ZENSHIN 2011/05/16(No2487 p06)

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第2487号の目次

「反原発・反失業」を掲げ東電へデモ(5月1日 東京)

1面の画像
(1面)
労働組合の力で6・5集会へ
職場生産点から闘いを組織し震災解雇粉砕・全原発停止を
5・20三里塚-裁判員全一日闘争へ
記事を読む  
高英男副委員長ら13人不当逮捕  関生支部への大弾圧許すな(5月11日) 記事を読む  
闘うメーデー各地で  反失業・反原発を訴えデモ(5月1日) 記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
(2面)
辺野古V字型新基地粉砕を  北沢防衛相が沖縄訪問 日米合意強行狙う菅政権 記事を読む  
国鉄闘争軸に大失業と対決を
5・17国労臨大闘争弾圧裁判と5・18動労千葉鉄建公団訴訟へ
6・5大結集の重要ステップに
記事を読む  
国家公務員に10%賃下げ  人勧解体・改憲に大反撃しよう 記事を読む  
ジェコー闘争 “正社員でもどせ”  初の全国闘争を打ち抜く
(投稿/ジェコーによる期間従業員解雇事件裁判闘争を支援する会)
記事を読む  
交流センター 女性部が定期大会  震災下の闘う方針確立(4月29、30日) 記事を読む  
日程 国鉄関係裁判 記事を読む  
(3面)
百万人署名運動 “原発なくせ”と浅草デモ
安保・沖縄・憲法集会に420人(4月29日)
記事を読む  
大阪 “解雇反対・全原発止めろ”  関西電力へ抗議行動(4月29日) 記事を読む  
沖縄・被災地と連帯
福岡 米軍新基地絶対許さぬ(4月29日)
記事を読む  
5・1広島 “闘う労組甦らせよう”  反失業・反原発掲げメーデー(5月1日) 記事を読む  
メーデーに大情宣  全国各地で「6・5」を訴え 記事を読む  
全原発即時停止へ闘おう  全国の教育労働者に訴えます 記事を読む  
(4面)
5・20三里塚現闘本部裁判に総決起し仮執行宣言阻止へ
震災下の三里塚闘争へ新たな決意
記事を読む  
震災解雇&大失業と闘う  被災地から闘いが始まる
不当解雇撤回へ職場分会結成  震災口実の選別解雇は許せぬ
記事を読む  
“反原発”で渋谷大デモ  1万5千人 警察と激突、逮捕も(5月7日) 記事を読む  
“子どもたちを守れ”
20_シーベルト基準の撤回を求め 福島の母親ら300人が政府と交渉(東京の元教員 日野祥子)
記事を読む  
2011年日誌 4月26日〜5月9日
防衛相が訪沖、日米合意履行要求/米帝がビンラディン暗殺
記事を読む  
三里塚裁判日程 記事を読む  
(5面)
階級的労働組合の拠点つくり 西部地区党建設へ驀進しよう
杉並区議選闘争の総括と展望  革命的共産主義者同盟東京都委員会
記事を読む  
「免状不実」で不当逮捕  怒りの反撃で直ちに奪還(5月9、11日) 記事を読む  
京都大反原発署名が拡大  大衆決起で自治会建設へ(関西学生・A) 記事を読む  
米帝がビンラディンを暗殺  中東人民の怒りさらに爆発へ 記事を読む  
(6面)
“労働組合で団結しよう”
第22回外登法・入管法と民族差別を撃つ全国研究交流集会
在日・滞日外国人と共同闘争実現  震災解雇・大失業攻撃と対決(5月8日)
記事を読む  
5・23狭山闘争に総決起を  西郡・八尾北の闘いに続こう 記事を読む  
富山再審闘争 全証拠の開示-再審を
勝利へ「かちとる会」が集会(富山保信)(5月7日)
記事を読む  
阿藤周平さんを追悼する
18年の苦闘へて無罪に 冤罪救援にかけた生涯  富山保信
記事を読む  
日程 5・20裁判員制度廃止集会、5・23狭山闘争(全国)、法大裁判 記事を読む  

週刊『前進』(2487号1面1)(2011/05/16 )

 労働組合の力で6・5集会へ

 職場生産点から闘いを組織し震災解雇粉砕・全原発停止を

 5・20三里塚-裁判員全一日闘争へ

 5月11日、大阪府警は威力業務妨害なる容疑をデッチあげ、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の高英男副委員長を始め組合員13人をまったく不当にも逮捕した。これは産業別ストライキで大手ゼネコンに勝利した昨年の歴史的大闘争と、国鉄闘争への戦闘的決起に対する許し難い大弾圧、大反動であり、さらに何よりも、大恐慌と3・11大震災に立ち向かい、生き抜き闘い抜くすべての労働者へのとんでもない反革命である。他方で5月7日、東京・渋谷では「すべての原発を止めろ!」「未来を奪い返せ!」と1万5000人が反原発デモに決起した。今や反失業・反原発の巨大なうねりが巻き起こっている。職場と労働組合を軸にこの怒りを組織し、国鉄闘争全国運動の6・5大集会の成功に向けて総決起しよう。

 すべての原発を止めろ

 3・11大震災と福島原発事故という未曽有の災厄、被災現地のすさまじい現実は、まさに資本主義・帝国主義とその最後の延命策である新自由主義がもたらしたものだ。
 政府と資本が「絶対安全」と強行してきた原発政策とその大事故は、日々労働者の被曝(ひばく)を拡大し、大量の放射能と汚染水を垂れ流し、事態収拾の展望すら見えていない。帝国主義の打倒とプロレタリア革命によってしか、この危機は絶対に突破できない。
 5月6日、菅政権は突如、「浜岡原発停止」を発表した。これは未曽有の危機に追い詰められた日帝と菅政権の、燃え上がる反原発闘争に恐怖した、実にペテン的な対応であり、その本質は新たな”原発推進宣言”と言うべきものでしかない。そもそも「防潮堤の設置など、中長期の対策」がとられれば原発を再運転し、「停止(期間)は2、3年」というまったくインチキなものである。
 だが今問題になっているのは、浜岡だけでなくすべての原発の即時停止と廃棄である。四国の伊方原発を始め、活断層と世界有数の巨大地震の巣である日本列島に、原理的に人間の力で制御不能の、54基もの原発や核燃料サイクル施設を造り運転すること自体が、許し難いことなのだ。福島原発事故が突き出したのはこのことだ。
 しかも日帝・菅政権は、2030年までに14基以上の原発を増設するエネルギー基本計画(昨年6月閣議決定)を維持しており、新成長戦略の柱に原発輸出を据え、ベトナムなどへの原発輸出を現に行っているのだ。断じて許せない。菅政権のペテン的な「浜岡原発停止」に怒りを爆発させ、反失業と一体のものとして反原発闘争の大高揚をつくり出そう。

 体制内御用幹部打倒へ

 3・11大震災と原発事故は、世界的に自動車・電機などの製造業の部品や産業素材の供給網(サプライチェーン)を寸断、崩壊させ、リーマン・ショックをも超える3割から6〜7割という生産の急落を引き起こし、日本発の「震災恐慌」を現実化させている。それがまた世界大恐慌を促進している。 
 それは現在、労働者に震災解雇、大失業の攻撃として襲いかかっている。特に被災地では大震災を理由とする派遣切り、雇い止めや、自宅待機、内定取り消し、賃下げの攻撃が拡大している。大震災に便乗した解雇も激化している。東北地方有数の工業都市、福島県いわき市では最大3万人が失業し、東北3県の3月統計で、職を失い失業保険を申請した人は7万人にのぼる。
 大恐慌・大震災下の新たな解雇攻撃として、パナソニックが海外を中心に4万人、携帯電話最大手のノキア(フィンランド)が7千人、ホンダが期間労働者600人(埼玉製作所)など、大リストラが報じられている。そもそも大恐慌、過剰資本・過剰生産力とは、労働者階級にとって大失業ということだ。まさに震災恐慌で、全国的に百万人規模の失業となるのは不可避である。
 原発を推進してきたのは、歴代の日帝政府(自民党や民主党)と、東電・関電を始めとする電力会社、東芝・日立・三菱の原発企業、ゼネコン各社、さらに東大・京大などの御用学者、裁判所、マスコミという国家総ぐるみ体制だった。そしてさらにもう一つ決定的なのが、電産解体、総評解体という歴史経過の中で政府・資本とまったく闘わず原発推進に変質し、原発労働者を被曝労働にさらし続けてきた連合、電力総連、東電労組などの体制内御用組合の総屈服と犯罪性である。
 そして、彼らが膨大な資金を投入し、総がかりで宣伝し、キャンペーンしてきた原発「安全神話」はすべてウソであり、福島原発事故で壊滅的に崩壊した。しかし政府や経団連・電力会社はこの期に及んでも、「原子力を選択したことは間違っていなかった。原子力の選択肢を放棄すべきではない」などとうそぶいている。連合会長の古賀もこれに完全に呼応し、「全世界の友人たちへ」なるメッセージで、いかに原発事故と放射能の「影響」がないかというデマゴギーの発信に躍起になっている。
 この連合は、震災解雇や大失業攻撃に対しても、まったく闘おうとしていない。それどころか「自粛」や「政治休戦」の先頭に立ち、メーデーも放棄するか「震災復興集会」などに変質させ、労働者を資本・権力の支配のもとに差し出している。しかも連合・公務労協は、3千億円の「復興財源」づくりを口実に国家公務員の賃金を10%削減する人勧解体・改憲に等しい大攻撃に対しても、労使協議に応じようとしているのだ。
 今や労働者は大恐慌・大震災と原発事故下で、こんな連合と体制内御用幹部を打倒し、闘う労働者が職場で権力をとり、階級的労働組合を再生しない限り、生きていくことはできない。職場生産点から、体制内御用幹部を権力・資本もろとも打倒し前進しよう。

 反合・運転保安路線で

 動労千葉の反合・運転保安闘争路線こそ、労働者の力で原発を止め、廃絶していく道である。御用労組幹部を打倒し、電産労働運動の魂をよみがえらせようということだ。
 かつて電産中国は反原発闘争を、@被曝労働の強制と対決する安全闘争、A産業政策の転換と対決する反合理化闘争、B危険作業の外注化で事故問題を「解決」しようとする資本との外注化反対闘争、C日帝の核武装と対決する政治闘争と位置づけ闘った。電力労働者が反原発闘争に立つことで、農漁民との連帯や自治労など地域共闘のかなめとなった。労組として初めて反原発ストを闘い、豊北原発建設をついに中止に追い込んだ。
 国鉄分割・民営化に反対しストで決起した動労千葉は、この歴史と戦闘性を継承して闘い抜き、勝利してきている。
 反合・運転保安闘争路線を武器とする国鉄闘争と、それを先頭にした連合打倒の4大産別決戦、そして国鉄闘争全国運動の発展、そこへの電力を始めとした職場・生産点での労働者の組織化の中にこそ、反失業・反原発闘争の勝利の具体的展望がある。6・5国鉄集会に、職場の仲間の大結集をかちとろう。

 辺野古V字基地阻止を

 米帝オバマによる1日のウサマ・ビンラディン暗殺は、米帝の凶暴性、残虐性をあらためて示した。そもそもビンラディンを生み、01年9・11反米ゲリラ戦を引き起こしたのは、パレスチナ圧殺を始め、米帝が行ってきた数々の侵略戦争、政権転覆のクーデター、暗殺への根底的怒りだった。ビンラディンを卑劣な手段で殺害した米帝オバマこそ、むしろ完全に追い詰められているのだ。
 中東人民の米帝へのさらなる怒りの爆発は不可避である。とりわけ中東と北アフリカの労働者階級は、今やエジプト革命を先頭に、9・11をのりこえて、プロレタリア世界革命の勝利を切り開いている。ビンラディン暗殺は米帝オバマの墓穴へと必ず転化する。
 5・15沖縄闘争を先頭に、労働組合と労働運動の力で、辺野古新基地建設阻止、米軍基地撤去・安保粉砕へ闘おう。三里塚現闘本部裁判控訴審判決闘争と裁判員制度廃止全国集会の5・20全一日行動に総決起しよう。
 労働者人民の反失業・反原発の怒りと結びつき、組織しよう。その武器が機関紙『前進』だ。職場フラクションを建設し、労働組合再生へ闘おう。職場と労働組合の決起の力で6・5集会を大成功させよう。

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週刊『前進』(2487号1面2)(2011/05/16 )

 高英男副委員長ら13人不当逮捕

 関生支部への大弾圧許すな

 11日、大阪府警警備部は、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部の高英男(コヨンナム)副委員長ら13人をまったく不当にも逮捕し、大阪市西区の組合事務所などを捜索した。
 理由は、昨年5月14日に行った生コン製造の関西宇部株式会社に対する抗議行動を「威力業務妨害」だとデッチあげたものだ。3年前から労働協約の履行をめぐり争議が続いていた。
 関西生コン支部は昨年夏、大恐慌がもたらす生コン業界の危機の中で、大手ゼネコンを相手に生コン価格の引き上げを求め、139日間の歴史的ストライキ(出荷停止)を打ち抜き、勝利し、10春闘の賃上げを獲得した。引き続き11春闘は全関西の生コン関係業者との集団交渉で大幅賃上げをかちとった。こうした闘いは全国の労働者に勇気と希望を与えた。
 大恐慌・大震災による日帝の危機のもとで、闘う労組への弾圧が決定的に強まっているのだ。絶対に許すな! 組合員の早期奪還へ闘おう。権力の弾圧を打ち破り、国鉄闘争全国運動6・5大集会に総結集しよう。

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週刊『前進』(2487号1面3)(2011/05/16 )

 闘うメーデー各地で

 反失業・反原発を訴えデモ

 東日本大震災情勢下で連合や全労連が「挙国一致」攻撃に屈し、闘うメーデーを放棄する中で、5月1日、東京、被災地・仙台を始め全国各地で「反原発・反失業メーデー」が闘われた。(関連記事3面)

