ZENSHIN 2011/06/20(No2492 p06)

ホームページへ週刊『前進』月刊『コミューン』季刊『共産主義者』週刊『三里塚』出版物案内販売書店案内連絡先English

第2492号の目次

2万人が「原発止めろ!」 (6月11日東京・新宿)

1面の画像
(1面)
被災地と怒りを共有し解雇粉砕・全原発停止へ  外注化と雇い止めに大反撃を
辺野古V字型滑走路の建設とオスプレイ配備狙う菅を倒せ
記事を読む  
全国・全世界で100万人デモ  反原発のうねり体制揺るがす(6月11日) 記事を読む  
夏秋決戦勝利のため熱いカンパ訴えます 記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
(2面)
「雇用ゼロ」で組合員籍も剥奪 国労を資本に売る本部打倒を
国労全国大会めぐる決戦課題
記事を読む  
和解拒否闘争団 鉄建公団訴訟 最高裁上告棄却を弾劾する
解雇撤回貫きJR体制打倒へ
記事を読む  
動労千葉 “組織破壊攻撃許さぬ”  基地再編・外注化阻止へ集会 記事を読む  
公務員制度改革粉砕へ  争議権なしの「交渉」で屈従強要 労働基本権の全面的な解体狙う  ストライキ権を実力奪還しよう(大迫達志) 記事を読む  
(3面)
動労千葉夏季物販に取り組もう  1047名解雇撤回と国鉄全国運動の発展へ 記事を読む  
泉佐野市 20%の賃金削減許すな  怒りを7・3関空反対闘争へ(革共同泉州地区委員会) 記事を読む  
「君が代」処分条例粉砕へ  橋下と闘い労組再生を(大阪・左俣早月) 記事を読む  
(4面)
原発とめろ!全国200カ所で決起
闘う労組の旗を先頭に  “子ども守れ、古里返せ”(6月11日)
記事を読む  
7・8東北大キャンパス集会へ
被災地と福島の怒りを体現し大学を反原発・菅打倒の砦に
記事を読む  
日程 7・8東北大学集会 記事を読む  
(5面)
8月広島−長崎を闘う「世界大会」に
フクシマの根源的怒り解き放ち核・原発廃絶へ大運動起こそう
階級的労働運動の飛躍かちとれ
記事を読む  
菅が大量被曝を強制  小佐古辞任の驚くべき真相 記事を読む  
2011年日誌 6月7日〜13日
「辺野古V字」最終方針伝達/イタリア国民投票で反原発が圧勝
記事を読む  
(6面)
星野文昭同志奪還 6・24高裁包囲デモへ  被災地の仲間と共に結集を
全国再審連絡会議 総会で勝利の展望開こう
記事を読む  
日程 東京高裁包囲デモ、星野全国総会 記事を読む  
7・3関西空港反対集会へ  三里塚―沖縄と一体 米軍基地化阻止しよう 記事を読む  
日程 関西空港反対全国集会 記事を読む  
5・20弾圧 起訴粉砕し全員奪還したぞ  三里塚勝利・反原発へ号砲(6月10日) 記事を読む  
三里塚裁判傍聴を! 記事を読む  
西郡住宅裁判 法廷は怒りのるつぼ  大阪高裁の証人却下を弾劾(5月31日) 記事を読む  

週刊『前進』(2492号1面1)(2011/06/20 )

 被災地と怒りを共有し解雇粉砕・全原発停止へ

 外注化と雇い止めに大反撃を

 辺野古V字型滑走路の建設とオスプレイ配備狙う菅を倒せ

 6・5国鉄闘争大集会の圧倒的成功と6・11反原発100万人デモのうねりは、ついに日本階級闘争を新たな段階へと押し上げた。8・6ヒロシマ−8・9ナガサキへと向かう決定的な情勢が急速に煮詰まっている。いよいよ重要なのは階級的労働運動路線の懸命な実践と物質化だ。世界大恐慌の深化・拡大と、大恐慌下の3・11大震災−原発事故情勢のより一層の激しい進行の中で、今こそ被災地の怒り・闘いと固く結合し、職場からの原則的な実践で、闘う労働組合を再生しよう。1047名解雇撤回・国鉄決戦の爆発と反原発・反失業闘争のさらなる高揚、連合打倒、日帝・菅政権打倒へと前進しよう。

 大量の被曝と汚染が拡大

 6・11反原発100万人デモは全国200カ所にのぼる闘いとして大高揚し、これと結合した世界各地での闘いも大爆発した。とりわけ東京・新宿での闘いは、反原発・反失業の根源的な怒りと、今こそ「労働組合をよみがえらせよう」「社会を変えよう」という青年労働者・学生の自己解放をかけた闘いの息吹がしっかりと結合し、全体を牽引(けんいん)する戦闘性と躍動感に満ち満ちた闘いとなった。
 福島第一原発の大事故は今やチェルノブイリをも超える史上最悪の事態に発展し、深刻で危機的な状況が続いている。1〜3号機は大地震の直後から軒並みメルトダウン(炉心溶融)−メルトスルーを起こし、拡散する放射能は原発労働者と福島を始め広範な地域の労働者人民を被曝させ、大気・水・土壌・海や農畜産物、海産物の汚染を拡大している。事故処理にあたる労働者は基準をはるかに超える被曝労働を強制され、命を奪われている。子どもたちには「年間20_シーベルト」というとてつもない被曝線量が「基準」として押しつけられている。
 だが菅政権と日帝ブルジョアジー・東京電力は、現在進行中の事故と放射能汚染に対し、ウソと情報隠しを続け、何ひとつ解決策をもってはいない。まさに核・原発と人類は絶対に共存できない。そして今や核・原発なしに存在(延命)できない資本主義・帝国主義とスターリン主義の戦後世界体制は、完全に終わりを告げた。「子どもたちを放射能から守れ」「古里を返せ、人間を返せ、未来を返せ」というフクシマの怒りと叫びを共有し、社会を根本から革命する時が到来した。
 全原発の即時停止・廃炉を実現する闘いの鍵を握るのは、労働者・労働組合だ。電力労働者を始め、あらゆる職場の労働者、農民、漁民、全住民が生きるために団結し、立ち上がるなら原発を止めることは絶対に可能だ。すでに全世界的な反原発のうねりの中で、ドイツ、スイス、イタリアは原発政策からの撤退に追い込まれた。6・5−6・11の息吹と力を、6・19フクシマから8・6ヒロシマ−8・9ナガサキへとひとつに結び、反戦・反核・反原発の大闘争を巻き起こそう。

 大恐慌は「二番底」不可避

 大恐慌のただ中で、3・11に東北・関東を襲った巨大地震と、それが引き起こした東日本大震災・原発大事故が、今次大恐慌情勢、日本と世界の政治社会情勢、階級情勢を完全に一変させた。しかもこの大震災は、日本を完全に「震災恐慌」状態にたたき込み、それは「日本発大恐慌」として全世界的にリーマン・ショック以上の激しさをもって大恐慌をさらに促進している。このすべてが国家と資本によって引き起こされた階級的大犯罪(災害)以外のなにものでもない。
 今回の大震災を引き起こし、それをここまで深刻にしたのは、一方での30年間にわたる新自由主義と地方切り捨て、他方での原発促進政策の満展開にあった。新自由主義のもとでの膨大な労働者の非正規化、切り捨てと原発事故の爆発は完全に一体である。その意味で反失業・反原発の闘いはまさに新自由主義、帝国主義の戦後体制そのものとの真正面からの激突だ。
 こうした中で財務省が8日に発表した5月上中旬(1日〜20日)の貿易統計速報によれば、貿易収支は過去最大の1兆534億円の赤字(前年同期の3・2倍)に転落、経常黒字は前年同月比69・5%に落ち込んだ。特に貿易赤字における自動車は深刻で、輸出は前年同月比67・0%減、米国向けは23・3%減だ。日本からの部品供給の途絶が米GDPの約4%を占める自動車販売を直撃し、5月の米製造業の景況感指数は前月比で27年ぶりに急低下した。この中で米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は、米経済成長は「想定より遅い」「いらだつほど緩慢になりそうだ」と異例の表明を行った。米経済自身が今や「二番底」の危機に突入しているのだ。
 この大恐慌のさらなる激化の中で、震災解雇と大失業攻撃との対決が全労働者階級の闘いとして爆発していく。今こそ正規・非正規の分断をのりこえ、被災地の青年労働者を先頭に闘う労働組合をよみがえらせ、国鉄決戦と反原発・反失業闘争に総決起しよう。

 JRが「雇用」を即座に拒否

 本紙前号4〜5面の国鉄委員会論文は、6・5大集会−6・11反原発デモを闘いとったこの1年間の国鉄全国運動の地平を踏まえ、その先頭で奮闘してきた中身のすべてを注ぎ込んだ重要な路線論文だ。
 そこでは7月国労大会の歴史的決戦攻防の勝利に向け、@闘争団の組合員籍はく奪を狙う「規約改正」案への怒り、AJR再編情勢と国労本部の資本・権力の先兵化の全面的暴露、BJR体制打倒と反原発の戦闘宣言、C一切を平成採の獲得と階級の指導部建設にしぼり上げ、「中央委員会と細胞」建設(論)として総括していく党の変革と飛躍の課題が真っ向から提起されている。全面活用し7月国労大会決戦へ突き進もう。
 6月13日にJR7社は、政府による形ばかりの「雇用要請」を会社の総意としてその場で拒否した。同時にJR各社社長の連名で、大畠章宏国交相あての「雇用を拒否する」との文書も手渡している。まさにこれこそ「4・9政治和解」の反革命的な正体そのものだ。
 被解雇者の組合員籍はく奪を狙う「組合員資格」の問題は、戦後労働運動で一貫して争われ、闘い抜かれてきた階級性の根幹を問う問題であり、まさに「一人の首切りも許さない」闘いの柱をなしている。ところが、あろうことか戦後労働運動の基軸であった国鉄労働組合が、闘争団員から組合員資格を奪おうとしている。しかも「雇用ゼロ」が決定的となる中で、完全にこれと一体の攻撃として。

 JR体制打倒に総決起を

 国鉄分割・民営化と歯を食いしばって二十数年闘い抜いてきた国労組合員が、こんなことを認めるだろうか。断じて認めない。これとの闘いは国労はもとより全国鉄労働者、いや全労働者の課題だ。「解雇撤回」という労働組合の不動の原則を守り抜き、1047名闘争と国鉄全国運動の階級的死活をかけこの暴挙と全力をあげて闘おう。国労の転向・変質と連合化を断固粉砕しよう。
 さらに大恐慌と3・11情勢下で、体制崩壊の危機にあえぐ日帝・政府とブルジョアジーの絶望的な反動攻撃との攻防が、動労千葉を始め全戦線で激化している。
 動労千葉の組織破壊を狙う「佐倉運輸区」と「銚子運輸区」の新設や、京葉車両センター構内業務の外注化攻撃を打ち破り、動労千葉を先頭に、JR体制打倒−組織拡大へ総決起しよう。JP(日本郵便)の雇い止め解雇と闘う非正規労働者の偉大な決起に続こう。関西生コン支部への大弾圧を粉砕しよう。
 さらに政権の延命に汲々とする日帝・菅は、「辺野古V字案」による新基地建設と垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの普天間配備を、沖縄に押しつけようとしている。これは日米安保強化と朝鮮侵略戦争の攻撃であり、沖縄労働運動破壊を狙う攻撃だ。怒りを爆発させて決起する沖縄とともに、労組を先頭とした大反撃に立とう。
 国鉄決戦と反原発・反失業闘争の大爆発、菅政権打倒、プロレタリア革命勝利へ、夏期カンパ闘争に全力で取り組もう。5・20三里塚弾圧を打ち破った地平から、6〜8月決戦へ突き進もう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2492号1面2)(2011/06/20 )

 全国・全世界で100万人デモ

 反原発のうねり体制揺るがす

(写真左 仙台のデモに500人。「被災地からこんな社会変えよう!」)
(写真右 前橋で1000人がデモ。青年がマイクを握り、次々に歌い、訴えた)

(写真下 2万人が「原発止めろ!」 6月11日東京・新宿)

 反原発100万人大行動が6月11日、全国・全世界で一斉に開催された。福島原発事故で、膨大な人民に苦しみを強いている東電と政府への怒りが渦巻き、原発推進体制を揺るがした。
 (4面に各地の記事)
 東京では新宿や芝公園など3カ所で大規模なデモが闘いとられ、夕方には新宿駅東口のアルタ前に全勢力が結集した。
 昼の新宿デモでは青年を中心に2万人が決起。みな自前のプラカードやオブジェを持参し、怒りと思いを解き放った。
 警察権力はデモ隊を10個に分断したが、サウンドカーや鳴り物を先頭にしたデモは瞬く間にそれぞれ約1500人の隊列に膨れあがった。
 とりわけ労組交流センター青年部準備委員会を先頭とする活気あふれるデモ隊には、沿道も大注目だった。次々にデモに合流し、マイクを握って「フクシマを返せ」「闘う組合をつくろう」などと元気よく叫んだ。
 芝公園の集会には福島県教職員組合郡山支部がバスを仕立てて参加。女川原発反対同盟の阿部宗悦さんもかけつけた。
 被災地・仙台のデモには500人が集まった。全原発の停止・廃炉を求める1千万人署名も150筆を超えて集まった。
 大震災から3カ月たったが、被災現地は何も変わっていない。起きていることは、大量首切りと、「原発政策は維持する」という資本家と菅政権の開き直りだ。「こんな社会は変えなければならない!」。その怒りが爆発した。2歳の子どもと一緒に参加した女性は「こんな政府は終わらせて、私たちの政府を打ち立てよう」と訴えた。
 集会後のデモでは、「原発なくせ」「政府・東電、責任とれ」「東北電力、女川とめろ」「未来を返せ!」のコールが繁華街にこだました。
 この日は前段に、東北大学学生自治会の呼びかけで、東北大学片平キャンパス本部前で集会、デモを打ち抜いた。
 前橋市(群馬県)でも集会とデモが行われた。朝9時からの反原発学習会のあと、群馬県教育会館大ホールで集会が行われた。講演と農民、青年の切実な訴えは、400人の参加者の胸をうった。このあと、デモに出た。デモ隊の数は1000人に膨れた。5・1高崎の500人デモを引き継ぎ、超える決起だ。
 宣伝カーのマイクを使って青年たちが次々に歌い、訴えた。「被災地に行ってきた。福島の人たちのためにもぼくたちが原発をなくそう」「職場には外国人がたくさんいる。全世界の人と力を合わせていけば、必ず原発をなくせる」
 市内を一周したデモ隊は前橋公園野外音楽堂で総括集会。大成功を総括し、8月に第3弾をやることが呼びかけられた。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2492号1面3)(2011/06/20 )

