ZENSHIN 2011/06/06(No2490 p06)

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第2490号の目次

被災地の怒りと結び1780人が結集 1、2階を埋めて、新自由主義と大震災、原発大事故への怒りがひとつになった(6月5日 東京・日比谷公会堂)

1面の画像
(1面)
国鉄決戦と反原発闘争を宣言  6・5国鉄集会
分割・民営化反対、1047名解雇撤回貫き  新自由主義−震災解雇・大失業と闘う
被災地の怒りと結び1780人が結集(6月5日)
記事を読む  
もう一度原点に返って闘う労働組合を一から  田中動労千葉委員長の訴え(6月5日) 記事を読む  
日程 6・19怒りのフクシマ大行動 記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
(2面)
7月国労大会決戦へ総決起を
闘争団の切り捨てを絶対許すな  6・11大デモ−反原発闘争爆発へ
記事を読む  
原発推進の最前面に出てきた  国鉄分割・民営化の極悪の張本人葛西を打倒せよ 記事を読む  
JP労組全国大会へのアピール
原発、失業、郵政リストラと対決し 闘う労働組合をよみがえらせよう
経営陣は「赤字」の全責任を取れ!
記事を読む  
全逓労働者の怒りの声
現場を悪者にリストラ強行  堪忍袋の緒が切れる思いだ(東京A局・集配労働者)
記事を読む  
(3面)
外注化こそが原因だ  石勝線 脱線・炎上事故を弾劾する
責任を労働者に転嫁するな
記事を読む  
圧倒的な夏期カンパを訴えます  反失業・反原発闘争の高揚と革命の勝利を切り開くために 記事を読む  
和解拒否の国労原告団の夏季物資販売にご協力を  「共に闘う国労の会」がアピール 記事を読む  
反原発で連続デモ(東京・W)(5月28日) 記事を読む  
(4面)
自治労中央委 10%賃下げ妥結に怒り噴出
震災下、総屈服する本部  裏切り許さず反原発闘おう
記事を読む  
関生弾圧 労組解体狙う起訴許すな  関生支部が怒りの抗議声明 記事を読む  
「君が代」起立条例粉砕へ  職場で団結し橋下大阪府知事と対決を(大阪・藤村) 記事を読む  
新刊紹介 国際労働運動 7月号  前進する中東革命 記事を読む  
(5面)
6・11百万人デモから6・19フクシマへ
被災地・福島の怒りを先頭に全原発の停止・廃炉へ闘おう  革共同福島県委員会
記事を読む  
20ミリシーベルト通知  文科省が撤回を拒否  全国の学校現場で反撃を(5月27日) 記事を読む  
事故情報隠しとウソを重ねる  政府・東電に怒りのデモを 記事を読む  
国による東電賠償支援「枠組み」の反動的正体
政府・東電・銀行の責任免罪  公的資金の投入で原発推進
記事を読む  
(6面)
5・29三里塚  “原発も空港も敵は同じだ”
現闘本部撤去阻止へ185人  50人不当逮捕に怒り 残る38人奪還誓う(5月29日)
記事を読む  
三里塚裁判傍聴を! 記事を読む  
8・6ヒロシマを世界大会に  広大生は反戦・反核・反原発と学生自治会再建の先頭に立つ
マルクス主義学生同盟中核派・広島大学支部
記事を読む  
2011年日誌 5月24日〜30日  菅訪米、9月に先送り/エジプトで数万人が軍に抗議デモ 記事を読む  
法大裁判に集まろう! 記事を読む  
(7面)
闘う労働組合を取り戻そう
反失業・反原発闘争の爆発と基地撤去・新基地建設阻止へ  革共同沖縄県委員会
記事を読む  
〈焦点〉 原発政策をめぐり争闘戦  日帝危機とG8サミット 記事を読む  
〈焦点〉 原発推進「凍結」のペテン  責任逃れを図る連合幹部 記事を読む  
ドイツ 16万人が「原発止めろ」(5月28日) 記事を読む  
(8面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
10日間の勾留延長弾劾  5・20三里塚弾圧 38人を即時釈放しろ(5月31日) 記事を読む  
反原発・労組つぶしが狙い  コンピューター監視法案と強制執行妨害罪重罰化阻止を 記事を読む  
6・24東京高裁包囲デモへ  星野同志を取り戻す時が来た  11年星野全国総会に結集を 記事を読む  

週刊『前進』(2490号1面1)(2011/06/06 )

 国鉄決戦と反原発闘争を宣言

 6・5国鉄集会

 分割・民営化反対、1047名解雇撤回貫き

 新自由主義−震災解雇・大失業と闘う

 被災地の怒りと結び1780人が結集

(写真 被災地の怒りと結び1780人が結集 1、2階を埋めて、新自由主義と大震災、原発大事故への怒りがひとつになった【6月5日 東京・日比谷公会堂】)

 6月5日、国鉄闘争全国運動の主催で「国鉄分割・民営化絶対反対!1047名解雇撤回!新自由主義・震災解雇と闘う反失業大闘争を!6・5大集会」が東京・日比谷公会堂で開かれ、全国から1780人が大結集した。大震災と原発事故のただ中で、労働者階級人民の生き抜く道は階級的労働運動を復権させることだ。集会は国鉄決戦と反原発闘争に総決起することを誓い合った。(次号に続報)

 関生・三里塚弾圧粉砕を!

 集会の司会は全国金属機械労組港合同の中村吉政副委員長と動労水戸の石井真一委員長が務めた。冒頭、中村副委員長が全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部に対する5・11弾圧と三里塚闘争に対する5・20弾圧を怒りを込めて弾劾し、また「4・9和解から1年がたったが、再雇用の話も立ち消えになった。闘わなければ何も得られない。労働者の権利を守る闘いを大きく飛躍させよう」と力強く訴えた。
 開会のあいさつを行った元国労九州本部書記長の手嶋浩一さんは、震災と原発事故に激しい怒りをたぎらせ、「資本は金もうけのために人殺しもする本性をむき出しにした。連合幹部は御用組合から犯罪者集団になった。労働者が放射能を浴び死に至る労働を強制されているのに、見て見ぬ振りをしている。新自由主義は労働者人民を殺戮(さつりく)して成り立っている。もう沈黙は許されない。闘う労働運動の旗を全国で打ち立てよう」と声を強めた。
 関西地区生コン支部の武谷新吾執行委員、西山直洋執行委員が連帯のあいさつに立った。国家権力は5月11日、高英男副委員長を始め関生支部の13人を不当逮捕したのに続き、27日、全員を起訴した。武谷執行委員は、これが昨年139日にわたり闘われた産業ゼネストへの報復弾圧だと徹底弾劾し、「これにひるまず、弾圧を跳ね返し、三里塚闘争弾圧の仲間も含め早期奪還しよう」と訴えた。西山執行委員は、逮捕された組合員の家族に警察が「組合をやめろ」と恫喝している事実を暴き、「警察による国家的不当労働行為を一切認めない。われわれは運動で巻き返す」と鮮明な決意を表明した。

(写真 被災地から上京した大派遣団が壇上を埋めた。張り裂けんばかりの怒りの訴えに参加者全員が聞き入った)

 政府と東電のウソを許すな

 動労千葉の田中康宏委員長が「動労千葉からの報告」を行った(要旨別掲)。田中委員長は「昨年の4・9政治和解で国鉄闘争を終わらせたら日本から労働運動は消えてしまうという危機感から国鉄闘争全国運動を立ち上げた」と述べ、震災以降「何十万の労働者が仕事を失っているのに労働組合は何をしているのか。この現実をつくりだしたのが国鉄分割・民営化だ。だから国鉄分割・民営化を絶対にあいまいにしない」と提起した。
 さらに国労が7月全国大会で規約を変え、闘争団員から組合員資格を奪おうとしていることを指摘し、「国鉄闘争つぶしに反撃しなければならない」「原点に返って労働組合を一からつくり出そう」と力説した。
 これを受け、国鉄全国運動呼びかけ人で日本近代史研究者の伊藤晃さんが「『日本の復興』が叫ばれているが、われわれはそこにうずもれてはいけない。働く者の権利、生きる権利からすべてを出発させよう。1047名闘争の原点に立ち、もう一度労働運動をつくろう」と訴えた。さらに呼びかけ人各氏が次々に発言した。三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱治事務局長は、「労働者と農民が一体となって政治をする世の中にしなければ未来はない。青年、学生、幼子の将来ために一人ひとりが決起しよう」と呼びかけた。
 満場の拍手を浴びて被災地の福島・宮城で闘う労働者が登壇した。
 元福島県教組委員長の清野和彦さんは、福島の現状を報告し、「原発事故を二度と繰り返してはならない。政府と東電のウソを許してはならない。敵はやっつけなければならない」と訴えた。子どもを見殺しにする文科省への親の怒り、闘いを圧殺する体制内労組幹部への怒り、そして労働者の団結こそが生きる道であることが、それぞれの発言者から語られた。
 大震災の中からよみがえった階級的団結は、国鉄闘争全国運動の圧倒的可能性を照らし出し、参加者を奮い立たせた。

 

(写真 動労千葉争議団、和解を拒否して闘う国労闘争団員、弁護団が登壇し決意を表明。発言は動労千葉の高石さん)

国鉄闘争と原発廃止は一体

 国鉄1047名闘争当該が壇上に並んだ。
 動労千葉争議団の高石正博団長、動労千葉争議団の中村仁さん、国労秋田闘争団の小玉忠憲さん、国労鳥栖闘争団の石崎義徳さんがそれぞれに、解雇撤回まで闘う不動の決意を表明した。
 国鉄分割・民営化が新自由主義の原点であり、1047名解雇撤回闘争を貫くことが大失業攻撃と立ち向かい、全原発を廃止する闘いと一体であることが鮮明になった。
 決意表明では、雇い止め解雇と闘う郵政の非正規職労働者が郵政当局に激しい怒りをたたきつけた。さらに、動労千葉青年部再建準備委員長の北嶋琢磨さん、社会保険庁解雇と闘う労働者、非正規職解雇と闘う労働者らの発言が続いた。
 6・5集会共同宣言を提起した動労千葉を支援する会の山本弘行事務局長は、労働者の根源的な怒りを闘いに結実させ、国鉄闘争全国運動を一層拡大しようと訴えた。
 国鉄闘争全国運動は、国鉄闘争を基軸に職場・地域から資本と闘う労働運動をつくり出し、それを全国的につなげる闘いだ。敵階級が階級的労働運動の絶滅に全力を挙げる中で、その意義はさらに重大になっている。
 国鉄闘争は7月国労大会を頂点に重大な決戦に入った。6・5集会は、被災地の根底的な怒りと固く結合し、国鉄決戦を全力で闘い、大失業と対決し、原発即時廃止に攻め上ることを力強く宣言した。

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週刊『前進』(2490号1面2)(2011/06/06 )

 もう一度原点に返って闘う労働組合を一から

 田中動労千葉委員長の訴え

 この運動を立ち上げてから1年がたちました。多くのご支援に心から感謝を申し上げます。
 私たちは、去年の4・9政治和解に対して、こんな形で国鉄闘争を終わらせたらこの日本から労働運動、労働組合が消えて無くなってしまうという危機感を感じ、色んな方と相談してこの運動を呼びかけました。多くの仲間がこれに応えてくれました。3月11日以来の状況を見る中で、この運動を始めて本当に良かったとあらためて感じています。
 労働者も農民も漁民も”これからどうやって生きていくのか”と激しい怒りの声をあげています。全国で何十万という労働者が仕事を失い路頭に放り出されています。なのに労働組合はいったい何をやっているのか。この現実を生みだしたのが国鉄分割・民営化です。だから僕らは国鉄分割・民営化について、そして新自由主義について絶対にあいまいにしてはならないんです。
 国労は7月定期全国大会で規約を変え、闘争団員を最後的に組合員じゃなくそうとしています。完全に企業内御用組合になるということです。これが去年の和解で政府が意図したことです。さらに大震災の現実をも口実にして公務員賃金1割カットが出てきました。これは地方公務員に波及するだけじゃなく、資本家たちは”首切りも賃下げも好き勝手にやれる”と一気に動きだします。
 この攻撃の中心に国鉄闘争つぶしがあります。だから、ここから反撃を開始しないといけない。そして”それはできる”と感じています。私たちは小さな力ですが、何度もストに立ち、10年間にわたって業務外注化を阻止してきました。現場で闘えば勝てるんです。
 若者が1万人、2万人と決起を始めています。福島を始め怒りの声はどこまでも非和解になっていきます。この中で国鉄闘争全国運動を、職場から無数の闘いをつくっていく運動に発展させたい。それができれば間違いなく社会は動き始めます。
 「連合はだめだ。全労連はだめだ」と言っていればすむ時代は終わりました。われわれの力で職場から具体的な運動をつくり、この1〜2年で2倍、3倍、5倍、10倍の力を持ち、すべての怒りの声と結びついていく。もう一度原点に返って労働組合を一からつくり出していく。今日の集会を、その新たな出発点とすることを訴えます。

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週刊『前進』(2490号1面3)(2011/06/06 )

 日程 6・19怒りのフクシマ大行動

 放射能に未来を奪われてたまるか!
 すべての原発をとめよう!
6・19怒りのフクシマ大行動
 日時 6月19日(日)午後1時〜 (午後3時デモ出発予定)
 場所 福島市・街なか広場(JR福島駅東口徒歩5分、栄町交差点)
 主催 6・19フクシマ大行動実行委員会

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週刊『前進』(2490号1面4)(2011/06/06 )

前進速報版から 前進速報版から

▼ドイツで16万人が反原発デモ▼エジプトで軍評議会と対決し、若者ら数万人デモ▼内モンゴル自治区で学生を先頭に2000人がデモ

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週刊『前進』(2490号2面1)(2011/06/06 )

 7月国労大会決戦へ総決起を

 闘争団の切り捨てを絶対許すな

 6・11大デモ−反原発闘争爆発へ

 6・5国鉄大集会の歴史的成功を新たな出発点に、闘う労働組合を甦(よみがえ)らせ、今こそ大恐慌の継続・激化にあえぐ最末期帝国主義の新自由主義攻撃を打ち破る階級決戦を猛然とたたきつけなければならない。大恐慌下で没落と体制破綻の危機を深める日本帝国主義の大震災・原発事故情勢に断固として立ち向かい、国鉄決戦と国鉄全国運動の全面的発展、反失業・反原発闘争の大高揚をいよいよ本格的にかちとろう。これを軸に6〜7月から8月闘争の勝利へ進もう。
(写真 「原発いらない!」「東電はうそつき!」思い思いの声を上げて東電本社へデモ【5月31日 東京・新橋】=3面に記事)

 菅打倒! 労働者に権力を

 6月1日に自民、公明、たちあがれ日本が共同提出した内閣不信任案は、結局2日の衆院本会議で大差で否決される結果となった。菅と鳩山の事前会談での「菅辞任の約束をとりつけた」なる辞任時期もあいまいな確認により、小沢派の造反を抑えてなんとか内閣総辞職を免れたものの、菅政権は絶望的で末期的な危機を加速させた。
 与党も野党も、3・11大震災と原発事故情勢に責任をもって立ち向かう意思も気力も能力もない。ブルジョア的政争に明け暮れ、責任をなすりつけ合い、結局は誰も責任をとらず労働者人民を犠牲にする。これこそ日帝ブルジョアジーと政治家たちが一貫してとってきた態度である。
 菅政権は口先で「復興」を叫ぶが、被災者・避難民の救済・救援も、被災地の復旧も、まったく進んでいない。がれきの山は放置され、南三陸町の水道の復旧などまだわずか1%。政府やブルジョアジーの関心は、産業・企業の復興と大資本のもうけだけである。
 福島第一原発は津波に襲われる50分前の地震の揺れで原子炉自体と配電機能などが深刻な損傷を受けていた事実も明らかになった。東電はこの事実をひた隠しにし、「想定外」の津波による電源喪失が原子炉暴走の要因だと言い続けている。情報隠しとウソと無責任で塗り固められたブルジョアジーとその国家のもとでは、労働者人民はもうこれ以上、生きることはできない。放射線被曝問題の解決も不可能だ。
 「フクシマをかえせ」「ふるさとをかえせ」の根底的怒りを受けとめ、解決できる力は労働者階級の団結にしかない。労働者階級が団結し、農民、漁民、あらゆる階層と団結して闘えば、この社会を根本的に変革できる。すべての原発をただちに止め、廃絶することができる。「原発がなければ働き口がない」といった、新自由主義による地方切り捨ての矛盾も根本的に解決できる。
 なぜならプロレタリア独裁とは、この社会をここまで崩壊させたブルジョアジーを打倒し、労働者(人民)自身による労働者(人民)のための社会建設だからだ。大恐慌と大震災・原発事故情勢をプロレタリア革命に転化するために闘おう。
 今や菅政権は、連合のダラ幹支配によって労働者階級の怒りと決起を抑圧することで、かろうじて成り立っているにすぎない。腐敗した御用組合幹部の支配を職場生産点で食い破り、被災地救援、反原発・反失業闘争に総決起しよう。6・5大集会こそはその新たな闘いの出発点だ。
 動労千葉への銚子支部解体、新賃金制度の再強行、全面外注化の攻撃との闘い。国労大会で規約改訂をもって闘争団を切り捨てる許し難い大攻撃との闘い。郵政職場における非正規職の大量雇い止め、一時金3割カット攻撃との闘い。公務員労働者への10%賃金カット攻撃との闘い。教育労働者の文科省との非和解的な対決、大阪府知事・橋下の「君が代不起立処分」条例制定との闘い。
 まさにこれらは、労働者の階級意識を絶滅し、労働組合を最後的に破壊しようとする新自由主義攻撃との闘いだ。この攻撃の先兵となっている連合支配を粉砕し、組合権力を奪取し、拠点建設を猛然と推し進めよう。

