ZENSHIN 2011/07/25(No2497 p06)
|
週刊『前進』(2497号1面1)(2011/07/25 )
国鉄決戦と反原発闘争で菅打倒・革命勝利を開こう
米経済の「2番底」とデフォルトの危機−大恐慌・大震災と立ち向かい
革共同集会−8月広島・長崎へ
三里塚闘争 現闘本部破壊を絶対に許すな
3・11情勢と激突してきた闘いは、6月闘争の地平の上に、動労水戸が呼びかけた7・17いわき集会でさらに新たな段階を切り開いた。国鉄闘争と反原発闘争で6千万労働者階級の怒りと切り結び、プロレタリア革命に真一文字に突き進むときが来た。全国に渦巻く労働者人民の反原発・反失業の怒りと結合し、党の変革に次ぐ変革をかちとり、闘う労働組合の再生、党と労働組合の一体的建設へ今こそ大前進しよう。三里塚現闘本部を守りぬく闘いを貫き、7月国労大会決戦に勝利し、革共同集会の歴史的大成功をかちとって、国鉄労働者を先頭に8・6広島−8・9長崎闘争へ総進撃しよう。
(写真 組合旗翻し、いわきで反原発デモ 7月17日 福島=記事3面) 怒りがあふれ出た7・17いわき闘争
7・17いわき集会・デモは、政府・東電に根底的怒りをたたきつける感動的な大闘争となった。この集会を、国鉄分割・民営化と24年間絶対反対で闘い抜いてきた動労水戸が呼びかけたことが決定的だ。国鉄闘争と反原発闘争で労働者階級の根底的怒りと結合できることを完全に示した。
いわき市は、福島第一原発から20〜30`圏の地域を含む原発直下の街だ。大震災と原発事故直後には人びとが避難し、いったん街から人が消えた。しかし大恐慌と新自由主義が、労働者階級には逃げ続けることすら許さない状況を生み出している。
7・17いわき闘争はこの地において、「私たちは、被災地に踏みとどまって生きる以外にない者として、福島第一原発事故の速やかな収束と放射能の除染、地域の完全復旧、そしてすべての原発を止めることを菅政権と全電力会社に強く要求します」(集会アピール)と、国家と資本の大犯罪に真正面から闘いを挑む火柱を打ち立てた。
「原発事故を始めとした今日の現実の出発点は国鉄分割・民営化にある。これが非正規労働者をも膨大に生み出した。すべての責任を東電と政府に取らせよう。絶対に逃がさない」
「あいつらがやらなければおれたちがやる。どんなに大変でも原発を撤去し、鉄路と職場と故郷を取り戻そう」
この動労水戸の訴えは根底的な提起だ。それは資本や国家と絶対非和解で闘うことが階級をひとつに団結させること、また労働者こそ社会を動かす主人公だという圧倒的な確信を持って闘うことの大切さを訴えている。国鉄闘争と反原発闘争でプロレタリア革命にまで突き進む路線が、そのもとに全労働者、農民・漁民、住民すべての団結を組織できる闘いとして実際に示された。
この闘いは、原発労働者に最高のメッセージを発し、同時に分割・民営化の完遂に向かうJR資本と御用労組幹部に大打撃を与えた。この地平の上に、7・28〜29国労大会決戦を国鉄労働者と全労働者の総決起としてかちとり、8・6ヒロシマに進撃しよう。
全原発を直ちに停止・廃炉へ
福島原発事故は、人類始まって以来の最悪の事態として広がっている。すでに福島の子どもたちの45%に甲状腺の被曝が確認され、内部被曝の拡大が現実のものとなった。また東北地方一帯で畜産農家が肉牛に与えていた稲わらから高濃度の放射性セシウムが検出され、肉牛が出荷停止に追い込まれている。
この中で原発再稼働への海江田の「安全宣言」や玄海原発再稼働強要、九州電力の「やらせメール」などの許せない事態が発生し、労働者人民の怒りは一層高まった。大動揺した菅政権は、ストレステスト導入や7・13記者会見での菅の「脱原発依存」表明という大ペテンに走った。そのすべてが、原発を再稼働し、原発政策をあくまでも推進するためのものだ。
7月16日には、関西電力の大飯原発1号機が定期点検中にもかかわらず異例の100%出力の調整運転を4カ月続けた揚げ句に、注水装置の蓄圧タンクの大事故で停止した。19日には東電が福島第一原発事故の収束へ向けた新たな工程表を発表したが、溶融しメルトスルーした核燃料の処理には沈黙したまま、打つ手のない現実をさらけ出している。原発はただちに停止・廃炉にする以外にない。反原発闘争を徹底的に爆発させよう。
(写真 農地死守! 250人が緊急闘争 7月18日 三里塚=記事6面) 米・欧の国家破綻とドル大暴落の危機
3・11情勢は、ブルジョアジーとブルジョア国家の存亡をかけた激烈な反革命として労働者階級に襲いかかっている。その根底には1929年を超える大恐慌の全面的な爆発がある。
ヨーロッパでは、ギリシャ危機がスペイン、イタリアの危機へと拡大、波及している。7月に入り、ポルトガルとアイルランドの国債が投機的格付けに引き下げられた。さらにイタリア、スペインの国債価格が急落し、欧米の株式市場が下落する中で7月18日、ニューヨーク商品取引所で金の先物価格が最高値を更新した。これは、単に資金が投機に流れ込んだということにとどまらない。通貨や国家という枠組みそのものが大破綻に向けて突き進んでいるのだ。
IMF(国際通貨基金)理事会は19日、「こうした国家をめぐる緊張状態は重大な先行きリスクとなり、地域・世界に多大な影響をもたらす可能性がある」との声明を発した。今や、各国の財政危機爆発―デフォルト(債務不履行)の続発と、ユーロ圏の解体が現実性を帯びてきた。
米帝は、QE2(金融の量的緩和第2弾)による史上最大の財政出動が巨額の財政赤字をもたらし、8月2日までに債務上限の引き上げを議決しなければデフォルトになるという瀬戸際に立たされている。その背景には大恐慌の「2番底」へと向かう米経済の危機がある。米帝はこの間、新自由主義政策の満展開でドルの基軸通貨体制をかろうじて維持してきたが、ついにこれが大破綻を迎えようとしているのだ。
このユーロ危機・ドル危機を受けた円の急騰が大震災での打撃にあえぐ日帝を直撃している。日帝は経済的にも政治的にももはやグラグラだ。ドルの暴落と世界経済の大破綻、国家破産の続出は不可避である。その中からプロレタリア革命を激しく生み出す以外にない情勢が、ますます煮詰まってきているのだ。
職場で団結を広げ組合権力に挑戦を
今や、新自由主義・資本主義そのものへの怒りが全労働者の中に充満している。一人ひとりの労働者・学生の根底的怒りと向き合い、一体化していく闘いが決定的だ。そこに生み出される団結と闘いは、必ずや職場・学園全体を揺り動かす。4大産別を先頭に思い切って職場闘争に踏み出し、労働組合権力に挑戦し、11月集会1万人結集への現実性をつかみきろう。
国鉄決戦は重大局面に入った。国労大会における1047名解雇撤回闘争の終結宣言と規約改定による闘争団の切り捨て、労資一体化をどうして許せるか。JR資本に「25年間を謝罪せよ」と言わせておいて、闘争終結を「名誉ある撤退」と言いなすことがどうしてできるのか! ふざけるのもいい加減にしろ!
今や25年間の苦闘のすべてがJRを追い詰め、反原発闘争と一体で全労働者階級を獲得する時が来ている。動労千葉や動労水戸の闘いがそれを示している。今こそ「共に闘う国労の会」に結集し、国労本部打倒に立ち上がろう。
郵政非正規ユニオンを先頭に、郵政民営化と対決する郵政労働者の大反乱が開始された。正規・非正規労働者が一体となって民営郵政を追い詰めるこの闘いは革命的拠点建設へと発展していくことは間違いない。全国で、16万郵政非正規労働者の大反乱を組織する大決戦を闘おう。
教育労働者こそ反原発闘争の先頭に立ち、日教組本部打倒に向けて突き進もう。今や真実を教えることが政府・文科省や体制内労組幹部との激しい激突となっている。これは教育労働者の誇りと使命をかけた激突であり、とりわけ青年労働者の大反乱は不可避だ。闘う福島県教組と連帯し、8・6ヒロシマに教育労働者の大登場をかちとろう。
自治体職場は「自粛」「節電・土日稼動」など激しい攻撃との決戦場となっている。被災現地を先頭に反原発・反失業闘争を闘い抜き、青年部建設を力に、8月下旬の自治労大会決戦を闘おう。
7・24東北集会の成功に続き、7・31東京と関西の革共同政治集会に全力で結集しよう。夏期カンパ闘争の一大飛躍を実現し、機関紙拡大と党建設の前進をかちとろう。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2497号1面2)(2011/07/25 )
前進速報版から
▼星野奪還闘争が海を渡り、アメリカ労働者の闘いと大合流▼東北石けん労組、大震災後初の地労委1日行動に立つ
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2497号1面3)(2011/07/25 )
日程 革共同政治集会(東京、関西)
闘う労働組合をよみがえらせ、大恐慌―大震災・福島原発事故の危機を反帝・反スターリン主義世界革命へ転化するために闘おう
■東京
7月31日(日)午前11時半開場
豊島公会堂(豊島区東池袋1-19-1)
〈基調報告〉織田 陽介
■関西
7月31日(日)12時半開場/午後1時半開会
大阪市立中央会館(中央区島之内2-12-31)
〈基調報告〉黒沢 肇
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2497号2面1)(2011/07/25 )
全国の職場・地域に 新たな国鉄闘争の全国運動を
―4者4団体の「闘争終結」に際して―
国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動
国鉄闘争全国運動は、国労本部を始めとする4者4団体の「国鉄闘争終結・解散」宣言に対し、あくまで「国鉄闘争の火を消すな」と訴えて緊急の声明を出した。国労本部は7月28−29日の国労大会で、国鉄闘争の終結を正式に決定するとともに、闘争団員を国労外に追放する国労規約の改定をたくらんでいる。それは、闘争団員だけでなく、JRで働くすべての国労組合員に国鉄分割・民営化への最終的な屈服を迫るものだ。大震災情勢下でJR資本はJR総連カクマルとの結託体制を清算し、外注化・非正規職化を軸にますます労働者に分断と競争を強いて生き残ろうとしている。国労本部はまさにカクマルになり代わってこの攻撃の先兵になろうとしているのだ。国労の階級的な再生をかけて7・28−29国労大会決戦に立とう。国鉄闘争全国運動を推し進め、11月労働者集会へ突き進もう。国鉄闘争全国運動の緊急声明を掲載します。(編集局)
(1)
国鉄1047名解雇撤回闘争に心を寄せ、支援し、ともに闘ってきた全国のみなさん。1047名闘争がきわめて重大な局面を迎えています。
「雇用問題が解決しなければ闘いは終わらない」と言ってきた国労本部をはじめ4者4団体は6月24日、1047名闘争の終結と解散を宣言しました。さらに国労本部は7月の定期大会で組合規約を改定し、闘争団員の組合員資格を奪おうとしています。国労本部は、闘争団を切り捨てて連合に加盟し、御用組合として生きる道を選ぼうとしています。
私たちは、日本労働運動の解体をもたらす、この重大な事態を断じて見過ごすことはできません。労働組合は幹部のものではなく組合員のものです。労働組合は資本や当局の攻撃に対して組合員の利益を守るために労働者が団結して闘う組織です。この当たり前の原則を投げ捨て、資本や政府に依拠する労働運動に未来はありません。
4者4団体の「闘争終結」に際し、国鉄闘争の旗を守り抜き、国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回の新たな運動をつくりだすことを、全国の仲間にあらためて心から訴えます。
(2)
中曽根政権によって強行された国鉄分割・民営化は、戦後労働運動を牽引(けんいん)してきた国鉄労働運動を叩(たた)きつぶし、総評・社会党を解体して改憲を実現する、中曽根の「戦後政治の総決算」の要をなす攻撃でした。この戦後最大の労働運動つぶしの攻撃に対して、動労千葉は2波のストライキに起(た)ち、団結と組合を守り抜きました。国労は、86年10月の修善寺大会で「労資共同宣言」を拒否し、3万人をこえる組合員が闘いを継続しました。
1047名の国鉄労働者は、文字通り人生をかけて、家族や職場に残った仲間、全国の100万人ともいわれる支援とともに24年間、この労組解体の攻撃に対して「解雇撤回・原職復帰」を掲げて闘い続けてきたのです。
この闘いこそ、重大な後退を強いられたとはいえ、国鉄分割・民営化から始まった新自由主義に対抗する日本の労働運動の結集軸となってきました。1047名闘争がこのような形で終結したならば、労働者の権利や労働組合の未来はいったいどうなるのか。日本の労働運動は重大な岐路に立っていると言わざるを得ません。
(3)