 夏秋決戦勝利のため熱いカンパ訴えます

 全国の闘う労働者人民のみなさん! すべての『前進』読者・支持者のみなさん!
 革共同はこの夏秋の決戦に、全世界の労働者人民の先頭に立ち、大恐慌・大震災・原発事故という未曽有の情勢を世界革命に転化するために死力をつくして立ち上がります。
 これまでのあらゆる激動期を超える世界革命情勢が到来しています。すべてのみなさんが、あらん限りの力を振り絞ってカンパ闘争に総決起されることを訴えます。
 プロレタリア独裁権力の樹立に向かってまっしぐらに突き進むべき時代が来ました。福島原発事故に対して、これまで眠ってきた労働者階級の持つ巨大なエネルギーが爆発的に噴き出しています。小さな子を持つ父や母が、農民が、漁民が、労働者が根底的怒りをたたきつけています。これまでデモなどしたことのなかった人びとが街に出て、ネット上で、怒りを言葉と行動にして反動どもと果敢に対決しています。
 追い詰められた帝国主義者どもは、危機感をむき出しにして労働者階級人民に襲いかかっています。全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部に対する起訴、三里塚現地闘争本部破壊の反動判決と50人逮捕、そして動労千葉への拠点破壊攻撃。支配階級は全体重をかけて闘いの拠点を攻撃しています。
 最大の攻防は国鉄決戦です。7月の国労大会で国労本部は、闘争団を組合から排除し、国鉄分割・民営化との闘いの原点を最後的に捨て去ろうとしています。国労だけではありません。前原前国交大臣が「国鉄改革の完遂」を呼号したように、JRでのこれまでの労使関係を破壊し、さらなる労組解体・動労千葉破壊と外注化・非正規職化にたたき込もうというのです。
 私たち革共同は、国鉄1047名闘争をめぐる昨年4・9政治和解に対し、動労千葉を先頭とする労働者階級人民と共に「国鉄闘争全国運動」の成功に全力をあげ、素晴らしい陣形と闘いの前進をもって6・5集会を大成功させました。しかしここからが本当の正念場です。わき上がる労働者階級人民の怒りを組織し、闘う労働組合をよみがえらせることができるか否かに日本革命・世界革命の成否がかかっています。
 すべてのみなさん! 戦後革命期の闘いを引き継ぎ、その敗北をのりこえて進む時がついに来ました。革共同は結党以来の全存在をかけ、革命の勝利をもぎりとるためにこの夏秋決戦に死力をつくします。みなさんの燃えたぎる怒り、熱い思いに革共同は必ず応えます。
 全力の夏期カンパを心からお願いします。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2492号1面4)(2011/06/20 )

前進速報版から 前進速報版から

▼JP労組大会に怒りのコール▼中国・広州で労働者民衆十数万人が暴動▼ソウルで大学授業料の半額化求め2万人がロウソク集会

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2492号2面1)(2011/06/20 )

 「雇用ゼロ」で組合員籍も剥奪 国労を資本に売る本部打倒を

 国労全国大会めぐる決戦課題

 7月28−29日に行われる国労第80回定期全国大会は、日本革命の行方を決する重大な激突点となった。大恐慌下における東日本大震災と原発事故は革命情勢を成熟させつつある。労働者・農民・漁民は生きぬくために変革を求めて急速に行動を開始している。それが革命的に爆発するか否かは、国鉄決戦にかかっている。国鉄闘争全国運動の6・5大集会は1780人の結集とものすごい集中力でかちとられた。動労千葉は資本の激しい攻撃に対し、青年部建設を軸に勝ちぬいている。最大の勝負は、国労がJR体制の最悪の先兵となることを許さず、闘う労働組合につくり変えることである。

 JRの大再編で会社の先兵と化す国労指導部

 今大会で国労本部は、国労を大転換させようとしている。それは、核心的・本質的な次元での階級移行とも言うべき転換である。それを、現場組合員に隠し、だまして進めようとしているのだ。
 第一は、1047名闘争を「雇用なし」で終わらせ、解体する策動だ。
 昨年の4・9政治和解は、@すべての訴訟の取り下げ、A不当労働行為や雇用について二度と争わない、B雇用確保は保証しない、という3条件を闘争団全員に誓約させ、個々人に署名まで強いるものだった。
 しかし4者4団体幹部は、その際「雇用・年金・解決金の3点セットは絶対譲らない」と何度も確認しなければならなかった。そうしたペテンを用いなければ、誰の同意も得られなかったからだ。だが、国労本部を始めとする4者4団体は、ここに来て一気に「雇用ゼロ」で闘争を解体しようと動き出した。6月10日に民主、社民、国民新の3党が雇用について政府に申し入れを行い、13日に国土交通省の津川政務官がJR7社の担当役員に文書を手渡した。JR7社は、その場で「採用を考慮する余地はない」と突っぱねた。
 国鉄闘争共闘会議の二瓶議長は「6月16日を区切りに雇用に決着をつける」と言ってきた。16日を期して東日本エリアのすべての地区で報告集会を行い、24日に国鉄闘争共闘会議と国労旧原告団が総会を開き、その後JR東日本の経営するホテルエドモントで「感謝の集い」を開催する。16日までに「回答」が出ることを見越したこの全プランは、4者4団体が会社や政府と「雇用ゼロ」ですでに合意していることを物語っている。
 こんな労働者をなめきった策謀が許せるか!
木っ端みじんに粉砕しよう。すでに闘争団の中から「いったいどうなっているのか」「だまされたような気持ちだ」と怒りと不信が表明されている。「雇用ゼロで打ち切り」が強行されたら、闘争団は生きる道を失う。
 第二は、極秘に進めてきた「国労規約改定案」を大会で突如、決定しようとしていることだ。
 現行規約では組合員資格を「JRとその関連企業を基本にした労働者」と定めている。それを「JRとそのグループに雇用された労働者」に改悪する。解雇されたら組合からもクビになる――こんなものは労働組合ではない。
 しかも、これほどの重大な転換を1万組合員から隠してほんの数人の役員だけで決めている。現場組合員が知った時にはすでに決定済みというクーデター的やり方で、規約改定を強行しようとしているのだ。
 第三は、会社主導のJR大再編の中で、会社の先兵になろうとしていることである。
 大会に提案される運動方針案は、「真に健全な労使関係の確立と特定の集団の影響を排したまともな労働組合の存在を求めるJR会社内外の客観的条件は一段と成熟しつつある」と言う。「特定の集団」とはJR総連カクマルのことだ。JRがカクマルと手を切ろうとしていることに有頂天となり、“国労は会社とタイアップできる組合に生まれ変わります”と売り込んでいるのだ。
 方針案はまた「JRにおけるこれまでの運動と組織について真摯(しんし)に総括と検証を加えながら、今後進むべき運動の方向性や組織のあり方を真剣に検討する」として、従来の国労の歴史的清算を公言した。
 ではどんな組合にするのか。方針案は「企業の社会的責任やコンプライアンスの確立など企業内外で全社的なチェック機能を果たしうる健全な労使関係を築く」と言う。会社を守り発展させるための組合になる、ということだ。解雇された組合員の資格は奪い、解雇した側の会社は守る。こんな「闘いの基調」があってたまるか! まさに分割・民営化の時の動労カクマルと同じ道だ!
 「原子力を利用し続ける以外に日本の活路はない」と叫ぶ葛西敬之らJR経営者の完全な手先となろうとする以上、国労本部はJRに対する一切の抵抗を根絶やしにし、資本に身の証しを立てなければならない。組合員籍を奪われようとしているのは、闘争団員だけではない。国労本部は、JR内でJR資本と闘う組合員をも追放しようとたくらんでいる。
 さらに方針案は、東日本エリア本部が進める総合労働協約締結交渉に言及し、他のエリアでも「(労働協約)改定交渉において……具体的な制度の改善がはかられている」と言う。「交渉強化」を強調する意味は、今後は幹部と資本が密室の交渉で決めたことを組合員に強制していくということだ。国家公務員賃金10%削減で突破口が開けられ、公務員制度改革で全面化しようとしている「交渉」による賃下げ・首切りの攻撃を、国労本部は率先して担おうとしているのだ。

 革命勝利の展望をかけダラ幹との徹底対決へ

 この策動を粉砕する歴史的決戦は始まった。それは第一に、労働組合とは何か、何のためにあるのかをめぐる激突だ。
 動労千葉の故中野洋顧問は、「動労革マルや国労民同・革同とわれわれとでは、まずやはり、労働組合観が全然違った。労働組合運動に対する認識が全然違ったということです。当たり前のことではあるけれど、労働組合とは幹部のものではなく組合員のものです。労働組合は、資本・当局のあらゆる攻撃に対して組合員の階級的利益を守るために、団結して闘いぬくものです」「僕は書記長の時から『民同労働運動を乗り越えるというのはどういうことか』と考えていました。それは根底的には、動労千葉に結集している労働者の階級性、本来労働者が持っている力を掛け値なしに全面的に信頼し、それに依拠して闘うということです」(『俺たちは鉄路に生きる2』)と述べている。
 これはマルクス主義の復権の闘いそのものである。革共同は62年の三全総で、60年安保闘争と三井三池闘争を総括し、反スターリン主義・革命的共産主義に立脚した組織と運動でそれをのりこえる路線を確立した。その時、第一の任務に据えたのは「戦闘的労働運動の防衛」だった。当時、最大の課題は民同・日共ダラ幹から現場労働者の戦闘的な怒りと行動を防衛することだった。つまり日本階級闘争の歴史と現実を塗り替える展望を、徹底的に現場労働者の団結と自己解放闘争のエネルギーに据えたのだ。
 現場労働者と議論し、現場労働者の怒りと欲求に依拠した闘う労働組合を、今こそつくり出そうではないか。
 この決戦は第二に、新自由主義をめぐる激突である。
 中野顧問は、国鉄分割・民営化をどう認識するかについて、カクマルおよび国労指導部と動労千葉の違いを次のように述べている。「敵の危機にかられた攻撃を『冬の時代』と考えて敵の陣営に加わるのか、『これに逆らったら大変だ』と考えてたこつぼに入るのか、それとも労働者階級にとってのチャンスだととらえるのか、という違いが明確にあったということです」(同上)
 国鉄分割・民営化は戦後最大の労働運動解体攻撃であり、階級関係の大転換を狙う攻撃だった。実際、わずか6年間のうちに20万人の労働者が職場を追われ、200人が自殺に追い込まれ、この攻撃によって総評・社会党が解体された。それ以降、郵政民営化や社保庁解体が強行され、現在、民営化と外注化、非正規職化の攻撃はすさまじい勢いで吹き荒れている。
 しかし、国鉄分割・民営化以来の新自由主義は、全面的に破綻した。その最たるものが原発事故だ。福島原発事故は、これからさらに深刻な事態に入っていく。にもかかわらず日本帝国主義は国家戦略の柱としての原発にすがりつく以外にない。原発への労働者の怒りは一層激化し、生きるための根源的要求に根ざす反原発の闘いは、ますます資本主義と徹底非和解なものになっていく。
 今や日帝支配階級は分裂と抗争に明け暮れ、まともな政治体制を確立することもできない。この時、闘う労働組合を媒介に労働者の積年の怒りに火がつけば、間違いなく日帝を打倒できる。そこに向けた闘いとして1047名闘争と国労を位置づけた時、大きな革命的展望を描いて闘う道が開かれるのだ。
 ところが国労本部は、階級攻防が煮詰まる中で、資本と一緒になって労働者の闘いを抑え込むことに延命の道を求め、資本と癒着することで反動的かつ軽薄に「活気づいて」いる。彼らに労働者の指導部の資格はまったくない。

 “おれたちこそ主流派”という精神で闘おう!

 すでに全国で代議員選が激突的に闘われている。その地平に立って闘いの方針を提起したい。
 第一に、国労大会をめぐる決戦は幹部の攻撃から身を守る防衛戦ではない。圧倒的に攻勢的な闘いだ。真に1047名闘争を闘い、JR体制に立ち向かって打倒するのはおれたちだという主流派精神で闘うことが鍵だ。
 第二に、闘いの中身は徹底した組織戦である。闘争団を含め、現場組合員が団結し合流する絶好機が今なのだ。国労本部が裏で進めている悪事のすべてを暴露し、「闘う国労を一緒につくろう」「おれたちが国労本体だ」と呼びかけよう。
 重要なことは、国労の幹部はどうしようもなく腐っているが、現場の組合員は絶対に信頼できるということだ。もちろん長きにわたる闘争過程でさまざまな困難を抱えている人が多い。しかしそれでも国鉄労働者である限り、資本への怒り、闘争団との義理・人情、そして闘う国労に対する思い入れは必ずある。粘り強く繰り返し提起する中で、必ず突破口をこじ開けることはできる。
 平成採の決起が全体の怒りに火をつける可能性は十分にある。どの組合に所属していようが、契約社員であろうが、JRで働く全労働者を対象に労働者として誇りをもって闘う道を訴えよう。
 第三に、拠点建設・細胞建設である。この決戦を拠点建設の決戦と位置づけ、細胞建設を前進させる方向で闘った時、絶対に勝利できる。新しい仲間の結集は組織全体を活性化させ、闘いを何倍にも強める。この過程を細胞建設の意識性を貫き闘おう。それが勝敗を分けるのだ。国労原告団物販を水路に「共に闘う国労の会」300人を建設することが、この決戦の最大の武器だ。
 革命の成否をかけて、7月国労大会に至る大決戦を闘いぬこう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2492号2面2)(2011/06/20 )