 JR大再編に切り込もう

 今や国鉄と国労をめぐる攻防が決定的情勢を迎えている。7月28、29日の国労大会で、国労本部は闘争団を切り捨て、国労解体に突き進もうとしている。それは、大恐慌・大震災情勢のもとで、JR大再編の先兵に国労を据え、国労をも使って原発推進と大失業攻撃を貫徹していく一大反革命である。
 JR資本は一方でJR総連・カクマル切りに奔走し、他方でJR東海会長・葛西敬之のように「すべての原発を稼働させよ」「原発のリスクを国民は覚悟せよ」(5・24産経)などと叫んで、日帝の国策である原発推進の先兵となっている。国鉄分割・民営化と原発推進は一体だった。分割・民営化と原発推進の先兵に国労を組み込み、新たなJR支配体制に再編しようとしているのだ。粉砕あるのみだ。
 7月国労大会を「第2の修善寺大会」にするべく、今こそ国労とJR平成採の怒りを解き放って、国労本部打倒へ突き進もう。
 第一に、1047名解雇撤回を断固貫き、闘争団切り捨て絶対反対で闘うことだ。国労本部は会社との雇用関係がなくなったものは組合員として認めないという規約変更を行い、闘争団を切り捨てようとしている。とんでもないことだ。これは解雇者はただちに組合員ではなくなるということだ。これでどうして労働組合が成り立つのか。国労を極悪企業JRの先兵に仕立てようとしている国労本部を打倒し、闘う国労を甦らせよう。
 第二に、「全原発をただちに停止し、廃炉にせよ」と訴え、反原発闘争を大高揚させることだ。葛西発言を徹底弾劾せよ。国鉄(JR)労働者の分割・民営化への怒りを反原発と一体化させ、爆発させよう。
 第三に、青年労働者の未来を奪うJR体制打倒を掲げ闘うことだ。グリーンスタッフの雇い止め、新賃金制度、検修部門全面外注化などに対し、職場には怒りがマグマのように噴出している。平成採の青年労働者を獲得し、新たな国鉄労働運動を切り開こう。
 5月27日、北海道占冠(しむかっぷ)村のJR石勝線のトンネル内で起きた特急列車の脱線・炎上事故は、分割・民営化による闘争団切り捨てと外注化が引き起こした重大事態だ。あわや240人の乗員・乗客が焼け死ぬ寸前だった。JR北海道では94年にも同じ特急で推進軸の脱落が2度起きた。全国のJRでは1991年以降、少なくとも18件起きている。すべて外注化の結果だ。
 JR北海道は、闘争団をただちに職場復帰させよ。闘争団は「雇用ゼロ」の解決など絶対に認めてはならない。それは第2、第3の尼崎事故を容認することになる。労働者の誇りにかけて解雇撤回で闘い抜こう。

 反失業・反原発へ大攻勢

 福島原発は1、2、3号機とも溶けた燃料棒が圧力容器を突き破り、格納容器や建屋の下にたまっている状態であることが明らかになった。いつ建屋下のコンクリートを破って地下水脈と接触し、水蒸気爆発を起こすかもわからない。しかも蒸し風呂状態で過酷な労働を強いられている下請けなど原発労働者の被曝(ひばく)問題が深刻化している。
 他方で日帝資本は震災解雇を激化させ、今や「失業者1000万人時代」に突入しつつある。パナソニックの4万人削減に続き、リコーが1万人解雇、トヨタが国内生産台数の100万台を海外移転することで10万人首切りを打ち出した。宮城・福島・青森の被災3県で雇用保険受給申請者はすでに11万人だ。自治体では復旧作業で大幅に人が足りないにもかかわらず臨時職員を雇い止めしたり、過労死基準を上回る残業を強制して残業代を5割、8割もカットする攻撃を行っている。
 被災地の農民、漁民の怒り、母親の怒りと結び、労働者の怒りの先頭で闘おう。原発問題をめぐる階級の分断を打ち破り、労働組合の力で生活と雇用を守り、社会を変革する反原発・反失業闘争の発展をかちとろう。
 6・5国鉄集会に続き6・11反原発100万人行動に、労組の旗を林立させて決起しよう。そして6・19「すべての原発を止めよう!怒りのフクシマ大行動」に全国から駆けつけ、被災地の労働者人民と団結しよう。
 追い詰められた日帝権力の三里塚弾圧、関西生コン支部弾圧を許さず6〜7月闘争に進撃しよう。あらゆる闘いを地区党建設に結びつける意識性をもって闘おう。

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週刊『前進』(2490号2面2)(2011/06/06 )

 原発推進の最前面に出てきた

 国鉄分割・民営化の極悪の張本人葛西を打倒せよ

 「原子力の利用が日本の活路」

 JR東海会長の葛西敬之は、5月24日付産経新聞で「腹を据えてこれまで通り原子力を利用し続ける以外に日本の活路はない」とわめいている。
 さらに葛西はうそぶいている。「原子力を利用する以上、リスクを承知のうえで、それを克服・制御する国民的な覚悟が必要である」「見たくない現実には目をつむり、考えたくない困難には心を閉ざす敗戦後の日本の弊風の中でリスクはできるだけ当事者の腹中に収め、必要性と利用価値のみをアピールする形でしか進め得なかった。今回の災害がもたらした原発危機の淵源(えんげん)はここに発する」
 葛西にとって、福島原発事故で大量の放射能がまき散らされ、数十万人が故郷を追われ、原発労働者が死に至る被曝(ひばく)労働を強いられている現実は、なんら問題ではない。労働者人民の原発への怒りではなく、日帝の原発政策―核武装化政策が窮地に追い込まれている事態こそ、葛西が最も憂慮していることなのだ。
 国家と資本が延命するために労働者人民は命を差し出せ――これが葛西の本音だ。まさにそれは労働者階級に対する反革命的挑戦だ。
 菅は、原発を維持するためのペテン的施策として浜岡原発の一時停止を指令した。葛西はそれにさえかみつく。「政府は稼働できる原発をすべて稼働させて電力の安定供給を堅持する方針を宣言し、政府の責任で速やかに稼働させるべきだ」。反原発闘争に一切譲歩するなというのだ。
 そこにあるのは、労働者人民の反原発の怒りと決起に対する恐怖と憎しみだ。だが、葛西は労働者人民の怒りを甘く見すぎている。青年を先頭とする反原発闘争の巨大なうねりの根底には、労働者の命が資本によってとことん踏みにじられているこの社会の現実に対する根底的な拒否がある。
 労働者人民の激しい怒りの矛先は、葛西のようなやからと、それらをはびこらせた新自由主義に対して向けられている。

 新自由主義の大破産居直る

 葛西の言辞は、国鉄分割・民営化の直接の実行者だったからこそ吐けるものだ。葛西は、当初はJR採用候補者名簿に載っていた動労千葉や国労の組合員を名簿から排除してJR不採用にした張本人だ。不当労働行為をほしいままにし、国鉄労働者20万人首切りの陣頭指揮をとった当事者だ。
 国鉄分割・民営化は日本における新自由主義攻撃の突破口になった。その新自由主義が行き着くところまで行き着いて大破産したのが福島原発事故だ。その中で葛西が原発護持を叫んで新自由主義攻撃貫徹の最先頭に再び登場してきたのだ。
 この事態は国鉄決戦の原点性と基軸的位置をあらためて明確にした。国鉄決戦勝利の中に反原発闘争の勝利もある。
 震災情勢下、資本は労働者の大量首切りと大幅賃下げで延命しようとしている。パナソニックは国内1万数千人、リコーは1万人削減計画を打ち出した。すでに750万人を超える労働者が職を奪われている。
 この大失業攻撃への怒りは、原発への怒りと結合して必ず大きく噴出する。その結節環に位置するのこそ、昨年4月9日の政治和解を突き破って不屈に闘いぬかれる1047名闘争であり、国鉄闘争全国運動だ。
 国鉄分割・民営化は、「国労を解体し総評を解体して立派な憲法を安置する」という中曽根の意図によって強行された。その中曽根は1954年、原子力開発に初の予算を付けた。さらに、国鉄分割・民営化が行われた87年、日米新原子力協定を締結して核燃料サイクルに道を開いたのも中曽根だった。
 国鉄分割・民営化以降、原発事故が多発し、電力資本による事故隠しやデータの改ざんが続発するようになった。それは既成の労働組合が資本に総屈服したことの結果だ。
 葛西は「緊急時の責任体制と対処方法を明確に定め必要な資機材を適切に配置し、迅速な動員体制を整え、日常の訓練により十分に習熟しておけば同じ災害に直面しても今回の事態は避けられる」と言う。だが、「安全な原発」などあり得ない。核・原発と人類は絶対に共存できないのだ。

 葛西こそ安全破壊の張本人

 そもそも、極限的な合理化と外注化・非正規職化によって鉄道の安全をとことん破壊してきたのは葛西自身だ。昨年1月の東海道新幹線の架線切断・停電事故を始め、JR東海は事故を頻発させている。その葛西が「災害に直面しても今回の事態は避けられる」と言っても何の説得力もない。労働者の命をどこまでもないがしろにし、安全の崩壊を全社会に蔓延(まんえん)させたのは、葛西、お前ではないか!
 労働者の命と職場の安全は、労働者が団結し、資本と闘ってこそ、守ることができる。動労千葉は反合理化・運転保安闘争路線を貫き、実践してきた。その動労千葉の闘いは、国鉄闘争全国運動を結集軸に全労働者階級を糾合しつつある。
 葛西に対する労働者階級の回答は、葛西の本拠であるJRにおいて、職場生産点の支配力を労働者の手に奪還する階級的労働運動を築き上げることだ。
 JRが今なおたくらむ検修業務外注化を阻み、JR体制打倒へ闘おう。1047名解雇撤回を掲げぬき、7月国労大会を頂点とする6−8月国鉄決戦に躍り出よう。

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週刊『前進』(2490号2面3)(2011/06/06 )

 JP労組全国大会へのアピール

 原発、失業、郵政リストラと対決し 闘う労働組合をよみがえらせよう

 経営陣は「赤字」の全責任を取れ!

 全国の郵政労働者の皆さん! 6月15〜17日、JP労組定期全国大会(川崎市とどろきアリーナ)が開催されます。この大会を、私たち現場労働者の手で階級的労働組合を甦らせる闘いの場とすることを心から訴えます。
 闘う方針は、3・11東日本大震災を契機に始まった反核・反原発、反失業の闘いと、郵政大リストラ攻撃との闘いです。郵政当局は、多数の非常勤労働者の6月末での雇い止め通知を一斉に出し始めました。絶対に許せません。現場労働者の団結で解雇を阻止しよう。
 JPEX計画(日通との小包部門統合・子会社化)を強行して破綻させ大赤字を作った張本人、西川・斎藤・鍋倉ら新旧経営陣に全責任を取らせよう。そして自らもJPEXを推進し「事業危機で赤字だから仕方ない」論を経営者と一緒に主張してきたJP労組本部・竹内委員長らの責任を徹底追及し、全員辞任に追い込もう。

 連合の「挙国一致で賃下げ容認」許すな

 大震災と原発事故で階級情勢は一変しました。この未曽有の大災害は、安全を度外視した新自由主義と民営化の破産の結末です。国家と資本の階級的犯罪なのです。
 5月7日の渋谷反原発のデモには1万人を超える労働者・学生・市民が参加し、全国で数万人のデモが起きました。6月11日には100万人規模のデモが予定されています。「何かしなければ」「原発はいらない」という怒りが充満しています。資本主義社会の現実を直視した行動が始まったのです。本格的な大衆運動の時代が到来し、労働運動の階級的再生こそが問われています。
 反原発デモに参加した大多数は非正規の青年労働者です。この闘いが震災解雇との闘い、大失業攻撃との闘いに合流しています。戦後革命期以来の階級的激動です。
 日帝支配階級と連合中央は「政治休戦」「挙国一致」の産業復興イデオロギー一色です。彼らの意図は、人民を犠牲にして資本主義体制を守る一点にあります。連合は震災を口実に春闘・メーデーを自粛し、賃上げ要求も放棄した。公務員連絡会(国公連合、自治労、日教組など)は国家公務員の給与10%引き下げ攻撃に屈服しました。
 原発を推進してきた連合会長・古賀は、福島原発事故に沈黙しつつ、海外には「健康に影響する放射線は、発電所の近隣を除いて検出されていない。内外のうわさが人びとの生活と産業を阻害している」と大ウソを流しました。いま現に生命の危険にさらされている原発労働者や、避難を強制され仕事も生活も奪われた労働者・農民・漁民など無視抹殺です。
 「原発は安全でクリーン」と偽り原発利権に群がる電力総連。労働者人民を犠牲に大企業と国家を支え、御用組合官僚の権益を守る。これが連合労働運動なのです。
 戦後66年を支配してきた自民党・財界と民主党政権に腹の底から怒りを! 階級的労働運動の復権をめざす国鉄全国運動=1047名解雇撤回闘争を結集軸に、「郵政民営化絶対反対」の全逓決戦で資本家の手先=連合中央の支配を職場生産点から打ち破ろう。
 現場の猛反対を押し切って強行したJPEX計画の破綻と「大赤字」への転落。その全責任は西川(日本郵政前社長)、斎藤(現社長)、鍋倉(現日本郵便社長)ら経営者にあります。彼らはけた違いの報酬を現場から吸い上げ、天下りで莫大な蓄財をなした連中です。これを全部吐き出して責任を取らせ、郵政からたたき出すことです。

 非常勤労働者の大量雇い止め粉砕しよう

 ところが経営陣は居座り、16万人(日本郵便)の非常勤労働者の大量雇い止めとボーナスカットで帳尻を合わせた。非常勤の「時給30円アップ」すら認めず、すべての赤字を労働者に転嫁した。冗談ではない!
 昨年7月のゆうパック再統合(JPEX破綻の処理)時の34万個の大遅配で、連日の超勤と配達先での罵倒に耐えた現場の苦闘。これを「現場の不慣れが原因」と言い放った鍋倉社長の暴言を思い出してください。
 現場を動かしているのは私たち労働者・労働組合です。経営陣の無能さも露呈しました。彼らを退陣させ、彼らに代わって私たちが職場を回すことは可能です。。
 JP労組本部の責任も重大です。JPEX計画を「民営化の戦略事業」として経営陣と一体で推進した竹内委員長以下の責任は明らかです。今春闘の総括で彼らはこの問題を隠したうえに「斎藤社長のお詫びのメッセージ」を会社に代わって紹介する始末です。
 斎藤社長はこのメッセージで、今回の「大赤字」の原因を「郵便物減少による年間500〜600億円の赤字が大きい」と弁解していますが、この大うそは政府の民営化委員会でも追及されているではありませんか。「赤字で事業危機」論は資本家の常とう手段ですが、労働者意識の解体、労働組合の団結の解体を狙う資本の思想、ブルジョア思想のインチキを現場労働者は完全に見抜いています。
 赤字を作った責任は百パーセント経営陣にあります。郵政民営化そのものの破綻です。この責任を徹底追及し、現場労働者が団結し行動する。この一点に勝利の道はあります。労働組合の路線と方針で決まるのです。
 労使協調路線で当局に加担した組合本部の責任も重大です。私たちの組合費を何億円も懐に入れる労働貴族=中央本部役員を全国大会で総罷免しよう! 階級的労働組合を甦らせよう!
 (革共同全逓委員会)

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週刊『前進』(2490号2面4)(2011/06/06 )

 全逓労働者の怒りの声

 現場を悪者にリストラ強行

 堪忍袋の緒が切れる思いだ

 今、職場で何が起きているか。非常勤の仲間への雇い止め、賃下げ、勤務時間の短縮。これらすべてが解雇攻撃だ。
 郵便内務では深夜勤の5連チャンがまかりとおり、外務でも超勤削減の徹底。時間に追われ配りきれない郵便物。残して帰るのは忍びない。すべてを配れば勤務時間を超える。管理者からは「なんで時間内に終わらないのだ」「超勤をやるな」と毎日言われる。
 現場同士を分断するだけの人事評価。受託料の削減は受託の仲間の仕事を奪った。あげくに全員のボーナスカット。現場の俺たちが何か悪いことでもしたのか。当局のデタラメな業務運行を遂行してきただけだ。
 日本郵便の「大赤字」を作ったのは当局だ。JPEX子会社化の破綻。その結果、ゆうパック再統合の大混乱で遅配の山となった。配達先で怒鳴られて謝り続けたのは現場の俺たちだ。社長は「現場の不慣れが原因」と言い放って責任を一切とらなかった。現場の俺たちを悪者にして大リストラを強行している。
 堪忍袋の緒が切れる。ボーナスカットでローンの返済が苦しくなった。これに対して当局が「カネを貸す」と言ってきた。利子も取るのだ。そもそもボーナスは生活給の一部なのに、それをピンハネしておいて「カネを貸してやる」とは何という言い草か。震災の被災地の仲間には2倍のボーナス出しても足りないぐらいなのに。
 ボーナスカットは組合本部が春闘交渉を中断したスキをついて当局に押し込まれた。「当局も許せないが組合本部も許せない」――これが現場の声だ。本部が闘わないなら分会・支部から闘いを始めよう。非常勤の解雇攻撃に分会・支部からの反撃は始まった。黙っていたらやられ放題だ。全国大会をシャンシャン大会にさせるな! 大会会場に現場の声を持ち込もう。組合本部の屈服を正すのは組合員の役割だ。行動を起こそう!
 (東京A局・集配労働者)

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週刊『前進』(2490号3面1)(2011/06/06 )

 外注化こそが原因だ

 石勝線 脱線・炎上事故を弾劾する

 責任を労働者に転嫁するな

(写真 引き出された事故車両。車体がたわみ車内設備は完全に焼失【5月29日 北海道占冠村】)

 JR北海道の石勝線で5月27日、特急列車「スーパーおおぞら」(6両編成)が脱線、占冠(しむかっぷ)村の第1ニニウトンネル内で炎上する重大事故が起きた。乗客約240人と乗員4人は車両から出てトンネルの外に脱出、39人が病院に運ばれたが、命に別状はなかった。第1ニニウトンネルが石勝線の中でも685bと比較的短かったことが幸いした。死者が出なかったのは奇跡としか言いようがない大変な事故だ。
 事故原因についてJR北海道は、ディーゼルエンジンから車輪に動力を伝える推進軸が3号車(前から4両目)から脱落、後方2両の燃料タンクが破損、漏れた軽油に引火した可能性が高いと発表した。最初に台車とギアボックスをつなぐ「つりピン」が外れたことで推進軸の継手やギアなど主要部品が次々と脱落した。

 臨界点を超えた安全の総崩壊

 JR北海道では、94年5月にも室蘭線を走行中の特急「スーパー北斗」の推進軸が脱落する事故が起きた。そればかりか、この5年間だけでも大惨事寸前の重大事故が繰り返し起きている。およそ黒字経営が成り立つ余地のないJR北海道は、発足以来の24年間で社員数を半減し(1987年1万2955人↓2011年7267人)、業務の外注化を軸に極限的な合理化を進めてきた。その結果が事故の続発だ。国鉄分割・民営化の矛盾が安全の崩壊として爆発しているのだ。
 今回と同じ推進軸の脱落事故はJR他社でも頻発している。
 JR四国では今年5月25日、高徳線を運行中の普通列車がエンジンの動力を発電機に伝える部品(補機駆動軸)を落としたのを始め2件の推進軸脱落が起きている。他社でも推進軸が外れる事故が、少なくともJR東日本で5件、JR東海1件、JR西日本5件、JR九州1件、JR貨物3件も起こっている。
 全国のJR職場で進められてきた検修業務の外注化、検査周期の延伸、利益優先のスピードアップが事故の背景にあることは明らかだ。
 臨界点を超えた安全の総崩壊を前にしながら、国土交通省は「いつまでも国鉄の看板を背負って政策はできない」と3島会社(北海道・四国・九州)とJR貨物にさらに徹底した合理化を求めている。東日本、東海、西日本でも検修や駅業務の外注化が加速している。絶対に許せない。

