ZENSHIN 2011/04/25(No2485 p06)
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週刊『前進』(2485号1面1)(2011/04/25 )
反失業・反原発メーデーへ
被災地人民の怒りとともにデモとストで菅政権と闘おう
今こそ国鉄全国運動の発展を
(写真 法大解放!東電弾劾!の連続デモ 4月22日、「すべての原発をただちに止めろ!」の横断幕を先頭に、全国から結集した全学連の学生たちは警察の弾圧を打ち破り、被災地人民の怒りと結んで法大包囲デモ―東京電力弾劾デモを闘った。街頭の労働者・学生が熱い注目と共感を寄せた。写真は銀座を行くデモ=記事次号)
大震災と原発事故の全部が国家と企業の歴史的大犯罪だ。資本主義は、社会的生産の担い手である労働者をとことん搾取し、その上に地震と津波が警告され続けた地に原発を造り大災害を引き起こした。資本家政府に入った連合幹部と新自由主義大学も共犯者だ。だから、この構造すべてを吹き飛ばし、新たな社会を建設する力は労働組合の再生にある。被災地を先頭に国鉄闘争全国運動が反失業・反原発の闘いの最先頭に立っている。統一地方選勝利と5・1メーデーからの5月連続闘争を闘い抜き、国鉄闘争全国運動6・5大集会(日比谷公会堂)への結集をかちとろう!
原発と人間とは相いれない
原発事故を最悪の「レベル7」と発表してなお、菅政権、日本経団連とマスコミも、「原発推進」「停止している原発の運転再開」を叫んでいる。原発なしに生きていけない資本主義を打倒することだけが原発を廃棄する道であることがいよいよ鮮明になった。
「原発を廃棄せよ」の理由は、事故が不可避で危険だからだけではない。労働者の被曝(ひばく)労働なしには成り立たないものであり、原発そのものが生命とは相いれないからだ。原発廃棄とは、生命の歴史は放射能との闘いの歴史だという、根源的な問題だ。
46億年前に地球が誕生し、数億年後に海で生命が生まれるが、浅い海で暮らせるようになったのは、地球に磁場が形成され宇宙線(放射線)がブロックされた27億年前だ。さらに20億年以上かかってオゾン層が形成され生物が陸上に進出でき、人類も誕生した。
核兵器と原発は同じものだ。「ヒロシマ・ナガサキを繰り返すな!」は、全人類と地球上の全生命の根源的欲求だ!
4月6日の各紙は、福島原発の水素爆発を「放射線分解による水素発生」と報道した。ジルコニウムと水の反応による水素発生だけではなく、水の分子を放射線が直接破壊しているのだ。放射線の特徴は、単純なエネルギー量は大きくはないが、極端に集中していること。こうして生物の身体をつくっている細胞、とりわけ遺伝子を破壊してしまうのだ。
人間の身体は莫大(ばくだい)な数の細胞でできていて、毎日多くの細胞が死に、同じ数が生まれることで人間は生きている。本紙2481号からのシリーズで暴露されているように、放射線は人体の細胞をつくる設計図の文字にあたるDNAを破壊(読めなくなる)して、細胞を再生産させないで殺し、あるいはまったく違う細胞をつくり(ガン細胞)人間を殺す。だから、放射線は若い生命ほど激甚な影響を及ぼすが、中・高齢者への影響も小さくない。
「原発がなかったら、エネルギーがなくなる」という恫喝に屈してはならない。こんなものは二重にデマゴギーだ。まず第一に、いまマスコミで「原発は必要か」という世論調査をさかんにやっているが、「計画停電」や節電キャンペーンは、原発推進の世論操作である。そして、「国家的危機」をあおり階級闘争の圧殺を狙う、労働者階級に対する絶対に許すことのできない攻撃である。
第二に、原発なしに日本の資本主義が成り立たないから容認しろというのは、まったく逆さまな話ではないか! 現場労働者を被曝させることなしには運転できず、人間が制御もできず、人間を滅ぼす原発のどこが「産業」なのか! 福島第一原発を廃炉にするために1兆円かかる。チェルノブイリは25年たった今も、毎日7千人の労働者が管理しないと危険なのだ。これのどこが「経済的」だ!
高速増殖炉「もんじゅ」はすでに2兆4千億円を投入し、今後も年500億円の維持費を半永久的にかけなくてはならない。しかも、福島原発と同じ危機にある。日帝が核武装と金もうけをしたいがために莫大な税金を投入し、労働者を殺したのに、政府と企業、御用学者とマスコミ幹部は無責任を決め込んでいる。本当にこんな社会はひっくり返そう。
「すべての原発の即時停止」を求めるヒロシマ・フクシマ発1000万署名運動こそ、その決定的水路だ。
(写真 東京電力本店を直撃し怒りの抗議 全原発の即時停止と「全被害をただちに補償せよ!」と怒りの抗議・申し入れを行う全学連。中央は織田陽介委員長【4月22日 東京・内幸町】) 労働者は原発を止められる
原発を停止し、廃棄するのは、ほかならぬ電力労働者だ。今日、東電労組を始め電力総連は電力資本の先兵となり、原発政策を推進している。この屈服と協力の歴史が54基もの原発を造らせてきたのだ。だが、電力労働者は最初からこのように屈服していたのではない。それどころか、電力労働者こそ戦後革命において最も中軸的な役割を果たしたのである。
日本電気産業労働組合(電産)は46年10月の電産争議から47年2・1ゼネストへの過程の中心的組合であり、50年代初めまで戦後労働運動を牽引(けんいん)した。
これに恐怖した日帝・資本は、9電力会社への分割を強行し、第二組合をつくって徹底的な電産破壊攻撃を展開した。この攻撃を抜きに、原発建設のレールを敷くことはできなかったのだ。
56年に電産が解散するが、電産中国地方本部は組織率約1割の少数派第一組合として生き残り、77年春、中国電力の原発建設通告に反対、豊北原発反対を現地住民とともに闘い、78年、中止決定に追い込んだ。96年9月に電産中国の加盟する全電力(約900人)は解散、電力総連に統合されたが、現場労働者の闘いの魂は脈々と受け継がれている。ここでも闘う労働組合の再生の闘いが決定的なのだ。
日帝・中曽根による国鉄分割・民営化の攻撃も、電力9分割・電産破壊の歴史を教訓化した攻撃だったのだ。国鉄分割・民営化と真っ向から対決して闘い、階級的労働運動をよみがえらせた動労千葉労働運動が、原発廃止の闘いでも決定的な意味を持っている。
大増税攻撃に怒りの反撃を
すべての怒りを6・5集会に集めよう! 大震災情勢に立ち向かう土台と総括軸は、国鉄闘争全国運動のあらゆる職場での白熱的実践である。その力で被災現地を支え抜くことだ。
原発事故も、被災以前に自治体が崩壊していたことも、国鉄分割・民営化の結果だった。さらに「政治休戦」「復興」の大攻撃の原形は昨年の「4・9政治和解」反革命だ。だから、1〜3月に動労千葉・動労総連合が職場で切り開いた検修外注化阻止、新賃金・人事制度阻止などの一つひとつが決定的であり、それは全逓・自治労を始め全産別に波及している。
動労千葉が3月30日に青年部再建準備委員会を立ち上げたのを先頭に、国鉄職場での実践が東労組の支配を崩壊させている。JR西日本後藤総合車両所労災死亡事故をめぐる闘い、被災現地の福島郡山工場や千葉幕張でのクレーン作業保安闘争、水戸・新潟での闘いと4・23尼崎闘争が闘われている。
職場に労働組合をつくり、階級的労働運動をよみがえらせる闘いだけが、全階級を救う道だ。被災地からの自衛隊員の「脱走」は革命の前触れだ。階級的労働運動で反軍決起は必ず起きるのだ。こうして「生きさせろ!」の闘いが無数に始まろうとしている。今も福島第一原発の作業員1千人が、2・5倍の被曝線量上限アップの中で苦闘している。さらに被災地を始め全国で大失業攻撃が始まっている。大失業攻撃粉砕を真っ向から掲げて闘おう。
菅政権は「復興」を口実に消費増税・定率増税・震災復興税を公言した。ふざけるな! ブルジョアジーはありあまる資産・私有財産を全部出せ。彼らの「復興」とは、被災地住民から土地も職も農漁業も奪って、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)を強行することであり、それと一体で、改憲と日米有事体制を構築することだ。
これに対して大学の新歓闘争、三里塚闘争、沖縄闘争、8月広島・長崎の闘いをかちとろう。
4・29集会−5・1反失業・反原発メーデーをかちとり、6・5大集会に総決起しよう。
「3・11」はすべての人に生きる意味そのものを考えさせている。マルクス主義と『前進』を職場・地域・キャンパスに持ち込もう。青年労働者・学生を軸に組織建設に勝利しよう。
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週刊『前進』(2485号1面2)(2011/04/25 )
闘うメーデーに結集を
労組交流センターが呼びかけ
全国労組交流センターの「5・1反原発・反失業メーデー」の呼びかけ(要旨)を紹介します。原発や解雇に対する労働者人民の怒りを抑えつける連合や全労連の「復興運動」をのりこえ、「原発も失業もない、労働者が主人公の社会」の実現をめざして闘おう。(編集局)
東日本大震災は、1カ月を経過した今なお、さらなる大惨事となって労働者人民に襲いかかっています。被災地は、いまだ1万5千人の行方が知れず、14万人が避難所生活を送っており、入浴、炊き出しができない避難所も数多くあります。
福島原発事故は、収束のメドも立たず、大量の放射性物質を海洋・大気中に放出し続け、数十万人の住む地を奪い、周辺の農業・漁業に壊滅的打撃を与えています。政府・電力会社は、この期に及んで情報隠しを続け、余震が頻発する中でも原発を止めようとしていません。現場の労働者に高線量被曝を強いつつさらに数千万人の命を危険にさらすものであり、断じて許されません。
あらゆる産業が壊滅的な打撃を被った被災地は求人ゼロ、全国ですさまじい大失業攻撃が吹き荒れています。部品供給停止や計画停電を口実に解雇・雇い止め、内定取り消し、休業補償なしの自宅待機が激増しています。
起こったことは、新自由主義の帰結であり、国家と資本による犯罪です。震災をテコとした有事体制づくり、復興に名をかりた大増税や道州制、損害賠償を口実とした東電支援など、これから始まることは、労働者へのむき出しの階級戦争です。
このとき、連合は、「国難打開」を叫んで、春闘を休戦し、メーデーも「復興支援集会」にねじ曲げ、挙国一致体制にのめりこんでいます。労使一体で原発を推進してきた連合は、原発事故にひたすら沈黙を決め込んでいます。
まさに、階級的労働運動の力ある登場が、一切を決します。私たちが国鉄闘争全国運動にかけたものが、大震災下で、より巨大な規模で待ったなしに問われています。
労組交流センターは、動労千葉ととともに、「闘う救援運動」「闘いを組織する救援運動」として東日本大震災救援対策本部を設置し、活動を展開してきました。4月3日には、現地対策本部も発足し、廃墟の中から闘う労働組合をよみがえらせる闘いを開始しています。
今後、全国で吹き荒れる震災解雇に対して 「震災解雇労働相談センター」(仮称)をスタートさせ、合同・一般労組全国協議会と連携して、労働組合の組織化に全面的に打って出る決意です。
表記の闘いを、動労千葉派の闘うメーデーとしてかちとり、大震災下の大失業攻撃との闘い、原発即時停止・廃止の闘いをつくりだして6・5大集会へ向かいましょう。
共闘団体の皆さん、趣旨に賛同してくださる団体・個人の皆さんの参加をお願いします。
2011年4月15日
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週刊『前進』(2485号1面3)(2011/04/25 )
前進速報版から
▼インドでも反原発闘争が爆発▼上海でトラック運転手数千人がストに決起▼団結街道裁判、「道を維持管理してきたのは住民だ!」
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週刊『前進』(2485号1面4)(2011/04/25 )
メーデー 各地の取り組み
【東京】
5・1反原発・反失業メーデー
5月1日(日)午後1時/芝公園23号地/集会後、東京電力抗議デモ
〔主催〕メーデー実行委員会(全国労組交流センター呼びかけ)
【仙台】
被災地発「怒りのメーデー」生きさせろ! 5・1団結集会
5月1日(日)午後2時/勾当台公園・市民の広場/集会後、デモ
〔呼びかけ〕神保美彦(仙台市職労副委員長) 阿部宗悦(女川原発反対同盟)ほか
〔連絡先〕生き抜くために闘う!東日本大震災・現地救援対策本部
【広島】
反失業・反原発 広島メーデー
5月1日(日)午前11時/アリスガーデン(パルコ前 西新天地公共広場)
〔主催〕メーデー実行委/〔連絡先〕動労西日本、広島連帯ユニオン
【大阪】
震災解雇絶対反対・国鉄1047名解雇撤回・すべての原発を停止せよ! 4・29全関西総決起集会
4月29日(金)午後1時/中之島公園女神像前/集会後、関西電力抗議デモ
〔主催〕集会実行委員会/〔連絡先〕関西労組交流センター
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週刊『前進』(2485号2面1)(2011/04/25 )
統一地方選勝利へ奮闘
杉並 原発絶対反対の議員を 北島候補力強く訴え
杉並区議会議員選挙は、北島邦彦候補を先頭に「全原発の即時廃止」「震災解雇絶対反対」を掲げた一大決戦として闘われている。
10日、杉並区高円寺で1万5千人が反原発デモに決起した。とりわけ3・11大震災と原発事故の中で労働者民衆の価値観が大きく転換している。街頭には無責任極まりない東電・政府への怒りが渦巻く一方、「原発をなくすにはどうしたらいいのか」と真剣な討論を求めて足を止める労働者であふれている。とりわけ青年労働者はこの社会を変えたいという欲求にあふれ、「自分も何かしたい」と行動方針を求めて反原発1千万人署名に次々と応じる。巨大な怒りのマグマが動き始めている!
