ZENSHIN 2011/09/05(No2502 p08)

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第2502号の目次

外注化・非正規化・偽装請負に反撃誓う 動労千葉組合員を先頭に450人が結集した大集会(8月30日 東京・すみだ産業会館)=記事2面

1面の画像
(1面)
経団連と連合に支えられた超反動政権  原発推進・大増税の野田打倒を
9・11全国一斉大デモ-19明治公園(午前10時)
青年・学生先頭に反原発闘争へ  解雇撤回・外注化阻止へ闘おう
記事を読む  
9・11反原発/各地の行動  東京は午後2時・新宿アルタ前 記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
(2面)
動労千葉 偽装請負を告発する大集会
外注化粉砕・非正規職撤廃へ  10月実施阻止の決戦態勢築く(8月30日)
記事を読む  
現場から会社追い詰める 組合員の発言(8月30日) 記事を読む  
全国の職場で闘いの火の手を  外注化・非正規化・偽装請負との闘いは全労働者の課題 記事を読む  
(3面)
自治労長野大会決戦 “首切り・民営化と闘え!”
現業切り捨ての本部方針に怒りと批判が現場から集中(8月24〜26日)
記事を読む  
郵政非正規ユニオン 委員長雇い止めに抗議  当局が脅迫と不当労働行為 記事を読む  
市東孝雄さん2つの農地裁判 “農地は絶対守り抜く”  早期結審策動を押し返す(8月30日) 記事を読む  
職員・教育基本条例阻め  大阪府庁前で連続行動(関西労組交流センター教育労働者部会) 記事を読む  
三里塚裁判傍聴を! 記事を読む  
(4面)
9・11―9・19反原発闘争に立とう  再稼働絶対阻止! 全原発廃炉へ
福島現地の怒りと固く結び労働組合再生かけた決起を  坂本千秋
記事を読む  
(5面)
被曝・汚染の実態隠し許すな  福島で進む大がかりな反動  反原発9月闘争で反撃を(河東耕二) 記事を読む  
原発事故で放出のセシウム137 広島型原爆の168個分
大規模・深刻な放射能汚染
記事を読む  
“上関原発絶対阻む”  祝島島民とともに全国集会(広島KT)(8月28日) 記事を読む  
新刊紹介 国際労働運動 10月号  反原発・反失業闘争 記事を読む  
(6面)
全国学生は全学連大会に結集しよう C  野田政権の大反動を粉砕し反原発の巨大な学生運動を  革共同中央学生組織委員会 記事を読む  
リビア・カダフィ体制の崩壊  米・EU帝の反革命と侵略戦争  労働者階級の反撃は不可避だ(丹沢望) 記事を読む  
2011年日誌 8月23日〜29日
国連がPKO「中立」原則破棄/カダフィ政権が崩壊
記事を読む  
(7面)
日米安保粉砕へシーハンさんと合流
沖縄労働運動の新時代へ反原発闘争と一体で闘う  革共同沖縄県委員会
記事を読む  
〈焦点〉 中国への露骨な対決政策  米国防総省が年次報告書 記事を読む  
〈焦点〉 子どもに被曝さらに強制  文科省「毎時1マイクロシーベルト目安」 記事を読む  
韓国・済州島の闘い
体を張り海軍基地を阻む
カンジョン村住民に檄文を送ろう
記事を読む  
(8面)
青年労働者・学生に『前進』を
プロレタリア革命の戦略的準備の鍵をなす機関紙活動  前進経営局
記事を読む  
星野再審闘争 刑務所の面会妨害を打破  星野同志奪還へ大きな前進(8月1日) 記事を読む  
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
法大裁判に集まろう! 記事を読む  

週刊『前進』(2502号1面1)(2011/09/05 )

 経団連と連合に支えられた超反動政権

 原発推進・大増税の野田打倒を

 9・11全国一斉大デモ-19明治公園(午前10時)

 青年・学生先頭に反原発闘争へ

 解雇撤回・外注化阻止へ闘おう

(写真 外注化・非正規化・偽装請負に反撃誓う 動労千葉組合員を先頭に450人が結集した大集会【8月30日 東京・すみだ産業会館】=記事2面)

 動労千葉が主催した「外注化阻止・非正規職撤廃!8・30JRの偽装請負を告発する大集会」は、450人の結集で圧倒的に闘いとられ、「あらゆる手段を尽くし外注化を阻止する。世の中にまん延する偽装請負、非正規職化、労働者の権利はく奪、労組破壊に立ち向かう。その核心は組織拡大だ」(田中康宏委員長)という、熱烈な戦闘宣言が発せられた。構内運転業務の外注化阻止へ平成採労働者を先頭に総力で闘う動労千葉に続き、「解雇撤回、外注化阻止・非正規職撤廃」へ、国鉄決戦に総決起しよう。労働組合を軸に野田超反動政権打倒へ、9・11−19反原発大闘争の爆発をかちとろう。

 原発再稼働と「大連立」狙う

 9・11−9・19反原発闘争と11月労働者集会に向け、労働者階級人民にまず求められているのは、菅政権の崩壊を受けて登場した超反動の野田新政権を打倒するために総決起することだ。
 野田政権は日本経団連のブルジョアジーと連合ダラ幹に支えられて「大連立」=挙国一致を叫び、原発推進と大増税、日米安保強化を振りかざしたとんでもない反動政権だ。新政権発足の緒戦でこれを決定的にぶっ飛ばすことが必要だ。その当面最大の攻防点こそ9・11−19闘争である。
 野田は首相になる前に、「何よりも優先すべきは、福島第一原発事故の速やかな収束」(「わが政権構想」)などと言っている。もし本気でそう思うのなら、すべての原発を今すぐ停止し、廃炉へ全力を集中する以外の道はありえない。しかし実際には、野田は来年4月にすべての原発が停止することに危機感をあらわにし、「当面は再稼働に向けて努力することが最善の策」と主張している。
 それだけではない。野田は「短兵急に原発輸出を止めるべきではない」「2030年までは、一定割合は既存の発電所を活用する」「原子力技術を蓄積する」などとも公言してきた。3・11で危機に陥った日帝の原発推進政策を反動的に巻き返し、当面の再稼働に向け、菅政権的なペテン性もかなぐり捨てて突き進もうとしているのが野田なのだ。
 しかも野田は、絶望的な日帝の財政危機のもとで、「財務省の組織内候補」と言われるほど、その階級意志を全面的に体現して、大増税を露骨に主張してきた政治家である。また就任早々から、日米同盟基軸論とその強化をごう然と主張している。「A級戦犯は戦争犯罪人ではない」が持論で、対中国・アジア政策においても名うての強硬論者だ。
 さらに野田は、日帝の絶望的政治危機、支配階級の分裂・抗争にあえぐ中で、誰よりも声高に自民党や公明党との「大連立」を唱え、挙国一致で危機ののりきりを図ろうとする姿勢を、露骨に打ち出してきた人物だ。

 日帝危機激化とボナパ政権

 しかし今や日帝は、戦後最大の危機、根底的な体制崩壊の危機にある。この日帝にも、新首相の野田にも、3・11大震災と原発大事故を何も解決できない。そもそも解決する力もない。被災地のすさまじい現実が、労働者と全人民の根底的怒りとなって、日々爆発している。これに対し日帝と政府は、原発事故と放射能汚染の深刻極まる現実を隠蔽(いんぺい)し、情報操作する一方で、「放射能は安全」「すぐ健康に影響はない」などと怒りと闘いの圧殺に躍起となっている。
 さらには、「核汚染物質の貯蔵施設」を福島に建設するとしたり、震災解雇や「経済特区」攻撃で被災地の労働者人民をどこまでも大資本の食い物にしようとしている。原発推進の野田こそ、菅以上に被災地人民の敵対物だ。だが日帝にも野田にも、労働者人民の怒りをもはや絶対に抑えることはできない。
 日本経団連会長・米倉は「民主党の議員は非常にいい結論を引き出した」と歓迎し、野田を「安定感と行動力を持った政治リーダー」と絶賛している。その野田は連合会長・古賀に真っ先にあいさつに行き、その足で米倉ら財界首脳のところに赴いた。「ノーサイド」を呼号する野田は、民主党の「挙党体制」というレベルを超え、まさに一方で大ブルジョアジーに、他方で連合ダラ幹に軸足を置いた、超反動のボナパルティズム政権だ。
 重要なことは、労働者階級が今こそ力ある勢力として登場することである。労働者と労働組合の階級的団結と決起で、超反動ボナパ政権を打倒し、プロレタリア革命の勝利を切り開く情勢が到来しているのだ。

 福島事故・放射能で大攻防

 怒りに堪えない事態が、次々と明らかになっている。政府は福島第一原発が放出したセシウム137が、広島型原爆の168個分に相当するとの試算を、国会の追及で渋々明らかにした。また東京電力が08年、福島第一原発に高さ10b超の津波が到来し、陸上を遡上(そじょう)して15b以上に達するとの試算を出していたが、隠蔽(いんぺい)されてきたことも暴露された。
 さらに8月30日、東京電力は福島第一原発で作業にあたっていた下請け会社の労働者が、8月前半に急性白血病で死亡したことを発表した。しかもそれを、“作業との因果関係はない”と居直っているのだ。
 今、福島では政府や県当局による激しい「除染」キャンペーンとの攻防になっている。これは原発事故を除染問題に切り縮め、「安全だ」と大宣伝し、福島県民の闘いが国家と資本への闘い、総反乱に発展することを圧殺しようとする策動であり、福島県民とりわけ子どもたちを放射能被曝にさらす新たな「棄民政策」だ。県は御用学者を「除染アドバイザー」に任命し、政府も「除染に関する緊急実施基本方針」「市町村による除染実施ガイドライン」などを次々と発表している。
 だがこれらは、文科省が通知した「福島県内の学校の校舎・校庭等の線量低減について」が、いみじくも年換算9_シーベルトを目安とするとしているように、県民に現状を容認させ、放射線管理区域やチェルノブイリでは強制避難区域となった以上の線量の中に、子どもたちや県民を放置する政策だ。
 しかも今や福島のこの現実は、関東圏を始め全国問題化している。そのすべてが階級的労働運動の課題そのものでもある。例えば、柏市を先頭にごみ処分施設や汚泥焼却施設で、高濃度の放射能問題が顕在化している。首都圏A市の下水処理場でも、高濃度の焼却汚泥の処理作業を福島原発と同じように防護服にマスク、そして放射線積算計をつけて作業が行われている。しかもそれは6月以降のことで、線量が最大を計測した5月は一般的な手袋とマスクだけだったという。
 そしてこれらの作業を担っているのは、市の委託を受けた外注会社の労働者だ。福島原発で被曝労働が強制されている構造が、全国の自治体職場にも広がっているのだ。それだけではない。B市の自治労の幹部は、被曝の危険性をはらんだ作業を率先して担うことが「公共サービスを担う職の確立のチャンス」とすら公言している。組合が団結して闘って職場と労働の安全を守るどころか、被曝労働に組合員を駆り立てているのである。これこそ自治労本部の「公共サービス論」の帰結だ。
 「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」(な全=NAZEN)を軸とした反原発闘争と、国鉄闘争全国運動を軸とした国鉄決戦、すなわち動労千葉を先頭とする解雇撤回、外注化阻止・非正規職撤廃、偽装請負粉砕の闘いこそが、野田新政権を打倒し、プロレタリア革命勝利を切り開く2本柱だ。とりわけ自治体労働者と教育労働者は職場からこの闘いの先頭に立って総決起しよう。

 “生きる”とは団結し闘うこと

 3・11大震災と福島原発事故は、すべての労働者人民の人生と価値観を完全に変えた。特に青年労働者と学生を先頭にして、“資本主義体制を打倒しなければ何も解決しない”という根源的怒りと階級意識が拡大している。
 今や“生きる”ことと“団結して闘う”ことは完全に一つだ。そしてその共同の階級的な力こそが、新自由主義を打ち砕き、原発事故を始め直面するあらゆる事態を解決できる力だ。革共同は、2千万の青年労働者、6千万の全労働者、さらに全人民と団結し、一つに結合して、国鉄決戦と反原発闘争を闘い抜く。9・11−19闘争に総決起し、11・ 6労働者集会へ進撃しよう。
(写真 「市東さんの農地守るぞ!」。三里塚反対同盟は農地裁判開廷を前に千葉地裁・多見谷裁判長の早期結審策動を弾劾するデモに決起【8月30日 千葉市】=記事3面

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週刊『前進』(2502号1面2)(2011/09/05 )

 9・11反原発/各地の行動

 東京は午後2時・新宿アルタ前

 9月11日(日)、全国各地で反原発のさまざまな取り組みが予定されています。集会、デモ、講演会、街宣署名活動など、2日現在で寄せられた各地の闘争方針を紹介します。(編集局)
 東京・関東
■東京 午後2時/新宿アルタ前
■千葉 ちばアクション/午後2時集会、3時デモ/千葉市葭川(よしかわ)公園/(主催)実行委
■埼玉 反原発アクションin埼玉/午後2時30分/さいたま市「山丸公園」(大宮区吉敷町1丁目)/(主催)埼玉反原発アクション
■神奈川 ◆横浜/911KANAGAWA ACTION/正午/大通り公園(石の広場)/(主催)911KANAGAWA ACTION◆横須賀/原発なくそう!100万人アクションinYOKOSUKA/午後1時30分〜講演と意見交換、3時30分〜市内デモ・パレード/ヴェルクよこすか第一研修室/(主催)実行委
■群馬 午後1時30分/高崎市役所前広場/主催・原発とめよう群馬
■山梨 ◆さよなら原発・大行進/午前10時45分集合、11時デモ出発/甲府駅南口信玄公像前/(呼びかけ)みどり山梨
◆すべての原発の停止と廃止を求める講演会/午後1時30分〜/甲府市中央公民館/(主催)止めよう戦争への道!百万人署名運動山梨連絡会・郡内連絡会
■茨城 広瀬隆講演会&デモ/午後1時/土浦市民会館/(主催)実行委
■栃木 原発なくそう宇都宮パレード/午後2時30分/宇都宮市まちかど広場/(主催)実行委
■静岡 浜岡廃炉☆原発全廃静岡アクション/午後1時〜集会、1時45分デモ出発/青葉公園
■長野 アクションin NAGANO 12時30分/長野駅前/(主催)団結NAGANO
 東北
■宮城 SENDAI1万人アクション/正午〜反原発ライブ、午後2時〜集会、3時〜大規模デモ/東北大学片平キャンパス/(主催)9・11SENDAI
■福島 怒りのフクシマ大行動/午後1時30分〜集会、午後2時30分〜デモ/福島市・街なか広場(福島駅東口徒歩5分)/(主催)大行動実行委
■青森 街頭宣伝・署名活動
■秋田 午後2時〜集会、その後デモアクション/市民交流プラザ・アルベ2F多目的ホールB/(主催)原発反対☆秋田デモ実行委
■新潟 午後1時〜集会、2時30分〜パレード/新潟市中央区東(あずま)公園/(主催)脱原発100万人アクションinにいがた
 関西
■大阪 アクションin大阪/午後1時集会、3時デモ/中之島・剣先公園/(呼びかけ)な全
 中国・四国
■広島 STOP!上関原発・中電本社包囲デモ/正午原爆ドーム前集合、午後1時集会、2時デモ/(呼びかけ)8・6ヒロシマ大行動実行委
■岡山 12時30分〜岡山駅ビックカメラ前集合ライブ&パレード、午後2時30分〜さん太ホールでライブ&トーク/(主催)子ども未来・愛ネットワーク
■山陰(島根) ◆リレートーク&反原発1千万人署名活動/11時、松江駅前テルサ前/(主催)とめよう戦争への道!百万人署名運動山陰連絡会◆午後1時〜さよなら島根原発署名活動◆2時〜松江市内デモ/(主催)さよなら島根原発ネットワーク
■徳島 正午〜デモ/徳島駅前/(主催)実行委
■愛媛 松山アクション/午後2時〜坊ちゃん広場集合、2時15分〜デモ/(主催)実行委
 北海道
◆札幌 街宣・署名活動
◆伊達市 集会とデモ/午後1時30分、カルチャーセンター横
 北陸・東海
■富山 1万人アクション/午後1〜3時集会、富山市民プラザ3Fマルチスタジオ、4時頃〜北陸電力へ向け市内デモ/(主催)な全
■愛知 名古屋市で街頭宣伝・「な全」署名活動
 九州・沖縄
■福岡 脱!原発サウンドデモin福岡/午後3時開会、4時デモ出発/警固公園/(主催)Fight for Your Life
■沖縄 アクションin 沖縄/午後5時〜集会、6時15分〜デモ/県民広場/(主催)実行委

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9・19さようなら原発5万人集会
日時/9月19日(月・休日)
 午後1時〜ライブ 1時30分〜集会 2時15分〜パレード
場所/東京・明治公園(新宿区霞ケ丘町6)
主催/「さようなら原発」一千万人署名市民の会

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週刊『前進』(2502号1面3)(2011/09/05 )

前進速報版から 前進速報版から

▼チリで新自由主義への歴史的反撃始まる▼星野・ビデオ国賠訴訟の第2回裁判▼大阪で橋下の攻撃と闘う▼8・30市東さん農地裁判

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週刊『前進』(2502号2面1)(2011/09/05 )

 動労千葉 偽装請負を告発する大集会

 外注化粉砕・非正規職撤廃へ

 10月実施阻止の決戦態勢築く

 動労千葉が主催した「JRの偽装請負を告発する大集会」が8月30日、すみだ産業会館で開かれた。動労千葉の田中康宏委員長はこの場で「今日の集会は動労千葉の戦闘宣言の場だ。今日を期していつでもストライキに立てる闘争態勢に入って欲しい」と述べ、京葉車両センターでの構内運転業務一部外注化を組織の総力をあげて阻止することを宣言した。
 集会には動労千葉組合員を先頭に450人が結集した。すでに民間委託、外注化・非正規職化された職場で働く青年たちも数多く参加した。全参加者がひとつになり、社会全体にはびこる偽装請負や非正規職化の現実に怒りをもって立ち向かう総決起集会となった。(発言要旨別掲)
(写真 6月の外注化提案以来、JR資本との激烈な組織攻防戦を闘い抜いている動労千葉組合員を先頭に450人が結集【8月30日 東京都墨田区】)

 いつでもストに立てる態勢を

 主催者あいさつで田中委員長は、外注化攻撃との10年間の闘いの画期的な地平について振り返った上で、今回の闘争の位置について「労働組合として初めて偽装請負・外注化を核心とする新自由主義そのものに正面から挑む闘いだ」と述べた。そして「この腐りきった社会のあり方を外注化阻止闘争でひっくり返し、闘う労働運動を復権させよう」と呼びかけた。
 国鉄闘争全国運動呼びかけ人の伊藤晃さんは、労働者階級が営々と闘いとってきたすべての権利を破壊しようとする新自由主義のあり方にこそ資本主義の本質があると喝破した。そして「労働者が団結して闘って初めて偽装請負は偽装請負として摘発される。資本による法律違反、不当労働行為、偽装請負が全社会で行われている。この状況をひっくり返さなければいけない」と述べ、大きな視点から闘いの意義を鮮明にさせた。
 連帯あいさつで動労千葉を支援する会の山本弘行事務局長は「新自由主義に対する正面からの闘いを開始した動労千葉に心から連帯しともに闘う」と熱烈にアピール。すべての原発いますぐなくそう!全国会議(な全)の富田翔子事務局次長は「うれしい知らせがあります!」と、「な全」呼びかけ人の画期的な拡大を報告、9・11―9・19反原発闘争への決起を呼びかけた。
 続いて、現場の先頭に立って闘う動労千葉の組合員、弁護団が次々とマイクをとった。
 川崎昌浩執行委員は、01年以来の外注化阻止闘争の意義と攻防の現局面について報告。外注化差し止め訴訟を担当する石田亮弁護士は、法的観点から訴訟のポイントと、ともに闘う決意を述べた。

