上がっている。法案には「産業振興策」と称して、これまで地元の漁協が保有してきた漁業権を、新たに漁業に参入する大資本に明け渡す方針が明記されているのだ。
県の計画では、現在は町ごとに機能している沿岸の漁港を3分の1程度にまで「再編・集約」する。港湾そのものが、大資本に圧倒的に有利な形で「民営化(略奪)」され、廃業を強いられる大多数の漁民を、それらの企業に雇われる低賃金労働者に突き落とす計画なのだ。
こうした暴政を、震災と津波被害を利用して強行するのが「復興特区」攻撃の基本的性格だ。現在すでに、多くの地元漁民が津波の壊滅的被害に立ち向かい、協同組合的な相互扶助で生産手段を再建する闘いに乗り出しているが、こうした取り組みを援助するのではなく、真っ向から粉砕する攻撃なのである。
漁業権略奪などの「特例措置」を決定する権限は、国と地方自治体に参入企業を加えた「協議会」に委ねられる。「被災地の要望」と言いながら、地元の中小漁業者は政策意志決定のシステムから一方的に排除された。
また水産資源そのものに「所有権」を設定し、実質的に大資本の所有物にしてしまう狙いもある。将来的には漁業権自体も売買可能な取引対象に変える構想だ。世界的に新自由主義政策がはびこる中で、小規模の個人漁業者を廃業に追い込み大規模化を進めた欧米の漁業政策をまねている。
政府やマスコミは「漁業の衰退・漁業者の高齢化」を「特区」政策導入の根拠として宣伝するが、農業と同様に「グローバル化」による輸入自由化政策が「漁業危機」の原因だ。61年の輸入解禁開始時に6万dだった輸入量が05年段階で325万dに、50倍にも増えた。帝国主義的な乱獲競争と流通の結果でもある。復興特区やTPPに反対する闘いは、労働者人民と農漁民の共通する死活的課題となった。
農業破壊と農地集積(農地取り上げ)も、「復興特区」が強権的措置を導入するための突破口となろうとしている。菅政権下で農水省が4月に発表した「食料供給基地建設のための特措法」導入が背後で進んでいるのである。農地と宅地の新たなゾーニング(交換と集積による地域区分)などを行うために、農家の「権利規制」や農地の強制代執行も可能にする方向で検討されている。
当然だが、こんな一方的な農地取り上げがスムーズに進むことはあり得ない。三里塚農民を先頭とする農業破壊との闘いが日本農民の闘い全体をリードし、野田政権の末期的な新自由主義的政策に対する労働者人民の反乱の決定的な一翼を形成することは間違いない情勢だ。全人民的な階級的激突は不可避なのだ。
それゆえに日帝野田政権は、コメを含む農産物の輸入関税を撤廃(コメの関税は約778%)して、力ずくで中小規模農家を廃業に追い込むことを辞さないTPP戦略を一方で強引に推進しているのである。
全面的な非正規化と労働基本権解体
「復興特区」法案の一方の核心的な狙いは、日本経団連が5月に発表した「復興・創成マスタープラン」で強調した戦後的な労働・雇用政策の全廃である。このマスタープランで経団連は、@36(サブロク)協定の緩和などによる労働時間の無制限の延長、A変形労働時間制の規制の撤廃(労働者を使いたい時だけ使う)、B非正規雇用の雇用形態を続ける期間の法的制限(一定期間を過ぎれば原則的に正社員として雇用する企業側の義務)の撤廃、などを臆面(おくめん)もなく並べた。
日帝ブルジョアジーは現在の大恐慌と帝国主義間争闘戦における脱落状況を乗り切ろうと、TPP加入で大量の失業者を生み出すことをもテコにして、日本の労働者の賃金水準をさらに劇的に切り下げ、「アジア並み賃金」に近づける政策に踏み切ろうというのだ。復興特区によって、戦後憲法の柱の一つである労働基本権を一気に踏みにじろうとしているのだ。
経団連は「復興計画」を通して、公営住宅や道路、空港、港湾、医療・福祉、防災、廃棄物処理といった公共的インフラの整備や都市計画の立案から実施に至るまでを民間大資本に明け渡すべきだと主張する。米帝が南米チリやハリケーン被災地のニューオーリンズで強行したような無茶苦茶な略奪経済の導入を政府に要求しているのだ。日帝ブルジョアジー中枢は、すでにこのような極限的な富の集中政策以外に延命の道が絶たれていることを自覚している。階級戦争的な激突が不可避ゆえに、「特区法案」の条文ではこうしたむき出しの表現は抑えられているが、彼らは戦後的な「社会政策」を選択する余地がなくなったのである。この点が特区法案の決定的な特徴である。
被災地へ極限的な新自由主義の攻撃
危機を深めるブルジョアジーの主張は凶暴さを増している。戦後的「福祉国家」政策に憎しみを隠さない資本家や一部の国家官僚、法律家などは、中小企業金融円滑化法の延長で東北の企業倒産が表面上あまり増えていない状況に非をならし「倒産すべき中小企業はもっと市場から退場させよ」と主張する(10・31付日経新聞紙上シンポ)。そして大金融資本を救済する必要を説き、「公平・公正」「コンプライアンス(法令順守)」などの考え方自体を廃棄すべきと主張する。
小泉政権下で中小企業をつぶしまくった政府「産業再生機構」の元委員は、「成長戦略の基本はグローバル経済圏で勝つことにつきる」として、国内の雇用維持政策は粉砕すべきだと公言する。「特区」法案で企業減税が強調されているが、海外の安い労働力を略奪的に搾取し、国外での総利益が7千億j(約53兆円)に達するアメリカの多国籍企業が、利益のわずか2%強の160億j(約1兆2千億円)しか税金を支払っていない”実績”を見習うべきだというのだ。
現在、大規模な消費増税を要求する日帝ブルジョアジーは、一方でこのような巨大企業の脱税が制度化された米帝の新自由主義政策を称賛し、「高齢者が金融資産を持っていること自体が問題。社会保障を切るべきだ」と公言するのである。大金持ちの彼らにとって国家の「社会福祉」そのものが不要であり粉砕の対象なのだ。これが、人民の命に直接関わる医療まで徹底的に民営化せよと主張するブルジョアジーの論理だ。
これらは、TPP加入と日米同盟政策のエスカレートに突進する野田政権とブルジョアジーの政策全体の方向性を明確に示すものだ。民主党政調会長の前原は「集団的自衛権の承認や武器輸出を解禁すべき」と発言(9月7日)し、「GDP1・5%の農業保護のために98・5%の産業が犠牲になっている」(昨年10月19日)とのデマを振りまわしている。
「復興特区」攻撃をテコとする新自由主義攻撃の全面化と根底的に対決し、原発再稼働・大失業攻撃に真っ向から反撃する階級的労働運動の爆発こそが労働者人民とすべての農漁民の回答だ。
(盛田幸三)
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週刊『前進』(2511号5面2)(2011/11/07 )
玄海原発の再稼働弾劾
「地元の了解は必要ない」 全人民を敵に回し強行
九州電力は11月1日午後11時、玄海原発4号機の再稼働を抜き打ち的に強行した。その直後の2日未明には、福島第一原発2号機の格納容器内のガスから半減期がきわめて短いキセノンが検出された。これは、原子炉内で核分裂反応が起きていることを示すものであり、東京電力は一時的な臨界状態が発生した可能性があるとして、核分裂を抑制するホウ酸水の注水作業を開始した。
福島第一原発事故は何ひとつ「収束」に向かってなどいない。東電と政府が言う「年内に冷温停止状態をめざす」などというのは完全にでたらめだ。今なお核分裂反応が収まっていないばかりか、大規模な再臨界の可能性、再度の爆発による「死の灰」の新たな大量拡散の可能性さえある。
そのさなかに原発を再稼働した野田政権と電力資本は、まさに人間の命に対して凶悪な刃(やいば)を向けたのだ! もはや実力で野田政権を打倒しなければ、労働者人民の命は守れない。
3・11以降、停止していた原発を再稼働するのは玄海原発が初めてだ。玄海原発4号機は、10月4日に2次系冷却水を海水で冷やす復水器の異常により原子炉が自動停止して以降、運転を止めていた。経済産業省の原子力安全・保安院は10月31日、九電が提出した原因調査報告書を「妥当」とし、九電の判断で運転を再開してもよいとゴーサインを出した。これを受け、九電は直ちに再稼働に突き進んだ。
4号機は12月に定期検査で再び運転を止めることになっている。それでも野田政権と電力資本が再稼働を強行したのは、なんとしても「原発再稼働」の実績をつくりたいからだ。彼らは、このままでは全原発が停止に追い込まれかねない状況を覆すために、一大反革命に打って出てきたのだ。
9・19明治公園には6万人が集まり、原発即時停止の声を上げた。10月27日からは福島から上京した女性たちが経産省前に座り込み、原発の再稼働をするなと命の底からほとばしるような叫びを上げた。それに対する野田の回答がこれなのだ。
九電は、「やらせメール」問題が暴露されてもそれを居直り、この問題の張本人である九電経営者や古川康佐賀県知事の利権を守ることに躍起となってきた。そこで突き出されたのは、何が起きても責任をとらず、自己保身のみをこととする、「原子力村」の体質だ。こんな無責任な連中が危険きわまる原発を動かし、人間の命をもてあそんでいるのだ。
九電は、玄海原発再稼働に当たり、「地元の了解はある意味必要ない」と言い放ち、国もそれを容認した。7月再稼働を阻んだ佐賀県民の怒りの声を忘れたか! 地元住民の意志は原発再稼働ノー! 原発廃止!だ。
反原発の闘いは、今回の玄海原発再稼働でまさに死活をかけた大決戦に突入した。福島の怒りとどこまでも連帯し、野田政権を打倒しよう!