 東京・芝公園

 東京・芝公園では全国労組交流センターの呼びかけでメーデー集会が開かれ、520人が参加した。
 全国労組交流センター事務局が「震災解雇労働相談センター」設立のアピールを行った。神奈川労組交流センター、北島邦彦前杉並区議、法大生の発言に続き、動労千葉の田中康宏委員長は、「震災と原発事故で新自由主義というこの社会の仕組みが全部暴露された。これと闘えなかった労働運動の現実をのりこえるのが国鉄闘争全国運動だ」と、6・5全国集会への大結集を訴えた。
 アメリカのTWSC(運輸労働者連帯委員会)、韓国民主労総ソウル地域本部からの連帯メッセージの紹介に続き、全逓の青年労働者が基調報告を行い、「日本の核武装政策を推進した連中が国鉄分割・民営化を強行した。5・15沖縄から6・5国鉄全国集会へ闘おう」と提起した。
 集会後、参加者は東電を直撃するデモに立ち上がった。警察の厳重警備に守られた東電本店への抗議申し入れ行動を全員で貫徹し、怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。さらに、中部電力東京支社、原子力安全・保安院、文部科学省、経済産業省、東京地裁・高裁など、原発犯罪人の巣窟(そうくつ)を包囲・弾劾するデモを闘いぬいた。

(写真 「反原発・反失業」を掲げ東電へデモ【5月1日 東京】)

 被災地・仙台

 被災地仙台の空に「原発を今すぐなくそう」「震災解雇を許さない」の声が響きわたった。
 連合はメーデーを全面中止。全労連メーデーは「復興」のスローガン以外、原発廃止も震災解雇反対もないパレード。この状況を打ち破り、仙台市内の勾当台公園で午後2時から、「被災地発!怒りのメーデー 団結集会」がかちとられた。
 メーデーアピールでは「すべての原発廃止を! 震災を口実としたクビ切りを許さない! 政府は仕事と生活を保障せよ! 国鉄1047名解雇撤回闘争で新自由主義に風穴を開けよう!」と参加者全員で決議した。
 福島から参加した仲間は「毎週街頭宣伝をやっている。逃げずに闘う」と決意を表明した。
 デモ行進は、アーケード街を進むごとに人数が増えていった。200人のデモ隊が拍手で迎えられた。復興キャンペーンに参加していた青年たちもデモ隊に次々と合流し、街は「原発なくせ! 仕事をよこせ!」の怒りの声に満たされた。飛び入り参加した青年は、「仲間にも配る」と『前進』を2部購入した。
 震災から50日、ついに震災解雇と闘う労働組合の旗が立ち、街頭の怒りと結合を開始したのだ。
(写真 「仕事よこせ!」の叫びに青年が合流【5月1日 仙台】)

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週刊『前進』(2487号1面4)(2011/05/16 )

前進速報版から 前進速報版から

▼関西生コン支部への大弾圧許すな!▼5・7渋谷1万5千人が反原発デモに決起▼東京、仙台、広島など各地で「闘うメーデー」

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週刊『前進』(2487号2面1)(2011/05/16 )

 辺野古V字型新基地粉砕を

 北沢防衛相が沖縄訪問 日米合意強行狙う菅政権

 日米同盟の再編と実戦発動をめぐる動きが3・11東日本大震災情勢にも乗じて急ピッチで進んでいる。北沢防衛相が5月7日に沖縄県の仲井真知事を訪問し、この期に及んで米軍普天間飛行場の辺野古移設=「V字滑走路案」という米側要求の貫徹を要請、「議論は平行線」(新聞各紙)などと報じられた。菅政権は問題決着への強行突破に踏み出したのである。
 6月下旬に予定されている菅首相訪米までに日米安全保障協議委員会(SCC=通称2プラス2)を開催して「日米安保の共通戦略目標を改定」することが日米間で合意されており、普天間問題「決着」が日米同盟「再編」上の待ったなしの課題となっているのだ。「再編実施のための日米ロードマップ」(06年5月。2014年までに辺野古新基地を建設し、海兵隊8千人のグアム移転を完了)の締結から丸5年が経過しているが、昨年11・23延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件以来の朝鮮侵略戦争情勢の中で、日米安保の実戦体制への移行がタイムリミットを超え最終的に動き出したのである。
 15年にわたって新基地建設を阻み続けてきた沖縄を先頭とする労働者人民の怒りと闘いが決定的な局面を迎えている。
 米政府と米軍当局の核心的な意図は、05年に締結された「日米同盟・未来のための変革と再編」で明記された日米安保体制の「世界安保」としての再編と実戦段階への移行だ。アジア太平洋地域での帝国主義的権益の確保を決定的に重視し(米国家軍事戦略=今年2月、QDR=昨年2月)、朝鮮侵略戦争を含む対中国スターリン主義との対峙・激突をやり抜く体制を絶対的に確保することだ。その中心課題が日米安保「再編」と沖縄問題なのだ。
 5月冒頭、内部告発サイト「ウィキリークス」が「日米ロードマップ」に盛られた沖縄海兵隊のグアム移転費用に関して、日本の労働者人民の怒りを恐れて日本側負担割合を低く見せかけるために全体の移転費用を米当局が“水増し”して発表していた事実を暴露した。移転費総額(約1兆円)の7割以上を日本が負担する内容だったものを、水増しによって表面上の日本側負担を「6割以下」に見せかける工作を行ったのだ。
 人民の怒りをなめきった所業であり、この一点でも「ロードマップ」は実力で粉砕されるべきだが、あらめて浮かび上がったのは、世界大恐慌と大震災で動揺する日帝をここまで動員しなければ成り立たない「在日米軍再編」それ自体の危機的な実態だ。進行している事態は、米帝によるアジア・太平洋地域での侵略戦争を文字通り支える戦略的要塞として沖縄―グアムの新基地(アンダーセン基地)を大増強する計画であり、その財政負担の大半を日帝に負わせようというのだ。6月の2プラス2および菅訪米―「日米同盟の深化」の目的は、これを具体的な協定を含めて確定させることにある。
 そして日帝ブルジョアジーと菅政権は、このべらぼうな日米ロードマップを積極的に担い、戦争計画への参画を通して、改憲攻撃を頂点とする政治反動を貫徹し、原発事故=核政策の大動揺と階級支配の危機をのりきろうとしているのである。震災「救援」を口実にした「日本有事作戦(トモダチ作戦)」の狙いもここにあったのだ。
 2プラス2を目前にして「普天間14年移設の断念=固定化不可避」(読売5・7付)や「普天間の嘉手納統合を米上院軍事委員長が提言」(朝日5・12付)などの情報が発信されているのは、この日米安保体制の危機と動揺の表明だ。菅政権の危機は、日米安保問題でこそ決定的な段階に入ろうとしているのである。
 問われているのは5・15沖縄闘争を突破口とする階級的労働運動、労働組合運動の圧倒的な前進と日米安保粉砕の反戦政治闘争、反失業・反原発闘争との結合だ。6月「2プラス2」―菅訪米を粉砕し、日帝・菅政権を打倒しよう。

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週刊『前進』(2487号2面2)(2011/05/16 )

 国鉄闘争軸に大失業と対決を

 5・17国労臨大闘争弾圧裁判と5・18動労千葉鉄建公団訴訟へ

 6・5大結集の重要ステップに

 大震災情勢下、階級闘争の様相は一変した。広範な労働者人民が原発事故に怒りを燃え立たせて立ち上がっている。他方で資本は、連合や全労連ら体制内労働運動の屈服を突いて、労働者階級に対するすさまじい解雇攻撃に乗り出してきた。
 今こそ、反失業・反原発を真っ向から掲げ、階級的労働運動が主流派に躍り出なければならない。その基軸に位置するのは国鉄闘争全国運動だ。権力と資本は、国鉄闘争全国運動を解体する狙いも込めて、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部に対する大弾圧を強行した。こうした攻撃と徹底的に対決し、6・5大集会への3千人結集をかちとろう。そのための跳躍台として、5月17日の国労臨大闘争弾圧裁判控訴審第4回公判と18日の動労千葉の鉄建公団訴訟を闘いぬこう。

 国労6被告の完全無罪へ!

 国労5・27臨大闘争弾圧裁判の控訴審は、いよいよ大詰めを迎えた。17日の公判では、弁護団の最終弁論が行われる。他方、検察側は控訴審において論告も弁論もできないところに追い込まれている。
 被告団と弁護団の不屈の闘いは、09年11月の一審判決で、暴力行為等処罰法の適用と「共謀」の事実認定を粉砕し、検察が「事件の首謀者」に仕立て上げた国鉄闘争支援者の向山和光さんへの無罪判決をかちとった。しかし司法権力は、あくまで被告を有罪とする政治的狙いを込めて国労組合員の6被告に「罰金刑」の判決を下した。控訴審は、これを打ち破り、完全無罪判決をもぎりとるために闘われてきた。その集約点が17日の公判だ。この公判では、弁論要旨の陳述後、判決日が指定される見通しだ。
 5・27被告団は、1047名闘争の解体をもくろんで強行された昨年4月9日の政治和解を粉砕する闘いの先頭に立ってきた。階級的原則を貫く被告団の闘いは、動労千葉争議団の闘いに続き、和解を拒否した国労闘争団員の不屈の決起を引き出したのだ。
 震災情勢のただ中で、危機に駆られた菅政権は、関西生コン支部への弾圧を始め、階級的労働運動の絶滅を狙う攻撃を激化させている。だが、団結を固めて闘えば、こうした攻撃は敵の弱点に転化する。被告団の闘いはそれを見事に実証してきた。あらゆる敵の攻撃を打ち破り、6被告の完全無罪獲得へ、総力で闘いぬこう。
 18日の動労千葉の鉄建公団訴訟は、結審をもくろむ東京地裁との全面激突となる。

 結審策動粉砕する重大攻防

 動労千葉争議団は04年12月の提訴以来、実に6年以上もの長期裁判闘争を闘いぬいてきた。09年12月の裁判では、国鉄職員局職員課補佐だった伊藤嘉道(現JR東日本高崎支社長)の証言で、動労千葉の12人の組合員が「6カ月以上または2回以上の停職処分を受けた者はJRに採用しない」という不採用基準によってJR不採用となった事実が暴かれた。12人の組合員は、全員が当初は採用候補者名簿に載せられていたにもかかわらず、鉄道労連(現JR総連)の反革命的突き上げを受けて急きょ設定された不採用基準により、名簿から削除されたのだ。しかも、名簿からの削除を指示したのは、当時、国鉄職員局次長で現JR東海会長の葛西敬之であることも明らかになった。
 動労千葉争議団は、葛西を始め首切りを直接実行した者たちの証人採用を求めてきた。だが、東京地裁はそれをことごとく拒み、結審を強行しようと策している。また、原告らが「停職処分無効確認」を訴えに追加したことに対しても、3月31日付で「訴えの追加的変更を許さない」という反動的決定を強行した。
 昨年4・9政治和解以降も、解雇撤回の原則を貫き不屈に展開される動労千葉争議団の闘いに、司法権力は焦り、いらだって、闘争を絶滅するための攻撃をかけてきたのだ。何としてもこの反動を打ち破ろう。
 18日には、裁判に先立ち、結審策動粉砕の東京地裁包囲デモが行われる。裁判傍聴と併せ、全力で闘いぬこう。

 鉄運機構本社に攻め上ろう

 動労千葉の闘いと連帯し、和解を拒否した国労闘争団員は、18日早朝から、横浜市桜木町の鉄道運輸機構本社に対する抗議・申し入れ行動に立つ。これは、解雇撤回を実力で貫く闘いだ。
 1047名解雇撤回闘争は、原発即時廃止を実現するための闘いでもある。国鉄分割・民営化を強行した元首相の中曽根は、日本の原子力政策−核政策の中心的推進者でもあった。まさに国鉄分割・民営化と核開発は、一体のものとして強行されたのだ。さらに、国鉄分割・民営化による不当解雇を居直り続ける鉄道運輸機構代理人の西、向井、富田の各弁護士は、JR東日本の代理人でもあり、福島原発運転差し止め訴訟や東海村臨界事故訴訟でも東京電力や核燃料加工会社・JCOの代理人を務め、原発推進の先頭に立ってきた事実も明らかになっている。
 青年労働者を先頭に激しく巻き起こる原発への怒りと結びつき、反失業の闘いの基軸に1047名解雇撤回闘争を押し上げなければならない。6・5大集会へのステップとして、5・17−18連続闘争に結集しよう。

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週刊『前進』(2487号2面3)(2011/05/16 )

 国家公務員に10%賃下げ

 人勧解体・改憲に大反撃しよう

 「震災復興」を口実とする新自由主義の新たな大攻撃が始まった。菅政権は、国家公務員の賃金を1割前後引き下げる方針を固めた。5月中にも主要労組に提示、交渉に入ろうとしている。
 菅政権は、争議権(ストライキ権)を始めとする公務員の労働三権を制限したまま、人事院勧告の慣例を踏みにじり、破壊的な大幅賃下げを強行しようとしている。賃下げ・首切り自由の国家公務員制度改革を先取りし、道州制=公務員360万人首切りを全面化しようとしている。これは6千万労働者階級全体に対する改憲攻撃だ。
 菅政権は、国家公務員賃金1割下げで人件費を約3千億円圧縮し、その分を震災復興や財政再建に振り向けるとしている。国会議員歳費の22億円削減と合わせて歳出削減を行うことで大増税への地ならしをしようとしているのだ。労働組合の総力を挙げて粉砕しなければならない。
 国家公務員の賃下げは1999年以来ほぼ毎年強行されてきたが、下げ幅は最大でも2%台だった。今回は10%もの大幅な賃下げだ。
 公務員労働者には財政赤字の責任も大震災、原発事故の責任もない。被災地では人員不足の中、多くの自治体労働者が1日16時間労働、月200時間もの時間外労働を強いられている。家族や同僚を津波で奪われても、不眠不休で住民、避難民のために働いている。過密労働で自らの健康をも破壊されようとしている。ところが「震災下で職場があり給料がもらえる公務員は幸せだ」などと言いなし、時間外労働分の賃金を半分に値切る自治体さえ出てきている。公務員労働者の階級意識を解体・絶滅するとともに、民間労働者・避難民と対立させ分断することを狙っているのだ。
 こんなことが通れば、全国で始まっている震災解雇や非正規職雇い止め、賃金不払い・引き下げの攻撃はますます激化する。震災復興のためと称する大増税や東京電力の「電気料金2割上げ」も強行されかねない。
 今ほど公務員労働者の団結と闘いが求められている時はない。自らの権利を守り、生き抜くために団結して闘い、闘う労働組合をよみがえらせよう。この中からこそ震災解雇や大失業などの新自由主義攻撃を打ち返し、全労働者階級への攻撃を粉砕していく力が形成されていくのだ。
 震災を機に決定的にエスカレートした新自由主義攻撃に率先して手を貸しているのが連合本部、全労連本部だ。彼らは福島第一原発事故が史上最悪となり、数十万人が避難を強制され、日々放射能汚染が拡大しているのに、「脱原発」さえも呼びかけないどころか原発事故に言及すらしない。「震災復興」のための「政治休戦」に応じ「政官民労の統一テーブル」を唱え、「挙国一致」体制づくりを牽引(けんいん)している。この間、組合活動は被災地救援ボランティア一色となっている。そこには、ここまで震災被害を拡大した政府や資本に対する怒りも闘いもまったくない。
 だが青年労働者たちはメーデーで反原発を公然と訴え、5月7日には組合旗を携えて渋谷反原発デモに参加した。闘う方針が出れば労働者は決起する。闘う労働組合の再生か、「復興」の名による労働組合の最後的な変質・解体か――労働組合をめぐる闘いがすべてを決する。
 菅政権が5月に国会提出する国家公務員制度改革関連法案の内容は、人事院勧告制度・人事院廃止、公務員庁新設、自律的労使関係制度(協約締結権付与)などでストライキ禁止はそのままだ。4月28日には地域主権改革関連3法が成立した。
 震災を機に道州制攻撃が一気に激化している。公務員賃金引き下げ、原発事故、震災解雇、沖縄辺野古新基地建設などへの怒りを解き放ち、国鉄闘争全国運動6・5大集会を成功させ、日帝・菅政権を打倒しよう。