 闘いの最先頭に立つ青年組合員

 続いて京葉支部・幕張支部の組合員が登壇すると、会場全体から大きな拍手が沸き上がった。すでに6月10日の外注化提案以降、激烈な組織攻防戦が続き、現場は闘いのまっただ中にある。その最先頭に立ってきた京葉支部の青年組合員、幕張支部の山田護支部長、車両技術分科会代表が鮮明な決意を述べた。
 佐倉運輸区新設を始めとする運転基地統廃合阻止にむけて銚子支部と千葉運転区支部が発言、さらに貨物協議会、動労千葉争議団の発言が続いた。青年部結成準備委員の渡辺剛史君は「京葉支部の若い仲間の闘いなしにこの集会もなかった。彼の闘いが平成採の青年の中に大きな渦をつくっている。青年部結成へ、この闘いの中で組織を拡大する」と述べた。また石井真一動労水戸委員長もともに偽装請負追及の闘いに立つと発言した。
 最後に民間委託・外注化、非正規化攻撃と闘う労働者が発言に立った。
 自治体の委託職場で働く労働者は「委託労働者も外注化には絶対反対だ。われわれ自身も奪われた労働条件を奪い返して外注化を粉砕する。外注化反対闘争は外注先の労働者との団結でいっそう幅広い闘いになると確信している」と発言。さらに教育労働者は福島の労働者との連帯を訴え、合同・一般労組全国協、医療労働者、自治体労働者がそれぞれの立場から外注化・非正規職化との闘いの意義を訴えた。
 激しい組織破壊攻撃を受け、9月末雇い止め攻撃と闘い抜いている郵政非正規ユニオン委員長が登壇すると、ひときわ大きな拍手が送られた。また、国労新宿駅分会の闘う労働者はグリーンスタッフ雇い止め、駅業務などの大規模な外注化との闘いを訴え、ちば合同労組の青年は「職場の偽装請負の実態を暴き闘ってきた。こういう集会を待っていた!」と熱い連帯を表明した。
 最後に長田敏之書記長が闘争方針を提起し、「会社が外注化要員に対する教育訓練を開始した時点から動労千葉は直ちにストに入る。今回のストは半端な形では終わらない。この闘いの中で組織拡大を実現し、絶対に外注化を阻止しよう」と熱烈に訴えた。
(写真 構内運転業務外注化との攻防の焦点である京葉支部・幕張支部の代表が鮮明な決意を表明)

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週刊『前進』(2502号2面2)(2011/09/05 )

 現場から会社追い詰める 組合員の発言

●主催者あいさつ 田中康宏委員長
 今日の集会は、いつでもストに立てる闘争態勢を打ち固めるための集会です。会社は京葉車両センターでの構内運転業務の一部外注化を10月1日から強行すると言っています。われわれはこれを総力をあげて阻止する決断をしました。01年以降、JRの膨大な業務が外注化されてきました。鉄道業務をバラバラにして数百の会社に外注化する。こんなことを認めたら雇用は崩壊し安全は破壊される。間違いなく第2の尼崎事故が起きる。
 国鉄分割・民営化以来、1千万人を超える労働者が非正規職にされ、使い捨てられています。どうやって、こうした非正規職化が進められてきたのか。具体的には民営化、外注化、委託です。外注化は究極の合理化攻撃です。労働力を安く使うためだけに業務を委託するのは違法行為なんです。しかし今や、JRも社会全体もすべて違法行為で成り立っています。最大の問題は、こうした攻撃を労働組合が認めてきたところにあります。この社会のあり方そのものを外注化阻止闘争でひっくり返したい。新自由主義攻撃に真正面から闘いを挑み、労働運動を復権させたい。
 当局はこの間、外注化の手先になる人間をオルグしてきた。動労千葉は「外注化の手先になるな」と全力で訴え、ほとんどの仲間が外注化の手先になることを拒否してくれた。受けたのはカクマルだけ、会社は追いつめられています。1カ月間が重大な攻防になる。
 厚生労働省に「偽装請負に関する申告書」を提出し、千葉労働基準監督署にも千葉鉄道サービスの違法行為を申告、外注化差し止め訴訟の準備も整えました。しかし日本共産党のように法律問題にするつもりはない。現場からの闘いで会社を追い込んでいく。ありとあらゆる闘いで、闘う労働組合が職場支配権をつかむこと、この闘いの中で組織拡大を実現すること、これができれば外注化は止められる。ぜひあらゆる産別で自分の職場から闘いを起こして欲しい。その団結した力のすべてを11・6全国労働者集会に集めましょう。
●偽装請負―新自由主義攻撃と対決する 川崎昌浩執行委員
 JR東日本では2001年以降、本格的な外注化が始まり、東日本全体で3千人が出向に出されています。千葉支社以外では検修・構内業務の外注化も進んでいます。千葉では、動労千葉のもとに組合員が団結して会社と闘い、数十回におよぶストライキ、職場抵抗闘争を含む大衆的反撃、組織拡大をかちとる中で外注化を阻止してきました。今回の京葉車両センターでの外注化は検修・構内業務全面外注化の突破口です。これで1500人を出向に出すと会社は言っています。青年たちの将来、生活は完全に吹っ飛ばされます。今日を期して動労千葉は臨戦態勢に入ります。
●外注化差し止め訴訟の訴え 石田亮弁護士
 申し立ての理由を法的観点から言いますと@業務指示をJRが行うことは違法である、A千葉鉄道サービスには構内業務をやる能力はない、B何よりも最大の問題点は実際に仕事をするのはすべてJRからの出向者である――ということです。
 JRが最終的にやりたいのは職員の出向・転籍です。原発でも重層的な下請け構造、中間搾取が問題になっていますが、JRも同じことをやろうとしています。JRは労働者の団結を破壊し、それを通して利益を得たいんです。職場でのみなさんの闘いと一体となり、がんばっていきたい。
●京葉支部・幕張支部からの発言
▼京葉支部の青年組合員
 京葉車両センターで構内運転の仕事をしています。動労千葉にお世話になって半年余りで、自分の職場が集中攻撃を受けています。当初、組合を変わるのは抵抗があったんですが、変わってみたらすごい力があるってことを実感しています。いま正直、ワクワクしています。来月から会社からのどういう攻撃があるか分からないですが全力でぶつかっていきます。
▼幕張支部・山田支部長
 幕張支部は外注化を阻止するために9月からは全組合員が非協力闘争に入り、いつでもストに入れる態勢をとります。
 検修構内業務の外注化はすべてが偽装請負。東労組などが容認してきたから外注化が進められてきました。動労千葉は身を切るような闘いで外注化を止めてきました。この間、若い仲間が動労千葉に入ってくれたのも外注化を阻止するためだった。彼らの気持ちに報いるためにも、あらゆる闘いで抵抗し、絶対に止めたいと思います。
▼車両技術分科会の代表
 自分たちの職場がどうなるのか、とくに若い労働者にとっては死活問題です。国鉄時代から諸先輩が築いてきた検修・構内業務を切り離し、そこで働く労働者を出向・転籍へと突き落とすことなど絶対に許せません。こんな攻撃を許したら技術継承もへったくれもありません。この攻撃は委託先の千葉鉄道サービスが自前の技術を持ってない以上、矛盾だらけです。10月1日の外注実施阻止へがんばりましょう。

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週刊『前進』(2502号2面3)(2011/09/05 )

 全国の職場で闘いの火の手を

 外注化・非正規化・偽装請負との闘いは全労働者の課題

 動労千葉は、民営化・外注化阻止、非正規職撤廃・偽装請負弾劾の闘いに総力で立ち上がっている。この闘いは、国鉄闘争を始めとした4大産別での闘い、そしてすべての労働者に共通するテーマである。職場から闘いを巻き起こし、労働組合をよみがえらせ、11・6全国労働者総決起集会へと突き進もう!

 「9割非正規職化」の攻撃うち砕こう

 国際帝国主義は、1974〜75年恐慌を通して危機に突入した。その危機をのりきるために、レーガン(米)、サッチャー(英)、中曽根による新自由主義――民営化、規制緩和が強行された。この新自由主義が破綻して世界は大恐慌に突入した。しかし帝国主義は、どんなに破綻しようが新自由主義に絶望的に突っ込んでいくしかない。それは大失業の極限的な激化であり、低賃金化・非正規職化、労働組合破壊である。
 この情勢下で3・11大震災と福島第一原発事故が起きたのである。3・11情勢とは何か。新自由主義攻撃の全面的激化である。国鉄分割・民営化の「完成」とも言うべき全面的な外注化である。自治体・公教育の民営化・外注化であり、公務員360万人の首切りである。そして、それを突破口とする全労働者の9割の非正規職化、低賃金化、労働強化、労組破壊攻撃である。
 原発事故、大失業―民営化への怒りは被災地を先頭にますます深く広がっている。2千万青年労働者、6千万労働者階級の怒りと結びつき、闘いに転化しよう。闘う労働組合をつくり出そう。農漁民などあらゆる人民と結びつき闘い抜こう。

 動労千葉は10年間外注化を阻止した

 動労千葉の闘いの第一の意義は、大恐慌下の新自由主義の核心である民間委託・外注化(アウトソーシング)を10年間にわたってストップさせていることである。
 JR東日本は2000年に、鉄道業務の全面外注化を柱とする「ニューフロンティア21」を発表した。その具体化として検修・構内外注化を提案、同時に「外注化を認めなければ組合員を再雇用しない」というシニア制度も提案された。動労千葉はこの協定の締結を拒否した。外注化という究極の合理化に労働組合として協力することはできないということだ。しかし、JR総連・東労組、国労、鉄産労はシニア協定を締結し外注化に協力した。
 動労千葉は、他労組の外注化協力を打ち破り、職場における非協力闘争、反合・運転保安闘争、ストライキなどを総力をあげて闘い、千葉支社では今も検修・構内業務外注化を阻止し続けている。闘いの渦中で実現した組織拡大が資本を追い詰めている。
 その教訓は、絶対反対して闘えば、外注化は阻止することができるということである。労働組合の協力なしに外注化はできないのだ。
 そして今、10年に及ぶ攻防戦は最大の決戦を迎えている。JR千葉支社は、幕張車両センターの外注化はすぐにはできないと判断し、京葉車両センターの構内運転業務の一部外注化を10月1日付で強行しようとしている。動労千葉は、偽装請負の告発の闘い、職場における闘い、ストライキ、組織拡大の闘いなどJR資本と全面対決して闘い抜いている。外注化に対する怒りが職場全体を覆っている。JR東日本は2001年以降、業務の全面的な外注化を進めてきた。それは7分割・民営化した鉄道事業を、さらに数百の子会社・孫会社にバラバラにして丸投げ外注化しようとする究極の合理化攻撃である。
 外注化とは、世界大恐慌―資本主義の危機の中での労働力商品の極限的姿である。
 @超安価な労働力として労働者を使い捨て、A雇用や安全上の責任・義務を経営者は負わず、B必要な時に必要な数だけの労働力を確保する(労働力のカンバン方式)ということだ。
 以上に示されているように、資本の本性をむき出しにした新自由主義攻撃そのものである。
 アメリカではそれが「外注革命」(『貧困大国アメリカU』/岩波新書)として資本に膨大な利益をもたらしているのだ。「民営化、非正規化が進むなかで彼らはもっと使い勝手の良い労働力を探し始めました。発展途上国の労働者よりも、非正規社員よりもさらに条件のよい、数百億ドル規模の巨大市場、囚人労働者にスポットがあたったんです」「低賃金でも文句ひとつ言わないし、ストもやらないし、組合もつくらない。こんな夢のような労働力はない」
(同)。
 動労千葉の闘いの第二の意義は、非正規職撤廃という2千万青年労働者、6千万労働者階級の切実な要求を掲げて闘い抜いていることである。

 被災地「特区」で労働基本権停止

 大恐慌と3・11情勢の中で、日本帝国主義は全労働者の90%の非正規職化を強行してきている。それはJRにおける外注化であり、郵政の民営化、公務員制度改革、自治体現業の全面的民営化、公立保育園・幼稚園の民営化、道州制導入である。公務員360万人首切りの攻撃は、すでに全国の自治体で全面的に始まっている。
 「そもそも行政は500万人にものぼる雇用を抱え、支出経費は33兆円……最もアウトソーシングの潜在需要がある組織」「行政がアウトソーシングが進まない最大の理由は雇用問題にある。これを解決するためには公務員制度改革が必要である」(村上世彰著『アウトソーシングの時代』/日経BP社、1999年)。ここでは公務員労働者を自由に分限免職できるように公務員制度を改悪しなければならないと露骨に言っている。
 いま被災地の岩手、宮城、福島を「構造改革特区」にして関西とともに道州制導入の突破口にしようとしている。それは被災地を「憲法停止」にして労働組合の闘い、農漁民の闘いをつぶし、大資本が参入して搾取・収奪をほしいままにする攻撃である。「農業特区」を設けてコメを完全自由化し、資本による農地取得を含めた本格的参入、農地の大規模化によって大量の農業労働者が生み出される。また、「水産業復興特区」を設け、漁船の大型化を進め、地元漁協の優先権を定めた漁業法の規定をたな上げする特例を設けて、大資本が参入できるようにする。そして労働市場特区をつくり、労働基本権を停止して低賃金・非正規職化、労働強化を極限的に激化させる。
 日本帝国主義は、大恐慌の中で、安い労働力を求めて中国・アジアへのアウトソーシングを推進してきた。しかし今、3・11情勢を逆手にとり、政府の復興資金を当てにした資本は労働者を超低賃金、非正規職化、労働強化に追い込もうとしている。同時に資本は、農業・漁業を破壊し、農民・漁民を労働者として搾取・収奪しようとしている。
 この「特区」攻撃は、被災地を先頭にした反原発・反失業の労働者・農民・漁民の怒りと闘いを根絶・一掃する攻撃である。
 また日本郵政は、9月末に65歳以上の2万人の非正規労働者を雇い止め=解雇しようとしている。まさにモノ同然に労働者をこき使い、必要がなくなれば解雇というのだ。こんな非人間的な非正規雇用形態がはびこり、契約期間は1年から3カ月、1カ月となっているのだ。東京・多摩支店での15人の雇い止めに対して解雇撤回を求めて郵政非正規ユニオンが結成された。会社当局は、なんと15人の雇い止めをする一方、64人のアルバイトを入れたのだ。解雇の本当の理由は組合つぶしそのものである。
 外注化阻止・非正規職撤廃の闘いを、原則性と大衆性、原則性と柔軟性を貫き闘おう。これは帝国主義打倒を貫かなければ闘い続けることもできない。同時に、6千万労働者階級の共通の要求でもある。今こそ、職場生産点から闘いを巻き起こそう。この闘いで日本労働運動をよみがえらせよう。

 反原発・反失業を闘い11・6集会へ

 第三は、偽装請負との闘いは「法を守れ」運動ではなく、新自由主義と真っ向から対決する闘いである。
 外注化・非正規職化と偽装請負は一体のものであり、切り離すことができない。「請負を適正な形でやれば利益は出ない。偽装請負だからもうけることができる」という、ある人材サービス会社経営者の発言が偽装請負の核心を突いている。
 動労千葉は8月19日、京葉車両センターの構内運転業務の委託が偽装請負にあたることから、JR千葉支社および千葉鉄道サービス(業務委託を受ける会社)を違反者として厚生労働大臣に「偽装請負の申告」を行った。
 一つには、千葉鉄道サービスには、構内入れ替え業務を行った経験や技術はまったくない。この状態で業務を請け負ったら偽装請負である。
 二つには、JRからの指示・通告なしに列車を一本たりとも動かすことはできない。JRからの指示・通告は、業務が委託されても続けられる。
 8月19日に行われた動労千葉と千葉鉄道サービスとの団体交渉で、千葉鉄道サービスは「構内入れ替え業務の経験や技術は今の段階では持っていない」と自認する重要な回答をした。もしこのような回答をしておきながら業務を受注した場合、それは百パーセント偽装請負になるということだ。
 動労千葉は、京葉車両センターの構内業務外注化の10月1日実施阻止に向け、万全のストライキ態勢を確立して闘い抜いている。
 この動労千葉の闘いに続いて、国鉄、郵政、自治体、教労、そして医療・福祉、合同・一般労組も、外注化阻止・非正規職撤廃、偽装請負弾劾の闘いに立ち上がろう。偽装請負問題を大社会問題化しよう。
 日本帝国主義―日本経団連は、偽装請負を合法化(労働者派遣法の改悪)して、全面的な外注化、90%の非正規職化に突っ込んでいる。外注化阻止・非正規職撤廃、偽装請負弾劾の闘いを階級的労働運動の実践的テーマとして職場から具体的闘いをつくり出そう。
 職場から闘いをつくり出し11・6全国労働者集会へ! 職場に闘いと組織をつくり出すことに徹底的にこだわろう。この闘いこそ国鉄闘争全国運動だ。動労千葉を支援する会を始めとする国鉄闘争全国運動の組織を網の目のように職場・地域につくり出し、量的・質的に拡大することは、組合執行部を奪い返していく闘いそのものである。
 反原発と反失業の闘いを通して労働者党を建設しよう。党と労働組合の一体化をかちとろう。11・6労働者集会の1万人結集へ全力で突き進もう。

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週刊『前進』(2502号3面1)(2011/09/05 )

 自治労長野大会決戦 “首切り・民営化と闘え!”