私たちは昨年6月、「国鉄闘争の火を消すな」と訴え、国鉄分割・民営化反対と1047名の解雇撤回闘争を継続・勝利させるために新たな全国運動を立ち上げました。@1047名の解雇撤回、A労働運動の復権、B職場・地域から自主的な闘いの形成、C被解雇者の支援――の4つを柱に運動を進め、この1年間で40の地域・職場に支援・共闘の運動体が生まれました。本年6月5日に開催された全国集会には1780人が日比谷公会堂に結集し、被災地の怒りと闘いと結びつき大成功しました。動労千葉は、基地・職場の全面統廃合攻撃と京葉車両センターの外注化を阻止する新たな決戦に突入しています。この1年間の5波のストライキで今年4月1日の外注化計画をストップさせ、青年組合員を獲得しています。
3・11大震災は労働運動をめぐる情勢を一変させました。国鉄分割・民営化以降の新自由主義政策こそ、無数の労働者を非正規雇用・ワーキングプアに突き落とし、社会保障制度を解体し、災害に対する抵抗力を奪ったことを見据えなければなりません。現在も10万人をこえる人びとが避難生活を強いられ、福島第一原発から放出される放射能による被曝が強制されています。数十万人以上が震災で解雇され、職を失っています。
他方で、6月11日には全国で100万人ともいわれる反原発アクションが行われるなど、反原発・反失業の闘いのうねりが起きています。今こそ職場から新自由主義攻撃に立ち向かう労働運動を甦(よみがえ)らせる時です。世の中に満ちあふれる怒りの声と結びつく反失業・反原発の闘いが求められています。
(4)
4者4団体の「闘争終結」に対して動労千葉は7月1日、「国鉄闘争の火を消してはならない!」との声明を発し、解雇撤回と外注化阻止の闘いを軸に組織拡大を実現して、労働運動を復権していく決意を訴えています。
国鉄1047名解雇撤回闘争に心を寄せ、支援し、ともに闘ってきた全国のみなさん。闘いはこれからです。あらためて「国鉄闘争の火を消すな」の新たな全国運動をともにつくりあげることを心から訴えます。この運動は、あらゆる職場で当たり前の労働運動を闘うすべてのみなさんのものです。会員・呼びかけ人に加わって下さい。そして全国各地にあらためて国鉄闘争の火を燃やし続ける共闘組織をつくることを呼びかけます。
2011年7月12日
◇
伊藤晃(日本近代史研究者)/入江史郎(スタンダード・ヴァキューム石油自主労働組合委員長)/宇都宮理(愛媛県職員労働組合委員長)/大野義文(元安芸労働基準監督署長)/大和田幸治(全国金属機械労働組合港合同事務局長)/鎌倉孝夫(経済学者・埼玉大学名誉教授)/北原鉱治(三里塚芝山連合空港反対同盟事務局長)/金元重(韓国労働運動史研究家)/高英男(全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部副委員長)/鈴木達夫(弁護士・法政大学弾圧裁判弁護団長)/清野和彦(元福島県教職員組合委員長)/手嶋浩一(元国労九州本部書記長)/高山俊吉(弁護士・憲法と人権の日弁連をめざす会代表)/中江昌夫(元国鉄動力車労働組合副委員長)西田節(元総評オルグ・東部一般統一労働組合委員長)/葉山岳夫(弁護士・動労千葉顧問弁護団長)/花輪不二男(世田谷地区労働組合協議会顧問)/宮城盛光(沖縄県北中城村議・元全軍労牧港支部)/山本弘行(動労千葉を支援する会事務局長)/矢山有作(元衆議院議員)/ジャック・ヘイマン(国際港湾倉庫労働組合ローカル10執行委員)/韓国・民主労総傘下の主要な連盟、労組の代表32人/全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2497号2面2)(2011/07/25 )
国鉄決戦と反原発闘争で革命に進む資金を!
労働者人民のみなさん。29年世界大恐慌をはるかに超える世界大恐慌に突入し、すべての矛盾を労働者階級人民に転嫁して延命しようとする帝国主義を打倒する時が来ました。勝利の道は、現下の国鉄決戦の激しい攻防に勝ち抜き、国鉄闘争全国運動を大きく発展させること、青年、学生を先頭に開始された反原発闘争をヒロシマ・ナガサキとひとつの歴史的大運動として発展させることにあります。
3・11大震災・原発事故は、帝国主義の危機と矛盾が極限にまで達していることを示しました。今日、この社会に暮らすすべての人びとが「もうこのままでは生きていけない」「この腐りきった社会を変えよう」と怒りの声を上げて闘いに立ち上がり始めています。”すべての原発をとめよう”の大運動は、「フクシマを返せ」「ふるさとを返せ」「子どもたちの未来を返せ」と叫ぶ福島のお母さんたち、労働者、農民、漁民を先頭に全国を揺るがしています。8・6ヒロシマ大行動の大高揚をかちとり、この運動をプロレタリア革命へと発展させていきましょう。
帝国主義の新自由主義政策は完全に破綻しました。青年を大失業と非正規労働者にたたき込み延命しようとする資本の攻撃は、逆に青年労働者、非正規労働者の怒りの決起を呼び起こしています。2千万青年労働者全体が変革を求めて立ち上がり始めました。
郵政非正規ユニオンの闘いは、体制内指導部を打倒し、16万郵政非正規労働者全体の決起の突破口になろうとしています。青年労働者の闘いは、反原発の闘いとひとつとになってプロレタリア革命への奔流になっています。
6・5大集会をかちとった国鉄闘争全国運動が土台となって、6・11反原発100万人行動、6・19怒りのフクシマ大行動、そして動労水戸主催の7・17いわき闘争が感動的にかちとられました。
国鉄決戦は重大な段階に突入しています。国労本部は国労を資本の手先とするために1047名解雇撤回闘争の終結を宣言し、闘争団を国労からたたき出そうとしています。しかし動労千葉と4人の国労闘争団、国鉄闘争全国運動は、労働者の誇りをかけ、「国鉄闘争の火を消すな」と闘っています。
私たちの眼前に訪れているこの革命情勢を現実の革命勝利に転化するためには強大な革命党と莫大(ばくだい)な資金が必要です。
革共同は結党以来、労働者階級人民の党として、あらゆる任務を引き受けて先頭で闘ってきました。労働者人民の未来をかけた闘いのため、従来にも増して圧倒的な夏期カンパをお願いします。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2497号2面3)(2011/07/25 )
大阪府警に千人がデモ
“関生組合員13人を解放せよ”
7月17日午後1時、炎天下の大阪中之島・剣先公園に千人の労働者が結集し、関生弾圧粉砕集会がかちとられた。
とりわけ13人の不当逮捕・起訴という5・11大弾圧と闘い抜き勝利してきた全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部は、500人を超える決起で結集。動労千葉は、田中康宏委員長、中村仁執行委員が駆けつけた。全国金属機械港合同も総決起で結集し、11月労働者集会呼びかけ3労組がそろった闘いになった。
関西労組交流センターは、全学連、婦人民主クラブ全国協関西ブロック、大阪・星野さんを取り戻す会とともに、150人の隊列で合流した。
集会は関西生コン支部・西山直洋執行委員の司会で始まった。
まず関西生コン支部・武建一執行委員長が関西生コン弾圧について報告し、「裁判所が13人を勾留し続け、関生支部弱体化の不当労働行為をやってきているが、組合員がへこたれるわけがない。このひどい権力と闘い、早期解放を求めて闘っていきたい」と訴えた。
さらに武委員長は、80年代、新自由主義攻撃として始まった関西生コン支部への本格的弾圧は、中小企業を協同組合に結集させ、大企業の収奪との闘いを繰り広げ、一定の成果を挙げてきたことへの弾圧であり、「関生支部の運動が資本主義の根幹にふれる運動」だったと振り返った。労働組合のあらゆる活動が弾圧の口実にされる中、日本共産党が権力・資本と一体になって攻撃してきた。2005年の5次にわたる弾圧も「資本・権力・日本共産党による攻撃だった。セメント大独占によるセメントの仕入れ価格の引き上げで生コン製品は下落し、労働者の土曜日が休日でなくなった。共産党・建交労は200万円賃金カットを丸のみしたが、われわれは屈服しなかった」と胸を張った。
また、武委員長は「今回の弾圧は、3・11東日本大震災や原発事故で支配層がいかに狼狽(ろうばい)しているのかを示している。大恐慌で彼ら自身の深刻な危機が進行している。侵略戦争と国内への抑圧は破産している。連合系労働組合はまったくの体たらくだが、闘う戦線は確実に広がっている」と明らかにし、「沖縄基地、TPP、原発・震災、われわれに対する権力弾圧など根っこは一つだ。これらに対しては人民による革命以外にない」「われわれは今までの闘いの蓄積に確信をもっている。粘り強い不屈の信念を持っている労働組合だ」と勝利への確信を語った。この提起に参加者全体が圧倒的拍手で応えた。
関生弁護団、釜ケ崎弁護団からのあいさつ、釜ケ崎弾圧被告の獄中アピールが続いた。
韓国の民主労総全国建設労働組合首席副委員長が2人の生コン労働者とともに登壇し、「弾圧は資本主義の行き詰まりの現れだ。国際連帯を強化して資本の弾圧を粉砕しよう」と訴えた。
戸田ひさよし門真市議の報告に続いて、動労千葉・田中康宏委員長があいさつに立った。田中委員長は冒頭、「関西生コン支部への弾圧は、敵の側の恐怖の現れだ。産業ゼネストへの恐怖が13人の仲間に対する弾圧だ。私たちは勝利している」と断言し、3・11大震災以降の三里塚や東電デモへのむちゃくちゃな弾圧を弾劾し、「これは資本家階級の支配が完全に崩壊していることの現れだ」「団結した労働組合には社会を変える力がある」と語った。さらに国労本部などの国鉄1047名闘争終結宣言を弾劾し「国鉄分割・民営化以降、労働者と労働組合を襲った現実をあいまいにしない。あくまで解雇撤回を求めてJR資本と絶対に非和解的に対決して団結を守り抜く。この闘いと関西生コン支部弾圧との闘いは一つです」と決意を表明した。
参加団体の報告が続き、メッセージ紹介では三里塚反対同盟からメッセージが寄せられていることも報告された。
集会後、大阪府警本部へのデモを関西生コン支部を先頭に闘い抜いた。
7・17闘争は、7月20日の第1回公判闘争に向けた決定的な闘いとなり、労働組合の力で社会を変えることを真っ向から宣言した。
(写真上 “団結して労組弾圧を粉砕するぞ” =7月17日 大阪府警察本部前)
(写真下 「関生弾圧を許さんぞ!」とデモする関西労組交流センター)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2497号2面4)(2011/07/25 )
民営化・首切り・非正規職化の「子ども・子育て新システム」
自治労・全国保育集会闘争に総決起を
新システム推進の方針化を狙う
自治労本部は7月29〜31日に富山で行う全国保育集会で菅民主党政権の「子ども・子育て新システム」推進を完全に自治労方針にしようとしている。自治労本部は公立保育所・幼稚園の民営化と保育・幼稚園労働者の団結解体・首切りを進め、その一方で自分たちだけは「コーディネーター」や「子育てセンター」などのポストを確保して生き残ろうとしているのだ。こんな大裏切りは断じて許せない。
7月6日に出された菅政権の「子ども・子育て新システム検討会議作業グループ基本制度ワーキングチーム」の中間とりまとめ(案)は「新システムこそわれわれの求めていた幼保一体化だ」と大ウソをついて現場労働者をだまそうとしていた自治労本部のペテンの破綻を突きつけた。「中間とりまとめ」は新システムに反対する「ブランド幼稚園」を「こども園」の枠から外した。このことから明らかなように、新システムの真の目的は「幼保一体化」ではなく公立保育所・幼稚園の民営化とそこで働く労働者の首切りなのである。
自治労本部は学習会と称して各地を回り、新システムに反対する現場労働者の決起を抑え込もうと躍起になっている。豊中市職執行部は「『新システム』に反対する組合委員の全国保育集会への参加は認められない」と統制をかけてきた。これこそ資本のもとに階級移行し産業報国会への道を歩む自治労本部の姿だ。
だが現場労働者は首切り攻撃に黙っていない。新システムとそれを推進する自治労本部への怒りの爆発は不可避だ。富山保育全国集会決戦に総決起し、自治労本部打倒の闘いに立ち上がろう。
階級移行遂げた自治労本部打倒
3・11東日本大震災から4カ月半。菅民主党政権と資本は大恐慌の激化のなか、3・11大震災と原発事故によって体制崩壊の危機に陥っている。自治労本部の変質は体制危機と完全に一体だ。
菅政権は資本家の意を受けて「震災は資本の金もうけのための市場を生みだす」「震災復興は規制緩和を拡大して資本を呼び込んでやる」「震災を口実に労働者をどんどん解雇しますます低賃金に」という方向にかじを切った。そして国鉄1047名解雇撤回闘争を終結させ大変質した国労本部をテコに労働運動全体を解体しようとしている。95年日経連報告で「9割非正規化社会の実現」を打ち出しながら、今日まで4割しか進んでいない現実を反動的に突破しようとしている。
