ZENSHIN 2011/01/17(No2471 p06)
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週刊『前進』(2471号1面1)(2011/01/17 )
国鉄全国運動の本格的発展を
労働者の団結で菅政権を倒せ
朝鮮侵略戦争と全面対決し国鉄解雇撤回・外注化阻止へ
(写真 農地死守の気概をみなぎらせ市東孝雄さんを先頭にデモ【1月9日 成田市】)
大恐慌下で激化する大失業と戦争の危機に対する、労働者の怒りは爆発寸前だ。極限まで搾取・収奪され、解雇と非正規化を強制され、さらには戦争の犠牲を強いられ、未来を奪われてなお、資本家の支配のもとにとどまるほど労働者はお人好しではない。ひとたび怒りに火がつき、資本主義社会こそが元凶であるとつかんだ時、全社会を覆す恐るべきエネルギーが沸き上がる。その画然たる出発点が2011年だ。革共同政治局の1・1アピールの内容と方針で猛然と闘い抜こう。
11・23砲撃戦で歴史と階級情勢が大転換
2011年決戦の勝利へ、まず第一に重要なことは、朝鮮侵略戦争の現実化が持つ歴史の転換性をつかむことだ。昨年11月23日に延坪島(ヨンピョンド)で起きた北朝鮮軍と韓国軍の砲撃戦の本質は、まさにアメリカ帝国主義による侵略戦争だった。米帝は北朝鮮スターリン主義の体制崩壊が南北朝鮮の労働者人民の怒りを解き放ち、それが金属労組現代自動車非正規職支会の工場占拠ストライキを始めとした韓国労働運動と結合し、さらには中国国内矛盾の爆発へと連動することを自覚し恐怖して、侵略戦争を構えているのだ。
また朝鮮侵略戦争には、中国スターリン主義がバブル経済と国内支配の危機を抱えながらも、「2020年に日本の経済規模の4倍になる」という予測があるほど経済大国化し、軍事力も巨大化していることへの、米帝の対峙・対決と体制転覆の決断が基底にある。さらにアジア支配をめぐる日本帝国主義への体制解体的な争闘戦がはらまれている。大恐慌が激化し、没落を深める米帝は、今や争闘戦での勝利と世界再分割をかけて朝鮮侵略戦争を決断し、準備を開始したのだ。
日帝・菅政権はこれに対し、自己の帝国主義的利害をかけて、日米同盟強化と参戦へ突進している。1月13日、前原外相と北沢防衛相はゲーツ米国防長官と会談し、辺野古新基地建設を強行することと同時に、「日米同盟を共通の戦略目標を定めて強化する」と確認した。またその前日、北沢は講演で「北朝鮮有事に際して自衛隊が米軍への後方支援を充実させるため、周辺事態法改正の必要がある」と述べ、さらには韓国軍との間で物品・役務や軍事情報の融通・交換を可能とすることに向けて、反動的策動を強めている。
さらに日本経団連会長・米倉は年頭インタビューで、今年を「平成改革にむけて第一歩を踏み出す年」とし、「平成の開国」の気構えでTPP(環太平洋パートナーシップ協定)参加、消費税増税、新成長戦略、社会保障切り捨て、アジア勢力圏づくりなど、懸案の一切を決戦的にやりぬくべきだと公言、その実行を菅政権に要求した。その菅政権は絶望的危機であるがゆえに凶暴化し、ブルジョアジーの利害を暴力的に貫徹しようと全力を挙げている。
自国帝国主義打倒の内乱を組織する時だ
階級決戦を挑んできている敵陣営に対し、われわれは菅やブルジョアジー以上に激しく決戦に決起し、勝利しよう。
第二に重要なことは、2011年決戦に勝利する基本路線は、自国帝国主義打倒の「内乱の組織化」だということだ。その最大の柱は労働組合をめぐる死闘戦である。闘う労働組合の建設を軸に、三里塚、沖縄を始めあらゆる闘争を非和解的に発展させていこう。
労働組合の闘いを経済的要求のみに押しとどめる思想はすべて、革命を否定する奴隷思想だ。労働組合が最も広範な労働者の結集体である以上、労働組合が革命的に組織化されることなしに、圧倒的多数の労働者が一握りの資本家どもに代わって権力を打ち立て、社会を運営することはあり得ないからである。
労働組合を革命的に位置づけて闘うとは、特別の原則を立ててその型にプロレタリアの運動をはめこもうとするものではない。労働力が商品化され、ただ資本家の利潤追求のために過酷な労働を強いられるという現実に対する労働者の根源的な怒りに立脚し、団結をとおして自己解放のエネルギーを無限に引き出していくことに闘いの核心がある。
国鉄1047名解雇撤回闘争の「政治解決」=4・9反革命が強行された今、どこの産別・職場においても、組合幹部への失望の声があふれている。ここにわれわれが全面的に乗り込み、労働組合が本来持つ荒々しい内乱的性格を復権し、職場に革命的拠点を打ち立てていく闘いを開始することは一見困難に見える。しかし今、それが実現可能な最高の情勢を迎えたのである。
われわれは今や、労働運動全体を決する位置を持ってきた国鉄闘争において、勝利の展望を握りしめたということができる。これが第三に決定的に重要なことだ。
今や国鉄闘争勝利の展望を握りしめた!
