ZENSHIN 2011/10/31(No2510 p06)
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週刊『前進』(2510号1面1)(2011/10/31 )
全国から日比谷野音へ
福島の怒りの大行動とむすび労働組合の力で全原発廃炉に
新自由主義と闘う国際的団結を
11・6全国労働者総決起集会まで最後の1週間となった。主客の情勢は完全に1万人結集は可能であることを示している。1万人結集の力で、原発再稼働、「復興特区」攻撃、TPP(環太平洋経済連携協定)参加、辺野古新基地建設という大反動へ突き進む野田民主党政権を打倒しよう。青年労働者を先頭に、都心を揺るがす反原発、反失業・非正規職撤廃の大デモを! 福島の女たちを先頭とした怒りの大行動と結び、全国から怒濤(どとう)のごとく日比谷野音に大結集しよう!
(写真 原発いらない! 福島の女たち座り込む 27日から3日間、霞が関の経済産業省前で座り込みが行われた。写真は初日の闘い=記事2面) 大恐慌下に世界革命の胎動
ついに世界大恐慌は、ヨーロッパ金融恐慌の再爆発とEU・ユーロ解体という本格的な爆発過程に入った。欧州連合(EU)とユーロ圏諸国は、欧州危機をくい止めようと債務危機爆発に対する「包括戦略」の合意に躍起になってきた。しかし、ギリシャの借金を肩代わりさせられる銀行の反発と危機、独・仏の深刻な利害対立の中で、なんら実効性あるギリシャ救済策などつくれるはずもない。
そもそも、ギリシャの「管理されたデフォルト(債務不履行)」は、ただちにイタリア、スペインなどの国債を急落させ、EU・ユーロ解体から世界経済の大収縮へと突き進んでいくことを不可避とする。これはブルジョアジーと国家権力にとっては恐怖であるが、労働者階級にとっては世界革命の時代の到来だ。労働者階級が社会の真の主人公として、権力を取る時が来たのである。
すでに全世界で「1%」の支配階級に対する「99%」の反乱が起こっている。ウォール街の金融エリートと一般労働者の給与格差は実に2万倍だ。新自由主義のもとですべてを奪われてきたことへの怒りと命がけの闘いを、誰も抑えることはできない。ギリシャの労働者は「緊縮財政」に反対し、100万人のゼネスト、数十万人のデモに立ち、資本家どもを国外へ追いやっている。革命が始まっている。
大恐慌をプロレタリア世界革命の勝利へ転化するために、労働組合の復権と国際的団結が今こそ求められている。国境を越え、韓国、アメリカ、ブラジル、ドイツ、トルコなどの闘う労働組合や活動家から、11・6集会への賛同が寄せられている。韓国民主労総ソウル地域本部、ILWUローカル21などとの、新自由主義と闘う労働組合の世界的なネットワークがつくり出されつつある。胸を張って彼らを迎え、ともに闘おう。
京葉車両センターの外注化を阻止した動労千葉、2波のストライキでJRを先兵とする原発再稼働攻撃と対決し、その中で青年労働者の命がけの決起をつくりだした動労水戸。この闘いと9・19反原発6万人決起を頂点に、9〜10月闘争をとおして日本階級闘争は全世界の闘いの中軸にすわった。反原発闘争と国鉄闘争を徹底的に闘い、職場、地域、キャンパス、街頭から11・6大結集へ全力で闘いぬこう。
原発再稼働狙う「収束」宣伝
27日から経済産業省前で「原発いらない!福島の女たち」の座り込みが行われた。福島の人びと・子どもたちを見殺しにする政府・支配階級との非和解的な激突だ。NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議)は、「フクシマをかえせ! 子どもを守ろう! 原発再稼働を止めるためあらゆる人がつながろう!」の横断幕を掲げ、必死の思いで立ち上がっている母親たちとともに闘った。福島の怒りと一体となり原発再稼働を絶対に粉砕しよう。
政府と東京電力は、10月17日の「改定工程表」で、原子炉の「冷温停止状態」の達成時期を年内に前倒しするなどと発表した。「冷温停止」とは原発の定期検査などで原子炉が完全に止まり、炉心が冷却した状態を指す。メルトダウン・メルトスルーした福島原発で「冷温停止状態」などと、よくもぬけぬけと言えたものだ。溶けた核燃料がどうなっているかも分からない。取り出すことも不可能で「廃炉」の道さえ閉ざされている。「収束」のデマ・キャンペーンこそ、何としても原発を再稼働させようとする大反動である。
しかも、この期に及んで野田は「原発新増設は個々の判断だ」と、新増設宣言すら行った。「被災地の復興のため」と称して、東北電力・東通原発の再稼働を真っ先に行おうとしている。だが東通原発の敷地内に複数の活断層が存在するという調査結果が、新たに発表された。経産省は以前から指摘を受けながら、1号機の原子炉設置を許可していたのである。
政府と東電は福島県民200万人を見殺しにして、ただただ大企業のぼろもうけのために原発再稼働と原発輸出、「復興特区」づくりに突き進もうとしている。そもそも福島原発事故で生活を奪い、古里を奪い、子どもたちの命を危険にさらしている大犯罪人の東電が作った基準をもとに、賠償手続きなどが進むこと自体がまったくおかしいし、許せないことだ。
しかも東電は賠償のために1兆円規模の支援を国に要請した。その計画は原発再稼働を前提にしている。賠償金をもらいたければ再稼働を認めろという分断と恫喝だ。被災地の人びとを人間と思っていないのだ。その典型が福島県立医大「放射線医療特区化」計画だ。福島県民を被曝するに任せ、モルモットにし、資本と御用学者が被曝者を食い物にする攻撃だ。絶対に許せない。
だがこうした攻撃は、今どの職場にもかけられている。「バイトの分際が」と首を切られたり、ストライキに出勤停止の処分が乱発されたり、5年間勤めて正規職になれると思っていたJRの青年が首を切られる――まさに福島の現実と職場は完全に一つだ。どの職場でも命がけで闘って社会を変えなければ生きられない。
勝利の道は国鉄闘争と反原発闘争を労働組合の力に依拠して職場生産点で闘うことだ。11・6大結集の力で反撃しよう。
1万人大結集で野田打倒へ
野田政権は、原発再稼働や「復興特区」攻撃と一体のものとして、TPP参加と辺野古新基地建設を本気で強行しようとしている。だがこれに対し全国の農民を先頭に、絶対反対の大行動が巻き起こっている。
米帝は03年からのイラク侵略戦争と同時に、全面的な外注化・民営化に踏み込んだ。05年のハリケーン・カトリーナの被災地では「復興特区」の名のもとに公共機関の大民営化を強行し、学校はことごとく営利化され、7千人の教育労働者が解雇され、教職員組合は解体された。公立病院も民営化され医療難民が激増した。野田と日本経団連は、これをもっと大規模に被災地で強行しようとしている。ブルジョアジーにとって大震災や原発事故は資本のもうけと延命の「チャンス」なのだ。
TPPは「復興特区」攻撃と一体であり、農業、医療、全産業を新自由主義の市場原理のもとに全面開放しようとする大攻撃だ。TPPへの参加は農業壊滅、医療崩壊をもたらし、労働者に対しては賃下げ・大失業・非正規化の攻撃を徹底的に激化させる。日本共産党の「アメリカの言いなりの亡国の政治」論など、野田と経団連を免罪するものでしかない。
没落する米帝は、主要帝国主義から脱落状態の日帝を引き込み、中国主導の「ASEAN+3」や「ASEAN+6」などの米帝ぬきの勢力圏形成策動をTPPでつぶし、対中国政策とアジア勢力圏化で必死に巻き返そうとしている。そこには米中対峙・対決の戦争政策が貫かれている。だからTPPは沖縄の辺野古新基地建設ともワンセットである。
日帝・野田のTPP参加策動は、農民と労働者への階級戦争を激化させるが、野田はさらに、安保強化と対中対決の戦争政策でも一線を越えようとしている。衆参両院の憲法審査会が初めて開催され、改憲攻撃も再び動き出している。わずか「1%」の大ブルジョアジーの利益と延命のために、農漁民や中小零細業者や医療分野などをすべて犠牲にし、労働者には全面的な民営化・外注化、9割の非正規化と、「アジア並み」の低賃金を本格的に強制しようとしているのだ。
だが野田政権のこんなとんでもない攻撃は、すでに全国の農民を先頭に開始された大反乱によって痛撃されている。野田政権の原発再稼働やTPP参加は、むしろ逆に日帝支配階級の分裂をも加速し、脱落日帝の危機と崩壊を促進するものでしかない。今年の11・6こそ野田政権打倒をかけた大闘争だ。
すべては労働組合、労働組合運動をめぐる攻防で決せられる。原発再稼働とTPP参加に賛成し、「人事院勧告を無視しろ」と叫ぶ連合・古賀をぶっ飛ばせ。労働組合の復権、拠点建設の闘いと国際連帯の力で、野田政権を打ち倒そう。今や一切は、11・6集会の1万人結集にかかった。
最後の1週間を総力で闘い、組織し組織し組織しぬき、全国から日比谷野音に大結集しよう!
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週刊『前進』(2510号1面2)(2011/10/31 )
前進速報版から
▼浙江省湖州で農民工が暴動▼深センの日系シチズンで1千人を超える大ストライキ▼ギリシャで最大のゼネスト―革命が課題に
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週刊『前進』(2510号1面3)(2011/10/31 )
日程 11・6全国労働者総決起集会
すべての原発ただちに止めよう! 民営化・外注化阻止、非正規職撤廃!
反原発・反失業の国際統一行動を! 国鉄1047名解雇撤回! 非正規職撤廃! 新自由主義とたたかう労働組合の全国ネットワークを!
11・6全国労働者総決起集会
11月6日(日)正午/東京・日比谷野外音楽堂
午後3時半からデモ出発(東京電力前で抗議行動を予定)
海外の代表団が来日
【韓国】民主労総ソウル地域本部
【アメリカ】国際港湾倉庫労働組合(ILWU)
ドイツ・ブラジルの代表も来日
フクシマの怒り! 被災地からの報告
子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク(中手聖一代表が発言予定)
自治体労働者・教育労働者・農民・医師
被災地で奮闘する労働組合の報告を中心に
すべての原発いますぐなくそう!全国会議
たたかう労働組合を時代の最前線に
全日建運輸連帯労組・関西地区生コン支部
全国金属機械労働組合・港合同
国鉄千葉動力車労働組合
国鉄水戸動力車労働組合 ほか
1047名解雇撤回−非正規雇用撤廃の闘い
国鉄闘争全国運動の呼びかけ人
国労闘争団、動労千葉争議団
農民・弁護士・労働組合・若者・学生の発言、音楽や韓国の律動などのパフォーマンスも
〈呼びかけ〉全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部/全国金属機械労働組合港合同/国鉄千葉動力車労働組合/国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動
午前10:30〜 原発とめて!非正規なくして! うちら99%で社会ひっくりかえそーぜ!!!若者大集会 11月6日(日)午前10時30分 日比谷野音
関連企画 11・5労働者国際連帯集会 11月5日(土)午後1時(詳細2面)
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週刊『前進』(2510号2面1)(2011/10/31 )
福島から11・6へ大結集アピール
全国の闘う労働者の団結でただちに原発を止めよう!
3・11以降、福島での闘いの最先頭に立ってきた人びとの連名で、11・6全国労働者総決起集会への参加を呼びかける「福島からのアピール」が発せられた。この感動的なアピールをあらゆる職場、大学、地域に持ち込み、11・6日比谷へ万余の大結集を全力で実現しよう。(編集局)
子どもたちを放射能から守れ! 許すな原発再稼働!
震災解雇・非正規雇用化反対!
11・6全国労働者総決起集会を成功させ、全国のたたかう労働者の団結で、ただちに原発を止めよう!
