ZENSHIN 2011/09/26(No2505 p06)
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週刊『前進』(2505号1面1)(2011/09/26 )
9・19反原発 6万人の怒りを11・6へ
福島先頭に階級闘争の新時代開く
原発再稼働・「復興」攻撃うち破ろう
巨万のデモの先頭に「な全」(NAZEN)立つ
(写真 東京・明治公園は福島の部隊を中心に全国から集まった6万人で埋まった。会場の外にも参加者があふれた【9月19日】)
9月19日、東京・明治公園で「さようなら原発1000万人アクション」(主催・実行委員会)が開かれ、全国各地から6万人の大結集とデモが実現した。会場からあふれ出る巨万の決起によって、原発推進・再稼働を狙う野田・民主党政権と日本経団連に大打撃を与えた(記事3面)。次の大方針は11・6労働者集会だ! 巨万の総決起に向かって全力で闘おう。
福島の怒りと固く結び
9・19闘争は労働者の職場からの決起をベースに、あらゆる階層・年代の個人やグループの参加もあり、歴史的な大結集となった。6万人の決起は、連合本部ダラ幹や体制内労組指導部による労働運動の抑圧を打ち破り、労働者階級の根源的怒りと力を解き放つ大展望を切り開いた。今こそ闘う労働組合を全国によみがえらせ、数百万数千万人の労働者の総決起の時代を切り開こう。そして戦争も原発も失業もない、労働者が主人公の社会をつくり出そう。
集会では、どの発言も福島原発事故への怒りに満ち、「段階的廃炉」や「5〜10年先に」などと言って再稼働を容認する余地の一切ない、真剣な思いがあふれていた。「すべての原発いますぐなくせ!」という要求が労働者階級人民の生きるための意志だからだ。立錐(りっすい)の余地なく会場を埋めた参加者は力強く「原発はいらない」「再稼働阻止」と怒りの声をあげた。
「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」(な全)は、全国から1千人が結集し、反原発闘争―日本階級闘争の責任勢力として鮮烈に登場した。本集会の前に独自集会をかちとり、デモでは青年・学生を先頭とする力あふれる隊列が全体を牽引(けんいん)した。
この日の闘いの大高揚をつくりだしたものは、何よりも1千人で大挙、福島から参加した人びとの怒りである。「怒」と記されたのぼり旗を掲げ、政府・東電への激しい抗議の意志をたたきつけていた。そして全国の闘う労働者は、自治労・日教組を始め、体制内労組指導部の動員抑制にもかかわらず、それを大きく突き破る組合員の決起をつくり出した。
9・11反原発全国一斉行動―9・19闘争は、秋の階級闘争の大きな展望を切り開いている。この過程は、野田政権が福島の怒りを圧殺し、原発再稼働―原発輸出に突き進むのか、それとも「再稼働阻止、全原発の即時停止・廃炉」の道を切り開くのかをかけた歴史的な決戦の時である。日本経団連の利害を露骨に体現する野田・民主党政権と激突し、国鉄決戦と反原発闘争で新自由主義にとどめを刺す重大な局面に入ったのだ。
政府の「事故収束」デマ・キャンペーンで労働者階級の怒りの爆発を抑えることは絶対にできない。放射性物質の放出は止まらず汚染が広がり、低線量・内部被曝への危機感が拡大している。政府の資本家救済、人民切り捨て政策によって、被災地はもとより全国の労働者人民の生活と生業の破壊は進み、失業はますます拡大する。大恐慌・大震災・大失業の情勢のもとで、労働者階級人民は本気で立ち上がって闘う以外に生きていくことができない。そういう時代が到来している。
労働運動の大展望開く
そうした中で9・19闘争は、日本階級闘争の新時代を切り開く画期的な大闘争となった。反原発闘争が、1960年の安保闘争や、70年の安保・沖縄闘争を超える巨大な戦闘的大衆闘争となった。決起した一人ひとりの怒りと危機感は、かつての比ではない。生存することそのもの、未来を担う子どもの命そのものが直接かかった絶対非和解の闘いだからだ。革命とはこういうことだ。
1980年代の国鉄分割・民営化攻撃を画期として新自由主義政策が展開され、今日、非正規労働の拡大と労働組合の団結破壊が社会を覆っている。原発政策はそのもとで全面的に推進されてきた。だが、労働者階級の巨大な決起は今、この「国鉄と原発」という戦後体制の歴史的大反動を根底から打ち砕きつつある。国鉄闘争が反原発闘争と一体となって発展し、日本労働運動の歴史を塗り替える大流動が始まったのである。
連合・全労連の労働組合指導部の思惑を超えて、青年労働者のランク&ファイル(現場労働者)の決起が本格的に起こりつつあるのだ。
反原発・反失業、国際連帯めざし11・6労働者集会へ
9・19闘争に参加した多くの青年労働者と学生が、6万人という巨大な決起を体験し、階級闘争のダイナミズムに触れ、団結し、ともに闘う喜びと感動を味わった。それは人生観、世界観、生き方を大きく揺さぶる出来事だった。この闘いに参加した青年労働者と学生の中から、明日の労働者階級の指導部が必ず生まれてくる。
革命党に求められていることは、立ち上がる巨万の労働者階級人民としっかりと結合し、怒りを共有し、ともに闘うことだ。労働組合の再生と団結の拡大のために、さらに全力をつくそう。
そして9・19は、ついに労働者階級本体の登場となった。「エジプト革命前夜情勢」とも言える展望が見えた。「な全」は10月を「フクシマ連帯月間」として闘い、11・6労働者集会の東京日比谷大結集を呼びかけている。労働者の巨大な決起に恐怖する体制内指導部の無方針・無展望の中で、「次の大結集方針は11・6労働者集会だ」「11・6を反原発・反失業、国際連帯の大闘争として闘い、労働者階級の団結の力を示そう」という呼びかけは圧倒的多数の労働者の魂に響くものだ。職場でキャンパスで地域で11・6集会1万人大結集へ全力で闘おう。
ストライキを復権し闘おう
8・30総決起集会をもって外注化阻止・偽装請負告発の決戦に入った動労千葉は、スト体制を確立してJR東日本資本と闘っている。そして、京葉車両センターにおける構内業務の外注化を阻止するために全力で闘っている。また動労水戸は9月16日、JR東資本による組合つぶしの不当労働行為を弾劾しストライキに決起した。9月20日には、郵政非正規ユニオンが雇い止め解雇撤回のストライキに決起した。
すべては労働組合と団結の問題だ。連合の労働者支配・抑圧を打ち破り、今こそストライキを復権しよう。
闘いが闘いを生む。そういう情勢に入った。11・6労働者集会への6週間を闘って闘って闘いぬこう。国鉄闘争全国運動と「な全」の闘いを全国で進めよう。10・9三里塚闘争に全国から総結集しよう。
(写真 青年労働者・学生を先頭に怒りのデモを牽引した「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」【な全=NAZEN】の部隊)---------------------------------------------------
週刊『前進』(2505号1面2)(2011/09/26 )
前進速報版から
▼動画/9・19東京明治公園▼中国農民5千人と武装警官が激突▼反戦被爆者の会・大槻泰生さんを偲ぶ会▼星野再審無罪へ新潟集会
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週刊『前進』(2505号1面3)(2011/09/26 )
日程 10・9三里塚全国総決起集会
第3誘導路粉砕・市東さんの農地を守ろう! フクシマ連帯・原発再稼働許すな! TPP(環太平洋経済連携協定)反対! 軍事空港粉砕・改憲阻止!
10・9三里塚全国総決起集会
10月9日(日)正午成田市東峰反対同盟員所有地
〈主催〉三里塚芝山連合空港反対同盟
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週刊『前進』(2505号2面1)(2011/09/26 )
全国から11・6日比谷へ
動労千葉・田中康宏委員長に聞く
反原発・反失業の怒り総結集し今こそ闘う労働運動の復権を
11・6全国労働者総決起集会まで1カ月余りとなった。9・11〜9・19反原発闘争の圧倒的高揚の地平に立ち、「反原発・反失業」を真っ向から掲げて11・6日比谷にさらに巨大な怒りを結集しよう。動労千葉の田中康宏委員長に、11・6集会の課題と展望を大いに語っていただいた。(編集局)
時代が躍動的に動き始めた
――9・11〜19反原発闘争の大高揚の中で11・6労働者集会に問われている課題は。
田中 時代が躍動的に動き始め、階級闘争が前進を開始しています。9・19集会は予想を超えた大結集、数十年ぶりとも言える大闘争になりました。国家権力は震え上がっているはずです。
連合や全労連にもさまざまな思惑があったはずですが、そんなものもぶっ飛ばして進んでいる。9・11デモに対する警察の次元を超えた弾圧に対しても、ひるむどころか“絶対に許せない!”という怒りが爆発している。壁をもう一歩突き破れば、新宿全体が解放区になりかねないところまで行ったわけですから。
だからこそ11・6集会がいよいよ大事になりました。原発に対する怒りを焦点にした闘いが、9・11で示された権力との激突を突き破って階級的な発展をかちとっていけるのか。支配階級の本質を暴き出し、体制そのものを変革していく闘いへと前進していけるのか。ものすごい可能性を秘めた時代です。
今こそ後退を強いられてきた労働組合の復権が死活的に問われています。この時代と情勢の中だからこそ、それができるはずです。新自由主義に正面から立ち向かってきたわれわれの持っている位置は本当に大きい。すごい飛躍が問われています。
――11・6集会は「反原発」と一体で「反失業」を真正面のスローガンに掲げました。
田中 資本主義が足元から崩れ、労働者の怒りの声は地に満ちている。他方でこの時に、現実の労働組合はかつてないほどの総屈服を深めている。このギャップの中で労働者の怒りが噴出しています。
大震災以降、社会のすべてをのみ込むような民営化、非正規職化が始まり、大失業時代が到来しようとしています。
それを象徴的に示しているのが東北地方の復興をめぐる「特区」です。民主党議員がテレビ討論の中で、例えば「労働基準法を適用除外とする特区をつくりたい」と公然と言っています。「アジア諸国よりも低い賃金」「労働組合を結成しない労働者」「絶対に反対をしない労働者」――資本にとっての“国内植民地”そのものです。地域を丸ごとアウトソーシングし、これを東北地方から全社会に拡大する。これが支配階級の延命策であり「復興」です。
野田政権が発足して掲げたのがこの「復興」と「原発」です。この二つが基本政策になり、当面の攻撃は公務員労働者に焦点が絞られると思います。「復興」を理由に公務員労働者360万人の首切りの嵐が吹き荒れる。この攻撃と表裏一体で大増税をやるというのが野田政権の基本方針です。これを具体的に打ち破る闘いを、職場から必死になって起こさなければなりません。
原発については、欧州の帝国主義はグラグラしてますが、アメリカと日本の帝国主義だけは絶対に譲ろうとしません。それは、労働者、農漁民などの怒りの声との全面的な衝突になっていかざるをえない。農業が壊滅的な状態に追い込まれ、漁民は海を汚染され、労働者は職を失い、若者はさらに非正規職に突き落とされる。子どもたちは、これから何年か先にどれほどの晩発性の放射線障害を発症するか分からない。いまだ10万もの人たちが住むところを奪われさまよっている。だけど政府・財界は原発政策を絶対に放棄しない。
反原発闘争をめぐって一番大きいのは、何十万人、何百万人という労働者、農民、漁民、市民の価値観が根本的に変えられたことだと思います。そこから原発を止めるために命がけで闘う何十万人、何百万人もの人たちが生まれてきている。こういう状況を資本主義は生み出してしまったんです。この状況を前に、われわれは何を訴えていくのか。この社会そのものの根底的な批判が問われています。「怒りの声を結集する」ということは、そういうことだと思うんです。
野田政権と財界は、今起きている声をすりつぶし、分断し、取り込むことに必死になっていく。だけど命がかかってますから、和解したり取り込まれたりする形で終わるはずがない。これからの闘いは、分断・圧殺の攻撃に真正面から立ち向かうことなしに一歩も前進しない。だけど、これがエネルギーと力を生み出します。この状況を突き破る闘う労働組合の復権と、福島を先頭にして噴き出している怒りの声の爆発、この二つが大きく結合した時、世の中はさらに大きく動き出します。
