ZENSHIN 2011/07/11(No2495 p06)

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第2495号の目次

「関空の軍事空港化反対」を訴えデモ (7月3日 大阪・泉佐野市)=記事5面

1面の画像
(1面)
反原発8月広島・長崎へ
7月国鉄決戦を全力で闘いぬき国鉄全国運動の前進切り開こう
青年・学生を先頭に革共同集会へ
現闘本部の撤去決定弾劾する 3面に三里塚闘争アピール
記事を読む  
原発再稼働は許さない  玄海原発1号機は冷却で爆発の危険 記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
日程 革共同政治集会(東京、関西、東北) 記事を読む  
(2面)
国労本部はJR大再編の先兵 現場の力で闘う国労の再生を
国労大会決戦に総決起しよう
記事を読む  
全原発の停止・廃炉へ  絶大なカンパ訴えます 記事を読む  
東京多摩局 “雇い止めを撤回せよ”  郵政非正規職ユニオンが抗議行動(7月1日) 記事を読む  
反原発7・17いわき集会へ  動労水戸が呼びかけ文 団結し未来をひらこう 記事を読む  
日程 7・17いわき集会へ 記事を読む  
(3面)
反原発の先頭に立とう  今こそ闘う労働組合取り戻そう
日教組第99回大会にあたって訴えます  労組交流センター教労部会のビラ
記事を読む  
“東電は責任をとれ”  新橋から第2波直撃デモ(6月30日) 記事を読む  
7・18三里塚現地闘争へ  現闘本部破壊を絶対許すな 記事を読む  
日程 三里塚闘争、裁判 記事を読む  
(4面)
原発をとめろ シリーズB
原発への怒りを8月広島−長崎へ  200万福島県民を放射能の人体実験の犠牲にするな  「健康は原子力に従属」と公言(河東耕二)
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福島の農民は訴える〈下〉
私はここで営農を続け大地を甦らせる闘い貫く  福島市の果樹農家 Tさん
記事を読む  
2011年日誌 6月28日〜7月4日
エジプトでデモ隊と治安部隊が衝突/米が「対テロ新戦略」発表
記事を読む  
日程 8月広島−長崎反戦反核・反原発闘争 記事を読む  
(5面)
大恐慌激化と3・11情勢に対決しプロレタリア革命の戦略的準備を
6・5集会の切り開いた道を驀進しよう
記事を読む  
関空と原発に怒りのデモ  7・3泉佐野 市職員2割賃下げと対決(7月3日) 記事を読む  
(6面)
学生先頭に反原発・菅打倒へ  国立大学法人化体制と対決し 学生自治会の復権かちとろう
マルクス主義学生同盟中核派京大支部
記事を読む  
松本龍の「助けない」暴言は菅政権の「復興」思想の正体 記事を読む  
紹介 『全原発を廃炉に』 ブックレット A5判 116ページ 600円+税
学習会の決定的な武器  8・6−8・9に向け活用を
記事を読む  
日程 前進社不当捜索国賠訴訟 記事を読む  

週刊『前進』(2495号1面1)(2011/07/11 )

 反原発8月広島・長崎へ

 7月国鉄決戦を全力で闘いぬき国鉄全国運動の前進切り開こう

 青年・学生を先頭に革共同集会へ

 現闘本部の撤去決定弾劾する 3面に三里塚闘争アピール

 6・5国鉄闘争大集会−6・11反原発100万人デモ−6・19フクシマ大行動という、6月の三つの重大闘争の高揚は、大恐慌と3・11大震災・原発事故のもとで体制的破局のどん底にたたき込まれている日帝と菅政権を革命的に直撃した。今や日本階級闘争は国鉄闘争全国運動を基軸的な水路に、この7〜8月、全戦線で全面的な激突過程に突入した。戦後かつてなかったボナパルティズム的政権である菅政権の末期的な危機と迷走は、日帝統治能力の崩壊の象徴だ。国鉄闘争と反原発・反失業闘争の爆発で、菅政権と日帝そのものの打倒へ闘おう。7月国鉄決戦に勝ち抜き、8・6ヒロシマ−8・9ナガサキ闘争へ総決起しよう。
(写真 「関空の軍事空港化反対」を訴えデモ 【7月3日 大阪・泉佐野市=記事5面】)

 電産のような闘いの革命的な復権を

 大恐慌と大震災が生み出した情勢の転換性、激動性、根底性は、もはやプロレタリア世界革命以外に、いかなる危機打開の道もないことを突きつけている。それは同時に日本でも世界でも革命情勢を成熟させている。6・5−6・11−6・19の3大闘争は、この大恐慌・大震災情勢に真っ向から立ち向かい、日本階級闘争の画期的な新地平を切り開いた。
 それは3・11情勢という大反動に一歩も引かずに対決し、何よりも被災地の労働者の怒りを先頭に職場・生産点から懸命な反撃に立ち、ついにもぎりとった歴史的勝利の地平である。
 その上で今われわれに問われていることは、革命党としての革共同自身の飛躍であり、革命党と労働組合が一体的に結合して具体的実践に変革的に踏み込むことである。まさに「労働者が本当に苦境に立った時こそ、労働組合の存在理由、存在感がある」(中野洋著『俺たちは鉄路に生きる2』)のであり、労働組合をよみがえらせる具体的な実践に、すべての職場・戦線で一人の例外もなく、全力を挙げて突入していくことである。
 日本の労働者は、かつて戦後革命期に、労働組合が電気を止めた電産(日本電気産業労働組合)の闘いの歴史を持っている。電力産業の労働者の組合である電産は最強の力を誇り、発電から配電・営業・事務の現場まで、全国18万人を擁する巨大な産業別労働組合を組織していた。命の危険と隣り合わせの労働に従事した下請け・孫請けの労働者も、大卒の技術者も、全部がひとつの労働組合に結集し、労働者として、対等の存在としてともに闘いぬいた。そして1946年10月には世界初の停電ストを決行し、このうねりが47年2・1ゼネストへ発展した。ゼネストは挫折したが、電産ストは日本における戦後革命の巨大な闘いだった。
 原発政策の推進の歴史は、この電産が解体され総評が解体され、労働組合が階級的利害を裏切って「御用組合」「労資一体の組合」に変質してきた歴史と完全に重なる。現在の電力総連、東京電力労組は、完全な労資協調の御用組合であり、原発推進の先兵だ。
 かつて電産の闘いが示したように、労働者と労働組合には、社会を根底から動かす力がある。もう一度この原点に立ち返って労働組合をよみがえらせるために闘おう。

 「4・9」の本質

 今日、3・11大震災情勢のただ中で、昨年の4・9反革命の本質がむきだしに現れている。4・9反革命とは、国鉄(JR)による不当解雇との闘いをやめ、法的責任も一切ないと認めることで、不当解雇撤回の原則を国労と国労闘争団が放棄したことである。それは公務員の解雇問題のみならず、全産業でのあらゆる解雇攻撃を激化させる、とてつもない歴史的裏切りだ。だから国労本部など4者4団体は、これ以降もアリバイ的に「JRへの雇用要請」などと叫んできた。だがそれは単なるポーズでしかなかった。
 しかし今回はっきりと表明された「闘争終結」と、それを受けて強行されようとしている国労大会での「闘争団組合員の組合籍はく奪」は、その単なる延長ではない。それは、戦後日本労働運動の屋台骨だった国労が、労働組合として絶対にやってはならない道に踏み込むことである。
 6月闘争の対極で進んだこの1047名解雇撤回闘争の最後的な解体策動のおぞましさは、それが単なる日和見主義や敗北主義の帰結ではないところにある。そこには明確に、かつての「闘う闘争団」や国労本体=現国労本部を牛耳る協会派・革同指導部が、菅政権と連合の「産業復興」「震災復興」の名による資本家救済・人民切り捨て政策に全面協力し、JR総連=カクマルに代わる新たな「労働代官」として労資一体の道を選択した意識的な反革命の動力が働いているのである。
 6月24日の支援共闘会議総会で二瓶議長は「政党関係者から『JR雇用はゼロ』と聞かされた。不満だがもう展望はない。共闘会議も闘争を終結し6月30日で解散したい」と提案、出席者からは反対や抗議の声が相次いだ。だが「闘争終結・解散」はすでに事務所撤退も含めて準備され、後戻りのきかないものとして強行されているのだ。
 さらに原告団中央協議会・酒井代表は、「ともにGO」120号で、「原告は軍門に下らず、誇りある撤退の道をとる」「会社がかたくなな態度で……4者4団体に対しあくまで軍門に下ることを求めたことに対し明確に拒否の態度で臨み、誇りある撤退の道をとりました」と、全面屈服を合理化している。

 当面する国鉄闘争の三つの重要課題

 だが、闘いはむしろこれからだ。政治和解を拒否して闘う国労共闘・「共に闘う国労の会」と動労千葉・動労総連合は、「国鉄闘争の火を消してはならない!」と、ますます意気高く闘い、前進しているのである。そして今や7月国労大会決戦が、全労働者の未来をかけた最大最高の決戦となっているのだ。
 当面する国鉄決戦の第一の課題は「国鉄闘争の火を消すな!」と歴史的に登場した国鉄闘争全国運動の真価を今こそ全面的に発揮し、壮大な発展をかちとることだ。@職場闘争、A動労千葉物販、国労原告団物販闘争、B動労千葉を支援する会、共に闘う国労の会の会員拡大を軸に、組織拡大決戦に勝利しよう。
 第二の課題は、動労千葉の闘いに全力で連帯すると同時に、7・17いわき集会、7・17関西生コン弾圧粉砕集会の大成功をともに全力で闘い取ることだ。動労千葉は6・26定期委員会をもって基地統廃合粉砕、外注化絶対阻止と、組織拡大、11月労働者集会1万人決起の方針を打ち立て、直ちに6・28銚子総行動に決起し、全力で闘いぬいている。この動労千葉とともに闘おう。
 第三の課題は、国労大会代議員選挙を総力で闘い、めざましい路線的一致と団結を闘い取って前進する国労共闘の6月闘争の総括を深め、その地平を国労本部に代わる新たな指導部の形成へと結実させることである。

 反原発・反戦反核の「闘う世界大会」

 菅政権は経産相・海江田を前面に立て、原発「安全宣言」を出し、九州電力玄海原発を始め停止中の全原発の再稼働を強行しようとした。しかし福島原発事故が収束せず深刻化しているただ中での、老朽化原発などの再稼働に労働者人民の怒りが爆発し、菅と海江田の間の矛盾・対立も激化するに至り、この夏の再稼働は頓挫(とんざ)しつつある。
 「全原発を停止し廃炉にせよ!」という労働者人民の死活的要求は、菅を打倒し、日帝ブルジョアジーを打倒することなしには実現できない。大震災・原発事故情勢下の今年の8・6ヒロシマ−8・9ナガサキは、反原発と反戦反核を真っ向から掲げて闘いとる歴史的な大闘争となった。青年労働者と学生を先頭に、8・6ヒロシマ大行動を反原発・反戦反核の「闘う世界大会」としてかちとるために全力で組織化しよう。反原発7・17いわき集会に全力で駆けつけよう。
 三里塚現闘本部の「収去」=強制撤去の千葉地裁決定に怒りを爆発させ、7・18三里塚現地闘争を総力で闘おう。
 7・17関西生コン支部弾圧粉砕集会に全国から結集しよう。
 さらに沖縄情勢は、辺野古新基地建設とオスプレイ配備に対する最大の決戦の時を迎えた。日帝には、日米安保強化と改憲・核武装・侵略戦争体制構築にしか延命の道はない。これが日帝が原発から絶対に撤退しない理由でもある。原発と核戦争への怒りを今こそ爆発させ、現代世界の根底的変革、プロレタリア世界革命に向け闘おう。
 7月革共同政治集会の大成功と夏期一時金カンパ闘争の貫徹こそ、勝利を切り開く不可欠の土台だ。階級的な労働組合を復権させ、資本主義を倒す強大な革命党の建設へ、青年労働者と学生を先頭に闘い抜こう。

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週刊『前進』(2495号1面2)(2011/07/11 )

 原発再稼働は許さない

 玄海原発1号機は冷却で爆発の危険

 6月末に海江田経産相が佐賀県玄海町・岸本町長と古川県知事に玄海原発の再稼働を強要したのを受け、7月に入り再稼働への動きが強まった。
 しかし、玄海再稼働策に対し労働者人民から猛烈な弾劾が浴びせられた。このため、菅は自らゴーサインを出しておきながら大動揺し、6日には海江田が原発の安全検査「ストレステスト」を実施する方針を出した。これに玄海町長が動転して再稼働の同意を撤回し、当面の玄海再稼働はなくなった。
 労働者人民の猛烈な弾劾が再稼働をひとまず食い止めたのだ。原発は停止・廃炉以外になく、1基たりとも再稼働させてはならない。
 再稼働が狙われているのは玄海2、3号機だが、今も運転され続けている1号機こそ老朽化して大爆発が起きるかもしれない最も危険な原発だ。「金属材料学の権威」とされる井野博満・東大名誉教授によると、圧力容器の内壁は、核分裂で生じる中性子線にさらされてもろくなっている(東京新聞7・2付)。ある温度を下回ると、陶器のようにパカンと割れてしまう。
 この温度を脆性遷移(ぜいせいせんい)温度と言う。電力会社は、この脆性遷移温度を調べるため、圧力容器と同じ材質の試験片を炉心に設置し、数年から十数年ごとに取り出して検査しているという。
 玄海1号機の運転開始は1975年で、その時の脆性遷移温度はマイナス16度だった。それ以降、徐々に上昇し続け、09年4月の検査ではなんと98度になった。全国の原発で脆性遷移温度が一番高い。1号機の圧力容器は300度以上の高温で運転されているが、急速に冷却した場合に98度以下になると割れてしまう危険がある。
 福島原発事故では、地震と津波によって緊急炉心冷却装置が作動せずに大事故となった。しかし、玄海1号機では緊急炉心冷却装置が働くと逆に大事故となる。
 玄海1号機だけでなく、30年以上運転されている原発は20基近くもある。敦賀1号機、美浜1号機、福島第一1号機は実に40年を超えている。
 もともと核・原発は人間が制御できないものであり、本質的に事故を不可避とする。しかも80年代以来の新自由主義によって安全性はますます無視・抹殺され、大事故が相次いできた。さらに日本は大地震が多発する場所だ。その上、玄海原発を始め老朽化によって未曽有の大事故が多発することは必至となっている。こうした何重もの意味で、すべての原発を今すぐ停止し廃炉にする以外にないのだ。
 また、玄海再稼働問題を佐賀県民に説明するために国が主催した6月下旬のテレビ番組で、九州電力幹部が再開賛成の意見を電子メールで送るよう、自社や子会社の社員に働きかけていたことが発覚した。部長級の上司からの指示によるもので、しかも業務命令だったとも言われる。そうした“やらせメール”までして再稼働させることなど絶対に許されない。
 すべての原発を即刻廃炉にするために、3・11大震災以降の怒りをさらに倍加し反原発闘争に総決起し、8・6−8・9闘争へ進撃しよう。