 現業切り捨ての本部方針に怒りと批判が現場から集中

 8月24〜26日に長野市で開かれた自治労第83回定期大会は、民主党政権下で自治労本部を先兵に本格的に始まった公務員首切り・民営化攻撃に対して、現場の怒りが爆発する場となった。全国労組交流センター自治体労働者部会と長野労組交流センターは、議場内外一体となった闘いで自治労本部を追い詰め、公務員制度改革推進・現業切り捨ての本部方針を打ち返した。
(写真 「すべての原発いますぐなくそう!全国署名」に会場前で続々と応じる自治労大会参加者【8月24日 長野市】)

 現業集会宣言を暴露・断罪

 前哨戦は7月末の自治労全国保育集会だった。自治体労働者部会の仲間は、政府と自治労本部が推進する「子ども・子育て新システム」が公立保育所・幼稚園の民営化による30万人首切り・総非正規職化の大攻撃であることを暴き、現場労働者の怒りを引き出した。自治労本部はこの保育集会で「新システム」への保育労働者全体の合意をとりつけられなかった。
 自治体労働者部会は同時に、6―7月の自治労現業集会で本部がクーデター的に打ち出した「集会宣言」を徹底批判する議論を進めた。宣言は「民間でも代替可能な仕事を続ける職場は、早晩自治体から姿を消していく。新たな仕事のあり方への挑戦を選んだわれわれは、そうした仲間を惜しみつつも同情はしない」と述べている。労働組合の自己否定だ。仲間の首切りをよしとし、現業労働者の誇りを踏みにじる――こんな労組はもはや労組とはいえない。
 自治体労働者部会は、現場労働者の根底的な怒りと危機感を基礎に、大会で現業集会宣言を徹底的に暴露・断罪し打ち砕くべく準備を進めた。
 8月22〜23日の青年部総会、女性部総会、23日の現業評議会総会、24〜26日の大会を通じて、自治体労働者部会は連日ビラを発行(8種類1万枚)、会場前での鋭い暴露と熱い訴えで大会参加者の心をとらえた。23日夜の自治体労働者部会の総決起集会に始まる連日連夜の総括会議で、方針とビラの内容を練り上げた。大会討論は日ごとに本部批判の発言が増え、反原発、現業切り捨て反対の意見が圧倒した。
 特に8月23日に開かれた公共サービス民間労組協議会総会では、民営化・外注化の犠牲となって首を切られ、自治労本部・県本部によって抵抗闘争を抑え込まれた労働者が怒りと悔しさに満ちた発言で全体を制した。
 21世紀職業財団の労組は政権交代に希望を託したが、民主党政権の「事業仕分け」で同財団が廃止となり、全員が解雇された。兵庫県立尼崎病院委託医療事務労働組合の仲間たちは、入札で受託企業が替わるなか、雇用と労働条件の継続を求めて闘おうとしたが、兵庫県本部は、受託企業の労組が他産別(ゼンセン同盟)であることを理由に妨害した。同労組は7月、解散に追い込まれ、自治労に別れを告げた。
 世界大恐慌と大震災・原発事故のなか、富山県の氷見市民病院、社会保険庁、新潟県の阿賀野市立水原郷病院、広島県の呉市公営交通など、道州制・民営化、公務員360万人解雇・総非正規化の攻撃が全面化している。自治労の存亡をかけた決戦は始まっている。

 57条特例廃止は権利の否定

 ところが自治労本部は「一人ひとりの力」「復興と持続可能な日本社会の創造」「新時代の労使関係を切り拓こう」を大会スローガンに掲げ、労働者の団結の力を否定した。労働者を一人ひとりに分断し、「自分さえよければ」と、解雇攻撃を受ける仲間を見捨て足蹴にしようとしている。
 自治労本部は大会議案で公務員制度改革推進を打ち出した。これは「労働基本権の一部回復、自律的労使関係制度の確立」を通じて自治労自ら公務員360万人の解雇を進めるということだ。その突破口が地公法57条「単純労務」特例廃止の提案だ。民営化・外注化で現業を切り捨て、現業労働運動が戦後の闘いでかちとった地平と権利を売り渡す犯罪的な方針転換だ。
 自治体労働者部会はこの方針転換を徹底的に暴露・断罪し、全国の代議員に決起を訴えた。討論では本部方針反対の意見がやまず、本部の意図は完全に打ち砕かれた。
 自治体労働者部会の連日のビラは、最終日には十数人が「今日のビラをくれ」と求めるほど反響を呼び、大会討論を牽引(けんいん)した。
 3日目の最終局面で本部は「地公法57条『単純労務』特例廃止方針に関する本部答弁要旨」なる文書を出してきた。そこで「議論が不十分だった」「節々で県本部代表者会議に報告し、また議論していく」と述べ、本部方針に反対する県本部をなだめて大会をのりきろうとした。こんなインチキは通用しない。民主党政権の支柱となり、ブルジョアジーの側に階級移行して首切りを進める自治労本部を打倒し、闘う労働組合をよみがえらせよう。
 大恐慌・大震災情勢下、民営化・首切り絶対反対の闘いの決戦はこれから本格化する。現場の正規・非正規労働者、青年労働者、現業労働者の怒りに依拠し結びつき、国鉄闘争全国運動を進め、全国の職場に闘う労働組合をつくり出そう。

 「全原発停止・廃炉」に共感

 今回の自治労大会闘争は反原発闘争として取り組まれた。
 自治労本部が掲げる「脱原発」方針は「再稼働は慎重に」「計画的な停止と廃炉」「エネルギー政策の転換」というものだ。つまり本質は原発推進なのである。
 これに対して自治体労働者部会は「福島の怒りをわがものとしよう。再稼働阻止。すべての原発をいますぐなくそう!」と真っ向から訴え、大会参加者の心をとらえた。会場前で「な全」の呼びかける全国署名が大会参加者の1割超、400筆以上集まった。
 大会の討論でも、再稼働反対、全原発の即時停止・廃炉を求める明確な意見が全体をとらえた。福島原発誘致の張本人、民主党の渡部恒三議員や原発推進の古賀伸明連合会長を来賓に呼んだ自治労本部の狙いは完全に吹っ飛んだ。
 今秋決戦の突撃路は切り開かれた。9・11―19反原発大行動を総力で闘い、反原発・反失業! すべての怒りを11・6日比谷へ。職場で猛然と闘っていこう。

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週刊『前進』(2502号3面2)(2011/09/05 )

 郵政非正規ユニオン 委員長雇い止めに抗議

 当局が脅迫と不当労働行為

 郵政非正規ユニオンのビラによれば、東京多摩支店の15人の日本郵便雇い止め撤回を要求して闘い抜いている委員長Aさんに対して、同支店は8月24日早朝、9月末日をもって委員長本人を雇い止めにする旨、予告通知を行ってきた。
 12日に同支店当局がAさんに対して強行した2時間にもわたる暴力的脅迫行為を闇に葬り去るための違法・不当な雇い止めだ。また正式な団体交渉を行っている最中の組合委員長を解雇する行為は、労働組合法が禁じるあからさまな不当労働行為でもある。
 A委員長と組合員たちはただちに激しい怒りと抗議の意志を表明、解雇阻止へのあらゆる闘いに踏み出す意志を明らかにしている。労組交流センター全逓部会の全国の仲間を先頭に、支える会運動をはじめ非正規ユニオンへの支援・連帯・防衛の闘いに今こそ総力で取り組もう。
 ユニオンが今回、特に強い怒りで暴露・弾劾しているのは、今回の雇い止め通知が、委員長Aさんに対して12日に強行された当局者らの脅迫行為を闇に葬り去る二重の犯罪行為だということだ。
(写真 雇い止め通告に局前で抗議のビラまきを行う組合員と仲間たち【8月25日 東京多摩】)

 2時間に及ぶ当局の脅迫

 ユニオン執行委員会の抗議声明(15日付)で、Aさんが2時間にもわたって当局者から至近距離で「バカ(ママ)」「このボロクズども」「アルバイトの分際で組合なんかつくりやがって」などの罵声(ばせい)を大声で浴びせられ続けた事実が暴露されている。これはおよそ職務上の管理行為を超えた犯罪行為だと組合員たちは語っている。
 この当局者と東京多摩支店は、Aさんに加えた暴力的脅迫行為のすべてについて即時無条件に謝罪し、Aさんへの物理的・精神的償いを行う法的な義務がある。ユニオンの仲間たちが抗議声明で、正式な謝罪と事実調査を求めたことは、あまりに正当な要求だ。ところが当局の対応は、この犯罪の隠蔽(いんぺい)とAさん本人への解雇通告(雇い止め通知)だった。
 当局は事件後、ユニオンの追及に対して「調査中」などとして、脅迫行為に及んだ当人らを「休ませる」措置をとったという。犯罪の事実を自覚している証拠だ。そして一言の「謝罪」もなく「調査結果」も明らかにしないままAさんへの解雇通告を強行した。不当労働行為と犯罪行為を会社ぐるみで隠蔽する意図はむきだしだ。
 また現在、15人の不当な雇い止めの撤回を求めて会社当局と正式な団体交渉を重ねている真っ最中の組合の委員長が解雇されることも、労組法上の不当労働行為だ。

 不当労働行為の隠蔽はかる

 これまで2回の団交を通して明らかになったことは、東京多摩支店当局が、組合への加入を理由としてユニオン組合員らを解雇し、組合に入らない人をこっそり再雇用しようとしていたなど、いわゆる「黄犬(おうけん)契約」の事実である。また、6月末日付で雇い止めになった15人の組合員と入れ替えで64人のアルバイトを雇い入れた事実もわかった。これらは解雇権乱用の違法行為そのものであり、当局も抗弁しようのない事実として法的に認定される作業も進んでいる。
 こうした当局による不当労働行為の数々は職場内に急速に伝わり、Aさんたち組合員と同様の非人間的扱いを受けている非正規職労働者(現場の7割近く)をはじめとする現場労働者の心を強くとらえつつある。
 こうした事態に追いつめられて、当局は委員長のAさん本人の雇い止めを強行した。違法行為を隠蔽することで現場労働者の怒りに火がつくことを阻止しようとしているのだ。まさに二重三重の犯罪行為である。

 動労千葉の同盟軍として

 委員長のAさんは動労千葉主催の8・30集会に参加し、「脅迫行為の数日後に雇い止めを通告されました。郵政16万人の非正規職がけんかを売られたわけです。私を脅迫した当局者はまるで資本主義の悪そのもの。絶対に許さない!」と強い怒りを表明した。そして「私たちは動労千葉の同盟軍として強固な組織をつくっています。非正規職撤廃! 原発をなくす! あらゆる社会悪をぶちこわそう! ともに勝利しましょう」と烈々たる決意を表明した。
 また委員長をはじめ組合員たちは8月31日、第3回目の団体交渉と都労働委員会での初の審問・調査に総力で臨み、多摩支店当局の不当労働行為と徹底的に闘い抜く新たな団結を固めている。
 日本郵便当局の一連の攻撃は、非正規労働者をはじめとするすべての郵政労働者への挑戦だ。郵政非正規ユニオンの闘いに固く連帯し、全国の職場で支える会運動をはじめ支援・防衛の闘いをやり抜こう!

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週刊『前進』(2502号3面3)(2011/09/05 )

 市東孝雄さん2つの農地裁判 “農地は絶対守り抜く”

 早期結審策動を押し返す

 8月30日、千葉地裁で市東孝雄さんの二つの農地裁判(行政訴訟・農地法裁判)が開かれた。三里塚空港反対同盟と労働者・学生・市民が傍聴席を埋め、多見谷寿郎裁判長による口頭弁論打ち切りと早期結審の策動と全力で闘いぬいた。
 朝8時45分、千葉中央公園に「多見谷裁判長は証人を調べよ」と書かれた横断幕が掲げられ、152人の参加で総決起集会が始まった。司会は反対同盟事務局の鈴木謙太郎さん。北原鉱治事務局長がマイクを握り、怒りを込めて8月6日の現闘本部破壊を弾劾し、市東さんの農地を守ろうと訴えた。(写真下)
 顧問弁護団の葉山岳夫弁護士が、「裁判所は暴力装置としての本質をむき出しにしている」と警鐘を鳴らし、早期結審強行を粉砕する決意を語った。動労千葉の川崎昌浩さんの連帯アピールと関実の発言を受け、直ちにデモに出発。「すべての証人を採用しろ」「弁論打ち切りを許さない」の声が街頭にとどろいた。
 10時半に開廷。弁護団は千葉県とNAA(成田空港会社)を追撃する三つの重要書面を出した。
 @準備書面29。NAAが明け渡しを求めている市東さんの畑は空港の敷地内と敷地外にまたがっている。事業認定のない敷地外を含めて空港公団は88年に旧地主から違法に取得した。「空港への転用は相当」とするのはデタラメ、違法である。
 A準備書面30。旧地主の藤崎政吉が作成したと称して出された地籍測量図、同意書、境界確認書は偽造文書である。
 B調査嘱託補充書。成田市農業委員会、千葉県農業会議に対し会議録などの提出を求める(裁判所はこれを採用)。
 さらに弁護団は、県とNAAがこれまで認否・釈明を行っていない事実が山ほどあることを具体的に突きつけた。
 そして「今後の進行について」と裁判長が切り出した。裁判長は7月の進行協議で「双方の主張は出つくした」と称して口頭弁論を終わらせ、証人をわずか2人(市東さん、萩原進さん)に制限する意向を示し、弁護団はこれを弾劾してきた。
 裁判長はこの日も「裁判所が職権で調べると言っても応じないつもりか」「市東さんにとって敵性証人を呼ぶ必要ないだろう」などと高圧的に迫った。弁護団は怒りをこめてはねつけ、旧地主・藤崎や行政処分にかかわった県やNAAの職員への尋問が不可欠であることを強く主張した。傍聴席からも次々と抗議の声がたたきつけられた。
 結局裁判長は、あれこれ理屈を言いながら次回法廷での証人調べを断念せざるをえなかった。だが、「証人申請は次回までに出してほしい」などと、早期結審への執着を表し続けた。次回法廷は10月18日午後2時。次回からは二つの裁判は併合される。
 総括集会は、炎天下の千葉中央公園で開かれた。最初に市東孝雄さんが「現闘本部が破壊されたが、あんなやり方しかできないとは向こうもぶざまだ。私の畑に対してどんな手を使ってくるかわからないが、絶対に許さない」と鮮明な決意を述べ、拍手に包まれた。
 続いて弁護団が次々とマイクを握り、証人調べ強行を粉砕した勝利を確認した。
 萩原進事務局次長がまとめの発言に立った。「8・6には支配階級も核兵器の廃絶を口にするが、45年間核と戦争に反対して闘ってきた三里塚の本部をその日に破壊した。放射能と闘う福島に対しても犯罪的行為だ。この敵のあせりを見抜いて人民の中に分け入ることが勝利の道だ。今後の農地裁判は、証人をどれだけ認めさせられるかの闘いだ。裁判と現地闘争を一体で発展させよう」と訴えた。これまでの「天神峰現地闘争本部裁判闘争を支援する会」を発展させて「三里塚裁判支援運動」を発足させることを明らかにした。
 最後に鈴木謙太郎さんが10・9三里塚全国総決起集会への大結集を訴え、団結ガンバローを三唱。全員が反対同盟とともに「農地死守」の決意を胸に刻んだ。
(写真上 裁判後の総括集会で発言する市東孝雄さん)

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週刊『前進』(2502号3面4)(2011/09/05 )

 職員・教育基本条例阻め

 大阪府庁前で連続行動

 6月大阪府議会で「君が代起立条例」が可決され、9月府議会(あわせて9月大阪市議会、11月堺市議会にも)に橋下知事・維新の会から「教育基本条例案」「職員基本条例案」が提出されようとしています。この二つの条例案によって攻撃の本質は明らかになりました。高校授業料の無償化−府立高校の定員割れ続出に続くものは、公立学校の統廃合、公務員労働者の分限免職=解雇であり、公務員360万人全員解雇・選別再雇用という道州制・民営化攻撃の本格的推進です。
 関西労組交流センターに結集する教育労働者は大恐慌・財政破綻の危機にあえぐ日帝政権、橋下府政と真正面から対決し、この攻撃に反撃するための討論を続けてきました。職場から原則的に闘いを発展させ、団結と労働組合をよみがえらせることによって労働者階級の闘いの前進をかちとろう、そのために府庁前抗議行動を職場での具体的取り組みの結集点・出発点としよう、と決めました。
 8月19日の第1波行動に続いて26日夕刻、第2波府庁前行動を行い、現場労働者が府庁に働く労働者に圧倒的な訴えを行いました。前回を上回るビラが配られ、労働者の共感と怒りが巻き起こっています。
(写真 「職員の処分と解雇のための『職員基本条例』『教育基本条例』絶対反対」と訴えて第2波行動を行う教育労働者【8月26日 大阪府庁前】)

 “職場から反撃を” 教育労働者交流集会開く

 翌27日には、この府庁前行動と職場での取り組みを相互発展的に進めようと、教育労働者交流集会をエルおおさかで開きました。府庁前行動を闘い抜き元気いっぱいの教育労働者、保育労働者など20人が集まりました。
 基調報告は「3・11情勢を革命に転化する時が来た」と高らかに宣言し、これまで闘い抜いてきた不起立闘争が、職場から労働組合をよみがえらせる闘いと結びつき、核となる情勢が来たことを明らかにしました。
 続いて現場から育鵬社教科書の採択に対する分会からの怒りを組織した闘い、非正規職講師の解雇と闘い抜き労働組合の団結の強化と拡大をかちとった取り組みなどが報告され、「よし、闘って職場分会から労働組合をつくり変えよう!」という機運がみなぎりました。さらに「職員基本条例案」「教育基本条例案」の内容をめぐる提案がされました。
 職場で闘いを組織することに徹して、職場での闘いと一体で、9月府議会に向けて府庁前行動を続け、労働者の団結を強化し、二つの条例案を粉砕するために闘います。
 9・11−19反原発闘争に総決起し、9月23日の福島での教育労働者交流集会に全力で参加し、11・6労働者集会1万人結集に向けて全力で闘うことを確認して元気よく集会を終えました。
 (関西労組交流センター教育労働者部会)
(写真 「職場分会から労働組合をつくりかえよう」との機運みなぎる交流集会【8月27日 エルおおさか】)

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週刊『前進』(2502号3面5)(2011/09/05 )

三里塚裁判傍聴を!

