ZENSHIN 2011/07/18(No2496 p06)
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週刊『前進』(2496号1面1)(2011/07/18 )
革共同集会から菅打倒へ
全原発を直ちに停止し廃炉に
7月国労大会決戦に総決起し「闘争終結宣言」を粉砕しよう
(写真 “大学を奪い返せ!”東北大で集会とデモ 「反原発!大学奪還!」を掲げた7・8東北大集会に150人の学生が結集。学生自治会の決起と全国学生の団結でキャンパスを解放する大成功をかちとった【7月8日 仙台市】=記事5面)
現闘本部を守り抜け! 7・18三里塚現地闘争へ (午後1時30分市東さん宅南側開拓組合道路脇)
生きさせろ! 今ただちに、生きるために必要なすべてを労働者によこせ! 全世界に革命情勢が広がり深まっている。その根底で大恐慌が深化し、それが階級戦争として火を噴いている。資本家階級はこの階級戦争の果てに、労働者同士を殺し合わせる侵略戦争・帝国主義戦争に動員しようとする。資本家階級を打倒し、これをぶっ止めなければならない。プロレタリア革命の勝利こそが、大恐慌と3・11情勢をのりこえ、全原発を即時停止・廃炉にし、帝国主義の戦争をも阻む唯一の道だ。革命情勢を実際の革命に転化するために必要なのは、闘う労働組合の再生と、党と労働組合の一体的建設だ。7月国鉄決戦に総決起しよう。反原発を真っ向から掲げて8・6ヒロシマ−8・9ナガサキに総結集しよう。
世界は革命情勢にある
原発への怒り、解雇と非正規労働への怒りに燃えるすべての労働者に訴える。とりわけ連合など既成の労組からとことん疎外され、生きることそのものが闘いとなっている全青年労働者、被災地の労働者に心から呼びかけたい。”7月革共同政治集会に結集し、団結して8・6広島−8・9長崎の反原発・反戦反核大闘争をともに闘おう!”と。
第一に訴えたいことは、今、世界は革命情勢だということだ。各国で労働者階級が立ち上がっている。資本主義体制そのものを否定し、原発も核も戦争もない、搾取や差別もない社会を求めている。労働者階級に国境はない。世界の労働者は一つだ。この団結の拡大こそ世界を変える力だ。
何よりもチュニジアとエジプトの革命は、世界革命の巨大な突破口であった。ヨーロッパではギリシャ、イタリア、スペインを始めすべての国でゼネスト情勢だ。物価上昇に抗議し、中国・上海ではトラック1000台が道路を封鎖し物流を止めた。各地で暴動やストが激発する中国は、今や完全に”エジプト情勢”になっている。アメリカでもILWU(国際港湾倉庫労組)を先頭に、ウィスコンシン州に始まる労働者の決起と固く結びついて闘っている。
そして日本でも6・5国鉄集会−6・11反原発100万人デモ−6・19フクシマ大行動に結実した、原発と新自由主義・震災解雇への怒りは根底的なものがある。国鉄闘争を基軸にして職場生産点から階級的団結を拡大していく闘いが、熱く激しい勢いで登場している。この道を勝利まで断固突き進もう。
大恐慌の本格的な激化
第二に訴えたいことは今、世界の資本主義・帝国主義は、1929年の大恐慌をも超える世界大恐慌の全面的爆発へ向かっているということだ。
米帝オバマは、アメリカ国家の体制破綻の危機にのたうち回って、その矛盾を国内外のインフレや大失業に転嫁し、中国など新興諸国をバブル経済化させ、それを崩壊の危機にさらしている。一方、ギリシャ国家財政の破綻は「ヨーロッパのサブプライムローン」として全欧州経済が奈落の底に落ちる危機にある。
しかもこれら全体が、「基軸国」米帝の危機、ドル暴落の危機と直結している。アメリカは8月2日までに債務上限の引き上げを議決しなければ債務不履行(デフォルト)になる。だが議会で共和党と民主党が激突し、危機突破の展望が出ない。QE2(金融の量的緩和第2弾)の破綻も明らかだ。13日に米FRB(連邦準備制度理事会)議長のバーナンキは「景気減速は続く。失業者の半数が6カ月以上の失業であり、第2次大戦以降で最高」と悲鳴を上げている。
結局は、全矛盾と犠牲を労働者階級人民に押しつける以外に帝国主義の延命の道はなく、支配階級は「財政再建しなければ国が滅びる」と恫喝し大増税や社会保障の大幅削減に訴えている。この点で菅とオバマは同一であり、日米の階級闘争は完全に連動している。
帝国主義は、すでに一つの社会を形成する力を失い、歴史的寿命が尽き果てた存在なのだ。だからこそ新自由主義政策のもとで米帝は凶暴化し、中国との戦争的激突をも辞さず緊張を激化させ、世界戦争の道にのめり込んでいる。しかしこれは逆に革命情勢を一層促進するのだ。
8月広島−長崎闘争へ
第三に訴えたいことは、3・11情勢のもとにある日本の労働者階級こそが、この歴史の転換点で世界の階級闘争の最先頭に登場し、プロレタリア革命の勝利を切り開くために確信も固く闘おうということだ。
この間、日本の政治で起きていることは何か。菅政権は、大恐慌と大震災・原発事故の体制崩壊的危機のもと、日帝の資本主義的延命の展望が閉ざされ、誰も責任をとる政治家がいない中で、ボナパルティストとして厚顔無恥に政権の座にしがみついている。支配階級の分裂・対立は絶望的に激化している。日本経団連の提言「復興・創生マスタープラン」は新自由主義そのものであり、大資本の救済がすべてであり、被災地人民の救援などどうでもいいという反人民的なものだ。
フクシマの怒りと反原発闘争のうねりに追いつめられた菅が、迷走の果てに打ち出したストレステストや「原発依存の段階的引き下げ」なるものは、とんでもないペテンだ。菅はもともと「将来は原発に53%依存する」とし、新成長戦略の目玉に原発輸出を据えてきた。ここにも明らかなように、菅はあくまでも原発体制を維持しようとしている。そのために体制内的な「脱原発」勢力をも取り込みつつ、当面の危機のりきりのために「原発に依存しない社会」なるパフォーマンスを演じているのだ。
そもそも福島の現実をどうするのだ。労働者や農漁民は死に絶えても構わないというのが今、政府と大資本のやっていることだ。もともと政府も東電も、放射能対策などまったく考えてこなかった。原発体制の崩壊は日帝・資本の崩壊に直結するため、どんなことがあっても原発推進体制を維持することが、日帝資本家階級と菅政権の基本路線なのだ。
だが労働者階級は、これまでさんざん踏みにじられて来たが、もう許さないと怒りをたぎらせている。この怒りの先頭で闘おう。原発再稼働を断じて許すな。菅の広島・長崎来訪を阻止せよ。8・6ヒロシマ大行動を、反原発・反戦反核の闘う世界大会にしよう。
闘う労働組合の再生を
第四に訴えたいことは闘う労働組合の再生と、党と労働組合の一体的建設にこそ、労働者の勝利の道があるということだ。その基軸こそ国鉄決戦だ。とりわけ6月末で国鉄1047名解雇撤回、分割・民営化反対の旗を降ろした国労本部を打倒し、闘う組合員が今こそ彼らに取って代わらなければならない。7月国労大会決戦に総決起しよう。
動労千葉は「日刊動労千葉」7月1日付の声明で「何のための24年間の闘いだったのか」と問うている。そして、闘争終結とともに闘争団員の組合員資格をはく奪し、会社の就業規則をそのまま協約化した総合労働協約の締結を申し出るという国労の恥ずべき「闘争終結」を徹底弾劾している。そして「労働組合の力は職場の団結にあり、勝利の展望は闘いの渦中でこそ生まれる」と檄(げき)を発している。
この1年間で5波のストを打ち、青年労働者を積極的に組織して、この夏も外注化絶対阻止で決起する動労千葉とともに闘い、国鉄闘争全国運動を発展させ、動労千葉を支援する会を全国の職場に広げよう。国労大会での一部幹部による国労解体クーデターを断じて許さず、国労を現場組合員の手に取り戻そう。
国鉄決戦は、全産別、全労働組合をめぐる闘いの軸であり、崩壊的危機の日帝を打ち倒す最深の土台だ。それは震災解雇、復興特区(労働法制解体の規制緩和)を許さず、「公務員制度改革」による労組破壊、360万公務員首切り攻撃との本格的な決戦でもある。
JRや郵政の青年労働者を先頭に、4大産別の青年労働者、非正規労働者の根底からの怒りを組織し、闘う労働組合、団結体の力にまとめ上げよう。この闘いこそ、3・11大震災・原発事故をもって大破産した新自由主義をなおかつごり押しする日帝・資本との闘いの決定的な中核だ。
機関紙と党組織の拡大
第五に訴えたいことはこの歴史的な決戦のただ中で夏期カンパ闘争と『前進』読者の拡大、革共同の組織拡大に、大胆に決起しようということだ。労働者は団結して立ちあがることで一夜にして変わる。人を動かす力は金だと思いこんでいるブルジョアジーには、このことはけっして理解できない。7・18三里塚緊急現地闘争から、革共同政治集会と8・6広島−8・9長崎闘争へ大進撃しよう。
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週刊『前進』(2496号1面2)(2011/07/18 )
「大恐慌を世界革命へ」闘う革共同にカンパを
闘う労働者・学生のみなさん。すべての『前進』読者のみなさん。6・5国鉄集会から6・11反原発全国100万人決起、そして6・19怒りのフクシマ大行動と、3・11大震災下で階級闘争の爆発的高揚期を迎えています。「反原発・反失業」の青年労働者・学生の怒りの決起は、とどまることなく広がっています。
それを最先端で切り開いているのは動労千葉を先頭とする階級的労働運動の本格的拡大です。国鉄闘争全国運動が発足して1年、いよいよ革命情勢を牽引(けんいん)する労働運動、労働組合運動が時代の最前線に躍り出ようとしています。歴史的決戦期の到来に際し、革共同に渾身(こんしん)のカンパをお願いします。
世界大恐慌はいよいよ二番底に向かって暴走を始めました。6月で終了したアメリカの量的緩和策第2弾(QE2)は、石油・食料価格の高騰、世界経済のインフレ化と労働者階級の怒りの爆発的拡大をもたらしました。米帝が主導してきた新自由主義は最末期を迎えました。
この大恐慌下での3・11情勢への突入は、まさに既成の価値観・社会観を一変させています。菅政権は、労働者人民の切り捨てと資本の延命にすべてをかけています。支配階級も労働者階級もこのままでは生きられない革命情勢の到来です。今こそ資本主義社会を根底から変革するプロレタリア革命に立つ時です。
この革命情勢にあって国労本部は、「雇用ゼロ」で闘争団を解体し、国鉄闘争を終結させようとしています。資本主義の枠内でしか生きられないと思いこんでいる輩(やから)の末路は、新自由主義の極悪の先兵になるしかありません。国鉄労働者と100万人の国鉄闘争支援陣形は、こんな連中と一緒に地獄におちるわけにはいきません。体制内指導部のもとで抑え込まれてきた労働者魂は、革命情勢の中でこそ解き放たれるのです。プロレタリア革命の最大の戦略的準備は、この国鉄決戦に勝ち抜き、反原発・反失業で巻き起こる青年労働者の壮大な決起との結合をかちとることです。6月に結成された郵政非正規ユニオンはその先駆けです。
真の革命党のみがプロレタリア革命の戦略的準備の大事業をやりとげます。すべての体制内指導部を打ち破り、現場労働者と一体で革命党の一大飛躍を成しとげなければなりません。未曽有の革命情勢を前に、革共同は自らの飛躍をかけてこの大事業に挑戦します。そのための資金を寄せてください。かつてない渾身のカンパをお願いします。
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週刊『前進』(2496号1面3)(2011/07/18 )
前進速報版から
▼玄海原発再稼働阻止へ200人が佐賀県庁包囲▼反対同盟先頭に団結街道裁判に決起▼7・10反戦反核東京集会▼7・10吉祥寺デモ
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週刊『前進』(2496号2面1)(2011/07/18 )
闘争終結宣言と規約改定での労資一体化など絶対許せない
国労本部打倒の7月大会決戦へ
JRの謝罪要求に全面的な屈服
国労本部は6月30日に中央執行委員会と闘争団全国連絡会議代表者会議を、7月1日には全国代表者会議を開いて、国鉄闘争終結の方針を確認した。国鉄分割・民営化への最後的で全面的な屈服を意味する闘争終結宣言は、闘争団員から組合員資格を奪う規約改定案とともに、目前に迫った7月28−29日の定期全国大会で強行決定されようとしている。
国労本部が「国鉄新聞」に公表した「追加方針(案)」には、「雇用問題の解決についてその終結をはかるものとする」「JR不採用問題は24年の時を経てここに終結に至ったことを確認する」と書かれている。
その先にあるものは、国労の完全な御用組合化、労資一体化だ。国労の名称変更や連合加入に至る決定的な変質に向けて、国労本部はまっしぐらに突き進もうとしているのだ。
さらに、重大な事実が明らかになった。7月1日の全国代表者会議における濱中国労本部書記長の説明によれば、6月13日にJR各社が政府による闘争団の雇用要請を拒否した際、JRは闘争団員に対し「雇用要請するなら25年間を謝罪せよ」と要求したという。JRは、国鉄分割・民営化による国鉄労働者の解雇を最終的に居直るとともに、闘争団の人生そのものを否定しろと居丈高に迫ってきたのだ。これはまさに、国鉄分割・民営化と闘いぬいてきたすべての国労組合員に対する反動的挑戦だ。
これに4者4団体は抗議の声すら上げず、「名誉ある撤退」(国鉄闘争共闘会議の声明)と称して全面的に屈服した。すでに4者4団体、国鉄闘争共闘会議、鉄建公団訴訟原告団らは6月30日で解散した。こんな形で国鉄闘争に幕を引くことなど絶対にできない。
和解を拒否した闘争団と動労千葉争議団は、あくまで解雇撤回まで闘うことを宣言している。
大恐慌と大震災情勢の中で追いつめられているのは権力とJR資本の側だ。その中でJRは延命をかけた決戦に出てきた。だが、だからこそ25年のすべてをかけて闘えば、勝利できる情勢が到来しているのだ。
大会で強行されようとしている国鉄闘争終結宣言は、規約改定と一体だ。規約改定案の内容は、「組合員の範囲」を「(JRおよび関連企業を)基本にした労働者」から、「(JRおよび関連企業に)雇用された労働者」に変更するというものだ。これによって国労本部は、昨年の大会で「特別組合員」とした闘争団員から組合員籍を最終的に剥奪(はくだつ)し、国労外に放逐しようとしているのだ。
闘争団を追放し御用組合化狙う
今大会の最大の焦点は、規約改定を許すか否かだ。しかし、国労本部はいまだにこのことを組合員にはひた隠しにしている。追加方針(案)を公表した国鉄新聞でも、規約改定については一言も触れていない。こんなことが許せるか! 労働組合は幹部のものではなく組合員のものだ。
規約改定の狙いは、闘争団を国労外に追放するだけでなく、JR本体の組合員を資本の支配のもとにがんじがらめに縛り付けることにある。
追加方針(案)は、「未来に向かって不幸な労使紛争が再び起きることのないような健全な労使関係の確立と職場環境の改善、雇用の確保と社員の生活向上のため、組織展望をつくりだしていくことが問われている」と言う。これは、国鉄分割・民営化反対闘争を「不幸な労使紛争」と言って全面的に清算し、今後、いかなる形でもJR資本に逆らわないと誓うものだ。そして、「組織展望」という文言で、連合加入に向けてかじを切ることを表明している。これが労働組合の「闘いの基調」なのか!
