ZENSHIN 2011/04/18(No2484 p06)
|
週刊『前進』(2484号1面1)(2011/04/18 )
大失業粉砕・全原発廃棄
大恐慌・大震災と最先頭で闘う北島候補・末光候補の勝利かちとれ
反原発・反失業メーデーを全国で
大震災と福島原発事故は、大恐慌と大失業・戦争の攻撃を激化させながら、新たな階級闘争の大激動をつくり出している。被災地支援と反失業・反原発の闘いを、国鉄闘争全国運動と一体で全力で推し進めよう。何よりも統一地方選後半の闘い(杉並、八尾)に、階級的労働運動の大前進をかけて勝利しよう。連合、全労連の「復興メーデー」をのりこえ、5月1日、実行委員会主催による〈反原発・反失業メーデー〉を、東京(午後1時、芝公園23号地)を先頭に全国で闘おう。
(写真 「原発を今すぐ止めろ」と高円寺駅前で演説する北島区議【14日】) 労働者の力で原発止めよう
福島原発事故は史上最悪の深刻な事態となり、収束の見通しも立っていない。原子炉の水素爆発や水蒸気爆発で大量の放射能がまき散らされる危険は去っていない。まさに大震災と原発事故は、国家と資本による大犯罪だ。歴史的寿命が尽き、腐りきった資本主義・帝国主義の打倒こそが求められている。
大震災と原発事故で、東北・関東を始め数十万、数百万人の労働者と農漁民の生活・生業がすでに破壊されている。被災地の労働者・農民・漁民は深い苦しみと悲しみ、怒りの中で、必死に情勢に立ち向かい、闘い、生き抜いている。全力で支援し連帯しよう。
資本家階級と菅政権の統治能力は完全に破産・崩壊している。彼らにはなんの解決能力もない。資本家が延命すればするだけ、労働者階級人民の苦難は増すばかりだ。
労働者階級の団結と組織の力のみが、このとてつもない惨禍をのりこえ、労働者人民の生活と生業の再生、全原発の即時停止と廃棄をやり遂げることができる。そして社会と全産業の、真に理にかなった根本的な変革を行うことができる。プロレタリア権力だけが一切の責任を果たし、人類の未来を押し開くことができる。革命の実現は労働者階級が生きるための、真に切実で死活的な課題となっている。
10日に投開票が行われた相模原市議選で、西村綾子候補は「国鉄闘争全国運動と反原発」を真正面から掲げて闘った。政令指定都市化と選挙区3分割の中で当選はかなわなかったが、多くの青年労働者や労組活動家と出会い、団結と組織を前進させることができた。階級的労働運動の拠点形成で大きな前進をつくり出した。この従来を超える勝利の地平を踏まえて、さらに統一地方選挙闘争の後半戦(24日投開票)の勝利へ、全力で闘いぬこう。北島邦彦候補(東京・杉並区)、末光道正候補(大阪・八尾市)の当選を断固かちとろう。
1千万人署名を推進しよう
菅政権と東電資本は事故を居直り、一切の犠牲と矛盾を労働者階級に押しつけて生き延びようとしている。計画停電に続き、夏に向けた25〜30%の節電は、休日・夜間労働の強化をもたらすとともに、「減産」を口実に首切り攻撃を激化させる。100万人もの労働者が新たに首を切られようとしている。
連合中央や電力総連はその恥ずべき手先となっている。彼らは原発を推進してきたばかりか、「計画停電による休業では、労働者の賃金を補償しなくてよい」という厚労省通達にも、何ひとつ抵抗・反対しなかった。労働者は飢えて死ねと言うのか! そればかりか、連合中央は夏に向かっての節電に全面協力を約束し、勤務時間の変更などに「オールジャパン」(4・6対政府要請書)なる「挙国一致」で全面的に協力しようとしている。この連合が行き着く先は、体制翼賛と戦争協力の道以外にない。絶対に許すな!
今や全国で「原発を今すぐ止めろ!」の闘いが巻き起こっている。すべての勢力の「自粛」や「政治休戦」を打ち破り、3・17デモを突破口に真っ先に決起したわれわれの闘いが、反原発の闘いを高揚させている。10日の東京・杉並の反原発デモには1万5千人が集まり、警察もまったく対応不能だった。
だがこうした中で菅は12日の記者会見で「運転中の原発の停止は考えていない」と言い放った。日帝はあくまで原発を守り通そうとしている。原発は日帝の存立の根幹を占める戦略産業であり、何よりも核武装政策そのものだ。だから原発事故で大打撃を受け、絶望的危機を深めているが、あくまでも原発政策を貫こうとしているのだ。
しかも日帝は大震災と原発事故で、有事体制を発動した。東北被災地での自衛隊・米軍の「日米共同作戦」こそ、労働者人民への階級戦争であり、朝鮮侵略戦争の体制づくりだ。沖縄の米海兵隊が救援部隊として出動しているのは、沖縄県民の反対で壁にぶつかっている名護新基地建設を強行突破するための攻撃だ。さらに核専門部隊140人派遣など原発事故への米軍の介入は、核戦争演習そのものである。
そもそも原発は、現場で働く労働者(非正規労働者が圧倒的多数だ)の被曝(ひばく)なしに運転できない。保守作業、定期点検のたびごとに数千、数万の労働者が被曝し、がんや白血病になり、被曝死させられてきた。その事実を日帝と電力資本、御用組合は一体となっておし隠し、「絶対安全」「クリーン」と強弁しながら原発の運転を続けてきたのだ。
この労働者の大量被曝の上に、政治家や大学・学者やマスコミの買収、暴力団をも使った原発予定地の地上げや反対運動つぶし、うそと情報隠しが行われ、それを国家が保護し裁判所がお墨付きを与える。こうした原発政策こそが腐敗を蔓延(まんえん)させ、今回の事故を引き起こした。本当に許せない!
巨大な地震活動が続いている中で、浜岡を始め多くの原発が大事故の危険性を抱えてそのまま運転されている。まさに「全原発の即時停止」は、労働者人民の命のかかった死活的課題だ。ヒロシマ・フクシマ発の1千万人署名運動を全国の職場、大学、地域で推進し、全原発即時停止へ総決起しよう。
今こそ<反合・運転保安>だ
問われていることは、この期に及んでも原発をやめない資本主義の「復興」=延命を許すのか、それとも階級的労働運動の発展で、資本主義を倒し労働者階級が権力を握るのかだ。
連合、全労連は完全に日帝・資本の「復興運動」にからめとられ、今年は本来のメーデーを中止し、「震災復興集会」に変質させようとしている。これがもたらすものは、原発事故と大震災を再び繰り返す道であり、「挙国一致」の戦争への道だ。
これを打ち破り、全国で闘うメーデーを断固かちとろう。「原発も失業もない、働く者が本当に主人公となる社会をつくろう」と労働者に訴え、階級的労働運動を前進させよう。特に首都圏の労働者・学生は5月1日、東京・芝公園に結集し、反原発・反失業を真っ向から掲げたメーデーをかちとろう。そして東京電力への弾劾デモに決起しよう。
1980年代以来、新自由主義の時代が30年間続いてきた。それがもたらしたものは何だったか。大恐慌の爆発と大失業であり、今回の大震災と福島原発事故だ。国鉄分割・民営化を突破口とする、国家あげての民営化・労組破壊と大リストラ、非正規職化、そして資本の利益追求第一主義が、地方を切り捨て、安全を崩壊させ、大災害を招き寄せた。
本来の労働組合なら、この新自由主義攻撃と全力で立ち向かわなければならない。ところが80年代の国鉄分割・民営化で総評をつぶし、その上に登場した連合は、資本家の手先となって合理化、非正規職化や原発を推進し、安全を切り捨て、労働者の怒りと闘いを抑え込んできた。その罪は余りにも重い。
動労千葉はこれと真っ向から対決し、分割・民営化反対、解雇撤回を闘ってきた。安全の確保は利潤を生まない。だから資本は必ず設備・要員の切り捨てを進める。そこをとらえて動労千葉は、〈合理化反対〉と〈運転保安確立〉を結合し闘ってきた。今こそこの路線と闘いを全労働者のものとする時だ。
1047名解雇撤回を貫き24年間闘い続けてきた国鉄闘争は、大失業時代と闘う基軸だ。今こそ国鉄闘争を先頭に、反失業・震災解雇粉砕と反原発を真っ向から掲げて前進しよう。国鉄闘争全国運動こそは闘う労働者の結集軸であり、労働組合をよみがえらせる闘いだ。国鉄闘争全国運動6・5大集会(日比谷公会堂)の成功へ闘おう。
統一地方選挙後半戦に勝利し、4・22法大〜東電デモ―4・29安保・沖縄・憲法集会をともにかちとり、5・1反失業・反原発メーデーを闘おう。そして青年・学生を先頭に5・15沖縄闘争に総決起しよう。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2484号1面2)(2011/04/18 )
東京・杉並 4人を逮捕し選挙事務所を捜索
治安弾圧激化に反撃を
反原発・選挙闘争の妨害狙う
17日告示、24日投票の統一地方選後半戦は、いよいよ原発大事故と震災解雇・大失業をめぐる一大決戦となった。
原水禁運動発祥の地である杉並では、北島邦彦杉並区議が再選をめざして大旋風を巻きおこしている。「全原発の即時停止」「震災解雇を許すな」「労働者人民の力で被災地支援を」の鮮明な訴えが青年を始めとする労働者人民の心をつかみ、原発廃止の1千万人署名運動が爆発的に広がっている。
空前の選挙弾圧
これに恐怖した警視庁公安一課は6日、東京・西部ユニオンを始め東京各地で闘う合同労組組合員4人を「軽犯罪法違反」をデッチあげて逮捕するというとんでもない弾圧を行ってきた。
これは3・31東電デモにおける全学連の学生3人不当逮捕に続く歴史的な暴挙だ。日帝・支配階級は、東日本大震災と原発大事故に対する労働者階級人民の激しい怒りの爆発に震え上がり、なりふり構わぬ治安弾圧に出たのだ。
東京地裁は8日、この弾圧を追認し10日間の勾留を決定した。さらにこの不当な弾圧を口実に、何カ所にもわたる不当捜索が強行された。8日には都政を革新する会と北島区議の選挙事務所、11日は前進社本社、12日には東京・西部ユニオンなどの労組事務所への捜索が行われた。選管に届け出た選挙事務所に、告示直前に警察が捜索に入るなど前代未聞の選挙妨害だ! 絶対に許してはならない。4人の仲間は完全黙秘・非転向で意気軒高と闘い抜いている。猛然たる抗議を集中し即時奪還しよう!
怒りの記者会見
北島区議を始めとする都政を革新する会、東京・西部ユニオン、弁護団は8日夕、都内で怒りの記者会見を行った。会見で北島区議は、怒りをあらわにしながら次のように述べた。
「第一に、逮捕された4人は反原発1千万人署名にともに取り組んできた仲間だ。今日の午後に強行された選挙事務所に対する不当捜索では、多くの署名が記された47枚の署名用紙まで押収した。いったい、なんの関係があるというのか!
反原発の運動が広がることをなんとしても抑え込みたいという警察の意図は明らかだ」
「さらに今回の弾圧は本当に許せない選挙妨害だ。区議選の告示は目前。警察がこれほどあからさまな選挙妨害に出てきたのはかつてないことだ。4人は所属するユニオンの推薦決定に基づきさまざまな選挙実務を担ってくれていた。しかも、選挙のために準備した車両のガラスをたたき割って4人を逮捕し、車両ごと押収するという異様なまでの弾圧だ。反原発闘争のさらなる爆発で反撃する」
また記者の質問に答えた鈴木達夫弁護士は「かつて1923年の関東大震災後の支配の危機の中で、治安維持法、暴力行為等処罰法などが制定され治安弾圧の嵐が吹き荒れた。3月31日の3人の学生逮捕に続く警視庁公安部の異様な突出に、こうした戦前の歴史を想起した。しかし今は戦前ではない。こんなとんでもない弾圧は絶対にはね返す」ときっぱりと宣言した。
14日には東京地裁で、勾留理由開示公判が開かれた。各地区でともに闘い抜いてきた仲間が多数集まり傍聴した。
ただちに釈放を
弁護団は求釈明で、逮捕された4人の住所・氏名は明らかなのに、なぜ「住居不詳」と判断したのかを問いただした。その一切に担当裁判官は「捜査上の秘密」を理由に回答を拒んだ。傍聴席の怒りが爆発した。
さらに弁護団は、4人の仲間の行為はまったく正当な政治活動であることを明らかにした上で「人類史的とも言える原発事故が起こっている最中、この反原発闘争への弾圧に裁判所が加担するのかどうかが問われている」と舌鋒(ぜっぽう)鋭く迫った。
そして、公安刑事どもが取り調べで「活動をやめろ」「東電の人や、警察・自衛隊は頑張ってんだ。電気使ってる人間がごちゃごちゃ言うな」と暴言を吐いていることを暴露し断罪した。
勾留理由開示公判を通して、弾圧の階級的性格はあますところなく明らかになった。警視庁公安部・東京地検・東京地裁は今回の弾圧で、自らが福島原発事故の共犯者であることを自己暴露したのだ。その罪がどれほど深いかを弾圧の下手人どもに思い知らせてやらなければならない。
全原発の即時停止を求める1千万人署名運動の爆発、そして「原発絶対反対」の唯一の候補である北島区議の再選こそが労働者階級の回答だ!
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2484号1面3)(2011/04/18 )
末光候補、勝利へ全力
八尾 街頭演説に手応え
「八尾北医療センター明け渡しを今度の選挙で止めよう」「すべての原発を止めよう! 菅政権を打倒しよう」という末光道正議員の訴えが全情勢を変えている。9日は16カ所のスポット演説、夕方、婦人民主クラブ全国協のアリオ前街宣に合流。10日には17カ所のスポット演説と夕方アリオ前で被災地救援の街宣に決起。14日朝には近鉄八尾駅前に登場。末光議員の訴えとビラ、八尾北労組、全国連西郡支部、守る会、労組交流センターの決起は、労働者・住民に支持と団結を拡大している。
10日に行われた大阪府議選では、橋下府知事の「維新の会」が登場し、日本共産党は八尾市では5千票も減らした。革命派の登場が求められている。末光候補の当選勝利で、力ある革命派の登場をかちとろう。
(写真 09年2月に住宅明け渡し阻止闘争が激しく闘われた西郡の現場の前で住民に訴える末光市議【9日】)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2484号1面4)(2011/04/18 )
前進速報版から
▼相次ぐ米原子力空母の入港に佐世保で弾劾闘争▼裁判員制度粉砕へ高山弁護士迎え関西集会▼市東さん農地裁判でNAAを徹底追及
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2484号1面5)(2011/04/18 )
日程 尼崎事故弾劾!4・23全国総決起集会
●尼崎事故弾劾! 反合理化・運転保安確立
●車両検修全面外注化阻止! 1047名解雇撤回!