国鉄1047名解雇撤回闘争の解体を狙った昨年4・9政治和解の攻撃に対して、動労千葉は外注化阻止決戦に勝ちぬくなかで国鉄闘争全国運動を呼びかけ、大きく前進させてきた。今日3・11情勢下で大震災と原発事故を口実に解雇され、家や生活を奪われた数十万・数百万の労働者が放射能汚染、大失業、民営化・外注化・非正規職化への怒りを解き放ち、国鉄全国運動に総結集する情勢が生まれつつある。まさに革命情勢だ。
こうした日帝の体制的危機と革命情勢の切迫に対応して自治労本部は決定的な変質を遂げた。彼らは5月23日の国家公務員賃金10%削減提案にわずか10日でスピード合意し、公務員制度改革を要求した。直後に開かれた自治労中央委員会で徳永秀昭委員長は「震災の非常時だから合意は当然」と居直った。
自治労本部・現業評議会は公務員制度改革に向けて「職の確立」「現業アクションプラン」の推進の形で現業切り捨て、民営化・外注化・非正規職化推進の本音をあけすけに述べている。「『単純労務』であり、民間でも代替可能な仕事を続ける職場は早晩自治体から姿を消していくことになる。新たな仕事のあり方への挑戦を選んだ我々はそうした仲間を惜しみつつ同情はしない」(6月4日の自治労・県職現業集会「集会宣言」)。
3・11情勢下で自治労本部は「闘わずしての屈服」から民主党政権・支配者階級の一員へと完全に階級移行したのだ。「大震災という国家非常時だから国をあげての復興に協力しろ」と組合員に襲いかかり、公務員制度改革をテコに職場の団結を解体し、道州制=公務員360万人首切りを一気に進めようとしている。
「節電」を口実に極限的労働強化
電力使用規制令に基づく「節電」を理由に7月2日から自動車業界、日立やNTTドコモなどで始まった「土日稼働」は関係者80万人の生活を一変させた。資本の都合で労働者の生活を破壊し、「資本の言いなりになれ」とイデオロギー的屈服を迫っている。
「節電」「復興」の掛け声のもと、「1日8時間・週40時間労働制」が解体され、超過勤務手当、深夜・休日勤務手当の基準となる労働時間の概念をなくす変形労働時間制が大手を振ってまかり通ろうとしている。
保育現場では労働組合を無視する形で「休日保育」=「365日保育」が強行されている。自治労本部は「いま労働条件のことを言う状況ではない」「復興は自治体の責任」と声高に叫び、当たり前のように労働強化を迫ってくる。敵の先兵になっているのだ。
「子ども・子育て新システム」は財源不足を口実にした保育の丸ごと民営化による公務員労働者の首切り、非正規職化、無権利化の攻撃であり、保育や子どもの生活まで資本の餌食に提供する新自由主義の「新成長戦略」だ。これが「節電」を口実に現実化しつつある。絶対に許せない。
新システムを推進する自治労本部の打倒へ、現場の怒りを組織し、闘う労働組合をよみがえらせよう。国鉄決戦を基軸に新システム粉砕、公務員制度改革反対、反原発・反失業の闘いを進め、富山全国保育集会、8・6広島―8・9長崎、自治労長野大会から11月労働者集会に攻め上ろう。
〔革共同自治体労働者委員会〕
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2497号3面1)(2011/07/25 )
7・17いわき “すべての原発止めよう”
線路・職場・故郷を返せ
動労水戸先頭に380人がデモ
“線路を返せ、職場を返せ、故郷を返せ!”――。労働組合旗を林立させた戦闘的な大デモが、いわきの街を揺るがした。動労水戸が呼びかけた「すべての原発を止めよう!7・17いわき集会&デモ」が7月17日、380人の結集で打ち抜かれた(主催者あいさつ、地元農民の発言、集会まとめ別掲)。
(写真 いわき市民と大合流したデモ隊は、解散地のJRいわき駅前で「全原発の停止・廃炉に向けて団結がんばろう!」とこぶしを上げた【7月17日 福島県いわき市】)
美しいいわき必ず取り戻す
開始時間の午後1時には、JRいわき駅前LATOV6階の会場はいっぱいになり、会場内とほぼ同数の参加者がロビーにあふれかえる結集となった。司会は動労水戸家族会であり労組交流センター女性部事務局長の辻川あつ子さんが務めた。
主催者あいさつで動労水戸の石井真一委員長はまず「絶対に全原発を止め、すべてを除染させて、この浜通りを復活させる」と宣言した。そして「いま労働組合がいかなる方針をとるのかが本当に問われている。なによりも職場で反原発を闘い、労組のある職場では“反原発を組合方針として掲げろ”と要求して闘おう」と呼びかけた。
地元いわき市からは3人が発言した。いわき市で畜産を営む農民は、福島第一原発事故以来の怒り、無念、憤りを、時折声を詰まらせながら爆発させた。心を震わせるような訴えに参加者全員が聞き入った。
いわき市に住む動労水戸平支部の小野裕通さんは「自分は生まれも育ちもいわき市。東海村JCO事故の際にもJR東海駅に勤務していて中性子を浴びさせられた。今こそ“原発なんかいらない”とハッキリ言うべき時だ。自分は闘う労働組合に所属してこうして声を上げられたが、ほとんどの原発労働者は声も上げられない状況にある。なんとしても原発労働者との連帯をつくりたい。原発を止め、美しいいわき市、福島県を取り戻すまで闘う」と決意表明した。いわき市の教育労働者は「国や県教委は『大丈夫だ』と言っているが大丈夫なわけがない。いまの教育の体制は文部省から縦割りで上の言いなり。この体制をなんとしても変えたい。国や東電の連中には原発で働いてみろと言いたい」と怒りを込めて発言した。
続いて、ふくしま合同労組の市川潤子委員長が6・19フクシマ大行動が切り開いた地平の大きさについて報告。国労郡山工場支部の橋本光一さんは、職場の汚染状況を暴露し「もうけのためなら労働者の命や健康なんてどうなってもいいというのがJR東日本の対応だ。労働組合として、いくら金がかかろうが工場の除染をやらせる」と述べた。さらに「すべての原発いますぐなくそう全国会議」呼びかけ発起人の鈴木達夫弁護士、動労西日本の山田和広副委員長、三浦半島教組の闘う教育労働者、みやぎ連帯ユニオンの金子哲夫委員長、福島大生、東北大生が次々と発言した。この間の街宣で巡り合い、居ても立ってもいられず集会に駆けつけた労働者もマイクをとった。
動労水戸の辻川慎一副委員長が「一切の責任を政府、東電に取らせよう。あいつらがやらないんだったらおれたちがやってやるということだ。原発を撤去させ、除染させて鉄路と職場を取り戻そう」と集会をまとめ、最後に平支部組合員が「7・17いわきアピール」を提案し、満場の拍手で採択された。
沿道の市民とデモが一つに
集会後、参加者は一団となって市内デモに出た。店舗やマンションから手を振る市民。沿道から飛び入りする若者たち。宣伝カーに飲み物を差し入れする自転車の青年。涙を流しながらデモ隊に握手を求めてきた男性もいた。駅前ロータリーの歩道橋には鈴なりになって市民がデモに注目、まさに市民とデモ隊がひとつになる感動的な闘いとなった。
解散地の駅前広場で福島労組交流センターの渡辺馨代表は「いわき市には数千人の原発労働者が生活し、ここから原発労働に向かっている。今日は6・19大行動に続き、原発労働者とひとつになる闘いとしてやり抜いた。さらに8・6広島―8・9長崎に決起しよう」と総括を提起した。
7・17いわき闘争は、政府・東電への怒りを解き放ち、いわき市民と大合流する闘いとなった。動労水戸は国鉄分割・民営化と新自由主義に絶対反対を貫いてきた24年の実践を踏まえ、この闘いの基軸となって全体を牽引(けんいん)した。闘う労働運動の復権こそが全原発の停止・廃炉に向けた決定的な鍵であることを実践をもって示し、闘いのさらなる発展への突破口を切り開いた。
------------------------------------------
労働組合の方針が鍵握る
鉄路の復旧と反原発は一体 主催者あいさつ 動労水戸 石井真一委員長
3月11日以来、いわき市民のほとんどが避難生活を送り、いわきの街もゴーストタウンのようになりました。しかし、仕事や生活があり、放射能汚染を百も承知でみんなここに戻って生活を始めています。私たちは、ここで闘って生きていくしかない。子どもを抱えたり、いろんな事情を抱えながら必死で闘っているいわき市民のみなさんと連帯し、原発を止め、すべてを除染させて、絶対にこの浜通りを復活させたいという思いで集会を呼びかけました。
私も福島県矢祭町で生まれました。動労水戸には、いわき運輸区で働く組合員や、いわきから勝田車両センターに通勤している組合員もいます。常磐線は久ノ浜駅から亘理駅まで寸断されたままです。すでに転勤も実施されています。JR東日本は建前上は復旧すると言ってますが、これ幸いと不採算部門を切り捨てようとしていることは明らかです。常磐線を取り戻す闘いは、原発を無くすことと一体です。
いま労働組合がいかなる方針をとるのかが本当に問われています。労働組合の闘いが鍵を握っています。
動労水戸は24年前の国鉄分割・民営化に反対して結成しました。しかし国鉄労働運動の中心部隊であった国労は大きく組織を減らし、動労は路線転換して分割・民営化に賛成した。国鉄労働者はみんな分割・民営化には反対だったのに反対しきれなかった。
労働組合がいかなる方針をとるのかが本当に大事なんです。原発問題も構図は同じです。なぜ東電で原発反対と言えないのか。東電労組、電力総連が原発賛成だからです。原発を止めるためには、集会やデモも本当に大事ですが、何よりも自らの職場で反原発を闘い、労働組合があれば「反原発を方針に掲げろ」と要求して闘うことが重要です。その中から原発を止める展望がはっきりしてきます。
福島原発の足下であるいわき市から世界に強烈な反原発のメッセージを送り、今日から闘いをつくっていきましょう。
(写真 会場は立ち見も含めてぎっしり埋まりロビーまで参加者があふれた。発言者は石井真一動労水戸委員長)
原発労働者と連帯し闘おう まとめ 動労水戸 辻川慎一副委員長
動労水戸として集会を呼びかけたのは、福島原発の事故を始めとした今日の現実の出発点が24年前の国鉄分割・民営化にあることをはっきりさせたかったからです。
国鉄分割・民営化によって20万人の国鉄労働者が職場を追われ、200人の仲間が自殺に追い込まれました。地方が切り捨てられ、労働組合解体攻撃と一体で労働者派遣法が作られました。それから24年を経て世の中はどうなってますか? 今日発言した若者のほとんどが非正規雇用でしょ。労働者は、誇り高く生きるどころか、とことん頭を低くして資本にひれ伏さなければ自分の食いぶちさえ稼げない。すべてが国鉄分割・民営化から始まったんです。
私たち動労水戸は、この国鉄分割・民営化に絶対反対を貫き、団結して闘い抜いてきました。強調したいことは「原発絶対反対」でのみ、すべての労働者、農民、漁民、住民は団結できるということです。
一切の責任を政府、東電に取らせよう。やつらは徹底的にごまかし、逃げようとしている。日本政府の歴史は戦前も戦後も棄民の歴史です。絶対に逃がしてはいけない。
あいつらがやらないんだったらおれたちがやってやるということです。どんなに大変であろうとも、絶対に福島原発を撤去させ、すべてを除染させて鉄路と職場を取り戻すために闘おう。
また、このいわき市は原発労働者の出撃拠点になってます。原発労働者とともに政府、東電の責任を徹底的に追及しよう。それが、すべての原発を止めていく道です。
そして、全世界の労働者が固く手を結んで闘ったときにのみ原発を止めることができる。とくにアメリカの労働者との連帯が決定的です。8月6日にはアメリカの「反戦の母」と言われるシンディ・シーハンさんが来日します。9月11日には震災6カ月を期して全国各地で大デモが予定されています。今日の闘いを皮切りに、いわき、福島、茨城から新たな闘いをつくっていこう。
------------------------------------------
いわき畜産農家の訴え
農民には一切責任はない! 労農連帯を貫きともに闘う
畜産農家はいま、怒りの声をどこにぶつけたらいいか分からない状況です。いわき市には、三十数年来、完全無農薬・無化学肥料で有機栽培にとりくんできた農民グループがあります。三十数年間、一生懸命土づくりに励んできた彼らの情熱や努力は、この原発事故で一瞬にして吹き飛んでしまった。本当に悔しいです。この無念、むなしさ、怒り、憤りをどこにぶつければいいのでしょうか。
昨日、双葉郡の人たちが避難している施設に行きました。七夕かざりの願いごとで一番多いのは「早く、おうちに帰れますように」という短冊でした。「お外で遊びたい」「早く、お父さんにあいたい」という願いごともありました。先日の新聞には、福島市の小学2年生の女の子が「将来、がんになりませんように」という願いごとを書いたとありました。将来ある子どもたちに、こんな苦しみを強制している者どもをけっして許すことはできません。
福島の牛飼いにとって死活問題が発生しています。福島産の牛肉から放射性セシウムが検出され続けています。
