ZENSHIN 2011/06/27(No2493 p06)
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週刊『前進』(2493号1面1)(2011/06/27 )
国鉄全国運動を大発展させよう
解雇撤回・外注化阻止を闘い JR体制打倒へ進撃しよう
反戦反核・反原発闘争の爆発を
「福島を返せ!」「古里を返せ! 人間を返せ! 未来を返せ!」。福島の地で、3・11大震災以来の全反動を吹き飛ばす腹の底からの血叫びが上がった。エジプト革命につながる湧き上がるような自己解放的決起が、6・11大デモに続き19日のフクシマで実現した。ここからさらに7月の反戦反核・反原発闘争を闘い、8・6ヒロシマ−8・9ナガサキの大行動に総決起しよう。大恐慌の激化と大震災・原発事故に立ち向かい、今こそ職場からの原則的な実践で、闘う労働組合を再生しよう。その基軸として7月国労大会決戦に断固勝利しよう。強大な革命党の建設へ夏期カンパ決戦に取り組もう。
(写真 6・19フクシマ大行動に1510人【福島市・街なか広場】) 原発「安全宣言」に福島現地から反撃
6月18日、海江田経産相はわずか2日間のペテン的な現地調査で原発の「安全宣言」を行い、「停止中の全原発の早期再稼働」を原発を抱える知事に要請した。全国行脚してでも反対をねじ伏せ稼働させたいと表明した。菅もこれを了承している。あくまで原発を推進するこのインチキで超反動的な政策への最大の反撃が、1510人の大デモだった。
6・5国鉄闘争全国運動大集会は、6・11と6・19の反原発デモの大高揚の階級的土台となり、被災地の怒りと一つに結びついて、解雇撤回と反失業・反原発闘争の道筋、闘う労働組合の再生の展望を指し示した。
この中で切り開かれたものは何か。第一に、フクシマの怒りを先頭とした労働者人民の決起が、今や日本の全原発を止める現実的展望を手にしているということである。
なぜ日帝は原発にしがみつくのか。日帝にとって原発は、帝国主義としての新自由主義的な延命基盤そのものであると同時に、核武装とも一体のものだからである。戦後革命を圧殺して55年体制を築いた日帝は、翌年ただちに原子力委員会を設置し、GHQにより解体されていた旧財閥企業を三菱・三井・住友など五つの原子力グループとしても再編することで、戦後の日帝を再建させてきたのだ。
だが今や福島原発事故と反原発闘争の歴史的な高揚が、日帝の原発推進体制を痛撃し、破綻に突き落としている。6月の闘いから8月へ、そして11月労働者集会と来春へのひと連なりの闘いが、原発を止め、日帝を打倒し、プロレタリア革命の勝利を開く大決戦となったのである。
第二に、この画期的地平を引き出すに至った6・19フクシマ大行動の歴史的で感動的な意義ということである。
巨大地震や大津波が引き起こした恐るべき大災害は、まさに新自由主義によってもたらされたものであり、特に原発事故は国家と資本による歴史的人災、階級的犯罪だ。それはオキナワ、ヒロシマ・ナガサキに続く、新たな形をとった帝国主義戦争にも等しいとてつもない大犯罪である。しかも沖縄、広島・長崎にしたのと同じように、日帝は階級的な怒りの決起を鎮圧するために、自衛隊・米軍から行政、御用学者、マスコミまで総動員して、被災地と労働者階級人民の分断を図ろうとした。
だがこの分断を打ち破り、6・5集会には被災地からバスを連ねて大結集し、またこの感動をもって全国・全世界で6・11の100万人デモが、被災地と一つに結びついて闘われた。6・19にはこれらの思いと怒りのすべてをフクシマに結集し、反原発・反失業の組合旗をはためかせ、生き抜く希望と展望を、労農学の生きた団結で打ち立てたのだ。
19日の現地での感動の数々は筆舌に尽くせない。集会をじっと聞いて、次々に集会やデモに入ってくる。女性がビラを握りしめ、目をうるませてうなずく。デモに飛び込んだ高校生が、涙をぬぐい、こぶしを振り上げる。窓から母親と子どもが手を振りながらお辞儀をしている。本当にこの闘いは、地の底から湧き上がる怒りの発露であり、「生き抜くための戦争、絶対に負けられない闘い」(動労千葉・田中康宏委員長)であった。
6・5大集会-国鉄決戦が階級的土台
第三に、6・5国鉄大集会こそが一切を規定する階級的土台であり、現下の国鉄決戦が、いよいよ決定的になってきたということだ。
電産中国地本の闘いが示すように、日本の労働者は一貫して原発と闘ってきた。それに対して、1980年代の国鉄分割・民営化攻撃で総評と労働組合運動を破壊し、原発反対運動を抑えつけて、原発は建設されてきた。54基のうち30基以上がこの時代に計画・建設されたのだ。
原発で働く労働者の被曝労働は労基法違反であり、「7層のピンハネ」は非正規労働と偽装請負の強制でもある。これらも、労働者派遣法下の攻撃も、国鉄分割・民営化の強行によって現実化したものだ。さらに加えて、原発大事故と震災解雇の嵐を目の前にしての、国労本部による闘争団の切り捨てと連合化はどこまでも許し難いことである。
これに反撃し、6・5大集会は大成功した。こうしてまさに国鉄闘争も反原発・反失業闘争も、闘う労働組合の再生によってこそ勝利の展望が開かれることを示したのだ。
また6・5−6・11−6・19の全過程で、青年労働者と学生が階級の指導部として立ち、無数の人びととの合流を開始した。とりわけ国鉄職場での平成採の青年労働者の決起と、郵政非正規職労働者の組合結成は重要である。それは職場実践をとおした、怒りがうずまく青年労働者の巨大な組織化への歴史的な踏み出しだ。
第四に、フクシマ大行動は、本紙春季特別号論文の提起の実践として、組織建設の飛躍への第一歩を刻むものだった。
6・19大行動を、東京新聞などのマスコミも「福島を返せ−市内で1500人反原発デモ」と報道した。「福島を返せ!」は今や革命の要求だ。福島県教組の登場、国労郡山工場支部、自治労、全逓、そして合同労組、さらに福島大の学生などの決起の一つひとつが、実に衝撃的だった。
これを実現したのは、「自らを党中央と規定して細胞を建設する」(本紙前号・国鉄委論文)という、地区党の団結と、職場・大学・地域での地をはうような、自己変革的な粘り強い実践と闘いによってであった。
これらこの間の職場を始めとした豊かな実践とその地平から、しっかり普遍的教訓を引き出し、地区党建設にさらに勝利しよう。
7月闘争が決定的に重要な位置もつ
国鉄解雇撤回闘争の政治和解と国労本部の総屈服が、郵政労働者の大量解雇・賃金カットに道を開き、国家公務員の10%賃金削減や、地方公務員への攻撃にも拡大している。だが今や怒りの反撃が、国労大会代議員選挙闘争として職場から始まった。
外注化と基地統廃合による組織破壊攻撃に対して、動労千葉は「組織拡大で外注化を止める」(幕張支部・山田護支部長)と怒りをたぎらせ猛然と決起している。主流派精神をみなぎらせ、闘争団の切り捨てと連合化を許さず、7月国労大会決戦に勝利しよう。
さらに開始された全逓の非正規職の闘いを始め、4大産別と全産別で職場から決起して階級的労働運動を復権しよう。
原爆投下から66年、今年の8・6広島−8・9長崎反戦・反核・反原発闘争は、「ヒロシマ・ナガサキ・フクシマをくり返すな!」を全世界に熱烈にアピールする歴史的な闘いとなった。そこに向け7・8東北大学集会、7・10反戦反核東京集会、7・17いわき集会の成功へ闘おう。
さらに、関西生コン支部の7・17反弾圧大集会(午後1時、中之島・剣先公園)に決起しよう。辺野古新基地建設とオスプレイ普天間配備を沖縄に押しつける菅政権を打倒しよう。三里塚天神峰現闘本部の代執行粉砕へ闘う戦列を強化しよう。
最後に夏期カンパ決戦への全力の決起を訴えたい。解雇撤回・反失業も、すべての原発の即時停止・廃炉も、労働者階級人民の切実でほとばしる欲求だ。これと切り結び、大胆に、心から夏期カンパを訴えよう。『前進』読者の拡大と結合して取り組もう。
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週刊『前進』(2493号1面2)(2011/06/27 )
「福島を返せ!」とどろく
組合旗が林立 怒りの大デモ
「福島を返せ! 田んぼを返せ、未来を返せ、人間を返せ!」――張り裂けんばかりの怒り、たまりにたまった怒りが福島県庁に設置された政府・東京電力の原子力災害現地対策本部にたたきつけられた。
6月19日に開催された「怒りのフクシマ大行動」に、地元の労働者・農民・学生を先頭に全国から1510人が結集し大成功した。3・11大震災と福島第一原発事故から約100日、福島の現地で決定的な大闘争が打ち抜かれたのだ。
30度を超える今年一番の日差しをつき、真っ赤な労組旗を林立させたデモ隊が県庁の原子力災害現地対策本部に向かって進む。恐れをなした政府・東電はこの日、対策本部設置以来、初めての「休業」措置を取って逃亡した。なんという卑劣な連中か。そもそも、原発災害にあたって責任者が「休業」などありえるのか!
根底からの怒りのコールが共感を呼び、商店の中や、沿道の家々の窓やベランダから多くの人が手を振り、ガッツポーズで応えた。沿道からも100人近くがデモに飛び入りで合流し、隊列はどんどんふくらんだ。飛び入り参加した青年や高校生がデモのコール係をつとめ、フクシマの怒りを政府と東電の現地対策本部にぶつけた。
デモ隊はさらに福島市内中心部を練り歩き、東北電力福島営業所に対しても抗議の声を上げた。
デモ解散地で呼びかけ人の渡辺馨さん(福島労組交流センター代表)は「今日は福島始まって以来のデモをやり抜いた」と勝利感あふれる総括を参加者に返した。
デモに先立ってJR福島駅近くの「街なか広場」で集会が開かれた。怒りと戦闘性にあふれる大集会となった。(2面に主要な発言を抄録)
とりわけ福島現地からの発言は圧巻だった。呼びかけ人を代表して清野和彦さん(元福島県教職員組合委員長)は「全国からここ福島に集まっていただき感無量です。この状況の中で、最も力を発揮して欲しいのは労働組合、そして若い学生のみなさんです。この福島から原発をなくす。それが全国・全世界での闘いの出発点になる」とあいさつした。ふくしま合同労組の市川潤子委員長が「6・19フクシマアピール」(3面に掲載)を読み上げ満場の拍手で採択された。
現地を代表して呼びかけ人である本宮市の酪農家・鈴木光一郎さん、福島市の農民、桜の聖母短大名誉教授の佐々木信夫さん、国労郡山工場支部の橋本光一さん、さらに福島県教職員組合の角田政志書記長、農協労働者、30`圏内からの避難住民、福島出身の青年弁護士、非正規職の青年労働者、全学連・福島現地行動隊と福島大学の1年生などの熱い訴えが続いた。
全発言が参加者の心をとらえて離さない。そして“悲しみ、悔しさ、不安、絶望の一切を怒りとして解き放ち、敵である政府・東電にぶつけよう”という福島県民と、全国・全世界人民への渾身のアピールとなった。
「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」の代表、女川原発反対同盟の阿部宗悦さんから寄せられたメッセージを司会が紹介した。
全国からは、動労千葉の田中康宏委員長、沖縄から駆けつけた基地労働者、いわき市出身である動労水戸の国分勝之副委員長、国労秋田闘争団の小玉忠憲さん、星野全国再審連絡会議の星野暁子さん、神奈川の教育労働者、仙台市職労の労働者などが、それぞれの思いと決意を込めてアピール。被爆2世の中島健さんは8・6ヒロシマ大行動を呼びかけた。
デモ後の交流会では、デモ初参加の青年が「今度は私が呼びかけ人になって、もっと多くの結集でデモをしたい。福島から私も全力で集めます」と力強く語った。ただちに次の闘いが始まった。福島の怒りの炎はますます大きくなっていく。
次は7・8東北大学集会、7・10反戦反核東京集会、7・17いわき現地闘争、そして8・6ヒロシマ―8・9ナガサキだ! 全原発を止めよう! 団結して闘おう!