告示日17日の出陣式には東京西部ユニオンや地域の仲間120人が選挙事務所前に集まり、投票日までの1週間の大決戦の態勢を整えた。
北島区議は「今回の選挙スローガンは『原発をなくし、社会を変えよう』だ」と力強く第一声を発し、「資本の金もうけがすべてに優先されるような社会の仕組みを根本的に変える労働者民衆の運動と組織をこの選挙戦を通してつくり上げよう! 反原発1千万人署名を広げ、杉並から世界に発信しよう」と熱烈に訴えた。
東京西部ユニオンの大西文夫書記長は「西部ユニオンは、北島を押し立て、反原発と震災解雇許すなを全国に発信する先頭に立つ。選挙に勝ち、資本優先の社会を変える出発点にしよう」と決意を明らかにした。
今回の杉並区議会議員選挙は定数48人に対して72人が立候補する大激戦だ。原発推進か廃止かを問う歴史選択をかけた選挙戦において、北島候補のみが原発絶対反対を真っ向から掲げている。日本共産党など何人かは「原発から自然エネルギーへの転換」と言及しているが、けっして「今すぐ止めろ」とは言わない原発容認派だ。共産党は「今すぐ原発を止めろというのは無責任」「安全な原子力行政を」と原発推進の反動的役割を買って出ているのだ。
こうした反動をぶち破り、街頭では反原発1千万人署名運動のうねりが始まっている。連日、30人を超える西部ユニオンや労組交流センターの仲間が駅頭で署名集めに立っている。青年労働者も先頭に立ち「原発で働く非正規労働者が被曝(ひばく)し命が削られている。これは青年労働者の今の労働のあり方そのもの。こんな腐りきった資本主義社会を労働者の団結で変えよう」と熱烈にアピール。こうした訴えが青年・学生の心をとらえ始めている。西部ユニオンは街頭で震災解雇の労働相談を始めた。
前勝浦市議の水野正美さんや泉佐野市議の国賀祥司さん、国労小倉地区闘争団の羽廣憲さんも応援に駆けつけた。
「100筆分の署名用紙を送って欲しい」「原発反対のビラはそのとおりだ。北島の演説会はいつやるのか」などの問い合わせや、署名用紙を持ち帰り家族・職場・地域で集めた署名が続々と寄せられている。
まさに社会を根底から変革する闘いをつくり出す闘いが前進している。
(写真 北島邦彦区議が「原発絶対反対。社会を根本から変える労働者民衆の闘いをつくろう」と訴え、労働者・区民とともに団結ガンバロー【4月17日】)
八尾 団結し末光再選へ “民営化反対”を鮮明に
4月17日、大阪・八尾市議選が告示され、末光道正候補が24日の投票日まで1週間の選挙戦に突入した。
同日午前8時半、八尾北医療センターの横に開設された選挙事務所前で「八尾市議選必勝へ! すえみつ道正出陣式」が八尾北命と健康を守る会、部落解放同盟全国連西郡支部を始め、駆けつけた労働者・住民とともに盛大にかちとられた。八尾北医療センター労組の団結太鼓が打ち鳴らされる中、末光候補が登場し、決意あふれる第一声を上げた。
「命の砦(とりで)、団結の砦、八尾北医療センター、診療所を絶対に手放してはならない。市長がつぶそうとしても、日本共産党がつぶそうとしても、解同本部派・地区協がつぶそうとしても、労働組合と地域の団結した力で跳ね返して勝利することができる。14年の住宅闘争がそのことを証明しています。仕事を奪い、住宅・医療、教育・保育を奪う八尾市丸ごと800事業民営化に絶対に反対しましょう」
「3月11日に起きた東日本大震災と福島第一原発事故を見てください。安全を無視した民営化と地方の切り捨てによって、公務員をどんどん減らして、非正規職化してきた結果、被害はここまで大きくなってしまいました。3万人が亡くなり、労働者は仕事を奪われ、農民が精魂込めて作った農作物は汚染され、漁民も豊かな海を奪われています。生きるためには団結して資本家と菅政権に責任を取らせなければならない」
「団結した私たちには原発を止めさせ、社会を変える力があると確信しています。団結の力で戦争と『非正規化・首切り自由』の社会を変えましょう! 八尾北から日本を変えよう! 今度の選挙はその出発点です。1週間とことん闘って、団結した私たちの底力を示しましょう!」
末光候補の訴えに、集まった支持者の大きな拍手と声援が応えた。
末光候補は17日以降、連日の街頭演説やスポット演説、練り歩きなどを展開している。「利権のための運動はもういらない! 末光の勝利でムラを変えよう」「被災地・福島の怒りは私たちの怒りだ! 原発をなくせ!」という訴えが、地域の労働者・住民の怒りとひとつになって広がっている。
21日は1日で30カ所のスポット演説を行い、くまなく全市を制圧。郵便局前で全逓労働者や利用者へ、清掃工場前で清掃労働者へと熱い訴えが響き渡り、大きな反響が寄せられた。
今回の八尾市議選は、定数4減の28議席に33人が立候補した激戦である。そのただ中に「すべての原発を今すぐ止めよう!」「民営化絶対反対!」を掲げた唯一の候補として末光候補が立ち、労働者・住民の団結力を示す力強い選挙戦を闘いぬいている。
(写真 八尾北医療センター労組の組合員の団結太鼓が打ち鳴らされる中で末光道正市議が登場し、駆けつけた労働者・住民に必勝を誓った【4月17日】)
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週刊『前進』(2485号2面2)(2011/04/25 )
杉並 4人の仲間を奪還
デッチあげ弾圧うち砕く
4月15日、4月6日に杉並区内で「軽犯罪法違反」デッチあげで逮捕され不当勾留されていた東京西部ユニオンを始め東京各地の闘う合同労組役員4人を奪還した。高井戸署は、都政を革新する4人の仲間を奪還 会や北島邦彦事務所、東京西部ユニオンの組合事務所などへの家宅捜索で違法押収した物品も全部返還してきた。
反原発を闘う北島邦彦杉並区議の選挙運動つぶしを狙った大弾圧を完全に打ち破った大勝利である。そしてまた3月31日の東電抗議デモに際して不当逮捕された織田陽介全学連委員長、坂野陽平同委員長代行、斎藤郁真法大文化連盟委員長の3人を翌日に奪還したのに続く勝利である。
4人は4月6日に「軽犯罪法違反」でデッチあげ逮捕されて以降、完全黙秘・非転向を貫いて、不当な弾圧と闘いぬいた。
弁護団は連日、警察・検察・裁判所との大攻防を繰り広げた。北島区議と都政を革新する会、東京西部ユニオン、弁護団は8日に記者会見を開き、デッチあげ弾圧の不当性を暴いた。そして東京西部ユニオンを始め都内のユニオンの組合員は、仲間を警察権力から取り戻すために、勾留理由開示裁判やビラまきに全力で立ち上がった。こうした団結した力が4人の奪還をかちとったのである。
4人は杉並区議選の必勝をかけて、ただちに闘いの渦中に躍り込んだ。労働者人民の原発への怒りは、激流のように渦巻いている。警察権力の不当弾圧を打ち破り、反原発・反失業の大運動を広大に巻き起こそう。
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週刊『前進』(2485号2面3)(2011/04/25 )
原発停止も謝罪も拒否
核にしがみつく菅と経団連
福島第一原発が史上最悪の炉心溶融事故に発展し、東京電力と政府への怒りが爆発的に広がっている。これに対し、日本帝国主義の支配階級は国策の根幹たる核=原子力政策の護持に必死になっている。
日本経団連の米倉弘昌会長は「東電の技術力の高さ、モラルの高さは世界最高」(4月11日)、「現在九つの原発計画があるが廃止も故意の延期もありえない」(6日)と東電を全面的に擁護、住民への巨額の損害賠償についても「免責」を強く主張し、「国が全面的に支援(税金を投入)するのは当然だ」と言い放った(7日、11日)。
東芝の佐々木則夫社長は15日、「原発は経営の柱だ。(事故によっても)原発の必要性は変わらない」と明言、今後も原発プラント海外輸出を含めた原発事業を全面推進する方針を公言した。
日本の原発政策を発足させた中曽根康弘元首相は「(福島原発事故で)原子力政策を後退させてはならない」と危機意識をむき出しに語り(4・10付読売)、日本原子力発電出身の与謝野馨・経済財政相も、自民党時代からの自らの原発推進政策について「今回の事故に謝罪するつもりはない」と開き直った。
菅首相は4月12日、地震域の真上に建ち住民を恐怖にさらしている静岡県の中部電力浜岡原発の緊急停止について「今、動いている炉を止めることは考えていない」と明言し、日本の原発政策の転換や後退はあり得ないとの立場を強調した。
(写真 東芝や日立、三菱重工を筆頭とする日本企業グループによる台湾「第4原発」建設に反対するデモ。「フクシマ」を受けて5千人の労働者、市民が参加した【3月20日 台北市】)
政財界が一体で核武装政策推進
福島第一原発事故で、日本の「世界一の原子力安全技術」なるものの正体が暴露された。「事故処理」や廃炉の「技術的準備」すら皆無という恐るべき実態だ。資本主義(帝国主義)日本の延命にとって原発推進政策は絶対であり、住民の命や生活など度外視する以外にない。何千人の原発労働者が被曝(ひばく)しようが、何十万人の住民が終わりのない避難生活を強いられようが、「強制避難地域」に残る無数の未収容遺体捜索が不可能になろうが、日帝支配階級は原発政策を後退させることなど考えない。
「安全」という概念は帝国主義の原子力政策と無関係なのだ。菅政権が原発プラントの輸出を「新成長戦略」の柱に据えていることも、これを象徴する問題である。
例えば東芝は原子力事業を事業戦略の根幹にし「15年度までに世界での受注を39基、10年3月期に約5700億円だった原発事業の売上高を1兆円に引き上げる」という目標を掲げていた。15日には佐々木社長が「当社が狙っている案件で中止になる話は来ていない」と述べた。東芝はカザフスタンでウラン鉱開発の権益も取得しており、世界中に放射能の恐怖をばらまいて延命する大資本の姿を象徴している。
また今回の事故で政府が東電の「国有化」に言及し、東電の社長・会長が自社株暴落の中で慌ててそれを否定する醜態をさらした。東電という「一民間企業」を政府諸機関が湯水のように税金を使って、総がかりで支える原子力政策の実態が浮き彫りになった。
11年度の原子力関連予算額は4556億円にも上るが、そのうち2500億円以上をのみ込む文科省傘下の日本原子力研究開発機構(職員数4千人)を運営する理事たちの中心は、東電を始め電力資本の経営陣から派遣された連中である。
原子力・安全保安院を統括する資源エネルギー庁(経産省の外局)の歴代長官が東電に「顧問」として天下りすることも常態化している。同保安院が規制当局でありながら原発を推進する経産省管轄下にあることが問題にされているが、傘下もへったくれもなく完全に一体なのだ。
そもそも国の原子力政策の大綱を定め、原子力予算の配分権限まで握る内閣府の原子力委員会の5人の構成メンバーの中心に座っているのは東電顧問・尾本彰だ。
東電を核とする原子力政策の体系と全機構が、日帝を帝国主義たらしめる核武装化政策にもかかわる国策機関なのだ。
賠償金も増税で労働者から収奪
原子力が「経済的にも効率的なエネルギー源である」というお決まりの宣伝も大うそである。
25年前のチェルノブイリ原発事故の処理は、現在も毎年100億円を超える経費を注ぎ込む以外になく、さらに完全収束まで「向こう100年はかかる」。福島第一原発の4基の原子炉は廃炉となることが決まったが、初期の廃炉作業だけで確実に1基あたり最低1000億円かかる。
「数兆円になる」という損害賠償額は誰が負担するのか? 政府も東電も最初から労働者に大増税を課すことしか考えていない。原発ビジネスで大もうけしているのは一握りの資本家と政治家、官僚どもだけであって、それは膨大な労働者人民から「総括原価方式の電気料金」(結局は賠償額も原価に入れる!)で収奪することで初めて成り立っている。
核=原発と労働者人民は共存できない――これが問題の核心だ。帝国主義が帝国主義であるかぎり、支配階級は労働者人民を地獄にたたき込んでも原発政策を推進する。反原発の闘いは、帝国主義を打倒する以外に決着しようのない闘いだ。世界の労働者学生人民の反原発の怒りと結合し「全原発を即時停止せよ! 原発を全廃せよ!」を掲げて断固闘いぬこう!