いわき市の行政や農協が機能を回復したのは3月末です。震災と原発事故で物流が滞り、いわき市はもちろん県内に何も入ってこない。農家の現場では、腹を空かせて「モー、モー」と鳴くかわいいベコを相手にして、放射性物質で汚染されているかもしれないと分かっていても水や稲わらを与えざるをえなかったんです。稲わらはほこりが立ちます。牛たちが被曝するということは、われれわれ畜産農家も内部被曝を覚悟しているんです。農家の心情、当時の状況を、国や県は何も理解もしなければ分かってもない。
現在、福島の牛は移動禁止になりセリも中止になってます。毎月、3万円、5万円のペースで子牛の価格は下がっています。このままでは、乳搾りの酪農家を除いて4千戸ある福島の和牛繁殖農家、肥育農家はつぶされます。
セシウムが検出された農家の奥さんは「国や県、関係機関、畜産農家に申しわけない」とコメントしています。謝らなくちゃいけないのは東電であり国です! 最大の犯罪者は東京電力なんです。農家には一切の責任はないんです。
最後に一人の農民、百姓として、本日ここ、いわきの地で集会を企画してくれた動労水戸のみなさんに心から感謝を申し上げます。本日の集会をもって、三里塚と動労千葉のように、反原発を闘う福島農民と動労水戸のみなさんとの労農連帯の第一歩をしるせたと確信しています。ともにがんばりましょう。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2497号3面2)(2011/07/25 )
公務員制度改革うち砕け
首切り自由、賃下げ自由の労資関係たくらむ支配階級
戦後労働運動史上最大の攻撃に反撃を
川上 憲一
6月3日、菅政権は国家公務員制度改革関連4法案と国家公務員給与臨時特例法案を閣議決定・国会提出した。6月2日には総務省が「地方公務員の労使関係制度に係る基本的な考え方」を打ち出した。特に公務員制度改革は戦後労働運動史上最大級の攻撃だ。渾身(こんしん)の反撃に立ち、打ち砕こう。
支配階級の一員へと移行した自治労本部
5月13日、政府が国家公務員給与1割削減を提案した。連合・公務員連絡会は「@労使合意による国家公務員給与削減A国家公務員給与臨時特例法案と国家公務員制度改革関連4法案の同時提出・同時成立B地方公務員への影響の遮断」で呼応し、23日に合意、「震災復興に全力で取り組む」と決意表明した。
5月26〜27日の自治労中央委員会で「そもそも交渉テーブルに着いたことが問題だ」「大衆行動ひとつ起こさず10日でのむなんてありえない」「地方公務員への影響の遮断の保証は何もない」などの批判が噴出した。
徳永秀昭委員長は総括答弁で「@国家公務員給与削減の特例法案提出は人事院勧告に関する昨年11月1日の閣議決定で決まっていたA本部がこれに『大胆な対応』をすると確認し政府と議論を重ねてきたことは各県本部委員長も知っているBマスコミ・世論対策として短期間で交渉に決着をつけたCこれで公務員人件費2割削減問題は終了させたD片山善博総務相から『地方公務員への影響を遮断する』との言質を取ったE国家公務員給与削減法案と国家公務員制度改革関連法案の同時提出・同時成立をめざす」と居直り、恫喝した。
“国家公務員給与削減はとっくに決まっていた。自治労―公務員連絡会はそれを推し進めたのだ。県本部委員長ら幹部はそのことを知っているのに何をいまさら組合員にぐずぐず言わせているのだ”ということだ。
連合や公務員連絡会の幹部は政権交代以前から公務員制度改革の政府諸会議に参画し、推進のためにうごめいていた。その上で3・11大震災をテコに一気に5・23合意に突き進み、閣議決定に持ち込んだ。彼らはもはや屈服・裏切りのレベルを超え、政財界と一体化し、そのブレーン・手足となり、支配階級の一員に移行した。3・11情勢下、労働者階級に震災休戦を強要し、「復興」を掲げて産業報国会化へかじを切った。公務員制度改革は道州制=公務員360万人首切りの要だ。
自治労本部はいま首切り・民営化を推進する「子ども・子育て新システム」や「現業アクションプラン」などの意思一致集会を開きつつ8月の大会に向かっている。
6月4日の県職現業全国集会は「『単純労務』であり、民間でも代替可能な仕事を続ける職場は、早晩自治体から姿を消していくことになる。新たな仕事のあり方への挑戦を選んだわれわれは、そうした仲間を惜しみつつも同情はしない」との集会宣言を発した。8月24〜26日の自治労大会は階級移行を遂げた自治労本部が政財界と一体となって仕掛けてくる全攻撃との激突の場だ。
労働基本権は非和解の階級闘争の産物だ
納得できない条件では労働力を売らない――労働者は奴隷ではないという根源的な権利がストライキ権であり、これは「人事院勧告制度」ごときで「代償」されうるものではない。だからこそ自治体労働運動は「人勧体制打破・スト権奪還」を掲げてきた。
ストライキ権は根源的権利
合法だろうが非合法だろうが、労働者は闘いのために団結し、団結のために闘ってきた。戦後革命期、公務員労働者は自ら労働者階級の一員として名乗りを上げ、階級闘争の原野に立った。45年12月の労働組合法や47年5月の憲法(労働三権)は、その後からついてきたものでしかない。
労働者の闘いはその存在とともに始まる。労資の関係は非和解であり、初めから本質的に争議関係にある。階級関係のぎりぎりのつばぜり合いの中で「労資交渉―労働協約」という一時的休戦に入るのであって、逆ではない。まず争議を打ち抜き、やがて資本に交渉を強制し、ついに労働組合結成に結実した多くの事例がある。労働基本権は法制度や体制内戦術の問題ではなく、非和解的な階級闘争の産物なのだ。
労働者はストライキを通して「止めるのも動かすのも労働者」であることを体験し自覚する。団結を総括軸に、日々のゲリラ戦から階級のない社会の建設に至るまで、生産点を握り社会を回していく。ロシア革命や戦後革命においても労働者・労働組合は団結の力で職場を支配し、ストライキや生産管理を行った。
いまの賃金確定闘争や現業統一闘争の時限ストにもこの本質は貫かれる。例えば病院ストでは、保安要員を非組・管理職のスト破りに委ねるのか、非組・管理職を排除して組合員だけで入院患者や救急に対応するのか問題になる。保育所1時間ストでも、子どもたちの家庭や体調を熟知した保育労働者の職場支配力が不可欠であり、給食もスト献立に変更する。
労働者はどんなささやかなスト経験もプロレタリア革命・プロレタリア独裁・ソビエトに直結させて総括し、継承・発展させていく。スト権はそのような団結と革命の根本問題だ。だから取引や屈服でやすやすと明け渡すようなものではない。
団結権否定の労組認証制度
今度の国家公務員制度改革は労働組合認証制度を導入する。「職員が全ての組合員の過半数を占める」ことを認証要件とするなど、団結権、団体交渉権を否定している。絶対に認められない。
労働組合は、労働組合のもとに団結して当局・資本と闘おうという労働者の意思と闘いによってのみ成立する。この意思と闘いを誰かが「認証」するなどありえない。
現行労働組合法のもとですら、労働者が2人以上団結して組合を結成した瞬間に、労働組合は誰の「許認可」もなく成立し、労働組合法が全面的に適用される。誰が組合員かは、団結して闘おうとする労働者自身が決める。他のなんぴとの支配・介入も許されない。
労働組合もまた階級対立の非和解性の産物だ。資本家階級と闘い労働者階級の社会を切り開く労働組合の成員や規約に敵階級があれこれ注文をつけるなど認められない。
この労働組合の根本的な団結自治を侵害し、官民労働者を分断してきたのが国家公務員法、地方公務員法の職員団体登録制度だ。これを一層あくどく貫こうとするのが労働組合認証制度だ。
支配階級は48年の政令201号で公務員労働者のストライキ権を剥奪(はくだつ)して以降、労働者を国家公務員法、公共企業体等労働関係法(現特定独立行政法人等労使関係法)、地方公務員法、地方公営企業等労働関係法、労働組合法、さらに教育公務員特例法や労働者派遣法などのもとにズタズタに分断し組み敷こうとしてきた。
この制度のもとでも地域合同労組など「混合組合」は果敢に当局に挑んできた。地方法務局や地方建設局などで国家公務員非常勤労働者と民間委託先労働者が同じ指揮監督のもとに同じ仕事をしている。これらの労働者が一つの労働組合のもとで団結して闘うことは現実的な課題だ。
労働組合認証制度はこうしたあり方の否定であり、国家公務員に続き地方公務員に導入し、民間労働者にも拡大することがたくらまれている。
また今度の公務員制度改革は非現業公務員に協約締結権を付与するとしている。これをテコに現業・非現業を一本化して、営々と闘い継がれてきた現業労働者の存在と闘いをなきものにしようとしているのだ。自治労本部・現業評議会は「単純労務」規定撤廃、「職の確立」「現業アクションプラン」で呼応し、これを推進している。
闘いと力関係が身分を保障
今回の公務員制度改革は「首切り自由、賃下げ自由の労資関係」づくりをたくらんでいる。公務員労働者は「労働基本権剥奪の代償措置としての人事院制度によって身分保障されてきた」わけではない。それは2000年に野中広務自民党幹事長が「労働基本権を与えて身分保障を剥奪する」と発言して以来の意図的反動的デマゴギーだ。
「身分保障」とは「懲戒免職・分限免職・欠格失職以外の恣意(しい)的・政治的な解雇はできない」という意味だ。民間で「就業規則に明記された解雇事由以外の恣意的な解雇はできない」のと同じであり、公務員が特段「身分保障」されているわけではないし、労働基本権回復をもって制度的に「解雇自由」になるものでもない。
公務員制度は、職の改廃や定員減によって分限免職ができる制度だ。労働組合の存在と闘い、階級間の力関係が長年にわたって分限免職を阻止してきたのであって、制度によって「身分保障」されてきたわけではない。
だから当局は「解雇」の形をとらず労働強化・配転・嫌がらせ・処分恫喝などによって「退職」に追い込んできた。
豊中市「保育事故」の場合も、当該労働者が渾身の反撃に立たなければ退職に追い込まれ、問題は闇に葬られていた。公務員労働運動は一貫して解雇攻撃との闘いだ。
「国家公務員制度改革関連4法案の今国会成立困難」が報道されているが、支配階級にとってはこの法律が成立よりも、公務員制度改革問題をテコに連合・自治労本部の階級移行を完成させ、首切り自由、賃下げ自由の労資関係をつくり出すことが課題なのだ。勝負はこれからだ。
国鉄決戦を基軸に反原発・反失業闘争、自治体決戦を闘い、8月広島―長崎闘争、自治労長野大会闘争に総決起し、11月労働者集会の歴史的大成功をかちとろう。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2497号4面1)(2011/07/25 )
大飯原発事故弾劾!全原発の廃炉を
原発をとめろ シリーズ(5)
9割が非正規の原発労働 40万人が被曝強いられる
労働者を殺す電力資本の犯罪
福島第一原発事故が破局的に進行する中で、早くも関西電力・大飯原発で重大事故が発生した。”すべての”原発を”今すぐ”なくす闘いに、全国の職場・キャンパス、地域から立ち上がろう。菅政権がペテン的に掲げた「脱原発依存」とは原発を維持・継続するということだ。絶対に許せない。原発には絶対反対以外にない。それは、労働者の被曝を前提として初めて成立するものだからだ。シリーズ最終回は、原発における被曝労働の歴史と実態を明らかにする。
被曝労働こそ資本主義の赤裸々な姿
6・19フクシマ大行動と、それに続く7・17いわき闘争は、日々深刻さの度合いを増す福島第一原発事故と放射能汚染の現実に対し、労働組合が中心軸にすわって農・漁民、全住民の怒りを結集する闘いとなった。”フクシマ”をはじめとする被災地こそ、これからの日本の労働運動・国鉄闘争と反原発闘争の一大拠点となる。この闘いをとことん発展させることこそ、すべての原発を今すぐなくす道だ。
原発建設とその運転は、原発の運転開始以来40年にわたって被曝者を大量に生み出すという現実の上に強行されてきた。2000年代までの30年間で、130万人が原発労働に従事してきたとされているが、その3分の1から4分の1が被曝していると言われている。少なく見ても30〜40万人の被曝者が生み出されてきたのだ。これ自身、ヒロシマ・ナガサキに次ぐ”核戦争”ともいうべき一個の階級戦争だ。
周知のように、放射線・放射能(放射性物質)は生物・人間の遺伝子を直接破壊する。とりわけ放射性物質を体内に取り込む「内部被曝」には”これ以下なら安全”という「しきい値」など存在しないというのが現代医学の常識だ。
こうした状況下で労働することを常に強いられているのが原発労働者である。そこでは水を飲むことや食事・喫煙、さらには汗を手でぬぐうことも、疲れたからといって床に座り込んだり壁によりかかることも、自由にトイレに行くことも”禁止”だ。生物としての「生理」さえ捨て去れというのだ。
原発労働は三重、四重の手袋や靴・靴下を着け、「防護服」を着ての作業となる。しかし、放射線が服を突き抜けて体に突き刺さり続ける。あまりの暑さにその防護服さえ脱ぎ、マスクを外して作業する労働者が続出する。その結果、身体の内外からの被曝によって多くの労働者が生命・健康を奪われてきた。