第3誘導路許可処分取消裁判
 9月6日(火)午前10時30分 千葉地裁
 (傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合)

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週刊『前進』(2502号4面1)(2011/09/05 )

 9・11―9・19反原発闘争に立とう

 再稼働絶対阻止! 全原発廃炉へ

 福島現地の怒りと固く結び労働組合再生かけた決起を

 坂本千秋

 3月11日の東日本大震災と福島第一原発の事故発生から約半年。「全原発の停止・廃炉」へ向けて二度と後戻りを許さない道を決定的に切り開くのか。それとも政府・財界がフクシマの怒りを圧殺して原発再稼働・推進へ再びかじを切ることを許すのか。闘いは今、この決定的な分岐点にさしかかった。破綻し崩壊した菅政権に代わる野田政権の登場は、新たな攻撃の始まりである。政府・電力資本をはじめとする日帝支配階級のあらゆる開き直りを絶対に許すな。9・11―9・19反原発大闘争の爆発を真っ向からたたきつけ、日帝をとことん追いつめよう。さらに11月労働者集会へ、労働組合の再生をかけて、新自由主義攻撃を根底から打ち破る職場からの一大決起をつくりだそう。
(写真 福島の怒りと結びつき、8月5日、被爆66周年の広島の地でNAZENが発足。会場は「再稼働阻止・全原発廃炉」への熱気が満ちあふれた)

 原発推進の野田新政権との激突に勝ちぬこう

 反原発の闘いはいよいよ重大局面を迎えた。日本経団連を筆頭とする日帝資本家階級は、菅政権に代わる新政権の発足をテコに、あらためて原発推進に全力で突き進もうとしている。そこに日本帝国主義の延命がかかっているからだ。他方で「第三の原爆投下」にも匹敵する事故の恐るべき真実が暴き出されてくる中で、被災地の怒りと苦悩はさらに深まり、全労働者人民の怒りはますます高まっている。両者は根本的に非和解だ。
 この9月、全情勢は、資本家階級の全体重をかけた巻き返し攻撃との一大激突に突入した。すでに日帝は、菅政権のもとで原発輸出推進を再び公然と打ち出し、泊原発の営業運転再開を強行した。菅が口にした「原発依存からの脱却」とは、労働者人民の原発事故への激しい怒りを必死に抑え込むための大ペテンでしかなかった。その破綻のもとでポスト菅政権は今や公然と、全原発再稼働への道をこじあけようと全力を挙げている。
 しかもここへ来て彼らはとんでもない開き直りを開始した。高濃度汚染の現実をもはや隠しきれなくなった今、福島の人民に対する3・11以来の棄民政策の本音をむきだしにし、怒りの声を暴力的に圧殺しようと襲いかかっている。福島第一原発の周辺地域を20年以上にわたり居住禁止にし、福島県を放射性廃棄物のゴミ捨て場にするというのだ。その一方で福島の子どもたちの命を守る努力は一切放棄し、逆に御用学者を総動員して”被曝しても健康に重大な影響はない。騒ぐのはやめろ”と脅している! 断じて許すことはできない。
 原発政策の維持・推進へ必死にあがく民主党新政権と全面対決し、闘う労働者階級と農民・漁民、全人民の団結の力で原発再稼働を絶対に阻止しよう。資本と国家の犯罪を絶対に許さずとことん追及し、廃炉への道を実力で日帝支配階級に強制しよう。労働者階級人民の団結の力で、子どもたちをはじめとする福島の人びとの生命と生活を守りぬくために全力で闘おう。
 原発なしにやっていけない社会とは、資本の金もうけのためには労働者を、住民を殺してもいいとする社会だ。こんな社会を根底から覆し、人間が人間として生きられる社会を取り戻すために、一人ひとりが自己の全存在をかけて闘う時が来た。新自由主義攻撃を粉砕し、その根源である資本の支配そのものの打倒へ向けて総決起する時が来ているのだ。
 その核心点は二つある。一つは、すべての労働者人民がフクシマの怒りを我がものとし、現地の人民と心を一つにして立ち上がることだ。いま一つは、労働組合と労働運動が今こそ、資本・権力・既成労組幹部のあらゆる制動と反革命的思惑を打ち破って、反原発闘争の担い手として巨大な隊列をもって登場することだ。
 9・11反原発全国一斉アクションと9・19東京・明治公園での反原発大集会を、その歴史的な転換点とするために死力を尽くして奮闘しよう。国鉄決戦を軸とする新自由主義との闘いを不屈に貫いてきた仲間こそが、その最先頭に立とう。職場と地域のあらゆる怒りを結集し、民主党政権打倒の巨大な大衆行動に転化して立ち上がろう。
 ここにおいて、8月5日に結成された「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」(な全=NAZEN)の位置と役割は決定的である。「な全」は「全原発の即時停止・廃炉」へ向けて、@1千万人署名と社会を揺るがす巨万のデモA運動の全国ネットワークBフクシマの怒りとの固い団結C自らの職場・地域・大学から闘いをつくりだすという、四つの方針を掲げている。これを反原発を闘う全人民の共同の行動方針として、大々的に実践しよう。
 9・11―9・19の空前の大結集・大高揚を全力でかちとり、さらに11月労働者集会へ総進撃しよう。

 「低線量なら安全」デマで闘いの圧殺狙う日帝

 日帝の攻撃は何よりもまず、フクシマの怒りを何がなんでも圧殺することに向けられている。事故の真実と被曝の恐るべき実態が次々と明るみに出る中で、怒りの爆発が日帝の中枢に向けられ、体制転覆の革命に発展することを心底から恐れているからだ。そのために被災地の福島に全攻撃を集中し、現地の人民の声をあらゆる手段で暴力的にたたきつぶそうと狙っている。全国の労働者人民の総決起で、この卑劣な攻撃を絶対に打ち破らなければならない。
 7月の国会で児玉龍彦東大教授が福島第一原発の事故でまき散らされた放射能は広島原爆の29個分に当たると証言し、政府は真実を隠し通せなくなった。その後、福島県の検査で子どもの45%が甲状腺被曝していたという報告が8月半ばになって初めて公表された。さらに8月26日、原子力安全・保安院は放出放射能のうち、セシウム137の量はなんと広島原爆の168個分に相当すると公表した。米帝が一時は横田・厚木・横須賀・三沢基地などからの在日米軍の総撤退を検討していた事実も判明した。
 まさに、チェルノブイリをはるかに超える史上空前の原発災害が引き起こされていたのである。この重大事態を日帝は(米帝も)3・11直後に把握しながらひた隠しにし、「健康に影響はない」とデマを流し続けた。資本と国家の責任のもみ消しを一切に優先して膨大な人民を放射能のもとに放置し、見殺しにしたのである。これ自身が戦争犯罪にも等しい大罪だ。
 その上で日帝は今日、御用学者を総動員して放射能汚染への怒りの声を封じ込めようとますます全力を挙げて襲いかかっている。「除染すれば大丈夫」「被曝しても低線量なら問題ない」の大ウソを大々的に流し、自治体や学校、医療機関などをそのもとに総動員して地域全体を制圧していく攻撃である。被曝への不安を訴えること自体を「非国民」扱いして沈黙させようとするものだ。
 その核心は、内部被曝問題の意図的な抹殺にある。放射能被害の重大性は、放射線を体に浴びる外部被曝にとどまらない。最大の問題は放射性物質が体内に取り込まれて体の内側から放射線を常時、継続的に浴びる内部被曝にある。この内部被曝はどんなに微量でも人体の細胞や臓器を長期にわたって決定的に傷つけるのだ。「低線量なら安全」とするのはとんでもない非科学的デタラメである。
 事実は逆に、低線量の放射線を長時間照射する方が高線量の放射線を瞬間的に浴びるよりもたやすく生体細胞を破壊するという「ペトカウ効果」が、すでに1972年の段階で明らかになっている。だが帝国主義の放射線医学は内部被曝の被害がすぐには表面化しないのをいいことに、「内部被曝は無視してよい」としてきたのだ。これは「学問」の名による犯罪だ! このインチキを今こそ暴き、徹底粉砕しつくそう。
 福島現地に対するこの攻撃は、米帝と日帝が戦後、広島・長崎の原爆被爆者の決起を圧殺するためにとったやり方と本質的に同じだ。彼らは被爆の実態を「国家機密」として徹底した報道管制と言論統制をしき、被爆者を分断し孤立させて声を上げることも困難な状況にたたきこんだ。戦後の反戦反核闘争は、この重圧を突き破って闘われてきたのである。われわれは日帝がフクシマに対して同じ攻撃を繰り返すことを断じて許さない。労働者人民の団結の力でこれを逆に、日帝打倒への突破口に転化する。
 「国と東電は犯した犯罪の全責任をとれ!」「子どもたちの命を守れ!」「古里を返せ! 福島の空と海と大地を元通りにして返せ!」――この叫びを、闘うすべての労働者人民のものとして総決起しよう。政府と御用学者どもの恥知らずなウソを許すな。そして、ウソつきは倒さなければならない! 
 労働者階級はもとより農民・漁民、全人民、何よりも子どもたちとその親、青年・学生の日帝資本と国家に対する根源的な怒りをここでこそ全面的に解き放って、9・11―9・19闘争の巨万の大衆的大高揚をかちとろう。

 9・19闘争を労働組合の歴史的決起の転換点に

 原発再稼働を阻止するか否かをめぐる9月の決戦を闘いぬく上で、福島現地と並んでいまひとつの大焦点に浮上してきたのは、労働組合と労働運動をめぐる激突だ。労働組合が誰の立場に立って、どう動くか――労働者階級人民の利害を貫いて再稼働絶対阻止・全原発廃止のために闘うのか、それとも資本家階級の救済に回るのか――このことが今、すべての労働組合に問われている。
 9月19日に呼びかけられている東京・明治公園での大集会は、この意味できわめて重要である。ここには連合の自治労や日教組が動員指令を下ろし、全労連も参加する。かつての有事立法阻止闘争時の20労組陣形以来の巨大な規模の集会となるのは明白だ。闘う労働者が、9・11反原発全国行動の画期的な大高揚を実現するとともに、9・19への職場からの大動員の先頭に立ち、既成労組幹部の思惑をのりこえて、9・19を労働組合自身の反原発闘争への歴史的決起の出発点とすることが決定的な鍵を握っている。
 連合も全労連もこれまでは、反原発闘争を組合として正面から取り組むことなどまったくしてこなかった。それどころか連合の古賀会長は3・11の後、日帝と一体となって「原発事故による影響はない」「内外のうわさが生活と産業を阻害している」と、放射能汚染を頭から否定する犯罪的なデマを全世界に流していたのである。これを自治労本部も日教組本部も一言の批判もせずに容認していた。また、全労連本部と日本共産党はそもそも「原子力の平和利用賛成」の立場に立っており、実際には連合とともに原発推進勢力の一角を構成してきたのだ。
 それが今になってなぜ、「脱原発」を掲げて動き出したのか。それはひとえに、福島を先頭とする労働者階級人民の怒りの爆発に追いつめられたからにほかならない。この怒りが社会の根底的変革=プロレタリア革命に向かうことを阻止し、現体制の内側に押しとどめることが最大の狙いだ。本気で反原発闘争を闘おうとするものではまったくない。
 その証拠に、彼らが掲げる「脱原発」にはフクシマの怒りと心の底から連帯する立場も、言葉もない。被災地現地と団結して闘うのではなく、その怒りや苦闘とは無縁なところで自分自身の党派利害のために行動しているにすぎないのだ。
 再稼働についても「再稼働には慎重な対応を求める」(自治労本部)であって、「再稼働反対、阻止」では全然ない。これは「安全を確認すれば再稼働する」という民主党政権と同様、あらゆる口実をもうけて再稼働を認めていくということである。彼らの「脱原発」「計画的廃炉」とは、実際には原発の完全な容認・推進だ。
 共産党や社民党も同じだ。共産党は「5〜10年以内に」、社民党は「2020年までに」原発ゼロをめざすと言うが、「即時廃止」とは絶対に言わない。だが、労働者人民の力で再稼働を阻止し続けるならば、来年3月にはただ1基を除いて他の全原発が定期点検で止まる状況をつくりだすことがまったく可能になっている。「即時廃止」「再稼働絶対阻止」を真っ向から掲げて闘いに次ぐ闘いを展開していくことこそが、推進派の必死のあがきを打ち破って「原発ゼロ」への道を現実に切り開くのだ。この闘いを回避して何が「原発反対」か!
 これは、彼らが民営化・外注化・非正規職化の攻撃に対する正面からの闘いを放棄していることと完全に表裏一体だ。原発との闘いは、資本に無制限の「搾取の自由」を与えてきた新自由主義との闘いそのものだ。1980年代の国鉄分割・民営化に始まる新自由主義攻撃が最後に行き着いた結果が、フクシマなのである。新自由主義との全面対決から逃亡し、資本の攻撃に屈服し続けてきた勢力が、反原発闘争の勝利に責任を取ることなどけっしてできない。
 民主党政権と日帝は、大震災と原発大事故が引き起こした事態を「解決」する意志も力も何ひとつ持っていない。だからこそ今、反原発闘争を解体するために連合を使い、そこに社民党や日本共産党をも取り込んで「挙国一致」体制をつくりだすことで、必死に延命しようとしているのだ。労働者人民の怒りを連合幹部と既成政党の制圧下に抑え込むことによって押し潰そうということだ。だが、こんなもくろみは通用しない。逆に怒りの火に油を注ぐだけである。
 9・19は、3・11以来の半年間の闘いが敵を追いつめ、ついに労働組合の既成指導部が反原発闘争の戦場に引きずり出されてきたことを意味している。これは、闘う労働組合をよみがえらせる決定的チャンスの到来だ。労働組合の解体と変質こそが資本のやりたい放題をここまで全社会にはびこらせ、社会全体の腐敗と崩壊を引き起こしてきた元凶だ。その頂点に原発がある。労働組合と労働運動の階級的再生こそが、この一切を根底から変革する道を切り開くことを可能にする。
 国鉄分割・民営化に反対し新自由主義との絶対非和解の闘いを25年にわたって貫いてきた仲間たちが今こそ、9・19の中心部隊として圧倒的に登場しよう。
 動労千葉をはじめとする国鉄闘争全国運動が全労働者、全労働組合の最先頭に立ち、反原発闘争の最大の責任勢力として名乗りを上げよう。連合幹部の反動的思惑をぶっとばし、あらゆる体制内勢力との党派闘争に勝ちぬいて、6千万労働者の職場からの巨大な歴史的決起をつくりだそう。

 新自由主義との対決を貫き11月労働者集会へ

 この反原発闘争の大爆発と発展は、国鉄決戦の前進とともに、新自由主義攻撃との対決を現実の労働運動に転化していく壮大な闘いの始まりである。
 大恐慌はますます深まり、世界経済は今や大恐慌の「二番底」へ向かって転げ落ちようとしている。戦後世界の基軸通貨であったドルへの信認がついに崩壊し、ドル暴落が現実化する局面を迎えている。ドル体制の崩壊とは、アメリカ帝国主義を盟主とした戦後帝国主義の世界支配の崩壊であり、帝国主義とスターリン主義による戦後世界体制の最終的な全面崩壊だ。
 それは、全世界の労働者階級人民をそのもとに抑圧して搾取し収奪してきた全体制がふっ飛ぶことだ。他方では、米欧日の帝国主義各国がそれぞれの生き残りをかけて、残存スターリン主義の大国である中国や旧スターリン主義国のロシアをも巻き込んで、資源・エネルギーや領土の略奪戦、市場と勢力圏のなりふり構わぬ奪い合いとそのための戦争に突進することだ。まさに、プロレタリア革命か帝国主義戦争か、労働者階級の生き死にをかけた歴史選択が真っ向から問われる時代に突入したのである。
 ここで最大の危機にあえいでいるのが、ほかならぬ日本帝国主義である。日帝の政治支配の腐敗と崩壊的危機は、3・11を受けてその極点に達している。だからこそ日帝は野田新政権の発足をテコに、3・11情勢下でついに火ぶたを切った青年労働者や農民・漁民の「生きさせろ!」の大反乱をなんとしてもたたきつぶそうと必死になっている。
 その攻撃の中心が、反原発闘争へのあらゆる手段を使った解体攻撃であると同時に、被災地への「復興特区」設置を突破口とする新自由主義攻撃の一層極限的な推進である。「復興」を口実に、東北の被災地全体を「特区」として一切の規制を取り払い、憲法も労働基準法も事実上停止して全労働者を非正規職化と極度の低賃金・強労働にたたき込んでいくものだ。農業や漁業も大資本の完全な食い物にして、農民・漁民から生業を奪い路頭に放り出す攻撃だ。そしてそれを全国に押し広げようと狙っている。
 だがこれに対して、被災現地で生き抜くための団結が形成され、新たな階級的労働運動の炎が次々と燃え上がっている。福島県教組の、労働組合の原点に立った偉大な決起が始まっている。さらに膨大な青年労働者・非正規労働者の積もりに積もった怒りが、反原発闘争をも契機についにせきを切ってほとばしり始めている。御用学者を打倒して大学を資本の支配から奪い返す学生の決起が始まっている。
 労働者を奴隷のように扱い、使い捨て、青年の未来をも奪ってきた資本に対し、労働者階級が総反撃に立つ時が来たのだ。その決定的な武器として今こそ、労働者の階級的団結体としての労働組合をすべての職場によみがえらせていく時だ。この労働組合を軸にして、闘うすべての人民がその力を一つに結集して日帝に立ち向かっていくことこそが、新自由主義攻撃を実力で打ち破り、全原発の停止・廃炉を実際にもぎとる力である。
 政府と財界は大失業・大増税と原発推進によって、労働者人民の生命と生活を破壊してあくまで自己の延命を図ろうとしている。断じて許さず、反原発・反失業の大闘争をたたきつけ、野田新政権を打倒し全攻撃を粉砕しよう。この闘いを何よりも職場で徹底的に展開し、その中で腐った幹部、資本の手先に変質した幹部を組合から断固たたき出し、組合権力を現場労働者の手に奪還しよう。国鉄をはじめとする4大産別はその最大の戦場だ。
 国鉄ではすでに、JRの大再編をめぐって大流動化と全面的な激突が火を噴いている。ここでの決戦に絶対勝利しよう。国鉄決戦と反原発闘争を二大柱に、日本労働運動の嵐のような階級的再生に向かって突き進もう。
 今秋11・6労働者集会は、「反原発・反失業の国際統一行動を!」「国鉄1047名解雇撤回! 非正規職撤廃!」「新自由主義とたたかう労働組合の全国ネットワークを!」をメインスローガンに掲げて闘われる。9・11―9・19闘争の大爆発をかちとり、11・6日比谷野音を埋め尽くす万余の大結集へ向かって進撃しよう。11・6を反原発・反失業・労働運動復権への国際的な統一行動として闘い、日本だけでなく全世界から核と原発を廃絶する闘いに挑戦していこう。

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週刊『前進』(2502号5面1)(2011/09/05 )

 被曝・汚染の実態隠し許すな

 福島で進む大がかりな反動

 反原発9月闘争で反撃を

 原発の維持・再稼働へ躍起となる政府

 原発への怒りの決起は、福島の労働者・労働組合を先頭にした6・19福島―7・17いわきの闘いから8・6広島―8・9長崎闘争の大高揚へ突き進んだ。8月5日「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」の結成集会は、日本と世界の全原発を停止・廃炉にする国際的大運動の歴史的宣言の場となった。
 人類にとって絶対に相いれない核を最大の国策とする資本主義への根底的怒りがフクシマとヒロシマ・ナガサキを結びつけ、アメリカを始めとする全世界の労働者階級人民の団結を急速につくり出しつつある。
 水蒸気爆発の危機すら含み、半年を経ても収束の目処(めど)が立たない福島原発事故現場。通常の線量をはるかに超える被曝が強いられる過酷な労働環境。広域にわたる放射能の土壌汚染・食品汚染の拡大。福島を始めとした無数の労働者・母親たちの怒りの激化と必死の決起。これらの現実を見れば、全原発の即時廃炉以外にないことは明らかだ。
 しかし、世界大恐慌の底なしの深まりの中で、帝国主義の死活を決する核・核武装化政策の破綻の危機に追い詰められている日帝国家・資本家階級は、事故責任を居直り、原発推進の巻き返しに血道を上げているのだ。それは今や、国内外の原発推進勢力一体の「密集した反革命」として登場しつつある。泊原発を突破口に既存原発の再稼働を狙い、同時に深刻な放射能汚染・被曝の実態の大がかりな証拠隠滅に動き出したのだ。