「官民あげて観光を国家戦略に」「アジアがターゲット」(JR東日本会長・大塚の年頭インタビュー)というJR資本は今、激しく労働組合の翼賛化と団結解体の攻撃を開始している。それが検修業務外注化と1047名解雇撤回闘争の根絶攻撃である。
外注化の本質は労組の破壊と分断だ。すでに駅・工場・保線などで強行されている外注化では、同じ現場にいながら作業工程が切り離され、徹底的に交流を断ち切られ、全矛盾が現場にしわ寄せされている。これを動労千葉と動労水戸の拠点職場にターゲットを据えて突きつけてきた。国家意思そのものだ。
1047名闘争は今年前半、重大な情勢を迎える。「雇用は保障しない」という条件で4者4団体幹部が和解に踏み切った犯罪性があらわとなる。国労本部は今、JR東日本と総合労働協約を結び、全面的な忠誠を誓おうとしている。国労東日本本部は「これまで会社はJR総連しか認めなかったが、不採用問題(1047名問題)が解決したことでJR総連と同じ立ち位置に立てる」と、事実上の労使共同宣言を結ぼうとしている。松崎明が死に、会社に一層の忠誠を誓うことで延命しようとするJR東労組に対し、国労本部が「会社の先兵」化を競い合おうというのだ。
だがそれは労働組合とは何であり、分割・民営化以来の24年間は何だったのか、松崎・JR総連のように中曽根の軍門に下り、仲間を裏切って生きることは正しかったのかということを、すべての労働者に突きつけている。解雇者を支えて闘ってきたことが間違いで、クビを切った連中が味方だとでも言うのか。労働者をなめるのもいい加減にしろ! この根底的な怒りが必ず火を噴く。
それは青年労働者の怒りと必ず結びつく。東日本契約社員(グリーンスタッフ)の8割が正社員化を要求しており、しかし採用は3割に満たず、半分が会社を辞めたいと思ったことがあるという。あと1年で大量の雇い止めが発生する。検修外注化もライフサイクルもターゲットは平成採の青年に集中する。
青年労働者の獲得と組織化が勝利のカギ
この現実を革命的に打開するものこそ、外注化阻止決戦と一体の国鉄闘争全国運動の組織化である。とりわけ青年労働者の獲得に全力を挙げよう。飛躍のカギはどこにあるのか。
第一は、まずわれわれ自身が現実に対する怒りを爆発させることである。激しい怒りこそ、われわれの抱く社会変革の熱情を労働者にストレートに伝え、オルグの説得力となる。われわれが心からの怒りを鮮明に表明した時、それが本物かどうかを労働者は一瞬で見抜くのである。
第二は、労働組合で勝負するために従来の構えを一変させることである。連合、全労連、全労協の裏切りが現場の怒りと闘いを圧殺する体制となっている中で、われわれ自身が労働組合の組織と運動をつくり、党派闘争に勝ちぬかなければ、どんな闘いも組織できない。このことをはっきりと見据え、あらゆる闘いの先頭に立ち、闘う労働組合を組織していくことが求められている。その時に、国鉄闘争全国運動が決定的武器となるのだ。それは同時に、労組交流センターの重要性をあらためて据え直す闘いでもある。
第三は、職場の組合の権力奪取を開始することだ。権力奪取とは究極の目的意識的行為である。職場全体の信頼をかちとる闘いを意識的に設定して、一人ひとりの労働者と切り結んでいく。権力奪取から逆規定した時に、ビラの中身・行動方針が正しく決まってくる。青年労働者にとって党派選択とは、人生をかける相手は誰なのかという問題である。われわれの側が問われているのである。
以上は、蜂起に向けた革命党建設の闘いそのものである。地区党が国鉄闘争を勝ちぬける地区党に飛躍し、党勢拡大に全力を挙げる時がきた。『前進』をあらゆる労働者の中に持ちこみ、革命の拠点を建設し、2011年決戦に圧倒的に勝利しよう。
(写真 熱気あふれる旗開きの締めに団結ガンバローを三唱し2011年の勝利を誓った)
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週刊『前進』(2471号1面2)(2011/01/17 )
関西支社を大阪に新設
2010年決戦の勝利の地平の上に、年末についに前進社関西支社を再建しました。(写真)
革共同関西地方委員会は06年の「党の革命」以降、革共同から脱落・逃亡した塩川派、与田派や資本・国家権力との攻防に打ち勝ち、大飛躍を実現してきました。そして多くの労働者・支持者の協力により、大恐慌・戦争を世界革命へ転化するための一大拠点を打ち立てたのです。
関西地方委員会は、関西支社を階級的労働運動とプロレタリア革命の推進拠点として、2011年を世界革命を決する年とするために全力で闘っていきます。
関西支社の住所は次のとおりです。
大阪市天王寺区寺田町2丁目1―19(環状線「寺田町駅」下車すぐ)
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週刊『前進』(2471号1面3)(2011/01/17 )
三里塚45年の真価今こそ
新年デモと旗開き 第3誘導路阻止へ檄
1月9日、三里塚芝山連合空港反対同盟の新年初の現地デモと団結旗開きが、労農学158人の結集でかちとられた。
デモに先立って反対同盟は、暫定滑走路南端に位置する東峰神社のしめ飾りを付け替え、さらに市東孝雄さん宅に立つ看板を「第3誘導路粉砕! 農地取り上げを許さない」のスローガンに一新し、2011年決戦の意気込みを鮮明に表した。
快晴の空のもと、天神峰の市東さん宅に近い開拓組合道路にデモ参加者が次々と到着し、反対同盟と新年のあいさつが笑顔で交わされる。
午前10時、司会の鈴木謙太郎さんが、「2011年は昨年を上回るさらに激しい闘いをやります!」と高らかに宣言し集会が始まった。
最初に北原鉱治事務局長が発言に立ち、「今年は世界が動く。ここに軍事空港に立ち向かう組織と運動がある以上、権力は戦争へ突入はできない」と全世界の反戦闘争の先頭に立つ気概を示し、「今年も戦う!」とこぶしを突き出した。
続いて反対同盟顧問弁護団の葉山岳夫弁護士が、昨年の裁判闘争でかちとった前進を確認し「本年を廃港元年と位置づけ勝利しよう」と戦闘的決意を表明した。
動労千葉の清水匠執行委員は、「4・9政治和解」を「農地死守の大原則を投げ捨てるに等しい」と断罪し、外注化阻止、平成採組織化からダイヤ改定、春闘へ全力で闘うことを表明した。
団結ガンバローを三唱し直ちにデモに出発。
機動隊、公安刑事を大量動員した弾圧態勢を打ち破り、反対同盟を最先頭に市東さん宅前から畑までの「う回ルート」を力強くデモ行進した。
午後1時から、成田市内のレストランで団結旗開きが開かれた。
冒頭に萩原富夫さんが反対同盟の「2011年闘争宣言」を読み上げた(3面)。「農地と農民の権利を守り、改憲・戦争に反対する三里塚がいよいよ真価を発揮する時がきた」。この戦闘的気概を全員が受けとめた。
北原さんのあいさつを受けた後、市東さんが「2011年に攻撃はますます強まるだろうが、力を合わせて頑張りましょう」と乾杯の音頭をとった。歓談のにぎわいの中で支援・共闘団体の発言が次々と行われた。
トップに動労千葉の田中康宏委員長が「今こそ45年不屈の三里塚闘争の真の価値を輝かせよう。昨年は階級的労働運動復権の土台を築いた。今年は勝負の年だ」と呼びかけ、労農連帯を大発展させる決意を述べた。