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週刊『前進』(2487号2面4)(2011/05/16 )

 ジェコー闘争 “正社員でもどせ”

 初の全国闘争を打ち抜く

 「08年10月25日、更新日のわずか3日前にいきなり“やめろ。おまえはクビだ”と言われた。あれから2年半、生活はどんどんひどくなる一方です。ふざけるな! 派遣というのはひどいもので働いても、働いても飯が食えない。いい加減にしてほしい。それに加えてジェコーは09年4月に期間従業員全員を切った。ふざけきっています。いい加減にしろよ。非を認めて仕事に就かせろ! 何とかしろ! 仕事もってこい! 切った人間を正社員でもどせ!」
 4月28日、埼玉県行田市にあるトヨタ系自動車部品メーカー・ジェコー本社工場前で第1次解雇と闘うYさんの怒りの声が響き渡った。
 門扉は閉められ工場建屋入口もシャッターが下りている。普段は頻繁に出入りするトラックも1台も来ない。労働者の姿は見えずフォークリフトの音さえ聞こえない。ジェコー資本が今日の抗議闘争に恐れをなして締め切ってしまったからだ。ときおり建屋3階の窓から従業員が門前行動の様子をのぞきこんでいるのが見える。
 期間従業員全員が解雇された日から2年になるこの日の弾劾行動には、被災地・仙台からは全金本山労組の長谷武志副委員長、関西合同労組、全学連、動労千葉、金属労働者の仲間や全国の合同労組の仲間、地元埼玉からも自治体、全逓、教労、国鉄を始め総勢70人が結集した。ジェコー闘争の初めての全国闘争だ。
 赤旗が林立する中、次々と怒りのシュプレヒコールが工場に向かってたたきつけられる。
 「ジェコーを絶対許さない! お前たちのおかげで闘うことを知った」――行田分会の木村分会長は訴えた。「ジェコーは今年、新たに25人を採用している。だったら私らを雇え。常務の細萱、工場長・丸茂! 出てこい!」。彼女は2年前に全員解雇を言い渡された期間従業員の1人だ。
 同じく第2次解雇の原告Cさんもマイクを取る。「2年前、“仕事はありませんから”と首を切られた。いま操業してるじゃないか! 仕事はあるんじゃないかよ。不況を非正規職のせいにするんじゃないよ。労働者はみな一緒なんだよ」
 支援も次々マイクを握り訴える。動労千葉の川崎昌浩執行委員は「震災解雇が激しく襲いかかりつつある。解雇と闘うのが労働運動の基本。ジェコー闘争はさきがけだ」と訴えた。抗議行動開始から1時間余りたった午後5時半ごろには、夜勤者が構内に入り昼勤者が退勤していく。監視カメラが設置してある中、労働者たちがビラを受けとり素早くかばんに入れていく。
 この日のジェコー門前闘争は、ジェコー資本を決定的に追い詰めた。全国の労働者がこの闘いの行方に自分の未来を感じ取っている。そして全国からの励ましは当該組合員の闘う決意を不動なものへと打ち固めた。
 門前闘争後の報告集会には、もう一人の原告Tさんも生まれたばかりの乳児を抱えて参加。「みなさんのおかげでここまで闘って来られた。勝って全国のみなさんの役に立ちたい。そして闘う労働組合を行田工場内に打ち立てる」と決意を述べた。
 闘争開始から5年、解雇から2年半。来年にも判決が予想される中、ジェコー闘争は勝利に向かって大きな一歩を築いた。
 (投稿/ジェコーによる期間従業員解雇事件裁判闘争を支援する会)
(写真 「派遣・期間工の切り捨ては許さない!」。初の全国闘争を打ち抜いた全国の仲間【4月28日 埼玉県行田市ジェコー行田工場門前】

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週刊『前進』(2487号2面5)(2011/05/16 )

 交流センター 女性部が定期大会

 震災下の闘う方針確立

 全国労働組合交流センター女性部第18回定期全国大会が4月29〜30日、千葉市内で開かれた。
 冒頭、長谷川ユキ女性部長が「3・11大震災はすべてを一変させた。労働組合が問われている。結成以来“資本と闘う”“階級闘争の先頭に立って闘う”を掲げて闘ってきた交流センター女性部の原点を据え直し、職場・地域で団結をつくり、国鉄闘争全国運動、反原発、反失業闘争に女性労働者の怒りを組織しよう」という力強いあいさつで口火を切った。
 婦人民主クラブ全国協議会、三里塚芝山連合空港反対同盟の熱い連帯メッセージが読み上げられ、地域で闘う女性たち、闘う農民とともに闘う決意を新たにした。
 執行部が大会議案を提案した。「東日本大震災で大失業が一挙に生み出され戦争情勢は急速に進行している」と自らの被災の経験を語り、新自由主義攻撃を暴露し、国鉄闘争全国運動の前進を総括した。そして2011年度活動方針案の「闘いの基調」として@闘う被災地運動の推進、A国鉄闘争全国運動の発展の先頭に立つ、B反戦・反原発・反核闘争を闘う、C女性部の組織拡大の4点を提案した。
 さらに、ふくしま合同労組から報告を受けた。3・11当日の生々しい経験(助かったのは紙一重!)、国家と資本の犯罪への怒りが激しく語られ「仲間のメール、福島交流センターの団結、動労千葉の声明で自分を取り戻せた。声明を読み合わせて街宣に出た」との報告に会場から拍手がわいた。「労働者が生き抜くための権利、人間としての尊厳を守り抜くとは、労働と生産の現場である職場で労働者の団結の力でやり抜くことだ。職場の同僚と闘う組合をつくる」と言い切り「反原発闘争を被災地からつくっていく」と結んだ。
 討論では、八尾市議選勝利の報告を始め、広島や東京西部での反原発の闘い、高槻医療労組の脱落分子との闘い、ユニオンの青年労働者の職場闘争など女性部結成以来と言える白熱した激論と報告が行われた。
 あいさつに立った田中康宏労組交流センター代表は「3・11大震災で階級闘争の局面が完全に変わった。価値観など全部ぶっ壊された。この時に“階級的労働運動だ”とだけ言ってたら見向きもされない。物事が具体的に問われている。青年、労働者、農民に“一緒に闘おう”と具体的に提示できる否かだ」と述べ、「交流センターが問われている。全国に組織があり現場から階級的労働運動をやろうという交流センターが今、生きないはずがない。震災解雇労働相談センターを立ちあげ反失業の大闘争に踏み出す」と3・11情勢下の交流センターの重要な位置を鮮明にした。
 さらに田中代表は反原発、反核で運動体をつくることの重要性、国鉄闘争を軸にした4大産別決戦を訴えた上で「労働運動は男の独占物ではない。震災以降の情勢の中で女性が立ち上がり、階級的団結を回復していくことの持つ意味は巨大であり、階級的労働運動をよみがえらせる大事な要素だ。交流センター女性部がその先頭に立ってもらいたい」と訴えた。
(写真 「原点を据え直し闘いの先頭に」とあいさつする長谷川女性部長【4月29日 千葉市】)

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週刊『前進』(2487号2面6)(2011/05/16 )

 日程 国鉄関係裁判

 国労5・27臨大闘争弾圧裁判
 控訴審最終弁論
 5月17日(火)午後1時半
 東京高裁102号法廷
 ※午後1時 傍聴券整理配布

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 鉄道運輸機構抗議行動
 5月18日(水) 8時半〜 機構前でビラまき
         9時半〜 抗議・申し入れ
 呼びかけ/和解を拒否した国労闘争団

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 動労千葉鉄建公団訴訟
 5月18日(水) 11時半
 東京地裁包囲デモ 日比谷公園霞門集合
 午後1時半から裁判 東京地裁527号法廷

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週刊『前進』(2487号3面1)(2011/05/16 )

 百万人署名運動 “原発なくせ”と浅草デモ

 安保・沖縄・憲法集会に420人

 4月29日午後、「とめよう戦争への道! 百万人署名運動」が主催する「原発なくせ! 被災地支援! 4・29安保・沖縄・憲法集会」が東京・浅草の台東区民会館ホールで開催された。集会には東日本大震災の被災地、福島・宮城からの参加者を始め、労働者・学生・市民など420人が参加。集会後、浅草を一周するデモも行われた。
 集会に先立ってミニコンサートが行われ、反原発ソングなどを熱唱。会場から盛んな拍手が送られた。 
 集会は、百万人署名運動事務局長の西川重則さんの主催者あいさつから始まった。西川さんは「われわれの立場は原発をなくすこと。この集会は世界につながる大きな集会」と、集会の意義を訴えた。続いて沖縄から駆けつけた百万人署名運動沖縄の会・共同代表であり元沖縄県高教組副委員長の崎浜秀俊さんが、沖縄からの報告を行った。崎浜さんは「昨日・4月28日は沖縄にとって屈辱の日。沖縄が基地の島になった」と指摘し、「沖縄の基地をなくそう」と訴えた。
 「日米同盟・大震災の戦時体制」と題して九州大学名誉教授の斎藤文男さんが記念講演を行った。斎藤さんは「今、私たちは戦時下にある。日米同盟という戦時下です」と言い切り、「トモダチ作戦」が1997年に改定された新ガイドラインに基づく実戦であると喝破し、その実態を暴いた。最後に斎藤さんは「『護憲』では平和は守れない。『一切の戦争協力拒否』によって、深化している日米同盟を機能不全に追い込もう」と訴えた。斎藤さんの熱い訴えに会場から大きな拍手が鳴り響いた。
 続いて被災地から駆けつけた仲間が闘いの報告を行った。宮城の仲間は「絶望が組織されることを許さず、希望と展望を示すために労働組合をつくり、よみがえらせるために闘っている。5月1日には仙台で闘うメーデーをかちとる」と宣言した。福島の仲間は「政府・東電に、大震災と原発事故の責任を徹底的に取らせる。6月19日に福島で反原発の大集会をやりたい」と述べ、全国からの結集を訴えた。
 8・6ヒロシマ大行動実行委員会事務局が、ヒロシマ・フクシマから呼びかける1千万人署名運動の取り組みをアピールした。益永スミ子さんのカンパの訴えの後、百万人署名運動本部事務局が「今日を新たな出発点にして、戦争をなくす、原発をなくす国民的な運動を全力で担おう」と提起した。
 続いて、青森や茨城を始め、会場から多くの発言や提起が行われた。最後に討論のまとめを弁護士の高山俊吉さんが行った。高山さんは「天皇、裁判員裁判、原発事故は全部つながっている」と弾劾、5月20日の裁判員制度廃止集会への賛同と大結集を訴えた。
 集会終了後、休日でにぎわう浅草を一周するデモが行われた。「すべての原発を止めろ!」「国と東電は一切の責任をとれ!」と訴えるデモに、どこでもたくさんの通行人・観光客から応援の声が寄せられ、拍手がわき起こった。おばあちゃん・お母さん・子どもの三世代の家族など多くの人が飛び入りでデモに参加。中年の女性は「こういうデモをやんなきゃだめ。涙が出るよね」とデモ参加者と握手。
 雷門前では通行人や観光客が鈴なりになって「来た、来た」とデモを待ち受ける。若者グループ、家族連れなどが「かなり多いね」「まだ続くよ」とデモ隊に注目。若い女性のグループも手を振って声援を送った。
 福島第一原発事故の現実は、原発と人類が共存できないこと示している。全国で大運動を巻き起こし、労働運動の力で原発を廃絶しよう。
(写真 【上】集会後、ただちに浅草デモに出発した 【下】斎藤文男さんの講演に熱心に聞き入る【4月29日 浅草・台東区民会館ホール】)

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週刊『前進』(2487号3面2)(2011/05/16 )

 大阪 “解雇反対・全原発止めろ”

 関西電力へ抗議行動

 4月29日、全学連と関西労組交流センターの呼びかけで「震災解雇絶対反対! 国鉄1047名解雇撤回! すべての原発を停止せよ! 全関西総決起集会」が大阪・中之島公園女神像前で開かれ、関西電力本店への抗議デモが打ち抜かれた。
 全学連書記長の冨山小太郎君が基調を提起した。「腹の底から怒りを燃やそう。大震災と原発事故にもかかわらず電力資本や菅政権は『原子力の比率を高めていく』『今回の事故を乗り切れば安全な原発として世界に売り込める』とあくまで原発維持を宣言。復興構想会議では『漁協の株式会社化』『農業の大規模集約化』『地域医療などの規制緩和』と、復興を名目にどうやって新自由主義を推し進めるか、復興利権を誰が取るのかが議論されている。原発事故で45人の患者が置きざりにされ亡くなる事件が起きたが、責任は全部、看護師や医者にあると言われている。本当にふざけきっている」
 「労働組合・学生自治会をよみがえらせよう! 労働組合に力があれば原発は廃止できる。労働者に超過酷な労働を押しつけることで成り立ってきた原発を止めるのは労働組合の再生だ。新自由主義のもとで極まった大学の腐敗を打ち破り、学生自治会を再建しよう! 原発は核武装の問題であり、安保体制と一体だ。沖縄・広島・長崎へ結集し、巨大な反戦・反核闘争を巻き起こそう! すべての怒りを国鉄闘争全国運動の呼びかける6・5全国集会に結集し、現場から闘う労働組合をよみがえらせよう」
 特別報告として八尾市議会議員選挙を勝ち抜いた末光道正市議と八尾北医療センター労組、部落解放同盟全国連西郡支部がアピールし、選挙戦勝利の地平から支部1千人建設へ突き進み、地域の拠点を発展させていく烈々たる決意を述べた。
 さらに国労近畿地本兵庫保線分会の富田益行さんが「労働運動の再生かけ6・5集会に大結集しよう」とアピール。婦人民主クラブ全国協議会関西ブロック、関西労組交流センター、全学連の仲間も決意を表明した。集会後は関西電力本店へ向けたデモに出発。関電本店前では沿道の労働者・学生も大注目、ともに「原発即時停止!」の声を上げた。
(写真 関西電力本店前で、「すべての原発を今すぐ止めろ」とシュプレヒコール【4月29日 大阪】)