 福島医大を「第2のABCC」にするな

 核の戦争・実験・事故によって人民を被爆(または被曝)させるばかりか、モルモット扱いで人体実験の対象とし、データを収集する。それを元に被害を否定、ないし徹底的に過小評価して核政策を続行するという許しがたい犯罪が、ヒロシマ・ナガサキ、ビキニ、チェルノブイリに続いてフクシマの地で強行されつつあることを、絶対に許してはならない。
 8月12日、福島県立医科大学理事長・菊池臣一は、福島県民200万人を対象にした30年以上に及ぶ被曝データ集積の中心施設として「健康管理センター」(仮称)を同大に設置すると発表した。これに参加する関連組織は、放射線影響研究所(放影研)と放射線医学総合研究所(放医研)、そして長崎大学、広島大学という。
 ヒロシマ・ナガサキの被爆者に対し、治療は一切せず被爆データのみを強制検査してきた極悪犯罪機関・原爆傷害調査委員会(ABCC)の後継が放影研だ。福島原発事故直後に「年間100_シーベルト以下ならただちに影響を及ぼすことはない」と言い放ち、福島の子どもたち・大人たちを被曝させ続けている放医研。
 長崎大学は、「放射線の影響はにこにこ笑ってる人には来ない、くよくよしてる人に来る」とほざき、福島県民の怒りの標的となった札付きの御用学者・山下俊一を福島県の放射線健康リスク管理アドバイザー、福島医大副学長に送り込んだ。広島大学は、遮蔽(しゃへい)なしで放射能を宅配便で送るなど、ずさんきわまる放射能管理を内部告発された前科を持ち、「チェルノブイリ原発で被曝した妊婦が産んだ乳児には、被曝の影響が見られなかった」と大ウソをつく原爆放射線医科学研究所所長・神谷研二を、山下と同様に福島県の放射線健康リスク管理アドバイザー、福島医大副学長に送り込んだ。
 これらに共通するものは、原発・核政策推進を大前提としていることであり、労働者・民衆の生命・健康を原子力に従属させるためには、どんな凶悪犯罪も辞さないという点である。福島医大・健康管理センターを「第2のABCC」にしようとたくらんでいるのだ。

 「安全だ」と大ウソふりまく国際会議

 事故発生から半年の9月11日・12日、福島医大で、日本財団の主催する「放射線と健康リスクに関する国際専門家会議」が開催されようとしている。
 同会議の主催は日本財団(会長は笹川陽平)だ。1991年にIAEA(国際原子力機関)のチェルノブイリ原発事故調査団長の重松逸造(放影研元理事長)が、同調査結果について「放射線と直接に関係がある障害は見られなかった」と事実とは正反対の虚偽報告をしたが、この重松や山下、神谷らの御用学者のチェルノブイリ事故調査の資金源が、右翼の笹川チェルノブイリ医療協力プロジェクト(日本財団)だったのである。
 共催は米帝の御用機関ICRP(国際放射線防護委員会)や放医研、そして福島医大などである。海外からの講演としてICRP、IAEA、WHO(世界保健機関)などの原発推進機関が名を連ねる。これらの参加組織・人物を見れば「国際的な英知を集めた科学的な検証」とはまったく逆に、国際ペテン師どものウソに塗り固められた非科学的な内容になることは一目瞭然(りょうぜん)である。
 同会議の目的が「住民、特に母親の心配の払拭(ふっしょく)」(山下俊一)と言うのだから、「放射能は安全」「健康に影響はない」という結論が導き出されることは容易に察しがつく。エセ国際的権威を振りかざして、被曝の深刻な現状を覆い隠し、原発に対する福島の怒りを圧殺し、革命への道を断つ――日帝支配階級は御用学者・山下らを先兵に、一大反革命の攻撃を仕掛けてきたのだ。
 ICRP勧告こそ、福島の子どもたちに年間20_シーベルト、原発事故現場で作業する労働者に年間250_シーベルトの被曝限度を無理強いして人体を破壊し続けている根拠となった。昨今ますます危険性が指摘されている内部被曝をこれまで無視し続けてきた根拠もICRP勧告だ。内部被曝を考慮すれば、原発・核開発は成り立たないのだ。原発・核開発の推進を防護し、“そのために労働者人民を被曝させ、殺害しても構わない”と勧告するICRPに基づき、IAEAは米帝の原発・核独占政策を展開してきた。
 ところが長崎大学は被爆66周年の今夏8月9日当日、このIAEAとの間で放射線被曝研究の協定を締結した。IAEAは同様の協定を放医研とも結んでいる。原発・核の推進機関・IAEAとの提携は、広島・長崎の被爆者、福島県民、日本の全労働者階級人民に対する冒涜(ぼうとく)以外の何物でもない。

 原子力機構と福島大学が連携協定

 これら一連の動きと連動して、7月20日、福島大学と日本原子力研究開発機構(原子力機構)の間で、連携協定が締結された。原子力機構は、核兵器に最適の98%高純度プルトニウムを生産する高速増殖炉「もんじゅ」の開発・稼働を主目的としてきた核軍事組織である。日帝独自の核武装化の要をなす核燃サイクル計画を強引に推進してきた最大の実体だ。原発の使用済み核燃料の再処理の研究・開発も進め、膨大な放射能汚染を伴う六ケ所再処理工場開発を主導してきた。
 同機構が福島で地元大学と「放射能の除去・除染」などの連携を結んだのは、反原発の怒りが核燃全体に波及することを死ぬほど恐れたからにほかならない。さらに核燃サイクル=核武装化推進の上で無視できなくなった核事故対処を見据えての動きでもある。
 支配階級は原発推進・革命圧殺を階級意志として確認し合い、密集し始めた。しかしもはやフクシマを新たな原点とした反原発・反核の怒りは、何者も押しとどめることはできない。
 原発推進の反革命どもは、必ずや労働者、とりわけ青年労働者・学生・農民・漁民や母親・父親たちの命と未来をかけた歴史的な決起に震撼(しんかん)することになるだろう。全原発を廃炉へ! 9・11―9・19から11月労働者集会へ突き進もう。
 〔河東耕二〕

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週刊『前進』(2502号5面2)(2011/09/05 )

 原発事故で放出のセシウム137 広島型原爆の168個分

 大規模・深刻な放射能汚染

 東電福島第一原発の事故で大気中に飛散した放射性物質セシウム137の放出量は、広島型原爆の実に168個分にあたることが分かった。経済産業省の原子力安全・保安院が8月26日、国会の求めに応じて公表した。
 半減期(注)が約30年のセシウム137の大気中に飛散した量は1万5000テラベクレル(注、テラは1兆)。広島原爆(89テラベクレル)の168・5個分にあたる。このほかヨウ素131(半減期約8日)が広島原爆の2・5個分、ストロンチウム90(半減期約28年)が2・4個分放出された(表参照)。これが空気中にばらまかれ、大地に降り注ぎ、海にも流れ込み、人間が住めないほどに汚染された地域を広範につくり出してしまった。労働者・農民・漁民の生活と生業を破壊し、古里を奪い、人間が生きることそのものをめちゃめちゃに破壊し続けているのだ。農産物、畜産、魚介類など食品の安全も根底から破壊された。
 セシウム137は原子炉の中でウランやプルトニウムの核分裂反応などによって生成される。自然界にはもともと存在しなかった人工的なものだ。ストロンチウム90とともに、原発の使用済み核燃料の放射能の最も主要なものだ。
 セシウム137に汚染された空気を吸い、飲食物を摂取することで、体内に取り込まれる。体内に入ると血液の流れに乗って全身に回る。取り込まれてから排出されるまで100〜200日にわたってベータ線とガンマ線を体内で放射し続ける。これが内部被曝だ。
 この間、政府や御用学者は、福島の母親たちに対して「少量なら問題ない」「健康に影響する量ではない」などと言ってきた。今回の発表にあたっても、政府は「原爆と今回の事故との単純な比較は合理的でない」などと弁解し、労働者人民の怒りの爆発を押しとどめようとしている。

 体内に入り込み がんや白血病に

 だが、体内に取り込まれた放射性物質は、低線量でも体内にとどまっている間に継続的に放射線を出し続け、細胞の遺伝子を破壊し、がんや白血病を始めさまざまな障害、病気を引き起こす。外部被曝による急性放射線症とは違って、内部被曝は数年後から10年以上も経過して発症することもある。これからどれほど広範囲に、深刻な被曝障害が起こるか、はかりしれない。
 フクシマの怒りと結び9・11−19反原発大行動に総決起しよう。
【注】
半減期 放射性元素が崩壊して、その原子の個数が半分に減少するまでの時間。つまり放射線の強さが半分に減るまでの時間。ウラン238では45億年。

ベクレル 放射性物質が放射線を出す能力を表わす単位。1個の放射性核種が1秒間に1回崩壊して放射線を放出する場合、1ベクレルとなる。食品や土壌の放射能の強さは、単位重量当たりの値で表わされる。
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 【福島第一原発事故で大気中に飛散した放射性物質の量】

放射性物質 セシウム137    広島型原爆の168.5個分
放射性物質 ヨウ素131     広島型原爆の2.5個分
放射性物質 ストロンチウム90  広島型原爆の2.4個分

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週刊『前進』(2502号5面3)(2011/09/05 )

 “上関原発絶対阻む”

 祝島島民とともに全国集会

 8月28日、残暑の日差しが強烈な山口県上関町室津港横の埋立地で、「8・28さようなら上関原発全国集会」が開かれた。原発に反対する上関町民の会、上関原発を建てさせない祝島島民の会、原水爆禁止山口県民会議、長島の自然を守る会の4団体が主催した。
 集会には地元山口、中国地方を始め関西、首都圏など全国から大型バスで続々結集し、1250人が集まった。山口県内や島根などの自治労を始め、青年労働者が圧倒的に多い。
 8・6ヒロシマ大行動実行委員会の仲間たちは8・6で原爆ドーム前に広げた「ヒロシマ、ナガサキ、フクシマをくり返すな! すべての原発をなくそう!」という幅10bの大横断幕を掲げて、再稼働阻止・反原発全国100万人行動の一環として広島で取り組まれる「9・11STOP!上関原発 中電本社包囲デモ」のビラ約600枚を配り、「すべての原発の即時停止・廃止」1千万人署名を呼びかけた。青年労働者の反応は圧倒的で、100筆近い署名が集まった。組合青年部として参加している仲間も多い。
 集会では、祝島島民の代表が「原発絶対反対で30年間も原発建設を阻止してきた。フクシマと連帯して、上関原発計画の完全撤回まで、そしてすべての民衆の課題としてすべての原発をなくすまで闘う」と力強く発言。島民は漁船や連絡船で会場へ結集し、「原発絶対反対」ののぼり旗を林立させて会場の中心に陣取った。30年間あまりの闘いの試練をくぐり抜けてきた農漁民の勝利の自信と誇りを感じさせる姿だった。
 福島現地から報告に立った参加者は「福島原発大事故は労働者民衆の生存、生業を脅かし、恐るべき放射能汚染と被曝がどんどん広がっている。多くの成長期の子どもたちが広島原爆168個分の放射能セシウムで被曝し、生命がむしばまれている」と怒りを爆発させ、ウソ・カネ・国家暴力で原発を国策として推進してきた国家と資本の犯罪を徹底的に断罪した。原発へのすさまじい根底的な怒りに満ちた集会となった。
 集会後、山口の労働者住民が先頭に立ってデモに出発した。8・6大行動実行委員会はデモ隊にエールを送った後にデモに出発。自治労広島や広教組のデモ隊と合流して、フクシマや祝島島民の怒りと一体となってデモをやりきった。すごい一体感と団結を感じることができた。
 大恐慌と3・11情勢で資本主義は完全に破綻している。新自由主義攻撃の柱である国鉄分割・民営化と原発推進に対して、動労千葉のように資本・権力と闘う労働組合をよみがえらせよう! 反原発闘争と国鉄闘争を一体で闘い、労働者の力で社会を変えよう!
 9・11反原発100万人行動へ! 反原発・反失業! 人間的怒りを力に変えて、11・6日比谷へ総結集しよう!
 (広島 KT)
(写真 8・6ヒロシマ大行動実行委員会は自治労広島や広教組の現場組合員と大合流して、「すべての原発をなくそう」と訴えた【8月28日 山口県上関町】)

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週刊『前進』(2502号5面4)(2011/09/05 )

 新刊紹介 国際労働運動 10月号

 反原発・反失業闘争

 世界は、基軸帝国主義・米帝の崩壊の始まりを目前にしている。米、EU、中国、そして日本の未曽有の危機が爆発し、戦後世界体制の終わりを告げている。その中で全原発の即時廃止と非正規職化撤廃の闘いは、国鉄決戦とともに国家と資本、帝国主義労働運動に対する階級的労働運動の死活をかけた闘いになっている。
 第1章は、原発内被曝労働の過酷な現実を暴き、それが新自由主義のもとでの外注化・非正規職化、使い捨て雇用と偽装請負の極致であること、原発の即時廃止と非正規職化撤廃は一つのことであることを明らかにしている。
 第2章は、震災解雇を含む1千万人大失業攻撃、労働者9割の非正規職化の攻撃に対して、4大産別と被災地の非正規職の青年労働者を先頭に開始された反原発・反失業闘争の国家・資本との非和解的な激突を突き出している。
 第3章では、震災恐慌下の「復興特区」・道州制攻撃の重大性を暴く。資本が一切の制約を取り払って労働組合を解体し、新自由主義攻撃を極限まで進め、労働者人民を骨の髄までむさぼり尽くそうとしていることを断罪している。
 翻訳資料は米軍統合参謀本部の2011年米『国家軍事戦略』(下)。イラク・アフガニスタン侵略戦争における米軍(人民)の疲弊を取り上げた。

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週刊『前進』(2502号6面1)(2011/09/05 )

 全国学生は全学連大会に結集しよう C

 野田政権の大反動を粉砕し反原発の巨大な学生運動を

 革共同中央学生組織委員会

 原発と大失業によって未来もすべて奪われたフクシマの怒り、青年・学生の怒りは菅政権を打ち倒した。民主党代表選の醜い泥仕合を経た野田内閣の発足は、日本帝国主義の強烈な巻き返しとしてある。300万学生は、プロレタリアート人民の先頭に立って野田政権打倒、反原発の闘いに立とう。全学連大会の大結集から11・6労働者集会へ、街頭とキャンパスから闘いを巻きおこそう。
(写真 新宿での6・11反原発デモに決起した学生)

 全世界で青年・学生の反乱

 世界大恐慌は今年、世界戦争の危機と大失業がプロレタリアートの行動によって世界革命へと転化する歴史的過程に具体的に突入した。新自由主義の矛盾はついに青年・学生の怒りの行動となって大爆発を開始し、チュニジア蜂起・エジプト革命として現実化した革命の嵐は世界中に波及、現在イギリスの青年の内乱となって爆発している。
 イギリスの青年たちの決起を「暴徒」などとののしる帝国主義者諸君、「私たちは奪われたものを奪い返しているだけだ」というイギリス青年の言葉を聞くがいい。働いても働いても生きるだけの賃金も出ない、結婚もできない。このような社会を生み出したのは諸君ではないか。生きるために国家権力と衝突しなければならないのなら、その社会のあり方の方が間違っているのは明らかではないか。新自由主義によって未来もすべて奪われてきた青年・学生たちが、自らの手ですべてを奪い返す闘いに立ち上がっているのだ。
 動乱の中東、リビアではNATO軍の大空爆のもと、ついにカダフィ政権が崩壊した。だが「国民評議会」による新しい政権は労働者階級自身の政権ではまったくなく、リビア革命はむしろこれからが本番だ。リビア民衆蜂起を確信した欧州帝国主義は革命前夜にカダフィ体制を大空爆で粉砕し、「NATOに参加した順に石油利権が手に入る」という侵略戦争へと転化した。もはや「革命」の2文字は誰一人否定しようのない現実の問題となっている。リビア革命が真にプロレタリアート人民の革命としてかちとられるためには、帝国主義打倒の世界革命をかちとる以外にない。
 そしてその最大の焦点は日本プロレタリアート人民の動向である。新自由主義の矛盾のもっとも鋭角的な爆発が、帝国主義の心臓部を食い破る高度な政治闘争として闘い抜かれようとしている日本の反原発闘争、そしてその先頭に伝統的な力を持つ日本学生運動が立つのか否かが最大の焦点となっているのである。

 9・11-19反原発闘争の最先頭に

 この半年、日本の青年・学生は3・11大震災を契機にこの社会の真の姿を見て取り、未来をかけて立ち上がってきた。デモはますます膨れあがり6・11には新宿アルタ前を2万人が埋め尽くす大行動となった。菅政権は浜岡原発を停止、玄海原発再稼働をめぐっての佐賀県庁突入の闘いはさらに力関係を転換し、民主党政権は「脱原発」なるペテン的ポーズをとらざるを得ないところにまで闘いは進んでいる。何よりフクシマの怒りの爆発はこれからだ。
 菅内閣総辞職と野田内閣の発足は、こうした闘いの圧殺と取り込みをかけた大反動としてある。御用学者を使ったフクシマの怒りの圧殺と分断、連合と日本共産党が全力を挙げる「段階的廃炉」=再稼働容認攻撃を軸にした「年内に再稼働一号を」という攻撃との真正面からの激突だ。
 福島では安全キャンペーンの大反動が始まっている。「除染をすれば帰れる」「危険を語れば非国民」という攻撃だ。政府は「年間20_シーベルト基準の見直し」をするかのように振る舞っているが、いくら除染しようとも1_シーベルト以下に戻すことは不可能だ。福島を放射性廃棄物処分場にすることが狙われ、「どこまでも棄民政策だ!」というフクシマの怒りはこれから爆発していこうとしている。
 9・19集会は、連合・日本共産党のもくろみを超えて御用労組幹部連中の民主党政権への奴隷的屈服が暴露される場へと転化しようとしている。今や学生はこうした壮大な大衆闘争の最先頭に立ち、反動から防衛し、ますます発展をかちとっていく歴史的任務が課せられているのである。
 9・11はその突破口である。沸き上がる反原発の思いを原発再稼働を狙う野田政権につぶされていいのか。学生が行動に立つときは今、この9月なのだ。全学連大会は、若き執行部を打ち立て、この先頭に学生が大胆に立つ宣言としてかちとられなければならない。

 再稼働阻止へ全力で闘おう

 野田政権と連合・日本共産党一体の「段階的廃炉」=再稼働攻撃に対し、日本の学生は「すべての原発いますぐとめよう」の絶対反対路線を明確に対置し闘いに立ち上がらなければならない。
 しかし同時に、闘いに立ち上がったすべての学生が「デモが盛り上がってもキャンパスに帰れば無風状態」「いかにしてもっと広い層を闘いに引き込むことができるか」という壁に突き当たっている。われわれの「路線」が大衆運動の広さを排するようなあり方ならば、野田政権の反動に抗することも、大衆的求心力を獲得することもできないのである。運動の強さと広さを統一する路線を、結論ありきの理屈から語るのではなく、現場からの闘いで大衆とともにつくりあげていくことこそが今求められている路線的課題である。
 その第一は、フクシマの怒りととことん連帯し再稼働阻止の闘いを現場から徹底的に闘うことだ。われわれの運動は、言葉上の「反原発か脱原発か」というような狭さを排し「全原発の停止か再稼働か」をめぐる具体的闘争の中から、野田政権が再稼働の意味を込めた「脱原発」と、大衆の本当に原発をなくしたいという思いを込めた「脱原発」を乖離(かいり)させ、大衆的な絶対反対を確立していくものでなければならない。安直に大衆の中に路線的分岐を持ち込むのではなく、ますます広範な統一戦線を形成しながら、連合・日本共産党との非和解化をかちとっていくのだ。
 第二に、青年・学生の現実の革命性に依拠し、信頼しきることである。その核心的スローガンこそ「反原発×反失業」だ。どんな政治的意見の相違があろうとも、青年・学生が食っていくこともできない現実は共通だ。存在そのものが革命的なのであり、客観的なイデオロギー論争を越えて、いかに生き未来を闘い取るべきかという主体的議論へと問題を移したときに、革命的な一致と行動を導き出すような大討論が開始されるのだ。
 第三に、新自由主義大学のあり方に対して具体的闘争をもって対決し、大学闘争と反原発闘争を結合させることである。「しがらみがあるからと黙っている自分にも怒りを感じていました。仕事を守るために発言しないのは、原発推進のシステムを作っていることと同じ。自分はそっち側には行かない。自分らしくありたいと思いました」という俳優・山本太郎氏の発言は、単位、卒業、就職という新自由主義にがんじがらめにされた学生こそ主体的に考えるべきことを問うている。キャンパスから、新自由主義大学=法人化体制の矛盾を突く具体的闘いを編み出していく中に、学生自治会は建設される。
 キャンパスを原発と新自由主義をめぐる大討論の場に転化し、強さと広さを統一した巨大な学生運動を登場させよう。