9月19日、明治公園は「原発を今すぐなくせ!」という思いで集まった6万人もの人々であふれました。福島県内からは、1千人の隊列となってひとつに合流し、全体の先頭に立ちました。子どもたちを放射能から守る福島ネットワークの用意した『怒』のノボリ旗の下、初めてデモに参加したたくさんの母親、父親たち。全県から170名の結集を実現した福島県教組。「子どもの命を守れ」という、いてもたってもいられない思いが、これまでの労働組合や政党の枠組みを越えて、一人一人の深い深い怒りをあらわした6万人という大きな力となったのです。
野田新政権は、このフクシマの怒りに恐怖し、「事故の収束」と「復興」を必死にキャンペーンし、あくまで原発再稼働を狙っています。9月30日には、「事故の収束」と「安全」を装うために、福島原発から20`〜30`圏の緊急時避難準備区域の解除だけが行われました。
私たちは、こうした動きに危機感をもち、9・19の6万人の力をさらに大きく拡大していく立場から、11月6日に日比谷野外音楽堂で開催される「反原発・反失業 11・6全国労働者総決起集会」への結集をよびかけるものです。
それは、全国の労働組合が団結して政府と闘えば、原発は止められるし、放射能汚染から子どもたちを守ることも、労働者、農漁民、市民の生活を守ることもできるからです。
常磐線の広野駅までの運転再開と放射能に汚染された車両の検修を拒否して、地元いわき市に支部があるJRの労働組合・動労水戸がストライキに決起しました。労働組合が、労働者の命、地域住民の命を守るためにストライキで闘っています。動労千葉は、ストライキで職場の外注化を阻止しています。それは大資本優先、労働者切り捨ての社会を労働組合の力で変革する闘いです。
3月11日の震災以降、被災地でも団結して生きることの大切さを本当に痛感しています。農林漁業者も、市民も学生も一緒になって、再稼働阻止! すべての原発をいますぐ止めよう! すべての原発を廃炉にしよう! ともに闘いましょう。
現在の「労働運動不在」とも言えるような状況や、失業と膨大な非正規職化は、1987年の国鉄(現JR)分割・民営化から始まっています。「新自由主義」といわれる政策のもと、解雇撤回を闘う労働組合が弾圧され、地方や農業が切り捨てられるとともに、非正規労働者による被曝労働抜きには一日も成り立たない原発が大量に増設されていったのもこの頃からです。
3・11の大震災と福島第一原発事故は、こうした社会のあり方が間違いであったことを誰の目にも明らかにしました。「社会を変えなくてはならない。そのためには労働組合が変わらなくてはならない」。9・19に集まった多くの労働者の思いです。今がそのチャンスです。自分たちの行動で未来を選択するために、あらゆる立場の違いを越えて、広く広く闘いをつなげましょう!
◇ ◇
清野和彦(福島県教組元執行委員長)
橋本光一(国労郡山工場支部書記長)
佐藤幸子(子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク世話人)
中手聖一(子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク)
鈴木光一郎(酪農家)
市川潤子(ふくしま合同労組委員長)
渡辺馨(福島県労働組合交流センター代表)
(写真 「怒」ののぼり旗を林立させ9・19反原発6万人集会に1千人の隊列で結集した福島の人びと)
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週刊『前進』(2510号2面2)(2011/10/31 )
“労働運動の復権を”
11・6集会へ第3回実行委
11・6労働者集会の第3回実行委員会が10月23日に都内で開かれた。
最初に呼びかけ団体が問題提起を行った。
全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の武谷新吾執行委員は、5・11弾圧(13人逮捕・起訴)をめぐる裁判の経過、現場での闘いを報告するとともに「先日の関生支部定期大会では、なによりも国鉄闘争に決着をつける取り組みを決定した。9・19反原発集会の6万人結集という情勢の中で、今年は今までの3倍の人を集めよう」と檄(げき)を発した。
国鉄闘争全国運動の山本弘行さんは、10カ国の闘う労働組合・労働者から11・6集会への賛同が寄せられていることを報告し「外注化・非正規職化という、まったく同質の攻撃との対決が全世界で闘われている」と述べ11・6集会の意義をあらためて浮き彫りにした。
基調提起した動労千葉の田中康宏委員長は「今年の11月集会は、この時代にわれわれが通用するのかどうかを問う試金石になる。われわれが力を持てば時代は動く。これまでを一つ越えた集会を実現し、みんなが元気になって帰れる集会にしよう」と述べた。
具体的な集会プログラム案、スローガン案、集会体制なども提起された。また今年は午前中に青年・学生を中心に「原発とめて、非正規なくして、うちら99%で社会をひっくり返そ−ぜ! 若者大集会」を開催することも確認した。
討論では、10・21福島大学闘争を圧倒的に打ちぬいた全学連の学生、NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議=な全)事務局、医療労働者、教育労働者、郵政非正規ユニオンなどから現場での闘いの報告と教訓が出された。
神奈川の闘う教育労働者は「30万人の福島の子どもたちが直面している生きるか死ぬかの切実な現実が職場にまだまだ伝わっていない。体制内指導部がこうした現実を生んでいる。反原発闘争は、こうした既成指導部を打倒する闘いと一体だ」と語った。また東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会のスト決起とそれに対する処分、組合員の雇い止め攻撃との攻防が報告された。
討論のまとめで、関生支部の武谷執行委員は東京西部ユニオンの闘いについて「背景資本も攻め業界を巻き込む闘いにしていくことが重要だ」とアドバイスした。
動労千葉の田中委員長はスローガンに「放射能汚染地域からすべての子どもたちを避難させろ!」を掲げたことに触れ、原発再稼働に向けた大反動、福島・宮城などでの労組解体攻撃に対して「ここで労働組合を復権する闘いをやり遂げなければならない。残りの2週間、職場にこだわり、闘いを大きく爆発させよう」と自らの国鉄分割・民営化攻撃との闘いの教訓を踏まえながら語った。参加者は、基調報告と各地の闘いの報告から確かな手応えをつかみとり、残された期間の奮闘を誓い合った。
(写真 「昨年を3倍する結集を」と訴える関生支部の武谷執行委員【10月23日 東京都江東区】)
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週刊『前進』(2510号2面3)(2011/10/31 )
国境越え10カ国から賛同
11・6は国際連帯の新地平開く
国境を越え11・6労働者集会への賛同、参加が続々と拡大している。いずれも新自由主義との攻防の最前線で、民営化・外注化、非正規職化と闘っている労働組合、労働者たちだ。ここに11・6集会が掲げる「反原発・非正規職撤廃」「新自由主義とたたかう労働組合の全国ネットワークを」のスローガンの求心力と普遍性が示されている。
韓国・民主労総はソウル地域本部(17万人)イジェウン本部長が熱いメッセージを寄せた。「全世界の労働者は一つです。すべての解雇を撤回し、反戦・反核闘争をともに闘うことを決意し11・6国際労働者連帯集会を支持します。11・6東京で会いましょう」
民主労総からはこのほか、金属労組キリュン電子分会、労働芸術団ソノン、投機資本監視センターから賛同が寄せられた。そして、11・6集会には激しい闘いの渦中から数十人が来日する。イミョンバク政権による労組破壊と闘う公務員労組、金属労組を始め、さまざまな産別・地域から闘う労働者たちが大挙してやってくる。民主労総元委員長のタンビョンホさんもその一員として来日する。
大決戦を闘うILWUから
アメリカからは、伊藤忠商事などが出資するTPPがらみの巨大穀物ターミナル建設、労組破壊と非正規職化攻撃との激闘の渦中にあるILWU(国際港湾倉庫労組)の当該支部ローカル21からダン・コフマン委員長がメッセージを寄せた。「伊藤忠は彼らの行為が世界中から監視されていることを知らねばなりません。私自身がILWUを代表して11月5〜6日の両集会に参加します」
全米第二の教員組合UTLA(ロサンゼルス統一教組、4万人)、CAMS(校内における軍国主義に反対する連合)、国鉄全国運動呼びかけ人でもある反戦活動家のシンディー・シーハンさん、戦闘的労働者や雑誌編集者など多彩な顔ぶれから賛同が届いている。
原発稼働延長を止めたドイツからは、2人が11・6集会に参加する。
原発稼働延長止めたドイツ
ゴアレーベン核廃棄物中間処理施設・最終処分場反対闘争を闘うリュヒョー・ダネンベルク環境保護市民運動が「11月に高レベル核廃棄物がまたゴアレーベンに搬入されようとしています。猛然かつ決然と決起し、私たちの抵抗を示したいと思います」との戦闘的メッセージ。この間の相互交流で親交を深めてきた団体、個人からも多数の賛同が届いた。トルコの国際労働者連帯協会からは「わが政府は原発の建設契約にサインをしました。反原発署名を私たちは1カ月間で1万2000筆集めることができました。ともに闘おう!」という感動的メッセージが大量の署名とともに送られてきた。
ブラジルの戦闘的労働組合のナショナルセンターであるコンルータス、新労組を結成し奴隷労働と低賃金の改善を求めてストで闘うインドのマルチ・スズキ従業員労組のシブ・クマール書記長、地上職2400人の外注化・首切りと闘っているフィリピン航空労組のゲーリー・リベラ委員長、ビルマ、バングラデシュ、ウガンダからも賛同が寄せられた。
11月5日には、11・6集会関連企画として「労働者国際連帯集会」が開催される(要項別掲)。大成功をかちとり、大恐慌下の新たな国際連帯闘争の扉を押し開こう。
(写真 【上】ドイツの反原発5万人デモ【9月5日】/【下】ストに立ち上がったインドのマルチ・スズキ従業員労組の労働者【10月1日】)
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【集会要項】
11・5労働者国際連帯集会
11月5日(土)正午会場、午後1時開始
千葉市美術館講堂(千葉市中央区中央3-10-8)
※JR千葉駅東口バス乗り場Fから「大学病院行き」「南矢作行き」で「中央3丁目」下車/千葉市中央区役所と同じ建物の11階
[連絡先]11・6全国労働者総決起集会実行委員会
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週刊『前進』(2510号2面4)(2011/10/31 )
福島の女たちが立つ
10・27 1千人が経産省前を埋める
10月27日、「ついに女たちは立ち上がり、そして座り込む! 原発いらない福島の女たち100人の座り込み」が東京・霞が関の経済産業省前で始まった。福島の女たちが呼びかけた3日間の座り込み行動の初日、参加者は1千人を超えた。
10時に座り込みが始まり、子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク世話人の佐藤幸子さんがマイクを握った。「福島の女たち、ついに立ち上がり、そして座り込む――7カ月間、胸の内に秘めてきた思いを、3日間の座り込み行動に移します。東北人は『もの言わぬ農民』と言われてきた。しかし子どもたちを7カ月間も炎の海の中に放置している現実は母親として、女として、命を未来へつなぐ母性が許しません。福島から発信した思いが日本全国と世界へ広まり、私たちが願う本物の幸せを私たちの手に取り戻す第一歩となると確信しています」
続いて、9・19反原発6万人集会で心打つ声を届けたハイロアクションの武藤類子さんが「ようこそ、勇気ある女たち! 遠くから近くから、自分の時間とエネルギーとお金を割いて集まってくれた一人ひとりにありがとう! 女たちの限りなく深い愛、聡明な思考、非暴力の力強さが、新しい社会をつくっていくよ! 3日間、ともに座り、語り、歌いましょう!」と呼びかけた。
座り込みは経産省の建物の二方の歩道を完全に埋め尽くした。福島から約60人。各地に避難した福島県民や福島県出身者も多い。婦人民主クラブ全国協議会の女性たちも全国から駆けつけた。原発立地県からの参加者、乳幼児を連れた母親・父親など老若男女の「原発を絶対になくそう」という熱い思いがあふれた。
座り込みと並行して11時から、福島からの代表団30人が経産省に要請行動を行った。
(写真 “全原発を廃炉に!子どもたちを守れ” 参加者に「ようこそ勇気ある女たち!」と呼びかける福島の女性たち【10月27日 経済産業省前】)
“子どもの避難を国の責任で”
提出した要請書は「@すべての原発を直ちに停止させ、廃炉とすること。A定期点検・トラブル等により停止中の原発の再稼働を行わないこと。B子どもたちをただちに国の責任において避難・疎開させること。すでに避難し、またはこれから避難する住民に完全な補償を行うこと。C原発立地自治体を補助金漬けにし、自立を妨げる原因となっている電源三法を廃止すること」の4項目を求めた。女性たちが涙を流し、嗚咽(おえつ)が漏れる中で切実な訴えが続いたが、省側の回答は「承ります」などとまったく誠意がない。
