ZENSHIN 2011/08/22(No2500 p06)

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第2500号の目次

熱気の8・15労働者・市民のつどい 東京・なかのゼロ小ホール=記事6面

1面の画像
(1面)
「全原発なくせ!」全国で大運動を
闘う労働組合を甦らせ職場から外注化・非正規化を打ち破ろう
9・11-9・19反原発大闘争へ
記事を読む  
動労千葉呼びかけ
JRの偽装請負を告発する8・30大集会に結集しよう
記事を読む  
戦争翼賛の靖国参拝を弾劾 8・15デモ 記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
(2面)
外注化・非正規化粉砕の決戦へ
青年労働者を圧倒的に組織し職場からJR体制打倒しよう
革共同国鉄委員会
記事を読む  
多摩支店当局が暴力行為  郵政非正規ユニオン 抗議声明で謝罪求める 記事を読む  
(3面)
自治労長野大会決戦アピール  9・11-19反原発闘争から11・6労働者集会の成功へ 記事を読む  
自治労全国保育集会 新システム反対で圧倒  絶対反対派に続々と共感 記事を読む  
“東電、ふざけんじゃねえ”  8・12大集会
福島の農林漁民が東京で
記事を読む  
改正障害者基本法 国の責任放棄の悪法  新成長戦略と一体の分断策 記事を読む  
“今すぐ除染と疎開を”  「福島の子どもたちの声を届けよう!」対政府交渉
健康破壊への無対応に怒り
記事を読む  
(4面)
フクシマの怒りと結び反原発・三里塚決戦の勝利を
現闘本部破壊の暴挙を許さず労・農・漁民の連帯で総反撃へ 
小寺 麦
記事を読む  
全ての原発今すぐなくせ  原爆ドーム前から世界に向け 「8・6ヒロシマ宣言」を発信 記事を読む  
2011年日誌 8月9日〜16日
「尖閣諸島で実力行使」と枝野/米韓合同演習が始まる
記事を読む  
(5面)
全国学生は全学連大会に結集しよう A
法大闘争を全国に拡大し大学を反原発闘争の砦に  マル学同中核派・法大支部
記事を読む  
2011年版防衛白書 中国との対決が前面に  3・11下で日米同盟強化狙う 記事を読む  
イギリス青年労働者の反乱  全土に「生きさせろ!」の叫び  革命を切り開く歴史的決起 記事を読む  
(6面)
“原発とめよう 世の中かえよう”  第17回8・15労働者・市民のつどい
“反戦・反原発・反失業を闘う”  シーハンさんや民主労総と共に
記事を読む  
「つくる会」系教科書許すな  沖縄・八重山での採択阻止を  自衛隊実戦配備の狙いと一体 記事を読む  
前進社不当捜索国賠訴訟 “開示命令を出せ”  捜索関連文書巡り決戦 記事を読む  
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  

週刊『前進』(2500号1面1)(2011/08/22 )

 「全原発なくせ!」全国で大運動を

 闘う労働組合を甦らせ職場から外注化・非正規化を打ち破ろう

 9・11-9・19反原発大闘争へ

 8・6広島−8・9長崎闘争、8・15靖国−反原発集会を頂点とする8月前半の闘いは、福島原発大事故と大恐慌下の戦争・大失業攻撃に対する怒りを爆発させ、「すべての原発を今すぐ止めろ、廃炉にせよ!」「原発再稼働絶対阻止!」を真っ向から掲げた反原発・反戦反核闘争、国際連帯闘争として大高揚をかちとった。この地平から、いざ2011年後半決戦へ! 国鉄と反原発を2本柱に9・11反原発百万人大行動に総決起し、11月労働者集会へ闘って闘って闘い抜こう。
(写真 熱気の8・15労働者・市民のつどい 東京・なかのゼロ小ホール=記事6面)

 泊原発の営業運転再開を弾劾する!

 8月17日、経産省原子力安全・保安院が北海道電力泊原発3号機の定期点検終了証を高橋知事に交付し、3号機は営業運転を再開した。「原発なくせ!」の圧倒的な声を踏みにじる暴挙だ。絶対に許せない!
 福島第一原発では、今も1時間に1万_シーベルトという、数十分で死に至る高い放射線が検出されている。福島の子どもたちの45%が甲状腺の内部被曝をしていることも明らかとなった。放射性物質を含む汚泥や焼却灰が処理できずに、その量は14都県で少なくとも12万dに上る。原発事故の放射能被害は底なしに拡大しようとしている。人類と核・原発は共存できない。全原発を直ちに停止・廃絶しよう。再稼働を断じて許すな!
 民主党・菅政権は8月5日、原発輸出を続ける閣議決定を行い、ベトナム、トルコ、ヨルダンへの原発輸出を狙っている。日本帝国主義は、核武装や新自由主義の電力源確保のために、原発を絶対手放そうとはしない。日本経団連会長・米倉は、「原発に依存しないと、経済成長が落ちる」とうそぶく。資本家階級にとって、労働者人民の命よりも原発と金もうけが大事なのだ。放射線医学の「専門家」=御用学者どもを動員し、「100_シーベルトまでなら大丈夫」「低線量被曝は問題ない」「内部被曝も身体に影響はない」などと大ウソを大宣伝している。
 8月12日、福島県農林漁業者総決起大会が日比谷野音に農漁民など3千人を結集して闘われた。「原発事故ですべてを失った!」「損害賠償を早く支払え!」「私の人生を返せ!」「福島の自然を返せ!」「国の責任で元に戻せ!」など、政府や東京電力に激しい怒りがたたきつけられた。17日には、福島の子どもたちが永田町に乗り込み、「なぜこんなつらい目に遭わないといけないのですか!」と官僚たちに迫り、心から訴えた。
 今こそフクシマの怒りと結び、全原発の即時停止・廃炉へ、原発を推進してきた犯罪者の責任を徹底的に追及し、打倒しよう! 「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」(な全=NAZEN)が呼びかける「原発再稼働絶対阻止!」の1000万署名を職場・地域・街頭で集めよう。仲間を組織して9・11反原発百万人大行動に総決起しよう。自治労本部や日教組本部の制動を粉砕し、9・19を組合員の怒りで原発絶対反対集会に塗り替えるために、その先頭に立って闘おう。

 外注化攻撃の実態は完全な偽装請負

 動労千葉は「外注化阻止・非正規職撤廃! JRの偽装請負を告発する8・30大集会」を呼びかけている。全力で結集しよう!
 JR東日本は10月1日から京葉車両センターの構内運転業務の一部外注化を狙っている。これは完全な偽装請負だ。千葉労働局ですら「偽装請負の疑いがある」と言っている。動労千葉は、偽装請負を告発しつつ、外注化阻止決戦に突入している。外注化・非正規化は、資本によるコスト削減=利潤追求を狙うもので、人員削減と低賃金・労働強化に加え、鉄道輸送の安全を崩壊させる。外注化・非正規化という大合理化攻撃に対し、動労千葉は反合・運転保安闘争路線を貫き、10年以上も外注化を止めてきた。そして今、外注化阻止闘争を闘いながら平成採の青年労働者を獲得し、青年部建設に突き進んでいる。
 動労千葉の闘いに続き、自分の職場で「解雇撤回! 民営化・外注化・非正規化阻止!」を闘い、8・30大集会に結集しよう。民営化と外注化・非正規化は、偽装請負や労働基準法違反を不可避とし、青年労働者を低賃金に突き落とす大攻撃だ。一切の「雇い止め」解雇を絶対に許さず、職場で怒りと闘いを組織し、資本に大反撃をたたきつけよう。
 外注化・非正規化の極限的姿が原発労働だ。原発労働は8層〜9層の下請け労働であり、完全な偽装請負だ。青年労働者から仕事を奪い、非正規に突き落として、「仕事が欲しかったら原発で働け」と、低賃金で被曝労働を強制している。こんなことが許せるか!
 こんな現実が横行するのは、外注化・非正規化を労働組合が認め、推進してきたからだ。電力総連は「原発労働は危険だから、別会社に委託を」と、率先して外注化・非正規化を電力会社に要求してきた。この腐り切った御用労働組合の犯罪性を絶対に許すな!
 だが動労千葉のように偽装請負を告発し、職場から実力闘争で闘えば、外注化・非正規化を粉砕することができるのだ。資本は3・11大震災で危機を深め、職場支配の力を失っている。資本家階級と労働者階級の力関係は激変した。労働者が現場から実力で立ち上がれば、資本の支配を職場から突き崩すことが可能な情勢である。一切のかぎは労働運動の復権だ。民営化・外注化・非正規化と闘って、闘う労働組合を職場から再生しよう。
 民営化・外注化・非正規化と原発建設ラッシュは、国鉄分割・民営化と総評解体=連合化こそが決定的な節目となった。それは労働運動が解体された結果である。だから国鉄決戦に勝つことが重要なのだ。国労本部の闘争終結宣言を打ち破り、国鉄1047名解雇撤回と反原発闘争を一つに結合して、今こそ労働者の怒りを爆発させよう。
 8月24日から長野で自治労大会だ。反原発闘争の高揚に追い詰められた自治労本部は、原発推進の立場を自己批判せず、原発推進の民主党支持を続けながら、「脱原発」を言い出した。こんなペテンがあるか! しかも大会では、公務員制度改革という公務員労働者の首切り自由化や、「子ども子育て新システム」という民営化・首切り・非正規化を推進し、現業労働者の切り捨てを方針化しようとしている。民営化・非正規化を推進しながら何が「脱原発」だ。反失業・反原発へ怒りを爆発させ、自治労本部を打倒し闘おう。

 革命に勝利する党へ目的意識的闘い

 米国債の債務不履行(デフォルト)の危機と格下げは、戦後世界体制の柱であったドル基軸通貨体制崩壊の始まりだ。米帝はこのドル支配の崩壊をくい止めるためにも侵略戦争・世界戦争への衝動を強める。10日、延坪島(ヨンピョンド)付近の公海上で北朝鮮軍と韓国軍の砲撃戦が再び行われた。16日からは北朝鮮への侵略戦争を想定した米韓合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン」が始まった。米軍約3万人、韓国軍約5万6千人のほか、韓国政府関係者ら計53万人が参加する国を挙げた一大戦争訓練だ。
 資本主義・帝国主義は、労働者を「労働力という商品=モノ」として扱い、ひたすら利潤を追い求め、最後は世界戦争=核戦争に行き着く。資本主義の本質は「大洪水よ、我が亡き後にきたれ!」(マルクス『資本論』)だ。大恐慌下でこの最末期帝国主義と新自由主義の矛盾が、3・11大震災−原発事故として爆発した。もはや資本主義のもとでは労働者は生きられない。資本家階級とその国家を打倒し、労働者が主人公の新しい社会を打ち立てよう。エジプト2月革命に続き、イギリス、イスラエル、中国、全世界で労働者階級人民の反乱が爆発している。この革命的情勢をプロレタリア世界革命に転化しよう。
 革命勝利のためには、闘う労働組合をよみがえらせると同時に、目的意識的に職場に労働者細胞をつくり、革命党を強固に建設することが必要だ。革共同を革命に勝利する労働者党、青年労働者・学生の党として鍛えよう。闘う労働者と学生は革共同に結集し、プロレタリア革命勝利へともに闘おう。圧倒的な夏期カンパを革共同に集中されることを訴えます。

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週刊『前進』(2500号1面2)(2011/08/22 )

 動労千葉呼びかけ

 JRの偽装請負を告発する8・30大集会に結集しよう

  動労千葉が8月30日に開催する「外注化阻止・非正規職撤廃!JRの偽装請負を告発する大集会」の呼びかけを発した。全力で駆けつけよう!(編集局)

 全国の闘う仲間の皆さん。国鉄闘争へのこの間のご支援に心より御礼申し上げます。
 さて、JR東日本は2001年以降業務の全面的な外注化を進めています。それは、7分割・民営化した鉄道事業を数百の子会社・孫会社にバラバラにして丸投げ外注化しようとする究極の合理化攻撃です。こんなことをしたら、労働者の雇用や権利は根本から打ち砕かれ、安全は崩壊します。
 私たちは、攻撃が開始されて以降数十波のストライキを構え、組織の総力をあげて立ち向かってきました。その闘いは、東労組等が裏切り妥結する状況にも係わらず、千葉支社では10年間にわたって外注化をストップさせる大きな成果をかちとりました。闘いの渦中で実現した組織拡大が資本を追いつめたのです。そして今、10年間に及ぶ攻防戦は最大の焦点を迎えています。しびれをきらしたJR千葉支社が、10月1日付で構内運転業務の外注化を強行しようとしているのです。私たちはあらゆる手段を尽くしてこの攻撃を止めるために闘いぬく決意です。
 国鉄分割・民営化以降、労働運動は後退を余儀なくされ、1000万人をこす労働者が非正規職に突き落とされました。新自由主義攻撃のもとで労働者は最底辺に落ちてゆく競争に駆り立てられ、労働組合はそれに有効な反撃を行うことができなかったのです。全てを民営化・競争原理に呑(の)み込んでいった攻撃は、単に官から民へというだけでなく、規制緩和の流れにのって、民間大企業の全てが業務を派遣会社や子会社・孫会社にアウトソーシング・外注化したり、別会社化しました。それが「外注革命」と称しておし進められたのです。経費削減のためには手段を問わず全てを丸投げする。そしてそれが貧困と格差を拡大再生産する――これがこの20年余り、労働者を襲った現実でした。
 しかしそのほとんどは「偽装請負」にあたる違法行為でした。しかしそれがまかり通ったのは、労働組合がそれを容認し、それを「合法化」し、労働者に強制したからでした。「労働運動の不在」どころか、労働組合が新自由主義政策の手先となる現実が生み出されたのです。
 3・11大震災以降、労働者への攻撃はさらにエスカレートしようとしています。今こそ、こんな現実を断ち切るために闘う労働組合を甦(よみがえ)らせなければなりません。そしてそれは、民営化−外注化攻撃と立ち向かうことなくしては空論です。
 私たちは、国鉄分割・民営化攻撃を絶対にあいまいにしないこと、そして今職場で火花を散らしている外注化攻撃との攻防戦を全力を尽くして闘いぬくことこそが、階級的労働運動の復権に向けた最短の道であると確信しています。その闘いをやりぬくことができれば、今はまだ団結する手立てを見いだせていない労働者の怒りの声が堰(せき)をきったように流れだすこと、今日はまだおとなしい労働者の大反乱が始まるであろうことを確信して立ち上がります。
 動労千葉は、決戦への突入にあたり、表記集会を開催します。ぜひとも多くの皆様のご参加をお願い申し上げます。

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 外注化阻止・非正規職撤廃!

