ZENSHIN 2011/04/04(No2482 p08)
|
(写真 3・27三里塚「全力で被災地支援を」 反対同盟は被災地の労働者・農民・漁民と心をひとつにして「全原発の即時停止」「第3誘導路粉砕」を訴えた。演壇上は基調報告を行う萩原進事務局次長=記事5面)
週刊『前進』(2482号1面0)(2011/04/04 )
新入生歓迎特集号
◇2面
法大解放闘争を/法大文化連盟・斎藤郁真
被災地・東北大からアピール/石田真弓
全国の学生は5・15安保・沖縄闘争へ
マルクス主義学生同盟中核派
◇3面
マルクス主義を甦らせよう
マルクス主義学生同盟中核派
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2482号1面1)(2011/04/04 )
●特集 新入生諸君! ともにプロレタリア世界革命へ
大震災と闘い生き抜く団結を
革命で青年・学生の未来開こう
織田陽介全学連委員長は訴える
(写真 東京電力本社【右側】を徹底糾弾するデモ隊。怒りの爆発に震え上がった警視庁がこの直後に襲いかかり、斎藤君【先頭】、坂野君【マイク】、織田君【その後ろ】を不当逮捕した【3月31日 千代田区】)
新入生の皆さん! 世界史の大転換期が到来している。大恐慌、大失業と戦争、そして大震災と原発事故。こんな資本主義社会にもう未来はない。帝国主義の支配を打ち倒し、全世界の労働者階級とともに新しい社会をつくろう。織田陽介全学連委員長のアピールを紹介します。織田君は3・31東京電力糾弾デモで不当逮捕されたが、翌日奪還されました。(編集局)
社会を根本から変えるために今こそ闘う時だ
すべての学生、とりわけ新入生のみなさん。そして被災地の大学の学生、被災地出身の学生のみなさん。3月11日に起きた東日本大震災の現実は、今も悪化の一途をたどっている。犠牲者は増え続け、食べ物やガソリン・灯油がいまだに多くの地域に届いていない。数十万人と言われる失業、そして何よりも福島第一原発の問題は殺人的な被曝(ひばく)と農漁業の壊滅的な被害を拡大している。大切な家族や仲間を失ってなお、必死に生き抜く被災地の人たちの立場に立ち、私たち若き学生こそがこの現実に立ち向かわなければならない。「全原発の廃止」を掲げた大署名運動と救援活動を、今持てる学生のエネルギーを注ぎ込んで壮大に始めよう!
震災は「予想を超えた天災」「人間にはどうしようもない事態」ではけっしてない。「10年以内に99%の確率で起きる」と言われてきた地震に対して、住民の声を無視し、まともな堤防すら造らなかった地方切り捨て政策、危険を百も承知で建設してきた原発。すべてが自民党政権とそれを引き継ぐ民主党政権の政策だ。菅政権は、人命や救援にではなく、株価を守るために120兆円を超える金を投入している。あげくの果てに「電気料金の値上げ」「増税やむなし」などとますます責任を労働者や学生、農漁民や市民に押しつける。自分のやったことに責任もとれない政権に未来は託せない。私たち学生自身の主体的な運動が必要だ。未来ある学生の力を今こそ爆発的に発揮しよう!
福島県警は原発から5`の地点で発見した遺体を、放射線量が高いために収容を見送り撤退した。福島原発の現場で事故処理のために働く労働者にまともな食事も水も保障していない。
また、福島の農民が自殺したという痛ましいニュース。学校給食用のキャベツを作り、「安全な食べ物を子どもに届けたい」が口癖だったという。こうした努力や農民としての誇りも、生きる希望すらも原発は一瞬にして奪った。政府も東京電力も、いまだに原発政策を続けようとしている。絶対に許せない。農民の命を返せ! 二度と住めなくなった故郷を返せ!
原発は、この社会が金もうけのためだけに若者の命と未来をどれほど軽く扱っているかを示した。被曝して病院に運ばれた労働者は非正規職の労働者だ。1千万人以上の労働者が非正規職に突き落とされ、命すらも金で買いたたかれるような社会で初めて成り立ってきたのが原発だ。
新自由主義下で大学も教育も腐りきっている
そして何よりも、原発政策を止めるために闘うべき労働組合と大学が、これに加担してきた。連合は原発輸出による金もうけに賛成し、日本共産党は「核の平和利用」と擁護してきた。そして今なおうそをつき続ける大学教授の姿! だからこそ、怒りも臨界点にある青年労働者の闘いとともに、私たち学生が大学を根本から変革していく闘いにこそ、今の現実を変えていく力がある。
大学で腐敗しているのは原発推進の教授連中だけではない。大学は「寄付講座」と称して企業に授業そのものを売っている。東大では、「東京電力株式会社」が年額5億円もの金をつぎ込んで、授業という名で学生にうそを教え、学問を買収してきた。「核燃料サイクル社会工学」「低炭素社会実現のためのエネルギー工学」「都市持続再生学」等々、その授業の名前だけでもハラワタが煮えくりかえってくるじゃないか!
小泉政権のもとに強行された国立大学の「法人化」(04年4月)は、「産学協同」路線の行きついた姿だ。「業績」を評価し予算の配分によって学問を国家や資本の餌食にするものとなった。教育や学問が金もうけの手段になった。こんなものが大学だろうか。学問と呼べるだろうか。
こうした教授連中は、学費を上げ、サークル活動までも金もうけの対象にしてきた。学生を競争させ、受験をも金もうけのチャンスとしてきた。
被災地・仙台の東北大学では、日就寮生が愛媛新聞に取り上げられた。愛媛の受験生親子が被災し寮に身を寄せ、「寮生に助けられた」と語っている。寮生は食事を分け合い、不安をのりこえ、団結して生き抜いている。こうした団結した寮に大学当局は廃寮攻撃をかけてきた。この攻撃に負けずに闘い抜いてきた寮生が、今被災地で先頭に立っている。団結した行動こそが希望なのだ。
こうした新自由主義政策と最も闘い抜いてきたのが法政大学の闘いだ。ビラや立て看板すら許さず、ビラまきや集会を理由に無期停学処分や退学処分が行われ、5年間で延べ118人が逮捕された。これに真正面から対決し、ついに処分を教授会で決定できないところまで前進している。しかし、菅政権、国家権力、法大当局は倉岡雅美さん(人間環境学部3年)への無期停学処分を強行してきた。その理由は休み時間の宣伝活動を「授業準備妨害」と称するデタラメなものだ。いったい、この腐敗は何なのか! 学生の反対の声は高まり、反対署名は1700筆を数える。大学の「決定」や「ルール」、こんなものは学生の行動でひっくり返そう。大学を学生が取り戻す機は熟した。
新自由主義は、教育も社会保障も、雇用も何もかもを破壊し、社会を崩壊させた。こうした姿が大震災で暴き出された。労働者、学生、農漁民、あらゆる人の怒りが臨界点に達しようとしている。社会を根本から変えるのは今だ。
大恐慌−戦争・大失業に団結して立ち向かおう
大恐慌は「日本発」でさらに激化しつつある。解雇や「内定切り」、増税、地方のますますの切り捨て、新自由主義が「天災」を口実にさらに進められようとしている。菅政権がやっていることは救援ではない。労働者・学生を有事体制へと縛りつけ、支配の大破綻をいかにくいとめるかという攻撃だ。菅は「復興ニューディールとも言うべき需要が生まれる」と金もうけしか考えていない。菅との闘いなくして復興もない。
1929年の大恐慌が第2次世界大戦に行きついたように、アフガニスタンとイラクに続き、ついに激動の中東、リビアへの米英仏軍の軍事介入が始まった。崩壊した中東・石油支配を受けて、どの国が支配を行うかをかけた戦争だ。日本政府は軍事介入に「支持」を表明し、沖縄の米軍基地から軍用機が飛び立っている。朝鮮半島とその周辺では米韓日の軍事演習が行われている。次に来るのは労働者・学生の戦争動員だ。
そして、原発は戦争の問題そのものである。核武装を狙ってきた政府が、福島で原爆を落としたということなのだ。ヒロシマ・ナガサキから66年もたち、フクシマという地名が世界中に知れ渡った。世界が私たちに注目している。日本の学生・青年は原発を許すのか、日米安保を許すのかと。
大恐慌は、大失業と戦争を生みだし、これへの怒りがついにエジプト革命となって爆発するところまで来た。日本の学生も立ち上がろう。沖縄米軍基地撤去、日米安保体制を粉砕し、リビアの闘いと連帯を!
@すべての原発を直ちに停止・廃止せよ、A政府・東京電力は責任を認め謝罪し、すべての被害を補償せよ、B原発政策を擁護・推進する学者の責任追及――を掲げた1千万筆署名運動に立ち上がろう。全学の署名を集め、菅と東電にたたきつけよう。これ以上絶望や自殺を出してはいけない。署名という闘う方針をあらゆる場所に届けよう。これが一番の救援だ。
そして、東北大学を先頭に、闘う学生自治会をよみがえらせよう。学費や家賃、交通費など一切を無料にしろ! 原発推進教授を追放しよう! この闘いと連帯し、すべてのキャンパスで大学を根本からつくり変えるために闘おう。全国学生救援連絡会議の実行委員会を立ち上げ、新自由主義によって奪われてきた学生の団結した全国組織の建設を!
震災を口実にした新歓破壊を許さず、苦難をのりこえて集まる1年生を全学生で盛大に迎えよう!
4月法大、5月沖縄から8月ヒロシマ闘争へ、大学闘争と反戦闘争を闘おう。
未来は私たちのものだ。原発によって社会がいかに破壊されようと、すべてを引き受け、私たちの手で新しい社会をつくろう!
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2482号1面2)(2011/04/04 )
“すべての原発を今すぐ止めろ!”
東京電力に怒りのデモ
不当逮捕の3学生は翌日奪還
3月31日、「ただちにすべての原発を廃止しろ」を掲げた東京電力抗議行動に150人の労働者・学生・農民が全学連を先頭に立ち上がった。「安全・クリーンなエネルギー」などとウソで塗り固め日本中を放射能まみれにする東電資本と原子力安全・保安院、菅政権を徹底弾劾する怒りのデモをたたきつけた。広島大学や被災地・東北大学の学生もかけつけた。
デモ隊は意気高く日比谷公園を出発、経済産業省前で原子力安全・保安院に怒りをたたきつけた。官庁街を通り抜け、いよいよ東電本社だ。
「政府と東電はすべてを補償しろ」「原発労働者の被曝を許さないぞ」。デモ隊が東電本社の正面ゲート前にさしかかろうとした瞬間だ。「公安条例違反」なる看板をもった警察官2人が突如、デモ隊の行く手を遮った。その直後に公安刑事どもがデモ隊の中になだれ込み、織田陽介全学連委員長、坂野陽平同委員長代行、斎藤郁真法大文化連盟委員長を不当逮捕した。完全な狙い撃ちだ。絶対に許せない。
いまや巨大な規模で反原発闘争が爆発しようとしている。法大闘争と300万学生の怒りが結びつき、「エジプト革命」が日本で始まろうとしている。その指導部の3人を逮捕したのだ。原発に対する人民の憤激の内乱的発展に恐怖した東電資本・日帝国家権力が一体となった大弾圧だ。
謝罪も補償もせず、労働者民衆が被曝しようが放射能で日本中を汚染しようが構わない。東電への抗議の一切を暴力でたたきつぶし、あくまで原発にしがみつく。――これが東電資本と菅政権、日帝権力の労働者人民への回答だ。こんな連中は歴史のくずかごに放り込まなければならない!
デモ隊は怒りを倍加させてデモを行いその後、反戦反核実行委の三角忠さんや北島邦彦杉並区議ら代表団が東電と保安院に申し入れを行った。
ところが警察は東電前の歩道を封鎖。あくまで東電資本を守ろうというのだ。代表団が申し入れに向かうが、東電は建物の中に入れようとせず警備課長が外で対応した。茨城から命懸けで来たという農民も怒りを爆発させた。「茨城の農民を代表して言う。土壌汚染で作付けもできない。社長を出せ。土下座しろ!」。なんと東電は、この農民の声を「申し入れ書でないから受け付けない」とまで言い放ったのだ。どこまで腐っているのか!
法大弾圧弁護団と全学連は直ちに記者会見を開き不当弾圧を弾劾した。
墓穴を掘ったのは東電、菅政権だ。日帝・警視庁は不当逮捕への怒りの拡大と反撃によって危機を深め、3学生を翌日釈放せざるをえなかった。さらに追撃しよう。
全国被災地救援運動と反原発1千万人署名で学生自治会を復権し全国学生の怒りを結集しよう!
(写真 東京電力本社【右側】を徹底糾弾するデモ隊。怒りの爆発に震え上がった警視庁がこの直後に襲いかかり、斎藤君【先頭】、坂野君【マイク】、織田君【その後ろ】を不当逮捕した【3月31日 千代田区】)---------------------------------------------------
週刊『前進』(2482号2面1)(2011/04/04 )
●特集 新入生諸君! ともにプロレタリア世界革命へ
大弾圧を粉砕して前進する法大解放闘争を共に闘おう
法政大学文化連盟委員長 斎藤郁真
倉岡雅美さんへの無期停学を許すな
新入生の皆さん、入学おめでとうございます! 今こそ、若者が未来を自らの手に取り戻す時が来ました。そのために、法大闘争をともに闘おうと訴えます。東日本大震災で自らの悪行と統治の崩壊に直面した菅政権と大学資本は、法大人間環境学部の倉岡雅美さんに、いったん教授会で否決された無期停学処分を強行してきた。被災地で団結する学生を先頭に、4月22日の法大デモと東電抗議闘争に全国大学から集まってください。
3月11日の東日本大震災を通して、この社会の矛盾がさらけ出されました。私は、自らがかかわってきた法政大学の闘いにそれが象徴的に表れていると思います。
「法大闘争」とは何でしょうか? 発端は2006年の3月14日にまでさかのぼります。法政大学当局が一方的に「キャンパス内でのビラまき・立て看板規制」という言論抑圧政策を決定し、それに抗議してデモを行った法大生5人を含む29人の学生が公安警察により全員逮捕されたことがその始まりです。これは、学生運動つぶしのために仕組んだデッチあげ政治弾圧でした。この弾圧を含め、延べ118人の逮捕、33人の起訴、14回の停学・退学処分という弾圧や処分が繰り返されて来ましたが、はね返して現在まで闘いは続けられて来ました。
この5年間で、法政大学のみならず日本の大学、教育が抱える矛盾はすべて明らかになりました。法大のサークル連合組織であった文化連盟は非公認化され、並行して学生の自由はどんどん奪われて来ました。私も、「キャンパスでの抗議集会の開催」などを口実に退学処分を受けました。
法政大学は、その本性をむき出しにして来ています。入学試験を「営業活動」と言い、「営業権」(3万5000円の受験料をかき集めることだ!)を掲げて、受験生に対する私たちのビラまき・宣伝活動すら禁圧するようになったのです。学費の3分の1をマネーゲーム(金融投機)に使い巨額の損失を出しても開き直る一方で、大学の商業化方針に反対する学生をキャンパスから追い出すために暴力専門の職員を雇い入れるようになったのです。
(写真 昨年4月23日、法大文化連盟、全学連、闘う労働者ら250人が法大包囲デモと集会を闘いぬいた。先頭中央が斎藤君)
新自由主義で大学と学問は腐敗した
法大闘争は言論規制に反対して始まりましたが、私たちは5年間の闘いで、問題の本質は学問までもカネもうけにされる今の社会のあり方、つまり「新自由主義」というあり方にあると考えるようになったのです。だからこそ、法大闘争のスローガンは「教育の民営化粉砕!」であり、「新自由主義大学粉砕!」なのです。そして、学生自身の力で教育と大学を取り戻そうと訴えているのです。
では、なぜ法政大学のこの現状と東日本大震災によって暴露された社会の矛盾が重なると言えるのか? みなさん、福島第一原発の事故を見て下さい。そして、今も必死になって「原発は安全だ」「放射性物質が放出されても人体には影響ない」と言い続ける大学教授たちを見て下さい。やつらこそが、地元住民の反対の声を押しつぶして原発建設政策にお墨付きを与え推進してきたのです。「新自由主義」と呼ばれるカネもうけ至上主義で大学を変質させ、学問と学生を食い物にしてきたのです。
津波の問題もそうです。甚大な被害を受けた宮城県気仙沼市は「津波のメッカ」と呼ばれ、東北大学を中心に津波の研究が行われていたにもかかわらず、津波を防ぐためのまともな堤防すら造られていませんでした。いったい何を「研究」してきたのか! 今回の大震災において、地震そのものによってよりも、大津波や原発事故によって亡くなったり避難を余儀なくされた方々のほうが圧倒的に多い。それは、この30年来の「新自由主義」によって地方自治体が切り捨てられたり、大学が企業・資本と癒着した利潤優先の研究しか行って来なかったことの帰結です。私たちは、この「人災」を弾劾し、今もそれに手を貸し続けている御用学者たちを絶対に許さない! その矛盾の象徴として法政大学があります。
4・22法大デモへ君の決起が重要だ
俺たちはこの社会のあり方を、そしてこれからの社会のあり方を、何より学生として大学のあり方を問わなくてはいけない。もうかるところにはカネがあり余ってバブルを引き起こす一方で、もうからないところには生きるために必要な堤防すら造らない。そして、カネもうけと戦争のために住民を犠牲に原発をつくり、御用学者を使ってそれを正当化してきた社会。それが私たちが暮らす日本だったことが今回の大地震ではっきりした。菅政権、資本家、大学教授……。こうしたやつらに、もう俺たちの未来は託せない!