避難・疎開をめぐっては、今年6月まで福島市立小学校で養護教員をしていた女性が「校庭の表土をはいだ時も校舎内の空間線量は上がった。除染作業のために放射線量が上がることもある。せめて除染作業の間、子どもや妊婦を避難させて」と真剣に訴えたが、経産省は「除染と県民の健康管理に力を入れます」と言うばかり。「山下俊一らが962億円も使って子どもの甲状腺検査などを始めたが、影響が出るのは数年後で、今調べても何も意味がない。そのお金を使って、すべての子どもを今すぐ避難させて」と鋭く迫った。
経産省前ではリレーアピールや歌が途切れず続き、NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議)の富田翔子事務局次長や三里塚芝山連合空港反対同盟の宮本麻子さんも発言。宮本さんは「私は福島出身。何としても原発をとめたい」と熱く訴えた。
呼びかけ人の訴え
●武藤類子さん
野田首相は「世界一安全な原発をつくる」と言った。あれほどの大事故が起きたのに、なぜ原発をとめると舵(かじ)を切れないのか。全原発をすぐ止めてもらいたいという思いで今日の行動を呼びかけました。
福島にまだ子どもたちや若い人がいて、心が痛い。避難や疎開をさせないのは費用を軽減したいからではないのか、私たちの命はそんなに軽いのかと思います。
今日はこれだけの人が集まってくれて、本当にうれしい。女の人が元気になって一歩外に出て行動していけばすごい力になる。自分自身の力を再認識して、一人ひとりの人に取り戻して欲しい。
●佐々木慶子さん
私たちはずっと「事故は絶対起きない。原発が止まったら東京は真っ暗やみになる」と脅かされてきたが、全部うそでした。先ほど経産省の人に「反論できないでしょう?」と言ったら、何も答えませんでした。
原発を維持しようとしている人たちはみな、原発からおいしいものをもらっている人。命や暮らしを思う人は、再稼働なんて言わないはずです。
福島の私たちは家も奪われ、家族とともに生活することも奪われ、田畑から取ったものも食べられず、窓も開けられず、洗濯物も干せない。二度とこんな犠牲を生まないために、原発をすぐに止めてください。子どもの命を守ってください。
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週刊『前進』(2510号3面1)(2011/10/31 )
TPPで農業は壊滅する
医療も崩壊、労働者に大合理化
11・6集会を突破口に反撃へ
新自由主義政策の極限化
日帝・野田政権がTPP(環太平洋経済連携協定)への参加方針を急浮上させ、11月12〜13日のAPEC首脳会議までに政府・与党の最終決定に持ち込もうとしている。経団連などブルジョアジー中枢が主導し、支配階級内部や与党内の分裂情勢さえも押し切って強行する構えだ。
TPPは、非公式フォーラムにすぎないAPECとは違い、コメを含む農産物の関税撤廃や多国間投資の規制撤廃、労働力の移動など、あらゆる分野で法的拘束力を持つ。TPPへの参加は日本農業を壊滅させ、医療も崩壊させる。労働者にも失業、賃下げ、非正規化など大合理化を強制するすさまじい攻撃だ。
また日帝はTPP参加で、これまで東アジア経済統合の主軸だった中国を含むASEANプラス3(日中韓)やASEANプラス6(日中韓、印、豪、NZ)などの「東アジア共同体」構想を断念し、対中国の経済・軍事戦略をむき出しにした米帝オバマ政権の日米同盟政策に全面的に同調する姿勢を示した。
野田政権の意図は明白だ。大恐慌の進展と東日本大震災、福島原発事故の中で世界の帝国主義的争闘戦から脱落状態となった日帝ブルジョアジーが、この空前の危機と混乱に乗じて、金融資本と巨大企業に利益を集中する極限的な新自由主義政策に踏み切ったのだ。
農業保護政策は欧米各国の常識でもあるが、危機に立つ日帝ブルジョアジーは自国農業を壊滅させてまで大資本の延命をはかる以外にない末期的な選択に行き着いたのだ。全国の農民たちは「TPP絶対反対」を掲げ、瞬く間に1千万を超える賛同署名を集め、政権を揺るがす闘いに立ち上がっている。この決起と結合し、11・6労働者集会の爆発で世界の労働者・農民の階級的連帯の力をたたきつけよう。
コメ農家9割が破産する
TPPは、これまでASEAN諸国やインド、オーストラリアなどとの「貿易自由化」交渉のたびに「例外的保護」の対象となってきた農業を、”聖域”のコメ輸入を含めて関税をゼロ化し全面自由化する内容だ。しかも相手は大資本農業大国のアメリカや、農家一戸あたりの農地規模で2千倍近い開きがあるオーストラリアを含んでいる。歴代の自民党農政の農業切り捨て政策と農産物輸入の漸次自由化に抗して、中・小規模の家族経営を懸命に維持してきた日本農業が、3・11大震災と原発事故による空前の被害に直面している中で追い打ちをかけられ、壊滅的打撃を受けることは明らかなのだ。
TPP参加でコメは9割が外国産に置き換わり、食料自給率は現在の48%から13%(林産物・水産物を含む)まで落ちると農水省は試算した。廃業農家を含め、関連する失業者は350万人に達するという。また健康被害が証明され自然農法を壊滅させるGMO(遺伝子組み換え作物)の大量流入も必至だ。
野田政権がTPP参加のために急きょ作成した「農業再生のための基本方針・行動計画案」の中身は、日本農業全体を外資を含む金融資本と巨大企業に明け渡す「農地の集約・大規模化の加速」というものだ。「離農奨励制度」も真っ向から打ち出した。中小農家の農地保有を実質的に不可能化する政策だ。これまで三里塚農民を先頭とする闘いで阻まれてきた農地取り上げ政策を一気に進める方針なのだ。
大資本の農業参入への規制も全廃する。戦後農政の実体をなしてきた既存の農業協同組合(JA)の権益をも、商社などの大資本に全面的に明け渡す。民主党政権が導入した「個別農家補償制度」すら暴力的に解体する内容である。
ちなみに野田政権の「基本方針」のベースは、ブルジョアジーの農業政策のイデオローグである本間正義(東大教授。06年「日経調」高木委員会報告の主査)の「グローバル化の中での日本農業の政策提言」(09年)だ。そこでは「現在約460万fの農地の3分の1にあたる150万fを食料基地として整備する」「100f規模(!)の農業経営体を1万程度育成する」と明記されている。
アメリカ型の農業ビジネスの集積地をつくり、農地法などの規制を完全に除外する「経済特区」の農業版だ。外国資本の参入規制もなくなる。そもそも「100f規模の経営体1万戸」とは、資本規模が億単位の農業ビジネスだ。これを支配するのは一握りの金融資本と大企業以外にあり得ない。現在約250万戸(昨年度)の農家の大半を農業から追放する計画なのだ。
そして重大な点は、こうした農地取り上げを、コメを含む「完全自由化」の物理的な強制力で一気に押し通そうとしていることだ。政府は中堅農家の大半が借金を重ねて農機具を更新し、農業を維持している現状を逆手に取ろうとさえしている。現在の相場の3分の1、一俵(60`)4千円程度の外国産米がなだれ込めば大半のコメ農家はたちどころに破産し農地を手放す以外になくなる。地域の相互扶助で自力で復興に挑んでいる東北の被災地農家もその格好の対象にされている。
前記の「提言」には「優秀な経営者には融資返済の全額免除措置を設ける」という露骨な資本優遇策も並んでいる。零細農家への補助金はなくなり、借金もけっして棒引きされない。こうして大資本のもとに農地を集積する。これが野田政権のいう「自立した農業」なるものの正体なのだ。
賃下げと非正規化の攻撃
これらの現状破壊性ゆえに、野田政権と日帝ブルジョアジー中枢は、TPP参加方針を支配階級内の分裂をも押し切り、結論ありきで急ぎに急いでいるのである。連合中央も早々とTPP賛成の態度を表明した。
彼らの手口は「GDP比で農業の割合は1・5%。これを守るために残り98・5%の産業が犠牲になっている」(政調会長・前原)という洪水のようなデマだ。実は自動車や家電などの耐久消費財の輸出額はGDP比で約1・7%にすぎない。また「労働者は高い農産物を買わされている」というのも労働者と農民を分断する許し難いデマ宣伝である。「自由化」で食料価格が下がれば賃金はさらに下がる。資本主義の鉄の法則だ。
彼らがTPP参加に熱中する本当の狙いは、日本全体の賃金水準のさらなる劇的な切り下げと非正規化の徹底なのだ。カナダ、アメリカ、メキシコの自由貿易協定NAFTAが成立した時、アメリカ国内で50万人以上が失業し、これがアメリカ労働者の賃金水準をさらに劇的に押し下げたことを知るべきだ。途方もない利益を上げたのはウォール街の金融資本だ。
クリントン政権時代に世界的な反グローバル化運動で粉砕された「投資の絶対的自由の保障」がTPPの一角を占めていることも隠されている。外資を含む金融資本が東北の「復興特区」需要を独占する動きも始まっている。米帝資本は日本の医療制度も狙っており「国民皆保険」を軸とする医療も決定的な崩壊に追い込まれる。
TPPをめぐる攻防が全面的な階級的激突となることはまさに不可避である。労働者と農民との階級的連帯=労農同盟こそが闘いの勝利の道だ。11・6労働者集会の爆発でTPP粉砕へ断固として進撃しよう!
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週刊『前進』(2510号3面2)(2011/10/31 )
広島連帯ユニオン “市営バスの民営化反対”
呉市で団結集会開く
10月21日、呉市で広島連帯ユニオン呉市交通局支部主催の「市営バス民営化反対/呉労働者団結集会」が開かれ、交通局支部の労働者を先頭に45人の参加で大成功した。呉市交通局支部とユニオン組合員、地域の労働者・住民が一堂に会し、「市営バス民営化絶対反対」を打ち出した初めての集会だ。
呉市交通局の民営化は新自由主義・道州制の推進者である小村和年呉市長と、それに全面協力する連合・呉公営交通労組の腐敗した幹部の協定によって進められてきた。これに対する現場からの反撃が本格的に開始されたのだ。マスコミも注目し、NHKと中国新聞の記者が取材に訪れた。
交通局支部の組合員が登場すると会場から熱烈な拍手が送られた。支部の委員長が決意を表明した。「今回の民営化にあたって一番腹の立ったことは、公営組合(呉公営交通労組)が一部の仲間内で民営化に協力すると決めてしまったことだ。私は何も闘わない組合に反発して組合をやめ、ずっと蚊帳の外だったが、最後の段階でこのまま何もしなかったらいけないと思って闘いを始めた。ビラを配っているが、公営組合は私に一切反論してこない。底が浅い連中だ。公営組合は労働組合ではない。ちょっとしたことでこの民営化は崩れそうな気もする。民営化断固反対、ひとりの首切りも許さないために、最後の最後までやっていきます」
支部委員長が晴れやかな表情できっぱりと述べると、再び拍手が巻き起こった。
広島連帯ユニオンの鈴木範雄委員長が、「ユニオンの総力で民営化に反対する」と主催者あいさつを行い、交通局支部結成から闘ってきた植野定雄特別執行委員が闘いの報告と展望を提起した。社保庁分限免職者の平口雅明さんと動労千葉争議団の高石正博さんの特別アピールは、交通局労働者を勇気づけた。平口さんは「赤字だ、労働者が悪い、というキャンペーンは国鉄も社保庁も交通局も同じだ。『ひとりの首切りも許さない』と団結して闘えば勝てることを今日あらためて実感している」と述べた。
高石さんは「国鉄の分割・民営化は国を挙げての攻撃だったが、『ひとりの首切りも許さない』と団結したから闘えた。今も私たちはJR東日本と対等に闘えているし、10年間にわたって外注化を阻止し続けている。職場を握っているのは俺たち労働者だ。俺たちがうんと言わなかったら電車も動かない。バスだって動かないでしょう。この攻撃も団結して闘えば必ず勝てる」と力強い檄を飛ばした。
さらに小村市長が「つくる会」系教科書を採択したことに激しい怒りを表明した呉市民、教組、高陽第一診療所労組、動労西日本、広島市の自治体労働者らが次々と共闘のアピールを行った。連帯ユニオンからは草津病院支部委員長、青年部長が決意を述べ、最後に全参加者が心をひとつに団結ガンバローを行った。
呉市営バス民営化阻止で、動労千葉労働運動を適用し実践していく決定的な闘いが始まった。(投稿/広島県労組交流センター・W)
(写真 民営化絶対反対で断固として闘い抜く決意を表明する呉交通局支部委員長【10月21日 広島県呉市】)
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週刊『前進』(2510号3面3)(2011/10/31 )
国家公務員 7.8%大幅賃下げ許すな
連合が先兵 職場から怒りの反撃を
政府は10月25日、給与関係閣僚会議を開き、人事院勧告を実施せず、国家公務員賃金を7・8%引き下げる給与特例法案の成立をめざす方針を確認した。人事院は9月30日、今年度の国家公務員給与につき、月給を0・23%引き下げ、期末・勤勉手当の支給月数を3・95カ月に据え置くとする勧告を出した。賃金引き下げを人事院が勧告すること自体、許し難いが、野田政権はその勧告すら無視し、大幅賃下げの特例法案を押し通そうとしているのだ。
この野田政権の方針を支えているのが、連合と連合系の公務員連絡会(国公連合、自治労、日教組など)だ。公務員連絡会は、公務員制度改革法案と7・8%賃下げ法案をセットで成立させることを野田政権に要求し、人事院勧告に基づく給与改定を実施するなと主張している。人事院勧告を超える大幅な賃下げを、労働組合の名のもとに要求しているのだ。