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週刊『前進』(2495号1面3)(2011/07/11 )

前進速報版から 前進速報版から

▼三里塚現闘本部決戦迫る緊急行動の訴え▼イギリスの公務員労働者75万人がスト▼韓進重工業続報/6・29釜山駅から1000人がデモ

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週刊『前進』(2495号1面4)(2011/07/11 )

 日程 革共同政治集会(東京、関西、東北)

闘う労働組合をよみがえらせ、大恐慌―大震災・福島原発事故の危機を反帝・反スターリン主義世界革命へ転化するために闘おう

■東京
 7月31日(日)午前11時半開場
 豊島公会堂(豊島区東池袋1-19-1)
 〈基調報告〉織田 陽介

■関西
 7月31日(日)12時半開場/午後1時半開会
 大阪市立中央会館(中央区島之内2-12-31)
 〈基調報告〉黒沢 肇

■東北
 7月24日(日)正午開場/12時半開会
 仙台市戦災復興記念館地下展示ホール(仙台市青葉区大町2-12-1)
 〈基調報告〉岡崎 康史

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週刊『前進』(2495号2面1)(2011/07/11 )

 国労本部はJR大再編の先兵 現場の力で闘う国労の再生を

 国労大会決戦に総決起しよう

 7月28−29日の国労定期全国大会に至る過程は、国鉄闘争と日本の労働運動の行方を決める決戦となった。国労本部は国家権力やJR資本との一体化を深め、国労を御用組合へと完全に変質させようとしている。しかし、和解を拒否して闘う国労闘争団と動労千葉争議団は、あくまで解雇撤回まで闘うことを宣言している。国労本部がたくらむ大会での「国鉄闘争終結宣言」と国労規約改定を許さず、現場組合員の力で国労を闘う労働組合としてよみがえらせよう。

 「雇用ゼロ」で闘争団追放

 国労本部は6月30日、全国代表者会議と中央執行委員会を開き、@JRに対して闘争団員の雇用を求める交渉を断念し、国鉄闘争を終結させる、A全国36闘争団は解散し、闘争団員は「特別組合員」としての資格も失う、B以上を全国大会で正式決定する――という方針を決定した。
 一方、国鉄闘争共闘会議と鉄建公団訴訟原告団、鉄道運輸機構訴訟原告団も、同日付の声明で「これ以上『雇用問題』を引きずることは、いたずらに原告個々の今後の人生を翻弄(ほんろう)することにつながる」「名誉ある撤退を選択する」などとして、「雇用ゼロ」で闘争を終わらせ、組織を解散すると対外的に公表した。
 こうして、4者4団体幹部は、6月13日のJR7社による「雇用拒否」回答に全面的に屈服した。このもとで今国労大会は、@国鉄闘争終結宣言、A国労規約改定、B闘争団員からの組合員籍の最終的剥奪(はくだつ)を一挙に押し通す大会になろうとしている。
 こんなことがどうして許せるか! 国鉄闘争共闘会議の二瓶議長は「新しい人生を胸を張って生きよう」(「ともにGO!ニュース」6月号)と言うが、「雇用ゼロ」で闘争を終わらせて、どうして闘争団員が「新しい人生」に踏み出せるのか。闘争団の原点は、あくまで解雇撤回・JR復帰にあったはずだ。
 4者4団体幹部は、ことあるごとに「路頭に迷わない解決」「雇用なしに解決なし」と言ってきた。それはすべて、闘争団員を4・9政治和解に屈服させるためのペテンだったのだ。それは今や赤裸々に暴かれた。闘争団員は今こそ、和解を拒否した闘争団に続き、国鉄闘争全国運動に大合流して、解雇撤回に人生をかけた思いを貫こう。闘争を継続する限り「敗北」はしていないのだ。

 御用組合化狙う規約改定

 昨年の大会で国労本部は、闘争団員を何の権利もない「特別組合員」とする決定を強行した。そして、今大会でさらに闘争団員を「特別組合員」ですらなくし、最後的に国労からたたき出そうとしている。国労本部は、国家権力やJR資本と一体となって、解雇撤回闘争をあくまで貫く闘争団に全面的に敵対してきたのだ。
 今大会でもくろまれている国労規約の改定は、この策動と完全に一体だ。規約改定案の内容は、「組合員の範囲」を「(JRおよび関連企業を)基本にした労働者」から、「(JRおよび関連企業に)雇用された労働者」に変更するというものだ。
 だがこれは、単に闘争団員を国労から放逐するだけにとどまらない、きわめて悪らつな意味を持つ。これによって国労本部は、あらゆる形での解雇撤回闘争を金輪際闘わないとJR資本に誓い、国労を資本と一体化した御用組合へと全面的に変質させようとしているのだ。
 組合員の範囲を「(JRおよび関連企業に)雇用された労働者」に限定すれば、例えばグリーンスタッフ(契約社員)は雇い止め解雇された瞬間に組合員資格を失う。国労本部は口先では契約社員の雇用条件改善を唱えるが、その実、非正規職の青年労働者を国労に組織し、雇い止め解雇と闘う気などさらさらない。規約改定案は、「青年を組織しない」と資本に誓ったに等しい。まさに、こうした形で国労本部は国労の将来展望を自ら閉ざしているのである。
 JR東日本は今や、国鉄分割・民営化以来のJR総連カクマルとの結託体制を清算し、労働者を資本の全一的な支配のもとに置こうとしている。そのたくらみを貫くために、国労本部を内懐に取り込んで、国労を資本による労働者支配の道具へと転換させようと策している。国労本部はこれに完全に連動し、カクマルに代わる資本の手先に選ばれたことに小躍りしているありさまだ。

 新賃金制度導入の手先に

 JR東日本は、闘争団の雇用をにべもなく拒否した上、さらに7月1日、新人事・賃金制度の来年4月1日実施を再提案した。新人事・賃金制度は、基本給表をなくして職場の団結を最後的に解体する攻撃だ。とりわけ、青年労働者を狙い撃ちにして競争と分断、低賃金を強いるものだ。
 JR資本は国労本部(東日本本部)の屈服を見透かして一挙に攻撃を強めてきた。これに呼応して国労東日本本部は、新人事・賃金制度を容認し、会社の就業規則をそのまま労働協約とする総合労働協約の締結を策している。
 これは、国労本部がJRの全面外注化・非正規職化の攻撃の先兵になるということだ。彼らは、青年の未来を資本に売り、そのことによって「労働代官」の座を占めようとしているのだ。こんなことが許せるか!
 この対極で、動労千葉は基地統廃合をテコとする組織破壊攻撃と全面的に対決し、京葉車両センターの業務一部外注化という形で仕掛けられた検修外注化に立ち向かう大決戦に突入した。それは、青年労働者の組織化をもって、JR大再編情勢に立ち向かう闘いだ。
 大震災と原発事故に対する激しい怒りが青年を中心に噴出している今日の情勢にこそ、国鉄闘争勝利の条件はある。青年労働者の半数が非正規職雇用に追い込まれている中で、その怒りを結集できるのは国鉄1047名闘争だ。その国鉄闘争を「雇用ゼロ」で終わらせてはならない。
 国労共闘は、全国大会代議員選挙を、青年労働者を先頭にして闘いぬき、国労の未来を代表する勢力として登場した。この地平を打ち固め、国労大会に至る過程を、国労本部打倒−国労の階級的よみがえりをかけた決戦として闘おう。8・6広島−8・9長崎に平成採の青年労働者を圧倒的に組織し、JR大再編情勢のまっただ中で階級的労働運動を再生する決戦態勢を構築しよう。

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週刊『前進』(2495号2面2)(2011/07/11 )

 全原発の停止・廃炉へ

 絶大なカンパ訴えます

 大恐慌下の3・11大震災から4カ月、ますますはっきりしてきたことは、日本帝国主義打倒のプロレタリア革命の達成だけが全原発の廃止・廃炉を実現する唯一の道だということです。危機のあまりのすさまじさに、体制内の全勢力が「エネルギー転換」などを唱え、青年・学生の怒りを圧殺するためにしゃしゃり出てきています。革共同は、労働者階級が権力をとり、社会の生産と分配を組織し、社会に一切の責任を取ることを訴えます。
 福島原発事故は、空、大地、海に膨大な放射能をまき散らし、10万人を超える強制立ち退きと数万人の子どもたちの被曝にとどまらず、首都圏から全国へと数々のホットスポットをつくり出しています。人民の不安と怒りは日々、高まるばかりです。政府、資本は被災地を「復興特区」で儲(もう)けの対象にし、節電運動と玄海原発の再稼働を、圧倒的な反対の声を踏みにじってごり押ししています。まったく許せません。
 私たちは6月5日の国鉄闘争全国運動集会に総結集し、その力で6月19日の怒りのフクシマ大行動を実現しました。この闘いは、「福島を返せ、故郷を返せ」が全参加者の思い、福島のすべての人民の思いとしてひとつのものとなった歴史的な闘いになりました。そして原発問題の核心が国鉄決戦にあることを明確にさせました。福島を先頭とした東北の地区党が苦闘の中から党の路線的思想的一致と団結をつくり出し、まさに労働者階級の党として、労働者階級そのものとして立ち上がってつくり出した決定的な闘いです。
 今日の人類史的危機を突破していくかぎは、労働組合と党という階級の団結組織を、職場闘争を軸につくり出していくことにあります。革共同は労働者階級の党であり、その全活動は労働者人民から寄せられる闘争資金によってのみ支えられています。革共同への闘争資金カンパは、労働者階級が資本の支配を打倒して自らの政治権力を打ち立てていくための決定的な武器です。今日進行する全事態への激しい怒りを、絶大な闘争資金カンパとして寄せて下さい。
 皆さんの存在をかけた決起に、革共同は必ず応えます。全党の同志の皆さん、支持者の皆さん、今こそ全力を振り絞り、一人の例外もなく、夏期カンパ闘争に総決起して下さい。

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週刊『前進』(2495号2面3)(2011/07/11 )

 東京多摩局 “雇い止めを撤回せよ”

 郵政非正規職ユニオンが抗議行動

 7月1日、東京多摩郵便局で郵政非正規職ユニオンによる雇い止め撤回要求の抗議・申し入れの就労行動が組合員たちを先頭に約20人が参加して行われた。
 同ユニオンは3月末の雇い止め通告と単身で闘い撤回させた労働者が、6月末の大量雇い止めを通告された仲間10数人と協議を重ね6月中旬に結成された。6月27日に第1回目の団体交渉を実現したばかりだ。
 この日は雇い止め初日で、組合員たちが東京多摩支店門前に結集し、榎春芳支店長あてに雇い止め撤回を求める「申し入れ書」(要旨別掲)を突きつけ、「支店長は赤字の責任を自分たちで取れ!」と怒りをたたきつけた。そして門前行動に注目する職場の仲間たちに「明日は我が身です。一緒に行動しましょう」と呼びかけた。
 今回雇い止めにされた15人は、昨年7月のゆうパック再統合時に多摩支店ゆうパック課に雇用された人たちだ。3カ月ごとの契約という過酷な雇用条件だが、会社は1年間「自動更新」で15人を使い続けてきた。今回の雇い止め攻撃は雇用から1年が経過する直前に通告された。
 組合員は「1年を過ぎると失業保険の適用対象となり、会社は人件費削減のために雇い止めを強行したのだろう。15人解雇と同時に『アルバイト』を大量に雇い入れていることが証拠。まったく不当な雇い止めです」(委員長)と語っている。また”自動更新”で正社員同様の扱いとなり「整理解雇4条件」が適用される。一方的な雇い止めは違法行為となる。雇い止め通告時の組合員相互の分断など、会社の露骨な不当労働行為も暴かれている。
 行動後の会合で組合員たちは「団交で支店長は『人間の良心に照らしてどう思うか?』との質問にも答えられなかった。雇い止めは命の危機に直面する問題。日本全国に同じ境遇の仲間が膨大にいることを知り、大規模な行動を起こそうと組合を結成した」「これはおかしいと一言声を上げなければと思った」「こんな不当がまかり通っているのは過去の全逓(JP労組の前身)つぶしとか組合つぶしの結果でもあると分かった。ただの就労闘争ではなく多くの仲間の境遇がかかっていると思う。悔しいけどがんばる」「義をもって応えてくれた方々には私たちも義をもって応えたい」などと口々に語った。
 多摩支店ゆうパック課では、午後10時から午前6時30分までの深夜勤(ふかやきん)が週に5日も連続し、しかも「明け休みなし」で設定されている。過酷な労働環境が強制されている。
 委員長は「僕たち若者はバブル経済とか”良い思い”をしたこともない世代です。労働者をただの”コスト”扱いにする非正規労働というあり方自体がおかしいと思う。怒りを現場同士で我慢するのではなく、政治家や社会に向けるべきだと思い行動を始めた。多くの皆さんの支援に感謝します」と語った。
 7月4日、ユニオンとして「不当労働行為申し立て」を東京都労働委員会に行い受理された。
(写真 「会社は不当な雇い止めを撤回せよ!」と当局に迫る組合員【7月1日 多摩局前】)
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 申し入れ書(要旨)