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週刊『前進』(2487号3面3)(2011/05/16 )

 沖縄・被災地と連帯

 福岡 米軍新基地絶対許さぬ

 4月29日、福岡市農民会館で「原発なくせ! 被災地支援! 米軍新基地建設阻止! 沖縄集会」を行いました。主催はとめよう戦争への道!百万人署名運動福岡県連絡会です。参加者は反戦の新たなうねりをつくり出す出発点にしようと、原発事故と沖縄新基地建設への怒りに燃えてデモをやりぬきました。
 集会は百万人署名運動福岡県連絡会世話人のわたなべひろやすさんの「1952年4月28日、沖縄が売り渡された屈辱の日を、反戦・反核・反原発・反基地闘争のさらなる出発点にしよう」という開会あいさつで始まりました。オープニングとして、琉球アーティストのみやむらみつおさんが「沖縄米軍基地撤去、原発なくせ、国鉄1047名解雇撤回」の願いをこめて三線を弾き、語り、歌ってくれました。
 参加者も合唱して盛り上がったところで、前泊博盛さん(沖縄国際大学教授・前琉球新報論説委員長)の「沖縄から基地と日米安保を問う」と題した講演に入りました。
 前泊さんは、「辺野古新基地建設問題にいつまで沖縄県民は振り回されなければならないのか」と述べ、日米政府が震災を逆手にとって「トモダチ作戦」で日米安保と沖縄米軍基地の有効性を声高に主張していることを弾劾しました。そして原発と米軍基地は「迷惑施設」「被害の報道をしない」などの点で共通していると指摘して、「日本はひとつになろう」のうたい文句を「全体主義を組織する新たな戦前を思わせる」と鋭く批判しました。
 聞いていて驚いたことは、「沖縄の人はごまかしとゆすりの名人だ」などと発言した前在沖米国総領事のケビン・メア米国務省日本部長が、3月10日に更迭されたと発表されたが、実は処分などなく、逆に翌日の東日本大震災対策の米責任者になるという「名誉」の配置となったとのこと。占領意識丸出しのメア発言は実は評価されていたのだ! また、普天間基地の海兵隊のグアム移転8千人、家族9千人という数字には何の根拠もないという事実です。
 後半に入り、主催者からの提起。「大震災下での沖縄闘争解体策動の中で、米軍基地撤去・日米安保粉砕の5・15沖縄行動がますます重要だ。全国で原発即時停止の闘いをつくり出すこと、被災地での必死の闘いとともに震災解雇を許さず闘うこと、これらを一体のものとして闘うことで今の社会を根底からひっくり返すことが可能だ」と訴えました。沖縄・北中城村議の宮城盛光さんのメッセージが紹介される中、5・15沖縄派遣団が登場、青年労働者2人が決意を述べました。さらに8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会が「福島原発事故弾劾! すべての原発をとめろ」の緊急アピール。「レベル7」の最悪事故の実相と原発推進の背景、こういう社会のあり方を根本から問い直そうと提起しました。
 怒りが増す中で、力強くデモを行いました。沿道の人びとのデモへの注目度は高く、拍手が起こりました。握手をしながら「頑張って」と声をかけてきた同じ組合の仲間など、これまでなかった光景でした。誰もが高揚感を持った集会・デモとなりました。
 (W)
(写真 デモには沿道の人びとの大きな注目が集まり、拍手や声援が寄せられた【4月29日 福岡】)

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週刊『前進』(2487号3面4)(2011/05/16 )

 5・1広島 “闘う労組甦らせよう”

 反失業・反原発掲げメーデー

 5月1日、連合・全労連の政治休戦、メーデー放棄を打ち破って、広島連帯ユニオンや動労西日本など広島県下の六つの労働組合を中心とする実行委員会の呼びかけで「反失業・反原発 広島メーデー」がアリスガーデン前で開催された。
 広島連帯ユニオンの青年組合員が基調を提起した。「津波災害も原発事故も、国家と資本の犯罪だ。のうのうと支配の座に座っている犯罪者どもを社会から追放することなしに行われる復興は、労働者・農民・漁民へ犠牲を押し付けるものでしかない。犯罪者どもを根こそぎ追放し、労働者人民の命と生活が最優先される社会に変えよう。一切は労働組合が資本に加担していることで起きている。被災地救援・震災解雇との闘いと、原発即時停止・廃止1千万人署名に取り組み、闘う労働組合をよみがえらせよう。6・5国鉄闘争全国運動集会と、歴史的な8・6ヒロシマの大高揚をかちとろう」
 震災解雇が吹き荒れる中で雇い止め撤回をかちとった郵政の仲間、動労西日本の大江照己委員長、高陽第一診療所労組、広島大学生協労組、教育労働者や自治体の労働者などが次々とアピールを行った。
 全造船三菱広機分会の労働者が発言に立った。「もんじゅの工作機械など原発の機械を作ってきた。故障が出たら放射能を浴びて修理をさせられる。だから本当は作りたくない。原発関連企業の労働組合として原発生産と兵器生産にこれからも反対していく」。団結した労働者こそ、原発を廃止し新たな社会をつくる決定的主体であることが鮮明になった。
 広島大学の学生は「職場や大学が原発推進派の逃げ場になっている。職場や大学で闘ってやつらをたたき出そう」と決意を述べた。
 集会後、市内中心部の本通りアーケードから原爆ドームまでデモ。「原発停止・解雇阻止」のコールが響きわたり、沿道の市民もこぶしを上げ呼応した。
 (広島県労組交流センター Y・K)
(写真 「原発停止・解雇阻止」のコールで本通りアーケードを進むデモ【5月1日 広島】)

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週刊『前進』(2487号3面5)(2011/05/16 )

 メーデーに大情宣

 全国各地で「6・5」を訴え

 5月1日、労組交流センターや国鉄闘争全国運動が各地のメーデーに登場、宣伝活動を行った。
 国鉄闘争全国運動・北海道は札幌大通公園の連合メーデーで宣伝。「大震災と原発事故は新自由主義と御用組合の犯罪だ。労働組合をよみがえらせよう。6・5集会に参加しよう」と訴えると「仲間の分もビラを欲しい」という反応もあった。連合北海道はデモを自粛。例年ビラを配っていた国労北海道闘争団やJR総連も今年は中止。だが「国鉄1047名解雇撤回」のノボリを見て「国鉄闘争か!」と感動する労働者が多数いた。
 長野労組交流センターは連合メーデー会場の長野市・城山公園で宣伝を行い、6・5集会のビラなどを配り、原発即時停止・廃止署名を集めた。「連合会長・古賀は世界に大うそをついている。原発を直ちにとめよう」と訴えると次々に署名に応じていく。連合・全労連のデモの解散地点でも宣伝活動をやりぬいた。
 愛知労組交流センターはJR名古屋駅前で街宣。「原発事故は菅政権と東京電力による犯罪だ。労働者派遣法や被曝(ひばく)労働を強いる原発をなくすことが、現代の8時間労働日の要求だ」と訴え、足をとめる人が続いた。白川公園で開催された全労連傘下の愛労連メーデー会場にも登場した。連合愛知はメーデーを中止し募金・カンパに切り替えた。
 大阪城公園の連合メーデーでも宣伝行動が行われた。「震災解雇粉砕・全原発の廃止を」の訴えに、討論の輪が生まれ、『前進』も次々販売された。関西では高槻・奈良・西宮・神戸・京都のメーデーに登場した。

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週刊『前進』(2487号3面6)(2011/05/16 )

 全原発即時停止へ闘おう

 全国の教育労働者に訴えます

  全国労働組合交流センター教育労働者部会が5月1日のメーデーに際して発したアピールを転載します。すべての教育労働者は日教組本部打倒、文部科学省解体へ闘おう。(編集局)

 これは殺人だ/子どもたちに被曝を強制する文科省を徹底弾劾する教育労働者は原発即時停止の闘いの先頭に立とう
 全国労働組合交流センター・教育労働者部会

 大震災の中で引き起こされた福島第一原発の事故は「レベル7」と発表され、史上最悪の事態が進行している。
 「原子力の平和利用」「安全でクリーン」という神話は、事実をもって打ち砕かれた。労働者の被曝(ひばく)労働で成り立ってきた原発は、新自由主義の腐敗の極致だ。中曽根を先頭に歴代政権が東電、原発メーカー、御用学者、既成政党、労働貴族らとすべてグルになって原発建設を強行し続けた結果が今回の事故だ。腐り果てた癒着体質が最悪の事故をとおしてすべて明らかになった。

 子どもに「年20_シーベルト」を強要する文科省通知を撤回せよ!

 4月19日、文部科学省は、福島県内の小中学校や幼稚園の校舎・校庭の利用基準について、「年20_シーベルト」とすることを福島県教育委員会に通知した。「年20_シーベルト」とは、原発労働者が白血病を発症し、労災認定を受けている線量である。
 文科省は、労働者の被曝線量管理でも、通常5年間で100_シーベルト、1年間で50_シーベルトに抑えることとされている原発作業員の被曝線量を250_シーベルトに引き上げている。
 文科省は、労働者だけでなく、大人と比べてはるかに放射線の影響を受けやすい子どもたちにも、被曝を強制し続けている。学童疎開や授業停止も含め、あらゆる措置を尽くすべきなのに、隠しきれなくなってやったことが「被曝基準の引き上げ」だ。
 政府・文科省は、原発を維持するために、子どもの命を犠牲にしようとしているのだ。子どもたちを人体実験にさらしているのだ。これは、もはや国家による子どもの殺人行為である。絶対に許すことはできない!
 福島の母親たちは、決然と行動を開始している。文科省交渉では「福島の子どもたちを見殺しにするのか!」と役人たちを徹底追及し、文科省の指示に従うだけの県教委、市教委、学校を突き動かしている。
 この声に応え、ついに福島県教組が4月20日に反対声明を出した。26日には教育委員会宛の要請書を突きつけた。全国の職場から、直ちに「文科省徹底弾劾、通知撤回要求」の決議を分会であげよう!

 文科省こそ、原発開発と核武装政策を推進してきた張本人だ

 日本の原子力行政は、通産省=電力会社と科学技術庁=動燃という二つのラインで推進されてきた。01年の中央省庁再編により、文部省と科学技術庁が統合され、文科省は原子力研究開発・核武装推進の中軸官庁となった。以来、環境放射能調査も被曝放射線量管理も損害賠償もすべて、文科省が進めてきた。文科省が所管する高速増殖炉「もんじゅ」は、「核燃料サイクル」のためではなく、核武装のためのものだ。
 予算規模も、2011年度原子力関連予算4556億円のうち、文科省は2571億円だ。文科省こそ、経産省と並ぶ原子力政策の推進官庁なのだ。

 日教組本部も原発推進を容認してきた

 連合・古賀会長は、4月11日付の海外向けメッセージで「放射線は、発電所の近接地域を除いて、まったく検出されていません。北海道から東京の西まで、原発事故による影響はありません。むしろ、日本の内外の噂(うわさ)によって引き起こされた損害が、人々の生活と産業を阻害しているのです」などと、白を黒と言いくるめるデマを流している。この期に及んでも、電機・電力資本と一体となって原発ビジネスに血道をあげようというのだ。
 日教組本部の大震災に対する声明も、原発反対・事故弾劾の一言もない。定数改善のための予算要求でも、巨額の原子力予算をまったく問題にしてこなかった。日教組本部は「文科省とのパートナー」路線で、政府の原発政策に加担してきたのだ。
 今こそ教育労働者は、「日教組本部打倒、文部科学省解体」を掲げて総決起しよう。

 原発推進教育を拒否しよう!

 文科省は、01年から「原子力・エネルギー教育支援事業交付金」制度を創設し、子どもたちに安全神話を刷り込む原子力教育を進めてきた。文科省と資源エネルギー庁は副読本『わくわく原子力ランド』『チャレンジ!原子力ワールド』を発行し、教育労働者に原発推進教育を担わせようとしていた。
 民主党政権下で昨年策定されたエネルギー基本計画は、「2030年までに少なくとも14基以上の原発新増設」を打ち出すとともに、「エネルギー教育の促進」を強調している。今年4月から使われている小学校理科教科書は、「CO 削減のため」という名目で、これまでと比べても画然と原発推進を打ち出したものになっている。
 原発推進も、「国旗・国歌」の強制も、政府・文科省が進めてきた国策だ。「ただちに健康に影響はない」と被曝を強制する政府・保安院と、「儀礼的所作にすぎない」と起立・斉唱を強制する都教委の言い草はうり二つだ。しかしその虚構のすべてが崩壊する時代が始まった。
 怒りの声があふれている。すべての労働者がどう生きるか真剣に考え始めている。私たちがやるべきことは、「核と戦争を許さない」という大きな運動をつくり出し、労働者の力で原発を止めることだ。原発なしに生きていけない資本主義を倒すことだ。

 「すべての原発を即時停止し廃止せよ!」1千万署名運動で闘う組合つくろう

 世界で反原発デモが巻き起こっている。「フクシマは警告する。すべての原発を停止せよ」――これが全世界の労働者の共通のスローガンだ。国境を越えた労働者の団結で、原発を推進する帝国主義を打倒しよう!
 闘う労働組合をよみがえらせる時がきた。「復興」を口実にした大増税、大失業攻撃を許すな! 資本を救済する「復興」運動を推進する労組幹部を許すな! 原発への怒り、生きさせろの叫びを一つにして、今こそ、反失業・反原発の闘いを巻き起こそう。
 ヒロシマ―フクシマ発の「原発即時停止」1千万人署名運動を職場、労組、地域で推進し、国鉄闘争全国運動を広げ、闘う労働組合をよみがえらせよう! 自分の組合を闘う組合につくり変えよう!
 全国労働組合交流センター・教育労働者部会はその先頭に立つ。
 2011年5月1日