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週刊『前進』(2511号5面3)(2011/11/07 )
ヒロシマ女たちの座り込み
被爆者先頭に 経産省前と連帯
10月27日、福島の女たちが行う経産省前での座り込みに連帯して、島根原発や上関原発を推進している中国経産局の前で「ヒロシマ女たちの座り込み」が行われた。緊急のよびかけに45人の女性たちが駆けつけた。
午前10時から午後3時まで、午後1時からの中国経産局と経産省・文科省・野田内閣への申し入れをはさんで5時間の座り込みが続いた。
マイクを持つのは初めてという女性たちを含めて次々とアピールが行われ、「子どもたちを放射能から守ろう」「今すぐ原発とめよう」「再稼働反対」「ヒロシマは福島とつながろう」の声が官庁街に響き渡った。
反戦被爆者の会の下田礼子さんを始め被爆者たちは、「自分たちが経験した悲しみを福島の子どもたちにくり返させてはならない」「被爆者は闘って政府に被爆医療を保障させてきた。フクシマでもそういう行動が必要」と訴えた。
セイブ・ザ・イラク・チルドレン広島の大江厚子さんは、劣化ウラン弾によるイラクの子どもたちの被害を弾劾し、すべての英知を結集して福島の子どもたちを守ろうとアピール。高陽第一診療所労組は「被爆者のための医療が必要で、高陽第一診療所を建設してきた。フクシマにも被曝者のための医療が絶対必要だ」と発言。福島の子どもたちの疎開を支援している女性、保育園の給食に汚染された野菜が使われようとしたことに声を上げたお母さん、原発推進の育鵬社教科書を弾劾する女性などなど。
中国経産局は何人もの「担当者」を局内外に配置して、一日中ピリピリ。申入書は座り込み現場で2人の代表が読み上げて提出した。「ウソとやらせと札束でつくられた安全神話が崩れ去り、平和利用という口実ももはや通用しない今、一握りの資本家の金もうけのためなら、自然も、生活も、地域の共同体も、なによりも命も破壊し切り捨てるなど絶対に許せない」と、野田政権の原発再稼働・原発輸出を強く弾劾し、すべての原発の廃止まで闘い続けることを表明した。
福島の女性たちに連帯するこの日の行動は、広島の女性たちに確実に火をつけた。すべての原発を止めるまでけっして消えることはない。広げていこう!
(広島I・I)
(写真 中国経産局の職員を「ヒロシマ女たちの座り込み」現場に呼び出し、全原発即時廃止を申し入れ【10月27日 広島】)
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週刊『前進』(2511号5面4)(2011/11/07 )
国際労働運動 12月号
自衛隊兵士の獲得を
3・11東日本大震災と福島第一原発事故は、労働者人民に巨大な被害をもたらした。福島第一原発事故は、チェルノブイリを上回る巨大事故であり、日帝は「国家存亡」の危機に陥った。中でも大動員された自衛隊員は大量被曝し、自衛隊は発足以来の大動揺と危機に直面している。隊員は生命の危険、被曝による放射線障害の危険にさらされた。兵士も自衛隊の中で闘わなければ生きていけない。11・6労働者集会の大成功をバネに階級的労働運動の力で自衛隊兵士を獲得する時である。
第1章。3・11から174日間、自衛隊兵士は原発事故現場と周辺地域での活動で大量被曝した。この被曝実態を暴き、反軍闘争の課題を明らかにしている。
第2章。原発事故対処で日米は対立した。日帝は事故処理に失敗し、脱落帝国主義のレッテルを張られた。恐慌・震災・原発事故で日帝に未来はないと断じている。
第3章。大震災後の「トモダチ作戦」で、自衛隊の弱点・欠陥が暴かれた。自衛隊内部はボロボロだ。防衛省・自衛隊は、中国侵略戦争に向かって自衛隊の構造改革を打ち出しているが破綻的だ。
翻訳資料は、アメリカのデモクラシー・ナウ放送が10月3日に放送した「ウォール街占拠運動3週目に突入」。目撃者から闘いの様子が生々しく語られている。
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週刊『前進』(2511号6面1)(2011/11/07 )
辺野古新基地建設阻止へ
日米安保体制の転覆に進む時代がついに来た
革共同沖縄県委員会
11・6労働者集会は、世界大恐慌と3・11情勢下の反原発・反失業の国際連帯行動として歴史的な勝利を闘いとった。全参加者が被災地とりわけ福島の怒りと一体化した新たな闘いを決意した。同時にこの闘いは、米日帝国主義による対中国対決を核心とした日米安保同盟の強化=辺野古への新基地建設攻撃とTPP(環太平洋経済連携協定)に対する大反撃として闘われた。
日米首脳会談を転機に移設推進へ必死の野田
世界大恐慌で没落の危機にあえぐ米帝と、さらに3・11の直撃で帝国主義の世界体制から脱落し始めた日帝は、その唯一の延命策としてTPPと日米安保同盟の強化にかじを切り始めた。日帝はそれがどれほど危機と矛盾に満ちていようが日米安保体制を帝国主義としての基本路線=世界戦略として「再確認」したのである。野田政権は、自民党政権以上にブルジョアジーの利害を体現し、しかも連合を一方の足場として登場した。
9月21日の日米首脳会談でオバマは06年5月のロードマップの履行を迫り、野田もこれを受け入れた。ここが転換点となった。それ以降野田政権は次々と閣僚を沖縄に送り込み、アセスメント(環境影響評価)の年内提出を通告し、辺野古移設の推進を公言した。さらに10月25日に来日したパネッタ米国防長官は、日本政府に埋め立て申請を早期に行うよう要求。27、28日と連続で仲井真知事と野田が会談したのも異例の事態だ。野田は28日の所信表明演説で「日米合意を踏まえつつ……普天間飛行場の移設実現に向けて全力で取り組む」と自らの決意を再び三度明らかにした。
このような動きと呼応して、26日には名護市で辺野古移設容認派が「大会」を開き、島袋前市長が「基地問題は経済とリンクする」と「(振興策との)リンク論」を公言して誘致活動を公然と開始した。八重山の教科書問題や、与那国島への自衛隊の誘致活動と一体の重大な事態だ。