(写真 政府・東電の原子力災害現地対策本部に向けたデモに100人近くが飛び入り)---------------------------------------------------
週刊『前進』(2493号1面3)(2011/06/27 )
労働運動の力で革命へ 闘う革共同にカンパを
すべての『前進』読者のみなさん。闘う労働者人民、学生のみなさん。6・5国鉄集会から6・11反原発デモが大爆発し、日本階級闘争は大高揚期に突入しました。6・19福島現地デモは被災地と結びついた労働者階級の根源的な団結を新たに生み出し、革命的情勢を最先端で切り開きました。
この情勢を現実の革命に転化するための鍵は、国鉄闘争全国運動を武器に階級的労働運動をよみがえらせることです。この歴史的大決戦に挑んでいる革共同に、プロレタリアートの未来をかけた渾身(こんしん)のカンパをお願いします。
大震災情勢の中で、1929年の世界大恐慌を上回る大恐慌が一挙に深化しています。震災を口実にした解雇、賃下げ、権利剥奪(はくだつ)など、資本による階級戦争があらゆる形で仕掛けられています。福島第一原発のメルトスルー、20_シーベルト通知は日帝の体制崩壊の危機を激化させています。
かつて日帝は、大本営発表の大うそで労働者をだまして殺し続け、ヒロシマ・ナガサキの被爆まで強制した揚げ句、軍と官僚機構の大崩壊の中で戦後革命の嵐にたたき込まれました。今の日帝は、あの時と同じ恐怖におののいています。
労働者の積年の怒りが噴き出し、自己解放的決起が始まっています。当然です。青年労働者は新自由主義の中で夢も未来も奪われ、震災を口実に生きる最低の権利も奪われています。その一方でブルジョアどもは東電を先頭に金銭腐敗にまみれ、増税、首切り・賃下げなどでさらに暴利をむさぼろうというのです。
国鉄分割・民営化の20万人首切りと労組破壊の先頭に立ち、原発を推進するJR東海会長・葛西敬之はその最たるやからです。JRと国労本部は一体となって闘争団を組合から追い出し、労働組合を解体する最悪の先兵として全労働者に襲いかかろうとしています。
あらゆる怒りを反原発デモを突破口に爆発させ、労働組合をよみがえらせることに全力をあげる時です。国鉄分割・民営化以来の新自由主義との大決戦が国鉄決戦として絞り上げられています。反帝国主義・反スターリン主義を掲げて世界革命を実践しましょう。革共同は今、その歴史的な重大任務を双肩に担って闘っています。
だから国家権力とのすさまじい死闘に入っています。関西生コン弾圧、三里塚闘争弾圧などあらゆる弾圧を打ち破り、この激動期に勝利するため、巨大な資金が必要です。革共同はみなさんの献身的な闘いに支えられています。渾身のカンパをぜひお願いします。
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週刊『前進』(2493号1面4)(2011/06/27 )
前進速報版から
▼中国で医療労働者と住民の「病院を守る」闘いが大勝利▼中国の日系シチズン工場でスト▼三里塚「第3誘導路裁判」第2回弁論
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週刊『前進』(2493号2面1)(2011/06/27 )
放射能に未来を奪われてたまるか
東電と国に福島のこの怒りを 6・19集会での発言
不眠不休で準備をやり抜いた福島の仲間を先頭にして、6・19怒りのフクシマ大行動は画期的な成功を切り開いた。“放射能に未来を奪われてたまるか!”“フクシマから全原発を止めよう”――積もりに積もった怒りが解き放たれ、政府・東京電力にたたきつけられた。6・19集会での地元福島からの発言、全国から駆けつけた参加者の決意表明の一部を紹介します。(編集局)
(写真 猛暑も吹き飛ばすアピールに会場を埋めた参加者が聞き入った【6月19日 福島市】)
地元福島からの訴え
労働運動が力出してほしい 主催者あいさつ 福島県教職員組合元委員長 清野和彦さん
お集まりいただき、ありがとうございます。壇上に立つと感無量です。
皆さんがおいでの場所は今日は1・29マイクロシーベルト。「許可なく立ち入ってはならない」という放射線管理区域と同じレベルです。
いったい誰が、この事態に責任をとるのか。東京電力はもちろん政府、財界、学者、マスコミ……数え上げればきりがない。彼らは責任をとろうとしないばかりか原発事故について「想定外」という言葉を使っています。絶対に許せない。
一番言いたいのは、これからのことです。子どもたちの未来を守らなければなりません。そのために全国で力を出していただきたいと思います。
最も力を出し切ってほしいのは労働運動、労働者階級です。また、それに続く学生の若い皆さんです。まず福島県から原発をなくしたい。それが全国・全世界に向けての出発点になります。
これまで反原発、脱原発を唱えながら力及ばず今日の事態を迎えたことは慚愧(ざんき)の念でいっぱいです。残された日々、私も全力を尽くして活動を続けます。
奪われた一切を元に戻せ! 呼びかけ人 国労郡山工場支部 橋本光一さん
福島原発事故に怒りをたぎらせている皆さん。私も皆さんと同じで、怒りで血管がぶち切れそうになっています。
職場では原発事故以来、仕事に身が入らないし、話せば「おれらはアスベストをたくさん吸っているし、放射能まで吸ってしまった。肺ガンで死ぬのは間違いないな」という話ばかりで本当におもしろくありません。生活と人生を台なしにしてくれた東電、国を絶対許すことはできません。
さらに東電の労働組合幹部は、原発労働者が被曝労働を強いられているのに、会社と一体になってこれを隠蔽(いんぺい)し原発を推進してきました。労働組合として絶対に許せません。
奪われたすべてのものを、台なしにされたすべてのものを、やつらの責任で元に戻してもらおうじゃありませんか。可能とか不可能とかそんなことじゃない。今日のこの集会とデモで、私たちのこの怒りをやつらにたたきつけてやろうじゃありませんか。そこからしか何も始まりません。ともに頑張りましょう。
全地域の除染を要求する 福島県教職員組合書記長 角田政志さん
原発事故で、小中学生だけでも1万5千人を超える子どもたちが避難を強いられ、800人を超える教職員も避難を余儀なくされました。県外には7千人を超える子どもたちが避難をしています。約60校がいまだ再開できていません。
教職員も被災者です。元の生活を取り戻すために交渉を続けています。福島県は来年、「子どもたちが多く県外に行ったので先生が余っている」と先生の採用をしません。余ってるなんてまったくのウソです。足りないんです。
避難を強いられた人もいれば、逆に家庭の事情で避難ができない子どもたちもたくさんいます。文科省は5月27日、ようやく当面の線量を年間1_シーベルト以下に努力するとしましたが、これは学校にいる時だけです。3分の2の時間、子どもたちは家庭にいます。すべての通学路、家庭、公園、屋根、側溝……全部除染させる。そのために私たちは要求を続けています。多くの人と連携しながら、取り組みを進めていきます。
原発の再稼働など許さない 福島出身の弁護士 花澤俊之さん
川俣町で生まれ、福島市で幼稚園から高校まで過ごしてきました。
私には4月6日に子どもが生まれました。本当なら一刻も早く、福島に住む両親の所に連れてこようと思ったんですが、残念ながら連れて来られません。私が遊んだ森や林で息子を遊ばせられないということがつらい。
昨日、政府から、安全確認ができた原発から再稼働していいという発表がありました。本当に何を考えているのか! 福島第一原発は津波じゃなくて地震で壊れたんです。余震も収まらず、誘発された地震も起こるかもしれない。どうやって安全を確認するんですか! 核廃棄物を捨てるところもどこにもない。これ以上、問題を先延ばしにしてはいけない。
今日は、「いま福島だからこそできることがあるんじゃないか」と思って来ました。福島から熱い思いを、日本、世界に届けられるようご協力下さい。今日は、ありがとうございました。
声を上げれば世界は変わる 福島大学の1年生
私は新潟出身です。新潟県中越沖地震の時も、柏崎刈羽原発では全原子炉が止まり火災も起こしました。数年前に、こんな事態が起こっているにもかかわらず、今回の震災で福島第一原発は大変な事故を引き起こしました。政府が本気で考えていたら、このような事態はまず起こらなかった。
政府は、1年間に浴びる被曝量基準値を上げていますが、それもおかしなことです。毒ガスがまき散らされた時、毒ガスを浴びてもいい量を上げる人はいません。内部被曝による影響、因果関係もはっきりしていないなら、もっと予防線を張るべきです。政府、メディア、大学の教授などもウソばっかり。今の世界、でたらめですよ。
新潟でも、巻町での原発建設計画を住民投票で中止に追い込みました。私たちが発言すれば変わります。福島現地から、みんなで立ち上がっていきましょう。
福島農民のアピール
私たち農民は絶対負けない 呼びかけ人 本宮市の酪農家 鈴木光一郎さん
福島に来るだけでも勇気のいるところ、本当にありがとうございます。
いま福島は原子力災害のまっただ中にあります。3月11日以降、私たち県民は本当につらい、無念の毎日です。原発の恐怖を身をもって体験しています。牛乳は1カ月、2カ月、3カ月捨てました。私も1カ月半、牛乳を牧草地に捨てました。まったく無念でした。計画的避難区域の飯舘村の方々は、全財産の牛を売り払って避難しなければいけない。まったく無念の極みです。これも、あれも、まったく原発のせいです。
われわれの仲間が1週間前に原発を恨みつつ旅だってしまいました。まったく悔しいです!
だけど私たち農民は、けっして負けません。どんなに困難に直面しても復興に向かって歩みを開始します。
そしてなによりも、労働者の方々と農民の力、すべての人びとの支援によって福島の復興に向けて頑張っていきます。
営農を続けて大地甦らせる 福島市の果樹農家
今回の震災では、多くの皆さんから、野菜や機械の燃料、ガイガーカウンターなど、あらゆるものを提供していただきました。
多くの農産物が出荷停止になりました。6月に入ってからは福島産のウメから放射性物質が検出され、出荷停止になっています。これから、稲わら、落ち葉、堆肥など、これまで有機肥料として利用してきたものが核汚染物質として利用できなくなる。
自殺した農民もいらっしゃいます。機械を処分して廃業した農民もいます。新たな土地を求めて長野、北海道、長崎へと旅だった農民もいます。
では自分はどうするのか。私はここに残って営農を続け、この大地を甦(よみがえ)らせる闘いをやりたい。原発を廃炉に追い込む闘い、責任追及の闘いはもちろんですが、私は、自分たちの力でなんとかのりこえてみせるんだという強い気持ちを持っています。
子どもさんを抱えてどうしたらよいか分からず悩んでいるお母さん、介護者を抱えている方、それぞれの闘いに学び、全国の労働者の闘いに学んで、必ずやそうするという気概で頑張ります。
全国から決意表明
これは生き抜くための戦争 動労千葉委員長 田中康宏さん
いま起きていることは生き抜くための、人間が人間として生きることができる社会をつくるための戦争です。絶対に負けてはいけない。
この国の政府はいったいなんなんですか! 子どもたちや、何十万人、何百万という人びとの命を日々奪っておいて、東京電力や今の政府だけを守ろうとしている。こんな連中は無人島にでも追放して、誰もいない国でも統治すりゃあいいんです。あとは僕らがやらなければいけない。
原発事故が起きる前から労働者は本当に生きることができない社会にされてきた。すべてを変えなければいけません。なによりも僕らは、どんなに小さな闘いでも職場から闘いを起こし、原発なんかに賛成するような労働組合ではなく、人間が人間として団結をして生きていけるような社会をつくりあげる労働組合につくり直さなければいけない。そのことが核心だと思います。福島の皆さん、どうか頑張ってください。私たちも絶対に全国から声を上げます。
8・6ヒロシマ革命的爆発を 8・6ヒロシマ大行動実行委 中島健さん
この事故は「想定外」でもなんでもない。これが原発です。
なによりも原発はプルトニウムを作る製造工程です。「もんじゅ」では98%という純度のプルトニウムが取り出せます。わずか1`で原爆にできる純度です。こういうものを保持するために政府は「核の平和利用」などと大デマを言って推進してきたのです。何が「平和利用」ですか、なにが「安全」ですか、なにが「クリーン」ですか!
GHQは戦後、広島の被爆者が原爆について語ることを禁じ、「プレスコード」「占領軍目的違反」で逮捕・投獄しました。いま福島で起きていることと同じなんです。
広島・福島発の「全原発を即時停止する」1千万人署名を進め、ぜひ8・6ヒロシマに大結集してください。今年の8・6は、戦後史を塗り替えるような革命的な大爆発をかちとりたいと思います。全世界から人びとを集め、この腐りきった社会を打倒するような闘いにしましょう。
労働者の力で原発を止める 仙台市職労中央執行委員 引地真理子さん
日本の原発は、80年代の中曽根政権時代に大増設されました。中曽根は国鉄分割・民営化で「国労をつぶし、社会党・総評をつぶして新憲法を安置する」と豪語しました。当時、反原発運動では総評などの労組が先頭に立っていましたから、国鉄分割・民営化によって総評がつぶされ原発の増設ができたのです。
福島の状況は国家による犯罪の結果ですが、労働組合の弱体化がこれを後方で支えてきました。
原発を造るのも、動かすのも、止めるのも労働者です。私たち労働者が原発反対で立ち上がれば、原発を止め、廃炉に追い込むこともできます。ストライキなどの闘いで原発を造らせなかった電産中国の闘いがそれを示しています。
いま仙台市役所には、民主党の高速無料化という愚策で大勢の人びとが罹災証明を求めて押しかけています。「なんでこんなことをやるんだ」とみんな怒っています。原発事故も絶対に許せないし、民主党の政策にもみんな怒っています。ともに闘いましょう。
重なり合う原発と基地問題 沖縄の基地労働者
許せないことに普天間基地にオスプレイを配備すると報じられています。そのことを沖縄の県民は“イエス”としません。絶対に阻止する闘いが着々と取り組まれています。
沖縄の米軍基地労働者と原発労働者の置かれている現状が私にはどうしても重なって感じられます。沖縄米軍基地は米軍の戦争のために置かれ、原発は日本の核武装のために国策として建設が進められ全国で54基も造られてしまいました。基地や原発で働く労働者、地域の人たちがそれと関係を持たなければ生きていけない現状が国策としてつくられてきたのです。
現在も福島原発で命がけで労働者が事故を収めるために働いていることを忘れてはいけません。放射能を浴びなければ労働者が働けない原発は止めなければなりません。
原発を止め、米軍基地を撤去させるということは、同時に労働者の雇用と生活をどうするかが問われます。そのことも私たちが引き受け闘っていこうではありませんか。
そのためにも原発労働者の中に、全国の労働者の中に闘う労働組合を甦らせ現状を変えていこうではありませんか。福島の皆さんと怒りを共有し沖縄の地で闘います。
(写真 決意表明で全員が登壇。発言者は7・17いわき集会への大結集を訴える国分勝之動労水戸副委員長)
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週刊『前進』(2493号2面2)(2011/06/27 )
7・17いわき集会へ 動労水戸呼びかけ
線路・職場・故郷を返せ! すべての原発をとめよう
6・19大行動に続き、動労水戸が7・17いわき集会への参加を呼びかけている。これに応え大結集しよう。動労水戸が担当するJR常磐線は今も寸断されたままだ。福島第一原発事故の当該組合である動労水戸の呼びかけを紹介します。(編集局)
■まず原発をとめよう!
福島第一原発事故を受けて、原発を止めようという声が世界に広がっています。日本でも5月7日、6月11日、「原発やめろ」のデモが各地で行われ、新宿では2万人が参加しました。ドイツ、イタリアでも原発反対の声が巻きおこっています。しかし、いまだ菅政権は原発を維持し続けようとしています。
7月17日、福島県いわき市の現地から、原発反対の声をあげましょう。農民、漁民、労働者、子どもを持つ親、福島県浜通りの故郷から離れざるをえなくなった人、すべての人が怒りの声をあげようではありませんか。
事故から2カ月以上もたってから、福島第一原発の1号機から3号機までがすべてメルトダウンしていたことが明らかにされました。放射能の汚染水は海や地下水に垂れ流され、放射性物質は日本全土にまき散らされています。絶対に許せないことが起きています。
原発事故は今に至るも、収束のめどすらたたない状況です。放射能汚染が日々深刻さを増す中で、6月11日、福島県相馬市の酪農家の男性(55歳)が、「原発がなければ」と言い残して自殺しました。
われわれに求められていることは、まず現在稼働している原発をすべてとめることではないでしょうか。すべての原発をとめること、そこからすべてが始まり、それがはっきりする中ではじめて、原発事故の収束も展望できるのではないでしょうか。放射能に私たちの未来を奪われるわけにはいきません。
■労働組合が原発をとめる先頭に立とう
では、どうやって原発をとめるのか。原発を動かしているのは労働者です。原発をとめるのも労働者です。労働者が立ち上がれば、原発をとめることができます。
1980年代、当時の自民党・中曽根政権は、国鉄の分割・民営化を強行し、闘う労働組合の解体をおし進めました。原発建設も、この労組解体攻撃と一体となって、急ピッチで進められました。東京電力の労働組合・電力総連(連合)の幹部は、労働者を守るのではなく、原発で被曝することを容認し、「原発推進」を掲げてきました。
もう我慢なりません。闘う労働組合を甦らせ、労働者の団結した力で、原発をとめましょう。
■海を、空を、土を、職場を、故郷を取り戻そう!
