ZENSHIN 2011/08/01(No2498 p10)
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週刊『前進』(2498号1面1)(2011/08/01 )
米帝の債務不履行=国家破産。資本主義は終わりだ!
大恐慌・大震災と闘う8月決戦
8・6広島−8・9長崎闘争で反原発=菅政権打倒へ進もう
8・6大行動原爆ドーム前(午前9時)に結集を
三里塚現闘本部破壊を阻止せよ
被爆66年目の8・6ヒロシマ−8・9ナガサキの闘いが目前に迫った(要項4面)。今年のヒロシマ−ナガサキで、壮大な革命的展望をもった反原発と反戦反核の大運動が新たに始まろうとしている。「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」(な全=NAZEN)が、8月5日に広島で結成される(呼びかけ文別掲)。今や反原発闘争は国鉄決戦とともにプロレタリア革命勝利への戦略的な闘いとなった。8・6ヒロシマ−8・9ナガサキに全国から総結集しよう。
(写真 組合員が大会を傍聴することさえ拒否する国労本部に激しい怒りをたたきつける闘う国労組合員たち【7月28日 静岡県伊東市】)
広島・長崎と福島の怒りはひとつだ
3・11の東日本大地震・大津波による大災害と福島第一原発の大事故という二つの巨大災害。東北地方沿海部の広大な地域が、いまだに瓦礫(がれき)の山だ。建屋が吹き飛び、メルトスルーで圧力容器と格納容器の底にも穴があいた福島第一原発は、今も放射能を垂れ流し、広範囲に被害を拡大し続けている。空も大地も、海も川も、地下水も、深刻な汚染が続いている。こんなことが許せるのか。
今や、日帝国家と資本によるこの未曽有の階級的犯罪への怒りの行動に、被災地の労働者人民を先頭にして、巨万の決起が開始されている。これはすべての原発を即時停止し、廃炉にするまで、日帝打倒の革命勝利まで、止むことのない壮大な闘いの始まりだ。
菅は、全世界注目の今年の8・6ヒロシマを昨年に続いて訪問し、「脱原発依存」のペテンをもって原発への怒りのエネルギーを取り込み、政治的に延命しようともくろんでいる。それは、オバマの「核のない世界」ばりの大ペテンであり、とんでもない反革命だ。菅のヒロシマ訪問など断じて許すな!
1945年8月6日の広島で14万人、8月9日の長崎で7万人を虐殺し、残留放射能による被曝でさらに多数の人々を殺してきた原爆。生き残った人々は被爆後遺症を抱えながら、全国で生きかつ被爆を弾劾し闘ってきた。被爆者にとって被爆は常に現在形であり、その全存在で帝国主義を撃ち続ける。
3月末現在で、福島県内にも92人の被爆者健康手帳保持者がおり、福島第一原発の半径30`圏内では8人存在するという。高齢となった彼らの上に、3・11の「3発目の原爆」による放射線が降り注いでいる。
とりわけ子どもたちが深刻な被曝にさらされ、「避難もさせずに行う健康調査とは、まるで人体実験だ」と、人々から激しい怒りが噴出している。彼らは「ふるさとを元通りにして返せ!」と叫んでいる。政府と東京電力を弾劾し、未来と人間を奪い返すための闘いに立ち上がっている福島の労働者人民の叫びは、ヒロシマ・ナガサキの被爆者の叫びと一つだ。
大恐慌の本格化
世界大恐慌の本格的な激化、米帝の債務不履行(デフォルト)と国家崩壊の危機。今や資本主義・帝国主義は終わりだ。この歴史的情勢、革命的情勢に真っ向から立ち向かい、青年労働者と学生を先頭に現地に大結集しよう。菅を迎え撃ち、たたきのめして、8・6ヒロシマ大行動の大成功を闘いとろう。
今年の8・6ヒロシマ大行動は「反原発の世界大会」だ。すべての原発を即時停止し廃炉にせよ! 原発再稼働と新たな原発の建設を絶対に許すな! 8月広島・長崎闘争の爆発で日帝・菅政権を打倒しよう。
原発は即時停止と廃炉以外にはない
福島原発事故を引き起こした階級的犯罪人である日帝ブルジョアジーは、原発事故への言及も反省もない「震災復興マスタープラン」(日本経団連)を出し、岩手や宮城に「復興特区」をつくり、「復興」を大資本の食い物にしようとしている。放射能汚染の福島県民を見捨て、瓦礫も放置し、被災者救援などそっちのけで大企業・大資本の復旧と利潤追求に躍起となっている。
そもそも3・11の直後に「復興ニューディール」を叫んだのは菅だ。大震災と原発事故の戦慄(せんりつ)する事態の中で、もうけることだけを目的に政府も資本家も動いた。何という奴らだ! 菅政権やブルジョアジーは被災地救援も放射能対策も原発事故収束もできず、やるつもりもなかったのだ。
彼らは福島県民を見殺しにする一方で、「全原発を再稼働させろ」と叫び立てている。今のままでは来春に日本のすべての原発が停止し、電力供給が「原発抜き」になると10〜15%の節電があと5年は続き、それでは日本経済がもたない、日本が沈没すると叫んでいる。原発事故続発で日本の全労働者人民を破滅にたたき込んでも、原発を維持・推進しろと要求している。これがブルジョアジーの正体だ。菅も、海江田も、民主党も、野党も、これと同じような連中だ。
だが労働者人民にとって、原発は即時停止と廃炉しかない。原発の「安全対策」とはただ一つ、運転を止めて廃炉にすることだけだ。人類は核・原発と共存できない。人間は核と原発を制御することなどできないのだ。
3・11をもって反原発は革命のスローガンとなった。3・11は日本帝国主義の崩壊の始まりだ。原発とブルジョアジーの正体、それが労働者人民とは非和解であることを、誰もが知った。しかも数十万数百万の規模で始まった震災解雇、大失業の新たな攻撃が強まっている。これに対し、巨万の大衆的な怒りが巻き起こり、自主的な行動が開始されている。国鉄決戦とともに反原発・反失業は、日帝打倒、革命勝利への戦略的な闘いとなった。
反原発・反失業と国鉄決戦の戦略性
この画期的な情勢の中で、あろうことか国労本部を始めとする4者4団体は、25年間闘い続けた1047名解雇撤回闘争の「終結」を宣言するに至った。戦後労働運動を支えてきた国労がこのように日帝資本と権力の軍門に下ることは、青年・学生を先頭に澎湃(ほうはい)と巻き起こる反原発の闘いに対する最大の裏切りである。
いまこそ労働組合が果たすべき役割は明らかだ。資本主義は崩壊している。倒産が激増し、震災解雇がさらに激化する。フクシマを繰り返すな! この怒りの中で、ついに国労の中、JRの中から青年労働者が怒りに燃えて決起し始めた。
もともと反原発と反核は労働組合の闘うスローガンだった。原発建設を止めた1970年代の電産中国の闘いしかり。79年米スリーマイル原発事故以降の81〜83年の全世界的な反原発・反核闘争の高揚しかりだ。浜岡原発公開ヒアリング阻止闘争は激しい実力闘争に発展した。
だが、反原発闘争と反合理化・職場闘争とを分離し、反原発闘争を「政治闘争」に一面化した体制内の労働運動は、国鉄分割・民営化攻撃、国労解体・総評解体と連合結成に対決して闘うことができず、体制内労働組合は反原発をも捨てていった。この中で新自由主義攻撃が激化し、原発の大増設と核燃料サイクル施設建設が一体で進んできたのだ。
だが動労千葉は、国鉄分割・民営化と闘い、階級的な時代認識と反合理化・運転保安闘争路線のもとで、三里塚ジェット燃料輸送阻止闘争や三里塚開港阻止決戦に決起し、今日まで分割・民営化絶対反対を貫き、外注化や非正規化を許さずに闘い勝利してきた。職場生産点で資本と闘わずに反原発を闘うことはできない。今や反原発は職場闘争の決定的テーマだ。国鉄決戦と反原発・反失業で、闘う労働組合をよみがえらせるのだ。
この動労千葉が築いてきた地平の上に国際連帯の闘いが大前進をとげている。8・6ヒロシマから8・9ナガサキへ、8・11沖縄、8・15東京へ、「反戦の母」シンディ・シーハンさんが全国を行脚する。シーハンさんと合流し、8・6ヒロシマ大行動へ。午前9時、原爆ドーム前に大結集しよう! 全世界の労働者人民の反原発の叫びを「世界大会」として大成功させ、8月決戦と2011年後半戦の火ぶたを切ろう。
そして「原発とめよう、世の中かえよう8・15労働者・市民のつどい」に集まろう。三里塚現闘本部破壊・撤去を断じて許すな! 現地に駆けつけ、市東孝雄さんの農地を絶対守りぬこう。
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週刊『前進』(2498号1面2)(2011/08/01 )
すべての原発いますぐなくそう!全国会議
8・5結成集会に参加を
「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」の結成集会が8月5日夜、広島市で開かれます。呼びかけ文を紹介します。(編集局)
●呼びかけ
今こそ、すべての原発の即時停止・廃炉を! 新たな原発の建設・再稼働を絶対に許さず、いっさいの核と原発を私たちの生きる社会から廃絶しましょう! 私たちは、原爆投下から66年目を迎える被爆地・広島で開催される「8・6ヒロシマ世界大会」に先立ち、「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」の結成集会を8月5日広島で行います。
福島原発事故は、まさに「三度目の原爆投下」とも言うべき国家犯罪に他なりません。拡大し続ける放射能汚染は、人類がいまだ経験したことのない歴史的事態であり、多くの人々の命と生活、社会と自然を破壊し、子どもや青年が生きる未来を脅かしています。ところが、政府や電力会社は、事故の情報隠蔽と責任逃れに汲々とし、私たちに対して「節電」を強要しながら、あくまで原発の継続・推進を図ろうと必死になっています。
この戦慄すべき事態のなかで、怒りと決意を胸に巨万の人々が反原発の行動を開始しています。菅の「脱原発宣言」は、こうした民衆の運動を自らの支持基盤に取り込むことで、政権の延命をはかろうとするペテンに他なりません。
今、求められていることは、「全原発の即時停止・廃炉」を掲げ、日本中で巻き起こる反原発の闘いを結集する恒常的な全国組織を立ち上げることです。とりわけ、フクシマとヒロシマ・ナガサキの怒りと闘いを一つに結ぶことが決定的に重要だと考えます。
結成にあたって、以下の目的を掲げたいと思います。
一つに、反原発の1000万人署名運動と、社会を揺るがす巨万のデモで、始まった大衆的な行動を大きく拡大することです。
二つに、これまで各地で闘われてきた反原発の闘いを一つに結集し、反原発運動の全国ネットワークをつくることです。
三つに、フクシマの地から発せられる怒りの声とどこまでも固く団結し、フクシマの人々の生活と命を守るために、起きている事態に立ち向かうことです。
四つに、一人ひとりが自らの場所で闘いを広げることです。それぞれの職場、地域、大学キャンパスから反原発の闘いをつくること、とりわけ闘う労働組合と大学を甦らせることです。
未来を担う青年と学生が、この運動の先頭に立つことが求められています。
すべての核・原発の廃絶をめざす新たな全国運動の創成に向けて、8・5結成集会への取り組みを心から呼びかけます。
◇
【発起人】鈴木達夫(弁護士・元日放労長崎分会委員長)/三角忠(8・6広島―8・9長崎反戦反核統一実行委員会事務局長)/間山正茂(青森県八戸・南部バス労組執行委員長)
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【要項】
すべての原発いますぐなくそう!全国会議
8・5結成集会 in HIROSHIMA
8月5日(金)午後6時半 広島市東区民文化センター
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週刊『前進』(2498号1面3)(2011/08/01 )
国労大会
怒りの訴え会場直撃
組合員排除の大会を弾劾
国労大会初日の7月28日、「共に闘う国労の会」と静岡・神奈川を始めとする労組交流センターの労働者は、大会会場のホテル聚楽前に結集し、国労本部を弾劾し国労の階級的再生を訴える宣伝行動を圧倒的な迫力で貫徹した。
静岡県警と結託した国労本部は、ホテル支配人をおしたてて、代議員、傍聴者以外は一切、ホテル敷地内に入れない体制をとった。和解を拒否した闘争団員を先頭に、闘う国労組合員は会場に入ろうと防衛隊と静岡県警に詰め寄った。ホテル前は直ちに弾劾集会の場になった。国鉄闘争の終結宣言と規約改定による闘争団追放を策動する本部に対して、「資本にひれ伏す大会など認めない!」と火の出るような怒りのアジテーションがたたきつけられた。ホテル前に乗り付けた宣伝カーから流れ出る大音量の訴えは、大会議場を直撃し、歴史的な大裏切りに踏み込む大会を踏みしだいた。国労本部も権力も何ひとつこの正義の訴えを妨害できない。
闘う国労組合員は、JR資本の手先と化した腐りきった国労本部を打倒し、国労を現場組合員の手に取り戻し階級的に再生させる闘いの歴史的一歩を切り開いた。
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週刊『前進』(2498号1面4)(2011/08/01 )
おことわり
本号を夏季特別号として発行し、8月8日号は休刊します。休刊中のニュースは前進速報版でご覧下さい。
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週刊『前進』(2498号1面5)(2011/08/01 )
【夏季特別号の紙面】
夏季特別号論文
国鉄と反原発で革命勝利を 7〜9面
シンディ・シーハンさんがやって来る 10面
■非正規職撤廃へ/合同・一般労組委員会 2面
■全国の自治体労働者はともに闘おう 3面
■8・6ヒロシマへ/全国被爆者青年同盟 4面
■全学連大会の成功を/中央学生組織委員会 5面
■「8・15労働者・市民のつどい」に集まろう 6面
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週刊『前進』(2498号1面6)(2011/08/01 )
【集会要項】 8・15靖国参拝阻止デモ
8・15靖国参拝阻止デモ
8月15日(月)午前8時集合 8時半デモ出発
法政大学正門前・外濠公園
(JR飯田橋駅、市ヶ谷駅から線路沿い600b)
主催/反戦共同行動委員会
「8・15労働者・市民のつどい」の要項6面
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週刊『前進』(2498号1面7)(2011/08/01 )
前進速報版から
▼西郡住宅裁判反動判決を弾劾▼関西生コン弾圧、13人全員を奪還▼志賀原発を廃炉へ金沢で集会▼郵政非正規ユニオンが総決起集会
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週刊『前進』(2498号2面1)(2011/08/01 )
国鉄決戦と反原発を闘い非正規職撤廃へ
郵政16万非常勤を先頭に「生きさせろ」の総反撃を
革共同合同・一般労組委員会
大恐慌と3・11情勢のもと、1千万大失業時代が到来している。2千万青年労働者を先頭に「生きさせろ」の総反撃の時が来た。合同・一般労組委員会は、国鉄決戦と反原発闘争の2大柱を打ち立て、4大産別を始めとする非正規職労働者の総決起へ今夏・今秋闘争を全力で闘う。
(写真 反原発闘争に立ち上がる合同労組【6月19日 福島】)
全力あげ国鉄全国運動を
日帝ブルジョアジーは震災を奇貨として被災地に労働基準法も派遣法も適用除外の「復興特区」をつくろうとしている。そこにトヨタを始めとする資本が群がり、労働者全員を非正規雇用・低賃金で雇い入れ、強搾取するというのだ。
しかし日帝経済の回復はあり得ない。欧州危機、米帝経済の大減速による円高で輸出産業は大打撃を受け、自動車業界は「コスト削減の限界を超えた」と緊急声明を出した。日帝の危機はこれから本格的に爆発する。だからこそ資本は労働者に対する低賃金、無権利、総非正規職化の攻撃をかけてきているのだ。
国鉄分割・民営化による新自由主義攻撃によって労働組合が解体され、非正規雇用が促進され、民営化・外注化が推し進められてきた。原発は第7次までとも言われる下請け・請負・派遣労働によって推進されてきた。派遣法が原発のさらなる非正規雇用労働を倍加させてきたのだ。3・11の大震災と原発事故がそこに襲いかかったのである。
国鉄分割・民営化攻撃が非正規雇用を増大させ、原発を推進し、原発事故を引き起こした。国鉄分割・民営化攻撃と根底的に闘う1047名の解雇撤回闘争は非正規職撤廃、さらなる外注化・民営化を阻む闘いの中心環であり、反原発の闘いと一体である。1047名の解雇撤回闘争を放棄したならば、非正規職化を許さない闘いも、反原発の闘いもない。合同・一般労組委員会は「第2次分割・民営化阻止決戦」として、国鉄闘争全国運動を先頭になって闘い抜くと同時に、非正規雇用撤廃・派遣法撤廃、「雇い止め雇用制度」そのものを粉砕するために闘い抜く。郵政非正規ユニオンの闘いはその最先端の闘いである。
雇い止め制度粉砕しよう
合同・一般労働組合全国協議会の旗のもとに「郵政非正規ユニオン」が結成され、東京多摩支店の15人の雇い止め解雇撤回を掲げて闘いを開始した。この郵政非正規ユニオンの闘いは郵政16万人の非常勤労働者を始め、4大産別・全産別にまたがる非正規職撤廃の闘いの烽火(のろし)である。
東京多摩支店で今回雇い止めにあった労働者の勤務形態は5日連続の深夜勤だ。1週間のうち5日が夜勤で、ずっとその労働形態が続く。男性労働者のみならず、50歳代の女性にもそういう労働を強制してきた。その揚げ句、3カ月間の契約期間が終了したから首だというのだ。雇い止めという雇用形態は、3カ月、あるいは2カ月の雇用期間が満了したから雇用関係が終了したかのような、つまり契約期間が終了したら自動的に解雇できるかのような形式をとっている。自動車産業の季節工、期間工とともに、2カ月契約等の非正規雇用は古くから存在していた。しかしそのような雇用形態が全産別に一般化していくのは、1980年代の新自由主義攻撃に基づく国鉄分割・民営化以降である。
3カ月、2カ月、あるいは1カ月、3週間というような切り刻みの雇用形態があってよいものか。3カ月が終了したから契約期間の満了であって解雇ではないと資本は言う。だが解雇はそういう形をとって自動的に行われてきた。「雇い止めの労働契約」が非正規雇用労働を非正規にならしめてきた決定的要因だ。これが派遣法とセットになって究極の非正規労働が行われてきた。したがって、雇い止めの労働契約のあり方そのものを粉砕する闘い、派遣法撤廃闘争が非正規職撤廃の戦略的環なのだ。
雇い止め解雇は闘えば勝てる。多くの判例はそのことを示している。しかし、雇い止めにあった当該が決起して闘わなければそれは成り立たない。労働者が「雇い止め解雇を許すな」の闘いに立ち上がるならば、それを粉砕することは可能だ。
郵政非正規ユニオンの決起は16万人の郵政非常勤労働者のみならず、すべての産別の労働者・青年労働者の非正規職化、雇い止め雇用のようなあり方を許さない闘いとしてある。彼らはJR、自治体や教育労働者の非正規職労働者に対してもともに立ち上がろうと訴えている。
雇い止め解雇を許すな! 非正規職撤廃、青年労働者を機械のパーツのように使い捨てにする新自由主義と真っ向から対決し、根底からそのあり方を転覆する、プロレタリア革命の戦略的環として、非正規雇用労働者の決起があるのだ。
正規・非正規の分断のりこえ
重要なことは、非正規職の仲間が正規職の労働者の闘いに絶望して、彼らの闘いと切断されたところから決起を開始したわけではない。郵政非正規ユニオンの闘いは国鉄闘争全国運動の6・5集会と国鉄1047名の解雇撤回闘争の組織化と一体で準備され、3・11大震災以降の反原発闘争と重なり合いながら組織されてきた。組合員の複数が福島県出身であることはけっして偶然ではない。被災地と連帯した反原発の闘いと一体で彼らは決起した。動労千葉の外注化阻止、国鉄1047名の解雇撤回の闘い、そして闘う全逓労働者の呼びかけに呼応したのだ。非常勤16万人が正規職9万人の変革をかけて、正規・非正規の分断をのりこえ、非正規職労働者の側からの強烈な連帯行動として、郵政非正規ユニオンが立ち上がったのである。
非正規職の労働者が労働組合を組織し、解雇されながらも闘い抜いていくのは至難の業である。しかし、彼らに妥協点はない。生き抜き、闘い抜くために自ら労働組合を組織し、プロレタリア革命の実現までやむことのない壮大な闘いに決起したのだ。
合同・一般労組委員会は、4大産別の闘いを自ら担うと宣言して闘いを進めてきた。非正規職撤廃の闘いは正規・非正規両者の側から、同時相互に連帯しながら突き進むことによって可能となる。合同・一般労組委員会は4大産別の労働者と固く連帯して、非正規職撤廃の闘いの先頭に立つ。
被曝強いる原発は廃炉へ
原発が「正常」に稼働している時でさえ、原発での被曝労働は不可避だ。しかも非正規職労働者が一番危険な被曝労働を強いられている。こんな労働は絶対に認められない。原発は即時停止・廃炉以外にないのだ。
文部科学省が委託した「原子力発電施設等放射線業務従事者等に係る疫学的調査 」(05〜09年度)によれば、放射線従事者中央登録センターへ登録されたものは34・3万人。うち放射線に関わる労働をしなかった者と、日本国籍を有しない者を除くと27万7128人(うち女性が2570人)である。(除かれた者の合計が約7万人。原発には外国人労働者も相当数働いている)。うち100_シーベルトの線量を浴びている労働者は6千人ほどだ。
『原発ジプシー 被曝下請け労働者の記録(増補改訂版)』(堀江邦夫著 現代書館)で、原発の被曝労働の実態が暴かれている。「最終章」に1970〜88年の「放射線作業従事者被曝線量と原子炉基数の推移」という図が掲載されているが、「ちなみに2008年度における電力会社社員の被曝量は、全体のわずか3%程度。つまり、原発内の放射線下の作業のほとんどは『非社員』=下請け労働者たちに委ねられている」(341n)のである。福島第一原発のような事故が起きていない時の、平常時の保守点検、維持・管理の作業で原発労働者は被曝しているのである。被曝労働が日常化している非人間的な作業と犠牲の上に原発があるのだ。
電力労働者とともに闘おう
われわれは原発即時停止、廃炉を求めて闘う。その闘いは被曝労働の責任を日帝権力および東電を始めとする電力資本に取らせる闘いであり、原発労働そのものの廃絶を掲げた闘いになる。その上で暫定的には労働者の安全を最大限守らせる闘いをやりながら、原発をなくす闘いを原発労働者とともに闘うことである。原発労働そのものの廃絶を要求する究極の「安全闘争」だ。
原発労働について労働条件改善や補償の問題に切り縮めるとすれば原発労働者を殺すことにわれわれが加担することになる。原発即時停止・廃炉の闘いは資本主義の全否定に直結する闘いだ。
原発を止めるためには、東電を始めとする電力産業労働者を組織することが決定的だ。中国電力の第一組合が豊北原発の建設を阻止した歴史があるように、電力産業労働者がひとたび決起するならば原発を止めることが可能だ。
高円寺・渋谷1万5千人と6・11全国行動は原発への怒りと同時に非正規職・ワーキングプアの現実に対する怒りの爆発だ。われわれが電力産業の労働者や原発労働者を組織して原発即時停止の闘いに立ち上がるならば広範な青年労働者と結びつくことができる。労働者・労働組合が立ち上がれば原発を止めることができるのだ。
震災と原発事故は国鉄分割・民営化阻止決戦の意義をあらためて問うている。1047名闘争の終結と国労大会における規約改定(闘争団員の排除)強行によって国労を3・11情勢のもとで新たな労資一体の先兵に仕立て上げようとする大反動を許すな。この攻撃は闘争団のみならず、青年労働者・全労働者への攻撃である。合同・一般労組委員会はこのような攻撃を絶対に許さない。外注化・民営化・非正規化攻撃絶対反対と原発絶対反対の闘いは一体だ。原発即時停止・廃炉の闘いは日帝打倒そのものの闘いであり、非正規職撤廃―民営化・外注化阻止の闘いそのものだ。