 榎春芳支店長は直ちに(2回目の)団体交渉を開き、雇い止め解雇を撤回するよう要求します。会社は「会社が赤字だから」というだけで「解雇回避の努力」も行っていません。私たちゆうパック課の非正規社員15名を雇い止めにする一方で、同じ6月末に64名の短期アルバイトを雇いました。「(これまで1年間、3カ月ごとの雇用更新で)期間雇用非正規社員の更新手続き」も行っていない。これは「黙示の更新」となり「期間の定めのない」正規社員と同じ扱いで、整理解雇の4条件が厳しく適用され、一方的解雇はできません。会社は団交以降、組合切り崩しの不当労働行為も行っています。
 組合は会社の不当労働行為と徹底的に闘います。東京都労働委員会に申し立てを行います。裁判闘争も含め雇い止め撤回まで闘います。会社は不当労働行為をやめ、直ちに団体交渉に応じるよう申し入れます。
 2011年7月1日 合同・一般労働組合全国協議会/郵政非正規職ユニオン

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週刊『前進』(2495号2面4)(2011/07/11 )

 反原発7・17いわき集会へ

 動労水戸が呼びかけ文 団結し未来をひらこう

 動労水戸が発した「すべての原発をとめよう7・17いわき集会&デモ」の呼びかけ文を掲載します。この訴えに応えて7・17いわき闘争に全力で結集しよう。(編集局)
 ■すべての原発を止めて子どもたちの未来を守ろう!
 3月の福島第一原発事故以来「直接健康には影響のない値」という政府発表によって、歴史上かつてない長期的放射線被曝が私たちに、そして子どもたちに強制されています。政府は、放射線の危険を「風評被害」と言います。それに対して原発を批判し続けて来た専門家は、被曝の危険性を訴え「逃げる」ことを勧めています。ところで、強制的に避難させられている人々を除き、何の保証もなく長期に避難できる条件がある人などほとんどいません。世界的大不況の時代に、自分たちの仕事や生活の場を離れて生きていける人がどれだけいるというのでしょう。まして、非正規雇用で低賃金にさらされている青年層は、避難して子どもを生み育てる条件の一切を奪われています。震災だけでなく、被曝もまた働いて生活している人々と、その子どもたちに厚く降り注いでいるのです。
■政府、電力会社の責任逃れを許してはなりません!
 私たちは、被災地に踏みとどまり生きる以外にない者として、福島第一原発事故の速やかな収束と放射能の除染、地域の完全復旧、そしてすべての原発を止めることを菅政権と全電力会社に強く要求します。原発安全神話をまき散らし、全国で原発建設を推進してきた政府と電力会社は、事故の全責任を取らなければなりません。この責任を曖昧(あいまい)にした「増税」「電力料金値上げ」「労働者国民に対する責任転嫁」の一切に反対します。福島第一原発は、1号機から3号機まですべてがメルトダウンし、今日に至るまで高濃度の放射能で広範囲に海や空や土地のすべてを汚染し続けています。そして被曝による「晩発性」健康被害が出てくるのはこれからです。政府の主張する「風評被害」こそ、被災者と国民の中に分断を持ち込むことで自らの補償責任をごまかすための「風評」にほかならないのではないでしょうか。
■国鉄分割・民営化、労働組合破壊からすべてが始まった!
 私たち労働者と地方は、大震災と原発事故以前から切り捨てられてきたのです。儲(もう)かればよいという市場原理に基づく「規制緩和・民営化」「新自由主義」の全国的推進によって地方経済が破壊され、労働者が非正規雇用に置き換えられてきました。その転換点が1987年の国鉄分割・民営化なのです。国鉄からJRへの転換によって、労働者の団結と労働組合が破壊され、地方線廃止による地方切り捨て、労働者の非正規雇用化が全社会的に進められました。こうして誰しもが危険だと思っている原発を、地方に受け入れさせる条件が整えられたのです。被曝を前提とした原発労働も、非正規・下請け労働者によって担われています。今回の大震災と原発事故は、地方切り捨てによって地方が原発と非正規雇用労働者の供給源とされてきたという冷厳な事実を示しました。そのあげくに、住むことさえできなくされてしまったのです。
■原発・非正規雇用反対! 線路を復旧させ職場と故郷を取り戻そう!
 私たちは、この様な国鉄分割・民営化反対を貫き労働者としての団結を守り、24年間闘い抜いてきました。そして最高裁でもJR東日本に勝利し、奪われてきたもののすべてを奪い返す闘いに立ち上がっています。郵政民営化、さらに公務員制度改革−民営化によって政府・財界は、地方と労働者の切り捨てをさらに進めようとしています。実際、震災と原発事故を理由にした賃金・年金引き下げや解雇が、大量に行われています。政府と電力会社は、原発事故の責任を居直り、休止中の原発の再稼働と建設をはかり、ツケの一切を労働者大衆に支払わせようとしています。これが、いま進められていることの真実です。私たちは、こうしたことを絶対に許しません。福島第一原発事故の収束と共に、すべての原発を停止し、放射能を除染せよ! これを前提として常磐線と地方の復旧が可能になるのです。闘う労働組合を甦らせ、線路と職場と故郷を取り戻すために私たちと共に闘いましょう!

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週刊『前進』(2495号2面5)(2011/07/11 )

 日程 7・17いわき集会へ

 線路を返せ!職場を返せ!故郷を返せ! すべての原発をとめよう!
 7・17いわき集会
 7月17日(日)午後1時から集会
 午後3時デモ出発 会場前→レンガ通り→いわき駅南口
 LATOV(ラトブ)6階(常磐線いわき駅南口すぐ)
 主催/国鉄水戸動力車労働組合
 協賛/ふくしま合同労組、茨城県地域連帯労組、福島県労組交流センター、茨城県労組交流センター、東日本大震災現地救援対策本部

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週刊『前進』(2495号3面1)(2011/07/11 )

 反原発の先頭に立とう

 今こそ闘う労働組合取り戻そう

 日教組第99回大会にあたって訴えます

 労組交流センター教労部会のビラ

 7月4〜6日、日教組第99回定期大会が東京・千代田区の日本教育会館で行われた。初日の朝、全国労組交流センター教育労働者部会が大会代議員・傍聴者に宣伝活動を行った。その時に配布された教育労働者部会のビラを紹介します。(編集局)
(写真 「文科省通知撤回! 橋下『君が代』起立条例粉砕! 賃下げ推進する本部打倒」を訴え。署名に応じる組合員も【7月4日 日本教育会館前】)

 挙国一致での「国難打開」か 国家犯罪の徹底的な追及か

 3月11日に発生した東日本大震災は、1万5千人を超す死者、7千人を超す行方不明者を出す未曽有の大惨事となりました。福島原発事故は、チェルノブイリ事故を超える大災害となり、放射線管理区域と同じ放射線量の中に、150万の県民と30万人の子どもが置き去りにされています。
 「現在、福島県内は『戦争状態』。この違憲状態、国家的犯罪を早急に阻止しなければならない」(5・21福島県教組臨時中央委員会決議)
 引き起こされたことは、国家と資本による労働者人民への階級的犯罪です。国策として原発を推進し、地方を切り捨ててきた新自由主義こそ、この大惨禍を生み出した元凶です。
 しかし、その張本人たちは、「原発のリスクを覚悟して、腹を据えて原子力を利用し続ける以外に日本の活路はない」(葛西JR東海会長)、「原発は、国の方針として推進してきたこと、事故は国が責任を持てばいい」(米倉経団連会長)などと言い放ち、何一つ反省せず、何一つ責任もとろうとしていません。新成長戦略の中心に原発輸出を据え、新エネルギー計画で原発大増設をうちだしていた民主党政権は、福島原発事故の収束のメドも立たない中で「安全宣言」を出し、原発の再稼働を狙っています。
 政府・財界のうちだした復興計画は、農漁業への企業参入、雇用創出の名による非正規化、そして労働者人民への大増税という代物です。被災者の無慈悲な切り捨てと労働者人民への極限的な犠牲転嫁、被災地を食い物にした新自由主義の延命を許してはなりません。 「農地を、漁場を返せ!」「子どもたちの命を守れ!」「故郷を返せ!」。被災地から根底的な怒りの叫びがまきおこり、国と東電に叩きつけられています。生存と未来を奪う者たちに対する青年の怒りが、巨万の反原発のうねりとなって発展しています。
 労働組合に問われていることは、被災地の怒り、フクシマの怒り、青年の怒りをわがものとして、未曽有の大災害を引き起こした元凶と非和解的に闘うことです。連合指導部による「挙国一致」の「国難打開」運動を拒否し、この腐りきった社会の根底的変革のため総決起することです。
 「文科省通知」撤回の闘い、橋下「起立強制」条例との闘いは、日教組の労働組合としての再生をかけた課題です。闘う労働組合を甦らせる「国鉄闘争全国運動」に結集し、反原発・反失業闘争の先頭にたとう! 8・6ヒロシマ大行動に総結集しよう!

 文科省「20_sv通知」撤回、原発推進教育にトドメを!

 文科省は、4月19日、福島県内の小中学校や幼稚園の校舎・校庭の利用基準について、「年20_シーベルト」とすることを福島県教委に通知しました。「年20_シーベルト」とは、放射線業務従事者の許容限界値であり、原発労働者が白血病を発症し、労災認定を受けている数値です。大人と比べてはるかに放射線の影響を受けやすい子どもたちにこの基準を適用するとは、国家による子どもの殺人行為以外の何物でもありません。
 福島のお母さんたちがつながりあい、必死の思いで文科省交渉に立ち上がりました。福島県教組は、「放射能による健康被害から子どもたちを守る県教組声明」を発し、教育行政に校庭の土壌入れ替えなどを実施させてきました。
 しかし、文科省は、「年20_シーベルト」基準の撤回をあくまでも拒否しています。「年1_シーベルトをめざす」と言いつつ、事故直後の3月の被曝は除いており、事故から75日間の積算放射線量がすでに6・67_シーベルトに達している学校もあります。
 土壌処理費の国負担はしぶしぶ認めましたが、校庭につみあげられたままの汚染土の処分、教室へのエアコンの設置やスクールバスの確保など、子どもたちの被曝線量を減らすためにやるべきことは山ほどあります。
 はっきりさせるべきことは、文科省は、経済産業省以上の原発・核武装推進官庁だということです。2571億円もの原子力関連予算を高速増殖炉もんじゅの開発などに投入し続けています。核武装のためには金に糸目を付けず、子どもの命を守るための予算は、この期に及んでも出し惜しみするのか!
 日教組本部は、「子どもの安全・健康を守る」と言いつつ「20_シーベルト」基準には沈黙を守り、「地域に応じた対応」の名の下に容認しています。「脱原発」方針も、「新規増設反対」だけで、全原発の即時停止・廃止を求めていません。日教組本部は、子どもの命より、「文科省とのパートナーシップ」が大事なのか! 
 「兼務発令」=強制配転による教職員の生活破壊、組合つぶし、子どもの県外避難を口実とした採用停止、非正規教員の首切りを断じて許すな! 福島県教組を守りぬき、ともに文科省通知撤回へ闘おう!
 関東圏にも高い放射線量が観測されている地域があります。すべての職場で法定1_シーベルト基準を遵守(じゅんしゅ)させる闘いを組もう! 4・19通知とセットで文科省が都道府県教委に送信した「放射能の正しい理解のために」という資料は、「放射能のことをいつも考えているとストレスになって心身の不調を起こす」というとんでもない内容です。配布阻止、撤回あるのみです。
 原発安全神話の刷り込みをねらう「エネルギー教育」を許すな! 原発推進をうたう「つくる会教科書」に今こそトドメを刺そう!

 職場の団結と抵抗で橋下の「起立強制」条例打ち砕こう

 6月3日、大阪維新の会(代表は橋下知事)府議団が提出した「君が代」起立斉唱条例が可決されました。目的に「国を愛する意識の高揚」や「学校における規律の厳格化」を掲げ、府立学校と府下の市町村立学校の教職員に「国歌斉唱時の起立・斉唱」を義務付けるものです。9月府議会には不起立を繰り返す教員を免職にする処分基準を定めた条例を提案すると言います。議会で多数をとるや憲法を停止したナチスまがいの暴挙です。
 最高裁は、5月30日、6月3日、14日と立て続けに、10・23通達下の不起立を理由とする解雇・処分の取消請求事件の上告を棄却してきました。「必要性・合理性があれば個人の思想・良心の制約は許される」として憲法19条を平然と踏みにじり、憲法23条・26条違反(教育の自由)の上告理由はまったく検討もせずに退けました。学テ判決も事実上覆すものであり、断じて許すことはできません。
 これらは、「挙国一致で国難打開」の旗をふる権力者たちが、不屈に継続されている「日の丸・君が代」闘争をいかに恐れているかを示す動きです。
 橋下知事は、「公務員なら上の決めたことに従え」などとわめいています。最高裁の論理も、「思想・良心に反する職務命令にも従え」ということです。
 では、文科省が「20_シーベルト」と決めたら、子どもの命はどうなってもいいのか! 断じて認められない!
 原発問題では、経産省や電力会社、御用学者、裁判所、みんなグルだということは、知れ渡っています。福島県の放射線アドバイザーとなった長崎大教授の山下は、「国が決めた指針に従うのが国民の義務」などと講演して回っています。最高裁は、戦後補償の請求に対しては「国の存亡にかかわる非常事態のもとでは、戦争の犠牲は国民がひとしく受忍しなければならない」と言い放ってきました。ヒロシマ、ナガサキに続くフクシマの惨禍の中で、「司法」も「学問」も、その正体が露わとなっているのです。
 教育の権力支配、理不尽な職務命令への不服従を貫いてきた教育労働者の誇りをかけた闘いが、反原発の巨万の怒りと合流する時がきました。絶対反対の団結で「君が代」解雇を打ち破ってきた東京の不起立闘争が、勝利の道をさし示しています。
 職場の団結と抵抗の力で「君が代」起立強制条例を打ち砕こう!