八重山では、石垣市教育長を先兵として原発推進・戦争賛美の育鵬社版中学校公民教科書の採択が策動されたが、労働者人民の怒りの決起のもと、八重山地区の全教育委員出席の協議会でそれは覆され、東京書籍版の採用が決まった。ところが、文科省はこの決定を認めず、八重山採択地区協議会の選定が有効であると主張している。しかし一方で文科省は、竹富町教育委員会の東京書籍版の採択を認めざるを得ないというジレンマにたたき込まれている。育鵬社版を押しつけようという文科省のもくろみは大破産しようとしている。
日米帝は、辺野古新基地建設が進展していないことで追い詰められており、絶望的な攻撃にのめり込んでいる。言っていることはでたらめで許しがたい。「普天間を固定化させないために」「沖縄の負担軽減のために」などとあたかも沖縄のためであるかのようなペテンを弄(ろう)しているが、まったく説得力はない。政府は沖縄の労働者階級人民の怒りの前に恐れおののいているのだ。
来年には垂直離着陸輸送機MV22オスプレイを普天間基地に配備強行しようとしている。徹底粉砕あるのみだ。
世界大恐慌と3・11情勢下で沖縄の階級闘争が、むきだしの激突局面を迎えたのである。
安保と沖縄こそ日米帝の矛盾点
今日の情勢をあらためて帝国主義の戦後世界体制、その中での米帝と日帝の強盗同盟としてある日米安保同盟の関係としてとらえるとどうなるのか。帝国主義による戦後のアジアと世界支配の重要な柱が日米安保同盟であった。しかしこの軍事同盟はその中に帝国主義同士の軍事同盟としての矛盾と危機を常にはらむものであった。したがって、双方の帝国主義にとって日米安保同盟は自らの世界戦略としての位置を持ち続けるとともに、その内部で危機と矛盾を深めていくことになった。そして帝国主義の戦後世界体制の危機の進行は、一層この強盗同盟の「唯一性」とその内的危機と矛盾を極限化させる。これが世界大恐慌と3・11情勢下で行われた9・21の日米首脳会談をもって始まった新たな事態の核心である。つまり日米安保同盟の終わりの始まりである。
この危機と矛盾は結局、労働者階級人民へと転嫁される。78年ガイドライン=日米安保の原理的転換とは74〜75年恐慌から開始される新自由主義攻撃と一体の攻撃であった。安保体制の危機と矛盾が新自由主義攻撃として労働者階級に襲いかかったとも言える。
闘う労働組合を甦らせ沖縄を革命の火薬庫に
日米両帝国主義と日米安保同盟の危機と矛盾が最も集中するのが日米安保同盟の「要石」である「基地の島」=沖縄となるのは、その必然的結果であった。「基地の島」からの解放を求めて闘われた「復帰」闘争は、全軍労の労働者の血みどろの闘いを先頭に、「基地が墓場になった」と時の米軍権力者に言わしめた闘いだった。
そして「復帰」以降の沖縄の労働者階級人民の様々な闘い(「5・15体制」との闘い)とは紛れもなく新自由主義との闘いそのものだった。その決着をつける時代がついに到来した。先に述べた辺野古への誘致活動や八重山の教科書問題、そして与那国島の自衛隊誘致などは、明らかに新たな攻防の開始を告げ知らせている。
その中で辺野古新基地建設阻止闘争は、15年にわたる実力闘争の中で勝利を切り開いてきた輝かしい闘いとして今も米日帝国主義の前に立ちはだかっている。それは新自由主義攻撃との闘いの最先端の攻防として日々勝利を刻印している。
だからこそ、辺野古新基地建設阻止闘争の勝利に向かっての飛躍と試練もまた、全世界の労働者階級の課題とまったく同じである。すなわち階級的な労働運動を職場生産点からよみがえらせ、闘う労働組合を沖縄の階級闘争の最前線に登場させるということだ。とりわけ、民営化され、外注化された職場で偽装請負のもとで働かされている多くの非正規雇用の青年労働者の、この現実を覆していく闘いが、辺野古新基地建設を阻止する新たな反戦反基地闘争を爆発させていくだろう。
世界大恐慌と3・11情勢下においてこそ、沖縄は「革命の火薬庫」としてその闘いの真価が問われている。反原発・反失業、国鉄闘争勝利の11月労働者集会が切り開いた道が、辺野古新基地建設攻撃を打ち破る道だ。来年の「復帰」40年をめぐる決戦は、辺野古を最先端の攻防点として21世紀の沖縄を決する全面的な階級決戦となった。その勝利へ、すべての沖縄の労働者は革共同沖縄県委員会に結集して闘おう!
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週刊『前進』(2511号6面2)(2011/11/07 )
那覇 “原発も基地もいらない”
福島と連帯しデモ
10月30日、那覇市で「NO原発!NO基地!福島とつながる10・30沖縄デモ」を労働者、学生、子どもを連れたお母さんなど50人の参加でかちとりました。
デモの出発前、県庁広場前集会であいさつに立った青年労働者と学生は、「野田政権が福島の声を押しつぶして原発の再稼働、新増設や輸出に踏み出そうとしていることを絶対に許さない。今すぐ原発をなくすために、沖縄から福島の人たちとつながるデモをやろう。辺野古への新たな基地建設を絶対に止めよう。原発も基地も、根っこは一つ。沖縄から基地をなくす闘いは、福島を中心とした原発をなくす闘いと一つに結びついたときに展望が開ける」とデモの意義を訴え、次の行動方針として11・6全国労働者総決起集会、12・11全国アクション企画への結集を呼びかけました。
集会ではまた、福島からの避難者のメッセージ、9・19明治公園のフクシマアピールが紹介され、沖縄の元基地労働者が「福島の原発は日本の核武装のため、沖縄の米軍基地はアメリカの侵略戦争のためにつくられた。今日のデモは重要だと考えて参加した」と決意を語りました。
デモ隊は、福島出身の姉妹が先頭に立って出発。「原発いらない!
基地もいらない!」「社会を変えよう! みんなで変えよう!」という怒りと熱気にあふれたコールは沿道から大注目を浴び、手を振ったり、拳を突き上げたり、デモに飛び入りで参加したりといった光景がいたるところで見られました。修学旅行で那覇を訪れた高校生たちが「すっげーリズムいいじゃん」とコールを唱和する場面も。
原発再稼働と辺野古新基地建設へと突き進む野田政権を打倒しよう! フクシマの怒りと連帯しよう!