外注化を阻んだ10年の闘い
――動労千葉は京葉車両センターでの外注化阻止闘争に総力で決起しています。その現状と意義について聞かせて下さい。
田中 動労千葉は10年にわたって外注化攻撃と闘い、少なくとも千葉支社では外注化を止めてきました。この闘いは千葉だけでなくJR東日本全体の外注化を大きく遅らせてきました。
JR東日本で業務の全面外注化が始まったのは2000年前後です。保線、電力、信号通信などの施設部門では文字通りの丸投げ外注化が強行されました。もう一方の焦点が、東日本全体で5千人以上が働いている検査・修繕部門でした。ここでは千葉だけじゃなく東日本全体で外注化が大きく遅れており、10年かかって全体の1割程度です。保線、電力などで労働者の転籍までいっていないことも含めて動労千葉の闘いが全体を押し止めてきました。
外注化は、JRの列車運行にかかわる業務、線路や電車の保守などすべての業務を数百の下請け会社にバラバラにして丸投げする究極の合理化です。こんなことを認めたら労働者の雇用も安全も破壊され、間違いなく第2の尼崎事故が起きます。
この10年間の焦点は幕張車両センターでの攻防でした。激しい支部破壊攻撃がかけられ、組合員は主要な業務から外され、支部三役は次々と強制配転されました。現場の必死の抵抗闘争でこれに勝ち抜いたんです。その結果、幕張では組合員が増え、外注化に手が着けられなくなった。会社は動労千葉組合員が何人もいない京葉車両センターに焦点を移し、ここで全面外注化の突破口を開こうとしてきました。これを6月提案以来の職場からの闘いで、予定されていた10月1日実施ができないところまで追い詰めています。
この攻防のかたわらで、JR東日本本社と東労組の間では、部分外注ではなく全面外注化の交渉が進んでいます。東労組は「部外委託を進めれば7〜8割の業務が部外委託になるが、下請け会社での年間休日数をJR並みにしてくれるのか」なんて質問をしている。それさえ認めてくれれば全面外注化に協力すると言っているんです。
(写真 偽装請負を徹底追及し、外注化阻止・非正規職撤廃へ。この秋の決戦態勢を打ち固めた動労千葉主催の8・30大集会)
外注化・民営化はすべて偽装請負
JRがやろうとしている外注化はすべてが偽装請負です。1986年の労働省告示によれば、請負に出せる業務は、請け負う会社が自らの経験や技術力で処理できるものでなければいけない。列車の運行は、JRが専有的に管理し、指揮・命令する以外にない。つまり一から十まで偽装請負なんです。JRという「一流企業」がこんな露骨で大規模な違法行為をやっているんです。
あらためて偽装請負問題の重大性を、今回の闘争に突入するに当たって再確認しました。偽装請負とは、元をただせば民営化であり外注化です。業務を下請けに放り出してアウトソーシングする。この攻撃こそ新自由主義攻撃の核心そのものです。
新自由主義政策が始まってから30年で、非正規雇用という形で雇用が破壊され、ワーキングプアが膨大につくり出されてきました。その結果、社会保障、医療、年金、教育などすべてが破壊され社会が崩壊しかねない危機に陥った。何よりもこの過程で、労働組合に対する激しい攻撃がかけられて、労働組合の惨憺(さんたん)たる後退と屈服が進んできました。
これに対して立ち向かうことができなければ、闘う労働組合をこの社会に復活させることなどできない。これは11月労働者集会が掲げ続けてきた正面課題そのものです。すべての出発点は国鉄分割・民営化だったわけですから、われわれ自身がJR職場からこれを打ち破る闘いをなんとしてもつくり出したいという思いです。
非正規職化させない闘いを
――11・6労働者集会は「国鉄1047名解雇撤回」と並んで「非正規職撤廃」を訴えています。
田中 この間の情勢を見ていると非正規職問題が再び、大きな焦点になってきています。このままではすまなくなっている。原発事故や大震災情勢の中で待ったなしの問題になってきているんです。
「派遣」や「契約社員」「請負」という形で雇用が破壊されてきたことが労働運動の最大の課題であるということは誰も否定しません。「ふざけるな!」という声が次々と上がり、現実に一大社会問題にもなってきました。がまんならない現実の中から多くのユニオン運動も生まれてきました。
しかし、非正規労働者が必死に声を上げることだけが非正規職撤廃闘争であるならば、それはどこかで壁にぶつからざるをえません。政府・財界は、9割の労働者を非正規職化することを基本政策として進めてきましたし、今も次から次へと突き落とされている。
これに対して「外注化させない」「民営化させない」「非正規化させない」と正面から立ち向かう闘いはほとんどなかった。こうした闘いと非正規職の仲間の闘いの両方が結合しなかったら現状を突破できるわけがないんです。
それどころか、ほとんどの労働組合は攻撃の手先になり、非正規職化を進めてきたのが現実です。ここに偽装請負の核心問題があります。無差別に業務を外注化し、請負に放り出すことは今の法体系でも違法です。だけど世の中すべてが偽装請負だらけになっている。御用組合の幹部たちが違法行為を問題にしなかったから、それが当たり前のように通用しているんです。
新自由主義攻撃が始まって以来、これに労働組合として真正面から立ち向かうのは、おそらく初めての挑戦だと思います。この闘いを本気でやりぬけば、その先に労働運動の復権が見えてくる気がします。
1047名闘争の持つ力示す時
1047名解雇撤回闘争をつぶして国鉄闘争の火を消してしまおうとする昨年4・9政治和解以来の一連の流れと、全面的に始まりつつある大規模な民営化、外注化・非正規職化の流れは一つのものです。
1047名闘争つぶしと一体で社会保険庁解体と分限解雇、郵政における非正規労働者大量解雇、日本航空破綻と解雇など今までの次元を超えた攻撃が次々と起きました。JRでも国鉄分割・民営化の総決算攻撃が業務の全面外注化、賃金制度改悪、職場の統廃合、労務政策の抜本的転換などとして一斉に始まっています。これと「和解」はワンセットだったんです。
われわれは「こんな形で国鉄闘争を終わらせてはならない」という思いから国鉄闘争全国運動を呼びかけました。国鉄闘争はいろんな限界があったにせよ、1047名闘争を中心にしながら新自由主義攻撃に立ち向かう軸になってきました。国鉄分割・民営化攻撃を通して総評と社会党が解体され、連合ができて労働運動が解体されてきたわけですから、誰もが“国鉄闘争は労働運動をよみがえらせる闘いだ”と言ってきたんです。
今こそ国鉄闘争全国運動が、本当にこういう闘いとして新たな1047名闘争を提起しなければいけない。公共部門の全面外注化や、民間で言えば東京電力に象徴される第8次、第9次まで業務が外注化された重層的な支配と闘う解雇撤回闘争を、新たな1047名闘争としてつくり上げなければなりません。
労働組合再生の三つの展望
――この間、11月労働者集会の「三つの展望」ということを訴えてこられました。
田中 今年の11・6労働者集会は、あらゆる怒りの声を結集する可能性、発展性のあるものにしたいですね。何よりも原発事故に対する激しい怒りの声、労働者が置かれている現実への怒りの声をとにかく結集したい。労働組合が中心となりながら、さらに農民や漁民の闘い、福島のお母さんお父さんたちが「やろう」「世の中変えよう」となる、そういう集会になればと思います。
その上で労働者集会ですから後退させられてきた労働運動の具体的展望を示す集会にしなければいけない。この間、ぼくらは三つの展望を具体的に示してきていると思っています。
第一は、これまで述べてきた動労千葉の10年にわたる外注化阻止闘争です。“このように闘えば新自由主義攻撃を打ち破って労働運動を復権することができるんだ”ということを口先だけでなく、具体的な闘いとして示してこれたと思っています。
第二は、全日建運輸連帯労組関生支部の闘いです。昨年、大恐慌下で、中小零細の生コン業者が軒並み倒産しかねない状況の中で、関生支部が労働組合の団結のもとに中小企業を束ねて139日間のゼネストに立ち上がって勝利した。ああいう闘い方ですよね。
僕らが今、示すことができる労働運動再生の展望は、動労千葉と関生の闘いです。この二つだけでも、ここに1万人以上の労働者が結集できるはずです。
第三に、この二つの展望に加えて、特に福島を始め東北地方が置かれている現実への怒りの声です。文字通り命がけで必死になって闘いを開始したこの力が結合した時、そこから労働組合の復権の展望が間違いなく生まれてくると思っています。
職場で具体的な闘いを始めよう
――何よりも自らの職場から闘いを起こすことを強調されてきましたね。
田中 民営化や外注化に正面から立ち向かうことは困難な課題です。だけど、この闘いを本気になって現場労働者に訴えた時、必ず現場の仲間を獲得できる。これは僕ら自身がすごく確信を持ったことであり一番大事なことかもしれません。
どの職場でも「抗しがたい既成事実」のように民営化、非正規職化が進んでいると思うんです。労組交流センターの仲間の職場も例外じゃないはずです。ここを断ち切らないといけない。「こんなことを放置しておいたら大変なことになるんだ」「未来がすべて奪われようとしているんだ」「だから労働組合が今こそ大事なんだ」ということを本気になって正面から訴える。ここなんですよ。
とくに自治体の職場は今、外注化の温床になっている。「ここに立ち向かうことに労働運動の根本問題があるんだ」と宣言して闘いを開始しないと何も始まらない。労働運動の復権と口で言うのは簡単です。だけど「こういう闘いができるんだ」という形で具体的に示せなかったらなんの展望にもならない。
現場の一つひとつの組織攻防戦は、地をはうように必死でオルグしたりで全然かっこいいものではありません。でも、東労組や国労、鉄産労の組合員も含めて、動労千葉が必死になって外注化を止めようとしているのを見ていてくれたんですよね。この間の闘いの中で、平成採の仲間が動労千葉に結集してくれたのも、僕らがあいまいさなく外注化攻撃に立ち向かう姿を見てきたからですよ。
京葉車両センターの攻防で、当局は必死になって外注化要員を確保しようとした。われわれは「外注業務を請けないでくれ」と全力で訴え、ほとんどの労働者が会社への協力を拒否した。これもシニア制度との闘い以来の10年間の闘いがあったからです。こんなこと普通はありえない。会社の業務指示じゃなくて“動労千葉の業務指示”をみんな聞いちゃったわけだから。組合員どうしが大ゲンカするぐらい真剣に議論し、何十回もストライキに立ち、しかも実際に止めてきた成果です。「外注化されたら大変なことになる」ということが職場に浸透してきている。やっぱり、みんな外注化は止めたいわけです。
ここに労働者の力があり、労働運動の真骨頂があるんです。当局は、労働者なんて業務命令で右から左に移せるなんて思っているけど、労働者が“動かない”ってなったら当局なんて何もできないんだから。
全国の無数の職場で、これと同じような闘いを始めれば、間違いなく連合や全労連を下から揺るがすものが生まれてくると思います。
現に、郵政では数万人もの非正規職の首切りが始まっています。個別に、それぞれの郵便局で首を切られて、どれだけ多くの仲間たちが悔しい思いをしているのか。多摩局で組合を結成した仲間の闘いは、間違いなく全体を獲得するものを持っています。そのことに確信を持って全国の各職場で闘いを始めることだと思います。自治体、教労、医療・福祉の現場、合同・一般労組、すべての戦線で明確な構想と方針を持って闘いを始めてほしい。そして、そのすべての力を11月6日、日比谷野外音楽堂に総結集していただきたいと思います。
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週刊『前進』(2505号2面2)(2011/09/26 )
“福島の怒りとひとつに”
11・6集会へ第2回実行委
11月労働者集会の第2回実行委員会が9月22日、都内で開催された。9・19反原発6万人集会の興奮冷めやらぬ中での活発な議論を通して、残り1カ月半の闘いの方向性が明確になった。
司会を務めた国鉄闘争全国運動呼びかけ人の山本弘行さんがまず「9・19集会に結集した6万人を、労働運動の再生をもって全員獲得する意気込みで闘おう。これからが勝負だ」と議論の口火を切った。