 大幅賃下げにストで反撃を

 公務員連絡会は、5月23日、国家公務員賃金1割削減に一切の闘争を組むことなく合意しました。「復興財源のため」といいますが、土地だけで7億の豪邸に住む東電会長や、数億円の退職金をせしめてきた経産省の天下り官僚が、原発の被災者のために私財の一部でも提供したのか! 日夜、必死で働いている公務員労働者から搾り取るのは筋違い。労働者に財政悪化の責任を押しつけるのは、絶対に許せません!
 6月3日には、賃金引き下げ法案とセットで、公務員制度改革関連法案が閣議決定されました。人事院を廃止し人事行政を内閣一元管理とし、スト権は奪ったまま人勧制度を廃止して公務員を賃下げ・首切り自由とし、「労働組合認証制度」で合同労組や混合組合の団交権を奪い、御用組合だけを交渉相手とするものです。
 こんな大攻撃を「労働基本権回復の歴史的一歩」などと言いなし、賃下げを推進する公務労協・公務員連絡会指導部を徹底弾劾する!
 臨時国会には、地方公務員制度改革法案が提出され、石原や橋下は、国に追随した公務員賃金の一律カットを目論んでいます。
 労働基本権は、労働者階級の実力で奪還するものです。現場から「ストライキ貫徹!」の声を巻き起こし、労働組合を現場組合員の手に奪い返そう。
 大幅賃下げ粉砕へ、今秋闘こそストライキで闘おう!

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 原発事故と文科省の「20_シーベルト通知」への批判や弾劾が一言もない日教組運動方針

◆子どもの安全・健康権確立のとりくみ
 子どもの健康・安全を守るために、地震・津波・放射線の防災について強化するとともに、放射性物質から子どもを守るために、地域に応じた対応ができるよう防災対策の抜本的な見直しを求める。
 専門機関による学校敷地内、及び通学路の放射線量の測定と、放射線量を減らすための万全の対策を求める。学校においては、自分のからだを守るために放射線の正しい知識等の健康教育を進める。

◆平和・人権・環境と民主主義をすすめるとりくみ
 脱原発社会の実現をめざすとりくみをすすめる。
 再処理工場建設、「もんじゅ」の運転再開、原発の新増設、各地のプルサーマル計画等に反対するとともに、政府の原子力政策の根本的転換を求め、原水禁・立地県とともにとりくむ。

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週刊『前進』(2495号3面2)(2011/07/11 )

 “東電は責任をとれ”

 新橋から第2波直撃デモ

 6月30日、「原発とめろ!新橋アクション」の呼びかけで東電本店直撃デモ第2弾が闘いとられた。夕刻からJR新橋駅前でなんぶユニオン、ユニオン東京合同、東京東部ユニオンの仲間たちが情宣を行い、「労働者の力で原発を廃炉に!」と訴えた。この中でギター弾き語りライブが敢行され、故忌野清志郎の「サマータイム・ブルース」などの反核・反原発ソングがSL広場の聴衆の胸を揺さぶった。
 桜田公園からリズム楽器を先頭ににぎやかにデモ出発。個性あふれるメッセージボードと、「今すぐ原発止めろ!」の力強いデモコールが、沿道の人びとの耳目を集めた。東電本店前は、大量の警察官によって守り固められている。「東電は責任をとれ!」と参加者の怒りが増幅した。
 終了後、初参加者たちは「いても立ってもおれずに駆けつけた」と原発への切実な危機感と怒りを表した。そして福島と連帯し、今後も繰り返し東電直撃デモに立つことを全員で確認した。
(写真 “今すぐ原発とめろ!”の力強いコールに沿道からも圧倒的な注目【6月30日 東京都港区】)

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週刊『前進』(2495号3面3)(2011/07/11 )

 7・18三里塚現地闘争へ

 現闘本部破壊を絶対許すな

 天神峰現地闘争本部をめぐる5・20反動判決と、不当逮捕をうち破る50人の決起をもって現闘本部決戦は実力攻防に突入した。前代未聞の弾圧は日帝国家権力の恐怖そのものだ。
 福島第一原発は何ら制御することができず、人民の怒りは地の底から沸き上がるように広がっている。その中で、なんとしても三里塚の闘いを押しつぶそうと、日帝・菅政権は焦りにかられて現闘本部破壊に手を染めようとしている。
 反対同盟と闘う仲間は不当弾圧を粉砕し、いよいよ三里塚闘争を大攻防過程に押し上げた。今こそ三里塚実力闘争の真価を発揮し、フクシマの怒りとひとつになって日帝打倒の火柱を上げよう。
(写真 労働者人民の闘いの砦=天神峰現地闘争本部【昨年5月16日のデモ】)

 千葉地裁が本部破壊を「授権」

 東京高裁の反動判決を受けて、6月9日に成田空港会社(NAA)は千葉地裁に対して「建物等収去命令申立書」を提出した。
 NAAは“判決にもかかわらず反対同盟が撤去しようとしない”と言いなし、裁判所に対して強制執行するよう求めたのだ。だが、これ自体矛盾に満ちている。成田治安法による封鎖処分で立ち入ることを禁止する現闘本部を「反対同盟が自ら撤去しろ」という荒唐無稽(こうとうむけい)!
 そして、千葉地裁民事第4部の藤山雅行裁判長は、面接聴取ではなく書面のみによる審尋(しんじん)で形式的に手続きを整え、7月4日、不当にも授権決定(千葉地裁の任命する執行官に現闘本部を撤去することができる権利を授ける反動決定)を下した。
 三里塚現地ではNAAと日帝権力が、第3誘導路の工事を強行する一方で、現闘本部破壊・撤去に向けた準備作業に着手している。現闘本部攻防はきわめて緊迫した段階に突入したのだ。
 天神峰現闘本部は1966年に三里塚闘争が始まって以来の闘争拠点であり、人民結集の砦(とりで)だ。それは今、市東さんの農地とともに成田空港に決定的な破綻を強制している。現闘本部の破壊・撤去など断じて許すことはできない!
 5月20日のデモと裁判闘争、5・29緊急現地闘争で反対同盟はその決意を満天下に示した。不当弾圧をはねのけた今、現地で攻撃を迎え撃ち、実力で阻止する決意を明らかにしている。
 日帝・国家権力とNAAの狙いは、反対同盟と市東孝雄さんの闘争意志を解体することにある。現闘本部破壊攻撃と市東さんの農地強奪攻撃はふたつにしてひとつの攻撃だ。現闘本部を守りぬく闘いは市東さんの農地を守りぬく闘いだ。
 革共同は、反対同盟との血盟にかけて、団結街道封鎖阻止決起の地平を踏まえ、不当弾圧、流血を辞さず、三里塚実力闘争の先頭で断固闘うことを宣言する。
 原発をめぐる情勢は、いまや日帝ブルジョアジーの支配体制を危機のどん底にたたき込んでいる。福島第一原発事故がさらに深刻な危機に突入する中、日帝ブルジョアジーはあくまでも原発に固執し、玄海原発の運転再開策動を暴力的に進め、人民への敵対をあからさまにしている。そして沖縄では、日米安全保障協議委員会(2プラス2)が辺野古V字形案への回帰を決定した。
 さらに菅政権は、米・豪・シンガポールなど9カ国が今秋の大枠合意をめざすTPP(環太平洋パートナーシップ協定)への参加を推進している。この大震災と原発による農業・漁業破壊のさなかに! 否、「貿易の重要さは大震災でいっそう明らか」などと、危機に乗じて日本農業壊滅に突進しているのだ。いまや怒りは沸騰点に達している。

 国策を実力阻止してきた三里塚

 この時に、三里塚が体を張った実力闘争に立ち上がることの階級的意義は決定的に重大である。
 世界大恐慌のもと、争闘戦が激化しブロック化への動きが加速する中、昨年11月23日、朝鮮侵略戦争が始まった。そして今、南中国海をめぐる米中対立がエスカレートしている。エジプト革命に代表される全世界での労働者人民の蜂起を前に、日帝ブルジョアジーは帝国主義としての生き残りをかけて、国内階級戦争と侵略戦争にのめり込まざるをえない。
 原発は核武装のためであり、沖縄は軍事基地、成田は軍事空港そのものだ。これらは日帝が日帝である限り、いかなる危機を招こうとも貫かなくてはならない「国策」なのだ。そして「原発はいらない、廃絶せよ」の怒りが広がれば広がるほど、この国策とどう対決するのかが問題になる。人民はこれをいかにうち破るのか――そのすべてが三里塚に凝縮されている。
 実力闘争こそ三里塚の神髄だ。国策にひるむことなく農民が、そして労農学共闘が体を張って45年間立ち上がってきたのだ。階級的労働運動路線のもと、日帝を実力で打倒し、プロレタリア革命をめざすわれわれこそが、ともに闘い、必ず勝利しなければならない。
 あらためてわれわれは固く決意する。機動隊暴力をうち破り、現闘本部破壊実力阻止へ! ともに立ち上がろう。

 強制執行攻撃には実力闘争を!

 三里塚に思いを寄せるすべての皆さんに、「一朝事あらば」の構えを持っていただきたい。
 1990年の成田治安法決戦から21年にもわたって国家権力は現闘本部を破壊できなかった。そして今、ついにその破壊攻撃にのめり込まざるをえないほど追いつめられた。
 反対同盟は現闘本部撤去のための地裁反動決定をうち破り、現闘本部を実力で守りぬくために、7・18緊急現地闘争を闘うことを決定した。
 三里塚の怒りはフクシマの怒りだ。新たな組織破壊攻撃と闘う動労千葉の怒り、「基地撤去」へと闘う沖縄の怒りと一体だ。新自由主義で、生きるすべさえ奪われようとしている労働者、農民、漁民、学生を始めとするすべての人民の怒りと一体だ。現闘本部を破壊する暴挙がどれほどの事態を招くことになるか、7・18大結集で敵にトコトン知らしめてやろう。
 6月闘争は新自由主義に対する根底的な怒りの爆発を切り開いた。この闘いを押し止めることはもはやできない。7〜8月反戦反核・反原発闘争と連帯し、実力闘争で反対同盟とともに闘おう。
 わき起こる人民の怒りに火をつけ、日帝打倒へ突き進む決戦の時だ。日本革命をたぐり寄せる全人民の闘い=三里塚は、ここから新たな爆発を開始する。あらためて7・18緊急現地闘争への大結集を訴える! 現地実力闘争へ総力決起を!

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週刊『前進』(2495号3面4)(2011/07/11 )

 日程 三里塚闘争、裁判

 現闘本部破壊を実力阻止せよ! 第3誘導路工事粉砕!
 7・18三里塚緊急闘争
 7月18日(月)午後1時30分〜
 市東さん宅南、開拓組合道路脇の畑

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三里塚裁判傍聴を!
 ◎団結街道裁判
 7月12日(火)午前10時30分 千葉地裁
 *傍聴券抽選のため午前9時30分に集合

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週刊『前進』(2495号4面1)(2011/07/11 )

 原発をとめろ シリーズB

 原発への怒りを8月広島−長崎へ

 200万福島県民を放射能の人体実験の犠牲にするな

 「健康は原子力に従属」と公言

 原発労働者を殺す250ミリSv基準

 福島第一原発事故発生の3月11日から4カ月となった。しかし収束どころか、放射能のたれ流しが続いている。高濃度の放射能に汚染された現場では労働者の被曝が拡大・深刻化の一途をたどっており、また大気中にばらまかれた放射能が地上にたまり続け、子どもたちの命を脅かしている。福島の労働者と家族の憤りは頂点に達している。6月19日1510人が結集した「怒りのフクシマ大行動」は、フクシマの怒りを最先頭に、国・東電の原子力災害現地対策本部に大デモをたたきつけた。
 菅政権は、定期検査などで停止していた全国の原発の「安全宣言」を出した。「福島でレベル7の史上最悪の事故を引き起こし、事故を抑え込まずにいて、何が安全なのか」――福島をはじめとする全国の原発立地の労働者人民は、一斉に抗議の声を上げている。
 事故対策で動員される労働者には、厚生労働省が決めた250_シーベルトの被曝基準が強いられる。東電資本は、これを超えた労働者が9人と発表した。100_シーベルトから250_シーベルトまでが115人、50_シーベルト(放射線業務従事者の年間上限値)から100_シーベルトまでが288人、それ以下が3102人としている。
 中部電力浜岡原発で計測装置点検作業に従事し、慢性骨髄性白血病で亡くなった嶋橋伸之さんの被曝線量は50・63_シーベルトである。原発技術に習熟したベテラン労働者が真っ先にこれらの被曝限度に達している。新たな労働力が追加され、新たな被曝労働が強制され、被曝労働者が増加していく。原発事故を引き起こし労働者に大量被曝を強制する日帝国家と東電資本を絶対に許してはならない。