続いて関実、反対同盟顧問弁護団、市東さんの農地取り上げに反対する会、闘う農民、動労水戸・辻川慎一副委員長、ス労自主、都政を革新する会・長谷川英憲代表、婦人民主クラブ全国協議会・西村綾子相模原市議会議員、星野文昭さんを取り戻そう全国再審連絡会議の星野暁子さん、さらに多くの人びとが決意を熱烈に表明した。
全学連・織田陽介委員長は昨年末に30人を超える学生を現地に迎えてくれたことにお礼を述べ、「反対同盟と一体で、第3誘導路、切り回し道路を絶対に粉砕する。全学連は1〜3月三里塚を全力で闘う中で反戦闘争を復権させ、世界の反戦闘争の先頭に立ち牽引(けんいん)する力をつくる」と、ほとばしる決意と壮大な展望を表し、一同の喝采を浴びた。
革共同の鎌田雅志同志は「青年労働者・学生を先頭に革共同は2011年三里塚決戦の先頭に立ち、侵略を内乱に転化する!」と宣言し、国鉄闘争推進、星野文昭同志奪還、統一地方選勝利の決意を明らかにした。
萩原進事務局次長がまとめの発言に立ち「2・4現闘本部裁判控訴審での結審策動を打ち破り、3・27全国集会の大結集へ。もう休んでいる暇はない! すでに1〜2月決戦のただ中にあることを肝に銘じ全力で闘おう」と熱く激しくアピールした(要旨3面)。
最後に伊藤信晴さんのリードで団結ガンバローを三唱し、決戦の年にふさわしい団結旗開きを力強く締めくくった。
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週刊『前進』(2471号1面4)(2011/01/17 )
前進速報版から
▼三里塚で新年デモと団結旗開き▼動労千葉が団結旗開き、決戦突入を宣言▼日本年金機構本部、厚生労働省前で解雇撤回を訴え
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週刊『前進』(2471号2面1)(2011/01/17 )
国鉄解雇撤回・外注化阻止2・16集会へ
新たな支援陣形を職場・地域に
青年の未来奪う大合理化粉砕を
国鉄での激突が年頭から激しく火花を散らして始まっている。動労千葉は1月8日の旗開きで11春闘決戦の配置についた。2011年決戦の柱は、国鉄闘争全国運動のより全面的な発展を闘いとること、JR東日本の検修全面外注化を絶対阻止することにある。日本労働運動再生の展望をかけ、国鉄闘争全国運動が呼びかける「国鉄分割・民営化で不当解雇から24年/2・16(選別・解雇の日)を忘れるな!/1047名解雇撤回2・16集会」の大成功に向かって全力で闘おう。
1月20日前後にも事前通知が予想されるライフサイクル(青年運転士の駅への強制配転)第4次強制配転との闘いから激突が始まる。ライフサイクルは、駅業務の全面的な非正規職化・外注化と一体であり、そのことが生み出す矛盾のすべてを青年運転士に転嫁する攻撃だ。動労千葉は、傘下組合員に強制配転の通知が出された場合、組織をあげた反撃に打って出ることを宣言している。
(写真 2010年の大きな前進を土台に、11春闘決戦への総決起宣言を発した団結旗開き。最後に田中委員長の音頭で団結ガンバロー【1月8日 DC会館】) 東労組が外注化推進で「妥結」
検修構内業務の全面外注化をめぐっても動きが一気に加速している。
昨年12月、JR東労組は「偽装請負の根絶」について会社と合意し、議事録確認を行った。これは、検修全面外注化について労組としてゴーサインを出したに等しい意味を持っている。
東労組は昨秋来、「偽装請負を根絶した業務委託体制の確立を」と称する申し入れを行い、会社と協議を進めてきた。これは、01年以来進められてきた外注化の実態を「検証する」としているが、偽装請負を根絶するどころか、労資が一体となって“いかに偽装請負を隠すか”という密室での謀議にすぎない。
動労千葉を先頭とする外注化阻止闘争に追い詰められ、JR東日本はこの間、作業指示書の仕様変更など「取扱注意」の文書を乱発して偽装請負隠しに躍起となってきた。現場での作業実態は何も変えず、書面上の体裁を整えているだけだ。
東労組は、こんなことは百も承知で、12月の議事録確認をもって、会社の偽装請負隠しを労働組合として追認したのだ。東労組の大裏切りを暴き出し、検修全面外注化4月実施を粉砕する総反乱を巻き起こそう。
賃金制度の改悪とJRの大再編
またJR東日本は1月中旬にも新人事賃金制度についての提案を行う。
これは、賃金制度を「成果主義」「能力給」に抜本的に変え、総額人件費の大幅削減を狙うものだ。1月から始まった「新たな小集団活動」を賃金の査定に絡め、賃金で労働者を分断し、職場の団結を破壊しようとしているのだ。
車両の運転、検査・修繕、保線・電力・信号などの鉄道業務は、全体が一つのシステムとして有機的・一体的に機能することで、初めて安全運行が可能となるものだ。個々人の「成果」など本来は評価のしようのないものだし、成果主義など絶対に持ち込んではならないのだ。結局、その「評価」は当局のサジ加減一つで決まり、新たな組合差別と職場支配の道具になることは明白だ。
JR貨物でも、基地統廃合を含めた抜本的な大再編が切迫している。国交省が「日航の次はJR貨物だ」と公言しているように、それは政府の号令のもとでの大リストラ・大幅賃下げとなることは間違いない。貨物をめぐる攻防は、11春闘における最重要の焦点だ。
JR青年労働者の怒り解き放ち
こうした重畳する大攻撃の背景となっているのは、国鉄分割・民営化政策そのものの破産だ。
民営化から25年もたっているのに、分割された7社のうち4社の経営破綻はいよいよ深刻化し、膨大な赤字を垂れ流し続けている。現在の分割・民営化体制の枠組みのもとでは、何をやっても完全民営化など不可能なことは明らかだ。ここから政府・国交省とJR各社は、次元を画する業務外注化―分社化・子会社化、賃金制度の大改悪=大幅賃下げ、不採算部門の切り捨てなどを全面的に進めているのだ。
また、JR総連カクマルの頭目=松崎明の死をも契機として、JR東日本は労務政策転換=東労組切り捨ての姿勢をあらわにし、JR職場をめぐる党派的死闘、組織攻防戦が激化している。
日帝の新自由主義政策の根幹をなしてきた国鉄分割・民営化との闘いは終わっていない。それどころか2011年、その真の決着をかけた決戦が煮詰まっているのだ。
勝利のかぎは、思い切って国鉄全国運動にかけきることにこそある。
国鉄全国運動は、1047名闘争の最後的解体―労働運動根絶を狙った4・9和解攻撃と徹底的に対決し抜き、この攻撃をひっくり返し、逆に日本労働運動再生にむけた突破口を切り開くためについに開始された歴史的運動だ。昨年の「外注化4・1実施中止」の勝利と「国鉄闘争の火を消すな!」の叫びは、労働運動の階級的再生への息吹を圧倒的に呼び起こしている。国鉄全国運動の持つ無限の可能性を確信し大胆に組織化に打って出よう。
何よりもライフサイクルや外注化、賃金制度改悪は、JRで働く青年労働者の未来を根こそぎ奪うものだ。JR青年労働者の積年の怒りは必ず爆発する。われわれが先頭に立って職場生産点で闘いを巻き起こし、青年の闘いを解き放つことこそ最後の勝負を決める。
これらすべてを「1047名解雇撤回2・16集会」に総結集しよう。
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国鉄分割・民営化で不当解雇から24年
2・16(選別・解雇の日)を忘れるな!