基調を提起した動労千葉の田中康宏委員長は、「9・11―19闘争後のまったく新たな情勢に立って訴えたい。膨大な人たちが『今度ばかりは負けるわけにはいかない』と本気で思っている。反原発闘争のさらなる前進、階級的発展ということを本気になって考えなければいけない」と切り出した。そして@福島との連帯を今こそ決定的に強め、福島の人たちの非和解的な怒りに自らをとことん一体化させること、A政府・財界による「復興特区」攻撃との徹底対決という二つの点を強調し、とくに10月10日に予定されている「すべての原発いますぐなくそう!全国会議・フクシマ」結成集会の決定的な重要性について訴えた。田中委員長はさらに、京葉車両センターでの構内業務外注化の10月1日実施阻止という決定的な勝利を報告した上で「当局はあきらめていない。外注化提案の白紙撤回を求めてストライキを構えて闘う」と表明、最後に「自らの職場から闘う労働組合をよみがえらせることに徹底的にこだわりきり、執念を持ちきることが何よりも大事だ。あらゆる職場から無数の外注化・非正規職化阻止闘争をつくりだそう」と檄(げき)を発した。
(写真 日比谷野音への万余の大結集へ、残り1カ月半の総決起を誓い合った【9月22日 東京都中央区】)
福島連帯行動に全力で取り組む
討論では、全学連の斎藤郁真新委員長が「9・11―9・19を次はわれわれ自身がやるんだ。11・6集会のイメージはあそこにある。そういう構えで闘うことが重要だ」と述べ、全学連として10月福島連帯行動に全力で取り組むことを表明した。
続いて9・19闘争でつかんだ確かな手応え、デモや多くの参加者との交流を通してつかみ取った生き生きとした教訓が次々と出された。医療職場で働く青年労働者は「職場で新自由主義と闘い抜くことなしに組織化はない」と語り、自治体労働者は「職場でともに闘う部隊をつくる」と表明した。
また、全体の企画案、10月初旬をめどにタブロイド判のビラを発行すること、チケット販売の強化、首都圏を席巻する街頭宣伝に立つことなども確認された。最後に「な全」の織田陽介事務局長の音頭で団結がんばろうを行い、11・6集会への万余の大結集をかちとるために総力で決起することを誓い合った。
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週刊『前進』(2505号3面1)(2011/09/26 )
9・19東京明治公園 労働組合の底力示す6万の大結集
福島の怒り 世界にとどろく
大江健三郎さんら反原発を訴え
(写真 大集会をかちとり、全員で「さようなら原発!」「再稼働阻止!」と一斉コール。演壇前の福島の人びと)
(写真 デモの先頭に呼びかけ人と福島の人びと)
原発と核に対する抑えに抑えられてきた労働者人民の根底的な怒りが噴出し、歴史を動かす巨大な力となって動き出した。9月19日、東京・明治公園で開催された「さようなら原発1000万人アクション」(主催/実行員会)に全国から6万人が結集した。会場周辺にもあふれ出たあらゆる年代の人びとが、労組を軸にフクシマの怒りと結びつき、原発再稼働に延命を託す資本家階級と野田政権に大打撃を与えた。この闘いは全世界に報道された。次の決定的闘いは反原発・反失業を掲げた11・6労働者集会だ。日比谷野音を1万人で埋め尽くし全原発の停止・廃炉をかちとろう。
(写真 全国から労働組合が決起。原発事故−被曝と闘う福島県教組に沿道から熱い連帯の拍手)
公園にも駅にも人があふれ
午後1時前には会場内がすし詰め状態になり、歩道や近くの公園に人があふれ出した。最寄りの千駄谷駅でもホームも構内も駅前も超満員で、駅に降りられないほどだった。
超満員となった会場の中央、演壇の真ん前には、大型バスを連ねて福島から参加した1千人を超える人びとが座り込んだ。いまだに避難所生活を強いられている人たちも参加している。男性も女性も若者も子どもたちも、日々、放射能の脅威、被曝の現実に立ち向かうなかから、「怒」ののぼり旗を押し立て、大挙結集した。「原発いらない!」「福島の子どもたちをモルモットにするな」のプラカードを掲げる人も。責任をとろうとしない東電と政府への怒りがあふれている。
この福島の人びとの結集が、歴史的な大集会を牽引(けんいん)した。
3・11大震災と福島原発事故を契機に既存の支配の枠組みが崩れ、人類の生存とは相いれない原発への労働者階級人民の怒りと危機感が、行動となって噴き出す時代が来たのだ。
呼びかけ人らが満身で訴え
集会では呼びかけ人が反原発のほとばしるような思いと決意を語った。ルポライターの鎌田慧さんは原発の再稼働は「国民を敵視する行為」と批判。作家の大江健三郎さんは「原子力のエネルギーは必ずや荒廃と犠牲を伴う」「私らには集会やデモしかない」と呼びかけた。
経済評論家の内橋克人さんは「技術が発展すれば安全な原発は可能とする『原発安全神話の改訂版』が台頭している」と警鐘を鳴らし、「合意なき国策の政治的意図は核武装にある」と説いた。
作家の落合恵子さんは原発は「生きていこうという人への国家の犯罪」と弾劾、同じく作家の澤地久枝さんは下請け労働者に被曝労働を強い、東北を棄民化してきた政府に怒りを表し、原発をなくせば雇用が失われるとの原発擁護論のペテンを暴いた。
ここで俳優の山本太郎さんが登壇。「いま生き延びるためには原発を一斉停止する以外にない」と語り、真実を報道しないマスコミを批判。その場で用意したビデオカメラで会場を撮影した。映像はその日の夕方、テレビで放映された。
最後に、福島から「ハイロアクション福島原発40年実行委員会」の武藤類子さんが発言に立った。真実が隠され、国が国民を守らない状況下で「福島県民は怒りと悲しみの中から静かに立ち上がっている」と語り「私たちとつながって」と訴えた。参加者は地鳴りのような拍手で応えた。
3コースに分かれデモ行進
集会後2時半過ぎから、参加者全体がフクシマの苦悩と怒り、決意と一つになって3コースに分かれてデモに出発した。警察の不当な規制と6万人の大結集のために、デモ出発まで3時間近く待たされる人もいたほどだ。
渋谷コースの先頭は福島の部隊だった。白地に赤く「怒」の文字を染めた二十数本の福島行動隊の大のぼり旗が林立し、政府と財界、東電、御用学者への怒りをかきたてずにはおかない迫力の隊列は圧倒的な存在感と吸引力を発揮した。歩道には隊列に寄り添って歩く参加者が解散地点まで途絶えなかった。
福島隊列を始め戦闘性と躍動感あふれる隊列のあちこちに、全原発の即時停止・廃炉へ闘う「な全」ののぼり旗が高々と掲げられた。そして、多くの隊列から「な全」と共通のデモコールが起こった。山本太郎さんが飛び入りでマイクを握り、リードしてくれる場面もあった。
原宿コースは被災地の福島県教組や仙台市職労など日教組や自治労を先頭に、労組が組合旗をたなびかせて行進した。闘う労働組合をよみがえらせるために奮闘している職場からは、本部の動員指令の枠を大幅に上回る組合員の決起がかちとられた。労働者本体が動いた! 労働組合が大挙して立ち上がれば、政治を動かし歴史を変えることができる! この日の闘いはそれを実証した。
新宿コースは政党や実行委参加団体など。全労協や全労連傘下の労組などが行進した。
渋谷・原宿コースは解散地の代々木公園で合流し、デモを終えた参加者が後続のデモ隊を手拍子で迎えた。日が暮れて暗くなるまで、解散地でも感動的な交流が続けられた。
(写真 青年・学生を先頭とする躍動感あふれる「な全」の隊列) 海外メディアが大きく報道
この闘いは、米ワシントンポスト、英ガーディアンを始め、少なくとも34カ国以上で報道された。仏ルモンドは6枚の写真を掲載。独シュピーゲルは「参加者は野田政権を批判」と報道し、トルコ紙はのぼり旗を掲げた「な全」隊列の写真を掲載した。ほかに韓国、中国、スペイン、イタリア、イスラエル、クウェート、ブラジル、ロシア、フィンランド、南アフリカなど。全世界の注目を集めた。
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週刊『前進』(2505号3面2)(2011/09/26 )
「な全」が独自集会
青年・学生を先頭に11月へ
「さようなら原発1000万人アクション」の本集会に先立ち、「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」(な全=NAZEN)の独自集会が意気高くかちとられた。8月5日に広島で結成されて以来「な全」の仲間が全国から集まるのは初めて。しかも「な全」が原発に怒る6万人と合流し、その最先頭で闘うのだ。武者震いにも似た緊張がみなぎる中で集会が始まった。
司会は新たに全学連書記次長となった法政大の洞口朋子さんと、闘うアーティスト・「な全」事務局次長の富田翔子さん。最初の発言は、気合いっぱいの全学連の新たなリーダー・斎藤郁真全学連委員長だ。「大学の御用学者がフクシマの怒りを抑えつけている。社会を変えるために自治会を復権させる」と決意表明。被災地・仙台で奮闘している東日本大震災現地救援対策本部の仲間は、「東北大の石井慶造が市民講座で放射能の安全神話を振りまいている」と弾劾、ともに闘おうと呼びかけた。
青年労働者が次から次へと登壇した。沖縄の青年は「原発と基地を必要としている社会を変えよう」、広島連帯ユニオンは「被曝労働の現実をつくり出した民営化と闘う」、大阪市職の青年は「労組の屈服を許さず、橋下の解雇条例と闘う」、労組交流センター青年部長は「闘う労働運動をつくって原発を止める」と、それぞれ力強く決意を述べた。
若い力で集会が最高潮に達する中、暴言と雇い止め解雇による組合つぶしと闘う郵政非正規ユニオン委員長が拍手に迎えられて発言に立ち、「非正規雇用を郵政から粉砕する。青臭い青年の主張を通してやる」と宣言した。
集会の後半に入り、福島現地から労組交流センターの仲間が「原発推進の野田に殺されてたまるか」と怒りをあらわにし、10月10日にいよいよ「な全」福島を結成すると報告した。
医療労働者は「ICRP(国際放射線防護委員会)のうそを打ち砕くため医師の団結をつくる」と語り、9・11反原発デモへの不当弾圧の救援にあたった森川文人弁護士は、「原発再稼働阻止の決議を弁護士会でも上げていく」と決意を語った。
自治労から「な全」呼びかけ人の愛媛県職労の中村圭司副委員長が伊方原発を停止させるために開始した職場闘争について報告した。国鉄からは決戦に突入した動労千葉から、「な全」呼びかけ人でもある長田敏之書記長がかけつけ、ストライキをもって10・1京葉車両センターの構内業務外注化を阻止するとの戦闘宣言を発した。
最後にまとめに立った「な全」の織田陽介事務局長は、労働者の分断に手を貸し原発を推進する電力総連を厳しく批判した。そして「闘う労働組合を復権させよう。10月を福島連帯行動月間としよう」と訴えた(別掲)。
秋の反原発闘争の次の方針は、日比谷野音での11・6労働者集会だ。1万人の結集をかちとり野田政権の息の根を止めよう。被災地の闘いと固く連帯して全力で立ち上がろう。
(写真 本集会前にかちとられた「な全」の独自集会。「反原発を闘い11月へ」の決意がみなぎる)---------------------------------------------------
週刊『前進』(2505号3面3)(2011/09/26 )
10月は福島連帯月間
織田事務局長の発言(要旨)
この集会を全力で闘い抜き、11・6労働者集会に全力でかけつけよう。今年の11月集会は原発をなくすための大集会だ。野田政権は原発の再稼働も輸出も新規建設もやるという。11月集会で野田にノーの声をたたきつけよう。
電力総連は「原発に反対したら仕事がなくなる」と言い、「安全」とか「組合員の家族を守れ」と言って被曝労働を請負会社に押しつけている。これは労働組合じゃない。正規も非正規もなく団結するのが労働組合だ。反原発・反失業は労働組合を復権するためのスローガンだ。
11・6は世界1千万人規模の国際行動になる。原発をなくすためにあらゆる人たちが日比谷に集まる日にしよう。「な全」はそこに向け、10月を福島連帯月間とすることを決めた。あらゆる職場、地域、キャンパスから福島連帯を掲げた行動をつくり出して、福島と具体的につながり、福島を守り、福島とともに闘い1万人結集へ闘おう。
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週刊『前進』(2505号3面4)(2011/09/26 )
9・11福島 「放射能は安全」デマの国際会議を弾劾