 原発周辺の子ども45%が甲状腺被曝

 文部科学省は、福島県内の幼稚園や小中学校の被曝限度を年20_シーベルトに設定し、いまだ撤回していない。一般公衆限度1_シーベルトの20倍も放射能を浴びてもかまわないとするものだ。これはめちゃくちゃだ。「若い人ほど放射線によるがんが発生しやすい」ことは立証されている。だから1_シーベルトを老いも若きも一緒くたにして適用すること自体が間違っている。細胞分裂が活発な胎児・幼児に対しては、何よりも放射線の影響を避けなければならない。チェルノブイリ原発事故では、子どもを中心に甲状腺がんや白血病が多発している。
 そして7月4日、福島第一原発周辺の子どもの45%が甲状腺被曝をしていることを、原子力安全委員会が発表した。
 福島原発労働者への250_シーベルト、そして福島県内の子どもへの20_シーベルトは、放射能の被爆限度がどれだけいい加減なものであるかを示している。外部被曝も危険だが、放射能を帯びたほこりを体内に取り込んだ時に起こる内部被曝は、微量でも重大な被害をもたらすことが明らかになってきている。呼吸や飲食によって体内に取り込まれた放射能が臓器などに付着し、放射線を出し続けることが、細胞に重大な損傷を及ぼすのだ。国や東電は、この内部被曝を徹底して無視してきた。原発・核燃サイクル施設が動かせなくなるからだ。

 ICRPの基準が被曝強制の元凶だ

 厚生労働省や文部科学省によるこれらの被曝基準なるものは、すべてICRP(国際放射線防護委員会)の基準・勧告をもとにしている。ICRPは放射線から労働者人民を守るための機関ではまったくない。
 マンハッタン計画をとおして開発された原爆の巨大な殺戮(さつりく)・破壊効果を確認した米支配階級は、戦後世界支配の決定的武器として核の世界的独占とさらなる核開発を最優先課題とした。
 そのために1946年にAEC(原子力委員会)とNCRP(国家放射線防護測定審議会)を設立した。
 1953年12月に米大統領アイゼンハワーは、「アトムズ・フォー・ピース」(原子力の平和利用)を宣言した。対ソ核戦争体制のもと核実験と核配備を続行しつつ、濃縮ウランと原発の売り込みに乗り出す。
 ここで核の国際管理と銘打った原発推進機関=IAEA(国際原子力機関)がアメリカ主導で設立された。すでに1950年にマンハッタン計画に手を染めた米国の物理学者たちを中心とするICRPが設立されていたが、IAEAはICRPを牛耳るとともに国連機関の世界保健機関(WHO)とFAO(国連食糧農業機関)をも支配している。とりわけWHOとの間で協定(WHA12―40協定)を結び、WHOが放射線被曝関連の文書をIAEAの同意なしには公表できないようにさせている。
 「欧州放射線リスク委員会2010年勧告」によれば、元WHO事務局長・中嶋宏は「放射線影響の研究ではWHOはIAEAに追随する。健康は原子力に従属する」と驚くべき本音を述べているのだ。
 もともとICRP勧告の依拠する基盤は広島・長崎の被爆者の人体実験データにほかならない。1945年8月6日広島、9日長崎の原爆投下直後に無差別大量殺戮の軍事的効果を掌握するために行われた米日合同調査、そしてそれを受け継いだABCC(原爆傷害調査委員会)による被爆者へのモルモット扱いの検査強行(「検査するだけで治療は一切なし」)。現在この被爆調査を続けているのが日米共同研究機関の放射線影響研究所(放影研)だ。

 極悪の山下らの調査許すな

 1991年のIAEAのチェルノブイリ原発事故調査団の委員長で「放射能による健康影響は認められない。放射能恐怖症による精神的ストレスの方が問題」と「安全宣言」を出した重松逸造、そして菅政権の内閣官房政策調査員で「チェルノブイリでの死者は43人。福島の周辺住民に放射線の影響は起こらない」と首相官邸ホームページに記載している長瀧重信。莫大(ばくだい)な犠牲者を今もって出し続けているチェルノブイリ事故の真実を前もって封殺し、福島原発事故の今後予測される深刻な事態を切り捨てるこういった連中は、いずれもこの放影研の理事長だった。
 福島県は今年の8月から30年以上にわたって200万人の県民を対象にした健康調査なるものを本格的に開始するという。
 この「健康管理調査検討委員会」の委員長は、重松・長瀧の息のかかった県アドバイザーの山下俊一長崎大教授だ。「放射線の影響はニコニコ笑ってる人には来ません」「福島原発事故による健康リスクはまったく考えられない」とうそぶく山下らを先兵にした日帝の健康調査とは、かつてない長期の放射能放出のもとでの膨大な被曝情報を帝国主義が独占・管理し、核武装政策・原発政策に都合のいいように使っていくことを狙いとしている。
 「健康は原子力に従属する」――この憎むべき腐敗しきった帝国主義の本質は、ICRPやIAEAのみならず、放影研そして今日の菅政権に体現されている。福島県民200万人を対象にした長期に及ぶ大規模な「健康調査」は、悪名高いABCCの後継組織・放影研と連携して行うと言っている。労働者人民の健康・生命が、日帝と米帝の「人体に与える放射線の影響研究」の餌食にされようとしているのだ。
 今回の福島原発事故での被曝線量限度の数十倍もの引き上げは、ICRP基準が医療・保健衛生とはかけ離れた政治的・治安維持的基準でしかないことを明らかにした。
 原発を推進し、核武装と金もうけのために労働者民衆を被曝させ、生命・健康・生活を破壊する資本家階級の側には一片の正義もない。全世界の労働者人民とともに核廃絶を希求するわれわれ日本労働者民衆の側にこそ百パーセントの正義がある。
 8・6広島―8・9長崎で「闘う世界大会」の大成功をかちとり、すべての原発を直ちに廃炉にしよう。
 〔河東耕二〕

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週刊『前進』(2495号4面2)(2011/07/11 )

 福島の農民は訴える〈下〉

 私はここで営農を続け大地を甦らせる闘い貫く

 福島市の果樹農家 Tさん

 ――現在のお仕事の内容は?
 福島市内で果樹の栽培をしています。今やっているのは果樹の花が咲いてから実がなるまでの色々な管理作業です。摘果したり、草を刈ったり、病害虫の防除などですね。私は主にナシを栽培しています。
 ――直面している一番の問題は何ですか?
 福島の生産物にかなり出荷制限がかかったことはご存じだと思います。これまでは主に野菜、原乳でした。果樹についてはこれからです。
 これまで出荷されたものではサクランボとウメがあります。サクランボについてはOKだったんですが、ウメについては基準値オーバーで出荷停止になりました。これからモモ、ナシ、リンゴと続くんですが、それがどうなるのか。
 「風評被害」「風評被害」と言われていますし、これからもそれは続くと思いますが、一番の問題は実質的な被害なんです。ウメについても、市場に出回る前に見つかって良かったんです。これからモモ、ナシがどうなっていくのか、予断を許さない状況です。
 補償を求めて農協を通して手続きはしてるんですが、じゃあ出荷できなかった生産物はどうするのか。捨てるわけにいかないから家にあるんですよ。処分方法が決まらない。腐った状態でナイロンの袋に入れて置いてあるわけです。野菜も全部そうです。収穫しなかったものは畑の脇に置いたり、収穫したものはナイロンの袋にでも入れて倉庫の一角にでも積んである状態です。それをどうしたらいいのかというのが大きな問題になってます。
 あとひとつは、これまで「土づくり」ということで落ち葉や稲わら、もみがらなどを使ってきたんですが、これらは全部、核汚染物質になってしまっている。牧草もそうです。もちろん使えない。じゃあ、どうやって処分するのかというのは大変な問題です。土づくりや有機農法などをやってきた地域的連関も切られてしまっている状態です。
 自殺した方も出ましたし、機械を処分して完全に農業から離れた方もいます。新たな土地を求めて長野、北海道、長崎などへ旅立った農民もいます。都会と産直運動をやっていた二本松市の人は「もう取引はできません」と言われて生活の糧を失い、移動していきました。
 「じゃあ、お前はどうするんだ」となりますよね。私自身は、ここで営農を続け、この大地をよみがえらせる闘いをやりたいと思っています。どんなに長くかかろうとも、この闘いを自分の闘いとして貫きたい。
 もちろん原発は悪い。それをなくしていく運動はもちろん必要です。補償などさまざまなことを、どんどん東電や政府に要求していくことも大事です。だけど、やっぱり「自分たちでなんとかしなきゃ」というのがないといけないのではないかと思っています。
 ――他の果樹農家の仲間の方は、どのような状況ですか?
 とりあえずは続けて、秋に価格や補償がどうなるかでさらに変わるかもしれないですよね。
 こういう状態があと何年続くかわからない。どう考えても。夏から秋にさらに深刻さは増していくのではないかと思います。
 福島ではホウレンソウやコマツナなどの葉物類を作っている地域がありますが「ほぼそういうものはだめだろう。別な作物を作る指導をしていかざるをえない」と農協の関係者は言ってます。
 もうひとつは水です。果樹栽培では薬剤散布をしますが、汚染された雪解け水などを使ったらどうなりますか。
 会津に避難していった人もいるんですが、会津からさえ避難している人もいます。思っていたよりはるかに大変な問題なんですよね。
 ――全国の労働者・農民・学生に向けてアピールをお願いします。
 今回の震災では、全国の多くのみなさんから野菜、機械の燃料、ガイガーカウンターなど、あらゆるものを提供していただきました。お礼を申し上げたいと思います。
 大変厳しい状況にありますが、けっしてくじけずに頑張っていきます。子どもさんを抱えてどうしたら良いか分からず悩んでいるお母さん、介護者を抱えている方、それぞれの闘いに学び、全国の労働者の闘いに学んで必ず立ち直るんだという気概で頑張っていきたいと思います。
(写真 1510人が立ち上がった6・19怒りのフクシマ大行動)

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週刊『前進』(2495号4面3)(2011/07/11 )

日誌'11 6月28日〜7月4日

 エジプトでデモ隊と治安部隊が衝突/米が「対テロ新戦略」発表

●米比が合同軍事演習 フィリピン海軍が米海軍との定期合同軍事演習を南沙諸島に隣接するフィリピン南西部のスルー海で開始した。(28日)
●エジプトで若者が警官隊と衝突 エジプトの首都カイロのタハリール広場で、ムバラク政権を打倒した2月の民衆蜂起での死者に対する追悼集会が開かれ、旧政権幹部らの訴追を求める若者ら数千人のデモ隊と治安部隊との大規模な衝突に発展した。1千人以上が負傷した。(28〜29日)
●米が「対テロ戦略」発表 オバマ米政権が「テロとの戦いに関する国家戦略」を発表した。世界規模での「対テロ戦争」を追求したブッシュ前政権の戦略から方針を転換、大規模な地上軍派兵よりも無人偵察機や特殊部隊による掃討作戦を重視し、アルカイダとその関連組織の壊滅に的を絞る方針を打ち出した。(29日)
●税と社会保障の一体改革案決定 政府・与党の社会保障改革検討本部は、税と社会保障の一体改革で「2010年代半ばまでに段階的に消費税率を10%まで引き上げる」とする案を打ち出した。(30日)
●電力使用制限令発動 政府は東京電力と東北電力管内の大口需要家に対し電力使用制限令を発動した。(1日)
●胡錦濤主席が重要演説 中国共産党創立90周年大会で胡錦濤総書記(国家主席)が、民衆の離反に対する危機感を表し、社会安定のため党の引き締めに全力を挙げると演説した。(1日)
●自衛隊による原発警備を検討 自民党が自衛隊による原発の防衛を可能にする自衛隊法改正案を議員立法で提出する検討を開始した。(1日)
●ギリシャ金融危機ひとまず回避 欧州連合(EU)財務相会議が財政危機に陥ったギリシャに対する融資を承認した。9月までの資金繰りにめどがつき、ひとまずギリシャ発の金融危機は回避された。(2日)
●馬毛島移転案を地元に伝達 小川勝也防衛副大臣は鹿児島県を訪れ、米空母艦載機の離着陸訓練基地を馬毛島に移転させる計画を地元首長らに初めて伝えた。(2日)
●松本復興相が被災地で暴言 松本龍復興担当相が岩手・宮城両県を訪問、県知事との会談で「知恵を出したところは助けるが、知恵を出さないやつは助けない」などと暴言した。(3日)
●玄海原発の運転再開を容認 定期検査で停止中の九州電力玄海原発2、3号機の運転再開を地元の町長が容認した。海江田経産相が6月29日に佐賀県を訪れ、県知事らに運転再開をじかに要請したことに応えた。(4日)
●PKF参加を検討 政府の「PKO(国連平和維持活動)の在り方に関する懇談会」が、PKF(国連平和維持軍)本体業務への参加を具体化すべきとの中間報告をまとめた。(4日)
●日中外相会談開く 松本剛明外相が訪中し中国外相と会談、中国の海洋進出に強い懸念を表明した。中国側は、6月の2プラス2で日米の共通戦略目標に中国・台湾が入ったことに「日米同盟は二国間の範囲に限定されるべきだ」と不快感を示した。(4日)

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週刊『前進』(2495号4面4)(2011/07/11 )

 日程 8月広島-長崎反戦反核・反原発闘争

 広島

☆被爆66周年 ヒロシマ・ナガサキ、フクシマをくりかえすな!
反戦反核・原発廃止ヒロシマアピール
 8月6日(土)午前9時 原爆ドーム前に集合 午前10時デモ出発(〜県立総合体育館)

すべての核と原発をなくせ! 戦争をとめよう!
8・6ヒロシマ大行動
 8月6日(土)12時半〜午後2時半 広島県立総合体育館小アリーナ(旧広島市民球場北)