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週刊『前進』(2485号2面4)(2011/04/25 )
JR西・後藤車両所での労災死亡事故弾劾する
一切の責任はJR資本にある
4月7日、JR西日本・米子支社の後藤総合車両所(後藤工場)で労災死亡事故が発生した。外注化が進む車両検査・修理工場で、ついに死亡事故が起こったのだ。「会社を絶対に許さない!」という怒りが職場にあふれている。
事故は、台車検修場という大型クレーン(天井クレーン)を使う建屋の中で発生した。天井クレーンは労働者が地上から遠隔操作するようになっているが、その可動範囲の内側で、JR西日本の下請け会社・後藤工業の労働者が「台車部品塗装装置」という別の機械の点検作業をしている中で、この事故は起きた。JR西日本は、2種類の作業を同時並行でやらせながら、それに伴う危険を回避する措置(クレーンの一時使用禁止、事故予防に不可欠の作業責任者の配置など)を何ひとつとっていなかった。その結果、塗装装置の上に登って作業していた後藤工業の労働者が、移動してきた天井クレーンと塗装装置とのわずかなすき間にはさまれて死亡したのだ。
JR西日本のこうした安全無視は、労働基準法にも労働安全衛生法にもクレーン等安全規則にも違反する、まさに企業犯罪だ。作業の安全を確保する責任を始めから放棄して、危険な作業を下請けと現場労働者に押しつけていたJR西日本資本にこそ、この事故の一切の責任がある。
後藤総合車両所では、構内業務の約6割を後藤工業が請け負っている。後藤工業は後藤総合車両所の業務を下請けするためにのみつくられたアウトソーシング会社であり、社長はJRの元工場長が天下っている。
「稼ぐ」を社是としてきたJR西日本は、外注化−偽装請負を強行することによって徹底的に安全を無視し破壊してきた。これこそが今回の事故の根本原因にほかならない。この事故は、鉄道の安全−職場の安全がとことん切り捨てられてきた結果、起こるべくして起きたのだ。
05年4月の尼崎事故は、収益と株主配当を一切に優先し、安全対策をないがしろにしたJR西日本の経営施策が引き起こしたものだ。また06年1月の伯備線死傷事故は、JR西日本が線路閉鎖や両側見張りという保線作業の基本をないがしろにした結果、起きたものだった。今回の事故は、JR体制の全領域にわたり、安全の崩壊が音を立てて進んでいる恐るべき現実を示して余りある。
JR西日本はこの間、豪雪や地震などの自然災害に対してもまったく対応不能に陥り、その対策を下請会社に任せてきた。そうしたJR資本の幹部と、その手先である御用組合・JR連合の幹部たちによって、職場の団結と安全はとことん破壊された。それにより事故が多発し、労働者が次々に殺され、あるいは事故の責任を押し付けられて人生を奪われてきたのだ。
反合・運転保安闘争を闘おう
東日本大震災においても、資本は「災害」「不可抗力」を口実に労働者の首を切り、一切の矛盾を労働者に転嫁して延命を図っている。福島原発事故で大量の放射能をまき散らす東電を始めとした電力資本−資本家と菅政権は、日々、労働者の生活を破壊し、その命すら奪っている。まさにこれは企業犯罪だ。絶対に許せない!
労働者人民は今こそ立ち上がろう。正規職と非正規職、本工と下請けの分断を打ち破って、ともに手を握り、団結して闘おう。闘わなければ、本当に労働者は殺されてしまうのだ。
動労千葉は「闘いなくして安全なし」のスローガンのもとに階級的に団結し、反合・運転保安闘争路線を貫いてJR東日本の外注化攻撃をストライキを始めとした実力闘争で阻止し抜いている。この闘いこそ、闘う労働運動の前進を切り開いている。今、動労千葉には青年労働者が次々と結集し、青年部結成に向かって大きく飛躍しようとしている。動労千葉のこの闘いに続こう。国鉄労働者は「国鉄分割・民営化反対、1047名解雇撤回」を24年にわたって貫き、国鉄闘争全国運動の最先頭で奮闘している。闘えば勝てる!
会社・当局・資本の奴隷=御用組合幹部を組合からたたき出して、労働組合を現場労働者の手に取り戻そう! 青年を先頭に、闘う労働運動をよみがえらせよう! 尼崎事故弾劾の4・23現地闘争を受け継ぎ、苦闘する被災地の労働者人民と団結して、5・1反原発・反失業メーデーを全国で闘い取ろう!
(中四国・OS)
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週刊『前進』(2485号2面5)(2011/04/25 )
日程 鉄道運輸機構訴訟控訴審
鉄道運輸機構訴訟 控訴審
再開第3回口頭弁論 4月26日(火)午後1時半
東京高裁101号法廷 ※午後1時から傍聴券交付
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週刊『前進』(2485号3面1)(2011/04/25 )
震災口実に解雇するな
雇い止め、内定取り消し、賃下げに階級的大反撃を
東日本大震災や「計画停電」を口実とする解雇、雇い止め、内定取り消し、さらに賃下げなどの攻撃が全国で急増している。絶対に許せない。大震災は階級的災害だ。「計画停電」も日帝があくまで原発を推進するための攻撃だ。国鉄闘争全国運動を軸に、大震災解雇に反対する闘い、原発廃止の闘いを全国あらゆる所から巻き起こそう。連合本部や全労連本部のメーデー放棄を断じて許すな。全国各地の5・1反原発・反失業メーデーに大結集しよう。
(写真 東日本大震災現地救援対策本部が仙台市繁華街で「原発即時停止!震災解雇許すな」を訴える街頭宣伝。署名が続々と寄せられた【4月17日】) 東北4県で雇用相談3万件
被災地で解雇などの激しい攻撃が始まっている。仙台に本社がある東北の地方紙・河北(かほく)新報の報道では、東北の各労働局への雇用に関する相談は3月28日現在、青森、岩手、宮城、福島の4県で計2万9531件。その多くは賃金や休業手当、解雇などについてのものだ。
福島第一原発から40`の距離にある福島県いわき市の現状を紹介する。いわき市の地震、津波による死者は沿岸部を中心に約280人にもなる。「ハローワーク平」には失業給付を受給するため、雇用保険の適用を相談する労働者が連日100人以上も訪れる。ハローワークの所長は、失職者は「最大3万人に上る」と語っている。東京に本社がある機械部品メーカーは地震後、市内の工場にあった生産拠点を海外に移転し、派遣社員約20人を解雇した。
観光業も深刻だ。「いわき湯本温泉郷」では5月までの予約は、ほぼキャンセルとなった。ある温泉施設では約700人の契約社員を3月末で雇い止めした。
新卒者への内定取り消し、入社延期も増大している。内定取り消しされた学生・生徒数は、厚生労働省の発表でも4月13日現在で岩手・宮城・福島の東北3県で計95人(176人との報道もある)。入社延期とされた学生・生徒数は東北3県で495人(670人との報道もある)。
これらは厚労省発表の数字で、実際は数倍になるのは間違いない。
だが、労働者の反撃が始まった。宮城県岩沼市の運送会社「永大商事」は3月31日、運転手や事務員など約40人の労働者全員に対し「震災による業績悪化」を口実に廃業と4月末での解雇を通告した。しかし同社に震災の被害はほとんどなく、経営が悪化した様子も見あたらない。「震災を口実にした不当解雇だ」と、男性労働者9人が18日、会社に地位確認と賃金支払いを求めて仙台地裁に提訴した。
東京電力でも数千人を削減
全国でも大震災を口実とした解雇・雇い止めが続出している。2008年のリーマンショックを上回るペースの急増ぶりであり、百万人以上の労働者を失業に追いやる攻撃が始まりつつある。
東京ガスの子会社では契約社員と派遣社員計344人を雇い止めした。東京ガスは、東京電力が進めていた住宅の「オール電化」に対抗するため、この子会社に業務委託し、ガスの長所を説明するなどのPR活動をしていた。だが震災後「必要がなくなった」と子会社に契約の解除を通知したのだ。雇い止めを通告された女性労働者は記者会見し「地震を理由にするのはおかしい。仕事がなくなるのは困る」と撤回を求めて闘っている。
群馬県内の自動車部品工場では今月4日、派遣社員150人が「月末で契約更新を打ち切る」と通告された。この工場も、理由は「大震災による納入量の減少」だ。しかし、40代の男性労働者は「仕事はある。将来的な減産を見越した派遣切りだ」と語る。各地のコールセンターでも一斉に派遣切りが始まっている。東京や仙台のコールセンターでは「震災による営業自粛」で、数百人の契約が打ち切られた。
東京電力でも大攻撃が始まった。数千人規模の人員削減と賃下げを軸とするリストラ策の実施で労働組合と調整に入った。3万7千人弱の社員を数千人削減する方針だ。賃金も年間1割程度カットする。人員削減と賃下げで人件費を年間数百億円減らす大攻撃だ。
解雇推進する菅政権打倒を
菅政権こそ大震災や「計画停電」を口実とした解雇・雇い止め・賃下げを推し進めている張本人だ。
厚生労働省は3月15日、各都道府県労働局あてに「計画停電による休業の場合、休業手当を出さなくてよい」と通達を発した。さらに同月18日には「今回の大地震は不可抗力であり、休業は使用者の責任ではない。休業中の賃金、手当等を支払わなくてもよい」との見解を表明した。
では労働者はどう生きればいいというのだ。賃金不払いなど断じてあってはならない。さらにこれは被災地を始め全国で始まっている首切り、雇い止め、賃下げをますますやってよいという攻撃だ。何があろうと許せない。怒りを大爆発させ粉砕しよう。
大震災・原発事故は、世界大恐慌の深まりで断崖(だんがい)絶壁に追い詰められていた日帝を直撃した。日帝は労働者階級に対する支配の能力を失い、帝国主義大国からも没落しつつある。管政権が掲げる「復興」など、労働者が望むものとは正反対のものだ。これは労働者から生きるための仕事やぎりぎりの賃金まで奪い、資本家が生き残ろうとする攻撃だ。
大震災・福島第一原発事故の責任はいったい誰にあるのか。新自由主義のもとで地方を切り捨て、災害対策も不可能なほどに地方の財政を破壊してきたものこそ歴代の自民党・民主党政府であり、資本家階級だ。
核武装と帝国主義間争闘戦に勝つために、地元の住民や労働組合、良心的研究者・学者の絶対反対の声を圧殺して原発政策を推進し、人類史的事件ともいうべき福島第一原発事故を引き起こしたのも同じ連中だ。
歴代政府と国家権力、そして東京電力を始めとした資本家階級、御用学者連中こそすべての責任をとるべきだ。だが責任を居直り、労働者階級に対する一層あくどい攻撃と原発政策をどこまでも推進しようとしているのが菅民主党政権や資本家階級だ。こうしたやからを打倒し、労働者階級が社会と生産の主人公となることが本当に求められている。
すべての労働者・農民・漁民の皆さん、生きるために団結し、反失業の大闘争に踏み出そう。全国各地で開催される5・1反原発・反失業メーデーに多くの仲間を誘って集まろう。
国鉄全国運動6・5大集会の大成功を実現し、菅政権とそれを支える連合本部の腐敗しきった労働貴族どもを打倒しよう。
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週刊『前進』(2485号3面2)(2011/04/25 )
米山さん裁判 「君が代解雇」容認
不当判決を弾劾する
4月18日、東京地裁で、東京の教育労働者・米山良江さんの2008年3月の「君が代解雇」裁判の一審判決が出された。戒告処分の取り消しも非常勤教員の地位確認も損害賠償も、いずれの請求も棄却するという不当判決だ。判決文はわずか36n、裁判所の判断が書かれた部分はたった16n、都教委の主張をほぼ丸のみした薄っぺらな判決文だ。
ただ一点、「非常勤教員制度は定年後の雇用・生活保障のための制度ではない」などという都教委の主張は、さすがに退けた。この制度が「定年退職等に際しての生活保障の受け皿として、従前までの再雇用制度の代替的な役割を有していたものと認められる」「原告が、非常勤教員として採用されることについて有していた期待は合理性を有し、一定の法的保護に値する」と認めざるを得なかったのだ。
判決は、教育委員会は学校の教育内容・方法に介入する「権限」があると主張して、「03年10・23都教委通達も校長の職務命令も違憲・違法ではない」と正当化し、起立・斉唱を「通常想定され、かつ期待されている」行為と決めつけている。そして「(式の参加者の)面前での公然とした職務命令違反を放置すれば、公務員関係の秩序維持に少なくない影響を及ぼすおそれがある」「新年度の入学式や翌年の卒業式においても更に繰り返される可能性も高い」「(処分や合格が取り消される)可能性を認識しつつ、敢えて実行したと認められる」と判断の理由を述べている。
誇りを持って堂々と職務命令を拒否し、職責を果たそうとする労働者への恐怖、絶対反対を貫いて闘っている者への敵意、分断攻撃を許さず団結して闘う労働者への焦りが見え見えだ。
米山良江さんの闘いは、「君が代」不起立による累積過重処分によって停職6カ月の処分を受けていた根津公子さんが08年3月の卒業式で「次は解雇されるか」という情勢のもとで、これを絶対反対を貫く労働者の団結で打ち破ろうと貫徹した闘いだ。都教委の理不尽さを暴き、分断攻撃を許さず、「黙殺」に甘んじる従来のあり方を突破して闘ったものだ。この闘いを先頭にした全国の労働者の闘いで根津さんへの解雇攻撃は打ち破られた。そして今春の卒・入学式でも処分を辞さない教育労働者の不起立が続き、団結が拡大している。
3月11日の東日本大地震をもって情勢は一変した。誰もが政府、東電幹部、御用学者たちの無責任さに怒り心頭だ。「健康に影響がない」と言い続ける菅政権・東電幹部と、「儀礼的な所作にすぎない」と言い逃れる都教委はうり二つだ。反原発闘争でも不起立闘争でも、裁判所が行政の犯罪にお墨付きを与える役割を果たしている点もまったく同じだ。その虚構のすべてが崩壊する情勢に、今私たちは生きている。
安全神話は崩壊した。同時に、業務の外注化に賛成し、下請け、孫請けの労働者たちの被曝(ひばく)と被曝死を闇に葬り去る役割を果たしてきた労働組合幹部の犯罪性も明らかになった。
原発絶対反対、「日の丸・君が代」強制絶対反対の闘いは、新自由主義を打ち破り、労働組合をよみがえらせる闘いだ。被災地で奮闘する仲間と心を一つにして、反原発・反失業の闘いを巻き起こし、6・5国鉄闘争全国運動大集会への大結集をかちとろう。
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▲08年3月、不起立による累積加重処分で根津公子さんの解雇が狙われる中、米山良江さんは「私もずっと不起立しているが処分されていないのに、根津さんを解雇するのか。そんな分断攻撃は許せない」と都教委に鋭く迫った。この年の不起立を理由に米山さんは戒告処分を受け、定年退職後の非常勤教員の職を失った。写真は08年3月、要請書を提出して都教委を追及する米山さん。
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週刊『前進』(2485号3面3)(2011/04/25 )
三里塚耕作権裁判 「偽造文書」を追及
NAAは交渉記録を出せ
4月18日、千葉地裁で市東孝雄さんの耕作権裁判の弁論が開かれ、三里塚芝山連合空港反対同盟、顧問弁護団、支援の労働者・学生・市民が法廷を埋め、農地強奪攻撃への怒りをひとつにして闘った。
成田空港会社(NAA)は市東さんが耕してきた畑について、「賃貸借契約期限切れ」で明け渡しを迫る一方、この裁判では畑の一部を「不法耕作だ」として訴えている。盗人猛々しいとはまさにNAAのためにある言葉だ!