反原発全国一斉行動が闘いぬかれた9月11日と12日、福島県立医大で、日本財団が主催して「放射線と健康リスクに関する国際専門家会議」が行われた。これに対し、福島県労組交流センターと「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」が中心となって断固とした抗議行動が11日早朝から行われた。
この「国際専門家会議」なるものは、米帝の御用機関ICRP(国際放射線防護委員会)や放射線医学総合研究所、そして福島医大などの共催で、ICRP、IAEA(国際原子力機関)、WHO(世界保健機関)などの原発推進機関が「国際的な英知を集めた科学的な検証」を行い、「住民、特に母親の心配を払拭(ふっしょく)する」(山下俊一)と称して、鳴り物入りで行われた。その結果は、「チェルノブイリよりも健康被害は小さいと見られる」という何の根拠も示さない提言を採択しただけだった。
7月に福島県立医大の副学長に就任した山下は、福島に来て「放射線の影響はニコニコ笑っている人には来ません。くよくよしている人に来ます」「毎時100マイクロシーベルトを超さなければまったく健康に影響ない」などと講演し、福島県民の怒りの的となっているインチキ御用学者だ。その山下が、会議の成果について「福島の現場に世界の英知が集まり、議論ができたこと自体が成果だ」と言うのみで、まさに「放射能は安全」という結論を出すためだけの会議であった。
抗議行動では、福島県労組交流センターの渡辺馨代表がハンドマイクを握って訴えた。「国際御用学者会議粉砕! 第2のABCC(原爆傷害調査委員会)を許すな! 福島県民はモルモットじゃない! 子どもたちを放射能から守り抜こう! すべての原発をなくそう!」と烈々たる弾劾のアピールをたたきつけた。
30人を超える抗議団は警備の職員のピケットと対峙(たいじ)しながら闘った。子どもネットの中手聖一代表や佐藤幸子世話人らが阻止線を破し、会場に向かう国際会議の参加者に英文のメッセージボードを突きつけた。最後まで弾劾行動をやりぬいた。
この闘いは国際会議に決定的な打撃となった。そして、午後からは「怒りのフクシマ大行動」の集会とデモを200人の参加でかちとった。
(福島・E)
(写真 【上】会場に向かう参加者を直撃)
(写真 【下】横断幕を広げマイクで弾劾)
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週刊『前進』(2505号4面1)(2011/09/26 )
郵政非正規ユニオン 多摩支店前でスト突入集会
“すべての雇い止め撤回を”
郵政非正規ユニオンは9月20日午後10時をもって24時間ストライキに突入しました。連帯行動に参加した報告をします。
今回のストは、6月と9月に日本郵便東京多摩支店で出された計18人の非正規労働者に対する雇い止めの撤回を要求するストであり、8月12日に多摩支店当局が行ったユニオン委員長への「バイトのクズども」「バイトの分際で組合なんかつくりやがって」などの暴言、脅迫に対する抗議のストです。組合員たちは強く団結し、職場の仲間と全国の郵政労働者、産別を越えた非正規労働者に連帯を呼びかけました。
午後9時、多摩支店門前にユニオン組合員をはじめ70人を超える仲間が集まりました。「スト突入」の横断幕やのぼりが林立し、深夜勤で出勤してきた仲間とエールを交わしつつスト突入集会が行われました。
ユニオン委員長は「非正規労働者の本格的決起の開始と非正規職制度の撤廃を世界にアピールするストです。原発をなくせとデモをやった6万人の団結と信頼。これ以上のものはない。この力が世の中を変えないはずはない。非正規労働者も闘えば勝てる。非正規労働者数万人のデモを! 皆さんの支援に感謝です」とアピールしました。
労組交流センター全逓部会、同青年部、地元三多摩の労組交流センター、日逓中野の被解雇者、埼玉A局の郵政労働者、東京北部ユニオン、同南部ユニオン、東京B局の郵政労働者、地元の民間労働者などが連帯のアピールを行いました。
この中で全逓部会の代表は「78年郵政反マル生闘争以来の現場の決起だ。24万人の郵政非正規職の怒りに火がついた。JP労組本体からユニオンと一体で闘い、連合JP労組中央に取って代わる階級的労働運動の復権へ闘う」と語りました。日逓の被解雇者の仲間は「2年前に私も雇い止めにあった。青年をモノ扱いで使い捨て、未来を奪うことは絶対許せない。ついに闘って勝てる情勢が来た」と訴えました。
(写真 ストライキ突入決起集会で「団結して勝利するぞ」と拳を突き上げる郵政非正規ユニオンの組合員と仲間たち【9月20日午後10時すぎ 東京多摩支店前】) 9・29郵政本社デモへ
また東京の郵政労働者は「ユニオン委員長に『バイトのクズども』と暴言を吐いた課長は本当に許せない。反原発で6万人の労働者のデモをやった。連合や全労連の幹部がどんなに腐っても、現場労働者は自ら行動を始めている。ここに依拠して闘う。何としてもJP労組を職場からつくり直す。9・29本社デモ、11月労働者集会を武器にして断固闘いぬこう」と訴えました。地元の民間労働者は「今日のストで終わりではありません。各職場に持ち帰って闘いを広げよう。11月労働者集会へ」と力をこめました。
郵政非正規ユニオンの仲間たちの闘いは全国の郵政労働者の共感を生み、激励のメールや加入の問い合わせなどが殺到しているそうです。
郵政労働者をはじめ産別を越えた非正規職労働者の怒りを解き放とう。渾身(こんしん)のストに決起した郵政非正規ユニオンの仲間とともに、9・29郵政本社デモへ!(
(労組交流センター・S)
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日程 9・29郵政本社抗議デモ
9月29日(木)午後6時半集合/7時デモ出発
東京港区・桜田公園(JR新橋駅下車・烏森口すぐ)
【呼びかけ】全国労組交流センター青年部/郵政非正規ユニオン/合同・一般労働組合全国協議会/全国労組交流センター全逓労働者部会
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週刊『前進』(2505号4面2)(2011/09/26 )
産別越えた非正規職労働者の怒り解き放ち“11月”へ進撃を
JP労組中央うち破る拠点建設へ
革共同全逓委員会
郵政民営化の中軸をなしてきた非正規職化への怒りが根底から噴き出している。郵政非正規ユニオンの反乱の火の手が全国の郵政労働者、とりわけその5割以上を占める非正規労働者24万人(郵政グループ全体)の心を揺さぶり、各地で闘いへの合流が始まっている。3・11東日本大震災情勢下で巨大な規模で爆発する反原発・反失業闘争の中で、郵政民営化絶対反対を貫く動労千葉派の圧倒的な前進が始まったのだ。全逓委員会は非正規ユニオンの仲間たちの渾身の闘いを総力で支援・防衛し、11・6労働者集会1万人結集を武器に、連合・JP労組中央の支配をうち破る革命的拠点建設の飛躍へ進撃する決意だ。
モノではなく人間だ! 非正規職が渾身の決起
郵政非正規ユニオンの闘いが郵政労働者の心をとらえているのは、現場で日々差別され、人間扱いされていない非正規職労働者の根源的な怒りが具体的な闘いとして爆発し始めたからだ。理不尽きわまる奴隷労働の中で沈黙を強いられてきた現場から「俺たちはモノではなく人間なのだ」(郵政非正規ユニオン結成宣言)という渾身の反撃が始まった。このことが職場と産別を越えた全国の非正規労働者の広範な共感を生み出している。
郵便配達の現場はすでに7割近くが超低賃金で身分保障もない非正規職によって支えられている。仕事は正規職とほとんど変わらず、賃金は時給換算で約3分の1。そして何よりも雇用期間が半年〜3カ月という短期の契約更新で、日常的に雇い止めの脅威にさらされている。身分(雇用)保障のない非正規職は、現実には現場管理者の無理難題に従わないだけで雇い止めの対象になる。”クビ”の脅しで理不尽きわまる労務支配がまかり通っているのだ。
そして百パーセント経営陣の責任であるJPEX計画(小包みの子会社化)の大失敗と大赤字の責任を現場労働者に転嫁する「郵政大リストラ」で、この春以来真っ先に大量雇い止めの対象とされたのが彼ら非正規職なのだ。手口もえげつない。慣れない職種への配転や時短・賃金カットを通告し、勝手に「スキルダウン」評価を下し、ぎりぎりの低賃金をさらに削る。こうして「働けない」状態を強制しつつ「希望退職」を迫り、それでも応じない者には難癖をつけて雇い止めを通告するのだ(「厳重取扱注意」と書かれた当局のマニュアル)。
また通常で年間わずか2千人程度(約100人に1人!)の「正社員登用制度」なるものも、「正社員になりたければ文句を言うな」という圧力で非正規職を分断し、沈黙を強いる格好の手段として使われてきた。
こうした郵政非正規労働者へのあらゆる差別的・非人間的扱いの典型が、郵政非正規ユニオン委員長への現場管理者による「アルバイトのクズどもが」「バイトの分際で組合なんか」などの2時間に及ぶ暴言と脅迫行為だった。「クズ」「分際で」――彼らは非正規職を人間として扱っていない。これが非正規労働者への郵政資本の支配の思想である。事件はこのことを満天下に暴露した。まるで組合の結成自体が禁止され、労務担当が機関銃をもって現場を監視していた時代のアメリカの自動車工場のようである。
郵政資本が最も恐れる組合の再組織化始まる
この許し難い労務政策がまかり通ってきたのは、端的に言えば、職場で労働組合が機能していないからだ。現場の大半を非正規職に置き換えることを容認してきたのは、07年民営化時に全逓と全郵政が合併し23万人を組織している最大労組のJP労組本部だ。彼らは「生産性向上で会社につくす」という基本綱領を導入、JPEX計画などの合理化を積極的に容認し、要員削減、労働強化、非正規職化を率先して受け入れ、一切の職場闘争を禁圧してきた。
この労資一体の労働者支配によって非正規職の非人間的な労働環境と低賃金が強制されてきた。郵政職場の非正規職化率(日本郵便単体で6割超)は全社会平均の2倍だ。郵政こそ「ワーキングプア」の製造工場だと言われている。公益事業たる郵便事業がこのような異常な労務政策の上に成り立っているのだ。
しかしこの現実そのものが民営郵政の致命的な破綻点に転化しつつある。郵便事業の現場を実際に支えているのは労働者であり、その大半が非正規職の仲間だからだ。労働組合が現場で当たり前に機能すれば、この非人間的労務支配がまかり通ることなどあり得ないのだ。沈黙が破られた瞬間、民営郵政の職場支配は根底から崩れる。
郵政非正規ユニオンは、6月末の15人の雇い止め・解雇に続く委員長本人を含む3人への雇い止め通告(9月末執行)、さらに現場管理者による2時間にわたる脅迫行為などユニオンつぶしの不当労働行為に対して、討議を重ね、闘う意志と団結を固め、スト権を確立した。委員長は「全国16万人の非正規職の仲間の怒りを代表して闘う」と宣言、非正規労働者の全国的組織化をやり抜こうと檄(げき)を飛ばした。この闘いは郵政労働者全体にかけられた郵政大リストラ攻撃の総体をうち破る一大突破口でもある。非正規ユニオンの闘いは全国24万人の郵政非正規職(日本郵便で16万人)の思いを完全に共有している。
わが全逓委員会はこの非正規ユニオンを先頭とする闘いを総力で支援・防衛しつつ、「郵政民営化絶対反対」の闘いの前進で支配の空洞化が進むJP労組本体において、現場の支部・分会から革命的組合権力を見据えた今春以来の闘いを断固として飛躍させる決意だ。プロレタリア革命の準備そのものとして、JP労組23万人の組織を現場労働者自身が自らの力で下からひっくり返す闘いへの突入である。その機は圧倒的に熟している。非正規ユニオンの決起を新たな引き金に、職場支配権を現場労働者が握り、支部・分会を下からつくり直そうという機運が地殻変動的に高まり始めている。
これこそ当局が最も恐れていた事態だ。犠牲と矛盾が集中する非正規労働の現場から階級的怒りが爆発し、闘う労働組合の再組織化が本格的に始まったのだ。非正規ユニオンの闘いに対し、郵政当局は恥知らずにも前記の脅迫行為の事実を「なかった」と公式の場で強弁し、黒を白と言いくるめるために日本郵政本社の責任体制でガチガチの対応を始めたという。
この当局のむき出しの危機感の中に、非正規労働者の決起の衝撃の大きさが表れている。
郵政民営化絶対反対! 「バージョン1」粉砕へ
07年の郵政民営化は、87年国鉄分割・民営化以来の新自由主義の新たな「本丸」と位置づけられ、労働組合の徹底破壊と体制内化をテコに、すさまじい労働強化と非正規職化が進められた。現在、動労千葉や動労水戸を先頭にJR職場の外注化と偽装請負、非正規職化への全面的な反撃が開始されているが、郵政職場からの非正規労働者の反乱は、必ずやJRグリーンスタッフをはじめ産別を越えた非正規労働者の闘いとの全面的な合流に発展する。それは、外注化や非正規職化による労働者への極限的な搾取と収奪で延命してきた日帝とその新自由主義政策を致命的破綻に追い込む闘いである。