8・6ヒロシマ大行進
 午後3時 デモ出発(〜平和公園資料館前)
 主催 被爆66周年8・6ヒロシマ大行動実行委員会
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労働者産別交流集会
 5日(金)午後1時 広島市東区民文化センター(東区東蟹屋町10-31)
反原発ヒロシマ集会
 5日(金)午後6時 広島市東区民文化センター
全国青年労働者交流集会
 7日(日)午前10時 広島工業大学広島校舎大会議室(中区中島町5-7)
全国学生集会
 7日(日)午前10時 広島市南区民文化センター(南区比治山本町16-27)
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菅首相来広・祈念式典弾劾デモ
 6日(土)午前7時 東千田公園(日赤原爆病院前)
 主催 8・6広島-8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会
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 長崎

☆福島原発事故を絶対に許さない! 核武装と失業の政策に、労働者の怒りを!
祈念式典菅参加弾劾デモ
 8月9日(火)午前10時 城栄公園(路面電車・大橋駅下車)

8・9長崎反戦反核反原発集会
 8月9日(火)午後1時半 長崎県勤労福祉会館2階講堂(路面電車・公会堂前下車)
 主催 8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会

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朝鮮人原爆犠牲者追悼式典
 9日(火)午前7時半 爆心地公園の原爆朝鮮人犠牲者追悼碑
 主催 長崎朝鮮人の人権を守る会

 

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週刊『前進』(2495号5面1)(2011/07/11 )

 大恐慌激化と3・11情勢に対決しプロレタリア革命の戦略的準備を

 6・5集会の切り開いた道を驀進しよう

 帝国主義・新自由主義の破綻は決定的段階に突入した。大恐慌下での3・11東日本大震災と原発大事故は、世界大恐慌の一層の全面的本格的爆発と、プロレタリア世界革命への情勢を一挙に、全世界的に引き寄せている。この革命的情勢を現実の革命に転化するために必要なのはただ一点、闘う労働組合の再生と、それを軸にした革命に向けての党と労働組合の一体的建設の前進だ。6月闘争が切り開いた地平の上に立ってさらに前進するために、現下の革命的情勢の深さと大きさをあらためて明確にしたい。

 1929年をも超える大恐慌の全面的爆発へ

 アメリカ帝国主義の危機は、米FRB(連邦準備制度理事会)によるQE2(金融の量的緩和第2弾)の行きづまり、破産が明確となり、泥沼化しつつある。(米)帝国主義はもはやこの危機をのりこえられない。本当に死の苦悶(くもん)の過程に突入した。
 今次の世界大恐慌は、帝国主義の絶望的延命形態としての新自由主義の最後的破綻として爆発した。ITバブル−住宅バブルという巨大バブルを究極まで展開し、膨大な過剰資本・過剰生産力を激成する中で大崩壊したのが今次大恐慌である。それは米国だけで1700万人に達する大失業をつくり出し、一層深刻な住宅不況を到来させている。
 米帝のブッシュ政権、オバマ政権が天文学的な財政投入や超低金利(ゼロ金利)政策を繰り広げても、この大恐慌をのりこえることはできなかった。そこでFRBのバーナンキ議長は9千億jもの国債(および公債)を中央銀行としてのFRBがわずか半年のうちに購入する(月々1500億j!)という大バクチに打って出た。ヘリコプターでドル紙幣をばらまくような方式で、米帝経済と世界経済の中にマネーを氾濫(はんらん)させたのである。
 しかし、ここまでしても、大恐慌で崩壊した米帝経済のシステムは本格的な回復軌道などにはけっして乗らなかった。4〜5月の経済指標はこの現実を鋭く暴き出した。失業率が4月には9%に逆戻りし、5月には9・1%へと跳ね上がった。非農業雇用者数もプラス5・4万人にとどまった。4月の住宅着工件数は年率52万3千戸となり、前月比はマイナス10・6%、前年同月比ではマイナス23・9%となった。住宅価格のデータも下落を続けており、住宅不況は明白に2番底に突入してしまったのだ。
 この大失業と住宅不況のもとで、個人消費などが大きく伸びるわけもなく、GDP統計は10年第3四半期の2・6%から第4四半期には3・1%となったが、11年第1四半期には1・8%へと急減速してしまった。さらに株式市場ですら、バーナンキがQE2の6月末打ち切りを表明した後は、どんどん低下の動きを強めている。

 財政赤字とインフレ

 このように、QE2は所期の目的を達成できなかったにもかかわらず、大変な悪質な副作用をもたらすものとなった。大きくいえば二つある。
 ひとつは、米帝の財政赤字のとどまるところを知らない膨張である。QE2は事実上のマネタリゼーションとなってこれを支え、促進したのである。
 米帝の財政赤字は09年1兆4157億j、10年1兆2942億jとなり、11年5月にはついに米財政赤字の累計が14兆3千億jの法的上限枠を超えることは確実となっている。中長期的にも膨大な財政赤字が不可避となることをオバマ政権自体が予定している。
 基軸国・米帝の経済の実体的弱体化はどんどん進んでおり、“ドル本位制”を維持し続けるには無理があるのはもはや明白だ。米国債の実際の格付け引き下げも、歴史的射程に入ってきている。経済の低迷からQE3がさらに必要となってくることは必至だが、2番底阻止に動くこともストレートにはいかない。財政危機の爆発の恐怖が民主・共和両党間の政治的対立を激化させている中で、オバマの自由は大きく制約されている。
 いまひとつは、QE2によるマネーのばらまきが引き起こした世界的なインフレーションとBRICsなど新興諸国、とりわけ中国、インド、ブラジルなどの経済のバブル化問題である。
 QE2によるマネーの氾濫は原油・石油製品・資源財・食料品などの投機的な価格上昇を引き起こし、中国やインドなどの経済を直撃した。とりわけ食料品の価格高騰は社会的不安を醸成し、労働者階級の怒りの爆発を引き起こす。しかし、インフレ対策としての金利の引き上げや為替レートの引き上げは緊縮経済政策として経済のブレーキとなる。
 実際、中国などは現実に一定の経済成長の低下となっている。8〜9%の経済成長を続けなければ中国の経済社会は続かないといわれる中で、ギリギリの瀬戸際情勢に突入している。中国の労働者階級は今、歴史的な賃上げ闘争の時代へと突入し、新自由主義がむさぼった中国的低賃金は今や通用しなくなりつつあるといわれている。中国バブル経済の全面的崩壊の危機もどんどん切迫してきているのである。
 このインフレーションの問題は、EUの大恐慌情勢にも大きなインパクトを与えている。独、仏などの主要国の意見を事実上代表するECB(欧州中央銀行)は、EUのインフレ率が2%をはるかに超えていく状況に危機感を持ち、金利引き上げで対応しようとしているが、これは実際にはギリシャなどの財政破綻国にとって国債利回りの著しい上昇(国債価格の暴落)への圧力となる。これではギリシャなどの財政危機のりきり策は百パーセントパンクする。

 ドル大暴落の危機に

 大恐慌はついに財政危機爆発を展開軸としてドル暴落の危機を現実化しつつあるのだ。GDP第2位の経済大国と化した中国のバブルの大崩壊も切迫している。EUの二極分解は通貨ユーロの破綻となって独、仏などの金融資本に大打撃を与え、EUは大恐慌の第2波の直撃を受けることになる。これに3・11東日本大震災と原発大事故に直撃された日帝の財政的、政治的、体制的破綻が加わってくる。
 米帝経済の2番底突入とはこのような過程の展開を意味する。世界経済は分裂化していく。こうして29年大恐慌をはるかに超える大恐慌の全面的爆発へと情勢は推転していく。帝国主義は破綻した新自由主義の一層極限的な展開をもって労働者階級に襲いかかり、1日でも延命しようとする。労働者階級は、被支配階級を食わせることもできなくなった帝国主義・新自由主義に対して「生きさせろ」の闘いに立ち上がる。その闘いの中から自己の階級的歴史的使命を自覚し、プロレタリア世界革命に向かってその主体的革命的能力を開示し、決起していく。エジプト革命はそうした闘いが現実に始まっていることを圧倒的な迫力で示した。
 こうしたプロレタリア世界革命への道を封殺し、延命しようとあがく米帝(とスターリン主義)は、リビア、シリア、パレスチナなどで示されるように、侵略戦争を拡大しようとする。文字どおり階級決戦の時代、階級戦争の時代が始まっている。日帝を襲った3・11情勢は、事実上、新自由主義による3・11反革命としてある。彼らは自ら引き起こした3・11の大犯罪を逆手にとって、愛国主義や「挙国一致」「階級的休戦」などという反革命戦争のイデオロギー攻撃、政治攻撃、経済攻撃をもって、労働者階級に犠牲を強いてくる。最もすさまじい階級戦争は、大恐慌下で3・11情勢が爆発した日本でこそ始まっているのだ。
 労働組合を、資本と一体化したダラ幹の支配から奪還し、闘う労働運動を再創成する闘いが、今や決定的となってきている。6・5の大集会は、こうした闘いを全日本、全世界に向かって大々的に提起した。6・5集会の路線を真一文字に驀進(ばくしん)すること、これがプロレタリア世界革命への最短・最良のコースである。 

 新自由主義の反革命的本質が露呈した3・11

 新自由主義は3・11において、その反革命的本質を爆発的に露呈した。労働者階級は、3・11にどんな反革命的事態が発生し爆発したかをしっかりと銘記しなければならない。
 3・11の大震災、大津波、原発事故(原子炉4基の同時的大事故。そのうち3基の連続的なメルトダウン)――これはなまやさしい事態では断じてない。人類が経験した災厄の中でも有数のレベルのものである。これは人災であり、階級的犯罪そのものだ。帝国主義・新自由主義のもとで初めてこれほどの大災害が生起したのだ。
 労働者階級はヒロシマ・ナガサキを帝国主義と帝国主義戦争の必然的所産としてとらえ、帝国主義(とスターリン主義)を断じて許さない。ヒロシマ・ナガサキと同じく、3・11で起きた大量の殺戮(さつりく)と破壊(それはまだ終わっていない。これからもどんどん犠牲者がつくり出されていく)を、帝国主義・新自由主義の階級的大犯罪として徹底的に糾弾し、彼らの延命策動を許さず、彼らを打倒するまで闘い抜かなければならない。
 帝国主義・新自由主義は、労働者・農民・漁民がどんなに大量に殺され、苦しめられ、痛めつけられても、けっして真に反省したりすることはない。彼らを延命させれば必ず、3・11反革命はより巨大な3・11反革命となって繰り返される。
 3・11のようなとりかえしのつかない階級的大災害を引き起こし、その責任をなんら認めようとせず、労働者・農民・漁民・中小事業者などを犠牲にし、歴史的人間的社会の蓄積の重みをなんら理解しようともせず、ひたすら自己の延命と利潤追求だけに走っているのが帝国主義・新自由主義だ。この帝国主義・新自由主義は、すでに一つの社会を形成する力を失い、歴史的寿命が尽き果てている存在だ。このことをどこまでもはっきりさせよう。
 3・11で起きたことは、これから全世界の大量の原発で発生する大災厄の始まりである。帝国主義・新自由主義をプロレタリア世界革命で打倒し、全面的根底的に社会をつくり変えなければ、ブルジョア階級は人類を滅ぼすまでこのやり方を続けるのである。
 さらに、帝国主義・新自由主義とその政治権力(現在の与野党各党)のもとでは、3・11で奪われた町や村や仕事や生活を取り戻すことは絶対にできない。このことをとことんはっきりさせていくことが大切である。

 日帝には被災地救援も復興も絶対不可能

 3・11後、菅政権、東電、経団連と御用学者やマスコミなどのもとで進行したことは何か。彼らは、直後的な生命の救出にかかわる被災地・被災者救援さえまったくできなかった。人の命よりも階級的支配や権力的秩序を明らかに重視し、自衛隊の動員をとおして軍事的制圧を行い、自衛隊的ルールのもとに一切を抑えつけていった。そして本当に飢えと寒さに苦しんでいる人びとに救援の手を差し伸べなかった。いや、それどころか、それを阻止したのである。
 その後の復旧活動についても、東電の利害や日帝ブルジョアジーの利害に引きずられ、行政府内の官僚的利権争いや与野党の反革命的政争の中で本当に遅々としてしかことは進んでいない。
 メルトダウンが被災直後に発生したことさえ、3カ月後にならなければ明らかにしない。こんなやり方で、本当に災害の現実を直視し、正確に問題に対処していくことなどできるわけがない。そもそも、発生している事態の現実、真実を直視しないところでどんな対策が可能だというのか。
 さらに、町や村を追われて住居を失い、また工場や田畑・漁場から追われた住民(労働者、農民、漁民、市民)の生命と生活、雇用と生活を本格的に復旧・復興するという問題について言えば、帝国主義・新自由主義の代弁者でしかない政治家どもの手に委ねている限り、この問題の解決は絶対不可能だということをはっきりさせる必要がある。彼らは、原発事故問題の爆発を目の当たりにしていながら、平然と「原発はエネルギー政策上欠かせない。なんとか継続するしかない」と言っている者どもだ。