 和解拒否闘争団 鉄建公団訴訟 最高裁上告棄却を弾劾する

 解雇撤回貫きJR体制打倒へ

 6月7日、最高裁は4・9政治和解を拒否した国労闘争団員の羽廣憲さん、成田昭雄さん、石崎義徳さんを原告とする鉄建公団訴訟で、上告棄却の超反動決定を出した。これは、全日建運輸連帯労組関西生コン支部や三里塚闘争への弾圧と並ぶ、震災情勢下での階級闘争絶滅の攻撃そのものだ。この最高裁の大反動を徹底的に弾劾する。
 3原告は、90年4月1日の国鉄清算事業団による1047名解雇を有効とし、解雇撤回の訴えを退けた東京高裁の09年3・25判決に対し、国鉄改革法そのものが違憲だと主張し、真っ向から闘ってきた。これに対して最高裁は、憲法判断から逃げ、「上告審として受理しない」という門前払いの決定を下したのだ。
 すでに最高裁は、JR採用差別訴訟で03年12月に「国鉄とJRは別法人」という法的虚構を盾に、「JR不採用についてJRは責任を負わない」という反動判決を出している。これに加え、最高裁は今回、「90年解雇は有効」とした二審判決を是認することで、本質的に旧国鉄(鉄建公団−現鉄道運輸機構)の不当労働行為責任も免罪した。「不当労働行為による解雇は無効」という労働法の大原則を、徹底的に踏みにじったのだ。
 これは、社会保険庁解雇を典型とする国鉄型の解雇を容認し、資本に大失業攻撃をけしかけるすさまじい反動だ。
 だが、今や最高裁を始めとする司法の「権威」は地に落ちている。福島原発事故に対する労働者人民の怒りは激しく噴出し、巨万の闘いとなって渦巻いている。その怒りは、東京電力や政府、高級官僚、御用学者だけでなく、原発を巡る幾多の訴訟で「原発は安全」という反動判決を繰り返してきた最高裁にも向けられている。そのただ中で最高裁は、「JR資本と電力資本の番犬」としての反動的正体を再びむき出しにした。
 権力と資本は、反原発の巨大な怒りと国鉄闘争が結合することを心底恐れている。だから最高裁は、6・5大集会の前には決定を出せず、その直後にそそくさとこの反動決定を下したのだ。
 JR総連カクマルとの結託体制の清算を図るJR資本は、国労本部の一層の転向と屈服を取り付け、それをテコに労働者支配の大再編に踏み込もうとしている。国労本部はその中で、カクマルに代わってJR資本との蜜月関係をつくり出せると夢想し、「雇用ゼロ」での1047名闘争の解体と、闘争団員の組合員籍を奪う国労規約の改定という歴史的裏切りに踏み切った。今回の最高裁決定は、国労本部ら4者4団体の一層の裏切りを引き出そうとするものだ。
事実、JRは雇用を一切拒否し、国労本部はそれに全面屈服している。
 原告団と弁護団は、解雇撤回まで闘うことを直ちに表明した。1047名の解雇撤回はJR体制と徹底対決することによってのみかちとれる。その闘いに敵対する国労本部を打倒する決戦も激しく開始された。最高裁決定を跳ね返し、職場からJR体制と闘い、国労大会決戦に攻め上ろう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2492号2面3)(2011/06/20 )

 動労千葉 “組織破壊攻撃許さぬ”

 基地再編・外注化阻止へ集会

 JR千葉支社は6月10日、運転基地の再編と京葉車両センターでの業務外注化提案を行った。これに対して動労千葉は16日、直ちに「基地再編攻撃絶対反対!外注化阻止!組織拡大!」を掲げて総決起集会を開いた。
 この日までに各支部執行委員会、職場集会を積み重ねた組合員が、続々とDC会館に結集した。
 千葉支社の提案内容は@「佐倉運輸区」(250人規模)を新設して千葉運転区、銚子運転区、千葉車掌区、成田車掌区の一部業務を移管、A銚子運転区を廃止して「銚子運輸区」(100人規模)を新設、銚子運転区、千葉車掌区、成田車掌区の一部業務を移管。佐倉運輸区、銚子運輸区ともに来年3月末運用開始、B京葉車両センターにおける構内業務の一部を千葉鉄道サービスに委託する。実施は10月1日、というものだ。
 総決起集会で田中康宏委員長は「今回の基地再編は、当局の東労組カクマル切り捨ての動きとも連動した国鉄分割・民営化以来、最大級のもの。銚子運転区だけじゃなく千葉運転区や他の運転職場からも大量の異動が発生する。動労千葉に対する組織破壊攻撃を狙っていることは間違いない」と述べた。さらに京葉車両センターでの一部業務外注化についても「間違いなく検修・構内業務全面外注化の開始だ。ありとあらゆる手段を使って止めよう。それはまったく可能だ」と訴えた。
 当該支部を代表して銚子支部の渡辺靖正支部長が「ローカル線全面切り捨ての始まりだ。地域を丸ごと組織し“動労千葉ここにあり”という闘いをやる」、千葉運転区支部の大野茂支部長も「千葉運転区支部への大攻撃だ。組織破壊を絶対に許さない」と決意を表明。京葉支部の青年組合員は「全力でぶつかっていく。外注化を止めて職場を守る」と、幕張支部の山田護支部長は「組織拡大で外注化を止める」ときっぱりと宣言した。
 基調提起した長田敏之書記長は「外注化こそ会社の根幹的政策だ。労働組合が闘えば外注化は阻止できることを示そう」と檄(げき)を発した。
 いよいよ激突が始まった。動労千葉の組合員は16日の総決起集会で総力を挙げた決戦態勢に突入した。
(写真 佐倉運輸区・銚子運輸区新設と外注化攻撃への総反撃を訴える田中委員長【6月16日 千葉市】)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2492号2面4)(2011/06/20 )

 公務員制度改革粉砕へ

 争議権なしの「交渉」で屈従強要 労働基本権の全面的な解体狙う

 ストライキ権を実力奪還しよう

 6月3日、政府は国家公務員給与10%削減法案とともに国家公務員制度改革関連法案を閣議決定し、国会に提出した。菅民主党政権と連合・公務員連絡会の共同作業として進められている公務員労働者に対する歴史的攻撃は、争議権(ストライキ権)はもとより団結権、団体交渉権を含む労働三権を規定した憲法第28条総体を解体する6千万労働者への階級戦争であり、国鉄闘争解体を狙った「4・9政治和解」反動の全社会化だ。
 両法案提出は、5月23日の政府と公務員連絡会との合意に基づく。政府と公務員連絡会は昨年11月1日から秘密裏に交渉を進めてきた。これは5月末の自治労中央委員会で徳永委員長から公にされた。賃下げ合意は「震災復興」のためなどではなく、公務員人件費2割削減と公務員制度改革のためだったのだ。しかも労働基本権の回復ではなく全面的剥奪(はくだつ)の大反動なのだ。
 大恐慌と震災情勢のもと、放射能汚染、財政破綻、1千万人失業が進行している。日帝は延命をかけて新自由主義の極限的・絶望的エスカレーション、道州制・民営化・外注化による公務員360万人首切り・総非正規職化、労組解体の攻撃を強めている。労働者の根底的な怒りを爆発させ、国鉄1047名解雇撤回闘争を軸に公務員決戦、4大産別決戦の爆発で日帝打倒に突き進もう。

 人事院廃止し内閣一元管理

 公務員制度改革関連法案は第一に、内閣から独立した「第三者機関」としてあった人事院を廃止し、国家公務員の人事と賃金・労働条件をすべて内閣(内閣総理大臣)が一元的に管理する内閣独裁制のもとに移行させ、国鉄型・社保庁型の公務員首切り・民営化・非正規職化と賃下げをなんの制約もなしに断行することを狙う大攻撃である。
 現在、社保庁労働者525人の分限免職処分に対して、形式的とはいえ内閣や省庁から独立した人事院に不服申し立てが行われ、不当解雇撤回の公平委員会闘争が全国で闘われている。人事院が廃止され内閣府の人事公正委員会によって審理が行われるならば、いわば首を切った張本人に不服を申し立てることになる。国家公務員労働者の生殺与奪の権限がすべて内閣(当局)の手に握られるのだ。
 公務員制度改革関連法案は第二に、すでに賃下げ勧告を連発し公務員賃金削減のシステムと化していた「民間準拠」の人事院勧告制度すら廃止し、争議権(ストライキ権)を奪ったまま「交渉によって人事、賃金・労働条件を決定する」ことで、民間以上にいくらでも首切り・賃下げと権利剥奪、非正規職化ができるようにする大攻撃である。
 労働三権の核心である争議権を奪ったまま「交渉で決める(決めさせる)」などということはとんでもないことだ。労働組合法は、正当な争議行為は刑事罰や損害賠償・解雇の対象とはならないと規定している。争議を禁止し、労働者の抵抗権を認めずに付与される「労働協約締結権」とは労働者に人事・賃金の全般にわたって奴隷的屈従を強いることにほかならない。
 さらに法案は、交渉決裂・不調の場合をも想定し、中央労働委員会のあっせん、調停、仲裁を条文化している。現場の抵抗を許さず、国家意思への屈服を労働組合に強制しようとしているのだ。
 昨年夏の国会で「公務員の生首を飛ばし、出来の悪い公務員の賃金を2分の1、3分の1にする」というおぞましい審議が政府・与野党間で行われた。まさにそれが現実になる。7月国労大会での「規約改正」による闘争団員の組合員籍剥奪や、新人事・賃金制度受け入れ、総合労働協約締結とまったく同じ階級的大裏切りが、連合・公務員連絡会によって全面化しようとしているのだ。
 公務員制度改革関連法案は第三に、労働組合法の全面否定に至る労働組合認証制度を導入する超反動攻撃である。

 団結権否定の組合認証制度

 労働組合法の条文を見るまでもなく、本来、労働組合は労働者が団結して資本や当局(国家)に立ち向かう武器である。その要件は、労働組合を結成し加入する労働者自身の自主的決定に委ねられている。当然にも当局や資本による不利益取り扱いや支配介入は許されず、労働組合の求めに応じて団体交渉を行わなければならない。労働者の団結権と団体交渉権を否定する不当労働行為は断じて許されない。
 ところが国家公務員制度改革関連法案の一つ、「国家公務員の労働関係に関する法律案」は、規約や組合員の構成比率、会計報告などありとあらゆる条件を付けて「労働組合の要件」を引き上げ、中央労働委員会の認証なしには団体交渉すらできなくしている。
 「認証なし」をもって団交拒否の不当労働行為も合法化され、組合員に対する不利益取り扱いや支配介入もまかり通ることとなる。合同一般労組に加入する公務員労働者は最初から団交権を奪われてしまう。
 公務員労働者に対する労働組合認証制度の導入は、労働三権(団結権・団体交渉権・争議権)を核心とし労働者の権利擁護を建前とする戦後労働法制、労働組合法の解体の突破口として位置づけられていることは明白である。公務員制度改革と労働組合解体、不当労働行為の横行をもって、公務員360万人首切りから全労働者に対する1千万人大失業・9割非正規雇用化の攻撃が一気に進められることとなるのだ。まさに「4・9政治和解」反動の全社会化であり、震災情勢下の道州制・労組絶滅攻撃への踏み切りである。

 職場から労働運動の再生を

 しかし、現場に怒りは逆巻き、生き抜くために闘う被災地の労働者を先頭に、反原発・反失業の闘いが巻き起こっている。自治労・日教組傘下の現場において、国鉄闘争全国運動と結合して公務員賃金削減絶対反対、公務員制度改革粉砕・連合打倒の闘いの火の手が上がっている。連合支配はグラグラだ。
 国鉄1047名解雇撤回、反失業・反原発大闘争の爆発へ、公務員労働者は先頭で決起しよう。スト権は与えられるものではない。実力で奪い返すものだ。日帝ブルジョアジーと一心同体となって新自由主義の腐りきった先兵と化した連合派幹部と激突し、労働組合の再生と荒々しいストライキの復権をかちとろう。全国の職場で闘う労組青年部を再建しよう。
 〔大迫達志〕

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2492号3面1)(2011/06/20 )

 動労千葉夏季物販に取り組もう

 1047名解雇撤回と国鉄全国運動の発展へ

 被災地の怒りと結びついて

 国鉄闘争全国運動の発展をかけて、動労千葉夏季物資販売を全力で取り組むことを訴えます。
 大地震から3カ月が過ぎた被災地では、今も生きるか死ぬかのギリギリの闘いが続いている。震災解雇は日増しに深刻さを増し、大量の失業者を生み出している。
 被災地の怒りは新自由主義の支配を吹き飛ばして激しく噴出し、怒りの行動が全国に広がっている。その中心には、自らも被災していながら、被災者の生命と生活を守るため、労働者の誇りにかけて懸命に奮闘し続けている4大産別の労働者がいる。
 また放射能汚染は、日を追うごとに恐るべき実態が明らかになり、労働者人民の生命を脅かしている。福島第一原発の労働者は、被曝線量限度が年間250_シーベルトという殺人的な労働条件のもとで、メルトダウンと必死に闘っている。
 これらの怒りや行動と全力で結びつき闘おう。
 動労千葉は大震災後、直ちに「声明」を発し、東日本大震災救援対策本部を設置し、仙台市役所・動労千葉を支援する会の仲間を中心に現地本部をも立ち上げた。そして「震災解雇を許すな! 国鉄1047名解雇撤回! 反失業大闘争」の労働相談を開始した。同時にフクシマへも駆けつけ、「原発問題は労働組合の問題だ」という見解を直ちに打ち出した。
 原発は、外注化による非正規職労働者の被曝労働を前提として、初めて成り立っている。労働組合が外注化と非正規化に協力しなければ原発は成り立たない。これに協力する連合労働運動は犯罪そのものだ。
 だから労働運動の立場から、学校での被曝線量の暫定基準を年間20_シーベルトとする文科省通知と闘うフクシマの労働者とつながる道を必死で模索し続けた。
 1047名闘争は、この怒りと結びつく質を絶対に持っている。われわれは、6・5集会で被災地と怒りを共有し、多くのものを学んだ。
 次は物販闘争だ。動労千葉物販で労働者の中に分け入ろう。怒りに燃え立ち上がった労働者からトコトン学び、大震災情勢に通用する国鉄闘争の路線を生み出そう。大震災情勢下の国鉄決戦で労働運動を再生させよう。
(写真 被災地の闘いと1047名闘争が一つになった6・5国鉄大集会。インターナショナルを斉唱【日比谷公会堂】)