●国鉄闘争全国運動で労働運動を甦らせよう!
4月23日(土)午後1時 JR尼崎駅北口広場
主催 国鉄千葉動力車労働組合/国鉄闘争全国運動・関西準備会
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2484号2面1)(2011/04/18 )
相模原市議選 原発廃止を訴え2213票
闘う団結が大きく前進
地区・支持者が熱烈な決起 大恐慌・大震災と対決
西村綾子さんを押し立てて闘い抜かれた相模原市議選は、3・11大震災と福島第一原発事故に対し、被災地救援とすべての原発の即時停止、震災解雇を許すなと真正面から訴えて大奮闘し、2213票を獲得する大勝利をもぎりとった。
(写真上 選挙戦最終日、相模大野駅前の商店街を練り歩き「全原発の即時停止」「震災解雇を許さない」と訴える西村綾子さん【4月9日 神奈川県相模原市】)
結果は25位(定数19人)と当選に及ばなかったものの、定数19人に29人が立候補するという南区の激戦地において、獲得票を数カ月で千票も拡大するという驚異的力を発揮して闘い抜かれた。この2213票は、大恐慌の上に大震災・原発事故という未曽有の情勢に対して、それをもたらした帝国主義体制・新自由主義攻撃に対する怒りの一票一票であり、労働者階級が団結して闘えば勝てるという自信と確信に満ちた2213人の決起としてあった。
そもそも今選挙戦は、昨年4月に相模原市が政令指定都市となり、これまで全市1区だった選挙区が3分割される中で、大変な困難を強いられた選挙戦だった。地域で票を割る大政党とは違い、全市から支持を受けてきた西村綾子さんは前回3500の支持票が3分割で1200票にまで削られた。軍都相模原における「革命的議員・西村つぶし」の大反革命だった。
しかし、だからといって逃げる選択肢はない。新自由主義がついに大破産し、エジプト革命はついにプロレタリア革命の時代が来たことを告げ知らせていた。そして、昨年6・13集会から始まった国鉄闘争全国運動が確実に日本におけるプロレタリア革命の現実性をたぐり寄せている手応えを感じていた。どんなに困難であろうとも断固挑戦し、絶対に革命の拠点を建設する、その決意で選挙戦は闘い抜かれた。
選挙戦終盤に直面したのは「政治休戦」「挙国一致」の大反動だった。震災直後の訪問では「こんな時に選挙か」「宣伝カーを回すような候補には1票も入れない」という声もあった。しかし、日々明らかとなっていく大震災の現実、そして福島第一原発の事故、労働者階級人民のことなどまったく無視した治安のための「救援」活動……。その中で”一切は資本主義・帝国主義がもたらした現実だ! しかも、これまで原発を推進し、合理化・民営化で公務員削減・地方切り捨てに手を染めてきた全勢力が「政治休戦」を叫んでいる。何がなんでもこの現実をひっくり返す!”と決意し、3・20集会の勝利、そして被災地の仲間の闘いに励まされながら全力で決起した。
何よりも、当該地区の現場で働く仲間たちがものすごい力を発揮した。計画停電の混乱の中で自分の職場で闘い抜きながら、全員が担当地域を受け持ち、深夜に至る組織戦に決起した。毎日の意思一致、そして週に1度の総会で繰り返し議論し、闘う意志をたぎらせ、団結を打ち固めていった。この当該地区の仲間の必死の闘いと結合して神奈川労組交流センター、最終盤は東京・関東を始め全国から駆けつけた仲間がひとつになって組織戦・街頭宣伝・事務作業などに決起した。
特筆すべきは、これまでの支持者層がかつてない規模の決起を開始したことだ。家族・親戚・縁者、職場の仲間、子どもの学校の教師から新聞配達の人にまで声をかけ、投票行動を促した。選挙事務所に集った人が組織者となり、熱烈な決起をつくり出していった。国鉄闘争全国運動と反原発闘争を2大柱にした選挙戦は、労働者階級人民の怒りの決起に結びつく不動の確信を打ち立てた。
街頭も沸騰していた。福島県相馬市から避難してきた親子は、西村綾子さんの原発廃止の訴えに「自分は投票権はないけれども、本当に頑張ってほしい」と立ち止まり、いわき市から就職活動に来た青年労働者とも熱い交歓をかちとった。東電を始め原発にかかわる多くの労働者・家族の怒りと結合した。そして、選挙事務所は労働相談所となり、合同労組に入って闘いたいという青年が2けたに上った。
西村綾子さんの訴えは圧巻だった。他候補があくまで原発政策にしがみつき、「ムダ削減」「公務員削減で減税を」などと叫ぶ中、4期16年間の闘いで培った揺るぎない確信を基礎に、原発政策への批判、政令指定都市化との闘い、労働者が闘えば勝てるという確信に満ちた訴えが多くの聴衆を魅了した。西村綾子さんの存在を初めて知ったという男性は、寒空の中、涙を流しながら1時間近く演説に聞き入って支持を表明した。
本気で勝利に向かって闘ったからこそ、当選に至らなかったのは本当に悔しい! しかし、大恐慌と大失業、大震災・原発事故に対して真っ向から階級的立場を貫いて闘えば、これだけの力がつくり出せるという手応えをつかむことができた。
勝負はこれからだ。原発絶対反対の壮大な大衆運動をつくり、6・5集会に向けて4大産別での拠点建設、合同労組建設、労働学校建設など、次の闘いの構想は見えている。当該地区の仲間を先頭に大恐慌・大震災をプロレタリア世界革命に転じる拠点建設に全力を挙げよう。杉並と八尾の選挙闘争に勝利しよう!
(写真 投票日の翌朝、地元の小田急相模原駅頭に立ち、市民と元気いっぱいにエールを交換【4月11日】)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2484号2面2)(2011/04/18 )
女川・東通原発、六ヶ所再処理工場
「余震」の揺れで電源が停止 核燃料の冷却が一時不能に
非常用発電機も故障し起動せず
7日深夜に宮城県沖で起きた最大震度6強の余震の影響で、東北地方の原子力施設で冷却システムが一時停止するなどの重大事態が発生。大事故寸前だったことが判明した。各施設の状況は以下の通りだ。
●日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)
試験運転中で、停電により2系統の外部電源が遮断。非常用ディーゼル発電機が稼働し、使用済み核燃料貯蔵プールの冷却を続けた。プールには使用済み核燃料棒集合体が1万1千体保管されている。
●東北電力東通(ひがしどおり)原発(青森県東通村)。1号機が定期点検で停止中。2号機が計画中。
@地震で県内全域が停電し、外部電源2系統が両方とも止まった。3台ある非常用ディーゼル発電機のうち2台は検査中で使用できず、残る1台で電力を供給。核燃料は使用済み核燃料一時貯蔵プールに入っていたが、停電後にプールの冷却系が自動停止する事態が発生。約1時間後に再開。
Aところが8日午後2時前、運転中の非常用発電機から燃料の軽油約200gが漏れ出して故障。それより前の8日午前3時半に外部電源1系統が復旧していたので難を免れたが、全電源ストップという福島第一原発とまったく同じ、恐るべき事故発生の寸前だった。
●東北電力女川(おながわ)原発(宮城県女川町、石巻市)。1〜3号機が震災で停止中。2号機が定期点検で停止中。
@1〜3号機とも、外部電源5系統のうち3系統が使用不能となった。残る2系統のうち1系統が点検中だったため、1系統しか電源がない状態だった。
また、1号機の非常用発電機2台のうち1台は壊れており、4月7日の余震時には使用不能であったことが判明した。
A使用済み核燃料プールの冷却系が自動停止し、一時プールの冷却ができなくなった。東通原発と同じく大事故寸前だった。1〜3号機とも約1時間後に再起動した。
B女川原発では、3・11大地震―大津波でもひとつ間違えば大惨事に到ったことが判明した。
状況は以下の通り。女川原発の敷地の標高は14・8bだが、地震で1bの地盤沈下。津波は敷地まで80aに迫っていた。津波の痕跡が敷地の外縁に残っていた。
1号機。外部電源が変圧器の故障で使用不能となり、外部電源の復旧までの間、非常用発電機で11時間冷却を行った。またボイラー用の重油タンクが倒壊したり、原子炉建屋などで20カ所が水漏れ。タービン建屋の地下1階で火災が発生。
2号機。非常用発電機3台のうち2台が起動しないトラブルが発生。別系統によって原子炉が停止。原子炉建屋の地下が浸水。
3号機。冷却系に海水が進入。
「非常時」とはそれ自体大事故
東北電力がどこまで真相を公表しているか不明だが、明らかにされただけでも戦慄(せんりつ)する事態だ。
まず何より、東通原発、六ケ所村の再処理工場ではすべての外部電源が止まり、非常用ディーゼル発電機で急場をしのいだ(女川は5系統のうち3系統が停止)。しかも震度6で生じた。「非常用発電機が作動したから大丈夫だった」などというのは、事態の恐るべき深刻さから労働者人民の眼をそらすための実にあくどいペテンだ。だまされてはならない。「非常時」とはそれ自体が大事故だ。文字通り「絶対にあってはならない事態」なのだ。
また「万が一のため」に設置してあるはずの非常用ディーゼル発電機も故障が続出、まったく安全を保証できないことが判明した。「非常用ディーゼル発電機はうまく起動しないことが多く不安定な電源」と専門家が証言しており、それが完全に証明された。
さらに、東通原発と女川原発での冷却系の停止は恐るべき事態だ。核燃料は運転停止後も1000度以上のものすごく高い放射熱を発しており、冷却停止状態が続けば、貯蔵庫の水がすべて蒸発し、核燃料が溶けだすという大事故寸前だった。
それ以上に極めて深刻なのが六ケ所村再処理工場での外部電源の停止だ。これは、六ケ所で初めて発生した事態だ。六ケ所の使用済み核燃料貯蔵プールには、前述したように全国の原発から持ち込まれた使用済み核燃料棒集合体が1万1千体保管されている。これも超高温の崩壊熱を出し続けており、冷却し続けなければならない。もし冷却に失敗すれば、大爆発を起こして、原子炉を百基まとめて爆発させたと同じような大惨事となり、日本全国を消滅させてしまうほどのものだ。
原発は「安全に運転すれば大丈夫」などということは絶対にない。核は本質的に制御不可能なのだ。また外部電源の停止、非常用発電機の故障という事態は、この3カ所の施設だけの特殊なことではない。全国どこも同じだ。それがひとたび生じるや制御できなくなることは福島第一原発事故が示している通りだ。どこの原発でも、明日にも福島第一原発と同様の惨事が発生する恐るべき現実にあるのだ。
菅首相は12日の記者会見で、原子力発電をあくまで推進し、現在稼働中の全国の原発も停止させないと語った。菅を絶対に許すな。全原発を即時停止させ、廃炉にすることは死活的だ。全国の電力労働者の皆さん、ともに立ち上がろう。すべての労働者・農民・漁民の闘いで全原発を即時停止―廃絶させよう。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2484号2面3)(2011/04/18 )
6・5大集会に賛同・参加を
国鉄闘争全国運動が呼びかけ
国鉄闘争全国運動から6・5大集会への呼びかけが発せられた。新自由主義に対する怒り、原発大事故と大失業への激しい怒りを一つに集め、全国からの総結集を実現しよう。(編集局)
国鉄闘争全国運動6・5大集会への賛同と参加のお願い
国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動
私たちは昨年6月、「国鉄闘争の火を消してはならない」と訴え、国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動(国鉄闘争全国運動)を立ち上げました。これは、新自由主義への対抗軸となる新しい労働運動をつくることを展望した大きな挑戦でもあります。
その渦中で起きた大震災と福島原発の大事故は、労働運動をめぐる情勢を一変させています。震災後の情勢の中で国鉄闘争はどう進めばいいのか。急きょ、首都圏の呼びかけ人が集まり、真剣な討議が行われました。
「新しい情勢下での国鉄闘争の考え方とあり方をつくりだす。震災後の状況の中で労資協調になおかつ手を染めていくことになれば、もう際限のない権利喪失につながる」
「労働運動が包囲されていく状況が生み出され、労働組合の側にもどうしなければいけないのかという視点がまったくない。階級的な運動と生活や社会の再建など社会全体に対する視野が分裂させられている」
「大地震後の災害は、津波にしても原発にしても人災じゃなくて、資本と国家の犯罪だ。新自由主義と民営化がもたらしたものだ。それを転換させていく労働運動の戦略方向を明確にしなければならない」
「原発事故問題でも、政府、企業、行政による議論の封殺、秘密主義を打破できなかった背景に反核と反原発を分裂させてしまった労働運動の問題がある」
「長期的な観点から情勢が転換した時点での運動のあり方を組み立てて、6月5日の全国集会で打ち出したい。国鉄分割・民営化の根底にあった新自由主義的なイデオロギーと今回の大震災の背景にある問題の根の同一性をはっきりさせ、来るべき解雇攻勢に対抗できる運動の形態を提起できればと思う」
「国鉄闘争が追求してきた論理をより普遍化して考える必要がある」
――など、一変しようとしている情勢のもとでの国鉄闘争全国運動の方向性が討議され、6月5日の全国集会に向けてさらに議論を深めていくことが確認されました。
大震災後、「自粛」「政治休戦」の名のもとに労働組合のあらゆる闘いが放棄されています。1047名闘争をめぐっても、国労本部など4者4団体は、「大災害を考慮し雇用問題の政治への運動を当面中断します」との声明を出しました。しかし、今ほど労働運動の復権が求められている時はありません。国鉄闘争の持つ位置はこれまで以上に大きくなっています。私たちは、6・5全国集会を、国鉄闘争勝利、労働者と労働運動の未来のための新たな出発の場にしたいと考えています。
国鉄闘争をめぐる情勢も大きく動いています。昨年の「政治解決」以降、国労本部の労資協調・連合路線への転換が急速に進んでいます。この1年、労働運動をめぐって進んだのは、社保庁の民営化に伴う「国鉄方式」の解雇、日航の指名解雇、郵政での非常勤労働者数千名の解雇など、労働者への全面的な攻撃でした。4・9政治解決が、1047名闘争のみならず労働運動全体の息の根を止めようとする攻撃であったことはますます明らかです。
こうした状況の中で、反合理化・運転保安闘争路線を貫いて業務の全面的な外注化計画を再び阻止した動労千葉や、ゼネコン支配をくい破った昨年の全日建連帯労組関西地区生コン支部の産業ゼネストは労働運動の大きな展望を示しています。
無数の労働者・民衆が生きる手立てすら奪われようとしている大震災以降の情勢の中で、その怒りの声と結びつき、具体的な闘いの展望を示すことができるかが問われています。団結を取り戻し、労働運動の現状を変革することが求められています。心から6・5全国集会への結集をお願い致します。
2011年4月8日
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2484号2面4)(2011/04/18 )
4・10杉並 反原発1万5千人がデモ
1千万人署名に長蛇の列
反原発の巨大な怒りのうねりが始まった。
4月10日、杉並区高円寺で1万5千人の反原発デモが行われた。集会場の高円寺中央公園は集会参加者で黒山の人だかりとなった。道路にも人があふれ周辺は解放区と化した(写真)。
約3`のデモコースだが、デモ隊列の先頭が解散地点に到着した頃にようやくデモ隊の後方が出発するほど長蛇のデモとなった。高円寺の街が文字どおり反原発のデモで埋め尽くされたのだ。警察権力は規制することもできない。
デモの主力は20〜30歳代の青年だ。インターネットを見て初めてデモに参加した人も多い。「もう原発はいらない」「自分なりに考えて参加した」「子どもたちのために反対だ」「こんな日本の社会のあり方を変えたい」「ドイツの50万人デモを越えよう」。デモは原発を推進する資本主義社会への根底的な問いかけと怒りであり、一人ひとりが自らの生き方をかけて決起した。
東京労組交流センターと東京西部ユニオンは高円寺駅頭で反原発1千万人署名を集めた。集会会場は駅から徒歩数分の所にある。思い思いのメッセージボードを持った青年が次々と駅から出てきて、列をなして署名をしていく。住所を見れば首都圏を始め全国から参加していることが分かる。署名をしたある青年は「僕も署名集めをやるよ」と西部ユニオンの原発反対ゼッケンをつけて一緒に署名を集め始めた。この日の署名数は1900筆。空前の数だ。
日本のマスメディアはこのデモを黙殺した。総務省は6日、「流言飛語を振りまくな」と通信各社に原発報道への規制を強制しているのだ。
震災から1カ月。「政治休戦」をぶち破った3・17緊急渋谷デモ―3・20デモを突破口に、反原発の怒りは青年労働者・学生を先頭に燎原(りょうげん)ごとく燃え広がろうとしている。
10日には東京都知事選で原発推進のファシスト石原が当選したが、労働者人民はけっして原発など認めていない。原発絶対反対の北島邦彦杉並区議の再選こそ石原打倒、菅政権打倒の突破口だ。
反原発1千万人署名で職場・地域の怒りを組織し、原発推進の連合にとって代わる闘う労働組合を登場させよう!