8月5日の「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」の結成集会の成功のために合同・一般労組委員会は全力で闘い抜く。国鉄闘争全国運動の先頭に立ち、圧倒的な組織拡大に打って出る。8・6広島―8・9長崎に総決起しよう。
国鉄決戦と反原発闘争の2大柱を打ち立て、郵政非正規ユニオンを先頭とする4大産別の非正規職労働者の総決起で11月労働者集会の1万人結集をなんとしてもかちとろう。
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週刊『前進』(2498号2面2)(2011/08/01 )
郵政非正規ユニオン
雇い止めやめろ
三多摩 産別こえ怒りの集会
7月26日、郵政非正規ユニオンと三多摩労組交流センター、合同・一般労働組合全国協議会、労組交流センター全逓部会の共催による「雇い止めを撤回せよ!7・26総決起集会」が東京・国分寺市で開催され、130人の仲間が参加した。
集会は地元三多摩の交通運輸労働者の司会で行われた。壇上に並んだユニオン組合員を代表して委員長があいさつ。「会社は必死で働いてきた私たち15人を雇い止めにする一方で64人のアルバイトを入れた。解雇権の乱用そのものです。解雇の本当の理由は組合つぶし。その証拠に組合に入らない人だけ再雇用する動きもある。黄犬(おうけん)契約という不当労働行為です。団交で当局は雇い止めの理由も言えなかった」などと郵政当局を弾劾。「いまや企業全体の中心的担い手が非正規労働者。今集会に参加したみなさんの団結が国の悪しき仕組みを変える光になる」と訴えた。
さらに2人の組合員が都労働委員会での闘いなどを紹介、「物心両面の支援を」「ユニオン1千人建設を目指します」などと幅広い支援を呼びかけた。3人の発言に会場の大きな拍手が応えた。
組合も超えて広がる連帯
組合を超えた郵政労働者も参加した。東京C局から2人の労働者が発言、「いま職場の環境は劣悪です。個人ミスにつけ込んだ当局の処分が横行しているが、交流センターのみなさんに教えられ闘いを始めた。動労千葉の反合・運転保安闘争はすごい。立場を超えてユニオンの決起に応える」「郵政職場で13年も非正規で働いてきた。正社員と同じ仕事です。本日の集会で非正規雇用のあり方自体がおかしいと知らされ、力をもらいました」とあいさつした。
連帯あいさつでは、全逓部会の代表が「非正規労働者全体の団結をかちとること。郵政非正規ユニオン支部を各地につくること。財政基盤と『支える会』の組織化」などを提起。国鉄1047名解雇撤回闘争の当該で動労千葉争議団の中村仁さんは「国鉄分割・民営化を許した組織労働者の現状が現在の非正規の苦しみを作り出した。非正規雇用そのものを撤廃する社会を目指し、多数派の獲得を」と呼びかけた。
さらに労組交流センター共同代表の入江史郎さんは「解雇が前提の雇用契約なんて許されない。非正規職撤廃は世界の労働運動の第一級の課題だ。よくぞこういう組合をつくってくれた」と力を込めた。弁護士の森川文人さんは「ユニオンの闘いはすでに潜在的な多数派だ」と語った。
国労の青年労働者から「郵政の仲間とともにJRの非正規職撤廃を目指して闘う」とのメッセージ。ふくしま合同労組、動労千葉を支援する会新潟、みやぎ労組交流センター全逓労働者部会などから連帯メッセージが寄せられた。
三多摩労組交流センターの代表が「労働者はいかに闘うべきか、その可能性をユニオン結成は示した」と決意表明。合同労組八王子の仲間は「ユニオン結成の意義を実感する。全逓の先輩たちの苦労が実った。団結は義理人情」と強調。東京西部ユニオン青年部長は「私も日逓時代に事故を口実に雇い止めになった。怒りは収まらない。ユニオン結成に勇気づけられた」と語った。東京杉並の自治体労働者は「郵政も自治体も原発も非正規職が拡大している。世の中から非正規職をなくそう」と述べた。
また都内の教職員組合の仲間は「産別を超えて非正規職が拡大しているが敵は新自由主義だ」と訴えた。さらに地元三多摩の民間労働者は「同じ地域で闘うユニオンに『ガンバロー』を送りたい」とアピール。交流センター青年部準備委員長は「僕も非正規職だか、闘えば簡単に首を切れない力もできる。福島原発をはじめ日本中の青年が命を削っている。反原発と非正規撤廃で社会を変えよう」と呼びかけた。
最後に合同・一般全国協の代表が「郵政非正規ユニオン1千人建設を成し遂げ、11月労働者集会へ」とまとめの発言。ユニオン委員長の団結ガンバローで締めくくった。
(写真 非正規職撤廃を目指し1千人組織建設へ、産別をこえた取り組みが始まった【7月26日 国分寺市】)
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週刊『前進』(2498号2面3)(2011/08/01 )
関西生コン支部5・11大弾圧
13人全員を保釈奪還
不当な労組弾圧粉砕へ声明
13人ものデッチあげ逮捕としてかけられた全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部への5・11弾圧について7月22日、不当逮捕・起訴された13人全員の保釈奪還がかちとられた。「組合活動禁止」などの不当な保釈条件を、今回は一切つけさせなかった。
これは、7月17日の大阪・中之島剣先公園に1千人が結集した反弾圧集会と大阪府警への大デモがかちとった実力奪還の勝利である。なにより当該組合員の完黙・非転向の獄中闘争と、139日間の「産業ゼネスト」を打ち抜きゼネコン支配を打ち破ってきた関生支部の産業政策闘争がつくりだした画期的勝利だ。「われわれは敵の攻撃に対して不屈に闘うことによって新たな挑戦をしていく」(7・17集会での武建一委員長)の宣言どおりに勝利を切り開いている。
20日の第1回公判には、100人を超える関生組合員が結集。総数で150人を超える大裁判闘争となった。大法廷で開かれた公判では、13人の被告全員が「威力業務妨害はない」「正当な組合活動だ」「逮捕・勾留・起訴は不当弾圧であり全員が無罪だ」と意見陳述をたたきつけた。この公判闘争後に保釈が決定された。
5・11弾圧では、3・11情勢下での労働運動絶滅攻撃として国家権力・資本家階級の総力をあげた攻撃が展開された。今回の勝利は、労働組合が団結して闘えばいかなる弾圧にも勝利することができることを明らかにした。
関西生コン支部はこの勝利を受けて声明を発し、その結びで次のように述べている。「第2次関西宇部事件は依然として公判中であり、13名の無実を証明する闘いはこれからです。事件がつくられた要因となった、関西宇部社の“労働協約不履行”や、“協同組合を建設・セメント独占が支配して中小企業の経営基盤を揺るがすこと”の改善を求めるのは産業別労働組合として当然の取り組みであり、この業界で働く仲間すべての労働条件向上を目指すものです。私たちはこれからも、 業界全体の地位向上、ひいては労働者全体の地位向上のために運動の手を休めません」
闘いはこれからだ。大恐慌・大震災情勢下で、関西生コン支部や動労千葉など、闘う労働組合の解体を狙う大攻撃を絶対に許すな! 5・11弾圧完全粉砕・無罪獲得、労働者が社会の主人公になるまで闘い抜こう。
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週刊『前進』(2498号2面4)(2011/08/01 )
革共同に圧倒的カンパをいま一度心から訴えます
全世界で労働者が決起しています。「10月革命」への闘いを開始したエジプト。公務員削減、年金改悪などですべての国がゼネスト情勢のヨーロッパ。ストライキや暴動が激発する中国。デフォルト情勢で階級激突が進行するアメリカ。日本では、反原発・反失業で数十万人の青年の怒りが爆発しています。今、世界は革命情勢です。
帝国主義の新自由主義攻撃に対する根源的怒りが爆発し、支配階級をグラグラにしています。今こそ1929年を超える大恐慌をプロレタリア世界革命に転化する絶好の時です。
3・11をもって日帝ブルジョアジーと菅政権は一挙に階級戦争をしかけ、「挙国一致」「日本を守れ」と階級闘争解体の大攻撃をかけています。フクシマを切り捨て、反原発運動を根絶する攻撃との生きるか死ぬかの全面戦争です。
6・19フクシマ大行動、7・17いわき集会の闘いは、「被災地に踏みとどまって生きる」労働者、農民、漁民、住民が団結した感動的闘いでした。「政府と東電にすべての責任を取らせよう」「子どもたちの命を守ろう」「故郷を返せ」こそ、今やプロレタリア革命のスローガンです。革共同は反原発闘争を徹底的に発展させ、すべての原発を廃炉にし、新自由主義を打倒します。
原発事故をはじめとする腐りきった今日の社会の出発点が国鉄分割・民営化です。非正規職労働者を膨大に生み出し、原発を推進し、被曝労働を強制してきたものこそ新自由主義です。この腐敗しきった社会を変えるカギは労働組合です。被曝労働や非正規職労働を資本と一体で労働者に押しつけてきた連合・電力総連のダラ幹どもを打倒して、労働組合を現場労働者の手に取り戻そう! 青年部をつくって闘おう。
国鉄闘争全国運動の前進や郵政非正規ユニオンの決起は、JRの青年労働者をはじめ、膨大な非正規職労働者の決起の号砲です。全原発を直ちに停止・廃炉にする闘い、労働者階級が社会を経営するプロレタリア革命の実現に向けた壮大な闘いが開始されました。革共同は全責任をもって、この闘いの勝利を切り開きます。
同志のみなさん。『前進』読者のみなさん。闘う仲間のみなさん。いま一度、心から訴えます。さらに圧倒的な夏期カンパを寄せてください。一方で一時金の大幅減額や一時金すら出ない厳しい現実があります。職場の仲間や友人に革共同の闘いと決意を伝え、革命の展望を語り、カンパを組織してください。ともに闘おう!
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週刊『前進』(2498号3面1)(2011/08/01 )
職場に支援する会を
“年内2千口の会員拡大へ”
動労千葉を支援する会 全国から代表が集い総会
動労千葉を支援する会の定期全国総会が7月24日、千葉県労働者福祉センターで開催された。
国鉄1047名闘争をめぐる4・9政治和解に抗して国鉄闘争全国運動をスタートさせてから1年。動労千葉を支援する会は、その中心を担う組織への飛躍をかけて闘い抜いてきた。1年間で40を超える支援する会・全国運動の組織が職場・地域に結成され、1千口の会員拡大を実現してきた。こうした実践を踏まえ、今年の総会には北海道から沖縄まで全国各地の代表130人が結集して現状と直面している課題を出し合い、新たな闘いの方針を打ち立てた。
開会あいさつに続き、国鉄闘争全国運動呼びかけ人の伊藤晃さんが問題提起を行った。
(写真 北海道から沖縄まで全国各地の代表が山本弘行事務局長の運動方針案提起を熱心に聞き入った【7月24日 千葉県労働者福祉センター】)
反原発・反失業の怒りの先頭に
伊藤さんは、3・11大震災と原発事故以来の情勢の特徴について@資本主義体制そのものが危機に直面し国家が国家としての体をなしていない、A従来の価値観が根底から揺らぎ資本が社会全体を組織することが難しくなっている、B労働組合に人びとが目が向け、その本質があらためて問われ始めている、という3点に整理した。そして「こうした情勢の特徴をわれわれの運動がつかまえることができるかどうか。それができるなら資本と主流の労働運動を包囲し揺り動かすことは可能だ」と述べた。情勢を俯瞰(ふかん)し、その巨大な可能性を示唆する問題提起だった。
運動方針案を山本弘行事務局長が提起した。山本さんは1年間の経過をたどりながら総括を提起した。特に国鉄闘争根絶・一掃の攻撃を打ち破ってきた動労千葉の1年間の外注化阻止闘争の意義について「多くの人びとに展望を与え、国鉄闘争全国運動への信頼をつくり出してきた」と強調した。そして方針の3本柱として@反原発・反失業の怒りの先頭に立って、動労千葉の反合・運転保安闘争を職場・地域から始めよう、A物販闘争を武器に地域で労働運動の再生をかちとり国鉄闘争全国運動を担う支援する会に飛躍しよう、Bすべての職場・地域に支援する会、全国運動をつくり、職場の労働者を会員に組織しよう、と提起した。さらに具体的方針として「年内に会員2千口まで拡大し、その力で今年こそ11月労働者集会への1万人結集実現を」と呼びかけた。
事務局の会計報告では、1年間の飛躍的前進が具体的に報告され、被解雇者の闘いを支える基金運動の階級的意義が再確認された。
続いて被災地の福島と宮城、さらに広島の支援する会からの訴えが行われた。それぞれ今年前半の闘いをとらえ返し、今後の闘いの方向性を明確にしていくための重要な問題提起となった。
午後に入り、動労千葉の田中康宏委員長が問題提起を行った。
田中委員長はまず、昨年4・9政治和解と3・11大震災、そして6月の4者4団体の闘争終結宣言という1年の経過を振り返り「国鉄闘争全国運動をスタートさせることができたこと自体が本当に大きなことだった。この1年ですごく大事な土台を築いてきた」と総括した。そして「勝負はこれからだ。敵の攻撃に対して、全国運動の会員拡大、地域と職場での組織づくり、新たな呼びかけ人陣形の拡大の三つで立ち向かおう。JR資本と徹底的に闘う解雇撤回闘争が国鉄闘争全国運動だ。何よりも職場から“これがぼくらの運動だ”という具体的な闘いを示そう。動労千葉は基地統廃合攻撃と京葉車両センターでの構内業務外注化攻撃を総力を挙げて阻む闘いで、その先頭に立つ。反原発と反失業を一つの闘いとしてつくり出し、怒りの声のすべてを11月労働者集会に結集しよう」と訴えた。
「国鉄支援陣形に切り込もう」
討論の冒頭に郵政非正規ユニオンの代表が登壇した。「すべての郵政非正規労働者を組織して郵政を変え、この日本を変えたい」という気概あふれる発言に会場から大きな拍手がわいた。
さらに各地の代表が続々と発言に立った。「単なる“支援”でなく職場に動労千葉のような労働組合をつくることが重要だ」「解雇撤回闘争を24年間も貫いていることが、この間、新たに闘い始めた人たちに展望を与えている。反原発闘争と国鉄闘争は一つにつながっている」「震災後の物販への反応は従来と全然違う。現場が行動方針を求めている」「従来の国鉄支援陣形の中に切り込み、ねばり強い討論をとおして全国運動に獲得していく」。実践に裏打ちされた積極的な発言が続き、方針案が深められていった。北海道と沖縄の代表からも闘いの前進が報告された。
最後に運営委員の伊藤登美子さん(東京西部)が討論をまとめ、方針案、新たな運営委員の体制が承認され、第1部の総会を終了した。
第2部の懇親会では、動労千葉組合員と全国の会員が杯を交わしながら大いに交流を深めた。最後に参加した動労千葉組合員が前列に並び、年来の支援に対してお礼を述べるとともに、基地統廃合粉砕・外注化阻止・組織拡大に向けた決意を口々に語った。
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週刊『前進』(2498号3面2)(2011/08/01 )
8月広島・長崎−長野大会決戦に立ち菅打倒と11月総決起へ
革共同自治体労働者委員会
闘う自治体労働者の皆さん。今夏秋の決戦は国鉄闘争と反原発闘争の爆発で菅政権を打倒し、公務員制度改革、賃下げ、民営化・首切り・非正規職化と対決し、闘う労働組合の旗を全国各地に立てる闘いだ。3・11東日本大震災と福島第一原発事故は日帝を根幹から揺さぶっている。被災地労働者の怒りは日帝を打倒する根底的な激しさで爆発している。その怒りと結びつきその先頭に立って闘うことが革命党に求められている。闘う自治体労働者は8・6広島―8・9長崎闘争、自治労長野大会決戦、9・11反原発闘争を闘い、全世界の労働者階級の団結で2011年11月集会の大結集をかちとろう。
日本の労働者階級人民の根底的な怒りが爆発
世界大恐慌下の東日本大震災・福島第一原発事故から5カ月、日本帝国主義は体制的破局のどん底にある。菅首相は階級支配の崩壊的危機の中でボナパルティズム的政治によって自己の延命を図っている。この菅の「復興」「脱原発」はなんら労働者階級人民の利益のためのものではない。日帝国家と資本の救済のためのぺてんだ。菅は新自由主義政策をあくまで強行する以外ない。
日本経団連は「復興・創生マスタープラン」で、徹底した民営化・外注化と規制緩和、「特区」政策で労働者階級の仕事・生活・未来を奪い尽くして生き残る新自由主義政策を提言し、菅政権に実行を迫っている。
@日本経済の復興なくして被災地の復興などないA国際競争に勝つにはアジア諸国と同じ労働条件にB復興の基本戦略は「新成長戦略」C国家主導の「経済特区」では36協定破棄、無制限の労働時間延長、変形労働時間全面導入、期間限定・派遣労働の規制撤廃D自治体丸ごと民営化、道州制・広域地方計画(自治体解体)E大増税と福祉切り捨てF原発推進こそ国家と資本の生きる道。
このブルジョア国家と資本の「復興」に全面的に協力し、労働者階級の闘いを抑え込む――連合・自治労本部はこれを基本路線とし、全国の自治体労働者の「復興」動員に全力を挙げている。
サプライチェーンの基地、東北地方の製造業は3・11で吹き飛んだ。青年労働者をはじめとする大量の首切り・失業。農林漁業の破壊。数百万人が放射線にさらされ、数十万人が家を土地を職場を学校を奪われた。
全労働者階級人民の怒りが爆発している。福島県飯舘村民の要求は「政府は飯舘村を国の責任で全部借り上げろ」「家畜も牧草も全部元通りにして、おれたちに返せ。それまでは生活を全部保障しろ」だ。「仕事を、住居をよこせ!」「生活を保障せよ!」――労働者階級の怒りと要求は根底的であり、日帝支配階級と非和解だ。この怒りの決起と結びつきプロレタリア革命へ前進しよう。
この闘いは大恐慌を革命に転化する全世界の労働者階級の闘いと一つである。7月23日、タハリール広場を埋めた労働者人民が軍最高評議会と実力で対決した。エジプト革命をはじめ世界の青年労働者・学生、労働者階級人民がスト・デモに立ち上がっている。帝国主義の最弱の環、日帝を打倒し、世界プロレタリア革命を切り開こう。
闘う労働組合の拠点を打ち立てる闘い始まる
6・5―6・11―6・19―7・17の闘いの高揚は、国鉄闘争と反原発闘争の歴史的高揚をとおして労働者階級とすべての人民を労働組合の周りに総結集し、日帝打倒―プロレタリア革命へと進む出発点となった。
動労千葉の3・14「声明」を出発点に大震災救援対策本部とその現地対策本部を設立し、被災地の根底的な怒りと結びつく階級的労働運動の不眠不休の闘いが始まった。
6・5集会は、国鉄闘争と反原発・反失業闘争を基軸に闘う労働組合を4大産別(6大産別)を中心に全職場に打ち立てる号砲を発した。新自由主義粉砕、国鉄1047名解雇撤回、全原発の停止・廃炉、震災解雇反対、非正規職撤廃を旗印に闘う労働組合をよみがえらせる展望を握りしめた。
6・19フクシマ大行動においては、地元福島の労働組合が先頭に立って労働者人民の原発事故への怒りを根底から解き放ち、これと全国の闘う労働者・労働組合が結びつき、ともに闘った。「福島を返せ! 家を、土地を、仕事を、学校を返せ!」――この叫びは日帝と非和解であり、労働者階級の力で日帝を打倒する革命の要求だ。
自治体労働者は「社会を変える主人公として労働組合が登場した。福島の労働者・農民の発言、決起の一つひとつが根底的であり、感動した。新たな決意がわき上がってきた」と話している。これは全参加者共通の実感だ。
福島の同志たちは激論を重ね、毎週街頭に立ち、職場の青年と討論し、地域の労働組合を訪ね訴え組織し、その中で自らを変革し、6・19の勝利をつかんだ。この闘いに学び、国鉄闘争・反原発闘争を高揚させ、4大産別で階級的労働運動を前進させよう。
公務員制度改革粉砕・「新システム」粉砕を!
昨年4・9政治和解で国鉄1047名解雇撤回の旗を投げ捨てた4者4団体は、この6月、ついに国鉄闘争の「終結」を宣言し、国鉄闘争共闘会議を解散した。国労は7月定期大会で闘争団員の組合員資格を奪い、JR資本との労資協調路線に転落した。他方、JR資本は東労組カクマル切り捨てを開始した。国鉄分割・民営化の歴史的決着をかけた決戦が始まった。攻撃の最大の狙いは動労千葉の解体だ。動労千葉は基地統廃合絶対反対、外注化阻止、組織拡大の大決戦に突入した。職場の動労千葉を支援する会を大きくし、国鉄全国運動を発展させよう。
公務員の労働組合運動を全面的に解体する公務員制度改革の攻撃が襲いかかっている。公務員労働者の権利剥奪(はくだつ)・労組破壊・団結解体、360万人首切り・丸ごと民営化・非正規職化を狙う公務員制度改革を阻止しよう。
自治労本部は政府の「子ども・子育て新システム」推進を組合方針にしようとしている。だが新システムは公務員360万人首切り・9割非正規職化の突破口として公立保育所の全面解体・民営化、保育労働者の首切り・非正規職化を進める攻撃だ。しかも新システムは「節電」と土日労働、土日保育として早くも先行実施されている。保育労働者―全労働者階級への生活破壊・権利剥奪・労組破壊の攻撃だ。新システムに反対する闘いを広範に組織しよう。
復興イデオロギーとの対決
職場・労働組合で「復興イデオロギー」と対決し、当局と体制内労働組合の攻撃をはね返そう。
「復興の担い手」となるのか、階級的労働運動の先頭に立つのか、私たち自身の闘いが未来を決める決定的な位置に今立っている。革命の時代は自治体労働者に「私たちは何者か」を根底から問うている。「労働者は社会の主人公」を日々実践し、プロレタリアート独裁の機関ソビエトを打ち立て、その中軸に立つ――これが階級的自治体労働運動の闘い方だ。
ところが自治労本部は3・11情勢のもとで「復興の担い手の総元締め」として敵階級と一体となり、労働者と労働組合の団結、階級的なものの一切を一掃する先兵となっている。8月定期大会に向けた県職現業全国集会の集会宣言は「単純労務であり、民間でも代替可能な仕事を続ける職場は、早晩自治体から姿を消していくことになる。新たな仕事への挑戦を選んだわれわれは、そうした仲間を惜しみつつも同情はしない」と現業労働運動の解体を宣言した。
「復興」を口実とした賃金削減、民営化・外注化攻撃と職場から対決する階級的労働運動を実践しよう。東京都での「サマータイム」、全国での「節電」攻撃に対する職場の怒りを組織し、闘いに転化しよう。
反原発闘争と非正規職撤廃・反失業闘争は一体
原発事故と放射能汚染問題は、自治体労働運動に反原発闘争を広範につくり出す決定的な契機だ。放射線量測定の膨大な作業、避難住民との生きるための闘い、汚染家畜・作物の「処分」、土壌・学校・保育所・道路・公園・職場の除染、汚染がれき・汚泥・廃棄物の管理など、国・自治体の仕事のすべてが労働組合の課題となる。直面する課題に対して労働組合としての方針を仲間とともにつくり出し、国・自治体当局との攻防を開始しよう。
3・11情勢のもとで圧倒的な人びとが、いかなる時代に生きているのか、自分はどう生きていくのか、必死に考えている。6・11反原発行動をはじめ全国で青年たちを先頭に激しい決起が始まっている。「ずっとうそだった」と気づき、行動に立ち上がっている。この「3・11世代」=青年労働者の獲得と団結が決定的だ。非正規職撤廃、首切り絶対反対の闘いと反原発の闘いは一つだ。
党と労働組合の一体的建設
自治体労働運動全体に責任を取ること、革命のための労働者階級の基礎的団結体である労働組合の再生に全力を挙げることが決定的だ。
組織者に変わっていくとはどういうことか?