 外注化を阻止し労働運動復権を

 マスコミは「運転士と車掌の避難誘導の遅れ」をあげつらうが、最大の問題は推進軸脱落という重大事故をJRが繰り返しているということだ。
 この事故では、異常を確認した運転士は列車を緊急停止させ、直ちに運転指令センターに報告した。車掌も2度にわたり「車両前方から降りてトンネルを避難した方がよい」と伝えている。その後、車掌はトンネル出口の確認に走り、運転士は炎の確認に向かった。こうした必死の対応の間に指令センターとの連絡も途絶し、煙に耐えられなくなった乗客が自ら車外に出て避難を始めた。乗務員は規定どおりに命がけで対応した。労働者に責任をなすりつけることは断じて許せない。
 事故の責任の一切は、現場労働者をがんじがらめの労務管理で締め付け、安全運行よりも利益を優先し、まともな事故対策を怠ってきたJR資本にある。大合理化に率先協力してきたJR総連、JR連合などの御用労組幹部どもも同罪だ。
 安全を真っ向から掲げて闘う労働組合をよみがえらせ、職場支配権を奪い返すことが待ったなしに求められている。JR東日本による検修全面外注化を絶対に許すな!
 青年労働者を先頭に会社の手先=JR総連やJR連合幹部の支配を打ち破り、全JR職場に闘う労働運動を復権しよう。これが石勝線事故に対する労働者階級の回答だ。
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 資料 JR北海道の最近の主な事故
05年2・4 静内駅で入れ替え車両脱線
  4・17 旭川運転所で特急列車脱線
  11・21 函館線で普通列車とショベルカーが衝突、ショベルカーの運転手が死亡
06年1・25 苫小牧駅構内で普通列車と回送列車が衝突
  5・30 函館駅構内でディーゼル機関車と気動車が衝突・脱線
07年4・16 苫小牧駅で回送列車が脱線
  10・21 小清水駅で試験運転中の道路・線路両用車両が脱線
09年1・15 滝川市で普通列車が停止中の貨物列車の約250メートル手前まで接近し急停止
  2・14 斜里町で普通列車が線路上の雪山に乗り上げ脱線
  2・16 特急「スーパーおおぞら」からブレーキ部品脱落
  12・28 富良野駅構内で快速列車が停車中の除雪車に衝突、乗客ら12人けが
10年1・29 函館線踏切で特急とトラックが衝突・脱線。44人が負傷
11年1・19 深川駅で貨物列車と除雪車が接触

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週刊『前進』(2490号3面2)(2011/06/06 )

 圧倒的な夏期カンパを訴えます

 反失業・反原発闘争の高揚と革命の勝利を切り開くために

 すべての『前進』読者・支持者の皆さん、全国の闘う労働者人民の皆さん! 革共同は、3・11情勢と全面対決し、反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命の勝利に向けた決定的な扉を今こそ押し開くために、すべての皆さんが2011年夏期闘争資金カンパ闘争に新たな決意をもって総決起されることを訴えます。

 必ず勝利もぎりとる

 大恐慌と3・11情勢が問いかけていることは、資本主義の打倒、プロレタリア世界革命の達成以外に、ますます深刻化する破局からの出口はないということです。この夏−秋、革共同は国鉄決戦と反失業・反原発を軸に史上最大の階級決戦に断固として打って出て、必ず勝利する不退転の決意を打ち固めています。今夏闘争資金カンパ闘争は、3・11情勢下で文字通り、革命の命運をかけたものになっています。
 革共同は労働者階級の党であり、その全活動は唯一、労働者人民の団結した力によってつくりだされる闘争資金によって支えられています。革共同への闘争資金カンパは、労働者階級が資本の支配を打倒して自らの政治権力を打ち立てていくための決定的な武器です。この闘争資金の圧倒的な拡大が今ほど求められている時はありません。大震災と原発大事故が暴き出した国家と資本の犯罪性に対する激しい怒りを、資本主義打倒の力に変えるために、革共同に絶大な資金カンパを寄せて下さい!
 革共同はきっぱりと宣言します。プロレタリア革命権力の樹立に向かってまっしぐらに突き進む時代が来ました。戦後革命期の闘いを引き継ぎ、その敗北を断固としてのりこえて進む時が来たのです。1947年2・1ゼネストを再び組織する巨大な闘いに挑戦し、未完の戦後革命を完遂するということです。64年前の労働者階級は真の労働者革命党をもたず、その結果として「産業復興」「戦災復興」思想に勝つことができず、2・1ストは挫折し戦後革命は敗北しました。
 だが今日、われわれはこの敗北をのりこえることができる地平を獲得しています。革共同の綱領草案に盛り込まれたマルクス主義、反帝・反スターリン主義プロレタリア世界革命の思想。動労千葉の闘いや三里塚闘争、国鉄闘争全国運動、そして国境を越えたプロレタリアートの国際的団結です。
 戦後世界体制の矛盾の集中点である中東・北アフリカで、ついに21世紀革命の火ぶたが切られました。そして今、「フクシマからの警告」は、世界的な青年労働者・学生の反失業・反原発の決起に火をつけています。3・11は、日本革命を決定的な位置に押し上げたのです。
 革共同は、すべての闘う労働者階級人民の最先頭に立ち、どんな弾圧や困難にもひるむことなく最後まで闘い、必ず革命の勝利をもぎりとります。

 革命の資金の集中を

 大震災の発生からまもなく3カ月を迎えます。被災地では、今なお生きるために必死の闘いが繰り広げられています。震災を口実に、問答無用の解雇や賃下げ、非正規職化の攻撃が全国の労働者を襲い、大失業がいよいよ深刻化しています。福島第一原発では、チェルノブイリを超える大事故が収束の展望など何ひとつないまま進行し、放射能汚染と労働者の被曝(ひばく)が拡大する中、再臨界の危機が迫っています。
 この事態をつくり出したのは、資本の利潤追求を最優先する新自由主義とその政治です。地震と津波の被害をここまで広げ、「フクシマ」の事態を生み出した資本と国家の罪は万死に値します。刑務所にぶち込み、絞首台に送って当然の階級的犯罪です。しかし、この階級的大罪人どもは、何の責任も取らず、新自由主義をさらに推進しようとしています。彼らを打倒し、資本主義社会を根底から転覆することなしに労働者人民の生きる道はありません。
 反失業・反原発の闘いは、日帝打倒まで突き進む闘いです。革共同への圧倒的なカンパを、まさに革命への資金として寄せて下さい。
 闘う力は、労働者階級の中にあります。日本の労働者階級は必ず立ち上がります。革共同は、ここに不動の確信を持っています。
 すべては階級的な団結の形成にかかっています。闘う労働組合の再生と労組青年部の再建、そして学生自治会の再建です。
 昨年4・9政治和解の攻撃と闘う中で発足した国鉄闘争全国運動は、結成1年目の6・5大集会を感動的にかちとりました。新自由主義の破綻と危機の全面的な爆発に対して、〈大失業粉砕・全原発廃棄〉〈連合打倒・労働運動の再生〉が高らかに宣言され、新自由主義攻撃を根底から打ち破る階級的労働運動の力強い前進が本格的に開始されたのです。
 菅政権がふりまく「国難」「震災復興」思想は、4・9政治和解の思想を全社会化したものにほかなりません。階級的なものを根絶する攻撃です。3・11情勢下のこの階級闘争絶滅攻撃に対し、被災地の仲間たちと動労千葉、三里塚反対同盟、全学連を先頭に断固とした決起で、日帝をぐらぐらに揺さぶっています。
 5月20日に敵国家権力が強行した50人不当逮捕の大弾圧は、三里塚闘争が「フクシマ」の怒りと結びつくことへの日帝権力の恐怖の表れにほかなりません。さらに関西の地では関西生コン支部の決起が労働者に根底的な闘いへの檄を発しています。「大震災下の戒厳令」は、すでに力を失っているのです。

 渾身の決起訴えます

 私たちは絶対に勝ちぬかなければなりません。大失業攻撃のもとで必死に生きる労働者の皆さん! 皆さんの生活の厳しい現実が分かるからこそ、声を大にして訴えます。最も深い怒りをもつ皆さんの渾身(こんしん)の決起で夏期闘争資金カンパを集中して下さい。皆さんの存在をかけた決起に、革共同は必ず応えます。全党の同志の皆さん、支持者の皆さん、今こそ全力を振り絞り、一人の例外もなく、夏期闘争資金カンパ闘争に総決起して下さい。

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週刊『前進』(2490号3面3)(2011/06/06 )

 和解拒否の国労原告団の夏季物資販売にご協力を

 「共に闘う国労の会」がアピール

 和解を拒否して闘い抜く国労原告団の2011年夏季物資販売のアピールを紹介します。職場や地域で取り組もう。(編集局)
 みなさまの日頃からのご奮闘に敬意を表します。
 3月11日に東日本全体を襲った大地震と津波で多くの労働者、農民、漁民、子どもたちの命が奪われました。また福島第一原発の事故により放出される膨大な放射能は今なお数百万人の命を脅かし続けています。想定された津波よりはるかに低く設定された堤防、安全を切り捨て「絶対安全」のウソとデマで成り立ってきた原発。資本の利潤追求を優先し、労働者民衆の命と生活を犠牲にしてきた新自由主義とその政治こそがここまで被害を拡大させたのです。
 私たちは、国鉄千葉動力車労働組合の呼びかけでつくられた「東日本大震災救援対策本部」のもと、宮城、福島、茨城など被災現地の闘いの支援をただちに開始しました。同時に1047名解雇撤回の裁判闘争、鉄道運輸機構に対する申し入れ、4・23尼崎事故弾劾闘争など、新自由主義の突破口であった国鉄分割・民営化に対する闘いを一体で推し進めてきました。
 一方で「4者・4団体」の指導部は、「自粛」や「政治休戦」の名のもとに資本や政府とのあらゆる闘いを放棄してしまっています。それどころか、国労本部は7月大会を経て年内にも闘争団を国労から切り捨て、連合への合流を狙っています。国労をめぐる攻防は重大な決戦局面を迎えています。「解雇撤回」「原職復帰」の闘いこそ、国鉄労働者が生きぬくための闘いであり、闘う国労を甦(よみがえ)らせる道です。
 「国鉄闘争の火を消すな」――震災下で国鉄分割・民営化攻撃との対決はますます重要です。労働者の生活と命を守るべき労働組合が、これ以上労資協調に手を染めれば、際限のない労働者の権利破壊、農民や漁民の生活破壊につながることは間違いありません。
 昨年の「4・9政治和解」を前後するわずか一年足らずの間に、社会保険庁や日本航空、郵政などで「解雇自由」の嵐のような攻撃が吹き荒れました。
 その渦中で起きた東日本大震災と原発事故は、これをさらに加速させようとしています。震災による失業者は宮城、福島、岩手の3県だけですでに10万人を突破しています。「復興支援」を口実に、菅政権は人事院勧告の慣例も無視して国家公務員の賃金を一割削減する方針を固めました。「非常時だから」と憲法も労働法も全部停止するような攻撃がまかり通れば、賃下げも解雇もなんでも自由の社会になってしまいます。
 労働者の働く場を奪い、社会を疲弊させてしまってはその先にいかなる復興や再建もありません。今必要なことは「復興」や「挙国一致」のもとで強行される労働者に対する一方的な犠牲転嫁に対し、怒りの声を集め、闘いを開始することです。
 1047名闘争を軸に、労働組合を甦らせ、資本と政府に反撃を開始しましょう。「4・9政治和解」を拒否して闘う4名の国労原告団がその先頭に立ちます。4名の生活と闘いを支える「2011年夏季物資販売」へのご協力を何とぞよろしくお願い致します。
2011年5月
国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回を共に闘う国労の会
   ◇販売品目◇ (円)
1 白粥        1050
2 玄米粥       1450
3 おかゆセット    1250
4 がんこもんラーメン
  とんこつ(乾めん) 1000
5 がんこもんラーメン
  ミックス(乾めん) 1100
6 北の味めぐり
  冷やしラーメン   1300
7 板利 手延そうめん 1900
8 金笛だしの素    1100
9 妻有そば      1400
10 妻有ざるうどん   1350
11 いわしの昔煮    1440
12 からしめんたい
        210g 2
13 野菜カレー(辛口) 1100
14 くんせいたまご    660
15 漁師のふりかけ    600
16 梅ちりめん      320
17 ウユニ塩湖の天然塩  490
18 有機無農薬コーヒー  850
19 もろみ        500
20 ザク切りバナナ    600
21 ザク切りマンゴー   360
22 あずきオレ      360
23 国産たまねぎスープ  600
24 冷たいスープ    1200
25 じわもんゼリー    600
26 ほし柿ようかん    550
27 ゆずようかん     550
28 干し芋        550
29 からしたかな     500
30 われおかきミックス  500
31 北海焼足       520
32 荒さきいか      520
33 おからかりんとう   400
34 よもぎせっけん   1050
申込先/国労原告団互助会
東京都品川区大井1-34-5河野ビル3階 なんぶユニオン気付
TEL 03−3329−8815 FAX 03−3329−8821

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週刊『前進』(2490号3面4)(2011/06/06 )

 反原発で連続デモ

 吉祥寺 青年が続々と合流 労組青年部が呼びかけ

 5月28日夜、反原発・反失業デモが東京・吉祥寺に大登場した。約150人で井の頭公園を出発したデモは330人にふくれあがった。雨中のデモだったが、「反原発デモがついに吉祥寺でも始まった!」と沿道は大注目。「原発いらない」「ふるさと返せ」「仕事を返せ」「子どもを守ろう」「被曝労働許さないぞ」「ノー・モア・フクシマ」「労働組合よみがえらせよう」などのリズムに合わせたコールに店内から総出で手を振る労働者や沿道を一緒になってついてくる人たちも。車中からも拍手喝采だ。
 浜岡原発で仕事をしていたという青年労働者は「原発のことを全然知らないで仕事をしていた。素人が造った原発が安全なはずがない」と全力でデモに参加した。デモはフクシマの怒りとも結びついた。参加した福島出身の青年労働者は「何か自分にできないかと思って参加した。ノー・モア・フクシマの言葉に涙が出た」と語っていた。外国人、ミュージシャン、「原発は高コスト」というプラカード持参の青年などがどんどんデモに加わり、若者の街・吉祥寺は反原発・反失業で大いに盛り上がった。
 デモの呼びかけは合同労組八王子、東京西部ユニオン、東京北部ユニオンの青年部だ。呼びかけ人の医療労働者は「東京電力や国は原発でさんざんぼろもうけして、原発を手放そうとはしない。非正規職化も資本がもうけるためにやっている。根本は同じ問題だ。こういう現実を許してきたのが御用組合だ。本当に労働組合をよみがえらせよう。労組交流センター青年部をつくろう」と訴えた。闘う労働組合が先頭に立って青年が団結してデモを牽引(けんいん)したことは決定的だった。(東京・KZ)
(写真 「ふるさと返せ!」「仕事を返せ!」。熱気あふれるデモに沿道は大注目【5月28日 吉祥寺】)

 新橋 150人が東電本店へ 戦闘性と威力を発揮

 5月31日、「原発止めろ!新橋アクション」の呼びかけで東電本店直撃のデモが150人で打ちぬかれた。開始前になんぶユニオンやユニオン東京合同、東京東部ユニオンの仲間たちが新橋駅SL広場で行動を呼びかけると、あちこちで討論が沸き立った。原発への怒りは労働現場での資本への怒りと重なっている。
 新橋駅直近の桜田公園からデモが出発すると、仕事帰りの労働者のほとんどが立ち止まり注目した。繁華街は騒然となり、手を振ったり激励する人が相次いだ。権力は全力で張りつき合流を阻んだが、それをかいくぐって合流する労働者が出てきた。デモ隊列は東電前では倍近くに伸びた。怒りは深く、広い。福島県から避難中の原発労働者もデモに加わった。
 東電本店前は機動隊車両がガチガチに固めていた。断じて許せない。デモ隊は徹底的に怒りをたたきつけた。直接行動の持つ戦闘性と威力を実感させる重要な闘いとなった。
 (東京・W)
(写真 東電本店前でデモ隊は怒りの声を響かせた【5月31日】)

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週刊『前進』(2490号4面1)(2011/06/06 )

 自治労中央委 10%賃下げ妥結に怒り噴出

 震災下、総屈服する本部

 裏切り許さず反原発闘おう

 人件費2割削減へ水面下で交渉

 5月26〜27日に奈良市で開かれた自治労中央委員会で自治労本部の徳永秀昭委員長は、開会のあいさつと総括答弁を通して国家公務員賃金10%削減に応じた5・23労使合意を公然と居直った。
 公務員連絡会と政府との交渉過程で、給与削減の特例法案とスト権抜きの国家公務員制度改革関連法案をともに今国会で成立させる、地方公務員には国家公務員賃金削減の影響を波及させない、という片山善博総務相の「回答」を得たことをもって賃下げ合意=屈服を正当化した。
 またわずか10日間の交渉期間で最終決着に持ち込み、一度も大衆行動を組織しなかったことを震災・復興過程だから自粛は当然とした。連合・公務員連絡会幹部は、日帝存亡の危機=「非常時」を機に敵階級が戦後的労使関係を破壊・一掃する大攻撃に出てきたことに恐れをなし、屈服と裏切りに走ったのだ。そればかりか敵の攻撃の先兵となって、組合員大衆の怒りと憤激が行動となる前に、ボス交でスピード決着したのだ。
 しかし実は、徳永委員長が総括答弁で明らかにしたように、人事院勧告を閣議決定した昨年11月1日から政府と労組は、民主党がマニフェストに掲げた国家公務員人件費2割削減と労働基本権問題の議論を水面下で行ってきたのだ。それを4月上旬に朝日新聞が「国家公務員給与5%削減へ 震災復興に充当 労組と合意 捻出(ねんしゅつ)額はおよそ1500億円」とリークした。
 これは自治労などの抗議で訂正、「誤報」とされたが、今回の妥結内容、係員の給与削減5%と一致する。自治労本部は機を見て交渉を公然化し、一挙に決着に持ち込むことで闘争の爆発を予防的に阻止したのだ。
 財政再建と復興財源を理由に賃下げも公務員制度改革ものむ連合・公務員連絡会・自治労本部は資本家階級と菅民主党政権の先兵でしかない。
 中央委員会では当然にもほとんどの中央委員が本部の賃下げ妥結に疑問と怒りを表し、反対意見を述べた。主流の民主党系、反主流の社民党系を問わず、どの県本部も本部執行部を批判する異例の中央委員会となった。
 「自治労が政府との交渉テーブルに着いたこと自体が誤り」「大衆行動を組まず、幹部が東京で交渉。どこが真摯(しんし)で誠実な交渉なのか」「一律10%削減は見せかけ。譲歩を装い、妥結させた」「地方への波及を遮断する具体的保証はない」
(写真 自治労中央委員に10%賃下げ粉砕を訴える労組交流センター自治体労働者部会【5月26日 奈良市】)