(投稿/M)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2484号2面5)(2011/04/18 )
【要項】国鉄闘争全国運動6・5大集会、鉄道運輸機構訴訟控訴審
国鉄分割・民営化絶対反対! 1047名解雇撤回!
新自由主義・震災解雇と闘う反失業大闘争を!
国鉄闘争全国運動6・5大集会
6月5日(日)午後1時開始(正午開場)
日比谷公会堂(東京都千代田区日比谷公園)
(東京メトロ「日比谷」「霞ヶ関」、都営地下鉄「内幸町」下車)
鉄道運輸機構訴訟 控訴審
再開第3回口頭弁論 4月26日(火)午後1時半
東京高裁101号法廷 ※午後1時から傍聴券交付
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2484号3面1)(2011/04/18 )
解雇粉砕・非正規職撤廃へ
被災現地の闘いと連帯し新自由主義と全面対決を
革共同合同・一般労組委員会
震災が突きつける大飛躍
3・11東日本巨大地震が突き出したことは、新自由主義のもとでは人間は生きていくことなどできないということだ。大地震それ自身は自然災害であるが、地震や津波による被害、原発の被害を含めてそれらすべては新自由主義を強行してきた国家と資本の犯罪である。今起きていることは階級戦争そのものだ。
資本は大地震を契機に労働者階級に一切の犠牲を押しつけ、延命しようとしている。新自由主義の破産による大恐慌のもとで、労働者階級の怒りは臨界点に達していた。失業・解雇・貧困・ワーキングプアの生活苦が襲いかかっていた。そこに震災と震災を口実にした極限的階級戦争が仕掛けられているのだ。
3・19の米欧帝国主義のリビア侵略戦争は、震災を契機とする日本発の大恐慌が世界革命に発展することへの恐怖から引き起こされている。震災から5日目、米軍は沖縄海兵隊の精鋭部隊を仙台空港へ送り込み、自らの緊急基地を造った。仙台空港を米軍は「キャンプ・仙台」と呼んだ。福島原発への特殊部隊投入も戦術核を使った朝鮮侵略戦争後を想定した訓練だった。
3・11ですべてが一変した。人類が経験したことのない空前絶後の激動情勢である。プロレタリア世界革命によってしか今日の情勢は突破できない。労働組合を基軸とする労働者階級の団結によってのみこの階級情勢を根底から転覆できる。闘って闘って生き抜こう。生き抜いて闘い抜こう。その先頭に合同・一般労組委員会が立とう。
われわれは昨年8月5日、広島において合同・一般労組全国協議会を結成した。新自由主義攻撃と真っ向から対決する歴史的闘いとして登場した「国鉄闘争全国運動」の立ち上げと一体で合同・一般労組全国協議会は結成された。
昨年4・9の国鉄1047名解雇撤回闘争の政治和解後、起きている事態は非正規雇用撤廃闘争の階級的意義をますます明らかにしている。そして東日本大震災はわれわれに大きな飛躍を突き付けている。
合同・一般労組委員会が「東日本大震災救援」運動の先頭に立とう。宮城連帯ユニオン、ふくしま合同労組等、東北の被災地で闘う合同・一般労組の仲間の闘いを支え、彼らが東北の地で被災地労働者の先頭に立って闘いを組織し、資本・行政と闘うための資金と、物資を届けよう。
さらに全国に波及する解雇攻撃に対し合同・一般労組を組織し、農民・漁民と連帯し、新しい社会を創造していくのだ。奪われたすべてを奪い返せ! 人間の存在を全否定する新自由主義・帝国主義と全面的に対決して闘い抜こう!
(写真 イラク反戦8周年の3・20渋谷デモで「合同労組に入ろう!」と街頭にアピールした)
団結し資本・行政と闘おう
大震災以後、東北の被災地のみならず全国でリストラ・首切りの嵐が吹き荒れている。福島原発事故の放射能の影響で出荷停止翌日の朝、福島のキャベツ栽培農家の64歳の男性が自殺するという痛ましい事件が起きた。国や東電は農家に対して何の補償も謝罪もしていない。東電は農家から生きる手段を奪っている。さらに東電は海に高濃度の放射能汚染水を垂れ流し始めた。漁民の生活はどうなるのだ。
労働者にとっては被災して家を流され、家族を失い、その上これからどのようにして生活していけば良いのかのめども立たない。避難所から出勤している労働者もいる。厚生労働省はいくつかの「特例措置」を打ち出したが、何の解決策にもならない。今こそ労働組合がこれまでの常識を超えるような抜本的「特例措置」を出させるなどの闘いが求められる。
資本の側は資本を守るために首切り・リストラ・賃金未払いの攻撃をかけて来ている。「政治休戦」「挙国一致」はブルジョアジーの側の攻撃であり、連合方針でもある。「政治休戦」の次は「救国の資本主義復興運動」に動員されることになる。労働組合が「政治休戦」などと闘いを放棄してはならない。「東日本大震災の現状を考慮し『雇用問題』の政治への運動を当面中断します」(がんばれ闘争団/ともにGO! 119号)として、予定していた4・1集会も中止するなど、4・9政治和解を推進したやからの反労働者的本質が露呈している。
生きるために労働者が団結して資本や行政に生きさせろ、職場をよこせ、休業補償をしろとあらゆる手段を駆使して闘うことが必要だ。東電の計画停電などを口実に震災に便乗した解雇は続々と開始されている。震災解雇は非正規雇用労働者から始まっており、派遣社員やパート労働者が解雇されたり、休業補償を受けられないケースが全国で相次いでいる。震災直後から自宅待機を命じられ、生活に行き詰まる人が続出している。
今こそ労働組合が立ち上がり、首切り・リストラを許さず資本の攻勢と闘わなければならない。福島県の内陸部にある電気部品メーカー派遣社員100人が震災翌日から自宅待機を命じられ、1週間後会社から契約の打ち切りを告げられ、休業補償の提示もなく、4月1日付で解雇された。東京・新宿の通信関連会社で働く営業職の男性も震災翌日から仕事がない。東日本地域でインターネットの光回線導入を電話で勧誘してきた男性100人は、回線の敷設を請け負う提携会社が震災後に工事を中止したため、自宅待機を命じられ、事実上の整理解雇を受けたという(3・28付東京新聞)。
「内定取り消し」も拡大している。地震直後の8日間だけで内定取り消しを検討する企業相談が93件あり、関東でも32件報告された。東北3県では労働局に8千件を超える労働相談があった。最も多いのが岩手の3750件で、うち40件が内定取り消し、29件が入社延期だ(同3・30付)。
このような震災を口実にした解雇を助長することになったのが「労働基準法26条解釈」の厚労省通達だ。今回の停電は、危険極まりない原子力発電所に依存してきた政府と東京電力の責任であるにもかかわらず、政府と東電は原発政策の破綻をすべて労働者を犠牲にすることでのりきろうとしているのだ。仕事をよこせ、首切り・賃下げを許すな! 非正規職撤廃・派遣法を撤廃せよ!
被曝労働強いる東電弾劾
原発事故直後、東電に乗り込んだ菅は「撤退などあり得ない。覚悟を決めて下さい。撤退した時は東電は100%つぶれます」と恫喝した。「千年に1度の津波に耐えているのは素晴らしい」と述べた日本経団連会長・米倉と同じだ。菅も米倉も炉心溶融・爆発の危機を回避して原子炉から放射能が漏れ出ることを防ぐために全力を尽くす立場ではなく、原発をいかに防衛するかだけを考えている。そこで働く労働者の命のことなど眼中にないのだ。
東京電力福島第二原子力発電所で働く46歳の女性社員が東電幹部に送った、復旧作業の現場の悲痛を報じたメールが朝日新聞(3・27付)で公開された。「実家の両親は津波に流され、いまだ行方が分かりません。本当ならすぐにでも飛んでいきたい。でも避難指示が出ている区域で立ち入ることすらできません。自衛隊も捜索活動に行ってくれません。こんな精神状態の中での過酷な労働。もう限界です」「今回の地震は天災です。でも原発による放射性物質の汚染は東電がこの地にあるせいです」
原発の労働者はイスに座ったまま眠り、風呂にも入れず、カロリーメイトが唯一の食事だ。福島原発の作業を依頼する協力会社の中には「日当40万円出すから来ないか」と労働者に声をかけるところもあるという。許し難い被曝(ひばく)労働の強制だ。断ればこれから仕事がもらえなくなると心配し、募集に応じる労働者もいる。
原発には「原発ジプシー」とさげすまれてきた被曝覚悟で各地の原発の定期点検工事を請け負う渡り職人のような労働者もいる。原発の最も危険な作業は非正規職の下請け労働者が担ってきた。3月24日、タービン建屋で内部被曝を受けた3人の労働者もこうした下請けの青年労働者だ。
1987年のレーガン・中曽根による新日米原子力協定締結、それと軌を一にした国鉄分割・民営化以降の新自由主義による労働組合解体攻撃が原発労働の事故を多発させてきた。安全がないがしろにされ多くの青年の非正規職労働者が被曝労働を強制されてきた。原発・核こそ労働者階級への極限的な階級攻撃、虐殺行為だ。すべての原発を廃炉にせよ! 被曝労働の強制を許すな! 一切の責任は日帝ブルジョアジー、歴代自民党政権、そしてそれを引き継いだ菅民主党政権、東電や原子力安全委員会、保安院にある。
東電労組・連合はその共犯者である。元連合会長・現内閣特別顧問の笹森清は東電労組出身、連合事務局長の南雲弘行は前東電労組委員長だ。現東電労組会長・電力総連委員長の種岡成一は「想定以上の地震が起こっても原発は十分に耐えられる構造」と講演を行ってきた。こういう東電労組幹部と連合が原発を推進し労働者を殺してきた張本人なのだ。
チェルノブイリは1986年の事故以来、今も官民約7千人の労働者が廃炉の管理に当たっている。少なくとも向こう100年は同様の作業が続く。原発とはそういうものだ。
すべての原発を直ちに停止・廃炉にせよ! 被災・被曝の責任を徹底追及し、菅民主党政権を打倒しよう! 被災地・被曝地で闘う労働者人民を支援・激励し「生きさせろ」の闘いをともに闘いぬこう!
青年労働者は合同・一般労組委員会に結集し、ともに大失業攻撃と全力で闘いぬこう!