このように「労働者を殺す」のが原発労働なのだ。資本主義の発展の中から生まれ、その本質をあまりにも赤裸々に示しながら、資本主義体制が成り立つ根拠である「労働力の再生産」そのものを破壊しているのである。生活もできない水準の低賃金を強制された今日の非正規職労働者の現実とまったく同じだ。「原発は低コスト」というブルジョアジーの主張は、「労働者の使い捨て」を前提としている腐りきった主張なのだ。絶対に許せない。
重層的な下請けと徹底した労災隠し
原発労働は人間とその社会を破壊する労働であるが故に、資本・政府による暴力的強制以外に維持できない。それは一方で地方の切り捨てによる過疎化・地方経済の破壊の上に札束で自治体のほおをたたくようなやり方として、他方で労働組合の徹底的な破壊・御用組合化と、下請け化による労働者の徹底的な分断と無権利化として強行される。新自由主義が最も”完成”されているのが原発なのだ。
日本の商業用原発の労働者のうち電力会社の社員は1万人弱なのに対し、下請け労働者は7万5千人(2009年度)。原発では、9割が下請け・非正規職の労働者だ。70年代以降、原発の増設とともに非正規労働者が激増した(図参照)。福島第一原発でも、東電社員1100人ほどに対し、下請け労働者は9000人を超えている。もちろんすべてが偽装請負(契約では「請負」だが実際には派遣)であり、違法行為だ。放射線が飛び交う「危険な現場だ」という理由で、労働基準監督署の検査も管理者の指示のもとで行わざるを得ず、摘発されずにいるのだ。
こうした7次、8次にもなる下請けの構造のもとで、労働者は何重にも分断され、被曝や労災の実態は徹底的に隠されてきた。労働者になされるのは「原発は安全だ」というデマ教育。被曝線量の記録を鉛筆で書き、後でいくらでも改ざんできるようにする。実際労働者が亡くなった翌日に被曝記録を改ざんし、労災を免れようとした例もある。他にも原発内で深刻な事故があっても救急車を呼ばずに事故があったこと自体を隠す、下請け労働者が労働組合を結成したことに対し暴力団やヤクザを仕向けて暴力的に襲いかかる、そもそも労働者がどれくらい被曝したのか、当の労働者には教えない、等々という、およそ資本が労働者に使う悪らつな手段がすべて動員され、当然のようにまかり通ってきた。
こうした全矛盾が3・11”フクシマ”で爆発した。現在福島第一原発では、それまでをもはるかに超える被曝と重労働が強制されている(必ず死に至るような被曝量だ!)。また菅政権・東電は放射能汚染が広がる事実を徹底的に隠し、子どもたちを含めた200万福島県民、数百万の労働者住民を被曝させ続けている。事故を引き起こした責任を徹底的に居直り、40年間にわたって原発労働者に対してやってきたやり方を膨大な労働者・住民に用いているのだ。菅と東電こそ全労働者人民に対する殺人者集団、戦争犯罪人だ。責任を徹底的に追及し、全財産を没収し、監獄にぶち込まなければならない!
闘う労働組合復権の中に展望がある
こうした原発への怒りを徹底的に押さえつけ、原発政策を政府・電力資本とともに推し進めてきたのが連合のダラ幹どもだ。彼らは7月7〜8日の電機連合大会で「電力不足の長期化は日本経済の先行きに不透明感を増すことを懸念する」などと原発の再稼働を要求した。このような労働組合の現状を現場からぶっ飛ばしていくことこそ原発廃止をかちとる道だ。
動労千葉は現在、正規の組合員と外注先の組合員が一丸となって検修業務の全面外注化を阻止する闘いに、青年を先頭に決起している。この動労千葉・動労総連合の闘いを先頭とした国鉄決戦、「労働者が労働組合を作るのは、われわれはモノではなく人間であるからだ」(郵政非正規ユニオン結成宣言)と根底的な闘いを開始した郵政非正規職労働者の魂をわがものとして、すべての職場であらゆる分断を打ち破り、外注化阻止・非正規職撤廃の大闘争に立ち上がり、労働組合を復権させよう。
社会の主人公は労働者だ。労働者が団結を取り戻し、人間としての原点的・根底的怒りを解き放ち叫びをあげた瞬間に、原発の、そして資本主義の息の根が止まるのである。反原発闘争をあらゆる怒りを結集し大爆発させよう。
7・31革共同集会に総結集し、8・6広島−8・9長崎闘争を全原発の即時停止・廃炉を掲げた世界大会としてかちとろう!
〔松本洋人〕
(連載おわり)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2497号4面2)(2011/07/25 )
7・16関西反原発行動 関電の“再稼働”痛撃
沿道の声援、デモ参加も
7月16日、大阪中之島・女神像前で反原発関西行動を5、6月に続いて取り組みました。主催は全学連、関西労組交流センター、婦民全国協の実行委員会。この日は福井県大飯原発の再稼働問題が切迫する中での緊急闘争でもありました。
九州電力・玄海原発の稼働をめぐって佐賀県で大激突が起こっているその裏で、関西電力は福井県大飯原発1号機を3月10日以来「調整運転」という名目で全出力運転を行ってきました。「全原発稼働」のための「ストレステスト」という菅政権の方針を受けて正式な稼働へ踏み込もうとしてきたのです。
大飯原発1号機は設置から30年以上の老朽炉であり、周辺の活断層の存在も指摘され、危険性が高い原発です。他の原発と比べて大飯原発1号機が安全だという根拠は何ひとつありません。政府は大飯原発を「全原発の稼働」を全面的に強行する突破口にしようとしていたのです。
ところが集会当日の16日、この大飯原発で重大事故が発生しました。緊急炉心冷却装置につながる一時冷却系統の蓄圧タンクの圧力が低下し、「8時間かけて手動で停止状態にした」(7月17日付朝日新聞)ことが明らかになったのです。こんな原発は廃炉にする以外にないことは明らかなのです。
関西電力は一方で、美浜原発の廃炉計画と高浜原発4号機でのプルサーマル計画延期の見通しを発表しています。原発に対する労働者人民の怒りの高まりに追いつめられたペテン的な対応にすぎませんが、彼らの基本的な姿勢が「全原発の即時稼働」であることは何も変わっていません。
福島第一原発の大事故で労働者・農民・漁民におびただしい犠牲を強い続けているというのに、政府・電力会社には、原発政策を放棄しようなどという姿勢はみじんもありません。原発の放棄は資本主義の放棄を意味するからです。
集会では、基調報告をはじめ政府と関電資本への激しい怒りが次々と語られ、関電本社へのデモをやり抜きました。関西圏で原発事故が目の前で起きる事態の中で、沿道を行く人びとからも大変な反響が返ってきました。ビラを受け取り、エールやコールで応じてくれました。青年のデモ参加も増えています。
労働者の団結で菅民主党政権を打倒しよう。8・6ヒロシマ〜8・9ナガサキ闘争を「反原発の世界大会」としてともに実現しましょう。
(関西・M)
(写真 大飯原発事故の衝撃の中で全学連、関西労組交流センター、婦民全国協など実行委が緊急闘争【7月16日 大阪市】)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2497号4面3)(2011/07/25 )
“原発廃止・大学奪還”
7・15京大 学生自治会再建へ行動
7月15日、京都大学で「7・15大学奪還学生行動」が打ち抜かれた。昼休みのクスノキ前広場では「すべての原発を直ちにとめよう!原発廃止・大学奪還」のアピールがキャンパスを席巻した。
「6・19フクシマの怒りに追い詰められ、全国の原発が次々と停止に追い込まれている!」「電力不足のデマで原発を再稼動することは絶対に許せない!」「京大は関電の意を受けて『15%節電』をやっている。エアコンが止まって喘息の発作が出る学生もいる。食堂の厨房では『暑さで人が倒れても節電』だと言う。これが大学のやることか!」「大学の腐敗は政府の原発推進政策と一体の新自由主義改革なるものの結果だ。国立大学法人化で関西電力などの大資本が大学を牛耳った」「新自由主義を打ち破る学生自治会を建設し、全国学生ストライキで闘おう!」
多くの学生や労働者が足を止めて聞き入り、ビラを受けとって討論がわきおこった。
昼休み集会後は、原発再稼動を狙う松本総長を弾劾する申し入れ行動を行った。当局の「総長は留守、居場所も分からない」というふざけきった対応に怒りが爆発。施設課の職員を引きずり出し、節電が学生や労働者の健康を破壊している事実をつきつけ、直ちにエアコンの温度設定を自由にさせることを要求し、これを認めさせた。
しかし同じ口で「健康に影響のない人は節電に協力を」と言い放ったことにさらなる怒りが爆発。「実際に学生が被害を受けているのに協力しろとは何だ!」「電力不足というなら具体的根拠を示せ」と追及された当局職員は「具体的数字は示されていない」と吐露する始末だ。学生たちは怒りをもってこの当局を徹底的に弾劾した。「全学連がんばれ」の声援が飛び交った。
夕方の集会では全原発の即時停止・廃止、法人化体制粉砕の学生自治会建設をめぐって熱烈な討論が行われた(写真)。
7・15大学奪還学生行動は、全学生の怒りを体現し、国家と資本の犯罪に手を貸す新自由主義大学の破産を暴きだす大勝利をかちとった。4月開講以来、反原発署名でクラス討論を巻き起こし、原発とそれを必要としてきた新自由主義の是非を問う真剣な議論を積み重ねてきた地平だ。多くの学生が真剣に社会変革を議論し、浅薄な節電キャンペーンの正体は大衆的に見破られたのだ。
7・8東北大集会〜7・15京大集会は、新自由主義による3・11反革命を粉砕する学生自治会を全国のキャンパスに建設する号砲となった。この地平をとことん推し進め、9月全学連大会への歴史的大結集を実現しよう。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2497号4面4)(2011/07/25 )
7月12日〜18日
米軍撤退でアフガン情勢緊迫/菅が「脱原発依存」を口に
●経団連がエネルギー政策提言 経団連が今後のエネルギー政策に関する提言を発表した。原子力発電を「引き続き着実に推進」とし、原発の「速やかな再稼働」を強く求めた。(12日)
●日銀総裁が政府に警告 日銀の白川総裁が記者会見で、原発再稼働の遅れは経済活動を直接制約し、日本経済に悪影響を及ぼすと警告した。(12日)
●自衛隊が原発対処を強化 自衛隊が米軍の放射能対処専門部隊との合同訓練を実施した経験を踏まえ、原発事故への対処能力を総合的に強化する方針を明らかにした。(12日)
●首相が「脱原発依存」掲げる 菅首相が首相官邸で記者会見し、今後は原発への依存度を段階的に下げ、将来は「原発がなくてもやっていける社会」を目指すと発言した。(13日)
●FRB議長が米経済に警告 米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が米雇用情勢は「危機的」として経済のデフレ懸念に言及した。財政赤字についても債務不履行の危機が現実化すれば、リーマンショックと同様の大規模な金融危機を引き起こすと警告した。(13日)
●米軍がアフガン撤退開始 アフガニスタン駐留米軍の撤退が開始され、第一陣650人が撤収した。12日にカルザイ大統領の弟が暗殺されるなどアフガン国内の治安悪化のため、撤退規模は当初予定より縮小。アフガン政府との事前協議や通告もなしに行われ、2日後に初めて公表された。(13日)
●沖縄県議会がオスプレイ配備反対
沖縄県議会がオスプレイの普天間配備に反対し計画の撤回を求める決議を全会一致で可決した。(14日)
●米がサイバー防衛で新戦略 米国防総省がコンピューターネットワーク上のサイバー空間を陸・海・空・宇宙空間に次ぐ5番目の軍事作戦領域と定義し、外国からのサイバー攻撃を「戦争行為」とみなして軍事報復も辞さないとする新戦略を発表した。(14日)
●シリアで百万人デモ 反政府運動が続くシリアで100万人以上が参加した最大規模のデモがあり、治安部隊の発砲で36人が死亡した。(15日)
●米とベトナム海軍が合同訓練 米国とベトナムの海軍による合同訓練が開始され、マレン米統合参謀本部議長が記者会見で「南シナ海での航行の自由確保は米国の死活的利益だ」と強調した。(15日)
●経済同友会が「縮原発」提唱 経済同友会が夏季セミナーで、老朽化した原発の順次廃止などによる「縮原発」を提唱した。(15日)
●ネットの原発事故情報を監視 資源エネルギー庁が原発事故をめぐる「不正確または不適切な」インターネット情報の常時監視・摘発を計画していることが判明した。(15日)
●アフガンで治安権限委譲始まる 北大西洋条約機構(NATO)主導の国際治安支援部隊(ISAF)からアフガニスタン政府への治安権限委譲が開始され、中部バーミヤン州で式典が行われた。その数時間後にカルザイ大統領の側近2人が暗殺され、治安悪化への懸念が現実となった。(17日)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2497号5面1)(2011/07/25 )
教育労働者は8・6−8・9へ
原発絶対反対の先頭に立ち闘う日教組を奪い返そう!