 動労千葉破壊狙うJR再編

 JR東日本会社は6月1日に佐倉運輸区、銚子運輸区の新設を提案した。JR発足以降、最大の基地再編であり、銚子運転区・千葉運転区廃止を狙った大攻撃だ。
 千葉駅は構造上の問題があり、列車の運行が乱れると列車の待避場所が無く、NEX(成田エクスプレス)がたびたび止まる事態が発生している。「NEXだけは絶対に遅らせない」は、JR千葉支社の至上命題だ。そのため佐倉駅にある3本の電流線を利用して、佐倉駅を折り返し駅にすることで問題を解消するというのだ。
 これは、JR東が推進している東京70〜80`圏スルー運転構想におけるローカル線分離・削減計画そのものだ。佐倉駅を折り返し駅にすることで、千葉駅折り返しを無くし、千葉運転区を廃止する攻撃だ。そして佐倉以東をローカル線として切り捨てるのだ。
 同時に提案された京葉車両センター構内業務外注化と合わせて、新賃金制度導入、検修構内業務全面外注化攻撃と一体の本格的な動労千葉破壊攻撃が開始されている。これが「4・9政治和解」だ。
 重要なのは、この動労千葉破壊攻撃がJR東日本とJR東労組・カクマルとの結託体制の崩壊過程と混然一体となってJR大再編過程として進行することだ。それはカクマル切り捨てを意味する。だがカクマルの無血開城はあり得ない。東労組と当局との団交で対立は表面化し始めている。
 結託体制のもとでJRは、平成採青年労働者を階級闘争から隔離してきた。この結託体制の崩壊は、いや応なく平成採青年労働者を階級闘争の渦の中にほうり込む。平成採青年労働者の大流動、大分岐は不可避だ。
 したがって、佐倉運輸区・銚子運輸区新設攻撃は、東労組・カクマル切り捨てと平成採青年労働者の大流動と一体の過程として進展する。それは千載一遇の好機であると同時に、全反動が動労千葉破壊の一点にかけて押し寄せてくる点で、組織存亡をかけた決戦だ。
 結託体制のもとでは東労組・カクマルが動労千葉破壊を担ってきた。今度はカクマルに代わり、国労本部が動労千葉破壊の前面に出てくる。それが「4・9政治和解」だ。
 国労本部は、7月の国労大会で組合員資格登録の規約改定を行い、国労闘争団からの組合籍を剥奪(はくだつ)しようとしている。雇用問題も震災を理由に打ち切り、1047名闘争を切り捨て、JR連合への合流に踏み切ろうとしている。
 国鉄闘争全国運動で打ち立てたヘゲモニーを絶対に手放してはならない。全力で動労千葉物販闘争に決起し、国鉄闘争全国運動を基軸に職場で闘い、大震災情勢下での労働運動の再生を闘いとろう。動労千葉破壊攻撃を許さず、新たな国鉄大決戦に打って出よう。

 路線を生み出し職場闘争を

  国鉄分割・民営化攻撃は、国鉄労働運動を根絶し、総評を解体し、戦後労働運動を一掃する攻撃だった。動労千葉は、この攻撃に対し2波のストライキに立ち上がった。
 クビをかけてストライキを闘い、1047名闘争を生み出した動労千葉を、日本の労働者階級は圧倒的に支持した。それは当時全国で行われた映画『俺たちは鉄路に生きる』の一連の上映会に、2万人にのぼる労働者が結集したことに示されている。
 それらの労働者は、日本労働者階級の最も戦闘的でアクティブで良心的な労働組合活動家層であった。彼らは「国鉄分割・民営化攻撃が日本の戦後労働運動の根絶攻撃である」という正しい時代認識を持っていた。そしてストライキに決起した動労千葉の闘いに路線的展望を見いだし結集してきていた。このとき「路線と時代認識」が問われたのは、実はわれわれの側であった。
 この2万人にも及ぶ日本労働者階級の最も良質な部分と結びついて十分には闘い得なかった。革共同の「党の革命」はまさに階級的労働運動への変革であり飛躍であった。これが中野洋前委員長が言った「路線と時代認識」の本当の意味だ。
 ようやく今、われわれは国鉄闘争全国運動を基軸として打ち立てるところまで来た。1047名闘争の解体に危機感を持って立ち上がる労働者と、大震災情勢下で立ち上がる労働者の怒りと、今度こそ心をひとつにして闘おう。
 動労千葉破壊攻撃は、大震災情勢下での労働者の怒りの決起に対する資本の恐怖だ。だから新たな国鉄決戦に勝利する力もまた、大震災情勢下で立ち上がる労働者の怒りと1047名闘争との結合の中にある。
 中野前委員長は反合理化・運転保安闘争路線の核心について言っている。「労働者が本当に立ち上がるときには、あらゆる統制を吹っ飛ばして立ち上がっていくんだ」
 「統制」とは資本や既成指導部によるものだけではない。路線の枠の中に労働者を無理やり押し込むことも含まれる。それは逆に労働者の痛烈な反発を買い、多くの支持者の離反を招き、阻害物として吹き飛ばされるだろう。
 労働者の怒りの行動と結びつくことで、大震災情勢下に通用する路線も生まれる。
 怒り、人の喜怒哀楽とは、マルクスの言葉を借りるなら「欲望」ということだ。喜怒哀楽をともなわない欲望を想定するのは観念的絵空事と言うほかない。だから喜怒哀楽をともにして闘うというのは、マルクス主義の最も根源的原点だ。労働者の「階級利害」を体現するということだ。
 もちろん怒りだけでは勝てないのも真実だ。同時に怒りなくして何も始まらないのも真実だ。
 労働者と喜怒哀楽をともにし、職場闘争の中でともに鍛えられ成長し、一緒に学んで、自分たちの産別・職場に通用する生きた路線を生み出していこう。重要なのは、一人ひとりの労働者が背負っている人間関係や歴史的体験からくる思いを尊重し、本当に本音で話ができる関係をつくることだ。それが国鉄闘争全国運動だ。物販はそのための最高の武器になる。
 労働者は、あらゆる統制を吹き飛ばして立ち上がりつつある。被災地の怒り、フクシマの怒りと結合し大震災情勢下の国鉄大決戦に立ち上がろう。職場闘争を全力で闘い、労働組合の再生を実現しよう。動労千葉夏季物販闘争に総力で取り組もう。

   ◇販売品目◇    (円)

1 天津甘栗       500
2 焼カシューナッツ   650
3 あずき甘納豆     500
4 もずくスープ     550
5 チーズ入りかまぼこ  700

6 ポケットチーズ    900
7 ドライフルーツミックス 650

8 ワンピースバスタオル1600
9 北海道レアチーズケーキ 950
10 種ぬきプルーン    900
11 野菜・果汁ジュース 1300
12 フルーツガトーセット2000
13 水ようかん詰め合せ 1500
14 クリームサンドクッキー 1000
15 黒ウーロン茶    1200
16 ししゃものくんせい  900
17 静岡茶        650
18 即席みそ汁     1300
19 野菜たまごスープ  1300
20 どんこ       1000
21 ひじきのふりかけ   850
22 あさりの佃煮    1300
23 くずきり3種    1300
24 食べるらー油     550
25 ブレンドコーヒー   900
26 もりおか冷麺    1100
27 寒干しラーメン   1300
28 長浜ラーメン    1200
29 北信濃手折りそば  1700
30 島原てのべそうめん 1300
31 稲庭うどん     2000
32 博多冷し中華    1200
33 梅にんにく     1300
34 日高昆布      1000
35 ひじき(房総産)   650
36 根昆布しょうゆ    600
37 天然だしパック   1300
38 ナガイの焼のり   1700
39 紀州南高梅     1500
40 ビーフカレー    3000
申込先/動労千葉協販部 TEL 043(227)7833 FAX 043(227)8125

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2492号3面2)(2011/06/20 )

 泉佐野市 20%の賃金削減許すな

 怒りを7・3関空反対闘争へ

 泉佐野市で新市長・千代松大耕による市職員賃金20%削減攻撃との決戦が闘われている。震災情勢下、全国でも突出した新自由主義攻撃との闘いだ。市職労働者の怒りを解き放ち階級的労働運動を打ち立てる決戦として泉州地区委員会は闘う。

 関空破綻のツケを押しつけるな

 千代松市長は4月24日「市職員給与20%削減の条例案を労使合意ができなくても議会に出す」と述べた。この賃下げ攻撃は、関西国際空港の破綻でできた泉佐野市の借金を市職労働者に押しつけ、首を切り、労組を壊滅させる攻撃だ。資本家階級は関西経済の浮揚のために関空に総力を挙げてきたが、関空は1兆3千億円の借金を抱えてボロボロだ。泉佐野市は1700億円もの関空関連事業で資本を大もうけさせ、1200億円もの借金を抱えた。その付けを全部労働者・住民に回してきた。その最たるものが20%賃下げだ。
 この攻撃はまた、菅民主党政権と連合・公務員連絡会が合意した国家公務員給与10%削減・国家公務員制度改革攻撃を全国自治体の最先端で強行するものだ。震災情勢下の絶望的な新自由主義攻撃、道州制・民営化・公務員360万人首切り・総非正規職化の攻撃だ。
 5月冒頭、国賀祥司議員は「給与20%賃下げに断固反対! 千代松新市長に対して闘おう!」と呼びかけた。しかし泉佐野市職労(自治労連)と自治労泉佐野市職の幹部はまったく闘わない。
 関西労組交流センターと国賀議員は、市職労働者800人の怒りと闘いの意欲に直接結びつく闘いに入った。労組交流センターのビラを市役所と保育所、出先機関に配り、「絶対反対の団結をつくろう。ストライキで闘おう」と呼びかけた。
 市職労幹部は5月17日、数十人の組合員を外で待機させ、団交に臨んだ。発言したのは幹部2人だけ。3時間もの交渉で「20%カットを撤回せよ」とは一言も言わず、「なぜ20%カットなのか、私らを納得させる根拠を出してくれ」と哀願。「市民要望に応える事業の財源のために公に仕える者として20%カットに協力せよ」という市長の暴言を引き出した。
 自治労幹部は24日の団交で「市を良くするために働く者として、たとえ20%カットされることがあったとしてもモチベーションを下げることなく働く」と最後に表明し、市長に感謝された。
 われわれは自治労連・自治労幹部の屈服・裏切りを暴露・弾劾し「20%カット絶対反対」「現場から闘う労働組合につくり変えよう」と呼びかけた。市職労内部から批判がわき出てきた。
 このなかで市職労は5月19日、組合ニュースで初めて「20%削減提案を撤回せよ」と打ち出し、職場署名、怒りの声アンケートを開始した。24日には公開団交を拒否し、市長への直接抗議行動を始めた。自治労も26日の第2回団交で決裂した。

 市長も13万円で生活してみろ!

 職場には、生存権を奪い、労働者の誇りを奪い、奴隷的屈従を強要する攻撃への怒りがあふれている。「13万円でどうやって生活しろというのか。市長も13万円で生活してみろ」「ローン、保育料を除くと手元に5千円しか残らない」「人の給料を『確実な財源』とは、人の財布から盗むことと同じだ」。市職労働者が怒り闘うことは正当だ。われわれは絶対反対の団結を固めストライキで闘おうと呼びかけた。
 市長は20%賃金削減の条例案提出を通告。これを受けて市職労は「法的対処」「議員要請」「職場署名」方針を出した。現場労働者の怒りと実力決起を抑圧し、裁判や議会にすべてを委ね、「判決が出たら終わり」「議会で通ったら終わり」と敗北を強制する日本共産党・全労連路線、「4・9政治和解」路線だ。
 国賀議員は6月14日の議会で断固たる反対質問に立った。「大震災、原発大事故、20%賃下げ――労働者を生かしていけない資本主義は破綻している。社会を動かしているのは労働者だ。労働組合の闘いが一切を決める時代だ。動労千葉、関西生コン支部のように闘えば勝てる。闘わない労組幹部を打倒し、労組交流センター、私と一緒に闘おう」と市職員に呼びかけた。さらに「20%もカットされたらローン、保育料で生活が破綻すると怒る職員を知っているか」と市長を追及した。
 市長は「公務員は税金で給料もらっているのだから、市が赤字なら税金返上するのは当たり前」と居直り、市職労働者の怒りを逆なでした。
 6月28日が本会議採決だ。労働者の怒りと闘いはますます激しくなる。新自由主義の突撃隊=千代松市長は、関空破綻による市財政破綻を職員の賃下げ、300人削減、外注化・民営化でのりきると宣言した。そのための労組破壊だ。絶対に負けられない。
 「『連合はだめだ。全労連はだめだ』と言っていればすむ時代は終わった。われわれの力で職場から具体的な運動をつくり、闘う労働組合をつくり出す」(田中康宏・動労千葉委員長)。泉州地区委員会はこの言葉を実践する。市職労働者800人、関空島で働く労働者1万5千人の怒りの先頭に立ち、20%賃金削減阻止、国鉄全国運動、反原発・反失業の階級的労働運動を推し進め、7・3関空闘争に決起する。
 (革共同泉州地区委員会)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2492号3面3)(2011/06/20 )

 「君が代」処分条例粉砕へ

 橋下と闘い労組再生を

 被災地を始め全国で反原発・反失業の闘いが繰り広げられている。その中で経団連と菅政権は原発政策の推進と周辺事態法の実質的発動、労働者の団結破壊に全力を投入し、一挙に新自由主義政策を強めている。菅政権は「震災復興」を口実に6月3日、国家公務員賃金10%切り下げと国家公務員制度改革の両法案を閣議決定した。連合・公務労協(議長は日教組委員長・中村譲)はこの攻撃の先兵となっている。
 大阪府知事・橋下徹は「地方公務員も国家公務員と一律で」と大阪府職員の賃金10%切り下げを宣言し、同時に「日の丸・君が代」起立・斉唱条例案を府議会に提出し、可決した。さらに9月府議会に不起立処分条例を提出し、起立を始め「服務規律」に違反した者を処分し複数回で懲戒免職にするという。絶対に許すことはできない。学校職場に充満している怒りと結合して反撃する! 泉佐野市では賃金20%切り下げへの反撃が始まっている。
 「日の丸・君が代」起立・斉唱強制条例は第一に、教育基本法改悪、東京都知事・石原慎太郎の攻撃に続く大攻撃である。03年「10・23都教委通達」でも「日の丸・君が代」闘争が根絶できず、闘いが永続的に広がっていることへの恐怖に規定された大反動だ。
 大恐慌と大震災・原発事故のさなか、労働者・農民・漁民が生き抜くための闘いに立ち上がっている。福島では原発事故と文科省の「20_シーベルト通知」への闘いが巻き起こっている。6・5大集会と6・11反原発デモで国鉄闘争と反失業・反原発の闘いが一つになって大きく燃え広がっている。こうした闘いに直面し、階級支配が崩壊するという危機意識と焦りにかられた攻撃だ。許し難く凶暴であるが、すでに破綻している。
 橋下は「教育委員会の職務命令は無視され……校長は教員の顔色をうかがわないとリーダーシップを発揮できない」「職務命令も出した。それでも命令に背く教員がいる」と言う。よくぞ言った。「職場のことは現場労働者が決める」――このことが許せないのだ。
 「日の丸・君が代」強制条例は第二に、教育現場における新自由主義攻撃の全面化の中で、積もり積もった怒りが噴き出すことへの圧殺攻撃だ。現場では非正規職化、多様化(=民営化)で多忙・過重労働が極限まで進み、「ミス」を理由に処分が発動され、病気・退職が激増している。
 橋下による高等学校無償化の狙いは、公立学校の廃校・民営化=労働者の首切りと非正規職化にある。私立高を無償化した今年の高校選抜では、公立志向が強かった昨年までに比べ私立高への入学者が増え、公立高の定員割れが続出した。これに対して橋下は「公立高校の統廃合によって教員を減らす。これは来年度に向けた重大課題だ」とあけすけに語った。公立・私立を問わず競争と分断を激化させ、新自由主義政策の一つの柱である教育バウチャー制度に進んでいく攻撃だ。起立条例についても「力点を置いているのはガバナンス(統制)の問題」とその意図を述べている。
 「日の丸・君が代」強制条例は第三に、「服務規律」を厳格化し、直轄支配によって職場支配権を現場労働者から奪い、教職員組合を破壊することを狙ったものである。
 エジプト革命は新自由主義への労働者階級の反撃だ。日本では国鉄分割・民営化反対、1047名解雇撤回の闘いがある。動労千葉はこの春も検修業務外注化を阻み、青年部結成へ突き進んでいる。日教組においても階級的労働組合をよみがえらせる闘いが前進し、新たな団結が生まれている。6・5国鉄大集会で、被災地の仲間と団結して広範で強力な闘いが始まった。
 起立条例を提案した橋下=大阪維新の会は道州制を進める関西広域連合の先兵だ。公務員賃金10%削減、公務員制度改革=360万人解雇・選別再雇用は絶対認めることはできない。労働者の生き抜く闘いが必要だ。今こそ職場で闘いに立ち上がり、労働組合を階級的によみがえらせよう!
 9月府議会での「君が代」不起立処分条例制定を許すな! 労働者の階級的団結こそ「君が代」処分を許さず、公務員賃金10%削減を阻む力となる。ともに闘おう!
 (大阪・左俣早月)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2492号4面1)(2011/06/20 )