常磐線は現在、福島県・久ノ浜駅から宮城県・亘理(わたり)駅まで寸断されています。鉄道は地域の生活の要です。原発事故により、鉄道の復旧も出来ない、海も、空も、土も、職場も、故郷も、奪われたままです。われわれの福島を、浜通りを奪い返すために、いわきの現地から声をあげていきましょう。すべての人々の怒り、思い、願いをつなぎ、団結して、未来を開いていきましょう!
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線路を返せ! 職場を返せ! 故郷を返せ! すべての原発をとめよう!
7・17いわき集会
7月17日(日)午後1時 ※集会後デモ(予定)
LATOV(ラトブ)6階(常磐線いわき駅南口すぐ)
主催/国鉄水戸動力車労働組合
協賛/ふくしま合同労組、茨城県地域連帯労組、福島県労組交流センター、茨城県労組交流センター、東日本大震災現地救援対策本部
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週刊『前進』(2493号2面3)(2011/06/27 )
“あくまで解雇撤回を貫く”
JR東・株主総会を弾劾
6月23日、JR東日本の株主総会が開かれたホテルニューオータニにほど近い四ツ谷駅前を制圧し、国労秋田闘争団の小玉忠憲さんを先頭に「共に闘う国労の会」と労組交流センターの労働者は、株主総会を直撃する宣伝行動に立った。
この日の闘いは、1047名闘争は断じて終わらないことをJRに突きつけるものになった。
JR7社は6月13日、4・9政治和解に基づき国交省が闘争団員の雇用を要請したことに、即座に拒否の回答をし、「不採用問題は最高裁判決で……解決済み」「採用を考慮する余地はない」とする各社社長連名の文書を政府に手渡した。
他方、最高裁は6月7日、和解を拒否して鉄建公団訴訟を闘う3原告に対し、上告棄却の超反動決定を下した。
和解に応じた闘争団員には「雇用ゼロ」を突きつけ、和解を拒否した闘争団員には最高裁決定を振り下ろして、1047名闘争を抹殺しようとするたくらみだ。
マイクを握った小玉さんは「われわれは裁判になんの幻想も持たない。どんな判決が出ようと解雇撤回まで闘いぬく」と断言。羽越線事故の補償もしていないJRが、検修外注化でさらに安全を解体しようとしていることに怒りをたたきつけ、さらにJR資本と電力資本が同根であることを暴いて「原発犯罪者は全員、監獄にたたき込むべきだ」と声を強めた。
4者4団体幹部は、株主総会に対する闘いを完全に放棄し、そそくさと株主総会に向かった。JRの回答が「雇用ゼロ」であることは、「雇用の保証はない」という4・9政治和解を受け入れた時から分かっていたことではないのか。「雇用ゼロ」と「闘争団の組合員籍はく奪」で1047名闘争を終わらせてなるものか。闘う労働者の訴えはさらに力がこもった。
昼にはJR東日本本社前に移動し、JRを徹底弾劾する1時間半の宣伝行動を貫き、この1日の行動で1000枚のビラをまききった。
(写真 横断幕とのぼりを林立させ、JRに解雇撤回まで闘う固い決意を突きつけた【6月23日 四ツ谷駅前】)
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週刊『前進』(2493号3面1)(2011/06/27 )
6・19フクシマ行動アピール
政府・東電がしていることは人殺しだ。徹底的に闘う
6・19大行動の集会アピールを掲載します。(見出しは編集局)
(写真 6・19フクシマアピールを読み上げる市川潤子さん)
◇ ◇
●6・19フクシマアピール
本日は、3月11日の大震災、福島原発事故以降、福島現地で闘われる最初の全国闘争です。原発事故に悩み、悲しみ、苦しむフクシマの思いのすべてを心の底からの怒りに変えて、政府、東電と徹底的に闘うことを宣言する場です。
労働者、農民、漁民、母親、青年、学生が団結し、怒りをひとつにしてフクシマから全世界の原発をとめよう! 原発も核も放射能もない社会を実現するために闘いを開始しよう!
原発事故はすべてを変えた! 家を奪われ、仕事も生活の糧も奪われ、育んできた農地や家畜を奪われ、そして子どもたちの未来までも奪われようとしています。地震、津波での犠牲のうえに、福島第一原発事故によって数万人が着の身着のままに避難を強制されました。原発事故や放射能汚染の状況はまったく知らされず、「ただちに人体に影響はない」がくり返されながら、「安全」なはずの地域が計画避難地域へと拡大され、3カ月が過ぎた今でも避難が続いています。
県内外への避難民は10万人、県外への転校を余儀なくされた小中学生は1万人を越えています。家族も地域のつながりもバラバラにされ、仕事も金もないのに「自立」だけが求められる現実の中で、人間としての尊厳までもが奪われようとしています。
多くの避難民もいる福島市、郡山市など県内の3分の1の地域では、100万人を越える人々が年間20_シーベルトにせまる高放射線量のもとでの不安な日々を強いられ、原発で働く労働者には過酷なまでの被曝労働が毎日強制させられています。
これほど甚大な被害を出し、私たちに言い尽くせぬような苦悩、絶望を強制しながら、国や東電は自分たちだけは安全な場所にいて、マスコミや御用学者を使って、自らの責任を隠蔽(いんぺい)し続けています。何人もの農民を「原発さえなければ」と自殺に追い込み、子供への「年間20_シーベルト」を許容する、政府や東電がやっていることは人殺しそのものです。こんなことは絶対に許せません。
文科省の原子力関連予算だけで、今年度じつに2571億円。核開発のためには金に糸目をつけないくせに、「20_シーベルト」の撤廃はかたくなに拒み、校庭の削り取った汚染土も放置したまま、子供たちの命を守るための最低限のことすらしていません。環境省は、放射能で汚染された瓦礫(がれき)の最終処分場は福島県以外にはありえないと言い放ちました。ふざけるな! 福島を何だと思っているんだ! 私たちはモルモットではない!
政府の新成長戦略会議では、海江田経産相が「原発の再起動に全力を上げる」と発言していたことが発覚しました。事故などおかまいなしにあくまで原発政策を推進しようというのです。この国は本当に腐っている!
このまま黙っていていいのか、これはフクシマに対する挑戦状です。「国家の成長」が原発推進なしにはできないというなら、そんな国などいりません。労働者人民の命、子供たちや青年の未来よりも、核武装と一握りの資本家の儲けを選ぶ社会など断固拒否します! こんな連中をこれ以上のさばらせておくわけにはいきません。全ての財産を吐き出させ、全ての責任をとらせなければなりません。
労働者、農民、漁民、学生、市民、すべての怒りをひとつにして、国と東電にぶつけよう! 今日をその出発の日にしよう! 全国・全世界の原発を廃止する闘いをここフクシマの地から開始しよう! 資本主義のもとでは原発事故は収束できません。国の言う「復興」など欺瞞(ぎまん)です。
歴史を動かしてきたのは、いつの時代も私たち労働者人民の大衆的実力行動です。世の中を動かしているのが誰なのかを資本家たちに、国に思い知らせてやりましょう!
労働組合が、被曝労働を前提としてしか成り立たない原発に反対していれば原発は作れなかったはずです。労働者は労働組合を軸に団結して、先頭に立って闘い、農民もともにすべての民衆が力をあわせて、全国、全世界とつながり、実力で、奪われた一切を取り戻しましょう!
核と人類は共存できません。原発は廃炉以外ありません。大震災と原発事故を受けて、青年が、すべての人が、社会のあり方、生き方を自らに問いかけています。資本主義社会に労働者人民の未来はないことに気づき始めています。
6・11は全国で100万人が「原発止めろ、原発なくせ」の行動を起こしました。全世界で「フクシマをくり返すな」の数百万のデモが闘われています。福島県内でも郡山、いわきと闘いがはじまっています。あくまでも原発を維持し、核武装しようとする連中を、やっつけるために立ち上がりましょう! この社会のすべての生産を担い動かしている、私たち労働者や農民が主人公となる社会を今こそ自らの手でつくり出しましょう!
子どもたちの未来をかけ、人類の生存をかけて、デモで、ストライキで闘おう! 労働者とすべての民衆の連帯と団結こそが未来を拓く力であり希望です。放射能に未来を奪われてたまるか! 今こそ怒りを声にして行動しよう!
すべての原発をすぐにとめよう! すべての原発を廃止しよう!/政府と東京電力は、福島第一原発事故の一切の責任をとれ!/すべての被害をただちに補償しろ!/政府と東京電力は、すべての情報を開示しろ!/原発で働く労働者に被曝を強制するな!/すべての放射能汚染を除去し、一切を元に戻せ!/文科省は「年間20_シーベルト」通達を撤回しろ!/震災解雇を許すな! すべての非正規職を撤廃せよ!/あらゆる職場にたたかう労働組合をつくり、ストライキで闘おう!/すべての核兵器を廃絶せよ!/8・6ヒロシマ、8・9ナガサキへ総結集しよう!/ヒロシマ・フクシマ発1000万署名を集めよう!
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週刊『前進』(2493号3面2)(2011/06/27 )
JP労組大会闘争 闘わぬ執行部は退場を
民営化絶対反対の怒り炸裂
6月15日から川崎市とどろきアリーナで開かれたJP労組第4回定期大会で、全国から集まった革共同全逓委員会と労組交流センター全逓部会のメンバーは、民営化の破綻を「郵政大リストラ」で乗り切ろうとする郵政資本に屈服したJP労組本部を厳しく弾劾、非正規職への大量雇い止めやボーナス大幅カットでの「春闘妥結」などに対する断固たる反撃を代議員に呼びかけた。「ここまでなめられて闘わない指導部は即刻退場せよ! これが全国の郵政労働者の総意であり今大会の結論だ!」との訴えは、結集してくる多くの代議員たちの注目を集めた。
被災地の福島や仙台から駆けつけた労働者はマイクを取り、JP労組本部が「福祉型労働運動」などと称しながら原発反対運動に取り組むこと自体を拒否している現実を厳しく弾劾、「団結した労働組合の力だけが原発を本当に止める力だ」「震災と津波で61人の現場労働者が死亡したと伝えられている。更衣室で着替え中に津波で流された郵便局員もいるとの報道もある。これを調査もしない郵政当局やJP労組本部の姿勢は断じて容認できない」などと声をあげた。
非正規職(ゆうメイト)の仲間は「会社の都合で大量の仲間が一方的に首を切られている。絶対に許さない。中央本部は俺たち現場の怒りの声が聞こえるか!」と強い怒りをたたきつけた。
今大会でJP労組本部は、目の前で進行している非正規職雇い止め攻撃との闘いについて、議案でふれもせずに抹殺しようとした。またボーナス3割カットで「妥結」し闘わずして惨敗となった春闘について、当局とまったく同じ「事業危機」論で正当化を図った。
これに対して、大会会場は「全逓時代以来はじめて」(現場労働者)ごうごうたるヤジが飛び交う場と化し、100人近くの代議員が「本部不信任」を突きつける事態となった。さらに「労働組合として反原発闘争に取り組むべき」との強い要求もだされ、本部は「討論拒否」という、連合中央と一体の反労働者的正体をさらけ出した。
わが全逓委員会と全逓部会の仲間を先頭とする「郵政民営化絶対反対」の4年間の闘いは、確実に全国23万組合員の心を揺さぶり、とらえ始めているのである。
また会場のとどろきアリーナは、福島県内から「自主避難」を強制された人たちの避難所にもなっていて、子ども連れで外に出てきた多くの避難民たちが反原発を訴える署名運動に続々と応じ、「6・19怒りのフクシマ行動」のビラを熱心に読んでいた。
大会前日の正午、部隊は東京・霞が関の日本郵政本社前に登場、斎藤社長以下の経営陣に怒りの声をたたきつけ、大勢の社員たちに郵政リストラ攻撃との闘いを呼びかけるビラを手渡した。
(写真 続々と結集してくる大会代議員たちにビラを手渡す全逓部会の仲間たち【6月15日 川崎市】)
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週刊『前進』(2493号3面3)(2011/06/27 )
非正規職労組を結成
組合員が決意表明 “全国的組織へ育てる”
大会前日の14日午後6時から川崎市内で、全国の郵政労働者を先頭に各産別の代表を招いて総決起集会を開催した。集会には100人を超える仲間が参加、この場で、東京の非正規職労働者たちが全国の郵政職場で働く16万人以上の非正規職の仲間に渾身(こんしん)の連帯を呼びかけて独自の組合を結成し、激化する雇い止め攻撃に対する本格的な反撃を始めたことが報告された。全国の郵政労働者が支援を表明し、大きな拍手と歓声に包まれた。
集会で労組交流センター全逓部会の代表は「郵政民営化から4年間の闘いは本格的な組織戦となった。非正規職の仲間が渾身の決起を始めた。JP労組本体での闘いと両面から闘いぬこう」と呼びかけた。
独自の組合結成に踏み切った非正規職の仲間たちが登壇した。全国の郵政職場で働く16万人以上の非正規労働者全体を対象にした労働組合だ。委員長の青年労働者は、自らに襲いかかった雇い止め通告をこの春単身で撤回させる勝利をかちとった。その後同じ職場で雇い止め通告を受けた多くの仲間と何度も討論を積み重ね、組合を結成して闘うことが全員の決意となった。委員長は「同じ境遇の仲間が全国の郵便局に16万人もいると知り、仲間と組合結成を決意した。1千人規模の組織に育てたい」とあいさつ、登壇した4人の仲間は「相次ぐ雇い止めにこれ以上黙っていられない」「物心両面からの支援を」などと訴えた。
来賓の全国労組交流センター共同代表の入江史郎さんは、「非正規職の皆さんが職場から本格的に闘い始めたことを大歓迎する」「郵政職場は全国くまなく連なる闘いが武器だ。大きな展望を感じる」とあいさつ。駆けつけた国労旭川闘争団の成田昭雄さんは「(壇上の)全逓の旗を久しぶりに見た。国鉄分割・民営化と闘い抜いた私たちがこの場にいる。そして郵政非正規職の仲間が私たちと一緒に闘いを始めた。これほどうれしいことはない」と語った。
自治労、教労、医療福祉、一般合同労組など各産別の仲間の連帯のあいさつを受け、東京の郵政職場の青年労働者が基調報告。「民営化絶対反対の闘いは資本と体制内執行部と激突する七転八倒の4年間だったが、多くの組合員がわれわれとともに行動を始めつつある。そしてついに非正規職の怒りの決起が始まった。僕の職場も7割が非正規で低賃金と分断に怒りが充満している。大リストラ攻撃の中で、現場は『俺たちがいなければ郵便は回らない』と実感している。労働者が資本家に取って代わる準備を始めよう」と訴えた。
被災地を先頭に全国の郵政職場で闘う仲間たちが登壇した。「連日、福島の街頭で労働組合の赤旗の威力を実感している。怒りのフクシマ行動へ」(福島)、「雇い止めに対する反撃で、職場の127人が公然と署名に応じた。徹底的に組織して闘う」(愛媛)、「雇い止めとかボーナスカットとか、ふざけんなという怒りです」(静岡)などと闘う決意を述べた。