 地方公務員攻撃する石原と橋下

 本部はぺてん的な居直り答弁と「脱原発」運動方針の強調でガス抜きを図ったが、組合員大衆の怒りと不信の増大を抑え込むことはできない。
 すでに石原慎太郎・東京都知事、橋下徹・大阪府知事らを先頭に、多くの自治体首長が国家公務員10%賃下げをてことして地方公務員賃金の大幅削減の攻撃を強めようとしている。石原は5月13日、「国がやるなら、せめて同列の賃金のカットはすべき時にしなければいけない」と賃金削減の意思をあらわにした。
 組合員の怒りと危機感はかつてなく強まっている。長年の賃金削減の上に人勧もスト権もないまま労使交渉で10%もの賃下げをのむなど、労働組合の死だ。今夏秋の賃金闘争の爆発は不可避だ。

 公共サービス論で滅私奉公強制

 徳永委員長は自治労組合員は震災復興に全力を挙げようと呼びかけた。
 税財政の三位一体改革、市町村大合併、集中改革プランなど小泉政権の構造改革路線が大震災と被害を拡大したと批判のポーズをとる一方、「公共サービスは最大のセーフティネット。その担い手は自治体職員。先頭に立つのは自治労組合員」と滅私奉公イデオロギーをふりまき、長期にわたる震災復興、被災地救援派遣行動への動員要請に応えるよう求めた。
 だが小泉政権の新自由主義政策、戦争と民営化・外注化、人員削減・非正規職化、賃下げ、労働組合破壊の攻撃に闘わずして屈服してきたのは連合・自治労本部自身だ。大震災・原発大事故という人災の責任を歴代日帝政府と連合・全労連など体制内労働運動幹部は共有している。
 ところが徳永委員長はそれを不問に付して言う。今や「非常時」だから労働組合は自分たちの生活や権利の主張を自粛し、挙国一致で震災復興に立ち上がろう、存亡の危機に立つ菅民主党政権と日帝を救い出そう、公務員労働者は国家のために進んで犠牲になろう、と。戦時総動員に積極的に応えるという宣言だ。
 このようにもはや労働組合とはいえない運動・組織への変質を狙う労組幹部に従うことはできない。すでに闘う自治体労働者はブルジョア国家救済のためではなく、住民=労働者人民が生きるために必要な救援・業務、被災地派遣をやりぬき、階級的団結をつくり出すために闘っている。この闘いを続け、強めよう。

 連合エネ政策の「凍結」はペテン

 徳永委員長は「脱原発」方針を強調した。
 昨年の徳島大会で徳永委員長は原子力(核)、化石燃料(石油・石炭・天燃ガスなど)、自然力(水力、風力、太陽光など)の「3種のエネルギーのベストミックス」論を自治労の「脱原発」方針として確認した。これは連合の原発推進方針の決定に加わった自治労本部が組合員の追及をかわすためのぺてんだ。原発推進政策でしかない。
 徳永委員長は今回、自治労はもともと「脱原発」路線だが、大衆運動が足りず、大事故の発生を許したと「自己批判」してみせた。また「連合の資源・エネルギー政策の凍結を決定させた」と誇った。「凍結」とは反原発の運動が収まることを期待し、原発推進方針再開の機会をうかがうということだ。浜岡原発だけを停止し、他の原発を推進、輸出をも狙う菅政権となんら変わらない。こうした連合・自治労本部に抗して多くの組合員が反原発・反核・反戦闘争を自力で展開してきた。
 福島第一原発事故は3機とも炉心溶融という史上最悪の巨大事故となった。全原発即時停止・廃炉のスローガンを掲げて闘おう。6・11全国一斉行動、6・19福島現地闘争に立とう。
 職場の労働者の怒りをまとめ上げ、地方公務員賃金削減絶対反対、震災解雇阻止、全原発即時停止・廃炉、国鉄1047名解雇撤回を掲げてストライキで闘おう。

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週刊『前進』(2490号4面2)(2011/06/06 )

 関生弾圧 労組解体狙う起訴許すな

 関生支部が怒りの抗議声明

 大阪府警警備部は5月11日、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部の高英男(コヨンナム)副委員長ら13人を逮捕し、大阪地検が27日、不当にも起訴した。絶対に許せない! 生コン製造の関西宇部株式会社に対して、昨年5月に労働協約不履行是正を求めて抗議行動を行った当たり前の労働組合活動を、「威力業務妨害」だとデッチあげたのだ。関生支部は昨年、大手ゼネコンを相手に139日間の産業ゼネストを打ち抜き、大資本の支配を食い破って生コン価格の引き上げと賃上げをかちとった。今回の大弾圧は、追い詰められた大資本による労組解体を狙った大反動だ。関西地区生コン支部は23日、抗議声明を発した。大恐慌・大震災下で弾圧が強まる中、全労働者の団結で関生への弾圧を打ち破ろう!(編集局)

 関西宇部の第2次権力弾圧に対する抗議声明
 全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部
 執行委員長 武建一

 5月11日、13日、16日、関西宇部と結託した大阪府警は労組事務所をはじめ21カ所の家宅捜索を行い、組合員13名を不当逮捕した。弾圧の狙いは中小企業と労働者を犠牲にして大企業の利益を拡大すること、そのために労働組合をつぶして運動を止めることにある。我々はこの不当弾圧を跳ね返し、断固として運動を強化・発展させる決意である。
 被疑事実とされるのは我々が昨年5月に取り組んだ団体行動で、関西宇部(代表・木村貴洋)に対する労働協約不履行是正を求める行動や、協同組合を建設・セメント独占が支配して中小企業の経営基盤を揺るがすことに反対する要請行動など、産業別労働組合として至極当然の取り組みである。それを「威力業務妨害」容疑とし、警察権力は多数の仲間を不当逮捕した。本件は09年2月に続き、関西宇部が仕掛けた二度目の権力弾圧となる。
 我々は一貫してセメント・生コン関連業界の健全経営に全力を傾注し、時には仲間を殺され、猛暑・厳寒にも耐えながら、「中小企業と大企業との取引関係の改善」「生コンの適正価格、品質保証、安定供給」などの政策課題を掲げ、実績を築いてきた。このような生コン労働者の血と汗がにじむ歴史を、姑息な手段で奪い去ろうとする関西宇部とこれに結託して労働組合つぶしに奔走する警察権力の行為は断じて許されない。
 この弾圧の背景には「中小企業と労働組合の大同団結」の飛躍的な前進がある。昨年は「適正価格収受」「取引条件の改善(出荷ベース)」などを柱とする産業政策課題を掲げ、生コン業界史上初のゼネストを7月〜11月(139日)に渡り敢行。大林組や竹中工務店などスーパーゼネコンの圧力を排し、大阪府下3大プロジェクトの工事現場を数カ月間ストップさせ、「建設独占を揺るがす」としてマスコミにも大きく報道された。また、セメント値上げに対して個社で対応するのではなく、近畿圏の各生コン協同組合が交渉窓口となることでセメントメーカーによる一方的な値上げを阻止。各生コン工場は数千万円の損失を免れた。
 また、今春闘ではセメントメーカーの直営工場が大阪兵庫生コン経営者会(交渉相手)を集団脱退して集団交渉潰しに狂奔した。しかし、生コン産業政策協議会(連帯ユニオン、生コン産労、全港湾大阪支部)と近畿圧送労組は、集団交渉を近畿圏9団体300社を擁する交渉へと拡大させることに成功。交渉の結果、賃上げ原資を大企業から吐き出させることによって「7000円の賃上げ(1年分を東日本大震災カンパへ拠出)」を勝ち取った。
 中小企業と労働組合の大同団結が大きな成果を獲得するなか、恐れをなした建設・セメント独占の先兵役となったのが関西宇部・木村貴洋である。同者は本年4月に大阪広域生コン協同組合の理事長となり、就任挨拶で「昨年の長期ストで失われたゼネコンの信頼を回復する」と述べている。中小企業が結集する協同組合の理事長でありながら、一体どちらを向いて信義をつくそうというのか。
 過去を振り返れば、弾圧で得をしたのはひと握りの建設・セメント独占であることは明らかである。1982年の権力、セメントメーカー、日本共産党、運輸一般が一体となった支部への大弾圧と2005年からの5次に渡る弾圧によって、「ゼネコンへの過剰サービス」「セメントの一方的値上げ」「生コン価格の下落」「賃上げゼロ回答」などが蔓延(まんえん)し、中小企業と労働者の利益が著しく損なわれた。従って過去の弾圧と同様に我々に対する今回の弾圧は中小企業・労働者への攻撃に他ならない。
 全国の仲間からのご支援・ご協力に心から感謝申し上げるとともに、我々は、逮捕勾留されている仲間の早期奪還に取り組み、組織活動・政策闘争を今以上に強化する。そして、国策として進められてきた原発・米軍基地・TPPへの反対闘争の勝利に向け、全国の闘う仲間との共闘・団結をさらに高めることこそが弾圧者への反撃であると決意する。
 2011年5月23日

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週刊『前進』(2490号4面3)(2011/06/06 )

 「君が代」起立条例粉砕へ

 職場で団結し橋下大阪府知事と対決を

 処分・懲戒解雇で教組を破壊

 橋下徹・大阪府知事率いる「大阪維新の会」は5月25日、大阪府議会に「君が代」の起立・斉唱を義務づける「君が代起立条例案」を提出した。対象は大阪府内の全公立学校の教職員だ。さらに、複数回違反した教職員を懲戒免職にすることなどをル−ル化した「処分条例」の9月府議会成立をもくろんでいる。
 橋下知事が「起立条例案」提出にあたって強調していることは、「公務員の服務規律の厳格化」だ。「9年たっても実行できない」府教委や市町村でなく、首長権限で実行するための条例化だという。「君が代」処分を先端として、政府・当局に従わない者すべてを対象に「服務規律違反」で処分・懲戒解雇する攻撃だ。絶対に許すことはできない。
 この条例提出に先駆けて大阪府は、今年の卒業式で1人、入学式で2人の公立学校教員を「職務命令違反」で戒告処分にした。だが、大阪府には処分覚悟で誇り高く不起立を貫く教育労働者がまだまだ多く存在しており、全国の不起立闘争と団結して闘いぬいている。こうした労働者を軸に学校現場には団結と労働者の職場支配権がまだ存在し、その中心に私たち動労千葉派の教育労働者がいる。
 橋下知事は大震災情勢下で職場の団結をつぶし切れていないことに強烈な危機感を持っている。だから、現場教育労働者の誇りをたたき折って屈服させ、職場支配権を奪うこと、現場の団結を奪うこと、教組を破壊することに的を絞って攻撃をかけている。条例化すれば労働者を制圧できると思ったら大間違いだ!
 橋下知事は、資本の意を受け「震災復興」をテコに道州制攻撃に激しく突進してきた。
 5月23日、菅政権と連合・公務員労働組合連絡会(日教組も含む)幹部は「復興財源のため」と銘打ち、国家公務員の賃金5〜10%カット、一時金一律10%カットで合意した。連合・日教組幹部は、菅民主党政権による「震災非常時」の新自由主義攻撃に率先協力し、労働組合の最後的解体への道に自ら突入した。

 地方公務員にも賃下げ狙う

 これに呼応して橋下知事は5月16日、「国家公務員も地方公務員も一律で」「国難を乗り切るためのカットは当然」とし、大阪府の公務員賃金10%カットを主張した。
 橋下知事の「君が代」起立条例化による処分・懲戒解雇攻撃と賃金10%カットは、360万人公務員解雇・民営化・非正規職化、労働組合解体の道州制攻撃だ。こんなことを許したら、外注化、9割の非正規職化と際限のない解雇・大失業と賃下げが全労働者に襲いかかる。全労働者と団結して、反原発・反失業の闘いに立ち上がろう。
 橋下知事による「震災復興」をテコにした激しい道州制攻撃に、連合・大阪教組は沈黙し、協力している。学校現場には激しい怒りが充満しているのに! 私たち動労千葉派は、橋下知事の攻撃を受けて立ち、労働者の怒りの先頭で闘う。卒・入学式への処分撤回、「条例」粉砕を掲げ、不起立闘争を先頭に職場に団結をつくりだす。私たちが労働者の団結のかなめになって階級的労働運動・階級的労働組合を甦(よみがえ)らせるチャンスだ。
 大震災・原発事故によって大恐慌はより深く進行し、労働者の首切り・非正規職化、賃下げ、労働強化、その貫徹のための労組破壊・団結破壊の攻撃が激化している。大震災・原発事故は、新自由主義政策を進めた資本家と政府による階級的犯罪であり、その破産した姿だ。資本主義のもとでは労働者は生きることはできない。今こそ連合・体制内労働組合幹部を打倒して、闘う労働組合を甦らせ、労働者階級の団結した力で資本主義を倒そう。労働者の団結・労働組合を甦らせる中にこそ、一切の希望と未来を奪い返す力がある。6・5国鉄闘争全国運動に結実した力をさらに発展させ、労働組合をつくりかえゼネストを闘いとろう。(大阪・藤村)

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週刊『前進』(2490号4面4)(2011/06/06 )

 新刊紹介 国際労働運動 7月号

 前進する中東革命

 チュニジア、エジプトを始めとする中東革命の大波は全中東・北アフリカ地域に波及し、プロレタリア世界革命の突破口を切り開く闘いへと発展している。今号の特集では、エジプト革命後の中東革命のさらなる発展と現状について分析している。
 第1章では、2月革命後、革命の成果を簒奪(さんだつ)したエジプト軍最高評議会や、チュニジア暫定内閣に対して労働者人民がいかなる闘いを展開し、勝利の道を切り開いているかを明らかにしている。両国の労働者人民は、革命後に成立した新政権が、基本的に打倒された旧体制と同質の政権であること、この政権を打倒する第二革命なしに労働者人民の真の解放はありえないという立場を鮮明にして闘っている。
 第2章では、リビアでの革命に対するカダフィ政権の凶暴な弾圧と、米帝・EU帝国主義諸国による侵略戦争と米帝によるカイライ政権のデッチあげという二重の反革命的攻撃の現状について暴露している。
 第3章では、イエメン、シリア、バーレーン、パレスチナへの中東革命の波及に対するサウジアラビアなどの反動王政諸国、米帝などの帝国主義諸国の巻き返し策動と激しく闘う各国の労働者人民の闘いの現状について明らかにしている。

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週刊『前進』(2490号5面1)(2011/06/06 )

 6・11百万人デモから6・19フクシマへ

 被災地・福島の怒りを先頭に全原発の停止・廃炉へ闘おう

 革共同福島県委員会

 原発推進固守する日帝

 大震災直後の3月20日以来、福島の地で原発即時停止を訴えて毎週駅頭宣伝・署名活動を行っている。5月28日の福島駅前では、署名隊わずか2人で、1時間半で109筆の署名と1万6千円のカンパが寄せられた。チラシも、1人のまき手で1時間に300枚も配ることもある。反原発のチラシは圧倒的な注目だ。このことは、津波と放射能によって家も仕事も農地も海も、空気までも奪われた労働者と農漁民の、政府・東電に対する怒りの深さの表れだ。
 事故後真っ先に、着の身着のまま強制避難させられたままの警戒区域20`圏内の6万人。情報を与えられず、さんざん被曝(ひばく)させられてから避難指示を出されて、村を解体された計画的避難区域の住民。放射能から逃れようと県外に転校した1万人の子どもたち。避難区域外でも年間1_シーベルトを超える「高線量」地域の住民は100万人に及ぶ。――このように労働者、農漁民、すべての住民が徹底的に分断され、共同性を奪われている中で、深く根源的な怒りがふつふつとわき出している。
 「年間20_シーベルト基準」という4・19文科省通知に対する、「子どもたちを殺すな! 子どもたちの未来を奪うな!」という父母や教育労働者の怒りの決起は、全国の怒りと一体となって、ついに文科省を日帝の原発政策の張本人として引きずり出した。そして口先だけであるとはいえ、「年間1_シーベルト以下をめざす」と言わざるをえないところまで追い詰めている。
 福島第一原発の1、2、3号機がすべてメルトダウンしていることが明らかになった。この事実は、事故の収束も、40兆円とも言われる賠償も、日帝にとっておよそ解決不能であることを明らかにした。それでも、日帝は破産した新自由主義にすがり、原発政策にしがみつくことしかできない。そこで日帝は、1980年代に国鉄分割・民営化を推進した極悪分子、現JR東海会長の葛西敬之を引っ張り出してきて、「原発継続しか日本の活路はない」と言わせた。この労働者人民をなめきった日帝支配階級と、新自由主義の極致ともいうべき原発に対して、「われわれの共同性と団結を奪われてたまるか!」「すべての原発をとめよう!」という労働者階級の根底的怒りを、今こそたたきつけよう。
(写真 JR郡山駅前で行われた宣伝・署名行動。多くの市民が署名し、カンパを寄せた【5月22日】)

 労組と職場闘争を軸に

 チェルノブイリ事故をはるかに超える膨大な放射能との「終わりなき闘い」の現実を前にして、労働者人民を絶望と恐怖へ組織するのか、それとも希望と未来へ組織していくのかが根底的に問われている。原発事故と放射能汚染の深刻さを見すえつつ、それでも労働者こそが社会を動かす主体であることに圧倒的な確信をもって、職場支配権の確立をかけて闘っていくこと――それこそが原発をとめ、放射能汚染をなくす唯一の道だ。
 政府と東電資本の責任を徹底的に追及し、「職場の安全」を武器に、原発の停止と放射能の除去を求めていく、そのために必要な要員増を求めていく闘い。こうした「反合理化・安全闘争」を、教職員組合を先頭に、すべての職場で闘っていくことだ。一切は職場の闘いが決する。この現場の怒りと闘いの力が、被曝労働で日々命を削り取られている原発労働者や電力労働者を獲得していくのだ。そして彼らの職場闘争が、原発を実際にとめる力となるのだ。
 確かに放射能は危険である。だが、その「科学的真理」の前に階級闘争も消滅してしまうかのようなイデオロギーとは徹底的に闘わなくてはならない。労働者階級は、プロレタリア革命の樹立に全存在と生命をかける歴史的な存在だ。求められていることは、この階級性の復権であり、そのために労働組合の本来の姿を取り戻すことだ。
 労働組合には本来、労働者を結びつけ激励する力がある。労働者がすべての権力を握り、資本家に奪われたものをすべて奪い返していく力。労働者の共同性も奪い返し、すべての人民とともに新しい社会をつくっていく力。そういう力が労働者の団結と労働組合にはあるのだ。
 フクシマの労働者階級が問われている課題は、全国、全世界の労働者階級が問われている課題とまったく同じだ。それが、被災地フクシマでは先鋭なかたちで現れている。この課題を突破するために、6・19「怒りのフクシマ大行動」に動労千葉派の深紅の組合旗を林立させよう。フクシマの根底的怒りと、国鉄全国運動を土台にすえた階級的労働運動の力との結合をかちとろう。ここにこそ労働者と農漁民、すべての人民の手に本物の共同性と団結を取り戻す鍵がある。

 反失業と反原発一体で

 震災解雇はこれからますます激化する。反失業と反原発の闘いは必ず一体化する。すべてを奪われた農民・漁民の怒りと労働者階級の闘いが、労働組合を媒介としてひとつに結びついたとき、反日帝の巨大な政治闘争が爆発することがまったく可能な情勢だ。
 連合や全労連は、この革命情勢の到来にすくみ上がり、「震災復興」「政治休戦」攻撃に屈服し、資本と闘わずに賃下げも解雇も認めてしまっている。このような「労働組合ならざる労働組合」を根底からひっくり返し、動労千葉のような闘う労働組合を、全国に無数につくり出そう。
 震災と原発事故以後、「人々の命と引き換えに国家と資本が繁栄すること」がいいことか、資本主義のもとで労働者人民は生きていけるのか、といった根源的な問いを多くの人びとが自らに問うている。大震災と原発事故は、人生観や価値観の転換を迫り、人びとのあいだに分岐と激突を生み出している。すべての原発を廃炉にする道は、資本主義の打倒、プロレタリア革命しかない。職場闘争に徹底的にこだわり、労働組合を復権・再生し、震災解雇・大失業攻撃を粉砕しよう。6・11百万人デモを闘い、6月19日、福島の東電と政府現地対策本部に怒りのデモをかけよう!