未来を担うのは、やつらではなく、俺たちだ。俺たちは新たな社会をつくり出していかなければならない。今こそ法大生と全国300万学生は立ち上がろう! 御用学者の「学問」ではなく、現実を変革し未来を切り開く本当の学問を自らの行動でつくりあげよう。
エジプト・中東の若者の決起を見て欲しい! あの大闘争と革命は、チュニジアの一人の青年の決起から始まった。革命はチュニジア・エジプトから全中東・全世界へと拡大している。大震災を口実に、学生の内定切りや労働者への解雇が激しくなろうとしている今、みんな腹の底では怒っている。一人の学生の決起が、怒りに火をつける時代が始まった。時代は君の決起を求めている!
私たちとともに、社会を変える壮大な運動を始めよう。東北地方を救援・復興し、原発を止めさせ、御用学者どもをキャンパスから追放しよう。その闘いを通して、団結をよみがえらせて学生の組織をつくり出そう。俺たちの未来を俺たち自身でつくろう!
とりわけ3万法大生の皆さん! 新入生の皆さん! われら文化連盟とともに闘おう! キャンパスを俺たちの手に取り戻そう! 私と文化連盟は闘いの最先頭に立ちます。4月22日は法大へ!
(斎藤君は、3・31東電抗議闘争で不当逮捕され、1日現在勾留中)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2482号2面2)(2011/04/04 )
被災地・東北大からアピール
学生自治会委員長 石田真弓
全国300万学生は団結し大震災をのりこえて闘おう
全国の学友の皆さん! 新入生の皆さん! 東日本大震災の被災地・仙台の東北大学の学生から、「学生の生活保障」と「原発停止要求」を軸とした被災地救援運動への決起を熱烈に訴えます!
被災地には、あらゆる困難や恐怖が存在しています。今も続く大小の余震。遅々として回復しないインフラと流通。目を覆いたくなるような津波の惨状。放射性物質を垂れ流し続ける原発。そして、激化する大恐慌・大失業の現実。
しかし、私たちはそこから身をそらさず、仲間たちとともに生きんがための闘いに全力で立ち上がっています! 暗い顔で下を向くのではなく、顔を上げて前に進もう! 仲間とともに生き、ともに闘い、未来を私たちの手で切り開こう!
(写真 3・20渋谷反戦大集会で被災地から闘いを報告する石田君)
大震災は天災でなく人災だ
私が訴えたいことは第一に、今回の大震災は人災だということです。
ひとつに、福島第一原発事故の問題です。私たちは情報隠しをやめさせると同時に、すべての原発を停止・廃止させなければなりません。全国の仲間は反原発署名を膨大な数で集めよう!
「原発の即時停止」は全国・全世界の学生・労働者・市民の要求だろうと思います。いつ原発が大爆発を起こすのか、いつ頭上から放射性物質が降り注いでくるのか、食べ物や水は大丈夫なのか、不安は尽きることがありません。私の友人は、実家が福島第二原発のある富岡町で、原発事故以降、両親が着の身着のまま避難させられて苦しい生活を強いられ、生まれ育った故郷にいつ帰れるのか、未来永劫(えいごう)帰ることができないという状況に置かれています。
しかしその一方で、菅政権と東電は事故の情報を隠蔽(いんぺい)して「安全」を装い、大学教授や科学者がそれを支えるという許し難いことが行われています。経団連会長・米倉は「日本の原発は素晴らしい。千年に一度の津波にもよく耐えた」などと発言し、原発政策を推進する立場を維持しています。
どうしてこんなことが許せるでしょうか! とくに東北大学は「産学協同路線」の先端に位置し、原発研究と推進の張本人です。東北大学からこうした許しがたい御用教授を追放することは人類史をかけた闘いです。
いまひとつに、津波の問題です。今回の地震が「想定外」だったなどという言い訳は通用しません! 「今後30年間の宮城県沖での大地震の発生確率99%」、「明治三陸地震津波では……高さ38・2bを記録した」。これは防災・危機管理教育協会が主催する防災力検定のためのテキストの中の記述です。しかし菅政権は事業仕分けで、「200年に一度あるかないかの災害につける予算はない」と明言し、半年前に災害対策予算をカットしました。うそと開き直りに終始する菅政権や東京電力の姿勢は本当に我慢なりません!
被災地の「政治利用」許さない
第二に、菅政権による大震災・被災地の「政治利用」を絶対に許してはならないということです。私たちは「被災地のため」「地震だからしょうがない」といった理由で被災地以外の学生・労働者・市民に犠牲が押しつけられることをまったく望んでいません。
被災地の必死の格闘とは裏腹に、菅政権は大震災を利用して「国難」を叫び、「政治休戦」や「挙国一致」を説いています。しかし、彼らがその実やろうとしていることは、臨時増税、労働者の首切り・賃下げ、日米安保の強化です。これらは菅政権が地震の前から進めてきたことであり、多くの怒りの声の前に頓挫し、菅政権の危機に転化していたものではないですか。
自民党政権から続く新自由主義政策のもとで、あらゆるものを市場原理の中にたたき込み、金もうけにならないものは何でも切り捨てていくというあり方が矛盾をため込み、それが極限的な形で爆発したのが今回の大震災です。今回の事態は、起こるべくして起きた事態です。被災地の救援と復興のために核心的に問題になっていることは、この社会を根本から変革することです! だから、本当に全国の学友の力が必要なのです!
団結し闘えば社会動かせる
最後に、この崩壊した社会を立て直すのは、私たち学生を先頭とした若い世代だということです。
被災地では学生・労働者・市民が、生き抜くために必死に闘う中で、新自由主義によって奪われてきた団結や人間的共同性を取り戻しています。私の住む学生寮・日就寮では、少ない食料を拠出して分け合い、水くみや炊き出しを共同して行い、可能な限り被災者を受け入れ、仲間とともに生き抜いてきました。その過程で日就寮に避難していた受験生親子は、地元に帰り『愛媛新聞』の取材に応えて「寮生に助けられた」「学生の力に驚いた」と言ってくれています。
また全国の学生が、震災後ただちに「東日本大震災・全国学生救援連絡会議」を結成して被災地に駆けつけ、あるいは街頭に出て救援運動に取り組んでいます。ドイツでも、今回の原発事故を受けて25万人がデモに立ち、メルケル政権の原発推進政策を押し戻しています。私は皆さんのこの思いと行動こそが、社会を動かす原動力だと確信しています。
菅政権と東京電力は責任を取れ! 原発政策を撤回し、すべての被害を補償しろ! 私は「責任をとれないなら俺たちに権力をよこせ!」と言いたい。
エジプトを先頭とする北アフリカと中東から世界的な革命情勢が始まりました。全世界で、学生をはじめ若い世代が社会変革の先頭に立っています。そして、この日本でも全国学生の力で法大闘争は学生運動史上未曽有の逮捕と処分をはねかえして、全世界の学生の牽引(けんいん)軸になっています。私たちが団結して闘えば、世の中の不正や不条理を正し社会を動かすことができます! すべての学生はエジプトやチュニジアの若者に続き、私たちの手に社会を取り戻そう!
全国のキャンパスで団結をよみがえらせて、学生自治会を建設しよう! 「東日本大震災・全国学生救援連絡会議」に結集しよう! 反原発の大署名運動に取り組もう! 被災地の犠牲を維持・拡大し、救援を妨害する菅政権を倒そう! ともに生き、ともに闘おう!
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2482号2面3)(2011/04/04 )
社会の根底的な変革めざしキャンパスから反戦運動を
全国学生は5・15沖縄闘争へ
学生を先頭にデモで「自粛」を打ち破った
新入生の皆さん! この世界史的大激動の時代をともに生き闘うことを歴史的使命感をもって訴えたい。今こそ300万学生は団結し、キャンパスから大反戦運動を巻き起こそう! 原発の即時停止・廃止を求める大署名運動を! 米日帝国主義の世界戦争政策と安保体制を根幹から揺るがす沖縄の怒りとひとつになって、反原発の大闘争をまきおこし、5月沖縄現地闘争へ駆けつけよう!
中東・北アフリカに米英仏の侵略戦争が開始された。リビア爆撃は歴史的事態だ。沖縄は出撃基地となり、それと一体で大震災を口実とした戦争体制構築が狙われている。米軍と自衛隊が出動、共同の指揮体制で被災地の軍事制圧に動いた。菅政権はあけすけに、朝鮮半島有事に対応する周辺事態法の適用と言い放った。また、原発によって無数の人びとが被曝させられ、命を奪われている。放射線を浴びた遺体は無数に放置されている。既成政党や労働組合のナショナルセンターは「自粛」の名のもとにデモのひとつさえ呼びかけようとしない。だが「戦争反対!」「原発は許せない!」「デモをやりたい!」という学生・青年の怒りと熱意が渦巻いている。3月20日に私たちが呼びかけた渋谷反戦デモは、この怒りを行動に転化した。そして、許しがたい弾圧をのりこえて、東京電力弾劾の行動に立った。
戦争を止める力、社会を根本から変革する力は、労働者・学生が団結して立ち上がること、そして闘う労働組合・学生自治会をつくり出すことにある。未来を切り開く巨大な反戦運動をこの日本の地で、学生が先頭に立って巻き起こそう。
(写真 昨年5月15〜17日、全国の学生、労働者が結集し、3日間の沖縄闘争が大爆発した。350人が参加した「5・15沖縄集会」【那覇】)
福島原発事故弾劾!全原発即時停止を!
全国学生は、反原発の大署名運動に立ち上がろう。東日本大震災に伴う福島第一原発の爆発事故は、史上最悪のチェルノブイリ事故(1986年)に匹敵すると言われる高濃度放射性物質をまき散らし、住民と原発労働者を被曝させ、水・土壌・農畜産物を汚染し尽くし、人の生きる社会と自然を破壊し続けている。農業・畜産業・漁業は壊滅し、膨大な労働者民衆が家を追われ生活そのものを破壊されている。
これはけっして「自然災害」でも「想定外のやむをえざる事態」でもない。自民党や民主党の歴代政府が、電力資本とともに、「原発は安全」「クリーン・エネルギー」などと大うそをつきながら原発政策を推進してきた結果だ。何より日本の原発政策は、けっして単なるエネルギー政策ではなく、1950年代の出発点から核武装(核兵器開発)のため「国策」として行われてきた。戦後、日本は「唯一の被爆国」と言われ、「非核三原則」などと表向きは装いながら、実は一貫して核武装を狙い、地震(や津波)が多発する危険な活断層の上に54基もの原発を建設してきたのだ(さらに14基が建設・計画中)。その上、菅政権と日本経団連は「新成長戦略」の目玉商品として原発の輸出をもくろんできた。連合と電力総連(電力労働者を組織する労働組合)は積極的にこれを支え、現場労働者とりわけ下請け労働者に被曝労働を強制してきた。今回の福島原発事故で、そのすべてがあばき出され、破産したのだ。
さらに、「学問」の名で原発政策を推進し、その「安全神話」にお墨付きを与えてきた大学の責任だ。福島原発事故の後もひたすら「原発は安全だ」と連呼している教授どもの姿こそ、東電資本のもとに群がった大学腐敗の極致ではないか! 学生はこんな連中から大学をとり戻さなくてはならない。そして、原発との共存を強いられてきたこれまでの社会のあり方を根底から変革する、新たな反戦反核闘争をつくり出そう! それが反原発大署名運動だ。
朝鮮侵略戦争とリビア空爆阻止へ闘おう
昨年11月23日、延坪島(ヨンピョンド)で起こった北朝鮮・韓国間の砲撃事件をもって、アメリカ帝国主義による朝鮮侵略戦争が始まった。米軍はかねてより韓国軍と共同で軍事演習を繰り返し、北朝鮮の「暴発」を誘って戦争に持ち込もうと狙ってきた。米政府はすでにそれを「作戦計画5027」や「作戦計画5030」というかたちで、軍事重圧から金正日(キムジョンイル)体制の崩壊、そして米韓軍による朝鮮半島の軍事的制圧までも計画化・具体化している。「11・23」はその結果として発生した。明らかに米韓の方が戦争を仕掛けたのだ。
そしてこの3月、ついに米英仏によるリビアへの軍事介入=侵略戦争が始まった。これもまた、「カダフィ政権打倒」ということを口実にして、リビアの豊富な石油資源(利権)の強奪を目的とした帝国主義の強盗戦争そのものだ。
この背景にあるのは世界大恐慌だ。「11・23」をもって始まった戦争は、アメリカが世界支配を維持し、アジアの市場・資源・勢力圏を強奪するための侵略戦争であり、北東アジアの覇権をめぐる中国侵略戦争にまで行き着くものだ。日本の菅政権は日米同盟強化を基本路線とし、この戦争に自らの延命をかけて参戦しようとしている。
同時にそれは、エジプトで始まった労働者人民の革命運動が、国境を越えて中東・アフリカ・欧州から中国・北朝鮮にまで波及してきことに恐怖し、これを圧殺するための戦争だ。リビア空爆は、新たな帝国主義的軍事支配を中東に打ち立てるために強行されているのだ。こんな戦争を断じて許すことはできない!
沖縄闘争は世界を変革する決定的な闘い
この情勢下で、5月沖縄現地闘争(5月14〜16日)が歴史の帰すうを決する決定的な位置をもっている。全国の学友は5月沖縄現地に駆けつけよう。戦争の全矛盾が集中する沖縄こそ、エジプト革命に続く日本革命の突破口だ。
米軍によって「太平洋のキーストーン(要石)」と呼ばれ、在日米軍基地の約75%が集中する沖縄は、日米安保体制の最大の実体である。第2次大戦後、米帝によるあらゆる侵略戦争は、日米安保を基盤とし、沖縄を出撃・兵たん基地として遂行されてきた。そして現在の朝鮮侵略戦争・リビア空爆情勢下で、沖縄は米軍にとってきわめて重要な最前線出撃基地となっている。沖縄基地なくして米軍のいっさいの戦争戦略は成り立たないのだ。そして、「戦場の島」とされ、生活と生存を脅かされる沖縄の労働者人民の怒りも頂点に達している。
だからこそ、沖縄闘争は日米安保を揺るがし、戦争を止め、世界を変革する決定的な位置を持っている。われわれ日本の労働者・学生は、戦後一貫して日米安保と闘ってきた。とりわけ学生運動は、常に闘いの最先頭にあった。侵略と戦争に反対し命をかけて闘う学生の姿は、日本と世界の労働者の心を熱く揺さぶってきた。この日本学生運動の革命的伝統を継承し、壮大な反戦闘争を今こそつくり出そう!
政府・資本家の支配者たちは、今や一切の統治能力を喪失し、ただただ労働者民衆を犠牲にして、戦争を引き起こす以外になくなっている。こんな連中から権力を奪いとり、労働者・学生・農民が新しい社会をつくる時だ。反原発闘争の爆発、そして安保・沖縄闘争の爆発で日本革命に勝利しよう!
〔マルクス主義学生同盟中核派〕
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2482号3面1)(2011/04/04 )
●特集 新入生諸君! ともにプロレタリア世界革命へ
マルクス主義を甦らせよう
学生・青年は団結して行動し革命で全世界を獲得しよう
マルクス主義学生同盟中核派
はじめに
新入生のみなさん! いま世界は、変革を求める怒りに満ちみちている。ついに、われわれ自身の手で資本主義を打ち倒す革命をやり、世界史を前進させていく決定的なときがやってきた。
3・11東日本大震災が示したことは「われわれはもはや資本主義のもとでは生きていけない」ということだ。農業、畜産業、漁業、そして労働者民衆の生活のすべてを破壊する放射能汚染をもたらした原発。「絶対に来る」津波に対し、まともな堤防すらつくれていなかった地方切り捨ての現実。徹底した公務員(自治体労働者)の削減で、全国からの救援物資は放置され被災地に届かない。こんなものは「想定外」の「自然災害」などではない! この資本主義社会においては、われわれ人間の生命や生活などおよそ問題にもされていなかったという本質が暴き出されただけだ。
「千年に一度の津波に耐えている原発はすばらしい。原子力行政はもっと胸を張るべき」(日本経団連会長・米倉)、「復興ニューディールとも言うべき需要が生まれてくる」(菅首相)。これが支配者どもの本音だ。ふざけるな! 数万人の命が奪われ、数十万数百万人の生活が破壊されても、原発利権と核開発だけはあきらめず、大震災をも金もうけのチャンスに転じていこうというのだ。
こんなやつらの支配はもう終わりだ。チュニジアやエジプトを見てほしい! 大失業とインフレ(食糧危機)という「生きることのできない」現実に怒りを燃やし、支配体制をうち砕く闘いを、私たちと同世代の青年・学生が闘っている!