さらに許し難いのは、公務員連絡会が「『日本の再生のために被災者・被災地とともに歩む』決意をもって、2013年度末までの間、月例給与を5〜10%、一時金を10%それぞれ引き下げることで合意した」などと言っていることだ。公務員賃金の引き下げで「復興財源」を生み出すことが被災地のためになるなどというのは、断じて労働者階級の立場ではない。野田政権は、復興特区を創設することで被災地の労働者を徹底的に非正規雇用に突き落とし、「アジア諸国並み」の低賃金で搾取をほしいままにしようとしている。その手始めに、公務員労働者に攻撃を集中しようとしているのだ。連合はそのお先棒を担いでいる。
野田政権は、地方公務員にも大幅賃下げを強いようとしている。政府は地方公務員賃金の大幅引き下げを前提に、国が自治体に交付する義務教育国庫負担金を約1千億円削減する方針を固めた。
賃下げを自ら要求する連合を打ち倒し、今こそ職場から階級的労働運動を復権させよう。原発再稼働に突き進む野田政権打倒へ、11・6労働者集会への巨万の結集をかちとろう。
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週刊『前進』(2510号3面4)(2011/10/31 )
「年100_SV」強いるJR
全職場で被曝許さぬ闘いを
動労水戸は、JR東日本による被曝労働の強制に対しストライキで立ち向かい、放射能汚染車両の検査を阻んでいる。原発・放射能問題を職場における労働組合の課題として真っ向から取り上げ、国家権力やJR資本と非和解的に激突するこの闘いは、大震災下で階級的労働運動の進むべき道を鮮明に指し示した。
動労水戸ストが開いた地平
今やJR資本は、原発再稼働につき進む野田政権の最悪の先兵となっている。JR東日本は、政府が緊急時避難準備区域の指定を解除するや、直ちに常磐線の久ノ浜−広野間の営業運転再開を強行した。これは、福島原発事故がなんら収束していない中で「安全」を強弁し、被災地の労働者人民を切り捨てる凶悪きわまる攻撃だ。
JRは、震災以降、広野駅に放置され、大量の放射能に汚染された車両を勝田車両センターに回送し、その検査業務を労働者に強いようとした。さらにその車両を営業運転に使うというのが、JRのもくろみだった。動労水戸の闘いはこれに真っ向から立ち向かい、汚染車両の検査を阻止しぬき、青年労働者の組合加入をかちとった。
この闘いは、京葉車両センターにおける構内運転業務の外注化実施を阻んだ動労千葉の闘いに続き、労働運動の決定的な地平を切り開いた。
しかし、JR資本はあくまでこの攻撃を押し貫こうとしている。10月21日、JR東日本は常磐線の原ノ町−相馬駅間の営業運転を年内に再開すると発表した。まさにこれは、「年内に福島第一原子力発電所の冷温停止をめざす」と強弁する東電や野田政権と呼応した動きだ。
JR東日本は、営業運転再開に向け、2編成6両分の部品を原ノ町運輸区に搬入して車両を組み立て、検修設備を設置するという。原ノ町は福島第一原発から25`圏内に位置する。そこでの検修作業とは、まさにJR労働者・関連企業労働者への被曝労働の強制にほかならない。
法令を無視し除染もしない
JRは放射能対策を行うつもりなど一切ない。
9月に行われた国労との団交で、JR東日本は「(労働者の被曝線量は)事故期だから年間20〜100_シーベルトで構わない」と言い放った。さらに「会社独自の測定は考えていない」「年間20_シーベルトを超える区域の除染は国の責任。当社でやることではない」「国の基準を当社独自の基準に変えられない」「国のルールでやるしかない」と居直りを決め込んだ。”国が安全と言うから安全なのだ。文句を言うな”ということである。
JR資本は、国の”被曝強制基準”を労働者に押しつける先兵となっている。年間20〜100_シーベルトという被曝線量は、戦慄(せんりつ)すべき数値だ。
JRが放射能に汚染された鉄道設備や車両を使う以上、「電離放射線障害防止規則」を守らなければならない。同規則は原子炉の運転やエックス線装置を使用する業務に限らず、「放射性物質またはこれに汚染された物の取扱いの業務」を行う者にも適用される。厚生労働省通達(基安発0623)でも、3カ月に1・3_シーベルトを超える恐れがある作業に労働者を従事させる廃棄物処理業者などに、同規則
を順守することが義務づけられている。
電離放射線障害防止規則は、放射線量が3カ月で1・3_シーベルトを超える区域を「管理区域」とし、標識で明示して必要以外の者の立ち入り禁止を定めている。3カ月で1・3_シーベルトとは年間で約5_シーベルトだ。JRは「年間20_シーベルトが目安」と言うが、それは放射線管理区域内での労働を超える被曝量だ。
しかも同規則は、管理区域内で放射線業務に従事する労働者の被曝限度を5年間で100_シーベルト、かつ1年間で50_シーベルトに制限している。女性の場合は3カ月で5_シーベルト以下だ。そもそも一般労働者は年間1_シーベルト以下が基準だ。
こうした基準自体が、「それ以下なら安全」というものではない。ところが放射線について何の専門知識も持たないJRが、法令も無視し、100_シーベルトまで大丈夫と言い放ち、規則で義務づけられた労働者の被曝線量を測定もせず被曝労働を強制している。これは殺人行為である。
まして、福島の子どもたちに年間20_シーベルトを押しつけている国のやり方は断じて許せない。JRは労働者に被曝を強制することで、子どもたちへの被曝の強要に加担している。
JRの各職場や線路脇、トンネルなど、放射線量の高い区域は少なくない。ところがJRは、危険区域の表示もせず、除染も「国のやること」とうそぶいて一切行おうとはしない。労働者だけでなく、周辺住民や乗客にも被曝を強いているのがJR資本だ。
東労組と国労本部の総屈服
こうした攻撃を許しているのは、東労組や国労本部のJR資本への屈服だ。東労組は、常磐線の久ノ浜―広野間の営業運転再開に際し、「乗務員にマスクを配れ」とつぶやくだけで、攻撃を全面的に容認した。国労本部も被曝労働の強制と闘う姿勢はみじんもない。体制内派は、資本と一体となって青年労働者や女性労働者の生命・生存を踏みにじっている。
あろうことか彼らは、被曝を甘受して働くことが「公共交通」を担う労働者の「被災地復興」に向けての使命であるかのような観念さえ抱いているのだ。
だが野田がやろうとしていることは、「復興特区」が示すように、被災地の労働者・農民・漁民を切り捨て、資本の餌食にするということだ。被災地の労働者との連帯は、自分や同僚に被曝労働を強いる資本と徹底的に対決することにある。
職場の怒りを11・6集会へ
JRに限らず、東日本全域で放射能問題と無縁な職場はひとつもない。野田政権はあくまで原発に固執し、再稼働のみならず新増設さえ狙っている。そのために福島原発事故は収束しつつあるかのようなデマを唱え、労働者に被曝を強い、それでも安全だと強弁している。こうした攻撃と闘わなければ労働者の命は守れない。被曝労働の強制と対決する闘いは、職場の仲間の根源的な怒りを引き出し、行動によって労働者の団結を築き上げるものに必ずなる。
動労千葉・動労水戸や被災地の闘う国労組合員は、被曝を強いるJR資本と日々対決して闘いぬいている。これに続く闘いを全職場で巻き起こし、11・6労働者集会1万人結集へ突き進もう。
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週刊『前進』(2510号3面5)(2011/10/31 )
TPP断固反対! 3000人がデモ
10月26日午後、東京・日比谷野外音楽堂で「TPP交渉参加に反対し日本の食と暮らし・いのちを守る全国決起集会」が開かれた。全国から3000人を超える農民、漁民、そして農業・林業・酪農・医療・生協を始めとする労働者が結集した。11月中旬のAPEC首脳会議を前にしてTPP参加へ攻撃を強める政府に怒りの声をあげた。決起集会後、参加者は霞が関の官庁街をデモ行進した。
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週刊『前進』(2510号4面1)(2011/10/31 )
福島大で300人が昼休み集会
当局の弾圧を打ち破り
10・21 ついに反原発闘争始まる
10・21福島大学闘争は、歴史的な成功をかちとった。福島の教育労働者、農漁民、母親・保護者の闘いに続いて、福島大学からも原発と非和解の怒りの火柱が上がった。全学連の呼びかけに応え、昼集会には福島大生と全国学生300人が集まった。3・11以降、二けたを超える闘う福島大生が6・19怒りの福島大行動、「反原発・大学奪還」の7・8東北大集会、8・6ヒロシマ、9月全学連大会、9・11新宿デモ、10・10NAZENフクシマ結成集会と連続的に参加し、ついに福島大学のど真ん中から、原発再稼働を狙う野田政権を撃つ決起が始まった。全国の学友はこの決起に応え、11・6労働者集会への結集をつくり出そう。
全学連が福大生と大合流
10月21日昼、福島大キャンパス中央に全学連の部隊が到着し、「福島から大学を問う全国学生集会」が開始された。普段は学生の声が抑えつけられて「おとなしい」(福大生の言葉)キャンパスには、大学旗や反原発のぼり、横断幕が掲げられ、拡声器からの元気な声が響きわたり、一気に解放空間と化した。
福島大当局は副学長を先頭に教職員が30人以上も出てきて、福大生に必死に「立ち止まらないで!」と呼びかけたが、多くの福大生は講義棟の中、生協の前、キャンパスの至る所に立ち止まり、ベンチや横断幕前に座り込み、合流した。福大生は放射能被害を押し隠す「笑顔の発信」キャンペーンではなく、怒りの決起を心から望んでいたのだ。この過程での一言カードには、「大学も学生ときちんと話し合うべき!」「この大学は、まったく学生を守ろうとしていない! 本当におかしい」「福島の未来を守りたい」との真剣な思いが寄せられている。
司会は全学連副委員長・石田真弓君。NAZEN事務局長の織田陽介さんが発言に立ち、「放射能の問題、原発の問題は福島大生だけの問題ではありません。そういう思いで全国から集まりました。野田政権は、フクシマの現実をひた隠しにして原発を再稼働し、海外に輸出しようとしています。『命より経済』『人間よりも金もうけ』ということです。そのような社会を続けさせていくために、私たちがキャンパスで被曝させられることは絶対に許せません」と訴えた。
続いて、「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」世話人の佐藤幸子さんが、「被害者同士が分裂するようなことを、東電も国もやっています。学生さんは、これからの日本を背負って立ちます。自分のこと、そして未来のことを考えて行動してください。つらい人たちのことを考えられるようになってください」と檄(げき)を発した。
斎藤郁真全学連委員長は、「福島大だけではなく全国の大学で、大学当局はホットスポットに何の対策もとらない。学生に諦めることを強制している。福島大から大学のあり方を問う運動を始めよう」と発言した。
(写真 【上】昼休みのキャンパス中央に登場し反原発闘争に立ち上がろうと訴える全学連【下】大学当局の妨害をはねのけて福大生が至る所で聞き入った【10月21日 福島大】) 福島大と県立医大に申し入れ
圧倒的高揚の中、福島大学当局に申し入れ書提出を行った。「キャンパス内での年間被曝線量1_シーベルト以下の教育環境を保証すること」「日本原子力研究開発機構との連携協定を破棄すること」「原発再稼働に反対すること」「講演会への教室貸し出し拒否を謝罪して学生の自由な活動を認めること」を求め、申し入れ書を清水修二副学長に手渡した。また、福島県立医科大学にも、「山下俊一、神谷研二両副学長を解任すること」「被曝データ採取のための『健康調査』ではなく、県民全員の命を守るための医療措置を無償で実施すること」などを申し入れた。
豊島佐賀大教授の講演会に80人
夕方には、「福島原発事故と大学人の責任」をテーマに、佐賀大学教授の豊島耕一さんの講演会を行い、80人が結集した。福島大当局の恫喝や妨害をはね返し、むしろその弾圧を怒りに変えて福大生が多数参加した。
豊島さんは、原発事故と放射能汚染を物理学者の観点から明快に解説し、同時に国立大学法人化を批判した。そして、「直接行動は自分たちの力を認識させる。学生の行動が必要」と福大生と全学連の決起に大いに期待を寄せてくださった。
活発な質疑応答後、斎藤全学連委員長から10・28の第3波法大包囲デモと文科省行動、経産省座り込みへの合流、そして11・6集会への総決起が提起された。
(写真 夕方から開催された佐賀大の物理学者・豊島教授の講演会。福島大生も参加した【10月21日】)
キャンパス支配権奪還を
あらためて明らかになったことは、新自由主義大学の腐敗だ。キャンパスが放射能で汚染されて学生の健康と未来が奪われようとしている時に、本来であれば大学こそが最先頭で原発反対、再稼働反対の声をあげるべきではないのか。しかし、福島大当局がやったことはまったく逆だった。
福島大当局は、7月に高速増殖炉「もんじゅ」を運営する日本原子力研究開発機構と連携協定を結んだ。そこから原発容認が加速した。さらに10・21当日、反原発集会への教室貸し出しを拒否した。福大生が原発に反対して集まることそのものに恐怖し、すべての教室に施錠して回った。しかも、10・21集会を「教育環境を害する企画」と言いなし、原発反対で活動する福島大生を呼び出して「活動するな」と許し難い恫喝を加えたのだ。ただ一点、福大生自身が自らの意思と行動によってキャンパスから立ち上がることだけは認めないのが福島大当局だ。この分断と差別が原発事故を引き起こしたのだ!