1047名解雇撤回2・16集会
2月16日(水)午後6時半 すみだ産業会館(JR錦糸町駅前)
呼びかけ/国鉄闘争全国運動
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週刊『前進』(2471号2面2)(2011/01/17 )
動労千葉 熱気みなぎる団結旗開き
“一丸となり外注化阻止する”
動労千葉の団結旗開きが1月8日、DC会館で盛大に開催された。2010年の大きな前進を踏まえ、1047名解雇撤回・検修全面外注化阻止の新たな決戦への総決起宣言の場となった。
冒頭、大竹哲治副委員長が「今年も検修外注化、ライフサイクル(青年運転士の駅への強制配転攻撃)、春闘と闘いに次ぐ闘いとなる。本日をもって、一丸となって闘いを開始しよう」と戦闘的に開会を宣言した。
あいさつに立った田中康宏委員長はまず、激闘に次ぐ激闘となった2010年をふり返って「昨年は、動労千葉の生みの親である中野洋常任顧問の死に直面し、同時に、検修全面外注化や、4・9政治和解をもって国鉄闘争の火を消そうという大攻撃が襲いかかってきた。国鉄闘争全国運動を立ち上げ、11月労働者集会まで闘い抜き、何よりも組織拡大闘争の大きな前進をかちとった。よくぞこれだけの闘いをやり抜くことができたと思っている。現場の奮闘に心から感謝したい。さすが動労千葉の組合員だと、去年ほど誇りに思ったことはなかった」と述べた。そして、激動する内外情勢の核心点を明らかにした上で、11春闘の課題について、@ライフサイクル第4次強制配転阻止の闘い、A本格的に動き始めた検修業務全面外注化阻止の闘い、B1月中旬にも提案されようとしているJR東日本での賃金制度改悪攻撃との闘い、C基地統廃合も含めた貨物大合理化との闘い、D動労千葉の新たな飛躍をかけた勝浦市長選での勝利など、闘いの方針を提起し「あらゆる課題が春闘過程で目白押しになっている。これが“国鉄改革25年問題”ということだ。こうした闘いの前進を通して、闘う労働運動の再建・復興をかちとろう」と訴えた。
最後に「何よりも今年こそ本格的な組織拡大に向けた正念場の年。年末には若い仲間と相談をし、この春にも青年部を再建することを決めた。全組合員が、若い組合員とともに全力で立ち上がろう」と強調した。
来賓あいさつでは、三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱治事務局長が釣魚台(尖閣諸島)問題や朝鮮半島での砲撃戦に触れ「今の世界は第2次世界大戦前夜のように思えてならない」と警鐘を鳴らし、「三里塚は動労千葉とともに、今後も日本の未来のために闘う」と力強く宣言した。さらに、動労千葉顧問弁護団の葉山岳夫弁護士が鉄建公団訴訟を始めとする闘いの勝利へ弁護団もともに闘うと語り、水野正美動労千葉元副委員長は目前に迫った勝浦市長選勝利に向けた固い決意を表明した。
鏡開き、乾杯の後、組合員と支援はこもごもに杯を酌み交わしながら交流を深めた。歓談の間にも動労水戸、ス労自主、動労千葉を支援する会、全学連の織田陽介委員長、北島邦彦杉並区議、星野暁子さんなど各界からのあいさつが続いた。革共同を代表して高原洋三同志があいさつに立ち、動労千葉とともに1047名解雇撤回・外注化阻止へ総力で決起すると熱烈にアピールした。
恒例となったビンゴゲームで大いに盛り上がった後、各支部の代表が決意を表明。1047名闘争当該である中村仁さんは「1047名問題は直接は自分たちのことだけど、自分たちだけの問題じゃない。国鉄分割・民営化以来、労働者が突き落とされてきた状況を変える闘いだ」と発言した。最後に、昨年12月の新たな青年加入で勢いを倍加させた青年組合員たちが青年部結成への決意を次々と表明し、会場全体が沸き上がった。
長田敏之書記長はまとめで、国鉄闘争全国運動のさらなる拡大・発展を訴え「単に動労千葉支援にとどまらず、それぞれの職場で闘いを巻き起こしていくことが全国運動だ」と檄を発した。インターナショナル斉唱、団結ガンバローで意気高く旗開きを締めくくった。
1月早々から直ちに、ライフサイクル・外注化攻撃との本格的な激突が始まる。動労千葉とともに2011年国鉄決戦に勇躍、突入しよう。
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週刊『前進』(2471号2面3)(2011/01/17 )
国労5・27臨大闘争弾圧粉砕!
控訴審第3回公判へ
国労5・27臨大闘争弾圧裁判の控訴審第3回公判が1月25日、東京高裁第10刑事部で開かれる。
国鉄闘争は2011年、1047名解雇撤回・検修外注化阻止を軸に、最大の決戦を迎える。5・27臨大闘争弾圧を粉砕する闘いは、4・9政治和解の大反動を打ち破り、国労本部を打倒して階級的労働運動を生み出す闘いの最先端に位置している。公判闘争に結集し、被告の完全無罪をかちとろう。
今や国労本部は、国家権力とJR資本に最後的に屈服し、国労の自己解体と連合への合流に完全にかじを切った。彼らは、1047名解雇撤回を貫く国鉄闘争全国運動、とりわけ和解を拒否して裁判闘争を継続する闘争団員と「共に闘う国労の会」の運動への敵対をますますむき出しにしつつある。この反動を粉砕し、国労を階級的によみがえらせる闘いの先頭に被告団は立っている。
4・9政治和解を強行した国労本部は、国労からの闘争団員の追放と、JR資本への最後的屈服を表明する総合労働協約の締結、さらには能力主義・成果主義で労働者を徹底的に分断する新賃金制度の受け入れへと突き進もうとしている。JR東日本の検修部門全面外注化攻撃に対しても、職場からの反撃をことごとく封殺し、その強行に道を開こうとしているのだ。これは、「平成採」の青年労働者をJR資本に売り渡す、とてつもない裏切りだ。
国労本部は、1月29日の国労中央委員会で、こうした裏切りを全組合員に強制する反動方針を押し通そうとたくらんでいる。国労中央委員会は、この策動と全面対決する決戦の場になった。
その直前に開かれる5・27臨大闘争弾圧公判は、2011年国鉄決戦の戦闘態勢を打ち固める闘いでもある。
5・27臨大闘争弾圧は、2002年5月27日の国労臨時大会で、鉄建公団訴訟原告を統制処分にかけるとした本部方針に反対し、大会参加者らへのビラまき・説得活動に立った国労組合員6人と国鉄闘争支援者1人の闘いが「暴力行為」にデッチあげられた許し難い弾圧だ。国労本部は、自らこの弾圧を仕組み、組合員を警察権力に売り渡したのだ。