「世界の仲間へ、ともに立ち上がろう。自分が何者であるかを試される瞬間だ」――革命の渦中でエジプトの青年が発したこの檄(げき)を受け、全世界で根底的な変革の闘いが開始された。その主体は私たち青年・学生だ。そのことをはっきりさせるのが労働者自己解放の思想としてのマルクス主義だ。プロレタリア世界革命に向かって、マルクス主義を21世紀現代に甦(よみがえ)らせよう。
(写真 3・20渋谷反戦大デモの先頭に立つ全学連)
資本主義を転覆する労働者階級自己解放のための理論
価値増殖運動が資本主義の本質
私たちは、どのような社会に生きているのか? 大失業や戦争は、いったい何から生まれているのか? 今の社会は、「新自由主義」と呼ばれる資本主義の最末期の社会だ。1970年代に戦後の「高度経済成長」が止まり、世界が「過剰資本・過剰生産力」状態に突入して以降、資本はあらゆる規制を取り払い、労働者・学生の団結を破壊し、利潤追求運動を凶暴に展開してきた。
それによって何が起きたか? 今や青年の4割が非正規職にたたき落とされ、低賃金で過酷な労働を強制されている。大学新卒者の就職内定率は80%に届かず、2割が実質の失業状態だ。資本の利潤追求の手段として民営化、外注化、そして派遣労働が拡大されてきた。しかもこの新自由主義は、教育や医療、社会保障など人間生活にとって必須不可欠な領域までをも民営化して金もうけの対象としている。またアメリカでは、貧困層に「サブプライムローン」という詐欺同然の住宅ローンを組ませ、払えなくなったら差し押さえて転売することで銀行や投資家がぼろもうけする末期的なバブルまでつくり出した。この「無限の価値増殖運動」の最後的な破産の現実こそ、米住宅バブル崩壊から始まる今日の世界大恐慌だ。
そもそも、資本主義社会は労働者階級(プロレタリアート)と資本家階級(ブルジョアジー)の非和解的な対立にもとづく階級社会だ。一方には社会的生産手段を私的に独占する資本家階級がいる。他方には、あらゆる生産手段から切り離され、自分の労働力を資本家に切り売りすることでしか生きていけない労働者階級がいる。
この「賃労働と資本」の関係によって、労働者は自らの生産物から切り離され、自分と家族の生活を維持するに足りる程度の賃金しか受け取れない。そして、資本家は労働者を働かせることで彼らから剰余労働(不払い労働)を搾取し、膨大な利潤をせしめる。人間の「生命の発現」であるべき労働が資本の利潤追求の手段となり、人間存在そのものである労働力は資本を増殖させる「商品」として売り買いされる。ここに資本主義社会の転倒がある。
剰余労働の搾取を目的とした資本の運動には限界がない。それは、資本家同士(もしくは国家間)の競争に規定され、ただひたすら「価値の増殖」だけを目的にどこまでも労働者を搾取する。「われ亡きあとに洪水はきたれ! これが、すべての資本家、すべての資本家国の標語なのである」(マルクス『資本論』第1巻第8章「労働日」)。そして、この価値増殖を自己目的化した生産の拡大が、不可避に過剰生産、過剰資本を生み出し、恐慌を爆発させるのだ。
「恐慌のなかで社会的疫病が発生する。これまでのあらゆる時代にはおよそ不合理としか思えなかったような疫病、すなわち過剰生産という疫病である」「ブルジョア的諸関係は、自分の生みだした富を手のなかに容(い)れておくには狭くなりすぎた」(新訳『共産党宣言』)
(写真 エジプト2月革命の勝利に沸くタハリール広場)
現在、大恐慌が進行している
資本主義は社会の生産力を飛躍的に向上させた。だが、その目的は人間が生活するために必要な生産ではなく利潤追求にのみあり、資本投下が人間の欲求とは無関係に進む。その結果、労働力の商品化を基底とした資本の過剰が恐慌となって暴露される。人間の消費力に比しての過剰、資本家にとって都合良く生産できない労働力商品に比しての過剰等々としてそれは爆発する。一切は社会的生産と分配が意識的・計画的に行われないことから、資本主義的生産はその過剰生産を恐慌によってのみ把握するのであり、資本主義は基本的な確立を見るやいなや周期的恐慌を不可避としていった。その度に連鎖的な資本の破産、生産活動の停止、大失業と餓死が吹き荒れる非人間的社会なのだ。そして19世紀末以降、巨大に発展した独占体と金融資本は、慢性的な過剰生産力状態から慢性的不況、世界恐慌、世界大恐慌を爆発させ、数カ国の帝国主義によって分割されきった市場の再分割をかけた世界戦争へとその矛盾を爆発させるに至った。帝国主義段階への突入である。
現在進行中の世界大恐慌は、2度の世界戦争としてその矛盾を爆発させた帝国主義が、1974〜75年恐慌に行きつき、新自由主義によって延命し、その積もりに積もった全矛盾を爆発させたものだ。この史上最大の大恐慌は、リーマン・ブラザーズなど大金融機関を次々に倒産させ、行き場を失った過剰資本が食糧・石油市場になだれ込み、全世界で物価高騰による生活破壊をもたらしている。さらに、資本主義救済のための天文学的な国家財政投入によって国家そのものが破綻の危機に陥り、支配者はその矛盾の一切を労働者民衆に押しつけようとしている。そうしなければ、信用が全面崩壊し資本制生産が停止するからだ。
「それでどうなるのか? ブルジョアジーは今までよりもっと全面的な、もっと激烈な恐慌への道を開き、恐慌を予防する手段をますますせばめるのである」(同前)
大恐慌の根底に「過剰資本・過剰生産力」状態がある以上、いかなる「救済」策をもってしても問題は解決しない。むしろ、財政投入で一時的に延命すればするほど、破産はより巨大に蓄積する。資本主義である以上、この矛盾は絶対に解決できない。そして何より恐慌は、労働者階級の怒りと行動を生み出す。
労働者階級こそが革命の主体だ
この資本主義・帝国主義を打倒し、その矛盾を解決する力は労働者の団結にある。
「ブルジョアジーは、自分に死をもたらす武器をつくりだしただけではない。その武器をとる人びとをもつくりだした。すなわち、近代の労働者、プロレタリアである」(同前)
なぜそう言えるのか?
それは、「プロレタリアは、自分自身のこれまでの獲得様式、そして同時にすべてのこれまでの獲得様式を廃止することによってのみ、社会的生産諸力を奪取することができる」(同前)存在だからだ。
資本主義は巨大な社会的生産を実現しながらも、労働者は徹底的に社会的生産の連関から切り離され、部分的な労働に押し込められる。社会を成り立たせている自らの労働が、自分とは疎遠な抑圧力として資本の手に集積され、最後には恐慌と戦争で生活と社会の全面的な破壊を生み出すという根本的な矛盾。だからこそ、「資本を増殖させるためにのみ労働者が生き、支配階級の利益が必要とするかぎりにおいてのみ労働者が生きていける、というこの取得の惨(みじ)めな性格」(同前)を根本的に覆す革命が必要なのだ。そして、「プロレタリア革命とは、労働者階級が資本家階級の支配を打ち倒し、ブルジョア国家権力を粉砕してプロレタリア独裁を樹立し、資本家階級の私有財産としてある社会的生産手段のすべてを団結した労働者のもとに奪い返して、自らの手で全社会を再組織することにほかならない」(革共同綱領草案)のだ。
エジプト2月革命を見てほしい。青年労働者は「帝国主義の血脈」であるスエズ運河を止めるストライキに立ち上がり、100万人が結集したタハリール広場では食料配給、病院、保育施設まであらゆるものが労働組合によって組織され、ムバラク政権打倒をやり遂げた。多くの工場で労働組合がストライキに決起し、労働者が資本から職場支配権を奪い取っている。これが生産と社会の主人公である労働者の力だ。人類社会に「資本の無限の価値増殖運動」など必要ないのだ。
資本の搾取を容認する日共スターリン主義うち破ろう
大恐慌−大震災−大失業の今こそ、マルクス主義を復権させ革命をやろう。そのためにも、労働者・学生の「味方」面をしながら資本主義を擁護する勢力をうち破らなければならない。その核心は、日本共産党スターリン主義(民青)を打倒することだ。旧ソ連や中国などスターリン主義は、「社会主義」を掲げながら実際は「一国社会主義論」をもって世界革命を裏切り、労働者の闘いを血の海に沈めてきた。
何よりスターリン主義は、「生産力至上主義」をもって現場労働者の闘いを圧殺し続けてきた。「市場経済を通じて社会主義に進むことは、日本の条件にかなった社会主義の法則的な発展方向」(日本共産党綱領)、「大企業とは共存共栄する」(日本共産党委員長・志位)。これが共産党の本音だ。労働者は資本主義の発展のために力を尽くせ、それが社会主義への道だなどというとんでもない暴論で労働者を資本の強欲な搾取の前にさらし続けている。そして、資本の合理化や搾取の強化を「生産力の発展は良いこと」「社会主義に近づくから受け入れろ」と容認し押しつけている。
日本共産党にとって社会主義をもたらす原動力は「生産力」なのであって、労働者の闘いではない。そうやって、新自由主義による労組解体や、外注化・非正規化による搾取を「生産力の向上」と主張する資本家に全面屈服してきた。
全世界の数億に及ぶ青年・学生の未来を奪う新自主義を支えてきたのがスターリン主義だ! スターリン主義こそが革命の最悪の妨害物だ。こんな連中が「マルクス主義」を語ることを許さない! 青年・学生の怒りの決起で、帝国主義もろともスターリン主義を吹き飛ばそう。
動労千葉の労働運動の中に生きたマルクス主義がある
プロレタリア世界革命の展望は動労千葉の階級的労働運動の中にある。
「今何よりも求められているのは、変質と屈服を深める既成の労組幹部の支配に抗し、現場から闘いをつくりあげることです。労働者の団結した闘いこそが歴史をつくり、社会を変革する力です」「外注化阻止闘争は解雇撤回闘争と一体の闘いです。民営化・外注化攻撃との闘いなくして『労働運動の再生』は空語です。われわれは、労働者と労働運動の未来をかけて全力で闘いぬく決意です」(昨年11月の労働者集会での田中康宏委員長の発言)
新自由主義の核心である外注化攻撃で、膨大な青年が非正規職化され、低賃金と強搾取の不安定労働を強制されてきた。鉄道でも保守部門の外注化が進められ、技術の継承は絶たれ、いくつもの外注会社がひしめく職場は混乱し事故が続発、多くの現場労働者が殺されてきた。しかも、外注化によって本体会社は一切の責任を免れるのだ! この現実のすべては、労働者に絶望し、資本の論理に屈した連合や全労連の御用労組幹部が外注化を容認し、率先協力することによってもたらされたものだ。
動労千葉はこの外注化に絶対反対を貫いてストライキで闘い、昨年に続いて今年4月にもJR東日本全体の外注化を阻止した。この闘いに多くの青年労働者が心を揺さぶられ、資本と御用労組の妨害をうち破って続々と闘いに立ち上がっている。さらに、この闘いは全世界の労働者を鼓舞激励し、11月労働者集会へのアメリカ、韓国、ブラジル、ドイツの戦闘的労働者の一大結集を生み出した。この動労千葉の闘いにこそ、労働者の勝利の展望を示す「生きたマルクス主義」がある!
いまや動労千葉に続き、世界中で団結した労働者・学生が新たな社会の展望を示す闘いに立ち上がっている。チュニジアでもエジプトでも、大震災の真っただ中でも、屹立(きつりつ)しているのは新自由主義と対決してきた労働組合と学生自治会だ。この闘いを守り発展させ、あらゆる大学・職場で闘う学生自治会、労働組合をよみがえらせよう! この中でマルクス主義の復権をかちとろう。
最後に、革命勝利に責任をとる革命的労働者党を日本の地に建設しよう。新入生のみなさん、マルクス主義学生同盟中核派に結集し、プロレタリア世界革命へともに進撃しよう!
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2482号3面2)(2011/04/04 )
米軍・自衛隊が有事体制に突入
大震災救援口実にして朝鮮侵略戦争の発動狙う
「周辺事態法」を事実上発動
東日本大震災の被災地支援を名目に、米軍は「TOMODACHI(トモダチ)作戦」などと名付けた空前の規模の「日本有事」作戦を展開している。それは自衛隊の総兵力の半数に近い10万人出動体制との統合作戦に発展し、事実上の「周辺事態法」の発動、日米安保体制の総力を挙げた実戦発動体制に発展しつつある。
米軍の態勢は陸海空と海兵隊の4軍で約1万8千人(!)に達した。航空機140機、原子力空母ロナルド・レーガン、巡洋艦チャンセラーズビルなどを含む艦船は19隻にも及ぶ。佐世保基地の強襲揚陸艦エセックスやドック型揚陸艦トーテュガも投入、多数の上陸用船艇を三陸地方に接岸させた。
嘉手納基地所属の特殊戦術飛行中隊(アフガン戦争にも出動した精鋭部隊)が、自衛隊の動きに先行して空挺部隊と高機動車ハンビーを仙台空港にパラシュート投下する作戦も行った。地上に展開した部隊はわずか3時間で1500bの滑走路を確保、直後に大型のC17戦略輸送機が40dの物資を積んでアラスカの基地から飛来した。
また海兵隊は、新基地建設問題で沖縄の労働者人民と激突している普天間基地所属の輸送機やヘリ部隊などが物資輸送を積極的に展開。岩国基地も含む空輸ミッションは一日平均40往復にも達し、普段は秘匿している部隊規模や移動状況を日々発表、存在をアピールしている(朝日)。
さらにグアムのアンダーセン基地所属の無人偵察機グローバルホークも福島原発上空の撮影を開始した。これはカリフォルニアの基地から衛星通信を通して遠隔操作されている。(図参照)
これは被災地支援出動の域を完全に超えた軍事作戦だ。マスコミも「自衛隊と米軍は“日本侵略の有事”に準じる体制」(読売)、「突出した米国の日本支援は人道的側面だけではない。東アジアの平和と安定へ、有事で日米同盟がいかに力を発揮するかだ」(産経)などと報道。「東アジアの平和と安定」とは11・23延坪島砲撃戦以来の朝鮮侵略戦争情勢のことだ。
対照的に、震災で支援を申し出た中国に対し日本政府は露骨なまでに冷淡だった。中国政府はガソリン1万dとディーゼル油1万dの援助を決定したが、日本政府は2週間近く許可を出さず、しかも輸送先を被災地ではなく、何と「広島県と愛媛県」に指定した。
米太平洋軍のトップが指揮
こうした中で、米軍は派遣した4軍を統括するため、在日米軍司令部のある東京・横田基地に「統合支援部隊(JSF)」を新設した。指揮官は、地震発生直後は在日米軍司令官(中将)だったが、JSF発足に伴い米海軍太平洋艦隊司令官=太平洋軍最高司令官のウォルシュ(大将)が着任した。つまり太平洋軍(第7艦隊、第3艦隊を含む24万人の陸海空海兵隊統合軍。太平洋全域とインド洋を管轄)の文字通りのトップが、この「トモダチ作戦」の指揮を執っているのである。
そして日米両軍の合同作戦司令部が市ケ谷の防衛省統幕監部と米軍横田基地、陸上自衛隊仙台駐屯地(東北方面総監部)に設けられ、24時間態勢で「部隊運用の調整」が始まったことも重大だ。97年の新安保ガイドラインであいまいになっていた「日本有事や周辺事態」での「指揮権」の問題が実戦的に有無を言わせず煮詰められているのだ。オバマは震災発生からわずか5時間後に「全面支援」を表明した。米太平洋軍司令官が直接乗り出すほどの日米同盟上の決定的問題なのだ。
核戦争を想定した米韓演習
一連の動きは、3・11大震災の直前まで韓国本土の38度線付近で強行されていた米韓合同演習の直接の延長上にある。
この演習で米軍は、核や生物化学兵器、いわゆるNBC兵器用の装備品を使用していた。演習場となった韓国・抱川(ポチョン)は北朝鮮との軍事境界線から15`の至近距離にある。ここで米韓合同軍が「あらゆる状況下で活動ができる新型の特殊装甲車」を含む部隊による実弾射撃訓練を強行したのだ。
米空母が、福島原発から125カイリ(約200`)も離れた海域に展開し、防護服の着用や線量計による兵士の身体の測定、特定の任務以外は甲板に隊員を出さないなど「核攻撃を想定した作戦」に準じる体制をとっているのも、こうした演習の一環だ。米軍が「放射能管理の専門部隊450人」の派遣を日本政府に申し出ているのも、核戦争体制の一環なのだ。
こうして延坪島砲撃戦を契機に始まった米日帝の朝鮮侵略戦争は、決定的にエスカレートした形で続行されている。被災地支援を口実にした朝鮮侵略戦争の実働演習徹底弾劾! 反原発闘争と一体で闘い抜こう!
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2482号4面1)(2011/04/04 )
10億円大カンパ闘争を
6千万労働者の怒りと団結で被災地救援・反原発を闘おう
青年と学生の決起先頭に
動労千葉と全国労組交流センターが発足させた東日本大震災救援対策本部の呼びかけに応え、職場から被災地支援・反原発の闘いを巻き起こそう。これと一体の闘いとして被災地支援10億円カンパを集めきろう。
職場で街頭で「何かしたい」という労働者人民の思いが噴き出している。とりわけ青年労働者と学生は街頭へものすごい勢いで繰り出している。この「思い」を力ある階級的な団結としてつむぎ上げていく闘いの先頭で、すべての闘う仲間は総決起しよう。連日発行されている東日本大震災救援対策本部の『救援対策本部ニュース』を武器に、「政治休戦」「自粛」を打ち破り被災地の仲間と一体となった闘いを全国でつくり出そう!