 原発とめろ!全国200カ所で決起

 闘う労組の旗を先頭に

 “子ども守れ、古里返せ”

  6・11反原発大行動は全国200カ所で一斉に闘われ、数十万人が立ち上がった。収束の兆しさえ見えない福島原発事故の大災害に対し、全人民の怒りが爆発し「子どもを守れ! 古里を返せ!」の叫びが津々浦々に響きわたった。その先頭には闘う労働組合の旗がたなびいた。このうねりを一層高め、8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争の歴史的成功を闘いとろう。

 横浜 桜木町駅前に4千人

(写真 横浜・大通り公園で集会後、桜木町駅前へ。途中参加者が続々と)

 神奈川・横浜ではまずJR関内駅近くの大通り公園に60人が結集して集会がもたれた。国労闘争団の成田昭雄さん、5・20三里塚裁判で不当に逮捕されて10日に奪還されたばかりの婦民全国協の仲間も元気に発言。12時30分からデモに出て、JR桜木町駅前での実行委主催の集会に合流した。沿道からの参加が相次ぎ到着地点では100人に膨れあがった。
 JR桜木町駅前は雨も上がり続々と労働者が結集。2時過ぎのパレード出発時には4千人を超す大結集となった。俳優の山本太郎さんも参加し、アピールした。
 横須賀では教育労働者が中心となってデモが闘われた。原子力空母の母港であり、核燃料製造工場がある横須賀でこそ闘う意義があると決意し、実行委員会を立ち上げた教育労働者、自治体労働者や小学生の子を持つ母親らがヴェルニー公園に集まり、リレートークを行った。デモでは「原発いらない! ふるさとを返せ」とにぎやかに訴え、横須賀のメインストリートを練り歩いた。
 さいたま市では、一般合同労組さいたまユニオンや婦民全国協埼玉支部などが呼びかけたデモが闘われた。
 リレートークでは次々と手が上がり、南相馬出身の女性は「警戒区域で実家に戻れない。国内に先進国と第三世界の溝があるのに、ひとつになろうなんて、おかしい」、さいたま市内の男性は「子どもや家族を守るために、非国民と言われようとやれる限りのことをやる」と怒りのアピール。
 東電さいたま支社前を通るデモは途中で250人に膨れ上がった。
(写真 さいたま市)
 千葉では「原発なくせ!ちばアクション」の主催でデモが行われた。会場の葭川(よしかわ)公園では、集会開始の午後2時半に雨がぴたりとやみ、リレートークが始まった。労働者、農民、漁民、市民らが原発への危機感と東電幹部、政治家への怒りをストレートに語り、あるいは音楽やラップにして表現した。
 デモでは東電千葉支店前で怒りの声が高まった。子どもたちがコールをリードした。飛び入りも多く、前回を倍する410人が参加した。
 

(写真左 つくば市【茨城県】) (写真右 宇都宮市【栃木県】)
 茨城では、つくば市の竹園公園で集会を行い市内デモに打って出た。
 子連れの母親ら多くの人びとが集まった。動労水戸の石井真一委員長が「私も福島出身。職場を奪っている原発をなんとしても止めたいとここに来た。大事なのは、労働組合が原発反対の方針を掲げて闘うことです」と核心的に発言した。参加者がどんどん膨れあがりデモは550人の大隊列になった。全体集会に先だち、動労水戸や百万人署名運動は、屋内会場で講演学習会を開催した。
 宇都宮では中心街のオリオン通りで街頭宣伝を行い、午後3時から集会が始まった。地域の合同労組は、「被曝労働を強制し、ガンや白血病で労働者を殺す原発には、絶対反対だ」と訴えた。
 デモの先頭には子どもたちが立った。「原発いらない、ただちにとめよう」のコールに商店街のみんなが大注目。出発時50人のデモは200人に膨れあがった。東電栃木支店前では、「責任とれ」「原発やめろ」と弾劾の嵐になった。
 長野では正午から駅前広場で街頭宣伝・リレートークが行われた。合同労組をはじめ青年労働者が次々とマイクを握り熱く訴えた。
(写真 長野市)
 午後1時から「反原発デモin長野」のデモに合流。約1時間、善光寺口から市内を一周する間にデモ隊は膨れあがって、100人を超えた。
 甲府では「みどり・山梨」の主催で市の中心部で脱原発パレードが行われた。甲府駅南口の信玄公像前に90人が集まって出発。百万人署名山梨連絡会、山梨合同労組も参加した。解散地の東電山梨支店前でシュプレヒコールを上げた。
 新潟では、駅前の公園で、柏崎刈羽原発に反対する女性団体、巻原発建設を阻止した女性団体、青年を中心とする市民団体、地域合同労組などが独自ののぼりや歌を作り、あるいは仮装して集まり、集会とデモを行った。
 実行委員会に、新潟県労組交流センター、百万人署名運動も参加した。集会では、国労全国大会代議員選挙に立候補した青年労働者と、職場でのビラまき処分と闘う新潟地域一般ユニオンの女性労働者が発言した。
 秋田では青年労働者らの呼びかけで50人を超える仲間が結集し、駅前から市内中心部を一周するデモ行進を行った。
(写真 新潟市で「柏崎刈羽原発を止めろ!」と230人がデモ)
 京都では鴨川・三条大橋下広場で「反原発100万人アクションin京都」が開催され、150人が結集した。
 全学連の学生が基調を提起。「原発では労働者を正規と非正規に分断することで、どんなメチャクチャもまかり通ってきた。原発をとめる展望は新自由主義を打ち破る労働組合・学生自治会をよみがえらせる中にある」と熱烈に提起した。
 国鉄労働者、国賀祥司泉佐野市議、教育労働者、全国連西郡支部、婦民全国協などが熱烈な決意を表明した。
 京都の目抜き通りを縦断するデモは沿道からかつてない注目を浴びた。

 広島 原爆ドームからデモ

(写真 広島のデモ。「未来はおれたちのものだ」と若者が声をあげた)
 浜岡原発の地元静岡では、午前中に平和運動センター主催で労組の集会・デモが200人で、午後からは「菜の花パレード」が250人で行われた。労組交流センターは青年・学生が先頭で、「浜岡廃炉! 原発全廃! 労働者が社会を変えよう」と訴えた。
 名古屋では「6・11脱原発100万人アクションinあいち」が若宮大通公園で開催された。デモは、名古屋中心街の栄から中部電力本店前に向かって行進し浜岡原発の廃炉を求めた。東海合同労組は「すべての原発を撤廃しよう!」との思いを共有して参加し、反原発1千万人署名と8・6ヒロシマ大行動への参加を訴えた。
 富山ではJR富山駅前で反原発街宣に立った。初参加の労働者がマイクを握り、福島原発事故を弾劾し、全原発の廃炉を訴えた。福島から避難中の女性、宮城のマスコミ労働者などと熱い討論が交わされた。
 広島では平和公園の原爆ドーム前での集会とデモを行った。300人が参加した。
 正午から反原発1千万人署名や福島へ持参する寄せ書き作りが行われ、広大生のバンド演奏が雰囲気を盛り上げた。
 午後1時半から集会が始まった。福島から来た母親が、放射能で故郷を汚し、子どもの命を危険にさらしている原発への怒りを表明した。
 デモでは広大生や青年、子を連れた若い母親らが全体をリードした。「原発いらねぇ」「子どもを守れ」「東電・政府は責任トレトレ」など。「基地もいらない」というコールも。デモは圧倒的な迫力で広島の中心街を突き抜け、福島のお母さんも明るい表情に。
 松山ではサウンドデモ「Goodbye NUKES in四国 」が行われた。雨も上がり、市内中心部の堀の内公園にはどんどん人が集まった。愛媛労組交流センターは、8・6ヒロシマ大行動のビラを配り、原発即時廃止の署名を呼びかけた。
 コスプレの青年、子ども連れの家族、車いすの仲間などが鳴り物を持ちデモに出発。「伊方原発を今すぐとめよう」の訴えが響き、デモは250人以上に膨れ上がった。
 高松では教育労働者を中心とする実行委の主催で市内デモが行われ、150人が参加した。
 島根原発の膝元である松江では、JR松江駅前でリレートークと署名活動が行われた。百万人署名山陰連絡会の呼びかけで、労働者市民が次々とマイクを握って「原発即時廃止」を訴え、署名150筆が集まった。
 岡山では「エネパレ岡山6・11」の主催で、石山公園に500人が結集し駅前から県庁通りを進むデモを行った。倉敷からも午前中のデモを終えた人びとが合流した。
 福岡では「原発いらない福岡」主催で天神の警固公園に千人が結集してデモが行われた。排外主義右翼・在特会らの敵対を一蹴して、合同労組レイバーユニオン福岡、百万人署名福岡連絡会が闘いの先頭に立った。
(写真下 京都市)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2492号4面2)(2011/06/20 )

 7・8東北大キャンパス集会へ

 被災地と福島の怒りを体現し大学を反原発・菅打倒の砦に

 全国の学友へ、7・8東北大キャンパス集会への大結集を訴える。6・5国鉄大集会の大勝利と織田陽介全学連委員長ら獄中38人全員の奪還を実現し、その地平の上に6・11反原発100万人デモが大成功した。全国学生がそれを最先頭で牽引した。始まった大衆的活性化・行動化をさらに拡大し、その力を職場・キャンパスに還流し、労働組合・学生自治会建設へ挑戦しよう。運動の高揚の中で組織をつくり、組織をつくった力でさらに運動を拡大する、二つにして一つの闘いをやり抜こう。7・8大集会はその決定的な闘いだ。

 大失業と原発に燃える怒り

 連続的にうちぬかれている6月決戦は、原発事故・放射能汚染に対する根底的な怒りの爆発だ。11日、福島県相馬市の酪農家の男性が「原発さえなければと思います。残った酪農家は原発に負けないで頑張ってください。仕事をする気力をなくしました」と書き置きし自ら命を絶った。福島県では、前年の4割超のペースで自殺者が急増している。菅政権と東電によって殺されたのだ! 6・11デモは全国・全世界に無数の”タハリール広場”を登場させた。
 そして6月決戦は職場・キャンパスでの格闘の上に切り開かれた。大震災以降の「復興」イデオロギーとは国鉄1047名闘争の「09年4・9政治和解」を全社会化する攻撃であり、労働者から階級性を奪い、労働運動を一掃し、挙国一致・総翼賛体制にする攻撃だ。
 だがわれわれは、一切は資本・国家権力の階級的犯罪であることをつかみ、国鉄闘争と労働組合・学生自治会建設に展望があることをつかんでこの3カ月間を闘いぬいた。この過程で自らつかみとった地平を、巨大な大衆行動の爆発と全面的な組織建設へ、思い切って物質化することだ。街頭で知り合った学生・青年がただちにわれわれの闘いに獲得され、次の日には組織者となって闘っている。2千万青年労働者−300万学生を丸ごと獲得する6〜8月決戦に打って出よう。

 菅政権打倒し新しい社会を

 7・8東北大集会は第一に、フクシマと被災地の怒りを体現し、大学から反原発・菅政権打倒の声をあげる闘いだ。菅は”退陣”表明せざるを得ないところまで追いつめられつつも、必死になって権力の座にしがみいている。原発政策を護持し、国家公務員制度改革、消費大増税、社会保障解体など徹底的な搾取・収奪の上に成り立つ「復興基本法案」の成立を狙っている。学生の決起でやつらを歴史のくずかごにたたき込め!
 そもそも「3・11」以前の段階で、学生にとっては資本主義・帝国主義になんの未来もなかった。今春の卒業生の就職率は、被災地を除いても過去最低の91・1%。大失業攻撃が青年・学生をもはや生活さえ成り立たない状況にたたき込んでいた。そこに大震災が直撃したのだ。
 1月冒頭、日本経団連会長・米倉が「長期政権になってもらわないと日本は沈没する」と言ったように、まさに菅政権打倒はブルジョアジーにとっての「沈没=破産」なのだ。「震災」「復興」を口実とした首切り、賃下げ、非正規職化、さらに道州制、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)導入、消費大増税もすべて資本の延命のためなのだ。
 民主党と自民党の大連立策動も、「挙国一致で復興に当たるべき」(米倉)と言うように、原発絶対擁護、階級戦争のためだ。労働者、学生がこれまでの支配を根底からぶち壊し、自らの手で社会を建設(再組織)する以外に一切の道はない。