労働組合とは何かをあらためて根底からとらえ直し、自らが「労組委員長」になり、既成指導部と徹底的に闘い、そして労働者大衆を仲間に引き入れることだ。「系統的に、頑強に、根気強く、忍耐強く、宣伝し、扇動するために、どんな犠牲も払い、最大の障害にも打ち勝つことができなければならない。そして、労働組合と労働者協同組合こそ、そこに大衆がいる組織である」(レーニン『共産主義における左翼空論主義』)。この立場と思想に立ち、実践をとおして自らを鍛えよう。
動労千葉の歴史と職場での闘いをあらためて学び実践することが重要だ。中野洋前委員長は「労働者を軽んじなければ必ず勝利する」「労働者を心から信頼すること」、布施宇一元副委員長は「1人の100歩ではなく100人の1歩」と言っている。この意味を考え抜き、日々の実践にしよう。初めから「成功の王道」など絶対ない。仲間の話をよく聞き、とことん向き合い、ともに考え悩み闘うことを積み重ねる。革命の前進は革命党と労働組合を強靭(きょうじん)強大につくることだ。
自治労長野大会闘争に前半戦でつかんだすべてをたたきつける。私たちの人間としてのすべてをかけて登場し、自治体労働者の魂にびりびり迫る大会闘争を全力でやろう。全自治体労働者の根底からの決起をかちとり、11月労働者集会の大結集へ突き進もう。
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週刊『前進』(2498号3面3)(2011/08/01 )
新刊紹介 国際労働運動 9月号
欧州革命情勢の激化
米帝経済は「量的緩和策」(QE2)が破綻し、米国債はデフォルト危機に陥り、ドル暴落が問題になっている。米経済は大恐慌の「2番底」に向かっている。戦後世界体制の基軸国・米帝の大崩壊が始まった。米帝危機はヨーロッパ危機と連動し、ヨーロッパは大激動にたたき込まれている。特集は世界最大の経済ブロックとなっているEU(欧州連合)の体制的危機と激化する労働運動、階級闘争の課題を明らかにする。
第1章は、大恐慌下の新自由主義攻撃と対決するヨーロッパ労働者階級の闘いを、ドイツとイギリスに即して明らかにしている。いずれも民営化・労組破壊、大量解雇・大幅賃下げ、社会保障解体、外注化・非正規職化の攻撃にストライキで闘っている。
第2章は、EUそのものを揺るがすに至っているギリシャ財政危機の深さを米欧の世界経済的な構造的危機として解明している。
第3章は、リビア侵略戦争をめぐって露呈したEU、NATO(北大西洋条約機構)の内部分裂、アフガン侵略戦争敗勢の打撃、そしてEUの巨大な「隣国」ロシアの体制的危機を暴く。
翻訳資料は前号に引き続いて米軍統合参謀本部の「2011年米『国家軍事戦略』」(中)。「第3章 不朽の国益と国家の軍事目的」が掲載されている。
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週刊『前進』(2498号4面1)(2011/08/01 )
被災地・仙台に革命の熱気
革共同政治集会 闘う労組再生へ団結固く
7月24日、被災地・仙台で革共同東北政治集会が165人の結集でかちとられた。福島原発事故と巨大津波という歴史的な大災厄をのりこえて、闘う労働者・学生を先頭に多くの仲間が一堂に会し、世界の階級闘争の最先頭で闘い抜く決意を打ち固めた。
(写真 革共同東北政治集会は被災地の怒りを総結集し革命の突破口をここで開くとの気概で闘いとられた【7月24日】)
反原発・反失業被災地からの檄
「2011年前半期の闘い」と題したビデオが上映され、会場の熱気がいやが上にも高まった。
岡崎康史同志が登壇して基調報告を行い、3・11大震災・原発事故に対して階級的労働運動路線をもって対決し、拠点建設・職場細胞建設の力で労働組合権力を奪取していく歴史的挑戦に着手したことの勝利性を鮮明に訴えた。「戦争か革命か、まさに人類史をかけた歴史の分岐点である」「被災地で出現した最大の問題は、支配の崩壊のなかで、もっとも頼りになるはずの労働者階級の拠点、労働者が団結して闘うための組織である労働組合が消滅したかのような現実だ。革共同は、被災地に労働組合をよみがえらせることに全力を傾注し、5・1怒りのメーデー、そして6・19フクシマ大行動で巨万の大衆の怒りと結合をかちとった」
そして、反原発・国鉄決戦に勝利することこそプロレタリア革命への最短の道であることを提起した。「被災地の反原発・反失業の闘いは、人間の生存と尊厳をかけた闘いである。社会の主人公である労働者階級が階級的団結で帝国主義を打倒し、自ら権力をとり、大恐慌と3・11情勢をプロレタリア革命に転化しよう」と訴え、8月の激闘から11月労働者集会1万人結集への檄を発した。
基調報告に続いて、被災地から階級的労働運動をよみがえらせようと奮闘してきた福島と宮城の仲間が発言に立った。
福島県党の同志は、6・19怒りのフクシマ行動の組織化の闘いに階級的労働運動路線を貫き、拠点にこだわって勝負して勝利したことを報告した。福島県教組120分会を回り、6・19の呼びかけと一体で6・5国鉄集会の大成功を伝え、労働組合のあり方をめぐって議論を進めてきたこと、その中で「被曝の危険が高い福島で街頭闘争などやるべきではない」という体制内派の発言が引き出され、現場の怒りを組織して6・19の高揚につながったと強調した。福島の地で4大産別決戦を軸に階級的労働運動の再生が目に見える形で進んでいる。
次に宮城の同志は、震災解雇攻撃に対して組合を作って闘い、解雇を撤回させた報告を行った。「たとえ一人であっても解雇撤回を貫く決断をして、闘いの実践によって組合員を拡大した。組合員の団結をどう維持していくのかにこだわって闘いぬいたことが勝利に結びついた」と、感動をもって伝えた。
さらに、1047名闘争団の組合員権剥奪(はくだつ)が策動されている7月国労大会に向けて、国労組合員の仲間から戦闘宣言が発せられた。「最高裁で棄却されようが、われわれの闘いをやめさせることはできない! 激動の時代に『前進』をもって現場の青年の中に分け入って獲得する!」と火の出るようなアジテーションが響き渡った。そして、「共に闘う国労の会」300人会員の組織化、10月国鉄秋田集会への大結集が訴えられた。
“被災地は階級闘争の最先端”
集会後半は、革共同労働者組織委員会と革共同学生組織委員会の同志が発言に立ち、戦闘的な訴えを行った。「被災地こそ階級戦争の最先端であり、ここで勝ち抜くことだ。『現闘本部ニュース』を配ることで職場の雰囲気を変え、仲間との関係を変えていった」「国鉄闘争と反原発闘争で階級的労働運動を作り出すことが、プロレタリア革命の最短の道だ。革共同を本物の労働者党にしていこう」「反原発闘争で革命をやろう! 反原発闘争推進の力でマル学同1000人建設と学生自治会建設はできる。7・8東北大集会でその展望を切り開いた」
さらに、星野文昭同志奪還のアピール、女性解放を闘う仲間の発言、各産別労働者の職場闘争報告が行われた。
「初めて国労大会代議員選挙に立候補した。組合員の反応はいろいろあったが、立候補したことで職場状況が一変した」(国鉄労働者)
「われわれ自身が労働組合とは何かがあいまいなままでは体制内と闘えない。職場で『甦る労働組合』の学習会を組織している」(全逓労働者)
「雇い止め攻撃を契機に、職場の仲間と階級的怒りで一致し、全員で当局に申し入れを行った」「当局・体制内が一体となった配転攻撃に対して、組合員の力に依拠して闘ってきた」「生きるための闘いから、勝ちぬく闘いへ打って出よう」(自治体労働者)
「日教組中央は菅政権を支える原発容認の組合だ。福教組の決起と団結して、闘う労働組合をつくる」(教育労働者)
発言を受けとめ、自らを必死で変革して闘う中で、労働組合と労働者党が一体的に建設されることに、全参加者が確信を持った。
青年と学生が熱い決意を表明
最後にマルクス主義青年労働者同盟とマルクス主義学生同盟中核派の同志が決意表明に立ち、各1000人建設の決意と展望を鮮明に訴えた。「職場・社会を変えよう。労働者は必ず立ち上がる。労働者は黙って従う存在ではない。すべての青年労働者はマル青労同に入ろう!」「反原発闘争を通して多くの仲間と結合が始まっている。全原発を廃炉にするために、闘う学生は学生自治会を再建しよう! 8・6ヒロシマから全学連大会の成功に向けて闘う」
団結ガンバロー三唱と高らかなインター斉唱で集会が締めくくられた。
こうして革共同東北政治集会は、3・11情勢の中で、被災地から世界革命へ前進する画期的な集会として闘いとられた。
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週刊『前進』(2498号4面2)(2011/08/01 )
8・6ヒロシマ大行動へ
全国被爆者青年同盟は訴える
福島の労働者人民とともに核・原発廃絶の歴史的闘いを
全国被爆者青年同盟から8・6ヒロシマ総決起への熱烈なアピールが寄せられた。3・11情勢のもとで、全原発の停止・廃炉への闘いは、核兵器と帝国主義戦争を廃絶する反戦反核闘争と一体であることがこの上なく明らかとなった。支配階級はこの期に及んでも原発推進を呼号し、核武装への野望を隠そうともしない。被爆者・被爆二世の怒り、福島人民の怒りと結合し、8・6−8・9に大結集し、今こそ労働者階級の力で帝国主義支配に終止符を打とう。(編集局)
(写真 昨年の8・6デモ。被青同を先頭に平和公園に向け菅の祈念式典出席を徹底糾弾した)
■帝国主義の「第三の原爆」
福島原発事故は日本帝国主義が自らの手で「第三の原爆」を投下したものです。
ヒロシマと同じように被曝した者は放置され、被災者そっちのけで帝国主義者は自らの延命のための醜い争いを繰り返しています。しかも、ヒロシマ・ナガサキの御用学者を使って、この程度の被曝線量なら健康に害はない、と福島県民全員をモルモットにしようとしています。「福島の事故を今後の原発政策に生かす」などとふざけたことを言っています。ヒロシマがアメリカの核開発の踏み台にされたのと同じようにするという宣言です。絶対に許すことはできません。
われわれ被爆者・被爆二世は、「にんげんをかえせ!」という根源的な人間性の奪還、被爆者解放=人間解放の叫び声をあげ、戦後の日本プロレタリアートの反戦反核闘争の原動力となってきました。そしていま「福島を返せ!」の叫びをとどろかせて立ちあがった福島の労働者、農民、漁民、母親たちの闘いとひとつになって、原発と一切の核を日本から世界から一掃する歴史的な闘いをやりぬく時が来ました。6月19日の福島現地での闘いに参加し、福島の住民の皆さんの熱烈な歓迎とデモへの参加から、それは可能であると強く確信しています。
結論から言います。革命をやろう、ということです。
福島原発の現状はそれを求めています。事故はますます深刻化しています。秘密主義でやってきて、実際、炉心で何が起こっているか分からない。もう一つ原発が爆発すれば、そしてその可能性はとてつもなく高いが、事態は破滅的になります。誇張ではなく帝国主義者によって人類社会が取り返しのつかない破壊に直面している。われわれが呼びかけるようにすべての原発を即時に止め廃止する以外に、労働者人民の命を守ることはできません。
しかし、金のためなら人の命も平然と奪い去る帝国主義者たちは、玄海原発の再稼動を突破口に反原発の流れを逆転しようとしている。ストレステストと言いながら、簡易テストでゴーサインを出そうとしています。冗談じゃない。今こそ、原発なしでは成り立たない、腐り切った新自由主義までいきついた帝国主義を倒しましょう! その声は若者を先頭に社会に満ち満ちています。
■革命こそ原発を止める道
日々猛烈な放射能がまき散らされています。チェルノブイリの10分の1だとか帝国主義は御用学者を使って宣伝しています。
しかし、チェルノブイリでは最近の研究では100万人の死者が出ていると推測されています。ソ連崩壊後、被曝者は財政不足で放置されています。福島でもこのまま政府の無為無策、見殺し政策にまかせれば、数年も経たずにガンだけではなくさまざまな病気に冒されることになってしまいます。
それを防ぐには直ちに事故を抑え込まなければなりません。そのためには、原発に関わるすべての秘密が暴露されなければなりません。どんなに費用がかかろうと除染活動はされなければなりません。何よりも、子どもたちは安全なところに避難しなければなりません。
しかし、このことを本気でやるとすれば、闘う労働組合のもとに団結し、職場の支配権を取り戻し、革命をやってわれわれ労働者階級が権力を握り、東電を筆頭とする資本家階級を収奪する以外にありません。
■被爆者が闘いの最先頭に
1945年8月6日にも同じことが問われました。被爆者は日本帝国主義の抹殺政策に抗して「まどえ」(広島弁で「償え」「謝れ」の意)と闘いました。マッカーサーのGHQの占領下で、逮捕投獄を恐れずプレスコード(言論統制)と闘いました。何よりも、ほうはいと巻き起こる労組結成の先頭に立ちました。戦犯経営者の追及に決起しました。解雇撤回や賃上げ、命を守る闘いを組織しました。電産労働者はそのリーダーでした。また、「朝鮮の友の頭上に核を落とさせるな!」と、日米帝国主義の1950年朝鮮侵略戦争に反対する非合法の命がけの闘いに立ち上がりました(注)。その闘いは米占領軍を解放軍と規定する日本共産党の誤りによって敗北させられますが、総評の「ニワトリからアヒルへ」の転換に象徴されるように、戦後の階級闘争を規定しました。
私たちは、今日の情勢をその未完の革命を完遂すべき飛躍の時と考えています。結成宣言において「原子力の平和利用」を認めた被団協の6月総会でも、日共の支配を突き破って反原発の声が沸き立っています。福島の人びとに同じ苦しみを味わわせてなるかと、被爆者の心の底からの決起が始まっているのです。被爆者解放戦線における巨大な流動に際し、われわれの負う責務は重大です。力を持った正義に反戦被爆者の会と被爆者青年同盟を飛躍させよう。
8月6日は、われわれ被爆者が福島の被災者と一緒になって、原爆ドーム前、平和公園をタハリール広場に変え、福島原発事故を引き起こした新自由主義、帝国主義を打倒する大宣言を世界に向かって叫ぶ日です。
8・6ヒロシマから反原発世界1千万デモを! 「第三の原爆」を落とした張本人・菅首相の来広、式典参加を断じて許さず、フクシマ・ヒロシマの怒りで菅政権を打倒しよう。
◎福島の被災者と連帯し、被爆者解放をかちとろう!
◎新自由主義に行きつき破産した帝国主義を打倒せよ!
◎被曝を強制する原発を即時廃炉にせよ! 生命を破壊する核を全世界から一掃しよう!
◎腐敗した連合支配下の原水禁をのりこえ、原発絶対反対の8・6ヒロシマ世界大会をかちとろう!
◎労働者の団結、労働組合の再生こそ勝利のカギ。国鉄闘争全国運動で突撃路を切り開こう!
◎被爆者・二世・三世はプロレタリア革命の先頭に立ち、被爆者解放を自らの手でなしとげよう。被爆者差別を打ち破り、医療を奪還しよう!
【注/1950年8月6日の広島】1950年6月に朝鮮侵略戦争が始まると、GHQは一切の集会・デモを禁止した。広島では8月6日の4日前に出されたGHQの通告で、広島平和祭(現在の祈念式典)を始め慰霊行事を含むあらゆる集会が禁止され、3千人もの武装警官が投入・配置された。だが6日当日、人びとは実力で非合法集会を開き、各地でゲリラ的ビラまきを決行した。詩人・峠三吉は福屋デパート屋上からの反戦ビラまきを詩に詠んだ。
「誰かがひろった、腕が叩き落とした/手が空中でつかんだ、/眼が読んだ、労働者、商人、学生、娘、/近郷近在の老人、子供/八月六日を命日にもつ全ヒロシマの/市民群衆そして警官、/押し合い 怒号/とろうとする平和のビラ/奪われまいとする反戦ビラ/鋭いアピール!……」(「一九五〇年の八月六日」)
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週刊『前進』(2498号4面3)(2011/08/01 )
7月19日〜25日
経団連が原発輸出推進を叫ぶ/米が朝鮮有事指揮権移管見直しへ
●政府・東電が新工程表発表 福島第一原発事故の収束へ向けた工程表の改定版が発表された。(19日)
●台湾が「国防白書」発表 台湾国防部が、中国がすでに台湾を封鎖する能力をもっていると分析した2011年版の国防報告書を発表した。(19日)
●米・インドが戦略対話 クリントン米国務長官がインドを訪問、南アジア安定への協力で合意した。(19日)
●自民党が原発維持打ち出す 自民党の国家戦略本部が「日本再興」と題する報告書を発表、既存原発の稼働維持と、核兵器の一時持ち込みを容認する「非核2・5原則」への転換を打ち出した。派兵恒久法の制定、学校での国歌斉唱義務化も盛り込んだ。(20日)
●EUがギリシャ追加支援 EUがギリシャへの総額1600億ユーロ(18兆円)の第2次支援に合意。金融危機爆発をひとまず回避した。(21日)
●中国・ASEANが南シナ海行動指針で合意 東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国がインドネシア・バリ島で外相会議を開き、南シナ海領有権問題の平和解決を目指す同海域での「行動指針」で合意した(21日)。続いて開催されたASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会議はこの合意を確認した上で、米が中国の領有権主張を批判、対立した。(23日)
●経団連が夏季フォーラム開催 経団連が夏季フォーラムで「復興へ時間ない」「このままでは日本がつぶれる」と菅政権への不信と危機感を表明。復興特区の早期設置、TPP(環太平洋経済連携協定)参加などを盛り込んだ「アピール2011」を採択した。また「脱原発」を激しく批判、原発輸出推進を打ち出した。(21〜22日)
●米が朝鮮有事の指揮権移管見直しへ動く 朝鮮半島有事の際の米韓連合軍の指揮権が2015年末に米軍から韓国軍に移った後も、米軍が自己の権限を一部残すよう検討していることが判明した。韓国軍が過剰防衛に走ることや指揮権移管後の戦闘能力低下を懸念し、空軍による作戦や核兵器に関する作戦は引き続き米軍が担う。(22日)
●ノルウェーで極右のテロ ノルウェーで移民排斥を掲げた極右の活動家による労働党政権への連続テロ事件が発生した。(22日)
●日米韓外相が北朝鮮問題で協議 ARFの場で南北高官の対話が2年半ぶりに実現したのを受け、日米韓3国の外相がバリ島で会談し、6者協議再開に向けて北朝鮮にウラン濃縮計画停止への具体的行動を求めることで一致した。(23日)
●エジプトで大規模衝突 「4月6日運動」の青年ら数千人が国防省へデモし、道路を戦車で封鎖した治安部隊及び政府支持派と衝突、300人以上が負傷した。(23日)
●中国で高速鉄道の大事故 中国高速鉄道で大規模な衝突・脱線事故が発生し、当局への批判が殺到。中国政府が報道管制に乗りだした。(23日)
●子どもの甲状腺を生涯検査 福島県は全県民健康調査の一環として、18歳以下の子ども全員の甲状腺を生涯にわたり検査すると決定した。(24日)
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週刊『前進』(2498号5面1)(2011/08/01 )
9・9〜10全学連大会の歴史的成功を
反原発の巨大な大衆行動創造し学生自治会建設へ
革共同中央学生組織委員会
全国学友のみなさん! 原発へのすべての怒りを全学連大会で一つに集め、300万学生の反原発大行動を実現しよう。キャンパスに団結をよみがえらせ、学生自治会を建設しよう。「2011年3月11日」をもってこの社会は激変した。しかしそれは絶望の時代ではない。「大震災と原発事故」という人類史上かつてない現実をのりこえ、青年・学生の決意と行動によって社会を変革することができる時代だ。行動につぐ行動、そして革命の時代がきた。原発事故の中に資本主義社会の一切の矛盾と本質が凝縮している。「レベル7」の事故を起こし、放射能汚染でわれわれの未来を奪っておきながら、税金を食いつぶしてのうのうと生き延びる菅や東電など犯罪者どもを絶対に許すな。やつらには社会を運営する資格も能力もない。われわれは、「電力不足」の脅しで原発を認めさせられていくような惨めな存在ではない。いま必要なのは革命だ。労働者・農漁民・学生が生きるために原発を廃絶し、生産手段を奪い返し、人間としての誇りを取り戻そう。8・6ヒロシマ大行動を成功させ、全学連大会に大結集しよう。その力で9・11反原発大行動に攻め上ろう。
(写真 3・11後、反原発デモの先頭に立った全学連。上=3・20渋谷デモ、下=4・22法大・東電デモ)
3・11情勢と対決し怒りと団結を回復
全学連は3・11情勢と真っ向から対決して闘いぬいてきた。何よりも、大震災を受けての「自粛」「挙国一致」宣伝をはね返し、3・17緊急闘争−3・20渋谷大デモに決起した。
「大地震で社会が壊れたのではなく、大地震でこの社会の矛盾が暴き出された。だからこそ今、私たちは社会を根本から変えなくてはならない。『政治休戦』を吹き飛ばして闘おう!」(3・17集会での法大文化連盟・斎藤郁真委員長の基調報告)、「支配者どもがこれだけ破綻させ破壊した社会であっても、未来を担う私たち若い世代がすべてを引き受けつくり直してみせる。団結し、労働組合と学生自治会をよみがえらせることに唯一の希望がある。『原発の停止』を真正面から掲げて立ち上がろう!」(3・20集会での全学連・織田陽介委員長の基調報告)。
この全学連の決起が、4〜6月の青年・学生による反原発闘争の大衆的高揚(4・10高円寺1万5千人↓5・7渋谷2万人↓6・11新宿2万人)をつくり出した。
そして、6・19フクシマ大行動、7・8東北大キャンパス集会・デモ、7・15京大集会として、「キャンパスから街頭へ、街頭の怒りをキャンパスへ」を実現した。原発廃絶の核心問題はキャンパスからの学生の決起にある。学生は反原発闘争の主役である。そして学生は、反原発闘争で怒りと団結を回復し、大学を取り戻すことができる。これが3・11以降に行動によってつかみとった確信だ。
そして反原発闘争は、青年・学生の未来を押しつぶす国家権力との全面激突だ。3・31東電デモでの3学生の逮捕(翌日奪還)、5・20三里塚闘争弾圧(50人全員を不起訴奪還)をのりこえて前進してきた。キャンパスでは「自粛」「節電」イデオロギーで学生の怒りを抑えつける大学当局をはね返し、4・22法大闘争を先頭にした決起をつくり出してきた。
3・11情勢の中で学生運動が切り開いた地平はとてつもなく大きい。しかしそれは、これから数百万人の規模で始まる青年・学生の決起の出発点にすぎない。3〜7月の地平を8・6ヒロシマ大行動でさらに押し広げ、反原発総決起闘争としての9月全学連大会を爆発させよう。
新自由主義と闘いぬく法大闘争5年