 原発推進者が唱える「反省」は空念仏だ

 また、大地震や大津波について明白な歴史的科学的証拠があり、それをよく知っていても原発づくりをこれまで平気で推進してきたすべての勢力が「反省する」などと言っても、そんなものは空念仏でしかない。帝国主義・新自由主義の存亡の危機が突きつけられれば、どんどん“基準”など変更してしまう。「放射能は○○シーベルトまでなら大丈夫です。問題はありません」などと言うやからに任せておいて、何かまともなことができるなどということはない。
 国会での法案審議と政党間の駆け引きを見てみればわかる。何が争われているのか。それは、帝国主義・新自由主義のどのような成長政策を取るか、財政的やりくりをどうするのか、といった枠内での争いなのだ。
 日帝は3・11以前にもすさまじい財政危機のもとにあったが、それに今3・11の大打撃が加わっている。しかし、新自由主義的再生のための財政政策の枠内で、しかも労働者階級人民に消費増税のような大増税をかけることに必死になる一方で、資本家どもには何十兆円でも融資するというやり方のもとで、真の復興計画など成り立つはずがない。たとえ膨大な予算を計上しても、それは帝国主義と新自由主義の支配と収奪、利益追求にとって最も都合のよい「復興計画」でしかない。
 3・11があれほどの大災厄となったのは、帝国主義・新自由主義の歴史的政策が農村・漁村を破壊し、地方の過疎化を促進してきたからである。また日帝ブルジョアジーが労働者の被曝を平然と強制しながらありとあらゆる「安全」デマゴギーを流し、町や村を金で買収して崩壊させ、利益第一主義の原発経営でぼろもうけしてきたことの結果である。したがって彼らがどんなに飛んでも跳ねても、彼らの「復興計画」は労働者・農民・漁民・市民の真の要求に沿ったものではなく、逆にその要求を圧殺して犠牲を再び強制し、反対派はひねりつぶして社会的に抹殺するようなやり方でしかない。
 だから今、本当に必要なことは、ブルジョア的財政のベースなど初めから根本的に吹き飛ばして、労働者人民の切実な要求を一切の根幹に置き、その実現に向かって突き進むことだ。
 ブルジョア階級の支配を打倒して労働者階級が全権力を獲得し、生産と社会の主人公となり、全社会を再組織することをとおして3・11を真にのりこえるあり方をつくり出していくことである。

 闘う労働組合を再生し日帝危機を日帝打倒へ

 大恐慌下の3・11の爆発は日帝と日帝権力・日帝政府に大打撃を与えた。財政破綻にあえぐ日帝には、3・11に対応する力はなく、巨大な財政赤字を累々と重ねていくしかない。このため彼らは今、政治権力をまともに組織する力もない。分裂し、混乱している。そして何よりも、3・11大災害という階級的大罪への労働者階級人民の怒りの爆発が本格化することを恐れ、おののいている。3・11情勢とは、つまるところ階級戦争の爆発情勢ということ以外の何ものでもない。
 大恐慌情勢と3・11情勢のもとで今、革命的情勢の成熟が加速度的に進んでいる。世界のいたるところでプロレタリア世界革命の力が台頭し、革命と反革命の階級戦争が始まっている。帝国主義・新自由主義の体制はものすごい勢いで崩れていっている。このことへの恐怖から、恐るべき反革命の時代が引き寄せられている。
 ここで心の底から訴えたいことは、労働者階級の力を体現する闘う労働組合と階級的労働運動をなんとしてもつくり出し、一つの階級的力として階級戦争の戦場に躍り出ることだ。そのためにも、党と労働組合の一体的形成の闘いをなんとしても大きく前進させることである。ここでの闘いの成否にプロレタリア世界革命の成否がかかっている。
 日帝の政治危機はすでに行くところまで行き着いている。日帝の議会制民主主義は今、吹けば飛ぶような軽さで動揺している。日帝支配階級は、自己の階級的権力を強固につくり出すことさえできていない。菅のような、労働組合的勢力(ダラ幹的勢力の支配下の)に半ば足をかけつつ、しかし決定的に日帝ブルジョアジーに体重を乗せて政治権力を維持し、自己の政治的延命を至上価値として追求するボナパルティスト政治家がこれほどまでにのさばってこれたのも、日帝危機、日帝の政治危機の深刻さのゆえだ。
 この激動的情勢を真に突き抜け、日帝の危機を日帝打倒へと転化し、新しい労働者階級の国家を形成し、社会・経済を革命的に変革する力を持っているのは唯一、労働者階級のみである。
 日本の労働者階級はダラ幹支配のもとにあってもけっして屈服してはいない。今の大失業情勢、原発情勢に火のような怒りをもっている。闘いを望んでいる。労働者階級はそれを闘う指導部の登場を心から望んでいるのだ。11月労働者集会派、6・5国鉄闘争勢力が前進し、全労働者階級の中に自己を確立していくことが一切の鍵だ。
 労働者階級のこの潜在力におののいているブルジョア階級は、労働組合という労働者階級の団結の環となる組織を資本とダラ幹によって制圧し抑え込むことにすべてをかけている。そのために階級的労働組合へのあらゆる闘いの芽を圧殺し尽くそうとしている。昨年の4・9国鉄闘争に関する政治和解は、この攻撃の重要な土台となる歴史的な巨大な反革命だった。この上に立って今、3・11情勢を契機に日帝ブルジョアジーは一挙に階級戦争へと突入し、「挙国一致」「日本を守れ」的な階級闘争解体の大反革命攻撃をかけてきている。
 まさに戦時下に突入したと同じような事態へと情勢は一変している。しかしこうした攻撃の激化は、敵階級が3・11情勢の爆発に動揺し、労働者階級の決起を死のように恐れているからこそ展開されている。本当に3・11情勢をのりこえるためには日帝打倒=プロレタリア革命しかない。そのための階級戦争が今や始まっているのだ。
 革命情勢を革命に転化するためにはプロレタリアートは、革命に向かって戦略的大準備に総力を挙げなければならない。そして、一定の準備のもとで一定の戦役を構えつつ、この大準備に勝利し、一斉蜂起による権力奪取へと突き進まなければならない。
 繰り返すが、そのためにはダラ幹の支配から労働組合を奪還する以外にない。それは労働組合の闘いを土台に据えた党と労働組合の一体的形成の勝利によって可能となる。そのために動労千葉労働運動を徹底的に学びつつ、職場生産点での資本・当局との非和解の闘いを徹底的に推進し、階級的団結を土台とし、総括軸にして、そのもとで反原発闘争、反戦政治闘争、大学闘争などに総決起していくことである。
 大失業と闘い原発全廃を目指す労働者の6・5大集会は、まさにこのために闘いとられ勝利した。これこそ今日の革命運動の主体的推進の実体的内容の基軸である。4・9反革命と3・11反革命に対決する国鉄決戦を、国鉄闘争全国運動(外注化阻止、1047名解雇撤回)の強力な推進をテコに、動労千葉・動労総連合・国労共闘を先頭に闘い抜くことである。3・11反革命情勢の中で今、4大産別の闘いは百パーセント一体化しつつある。4大産別を先頭に全産別の力を大きく結集して闘い抜こう。
 この闘いを基軸に反原発・反失業の大闘争を爆発させ、三里塚闘争、安保・沖縄闘争など反戦政治闘争、大学闘争、諸戦線の闘いを勝利させていこう。6・5―6・11反原発デモ―6・19福島現地闘争の大勝利を土台としバネとして、8・6―8・9へ、そして11月労働者集会へと驀進しよう。
 「時代認識と路線」で全面武装し、革命への革命的大準備の精神をみなぎらせて、闘う労働組合の戦取・建設のためにあらゆる努力を重ねよう。職場生産点での死闘になんとしても勝ちぬこう。6・5の道を真一文字に突き進み、8・6―8・9を歴史的な反原発の世界大会としてかちとり、11月には革命を目指す大きな一つの力を示すことのできる大結集を実現しよう。

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週刊『前進』(2495号5面2)(2011/07/11 )

 関空と原発に怒りのデモ

 7・3泉佐野 市職員2割賃下げと対決

 7月3日、泉佐野市末広公園で「関空の軍事空港化反対/市職員給与2割カット反対/全原発を廃止しろ」を掲げて関空反対全国集会が開かれた。関西新空港絶対反対泉州住民の会と関西労組交流センターが主催し、地元の50人をはじめ170人が結集した。
 今回の関空闘争は自治体決戦と一体の闘いとなった。新市長・千代松による市の職員給与2割賃下げの大攻撃が吹き荒れる中で闘われた。
 主催者あいさつに立った関西労組交流センターの富田益行代表は「国家・資本家と労働者住民は非和解だ。団結して闘わなければ生きられない時代だ」「千代松市長を追放しよう。労働者が非和解で闘うことを抑え込む市職労幹部(日本共産党)にとって代わって、“闘う労働組合”をつくろう」と訴えた。
 大地の熱を冷ますように通り雨が走り抜けた。連帯あいさつを動労千葉の大竹哲治副委員長、全日建運輸連帯労組関西生コン支部の武谷新吾執行委員、全国労組交流センターの入江史郎代表、8・6ヒロシマ大行動実行委員会、部落解放同盟全国連合会西郡支部の岡邨(おかむら)洋支部長、婦人民主クラブ全国協議会が行った。
 大竹さんは国鉄決戦の重大局面を明らかにし、「動労千葉は外注化絶対阻止、組織拡大で闘う」と述べた。武谷さんは昨年139日間の産業ゼネストで賃上げをかちとった報告を行い、5・11不当弾圧(組合員13人の逮捕・起訴)を跳ね返して闘っていると語った。
 泉州住民の会代表の国賀祥司・泉佐野市議が基調報告を行った。「関空闘争を反原発闘争と一体で闘う」と宣言し、次に自治体決戦について「関空闘争そのものになった。これは関空政策の破綻であり、日本資本主義の破綻そのものだ」と指摘、「市職員はみな怒っている。千代松市長は破産する職員が出ても『耐え忍んで頑張ってもらいたい』と答弁した。これは『資本家のために死ね』ということだ」と弾劾した。そして「市職労、自治労の幹部の屈服をのりこえて闘おう。市職員と連帯しよう」と呼びかけた。会場から大きな拍手が送られた。
 次に、泉州住民の会、関西労組交流センター自治体部会、関西合同労組泉州支部、全学連が決意表明を行った。泉州住民の会の小林順子さんは、怒りで体を震わせながら賃下げ攻撃を弾劾し、井上敏幸さんは「原発も関空もいらない」ときっぱりと述べた。
 大阪市職で闘う青年は泉佐野市職員に向かって決起を呼びかけた。「2割カットで月収が13万円になる青年がいると聞いている。どうやって生活しろというのか。これは全国の労働者にかけられた道州制攻撃だ」と弾劾し、市職員とともに闘う決意を表明した。
 閉会あいさつを泉州住民の会の中山綾子さんが行った。「30年間闘ってきたが、この闘いはまったく正しかった。原発も関空も間違った国策です。関空廃港、原発廃止まで闘おう」と集会を締めくくった。
 太鼓のリズムに乗ってデモに出発した。「空港反対、原発なくせ、千代松打倒」と、勢いあるデモコールが街を席巻した。沿道から多くの住民が注目し声援を送った。デモの終点のマーブルビーチから関空に向かって「関空廃港!」とシュプレヒコールを上げた。
 千代松市長は、就任早々から労働組合をたたきつぶす目的で市職員給与の2割カットを突きつけ、6月議会に条例案を提出した。終盤になって、職員への説明や協議も一切行わず、たった2日間で一般職員8%〜部長級13%削減という府内最悪の賃金条例を可決した。しかも市長はあくまで2割賃下げまで突き進むことを公言している。そして「保育所7園を1園に」「ゴミ収集車3人体制を2人へ」と言って民営化、外注化を進めようとしている。7・3闘争は、関空廃港と賃下げ粉砕を一つに闘い大きな前進を切り開いた。
(写真 デモ終点の海岸から関西空港に向かって「軍事空港化反対! 廃港!」と叫んだ【7月3日】)

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週刊『前進』(2495号6面1)(2011/07/11 )

 学生先頭に反原発・菅打倒へ

 国立大学法人化体制と対決し学生自治会の復権かちとろう

 マルクス主義学生同盟中核派京大支部

 6・5国鉄集会−6・11反原発100万人行動−6・19フクシマ大行動の成功を引き継ぎ、7・8東北大集会が画期的地平を切り開いた。あくまで原発推進を掲げる菅政権に対し、原発絶対反対の声を大学から上げるとともに、学生自治会の建設こそが3・11への回答であることを鮮明に打ち出した。こうした地平とともに、マルクス主義学生同盟中核派京都大学支部は組織建設の前進を切り開いている。マル学同京大支部は、7・15京大集会の成功とさらなる組織建設をかちとり、8・6ヒロシマから9月全学連大会の歴史的成功のための闘いの先頭に立つ。

(写真 6・19怒りのフクシマ行動で福島大生との感動的な合流をかちとった全学連は、集会につづいて政府・東電の原子力災害現地対策本部に向けたデモをやり抜いた)