JRの偽装請負を告発する大集会

 8月30日(火)午後6時30分(6時開場)
 東京・すみだ産業会館8Fサンライズホール(JR総武線・錦糸町駅南口の正面 丸井の上)
 主催/国鉄千葉動力車労働組合

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週刊『前進』(2500号1面3)(2011/08/22 )

 戦争翼賛の靖国参拝を弾劾 8・15デモ

 8月15日朝、反戦共同行動委員会が靖国神社参拝阻止デモを闘いぬいた。朝8時、靖国神社に隣接する法政大学の正門前の外濠公園に労働者・学生が集まった。
 北島邦彦・反戦共同行動委事務局長が「侵略戦争賛美の靖国参拝を許さない。杉並で育鵬社・自由社の教科書採択を阻んだ」と報告。全学連の織田陽介委員長は「法大闘争に勝利してきたこの場からデモに立とう」と訴え、韓国民主労総ソウル本部のノミョンウ首席副本部長は「勝利までともに闘う」と表明した。動労千葉の佐藤正和さんが「8・30大集会に参加を」、東京反戦共同行動委の三角忠さんが「右翼の妨害を打ち破り闘おう」と訴え、デモに出た。
 右翼が沿道から妨害を図り、警察・機動隊は労働者1人を公務執行妨害をデッチあげて不当逮捕した(翌16日に奪還)が、こうした敵対を打ち破って全原発廃炉へ突き進むデモを闘いぬいた。(写真)
 菅内閣の閣僚は、労働者の怒りを恐れて一人も参拝できなかった。都知事・石原慎太郎は、打撃感もあらわに「あいつら日本人じゃない」とののしった。

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週刊『前進』(2500号1面4)(2011/08/22 )

前進速報版から 前進速報版から

▼江戸川区で御用学者のウソ暴く講演会▼「原発とめて世の中変えよう!」8・15集会が大高揚▼イスラエルで労働者が歴史的な決起

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週刊『前進』(2500号2面1)(2011/08/22 )

 外注化・非正規化粉砕の決戦へ

 青年労働者を圧倒的に組織し職場からJR体制打倒しよう

 革共同国鉄委員会

 3・11以降の動と反動の激突情勢は、国鉄決戦を正念場に押し上げている。革命の戦略的大準備の核心は、国鉄決戦に勝ちぬき、闘いを組織し、拠点を建設することにある。動労千葉はすでに検修職場の全面外注化・基地統廃合の攻撃に対し、職場生産点の攻防でそれを阻止する闘いに立ち上がり勝ちぬいている。被災地・福島の仲間たちは、3・11以降の極限的な攻撃と対決し、放射能汚染下で新たな職場闘争に立ち上がっている。動労千葉が主催する8・30集会はJRに宣戦布告を発する怒りの結集点となる。この闘いを本当に勝利させるため、全国で国鉄決戦を新たな次元に押し上げなければならない。
(写真 和解を拒否した闘争団員を先頭に「共に闘う国労の会」は国労大会での国労本部の歴史的裏切りを徹底的に弾劾しぬいた)

 グリーンスタッフへの雇い止め攻撃を阻もう

 新たな国鉄決戦は国鉄分割・民営化に決着をつける闘いであり、一切を決める鍵は青年労働者の獲得だ。青年にとって最大の問題は非正規職化と外注化にほかならない。
 JR東日本の場合、グリーンスタッフ(GS)と呼ばれる契約社員が3000人いる。すべて青年労働者だ。1年契約を最大4回更新し、5年間で正社員になれなければ必ず解雇される。正社員試験に合格できるのはわずか2割強にすぎない。GSへの雇い止め攻撃を絶対に阻止しよう。
 問題を解雇の違法性に切り縮めてはならない。むしろ、日々の労働のあり方にこそ青年の苦悩と怒りがある。日勤以外に月に最大10回もの徹夜勤務がある。ひとたび事故や故障でダイヤが乱れれば、客の批判や罵声(ばせい)を一身に受けながら冷静に説明や誘導をやらなければならない。正規職の新入社員は駅に配属されても2〜3年で車掌に移っていく中で、この過酷な仕事の中心を担っているのがGSだ。
 最前線で過酷な仕事をしている者が5年で解雇される。毎日が、このやりきれない気持ちとの闘いだ。勉強すれば正社員になれるわけではなく、「駅長評価」というものがある。職制の理不尽な命令にも黙って従い、くだらない罵声を聞き流さなければならない。就業規則にもない反省文を書かされる。遅刻程度でいきり立ち「お前は飲酒禁止だ」「今後、飲み会の参加も許さない」と私生活まで指示する職制もいる。5年を待たずに自ら退職してしまう青年も多い。それに対して「退職を見越して多めに採用しているから構わない」とほざく管理職さえいる。
 夢と希望を抱いてJRに入ってきた青年たちが、日々「何のためにこんなことをやっているのか」「おれは使い捨ての道具なのか」と絶望と闘い、歯を食いしばって働いているのが現実だ。

 「偽装請負」が外注化の実態

 外注化問題も青年労働者にとって本質的に同じだ。鉄道業務は一定の習熟を必要とするため、外注化といってもJR社員の出向が軸となる。つまり出向に行かされる者とJRに残って出世していく者に完全に分断され、格差をつけられるのだ。JRは最終的には一部の管理職コースを残して、残りのほとんどを外注化・非正規職化することをもくろんでいる。
 しかも外注化は「偽装請負」すなわち違法行為なしには成り立たない。
 まじめに仕事をし誇りを手にした青年たちが、紙切れ一枚で出向会社に飛ばされ、勤務形態も出勤時間も変わり、人間扱いもされず、文字通り商品としてあちこちに追いやられる。JRに残るため職制のどんな暴言にも耐え、ゴマスリが職場で横行する。生きる希望そのものが奪われるのだ。
 だが青年労働者のこうした葛藤(かっとう)がひとたび怒りに転じた時、そこから発揮されるエネルギーはいかなる制動も吹き飛ばして進む。青年の持つこの革命的自己解放の力を徹底的に解き放っていくのが国鉄決戦の指導原理である。
 青年の非正規職化・外注化に対する深い怒りと、原発に対する怒りは同根・同質だ。資本の関心は利潤追求だけであり、労働者を利潤を生むための道具としか見ず、徹底的な抑圧のもとに置こうとし、生活はもちろん大量の命が失われても躊躇(ちゅうちょ)しない。この現実に対する根源的な怒りなのである。
 6・19福島闘争、7・17いわき闘争の中から発せられた「ふるさとを返せ! 線路を返せ! 未来を返せ!」というスローガンは渾身(こんしん)の叫びである。青年労働者の現実をとらえた時に、生きるための闘いが真に革命の路線となり、国鉄決戦と反原発闘争はひとつになる。
 すでに動労千葉は、外注化・基地統廃合を切っ先とする組織破壊攻撃に対し、青年部の再建を軸に反撃を開始している。福島を先頭とする被災地の労働者の思いと深く結合し、動労千葉が主催する8・30大集会に青年労働者を組織しよう。青年の怒りの根底性に確信をもち、徹底的に肉薄しよう。必ず革命的に結合することはできる。

 JR大再編=大震災下の最先端攻撃うち破れ

 この決戦は、帝国主義がいよいよその生命力を喪失しようとしている情勢の中で闘われる。
 今やアメリカ経済は根本的に大破産を遂げつつあり、イギリスやイスラエルなどで暴動的決起が巻き起こっている。
 日本階級闘争は、全世界の労働者階級の闘いの先端に位置している。
 3・11はすべてを一変させた。ブルジョアジーは自衛隊で被災地と日本全土を制圧し、警察を総動員し、マスコミを牛耳って情報を統制し、御用学者だけを登場させてデマを振りまき、「政治休戦」という名の階級闘争圧殺に全力を挙げた。天皇まで動員して挙国一致を図ろうとした。“地震と津波は天災であり誰にも責任はない。責任追及ではなく階級融和の精神で助け合いが必要だ”と叫び立てた。
 3・11は、プロレタリアートや農民・漁民、そして学生にとっても歴史の転換点だった。政治家、資本家、学者、マスコミ、さらに御用組合幹部はすべて、労働者人民を「使い捨てできる道具」としか思っていない。このことが隠しようもなく明らかになる中で、数百万の人びとが新たに闘いに立ち上がった。しかも、多くは人生をかけてこの闘いをやり遂げる決断をしている。「3・11で自分は変わった」「価値観がひっくり返った」と皆、口々に言っている。反原発と反失業はひとつの闘いだ。資本の利潤追求と延命のために労働者人民を虫けらのように扱うことに対する怒り、そのような社会に対する根底的批判が始まったのである。
 決起の形態はさまざまであり、あらゆる政治勢力がこれに絡んでいる。しかし核心において、資本主義体制を打倒する以外にない闘いに膨大な人びとが命がけで立ち上がっているのである。
 そして、この勝敗を決する最大の戦場が国鉄決戦だ。なぜなら、敵階級はこの戦場において、闘う労働運動の総体を国を挙げて解体しようとしているからだ。

 「原発継続」を叫ぶJR資本

 3・11情勢の中で、JR東日本会長の大塚が経団連副会長に就任し、JR資本がブルジョアジーの先頭に立っている。JR東海会長の葛西は「原発継続しか活路はない」(産経新聞)と言い放ち、JR東海傘下の雑誌『WEDGE』7月号は「それでも原発/動かすしかない」という特集を組んだ。そしてJRは、国鉄分割・民営化体制の行き詰まりの核心としてあるカクマルによる労務支配を転換し、ブルジョアジーの意志をストレートに貫徹する御用組合をつくる策動に入った。

 資本の先兵と化す国労本部

 その核心にあるのは、JRの青年労働者をとことん資本に屈従させる攻撃だ。これがJR大再編にほかならない。
 こうした中で国労本部は、資本を救済するための最悪の御用組合に国労を変質させる決定的な裏切りに踏み込んだ。
 高橋委員長は大会あいさつで「時代の要請として連合への加盟を真剣に議論し、決断と実践に移す時がきている」「JR産別としての社会的責任を全うする」と言った。そして国鉄1047名闘争を終結させ、闘争団員の組合員資格を剥奪(はくだつ)し、今後、JRを解雇された者はすべて組合員資格を失うという規約に改定した。解雇撤回闘争に二度と取り組まず、契約社員の雇い止めを認めることを組織原則として表明したのだ。大会宣言では「不幸な労使紛争が二度と繰り返されることのない健全な労使関係」に踏み出すことがうたわれた。
 これに対して革共同国鉄委員会と国労共闘、「共に闘う国労の会」は怒りを爆発させた。この怒りは人生をかけたものだ。“国労をこんなやり方で腐らせてたまるか!25年間あらゆる弾圧と処分に耐え、組織を守り、解雇者とともに闘ってきた末にJRの手先になるとはどういうことか!”という怒りである。
 JRを相手に25年間闘い、解雇撤回を貫いてきたのは、この時代のためだった。今こそ反原発と反失業の闘いの先頭に立ち、闘う労働組合の力を敵に思い知らせてやる時だ。あらゆる闘いの先頭に立つのがおれたちの国労だ!――この怒りは、国労のすべての現場労働者に多かれ少なかれ宿っている気持ちを体現したものだった。
 「共に闘う国労の会」は大会会場前で抗議の集会をやりぬいた。JR資本を救済する労働運動か打倒する労働運動か、「原発を推進しろ」と言っている資本家どもと手を組むのか、それとも被災地で命をかけて闘う人びとやクビを切られる契約社員たちと一緒に生きるのか。会場に入る役員、警備に出てくる組合員にこの二者択一を突きつけた。本部の誰も二の句が継げず、顔は青ざめ下を向いてやりすごすしかない。いたたまれなくなった代議員たちが急遽(きゅうきょ)、「国労が不当処分と認定した解雇者は、本人の希望により組合員としての資格を継続することができる」という修正動議を提出したが、さしたる討論もなく否決された。なんの展望も確信もなく、ただ資本に寄り添っていくしかないのが国労本部だ。
 これに比して「共に闘う国労の会」の仲間は実に晴れやかであり、「おれたちならやれる」という自信と勝利感を手にしている。それは、この日に至る代議員選挙の過程で日々職場を訪問し、原告団物販を持ち込み、討論を重ね、誰も本部を支持しているわけではなく現状を嘆いており、真の闘う指導部の登場を望んでいることを体でつかんできたからだ。
 午後の集会では「われわれは今こそ責任勢力へ飛躍する時だ。国労を闘う労働組合に変えるのがわれわれの任務だ」(基調報告)と宣言した。ここに国鉄決戦は新たな幕を開けたのだ。