9月全学連大会に向かって、2006年3・14弾圧以来5年を超えて闘われてきた法大闘争の地平を300万学生のものとしよう。「反原発×学生自治会建設」を掲げての全学連運動の復権とは、法大闘争の本格的・全国的拡大だ。法大生の怒りは原発への怒りだ。ここに300万学生の団結をよみがえらせる鍵がある。われわれはこの時のために、法大ですべてをかけて闘い抜いてきたのだ。
法大闘争は一つに、新自由主義大学(法人化大学)への徹底的な弾劾である。原発事故で暴き出された大学の腐敗、御用教授の醜悪な姿、教育と国家権力との癒着。これらはすべて、われわれが法大で闘う中で目の当たりにしてきたあり方だ。「大学・教育」の名で未来を奪うことに現代帝国主義の支配の要がある。
1974−75年世界同時恐慌を契機とし、80年代の国鉄分割・民営化を突破口とした新自由主義攻撃は、2004年の国立大学法人化をもって国公私立を問わず大学で全面化した。その核心は「教育の民営化」だ。その最悪の先兵が法大・増田総長体制だ。だからこそわれわれは、血みどろの法大闘争を通して「教育の民営化粉砕!」をスローガンとして打ち立て、キャンパスの怒りを資本との非和解的対決に束ねて闘いぬいた。そして、その闘いの中から力ある団結・組織が生み出されることをつかみとってきた。
二つに、キャンパスにおける学生の団結の可能性を示した。それはキャンパスに学生の権力を樹立することだ。その原型として法大文化連盟は屹立(きつりつ)している。法大を変革し、原発を廃絶する道は学生自治会建設の中にある。
三つに、日帝のあらゆる反動政治に対し、キャンパスから反撃に立ち上がってきた。自らの怒りが階級闘争の火点とつながっていることを実感した時、学生のエネルギーは百倍化する。全学連は法大で闘い、沖縄・三里塚で闘い、11月労働者集会に総決起してきた力を基礎に、3・11情勢の中でキャンパスから反原発闘争をつくり出してきた。
四つに、労働者階級との連帯の中に青年・学生の未来があることをつかみ、闘いの中で生きたマルクス主義をよみがえらせてきた。「新自由主義との対決」とは、一方での資本・権力との非和解的激突であり、他方での労働者階級の闘いへの合流として自らの闘いを押し上げるものだ。
全原発廃絶の力は労働者階級(労働組合)にある。法大闘争と反原発闘争の中に、現代世界の変革と解放のイデオロギーとしてのマルクス主義がある。
五つに、日帝打倒のプロレタリア革命の実現の中に展望があることをはっきりさせ、鍛え抜かれた革命主体を生み出してきた。118人の逮捕−33人の起訴、無数の退学・停学処分。かつてここまで一大学に権力・大学資本の反動が集中したことがあっただろうか。またそのすべてをはね返してきた闘いがあっただろうか。
敵は法大闘争の中に革命の現実性を見て恐怖した。そしてわれわれも法大闘争の中に学生の団結の可能性と革命を見た。この「法大闘争」という語は「反原発闘争」にもなる。もはや弾圧・処分で学生運動をたたきつぶすことは不可能だ。われわれはこの地平で、原発に怒れる300万学生を獲得する。
大恐慌の本格化と大衆的うねり拡大
反原発闘争の大衆的発展の真っただ中で開催される全学連大会に向かっての課題を提起したい。
第一に、原発事故と放射能汚染の拡大に激しい怒りを持とう。福島・被災地の怒りを押しとどめることはできない。
東北の農業・畜産業を壊滅させる犯罪人、被曝労働で原発労働者を殺す犯罪人、「新工程表」(7月19日発表)で「収束に向かっている」と強弁し、住民を見殺しにする犯罪人、それは菅政権と東電資本だ。犯罪者どもには責任をとらせなければならない。どこまでも追及し、地上から一掃しなければならない。青年・学生が先頭に立って原発への怒りを爆発させ、福島・被災地の労働者人民と徹底的に連帯しよう。
第二に、菅の「脱原発」宣言を弾劾し、「資本の論理」むき出しの原発再稼動策動を粉砕しよう。「脱原発」宣言は原発再稼動を求めるスローガンであり、ペテンだ。
そして何よりもブルジョアジーが絶叫する「電力不足による経済危機」なるものを許すな! 「『脱原発』 漂流する経済」「産業壊す危険性」「目先と中長期の課題を混同したままの性急な『原発是非論』は、日本経済や国民生活の基盤を根底から壊しかねない」(日経新聞7・19付)。これほど恥知らずな言辞があろうか。「安全」など関係ない、エネルギー資源確保をめぐる国際争闘戦での敗勢の中で生き残るためにはとにかく原発を動かせ――これが「原子力マフィア」どもの本性だ。
ならば、そんな資本主義などつぶれてしまえ! 原発なくして生きられない資本主義経済などさっさと終わらせ、今すぐ労働者・農民・学生にすべての生産手段を引き渡せ。
第三に、世界大恐慌がいよいよ本格的爆発過程に入ろうとしていることを確認しよう。大恐慌情勢は、米帝国家財政の破綻(国債格付け引き下げとドル暴落)、ギリシャ危機による欧州金融恐慌の拡大、中国バブル経済の崩壊、そして日本発の大恐慌として今年前半過程で一気に進行した。帝国主義者はこの泥沼から抜け出せない。全世界でこれから続発するであろう原発事故は、この危機をますます拡大する。
第四に、「全原発の即時停止・廃炉」へ大衆的うねりが日ごとに拡大していることに確信をもとう。日本の全原発54基のうち、7月末で稼動中のものは16基。今年末にはわずか6基となり、来年4月までに全原発が定期点検入りで停止する。ブルジョアジーや御用学者どもがどれほど悲鳴をあげようが、「再稼動絶対反対!」の強固な要求の前に原発が次々と停止に追い込まれている。この「勝利」が大衆運動に勇気と展望を与えている。
第五に、日本共産党スターリン主義の反原発闘争への敵対を打ち砕こう。「日本の原発がいかに『ルールがない』か」「『科学の目』で原発災害を考える」「原子力発電は『未完成』で危険な技術」(東大・本郷キャンパスでの民青ビラ見出し)。これがスターリン主義者の原発事故への第一声だ。
そこには「福島の被災者」も「被曝労働」もない。全世界的な反原発闘争もなければ、「原発の廃止」も呼びかけない。原発「批判」を科学技術論的にくどくどと書き連ねたあげく、最後に「原発の撤退の戦略的決断と安全優先の原子力管理体制」を支配階級に要請しているのみだ。
ここには「人間存在」が決定的に欠けている。彼らには、物神化された「科学技術」、それを操る一部技術者と支配体制がすべてなのだ。「ルール」があれば原発も資本主義も認めるのか。「安全に管理」できれば原発を推進するのか。
われわれは核・原発とは相いれない。原発は即時廃絶以外にない。核エネルギーの「利用」と原発の存在が「科学の進歩」とされ、社会変革の主体としてあるべき労働者民衆の存在をおとしめるものとして使われてきた。しかし、われわれはそれを否定する。反原発闘争を通して、自らを力ある存在、社会の真の主人公として登場させよう。
全原発を廃炉に!9・11百万人デモへ
われわれは、キャンパスから決起を開始したすべての学友の闘いに心から連帯し、その勝利へともに闘う。そしてあらゆる怒りを9月全学連大会に集約し、一つの力とし、今秋決戦を爆発させる。全学連大会でかちとるべき方針は鮮明だ。
何よりも、反原発闘争のただ中で学生自治会を建設しよう。原発廃絶のために大学を変革する力は学生の団結の中にある。300万学生の団結体、反原発の闘争主体としての学生自治会が今こそ求められている。
そして、大会で若き執行部を大衆的に確立し、9・11反原発デモに総決起しよう。法大闘争5年の中で飛躍してきた「法大世代」が、いよいよ全国学生のリーダーとして登場する。これが法大闘争の到達地平であり、全学連運動の展望だ。
さらに、反原発の国際連帯闘争を発展・拡大させよう。全学連は、韓国、アメリカ、ブラジルに続いて本年8月にドイツを訪問し、新たな国際的団結をつくり出す。
決定的なのは、全学連が日帝の全攻撃をはね返す闘争拠点を打ち立てることだ。三里塚現地において闘い、日帝の原発・戦争政策の矛盾が集中する沖縄と福島で、新たな学生運動の隊列をつくり出そう。
未来は青年・学生のものであり、革命は若者の特権だ。青年・学生のエネルギーの爆発力を2月エジプト革命は鮮やかに示してくれた。これまでわれわれを抑えつけてきた全抑圧物を自らの力で吹き飛ばして破壊し、すべてを奪い返す世界史的事業がプロレタリア革命だ。学生は革命に立ち上がろう。闘う学友はマルクス主義学生同盟中核派に結集しよう!
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【要項】
全学連第72回定期全国大会
9月9日(金)〜10日(土) 東京
参加費/1000円(資料代など。宿泊費は除く)
連絡先/電話 050―3036―6464
mailcn001@zengakuren.jp http://www.zengakuren.jp/
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週刊『前進』(2498号5面2)(2011/08/01 )
栃木・下都賀 全域で育鵬社 自由社選定阻む
攻防の最焦点での勝利
7月21日に栃木県下野市で育鵬社版の歴史教科書の採択をひっくり返した(前号既報)。その”延長戦”ともいえる闘いが展開されています。
01年に全国に先駆けて公立学校で「つくる会」教科書の採択が狙われた旧下都賀地区は当時2市8町でしたが、現在大きく四つの採択地区に分割されています。そのうち壬生町、野木町、岩舟町からなる下都賀採択地区が、下野市と共同して「教科書調査」を行い、「調査」段階で歴史については東京書籍、教育出版、育鵬社の3社が挙がっていたことが下野市教委での審議過程で判明しました(公民については挙がらなかった)。
百万人署名運動・栃木は、あらためて壬生町を始め旧下都賀地区全域の教育委員会への申し入れと、それぞれの選定委員会と教育委員会の傍聴を全力で取り組みました。
こうした闘いの結果、26日に壬生町で開催された新下都賀地区選定委員会では育鵬社は名前すら出ませんでした。また、同日行われた栃木市教委は歴史、公民とも東京書籍を決定。さらに前日の25日に行われ、50人以上が傍聴した小山市での選定委員会でも育鵬社、自由社は名前すら挙がりませんでした。これによって、旧下都賀地区での選定作業は全域で終了し、少なくとも選定段階ではすべての採択地区で育鵬社版と自由社版の教科書は一つも選定されないことが確定しました。
01年以来、私たちを含めて採択に反対する人びとが県や各市町村に精力的に働きかけ、それまでほぼ非公開だった選定委員会や教育委員会を、いまだ一部とはいえ公開させてきました。また、毎回の選定委員会、教育委員会には多くの傍聴者が詰めかけました。さらに3・11情勢のもとで核と原発、戦争国家化への怒りはますます高まっています。
こうした力が、県内では大田原市での育鵬社版の歴史・公民教科書の採択を許したとはいえ、攻防の最焦点だった旧下都賀地区での勝利を切り開いたといえます。
地元をはじめ県内はここまでの勝利に沸き立っています。全国での採択阻止をともに闘い、勝利しましょう。
(栃木・K)
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週刊『前進』(2498号5面3)(2011/08/01 )
杉並 8・10採択阻止へ
“原発推進教科書許さぬ”
7月27日、杉並区教育委員会の開催にあわせ、「つくる会」の教科書採択に反対する杉並・親の会、東京西部ユニオンなど労働者市民10人が午前11時から午後3時、杉並区役所前で「育鵬社・自由社の教科書採択阻止! すべての原発をただちに止めよう!」とアピールした。東京西部ユニオンの北島邦彦執行委員を先頭に次々とマイクで署名を呼びかけた。「ウソの教科書と原発事故の大本営発表は同じ!」「家族分も」とリーフを持ち帰る人や1万円のカンパを寄せる人など採択反対の声が広がった。
また@「つくる会」教科書採択反対A現在使用されている「つくる会」歴史教科書の使用を中止せよの2点を要請する署名630筆を携え、「署名の一筆一筆に込められた思いを踏みにじるな」と区教委に突きつけた。
6年前、杉並区教委は違法・不法の限りを尽くして、教育労働者の評価が一番低かった「つくる会」歴史教科書を採択した。しかし、この暴挙に屈せず、あきらめない闘いは、教育現場での使用の強制を跳ね返してきた。「つくる会」教科書が間違いだらけだということは中学生も知っている。本気で闘う労働者の団結があれば、戦争教育を止めることができる!国鉄分割・民営化を跳ね返してきた動労千葉の闘いと国鉄闘争全国運動がそれを示している。
栃木県大田原市に続いて、7月26日、東大阪市で育鵬社版の公民教科書が採択された。日本会議をはじめとする右翼勢力の動きも活発化している。杉並でも日本会議杉並支部が前区長の山田宏を講師に教科書学習会を行い、「新教育基本法が示す愛国心、道徳心を育む教科書を子どもたちへ」のパンフレットを持って街頭でうごめき始めている。
杉並区教委は中学校の教科書採択の会合を8月10日(水)午後1時から始めると発表した。署名で採択阻止の団結を広げよう! 10日午前11時、杉並区役所前に集まり、反戦・反核・反原発の団結を杉並区教委に突きつけ、育鵬社・自由社の教科書採択を阻止しよう。
(東京・西部 飯野依子)
(写真 育鵬社・自由社の教科書採択反対署名を教育委員会に提出【7月27日 杉並区役所】)
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週刊『前進』(2498号6面1)(2011/08/01 )
「反戦の母」シンディ・シーハンさんが広島・長崎、沖縄を語る
原発とめよう 世の中かえよう
8・15労働者・市民のつどいへ
今年の「8・15労働者・市民のつどい」(主催/戦後50年を問う8・15労働者市民のつどい全国統一実行委員会)のテーマは「原発とめよう 世の中かえよう」。「反戦の母」として国際的に有名な米反戦活動家のシンディ・シーハンさんと韓国の民主労総を迎えて開催される。
3・11から5カ月、福島原発事故は史上最悪の事態として日々深刻化している。震災直後の段階で原子炉のメルトダウン(炉心溶融)からメルトスルー(原子炉貫通)に至ったこと、福島とその近県はおろか日本中に放射性物質が拡散して土壌や農作物に蓄積していることなどが明らかになっている。
事故直後の福島でガソリンや水を求めて屋外で何時間も列をなした人びとを始め多くの県民が政府・東電の情報隠しにより被曝を強制された。いま福島の子どもたちの45%が甲状腺に被曝し、東北・北関東一帯で汚染された稲わらを食べた肉牛が出荷停止になるなど、日本の労働者人民すべてが原発事故・放射能汚染に引き込まれている。
「被曝しても安全」と宣伝
こうした中で、政府は6月7日にメルトダウン・メルトスルーを認めたのと一体で、「放射能を正しく理解しよう」という巻き返しのキャンペーンを強めている。玄海原発など停止中の原発の再開が簡単にはできない状況も原因のひとつだ。文科省は6月24日、4月に出した「放射能を正しく理解するために」の改訂版を発行。日本赤十字新聞は7月号で日赤長崎病院院長・朝長万左男の「放射能を正しく理解しよう」を1nとって掲載した。NHKも民放も、そして各自治体も一斉に「正しく理解しよう」キャンペーンを始めている。
これら政府・文科省、御用学者、マスコミが垂れ流している内容には共通点がある。「100_シーベルトは安全だ。これに比べても年間20_シーベルトという基準ははるかに安全だ」という論調だ。加えて、牛肉は0・008_シーベルト相当だから食べても大丈夫だとまで言っている。かつては「原発は安全だ」と言っていたが、いまは「被曝しても安全だ」「不必要な不安や風評こそが問題だ」と総力をあげたキャンペーンを開始したのだ。
最大の焦点は内部被曝問題だ。彼らは内部被曝についてごまかして安全だと言っている。内部被曝を考慮すると被害は50倍になるといわれている。アメリカはビキニや劣化ウラン弾での内部被曝を認めていない。日本政府もこれに同調して、広島・長崎の被爆者に対して同じ立場を取ってきた。内部被曝を認めれば原発の現在の被曝労働は成り立たなくなる。
この「被曝しても安全」キャンペーンは、事故直後の福島から始まった。福島の労働者、住民はこれをうち破って怒りの決起を開始している。母親たちは文科省抗議に校庭の土を持ちこんで「安全ならなめてみろ」と突きつけた。福島の怒りと連帯してすべての原発をただちにとめる闘いをとことん広げよう。
新自由主義で太る原子力村
集会タイトルが示すように、原発をとめる闘いは、世の中をかえるということとイコールだ。なによりも原発は日本の国策中の国策だ。そしてその中身は「すぐ核武装できるための平和利用」というものだ。そのルーツは1954年3月のビキニ事件までさかのぼる。ビキニ環礁の水爆実験で被爆した第五福竜丸の無線長の久保山愛吉さんが半年後に死亡し、原水爆実験反対の大運動が展開された。これを抑え込むためにアメリカは日本に「原子力技術」を供与。それ以来「原子力の平和利用」が喧伝(けんでん)された。しかし原発と原爆は一体のものだ。原爆の原料であるプルトニウムを生み出す装置である原子炉から発生する熱を電力として取り出すのが原発だ。
電力会社、プラントメーカー、監督官庁、大学研究者、マスコミなどがつくる「原子力村」は、国策を隠れみのに、ただただ利権のために真実を隠し、黒を白と言いくるめ、被曝労働を強制して莫大(ばくだい)な利益をむさぼってきた。国鉄の分割・民営化によって労働運動をつぶし、労働者派遣法によって非正規・派遣労働者を膨大に生み出した新自由主義攻撃。「原子力村」はこの新自由主義によって肥え太ってきた。原発をなくすことは、人間社会を崩壊させてきた新自由主義・資本主義をきっぱりと否定し、労働者の団結で新しい社会を建設する第一歩だ。
最後に今年の8・15をめぐる情勢について。主催団体である8・15全国統一実行委員会は、1995年8月15日の敗戦50年を画期として、日本政府がかつての戦争の責任を放棄し、再び戦争国家へと歩み始めたことに危機感を持って結成された。そして以後毎年8月15日に〈憲法改悪、靖国神社参拝、戦争>に反対する立場から集会を開催してきた。
自民と民主は改憲で合意
今年は3・11情勢のもとで5月18日、参院の憲法審査会規程が強行制定され、震災や原発事故での菅首相の「指導力のなさも現憲法に非常事態規定がないことが原因だ」などと明文改憲への発言が国会内を席巻している。自民党は来年、講和条約発効から60年になる4月28日までに「自主憲法」の条文化を完成させるという。国会は「空転」していても改憲への道は自民・民主の合意のもとに進められている。
「原発とめよう 世の中かえよう」の闘いは改憲・戦争阻止の闘いと一体だ。8・15労働者・市民のつどいに集まろう。
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【要項】
原発とめよう 世の中かえよう
8・15労働者・市民のつどい
―国益と排外に憲法は屈するのか―
8月15日(月)正午開場 午後1時開会
なかのゼロ小ホール
(東京都中野区中野2-9-7 JRまたは東京メトロ東西線・中野駅南口から徒歩8分)
■シンディ・シーハンさん
「ヒロシマ・ナガサキ、オキナワを語る」
■福島からの訴え・佐藤幸子さん
(子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク世話人 福島子どものいのちを守る会代表)
■森川文人さん (弁護士)
■西川重則さん (平和遺族会全国連絡会代表)
■松元ヒロさん コント「ノーモア・ガンバレ・ニッポン」
■韓国・民主労総
■田中康宏・動労千葉委員長
主催 戦後50年を問う8・15労働者・市民のつどい全国統一実行委員会
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週刊『前進』(2498号6面2)(2011/08/01 )
西郡支部大会
“部落解放の司令塔に”
支部1千人建設突入を宣言
7月24日、歴史的な第6回部落解放同盟全国連合会西郡支部大会がかちとられた。会場の大阪・八尾市桂人権コミュニティセンターには、ムラの長老から青年、全国のきょうだいや仲間、八尾北医療センター労組、八尾北命と健康を守る会など地域の共闘団体や全学連、関西労組交流センターの仲間200人が大結集した。
(写真 被災地の闘いと連帯し大失業・廃村化攻撃と対決しようとの岡邨支部長の基調報告に参加者は熱心に聞き入った【7月24日 八尾市】)
団結求めて進む
岡邨(おかむら)洋支部長が「新自由主義と闘う新しい解放運動をつくり出そう」と基調報告を行った。
岡邨さんは、この間、住民懇談会、支部員集会、青年交流会を積み重ねてきたこと、その中で「住宅の更地化、八尾北明け渡し、桂中・桂小の廃校=西郡廃村を絶対に許さない!」と八尾市とその手先である解同本部派=地区協を打ち倒す怒りの決起が始まっていることを報告した。また、「八尾市の市営住宅機能更新計画は被災地に対する政府・資本の新自由主義、道州制の攻撃とまったく同じだ」と述べ、「これと闘えるのは、09年2・26の花屋の森本政二さんに対する強制執行と闘って開始された、分断・差別を打ち破る新しい解放運動だ」と鮮明にした。
そして、「部落民こそ階級的団結を心の底から求めてやまない存在だ。分断支配を部落民と労働者の両方から打ち破ってプロレタリア革命の勝利へ突き進む。この中に部落民の自己解放の道がある」と高らかに宣言した。
最後に、「300万部落のきょうだい、6千万労働者全体に責任を取る拠点への飛躍をかけ、支部1千名建設に打って出る。全国水平社の闘いを引き継ぎ闘う」と決意を述べ、締めくくった。
つづいて、支部顧問の末光道正八尾市議が特別報告に立った。末光さんは「1947年、天然痘が大流行した時、外に広がらないよう西郡を隔離し、200人が殺された。その怒りと悲しみと悔しさの中から診療所をつくり、そこを拠点に生きるために必要なものを奪い返し守ってきた」という歴史を語った。
そして、「95年以来の同和事業打ち切り・民営化をはね返し、八尾北の自主運営をかちとった。差別による分断支配を打ち破って団結してきた」地平に立って、「団結は一人ひとりの能力を超えた大きな力を呼び起こす。敵が八尾北に手をかける時は革命が起きる時だ」と熱烈に訴えた。
“地区協打倒を”
開会のあいさつで、辻西幸子支部書記長が「応能応益絶対反対14年の闘いは自分だけの闘いではない。7・26の住宅明け渡し裁判で不当判決が出ても絶対出て行かない!」と決意を表明。基調報告を受けて、会場から88歳の長老や森本政二さんらが次々と「地区協を打倒する」と怒りを込めて発言した。
動労千葉、弁護団を始め多くのメッセージが寄せられた。全国連杉並・品川両支部、国賀祥司泉佐野市議、関西労組交流センター、全学連が来賓のあいさつをした。