JR資本の手先としての国労本部の姿が今日いよいよあらわになっている中で、5・27臨大闘争弾圧に対する現場国労組合員の怒りは、必ず大衆的に噴出する。被告団の闘いは、JR体制に怒りを燃やす青年労働者の総反乱の突破口となるに違いない。
前回公判で被告団は、被告人質問の場を縦横に活用し、5・27決起の正当性と国労本部の不正義性を全面的に暴ききった。被告団の不屈の闘いは、検察官や裁判官を圧倒している。そこには、あらゆる反動と身をもって対決し、団結を固めて資本・権力と立ち向かう誇り高い労働者の姿がある。5・27臨大闘争弾圧をその本質においてすでに打ち破っている被告団の闘いは、労働者が闘って勝利できることを示している。
5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いは、1047名解雇撤回闘争そのものでもある。国労原告団物販をさらに強力に展開しよう。国鉄全国運動の大発展をかちとろう。これと一体の闘いとして、1・25公判に結集しよう。
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週刊『前進』(2471号2面4)(2011/01/17 )
羽越線事故5周年弾劾
新潟で街宣行動と集会
“国鉄全国運動で主流派に”
2005年12月25日に起きたJR東日本の羽越線事故から5年、12月23日に新潟で「JRは検修外注化・非正規職化をやめろ! 国鉄1047名を職場に戻せ! 羽越線事故5周年弾劾!」をかかげて街頭宣伝・集会を打ち抜きました。
まずJR東日本新潟支社に隣接するJR新潟駅前で街宣を開始し、労働者が次々に怒りのアジテーション。 国労秋田闘争団の小玉忠憲さんは「羽越線事故の遺族にいまだに補償もしないJRは絶対に許せない!」と怒りをたたきつけました。激しい怒りの前に、妨害に来たJRの職制はすごすごと引き下がらざるをえませんでした。支社にシュプレヒコールをあげ集会に移りました。
集会のメインは動労西日本副委員長・山田和広さんの講演です。講演で決定的だったのは、JR西日本の起こした尼崎事故―事故問題と、契約社員制度―非正規化・外注化問題がJR体制の矛盾の集中点であり、現場労働者の怒りの根源はここにあるとはっきりさせたことです。とりわけ契約社員制度について、多くの青年労働者が「使い捨て状態」で矛盾の一切が現場に押し付けられている現実を暴きました。山田さんは「青年を獲得しよう。動労西日本は組織拡大をなしとげる!」と決意表明しました。
さらに、新潟の地でこの間、解雇撤回闘争を闘っている新潟地域一般労働組合の青年労働者が登壇し「自分が闘おうと思ったのは『こんなに簡単に首が切られていいのか』と思ったから」「解雇撤回で青年とつながっていく。闘う組合をつくる」と生き生きと闘いを報告しました。同じ組合の青年も一緒に登壇して発言、解雇撤回闘争を通して労組青年部を建設する展望を示しました。
問題提起をした国労新潟県支部執行委員の星野文男さんは「羽越線事故の原因は国鉄分割・民営化にある」「4・9政治和解の大反動に対して国鉄全国運動、11月集会で大きな前進をかちとってきた。全国運動で日本労働運動の主流派になろう! 青年労働者を獲得しよう!」と発言。国労秋田闘争団の小玉さんは「1047名解雇撤回まで断固闘い抜く」と鮮明に決意表明。国労郡山工場支部の橋本光一さんは「外注化攻撃に対してはJR本体と外注労働者の団結で反撃する」と闘いの方向性を訴えました。
国鉄を始めとする青年も「組合の違いに関係なく職場の労働者全体を獲得する」「総力をあげて国鉄で青年労働者を獲得する」と表明、集会は大きく高揚しました。
参加者が「今年1年間の集大成の集会だった」と感想を出したように、2010年の苦闘や前進のすべてがつまった集会でした。何よりも、全国運動で職場・地域を席巻し、国鉄での青年獲得に一切をかけて闘っていきたいと決意する集会でした。
(投稿/新潟T)
(写真 新潟駅頭での街頭宣伝後、JR東日本新潟支社に向けてシュプレヒコール【12月23日 新潟市】)
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週刊『前進』(2471号2面5)(2011/01/17 )
物販を武器にして職場で組織拡大へ
支援する会・広島が総会を開く
動労千葉を支援する会・広島の3回目の総会が12月23日、広島市西区民文化センターで70人で開催された。総会には、多くの物販協力者や初参加の会員が結集した。
動労千葉の12・3〜4ストでの組織拡大の前進、12・12〜13動労総連合定期大会と12・19動労西日本定期大会の成功を受け、動労千葉を支援する会・広島の2011年方針を決定する重要な総会となった。
冒頭、代表の斉藤俊法さん(全造船三菱広機分会)が「今こそ資本との闘いを復権させる時。ストライキをやろう。動労千葉を守り、それに続いて職場で闘おう。物販で支援する会を広げよう」とあいさつ。
運動方針案を運営委員である広島市職の仲間が提起し「4・9反革命と11・23の朝鮮侵略戦争開始情勢の中で、戦後の世界体制は崩壊した。今こそ1047名解雇撤回の闘いをすべての職場で民営化・外注化攻撃との闘いの軸に据えよう。物販を武器に、支援する会を広島の職場と地域に広げ、職場や労組の権力を握ろう」と提起するとともに、自らの職場での物販闘争の教訓と会員拡大の活動を紹介した。
続いて国鉄闘争全国運動の呼びかけ人である大野義文さん(元安芸労働基準監督署長)の特別講演を受けた。大野さんは「現在『資本の犯罪』の横行の中で、労働者が生きていけない状況が生み出されている。資本と非妥協で闘うことが必要だ。ストライキは資本の支配を断ち切り労働者を自由にする。けっして要求を通すことだけが目的ではない。労働者は職場での団結がつくられることで生き生きと生きていける」と熱く語った。
さらに、会員からの「物販で国鉄全国運動を職場に拡大していくことが団結を職場につくりだす道だ。長年物販を要請してきた人が机にビラを大切に貯めていた。この仲間が初めて物販に応じてくれた。支援する会の会員を職場で増やせる」というアピールを始め、動労西日本、教育労働者、郵政労働者、電通労働者、高陽第一診療所労組、広大生協労組、広島連帯ユニオン草津病院支部、広島大生から決意表明があった。
まとめとして広島連帯ユニオンの青年労働者が「青年を国鉄全国運動―動労千葉を支援する会に組織しよう。闘う労働組合―青年部をよみがえらせよう」と発言、参加者は組織拡大方針に確信を深めた。いざ支援する会を広げて2011年決戦へ!