反原発闘争は、学生がキャンパスの支配権を団結して奪い返していく闘いと一体だ。
11・6で1%の支配者打倒を!
ウォール街を先頭に全世界で、99%のわれわれが1%の支配者どもを打倒する闘いが始まった。10・21闘争はその一環だ。そして、すべての怒りの頂点に、11月6日の全国労働者集会1万人結集を押し上げよう!
「世界で僕たちと同じように考え行動している学生がいます。ウォール街で若者が立ち上がっています。時代は今、明確に変わろうとしています」(織田陽介さん)。今こそ、学生は一つになって行動しよう。10・21の高揚の中から、福島大生が続々と11・6集会への参加を決め始めている。福島大生の決起に決定的な意味がある。
野田政権は、原発事故「収束」の大宣伝で「フクシマの怒り」をたたきつぶし、原発を再稼働させることに必死だ。それは、大恐慌でグラグラになりながらも、延命に必死になる日本帝国主義のあがきだ。
しかし、原発事故は現在進行形であり、福島県民200万人の中に、命と未来をかけた根底的な決起が今も拡大してきている。ここに全国の闘いが合流したとき、反原発闘争はさらに加速するのだ。
全国学友は残る1週間の組織戦と宣伝戦を全力で闘い、11・6日比谷野音へ総決起しよう。
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週刊『前進』(2510号4面2)(2011/10/31 )
“福島の子どもを守れ”
郡山 集団疎開裁判勝利へ集会
10月15日に「ふくしまの子どもを守れ!郡山集会&デモ」が行われました。福島県内や全国から山本太郎さんを始め300人が参加し、郡山駅前での集会と、郡山市役所まで2・7`のデモを行いました。
この集会は、子どもたちの集団疎開を求めて闘われている「ふくしま集団疎開裁判」の勝利と、切り捨てられようとしている福島の子どもたちを守るために、声を上げようと企画されました。
初めに、ふくしま集団疎開裁判弁護団の柳原敏夫さんから裁判報告がなされました。
6月24日、郡山市の小中学生14人が郡山市を相手に、年1_シーベルト以下の環境で教育を実施することを求めて、緊急の救済手段である仮処分を福島地裁郡山支部に申し立てました。14人が通う七つの学校では、3・11後の2カ月半だけでも地上1bの放射線量の積算値は3・8_シーベルトから6・8_シーベルトに達しました。また8月末に公表されたセシウムの土壌汚染のデータをチェルノブイリの場合と比較すれば、二つの学校が住民を強制移住させた移住義務地域に該当、四つの学校が住民に移住する権利が認められる移住権利地域に該当することが分かりました。
この裁判の判断は11月に出されようとしています。「本日の集会とデモで疎開裁判の正しさを支持する声を裁判所に届けよう」との報告と訴えがなされました。
ひとことアピールでは三春町から来た武藤類子さんが、福島の現実への怒りを「まるで見えない檻(おり)に閉じ込められているかのように思えます」と語り、「私たち大人は全力で子どもたちの健康被害を防がなければなりません。そのために力を合わせましょう」とアピール。中手聖一さん(子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク代表世話人)は、除染のモデル地区とされている福島市渡利地区で行われた国と市の説明会で、住民500人が「子どもを守るためすべての手を尽くしてほしい」と怒りの声を上げたと報告。そして文科相がやっと取り下げた20_シーベルト基準が福島市では復活していることを弾劾し、なんとしても力を合わせて撤回させたいと訴えました。
続いて、佐藤幸子さん(福島子どものいのちを守る会代表)を始め、全国からの参加者が次々とアピールを行い、最後に山本太郎さんが「経済と人命を天秤(てんびん)にかけて福島の人びとは切り捨てられようとしている。目の前のお金を守るために子どもたちが殺されようとしている。とんでもない。みんなで声を上げよう。その第一歩として疎開裁判に勝たなければならない」と結びました。
最後に参加者全員で、「わたしたちは、わたしたちの生命・財産と権利、とりわけ、かけがえのない子どもたちの命と未来を守るために、また人間が人間として人間らしく生きる社会を実現するために、あらゆる努力を尽くします」という10・15郡山宣言を採択し、デモに出発しました。
私たちは、すべての原発いますぐなくそう全国会議フクシマのNAZENの旗を掲げて全学連とともに参加し、この日の集会とデモを最後まで闘いました。
(福島労組交流センター・渡辺馨)
(写真 郡山駅前の集会後、デモ行進をやり抜き市役所前に到着したデモ隊【10月15日 郡山市】)
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週刊『前進』(2510号4面3)(2011/10/31 )
反原発で連日デモ 東京
原発と失業に怒る青年を先頭に街頭で新たな決起が続々と生み出されている。11・6集会の成功へ、東京で連日デモが闘われた。
新橋 東電本社を直撃 多数の初参加者が加わる
10月21日、東電本社を直撃するデモが行われた。JR新橋駅前のSL広場に集まった新橋アクションのメンバーたちが次々とマイクをとって、「野田政権の再稼働宣言は絶対許せない」「次の事故は5千年に一度と開き直る東電本社に抗議のデモをやろう」と訴えた。飛び入りの青年が「原発事故だけでなく、TPPもすべての権利を奪うものだ。僕にもしゃべらせてください」とアジテーション。野田政権に対する青年の怒りは激しく深い。
5回目となる新橋アクションのデモだが、多数の初参加者が加わり90人のデモ隊で出発。にぎやかな商店街の中、これまでで最も反応がいい。手を振る人、立ち止まって唱和する人など、確実に情勢は成熟している。霞が関直近のこの地域で労働者の決起が広がることは、資本家階級の支配の崩壊を意味する。回を重ねるごとにその手応えが強まっていく。東電本社前で、デモ隊のボルテージは最高潮に達した。公安は大慌てだ。弾圧も許さず、徹底弾劾を貫いた。(東京・W)
(写真 今までで最高の反応【21日 新橋】)
吉祥寺 沿道の若者合流 飛び入りでデモコール
10月22日、吉祥寺で反原発・反失業デモが200人の参加でかちとられた。地域の合同労組が呼びかけての吉祥寺デモは、今回で3回目だ。
子どもたちを放射能から守る全国小児科医ネットワーク代表の山田真さんも、吉祥寺での講演会を終えてからデモに参加した。
沿道からビラ、NAZENパンフを受け取りにくる人が続出。警視庁はデモへの弾圧を狙って大量の制服・私服警官を動員したが、デモ隊も沿道も一体となって原発への怒りを解き放った。若者を先頭とする生き生きとしたデモに引きつけられて、自分もデモコールを叫びたいという若者が沿道から合流、マイクを握りデモの先頭で元気いっぱいに声を張り上げた。
デモ後の交流会では、デモへの飛び入り参加者を交えて活発な討論が行われた。たまたま東京に来ていたという福島県の青年労働者は「放射能対策を要求しているが会社はまったく動かない。職場から声を上げていきたい」と訴えた。福島の怒りと闘いとともに11・6労働者集会に総決起しよう!(東京・KN)
(写真 若いパワー炸裂【22日 吉祥寺】)
高円寺 公園使用妨害はねのけ 150人超える隊列
10月23日、すべての原発いますぐなくそう高円寺デモ&交流集会を行いました。高円寺から阿佐谷まで大通りのデモに150人以上が参加し、沿道でビラが1千枚以上配られました。
交流集会では、チェルノブイリの子どもたちの被曝を記録したビデオに怒りの涙があふれました。「原発、核への怒りは、仲間の命をあいまいにしない労働者の団結で示す」と、スト処分と闘う東京西部ユニオン鈴木コンクリート分会が表明。スーパーゼネコンの建設現場でも原発同様、5次・6次下請け労働者が労災事故と背中合わせだという話に、怒りを表したのは最近派遣切りにあった青年でした。
杉並区は9月末、デモの出発点に予定した高円寺中央公園の使用を不許可にしました。私たちの抗議の大宣伝は、ネット、ツイッターで数十万件に拡大。区は渋々、駅から近い別の公園を許可しましたが、中央公園は最後まで使わせませんでした。しかし、初めてデモに参加した人が「警察がこわくて原発が止められるか。知り合いを誘って日比谷に行く」と言っています。勝負は11・6です!(東京西部・I)
(写真 妨害への怒り拡大【23日 高円寺】)
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週刊『前進』(2510号4面4)(2011/10/31 )
10月18日〜24日
憲法審査会が4年ぶり始動/リビアでの戦闘が「終結」
●経産相が原発輸出継続を宣言 国際エネルギー機関(IEA)閣僚理事会で枝野経産相が「原発の安全性を世界最高水準まで高める」と演説し、当面は原発輸出から撤退しないと強調した。(18日)
●旧ソ連圏が自由貿易圏創設へ 旧ソ連諸国で構成する独立国家共同体(CIS)が首相会議を開き、自由貿易圏創設で合意した。(18日)
●日韓首脳会談開く 野田首相が訪韓し李明博大統領と会談、日韓のEPA(経済連携協定)交渉再開について協議した。また国際金融市場の混乱時に備えた通貨融通(スワップ)協定の限度額を現行の5倍に拡大することで合意した。(19日)
●ギリシャでゼネスト ギリシャ国会が緊縮法案を採決。これに反対する48時間ゼネストが行われ、デモ隊が治安部隊と激突した。(19〜20日)
●リビアでの戦闘が「終結」 カダフィ大佐が最後の拠点・シルトでの戦闘で死亡し、国民評議会がリビア全土を制圧した。(20日)
●TPP参加へ農業改革方針案 政府の「食と農林漁業の再生実現会議」が、TPP(環太平洋経済連携協定)参加を視野に入れた農業再生の基本方針と今後5年間の行動計画案をまとめた。(20日)
●米がイラク撤退宣言 オバマ米大統領がイラク駐留米軍を今年末までに完全撤退させると発表した。イラク政府が一部残留を拒否していた。(21日)
●憲法審査会が始動 衆参両院が改憲案を審議する憲法審査会の委員を選任し、07年の設置以来初めての会合を開いて、民主党の大畠章宏前国交相が衆院の、自民党の小坂憲次元文科相が参院の会長に就任した。(21日)