大恐慌下に発生した今回の大震災は、新自由主義のもとで進行していた階級的な矛盾を激烈に突き出した。われわれの眼前で起こっている事態は戦時下そのものである。東北地方一帯を米軍と自衛隊が制圧している現実は周辺事態法の発動だ。「計画停電」「節電」は戦時下の灯火管制だ。首都東京も有事体制に突入しているということである。
この大震災を口実とした震災解雇・内定取り消しが続発している。それは大震災の直接の被災地である東北地方だけで起こっていることではない。大恐慌下で発生した今回の大震災がもたらす事態は、すべての労働者階級人民に直接襲いかかってくる。実際被災地から遠く離れた沖縄ですら、単1乾電池は早々と店頭から姿を消し、東京の水道水から放射性物質が検出されたと報道されるや、ペットボトルの飲料水も店頭から姿を消した。そして大震災に伴う旅行のキャンセルが相次ぎ、観光業に甚大な影響を及ぼしつつある。
福島原発ではいまだ危機的な事態が進行している。プルトニウムが検出されても「人体に影響はない」だと? 自然界に極微量しか存在しない、原発から出たプルトニウムなど、生命とは相いれない超有害な存在だ。さらに福島原発から漏れ出した放射性物質のために「出荷制限」「摂取制限」を宣告された地域の農民は、丹誠込めて育ててきた農作物を出荷もできず、ついに自ら命を絶つという痛ましい事態も報道された。「原発が殺した」のだ。
社会の一切の生産を担う労働者・農民・漁民が仕事を奪われ誇りを奪われ、そして命までも奪われている。この現実に対して「もうこれ以上黙っていられない」という闘いが始まっている。生き抜き闘い抜いてこの社会を労働者・学生・農民・漁民の手に取り戻そう。
われわれはこのような情勢下において3・17、3・20闘争を断固として闘い抜き、3・27三里塚現地集会の大成功をかちとった。さらに31日には東京電力への抗議闘争を闘い取った。3・11大震災情勢に対して一歩も引かずに「政治休戦」「自粛」を打ち破る闘いを、被災地で闘う労働者階級人民と心を一つにして開始したのだ。
連合ダラ幹の許せぬ大罪
今回の事態に対して労働者階級として絶対にあいまいにしてはならない課題がある。新自由主義の嵐が吹き荒れたこの三十年間の結果として今回の大震災を引き起こした重大な責任は、連合ダラ幹の裏切り者どもが資本と一体となって労働者の団結を破壊し、生活と権利を売り渡してきたことにあるということだ。
新自由主義のもとでの民営化・外注化・非正規化攻撃は、連合幹部の協力と先兵化なしには成立しなかった。新自由主義のもとで原発を容認し、労働者の安全を売り渡したことで原発事故を続発させたのは連合幹部だ。そして今まさに被曝(ひばく)の危機と背中合わせで闘っている労働者に、まともな食事すら保障しないで過酷な状況にたたき込んでいるのも連合幹部だ。さらに「協力会社」という聞こえのいい言葉で「下請け」の労働者に何の安全対策も行わず、いわば「特攻隊」を強制しているのも東電資本と一体となった連合幹部の責任だ。
新自由主義のもとでの地方切り捨て・民営化が大地震後の津波で大きな犠牲を生み出した。これは「想定外の事態」でもなんでもない。これも市町村合併・道州制・民営化との闘いを放棄してきた連合の責任だ。
労働者は労働組合を自らの手に取り戻さない限り、最後は資本家どもに命までも奪われる。そして労働者階級の闘いが分断され抑え込まれた時、農民・漁民・自営業者を含めたすべての人民の生活が破壊され命が奪われていく。だから日本の労働者階級はどんなに困難があろうとも今こそ本気になって、連合打倒の闘いに総決起しなければならない。労働組合をわが手に奪い返し、闘う労働組合をよみがえらせなければならない!
体制内労組幹部はこの大震災が生み出す労働者階級の新たな闘いが自らに向かってくることを恐れながら、「被災地支援」を呼号している。しかし彼らの「被災地支援」など盗人猛々しい。連合が実際にやっていることは、春闘を自粛し、メーデーを自粛し、あらゆる闘いを抑え込むことではないか? そもそも誰が今回のような事態を引き起こしたのか? 資本と一体となって労働者を売り渡してきたお前たちではないのか!
われわれの「被災地支援」はこのような連合指導部の裏切りを暴き出し、労働者階級自身の支援運動によって、闘う労働組合をよみがえらせていく闘いだ。
被災地で闘う労働者学生の闘いを守り抜き、それと一体の闘いとして体制内指導部を打倒して労働組合を労働者自身の手に取り戻そう。
ともに生き闘う大カンパ
大恐慌情勢下における3・11大震災は、われわれにあらためて「鮮明な階級的時代認識と革命的路線をもって武装し、大恐慌と大失業・戦争をプロレタリア世界革命へと転化する闘いに、革命を目的意識的に準備する行動に」「直ちに全力で突入」(1・1アピール)することを求めている。それは「労働者の階級的団結を打ち固め、工場・職場に不抜の拠点、不抜の闘う労働組合を形成」(同)することだ。
東北地方で闘う労働者学生の仲間は3・11大震災後、ただちにこの闘いに入っている。彼らの闘いを守り抜くとともに、全国で同じ闘いを始めよう。プロレタリア世界革命の勝利とプロレタリア独裁は労働組合の力なしには成り立たないし維持されることはない。闘う労働組合をよみがえらせ、その旗のもとに農漁民を始めすべての人民の生きるための団結を生み出すことをとおしてのみ、われわれは差し迫る破局をのりこえて労働者階級人民の勝利の時代を切り開くことができる。
昨年の国鉄1047名闘争の4・9政治和解と対決し、11・23朝鮮侵略戦争情勢と闘い、国鉄闘争全国運動を発展させてきた苦闘は、この大震災情勢と対決して勝利を開くための実践的な苦闘だった。今こそ6千万労働者階級に「大恐慌と大震災・大失業と戦争と対決し、動労千葉とともに国鉄闘争の勝利でプロレタリア世界革命をともに闘い取ろう」と呼びかけよう。そして全国の農民に「労農連帯で闘う三里塚反対同盟とともに闘おう」と呼びかけよう。
労働者が存在する限り階級性が一掃されることはなく、大震災の中から新たな歴史の歩みが開始される。いや、新自由主義によって、社会のあらゆるきずながずたずたに引き裂かれた最末期の資本主義の時代において、すべてを奪われた労働者階級人民が奪われたものを奪い返す闘いは、新たな社会をつくり出す根源的な力を真に解き放つものとなるであろう。
実際に東北の各地でそういう闘いが始まっている。そして同じ闘いを求めて全国の労働者人民が「支援」に立ち上がっている。ここにはすでに労働者階級人民が主人公となる新しい社会の芽が宿っている。何よりも日本の労働者階級人民には動労千葉という闘う労働組合が存在し、三里塚反対同盟という闘う農民が存在している。ここに勝利の展望がある!
すべての労働者・学生・農民・漁民の皆さん。何があっても生き抜き闘い抜き未来を切り開こう! 国鉄闘争全国運動を全国で大発展させよう。被災現地とともに生きともに闘う労働者階級人民の団結の力を10億円大カンパ闘争として結実させよう。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2482号4面2)(2011/04/04 )
救援ニュースを連日発行
被災労働者の生の声伝える
動労千葉と全国労組交流センターによって設置された東日本大震災救援対策本部から連日、救援対策本部ニュースが発行されている。A4判で裏表2n。怒りがあふれ、被災地労働者の生の声を伝えて好評だ。最新3号の主な内容は次のとおり。
▼第4号(3月29日付)/3・27三里塚集会での宣言/みやぎ連帯ユニオン・鈴木光年書記長の現地報告
▼第5号(同30日付)/こんな危険な原発を誰がつくった・連合は率先協力/仙台の郵便労働者の報告
▼第6号(同31日付)/雇い止め・解雇なんて許さない/みやぎ連帯ユニオン・金子さんから現地報告
各号2n目は現地の報告。「毎日が飢えと寒さの中で生きることが闘い。労働者の真の団結が問われている」(NTT労働者)、「私たちは負けない。この現実に肩を組んで立つ」(鈴木さん)と、被災に真っ向から立ち向かい、不屈に闘う決意を語っている。それは同時に全国の労働者への決起の呼びかけだ。
郵便労働者は地震2日後に配達に出て多くの人に喜ばれたこと、「自分の働いている姿がみんなに勇気を与えている」「20年働いてきてこの日ほど、全逓労働者で良かったと思ったことはない」と語っている。
職場の仲間、大学の友人に手渡そう。被災地の労働者学生・人民との支援・連帯の運動をつくり出そう。
最新情報はブログ http://blogs.yahoo.co.jp/shinsaikyuenhonbu)
携帯でも見ることができます →
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2482号4面3)(2011/04/04 )
全原発を即時停止・廃絶せよ〈中〉
核分裂の制御は不可能
「絶対安全」デマは崩壊
福島第一原発の大事故は収束に向かうどころかすでにスリーマイルを完全に超え、今やチェルノブイリをも超える世界最悪の事故への危機をはらみながら進行中だ。日帝が垂れ流してきた「原発は安全でクリーン」は全部ウソだ。原発は、@放射能汚染の危険性、A完全制御の不可能性、B労働者の被曝(ひばく)なしに成り立たないという点で、人間社会とは絶対に相いれない。@については本紙前号で述べた。今号では、Aの点について明らかにしたい。
核暴走の危険を常にはらむ
日帝・電力資本と御用学者らが吹聴してきた「原発は絶対安全」という神話は今や完全に崩壊した。だが彼らは、一切は「想定外」の地震と津波によるとし、この期に及んでも原発推進をやめようとしない。まずこの言い訳自体が許せない。今回のような巨大地震や津波が起きる可能性は、政府の審議会でも公然と指摘されていた。だが日帝は、建設コストがかかりすぎるという理由で頭から無視してきたのだ。その罪は万死に値する。
しかし問題はその先にある。では、「想定」をやり直してより強度の地震に耐えられる原発を造ればよいのか? 断じて否だ! それでも事故は必ず起きる。そもそも、核反応を人の手で完全に制御できる技術などこの世に存在していない。そして原発の事故が他の事故と決定的に違うのは、核の暴走がいったん起きれば取り返しがつかないことだ。ここに最大の核心がある。
原発は核分裂反応を利用する点で、原理は原爆と同じである。1個の中性子が原子核にぶつかり核分裂を起こすと新たに2〜3個の中性子が飛び出す。それがまた他の原子核にぶつかり、次々に核分裂を引き起こしていく。これが核分裂の連鎖反応だ。そこで放出されるエネルギーは化学エネルギーの百万倍もの大きさである。この連鎖反応を一挙に引き起こさせるのが原爆であり、逆に連鎖反応が急激に進まないよう「コントロール」しながら持続させていくのが原発である。
連鎖反応の持続のためには、核分裂で飛び出る中性子のうち常に1個だけが次の核分裂反応に使われるようにしなければならない。原発ではこれを、中性子を吸収する制御棒の出し入れによって行う(図@)。燃料棒と制御棒のすき間はわずか3〜4_しかない。運転中に地震などが発生した場合、制御棒が挿入できなくなる可能性は常に指摘されている。制御棒の操作に失敗すれば連鎖反応が爆発的に進み、暴走・爆発・炉心溶融・放射能大量放出という大事故に至る。チェルノブイリ事故はその典型的な事例である。
また福島原発のような沸騰水型原子炉は、重力に逆らって制御棒を下から入れる構造になっているので、落下→暴走の危険が常にある。今回の地震では運転中の原発がすべて緊急停止したとされているが、制御棒がかろうじて入り、最初の非常事態を危機一髪で免れたにすぎない。
「安定停止」などありえない
さらに重大なのは、制御棒の挿入後も危険は去らないことだ。原子炉内には核分裂反応により生成された死の灰があり、崩壊熱を半永久的に出し続ける。これを冷却し続けなければ、燃料棒を覆っているジルコニウム合金が熱によって溶け出し、再び炉心溶融や爆発の大事故に直面する。今回の事故はまさにこの冷却機能の喪失によって、史上最大最悪の事故に行き着こうとしている。
原子炉の特徴は、「安定停止」など本質的にありえないという点にある。他の装置であれば、スイッチを切りエンジンを停止すれば、機械や装置が勝手に暴走したり人に危害を及ぼすことはない。ところが原発はまったく違う。核分裂反応を止めても半永久的に冷却し続けなければ大事故の危険が常に伴う。すなわち、「停止して安全な状態になる」ことなど絶対にない。核の暴走を全力で押しとどめている状態を「停止」と称しているだけだ。
福島第一原発では、原子炉内を冷却する機能が失われただけでなく、プールに保管中の使用済み核燃料も、水を循環させて冷やすことができなくなった。その結果、次々と爆発や火災が発生し、ついに猛毒の死の灰がまき散らされる事態に立ち至っているのである。
処理できない放射性廃棄物
いまひとつ決定的なのは、原発は核燃料を燃やすことで発電に必要な熱とともに、膨大な核分裂生成物をつくりだす。原子炉1基を1年間運転するだけでも、広島型原爆の1千倍を超える「死の灰」がつくり出される。この放射能を拡散させず閉じこめるために、原発のシステムは大規模かつ複雑きわまるものとなっているが、実は放射能を人間と自然界から完全隔離する技術はどこにもない。にもかかわらず、危険な「核のゴミ」を処理・処分する展望もないまま膨大に生み出し続けているのが、現在の原発なのである。
図Aを見てほしい。原発が生み出す「死の灰」のうち、空気中に気体となって出た放射能は、フィルターなどを通して濃度を一定の値以下に薄めた上で、排気筒から大気中に放出される。汚染された水などの液体も同じく、濃度を低減した上で海に放出される。これらは通常運転中に日常的に行われており、事故時に限ったことではない。
その上で問題は固体廃棄物だ。放射性物質が布などに付着した「低レベル放射性廃棄物」と、使用済み核燃料などの「高レベル放射性廃棄物」がある。低レベルのものはドラム缶に詰めて保管され、年々積み上げられている。高レベル廃棄物はガラスに溶かし込んで容器に固化する方法がとられているが、これ自身が発熱を続けているので、30年〜50年の長期にわたって冷却しながら貯蔵し続けなければならない。その後、最終的には地中深くに埋める案が出されているが、安全性の証明は一切ない。
さらには、原発の巨大な圧力容器・格納容器そのものが丸ごと、高濃度放射能汚染の固まりであり、廃炉にした場合も解体はできない。封鎖し、気の遠くなるような長期にわたって監視し続ける以外ない。
放射能の中には半減期が数千年、数万年のものも含まれ、低レベル廃棄物でさえ300年間、高レベル廃棄物に至っては数万年経たないとその有毒性は消えないのだ。こんな原発がどうして「安全でクリーン」などと言えるのか!