ところがこの裁判でも焦点の土地「南台41―9」を賃借地であるとするNAAの致命的な誤りによって、「不法耕作地」と決めつけた場所(農道の南)が市東家が昔から耕してきた賃借地であることが一層明らかになっている。
そして今回弁護団は、1月15日に旧地主の藤崎政吉を訪ねて聞き取り調査した録音とその反訳(テープ起こし)を証拠提出した。
それによれば、NAAが藤崎が書いたものとして持ち出してきた境界確認書、同意書について藤崎は、「自分は書いてない」と明確に否定した。するとこれらの書面を誰がどういう経緯で作成したのかについて、NAAは当然にも立証しなければならない。だがNAAは、藤崎を証人として呼ぼうとせず、土地買収の交渉記録を隠し続けたまま、「担当者は死んだので詳細不明」と白を切り、この期に及んで沈黙と情報隠しで乗り切ろうとしている。NAAは交渉記録を一切合切出せ!
ところが白石史子裁判長は、だんまりを決め込むNAAの態度をかばい、被告である市東さんと弁護団側の方ばかり向いて「主張をまとめるように」などと促すのだ。
傍聴席から「NAAに明らかにさせろ!」「裁判長は空港の手先か!」と怒りの声が飛ぶと、白石裁判長はむきになって「騒ぐと退廷を命じる」などと精一杯すごんでみせた。だが、弁護団から「裁判長の偏った訴訟指揮こそが問題だ」と厳しく指摘されると反論もできない。次回期日は6月27日(月)。裁判長の抑制を打ち破り、NAAに洗いざらい白状させなくてはならない。
裁判所近くの会場で報告会が開かれた。
最初に市東さんが立って「NAAの弁護士の態度の悪さはいつも通りだが、きょうは最初から裁判長がわれわれの方ばかりにらみつけているのが目立ちました。これからもみなさんの力を借りて闘っていきます」とあいさつした。
続いて弁護団が解説し、「境界確認書、同意書について藤崎が自分はあずかり知らぬと言うのだから、これらは名義人の承諾のない文書、偽造文書ということになる。裁判長はそのことでNAAに釈明を求めて当然だが、それをしないのは明らかに不公正な訴訟指揮だ」と強く批判した。
北原鉱治事務局長があいさつを述べ、近所に住んでいる成田空港内で働く男性労働者が、福島第一原発の20`圏内にある自分の実家に事故後急きょ向かったが、途中で警察などに阻止され故郷を奪われたという話を紹介し、憤りを込めて原発事故を弾劾した。
さらに市東さんの農地取り上げに反対する会、動労千葉、関実が発言した。動労千葉の滝口誠さんは、被災地への訪問を報告し、「土壇場から自治体、教育、医療などの労働者が奮闘している。ここから日本を変えよう」と訴えた。
最後に司会の鈴木謙太郎さんが、「明日も団結街道裁判でがんばりましょう」と締めくくった。
(写真 市東孝雄さんがNAAと裁判所に対する闘志をあらわにあいさつ【4月18日 千葉市】)
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週刊『前進』(2485号3面4)(2011/04/25 )
団結街道裁判 廃道処分を撤回せよ
“われわれが造った道”
4月19日、千葉地裁で廃道処分の取り消しを求める団結街道裁判弁論が開かれ、三里塚反対同盟を先頭に労働者、学生、市民が結集して闘った。
葉山岳夫弁護士を先頭に顧問弁護団が次々と立って準備書面を陳述し、「反対同盟には原告適格がない」などとうそぶくNAAと成田市を徹底弾劾した。
団結街道は天神峰で生活し営農する市東孝雄さんにとって、家と畑との間を直線で結び、一日のうち何度も往復して農作業、出荷などを行うために必要不可欠な生活道路である。市は「迂回路を用意した」などと称しているが、それはいったん逆方向へ進みヘアピンカーブを曲がるという非常に遠回りできわめて危険な道だ。団結街道の「廃道」はまったく違法な処分である。最近の行政事件の判例を見ても原告適格は広く認められる方向にあり、市東さんと反対同盟に「原告適格がない」との決めつけは時代への逆行だ。
団結街道は江戸時代から存在している入会権がある道路であり、成田市が勝手に処分しNAAに引き渡すことなど認められない。そして道沿いには現闘本部の建物が建っており、不当にも成田治安法で封鎖されているが、その存在が反対同盟の団結を固めている。廃道処分を撤回し第3誘導路の建設をやめよ!
気迫に満ちた弁護団の訴えは、法廷を圧した。
またこの道路の土地が捨て値でNAAに払い下げられた点についても、市とNAAの癒着を今後とことん追及する姿勢を明らかにした。次回弁論は7月12日(火)。
弁護士会館で報告集会が開かれた。
北原鉱治事務局長が天神峰の鉄板に囲われた現状を「捕虜収容所よりもひどい」と弾劾し、「日本の将来のため、市東さんの土地を奪われてはならない」と語気を強めた。
弁護団の報告と決意表明を受けた後、萩原進事務局次長がまとめを行った。「あの道はだれが維持・管理してきたのか。道普請、道幅の拡大など住民自身が行ってきた。まさにわれわれが造った道だ。市が勝手に廃道を決める資格はない。原発事故で空港関連の事業や店は需要がガタ減りになり、正社員は仕事が半日で終わり、アルバイトは全員首切りという状況だ。これで何が年間発着30万回化だ! 原子炉廃炉と同様、第3誘導路などやめろということだ。5・20現闘本部裁判控訴審の反動判決を粉砕するため、全力で東京高裁に結集してほしい」
この満身の訴えに参加者一同は大きな拍手で応えた。
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日程 5・20現闘本部裁判控訴審闘争
5・20現闘本部裁判控訴審反動判決強行粉砕闘争
5月20日(金)東京高裁 霞が関デモ
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週刊『前進』(2485号3面5)(2011/04/25 )
日程 安保・沖縄・憲法集会
4・29 原発なくせ!被災地支援!
安保・沖縄・憲法集会
記念講演 斎藤文男さん(九州大学名誉教授)「日米同盟・大震災の戦時体制」 発言 沖縄、宮城・福島から 原発廃止署名の訴え ほか
4月29日(金)正午開場 午後1時開始 ※集会終了後、デモ行進
東京・台東区民会館ホール(台東区花川戸2-6-5 東武線・東京メトロ・都営線「浅草駅」から徒歩5〜8分)
主催=とめよう戦争への道!百万人署名運動
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週刊『前進』(2485号4面1)(2011/04/25 )
浜岡原発即時停止を
愛知労組交流センターなど 中部電力に抗議行動
愛知労働組合交流センターと東海合同労組が呼びかけた「労働者の力で被災地を支援しよう! すべての原発を撤廃せよ! 震災解雇を許すな! 浜岡原発を即時停止し廃炉にせよ!」中部電力本社抗議行動とデモンストレーションが4月15、16日、連続して闘われました。
15日、愛知労組交流センター、東海合同労組、とめよう戦争への道!百万人署名運動岐阜連絡会、静岡労組交流センター、スタンダード・ヴァキューム石油自主労働組合の5団体が中部電力本店に抗議申入書を手渡しました。一部を紹介します。
「人類史上最もダーティーなエネルギーを『安全でクリーンなエネルギー』と偽り、各地で巻き起こる原発反対運動を無視して政府と電力会社が進めてきた原発政策の当然の帰結が、福島第一原発の炉心溶融(メルトダウン)と大量の放射能を放出した大事故である。我々は、政府と電力会社が今なお原発政策を転換することなく、なかでも中部電力が『砂丘の高さが10b以上あるため“安全性を確保している”と強調』(4月9日付中日新聞)して浜岡原発を護持しようとしていることに、怒りをもって抗議する」(愛知労組交流センター)
「原発こそ、労働者を使い捨て、殺し、社会と自然まで破壊する資本主義の象徴だ。労働者が生きるためには核と原発は廃絶する以外ない。浜岡原発は、今回の東日本大震災と同等の規模の地震が起こるといわれる『東海地震』の想定震源域の真っただ中に位置しており、『日本一危険な原発』だ。浜岡原発の運転を停止し、すべて廃炉にせよ」(東海合同労組)
「日本政府・電力会社、原子力発電推進の学者たちは、原子力を『安全でクリ―ンなエネルギーです』と言い続けてきました。しかし、今回の東京電力福島原子力発電所の爆発で、そのウソとペテンは全世界の前に明らかになりました。この事態を受け、中部電力は今こそすべての原発を停止すべきです。以上がすべての静岡県民の声であり、この声に中部電力が直ちに応えることを要求します」(静岡労組交流センター)
「中部電力は2011年2月の『経営ビジョン2030』で『原子力発電を推進し、その発電電力量比率を50―60%程度まで高めます』としている。被曝(ひばく)労働なくして成り立たない原発は絶対に認めるわけにはいかない」(ス労自主・中京分会連)
16日は名古屋市の中心街、栄で共同街頭署名運動。三重労組交流センターも加わり、リレートークを行いました。「原発はプルトニウム製造装置であり、核兵器と原発は一体だ」「被曝労働と非正規労働者の切り捨てによってしか動かせない浜岡原発を停止し廃炉にせよ!」「JR総連、電力総連、電機連合は、中曽根とともに国鉄分割・民営化や労働者派遣法、原発・核開発を推進し、侵略に手を染めてきた産業報国会だ。被災地を先頭に今こそ本物の労働者の団結をよみがえらせ、社会を根本からつくり変えよう!」との声が響き渡るなか、署名運動をともに行う女性、最後のデモまで参加した男性が現れました。
「『安全』は大うそ! 原発を全部とめろ!」「労働者の力で被災地救援! 震災解雇を許すな!」ののぼりとともに、「JR尼崎事故弾劾! 1047名解雇撤回!」「国鉄運動の力で労働運動を甦らせよう!」ののぼりを持ち、被災地救援の労働組合組織化、国鉄全国運動の勝利に向かって気合いの入った集会とデモ行進をやりぬきました。
(投稿/東海・T)
(写真上 浜岡原発とめろ! 中部電力本店に向かってデモ行進【4月16日 名古屋・広小路通】)