最後に「新たな全逓決戦を、団結してガンバロー」と締めくくった。
(写真 組合を結成した非正規職の仲間とともに新たな全逓決戦を宣言した決起集会【14日 川崎市】)
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週刊『前進』(2493号3面4)(2011/06/27 )
解雇粉砕・反失業大闘争を
“生き抜くための戦争”に国鉄闘争を軸に勝利しよう
動労千葉の田中康宏委員長は、6・19フクシマで「今起きていることは、生き抜くための、人間が人間として生きられる社会をつくるための戦争だ。絶対に負けられない」と訴えた。3・11大震災以降、全情勢は戦後革命期をこえる歴史的大激動に突入し、日帝・支配階級との階級戦争が日を追うごとに激化している。反原発・反失業は文字通りの「生き抜く闘い」として発展し、階級的労働運動の復権をかけた国鉄闘争全国運動の意義はいよいよ明らかとなっている。反原発大闘争と一体で、1千万人大失業に立ち向かう国鉄解雇撤回・反失業大闘争を闘いぬこう。
非正規職雇い止め絶対反対の闘い本格化
6・5大集会は、国鉄闘争全国運動の圧倒的前進、被災地の懸命の闘いと共に、郵政非正規職労働者の雇い止め絶対反対の烈々たる決意が会場全体を感動と闘いの意欲で包みこんだ。日本郵便の労働者の6割に達する16万人の非正規職労働者が、短期雇用・雇い止めの恐怖下で労災続出の連続深夜勤務、過重労働と最低の賃金、無権利状態を強制されている。
この労働者の仲間たちが「自分ひとりの問題ではない」と怒りを燃え上がらせ、階級支配の最深部から団結して闘いに立ちあがったのだ。その決起の知らせは、号砲となって全国の郵政職場、4大産別と全産別の職場をかけめぐり、連合支配とJP労組中央をゆるがし労働者自己解放の巨大な先駆けとなって発展しようとしている。
動労千葉は昨年、今年と2度にわたってJR検修・構内業務全面外注化阻止をかちとった地平の上に、運転基地再編・組織破壊攻撃と一体となった京葉車両センター業務外注化との新たな決戦に突入した。敵の最大の弱点である「偽装請負」問題をつき、平成採獲得・青年部結成、組織拡大を最大の総括軸に、正規職・非正規職一体となった闘いを展開している。
また、被災地を先頭に、全国の自治体職場、学校職場、民営化された年金機構事務所などにおいて、社会保険労働者525人の分限解雇撤回の闘いに続き、再任用・再雇用を含む非正規雇用労働者の雇い止め絶対反対の闘いが広がっている。
5・1メーデーをもって旗揚げが宣言された「震災解雇労働相談センター」と共に、合同一般労組全国協議会に結集する全国の労働組合によって、これも被災地の仙台や福島を先頭に、震災解雇との闘い、労組分会作りの闘いが急速に進められている。
まさに、生き抜くための反失業大闘争が始まった。これは、大恐慌・震災恐慌下の階級戦争攻撃との激突として、絶対非和解の大決戦として発展せざるをえない。
日帝の新成長戦略=新自由主義との激突
大恐慌下の震災恐慌と帝国主義間争闘戦での敗退、「最弱の環」への転落の情勢下で、5月27日、日帝ブルジョアジーは起死回生をかけた日本経団連「復興・創生マスタープラン」を公表し、むき出しの階級戦争への突進を宣言した。
日帝ブルジョアジーは、「復興は単に元通りの姿に戻すことにとどまるべきではない、新しい日本の創生」などとぶち上げた。いまだ生死の境にある被災地住民を切り捨て、原発事故と放射能汚染、住民避難と補償問題について一言も触れぬまま、「復興特区」の名においてこれまで突破できなかった一切の制約を取っ払い、新自由主義を極限まで進めて、被災地を手始めに日本全国の全労働者人民を食い物にしようとしている。
これを受けて、6月20日、菅政権は復興基本法を成立させた。
新自由主義による国家犯罪が大震災と原発事故の大惨事を引き起こし、今も放射能汚染を拡大している。そうであるにもかかわらず、さらに徹底して新自由主義を推し進めようとしている。「産業復興・創生」を旗印に、戦後憲法下の労働基本権・労働条件の全面解体をもって1千万人首切り・総非正規職化に突き進むものである。これが全労働者に対する挑戦であり階級戦争でなくして一体何か。
階級的労働運動が前面に躍り出る時である。青年労働者の置かれた現実はすさまじい。
大失業時代の階級的労働運動と「4・9」
昨年段階の総務省労働力調査で、15歳から24歳までの非正規雇用は45・8%、完全失業率は9・4%(上図)。統計に表れない青年の実勢失業率は3割とされ、これが震災恐慌下で爆発的に増えている。すでに被災3県を除く完全失業者数ですら300万人を超えた。放射能汚染の広がる福島県の人口は200万人。東北・関東圏の膨大な数の労働者、農漁民、自営業者が生業も住居も奪われ、学生は将来の就職先すら失おうとしている。まさに1千万人規模の大失業となり、その過半が青年労働者なのである。
生活保護受給者が200万人を超えた中で、財政危機を理由とする生活保護費の減額と「就労の意思がない」とされた失業者を生活保護の対象から外す大改悪まで検討されている。すでに被災地では、「避難所生活で住居費がかからない」、「義援金や東電からの賠償金仮払いを受け取った」などを理由に生活保護の打ち切りや停止が相次いでいる。職を失った多くの労働者が、日雇いの原発被曝労働を余儀なくされ、命を切り売りする以外に生きていけないところにたたき落とされている。
こんな現実に労働者がこれ以上黙って従い続けると思ったら大間違いだ。被災地をはじめ、労働者の怒りは充満している。歴史的生命力を喪失した最末期帝国主義の大恐慌下の大失業は、プロレタリア革命以外に出口なしの状況に、日々刻々、全労働者階級と農漁民、中小零細業者をたたき込みつつある。
だからこそ、「4・9政治和解」の全社会化というべき、国労、自治労、日教組など労働組合の最後的解体・変質の大攻撃が同時に進行しているのだ。国労本部は7月国労大会で闘争団員の組合員籍はく奪の「規約改正」を強行しようとしている。そして新人事賃金制度合意・総合労働協約締結をもって解雇・賃下げとの闘いを圧殺し、JR総連になり代わってJR検修・構内業務の全面外注化・非正規職化、戦後労働法制の解体と産業報国会化の先兵となる道を進もうとしている。
連合・公務員連絡会は、公務員制度改革推進で労働三権のすべてを明け渡し、道州制=公務員360万人首切り・民営化を突破口とする全労働者の総非正規雇用化に道を開こうとしている。まさに大失業情勢のもとで国鉄決戦が絶対非妥協で闘いぬかれるならば、国労本部や自治労・日教組本部の階級敵としての姿はあらわとなり、現場労働者との激突は必至である。決戦の時は来た。
反原発反失業で4大産別を先頭に闘おう
今や被災地をはじめとして、生き抜くための闘いが資本主義・新自由主義との非和解的決戦に発展している。ロシア革命における全労働者の共通のスローガンとなった「パンと平和」に匹敵するものとして、反原発・反失業の闘いが急速に全人民化し、全面的激突となって拡大している。
全原発の停止・廃炉の闘いは、労働組合が結集軸となり国鉄決戦と一体のものとして、6・11百万人アクションから6・19フクシマ大行動1510人の大デモを経て、さらに広がっている。それは、被曝労働を担わされる膨大な非正規雇用労働者をはじめとする電力労働者・原発労働者の歴史的決起を間違いなく生みだすものである。
反原発の闘いとともに、放射性物質を大量に含んだ工場敷地内の建屋や土壌、貯水槽、汚泥処理の問題をめぐり、福島・郡山を先頭に全国の職場・生産点の緊急かつ切実な安全闘争(労働安全衛生闘争)が取り組まれている。資本・当局に対する全労働者の団結した闘いとして断固進めていこう。
すでに被災地をはじめ震災解雇・雇い止めに直面する非正規雇用労働者の生き抜く闘いが巻き起こっている。外注化・民営化は総非正規職化の攻撃であり、ここから正規・非正規一体となった労働者の反乱が始まる。すでに産別職場の3割から6割に達している非正規雇用労働者抜きには、資本主義はもはや1日たりとも成り立たなくなっている。4大産別を先頭とする闘いは、資本主義の根幹を揺るがす闘いとして発展していくのだ。
3・11以来の激闘を通して、国鉄闘争全国運動の決定的意義が明らかになっている。被災地と全国の闘いとして、国鉄闘争全国運動が労働者の団結と根底的決起を支える力となったのである。国鉄闘争と被災地労働運動が一つのものとして結びついた6・5大集会の成功が、6・11反原発百万人アクションの大高揚と結びつき、労働組合を結集軸とする6・19フクシマ大行動の画期的闘いを生み出した。
開始された階級戦争と決戦の一切は労働組合をめぐる攻防であり、その最大の戦場が1987年国鉄分割・民営化以来の最後的決着をかけた国鉄闘争である。
階級的労働運動の復権へ、国鉄闘争全国運動を押したて、結集軸として、全国の職場で闘いをまきおこそう。青年労働者を先頭に闘う労働組合の再生をかちとろう。
国鉄解雇撤回・反失業大闘争を、合同一般労組全国協1000人組織建設と一体で、4大産別を先頭に闘おう。
〔革共同中央労働者組織委員会〕
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週刊『前進』(2493号4面1)(2011/06/27 )
原発をとめろ シリーズ@
新自由主義下で事故多発 ついに「福島」に行き着く
核は制御できず安全とは無縁
すべての原発の停止・廃炉のために、福島原発事故の根源を探り、その根源と闘わなければならない。8・6−8・9反戦反核闘争の高揚を、反原発闘争の一層の発展と一体のものとして切り開こう。本号からそのためのシリーズを開始する。今回は、原発事故が新自由主義のもとで引き起こされたことを暴露し、反原発、非正規職撤廃・反失業、国鉄1047名解雇撤回闘争、闘う労働組合の再生が新自由主義との闘いとして一つであることを明らかにしたい。
89〜91年に大事故を隠し虚偽の報告
日本で原発事故が多発するようになったのは、80年代末から90年代初めにかけてである。レベル2以上の事故は、78年の福島第一原発3号機の事故、次は89年1月の福島第二原発3号機の事故であり、その間10年以上も隔てている。ところが89〜91年に5件もの大事故が発生し、以降は事故が頻発している(表)。
しかも90年代に入って、事故があったこと自体が隠されるようになった。91年5月の中部電力浜岡原発3号機の事故では制御棒が3本抜けたが、ずっと隠され、なんと29年後の07年3月になって発覚し公表された。99年6月の北陸電力志賀原発1号機の事故でも制御棒が抜けて臨界状態になったが、所長も参加する所内幹部会議で隠すことが決定され、運転日誌への記載も本社への報告もまったくなされなかった。06年の社内総点検中に発覚し、07年にやっと公表にいたった。
70年代の初期の原発事故では、内部告発によって事故が発覚した。それらと比べても、驚くべき隠蔽(いんぺい)体質になってしまったのだ。
さらに、事故が最初から隠しようもない場合は、虚偽の報告が行われるようになった。97年3月の東海再処理工場での火災・爆発事故では、火災が鎮火されたことを確認していなかったにもかかわらず、鎮火したという意図的なうその報告がされた。97年9月に「あかつき丸」でプルトニウムがフランスから返還された際にも、輸送容器を40個しか抜き取り検査していなかったのに、133個すべてを検査して安全だったと虚偽の報告がされた。改ざんは隠蔽より意図的で悪質だ。
このように、89〜91年の5件の大事故続発を転換点にして、90年代には事故の隠蔽、さらには虚偽の報告やデータ改ざんが横行するまでになった。一方、86年のチェルノブイリ事故を受けて、日本でも原発の「過酷事故」への対処が問題となった。しかし、94年に原子力安全委員会は「過酷事故が起きる可能性は確率的に極めて小さい」として、明確な規制をせずに民間の自主基準に委ねるという、世界でも異例な放置状態となった。
もともと核(原子力)は人間が制御できない危険この上ないものであり、安全な原発などあり得ない。その上さらにこの過程で原発の安全性追求を無視し敵視する傾向が強まった。これらの行き着いた結果が、現在の福島原発の大事故にほかならない。
国鉄闘争との結合に反原発の展望も
90年代に入って原発事故が続発し、隠蔽や改ざんが横行するようになった原因は、80年代の中曽根政権以来の新自由主義攻撃にある。新自由主義とは、労働者の権利を一定容認していたあり方から、労働者の団結を徹底的に破壊するあり方への大転換を意味する。新自由主義のもとでの労働者の抵抗力の弱体化、資本の利益最優先・利潤至上主義と安全性の軽視・解体、電力労組・電機労組ダラ幹の原発推進勢力化が、原発事故激発の結果を招いたのだ。労働者の闘いの減退こそが、福島原発事故という資本と国家の大犯罪に行き着いたのである。だから、全原発を停止させ廃炉にする展望は、労働者の団結を取り戻すこと、労働組合と大学自治会をよみがえらせることにある。
何よりも国鉄闘争、1047名解雇撤回闘争と一体で闘う中に反原発闘争の勝利の道がある。日本における新自由主義攻撃の始まりは、80年代の国鉄分割・民営化だった。この国鉄分割・民営化が総評解体、連合結成にまで行き着き、労働組合が資本の手先に変質していった。電機連合や電力労連の組合ダラ幹どもが連合を牛耳り、労働者を抑えつける最悪の先兵と化した。そして、09年に民主党は政策集で「原子力利用に着実に取り組む」とし、10年に連合は「原発の新増設を着実に進める」とした。
電力総連の内田厚事務局長は「事故原因がわかっていないのに、原発を見直すべきかどうかの議論はできない」と言っている(6・18付東京新聞)。事故原因が分からないなら即刻止めるのが普通ではないか! それを「見直すかどうかの議論はできない」と百八十度逆の言い方をする。こんな資本の手先は絶対に許せない。こうした原発推進のダラ幹を打倒して、新自由主義を打ち砕く基軸的闘いである国鉄闘争と一体で反原発闘争を高揚させよう。
「生きさせろ」と一つの闘い
反原発闘争はまた、青年労働者の「生きさせろ」の闘いと一つだ。新自由主義攻撃による雇用破壊・賃金破壊、社会保障の解体、地方の切り捨てなどは、労働者人民、特に青年労働者を生きていけない状況に追いやってきた。特に非正規職化が強行され、今や日本の労働者の3人に1人が非正規職と化した。労働者の平均給与(09年)は20年前の1989年の水準にまで下がった。年収200万円以下の労働者は1099万人で全労働者の24・5%、300万円以下は1900万人で42%にも及ぶ。
資本家連中は、労働者を使い捨てにして自分たちだけは生き延びようとしてきたのだ。その上に今また震災解雇を増やし、福島など何十万、何百万の人民に大量被曝を強制している。資本家階級は労働者人民の生命など、露ほどにも顧みないことが歴然とした。こんな資本家連中のいいようにされてたまるか!