労働者人民の生命を守り、人間とその社会を守るために、全原発の即時停止と廃絶へ、全力を挙げて闘おう。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2482号4面4)(2011/04/04 )
福島第一原発 労働者3人が被曝
ろくに治療もせず退院に
3月24日、福島第一原子力発電所3号機で作業していた労働者3人が被曝(ひばく)し、千葉市の放射線医学総合研究所に入院するという重大労災事故が発生した。
3人は東京電力系の電気設備会社である関電工とその下請け会社社員で、同日午後にタービン建屋地下1階で2時間あまり電気ケーブル敷設作業をしていたが、そこに原子炉から漏れ出たとみられる水がたまっていた。2人は長靴を履いていなかったため、放射性物質を含んだ水に直接長時間さらされたことで足を強く被曝した。
重傷の2人が浴びた放射線量は170〜180_シーベルトと言われているが、足の皮膚表面の被曝線量は2千〜6千_シーベルト(のちに3千_シーベルトと訂正)ときわめて高く、さらに作業中に吸い込んだ放射性物質による内部被曝もあることが分かった。にもかかわらず、ろくな治療もせずに28日には退院させた。絶対許せない。
一度に4千_シーベルトを全身に浴びると放射線の影響で血液をつくる造血幹細胞が破壊され、白血球が減少して免疫力が低下するほか、血小板が減少して出血が止まらなくなるなどの症状が出る。骨髄移植などの治療がない限り、50%の人が60日以内に亡くなるとされている。現に1999年に発生したJCO事故では、6千_シーベルト以上の被曝をした2人の労働者が死亡している。
東京電力は、放射性物質を含んだ水がたまっている事実を作業する労働者に知らせず、放射線の量を測定することすらしなかった。厚労省と経産省は15日、福島第一原発で緊急作業にあたる作業員の被曝線量の上限を引き上げた。東電と菅内閣は被曝事故の共犯だ。
労働者が使っている防護服では放射線は防げない。防げるのは放射能を帯びたチリが付着することだけだ。いわばレインコートのようなものにすぎない。こんなもので致死レベルの放射能が飛び交っている現場での作業を強制しているのだ。
核と人類は共存できない。「絶対安全」を追求すれば膨大な設備が必要となり、原発・核産業は成立しない。放射能汚染を前提にした作業を労働者に強制するために「しきい線量以下なら安全」という大ウソを暴力的にすり込んできたのだ。
この殺人的作業を強制しているのが東電と菅政権であり、電力総連や電機連合のダラ幹どもだ。原発産業労働者の怒りの決起で、全原発を止め、廃炉を実現しよう。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2482号5面1)(2011/04/04 )
3・27三里塚 被災地支援・反原発の決意固く
“怒りを爆発させて闘う”
第3誘導路粉砕へ840人がデモ
東北被災地からの報告
3月27日、三里塚芝山連合空港反対同盟主催の全国総決起集会が開かれ、成田空港暫定滑走路の東にある市東孝雄さんの畑を会場に、快晴のもと全国から840人の労働者・農民・学生・人民が「農地死守・第3誘導路粉砕」の決意を胸に結集した。集会とデモは終始、東日本大震災と原発事故に対する怒りがあふれ、被災地支援と全原発停止を反対同盟の名において全力で訴える決定的な闘いとなった。
反対同盟の萩原富夫さん、宮本麻子さんの司会で正午に集会が始まった。冒頭、「大震災の犠牲者を悼み、被災地支援の決意をこめて」と題する特別プログラムで、参加者一同が黙祷(もくとう)。続いて東北の被災現地からの報告が行われた。学友たちとともに登壇した東北大学全学学生自治会委員長・石田真弓君は、菅政権ではなく学生自身の手で行われている救援活動を伝え、「この東北の地で困難に立ち向かい生き闘い抜く」と決意を表した。続いて塩竈市職労として85年10・20三里塚闘争を口実とした不当な懲戒免職と闘ってきた労働者が「避難所を運営しているのは自治体労働者、教育労働者だ」と労働者の奮闘をつぶさに報告した。さらに放射能被害、風評被害で壊滅的打撃を受けた福島県農民の「事故弾劾・原発廃止」の怒りのメッセージが読み上げられた。
北原鉱治事務局長が反対同盟の声明として「被災者救援・原発即時停止」を訴え、広島、長崎の原爆投下の歴史的事実を踏まえ、核=原発の全面的廃止を怒りを込めてアピールした。
(写真 被災地の労働者・農民の苦闘と怒りを胸に、840人の参加者は団結ガンバローを力強く北総台地にとどろかせた【3月27日 成田市】)
TPP強行を許さない
森田恒一さんの開会宣言に続き、萩原進事務局次長が「怒りを爆発させ闘うしかない!」と全身に闘志をみなぎらせて基調報告を行った(要旨別掲)。「@震災と原発事故の責任を徹底的に追及する。被災地支援に全力を挙げよう。A原発は核武装への道だ。反戦反核の闘いとして全原発の停止を。中東人民の闘いに続こう。BTPP(環太平洋パートナーシップ協定)の推進を許さない。TPPは日本農業壊滅だけでなくアジアへの侵略と植民地化の攻撃だ。C大震災で価値観は完全に一変した。全人民に向け『国、政府のやることを信じるな!』と言うべき時だ」と闘いの方針を鋭く指し示した。そして、この期に及んで200億円もの巨費を投じて市東さんを追い出すための第3誘導路を造ろうとする成田空港を根底から断罪し、被災地の闘いと一つになって進む反対同盟の強い信念を表した。
続いて特別報告に立った動労千葉の田中康宏委員長は「大災害の現実は資本主義、市場原理、新自由主義がもたらしたもの。労働者、農民、漁民が生きる手だてを奪われている。闘いは待ったなしだ。労働者と農民が団結してこの情勢に立ち向かい、怒りの声と結びつこう。国労本部の雪崩うつ屈服を許さない。国鉄闘争と大震災との闘いはひとつだ」と訴えた。
さらに特別報告として沖縄・市東さんの土地を守る会、関西実行委の永井満さんと山本善偉さんが発言した。
鈴木謙太郎さんが「TPP絶対反対/農民アピール」を読み上げ、続いて三里塚とともに闘う房総農民の代表が、全国の農家の置かれた苦境を背景に「想定外の闘いを巻き起こそう」と決意を表した。
成田空港会社(NAA)の攻撃と最前面で闘う天神峰の市東孝雄さんは、福島農民の状況に「ひとごとではない」と連帯を表し、農地強奪攻撃に対し「農地は私たちの命。この地でどっしり構え野菜を作っていく」と不動の姿勢を示した。さらに強い口調で「原発は目の前の敵。停止の声を上げよう!」と訴え、大きな拍手に包まれた。
反対同盟顧問弁護団が壇上に並び、葉山岳夫弁護士がNAAの訴訟「一部取り下げ」を闘いの成果として確認し、東京高裁の現闘本部裁判控訴審5月20日判決強行への反撃を呼びかけた。
鈴木加代子さんのカンパアピールでは、この日の会場カンパが義援金として全額被災現地に送られることが明らかにされた。
反原発1千万人署名へ
全学連の織田陽介委員長は、原発の即時停止を求める1千万人署名運動推進の画期的新方針を打ち出した。婦人民主クラブ全国協は、被災地支援の闘いと一体で相模原選挙に勝利する決意を表した。集会の最後に伊藤信晴さんのリードで団結ガンバローを三唱し、反対同盟を先頭にデモに出発した。
デモコースは東峰十字路を右折、小見川県道を進み、数百bもある天神峰トンネルを通る。真上は空港の暫定滑走路だ。トンネルの出口は第3誘導路の橋脚工事の現場で、道の両側に無数の鉄板が立てられている。農民追い出しのために途方もない金額をつぎ込んで続けられる工事に、デモ隊の怒りは倍加した。到着地は市東さん宅南の開拓組合道路。
「被災地の生きるための闘いと一体となって、三里塚は必ず勝利する」というメッセージは、この日全参加者の胸に刻まれた。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2482号5面2)(2011/04/04 )
被災地の闘いとひとつに
(写真 デモ行進の先頭に立つ三里塚反対同盟は、日本農民の進むべき道を鮮やかに指し示した)
徹底的に責任追及 反対同盟事務局次長 萩原進さん
第一に、津波の被害と原子力発電の事故は、天災じゃない。誰が2万人を超える人びとを殺したのか。誰が農家の作った野菜、果物、畜産物をだめにしたのか。誰がこんな停電を強いているのか。想定外の地震だ、千年に一度だと言い逃れをして現場の人びとに責任を押しつけようとしている者がいる。われわれはもう泣いていられない。涙もかれた。この責任を徹底的に追及しよう。
怒って怒って怒りを爆発させる闘いを、今日から始めよう!
被災地の救援に全力を挙げよう。なによりも原発を直ちに停止させ、廃止させることだ。成田で第3誘導路を造るためのむだ金を、即刻被災者救援に回せ。工事用の重機を被災地に送れ。
第二に、原発はクリーンで安上がりなエネルギーどころか、核兵器造りのためのものだ。日本はその原発を世界に売り歩こうとしてきた。軍事空港と治安出動に反対する。イラク、アフガン、チュニジア、エジプトに連帯し、反戦の旗を大きく掲げて闘おう。
第三に、このどさくさの中でTPPを押し通すことを許さない。TPPは日本農業が打撃を受けるだけではない。アジアの市場をめぐる米中の争闘戦が激化し、日本も「高い農業技術」をアジアに売り込もうとしている。これは植民地支配のプランテーションだ。
第四に、今までの価値観は一変した。誰も国、政府、官僚を信用していない。反対同盟は今あえて「国を信じるな」と呼びかける。われわれの40年を超える空港反対はそういうものだった。
最後に。われわれのもとには消費者から「成田の野菜は安全か」と問い合わせが来る。われわれには答えるすべがない。「はっきりさせろ」と自治体を問いつめてきたが、まったく対応できない。まじめに働いてきたわれわれに責任をかぶせようとしている。災害を口実に今度は増税をやろうとしている。冗談じゃない。原発を進めてきた国会議員、政府、経団連に責任をとらせよう。彼らに鉄槌を下そう。
労働者、農民、市民の手による被災地支援を進めよう。今日から被災者と同じ気持ちで闘おう。
新自由主義が元凶 動労千葉委員長 田中康宏さん
今起きているすべての事態は、資本主義、市場原理、新自由主義がもたらした「虐殺」の攻撃だ。労働者は何十万人もが職を失い、農民は手塩にかけた作物を出荷できず、漁民は漁に出られない。これは地震によって起きたのか。そうじゃない! 政府は原発を造るために莫大(ばくだい)な金をかけてきたが、その何十分の一でも津波対策に使っていたらこんなことにならなかった。価値増殖だけが目的の資本主義がこの事態を招いた。
これは大恐慌の中で起きた。震災前から大恐慌は、生きることのできない現実を人民に強制してきた。社会には声にならない怒りが渦巻いていた。われわれが飛躍をかけてこの怒りと結びついた時に、闘いは数十倍、数百倍になる。
支配階級と一体の連合の破産した姿を見てほしい。この事態において集会も自粛、メーデーも中止だ。労働者が集まったとたんに怒りの声が爆発することにおびえているからだ。闘う労働運動が登場して農民・漁民の怒りと結びついて、こんな社会のあり方をひっくり返さなくてはならない。
今も被災地で自治体労働者は不眠不休で闘っている。その大部分は非正規職だ。すべての非正規職労働者を正規職に転換しろと要求し、これが通る時が来た。
この闘いは全世界に広がる。世界の労働者がわれわれに熱く注目している。反原発でも、全世界に向けて、こんな大惨事を繰り返してはならないと訴えよう。数十万、数百万人の決起を呼びかけよう。
国鉄闘争は、年が明けてからJRの情勢が一変した。国労本部は雪崩をうつ転落ぶりだ。JR総連カクマルは用済みにされる危機から当局と激しく衝突している。本当に闘う国鉄労働運動がこの状況を突き破って登場するチャンスだ。
われわれに求められていた飛躍は、この大震災情勢の中で今や待ったなしだ。
労働者と農民・漁民が団結して階級的労働運動を復権させる。これは被災地での闘いとひとつのものだ。われわれはこの道を進む。そしてこの一点にかけて必ず勝利をつかむ。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2482号5面3)(2011/04/04 )
工事を直ちに中止せよ
第3誘導路裁判初弁論 国・NAAを追及
3月29日、千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)で「第3誘導路裁判」の初弁論が開かれた。北原さん、市東さんほか16人と三里塚芝山連合空港反対同盟が原告となって、国とNAAを相手取り、第3誘導路などへの国交大臣の許可処分の無効確認、第3誘導路の工事中止などを求めるもので、暫定滑走路の構造的欠陥と危険性、農民追い出し攻撃としての性格を全面的に暴く裁判だ。原告席の反対同盟と顧問弁護団、傍聴席の労農学が一体で闘った。
冒頭に北原鉱治事務局長が意見陳述を行った。「滑走路1本に3本の誘導路などむだで危険。直ちに建設を中止せよ。市東さんに対する生活破壊を許さない。空港をこれ以上拡大する根拠はない。200億円の大金を使ってむだな誘導路を造るよりも、NAAはその費用を即刻被災者救援に回すべきだ」
続いて弁護団が次々と立って、地元農民を無視し、機動隊の暴力を使って農地を強奪して進めてきた建設の歴史から説き起こして、成田空港への全面的批判を行った。またNAAが答弁書において、成田空港で過去に起きた事故を「事案」「事例」などと言い換えていることについて、「原発事故における東京電力のごまかしと同じ」と強く弾劾した。市東孝雄さんは騒音について、「いろいろ数値が発表されてきたが、うちの近くで測られた試しがない。被告にちゃんと測らせるように」と裁判長に求めた。
国とNAAの代理人弁護士らは、相変わらず法廷でだんまりを貫き「書面で回答する」で押し通そうとする。だが、原発大事故によって没落に一層拍車がかかる成田空港をとにかく守らなければならない己の立場に、絶望感を募らせていることがありありだ。
次回期日6月17日を確認して閉廷。裁判所近くの会場で記者会見と報告集会が開かれた。司会は鈴木謙太郎さん。
北原事務局長があいさつに立ち、「広島、長崎の原爆被爆を経験し、その恐ろしさをわれわれは知っている。核・原発は絶対にだめだ!」と怒りを込めて事故を断じた。
葉山岳夫弁護士は、「今回の提訴は、工事実施計画取り消し訴訟、事業認定取り消し訴訟などそれぞれ30年以上闘った裁判に匹敵する大変なもの。国とNAAの暴挙をとことん暴く」と意気込みを示した。続いて各弁護士が勝利への決意と確信を表した。
萩原進事務局次長がまとめの発言に立ち、「原発事故で経済も最悪になる中で、何百億使って第3誘導路建設。そんなことをやってる場合か! この流れを断ちきろう」と弾劾し、現闘本部裁判控訴審の判決強行を許さない闘いとして、5月20日東京高裁への全力結集を呼びかけた。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2482号5面4)(2011/04/04 )
国際労働運動 5月号
大震災下の沖縄闘争
大震災と原発事故によって日米帝国主義は有事体制に突入した。労働者階級への階級戦争であり、朝鮮有事への即応態勢だ。
菅政権は「震災対策」を口実に事実上、周辺事態法を発動した。米帝は「トモダチ作戦」なる軍事作戦を開始、第7艦隊が三陸沖などに展開し、沖縄の海兵隊が中軸を担っている。菅政権は自衛隊10万人を出動させ、「内乱鎮圧」「国家統治」に全力を挙げている。そしてこの暴力は日米安保と沖縄基地の強化、辺野古新基地建設攻撃のために向けられる。
今年の5・15沖縄闘争は一大階級決戦に押し上げられた。「政治休戦」「挙国一致」の反革命を打ち砕き、被災地支援・反原発・菅打倒を高く掲げて闘い抜こう。
第1章は、日米帝の朝鮮侵略戦争下の安保と沖縄の現実に迫る。沖縄の怒りは限界を超えている。
第2章は、沖縄闘争の歴史と革共同の沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒戦略を基地労働者の闘いを軸に明確にしている。
第3章は、沖縄労働運動の階級的再生の道が国鉄闘争全国運動にあり、その核心が基地労働者の闘いにあることを訴えている。
翻訳資料は「ハリケーン・カトリーナ災害と新自由主義」。巨大災害に対する米帝の対応は、被災者救援ではなく軍隊と警察による治安目的の地域制圧だった。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2482号5面5)(2011/04/04 )
三里塚裁判傍聴を!
◎市東さん行政訴訟
4月12日(火)午前10時30分 千葉地裁
◎市東さん農地法裁判
4月12日(火)午前11時10分 千葉地裁
同日に同じ法廷で連続して開かれます。
傍聴券抽選のため9時30分に集合を。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2482号6面1)(2011/04/04 )
在日・滞日外国人と団結し被災地救援・全原発停止へ
エジプト革命に連帯し続こう
4-5月入管集会へのアピール
革共同入管闘争組織委員会
(写真 在日・滞日外国人と共に闘った3・20渋谷デモ)
「政治休戦」突き破る決起
世界大恐慌下で発生した3・11東日本大震災と福島第一原発大事故で日本階級闘争は一変した。
菅民主党政権とブルジョアジーが全事態になすすべもなく立ち往生する中、連合・全労連を始め全既成勢力が「政治休戦」を宣言して一切の闘いを自粛し、挙国一致に協力している。すでに数万人の労働者人民が犠牲となり、さらに膨大な労働者・農民・漁民・自営業者が、高齢者や子どもたちが命を脅かされている。なんと石原東京都知事は「震災は天罰、津波は我欲を洗い流す」などと暴言を吐いた。経団連の米倉会長は「地震に耐えている日本の原発はすばらしい」と言ってのけた。昨年8月、続発する原発事故を尻目に原発推進を公言した連合も同じ穴のむじなだ。
こんなやつらについて行ったら地獄に落ちるだけだ。誰が”原発は安全でクリーンなエネルギーだ”とうそを言い、誰が原発を新増設し、誰が非正規職労働者に被曝(ひばく)労働を強いてきたのか。そして、しこたまもうけてきたのは誰か! これが資本主義・帝国主義の正体だ。殺されてたまるか!