(学生・U)
(写真 「基地も原発も根っこは同じ問題」。青年労働者、学生、子ども連れの母親ら50人が国際通りを熱気あふれるデモ【10月30日 那覇市】)
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週刊『前進』(2511号6面3)(2011/11/07 )
“学生を被曝させるな”
全学連が文科省に申し入れ
10月28日、全学連と福島大生は、学生の被曝を許さず安全な教育環境を保障することを求めて文科省に対する申し入れを行った。
全学連はこの日、法大包囲デモを打ち抜き、経産省前の座り込み行動に合流した後、文科省内の一室に向かった。申し入れ人である森川文人弁護士と佐藤幸子さん(子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク世話人)も同席し、約20人で文科省を追及した。
申し入れの内容は、@「年間20_シーベルト基準」を撤回し、除染もしくはキャンパス移転などあらゆる手段を用いて学生の安全な教育環境を保障すること、A国立大学法人化体制の撤回、B原子力予算を廃止し学費に充てることだ。
文科省は「全国大学等の協力による空間放射線量の測定を実施している。年間20_シーベルト基準は事実上廃止し、年間1_シーベルト以下を目標にしている」「法人化は学問の自由に抵触しない」「原子力関連予算は除染の技術開発のもの」などと答弁した。
あたかも放射能汚染の対策をとっているかのように言うが、現場では何もやられていない。こうした文科省の官僚答弁に、福島大生の怒りが爆発した。「原発事故の被害を受けても省庁から何の説明もない。非常に怒っています。福島大の寮の前は毎時1・5マイクロシーベルトですよ。何をやっているんですか」「福島大の校内はすごく放射線量が高い。安心して大学に通うにはまだ遠い話。文科省は具体的な対策をとっているんですか」
これに文科省は沈黙。
全学連は「法政大は放射線管理区域を超える放射線量だ。福島大はもっとひどい。何の対応もしていない。学生が被曝していることにどう責任をとるのか」と鋭く迫った。また、「除染さえすればいい」という文科省の無責任な態度についても「問題は学生を被曝させないために何をするのかではないのか」と文科省の立場を質した。
佐藤幸子さんは「渡利地区は年間20_シーベルト以下だから避難させないという。いまだに20_シーベルト基準はひきずっている」と20_シーベルト基準が撤回されていないことを暴いた。
文科省は、学生の切実な要求に回答することができない。最後に「福島大学に除染の要請があった旨を伝える」と答えるのみであった。
文科省のもとでは学生の未来はない。すべての大学から反原発の闘いを巻き起こそう。
(写真 全学連と福島大生らが予定時間を超えて、被曝の責任について文科省を追及【10月28日 文科省】)
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週刊『前進』(2511号6面4)(2011/11/07 )
法大デモ 福島大生も合流
大学から原発再稼働阻め
「原発再稼働止めよう!」「学生として原発反対!」――10月28日、文科省申し入れ行動に先立ち、第3波法大包囲デモが大高揚しました。この日の法大デモは、10・21福島大学闘争の勝利を引き継ぎ、福島大生と全国学生とともに原発反対の怒りの声を上げました。10・21福島大学闘争に決起した福大生は、その後も福島大学当局からのしつこい呼び出し攻撃をはね返して、法大キャンパスにかけつけてくれました。法大デモは、原発への怒りと、学生の熱気に満ちあふれました。
デモ出発前、市ケ谷キャンパスの正門前では、法大生の圧倒的注目の中、昼休みのチャイムが鳴ると同時に、斎藤郁真全学連委員長の「学生注目!」のかけ声で集会が始まりました。
「法大生のみなさん! 目の前にいる弾圧職員、こいつらこそが『原発』の正体だ」と法大当局の弾圧体制を弾劾しました。そして、「これまで法大当局は『安全な教育環境のために』と言って一体何をやってきたのか! 学生への処分や逮捕、学祭規制だ。こんなものは全部デタラメだったんだ。今日はあの20_シーベルト基準をつくった文部科学省に抗議行動を行います。ともに声を上げよう」と法大生に熱く訴えました。
続いて、京都大学の大森靖之全学連副委員長、東北大学学生自治会の仲間が次々とアピール。このかん福島大学現地行動隊として闘っている学生からの「今日は福島大生が来ています」という報告で、キャンパスの高揚は最高潮に達しました。
学生の団結した行動こそが、原発をとめる力です。野田政権の原発再稼働攻撃に最も加担しているのが福大当局であり、法大当局です。大学として原発に反対するどころか、どれだけ学生の未来が奪われようとも原発にすがって金もうけをやろうとしている。こんな腐った連中を大学からたたき出し、キャンパスを学生の手に取り戻そう。法大と福大から原発廃絶の闘いを大爆発させていこう!
(法大・H)
(写真 「原発再稼働を止めよう」「学生として原発反対」と訴え法大包囲デモ【10月28日 九段北】)
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週刊『前進』(2511号6面5)(2011/11/07 )
障害者総合福祉法 絶対反対で闘おう
10・28 日比谷で情宣
10月28日、日比谷野音で開かれた日本障害フォーラム主催の「創ろうみんなの障害者総合福祉法を!」集会に、新自由主義と闘い障害者総合福祉法制定攻撃と対決する「生きさせろ!障害者総合福祉法絶対反対!全国運動」が門前に登場し、のぼりを立てて情宣した。参加者との多くの討論の渦をつくりだし、11・6労働者集会への賛同署名は210筆、チケット購入60枚という福島の怒りに応える圧倒的合流を呼び起こした。
障害者総合福祉法とは、福祉事業の大民営化と障害者団体を丸ごと政権に取り込む大攻撃だ。
すでに障害者基本法が8月に制定され、新たに「消費者としての障害者の保護」が明記された。障害者総合福祉法の掲げる「差別禁止」「介助支給量規制の撤廃」は、障害者市場に投下される資本の規制や制限を撤廃して、障害者を徹底的に消費者として機能させるために「自己決定権」や「契約の自由の獲得」を叫んでいる。
ヘルパー労働者や作業所運営に対しては、徹底的な民営化と非正規職化、利潤追求のための”成長”が押しつけられる。実際、医療行為であった「たんの吸引」がヘルパー業務になる。学校や鉄道や自治体など、障害者介助のための人員確保として、一層の非正規職化が公務員減らしと一体で計画されている。差別撤廃・人間解放とはまったく無縁だ。
社民党、共産党や塩川派は総合福祉法の制定を目指しながら「予算を確保しよう」と叫ぶ。しかし、予算を投下する仕組みが丸ごと民営化されることには沈黙する。問題は、資本の立場に立つのか、障害者が新自由主義と闘い労働者とともに「生きさせろ!」の闘いに立つのかだ。障害者総合福祉法絶対反対を掲げ、障害者の総決起をかちとろう。
(写真 福祉の大民営化反対を訴え11・6集会への参加を呼びかけた【10月28日 日比谷野音前】)
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週刊『前進』(2511号6面6)(2011/11/07 )
10月25日〜31日
米韓が新共同作戦計画策定へ/ベトナムと原発輸出共同文書
日米防衛相会談で辺野古移設進展を米に確約 パネッタ米国防長官が来日し一川防衛相と会談、普天間移設の進展を強く求め、防衛省は辺野古移設へのアセスメント評価書を年内に沖縄県に提出することを確約した。(25日)