郵政資本の危機は尋常ではない。当局は現在、「民営化の戦略事業」JPEX計画の失敗で1千億円もの特別損失を出し、その全額を現場労働者に負担させる「郵政大リストラ」の途上にある。攻撃は3・11東日本大震災情勢下でさらに加速している。
しかし当局の思惑は反対物に転化するだろう。もはや現場労働者の怒りは臨界点を超えた。「1千億円の損失」なるものが旧経営陣の郵政私物化の犯罪(特別背任や横領)だったことも怒りの火に油を注いでいる。
7月に「郵政再生にむけて・バージョン1(たたき台)」なる合理化計画が発表された。驚くべきことに、その中身はあのJPEX計画で現場労働者に拒絶されて破綻した労務政策の焼き直しだ。これを現在の荒れ果てた郵政職場に強要しようというのである。
具体的には@成果主義賃金への転換(人件費一律3割カット)。本務者を含む、総額で年間1400億円もの大幅賃下げだ。A班別(!)に損益に責任を負う「班別損益制度」の導入。「利益」が出なければ現場が自腹を切る。そしてB「適正な要員配置」と称するさらなる人員削減=非正規職化の徹底である。
こんな労務政策は現場全員の沈黙がなければもはや絶対に通用しない。9月末にも65歳以上のベテラン非正規職が大量雇い止めになろうとしているが、実際に業務そのものが成り立たない職場が続出している。そもそも配達現場のバイクが足りない、車がない、郵便かばん(革製)が穴あきだらけなのに補充できない、職場清掃(外注)の予算もない――。公益事業として考えられない破産状況が蔓延(まんえん)している。
それでも郵政当局は大リストラと非正規職化以外に打つ手がないのだ。まさに郵政民営化の全面的な破産である。
また最大労組のJP労組本部は恥ずべきことに、この「バージョン1」を当局と共同で推進する方針だ(第8回中央委員会議案)。断言できるが、40万人を超える現場労働者はもはや誰一人としてこの中央方針を支持していない。非正規ユニオンの渾身の決起にも励まされ、多くの職場で分会・支部の再建運動が下から自発的に起こっていることは必然なのだ。
そして原発問題で本部が「討論禁止」措置を強行したにもかかわらず、9・19反原発デモに多くの現場労働者がJP労組の旗を公然と掲げて参加した。国鉄分割・民営化以来の新自由主義攻撃に乗じた労働貴族どもの「労戦統一」と労資一体化路線は文字どおり最後の時を迎え、階級的労働運動の息吹は確実に郵政労働運動全体をとらえつつあるのだ。
郵政民営化絶対反対の階級的労働運動の復権が現場労働者の圧倒的な要請となっている。反原発・反失業闘争の巨大なうねり、国鉄闘争全国運動と結合し、11・6全国労働者集会1万人結集を実現しよう。わが全逓委員会は不退転の決意で非正規ユニオンの支援・連帯・防衛の闘いを組織し、11月1万人結集の組織化へ死力を尽くして闘う。これを武器に全職場で革命的拠点化の一大飛躍を闘い取る決意だ。
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週刊『前進』(2505号4面3)(2011/09/26 )
動労水戸 違法企業JRを裁く
判決完全履行求め提訴
動労水戸は9月16日、運転士不登用事件をめぐる08年12月の最高裁勝利判決の完全履行などを求めて新たな訴訟を起こすとともに、原告の組合員を先頭にしてストライキに決起した。
(写真 ストライキに突入した組合員を先頭に水戸運輸区の門前で抗議行動【9月16日 水戸市】)
昇進・賃金差別の賠償も請求
新たな訴訟は2本立てになっている。請求の総額は2億円を超える。
第一は、運転士不登用にともなう最高裁確定判決にもとづき、乗務手当未払い項目の支払い、利子の支払い、慰謝料の支払いを求めるものであり、原告は12人だ。
最高裁で確定した命令には「平成9年6月1日付で運転士に発令したものとして取り扱い……遅滞なく運転士として就労させなければならない」と明記され、運転士として乗務していたら得られたであろう賃金との差額を支払うよう命じた。
しかしJR東日本は、一度の謝罪もしないばかりか、勝手に安く計算した賃金差額と乗務手当の一部を、組合との合意もないままに組合員の個人口座に振り込み、法定利息の年5%の利子も、本人と組合に対する慰謝料も支払わないという許しがたい態度を続けている。そればかりか運転士への就労プロセスさえ組織破壊攻撃の道具として使うなど、言語道断の対応に終始してきたのだ。
第二は、動労水戸組合員であるがゆえの不当な昇進差別・賃金差別によって生じた損害の賠償を求めるものであり、原告は5人だ。JR発足以来、昇進にあたっては試験制度が導入されたが、動労水戸には30年も働いていてもいまだに最低の職群にとどめられている組合員がいる。動労水戸に所属していることを理由に1次試験にさえ一度も合格させず、中には試験が始まった1988年から22回も受験し、一度も合格しなかった組合員さえいるのだ。試験は当局のさじ加減ひとつのブラックボックスになっており、合否の判断には「現場長の推薦が5〜6割を占める」(団交での当局回答)など、徹底的に組合差別と職場分断のために使われてきた。
これらはいずれも国鉄分割・民営化絶対反対を貫いてきた動労水戸を嫌悪した不当労働行為、組織破壊攻撃そのものだ。
原告を先頭にストに決起
動労水戸はこの日、組合要求の貫徹と不当労働行為の根絶を求め、原告を先頭に地上勤務者17人が指名ストに入った。
朝8時、勝田車両センター前に結集した組合員は、違法企業JRを徹底的に弾劾するとともに、職場の仲間に「動労水戸に結集しともに闘おう」と呼びかけた。その後、水戸運輸区前に移動して抗議行動を展開した。全学連新書記長の坂野陽平君や動労西日本の山田和広副委員長も駆けつけ、連帯アピールを行った。
抗議行動終了後、全員で水戸地裁におもむいて訴状を提出。午後からは茨城県庁内の記者クラブで会見を行った。
訴訟代理人を代表して松田生朗弁護士が提訴の内容を解説、石井真一委員長がJRの違法行為を真正面から裁くこの裁判の意義を明らかにした。「この裁判は、動労水戸が今後いかに闘い、組織を拡大していくのかをかけた闘いだ」
続いて2人の原告組合員が、国鉄分割・民営化以来の不当配転の数々、組合差別の数々を生々しく暴露し「絶対に許せない」と断罪した。この怒りは全国鉄労働者に共通のものであり、その気持ちを代弁するものだ。
最高裁で負けたのに、判決内容の履行すらせず、組織破壊をくり返すJRは絶対に許せない。動労水戸は、JR大再編情勢のただ中で、25年間の攻防の決着をかけた新たな闘いに打って出た。
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週刊『前進』(2505号4面4)(2011/09/26 )
“闘ってJRに勝った”
動労水戸 最高裁勝利でレセプション
動労水戸は9月18日、福島県いわき市の小名浜オーシャンホテルで「最高裁勝利レセプション」を開いた。組合員や家族、支援共闘など115人が参加し盛大に行われたレセプションで、動労水戸は国鉄分割・民営化に決着をつける新たな闘いの戦闘態勢を打ち固めた。会場には国鉄や全逓、医療・福祉、合同・一般など各産別の青年労働者が多数駆けつけ、祝いの場を盛り上げた。
木村郁夫書記長が開会を告げ、動労水戸結成以来の闘いを記録したビデオが映された。分割・民営化絶対反対という結成時の思いを25年、不屈に貫いてきた動労水戸の闘いが、ついにJR体制打倒に手をかけたことに参加者は胸を熱くした。
あいさつに立った石井真一委員長は、「本線運転士3人、構内運転士3人がハンドルを取り戻した」と勝利を宣言、外注化を軸とするJRの攻撃に対し、「組織拡大に全力を挙げ反撃する」と鮮明な決意を表明した。
乾杯の音頭を全国労組交流センターの入江史郎代表運営委員がとり、参加者は勝利の美酒をともに味わった。
各団体の発言が続き、動労千葉の繁沢敬一副委員長、国労旭川闘争団の成田昭雄さん、新たな裁判を担う葉山岳夫弁護士が動労水戸との変わらぬ連帯を表明した。
動労水戸は被災現地で闘う労働組合だ。福島県の畜産農家、福島労組交流センター、全金本山労組の長谷武志副委員長、国労郡山工場支部の橋本光一さんが原発廃止へ闘いぬくと断言。
青年・学生からは、動労西日本の山田和広副委員長、動労千葉青年部再建委員会の内山裕樹君、郵政非正規ユニオン、ちば合同労組の青年労働者、全学連の坂野陽平書記長らが発言に立ち、現場労働者の団結で御用労組をぶっ飛ばそうと熱烈に呼びかけた。
芸達者な動労水戸の組合員が歌を披露し、ハワイアンダンスのショーも行われ、笑顔がはじける中、参加者は闘いへの英気を十分に養った。
最後に動労水戸の組合員が壇上に並んだ。「絶対に運転士になってやろうと頑張ってきて勝利した」「勝利して最高に気持ちがいい」という万感の思いを込めた発言に満場の拍手が送られた。
レセプションは青年のエネルギーを結集し、外注化阻止・JR体制打倒と11・6労働者集会1万人結集への機運を大いに高めた。
(写真 動労水戸組合員が並び「JRに必ず勝つ」と決意表明【9月18日 福島県いわき市】)
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週刊『前進』(2505号5面1)(2011/09/26 )
全学連大会の地平から11月へ
反原発闘争の一層の発展へ 斎藤新執行部先頭に闘おう
革共同中央学生組織委員会
9月11日の新宿1万人デモ(全国3万人)と9・19明治公園6万人集会によって、反原発闘争はまったく新たな段階に突入した。「3・11」から半年、日本労働者人民の怒りが、全原発を廃絶し帝国主義−新自由主義を打倒し尽くすまでやむことのない規模と質をもって噴き出し始めたのだ。全学連は、9月9〜10日の第72回全国大会の大成功の成果をもって、斎藤郁真新委員長を先頭に9・11−19闘争に決起し牽引した。デモに参加した全学友が、自らの闘いと方針の正しさに確信を持った。4割以上が初参加者という若い力の結集によってかちとられた全学連大会の全内容をただちにキャンパスに持ち込み、「フクシマの怒り」と固く結合して、全国学生は11・6労働者集会の1万人結集に向かって今秋決戦に決起しよう。
(写真 全学連は大会の成功を引っさげNAZENの中心部隊として9・19デモに登場し、参加者6万人との熱い合流を果たした)
福島の怒りと6万人結集のうねりを大学キャンパスへ
9・11−19の反原発デモの高揚、とりわけ9月19日の6万人大結集が示したことは、日本の労働者人民の全原発廃炉への闘いのうねりは、日本帝国主義そのものといよいよ非和解的に激突していくということだ。
「3・11」以後で最大、そして日本の反原発闘争において最大規模の大闘争を実現したことによって、何よりもその中心部隊として労働組合が立ち上がったことによって、日本労働者階級の底力は示された。それは、野田政権、警察権力、そして社会民主主義やスターリン主義などの既成指導部の制動を吹き飛ばしての地の底からの怒りの高揚であり、勝利の展望そのものだ。原発は絶対に廃絶できる、行動によって世界は変えられる、エジプトのような闘いを日本の地でも! 「6万人」という数そのものに勇気づけられて、新たな決起が続々と湧き起こる。もううねりは止められない。これが革命のダイナミズムだ。
次は11・6労働者集会だ。9・11−19の息吹を職場・キャンパスに全力で持ち込もう。日比谷公園を埋め尽くす学生・青年の1万人の大結集を実現しよう。
再稼働阻止で学生総決起を
今次全学連大会は一つに、反原発の一点で巨万の学生の大衆行動を巻き起こす一致をかちとった。原発事故と放射能汚染を契機として、人間らしく生きることも未来を描くこともできない、この腐りきった資本主義社会に対する青年・学生の積もりに積もった怒りが爆発し、新たな仲間が立ち上がり始めている。大会の討論は、「運動を拡大したい」「組織をつくりたい」という欲求がほとばしるものとなった。
何よりも、「フクシマの怒り」と徹底的に連帯し、勝利までともに闘い抜くことに核心がある。大会における福島大学1年生の「『経済』の価値観ではなく、まず原発を止めよう。みんな怒っている。今こそフクシマの怒りとつながろう。再稼働をさせない、二度と原発事故を起こさせない、フクシマを繰り返さない、このことを据えて反対運動をやっていこう」という発言は、全参加者の心を捉え、固い団結をつくり出した。