(投稿/広島OS)
(写真 “支援する会に青年を組織しよう”――各産別の参加者が次々と決意を表明【12月23日 広島市】)
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週刊『前進』(2471号2面6)(2011/01/17 )
日程 国労5・27臨大闘争弾圧裁判 控訴審第3回公判
1月25日(火)午後1時傍聴券交付
東京高裁102号法廷
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週刊『前進』(2471号3面1)(2011/01/17 )
郵便事業会社が大リストラ計画
大量首切りと大幅賃下げに全国で怒りの反撃に立とう
労働者に民営化破綻のツケ
JP労組中央がリストラ容認
昨年12月31日の東京新聞で「日本郵便大リストラを検討」という記事が掲載された。郵便事業会社が「大赤字」を理由として人件費を中心に1千億円規模の「コスト削減」計画を進めていることが明らかとなった。郵便局会社も「コスト削減」を画策している。だが赤字の責任は郵政民営化とJPEXを推進した郵政資本とJP労組中央本部にある。「大赤字」は郵政民営化の大破産であり、新自由主義攻撃の行きづまりそのものだ。職場から大反撃しよう。
民営化の強行こそ「大赤字」の元凶だ
郵便事業会社は年末に「リストラ策」の第一弾として人件費のカットを全国の各支店に通達した。正社員の超過勤務の禁止や短期アルバイトの雇用延長の禁止を1月11日から実施するとしているが、一部の局ではすでに12月31日をもってアルバイトを雇い止めしている。さらにベテランを中心に十数万人にのぼる期間雇用社員について削減=首切りの計画を立てている。非常勤を切る一方で「超勤禁止」とは何を意味するか。これまでをさらに上回る労働強化とサービス残業の強要、そして新自由主義攻撃の核心である外注化が始まるということだ。
また「正社員も痛みを分かち合うべきだ」「正社員の平均年収は宅配便を扱う同業他社より3割前後高い」と悪質キャンペーンし、正社員の賃金カットから首切りまでも狙っている。事業会社は1月11日、2012年度の新卒者の採用中止を発表した。これは正社員の首切りまで行き着くものだ。「首切り、賃下げ」など断じて許せない。「大赤字」という無惨な現実は郵政民営化が行き着いた破産の結果だ。
職場からの反乱で闘おう
郵政民営化から4年、郵政の労働現場は一変した。長時間の過酷な労働が現場の実態だ。労災・交通事故が頻発し、全国で数多くの労働者が過労死させられている。自爆営業がいっそう強要され、団結破壊を狙った「10万人正社員化」も、1割にも満たない「合格者数」で労働者を欺くものでしかなかった。
「大リストラ」はこの上にさらに労働者に犠牲を強要し、破綻した郵政民営化をいっそう推進するものだ。大恐慌を戦争と大失業攻撃で乗り切ろうとする労働者階級への大攻撃であり、11春闘での賃下げ攻撃の突破口だ。昨年11・23の朝鮮侵略戦争の開始はこの情勢を加速度的に促進する。絶対に許すことはできない。職場から総反乱を起こし、郵政民営化をいっそうの破綻に追い込もう。労働者の首を切り、医療・社会保障・教育まで破壊する新自由主義攻撃を粉砕しよう。
ゆうパック再統合もJPEXも破産
赤字の原因は、民営化の基軸である小包部門を切り離して日通のペリカン便と統合し子会社化しようとしたJPEX計画とその失敗にある。
郵便事業会社はJPEXを「郵政民営化の戦略事業」と位置づけていた。その実態は何か。JPEXでは「8割の職員を非正規化」し「半分の賃金で2倍働かせる」ことで暴利を貪ろうというたくらみだった。それが「事業計画の精度が悪かった」と総務省に非難されるほどのデタラメな計画だったことで、3度にわたる認可延期の末に破綻となった。
さらに、7月1日という中元繁忙期にゆうパックとの再統合を強行するというあせりにかられた攻撃が破綻を拡大した。集中局を始めとして郵便局は32万個の滞貨の山となり、配達の大幅遅れとなった。冷凍物やチルドもすべて駄目になった。その多額の損害賠償、そしてこの信用失墜によってデパートなど大口を中心に顧客が大流出。これらの失敗の連続が「1カ月50億円の赤字」と言われる大赤字を生みだした原因だ。実態面から言っても赤字の責任は「民営化すればすべてうまくいく」とデマをまき散らし郵政民営化を推進した小泉・竹中、そして現場で陣頭指揮をとった新・旧の経営陣にこそある。
斎藤らは「役員報酬の10%3カ月分を返上した」などと称しているが、そのようなごまかしは「首切り、賃下げ」攻撃のための下準備でしかない。逃亡した日本郵政の前社長・西川なども含め新・旧経営陣は退職金や役員報酬など労働者から搾り取ったものをすべて返せ。郵政労働者の怒りでこの連中を民営郵政もろとも打倒しよう。
JP労組中央打倒へ怒り爆発させよ
会社と一体となって郵政民営化とJPEXを推進してきたのがJP労組中央本部だ。09年の中央委員会と第2回定期大会で山口前委員長は「JPEXの成長・発展に向けて積極的に対応していく」と表明し、「JPEXの要員確保は組合として万全を期す」と組合員の出向に全面協力することを表明した。労働組合が屈服し協力しなければ民営化も非正規化もできなかった。
斎藤社長は7日の記者会見で「労働組合と協議したうえで収支改善策をまとめ、今月28日に総務省に報告する」と語った。JP労組中央本部は「大リストラ」を承認し、具体策の「協議」に入る段階にまでなっている。会社と一体となって、労働者の「首切り」「賃金カット」を進める「労組幹部」などもはやその資格はない。
2月17、18日にはJP労組中央委員会が予定されている。中央本部はここで大幅な賃金・退職金切り下げの「新人事・給与制度」の導入まで認めようとしている。さらには全職種の外注化・子会社化を認めようとしている。絶対に許せない。
現場から労組再建し進撃を
問われているのは労働組合の闘いだ。現場からの行動を組織し、職場の団結を取り戻そう。
大リストラ攻撃に対し、これまで耐えに耐えてきた郵政労働者の怒りが堰(せき)を切って爆発しつつある。この怒りと結びつき、「首切り、賃下げ反対!」の闘いを全力で組織し、「大リストラ」攻撃を徹底的に粉砕しよう。国鉄全国運動を前進させ支援する会の組織化を進めよう。JP労組中央本部を打倒し、組合運動・青年部運動の再建に向かって闘いを進めよう。
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郵便事業会社の大リストラ計画
●第一弾(1月11日から実施)
・正社員の超過勤務を禁止
・短期アルバイトの雇用延長を禁止
・十数万人の期間雇用職員のうち、「ベテラン」を中心に首切り
●さらに
・正社員の賃金・一時金を大幅に削減
・2012年度の新卒採用を全職種で中止
・……
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週刊『前進』(2471号3面2)(2011/01/17 )
元旦 北海道から沖縄まで
郵便局にビラ入れ
2011年元旦、全国労組交流センターの仲間たちが全逓労働者部会を先頭に、北は北海道から南は沖縄まで全国一斉に郵便局へのビラ入れ情宣を行った。首都圏では100局以上で行い、どこでも「ご苦労様です」「私にも下さい」と、ほとんどの労働者がビラを受け取った。
前日の大みそかの東京新聞に「日本郵政、債務超過の恐れ」「社長発言、大リストラを検討」の見出しで記事が掲載された。民営郵政は完全に経営破綻を起こし、それを労働者への首切りと賃下げでのりきろうというものだ。ふざけるな。この記事を資料に添えて、怒りのこもったビラが労働者に手渡された。
郵政を食いものにして逃げ出した西川ら旧経営陣の役員報酬と退職金を取り返せ! あいつらは刑務所にたたき込むべきだ。日本郵政社長・斎藤や郵便事業会社社長・鍋倉も同罪だ。会社と一体で郵政民営化を進めたJP労組中央本部を打倒しよう。労働組合を現場労働者の手にとり戻そう。
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週刊『前進』(2471号3面3)(2011/01/17 )
動労千葉 11月集会ビデオ完成
動労千葉が「11月全国労働者総決起集会」のビデオを制作した。集会での発言が会場の5900人の熱気とともに収録されているのはもちろん、年間を通して闘われたあらゆる分野での闘いの映像が盛り込まれ、2010年の勝利を丸ごと実感できる。
国際連帯の発言では、韓国民主労総の非正規職撤廃闘争の決意表明が、ソウルでのG20粉砕の壮大な闘いと一体で迫ってくる。11・6の国際連帯集会でのスティーブ・ゼルツァーさんの発言は、11・23ヨンピョンド情勢に立ち向かう力を日米韓の労働者が作り上げたと実感させる。