JR東日本はすでに東労組カクマルの切り捨てに踏み込んでいる。青年を先頭とする東労組組合員のカクマルへの離反が不可避となる中で、国労本部はカクマルに代わる「労働代官」として自らを資本に売り込んでいる。今夏−今秋に向けて、JR労働運動は間違いなく大再編情勢に入る。この時、青年を再び資本の支配のもとに組み敷くための先兵として、国労本部は登場しようとしているのだ。
だが、青年が国労に求めているのはそんなことではない。JR体制に怒りを燃やす青年たちは、資本と闘う国労を求め、人生をかけた選択をしようとしているのだ。
3・11東日本大震災と原発事故は新自由主義の根本的な破綻を突き出した。原発に対する青年を始めとする激しい怒りと結合して国鉄闘争が爆発すれば、資本主義を根底から覆すことができる。
国労大会に至る過程を国労本部打倒−国労の階級的再生をかけた決戦として闘おう。8・6広島−8・9長崎にJRの青年労働者を圧倒的に組織しよう。この秋にも大激突を迎えるJR大再編情勢との闘いは、新人事・賃金制度や外注化を阻止する決戦としてすでに始まっている。今こそ国鉄闘争全国運動の巨大な前進をかちとろう。
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週刊『前進』(2496号2面2)(2011/07/18 )
非正規職16万人の反乱始まる
民営化への根源的怒り結集し連合支配うち破る拠点建設を
3・11反革命情勢の中で非正規職の大量雇い止め攻撃をはじめとする「郵政大リストラ」攻撃がエスカレートし、全国の郵政職場に怒りが充満する中、郵政非正規ユニオン結成の衝撃が広がっている(本紙既報)。多くの職場の門前でユニオン結成に賛同する現場労働者の意思表示が爆発的に広がっている。この非正規職をはじめとする郵政労働者の怒りを全国で組織し、連合・JP労組中央本部の支配を下から打ち破る革命的拠点建設の闘いの飛躍は待ったなしの実践的課題となった。国鉄全国運動と固く結合し、反原発8月広島・長崎闘争の白熱する闘いの中で、新たな全逓決戦を断固として闘い抜こう!革共同全逓委員会
(写真 6月のJP労組大会で中央本部の裏切りを弾劾する労組交流センター全逓部会の労働者【川崎市】)
民営化の全面破綻と郵政大リストラ
6・5国鉄大集会〜6・11反原発百万人デモ〜6・19反原発フクシマ大行動の大成功は、国鉄闘争全国運動と4大産別決戦を軸とする階級的労働運動路線が、日帝ブルジョアジー・国家権力と正面から激突し、プロレタリア革命への労働者人民の戦略的前進に結実しつつあることを実証した。その決定的な環としてわが全逓決戦は、小泉「構造改革」の中軸となった郵政民営化に対して、民営化絶対反対、JP労組中央本部打倒を掲げ、職場における4年間にわたる七転八倒の闘いをやり抜き、郵政労働運動の現場に革命的な労働組合権力を打ち立てる闘いに挑戦し前進してきたのである。
郵政民営化の結果は、歯止めなき人員削減と以前の3倍にもなる労働強化、そして現場の6割を占めるに至った非正規職化であった。それは「全逓の全郵政化」として統合された御用組合=JP労組本部の全面的な屈服と裏切りによって初めて可能となった。
しかし民営化から4年。その「戦略事業」と銘打ち、現場労働者の猛反対を押し切って強行したJPEX計画(小包部門の分社化、現場の8割の非正規職化、成果主義賃金と大幅賃下げ等の計画)の全面的な破綻の中で政府・郵政当局はいまや進退窮まっている。JPEXは日通ペリカン便とのシステム統合もできないまま破綻、わずか1年で計画そのものの清算(ゆうパックとの再統合)に追い込まれ、日本郵便(郵便事業会社)は前年度までの500億円規模の黒字決算から一転して単年度で1000億円を超える大赤字に転落した(会社側のデタラメな決算報告ですらJPEXの破綻分だけで841億円の損失)。
社会的インフラを支える公益事業の郵便を私的な利潤をむさぼるビジネスに強引に変えようとした「郵政民営化」という枠組み自体が根本から破綻したのだ。政府の調査委員会すら「経営陣による不合理な経営判断」が大赤字の原因と報告せざるを得なかった。
しかし郵政当局のとった対応は、いま社会問題となっている「郵政大リストラ」攻撃だった。民営化の失敗の全責任を現場労働者に転嫁したのだ。この春、3千人規模の非正規職の雇い止め解雇と正社員のボーナス3割カットが強行され、8月末にも大量雇い止めを実施すると公言している。さらに全職員の基本給3割カットを強行する成果主義賃金=「新人事給与制度」を今年こそ導入しようとの構えだ。これは現場の抵抗で4年間たなざらしになってきた問題で年間1400億円ものすさまじい賃金カットだ。まさに賃金強奪である。ブルジョア経済誌は「郵政大賃下げ時代」などと言い始めた。
全国の職場で「大赤字の責任は新旧の経営陣が取れ!」「破綻のツケを1円たりとも現場に回すな!」という激しい怒りが噴き出している。現場労働者の怒りは臨界点に達している。そしてついに、いまや郵政労働者全体の6割を占め、民営化の犠牲と矛盾が最も集中する16万人(日本郵便)を超える非正規職労働者自身が、自力で組合を結成して渾身(こんしん)の反乱を開始したのだ。彼らの怒りは限りなく深い。「労働者が労働組合を作るのは、われわれはモノではなく人間であるからだ」(郵政非正規ユニオン結成宣言)という根源的な怒りである。
現場の6割支える非正規16万の反撃
非正規職の現場の反乱に当局や組合本部の労働貴族は震撼(しんかん)している。いまや郵便事業は現場労働の6割以上が何の保証もない彼らの超低賃金と非人間的な使い捨て労働によって支えられているからだ。
その実態は、3・11大震災以降さらにエスカレートしている「3カ月ごとの雇い止めと契約更新」や「5夜連続の深夜勤」「所得税も払えない年収130万円以下」などのすさまじい労働環境である。事故が常態化し、不当処分が乱発され、多くの仲間が自殺にさえ追い込まれてきた。彼らは身分保証がなく「何をやられても文句ひとつ言えない」非人間的労働を強制されてきた。職場に怒りが充満していることは当然なのだ。
しかしわが全逓委員会と地区党の同志による「郵政民営化絶対反対」の長年にわたる粘り強い闘いの組織化が、ついにこの現場労働者の怒りと結合し始めたのである。「非正規職撤廃!」「現場労働者こそ職場の主人公だ!」「闘う労働組合の団結をよみがえらせよう!」「御用組合の支配を現場からうち破ろう!」との幾年にもわたる呼びかけがついに結実しはじめたのだ。
23万人を組織するJP労組本部の御用幹部たちも震撼している。現在のような郵政職場の劣悪な労働環境や労働条件は、1987年の国鉄分割・民営化と総評解散=連合結成(89年)以来、資本当局と一体化した連合中央・体制内派の指導部が現場の抵抗を押しつぶしてきたことで初めて可能になってきたからだ。資本主義の原理をむき出しにした新自由主義的攻勢にすべての既成党派が闘わずして屈服し、「労働運動内部の資本家の手先」に転落したのだ。
彼らは郵政職場の非正規職の割合が社会的平均の2倍にあたる6割を超える現状を積極的に容認してきた。あのJPEX計画を当局と一体で推進してきたのもJP労組本部だ。6月のJP労組大会では、非正規職の大量首切り問題が議題そのものから抹殺された。恐るべき腐敗である。これこそ3割もの大幅ボーナスカットが1時間のストもなく「妥結」させられる現実の根拠なのだ。
彼ら労働貴族はJP労組だけで毎年100億円もの組合費(本来はスト基金!)を吸い上げている。本部役員の手当は単純平均でも年額2500万円。省庁官僚トップなみの年収で、非正規職の年収の10年分以上だ。まさに労働貴族である。この信じられない腐敗の構造は経営陣に手厚く保護されている。目の前で何千人もの仲間が首を切られている現実を本部が容認することで、上記のような民営化のデタラメが成り立ってきた関係だ。
しかし非正規職16万人の現場からの反乱の開始は、この腐敗しきった労働貴族の支配を吹き飛ばすに十分な階級的エネルギーが全国の郵政職場に充満していることを実証した。この怒りに包囲され、今JP労組大会で3分の1近くの代議員が本部不信任票を突きつけ、会場はヤジと怒号に包まれるという組合結成以来の事態となった。現場の巨大な怒りとわが郵政民営化絶対反対の闘いがついに本格的に結合しはじめたのである。
実践的結論は、今こそ産別委員会と地区党の団結で、渾身の決起を始めた非正規職の仲間の闘いをあらゆる手段で支援・防衛・発展させつつ、全国の郵政職場の支部・分会から革命的拠点建設に断固として踏み出すことだ。最も反動的な組合指導部の一つであるJP労組本部の支配を、支部・分会の現場労働者自身が自らの力で奪い返す闘いを組織化する決定的な好機が到来しているのだ。
資本主義体制への根源的変革の叫び
大恐慌の始まりは資本主義体制に終わりがあることを全世界に知らしめた。私たちの生活に引き寄せれば、終身雇用、年功序列賃金、企業内組合という形で成り立ってきた戦後日本の労働組合のあり方の最後的な崩壊でもある。
3・11東日本大震災と福島第一原発事故の破局化で、政府や東電資本、日本ブルジョアジーのデタラメさは完全に露呈した。彼らは「産業復興」を叫ぶ一方、いまだにガレキの撤去すらできないではないか。福島第一原発は「メルトスルー」という深刻きわまる状況で、何百万人もの労働者人民が被曝し故郷を追われ、事故収束のめどすら立たない。それでも、政府・東電はなおも汚染情報の操作や情報隠しに血道を上げ、「全原発を稼働せよ。この一点に国の命運はかかった」(JR東海会長・葛西)などと叫んでいる。
大資本家たちの本音がむき出しなのだ。彼らは本気で労働者人民の命と引き替えに生き延びようとしている。これが新自由主義といわれる資本主義社会の最後の姿である。これは「非常勤の首切りとボーナスカットでJPEX失敗の大赤字を解消しました」と言い放つ民営郵政の姿と完全に重なる。そして「原発問題を議論すること自体を禁止する」(JP労組大会)としたJP労組本部の労働貴族たちの腐敗とも完全に重なる。原発を問題にしたら「組織が分裂する」というのだ。連合中央と一体の原発推進派幹部が打倒されるという意味である。これは非正規職問題の抹殺とともにJP労組本部支配の決定的な弱点である。
郵政民営化から4年間の闘いを通して確信できることは、現在のような非人間的でデタラメな労務支配が永遠にまかり通るなどあり得ないということだ。都合の良いときだけ働かせて簡単に解雇。現場では賃金や労働条件から構内の移動の仕方まで差別され怒鳴られ続ける疎外労働。こんなやり方は職場の労働者が文句も言わず黙って働くことを前提にしてしか成り立たないのだ。そして23万人を組織するJP労組本部の裏切りと沈黙こそがこの理不尽な当局の職場支配を支えてきた。
しかし沈黙は破られた。非正規職の仲間たちの渾身の決起は早くも全国の郵政職場に衝撃をもたらし、同じ境遇で苦闘する全産業の労働者たちの熱い注目を集めている。2千万人青年労働者の大半を非正規職に追い込んだ新自由主義的延命策に対する怒りが、産別を超えて解き放たれようとしているのだ。
階級的労働運動路線の勝利性はいよいよ明らかである。「郵政大リストラ」との闘いをはじめとする階級的労働運動において、また爆発的に広がる反原発闘争においても、その現場でリアルに突き出されている問題は、一握りのブルジョアジーのここまで理不尽な労働者支配を「法律」その他で最終的に保証している政府と国家権力の問題である。「日本郵政と闘うということは、日本という国そのものと闘うことだと受け止めている」という郵政非正規ユニオンの仲間たちの叫びは根源的である。いまや労働者人民自身がこの社会の権力を握り、労働者自身がすべての生産を管理し運営する社会体制への根底的な変革を求める闘いが現場から始まったのである。
革命的拠点建設の新たな全逓決戦へ
斎藤日本郵政・鍋倉日本郵便の民営郵政体制はこの8月末にも非正規職の仲間のさらなる大量雇い止めを準備している。新たな全逓決戦はまったなしである。
変革への道は、すべての職場生産点を現場労働者が支配する労働組合の復権、労働組合を階級的によみがえらせる闘いだ。資本の手先となって雇い止め攻撃を容認し、原発さえも容認する連合JP労組中央本部、労働貴族どもの支配を現場労働者が下からひっくり返していく闘いである。
わが全逓委員会は、初の産別合同労組として全国組織を見据えた闘いに突入している郵政非正規ユニオンの仲間たちとともに闘い、これを防衛・発展させる闘いを総力でやりぬく。そしてJP労組の現場の支部・分会から革命的組合権力を打ち立てることを見据えた今春以来の闘いを断固として飛躍させる決意だ。プロレタリア革命の準備そのものとして、JP労組23万人の組織を現場労働者自身の力で下からひっくり返す闘いに本気で突入しよう。その機は熟した。国鉄全国運動と固く結んで、連合中央の支配を革命的に転覆する4大産別決戦を全逓決戦としてやり抜こう!