 今こそ攻めに転じる時 「国労の会」300人建設へ

 国鉄決戦の方針をあらためて鮮明にさせたい。
 その第一は、今こそ国鉄分割・民営化絶対反対、1047名解雇撤回の旗を高々と掲げ、契約社員雇い止め阻止の大闘争を組織することである。東日本GSの正社員試験はすでに終わり、9月中にも数百人の雇い止め対象が決まる。来年3月末に解雇が強行されようとしている。これは、東日本で初めて、正確に言えば90年4月の1047名解雇以来の大量解雇である。来年3月までの半年はまさに決戦期だ。青年の非正規雇用への怒りを組織する決定的な局面が到来しているのだ。
 系統的に青年にビラを渡し、あらゆる形態で討論を重ねよう。産別を越えて非正規職の労働者が闘っている事実、とりわけ郵政で雇い止め阻止の闘いが本格的に始まっていることを重視してJRの青年に知らせよう。
 国労本部が契約社員の雇い止めと闘わないことを綱領的に決定した中で、この闘いは職場に大きな分岐をつくり出す。また、JR総連こそ非正規職化・外注化を資本とともに強行してきた最大の元凶だ。この闘いはわれわれにしかできない闘いであり、JR再編全体をガタガタに揺さぶるものとなる。動労西日本(動労総連合)が全力で闘う契約社員制度撤廃の闘いと結合し、ここに最大の力を投入して、青年労働者とともに雇い止めを阻止しよう。
 方針の第二は、第2の分割・民営化と言うべき外注化・非正規職化の攻撃と対決し、職場のあらゆる要求・課題を討議し、絶対反対で団結を組織することである。重大課題は山積みだ。しかし、国労本部はこの秋、御用組合としてJR資本に認められるための「飛躍」で矛盾だらけになっている。その反動を貫徹しきる指導力も人材も残っていない。われわれが果敢に攻め込んでいく重大なチャンスである。
 東日本ですでに提案されている「新人事・賃金制度」は、「人事考課」で青年を分断し、「基本給号俸表」をなくして団結を破壊し、退職金の大幅減額などで低賃金を強いるものだ。ところが国労本部は「少数組合に撤回させる力はない」として、これを丸のみしようとしている。
 また「総合労働協約」についても、多くの組合員が異議や疑問を唱えているが、本部は「反対ではなく改善を」とうそぶいて強行しようとしている。こんなものは25年遅れの「労使共同宣言」以外のなにものでもない。
 「エルダー社員制度」も怒りの的になっている。シニア制度に代わって08年4月から始まったエルダー社員制度の最大の矛盾点は、「60歳で退職した者に出向を命じる」ことにある。「高齢者雇用対策法」も逸脱し、60歳定年制度をそのままにして外注化要員とし、最低賃金で5年間こき使う究極の使い捨て制度だ。しかも今回は前年10〜11月までに行き先を提示するという団体交渉決定も崩している。「行き先がないなら本体に戻せ!」ということだ。
 こうした重大課題はすべて国労本部の裏切り・協力があって初めて可能になったのだ。現場から反対の声を組織し、一つひとつの会議で反対の論陣を張り、本部打倒のフラクションを建設しよう。必ずこの過程でブレークスルーできる。勝負を決するのは職場の攻防だ。攻勢的に闘おう。
 方針の第三は、11・6労働者集会1万人結集の核として「共に闘う国労の会」300人の隊列を組織することである。本当に300人を組織することが可能なところまで情勢は成熟した。もはや国鉄分割・民営化に怒りを表明する者は国鉄闘争全国運動に結集する以外にない。
 これらの闘いはまた、1047名解雇撤回闘争を新たな地平に押し上げる。解雇撤回をあくまで貫く動労千葉争議団と和解拒否闘争団の闘い、それを支える物販闘争は、JR大再編情勢に切り込む決定的な武器である。
 これまでの概念をぬぐい去り、大胆に名簿をつくり直し、圧倒的に広く、新しい層の組織化に打って出る時が来た。平成採・契約社員だけではない。これまでは強く反発していた協会派や革同のゴリゴリの人物であっても、まじめな人物の多くが3・11と国鉄をめぐる情勢に危機感を抱いている。本当に300人を組織するために、各エリア大会攻防からこの秋、全力で闘いぬこう。

 マルクス主義で獲得しJR内にマル青労同を

 この決戦の勝敗を決するのは党建設である。特にJR内部に無数のマル青労同をつくり出す闘いだ。資本や権力の弾圧、スターリン主義や極悪社民の妨害に勝ちぬいて闘いを勝利させていくためには、強固な革命指導部が青年労働者の内部にどうしても必要なのである。それは、つまるところマルクス主義への獲得である。マルクス主義に確信を持った階級的指導部団としてマル青労同を建設するのである。
 マルクス主義の核心はプロレタリア自己解放の原理にある。
 青年労働者の問題意識は「労働者は資本家に使い捨てられるだけの存在なのか」「自分たちは何のために生きているのか」「どうすればこの現実を変えられるのか? 怒りを行動に移して果たして意味があるのか」という点に集中している。これに真っ向から回答できるのはマルクス主義しかない。
 マルクス主義は、今の社会も資本主義社会である限り資本家階級が労働者階級を支配する階級社会であることを明らかにした。資本主義は、一部の肥え太った資本家が、利潤追求だけを動機として、圧倒的多数の労働者を使い捨てることを競い合う、非常に特殊で腐敗したひとつの歴史的社会である。発展すればするほど、膨大な労働者がより貧しくなり、生活も労働も苦しくなるという転倒した社会である。労働者階級は、この資本主義社会を打倒しうる誇りある階級だ。労働者が勝利するために、労働者の党が必要なのである。
 青年が自己解放的にマル青労同へ結集する時代が来た。JR内部に今こそ強固な党の拠点を建設しよう。マルクス主義の学習会と機関紙フラクションを開催し、青年と討論し、党への結集を呼びかけよう。労働組合の再生と党建設は一体の事業である。この秋の決戦を戦略的な一大飛躍点としよう。

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週刊『前進』(2500号2面2)(2011/08/22 )

 多摩支店当局が暴力行為

 郵政非正規ユニオン 抗議声明で謝罪求める

 「バイト風情が」と許し難い暴言

 6月に結成された郵政非正規ユニオンの委員長に対して8月12日、東京多摩支店当局により、組合を敵視するむき出しの暴力的脅迫行為がなされる事件が発生したことがわかった。ユニオン執行委員会は支店長あての抗議声明を発し、暴力行為および不当労働行為の全面的な謝罪と事実公表を求めるとともに、15人の雇い止め(6月末)撤回をあらためて要求した。15人の非正規社員雇い止めについては、現在、当局との団体交渉などがねばり強く闘われている。
 郵政非正規ユニオン執行委員会の15日付「抗議声明」によれば、12日の深夜午前1時頃、委員長が構内で作業中にパレット(手動荷車)同士が接触したことで、相手のA氏から「死ね」「殺してやる」などの激しい脅迫的暴言を「顔面数センチ近くまで接近して」浴びせられ、さらにパレットに積んだメールボックスを数回にわたってけり上げられるという暴力行為が発生したという。
 そしてこの脅迫と暴力行為について、当局は全員ミーティングでとりあげ、なんと「事情調査はしない。ケンカ両成敗で2人に辞めてもらう」と暴力行為を擁護して委員長への雇い止めを予告するような発言を行った。
 さらに同日午後10時に委員長が出勤した直後、当局は「事情聴取」と称して、衆人環視の職場の中で「ばかやろう!(ママ)」「このクズが!」「バイトの分際で!」「組合なんかつくりやがって!」「バイト風情のバカのクズが、社員を煩わせやがって……」「職場改善なんかおれはやらない!」と聞くに堪えない差別的暴言と組合敵視の罵声を2時間以上にわたって、正規の休憩時間も奪う形で浴びせ続けたという。委員長は、この前代未聞の脅迫行為に毅然(きぜん)と対応し、怒りをこらえて対峙(たいじ)し抜いた。
 委員長をはじめ組合員は「これはパワハラの域を超えた脅迫犯罪だ」と強い憤りを表明し、正当な対抗措置を執ることを宣言している。

 民営化の本質があらわになった

 当局者の対応と言動は暴力行為であり、組合敵視の意思に基づく不当労働行為そのものである。「アルバイトの分際で……組合なんかつくりやがって」なる2時間にもわたる暴言・罵声の数々は、いまや郵政事業の6割以上の現場を支えている16万人(日本郵便=郵便事業会社)の郵政非正規労働者に対する許し難い差別的侮辱行為だ。
 当局は、A氏が組合を敵視していることを「理解できる」と擁護しているという。
 政府が全株を保持し、「日本全国くまなく配達するユニバーサルサービス」が法律で明記され、24万人の労働者が働く日本郵便で、東京多摩支店のような暴力行為がまかり通っていること自体が絶対に許されない。これは、労働者を人としてではなく機械の部品のように扱う郵政民営化の本質が端的に表面化した事件なのだ。
 「郵政大リストラ」攻撃との闘いは、必ずこの郵政民営化に対する現場労働者の全面的な怒りの爆発として発展するだろう。今回の東京多摩支店当局の常軌を逸した暴力行為は、ユニオンの闘いが現場労働者の心をとらえていることへの彼らの打撃感の告白でもある。「社員を煩わせやがって」などと吐露したことはその一端だ。
 郵政事業の6割以上を支える16万人の非正規労働者の誇りにかけて、東京多摩支店・当局の行為を徹底的に暴露・弾劾し、全面的な謝罪と撤回をかちとろう! 郵政非正規ユニオンの渾身の闘いに連帯し、支援・防衛の闘いを総力で前進させよう。

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週刊『前進』(2500号3面1)(2011/08/22 )

 自治労長野大会決戦アピール

 9・11-19反原発闘争から11・6労働者集会の成功へ

 敵階級の側に移行した自治労本部を打倒せよ

 自治労の第83回定期大会が8月24〜26日に長野市で開かれる。今大会は9・11―19の反原発総決起、世界の労働者と団結する11月労働者集会に向かって、闘う自治体労働者が自治労本部と全面対決する歴史的決戦だ。今大会決戦での闘う自治体労働者の任務は何か。
 第一に、世界大恐慌の深化と全世界的な革命情勢のもと、大震災と原発大事故で日帝が死に瀕(ひん)している現実を全国の自治体労働者がつかみ、闘う団結をかちとることだ。そして国鉄闘争と反原発闘争の大高揚で菅民主党政権を打倒し、革命を戦略的に準備するために労働組合をよみがえらせよう。
 自治労本部は資本家階級の側に移行し、民主党政権を支え、その政策を労働者に強制している。労働者の新自由主義、原発震災、首切り・失業に対する闘いを資本・国家の復興にねじ曲げ束ねる先兵となっている。大会を労働者の怒りで本部を打倒する場にしよう。 
 新自由主義政策は大地震・大津波で数百万人の命・暮らし・仕事を奪い、史上最大の原発事故を引き起こした。職場と家、自然、農地・山林・漁場を奪った。この責任は歴代自民党政権と民主党・連合政権にある。

 自治労本部の「脱原発」方針の正体は原発推進

 第二に、自治労大会を反原発すなわち「すべての原発いますぐとめよう!」の闘いへの全国の自治体労働者の総決起をかちとる場にしよう。9・11反原発大行動への総決起と11・6反原発・反失業労働者集会への大結集をかちとろう。
 自治労本部の「脱原発」と9・19明治公園5万人集会の方針は「段階的廃炉」の言葉が示すように、泊原発をはじめ停止原発の再稼働、原発推進・輸出政策の継続に道を開くものだ。原発推進の民主党政権を支持するのが自治労の「脱原発」だ。自治労は国鉄分割・民営化への屈服と総評解散=連合結成を経て「反原発」から「脱原発」に転換した。「脱原発」方針の本質は原発推進だ。
 原発事故は福島県民をはじめ労働者人民に大量の放射能をまき散らし、故郷を奪い、仕事と暮らしを奪い、子どもたちの未来を奪っている。「フクシマの怒り」は根底的なのだ。国家・資本とは非和解だ。放射能から子どもたちの命を守るために必死に闘う母親たちの叫びを聞け! 手塩にかけ育てた数十万頭の家畜を殺される農民の怒りを、恵みの海を奪われた漁民の悲しみを思え! 全原発の即時停止・廃炉の方針しかないのだ。
 また事故収束のための被曝労働も極限的に拡大している。運転中、停止中を問わず、どの原発においても被曝労働は避けられない。被曝労働をなくす道は全原発の即時停止・廃炉以外にない。
 福島県民の怒り、福島の闘う労働組合と結び、青年労働者、非正規労働者を先頭に9・11反原発行動をかちとり、9・19を反原発で席巻し、11・6へ進撃しよう。

 公務員360万人首切りの公務員制度改革粉砕を

 第三に、道州制=公務員360万人首切り、公務員労働運動解体のための公務員制度改革を推進する本部方針を打ち砕こう。
 自治労本部は国家公務員制度改革関連4法案に準じる地方公務員制度改革を提唱している。人事委員会と勧告制度を廃止し、協約締結権を付与し、労使交渉で賃金・労働条件を決める。だが労働組合に認証制や会計監査を導入し規制する。ストライキ権を奪ったままだ。「地公労法並み」のうたい文句はペテンだ。
 政府と資本は被災地に「復興特区」を設けて憲法停止の無権利状態に置き、労働者を無制限に搾取しようとしている。最大のターゲットは公務員だ。被災地を道州制=公務員360万人首切り、公務員労働運動破壊の攻撃の突破口にしようとしているのだ。これは自治労の「持続可能な日本社会のグランドデザイン」の具体化でもある。
 大阪では橋下徹・大阪府知事が代表を務める大阪維新の会が職員管理条例を作り、政治主導で地方公務員の人事評価を強め、懲戒・分限免職の濫発を狙っている。職務命令に3回違反したら懲戒免職。組織再編で過剰となったら分限免職。地方公務員制度改革の先取りだ。これと対決しない自治労本部は首切り・民営化・非正規化の先兵だ。
 他方、自治労本部は今大会で現業切り捨て方針を打ち出す。現場の怒りで粉砕しよう。
 自治労本部は地方公務員法第57条から「単純労務」規定を削除し、新たに「技能職」規定を盛り込むことを要求し、方針としている。自治体現場の闘う団結、現業労働者の怒りを踏みにじり、現業労働者の存在と闘いを解体しようとしているのだ。
 地公法57条規定により地公労法の部分適用を受けてきた現業労働者が民営化・外注化で一掃されることを促進し、ひと握りの「新たな技能職」だけが公務職場に残り、非現業職員とともに御用組合を担う――これが自治労本部の狙いだ。労働者の立場を投げ捨て、現業を切り捨てる自治労本部は絶対に許せない。
 また自治労本部は政府の「子ども・子育て新システム」を自治労方針としようとしている。
 だが7月末の自治労保育全国集会での闘う保育労働者の決起を先頭に「新システム」反対の声は全国の保育労働者に爆発的に広がっている。自治労本部は新システムが民営化による幼保公務員労働者の大量首切り・非正規職化、安全崩壊、大増税であることを必死で隠してきたが、保育集会で白日のもとになった。新システムは保育労働者の首切りだ。この真実を本部に突きつけ、新システムを現場の怒りで粉砕しよう。

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週刊『前進』(2500号3面2)(2011/08/22 )

 自治労全国保育集会 新システム反対で圧倒

 絶対反対派に続々と共感

 自治労第32回全国保育集会が7月29〜31日、富山市で開かれた。全国労組交流センター・自治体労働者部会は富山労組交流センターの仲間とともに「子ども・子育て新システム」絶対反対を訴えて闘った。
(写真 会場入り口で続々と反対署名に応じる保育労働者。討論が絶えなかった【7月30日 富山市】)