 被災地の闘いと連帯しよう

 第二に、「復興」攻撃を粉砕する闘いだ。支配階級の語る「復興」とは「大失業と戦争」であり、被災地の見殺しだ!
 大震災3カ月目の11日、各紙は「被災42市町村、最優先課題は雇用/6割生活再建めどなし」(朝日新聞)、「震災で離職4割。収入ゼロ・減6割超(石巻市)」(河北新報)という見出しを並べた。仮設住宅から避難所に戻る人びとが2割に上っている。仮設に移れば食料支援が停止され、生きていけなくなるからだ。宮城県震災復興会議座長の小宮山宏(前東大総長)は、「特区」構想を掲げ”県も国家も金がないから、民間資本を導入するしかない”と、資本救済の意図を鮮明にしている。それは、仮設住宅設置、がれき撤去や港湾整備、中小企業救済などへの財政出動がほとんど拒絶される中で、義援金すら配られず生きていけない労働者・農漁民が土地を手放し離散していくことと同義だ。
 「政府はもう何もしなくていい。政府がやらないほうが復興は進む。こんな政府は終わらせて、私たちの政府を打ち立てなければならない」(6・11仙台デモ参加者)。われわれが権力をとらなければ、原発廃炉も復興も一歩も進まない。腐りきったブルジョアジーを打倒し、被災地は闘って未来を開こう。

 学生自治会の復権を全国で

 第三に、東北大集会を突破口に新自由主義粉砕の闘いに立ち上がろう。
 新自由主義の腐敗の極致として原発推進大学がある。したがって課題は一つに、東北大から原発反対の大運動を爆発させ、原発推進の御用学者を追放することだ。東北大当局は、新入生に対して「(学生自治会が)署名等を求めることがありますが、同調しないよう注意してください」という資料を配布し、学生・青年の原発反対の怒りがキャンパスからの反乱として爆発する現実性に恐怖している。
 大学当局が必死に制動をかければかけるほど、自らが原発政策の推進者であり、政府・電力資本と同じ穴のムジナであることを吐露しているのだ。それはますます学生の総決起の起爆剤となる。
 二つに、日就寮生A君への退寮強要攻撃を粉砕することだ。東北大当局は2日、A君に『退寮命令』を送付し「あなたは研究生として……本日現在までに退寮の届出がなく、平成23年5月1日以降も日就寮に不法に居住している。よって速やかに、退寮を命じる」と言い放った。「研究生は寮に住んではならない」と勝手なルールをつくり、震災渦中に寮生を路頭に放り出すということだ! ”大学当局の決定に学生は従え”ということが核心であり、日就寮の入寮退寮選考権を踏みにじって、献身的に寮自治のために闘うA君をたたき出すという点で日就寮破壊攻撃そのものだ。
 三つに、一切の分断攻撃を打ち破って学生の団結を組織し、学生自治会の復権をかちとることだ。新自由主義攻撃の核心は分断と団結破壊にある。「研究第一主義」を掲げた東北大学が、前学長・吉本高志(現富山大学経営協議会理事)は収賄事件(04年)を起こし、現学長・井上明久は論文ねつ造(08年発覚)まで行い、それに抗議した教授を処分までした。その東北大学が電力資本と深々と癒着し(東北大経営協議会委員の八島俊章は元東北電力社長、総長選考会議委員の高橋宏明は同会長)、原発反対運動を圧殺しているのだ。原発と新自由主義大学は表裏一体だ。
 だからこそ一切の攻防点は、学生自治会の復権にかかっている。
 東北大学学生自治会の旗のもとに1万5千東北大生は団結しよう。自治寮を守り発展させよう。7・8東北大集会へ。その力で、8・6ヒロシマ闘争から反戦反核闘争の爆発へ!
 (マル学同中核派東北大支部)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2492号4面3)(2011/06/20 )

 日程 7・8東北大学集会

 7・8東北大学集会
 7月8日(金)正午
 東北大学川内北キャンパス
 主催/東北大学学生自治会 

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2492号5面1)(2011/06/20 )

 8月広島−長崎を闘う「世界大会」に

 フクシマの根源的怒り解き放ち核・原発廃絶へ大運動起こそう

 階級的労働運動の飛躍かちとれ

 1945年8月の原爆投下から66年、今年の8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争は、日本の労働者人民が再び全世界に、人間として、労働者階級としての全身全霊を込めたアピールを発する場となった。「ヒロシマ・ナガサキ・フクシマをくり返すな!」という8・6ヒロシマ大行動実行委員会の呼びかけに応えて大結集し、すべての核と原発を廃絶する巨大な闘いに打って出よう。6・5国鉄集会―6・11反原発全国100万人デモ―6・19福島現地闘争を闘い抜いた地平をさらにとことん発展させよう。6〜7月を全力で闘い、闘う労働組合の再生と国境を越えた労働者階級の団結を最大の武器に、8・6広島―8・9長崎を世界革命の突破口にする闘いをやり抜こう。
(写真 原爆ドーム前で行われた広島の6・11反原発行動。集会に参加した300人がデモに出発)

 「にんげんをかえせ」の叫び引き継ぎ闘う時だ

 私たちは今度の8・6ヒロシマ―8・9ナガサキを本物の闘う世界大会としてかちとらなければならない。
 今から60年前の1951年、峠三吉は、原爆で浴びた放射能のため血を吐いて亡くなる少し前、必死の思いで自費出版した『原爆詩集』の冒頭に次のような詩を書いた。
 「ちちをかえせ ははをかえせ/としよりをかえせ/こどもをかえせ
 わたしをかえせ わたしにつながるにんげんをかえせ
 にんげんの にんげんのよのあるかぎり/くずれぬへいわを/へいわをかえせ」
 それから半世紀以上を経た今日、日本の、そして世界の労働者人民はどんな状況に直面しているのか。帝国主義とスターリン主義による戦後世界は、ヒロシマ・ナガサキの被爆者のこの血叫びを徹底して圧殺した上に成り立ってきた。「核と人類は共存できない」「二度とこんな惨禍をくり返してはならない」と全存在をかけて訴えた被爆者の声と闘いは、ある時はむき出しの暴力で弾圧され、あるいは公然と無視され、裏切られ、片隅に追いやられてきた。その上に、地球を何十回も破壊できるほどの膨大な核兵器がつくられた。
 さらに、「放射能は大したことはない」などという極悪のデマ宣伝のもと、被曝労働なしには成り立たない危険極まりない核施設である原発が「核の平和利用」の名で世界中に建設されてきたのである。その行き着いた先で爆発したのが、今回のフクシマだ。
 こんなことがあっていいのか! 日本の労働者階級人民は今こそ本当に怒りを爆発させて総決起しよう。3度目の原爆を落とされたにも等しい事態が今「フクシマ」で起きている。しかもこれを引き起こしたのはほかでもない、原発の大増設と核燃料サイクルの建設を核武装への偽装形態として推し進めてきた、日本の帝国主義ブルジョアジーとその国家だ!
 福島第一原発の事故は今なお、収束どころか、その逆に危機的な状況を次から次へと拡大している。放射能の新たな大量放出の危険が迫り、再臨界の可能性さえある。すでに広大な大地が、空が、海が汚染され、子どもたちを始めあらゆる人びとの生命と生活を刻一刻とむしばんでいる。現場の作業員にはすさまじい被曝労働が強制され、まさに「国家による殺人」とも言うべきとんでもない事態が進行している。
 にもかかわらず、一切の張本人である日帝資本と国家は、自らの責任を認めず必死に逃げ回るばかりか、ついには公然と居直った。今や「原発なしに日本の活路はない」などと言い放ち、原発建設と核開発を日帝の第一級の国策としてこれまで以上に推進しようとしている。大資本の金もうけと戦争のためには何十万という子どもたちの命を犠牲にしても構わない、労働者や農民・漁民の生活が根こそぎ破壊されてもいいという、恐るべきことを平然とやろうとしているのだ。断じて許すことはできない。
 これに対して、国鉄闘争全国運動の6・5大集会と6・11反原発全国100万人行動の爆発、続く6・19福島現地闘争は、闘いのまったく新たな段階を切り開いた。放射能汚染の脅威に正面から立ち向かい、日帝のどんな凶暴な攻撃をも労働者人民の団結の力で真っ向から打ち破っていくことを可能にする、巨大な展望がここに開かれた。
 何よりも決定的なのは、被災地の人びとの「ふるさとを返せ!」という根源的な怒りの叫びだ。「ふるさとを返せ」「職場を返せ」「子どもたちの、若者の未来を返せ」という被災地・フクシマの叫びは、ヒロシマ・ナガサキの被爆者の「にんげんをかえせ」の訴えを引き継ぐものとなり、今や一人ひとりの全人生をかけた魂の叫びとなって燃え上がっている。それは、大恐慌・大失業下でますます強まる資本の搾取と必死に闘う全労働者、とりわけ青年の怒りと結びつき、社会の根本的変革を求める圧倒的な声となり、行動となって噴出しつつある。
 この声を今こそ全国・全世界に広げ、世界のプロレタリアートの共同の決起として、全原発の即時停止・廃止への道を切り開こう。
 それは同時に、資本主義・新自由主義のもとで破壊され奪い尽くされてきた人間的あり方の一切を、労働者階級が団結の力で奪い返していく壮大な闘いの始まりだ。新自由主義を打ち破り、現代世界を根底から変革する闘い、プロレタリア世界革命への扉を開く闘いとして、何よりも8・6ヒロシマ大行動の歴史的大成功をかちとろう。

 青年の反乱を最先頭に闘う労働組合の再生へ

 全原発の停止・廃止を実際に闘いとる道はどこにあるのか。それは、6・5集会が切り開いた地平を、さらにとことん発展させていく中にある。
 6・5集会は第一に、3・11大震災と原発大事故として起きていることのすべてが国家と資本による犯罪であり、敵は新自由主義そのものであることを完全に突き出した。
 1980年代の国鉄分割・民営化以来四半世紀におよぶ新自由主義は、資本の野放図な搾取と収奪への一切の規制を取り払った。労働組合の破壊と大量の労働者の非正規化・無権利化・貧困化。地方自治体の解体と切り捨て。労働災害や事故の多発と社会全体の崩壊的危機。それらのすべてをよしとして、資本の利潤の極大化のみをひたすら追い求めてきたのが新自由主義だ。それは資本主義・帝国主義の末期的な姿そのものだ。
 福島第一原発のメルトダウンはその頂点で、まさに起こるべくして起きた。電力会社がばらまく金のもとに、財界と政治家・官僚・御用学者・労働組合・マスコミ・裁判所がすべて癒着し、「絶対安全」の大ウソで人民をだまして原発を推進してきたのだ。ブルジョア独裁の究極の姿がここにある。
 そしてこの原発推進の先頭に立ってきた連中と、労働者への首切り・賃下げを強行し、今また大増税による極限的収奪をたくらんでいる連中とは完全に同一だ。沖縄に米軍基地を押しつけ、三里塚で農民殺しの攻撃に手を染め、戦争と改憲への道を突っ走ってきた連中も同じである。
 すなわち、敵はただひとつ、資本家階級とその国家だ! もう沈黙は許されない。6・5集会で元福島県教組委員長の清野和彦さんが発言したように、「敵はやっつけなければならない!」。彼ら全員を支配の座から引きずり下ろし、労働者階級が権力を握る以外に出口はない。
 6・5集会は第二に、闘う労働組合をよみがえらせること、日本の労働運動を階級的に再生することができるか否かに、今や全人民の未来がかかっていることを一点の曇りもなく明らかにした。
 日本における新自由主義の突破口となったのが国鉄分割・民営化だ。その最大の狙いは労働運動つぶしにあった。戦後労働運動の中心にいた国鉄労働運動をつぶして、総評の解散と連合の結成による労働組合の全面的な解体・変質を狙ったのだ。旧社会党や日本共産党のもとにあった労組幹部がこの攻撃に全面的に屈服し、連合の労働貴族らに労働運動の主導権を売り渡し、労働組合を資本のやりたい放題をことごとく追認する機関に変質させてきた。かつては原発に反対していた労働組合が原発を容認し、資本と一体となって原発を推進した。これが「フクシマ」を許したのだ。
 昨年4・9の国鉄1047名解雇撤回闘争に対する政治和解は、資本と闘う労働運動の最終的な根絶・一掃を、国鉄闘争を終わらせることで完遂しようとする攻撃だった。だがこれに対して動労千葉と、和解を拒否して闘う国労闘争団員を先頭に立ち上げられた国鉄闘争全国運動は、敵の全体重をかけた圧殺攻撃を突き破って国鉄闘争の新たな継続・発展をつくり出した。今や「国鉄闘争の火を消すな」の訴えは全国に広がり、そのもとで、労働組合と労働運動の階級的再生を目指す不退転の闘いが各地で始まっている。
 この階級的労働運動の再生に向けた闘いの前進と、社会全体に渦巻く反原発・反失業の巨大な怒りが結合する時、階級的力関係は根底からひっくり返るのだ。「ヒロシマ・ナガサキ・フクシマをくり返すな!」の闘いを、今こそ労働組合の闘いとしてよみがえらせることだ。この中から原発労働者の生存をかけた決起が必ず生み出されてくる。さらに教育現場では、保護者・子どもたちの闘いと一体となった教育労働者の「第2の勤評闘争」が、あらゆる壁を突き破って開始されてくる。ここにこそ、原発を実際に廃止し、政治と社会をその土台から変えていく圧倒的な可能性と展望がある。
 6・5集会は第三に、青年の決起がすべてを決することを示した。
 大震災と原発大事故は、新自由主義のもとで最も過酷な状況に突き落とされていた青年労働者や学生に、人生も未来もすべて奪う攻撃となって襲いかかっている。「ふるさとを返せ」というフクシマの訴えは、青年の心の底に封じ込められていた怒りのマグマをついに決定的に解き放った。失業と貧困への怒り、非正規雇用の劣悪な現実への怒り、金と権力を握る資本家階級から虫けらのように扱われることへの根源的な怒りが、反原発デモを水路に一斉に噴出し始めたのである。
 日帝支配階級はこのことに心底から動転し恐怖している。今始まった青年・学生の反原発の大反乱と、動労千葉を先頭とする階級的労働運動ががっちりと結びつく時こそ、本物の革命情勢の到来だ。歴史的決起を開始した若者の中から、労働運動の新たな担い手が、社会変革に全人生をかけて闘う仲間が続々と登場してくることは間違いない。そのすべてを一堂に結集し団結をかちとる場が8・6ヒロシマだ。
 ここにおいて、学生運動の爆発は決定的な位置を持っている。東京電力の大ウソを支えた御用学者への怒りの声は今や全社会の声となっている。そこに象徴される大学の腐敗、教育と学問の変質・崩壊の現実に、学生こそが全人民の怒りを代表し、この現実を粉砕するために総決起しよう。法大闘争が切り開いてきた闘いを今こそ徹底的に発展させ、学生自治会を復権し、300万学生の総決起による新自由主義大学解体の大闘争をつくり出そう。