決意表明では、佃久子副支部長が星野文昭さんの奪還を訴え、貯金差し押さえ・住宅明け渡し・八尾北明け渡し弾劾裁判闘争の各当該が闘う決意を表明。守る会、藤木好枝八尾北労組委員長が「労働組合をよみがえらせ、国鉄闘争全国運動で差別・分断を打ち破る階級的団結の拠点となって闘う」と決意を述べた。
最後に、佃文弘支部青年部長の「青年が未来を切り開く。青年部は狭山・八尾北・住宅闘争を闘う」という決意が読み上げられた。
8・6広島―8・9長崎闘争、9・11反原発行動、11月労働者集会への総決起を誓い合い、団結がんばろうで大会を締めくくった。終了後、村内街宣活動に打って出た。
歴史的な大会に
大会で、09年2・26以来の実践を通して確立した新自由主義と闘う新たな部落解放運動の路線を鮮明に打ち出した。この路線と支部1千人建設方針が部落大衆の心をとらえ、闘いの司令塔を打ち立てた。まったく新しい層を含めた西郡の住民と、東京を始め全国からきょうだいと仲間が結集した。また、3・11情勢と対決し、部落解放運動が革命運動の最前線に躍り出ることを宣言した。この歴史的大会を成功させた地平をさらに発展させるために、ともに闘おう。(投稿/全国連西郡支部 植村清)
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週刊『前進』(2498号6面3)(2011/08/01 )
星野再審闘争新たな補充書を提出
検察意見書打ち砕く巨弾
星野文昭同志と再審弁護団は7月19日、第2次再審請求書の補充書(3)を東京高裁第11刑事部に提出した。これは「第2次再審請求を速やかに棄却せよ」という3月24日の検察官意見書への反論であり、09年11月の第2次再審請求以降、昨年9月と本年1月に提出した補充書(1)(2)をさらに補強するものだ。
検察官意見書は自ら一審で死刑求刑を強行しながら、それを「無期懲役の求刑」と言ってみたり、確定判決日や地名を間違えるなど、ずさん極まりない代物である。まともに第2次再審請求書と向き合うこともできない体たらくだ。弁護側の補充書と新証拠の全体が権力によるデッチあげを暴き、星野同志の無実を明らかにしている迫力に圧倒され、グーの音も出ない。
厳島鑑定で打撃
検察官意見書は新証拠をバラバラに分断し、相互の関連性を解体して、難癖を付けようとしているが、墓穴を掘るばかりだ。弁護団が昨年9月に提出した「厳島鑑定書」に根底的な打撃を受けて、「心理学鑑定は鑑定と言えない」とご都合主義丸出しの主観的主張を述べ、逃げ回っている。
厳島鑑定書は心理学の一般理論による供述分析だけでなく、デッチあげられた「供述調書」に基づく「警察官殴打場面」に即した実験を行い、その結果を踏まえて作成されている。検察官意見書は、この実験で行った「風船割りの体験」と「凄惨(せいさん)な警察官殺害の体験」とは「質的に相違し、比較の対象とはならない」とケチを付けている。
だが、目撃者の「情動的興奮」は人間の記憶能力を低下させるのであり、風船割りの体験の方が殴打場面の体験よりもはるかに正確な記憶を形成できるのである。その風船割りの記憶でさえ2カ月後にはほとんど正確に想起できないことが実験で明らかにされた。
11・14闘争から2カ月半後に作成された6人の「共犯者供述調書」には、実に詳細に「殴打場面」が記されている。まさにそれは検察官・警察官によって作られた「供述」以外にあり得ないことを厳島鑑定は証明している。
いたのは十字路
星野同志は「警察官殴打現場」にはいなかった。星野同志がいたのは「殴打現場」から10bほど離れた十字路である。星野同志は十字路からしか見えないNHK方向の車の反射光を見たと明らかにした。今回弁護団はこのことを立証する写真を新証拠として提出している。
これに対して検察官意見書は「本件交差点付近の状況は当時とは著しく変貌(へんぼう)していて、その見通しの状況は当時と同一であるかも不明」などと、まったく事実に反するケチ付けをしてきた。
弁護団は捜査当局が事件翌日、十字路からNHK方向を撮影した写真を探しだし、当時とほとんど変化のない見通し状況を示す現在の写真を並べて、検察のウソを完膚なきまでに粉砕している。
日帝は3・11情勢下、統治能力を完全に喪失し、危機を深め、反動化している。第2次再審請求の早期棄却を狙う検察官意見書は、弁護団により次々と提出された補充書と新証拠に追いつめられた末のあがきであり、星野同志への獄中処遇降格攻撃と併せて星野闘争の圧殺を狙うものである。
だが、星野同志は革命情勢の到来の中で被災地の闘いと結合し、「あと2〜3年で出る」と表明して不屈に闘い抜いている。補充書(3)の提出は、星野同志の決意に応え、訪米団の闘いと一体となって「早期棄却」攻撃を打ち砕く巨弾である。星野同志の無実はますます鮮明となった。学習会を至るところで組織し、組織と運動の大飛躍をかちとろう。
11月労働者集会1万人結集へ向けて8月の反原発・反戦反核闘争を闘い、11月27日の星野全国集会のかつてない大結集をかちとろう。
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週刊『前進』(2498号6面4)(2011/08/01 )
団結ひろば 投稿コーナー
志賀原発反対集会で8・6広島を訴えた 富山大 K
7月24日、さよなら!志賀(しか)原発集会が金沢市中央公園で2千人の結集で行われた。これだけ集まったのは1970年代以来だ。
開始の10時頃になると石川県内の労組が組合旗をもって続々と集まってくる。大阪、東京、岡山などからも労働者が集まってきた。子ども連れの母親や家族総出の参加もある。青年や学生の姿も多い。金沢でも地殻変動が始まっている。
発言の目玉、福島県飯舘村からは「地震直後、学者が年間10_シーベルトは大丈夫。野菜は食べても大丈夫だと言ってきた」と御用学者に被曝を強制されてきた怒りを語った。さらに志賀原発の地元・志賀町からは、3・11で原発に対する意識が変わり志賀原発を廃炉にする闘いが始まっていることが報告された。
現在、北陸電力志賀原発1号機はトラブルで停止。2号機は定期検査で停止しており、地元の了解が取れず再稼働するめどが立たない。住民の原発への怒りが再稼働を止めている。集会は廃止への決定的闘争となった。
富山大学生自治会と北陸労組交流センターの仲間は、8・6ヒロシマ大行動への参加を訴え反原発署名を集めた。集会に参加する労働者や学生がドンドン応じてくれる。「一緒に原発を止めよう」「絶対に原発は止めなくてはならん」。署名しながら熱意を込め語ってくれたり、「ヒロシマに行ってきてくれ」とカンパもしてくれた。マスコミもビデオカメラで署名活動を写し大注目だ。
集会後、12時から金沢市内をデモし、北陸電力前で原発反対の怒りのシュプレヒコールを上げ、闘いを貫徹した。
故郷いわきでの行動 何かグッとくるデモ 関東 沢秀樹
会場には入れないかと思うほど人だかりで、何とか後ろの方に入り込んだ。通路や壁にも立ち見の状態。
集会はいわきの畜産農家の発言から始まった。やり場のない怒りで声が途切れ、ジーンとくる始まりであった。誰もが普段のままの発言。よそよそしさや飾り気がなくて、地元いわき出身の私には、みな昔からの知人のように思えた。まして方言混じりの発言もあり、とにかくアットホームな集会だった。この集会を企画した動労水戸への感謝の言葉も述べられ、私も心から同感した。また三里塚にならって動労水戸との労農連帯でやっていきたいという農民の言葉。この地に、こういう闘いがあることに深く感動した。
地元で先生をしている人の発言もその正義感と人柄が分かる話だった。 福島市よりも原発に近いせいか、いわきの人たちの方がせっぱつまった感じがした。デモをとりまいていた人びとから、それがひしひしと伝わってきた。
集会場周辺のホテルや駐車場は原発に仕事に来た他県ナンバーの車ばかり。すごい数でぎっしりと埋まっている。外に出ると炎熱だった。私は命がけの原発労働を思いながら、元気良く進むデモ隊列の中にいた。歩道橋は鈴なりの人、人、人。デモを見ながら泣いているおばさんがいて、ハッとした。こちらもジーンときて涙が出た。何かこうグッとくるデモ、いわきの市民の心をとらえたいいデモだった。
私もここで生まれ、ここが故郷なのだ。解散地で辺りを見回しながら、故郷をかえせ!と、心が叫んでいた。
闘う組合つくるため大会で発言したい 郵便労働者 間宮創
もうすぐ支部大会がある。郵政職員は何のミスもおかしていないのに、ボーナス1・3カ月カット。許すことができない。無駄な超勤(残業)はするなとは言うが、超勤はするなとは言わない。おまけに「かもめーるを売ってこい」。こんなひどい状況下で、この酷暑の中で、おれたちは業務に取り組んでいる。
65歳の非正規職員の首をいとも簡単に切るなんて、長く働いてきた方々をなめているとしか思えなくて悔しい。御用組合がこれを認めている。ゆうメイトを切るのではなく、日本郵政と郵便事業会社の社長の退陣を求めたい。そして仕事も知らない管理職が多すぎる。誤配ひとつで始末書。管理職は配達が早いだの遅いだのと言ってくる前に、ご苦労様の一言をまず言ってみろ!
支部大会は職場の命運をかけた重要な大会だと思っている。だから、会社の問題点をはっきりさせて、闘う労働組合をつくるために発言しようと思う。
大震災以降初めての地労委一日行動闘う 東北石けん労働組合 洞口明
7月21日、東北石けん労働組合は大震災以降初めての地労委一日行動を闘い抜いた。
朝8時から労働委員会直近の仙台市役所前に20人の仲間が年休をとり結集。500枚のビラが次々と労働者の手に渡され、頑張って下さいと声をかけていく人もいた。
今回の地労委は第10回調査。労働委員会では、先に提出された準備書面(15)を当該が堂々と読み上げた。これまでの調査と審問で、資本の不当労働行為は満天下に明らかとなっている。
労働委員会による「争点整理」に対して、個々の事項でなく、時系列にそって畑と佐藤の合議による解雇攻撃がなされたことが、畑文雄本人の陳述で明らかになっているのだ。しかも、この解雇攻撃は、工場移転と労働条件の変更に対する労使協議を求めた団体交渉要求を拒否してかけられてきた。団体交渉要求への回答が、いきなり解雇だったのだ。これほどの不当労働行為があるだろうか。
畑文雄を救済しようという動きを見せている労働委員会も、この明白な最大の争点に関して、組合からの書面での追及を認めざるをえなかった。
当該の追及に審問廷を埋めた傍聴の仲間も、2年半にわたって資本を追及してきた闘いの勝利性をあらためて確信するものとなった。
午後からは場所を愛島台新工場に移して、門前闘争が打ち抜かれた。ごうごうたる怒りのシュプレヒコールがたたきつけられる。その熱気に、夏休みに入った地域のこどもたちが大注目。お年寄りも激励の声をかけていく。初めて門前に来た仲間も、資本と労働者の激突の最前線である門前の空気に気合いが入った。
東北石けん労働組合はこれに先立つ7月10日、みやぎ連帯ユニオンに組合として加入した。みやぎ連帯ユニオンの拠点分会として被災地労働運動の先頭に立って闘う。
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週刊『前進』(2498号7面1)(2011/08/01 )
夏季特別号 第U部
国鉄と反原発で革命勝利を
階級的労働運動の圧倒的前進かちとり解雇撤回、外注化阻止・非正規職撤廃へ
9・11百万デモと11月へ驀進しよう
(写真 国鉄闘争全国運動6・5大集会は、日比谷公会堂に全国から1780人が集まり、大成功した。壇上は被災地福島・宮城からの大派遣団)
はじめに
世界大恐慌下、革共同は、2011年をプロレタリア世界革命への全人類史的飛躍をかちとる本格的第一年とすることを宣言した。その実践に突入したさなかに、3・11東日本大震災と原発大事故が爆発した。
巨大地震と大津波は一瞬にして数万の人びとの生命をのみ込み、家屋・土地・生活と生業を破壊し、がれきが地上を覆い尽くした。原発大事故による高濃度放射能は、大気・農地・海洋を汚染し、学校・職場・古里という労働者人民の生存の根源を奪っている。4カ月が経過した今なお、がれきの大半は残されたままだ。
何よりもメルトダウン(炉心溶融)とメルトスルーの恐るべき現実、被曝労働と内部被曝の戦慄(せんりつ)すべき実態は、人類史を揺るがす事態として今も進行しているのだ。
だが、この息をのむような、言葉も悲嘆すらも一瞬奪われて絶望に立ちすくむ現実の中から労働者階級は必死に立ち上がった。人間的、階級的な存在と尊厳をかけた総反撃が開始された。
それは3・11の極限的事態の中でこそ、資本主義・新自由主義のもとで奪われてきた「人間的共同性」を労働者階級が自らの手に奪還し、自らを階級として力強く打ち立てる闘いの開始であった。真の敵は誰かを見定め、怒りをたぎらせ、今こそ6千万労働者のすべてが団結し、さらに農民・漁民、都市住民などの怒りと闘いのすべてを労働者階級のもとに総結集して、この社会を根底から覆す歴史的大決起が始まったのである。
3・11は、史上未曽有の大災厄として労働者階級人民に襲いかかった一個の巨大な「反革命」である。この3・11こそ、最末期の帝国主義である新自由主義が、日本と世界の労働者階級人民に対して搾取・収奪の限りを尽くし、その生命を蹂躙(じゅうりん)し尽くしてきた数限りない犯罪行為の、最後に行き着いた姿なのである。
だが他方で、3・11反革命は新自由主義の大破綻の結果である。資本主義・帝国主義とその最末期に登場した新自由主義が、大恐慌のもとで大崩壊を開始したのだ。3・11反革命ゆえに、帝国主義・新自由主義への怒りはさらに燃え広がり、プロレタリア世界革命は一挙に全世界的に引き寄せられているのである。
2011年、エジプト2月革命に始まった世界革命へのうねりは今や、3・11をもって一層根底的な、帝国主義とスターリン主義の現代世界のすべてを打ち倒さずにはやまない炎となって地の底から噴き上がっている。
「事故は人災だ!」「奴隷を望まぬ人びとは立て!」と、中国で高速鉄道事故への労働者の怒りが爆発している。ギリシャを始めヨーロッパで、新自由主義を打ち倒す決起が燎原(りょうげん)の炎となっている。韓国、アメリカの労働者同志たちは不滅の闘いに突き進んでいる。そして日本において、ついに「労働者は使い捨ての機械ではない!」「死ぬことを拒否し生きぬく!」という原発労働者と、非正規職の青年労働者の根源的な決起が開始されている。
2011年後半は、大恐慌と3・11情勢がさらに進行し、かつて世界史が経験したことのない破局と動乱が爆発していく。そのただ中でこそ、まさにプロレタリア世界革命の現実性が躍動し、その勝利への準備がなされていくのである。労働者階級の怒りと団結、労働組合の階級的再生、そしてこれと固く結びついた革共同の労働者党としての革命的な変革と実践、自己解放的決起で、どんな困難をものりこえ、21世紀革命の絶対的達成を果たそうではないか
第1章 総括 被災地の怒りとともに労働者の進むべき道を示した6・5集会
(1) 3・11反革命粉砕の基軸となった国鉄闘争全国運動
3・11反革命への一大反撃は、3・11の直後から、動労千葉の声明、革共同の声明、そして動労千葉と全国労組交流センターによる「生きぬくために闘う! 東日本大震災救援対策本部」の設置などによって開始された。
それはまさに、日帝ブルジョアジーと国家権力の総力を挙げた階級圧殺攻撃との激突であった。日帝は、1923年の関東大震災直後のように、被災地を戒厳令下において、労働者階級人民に「闘うな」「団結するな」と絶望と階級意識の解体を強制した。それ以上に恐るべきことは、「政治休戦」と「挙国一致」の攻撃であった。連合などの体制内組合を先兵に仕立てて労働組合解体攻撃をこの機に一挙にやりとげようというものである。
これに対して被災地の闘う労働者は、3・11の極限的現実、新自由主義の非人間的極致と対決し、これを打ち破るのが動労千葉労働運動の全面的実践であることを心の底から確信し、闘いを開始した。それは連合や全労連の体制内指導部による「政治休戦」「挙国一致」の大反動との非和解的対決であり、労働者階級の根底的革命性への絶対的信頼という、マルクス主義の核心を貫く決起としてかちとられた。
そしてこの被災地における生きるための闘い、「生きさせろ」の歴史的決起を、全国の闘う労働者が3・11反革命との闘いの原点に据えきることによって、階級的労働運動の飛躍的前進がつくり出された。被災現地の労働運動の命がけだが生き生きとした実践との交流と団結の拡大を通して、プロレタリア自己解放の力が、どんな困難をも打ち破る力としてめざましく躍動し始めたのである。
この3〜4月闘争を全力で闘い抜く中で、国鉄闘争全国運動6・5大集会を跳躍点とする、6〜7月闘争の巨大な前進が切り開かれていった。
労働組合再生を決意
6・5集会は、被災地の怒りと結合し、日比谷公会堂を埋め尽くす1780人の大結集として打ち抜かれた。それは、国鉄分割・民営化絶対反対、1047名解雇撤回の国鉄決戦こそが、3・11反革命に最も鋭く根底的に対決する道であることを実践的に示した。すなわち3・11がもたらした大失業と原発大事故との対決を、被災地の闘いを原点に据えきり、労働組合の再生をもって闘い抜くことを鮮明にさせたのである。
そもそも3・11反革命との闘いは、国鉄1047名闘争に対する昨年4・9政治和解という最大級の国鉄決戦絶滅攻撃と真っ向から対決し打ち破ることによって、立ち向かうことが可能になったのである。4・9反革命は、1047名闘争の解体によってあらゆる解雇撤回闘争を圧殺し、労働組合が資本と闘うこと自体を否定する攻撃であった。これに対して「国鉄闘争の火を消してはならない!」という思いが全国でわき上がり、昨年6月、国鉄闘争を闘う全国運動が幾多の試練をのりこえる中から誕生した。新自由主義と全面対決し、日本労働運動の根底からの再生を求めるこの闘いが、3・11反革命に勝ち抜く決定的な土台をつくり出した。
6・5集会は、この国鉄闘争全国運動が被災地の労働者の「生きさせろ!」の根源的決起と固く結びつくことで、階級的労働運動の本格的復権に向けた巨大な飛躍を生み出すものになった。
敵はただひとつ、資本家階級とその国家であることが一切のあいまいさを取り払って突き出された。資本と国家の犯罪を絶対に許さず、彼らを打倒して労働者階級が全権力を握る以外に3・11を真にのりこえる道はない。このプロレタリア革命の勝利に向かってあらゆる力をひとつに結集して闘い抜くこと、その核心は闘う労働組合を今こそ全国の職場に甦(よみがえ)らせることであるという、圧倒的な確信と団結が形成された。
6・5集会はまた、体制内労組幹部による「復興・休戦メーデー」をのりこえてかちとられた5・1メーデーへの決起に始まる、吹き荒れる震災解雇との闘いを本格的に決意する場となった。とりわけ一切の矛盾をしわ寄せされる非正規労働者、青年労働者の階級的人間的怒りを底の底から解き放った。正規・非正規の団結をもって、4大産別を先頭とする全産別で職場から具体的な闘いをつくり出していく新たな出発点が築かれた。
すなわち6・5集会は、今日の3・11反革命として爆発した新自由主義への根源的な怒りの爆発を、ひとつの階級的力として全面的に結集して闘われた。それは、3・11を契機についに開始された2千万青年労働者、6千万労働者階級の資本主義体制を根本から問い直す反原発・反失業の巨大な決起と結びつき、その闘いの方向性と革命的展望を照らし出すものとして大成功をかちとったのである。
(2) 「フクシマ」の巨大な怒りを解き放った6月の大決起
6・5大集会の成功に続いて闘いとられた6・11反原発全国100万人行動は、新宿デモ2万の怒りの渦を頂点にして、70年闘争以来の巨万の大高揚となり、階級情勢をさらに大きく塗り替えた。同時に6・5―6・11の連続決起を通して、3・11情勢と根源的に対決する動労千葉派、階級的労働運動派こそが、青年・学生を先頭に反原発闘争の全国的主導勢力として立った。
このことは、この反原発のうねりが、帝国主義・新自由主義の打倒に至る永続的な大政治闘争となったことを示している。
原発は、戦後体制の中心を形成してきた日本帝国主義の第一級の国策である。とりわけ74〜75年恐慌以降の、田中政権や中曽根政権を始めとする原発大増設と核燃料サイクルの推進は、国鉄分割・民営化攻撃とともに、日本の新自由主義を成り立たせてきた柱である。国鉄分割・民営化による労働組合の破壊と解体、大量の非正規労働者の創出こそ、日本における新自由主義攻撃の全面化であり、その新自由主義は同時に原発をつくり出し、原発を最大の土台として成り立っている。
この原発こそが、国鉄分割・民営化体制とともに、今やおぞましい正体をあらわにした「原子力村」による社会全体の支配を通して労働者階級人民を支配し、蹂躙してきた。新自由主義のもとで25年にわたって、青年労働者を始め6千万労働者階級、さらに農民・漁民、中小零細業者が地獄のような塗炭の苦しみにたたき込まれてきたのである。この怒りがついに今日、福島第一原発の事故を発端として沸騰し、行動を求めて、巨大なうねりとなって爆発し始めたのである。
福島現地での大デモ
6・5―6・11を土台として、反原発・反失業の怒りの高まりの中で6・19福島現地闘争が闘われた。6月19日の福島は、かつて1968年1月の佐世保闘争(米原子力空母エンタープライズ寄港阻止闘争)が70年安保・沖縄闘争の大衆的大爆発へのステップとなったように、21世紀現代の「佐世保」となった。
それだけではない。帝国主義・新自由主義が人類にもたらした大惨禍へのぬぐい去ることのできない根源的怒りを現代史に記す闘いとして、ヒロシマ・ナガサキに続き「フクシマ」が刻まれた。そして200万県民の「福島を返せ」の怒りの炎は、その本質において、エジプト革命に続く日帝打倒の革命への道を踏み出したと言ってよい。
6・19福島現地闘争が3・11原発事故への怒りをこのように革命的歴史的に解き放ったのは、闘う労働組合が先頭に立って反原発闘争への総決起を呼びかけ、身をていして闘い抜いたからにほかならない。6・19闘争は、階級的労働運動が実践的基礎に座ることによって、反原発闘争をプロレタリア革命に直結する闘いへと決定的に押し上げたのである。
6・19福島闘争が突き出したのは、反原発の核心が、原発の全面否定、即時全廃にあるということである。
原発は資本主義の最高発展段階である帝国主義とその最末期が必然的に生み出したものである。資本主義は利潤追求が究極の原理であり「正義」である。資本にとって労働者は労働力商品、すなわち人間ではなく「労働力というモノ」であり、だから核兵器で何十万、何百万の労働者人民を平気で虐殺することもはばからない。原発はこの核兵器と一体であり、原発産業は被曝労働で労働者の生命を平然とむしばみ、殺していくことを基礎にしてしか成立しない。核・原発と人類は絶対に共存することができない。