●国家戦略会議の設置を決定 政府は国の重要政策に関する基本方針を策定する国家戦略会議の設置を閣議決定した。これに伴い18の会議を国家戦略会議に統合または廃止した。(21日)
●米国防長官が辺野古早期移設求める
アジア歴訪中のパネッタ米国防長官が、普天間飛行場の辺野古への「できるだけ早い移設」が必要と言明し、日本政府にアセスメント評価書の早期提出を求めた。(23日)
●日仏が原子力協力強化 野田首相がフィヨン仏首相と会談し、原子力エネルギー分野での日仏協力を強化する共同宣言を発表した。軍事機密など秘密情報の保護を定めた日仏情報保護協定の締結でも合意した。(23日)
●金融危機克服でユーロ首脳会議
ユーロ圏17カ国が首脳会議を開き、ギリシャ債務削減・銀行資本増強・金融安定化基金の拡充など大枠の方針で合意したが、独仏の不一致がなお残り、結論は持ち越された。(23日)
●ベトナムと防衛首脳会談 一川防衛相がベトナム国防相と会談し、対中国問題を協議、防衛分野での両国の連携を強化する覚書に署名した。(24日)
●玄葉外相がTPP推進宣言 玄葉外相が経団連の米倉会長と懇談し、「TPPをまずやる。それが(日韓EPAなど)他の交渉を進めることになる」と述べた。(24日)
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週刊『前進』(2510号5面1)(2011/10/31 )
「原発事故収束」キャンペーン粉砕を
核燃料がメルトダウンして「冷温停止」などあり得ない
(写真 ▲3月12日の1号機の水素爆発。白い煙が低く広がった) (写真 ▲3月14日の3号機の爆発。黒い噴煙が高く立ち昇った)
(写真 ▲3号機原子炉建屋の南側【写真左側】が激しく崩壊) (写真 ▲3号機原子炉建屋の赤外線写真。白い部分が熱源)
日帝・野田政権は今、福島第一原発事故の「収束は近い」とキャンペーンしている。収束に向かっているから「緊急時避難準備区域」を解除した、住民は家に戻れる、除染すれば元どおり生活できる、原発再稼働もできる、というわけだ。しかし「収束」の見通しなどないのが真実だ。危険は去っていない。11・6集会を反原発の大闘争とし、「収束」キャンペーンを打ち砕こう。
再稼働を狙ったインチキ
政府と東京電力の統合対策室は10月17日、福島第一原発事故の「収束」に向けた工程表の改定版を公表した。「冷温停止」を言い換えた「冷温停止状態」などを盛り込んだ「ステップ2」の達成時期を来年1月から年内に前倒しし、来年から廃炉の過程に入ると宣言している。
内閣府原子力委員会は報告書案で使用済み核燃料プール内の燃料は2015年以降、原子炉内の溶融燃料は22年以降、取り出し作業を始め、廃炉終了には「30年以上を要する」との長期見通しを盛り込んだ(毎日新聞10・26付)。
これらはすべて空論であり、まやかしだ。収束も溶融燃料の取り出し・廃炉も不可能だ。
政府・東電は原子炉、使用済み核燃料プールとも大幅に温度が下がり、汚染水も徐々に減っていると主張し、工程表を改定した。だが、溶けた核燃料の再溶融、水素爆発、水蒸気爆発のおそれがある。高濃度汚染水が漏れ出て地下水や海を汚す危険も去っていない。
政府と東電は@原子炉の温度が100度以下に下がっているA放射性物質の放出が管理されているB原発敷地内の放射線量が大幅に抑えられている――これを冷温停止状態とした。
だが本来の「冷温停止」は@圧力容器の密閉A放射性物質の封じ込めB原子炉冷却材の100度未満――が達成されている状態だ。「冷温停止状態」はこの「冷温停止」からほど遠い。「事故を起こし、制御棒も入っていないのに原子炉の何を停止できるのか。せいぜい冷温維持だ」(田中三彦氏)。
壊れて穴の開いた圧力容器・格納容器、放出され続ける放射性物質、増え続ける汚染水。それを「抑制」「管理」すれば「冷温停止状態」だと言う。現状追認の工程表など何の意味もなさない。
水蒸気爆発も
溶けた炉心は2800度以上の高温、100d以上の重量だ。厚さ16aの鋼鉄製の圧力容器は1500度で溶けるからメルトスルーしている。したがって溶けた炉心は圧力容器の外側の格納容器の底に落ちる。厚さ3aしかない格納容器も溶け、一部は横に流れて格納容器の壁も溶かし、建屋の地下に流れ込み、さらにコンクリートを溶かして地中にめり込む。
核燃料が原子炉建屋の外部に直接漏れ出て超高濃度の放射性物質をまき散らすメルトアウトだ。これが地下水に触れると水蒸気爆発を起こす。
あふれる高濃度の汚染水
もう一つのまやかしは「循環注水冷却」だ。
原子炉を冷やす冷却水の流れは途中で切れ、循環などしていない。建屋地下にたまった水を吸い上げ、水処理施設で一定程度塩分や放射性物質を除去し、原子炉に打ち水し、漏れた汚染水を建屋地下にためているのだ。
この間、建屋地下もあふれそうになっている。地下水が大量に流入しているからだ。水処理施設が本格稼働した6月下旬以降、10月中旬までの4カ月間で計約5万d、1日あたり450dもの地下水が流れ込んだのだ。降雨と連動しているが、建屋の壁などにできた損傷部から流入しているとみられる。流入した地下水は建屋地下の高濃度汚染水と混じっている。
汚染水は6月下旬に12万7千dだったが、10月18日には17万5千dに増えた。汚染水は18日、あふれるおそれのある高さの約1b下に迫った。水処理施設の不具合が起これば循環が滞って水位が一気に上昇する。
汚染水の淡水化処理に伴って出る塩分の濃い濃縮廃液は専用タンクにためられる。現在、毎月2万dのタンクを増設している。タンク置き場のために原発敷地内の森を伐採している。
地下水流入を止めなければならないが、難しいとして東電は対策工事を計画していない。損傷部の修理、遮蔽(しゃへい)壁や地下ダムを造らなければ汚染水があふれ環境汚染が広がる。
核燃料爆発か
水素爆発と言われる1号機、4号機の爆発の真相もよく分かっていないが、3号機での激しい爆発は核爆発だった可能性がきわめて高い。
3月14日の3号機の爆発で建屋はめちゃめちゃに壊れた。オレンジ色の閃光を発して爆発し、黒い噴煙が勢いよく大きく立ち昇った。3度の爆発音が聞こえた(噴煙は4月にも2回上がった)。使用済み核燃料プールの燃料棒の破片が吹き飛んだ。ハワイや米本土でウラン、プルトニウム、アメリシウムが検出された。これは燃料棒の揮発を意味する。
建屋南側の崩壊が激しい。赤外線写真では南側に熱源が見える。燃料プールで急激な核反応が起き、水素爆発より激しい爆発が起きたと推測される。事故はより深刻だということだ。
「廃炉」「石棺」の道も困難
事故が収束したとしても1〜3号機を廃炉にすることは困難を極める。
廃炉とは、核燃料を原子炉の中から取り出して、原子炉も建屋も全部壊して原発敷地を更地に戻すことだ。溶融燃料を遠隔操作で金属キャスク(容器)に入れて運び出さなければならない。
1979年のスリーマイル原発事故でも炉心が溶けたが、圧力容器は壊れず、炉心は圧力容器内にとどまった。このため核燃料を見て取り出すことができた。
福島第一の場合、炉心を見ることができず、溶融燃料を取り出せないから廃炉にできない。石棺で覆い、封じ込めるしかないが、それはチェルノブイリの場合よりもさらに厳しく難しい事業だ。
86年のチェルノブイリ原発事故でも溶けた炉心は地下に流れた。そこで「石棺」というコンクリートと鉄と鉛などからなる構造物を造り、地下を含めて全部を覆い、封じ込めた。その作業のために80万人が大量被曝した。石棺は25年を経過してぼろぼろになり、放射能が漏れ出ている。その周りを巨大な「第2石棺」で覆う構想がある。
福島の場合、溶融核燃料は鉄などを溶かして融合・巨大化し、100〜200dもの塊になっている。それが三つもある。石棺を三つ造らなければならない。
溶融核燃料塊にはプルトニウム239が含まれている。半減期は2万4千年だ。石棺は20〜30年で耐用期限が切れる。それを覆う巨大石棺を千個も造り続けることなどできるのか。
政府と東電の事故「収束」キャンペーンと「緊急時避難準備区域」解除を粉砕し、再稼働阻止・全原発廃炉へ、11・6集会に総結集して闘おう。
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週刊『前進』(2510号5面2)(2011/10/31 )
なくせ原発 再稼働阻止へ!C
労働組合の力で原発停止・廃炉へ
青年先頭に労組がストで闘い被曝労働と非正規職なくそう
動労水戸のストが勝利の展望を示す
この10月、国鉄を先頭とする日本の労働運動は世界大恐慌と原発大事故の情勢のもと、全世界で始まった資本主義・新自由主義打倒の反乱に明確な闘いの方向を示した。
動労千葉は何度もストライキに立ち上がって10年間にわたり外注化を阻止した上に、JR東日本が打ち出した業務の一部外注化10月1日実施も完全に阻止した。動労水戸は原発再稼働と復興・安全キャンペーンのためのJR常磐線延伸・汚染車両の検査・修繕のための被曝労働の強制を、ストライキで阻止した。そしてともに青年労働者を獲得している! 労働組合の闘い、ストライキにこそ原発をなくし、青年に希望を与える力がある。
(写真 動労水戸は被曝労働強制と外注化に反対し敢然とストに突入した【10月13日】)
低線量内部被曝の危険性を訴え
福島第一原発事故は人類史上最悪といっていい大事故だ。10月21日、千葉県・柏市で毎時57・5マイクロシーベルトの放射線量、土壌から1`グラムあたりセシウム27万6千ベクレル超の放射能が検出された。この現実は、首都圏を含む東日本、さらには全国に深刻な汚染が拡大していることを突きだした。
そして、今も放出され続けている膨大な放射性物質は「風に乗って広がる」だけではなく、「労働者が運ぶ」「労働者が被曝させる」というさらに破滅的な事態を生み出している。学校、保育所、港湾、清掃、食肉、水道、輸送をはじめ、あらゆる職場で被曝労働、放射線の測定・検査、放射性物質の移送・管理が問題となっている。被曝労働は原発労働者だけの問題ではなくなった。
野田政権と資本家どもは自ら生み出したこの事態に一切責任を取らず、復興・安全キャンペーンのもと、労働者や住民に被曝を強制している。福島県民に対しては「戻れ、住め、そして被曝しろ!」と言っているのだ。子どもたち、青年を実験台にし、虐殺し、未来を奪いながら生き延びようとしている! これ以上の犯罪行為があるか! 絶対に許せない!