 労働者国際連帯の力で全原発の停止・廃止を

 8・6ヒロシマ大行動の成功は、全階級情勢を一変させる決定的な闘いとなろうとしている。チェルノブイリをもはるかに超える福島原発の大事故が世界を揺るがしている中で、日本の労働者階級が8・6にどんな闘いを実現するかは、全世界の闘うプロレタリアートの最大の関心事となっている。
 すでに、世界にわき起こる反原発闘争の巨大なうねりを受けて、ドイツのメルケル政権は国内の原発17基をすべて閉鎖する決定を出すところに追い込まれた。イタリアでは国民投票で原発反対が94%の高率に達し、政府は凍結していた原発の再開を断念した。これに続いて、今や崩壊寸前の危機にある日帝・菅政権を完全打倒し、日本と世界の労働者階級人民の連帯した総決起をもって、日本の全原発の即時停止・廃止を実力でもぎとる絶好のチャンスが来ているのだ。
 こうした中で、日帝の焦りはますます強まり、その体制的危機は激しく深まっている。この間の菅政権をめぐる支配階級内部の醜悪な政争は、3・11がもたらした政治支配の全面崩壊と原発推進政策の絶望的な破綻を、「挙国一致」体制の形成で反革命的に突破しようとする必死のあがきである。このままでは日帝の体制がもたない、労働者階級の決起によって打倒されるという、革命への本能的な恐怖が日帝を突き動かしている。
 今日彼らは、労働者人民の「全原発の即時停止・廃止」の要求を真っ向から拒否し、原発推進の一点に「国の存亡がかかっている」(JR東海会長・葛西敬之)と宣言した。日帝資本の延命のためには、被災地の決起も青年の反乱も暴力的にたたきつぶす以外にないという、労働者階級に対するむきだしの階級戦争突入の宣言だ。だがこれこそ日帝の墓穴を掘るものだ。
 日帝の国家と資本の犯罪性を今こそ全階級・全大衆の前に暴き切り、チュニジア・エジプトに続く世界革命への新たな火ぶたをここから切ろう。8・6の原爆ドーム前を日本のタハリール広場に変えて総決起しよう。アメリカからは「反戦の母」シンディ・シーハンさんがやってくる。全国・全世界からの闘う人民の総結集で、核と原発を廃絶する巨大な闘いをつくり出そう。
 沖縄の辺野古新基地建設絶対阻止の闘いを、これと一体のものとして大爆発させていこう。安保・沖縄闘争は反戦反核闘争そのものだ。沖縄闘争の新たな発展をかちとろう。
 日帝による「復興」イデオロギーと対決し、被災地の労働者と農民・漁民、母親たちの命の叫びと闘いをわがものとして総決起しよう。反原発闘争と労働運動の間に分断を持ち込み、労働組合への絶望を組織しようとするあらゆる動きと闘って、階級的労働運動こそがすべての人民の反原発の煮えたぎる怒りと切実な要求の最先頭に立とう。7月国労大会決戦に総決起し、国労の連合化を断固として粉砕することは、そのためにも不可欠の闘いだ。絶対に勝利をもぎとろう。
 7・8東北大学集会、7・10反戦・反核東京集会、7・17いわき集会を始めとする7月の闘いに決起し、8・6広島―8・9長崎闘争へ攻め上ろう。8・6を、戦後の原水爆禁止運動の歴史を根本的にのりこえる歴史的な大集会としてかちとろう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2492号5面2)(2011/06/20 )

 菅が大量被曝を強制

 小佐古辞任の驚くべき真相

 6月10日、4月29日に内閣官房参与を辞任した小佐古敏荘・東大教授が、辞任直前に菅首相に報告書を提出し、福島原発事故における政府の「不適切な初動」で住民に「余分な被曝」を与えたと批判していたことが明らかになった。御用学者である小佐古が涙ながらに辞任表明せざるを得なかった真の理由は、菅政権による大量被曝の放置・強制という前代未聞の国家犯罪にある。チェルノブイリ事故を上回る大量被曝の放置・強制に怒りを爆発させよう。
 小佐古の報告書は4月27日付。そこでは、「文科省、原子力安全委の不適切な初動により、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の運用による放射性物質の拡散予測結果の活用が十分にされず、余分な被曝を住民に与えるなどの事態を招いている」「安定ヨウ素剤の服用など初期の防護措置」もされなかったと批判している。さらに「30`以遠でも大きな線量の出ている人たちがいる」「小児甲状腺がんの発症が予測されるので福島県と近県の疫学調査が必須」と指摘し、今後の「被曝者手帳発給の検討、メンタルケアの対応」を明言している。
 この小佐古の指摘すら、菅政権はまったく無視し抹殺した。3・11直後のSPEEDI情報を隠して近隣住民などを大量被曝に追いやったばかりか、その後もずっと真実を明かさずに被曝を強制し続けていることが、今や歴然としたのだ。原発事故自体が資本と国家による大犯罪であるが、その上さらに大量被曝の強制という大犯罪を重ねているのだ。
 特に子どもたちの被曝が最も深刻である。しかし、文科省は年20_シーベルトという通知を撤回するどころか、居直っている。一般の大人が法律で許容されている被曝線量は年1_シーベルトである。原発作業員の被曝をめぐっては、年平均5・6_シーベルトの放射線量で白血病を発症し、労災認定させた例もある。20_シーベルト基準とは、福島の子どもたちが皆、白血病になっても構わないということではないか。
 チェルノブイリ事故では、30`圏だけでなく100`離れた首都キエフからも子どもたちは避難した。「住民の避難は必要ない」というモスクワの連邦政府首脳部やウクライナ保健省に対し、ウクライナ共和国最高会議幹部会議長らが抗議して、子どもたちの避難を実現したという。
 ウクライナ議会は法律「汚染地域の定義」を可決し、「無条件に住民避難が必要な地域」を年5_シーベルトとした。年20_シーベルトはこの4倍だ。菅政権がやっていることは、放射能の真相隠蔽(いんぺい)と大量被曝強制という点で、チェルノブイリ事故を上回る最大・最悪の国家犯罪である。
 日本の資本家階級にとって、原発護持・推進のためなら、子どもや人の生命などどうでもいいのだ。原発労働者だけでなく何十万・何百万の人民を被曝させるしかない資本主義体制は、絶対に打倒するしかない。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2492号5面3)(2011/06/20 )

日誌'11 6月7日〜13日

 「辺野古V字」最終方針伝達/イタリア国民投票で反原発が圧勝

●政府がIAEAに報告書提出 政府の原子力災害対策本部が福島第一原発事故の報告書を国際原子力機関(IAEA)に提出した。(7日)
●改憲へ超党派の議員連盟発足 改憲発議の条件緩和へ「憲法96条改正を目指す議員連盟」の設立総会が、民主、自民、公明、みんなの党、国民新、たちあがれ日本から約70人の国会議員が参加して開かれた。(7日)
●FCLPを馬毛島に移転 防衛省は在日米軍再編に伴う米空母艦載機の離着陸訓練(FCLP)を、現在の硫黄島から鹿児島県の馬毛島に移転させると県知事に伝えた。(8日)
●中朝が共同の経済特区着工 中国と北朝鮮は国境の鴨緑江にある北朝鮮領の中州、黄金坪島で共同開発する工業団地の着工式を行った。両国が特区を共同開発するのは初めて。(8日)
●次期米国防長官が対中戦略の重要性強調 次期米国防長官に指名されたパネッタ中央情報局(CIA)長官が上院公聴会で、中国を念頭に、宇宙を含む全作戦領域で空海両軍が統合して敵軍を撃破するエア・シーバトル構想の重要性を強調。中国軍が台湾有事に米軍の介入を阻む能力を向上させていることや、北朝鮮のミサイル開発計画が米国への直接的な脅威にもなりつつあるとの認識を示した。(9日)
●IAEAが対シリア決議 国際原子力機関理事会はシリアが極秘に原子炉を建設していた疑いがあるとして、国連安保理への付託を求める決議を採択した。米欧が主導し、日本も共同提案国に加わった。(9日)
●NATOがアフガン撤退で協議 北大西洋条約機構(NATO)国防相会議がアフガニスタンからの米軍撤退開始を前に、国際治安支援部隊(ISAF)の撤退について協議した。米国は各国に、一斉引き揚げに走らないよう釘を刺した。(9日)
●沖縄県知事がオスプレイ配備反対を表明 仲井真沖縄県知事が北沢防衛相と会談し、新型垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの米軍普天間飛行場への配備について「墜落が何回もあった」と反対を表明した。(10日)
●中国・広州で暴動 中国広東省広州市で出稼ぎ労働者を中心に3日間にわたり治安当局に対する暴動が起き、警察施設などが破壊された。(12日)
●「辺野古V字」を沖縄に伝達 北沢防衛相が沖縄を訪問し、普天間基地を名護市辺野古に移設し、滑走路2本をV字形に配置するとした政府の最終方針を正式に伝えた。2014年までという移設期限は断念し、新たな期限は設けない考えや、オスプレイ配備を容認する方針も示した。(13日)
●イタリア国民投票で原発反対派が圧勝 イタリアで原発再開の是非を問う国民投票が実施され、原発反対票が94%を上回った。(13日)
●福島原発で作業員の被曝深刻化 福島第一原発の復旧作業で250_シーベルトを超える内部被曝をした作業員が6人、総被曝量では8人になったと東電が発表した。事故以前の上限だった100_シーベルトを超える作業員は102人に上った。(13日)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2492号6面1)(2011/06/20 )

 星野文昭同志奪還 6・24高裁包囲デモへ

 被災地の仲間と共に結集を

 全国再審連絡会議 総会で勝利の展望開こう

 星野文昭同志奪還の展望が大きく切り開かれようとしている。沖縄闘争を闘い獄中36年になる無実の星野同志の非転向の闘いと、3・11東日本大震災・福島原発事故への労働者階級人民の怒り、雇い止めや、賃下げ、強労働の攻撃と闘う青年労働者の怒りが結合し、「大恐慌をプロレタリア革命へ」転化する荒々しい情勢が到来した。
 「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」は6・24東京高裁包囲デモを呼びかけている。無実の星野同志に無期懲役を科し、36年間も監獄に幽閉し、理不尽で非人間的な獄中弾圧を強める国家権力に対し、心底から怒りの声をあげよう。再審開始・即時釈放を東京高裁に力強く迫っていこう。
 今や裁判所は、腐敗を極め崩壊を開始した資本主義体制を強権で支える国家権力機構としての本質をあらわにしている。
 住民による危険な原発の差し止め訴訟を、「原発は安全」といううそと強弁で退け、原発推進の先兵となってきた裁判所。労働者人民の8割以上が反対しているにもかかわらず、裁判員裁判を強行する裁判所。三里塚闘争45年のシンボル・天神峰現地闘争本部破壊の判決を下し、裁判所内に機動隊と公安刑事を引き入れ、50人を逮捕させた東京高等裁判所。あらゆる怒りを結集させ、東京高裁包囲デモを大爆発させよう。
(写真 昨年6月、総会に先立ち東京高裁申し入れと包囲デモに決起。拳を高裁に突きつけ弾劾のシュプレヒコール)

 妨害はねのけ福島に手紙

 東日本大震災で社会は一変した。「絶対安全」「地震対策は万全」と言って原発を推進してきた社会の仕組みが、うそに満ちたものであったことが暴き出された。労働者人民の命を顧みず、大企業の利益と核武装のためにのみ原発を推進してきたことが誰にも明らかになった。
 この現実への怒りが被災地からわき上がり、青年労働者や学生の100万人のデモとなった。統治能力を完全に失った日帝は、一切の階級的原則的な闘いを許容できず、破壊する攻撃に踏み切った。連合などの体制内労働組合や既成政党はその先兵となっている。
 3・11情勢下、階級激突の渦中で、星野同志奪還闘争は、国家権力との闘いの最先頭に躍り出て、不屈の闘いを貫いている。
 第2次再審闘争に追いつめられた東京高検は、「速やかに再審を棄却」すべきという「意見書」を提出した。これは再審闘争開始以来初めてのことだ。さらに徳島刑務所は、星野同志の「処遇区分」を降格させ、面会回数を月3回から月2回に減らした。また、藤田城治再審弁護人の面会を30分に制限した上、看守の立ち会いまでつける暴挙に出た。
 これに対して、星野同志は一歩も引かず不屈に立ち向かっている。東日本大震災救援対策本部に救援カンパを送り、刑務所の妨害をはねのけて、フクシマの仲間に手紙を出し、沖縄闘争、三里塚闘争にアピールを発し、労働者階級にプロレタリア革命を訴え続けている。

 救援・奪還の広大な運動を

 星野同志を取り戻そう。第一に、労働組合、労働運動をよみがえらせることだ。生産の担い手であり社会の本当の主人公である労働者が、団結の力で職場の支配権を資本の手から実力で奪い取ることだ。無実の星野同志を取り戻す道も、この労働者階級の団結した力を強める中にある。
 第二に、星野同志救援・奪還運動を広大につくり出すことだ。星野同志の不屈にして階級的(人間的)闘いは、労働者人民の怒りを呼び起こし、国鉄全国運動と反失業・反原発大闘争を一層発展させる決定的な力を持っている。「星野さんを取り戻そう」の声を全国津々浦々からわきたたせ、救援・奪還運動の全人民的拡大を闘いとろう。
 第三に、再審闘争で激しく東京高裁を攻め続けることだ。星野同志の無実は鮮明だ。弁護団と一体となって星野同志と家族との団結を打ち固め、再審開始へ攻め上ろう。
 6月24、25日に「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」の全国総会が開催される。「みやぎ星野文昭さんを救う会」「福島・星野文昭さんを取り戻す会」の仲間も全力で結集する。被災地の仲間と団結し、熱烈な討議を繰り広げて、星野同志奪還の展望を切り開こう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2492号6面2)(2011/06/20 )

 日程 東京高裁包囲デモ、星野全国総会

 獄中36年 星野文昭さんを取り戻そう
 再審を開始せよ! 獄中弾圧やめろ!
 東京高裁包囲デモ
 6月24日(金)午前11時半 日比谷公園霞門集合
  正午 デモ出発

 星野全国総会
 6月24日(金)午後2時〜
 6月25日(土)午前10時〜
 港勤労福祉会館(東京都港区芝5―18―2/JR田町駅
 5分、都営地下鉄三田駅上)
 主催 星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2492号6面3)(2011/06/20 )

 7・3関西空港反対集会へ

 三里塚―沖縄と一体 米軍基地化阻止しよう

 7月3日、関西空港反対全国集会が大阪・泉佐野市で開催される。関空の軍事空港化と闘う関西新空港絶対反対泉州住民の会の呼びかけに応えて全力で決起しよう。(編集局)