この新たな全逓決戦の渦中で、マル青労同1千人建設の偉大な前進を闘いとろう! 反原発・反戦反核8月広島・長崎闘争に総決起しよう!
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週刊『前進』(2496号2面3)(2011/07/18 )
都労働委に申し立て
郵政非正規ユニオン 雇い止め撤回求め
日本郵便東京多摩支店による非正規職労働者15人の不当な雇い止めの取り消しと現職復帰を要求して闘っている郵政非正規ユニオンは7月4日、日本郵便(鍋倉眞一社長)を相手取り、東京都労働委員会に不当労働行為救済の申し立てを行い受理された(写真)。雇い止めの通告そのものと労働組合への支配介入など、その後の全経過における不当労働行為の事実認定と雇い止め撤回の命令を求めるものだ。
今回、6月末で雇い止め攻撃を受けた東京多摩支店の当該の労働者たちは、昨年7月のゆうパック統合時に長期雇用の募集で採用された。3カ月契約という不当な雇用形態だが、当局は9月、12月は「自動更新」してきた。これを「黙示の更新」といい、類似のケースで、一方的な雇い止めは解雇権乱用にあたるとの確定的な判例もある。
ユニオンの組合員たちは「私たちベテランの15人を雇い止めにして、同時にアルバイト64人を新規採用している。雇い止めは必要ではなく、組合つぶしであることも明らかだ」などと訴えている。
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週刊『前進』(2496号2面4)(2011/07/18 )
最高裁の反動判決弾劾
都立板橋高校 威力業務妨害デッチあげ事件
藤田さん“原発護持の司法と闘う”
「日の丸・君が代」起立・斉唱を強制する03年「10・23都教委通達」のもとで威力業務妨害罪をデッチあげられた藤田勝久さんの都立板橋高校事件で、最高裁は7月7日、藤田さんの上告を棄却する反動判決を下した。強く弾劾する。
この事件は04年3月の都立板橋高校の卒業式をめぐってデッチあげられた。式に来賓で招かれた同校元教員・藤田さんは、開会20分ほど前に会場で「10・23通達」について報じた週刊誌のコピーを保護者に配布。「国歌斉唱の時はできたら着席をお願いします」と訴えた後、退席した。
卒業式が始まった。司会が「国歌斉唱」と発声すると、300人近い卒業生が着席した。校長が「卒業生の諸君、ぜひ立って歌ってください」、都議・土屋敬之が「立て、立ちなさい」と怒鳴り、教頭は「思想・信条をもって座っている者以外は立ちなさい」と言ったが、卒業生は立たなかった。この年、不起立して処分を受けた多くの教育労働者とともに、「日の丸・君が代」強制反対の意志を示したのだ。
この事態に都教委は震え上がり“誰かがあおらなければ高校生が着席するわけがない”と「犯人探し」を始めた。そこでターゲットとされたのが藤田さんだった。翌日、産経新聞が「都立板橋高元教師、卒業式を攪乱(かくらん)」と報道。都議会では横山教育長が「卒業式への重大な業務妨害行為。法的措置をとる」と叫び、04年末、藤田さんを起訴した。
裁判が始まると、都教委のデッチあげが次々暴かれた。そもそも「管理職の制止を振り切って訴えを続けた」というような事実がないからだ。
一審判決は罰金20万円。藤田さんは「懲役8カ月の求刑に対して罰金20万という判決は、無罪とわかっていながら体制維持のため有罪という政治的判決」と弾劾した。
この一審判決を最高裁は事実調べも行わずに追認した。本件を威力業務妨害罪とすることは憲法21条(表現の自由)に違反するという藤田さんの訴えは、「意見を外部に発表するための手段であっても、その手段が他人の権利を不当に害するようなものは許されない」として退けた。
判決後、藤田さんは「柏崎原発設置を合憲としたのも、もんじゅ設置許可違法判決を覆したのも最高裁。石原慎太郎は6月20日に『軍事政権をつくり核を持て、徴兵制を敷け』と言った。その一環で『日の丸・君が代』を強制している。こんな石原に同調する最高裁を一新するため、これからも闘う」と述べた。
相次ぐ最高裁反動判決は、「10・23通達」から8年たっても不起立を根絶できない現実への支配階級の悲鳴だ。東京では今春卒・入学式でも初めての不起立者が登場し、不起立しても処分されないケースも相次いだ。都教委は不起立が継続し拡大していることに大打撃を受けている。
反動判決を弾劾し、職場から団結と抵抗を押し広げよう。橋下の「日の丸・君が代」起立条例をうち砕こう。原発へのあふれる怒りとつながり、教育労働者は8・6ヒロシマ―8・9ナガサキに駆けつけよう。
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週刊『前進』(2496号3面1)(2011/07/18 )
被災地の怒りと結び東京集会
“原発止めて核武装を止める”
8・6広島-8・9長崎へ
福島原発事故と日本の核武装を問う7・10反戦反核東京集会が7月10日、東京・なかのゼロ小ホールで開催された。450人が結集し、8・6ヒロシマ―8・9ナガサキへ向かって、フクシマの怒りと反原発闘争のうねりと結びつき新たな反原発・反戦反核闘争を築いていく画期的な集会としてかちとられた。8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会が主催し、すべての原発の即時停止・廃炉を求める全国連絡会議(準)が協賛した。
集会は斎藤郁真・法政大学文化連盟委員長の司会で始まった。この日、反原発・反失業吉祥寺デモを集会の前段にうち抜いた青年たちが、デモコールを唱和しながら壇上に並び、その息吹を生き生きと報告した。
憲法と人権の日弁連をめざす会代表の高山俊吉弁護士が「反原発と反戦反核をしっかりと連結させて、怒りを持ち、原発事故の責任を追及し、自分自身の問題としてとらえ、戦闘のための集会としてかちとろう」と主催者あいさつ。「こうして原発は導入された」と題したDVD上映の後、核問題研究情報センター代表の吉田義久さんからのビデオメッセージが紹介された。
基調提起は全国統一実行委員会事務局長の三角忠さんが行った。三角さんは冒頭、「私たちは結成以来約15年、ヒロシマ、ナガサキを中心に闘ってきた。3・11を契機に、新たに『フクシマ』を加え『繰り返すなアジア侵略! ヒロシマ、ナガサキ、オキナワ、ビキニ、フクシマを』をスローガンとして確立していきたい」と語り、新たな決意を込めて提起を始めた。原発と核燃料サイクル、日帝の核武装、被曝労働と労働組合の問題などを、原子力の平和利用論にからめ取られてきた既成の原水爆禁止運動の限界性を突破するものとして全面的に展開した。そして、この間の反原発デモの高揚を「原発をなくさなければ生きてはいけないという決起」としてとらえ、「『にんげんを返せ。フクシマを返せ』を貫いて8・6―8・9を闘おう」と、力強く締めくくった。
(写真 450人が結集し、各地の反原発闘争の報告を熱心に聞き入った【7月10日 中野】)
六ヶ所、三里塚から特別報告
特別報告として青森反戦反核学習会実行委員会の中道雅史さん、三里塚芝山連合空港反対同盟の萩原進事務局次長が発言した。
青森は原発施設の密集地帯だ。中道さんは「大間原発、中間貯蔵施設を止めれば六ケ所再処理工場は止まる。核燃サイクルを止めれば日本中の原発を止められる。核武装も止めることができる」と確信を持って語り、「青森の労働組合にも呼びかけて現地闘争を闘い、11月労働者集会に結集する」と宣言した。
萩原さんは「どんなに原発事故が襲いかかろうとも、土地を守るためにフクシマの農民と心を一つにして三里塚の農地にとどまる」との覚悟を固め、「農民の団結した大きな組織をつくる。動労千葉を先頭とした労働者階級と大合流していく」と、農民として生き抜く決意を明らかにした。
福島から百万人署名運動福島県推進委員会の長澤宏さん、広島から反戦被爆者の会の中島健さん、いわきから動労水戸の小野裕通執行委員が、各地の報告を行った。長澤さんは、原発への怒りを解き放った6・19フクシマ大行動のほとばしる感動を伝え、8・6―8・9への決起を呼びかけた。中島さんは「被爆者こそ帝国主義を打倒する存在だ。ヒロシマをタハリール広場にしよう。労働運動を確立し新自由主義にとどめを刺し、8・6を世界的な新たな原水爆禁止運動としてかちとろう」と渾身(こんしん)のアピール。小野さんは「JRは東電に何も言わない。労働組合として原発を止めると発信していく。いわきは原発労働者が多い。彼らとともに声を上げていきたい」と7・17いわき集会への結集を訴えた。
最後に鈴木達夫弁護士が「ヒロシマ、ナガサキの被爆者の怒りとフクシマの怒りを一つにして、われわれはその先頭で闘おう。人民が生きるために未来を取り戻そう。その主体は労働者階級を先頭とする人民だ。担うのは青年・学生だ」と「すべての原発の即時停止・廃炉を求める全国連絡会議」の結成を呼びかけた。ス労自主委員長の入江史郎さんが「原発を止めて日本の核武装を止める。核による支配・分断を終わりにする。8・6ヒロシマへ大結集しよう」と集会をまとめた。
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週刊『前進』(2496号3面2)(2011/07/18 )
吉祥寺 右翼と猛暑をぶっ飛ばし
反原発デモに350人
7月10日、吉祥寺の繁華街で、反原発・反失業の吉祥寺デモ第2弾が猛暑を突いて意気高く打ち抜かれた。主催は労組交流センター青年部準備委員会。青年労働者を先頭に350人が結集、太鼓隊のリズムに合わせた解放感あふれるデモは、街ゆく人びとの圧倒的な共感と注目を集めた。
高まる反原発闘争の中で今問われていることは、いかにして原発を止めるのかということだ。今回は、主催者が「あらゆる資本の支配を覆す職場からの闘いを全国で巻き起こし、原発を止め、社会を変えよう。国鉄闘争の終結を許さず、闘う労働組合をよみがえらせよう」と真っ向から訴えてデモが闘われた。
元原発労働者が「安全教育もなしに原発で仕事をしていた。やつらは安全よりもカネが一番。今も昔も変わっていない。職場、地域で闘う仲間をつくっていくデモにしよう」と呼びかけた。
午後2時にデモに出発。この日は夕方から同じ場所で、右翼・田母神らによる「菅打倒」を掲げた排外主義を扇動するデモが控えている。反原発闘争に決起する労働者階級に襲いかかるファシスト田母神らの反動をふき飛ばして、反原発・反失業吉祥寺デモは労働組合と労働者人民の団結力を力強く示した。
「原発いらない!」「ノー・モア・フクシマ!」「下請け・派遣に被曝させるな!」「故郷を返せ! にんげんを返せ! 未来を返せ!」「玄海原発はもう限界!」「解雇撤回!」。青年労働者・学生のかけ声のもと、デモは炎天下で怒りを爆発させた。沿道は笑顔、笑顔、笑顔! ガッツポーズで応える人、親子で声援を送る人……。街頭の労働者もデモ隊とともに怒りを解き放った。
今回のデモの特徴は、職場、地域の仲間が声を掛け合って結集してきたことだ。反原発闘争は社会の隅々にまで根付こうとしている。このうねりを8・6広島―8・9長崎へつなげよう!