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2484号3面2)(2011/04/18 )
原発なくせ!被災地支援!4・29安保・沖縄・憲法集会へ
東京・浅草でデモ行進をします
「とめよう戦争への道!百万人署名運動」が、反原発を掲げた4・29安保・沖縄・憲法集会を呼びかけています。大結集してともに闘おう! 以下、呼びかけ文を掲載します。(編集局)
東京、首都圏、そして全国の皆さん。「とめよう戦争への道!百万人署名運動」が主催する「原発なくせ! 被災地支援! 4・29安保・沖縄・憲法集会」は、非常に重要な取り組みとなりました。集会後は「原発廃止、新基地阻止」を掲げてデモ行進します。各地からの結集をあらためて訴えます。
百万人署名運動は3月5日に全国連絡会代表者会議を開き、4・29集会で運動の新たな出発点を築こうと決意しました。昨年11・23の延坪島砲撃戦という戦争情勢にしっかり向き合い、米日(韓)による朝鮮侵略戦争を絶対に阻止しよう、エジプト革命に連帯して安保・沖縄・憲法闘争を徹底的に闘い、その展望を切り開こうと確認しました。そうした中で「3・11」が起こり、情勢が一変しました。この情勢の中で議論をつくし、必死に闘いながら方針を定めていく。4・29集会はその重要な討論と実践の場となりました。
4・29集会は当初、「4・28沖縄デー」の安保・沖縄闘争として設定されました。それは3・11情勢の中でますます重大になっています。
震災を口実に日米同盟の有事体制が本格的に発動されました。その中で普天間基地の強化、新基地建設の強行、沖縄闘争圧殺が狙われています。いまこそ普天間基地撤去・辺野古新基地建設阻止の闘いの旗を全力で振っていくことが絶対に必要です。
そのうえで、反原発・核武装阻止に総決起することが必要です。4・29集会の課題は、政府・財界の「原子力政策」、原発事故対策への怒りを爆発させ、戦争への道を阻止するために、労働運動をはじめ全民衆の中に反核・反原発闘争を復権させる出発点をつくることです。すでに始まったヒロシマ・フクシマ発の反原発署名運動を軸にして、新たな構想を持ってともに取り組みを進めていくことです。
福島第一原発は再臨界が起こっているとも言われ、危機は進行しています。震度5〜6の強い余震も続き予断を許さない情勢です。この中で被災者や避難民の怒りは限界に達しています。4月10日の杉並・高円寺では、1万5千人の若者・青年が反原発デモに結集しました。
しかし世界の大国は、世界大恐慌の危機から逃れて延命するために、原発推進政策に転換しています。とくに日本政府と財界は、原発輸出を「新成長戦略」の中心にすえ、「原発立国計画」を打ち出して、原発の新設・増設をなんとしても推進しようとしています。「謝罪」会見の中で東電社長は、柏崎刈羽原発3号機の再開を発表しました。本当に許せません。原発事故の多発を絶対に許してはならないのです。一切の責任を政府と東電・財界にとらせなければなりません。
日本で「原子力政策」を最初に推進してきたのは、読売新聞社社長だった正力松太郎と、科学技術庁長官だった中曽根康弘です。原発は日本の核武装化政策であり、まさに日本資本主義そのものを意味していました。それを歴代政権はひきついできました。これに協力してきたのが「原子力の平和利用」を掲げてきた日本共産党であり、電力総連と連合でした。反核・反原発の闘いはまさに根底的闘いであり、首切りと侵略戦争の根源である資本主義を打ち倒し、この社会を根本的に変革していく闘いそのものです。
4・29集会デモの大成功をかちとり、すべての原発を今すぐ止める運動の出発点にしましょう。安保・沖縄闘争、裁判員制度廃止闘争、改憲阻止闘争の高揚を切り開き、菅政権を打倒し、朝鮮侵略戦争を阻止する力を拡大しよう! 多くの皆さんの結集を訴えます。
◇
原発なくせ!被災地支援! 4・29安保・沖縄・憲法集会
4月29日(金)正午開場1時開始/集会後デモ
東京・台東区民会館ホール(台東区花川戸2-6-5 東武線・東京メトロ・都営線「浅草駅」から徒歩5〜8分)
主催=とめよう戦争への道!百万人署名運動/協賛=戦後50年を問う8・15労働者・市民のつどい全国統一実行委員会、沖縄民権の会、沖縄―本土をむすぶ労組連絡会
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2484号3面3)(2011/04/18 )
NAAの証拠は崩壊
市東さん農地裁判 争点の土地、特定誤り
4月12日、市東孝雄さんの二つの農地裁判が千葉地裁で続けて開かれ、三里塚芝山連合空港反対同盟と支援の労働者・学生が傍聴席を埋め、連帯してともに闘った。
反対同盟と顧問弁護団のねばり強い闘いによって、成田空港会社(NAA)は前回、争点の土地である「南台41―9」について市東さんが占有(=耕作)していないことを認め、「訴えの一部取り下げ」を言い出してきた。ふざけるんじゃない! NAAは地主のような顔をして「賃貸借契約は終わりだ。土地を明け渡せ」と市東さんを裁判に訴えて被告席に座らせておきながら、今頃になって肝心の土地特定が誤りだったことをしぶしぶ認めて「一部だけ」取り下げるというのだ。
午前10時半に市東さんが千葉県を訴えた行政訴訟が開廷した。県は06年に賃貸借契約解除許可決定を出し、NAAの農地強奪策動にお墨付きを与えたのだ。
顧問弁護団は県の代理人弁護士に対し、NAAの「一部取り下げ」の事態を突きつけ、解約許可処分を取り消すよう鋭く迫った。沈黙を決め込む県に代わって多見谷寿郎裁判長は、「県のご主張は、許可申請の形が整っていれば中身に間違いがあっても許可を出した県に責任はない、ということでいいですか」などと水を向けるが、すかさず弁護団は「そんな主張は通用しない!」と徹底的に批判し、県は求釈明に速やかに誠実に答えなければならないことを裁判所に認めさせた。
続いて11時10分、農地法裁判が開廷。原告NAAは「41―9」の土地が「現在は耕作されていない」と言いながら、もともと市東家の契約地ではなかったことは認めようとしない。認めればそれでこの訴訟は崩壊したに等しい。対象物件を正しく特定できない明け渡し訴訟など成り立たないということだ。
NAAは旧地主の藤崎政吉が作成したと称する「境界確認書」「同意書」の図面だけを根拠にして、この土地が契約地だと言い張ってきた。だが弁護団による面談調査で、藤崎自身が「関与していない」と明言している。図面の証拠価値はゼロ、いやマイナスだ。これらの矛盾を弁護団は容赦なく追及した。
NAA代理人弁護士の上野至(元千葉地裁の反動裁判長!)は、沈黙でのりきることができなくなり、「場合によっては請求の放棄を検討する」と裁判長に向かって言い出した。また藤崎を証人申請する意思があるかどうか尋ねられると上野は、「ありません」と否定。藤崎を証人申請しないということは、NAAの土地特定の唯一の「根拠」である「同意書」等の証拠価値を自ら否定するに等しい。その恥知らずなあがきに、傍聴席から一斉に怒りの声がたたきつけられた。
次回期日を5月24日と確認し閉廷。その場で市東さんはNAA側に、穏やかな口調だがはっきりと「なぜ藤崎を証人に出さないのか」と迫った。上野らNAA代理人はまともに目を合わすこともできない。
(写真 報告集会で県と成田空港会社への怒りを語る市東孝雄さん【左】=4月12日・千葉市)
現闘本部裁判の判決粉砕へ
弁護士会館において鈴木謙太郎さんの司会で報告集会が開かれた。最初に市東さんが傍聴への感謝と決意を述べた。続いて葉山岳夫弁護士を先頭に、弁護団が法廷での闘いを解説した。とりわけ、「請求放棄」という形で争点そのものを削り落としてしまおうとするNAAのあがきに対し、追及の手を緩めず追いつめることが確認された。
萩原進事務局次長がまとめの発言に立った。「裁判が始まる時、マスコミは市東さんを『人の土地を不法に耕して作物を売って暮らしている五十代男性』みたいに報道した。祖父の代から開墾して農地を育んできた農民にとってこんな屈辱はないですよ! 敵にすきを見せずに闘って勝利しよう。5・20現闘本部裁判控訴審では判決の強行を粉砕するため全力で決起を!」と訴えた。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2484号3面4)(2011/04/18 )
日程 三里塚裁判、4・29原発なくせ!被災地支援!安保・沖縄・憲法集会
三里塚裁判傍聴を!
◎市東さん耕作権裁判
4月18日(月)午前10時30分 千葉地裁
◎団結街道裁判
4月19日(火)午前11時 千葉地裁
※傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合を
◎天神峰現闘本部裁判控訴審判決強行粉砕闘争
5月20日(金) 東京高裁
-------------------------
4・29原発なくせ!被災地支援!
安保・沖縄・憲法集会
4月29日(金)正午開場1時開始 ※集会終了後、デモ行進
東京・台東区民会館ホール(台東区花川戸2-6-5 東武線・東京メトロ・都営線「浅草駅」から徒歩5〜8分)
主催=とめよう戦争への道!百万人署名運動/協賛=戦後50年を問う8・15労働者・市民のつどい全国統一実行委員会、沖縄民権の会、沖縄―本土をむすぶ労組連絡会
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2484号4面1)(2011/04/18 )
人手不足なのに雇い止めか
仙台の自治体労働者は訴える
動労千葉と全国労組交流センターが立ち上げた「生きぬくために闘う! 東日本大震災救援対策本部」が、ニュースを連日発行して被災地の労働者の闘いを報じている。17号(4月12日発行)の仙台市役所動労千葉を支援する会の田村昌也さんの報告を転載します。(編集局)
『救援対策本部ニュース第13号』に掲載された新潟市職労・斎藤さんへの雇い止め解雇の記事を読んで、怒りが込みあげてきました。
私も3月31日に仙台市の臨時職員を雇い止めになりました。
被災地の自治体では人手が全く足りません。震災以前から徹底した人員削減と非正規化で職場はパンク寸前でした。そこに3月11日の大震災です。私も通常の窓口業務に加えて避難所の運営業務に従事してきました。
区役所から派遣される職員は1避難所あたり1人のみで、余震等への緊急対応も必要なため、泊まり勤務も割り当てられました。
交通機関のマヒによる通勤困難、震災による諸手続きの急増、そして避難所運営…現場の労働者は身も心も限界の状態で働いています。
(写真 臨時職員を雇い止めした仙台市当局が退職者を職員に【4・5付河北新報】)
臨時職員全員を「雇い止め」
それなのに、3月31日で臨時職員は全員雇い止めです。私も含めて多くの仲間が次の仕事を見つけることができていません。
「最長1年、日給6030円」という雇用形態は、以前から「官製ワーキングプアってこれのことだよね」と職場でも話題になっていました。
震災で職場が多忙を極める中で「特例で雇用期間が延びるんじゃないか?」「今やめられたら困る」という話が職場の中でなされてきました。しかし、やっぱり3月末日の雇い止め。一体、誰のための復興なのか? 何のための復興なのか?
はっきりしていることは、仙台市当局は、労働者の生活よりも「1年雇い止め」制度を優先したということです。
4月に入ってから、区役所の前でニュースを撒(ま)きはじめました。職場の雰囲気は日々刻々と変化しています。
一日中駐車場に張り付いている自衛隊車両。それから、他県から派遣されてきた自治体労働者の仲間がたくさんいることです。震災直後から応援に駆けつけた神戸市と新潟市をはじめ、京都市、横浜市などなど。昨日は横浜市の労働者が「自分にも1枚ください」とニュースを取りに来てくれました。
このとき思ったのは、私の雇い止めや斎藤さんの解雇って、一体何なんだということです。
被災地に職員を派遣している新潟市の職場は、きっと人手不足になっているはずです。被災地でも応援を出している自治体でも、人手が足りないのに雇い止め・解雇なのです。
退職者の無償労働で穴埋め
そして、最も怒りを覚えたのが、河北新報に載った「仙台市退職者32人嘱託職員に無報酬です」の記事(左上)です。
私や斎藤さんをはじめ大量の労働者を路頭に放り出しておきながら、人手不足を無償労働で穴埋めする! 震災を口実に公務員給与の大幅カットを狙う! すべての犠牲を労働者に転嫁して資本主義の復興をはかる! これが国と資本の「復興計画」の本質なのです。
震災を口実として仙台市当局は労働者の守り抜いてきた権利を一掃しようとしています。
勤務時間制限も超勤手当も破壊され、揚げ句の果てに無償労働による人員補充です。
しかし、起こっている事態は新自由主義の完全な破産であり、資本主義社会の崩壊です。今こそ、労働組合が「闘っても仕方がない」というこれまでの「常識」をひっくり返して、根源的な要求を掲げる時です。
根源的要求を掲げる組合に
「政治休戦」を拒否して、「人をよこせ! すべての労働者を正規職として雇え! すべての原発を即時廃止せよ!」の要求を職場から上げるときです。もはや労使協調では私たちは生きていけません。
4月7日夜、仙台市で震度6強の最大余震。職場の仲間に送った「大丈夫ですか?」のメールの答えは「また避難所が増えました」……。
現場では本当に人が足りません。
私は被災地から「労働力が必要なのに首を切るな!」の闘いを巻き起こします。
鉄道の安全と仲間の職を守り抜いてきた動労千葉のように闘います。
全国のご支援・連帯をよろしくお願いします。
(仙台市役所動労千葉を支援する会 田村昌也)
※救援対策本部のブログは「闘う救援対策本部」で検索。毎号のニュースが印刷できます。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2484号4面2)(2011/04/18 )
「原発廃止」へ続々署名
仙台 菅と東電に怒りの大街宣
震災発生から1カ月になる4月10日、東日本大震災現地救援対策本部は仙台市街ですべての原発の即時廃止を求める署名街宣を行いました。わずか2時間足らずで250人が署名に応じ、1500枚用意したリーフレットをあっという間に配りきりました。
街頭は菅政権と東電資本に対する怒りにあふれています。「自分も思いは同じ。原発は何としても止めたい」「津波で職場ごと流された。失業の責任を取らせたい」「震災解雇反対の署名はないんですか?」――署名を求めて歩み寄ってくる人たちが口々に思いを打ち明け、怒りを署名にして表します。
菅政権が野党・御用学者・連合幹部・マスコミを総動員して行っている「政治休戦」「想定外の事態」という宣伝は、完全に打ち破られました。みんな怒り、そして自分たちの手で原発を止め、首切りを止め、生き抜くために立ち上がり始めました。
この日は、労組交流センターの仲間、東北大学学生自治会の仲間に加えて、救援物資を運んでくれた富山大学の学生も合流。総勢30人での大街宣になりました。マイクを握った仲間は「今日は石巻に菅が視察に来ている。全責任を菅と東電資本に取らせよう」「職場の仲間が震災を口実に解雇通告された。絶対に許さず闘う」と渾身(こんしん)の訴え。街宣の終了時には「頑張ってください!」という激励と拍手が沸き起こりました。
参加した仲間は「これから毎週街宣をやろう」と全員で確認。東北大学学生自治会の仲間は、4月15日に行う東北電力への抗議デモを呼びかけました。福島第一原発の事故以後も女川原発の操業をもくろむ電力資本を絶対に許さない闘いです。5月1日には、連合や全労連の「メーデー自粛」を打ち破って、「原発とめろ! 震災解雇を許さない! 生きさせろ!団結集会」を開催します。
私たちは被災地から、3万人以上の仲間の命を奪った菅政権を打倒し、資本主義にとどめを刺す闘いに立ち上がります。全国の仲間の連帯を!