周辺事態法で日本は戦時下
東京電力福島第一原発事故は3月25日現在、米スリーマイル島原発事故を超え、旧ソ連チェルノブイリ原発事故のレベル7に迫っている。管政権は24日、東日本大震災の被災地のがれき処理に関する指針をまとめ、作業のための私有地への立ち入りや損壊家屋の撤去、放置自動車や船舶なども所有者の許可なく処分できるとした。これは被災地を始め日本全土が有事法制=周辺事態法が発動された戦時状態になったということだ。
自衛隊幹部は「自衛隊と米軍は日本侵略の有事に準じる体制で臨んでいる」と公言し、27日午前9時現在、陸海空3自衛隊10万6900人、航空機539機、艦船53隻を投入している。米軍は「トモダチ作戦」と称し、陸海空と海兵隊4軍約1万6000人、航空機113機、核空母「ロナルド・レーガン」を含む艦船12隻が出動、沖縄の普天間飛行場所属のヘリ部隊なども投入している。
昨年11月23日、韓国ヨンピョンドにおける南北砲撃戦をもって朝鮮侵略戦争に踏み込んだアメリカ帝国主義は、今回の事態で沖縄米軍基地を出撃拠点とする軍事作戦に突入したのだ。しかも、チュニジア蜂起―エジプト革命に始まる中東、北アフリカの革命を圧殺するための侵略戦争、リビア空爆への突入と同時にだ。絶対に許せない。
この時に「政治休戦」「闘争自粛」のもとに沈黙することは戦争協力の道、国家総動員の道そのものだ。連合はいち早く春闘を返上し、メーデーも中止しようとしている。これから本格化する震災解雇−大失業攻撃を前に、労働者人民から噴き出す反原発の怒り、”仕事よこせ! 生きさせろ!”の闘いを恐れ、労働者が集まる場、団結する場を奪おうということだ。
しかし壊滅的な打撃を受けた被災地の中で、人間本来の共同性を取り戻し、生き抜く闘いが始まっている。新自由主義のもとで競争させられ、バラバラにされた労働者が被災という極限状況に置かれた中で老若男女、日本人も外国人も居合わせた隣人たちと団結し、支え合って生きようとしている。
8・6ヒロシマ、ロウソク1本ない暗い地下室でうずくまる被爆者たち、その中で若い妊婦が産気づいた。「……人々は自分の痛みを忘れて気づかった。/と、『私が産婆です。私が生ませましょう』/と言ったのは/さっきまでうめいていた重傷者だ。/かくてくらがりの地獄の底で/新しい生命は生まれた。/かくてあかつきを待たず産婆は血まみれのまま死んだ。/生ましめんかな/生ましめんかな/己が命捨つとも」(栗原貞子『生ましめんかな』)
これこそ人間の本来の力、類として生きる人間本来の共同性が生み出す力だ。
今ほど民族・国籍・国境を越えた労働者の団結が求められる時はない。
国鉄闘争全国運動と一体で
3月14日、動労千葉は「今こそ、生き抜くために闘おう。労働者の力で被災地を全力で救援しよう。すべての被災者に無条件で住宅と食物と医療を保障せよ。すべての原発を直ちに停止・撤廃せよ。吹き荒れる震災解雇を許すな。今こそ新自由主義攻撃に断を下そう。菅政権を打倒しよう。労働者がその先頭に立とう」と呼びかけ、行動を開始した。これは国鉄闘争全国運動と一体の闘いであり、被災地の怒りと結びついて、闘う労働組合をよみがえらせる闘いそのものだ。全学連は反原発の1千万署名運動を始めた。渦巻く怒りを解き放ち、団結を組織する闘いだ。
3・11情勢のもとで日帝支配階級は統治能力を喪失し、ぐらぐらになっている。いま「政治休戦」を打ち破って行動し、激しく渦巻く労働者人民の怒りと結合できれば、労働者階級がヘゲモニーを握ることができる。ここで踏ん張って闘い、新たな在留管理制度=「在留カード」導入を始め入管法・入管体制を根底から粉砕しよう!
入管は難民を解放せよ!
大地震と大津波は多くの在日・滞日外国人にも残酷に襲いかかった。岩手県大船渡市、宮城県気仙沼市、女川町を始め大津波が襲った三陸海岸では、中国人、フィリピン人、インドネシア人などの外国人研修生が水産加工会社などで働いていた。現行の外国人研修生制度と技能実習制度は「日本の先進的な技術を海外に伝授し、国際貢献に寄与する」とされる建前とは裏腹の典型的な3K(危険、汚い、きつい)労働を強いる。1年間が研修生、その後の2年間が技能実習生というものだが、研修中は労働基準法が適用されず、業務中(研修中)に負傷しても労災が適用されず、最低賃金法も適用外、健康保険や厚生年金保険の加入もない。2年目以降の技能実習生は労働者として扱われるが、安価な労働力であることに違いはない。賃金(生活費)は月額6万円から8万円程度、雇い主には社会保険料の負担もないのだ。岩手、宮城で研修・特定活動(2、3年目)の在留資格の外国人登録者は09年の統計で3666人に上る。
さらに震災後、日本から脱出・帰国できる外国人と、帰国することができない外国人との対比が際だった。各地の入管に出国前に「再入国許可」を求める外国人が大挙して詰めかけた。東京入管からあふれた長蛇の列を建物の8階以上に設置された入管収容所から見下ろす収容者たち……。
入管収容所では地震が起きた途端、被収容者を居室に閉じ込め、鍵をかけた。しかし、東京入管では収容者が抗議の声を上げ、あるゾーンでは10分後に施錠が解かれ、また他のゾーンでは午後6時過ぎまで居室に入ることも拒否するなど闘いが繰り広げられた。
さらに茨城県牛久市の東日本入管センターでは地震で一部の建物がひび割れし、被収容者を新棟に移動する事態となった。茨城県沖を震源地とする大地震のショックで数人の被収容者が倒れ、AEDで心肺蘇生が施されたという。被収容者たちは「ドアの鍵を開けろ」と大合唱で要求し、翌朝まで全収容棟の居室の施錠をさせなかった。入管収容所からすべての難民を今すぐ解放し、生きていくことができる衣食住を保障せよ!
1923年9・1関東大震災を契機とし、日本帝国主義は意図的な流言飛語を使って在日朝鮮人・中国人大虐殺を扇動・実行すると同時に社会主義者を弾圧、一気に侵略戦争に突き進んだ歴史を繰り返してはならない。菅政権による朝鮮学校の高校無償化からの排除攻撃に怒りを燃やして闘っている在日朝鮮人と合流し、ともに菅政権を打倒しよう。
力を合わせて世界変えよう
全世界の労働者階級がいま日本に耳目を集中している。3・20反戦・反原発デモは日本の労働者階級の闘いを世界に発信し、世界革命の現実性をはっきりと示す闘いとなった。参加した在日・滞日外国人、難民・難民申請者が壇上から力強くアピールした。
「日本の問題は私の問題。ビルマの問題は日本人の問題。世界の問題は私たちの問題。だから平和の問題をよろしくお願いします」「原爆を体験している日本は先頭に立って原発をやめるべきだ。それなのに原発を造って核を持とうとしているのが本当におかしい」「世界で唯一の力、団結こそ何より大きな力です。私たちに国境はない。力を合わせて世界をつくろう」
チュニジア蜂起―エジプト革命は大恐慌の中での労働者の怒りの爆発から始まった。大震災と原発事故の日本で生き抜くためにも闘う労働組合をよみがえらせることが求められている。被災地救援と原発即時停止の要求こそ、ロシア革命を勝利に導いた「パンと平和」のスローガンだ。
この道を進もう! 4―5月入管集会を国際連帯で闘い、階級的団結をつくろう! 在日・滞日外国人労働者と労働組合で団結しよう! 在日・滞日外国人とともに被災地の仲間と団結し、被災地救援、原発即時停止、震災解雇粉砕、菅政権打倒へ突き進もう!
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2482号6面2)(2011/04/04 )
尼崎事故弾劾!4・23闘争へ
JR西日本の震災解雇許すな
107人が犠牲
4・23尼崎闘争は、世界大恐慌の激化と3・11大震災情勢の真っただ中で闘われる国鉄決戦だ。尼崎闘争は、「大恐慌をプロレタリア革命へ」の戦闘宣言を受け継ぎ、国鉄決戦でプロレタリア革命を切り開く闘いである。動労千葉の呼びかける「労働者の力で被災地救援を」の声明を断固として実践し、労働者階級が社会を握る闘いそのものとして尼崎闘争を闘いとろう。
大恐慌下の3・11大震災は階級情勢を一変させた。被災地での生きるための闘いは、新たな団結と闘いを生み出している。被災地の中から、資本主義・新自由主義が破壊してきた人間のきずながつくられているのだ。この闘いは、第2次大戦後、がれきと焦土の中から労働者階級が生きるための団結をつくり、労働組合を続々と結成して「2・1ゼネスト」に向かって進撃していった闘いに比すべきものに必ず発展する。この被災地の労働者階級人民と固く団結して7年目の尼崎闘争を闘おう。
JR当局の安全無視で乗員・乗客107人の命を奪った05年4月25日の尼崎事故は、国鉄分割・民営化と新自由主義の破産を徹底的に突き出した。新自由主義のもとでは労働者はどこまでも虐殺される。それは今や大震災情勢、とりわけ福島第一原発事故という形で、尼崎事故を数千倍する規模で現実となっている。今年の尼崎闘争はこれとの闘いだ。
大恐慌下の大震災と原発事故は「日本発の大恐慌の二番底」の引き金となろうとしている。この史上最悪の原発事故は人の住めない地域を広大につくり出している。基幹産業のほとんどがストップしている。この中で資本家階級はあくまで労働者階級を犠牲にして生き延びようとしている。
今始まっている震災解雇攻撃は、被災地の切り捨て、6千万労働者の大失業に直結している。原発推進に固執する菅政権と資本家階級は、恐るべき大破局をもたらそうとしている。
これと根底的に対決する被災地の労働者人民の団結は、震災解雇との闘い、反原発、反戦・反核の闘いと結びつき、必ずや闘う労働組合をよみがえらせるものとして発展していく。
(写真 昨年4・25尼崎闘争での事故現場前のデモ隊)
震災がJR直撃
3・11情勢は、労働者階級に革命情勢の到来を告げ知らせている。断末魔にあえぐ資本家階級と最後の決着をつける時だ。
この階級決戦の基軸こそ国鉄決戦だ。JR体制は大震災の直撃を受けグラグラになっている。JR東日本は大震災で在来線や東北新幹線がズタズタになり、JR貨物も直撃を受けている。
それだけではない。JR西日本は、4700車両のうちの2300車両(約50%)で使用している「直流電動機ブラシ」が、大震災で供給を受けることができなくなり、4月2日から「間引き運転」をせざるをえなくなっている。JR西日本では、早ければ4月下旬から、遅くても6月から車両の半数が動かない事態にたたき込まれようとしているのだ。これはJR体制全体の危機でもある。
JR西日本はこの事態を受けて、震災解雇と全面的外注化と非正規職化になりふり構わず打って出ようとしている。
これまでJR西日本は、05年の尼崎事故後の「安全基本計画」(安全崩壊計画だ!)のもと、外注化・非正規職化を推進してきた。これはJR発足以来の「悲願」であった。ところが尼崎事故への労働者の怒りが激しく、「全面外注化・非正規化とローカル線切り捨て」を強行できないできた。
大震災を契機としJR西日本は「尼崎事故の足かせ」を外して、震災解雇の強行と全面外注化・非正規化に打って出ようとしているのだ。国労5・27臨大闘争弾圧との闘いを軸とするJR資本との攻防も、まったく新しい時代に突入したということだ。
いわば「国鉄改革25年問題」が大震災情勢によって前倒しになり繰り上がったということだ。われわれはこの事態を大歓迎し、大恐慌下の大震災情勢での国鉄決戦として断固闘いぬく。4・23尼崎闘争はその先端を切り開く闘いだ。
闘う労働組合を
労働者階級が勝利する時代がやってきた。闘う労働組合を時代の最前線に登場させるべき時がついに来た。われわれは昨年の4・9政治和解に対し、「国鉄闘争の火を消すな」と国鉄闘争全国運動を立ち上げ、新自由主義を打ち破る労働運動を発展させてきた。
動労千葉は2年続けてJR東日本全体の外注化を阻止し、新人事・賃金制度も粉砕し、ついに青年部再建準備委員会を結成した。JR全体の青年労働者を獲得する闘いが始まったのだ。
国鉄分割・民営化以来の「国労解体」をめぐる攻防は、闘争団の切り捨てを許さず、国労の連合合流攻撃を日々打ち破り、86年修善寺大会以来の大流動情勢をつくり出している。
関西生コン支部は、4カ月半にも及ぶ産業ゼネストでゼネコン支配を打ち破る勝利を切り開いている。
連合を先頭とする体制内労働運動は、震災で一切の闘いをやめ、震災解雇の先兵になろうとしている。国鉄闘争全国運動だけが大震災に立ち向かう労働運動になっている。4・23尼崎闘争が動労千葉と国鉄運動関西準備会の主催によりかちとられることは決定的だ。4・23尼崎闘争にJRの青年労働者を圧倒的に組織しよう。破産したJR体制を打倒しよう。
尼崎闘争の勝利をかちとり、6・5国鉄闘争全国運動1周年大集会に総結集し、大恐慌・大震災と闘い、勝利する労働運動をつくり出そう。
------------------------------
【集会要項】
尼崎事故弾劾!4・23全国総決起集会
●尼崎事故弾劾! 反合理化・運転保安確立
●車両検修全面外注化阻止! 1047名解雇撤回!
●国鉄闘争全国運動で労働運動を甦らせよう!
4月23日(土)午後1時 JR尼崎駅北口広場
主催 国鉄千葉動力車労働組合/国鉄闘争全国運動・関西準備会
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2482号6面3)(2011/04/04 )
3月22日〜28日
福島原発事故が史上最悪に/リビア作戦の指揮権、NATOへ
●「復興庁」の創設検討 政府・民主党は被災地復興に向け省庁にまたがる機能を一元的に調整する「復興庁」の創設へ検討を開始した。関東大震災後の「帝都復興院」が念頭に。(22日)
●「遺体搬送は民間で」と通達 厚労省は宮城県など被災3県に遺体搬送や埋葬を民間に依頼し、自衛隊への協力要請を控えるよう通達した。(22日)
●農産物の摂取制限を指示 菅首相は福島県知事に、規制値を超える放射能が検出された農産物の摂取制限を指示した。原子力災害対策特別措置法に基づく初の指示。東京都内に供給されている水道水の汚染も判明し、都は乳児に飲ませぬよう呼びかけた。(23日)
●リビア攻撃が新段階に リビア攻撃を統括する米軍統合任務部隊のヒューバー参謀長は、「飛行禁止区域の設定を完了した」と表明した。多国籍軍による作戦の重点は今後、カダフィ政権の防空システムの破壊から地上攻撃に移った。(23日)
●福島第一原発で作業員被曝 福島第一原発3号機で作業中の3人が被曝し2人が病院に運ばれた。防護対策のない状態で作業していた。(24日)
●がれき処理で超法規的措置 政府は被災地のがれき処理について、所有者の許可なく私有地への立ち入りや家屋などの撤去・処分ができるようにする指針をまとめた。(24日)
●自衛官への補償1・5倍に 防衛省は原子力災害に対処する自衛隊員が死亡したりした場合に支払う補償金を1・5倍に引き上げた。(24日)
●中東各地で反政府デモ拡大 反政府デモがシリア、イエメン、サウジアラビア、ヨルダンに拡大。シリアでは治安部隊がデモ隊を銃撃した。(25日)
●30`圏内自主避難へ 政府は屋内退避させていた原発から20〜30`圏内の住民に自主避難を促した。(25日)
●英で40万人デモ 英政府による第2次大戦後で最も厳しい緊縮政策に抗議し、03年イラク戦争開始以来最大規模の40万人がデモ行進した。(26日)
●ドイツで反原発25万人デモ ドイツで全原発の稼働停止を訴えるデモに過去最大の25万人が参加(26日)。ドイツ南部の二つの州議会選挙で脱原発を掲げる緑の党が躍進し、メルケル首相の与党は大敗北した。(27日)
●NATOが対リビア作戦の全指揮権継承 NATOは海上封鎖と飛行禁止区域の維持に関する指揮権に続いてリビア空爆の指揮権をも米軍から引き継ぎ、カダフィ政権に対するすべての軍事行動をNATOの任務とすると発表した。英仏が作戦を主導、米軍は後方支援役に回ることになった。(27日)
●福島原発でプルトニウム検出 福島第一原発の敷地内からプルトニウムが検出され、原子力安全委員会が炉心溶融の発生を初めて認めた。日米両政府は原発事故対処で合同の連絡調整会議を創設し、作業チームを編成、総力戦態勢を築くことになった。(28日)
●経団連会長が法人税減税見送りを容認 日本経団連の米倉会長が会見で法人税減税の見送りを容認。ただし「震災対策で税と社会保障の一体改革を先延ばしするな」と語った。(28日)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2482号7面1)(2011/04/04 )
動労千葉 青年自身の力で組織拡大へ
青年部再建準備委員会を結成
「機は熟した。青年自身の力で組織拡大をめざす」――動労千葉の青年部再建に向けて青年組合員自身による熱いアピールが発せられた。動労千葉は3月30日、青年部再建準備委員会をDC会館で開催した。本格的な組織拡大に向けた方針を決定するとともに、役員体制を確立した。国鉄分割・民営化以来24年間のあらん限りの組織破壊攻撃を打ち破り、ついに青年部再建への決定的一歩が踏み出されたのだ。
会場の2階大会議室は青年組合員を先頭に多くの組合員で埋められた。
再建準備委員会委員長としてあいさつに立った北嶋琢磨君(千葉運転区支部)は「非正規雇用の時代のまっただ中で、検修・構内業務外注化、ライフサイクル強制配転、人事・賃金制度改悪など青年への攻撃が来ている。これに立ち向かう青年部をおれたちの力でつくるために本日、再建準備委員会を発足します。先輩が培ってきた力を継承し、闘う青年労働者を時代の最前線に登場させるために全力で闘いたい」と決意を述べた。
本部の田中康宏委員長の来賓あいさつに続き、滝厚弘君(津田沼支部)が議案を高らかに読み上げて提起した。「青年自身の力で組織拡大をめざす」「検修・構内外注化阻止、ライフサイクル制度撤廃をめざして闘う」「人事・賃金制度改悪を阻止し、差別とけ落とし合いのない賃金制度確立をめざす」「闘う労働組合を甦(よみがえ)らせるためにあらゆる産別の青年と連帯して闘う」などを柱とする方針が全体の拍手で決定された。簡潔かつ気概にあふれる議案書に青年組合員自身の決意が凝縮されている。
続いて北嶋君を再建準備委員長に、滝君と渡辺剛史君(幕張支部)の2人を準備委員に選出し、青年部再建に向けた独自の組織体制が確立された。渡辺君は「平成採の組合員はいま7人。まだまだ力が足りない。さらに多くの青年労働者の決起を促していきたい」と決意を表明した。
最後に「いま闘わずしていつ闘うのか。動労千葉青年部に結集しともに闘おう!」という熱烈な青年部再建アピール案を北嶋君が読み上げ全体の拍手で採択された。
(写真 青年部再建準備委員長の北嶋琢磨君の音頭で団結ガンバロー。本格的な組織拡大闘争に総決起する決意を全参加者が打ち固めた【3月30日 千葉市】)
本格的な組織拡大へ総決起
青年部再建準備委員会の終了後、動労千葉全体としての組織拡大総決起集会が開かれた。
開会あいさつを行った長田敏之書記長は、再建準備委員会結成を熱烈に歓迎するとともに、東日本大震災が生みだした現実に触れ「巨大地震は天災かもしれないが、それに伴う甚大な被害と原発事故は30年間の新自由主義攻撃が生みだした人災そのものだ」と怒りをあらわに語った。そして「膨大な首切り・失業が始まろうとしている。われわれの闘いが問われている。もう一回、気を引き締めて、日本を変えるような労働運動をつくろう」と強く訴えた。
あいさつに立った田中委員長は、まず春闘をめぐる情勢について「検修・構内業務外注化の4月1日実施は昨年に続いてわれわれの闘いで阻止した。新人事・賃金制度導入も大幅に先送りとなった」と報告した。さらに会社とJR東労組の激突を始めとするJR情勢の大激変を明らかにし「会社は労働者支配のやり方を完全に変えた。機は熟した。動労千葉のこの間の闘いは確実に職場の仲間の心を揺り動かしている。若い仲間の決意に応え全組合員が本格的な組織拡大闘争に打って出よう」とアピールした。最後に、各支部の代表が次々と組織拡大に向けた決意を表明、団結ガンバローで集会を締めくくった。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2482号7面2)(2011/04/04 )
東京「日の丸・君が代」闘争 昨年上回る不起立
労働者魂 都教委を圧倒
東京の都立校の3月卒業式で、昨年を超える不起立が闘いぬかれた。3月30日に都教委が発令した処分は、都立高の教育労働者2人に戒告処分(初めての不起立)、都立高の2人に減給(10分の1)6カ月(3回目)、都立特別支援学校の1人に減給(10分の1)1カ月(2回目)、都立特別支援学校の1人に停職6カ月(6回目)である。
03年「10・23都教委通達」から8年目、「日の丸・君が代」強制に対する抵抗は途絶えるどころか逆に拡大した。最後の抵抗闘争として初めて不起立した定年退職者も2人いる。教育労働者の労働者魂は、都教委の横暴を完全に圧倒しているのである。
3月31日、水道橋の全水道会館で卒業式処分発令抗議総決起集会が開かれ、6人が不起立した思いを堂々と述べた。
初めて不起立処分を受けた2人は、「卒業式の翌週、大地震の4日後の15日に都教委が事情聴取のために学校に来た。震災への対応よりも何よりも処分を優先する都教委は本当に怒りに堪えない。『10・23通達』を撤回して欲しい」「修学旅行の事前学習で沖縄戦について学んだ。あの歴史を今も反省していない現実。『日の丸・君が代』強制は絶対に間違っているし、必ず改められると確信して、迷いなく不起立した」と述べた。
集会には不起立を続けて3回の停職6カ月を受け、今年定年退職を迎えた根津公子さんも参加し、「停電で電車が止まるため卒業式の日程が急きょ変更され、私は参加できなかった。不起立をして、都教委は分限免職を発動できなかったという実績を後の人たちに残したかった」と述べた。
支配階級は未曽有の大災害の責任逃れのために「国難」を叫び、有事体制を発動し、天皇まで登場させて、労働運動を挙国一致体制に取り込もうとしている。しかし教育労働者は命令服従を拒んで職場支配権を奪還する決意を新たにしている。
「10・23通達」を撤回させ都教委の学校支配を打ち砕くまで、教育労働者の闘いはやむことはない。被災地の労働者と固く団結して闘おう!