●農業への政府基本方針を決定 政府の「食と農林漁業の再生推進本部」が農地の集約による大規模化など、TPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加を視野に入れた国内農業の基本方針と行動計画を正式決定した。(25日)
●陸自が過去最大規模の実弾射撃訓練を計画 防衛省は11月10日から大分県の陸上自衛隊日出生台演習場で、島嶼(とうしょ)部や重要施設の防衛を想定した過去最大規模の実弾射撃訓練を行う方針を打ち出した。(26日)
●文科相が教科書自費購入求める 沖縄・八重山での教科書採択問題で、育鵬社版とは異なる教科書を採択した竹富町に対し、中川文科相が教科書の自費購入を求めた。(26日)
●欧州諸国が金融危機対策で合意
ユーロ17カ国首脳会議がギリシャ債務の50%棒引きなど、危機の拡大を封じる包括策で基本合意した。(26日)
●米韓が新たな共同作戦計画策定へ
パネッタ米国防長官と金寛鎮韓国国防相がソウルで会談後、記者会見し、昨年11・23ヨンピョンドでの砲撃事件のような北朝鮮による局地的な武力挑発発生時に、在韓米軍だけでなく在日米軍の戦闘機と海兵隊の迅速投入をも盛り込んだ米韓の共同作戦計画を年内に策定すると発表した。(28日)
●復興増税法案を提出 政府は第3次補正予算案とともに復興増税確保法案を国会に提出、野田首相が所信表明演説で増税への理解を求めた。(28日)
●国家戦略会議が初会合 政府の国家戦略会議が首相官邸で初会合を開き、日本再生の基本戦略を年内に策定する方針を決定した。(28日)
●人勧見送りを正式決定 政府は国家公務員給与を平均7・8%削減する臨時特例法の早期成立へ向け、今年度の人事院勧告を実施しないことを正式決定した。(28日)
●福島第一原発、廃炉に30年以上 原子力委員会が、福島第一原発1〜4号機の廃炉完了に「30年以上を要する」との報告書原案をまとめた。(28日)
●福島県内に中間貯蔵施設建設 政府は福島原発事故で汚染された廃棄物の中間貯蔵施設を福島県内に設置し、2014年度に稼働させるという工程表を公表した。(29日)
●インドと原子力協力確認 玄葉外相がインドのクリシュナ外相と会談し、日印原子力協定締結交渉を進展させることで合意した。(29日)
●過去最大の為替介入 円が連日戦後最高値を更新する中、政府・日銀は1日で10兆円規模という過去最大の市場介入を日本単独で実施した。(31日)
●原発ベトナム輸出を確認 野田首相がベトナム首相と首相官邸で会談し、日本からベトナムへの原発輸出を進める共同文書に署名した。(31日)
●米証券大手が破産 欧州国債を大量保有していた米のMFグローバル・ホールディングズが倒産。(31日)
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週刊『前進』(2511号7面1)(2011/11/07 )
石川一雄さんと連帯し狭山集会
部落民の石川一雄さんを女子高生誘拐殺人事件(狭山事件)の犯人にデッチあげ、無期懲役とした東京高裁・寺尾判決37カ年を糾弾し、11・6労働者集会1万人結集の力で狭山第3次再審闘争に勝利しようと、東京と広島で部落解放共闘会議による狭山集会が開催された。
(写真 東京高裁への要請糾弾行動に先立ち、門前でシュプレヒコールをあげる要請団【10月28日 東京高裁前】)
東京 福島の怒りと一体で 杉並・品川支部を先頭に
東京高裁糾弾行動に立つ
10月28日、霞が関の経済産業省前での「原発いらない福島の女たちの座り込み行動」と一体で、部落解放東日本共闘会議の仲間は、部落解放同盟全国連杉並支部と品川支部を先頭に東京高裁への要請糾弾行動に立った。
狭山裁判での事実調べと再審開始を求める要請団に、対応した訟廷管理官は「答えられない」の一点張り。しかし、昨年開示された石川さんの逮捕当日の上申書と、真犯人の脅迫状のコピーを突きつけ、「これが同一人物の書いたものか」と迫ると、管理官は顔色を変え動揺が隠せない。
動労水戸の木村郁夫書記長は「新証拠があるのに事実調べを行わないのは、原発事故の情報隠しと同じだ」と糾弾した。制限時間も超過する迫力ある要請の最後に、街頭や職場で集めた署名を提出した。大勝利だ。
要請団は続く高裁前での情宣後、経産省前の座り込みに合流した。
狭山・西郡闘争の勝利へ
29日昼、解放共闘の仲間は前日に続き、福島の女性たちとともに国と東電への怒りを解き放つ座り込みとデモ、経産省包囲行動を闘った。夕方からは品川の南部労政会館に73人が集まり、解放共闘主催の狭山集会をかちとった。(写真)
「差別裁判うち砕こう」を斉唱した後、狭山闘争支援者にあてた石川さんのメッセージが読み上げられた。「証拠開示は専権事項」として開示を拒否する検察を弾劾し「『無罪・勝利』までとことん闘い抜く」という、支援者の奮起を促す決意を全員が胸に刻んだ。16日に福島の仲間を迎えて反原発・住宅・狭山全関西集会をかちとり、西郡更地化・廃村攻撃に支部1千名建設で立ち向かう全国連西郡支部からもメッセージが寄せられた。
基調報告を全国連杉並支部の田中れい子支部長が行った。「フクシマの怒りと一つになり、反原発・反失業闘争を闘おう。西郡住宅闘争を全国的闘いに押し上げ、新自由主義と対決する部落解放運動の力で狭山闘争に勝利しよう」と鮮明に提起し、「11・6日比谷を1万の団結で埋めよう! 原発再稼働阻止! 野田政権打倒へ突き進もう!」と呼びかけた。
全学連の内海佑一君が2週間にわたる福島現地行動隊での奮闘を特別報告。動労千葉の滝口誠特別執行委員は主催者としてあいさつし「石川さんの闘いと国鉄1047名解雇撤回闘争は一体だ」と確信を込めて語った。
決意表明の冒頭、勝田車両センターの動労水戸執行委員が、被曝労働拒否の2波のストライキで青年も決起して放射能で汚染した車両の検修を阻止したと報告した。職場を基礎にした実力闘争の威力に大きな拍手がわき起こった。
東京労組交流センターの自治体労働者、婦人民主クラブ全国協議会・関東ブロックに続き品川、杉並支部が発言した。
品川支部は「要請行動の後の高裁前街宣で署名した人がここに参加している。やればできる。11・6集会に地域の青年も参加する」。杉並支部の西田尚史君は「27日から3日間、経産省前の座り込みに参加した。労働運動で原発を止められる」。自己解放性あふれる両支部の決意は、階級的団結の拡大で狭山闘争と西郡住宅闘争に勝利し労働者階級の解放を通して部落解放をかちとるという、新自由主義と対決する部落解放闘争の路線を体現する豊かさに満ち感動を呼んだ。
最後に、解放共闘事務局次長の大西文夫西部ユニオン書記長がまとめと行動提起を行い、11・6集会1万人結集へのラストスパートに入った。
広島 “西郡の闘いに続く” 新自由主義打倒へ決意
10月30日、広島市福島町の旧西隣保館で、部落解放広島共闘会議主催の狭山集会が開催され、解放共闘に結集する広島の労働者、学生ら33人が集まった。
冒頭、西郡支部を先頭に闘われた10・16全関西総決起集会のビデオが上映された。西郡廃村化、民営化攻撃に対して、どこまでも階級的団結を求め、強化し、拡大して闘う西郡支部、八尾北労組の姿に感動が広がった。
続いて、解放共闘代表の富村寛久さん(元広教組組合員)が開会あいさつに立ち、「10・16関西、10・29東日本解放共闘集会の成功を引き継ぎ、石川一雄さんの怒りをわが怒りとして、11・6労働者集会へ攻め上ろう」と訴えた。
集会のメインは革共同の秋月丈志同志を講師とした「新自由主義と対決する部落解放闘争論」の学習講演だ。
秋月同志は『共産主義者』170号の柏木俊秋論文を土台に、@党の革命から7月テーゼ、綱領草案にいたるマルクス主義・労働者自己解放論の再確立の闘い、A「広島差別事件」をデッチあげ、完全に破産した全国連中央や塩川一派らの血債主義・糾弾主義の根底的批判、B階級的労働運動路線の前進、C何よりも本年の支部6回大会にいたる西郡支部と八尾北労組の闘いを通して、〈新自由主義と対決する部落解放闘争の路線〉が確立されたことを明らかにした。