(写真 東日本大震災現地救援対策本部が全原発の即時廃止を求める署名を呼びかけ【4月10日 仙台】)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2484号4面3)(2011/04/18 )
新潟 すべての原発止めろ
労組交流センターが緊急デモ
4月10日、新潟労組交流センターを始め4団体の呼びかけで「すべての原発を止めろ! 緊急デモ」が闘われた。新潟駅前の石宮公園に約50人の労働者・市民が結集し、デモ出発前の集会を行った。インターネットで今回のデモを知った青年など初参加者も多くいた。
集会では「原発推進の片棒を担いできたのは連合だ。労働組合を再生させることで原発廃止を」(労組交流センター代表)、「震災を口実とした解雇・合理化が東北のみならず、新潟でも始まっている。解雇を許さず闘おう」(新潟地域一般ユニオン)、「これまで自分は原発問題にほとんどかかわってこなかったことを反省している。水俣病などと同じく国家・大企業の犯罪だ」(弁護士)、「今の状況は戦前のような国家統制に思え、強い違和感がある。全世界の原発を止めよう」(女性労働者)と各参加者が訴えた。
集会後、新潟駅前からデモに出発して「原発は危険だ!」「東電と政府は避難民に補償しろ!」「柏崎刈羽原発を止めよう!」と力強いシュプレヒコールを叫び、通行する労働者・市民の圧倒的な注目を集めた。
デモに先立って新潟労組交流センターは第20回総会を開き、反原発・被災地支援を始め国鉄闘争全国運動で労働組合を再生させていく方針を確立した。討論では3・11大震災情勢の中ですべてを引き受けて闘っていくこと、多くの労働者が思っていることを方針化し、主張を値引かず訴えることなどが強調された。
6・5全国集会に向けたオルグ戦に突入しよう!
(運輸労働者 T)
(写真 「浜岡も柏崎刈羽も止めろ」と訴えるデモに圧倒的注目【4月10日 新潟駅前】)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2484号4面4)(2011/04/18 )
柏崎刈羽原発の現地から
事態は国と東電資本の犯罪だ フクシマの怒りを共有しよう
住民を脅して危険性隠ぺい
最も恐れていた原発事故がついに起きてしまった。故郷を奪われ、土地と海を破壊された福島の人びと。同じく立地点の住民として東電、国に対する怒りを、そして悔しさをどう表現すればいいのか。「原発は安全だ。大事故は絶対に起きない」と強弁し、地域住民をだまし、脅し、危険性を隠ぺいしてきた東電、国、経産省、原子力安全委員会、保安院を絶対に許すことはできない。
東京電力や国はこれまで柏崎・刈羽で、計画段階の40年前から東大工学部を中心とする御用学者を総動員して「大事故は絶対に起きない」と宣伝してきた。御用学者たちは講演が終わると、地元民が使えないような高級料亭で東電の接待を受けて帰っていく。監督官庁であるはずの保安院は恥ずかしげもなく東電と同じ内容の安全宣伝パンフを全世帯に配布。原発建設のためのセレモニーでしかなかった「公開ヒアリング」についても福井県敦賀の高木市長(当時)が「われわれが陳述人に、時には原稿まで用意して陳述を依頼し、終われば慰労会までやっているのが現実だ」と暴露した(1982年8月27日付『新潟日報』)。地元自治体や産業界には補助金や寄付金と称して巨額の金を配り、若干の仕事を与える。昨年も東京電力は人口5千人に満たない刈羽村に40億円を寄付した。プルサーマルへの布石と言われた。
現官房長官の枝野幸男は2000年、現法務大臣の江田五月、現名古屋市長の河村たかしとともに東電主催の柏崎刈羽原発視察の1泊2日ツアーに参加し接待されている。一方、反対する住民には「子どもの就職に影響が出るぞ」「夫が会社にいづらくなるぞ」と脅して発言を封じてきた。反対派の講演会には「TCIA」と呼ばれる東電職員を潜り込ませ、参加者をチェックした。
原発が危険なことは住民は誰でも知っている。柏崎刈羽原発が危険な断層の上に建っていることも、断層の長さを短く見積もっていることも、地震の強さや津波を低く見積もっていることも、全電源喪失やギロチン配管破断の危険性も、炉心溶融の破局的な結末と放射能汚染の被害なども。
フクシマで今進行している全事態は住民にとってはいつかは来る危険であり、現実にならないことを祈り続けてきた悪夢だ。東電と国は住民にだけ危険を押しつけて「重大事故は起きない」ことにしてきた。断じて「想定外」ではない。知っていながら無視してきたのだ。一連の事態は日本国家と東電資本による故意の犯罪なのである。
これまで東電の莫大(ばくだい)なCM料で原子力への批判を封印してきたマスコミが、この期に及んでも御用学者を次々と登場させ「多少の放射能は心配ない」と放送を続けていることも腹立たしい。彼らも核・放射能の危険を押し付けて来た共犯者だと厳しく追及しなければならない。
(写真 07年7月の新潟県中越沖地震直後に火災が発生した柏崎刈羽原発)
「停電」は東電の原発維持策
都会に住む皆さんにも訴えたい。被曝(ひばく)し、土地と海を奪われ、避難生活を送っているのは福島県民で、その電気を消費してきたのは東京圏の人びとであることをよく考えていただきたい。福島県民はその電気を使ってはいない。「計画停電」は「原発がないと停電する」と思い込ませるための東電の脅迫だ。あくまでも原発を維持しようとする策略なのだ。だまされてはいけない! 電力はそもそも水力発電と火力発電だけで十分賄えることはとっくに証明されている。しかし「原発がないと電気がなくなる」というデマ宣伝で真実がかき消されている。
厳しい現実を強いられているフクシマの人びとに連帯し、東京で、全国で、全国の原発現地で「原発絶対反対! 原発廃止!」の声を上げよう。フクシマの、被災地の、そしてあの全漁連の怒りを共有することだ。
柏崎刈羽原発では4年前の地震で全7基が壊れ、今回の一歩手前の事態となった。放射性ヨウ素が放出されたが、事実は闇に葬られた。現在、4基が運転再開され、残ったボロボロの3基も修理して運転再開がもくろまれている。福島の事故で大きな怒りが出ている中で、経済同友会は柏崎の残り3基の早期運転再開を求めている。現在進行形で都会が立地点に犠牲を強いているのだ。
原発に頼る時代はもう終わりにしよう。こんな厄介で危険なものを使わなくても人が普通に生きていける世の中になって欲しい。地震が起きるたびに死の恐怖におののく生活はもうやめよう! 福島原発、柏崎刈羽原発、すべての原発をただちに廃止しよう!
(新潟県柏崎市 米山一夫)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2484号4面5)(2011/04/18 )
10億円救援大カンパを
被災地支援は労働組合の団結を甦らせる闘い
全国の同志のみなさん。『前進』読者のみなさん。被災現地の仲間と共に団結して闘おう。被災地では仲間たちが生きるための根底的な決起を開始しています。この闘いを支え守り抜き、階級情勢全体に責任をとる勢力として労働者階級の前に登場しよう。大震災情勢をプロレタリア革命に転化する、10億円カンパ闘争への決起を呼びかけます。
東日本大震災から1カ月余りが経過し、日々明らかになる現実は、震災後の「復興」なるものが実はブルジョアジーとプロレタリアートの階級激突そのものであるということです。震災以前、世界大恐慌は戦争と大失業を強制し、青年労働者と学生から未来を奪ってきました。震災を契機に、一層この現実はむき出しの様相を見せて襲いかかっています。
昨年4月9日の国鉄1047名闘争解体のための政治和解攻撃に対して「国鉄闘争全国運動」を立ち上げ、11・23朝鮮侵略戦争情勢と対決してきた私たちこそが、この震災情勢と唯一対決できる路線と展望を手にしています。被災地支援とは、労働運動の力で復興を実現し、労働者階級の団結をよみがえらせる闘いです。この1年間の闘いの地平を、被災現地を先頭に全国の職場生産点で押し広げ、動労千葉労働運動を実践しよう。国鉄闘争全国運動がいついかなる情勢にあっても確固とした立場を堅持している以上、被災支援、反戦・反原発闘争は資本主義を根底から揺るがす闘いに発展するのです。
30年余にわたる新自由主義攻撃は、今回の震災で3万人近い死者・行方不明者を生みだし、チェルノブイリをこえる原発の被害をもたらしました。原発事故は歴代の自民党政権と菅民主党政権が生み出した、国家犯罪そのものです。
そもそも原発は動かすこと自体が安全無視の危険きわまりないもの。運転保安の観点で言えば存在そのものが絶対認められないものであり、労働者階級と相いれないものです。体制内労組幹部の協力のもとで初めてやっと成り立つ、究極の新自由主義の産物なのです。
日本政府の核政策は国鉄分割・民営化攻撃と一体で進められました。1980年代に核武装路線を強力に推し進め、原発−六ヶ所核燃サイクル施設−高速増殖炉「もんじゅ」の建設を推し進めました。その過程は、総評解体−連合結成へと至るプロセスそのものでもあります。そういう意味でも反戦・反核闘争の再確立は、まさに労働組合をよみがえらせ階級的労働運動を実践することと一体です。全国の職場・地域で1千万人署名を組織し、世界とつながる新たなヒロシマ・ナガサキ・フクシマの闘いを私たちの手で実現しよう。
「原発を廃炉に」という当然の要求は資本主義そのものとの激突であり、革命によってしか実現できないほど根底的要求です。改良主義的な要求が入る余地のない根源的な決起をわれわれに要求しています。「原発がなくなったらエネルギーがなくなる」と言いますが、資本主義社会のもとではエネルギーはブルジョアジーが独占しており、労働者には失うエネルギーなどありません。3・11情勢におびえているのは資本家連中であり、革命の現実性に対し暴力とデマで支配を維持するしかないのです。しかしその支配も私たちの闘いでぶっ飛ばせます。
1〜3月を闘い抜き、「自粛」ムードをうち破り、弾圧をはね除けてきたわれわれにこそ、事故を起こした原発を封じ込め、すべての原発を廃炉にする力があります。労働組合の団結のもとで社会の統制と生産管理の闘いを通じてエネルギー問題も解決できます。エジプト革命では石油労働者を先頭に生産管理闘争に決起しているではありませんか。一切はプロレタリア革命に、階級的労働運動の復権と革命党建設にかかっているのです。
被災地を先頭に全国で始まった震災解雇攻撃と全面対決しよう。6・5国鉄大集会をその最高の反撃の場とし、組織化に全力を注ごう。10億円救援カンパを実現しよう。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2484号4面6)(2011/04/18 )
4月5日〜11日
エジプトでデモ隊と軍が衝突/防衛研が対中国で初の報告書
●対北朝鮮制裁を1年延長 政府は13日に期限が切れる日本独自の対北朝鮮経済制裁の1年間延長を閣議決定した。延長は今回で7回目。(5日)
●原子力大綱の改定作業を中断 原子力委員会は国の原子力利用の長期計画をまとめた「原子力政策大綱」の改定作業を中断すると決定した。(5日)
●電力使用制限発動へ 海江田経済産業相は閣議後の会見で、今夏の電力不足に対し74年石油危機時以来の電力使用制限発動方針を表明した。(5日)
●公務員制度改革を正式決定 政府の国家公務員制度改革推進本部が公務員制度改革の全体像を正式決定した。今国会に関連法案を提出する。(5日)
●防衛研が中国軍動向で報告書 防衛省防衛研究所が中国の軍事動向を分析した「中国安全保障レポート」を発表した。中国に特化した報告書の公表は初めて。中国海軍の活動範囲の拡大や空軍戦闘機の性能向上により、自衛隊との間で「不測の事態」が発生する可能性もあると指摘した。(6日)
●在韓米軍司令官が発言 在韓米軍のシャープ司令官が米下院公聴会で、米韓両軍が北朝鮮の挑発に対する反撃計画を策定中だと明らかにした。今後数年の間に韓国への攻撃や挑発があるとし、これに「抑止だけでなく、強く反応することに備えた計画策定を進めている」とした。(6日)
●ポルトガルが財政破綻 債務不履行の危機に陥ったポルトガルがEUに財政支援を要請した(6日)。他方で欧州中央銀行はインフレ抑制のため0・25%利上げに踏み切った。(7日)
●余震で女川など再び電源喪失 最大震度6強の余震により東北電力の女川原発と東通原発、六ヶ所村再処理工場で外部からの送電が停止した。東通原発では非常用電源も使えなくなり、一時は重大危機に陥った。(7〜8日)
●原発非常事態で日米共同訓練 米海兵隊の専門部隊CBIRFと陸上自衛隊が、原発事故の非常事態を想定した初の日米共同訓練を米空軍横田基地で実施した。(9日)
●エジプトでデモ隊と軍が衝突 エジプトでムバラク前大統領の訴追を求めて数十万人のデモが行われた。タハリール広場に徹夜で座り込んだデモ隊に対し、軍と治安当局が強制排除に乗り出し、死傷者が出た。軍とデモ隊の本格衝突は初めて(9日)
●統一地方選前半戦 統一地方選の前半戦が投開票され、民主党が全国で惨敗した。東京では石原都知事が4選を果たし、大阪では大阪維新の会が府議会の過半数を占めた。(10日)
●復興構想会議設置を決定 政府が防衛大学校の五百旗頭真校長を議長とする復興構想会議の設置を閣議決定した。東日本大震災復興計画について6月末までに提言をまとめる。(11日)
●経団連会長が東電の免責求める 日本経団連の米倉会長が記者会見で、事故は天災であり、「甘かったのは東電ではなく、国が設定した安全基準の方だ」と述べた。東京電力には原子力損害賠償法の免責規定を適用し、被害者には国が補償しなければならないと強調した。(11日)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2484号5面1)(2011/04/18 )