革共同教育労働者委員会
全国の労働者・学生は8・6ヒロシマ―8・9ナガサキに大結集し、熱い熱い反原発デモを実現しよう。6・5国鉄集会―6・11反原発100万人行動―6・19フクシマ大行動で切り開いた地平、動労水戸が主催した7・17いわき集会を引き継ぎ、被爆66年のヒロシマ・ナガサキに反原発・菅打倒の声をとどろかせよう。全国の教育労働者はその先頭で闘おう。
原発廃止へ怒りの大デモを
福島原発大事故をめぐり、人類史上始まって以来最悪の事態が広がっている。メルトダウンをひた隠しにして強制され続けた被曝の結果、3月下旬の時点で福島の子どもたちの45%が甲状腺を被曝していたことも明らかになった。国家・東電による絶対に許せない殺人行為だ。
被災地の住民は、日々命を削って闘い、生き抜いている。6・19福島集会で都路町から避難している住民は「もし経済が原子力に頼らなければ成り立たないとしたら、その経済はもはや人民を奴隷とし、人民の身も心も破壊してしまう魔物です」と訴えた。本当にそのとおり、この魔物こそ帝国主義・新自由主義だ。
こんな連中に殺されてたまるか! これ以上好き放題をやらせてなるものか! 私たちは一刻も早く新自由主義・資本主義を打倒しなければならない。そのために反原発闘争を徹底的に闘おう! 「戦場」で生き抜く被災地の労働者・農民・漁民・学生・子どもたちの怒りを共有し、8・6ヒロシマ―8・9ナガサキで怒りの反原発デモを打ち抜こう!
(写真 今春卒・入学式の不起立で処分された教育労働者への再発防止研修に抗議して「不当処分を撤回しろ! 『10・23通達』撤回!」とシュプレヒコール【7月21日 水道橋・東京都教職員研修センター前】) 連合労働運動が原発を推進
1980年代、当時の首相・中曽根康弘が原発政策を推進するためにやったことが、労働組合を御用組合にすることだった。国家的な不当労働行為を公然とやってのけて、国鉄労働者20万人の首を切り、200人を自殺に追い込んで、国鉄分割・民営化を強行した。そして当時の労組幹部はこの攻撃に震え上がって、総評解散―連合結成になだれ込んだ。
以降、東電労組を始めとする電力総連は、連合全体を原発推進に取り込むために、他労組幹部の高額接待、組合員の原発施設見学、労組幹部の民主党国会議員への送り込みなど何でもやって、原発推進の急先鋒(せんぽう)になっていった。
彼らは、被曝労働を非正規職労働者に押しつけることにも積極的に協力してきた。そして今も労組出身議員が、被曝労働基準の引き上げの責任者をやっているのだ。新自由主義はここまで労働組合幹部を腐敗させた。
福島原発事故は、これまで隠されてきたこれらすべてのことを白日のもとにさらした。新自由主義を支えたのが原発産業であり、連合労働運動だったのだ。
文科省と協調する日教組
2001年に文部省と科学技術庁が統合されて文部科学省になり、経産省と並ぶ原子力政策推進官庁になった。文科省は核武装政策だけでなく、環境放射能検査や被曝放射線管理や原発事故の損害賠償を担い、実に悪辣(あくらつ)な役割を果たしてきた。
さらに文科省は02年から「原子力・エネルギー教育支援事業交付金」制度を創設し、原発PRの副読本の配布、原子力ポスターコンクールや原発関連施設への見学を通して、子どもたちに原発崇拝を刷り込んできた。
この文科省のパートナーとなってきたのが日教組幹部だ。予算要求の場でも、巨額の原子力予算をまったく問題にしてこなかった。日教組本部が3月16日に発した「『東日本大震災』にかかわる声明」には、原発反対・事故弾劾の一言もなかった。7月4日から開かれた日教組大会の運動方針は、「子どもの安全・健康権確立のとりくみ」と言いながら、文科省の「20_シーベルト通知」への批判や弾劾がまったくない。具体的な方針は「ボランティア」動員だけだ。
福島の保護者たちが必死の思いで上京し、文科省交渉に立ち上がっているのに、そこに日教組の旗がないのだ。これでは危機に立つ資本家階級の救済者ではないか!
今こそ教育労働者のすべての怒りを反原発で解き放ち、闘う日教組を甦(よみがえ)らせる時だ!
福島県教組とともに闘おう
全原発停止し廃炉にせよ!
今、あらゆる勢力が「脱原発」「エネルギー政策の転換」を言い始めている。労働者階級の闘いが、革命に発展することを恐れての動きだ。グラグラの菅首相の「脱原発」発言は、オバマの一昨年の「プラハ演説」と同じだ。ウソとペテンで労働者をだましながら、絶対に原発を手放さないのが資本家階級だ!
「全原発を停止し、廃炉にせよ!」を貫いて闘うためには、「復興」イデオロギーとの対決が重要だ。それは資本家階級が延命するための国民総動員の攻撃だからだ。「日の丸・君が代」不起立闘争をめぐる一連の最高裁の「上告棄却」判決と大阪・橋下府知事の「君が代」起立条例制定は、完全にこれと一体の攻撃だ。
菅政権の復興政策の中身は、破産した新自由主義攻撃、民営化・外注化の一層の激化だ。農漁業を株式会社の食い物にし、膨大な労働者を非正規職に置き換え、復興特区の名のもとに法人税免除、労働法制解体を進めようとしている。また大震災を奇貨として、一気に公務員の大量首切りと賃下げ、道州制を推進しようとしているのだ。
すべては労働組合の闘いにかかっている。公務員連絡会は「復興財源のため」と組合員をたぶらかして、国家公務員の賃金1割削減に即座に合意した。原水禁の「脱原発」1000万署名は、反原発運動が資本家階級打倒へと発展することを抑え込むためのものだ。
1980年代半ば以来労働組合を無力な存在に落とし込めて延命してきた堕落した労組幹部から、いよいよ闘う労働組合を奪い返す時が来た。今こそ職場で「反原発」の論議を巻き起こし、団結を取り戻そう。復興政策に協力する「挙国一致」の連合労働運動と実践的に対決し、闘う団結をつくり出そう。被災地、そして福島からその闘いが始まった。
三つの声明を全国の闘いに
福島県教組は5月21日の中央委員会で三つの決議・声明を上げた。「原発被害を許さない/原発推進を許さない/子どもと県民の安心・安全を取り戻す決議」では、「現在、福島県内は『戦争状態』といっても過言ではありません。この違憲状態、国家的犯罪を早急に阻止しなければなりません。当然、福島県内10基の原子炉の完全廃止はもちろん、日本国内さらには全世界の原発推進など許すわけにはいきません。私たちは心の底から怒っています。この怒りは事態が収束を迎えても収まることはありません」と宣言している。さらに「県職員の生活破壊を引き起こした不当な兼務の発令に対する抗議声明」「次年度の教員採用及び講師の安定雇用を求める声明」では、非正規解雇、生活破壊、組合破壊との闘いを訴えている。
福島県教組の仲間の怒りを自らの怒りとし、「被災を理由にした教員削減を許すな」「原発を止めて子どもたちの未来を守ろう」という叫びを、すべての教育労働者のスローガンにしよう!
私たちはこの間ヒロシマ・フクシマ発の反原発1000万署名を全力で取り組み、反原発デモの先頭で闘ってきた。文科省「20_シーベルト」通知をめぐっては、各県教組・地区教組の大会で撤回に向けた一大論議を組織してきた。非正規職の撤廃を目指して、講師の解雇撤回闘争を闘い、組合員の拡大を実現してきた。また反原発教育への弾圧を当該労働者と現場労働者の団結で打ち破ってきた。
私たちは、新自由主義政策の最悪の犯罪=原発事故のただ中で、腐った組合幹部の手から労働組合を奪い返す具体的な闘いを各地で一斉に開始している。これこそが闘う労働組合を再生していく道だ! 福島県教組と一つになって、日教組運動の再生に突き進もう。
8・6を反原発の世界大会に
国労本部は1047名解雇撤回闘争を終わらせ、7月末の国労定期全国大会では、闘争団員から組合員資格を奪う規約改定を強行しようとしている。これは国労本部がJR大再編に向けた全面外注化・非正規職化の先兵になるという宣言だ。
私たちは昨年6月に「国鉄闘争の火を消すな」と国鉄闘争全国運動を立ち上げ、動労千葉はこの1年間、外注化阻止闘争の先頭に立ち、国労の闘う仲間とともに1047名解雇撤回闘争を守り抜いてきた。あらゆる産別で職場闘争を開始し、解雇された仲間を支え、それをとおして新自由主義攻撃に立ち向かう全国の労働者の階級的な団結を発展させてきた。新たに組合を立ち上げた郵政非正規ユニオンを先頭に、非正規職撤廃の闘いが猛然と開始されている。
国鉄闘争全国運動は、6・5集会の大結集で3・11大震災情勢に立ち向かう団結を打ち固め、6・19フクシマ大行動の闘いを大成功させた。
反原発・反失業闘争の前進は、国鉄闘争全国運動の発展と一体だ。この中に、労働者階級が生き抜き「ふるさとを奪い返す」道がある。
8・6をヒロシマ―ナガサキ―フクシマをつなぐ歴史的な反原発の世界大会にしよう! とりわけ青年労働者の怒りを組織し、教育労働者の大結集を実現しよう!