 発言かちとり正体を暴く

 1日目朝、労組交流センターの仲間は会場のオーバード・ホール前で「新システムは保育労働者の首切りだ 絶対反対で闘おう」と書いた横断幕を広げ、自治労本部の裏切りを全面暴露したリーフレットを保育労働者に配布した。
 1日目の「子ども・子育て新システム」にかかわるパネルディスカッションは、内閣府のワーキングチームに加わる中島圭子・連合総合政策局長や駒村康平・慶應大教授ら、新システム推進のパネリストを並べたとんでもない企画だ。
 パネリストらは、新システムを推進するには消費増税で財源を確保するしかないから、民主党の公約通り公務員労働者の首切り・賃下げを進める、という結論に持ち込もうと躍起となった。
 「今日は質疑の時間はありません」と司会の自治労社会福祉評議会の秋野議長があらかじめ釘を刺していたが、労組交流センターの仲間は、同副議長の今井小百合(豊中市職)が最前列で司会に「罰点」ポーズをするなか発言をかちとった。
 「パネリストはだれひとり保育所で働く労働者がどうなるのか語ろうとしない。セレブ幼稚園をそのまま残すなど、『幼保一体化のため』という話はぶっ飛んだ。新システムは資本家のために保育労働者の首切り、非正規職化を進めるもの。道州制=公務員360万人解雇の始まりです」。大きな拍手が巻き起こり、隣の保育労働者が握手を求めた。しどろもどろの本部は「討論は2日目の分科会で」と閉会宣言。
 この後、自治労本部、大阪府本部、豊中市職の役員らは「あんたは組合としての参加を認められていない。金を返すから参加せんといてくれ」と泣きつく。「ここは議論の場じゃないのか。組合員の反対派を排除する集会はおかしい」と応戦。ロビーは騒然となった。
 会場前では労組交流センターの仲間が「新システム」反対署名を呼びかけた。本部を支持する参加者は署名を拒んで帰っていくが、新システム反対の参加者は進んで署名に応じる。「新システムに問題があると言ってもやめるとはけっして言わないのはおかしい」「本部は現場のことがまったくわかっていない」。長野など一部を除いて職場では新システムをめぐる議論がなされていないことも判明した。新システムの正体を労働者に隠したままクーデター的に推進しようとする自治労本部の思惑は吹っ飛んだ。

 絶対反対派におびえる本部

 労組交流センターの仲間は2日目朝、保育制度改革の分科会と食育の分科会の会場前で新システム反対の署名活動を行った。終始、討論の輪。昨日の応酬を参加者が真剣に聞いていたと分かった。「新システム」が焦点となる「保育制度改革」の分科会への参加に変更する人が続出した。
 入り口では今井小百合が直々に参加者をチェック。会場に余裕があるにもかかわらず、「分科会の変更はできない」と他の分科会へ追い払う。本部は全体が「新システム」反対になってしまうことを恐れたのだ。
 だが労働者の怒りを抑え込むことはできない。朝、「今日は絶対頑張って発言する」と言っていた青年労働者が口火を切る。現場の怒り、疑問、不安の発言があとを立たない。本部は「解雇問題はしばらくはない」とどこかで聞いたような回答。現場の怒りは頂点に達した。「ちゃんと話し合え」の声が飛び交うなか閉会が強行された。

 職場で議論し自治労大会へ

 公務員労働者の首切りは革命に直結している。それが3・11情勢だ。本部は現場の労働者に打倒される危機に恐れおののき、国家・資本の手先となり、道州制=公務員360万人解雇攻撃を推進し、新システムを推進しようとしている。
 自治労長野大会は決戦となった。保育集会で噴出した本部への怒り、新システム反対の声をバックに職場で議論を巻き起こし、「子ども・子育て新システム絶対反対」「60万保育・幼稚園労働者の首切り絶対反対」で仲間を組織し、女性部総会、大会に乗り込もう。
 (豊中市職・深町加代子)

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週刊『前進』(2500号3面3)(2011/08/22 )

 “東電、ふざけんじゃねえ”

 8・12大集会 福島の農林漁民が東京で

 福島県農林漁業者総決起大会が12日、東京・日比谷野外音楽堂で開催された。約3千人が大型バスを連ねて福島県内や避難先から集まった。主催はJAグループ福島、福島県森林組合連合会、福島県漁業協同組合連合会など。現場で働く農林漁民が結集し、しかも農林漁業の3者がそろって東京で大集会を開くのは震災後初めてだ。
 集会では「東北人は我慢強いと言われるが、もう限界。怒りは頂点だ」「多くの方が廃業に追い込まれ自殺者も出ているのに政府がTPP(環太平洋パートナーシップ協定)参加の議論を今もしていることが信じられない」など発言が続いた。
 一方、民主党の渡部恒三(福島4区選出)や自民党の国会議員があいさつに立つと会場全体から「原発を持ってきたのはお前らじゃないか!」「てめえら全員クビだ!」と地鳴りのような野次と怒号が起こった。
 集会終了後、参加者は東電デモに出発。ムシロ旗を掲げた長蛇のデモは圧巻だ。東電本店前では「人殺し!」「東電つぶれろ!」「ビルを売って賠償しろ!」と積もりに積もった怒りが次々とたたきつけられた。
(写真 東電前で怒りをたたきつける福島の農漁民【8月12日 東京・内幸町】)

 参加者の声

 会場で2人の参加者に話を聞いた。

 ●和牛繁殖農家Aさん

 知り合いが販売促進で東京に来た時、「福島の人たちは東電にひどい目にあってよくおとなしくしてられるね」と言われた。JAの仲間にその話をして「一発、東電包囲デモでもやらないと怒りがおさまらない」と言ったら「すでに企画しつつある」とのことでした。あちこちから同様の声があがってたんです。
 福島でも9月に入ると稲刈りが始まり、稲を使った飼料作りも始まる。そこでどんな数値が出るか。おれたち畜産農家は全頭検査を要求してるんだけど検査機器が足りず進んでいない。
 食肉にするには、あと1週間か10日で立てなくなるような牛を出荷して肉にするのがプロの肥育屋。肥育末期にはビタミンなども与えない。それが出荷できないと、この暑さの中でバタバタ死んじゃう。死ななくても品質が悪くなりエサ代もかかる。肥育農家では1頭あたり月2万円ぐらいかかるんじゃないかな。肥育農家さんがよくならないと(繁殖農家は)子牛も買ってもらえない。
 JAとして補償を求めてるんだけど農家の手元にはまだほとんど入ってない。明日の生活が成り立たない。そもそも自転車操業の状態だったのに肥育農家は何百万円というエサ代をため込んでいる。本当に深刻です。
 福島では毎日毎日、原発や放射能の話が出ない日はない。農村だから自家用の野菜を作りながらも「この野菜を食べてもいいのか。自分は食べたとしても子や孫に食べさせていいのか」と悶々(もんもん)として心が晴れない。例年だったら今頃は東京あたりからどんどん帰省して墓参りするんだけど「今年は子どもがいるから帰れない」という電話をもらった人が大勢いる。そういう中でみんな怒りをぶつける場が欲しかったと思うんだよね。今日のデモでは東電に「ふざけんじゃねえ!」って怒りをぶつけたい。それでモヤモヤした気分が晴れるわけじゃないけど、とにかくこの気持ちをぶつけたい。

 ●兼業農家でもある渡辺馨福島労組交流センター代表

 国会議員、とくに渡部恒三への野次はすごかった。原発を持ってきた張本人、プルサーマルを認めた張本人だから当然だよね。怒りが充満してます。怒りをぶつけられる場がなかったから。みんな「とにかく怒りをぶつけたい」「東電にものを言いたい」という一心で来た。まだまだ怒りはこんなもんじゃない。
 東電に原発をすべてなくす決断をさせる。そのためには怒りをとことんぶつけ、一切合切を補償させ、すべてを元に戻せという闘いをたたきつける必要があります。農民と労働者の力をとにかく結集してたたきつける。絶対に逃がさない。今日の行動の意義はそこにあると思います。

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週刊『前進』(2500号3面4)(2011/08/22 )

 改正障害者基本法 国の責任放棄の悪法

 新成長戦略と一体の分断策

 福祉の民営化と障害者動員

 内閣提出の改正障害者基本法が7月29日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。「発達障害を含め障害者の範囲を見直し、社会的な障壁を取り除いた」「障害者が裁判を受けたり選挙で投票したりする際、点字や手話通訳を置くことなどを求めた」などと報道された。しかしこの障害者基本法は菅政権の震災反革命・新成長戦略と一体の「経済成長を押し上げるための社会保障」に変転させる社会福祉の民営化・外注化、公務員削減・解体、障害者やボランティアの労働力動員に貫かれた悪法である。法は「内閣府・障害者政策委員会の設置の1年以内施行」を残して8月5日施行された。
 その内容は第一に、法文から9カ所あった「障害者福祉」の文言を一掃した。「障害者の自立及び社会参加の支援等のため」という言葉に置き換えてはいるが、政府は国会答弁で「国民の共生社会に包含しているから問題ない」と説明している。つまり公的責任を放棄し労働者階級に福祉政策の責任を転嫁し、増税・リストラ・非正規職化を強行する魂胆なのだ。しかもこの「障害者福祉」削除の提案は障害者団体が名を連ねた障害者制度改革推進会議で積極的に提案された。「福祉の恩恵より自立を」という分断のわなに陥っているのだ。敵の軍門に下る振る舞いだ。
 だが福祉は本来それを生み出している労働者階級の闘いの中で資本家階級から奪い返さなければならない。
 第二に、第27条に「消費者としての障害者の保護」という見出しが入った。障害者はすでに消費者である。「適切な情報を障害者に提供する」と称しているが、福祉をはぎ取った自助努力の世界にほうり出し、障害者を「福祉を購買し消費する」者に仕立てる。新成長戦略で掲げる「納税者としての障害者像」と一体である。このなかで障害者の「社会参加・平等な権利」は資本家の搾取・収奪の自由の意味になっているのだ。
 第三に、雇用についても「個々の障害者の特性に応じた雇用管理」が叫ばれている。

 雇用や医療を全面的に制限

 だが、今までさんざん「障害者の特性」に注目しながら労働者階級の分断に利用し、障害者の低賃金雇用・無権利化・非人間扱いを資本は行ってきたのではなかったか。人間らしい労働は闘う労働組合をよみがえらせる労働者階級の団結の中で奪い取るものである。
 第四に、障害者の「基本法」とは言うものの憲法に準じるものでもなく、逆に法文の各所に「可能な限り」とか「過重な負担で無い限り」とか抽象的な「合理的配慮」で医療・介護・福祉・雇用を全面的に制限する法律となっている。
 例えば憲法25条の2では「国はすべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と明記している。日本共産党はこの「可能な限り」の文言だけを問題にしてこれを削除する修正案を提案。これが否決されると今度は賛成に回った。社民も修正意見だけを表明して結局賛成に回った。
 第五に、第5条などでは「国際協調」が新設された。障害者法整備で国連外交や医療福祉の産業化であるインフラ輸出にも道を空けようというのだ。また付帯決議では「障害原因の根本治癒」を掲げ再生医療研究にも乗り出す。保険外診療や医療の民営化で日帝の新成長戦略を推進しようとしている。
 第六に、この悪法を障害者制度改革推進会議は「内閣府の障害者政策委員」(非常勤職員)として採用されることと引き替えに「一歩前進」と評価している。こうした体制内障害者団体の屈服に加え、自治労本部や共産党指導部が、障害者自立支援法の延命と障害者総合福祉法や障害者差別禁止法への改編要求で菅政権を延命させている。
 新自由主義攻撃は「障害者の自立支援」を促しながら労働者階級を分断し、搾取・団結破壊を強めてきている。新自由主義と闘う最前線の国鉄決戦・反原発闘争で菅政権を打倒し、11月労働者1万人集会をかちとろう!
 (岩崎泰明)

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週刊『前進』(2500号3面5)(2011/08/22 )

 “今すぐ除染と疎開を”

 「福島の子どもたちの声を届けよう!」対政府交渉

 健康破壊への無対応に怒り

 衆議院第一議員会館で8月17日、子どもたちを放射能から守る福島ネットワークが主催する「福島の子どもたちの声を届けよう!」院内集会と対政府交渉が行われた。政府からは内閣府原子力災害対策本部や文部科学省から11人が参加した。
 会場に展示された福島の子どもが政府に書いた手紙37通は「私はふつうの子どもを産めますか? 何歳まで生きられますか?」(小5女子)、「しょう来サッカー日本代表になりたい。でも今の福島では練習できません。いつになったらほうしゃのうはなくなりますか。僕はおとなになれますか」(小3男子)など切実な声ばかりだ。
 冒頭、小学生の娘の母親が「娘に『放射能はいつなくなるの?』と問われ答えられなかった。事故の一番の被害者である子どもの声を届け、国に対策を求めたいと考えて呼びかけた」と話した。
 政府側の出席者が入場すると、4人の子どもがそれぞれ思いを話した。
 「原発事故以来、ずっと外遊びしていません。早く除染してください。事故で避難する人は学校の友達、家などを奪われました。責任を取ってください」(小5女子)
 「マスクで登下校している状況を安全と言う政府に疑問を感じます。どうしてまだ原発再開を目指すのか。こんな状況で総理大臣が変わってもよい国がつくれるとは思いません。学校の友達とみんな一緒に安全な場所に避難できるよう、真剣に考えてください。避難している間に、学校も田畑も森も山も川も、福島県を徹底的にきれいにしてください」(中2女子)
 「仲良かった友達が避難してがっかりしました。外でも遊べなくなりました。こんな生活が続くなら原発はなくなった方がいい」(小3男子)
 「放射能のせいでプールにも入れず、外でも遊べません。初めから原発は動かすべきではなかった」(小5男子)
 官僚が一言ずつ回答したが、子どもたちの要求や質問には何一つ答えない。子どもが「学校をきれいにしようと考えていたなら、どうして早くやらなかったんですか」「集団疎開について答えが返ってきてない」とたたみかけても、言葉をにごすばかりだ。
 会場に駆けつけた俳優の山本太郎さんは「日本がやっているのは緩やかな大量虐殺。海外ならとっくに革命が起きている。声を上げ、反原発の大きなうねりをつくっていきたい」と語った。
 記者会見に移り、子どもたちが感想を述べた。「大人なのに、なんで子どもの質問にちゃんと答えないのか」「ちゃんと答えられる人に来て欲しかった。一番来て欲しかったのは総理大臣」。東電について問われると「原発事故で失業した人もいるのに東電社長は(退職金で)5億円もらった。すごく憎い」。最後に中2の女の子が「私たちが大人になっても安心して暮らせる原発のない社会をつくれるよう、みんなで協力していきましょう」と訴えた。
 子どもたちの訴えにまったく答えない政府の姿を目の当たりにした参加者は「全原発をなくすため、もっと大きなうねりをつくろう」と誓った。
(写真 「福島県民よりお金の方が大切なのですか」と問いかける子どもたち。俳優の山本太郎さん【前列右】も駆けつけた【8月17日 衆議院第一議員会館】)

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週刊『前進』(2500号4面1)(2011/08/22 )