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週刊『前進』(2490号5面2)(2011/06/06 )

 20ミリシーベルト通知

 文科省が撤回を拒否

 全国の学校現場で反撃を

 文科相・高木は5月27日、「福島県内における児童生徒等が学校等において受ける線量低減に向けた当面の対応について」を発表し、「今年度、学校において児童生徒等が受ける線量について、当面、年間1_シーベルト以下を目指す」とし、校庭の土壌処理の費用を負担するとした。
 この間、4月19日に文科省が発した「20_シーベルト通知」に対し、福島の保護者・労働者が「子どもたちを放射能から守れ!」と必死で闘ってきた。5月23日には650人が文科省に駆けつけ通知撤回を迫った。
 そうした中で、4月末には校庭の表土除去を非難した高木が、5月11日には放射線量低減策を提示し、さらに27日には土壌処理の財政負担を約束せざるを得なくなった。福島の闘いは文科省を確実に締め上げている。
 しかし発表された「対応」は、問題の解決にはまったくほど遠い、実に許し難いものだ。
 何よりも4・19通知の撤回を拒否したことを徹底的に弾劾する。同日、記者に「8月末までは今の暫定的考え方を見直す考えはない?」と問われて、高木は「そうです」と明言した。”年20_シーベルト以下、毎時3・8マイクロシーベルト以下であれば、無制限に屋外活動を行え”という通知をあくまでも維持する。「年間1_シーベルト以下を目指す」というのも、前提は「暫定的考え方で示した年間1_シーベルトから20_シーベルトを目安に」なのだ。
 したがって「1_シーベルト以下を目指す」と言っても、まったく具体策を欠いている。
 唯一打ち出した放射能低減策は、毎時1マイクロシーベルト以上の学校の校庭の土壌処理だけだが、この処理策も実に許し難いものだ。文科省が提示する土壌処理策は、@表層を5a取り1カ所にまとめて地下に埋める、A表層10aと下層20aの土を入れ替える、という2方式。汚染土を除去して運び出すわけでもなく、大量の放射性物質をそのまま地中に埋め込むものだ。福島県下の市長らが文科省に対して、表土除去の費用負担と合わせて、汚染土の処分先の確保を求めてきたが、これらの要求も真っ向から踏みにじった。
 毎時1マイクロシーベルト以上の学校に限定したのも問題である。毎時1マイクロシーベルトとは、事故以前の福島県の平均空間線量の約25倍で、年間8・8_シーベルト。唯一の土壌処理策も「年間1_シーベルト以下」にすらならないものなのだ。
(写真 5月23日の文科省交渉では「子どもたちをこれ以上放射能にさらさないで」と切実な訴えが続いた)

 核開発をやめ低減策を行え

 子どもたちを放射能汚染から守るためにやるべきことはいくらでもある。校庭から除去した汚染土は、国と東電の責任で引き取るべきものだ。一切窓を開けられない中で夏を迎えようとしているのに、ほとんどの自治体の学校にエアコンも設置されていない。徒歩通学を避けるためのスクールバスも必要とされている。文科省は子どもたちを守るためにできることをすべてやるべきだ。
 そもそも子どもたちの命と未来は確実に奪われようとしている。ただちに全原発を止め廃炉にすることなしに、子どもを守ることはできない。
 核武装のための高速増殖炉もんじゅを主管する文科省の原子力関連予算は今年度2571億円。核開発のためには糸目をつけず金を使い続ける文科省が、この期に及んでも福島の子どもたちの命を守る最低限のことすら出し惜しみする。ふざけるな! あくまでも原発と核開発を護持することしか考えていないからだ。
 この文科省の暴挙をまかり通らせている共犯者が日教組本部だ。通知から1カ月半、日教組本部は異を唱えもせずに容認している。子どもの命より何より「文科省とのパートナーシップ」を最優先して、ぐらぐらの菅政権を全力で支えているのが日教組本部だ。学校現場から通知撤回・原発廃止の声を巻き起こし、日教組本部を倒そう!
 子どもたちを放射能から守る福島ネットワークは「これはみんなの行動でつかみ取った成果です。しかし、まだまだ第一歩です。今後の課題も明らかです。ドンドンやらせましょう」とコメントした。福島の保護者・労働者とともに通知撤回へ闘おう。教育労働者はその先頭に立とう。全原発を廃炉に追い込もう。

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週刊『前進』(2490号5面3)(2011/06/06 )

 事故情報隠しとウソを重ねる

 政府・東電に怒りのデモを

 6月11日、全国各地で原発反対の闘いが取り組まれる。19日は、「6・19怒りのフクシマ大行動」が呼びかけられている。6・11―19の連続行動に立ち上がろう!

 危機的状態が続く福島原発

 福島原発は依然として危険な状態が続いている。福島原発は危機を脱した、後はどう廃炉にするかが問題だ――菅政権や東京電力はマスコミを使い、このように装っている。だがこのキャンペーンはまったくのうそ、インチキだ。それを隠しようもなく示しているのが炉心溶融=メルトダウン問題だ。
 東京電力は5月12日、1号機がメルトダウンを起こしていたことを認めた。2、3号機でも同様の事態が判明した。
 メルトダウンとは、燃料棒の集合体が溶けて圧力容器の底や外部に落下することだ。核燃料は運転を中止しても、崩壊熱という高熱を発し続けるため、冷やし続けなければならない。しかし福島原発では地震と津波で冷却機能がストップし、メルトダウンが起こってしまったのだ。
 溶け落ちた高温の核燃料は水と接すると水蒸気爆発を起こし、膨大な放射性物質が一挙に外部に飛散する大惨事となる。今回はかろうじて最悪の事態を免れたにすぎない。その危険は今も存在し続ける。核分裂の連鎖反応が再び始まる(再臨界)こともありうる。
 問題はそれだけではない。1〜3号機いずれも、核燃料を収納している圧力容器が損傷し、1、2号機では圧力容器をさらに収納している格納容器にも7〜10a相当の穴が開いていることがはっきりした。
 広島に投下された原爆で核分裂反応を起こしたウランの量は1`cだった。それに比し、福島第一原発1〜3号機で1年間に使われる核燃料(ウラン、猛毒のプルトニウム)の総量は数百d。広島原爆の数十万倍だ。それほど多量の放射性物質、放射線が長期にわたって流れ出ている。
 当面の最大の課題が核燃料を冷やすことだが、水を注入し続けるしかないのが現状だ。1〜3号機の合計で一日約750dを注入しており、「年内に20万d」になる。これまで放射能に汚染した数万dの水が放出されたり流出し続けている。
 東電は5月17日に、収束のための工程表を新たに発表した。しかし、メルトダウンによる強力な放射線によって近づくことも困難であり、収束の展望はまったく見えていないのが現実だ。

 労働者が大量の内部被曝!

 東電が労働者の被曝防止に真剣に取り組んでいないことも次々と露見している。
 5月30日、男性の東電労働者2人が、放射性物質を吸い込むなどして累積被曝量が数百_シーベルトに及ぶことが判明した。2人は大震災発生の3月11日から5日間、3、4号機の原子炉建屋内での作業に従事していた。被曝前、あるいは直後からでもヨウ素剤を規定通り飲み続けておけばこれだけ多くの蓄積は防げたにもかかわらず、2人がヨウ素剤を服用したのは1回だけ。東電は医師の診察も受けさせていなかった。500_シーベルトの場合、被曝した大人1万人のうち500人がガンを発症するという。1000_シーベルトなら1000人が発症。2人の労働者はそれほど多量の被曝をしたということだ。
 新聞報道は放射性ヨウ素の内部被曝のみ報じ、ストロンチウムなどの放射性物質も内部被曝した可能性は意図的に抹殺している。その場合はさらに多量の累積被曝の恐れがあるのだ。
 福島原発の現場では「放管」と呼ばれる「放射線管理員」が作業現場に同行しないことにも非難の声があがっている。放管は、汚染レベルの高い区域での作業には必ず同行して放射線量を計測することになっている。急激な放射線量の上昇などに対応するため絶対必要であるにもかかわらず、それが実行されていない恐るべき実態だ。

 直接行動こそ原発廃止の力

 菅政権と東電は、どれだけ批判を浴びようが情報を隠し、うそ・いんちきを並べたてている。
 なぜここまで卑劣極まりない悪行を続けるのか。あくまで原発推進を貫くことが狙いなのだ。東電などの資本家どもは生き延びるため、エネルギー確保と核武装をめざし原発を死守しようと策動している。そのために世論を誘導し、労働者・民衆の原発への怒りをつぶそうと図っているのだ。放射能汚染が拡大し、地元の人たちが故郷を追われ、子ども・住民の健康が破壊され死亡してもいい、労働者が被曝死しても気にもとめないというのが本心だ。
 菅政権や東電に理性のひとかけらも期待することなどできない。労働者・民衆の直接行動だけが原発を廃止させることができる。福島のお母さん・お父さんたちのように行動しよう。労働組合を中心に、労働者・人民が団結して闘おう。事故収束のために苦闘する労働者を被曝から守ることも絶対に必要だ。東電の労働者の皆さん、ともに立ち上がろう。教育労働者、自治体労働者こそ先頭に立って闘おう。
 6月11日、全国で原発廃止のデモを闘おう。6・19フクシマ現地行動へ駆けつけよう。政府・東電に怒りのデモを!

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週刊『前進』(2490号5面4)(2011/06/06 )

 国による東電賠償支援「枠組み」の反動的正体

 政府・東電・銀行の責任免罪

 公的資金の投入で原発推進

 消費税大増税と電気料金値上げ

 菅政権は5月13日、東京電力に公的資金を投入し賠償原資を調達する政府案の枠組みを決定した。これは、まさに東電を救済し原発推進体制を維持することが目的だ。
 その核心は、福島原発事故をとことん居直り、国と東電の責任を棚上げにして、「電力の安定供給」を口実に東電への公的資金投入を当然のこととしたことにある。結局それは、労働者人民への大増税と電力料金の値上げに跳ね返る。つまり、原発建設と核武装化政策をあくまで推進し、大事故に至ったつけのすべてを、労働者人民に押しつけるということだ。実際、菅は消費税の5%アップすら公言している。
 菅政権が策定した東電救済の枠組みは、@政府は東電の賠償支払いを支援するため「原発賠償機構(仮称)」を設置し、そこに5兆円規模の「交付国債」を交付する、A東電を含む各電力会社は、毎年計4000億円程度を10年間、「原発賠償機構」に拠出する、B「原発賠償機構」は、東電株や東電社債を引き受け、東電の保有する不動産や有価証券など約6000億円の資産買収に応じ、東電が債務超過にならないようにする、C東電は政府の管理下に置かれ、リストラを進めるとともに、毎年2000億円程度を機構に返済する――というものだ。
 政府が「東電を破綻させない」と言うように、その狙いはあくまで東電を存続させることにある。日航リストラでは、100%減資と株式の上場廃止が行われ、金融機関の日航への債権も大幅にカットされた。しかし、東電については、減資も上場廃止も行われない。株主や銀行などの利権は温存されるのだ。

 資本家どもに全責任とらせよ 

 菅政権は東電の賠償総額を4〜5兆円と見積もっているが、原発事故の被害がそんな規模で収まるわけがない。実際、福島原発事故はなんら収束していないばかりか、さらに深刻な事態をはらみつつ日々進行しているのだ。今回決定された枠組みの中では、労働者や農漁民、中小企業の賠償請求はとことん切り捨てられていくことは必至だ。
 東電会長の勝俣恒久や前社長の清水正孝らは、これまで年7200万円もの役員報酬をもらってきた。東電への公的資金投入と引き替えに、彼らは役員報酬の全額返上に応じたが、そんなものは原発事故の被害に比べたら微々たるものでしかない。しかも、他の取締役の報酬削減幅は6割にとどまり、今後も数千万円の年収を手にするのだ。
 他方で東電は、労働者の賃金の2割削減を決定し、東電労組もこれに合意した。正社員の大幅賃金削減が下請け労働者の賃下げに直結することは明らかだ。命がけで原発事故対策に当たる労働者への東電資本の仕打ちがこれなのだ。
 原発を推進しこれだけの国家犯罪を行った東電経営者、政治家、高級官僚、御用学者どもは、全財産を吐き出して原発被害を全額賠償する義務がある。いや、彼らは全財産没収の上、監獄にぶち込んで当然だ。
 にもかかわらず、政府は東電に公的資金を投入し、東電が負うべき賠償責任を労働者人民に全面転嫁するための枠組みを決定した。これは、今後も原発の稼働と建設を続けていくということだ。

 葛西の指揮下で東電合理化強行

 JR東海会長の葛西敬之は、5月24日付の産経新聞で「これまで通り原子力を利用し続ける以外に日本の活路はない」などと言い放った。
 菅政権は、この葛西を東電の経営を監視する「経営・財務調査委員会」の委員に任命した。そのもとで行われる合理化は、東電の資本としての延命を最優先し、原発をさらに推進するものに必ずなる。賠償額は切り下げられ、下請けを含む労働者の首切り・大幅賃下げが強行される。福島原発事故対策も、ますます原発労働者に被曝を強い、その命をさらにないがしろにするものになっていく。
 この一事をとっても、菅の言う「原発賠償」の目的が「原子力を利用し続ける」ことにあることは明らかだ。
 東電も菅も、原発被害の賠償などまともに考えていない。労働者人民の団結と闘いによって、東電資本に原発事故の全責任をとらせよう。

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週刊『前進』(2490号6面1)(2011/06/06 )

 5・29三里塚

 “原発も空港も敵は同じだ”

 現闘本部撤去阻止へ185人

 50人不当逮捕に怒り 残る38人奪還誓う

 5月29日午後、三里塚現地で5・20現闘本部裁判反動判決と50人不当逮捕に反撃する緊急現地闘争が闘われた。場所は市東孝雄さん宅南側の、空港に深く食い込んだ開拓組合道路。すぐ脇を暫定滑走路の誘導路が通り、着陸したばかりのジェット機が空港境界線のフェンスすれすれを移動していく。人民の危険を顧みない、本当に危険な空港だ。朝から雨だったが、千葉、群馬、杉並などを始め、全国から5・20暴挙への怒りに燃えて185人が結集した。不当弾圧は、敵の狙いとは逆に闘いの陣形を大きく拡大している。
 20日の裁判闘争で不当逮捕され、完黙・非転向を闘い22日に奪還された三里塚反対同盟が全員顔をそろえ、怒りをたぎらせて闘いの先頭に立った。司会の鈴木謙太郎さんが5・20弾圧を徹底弾劾し「なお38人がとらわれている。1日も早く奪還しよう」と呼びかけた。
(写真 「不当判決・大量逮捕弾劾、天神峰現闘本部破壊阻止」を掲げてデモに出発【5月29日 成田】)

 “空港反対45年農民の声聞け”

 始めに、89歳でまたも不当逮捕された北原鉱治事務局長が意気軒高と発言に立った。「三里塚闘争45年の農民の声を聞けと裁判所に抗議したことに対して、老若男女を問わず全員を逮捕した。これほどの理不尽はない。権力の追い詰められた姿を示している。われわれは生きるために闘わなければならない。雨は冷たくても、心は燃えている。獄中の仲間を思いつつ闘おう」
 続いて動労千葉の繁沢敬一副委員長が発言し、「三里塚は被災地と連帯し農民・漁民とともに闘い、日本を変える闘いの先頭に立っている。だから弾圧が集中している。関西生コン支部への大弾圧と同じだ。動労千葉は反対同盟と固く連帯して闘っていく。外注化と新人事賃金制度に反対し、銚子運転区廃止の動きと断固対決して闘う。6・5国鉄闘争大集会に大結集してください」と呼びかけた。反対同盟と動労千葉のきずなの堅固さを示す、熱い発言だった。
 関西実行委員会に続いて、倉岡雅美全学連副委員長(法政大)が次のように力強く発言した。
 「不当判決と50人逮捕を絶対に許さない。三里塚45年の存在と闘いが今、あらゆる怒りと結びついて爆発しようとしている。12人を奪還して、この集会をかちとっていること自体が敵の攻撃を打ち破っている。敵の弾圧は敵の攻撃の破綻点だ。織田全学連委員長、斎藤法大文連委員長が逮捕されたが、全学連は三里塚現地行動隊をつくり、1年生が断固決起している。どうやって原発を止め、新しい社会をつくっていくか――それを三里塚反対同盟と動労千葉の闘いは示している。現闘本部と市東さんの農地を断固守り抜こう。38人をただちに奪還し、6・5国鉄集会へ全力で闘おう」
 現地支援連絡会議の発言の後、北原事務局長、市東孝雄さんら三里塚反対同盟を先頭にデモに出発した。
(写真 デモに先立ち、集まった185人が怒りを込めて団結ガンバロー!【29日 開拓組合道路】)

 “福島の怒りは三里塚の怒り”

 反対同盟は「仮執行宣言を許すな!現闘本部を守り抜こう」と染め抜いた緑色ののぼり旗をひるがえして行進する。この新しいのぼりは、現闘本部死守の反対同盟の決意を示すものだ。「TPP(環太平洋パートナーシップ協定)反対! 農業破壊を許さないぞ!」「福島の怒りは三里塚の怒りだ! 原発を許さないぞ!」「被災地人民と連帯して闘うぞ!」の声がとどろいた。
 団結街道を封鎖して市東さんの営農を妨害する権力の暴挙に怒りを新たにしながら、デモ隊は天神峰現闘本部近くの市東さんの畑まで、約30分間デモした。
 デモ後、萩原進事務局次長があいさつした。萩原さんは、緊急に決めた闘争で雨天にもかかわらずこれだけ多くの人民が結集し闘いが打ち抜かれたことに、「本当にありがとうございます」と感謝の気持ちを述べた。
 そして、50人が不当逮捕されながら闘った5・20闘争を振り返り、「反動判決が出されて、われわれはそのまま帰ってくることはとてもできなかった。やはり、あの高裁への抗議と『仮執行をやるな』と闘うことで、攻撃を打ち返した」「原発をつくったやつも、空港をつくったやつも同じだ。絶対に許せない。5・20反動判決を絶対に許さず闘っていこう。明日からの勾留理由開示公判と6月の闘いへ進撃しよう」と呼びかけた。
 全体がひとつになり、三里塚闘争の勝利へ新たな決意が打ち固められた。

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週刊『前進』(2490号6面2)(2011/06/06 )

 三里塚裁判傍聴を!