 革命党を建設し新潮流の登場を

 最後に、強大な労働者党建設である。青年・学生が生きられないという根底的革命性とともに、反原発闘争が日本帝国主義と非和解化している根拠は、日本プロレタリアートが反核闘争を通して歴史的に築いてきた階級意識である。スターリン主義が積極的に核武装をもって帝国主義に対抗してきた戦後世界体制にあっては、社会民主主義とスターリン主義は、階級的な反核闘争を徹底的にたたきつぶそうとしてきた。日本階級闘争は反スターリン主義革命的共産主義の党を建設しながらこれと対決し、ヒロシマ・ナガサキ・ビキニを代表する日本プロレタリアートの階級意識を守り抜いてきたのである。われわれは党建設の一層の推進でこの階級意識をプロレタリアートの実感として奪還し、反原発闘争を勝利させていく。
 「私たちは核エネルギーの平和利用の将来にわたる可能性、その基礎研究までは否定しない」(志位和夫・日本共産党委員長)、「(菅に対して)脱原発議員としてばりばり一緒にやっていきましょう」(福島瑞穂・社民党党首)などといって再稼働の道を開こうとする連中に反核闘争の未来を託すことはできない。青年・学生が新しい運動を、新しい潮流を、反スターリン主義革命的共産主義の党建設と一体で登場させていく闘いこそ11月労働者集会だ。
 今年後半は、未曽有の激動情勢に突入する。革命党の最高の団結と強烈な目的意識性の発揮をもって、激動を世界革命へと転化しよう。全学連大会の成功からキャンパスへ、そして11月へ。すべての学生にマル学同中核派への加盟を訴える。
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全学連第72回定期全国大会
第1日 9月9日(金) 文京区民センター(午前9時半開会)
第2日 9月10日(土) 浜町区民館
 参加費1000円(会場費、資料代など。宿泊費は別途)
 連絡先/電話 050−3036−6464
 mail_cn001@zengakuren.jp http://www.zengakuren.jp

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週刊『前進』(2502号6面2)(2011/09/05 )

 リビア・カダフィ体制の崩壊

 米・EU帝の反革命と侵略戦争

 労働者階級の反撃は不可避だ

 8月21日のリビアの首都トリポリへの国民評議会軍の侵攻をもってカダフィ体制は基本的に崩壊した。だが、それは労働者人民の自己解放的闘いによるものではない。それはむしろ米帝およびEU帝国主義による露骨な軍事介入と侵略戦争であり、リビアの石油の再支配とエジプト革命をもって開始された中東革命に対する反革命的な反撃の拠点を構築しようとするものだ。しかし、リビアの労働者人民は、帝国主義によるこのような反革命策動をけっして許しはしない。まさに今から労働者人民の反帝国主義闘争が本格的に開始されるのだ。中東諸国人民も、リビアの労働者人民と連帯して必ずやこの反革命策動を粉々に打ち砕くであろう。
(写真 NATO軍に空爆されるリビアの首都トリポリ)

 NATOの大空爆により政府軍壊滅

 米帝とEU帝国主義は、国連安保理決議に基づくNATO軍の空爆とかいらい政権のデッチあげをもって2月のカダフィ打倒の労働者人民の闘いに反革命的に介入し、リビアの石油の再支配と中東革命の拡大阻止を狙った。だが、そうした策動が労働者人民の闘いに敵対するものであったため労働者階級の支持を得ることができず、カダフィの反撃を受けるとたちまち軍事的・政治的に行き詰まってしまった。今回のトリポリ侵攻作戦は、この失敗を巻き返しリビアをかいらい政権のもとに置いて再植民地化するための侵略戦争であり、帝国主義の総力を投入したものであった。
 米帝とEU帝国主義はまず綿密なトリポリ攻略作戦を立案した。そしてこの作戦を成功させるために、8月初旬以降、すさまじい空爆作戦を展開し、リビア政府軍を事実上無力化した。空爆作戦は、すでに2万回実施されているが、とりわけトリポリ侵攻作戦が本格化する2週間前から圧倒的に強化された。特に米軍は仏軍についで多い全空爆の16%を実施した。米軍はリビア政府軍攻撃のためにAWACS(空中警戒管制機)や無人爆撃機プレデターを投入し、地中海に海軍艦艇を派遣した。
 リビア現地には英軍、仏軍、カタール軍から軍事顧問団が派遣され、国民評議会軍の作戦を指揮し、一部は戦闘指揮もした。英軍のSAS(陸軍特殊部隊)は、カダフィとその家族の捜索のために現地で活動した。NATO軍の前進航空統制官も戦闘現場で砲撃や空爆の指示や、目標の情報を伝える任務を果たすためにリビア現地に投入された。軍事会社の社員や傭兵も派遣された。
 公式にはリビア空爆の国連安保理決議に賛成しなかったドイツも、戦後の分け前にありつくためにイタリアのNATO軍基地に空軍の軍人を派遣し、空爆の標的選定の作業に従事した。
 このように周到な下準備をした上で、NATO軍の軍事顧問団がカタールの基地などで訓練し、カタール、アラブ首長国連邦、サウジアラビアなどが装備や弾薬を供給した多数の国民評議会軍や傭兵が一挙にトリポリ周辺に送りこまれた。だがこれらの部隊が現地に到着した時には、すでにカダフィ軍はNATO軍の空爆で半数がせん滅されて崩壊寸前の状態であり、散発的な抵抗しかできない状態であった。つまり国民評議会軍はNATO軍の周到なお膳立ての上で、ほとんどリビア政府軍と戦闘をすることなくトリポリで「勝利の儀式」を行ったにすぎないのだ。

 劣化ウラン弾で住民が被害

 NATO軍の空爆は、トリポリの労働者人民の大量虐殺をもたらしている。200万人の首都住民のほとんどはカダフィ政権を支持していないが、これらの人々の多数が「市民の保護と人道的支援」のための空爆によって虐殺された。8月21日だけで、空爆で1300人が殺害され5000人が重軽傷を負ったといわれている。リビア政府軍の戦車や装甲車、地下防空壕などを破壊するために大量に使われたNATO軍の劣化ウラン弾も住民の健康に重大な被害を与えている。空爆による電気、水、食料、医薬品などの供給システムの破壊は、トリポリ住民の命を脅かしている。
 また国民評議会軍による「政府軍の残党狩り」は、政府軍関係者やその家族、傭兵とみなされたアフリカ系移民労働者の無差別的虐殺や、暴行、略奪を引き起こしている。市内に設置されたNATO軍の強制収容所には立錐(りっすい)の余地がないほどに住民が詰め込まれている。これがNATO軍の「人道的支援のための介入」の実態だ。

 利権争い内紛激化 脆弱な国民評議会

 トリポリ侵攻作戦の主体だとほとんどのメディアが報じている国民評議会は、そもそも米帝のかいらい政権として今年の2月末に、当時の労働者人民の反カダフィ闘争とまったく無関係に突然設立された。議長のアブドル・ジャリルは前リビア司法相であり、暫定首相のマフムード・ジェブリルは米帝と深い関係をもっていた人物だ。軍事部門の実権はハリーファ・ハフテ大佐というCIAと深い関係をもっている人物が握っている。
 米帝はEU帝国主義の承認を得てこのかいらい政権に権力を取らせることで、労働者人民のカダフィ打倒の闘いを解体し、リビアの石油の再支配とエジプト革命のリビアへの波及を阻止しようとしたのである。
 国民評議会の実態は、米帝との協力を約束した元政府の閣僚、米帝やCIAの手先、さまざまな部族勢力、アルカイダ系を含むイスラム政治諸勢力の寄せ集めである。いずれも米帝と協力することで政治的・経済的利益を得ようとする、労働者人民とは無縁の勢力だ。
 これらの勢力はカダフィ打倒までは協力関係を維持していたが、カダフィ体制打倒が目前に迫ると、政治的・経済的利権の分け前をめぐって早くも内紛を引き起こしている。
 7月28日には、軍事部門の最高責任者であるアブデル・ファタハ・ユニス元内相がイスラム政治勢力によって暗殺された。ユニスがかつて1990年代にイスラム政治勢力に熾烈(しれつ)な弾圧を加えたことと、自らの指導下に軍の指揮系統の一本化を目指していたことが、イスラム政治勢力の反感を買ったからだ。このためジャリル議長は、ジェブリル首相以外の国民評議会の執行部を解散し、軍の指揮系統の一本化を目指す政権形成へ動きだした。
 だがこの政策は、親米・親EUかいらい勢力と、独自勢力の強化を図るイスラム政治勢力の対立をいっそう深めるだろう。他方、親米派と親EU派の内部対立や、部族間のさまざまな利害対立や勢力争いも次第に表面化しつつある。国民評議会が、労働者人民の利害を代表する勢力ではなく、反革命的かいらい政権である以上、不可避的に起きた内部対立は今後、さらに激化することは不可避である。

 石油支配狙う米欧との階級的激突へ

 米帝やEU帝国主義のリビア侵略戦争は、そもそもカダフィが04年に核兵器製造とテロの放棄の約束と引き換えに帝国主義諸国との関係を改善し、国際石油資本の活動再開を約束したにもかかわらず、近年、石油や天然ガスの開発をめぐる交渉で厳しい条件を出し続けたことへの反革命的反撃でもある。米帝とEU帝は、カダフィを排除し親米・親EU勢力をかいらい政権としてデッチあげることで、リビアの石油支配を一挙に強化しようとしたのである。
 リビアにはまだ未開発油田が豊富に存在すると言われ、米帝やEU帝だけでなくロシアや中国なども巻き込んだ激しい争闘戦が展開されてきた。この争闘戦はカダフィ体制打倒とともにさらにいっそう激しさを増すであろう。これに加えて帝国主義の金融機関にある巨額の凍結資産の分割戦も激化している。
 だが、リビアの労働者階級人民はこのような帝国主義の侵略戦争とかいらい政権による安定支配など絶対に認めないし、許さないであろう。
 チュニジア、エジプトでの労働者革命の勝利に触発されてカダフィ体制打倒に決起したリビアの労働者階級は、労働者階級による革命的政権樹立を恐れた米帝やEU帝国主義による侵略戦争とかいらい政権デッチあげ策動に対して激しい怒りを燃やして反撃の闘いに決起し、中東革命に合流するであろう。
 〔丹沢 望〕

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週刊『前進』(2502号6面3)(2011/09/05 )

日誌'11 8月23日〜29日

 国連がPKO「中立」原則破棄/カダフィ政権が崩壊

●北朝鮮・ロシア軍事協力再開へ ロシア軍の代表団が北朝鮮を訪問し、北朝鮮軍幹部との間で、ソ連崩壊後事実上停止していた軍事協力の再開へ向けた協議を開始した。(22〜26日)
●カダフィ政権が崩壊 リビアで反体制派がNATO軍の空爆や特殊部隊による支援を受けてカダフィ大佐の居住区兼軍事基地に突入した。カダフィ政権は事実上崩壊した。(23日)
●沖縄で育鵬社教科書選定 沖縄県の教科用図書八重山採択地区協議会が育鵬社版の中学公民教科書を選定した。沖縄での「つくる会」系教科書の選定は初。(23日)
●ロ朝首脳会談 ロシア訪問中の北朝鮮の金正日総書記がメドベージェフ大統領と会談し、6カ国協議への無条件復帰と核・ミサイル実験凍結の用意を表明した。ロシアから北朝鮮を経由し韓国に至る天然ガスパイプラインの建設計画推進でも合意した。(24日)
●米国防総省が中国軍事動向に関する報告書 米国防総省が中国軍事動向に関する年次報告書を公表し、中国初の国産空母が2015年にも就役するとの見通しを示し、中国軍の海洋進出に強い懸念を表明した。(24日)
●円高対策で基金新設 野田財務相が円高対策で総額1千億j(約7兆6千億円)の基金を創設すると発表した。日本企業による海外企業の買収や資源権益確保の原資とする。(24日)
●日本国債格下げ 米の格付け会社が日本の長期国債格付けを「Aa2」から「Aa3」に一段階引き下げたと発表した。スペイン、イタリアを下回り先進国では最低ランク。(24日)
●PKOが「中立」原則破棄 国連平和維持活動(PKO)について国連安保理が、紛争当事者に対する不介入を意味する「中立」原則を廃止する議長声明を全会一致で採択した。代わりに「公平」の概念を掲げ、「市民保護」を目的とした当事者への武力行使を認める。(26日)
●セシウム放出、広島の168倍 原子力安全・保安院は福島第一原発事故で放出されたセシウム137の量が広島原爆の168・5倍に当たるとの試算を公表した。(26日)
●福島全県民の健康調査開始 原発事故を受けて福島県が全県民200万人を対象に実施する健康管理調査が本格的に始まった。(26日)
●文科省が線量基準見直し 文科省は福島県内の学校などでの屋外活動を制限する放射線量の基準値「毎時3・8マイクロシーベルト」を廃止し、新たに「毎時1マイクロシーベルト以下」とすることを通知した。(26日)
●福島に汚染廃棄物の中間貯蔵施設設置を提案 菅首相が福島県知事に対し放射能汚染された土壌やがれきなどの廃棄物の中間貯蔵施設を福島県内に設置したいと伝えた。(27日)
●東電が電気料金値上げへ 東京電力が電気料金の10%以上の値上げを政府に打診した。(28日)
●民主党が野田新代表選出 菅首相の後継者を選ぶ民主党の代表選挙が行われ、野田佳彦財務相が新代表に選出された。(29日)

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週刊『前進』(2502号7面1)(2011/09/05 )

 日米安保粉砕へシーハンさんと合流

 沖縄労働運動の新時代へ 反原発闘争と一体で闘う

 革共同沖縄県委員会

 世界大恐慌情勢のもとで発生した3・11東日本大震災と福島第一原発事故は日本と世界の階級闘争を一変させた。今夏、被災地とりわけ福島の怒りをわがものとする新たな反原発闘争として闘いぬかれた8・6広島−8・9長崎闘争と連帯し、沖縄では「反戦の母」シンディ・シーハンさんを迎え、日米安保粉砕を展望する闘う日米労働者の合流をかちとった。「二度と沖縄戦を繰り返さない」という全沖縄の労働者階級人民の誓いを、今こそ闘う労働組合をよみがえらせる闘いとして実現しよう。米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒の闘いは、福島の闘う労働者人民と連帯する最先端の闘いだ。
(写真 集会実行委の見送りに笑顔のシーハンさん、左は宮城盛光さん【8月12日 那覇空港】)

 対北朝鮮・中国侵略戦争の最前線基地

 世界大恐慌はさらに激しく進行している。帝国主義の戦後世界体制の経済的支柱であったドル基軸体制の崩壊が始まっている。この中で米帝は中国への対峙・対決政策を貫き、さらに北朝鮮への侵略戦争衝動を日々強めている。このような情勢の中で8月10日には昨年の11・23に続いて再度の砲撃戦が延坪島(ヨンピョンド)で発生した。
 日帝は、この米帝の対中対決路線と歩調を合わせるように新防衛大綱と中期防衛力整備計画を策定してきた。それは「動的防衛力の展開」への転換をうたい、「島嶼(とうしょ)防衛」を掲げ、対中国シフトを鮮明にしたものであった。南西諸島に陸自沿岸監視隊を設置するとともに実戦部隊を配備し、さらには地対艦誘導弾の展開や、那覇基地の戦闘機部隊の増強(22機↓36機)、移動警戒レーダーの展開から潜水艦体制の強化、またヘリ搭載護衛艦の整備など、陸海空にわたる全面的なものだった。
 そしてこれらが実際に動き出したのはまさに3・11以降だ。4月には与那国島で空自が電波調査を行った。これは移動警戒レーダーの展開に向けてのものである。5月12日には防衛省が与那国への陸自の配備を表明。新防衛大綱では伏せられていた具体的な島の名前がついに明らかになり、町有地を取得して沿岸監視隊の駐屯地を15年までに建設するという具体的なプランも公然と語られ始めている。さらに宮古島・石垣島への普通科部隊の展開も検討され始めた。また下地島飛行場は「災害」時の拠点とするという方針も出されている。
 この中で6月12日には海自の潜水艦とイージス艦が那覇港に接岸した。これまでも自衛艦の沖合入港はあったが、接岸は県内民間港としては初めてのことだ。
 7月5日には、航空自衛隊那覇基地のF15戦闘機が演習中に海上に墜落するという事件が発生。さらに7月24日から那覇基地に茨城県百里基地のF15戦闘機12機とT4練習機2機が「節電」を口実として移動し、9月21日までの訓練を始めた。今回移動してきたF15は12機。これは新防衛大綱で打ち出された那覇基地の戦闘機部隊の増強数とほぼ同数だ。
 大震災での「トモダチ作戦」は、核戦争の実戦訓練そのものとして、日米安保同盟とそのもとでの「周辺事態法」の具体的発動として実施された。それはまさに3・11をもってこの現代世界が平時から「戦時」に変わったことを意味する。そして「トモダチ作戦」の発動と一体の動きとして、日帝は独自の北朝鮮・中国侵略戦争に向けた反動的飛躍を開始しようとしている。
 それは3・11で主要帝国主義から事実上ずり落ちつつある日帝が、その危機突破のためにどす黒い衝動にかられた攻撃を開始したということだ。その最先端の攻防が日米安保同盟の実体である基地の島=沖縄で開始されたのである。
 それは、米軍再編=辺野古新基地V字沿岸案の強行と、2012年からの垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ普天間基地配備をあくまでも推し進めようとする米帝の攻撃と一体となった日帝・自衛隊による南西諸島の重点化、日米安保体制の強化である。これと対決する安保・沖縄闘争の飛躍が求められている。