 フクシマの怒りと結び反原発・三里塚決戦の勝利を

 現闘本部破壊の暴挙を許さず労・農・漁民の連帯で総反撃へ

 小寺 麦

 8・6天神峰現地闘争本部破壊・撤去の強制執行を徹底的に弾劾する。この暴挙に手を染めた成田空港会社(NAA)、千葉地裁−東京高裁、そして民主党・菅政権を絶対に許さない。原発とならぶ日帝の凶暴な「国策」の正体は満天下にさらされた。国鉄闘争、反原発闘争と固く一体で、労農連帯の不抜の拠点・三里塚闘争に勝利し、危機に瀕する成田空港を廃港にたたき込もう。市東孝雄さんの農地を守り抜こう。

 「8・6」の暴挙は権力の破産・腐敗・不正義の極致

 日帝・菅政権は、8・6広島闘争の日の未明から、暗闇に乗じて三里塚芝山連合空港反対同盟の天神峰現地闘争本部の破壊を強行した。
 NAAが張りめぐらせた鉄板の中で、報道陣も一切シャットアウトし、争点となっていた鉄骨建物内部の木造の建物をまず真っ先に破壊した。証拠隠滅そのものである。
 この暴挙は一から十まで法的建前すら踏みにじる完全な国家犯罪である。現闘本部建物の所有権も地上権も反対同盟にあることはまったく明らかだ。石橋政次元副委員長は、現闘本部が建っている土地を分筆して反対同盟に残していったのだ。だが一審千葉地裁の反動判決に続き、二審東京高裁・井上繁規裁判長は不可欠の証人調べを拒否した末に、判決確定を待たずして強制執行を行う「仮執行宣言」を付した反動判決を5月20日に下した。しかもその日裁判所内で、反対同盟農民をはじめ50人もの仲間を「不退去罪」をデッチあげて不当逮捕し、大半の人びとを23日間も不当勾留するという大弾圧におよんだ。
 このような経緯の上に行われた8・6強制執行は、今日版の一個の戦時徴発にほかならない。
 これをこともあろうに8・6広島の日にやったのだ。その罪は万死に値する!
 三里塚反対同盟は「この怒りを数倍にして返す」「廃港に向けた第一歩にしてやる」と決意を述べている。
 しかし、敵がわざわざ8月6日という日を選んでしかできなかったというぶざまな現実の中に、われわれは三里塚闘争の勝利を見て取ることができる。日帝・国家権力は5月20日の仮執行宣言付の反動判決、50人逮捕から2か月半もの間、現闘本部に手をかけることができなかった。
 結局彼らの選択は、実力闘争の大反撃におびえ、三里塚に心をよせる人びとが広島に総決起した日にコソ泥か空き巣狙いのようにやるということでしかなかった。なんと見下げ果てた腐敗と不正義の極致か。
 日本階級闘争史においてこの卑怯卑劣な行いは、永久に銘記されるだろう。これは三里塚闘争への敵対であるばかりでなく、8・6広島へのもっとも根本的な敵対だ。現に3・11福島原発事故で放射能汚染と闘っている人びと、戦争と核兵器の惨禍を繰り返すまいと闘っている人びとのすべての願いを踏みにじり真正面から敵対することをあらわにしたのだ。
 われわれはこの歴史的暴挙をけっして忘れず、永久に断罪し続ける。絶対に大反撃をたたきつけてやる。
 明らかになったことは、日帝・菅政権は、人民の闘いの高揚におびえきっているということだ。労働者階級・農漁民全人民の押しとどめがたい怒りの前に震え上がっているのだ。これが3・11情勢下の階級関係だ。大恐慌情勢のもとで最末期帝国主義の新自由主義政策がもたらした3・11大災害と福島原発事故への激しい怒り、そして大資本の利益のためにのみ資金が注がれる「復興」への怒りは、頂点に達している。
 とりわけ、放射能被曝・汚染の中で苦しむ福島の労農漁人民の怒りは、この事態を生み出した張本人である日帝・資本家階級と絶対に和解することはない。福島の怒りと心底連帯し、反原発闘争を推し進め、日帝・菅政権を打倒しよう。
 三里塚闘争の勝利の展望も、この反原発闘争を中心とする日本階級闘争の前進と完全に一体である。
(写真 【上】「破壊攻撃始まる」の報を受け反対同盟と現地支援は直ちに現闘本部前へ。【下】総括集会で不屈の闘志を述べる北原鉱治事務局長と萩原進事務局次長【8月6日】)

 “豊かな大地と海を返せ” 生存をかけた福島の決起

 3月27日の三里塚現地総決起集会で、福島の酪農家のアピールが読み上げられた。「牛の乳をしぼっては畑に捨てる毎日」を過ごしているという報告が反対同盟をはじめ全参加者の胸を突いた。
 8月12日、東京・日比谷野音に3千人を超す福島の農林漁民らが結集し、原発に抗議する大集会とデモが行われた。
 農民、漁民一人ひとりの菅政権と東電への弾劾の言葉に、地鳴りのような拍手や歓声が巻き起こり野音を揺るがした。自民党や民主党の発言は激しいヤジ・怒号でかき消された。まさに人間の魂の奥底からの怒りそのものだ。
 放射能に汚染された稲ワラが、全国各地の牛を内部被曝させた。そして福島の農民があたかも加害者のように扱われた。稲ワラで一番被曝したのは誰よりも稲作と酪農に励んでいた福島の農民自身なのに!
 大きく熟した果実が出荷できない果樹農家。漁に出られない漁民。森に入ることもできない林業労働者。農林漁民は自然と一体だ。その夏草生い茂る自然が、放射能に汚染されているのだ。広島の原爆29個分の放射能がまかれたのだ。
 猛暑の中、日比谷野外音楽堂が揺れた。「福島の豊かな大地と海を返せ」「返せ!返せ!返せ!」。農林漁民の「生きさせろ!」の声だ。その声が国家と非和解的に激突しているのだ。6・19福島闘争−7・17いわき闘争の怒りが、このように発展しているのだ。
 『前進』夏季特別号論文で、「今こそ生きるための闘いを革命の路線として貫く時」(第3章)と呼びかけられた。今日の福島の労働者階級・農漁民・林業、すべての人びとの闘いは、まさに生きるための闘いだ。この闘いを推し進めていけば、今日の日帝・資本家どもとの非和解的な激突に至らずにはおれない。必ず革命へ至る闘いだ。
 そして、帝国主義末期の新自由主義攻撃の結果もたらされた東日本大震災と大津波の惨禍、そして福島原発大事故は、今日、資本の利益を一切に優先することによって強行されている民営化、非正規職化、大失業攻撃の極致だ。今労働者と農漁民・林業労働者らが落としこめられている非人間的な現実がたどり着いた、もっとも極限的な事態にほかならない。
 ここでなんとしても闘い、勝ちぬくのだ。それが日本の労働者階級と全人民の解放の道だ。まさにこれが今日の革命の路線なのだ。
 福島と連帯した反原発闘争は、日帝・資本家階級を打倒する闘いだ。だから若き青年労働者・学生たちを最先頭にして、反原発闘争をとことん切り開くために闘うのだ。
 国鉄闘争と反原発闘争を二つの柱として、闘う労働組合の階級的再生と、全国大学自治会の再建へ前進しよう。その力で、今やあらゆる意味で社会の桎梏(しっこく)となった帝国主義を打倒し、プロレタリア革命に勝利しよう。

 三里塚闘争と動労千葉は新自由主義うち破る砦だ

 大恐慌情勢と3・11反革命のもと、新自由主義の非人間性と破綻性は明らかとなった。日帝が新自由主義攻撃へと踏み出す80年代の階級決戦に際して革共同は、「農地死守・実力闘争」の原則を貫き日帝の2期着工攻撃と真正面から闘う三里塚反対同盟農民と血盟を結び、ともに血と汗を流して三里塚2期決戦を闘った。党の総力を投入して不屈非妥協の三里塚闘争という拠点を守り抜いた。国家権力のあらゆる条件派化攻撃をはねのけ反対同盟は「絶対反対同盟」として屹立(きつりつ)した。このことは日本階級闘争において不滅の意義をもっている。
 1980年代の大反動は、危機にあえぐ帝国主義の新自由主義政策を確立するための階級圧殺攻撃であった。動労千葉はジェット燃料輸送阻止闘争などで大量の処分者を出しながら、反対同盟との革命的労農連帯を形成し、そのもとで労働者階級人民の大規模な三里塚実力闘争が展開された。そして国鉄分割・民営化に対し、動労千葉はストライキをもって立ち向かい、この攻撃を核心において粉砕した。動労千葉と三里塚は真に巨大な日本革命、世界革命の根拠地なのだ。
 そして原発政策が、新自由主義の戦略的国策として80年代に進められてきた。まさに国鉄闘争と反原発闘争と三里塚闘争は新自由主義反革命との一体の闘いだ。
 このことは、三里塚闘争の歴史的勝利の情勢の到来を示している。三里塚派、階級的労働運動派こそ、福島の怒りと一体となり反原発闘争の最先頭で闘おう。

 8・30市東裁判−10・9闘争へ

 市東さんの農地をめぐる攻防が、新たな決戦段階に突入した。農地裁判の早期結審策動が強まっている。
 「行政訴訟」「農地法裁判」の千葉地裁民事3部・多見谷寿郎裁判長は、市東さん側が申請した証人調べを軒並み却下してわずか2人にしぼり、年内結審・来春判決をもくろんでいる。8月30日の法廷に傍聴に駆けつけ、市東さん、反対同盟とともに早期結審策動を全力で粉砕しよう。第3誘導路工事による騒音攻撃も許せない。市東さんへの追い出し攻撃を絶対に粉砕してやる。
 三里塚と動労千葉との労農連帯を全国的な労農同盟の形成へと発展させるために闘おう。3・11下の農民・漁民、全人民はそのことを切望しているのだ。
 さらにこの労農同盟を土台として、福島の農民の闘いと三里塚とのより強い共同闘争を生みだし、全国的な農民運動の歴史的台頭をつくりだそう。福島と三里塚の怒りで全原発廃止と成田廃港の展望を切りひらこう。8・5広島で「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」の結成がかちとられた。若き青年労働者・学生を先頭に、この「な全」を牽引車として反原発闘争の荒々しい、自己解放的な発展をかちとろう。9・11全国100万決起へ!
 全学連と反対同盟との生きた交流は、若い学生が急速に戦闘的な活動家へと成長する決定的な契機である。学生運動は三里塚で鍛えられ育まれることは45年の歴史が証明している。この労農学連帯を発展させよう。
 そして11・6全国労働者総決起集会を、反原発・反失業、闘う労働組合をよみがえらせる全世界一斉行動日としてかちとろう。日比谷野音を1万人を超える労働者人民であふれさせよう。
 反対同盟が呼びかける10・9三里塚全国総決起集会に全力で立ち上がろう! 45年の実力闘争を貫く三里塚は、青年労働者・学生に勝利の息吹をもたらす。10・9の大結集で、市東さんの農地強奪を粉砕しよう。
(写真 【上】「破壊攻撃始まる」の報を受け反対同盟と現地支援は直ちに現闘本部前へ。【下】総括集会で不屈の闘志を述べる北原鉱治事務局長と萩原進事務局次長【8月6日】)

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週刊『前進』(2500号4面2)(2011/08/22 )

 全ての原発今すぐなくせ

 原爆ドーム前から世界に向け 「8・6ヒロシマ宣言」を発信

 8月6日午前、広島の原爆ドーム前で「すべての原発を今すぐなくそう!8・6ヒロシマ宣言集会」が開かれ、1100人の参加者と全世界に向けて「8・6ヒロシマ宣言」が発せられた。すべての核兵器と原発を廃絶する闘いへ立ち上がろう。以下全文を紹介します。(編集局)

 全ての原発今すぐなくせ8・6ヒロシマ宣言

 原爆投下から66年目の本日8月6日。私たちは、フクシマとヒロシマの怒りをひとつにして、すべての原発をただちに、一つ残らず廃絶する闘いにたちあがることを宣言する。
 福島で引き起こされたこと、それはまさしく「第三の原爆」だ。地震直後から福島原発はメルトダウンを開始し、ついに爆発を起こした4基の原発から、広島原爆数十個分もの死の灰が福島、東日本一帯、全世界にまき散らされ、今も放射能の放出は止まっていない。まさに人類史上最悪の事態が進行している。
 何が「直ちに影響はない」だ! ヒロシマ・ナガサキの被爆者が被爆後10年、数十年後に放射能によって命を奪われた事実、奪われ続けている事実を知らないとでも言うのか! しかも今日、のうのうと広島にやってきた菅首相ら政府・東電は意図的に情報を隠し、200万福島県民、三十数万人の子どもたちに大量被曝を強制したのだ。そして今も放射能汚染の中に放置し、内部被曝を深刻化させ、見殺しにしている。原発によって農地も家畜も奪われ、生活を根こそぎに破壊された農家が、何の補償もされずに自殺に追い込まれている。これはヒロシマ・ナガサキの被爆者・被爆二世に対して日米両政府がとった「抹殺政策」と同じではないか!  いったいこんなことが許されていいのか! 
 「福島を返せ!」「放射能に未来を奪われてたまるか!」――突如として「核の戦場」にたたき込まれたフクシマの怒り、叫び、絶対的な要求。それは、66年前の原爆で一面の焦土と化した広島から「にんげんをかえせ」と立ち上がった被爆者の、根源的な叫びと完全にひとつだ。福島を返せ!  ふるさとを返せ! 職場を返せ! 牛を、農地を、海を返せ! 未来を返せ! すべてを元通りにして返せ! 子どもの命を守れ! 私たちは、この要求を貫き通すまで、絶対に一歩も引かない。フクシマを引き起こした政府・政治家・東電・財界・御用学者らのすべてに全責任をとらせる。
 原爆と原発は同じだ。反核と反原発はひとつだ。はじめから、労働者民衆を皆殺しにするための兵器として開発された核。広島と長崎の人間と街全体を、数千度の熱と爆風、放射線で灼き尽くした原爆。アメリカや日本の帝国主義者たちは、この原爆=核に対する被爆者の怒りを押しつぶし、核保有を続け、核武装の道を開くために、「核の平和利用」なるものをでっちあげ、原発をつくったのだ。
 この原発は労働者を被曝させなければ成り立たない。原発の中では日々、大量の原爆材料・プルトニウムと膨大な「死の灰」が生み出されている。こんな原発をエネルギー源とする社会は、労働者を徹底的に犠牲にする社会であり、絶対的に間違っている。「原発の即時停止・廃止は非現実的」なのか? ならば原発で労働者を被曝させ、使い捨てにし、殺すことの上に成り立つ社会が「現実的」とでもいうのか! 
 私たちは断言する。 原爆から生まれた原発は、「100%の悪」である。原発は即時全廃しかありえない!
 原発の即時停止と廃炉を実現するカギを握っているのは、労働者自身の闘いだ。新自由主義の下で団結を奪われ、分断され、非正規、低賃金、失業に追い込まれ、被曝労働以外の生きる道を奪われてきた青年労働者だ。いまこの青年たちを先頭に、反原発の巨大なうねりがまきおこっている。反原発・反失業を闘う労働運動、労働組合を甦らせ、青年労働者が闘う団結の中心になったとき、すべての原発を必ず止めることができる。この闘いは、全世界労働者共通の闘いだ。「フクシマが警告している。ただちにすべての原発を止めろ」――これが世界の労働者民衆の叫びだ。ヒロシマから反原発・反失業の国際連帯を実現しよう!
 この夏こそ全原発の停止・廃炉を決するときである。あらゆるウソ、「やらせ」をあばかれた政府、全電力資本をさらに徹底的に追い詰め、原発の息の根を止めるのはいまだ。「段階的」などと言って、猶予をあたえては決してならない。事態は切迫している。いまこそ、怒りの声をあげよう! 行動を起こそう!  全世界の労働者、農民、漁民、母親たちは、団結しよう!
 福島を返せ! ヒロシマ・ナガサキを、フクシマをくり返すな!
 2011年8月6日
(写真 被爆二世の一貫田康博広大生協労組委員長が8・6ヒロシマ宣言を読み上げた【6日 原爆ドーム前】)