 ◎鈴木さん一坪裁判
  6月9日(木)午前10時30分
  千葉地裁
 ◎第3誘導路許可取消裁判
  6月17日(金)午前10時30分
  千葉地裁
 ◎市東さん耕作権裁判
  6月27日(月)午前10時30分
  千葉地裁

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週刊『前進』(2490号6面3)(2011/06/06 )

 8・6ヒロシマを世界大会に

 広大生は反戦・反核・反原発と学生自治会再建の先頭に立つ

 マルクス主義学生同盟中核派・広島大学支部

 6・11反原発百万人行動へ

 5・29三里塚緊急現地闘争と6・5国鉄大集会の高揚は、一方で5・20大弾圧と38人の勾留延長に対する渾身(こんしん)の反撃であるとともに、他方で反失業・反原発を闘う最先頭に動労千葉を中心とする階級的労働運動潮流が躍り出し、時代の主流派に向かって前進を開始したことを意味している。このうねりは、6・11全国(全世界)反原発100万人大行動の爆発に向かってさらに発展させられなければならない。全国の学生・青年労働者はその先頭に立とう。
 3・11の大地震および福島原発事故から3カ月。菅政権や東電資本の「収束」の呼号とは裏腹に放射能が拡散し汚染はますます拡大、さらには「復興」の名のもとに労働者民衆に対して激しい首切り・賃下げ・生活破壊の攻撃が襲いかかっている。とりわけ原発事故については、1〜3号機のメルトダウン(炉心溶融)に加えて、5月30日には2人の東電労働者が「緊急時被曝(ひばく)線量限度」の250_シーベルトを超えていることが明らかとなり(これすら氷山の一角に過ぎない!)、まさに「国家による殺人行為」は日々拡大している。
 「大恐慌下の大震災−原発事故」は何をもたらしているか? それは一方で、職場・街頭にまき散らされる「政治休戦」「挙国一致」イデオロギーと、これを率先して実践する体制内労組幹部によって労働者人民の闘いが圧殺され、資本の飽くなき利潤追求、ブルジョア国家権力の救済に動員されているという現実であり、関西生コン支部と三里塚への歴史的弾圧として現れている。
 しかし他方で、もはや生きていくことすらできないという状況から、膨大な労働者・学生・農民・漁民が国家体制の変革の必要性を自らの経験を通してつかみ取って動き出している。つまり、帝国主義支配の危機と革命情勢が一体的に、かつますます加速しながら進行しているのだ。
 革命的労働者党と階級的労働運動潮流が怒りの結集軸となることによって、この情勢をプロレタリア世界革命へと転化しよう。巨大な規模での大衆行動をさらに促進し、とりわけ本年8月6日の被爆66周年ヒロシマ闘争を、青年・学生が中心となって画期的規模と内容で打ち抜こう。
(写真 5・15沖縄闘争に登場した8・6ヒロシマ大行動ののぼり【5月16日 沖縄・名護】)

 あくまで原発推進を狙う菅

 第一に、日帝・菅政権と国際帝国主義は原発事故−放射能汚染に対する怒りを抑え込んであくまで原発推進に向かって突き進んでいる。
 5月26〜27日の仏ドービル・サミットにおいては、「原子力政策の安全性向上」「国際的安全基準の強化」のもとに原発政策を継続していくことを宣言した。
 さらに5月27日、文部科学相・高木は福島県の学校の校庭利用の「年間20_シーベルト基準」は維持したままで、「児童・生徒の年間被曝量を1_シーベルト以下に抑えることを目指す」方針を打ち出した。こんなものはまったくのペテンだ。5月23日の文部科学省に対する教育労働者・保護者を先頭とする烈火のような怒りの爆発に直撃されて動揺し、せいぜい校庭表土の除去を補助する「支援」を行いつつも、いかなる避難も補償・賠償もせずに「20_シーベルト基準」は撤回しないということだ。
 加えて27日、福島県は200万福島県民の被曝調査を今後数十年単位で行っていくことを決定した。被曝に対する根本的対応も原発政策そのものに対する反対もなく、ヒロシマ・ナガサキで米ABCC(原爆傷害調査委員会)が行ったような「調査すれど治療せず」の人体実験を住民をモルモットにして行っていくということだ。
 しかもその責任者こそ長崎大学教授の山下俊一(福島県放射線健康リスク管理アドバイザー、長崎大学医歯薬学総合研究科長)だ。山下は悪名高い文部科学省発行パンフ『放射能を正しく理解するために』を片手に福島の教育現場を行脚して回り、「放射能は危険ではない。100_シーベルトは大丈夫。毎時10マイクロシーベルト以下なら外で遊んでも大丈夫」などと暴言を吐いて住民に弾劾されている。このような構造を絶対に許すことはできない!

 闘う労組と青年部再建を

 第二に、われわれは新自由主義政策のもとでの原発政策および被曝労働を全面的に粉砕・一掃していかなければならない。
 日本における原発建設の「功労者」であった元首相・中曽根康弘は、同時に80年代における国鉄分割・民営化と国鉄労働運動つぶしの首謀者であった。その新自由主義攻撃の核心は、労働者階級の団結形態である労働組合をずたずたに破壊し、階級性を解体することにあった。そうした攻撃の結果として、現在の殺人的な被曝労働の実態がある。「正規職労働組合が危険な被曝労働を下請け・非正規にやらせるように会社に要請する」、「労働組合が被曝労働を告発するどころかむしろ隠蔽(いんぺい)し、『復興』『復旧』運動の先頭に立っている」、労働者的紐帯(ちゅうたい)や連帯がゆがめられたこのあり方をぶち破っていくのは、階級的労働運動の復権と労働組合とその青年部の再建にある。

 御用学者らに激しい怒りが

 第三に、こうした現状に対する労働者・学生・農民の大反撃として、今夏8・6ヒロシマ闘争を全世界にとどろく規模で爆発させていこう。とりわけその主人公は青年・学生だ。全世界のプロレタリアートが「3・11」後のヒロシマ闘争に注目している。
 8・6ヒロシマ闘争に向かっての課題は一つに、長きにわたる分断を打破して、反核闘争と反原発闘争を「新自由主義粉砕・帝国主義打倒」の立場で統一していくことだ。そしてその主体は、職場における反合理化闘争で資本と原則的に対峙・対決する11月集会勢力であり、新自由主義大学とそのもとでの教育政策を法大闘争を先頭にしてはね返してきた全学連運動だ。
 二つに、広島大学からこそ、怒りの火の手を上げていかなければならない。広大生は、この歴史的使命を真っ向から受け止め、巨大な決起で応えていこう。
 1945年8月6日の原爆投下によって膨大な被爆者が生み出され、反戦反核の闘いの中心として維持され続けてきたヒロシマが、福島原発事故を受けてどのような態度を取るのか。広島大学原爆放射線医科学研究所長・神谷研二は震災後、前述の長崎大・山下と同じく福島県放射線健康リスク管理アドバイザーに就任した。そして、「チェルノブイリで被曝した妊婦が生んだ乳児に放射能の影響はない」「チェルノブイリの乳児の甲状腺ガン比率は一般より低い」「30`圏外の子どもたちは、現在行っている生活をすれば問題ありません」などの大ウソを振りまき、被爆地ヒロシマ・ナガサキの名をもって怒りを押しつぶそうと最悪の役割を果たしている。
 そもそも、帝国主義世界戦争とそれをプロレタリア世界革命に転化できなかった結果としての原爆投下による被害データは、放射能の危険性を研究し「いかに労働者人民の命を守るか」というためにではなく、いかに「放射能が危険でないか」を結論付けるために利用されてきた。もしくは、戦後の原爆訴訟で被爆認定をさせないために使われてきた。さらには、原発による放射能被害を隠蔽するために今また利用されようとしている。これを「教育」「学問」のお題目で正当化し推進しているのが、新自由主義であり御用教授どもだ。
 広大生はこんな現実を絶対に認めない! 原発擁護教授のあまりの腐敗の一方で、学内からは怒りのマグマが噴き出しつつある。法政大、東北大に続き、広島大も新自由主義大学粉砕−反原発の闘いを爆発させる。
 三つに、今夏8・6ヒロシマ闘争は国際連帯闘争だ。動労千葉の呼びかける11月労働者集会の地平を踏まえ、帝国主義打倒の反戦・反核闘争の強固な階級的陣形をつくり出していくためのものとして、圧倒的に成功させよう。

 闘う学生・青年の党つくろう

 最後に、広大支部は反原発闘争と8・6ヒロシマ闘争に向かって、全学連運動の復権と学生自治会建設のための闘いに打って出る決意だ。
 科学が人間の発展のためにではなくて、資本の無限の価値増殖運動のために使われている。核と原子力が階級支配の道具として使われ、「学問」がそれに後ろ盾を与えるあり方を、未来を担う学生自身の手で打倒する。その闘いの中軸には、帝国主義とスターリン主義を打倒していく思想と路線を持った革命的労働者党(青年・学生の党)が必要だ。
 あらためて、6・5−6・11を突破口とした6〜7月の激闘を8・6ヒロシマ闘争の大高揚へと発展させていくこととともに、マルクス主義学生同盟中核派広島大学支部への結集を訴える。

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週刊『前進』(2490号6面4)(2011/06/06 )

日誌'11 5月24日〜30日

 菅訪米、9月に先送り/エジプトで数万人が軍に抗議デモ

●米軍が戦力の見直しに着手 ゲーツ米国防長官が講演で、国防費の大幅圧縮に伴い米軍戦力の大幅見直しに着手したことを明らかにし、中国軍への優位を保つためには開発中の次世代ステルス戦闘機F35の大量配備が不可欠と強調した。(24日)
●米英が安保協議を定例化 米英がロンドンで首脳会談を行い、安全保障協議の定例化で合意した。(25日)
●在日米軍再編経費が3倍に 米政府監査院が在沖海兵隊のグアム移転など在日米軍再編に必要な経費が日米合意額の3倍に上る291億j(約2兆4千億円)になると発表した。(25日)
●大阪で君が代起立条例案提出 橋下大阪府知事が率いる「大阪維新の会」が府議会に、公立学校教職員への君が代の起立斉唱を義務付ける条例案を提出した。(25日)
●サミットで菅首相が冒頭演説 フランスのドービルで主要8カ国首脳会議(サミット)が開幕。日本の菅首相が冒頭演説を行い、福島原発事故の早期収束と「最高水準の原子力安全に取り組む」と表明、原発の利用継続へ5項目の提案を行った。(26日)
●首相訪米を9月に先送り オバマ大統領と菅首相がドービルで日米首脳会談を行い、普天間問題での日米合意を再確認した上で、首相訪米は9月に先送りすると決定した。(26日)
●ドーハ・ラウンド合意断念 WTO(世界貿易機関)の非公式閣僚会合が開かれ、難航する多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の年内一括合意を事実上断念した。(26日)
●金正日訪中、中朝首脳会談 北朝鮮の金正日総書記が20〜26日に訪中し中国指導部と会談し、経済協力の推進で合意したと中国が伝えた。(26日)
●連合が原発推進見直し 連合が中央執行委員会で原発の新設・増設推進の従来方針を見直し、当面の間、凍結することを決定した。(26日)
●サミット首脳宣言採択 ドービル・サミットが原子力の安全基準の強化と中東・北アフリカの民主化を支援する首脳宣言を採択して閉幕した。原発での日本不信はぬぐえず、首脳宣言とは裏腹に各国間の不一致とG8全体の経済力の低下も露呈した。(27日)
●エジプトで数万人デモ エジプトでムバラク政権を倒した若者ら数万人がタハリール広場に集結し、「第二の革命」と銘打った軍評議会への抗議デモを行った。ムスリム同胞団は「軍との対立は避ける」と不参加。(27日)
●エジプトがガザ封鎖緩和 エジプト政府がパレスチナ・ガザ地区との出入り口であるラファ検問所を常時開放し人の移動を自由化した。(28日)
●米軍の誤爆に警告 アフガニスタンのカルザイ大統領が米軍に対し、民間人への誤爆をやめなければNATO軍を「占領軍とみなすことになる」という「最後警告」を発した。(29日)
●内モンゴルで中国が厳戒態勢 中国の内モンゴル自治区で高校生を先頭に23日からモンゴル族住民の反政府デモが発生。警察との武力衝突に発展し、当局が主要都市に厳戒態勢を敷いて鎮圧にのりだした。(30日)

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週刊『前進』(2490号6面5)(2011/06/06 )

 法大裁判に集まろう!

★暴処法弾圧裁判
 第25回公判 6月9日(木)午後1時30分
 東京地裁429号法廷
 12時30分に傍聴券配布所に集合

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週刊『前進』(2490号7面1)(2011/06/06 )

 闘う労働組合を取り戻そう

 反失業・反原発闘争の爆発と基地撤去・新基地建設阻止へ

 革共同沖縄県委員会

 3・11の東日本大震災の発生から約3カ月、いよいよ階級矛盾が極限的に爆発し、労働者・農民・漁民の生きるための闘いが大きく爆発する階級決戦を迎えた。福島原発事故はメルトダウンからさらに恐るべき事態へ突き進んでいる。その中で国鉄闘争全国運動6・5大集会がかちとられた。今年の5・15沖縄闘争は、菅民主党政権と資本家連中、そのお先棒を担ぐ連合幹部の「自粛」「政治休戦」、沖縄闘争圧殺攻撃を打ち破って勝利した。われわれは沖縄100万プロレタリアートと感動的に合流して闘い抜いた。戦後日本の労働運動の原点である「ヒロシマ・ナガサキ、オキナワを繰り返すな!」という反戦・反核・反基地・反安保の闘いが、5・15沖縄現地闘争でフクシマの闘いと結びつき、21世紀プロレタリア革命に向けた闘いとしてよみがえった。今こそ闘う労働組合をよみがえらせよう。一人ひとりが階級の指導部として飛躍しよう。
(写真 今年の5・15沖縄闘争の1日目の14日、那覇市・国際通りのデモには沿道から飛び入り参加が続出)

 連合の「自粛」を切り裂いて5・15沖縄闘争に勝利した

 3・11東日本大震災情勢下の体制内労組幹部による沖縄闘争解体策動と対決し、われわれは5・15沖縄闘争で被災地で闘う労働者・学生との団結を打ち固めた。そして国鉄闘争全国運動6・5大集会の成功を実現した。
 昨年の5・15沖縄闘争は、「4・9政治和解」という反革命と対決し、戦後労働運動・階級闘争の拠点である〈国鉄〉と〈沖縄〉の一体性を確認し、国鉄闘争全国運動6・13大集会の勝利を切り開いた。この力が11月労働者集会の成功をかちとり、11・23以降の朝鮮侵略戦争への突入情勢と対決し、さらには3・11と対決する主体的な準備をなし遂げた。
 沖縄ではこの過程で9月沖縄統一地方選において「保育所民営化絶対反対」を掲げて闘う議員の勝利をもぎり取った。さらに社保庁を分限免職された労働者とともに公開審理を闘い抜いた。また、基地労働者への解雇攻撃と全力で闘ってきた。その中で3月6日には国鉄闘争全国運動・沖縄の結成を実現した。沖縄の労働者階級は3・11を迎え撃つ主体的準備をこの1年でなし遂げて今年の5・15沖縄闘争を闘い抜いた。これが総括の第一である。
 そして第二に、〈核と安保と沖縄〉を帝国主義の世界支配体制の核心としてとらえ、〈ヒロシマ・ナガサキ、オキナワ、フクシマ〉を日本帝国主義打倒の要として、つまり革命の拠点として打ち固めた。福島第一原発から放出され続ける放射能は、福島の労働者・農民・漁民の生活と生命を奪い、ふるさとを奪った。「俺たちの故郷を返せ、人間を返せ、俺たちの未来を返せ!」――この怒りの根底性は、戦後半世紀にわたって米軍基地と闘い続けてきた沖縄の労働者階級のそれとまったく同じである。だからこの闘いは帝国主義を打ち倒すまでけっしてやむことはないのだ。
 第三に、菅民主党政権と連合の幹部連中がもくろんだ「自粛」「政治休戦」による沖縄闘争解体・圧殺攻撃は完全に打ち破られた。われわれの5月14日から16日の3日間の激闘は、敵の攻撃を根底において打ち破った。その中で15日の県民大会は主催者の思惑を超え、体制内労組幹部の浅はかなもくろみを超えて、県内外から大決起が実現された。その先頭に自治労・沖教組・高教組などの4大産別の、とりわけ青年労働者の姿があった。われわれは沖縄と全国の労働者とともに、大恐慌と大震災情勢下の安保・沖縄闘争の新たな発展段階を切り開いた。
 第四に、沖縄県委員会建設の前進である。青年労働者の新たな指導部としての鮮烈な登場を先頭に、すべての労働者同志が階級の指導部として登場した。また職場生産点でのこの間の地をはうような苦闘の中から、新たな闘う仲間の結集を着実に開始した。この前進の地平を全国の闘う同志との団結を深める中で、新たな闘いが始まるのだ。