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週刊『前進』(2487号4面1)(2011/05/16 )

 5・20三里塚現闘本部裁判に総決起し 仮執行宣言阻止へ

 震災下の三里塚闘争へ新たな決意

 反原発軸に怒りの大衆決起

 4月27日から2日間、反対同盟を代表して萩原進事務局次長が被災地の福島を訪問した。三里塚闘争に心を寄せ、3・27全国集会でメッセージを寄せてくれた農家の代表に、支援カンパと救援物資を届けた。息をのむような津波の災害を目の当たりにし、原発の被害で毎日搾った牛乳を捨てる酪農家の無念、子どもたちの被曝(ひばく)への母親の怒りを聞き、あらためて原発廃絶へ闘うこと決意したと萩原さんは語る。
 原発の放射能は、半径30`圏から住民を強制移住させ、農地を破壊し、川や海を汚染し続けている。それは200`も離れた首都圏に及ぶ。茨城、千葉でも数週間にわたり野菜の出荷が制限され、銚子漁港では水揚げが拒絶され、農民・漁民は生活の糧を奪われた。
 さらに文科省は、福島県内小中学校の年間被曝線量の規制値を20_シーベルトと通知した。これは通常時の一般人(大人)の基準である年間1_シーベルトの20倍だ。文科省は子どもたちの健康などどうなってもいいと思っているのだ。
 海洋汚染についても、いわき市沖や北茨城市沖でコウナゴから高濃度の放射性ヨウ素や放射性セシウムが出ているにもかかわらず「他の魚は安全だ」と根拠もなく言っている。このいいかげんな政府の言葉をもはや誰も信用していない。
 3・11ですべてが一変した。「経済至上主義の価値観は崩れ落ちた。日本という国、既成の政治に対する不信と怒りが社会に広がった。新自由主義のもとで進められた格差社会、労働者の首切り、地方と農畜漁業の切り捨て、TPP(環太平洋経済連携協定)攻撃による社会構造の大転換――これらの暴挙と大規模災害・原発汚染の根源はひとつ、資本のあくなき利潤追求だ」(3・27反対同盟集会宣言)
 大地震と巨大津波、原発事故は人民に未曽有の大災厄をもたらしたが、同時に日帝の戦後体制を根幹から粉砕し、菅政権とブルジョアジーを存亡の危機にたたき込んだ。それゆえ日米帝国主義は事実上の有事=戦争体制に突入し、階級支配と国家統治の維持に躍起となっている。
 核と原発を必要とする帝国主義・新自由主義の現体制を是とするか、それとも核と原発を廃絶した未来社会をつくるために闘うかがすべての労働者人民に問われている。そして、生きるために社会のあり方を根本から問いかけ行動する巨大な規模の大衆運動が爆発する過程がついに始まっている。

 反動判決は絶対に許さない

 この階級情勢の大流動のただなかで、三里塚闘争は現闘本部をめぐる一大決戦に突入した。
 東京高裁・第15民事部(井上繁規裁判長)は、この裁判の最重要証人(石橋政次元反対同盟副委員長の長男の妻・石橋恵美子氏)に対する反対尋問を認めず、地上権立証に欠かせない実地検証を却下し、審理を尽くさないまま判決期日を5月20日と一方的に指定した。最高裁判決を待たずに本部建物の破壊を可能とする「仮執行宣言」付きの反動判決を策動しているのだ。
 このデタラメで強権的な訴訟指揮は、3・11情勢下での治安攻撃そのものだ。また本部建物の隣に位置する市東孝雄さんの農地を強奪する攻撃の先取りである。
 現闘本部は1966年12月の建設から今日まで45年間の闘争拠点だ。88年には鉄骨3階建てに増築してさらに堅固な拠点となった。そのため空港公団は90年1月、成田治安法の発動によって封鎖し、本部の使用そのものを禁圧した。しかしその存在は市東さんの農地とともに、暫定滑走路の誘導路を「への字」に曲げて、成田空港の完成を阻止し続けている。
 NAA(成田空港会社=旧空港公団)は石橋政次氏の相続人から底地を違法に買収したが、反対同盟には土地を正当に使う権利としての地上権があり、建物はまぎれもなく反対同盟の所有物だ。
 窮地に立つNAAを救済したのが、NAAが嘘で塗り固めた「石橋恵美子陳述書」を証拠採用し、反対同盟の反対尋問の権利を奪って反動判決を強行した一審千葉地裁・仲戸川判決だ。激しい攻防の末に一審では仮執行宣言を阻んだが、東京高裁・井上裁判長は一審判決を超える反動判決を狙っている。
 仮執行宣言付き判決が出れば、最高裁の確定判決を待たずに撤去阻止決戦に突入する。われわれは三里塚闘争45年の正義にかけて、何があろうと敵階級のもくろみを粉砕する。5月20日、三里塚闘争を闘う全勢力が東京高裁に駆けつけ、反動判決を絶対に阻止しよう。

 「挙国一致」打ち破り進撃を

 人類と核は共存できない。すべての原発の即時停止と全面廃棄こそが生きる道だ。三里塚闘争は農地を死守する農民闘争として生まれ、労農連帯の旗のもとに日帝権力と非和解的に空港絶対反対を貫いてきた。階級的魂を貫くこの闘いこそが勝利の展望を開く。
 日帝・菅民主党政権は震災を口実に「国難」「挙国一致」を叫び、連合を先兵にした階級戦争をしかけ、大規模な解雇や増税など新自由主義政策の徹底を狙っている。国鉄闘争4・9政治和解と一体の反革命・総翼賛化攻撃だ。
 反対同盟は動労千葉とともに労農連帯の絆(きずな)を固め、80年代の中曽根政権の新自由主義攻撃と真っ向から闘い勝利してきた。「この国の権力を信用するな」(3・27集会宣言)という反対同盟の闘いの根底にあるのは、「国益」を掲げて人民を蹂躙(じゅうりん)することに対する人間の尊厳をかけた怒りだ。「国家こそ倒れるべし」と新自由主義の腐敗した社会の転覆、自国帝国主義打倒をめざす革命的思想がここにある。
 反原発の巨大な人民の怒りと、絶対反対を貫く三里塚闘争と国鉄全国運動、そして普天間基地撤去・辺野古新基地建設阻止の沖縄闘争が合流する時、エジプト革命の”タハリール広場”が日本階級闘争の現実となる。5・20現闘本部裁判闘争の大爆発をかちとり、被災地支援、震災解雇阻止、反原発闘争、6・5国鉄大集会へ大進撃を。

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週刊『前進』(2487号4面2)(2011/05/16 )

 震災解雇&大失業と闘う

 被災地から闘いが始まる

 不当解雇撤回へ職場分会結成

 震災口実の選別解雇は許せぬ

 被災地・仙台の職場生産点から震災解雇・大失業攻撃との具体的な闘いが始まった。5月1日に仙台市内で開催された「被災地発/怒りのメーデー」での発言と取材をもとに報告する。(本紙/日高隆)

 A社
 ↓  倉庫業務・配送外注
 B社
 ↓  管理職以外を転籍
 C社 Sさんらを雇用

 1カ月間かけて労組加入オルグ

 みやぎ連帯ユニオンのSさんの職場では、5人のパート労働者の解雇に対して職場に分会を結成して解雇撤回闘争を開始した。
 包装資材などを扱う会社A社の外注先B社がSさんの職場だ。A社から倉庫管理や配送を請け負っている。さらに震災直前の今年2月には、B社のもとに労務管理などを行うC社が設立され、管理職以外の労働者は全員C社に転籍させられた。
 「仕事も職場も同じ。作業指示はB社が行っています。分社化・子会社化による典型的な偽装請負です。転籍して首を切りやすくしたんでしょう」とSさんは説明してくれた。
 地震でB社の第1倉庫が被災した。そこで働いていた4人(正社員3人、パート1人)が第2倉庫に移ってくるため、第2倉庫で働く5人のパート労働者に対して”玉突き”での解雇が3月30日に通告された。あまりに理不尽なやり方だ。
 Sさんは「雇用の期限は4月30日。こんな状況の中で解雇されたら本当に生きていけない。ハローワークは今、求職者でいっぱいなんですよ」と怒りをあらわに語る。
 しかし、分会結成へのプロセスは簡単ではなかった。Sさん自身は解雇の通告を受けていないが、仲間に「組合をつくって解雇を撤回させよう」と働きかけた。休憩時間に、あるいは一人ひとりの仲間に対して、コーヒー1杯をはさんで5時間、次の日にはさらに4時間という人生をかけた話し合いを続けた。でも、なかなか組合に加入してくれない。
 もちろん会社に対する怒りはある。解雇について会社からの説明は口頭での簡単なものだけで、すぐに解雇だった。しかし「会社が一度決めたことだから解雇撤回は無理では」「職場に戻れたとしても働きづらくなるんじゃないの」「けじめをつけて再就職に集中したい」と解雇を通告された5人は逡巡(しゅんじゅん)した。
 Sさんは「みんなの中にある『あきらめ』との闘いだった」と振り返った。東日本大震災現地救援対策本部で何度も何度も討議を重ね、”1人分会”でもいいから5人の解雇撤回を求めて会社と闘争を始めることを決断する。
 4月28日に会社に対して組合結成を通告し、その日の夕方、みやぎ連帯ユニオンとして1回目の団交を行った。「組合結成を通告する時は、すごい緊張しましたよ。でも普段は横柄な社長が、団交の場ではかつて見たことないような丁寧な態度でした。5人の解雇は撤回しなかったが、年休取得など組合の要求も一部認めた。実際にやってみて、自分自身が労働組合の持つ力を実感した」
 すぐに団交の様子を職場の仲間に報告すると、5人のうち1人が組合加入を決断してくれた。その人がさらに「私は組合に入ろうと思う。一緒に入ろう」と、お茶の時間にほかの仲間も誘ってくれた。結局、5人の被解雇者のうち3人が組合に加入した。
 「労働者は、いったん”闘う”と腹をくくったら、どんどんオルグを始める。すごいですよ。みんな『首になるにしても社長に一言、言いたい』『仮に自分たちが職場に戻れなくても残った人たちのためにも』と闘いを決断した。労働者としての義憤に燃えてのことなんです」とSさん。「話をするだけでは加入してくれなかった。自分自身が解雇されることをも覚悟して腹をくくり、1人から闘いを始め、労働組合が持っている力を示したことが重要だった」と感じている。
 最後にSさんは「震災解雇との闘いを具体的に始めなければとユニオンでも議論してきた。そしたら自らの職場で5人の解雇が起きた。ここでやらなければ震災解雇と闘えない。小なりとはいえ、まず自分のところで始めようと闘いを決断した。闘いはこれからです」と語ってくれた。
 8年間勤務してきた仙台市内のタクシー会社から4月末で解雇された労働者Tさんも、みやぎ連帯ユニオンに加入して解雇撤回闘争を開始した。

 “あなたは文句が多い”と解雇

 Tさんの仕事は、無線を受けたりドライバーの勤務体制(交番)を作ったりする運行管理だ。会社は運行管理者6人全員に解雇を通告した。「歩合じゃなくて固定給だから、その部分を切ってきたのではないか」とTさんは憤る。
 4月30日付で解雇されたTさんは、メーデー闘争当日の5月1日朝、「解雇は絶対に認めない」と就労闘争をやり抜いた。そこで明らかになったことは、解雇通告された6人のうち4人は運行管理者として会社に残り、他の1人は乗務員として再雇用されていたということだ。どういう労働条件で残ったかは不明だ。こんなふざけた話があるのか。
 Tさんは「会社は『震災の影響で営業収入が下がり、今後給料を払える見込みがない』と言っているが、いま保険会社やマスコミのタクシー利用でむしろもうかっている。赤字でもなんでもない。震災を口実とした不当解雇であり露骨な”全員解雇―選別再雇用”だ」と述べている。
 「給料が払えないから解雇――そんな理由で首を切られたら労働者の首はいくつあっても足りない。普段は週40時間など軽くオーバーするくらい働かせ、基本給は上がらない。一時金はゼロ。有給休暇もとれない。こんな中でも必死になって働いてきて結果、解雇です。最後の勤務の日、社長は『あなたは、いろいろ文句が多い。(以前の営業所の統合にも)最後まで反対していた』と後付けの解雇理由を告げ、『5月1日から社内への立ち入りを禁止する』と言ってきました。私はこの社長を絶対に許しません。反撃して解雇を撤回させます」と決意を固めている。
   ◇   ◇
 震災解雇、大失業との闘いは、いよいよこれからが正念場だ。「震災解雇&大失業と闘う」と題して、現場での実践と闘いの報告を随時掲載します。

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週刊『前進』(2487号4面3)(2011/05/16 )

 “反原発”で渋谷大デモ

 1万5千人 警察と激突、逮捕も

 5月7日、渋谷で1万5千人が反原発デモに立ち上がった。午後2時、代々木公園のけやき並木で集会が始まり、青年・学生を主力に続々と労働者人民が集まった。「原発絶対反対」「子どもの未来のために黙ってられない」「福島を返せ」など政府・東電への怒りのプラカードやオブジェがひしめく。労組旗を持ってかけつけた青年労働者の姿も目立った。
 全学連と東京労組交流センターは渋谷駅頭で大街宣をやっての参加。「学生集まれ!」の全学連の旗に初参加の大学生や高校生も合流した。
 デモに出発だ! 警察権力は隊列を十数個の挺団(ていだん)に分断、なかなか出発させない。デモ隊の怒りは高まり、警官と激突しながらの行進となった。恐怖した警察権力は4人を不当逮捕。沿道からの合流を阻もうと阻止線を張り「デモを扇動するのをやめなさい!」と絶叫する。
 デモはサウンドカーや鳴りものを先頭にひるむことなく貫徹され、「原発とめろ!」などのコールが渋谷の街にとどろいた。高校生も「被曝労働許さないぞ」「社会を変えよう」とマイクで叫んだ。沿道も声援で応えた。デモ隊列はどんどんふくれあがった。約5時間、渋谷の街は反原発一色で制圧された。
 「本気で怒ったデモだった」「弾圧許せない」「楽しかった」「沿道の良い反応に驚いた」。青年・学生たちは興奮して語った。怒りと連帯感、団結した行動が歴史を動かすことを実感した。
 原発にしがみつく腐敗した権力者たちと原発絶対反対の労働者階級人民の歴史的な激突が始まった。この決起は止まらない。6・0211の100万人決起へ突き進もう! 勝負を決するのは労働組合の根底的な決起だ。6・5国鉄大集会へ!
(写真 【上】1万5千人の若者と渋谷の街をデモする法大文化連盟や全学連。【下】駅頭を埋め尽くすデモ【5月7日】)