なかでも部落民を「分断攻撃に対して団結拡大で応える階級的自己解放の主体」としてとらえきったことが、決定的地平であることを強調した。
さらに、80年代地対協路線以来の部落解放闘争解体攻撃が、国鉄分割・民営化と完全に一体の新自由主義攻撃であること、それゆえ部落解放闘争は、反原発と国鉄闘争を軸に新自由主義を打倒する闘いの先頭に立ち、プロレタリア革命の戦略的一環として闘われることによってのみ勝利できることを鮮明にした。
最後に、国家権力と非和解で闘う石川さんの怒りは、フクシマ・被災地の怒り、新自由主義への根源的反乱を開始した全世界の労働者階級の怒りであり、9・19反原発6万人決起から11・6へ、反原発・反失業の歴史的大闘争に立ち上がる巨万の労働者階級人民の力で狭山闘争の勝利をかちとろうと呼びかけた。
学習講演を通して、解放共闘の仲間たちはこの数年間の闘いの地平に圧倒的確信をもち、西郡を司令塔とする新たな部落解放闘争を広島の地からつくりあげていくことを決意した。
福島町で住宅闘争をともに闘ってきた広島連帯ユニオン草津病院支部は「労組つぶしの弾圧に石川さんとともに非和解で闘う」と決意を表明し、全学連の広島大1年生は11・6への総結集をアピールした。最後に、広島県労組交流センターから11月への行動方針が提起され、全体の拍手で確認した。
(部落解放広島共闘会議・K)
(写真 学習講演を通じこの数年間の闘いの地平に圧倒的な確信をもった解放共闘の仲間たち【10月30日 広島市】)
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週刊『前進』(2511号7面2)(2011/11/07 )
石川さんは無実だ
(写真 左 真犯人の脅迫状) (写真 右 石川さんの上申書)
上の写真を比べてほしい。左が真犯人が残した唯一の物的証拠の脅迫状。右は石川さんが不当逮捕された63年5月23日に書いた上申書で、47年間隠され昨年5月開示された。身代金20万円を取りそこねたのは「わたくしのやたことでわありません」と無実を主張している。被差別部落に生まれ育った石川さんは小学2年で農作業に出るなどして働き始めたため、ろくに学校に行けなかった。脅迫状と上申書の筆跡、筆記能力の違いは歴然としており、同一人物が書いたものではない。
これまで、逮捕2日前に自宅で書かされた上申書などが開示され、脅迫状との違いが検察と裁判所を追いつめてきた。しかし1974年、東京高裁・寺尾は「筆跡は同じ」として無期懲役判決を出した。ところが2002年、高裁・高橋は第2次再審請求棄却の異議申し立てに対し「同じ書き手でも心理状態などで筆跡が違ってみえる」ことを認め、05年、最高裁・島田もこれを支持した。寺尾確定判決は完全に破綻している。
開示された上申書は事実調べ・再審開始への決定的武器だ。
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週刊『前進』(2511号7面3)(2011/11/07 )
法大弾圧裁判 暴処法弾圧
論告内容は想像の産物
実行行為特定できない検察
10月26日、法大暴処法弾圧裁判の第26回公判が東京地裁刑事第1部(若園敦雄裁判長)で行われた。この日は検察官による論告求刑となり、織田陽介君と新井拓君に懲役1年2カ月、恩田亮君と増井真琴君と内海佑一君に懲役1年が求刑された。法大学生運動に対する政治的デッチあげ弾圧の意図をむき出しにした攻撃であり、断じて許すことはできない。
検察官による論告求刑の読み上げに先立って、織田君が意見表明を行った。
「これから行われる論告は検察立証の破綻を居直るものだ。裁判では誰が何をしたのかも、どんな実行行為があったのかすらも特定できなかった。そして、なぜ暴処法という違憲の法律が適用されるのかも明らかにしなかった。新自由主義との闘いの焦点となっている大学で、学生運動をつぶすことだけが目的の政治弾圧だったからだ。ホットスポットが発見された法大や、年間20_シーベルトを超える高い放射線にさらされている福島大学は、学生の被曝を無視している。野田政権が行う『安全』キャンペーンと同じ、『経済が人の命より大切だ』というグロテスクな姿だ。大学当局や権力者こそが法を踏みにじっている矛盾を暴露して闘う。11・6集会に集まり、あらゆる人びととつながり、この体制を根底から覆すために闘おう」
検察官が朗読した論告求刑は、きわめて無内容で矛盾に満ちたものだ。内容の大半は法大当局が設置した監視カメラの不鮮明な画像の勝手な解釈だ。本件に目撃者はいない。そして、監視カメラの画像は解像度が低く、人物の特定など完全に不可能だ。
検察官はこの事実をごまかすために、@画像には、看板を壊した「犯人集団」がぼんやりだが映っている、A当日近くを通りかかった被告人たちこそ「犯人集団」だ、B「犯人集団」のなかに被告人がいるのだから個人の特定は可能だ、という三段論法を使った。そして、逮捕から逃れるために仲間を売り渡した玉聞証人の証言を大量に引用し「カメラの画像から被告人を特定した玉聞証人は信用できる」と付け加えた。
しかし、不鮮明で死角だらけの画像と、検察官の言いなりで行われた証言をどれだけ重ねても、こんな立証など成り立つわけがない。
さらに、十数枚もの看板の1枚ごとに誰がどのように壊したのかという説明など、検察官の想像の産物以外の何物でもない。また、暴処法を適用した根拠について一言の説明もできない論告は、検察立証の破産ぶりを自ら証明するものだ。一昨年10月から2年間にわたり法大闘争の前進と一体で闘い抜かれた裁判闘争が、それを強制した。
次回は1月13日、弁護側の最終弁論だ。論告求刑を徹底批判し、デッチあげによる治安弾圧としての暴処法弾圧の狙いを暴き尽くす。法大闘争と反原発闘争と反弾圧闘争を一体で爆発させよう。
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週刊『前進』(2511号7面4)(2011/11/07 )
11・27星野全国集会へ
再審連絡会議が呼びかけ “99%”の団結で奪還を
11・6の大高揚を引き継ぎ成功を
「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」は11・27星野全国集会を呼びかけている。獄中37年の星野文昭同志は、本年6月の面会で「あと2〜3年で出るつもりだ」と星野暁子さんに語った。11・27全国集会は、この星野同志の決意に応え、星野同志奪還への大飛躍をかけて開催される。
11・6労働者全国総決起集会は、世界大恐慌と原発大事故の情勢下、フクシマの怒りと一体となり、新自由主義と真っ向から闘う階級的労働運動が、全人民=99%の怒りを糾合して大成功した。
星野同志の決意を実現することが可能な情勢を力強く切り開いたのだ。
この力をさらに発展させ、11月大行動を闘いぬいて労働者階級の隊列を巨大に打ち固め、11・27星野全国集会の大結集をかちとろう。
星野同志は70年安保・沖縄闘争を最先頭で闘ったがゆえに「殺人罪」デッチあげで無期懲役の大弾圧を受けた。しかし、37年間非転向で獄中闘争を闘いぬいてきた。星野同志にかけられた無期攻撃は、新自由主義による階級分断・団結破壊のための治安弾圧攻撃の激化そのものであった。
新自由主義攻撃根幹で打ち破る
1982年、「戦後政治の総決算」を呼号する中曽根内閣が登場し、あらゆる戦後的制約を取り払い、資本による無制限の搾取を可能にする新自由主義攻撃を開始した。核心は国鉄分割・民営化による労組破壊、労働者階級の団結破壊だった。