4・22法大デモ-東電抗議へ
原発事故と法大処分こそ新自由主義の破産の象徴
マルクス主義学生同盟中核派法大支部
来る4月22日、法大生と全国学生は「すべての原発をただちに停止・廃止せよ!」「新自由主義大学粉砕! 法大・倉岡さんへの無期停学処分撤回!」を掲げて法大包囲デモと東京電力本社デモに立ちあがろう。世界大恐慌と資本主義の末期的腐敗は、一方で大失業と戦争を引き起こし、他方で福島第一原発事故という破滅的な事態を生み出している。とりわけ原発事故問題の中に資本主義・帝国主義というあり方の矛盾の一切が凝縮している。利潤追求(金もうけ)をすべてに優先させる新自由主義大学の破産が、一方での原発事故として、他方での法大における不当処分として現れている。4月22日の一日行動で、学生こそが全労働者民衆の怒りを体現する社会変革の主体として登場しよう。原発即時廃止の大署名運動で全国大学キャンパスを席巻しよう。
(写真 「今すぐ原発止めろ!」と全学連を先頭に東京電力へ怒りのデモ【3月31日 千代田区】) 大学から原発と戦争止める
第一に、3・11大震災以来の原発事故−放射能汚染の一切の責任は菅・民主党政権と東京電力資本にあり、われわれはこの国家的大犯罪を絶対に許してはならない。
一つに、支配階級は福島第一原発事故によって大量の放射性物質が拡散し、それが農業・漁業・畜産業を破壊するばかりか膨大な住民の全生活基盤を奪っているという事実、もしくは被曝労働が強制されているという事実を何一つ反省していない、いやそれどころか、事の本質を百パーセントねじ曲げて大失業−大増税という階級戦争に打って出ようとしている。
政府やブルジョア・マスコミによって垂れ流される「想定外」という宣伝がいかに恥知らずなものか! 4月7日の余震において、青森県の東通原発と六ケ所村の核燃料再処理工場の外部電源がすべて断たれるという大事故が発生した。震度5の地震で全電源がストップ。やつらの「想定」や「耐震設計」などしょせんそのようなものでしかなく、どこまでも安全コストを切り捨てて労働者民衆の生命など一顧だにしない資本の強欲がむき出しになっているではないか。放射能汚染と被曝、生活破壊への怒り、そして大失業への怒りを一つに束ね、真の敵である菅政権と東電資本に対してたたきつける時だ。
二つに、原子力発電自身が出発点から日本帝国主義の核武装(核兵器技術の開発)のためにあったことをはっきりさせなければならない。
そもそも原子力発電は、「電力の安定供給」などを目的として出発したのではない。原発導入の最先頭で音頭をとったのは、「自衛のための小型核兵器は合憲」と公言していた岸信介(東條内閣の閣僚でA級戦犯、60年安保時の首相)であり、原子力委員会初代委員長・科学技術庁初代長官は正力松太郎(読売新聞社主として戦争政策をあおりA級戦犯)であり、日本初の原子力予算案を仕組んだのは中曽根康弘(元首相、国鉄分割・民営化と戦争国家化を強行)である。それは、「原子力の平和利用」というペテンのもとに、1954年ビキニ水爆実験と漁民被曝を契機として爆発した反核運動を押さえ込むための支配政策としてもあった。だからこそ、菅政権とブルジョアジーはどれだけ原発への怒りが高まろうとも、絶対に原発政策を放棄しようとしないのだ。
三つに、この原子力政策と大学が深々と癒着し、大学人が「科学」の名をもって反人民的な原発建設のお先棒を担いできた歴史的事実を見据え、学生の決起でその全構造を粉砕しよう。
連日のようにマスコミに登場して「危険性はない」とデマ宣伝を振りまく「原発御用学者」にはもう我慢がならない。東大自身が自らのホームページで東電からの5億円以上の寄付金を「自慢」しているように、電力・電機資本から大学に流れ込む資金に買収されて大学は原発推進の旗振り役になっている。
大学・教育はこれでいいのか。真実を歪曲し、国家権力と資本におもねり自らの研究を売り渡すあり方に未来はあるか。300万学生は断固この道を拒否しよう。御用学者どもをキャンパスから追放して教育・研究を人民のもとに取り戻そう。
四つに、だからこそ「すべての原発をただちに停止・廃止せよ!」のスローガンが決定的だ。「安心な原子力行政を」などと原発を翼賛する日本共産党・民青など問題にもならない。全原発の即時廃止、それを妨害するものを打倒する、原発なしには維持できない資本主義など廃絶する、この原則性の中に圧倒的な大衆性があり、革命のエネルギーが宿っている。これこそ、エジプト革命を貫徹した青年労働者・学生の戦闘精神を日本において貫徹する道だ。
新自由主義と闘う法大闘争
第二に、大学と社会の根底的変革をかけて、法大闘争と全国学生運動を復権させよう。
「3・11」を受けて法政大学が行ったことはただ二つ。キャンパスを4月いっぱい全面封鎖して学生を集まらせないことであり、しかしその中でも倉岡雅美さん(人間環境学部)への「呼び出し」だけは行ったのだ。そして3月31日には倉岡さんへの「無期停学」処分を強行した。
しかもその過程たるや、処分理由のあまりのデタラメ性ゆえに一度は「無期停学」を否決した人間環境学部教授会決定を理事会がひっくり返し、増田総長独裁の直轄指揮で処分を決定したのだ。原発反対運動がキャンパスで爆発することへの恐怖であらゆる「民主主義」的手続きさえ敵の側からぶち壊し、さらに倉岡処分と一体で4月開講の延期を決定してきた。
「06年3・14」以来5年にわたり118人の逮捕−33人の起訴をのりこえ闘い抜かれてきた法大闘争の本質は「教育の民営化」との対決にあり、「新自由主義大学粉砕」にある。04年の国立大独立行政法人化で企業資金が大学に流れ込み、利潤追求第一主義が全大学化したことに象徴されるように(東大−東電の関係はその典型)、全国大学の問題としてもある。そして営利追求と一体で、学内での学生の団結は暴力的に解体されてきた。
つまり、一方での原発事故、そして他方での法大・倉岡処分の中に「大学の腐敗」の姿が究極的に現れている。「教育の民営化」の中で学生を襲う内定率の悪化、大失業、それと反比例しての学費の高騰や奨学金漬けの生活という現実への怒りを一つにして、東電と法大へたたきつけよう。
法大闘争は、その中から「法大文化連盟」という団結体および全国学生運動の中心的活動家を生み出してきた。学生は団結し闘えること、キャンパスの主人公は学生であることを示し続けてきた。そして、4月新歓において法大当局と御用学生団体による新歓圧殺の策動をはね返し、新入生との結合が始まっている。だからこそ、全国学友は4月22日の法大デモに集まってほしい。
1千万人署名―5・15沖縄へ
第三に、われわれは全国の学友に鮮明に行動方針を提起したい。それは一つに、4・22法大−東電闘争への大結集からただちに原発停止の大署名運動をキャンパス・クラス・寮・サークル・ゼミで爆発させることであり、二つに、反原発大運動と一体で5月沖縄現地闘争に決起して「反戦・反核・反原発・反基地」のうねりの最先頭に学生が立つことであり、三つに、その闘いの中で、一度は新自由主義に破壊され奪われてきた団結を再形成し、学生自治会を再建することだ。
世界大恐慌の中で、これまでの支配のあり方は成り立たなくなった。原発事故−大失業という現実は、われわれ学生もまたこの社会を根底的に変革して労働者階級とともにつくりかえなければ未来はないことを突き出している。2月エジプト革命とその全世界的拡大は、革命の現実性を示している。
反原発の大署名運動、復興支援・救援活動、そして全国学生の生活を保障させていくための闘い(大学当局はただちに全学生の学費を無料にせよ!)を通して、学生の生きていくための団結をよみがえらせよう。3・31東電本社デモは全社会的な衝撃を与え、本社前デモ時の文化連盟委員長・斎藤郁真君はじめ3君の不当逮捕をわずか1日で粉砕して奪還したことが、勇気と展望を与えている。一人の決起と一つの行動が支配階級を揺さぶり、巨万の決起を引き起こす時代だ。怒りは社会の隅々にまで満ちみちている。
さらに、反原発闘争と法大闘争を沖縄における「米軍新基地建設阻止! 日米安保粉砕!」の反戦・反基地闘争として発展させよう。4・22法大−東電デモから4・28沖縄デー闘争(4・29)に決起し、5月沖縄現地へと攻めのぼろう。
最後に、4〜5月の激闘の中で、プロレタリア世界革命を切り開く全国学生の闘争組織としてマルクス主義学生同盟を1000名の規模で建設しよう。新入生の諸君は、世界革命の主体として中核派に結集しよう! マル学同法大支部はその先頭に立って闘う決意だ。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2484号5面2)(2011/04/18 )
エジプト タハリール広場で軍と激突
「10月革命」へ数十万人デモ
2月11日のムバラク辞任から約2カ月たった4月8―9日、首都カイロの中心、タハリール広場に結集した数十万人のエジプト労働者人民は、人民虐殺と不正蓄財の容疑でムバラク前大統領を訴追することを要求し、軍と正面激突した。この事件は全権を握った軍を倒して前進しない限り、労働者人民は解放されないことを突きつけている。
ムバラクと息子2人は13日に検察に拘束された。今や軍最高評議会議長兼国防相のタンタウィ元帥の辞任が全労働者人民の要求となっている。
軍はナセルの1952年のクーデター以来、エジプト国家そのものだ。軍とムバラク政権与党・国民民主党(NDP)はムバラク辞任後、軍最高評議会と暫定内閣を主導している。また軍と軍出身者らムバラク派はエジプトの行政、経済(国営企業、民営化企業)、国立大学などで実権を握り、利権を手放さない。
2月革命に至る大デモの18日間、“軍と人民は一体だ”と宣伝された。2月革命は軍との対峙・均衡状態のなかでかちとられた。その後の2カ月間、軍と人民は暗闘に入った。各地でストライキやデモなどが展開されたが、軍・政府権力との激突には至らなかった。
その裏で数千人が不当逮捕され、軍によって拷問され、軍事法廷に送られた。ところがムバラク一家は保養地の別荘で安穏に暮らしていた。軍・政府権力のこうしたやり方への怒りを募らせた数十万人の人民が8日、タハリール広場に結集したのだ。制服姿の将校が演説に立ち、軍最高評議会の不正腐敗を糾弾した。
たまりかねた軍と警察が9日未明、反革命の牙をむき出しにして広場の群集の強制排除に取りかかった。軍・警察との激突のなかでデモ参加者2人が虐殺され、71人が負傷した。労働者人民はバリケードを築き、石やがれき、ガラスを投げるなど、夜を徹して実力で軍に反撃し、広場の中心を死守した。闘いは4日間続いた。人民と軍の関係は対峙・均衡から公然たる非和解的激突の段階に入った。
また、ブログで軍最高評議会を批判し逮捕されていた活動家が11日に軍事法廷で禁固3年の判決を受けた。ムバラク辞任後も人民の言論を弾圧、不当逮捕・拷問を繰り返す軍・治安組織への人民の怒りは募っている。
(写真 軍の襲撃を撃退し勝利の叫びを上げるタハリール広場の人民【4月9日 エジプト・カイロ】) サウジアラビアへの波及を恐れ
軍は、全アラブ―中東に広がるプロレタリア革命へのうねりをエジプトで阻止することで存在意義を示し、米帝や湾岸産油国=君主制諸国から支持されて、権力を握り続けようとしている。
米帝をはじめ帝国主義諸国は、軍の力でエジプトのプロレタリア革命を挫折させ、そのエジプトを再び帝国主義の中東・石油支配の要としようとしている。エジプトとサウジアラビア、イスラエルの反動体制の防衛は米帝の中東・石油支配にとって生命線をなすのだ。
3月、サウジアラビアがバーレーンの君主制打倒をめざす労働者人民を弾圧するためにサウジ軍を投入したが、米帝も他の帝国主義も一言も批判しなかった。また米英仏は3月、リビアに飛行禁止空域を設け、カダフィ政権軍を空爆し、反カダフィ派を支援している。露骨な侵略介入だ。また米帝はイスラエルのパレスチナ空爆や入植地建設をも容認している。
他方で米帝―帝国主義諸国はリビアのカダフィやシリアのアサドがデモを弾圧し、人民を虐殺、人権侵害を犯していると非難し、中東の「民衆革命」「民主化」を歓迎してみせる。米帝―帝国主義諸国は石油の確保のためなら何でもやるのだ。
このような米帝―国際帝国主義の中東・石油支配のあり方が世界大恐慌の深化と世界革命情勢の激化のもとで続く保障はまったくない。エジプト革命情勢、カダフィ打倒情勢が世界最大の産油国、サウジアラビアに波及しようとしている。サウジは、エジプト、リビア、バーレーンに続いて青年層の反乱に直面している。30歳以下が人口の7割を占め、その失業率は27%に及ぶ。サウジの青年層の怒りは爆発寸前だ。米帝はサウジとイスラエルを死守するためにエジプト革命の「10月革命」への発展を阻止しようとしているのだ。
工場、職場、大学でも軍との闘い
4月8日、もうひとつ軍に対する挑戦が行われた。夜、1千人以上のデモ隊がカイロのイスラエル大使館に向かって行進し、イスラエルのガザ空爆を弾劾したのだ。体制内野党のムスリム同胞団の指導部さえも加わった。デモ隊は軍の検問所の前、大使館から数bの地点で止められた。デモ参加者は「大使館を閉鎖せよ。エジプトはイスラエルに天然ガスを売るな」と一斉に叫んだ。
エジプト労働者人民はプロレタリア革命とパレスチナ解放を追求して実力で闘っている。
職場・工場、大学では労働組合、学生がムバラク派追放、民主化、賃上げ・労働条件改善を求めて闘っている。ここでも最大の敵は軍だ。
企業や行政組織、大学の幹部はいまだに軍出身者や国民民主党幹部だ。彼らは民主化を拒み、民営化さえ強行しようとする。労働組合や学生の闘いに追い詰められると一定の譲歩を示すが、軍事法廷に提訴すると言って脅す。カイロ大学当局は警察機動隊を導入して職員・学生の闘いをたたきつぶそうとした。