(写真 吉祥寺の繁華街で青年・学生先頭に「フクシマを返せ!」と叫んでデモ【7月10日】)
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週刊『前進』(2496号3面3)(2011/07/18 )
動労水戸が指名スト
“不当な職名変更撤回しろ”
動労水戸は7月8日、6人の組合員の指名ストに決起した。運転士登用差別をめぐって最高裁で完全勝利(08年12月)した組合員のうち、運転士を希望しない者と運転適性検査に不合格だった者6人に対してJR水戸支社が7月5日、一方的に「運転士の職名を外す」という事前通知を行ってきたからだ。
6人の組合員の中には運転士を希望している組合員もいる。また、運転士ではなく検修職場などを希望している組合員についても、運転士の職名を外すことなど絶対に許されない。最高裁判決の履行をめぐる問題は何も解決しておらず、組合と会社は団体交渉において全面的な対立関係の渦中にある。また、他労組では運転士の職名のまま個々の事情で地上勤務についている労働者はいくらでもいる。運転士の職名を外すことで2年後に賃金も2号俸ダウンとなる。まさに動労水戸の組織破壊を狙った新たな不当労働行為そのものだ。
(写真 当該組合員が働く水郡線営業所運輸科の門前に結集し抗議の声を上げる組合員【7月8日 茨城県大子町】)
運転士への道 断つ事前通知
抗議のストに突入した6人を先頭にして動労水戸は8日昼、茨城県大子町にある水郡線営業所運輸科の門前に結集し、抗議行動を展開した。
マイクを取った石井真一委員長は「JR水戸支社は、今日にいたるも一切の謝罪を拒否するばかりか、ここで働くわれわれの仲間に対して一方的に運転士から車両技術係への職名変更を事前通知してきた。絶対に許せない! 動労水戸は、国鉄分割・民営化反対をとことん貫き、JRによる一切の不当労働行為を許さず闘う」と、門の中で監視している管理者たちに戦闘宣言を発した。さらに福島第一原発事故でいまだ常磐線が寸断され、職場・線路が奪われている現実に対しても怒りをたたきつけた。
当該の組合員は「JRはまず謝罪し、運転士への道を断つ事前通知を撤回しろ」と激しく抗議の声を上げた。また支援に駆けつけた組合員の家族は、営業所で働く労働者に向けて「動労水戸は小さな組合だが“おかしいものはおかしい!”と声を上げ、一人の仲間のために全員が立ち上がる組合です。動労水戸とともに闘おう」と熱く呼びかけた。最後に全員で「JRは不当労働行為をやめろ! 動労水戸に謝罪しろ! 不当な職名変更を撤回しろ!」「検修全面外注化を阻止するぞ!」と繰り返しシュプレヒコールを上げ、門前での抗議行動を終えた。
分割・民営化を裁く闘いだ
なぜ会社はこの時期に職名を変更してきたのか。国鉄分割・民営化25年問題に追い詰められ、分割・民営化をめぐるすべてを清算しようとしているからだ。
最大の不当労働行為である1047名解雇問題での4・9政治和解を始め、安全問題、JR総連カクマルとの結託問題などについて清算し、破産した国鉄7分割・民営化体制を再編しなければならない時が差し迫っているのだ。
国労が7月定期大会で組合員資格を「(JRおよび関連企業に)雇用された労働者」へと規約改定しようとしていることは、1047名の被解雇者を完全に切り捨てて自ら御用組合化する宣言であり、これが会社の動きを加速している。国労東日本本部は、新人事・賃金制度を容認し、会社の就業規則をそのまま労働協約とする総合労働協約の締結にまで踏み込んで、業務外注化・非正規職化の先兵に転落しようとしている。
しかし、25年問題の中心的課題であるJR貨物は、3・11東日本大震災と原発事故で常磐線が寸断されたことで、さらに危機を深めている。
動労水戸の運転士登用差別事件をめぐる闘争は国鉄分割・民営化そのものを裁く闘いだ。これからが勝負だ。今回の不当な事前通知は、分割・民営化以来のJR大再編の中で、闘う労働組合の破壊を狙った新たな攻撃そのものだ。そして動労水戸のスト決起は、すべてのJR青年労働者への決起の檄(げき)だ。
動労水戸の決起に続きJR東日本のあらゆる職場から検修業務全面外注化、新人事・賃金制度導入への反乱を起こそう。
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週刊『前進』(2496号3面4)(2011/07/18 )
育鵬社と自由社の教科書採択阻止しよう
大事故の中で原発を全面賛美
杉並・横浜を先頭に全国で闘おう
この8月、全国の自治体で、来春から使われる中学校教科書の採択が行われる。「教科書改善の会」の育鵬社版の歴史教科書・公民教科書、「新しい歴史教科書をつくる会」の自由社版の歴史教科書・公民教科書の採択を絶対に阻もう。この原発賛美の教科書は、反原発闘争の全国的な高揚の中で、怒りを結集して闘えば絶対に粉砕できる。杉並・横浜を先頭に闘おう。
低い採択率に追い詰められつくる会分裂
1997年に設立された「新しい歴史教科書をつくる会」は、それまでの歴史教科書を「自虐的」「旧敵国のプロパガンダをそのまま事実として記述」していると非難し、「日本人としての自信と責任を持」てる教科書をつくるとした。日本帝国主義による植民地支配や侵略戦争の歴史を賛美し、“天皇と国家のために死ね”と教える教育への大転換を図るものであり、教育労働者を始めすべての労働者人民への重大攻撃であった。
しかしこの10年間、日本の労働者人民の闘いは戦争賛美の教科書をまかり通らせずに来た。都知事・石原慎太郎や前杉並区長・山田宏、前横浜市長・中田宏などの極右首長は、「つくる会」教科書採択のために教育委員を入れ替え、不正の数々を働いて「つくる会」教科書を採択した。しかしいまだ圧倒的少数であり、採択率は09年夏で歴史1・68%、公民0・36%だ(表参照)。
低い採択率に追い詰められ、「つくる会」は大分裂した。05年、「全国10%、東京50%の採択を目指す」と公言して大運動を展開したにもかかわらず歴史0・39%、公民0・19%に終わって以降内部対立を深め、06年に当時「つくる会」会長だった八木秀次(高崎経済大学教授)が解任され分裂。八木らは新たに「教科書改善の会」を結成。藤岡信勝(拓殖大学客員教授)を中心とする「つくる会」から「教科書改善の会」が構成員を引っこ抜き、裁判提訴などの泥仕合を続けた。
また「つくる会」は07年、採択が広がらないことに業を煮やした扶桑社からも関係解消を通告され、フジサンケイグループと絶縁。以後、自由社から教科書を発行することになった。
8月の採択で杉並・横浜が攻防の焦点に
今年3月の教科書検定では、「つくる会」がつくった自由社版の歴史・公民、「教科書改善の会」がつくった育鵬社(扶桑社の子会社)版の歴史・公民の4冊が、いずれも検定に合格した。
この8月の教科書採択では、12年4月から4年間使われる教科書が決まる。とりわけ焦点となっているのが東京・杉並区と神奈川・横浜市だ。
杉並区は山田前区長のもとで05年、09年の2回にわたって扶桑社版歴史教科書が採択された。昨年、山田が辞任して民主党・田中良が区長となったが、5人の教育委員のうち3人は、前回扶桑社版を推奨した人間のままである。
横浜市は09年、18の採択区のうち8区(生徒数約1万3千人)で自由社版歴史教科書を採択した。さらにその後、18の採択区を全市1区に統合することを決め、全国最大の採択地区になった。横浜での採択を許せば、2万5千冊もの教科書が使われることになる。
青年労働者を先頭に全国で巻き起こる反原発・反失業の闘いと結びついて、杉並、横浜を始め全国すべての地区で自由社版、育鵬社版の教科書採択を阻むために闘いぬこう。
3・11情勢下「安全性高い」と原発を美化
育鵬社、自由社の歴史教科書、公民教科書の中身を見てみよう。
公民教科書では最大の焦点である原発について、他社が危険性や根強い反対運動があることを記述していることと比べても、一言の批判もなく全面賛美である。
育鵬社版は「地球温暖化の原因となる二酸化炭素をほとんど出さず」と、原発がクリーンなエネルギーであるという大うそをつき、「原料となるウランをくり返し利用できる利点がある」などと言い、使用済み燃料から取り出したプルトニウムを再利用する核燃料サイクル計画の全面的な推進をうたっている。そして「(原発は)日本では重要なエネルギー源」と美化している。
自由社版も「安全性の高い技術を確立し」とデマ宣伝を行っている。しかも自由社は、福島原発の大事故を受けて、文科省への訂正申請も通らないまま、5月に発行した市販本で「東日本大震災にともなう原子力発電所の事故は、エネルギー問題について改めて深刻な問題をつきつけました」とこっそり差し替えた。まったくのペテンだ。
太平洋戦争を「大東亜戦争」と呼んで賛美
歴史教科書では、日本帝国主義が行った台湾・朝鮮への植民地支配やアジア侵略戦争の歴史が全面的に美化されている。
アジア侵略戦争のことを、2社とも「大東亜戦争」と記し、戦争によって与えた被害については一切記載せず“日本軍はアジアの人びとに歓迎された”と描いている。
台湾・朝鮮に対する植民地支配については、育鵬社は「台湾にダムをつくった八田與一」コラムや、植民地支配の期間中に人口、農耕地面積、米生産量、学校数が増えたという表などで“台湾・朝鮮の人のためになった”と開き直る。自由社も「併合後におかれた朝鮮総督府は、植民地政策の一環として、朝鮮の鉄道・灌漑(かんがい)施設をつくるなどの開発を行い、土地調査を実施した」。生命、土地、職、言葉、文化をみな奪い尽くした植民地支配の歴史を全面的にゆがめて賛美している。
◆日本軍による集団自決の強制を抹消
両社とも沖縄戦における「集団自決」という言葉はある。しかし中身は「米軍の猛攻で逃げ場を失い、集団自決する人も」(育鵬社)、「米軍が上陸する中で、追いつめられた住民が、家族ぐるみで集団自決」(自由社)と、日本軍による集団自決の強制という核心問題を消し去り、米軍の攻撃で引き起こされたかのように描いている。
◆ロシア革命をゆがめ、労働者の決起に敵対
1917年のロシア革命については、「他の党派を武力で排除し、みずから率いる共産党の一党独裁体制」(自由社)、「議会政治を否定し、共産党にすべての権力が集中する一党独裁政治が行われ、市民の自由はうばわれました」(育鵬社)などとまったくゆがめて描く。労働者階級こそがロシア革命の主体であったことを完全に否定し、共産党を労働者階級の上に立つ存在として描くことで、今この時に労働者人民が革命に立ち上がることをなんとか封じようと必死なのである。
◆天皇を中心に歴史を描く皇国史観
両社とも、歴史・公民ともに異様なまでに天皇を登場させている。
自由社版歴史では「イザナキの命(みこと)とイザナミの命は夫婦となって、日本列島の八つの島々を生んだ」「イワレヒコの命は……初代の神武天皇として即位する」という日本の「建国神話」をあたかも史実であるかのように記載する。
育鵬社版も神話を「日本の誕生の物語」と描いている点ではまったく同じ、皇国史観にもとづく歴史である。
◆国民主権よりも天皇
公民では自由社版は「日本国憲法の国家像」の節の最初の項が「歴史に基づく天皇の役割」。国民主権の項の前に天皇が登場する。
育鵬社版も「日本の歴史には、天皇を精神的な中心として国民が一致団結して、国家的な危機を乗りこえた時期が何度もありました。明治維新や、第二次世界大戦で焦土と化した状態からの復興は、その代表例です」と記載。大日本帝国憲法下と現憲法下の天皇の違いではなく共通点を強調する点は両社同じだ。
ほかにも、愛国心や自衛隊の軍隊化、憲法改悪をあおりたてていることなど、問題点は数え切れない。また自由社の歴史教科書の年表が東京書籍の年表を丸写ししたものであることも暴露された。本当にデタラメ極まりない教科書である。
こんな教科書を子どもたちに渡すわけにはいかない。育鵬社版・自由社版ともに、採択を絶対阻もう。
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【表 「つくる会」系教科書採択率】
01年 扶桑社歴史 0・039%
扶桑社公民 0・055%
05年 扶桑社歴史 0・39%
扶桑社公民 0・19%
09年 扶桑社歴史 0・57%
自由社歴史 1・11%
扶桑社公民 0・36%
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【表 原発を賛美する2社の教科書】
〔原発〕
〔育鵬社版〕 日本のエネルギー供給は、原子力発電が約3分の1を占めています。原子力発電は、地球温暖化の原因となる二酸化炭素をほとんど出さず、原料となるウランをくり返し利用できる利点があります。そのため、石油等を輸入にたよる日本では重要なエネルギー源となります。
〔自由社版〕 このためわが国は、原子力発電や新エネルギーの導入拡大に努めています。原子力発電では安全性の高い技術を確立し、すでに全発電量の3分の1をまかなっています。
〔「大東亜戦争」〕
〔育鵬社版〕 昭和初期のわが国の勝利は、東南アジアやインドの人々に独立への希望をあたえました。長く東南アジアを植民地として支配していた欧米諸国の軍隊は、開戦から半年で、ほとんどが日本軍によって破られました。
〔自由社版〕 日本の緒戦の勝利は、東南アジアやインドの人々に、独立への夢と希望をあたえた。日本軍の破竹の進撃は、現地の人々の協力があってこそ可能だった。……インドネシアやビルマでも、日本軍の指導で軍隊がつくられた。
〔縄戦・集団自決〕
〔育鵬社版〕 沖縄の中学生や女学生の中には、この戦いに従軍して、命を落とす人も少なくありませんでした。米軍の猛攻で逃げ場を失い、集団自決する人もいました。
〔自由社版〕 アメリカ軍は慶良間諸島の座間味島、渡嘉敷島などに猛烈な空襲と艦砲射撃を加えました。米軍が上陸する中で、追いつめられた住民が、家族ぐるみで集団自決する悲劇が起こりました。
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週刊『前進』(2496号4面1)(2011/07/18 )
原発再稼働の策動に怒りを
原発をとめろ シリーズC
原発廃炉と核廃絶を一体の闘いとして日帝打倒へ
原発推進は核武装の偽装形態
核は人類が制御できないものであり、原発は大事故を不可避とする。原発事故は労働者人民を死に追いやり、何百万人もの人びとを何十年にもわたって放射能汚染にさらす。しかも原発は、被曝労働という本来あってはならない労働によって初めて成り立つ。これらの点だけをとっても、原発そのものと人間社会は絶対に共存できない。
ましてや原発は核兵器の製造にも直結している。原爆こそが核の本質であり、現実なのだ。特に日本帝国主義の原発推進策は一貫して核武装の偽装形態としてあった。だから原発は絶対に認めることができない。今号では、原発廃炉の闘いと核廃絶の闘いが一体であることを明らかにする。
菅政権のストレステスト=原発再稼働策動に怒りを爆発させ、8・6広島−8・9長崎闘争を反原発・反戦反核の闘いとして大高揚させよう。
世界支配・階級支配の武器としての核