 東北大学集会が大成功

 7・8東北大集会の意義は第一に、全国の労働者・学生・市民の怒りの先頭で被災地・東北大から原発絶対反対・菅政権打倒の声を上げた画期的闘いとなったことだ。
 「知恵を出さないやつは助けない」とふざけきった発言をした松本復興相が、被災地を先頭とした怒りの爆発にあい、就任からたった9日で打倒された。稼働再開が狙われていた玄海原発をめぐっては、九州電力が社員に対して市民を装い経産省へ「原発稼働」メールを送ることを指示していたことも暴露された。海江田経産相が「ストレステスト」を打ち出し、玄海原発は「判断延期」に追い込まれている。
 菅政権はグラグラだ。怒りはますます大きくなっている。7・8集会を引き継ぎ、全国のキャンパスでさらに怒りの行動を組織し、追撃しよう!
 第二に、海江田経産相の「原発安全宣言」や「電力使用制限令」による電力不足のデマと節電キャンペーンをキャンパスから吹き飛ばして立ち上がったことだ。
 人類にとって未曽有の大事故へと発展している福島原発事故は、猛毒のプルトニウムなどの放射性物質が地下水に混じって海に流れ出る事態にまで至っている。福島県では子どもたちをはじめ日々被曝を強制され、健康被害が拡大し、生活は破壊され、自殺に追い込まれる人も出ている。何が「安全宣言」か!
 政府は7月1日、東京電力、東北電力管内の契約電力500`ワット以上の大口需要者を対象とする電力使用制限令を、オイルショック以来37年ぶりに発動した。「15%削減」に故意に反した場合は「100万円以下の罰金」だ。
 大学もこぞって節電キャンペーンをエスカレートさせている。事故の責任の一切は政府と東電にある。電力は無条件に保障されるべきだ。にもかかわらず、「節電」で学生の教育環境を破壊し、原発政策を継続するなど絶対に許されない!
 何より「福島県民を犠牲にしてしか生きられない」存在に学生をおとしめ、被災住民と分断することが最大の狙いだ。しかし、この分断を打ち破って、全国の大学でキャンパスデモや集会、サークル活動を防衛する闘いなどが自主的、自然発生的に沸き上がるように始まっている。7・8東北大集会こそ、こうしたうねりを牽引(けんいん)する闘いだった。
 第三に、「原子力村」に位置づけられるまでに大学を腐敗させた国立大学法人化体制の撤回と大学の奪還を掲げ、何よりその力は学生自治会の建設にあることを真正面から打ち出したことだ。すべての大学キャンパスに闘う学生自治会を打ち立てるために闘い、全学連大会への大結集をかちとることが宣言された。
 京大支部をはじめ全国のマル学同支部は、こうした画期的地平をマル学同への結集へと転じる前進を切り開いている。京大生は7・8東北大集会を引き継ぎ、7・15京大集会を爆発させ、全学連大会を大成功させよう。

 世界革命の時代が到来

 3・11がつきだした時代認識とは何か。第一に、資本主義社会を打倒するプロレタリア革命こそが求められているということだ。原発事故は本質的に地震や津波が原因ではない。資本が利潤を生むことのみを追求し、安全や労働者人民の命を一切無視してきた新自由主義政策の帰結であり、資本主義こそが元凶だ。
 世界一高いと言われる電気料金で電力資本はぼろもうけしてきた。電気事業法により国家の保護を受ける電力産業は、原発の建設費をすべて電気料金に上乗せすることができる。その結果が15・5兆円(10年度売上高)の利潤だ。この利権構造が「原子力村」といわれる癒着構造を生み出し、原発を強力に進めることを可能にしてきた。
 さらに安全は無視され被曝労働が強制され、多くの労働者が殺されていった。30年程度の運転しか想定していない原発が40年を超えて稼働し、技術的欠陥はもみ消されてきた。この結果がフクシマなのだ。
 第二に、資本主義は私たち学生に未来を描けなくさせているということだ。このことはプロレタリア世界革命によってこの社会を根底的に変革する時代が到来したことを示している。
 世界大恐慌の中で、学生の10年度の就職率は91%と過去最低を記録した。生活保護受給者は200万人を突破している。3・11大震災で失業者が1千万人規模に増えるといわれている。反原発デモのうねりの根底には、未来を奪われてきた若者の激しい怒りが流れている。
 6月末に終了した米の量的緩和策第2弾(QE2)がもたらしたのは、世界経済のインフレ化とバブル化であり、これに対する怒りの爆発としての中東・北アフリカを先頭とする世界的な革命情勢であった。中国スターリン主義も中国プロレタリアートのストライキと暴動に直撃され、足元から揺さぶられている。国家破綻寸前のギリシャでは労働者のゼネストが爆発し、EUそのものの崩壊とドル暴落、すなわち米帝基軸の戦後世界体制の最期的崩壊を引き寄せている。
 米中の軍事的衝突情勢の深化と核戦争の危機は、沖縄に基地の負担を集中させる。沖縄プロレタリアートは怒りを爆発させ、日米安保体制を揺るがしている。大恐慌と戦争・大失業は世界革命情勢を引き寄せている。今こそ資本主義社会を根底から変革する行動に打って出る時だ。大恐慌をプロレタリア世界革命へと転化するために闘う時だ。
 第三に、だからこそ私たちがするべきことは、この資本主義社会を打倒し、新しい社会を運営する力を取り戻すことだ。具体的には労働組合・学生自治会建設を強力に推し進めるということだ。

 全学連大会に総結集を

 学生は今こそ学生自治会を復権させよう。新自由主義と対決し、キャンパスでの決定権を自らの手に奪い返そう。
 国立大学法人化以降、どれほどの大学が資本に売り渡され、どれだけ真実がねじ曲げられてきたことか。人間の命や人類の未来すらも金もうけの手段にしてきたやつらが、未来をつくり出すべき大学のトップに堂々と座っている現実。これこそ新自由主義が行き着いたグロテスクな光景であり、人間社会が人間から切り離されている証明ではないか。
 こうした国立大学法人化体制への怒りをすべて結集し、法人化を撤回・粉砕していく闘いの中から学生の団結を復権し、学生自治会を建設しよう。とりわけ京大をその最大の攻防点として押し上げよう。
 京大の経営協議会には、美浜原発で5人もの労働者の命を奪い引責辞任した関電の元社長・藤洋作が居座っている。京大総長・松本鉱は就任するなり京大を関西経済連合会(会長は関電会長・森詳介!)に加盟させ、大学をブルジョアジーに売り渡した張本人だ。
 私たちマル学同京大支部は、こんなやつらに愛するキャンパスと自らの未来が売り渡されることを断固拒否する。私たちが復権・強化するべき学生自治会・寮自治会は、何よりも学生自身が大学の主人公となるための学生の自治組織だ。大学当局・資本と対決し、ストライキでその支配を粉砕する闘う自治組織だ。思いを同じくするすべての学生は、ともに行動に立ち上がろう! そのために7・15京大集会を爆発させよう。
 「大学が法人化され民営化される中で、電力資本が大学に入り込み、原発政策が進められた。学生は国立大学法人化と対決しよう」「おれたち学生は今こそこの社会と対決しなくてはならない」。怒りがドンドン結集し、ひとつの大きなうねりが生まれている。私たち学生の力で社会を変えることは絶対にできる。
 行動に次ぐ行動で団結を固め、大学を奪い返そう! 7・15京大集会から8・6ヒロシマへ。そしてなによりも9月全学連大会に総結集して、全国の学生と団結を打ち固めよう!

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週刊『前進』(2495号6面2)(2011/07/11 )

 松本龍の「助けない」暴言は菅政権の「復興」思想の正体

 松本龍震災復興担当兼防災担当大臣が就任わずか9日で辞任した。岩手、宮城の両県知事に向かって吐いた暴言が原因だ。菅政権は末期的危機を一層深めた。
 松本が「お上」意識丸出しで県知事を恫喝しまくる姿がテレビに映し出された。それが被災地の労働者人民への許しがたい侮辱とじゅうりんと受けとめられ、猛反撃にあったのは当然である。
 しかし、そのごうまんな態度以上に、むしろ松本の恫喝の内容が問題である。それは、菅政権のもとで作られた復興基本法や復興構想会議の提言の思想そのものである。それは、「自助」を強調し、国の責任を被災地に転嫁するものであり、また「特区構想」にみられる農漁業への大資本参入、道州制をこの機に推進しようとするものだ。
 仮設住宅を要望する達増(たっそ)岩手県知事には「本当は仮設はあなた方の仕事だ」と言い、「知恵を出したところは助けるけど、知恵を出さないやつは助けない」と恫喝した。 
 被災した漁港を集約するという右翼反動の村井宮城県知事の計画に対し「(県内の漁港を)3分の1から5分の1に集約するって言っているけど、県でコンセンサスを得ろよ。そうしないと、われわれ何もしないぞ」と後押ししている。 
 村井知事は、復興対象漁港の絞り込みや、沿岸漁業への大企業の参入を容易にすることを狙っている。宮城県の復興計画は財界のシンクタンクである野村総研が全面的に関与した大資本救済策だ。同構想に対しては宮城県漁協など地元漁業者から猛反発が起こっている。松本はこうした反対を封じ込めることを村井に要求しているのだ。
 資本家階級は大震災を奇貨として道州制を一気に推進しようとしている。経団連、経済同友会などから、東日本大震災を契機に広域的な「東北再生機構」をつくり、それを「東北州」にスライドさせていくという提案が次々と出されている。
 この点で村井知事の動きは突出している。村井は被災地を「復興特区」に指定して市街地、農地、漁港の再編を実施したいと繰り返し発言している。それを国の復興構想会議でも主張して「提言」に盛り込ませた。
 破産した新自由主義攻撃をより一層の民営化・外注化、規制緩和、道州制でのりきろうとしている。それは同時に農漁業を破壊し、震災解雇、公務員削減、非正規職化をもたらす。
 松本は、村井と対立しているわけではなく、震災を機に新自由主義攻撃を激化させるという点で軌を一にしている。
 松本は昨年9月に環境相兼防災担当相となり、3・11にはまさに担当大臣として「出番」を迎えたが、まったく影の薄い存在だった。「防災担当相という肩書なのに、この非常時にまったく顔を見ない大臣」「ボンボン育ちで、修羅場をとても仕切れない」などと批判されていた。後に「(震災から3カ月)私はボーッとしていたけど、みんなでやってくれた」と述べ、何もしなかったことを自認した。
 松本龍の祖父は部落解放同盟初代委員長で社会党参院議員(参院初代副議長)だった松本治一郎、松本龍も昨年秋まで解同副委員長だった。90年に社会党から出馬し衆院議員になったが、96年には菅・鳩山らの旧民主党結党に加わりブルジョア政治家としての姿をあらわにした。菅内閣閣僚中トップの資産(10年は7億6千万円)は、差別撤廃を希求する部落大衆を踏みにじり、利用し、部落解放運動と組織を私物化してつくりあげたものだ。松本のこうした本性が被災者をぼうとくするごうまんな閣僚暴言として現れたのだ。
 同時に、今回の事態は、菅政権のみならず、日帝の統治機能が全面的に崩壊していることの現れだ。与野党からの「菅降ろし」の包囲網の中、松本起用は苦心の末にこぎ着けた人事だったのにわずか9日で破綻した。玄海原発再稼働問題のつまずきも併せて菅体制は今や最末期である。菅政権を日帝もろとも革命的に打倒し、全原発停止・廃炉に向かって闘おう。

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週刊『前進』(2495号6面3)(2011/07/11 )

新刊紹介 『全原発を廃炉に』 ブックレット A5判 116ページ 600円+税

 学習会の決定的な武器

 8・6−8・9に向け活用を

 全原発を停止し廃炉にするために、いま全国で100万人規模の人びとが闘いに立ち上がっています。この人たちの思いとなんとしても結びつきたいという思いで、このたび前進社出版部がブックレット『ふるさとを返せ!職場を返せ!未来を返せ! 全原発を廃炉に』を刊行しました。
 早速、「1テーマが2ページで完結していて読みやすい」「図や写真がたくさんあってわかりやすい」「電車の中でも楽々読める」などの声が続々と寄せられ、注文が殺到しています。青年や若いお母さんたちの決起を先頭に始まった反原発の闘いを爆発させ、本当に勝利をもぎりとるためにぜひ手に取ってみてください。

 資本主義の問題

 本書の特徴は、原発問題は資本主義社会そのものの問題であるという労働者の立場・視点から福島原発事故の本質をとらえ、原発・核が労働者支配を目的としてきた歴史的構造を暴露しているところにあります。
 また、4章「核は戦争と支配の武器」では、経済的にはあまりに不合理な原発に現在の支配階級(=資本家階級)がなぜ固執するのかが歴史的・現在的に解き明かされ、「原発の真の目的は核武装にある」ことがよくわかります。
 これまで長年、反戦反核を闘ってきた人たちにとって当然とされてきた事柄を前提化せずに丁寧に取り上げて解説していること、初めてこの問題に接する人たちにとっても基本的な問題がよくわかること、これもこのブックレットの大きな特徴です。

 党派闘争に重要

 自民党や民主党、経団連、マスコミ、御用学者、最高裁を思いきりぶった切った5章「原発事故をもたらした犯罪者たち」。続く6章では「原発を進めた裏切り者たち」として、連合と日本共産党を痛烈に批判しています。現在、連合や日共傘下の既成労働組合の中でその支配をひっくり返すために格闘している労働者にとっても、本書は最良の武器になると考えます。
 原発推進の手先となった労働組合を闘う労働組合へとよみがえらせることが、原発を停止・廃炉に追い込む最短の道です。原発のない社会をつくるのは労働者階級なのだということを明快に言い切ることができる書です。党派闘争にとっても重要です。

 階級的視点貫く

 いくつかの地区では、原発デモで出会った青年同士が集まって、早速このブックレットを使った学習会を始めています。
 いまの青年はインターネットなどで科学者や市民活動家などからの膨大な情報を懸命に入手してマスコミのウソを見抜き、心底からの怒りで立ち上がっています。しかし、ネット情報はやはり部分的であり、階級的視点が希薄です。学習会をとおして新たな発見をしたという声が次々と上がっています。
 3・11大震災ですべての社会的矛盾が露呈する中で、青年は根底的なものを求めています。この青年の思いと真っ向から向き合い、「原発をなくす道は労働者の団結にある」「闘う労働組合の力で世の中を変えよう」と、展望と方向をラディカルに訴えているのが本書です。
 ユニオン・合同労組、青年・学生の学習会に最適ですが、一人で読んでもよくわかります。8・6広島―8・9長崎の反原発・反戦反核闘争の歴史的大爆発に向けて、最良の武器として全面的に活用してください。

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週刊『前進』(2495号6面4)(2011/07/11 )

 日程 前進社不当捜索国賠訴訟

 第8回弁論 7月15日(金)午後4時10分
 東京地裁527法廷

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