2月23日にカイロ大学が再開されると、職員労働者と学生が革命に反対する総長とマスメディア学部のアジズ学部長の辞任を求めた。アジズは3月23日、警察機動隊を導入したが、学生たちは9時間にわたって機動隊と闘った。カイロ大学評議会はアジズの更迭を拒否し、革命派の9教授を学生の暴力を扇動したとして懲戒委員会にかけた。
今やあらゆる場面で軍とムバラク派を一掃することがプロレタリア革命への前進をかちとるための鍵となっている。「10月革命」に向かって闘うエジプト労働者人民との国際連帯をかちとろう。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2484号5面3)(2011/04/18 )
北海道労組交流センター 北大入学式で情宣
被災地での奮闘伝える
4月8日、北海道労組交流センターは被災現地で闘う学生・労働者と連帯し、札幌のコンベンションセンターで行われた北海道大学の入学式場に登場し、全原発即時停止・被災地救援を訴えました。(写真)
今年は、3・31東電抗議デモの写真パネルと織田委員長らの訴えが載った『前進』最新号を展示し、全学連の新歓パンフを配布し、全原発の停止・廃止を求める署名をマイクで呼びかけました。被災現地で団結して闘う日就寮など東北大の学生の奮闘を伝え、新入生・在校生にともに立ち上がることを熱烈に訴えました。
受け取りは昨年以上で、署名も寄せられ、『前進』を求める学生もいました。この迫力に圧倒されてカクマルは遠くから見ているだけでした。
「原発維持か見直しか」(7日の北海道新聞)という特集記事で、北大大学院工学研究院の奈良林直教授(原子炉工学)が、原発の維持・増設を主張していることを徹底的に弾劾しました。
奈良林教授は、福島第一原発による未曽有の大災厄に、「津波に対する安全基準の甘さが事故の原因であり、それを看過してきたわれわれ研究者を含む関係者は反省しなければなりません」のたった一言。いまだに「新エネルギーも経済効率を考えると、建設コストは原発の10倍以上です」と言う。被曝・避難した労働者・住民、営農営漁できなくなった農漁民がこうむる被害への補償などまったく想定していません。
独立行政法人化で北大も資本との癒着を深め、奈良林教授のような学者が教壇に立っています。東工大大学院→東芝で原子炉の「安全性」を研究→北大という経歴を見れば、それは明白です。独法化された北大では、教職員組合への不当労働行為も起きています。
北海道労組交流センターは、被災現地で闘う学生・労働者と連帯し、国鉄闘争全国運動の発展を軸に闘います。
(札幌・JS)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2484号5面4)(2011/04/18 )
高山弁護士が熱弁
大阪で5・20に向け講演集会
“裁判所は超A級犯罪者”
4月2日夜、大阪市のエル・おおさかで、裁判員制度はいらない!大運動の高山俊吉弁護士を迎え、5・20全国集会への結集を呼びかける講演集会が実行委の主催で開かれ、60人が結集した。
冒頭、裁判員制度大運動の富崎正人弁護士が開会あいさつ、百万人署名運動が関西でのこれまでの闘いを報告した。
裁判員制度=司法改悪との闘いは、「国家のあり方をただす闘い」である。「大恐慌と大震災」「戦争と革命」情勢だからこそ、「国難」「挙国一致」を打ち破り、「生きさせろ」の被災地支援闘争、国鉄全国運動と一体となり、裁判員制度絶対反対=拒否を貫き、階級的団結のためにとことん闘い抜こう、と集会の目的が提起された。
高山弁護士の講演は、説得力のある、しかも戦闘的で革命的なアジテーションとして参加者の闘志を高めるものとなった。特に、三十数件に及ぶ住民が訴えた原発裁判に対し、裁判所が「国の安全基準は問題ない」「危険性の立証責任は住民にある」とすべて退けてきたことの批判は重要だ。裁判所(最高裁)こそが、原発推進にお墨付きを与え、今回の国家と資本による階級的犯罪を引き起こしたのだ。裁判所は超A級の犯罪者だ。
こんな最高裁が前面に出て推進する裁判員制度が、反階級的な代物であることは一目瞭然だ。
高山弁護士はまた、「司法が前面に出てくるときは国家の危機であり、政府と国民が対立している時代」「戦後革命の時以来」と指摘した。
そして、「国鉄4・9和解から1年、すべての勢力が闘うことをやめた。今、闘う私たちが主流派、多数派なんだ」「国との関係では、全員が被災者だ」「今や日本はエジプトと同じ情勢なのだ」と強調した。
会場からの質疑応答の後、関西合同労組大和分会、全国連西郡支部、関西労組交流センター、全学連が決意表明を行った。また、今年度裁判員候補通知を受け取った2人が、「目に見える闘いをしたい」と発言した。
集会のまとめで、5・20集会に関西からも決起することを確認した。
(写真 裁判員制度廃止を訴える高山弁護士の熱弁を参加者が傾聴【4月2日 大阪市】)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2484号5面5)(2011/04/18 )
【要項】 4・22全国学生反原発一日行動
全原発の即時廃止へ学生は立ち上がろう! 法政大学は倉岡さんへの無期
停学処分を撤回せよ! 学生は団結しキャンパスから行動を開始しよう!
4・22全国学生反原発一日行動
4月22日(金)正午 東郷公園集合(千代田区九段南1―2―2)
◆法大包囲デモ(総長室デモ)
集会後にデモ出発 法政大学市ヶ谷キャンパスへ
午後2時半、日比谷公園霞門集合
◆東電デモ →東電本社(千代田区内幸町1―1―3)前を通り、霞が関・銀座デモ
◆東電本社へ署名提出(申し入れ)行動
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2484号6面1)(2011/04/18 )
団結ひろば 投稿コーナー
街頭を熱くした西村街宣隊の団結と熱気 相田大輔
相模原市議選で「原発絶対反対の唯一の候補、西村あやこを市議会へ」と訴え、街頭宣伝隊として闘いました。結果は本当に悔しいものでしたが、これまで体験したことのない感動的な出会いの数々や列をなして集まった署名に、原発廃止・日帝打倒への運動の始まりを肌で感じました。
当初は「自粛キャンペーン」との激突だと構えていましたが、街頭には怒りが沸騰していました。「被災へのお悔やみ」だけを連発する他候補がこれまでやってきたことは何だ! この期に及んで「平和な原子力政策」とは何だ! 「無駄全廃」と言ってやろうとしていることは何だ!
こうした虚構を暴く西村さんの訴えが労働者の怒りを深め、広めたのです。「たとえ電力が足りなくても、原発なんてものを必要とする社会のあり方を変えなければ」と言った青年労働者。原発廃止署名に応じ、その場で一緒に署名を集め始めた青年。
街頭を熱くしたのは街宣隊の団結と熱気です。「母だからではなく、原発のことを考えたら絶対に西村を当選させなければ」と大奮闘した家族。「3・11をもって価値観を変えよう。政府や資本のウソとデマをうち破ろう」と応援演説された高山俊吉弁護士。「○○に住み、△△で働く□□です」と選挙で初めてマイクをとった地域の仲間。一人ひとりが「あやこ」となった選挙戦でした。
倒すべき敵が誰で、団結すべき仲間が誰なのかをあいまいにせずやりきったからこそ、いよいよこれから具体的に闘いを組織するぞという高揚感でいっぱいです。
新たな活動家と拠点生んだ相模原市議選 東京 諸岡和人
今回の相模原市議会議員選挙は、3・11大震災−原発大事故と徹底的に対決し、かつてない怒りの決起と結合し、新たな活動家と拠点を生み出しました。
選挙戦の過程で多くの労働者・家族と直接話しました。“原発絶対反対の唯一勢力”への期待が多くの西村票として寄せられました。「民主党を応援していたが、原発を止めたいから西村に入れる」の声。「安全な原発を」と反人民的姿をさらけ出した日本共産党への怒り。「デモがあればすぐ行きたい」という声もいくつもありました。
その中で、街頭で原発反対署名をした非正規労働者との出会いがありました。彼は「自分と同じような境遇の人が大量に切られようとしている」という震災解雇への危機感を抱き、「こういうときこそ労働運動をやる議員が必要だ」とわれわれの登場を切実に求めていました。
彼は職場でものが言えず、不当な配転などが強行される中で、国や市に手紙を書いてみたが何も変わらず、ILOの条約や法律・裁判にも無力感を感じていました。「一番重要なのは団結して闘い職場の力関係を変えることだ」と訴えると、「まったくその通りだ。みんなで団結したときに変えられるんだね」と確信を持ち、「連合や全労連ではない、闘う合同労組に入りたい」と意欲を語ってくれました。
こんな感動的な出会いが無数にありました。選挙戦はプロレタリア革命へ向かう大闘争の巨大な突破口を開きました。闘いはこれからです!
東電労働者の家族が心の底から原発反対 川上好美
私は相模原市議選で、“すべての原発の停止”を訴えるチラシを持って支持者宅を訪問しました。最初は反応はさまざまで、まったくその通りという人もいれば、家族が怒って扉を閉めてしまうところもありました。
ある支持者は原発反対に気分を害したようで、「電気は必要」「民営化も必要だと思う」など西村さんとまったく反対の主張をしました。そして「停電計画を宣伝している他の候補を見習った方がいい」とまで言うので、もう訪問するのはやめようかと思っていました。
しかしそれから数日たって、大きな余震が続き、やはり原発は止めるべきだという機運が高まってきたので、再度訪問してみると、驚いたことに「私も心配なの」と対応が一変しました。実は娘さんが大震災の直前に東電の社員と結婚したばかりで、新夫さんは震災の後多忙で家にほとんど帰ってこないとのことでした。「原発はやめないといけないわね」。心の底から出た支持者の言葉は、東電で働く労働者やその家族がこの大震災と原発事故に直面し激しい動揺と葛藤(かっとう)の中で必ずたどり着く結論だと思いました。
原発事故こそ資本主義の結末であり、これに終止符を打つのは労働者の団結した闘い、革命以外にない。このことを労働者階級の怒りを持った確信にまで高めることが革命党の重大な任務であると実感しました。
高円寺で反原発署名1人で175筆も! 東京 古川康三
統一地方選初日の4月10日、杉並の高円寺での街宣に行ってきました。
前の週の街宣で7筆の署名を得て気を良くし、「今日は10筆は獲得するぞ」と勇んで、原発反対デモの参加者に署名を呼びかけました。するとどうでしょう。集まるわ集まるわ、署名板の前に行列ができる状況でした。
「とにかく原発を止めなければ地球が危ない」「静岡に住んでいるが浜岡原発が心配。原発はなくしてほしい」「実家が山口。上関原発の問題が気がかり。中国電力は何を考えているのか」……。あちこちで討論の輪ができ、高円寺駅前はタハリール広場のよう。制服警官は戦々恐々として遠巻きに眺めるだけで、手も足も出せません。労働者人民の怒りを思い知れ!
この日、昼の12時から午後4時までの街宣で私が集めた署名は175筆! 80年代半ばから活動をやっていますが、こんなのは初めてです。
家に帰ってテレビをつけると「石原当確」のニュースが空々しく流れていました。結構じゃないか! 石原は今回、革命的に打倒されるべく「知事に就いた」のです。
農作物を制限して「健康に影響なし」?! 福島 M
浜風の影響で山間部では30`圏を越えて放射能汚染が蓄積しています。土質調査がなされるまで安全は無視され、水質汚染が明らかになった時は「赤ちゃんに危険」と発表されながら、「飲んでも健康に影響はない」と報道されました。東京ではペットボトルの水が売り切れと電話で知り、がく然としました。
電気も水も止まり、家の電話もだめ、ガソリンもないときでした。農作物(の出荷や作付け)も制限されましたが、同じ土地に住む人の「健康に影響はない」という見解は常識で理解できない答弁。
多くの人が土木に従事し、不況の中、山の富で自給自足しながら無給に耐えています。動くに動けず作ることも食べることもままならずです。
下請けに屋外の作業を下ろし、社員は屋内や車の中で指示するのが当たり前の状況はいやです。
放射能は収まっていないと子どもにも言うのですが。
被災地で在日同胞と日本人民が連帯 えはら・のはら
3月11日に起きた未曽有の大震災で、各地の朝鮮学校も校舎が傾くなど大きな被害を受けた。その中で郡山市の福島朝鮮小中級学校には震災直後に6〜84歳の約30人が避難してきた。半数は沿岸地域の日本人だ。朝鮮学校の生徒や教職員は日本人と協力し励ましあって共同生活をしている。また近くの日本の小学校に避難している日本の人びとにおにぎりを大量に作って差し入れている。阪神淡路大震災の時と同じだ。在日が経営している茨城県の宿泊高齢者施設には日本人高齢者16人が入所中で、介護者8人とともに生活している。そこには在日同胞によって飲料水が届けられ、食事が賄えるようになった。
仙台市の東北朝鮮初中級学校の近所にある八木山中学校では、同胞と近隣住民たちに炊き出しが行われ、東北放送が「国境を越えた支援の輪」という趣旨で放映した。
一方、在日が経営する千葉県のパチンコ店に対し「日本人が苦しんでいるときに日本人から金をとるのは許せない」という脅迫があり、しばらくの間閉店に追い込まれたという話も伝わってきた。1923年9月1日の関東大震災の時の朝鮮人大虐殺が形を変えて繰り返されている。けっして過去の問題ではなく現在の問題であり、その国家責任をあらためて厳しく問わねばならない。
この人災に対し「今こそ原発反対。すべての原発を廃炉にせよ」の世論を高めよう。そして日本をも核戦争に引きずり込もうとする朝鮮侵略戦争を断固阻止しよう!