帝国主義の最末期の姿である新自由主義は、この被曝労働を極限まで推し進め、労働者が階級的に団結することを徹底的に否定し圧殺することで成り立っている。原発は、資本主義・帝国主義・新自由主義の労働者支配の最もおぞましい実体であり、現実そのものなのだ。
原発全廃の一切の原点は、原発労働者を人間として見ず、次々と生命と人生を奪っていくやり方を絶対に許してはならないという怒りである。この原発全廃の立場抜きに、原発事故を真に収束させることもできない。いや資本主義・帝国主義のもとでは問題の解決など絶対にできず、この大事故を最小の犠牲で終わらせることすらできないのだ。
さらに原発は、日帝の核武装の一環であると同時に、新自由主義の電力源である。そこでは原発労働者の生命を縮める被曝労働を低賃金で強制し酷使することを土台に、デタラメなコスト計算で実際の費用とはかけ離れた安価をデッチあげ、ツケはすべて大衆収奪に回すことによって全産業が成り立っている構造がある。だから資本とその国家は、どんなことがあっても原発を手放そうとしない。
反原発闘争、原発全廃闘争はしたがって、新自由主義との階級闘争の最先端である。原発廃止は、彼らの利潤追求第一主義の息の根を止めるまで、資本主義・帝国主義打倒のプロレタリア革命まで徹底的に闘わなければ、絶対に実現できないのである。6・19福島現地闘争は、この不退転の道を切り開いたのである。
(3) 国鉄先頭に4大産別決戦が全面的な爆発過程に突入
この6月闘争を転換点として、3・11情勢は一層白熱化し、国鉄決戦を突破口に4大産別決戦が新たな段階に突入した。
世界大恐慌の激化と深化のもとで3・11に直面した日帝は、支配階級の分裂と政治支配の底なしの崩壊状態に直面しながら、だからこそ必死に労働者階級への階級戦争の貫徹に一切をかけて突破しようとあがいている。菅政権は、この階級情勢の一変に対して、一層凶暴なボナパルティズム政権として登場することで延命しようとしている。そして反原発の怒りのペテン的解体と、労働運動の帝国主義労働運動への変質・取り込みにますます全体重をかけて突進しているのだ。
それは具体的には、1047名闘争破壊と階級的労働運動の抹殺を狙う4・9反革命のさらに巨大な反革命として登場している。国鉄分割・民営化を文字通り完遂し、全面外注化を柱とする第2次分割・民営化を強行して、国鉄労働運動を帝国主義労働運動の牙城(がじょう)に変えようとする大攻撃が、まさに3・11をもってその全貌(ぜんぼう)をあらわにしている。それがJR大再編情勢である。
7月国労大会は、日帝ブルジョアジー・JR資本と政府権力、労働貴族・ダラ幹が総がかりで国労を解体し、国労を資本と一体化する企業内組合の中心にしようとする大攻撃との激突となった。6月30日の4者4団体による1047名闘争終結宣言は、その露払いであった。
だがこれに対して国鉄闘争全国運動による新たな国鉄闘争への呼びかけが発せられ、国労共闘を先頭に国労再生への血路が切り開かれつつある。さらに動労千葉が外注化攻撃を2年続けて阻止してきた地平に立って再度の外注化決戦に突入し、組織拡大、平成採獲得・青年部結成の新地平へ向けて、猛然と前進を開始している。
この国鉄決戦が大きく戦略的に発展していく上で、反原発闘争との結合、とりわけ6・19福島現地闘争を引き継ぐ7・17いわき闘争が重要であった。いわき闘争は、動労水戸が呼びかけ、「原発事故の一切の原因は、国鉄分割・民営化にある」として、まさに国鉄決戦と反原発闘争を実践において完全に一つの闘いとしたのである。このことが同時に、国鉄決戦そのものの大きな前進をかちとったのである。
さらに、大震災を口実とした解雇・賃下げ・非正規化攻撃が全産別で吹き荒れる中、郵政雇い止め解雇に対する一大反撃が開始された。郵政非正規ユニオン結成は、郵政16万の非常勤労働者を始め、非正規職撤廃へ向けた全労働者の怒りをたぎらせた闘いののろしである。教労、自治体職場でもまったく新たな闘いが始まった。その先頭に、青年労働者が立った。
この中で、動労千葉と全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械港合同の闘う3労組共闘の一層強固な前進がかちとられた。関生支部への5・11弾圧粉砕の闘いは、三里塚闘争への5・20大弾圧を粉砕した闘いと並んで、3・11反革命粉砕の決定的な拠点を築いた。動労千葉が世界に向けて発信した英文の「震災レポート」は、全世界の無数の労働組合や反核団体の間に巨大な関心を呼び起こし、ネット上での転載・紹介は200万件近くに上り、国際連帯の大きな前進をつくり出した。
(4) 三里塚闘争を始め全戦線で新自由主義に巨大な反撃
こうした国鉄決戦と反原発闘争の巨大な前進は、3・11反革命との全戦線での激烈な対決を通して闘いとられた。さらにその勝利が全戦線での闘いの飛躍的大前進を切り開いた。
学生戦線が闘いを牽引
学生戦線は「3・11情勢」と真っ向から対決し、キャンパスと街頭を主戦場に反原発闘争の最先頭で闘い抜き、画期的な前進をかちとってきた。とりわけ大震災と原発事故直後の3・17緊急闘争、3・20渋谷デモを牽引(けんいん)し、さらには3・31東電デモにおける3人逮捕という弾圧をもはね返し、4月22日に法大包囲と東電直撃の二つのデモを闘った。こうした地平から4〜6月の青年・学生の巨大な反原発行動を引き出しつつ、60年、70年を超える大衆的うねりへと発展させてきた。
原発廃絶の闘いは、新自由主義大学(法人化大学)を粉砕しキャンパスを学生の手に取り戻す闘いそのものだ。「フクシマの怒り」をたたきつぶす最悪の先兵である文部科学省および御用教授どもを、絶対に許してはならない。「教育の民営化」および大量弾圧と対決し、5年を超える不屈の法大闘争の中で積み上げてきた全内容が、反原発闘争の中で300万学生を獲得するものとして全面的に開花され、発展させられなければならない。その挑戦は始まった。
三里塚が決戦に突入
三里塚闘争は、3・11以降、福島の農民・漁民の怒りとひとつになって、45年の闘いの一切をかけて日帝権力との激突の最前線に躍り出る過程に突入している。菅政権のTPP(環太平洋経済連携協定)参加推進に加えて、大震災と原発事故の爆発が、今や日本農業壊滅・農民切り捨ての一大反革命となって全国の農民を襲っている。三里塚は、自らの生存をかけてこれとの闘いを開始した農民、労働者階級人民の総反乱の新たな拠点となっているのである。
天神峰現地闘争本部をめぐる5・20反動判決と50人逮捕という空前の大弾圧は、三里塚闘争のこの新たな発展と労農同盟の強化に対する日帝権力の深刻な恐怖を示すものだ。三里塚は反対同盟を先頭にこの大弾圧を実力で打ち破り、現闘本部破壊攻撃との対決を焦点に一大決戦に突入した。
沖縄では、被災現地への圧殺攻撃と一体となって、日米安保をフル動員した5・15沖縄闘争圧殺・解体の大攻撃が加えられた。これを11月派と全学連が先頭に立って打ち破り、5・15闘争の階級的戦闘的発展がかちとられた。
杉並・相模原・八尾の4月選挙闘争は、原発の即時停止を真っ向から掲げ、労働者人民の階級的怒りと結合する選挙闘争として闘われ、3・11反革命に勝ち抜く運動と組織をつくり出す土台と教訓を決定的に生み出した。
さらに弁護士戦線を先頭とする裁判員制度廃止の闘い、星野文昭同志奪還の闘い、西郡での闘いを先端とした部落解放闘争の階級的大衆的発展を始めとする諸戦線の闘いなどが、3・11反革命との対決と階級的労働運動路線を貫く中で、きわめて豊かな前進をかちとってきたのである。
これら2011年前半の切り開いた地平に圧倒的な確信をもち、11月労働者集会1万人結集を頂点とする夏から秋の決戦に、今こそ猛然と躍り込んでいこう。
第2章 情勢 米経済の「2番底」と債務不履行―本格的に激化する世界大恐慌
(1) 量的緩和第2弾(QE2)の大破産、国家崩壊の危機
07年の8・9パリバ・ショックから4年、08年の9・15リーマン・ショックから3年弱がすでに経過した。世界金融大恐慌として始まった今次大恐慌は、基軸帝国主義・米帝の「2番底」への本格的転落の危機と、米国債の債務不履行(デフォルト)が最大の焦点と化すという米帝自身の体制崩壊の決定的切迫情勢を頂点として、今や全面的な激化・深化の局面へと突入しようとしている。
今次大恐慌の現段階を示す四つの特徴的な事態は、@米帝の量的緩和第2弾(QE2)の大破産と終了、A新興国経済の中心である中国のインフレの爆発と不動産バブル崩壊の始まり、Bギリシャの事実上の債務不履行への転落を焦点とした欧州債務危機の再爆発、C日帝の「震災恐慌」と主要帝国主義からの戦列脱落的な体制的危機である。
大恐慌の全面的な激化・深化と、日帝の大震災・原発大事故は、今や最末期帝国主義と新自由主義の命脈が尽き果て、プロレタリア世界革命にこそ、危機突破の唯一の道があることを示している。労働組合を甦らせ、労働者階級の力で菅ボナパルティズム政権を打倒し、革命勝利を切り開こう。
過剰マネーでドル安と世界的なインフレ
「パリバ」「リーマン」以来の今次大恐慌の爆発・激化に対し、米欧日帝国主義や中国スターリン主義は、一方で労働者階級への首切り・賃下げ・大失業の攻撃を恐慌対策として激化させ、他方では1929年大恐慌のニューディール政策とも比べものにならないほど大々的な金融・財政政策を展開した。
特に米帝は、FRB(連邦準備制度理事会)が米欧日の中央銀行間の「通貨スワップ協定」なども駆使した緊急流動性供給=ドル資金の供給に全力をあげる一方で、政府による7000億jの金融安定化法、7872億jの景気対策法をもって天文学的な財政投入を強行した。その上でさらに米帝・FRBは、超金融緩和政策として09年3月に3000億jの量的緩和第1弾(QE1)を、10年11月には9000億jの第2弾(QE2)を発動し、市場にジャブジャブにドル資金を供給するに至った。
これは中央銀行であるFRBが米国債を大量に買い入れ、財政危機で動きのとれない政府に代わり赤字の穴埋めをすることであり(マネタイゼーション)、これまで世界大戦時にしか行われなかったような非常手段である。だが米帝は、大恐慌の2番底への転落とデフレ化に恐怖してこの政策を強行した。
しかしQE2が流し込む膨大な過剰マネーは、大恐慌下の信用収縮の緩和や信用創造とはならず、設備投資に向かわず雇用も創出しなかった。住宅市場にも自動車販売にも効力は及ばなかった。だがそれは一方で大量の資金供給が長期金利を押し下げ、米株価を20%上昇させ、4兆jの資産効果を生んで高所得者層のみを潤わせるとともに、他方では世界的なインフレ化と、ドル安による為替戦争(通貨安競争)を助長するものとなった。
このQE2は大破産のうちに6月末でひとまず終了し、今や大恐慌下で米帝経済は2番底へと転落する危機にある。最大の問題は、雇用情勢がまったく改善せず、住宅市場がすでに2番底に落ち込んでいることだ。
6月の米雇用統計では完全失業率が9・2%に再上昇した。リーマン・ショック後の実体経済の大収縮により、860万人が完全に失業し、失業率も大恐慌前の2倍にはね上がった。米企業の10年末の手元資金は超金融緩和政策で2兆jと過去最高水準だが、それが設備投資に向かわず、完全失業率は今も10%内外で高止まりしている(実質的な失業率はこの2倍だ)。そして雇用情勢が打開できないため、GDP(国内総生産)の7割を占める個人消費も冷え込んだままである。
大恐慌の震源である住宅市場は、新築着工件数がピーク時の年間200万戸が、現在は50〜60万戸に減少、在庫や差し押さえ物件も増大し、商業用不動産も空室が多く、完全に2番底状態だ。また価格の下落が続き、借金が住宅価格を上回る「債務超過」の家計が減少せず、これも個人消費を圧迫している。
こうした米帝経済の大失速から、「量的緩和の第3弾(QE3)も排除しない」とFRB議長バーナンキは議会証言したが、これはより破滅的なとんでもない政策だ。すでにQE1、QE2でFRBの資産はこの6月末には2・9兆jと、リーマン・ショック前の3倍を超えている。「基軸国」ながら世界最大の経常赤字国にして純債務国である米帝の中央銀行が、バブル状態の米国債とドル紙幣をため込むことは、世界をドル暴落とインフレの爆発へとたたき込むものでしかない。
米帝債務残高は法定上限の14・3兆jに
米帝危機のいま一つのすさまじさは、デフォルトの危機だ。そもそも日米欧主要7カ国(G7)は天文学的な大恐慌対策で、政府の債務残高はすでに34・2兆jに膨れ上がっている。その中で米帝はすでに法定上限の14兆2940億jに達し、年金基金などからの流用でしのいでいるが、8月2日までに引き上げが確定しないとデフォルトに陥る。米議会では来年の大統領選もにらみ、与野党が歳出削減などの内容をめぐり激突し、法案成立はまったく予断を許さない。
すでに米格付け会社は、米国債を最上級から戦後初めて引き下げる検討も始めた。もし米帝がデフォルトに陥れば、世界の金融市場はストップし、米国債の急落、米株価やドルの暴落という重大事態に突入していく。
(2) 中国経済はインフレ激化と不動産バブルの崩壊へ
QE2が引き起こしたもう一つの深刻な問題は、あふれるドルが商品市場に殺到し投機を過熱させ、世界中で原油、穀物、金などの価格が急上昇し、中国やブラジルなど新興国を中心にインフレが爆発していることだ。
世界のドルの流通量である「ワールドダラー」は昨年11月以降、8000億jも膨張し、現在6兆jと過去最高の水準にある。この過剰マネーが株式市場や債券市場に比べ小規模の商品先物市場に流入し、原油や穀物が急騰した。それはガソリン価格の高騰で米経済も直撃し、個人消費を冷え込ませている。
この中で、中国経済の減速と変調が今や「危険水域」の状態にある。インフレの爆発と不動産バブルの崩壊が始まっている。中国高速鉄道の大事故は、バブル的経済拡大の帰結であり、バブル崩壊を一気に促進する。
そもそもリーマン・ショック後の4兆元(57兆円)の景気刺激策自体がバブルとインフレの元凶だった。米帝などの恐慌対策と超金融緩和であふれた過剰マネーは中国など新興国に流れ込み、中国は流入した外貨を人民元で買い取り(為替介入)、膨大な人民元を市場に吐き出してきた。6月末の通貨供給量(マネーサプライ)は前年同期比15・9%も増大した。その結果、6月の消費者物価指数は前年同月比6・4%も上昇し、中国の食生活に欠かせない豚肉は6割も暴騰して、超低賃金の労働者人民の生活を痛撃している。
中国政府と人民銀行は、それが中国全土で労働者人民のストや暴動の激発となっていることに恐怖し、インフレ抑制を最優先課題とし、昨年10月以来、すでに5度も金利を引き上げた。だがそれは逆に景気を減速させ、バブル崩壊を加速する危機をもはらんでいる。
年収の20〜30倍から100倍の高額マンションを借金して購入するという、中国の不動産バブルを生み出した張本人は、1万社以上もある地方政府傘下の投資会社で、その債務総額は最大180兆円と、中国のGDPの3割強に達する。中国政府は昨年来、不動産価格抑制策をとっているが、すでに土地価格の下落、売買件数と価格の急落など、バブル破裂の兆候が現実化している。この中国バブルの崩壊は「ドバイショックの1千倍以上」と言われ、大恐慌を破滅的に激化させる。
中国経済のもう一つの根本問題は、自動車、鉄鋼、セメントなど製造業・素材産業を軸にすでに生産・消費がピークを迎え、過剰生産能力と市場の飽和化が現実化していることだ。すでに政府は素材産業を中心に、18業種2255社に旧型生産設備などの廃棄を命じたが、この中で特に沿海部では中国の雇用を支える民間中小企業が、金融引き締めにより大幅減産や休業・倒産に追い込まれている。
農村部を含めすでに1億人以上の潜在失業者がいる。雇用人口が8%と少ない独占的な国有企業が肥え太る一方で、民間中小企業の危機は大量の失業者を生み出し、今やその怒りが全土でストや暴動として爆発している。
ギリシャも事実上の債務不履行へと転落
7〜8月に国債大量償還を迎え債務危機が再爆発したギリシャの「7月危機」は、議会での「財政再建計画」の承認、EU(欧州連合)とIMF(国際通貨基金)からの追加融資などを受け、債務不履行の危機は一応回避された。だがこれは単なる「時間稼ぎ」でしかなく、しかも民間銀行などの債権者にも負担を強いるもので、事実上の債務不履行だ。さらには7月5日に米格付け会社がポルトガル国債を4段階も格下げしたことを契機に、欧州債務危機はスペイン、イタリアにも波及、その国債価格が急落し、欧米の株式市場も下落する事態となっている。
ギリシャには独仏などの金融機関が巨額の貸し付けを行い、その欧州には米金融機関が総額3・4兆j(約270兆円)に上る金融債権を持っている。だからギリシャの財政破綻は完全に「第2のリーマン・ショック」となり、大恐慌をさらに深刻化させるのだ。
ギリシャの債務問題をめぐっては、国家財政によるギリシャ支援に消極姿勢のドイツなどが「民間投資家も負担を」と唱え、これに欧州中央銀行(ECB)やフランスが反発し、米帝は「無制限の財政出動」を要求するなど、独・仏と米帝が3分裂している。帝国主義はギリシャや南欧から利益を吸い上げて延命し、ギリシャ政府は危機を公務員労働者のせいにして、首切り・賃下げ・民営化の攻撃を強めている。ユーロ圏の「南北分裂」やユーロ自体の崩壊の危機をはらみ、ギリシャ・欧州の財政危機は大恐慌の巨大震源である。
日帝は「震災恐慌」に加えて「円高不況」も
日帝は3・11大震災と原発事故によって「震災恐慌」にたたき込まれ、いよいよ帝国主義の「最弱の環」に突き落とされている。大恐慌による落ち込みに加えて、自動車や電機を始めハイテク部品などのサプライチェーン(供給網)の寸断で、生産や輸出はリーマン・ショック後以上の下落を強制され、4月は1980年以来の貿易赤字となり、経常黒字は前年比7割減となった。GDPは実質も名目も3期連続のマイナスに転落し、IMFの世界経済見通しでは11年の実質成長率はマイナス0・7%である。
こうした中で震災解雇が吹き荒れ、岩手、宮城、福島の3県では12万人が職を失って失業手当受給を申請し、被災42市町村の被災者の6割が生活再建のメドが立っていない。ブルジョアジーは「世界が驚いた供給網の早期復旧」などと言っているが、それは自動車・電機など一部の大企業のみで、東北被災3県で計2070社がまだ事業を再開できず、生産縮小や撤退に追い込まれている。これからまたいよいよ解雇や転勤が本格化する。
その上で最大の「震災恐慌」は、原発事故による最末期帝国主義・新自由主義の根幹=生命線をなす原発推進体制、電力供給体制の危機と崩壊である。原発事故でこの新自由主義の動力源が断ち切られ、「日本経済沈没の危機」と化し、この中で大資本はトヨタなどを先頭に、国内の生産体制を再編し、生産拠点の海外移転を加速し、国内を「空洞化」させても生き残ろうとうごめいている。
さらにいま一つ、米欧で債務問題が爆発して、経常黒字国で最大の純債権国である日本の円が消去法的に買われ、超円高に突入しつつある。これも大恐慌下の日帝を「円高不況」に突き落としていく重大情勢だ。
(3) 米中矛盾の爆発―労働者への戦争と大失業の攻撃
こうした大恐慌の底なしの激化と深化のもとで、世界経済は大収縮し、分裂化・ブロック化を深めてゆき、結局、帝国主義とスターリン主義(中国)が向かうのは、一方では労働者階級への大失業攻撃と階級戦争の絶望的激化であり、他方では帝国主義間・大国間の争闘戦と戦争(世界戦争)である。
ここで特に、米帝が体制的危機を深め、米帝を基軸とした戦後体制が今や歴史的崩壊過程に突入していることは決定的なことだ。ソ連スターリン主義がすでに崩壊し、新自由主義が総破綻している現情勢下で、世界動向を規定するものは今や米中矛盾であり、米中対峙・対決である。昨年11・23の韓国・延坪島(ヨンピョンド)での南北砲撃戦は、米帝(米日韓体制)の朝鮮侵略戦争への歴史的踏み切りと、米中対峙・対決の基軸性を衝撃的な形で突き出した。
この点で、今年6月21日の日米安保協(2プラス2)が新たな「共通戦略目標」を策定し、日米同盟の深化・拡大を確認し、中国に対して「国際的な行動規範の順守」や軍事の「開放性、透明性」を要求すると同時に、東中国海・南中国海での「航行の自由」「海上交通の確保、海洋安全保障の維持」を日米で合意したことは、対中国(対北朝鮮)侵略戦争の宣言として重大事態だった。大恐慌下で没落し崩壊する米帝は、東アジアでの中国スターリン主義の大国主義的・軍事的な動向につけ込む形で、今やアフガニスタン・イラク侵略戦争から、朝鮮・中国侵略戦争−世界戦争に向けた衝動を歴史的に強めている。
さらに2プラス2は、米軍普天間基地の辺野古移設(V字形滑走路建設)か固定化かを、日米帝の意思として「最後通告」的に沖縄に突きつけた。まさに沖縄闘争は、朝鮮・中国侵略戦争−世界戦争と対決する最前線の闘いとしていよいよ重要となっている。
大恐慌と大失業・戦争の攻撃に対し、チュニジア・エジプト革命は、プロレタリア世界革命勝利の道を切り開いた。大恐慌下、全世界的に革命情勢がいよいよ成熟してきている。エジプト2月革命の地平に連帯し、それに続いて、「大恐慌を世界革命へ!」の闘いを全力で発展させなければならない。
(4) 労働者・労働組合の力で菅ボナパ政権を打倒しよう
大恐慌と大震災・原発事故のもとで日帝の政治危機は極限的に深まっている。日帝の財政赤字は11年が対GDP比で10・5%(IMF世界財政見通し)と、米帝やギリシャ以上に深刻である。同時に09年8・30総選挙での自民党政権の歴史的な崩壊以降、日帝の統治能力も基本的に崩壊し、ブルジョアジーの混迷と分裂・抗争は絶望的レベルに達している。
こうした中で菅政権は、日帝ブルジョア体制を基本的な軸足としながら、一方の足は連合の労働者支配によって支えられており、本質的に「ブルジョアジーがすでに国民を支配する能力を失ったが、労働者階級がまだその能力を獲得できていないある時期に唯一可能な政府形態」(マルクス『フランスの内乱』)としてのボナパルティズム政権である。
ボナパルティズム権力は、フランスのルイ・ボナパルト(19世紀中葉)やドイツのパーペン・シュライヒャー内閣(1930年代)が象徴するように、一方では超階級的で「挙国一致」的な装いとイデオロギーをふりまき、その中身はどこまでもペテン的でインチキで腐敗的であることを不可欠の属性とし、他方では警察的・行政的権力の突出と優位のもとに、ブルジョアジーの利害を徹底的に貫くことを自己の任務とする。
この未曽有の危機と激動情勢にあって、ブルジョアジーとその政党・政治家が誰も責任をとらず、階級決戦も構えず、権力欲にまみれたボナパルティストの菅に取って代わる人物もいない中でどうにもならず、「やめろ」の大合唱と醜悪な政争のただ中で菅が延命し、政治危機をいよいよ激化させている。