こうした事態を直視し、野田政権と一体となって被曝を強制するJR資本を断罪し立ち上がったのが動労水戸だ。とりわけ低線量・内部被曝の危険性を率直に労働者・住民に訴え、ストライキに立って被曝労働を阻止したのだ。最終的には、JRの方針を基本的に認めていた国労や東労組の組合員も含めて立ち上がる状況をつくり出し勝利した。動労水戸の闘いは、さしあたり「少数」であっても、その圧倒的な正義性が職場−JR全体を揺るがし、すべての労働者を獲得し、勝利できることを示した。動労水戸のような闘いは、どこの職場でも、たった1人からでもできるということだ。職場から労働組合をよみがえらせる道がここにある。
被曝労働下請け化を進めた電力総連
労働者を被曝させるような攻撃に沈黙・加担するような労働組合は労働組合とは呼べない。
動労千葉・動労水戸の対極で原発再稼働や非正規雇用・被曝労働を推進しているのが電力総連だ。「組合員家族の生活を守る」とか「雇用を守る」などと言っているが、その実態は「被曝するような危険な労働は(組合員でもない)下請けに出せば自分たちは安全」という徹底的に反労働者的なものだ。
そもそも彼らを労働組合とは呼べないということをはっきりさせる必要がある。
電力総連(その前身としての電労)は、資本の側が戦後革命の中心勢力であった電産(日本電気産業労働組合)をつぶすため、資本と一体となった極右運動に「労働組合」を名乗らせたのが始まりだ。
電産が解体された後も、資本は労働者の団結を死ぬほど恐れ、職場のリーダーになりそうな労働者を「労使一体」イデオロギーと反共主義で教育・洗脳して「組合幹部」に育ててきた。そうしてできたのが被曝労働の下請け化と非正規雇用化を推進する連合であり、電力総連である。
戦後労働運動の歴史は、資本・国家との闘いであったと同時に、資本の手先となったこうした極右労働運動との闘いの歴史でもあった。国鉄分割・民営化以来の新自由主義との闘いは、「労働組合」「組合幹部」を名乗り、資本と一体になって労働者を支配しようとする極右との闘いだっだ。
9・19の6万人は連合打倒の始まり
しかし新自由主義の破綻と3・11以来、この労働者支配は打ち破られようとしている。9・19の6万人決起は、連合幹部を打倒し、労働組合を自らの手に取り戻す現場労働者の奔流のような決起が始まったことを示した。
連合・古賀会長はこの事態に慌てふためき「われわれは『脱原発』という言葉は使っていない」「『脱原発』が『ただちに原発がなくなる社会』であれば、われわれは『脱原発』じゃありません」(毎日新聞10・25付夕刊)と表明した。連合は原発再稼働に賛成だと資本に向かって再度誓い、現場労働者の決起を抑えつけようとしている。彼らは9・19で「終わり」にしたかったのだ。
しかしすでに始まった現場労働者の闘いはもう止めることはできない。「9・19の次の方針は何か」「野田政権は原発再稼働に向かって動き出しているではないか」と怒りを沸騰させ、闘いの方針を求める声が次々とわき上がっている。
この矛盾と流動化が最も激しく起きているのが国鉄(JR)、自治体、教育、郵政という4大産別の職場だ。自らも被曝労働を強いられ、さらに地域や沿線の住民を、子どもたちを被曝させる労働など、労働者は絶対に拒否して立ち上がる。
福島第一原発で決死の作業にあたる下請け労働者からも、過酷な労働現場を告発する闘いが続々と始まっている。動労千葉、動労水戸の闘いは9・19明治公園の6万人決起を引き継ぎ発展させる闘いだ。
読者のみなさん! 4大産別の労働者のみなさん! 何よりもフクシマの怒りと固く連帯し、怒り渦巻くすべての職場や街頭へ大胆に飛び込み、原発再稼働・新増設・輸出を断じて許さず、全原発を即時停止・廃炉にし、被曝労働絶対反対、非正規職撤廃の闘いをすべての職場につくり出そう。
連合支配を現場から覆し労働組合をよみがえらせよう。その一切の力を11・6労働者集会大結集へ!=連載おわり
(松本洋人)
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週刊『前進』(2510号5面3)(2011/10/31 )
耕作権裁判 文書はNAAの偽造
市東さん「今後も悪事暴く」
10月24日、千葉地裁民事2部で三里塚芝山連合空港反対同盟・市東孝雄さんの耕作権裁判が開かれた。反対同盟と顧問弁護団、傍聴席を埋めた支援の労働者・農民・学生・市民が一体となって闘いぬいた。
今回弁護団は、成田空港会社(NAA)が土地明け渡しを求める根拠としてきた「境界確認書」「同意書」が偽造された無効な文書であることを、事実経過をもとにして決定的に突きつけた。
1988年、翌年に事業認定期限切れを迎えるという事態に追いつめられた空港公団(のちのNAA)は、成田空港2期工事区域の未買収地の強制収用を策動し、その申請手続きにおいて市東孝雄さんの父である東市さんら賃借人の権利を無視する違法とデタラメを繰り返したあげく、市東さんの賃借地を特定する図面を地主の了解もなく勝手に作成し、さらに市東名義の印鑑まで偽造して申請書類を完成させるという、とんでもないことをやっていた。(別掲)
このインチキで誤った図面をもとにして、市東さんは「不法耕作だ」「土地を明け渡せ」と迫られ、被告席に座らされているのだ。この偽造の経過が明らかにされると、傍聴席から一斉に怒りの声が上がった。
弁護団は、藤ア(さきの字は山へんに立・可)との交渉や地籍測量図作成にかかわる一切の記録、報告書などについての文書提出命令を裁判所に求めた。青ざめてうつむくだけの原告・NAAの代理人弁護士に対し、傍聴席からも怒りがたたきつけられた。
白石史子裁判長も今回はNAAをかばい立てすることもできず、「被告の偽造の主張に対しては、原告は証拠に基づいて反論を」と指示するしかなかった。次回期日を1月23日として閉廷。
場所を移し、記者会見と報告集会が鈴木謙太郎さんの司会で開かれた。
冒頭に市東さんが立ち、「今日はどちらが被告か原告か分からないくらい向こうを追いつめた裁判でした。今後も容赦なく敵の悪事を暴いて闘いましょう」と述べ、大きな拍手を浴びた。
続いて葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団が次々と立ち、農地強奪攻撃を打ち返した手応えを込めて法廷を解説した。
北原鉱治事務局長は、「こんな裁判で日本の将来はあるのか!」とNAAの偽造を弾劾し、さらにTPPについて「日本農民を解体するものであり、やがて戦争への道に続く」と絶対反対を明らかにした。
市東さんの農地取り上げに反対する会、動労千葉の後藤俊哉さん、関実、群馬・市東さんの農地を守る会の青柳晃玄さんがそれぞれ連帯発言を行った。最後に萩原進事務局次長が、「ギリシャ発の危機が世界を覆う中で、人びとが立ち上がっている。この情勢下で三里塚闘争の位置は決定的だ。市東さんを守る輪を広げよう。三里塚裁判支援運動を発展させ、現地実力攻防に勝ちぬこう」と訴えた。
文書偽造に至る事実経過
@1988年春、空港公団は成田空港2期工事区域の未買収地の強制収用を策動し、千葉県収用委員会に審理再開を働きかけた。
A南台の畑については70年に収用のための申請書を公団は収用委に提出していたが、市東東市さんら3人の賃借人の権利については書かれていなかった。
B賃借権を記載しないと強制収用ができない。このことに気づいた公団は87年4月、収用委に「裁決申請書及び明渡裁決申請書の記載事項の変更について」と題する文書を提出した。
C収用委員会は公団に対して、この土地の賃借権について市東東市さんの署名が入った文書の提出を求めた。
D88年3月、公団は賃貸借に関する「同意書」の1枚目を作成し、これを地主・藤アに渡して東市さんから署名を取ってくるよう依頼し、藤アは「同意書」の1枚目だけを示して東市さんから署名を取った。公団はそれを収用委に提出。だが収用委は、賃借地を特定する図面の添付が必要だとして公団に返した。
E公団は図面の作成を藤アに依頼することはむずかしいと判断し、藤アの了解を得ず、勝手に地籍測量図を作成し、さらに勝手に作製した市東名義の印鑑で割り印を押して「同意書」「確認書」を完成させた。
(写真 市東さんの気迫に満ちた農地死守の決意に、全員が勝利の手応えを感じた【10月24日 千葉】)
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三里塚裁判傍聴を!
◎第3誘導路裁判
11月29日(火)午前10時半 千葉地裁
※傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合を
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週刊『前進』(2510号6面1)(2011/10/31 )
団結ひろば 投稿コーナー
10月福島連帯月間に広島で二つの学習会 広島 SK
10月10日、広島市東区民文化センターで「フクシマとヒロシマを結び全原発の廃止へ! 10・10反原発学習会」が開催されました。8・6ヒロシマ大行動実行委が主催しました。
NAZEN事務局の島崎光晴さんの「フクシマの現実と再稼働阻止−原発全廃の展望」と題した講演がメインです。80人の会場がいっぱいで、交流会にも30人ほどが参加し、広島でもNAZEN結成をと熱い討論となりました。
講演の後、2人の被爆者が発言。「被爆者は最初から原発は反対なんです!」と、自らの結婚差別の経験にも触れ「原発事故による差別は絶対にあってはならない。原爆も原発も絶対にいらない」と思いを語りました。チラシを見て参加した被爆者が帰り際に「私と同じ思いの被爆者がいた。私の居場所はここ」との思いを伝えてくれました。
10月19日には広島市西区民文化センターで「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」の等々力隆広さんからお話を聞きました。
25人が集まり、冒頭に「子どもたちを守れ 福島のたたかい」のDVD上映を行いました。
等々力さんは、「政府はとにかく何もしない。県は政府が安全だと言うから安全だとしか言わない。本当に許せない」と怒りを込めました。子どもたちが配布された線量計をもって「ほら(僕は)モルモットだよ〜」とふざけて言っていること、そう言わせてしまっていることなど、被災地の現状を語りました。
福島と広島のつながりを深め、野田政権の「東北特区」攻撃、原発再稼働・輸出を阻止しようと確認し合いました。
「戦場で命をつなぐ」福島の闘いに応える 千葉 笠井 隆
10月22日に柏市のちば県民プラザで開催された「ティーチインかしわ」に参加し、福島現地で闘い続ける佐藤幸子さん(子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク世話人)の話を初めて聞きました。
佐藤さんは福島で生活する日々を「(原発事故は)収束もしていないし、地震が起こるたび“また原発が爆発したんじゃないか”という思いをしている」「ここは戦場だよねと仲間と話し、戦場の炎(放射能のこと)の中に生きている」と語りました。そして「子どもたちを炎の中に置いておくことはできない」と力強く訴えました。「戦場」という言葉に衝撃を受けました。同時に佐藤さんの覚悟の程を知りました。
また話の中で出てきた「自分の子、孫、その先まで考えて、今を生きなければならないと思っています。命はつながっていますから」という言葉に感動しました。そして、この「命をつなぐ」という言葉の中にこそ佐藤さんの覚悟の原点があると思いました。
その言葉は、ヒロシマ・ナガサキ・ビキニの被爆者たちの「にんげんをかえせ」「核と人類は絶対に共存できない」という叫びや沖縄の「命(ぬち)どぅ宝」とも深くリンクしています。人間が人間らしく生きていくことのできる社会を目指しています。
そして共産党宣言の「プロレタリアはこの革命において鉄鎖のほかに失う何ものをも持たない。彼らが獲得するものは世界である。万国の労働者、団結せよ」へとつながっているのです。
私も佐藤さんの呼びかけに応えて経済産業省前での座り込みに参加し、11月6日の日比谷野音に結集します。
裁判員呼び出し面接で「拒否する」と宣言 大阪 NK
地域の仲間が朝8時から大阪地裁前で「私は裁判員を拒否します!」のビラをまきました。
9時過ぎ、地域の仲間から激励され、拍手で送り出され、裁判員の待合室へ行きました。係の人に「私、拒否しに来たんです」と言うと、「9時30分から説明があるので、待ってください」と言われました。質問用紙がありましたが、私は、一切書かずに、見たという印に署名捺印(なついん)のみしました。
その後、この裁判を担当する裁判官その他と弁護士を含む7入が紹介され、30分ほど、裁判員制度の仕組み、どのように進んでいくのか、正当な理由があれば拒否できることなど、一般的な説明があり、面接がありました。7〜8人のグループでの面接が2グループ、後は1人ずつの面接でした。面接は1グループまたは1人につき3分です。
私は1人の面接で、裁判長がファイルを開いて、「書類に記入していませんね。『裁判員制度に反対です』と書かれていますね」と確かめるように言いました。「はい、反対で拒否します」というと、「なぜですか」と言われたので「裁判制度も国も信用していません。原発のこともありますし、裁判員制度は現代の赤紙だと思います」と答えました。
「私は裁判員制度に反対です、拒否します。絶対やりたくありません。それは正当な理由になるんじゃないですか」と言うと、裁判長は黙っていました。
面接が終わって、協議が20分ぐらいあり、選任される人の番号がモニターに出ました。私の番号はありませんでした。
日当・交通費も「いりません」と拒否し、アンケート用紙も白紙で返しました。帰る前に、来庁証明書を受け取りました。終わったのは11時過ぎでした。地域の仲間が私が出てくるのを待っていてくれました。
地域の仲間と裁判員制度について富崎弁護士に来ていただいて学習会をやり、「知れば知るほど、間違った制度だ」と思いました。
「裁判員になることを公然と拒否したい。拒否をすべきだ、見える形で、闘いとして」と思って「呼び出し」にのぞんだのですが、当日は清水の舞台から飛び降りる思いで出かけました。
終わってみると(様子がわかると)階段を1段降りたぐらいの感じでした。
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週刊『前進』(2510号6面2)(2011/10/31 )
裁判員制度も原発もいらない!