まず、核とは何か。原爆は第2次大戦下、資本家の帝国主義的利害をかけた戦争のために開発され使用された。核は資本家が資本家のためにつくり出した大量殺戮(さつりく)兵器だ。それを廃絶するには資本主義社会を転覆するしかない。
しかも原爆は、直接の軍隊だけに限定せず非戦闘員や子どもまで無差別に大量殺戮する。直後の死者は広島12万人、長崎7万人、その後5年間でそれぞれ20万人、14万人が死んでいった。
資本主義社会は資本家による労働者の搾取によって成り立っており、資本家階級と労働者階級の対立は非和解だ。その非和解性が第2次大戦をへて、世界支配と階級支配を貫くために核を保有する帝国主義・スターリン主義と、核廃絶を求める国際プロレタリアート人民との対立という究極にまで行き着いたのである。
さらに第2次大戦後の帝国主義は、核兵器を世界支配と階級支配の武器として固定化してきた。核兵器は敵対国の権力に向けられただけでなく、階級闘争を圧殺するために自国および他国の労働者人民にも向けられた。核が侵略戦争と階級戦争の手段とされたのだ。
スターリン主義もまた労働者の自己解放闘争に敵対して、核によって帝国主義に対抗してきた。大陸間弾道ミサイル(ICBM)を先に開発したのはアメリカ帝国主義ではなくソ連だ。反帝国主義・反スターリン主義を掲げた革共同の創生以来の闘いは、まさにこの帝国主義とスターリン主義の世界体制を根底から打倒しようとするものだ。
9・11後にも核使用寸前に
第2次大戦後の核を考える時、重大なのは、実際に何度も核兵器の使用寸前まで行ったという事実である。アイゼンハワー米大統領は55年に、「核兵器は銃弾やその他の兵器と同様に使用されるだろう」と公言している。朝鮮戦争、キューバ危機、ベトナム戦争、中東戦争などで実際の核使用が検討・準備された。
01年9・11反米ゲリラ戦争後には、ホワイトハウスは中東諸国などに対し核攻撃をほのめかして「国がなくなっていいのか」と恫喝したという。パキスタンのムシャラフ大統領は06年、9・11直後にアーミテージ米国務副長官から「石器時代に戻る準備をしておけ」と言われ、米帝への協力を強いられたと明らかにしている。
現在のオバマも含め米大統領は国内外の旅行先に、核のボタンの入った大きなカバン(通称「フットボール」)を随行軍人に必ず携帯させている。核戦争はそれほど現実性を持っているのだ。
「核兵器製造能力は常に保持する」
このように第2次大戦後の帝国主義の支配と政治・外交にとって核が中心となる中、日帝もまた核武装を画策してきた。
(1)54年に中曽根の提出した初の原子力予算が成立した。その提案説明では「原子兵器を理解し、これを使用する能力を持つ」ために原子炉を設置すると公言された。
(2)日本が一番最初にイギリスから購入した黒鉛炉の東海原発(66年稼働)は、軍事用プルトニウムをつくれる原子炉だった。しかし、米帝はこの使用済み核燃料を日本で再処理することを認めず、プルトニウムが取り出しにくい米製の軽水炉に転換させていった。
(3)64年の中国核実験に対抗し、日帝は核武装衝動を強めた。69年の外務省の内部文書「わが国の外交政策大綱」では、「当面核兵器は保有しない政策をとるが、核兵器製造の経済的・技術的ポテンシャル(潜在能力)は常に保持するとともに、これに対する掣肘(せいちゅう)を受けないよう配慮する」とした。
(4)日帝は「非核3原則」などと言いつつも、沖縄返還後も核を再持ち込みできる日米密約を69年に結んだ。その一方、日帝の核武装を恐れる米欧の要請を受ける形で、70年に核不拡散条約(NPT)に署名した。
(5)核武装の偽装形態としての原発の建設は70年代以降に加速した。新規に運転を開始した原発は70年代は20基で、80年代は16基、90年代は15基となった。
(6)80年代以降、軍事用プルトニウムを取り出すための核燃料サイクル建設が本格化した。87年に新しい日米原子力協定に両政府が署名した。英仏の再処理工場で日本産の使用済み核燃料から抽出されたプルトニウムを日本に返還する時、従来は米政府の承諾を一回ごとにとる必要があったが、新協定で米政府の干渉を受けなくてもよくなった。この新協定は87〜89年の六ケ所村での事業認定申請と時を同じくしており、日帝が再び独自の軍事用プルトニウム保有に踏み出すものだった。
(7)80年代以来の新自由主義の強行と労働者の団結破壊、労働組合ダラ幹の原発推進派への転向は、従来にもまして安全性を無視・解体し、80年代末から原発大事故を続発させることとなった。
(8)91年ソ連解体と日米争闘戦激化の中で、日帝は対米対抗性を強めつつ核武装策動をエスカレートさせた。94年には北朝鮮がNPT脱退を表明し、朝鮮戦争の危機が深刻化。94年に英サンデータイムズ紙は、「日本は核兵器製造に必要なすべての部品をすでに保有しているうえ、さらに濃縮プルトニウムを組み込むだけで完成する爆弾を製造した可能性がある」という英国防省の秘密報告書を報道した。
こうして日帝は、核弾頭を除くあらゆる種類の核プロジェクトを強行してきた。その結果、日本はウラン濃縮、原子炉、再処理という核兵器製造の中心3技術を核兵器の非保有国で唯一持っている。実際に再処理で取り出したプルトニウムの保有量は40d余り(04年末時点)、粗製の核爆弾5千発分とされる。
米帝の核攻撃対象に中国や北朝鮮が
以上、帝国主義(とスターリン主義)の核と日帝の核・原発政策を概観してきたが、現在はどうか。
重要なのは、米帝が中国との対峙・対決を強める中で朝鮮侵略戦争と核戦争の危機が高まっていることである。米帝は、大恐慌の再激化、米経済とドルの没落、中東支配・石油支配の崩壊的危機の中で、結局は戦争によって起死回生を図ろうとしている。米軍の包括的な核作戦計画OPLAN8010(09年にオバマが改定)では、潜在的な核攻撃の対象として中国・イラン・北朝鮮・ロシア・シリアの5カ国と非国家主体の計六つが記載されている。
こうした米帝戦略に沿って、日米安保同盟も中国との対決を強めるものにエスカレートしつつある。6月下旬に4年ぶりに開かれた日米安全保障協議委員会(2プラス2)では、名指しこそしていないが「中国は脅威」と日米が宣言したも同然の共同声明を発した。特に宇宙・サイバー空間の防衛に関する日米協力を新たに掲げた。また、日米の外務・防衛関係者が10年春から「核の傘」に関する初の政府間公式協議を始めており、「核有事」への共同作業に着手している。
このように日帝は、一方で核武装政策に固執して原発推進・原発輸出策にしがみつきながら、他方で沖縄基地強化と日米同盟強化によってアジアでの侵略戦争に踏み込もうとしている。日帝は〈原発〉と〈安保・沖縄〉に帝国主義としての命運をかけているのだ。
逆に言うと、ここにこそ日帝の弱点があり、プロレタリア革命に転化するかぎがある。
〔島崎光晴〕
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【表 日本の核・原発政策】
54年 中曽根らの提案で初の原子力予算が成立
55年 日米原子力協定に調印
64年 中国の核実験、佐藤首相が核武装論強める
66年 東海原発の黒鉛炉が稼働
67年 佐藤首相が非核3原則
69年 日米首脳会談で沖縄返還後の核持ち込み密約
外務省の内部文書「核製造の能力保持」
70年 核不拡散条約(NPT)に署名(76年批准)
70年〜原発の新規稼働、年2基ペースに
74年 電源3法の制定
83年 中曽根首相「下北半島を原子力のメッカに」
87年 日米原子力協定の改定に署名
87年〜六ケ所村の再処理工場などの許可申請
94年 北朝鮮がNPT脱退表明、戦争の危機に
96年 日米安保共同宣言=安保再定義
01年〜米帝のアフガン・イラク戦争
09年 米オバマが核作戦計画OPLAN8010改定
10年 ヨンピョンドで北朝鮮・韓国が交戦
11年 日米安保協(2プラス2)で中国を敵視
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週刊『前進』(2496号4面2)(2011/07/18 )
玄海原発7月再稼働阻む
7・11 佐賀県庁に200人が抗議
ストレステスト認めない
「古川県知事は出てこい!」――7月11日、35度を超す猛暑も吹っ飛ばす怒りの声が佐賀県庁に響きわたった。
地元の原発反対運動団体の呼びかけで、平日にもかかわらず200人が県内外から集まった。合同労組レイバーユニオン福岡、とめよう戦争への道!百万人署名運動福岡県連絡会も7・8県民説明会弾劾闘争に続いて連続決起した。
午前10時から県庁前で集会が始まった。豊島耕一佐賀大教授は「7月再開を阻止した勝利を喜ぼう。その上で、ストレステストなどにごまかされずに再開阻止の闘いを強めていこう」と発言。9日に発表されたストレステストに対し、”合格、再開が前提のストレステストなど誰が認めるか””古川県知事は政府・九電ではなく、市民の疑問・怒りと向き合え”と参加者の怒りのボルテージがどんどん上がる。
そこに突然現れた俳優の山本太郎さんが「人の命を犠牲にして成り立つ電力なら使いたくない。ストレステストを免罪符にしてはならない」とアピールした。
古川県知事の面会を求めて200人全員が県庁の敷地内になだれ込み、さらに庁舎の中へ。古川県知事は不在だという。首長逃亡に怒りは倍加し、攻防の末、要望書を読み上げて手渡した。
労働者民衆の闘いが政府・九電を圧倒し、世論も77%が原発廃止に賛成という中で、やらせ、利益誘導、わいろの「佐賀県原発村極悪トライアングル」が次々暴露され、怒りは増すばかりだ。
いんちきなストレステストはあくまでも再稼働の突破口なのだ。この策動を絶対に許さず、反原発・反失業・民営化反対の闘いに全力をあげよう。(福岡・S)
(写真 「人の命を犠牲にするな。ストレステストを免罪符にしてはならない」と訴える山本太郎さん【7月11日】)
県民説明会で怒りの追及
7月8日、合同労組レイバーユニオン福岡と百万人署名運動福岡県連絡会は、九州各県や広島から結集した50人とともに佐賀県多久市中央公民館で開催された佐賀県主催の県民説明会に対する弾劾行動に決起しました。
玄海原発7月再開は、九電の「やらせメール」と政府の「ストレステスト実施」表明もあり「先送り」されましたが、これは6・11反原発総行動や6・28九電株主総会包囲闘争の高揚に示される反原発闘争の全国的・全世界的高揚がつくり出した重大な勝利です。
8日の県民説明会は、安全を無視して玄海原発再開の強行を図ろうとした国と九電、古川県政を徹底弾劾し、「再開策動を最後的に断念させよう!」「玄海原発を廃炉に!」と呼びかける追撃の闘いになりました。
合同労組レイバーユニオン福岡は「玄海原発7月再開策動を粉砕した力で、すべての原発を止めよう!」と呼びかけ、8・9長崎反原発・反戦反核集会のチラシを大量に配布しました。
会場では、経産省原子力安全・保安院担当者との質疑で、「福島の原発事故が収束していないのに何が安全だ」「放射能は垂れ流し状態。人の命、健康よりもお金が大事なのか」などと厳しい意見や質問で国と九電を追及しました。賛成派から「こんな安全なものはない」というやらせ意見が出るや、会場からは「ふざけるな!」「茶番だ!」「きょうもやらせか!」と怒号が飛び交いました。しかし、古川県知事は、許し難いことに最後まで「再開断念」を表明しませんでした。
その後、佐賀市の「住民がつくる玄海原発説明会」に合流しました。政府は「ストレステストは玄海で先行実施する」と明言しています。古川知事は「安全はクリアされていると今も思う」などと説明会後の感想を述べています。玄海原発再開をめぐる闘いは新たな決戦段階に突入しました。
(福岡・H)
(写真 広島から参加し、「すべての原発の即時停止・廃止を求める署名」を集める反戦被爆者の会の中島健さん【7月8日 多久市】)
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週刊『前進』(2496号4面3)(2011/07/18 )
7月5日〜11日
米、イラク完全撤退方針を変更/ジブチで自衛隊初の海外基地開所
●防衛省が名護市長の面会拒否 名護市の稲嶺市長が普天間の辺野古移設見直し要請で上京したが、北沢防衛相ら防衛省首脳は面会を拒んだ。(5日)
●米がイラクに駐留継続打診 米オバマ政権がイラク駐留米軍5万人の今年末完全撤退の方針を変更し、1万人規模の米軍を来年以降も駐留させる意向をイラク政府に伝えた(5日)
●全原発のストレステストを指示 菅政権は原発再稼働へ向け、全原発に「ストレステスト(耐性評価)」を実施すると表明した。このため玄海町長は運転再開容認を撤回した。(6日)
●武器開発で防衛省が報告 防衛省の研究会が戦闘機などの国際共同開発・生産に参加するため武器輸出3原則を見直す中間報告を公表した。(6日)
●米韓が対生物兵器演習を実施 米韓両政府が5月にソウルで対北朝鮮を念頭に、生物兵器テロを想定した初の合同図上演習を実施していたことが判明した。米軍が同種の演習を海外で他国と実施するのは初めて。(7日)
●ジブチの自衛隊基地開所 日本政府が東アフリカのジブチに設置した自衛隊基地の開所式が開かれた。自衛隊にとっては事実上初めての本格的な海外駐留基地となる。(7日)
●エジプトで2月以降最大のデモ カイロのタハリール広場で金曜礼拝に合わせ旧政権関係者の責任追及を求める数万人のデモが行われた。デモはアレクサンドリアやスエズでも行われ、2月以来最大規模となった。(8日)
●南スーダンに自衛隊派遣要請 国連安保理が9日に独立する南スーダンへの最大7900人規模のPKO(国連平和維持活動)部隊派遣を決定し、潘基文事務総長が日本に自衛隊の施設部隊と合わせヘリ派遣を要請した。(8日)
●日米豪が南中国海で共同訓練 海上自衛隊が米・オーストラリアの両海軍との3国共同訓練を、南中国海のブルネイ沖で初めて実施した。(9日)
●前原前外相らが訪沖 前原前外相らを代表とする超党派の「新世紀の安全保障体制を確立する議員の会」が名護市を訪問した後、沖縄県知事に日米合意の受け入れを迫った。(10日)
●米がパキスタンへの軍事援助凍結を通告 オバマ米政権は、年間20億jのパキスタン軍事援助のうち最大8億jの供与を停止すると決定し、パキスタンに通告した。クリントン国務長官は、パキスタン政府が対テロ戦争への非協力的態度を改めることが援助再開の前提条件であると語った。(11日)
●米国防長官がイラク訪問 米国のパネッタ新国防長官がイラクを訪問し、イランがイラク国内のシーア派勢力に武器を供与し駐留米軍への攻撃を強化していると非難。状況の改善がなければ米軍が自らシーア派掃討に乗り出す考えを示した。(11日)
●原発再稼働で政府統一見解 枝野官房長官が原発再稼働への政府の統一見解を発表した。玄海原発など停止中の原発に簡易な1次評価を実施し、再稼動の可否を判断する。その上で全原発を対象に2次評価を行い、継続・中止を判断する。(11日)
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週刊『前進』(2496号4面4)(2011/07/18 )
日程 8月広島-長崎反戦反核・反原発闘争
広島
☆被爆66周年 ヒロシマ・ナガサキ、フクシマをくりかえすな!