菅にもブルジョアジーの誰にも原発事故収束の能力はない。しかも菅政権は、10万人の福島県民を故郷から追い出し、農業・酪農・漁業を崩壊させ、子どもたちへの放射能汚染の拡大を放置している。原発推進を「抑える」ふりをしてあくまで原発を維持・継続しようとしている。「脱原発」だが原発の即時停止や全廃は無理という部分も取り込みながら、「ストレステスト」で安全が確認できれば再稼働も可能という形で、原発を今後も推進しようとしている。労働者の階級意識を解体し、怒りを圧殺して、崩壊寸前のブルジョア支配を貫こうとしている。
そもそも菅政権もブルジョアジー自身も、被災地の救援や復旧・復興に向けた決意も、方針も、能力も、当初からまったくと言っていいほどなかった。彼らは被災者の命や生活よりも、まず階級支配や権力的秩序の維持に躍起となり、米軍と自衛隊の有事体制の形成と展開を最優先した。特にブルジョアジーは新自由主義政策維持の観点から、自動車や電機といった大企業の復旧には全力を挙げたが、農業や漁業、中小企業はほとんど破壊されたままに放置してきた。そもそもがれきの撤去さえ、4カ月たっても3割程度しか進まず、仮設住宅も不十分なままだ。
原発大事故に関しては、政府も東京電力も「絶対安全」「クリーン」と強弁して大地震や津波対策もまともにやらず、そもそも大事故が起こることを想定せず、ましてや放射能対策など最初からゼロであった。だからこそ高濃度の放射能汚染を隠蔽(いんぺい)し、情報操作を行い、また「安全」と言いなして、膨大な人びと(とりわけ子どもたち)を深刻な健康被害に今もさらし続けているのだ。
ところが日本経団連などは、ことここに及んでも、7・11のエネルギー政策提言なるものにおいて、原発を「引き続き重要」「着実に推進」「定期検査を終えたら速やかに再稼働を」などとうそぶいているのである。
原発の推進と「復興」ふりかざした大増税
菅政権の「復興基本法」「復興基本方針(骨子)」や「原発賠償法案」の問題点も、本質はブルジョア的利害にそったものであり、これだけの階級的大罪を犯した東京電力を救済しつつ、「復興債」なる赤字国債を大量に発行し、総額23兆円ともそれ以上とも言われるその財源は、消費税を軸とする大増税で賄おうとしている。そのためにまず10・3兆円の臨時増税の検討に入ったとも報道されている。
だがこうした国債の大量発行や大増税は、国家財政をいよいよ破滅させると同時に、すべての犠牲を労働者人民に押しつけるものでしかない。そして労働者には「震災解雇」を始めさらなる大失業攻撃と、外注化・民営化・非正規職化や社会保障制度の解体などの階級戦争を、全面激化させようとしている。
こうした3・11情勢=3・11反革命との闘いは、エジプト2月革命の勝利に続き、全世界の階級闘争の最先端に立つ階級決戦そのものである。菅ボナパルティズム政権を打倒する道は、結局のところ、労働者階級こそが権力を取る能力を獲得し、革命的な決着をつける以外にはいかなる方途もないのだ。
労働組合を革命的に甦らせ、国鉄決戦と反原発闘争を2本柱に、その闘いの爆発で菅政権を打倒し、最末期帝国主義と新自由主義そのものを打倒して、プロレタリア世界革命に向けた戦略的準備を闘い取ることこそ、労働者階級人民の未来を開く唯一の道である。
第3章 方針 国鉄決戦と反原発闘争の爆発で革命への戦略的準備やりぬこう
(1) 今こそ生きるための闘いを革命の路線として貫く時
今秋11月労働者集会は、大恐慌の激化と3・11情勢のもとで、労働組合の歴史的再生を掲げて、2千万青年労働者、6千万労働者の根源的怒りを総結集し、強固な団結をつくり出す革命的大行動である。全世界・全階級を貫く「生きさせろ!」の叫びを、階級的労働組合と階級的労働運動に白熱的に組織して、プロレタリア世界革命を戦略的に準備する壮大な労働者国際大会である。
現在の情勢は、まぎれもなく一個の革命情勢である。3・11は、資本主義・帝国主義が今や労働者階級人民の生存そのものと真っ向から絶対的、非和解的に対立していることを明らかにした。資本家階級とその国家による支配が、人類社会全体とこれ以上相いれないところまできたのである。
帝国主義は、3・11大災害という階級的大罪への労働者階級人民の怒りの爆発に恐れおののき、一大階級戦争を仕掛けている。この革命と反革命の階級戦争の爆発に対して、労働者階級人民が生きるためには、帝国主義打倒のプロレタリア革命に立ち上がる以外にない。
求められているのは、この革命情勢を本当に革命に転化するために、革命を目的意識的にかちとる「戦略的大準備」に総力を傾けることである。革命と反革命の烈火の死闘の中で、労働組合の闘いを土台とする党と労働組合の一体的な力を具体的現実的につくり出し、〈組織〉と〈拠点〉の白熱的な建設によって、この大準備そのものに勝利することである。そこから一斉蜂起による権力奪取への階段を大きく引き寄せるのである。
3・11情勢とは、革命が日常的に語られ、革命が日常の行動になる時代の到来である。大恐慌と3・11反革命のもとで、労働者階級人民の中から、「福島を返せ!」「古里を返せ! 職場を返せ! 未来を返せ!」という生きるための根源的叫びが発せられた。この叫びは、ロシア革命における「パン、土地、平和、自由を」と同義の革命のスローガンであり、革命路線なのである。
レーニンは、ロシア2月革命の報を知った直後、パンと平和と自由のための闘争を通して労働者階級による権力獲得の具体的準備に直ちにとりかかるために、「もっと幅広く! 新しい層を立ちあがらせること! 新しい創意をおこさせ、すべての層のなかに新しい組織をつくること。武装した労働者代表ソヴェトだけが、権力を掌握したばあいに、平和をもたらすことができるということを、彼らに証明すべきです」(全集第35巻、コロンタイへの手紙)と檄(げき)をとばした。
さらにレーニンは、〈帝国主義戦争を内乱へ〉を掲げて大党派闘争に勝ち抜き、1917年4月テーゼによるプロレタリア革命の綱領的路線の確立をもって、10月革命に勝利していった。その基底には、ボルシェビキによる地をはうような、工場、職場生産点の拠点化への闘いと組織化があった。
こうしたレーニン主義的実践を、今日の3・11情勢に対する〈プロレタリア革命の戦略的大準備〉の立場から貫き通して闘っていこうではないか。
その核心は第一に、「生きるための闘い」を階級的労働運動の実践とプロレタリア革命の路線としてとらえ、党と階級の関係を新たに、創造的に、大胆に、革命的に変革していくことにある。
第二に、そのためには、圧倒的な党派性と大衆性、原則性と柔軟性が正しく統一されることである。そのことによって2千万青年労働者、6千万労働者階級全体との生きた結合を闘いとっていくことだ。そこには新たな統一戦線の創造の課題もある。
第三に、職場生産点こそ最大の攻防点であり、土台であり、そこにおいて党と労働組合の一体的強化をかちとり、無数の拠点建設をかちとることである。
(2) 分割・民営化の決着をかけ職場から反原発に立とう
11月1万人結集への最も革命的で実践的な方針は、国鉄決戦と反原発闘争である。この二つの巨大な課題を二つにして一つの闘いとして、プロレタリア革命へと突き進んでいくのである。
第一に、国鉄決戦と反原発闘争こそ、革命的共産主義運動の歴史的到達地平をかけた闘いであるということである。
帝国主義とスターリン主義の戦後世界体制は、ロシア革命以来のプロレタリア世界革命の圧殺の上にかろうじて成立している。この戦後世界体制こそ、戦後革命の嵐とその後の労働者階級の連綿とした決起を予防反革命的に圧殺、抑圧、分断し続けてきた元凶だ。特に戦後の米ソの核支配体制は、労働者階級や被抑圧民族人民の反乱への恐怖にかりたてられた産物であった。日本においては、戦後革命期の闘いの中心だった電産労働運動の解体に始まる戦後労働運動圧殺攻撃と一体で、被爆者を先頭とする反戦反核の決起を「原子力平和利用」論―原発政策をもって抑え込むことで、労働者支配を維持し続けてきたのである。
国鉄決戦と反原発闘争は、この帝国主義とスターリン主義の戦後世界体制の転覆をかけた闘いである。そこには、戦後階級闘争におけるスターリン主義と社会民主主義という体制内的な反動・桎梏(しっこく)と革命への敵対を打ち破る、歴史的課題が提起されているのである。
第二に、国鉄決戦と反原発闘争は、巨大な政治闘争である。とりわけ反原発闘争は、日帝・菅政権打倒の闘いそのものとしてますます巨大に発展しつつある。
日帝の原発政策は今や完全に破産し、菅は政治危機を泥沼的破局的に激化させながら、7月13日の菅の「脱原発依存」発言が示すように、どん詰まりのボナパルティズム政権としてありとあらゆるペテンを使った超反動攻撃に突進してきている。だがそれは、一方で支配階級の大分裂を生み出し、他方では「全原発の停止・廃止」を求める労働者人民の闘いの火にますます油を注ぐものとなっている。
起きていることはブルジョア支配の総崩壊の危機であり、階級対立の絶対的な非和解化、内乱的激突の開始である。革命と反革命との大激突がすでに始まっているのだ。ここにおいて、階級的労働運動の前進を基礎に、日帝政府・ブルジョアジーとの一大政治決戦を爆発させ、労働者階級が全階級情勢の主導権を握ることが決定的だ。反原発と国鉄で菅政権を打倒し、革命情勢の一層の深化・発展をかちとろう。
第三に、この闘いは同時に、国鉄分割・民営化決戦の歴史的決着をもかけた闘いである。
国鉄分割・民営化こそ、日本における新自由主義の出発点だ。分割・民営化で戦後労働運動の柱であった国鉄労働運動をつぶし、労働組合と労働運動を徹底的に破壊し解体した上に、資本の無制限の搾取を可能にし、一握りの大ブルジョアジーが独裁的な権力をほしいままに行使し、全人民を犠牲にして肥え太る社会をつくり出す――これが日帝・中曽根によって強行された新自由主義攻撃の核心だ。労働者の非正規職化も、原発・核政策の野放図な展開も、戦争と改憲への攻撃も、すべてはここから始まった。
ここで重大なのは、今日の電力総連に典型的に示されるような、日帝資本による帝国主義労働運動の積極的育成と連合による支配こそが、新自由主義攻撃を支える最大の柱だということだ。だが闘う労働者の現場からの決起が起きれば、新自由主義は音を立てて崩壊する。動労千葉の闘いはこのことを先制的に示した。そして今日、国鉄闘争と並んで反原発闘争が、新自由主義の最大の破綻点を突き出すものとして浮上してきたのだ。
国鉄闘争と反原発闘争の結合は、新自由主義の労働者支配の軸であった80年代以来の国鉄分割・民営化体制を一挙に、大崩壊のふちにたたき込む。階級的労働運動の白熱的推進と、党と労働組合の一体的前進は、この国鉄決戦と反原発闘争の一体的推進によって本格的全面的発展を可能にする。その突破口は今や大きく開かれている。
第四に、この闘いの中心的担い手こそ、青年労働者であり、学生である。
国鉄決戦の帰趨(きすう)を握るのは、平成採の青年労働者である。青年労働者の決起に、JR再編による新たな新自由主義的労働者支配を打ち破る環がある。反原発闘争の中心は青年労働者であり、学生である。彼らの反原発の大決起は同時に、今日の青年労働者の大多数をしめる非正規労働者の一大反乱の開始である。
国鉄決戦と反原発闘争は、プロレタリア革命へ向けて労働組合を甦らせる闘いであり、その最大の力は労働組合に青年部を再生することだ。学生自治会の再建もこの闘いと一体だ。プロレタリア世界革命への道が、青年労働者、学生によって切り開かれる時が来たのである。
(3) 非正規労働者の決起先頭に大失業攻撃を打ち破ろう
11月1万人決起は、大恐慌と3・11情勢のもとでの大失業攻撃に対する日本と世界をまたぐ総反撃の闘いである。
大恐慌と3・11情勢は、日帝経済を二度と立ち上がれない奈落にたたき落としている。大震災による新自由主義のアウトソーシングとサプライチェーンの破壊、原発事故による電力供給の破壊に加え、大恐慌の進展が円高として日帝の基幹輸出産業に大打撃を与えている。
この現実に、日本経団連は「復興・再生マスタープラン」を打ち出し、「復興」イデオロギーをテコに必死の延命を策している。アジア・中国各国との比較で国内が工場立地と賃金においてコストが高いとあげつらい、東北を「復興特区」として一切の規制を取り払い、これまで以上にすさまじいコストダウンを強制しようというのだ。ただ同然で土地を強奪し、法人税などの税負担を免れ、さらに徹底した低賃金と首切り・非正規化、労働強化を労働者に押しつけようというのである。しかもこれを「日本全体」に拡大するとしている。本当に怒りに堪えない。
他方で、日経新聞のアンケートでは、経営者の約4割が「3年以内に海外移転」を回答している。まさにこれから極限的とも言うべき1千万人大失業の攻撃が吹き荒れようとしている。
その実相としてすでに、自動車産業などでの「土日稼働」が開始されている。この土日稼働は、「復興」と「電力不足」のキャンペーンのもとで、一切の諸権利を暴力的に剥奪(はくだつ)し、労働者を分断し、すさまじい長時間労働と労働強化、低賃金、総非正規化を一挙に推し進めようというものだ。労働法などいったん廃止するにも等しい、文字通り「憲法停止」と言ってよい攻撃である。
さらに、公務員労働者の賃金1割カットに始まる公務員制度改革と道州制攻撃をテコに、公務員360万人首切り・非正規化への本格的全面的踏み込みがある。公務員制度改革とは「労働基本権の付与」という名で争議権を永久剥奪するという、公務員労働組合への絶滅攻撃である。それは土日稼働と連動して、保育労働者への民営化と現業労働運動破壊の攻撃として真っ先に襲いかかっている。
とくに重大なのは、3・11以降、非正規の雇い止め解雇が一挙に拡大し、悪質化していることである。今回、郵政非正規ユニオンの雇い止め解雇にあった労働者の勤務形態は5日連続の深夜勤である。こうした労働形態を強制し、3カ月の契約期間が切れたからクビだというのだ。こんな非人間的な「雇い止め」という非正規の雇用形態が、今や雇用期間3カ月から2カ月、1カ月、あるいは3週間にまで切り刻まれて横行しているのだ。
今や、これらの大失業攻撃への怒りの総反撃が開始されなければならない。とりわけ、吹き荒れる非正規化攻撃に対して、非正規労働者の壮大な組織化の闘いに打って出なければならない。
ここでしっかり確認したいことは、こうした非正規化と非正規労働者の雇い止め雇用形態が全産別に拡大していくのは国鉄分割・民営化に始まるということだ。こんな理不尽な現実に青年労働者が苦難と絶望であえいでいるのは、労働組合が国鉄分割・民営化と闘わなかったからである。労働組合が新自由主義攻撃と本気で闘いさえすれば、労働者の団結した力でこんな無法な攻撃は粉砕できるのだ。
そして決定的なのは、国鉄分割・民営化と唯一、2波のストライキで闘った動労千葉が、JRの外注化攻撃に絶対反対を貫いて闘うことによって、非正規化攻撃とも徹底的に闘っていることである。まさに1047名解雇撤回・外注化阻止の国鉄決戦こそ、雇い止め解雇粉砕・非正規職撤廃の最先端の攻防と言うことができる。
今ひとつ決定的に重大なのは、原発労働者こそ圧倒的に非正規労働者であることだ。原発内の放射線下の被曝労働のほとんどは、7層にも及ぶ差別構造のもとに置かれた「非社員」の下請け労働者によって担われている。反原発と非正規職撤廃は一体だ。原発労働者をも獲得し組織していく闘いとして、非正規労働者、青年労働者の大反乱をつくり出そう。
(4) JRの大再編と「復興」に対決し労組青年部の再生へ
11月1万決起の柱は、JR大再編情勢と全面的に対決し、国鉄決戦の白熱的前進をかちとることにある。さらに国鉄を先頭に、今やそのすべてが歴史的決戦となっている4大産別決戦の爆発をかちとることである。
第一に、3・11情勢下の4・9反革命による1047名闘争解体に総反撃を開始することである。
6・30の1047名闘争終結宣言、7月国労大会での闘争団員から組合員資格を奪う規約改定の強行は、24年間の闘いの誇りや生き様を投げ捨て、分割・民営化への最後的屈服を果たすものだ。国労が自ら、3・11反革命下の新たな労資一体の先兵として名乗りを上げるものである。こんな終結は断じて許すことはできない。
新自由主義がここまで破綻し、労働者が耐え難い怒りをこれから解き放とうとする時に、労働者の権利や未来を売り渡すことがあってよいのか。労働組合の原則を自ら踏みにじり、あの国労が恥ずべき資本の先兵に変質してよいのか。このおぞましい現実に対して、政治和解を拒否して不屈に闘う闘争団員を先頭に、今こそ新たな1047名闘争の旗を掲げ、満身に怒りをかきたてて一大攻勢に打って出ようではないか。
第二に、国鉄闘争全国運動の本格的な拡大と発展に向けて総決起することである。動労千葉と国鉄闘争全国運動の呼びかけ人諸氏は、1047名闘争終結宣言に対して声明を発し、新たな国鉄闘争への戦闘宣言を行った。そこでは、「今こそ職場から新自由主義攻撃にたちむかう労働運動を甦らせる時です」「闘いはこれからです」と、「国鉄闘争の火を消すな」の全国運動をともにつくり上げることがあらためて訴えられている。
国鉄闘争全国運動が目指すのは、「第1に、労働運動の後退・権利喪失の原点となった国鉄分割・民営化を絶対にあいまいにせず解雇撤回をかちとること、第2に、新自由主義攻撃に立ち向かう全国の労働者の階級的団結をつくりだすこと、第3に、どんなに小さな芽であっても職場から自主的な闘いをつくりだすこと、第4に、全国の力で解雇された仲間たちを支えること」(7・1付動労千葉声明)だ。まさに、この国鉄闘争全国運動の核心こそが11月集会1万人結集への実践的課題である。
第三に、今日のJR再編情勢の真っただ中に躍り込み、平成採の青年労働者獲得をめぐる一大組織決戦に勝利することだ。この組織攻防戦に勝ち抜く中で動労千葉の団結をさらに強化・拡大するとともに、国労共闘を先頭とする現場労働者の手によって、腐敗した国労本部を打倒して国労の労働組合としての階級的再生を絶対にかちとることである。
今日のJR大再編は、国鉄分割・民営化の最後的な総決算の攻撃である。JR東日本は、4・9反革命による1047名闘争絶滅を前提にして、JR東労組カクマルと結託してきた従来の労務支配の大再編に踏み出している。全面外注化による雇用破壊・非正規化、賃金制度の改悪や基地・職場の統廃合による団結破壊など、「民営化の完遂」と第二の分割・民営化攻撃が襲いかかっている。
動労千葉は、この8月にも解雇撤回、外注化阻止、非正規職撤廃、偽装請負粉砕を職場から徹底的に攻勢的に闘い抜き、そのただ中で組織拡大をかちとろうとしている。特にJR再編との根底的対決をかけて、平成採獲得と青年部建設にのり出そうとしている。JRにおける外注化とは非正規化であり、最も悪質な偽装請負そのものだ。その矛盾は青年労働者に極限的にしわ寄せされる。今こそ平成採の、青年の、非正規の怒りと結合し、その大決起をつくり出すチャンスである。
この動労千葉の闘いと一体で、JRにおける青年労働者、非正規労働者の組織化の闘いに総決起しよう。国労の再生も、その一切は青年労働者の組織化にかかっている。
4大産別で突破口を
全逓決戦は、郵政非正規ユニオンの決起を発展させ、郵政民営化絶対反対ののろしを上げよう。今日の郵政事業は、超低賃金と昼夜のない非人間的労働、使い捨ての雇い止め雇用にある16万人の非正規労働者によって成り立っている。この非常勤労働者への雇い止め解雇が8月末にも乱発される。しかもそれは正社員ボーナス3割カット、基本給3割カット、さらに正規と非正規ともどもの現場の合理化・強労働攻撃と一体だ。JP労組幹部の労働貴族どもはこれを容認・推進し、産業報国会への最悪の転落にひた走っている。
郵政労働者25万人の怒りは今や、正規・非正規をこえて怒濤(どとう)のように爆発しようとしている。国鉄闘争、反原発闘争を職場で推進し、支部・分会権力を獲得し、JP労組中央本部打倒へ総決起しよう。
自治体決戦は、3・11反革命との鋭い激突となっている。「被災地復興」を押し立てた公務員10%賃金カットの攻撃を突破口に、公務員の無制限の賃下げ・首切りが公務員制度改革の「労使交渉」のもとで強行されようとしている。社保庁型攻撃の全面化と道州制・民営化による360万人首切り・総非正規職化の攻撃だ。これに対して、何よりも被災地の自治体をめぐる攻防を一切の軸に据えて根底からの階級的反撃を組織していくことである。
被災地の自治体攻防を先頭に、幼保労働者30万人首切り粉砕をかちとり、全国で総反撃に立とう。国鉄100万支援陣形の中軸である自治体で国鉄闘争全国運動を推進し、さらに全国の原発廃止を闘い、原発推進の連合・全労連支配打倒をかちとろう。
とりわけ教労における反原発闘争は死活的決戦となっている。福島の30万人の子どもたちは、まさに「一個の戦争」と言うべき国家犯罪にさらされている。文科省の20_シーベルト通知撤回の闘い、原発推進教育粉砕の闘いは、新自由主義打倒の根源的闘いである。「子どもたちのいのちを守れ」を掲げて決起した福島県教組と連帯し、勤評闘争以来の大闘争として、全国の教育現場で反原発の職場闘争を創造的に闘おう。この闘いに日教組の再生をかけ、職場権力獲得の闘いに総決起しよう。
大阪府知事・橋下の「君が代起立強制」条例によるむき出しの労組絶滅攻撃は、文科省通知や教科書攻撃と一体の教育への新自由主義攻撃である。これらを文科省通知とともに粉砕し、11月1万へ進撃しよう。
医療・福祉産別、合同・一般労組は3・11反革命との最も激しい火点である。医療・福祉産別では3・11以降、極限的な労働強化と解雇・リストラ、非正規化が吹き荒れている。合同・一般労組では、震災解雇や倒産攻撃、総非正規化との闘いはまさにこれからである。4大産別とともにここが完全な決戦場となる中で、労働組合再生を最先頭で闘いとろう。震災解雇労働相談センターの発展と、合同・一般労組全国協議会1千建設をかちとろう。
さらに全産別で、階級的労働運動の拠点建設へ向けた本格的闘いに挑戦しよう。この時代に激しく闘う全国労組交流センターを大きく発展させよう。
(5) 全原発の即時停止・廃止へ巨万の決起つくり出そう
8・6広島―8・9長崎を新たな出発点として、反原発闘争の空前の歴史的大爆発をつくり出そう。原発への労働者人民の怒りを底の底から解き放ち、その巨大なうねりの中から11月労働者集会への全人民の大合流をかちとろう。
福島第一原発の事故は、人類始まって以来の最悪事故として、その破壊と汚染はどこまでも広がっている。メルトスルーした核燃料は地下に深くのめりこみ、汚染は100`以上離れた畜産農家をも一瞬にして直撃・破壊し、福島の子どもたちの命を日一日と脅かしている。被曝によって死に追いやられた原発労働者の遺族の中からも決起が始まった。この怒りは、菅政権がどんなペテンを使おうと、もはや絶対に抑え込むことはできない。