国鉄全国運動の呼びかけ人、動労千葉争議団と国労の労働者の登壇と決意は4・9政治和解と闘ってきた人びとの誇りと気概を示している。関西生コン支部のストライキの報道映像も要注目だ。デモ最後の交歓シーンは何度見ても感動的。
全国運動拡大へ向けて職場や地域で活用し広めよう。
◎DVD26分 頒価500円
◎申込先 動労千葉/千葉市中央区要町2―8DC会館/TEL043―222―7207 doro-chiba@doro-chiba.org
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週刊『前進』(2471号3面4)(2011/01/17 )
解雇撤回を訴え情宣
年金機構本部や厚労省前で
1月4日の仕事始め、労組交流センター自治体労働者部会は、東京の日本年金機構本部と厚生労働省、さらに全国各地の年金事務所の前で社保労働者525人分限免職(解雇)撤回を訴える宣伝行動を行った。
社会保険庁解体・日本年金機構発足から1年、東京・杉並区にある日本年金機構本部前には早朝から労組交流センターの活動家8人が登場、「社保労働者525名解雇撤回、非正規職の雇い止めやめろ!」と大書した横断幕を広げ、北島邦彦杉並区議会議員がメガフォンを用いて熱烈にアピールした。
「社保庁による525人の分限免職を撤回させよう。不明年金記録問題の責任は当局にある。労働者には責任はない!」
「社会保険庁・年金機構は非正規職化・外注化を最先頭で進めてきた。年金機構の職員の半分が非正規職だ。今年3月には非正規職3千人を雇い止めにしようとしている。労働者の首切りは許せない! 正規―非正規の分断を越え、団結して闘おう。闘う労働組合をよみがえらせよう」
労組交流センター自治体労働者部会のビラと社保ニュース14号とが合計1千枚、年金機構の労働者に手渡された。労組の支部長をはじめ何人もが「ご苦労さま」「おはようございます」と応え、職場に入っていった。
労組交流センターは昼休みに霞が関の厚生労働省前に登場、400枚のビラをまいた。
(写真 北島区議を先頭に労組交流センターが年金機構本部前で宣伝行動【1月4日 杉並】)
福山で当該の平口さん先頭に
広島県労組交流センターは社保庁分限免職者の平口雅明さんとともに福山年金事務所の職員への訴えを行った。3月にも雇い止めになる職員に「ともに絶対阻止しよう」と声をかけ、ビラをまいた。職員から「組合は何もしていない」との批判の声があがった。
自治労・ねんきん機構労組は、社保庁分限免職者525人の解雇撤回闘争を一切取り組まないばかりか、年金機構においても3月雇い止め攻撃にまったく反撃しようとしない。解雇推進の御用労組に対する労働者の怒りは爆発寸前まで充満している。広島県労組交流センターは525人の社保解雇者と年金機構労働者とが一体となった反撃の闘いをつくり出す決意を固めた。
世界大恐慌の深化の中でJRの検修・構内業務外注化、公務員360万人首切り・選別再雇用の公務員制度改革、幼保労働者60万人首切り・非正規職化の「子ども・子育て新システム」、日本郵政の大リストラ、教育労働者の非正規職化、日本航空の大量整理解雇などの大失業攻撃が米日帝による朝鮮侵略戦争と同時に襲いかかってきている。闘う労働組合をよみがえらせ、戦争と大失業の大恐慌をプロレタリア革命に転化しよう。
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週刊『前進』(2471号3面5)(2011/01/17 )
団結旗開き 軍事空港反対こそ正義
反対同盟が新年の闘争宣言
2011年闘争宣言
世界を覆う恐慌が、ついに戦争の予感を現実のものとした。韓国・延坪島(ヨンピョンド)の砲撃戦は、この危うい現実を衝撃的に突きだした。ふたたび朝鮮侵略戦争を繰り返すのか、――すべての人々にこのことが問われ、反戦の力がとめどもない奔流となって世界を動かす時がきた。
危機と混迷を深める菅政権は、延命の道を財界にすがり、その意を受けてブロック化と戦争に向かって暴走している。TPP(環太平洋経済協力協定)はその象徴であり、日本農業を壊滅させ、労働者の首切りを極限にまでおし進める暴政にほかならない。成田空港は沖縄と一体の米軍事拠点である。
この動乱のさなかにおいてなお、死活的なインフラ=成田空港は、闘いに阻まれ破たんにあえいでいる。昨年激しく進行した三里塚闘争破壊の攻撃は、起死回生をはかる民主党・菅政権の凶暴なあがきであった。
反対同盟は、現闘本部撤去仮執行を粉砕し、団結街道封鎖と闘う市東孝雄さんの実力決起で、この攻撃をあざやかに打ち破った。そして一つの確信を新たにした。理不尽きわまる国策=空港建設に対して、「軍事空港建設反対」「農地死守」を掲げ、身体を張って闘うことは圧倒的な正義である。
絶対反対で闘うことはたやすいことではないが、この道の正しさを反対同盟は確信する。農地と農民の権利を守り、改憲・戦争に反対する三里塚がいよいよ真価を発揮する時がきた。
2011年、攻勢的に大胆に、闘おう。基地全面撤去へと闘う沖縄の火はいよいよ燃え広がるであろう。労農連帯の旗の下、検修全面外注化と闘う動労千葉を先頭に、大失業・戦争と闘う労働者の決起が国境を越えて広がるであろう。学生の鮮烈な決起が始まった。三里塚は沖縄や関西住民を始めとする広範な住民運動、市民運動と完全にひとつだ。三里塚は共闘と結集の砦である。
第3誘導路粉砕! 暫定滑走路南進のための東峰地区破壊策動を許すな! 2・4現闘本部控訴審闘争は審理打ち切り・仮執行を阻止する大決戦である。大結集を呼びかける。迂回道路トンネル化のための1月道路切り替え阻止! 団結街道仮処分に勝利しよう。市東さんの農地裁判を闘い、3・27全国集会に空前の大結集を闘いとろう。
2011年1月9日
(写真 一新した看板前で2011年決戦の闘志を示す三里塚反対同盟【1月9日 天神峰】)
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週刊『前進』(2471号3面6)(2011/01/17 )
萩原進事務局次長 旗開き発言
農地強奪を実力で阻み反戦闘争の先頭に立つ
■より攻勢的に
反対同盟は2011年を文字どおり決戦の年として闘う決意です。
第一に、昨年以上に攻勢的攻撃的に闘いぬく。
今や支配階級は、彼ら自身が経験したことのない事態に追い込まれています。三里塚しかり、国鉄しかり、沖縄しかり。医療問題、高齢者問題、社会福祉問題等々、菅政権にはどれ一つとして解決能力がありません。
千葉県知事の森田健作を見てください。成田と羽田の間を15分でつなぐリニアモーターカーを走らせると言っている。あるいは成田に賭博場をもうけると。これは単に彼のパフォーマンスや思いつきではない。
成田がこのままでは本当につぶれる。韓国のインチョン空港をも見習って観光客誘致のためになりふり構わず、そんなことを真剣に考えるしかないところに彼らは追い込まれている。
だがこのご時世、そんな乗り物を1兆円かけて造るなど許されるのか。
これはわれわれにとってものすごいチャンスだ。統治能力を失い、でたらめを乱発するこんな連中への怒りが、労働者、学生、農民の中に渦巻いているんですよ。
第二点は、あらためて原則的に闘うことです。
■農地死守貫き
「農地死守」を貫き、農地を武器に闘う。ときに体を張って命を張って実力で闘う。
われわれ自身が闘って勝利する姿を、多くの人びとが見て、さらに体で体験して共有していただきたい。三里塚の地に立ち、今までの生き方をひっくり返して、今の社会を見つめ直してもらう。三里塚と一緒に闘うことが勝利の道だと指し示す。今年はそういう闘いができる年だ。
第三に、反対同盟は45年にわたり勝利の大道を歩んできた。それは三里塚闘争に労働者人民の正義性、普遍性が存在しているからです。
農民の農地を暴力的に強奪して進められた空港建設に対する抵抗、「自由貿易」の名による農業切り捨てに対する闘争。もう一つは、軍事空港阻止の闘いとして、反戦反核闘争の先頭に立ち闘ってきた。今その真価を発揮できる状況を迎えている。「国策だから人民はひれ伏し従え」との攻撃に対し、農地を奪って造られる軍事空港を粉砕する、それこそが正義だと声を大にして訴えよう。
本年反対同盟は動労千葉と一緒になって、「この指とまれ」「一緒に闘おう」と全国に向けてアピールする旗振りを担う。あらゆる戦線に呼びかけ、とりわけ沖縄の闘いに連帯して、再び沖縄の地に反対同盟の旗を掲げて闘う年にしたい。
■3・27大結集を
われわれが提起した団結街道通行仮処分の審尋に、3人の証人を要求していたが、千葉地裁はこれを却下し、予定されていた日取りを取り消し、1月31日に終結すると通告してきた。
これは2月4日の東京高裁での現闘本部裁判控訴審の結審策動に連動する。1月と2月をとことん闘いぬいて、3・27全国総決起集会の大結集を実現しよう。
ですからもう休んでいる暇はありません!