日帝・野田政権は、全力で「フクシマの怒り」を叩きつぶそうとしている。「汚染されたゴミをどうするのだ」という恫喝で福島への廃棄物中間貯蔵施設建設を狙い(実質的には永久施設だ)、政府と御用学者をあげた「放射能による健康被害はたいしたことない」という大キャンペーンでもって福島の労働者民衆を見殺しにし、「棄民政策」を貫こうとしている。しかし、もはや怒りは爆発寸前だ。
「真実は隠される。福島県民は核の実験材料にされる。国は国民を守らない。私たちは棄てられた。でも、私たちの命を奪うな! 私たちは今、静かに怒りを燃やす東北の鬼です」(9・19集会で発言した福島の武藤類子さん)。「フクシマの怒り」とどこまでも一体化しつながる中で、これまで資本主義の物質力や「幻想」によって抑えつけられてきた、われわれ学生・青年の根源的な怒りが引き出されてくる。人間としての怒りがよみがえる。そして、これこそが歴史を前進させる革命のエネルギーだ。
いま一つ、大会において「原発再稼働阻止!」を最大のスローガンとしてうち立てた。現在は原発全54基のうち稼働しているものは11基だが、今年中にはその数はわずか6基となる。そして、来年春には泊原発3号機を除いてすべての原発が定期検査入りで稼働を停止する。それは、原発という存在そのものの不必要性が満天下に暴かれる決定的な時になる。
今年6〜7月における玄海原発再稼働攻防で一敗地にまみれ、次々と原発が定検に入っていくことに顔面そう白となった日帝ブルジョアジーと野田政権は、形相を変えて再稼働に突進し始めた。野田は「原発を来年夏までに再稼働する」「原発を直ちに廃止することはありえない」(米紙での会見)と宣言し、22日の「原子力安全および核セキュリティーに関する国連ハイレベル会合」でも「原発の稼働の継続」を表明した。原発政策にしがみつく以外に日本資本主義の未来はないとわめいているのだ。だからこそ、来年の「3・11」までの半年間の力勝負で再稼働を絶対に阻止しなければならない。「再稼働阻止!」の一点で、広範な決起をつくり出すことは必ずできる。全学連大会と9・11−19はその決定的な出発点となった。
今こそ新自由主義を粉砕し全国の大学に学生自治会を
今次全学連大会は二つに、反原発闘争のうねりの中からこそ、新自由主義と「教育の民営化」を吹き飛ばす学生自治会を建設できることをはっきりさせた。
原発の反人民性としての被曝労働−非正規労働の実態、核エネルギーが「人類の英知」としてもてはやされ金もうけ(資本の価値増殖運動)の手段となっているあり方、それに大学と御用教授が全面加担している現実。原発こそ、新自由主義と「教育の民営化」の究極形態であることが福島原発事故で暴き出された。そして、この原発を廃絶するために学生が立ち上がる中から、「経済関係」をこえる人間的団結が組織され、「真理の大学」は復権する。反原発闘争をキャンパスから大衆的に推進し拡大すること、この中に学生自治会建設の道がある。
今こそ新自由主義大学を粉砕する時だ。1917年ロシア革命によって自らの歴史的限界性を突きつけられて以来、延命に延命を重ねてきた資本主義が74−75年世界同時恐慌で決定的に行き詰まる中から、新自由主義は生まれた。資本主義としての「自立的」な発展の道を閉ざされる中で、ただひたすら労働者・学生の団結と組織を破壊して闘いを圧殺し、強搾取し、利潤を生み出すために新自由主義政策は遂行されてきた。その新自由主義は世界大恐慌で最後的に破産し、食っていくことすらできない労働者人民を世界中に膨大につくり出した。つまり、大恐慌は革命のチャンスであり、新自由主義への怒りの決起こそ最も人間的な行為なのだ。斎藤新委員長は、そのことを大会で「法大闘争の核心は、学生としての誇りにある」と喝破した。新自由主義大学と原発を串刺しにする闘いの中に、21世紀に生きるわれわれ学生の未来がある。
今次全学連大会は三つに、06年3・14弾圧(法大キャンパスにおける学生29人逮捕)以来の5年半にわたる苦闘を経て、ついに斎藤郁真(法政大)委員長の新体制をかちとったことだ。
来るべき資本主義の崩壊と大動乱期に、学生が社会変革の主力部隊として登場することを阻止するために、国家権力と大学当局は逮捕、処分、恫喝などありとあらゆる手段を用いて学生の闘いを押しつぶそうとしてきた。その最も激しい激突点として5年半の法大攻防があった。だが法大闘争は後退するどころか逆に新たな活動家をつくり、多くの支援陣形を獲得しながら前進した。学生は弾圧に負けず、組織をつくり団結を強化拡大できる可能性を示してきた。すべての反動を打ち破って斎藤委員長が法大キャンパスから立ち上がったこと、これは小泉構造改革以来の日帝支配階級の大学政策を大破産に追い込むものであり、法大闘争勝利の展望だ。
さらには、斎藤新体制が「3・11」以降の半年間の激闘を経て(斎藤君自身が3・31東電本店デモと5・20三里塚裁判で不当逮捕)、反原発闘争の大衆的高揚の中から登場してきたことも決定的だ。全学連は、織田前委員長6年間のすべての内容を引き継ぎ発展させ、今年の後半期からいよいよ300万学生全体の獲得と学生自治会建設に向かって一大勝負に突入する。全学連は時代の最先頭に立つ。
御用学者の安全デマ許さず10・21福島行動から11・6へ
学生戦線の今秋決戦方針は第一に、11・6労働者集会への1万人結集運動の先頭で闘うことだ。9・11−19に続く全国結集方針は、「反原発・反失業」の11・6集会だ。9月19日に明治公園に結集したすべての学生が、組織された労働者(労働組合)の万の規模での決起に心が震えるような感動を覚えた。労働者階級が立ち上がった時に、原発を廃絶し、全人民の総決起を実現できる。
「学生の未来は、闘う労働者との連帯の中にある。学生の未来は、11・6集会の中にある。今秋最大の政治闘争として11月集会への大結集をかちとろう」(全学連大会・方針議案)。その力で野田「原発再稼働−大増税」政権を打倒しよう。
第二に、10・21福島大闘争を全国学生の結集で大爆発させよう。学生が反原発闘争を闘う重要な契機は、一方で「フクシマとの連帯」であり、他方では御用教授の跳梁(ちょうりょう)を絶対に許さないことだ。とりわけ焦点は、福島大学と福島県立医大だ。9月11〜12日に福島県立医大で行われた会議「放射線と健康リスク――世界の英知を結集して福島を考える」は、「毒は被曝自体ではなく被曝量だ。福島はチェルノブイリとは違う。避難や食品検査が的確に行われ、健康リスクは小さい」「年間被曝量が20_シーベルト以下の低線量被曝の場合は危険はない」などとおぞましいデマ発言の飛び交う場となった。これに全面協力しているのが山下俊一(福島県立医大副学長)を先頭とする御用学者どもだ。
学生の決起で、放射能汚染と殺人に手を貸す犯罪者どもをキャンパスから追放しよう。全国の学友は、自らの大学で真摯(しんし)に教育と学生のあり方を大衆的に問い、「フクシマの怒り」を持ち込み、福島現地へと総決起しよう。そして、福島の地に荒々しく学生運動をよみがえらせるのだ。福島における学生運動の爆発は、情勢をさらに革命的に前進させていく起爆剤となる。
第三に、法大闘争を先端にして全国拠点大学の強化と発展をかちとり、「教育の民営化」への怒りをバネにして学生自治会建設に突き進もう。法政大、京都大、東北大、広島大において闘いの基盤をうち固め、首都圏を中心にさらなる拠点の拡大を実現していく圧倒的な展望を、全学連大会はつくり出している。
第四に、21世紀革命を切り開くマル学同建設の闘いを不屈に推し進めよう。全学連大会の組織戦を通して、『前進』が着実に拡大し、全国主要大学で若き学生革命家が続々と生み出されている。この秋こそ、マル学同の大飛躍の時だ。
全国学友のみなさん。9月19日の6万人結集は決起の号砲だ。闘えば勝利できる時代が来た。時代はわれわれ青年・学生の決起を求めている。全世界の闘う労働者・学生とともに、10・9三里塚−10・21福島大闘争をかちとり、一路11・6へ!
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週刊『前進』(2505号5面2)(2011/09/26 )
10・9三里塚へ! 反対同盟の訴え(下)
意気揚々と大登場を 事務局次長 萩原進さん
3・11で政治、経済、社会、なにもかもが根本から変わった。支配者も今まで通りのやり方を平々凡々に続けていては成り立たない。追いつめられて余裕も展望もない。だからヒトラーのように民衆があっと驚く手法をもって大反動が登場する、そういう時代を迎えたことを見すえ、われわれ自身も変わらなければならない。
9・11ちばアクションのデモに参加したが、右翼の連中が妨害のためにあれだけ繰り出したことは、原発が存亡の危機、日本は核武装もできず戦争体制もつくれないという支配階級の意識を体現したものだろう。
民衆の「国策」に対する意識もまったく変わった。こんな政府をだれも信用できない。安全だと繰り返してきながらあれだけの事故を起こし、今は福島に何をしているのか。実質上方針が立たず置き去りだ。補償をすると言って、人民の懐に手を突っ込み増税で巻き上げようとしている。
沖縄においては、普天間基地移設問題は結局のところ辺野古案を押し通すという結論だ。
三里塚においては農地の問題から、ひいては空港の存否をめぐる直接の激突を迎えている。
条件交渉とか玉虫色で決着できない情勢がどこにおいても訪れている。
再度はっきりと確認したいが、8・6広島の日に現闘本部破壊を強行したことはとんでもない歴史的大犯罪だ。この日は右も左もあの原爆投下の意味を深く考える日だ。その日を選んでやったとは、三里塚闘争史にやつらが新たな汚点を残したものだ。国策の威信は地に落ち、反人民性が明らかになった。だから福島の声は三里塚の声だ。
原発がなければ経済が成り立たない、電力不足だ、停電だとさんざん触れ回っているが、冗談じゃない! 誰が「死の灰」を降らせたんだ。東電幹部、政治家、自治体の首長、マスコミ、資本家、御用学者等々、原発を推進してきたすべての輩に責任を取らせ、追放し、東電を解体して人民の力で電力を管理しなければならない。
マスコミは現闘本部撤去で空港建設が進むかのように報じているが、ふざけるなと言いたい。畑、神社、開拓道路などが空港を包囲し急所を押さえ阻止しているのが現実だ。
10・9集会の第一の意義は、この三里塚の地に反対同盟はじめ闘う人民が意気揚々と大登場すること、これに尽きる。現闘本部をめぐってこれだけの長く激しい闘いをやりぬいた。三里塚のように闘えば勝つという展望を、あらゆる戦線、あらゆる人びとに示しともに闘うことを呼びかける。とりわけ福島の人びとがこぞって参加することをめざす。その力の結集で市東さんの農地を守る陣形を広く強力につくり出そう。みなさんの大結集を訴えます。
農地守る決戦を共に 中郷 鈴木謙太郎さん
3月の全国集会から約半年、反対同盟は現闘本部破壊攻撃と全力で闘ってきた。8月6日、夜も明けない4時という時間にやってくるとは、到底尋常のことではない。執行官がいたかどうかも分からない。こんなデタラメなやり方しかできないということに反対同盟の正義が明らかだ。
5月20日の東京高裁での不当判決の時は、不退去罪で私とうちの家族3人が逮捕された。公安刑事は形相を変えてムキになって襲いかかってきて、逮捕の通告もされずに拘束された。獄内外の闘いで全員起訴をさせなかったが、留置場での食事事情のひどさは忘れられない(笑)。
反対同盟は権力をかさにきたこうした横暴を一つひとつ打ち返し勝利を積み重ねてきた。国策の正体を満天下に暴き出してきた。
敵は今度は市東さんの農地そのものを強奪しようと狙っている。第3誘導路は市東さんを包囲しプレッシャーをかけて追い出そうとする攻撃だ。しかし本人は「来るなら来てみろ」と腹をくくっているし、反対同盟も「農地死守」の原則を貫いて闘う。全国の人びとがこの決戦をともに闘ってもらいたい。
農地裁判は大きな山場を迎えている。来年からは証人尋問に入りたいと裁判所は圧力をかけている。だが、あの裁判自体が本当に違法・脱法のかたまりだ。NAAが元の地主からこっそり買収して耕作者にも告げず何十年も秘密にしておいて、今さら「明け渡せ」だと! 農地法を悪用しての農地取り上げ、よくもこんないかさまを考え出したものだ。裁判が成り立っていること自体おかしいのに、裁判長は結局NAAの味方になっている。国策というだけでこんなものがまかり通るのは許せない。原発の事故も本質は同じだ。