非正規職化も原発事故も、根っこは80年代以来の新自由主義攻撃にある。青年労働者の「生きさせろ」の闘いと、「原発許すな。ふるさと返せ」の闘いが一つになる時が来たのだ。「反原発・反失業」を掲げて、原発事故に対する憤怒と、非正規職化による強搾取に対する怒りを、元凶である新自由主義の粉砕へ、そしてその根源である資本主義の打倒へ爆発させよう。
中曽根は原発推進で核武装を狙った
80年代以来の新自由主義は、日本帝国主義の改憲と核武装化のための攻撃でもあった。
中曽根は82年に、国鉄分割・民営化で「大掃除をして、お座敷をきれいにして、そして立派な憲法を安置する」と公言した。国鉄労働運動と日本労働運動全体の破壊による9条改憲というコースを当初から狙っていた。核武装論者・中曽根が改憲による日本の核武装を画策していたのはまちがいない。
その証拠は、同じく80年代以来「核燃料サイクル」に固執しつづけていることだ。特に94年に稼働した高速増殖炉「もんじゅ」は、軍用プルトニウムを作る施設にほかならない。長崎型原爆を作るには高純度のプルトニウムが必要になるが、もんじゅは純度98%という超軍用プルトニウムを生み出すことができる。米欧諸国が増殖炉を次々見限る中で日本だけがしがみついているのは、軍用プルトニウムにこだわっているからだ。
さらに菅政権は昨年以来、原発輸出と人工衛星打ち上げ輸出を「新成長戦略」の柱に位置づけてきた。人工衛星打ち上げは、94年の第1号機打ち上げから純国産燃料で開発されてきたH−2ロケットを使用する。これは大陸間弾道ミサイル(ICBM)そのものであり、原発による核兵器造りと合わせると、核ミサイルと化す。武器輸出そのものだ。
日本帝国主義の核武装化政策、原発という核武装の偽装形態こそが、福島原発事故を引き起こしたのだ。反戦反核闘争と反原発闘争は完全に一つの闘いである。この両者を分断する既成原水禁運動をのりこえ、反原発闘争の高揚を8・6−8・9闘争につなげよう。
(島崎光晴)
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1980年代後半〜90年代の主な原発事故
89年1月 福島第二原発3号機事故、レベル2
90年9月 福島第一原発3号機事故、レベル2
91年2月 美浜原発2号機事故、レベル2
91年4月 浜岡原発3号機事故、レベル2
91年5月 浜岡原発3号機事故(07年3月発覚)
95年12月 高速増殖炉もんじゅのナトリウム漏洩事故
97年3月 動燃東海再処理施設の事故、レベル3
99年6月 志賀原発1号機の臨界事故(07年3月公表)
99年9月 東海村JCO核燃料加工施設の臨界事故、被曝した労働者2人が死亡、レベル4
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週刊『前進』(2493号4面2)(2011/06/27 )
6・11反原発100万人デモ このうねりを8・6へ
世界11カ国でも連帯
6・11反原発100万人大行動は、北海道から沖縄まで全国200カ所で闘いとられた。どの地方でも青年労働者・学生が怒りを爆発させて行動の先頭に立った。出発したデモ隊列はたちまち2倍、3倍…へとふくれあがった。新宿アルタ前には2万人が大結集し、「タハリール広場」が再現された。
世界11カ国でも連帯行動が取り組まれた。フランスではパリ5千人集会など13都市で集会を開催。ドイツでは原発即時停止を掲げる40団体が原発正門を封鎖する24時間の座り込み闘争。アメリカではサンフランシスコで日本領事館へ抗議文を提出し、原発企業へデモを行った。台湾では四十数カ所で闘われ、香港でも原発推進の中国政府への抗議集会が行われた。
6・11大行動で示されたことは、日帝の支配が根底から揺らぎ、労働者階級人民と支配階級の非和解的激突が公然と始まったことだ。政府、電力会社、大資本、御用労組、御用学者、マスメディア、司法権力……。原発に群がりこの社会を支配してきた連中はどれほど腐っているのか!?
ある青年は「人の命を犠牲にして成り立つビジネスは許すな」とメッセージを掲げてデモした。フクシマの怒りと結びつき資本主義社会の矛盾を突いて膨大な青年・学生が決起を開始している。「3・11世代」といえる階級闘争の新たなリーダーが生み出されつつあるのだ。
決定的なことは、6・5国鉄大集会に参加した労働者が全力で6・11大行動に決起し、青年労働者の原発・解雇・非正規職化への怒りをともにしたことだ。「この現状を変える力は国鉄闘争に勝利し労働組合をよみがえらせることにある」と確信をもった自己解放的なデモが青年労働者と労働組合を結びつけた。そして6・19大行動につながった。
このうねりを8・6ヒロシマの成功へ!
(写真 「原発止めろ!」と叫ぶ青年労働者と学生にデモに飛び入りが相次いだ【6月11日 新宿】)
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週刊『前進』(2493号4面3)(2011/06/27 )
福岡 玄海原発再開するな
1200人が集会・デモ
6月11日、福岡市の警固公園で開かれた「原発をやめろ100万人アクション」に参加しました。当日はあいにくの雨。それでも思い思いの装いを凝らして集う1200人の人たちは、どの顔も真剣です。集会では、福島から避難してきた子どもを抱えたお母さんたちの訴え、6・28九州電力株主総会包囲大闘争への呼びかけなどが行われました。
九電は、停止中の玄海原発2、3号機の再開を策動しています。岸本英雄・玄海町長は「7月再開」を要請し、「夏場の電力が確保できない」とのキャンペーンが行われています。許せません。
合同労組レイバーユニオン福岡と百万人署名運動福岡県連絡会は、ゼッケンや旗、のぼりを林立させて登場し、その勢いでデモをリードしました(写真)。右翼「在特会」は、沿道から「極左にだまされるな!」など怒鳴ってきたが、相手にもされず。
さらに8・6−8・9反戦反核反原発闘争へ決起します。
(九州・H)
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週刊『前進』(2493号4面4)(2011/06/27 )
7・10反戦反核東京集会へ
原発事故弾劾! 核武装阻止! 8月広島・長崎に総決起しよう
7月10日、なかのゼロで反戦反核東京集会が開かれる。基調報告を「8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会」の三角忠さんが行い、核問題研究情報センター代表の吉田義久さん、青森から中道雅史さん、三里塚反対同盟農民の萩原進さんらが発言する。全国・全世界の反原発のうねりを結集し8・6ヒロシマ―8・9ナガサキを反戦反核・反原発の「世界大会」としてかちとろう。その決定的な跳躍点となる、7・10反戦反核東京集会への結集を呼びかけます。
1510人の怒りが福島に
6月19日、福島において「怒りのフクシマ大行動」が打ち抜かれた。現地の闘う労働組合を中心に、労働者、農民・漁民、学生、市民1510人が全国から大結集し、菅政権と東電・ブルジョアジーへの怒りの大デモで福島の街を席巻した。全原発の停止・廃炉へ、新たな闘いの歴史的出発点が福島にしるされた。
世界大恐慌で存亡の危機に陥った日帝は、その延命の道を核武装と原子力産業に見いだす以外になくなっている。菅政権とブルジョアジーが福島原発事故を受けてもなお原発にしがみつく理由はそこにある。そのために、原発事故の実態を隠蔽し、情報を隠し、福島の住民を放射能汚染のもとに放置して見殺しにしようとしているのだ。
核武装を追求した戦後日帝
核(原子力)エネルギーは、第2次大戦中に大量殺傷兵器=原爆として開発された。広島・長崎への原爆投下以来、帝国主義とスターリン主義の戦後世界体制下において、核政策は被爆者の見殺しと無視・抹殺を条件に進められてきた。米帝は旧ABCC(現放射能影響研究所)などを通じて被爆者を調査し(治療は一切せず)、「原爆症は存在しない」などと強弁し、被爆者から得た膨大なデータを核開発の材料にしてきた。同時に「原子力の平和利用」の名で原発を推進し、被爆者の核廃絶の訴えを踏みにじって「核との共存」を全世界に強制してきたのだ。
日本では中曽根康弘、岸信介、正力松太郎(読売新聞社主)らが中心となり、原発導入を開始した。それは、54年のビキニ事件をきっかけに日本と世界で一挙に爆発した反戦反核運動を圧殺し、日本の核武装化へ道を開くためのものだった。中曽根による原子力予算の成立(54年)に始まり、岸政権は「自衛のためなら日本は核武装できる」と公言、59年5月に黒鉛炉原発の導入を閣議決定した(黒鉛炉は「核兵器用プルトニウムを年間10`作れる」と69年の防衛庁安全保障調査会報告書に明記)。また正力は自ら初代原子力委員長、初代科学技術庁長官となり、読売新聞と日本テレビを通じて原子力推進を大宣伝した。
だが、日帝の公然たる核武装、核保有は、60年安保闘争を上回る労働者人民の闘いの大爆発と階級支配の危機を不可避に呼び起こす。支配階級は隠然と核武装への道を模索するしかなかった。
80年代の中曽根政権の登場は、こうした階級的力関係の大転換をかけた反動的挑戦としてあった。中曽根は国鉄分割・民営化で戦後労働運動をつぶして「お座敷をきれいにして立派な憲法を安置する」と公言し、それと一体のものとして87年に日米新原子力協定を結び、「下北半島を原子力のメッカに」と主張して六ケ所村への核燃料サイクル施設の建設に着手した。使用済み核燃料からプルトニウムを取り出し(再処理)、高速増殖炉で燃やしてプルトニウムを生産する「核燃サイクル」は、核武装への現実的踏み込みである。
この日帝・中曽根政権の前に、動労千葉を先頭とする国鉄労働者の闘いと、三里塚闘争が立ちはだかった。
その後、95年高速増殖炉「もんじゅ」事故、99年JCO臨界事故をはじめ、度重なる重大事故により核燃サイクル構想は破産を突きつけられた。ところが昨年5月、民主党政権は原発輸出政策と併せて「もんじゅ」再稼働を強行し核燃サイクル構想を一気に推し進めようとした。連合はついに全面的に「原発推進」を掲げた(「もんじゅ」は8月に再び重大事故を起こし、停止)。
反核・反原発の国際的発展を
福島原発事故は、戦後日帝の核・原発推進政策という歴史的大犯罪の全面破産である。
現在、菅政権は福島の住民や事故現場の労働者に被曝を強制しながら、あくまで核・原発政策の推進を打ち出している。青森では、六ケ所再処理工場の稼働、東電東通原発の増設、そして世界初のフルMOX(ウラン・プルトニウム混合燃料)炉となる大間原発の建設を進めようとしている。
だが、今や全世界規模で反原発の闘いが巻き起こり、「核との共存」を強いてきた戦後世界体制を根底から覆す国際的な反戦反核闘争へ発展しつつある。その中心に、ヒロシマ−ナガサキをはじめとした日帝の核武装を阻む日本の労働者人民の闘いがある。既成の原水禁運動の歴史を根本からのりこえる新たな闘いを創り出そう。
7・10反戦反核東京集会へ全力で結集しよう。
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週刊『前進』(2493号4面5)(2011/06/27 )
日程 7・10反戦反核東京集会
福島原発事故と日本の核武装を問う
7・10反戦反核東京集会
7月10日(日)午後6時開場/6時半開会
なかのゼロ小ホール(JR中央・総武線中野駅下車)
三角忠さん (基調報告・反戦反核闘争実行委員会事務局長)
吉田義久さん(核問題研究情報センター代表)
中道雅史さん(青森反戦反核学習会実行委員会)
萩原進さん (三里塚芝山連合空港反対同盟事務局次長)
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週刊『前進』(2493号4面6)(2011/06/27 )
6月14日〜20日
韓国軍が対北攻撃へ臨戦態勢/菅政権、全原発の再稼働を要請
●原発賠償法を閣議決定 菅政権が原子力損害賠償支援機構法案を閣議決定し、国会に提出した。(14日)
●米FRB議長が財政問題で警告 米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が講演で、米連邦予算の債務上限引き上げができなければドルの信用が失墜し、米国経済は自滅すると警告した。(14日)
●米がイエメン武装勢力掃討へ 内戦が激化するイエメンに対し、米が反政府武装勢力への掃討作戦を本格化したと米メディアが伝えた。サレハ政権の崩壊をにらみ米中央情報局(CIA)の秘密基地も建設する。(14日)
●韓国軍が島嶼防衛強化 韓国軍が北朝鮮との軍事境界線付近にある「西海5島」の防衛態勢強化へ、新たに陸海空の合同作戦司令部である「西北島嶼防衛司令部」を発足させた。(15日)
●SCOが首脳会議開催 中ロと中央アジア4カ国で構成する上海協力機構(SCO)がカザフスタンで創設10周年の首脳会議を開催。欧州でのミサイル防衛(MD)拡大に反対し、リビア軍事介入停止を求めるなど、欧米を牽制する決議を採択した。(15日)
●韓国がピョンヤン攻撃のミサイル配備 韓国軍が今年初めに、北朝鮮の首都ピョンヤンが射程に入る戦術地対地ミサイルを南北の軍事境界線付近に配備したことが判明した。(17日)
●韓国軍が旅客機を誤認射撃 韓国海兵隊員が仁川空港へ向かうアシアナ航空の旅客機を北朝鮮の空軍機と誤認、銃撃する事件が発生した。(17日)
●オスプレイ配備計画公表 米海兵隊総司令部は、新型輸送機オスプレイを2012年10月と13年10月にそれぞれ12機ずつ普天間基地に配備する計画を明らかにした。(17日)
●米上院軍事委がグアム移転費打ち切り 米上院軍事委員会が在沖米海兵隊のグアム移転費の全額打ち切りで合意し、レビン委員長が普天間移設の現行計画について「法外な費用が必要で、これ以上持ちこたえられない」と強調した。(17日)
●コンピューター監視法案が成立 ウイルス作成罪新設などを盛り込んだ刑法などの改正案が成立した。(17日)