すでに福島を先頭とする全国各地の闘いの爆発は、浜岡原発を停止に追い込んだのに続いて玄海原発の再稼働をも阻止し、このままいけば全原発54基すべてをぶっとめる展望を完全に切り開くものとなっている。だからこそ日帝は今、ありとあらゆるペテン、懐柔、弾圧を駆使して、原発推進を貫くための策動を必死に激化させている。これに対して原発絶対反対の決起をたたきつけ、すべての責任を電力会社と政府、ブルジョアジーにとらせることだ。「絶対に逃がすな!」である。
8月5日にはついに「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」が結成される。数千万の労働者階級人民は、闘う方針と行動を求めている。今こそ、反原発闘争と国鉄決戦で、日帝・菅ボナパルティズム政権を打倒しよう。
9月11日には、原発再稼働阻止を掲げて、6・11に続く全国一斉の大行動が呼びかけられている。9・11を、6・11をもはるかに上回る「再稼働絶対阻止! 全原発即時廃止!」の全人民的な大決起、大結集としてかちとろう。9・11の大高揚をステップに、11月労働者集会1万人結集を同時に、全世界の労働者人民1千万人の革命的な反原発統一行動の日として闘いとろう。
(6) 学生自治会の歴史的復権へ9月全学連大会の成功を
学生運動の爆発的発展期が到来している。2011年後半に向かっての学生戦線の決意と方針は鮮明である。
第一に、原発に対するあらゆる怒りを一つに束ね上げ、巨大な大衆行動へと発展させ、そのただ中で全学連運動の本格的な爆発をかちとっていくことだ。その核心は、新自由主義のキャンパス支配を覆す、300万学生の団結体としての学生自治会の歴史的復権である。
第二に、9月9日〜10日の全学連大会において、若き新執行部の樹立をかちとることだ。今次全学連大会において300万学生のリーダーをつくり出し、エネルギーあふれる学生の大隊列を登場させる。そして直ちに9月11日「すべての原発を廃絶せよ!」の歴史的大闘争に立つ。法大闘争と全国大学闘争の高揚をかちとり、11月労働者集会を万余の、否、全世界の巨万の労働者と大合流するものとして闘い抜く。
第三に、反原発闘争と8月訪独闘争を突破口として、国際連帯闘争を画期的規模と内容をもって発展させよう。今こそ、「世界にはばたく全学連」が希求されている。
第四に、学生戦線は革共同を、21世紀革命を切り開く「青年・学生の党」として飛躍させる闘いの先頭に立つ。学生共産主義者こそが、マルクス主義の復権とプロレタリア革命の実現に向かって、組織的・運動的・路線的・理論的に牽引しよう。
(7) 三里塚・沖縄・全戦線での闘いを11月1万人結集へ
三里塚闘争は、成田空港会社(NAA)と日帝権力による現闘本部破壊と市東孝雄さんの農地強奪攻撃との最大の攻防を迎えている。この攻防に、労農同盟の強化・発展をかけて、死力を尽くして勝ち抜かなければならない。
3・11は、労働者階級はもとより農民・漁民、全人民にとって、帝国主義打倒のプロレタリア革命の達成以外に自らの生きる道はないことを示した。このことがはっきりしたからこそ、階級的労働運動の実践が現実に力強く前進していくこと、それを基礎として労農同盟の一層強固な発展を積極的に闘いとることが求められている。
さらにこの労農同盟を土台として、「フクシマ」の農民の怒りと三里塚闘争とを結合し、全国にまたがる闘う農民の組織を、三里塚反対同盟を司令塔にしてつくり出していくことである。その決意と展望をもって、現闘本部をめぐる決戦を断固としてぶち抜き、農地死守・実力闘争を貫いて、今秋10・9三里塚現地集会への総結集をかちとろう。
大恐慌の深まりと日米帝国主義の危機、朝鮮半島危機、中国危機が激化する中、日米帝は侵略戦争遂行のための日米安保同盟の再確立に必死になっている。その焦点は沖縄だ。辺野古新基地建設をあくまで強行し、オスプレイ配備で沖縄をこれまで以上に「基地の島」としていく攻撃に、沖縄の労働者人民はますます怒りを高めている。シンディ・シーハンさんを迎えての8・11沖縄集会の成功を新たな出発点に、「フクシマ」の怒りと結び、階級的労働運動の力で日米安保を真っ向から粉砕する沖縄闘争の発展に踏み出そう。
国際連帯の闘いは、エジプト革命と3・11を受けて一挙に巨大な発展過程に突入した。今年の11月集会を、プロレタリア世界革命へ向けた全世界人民の歴史的な総決起の日としてかちとろう。在日・滞日外国人労働者の闘いを、労働者階級の国際的団結をかちとる決定的一環として、その大前進をともに切り開こう。
部落解放闘争、女性解放闘争、障害者解放闘争を始めとした諸戦線の闘いを、プロレタリア革命戦略のもとで綱領的路線的にも、実践的にも圧倒的に前進させよう。部落解放同盟全国連西郡支部の闘いは、廃村化攻撃と対決し、これまでの解放運動を根本的にのりこえる地平を開いた。さらに反軍闘争の着実な前進をかちとろう。
大恐慌、3・11情勢のもとで治安弾圧が労働運動や全戦線に拡大している。反弾圧闘争がきわめて重大で広範な階級的課題となり、階級的労働運動と労働組合の闘いの最重要課題であることを明確にして闘おう。
ここにおいて、敵権力に対する完全黙秘・非転向を徹底的に貫いて闘うことが、獄中はもとより獄外においてもきわめて重要になっている。弾圧との闘いは権力との絶対非和解の死闘であり、仲間との団結に一切をかけて闘うことが自分を守り、運動と組織を守るのだ。全戦線で、治安弾圧との対決を11月1万決起への課題として闘い、弾圧粉砕を階級的団結の強化・拡大に転化しよう。弁護士戦線はその最先頭に立とう。
獄中36年の星野文昭同志は、今日迎えた革命情勢の中で「あと2〜3年で出る」という檄を確信に満ちて発している。今秋決戦を爆発させ、プロレタリア革命勝利に向けた大前進をかちとる中でこそ、星野同志を必ず実力で奪還しよう。
裁判員制度との闘いは、日帝・司法権力を徹底的に追いつめ、廃止を実力でもぎ取る段階に入った。戦争・改憲阻止の闘いを始め、あらゆる闘いを新自由主義粉砕の闘いとして発展させよう。これら一切の闘いを9・11の爆発と11月1万人結集への力に転化して闘おう。
(8) 青年・学生の力で党を変革し自己解放的に決起しよう
大恐慌と3・11情勢が求めているのは、プロレタリア革命を推進し、達成することのできる党への飛躍と変革である。革命情勢の決定的成熟の中でこそ、「労働者階級はその闘いをとおして、自らの力で党をつくりだす」(綱領草案)のである。この労働者党建設のマルクス主義的核心を今こそ全面的に開花させ、発展させなくてはならない。
この党は、『共産党宣言』も言うように、「プロレタリア階級全体の利益から切り離された利益をもたない」。党は、階級の一部として、階級の先頭に立って闘い、「階級全体の利益」を自らのうちに全面的に体現し、それを現実の階級闘争の中に目的意識的に貫くために、原則性と柔軟性、党派性と大衆性の統一を思う存分に駆使して闘っていくのである。
革命情勢の成熟は、この党が、全階級・全大衆の現実の生活をその隅々まで熟知し、その根源的な怒りと思いのすべてをわがものとして闘い抜くことを求めている。「今必要なのは、革命党の党員が、巨万の労働者人民の怒りと完全に結合することだ。この怒りを国家と資本に向けて解き放つ闘いの先頭に立ち、その決定的な組織者となることだ」(本紙春季特別号論文、『共産主義者』169号掲載)。その核心は何よりも、被災地の怒り、「フクシマ」の怒りとの全面的な結合と団結をかちとることにある。
被災地の闘いとの結合を、全党の同志が自らの全活動の土台に据えて闘おう。それはまた、プロレタリア革命の最大の担い手である青年労働者のたぎりたつ怒りとの生きた結合をかちとることでもある。
そして今、職場生産点の現場で闘う労働者同志や青年・学生同志の中から、「自分たちこそが革共同だ」「青年・学生の力で党をつくり変えよう」という声が続々とわき起こっている。その通りだ! 革共同を、半世紀にわたる歴史の試練をくぐり抜けてきた党であると同時に、今日の時代に最もみずみずしい思想と感性をもって登場する党として、まさに21世紀のプロレタリア世界革命に勝利する革命党として、今こそその新たな飛躍と発展をかちとろう。
その鍵は、闘う労働組合の再生を目指し、職場における党建設と労働組合建設の一体的推進を粘り強く、かつ白熱的に闘いとっていくことにある。職場に労働組合をつくり、組合内に闘うフラクションをつくり出し、体制内指導部の手から組合の権力を奪取し、それを運営し、職場の全労働者を闘いに組織し立ち上がらせていくという、まさに今着手し始めた悪戦苦闘の闘いを徹底的に推し進めることである。それを党建設一般ではなく、労働者細胞建設と地区党建設そのものとして闘いとっていくことだ。
そのためにも、会議・機関紙・財政という党活動の3原則を、階級との血の通った細胞性の体現として圧倒的に強化していこう。中央委員会と労働者細胞の一体的建設をかちとろう。
非・非体制の強化を
革命情勢の成熟は、国家権力との死闘に勝ち抜く「革命的組織への移行」を要求している。革命的労働者党の「革命への準備」における第一級の任務こそ、党の非合法・非公然体制の強化である。この非合法・非公然の党建設こそ、労働者階級のあらゆる力を結集してつくり出す闘いである。非合法・非公然体制の強化こそが、合法的・公然的組織と活動を本質的に支え、その発展と強化を「補い」、促すものとなる。
これらの闘いを断固として貫き、革共同の大飛躍を実現しよう。マルクス主義青年労働者同盟とマルクス主義学生同盟の壮大な建設をかちとろう。11月大結集へ、直ちに全戦線の配置をかちとり、進撃を開始しよう。
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週刊『前進』(2498号10面1)(2011/08/01 )
シーハンさんが広島、長崎、沖縄、東京に
“労働運動ルネッサンスで新自由主義に反撃しよう”
7月中旬、動労千葉と「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」の代表団が、アメリカ・サンフランシスコを訪問し、開催中のレーバー・フェスタに参加した。その一環として7月16日に開かれた「フクシマ――労働運動と原子力の教訓」集会で“反戦の母”シンディ・シーハンさんが登壇し、「私は8月、日本に行き、広島、長崎、沖縄、東京を回ります」「新自由主義攻撃に対し、労働運動のルネッサンスで反撃しよう」と訴えた。フクシマの怒りと結合した8・6ヒロシマ−8・9ナガサキにシンディ・シーハンさんがやって来る! 「ブルジョア政党が抑圧しても、労働運動指導部が抑圧しても、労働運動ルネッサンスを実現する力がわれわれにはあります。われわれが闘う戦争は階級戦争だけです。反撃しよう!」と呼びかけるシンディさんと合流し、8・6ヒロシマから世界1千万人の反原発・反失業闘争を実現しよう!
(写真 レーバー・フェスタの参加企画として開催された「フクシマ――労働運動と原子力の教訓」集会の前にシンディ・シーハンさん【左】と語り合う星野暁子さん【右】【7月16日 サンフランシスコ】)
訪米団がフェスタに参加
世界大恐慌が深まり、世界の帝国主義は米欧日とも軒並み巨額の債務を抱え込み、国家破綻の危機を深めている。資本主義はもう終わりの時を迎えている。そうした中で全世界の階級闘争は、革命的な大激動に突入している。欧州では、ギリシャ、イタリア、スペイン、フランスを始めとして、ゼネストやデモが巨大なものになっている。
チュニジア、エジプトから始まった北アフリカ・中東の革命は、ますます拡大している。世界の石油埋蔵量の3分の2以上を占めるこの地域は、帝国主義の死活にかかわる戦略的地域だ。
何よりも決定的なことは、世界最大の帝国主義であり大恐慌の震源地であるアメリカの国内から、労働者階級の巨大な闘いが巻き起こっていることだ。それが、今年2月から続いているウィスコンシン州の公共部門労組破壊攻撃に対する大反撃闘争だ。それは、他の州にも次々に広がっている。
とりわけ、日本の大震災と原発事故の衝撃は巨大だ。労働者、農民、漁民、自営業者の根底的な怒りの前に、戦後支配の根幹であった原発・核の破綻が全世界的な規模で暴き出されている。
階級闘争は、百年に一度あるかないかの決定的な歴史の転機を迎えている。しかも、4半世紀に及ぶ新自由主義のグローバル化によって、この階級闘争が世界各地で同時に噴出している。全世界で労働者階級が国際的団結を求めて立ち上がっているのだ。
「フクシマ――労働運動と原子力の教訓」集会には150人以上が結集し、1カ月間にわたるレーバー・フェスタの中でも最大の集会となり、世界最大の核兵器・原発国家アメリカの体内で決起している労働者とともに、世界史の決定的分岐点で闘い抜くことを誓い合う場となった。
アメリカ労働者がフクシマ集会
集会場は、サンフランシスコの1934年ゼネストの司令部だった建物、レッドストーン・ビルディング。廊下の壁にはさまざまな産業の労働組合の様子が描かれていた。集会参加者もほとんどが労働組合の活動家、組合員たちだ。
動労千葉訪米団が持参した日本の福島原発事故と反原発闘争のビデオが上映され、震災後の政治休戦強制を食い破って闘いに決起する場面に、01年9・11直後のアメリカを思い出し共感する声がもれた。また、文科省追及の闘いや福島現地デモの場面が衝撃的に受け止められた。そして、その闘いを担ってきた日本からの訪米団の登壇に大きな拍手が送られた。
動労千葉貨物協議会議長の佐藤正和さんが「政治和解」を突破し、断固として国鉄闘争と反原発闘争を結合して闘う決意を語った。この発言は、民主党・オバマに協力する既成労組幹部の抑圧と闘うアメリカの戦闘的・階級的労働運動が直面している問題意識に真正面から応えるものであり、「フクシマ集会」全体のベースをつくった。
星野闘争訪米団の星野暁子さんがあいさつすると、沖縄米軍基地と闘ってデッチあげられた政治犯・星野文昭さんと星野闘争にアメリカの戦闘的な労働者たちが熱い連帯を示した。集会後も署名やカンパなど、さまざまな協力の申し出があった。
続いて専門家のダニエル・バーマンさんが「日本代表団の前であいさつできることを光栄に思う」と語り、福島第一原発事故と原発・エネルギー問題について講演した。原発は原爆開発のために誕生した人類史上最悪の技術であり、ウラン鉱の採掘から「平常」運転の時に出される放射能、さらに何万年も放射線を出し続ける核廃棄物まで、絶対に人類と共存できないものであることを具体的に明らかにした。また、アイゼンハワーの「核の平和利用」路線が、単なるエネルギー政策ではなく、世界支配のための政策であることを弾劾した。
8・6ヒロシマ大行動へ
シンディ・シーハンさんはかつては民主党員であり、活動家としての経験もなかった。だが、2004年4月4日、24歳の息子、ケーシーさんがイラクのバグダッドで戦死するという衝撃的な事態に直面した。
そこからシーハンさんは、「私の息子が殺されなければならなかった『崇高な使命』とは何か?」とブッシュの戦争責任を追及して立ち上がった。エネルギッシュに行動する彼女の前に立ち現れたのは、民主党やそれを「批判的に」支持する既成反戦運動、既成労働運動の裏切りだった。
シーハンさんは、それらの体制内勢力にとって代わるために格闘してきた。敵を打倒し、社会全体を変革すること。そのために階級闘争全体をどのように前進させるかを考えること。これが彼女のスタンスになった。
新自由主義は、最末期資本主義だ。大恐慌=新自由主義の破産の時代には、もはや革命以外には一時的な「解決」も不可能になっている。
シーハンさんは今、アメリカの闘う労働運動とともにこの時代に真正面から立ち向かっている。
フクシマ集会のメインゲストとして登場したシーハンさんは8・6ヒロシマについて次のように語った。
「8月6日、アメリカは言語道断なことをしました。市民に対して原爆を使いました。数日後には長崎にも原爆を落としました。いまだに悔恨の情を示していません」
「8月6日は、私が2005年にクロフォードに行った日でもあります。そこで『私の息子がイラクで死んだ“崇高な使命”とは何か』と休暇中のブッシュに問いただすためにキャンプして待ち構えました。そこに来た広島の被爆者と出会いました。これは国際的な新自由主義に対する闘いです」
シーハンさんはこのように国際的な新自由主義に対しては、国際的に団結して闘う必要があると訴えている。
(写真 2007年、サンフランシスコ労働組合国際会議で「職場・生産点で反戦闘争を闘う」討議に参加したシーハンさん)
“米軍基地がある沖縄に行きます”
シーハンさんは、新自由主義の労働者攻撃との闘い、労組破壊との闘い、労組再生のための闘いと結合して反戦闘争を闘う必要性を強調している。
「沖縄には多数の米軍基地があります。基地がある所では犯罪が多く発生します。米軍基地は汚染物質を垂れ流します。『汚染』という言葉では足りません。環境を荒廃させるのです。サンフランシスコ湾岸地域でも、オークランド、リッチモンドなどで米軍、軍産複合体による汚染が起こっています。企業は、人間より利潤を重視し、恐るべき破滅を引き起こしています。メキシコ湾ではBPが数百万ガロンの原油を流出させる恐るべき事故を起こして、地域の住民を今も殺し続けていますが、今に至るも賠償はしていません。BPはもう汚染除去をやっていません。それが新自由主義、資本主義です。同じことが世界中で起こっています」
「『アメリカは世界一だ』とよく言われますが、貧富の格差だけはその通りですね。格差拡大の主要な原因は、労働運動がブルジョア政党と癒着していることです。(共和党知事の労組破壊と激しく闘っている)ウィスコンシン州では、労組指導部はそれを共和党議員に対するリコール運動に集約しようとしています。しかしランク&ファイルの労働者は非常に怒っていて、熱心に闘っています。そういうブルジョア的政治ゲームに参加するよりもゼネストを呼びかけるべきであるという声が高まっています。労組幹部こそリコールされるべきです」
階級戦争に勝つために
「ここカリフォルニアでは民主党の知事になって、300億jの予算カットが行われ、賃下げと社会サービスのカットが行われようとしています。カリフォルニアの億万長者には税金をかけないのです。
オバマは、2008年10月に、他の民主党議員たちを引きずりこんで8500億jの銀行救済資金の投入を支持させました。オバマ就任後2年たってますます明らかになったことは、彼が『平和を推進する大統領候補』の顔をして票を集めながら、実際には戦争を拡大したことです。そして失業が増え、住宅差し押さえが激増したことです。オバマは、みなさんから金をむしりとろうとしています。子ども、孫、父母、祖父母からも。
オバマはブッシュさえできなかったこともやろうとしています。ソーシャル・セキュリティ(ニューディール期以来の連邦老齢・遺族・障害者年金制度)の破壊です。
若者は、オバマの略奪者階級の利潤追求のための戦争の犠牲になり、高齢者は食料、医療、住居、暖房を犠牲にしています。学生は高等教育を奪われています」
怒りを込めて民主党オバマ政権を批判したシーハンさんは最後に、次のように結んだ。
「労働者へのこれ以上の攻撃を許すわけにはいきません。階級戦争には反撃しなければなりません。この階級戦争のために『労働運動のルネッサンス』が必要です。ブルジョア政党が抑圧しても、労働運動指導部が抑圧しても、労働運動のルネッサンスを実現する力がわれわれにはあります。われわれが闘う戦争は、階級戦争だけです。われわれは反撃します」
まさに闘う労働組合をよみがえらせることが、日米の、いや世界の労働者階級の共通の課題となっている。
日米の労働者は団結して闘おう
シーハンさんは、労働者階級としての自覚の回復を繰り返し強調している。
「この国では『アメリカは階級がない社会で、誰でも富と特権を獲得するための同じ機会が与えられている』と教育され、育てられてきました。福祉に依存するのは怠け者なのだと。しかし、そうなるのは個人の問題ではありません。体制が問題なのです」
「08年以降、階級間の対立があまりにも露骨になって、そういううそが暴かれています。私自身の生涯は、労働者階級と貧民との間を行き来してきました。いろいろな差異があるけれど、結局は世の中には、搾取・略奪する階級と、される階級の対立しかない」
労働者階級は、奪われた階級意識をいったん奪還したら、急速に既成指導部をのりこえ、ランク&ファイルの団結、闘いをつくり出していく力を持っている。シーハンさんとの団結は、アメリカの労働者階級との団結だ。
労働者が、社会のすべての生産と交通を担っている。労働者が団結すれば、必ず勝利できる。その団結は元来、国際的なものだ。核兵器・原発をつくり出し、それで全世界を支配してきた国アメリカ、そのもとで闘う労働者階級との団結は決定的に重要だ。
シーハンさんが呼びかける「労働運動のルネッサンス」を実現しよう! 8・6ヒロシマ−8・9ナガサキ、8・11沖縄闘争、8・15靖国闘争をシンディ・シーハンさんとともに闘い、この国際連帯の力を11月労働者集会へ! 6千万労働者、2千万青年労働者の怒りと結びつこう! 国鉄決戦と反原発・反失業闘争を一つのものとして闘い、闘う労働組合をよみがえらせよう!
〔村上和幸〕
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週刊『前進』(2498号10面2)(2011/08/01 )
05年8月 シーハンさんの決起
シンディ・シーハンさんの闘いは、05年8月6日から始まった。カリフォルニア州に住むシーハンさんは支援者約50人とともに、赤・白・青の星条旗色に「弾劾ツアー」と描かれたバスでテキサス州クロフォードを訪れ、ブッシュ大統領の保養地の牧場に向かって行進した。しかし、牧場入り口まで8`の地点で、地元の警察に足止めされた。
シーハンさんらはその地点にキャンプを張り、座り込みを始めた。キャンプは、亡くなった息子の名を取って「キャンプ・ケーシー」と名付けられた。ここに全米各地から続々と支援者が訪れ、ともに座り込んだ。多くのマスコミも加わってにぎわい、キャンプ・ケーシーは反戦の拠点として、世界中が注目するところとなった。
シーハンさんを行動に駆り立てたのは直接的には8月4日のブッシュ演説である。ブッシュはそこで、戦死米兵を追悼するとともにイラク戦争遂行の必要性を訴え、「米兵たちは崇高な使命のために命を捧げている」と演説したのだ。
シーハンさんは言う。「どうして息子を殺したのか、息子はなんのために死んだのか、大統領に尋ねたい。その『崇高な使命』というのはいったい何なのか」「イラクは米国にとって脅威ではない。みんな無駄死にしている」
ここからシーハンさんの闘いが始まった。
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