反戦反核・原発廃止ヒロシマアピール
8月6日(土)午前9時 原爆ドーム前に集合 午前10時デモ出発(〜県立総合体育館)
すべての核と原発をなくせ! 戦争をとめよう!
8・6ヒロシマ大行動
8月6日(土)12時半〜午後2時半 広島県立総合体育館小アリーナ(旧広島市民球場北)
8・6ヒロシマ大行進
午後3時 デモ出発(〜平和公園資料館前)
主催 被爆66周年8・6ヒロシマ大行動実行委員会
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労働者産別交流集会
5日(金)午後1時 広島市東区民文化センター(東区東蟹屋町10-31)
反原発ヒロシマ集会
5日(金)午後6時 広島市東区民文化センター
全国青年労働者交流集会
7日(日)午前10時 広島工業大学広島校舎大会議室(中区中島町5-7)
全国学生集会
7日(日)午前10時 広島市南区民文化センター(南区比治山本町16-27)
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菅首相来広・祈念式典弾劾デモ
6日(土)午前7時 東千田公園(日赤原爆病院前)
主催 8・6広島-8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会
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長崎
☆福島原発事故を絶対に許さない! 核武装と失業の政策に、労働者の怒りを!
祈念式典菅参加弾劾デモ
8月9日(火)午前10時 城栄公園(路面電車・大橋駅下車)
8・9長崎反戦反核反原発集会
8月9日(火)午後1時半 長崎県勤労福祉会館2階講堂(路面電車・公会堂前下車)
主催 8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会
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朝鮮人原爆犠牲者追悼式典
9日(火)午前7時半 爆心地公園の原爆朝鮮人犠牲者追悼碑
主催 長崎朝鮮人の人権を守る会
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週刊『前進』(2496号5面1)(2011/07/18 )
8・6広島大行動で菅倒せ
反原発闘争の大高揚で自治会建設かちとろう
マルクス主義学生同盟中核派広大支部
今夏8・6ヒロシマ大行動は、全原発の停止・廃炉、全学連運動の復権、そして日本帝国主義打倒のプロレタリア革命の実現に向けた決定的な闘いとなる。原発事故と放射能汚染の拡大に対する全人民的怒りは日々拡大している。その中から、青年・学生を先頭に、新自由主義によって奪われた団結が荒々しくよみがえり始めている。われわれはこの歴史の転換期において、あらゆる怒りを一つに束ね、一方における大衆行動の爆発、他方における労働組合・学生自治会建設の闘いとして発展させていかなければならない。その決定的突破口が8・6ヒロシマ闘争であり9月全学連大会だ。全国学友の結集を訴える。
キャンパスからも反原発のうねりが
第一に、7・8東北大集会―7・15京都大集会と、キャンパスの中心部から全原発の停止・廃炉をかちとる大衆行動が開始された。これを8・6ヒロシマ―全学連大会で徹底的に拡大しよう。
3・11情勢とは「挙国一致」「休戦」イデオロギーのもとにすべての階級的な闘いやあり方を一掃し、「資本のための復興」(首切り、賃下げ、生活破壊)攻撃のもとに組み伏せる反革命だ。しかしわれわれは、3・17緊急闘争―3・20渋谷デモを突破口に、4・22法大―東電直撃デモで直ちに反撃した。その闘いは5月沖縄から6月三大闘争(6・5国鉄大集会、6・11反原発デモ、6・19フクシマ大行動)として発展し、ついにキャンパスから反原発闘争が開始された。それは菅政権の階級融和攻撃をはね返し、法大、東北大、京大を先頭にして学生自治会建設(強化)という方向性で闘われている。
7・8―15闘争をもって、9月全学連大会への大結集の号令は発せられた。反原発闘争を基軸に全学連大会への大結集をかちとろう。全学連大会結集運動を一切の活動の基底に据えよう。われわれ広大生も全学連大会に大結集し、広島大学学生自治会の復権を絶対にかちとる決意だ。その決定的バネとして8・6ヒロシマ闘争を爆発させる。
第二に、福島第一原発事故をめぐる情勢は、日本帝国主義の決定的危機と追い詰められた姿を突き出している。
何よりも、7月13日の菅の「脱原発宣言」なるものを徹底弾劾する。これは菅が延命し、なおかつ原発政策を維持・推進するための二重のペテンだ。玄海原発再稼動の策動に対して現地住民を先頭に怒りが爆発する中、菅は「ストレステスト」(耐性評価)導入のペテンで切り抜けようとしたが、「全原発停止に現実味」「玄海突破口 シナリオ崩壊」(東京新聞7・9付)という絶体絶命の地点に追い込まれている。この力関係に勇気づけられ、反原発闘争はますます拡大しようとしている。菅の「脱原発宣言」は、このうねりを押しとどめて沈静化し、体制内に取り込むためのものだ。
「原発に依存しない社会を目指す」と菅が言うのならば、日本全土に原発を建設し、利権に群がり、労働者を被曝させ、かつ原発事故で「レベル7」の放射能汚染を拡大してもなお、のうのうと生き延びている原子力村の犯罪者どもを今すぐ監獄にぶち込んでみろ!
東電をはじめすべての当事者たちに全責任を取らせてみろ! 菅は遠い将来に原発のない社会が実現できるかのような幻想をあおりながら、その一方で自らを含む国家権力の階級犯罪については居直っているのだ。
フクシマの怒りを先頭とする日本労働者人民の闘いは、「ストレステスト」や「脱原発宣言」などの虚構を見抜きながら、この夏、壮大な決起をさらに拡大していく。
御用学者を追放し法人化大学粉砕を
第三に、新自由主義大学(法人化大学)の全矛盾の爆発として今次原発事故があり、反原発闘争を発展させる中に、学生の団結をよみがえらせ、ヒロシマ闘争―全学連大会の爆発をかちとる道がある。
一つに、原発の廃絶と新自由主義大学(法人化大学)の粉砕は表裏一体の問題だ。それは、原発推進大学こそが法人化大学のなれの果てであり、原発事故の中に現在の大学・教育の全矛盾が凝縮されているからだ。
とりわけ広大生は8・6ヒロシマを通して広大キャンパスからすべての御用学者どもを追放する闘いを推し進める。長崎大教授・山下俊一とともに福島県放射線健康リスク管理アドバイザーとして日帝の放射能汚染の責任を免罪する広島大教授・神谷研二(原爆放射線医科学研究所長)を絶対に許さない。山下と神谷はともに7月15日付で福島県立医大副学長に就任し、福島県民をモルモットにした支配階級のための「被曝データ」を収集しようとしているのだ。広島大学と長崎大学からすべての原発翼賛教授を打倒しよう。
二つに、キャンパスから反原発闘争を発展させ学生自治会を建設することは、新自由主義が破壊した団結を復権し、帝国主義支配のもとで押しつぶされてきた人間存在をよみがえらせる闘いだ。支配階級の頭の中には「経済」「資本」「産業活動」はあってもそのもとで働く労働者はない。「放射能汚染の数値」はあってもそのもとで暮らす住民や子どもはない。新自由主義大学においては「国際競争力」や「ルール」はあってもそのもとで呻吟(しんぎん)する学生の存在はまったくない。
資本の無限の価値増殖運動が一切に優先され人間を支配するこの転倒を怒りを込めて粉砕しよう。青年・学生は反原発闘争を通して、自らこそが職場・キャンパスと社会の主人公であることを誇り高く宣言するのだ。
三つに、広大学生運動こそが8・6ヒロシマを通してその闘いの先頭に立とう。全学連は1960年代に米ソ核実験反対闘争を闘い、社会民主主義とスターリン主義の桎梏(しっこく)を打ち破るまったく新たな政治勢力として鮮烈に登場した。そして、68年の米原子力空母エンタープライズの佐世保寄港阻止闘争でナガサキの被爆者と合流。既成原水禁運動の混乱と分裂に失望していた多くの被爆者は、再び闘いに立ち上がっていった。
新たな8・6ヒロシマの闘いの先陣を切ったのも広大学生運動だ。68年6月、広島大学教養部学友会は「この弾薬をベトナムに送るな!」をスローガンにストライキと呉基地突入闘争を闘う。69年8月には、広大全共闘が36時間におよぶ大学本部砦(とりで)の死守戦を敢行し、全学連は全国大学に「広島大に続け!」と号令を発した。この広大闘争を支援する中から、被爆者・被爆二世も続々と決起した。それは、71年8月6日の佐藤栄作首相の平和記念式典参加実力糾弾闘争として大爆発していった。
福島原発事故の中で被爆者の怒りが再び三たび燃え広がっている。2011年8・6ヒロシマで、広大生は被爆者とともに原発と核に対する全面的な怒りを解き放つ。
8・6広島をバネに全学連大会成功へ
第四に、「3・11」を受けて全世界の労働者人民の注目が8・6ヒロシマに集まる中、今こそ被爆地・ヒロシマの根源的怒りを爆発させ、青年・学生を先頭に菅政権打倒の戦闘的大デモを打ち抜こう。
反原発闘争が職場・キャンパスの闘いを基礎にして一個の政治闘争として爆発するとき、それは菅政権を吹き飛ばし、日帝打倒のプロレタリア革命を実現する決定的な推進力となる。フクシマの怒りを先頭とした巨大な大衆行動のうねりと合流し、われわれがヒロシマ闘争―全学連大会の今夏決戦を全力で駆け抜けたとき、全学連運動の復権と11月労働者集会の歴史的高揚の展望は切り開かれる。世界大恐慌が原発事故と大失業として深まる中、広島を福島―沖縄と並ぶ革命の根拠地に押し上げよう。
最後に、巨大な大衆行動と学生自治会建設の前進をかちとる最深の力は帝国主義とスターリン主義をのりこえる革命的労働者党の存在にある。われわれは機関紙『前進』を最大の武器とし、ヒロシマ闘争―全学連大会のただ中でマル学同広島大支部の倍増を絶対に実現する。世界革命の展望をこじ開ける、熱い7〜9月決戦を闘おう。8・6ヒロシマでともに団結を打ち固め、歴史的闘いを実現しよう!