●政府が停止原発の再稼動求める 海江田経済産業相が定期点検で停止中の各地の原発の早期再稼動を求め、菅首相もこれを支持した。(18〜19日)
●米研究機関が台湾有事で報告書 米国のシンクタンク、ランド研究所が台湾有事に米軍が介入した場合、中国軍が普天間や嘉手納など沖縄の米軍基地を先制攻撃する可能性があると分析した報告書を発表した。沖縄の基地が使用不能となる事態も想定し、日本国内の他の米軍基地への空軍戦力の分散などを提言した。(20日)
●復興基本法が成立 復興庁の早期設置や復興債発行による財源確保などを盛り込んだ東日本大震災の復興基本法が成立した。(20日)
●IAEA閣僚級会議が開幕 国際原子力機関(IAEA)の閣僚級会議が開幕し、原発の安全対策に対するIAEAの機能強化をうたった宣言を採択した。(20日)
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週刊『前進』(2493号5面1)(2011/06/27 )
辺野古新基地(V字形滑走路)建設阻止を
日米安保協 オスプレイ配備決定許すな
朝鮮・中国侵略戦争への野望
6月21日、日米両政府は、外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)をワシントンで開催し、名護市辺野古にV字滑走路を建設することを決定、共同声明を発表した。菅政権と松本外相、北沢防衛相は、鳩山政権による「国外・県外移設」表明で生じた日米同盟関係の「衝突」の過去などなかったかのように振る舞っている。自民党政権以上に悪質な民主党政権の沖縄圧殺攻撃が示されている。あわせて垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの普天間基地配備の方針が明らかになった。徹底弾劾し、安保・沖縄闘争の強化を闘いとろう。
大震災テコに安保強化
沖縄の労働者階級人民は、沖縄戦終結から66年目の「6・23」を、大恐慌の時代に発生した3・11大震災・原発事故という情勢下で迎えることとなった。戦後66年、「基地の島」は恒常的な戦時下におかれてきたが、原発事故をめぐる事態が示していることは、日本の階級闘争全体が完全に戦時下の闘いに突入したということである。
その中で闘いとられた6・19フクシマ大行動は、「オキナワ、ヒロシマ・ナガサキ」とつながる日本革命の新たな拠点を打ち固めた。それは同時に沖縄闘争の新たな飛躍の時代の到来をも意味する。
このような中で行われた日米安保協(2プラス2)は、大恐慌下での大震災が帝国主義の世界支配の崩壊を告げ知らせている情勢のもとで、米帝と日帝が激しく相争いながら新たな世界戦争に向かって絶望的に突進を開始したことを示した。それは、共同文書において対北朝鮮からさらには対中国の大戦争を全力で身構えていることに示されている。そしてその大戦争の出撃拠点として、「基地の島」の強化と固定化を宣言している。
具体的には2プラス2では辺野古への新基地建設については、06年ロードマップで確認された「V字沿岸案」を再確認し、さらにオスプレイの配備を念頭に滑走路の延長が確認された(オーバーラン対策の強化)。今回の2プラス2では「辺野古に回帰した」というレベルを超えて、従来の「V字沿岸案」をさらに超える巨大基地の建設を宣言したのである。
さらに、「トモダチ作戦」をこの間の日米安保体制の成果とうたいあげ、災害支援の拠点を沖縄に設置することも確認された。そして、この間一貫して軍事利用が狙われてきた下地島飛行場をその対象としようとしている。
またこの2プラス2を前にして米軍は2012年からの普天間基地へのオスプレイの配備を公表した。来年10月に12機、13年に12機を配備するというのだ。在沖海兵隊の強化だけでなく、このことをも辺野古新基地の建設強行のテコとしようとしている。辺野古新基地ができるまではどこまでも普天間基地を強化し、固定化し、居座り続けようとしているのだ。
その中で日帝もまた自衛隊の侵略拠点として沖縄を強化しようとしている。この間強行された那覇港への自衛隊艦艇の寄港を始め、自衛隊の南西諸島での動向は、日帝の独自の戦争政策=沖縄の侵略戦争基地の強化として徹底的に弾劾されなければならない。
同時に、事態は日米帝の絶望的危機を示している。沖縄では誰ひとり日米合意なるものを支持し推進する勢力はいない。何よりも15年にわたって阻まれ続けた新基地建設を打開する余地はまったくない。基地強化か、基地撤去か、帝国主義と労働者人民の対立はますます非和解である。
「慰霊の日」を前後して、沖縄県民の思いを逆なでするような事態が日々繰り返されている。沖縄戦はけっして過去の問題ではなく、現在と未来の問題なのだ。
(写真 オスプレイ 垂直離着陸輸送機MV22。開発段階から30人以上の死者を出した。「CH46輸送ヘリに比べ最高速度2倍、航続距離4倍、エンジン出力3倍」という性能を自慢するが、それだけ危険で騒音も激しいことを示すものだ。)
核戦争想定のトモダチ作戦
昨年11・23延坪島(ヨンピョンド)での南北朝鮮の砲撃戦によって開始された米帝の北朝鮮侵略戦争突入情勢のもとでの3・11大震災を、米帝は北朝鮮制圧の実戦演習そのものの機会として位置づけた。日米安保新ガイドラインに明記された有事の日米統合作戦本部が設置され、災害支援の名のもとに侵略戦争の態勢がフル発動された。
在沖米軍基地を訪れた海兵隊のエイモス司令官に対してヘリコプター部隊の隊長は、米軍が将来「原発事故や汚い爆弾、テロに対応する可能性」があるとして、トモダチ作戦で得られた経験は「戦略的価値がある」と説明したと報道されている。放射性物質が飛び交う場での実戦訓練など、そうそうできるものではない。3・11とは日米帝にとって、核戦争を想定した格好の実戦訓練だったのだ。だから帝国主義にとっては3・11以降の全事態もまた「戦略的価値がある」のである。福島の子どもたちが日々被曝している事態が「戦略的価値がある」だと?
6・19フクシマ大行動で動労千葉の田中委員長が喝破したように、今われわれの眼前で進行している事態は、まさに戦争そのものなのだ。
われわれはこの戦時下の階級闘争という初めての経験に、持てる力のすべてをふりしぼって立ち向かい、労働者階級の未来を奪い返さなければならない。
基地労働者が死命制す
沖縄の米軍基地も原発も、日帝の体制の根幹にかかわる「国策」だ。この国策の暴力的強制は、さまざまな「交付金」や「雇用」という形もとりながら地域をがんじがらめに縛り付けてきた。
沖縄で今も米軍基地で働く労働者は約8千人、さらに基地関連のさまざまな仕事に労働者が従事している。それは福島県民200万人で原発で働く労働者が数千人という現実と同じだ。戦争のための基地で働く労働者と、核武装のための原発で働く労働者がおかれている現状は、その非人間的な労働条件も含めてまったく同じだ。
われわれに求められていることは、闘う労働組合をよみがえらせることだ。沖縄の米軍基地の死命を制するのは基地で働く労働者と「基地の島」の労働者だ。原発を止めるのは原発で働く労働者とフクシマの闘う労働者の崇高な使命だ。6・19から開始された闘いをさらに発展させて、この労働者階級の誇り高い闘いをよみがえらせよう。
「基地の県外・国外移設を」「思いやり予算を復興支援に」などとして労働者階級自己解放闘争をおとしめる体制内指導部を打倒して、安保粉砕・基地撤去、そして全原発の停止・廃炉を掲げて沖縄の労働者は今こそ総決起しよう。この労働者の団結した闘いだけが辺野古新基地建設を阻止し、オスプレイの配備を阻止する力だ。66年目を迎えた6・23にあたって、沖縄の労働者階級の闘いの決意と方針はきわめて鮮明である。
オスプレイ 垂直離着陸輸送機MV22。開発段階から30人以上の死者を出した。「CH46輸送ヘリに比べ最高速度2倍、航続距離4倍、エンジン出力3倍」という性能を自慢するが、それだけ危険で騒音も激しいことを示すものだ。
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週刊『前進』(2493号5面2)(2011/06/27 )
三里塚第3誘導路裁判
NAAの居直りを追及
“現闘本部破壊は許さぬ”
6月17日、千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)で「第3誘導路裁判」の第2回弁論が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟が国と空港会社(NAA)を相手取り、危険で違法な成田空港暫定滑走路の第3誘導路の許可処分取り消し、工事中止などを求める裁判だ。5・20現闘本部控訴審闘争をともに闘い、弾圧を打ち破って奪還された労働者、学生、現闘員も結集し、再会の熱気の中で開廷を迎えた。
被告の国とNAAが出してきた準備書面は、法も道理も無視して強行している第3誘導路建設を「必要だ」と強弁する悪らつなものだ。
1本目の誘導路はへの字に曲がり、2本目に造った東側誘導路は滑走路の先端を横切る欠陥構造、そしてさらに200億円もかけて市東孝雄さんの家と畑を包囲する形で「第3」を造る――農民への追い出しだけが目的のでたらめだ!
しかも騒音調査を「やった」といいながら、市東さん宅の近くではやっておらず、「誘導路の騒音より離着陸の騒音の方が大きいから問題ない」と言う。また、滑走路と誘導路の離間距離の狭さが国際航空条約に完全に違反していることについて「法的効力はない」と言い放つ。まさに強盗の居直りだ。
反対同盟と顧問弁護団はこれを徹底的に追及する姿勢を明らかにした。次回期日は9月6日。
閉廷後、弁護士会館で記者会見が行われた。最初に北原鉱治事務局長が立ち、「5・20で逮捕されて深夜から午前3時まで取り調べを受けた。『ではお休みを』と言われたときは空が明るくなっていた。今回の弾圧で国政の本質は一層明らかになった。これを変えるのは三里塚の闘いだ」と不屈の闘争心を明らかにした。
続いて葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団が次々と発言に立ち、三里塚にかけられた大弾圧を完黙・非転向と45年の闘争の力で粉砕した勝利を確認した。まさに現闘本部撤去攻撃との実力闘争の突破口が開かれたのだ。
(写真 北原事務局長は会見冒頭、今回の留置場生活を笑顔で振り返りつつ不屈の決意を表した【6月17日 千葉】)
口頭審尋開くよう申し立て
さらに弁護団から、いよいよ敵が強制執行の具体的準備に手をかけてきたことが報告された。
6月9日、NAAは千葉地裁に現闘本部についての「建物等収去命令申立書」を提出した。それへの反撃として反対同盟と弁護団は、口頭による審尋を開くよう裁判所に断固として申し入れてきたのだ。
周知のように現闘本部は現在、成田治安法のもとで柵(さく)と有刺鉄線によって厳重に封鎖され、立ち入ることもできない。そのことを百も承知でNAAは「債務者(反対同盟)は収去する義務があるところ、履行しない」として、執行官を立てて早く強制撤去してくれ!と千葉地裁に申し立てたのである。
6月10日、地裁民事第4部は反対同盟の意見(反論)を書面で出すように通達してきた。反対同盟と全国の人びとのかけがえのない闘争拠点である現闘本部を、書面のやりとりだけで手続きを済ませ、破壊し撤去しようというのだ。絶対に許さない!
反対同盟と弁護団は地裁の書記官室を訪れ、「反対同盟の声を直接聞け。口頭での審尋を開け」と強く迫った。
この報告を受け、参加者全員が身を引き締め、現闘本部破壊阻止に全力で立ち上がることを固く誓い合った。
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週刊『前進』(2493号5面3)(2011/06/27 )
鈴木さん一坪裁判
“訴訟受継を認めよ”
怒りで仲戸川裁判長を圧倒
6月9日、千葉地裁で鈴木さん一坪共有地裁判が開かれた。成田市駒井野にある鈴木謙太郎さん、いとさん名義の一坪共有地について、千葉県が「周辺の県有地と一体で造成してNAAに売却する」ことを理由に明け渡しを求めている裁判だ。この土地を成田空港と連動した一大物流基地にするというもくろみは、大恐慌ですでに完全破産している。
鈴木さん一家はこの理不尽な要求に対し、「一坪共有地は三里塚地区周辺に土地を持つ会の組合有であり、空港反対闘争の勝利まで勝手に譲渡や売買を行うことはできない」と提訴の却下を求めて闘っている。
現在の最大の焦点は鈴木幸司さんの逝去に伴う訴訟受継問題だ。一坪共有地はもともとの所有者から「土地を持つ会」に提供されたもので、会則では「会員の死亡時は共有地の持ち分は空港反対の意思を持つ者に取得させる」と明記されている。会は反対同盟員として闘う謙太郎さんと妻・加代子さんに引き継がせることを決めた。原告の千葉県はこの受継をまったく不当にも認めようとしない。
仲戸川隆人裁判長はこの受継問題について前回、「遠くない時期に判断する」などと言っておきながら、今回も結論を先延ばしにした。
5月20日、東京高裁による現闘本部裁判控訴棄却に対し、反対同盟と労働者人民の闘いが大爆発した。不当逮捕された人びとが三里塚と心を一つにして完黙・非転向を貫いている。仲戸川は一審反動判決を出した裁判長として、このことにすくみ上がり圧倒され、なんとかその怒りをかわそうという態度に終始した。
閉廷後、裁判所の控え室で総括の会合がもたれた。顧問弁護団の解説に続き、鈴木いとさんが変わらぬ笑顔で「がんばります。よろしくお願いします」と決意を表し、一同は拍手で応えた。
北原鉱治事務局長は5・20弾圧を弾劾して「闘いで日本の将来を変えよう」と訴えた。萩原進事務局次長は「不当弾圧と徹底的に闘い、現闘本部破壊・撤去攻撃に対して、体を張って闘おう」と檄(げき)を飛ばした。
「空港絶対反対、農地死守、実力闘争」を貫く三里塚45年の歩みこそ、大震災・原発大災害情勢に立ち向かう労働者人民の進むべき道だ。現闘本部破壊を絶対に阻止しよう!