連中は空港を造らなくてはしょうがないとわめいているが、今年の夏休みの成田の出入国者は昨年に比べて20%減だそうだ。躍起になって空港を造ってもまったく意味がない。シミュレーションで安全が確認できたなどと言って二つの滑走路で同時離着陸をやろうとしているが、机の上で安全が確認できるなら原発事故も起きなかったろう。また、格安航空を誘致しても航空需要全体が増えるはずもなく、格安で削られるのはサービスと安全と決まっている。
いくらあがいても市東さんをどかさなければ成田空港の危機はどうしようもないと、敵は攻撃を強めている。それを全力で打ち返すのが10・9集会だ。福島の農民の方々との交流もこれを機に深めたい。
みなさんの大結集を、もう一度声を大にして呼びかけます。
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週刊『前進』(2505号5面3)(2011/09/26 )
9月13日〜19日
野田首相が所信表明/日米外相会談「普天間移設」を再確認
●野田首相が所信表明 臨時国会で野田首相が所信表明演説を行い、「危機のなかで『公』に尽くす覚悟」「安全性が確認された原発は、定期検査後に再稼働」「国家公務員の人件費削減、公務員制度改革」「日米同盟の深化・発展」などを強調した。(13日)
●米国防次官「グアム移転見直しも」
カーター国防次官は、国防予算削減を受けて行う在外米軍基地のあり方の検証(見直し)対象に、在沖縄海兵隊のグアムへの移転計画も含まれるとの考えを示した。(13日)
●福島の土除染1億立方b 東電福島第一原発事故に伴い、放射性物質の除染対象になる可能性のある地域は、最大で福島県全体の7分の1に当たる約2千平方`に及ぶことが専門家の試算で分かった。除染土壌の体積は1億立方bに上る。(14日)
●政府が公的年金減額を検討 政府は国民年金や厚生年金など公的年金の支給額を来年度から減額する検討に入った。国民年金は月600円程度引き下げる案が有力。(15日)
●ヘリ搭載艦2隻目を計画 防衛省は来年度予算の概算要求に最大規模のヘリ搭載護衛艦(DDH、全長248b、基準排水量1万9500d)の整備費を盛り込む方針を固めた。DDHはヘリ9機が同時発着できる。1隻は建造中で15年度に就役予定。(16日)
●沖縄県教委「全員協議は有効」 八重山地区の中学校公民教科書の採択問題で、県教育庁の大城浩教育長は、同地区全教育委員による協議と、同協議で採択した内容は「有効」だとする県教委の見解をあらためて表明。(16日)
●所得増税10年を首相が指示 野田政権は、東日本大震災の復興財源にあてる臨時増税について、所得税に「復興貢献特別所得税」を上乗せする定率増税を10年間行う方針を固めた。(16日)
●民間給与平均412万円 民間企業で働く人が昨年1年間に受け取った給与の平均は412万円。国税庁の「民間給与実態統計調査」が明らかにした。3年ぶりの増加だが1989年並みの水準。男性の平均は507万円、女性は269万円。(18日)
●脱原発集会に6万人 大江健三郎さんらの呼びかけによる「さようなら原発集会」が東京・明治公園で開かれ、全国から約6万人が参加。(19日)
●米赤字削減3兆j超 オバマ米大統領は、財政赤字の削減額について、すでに法制化したものを除き今後10年間で1・5兆jとした7月末の与野党合意から上積みし、3兆j(約230兆円)超とする提案を行った。(19日)
●「普天間移設を着実に実施」と日米外相会談 玄葉光一郎外相はニューヨークでクリントン米国務長官と初の日米外相会談を行い、米軍普天間飛行場の辺野古移設を確認した日米合意を着実に進めることで一致。(19日)
●三菱重工にサイバー攻撃か 三菱重工業は、潜水艦やミサイルなどを製造する工場のサーバーやコンピューターがウイルス感染し、一部の情報が流出したおそれがあると発表。(19日)
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週刊『前進』(2505号5面4)(2011/09/26 )
三里塚裁判傍聴を!
◎鈴木さん一坪共有地裁判
9月29日(木)午前10時30分 千葉地裁
◎団結街道裁判
10月11日(火)午前10時30分 千葉地裁
(傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合)
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週刊『前進』(2505号6面1)(2011/09/26 )
「10・7反原発 弁護士・市民集会」へ
日弁連・裁判所の在り方を問い、原発の再稼働阻止へ
反原発日弁連臨時総会請求運動から「10・7反原発 弁護士・市民集会」への結集の呼びかけ文が寄せられた。集会に結集しよう。(編集局)
◇
フクシマの怒りをともに
全国の弁護士六十余名が呼びかけて、「すべての原発の即時停止・廃炉、再稼働阻止!」「裁判所の責任追及」の日弁連決議を実現する運動を開始しました。来る10月7日、東京・霞が関の弁護士会館講堂クレオで集会を開きます。野田政権が策する「年内再稼働」を粉砕する闘いの一環として皆さんの結集を呼びかけます。
野田政権の「年内再稼働」をめぐる攻防の焦点は、フクシマの怒りの抑え込みと分断を許すかどうかにあると考えます。福島第一原発は、水蒸気爆発の大破局の危機を深めながら、日々大地と海と空を放射能で汚染しつづけ、労働者農民漁民の生活を破壊しています。とりわけ、子どもの未来を奪う内部被曝問題のウソと棄民は、絶対に許すことはできません。私たちは、フクシマの悲嘆と苦悩、そして怒りとともに在ろうと決意しています。
「核と人類は絶対に共存できない」。しかし、現実には、第2次世界大戦で原爆は使用されて、一瞬のうちに二十数万人が殺され、今日も放射能と闘う数知れない人びとが生み出されました。以降、核兵器は世界の人民を支配する体制の頂点に君臨しました。
ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ 世界人民の原点
その支配を根底からゆるがしたのが、1954年3月1日のアメリカ・ビキニ水爆実験による第五福龍丸乗組員の被爆でした。久保山愛吉さん、大石又七さんらの闘病と決起は、それまでのヒロシマ・ナガサキに対する無視・孤立化攻撃を劇的に打ち破って「戦争反対・核兵器廃絶」の全国全世界の人民の魂をゆさぶり、まさに人類の世界史的共有体験を形成しました。いま「第三の原爆」のフクシマを前に、ヒロシマ・ナガサキ・ビキニの被爆者の闘いは、この世界史的原点をよみがえらせています。
裁判所は「原発の番犬」か
「3・11」以降、裁判所に対する幻想は完全に吹き飛びました。「人権の番人ならぬ原発の番犬」と弾劾されています。事実、裁判所は、下級審での1、2例を除き、原発の差し止め等を求める住民訴訟をすべて退け、核兵器およびエネルギー対策の国策遂行のため、見え透いたウソと詭弁(きべん)を弄(ろう)してきました。
「原発の安全確保は合理的。具体的危険性はない」(女川)。「耐震安全性は確保され、生命身体の具体的危険はない」(浜岡・一審)。あげく、「住民は国の安全審査の合理性を直ちに覆すものと断定できるまでの立証責任を負う」(東海第二・東京高裁)とまで言い放ったのです。こんな文言を読むだけでも髪は逆立ち、「法匪(ほうひ)」の語が口を突きます。
3・11後の今年5月3日の憲法記念日に、竹崎博允最高裁長官は記者会見で、福島第一原発に至る司法について「原子力安全委員会などの意見に沿った合理的な判断がされているかに焦点をあて、司法審査してきた」と述べ、裁判所独自の審査・判断の放棄、国策追認を居直りました。
最高裁を批判せず、再稼働も容認する日弁連
ところが、司法の一角を構成する日弁連は、この最高裁を批判・弾劾しません。「司法改革」という新自由主義攻撃を、政府・最高裁と一体で推進してきた日弁連執行部です。弁護士激増の結果、弁護士志望の司法試験合格者のうち43%が就職できず、また法科大学院の吸収合併・取りつぶしがはじまっています。裁判員制度も国民の出頭率が激減するなかで、被災地においてまで裁判員裁判の再開を強行しました。かくして、司法改革なる国策は完全に破局を迎えています。にもかかわらず、日弁連は、なおも司法取引・おとり捜査・室内盗聴など「新たな捜査手法」の導入に法務省と二人三脚で走っています。
今年3月25日、日弁連会長は原発事故に関し、「既存の原子力発電所については、電力需給を勘案しつつ、危険性の高いものから段階的に停止すること」という声明を発しました。「節電キャンペーン」への翼賛です。弁護士会内から批判が殺到するなかで、今度は7月15日、「10年以内のできるだけ早い時期に全てを廃止する。安全基準について国民的議論をつくし、その安全基準に適合しない限り運転は認めない」との意見書を出しました。
政府の「ストレステスト」を口実とした再稼働の容認です。いま現に200万人福島県民の命と生活の破壊が続いています。また、「安全な基準」などありえないこと、「即時停止・廃炉」がもっとも現実的な方途であることを知らないはずはありません。何を考えて「10年」などと言っているのでしょうか。
労働者が職場で、学生がキャンパスで、住民が地域で、反原発の声を上げて行くことに連帯して、私たちは日弁連と司法の在り方を根底的に転換させるために闘います。10・7クレオ集会への結集をお願いします。
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日程 10・7反原発 弁護士・市民集会
10月7日(金)午後6時
弁護士会館2階講堂クレオ(東京・霞が関)
★佐藤幸子さん(子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク世話人)福島で農業を営み5人の子の母親として「子どもの未来を奪うな」
★大石又七さん(ビキニ水爆実験被爆者・第五福龍丸乗組員)「空に一瞬の閃光が、そして死の灰が……」
★小出五郎さん(科学ジャーナリスト・元NHK解説委員)「原子力村とジャーナリズムの責任」★高山俊吉さん(弁護士)「裁判所の責任を徹底的に追及する」
○すべての原発いますぐなくそう!全国会議(NAZEN)からのアピールほか
主催/反原発日弁連臨時総会請求運動
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週刊『前進』(2505号6面2)(2011/09/26 )
西郡 住宅追い出し許すな
10・16狭山を闘い11・6へ
9月19日、全国連西郡支部と闘う仲間たちは、「原発推進・大増税の野田政権打倒! 八尾・西郡11家族への新たな住宅追い出しを絶対に許さん」と怒りをたぎらせ、明治公園の反原発6万人大集会に決起した。
八尾市大抗議行動の翌日の15日、八尾市は応能応益家賃制度に反対し供託で闘う西郡11家族に対して「入居承認取消通知書」を送ってきた。「2011年8月30日をもって入居承認を取り消す。10月17日までに鍵を返せ」。ふざけるな! 供託者と八尾市住宅管理課との間で取り決めた8月25日の「話し合い」をぶち壊したのは八尾市だ。許せない! だが9・14闘争の後に「取消通知」を送ってきたところに八尾市の追いつめられ敗北した姿がある。
供託者は「こんな脅迫に負けるか」「実力で住み続ける」と怒りを爆発させた。住宅追い出し裁判を最高裁で闘う岡邨洋支部長は「10・16大闘争」への決意を固め、「今こそフクシマの怒りと結び総決起する。石川一雄さんの国家権力との非妥協の闘いとともに、支部1千名建設で新自由主義と闘う部落解放運動に突き進もう。11月集会1万人の階級的団結ですべてを取り戻す」と戦闘宣言を発した。支部と供託者は奮い立っている。
応能応益家賃制度は、87年国鉄分割・民営化攻撃と一体の新自由主義=解放運動絶滅攻撃だ。西郡住宅闘争14年の闘いは、八尾北医療センター明け渡し絶対反対10年の闘いと一体となり、これを打ち破ってきた。国鉄全国運動と反原発闘争と一つになり、9・19で始まった60年、70年を超える闘いで社会をひっくり返そう。供託者・西郡支部と団結し、全国の労働者の力で住宅追い出しを阻もう。西郡更地化・廃村攻撃を打ち破ろう。
10月16日午後2時から八尾市・西郡幸第2公園で開かれる「狭山寺尾判決37カ年糾弾!住宅追い出しを許すな!八尾北明け渡し絶対反対!」総決起集会に参加しよう。