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週刊『前進』(2500号4面3)(2011/08/22 )

日誌'11 8月9日〜16日

 「尖閣諸島で実力行使」と枝野/米韓合同演習が始まる

●英の暴動、全国に拡大 警察官による黒人青年の射殺事件を契機にロンドンで6日から始まった暴動がわずか3日で全国主要都市に広がった。キャメロン政権は緊急事態対策会議を招集、「秩序回復に必要なすべての措置を取る」と宣言、警察官の増強や権限強化にのりだした(9日)。逮捕者は12日朝までに1800人を超え、中には11歳の少年少女も。
●FRBがゼロ金利継続 米FRBが実質ゼロ金利を13年半ばまでさらに2年間継続することを決定した。量的緩和についても必要ならQE3に踏み切る姿勢を示した。(9日)
●泊原発が営業運転再開へ 北海道電力が泊原発3号機の最終検査を保安院に申請。政府は同機をストレステストの対象から外し、検査終了後の再稼働を指示した。(9日)
●領土問題で「実力行使」発言 枝野幸男官房長官が国会で「尖閣諸島はわが国が有効に支配している。他国が侵略してきたらあらゆる犠牲を払ってでも自衛権を行使し、これを排除する」と述べた。(10日)
●朝鮮南北で砲撃戦 北朝鮮軍と韓国軍がヨンピョンド付近で互いに砲撃を行った。島民は一時避難。北朝鮮側は砲撃は建設作業での発破を韓国軍が誤解したものと発表。(10日)
●5日間で7兆j消える 米債務上限引き上げ法が成立した8月2日からの5営業日で、世界の株式時価総額は約7兆j減った。日本の年間GDPを上回る額で、リーマン・ショック後の減少約8兆2千億jに迫る。(10日)
●日本の借金943兆円 6月末の国の借金が943兆8096億円に達し、過去最高を更新した。(10日)
●中国初の空母が試験航行 中国初の空母「ワリャーグ」が試験航行を実施した。この試験航行に合わせて米空母ジョージ・ワシントンがタイとベトナムを歴訪し、タイ海軍と合同で対艦訓練などを実施した(10〜14日)
●菅退陣後の「大連立」構想浮上 菅首相の後継を選ぶ民主党代表選に出馬意向の野田財務相が、「救国内閣をつくるべき」と、自公との大連立を提唱した。(13日)
●アジア自由貿易圏推進へ合意 ASEAN+日中韓・インドなど16カ国の経済相会合がインドネシアで開かれ、11月の首脳会合を機に自由貿易圏構想に着手することで合意した。(13日)
●中国、デモで化学工場閉鎖 中国の大連で化学工場の撤去を求める1万2千人のデモが起き、当局は工場の即時生産停止と移転を発表した。(14日)
●原子力安全庁新設を閣議決定 政府は原子力安全・保安院を経済産業省から分離し、新たに「原子力安全庁」を環境省の外局として来年4月に設置することを閣議決定した。(15日)
●米韓合同演習始まる 北朝鮮との全面戦争を想定した米韓合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン」が米軍3万人と韓国軍5万6千人を動員して開始された。昨年8月には特殊部隊による金正日総書記捕獲作戦を想定した演習を実施していたことが判明している。(16日)

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週刊『前進』(2500号5面1)(2011/08/22 )

 全国学生は全学連大会に結集しよう A

 法大闘争を全国に拡大し大学を反原発闘争の砦に

 マル学同中核派・法大支部

 「法大闘争のように反原発闘争を闘おう!」。われわれ法大生は全国の学友にこう訴える。原発事故をとおして明らかになったのは、腐りきった大学・教育が、原発推進および放射能汚染という殺人行為の先頭で最悪の役割を果たしていることだ。大学は全原発廃止の大きな焦点だ。われわれ学生のキャンパスからの決起に展望がある。法大闘争は06年3・14大弾圧以来、まさにこの時のために闘い続けられてきた。新自由主義の必然的産物である原発を廃絶する道は、新自由主義をうち破る学生の団結と組織をキャンパスにつくり出す中にある。全学連と法大文化連盟が5年半を経て法大で形成してきた団結を全国へ拡大しよう。学生は自らの誇りを取り戻し、フクシマの怒りと固く連帯して反原発闘争の最先頭に立とう。9月全学連大会はその出発点だ。
(写真 8・6広島闘争の先頭に立ってデモする法大文化連盟の斎藤郁真委員長【中央】)

 新自由主義と徹底対決を

 反原発闘争を闘い大学を学生の手に取り戻すわれわれにとっての真の敵は新自由主義だ。新自由主義こそが青年・学生から未来を奪い、核と原発で労働者人民を殺し、すべてを「資本の利益」のもとに組みしこうとしている。では「新自由主義」とは何か?
 帝国主義列強による勢力圏争奪のための侵略戦争であった第2次世界大戦は、未曽有の消耗戦としてあり、資本主義・帝国主義と労働者民衆との非和解性をあいまいさなく突き出した。戦後、戦勝国・敗戦国の区別なく資本主義打倒の革命的動乱にたたき込まれた。しかし、米帝をはじめとする帝国主義は、ソ連スターリン主義の裏切りにも助けられ戦後革命のうねりをたたきつぶし、戦後世界の再編と「戦後成長」を実現した。
 だが、この戦後体制も1974〜75年世界同時恐慌で早くも危機を爆発させた。帝国主義が帝国主義である限り、「過剰資本・過剰生産力」という基本矛盾を絶対に解決できないのだ。主要帝国主義で鉱工業生産が1年以上にわたって1割も2割も下がり続けるという戦後最悪の恐慌であり、主要帝国主義国の製造業の利潤率は恐慌前の55%にまで落ち込んだ。実物投資ではもはや利潤が上がらなくなった。そして世界的に失業者が急拡大した(1年間で2倍化!)。「資本主義の永続的成長」の幻想は崩れ、プロレタリア革命の時代がやってきたのだ。
 その危機の乗り切りのために新自由主義は生まれた。「資本の利潤増大」を最大の動機として登場した新自由主義は、労働者の団結と労働組合を破壊し、賃下げ、民営化・規制緩和、非正規労働の増大で搾取率を上昇させた。他方、金融自由化でバブル的な高利益を追求した。
 その突破口を切り開いたのが80年代のレーガン(米)、サッチャー(英)、中曽根(日)である。鉄道、病院、大学(教育)などの公的領域が商業原理にたたき込まれた。日本の国鉄分割・民営化(87年)がその象徴だ。
 しかし、世界を覆った新自由主義は完全に破産し、08年リーマン・ショックを本格的引き金に世界大恐慌と大失業が引き起こされた。資本主義にもう次はない。資本家政府に、自らが生み出したこの事態に責任をとる力はない。新自由主義への怒り、「生きさせろ!」の叫びこそ、われわれとブルジョアジーとの非和解性を示している。

 原発は資本の腐りきった姿

 「原発は資本主義の最高発展段階である帝国主義とその最末期が必然的に生み出したものである。資本主義は利潤追求が究極の原理であり『正義』である。……原発産業は被曝労働で労働者の生命を平然とむしばみ、殺していくことを基礎にしてしか成立しない。核・原発と人類は絶対に共存することができない。帝国主義の最末期の姿である新自由主義は、この被曝労働を極限まで推し進め、労働者が階級的に団結することを徹底的に否定し圧殺することで成り立っている。原発は、資本主義・帝国主義・新自由主義の労働者支配の最もおぞましい実体であり、現実そのものなのだ」(『前進』夏季特別号アピール)。
 新自由主義は原発政策を激しく推し進め、その矛盾が福島原発事故として爆発した。電力独占資本の利潤を拡大するための「産業」、日帝の資源・エネルギー危機をのりきるための「産業」、そして膨大な労働者を非正規労働と被曝労働に突き落として資本の食い物にしていく「産業」として原発は増設されていった。
 だからこそ支配階級は、何万何十万という人々が故郷・家族・仕事を奪われようと、絶対に原発政策を手放さない。こんな連中のもとで人間らしく生きることなどできるか。やつらから全財産を没収し、直ちに監獄にたたき込もう。
 かつて電産中国の闘いが示したように労働者が自らの権利のために団結して闘えば、原発など成り立たない。人間を使い捨てにする資本主義と新自由主義においてしか、原発が「産業」になることなどありえない。原発絶対反対の闘いと、新自由主義粉砕(資本と非和解で闘う階級的労働運動の拡大の闘い)は一体だ。

 不抜の団結築く法大闘争

 法大闘争は、この新自由主義とキャンパスを主戦場にして闘ってきた。
 小泉政権から本格化する「大学改革」において、2000年代前半から全国大学で自治寮・学生自治会・サークル会館という学生の自主的活動の拠点つぶし攻撃が吹き荒れた。
 全学連はこの攻撃と激しく闘った。東北大学では「国立大学独立行政法人化阻止」を掲げて全学ストライキを闘い(2000年)、有朋寮廃寮阻止闘争を闘い抜いた(01〜06年)。全学連はその地平から有朋寮委員長であった織田陽介君を05年秋に委員長に選出して新体制を確立し、06年3・14大弾圧以降、日本学生運動の最大拠点である法大学生運動つぶしとの対決に突入していった。
 新自由主義攻撃において、戦闘的労働運動の拠点であった国鉄労働運動つぶしが焦点になったように、キャンパスにおいても法大学生運動が血みどろの激突点となった。のべ118人の逮捕、33人の起訴、2ケタを超える停学・退学処分。法大闘争は文字どおり「死闘」であった。しかし、動労千葉が国鉄分割・民営化に反対して多くの解雇者を出しながら2波のストライキで団結を守ったように、全学連は闘って闘って法大闘争に勝ち抜いてきた。その象徴こそ不抜の団結組織・文化連盟の獲得だ。

 法大生の怒り体現する文連

 サークル団体連合である文化連盟(1959年創立)は、学生の権利、学生文化、自己解放性を守り抜いてきた。そして、新自由主義の団結破壊攻撃そのものとしての07年からの組織解体攻防の中で、「仕方がない」という既成指導部のあきらめの現実を突き抜け、08年に斎藤郁真委員長の新執行部が登場した。それは、「われらが母校法政大学は、学府を冠する機関としてその体を成していない。誰かが大義に殉じる覚悟でもって決起しなければならない。そしてそれは、われら無冠の学徒の立ちたるところである。学友のため、後世のため、われわれ文化連盟は学徒の触覚たらんと敢然と決起する」(文化連盟決起要綱、08年6月)とあるように、まさに全法大生の怒りの体現だった。新自由主義攻撃にさらされていた法大生の、腐敗しきった法大・増田総長体制に対する根底的な怒りの表明だった。そしてこの文化連盟の闘いの中に学生自治会の原型がある。
 全学連は、新自由主義よって未来を奪われる怒りへの肉薄、法大の現実から一歩も引かない生き方をかけた決起、そしてマルクス主義の労働者自己解放の思想と実践によって、文化連盟と固く結合し、法大闘争の前進をかちとってきた。この法大闘争の内容で反原発闘争を闘い、全国学生の渾身(こんしん)の決起をつくり出す中にこの秋の闘いの展望がある。

 大学を奪還し原発廃止へ

  新自由主義大学の腐敗が原発を支えていることが、「3・11」ですべて暴かれた。だからこそ、学生が自らの力で大学を奪い返す中に原発廃止の道がある。御用教授をキャンパスから一掃し、「原発廃止のための原子力研究」へと転化する。反原発闘争の爆発で学生自治会を建設する。そして大学を「新自由主義粉砕・帝国主義打倒」の砦(とりで)とする。
 今次全学連大会において、法大闘争で鍛え上げられた新執行部がうち立てられる。原発推進の一方で、われわれを「学費−就活−奨学金」の三重苦で縛りつける大学のあり方が許せないすべての学生は全学連大会に集まろう!
 とりわけ法大生のみなさん! 法大における学祭規制−飲酒規制などすべての攻撃をひっくり返す可能性は法大生自身の中にある。闘って自由と団結を取り戻そう。マル学同法大支部はその先頭に立つ。法大闘争と反原発闘争の爆発に向け、全学連大会に大挙参加しよう! そして9・11反原発大行動と法大闘争の爆発をかちとろう!