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週刊『前進』(2493号5面4)(2011/06/27 )
老朽化原子炉爆発の危機
海江田「安全宣言」の大罪
海江田経済産業相は6月18日、「原発安全宣言」を出し、定期検査などで停止している全国の35基の原発について運転再開=再稼働を地元自治体に促した。翌日には菅自身も、この運転再開方針を強調した。菅政権は福島原発事故という資本と国家の大犯罪を居直るばかりか、福島県などでチェルノブイリ事故を上回る大量被曝を強制し、さらには全国の原発再稼働という三重もの大罪を犯そうとしている。即刻打倒あるのみだ。
原子力安全・保安院が炉心溶融などの過酷事故(シビアアクシデント)を想定した「追加の安全対策」を電力各社に指示して、各地の原発の点検に入ったのは6月7日である。それからわずか11日で「安全」などとよくも言えたものだ。現地の立ち入り検査も2日間ですべてを終えたという。福島原発事故一つですら収拾できていないのに、各原発の立ち入り調査がなぜ2日間で済ませられるのか!これまでの山ほどのうそに、またも人類史に背くような大うそを重ねる海江田・菅は万死に値する。
保安院が言う「安全対策」とは、「水素爆発が起きないよう原子炉建屋からガスを逃す手順や機器の確認」「乾電池を使ったトランシーバーなど代替通信手段の確保」とかの「短期対策」に限られている。それだけで「過酷事故に十分対応できる」と言い張る。肝心の過酷事故を防ぐという観点はまったくない。「原発の安全設計や耐震指針の見直し」のような「中長期対策」は完全に棚上げされてしまった。これで「安全」だと宣言することなど許されない。
海江田は「再稼働できない場合には、関東、東北だけではなく中部、関西、西日本において産業の停滞、国民生活の不安が出てくる」などと「電力不足」を振りかざして恫喝している。これ自体がインチキなキャンペーンだが、事故必至の原発を再稼働することによってしか成り立たない電力など、労働者階級にはまったく必要ない。そんな資本主義社会は転覆してしまわなければならない。
全国の原発を再稼働すれば、福島を上回る事故を引き起こすことになる。特に玄海原発1号機などの老朽化した原子炉は、中性子線によって圧力容器が劣化している。なんからの原因で冷却機能が停止し、緊急炉心冷却機能が作動して急速冷却されると、圧力容器が壊れる危険性があり、チェルノブイリ以上の大事故と化す。単に地震や津波だけの問題ではないのだ。”玄海1号機が爆発すると九州から大阪まで壊滅する”とまで言われる。再稼働を許さず、全原発を廃炉にしなければならない。
今回の「安全宣言」は、20日からの国際原子力機関(IAEA)閣僚級会議を前に、日本は”安全対策に取り組んでいる”と粉飾しようとするものだ。菅政権は昨年の「新成長戦略」で原発輸出を柱にすえたが、福島原発事故の後もその基本を変えていない。海江田は5月下旬にベトナム副首相と会談して、原発輸出を「これまで通り進めていく」と確認した。トルコやヨルダンとの原発輸出交渉も継続する方針だ。福島に続いて原発事故を海外にまで輸出することなど絶対に許されない。
原発再稼働という大罪に手を染める菅政権を直ちに打倒しよう。
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週刊『前進』(2493号5面5)(2011/06/27 )
賃下げで資本の延命狙う
経団連「復興プラン」弾劾
日本経団連は5月27日に「復興・創生マスタープラン〜再び世界に誇れる日本を目指して〜」と題する提言を発表した。これは東日本大震災の救援などそっちのけで民営化・規制緩和を一挙に推し進め、搾取と収奪、労働運動破壊を決定的に狙うものだ。
提言は「T、被災地域の復興」「U、日本経済の創生」を主な内容とする。そして「『復興』は現状復帰にとどまらず、新しい地域、新しい日本を『創生』するもの」であり、「この進化のプロセスは、同様の課題を抱える国内外の他地域にも展開可能なまちのモデルを形成する」と、日本全体の反革命的改造を狙っている。
しかも提言は福島原発事故が労働者・農民・漁民にどれほどの苦難を与えているかについてまったく言及せず、あろうことか、日本がこうむっている「風評被害」こそ問題だと言っているのだ。まったく許し難い。
そして、「復興に手間取れば、即座に国内外の競争に取り残されてしまう」「ひとたび被災地域の製造拠点が国内外のサプライチェーンから外されてしまえば、その地位を取り戻すことは困難」と危機感をあらわにして、「前例にとらわれない思い切った税・財政・金融・規制上の支援措置を迅速に講じていくことが不可欠」と迫っている。
このために被災地域に「復興特区」を設け、「産業集積が人工的に形成されるよう……例えば、高速道路沿いなど輸送効率の高い地域に税(法人税、固定資産税の免除・減免など)、金融、規制改革などの特区としての優遇措置を実施する一定規模の工業団地を設け(ろ)」などと要求している。
経団連の資本家どもの最大の狙いは労働者の賃金を「アジア並み」に一挙に引き下げることだ。そのために提言は、工場の「立地コスト」の国際比較表を載せている。そして法人実効税率と労働コストが、日本を100とした場合に、タイでは74と7、広州(中国)では61と7であると、日本がどれほど高コストであるかを強調している。その上で「事業環境のイコール・フッティングを確保すること」「立地コストについて他国と比べ遜色(そんしょく)のない水準にまで思い切って引き下げること」を要求している。
これは帝国主義・新自由主義がタイや中国で労働者を超低賃金で搾取していることを基準にして「日本の賃金は高い」と叫び、”国内に工場を残してほしければ、タイや中国の労働者と同じ賃金で働け”と強要しているのだ。
さらに提言は「おわりに」で、@産業活動に欠くことのできない安定した電力供給(原発推進のことだ)、A企業の国際競争力の維持・向上と両立する財源確保(消費税増税で大衆から搾り取れということ)、B「新成長戦略の加速」――を叫んでいる。
そしてまさにこの経団連の提言に全面的に沿う形で、20日、政府と民主・自民などは「震災復興基本法」を成立させた。
この攻撃の根底には、大恐慌と大震災・原発事故で追いつめられた日帝のすさまじい体制崩壊の危機がある。労働者は経団連の提言を粉砕し、国鉄闘争と反原発・反失業闘争を大爆発させよう。
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週刊『前進』(2493号5面6)(2011/06/27 )
三里塚裁判傍聴を!
◎市東さん耕作権裁判
6月27日(月)午前10時30分 千葉地裁
◎団結街道廃道取消裁判
7月12日(火)午前10時30分 千葉地裁
*傍聴券抽選のため午前9時30分に集合
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週刊『前進』(2493号6面1)(2011/06/27 )
青年労働者・学生に『前進』を
反原発・反失業闘争の高揚と結びつき巨大な読者網建設へ
前進経営局
大失業や原発事故への怒りを組織しよう
3・11東日本大震災と原発事故をもって階級情勢は一変した。この中でかちとられた国鉄闘争全国運動6・5大集会−6・11反原発100万人デモ−6・19怒りのフクシマ大行動で、日本の労働者階級は歴史的な闘いの扉を押し開いた。6・11に決起した100万人の労働者人民―青年・学生と革共同が直接結びつく時代が到来した。
3・11をもって、労働者人民にとって「生きるための、絶対に負けられない」階級戦争が始まった。勝敗を決めるのは労働者自身、とりわけ青年自身だ。勝利の鍵は階級的労働運動・労働組合と学生自治会をよみがえらせることであり、革命的労働者党の建設だ。両者は一体で進む。
立ち上がった青年・学生たちは、勝利の展望とそれを切り開くための「自らの組織」を圧倒的に求めている。彼らと結びつき、確信と展望を与える決定的で唯一の武器が『前進』だ。率直に大胆に『前進』を持ち込もう。もうその闘いは始まっている。
われわれが半世紀にもわたり機関紙『前進』を「労働者の新聞であると同時に共産主義者の新聞」として発行し続けてきたのは、今日この時のためだ。『前進』の拡大と巨大な読者網の建設こそ労働者党建設の絶対的土台であり、革命の準備である。その爆発的展開の時が訪れている。国鉄決戦と反原発・反失業闘争に立ち上がる巨万の青年・学生と『前進』で切り結び、まずは「1部の拡大」を実現しよう。
ブルジョアジーとプロレタリアートの生死をかけた階級戦争が開始され、3・11以来の「政治休戦」は敵味方の双方から打ち破られた。資本家階級は労働組合を解体・根絶し、青年労働者・学生の決起を圧殺して大失業を強制し原発を継続すること以外に延命できない。
情勢を解明し勝利の方針を示す『前進』
3・31東電デモへの弾圧から始まり、関西地区生コン支部組合員13人の不当逮捕・起訴、5・20三里塚闘争への50人不当逮捕といった国家権力の発動。JR大再編による動労千葉の破壊と国労の連合化。1047名闘争の最終的圧殺を最大の攻防点とする労働組合破壊の攻撃。存亡の危機に立つ敵の狙いはただ一点、「全原発の稼働」(JR東海会長・葛西)と原発輸出の「新成長戦略」推進による資本主義の延命である。そのためには「国家と資本による殺人」をいくらやってもかまわないというのだ。
この資本家連中の悪辣(あくらつ)な姿に根底からの怒りが爆発している。6・5国鉄大集会1780人結集とそれに続く6・11反原発全国100万人デモ、「福島始まって以来の」歴史的大闘争−6・19フクシマ大行動への1510人の大結集だ。反原発闘争の巨大な全国的なうねりの先頭で、6・5に参加した青年や学生たちがデモ・集会を戦闘的かつ大衆的に牽引(けんいん)している。
全国で反原発闘争に立ち上がっている労働者、学生、農民、漁民、自営業者、子どもを育てる親たちが全身で訴えているのは「どうしたら原発を止めることができるのか」だ。ここに唯一、真正面から切り込んでいるのが『前進』である。
また、四半世紀にわたって新自由主義と対決してきた国鉄闘争において『前進』は唯一、資本・権力、その手先との攻防を伝え、闘いの勝利の道を指し示してきた。国鉄決戦こそ、未来を奪う新自由主義に対する青年・学生の怒りとストレートに結びつき、これを根底から解き放つ力をもっている。闘う労働運動をよみがえらせ、非正規労働者に展望を示している。6・5の勝利、国鉄闘争全国運動の前進が、6・11−19の勝利の土台にあるのだ。『前進』の全紙面に、そのことが生き生きと表現されている。
『前進』を読み、拡大していく闘いの中で労働者は勝利の展望を持ち、団結を強めていく。なによりもマルクス主義の思想、時代認識、路線で武装された組織と党ができる。被災地を先頭にこうした闘いが推進され、それがこの間の闘いの爆発となって結実している。
この闘いをさらに発展させ、国鉄闘争と反原発・反失業闘争の爆発にの中で世界単一の労働者党を、機関紙を軸に建設しよう。
機関紙活動を先頭で担う被災地の闘い
3・11以来、われわれは激闘に次ぐ激闘を闘い抜いてきた。被災地ではライフラインが寸断され、現地の党組織もいったんは壊滅的打撃を受けた。党員が集まること自身が困難となった。そうした中で、党の団結を回復させたのは動労千葉の声明と『前進』であり、中央−全国の支援であった。団結回復の闘いは機関紙を配ること、読むことから始まった。
被災地A地区党は4月、「『意識性』一般の問題でなく、共産主義者としての腹をすえきる問題」として、職場生産点で『前進』を拡大していくことの死活性を確認した。そして、それを担い抜く全人生・全人格をかけた共産主義者としての決起として、5月からの闘いに突入した。こうした3・11以後3カ月の闘いが本紙2490号の福島県委員会論文として、また6・19フクシマ大行動の爆発として結実した。機関紙活動の基本中の基本ともいうべき意義がこの闘いの中に凝縮されている。
被災地では合同労組の分会を結成する闘いの渦中で『前進』拡大を実現した。また、国鉄決戦のただ中で『前進』が持ち込まれている。被災地こそ紛れもなく機関紙活動を先頭で担っている。
首都圏B地区では『前進』の読み合わせ・討論を軸にした会議への転換をかちとり、それを土台にして地区財政を完全に立て直した。常任同志が労働者同志の力を徹底的に信頼し、それに依拠して『前進』で提起されている時代認識・路線で討議し、団結を一歩一歩かちとることで可能となった。この地区では月1回、各細胞から「機関紙拡大闘争の報告」を集め討議する闘いを開始したところ、直ちに拡大に転化。『前進』拡大闘争の先頭にも立っている。
東京C地区では1年数カ月にわたり地域の郵便局前でビラまきを続け、郵政民営化が破綻する中でついに青年の怒りと結びついた。深夜勤務という困難な状況にもかかわらず、『前進』などによる討論を一回一回かちとり、非正規労働者の新組合を結成した。偉大な、かつ決定的な勝利だ。
首都圏D地区の合同労組での1部拡大は、昨年来組合内フラクを『前進』で続けてきたことの勝利である。ほとんどの組合員が失業者か低賃金労働者という中で、組合費のほかに『前進』代をいかに生み出していくのかを執念を持って追求してきた。この地区では「担当者の同志が自らも働きつつ、労組の闘いをすべての軸にすえて活動してきたことへの信頼が今回の勝利を生み出したと言えます」と総括している。
学生戦線では、5・20弾圧との闘いの中で機関紙を拡大し、組織拡大を実現した。
これらは典型的・先進的な事例であるが、全国的に『前進』の読み合わせと討議を中心とした細胞会議への転換がかちとられており、「この時代に応えられるのは『前進』しかない」という確信が生み出されている。新たな定期購読の申し込みも次々と寄せられている。『前進』が6千万労働者階級に求められている。
爆発的な拡大に向け担当者会議を恒常化
爆発的拡大の機は熟した。それを実際の拡大へと結実させるために決定的なのが、機関紙担当者とその会議の恒常化だ。
この間、東京・関東では機関紙担当者会議の定期的開催が継続され、機関紙活動がそれとして集中的に論議されてきている。機関紙拡大闘争は党員個々人の課題ではなく、地区党と細胞の課題である。この転換がかちとられた時に拡大闘争は勝利する。先述の首都圏B地区の拡大はこのことを示している。
また機関紙活動を基軸とする党建設は、闘争一般に解消されない、一定の独自性をもった目的意識的な闘いである。一見困難に思えるが、それは価値創造性に満ちていることと同義である。鍵を握るのは、党の細胞性の発揮を通して形成される地区党の団結である。常任同志と労働者同志が一体となって、細胞としての討議と計画化−実践−総括を粘り強く続けていくことだ。