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2482号7面3)(2011/04/04 )
都庁前アクション 「天罰」暴言に怒り
政治休戦を突き破り登場
3月22日午後4時半から都庁第2庁舎前で、町田教組、都障労組、河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会が呼びかけた「君が代処分にNO!」都庁前アクション第2弾が行われました。停電による電車の運休や放射能汚染の恐怖、学期末の多忙――厳しい条件が重なる中で、60人あまりが駆けつけて意気高く闘いぬきました。
地震当日は小中学校も帰宅難民の宿泊所となった新宿教組を始め、すべての発言者が石原都知事の「天罰」暴言について「被災した労働者、農民、漁民を抹殺するものだ」「競争原理と強権の都教育行政と同じ」と激しく弾劾しました。
「障害児」を普通学級へ全国連絡会世話人の北村小夜さんは「日本固有の領土論は『日の丸』を掲げて侵略を続けようという思想。今こそ国境のない世界を」と提起。琉球大学名誉教授の高嶋伸欣さんは、石原の「津波で我欲を洗い落とせ」という発言の奥にある日本地政学を鋭く批判し、「『あらゆる災害をのりこえた優秀な精神文化を持ち、太陽(日の丸)を国旗とする日本がアジアの中心に座るべき』という侵略思想の復活を許さない」と述べました。
5時半からは第2庁舎会議室で都教委要請行動。多摩教組など4組合8団体が要請書を提出して「10・23通達」と不起立処分の撤回を求めました。「わが意に沿う人物で都教委を固め私物化している石原こそ我欲の塊だ」との発言に「そうだ!」と大きな拍手。最後に第2庁舎前で「『君が代』処分をやめろ! 石原は都知事を辞めろ!」とシュプレヒコールをたたきつけました。
「政治休戦」の名による連合の一切の闘争放棄を現場組合員の職場からの決起で打ち破った画期的行動で、闘う団結を固めました。
(投稿 M)
(写真 「君が代」処分にNO!都庁前アクションで訴える根津公子さん【3月22日 都庁第2庁舎前】)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2482号7面4)(2011/04/04 )
「君が代」処分で高裁判決
勝負は現場の闘いだ
東京高裁第2民事部(大橋寛明裁判長)は3月10日、卒・入学式などで「君が代」斉唱時に起立・ピアノ伴奏をしなかった都立校の教職員168人が処分取り消しなどを求めた裁判で、一審判決を破棄し、懲戒処分を取り消す判決を言い渡した。「10・23通達」下の不起立処分をめぐる裁判で初めての処分取り消し判決である。
判決は、10・23通達に基づく校長の職務命令が違憲・違法であることは認めず、職務命令まで出して起立・斉唱、ピアノ伴奏を強制したことも必要性・合理性があったとした。しかし、過去の「日の丸」引き降ろしなどが戒告や訓告しか受けていないことや、憲法学や法律家団体では起立・斉唱の強制は違憲とするのが通説であることなどを理由に裁量権の逸脱・濫用(らんよう)として処分を取り消した。
これとは対照的に、東京高裁第22民事部(加藤新太郎裁判長)は3月25日、根津公子さん、河原井純子さんへの3カ月、1カ月の停職処分を容認する超反動判決を出した。根津さんについては、「日の丸・君が代」強制を始めとする教育の権力支配と闘ってきた処分歴や停職中の校門前での抗議行動を理由に、河原井さんについては「校長の職務命令にまったく従ったことがなく一貫して拒否する姿勢でいる」ことを理由に、停職を容認。絶対反対を貫いて闘う者への憎悪をむき出しにした。
1月28日には東京高裁が、起立・斉唱義務がないことの確認などを求める訴訟(=予防訴訟)で、一審の勝利判決を覆す反動判決を出した。
これらのばらばらな判決は、解雇も辞さない不起立闘争で懲戒・分限免職を打ち破ってきた現場労働者の正義に満ちた闘いが、統一した判決を出すこともできない分裂状態に司法権力をたたき込んでいることを満天下に示した。
例えば、都立校168人の取り消し訴訟の一員である河原井さんについては、戒告は取り消すべきだが、停職は認めるというデタラメで整合性の一片もない判断である。戒告処分が取り消されたら、停職処分があり得ないことは自明なのに、である。
同時に一連の高裁判決は、不起立闘争に分断を持ち込み、教育労働者の階級的団結を阻もうという反動的意思に貫かれている。
のべ436人にも上る処分を辞さない不起立とその継続が都教委を圧倒的に追い詰め、司法権力もぐらぐらに揺さぶっている。
都教委と教育労働者の抗争を成敗するのは最高裁ではない。勝負は現場での闘いだ。
職場の団結と抵抗を拡大し、青年労働者を先頭とする不起立闘争の新たな発展を切り開いて、この闘いに決着をつけよう!
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2482号7面5)(2011/04/04 )
仙台・教育労働者の現地報告
校庭まで押し寄せた津波
避難所に必要なのは団結
2011年3月11日。あの日私は、年休を取り職場を2時前に出た。自宅に着く直前にラジオから警報が流れ、減速した途端にものすごい揺れが起きた。車を止めると、電柱が根元からぐらぐら揺れ電線が波打ち、今にも倒れそう。長い揺れが収まって急いで家に戻ると、足の踏み場もないくらい物が散乱している。
職場に戻ることにした。途中、仙台市の北端を走る七北田川を渡ると、いつもと逆方向でものすごい濁流が押し寄せていた。河口から10`も離れたところまで押し寄せた津波だ。職場の近くに行くと道路が浸水していて走れない。歩いて渡ろうとしたが警官に止められ、あきらめて自宅に戻った。一晩、自宅で懐中電灯の光で過ごした。
翌日学校に行くとすべてが様変わりしていた。学校は避難所となり、教室から廊下まで人があふれていた。校庭まで押し寄せた津波で泥水だらけで、みんなドロ靴だ。津波に追いかけられながら車で逃げた保護者は「映画のようだった」と恐怖を話してくれた。お互いの無事を確かめ合う人、家族の安否を尋ねる人、不安が渦巻いていた。
勤務はその日から24時間を三つに分けた3交代制のシフトを取った。3日目からは児童の安否確認を始めた。地区丸ごと流された地区、床上浸水した地区。まだ安否が確認できていない児童が1人残っている。
その後は避難所を体育館に移動してもらい、教室、トイレの清掃に明け暮れ、合い間に通信票を書くという毎日だ。
そんな中でうれしかったのは仲間の励ましだった。停電で真っ暗な中、東京労組交流センターの仲間からの「全国の仲間が物資を持って駆け付けるから頑張れ」という電話。「私たちは一人で頑張るのではない。みんなで頑張ればいい」の一言にはっとさせられた。
テレビを見たのは数日過ぎた夜の学校の自家発電で映し出された画面だった。そこでこの地震の被害の大きさを知った。
1週間して私の学校は体育館と教室1階の一部が避難所となり、地域の人たちが自治を始めている。顔見知りの人たちが担当を分担して動いている。家を流された人が地区の人たちのために働いている。団結があれば、労働者はどんな時も社会を運営できるのだ。
しかし隣の避難所はあちこちから集まっているのでつながりもなく、校長が指示をして教員が夜勤も入れて24時間体制を取り、すさまじい強労働の中で頑張っている。隣町ではとうとう過労死の職員が出た。福島原発の近くに住む教員は家族を他県に避難させ、自分は同僚の家から仕事場に通うという過酷な状況だ。みんな頑張っている。
原発事故は自然災害ではない。津波で亡くなった大勢の人たちの命を守ることはできなかったのか。たまたま家にいたおいに背負われて高台に逃げたという話も聞いた。もっと若者が町にいたらと思う。医療施設が足りないと言うが、地域の病院をつぶし大病院だけにしてきたのは地方を切り捨ててきた行政だ。「想定外」でことを片づけないで欲しい。すべてはこれからだ。(柏木碧)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2482号7面6)(2011/04/04 )
全逓委の決戦アピール
被災地の労働者人民と連帯し組合権力獲得の闘いやり抜く
郵政大リストラと徹底対決しよう
職場で被災地支援・反原発の闘い起こす
東北の被災地では、食料も燃料も圧倒的に不足する中で、全逓労働者が職場の仲間と力を合わせて“生きるための闘い”を開始している。以下は仙台の仲間からのアピールだ(抜粋)。
「被災地に生きる僕たちにとって、生きぬくことが闘いです。この地で生きる労働者として、破壊された地域社会をよみがえらせなければならない。それができるのは労働者しかいない。亡くなった人たちへの一番の手向けは、この大地をよみがえらせることだと固く信じています。
職場はガソリン不足で自転車配達を余儀なくされています。通勤の困難化や昼飯の確保の問題もある。怒りはマグマのようにたまっています。
現場同士のつながりは大震災で逆に強まりました。ただ、そこに労働組合が存在しません。うちのJP労組は本当に何もしてません。こんな時こそ労働組合だろうが! あらためて、僕たち自らの手で新たな闘う団結をつくっていかなければと感じています」
大震災に対して日帝・菅政権は、労働者の命と生活ではなく、資本の利益と資本主義体制をいかに守るかしか考えていない。治安対策と労働者への統制・支配だ。被災地を始め全国で労働組合の革命的反乱が起こることに恐怖している。
日本郵政は北海道を含む東北全県宛てのゆうパック発送を停止した。阪神大震災時には被災地宛て無料発送を実行したが、今回民営郵政は利益優先でこれを放棄した。
被災地周辺の局では、帰宅できなくなった郵政労働者に深夜労働を強制している。災害に対する郵政資本の基準はただ一点、利益なのだ。
「なめるのもいい加減にしろ!」――郵政労働者の怒りは猛烈に広がっている。おれたちが郵便事業を動かしているのだ。全逓労働者は被災地での生きるための闘い、震災解雇粉砕の闘いと一体で一大救援闘争を巻き起こす。それは労働者が団結して社会と生産を握り、労働者の社会、プロレタリア革命をたぐり寄せる闘いだ。
大恐慌下で起こった大震災は階級対立を先鋭化させている。生きるための闘いが全労働者の死活的課題となった。
この情勢は運輸・通信の軸を担う郵政全体を直撃する。震災の損失額はJPEX計画の破綻すら問題にならないほど巨大だ。郵政大リストラ計画は一層先鋭化する。震災非常事態を口実に労働者の団結を一掃する「挙国一致」「政治休戦」を打ち破る闘いが急務だが、JP労組中央は「国難」を叫ぶ連合中央方針に沿って「春闘交渉の中断」を決定した。
連合=JP労組中央の被災地救援運動は「官製運動」だ。郵政民営化の大破綻を開き直り、16万人雇い止め・首切りを推進し、大賃下げ攻撃を強行するためのものだ。JP労組中央こそ原発推進で労働者を虐殺している張本人だ。連合=JP労組は郵政労働者が生きるために絶対相いれない存在だ。直ちに追放し打倒すべきである。
しかし体制内労組指導部は盤石ではない。労働者の“生きるための闘い”と階級的団結が、あの戦後革命の嵐となって爆発することに彼らは打ち震えている。
大恐慌をプロレタリア革命に転化する闘いが本当に問われている。国鉄闘争全国運動の変革性・求心力・全社会性を今こそ発揮すべき時だ。資本主義の延命を前提とする価値観は吹き飛んだ。労働組合をよみがえらせ、解雇撤回、生きるための闘いの最前線で全逓決戦を闘い抜こう。
JP労組本部の裏切りを許さず被災地支援と反原発闘争を全職場で組織し、わが全逓委員会は職場の団結を守り労働組合権力を打ち立てる闘いをやり抜く。
雇い止め粉砕 赤字の責任を転嫁するな!