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2497号5面2)(2011/07/25 )
東京「日の丸・君が代」被処分者 不当研修に反撃
“恥ずべきことない”
東京都教育委員会は7月21日、今春の卒・入学式で「日の丸・君が代」強制に反対して不起立で闘った教育労働者3人に対する「服務事故再発防止研修」を強行した。研修会場の文京区の東京都教職員研修センター前では朝から昼過ぎまで、教育労働者を先頭に多くの仲間が抗議行動を闘いぬいた。
この日、研修の対象とされたのは、不起立処分を受けた7人のうち、3回目で減給(10分の1)6カ月処分を受けた都立高の2人と、今年初めて戒告処分を受けた都立特別支援学校の1人。
研修は、1回目の被処分者は2時間20分、2回目以上の人は3時間15分にも及ぶ。しかし研修を終えて会場から出てきた被処分者の顔はまったく明るい。「今の都教委はこんなものか、というのが感想」「顔を上げて、笑う感じで受けてきました」などと、したたかに抵抗し続ける意志を示した。今年初めて処分された教育労働者も、「今年初めて不起立を現認された。不起立という行為はけっして恥ずべきものではない。自分の行為は、なんら非難されるいわれはないものだ」ときっぱりと述べた。
停職処分を受けながら闘い続けてきた根津公子さんも駆けつけ、「若い人が不起立で闘っていることこそ希望。退職した私たちも、若い人たちに働きかけ、立ち上がる人たちを支えていこう」と訴えた。
今春の卒・入学式は、都教委が03年「10・23通達」を出してから8年目。8年たっても教育労働者が不起立を貫き抵抗し続けていることは、都教委に大きな打撃を与えている。「再発防止研修」は、「再発」をまったく防止できない都教委の敗北宣言だ。しかも今春も初めて処分を受けた人が登場し、不起立をしても処分を出せないケースも相次いだ。裁判所がどんな反動判決を出そうとも、労働者としての誇りに満ちた抵抗が継続し拡大していることこそが勝利だ。
原発と原発事故に対するあふれる怒りと結びついて、職場から闘いを組織して団結を押し広げよう。大阪府知事・橋下の「君が代」起立条例・処分条例をうち砕こう。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2497号5面3)(2011/07/25 )
9月全学連大会に総結集を
原発反対! 「教育の民営化」と対決し、学生自治会甦らせよう
来る9月9〜10日、全学連第72回定期全国大会が東京で開催される。今大会は、反原発闘争が大高揚する中で開かれようとしている。全原発の停止・廃炉へ、学生こそが社会変革の最先頭に立とう。「戦争と生活破壊」「教育の民営化」と対決し、学生自治会をよみがえらせ、学生は団結して未来を切り開こう。全学連大会への招請状を紹介します。(編集局)
招請状
全原発の停止・廃炉!「教育の民営化」と対決し、学生自治会を甦らせよう!
全国の学友は、全学連第72回定期全国大会に集まろう!
2011年7月8日 全学連中央執行委員会(織田陽介委員長)
全国学友のみなさん! 全学連中央執行委員会は9月9日〜10日に開催する全学連第72回定期全国大会への結集を訴えます。
第一に、キャンパスから「原発反対!」の声をあげ、学生自治会を甦らせよう! 全原発の停止・廃炉を求めるすべての学生は、全学連大会に集まろう。原発推進・稼働を最優先し、人命や住民の生活を切り捨てる――福島第一原発事故や玄海原発の再稼働をめぐって示された菅政権の本性は、あらゆる人々の怒りをかきたてています。今やこの怒りは6月11日の全国100万人デモをはじめとする大衆行動の爆発としてあらわれ、全原発の停止・廃炉に向けての壮大な展望を切り開いています。何よりも「フクシマの怒り」です。放射能への恐怖をはねのけ、「原発がなくなったら生活はどうする」「今までカネをもらってきたじゃないか」などの非難をふりきり、6月19日に福島現地で原発反対の大デモが行われました。そしてその怒りは全世界に波及し、ドイツやイタリアではついに、原発推進政策にノーが叩きつけられました。
あらゆる反原発デモの先頭に、私たちと同じ、未来を担う青年・学生が立っています。原発を止める力は私たち学生自身の中にあります。原発事故を契機に、原発推進大学と御用学者の存在が明らかになりました。長崎大学の山下俊一教授(福島県放射線健康リスク管理アドバイザー)は、「低線量被曝なら人体に影響はない」と被曝を容認しています。それだけでなく、「節電」キャンペーンによって大学をあげて原発推進政策に与しています。福島大生は言います。「私たちが発言すれば変わります。原発はなくせます」(6・19福島集会での発言)――原子力政策は、原発を擁護し、幻想をふりまく御用学者がいることによって成り立っています。キャンパスから「原発反対!」の声をあげ、御用学者を叩きだそう!
第二に、「戦争と生活破壊」と闘い、学生自治会を甦らせよう! 日本の原子力政策の根幹には、核武装の欲求があります。原発とともに、核と戦争に反対の声を上げよう! さる6月21日に開催された日米安全保障協議委員会(2プラス2)では、「中国の脅威」が日米で確認され、沖縄・辺野古への新基地建設が決定されました。これは日米同盟の重大な強化、新たな戦争への踏み込みです。カネと暴力にモノを言わせ、基地建設を強行するあり方は、原発建設とまったく同じです。基地や原発を必要とする社会のあり方そのものを根本的に変えなければなりません。そして、日本の有事体制の要=成田軍事空港建設と闘う三里塚闘争に連帯しよう!
さらに、仲間と自らの生活・未来をかけ、学生は闘いに立ち上がろう! 大震災下で百万単位で吹き荒れる首切りと賃下げ、過去最低の学生の就職内定率。「学費―就活―奨学金」によって、学生は食い物にされています。そして、学生・労働者にすべての犠牲を押しつけ、国家と大企業(大資本)の利益を確保しようとするのが菅政権です。「百年に一度の危機」と言われる現在の世界大恐慌の中で、一方では資源・市場をめぐる国家間の対立(戦争)が激化し、他方ではこれまでにないほど学生や労働者の生活が脅かされています。「戦争反対」と「生活防衛」を掲げ結成された1948年の全学連結成時の闘いが、今こそ求められています。
第三に、「教育の民営化(私物化)」による大学・学問の腐敗と闘い、学生自治会を甦らせよう! 大学による原発推進は、「教育の民営化」と一体的に進行しました。「教育の民営化」とは何か。「大学とは原材料を仕入れ、加工して製品に仕上げ、卒業証書をつけて企業に送り出す場所である」(首都大学東京理事長・高橋宏)――この言葉や「産官学」路線に象徴されるように、現在の大学は、企業と一体となって大学を金もうけの場に変えると同時に、学生からあらゆる権利・自由を奪い、社会を批判し大学に反抗する芽をつみとるため、学生の団結(学生自治)を解体してきました。
その象徴が2004年の国立大学法人化です。2001年の中央省庁再編により、文部省と原子力推進政策を担ってきた科学技術庁が統合され、文部科学省が誕生しました。それまで禁じられていた原子力予算の大学への直接の供与が大々的に行われ始め、国立大学法人化によって教育予算を削減される大学、あるいは原発利権に群がる大学が雪崩をうって原発推進の道に進んでいきました。
しかしこれに対し、2006年以来の法政大学における闘いは、「教育の民営化」をうち破り、学生の団結を拡大し続けています。この闘いに続き7月8日には被災地・東北大学で学生自治会が主催するキャンパス集会が開催されました。法大と東北大に続き、全国の自治会・寮・サークルで「教育の民営化」と闘い、学生自治をつくろう!
歴史の帰趨は、私たち学生の双肩にかかっています。常に日本の学生は時代の最先端、社会変革の最先頭に立ってきました。今こそ学生の力が求められています。300万学生は全学連第72回定期全国大会に集まろう!
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2497号5面4)(2011/07/25 )
日程 全学連第72回定期全国大会
9月9日(金)〜10日(土) 東京
参加費/1000円(資料代など。宿泊費は除く)
連絡先/電話 050-3036-6464
mail_cn001@zengakuren.jp http://www.zengakuren.jp/
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2497号6面1)(2011/07/25 )
“強制撤去を許さないぞ”
三里塚 現闘本部破壊阻止を宣言
「収去命令」弾劾し緊急闘争
7月18日、三里塚芝山連合空港反対同盟の呼びかけで緊急現地闘争が闘われた。天神峰現地闘争本部破壊の攻撃が迫る中、労働者・農民・学生・市民250人が猛暑をはねのけて結集し、ともに闘う決意を固めた。
市東孝雄さん宅南の開拓組合道路に接する萩原進さんの畑がこの日の会場だ。目の前に新たに機動隊の宿舎が建てられている。これも第3誘導路工事の関連で移転してきたものだ。
萩原富夫さんの司会で集会が始まり、最初に北原鉱治事務局長が発言に立った。北原さんは、東京高裁と千葉地裁が公平・公正の建前すらかなぐり捨てて現闘本部破壊へと歩を進めていることを「三権分立はどこへ行った!」と弾劾し、「三里塚は闘い続ける」と不屈の決意を示した。
続いて天神峰の市東孝雄さんが、5月20日東京高裁での50人逮捕の大弾圧を怒りを込めて振り返り、「現闘本部への攻撃は私の農地を奪おうとする攻撃でもある。農民にとって土地を取られるのは死ねということ。絶対に許さない。私は体を張って闘う」と闘志と勝利感にあふれた闘争宣言をたたきつけた。
萩原進事務局次長が基調報告に立った。「牛肉の放射能汚染が問題になる中で、福島の農民、酪農家は苦しみにあえいでいる。この苦しみを受けとめ、同じ立場に立って闘いの指針を示す時だ。東電と政府の悪行に全責任を取らせなければならない。国家権力の手先に成り果てた裁判所によるデタラメな現闘本部裁判の判決・決定に対しては、制約をもうけずあらゆる方法で闘う。その闘いの炎は福島の農民にも届くだろう」と三里塚実力闘争の道に確信を与えた。さらに沖縄の反基地闘争、弾圧と闘う関西生コン支部との連帯を訴え、現闘本部破壊攻撃が始まった時にはただちに全力で現地に結集して闘うことを呼びかけた。
反対同盟顧問弁護団の葉山岳夫弁護士が、7月4日に千葉地裁によって出された現闘本部「収去命令」の矛盾と違法性を暴いた。同命令はわざわざ「成田治安法で閉鎖措置が取られていても収去できる」「建物の中に旧建物が残っていたら、それも撤去する」と原判決を超えて言及している。「閉鎖が解除されていない以上、収去は違法・犯罪行為であり、それに対する実力阻止闘争は正当防衛だ」と葉山さんは全参加者を鼓舞激励した。
動労千葉の滝口誠さんが連帯発言に立ち、「現闘本部と市東さんの土地は自分の体の一部」と強調し、千葉県下の労働者、農民、漁民の苦境をわがこととして反撃に立つことをアピールした。
さらに関実に続いて、「市東さんの農地取り上げに反対する会」の農民が市東さんとともに現闘本部破壊攻撃に立ち向かう決意を明らかにした。
婦人行動隊・宮本麻子さんのカンパアピールに続き、全学連の織田陽介委員長が「反原発闘争の大発展のために、三里塚闘争を決定的な柱に押し上げる。反原発闘争を闘う人びとがこぞって三里塚に結集する情勢をつくる」と決意表明した。
鈴木謙太郎さんの「緊急時にただちに現地結集を」との行動提起と団結ガンバロー三唱で集会を締めくくり、デモに出発した。デモ隊は市東さんが南台の畑までの行き来を強いられている「迂回ルート」を進んだ。新調した反対同盟ののぼりが林立し、「農地死守」の心意気を表している。
市東さんの畑に到着すると、フェンスに囲まれた現闘本部が見える。今この建物周囲では破壊のために使われる道路が整備されている!
市東さんを先頭にデモ参加者は続々とこのフェンスぎわまで詰めかけ「現闘本部破壊を許さないぞ!」のコールをたたきつけた。高いフェンスの上から見下ろしていたNAAと警察はあわてふためき「退去しろ……」などと叫ぶが、弾劾の声は高まるばかりだ。北原さんは宣伝カーから大音声で「成田警察署長に告ぐ。警察を引き下がらせろ!」と一喝した。
反対同盟の闘魂に応え、現闘本部破壊を阻止しよう。福島、そして全国の労働者・農民の怒りを体現して闘おう!