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全学連第72回定期全国大会

9月9日(金)〜10日(土) 午前9時半開会(9日)
東京・文京区民センター(9日)/ 浜町区民館(10日)
 参加費/1000円(資料代など。宿泊費は除く)
 連絡先/電話 050-3036-6464
 mail_cn001@zengakuren.jp http://www.zengakuren.jp/

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週刊『前進』(2500号5面2)(2011/08/22 )

 2011年版防衛白書 中国との対決が前面に

 3・11下で日米同盟強化狙う

 2日、2011年版防衛白書が閣議に報告され了承された。民主党政権下で2度目の防衛白書だ。
 大恐慌・大震災情勢のもとで体制存亡の危機に直面している日帝は、危機のりきりのために国内で労働者階級に対する階級戦争を激化させる一方、対外的には「北朝鮮・中国の脅威」をあおり立て、軍事力強化と侵略戦争の道を突き進んでいる。今年の防衛白書ではとりわけ対中対決を前面に出し、「中国に対抗できる力の形成」を叫んでいる。
 第1章「わが国を取り巻く安全保障環境」で、中国について「わが国の近海などにおいて活動を拡大・活発化させている」「高圧的とも指摘される対応を示すなど、今後の方向性について不安を抱かせる」「国防政策の不透明性や軍事力の動向は、わが国を含む地域・国際社会にとっての懸念事項」であると言っている。
 また北朝鮮について、「核兵器計画が相当に進んでいる可能性も排除できない」「わが国の安全に対する重大な脅威であり……断じて容認できず、その動向が強く懸念される」「軍事的挑発行動を繰り返し……引き続き予断を許さない状況」などと強い調子で非難している。
 防衛白書と一体で5日、防衛省は「防衛力の実効性向上のための構造改革に向けたロードマップ」を発表した。新防衛計画大綱の柱である「動的防衛力」の重点分野として、@島嶼(とうしょ)防衛、APKO(国連平和維持活動)への積極参加、B有事・大規模災害対処――を挙げ、首都圏と南西諸島を自衛隊配備の重点地域とし、有事の際の民間と米軍の輸送力活用を打ち出した。
 また、枝野官房長官は10日の参院沖縄北方対策特別委で釣魚台(尖閣諸島)について、日帝がすでに「実効支配している」と強調し、「他国が侵略してきたら、あらゆる犠牲を払ってでも自衛権を行使し、これを排除する」と述べた。領土拡張への野望をむき出しにし、そのためには自衛隊の軍事力行使=戦争突入も辞さない考えを示した。
 他方で、米軍と日米安保について防衛白書は、東日本大震災の際に「トモダチ作戦」を展開した米軍との連携を「今後の日米同盟のさらなる深化につながるものとなった」と評価した。
 昨年の11・23延坪島(ヨンピョンド)砲撃戦をもって、米日韓の北朝鮮と中国への侵略戦争は決定的に開始された。この8月にも北朝鮮の体制転覆、金正日の殺害を狙った米韓合同軍事演習が展開されている。日帝はこの米軍の動きと一体化して北朝鮮・中国に対する侵略戦争体制づくりを進めているのだ。それは、大恐慌の深まりの中で中国や東南アジアへの経済侵略を狙う日帝資本家階級の「新成長戦略」と完全に一体である。
 3・11大震災と福島原発事故が示したことは何か? 日本労働者階級の生活と生業を破壊し命を奪う真の敵は、北朝鮮でも中国でもなく、日本帝国主義・資本家階級そのものだということだ。 
 今こそ日帝に対する怒りを爆発させ、国鉄闘争と反原発闘争を2大柱に、日本帝国主義を打倒しよう。労働者が真の主人公の社会をつくろう。

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週刊『前進』(2500号5面3)(2011/08/22 )

 イギリス青年労働者の反乱

 全土に「生きさせろ!」の叫び

 革命を切り開く歴史的決起

 8月6日、ロンドンで爆発した青年労働者の暴動は瞬く間に英全土に拡大し、この25年間で最大の暴動に発展した。それは最貧困層の労働者階級の「生きさせろ!」と要求する反乱であり、イギリスの支配階級を根底から震撼(しんかん)させた。イギリスの労働者階級が人間として生きていくためには、腐敗しきった資本主義を根底的に打倒し、新たな労働者階級のための社会を建設する以外にない。青年労働者の歴史的反乱はその突破口を切り開いた。
(写真 リバプールに波及した青年の反乱【8月8日】)

 警察が黒人青年を虐殺し抗議の暴動

 ロンドンの高失業率地域のトッテンハムで8月6日に起きた暴動は、8月4日にマーク・ダガンという29歳の黒人青年を職質し、射殺した警察に対する抗議行動を契機として開始された。
 警察は、ダガンさんを「麻薬の売人、ギャングの一味」であるというデマを流した上で、彼が先に警官に向けて発砲したので、正当防衛で射殺したと発表した。だが実際には、その後の調査で、現場には警察官の発射した2発の銃弾しか発見されず、ダガンさんが持っていたとされた銃には弾丸が発射された形跡がなかったことが明らかになった。8月6日のダガンさんの家族と友人による抗議行動は、警察のデマに抗議し、真相を明らかにすることを強く要求するものであった。
 だが、警察はこの抗議に誠実に対応しなかったばかりか、抗議のために集まっていた一人の若い女性を警棒で殴打し、倒れたところを殴る蹴るの暴行を加えた。これに怒りを爆発させた若者たちが警察署や警察車両に火を放ち、警官たちと衝突するなかで、日ごろから警官によって抑圧され、不当な暴行を受けていたアフリカ系やアジア系の青少年の怒りに火がつけられ、暴動が全市に拡大していったのだ。
 9日までに、暴動は英第二の都市バーミンガムやブリストル、リーズ、リバプール、ノッチンガム、マンチェスターなどの大都市に拡大し、前代未聞の規模に発展した。各地での暴動は白人青年労働者や失業者、学生などの広範な参加を得て、特定のエスニック集団に限らないイギリスの青年労働者や失業者全体の普遍的な闘いへと発展していった。

 20%以上の大失業若者の怒りが爆発

 こうした現実に驚愕(きょうがく)したキャメロン政権は、まず、暴動がもっとも激しく、広範囲でおきた首都ロンドンに全国から前代未聞の1万6000人もの警察官を投入して反乱を暴力的に鎮圧しようとした。警察の装甲車や騎馬警官が投入され、さらには状況しだいでは、北アイルランドでのデモ鎮圧用に使用されていた放水銃やプラスチック弾の使用、軍の投入も検討するとされた。地方の諸都市でも同様の暴力的弾圧が行われ、8月15日までに全国で2882人が逮捕され、主要都市の警察留置場は満杯になった。うち1179人(その約半数が18歳から24歳)が裁判にかけられ、みせしめのために即決で判決が下されている。
 被逮捕者の起訴率は異常に高く40%を超えた(通常は3・5%)。判決も異常な厳しさだ。例えば、ある20歳の学生は、400円相当の水を盗んだとして6カ月の投獄、ある若い母親は、略奪されたとされる下着をもらって持っていたという理由で5カ月の投獄を宣告された。しかもこれは微罪裁判所での判決で、多くの若者が重罪を宣告できる刑事裁判所に送られている。
 政府はこの暴動を「特定の犯罪集団やギャング集団」が扇動したものであり、扇動に便乗した者も「モラルの崩壊」した犯罪者だとして、暴動の本質を徹底的に覆い隠して厳しい弾圧方針をとった。野党や主要な労働組合の体制内派指導部も政府のこの方針を容認した。
 だが暴動の本質はそこにあるのではなく、青年労働者を永続的な失業状態に追い込み、一切の抵抗闘争を凶暴な弾圧によって抑え込んできた政府・資本家に対する彼らの積年の怒りが、ダガンさん虐殺事件を引き金として爆発したという点にある。

 低所得層支援の予算も大幅削減

 新自由主義政策の全面展開のもとでの大失業攻撃と非正規化攻撃によって、賃金の低下、高い失業率、生活の劣悪化という状態を強いられていた低所得層の青年労働者たちは、08年のリーマン・ショック以降の経済破綻と財政危機への対処策として打ち出された社会保障費、教育費、失業手当、生活手当、住宅手当の削減などによって決定的打撃を受けた。低所得の青年を支援する予算も今年は75%も削減された。このため、20%を超える失業率にあえぐ青年たちの最後の交流場所であり、心の支えとなっていた公的図書館やスポーツ施設などの閉鎖と、公営住宅費支援金、生活支援金の削減などの措置が取られた。それは低所得の青年層を極限にまで追い詰めた。
 こうして青年労働者たちは、低所得者を対象とした粗末な公営住宅地域に閉じ込められ、永続的な失業状態のまま将来の展望は何もない絶望的な閉塞(へいそく)状態に置かれた。
 政府の新自由主義的政策を支持する既成の労働組合も、このような問題に一切関与せず、青年労働者たちを孤立させたままにした。今回の暴動の直前には、社会から排除され、見殺しにされているという怒りが、低所得の青年層の間に充満していたのである。
 そしてこれらの青年たちをただただ治安的観点から監視し、抑圧し、とりわけ黒人系、アジア系の青年労働者に人種差別的暴力を振るう警察に対する怒りも爆発寸前に高まっていた。
 だからこそ、同じ境遇の青年労働者であったダガンさんの警察による虐殺を青年たちは自らに対する虐殺攻撃と受け取り、怒りを爆発させたのだ。

 闘う労組を組織し資本主義を覆そう

 青年たちは、何もできないちっぽけな存在と思い込まされてきた。だが、自分たちの団結した闘いで、キャメロン政権の新自由主義政策と青年労働者に対する抑圧と差別の政策に大反撃することを通して、実は自分たちが自らを解放する力を有しているのだということを確信した。こうしてイギリス帝国主義に対する反乱は彼ら青年たちに巨大な解放感を味わわせ、希望を与えた。
 青年労働者たちの怒りの爆発は、まだ自分たち労働者階級が持つ真の力を資本主義社会を根底的に転覆するものへと正しく組織する意識性を有していないが、彼らがこの闘いによって自分たちが持つ力に大きな自信をもったことは決定的に重要だ。
 今回の青年労働者の反乱は、80年代から始まるレーガン、サッチャー、中曽根を先頭とする国際帝国主義による新自由主義攻撃との攻防の延長線上にある。その最末期の帝国主義の新自由主義政策はイギリスにおいても大破産していることを指し示している。イギリスの青年労働者がエジプトの労働者のように、自分たちの利害を真に代表する闘う労働組合を組織して闘うならば、必ずや自分たちを抑圧する資本主義社会を根本的に打倒することができる。青年の反乱はそのような闘いの突破口を切り開いた。
 青年労働者や失業者の自己解放の闘いを組織する革命的労働運動勢力と前衛党をつくり出すことが決定的だ。イギリスの労働者階級はこの歴史的課題を必ずや実現し勝利への道を切り開くであろう。
 (丹沢 望)

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週刊『前進』(2500号6面1)(2011/08/22 )

 “原発とめよう 世の中かえよう”

 第17回8・15労働者・市民のつどい

 “反戦・反原発・反失業を闘う”

 シーハンさんや民主労総と共に

 8月15日、早朝の靖国参拝阻止デモを引き継ぎ、「原発とめよう 世の中かえよう 8・15労働者・市民のつどい」が東京・中野区のなかのゼロ小ホールで行われ、575人が会場を埋めた。アメリカの反戦活動家シンディ・シーハンさん、福島の母親、韓国の民主労総を迎え、その全身全霊をかけた反戦・反原発・反失業の訴えに応え、ともに闘うことを誓った。9・11反原発行動を成功させ11・6労働者集会1万人結集を実現する、待ったなしの闘いが始まった。

 改憲への動きに警鐘

 戦後50年の1995年に始まった「8・15のつどい」は今年で17回め。主催者あいさつで実行委代表の葉山岳夫弁護士が、「広島で結成された『すべての原発いますぐなくそう!全国会議』(な全)の運動の趣旨と本集会のメインスローガンは一体だ。原発をとめて世の中をかえよう」と呼びかけた。朝のデモについては、法大の倉岡雅美全学連副委員長が1人の仲間が不当逮捕されたことを弾劾し、「本集会につなげる闘いをやった」と報告した。
 続いて、平和遺族会全国連絡会の西川重則代表が、「参院で憲法審査会の始動を許す手続きが完了した」と改憲への動きに警鐘を鳴らした。そして「シーハンさんも私と同じ戦没者遺族。直接大統領に向かって責任を追及したのも、天皇の戦争責任を追及している私と同じ」と連帯の意を表し、「民主労総も参加している。国際連帯が戦争を阻止するために絶対必要だ」と強調した。

 原発の再稼働阻止を

 基調報告を森川文人弁護士が行った。「3・11の震災・原発事故は大恐慌下、世界規模の革命情勢の中で起きた」とし、「核は軍事目的で開発された。『原子力の平和利用』はうその始まり。核と人類は共存できない。人類的危機を原発政策は招いた。子どもたちの未来が奪われた」と弾劾した。3・11以降の闘いを振り返り、「反原発デモを爆発的な大衆運動として拡大させ、推進キャンペーンをぶち破って原発の再稼働を阻止している。次は9・11。全国で闘おう」と呼びかけた。
 また、「原発の本質は資本主義の本質。資本にとっては利潤追求が最高の正義で労働者民衆は商品にすぎない。被曝労働者は非正規労働者であり何の補償もなく切り捨てられてきた」と怒りを込めて語り、「郵政非正規ユニオンの代理人に就任した。反原発とともに、生きさせろ!の闘いとして民営化絶対反対、解雇撤回の闘いをやり抜こう。資本家から政治も経済も原発も取り上げ、私たちで回していくしかない」と明快に結んだ。
(写真 基調報告を行う森川弁護士)

 原発と戦争は不必要

 8・6広島―8・9長崎闘争をともに闘い沖縄を訪問したシンディ・シーハンさんが、拍手の中マイクを握った。まず「政治家や戦争でもうかるやつらに戦争をやめる動機はない。直接戦争で苦しまないからだ」と語り、「大統領が、イラクやアフガンに派兵する兵士を増やさなくてはいけないと悲しそうな顔で言うと腹が立つ。ならば戦争をとめるべきだ。大統領はうそつきだ」とオバマを弾劾した。
 息子のケーシーさんがイラクで戦場に行くトラックに乗り込むのを拒否したことを「誇りに思う。自分の国が戦場にしている国の人を殺すのを断ったからだ」と述べ、「その抵抗が戦争を終わりにできる。兵士の母親たちが子どもを他国に殺しに行かせないようにしなくてはならない」と決意を語った。「原発は戦争と同じくらい不必要。私は『反戦』と『反核』の母。アメリカでは『平和の母』と言われるが『革命の母』として歴史に残りたい。私たちの時代の悪の制度は制度内改革では直らない。唯一打倒できるのは私たちの連帯、団結の力」と言明した。質疑応答も行った。
 カンパアピールの後、「な全」の富田翔子事務局次長が青年・学生とともに登壇し、原発絶対反対のデモと再稼働阻止の1千万人署名に取り組むと活動方針を示した。
 軽快な音楽とともに松元ヒロさんが現れ、コント「ノーモア・ガンバレ・ニッポン」を熱演。痛烈な風刺に爆笑したり凍ったりの連続だった。
(写真 8・6広島―8・9長崎闘争をともに闘い沖縄を訪問したシーハンさんが反戦、反核、革命を熱く語った【8月15日 東京・なかのゼロ】