これと一体で東京高裁は83年7月、不屈に闘う星野同志に、一審での20年の判決を破棄し、無期懲役の判決を下した。後に最高裁長官となる草場良八が裁判長に交替すると、星野同志の無実を明らかにする証人調べが進んでいた裁判を途中で暴力的に打ち切り、無期の判決を強行したのだ。71年11・14沖縄返還協定批准阻止の闘いと星野同志の非転向の闘いに、あらん限りのあくばを投げつけ、全面的デッチあげをもってする政治的判決であった。そして、87年7月、最高裁は上告を棄却し、星野同志は徳島刑務所に移監されたのだ。
国鉄分割・民営化攻撃に2波のストライキで闘いぬき今日まで団結を維持している動労千葉は、10年間にわたり外注化を阻止し、世界の労働者階級と固く結合している。
星野同志は無期攻撃と不屈に闘い続け、今や全人民の団結形成の軸となっている。動労千葉の闘いと一体で、新自由主義攻撃を根幹で打ち破っているのだ。
2月徳島刑務所闘争へ攻め上れ
新自由主義の破綻の中で、野田政権は労働者人民を分断し犠牲にして資本主義を延命させようとのたうち回っている。
福島原発は、がれきと化した炉心から日々放射能を出し続けている。2号機内で核分裂反応が起きている事実も明らかになった。にもかかわらず政府・東電は福島県民の生命も顧みず、「収束」「冷温停止状態」などのデマをふりまき、緊急時避難準備区域を解除し、「除染」キャンペーンを張り、原発再稼働を策動している。許すことができない。また「復興特区」、TPP(環太平洋経済連携協定)参加で農民、漁民、労働者階級人民の生活、生存の条件を破壊しようとしている。
この野田政権下で、徳島刑務所は星野同志への理不尽きわまりない獄中弾圧を激化させ、労働者階級人民との徹底的な分断を策している。
全国労組交流センターは来年2月の第19回定期総会を徳島で開催することを決定し、同時に徳島刑務所闘争を訴えた。いよいよ獄中37年の星野同志の闘いと結び付く労働者階級本隊の闘いの開始である。星野同志奪還を手繰り寄せる新たな段階への跳躍台だ。
階級的労働運動と星野同志奪還運動の大前進で新自由主義を打ち破ろう。星野同志奪還の声高く、11月27日の全国集会に全力で結集し、2月徳島刑務所闘争へ攻め上ろう。
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獄中37年を打ち破ろう
11・27星野全国集会
――2月徳島刑務所闘争へ
11月27日(日)12時開場/午後1時開会
すみだ産業会館 8階・サンライズホール
(JR錦糸町駅南口から1分「丸井」上)
主催/星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議
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週刊『前進』(2511号7面5)(2011/11/07 )
FumiAkikoカレンダー2012
星野文昭同志が描いた絵に暁子さんの詩をつけたカレンダーが完成しました。暁子さんは「2012年のカレンダーの絵は、どの絵も力作がそろっています。風景画、人物画ともに、今までで一番いい絵がそろっているように思います。困難さに立ち向かい、生きることを大切にすること、生きる喜びを表現した2012年カレンダーを手元に置いて下さい。また友人にもすすめて下さい」と訴えています。星野同志奪還へ活用を。
☆A4判(見開きA3判)フルカラー
頒価1200円(5部以上は1部1000円)送料実費
注文先 星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議
〒105-0004 東京都港区新橋2-8-16石田ビル4階
TEL/FAX 03-3591-8224 ◎前進社でも扱います。
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週刊『前進』(2511号7面6)(2011/11/07 )
肥田舜太郎・鎌仲ひとみ共著
『内部被曝の脅威』を読んで
ヘルパー 小山 ゆり
核政策のために内部被曝を隠す
肥田舜太郎氏は28歳の時に広島郊外で診察中に被爆した軍医で、杉並の西荻診療所を開設し、長く被爆者の治療に当たってこられた方。鎌仲ひとみさんは「ヒバクシャ」の映画監督です。
この本を読んだ動機は、内部被曝がなぜ問題になっているのだろうかということです。
3・11の福島の原発事故で高濃度の放射能が放出し、多くの人が外部被曝にさらされました。その後も放射能は出続けていて、空気や水や食物から毎日、私たちの体内に入り続けています。毎日、この食品は食べていいのか悪いのか、判断を迫られます。
肥田氏によれば、ABCC(原爆傷害調査委員会)は、広島・長崎の被爆者の診察・検査を行ったが治療は一切行わず、死亡者は全身を解剖してすべての臓器をアメリカに送り放射線障害の資料とした。厚生省は通達によりカルテを書くことを許さなかった。だから、アメリカは外部被爆も内部被曝もそれがどのようなものか知り尽くしていた。しかし、特に内部被曝を公表すれば、アメリカの核兵器製造・原発推進ができなくなるから、今に至るもひた隠しにしているのだと。
だから、被爆者の苦悩に向き合い治療に当たってこられた肥田氏の実践が今ピタリと重なり、脚光を浴びているのです。
体内化学反応の100万倍もの強さ
人間の体は、体内で酸素や水素、炭素などが行う化学反応によって維持されている(電子ボルトで表す)。これに対して放射線の持っているエネルギーは100万倍のメガ電子ボルトで表すほど、けた外れに大きい。
「人工の放射性物質はそれぞれに決まった臓器に集中して蓄積される性質がある……ストロンチウム90は主に骨に沈着し造血機能を破壊して白血病を引き起こす元凶になる。セシウム137は骨、肝臓、腎臓、肺、筋肉に多く沈着する。ヨウ素131は甲状腺に集まり、甲状腺機能障害、甲状腺がんを引き起こす。このヨウ素に関しては空気中から植物体内に200〜1千万倍にも濃縮されることが分かっている。ミルクの中には62万倍に濃縮される。他方トリチウムの場合は全身の臓器に、コバルトも全身に沈着する」
政府のうそ暴く「ペトカウ効果」
「アブラム・ペトカウは1972年、カナダの原子力委員会の研究所でまったくの偶然から次のような大発見をした。即ち液体の中に置かれた細胞は高線量放射線による頻回の反復放射よりも、低線量放射線を長時間放射することによって容易に細胞膜を破壊することができる」
少しの放射能でも毎日飲み食べ続けることで容易に遺伝子を傷つけ、病気を引き起こし、がんになり、遺伝的障害を子孫に残すことを警告しています。政府のいう「低線量であれば人体に影響はない」という宣伝がうそであることを事実をもって打ち砕いています。
とても驚いたことは、原発は事故がなくても絶えず放射能を出し続けることです。アメリカで原発から半径160`以内に住む女性の乳がん死亡者が1950年から89年の40年間で2倍になっている。日本ではすべての地域が160`以内に入っているという。
九つの原子炉があるアメリカのハンフォードの風下は有数の穀倉地帯で、ここでとれるリンゴ・じゃがいも・小麦・コーンはもっぱら日本の商社が買っている。
青森の再処理工場の排水路から1万枚のはがきを流したら東京湾に流れ着いた。魚好きの私は背筋の寒くなる思いです。人間がよって立つ大地も水も空気も食物も何ひとつ安心できないこんな社会を本当に許せないと心の底から怒りました。
(ちくま新書 720円)
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週刊『前進』(2511号7面7)(2011/11/07 )
三里塚裁判傍聴を!