 安保粉砕・基地撤去・全原発廃棄掲げ日帝打倒めざそう

 日米安保体制とは核安保体制として形成されてきた。米帝は核兵器をもって帝国主義の戦後世界体制を形成し、労働者階級人民の闘いを圧殺してきた。日米安保同盟は在日米軍基地、とりわけ沖縄の米軍基地を核基地とすることで成り立ってきた。米軍は少なくとも「復帰」前は沖縄に核を持ち込んでいた。「復帰」後はどうか? 嘉手納弾薬庫には核兵器が今も貯蔵されていると言われている。また劣化ウラン弾が存在し、実弾演習が繰り返されている。
 日米安保体制のもと、日帝もまた帝国主義として独自の核武装を追求してきた。その主導的人物こそ元首相の中曽根康弘であった。彼は1950年代、「原子力の平和利用」の名のもとに、日帝の核武装への道を掃き清めた。ここに当時の社会党が(右派だけでなく左派も)加担していたことをあいまいにしてはならない。平和憲法という衣をまとった建前上の「平和国家」=日本帝国主義は、自衛隊という名前の軍隊を公然と保持し(1954年)、沖縄を軍事要塞(ようさい)=「基地の島」と化して(52年)、さらに日米原子力協定と原子力3法をもって「原子力の平和利用」=原発という偽装形態をとった独自の核武装の道を歩み始めたのである。
 いわゆる55年体制とはこの日帝の偽装形態を覆い隠す役割を担ってきた。そして社会党・日本共産党は日帝の偽装に手を貸してきた。それは同時に戦後革命期以来の日本労働運動の戦闘性を解体し、体制内的に集約するということをもって成立した体制であった(電産中央本部は56年に解散に追い込まれた)。
 70年安保・沖縄闘争も「沖縄の永久核基地化反対、本土復帰・基地撤去」を掲げ、「核」の問題(沖縄米軍基地の核と日帝の核武装の問題)として闘われた。日帝は一方では「非核3原則」などというペテンを弄(ろう)しながら、その一方で日米原子力平和利用協定を結んだのである(68年)。
 74〜75年恐慌以降、新自由主義攻撃が開始された。それは78年旧ガイドライン締結と82年の新原子力協定交渉開始―88年締結という、核と安保のエスカレーションと一体であった。そしてこの攻撃を貫徹するために電産の解体をならう形で国鉄の分割・民営化攻撃が開始され、沖縄においては「日の丸・君が代」攻撃が沖縄の労働運動、とりわけ教育労働者の闘いを圧殺するために強行された。そして89年の総評解散―連合結成へと進んだ。連合結成とは、新自由主義攻撃と安保・核のエスカレーション、そのもとでの労働運動解体攻撃の集約点であった。
 さらに97年新ガイドライン締結以降、有事関連法案が矢継ぎ早に成立させられた。これが具体的に発動されたのが3・11であった。3・11情勢下での米軍と自衛隊の作戦計画は、戦後半世紀にわたって核戦争をも想定して準備されてきた日米の軍事同盟の具体的な発動だった。3・11は日帝の「建前」をひっぺがし、その「本当の姿」をあらわにした。それは狭い国内に54基もの原発を建設し、福島原発での空前の大事故にもかかわらず、あくまでも原発を推進し核武装を追求するという日帝の本当の姿である。
 日帝は日米安保体制のもとで原発という名の核武装を半世紀にわたって推し進めてきた。米帝は沖縄を核基地として保有し、日本の港湾を原子力空母や原潜を母港としてきた。そしてこの安保体制の枠内で、米帝は日帝の原発開発を容認してきたのである。
 「核(原発)」と「安保」と「沖縄」は一体のものとして存在してきた。これが帝国主義の戦後世界支配体制を支えてきたのだ。3・11情勢下の安保・沖縄闘争は、帝国主義の戦後世界体制が大恐慌情勢という崩壊過程で発生した「3・11」に対して、安保粉砕・基地撤去・全原発廃棄、すべての核の廃棄を掲げて闘うということである。

 辺野古移設を阻んで15年 労働者階級が勝利する時だ

 大震災をテコとし口実とした菅民主党政権による労働運動・労働組合への激しい攻撃と、それと闘うどころかお先棒を担ぎ自己解体へと舵(かじ)を切る体制内労組幹部、しかし怒りをたぎらせて決起し始めた青年労働者を先頭とする労働者階級。このせめぎ合いと党派闘争が日々激烈に進行している。このるつぼの中から新たな時代が生まれている。それは紛れもなく労働者階級が勝利する時代である。
 沖縄闘争=安保・沖縄闘争は日々勝利している。辺野古新基地建設を阻止する闘いは、「14年移設完了」の破産を日米両帝国主義に強制している。96年のSACO(沖縄に関する特別行動委員会)最終報告以来15年、「沖合案」を海上での実力阻止闘争で完全に粉砕し、05年の米軍再編において打ち出された沿岸案も今や「移設期限を設けず」と14年までの移設断念に追い込んでいる。名護市民からは「振興策」幻想が吹っ飛んだ。5月16日の名護市内デモへの圧倒的な注目と共感は、情勢が完全に一回りしたことを示している。97年名護市民投票時のような、それをはるかに超える名護の労働者人民の決起は不可避である。ここに日米安保体制の激しい危機=日米帝国主義の危機が生み出されている。
 この間取りざたされている「嘉手納統合案」や「国頭村安波(あは)案」なども、この危機感が極限にまで達していることの表明だ。この中で、もともと予定されていた5月の2+2(日米安全保障協議委員会)は6月下旬に延期され、菅の訪米も9月に先延ばしとなった。
 一方で3・11以降、日米安保体制は一層強化されている。米軍は5月20日には事前通告なしに「トモダチ作戦」による訓練不足を理由に嘉手納基地にパラシュート降下訓練を強行した。普天間基地にはFA18が飛来し騒音が増し、来年度からのオスプレイ配備が強行されようとしている。また鳥島射爆場の硫黄鳥島への移転が検討されている。そのすべてが許すことのできない攻撃だが、核心的には沖縄の労働者階級人民の闘いに追い詰められているのだ。この情勢を労働者階級の反転攻勢で勝利をたぐり寄せる好機の到来として、勇躍決起していこう。
 求められているのは労働組合の階級的再生とその路線だ。われわれは昨年、「基地の県外・国外移設要求」は基地撤去の原則を裏切るものだと批判した。今「県外・国外移設要求」を掲げている体制内の全勢力は、「思いやり予算を震災復興費用に」と声高に叫んでいる。これに対して基地労働者が5月14日の集会で以下のように断罪した。
 「私は問いたい。『思いやり予算がなくなれば米軍基地は沖縄から撤退するのか?』。とんでもない。戦争のための軍隊であり、基地なのだ。基地は、労働者の闘いで沖縄県民の闘いで撤去されるのである。そのための闘いが5・15沖縄闘争なのだ。このような言動は菅民主党政権の打ち出した『復興費用』策動を推進する立場であり、反労働者的であり、沖縄闘争を裏切ることだ」と。
 こういう体制内労組幹部が、日々勝利し敵を追い詰めている沖縄闘争を「厳しい」「困難だ」と言いなして敗北主義を振りまき、労働者階級の怒りを抑え込み、あるいはゆがめている。だからこういう連中をぶっ飛ばし、労働組合を闘う労働者の手に取り戻したならば、一気に勝負はつくのだ。あらゆる職場と地域に動労千葉を支援する会を組織しよう。職場の支援する会が労働組合の指導部建設そのものであり、権力闘争だということを鮮明にして闘おう。
 そのためにも日常的な職場での取り組みを積み重ねていくことだ。連日発行される「救援対策本部ニュース」を活用しきろう。自分でビラを作成することも重要だ。さらに反原発署名と、何よりも動労千葉の物販が最強の武器だ。
 国鉄闘争全国運動6・5大集会の息吹をすべての職場に持ち込み、反原発・反失業大闘争で沖縄の労働運動の主流派として登場しよう。何よりも沖縄における拠点職場の建設に挑戦しよう。そして革共同沖縄県委員会を沖縄100万プロレタリアートと固く結びついた指導部として建設しよう。ここに労働者階級の勝利の展望が存在している。すべての沖縄の労働者は革共同沖縄県委員会のもとに結集してともに闘おう!

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週刊『前進』(2490号7面2)(2011/06/06 )

焦点 原発政策をめぐり争闘戦

 日帝危機とG8サミット

 5月26日から2日間、フランスのドービルでG8サミットが開かれた。大震災で多くの被災者・避難民が多大な困難に直面し、福島原発事故の収束も展望がない中で、菅は労働者人民の苦しみとはまったく無縁に、政権の絶望的危機から逃げるように訪仏した。
 第一に、今回のサミットは、世界史上最悪の福島原発事故が起き、帝国主義の原子力政策が足元から揺らいでいる中で、帝国主義間の深刻な矛盾と対立、争闘戦が展開された。27日に採択されたサミット首脳宣言では、「IAEA(国際原子力機関)の役割重視と機能強化」などで原発の安全強化を図ることをペテン的に確認したが、あくまで原発政策の継続を狙う米英仏ロなどと、動揺する独伊との矛盾と溝は、基本的には埋められないものとしてあった。
 口先では「震災復興に取り組む日本との連帯、支援の継続」(首脳宣言)をうたいながら、その実福島原発事故を引き起こし収束もできない日帝への不信と冷笑的態度はいかんともし難く、かと言って米英仏などがこの事態に有効に対応できる術(すべ)を持っているわけでもない。それほど福島原発事故は深刻な事態なのだ。
 さらに原発事故で、主要帝国主義の戦列からずり落ちかねない日帝の危機を突いて、原発の対外輸出をめぐる激烈な争闘戦も展開された。これに対し日帝・菅もまた絶望的危機の中で原発推進政策の維持と、「新成長戦略」の柱である原発輸出の死守に躍起となっている。帝国主義そのものの打倒なしには原発停止・廃炉と核武装政策の廃棄は不可能であることが、あらためて浮き彫りとなった。
 第二に、「中東・北アフリカの民主化の動きを歓迎」などと称しつつ、実際は帝国主義が米英仏などによるリビア侵略戦争を突破口に、エジプト・チュニジア―中東革命に介入し、その圧殺に乗り出すことを、G8サミットは事実上表明した。サミット開幕前日の米英首脳会談では、原発問題は話題にならず、中心テーマは中東・北アフリカ情勢だったのである。
 昨年12月から始まったチュニジア・エジプト革命は中東全域に波及し、石油資源の略奪を狙う帝国主義の中東支配を根底から揺さぶっている。米帝や欧州連合(EU)はエジプト革命が「民主化」の域を越え、帝国主義打倒のプロレタリア世界革命に発展することを恐れて、全力でこれを抑えつけようとしている。このために、米帝オバマはサミット直前に新たな中東政策を発表し、EUも対抗的に「欧州近隣政策」と称する中東政策を打ち出したのである。
 これらG8の融資・援助総額は400億j(約3・2兆円)に達するが、各国の財政危機の中で空手形に近いもので、要は援助をちらつかせて現地ブルジョアジーを抱き込み、反革命的な政治支配を再確立しようとしているのだ。
 第三に、サミットは大恐慌の中で、財政破綻、大失業、インフレ、保護主義などの問題に何の有効な対策も打ち出せず、ただ「世界経済の不均衡を懸念する」と危機感を表明することに終始した。
 大恐慌にあえぐ最末期の帝国主義に今や何の未来もない。プロレタリア世界革命のみが、世界の労働者階級人民の進むべき道だ。

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週刊『前進』(2490号7面3)(2011/06/06 )

焦点 原発推進「凍結」のペテン

 責任逃れを図る連合幹部

 連合は5月26日の中央執行委員会で、原発推進方針の「凍結」なるものを決定した。これは、菅が指示した浜岡原発の一時停止と同様に、労働者の怒りをかわしつつ、あくまで原発を推進することにその狙いがある。
 連合は昨年8月に打ち出した「エネルギー政策に対する連合の考え方」で、「原子力発電所の新増設を着実に進める」と明記した。これに先立つ08年秋には、自治労も含めた産別労組代表で「エネルギープロジェクトチーム」を発足させ、09年9月に「原発の新増設容認」を明記した同チームの報告書も出している。つまり、電力総連や電機連合はもとより、自治労も含む連合幹部は一体となって原発を推進してきたのだ。
 今回、連合は一昨年来の原発推進方針について「原子力エネルギーに関する連合の政策については……凍結する」と言っている。だが、「凍結」とは「いつでも解凍できる」ということだ。連合幹部の狙いはただ、参加組合員の怒りをかわし、資本と一体となって原発を推進してきた自分の責任をごまかして、御用労組幹部としての地位にしがみつくことにある。
 原発事故は、核開発を強行してきた資本家や政治家、高級官僚、御用学者だけでなく、連合幹部にも根本的な破産を突きつけている。それは、原発推進方針を「凍結」すれば済むことでは断じてない。福島第一原発は膨大な放射能をまき散らし、数十万の人びとから生活の場を奪っている。事故対策に当たる原発労働者は、許容量をはるかに超えた被曝(ひばく)を強いられている。この恐るべき現実をつくり出したのは、ほかならぬ連合幹部ではないか。
 連合会長の古賀は電機連合(松下電器労組)出身、事務局長の南雲は電力総連(東電労組)出身だ。彼らは「原発は安全」というデマゴギーを資本と一体となって叫び立て、「労組」を名乗って反原発闘争解体の最先兵になってきた。電力総連に至っては、その一方で「危険な原発労働は下請けにやらせろ」などと資本に「要求」してさえいる。外注化と非正規職化を労組の「要求」として強行し、非正規職労働者の命まで踏みにじる――こんなものが労働運動であるはずがない。今や連合幹部は、公務員賃金の大幅削減に自ら応じ、震災下の大幅賃下げ・大量首切り攻撃に道を開いている。
 連合は、総評解体を目的に強行された国鉄分割・民営化によって生み出された。その国鉄分割・民営化の張本人であるJR東海会長の葛西は、「原子力を利用し続ける以外に日本の活路はない」と叫んでいる。この葛西らと手を携え、現場労働者を抑圧してきたのが連合幹部だ。資本が原発事故を居直り、今後も原発の稼働と建設を強行すると反動的に決断した以上、連合幹部はそれに従う以外にない。今回の原発推進「凍結」方針は、まさに連合路線の総破産の象徴だ。
 今こそ職場に労働者の団結を取り戻し、資本と闘って職場支配権を奪還しよう。体制内労組幹部が資本の手先であることを闘いの現場で具体的に暴き出し、彼らを労働運動からたたき出そう。国鉄闘争全国運動を軸に、階級的労働運動を力強くよみがえらせよう。

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週刊『前進』(2490号7面4)(2011/06/06 )

 ドイツ 16万人が「原発止めろ」

 ドイツ全土で5月28日、「命を奪う危険な技術=原子力を廃止しよう」「ただちに原発をやめよう」をスローガンに、デモが行われた。
 メルケル政権は巻き起こる反原発闘争に押されて「脱原発」を表明したが、29日の与党協議は2022年を目標年とする方向で行われる。
 これに対して、地域的、全国的なさまざまな反原発組織が「即時停止」のためのデモを呼びかけたのだ。大きなデモだけでも全国21カ所、参加人数は16万人になった。多くの労働組合員が組合旗を掲げて結集した。
(写真 2万5千人が参加したベルリンの5・28全原発即時廃止集会。左端の三角マークの旗はIGM【金属労組】)

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週刊『前進』(2490号8面1)(2011/06/06 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 勾留延長決定許すな 現地行動隊は訴える 全学連三里塚現地行動隊

 東京地裁刑事第14部は5月31日、5・20三里塚裁判闘争で不当逮捕した織田陽介全学連委員長をはじめとする38人の仲間への勾留延長を決定した。デタラメな勾留延長をわれわれは満腔(まんこう)の怒りをもって弾劾する。
 そもそも「裁判所からの不退去」罪など、とんでもないデッチあげだ。天神峰現闘本部裁判で東京高裁・井上繁規裁判長は、本部の強制撤去を可能とする仮執行宣言付きの反動判決を下した。実地検証もせず、明白な物的証拠を裁判所自ら闇に葬り去る暴挙に、反対同盟が執行停止の申し立てをしたのはあまりにも当然だ。それを、被告側との面会を拒否するどころか警察に突き出し、さらに反対同盟員を釈放してなお他の38人の勾留を続けるなど、ふざけきっている!
 一つに、反原発の闘いを爆発させ、反戦・反権力の砦(とりで)である三里塚への大結集をつくり出そう。5・20弾圧は、国家権力と非妥協に実力で闘いぬいてきた三里塚闘争が3・11大震災から始まった反原発の闘いと結合し、日帝打倒の内乱へと発展することへの恐怖だ。三里塚45年の闘いが今こそ光り輝くときだ。フクシマの怒りと結び、6・11全国100万人デモを爆発させよう。
 二つに、被災地の闘いと連帯し、震災・原発・農民殺しの元凶である新自由主義と闘う労働運動をつくり出そう。5・20弾圧は、関西生コン支部弾圧と一体の動労千葉派つぶしだ。しかし、国鉄闘争全国運動6・5大集会はその思惑を粉砕した。三里塚闘争に真に勝利する力、原発をなくし社会を変える力は、国鉄闘争を先頭に連合支配を打ち破る労働者の総決起をつくり出すことの中にある。
 三つに、法大闘争の歴史が示すように、学生の未来も、労働者・農民とともに闘い新自由主義攻撃を打ち破る中にある。新自由主義大学を打倒し、反原発・反戦闘争を爆発させよう。キャンパスに学生自治会を建設しよう。獄中で闘う仲間と固く団結し、全員の即時奪還へ闘おう。

 寮生を完全に排除し新樹寮に超不当ガサ 富山大学 A

 5月20日の三里塚大弾圧を口実にして5月27日、富山大学新樹寮に24年ぶりに家宅捜索が強行されました。
 新樹寮では寮生A君、B君の2人が不当逮捕され、今なお獄中で完全黙秘・非転向で闘い続けています。
 ガサは警察権力と大学当局が結託した徹頭徹尾デタラメなやり方で行われました。寮生に一切連絡はなし、立ち会いは当局が行い、4畳半の部屋二つに20人が4時間も居座り続けました。
 寮生に立ち会いをさせず、押収品目録も当局が持ち去ったため、捜索の様子も分からなければ、いまだに何が押収されたのかさえ明らかになっていません。こんなことが許されるわけがありません。違法・不当きわまりない暴挙です。
 富大当局は、新樹寮の自治解体と団結破壊のために、今年度から事務室にガードマンを常駐させて学生証をチェックし、寮内に監視カメラを設置しました。闘う労働者・学生の名前を新樹寮入り口に掲示して立ち入りを禁止、「従わない者は警察に突き出す」と叫んでいます。こんなものは「寮」どころか監獄そのものではありませんか!
 これこそ新自由主義大学の腐りきった姿の極致です。こんなものは、誇り高き新樹寮の闘いの歴史にかけて絶対に粉砕します! 富大生と全国寮生は獄中同志と連帯し、即時釈放と6・11反原発大行動の爆発へともに闘おう!