(写真下 5団体が浜岡原発の即時停止を求め中部電力本店に抗議の申し入れ【4月15日 名古屋】)
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週刊『前進』(2485号4面2)(2011/04/25 )
自衛隊の兵士諸君に訴える
兵士と労働者の団結で全原発停止・日帝打倒へ
革共同反軍闘争組織委員会
帝国主義のもとで被災地復興はない
東日本大震災と福島第一原発事故は国家と資本による史上空前の大犯罪だ。福島原発事故はチェルノブイリ原発事故を超える史上最悪の事故となりつつある。東京電力が17日に発表した「原発事故の収束に向けた工程表」を信じる人間は皆無だ。
被災地住民は異口同音に怒りを表している。「これまでの国や東電の対応を見る限り、『冷温停止』が『6〜9カ月後』なんてまったく信用できない」(南相馬市自営業者)。「チェルノブイリの原発事故と同じレベルの事故がそんなにすぐに収束するとは思えない」(双葉町漁民)。「廃炉は当たり前」「原発は必要ない」(福島県あずま総合体育館避難住民)
ロシア政府は2000年のチェルノブイリ原発事故14周年追悼式典で、同原発事故処理に従事した作業員86万人のうち5万5千人が死亡し、生存者の約75%が発病したと発表した。チェルノブイリ級「レベル7」の福島第一原発の事故処理で膨大な被曝労働者・兵士が出るということだ。
二度とフクシマを繰り返してはならない。全原発を直ちに停止し、廃炉にしろ! これは全労働者、農漁民、兵士、被災地住民の切実な要求だ。
東芝の佐々木則夫社長は14日、「長期的には原発の必要性は変わらない」とし、原発輸出戦略を強調した。日帝が原発事故を引き起こし、仏帝が「廃炉ビジネス」を働きかける。原発事故をもビジネスにして金をもうけるのが資本主義だ。
菅政権の東日本大震災復興構想会議(議長・五百旗頭真防衛大学校長)は14日、治安政策と震災復興税を打ち出した。資本のための震災復興だ。
人類の選択肢は原発の全廃である。全廃は資本主義の原理と社会存立のあり方・前提の根底的否定と破棄=打倒を意味する。プロレタリア革命以外の方法で原発を全廃することはできない。
(写真 米海兵隊の上陸用舟艇に積んだ陸自の車両と自衛官が揚陸艦トーテュガの船尾に【3月】)
実戦発動想定した日米共同軍事作戦
4月6日の時点で自衛隊は10万6400人(うち即応予備自衛官173人)、航空機498機、艦艇50隻が出動。米軍は地上部隊1100人、支援部隊6500人、航空機140機、艦艇19隻を共同軍事作戦で展開している。
米帝オバマは福島原発事故を「9・11に匹敵する事態」と位置づけ、米軍横田基地に300人規模の「統合支援部隊」(JSF)を新設した。日本での設置は初だ。JSFは米太平洋軍の前線司令部で、米4軍を一元的に指揮・運用する。
「日本有事体制」が実効的・実戦的に発動された。日米共同調整所(仙台)の自衛隊幹部は「侵攻してくる敵か、災害かの違いはあるが、態勢は『有事』とまったく同じである」と言っている。
これらについて日帝権力は「訓練ではない。安保ガイドラインに準じた実践だ」(4・17日経)と総括、「非常事態規定がない現憲法の欠陥が露呈」などと改憲攻撃のてこにしようとしている。
また4月3日、米軍の放射能専門特殊部隊(CBIRF、シーバーフ)155人が横田基地に集結、キャンプ座間、横田を拠点に日米共同作戦を展開した。これは米軍が96年4月に編成した核・化学・生物兵器戦争への即応能力を持つ約500人の常設部隊で、9・11同時多発ゲリラを契機に創設された米北方軍(コロラド州)傘下の特殊部隊「CCMRF(シースマーフ)」に所属している。CCMRFは、1個旅団(約4700人)の4軍統合特殊部隊で、核攻撃および核・生物・化学兵器テロなどに対応する部隊だ。高濃度汚染地域からの被災者救出や汚染源の特定、汚染濃度の観測、部隊の除染などに従事するが、原発事故への対処能力はない。
被災労働者に連帯する兵士
原発事故対処で派遣されていた第1師団第1特殊武器防護隊の陸自3曹が任務拒否で戦線離脱、3月20日に警務隊によって逮捕された。被災地で原発即時停止の闘いを繰り広げる労働者に連帯し団結する兵士の反乱と決起が始まったのだ。逮捕して監獄にぶち込むべきは東電幹部と菅政権だ。「絶対に安全」とうそをつき続け、その果てに何百万人、何千万人もの命を危険にさらしているのが東電経営陣であり経産省幹部だ。
3号機の爆発で自衛官が4人負傷した。初期段階で中央特殊武器防護隊200人が原発周辺で炉の冷却活動にあたった。兵士は「安全だと言われ作業をしていたら爆発事故が起きた」「原子炉への放水は訓練していない」と怒りを表明した。
内乱鎮圧をにらみ捜索救援、原発対処
資本のために労働者・兵士は殺されてはならない。兵士は軍服を着た労働者だ。
4月1日、陸自第2師団・第2特科連隊(司令部・旭川)から派遣され、行方不明者の捜索やがれきの撤去などに当たっていた陸曹長が過労死した。発表では「死因は脳出血」だが、東電と菅政権によって殺された。
陸曹長は3月12日の派遣以降、初めての休養日に体調を崩し死亡した。兵士の食事は乾パンやレトルト食品。入浴は派遣2週間で1回。アンケートに「終わりが見えず精神的につらい」との答え。「隊員の疲れは極限に近い」(統合幕僚長)。だが「10万の人員をすべて交代させるのは不可能」(防大教授)と兵士の長期派遣化が示唆された。「通常の基地勤務や警戒監視業務はぎりぎりの状態」で基地勤務の兵士の疲労も深刻だ。
原発事故で起きている事態は核戦争と同じだ。原発対処の長期化は隊内矛盾を激化させ、隊内いじめによる虐殺や自殺も増加する。自衛隊員の自殺はイラク・アフガン侵略戦争突入で急増した。
94年から09年の間に1212人の自衛官が自殺した。イラク・サマワに派遣中の陸自隊員の自殺は65人で、自衛隊全体で100人を超えた。05年11月イラクに派遣されていた空自整備隊員3等空曹は、浜松基地に帰還後、いじめにより自殺。両親が浜松地裁に提訴し係争中だ。07年7月下旬、インド洋給油活動中の護衛艦「きりさめ」艦上で海曹長が自殺した。
自衛隊による暴行虐殺死としては、08年に25歳の海自隊員が特殊部隊養成過程で15人を相手の格闘技訓練中に死亡。「違法な集団暴行」として両親が松山地裁に提訴中である。06年、20歳の陸自隊員が近接格闘訓練中に死亡。両親が「リンチ」「体罰」として真相究明を求め、札幌地裁に提訴中だ。
99年の護衛艦「さわぎり」自殺事件は、01年に提訴して勝訴した。04年の護衛艦「たちかぜ」自殺事件は、06年に提訴され、11年にいじめが認定されたが、自殺との因果関係は不明という一審判決が出され、両親は控訴した。06年北海道レーダー基地・女性自衛官暴行事件は、07年提訴で勝訴した。これが自衛隊兵士の実態だ。予備自衛官をも動員し、10万人を超える兵士の長期派遣と原発事故対処派遣は隊内矛盾を一挙に激化させる。
労・農・兵の団結で革命へ
被災現地では、大震災と原発事故の上に雇い止め解雇の嵐が吹き荒れている。被災住民、労働者、農漁民は互いに励まし合い、連帯し、団結し、懸命に生き抜きつつ、東電と国家に原発事故の責任をとらせ、「すべての原発の即時停止を求める」(全漁連)闘いに決起している。経産省の原子力安全・保安院、東電、原発メーカー、大学の原子力研究機関、放射線医学研究機関、マスコミ、原発推進を掲げる連合などが一体となってうそを振りまき、危険な原発を推進してきた。福島第一原発事故は国家と資本の総ぐるみの大犯罪である。この腐敗しきった支配構造を根底から解体しよう!
労・農・兵は固く団結し、資本主義・帝国主義を打倒し、社会を根底からつくり変える革命にともに決起しよう!
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週刊『前進』(2485号4面3)(2011/04/25 )
被災地救援10億円カンパを
労組・自治会の拠点守り反原発・反失業の奔流を
東日本大地震から1カ月半、「被災現地はいまだ生死をかけた大闘争の真っただ中」にある(東日本大震災救援対策本部ニュース第23号)。生き抜くため、反原発・反失業の闘いの奔流をつくり出すため、10億円カンパ闘争に立ち上がることをあらためて訴える。
10億円大カンパ運動は大恐慌下における未曽有の大震災・巨大原発事故と日々必死に闘っている労働者階級とその仲間である農民、漁民、自営業者、全人民の命と生活を労働者階級が自らの団結の力で直接的に守り抜く闘いだ。被災地の労働者人民の困苦と怒りは日を追って募り、今や極限に達している。
われわれはまず救援対策本部をとおして被災地の闘う労働組合、学生自治会の拠点を守り、再生する闘いを支援し防衛しなくてはならない。そして自治体丸ごと、地域丸ごと、職場丸ごとの壊滅、崩壊、消失のなかでの「震災解雇」と闘わなくてはならない。さらに膨大な労働者人民の生命と生活を破滅の危機に立たせている全原発を停止・廃炉にするために闘わなくてはならない。
われわれは国鉄1047名解雇撤回の全国運動で、闘う労働組合をよみがえらせ、国鉄方式の全員解雇攻撃を打ち破るために闘ってきた。この真価を発揮しよう。
被災地救援大運動は、救援運動としての救援運動にとどまらない。それは、大災厄・大破局を引き起こした新自由主義を粉砕し、労働者を食わせられなくなった資本主義を打倒し、労働者階級自身の力で社会を根本的に組織し直す闘いへの具体的着手である。
菅政権と大資本は、大震災と原発事故を引き起こし、家族と仲間を奪い、家と街、職場を奪い、農地・漁場を奪い、無為無策のままに被害、被曝を拡大している。ところが彼らは自らの延命のために「震災復興」と大増税を叫びはじめた。どこまで労働者人民から搾り取ったら気が済むのか。労働者が団結を取り戻し、闘う労働組合を再生させる以外に、大震災と原発事故の元凶である国と資本、新自由主義に終止符を打つことは不可能だ。
大震災と原発事故は大恐慌を深化させ、大失業・戦争の攻撃を激化させる。新たな階級闘争の大激動は不可避だ。被災地支援と反原発・反失業の闘いを国鉄全国運動と一体の闘いとして全力で推進しよう!