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週刊『前進』(2487号4面4)(2011/05/16 )

 “子どもたちを守れ”

 20_シーベルト基準の撤回を求め 福島の母親ら300人が政府と交渉

 「福島の子どもたちを放射能から守れ!」――5月2日、参議院議員会館で「20_シーベルト撤回」を求める対政府交渉が行われ、福島のお母さんたちなど約300人が集まりました。
 4月19日、文科省は校舎・校庭などの利用判断における放射線量の目安として、年20_シーベルトの基準を福島県教育委員会に通知しました。年20_シーベルトとは屋外で3・8マイクロシーベルト/時。これは労働基準法で18歳未満の作業を禁止する「放射線管理区域」(0・6マイクロシーベルト/時以上)の6倍以上です。文科省通知は、成人の10倍も放射能の影響を受けやすい子どもに被曝(ひばく)を強いるとんでもないものです。
 この日の交渉で、福島の方たちは政府が「安全だ」と言う校庭の土(線量計がガーガー鳴っていました)を持参して交渉の机に置き、文科省、原子力安全委員会、厚労省の官僚を相手に「20_シーベルト撤回」を強く訴えました(写真)。「安全と言うなら校庭の土を食べてください」と迫り、「基準を決めた会議はいつ行われ誰が参加したのか? 議事録がないのは正式な会議はなかったからですね?」とたたみかけ問い詰めました。
 文科省は「校庭の除染作業は必要ない」と開き直りつつ、「各自治体が除染することにブレーキはかけない」と答えました。原子力安全委員会は「20_シーベルトを基準として認めていない。決定に加わった専門家で20_シーベルトが安全と言った専門家はいない」と発言しました。整然とした追及は、政府内に矛盾と亀裂をつくりました。撤回に追い込む風穴を開けたと思います。
 福島県教組は4月20日に「放射線による健康被害から子どもたちを守るための県教組声明」を出しました。福島のお母さんとともに全国の教育労働者が立ち上がる時です。原発推進の文科省と「パートナーシップ路線」をとる日教組本部と徹底対決して、職場から地域から声を上げ、行動を起こしましょう。ともに立ち上がります。
 (東京の元教員 日野祥子)

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週刊『前進』(2487号4面5)(2011/05/16 )

 4月26日〜5月9日

 防衛相が訪沖、日米合意履行要求/米帝がビンラディン暗殺

●嘉手納第3次爆音訴訟を提訴 米軍嘉手納基地の周辺住民2万2千人が夜間・早朝の飛行差し止めや騒音被害への賠償を国に求める第3次訴訟を提訴した。(28日)
●空自の緊急発進が急増 防衛省は昨年度に日本領空に接近する外国機に対して空自の戦闘機が緊急発進した回数が前年度比29%増の386回に上ったと発表した。対中国機は2・5倍、対ロシア機が3割増。(28日)
●超党派議連が改憲へ決議 超党派の国会議員でつくる新憲法制定議員同盟(中曽根康弘会長)が大会を開き、東日本大震災で「(非常事態条項がないなど)現行憲法の欠陥が明らかになった」とする決議を採択した。(28日)
●米が国防体制再編 オバマ米大統領が6月末で退任するゲーツ国防長官に代わる新国防長官にパネッタ中央情報局(CIA)長官を指名。後任のCIA長官にはアフガニスタン駐留米軍のペトレイアス司令官を指名した。(28日)
●米がビンラディン殺害 米軍特殊部隊がパキスタン国内で極秘作戦を決行し、アルカイダ指導者のウサマ・ビンラディン容疑者を殺害した。オバマ米大統領が国民向け演説で発表、パキスタン政府にも知らせず秘密工作を展開していた事実を認めた。(1日)
●在沖海兵隊グアム移転計画の水増しが判明 ウィキリークスが公開した米公電により、在沖海兵隊のグアム移転費が日本側の負担比率を見かけ上減らすため水増しされていたことが判明した。民主党政権の成立後、外務官僚が米政府に普天間問題で妥協するなと助言していたことも判明。(4日)
●米高官が普天間固定化に言及 訪米した下地幹郎衆院議員に対し、シファー米国防次官補代理が、普天間基地の県内移設が実現できない場合の代替案は「まったくの現状維持だ」と強調した。(5日)
●浜岡原発停止を要請 菅首相が中部電力に対し、浜岡原発で重大事故が発生した場合に日本社会全体に及ぶ影響を考慮し、稼働中の4、5号機を含めた全面停止を要請した。停止期間はおおむね2年間とし、浜岡以外の原発には停止を求めない。(6日)
●北沢防衛相が訪沖 北沢防衛相が訪沖し仲井真知事と会談。知事が普天間の県外移設を求めたのに対し、「昨年5月の日米合意を真剣に追求しないといけない」「(県外だと)有事の際に機能しなくなる」と、辺野古移設をあくまで求めた。在沖海兵隊グアム移転の早期実施についても「普天間が動かなければ動かない」と普天間問題とのパッケージを強調した。(7日)
●防衛相が宮古島視察 北沢防衛相がレーダーサイトのある宮古島の航空自衛隊基地を初視察。昨年12月の新防衛計画大綱で打ち出した南西諸島への陸上自衛隊配備に向け「総合的な計画を練るために現地に来た」と説明、地元の協力を求めた。(8日)
●民主党が憲法調査会設置 民主党の岡田幹事長が党内に憲法調査会を設置し、会長に前原誠司前外相を充てることを明らかにした。(9日)

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週刊『前進』(2487号4面6)(2011/05/16 )

 裁判日程

 5・20現闘本部裁判控訴審
東京高裁包囲デモ 5月20日(金)午前11時半
日比谷公園霞門集合
傍聴闘争 午後1時 高裁前集合、午後2時から裁判

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 市東さん行政訴訟

 午前11時10分 農地法裁判
 市東さん農地法裁判
 5月24日(火)午前10時30分 千葉地裁
 ※傍聴券抽選のため9時30分に集合を。

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週刊『前進』(2487号5面1)(2011/05/16 )

 階級的労働組合の拠点つくり 西部地区党建設へ驀進しよう

 杉並区議選闘争の総括と展望

 革命的共産主義者同盟東京都委員会

 4月24日に投開票された杉並区議会議員選挙で、北島邦彦同志は1764票を獲得しましたが、当選を果たせませんでした。残念で悔しい限りです。しかし、北島同志をはじめ「ああしておけばよかった。こうすべきだった」という後悔はありません。3・11東日本大震災情勢のもと、ストレートに革命の準備を行う選挙闘争としてやり抜き、これまでの選挙闘争を根本的にのりこえる画期的な地平をかちとったと、胸を張って確認できます。これは選対本部、西部地区党と東京都委員会の全同志の思いです。重要なことは、これまでの選挙闘争にありがちだった、選挙は選挙、その後の闘いはそれとは別、といった断絶・分離が一切ないことです。反原発闘争として闘い抜いた地平を直ちに〈運動と組織〉づくりへ結実させるべく、5・1反原発・反失業メーデーを全力で組織し、6・5国鉄闘争全国運動大集会への大結集に向けて突き進んでいます。今後の階級闘争、革命運動の前進にとって重要な方向を打ち出した選挙闘争として総括したいと考えます。
(写真 声援に応える北島候補と青年労働者)

 地区党と都委員会が団結し総力決起

 総括の第一は、西部地区党を先頭に都委員会の選挙として最後の最後まで貫き通した初めての選挙闘争であったということです。地区の総決起に応え、前進社の同志が実に献身的に奮闘し、党が本当に団結した選挙闘争として闘うことができました。
 選挙闘争を何度もやってきた同志、とりわけ西部地区党の同志が総括の第一に述べていたのがこの点です。「自分たちの力で、自分たちの責任でやりきった選挙」でした。地区党建設を総括軸にした選挙闘争としてやり抜いたのです。
 振り返れば、告示前の4月6日に「軽犯罪法違反」をデッチあげて強行された4同志逮捕の大弾圧は、直接に選挙闘争破壊を狙った許し難い弾圧でした。しかし、地区党の団結で不屈にのりこえることができました。すべての同志が国家権力に階級的敵対心を燃やし自己解放的に決起して、やれることは何でもやると常任・現場が一体となって闘い抜いたからこそ勝利の総括を行うことができるのです。
 あえて言えば、「4年後に向けてどうするか」ということが総括の軸ではありません。本来的に革命党の選挙闘争は、議員をつくることだけが目的ではなく、選挙闘争を通して地区党を強化・拡大し、革命の司令塔=ソビエトをつくり出すために行うのです。そこへ向けての壮大な挑戦を、今次選挙闘争はやり抜いたと総括できます。

 反原発闘争を軸に大衆的怒りと結合

 総括の第二は、日本帝国主義打倒の戦略的闘いとして反原発闘争を選挙闘争の基軸に押し立て、最後まで一切の力を出し切って闘ったことです。
 3・11前と後ではすべてが一変する中で、選挙闘争の闘い方、路線が根本から問われました。マグニチュード9の巨大地震で引き起こされた大津波による壊滅的被害、そして福島第一原発の爆発と放射性物質の大量放出は「想定外」などで済まされる問題では断じてない。人災を超えて資本と国家による犯罪である。資本主義・新自由主義に対する階級的怒りを爆発させることが何より必要でした。
 それは新自由主義による極限的な民営化・地方切り捨てと原発推進路線の結果です。杉並で「丸ごと民営化」攻撃と一貫して闘い抜いてきた北島同志と西部地区党だからこそ、被災地救援・反原発を階級的に闘うことができると確信しました。選対本部としては、これまでの闘いの全地平を引き継ぎ大飛躍させる闘いとして、選挙闘争を反原発闘争の爆発に据えきって闘うことを迷うことなく決断しました。
 原発とは日本帝国主義の国是、国策であり、天皇制と並ぶ存立基盤そのものです。したがって反原発闘争は徹頭徹尾治安問題となり(4・6弾圧を見よ! 選挙事務所の不当家宅捜索における反原発1千万署名簿押収の暴挙を見よ)、内乱的激闘にならざるをえない。大衆的にも「原子力の平和利用」論や「電力供給が不足すればこれまでの暮らしはできない」という小ブル的イデオロギーとの大激突にならざるをえない。旧来の支持者との激論となる場合もしばしばでした。家族会議が開かれ、北島に入れるかどうかで家庭内が分裂することも起きました。街頭は原発推進論や小ブル思想との激突の場と化しました。
 むしろ、反原発で〈運動と組織〉を絶対につくってみせるという決意を固めました。したがって最後まで路線的には一切ぶれませんでした。その結果、反原発1千万署名運動がうなりを上げて前進し、投票日までのわずか3週間で6千筆の署名が集まりました。
 これは従来の署名とは明らかに違う、行動を求める労働者大衆、とりわけ青年労働者の怒りの決起です。1764票の背後にはこれがあることを忘れてはなりません。とくに4・10高円寺1万5千人デモでの1900筆の署名は決定的でした。
 重要なことは、この反原発闘争のリーダーとして、北島同志が西部ユニオン執行委員として登場し、完全に認知されたことです。街宣隊の同志が口々に言っていたように、北島同志の街頭アジテーションは『前進』第2483号5面の無署名論文を大衆的に表現した傑出したものでした。至るところで労働者大衆の怒りと結合し、「絶対に行ける」と確信をもちました。〈運動と組織〉づくりの決定的な突破口を反原発闘争で切り開いたのです。その先頭に北島同志は立ちきりました。議席は失っても、〈運動と組織〉を確実に残した選挙といえます。

 プロレタリア革命準備する選挙闘争

 したがって総括の第三は、「プロレタリア革命を引き寄せる選挙闘争」(『前進』新年号アピール)として貫徹できたことです。
 もちろん、選挙結果を知るや、全同志が悔しさを何度もかみしめました。しかし、敗北感はみじんもありません。次に何をすべきかが鮮明になっているからです。
 〈運動と組織〉をつくりきる。地区党建設を猛然と進める。これが選挙闘争の実践的総括の核心です。反原発1千万署名運動を原水禁運動発祥の地・杉並から爆発的に推進し、「すべての原発止めろ! 社会を変えよう」の選挙で掲げた行動綱領を実現するために闘い抜くことです。東京西部ユニオンという労働組合を軸に、青年労働者・学生を先頭にしてあらゆる年齢・階層が結集する大運動をつくり出すことです。
 この実践的観点に立って1764票という結果を見据えたとき、われわれの弱点、克服すべき課題も鮮明になっていきます。核心的には、地域に階級的労働組合の拠点を二つ、三つと持たなければ、首都においてはプロレタリア革命を掲げてブルジョア選挙で勝利することはできないということです。むしろこの点をキッパリと認め、階級的労働運動の前進に一切かけて勝負すべきです。
 大恐慌・震災恐慌下の選挙闘争は、革命をストレートに準備する闘いとして、ソビエトをつくり出していく偉大な挑戦です。だからこそ〈国鉄闘争全国運動〉〈反原発運動〉〈震災解雇労働相談〉を団結形成の決定的組織方針として打ち立て、労働組合をよみがえらせるために不退転の決意で闘い抜くことです。