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週刊『前進』(2496号5面2)(2011/07/18 )
東北大集会 反原発!大学奪還!
キャンパスで大討論会
「反原発!大学奪還! 7・8東北大集会」が7月8日、東北大学学生自治会の主催で行われ、全国の学生と東北大生ら150人が東北大学川内北キャンパスに大結集した。被災地の大学キャンパスから原発に対する怒りが爆発した。
昼休みに続々と東北大生がキャンパス中央に出てくる中、東北大学学生自治会委員長の石田真弓君が訴えた。「政府は原発を推進し、自らの金もうけのために復興を利用し、学生・労働者を殺し、子どもたちを殺そうとしている。これへの根本的な反撃として原発絶対反対の声を上げよう」。そして原発推進大学の腐敗を弾劾し、学生が大学を自分たちの手に取り戻すために闘うことを宣言した。
法政大生の洞口朋子さんは、東北大生の闘いと連帯して法政大学でも反原発・学祭規制反対の闘いに立ち上がっていることを報告。広島大生は8・6ヒロシマへの結集を訴え、福島大、京都大、富山大の闘う学友のアピールが続いた。
圧巻は東北大学学生自治会の2年生の発言だ。「われわれが立ち上がり、怒りの声を上げることで、行政や大企業をひっくり返せる」「大学当局は法人化以降、新自由主義、原発推進の片棒を担いできた。本来あるべき大学の姿を取り返さなくてはいけない」
座って聞き入るグループ、立ち止まって集会を見ている学生、いたるところで討論が始まっている。集会発言を聞いていた東北大生の一人が原発廃止の是非について飛び入りで意見を表明。集会は真剣な大討論会となり、注目は最高潮に達した。生き生きとした集会が大学当局のキャンパス支配を打ち破り、キャンパスを解放空間にした。
学生の怒りの決起に恐れをなした東北大学総長特別補佐の東谷篤志(学生弾圧の責任者であり、有朋寮廃寮の下手人!)が引きずり出された。日就寮に住み反原発運動の先頭に立つ学生を「大学の決めたルールに従って退寮しろ」と言い放つ東谷に全学生の怒りが炸裂(さくれつ)! 東谷は日就寮の要求書と、これまで受け取ることさえ拒否してきた学生自治会の申入書を受け取らざるを得なくなった。
そして3・11以降初めての学内デモを意気高く行い、夕方は東北大学構内で討論集会を開いた。女川原発反対同盟代表の阿部宗悦さんの発言を受け、法大文化連盟委員長の斎藤郁真君が基調を提起(要旨別掲)。石田真弓君が学生自治会建設を訴え、1、2年生を先頭に白熱的討論が行われた。まとめを織田陽介全学連委員長が提起。「全学連大会に向かって原発にこだわり抜いて闘う。原発にまで行き着いた大学の腐敗、新自由主義を根本からひっくり返す。私たちが団結すること、それが社会を変えるということだ。原発問題で学生の大規模なエネルギーを生み出し、学生自治会を復権させていく」。全国の学生は自分のキャンパスで徹底的に闘う決意を固めた。
(写真 キャンパス中央で反原発集会を開催【7月8日 仙台市・東北大学】)
反原発を闘い全学連大会へ 基調報告(要旨) 斎藤郁真君
本日の東北大集会の意義は一つに、ますます高まる労働者、学生、民衆の怒りの先頭に立ち、被災地から反原発・菅政権打倒の声を上げたこと。二つに、キャンパスから「節電」「安全宣言」をのりこえて声を上げたこと。三つに、大学の奪還を掲げ、その力は学生自治会の建設にあることを打ち出したことだ。学生の自主的行動が始まっている。学生自身の組織をつくり、大学を取り戻さなくてはならない。それが原発全廃への道だ。
大臣が次々と吹っ飛ぶ情勢だ。学生の巨大な全国組織が登場したら、腐った支配階級を蹴散らし原発を全廃にできる。
日本が原発に固執する背景には、資本主義の崩壊的危機と核武装への欲求がある。反原発闘争は、資本主義体制転覆へと向かう根底的闘争だ。反原発闘争を大前進させ9月全学連大会へ。
100万の行動を組織するために、目の前の1人を活動家として獲得することにこだわろう。反原発1000万署名運動と署名実行委員会を武器に仲間を組織しよう。8・6ヒロシマ世界大会への学生の大結集で菅をその場で打倒しよう。
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週刊『前進』(2496号5面3)(2011/07/18 )
停止原発の再稼働許すな
ストレステストのペテン
菅政権は7月6日、突如として全原発を対象に新たにストレステスト(耐性評価)を導入・実施すると発表した。13日には菅が首相官邸で記者会見し、「原発依存度を段階的に下げる」「将来は原発のない社会を目指す」などと、あたかも従来の方針を「転換」したかのような姿勢を打ち出した。だがこれはとんでもないペテンだ。菅政権の原発推進の本質を変えるものではまったくない。
そもそも菅政権は、福島原発事故の収束の展望もない中で6月18日に原発の「安全宣言」を強行した。そして全国の原発再稼働への突破口として、海江田経産相が6月29日に佐賀県を訪れ、九州電力玄海原発の運転再開容認を県知事と玄海町長に国家意思として強要した。これに対して全国の労働者人民の怒りが爆発し、九電による「やらせメール」という悪質な世論操作への怒りと相まって、闘いの火が一挙に燃え広がった。このままでは自らの命取りになると大動揺した菅は、正面突破の断念に追い込まれ、ひとまず事態の沈静化を図ることに必死になっているのである。
11日の政府統一見解の中に、その正体は示されている。そこでは6月に出した「安全宣言」を撤回するどころか再確認している。その上で、定期点検中の原発の再稼動が「国民・住民の理解を得られていない」という認識に立ち、この現状を突破するために、欧州を参考にしたストレステストを実施するとしている。そのストレステストは@停止中の原発に簡易な1次評価を実施し、再稼動の可否を判断するAその上ですべての原発に2次評価を実施し、運転の継続・中止を判断する――という2段階で行われる。これらは実地テストではなく机上の数値計算で済まされる。
再稼動の判断基準となるテストの評価項目や実施計画の確認、妥当性の判断は、原子力安全委員会と原子力安全・保安院が共同で行う。福島原発事故の責任者が安全を確認できるわけがない。ストレステストが原発再稼動のための儀式であることは歴然としている。
約6カ月かかる欧州連合(EU)のストレステストに準じた2次評価を再稼動の条件にすれば国内の原発はほとんど止まりかねない。このため短期間で終わる1次評価を導入したのである。これなら「早めの原発再稼動にめどをつけられる」(経産省幹部)のだ。
菅はストレステストであたかも「安全を重視」しているかのようなポーズをとりながら、実際には資本のために原発推進の道をこじ開けることに全力を挙げているのだ。労働者階級にはこんなペテンは通じない。
経団連の米倉弘昌会長は11日、日帝の原発政策が危機に瀕(ひん)していることへのブルジョアジーの非常な焦りと危機感を、菅政権への怒りとしてぶちまけた。そして原発を引き続き柱に置いた新たなエネルギー政策を提言し、菅政権に全原発の速やかな稼働を迫っている。菅のストレステストは結局は、こうした経団連の要求に応えるものになっているのだ。
8・6広島―8・9長崎反原発・反戦反核闘争の高揚で菅政権打倒、原発再稼動阻止、全原発廃炉をかちとろう。
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週刊『前進』(2496号5面4)(2011/07/18 )
労働者の分断と無権利化
「節電」口実に「土日稼働」
原発体制の維持を狙った大キャンペーンでもある「電力不足」と「節電」を口実に、7月2日から自動車業界、日立やNTTドコモなどで「土日稼働」が始まった。自動車・部品関係だけでも80万人に及ぶ下請け・関連企業の労働者とさらにその家族、企業城下町の交通機関、保育所勤務の自治体労働者など、日本全国で多大な犠牲を強要されている。
「土日稼働」がいったい労働者に何をもたらすか。すでに当該の労働者とその家族には「土・日・祝日の休日」はなくなった。振替休日もバラバラにされている。「1日8時間・週40時間」の法定労働時間が解体され、超過勤務手当、深夜・休日勤務手当の基準となる労働時間の概念そのものをなくす変形労働時間制が、大手を振ってまかり通ろうとしている。
基幹的産業である自動車や家電の工場、情報産業などでの「土日稼働」導入は、巨大な規模の労働者の労働条件の激変をもたらす。労働時間延長と労働密度強化は、外注化・非正規職化による人件費削減とともに、資本による労働者強搾取の根幹をなす。まさにこれは、大恐慌・震災恐慌情勢下で、労働基準法の実質的な解体、19世紀の工場法以前のような無権利状態に労働者総体をたたき込もうとする、新自由主義攻撃そのものである。
経団連「復興・創生マスタープラン」がうたう労働規制撤廃、アジア並み低賃金化の攻撃が、被災地のみならず全国の自動車・部品工場で一気に始まっている。
とりわけ深刻なのは保育職場である。「土日稼働」は保育の現場を直撃し、これまでの人員のままでの「休日保育」が強制されている。ただでさえ人員が少なく、公務災害、病休・欠員や子どもの事故が多発する状況にある。この上、どうやって休日まで通常の保育体制がとれるというのか。
「休日保育」を強いられる全国自治体では、一層強まる財政負担を理由に、保育所の民営化・外注化・非正規職化に拍車をかけようとしている。幼稚園と保育園を一体化する政府の「子ども・子育て新システム」は、財源不足を口実にした保育の丸ごと民営化による公務員労働者の首切り・総非正規職化の大攻撃である。同時に、パート労働者が時間単位で子どもを預ける細切れ保育・深夜保育や、民間・NPOによる基準以下の保育施設への門戸開放・規制緩和がうたわれている。「土日稼働」は労働者の無権利・総非正規職化を進め、保育までも資本の餌食とする新自由主義の「新成長戦略」を、「節電」を口実に加速させる許しがたい攻撃である。
まさに今、労働組合が問われている。日帝ブルジョアジーによる「震災復興」を口実にした攻撃は、被災地をはじめとする6千万労働者に対する震災解雇・9割非正規職化とともに、労働時間・労働条件の徹底的な解体の攻撃として立ち現われている。「労使一体の震災復興」として「土日稼働」に率先して協力する連合労働組合幹部をどうして許せるか。
現場に矛盾と怒りは充満している。資本の労働者支配の最大の支柱と化した連合労働運動を打ち倒す階級的労働運動を職場生産点からつくり出していこう。
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週刊『前進』(2496号5面5)(2011/07/18 )
日程 全学連第72回定期全国大会
全学連第72回定期全国大会
【日時】9月9日(金)〜10日(土)
【会場】東京都内
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週刊『前進』(2496号6面1)(2011/07/18 )
「反戦の母」「労働者の一人」
シーハンさんと8・6で合流を
「反戦の母」と呼ばれ世界に名を馳(は)せるアメリカの反戦活動家シンディ・シーハンさんが8月、日本にやってくる。8・6広島―8・9長崎闘争、8・11沖縄集会、そして東京の8・15集会に参加するために。反戦にかけるシーハンさんの熱い思いと行動に応え、ともに反原発・反戦反核闘争に立とう。
4人の子どもをもつ一人の母親だったシーハンさんを反戦運動の象徴的存在に押し上げたきっかけは、24歳の息子ケーシーさんの戦死(04年)だった。彼は「家族に負担をかけまいと、大学の授業料を自分で稼ぎたいという思いだけで軍隊に入隊し」(シーハンさん)、米帝ブッシュ政権が始めたイラク侵略戦争で命を落とした。シーハンさんは息子が単なる駒として利用され、死に追いやられたことに不正義と憤りを感じ、戦争責任を追及し米軍の即時撤退を求めて闘いを開始。支援者とともにブッシュの保養先に押し掛けて座り込みを行った。
幾度もの不当逮捕も、「ブッシュよりまし」と民主党への幻想をあおって制動をかける運動内部の動きも、シーハンさんから反戦の闘いを奪うことはできなかった。その理由は、今年2月、団体交渉権とストライキ権の剥奪(はくだつ)に対して闘うウィスコンシン州の公務員労働者に送ったメッセージを読むとはっきりする。
その中でシーハンさんはまず、「私も労働者の一人としてみなさんとともに闘います!」と宣言、「政治家や企業のトップ」により「労働者が最大の犠牲を払わされる」と搾取に対する怒りをほとばしらせ、「やつら」は財政赤字について「平気でうそをついて」「権利を放棄させようと脅している」と弾劾し、「団結権を行使してやつらと闘うべきです!」と激励している。
さらに、選挙に関して「二つの悪のうちまだましでも、悪であることには違いはない」と体制内勢力の反労働者性を断罪し、最後に「アメリカの前途を担う人たちの権利を擁護し拡大しなければなりません。その人たちとは労働者階級です」と言い切っている。階級的立場は鮮明だ。
シーハンさんとともに8・6ヒロシマ大行動を反原発・反戦反核を掲げた「闘う世界大会」としてかちとろう。
(写真上 05年9月、ホワイトハウス前で抗議中、真っ先に逮捕された。胸の写真は戦死した息子。370人が逮捕された)
(写真下 オバマを「ホワイトハウスの戦争犯罪人」と弾劾【2010年】)
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週刊『前進』(2496号6面2)(2011/07/18 )
団結街道裁判 確固たる入会権が存在
“原告適格なし”の不当暴く
7月12日、三里塚・団結街道の廃道処分取り消しを求める団結街道裁判の弁論が千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)で開かれた。
被告の空港会社(NAA)と成田市は、三里塚芝山連合空港反対同盟にも天神峰の市東孝雄さんにも「原告適格がない」と強弁している。反対同盟と支援の労働者、学生、市民は怒りを燃やして法廷でともに闘った。
顧問弁護団は、市東さんの団結街道の使用実態を克明に示した。市東さんは作物の栽培、収穫、出荷などで、畑と自宅を直線で結ぶこの道を毎日何度も往復してきた。この道を一方的に封鎖・破壊し、3倍もの道のりの「迂回(うかい)ルート」を強制しているのが、NAAとその手先になり果てた成田市だ。彼らの「原告適格なし」の主張がいかにデタラメで不当かを突き出し、この道路には天神峰部落の入会権が確固として存在していることを一層明確にした。さらに東峰の萩原進さんらの農家にとっても、この道が必要不可欠であることを明らかにした。
また団結街道の土地をひどい安値で成田市がNAAに売り払ったことに関連して、弁護団が土地の鑑定書の提出を迫ると、市とNAAの代理人弁護士は長いヒソヒソ話の末に蚊の鳴くような声で「検討します」と一言。次回期日を10月11日として閉廷した。
千葉市文化センターで鈴木謙太郎さんの司会で報告集会が開かれた。
最初に北原鉱治事務局長があいさつに立ち、空港建設の暴力的強行の歴史を怒りをもって振り返り、現闘本部を守る闘いへの決起を促した。
続いて葉山岳夫弁護士を先頭に弁護団が次々と裁判の解説と勝利への決意を語った。さらに、東京高裁の反動判決を受けて千葉地裁が現闘本部撤去の権利を執行官に与える「授権決定」を下したことを弾劾した。しかも決定は「建物の中に旧木造建物が残っていたらそれも壊せ」とわざわざ言及し、一審判決を反動的に補強している。成田治安法により鉄板と鉄条網でがんじがらめに封鎖されている現闘本部を、違法もへ理屈も承知の上で力ずくで取り除けという国策裁判、国家犯罪が行われているのだ!