日本郵政は、民営化の「戦略事業」=JPEX計画の大失敗で作り出した大赤字の責任を居直り、賃金一律3割カット、成果主義賃金導入など大リストラ計画を宣言し、攻撃の突破口として全国の非常勤職員を数千人規模で雇い止め=解雇すると昨年末に発表した。全国の職場で大反撃が始まっている。
この雇い止め攻撃は、民営化破綻の危機の上で9割非正規化・外注化を狙う国鉄型の全員解雇攻撃と同質であり、郵政16万人非常勤労働者全員へのリストラ、首切り・賃下げ・労働強化だ。
しかし、郵政資本も労働組合の“合意と協力”なしに攻撃を貫徹できない。ここに敵の危機がある。震災を口実にした5月、9月の雇い止めを闘って跳ね返そう。
もともと利益を出さない「公益事業」を無理やり民営化(私物化)したことによる「郵便事業の危機」は、大恐慌で一層深まった。飽和した物流市場に割り込んだJPEX計画が現場労働者の抵抗で破産し、ゆうパックとの再統合も取り戻しのきかない規模の遅配を出し破産を遂げた。民営郵政の中軸的施策が破産したのだ。そして東日本大地震が直撃した。
3月から始まった雇い止めの攻撃は、非正規労働者16万人(郵便事業会社)全員にかけられた攻撃だが、集配業務そのものの外注化と全労働者の非正規職化、郵政労働運動の中軸を破壊する攻撃でもある。まさに国鉄型の攻撃だ。成果主義賃金導入もそのための労働者分断だ。職場支配権の革命的転換をかけた攻防をやり抜こうではないか。
青年労働者を先頭に非正規職撤廃しよう
郵政ではかつて「民営化なき民営化」という言葉があった。「国鉄のようになるな」を脅し文句に経営の効率化・合理化が進められ、区分機が入り、道順組み立てまで機械化されて本務者の人減らしが進められた。現場の仕事が回らなくなると次々と非常勤に置き換え、組合本部はこれを容認した。集配2ネット(対面配達とポスティングの分離)などの合理化攻撃も「非常勤化」として進められた。
こうして郵政現場でも労働者同士の競争と分断が図られてきたが、国鉄1047名闘争の存在によって郵政民営化総体が未完成のままだ。全逓と全郵政との組織統合による労働者意識の解体にも成功していない。強労働と低賃金、不安定雇用の現実への怒りは蓄積され爆発寸前だ。亀井前郵政担当相の「非正規職全員の正社員化」発言も、非常勤労働者の怒りの深さに驚がくし、支配の破綻に恐怖したからだ。
郵政資本はすでに「ゆうパックの撤退・清算」を念頭に置いている。激烈な攻防は不可避で、労働者支配の破綻を深めるしかないが、これが新自由主義攻撃なのだ。
生活自体が成り立たず、労働者として自己の再生産もできない状態で働く青年・非正規労働者。ダブルジョブ、トリプルジョブの現実を見よ! 帝国主義の労働者支配の破綻そのものだ。労働者階級の根源的な叫びと団結を、体制内組合指導部はもはやけっして抑えられない。被災地でも全国の職場でも、現場は絶望していない。希望を持って立ち上がりつつある。絶望して動揺しているのは資本家どもだ。
JP労組中央を打倒し労働組合の再生へ
今現場では、これまでの営業ノルマ(自爆)強制、事故・誤配達などを口実にした問責・処分、一方的な賃金スキル評価と賃下げ、不安定雇用などに対する怒りが渦巻いている。赤字の責任が労働者の責任にすり替えられてきた理不尽に対する根底からの怒りだ。
雇い止め=解雇の攻撃も、労働者の分断と“沈黙”を前提に初めて可能だった。本人が退職に「応じる」ことを拒否した瞬間、怒りは燎原(りょうげん)の火のごとく燃え広がり、敵の支配は破綻せざるを得ない。
国鉄闘争全国運動と固く結び、郵政大リストラ解雇攻撃に対する総反撃で職場の闘う団結を徹底的につくり出そう。闘えば勝てる機運が急速に拡大している。全職場で被災地支援運動を巻き起こそう。6・5国鉄大集会に結集しよう。非常勤青年労働者を先頭にマル青労同に結集して闘おう!
〔革共同全逓委員会〕
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2482号8面1)(2011/04/04 )
相模原市議選 西村あやこ候補が第一声
全原発即時停止を訴え
大震災は人災だ!労働者の団結で闘おう
4月1日、相模原市議会選挙が告示され、西村綾子候補が10日間の選挙戦に飛び出した。小田急相模原駅近くの選挙事務所で支持者に囲まれた西村候補は当選への熱い決意を語った。
「原発絶対反対の唯一の候補として闘い、なんとしても勝利する。昨日行動する議員として東京電力抗議デモに参加した。犯罪企業が国家と警察に守られ、抗議デモを闘った学生が逮捕された。これがこの国の正体です。津波も原発も人災です。怒って叫ぶのは当然なのに自粛、自粛とポスターに張る候補までいる。日本共産党は『原発は安全を確認してから』と言っている。自粛モードは黙って国策に従えという攻撃です。私はすべての原発を止めろと要求し、労働者民衆の原発への怒りを束ねます」
「解雇や雇い止めが始まっている。政令指定都市となって良いことは何もない。国の借金を労働者民衆に押しつけられてはたまらない。菅政権は大震災で大増税を狙っている。労働組合をよみがえらせ、労働者一人ひとりの選挙として闘い、なんとしても勝利したい」
選挙事務所前で地元商店街に向かって立候補のあいさつを行った後、支持者とともに商店街を練り歩いた。そして西村さんが40年住み続け、闘い続けてきた相模台団地に向かい、くまなく歩いてあいさつ。団地中央の公園で立候補第一声を上げた。大震災と原発事故への怒りの声を上げようと力をこめて呼びかけ、「すべての原発を止めさせ、労働者の団結で生き抜こう」と訴えた。
今回の相模原選挙は、相模原市が政令指定都市になって初めての選挙であり、全市一区だった選挙区が3区に分割された。西村さんが立候補した南区は中でも最激戦区。定員19人のところに朝の受付で29人が立候補を届け出た。4期16年、反戦反基地を貫いてきた実績と、国鉄闘争全国運動・神奈川の呼びかけ人として活躍する西村候補への1票1票は、世界大恐慌下、未曽有の大震災、原発事故に立ち向かう団結投票そのものだ。4月10日の勝利に向かって攻勢的な闘いがスタートした。
(写真上 西村候補が相模台団地を練り歩くなか「がんばれ」の声援【4月1日 相模原市】)
(写真下 選挙事務所前で地元商店街に立候補あいさつを行う西村綾子候補【左から4人目】)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2482号8面2)(2011/04/04 )
星野第2次再審闘争勝利へ
無実を証明する「補充書(2)」B
機動隊を殴打していない決定的証拠「一郎丸写真」
「一郎丸写真」を発見した弁護団
昨年3月、星野文昭同志と再審弁護団は検察の隠し持つ証拠の開示を命令するよう、東京高裁に請求した。そして弁護団の全力を挙げた闘いで、5回に及ぶ3者協議(裁判所、弁護団、検察官)を実現、8月には一部とはいえ証拠開示をかちとった。その中に星野同志の無実を示す決定的な写真(「一郎丸写真」)を発見したのだ。
1971年11月14日、沖縄返還協定批准阻止闘争当日、公安刑事は何班もの写真班を組織し、渋谷の街の随所に身を潜め、人民の行動を監視、盗み撮りしていた。
小田急線・代々木八幡駅で下車した星野同志たちの部隊は、渋谷の街で待ち受ける万余の人民と合流するため、大向通りを駆け足で進撃した。途中、神山交番前ではガス銃で武装した機動隊が阻止線を張っており、交番向かいの白洋舎の2階には、1組の公安刑事の写真班が身を隠していた。
神山交番前まで進撃したデモ隊は機動隊と激突した。部隊はガス銃を乱射する機動隊に火炎瓶で応酬し、一瞬で阻止線を突破したが、その状況は白洋舎の2階から公安刑事中村邦男により「撮影されていた。鉄パイプを持って交番前を走る星野同志も写されていた(「中村写真」)。これはすでに証拠採用された写真だ。
戦闘に加わっていない星野同志
阻止線が崩壊した後、9人の機動隊がデモ隊の進行方向に逃走。ガス銃の射手中村巡査は逃げる機動隊の最後尾で、最後までデモ隊にガス銃を発射し敵対していた。
デモ隊の先頭部が中村巡査に追いつき、捕捉した。中村巡査の捕捉と殴打は阻止線突破の機動隊との激突の一環であり、その継続であった。
星野同志は阻止線突破で乱れたデモ隊列を整え、部隊全体を一刻も早く渋谷に導くために、長く伸びた隊列の先頭に出る必要があった。全力で駆け、前に誰もいなくなったところで止まった。そこが十字路(神山東交差点)だった。星野同志は、十字路の手前で機動隊員が何名かのデモ隊員に殴打されているのを横目に見ながら十字路まで進んだ。
十字路からNHK(渋谷)方向を見た星野同志は、約100b先の交差点に機動隊が結集しつつあるのを見た。一刻を争う中、デモ隊がおおよそ結集した段階で「出発」の合図を出し、そこを離れた。
中村巡査の捕捉から出発までわずか35秒間程度だ。その間、星野同志は終始十字路に立ち、機動隊の襲撃に備え、四方に注意を凝らしていた。殴打には一切関与していない。デモ隊のリーダーとして、部隊全体を機動隊の襲撃から守り、渋谷に導くことが最大の任務であった。全体のリーダーが個別の戦闘に加わるなどあり得ない。
十字路から出発した部隊は東急本店前まで来て、そこで再び機動隊と激突する。激突の前、近くのビルの屋上から公安刑事一郎丸角治がデモ隊を撮影していた。その1枚に、鉄パイプを持って立ち止まり、顔を後方に向けて、後続部隊を見守る星野同志の写真があった。これが証拠開示で新たに出現した「一郎丸写真」である。
鉄パイプに血痕も曲がりもない
写真には白い紙の巻かれた鉄パイプがはっきり写っている。巻かれた紙に破損はまったくない。汚れも血痕も認められない。鉄パイプは真っすぐで、少しも曲がっていない。この鉄パイプは殴打に使われたものではない。これこそ星野同志の「殴打」を否定する決定的な物証なのである。
ここでは、この鉄パイプが、殴打現場通過以前に星野同志が持っていた鉄パイプと同一物であることの証明が必要だ。「星野同志は中村巡査を殴打した後に別の鉄パイプと持ち替えた」と言わせないためだ。
本年1月に第2次再審請求書の補充書(2)を提出した。「一郎丸写真」とともに、殴打現場以前で撮影された中村写真の鉄パイプと、この一郎丸写真の鉄パイプが同一物であることを証明する写真鑑定書を新証拠として提出したのである。
星野同志は無実だ。機動隊員を殴打していない。「一郎丸写真」はその決定的な物証だ。東京高裁は直ちに再審を開始し星野同志を釈放せよ!
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2482号8面3)(2011/04/04 )
3・27福島 “もうたくさんだ”
三里塚現地と連帯し街宣
三里塚現闘本部におもむいている仲間がワゴン車で福島県労組交流センターに直接救援物資を届けに駆けつけてくれたことが伝わり、3・27三里現地闘争との連帯感が高まる中、福島駅前で連帯街宣行動を行いました。
早朝に大津波の被災現地である相馬市、鹿島町を訪れてきた仲間たちの報告を受け、被災と被曝(ひばく)に憤る人びとの怒りを解き放つ闘いとしてやりぬきました。ふくしま合同労働組合の声明チラシと第4期ふくしま労働学校(第1回講座、マルクス「共産党宣言」を学ぶ)チラシ、救援対策本部ニュース第2号、第3号の4種類のチラシをワンセットにして1時間半の行動で1200枚配布、寄せられた救援カンパ2万3千円、署名100筆、『前進』は3部販売できました。
街宣参加2回目の青年労働者がスピーチ。JR福島駅前広場でのチラシまき進出(これまで完全排除されてきた)、『前進』と新版『エジプト革命』ブックレット販売など、「革共同とともに革命をめざすふくしま合同労組と福島県労組交流センター」の鮮烈な登場をかちとりました。
保育園での清涼水の確保、避難民の生活資金、水田の耕運作業延期(汚染)など、放射能汚染はあらゆる生活と生産活動に深刻な支障をきたしています。福島県産の農産物は市場持ち込み禁止となり、毎日250dの原乳を自分の畑に廃棄してています。彼らは川や海に捨てない。東電や原発推進学者たちが1万倍の高濃度汚染水を海に垂れ流して「安全」という感覚とは対極の良心です。
”こんな社会はもうたくさんだ”という怒りのアジテーションは圧倒的な支持・共感と期待を痛感しました。それは切実な期待でした。同志らの高揚感がとても印象に残りました。
(ふくしま合同労組・S)
(写真 福島駅前で街宣。圧倒的な反響だった【3月27日】)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2482号8面4)(2011/04/04 )
戦争と治安管理に反対する3・21シンポ成功
コンピューター監視法に警鐘
3月21日、戦争と治安管理に反対するプレシンポジウムが東京都内で開かれ、共謀罪の一部である「コンピューター監視法案」「強制執行妨害罪改悪」の阻止へ関西生コン支部、港合同、動労千葉の3労組など100人が参加した。(写真)
主催者は、コンピューター監視法案などが地震当日の3月11日に菅政権の手で閣議決定・国会提出されたことを弾劾。地震を利用した挙国一致キャンペーンの中で法案の国会通過が狙われていると指摘した。「非常事態で反対するな」というムードを突き破り、希代の治安法阻止を訴えた。
エジプト革命のビデオ上映を受け、新聞記者の特別報告。「なぜ革命が起こっているか」を自分の目で確かめようと自費でカイロを取材した。現地の熱気やエジプト人民の革命的機運をリアルに報告、青年を中心とした革命だと指摘した。
アメリカに在住していた女性ジャーナリストが、2001年「愛国者法」の共謀罪で05年に不当逮捕され、652日間不当勾留・服役させられた実体験を、テレビ報道映像を交えて報告した。「9・11」当日ニューヨークにいて、愛国主義の風潮と政府の対応を批判すると、ある日突然「弁護士との共謀罪」をデッチあげられ、日本に帰国中に日米犯罪人引き渡し条約で米司法当局に拉致された。日本の共謀罪やコンピューター監視法案の危険性も強く訴えた。
インターネットは民衆連帯の武器にもなるが、権力による弾圧の手段にもなった事実も主催者から指摘された。「ウイルス作成罪」の導入など、コンピューター社会への国家統制の動きに警鐘を鳴らした。法案攻防としては4月13日の国会前行動(8時半〜11時半)と院内集会(12時〜13時半)が提起された。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2482号8面5)(2011/04/04 )
共産主義者168号
新自由主義との対決貫き震災下で闘う路線を提起
本号は編集作業の最終過程を東日本大震災が直撃する大激動の中で刊行された。帝国主義の「最弱の環」である日本帝国主義を急襲したこの大震災は、エジプト革命が切り開いた世界革命情勢の焦点に日本を押し上げている。大震災を日本革命へと転化することこそ、エジプト2月革命に続く闘いである。
戦時下レーニンの闘いから学ぶ
巻頭の木崎論文は、11・23延坪島砲撃戦からエジプト2月革命が切り開いている世界史的情勢を明らかにし、2010年の闘いの核心を総括、革命的共産主義運動が権力奪取をめざすために成し遂げなければならない飛躍を提起している。多数派形成をたえず目的意識的にやり抜いた動労千葉の故・中野顧問の主流派意識に学ぶことは、今日の大震災情勢においてますます求められている。
とりわけ帝国主義戦争を革命に転化したロシア革命においてボルシェビキと労働者階級が何に全力を挙げたかについて新たにとらえ返している。すなわち第1次大戦勃発(ぼっぱつ)直前まで1912年プラハ協議会路線で職場における権力闘争を徹底的に闘い抜いていた。そして戦時下においても階級的労働運動路線を貫いていた。そういう視点でレーニン『社会主義と戦争』から新たに学びとった内容が提起されている。
巻末に再録した本年1・1政治局アピールと併せて学習・活用してほしい。
国際連帯闘争が切り開いた地平
川武論文は、この7年間で動労千葉が先頭に立って発展させてきた国際連帯闘争を革命的共産主義の立場から理論的・実践的に全面的に総括し、課題を提起する本号のひとつの柱である。日米韓をはじめとした国際連帯闘争の具体的進展が、マルクスが明らかにした労働者階級の国際的存在としての本質を感動的に実証し取り戻していく過程であること、そこにおいて動労千葉と反スターリン主義・革命的共産主義運動が果たしている決定的な役割、そして国際連帯闘争のさらなる発展にとっての指導部建設の課題など、この間の実践が切り開いてきた新たな領域を照らし出す意欲的な論文である。
国木田論文は、国鉄闘争の立場から社保庁やJALでの解雇攻撃を分析し、国鉄全国運動が持っている全階級的意義を明らかにしている。2000年代のシニア協定をめぐる動労千葉の外注化阻止闘争のとらえ返しは、この時期に全社会的に襲いかかった規制緩和・外注化攻撃と唯一対決して勝利してきた動労千葉の外注化阻止闘争、反合・運転保安闘争路線を学ぶ上で多くの示唆を与えてくれる。党に問われた課題を鋭角的に明らかにし、読む者を圧倒する。
動労千葉と一体の三里塚闘争
小寺論文は、若き学生たちが三里塚農民への援農で教育の民営化との自分たちの闘いをさらに発展させている地平を確認し、80年代の新自由主義との攻防として三里塚闘争をとらえ返す好論文である。動労千葉のジェット燃料輸送阻止闘争が新自由主義攻撃と対決する労農連帯の基礎を築いたこと、また動労千葉が分離・独立を闘いぬく過程で、反対同盟が動労の中央委員会で動労カクマルを弾劾する闘いは感動的である。
革共同入管闘争組織委員会論文は、爆発的に飛躍している国際階級闘争の地平を階級的労働運動路線で総括し、在留カード導入を始めとした菅政権の入管政策との対決を訴えている。とりわけ日帝が歴史的に労働者の国際的団結の革命的拡大に恐怖してきたこと、日本と世界の労働者の分断が入管攻撃の核心であることを明確にしている。
北小路敏同志を悼む革共同・清水丈夫議長の追悼文は、革命的共産主義運動の土台を築いた北小路同志の革命家としての人となりを明らかにすることを通して、北小路同志の遺志を継ぐ全同志の誓いを示している。
いずれも新自由主義攻撃との対決にとって重要な論文ばかりである。これらを武器に、大震災を革命に転化する4〜6月闘争に打って出よう。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2482号8面6)(2011/04/04 )
日程 法大裁判、前進社不当捜索国賠訴訟
法大裁判に集まろう!
★暴処法弾圧裁判(被告人質問)
第22回公判 4月28日(木)午後1時30分
東京地裁429号法廷
12時30分に傍聴券配布所に集合
前進社不当捜索国賠訴訟
第6回弁論 4月15日(金)午後1時30分
東京地裁415法廷
---------------------------------------------------