11・11最高裁デモに立とう
裁判員制度はいらない!大運動
「裁判員制度も原発もいますぐやめろ! 最高裁は裁判員候補者通知の発送をやめろ!」と訴える11・11最高裁デモが闘われる。裁判員制度はいらない!大運動からの呼びかけを掲載します。(編集局)
最高裁は、11月中旬に来年2012年用の「裁判員候補者名簿記載通知」を30万人に向け発送しようとしている。しかし、これ以上最高裁に裁きのまねごとを続けさせていいのか。
(写真 “5・20を裁判員制度廃止記念日に!”とデモ)
震災・原発事故情勢下で裁判員裁判強行
東日本大震災は、2万人もの人々の命を奪い、町や村を、職場を根こそぎ破壊した。福島第一原発事故の収束のめどすら立たず、放射性物質が不気味に拡散し、食物への不安は全国に及んでいる。この原発情勢のもとで人々は今日生きることに精いっぱいであり、他人を裁くどころの話ではない。
ところが、最高裁は、あえて裁判員制度の続行を企てている。原発事故という未曽有の災厄下であっても裁判員裁判強行の旗は降ろさないというのだ。
とくに許せないのは、号令一下、福島、宮城、岩手など被災地の人々に対してまで裁判員裁判を強行していることだ。3県では、最高裁が勝手に「被災地」と認定した地域だけ裁判員候補の呼び出しを中止、その他の地域の候補者だけで全県の事件を審理させている。行政が全域の除染と被災地認定を求めている伊達市も福島市も、最高裁は「被災地」には入れないのだ。「被災地」以外でも実家が被災し、親族や友人を亡くし、仕事を失った人たちが大勢いる。
福島地裁本庁は、地震で法廷が損壊した郡山支部管内の事件まで審理しており、裁判員は本庁管内の候補者に押しつけられている。まさに強制徴用だ。
震災で中断した審理が「再開」された仙台地裁では、新たに選任された裁判員は、震災以前の法廷のDVD映像を5日間ひたすら見続けさせられ、判断を求められた。これが「裁判」と言えるのか。
破綻があらわに――制度崩壊の危機
しかも、裁判員法が実施されてから2年4カ月。破綻がますますあらわになりつつある。
第1に、拡大する国民との離反。最高裁は、呼び出し通知を出した者のうち実際に裁判所に出頭した率が、昨年は38・3%に過ぎなかったことを公表せざるを得なかった。しかも、依然として「正当な理由」がない不出頭に対する「10万円以下の過料」罰則の適用は1例もない。
第2に、深刻な審理の長期化。かつて年間4千件近かった起訴事件数は2年数カ月間で2千数百件と大幅に減少した。にもかかわらず、審理が非常に遅れている。われわれの制度批判の声を背景に、現場の弁護士の抵抗もあって、公判前整理手続きが長期化しているのだ。
6月9日の高裁長官・所長会同において最高裁長官は「刑事裁判の書面が詳細なものとなり比重が増している。判決書も精密なものになる傾向がある」と「精密」を問題にした。「ポイントを把握して手続きを進めろ」つまり「大胆な見立てで行け」と叱咤(しった)した。
第3に、判決の中身だ。無罪判決は従前の無罪率の範囲内にとどまり、検察控訴によって破棄されたものもあれば、逆に裁判員裁判の有罪判決が高裁で無罪になったケースもある。「裁判員裁判で無罪が増える」というのは幻想だ。そして重罰化が進む。死刑判決も既に9件に達している。
第4に、「一度人を裁いてみたかった」「被告人の言動にムカついた」と公言する裁判員の輩出。まさに「権力の蜜の味」(斎藤文男九州大名誉教授)である。
原発推進のお先棒を担いだのも裁判所
裁判員裁判を強行する裁判所は、同時に原発推進の国策にお墨付きを与え続けてきた。住民が全国で起こした原発の建設、運転差し止めの裁判を、ごく一部の判決を例外としてことごとく退けてきた。
5月20日、最高裁長官はそれまでの原発裁判について「原子力安全委員会などの審査基準に沿った建設がなされてるかどうかに焦点を当てて判断してきた」と弁明。事故の危険性を直視し判断して欲しいという住民の要求ではなく、審査基準に合格かどうかだけで判断してきた、それで良いのだとの開き直っている。
しかし、原発国策のウソが暴かれたように、司法国策の裁判員制度のウソも今や国民に見抜かれている。
裁判員候補者通知の送付強行を許さない
制度の根本の問題は、国民を強制的に裁判所に動員し、人を裁くことを強要し、分断を図るという点である。「現代の赤紙」であり、憲法違反は明白だ。制度開始以来、すでに約100万人に送りつけられた裁判員候補者名簿記載通知を、これ以上送り続けることを許すわけには行かない。
裁判員制度も原発もいらない! 裁判員裁判を直ちに中止し、制度を廃止せよ!
2012年の裁判員候補者名簿記載通知の発送を中止せよ!
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11月11日(金)正午
日比谷公園霞門からデモ出発
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週刊『前進』(2510号6面3)(2011/10/31 )
徳島刑務所が獄中弾圧
星野同志奪還へ11月総決起を
星野文昭同志は、1971年11月14日、核と基地を永久に固定化させる沖縄返還協定に反対し、国会批准を阻止するため、青年労働者・学生の先頭で闘いぬいた。
この闘いの大爆発に恐怖した日帝・国家権力は、星野同志を機動隊せん滅の「実行犯」にデッチあげ、「無期懲役」を強制した。無実の星野同志は再審を請求し、労働者階級とともに革命をめざし、37年間もの獄中闘争を不屈に闘いぬいている。
“新聞読みながら塗り薬を塗った”
今日、大恐慌と原発大事故で崩壊的危機を深める帝国主義は、星野同志への獄中弾圧を激化させ、労働者人民と分断する攻撃を強めている。
徳島刑務所は、10月初め、本年4月に降格させた星野同志の「処遇区分」を、「4類」のまま据え置くという不当な決定をした。この結果、面会の回数は月2回に減らされたままになり、獄中生活においてさまざまな不利益をこうむるのだ。
その理由は、「顔を洗った後、洗面器を所定の位置に戻さなかった」とか、「新聞を読みながら塗り薬を塗った」ということである。ふざけるな! どこが悪いのか! こんな日常生活における普通の行動が、どうして「処分」の対象になるのだ。
このような刑務所の強権・暴力、理不尽、非人間的扱いに猛然たる怒りをたたきつけよう。
さらに、徳島刑務所は手紙を書くことにまで制限を加えてきた。星野同志の書く手紙は、1回に7枚という制限がある。これ自体がまったく不当だ。だが今回はさらに7枚の便せんに書く「字数」まで問題にし、書き直しを命じてきた。不合理な規制や制限を加えて手紙を書く自由まで剥奪(はくだつ)しようというのだ。
8月に再審弁護団が、弁護士法23条の2に基づく「弁護士会照会」で、星野同志の健康診断の結果を問い合わせた。ところが徳島刑務所は、これを2カ月近く放置した上に、なんと「回答いたしかねます」と「回答」してきたのだ。家族や弁護団が星野同志の健康に気をつかうのは、あまりに当然ではないか。徳島刑務所が回答を拒否することは断じて許されないことだ。
また、徳島刑務所は、友人面会を不許可にし続けている。10月21日には、新潟からはるばる徳島刑務所まで出掛けた支援者の面会を不当にも認めなかった。このあくらつな人権じゅうりんの数々に怒りを抑えることができない。
全国の労働者が来年2月徳島へ
東京高裁が一審懲役20年の判決を覆し、無期懲役の判決を強引に下したのが1983年。最高裁が無期懲役を確定させたのが1987年。星野同志ヘの無期攻撃は、新自由主義のむき出しの暴力で星野同志の闘いの圧殺を狙ったものであったが、星野同志は、この無期攻撃と真っ向から対決して闘いぬいてきた。
国鉄分割・民営化攻撃に対して一歩も引かずに闘い、ストライキで外注化を阻止し、新自由主義攻撃を核心において打ち砕いている動労千葉の闘いと星野闘争は一体だ。
星野同志は「あと2、3年で出るつもりで闘っている」と、不屈の闘いを貫いている。9・19「さようなら原発」6万人の決起をもって、日本階級闘争は70年代を超える新たな階級的決起の時代に突入した。無実を百も承知で獄に閉じ込めている国家権力を、労働組合・労働運動の復権を軸に、星野同志の解放を求める広範な人びとの大結集で打ち倒そう。
全国労組交流センターは、来年2月、徳島で第19回定期総会を開催し、徳島刑務所闘争を行うことを決定した。国鉄分割・民営化と星野無期攻撃に最後的決着をつけるために、固く団結して闘おう。
11・6全国労働者総決起集会の万余の結集で獄中弾圧に大反撃しよう。11・27星野全国集会を大成功させ、星野同志奪還へ、大飛躍を実現しよう。
東京高裁に抗議行動 暁子さん先頭に街頭宣伝
10月25日、「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」は、徳島刑務所の獄中弾圧のエスカレーションに対して、東京高裁前で怒りの弾劾行動を闘いぬいた。
緊急闘争であるにもかかわらず、星野暁子さん、共同代表の戸村裕実さん、茨城、東京なんぶなどの救う会が集まった。「フリー星野」ののぼりを林立させ、マイクで「弾圧やめろ」と激しくアピールし、弾劾ビラをまき、署名を集めた。(写真)
裁判所前を通る人や裁判所職員などにビラはどんどん渡された。「社会全体が人間を人間扱いしなくなっている。刑務所の人権侵害はひどすぎる」「洗面器の置き場所だけで不利益をこうむるなんて、あきれます」「37年も刑務所に入っているのですか。1日も早く出てこられるといいですね」と、多くの人が共感を寄せた。昼休み1時間の行動で署名が28筆集まった。不当解雇を裁判で争う3人の労働者も署名した。
この日、裁判所前では、狭山第3次再審闘争の勝利を訴える石川一雄さんが、支援の皆さんと一緒に街宣を行っていた。マイクでの訴えを、われわれと交互に行い、ともに再審闘争勝利を誓い合った。
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週刊『前進』(2510号6面4)(2011/10/31 )
ベトナムへの原発輸出反対
新自由主義ひっくり返そう
<投稿> 関東 江夏靖子
野田民主党政権は9月22日、就任後初の国連演説において「原子力の安全性を高め……」と原発推進を表明しました。ストレステストやウソとペテンで塗り固められた安全神話をまき散らし、既存原発の再稼働、新規建設さえ策動しています。
9月28日に日本原子力発電とベトナム電力公社(EVN)との間で、日本企業による原発建設の前提となる調査事業の契約が結ばれました。2021、22年に出力100万`ワット級の原発2基を建設するための事前調査で、経済産業省は20億円を計上するというのです。(福島の子どもたちの避難費用さえ出さない国家は資本のためなら金を出す!)
総額2兆円超え
昨年、菅民主党政権は新成長戦略の目玉として「原発の輸出」をベトナムに対する直々のトップセールスで受注を内定させていました。これは日帝の対中国政策でもあります。内容は、総額2兆円にものぼるであろう建設費用・インフラ整備を日本が全額融資、原子力技術者育成のためとして研修実習生6千人の受け入れ、使用済み核燃料の全量引き取り、等々。
「原発事故後もベトナムは一貫して日本側に協力を求めていた」(原電広報)が、菅前首相が3・11以降「脱原発」を表明するなど「政府の原発輸出戦略にも一定迷走した感があった」が、結局「交渉が進んでいる案件は推進する」との答弁書を閣議決定。野田首相の国連演説などをもって原発政策の継続・原発輸出を積極推進する姿勢を鮮明にしました。(リトアニアにも)
日本における新自由主義政策そのものである民主党の新成長戦略は、原発を「当面の重点分野」と位置づけており、政府は民間企業のインフラビジネスを後押しする「パッケージ型インフラ海外展開」を推し進めてきました。パッケージ型とは、原発の場合、原子炉本体だけでなく、港湾や送電線なども一緒に整備するという意味で、ベトナムの場合は総額2兆円を超えるとも言われています。
原発は単なるエネルギー政策ではありません。開発の目的から、巨大な破壊力を持った兵器開発・保有にあります。核兵器偽装保有です。核物質はウラン鉱の発掘から原子力発電の現場、そして廃炉に至るまで労働者に被曝を強制することでしか成り立ちません。人類に害毒を与えるものでしかありません。
ベトナムがあくまで原発を導入しようとする背景には南沙諸島・西沙諸島近海おける海洋資源・地下資源をめぐる中国との厳しい領土問題があります。核保有の激しい衝動があります。
べトナムでの「電力の安定供給」を考えた場合でも、誰が得をするのか? 日本が融資した金で工場建設も、インフラ整備も日本企業が請け負い、日本企業による安価な労働力(平均月額2万円くらい)を使っての現地生産になります。豊富な資源を巡って資本はうごめいています。
タイの大洪水が明らかにした日本企業=資本の海外移転のすさまじさ。より安価な労働力を求めてアジアに生産拠点を移している現実が浮き彫りになりました。ごく身近にも単身赴任で8年もタイの工場のライン責任者で行っているお父さんがいます。「タイに行かなければ仕事はない!」。妻は農業を続け、親の面倒を見るため日本に残り、本人は年に数回しか戻ってこられません。子どもはその間に小学生から大学生です。利潤を追求する資本は、家族の団らんを奪おうが、地域経済が空洞化しようがお構いありません。
モンゴルで頓挫
日本政府は「べトナムで稼働後の原発から出る高レベル廃棄物を全量引き取る」と言っています。でも日本国内に最終処分場はありません。六ケ所村の中間貯蔵施設や各原発のプールに高レベル廃棄物が仮貯蔵されています。満杯になろうとしています。3・11後の汚染されたがれき、土、農産物、本来なら豊かな恵みをもたらす腐葉土、どこにも持って行く場がありません。
日・米の原子力業界がモンゴルに高レベル廃棄物の地層処分場をつくろうとして人びとの大反対にあい、頓挫しました。当たり前です。なんて汚いやつらなんだ!
新自由主義のもと世界中で労働者の生活が破壊され、1%の資本家どもに富が集中しています。大震災や原発事故さえも自らの利益にして生き延びようとする資本と対決し、国境を越えた人びとの闘いと連帯、団結で世の中を変えようではありませんか!
11月6日は日比谷野外音楽堂へ! 集会後のデモは途中、東電前での抗議行動ありです。世界で一斉抗議行動が予定されています。
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