萩原進事務局次長がまとめで、三里塚裁判へのさらに力強い取り組みを要請し、「現闘本部撤去決定を弾劾する団体・個人の声明が70通も寄せられた。この決意を、現地へ駆けつけ同盟とともに闘う実践として表していただきたい」と訴え、7・18闘争への総決起を促した。
さらに、同じ多見谷裁判長のもと進められている市東さんの行政訴訟で、証人尋問を2人だけ(反対同盟の萩原さん、市東さん)ですませようとする動きについて警鐘が鳴らされた。多見谷裁判長が県知事関連も旧地主の藤崎も証人調べをせずに結審へと向かうことなど許さない。焦点は8月30日の法廷だ。
現闘本部撤去攻撃を迎え撃つ白熱の現地攻防に立ち上がろう。7・18緊急現地闘争に大結集しよう。自らの職場・大学から三里塚決起をつくり出そう。
(写真 裁判後の報告集会で萩原事務局次長が7・18現地闘争への総決起を訴えた【7月12日 千葉市】)
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週刊『前進』(2496号6面3)(2011/07/18 )
震災解雇&大失業と闘う
みやぎ連帯ユニオン
“震災解雇打ち破った”
分会結成し団交、職場復帰
包装資材を扱う宮城県のC社による4月末日での震災解雇(本紙2487号既報)に対して、みやぎ連帯ユニオンは職場に分会を結成して闘い抜いてきました。そしてついに7月、2人の組合員の職場復帰という大勝利をかちとりました。被災現地からの闘いの報告です。(編集局)
◇ ◇
大失業時代にあって激化する震災解雇との闘いの突破口を開く勝利をかちとりました。
5月31日、C社社長とみやぎ連帯ユニオン委員長は次の合意書を取り交わしました。
「@みやぎ連帯ユニオン組合員、A・Bの2名について4月30日付解雇を取り消すA2名について5月1日からの休業扱いとするB休業期間については別途協議する」
2人の組合員の解雇を撤回させる大勝利です。
分会員が団交で資本を徹底追及
どうして解雇を撤回できたか? 労働組合のもとに固く団結して会社と激突し、その団結力で会社を恐怖させたからです。“解雇を撤回しなかったらどういう事態になるかわからない”と会社は恐れたのです。
5月18日の団交で、3人の分会員は会社を徹底的に追及しました。
A組合員は資本が首切りのためにC社という偽装請負の会社をつくり、そこに本年2月に労働者が転籍を強いられた際、雇用契約書の内容を会社がこっそり書き換えていた問題を追及しました。
パート労働者は全員が1年の有期雇用契約でした。会社は契約期間中であったにもかかわらず、契約の内容を勝手に変え、首を切りやすくしました。しかも、その書き換えを労働者には「今までどおりだから」とウソをついて強行したのです。
そのことを追及すると会社は「その意図はなかった」と釈明しました。「それならなぜ書き換えたのか」と追及すると答えられなかったのです。
またB組合員は、震災後も被災したBさんの家のことを心配する言葉がまったくなかったことや、解雇通告を社長や会長が行うのではなく現場の責任者にさせたことについて、「言葉をかけてほしかった」「直接言ってほしかった」と不満をぶつけました。
3人の分会員が会社を徹底追及する団交としてやりぬきました。「言いたいことを言ってすっきりした」というのが分会全員の感想です。連帯ユニオンのT君が団交直後、「あれだけ社長に面と向かってものを言えるのはすごい」と感心したほどです。
団交の最中、連帯ユニオンの仲間は後方支援に徹してくれ、ユニオン・分会一体となった団結が会社を追い詰めました。
団交で明らかになったことは「首切り反対、労働者は死んではならない」というスローガンの正しさ、威力です。
6月初めの段階で、ハローワーク気仙沼では全雇用保険資格者の39%が失業手当を受給し、ハローワーク石巻では25%が受給しています。失業手当の受給期間は最長でも1年未満。このような中で首を切られたら、労働者は生活の糧を失い生きていけません。資本は「再建」「復興」と言いながら、必ず労働者を犠牲にして生きのびようとします。それに対して私たちは“絶対に死なない。雇用を守れ”と会社を糾弾しぬきました。
また今回の勝利は、みやぎ労組交流センターの仲間とともにかちとった勝利です。対策会議での連日の討論の中で、労組交流センター会員の分析などを基にしながら雇用契約書の書き換え、偽装請負などの会社の汚いやり口、弱点を暴き出したことは重要でした。
会社は7月になって、新しい仕事を取ったので職場復帰を打診してきました。肉体的にきつい仕事だし、あんな経営者の職場に戻るかどうかの迷いはありましたが、私たちは団結して職場に戻ることを決断しました。分会・ユニオンの団結の強化・拡大をめざしてこれからも闘います。
(みやぎ連帯ユニオン・S)
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週刊『前進』(2496号6面4)(2011/07/18 )
団結ひろば 投稿コーナー
福島大で学生自治会をぜひ復権させたい 東北大 古郡陸
「フクシマの怒り」は止まりません。「6・19デモ後、福島市でデモをやる団体が出てきた。私たちが闘いをつくった」(福島大生)
政府・財界に「フクシマの反省」などありません。菅は「原発がなくてもやっていける社会の実現を目指す」と言いました。これは、子どもの被曝線量年間1_シーベルト以下を「目指す」との奇弁で責任逃れする文部科学省と同じです。ならば今すぐ全原発の停止を宣言しろ!
大学でも街頭でも「菅首相の言うことはもともと信用していない」「まず福島の現状をなんとかしろ!」「責任とれ!」と怒りが爆発しています。その通りです!
原発をなくすため、原子力ムラの一角である新自由主義大学を内部から学生がぶち破りたい。全学連福島現地行動隊はそのために結成され、6・19集会後も現地で闘いを継続しています。みんな「社会がこのままではいけない」「原発を止めたい」と思っています。その先頭に全学連が立つことで、渦巻く怒りが運動へと発展し始めました。それが6・19怒りのフクシマ大行動や7・8東北大集会への福島大生の参加でした。
6・19への福島大生の決起は決定的でした。学生が立ち上がれば原発は止まる! 「デモを終えてからが大事。収束させずに広めなければ」(福島大生)。そのために福島大生は闘う組織を求めています。7・8集会は学生自治会の持つ力と可能性を示しました。まずは自分たちが呼びかける側に立ち、そこから福島大でも闘う学生自治会を復権させていきたい!
原発を止めるために、8・6ヒロシマと全学連大会へ福島大からも合流します。全国学友は福島大生とともに闘おう。
キャンパスは楽しい東北大で討論し実感 法政大 倉岡雅美
7月8日、東北大キャンパス集会に参加するために4年ぶりに行きました。“きれい”に整備されたキャンパス中央広場。“おしゃれ”になった食堂。私が知っているトンペー(東北大)とは違った風景でしたが、学生の行動力・根底性・大きな笑顔は健在でした!
集会中に手を挙げて自分の意見をぶつけてくる学生。笑顔で一緒にデモコールをするサークル員。クラス討論で洞口さんを拍手で迎えるクラスメイト。キャンパス集会、クラス討論、教室集会。一日中、キャンパスで学友とガチンコ討論したり、真剣になったり、大声で笑ったり。法大キャンパスに入ることができない私にとってはとても新鮮で、キャンパスにいることがとても楽しく、短い時間でしたが充実した1日を過ごせました。と同時に、法大キャンパスに戻りたい!法大でやりたいという思いが一層強くなりました。
法大でも東北大でも大学側の言葉はまったく同じで「大学の決定だから」。学生の存在は一切ありません。彼らの言葉は3・11以前も以後もまったく同じです。彼らが守るものは経営であり、一部の連中の利権であり、その利権を生み出す原発です。しかし、私たち学生が守るものは、私たちの命であり、ふるさとであり、子どもたちの未来であり、かけがえのない仲間です。
今、あらゆる大学で原発問題に関する集会やデモが学内で行われています。学生の声も行動も3・11で一変しました。わき上がる学生の行動、怒りと一つの全学連大会にしていきたいです。
反原発と基地建設を許さない闘いは一つ 東京南部 西里道利
7・10反戦反核東京集会に参加しました。まず第一に、5・15沖縄現地闘争、6・19フクシマ現地闘争の高揚・興奮がよみがえり、闘う労働組合の力で反戦反核・反原発闘争の高揚へ自らが奮起する決意を固めることができました。
3・11大震災と原発事故以後、日米安保同盟にもとづいて日米軍事演習が強行されました。「トモダチ作戦」は演習ではなく実戦です。被災した人びとの救援ではなく被災地の治安を維持するための作戦です。日米安保同盟強化であり絶対に許さない。反原発・反基地闘争の前進で日米安保同盟を粉砕しよう。
第二に、震災・原発事故が日帝の根幹を揺るがしているだけではなく、資本主義体制が崩壊し始めたということが実感としてつかめました。
「原子力の平和利用」と言って国策として進められてきた原発建設=核武装推進攻撃の前に、既成政党・労働組合が屈服していった歴史、「被曝労働」なしには原発は動かないということが誰にも明らかになりました。替え歌「みんなウソだった」が示しているように。
「すべての原発を止めろ。廃炉にしろ」、そして新たな原発建設を絶対に許さない闘いは、辺野古新基地建設絶対反対闘争と一体です。原発を止め、基地建設を許さない闘いは資本主義体制を打倒する闘いです。
ヒロシマ・ナガサキ・オキナワ・ビキニとつながる日帝の戦争政策をぶっ飛ばし、8・6―8・9、8・15集会に闘う労働組合とともに決起します。
許せない!国鉄闘争共闘会議が解散総会 東京 国木田亨
6月24日、ついに国鉄闘争共闘会議が総会で解散を強行した。4・9政治和解の当然の帰結ではあるが、まがりなりにも1047名解雇撤回を闘争団とともに闘い続けてきた人たちの裏切りと屈服は本当に許せない。
総会当日、入り口で「解雇撤回まで闘おう!」「敵よりも1日長く闘おう!」と呼びかけながら、組合規約の改悪を策動する国労本部を弾劾するチラシをまいた。多くの労働者が厳しい顔で受け取っていった。
ほどなくして闘争団の1人が出てきて「チラシをまくな。あんたらは部外者だろ。なんでこんな所まできてまくんだ」とにらみつけた。かつてあらゆる所へ行き、やめろと言われても解雇撤回のチラシをまいてきたのは誰だったんだ! 「国鉄解雇はすべての労働者の問題だ」と支援を要請したのは誰だったんだ!
まるでJRのようにビラまきを弾圧するまで闘争団を落ちぶれさせたのが4・9政治和解だ。会場に入るかつての「闘士」はみな死人のような顔だった。闘いをやめ屈服することがこんなにもぶざまで醜いのか。
だから、動労千葉と4人の国労闘争団員の決起で始まった国鉄全国運動は日本階級闘争にとって決定的だ。闘いがある限り労働者の希望は消えない。
今、4・9和解と原発を推進した連中はボロボロになっている。世界大恐慌の嵐と震災解雇・大失業、原発事故は国鉄労働者の魂に再び火をつけるはずだ。労働者根性で精神を前のめりに奮い立たせ、ともに闘おう。
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週刊『前進』(2496号6面5)(2011/07/18 )
日程 部落解放同盟全国連合会西郡支部第6回定期大会
部落解放同盟全国連合会西郡支部第6回定期大会
7月24日(日) 午後2時開会
八尾市桂人権コミュニティセンター(大阪府八尾市桂町2−37)
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