革共同は大震災と原発事故の被災者・被曝(ひばく)者の怒りをわがものとして、被災地救援、全原発即時停止・廃炉の闘いの先頭に立つ。
核武装のために原発を推進してきた国・電力資本は、事態の責任を取ることなどない。核武装を阻止すること、原発なしでの電力の計画的生産と配分を実施し、被災地を始めとする全国の労働者、農民、漁民、人民大衆が必要とする生活物資の生産を最優先すること、これらを実施する労働者階級の権力を打ち立てること、そこにのみ数百万の被災地人民と6千万労働者階級の唯一の活路がある。
それは国鉄全国運動を推進し労働組合をよみがえらせる闘いを本格的全面的に推進していくことによってのみ可能となる。そして10億円カンパ運動、被災地救援の具体的運動は、この闘いと結びつくことで現実に力をもった運動となる。
3・20闘争と相模原、杉並、八尾の選挙戦は国鉄闘争全国運動と反原発・反失業の闘いのうねりを巻き起こし、「挙国一致」「政治休戦」を完全に吹き飛ばして「大恐慌・大震災を革命へ」の宣言を全世界に発した。
新自由主義による階級的団結の破壊と核・放射能による人間存在の危機の中で、被災地の労働者人民は生き抜くために団結を求め、人類的共同性を取り戻そうとしている。この被災地の労働者人民を守り、彼らと団結し、ともに闘い、生き抜き、全原発廃止・震災解雇阻止、菅政権打倒をかちとり、世界プロレタリア革命の勝利を切り開こう。その土台となる力を職場で組織する闘いとして10億円大カンパ運動に総決起しよう。
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週刊『前進』(2485号4面4)(2011/04/25 )
全世界で反原発デモ
フランスで1万人が怒りの決起
インドで反対派住民虐殺の暴挙
福島第一原発事故を契機に全世界で反原発闘争が巻き起こっている。
58基の原発で電力の8割を供給する世界第2の原発大国フランスで3月20日、ドイツとの国境の地震地帯にあるフェッセンハイム原発の閉鎖を求めて約1万人が現地に集まった。仏で本格的な反原発闘争が始まった。
インドでも4月18日、西部ラトナギリで世界最大のジャイタプール原発建設計画(原子炉6基、出力計990万`ワット)に反対して約700人の住民がデモした。警察の発砲で反対派住民1人が虐殺された。
トルコでも4月17日、159`もの人間の鎖で原発を包囲する闘いが行われた。
世界第1の原発大国、米国でも4月2日、ニューヨーク市で同市から50`の地点にあるインディアン・ポイント原発に反対する集会が開かれた。80`圏を避難区域とすると2千万人が避難対象だ。カリフォルニア州でも17日、原発反対集会が行われた。先月末、原発推進を表明したオバマ政権との激突は必至だ。
(写真 4月18日、インド西部で世界最大のジャイタプール原発建設計画に反対する住民たちが警察と対峙)
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週刊『前進』(2485号4面5)(2011/04/25 )
4月12日〜18日
原発事故、レベル7に/在沖米軍が普天間基地の意義強調
●原発事故、レベル7に 政府は福島第一原発の事故について、チェルノブイリ事故と同じレベル7に相当すると発表した。発生から13日間に放出された放射性物質の量がすでにそのレベルに達していたことが判明。(12日)
●首相「原発停止はしない」 菅首相が大震災から1カ月を受けて記者会見し、浜岡原発など稼働中の原子炉の停止は考えていないと語った。(12日)
●グアム移転費が大幅増 米太平洋軍のウィラード司令官が米上院軍事委員会公聴会で証言。在沖海兵隊のグアム移転経費が膨らみ、日米合意の見直しが必要との認識を示した。(12日)
●オバマ大統領が財政演説 オバマ米大統領が財政再建についての政策演説を行い、史上最悪水準に達しつつある米の財政赤字を2023年までに4兆j削減するという新たな方針を表明した。(13日)
●復興構想会議が初会合 東日本大震災復興構想会議の初会合が首相官邸で開かれ、五百旗頭議長が「国民全体で負担していく」必要があると、震災復興税の創設を求めた。(14日)
●BRICSが首脳会議 ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興5カ国(BRICS)首脳会議が中国海南省の三亜で開かれ、欧米主導の国際秩序の変革や、リビアへの軍事作戦反対、原子力開発推進をうたった「三亜宣言」を採択した。(14日)
●NATO外相会議、リビア空爆強化で不一致 NATO外相会議がリビアへの軍事作戦継続で合意したが、英仏が求める空爆強化に対し、英仏主導の軍事作戦の限界への懸念が加盟国の間に広がった。(14〜15日)
●米英仏首脳がリビア作戦で共同書簡発表 オバマ米大統領とキャメロン英首相、サルコジ仏大統領はリビアへの軍事介入について共同書簡を発表し、カダフィ退陣まで作戦を継続する方針を明示した。(15日)
●在沖米軍が普天間の意義強調 在沖米四軍調整官のケネス・グラック中将らが東日本大震災での在沖米軍の救援活動について報告し、普天間基地があることで迅速な対応が可能になったと強調した。(15日)
●パキスタンが和平交渉支持 パキスタンの首相と軍の最高幹部がアフガニスタンを訪問し、カルザイ大統領と会談。アフガン政府とタリバンとの和平交渉促進で合意した。(16日)
●韓国がMDシステム構築へ 韓国がミサイル防衛(MD)システムを2015年までに構築するため、米国防総省との協議を開始した。(16日)
●東電が事故収束への工程表 東京電力が福島第一原発事故の収束に向けた工程表を出し、「冷温停止」には6〜9カ月かかると発表した。避難住民の帰宅の可否はその後に判断。(17日)
●仏政府が難民流入を拒否 チュニジアから地中海対岸のイタリアに押し寄せた難民に対し、フランス政府はイタリアとの国境を一時封鎖し、難民の自国への流入を拒否した。(17日)
●米が北朝鮮に追加制裁 オバマ米大統領が北朝鮮からの輸入を全面禁止する大統領令に署名した。(18日)
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週刊『前進』(2485号5面1)(2011/04/25 )
被災地から反原発の先頭に立つ
電力資本と一体の大学解体
新自由主義を根底から覆そう
マルクス主義学生同盟中核派東北大学支部
4・22法大−東電デモ(反原発一日行動)の高揚の上に全国大学で「原発(核)−基地」と闘う大反戦闘争を爆発させよう。反原発署名運動を拡大し5月沖縄現地闘争へ攻めのぼろう。これまでの連帯に心から感謝を述べるとともに、東北大から反核・反原発の大運動を爆発させ、新自由主義大学を学生の力で根本的にひっくり返し、変革していく決意を明らかにしたい。
(写真 東北大生を先頭に市内をデモ。ビラやネットを見て飛び入りした青年もいた【4月15日 仙台市】)
支配階級よ、被災地の怒りを思い知れ
4月新歓闘争が全国で勝利的にうち抜かれている。大震災を口実とした「政治休戦」=階級闘争解体=新歓破壊策動をはね返し、多くの新入生との結合が始まっている。
被災地・仙台における東北大学の本格的な新歓決戦(キャンパス開講)は5月から始まる。われわれ闘う東北大生は多くの仲間からの温かい支援で現地で闘う旗を守り抜き、4月15日には震災1カ月を期して「原発即時廃止!」を掲げて仙台市内デモにうって出た。
大恐慌下における未曽有の大震災は、一方で労働者人民に極限的な生活破壊を強制するとともに、他方で資本主義・帝国主義支配をうち破る原始的な怒りと階級的団結を生み出している。
3・11大震災は第一に、チェルノブイリ級のレベル7という福島第一原発事故に象徴されているように、「幻想」で覆い隠されてきた資本主義のむき出しの姿を全社会に明らかにした。資本の価値増殖(金もうけ)のためなら何百万人、何千万人の労働者民衆が犠牲になろうが構わないという腐りきった資本主義社会を一刻も早く打倒しなければならない。
福島県飯舘村の102歳の男性が「計画的避難区域」が発表された日に「長生きはするもんじゃない」と家族に言い残して自ら命を絶ったと報道されている(4月17日付産経新聞)。足手まといになると思いつめての行為だという。原発を推進するばかりか、事故の惨禍の矛盾をもすべて労働者・農民に押しつけようとする菅政権と東電資本が殺したのだ!
「自分で作った野菜を自分で売る。お金ではない、楽しみ、生きがいを奪われた」(同)、「東電にコップの水でもかけてやりたいし、売れない魚を全部買い取ってほしい。怒りしかない」(全漁連)。家族や仲間、仕事、住居(故郷)まで奪われた人々の悲しみと悔しさと怒り。それをあざ笑うかのように「運転中の原発の停止は考えていない」(菅首相)、「東電のモラルの高さは世界最高。頭が下がる」(日本経団連会長・米倉)、「これ(福島原発事故)を乗り切れば安全な原発として世界中に売り込める」(諸葛宗男・東大特任教授)と言い放つやつらをどうして許せるか!
”原発推進”か”原発絶対反対”かをめぐる対立は、資本主義社会の延命か、それともプロレタリア革命(資本の原理の廃絶)かをめぐる対立だ。だからこそ「全原発をただちに停止せよ!」という被災地の激しい怒りは、この腐りきった新自由主義に対するあらゆる怒りを結集させて資本主義を根底から覆す「革命のスローガン」だ。
日帝による「復興」イデオロギー粉砕
第二に、日帝ブルジョア支配は全面的に崩壊しており、階級戦争=内乱が本格的に始まろうとしている。支配階級は大震災を逆手にとり、大失業と大増税、道州制、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)の貫徹へとのり出している。「復興」のヘゲモニーをブルジョアジーが握るのか、それともプロレタリアート(労働組合)が握るのかが当面の大焦点だ。
一つに支配階級は、PFI法(民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律)改悪で、さらなる民営化・外注化・非正規職化を狙っている。
二つに、「ただ元に戻す復旧ではなく、あらためて創り出すという創造的な復興(計画)をぜひ示して欲しい」(復興構想会議初会合での菅の発言)、もしくは「復興院が地域主権型道州制のひな型になっていく。復興院のトップは……事業家がいい」(堺屋太一・元阪神・淡路復興委員会委員、4月12日付読売新聞)と、道州制導入の意図をあけすけに語っている。また復興構想会議メンバーに加わった村井嘉浩宮城県知事は「漁港の集約化、漁協の株式会社化」をうち出し、菅政権は「東北食糧基地構想」として、被害を受けた農地を集約して大規模経営化しようとしている。その過程で膨大な農民や漁民が職を失っていくことは不可避だ。すべてが大資本の利潤のためであり、農業・漁業破壊のTPP攻撃そのものではないか。やつらは”元に戻そう”などとは一ミリも考えていない。東北地方の労働者、農業、漁業、畜産業は「帝国主義の延命のために死ね」というに等しいことだ!
三つに、何よりも「復興」攻撃の本質は、08年の燃料高騰に対して抗議ストに決起した漁民、昨年から続くTPP攻撃に怒りの声を上げている農民が、全国・全世界で反核・反原発闘争に立ち上がっている学生・青年労働者の闘いに合流し、大反乱へと発展することを何がなんでも阻止するという予防反革命攻撃だ。そのためにも帝国主義の側の「復興」イデオロギー=「挙国一致」に絡めとろうとしているのだ。さらには「6〜9カ月で事態は収束」(福島原発事故についての東電の工程表)なるデマによって放射能汚染と生活破壊に対する怒りをたたきつぶそうとしている。
しかし、そんなことは絶対に不可能な段階に来ている。もはや怒りは臨界点に達し、誰もが事態の本質をつかみつつある。
今こそ大学を学生の手に取り戻そう
第三に、学生の根底的決起が決定的だ。それは新自由主義大学(法人化大学)を粉砕し、大学・教育を学生の手に取り戻す闘いだ。
04年の国立大学独立行政法人化の狙いは「独立行政法人制度は、目標・計画の設定や定期的な業績評価といった仕組みを通じて国の意思を法人運営に反映させうる」(99年自民党文教部会報告、座長・麻生太郎)ことにあった。教育と学生を商品化し、大学を資本の利潤増殖運動のもとに組み伏せていく新自由主義攻撃そのものだった。
法人化移行を期して、大学運営から研究分野にまで資本の介入が始まった。全国の主要大学の経営協議会に各地の電力会社の役員が参加し(東北大学には東北電力会長、富山大学には北陸電力社長が名を連ねている)、「真理の探究」の建て前も投げ捨てて原発推進の旗振り役に大学をつくり替えていった。
その末路が、連日マスコミに登場して「安全」を無内容にくり返す原発御用学者どもの姿だ。これまで数え切れないほどの原発事故があったにもかかわらず、そのほとんどが隠蔽(いんぺい)され、明るみに出たのは氷山の一角に過ぎない。真実のもみ消しと電力資本の擁護を「大学教授」が最先頭で行ってきた。その同じ教授たちが、学内では法政大学を先頭に学生の自治解体と団結破壊の先頭に立ってきた。
もはやこれは「大学」でも「教育」でもない。法人化大学=新自由主義大学を解体し学生の手に取り戻すべき時が来た。
われわれは自治破壊との闘いの中で新自由主義と対決する団結をつくり出してきた。闘う学生自治会やサークル団体の非公認化、自治寮解体攻撃と真っ向から対決してきたのが東北大学生運動の歴史だ。
国立大学法人化を前にした2000年、東北大生は法人化粉砕のバリケード・ストライキを爆発させた。それは大学当局の協力もしくは沈黙のもとに法人化攻撃が粛々と進められようとしたことへの痛烈な反撃の開始だった。支配階級と東北大当局の反動として、翌年から学生自治会と文化部サークル協議会への非公認化、東北大学有朋寮への一方的廃寮通達が行われたが、われわれは敵との非和解性を貫いて闘い抜いてきた。有朋寮生は06年12月の強制執行まで実力居住闘争を貫き、全国に支援を拡大した。その戦闘精神が06年から始まる法大闘争に引き継がれ、さらに発展している。東北大学日就寮は、入寮妨害や食堂廃止などの廃寮攻撃に対して、今なお団結を維持し寮自治を守りぬいている。蓄積してきたその力が、被災地でものすごい力となって発揮されている。
(写真 2000年11月に打ち抜かれた東北大のバリケードストライキ)
学生自治会の建設・復権を
国家権力・資本・大学当局の攻撃は一見凶暴に見えるが、それは学生の団結した力に対する恐怖の裏返しだ。街頭・キャンパスでは誰一人「挙国一致」になど染まっていない! 日帝・菅政権、電力資本への激しい怒りが渦巻いている。その怒りは、支配階級のすべての思惑を粉砕する闘いへと必ず発展する。何よりも被災現地に「反帝国主義・反スターリン主義、プロレタリア世界革命」を掲げる革命党が存在し、動労千葉派が存在していることが決定的だ。「復興」イデオロギーを粉砕し、一切の責任は菅政権と東電資本にあることを行動で示そう。反原発闘争の大爆発をかちとろう! 原発推進教授の責任を徹底追及しよう。
われわれは4〜6月決戦の高揚の上に、東北大キャンパスにおける7月大集会への結集を全国の仲間に呼びかけたい。被災地で、万の規模で労働者・学生の大反乱をつくり出す。その先頭に東北大支部は立つ! この闘いを通して全国大学に学生自治会を建設しよう!
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週刊『前進』(2485号5面2)(2011/04/25 )
“今すぐ原発なくせ”
仙台 東北電力に怒りのデモ
4月15日、東北大学学生自治会が呼びかける反原発デモ&東北電力申し入れが行われました。
集会会場は有朋寮廃寮化阻止闘争でよく集会をやった東北大学片平キャンパスです。集会開始前や集会中にも、花見をしている人や通行する人と原発廃止をめぐって討論となりました。
集会では、はじめに東北大学学生自治会の石田真弓委員長が基調を提起。すべての原発を即時停止・廃止にすべきことを全面的に訴えました。この間の街宣でビラを受け取った人や、ツイッターや東北大学学生自治会のブログを見たという人も参加し集会でアピールしました。「反対ならば行動しなくては」「次の世代、未来のために」「地震があってもなくても原発は無くさなければならない」などと参加者が次々とアピールしました。
集会後は「原発なくせ! 今すぐなくせ!」のコールで元気よくデモ! デモに合流する人、一緒に拳をあげる人、うなずきながら拍手する人……と圧倒的注目でした。自分たちの声と行動で今のあり方を変えたい! こう思っている人が多くいるのだと実感しました。
デモ終了後、ただちに東北電力へ申し入れ行動へ。しかし東北電力は、「関係者以外の立入りをお断り致します」という看板を出し、まわりをポールとロープで封鎖していました。入り口にはガードマンが数人立っていて、申し入れに来た私たちを排除! 法政大と同じではないか! さらに東北電力のまわりには大量の公安警察が監視しています。資本と国家権力が一体となって原発政策を守っているのだ! 原発を進めるために金を使い、反対の声を弾圧するなんて絶対に許せない!