 宮古・八重山めぐる教科書攻防の核心

 8月23日、石垣市、竹富町、与那国町の中学校で来年度以降4年間使用する教科書を選ぶ教科用図書八重山採択地区協議会(会長・玉津博克石垣市教育長)が「教科書改善の会」が編集した育鵬社の公民教科書を選定した。
 八重山地区協議会の答申を受け、26日に石垣市教育委員会(3対2)、与那国町教育委員会(全会一致)で育鵬社の公民教科書が採択されたが、竹富町教育委員会では27日、全会一致で東京書籍の公民教科書を採択した。この結果を受け、31日に採択協議会役員会が開かれたが、激しい議論の応酬の末に決裂し、同一教科書の採択には至らなかった。
 沖縄タイムスが29、30日に八重山地区で実施したアンケート結果は、石垣・与那国での育鵬社採択反対が56%(賛成20%)、竹富での東京書籍採択賛成が60%(反対18%)となり、戦争翼賛教科書を拒否する八重山住民の意思が示された。まさに闘いは始まったばかりだ。
 この沖縄戦歪曲・戦争翼賛教科書の導入は、宮古島市・石垣市の市長が保守系に代わって以降、計画的に進められてきたことだった。昨年3月石垣市長となった中山義隆は釣魚台(尖閣諸島)の実効支配を主張する極右であり、その中山が現職の高校長から教育長に引き抜いたのが玉津博克だ。「つくる会」系教科書採用を自己目的化してきたファシスト的人物なのだ。与那国町教育長の崎原用能も自衛隊誘致を公約に掲げて09年に当選した外間守吉町長の肝いりだ。また宮古島でも「つくる会」系の人物が訪問して、教科書を見本として贈呈していたことも明らかになってきた。
 「戦争は教室から始まる」――狙われているのは、中国・北朝鮮侵略戦争に沖縄県民を動員する教育=皇民化教育なのだ。
 米日帝の中国・北朝鮮侵略戦争に向けた沖縄の労働運動と労働組合への画歴史的攻撃として今回の事態をとらえる必要がある。日帝と沖縄の労働者階級人民・労働運動との力関係を今日も規定しているのは、沖縄米軍基地撤去を求めて闘われた95年10・21県民大会10万人決起であり、沖縄戦歪曲の教科書検定撤回へ12万人が立ち上がった07年9・29県民大会である。この闘いを主導したのが自治労や沖教組・高教組など沖縄の労働組合である。この力関係が普天間基地の辺野古移設攻撃を15年にわたって阻み続けてきた。

 標的は沖教組

 3・11情勢下で、ここに風穴を開けようと狙われたのが今回の八重山教科書問題の本質である。そこでターゲットとされたのが「復帰」闘争を含めて戦後の沖縄の労働運動と階級闘争の伝統を持つ沖教組だった。この沖教組の6支部の中で最も組織率の低い支部が実は八重山支部だったのだ。
 このような情勢と対決構造の中で沖縄の労働者階級と労働運動・労働組合に問われていることは何か。「二度と沖縄戦を繰り返さない」「教え子を再び戦場に送らない」という戦後沖縄の原点である誓いを貫くためには何が必要なのだろうか? それは「4・9政治和解」に屈するのか、1047名解雇撤回を掲げて闘い続けるのか、ということであり、それは同時に「基地の県外・国外移設」路線か、「基地撤去」の原則を貫くのか、ということである。さらには「脱原発」というお題目で原発を容認し続けるのか、「すべての原発の即時停止・廃炉」を掲げるのか、ということだ。労働運動・労働組合の路線をめぐって、今こそ階級的原則を守り抜くことがあいまいさなく求められている。
 今回の八重山教科書問題はただ単に「過去」の沖縄戦の問題でもないし、いわゆる教科書選定の「手続き問題」でもない。いわば「国家と革命」の問題が労働組合と労働運動の路線に突きつけられているのだ。したがって、沖縄の労働運動と階級闘争の質的な転換と飛躍、国際連帯の新たな地平が求められているのである。
 労働者に国境はない。日帝・資本家階級の「尖閣諸島」をめぐる排外主義攻撃を絶対に許さず、「祖国擁護」を粉砕し、戦争反対を貫く労働運動をよみがえらせよう!

 “グローバルな労働者の革命実現を!”

 このような時代と情勢と対決して勝利するためにわれわれは闘いぬいてきた。とりわけ昨年の「4・9政治和解」と対決し、「国鉄闘争の火を消すな!」と動労千葉が呼びかけた国鉄闘争全国運動を沖縄の地で切り開いていく挑戦が、3・11情勢と闘う主体を準備してきた。
 沖縄の労働運動と階級闘争の責任ある主流派への飛躍と国際連帯の新時代を切り開く挑戦として8・11シンディ・シーハン沖縄講演会を160人を超える結集で闘い取った。来日以降、8・6広島−8・9長崎で激闘を続けたシーハンさんが体調を崩し、壇上に立てないというアクシデントをのりこえ、参加した160人余りの労働者市民は「すべての基地、すべての核と原発をこの社会からなくそう! 子どもたち、若者たちの未来をとりもどそう!」のスローガンを掲げた新たな沖縄闘争をスタートさせた。
 シーハンさんから「今あらゆる国の労働者たちが国境を越えて革命へと手を伸ばそうとしている。原発と戦争に対して共同で闘おうとしている。新自由主義、この汚いやつらをどうやって打倒していくのか。私たち労働者のグローバルな革命を実現しよう!」とのメッセージが伝えられた。来日中、アメリカ労働者階級の一員として「労働者の国際連帯、団結こそが世界を変える」と訴え続け、「私はアメリカでは平和の母と言われるが革命の母として歴史に残りたい」と語ったシーハンさん。辺野古の浜に立ち、「労働者が闘えば必ず勝利できる。アメリカでも辺野古の闘いを広げる」と力強く語ったシーハンさん。
 このシーハンさんと沖縄の労働者人民との合流は、沖縄戦と米軍基地による分断を許さず、日米労働者の団結で日米安保を粉砕し、米軍基地を撤去していく闘いを押し広げるものとなった。
 この集会自身が体制内指導部(=原水禁)との党派闘争そのものだった。われわれは体制内指導部との力勝負を挑み、情勢の主導権を完全に握りしめてこの夏を闘った。団結した労働者には時代を動かし、時代をつかむ力があることを示した。この切り開いた地平を沖縄100万プロレタリアートに広げる闘いが9月からの闘いだ。
 米軍政下における沖縄の労働運動は、全軍労・教労・自治労などを先頭に「基地の島」の現実の根底的変革をめざして闘われ、数度のゼネストにまで上り詰めた(69年11・13佐藤訪米阻止全県スト。71年5・19、11・10沖縄返還協定粉砕ゼネスト)。この闘いを引き継ぎ、のりこえる沖縄全県ゼネストをわれとわが手で切り開き、「世界大恐慌をプロレタリア世界革命の勝利へ」の時代を手繰り寄せよう!
 この闘いは福島で闘う労働者階級人民との固い連帯の中でこそ実現できる。ふるさとを追われ、職を奪われ、田や畑や海や空気まで奪われている200万福島県民の怒りは、戦後半世紀以上、米軍基地によって土地も海も空も奪われ続けている沖縄の労働者階級人民の怒りと一体だ。
 米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒の闘いは、反原発闘争との結合の中で真価が発揮される。9・11反原発全国一斉行動から11・6全国労働者集会1万人結集へ、沖縄の労働者階級は先頭で闘おう。革共同沖縄県委員会を沖縄の労働者階級の党としてともに建設していこう!

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週刊『前進』(2502号7面2)(2011/09/05 )

焦点 中国への露骨な対決政策

 米国防総省が年次報告書

 米国防総省は8月24日、中国の軍事力についての年次報告書を発表した。その中で米帝は、中国が初の国産空母やステルス戦闘機など先端兵器の開発・配備を進め、2020年までに近代化を達成すると分析、透明性の欠如や海洋権益を巡る強引な姿勢が各国の懸念を招いていると指摘して、中国への脅威論と対峙・対決政策をよりむき出しにしている。
 また、中国が過去10年間に投資を続けた装備や技術の多くが完成期を迎え、今後数年で配備可能になるとも評価。国産空母が2015年にも就役し、今後10年間で複数の空母と随伴艦を建造する見通しという。旧ソ連軍の空母を改修し、今月試験航行を始めた中国初の空母「ワリャーク」(排水量約6万d)は来年末までに「艦載機がない状態で運航可能」と判定。艦載機が最低限の実戦能力を得るには数年かかると予測する。
 空母攻撃が可能な対艦弾道ミサイル(ASBM)を開発中であり、米本土の大半に到達可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)が配備段階にあるとも言っている。
 1月に初めて試験飛行した次世代ステルス戦闘機「殲(せん)20」については、高性能ジェットエンジン製造などに課題が残り、本格運用ができるのは2018年以降になるとの見方を示した。
 さらに南中国海の領有権争いの激化を踏まえ、中国の「海洋戦略」を特集し、資源や漁業権益、シーレーン(海上交通路)の確保といった実利に加え、海軍力強化が「大国の必要条件」と意識しているとの認識を示した。
 シファー国防副次官補(東アジア担当)は「中国は地域の軍事バランスの不安定化を招きかねない(軍事)能力を追求している」と述べ、中国軍の軍拡、海洋進出への対峙・対決姿勢を見せた。
 ソ連スターリン主義の後継であるロシアが旧ソ連のような巨大軍事力を持つ力がない中で、東アジアでは中国の急速な台頭が米帝の最大の「懸念」材料となっている。だがそれをも口実に軍拡を進めようとしているのが米帝だ。
 米帝は今日、世界大恐慌の深化の中で財政破綻、基軸通貨ドル大暴落の危機、イラク・アフガニスタン侵略戦争での敗勢と撤退、エジプト―中東の革命情勢による中東支配体制の崩壊的危機という未曽有の情勢にたたき込まれているが、なお圧倒的な軍事力、とりわけ核兵器を持ち、世界軍事戦略を発動できる唯一の超大国である。この軍事面での圧倒的優位性を決定的な武器として帝国主義間・大国間争闘戦に勝ち抜き、世界の盟主としての位置を再確立しようとしている。その基軸として中国との対峙・対決があるのだ。
 東アジアと世界における中国の位置は今やあらゆる面で大きくなっている。米帝は中国の軍事的台頭との対峙・対決の必要性を声高に叫ぶ一方で、バイデン副大統領を訪問させて中国にドル国債保有を要請せざるをえない。米中矛盾の爆発と米中の対峙・対決こそ現代世界の動向を規定する最大要因なのだ。
 米帝オバマの対中対峙・対決をてことする軍拡を弾劾し、世界大恐慌―世界危機を世界革命に転化する国際プロレタリアートの団結をつくり出そう。

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週刊『前進』(2502号7面3)(2011/09/05 )

焦点 子どもに被曝さらに強制

 文科省「毎時1マイクロシーベルト目安」

 文科省は8月26日、「福島県内の学校の校舎・校庭等の線量低減について(通知)」を福島県など全国に発した。これをもって文科省4・19「20ミリシーベルト通知」は廃止された。遅すぎたとはいえ、福島の保護者を先頭にした闘いに追い詰められた結果である。
 しかしながら、新たに出た8・26通知も実に許し難い内容だ。
 まず、「夏季休業終了後、学校において児童生徒等が受ける線量については、原則年間1ミリシーベルト以下」とした。子どもたちが大量被曝を強いられた3月はもとより、8月までも除外して「夏季休業終了後」に限定。しかも、学校外も含めた子どもたちの生活全体で「年1ミリシーベルト以下」を目指すわけでもなく、1日あたり6・5時間の「学校において受ける線量」だけに限定した。それ以外の17・5時間も、子どもたちは日々被曝を強いられているにもかかわらず、である。
 そして「校庭・園庭の空間線量率については……毎時1マイクロシーベルト未満を目安」とした。文科省は毎時0・6マイクロシーベルトを超える区域を「放射線管理区域」に定め、労基法は同区域での18歳未満の者の労働を禁じている。毎時1マイクロシーベルトとは、この管理区域すらはるかに超える数値だ。
 さらに、それも「基準」ですらない「目安」だ。それゆえ「毎時1マイクロシーベルトを超えることがあっても、屋外活動を制限する必要はありません」と明記した。
 もう一点、重大問題がある。内部被曝の徹底した軽視である。
 同通知の参考資料は「内部被曝の全線量に対する寄与」を根拠もなく「10%」とした。しかし今、福島県内の給食に使われている食材は、「地産地消」の名で、ほとんど福島県産である。子どもたちは今まさに学校の中で大量に内部被曝させられているのだ。そのためこの間の政府交渉では、保護者が給食の放射能測定を行うよう必死で求めてきたが、文科省も県もけっして測定を行わない。こんなことでは「年1ミリシーベルト以下」すら守られるわけがない。
 同通知が打ち出した「文科省における今後の対応」は、「放射線測定の手引き」の公表と「モニタリング体制の強化」だけである。文科省は結局、福島の子どもたちを被曝から守るための除染をはじめとする措置は何一つ行わないと開き直ったのだ。
 福島の子どもたちはすでに3月の事故爆発直後に大量被曝させられている。政府調査ですら3月下旬の時点で45%が甲状腺被曝していたことを認めた。尿検査では10人中10人からセシウム134、セシウム137が検出された。
 8月30日に文科省が発表した放射線量等分布マップで、チェルノブイリ事故では幼児や妊婦の強制避難区域となった55万5千ベクレルより高い汚染地域が福島市や郡山市にもあることが明らかとなった。本来、ただちに避難・集団疎開させるべき場所だ。しかし政府の賠償方針では、計画的避難区域と特定避難勧奨地点に指定された場所以外の住民が自主的に避難しても、補償は一切行われない。こんなことがどうして許されるか!
 福島の子どもたちをこれ以上被曝させるな! 8・26文科省通知撤回へ、闘いを広げよう。

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週刊『前進』(2502号7面4)(2011/09/05 )

 韓国・済州島の闘い

 体を張り海軍基地を阻む

 カンジョン村住民に檄文を送ろう

 韓国・済州島(チェジュド)でカンジョン村住民による海軍基地建設阻止闘争が激化している!
 イミョンバク政権がカンジョン村に新たに建設しようとしている韓国海軍基地は、実は在韓アメカ軍の対中国ミサイル防衛(MD)基地である。
 深化する世界大恐慌情勢下、米帝は東北アジアに展開する米軍の再編を進めている。その一環として台湾・沖縄・グアムと韓国の済州・郡山・平沢をつなぐ対中国包囲線を構築するために、済州島に新基地を確保しようとしているのだ。
 昨年11・23に続く砲撃戦が8月10日に発生。その後も実戦さながらの米韓軍事演習が繰り広げられ、朝鮮半島の軍事的緊張は高まっている。
 カンジョン海軍基地建設反対闘争はすでに07年から4年4カ月におよぶ実力闘争になっている。  
 カンジョン村民1900人の村ぐるみの闘いを先頭に「済州海軍基地建設阻止のための全国対策会議」が組織され、民主労総済州本部を始め労働者、学生、宗教者、市民らが駆けつけ、労農同盟を軸とする大衆的実力闘争に発展している。

 工事再開阻止

 8月24日午後2時、カンジョン村の海軍基地建設現場で施工業者がクレーンを組み立て始めた。これを阻止しようとした反対派住民と警察が激突した。この攻防でカンドンギュン村会長ら5人が業務妨害などの容疑で警察に捕まった。反対運動のリーダーである村会長の強制連行に抗議する住民たちと警察の肉弾戦が1時間にわたって続いた。住民たちは海軍基地事業団の前を車両でふさぎ、村会長の釈放を要求して対峙した。さらに村会長らを乗せた押送車が住民らに包囲され、7時間にわたって立ち往生する前代未聞の事態となった。住民の怒りの前に警察権力が行使できない事態が生まれたのだ。
 7月以降、地元警察が24時間張り付いて警備していたが、8月14日にソウル・京畿地域から放水車・装甲車・大型バスなどの警備車両とともに600人の警察部隊が済州島に到着し、警備の前面に出た。カンジョン闘争に対するイミョンバク政権の恐怖の現れだ。

 仮処分が決定

 8月29日、済州地方裁判所は、海軍基地反対派の工事敷地内出入りを禁止する仮処分を決定した。違反した者には違反行為1回当たり200万ウォン(約14万5千円)の支払いが科せられる。
 警察力投入が切迫する中、海軍基地反対カンジョン村対策委員会が「カンジョンをどうか助けてください」というアピールを発した。「億万の金をやると言われても、この美しいカンジョンの海とクロムビ岩を大切に守り、子孫に伝えたいとの一念のもとに頑張ってきたのです」「村の共同体が破壊され、結局クロムビ岩がコンクリートで覆われれば自ら命を絶つというカンジョン村の住民は数知れません。どうかカンジョン村の住民を死のふちに追いやらないよう力を貸してください」と呼びかけている。
 建設予定地の中徳海岸にある一枚岩のクロムビ岩からは水がわき出ている。この美しい海岸を直径1・2`にわたってセメントで固めて侵略基地を造ろうというのだ。
 カンジョン闘争を国際連帯の力で勝利させよう。国策と称して強行される海軍基地建設には一片の正義もない。阻止あるのみだ!
 すでに動労千葉と全学連は連帯メッセージをカンジョン村に送った。全国からメッセージや檄文を動労千葉国際連帯委員会に集中し、カンジョン闘争に連帯しよう!
(写真 海軍基地建設工事再開に抗議し警察と激突するカンジョン村住民ら【8月24日 済州島】)

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週刊『前進』(2502号8面1)(2011/09/05 )

 青年労働者・学生に『前進』を

 プロレタリア革命の戦略的準備の鍵をなす機関紙活動

 前進経営局

 青年・学生が階級の指導部として躍り出て、数万・数十万の労働者人民を率いて反原発・反失業の歴史的大闘争を実現する時代が始まった。新自由主義のもとで抑圧や弾圧を「当たり前」「仕方がない」と思い込まされてきた青年・学生が、現実を打ち破る主体として登場した。彼らを抑圧してきた現実やイデオロギーは3・11で土台から吹き飛んだ。膨大な労働者・学生・農漁民・自営業者がこれまでとはまるで違う価値観と行動を求めている。勝負の行方は「プロレタリア革命の戦略的準備」すなわち闘う労働組合と党を一体的につくり出す闘いにかかっている。鍵はマルクス主義であり『前進』だ。反原発闘争と国鉄闘争の一体的推進のなかで徹底的に意識的に青年労働者・学生に『前進』を拡大しよう。

 学生戦線が爆発的拡大への端緒開く

 3・11をも引き金として、世界大恐慌はさらに新しい段階へ突入した。米国債の格下げとそこから始まった株価の暴落・乱高下と超円高=ドル暴落の開始は、資本主義の最後の延命策としてあった新自由主義の破産であり、資本主義の土台からの崩壊である。今次大恐慌は資本主義史上最後の大恐慌だ。
 菅政権に代わって登場した野田政権は、原発政策を継続し、大失業と大増税を労働者人民に強制する、経団連と連合に支えられた超反動政権だ。福島県民をはじめ日本と世界の労働者人民が生きぬくことそのものが、日帝・野田民主党政権と労働者人民との対立関係をどんどん非和解的なものにする。こうした認識を全労働者人民のものにしていくために国鉄闘争と反原発闘争を大高揚させよう。この中で『前進』を労働者階級人民に全力で持ち込み広げよう。
 学生戦線は5年間にわたる法大闘争の勝利的地平の上で、3・11以来、反原発闘争の先頭に立ち、「1カ月で『前進』2ケタ拡大」という、本格的拡大への端緒を切り開いた。そこで得られた教訓はけっして学生戦線だからという特殊なものではなく、普遍的なものである。
 学生戦線での機関紙拡大は何よりも学生がフクシマの怒り、国鉄労働者の怒りと一体化するなかでかちとられた。6・5国鉄集会−6・11反原発新宿デモ−6・19フクシマ大行動−7・8東北大集会−7・17いわき集会&デモが高揚し、その中で結びついた学生・青年に意識的に『前進』を持ち込み、着実に拡大した。6・5や6・19の報道号が報告パンフレットなどとセットで持ち込まれ、拡大へと結実した。
 また、キャンパスでの生きた討論をもとにして記事や論文を書いて『前進』の紙面を作り、それをオルグの武器として使うサイクルを生み出している。この間『前進』に連載されている全学連大会に向けたマル学同各支部のアピールは、こうしたキャンパスでの学生との”生きた交通関係”によって生み出された。それがそのまま全学連大会組織化の武器として使われている。
 さらに、『前進』を軸に会議がかちとられている。学生戦線の会議、とりわけ指導部会議では『前進』の読み合わせをしない基本会議は皆無だという。そして機関紙拡大闘争が必ず会議の一議題として扱われ、オルグ名簿とともに報告・討議されている。拡大闘争の先頭に指導部が立っているのである。こうした原則的な取り組みが『前進』拡大への意欲を生み出す根源となっている。
 今後の課題は、読者を維持することである。拡大よりも維持することの方がむしろ大変な闘いなのだ。学生戦線の先進的な闘いに全党が続こう。