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週刊『前進』(2505号6面3)(2011/09/26 )
大槻泰生さんを偲ぶ会
ヒロシマとフクシマを結ぶ
“革命勝利まで闘う”
9月18日、広島市東区民文化センターで、8月19日に被爆の影響によるがんとの闘病の末に亡くなった反戦被爆者の会会長・大槻泰生さんを偲ぶ会が、遺族と広島、中国、四国の闘う労働者・学生60人の参加で行われた。主催は反戦被爆者の会、被爆者青年同盟、東郵便局解放研、広島・星野文昭さんを救う会、婦人民主クラブ全国協、広島県労組交流センターなどからなる実行委員会。
被青同の一貫田康博さんが司会を務め、反戦被爆者の会の下田礼子さんが開会のあいさつを行った。三里塚反対同盟の北原鉱治事務局長、動労千葉の田中康宏委員長、星野暁子さん、8・6―8・9統一実の三角忠事務局長、婦民全国協の丹治孝子代表など全国から寄せられた追悼の言葉が紹介され、被青同前委員長の中島健さんによる追悼文が読み上げられた。
続いて1970年以来、8・6広島反戦反核闘争や部落解放闘争、三里塚闘争や動労千葉支援の闘いをともにしてきた仲間たちが、故人の闘いや思い出を語った。被爆者解放の拠点として被爆医療に取り組む高陽第一診療所の仲間からは、大槻さんの原爆症との壮絶な闘いが報告された。広島・星野救う会の増上昭典共同代表は、ともに代表を務めた大槻さんに星野同志奪還を誓った。
革共同中四国委員会の代表は、最後の最後まで革共同とともにあり、同志として闘い続けた大槻さんの遺志を引き継ぎ、革命勝利まで闘い抜く決意を表明した。
「人類と核は共存できない」ことを体現する生き証人としての、また被爆者解放を労働者自己解放の中に見いだし「アジア侵略、ヒロシマ・ナガサキをくり返すな!」と訴え続けた反戦被爆者の会の会長としての大槻さんの生きざま、壮絶な闘いの軌跡が浮き彫りになった。3年前の原爆ドーム前でのイラク反戦集会で大槻さんが「広島で11月のような集会をやることが被爆者、被爆2世、3世の任務だ」と訴えるビデオも上映された。今年の8・6ヒロシマの反原発世界大会の成功は、この大槻さんの訴えに応えるものとなった。
最後に一家総出で参加した遺族を代表して長女の昌子さんと長男の豊茂さんが登壇、「父の偉大さをあらためて実感しました。ともに闘いましょう」と訴えた。全参加者がヒロシマとフクシマの怒りを結び反原発・反失業の11・6労働者集会を成功させることを確認した偲ぶ会となった。
(広島・M)
(写真 反戦被爆者の会会長・大槻泰生さんを偲び、核と原発の廃絶、革命の勝利まで闘うことを誓い合った労働者・学生60人【9月18日 広島市】)
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週刊『前進』(2505号6面4)(2011/09/26 )
爆取弾圧 控訴趣意書を提出
逆転有罪判決に反撃開始
8月31日、須賀武敏、十亀弘史、板垣宏の3人と弁護団の5人は東京高裁第6刑事部(出田孝一裁判長)に差し戻し審の控訴趣意書を提出した。これは「無実の私たちに『有罪』を宣告した裁判官の国家犯罪を絶対に許さない。必ず粉砕する」という戦闘宣言である。
私たちは86年の迎賓館・横田基地へのロケット弾戦闘の「犯人」にデッチあげられ、16年もの不当な未決勾留と闘い、原則的な裁判闘争をやりぬき、2004年に一審・東京地裁で無罪判決をかちとった。ところが控訴審・東京高裁は1回も事実審理をせず、無罪判決を破棄し一審差し戻しとする判決を下した。
08年からの差し戻し一審で東京地裁は昨年6月2日、懲役11年〜7年の有罪判決を下した。これは、新自由主義と対決し敢行された迎賓館・横田基地ロケット弾戦闘について「中核派の被告は何がなんでも有罪だ」とする国家意思を体現している。裁判とは名ばかりの直接的な治安弾圧だ。
私たちは24年間の闘いの地平を踏まえ、プロレタリア革命へ向かう労働者階級人民とともに、差し戻し控訴審で新たなデッチあげを粉砕する。
恣意的決めつけ
控訴趣意書は、逆転有罪原判決が証拠を無視し、恣意(しい)的で強引な決めつけばかりであり、そのために論理矛盾や論理飛躍に満ちていることを明快に批判している。真実を武器に判決の事実誤認を詳細に具体的徹底的に指摘、私たちの無罪を完璧(かんぺき)に明らかにしている。
私たちは、迎賓館・横田両戦闘の後に設置された「岩手借家」で押収された、本件と関連のない「メモ」等を「証拠」として「犯人」にデッチあげられた。しかし「岩手借家」の押収物はすべて「岩手鍋爆弾」用のものであり、両戦闘とは一切関係がない。
本件には直接の証拠はない。原判決の判断は、私たちが本件と関連のない「岩手借家で鍋爆弾を作った」ということと、本件以前の二つの成田ロケット弾戦闘の信管を金沢借家で製造した(まったくの虚構)から、時期的に本件もやったに違いないとする憶測に基づくものでしかない。
控訴趣意書の「第1」では、原判決の勝手な決めつけを「情況証拠」論によって根底から批判した。「情況証拠」は多義的に解釈できる。したがって「情況証拠」から事実を認定するためには、「有罪」の一方向から説明できるだけでは足りず、「被告人が犯人でないとしたならば合理的に説明することができない、あるいは、少なくとも説明が極めて困難である事実関係が含まれていることを要するというべきである」と指摘し、原判決のデタラメさを明快に突き出している。
メモは鍋爆弾用
控訴趣意書の「第2」から「第7」までは、岩手押収の「メモ」等について勝手な捏造(ねつぞう)的解釈をなした判決を具体的に批判、「メモ」は本件とは関連のない鍋爆弾用のものであることを明らかにした。
「第8、9」では「本件両事件前に、須賀・十亀両被告人が金沢借家で信管を作った証拠だ」と判決が認定している、段ボール箱とその在中品が岩手借家で作られたゴミ箱であることを具体的な根拠を挙げて論じた。
さらに原判決は、「金沢借家で被告人3名が信管を作った」という主張が板垣同志については証明できないため、「2名が作った」と認定を変えた。その上で「3人は一班」という勝手な決めつけを維持、3人が共謀したと認定した。「第10」はこのデタラメなデッチあげを痛烈に批判・粉砕している。
東京高裁はこうした被告・弁護人の控訴趣意書に圧倒され、控訴趣意書提出直後の9月9日に3者折衝を求めてきた。この折衝で出田孝一裁判長は「高裁は事実調べするところではない」と言い放った。早期結審の意図を露骨に表明したのだ。
私たち被告団は9・11―19で開始された反原発・反失業の巨万の労働者人民の闘いに連帯し、国家犯罪を断じて許さず、東京高裁の早期結審策動を粉砕して必ず控訴審決戦に勝利する。ともに力を合わせて闘おう。
(迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判被告団)
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週刊『前進』(2505号6面5)(2011/09/26 )
ILWUが大争議に突入
非組合・非正規化許さず 130人逮捕に実力で反撃
動労千葉とともに国際連帯強めよう
アメリカの国際港湾倉庫労働組合(ILWU)の労働者は今、穀物輸出資本と政府による労働組合つぶし・非正規職化の攻撃と対決する歴史的な大闘争の渦中にある。ILWUは鉄道線路の封鎖、穀物輸出ターミナルの占拠など戦闘的戦術を駆使し、130人もの労働者の不当逮捕を跳ね返して闘っている。こうしたILWUの闘いは、分割・民営化―外注化攻撃で戦闘的労働組合運動を破壊しようとする日帝・JR資本と対決する動労千葉の闘いとまったく同質である。動労千葉が長年培ってきたILWUとの国際的連帯の成否をかけてILWUの闘いを支援し、ともに闘おう。
米日韓合弁企業が組合要求拒否
ILWUの今回の大争議は、穀物輸出ターミナル社(EGT)が米ワシントン州南西部のロングビュー港に2億jをかけて建設した最新鋭の穀物輸出ターミナルでの荷扱い作業をILWUから取り上げ、非組合の労働者を雇ってやらせようとしていることとの対決だ。EGTはアメリカのブンゲ・ノース・アメリカ社、日本の伊藤忠インターナショナル社、韓国のSTX・パン・オーシャン社の合弁コンソーシアムである。
EGTの目的は、1934年の大ゼネスト以来、アメリカの西海岸の港湾業務を労働者自身の手で運営してきたILWUを排除し、最終的に非組合の非正規労働者に置き換え、西海岸の港湾業務のすべてを資本が独裁的に牛耳ることだ。これは一資本の意図ではなく、米ブルジョアジーの総意に基づいている。彼らは現在の世界大恐慌をのりきるため、破産した新自由主義政策になおも訴え、標的をILWUに定めたのだ。
ILWUはEGTに交渉を申し入れ、これまでどおり組合のハイアリングホールで仕事を配分されるILWU組合員を雇い、労働協約を締結することを要求した。EGTが交渉を拒否したため、ILWUの労働者たちは激しい怒りを募らせた。
6月3日、労働者の大反撃が始まった。ILWUの組合員1千人以上がEGTの本社前で抗議集会を開き、戦闘宣言を発したのだ。
7月11日には、EGTの穀物輸出ターミナルに向けてデモが行われた。組合員は門を打ち破って構内に突入し、抗議集会を開いた。これに対して警察は、集会を襲撃し、指導部を含む100人の組合員を逮捕した。
しかし7月14日には、数百人の組合員が線路を封鎖し、ターミナルに穀物を運ぶ列車の運行を完全に阻止した。
ターミナル占拠線路封鎖で反撃
この勢いに押されたEGTは、非正規ではなく正規の労働者をILWUとは別の組合から雇うと発表した。これはILWUとこの別の組合とを対立させ、分断しようとする攻撃でもある。
以後、ILWUはピケットや監視行動を強化し、列車の運行を阻止し続けた。EGTは穀物輸出ターミナルの一時閉鎖を余儀なくされた。
労働者の闘いに追い詰められた資本は国家権力に弾圧を要請した。連邦の全国労働関係局(NLRB)は8月29日、ILWUが「攻撃的」なピケットを行ったとし、これを「不当労働行為」で告発した。
また9月1日には連邦裁判所が「違法な暴力的ピケット」を張ること、ターミナルに通じる道を封鎖することを禁止する仮差し止め命令をILWUローカル21(ロングビューの支部)と同ローカル4(米ワシントン州南部バンクーバーの支部)に対して出した。
だが労働者は逮捕や裁判所の命令などものともしない。数百人のILWU組合員が9月7日朝、バンクーバーで線路上にピケットを張り、EGTターミナルに穀物を運ぶ貨物列車の運行を午後遅くまで止めた。連邦裁判所の仮差し止め命令で強気になっていた資本側はすきを突いて強行突破を図ったが、ロングビューで待ち構えていた別の400人のILWUの労働者が再び線路を封鎖し、4時間にわたって列車の運行を阻止した。
これに対して警察は、乱闘服を着、ゴム弾を装填(そうてん)したライフルを持つ50人の警官隊を出動させた。警官隊は警棒とこしょうガスを使ってILWU組合員に襲いかかった。警官隊は19人の労働者を軽犯罪法の侵入容疑で逮捕し、列車の運行を強行した。警察はILWU本部のボブ・マッケラス委員長も一時拘束した。
(写真 8月7日、ロングビューでILWUが線路封鎖。南のオレゴン州ポートランドのローカル92も参加 )
ワシントン州の全港湾業務停止
弾圧のエスカレーションに労働者の怒りが爆発した。翌8日早朝4時半には、400人のILWU組合員が穀物輸出ターミナルに突入し、構内を占拠し、貨物列車に積まれていた穀物を線路上にぶちまけた。貨物列車のブレーキワイヤも切断され運行不能となった。さらに同日、アナコルテス、シアトル、タコマ、ロングビューの四つの港で数百人の労働者が弾圧に抗議して山猫ストに突入した。ワシントン州の全港湾業務が停止した。
ILWUのランク&ファイルの労働者たちは、戦闘的労働組合を破壊しようとする資本と国家の攻撃に危機意識を燃やすと同時に、アメリカ労働運動の未来がかかった決戦として争議を位置づけて総決起し、恐るべき戦闘性を発揮している。
動労千葉も、全面的外注化による労働組合破壊、国鉄闘争解体の攻撃にストライキを構えて闘っている。日米両国で最も戦闘的な動労千葉とILWUの国際連帯、相互支援関係を一層強化し、ILWUへの攻撃への一大反撃を組織しよう。
〔丹沢望〕
(写真 ロングビューで9月7日、ライフルを持ち弾圧に出動した警官隊にILWU組合員【手前】が対峙 )
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