 ご案内

 闘う仲間のみなさん、地元のみなさん、7・3関西空港反対全国集会への参加を呼びかけます。
 国策に従っていたら殺される。関空も原発と同じだ。今こそ立って闘おう! 泉州住民の会と関西労組交流センターは、東北被災地とフクシマの労働者人民と連帯して、7・3関空闘争を闘う決意です。
 3・11大震災―福島原発事故で情勢は激変しました。何よりも、大恐慌と大震災で政府と資本主義はすさまじい危機に追いつめられています。菅政権は統治能力を失っています。三里塚裁判闘争に対する50名もの不当逮捕、関生支部13名への不当逮捕、これらは絶対に許せない攻撃ですが、闘いの大前進が生み出した政府と資本の絶望的危機そのものです。
 死者、行方不明者約2万5千人を出し、今も大量の放射能をまき散らし、労働者と農漁民の命と生業を破壊し続けている原発事故。これは労働者、農漁民を犠牲にして飽くことなく利潤を追い求めてきた国と資本家が起こした大犯罪です。こいつらのために殺されてたまるか。生き抜いてあいつらを倒すのです。
 関空も同じ新自由主義政策で、国と資本家が儲(もう)けるために建設した巨大空港です。関空建設とその後の破綻的な経営のために、どれほど多くの労働者、住民が犠牲にされ続けていることか。7・3関空全国闘争は関空を廃港にする闘いです。原発に対する怒りと同じ闘いです。
 7・3闘争は、自治体労働者の怒りと共に闘います。
 4月24日、泉佐野新市長になった千代松市長は、就任草々、市職員給与20%削減する方針を出しました。20%賃下げ攻撃は、空港借金を全部、自治体労働者に押しつけ、労働組合を壊滅させる攻撃であり、首切り攻撃です。菅政権の国家公務員10%削減と同じで、大恐慌下の絶望的な攻撃の踏み切りであり、道州制と360万公務員首切り攻撃です。千代松市長は5月から公開団交を強行し、6月には労使合意なしで20%賃下げ議案を議会に出しました。
 自治体労働者の怒りはすさまじい。生活と誇りをかけた決起が始まっています。闘いは、自治労、自治労連の屈服、裏切りを乗り越えて激しくなっていくことは間違いありません。労働者の団結の拡大こそが勝利の道であり、動労千葉―国鉄闘争とつながって闘うことが勝利の道であることを断固訴えて闘いましょう。
 さらに7・3闘争は関空の米軍基地化を絶対に阻止する闘いです。大恐慌と大震災情勢は、戦争と民営化―労組破壊を激化させています。
 昨年11・23砲撃戦は朝鮮侵略戦争の現実化を衝撃的に告げました。菅政権はこの情勢に恐怖し、米軍基地強化―普天間基地の名護市辺野古への移設を強行しようとしています。橋下の関空米軍基地化発言は、こういう情勢から出てきたものであり、道州制と戦争への攻撃です。7・3全国闘争で関空の軍事空港化を阻止しよう。
 また恐慌情勢は関空を直撃しています。世界恐慌はますます激しさを増し、さらに大震災で乗客は激減し、関空会社は破綻しています。関空―伊丹統合計画は、破綻した関空を延命させるための息継ぎにしかすぎません。本質は、資本家を助けるためです。こんな空港、こんな社会を転覆しようではありませんか!
 7・3闘争を三里塚、沖縄、動労千葉、学生と一体で闘いましょう。三里塚闘争と関生支部への大弾圧を粉砕しましょう。反対同盟とともに闘いましょう。沖縄の闘いに連帯して関空闘争を爆発させよう! 動労千葉と共に、国鉄1047名解雇撤回闘争に勝利しよう! 国鉄全国運動を闘おう!
 下記の要領で集会を開催しますので、全国から多くのみなさんの参加をお願いします。
 2011年6月
 関西新空港絶対反対泉州住民の会(代表/国賀祥司 連絡先/泉佐野市中庄358―4 電話072―463―6640)
(写真 昨年7月、関空反対全国集会をかちとり泉州住民の会を先頭に関空に向け泉佐野市内をデモ)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2492号6面4)(2011/06/20 )

 日程 関西空港反対全国集会

 関空の軍事空港化反対! 関空・伊丹統合計画反対! 市職員給与2割カット反対!
 全原発を廃止しろ! 三里塚、沖縄と連帯して闘おう!
 関西空港反対全国集会
 7月3日(日)午後1時集合、1時半開会
 泉佐野市末広公園コミュニティひろば
 集会の後デモをします。
 主催 関西新空港絶対反対泉州住民の会
    関西労働組合交流センター

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2492号6面5)(2011/06/20 )

 5・20弾圧 起訴粉砕し全員奪還したぞ

 三里塚勝利・反原発へ号砲

 さる5月20日、東京高裁第15民事部(井上繁規裁判長)は天神峰現地闘争本部裁判の控訴審判決で、三里塚芝山連合空港反対同盟の控訴を棄却し、直ちに天神峰現闘本部の撤去を可能にする仮執行宣言を付した。これに抗議した50人を警視庁公安部が「不退去罪」をデッチあげて不当逮捕した大弾圧事件で、6月10日、23日間の逮捕・勾留攻撃を受けていた38人全員の奪還がかちとられた。
 逮捕された50人のうち反対同盟を先頭に12人は3日後に奪還したが、残る38人に対し国家権力は不当にも10日間勾留した上、さらに10日間勾留を延長し、起訴を狙ってきた。
 しかし、獄中同志は不撓(ふとう)不屈に完全黙秘の闘いを貫き、弁護団も全力で決起した。また救援連絡センターは「5・20三里塚高裁弾圧救援ニュース」を10号まで発行し、霞が関街宣に立った。全学連も連日、地裁前行動に決起した。全党員が怒りの連帯闘争を闘い抜いた。これらの闘いが国家権力・警視庁公安部・裁判所のもくろみを完膚なきまでに粉砕し、全員の奪還をかちとった。
(写真 5・29三里塚緊急現地闘争で5・20不当逮捕から奪還された反対同盟を先頭に弾圧への反撃デモに立つ)

 弾圧の意図を打ち返す

 5・20弾圧は、大恐慌のもとで起こった3・11大震災と原発事故、震災解雇への労働者階級人民の根底的怒りが、日帝・菅政権打倒へ向かうことに対する支配階級の恐怖の現れであった。三里塚弾圧と関西生コン支部弾圧こそは、「5月転換」とも言うべき支配階級の階級意思を示すものであった。
 しかし、反対同盟は即座に5・29三里塚現地闘争に戦闘的に決起した。そして、連日の東京電力への反原発デモと6・5国鉄集会の画期的大高揚がかちとられた。この闘いが6・11反原発全国100万人決起の爆発の引き金となった。支配階級の意図は激動的に打ち返された。この階級的激突の中で5・20弾圧での起訴攻撃が打ち破られ、38人全員の奪還がかちとられた。
 5・20判決への怒りの爆発に対する50人の大量逮捕という大弾圧は、原発事故・放射能汚染で労働者人民の怒りの的となっている日帝政治中枢の恐怖の表れである。しかし、三里塚闘争と大震災・福島原発事故・大失業への怒りとが結合することをなんとしても阻止しようとした権力どもの狙いは、まったく逆のものに転化した。

 反動判決と弾圧は一体

 井上裁判長の超反動判決と5・20大弾圧とはまったく一体の攻撃である。井上裁判長は判決文の中で、天神峰現闘本部裁判は6年を超え工事の進展が妨げられてきた、だから控訴を棄却し仮執行宣言を付したと言っている。井上裁判長にとって、現闘本部の地上権と借地権が反対同盟にあるという真実などどうでもよかったのだ。井上裁判長にとってこの裁判は、初めから結論ありきで、国策である空港の完成が一切の判断基準であったのだ。だから証拠調べなどやる必要はなく、やらなかった。国策裁判そのものであり、こんなものは裁判ではない。
 いまや裁判所は原発を推進する国の番犬であったと断罪されている。今回の井上裁判長の行状はその極致であった。だから5・20大弾圧の暴挙に及んだのだ。
 天神峰現闘本部の破壊を実力闘争をもって絶対に阻止しよう。三里塚の怒りは、いまや被災地―フクシマの労働者・農民・漁民・学生を始めとするすべての人民の怒りと一体だ。

 労農同盟で社会変える

 三里塚45年の絶対反対、非妥協・不屈の実力闘争の真価を発揮する時が来た。三里塚闘争の普遍性は労農同盟にある。新自由主義は、あらゆる階級的なもの、国家と資本に屈しないものを絶滅する攻撃としてあった。
 反対同盟は1983年3・8分裂で脱落派が狙った三里塚闘争の条件闘争化を粉砕した。動労千葉は三里塚連帯ジェット燃料貨車輸送阻止闘争を、権力と動労カクマルによる白色襲撃と血みどろになりながら闘い抜き(77年〜83年)、分離独立をかちとった。そして今日に至る労農同盟を築いてきた。三里塚労農同盟こそ新自由主義と血みどろで闘い抜く中でかちとられたものだ。そして動労千葉は、この力をもって国鉄分割・民営化攻撃をその核心において粉砕してきた。
 原発推進の真の正体が新自由主義であったことも今日、暴露された。民営化・非正規職化と原発、そして3・11による2万数千人の死者・行方不明者、1千万人に及ぶ大失業をもたらしているものは新自由主義だ。
 そしてその新自由主義攻撃の先兵となっている連合、全労連などの支配を根底からひっくり返していく労働組合再生の闘いが決定的に求められている。それを、労働者と農民・漁民・学生を始めすべての人民の団結した力、労農同盟の力でなんとしても実現しよう。その力が社会を変える。
 怒りの爆発としての5・20闘争と、5・20大弾圧の粉砕は、まさに国鉄決戦と三里塚決戦そして非正規職雇用・大失業との闘い、反原発大闘争、沖縄闘争、大学闘争の革命的号砲となるであろう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2492号6面6)(2011/06/20 )

 三里塚裁判傍聴を!

◎市東さん耕作権裁判
 6月27日(月)午前10時30分
◎団結街道裁判
 7月12日(火)午前10時30分
 いずれも千葉地裁
☆傍聴券交付のため午前9時30分に集合を

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2492号6面7)(2011/06/20 )

 西郡住宅裁判 法廷は怒りのるつぼ

 大阪高裁の証人却下を弾劾

 5月31日、住宅明け渡し弾劾裁判控訴審第1回裁判は、大阪高裁第12民事部・安原清藏裁判長の証人申請却下、結審という反動的訴訟指揮と激突して闘われた。
 この日、岡邨(おかむら)洋支部長を先頭とする部落解放同盟全国連西郡支部、午後を休診にした八尾北労組、住民がバス3台で決起した。法廷は大傍聴団の怒りのるつぼと化し、支部1千人建設に向けた戦闘宣言の場となった。
(写真 裁判後、支部1千人建設で反動判決を粉砕する決意を固めた【5月31日 大阪高裁】)

 3人が意見陳述

 裁判は岡邨支部長の意見陳述から始まった。岡邨さんは「私たち3人に対する住宅明け渡し攻撃は、西郡の2分の1を更地化し(*)廃村にするために、みんなの先頭で闘う私たち3人をムラからたたき出す攻撃」だと八尾市のもくろみを暴き徹底弾劾し、これとの闘いは「西郡の歴史と現在、未来の一切がかかった攻防」であることを鮮明にした。そして、「住宅闘争14年の闘いと八尾北医療センター明け渡し阻止の10年の闘いが、私自身を転換させた。真の部落の解放が、労働者との闘う団結の拡大の中にあった!」との確信に立って、「この新たな部落解放運動を手にした全国連西郡支部は真の部落解放を掲げ、支部1千人建設でムラを変え、社会を変える」と戦闘宣言をたたきつけた。
 続いて田中由加さんが陳述に立ち、西郡での住宅建設と家賃決定の経緯を怒りを込めて明らかにした。「この西郡は更地に建った団地ではない。私たちの先祖がひどい差別を受けた。この差別も国がつくり出したものだ。苦しい時代を生き抜いてきた中で、西郡が少しでも良くなるならばと無償で土地や建物を手放した。立ち退きの条件として一律低家賃が市長によって約束された改良住宅だ」。そして「私たちの苦しい思い、長い間なぜ供託して闘っているのか、正しい判断をしないなら、こんな裁判所なんていらない」と鋭く迫った。
 さらに、体調が悪く欠席した辻西幸子支部書記長の陳述を、娘の田中由加さんが代読した。応能応益家賃制度導入で「地域から若い人は出て行かざる得なくなった。このままではこの地域は、独居老人ばかりになる」と八尾市を断罪し、「応能応益家賃は廃止しかない」と断言。「一審では橋本建築長らさえも思ってもいない作り話をデッチあげ、住宅を明け渡せという判決を出した」と弾劾した。
 3人の迫力ある陳述に圧倒された八尾市住宅管理課は、うなだれたまま岡邨さんたちを一度も正視できない。
 続いて被告代理人が、八尾市が更地化しようとしている団地に住むAさんの証人申請を行った。しかし裁判所はこれを却下、3人の陳述に応えず結審を強行した。
 「不当な裁判を許さないぞ! 証人を採用せよ!」。被告・傍聴団は怒りのシュプレヒコールを裁判所と八尾市にたたきつけた。

 千人支部で反撃

 総括集会でAさんは、「証人採用されず残念だ。法廷に出て八尾市に怒りをぶつけたかった」と裁判所を弾劾した。岡邨支部長は「6・5国鉄全国運動大集会に決起し、直ちに西郡支部1千人建設の力で反動判決をはね返そう」と訴えた。
 控訴審第1回での即日結審こそ、3・11情勢下、巻き起こる労働者人民の怒りと決起への恐怖の表れだ。逆にわれわれは怒りを力に変えて6月15日から4回の地域懇談会を設定し、支部1千人建設の組織戦に突入した。
 7月24日、西郡支部大会、7月26日午後3時、住宅明け渡し弾劾裁判控訴審判決闘争に総決起しよう。
 (投稿/全国連西郡支部・植村清)
 ------------------
*2分の1更地化
 市は昨年3月の「八尾市営住宅機能更新事業計画」では住宅を建て替えるとしていたが、昨年11月以来、住民への説明会や戸別の案内で、ほかの団地への住み替えを迫っている。現在新築中の新1〜5号館以外の立て替えはせず、立て替え予定だった棟をすべて更地にして売り飛ばそうとしている。ムラの中心部の、宣念寺や噴水前(森本政二さんの生花店があった場所!)も更地にし、西郡の2分の1を切り捨てるものだ。「話が違う」「引っ越さない」と住民の決起が始まっている。

------------------------TOPへ---------------------------