 体制内をぶっ飛ばし人事委員会闘争開始 新潟市再任用被解雇者 斎藤実

 5月30日、新潟市人事委員会に不服申し立てを行い、正式に受理されました。3月末に再任用の職を解雇になりましたが、人事課は「任期満了による退職」「処分書がないから処分でない」と言っています。処分と認めさせないと人事委員会の審理もされません。門前払いを許さず、解雇を撤回させる決意です。
 私に対する解雇攻撃は360万公務員首切りの道州制攻撃そのものであり、全国で吹き荒れている震災解雇と一体です。同じく3月末で雇い止めになった仙台市の非正規職の青年に対する攻撃と一緒です。青年が非正規雇用でモノのように使い捨てにされることを許さない闘いとして連帯していきたいと思います。
 また65歳まで安心して働ける職場をつくる闘いです。年金を取り上げられた労働者が働き続けることは当然の権利です。
 そして、私の闘いに敵対し続けてきた体制内の組合執行部を打倒する闘いそのものです。不服申し立ての書類を提出した直後、その旨を市職労本部に報告に行きました。対応した役員は露骨に嫌そうな表情をしながら「組合がやることはない」と冒頭から発言。「チラシで散々こちらを批判しておきながら協力してほしいと言われても協力できない。あなたの人間性を疑う」と敵意むき出しの対応です。最後には「再任用職員は1年で任期更新されなくても当然」と言い出す始末。これが解雇された労働者に対する態度かと怒り心頭です。「再任用職員も組合に入れろ」という私の要求を1年間握りつぶし、解雇されて当然と開き直る労働組合幹部。ここまで腐ったかとため息が出ます。これでは労働組合の解雇撤回闘争など成り立ちません。組合からも解雇されたような気持ちです。この闘争をてこに市職労を闘う組合としてよみがえらせる決意です。全国の皆さん、ご支援お願いします。

 沖縄闘争を闘って ここが大決戦の突破口だ! 九州 L

 5・15沖縄闘争に参加しました。
 この闘いを通してまず一番に感じたのは、労働者人民の団結力の強さとたくましさです。全国から高い志を持った仲間が一堂に集まり、新自由主義攻撃と闘う労働者人民の結束と怒りの爆発的決起に、私はただただ圧倒されました。
 われわれ労働者の激しい怒りは、階級的な体制打倒運動として総結集した時に意味をなします。一人ひとりが民営化・外注化・非正規職化攻撃を断じて許さないという意志を持って声を上げていることが印象的でした。それは、これらの活動が体制内労働運動の一片としてではなく、マルクス主義に裏付けられた階級的労働運動であるということです。
 私は国際通りと名護市デモに参加しましたが、街行く人は、みなデモを温かく受け入れ、飛び入りで参加する人も少なくありませんでした。私は身をもって沖縄闘争の持つ可能性・重要性を感じました。また、沖縄の労働者の長きにわたる闘いの歴史を知るにつけ、ここが大決戦の突破口なんだという気持ちがさらに起こりました。
 もう一つ感じたことは沖縄という地は、二つの側面を持っているということです。
 ひめゆり資料館や陸軍病院跡、普天間・嘉手納米軍基地を見学し、想像を絶する当時の惨状、悲しい歴史、また、戦後、今に至るまで政治の道具として扱われてきた事実を学びました。
 沖縄は、今に真実を語る「生きた歴史」であると同時に、現場に生きる労働者階級人民の力によっていくらでも変わりうる場所であり、ここから全国に、世界に闘いの輪が広がっていくのです。
 沖縄で出会ったたくさんの人を見習って、私自身もさらに勉強して、今後の活動につなげていきたいと思います。

 沖縄闘争を闘って 政府と米軍への怒り新たに 首都圏大学2年 一葉葉一

 5月14日から16日にかけて沖縄へ行って、現在の米軍基地がいったいどれ程の規模で存在しているかを目の当たりにして来ました。
 小、中、高校と教科書で教えられてきたこととは比べものにならない不条理な現実にさらされている沖縄の人びと、そして抗議の声を圧殺してきた米軍と日本政府にあらためて怒りを覚えました。
 既成の政党や労組が3・11震災で自粛を叫び、5・15県民大会への参加を取りやめた中、学生・労働者のこの3日間の闘争は非常に得るものが多かったと思います。やはり最後までこの社会に対して抗議の声を上げ、闘争を実践し続けられるのは、学生・労働者の団結を実践している僕たちしかいないとはっきりさせました。各地であふれている不条理な現実にNOを突き付けて社会を根底から変える活動がいっそう重要だと感じました。

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週刊『前進』(2490号8面2)(2011/06/06 )

 10日間の勾留延長弾劾

 5・20三里塚弾圧 38人を即時釈放しろ

 東京地裁は5月31日、5・20三里塚闘争弾圧で不当逮捕され勾留中の38人の仲間に対して、さらに10日間の勾留延長を決定した。絶対に許すことはできない! 
 この間の勾留理由開示公判の中で、逮捕の不当性、勾留理由のでたらめさ(被疑事実さえ認定できない!)は余すところなく暴き出されている。これ以上、一日たりとも勾留を続けることは断じて許されない。東京地裁は勾留延長を取り消し、全員を即刻釈放しろ。

 同盟の申し立ては正当な行為だ

 そもそも5月20日の50人逮捕そのものが、三里塚闘争45年の歴史の中でもかつてなかったほど不当な弾圧だ。
 東京高裁第15民事部の井上繁規裁判長は5月20日、一度の実質審理も現場検証もなしで不当判決を出したばかりか、確定判決を待たずに本部建物を破壊することを可能にする仮執行宣言まで付けた。北原鉱治事務局長を先頭とする反対同盟と弁護団は、直ちに執行停止を申し立てた。
 ところが井上裁判長は面接を求める弁護団と会おうともしなかった。そればかりか裁判所は警視庁に通報し、決定を待ってその場にいた労働者・農民・学生50人を警察に売り渡すという暴挙に手を染めたのだ。

 開示公判で逮捕の不当性明らか

 5月29日の三里塚緊急現地闘争に続いて5月27日〜6月1日、東京地裁で本件弾圧に関する勾留理由開示公判が開かれた。三里塚反対同盟の萩原進事務局次長を先頭に、のべ200人が傍聴に駆けつけ、獄中の仲間との熱い合流を果たした。
 公判では、弁護人から逮捕・勾留のでたらめさが突き出された。「反対同盟や支援が現地闘争本部撤去の強制執行停止の決定を待って、廊下で待機することは『正当な理由』にあたる。退去命令には合理的根拠がない」こと、そしてそもそも「退去命令自身が被疑者らに伝わっていない」という決定的事実が明らかにされた。
 また、警視庁公安部による全員逮捕の不当性も暴かれた。エレベーターを止めて中にいた人を引きずり出して逮捕した事実、階段を降りていた人をわざわざ引き上げて逮捕した事実、待合室のドアを押さえて「外に出るな」と閉じこめておいて逮捕した事実……。警察は、待合室で休んでいた北原事務局長や、申し立て手続きをやっていた弁護士事務所の事務職員まで逮捕した。何が「建造物不退去」だ!
 しかも、裁判所内には50人を超える支援者がいたが、50人逮捕の時点で公安刑事が「もう護送する車がないから、お前らは帰れ」と言って残りの人たちは逮捕しなかったという。こんなふざけきった話があるか!
 弁護人の鋭い追及に対して裁判長は「一件記録によると勾留の必要性があった」と繰り返すばかりだ。弁護人は「『一件記録によると……』と10回以上も繰り返しているが、一件記録は公安警察が書いた作文にすぎない。それを鵜(う)のみにしているだけでは公安警察の犬に成り下がっているということではないか。主体性はないのか」と痛烈に批判した。

 全国一斉捜索に怒りの反撃を!

 警視庁公安部は今回の弾圧を口実にして、5月27日以来、前進社本社と各支社、労組交流センターや婦人民主クラブ全国協の事務所、三里塚現闘、個人宅など全国25カ所以上の家宅捜索を無差別に強行している。事件とは何のかかわりもない場所に押し入り、まったく関係のないビラ・機関紙・資料などを押収しているのだ。断じて許すことはできない。
 大恐慌・大震災、原発大事故のもとで労働運動・学生運動・住民運動をつぶすための政治弾圧そのものだ。原発への怒り、震災解雇・大失業への怒りと弾圧に対する怒りを一つに結集して38人の仲間を絶対に取り戻そう!

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週刊『前進』(2490号8面3)(2011/06/06 )

 反原発・労組つぶしが狙い

 コンピューター監視法案と強制執行妨害罪重罰化阻止を

 衆院採決弾劾成立阻止せよ

 菅政権が提出したコンピューター監視法案と強制執行妨害罪重罰化のための刑法改悪案が5月31日、法務委員会、本会議で相次いで採決を強行され衆院を通過した。
 これは大恐慌下の大震災という日帝の未曽有の危機のもとで、労働者人民の怒りの決起に革命の恐怖を感じた日帝支配階級の凶暴だが展望のない治安弾圧、労働運動解体の攻撃である。それは、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の組合員13人の逮捕と全員起訴の攻撃、三里塚現闘本部裁判での仮執行付き反動判決と50人逮捕、38人への勾留延長の暴挙と一体の攻撃である。政府・民主党と自民・公明合作のこの法案を、帝国主義に対する労働者階級の怒りを結集して粉砕しよう。
 極悪の団結破壊法として3度も廃案に追い込まれた共謀罪を、政府はその一部であるコンピューター監視法と強制執行妨害罪重罰化を先行させて成立を図り、「情報処理の高度化等に対処するための刑法等改正案」として3月11日に閣議決定、大震災のさなかの4月1日、国会に提出した。
 コンピューター監視法案は、警察がインターネット規制を強化し介入する悪法だ。ウイルス作成罪とともに、権力がプロバイダーなどに対し裁判所の令状なしにネット上の通信履歴保管を要請できるようにするものだ。
 大震災のもとで、総務省は4月6日、「インターネット上の流言飛語への適切な対応に関する要請」なる通達を出し、関連業者に「自主的削除」などを求めた。原発事故の真相を暴こうとする動きを禁じようとしたのだ。今回の法案はこれと軌を一にする攻撃だ。
 強制執行妨害罪の重罰化・拡大も決定的に重大だ。「強制執行妨害」の構成用件を拡大し、倒産争議での労働組合の権利を圧殺するなど、労働者の団結権、争議権を封殺する目的であり、まさに関生弾圧のような攻撃を合法化する攻撃だ。
 この攻撃は、国家的法益、公務執行権強化が保護法益であると強弁し、それに抗議するものを処罰の対象とする。職場占拠や自主生産はもとより、組合旗を立てても、批判するビラをまいても弾圧の対象になる。戦時統制経済のための戦時立法の復活であり、国家と資本のために労働者のあらゆる闘いを取り締まろうとするものだ。大恐慌と大震災のもとで新自由主義の攻撃を極限的に強めようというのだ。
(写真 衆院採決強行弾劾!【6月1日 国会前】)

 大恐慌・震災下の共謀罪攻撃

 破防法・組対法に反対する共同行動などの労働者たちは31日、国会前で法案絶対阻止の闘いに決起した。6月1日には、衆院通過を弾劾して国会前の行動を闘い抜いた。
 日帝権力の狙いは、わき上がる労働者階級の闘いを圧殺することにある。「国鉄闘争の火を消すな」と4・9和解攻撃に真っ向から反撃している国鉄闘争全国運動を先頭に、労働組合をよみがえらせ、労働者階級の団結を職場からつくり出し、反原発・反失業の大衆的な闘いを爆発させよう。その力で共謀罪攻撃、コンピューター監視法案、強制執行妨害罪重罰化を粉砕しよう。
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▼国会行動方針
 参院議員会館前、座り込み、情宣、傍聴
 6月9日(木)午前8時半〜午後1時
 6月14日(火)午前8時半〜

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週刊『前進』(2490号8面4)(2011/06/06 )

 6・24東京高裁包囲デモへ

 星野同志を取り戻す時が来た

 11年星野全国総会に結集を

 「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」が6・24東京高裁包囲デモと全国総会への総結集を呼びかけている。3・11大震災情勢下で闘われる高裁包囲デモと全国総会で、獄中36年の星野文昭同志を奪還する道を切り開こう。3・11で階級情勢は一変した。日本と世界で「殺されてたまるか」という怒りの声が沸き上がり、資本主義・帝国主義打倒までやむことのない闘いが巻き起こっている。ついに世界革命の時代が来た。実際に星野同志を取り戻す時代が来たのだ。
(写真 「復帰」39年5・14沖縄集会で登壇した全国再審連絡会議の仲間。発言は星野暁子さん【那覇市】)

 労働者階級の力で再審無罪・釈放へ

 3月11日、東日本大震災が発生し、福島第一原発が史上最悪の事故を起こした。死者・行方不明者は2万5千人近くにのぼり、およそ10万人が今も避難所生活を強いられている。解雇、賃下げ、雇い止め、非正規職切りが相次ぎ、医療・介護・教育などすべて破壊されている。菅政権は100兆円を超える資金を投入して東電や大銀行・大企業を救済する一方、「復興財源」を口実に10%への消費税アップ、公務員賃金1割削減、道州制攻撃をかけている。
 しかし、日帝・菅政権は完全に統治能力を失い崩壊寸前だ。資本主義・帝国主義を倒さなければ生きられないという怒りが全世界で噴き上がっている。エジプト・中東から始まった世界革命の波が一層高まっている。
 この日本でも反原発・反失業のデモが巻き起こり、どの闘いでも青年労働者が次々に決起している。ブルジョアジーと日帝国家権力は自らの死を突きつけられて、階級的闘いや、あらゆる階級的なものを解体する攻撃を激化させている。連合・体制内労組幹部が完全にその手先と化している。5月11日に全日建運輸連帯労組関生支部の13人が不当逮捕され、全員が起訴された。20日には三里塚反対同盟の現地闘争本部撤去の不当判決の上に、50人を逮捕する大弾圧が強行された。
 労働組合の存在と闘いをめぐる攻防こそ一切を決する。まさにその展望を切り開くものとして6・5国鉄大集会の勝利がかちとられた。6月19日にはフクシマ現地での怒りの大デモが呼びかけられている。
 労働組合をよみがえらせる闘いこそ3・11情勢への根底的回答だ。国鉄闘争全国運動は、その歴史的使命を担い前進している。この闘いと一体で星野同志の再審無罪・即時釈放へ突進しよう。
 星野闘争は現在、激しい攻防過程に入っている。その先頭に立っているのは星野同志自身だ。

 3・11震災情勢と対決する星野同志

 星野同志は3・11情勢と向き合い、自己にできるすべてのことをやっている。星野同志は、動労千葉と労組交流センターが呼びかけた救援対策本部に5千円のカンパを送った。これは、わずかの賞与金を積み立てたものだ。大震災に関する「特別発信」で、福島現地で闘う仲間に激励と連帯の手紙を送った。星野暁子さんとの面会では大半の時間を原発についての討議に使っている。
 5・15沖縄闘争には「大恐慌を生み、大失業と戦争・沖縄基地強化、そして大震災被害・原発事故さえ引き起した資本主義・帝国主義を労働者人民の団結した力でなにがなんでも打倒し、誰もが人間らしく生きられる社会を実現しよう」という熱烈なメッセージを発した。
 3・11情勢とは、星野同志の闘いが6千万労働者階級、2千万青年労働者の怒りと結合して、帝国主義打倒へ向かって大爆発する時代なのだ。国家権力は、この星野同志の闘いに激しい危機を感じて攻撃を激化させている。
 徳島刑務所は4月7日、星野同志を4類から3類に降格した。5月16日には、再審弁護団に新たに加わった藤田城治弁護士の接見を「一般面会」扱いし、看守の立ち会い付き、30分の時間制限の面会を強制した。
 2009年星野全国総会は「労働者階級の力で星野さんを取り戻そう」という大路線を確立した。その上に、この2年間、星野闘争は大きく前進してきた。
 3・20反戦闘争、3・27三里塚闘争、5・1反原発・反失業メーデー、5・15沖縄現地闘争、5・20裁判員廃止闘争などを星野闘争はその先頭で闘っている。どの闘いにも「星野のぼり」「星野ゼッケン」がある。
 5月4〜5日には福島・宮城の被災地を訪問した。放射能に対して「逃げずにここで闘う」と決意する福島の仲間、震災解雇と闘う宮城の仲間と連帯して、”ここにこそ星野同志を取り戻す力がある”と確信する闘いであった。
 7月には動労千葉とともに訪米し、レイバー・フェスタに参加して、サンフランシスコで絵画展とホシノ・ムミア集会を行う。動労千葉が切り開いた国際連帯をさらに促進し星野同志奪還を国際的に押し広げる闘いだ。
 再審闘争においては、「補充書(1)」「補充書(2)」を提出して、星野同志の無実を完全に明らかにした。追い詰められた検察は3月24日、「速やかに請求を棄却」せよという「意見書」を提出した。再審弁護団は反論の「意見書」を提出して、これを粉砕する準備を進めている。4月4日にはビデオテープ紛失に関する国家賠償請求を申し立てた(6月7日、第1回期日)。
 5月22日、全国23番目となる「無実の星野文昭さんを取り戻そう!東京北部の会」が結成された。星野再審連絡会議は全国に隊列を広げている。6・24東京高裁包囲デモに決起して再審無罪・即時釈放の声をたたきつけよう。星野全国総会に総結集しよう。
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 要項
6月24日(金)
 午前11時半 日比谷公園霞門集合/正午 高裁デモ出発
 午後2時〜 全国総会1日目
 総会会場 港勤労福祉会館(JR「田町」、都営地下鉄「三田」)
6月25日(土)
 午前10時〜 全国総会2日目(会場、1日目と同じ)

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