(写真上 真新しいのぼりを林立させ反対同盟がデモの先頭に【7月18日 成田市】)
(写真下 市東さんの畑から現闘本部を囲むフェンスのまぎわに詰めかけ、NAAと機動隊に徹底弾劾をたたきつけた)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2497号6面2)(2011/07/25 )
杉並 「つくる会」採択阻止を
原発推進教科書を葬ろう
今夏、中学校の教科書採択が行われる。「新しい歴史教科書をつくる会」(自由社)、「教科書改善の会」(育鵬社)の歴史・公民教科書の採択を阻止しよう。
「つくる会」は「日本の歴史を肯定し、こどもたちに国を愛する心を持たせる」ためにこの教科書をつくったと主張している。もはや国家の体をなさなくなった日本の資本主義体制を維持するために、天皇を使い、「お国」のために命を投げ出す子ども、資本のために滅私奉公で働く子どもを育成するのがこの教科書の目的だ。労働者の団結を破壊し、革命に立ち上がらせないことが目的だ。
3・11東日本大震災と福島原発事故は新自由主義政策の帰結であり、資本主義の本質を露呈させた。3・11でつかんだことは”帝国主義・資本主義のもとでは労働者・農民・漁民・中小自営業者はもう生きていけない!
社会を変えよう!”ということだ。
反対の声を封殺
最も決定的なことは原発についての記述だ。両社は原発推進、礼賛の立場だ。自由社の雑誌には東京電力が出資し、原発推進記事を掲載してきた。「つくる会」の藤岡信勝は東電労組の研修会に講師として招かれている。育鵬社の親会社であるフジサンケイグループは、今年4月、地球環境大賞の受賞者に東京電力を選んでいる。いまや全人民の怒りの的になっている原子力村の一角に「つくる会」と「改善の会」が巣くっているのだ。
育鵬社の公民教科書は、わざわざ1nを使って「国家規模の政策」として原発の開発について取り上げている。「原発を除くと日本のエネルギー自給率は4%」と危機感をあおり、「軍事保障などを総合的に考える必要がある」「国の将来を考え対立を合意に導く努力が求められる」「原発と共存を」と、国策に反対するな、従えと強要している。
九州電力の説明会での偽メール事件に象徴されるように、原発の建設は電力会社や国を挙げての買収と警察などの暴力、マスコミの宣伝、大学などの研究機関、裁判所、御用労働組合が結託して根強い反対運動を抑え込んで進められてきた。福島第一原発の事故で「安全・クリーン」の宣伝がウソだったことが暴かれた。原子力政策=核武装化政策を進めてきた癒着構造も暴かれた。
鍵は労組の闘い
原発事故を契機に「未来を奪い返せ!」「社会を変えよう」と競争と分断を打ち破り青年が反原発の闘いの先頭に立ち、大きな団結をつくり始めた。
教育労働者は原発推進をあおる教科書で教えることなどできない。子どもたちも納得しない。教育労働者は第2次大戦後、「教え子を戦場に送るな!」と立ち上がった。それと同じように「福島の子どもたちを守れ!」という闘いが始まっている。反原発闘争のうねりを拡大し、原発推進教科書を葬り去ろう。@dan
2005年、山田宏・杉並区長(当時)は違法不法の限りを尽くして、教員の評価が最低だった「つくる会」の歴史教科書を採択した。しかし、教育労働者を先頭に採択撤回の激しい闘いが続けられた結果、採択以来6年たっても現場の教育労働者はこの教科書を認めていない。
現在、杉並区の教育委員5人の内、過半数の3人が2年前に「つくる会」を推進した教育委員である。ところが、今まで「つくる会」教科書に反対してきた社民(民主と合流)、生活ネット、福士派は「つくる会」教科書を推進してきた教育長の再任に賛成票を投じた。また、労働組合の中に「首長が代わったから闘わなくても大丈夫」と悪宣伝も振りまかれている。労働組合が問われている。闘う教育労働者や反原発の闘いと結び、採択阻止署名を拡大しよう。8・6広島−8・9長崎反戦反核・反原発闘争の高揚をかちとり、教育委員会での採択が予想される8月10日、杉並区役所を包囲する闘いを爆発させよう!
(東京・西部 飯野依子)
(写真 原発推進・戦争賛美の教科書採択に反対する署名活動【7月13日 杉並区役所前】)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2497号6面3)(2011/07/25 )
栃木・下野 育鵬社歴史教科書を否決
百万人署名・栃木が奮闘
栃木県下野(しもつけ)市で7月21日、「教科書改善の会」が執筆した育鵬社版歴史教科書の採択をひっくり返しました。大勝利です。
下野市教科書選定委員会は7月15日、歴史教科書に育鵬社を選定、21日の教育委員会で最終決定しようとしていました。
百万人署名運動・栃木県連絡会は20日、教育長と面会し「育鵬社の歴史教科書を採択しないように」と要請書を提出しました。そして育鵬社の歴史教科書が日本帝国主義の侵略戦争を美化しているばかりか、同社の公民教科書が原発を”安全でクリーン”とデマ宣伝していることを指摘し、教育長を追及しました。
「下野市教科書選定委員会が育鵬社選定」の報は県内・全国の闘う人びと、原発事故に怒りを燃やす青年の怒りを呼び、21日の市教委は60席の傍聴席が満杯になりました。
歴史教科書の選定委員会では当初3番目の候補だった育鵬社が最終「選定」で1社だけになっていました。主導したのは教育長です。しかし、市教委では教育長が「教育基本法が改定(改悪だ!)され、愛国心教育が重視されることになったのだから育鵬社採択を」と自説を満展開すると、ほかの委員から疑問や意見が続出し、採択で育鵬社の教科書は否決されたのです!
2001年、現在の下野市の一部を含む旧下都賀(しもつが)地区採択協議会は、全国に先駆けて「新しい歴史教科書をつくる会」執筆の扶桑社版教科書を採択し、「つくる会」はこれを突破口にしようとしました。しかし抗議が集中し、大攻防の末、採択協議会に採択をやり直させて全市町村でひっくり返しました。右翼はこの10年間「下都賀でリベンジを」と叫んできました。
15日に大田原市で育鵬社歴史・公民教科書の採択が強行されました。下野市での勝利は決定的です。全国で採択を絶対阻止しよう!
(栃木・K)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2497号6面4)(2011/07/25 )
大田原の採択弾劾
全国で反対運動起こそう
栃木県大田原市教育委員会は7月15日、来春から使う中学校の歴史と公民の教科書について育鵬社版の採択を強行した。大田原市は05年、09年と2回にわたり「新しい歴史教科書をつくる会」の扶桑社版の歴史・公民教科書を採択してきたが、それに続く採択となった。徹底的に弾劾する。
育鵬社版や自由社版(「新しい歴史教科書をつくる会」が執筆)の歴史・公民教科書の採択を狙う右翼勢力は、06年に改悪された教育基本法をよりどころに、全国の自治体に「(新教育基本法に)最も適した教科書の採択を求める」請願を提出し、決議運動を展開している。都道府県議会だけでも神奈川、埼玉、千葉、茨城、宮城、秋田、京都、岐阜、富山、石川、熊本などが同決議を可決している。情勢は緊迫している。
全国各地で闘いを巻き起こし、育鵬社版・自由社版の歴史・公民教科書の採択を阻もう。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2497号6面5)(2011/07/25 )
共産主義者169号
3・11情勢への党の立場確立した全国代表者会議
革共同は全国代表者会議を開催し、3・11情勢への党の基本的立場を確立した。この全国代表者会議の三つの報告が今号のメインである。
労働者階級と革命的共産主義運動は2011年春、大恐慌下の東日本大震災・福島原発大事故という最大の試練に直面した。未曽有の大災害を階級的につかんで革命への奔流を生み出そうと自己変革をかけてこれと対決するのか否か。このことがすべての勢力に問われた。
全党の絆強める
全国代表者会議は第一に、この階級的試練に対して労働組合を軸に根底的に対決する全国的意志一致を圧倒的にかちとった。東北の同志たちが生きぬき闘っている現実と心を一つにした。これは何ものにも替えることができない全党の階級的絆(きずな)である。
第二に、3・11情勢がプロレタリア世界革命情勢の急速な接近にほかならないことを、大恐慌論と新自由主義論を軸に明らかにした。
第三に、全党が反原発・反失業闘争の先頭に立つことが日本革命の最短の道であることを確認した。革共同が6千万労働者階級の存在と怒りと結びつくこと、そのために労働組合運動の365日の実践をかちとること、そのなかで革共同の変革と飛躍をやりとげること――これが当面の最大の課題であることを確認した。
今号に掲載した三つの報告は、全国代表者会議の討議とその後の内外情勢の展開をふまえて加筆・修正されている。全党とすべての労働者が3・11情勢に対する革共同の認識と立場を理解・学習する上で最良のものとなっている。
「第1報告」は、大震災と原発事故を資本と国家による犯罪として激しく断罪している。そして、マルクス主義の労働者自己解放の立場からこれらがもたらしている事態への根源的な怒りを爆発させ、これに立ち向かい、勝利していく路線を力強く訴える必読の基調報告である。
とりわけ、われわれが戦後革命期の闘いを必ず引き継ぐとの立場から、戦後革命期の攻防の核心が「戦後復興イデオロギーをのりこえる労働者の階級的団結」にあったこと、今日の動労千葉を先頭とする国鉄闘争は、復興イデオロギーに屈服し敗北した電産の闘いをのりこえて進んでいることを力強く確認していることは大切である。
「第2報告」は、大震災と原発事故をもたらしたのが新自由主義であることを暴露するとともに、これらが「日本発大恐慌」をさらに激化させていく構造を明らかにしている。何よりもアメリカを始めとして深まる世界大恐慌情勢の中で3・11をとらえ、日本における闘いの世界史的な意義をつかむ上で決定的な報告である。
「特別報告」は、革共同の階級的労働運動路線に敵対して脱落した塩川一派が、3・11情勢において純然たる小ブル反革命に転落しているさまを暴き出している。機関紙で「トモダチ作戦」を賛美するまでに転落した塩川一派の反革命的本質が、労働者階級の立場を放棄した彼らの「現代革命綱領案」に表れていることを鋭くえぐり出している。
7月国鉄決戦へ
革共同国鉄委員会論文は7月国労大会決戦に向けた路線論文である。国鉄全国運動の6・5全国集会の大成功を総括した上で、この間のJR労働運動の大再編情勢が国労をJRの手先にする攻撃であることを明らかにしている。そして、反原発闘争の爆発と平成採の怒りと結びついて動労千葉派がなんとしても主導権を握りしめる決意を宣言している。
須藤論文は、鉄建公団訴訟の上告を棄却した最高裁を徹底弾劾し、国鉄分割・民営化を推し進めてきた中曽根やJRの頭目たちと裁判所が国鉄闘争と反原発闘争にいかに敵対してきたのかを具体的に歴史的に暴き出した読み応えのある書き下ろし論文である。
本号には3・11の直後に出された革共同声明と『前進』春季特別号論文も再録した。特に春特論文は、戦後革命期の敗北を今日の情勢の中でのりこえることを内容豊かに訴えており、きわめて重要だ。本号を学習会・組織拡大の武器として活用されることを強く訴えたい。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2497号6面6)(2011/07/25 )
日程 8月広島-長崎反戦反核・反原発闘争
広島
☆被爆66周年 ヒロシマ・ナガサキ、フクシマをくりかえすな!
反戦反核・原発廃止ヒロシマアピール
8月6日(土)午前9時 原爆ドーム前に集合 午前10時デモ出発(〜県立総合体育館)
すべての核と原発をなくせ! 戦争をとめよう!
8・6ヒロシマ大行動
8月6日(土)12時半〜午後2時半 広島県立総合体育館小アリーナ(旧広島市民球場北)
8・6ヒロシマ大行進
午後3時 デモ出発(〜平和公園資料館前)
主催 被爆66周年8・6ヒロシマ大行動実行委員会
----------------------------------
労働者産別交流集会
5日(金)午後1時 広島市東区民文化センター(東区東蟹屋町10-31)
反原発ヒロシマ集会
5日(金)午後6時 広島市東区民文化センター
全国青年労働者交流集会
7日(日)午前10時 広島工業大学広島校舎大会議室(中区中島町5-7)
全国学生集会
7日(日)午前10時 広島市南区民文化センター(南区比治山本町16-27)
----------------------------------
菅首相来広・祈念式典弾劾デモ
6日(土)午前7時 東千田公園(日赤原爆病院前)
主催 8・6広島-8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会
------------------------------------------
長崎
☆福島原発事故を絶対に許さない! 核武装と失業の政策に、労働者の怒りを!
祈念式典菅参加弾劾デモ
8月9日(火)午前10時 城栄公園(路面電車・大橋駅下車)
8・9長崎反戦反核反原発集会
8月9日(火)午後1時半 長崎県勤労福祉会館2階講堂(路面電車・公会堂前下車)
主催 8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会
------------------------------------------
朝鮮人原爆犠牲者追悼式典
9日(火)午前7時半 爆心地公園の原爆朝鮮人犠牲者追悼碑
主催 長崎朝鮮人の人権を守る会
---------------------------------------------------