 地区党の変革・飛躍をかけ青年獲得へ

 総括の第四は、青年労働者(学生)を獲得する選挙闘争としてやり抜いたことです。マルクス主義青年労働者同盟の同志が選挙闘争を主体的に担う中で鍛えられ、決定的に飛躍したことです。
 4・10の高円寺1万5千人デモの高揚に全身で飛び込み、青年労働者の怒りに徹底的に食らいつき、「選挙嫌い、組合嫌い」(青年労働者の声)であっても、ここにこそ展望があることを鮮明にさせて闘い抜いたことが決定的です。マル青労同の同志たちが街頭署名、電話オルグ、手紙作戦など、仕事でヘトヘトになりながらも粘り強く獲得戦に飛び出しました。原発問題で討論になり、電話に出た1割ほどが「北島さんに入れます」と表明したほどです。被災地出身の青年は学習会にも参加し、選挙闘争最終日の深夜、「本当の闘いはこれからですね!」とメールしてきました。かつてなく青年の怒りと結合した選挙闘争を実現することができました。
 選対本部は、最後は青年が投票に行けば絶対に勝てると確信を持って闘い抜きました。結果を見れば明らかなように、青年は投票行動には広範には動きませんでした。青年の多くが「どうして1万5千人のデモが報道管制で無視され、原発推進の石原慎太郎が都知事に当選するのか。政治家は全部敵だ! 一切、信用するな」と考えたはずです。投票率は前回選挙を下回り、4割を切りました。労働組合が生き生きと闘い、青年労働者の展望とならない限り、青年労働者を獲得することも、本当の勝利をかちとることもできないことを痛感しました。
 問題は、まさにこれからの闘いです。反原発・反失業の怒りを爆発させて立ち上がる青年労働者の獲得へ猛然と打って出ることです。労働組合に組織することです。それは地区党にかつてない変革と飛躍を要求するでしょう。しかし、地区党こそがこの選挙闘争の主体として一切を引き受けたからこそ、この変革と飛躍は地区党の団結で絶対になしとげることができるし、前進することができると確信します。
 最後に、反原発・反失業の闘いをめぐって党派闘争が激烈になっています。いかに原発を廃絶するのか、その勝利の方向は労働組合の登場にかかっています。電力資本と闘う労働者の団結が生まれ、デモの先頭に立つならば、エジプト革命のように情勢は一挙に革命に向かって動き出すでしょう。したがってわれわれは、労働組合を登場させるために、職場の労働者の組織化に徹底的にこだわり、闘い抜かなければなりません。杉並区議選を西部ユニオンを先頭に押し立てた選挙闘争として闘い抜いた地平を、もっともっと発展させましょう。6・5国鉄闘争全国集会の大結集へ、西部地区党と都委員会は先頭で闘い抜きます。

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週刊『前進』(2487号5面2)(2011/05/16 )

 「免状不実」で不当逮捕

 怒りの反撃で直ちに奪還

 警視庁公安部は5月9日、自動車運転免許証の更新に出向いたA同志を「免状不実記載」の容疑をデッチあげ、現行犯逮捕した。徹底弾劾する。
 A同志は江東区の運転試験場で運転免許証が交付された直後、5人の公安警察官らに暴力的に逮捕された。「免許証の住所が虚偽」だというが、事実無根だ。A同志は15年も前から住所地に住んでおり、その間ずっと運転免許証を取得していた。デタラメきわまりない弾圧だ。しかも警視庁公安1課の菅野武はA同志の着衣・所持品のすべてを押収した。こんな違法は許されない。
 闘う労働者人民は革共同救対部を先頭に直ちに反撃し、11日にはA同志を奪還、弾圧を粉砕した。
 A同志は被災地救援活動と反原発闘争の先頭に立ってきた。この不当逮捕は、反原発闘争の爆発に恐怖し追い詰められた日帝・警視庁による政治弾圧だ。
 この間、警視庁公安部は反原発闘争への弾圧を繰り返し、裁判所・検察がこれに加担してきた。そして日帝・国家権力は闘う労組の壊滅を狙い、関西地区生コン支部への大弾圧を強行した。
 この腐敗しきった国家権力こそ原発事故を引きおこし、社会を破壊してきた犯罪者たちだ。絶対に許せない。いまや彼らは全人民の激しい怒りの的となっている。弾圧を粉砕し、6・5国鉄大集会、6・11反原発100万人デモへ突き進もう。

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週刊『前進』(2487号5面3)(2011/05/16 )

 京都大反原発署名が拡大

 大衆決起で自治会建設へ

 全国学友のみなさんに関西より闘いの報告を送ります。「3・11」をもって世界は一変しました。大恐慌と大震災、そして原発事故の中でブルジョア支配とその破産がさらけ出され、労働者人民に対する災禍は日々とどまることなく激化しています。3・20渋谷、4・10高円寺、5・7渋谷のデモに示されるように、怒りを燃やす巨万の青年・学生が「社会を変える展望はどこにあるのか」と真剣に考え行動を開始しています。
 京都大学を中心にした関西各地の大学は「3・11」を受けて新歓を迎え、ラジカルな変革を求める学生の思いが噴き出す場となりました。「すべての原発の即時停止・廃止」「原発推進教授の責任追及」を求める全国学生署名は、核と原発なしには生きていくことのできない資本主義・帝国主義体制そのものの転覆を問題にするものであり、社会および新自由主義大学のあり方を問うものとして全学に受け止められ、拡大しています。反原発署名は今、大学を支配するあらゆるブルジョア・イデオロギーとの切り合いの中で、大衆的怒りを結集する運動へと発展しつつあります。
 新自由主義の全構造の矛盾の爆発としての3・11大震災と原発事故。政府も資本も裁判所もマスコミも大学も、すべてが一つになって維持してきた体制が、結局は資本家階級の利害をすべてに優先し、そのためならとことん労働者・学生を踏みにじり、社会を崩壊させてもかまわないとするものだったことが、誰の目にも明らかになりました。だからこそ原発問題にとどまらない議論が巻き起こっているのです。
 核心は被曝労働と福島の現実への怒りです。資本の利潤のために労働者の生命や生活の破壊が避けられない原発。まさに資本主義の本質そのものです。「被曝労働は許せない。炭坑でも油田でも労働者は事故で死んでいる。すべては現場の労働者が矛盾を背負わされながら自分の労働に責任を取れないあり方に押し込められている問題だ」。署名運動で新入生の根源的な問題意識が次々と生み出されています。
 4・22法大−東電抗議デモ、4・23尼崎現地闘争へと京大生の決起は拡大し、4・29関西電力本社抗議デモでは多くの新入生がビラをまき、署名を集め、デモで拳を突き上げました。ある新入生は「集会、デモ、真剣な論議。これこそ本当の大学だ」と言い切ります。新自由主義の破産と対決する中で学生が政治と大学を取り戻しています。ここに団結を復権する展望があります。
 歴史的な大衆決起の扉は開かれ、新たな革命の主体が生み出されています。この決起に責任を取り、今こそ大胆に学生自治会建設に着手しよう!5月沖縄闘争から6・5国鉄大集会へ! 6・11反原発100万人デモで情勢を塗り替えよう! そのただ中で強大なマル学同京大支部をつくり出す決意です。
 (関西学生・A)
(写真 関西電力抗議デモの後、大阪・梅田で反原発署名を集める全学連。討論の輪がいくつもできた【4月29日】)

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週刊『前進』(2487号5面4)(2011/05/16 )

 米帝がビンラディンを暗殺

 中東人民の怒りさらに爆発へ

 米帝の凶暴性と残虐性示す

 5月1日、米帝は2001年9・11対米ゲリラ戦を行ったアルカイダの指導者ウサマ・ビンラディンをパキスタン国内で暗殺した。この作戦で米帝はあらんかぎりの凶暴性、残虐性を示した。
 暗闇の中、ビンラディンの居宅を急襲した米軍部隊は、非武装のビンラディンを生きたまま拘束するのではなく、至近距離から銃撃し殺害した。米軍はイスラムの埋葬の慣習を無視して遺体を水葬に付し、ビンラディンの殺害写真の非公表を決めた。あまりにも残酷な虐殺だったからだ。
 オバマ米大統領は2日の声明で、ビンラディンが武装抵抗したから銃撃戦になったとか、ビンラディンが女性を盾にしたとか、うそを並べ、ビンラディンをおとしめようとした。3日、米当局はそれらは事実ではなかったと修正した。卑劣で不正義なのはオバマだ。
 米帝は9・11以来、「対テロ戦争」としてアフガニスタン、イラクをはじめあらゆる残虐な帝国主義侵略戦争を行い、国内外のムスリムを無差別に逮捕・拷問・抹殺、それらすべてを「正義」と強弁してきた。こうした「対テロ戦争」の成否を決する重大な作戦として5・1は行われた。このことが示すように5・1は不正義の侵略戦争であり、国家テロである。
 だが事の本質は、5・1が世界大恐慌、戦争・大失業のもと、米帝の世界支配の決定的崩壊を示し促進したことだ。米帝オバマはこの未曽有の危機をのりきるために絶望的で凶暴な暗殺作戦をもって新たに中東・アジアへの侵略戦争にのめりこんだ。すなわちエジプト革命を先頭とするプロレタリア世界革命のうねりへの圧殺攻撃として5・1が行われたのである。
 米帝は、チュニジア―エジプト革命で追い詰められ、リビア、シリアの政権崩壊から中東支配の要であるサウジアラビアを失陥しかねない恐るべき危機に陥っている。パレスチナ解放闘争圧殺政策でも決定的に破綻し、イラク・アフガニスタン侵略戦争で絶望的敗勢に追い込まれている。米帝は中東支配の総破綻に歯止めをかけるための最後の手段としてパキスタンに越境し、ビンラディン暗殺作戦に踏み切った。これ自身一個のパキスタン侵略戦争なのである。実際、作戦はパキスタン当局の許可を得ることなく国家主権を無視して秘密のうちに実行された。

 プロレタリア革命のうねり

 そもそも9・11とビンラディンは、米帝の歴史的なパレスチナ政策や中東侵略戦争、中東石油支配・世界支配の凶暴性、反人民性が生み出したものだ。またビンラディンはすでに、パキスタン国家を前提に本質的には合法主義的、公然主義的にイスラム主義の本質的限界性をもって行動していた存在でしかなかった。
 だが今回の事態は米帝の「勝利」などでは断じてない。むしろ逆だ。米帝が9・11以来、「対テロ戦争」として展開してきたアフガニスタン侵略戦争、イラク侵略戦争、さらにはパレスチナ侵略戦争は完全に失敗している。そして事態は、エジプト革命を先頭に9・11とイスラム主義をのりこえる米帝打倒―プロレタリア世界革命の過程に転化している。米帝はこの革命情勢に恐怖し、時代の歯車を逆回転させ、ビンラディン暗殺によって最後の反革命的巻き返しを図り、そこにオバマ自身の政治的延命をかけた。だがすでに米帝を軸とした帝国主義の戦後世界体制は根底的崩壊の過程に突入している。5・1はこの現実をより促進するものでしかない。
 世界大恐慌の世界革命への転化をかけて、エジプト革命に続き、菅政権打倒―日本革命をかちとるために闘おう。

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週刊『前進』(2487号6面1)(2011/05/16 )

 “労働組合で団結しよう”

 第22回外登法・入管法と民族差別を撃つ全国研究交流集会

 在日・滞日外国人と共同闘争実現

 震災解雇・大失業攻撃と対決

(写真 「一緒に原発反対を闘う」と語る難民たち)
 5月8日、横浜市鶴見で第22回外登法・入管法と民族差別を撃つ全国研究交流集会が開かれ、520人が集まった。3・11東日本大震災から2カ月、世界大恐慌下で進行する原発事故と震災解雇といかに対決し生きぬくのかが問われる中、韓国から民主労総ソウル本部とソウル京畿仁川(キョンギ・インチョン)移住労働者労働組合を迎え、日本の労働者と在日・滞日外国人労働者、難民・難民申請者との画期的共同闘争、国際連帯闘争が実現した。(本紙・室田順子)
(写真 「民族・国籍・国境を越えて全世界の労働者は世界革命へ団結してガンバロー!」とこぶしを突き上げる参加者【5月8日 横浜市・鶴見公会堂】)

 3・11で階級情勢が一変

 全学連の松室しをりさんと在日外国人労働者の司会で集会が始まった。
 西村綾子さん(国鉄闘争全国運動・神奈川呼びかけ人)が「全原発の即時廃止はときの声。震災解雇に対し地域に合同労組を立ち上げて闘う」と開会あいさつ。
 連帯のあいさつでは、憲法と人権の日弁連をめざす会の藤田城治弁護士、沖縄民権の会の座覇光子さん、八尾市議会議員の末光道正さん、星野文昭さんをとり戻そう!全国再審連絡会議の星野暁子さんが発言した。獄中の星野文昭さんからは「今こそ労働者人民の団結した力で全未来を、資本主義に代わる本物の人間的共同社会を実現しましょう」という熱烈なアピールが届いた。
 東日本大震災現地救援対策本部からの「反原発・反失業闘争の原動力は、新自由主義と対決する国鉄1047名解雇撤回の闘いであり、反戦・反差別を貫く労働者国際連帯です。6・5大集会には宮城、福島から大型バスで駆けつけます」との感動的なメッセージが読み上げられた。
 基調報告を全国実行委員会が行い、「3・11で東北地方が新自由主義の生産拠点であったことが明らかになった。政府発表の外国人犠牲者は23人にすぎないが、水産加工などに携わっていた研修生・実習生など外国人800人が行方不明とも言われている。何が『がんばれ日本!』か。在日・滞日外国人とともに労働者の力で被災地救援、原発廃止、震災解雇許すなを闘っていこう。この闘いが在留カード導入をも阻止する道だ。労働者の国際的階級的団結で入管体制を粉砕しよう」と明確に提起した。
 集会のメインは「労働組合で団結しよう!」。韓国の同志たちが「万国の労働者、団結せよ」と訴えた。(要旨別掲)
 合同・一般労組全国協議会などが外国人組合員が震災解雇や未払い賃金問題を訴えた。
 動労千葉の田中康宏委員長が「日本人労働者と在日・滞日外国人労働者が共同で闘う画期的集会になった。真っ先に震災解雇の犠牲になるのは在日・滞日だ。この現実を日本の労働者の闘いでぶち壊すことぬきに国際連帯はない。新自由主義に対抗できる闘う労働組合をつくろう。6・5反失業大闘争に結集を!」と力を込めて訴えた。

 “人間として生まれた!”

 もう一つのメインは「難民を生きさせろ!」。 牛久入管収容所問題を考える会の面会活動で出会ったクルド、ビルマ、バングラデシュ、イラン、パキスタン、スリランカ、ウガンダなどの難民からの訴えが、クルドの子どもたちの学校でのいじめを題材にした劇、ビルマの民族舞踊を交えて進んだ。
 「僕は難民として生まれたわけじゃない。人間として生まれた。どこの国籍だろうが現在住んでいる社会を改善する権利と義務を持っている。皆さんと全人類のために頑張りたい」の言葉が感動を呼んだ。
 3・11と以後の余震の中、入管収容所に閉じ込められたままの被収容者たちの恐怖はいかばかりか。「彼らの一番の願いは、夜の施錠はやめてほしいという非常にささやかなものです」と牛久の会の田中喜美子さんは訴えた。「すべての難民、被収容者をただちに解放せよ」の要求を実現しなければならない。
 青年労働者と法大の斎藤郁真さんが5・15沖縄から6・5国鉄大集会への決意を語り、東京西部ユニオン執行委員の北島邦彦さんが「全世界の労働者は世界革命へ、団結してガンバロー」と音頭をとり、全員でインターナショナルを歌った。

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 万国の主人は労働者

 民主労総ソウル地域本部 チョンジェフン副本部長

 3月の大地震と津波、福島原子力発電所爆発による被曝(ひばく)という状況を労働者自らの力で克服し被災地救援を献身的に闘い、菅政権と激しく闘う救援対策本部、この場に参加した同志たちに敬意を表します。
 韓国でも必要な時には非正規職労働者を使い、正規職転換の時期が来ると1カ月前に携帯メールと郵便で契約を解除するのが茶飯事になっています。コリアンドリームを夢見て韓国に来た移住労働者は、長時間労働、賃金未払い、さらに退職金も払わないために出入国管理所に申告をして強制出国させられています。
 このようにイミョンバク政権は極端な親財閥、反労働政策で構造調整と整理解雇、契約解除など労働者の「殺処分」をしでかしています。
 力強い抵抗と闘争で万国の主人が労働者民衆であることを宣言しましょう。万国の労働者よ、団結せよ。失うものは差別の鎖であり、かちとるものは新しい世の中、労働解放の世の中です。トゥジェン(闘争)!