2時間で被災地救援カンパが2万円超も 群馬 村上京子
4月3日、高崎駅西口で合同労組、婦人民主クラブ、百万人署名、労組交流センターの仲間8人で被災地救援カンパ集めを初めて行いました。
3月11日の東日本大震災を体で感じ、余震の恐ろしさ身に受け、直感したのは原発事故につながること。核と人間は共存できない。人間は核をコントロールできない。日を追うごとに明らかになる事実、政府の対応、津波への無防備。「原発安全神話」の崩壊。原発現場で働く労働者が被曝(ひばく)するのは間違いない。東海村でそうだったように、今でもそれが続いている。いつも殺されるのは労働者だ。
何かしなければと自分でカンパ箱を準備し、訴えました。情勢は今までとまったく違って、子どもから大人まで財布を出しカンパ箱に入れてくれました。わずか2時間で自分の箱に2万2458円も集まるなんて経験したことがありません。腰の痛みも忘れていました。
今が本当に原発を止める時。大恐慌と戦争に立ち向かい労働者の団結で社会を根本からつくりかえる手応えを感じ、感動して涙が出てきました。
60年代後半から70年にかけて学生が毎週群馬県内で行った街宣でも、1日5〜7万円ぐらいでした。
街宣で思い出すのはいつも星野文昭同志のこと。一緒にやり、いつも彼が一番多く集めていました。もっともっと多くの人に訴え、星野さんを奪還しましょう。
「震災救援本部にカンパを送った」と星野さん 徳島・星野救援会 T
震災後初の面会で星野文昭さんは「被災したすべての人を気にしています。できるなら、お見舞いに行ってほしい。全国労組交流センター震災救援本部に獄中から既にカンパを送った。懲役賞与金(日給500円ぐらい)から追加カンパをしたい」と言いました。
日米安保・沖縄の永久核基地化粉砕、沖縄と本土の労働者階級の団結をかけた71年11月暴動の報復弾圧としての死刑求刑―無期懲役。革命的共産主義運動は星野さんを先頭に全党の力で非転向で対決してきました。『前進』新年号の「革命的共産主義者の魂」をかけた闘いです。無期攻撃は本人と家族から生きる気力も含め「すべてを奪い絶望を強制する」攻撃です。これと「すべてを奪還する」ことで立ち向かう。それは国鉄解雇撤回の闘いと同質であり、震災解雇との闘いとも重なります。星野さんは階級的震災救援の先頭に立とうと格闘をしています。
いま革命的共産主義運動に刑を執行しているのは菅首相、江田法相。放射能を振りまくに至った彼らは、今年の5・15沖縄と8・6ヒロシマで打倒されなくてはなりません。「自分の働いている姿がみんなに勇気を与えているんだ」という被災地・全逓の仲間の声に、私たち星野救援運動も励まされて、不屈に明るく立ち向かっていきます。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2484号6面2)(2011/04/18 )
最高裁は事実審理を行え
迎賓館・横田爆取弾圧裁判 福嶋昌男同志は無実だ
福嶋昌男同志は無実だ。1986年5・4迎賓館戦闘にも4・15米軍横田基地戦闘にも一切関与していない。しかし、東京地裁・東京高裁は何の証拠もないのに爆発物取締罰則第1条(爆発物の使用)で12年もの超長期にわたって勾留したあげく、懲役12年の重刑有罪判決を出してきた。これは日帝・国家権力による両戦闘への報復であり、組織破壊を狙った政治的デッチあげ判決以外の何ものでもない。
福嶋同志と弁護団は怒りに燃えて2010年1月に上告趣意書を、同年9月に上告趣意補充書を最高裁第2小法廷に提出し、現在、上告審闘争を全力で闘いぬいている。
筆跡・指紋の新鑑定書提出
東京地裁・高裁は、岩手借家から押収したとする「メモ」を「両戦闘を準備したもの」とこじつけ、そのメモを書いたのが福嶋同志だとデッチあげた。しかし、それらの「メモ」のどこにも両戦闘に関する記載などなく、まったく無関係なのだ。さらに、福嶋同志は「メモ」についてまったく知らず、「メモ」の筆者ではない。
福嶋同志と弁護団は上告趣意補充書で、第一に、新たな「筆跡鑑定」と「指紋鑑定検証実験報告書」を提出し、「メモ」は福嶋同志が書いたものではないことを百パーセント明らかにした。
筆跡鑑定については、地裁段階で著名な書家である石川九楊氏による異筆鑑定を提出し、控訴審でさらに1通の、上告審段階でも2通の異筆鑑定書を提出した。この計4通の鑑定書の存在は決定的である。
警視庁科捜研の小島直樹による「筆跡鑑定」の恣意(しい)性、ずさんさ、誤り、非科学性、無定見などを全面的に批判し、打ちのめしている。「メモ」の筆跡は福嶋同志のものではない。
指紋鑑定については、警視庁鑑識課の石川俊一が行った「指紋鑑定」について壊滅的な批判を行った。
何がなんでも福嶋同志を有罪にしようとする検察と裁判所は一体となって、「万人不同」なる根拠のない虚偽イデオロギーのもと「指紋鑑定の絶対性」を押し出し、「メモに付着した指紋は福嶋のもの」という指紋鑑定を振りかざしてきた。
しかし、これに対して弁護団は指紋認証技術の最先端の研究者による「指紋鑑定検証実験報告書」を最高裁に提出した。この報告書は「メモ」に付着していた「指紋」と福嶋同志の指紋を最新鋭の指紋認証装置によって検証し、「メモから採取された指紋は福嶋氏の指紋とは一致しない」と明確に結論づけるものである。福嶋同志が終始一貫訴え続けてきた「メモを見たことも触ったこともない」という真実を指紋認証の科学によって裏付けるものだ。
このことは同時に、警察が基準としている「12点法」なる指紋鑑定法が権力の恣意によって「鑑定」される非科学的なものであることを科学の力によって根底的に暴露するものであった。これは警察によるデッチあげ「指紋鑑定」そのものを根底から打ち砕くものだ。
第二に、判決が「有罪」の立場からのみ「メモ」を恣意的に解釈し、強引なこじつけを行っている点を徹底的に批判した。
つまり判決は「有罪と考えると説明可能な事実」を列挙しているだけであるが、「有罪と考えると説明不可能な事実」および「無罪と考えると説明可能な事実」がある。弁護団はこの点を具体的に暴き論じきった。
このように福嶋同志と弁護団の闘いは決定的に最高裁を追い詰めている。
最高裁は原発事故の共犯者
3・11東日本大震災と福島原発大事故は、断じて「自然災害」や「想定外事故」などではない。階級的大災害であり、国家と資本による大犯罪である。大惨事のすべては新自由主義の30年間の帰結である。原発大事故は、「絶対安全」「クリーン」を強弁して原発を推進してきた日帝・政府、東京電力をはじめとする原発資本、御用学者、マスコミ、裁判所、御用労組などの腐敗しきった癒着・結託構造によって引き起こされた。すべてを打倒しよう。
3・11によって大恐慌の一層激化と大爆発は不可避となった。それは労働者階級人民に大失業と戦争として襲いかかってくる。今こそ最末期の資本主義を労働者階級の団結した力で打倒し、プロレタリア革命によって社会を根本からつくり変えよう。エジプト革命に続こう!
3・11情勢に裁判所も国家犯罪の共犯者として震え上がっている。労働者人民はとことん攻勢にうって出よう。最高裁第2小法廷は提出された2通の「異筆筆跡鑑定書」と「指紋鑑定検証実験報告書」を無視して、いかなる決定もすることはできない。これらは福嶋同志の無実を証明する新証拠である。最高裁は法廷を開き、これらの事実審理を行え。
3月8日、福嶋同志と「完全無罪をかちとる会」は最高裁に対し「一、二審の誤りを正し、無罪判決を出せ」「最高裁は事実審理を行え」と要求し、申し入れ行動をかちとった。最高裁に事実審理を行わせ、爆取デッチあげ弾圧を粉砕し、福嶋同志の無罪判決をかちとろう。
(迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判事務局)
----------------------------------------
迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判
1986年、首相・中曽根康弘は「戦後政治の総決算」を叫び、米帝レーガン、英帝サッチャーとともに国鉄分割・民営化を頂点に戦争と改憲、規制緩和と民営化の攻撃を激化させていた。同年5月、こうした世界の帝国主義強盗の会議、東京サミットに対し米軍横田基地とサミット歓迎式典開催中の赤坂迎賓館に向け飛翔(ひしょう)弾戦闘が行われた。
震え上がった日帝は「中核派壊滅」を狙い、別件の岩手鍋爆弾弾圧で東京拘置所に勾留中の須賀武敏・十亀弘史・板垣宏同志を87年にデッチあげ逮捕、東大宇宙研に在籍していたことを口実に福嶋昌男同志を指名手配した(93年にデッチあげ逮捕)。4同志とも両戦闘とは一切関係ない。4同志は統一公判を要求したが、分離のまま裁判が進んだ。以後24年間、デッチあげ弾劾、無実・無罪を主張して不屈・非妥協で闘いぬいている。須賀同志ら3同志は16年、福嶋同志は12年の超長期勾留を跳ね返して保釈・奪還された。
2004年3月には須賀・十亀・板垣同志が一審無罪判決をかちとったが、二審で「無罪判決破棄、差し戻し」となり、差し戻し一審で、昨年6月逆転有罪となった。現在控訴趣意書の準備に全力を挙げている。福嶋同志は、一、二審とも有罪判決が出され、現在上告審闘争を行っている。4同志の団結で、デッチあげ判決を覆し、逆転無罪をかちとろう。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2484号6面3)(2011/04/18 )
星野第2次再審闘争勝利へ
無実を証明する「補充書(2)」C
「供述調書」デッチあげを証明した「厳島鑑定書」
実験を踏まえて新鑑定書を提出
無実の星野文昭同志に無期懲役刑を科している確定判決(1987年、東京高裁・草場良八裁判長)が依拠する証拠は、当日デモに参加した学生6人のデッチあげ「供述調書」だけである。物的証拠はまったくない。
今年1月、第2次再審請求書の補充書(2)が東京高裁に提出された。新証拠として星野同志の機動隊員殴打を鮮明に否定する「一郎丸写真」(本連載B)と、「供述」がデッチあげられたものであることをシミュレーション実験などを踏まえて明らかにした「供述の心理学的鑑定書」(「厳島鑑定書」)が同時に提出された。
「厳島鑑定書」は、星野同志が機動隊員を殴打したとのKr供述と、星野同志が「火炎瓶投てき」の指示をしたとのAo、Ar供述が、それぞれ「彼らの真実の記憶に基づくものではあり得ない」ことを明らかにした。
今回はシミュレーション実験の結果に基づく鑑定について見てみたい。
Krは35秒間に27項目も「記憶」
Kr供述によれば、機動隊員はKr自身も含めた8人以上のデモ隊員に殴打されたとされている。Krは自分以外の7人の殴打者をAからGまでの記号で供述し、そのうち星野同志を始め5人の名前を特定している。1人を除いて7人がそれぞれ所持していた武器(竹ざお、鉄パイプ、バールなど)を、その長さまで含めて具体的に特定している。機動隊員を取り囲んだ各人の位置についても5人については特定し、一部ではあるが、殴打したメンバーの順番も供述している。また、自分が機動隊員を殴打した回数と部位、竹ざおのどこを持って殴打したかまで供述している。さらに、殴打されている機動隊員の細かな様子から、周辺で見ていた一般目撃者の人数と服の色まで、実に27項目に及び詳細に述べているのだ。
デモ隊による機動隊員捕捉から現場出発まで、わずか35秒ほどである。機動隊に対する激しい怒り・憎しみ、そして興奮・高揚感、再度の機動隊の襲撃に対する警戒心など、心理学で言う「情動性」は極度に高まっていた。Krは、けっして後日思い出すためにしっかり記憶しておこうと観察していたわけではない。
経験の記憶以外に情報源がある
このような条件のもとで、どこまで記憶していられるものなのか。
厳島行雄教授(*)は、「供述人たちが遭遇したときよりも記憶が良くなると仮定される条件を設定して」実験を行った(写真)。1チーム5〜6人の4班で風船割りを行い、より多く割った班を勝ちとするゲームで、その内容を2カ月後に思い出すというものである。
風船割りの道具は塩化ビニール製パイプ、角材、ビニール製バットなど6種類で、参加者はそれぞれ任意に選択。一つのテーブル上に12個の風船を並べ、5〜6人が取り囲んだ。相互の位置関係は固定し、風船を割る順番はジャンケンで決めた。一度にたたく回数は各自が決め、割れても割れなくても終わったら次の人に交代する。ゲームは1分15秒間とし、その間、順番に風船割りを繰り返した。
この想起は実験の2カ月後に行われた(Krは2カ月半以上たってから供述)。結果は予想を超えて悪かった。他のメンバーがどこにいたか覚えていなかったり、自分の用いた道具は覚えていても(覚えていた人は半数以下)、他人の道具はほとんど覚えておらず、答えた人も不正解だった。
厳島教授は実験結果を踏まえて、Kr供述は「真実の記憶に基づくものではあり得ない」「彼らが経験した事の記憶以外に情報源がある」と断言している。Krだけでなく、Ao、Ar供述もデッチあげられたものであることが科学的に証明された。星野同志は無実だ。東京高裁は直ちに再審を開始せよ! 星野同志を今すぐ釈放せよ!
---------------------------------
*厳島行雄・日大教授
認知心理学を専門とし、目撃証言研究では第一人者。1984年の自民党本部火炎戦闘でデッチあげ逮捕された藤井高弘同志の裁判でも目撃証言の信用性の鑑定を行い、無罪を確定させた。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2484号6面4)(2011/04/18 )
法大裁判に集まろう!
★暴処法弾圧裁判(被告人質問)
第22回公判 4月28日(木)午後1時30分
東京地裁429号法廷
12時30分に傍聴券配布所に集合
---------------------------------------------------