申し入れについても、東北電力側は「敷地内立ち入りは代表者3名まで」と勝手に制限してきました。多くの人が「原発を無くしたい」という思いをぶつけたいのは当然なのに、一方的にそれを踏みにじるやり方です。
あまりの不誠実な対応を追及すると、東北電力側は申し入れ書を受け取るだけで、ほかにはなにも言わず、すぐさま帰ってしまった! こういう不誠実で横柄な態度が情報を隠蔽する体質ではないかと参加者一同は怒りを覚えました。「このままでは帰れない!」 東北電力経営陣を徹底弾劾するシュプレヒコールをたたきつけました。
1回だけでは終われない! 次は4月22日に法大と東京電力にデモをたたきつけよう! 5月1日は仙台で大デモを! 原発の廃止・停止をかちとるうねりを拡大しましょう!!
(東北大A)
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週刊『前進』(2485号5面3)(2011/04/25 )
ルポ 震災1ヵ月、現地は今
壊滅的被害に立ち向かう労働者
震災解雇との闘い これから正念場
震災から1カ月が経過した宮城県を訪ねた。
仙台市内中心部は4月7日の激しい余震に見まわれながらも現場労働者の懸命の作業で水道・電気に続いてガスも復旧しつつある。ガス復旧で飲食店も本格的に再開し始めた。しかし、にぎわいを取り戻しつつある街のあちこちにも多くの傷跡が残る。本震で持ちこたえた家屋が7日の余震で住めなくなった例も多い。最大震度6強と阪神大震災に迫る揺れだ。津波被害地域以外でも雇用と並んで住宅問題がこれから大問題になる。
現地対策本部事務所で全金本山労組の熊谷良晴さんとお会いした。熊谷さんの自宅は仙台市宮城野区にあり海岸から1・5`。大量の土砂が流れ込み1階は完全に水没した。「家の片付けを終わらせ、もうすぐ仕事に復帰する。家に突っ込んだ松の木もチェーンソーで切ってもらって片づけた。この状況を乗り越えたら、もっと強くなれてるような気がするんだよ。これまでの人生でもそういうことが何回もあったからね」と語る熊谷さんの闘魂にこちらが励まされる思いだ。「すごいっすね。あれが”本山闘争34年”ってやつなんですよね」と事務局の青年労働者。熊谷さんは「久しぶりだなあ」と事務所の風呂にゆっくり入っていかれた。
(写真 「ここにあった車は全部流された」。女川町立病院の前で被災時の様子を語る男性【4月15日 宮城県女川町】)
漁港の復活へ懸命の作業
現地の同志の案内で車で仙台市から女川町までの海岸線をたどった。
国道45号線を東に進み仙台東部道路の高架をくぐると風景が一変する。街のあちこちに流された車が山積みにされ、打ち上げられた船も転がったままだ。東松島市、石巻市へと進んでいくにつれ沿岸部の破壊の度合いはさらに激しくなる。捜索のために道は開通しているものの道路以外は手つかずに近い状態で、信号も着いていたり消えていたり。
「東洋一」と言われた魚市場のあった石巻漁港は原形をとどめないほど破壊され、すべてが押し流されていた。10b以上もある石油タンクが横倒しになり、10dトラックがごろごろ転がっている。約80aも地盤沈下したため満潮になると海沿いのエリアは水没する。数万人が働いていた水産加工会社193社のうち191社が壊滅的被害を受けた。それでも多くの労働者が壊れた社屋に立ち向かい、懸命に片づけを続けていた。
(写真 被災した石巻港。10bを超すタンクが路上に転がる【4月15日】)
女川“津波は18bは来た”
牡鹿(おしか)半島の付け根にある女川町に入る。かつて女川原発反対闘争の現闘としてここに住み、闘い抜いた同志が「女川の海のにおいは変わんないな」と言った。その同志ですら、なかなか道筋が分からないほど街は破壊されつくしていた。
15bほどの高台にある女川町立病院に上がり交通整理をしていた男性に話を聞いた。「みんな病院に避難してきて駐車場は満杯、『駐車場も危ない』と病院の上階まで避難した。1階の天井すれすれまで水が上がったから18bは来た」とのこと。「駐車場に戻ってみたら車はすべて流されていた。あのビルの屋上にある紺色のがおれの車だよ」と言われびっくりする。高台から見渡すすべての風景が丸ごと水没したことが信じられない。
無事が確認された女川原発反対同盟の阿部宗悦さんにはこの日はお会いできなかったが、訪問した東北大生に「大闘争をやらなければダメだ。選挙が延びたからギャンギャンやってやる!」と語っておられたという。破壊された女川の風景を目の当たりにした後にこの言葉を読み返すと心底から”すごい”と感動させられる。
避難所指定拒んだ道路会社
翌日は仙台平野と呼ばれる仙台市南部の宮城野区、若林区、名取市閖上(ゆりあげ)地区と仙台空港周辺を回った。ここも仙台東部道路以東で壊滅的被害を受けた。
仙台市南部は見渡す限り真っ平らな田園地帯で、その間に集落が散在している。田んぼには車や船、木材、ありとあらゆる生活用品がちらばり、あぜ道が埋まるほどの土砂が流れ込んだ。狭い農道に津波から逃れる車が殺到し、各地で”避難渋滞”がおこって車列ごと流された人も多い。
名取市閖上地区も壊滅的な被害を受けた。朝市なども開かれていた活気ある漁港は跡形もない。見渡す限りすべてが一掃された様は衝撃的としか言いようがない。アルバムや生徒手帳、タンス、子ども服、かばん、くつ……。ついこの前まで、ここで暮らしていた人たちの息づかいが迫ってくる。”なんとかならなかったのかよ”という思いがこみ上げる。
海岸線から東部道路までは3〜4`。仙台市若林区の住民は、この道路を緊急避難場所に指定するよう求める1万5千人分の署名を集めて09年に提出、NEXCO東日本や行政に働きかけていたが聞き入れられなかった。生き延びた地域の住民は「行政や道路会社が住民の声に耳を傾けていれば、助かった人はもっといたはずだ」と憤っている。
巨大津波に直面しながらも紙一重で生き延びた生存者も数多い。小高い避難所を自費で造っていて地域の住民を守った人もいる。「想定外」「どうすることもできなかった」というのは大うそだ。分かっていたのにやらなかったのだ。
17日には仙台市内での街宣に参加した。反原発署名が2時間で300筆近く集まった。来る人、来る人がどんどんビラを受け取る。びっくりするような反響だ。
(写真 海を見るためにつくられた日和山の上から被害を受けた名取市閖上【ゆりあげ】漁港をのぞむ【4月16日】) 現地に渦巻く怒りを闘いへ
署名した20歳前後の女性は「失業中に震災にあった。ハローワークも大混雑で仕事が見つからない。言葉は悪いんですけど『ふざけんな』って気持ちです」と語った。震災解雇との闘いはいよいよこれからが正念場だ。核燃料再処理工場の設計にかかわっていたという労働者も「絶対に火力に戻すべきだ」と署名。南相馬市から宮城県に避難してきた人、福島市や相馬市、郡山市の人も署名してくれた。
「先週より署名隊は少なかったが署名数は増えた。政府や東電への怒りがどんどん前面に出てきている」「署名板につけた用紙が全部埋まるなんて初めてだ」と街宣隊も活気づいた。労働者は闘って元気になるのだ。
被災地で目の当たりにしたものは圧倒的な破壊の現実と同時に、それに果敢に立ち向かう無数の労働者人民の姿だった。
街宣で出会った宮城県内の被災者は「こんなことを絶対に繰り返してはいけない」と言い切った。この単純明快な言葉がズシンと響いた。
絶対に繰り返してはならないのだ。それは震災解雇や大増税、被災者切り捨てで危機の突破を図る日帝・支配階級との階級戦争そのものだ。労働者の自己権力を被災地のど真ん中に打ち立て、その力で全社会に強制していく闘いだ。
被災地に渦巻く怒りと全面的に結合し、具体的方針を打ち出し、怒りを根底から解き放っていくための必死の格闘が現地では続いている。この闘いと深く呼吸しあいながら、あらゆる職場から被災地支援、震災解雇粉砕、全原発即時停止の闘いを巻き起こそう。この期に及んで原発を推進・容認する連合・全労連の腐りきった幹部どもをたたき出し、階級的力関係を覆す巨万の全国大闘争を爆発させよう。
(写真 原発即時停止の署名が次々と集まった仙台市内街宣【4月17日】)
(本紙・日高隆)
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週刊『前進』(2485号6面1)(2011/04/25 )
国際的団結で原発廃止を
外登法・入管法と民族差別を撃つ関西研究交流集会
韓国民主労総迎え 震災解雇との闘い誓う
4月17日、大阪・天王寺区民センターで第20回外登法・入管法と民族差別を撃つ関西研究交流集会が開かれ、在日・滞日外国人労働者を始め220人が集まった。3・11東日本大震災と福島第一原発事故から1カ月、震災解雇が全国的に問題化する中、韓国から民主労総ソウル本部とソウル京畿仁川(キョンギ・インチョン)移住労働者労働組合を迎え、労働者の国際的団結で”全原発の即時停止・廃止! 被災地救援! 震災解雇許すな!”の実践へ踏み出した。(本紙・室田順子)
(写真 「震災解雇と闘う反失業大闘争を! 国鉄闘争全国運動6・5大集会に大結集しよう」と呼びかける田中委員長【4月17日 大阪・天王寺】)
団結で立ち向かおう
エジプト革命の記録ビデオの上映後、大阪市職の赤田由行さんが開会を宣言した。
8・6ヒロシマ大行動、徳島・星野さんを救う会、婦人民主クラブ全国協議会関西ブロック、日本アラブ未来協会から連帯のあいさつがあり、実行委を代表して国労近畿地方本部奈良電車区分会の橘日出夫さんが基調報告を行った。
橘さんは「3・11で日本階級情勢は一変した。いま労働者・農民・漁民の怒りの声に結びつき、具体的闘いの展望を示すことができれば、革命情勢をつくり出すことができる。一切は階級的労働運動の全面的登場にかかっている。挙国一致・政治休戦に総屈服する連合・全労連と対決し、原発即時廃止、震災解雇絶対反対で闘おう」と訴え、「外登法、入管法・入管体制こそ民族・国籍・国境を越えた労働者の団結を阻むもの。『在留カード』導入を粉砕しよう。直ちに難民を解放せよ」と訴えた。
特別報告では、関西合同労組かねひろ運輸分会の許用皓(ホヨンホ)さんが95年阪神大震災での被災体験を語り、解雇撤回・原職復帰まで闘う決意を熱く語った。国鉄闘争全国運動・沖縄の真喜志康彦事務局長が5・15沖縄闘争への結集をアピールした。
入管収容所闘争の現場から牛久入管収容所問題を考える会の田中喜美子さんがビルマ人とともに登壇し、地震後の牛久入管収容所の状況を怒りを込めて報告した。当局が被収容者を鍵をかけて閉じ込めようとする中、パニックで被収容者がガラスで9針も縫うけがをしたが、その被収容者に入管は損害賠償を請求するというのだ。絶対に許せない。
“実践方針をもって”
韓国民主労総ソウル本部のノミョンウ首席副本部長は「労働者は一つだ」と呼びかけ、移住労組のキムミンジュ事務処長も国際連帯を強調した。(要旨別掲)
これに応えて立った動労千葉の田中康宏委員長は、移住労組ミッシェル委員長の強制退去の阻止を訴えた後、「3・11情勢に対し実践方針を持って立ち向かおう」として@国鉄闘争全国運動A反失業闘争B反原発闘争C国際連帯闘争の四つの実践方針を、膨大な怒りの声と結びついて推し進めようと呼びかけた。
関西合同労組泉州支部など労働者からの闘争報告が続いた。八尾北医療センター労組の藤木好枝委員長は部落解放同盟全国連西郡支部のメッセージを読み上げ、八尾市議選必勝の決意と職場の外国人労働者組織化の取り組みを報告した。
被災地から駆けつけた東北大学自治会の石田真弓委員長と全学連、青年労働者の鮮烈な発言で集会は盛り上がり、被災地救援と「在留カード」導入阻止の二つの決議が読み上げられた。
団結ガンバローとインターナショナルで国際的団結を打ち固めた。
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週刊『前進』(2485号6面2)(2011/04/25 )
世界の労働者は一つ
民主労総ソウル本部 ノミョンウ首席副本部長
3月の大地震と津波、福島原子力発電所の爆発による放射能流失で苦痛を受けている労働者、農民民衆に頑張ってと伝えたいと思います。
韓国の労働状況はとても深刻で困難な状況です。昨年のメーデーの日の朝、奇襲的に処理されたタイムオフ制(勤労時間免除限度)によって専従人員が3分の1に減らされ、労働運動の活動制約と民主労組を抹殺することに大きな作用を与えています。
今この時も、百日を超えて高いクレーンに登って命がけで整理解雇撤回を要求するハンジン重工業労働者たちが闘っています、いや、戦闘という表現が適切です。
同志の皆さん! 外国人、障害者、性、民族などすべての差別を撤廃して労働者民衆の本当の権利をかちとるため、より一層国際的連帯を固め組織しなければなりません。力強い抵抗と闘争を基礎にして新しい未来を開拓し革新し、万国の主人が労働者民衆であることを宣布しましょう。
移民の権利獲得を ソウル京仁移住労組 キムミンジュ事務処長
2月にソウル京畿仁川移住労働者労働組合(MTU)の事務処長に選任されたキムミンジュです。ミッシェル委員長は、入国管理局が彼の韓国滞在延長を認めず、不法滞在者としていつでも逮捕・国外退去を命じられる状態にいます。
移住労働者は常に差別の対象とされます。移住労組は、人間としての尊厳を尊重することが真の平和と相互理解を促進する第一歩だと確信しています。私たちに連帯が必要なのは、それぞれが独立の存在として、必要な時にはお互い助け合って私たちの社会をより良きものにしていくためです。移住労組は全員が、日本の人びと、特に惨事で被災された地域の私たちの同志に心から同情の意を示します。
私は16歳の時に韓国に来て、工場で働いていて指を切断する大けがをしました。しかし、会社側は賠償金を支払うどころか、療養期間中の賃金さえも払いませんでした。私は闘いに立ち上がり、ついに賠償金と賃金をかちとりました!