◎第3誘導路裁判
11月29日(火)午前10時半 千葉地裁
傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合を
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週刊『前進』(2511号8面1)(2011/11/07 )
反原発・反失業の闘いのうねり全世界「99%」の反乱の先頭に
大恐慌と対決し非正規職撤廃・TPP粉砕へ
(写真 東京電力本店前に突き進むデモ隊列。先頭は呼びかけ3労組の旗を掲げ、アメリカ、ドイツ、韓国の労働者が続いた【左】。動労水戸は最高裁勝利判決を記念して作ったそろいのベストで意気高く行進【右】)
動労千葉と関生支部の提起
集会開会にあたり、呼びかけ団体からの訴えとして、港合同の中村吉政副委員長、関西生コン支部の高英男副委員長、動労千葉の田中康宏委員長、国鉄闘争全国運動の伊藤晃さんがアピールした。その中から動労千葉と関西生コン支部の提起を紹介します。(見出しは編集局)
昨日から指名ストに突入
国鉄千葉動力車労働組合委員長 田中康宏さん
大震災と原発事故はこの社会の支配構造の腐り切った本質をすべて暴き出しました。放射能汚染が子どもたちの生命を日々むしばみ、農漁業に壊滅的な被害をもたらし、労働者から職を奪い、今も数十万の避難民がさまよっています。
しかし、この期に及んでも政府と財界はなお原発を推進しようとしています。200万福島県民は見殺しにされようとしています。さらには、膨大な労働者に襲いかかる解雇・非正規職化攻撃、社会保障や教育・医療の解体、労組幹部たちの腐敗、すべてが激しく衝突し、沸騰し煮えたぎっています。
情勢は一変しました。怒りの声は社会の隅々に満ち、支配階級は、「生き抜くために人生をかけて闘う」と固く決意した無数の人びとを生み出してしまったのです。今こそ闘う労働組合をわれわれ自身の手に取り戻さなければなりません。
財界は、「復興」のかけ声のもとで、道路、空港、港湾、上下水道、交通、医療・福祉、教育等、被災地を丸ごと民営化する復興プランを発表しました。被災地を労働基準法適用除外の特区にしようという議論までされています。大震災を千載一遇のチャンスとして、全面的な新自由主義攻撃を社会全体に貫徹し、労働時間や最低賃金の規制も、権利も団結権もない「資本の天国」をつくろうというのです。政府の号令一下公務員労働者の賃金が下げられ、360万人の首切り−非正規職化が強行されようとしています。
非正規職問題は労働運動にとって最大の課題です。しかし、それに有効な反撃を行うことができず、際限ない後退を続けてきたのがこの二十年余りの現実でした。その出発点が国鉄分割・民営化攻撃でした。以降、1千数百万人もの労働者が非正規職に突き落とされたのです。今や日本の非正規職労働者の比率は40%に迫り、日本は世界最悪の「非正規国」に転落しようとしています。
だからこそわれわれは、国鉄分割・民営化問題を絶対にあいまいにしてはならないと訴え続けてきました。しかし、4者4団体は、今年、24年間闘い続けられてきた1047名解雇撤回闘争の旗を降ろし、闘争終結を表明しました。労働運動の深刻な危機が生み出されています。
JRはこの10年、あらゆる業務の全面的な外注化攻撃を進めています。鉄道業務を数百社の下請け・孫請け会社にバラバラに外注化しようというのです。膨大なJR労働者の非正規職化攻撃です。われわれはこの攻撃に立ち向かい、激しい組織破壊攻撃との闘いを貫いて10年間にわたって外注化を止めてきました。
「民営化・外注化」は新自由主義の核心をなす攻撃です。しかし、それに真正面から立ち向かい、非正規職化を止めた闘いはまったくと言っていいほどないのが現実です。それどころか、労働組合が容認することを通して世の中に偽装請負が蔓延(まんえん)する事態にまで至っているのが現実です。これでは「労働運動の復権」など空語です。
われわれは、これに立ち向かい、外注化を阻止する具体的な闘いを実現することで、階級的労働運動の展望と可能性を示したいと考えました。この闘いの渦中で、若い仲間たちが動労千葉に結集し始めています。今年10月の外注化提案も阻止しました。そしてわれわれは、昨日から基地大再編・組織破壊攻撃に対する長期に及ぶであろう指名ストに突入しています。
怒りの声は世界中で燃え上がっています。民主労総の非正規職撤廃の闘い、ILWUローカル21の穀物メジャーと政府による労組破壊攻撃との闘い、燃え広がるウォール街占拠闘争、ギリシャを先頭にした空前の規模のゼネスト――。日本でも9月19日、「原発を直ちに止めろ」と明治公園を6万人の怒りの声が埋め尽くしました。資本主義の危機を突いて時代は動き始めました。
今求められているのは労働運動の変革です。闘う労働組合をよみがえらせることです。
われわれ自身の手で、この困難な仕事をやりぬくことです。可能性に満ちた時代です。今ならできます。
全国の職場・地域から闘う労働運動をつくり出そう。今日の集会をその新たな出発点にしよう!
生コン産業ゼネストの地平
全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部副委員長 高英男さん
昨年7月より11月中旬まで139日に及ぶ生コン産業ゼネラルストライキは、単に共闘する4労働組合だけの力ではなく、生コン協同組合に結集する未組織・既組織を問わず多くの生コン専業である中小企業との共同闘争で闘われました。
結果として11月に大手スーパーゼネコンを始めとする在阪ゼネコンのほとんどが、生コン適正価格(値上げ)に応じる成果を挙げました。
しかし、ストライキ体制を解除した直後から、ゼネコンの圧力によるセメントメーカーの巻き返し攻撃が始まっています。
具体的には、@生コン支部へ今年だけで一般産業職場における女性組合員への同じ事件での2度にわたる逮捕を含め3名の逮捕者と5・11のメーカー直系企業による事件づくりで13名の逮捕者を出した弾圧事件、Aストライキの成果をなきものとする生コン価格の値引きとセメント価格の値上げ攻撃、B連帯生コン支部への弾圧だけでは運動の拡大を止められないと判断し、産業ゼネストをつくり出した生コン集団交渉の一方の当事者である経営側交渉窓口となっていた「大阪・兵庫生コン経営者会」の解体を画策したメーカー系企業の集団脱退策動など、産業政策運動つぶしのためになりふり構わぬ攻撃を続けています。
このような攻撃に対して、生コン支部を始めとする労働側「生コン産業政策協議会(4労組)」と中小企業の専業各社は、本年の春闘を、これまでの地域集交・業種別集交から、一堂に会して行う、地域と業種の壁を取り払った従来にない300社以上に影響を及ぼす大集団交渉を成功させ、賃上げ常勤7000円、日々雇用日額350円の賃上げをかちとり、全組合員が賃上げ1年分を東北大震災への支援カンパとすることを決め実行しています。また各地域も、大阪広域協同組合を除く各事業協同組合が支援カンパを決議し実行しています。
現在では、大阪地区の広域協同組合は、セメントメーカーが支配を強め労働組合への対決姿勢を強め、メーカー支配を強めている大阪広域協同組合が生コン値下げの動きを強めたことから生コン価格は下落し、過当競争が激化する状況にあります。
このような大阪広域協同組合に対して周辺地域の協同組合やセメント輸送・ミキサー輸送・圧送等の各協同組合が包囲網を強め、メーカー支配の産業から経済民主主義・人材育成等を中心に運営する生コン専業、中小企業主導の産業につくりかえる闘いを進めています。
昨年の関西における生コン産業ゼネストは、建設独占やセメントメーカーをあわてさせましたが、その支配を崩すまでには至っていません。しかし、労働組合や中小企業の共同闘争によって闘えば成果が得られることを示しました。大きく見える独占資本を中心とする支配側の力も「砂上の楼閣」であると言ってよいのです。
私たちの闘いは、いまだ少数です。しかし、少数でも闘い方によっては社会を変える力を持っていることを示しました。このような闘いを多くの地域・職場でつくり出す
ことができれば、大企業を優遇し、労働者を苦しめるこの社会を変える力となるのです。
本集会参加の多くの労働者とともに闘う決意を述べて連帯労組関西地区生コン支部のアピールとします。
(写真 韓国から訪日団32人が登壇、民主労総ソウル本部のイジェウン本部長が「新自由主義の息の根を止めよう」と訴えた)
(写真 ドイツのラーベン・ブロンシュタインさん【右】とディーター・エルケンさんが発言)
(写真 米ILWUローカル21のダン・コフマン委員長が穀物列車を実力阻止した闘いを報告)
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