 福島の母親から訴え

 特別報告の初めは福島からの訴え。子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク世話人で福島子どものいのちを守る会の佐藤幸子代表が、文科省交渉や土壌の独自調査など、これまでの取り組みを報告した。学会の公開講座での安全キャンペーンや県の健康調査のでたらめさを弾劾し、母親たちの怒りと不安をつぶさに語った。
 佐藤さんが反原発への学生の決意に触れて「それを信じます。ぜひ若い人の力で原発をとめて下さい」と訴えると、これに応えて拍手が会場全体からわき起こった。
 続いて、韓国の民主労総ソウル本部のノミョンウ首席副本部長とキムハヤン組織次長(未組織非正規担当)がそろって登壇した。ノ副本部長はイミョンバク政権が「物価高騰、財政破綻、社会的他殺(解雇と政治弾圧)の主犯」であると断罪、組合つぶしと対決し、イ政権を終わりにし「資本と政権に反撃を加える闘争を展開する」と宣言した。また「核の廃棄は生存の必須条件。核のない世の中をつくり出すためにともに闘おう」と呼びかけた。
(写真 全世界の民衆の団結で核と原発を廃棄しようと呼びかける民主労総のノ首席副本部長。右はキム組織次長)

 外注化阻止し11・6へ

 特別報告の最後は動労千葉の田中康宏委員長。「全国の怒りを力に変えるために結集する場として、11・6日比谷野音で『反原発・反失業、闘う労働組合をよみがえらせよう』をスローガンに全国労働者集会を開く。仲間を連れて集まってほしい」と呼びかけ、「この秋、勝負を挑みたい。外注化阻止闘争だ。この闘いと反原発闘争が結合したら労働組合がよみがえる」と不退転の決意を示した。
 続いて、各方面からのアピールと決意表明が行われた。「福島地裁での裁判員裁判強行を許さない。裁判員制度と原発は直ちになくそう」(裁判員制度はいらない!大運動)、「反合・運転保安闘争が労働者の団結の基礎、国際連帯の力。原発廃止とJR体制打倒と1047名解雇撤回は一体」(吉野元久国労共闘代表)、「命よりも金もうけを優先し、おれたちの未来を奪い子どもたちの命を奪う腐敗しきった社会を変えるために、世界中の仲間と団結して闘う」(労組交流センター青年部準備委員会)、「福島の思いに応え、新しい運動を巻き起こそう。9月全学連大会ですべての原発をとめる突破口を切り開く」(坂野陽平全学連委員長代行)
 最後にス労自主労組の入江史郎委員長が「原発をとめて資本主義の息の根をとめよう」とまとめを行った。全原発の停止・廃炉へ向け団結ガンバローで締めくくった。

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週刊『前進』(2500号6面2)(2011/08/22 )

 「つくる会」系教科書許すな

 沖縄・八重山での採択阻止を

 自衛隊実戦配備の狙いと一体

 8月23日、沖縄県八重山地区(石垣市、竹富町、与那国町)で来春からの中学校教科書選定の「教科書用図書八重山採択地区協議会」が開かれる。この協議会の玉津博克会長(石垣市教育長)が「新しい歴史教科書をつくる会」系の育鵬社、自由社教科書の採用を画策してうごめいている。
 新防衛大綱に基づき宮古島、石垣島などに自衛隊の実戦部隊を配備し、八重山を日米帝国主義の北朝鮮・中国侵略戦争の最前線拠点とする攻撃が進められている。その突出した先兵が、昨年3月に石垣市長となった自民党系極右・中山義隆だ。9月の市議選で自民党が与党となり、10月には市議会で日本共産党を含む満場一致で「尖閣諸島」(中国領・釣魚台)上陸決議を採択し、上陸許可を菅政権に要請した。中国敵視と排外主義をあおる中山市長を先兵に、自衛隊の八重山配備が工作されているのだ。その中山が戦争賛美・沖縄戦歪曲の「つくる会」系教科書を導入しようと玉津を石垣市教育長に据えたのだ。
 しかし戦時中、日本軍によってマラリア有病地へ強制疎開させられた半数以上がマラリアに感染し、3674人もの死者を出す大惨事(戦争マラリア事件)を経験した八重山の住民にとって、自衛隊配備は絶対に受け入れられるものではない。

 日本軍関与否定

 玉津は、育鵬社・自由社の歴史・公民教科書を「文科省の検定を通っており問題ない」と断言している。「集団自決」における日本軍の軍命については「県民の感情と学問的な事実を教科書がどう表現すべきかという点は分けて考えないといけない」などとうそぶいている(琉球新報8・12付)。
 育鵬社の歴史教科書は「米軍の猛攻で逃げ場を失い、集団自決する人もいました」、自由社は「米軍が上陸する中で、追いつめられた住民が、家族ぐるみで集団自決」と、意図的に日本軍の関与を抹殺し、米軍によるものだと教える内容だ。
 さらに、「つくる会」系教科書の最大の問題点は福島原発事故が起きてなお、「原子力産業の発展や安全性」「原子力発電所との共存」と原発推進をうたっていることだ。在沖米軍は3・11後、即座に北朝鮮による核攻撃を想定した「トモダチ作戦」なる日米共同作戦に打って出た。絶対に許せない。
 今回、玉津は現場の教員らが調査員となって推薦図書を「順位付け」して協議会に報告する従来の方法を廃止した。自ら改正した規約を無視し、玉津本人が調査員を任命した。8人の協議会委員も、これまで入っていた各教育委員会の担当課長ら教職員を外し、教育委員や学識経験者で再構成した。さらに協議会を非公開とし、無記名投票で選定するという露骨なやり方で「つくる会」系教科書採択への道筋をつけた。この手法は、育鵬社の歴史・公民教科書を採択した横浜市などと同じだ。だがこれに沖縄、八重山から怒りの反撃が爆発するのは必至だ。

 労組の闘いが鍵

 8月16日には沖教組の山本隆司中央執行委員長が石垣市教育委員会を訪れ、玉津会長に沖縄戦の実相をより正しく記述している社会科教科書を採択するよう要請した。
 2007年9月29日、沖縄戦での日本軍の「集団自決」強制の記述を削除した高校歴史教科書の検定意見の撤回を求めて12万人が沖縄県民大会に結集し、「ゆがめられた教科書は再び戦争と破壊へと向かう」と歴史歪曲を許さない沖縄の総意を示した。
 今回の教科書攻撃は、この12万人決起を実現した教労、自治労を先頭とする沖縄の労働運動・労働組合への翼賛化攻撃だ。沖縄の労働者階級の総決起で粉砕しよう!

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週刊『前進』(2500号6面3)(2011/08/22 )

 前進社不当捜索国賠訴訟 “開示命令を出せ”

 捜索関連文書巡り決戦

 7月15日、前進社不当捜索国家賠償請求訴訟の第8回口頭弁論が東京地裁民事第1部(渡部勇次裁判長)で行われた。原告弁護団は文書提出命令の申し立てを行い、被告(東京都と国)に文書の開示を迫った。
 開示を求める文書は、警視庁が捜索差押許可状を請求した際の捜査資料と前進社の捜索を強行した際の報告書である。これらは、捜索許可状発付が根拠のない政治弾圧であったこと、前進社の捜索が違法・不当に行われたことを明らかにするためのものである。前回の5月19日第7回口頭弁論では、裁判長も被告の東京都と国に対して開示するようにと促していた。ところが、被告が開示した文書は、捜索の際、立ち会い人である原告に示した捜索差押許可状と同文の捜索差押許可令状請求書だけであった。違法・不当な捜索を隠蔽(いんぺい)するための開示拒否であり、断じて許すことができない。
 今回の口頭弁論では、被告の文書開示拒否にはまったく理由がないことを突き出して、あくまで開示拒否を貫こうとする被告の姿勢を弾劾し、裁判長に開示命令を出すよう迫った。裁判長は被告に対して、文書提出命令の申し立てに対する意見を8月5日までに回答するよう通告し、裁判所の判断を次回期日までに示すとした。
 最後に原告の同志が意見陳述を行い、5月20日の三里塚現闘本部裁判の控訴審判決と、「不退去罪」による50人の大量逮捕を徹底的に弾劾した。天神峰現闘本部を強制撤去する「仮執行宣言」付きの反動判決は許し難い。強制執行の執行停止を申し立てた弁護団と一緒に東京高裁に待機していた反対同盟をはじめとする50人の逮捕も前代未聞の許し難い大弾圧である。不当逮捕にともなう所持品の押収もでたらめきわまりないものだった。逮捕された全員が「不退去罪」と何の関連性もない着衣や所持品(現金やメガネ、果てはおにぎりやあめ玉まで)を身ぐるみ押収された。公安警察の違法・不当な政治弾圧を断じて許さない。
 さらに同志は、3・11東日本大震災と福島原発事故は新自由主義がもたらしたとてつもない人災であり、国家と資本の階級的大犯罪であることを突きつけた。原発は「絶対安全」「クリーン」と強弁し、あらゆる批判・警告と反対論を圧殺することで原発建設を推進してきた歴代政府、東京電力、御用組合、それに加担してきた裁判所にも責任があり、それは昭和天皇の戦争責任ほど重いと、怒りを込めて弾劾した。
 次回は8月26日午後1時半、527号法廷だ。被告の東京都と国に対して、原告が請求しているすべての文書を開示させる決定的闘いだ。全力で傍聴闘争に決起しよう。

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週刊『前進』(2500号6面4)(2011/08/22 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 広島で反原発運動の盛り上がりを実感! 広島大1年 S・H

 稼動中の原発の即時停止、そして全原発を直ちになくそうと、全国から広島にたくさんの人が集まりました。その熱意と数に反原発運動の盛り上がりを実感しました。
 5日にはNAZENが結成されました。そこでシンディ・シーハンさんが戦争をやめない米国、新自由主義のもとでの労働者の扱われ方など、社会の矛盾を訴え、労働者や学生の団結こそこの社会を変えられると団結を呼びかけました。
 また人類とは共存できないはずの核を「平和利用」などと言い、原発の危険な実態を隠し「安全だ」と言い張る。そして、いざ事故が起こると、御用学者を使い事故の過小評価に必死になり、「想定外だった」などとして責任を回避する。自然を想定しようなど、今の科学を過大評価しすぎであり、この社会の矛盾が今回の大事故を引き起こしたとあらためて確認しました。
 東電社長は責任を取って辞職したそうですが、いったい何の責任を取ったのか! 真っ先に先頭に立ち、原発内で事故対応をすべきではないでしょうか。原発事故の影響で亡くなった方や健康を害した人、あるいは何年後かにそうなった人にお金や形だけの謝罪で責任が取れるはずがない。
 ビキニ事件がわずか9カ月で日米政府が政治決着をつけていたことなど、新しく学んだことも多かったです。初参加でしたが、デモなども含め広島での3日間は大変意義のあるものでした。

 怒りの入り口違えど根本問題すべて共通 富山大 青葉薫

 私は、8・6ヒロシマ大行動と8・7全国学生集会に参加しました。私にとって広島県を訪れることは人生で初めてで、デモに参加することも生まれて初めてのことでした。それまで学習会で討論を何度か行ってきましたが、今回のように、自分がかつての被爆地を訪れて自ら行動を起こしたことは、私にとって何よりも良い体験になりました。
 8月6日の朝、原爆ドーム前には数えきれないような人びとが全国から、全世界から集結していました。私たちのように「すべての核と原発をなくせ」と声をあげる団体もいれば、解雇された国鉄職員の原職復帰を訴える団体、星野文昭さんの無実を訴える団体、闘う労働組合をよみがえらせることを訴える団体など、さまざまな動機をもって8・6ヒロシマに結集していることがわかりました。ここで私が感じたことは、各団体が訴えている問題は、それぞれ深く関連していること、解決すべき根本的問題はすべて共通していることだ。その問題とは、人よりも経済が優先される現代の社会構造を改めていくことだ。人間が人間らしく生きることのできる社会を実現するには、私たちから声をあげて訴えていかなければ変革などできない。怒りの入り口はそれぞれ違えど、われわれは団結して立ち向かう根本的な社会問題を背負っている。
 8・6ヒロシマを出発点に、私たちが声をあげ続けることで、一人ひとりが大切にされる社会を必ず実現させたい。

 解放感あふれるデモパワーに圧倒された 富山大 川越一樹

 私は、今回の8・6ヒロシマ大行動で初めてデモに参加しました。初めてデモに参加してみて、デモの持つパワーに圧倒されました。参加していた方々は、とても生き生きしていて、解放感にあふれており、その力に巻き込まれるように途中参加してくださる市民の方もいて、デモのすごさを感じました。また、反戦・反核・反原発だけでなく、反失業などの労働者闘争を抱えて参加している方々も多くいて、今の社会に対するさまざまな怒りがあふれているのだなとも感じました。
 デモの前後に行われた集会でも、世界中のさまざまな立場の人びとが反戦・反核など、現在の社会に対するあらゆる怒りを持っていることを知ることができました。世界大会になったという点で、8・6広島はとても有意義なものになったのではないかと思います。
 今回のデモの成功が、全国の原発稼働停止、世界の核廃絶に結びつくよう、今後の活動がより多くの人を巻き込んだ、大規模なものになってほしいと思います。

 御用学者・福士政広の講演に疑問や批判 東京東部 大島正

 8月1日に江戸川区が「放射線・放射能を正しく理解しよう」と新手の御用学者・福士政広の講演会をやるというので、会場前でビラをまいて訴え、中に入りました。
 福士は1時間半ダラダラとインチキ話を続けたあげく、質問時間はたった15分! 「デジタルのように危険か安全かの二者択一が問題ではない」と言いつつ数字を操って「放射線はたいしたことない」とくり返し、「線量計は高めに設定してある」と言い出す始末。
 質問しようと挙手しましたが司会は意図的に当てません。しかし最初に当たった女性が「清掃工場に高濃度の汚染があるが区内にあったものですよね。私が勉強した先生はまったく違うことを言ってます」と批判。次に若いお母さんが「茶葉は汚染されてるが土壌は大丈夫」という福士のインチキに一生懸命質問。さらに司会が当てたのは区役所で闘う仲間。彼は区の職員だと言明し「講師が根拠とするICRP(国際放射線防護委員会)は、そもそも原子力推進機関ではないか。内部被曝を無視している」と批判、かなりインパクトがありました。しかし、ここで質問打ち切り。当然、抗議の声が。青年たちが講師に食い下がり弾劾しました。
 終了後、同じ会場の別室で相談会を呼びかけたら数十人も集まり、思いの丈を次々語り合いました。若いお母さんは涙を流して訴えていました。8月18日には区に対抗して「子どもたちを放射線から守る小児科医ネットワーク代表」の山田真さんの講演会を同じ会場で一緒にやろうという話になりました。

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