 ともにメーデー集会

 ソウル京仁移住労組ソウル支部 ウダヤ・ライ支部長

 日本の労働者民衆が被害を受け、全世界が悲しんでいます。しかし日本の労働者民衆が困難を克服できると信じます。
 韓国にいる移住労働者たちも産業研修生制度が雇用許可制(EPS)に変わりましたが、依然として移住労働者は低賃金と長時間労働、業災、事業場移動制限、人種差別など多くの苦痛を受けています。韓国政府は移住労働者の労組活動さえ政治活動と見なして弾圧しています。移住労組も認めていません。移住労組のミッシェル委員長が不法就業したといってビザを取り消した状態です。
 5月1日には民主労総、移住共同行動、外労協がともに移住労働者メーデー集会を開き、韓国社会と政府に対する移住労働者の要求を知らせました。
 労働者の最大の武器は団結です。日本でも移住労働者が労働組合に団結できるように努力しなければならず、労働組合に団結する時に移住労働者がすべての問題で解放されることができるのです。労働運動が団結して差別のない世の中をつくりましょう。
 万国の労働者よ団結せよ!

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週刊『前進』(2487号6面2)(2011/05/16 )

 5・23狭山闘争に総決起を

 西郡・八尾北の闘いに続こう

 世界大恐慌のもとで発生した3・11の東日本大震災と福島第一原発事故による放射能汚染の拡大は、未曽有の被害を労働者・農民・漁民にもたらしている。3万人におよぶ死者・行方不明者、数十万人の避難者に加え、数千万人が放射線被曝で命の危険にさらされている。新自由主義の破綻と正体は完全に明らかだ。まさに国家と資本の犯罪だ。菅民主党・連合政権は資本主義の延命のために全面的に新自由主義攻撃を激化させている。絶対に許してはならない。
 今こそ「殺されてたまるか! 生きてやる!」と怒りの声をあげ、生き抜くために団結して闘うときだ。闘う労働組合をよみがえらせ、労働者階級の団結を軸にこの腐った社会を根本から変えよう。全原発の停止・廃炉へ向け、震災解雇を許さず、国鉄闘争全国運動を圧倒的に推進しよう。

 八尾市議選で切り開いた地平

 4月の八尾市議選で末光道正候補は、3・11情勢に対して革命の路線を真っ向から打ち出し、新自由主義による団結破壊を打ち破って再選を果たした。これは部落差別を使った民営化による住宅追い出しと実力で闘ってきた部落解放同盟全国連西郡支部の勝利であり、この攻撃の先兵となってきた解同本部派、全国連本部との闘いに歴史的決着をつけた勝利である。
 その中で西郡支部と八尾北医療センター明け渡しと闘う八尾北労組の団結の強化がかちとられ、支部青年部建設の前進と、西郡支部1千人建設の展望が切り開かれたのである。
 菅政権のもとで完全に翼賛勢力に転落した解同本部派、全国連本部などの既成解放運動は終わった。西郡・八尾北の闘いに続き、新自由主義と闘う新たな部落解放運動を発展させよう!

 再審勝利へ闘う石川さんと共に

 1963年5月1日、埼玉県狭山市で女子高校生誘拐殺人事件が起こった。警察は身代金を取りに来た真犯人を取り逃がした。その失態を取り繕い、支配の危機をのりきるために、被差別部落に襲撃的な集中見込み捜査を行い、5月23日、無実の石川一雄さんを「犯人」にデッチあげ逮捕した。それから約半世紀にわたり、国家権力は石川さんを被差別部落に生まれたという理由だけで「殺人犯」とし、見えない手錠で縛りつけているのだ。
 石川さんは昨年の徳島メーデーで「1963年5月1日、狭山事件は引き起こされたが、その時メーデーに参加していれば、私は事件に巻き込まれることはなかった」と述べている。石川さんのこの痛恨の思いに対し、国家と資本による差別・分断攻撃を打ち破り、狭山闘争を階級的に復権させる闘いで応えよう。
 第3次再審の申し立てからすでに5年がたつ。09年9月から始まった3者協議は6回を数え、裁判所の勧告で検察は一部証拠を開示したが、まだ多くの証拠を隠し持ったままだ。
 検察と事実調べ・再審を拒否し続ける東京高裁・岡田雄一裁判長を徹底糾弾しよう。部落解放闘争=狭山闘争の解体を狙う3者協議路線を粉砕しよう。部落民労働者の組織化を通して階級的労働運動を前進させ、石川さんと固く連帯して狭山第3次再審闘争の勝利をかちとろう。
 東京、大阪、広島で開催される「石川さん不当逮捕48カ年糾弾、第3次再審闘争勝利 5・23狭山闘争」に総決起し、6・5国鉄闘争全国運動大集会を成功させよう。
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 ●狭山差別裁判

 1963年5月1日、埼玉県狭山市で女子高校生誘拐事件が起きた。警察は身代金の受け渡し現場で犯人を取り逃がし、被害者は遺体で発見。3月に東京で起きた幼児誘拐事件に続く失態で警察庁長官が辞任に。最重要容疑者の自殺に対し国家公安委員長は「犯人を生きたまま捕える」と発言した。
 警察は市内の被差別部落の青年120人をリスト化し、捜査員200人で見込み捜査を強行。5月23日未明、寝込みを襲い24歳の石川一雄さんを別件逮捕した(写真)。事件当夜一緒にいた家族の証言を抹殺し「殺人罪」で再逮捕、起訴。一審は死刑判決、二審で無期懲役刑に。31年7カ月も監獄に閉じ込め、仮出獄後も「殺人犯」扱いのまま。これらすべてが部落差別だ。

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週刊『前進』(2487号6面3)(2011/05/16 )

 富山再審闘争 全証拠の開示-再審を

 勝利へ「かちとる会」が集会

 5月7日、東京・品川で、無実の富山保信さんの再審無罪をかちとる会が主催する「富山さんの無実を裏付けた開示証拠/今こそ再審開始・無罪を! 富山再審集会」が行われ、雨天にもかかわらず初参加8人を含む53人が参加しました。
 冒頭、司会が八海事件の元被告・阿藤周平さんが4月28日に亡くなったこと、阿藤さんと「かちとる会」の絆(きずな)はいかに結ばれたか、そして会が阿藤さんにいかにご尽力いただいたかを紹介し、哀悼の意を表明しました。
 集会では、「かちとる会」や弁護団から、昨年1月21日、ついに再審請求以来16年の努力で東京高裁第4刑事部の証拠開示勧告を実現し、6月21日には供述調書など60通の証拠の開示を、今年3月には面通しに関する8通の調書の開示をかちとったことが報告されました。
 しかし検察は「富山=犯人」を否定している目撃者K氏ら2人に関しては「不見当」とし隠し続けています。しかも裁判所に対して、弁護団の異議申し立てを棄却すべきだとする意見書を提出しています。未開示の証拠が多数あるにもかかわらず、無実を裏付ける証拠を隠し続け、異議申し立てを棄却すべきだと主張する検察は許せない。今こそ全証拠の開示をかちとり再審開始・無罪を実現するための支援を、と集会は訴えています。
 成城大学法学部教授の指宿(いぶすき)信さんが「証拠の保管と証拠開示/最高検・メモ取扱い通知を通して考える」と題し、講演しました。指宿さんは冤罪事件の具体例を引用しながら、三つの「最高検通知」の欺瞞(ぎまん)性、すなわち無罪証拠、無実を証明する証拠の隠蔽(いんぺい)・隠滅を図るものであると指摘し、証拠開示の闘いの必要性、重要性を解き明かしました。
 弁護団報告を原田史緒弁護士が行い、目撃証言が暗示・誘導で作り上げられたものであることが開示証拠によってあらためて証明されたと丁寧に説明しました。
 東日本大震災・原発事故の深刻化によって、この社会の矛盾が白日のもとにさらされています。富山再審闘争はデッチあげとの闘いを通し、「原発安全神話」を始め白を黒と言いくるめてきた最高裁・日帝国家権力の破綻点を鋭くえぐる闘いです。一層の奮起を促すとともに勝利を確信させる集会でした。
 (富山保信)
(写真 証拠開示の重要性と必要性を解き明かす指宿教授の講演に参加者は熱心に聞き入った【5月7日 東京・品川】)

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週刊『前進』(2487号6面4)(2011/05/16 )

 阿藤周平さんを追悼する

 18年の苦闘へて無罪に 冤罪救援にかけた生涯

 富山保信

 去る4月28日、阿藤周平(あとう・しゅうへい)さんが肝臓がんのため亡くなりました。84歳でした。

 3度の死刑判決

 阿藤さんは1951年に山口県で起きた「八海(やかい)事件(*)」の主犯にデッチあげられ、一・二審死刑→差し戻し→無罪→差し戻し→死刑→無罪(最高裁で確定)という壮絶な闘いを経て、18年の苦闘の末に自由の身になりました。
 阿藤さんは無罪をかちとった後も闘い続けました。その理由を、2001年10月27日に開かれた二つの集会で次のように語っています。
 「私は無罪で出所した時に、私の18年間の苦しみがもし癒されることがあるとすれば、それは、この世から冤罪事件がなくなった時だというふうに日記に書いています。残念ながら今もって実現していません。しかし、それを見過ごすのではなくて、知った以上は、この不正な裁判、不当な警察、検察、それに立ち向かっていくという強い心を養うことができました。それは、18年間の八海事件の闘いの中から学びとった一つの大きな財産だと思います」(富山再審集会)
 「12年間の私の獄中闘争も多くの皆さんの支えによって頑張れたと感謝しています。八海事件を支援してくださった皆さま方への恩返し、それは、他の冤罪事件を支援することだと、私は今、心に決めております」(八海事件50周年・東京集会)

 阿藤さんと再会

 奇しくも私は、この阿藤さんの60年間の闘いの始めと終わりにかかわりました。阿藤さんが広島拘置所にとらわれていた時、私は拘置所や広島高裁のそばを自転車で通学していました。当然、八海事件を知っていたし、盛んに行われていた署名にも応じたのではないかと思います。法曹になろうと思っていたし、社会運動への関心は大いにありましたから。
 その阿藤さんと再び出会ったのは、垣端雅栄同志への殺人罪デッチあげ弾圧との闘いの支援に取り組んでいただいているというニュースに接したときです。感動をもって記事を読みましたが、まさか私がお世話になるとは想像もしませんでした。それ以来22年間、私の再審闘争の支援の先頭に立っていただくことになりました。
 1995年12月19日に出獄して以来、阿藤さんとともに闘い続けるなかで学び、励まされることだらけでしたが、やはり共鳴、共感するのは「あの厚い壁(獄壁)をのりこえて外と内が通じるのは、真実の心」「真実ほど強いものはない」「真実は必ず勝つ」という阿藤さんの不動の確信です。この確信に基づいて研ぎ澄まされた阿藤さんの感性は鋭く、死刑制度反対、裁判員制度反対などの信念は揺らぐことがありませんでした。

 再審無罪を誓う

 富山裁判の再審請求以来の課題であった証拠開示に風穴を開け、証拠開示勧告、証拠の一部開示から全面開示へ、さらに再審開始・無罪に向かって闘いが大きく前進しようとしている時、阿藤さんを失ったのは痛恨の極みです。しかし、東日本大震災・原発事故で、この社会の矛盾が誰にも明らかな形で噴出し始めるなかで、矛盾と破綻点を突き、えぐる富山再審闘争の歴史的役割、勝利の展望が浮き彫りになりつつあります。今こそ阿藤さんが生前言っていた「二つ実現するまでは死なれん」の一つである富山裁判での再審・無罪を闘いとるために、一生懸命頑張る覚悟を新たにしています。必ず勝ちます。見ていてください。
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 *八海事件
 1951年1月24日夜、山口県熊毛郡麻郷(おごう)村八海で起きた強盗殺人事件。犯人Yが逮捕されたが、警察は複数犯説でYに阿藤さんら4人が共犯という自供をさせ逮捕(うち1人は釈放)、起訴。68年10月25日の最高裁での無罪判決まで18年の闘いとなる。阿藤さんをモデルにした映画「真昼の暗黒」は二審後、第1次差し戻し前の作品。

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週刊『前進』(2487号6面5)(2011/05/16 )

 日程 5・20裁判員制度廃止集会、5・23狭山闘争(全国)、法大裁判

 ●裁判よりも生きぬくこと
 裁判員裁判直ちに廃止! 被災者に裁判を強要するな!
 5・20を裁判員制度廃止記念日に! 全国集会
 と き 5月20日(金)開場午後6時 開会午後6時30分
 ところ 東京・日比谷野外音楽堂(千代田区日比谷公園内)
 主催 裁判員制度はいらない!大運動

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 石川一雄さん不当逮捕48カ年糾弾! 狭山第3次再審闘争勝利!
 5・23狭山闘争
■東京
 5月21日(土)午後6時開場、6時30分開会
 杉並区立産業商工会館3階ホール(阿佐谷南3-2-19)
 主催 部落解放東日本共闘会議

■大阪
 5月22日(日)午後2時
 八尾市幸第2公園(雨天時は桂人権コミュニ
 ティセンター) 集会後デモ
 主催 部落解放同盟全国連合会西郡支部/八尾北医療センター労働組合/関西労働組合交流センター

■広島
 5月22日(日)午後2時
 いきいきプラザ(元西隣保館)3階第2研修室
 主催 部落解放広島共闘会議

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 法大裁判に集まろう!
 ★暴処法弾圧裁判
 第23回公判 5月19日(木)午後1時30分
 東京地裁429号法廷 12時30分に傍聴券配布所に集合

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