青年・学生の決起でまずは1部の拡大を
「もっとひろく大胆に、もっと大胆にひろく、もう一度ひろく、もう一度大胆に、青年をつのることが必要である。ときは戦時である。青年が、学生や、それ以上に青年労働者が、闘争全体の結末を決定するであろう」(「ア・ア・ボグダーノフとエス・イ・グゼフへの手紙」レーニン全集8巻)
レーニンは1905年革命のまっただ中で、青年・学生を組織化する闘いを烈火のごとく呼びかけた。そして1917年のロシア10月革命を勝利へと導いた。
現在すべての同志が実感しているように、闘いの勝敗を決するのは青年・学生の決起である。『前進』を真に青年のものに変革していく闘いと、青年の中に大胆に持ち込む闘いとは完全にひとつだ。地区・細胞で討議し団結し、国鉄を先頭に自治体、教育、郵政、医療福祉、合同・一般産別の青年に大胆に、自信を持って持ち込もう。
8・6ヒロシマ−8・9ナガサキに上りつめる闘いの中で「まずは1部」の拡大を必ず実現しよう。夏期カンパ決戦と一体のものとして機関紙財政闘争に勝利しよう。
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週刊『前進』(2493号6面2)(2011/06/27 )
国策空港=関空を廃港に
7・3泉佐野へ結集を訴える
全国で闘う仲間のみなさん、7月3日、泉佐野現地で開く関西空港反対全国集会への参加を呼びかけます。
関空・自治体決戦
いま泉佐野市は新市長が打ち出した市職労働者の給与20%削減を阻止する決戦のまっただ中にある。7・3泉佐野現地闘争は、いわば「関空・自治体決戦」になった。
4月24日に新市長になった千代松は、5月に労働組合との団交を公開で行い、決裂させて6月市議会に給与20%削減条例案を強引に提出した。これを阻止する闘いが連日闘われ、16日の総務産業委員会では採決できず延会になった。わが地区党は連日、議会と職場で闘い、大きな前進を切り開いている。自治体決戦が関空闘争の核心的な闘いになったのである。
7・3関空闘争は第一に、反原発を闘うフクシマ―全国の労働者人民の巨大なうねりと結合して、国策空港=関西空港を廃港に追い込む闘いである。関空は福島第一原発と同じ国策により造られた空港だ。企業=資本がもうけるために建設した巨大空港。今も地盤沈下し続ける空港。巨額赤字で労働者、住民を犠牲にし続ける空港。こんな国策空港は廃港以外にない。
関西新空港絶対反対泉州住民の会は4月10日、総会を60人で成功させ、国策空港=関空反対、被災地支援決議を上げ、ともに闘うことを決めた。
給与削減許さぬ
7・3関空闘争は第二に道州制攻撃との闘いである。道州制とは究極の新自由主義であり、360万公務員首切り・大幅賃下げ攻撃だ。泉佐野市の1300億円もの赤字は、資本がもうけるために市、府、国が進めた関空関連事業で作られた。給与20%削減は赤字の責任をすべて労働者に転嫁する新自由主義攻撃だ。
千代松は就任早々、職員給与20%削減方針を発表し、賃下げ、解雇、民営化路線を突っ走り始めた。これに対し国賀祥司市議と関西合同労組泉州支部、地区党は全力で闘い始めた。その中で、「20%削減されたら生きていけない! われわれが何か悪いことをしたのか!」と怒る労働者がいっぱい出てきた。われわれの闘いと宣伝(千代松批判、日共=自治労連批判)が自治体労働者の闘いを呼び起こし、促進した。市職労=日共の裏切りが明らかになった。そしてついに市職労=日共をのりこえて闘う労働者たちが出てきた。いまや全労働者がこの攻撃に怒り、立ち上がる情勢を切り開いたのである。
塩川派をたたき出してから3年半、地区党は階級的労働運動路線を実践してきた。昨年5月の市議選での勝利以来1年間、保育所民営化阻止―子ども・子育て新システム阻止闘争など、自治体闘争を実践してきた。その成果である。自治体労働者の決起こそ情勢を決定的に変え、関空闘争を勝利させる原動力だ。
米軍基地化阻止
7・3関空闘争は第三に関空の軍事空港化との闘いである。菅政権は5月17日、関空―伊丹空港統合法を成立させた。これは破綻している関空会社と関連資本を救済するための息継ぎ案であり、軍事空港化のためである。
米政府が2008年にも北朝鮮侵略戦争を想定した作戦計画「5055」の改訂のために空港と港の調査をしていたことが明らかになった(「ウィキリークス」の暴露)。すでに調査は済んでおり、いつでも軍事使用できる状態であると見ておかなければいけない。軍事空港化阻止は自治体労働者、関空労働者、周辺労働者の闘いにかかっている。
関空の米軍基地化阻止へ、三里塚、沖縄と連帯して7・3闘争を闘おう。
(革共同泉州地区委員会)
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週刊『前進』(2493号6面3)(2011/06/27 )
日程 7・3関西空港反対全国集会
関空の軍事空港化反対! 関空・伊丹統合計画反対!
市職員給与2割カット反対!
全原発を廃止しろ! 三里塚、沖縄と連帯して闘おう!
7・3関西空港反対全国集会
7月3日(日)午後1時集合、1時半開会
泉佐野市末広公園コミュニティひろば(集会の後デモをします)
主催 関西新空港絶対反対泉州住民の会/関西労働組合交流センター
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週刊『前進』(2493号6面4)(2011/06/27 )
団結ひろば 投稿コーナー
福島大生3人がデモに飛び入り、コールも 法政大 齋藤郁真
6・19福島現地行動に参加してきました。当初、現地は現地特有の「話題にだせないほどの重さ」のようなものもあるだろうと考えていて、ただ元気に怒りを表明するだけじゃ難しいんじゃないかと思っていたのですが、情勢をナメていました!
福島現地の方々の激しい怒りに次ぐ怒りのアジテーションは、すべて素晴らしかったです! 法律の話など一切せずに、ひたすら故郷を汚染された怒りを表明する弁護士。「人を犠牲にしなければならない経済とは何か」と根底的な問いを発する住民の方。自殺に追い込まれた同業者のために原発廃止への思いを爆発させる農民。子どものために国家の指示など待たず自主的に放射能を減らすために動く教師の方々。そして「必ず原発は止められる」と堂々と意志表明する福島大の1年生!
集会開始早々に、800用意されていた集会プログラムがなくなっていたそうで、最終的に発表された集会参加人数は何と1510人! 人口比率を考えれば、これはすさまじい数です。
そしてデモです。沿道の人たちは、ほとんどみんな手を振って応えてくれる。途中で福島大の3人の学生が飛び入りで入ってきて、めちゃめちゃ元気なデモコールをしてくれました!
「反原発」は、いまやその言葉を飛び越えて、この国のあり方を問う問題へと急速に発展しています。原発事故からまだ3カ月。まだまだこんなものは序の口です! 7
・8東北大、7・17いわき、そして8・6ヒロシマと、全社会を変革する闘争へ団結して闘いましょう!
ここにすべてを獲得する力があると確信 東京 日野皓明
早朝にマイクロバスで東京を出発し、「6・19怒りのフクシマ大行動」に参加しました。
デモ解散時、「福島始まって以来のデモをやり抜いた!」と勝利感いっぱいに叫んだ呼びかけ人の渡辺さん。別れ際にあいさつした時、「6・5国鉄集会からの2週間は不眠不休だったよね。この横断幕もおれが縫ったんだよ」と会場正面の大横断幕をながめながら教えてくれました。再び会心の笑顔! 本当に頭が下がる思いでした。
原乳を3カ月間も捨て続けた無念。汚染された農地、職場、故郷。子どもの将来への不安、悩み、焦り。大好きな故郷を離れざるをえなかった方。なすすべもなく仲間を亡くした悲しみと怒り。恐怖やあきらめとの闘い……。これが原発であり、これが帝国主義なのだ! 言葉でなど言い尽くせないような震災以来の100日間の苦闘が、腹の底からの怒りとなって解き放たれ、ひとつになって政府と東電、帝国主義者どもに向かって爆発しました。
現地救援対策本部で闘う仙台の仲間は「300%の勝利だよ。”絶対に500人は集めたい”と言ってたからね」。参加した誰もがそう感じる素晴らしい闘いでした。それは数だけの問題ではありません。福島現地からの発言。全国から結集した仲間の発言。ここにすべてを獲得する力がある! そう確信させる決定的な闘争でした。
すでに「20年選手」の私ですが、6・19福島現地闘争は私自身にとっての”新たな闘いの原点”になりました。福島の同志たちとともに全原発を廃炉に追い込み、帝国主義を打ち倒すまで全力で闘います。
6・19行動へ全学連福島派遣隊で闘った 東北大 古郡 陸
原発全廃の展望が圧倒的にある福島へ! 6・19フクシマ大行動に向け全学連は、13日から福島派遣隊を編成し闘いました。福島大で反原発署名が1週間で100筆を超えたことが示すように、学生の原発への怒り、原発をなくすことへの情熱と私たちの闘いがガッチリかみ合っています。
「6・19には友だち同士で誘い合っている」という学生、「福島の学生だからね」と大学に申し入れをする学生たちも。教職員にも山下俊一などの御用学者を弾劾し、原発反対の行動をしている人たちがいます。学生は真剣に考え行動し始めている。そこに6・5国鉄集会の内容と、怒りの結集軸としての6・19方針を持って全学連が登場したことは決定的でした。
学生との討論でよく出る意見は「原発をなくしたいが電力がなくなると困るから反対できない」「日本全体のことを考えたら福島はガマンしなくてはならないのかなあ」というもの。聞くたびに「原発がなくなると電気代が上がる。仕事がなくなる」と福島の怒りと私たちを分断し、怒りを押しつぶしてきた政府や電力資本らの犯罪性に腹が立ちます! 電力ではなく核武装のために原発が導入されたとはっきりさせたとき「デモに参加します」となります。
福島大当局は政府や東電のウソを弾劾もせず黙認状態。これが原発に怒る学生への対応か!
福島の怒りは世界に原発停止を強制している!
キャンパスから学生が立つことで原発はなくせる。社会を変えられる!
怒りを解き放ち7・8東北大集会、8・6ヒロシマに攻め上ろう。
基地撤去と反原発は非妥協実力闘争で 海人
「沖縄はゆすり、たかりの名人」というメア発言、3・11情勢下での被災地支援に名をかりた日米軍事演習の強化――この事態に沖縄人民が怒りを爆発させなくて、どうして基地撤去ができるか? 既成指導部・平和運動センターの基地反対運動の自粛とは何たることか!
この間の被災地救援活動で、何はさておき自衛隊と米軍が有事体制を敷いたことを問題にしなければならない。彼らの関心は戦争発動の日本有事体制の構築だけに向けられている。だから今なお被災地救援は二の次、三の次だ。
今こそ地域住民、自治体労働者を中心に被災地救援運動を通じて闘う労働組合をよみがえらせる運動を組織化していかねばならない。沖縄人民の基地撤去闘争と反原発−被災地救援運動は日帝ブルジョアジーとの徹底非妥協実力闘争によってもぎとらねばならない。これが三里塚闘争の神髄でもある。
5・15沖縄青年労働者集会の基調提起に非常に感銘し、怒りを共有した。「震災の復興費用」に「思いやり予算」を使用すべきという主張が沖縄の中から起こっていることは許せない。これは基地労働者を解雇しろと要求するのと同じである。「思いやり予算」がなくなれば米軍基地は沖縄から撤退するのか?
そんなことはない。
沖縄人民の米軍基地撤去は核基地撤去であり、戦争を起こすすべての基地撤去である。米軍基地は戦争のための基地であり、そのための軍隊である。基地労働者の闘いで撤去されるのである。
市議選での労働相談受けて合同労組結成 相模原 C・S
5月29日に、相模原市で湘北合同労組の結成大会が開かれました。4月の市議選の際、3・11後はとくに労働相談が山のように来たことを受けての結成です。選挙で西村あやこを支持してくれた人をはじめ、44人が参加しました。この中には外国人労働者もいます。
主催者を代表して、準備会からこれまでの経過が説明され、「困っている人の力になりたい。一緒に運動をつくっていきたい。自分の地域で仲間を組織することが必要になって結成にいたった」と決意が語られました。
討論の中では、昨年6月に解雇された労働者から「解雇された時、労働基準監督署に行ったが、力になってもらえなかった。残業代も払われていない。こんな理不尽な社会が許せなかった」という話がありました。また昨年9月に倒産・解雇された労働者からは「44の会社の面接をまわったが断られ、45社目の会社にやっと就職できた。でも収入は6万8千円。子どもを育てられない。この結成は最大の喜びだ。灯台を見つけた船乗りの心境だ。団結したい」との発言がありました。
その後、各議案が採決され、役員体制が承認されました。結成宣言を新しい仲間が元気よく読み上げて、とても盛り上がりました。この中で2人が組合に加入しました。
大会の3日後に、ハローワークでビラまきをしたところ、労働相談があり、解雇撤回を闘うことになりました。
まったく経験のないことを始めて、期待と不安が混ざったような気持ちです。各職場に根づいた、本格的な組合をめざしてがんばります。
御用労組幹部許さず職場で戦う労組作る 郵政労働者 秋川信一
6月14、15日、全国労組交流センター全逓部会の集会と大会闘争に初参加した。多くの郵便局員が休みをとって参加していて、団結力に熱いものを感じた。
14日昼、日本郵政ビルで集会。みなさんの発言はまさに正しい。ボーナス1・3カ月カットを容認したJP労組中央本部と日本郵政の社長、郵便事業会社社長・鍋倉は絶対に許せない。私たち労働者に痛みを押しつけるなんてとんでもない。労働者には一切責任はない。非常勤職員を平気で6月末、9月末をもって雇い止めにするなんてとうてい許せない。
最終日は朝ビラから始まりデモ。JP労組の代議員、傍聴者が続々と全国から来た。労使一体となっている御用組合。ボーナスカット、非常勤職員雇い止めを認めた中央本部の幹部連中。許すことができない。そういう連中は即責任をとって退陣してもらいたい。役にも立たない中央本部、地区本部。支部の交渉で言われていることをハイハイ聞いて印を押しているようにしか見えない。時には当局とケンカする位のファイトがない限りダメだと思う。
戦う労働組合作りに必要なのは、皆でおかしいことはおかしいと声をあげることだ。小さいことから積み上げしていくことが大きな勢力につながる。ただ待っていては前進しない。御用組合にけむたがられようが、私はおかしいことはおかしいと発言し、そして全国には多くの仲間がいることを忘れず、戦う労働組合作りと私たち「現場が主人公」となるために全力投球でがんばります。
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