 『前進』が青年全体をとらえる時代に

 学生と並んで、青年労働者全体をマルクス主義と『前進』がとらえる闘いが始まった。それは何より、国鉄と郵政をはじめ4大産別を先端に開始された外注化阻止・非正規職撤廃の闘い、労組青年部をよみがえらせる闘いとして、また、すべての原発をいますぐなくす闘いとして始まっている。そして、闘い始めるやいなや、両者はただちに一体化を開始した。
 新自由主義のもとでは労働運動などおよそ成り立たないようにすら見える。現に、青年労働者は生まれたときから競争と分断の現実の中で生きてきた。しかし国鉄1047名解雇撤回闘争を圧殺する4・9政治和解をはねのけて国鉄闘争全国運動が始まった。青年の未来を奪う3・11情勢下で反原発闘争が大きく高揚し、「な全」が結成された。このことが「結局おれたちは使い捨てられるだけの存在なのか?」というあきらめや絶望を吹き飛ばし、「いや、そんな社会は絶対に間違っている!」と根底的な怒りを解き放ち、「青年こそが未来を切り開いてやる!」という決起を呼び起こしている。
 JR東日本の検修・構内業務外注化に反対する動労千葉の青年を先頭とした闘い、そして郵政非正規ユニオン結成の闘いは、闘う労働運動など成立しないと思われていた職場に、闘いとは無縁だった青年自身が団結して労働運動をよみがえらせていく闘いであり、新自由主義を根底から打ち破る闘いだ。広島で開かれた8・7青年労働者交流集会はこうした労働組合・労組青年部結成の闘いが全国の職場で始まっていることを示した。
 また4・9や3・11は連合や全労連・日本共産党スターリン主義など体制内労働組合や党派の反労働者的な正体を暴き出し、彼らへの怒りも解き放った。日共の裏切りによって解雇され絶望に陥っていた青年が、書店で『前進』を知り、アンケートを通してわれわれとさらに結びつき、討論する関係になった。これは氷山の一角である。

 読者会の開催通じ血の通った団結を

 非正規職撤廃は6千万労働者の9割にかかわる問題だ。またすべての原発の廃止か再稼働かは、1億2千万人民すべての生活・生存、未来に直結する問題だ。資本主義が崩壊した時こそ、『前進』は決定的な存在でありオルグの武器なのだ。
 『前進』に貫かれているのは「労働者こそ社会の主人公」というマルクス主義だ。だから、闘いに立ち上がった青年たちは必ず『前進』を欲する。しかし「『前進』の言葉使いは難しい」という意見があることも事実だ。この課題を突破する闘いが開始されている。
 ある地区では、「『前進』は一人では読めない。だから一緒に読んでほしい」という声が青年から出され、読者会を開催する闘いを開始している。こうした取り組みの中から資本主義社会への怒りと闘いの意欲が生まれる。そして闘いの中で喜怒哀楽をともにしながら「血の通った団結」がつくり出されている。これこそブルジョアジーが最も恐れる団結だ。利潤を生み出すのが目的のブルジョア新聞とはまったく違う力が『前進』にある。また、『前進』を通してその力が生まれてくるのだ。
 だから、獲得した仲間や読者を大切にしよう。きちんと『前進』を発行し、一刻も早く配布し、ともに読み、職場や街頭・地域でともに闘い、労働者の価値観=マルクス主義をともに獲得していく。こうした具体的な闘いの中で紙面の改革も併せて実現しよう。
 すべての地区・細胞が青年・学生に『前進』を1部拡大することに沸き立ち、実践しよう。
 11月労働者集会への過程で〈職場闘争の実践〉〈フラクション建設〉〈党建設〉を一体の闘いとして画然と展開する環に機関紙を活用し、拡大しよう。こうした闘いは革命党における財政問題の解決の道でもある。

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週刊『前進』(2502号8面2)(2011/09/05 )

 星野再審闘争 刑務所の面会妨害を打破

 星野同志奪還へ大きな前進

 8月1日、金山克巳同志が徳島刑務所で星野文昭同志との面会をかちとった。昨年5月以来の友人面会不許可を打ち破った勝利である。
 星野同志は満面の笑顔で面会室に現れた。金山同志が「2年ぶりだね」と言うと、彼は「本当に大きな勝利だ」と答えた。
 星野暁子さんと金山同志が7月のサンフランシスコでの闘いを写真やホームページのプリントを見せながら報告した。星野同志は「暁子からはがきが届いているし、仙田君も写真を送ってくれた。絵画展や集会の様子はよく分かった。今回の訪米は大成功だ」と目を輝かせて感想を語った。
 星野同志には、ケビン・クーパーさんとの面会を手配してくれたキャロル・セリグマンさんから「ソリダリティ・フォーエバー」と書いたはがきが届いていた。暁子さんは「ケビンさんとの面会は仕切りのないオリの中だった。食べ物や飲み物を持ち込んで3時間も話した。彼は『死刑制度は貧しい黒人に対する抑圧制度だ』と言った」と伝えた。
 星野同志は「僕も中で鍛えられた。無期の獄中では、あいまいさを残したままでは生きていけない」と、自らの闘いを語った。さらに「無期と36年間闘ってきたことがアメリカの労働者に通用することが分かった。僕の闘いが彼らの力になる。星野闘争は『長い、ひどい』だけではない。それに屈しないで闘っていることが重要だ。闘いは日本もアメリカも共通するものがある。日本でこそ基礎をつくろう。そして世界へ」と熱く訴えた。
 30分があっという間に過ぎた。「また会おう」と再会を約束して、徳島刑務所を後にした。
(写真 星野同志が描いた絵を持つ暁子さんと友人面会の妨害を打ち破り星野同志との面会を果たした金山同志【8月1日 徳島刑務所前】)

 自由な面会を

 金山同志が面会をかちとった日の午後には、徳島弁護士会の人権擁護委員会で「人権侵害救済申立」に関する事情聴取が行われた。
 昨年8月と10月に徳島刑務所は連続5回・7人の友人面会を不許可にした。さらに暁子さんの面会不許可と5回にわたる手紙の墨塗り抹消を強行した。この徳島刑務所の強権的弾圧に対して徳島弁護士会に人権救済申し立てをしていた。徳島弁護士会による事情聴取に対して、暁子さん、金山同志ら4人は徳島刑務所を徹底的に弾劾した。
 星野同志は2006年5月からのべ94人との面会をかちとってきた。「獄壁」は打ち破られ、星野同志と全国の労働者階級との団結が拡大し、階級的労働運動路線を前進させる土台を築いてきた。これに恐怖して、日帝・法務省・徳島刑務所は友人面会不許可の攻撃に出たのだ。
 全国の救援会、労働組合、部落解放同盟全国連西郡支部、闘う労働者・学生から怒りの声がわき上がり、徳島刑務所に抗議が殺到し、徳島刑務所を徹底的に追い詰めた。今回の金山同志の面会は友人面会不許可を打ち破る第一歩だ。分断を打ち破り、星野同志との自由な面会をかちとろう。

 藤田弁護士接見

 8月12日には、藤田城治弁護士が立ち会い人なしの星野同志との面会をかちとった。
 本年5月16日、再審弁護団に加わった藤田弁護士が星野同志と接見した際、徳島刑務所は〈立ち会い付き・30分の時間制限〉という攻撃を加えてきた。弁護人の秘密交通権を侵害し一般面会扱いする弾圧だ。弁護人の弁護活動を妨害し再審闘争を破壊しようとするものであり、断じて許すことができない。
 弁護団は直ちに徳島刑務所に抗議し、全国の救援会からも抗議が集中していた。
 こうして、再び徳島刑務所を訪れた藤田弁護士は、ついに看守の立ち会いがつかない面会をかちとったのだ。30分の面会時間制限も粉砕し、再審とビデオ国賠訴訟について1時間にわたって星野同志と意見交換した(ビデオ国賠訴訟とは重要証拠のビデオテープを「紛失」した警視庁の責任を追及する国家賠償請求訴訟)。
 大恐慌下の3・11大震災と原発大事故で崩壊的危機を深める日本帝国主義は、37年の獄中闘争を不屈に貫く星野同志の闘いが、青年労働者・学生の怒りと結合しプロレタリア革命へと発展することを心底恐怖している。
 3・11情勢を突き破って、反失業・反原発の根底的闘いが広がり高揚している。国鉄・郵政の青年労働者を先頭に労働組合をよみがえらせる闘いが始まった。そのなかで星野同志奪還闘争は、7月訪米闘争で世界の労働者階級と結び付く歴史的地平を切り開いている。
 9・11−19反原発闘争から11・6労働者集会と11・27星野奪還全国集会の成功へ驀進(ばくしん)し、星野同志を絶対に奪還しよう。

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週刊『前進』(2502号8面3)(2011/09/05 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 自治労大会で情宣圧倒的な支持と共感 長野労組交流センター N

 自治労第83回定期大会に長野労組交流センターは全国の自治体労働者の仲間と宣伝行動に決起しました。
 8月22日の青年部総会、女性部総会、23日の現業評議会総会から「公務員首切りは許さない!」「本部の現業切り捨て方針は許さない!」「被災地とともに反原発・反失業を闘おう」と訴え、闘う現場の声を載せたビラをどんどん参加者に渡しました。とりわけ青年労働者のビラの受け取りがよく、被災地や原発の存在する地域の青年労働者が「青年から原発をなくせの声を上げていかなければならないですね」と、「な全」署名に応じてくれました。自治体青年労働者の中に「本部の方針はおかしい。政府や資本と同じ立場に変質している」と怒りの声が上がっていることを間近で知りました。
 24日からの定期大会では、40人体制で大宣伝行動を行い、ビラが数千枚、署名が400以上集まり、各所で討論が巻き起こりました。「仲間の首切りをよしとする、そんなものは労働組合でもなんでもない。労組の力を信じ、首切り絶対反対、民営化反対、非正規職撤廃で闘おう」と訴えると、「そのとおりだ」の声が上がりました。昼休みには雨の中、外に出てきて鈴なりになってマイクでのアピールにうなずき、もっとビラがほしいという組合員も出てきました。この状況に恐怖した本部は排除しようとしてきましたが、署名中の組合員が「署名をやっているのに出てけとは何事だ」と抗議する場面が出現しました。
 日ごとに組合員の怒りとかみ合い「昨日のビラを読んだ。今日出したビラが欲しい」と最終日まで吸い込まれるようにビラが受け取られました。
 5日間闘いぬき、「労働組合の力を信じて闘おう。闘う労働組合をよみがえらせよう! 動労千葉のように闘おう」と訴え、本気で労働者と向き合い、職場で現場の怒りとかみ合ったビラや議論で、必ず強力な闘いがつくり出せることを確信しました。

 教員支配の人事評価制度に裁判で怒り さいたま市 I

 さいたま地裁で8月31日、埼玉県人事評価制度に基づく自己申告書を提出しなかったために不当処分を受けた県立学校教職員が、処分撤回を求めて県教育委員会を提訴した裁判がありました。
 県教委はこの間、AからDまでの評価の基準になる「目指す学校像」は学外者も含めた「学校懇話会」で定めているから評価は「校長のトップダウンによるものではない。不当な支配はない」と主張してきました。「それなら懇話会の議事録を出せ」という原告側の要求をいったん拒否したものの、裁判所の命令で議事録ならぬ「議事メモ」を出してきました。
 4回目になるこの日の裁判で、原告側が「議事メモには『参考資料に基づき論議』などと書いてあるが、その資料がない」と資料の提出を求めました。すると県教委は、なんと「議事メモはパソコンにあったから出した。資料はないかもしれない」と言うではありまんか。これには傍聴席、原告席から驚きとともに失笑混じりの怒りの声が上がりました。戒告や減給処分をしながらら、その根拠になる資料が「ないかもしれない」とは! ふざけるのもいい加減にしろ!です。
 裁判後の集会で原告のNさんは、8月26日に県教委が育鵬社の教科書を県内で初めて県立伊奈学園中学校用に採択したことを弾劾しました。その10日前、上田知事が定例記者会見で「伊藤博文を『射殺』などと書く教科書を選ぶな」と言い、それを受けての採択です。Nさんは「教育への不当な介入は明らかだ。県人事評価制度が教職員や教育を支配する道具になっていることを証明している」と断じました。
 人事評価制度を許せば、教育現場に限らず労働者は一挙手一頭足まで縛られて、共同性も団結も壊されることは歴然としています。今後も裁判を支援していきたいと思います。

 泊3号機の営業運転再開は認められない 合同労組道南ユニオン M

 8月17日、高橋はるみ北海道知事はこれまでの仮面を捨て泊原発3号機の営業運転再開を容認しました。中央行政官僚であった高橋知事は原発推進を担ってきた一人であり、福島第一原発事故の責任を問われるべき人間だと思います。北海道では泊原発を止めろの声・運動が大きな広がりを見せています。高橋知事は危機にかられて反動的対応に出たのです。
 私たちはささやかな労働組合ですが、なんとしても闘う労働組合をよみがえらせ、すべての原発を止めるためにがんばりたい。室蘭地方でも泊原発・大間原発が自分たちの問題として受けとめられ始めました。
 道南ユニオンは21日、室蘭の大手スーパーの前で(1カ月前にも同じ場所で街宣)道知事の容認を徹底批判、「すべての原発の停止・廃止を求める署名」を労働者・市民に呼びかけました。用意したビラはまたたく間に通行する人たちの手に渡り、20人を超える署名が集まりました。
 用意したビラがなくなろうとした時、制服警官が現れ、スピーカーがうるさく営業に差し障りがあると店の通報があったからやめろと言うのです。「私たちのやっていることが営業を妨害しているなんて考えられない」「具体的にそんなことがあったのか」「店の人から直接聞いていない」など押し問答しながら、ビラがなくなるまで街宣をやりぬきました。そして、「これからもやるから」と告げて現場を後にしました。
 9月9日の天皇来蘭を前に、事前警備で街は制服警官・パトカーの巡回で「制圧」されている状態です。天皇が来る街で反原発の運動などさせないぞという権力の意思を感じました。
 私たちはこんなことにはめげず、これからも「原発をすぐ止める」「労働組合をよみがえらせるぞ」の活動を続けたいと思います。

 山本義隆氏の反原発論にさすがだと思う 東京 堀北真治

 元東大全共闘議長の山本義隆氏がみすず書房から『福島の原発事故をめぐって――いくつか学び考えたこと』という著書を出した。「フクシマの怒り」をともにしつつ、物理学や科学史ばかりか文学も含めて広い見識をもって反原発の論陣を張っている。在野の学者としての良心を感じさせる。100nの中に学び知ることが大いにある。
 本は3章構成で、1章は「日本における原発開発の深層底流」。2章は「技術と労働の面から見て」。3章は「科学技術幻想とその破綻」。
 1章は「原子力の平和利用の虚妄」性について明らかにしている。アメリカ帝国主義がソ連スターリン主義に対する優位を保ち世界支配を貫徹するために「平和利用」を言い出した。日本帝国主義も核武装化、大国化のために「平和利用」論に乗じて原発政策を推進してきた。
 次章は原子力発電がきわめて未熟で欠陥に満ちていることが明らかにされている。核分裂エネルギーを利用する原発は、分子のレベルの科学技術、化学工業などに比べて超危険だ。永遠になくならない「死の灰」を原爆よりも大量に生み出す。原発の稼働のためには被曝労働が避けられないことも指摘されている。「原子力発電は、たとえ事故を起こさなくても非人道的なのである」
 最後の章は著者ならではの科学史の観点からの原発批判である。ルネッサンスは、教会が支配した暗黒の中世から人間中心の時代を築いたと一般に理解されているが、人間が自然を征服できると勘違いしている科学技術の原点ともなった。
 原発は国家主導でつくられた巨大科学技術であり、今や「原発ファシズム」体制をなしている。だから原発をなくすことは革命に直結している。

 トルコはクルドへの爆撃やめろ!とデモ 東京入管収容所を考える会 S

 8月17日からトルコ政府がイラク国境付近のクルディスタン地域に対して大規模な攻撃を行っています。クルド人の独立運動組織PKK(クルド労働者党)の解体を狙ったものですが、攻撃は無差別的に行われています。空軍の戦闘機による空爆作戦や地上からは砲撃部隊を投入して砲撃を行っています。8月20日には13カ所、21日には4カ所、22日には7カ所を空爆し、合計で132カ所が空爆され、砲撃は349カ所に対して行われています。トルコ軍は90〜100人を殺し、80人を負傷させたと発表しています。
 イラク北部のクルド地域自治政府のマスード・バルザーニー大統領は、カンディル山への空爆でセルゲセル区を走行中の自動車1台が爆撃され、児童2人を含む一家7人が死亡したとして、トルコ政府を非難し、攻撃を直ちにやめるよう要求しています。
 こうした事態を受けて8月29日、日本在住のクルド人が緊急に呼びかけた渋谷デモに、私たちも参加しました。緊急にもかかわらず130人が参加、神宮前の公園から青山通りを国連難民高等弁務官事務所へ。表参道と繁華街を通る女性や子どもたちを先頭にしたデモは沿道の人びとの注目を集めました。デモ隊は「無差別虐殺の戦争をやめろ」「どんな攻撃にも負けないぞ」と訴え、力強く行進しました。
 クルド人は3千万人とも5千万人とも言われ、独自の国家を持たない世界最大の民族と言われています。居住地域はトルコ、イラン、イラク、シリアに分断され、トルコやイランの政府によって弾圧され、民族の独立が認められていません。クルド人の独立運動に対して、トルコ政府、イラン政府の激しい弾圧が続いています。日本にも多くのクルド人が迫害を逃れて難民として来ていますが、許せないことに政府はただの一人も難民として認めていません。

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週刊『前進』(2502号8面4)(2011/09/05 )

法大裁判に集まろう!

★4・24集会弾圧裁判(控訴審)
第1回公判 9月22日(木)午後1時30分
★暴処法弾圧裁判
第24回公判(被告人質問) 9月29日(木)午後1時30分
 ※いずれも東京地裁429号法廷
 12時半に傍聴券配布所に集合

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