差別を廃止しよう! 移民の権利をかちとろう! 連帯万歳!
(写真 発言するノミョンウさんと移住労組のキムミンジュ事務処長【中央】とチョンヨンソプ事務次長)
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週刊『前進』(2485号6面3)(2011/04/25 )
星野同志への獄中弾圧弾劾
処遇降格 被災地支援運動を妨害
面会の回数をさらに制限
徳島刑務所は4月7日、まったく不当にも星野文昭同志に対し、「処遇」における「区分」を第3類から第4類に降格すると通告してきた。これによって星野同志の1カ月の面会回数は3回から2回に減らされた。降格の理由は星野同志にEランクとDランクの「指導票」が出されたというものだ。
経過はこうだ。作業中にほかの受刑者が星野同志に話しかけてきたので、星野同志は「許可をとっているか」と尋ねた。刑務所内では「作業時間中、許可なく受刑者間で話をしてはならない」という非人間的な規定があるからだ。しかし、徳島刑務所は星野同志が「許可」の有無を聞いたことを「不正交談」ときめつけ、Eランクの「指導票」を出したのだ。
さらに、転房により移動した先の居房がひどく汚れていたので掃除をした際、星野同志が上の方を掃除するのに机の上に乗ったことがDランクの「指導票」にあたるというのだ。
理不尽きわまりない弾圧に心底からの怒りが燃え上がる。徳島刑務所は人として普通に生きていくことまで懲罰の対象にし、人間を徹底的に蹂躙(じゅうりん)しようとしているのだ。こんな降格攻撃を断じて許してはならない。全国から徳島刑務所への抗議を集中し、星野同志とともに闘おう。
再審請求棄却を求める検察
3月24日、東京高検は第2次再審請求に対する「意見書」を出してきた。虚偽とペテンで塗り固められたお粗末な代物であるが、「早期の再審棄却決定」を要求する許しがたいものである。
今回の星野同志への「処遇」における「区分」の降格は、検察の「意見書」提出と一体の攻撃だ。
大恐慌下で発生した3・11東日本大震災と福島原発大事故は、日帝ブルジョアジーが引き起こした大罪である。資本主義・帝国主義、新自由主義が人間社会と人間の命を奪うものであることが、誰にも明らかになった。多くの労働者階級人民が「全原発即時停止! 震災解雇を許さない! 菅政権打倒」の闘いに決起し始めている。
統治能力を喪失し、崩壊の危機を深めている菅政権は労働者階級の怒りの決起を死ぬほど恐れて「政治休戦」「挙国一致」を叫びたてている。
星野同志が被災地へカンパ
星野同志は「ヒロシマは僕の原点だ」「すべての人が人間らしく生きられる社会をめざして」と言い、三里塚闘争、沖縄闘争を闘い、獄中36年間を闘いぬいている。
そして、3・11に際して星野同志は直ちに獄中から、被災された人たちへの救援カンパを動労千葉と全国労組交流センターが設立した東日本大震災救援対策本部に送った。
日帝国家権力は、星野同志の闘いが被災地で闘う労働者人民と6千万労働者階級と結合することにトコトン恐怖して、星野同志への攻撃を激化させてきたのだ。
被災地救援、反原発1千万人署名の大運動、震災解雇許すな!の闘いと一体のものとして、不屈に闘う星野同志と固く連帯し、日帝法務省・徳島刑務所に弾劾の嵐をたたきつけよう。第2次再審請求早期棄却攻撃を打ち砕き、再審無罪・即時釈放へ全力で決起しよう。
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◆連載「星野第2次再審闘争勝利へ」は休みました。
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★星野同志に激励の手紙とはがきを出そう
星野同志の誕生日は4月27日です。バースデーカードを送ろう。
〒779−3133 徳島市入田町200−1 星野文昭様
★抗議先 徳島刑務所長 松本忠良
〒779−3133 徳島市入田町200−1
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週刊『前進』(2485号6面4)(2011/04/25 )
警察の違法不当許さぬ
前進社不当捜索国賠訴訟
反原発運動への弾圧を弾劾
4月15日、前進社不当捜索国家賠償訴訟の第6回口頭弁論が東京地裁民事第1部(渡部勇次裁判長)で行われた。原告弁護団は、被告の都(警視庁)と国(裁判所)に前進社捜索の際の捜索差押許可状発付請求書や捜査報告書などの一連の文書を開示するように書面で求めた。
被告らは違法不当な捜索差し押さえを弾劾する原告の主張に対して、「原告こそ、違法な捜索差し押さえであったことを立証すべき」などと開き直っていた。原告弁護団は、これに反論する第1準備書面を提出した。
そもそも捜索や差し押さえそのものが人権侵害であり、原告が捜索差し押さえが違法であると主張している限り、被告が人権侵害に当たらない適法なものであったことを立証する責任があると当然の主張を行った。
原告の代表は、3・11東日本大震災と福島原発大事故は国家と大資本による犯罪であり、そのような国家と電力資本と対決する運動を弾圧してきたのが警察権力であったと弾劾した。
警視庁は4月6日、統一地方選の一環として反原発を真正面に掲げて闘っている都政を革新する会の北島邦彦杉並区議を応援する労働組合の仲間4人を「軽犯罪法違反」をデッチあげて逮捕した。さらに4人を勾留し、それを口実に前進社や都政を革新する会の事務所、北島区議の事務所などを不当に捜索し、署名用紙などを押収した。原告はこれを徹底的に弾劾した。押収された署名用紙は「反原発1千万人署名」用紙であり、すでに多くの署名が記されたものであった。これは捜索に名を借りた反原発運動に対する許し難い政治弾圧である。
前進社国賠訴訟は、まさにこのような捜索に名を借りた政治弾圧を弾劾するために行っている。政府・大資本、警察の「原発はクリーンで安全である」といううその主張に追随してきた裁判所の犯罪的役割も徹底的に弾劾した。
「軽犯罪法違反」で不当逮捕された4人への勾留決定は、警察の「被疑者は住所不詳」という主張のみに依拠したものであり、警察権力などの暴走にチェックをかける裁判所の役割を放棄するものであると弾劾した。
次回期日は5月19日だ。警視庁と裁判所の開き直りを許さず、傍聴席を埋めて徹底的に弾劾しよう。
◇
前進社不当捜索国賠訴訟第7回弁論
5月19日(木)午前10時30分
東京地裁415法廷
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週刊『前進』(2485号6面5)(2011/04/25 )
団結ひろば 投稿コーナー
「職場に団結」「地域に連帯」の基礎つくった 神奈川 N
4月1日から始まった相模原市議会議員選挙に神奈川労組交流センターと婦人民主クラブ全国協議会は、5期目を目指す西村あやこ候補を押し立てて闘いました。相模原市が政令指定都市となったために選挙区が3分割され、これまでの西村支持基盤が3分の1に削られる「厳しい」選挙が当初から予想されていました。誰もがもう一人の「西村あやこ」となり、選挙戦を闘いました。
私にとっては初めての選挙活動でした。他人と話すのが苦手な私は、「1カ月間で各支持者の家を訪問しオルグする。しかも投票日まで6回訪問する」という方針にマジですか!っていう感じでした。4回目くらいになると「また来たのかよ」なんてイヤな言い方をされたり……。それでも3・11大震災以降の市民の反応は画然と違ってきました。1ミリのあいまいさもなく、「原発廃止、闘う労働組合をよみがえらせよう」のスローガンを掲げた候補が登場したのです。話す方のまじめさと緊張感が伝わったのでしょうか、支持が広がっていきました。その中には、多くの仲間とともに一生懸命にオルグをしている自分もいました。
結果は得票2213票・25位で、残念ながら落選という厳しいものでした。大震災と大失業という困難な今こそ、西村さんのような労働者のために活動する議員が必要だったと、心からそう思う。力及ばず当選は果たせなかったけれど、2213人の支持者を獲得できた。そして、これを基礎に「職場に団結と地域に連帯」をつくるべく合同労組を立ち上げる活動も始まっています。
これからも地域の仲間と団結して頑張ります。
団結し生きる被災者の中にコミューンを 東京 岡田義人
チェルノブイリ原発事故から25年目を迎えようとしています。この事故の後ヨーロッパで巻き起こった反原発運動の高揚の中で、「明日放射能で汚染されるより、今日立ち上がれ」「放射能で死ぬより、今日立ち上がって身を守れ」というスローガンがドイツで掲げられたことを、ある本で知りました。その本には、ここに唯一希望があるとありました。
そのことを福島原発事故に直面して思い出し、直接決起を訴えるスローガンが必要だと感じました。私が考えたのは、「被曝(ひばく)の脅威を怒りに替えて立ち上がろう」「大運動の力ですべての原発を止めよう」というスローガンです。
震災による生活破壊と、止まることなく拡大する放射能汚染に立ち向かい、この事態を招いた国と資本に責任をとらせることができるのは階級的団結の力です。
被災地で生き抜く闘いのスローガンとして、「団結して生き抜く被災者の中にコミューンを」を提起したいと思います。
日常性の破壊は同時に支配体制も壊すのです。だから軍隊なのです。根が新自由主義である以上、被災地の状態はそこで止まるものではありません。ここでこそコミューンをめざして闘うときです。その力は勝浦市長選で示されています。
「挙国一致」とは戦時のことです。「政治休戦」とは憲法停止・戒厳令下のことです。彼らがこういった戦争の言葉で襲いかかってくるとき、革命派は革命の言葉を掲げてこれと闘うべきです。
第11期党学校で 実践的な問題意識とかみ合い理論的強化 宮川正史
今期の党学校に参加して意義があったと感じたことは、@マルクス主義の理論を深められたことA現在進行形のわれわれの闘いにキャッチアップしたテーマで学べたことです。単なる「お勉強」としてではなく、実践的な内容であったことが意義深かったです。
4・9反革命と国鉄闘争全国運動、11・23情勢の中で、マルクス主義の党としてどういった路線で闘うべきかという問題意識とかみ合う内容として、学生運動、労働運動の理論的強化がかちとられたと思います。
とりわけ、法大闘争の過程で組織の拡大をかちとってきた学生戦線の同志たちの積極性に牽引(けんいん)された、良い討論になったと思います。
今後もマルクス主義・レーニン主義、そして綱領草案の学習を継続して、私自身の闘いの血肉としていきたい、可能な限り党的に還元できれば、と思いました。
第11期党学校で マルクス主義自分のものにし職場実践へ 平沢文恵
1年間、党学校に参加し思ったことは、「かなりまとまった時間がとれないと、ちゃんとした学習はできない!」ということです。講師の方には申し訳ないが、ほとんど分かっていない私ではないでしょうか。
この社会には資本家階級と労働者階級があり、労働者は自分の労働を売って生活する労働力商品とされている。資本家はあくなき利潤追求として機械化を進め、より安い労働力を求めて海外へ工場を移転する。資本家は労働者を分断支配するためには、あらゆることをする。民営化、4・9政治和解もそうだ。このような資本家の支配を支えているのが既存の労働組合幹部だ。資本と闘わないで労働者の既得権を返上し、「工場法」以前の状態を労働者に強いている。
階級的労働運動を職場でどのように実践するのか。ただ絶対反対と言っていればいいのか。労働者をどう組織するのか。課題はいくつもある。マルクス主義を自分のものにすることに比例して、職場で頑張れると思います。
党の綱領草案が出たことがすごいことだと思います。動労千葉労働運動の実践と国際連帯で、ついにかちとった地平です。
大震災と原発事故は新自由主義が行き着いた先です。歴代の政権が推し進めてきた原子力政策の結果だ。政治休戦などありえない。今こそ労働者の力で世界中を変えていく以外にありません。
折に触れ、レジュメを読み返してみます。たくさんの資料、ありがとうございました。
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週刊『前進』(2485号6面6)(2011/04/25 )
法大裁判に集まろう!
★暴処法弾圧裁判
第23回公判 5月19日(木)午後1時30分
東京地裁429号法廷
12時30分に傍聴券配布所に集合
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