裁判の日まで待つのではなく、明日からビラまき、情宣を開始しよう。NAAは昨年暮れに市東さんに対して切り回し道路への切り替えを1月冒頭から始めると通告してきた。われわれは断固として受けて立つ。現地攻防に勝ち抜くことで裁判闘争も勝利する。
その決戦のただ中での旗開きです。みなさんの全力決起を訴えます。
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週刊『前進』(2471号3面7)(2011/01/17 )
三里塚裁判傍聴を!
◎市東さん耕作権裁判
1月24日(月)午前10時30分 千葉地裁
◎現闘本部裁判控訴審
2月4日(金)午前11時 東京高裁
※傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合を
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週刊『前進』(2471号4面1)(2011/01/17 )
2011年、革共同の地方委員会は猛然と決起する〈上〉
プロレタリア世界革命へ巨大なチャンスが到来した 革共同関西地方委員会
プロレタリア世界革命の巨大なチャンスが到来した。
「11・23」情勢は、米帝による朝鮮侵略戦争への踏み切りであるとともに、世界戦争への後戻りのない突入である。しかし、この情勢は、1930年代や戦後革命期をもはるかに超える人類史上最大の革命期の到来である。世界大恐慌の深化と発展は資本主義の終わりを告げ知らせている。大恐慌と大失業・戦争をプロレタリア革命に転化することによって革命的に決着をつけよう。革命を目的意識的に準備する行動に猛然と決起しよう。
◇
その最大の攻防はJR全面外注化絶対阻止の決戦だ。JR外注化は、動労千葉解体と日本労働運動根絶を狙い、同時に国労を労働者支配の先兵へと仕立て上げる攻撃だ。国鉄闘争(勢力)を解体し、9割非正規職化社会へと突き進むものだ。しかし、労働者総体をたたき込むがゆえに、労働者が労働組合に結集して闘うならば、逆に壮大な決起を生み出していく。
日本の労働者階級はもはや黙ってはいない。体制内労組指導部を打ち倒して続々と決起してきている。今こそ外注化阻止決戦を全労働者の力で爆発させよう。
国鉄全国運動で大恐慌―大失業・戦争と対決する階級的労働運動への大決起をつくり出そう。
「11・23」情勢と直面した今、昨年6・13に立ち上げた国鉄全国運動の意義はますます偉大であることが分かる。6千万労働者階級が「4・9」反革命に対して踏みとどまり、「11・23」に対して「労働運動の力で恐慌と戦争を革命に転化しよう」と言い切れる拠点をつくり出した。
日本航空キャビンクルーユニオン(CCU)ストに対する日共スターリン主義の破壊攻撃は、戦後革命期における「2・1ゼネスト」破壊攻撃にも匹敵する大反革命だ。しかし、国鉄全国運動の存在と発展があれば、日共反革命を打倒して労働者は必ず決起する。
今こそ、3労組共闘を一層うち固め、国鉄全国運動を全国・全関西に拡大し、新自由主義と闘う労働運動を爆発的につくり出そう。
◇
4月統一地方選は大恐慌と戦争への突入下での選挙闘争として、労働者階級の圧倒的な団結と進撃をつくり出す闘いだ。八尾市議選を八尾北医療センター民営化・明け渡し阻止、八尾市800事業民営化阻止・道州制粉砕、新成長戦略粉砕、JR外注化阻止・非正規職化粉砕を掲げて闘おう。
八尾市議選はすでに、末光道正さんを先頭にして八尾北労組の階級的団結を基礎とした民営化阻止・非正規職化粉砕として闘われている。八尾北労組は、八尾北医療センターの完全民営化=明け渡し・廃止攻撃と対決し、日々勝利している。部落解放同盟全国連西郡支部は住宅民営化=明け渡し攻撃と対決し、すべての労働者階級の先頭で分断攻撃をはねのけて闘いぬいている。
今日、資本は部落差別をはじめとした社会的差別を階級分断のテコとして新自由主義攻撃を激化させている。大阪市の斎場労働者に対する解雇攻撃など、「部落解放運動・現業労働運動=腐敗」という大攻撃を繰り出して、労働者階級内部における分断と屈服を狙っている。
八尾市議選は労働組合―ソビエトの革命性、可能性をかけた挑戦だ。必ず勝利する。
◇
昨年12月、前進社関西支社をついに再建した。「党の革命」以来4年、塩川派脱落以来3年、文字通り関西地方委員会大飛躍の時だった。「4・9」―「11・23」についに間に合ったと言い切ることができる。関西支社新社屋建設の勝利をばねに党勢2倍化の先頭で闘う。
プロレタリア革命の前夜情勢を実際の革命に転化するためには、労働者階級は革命に勝利する綱領と路線をもった党を形成しなければならない。外注化決戦―労働組合をめぐる党派闘争に全面的に突入し、圧倒的に党を拡大しよう。関西地方委員会はその先頭に立って闘う。
帝国主義支配のアキレス腱を革命の拠点へと転化する 革共同沖縄県委員会
沖縄県委員会からの年頭のアピールを送ります。まず冒頭に、昨年9月の沖縄統一地方選挙での宮城盛光さんの北中城村議7選勝利に対する全国の闘う同志と仲間の皆さんからのご支援に心から御礼を申し上げます。
◇
この選挙戦の結果が示したように、昨年1年間の闘いは「4・9反革命」との相互絶滅戦的死闘として闘われ、さらに11・23をもって開始された帝国主義による朝鮮侵略戦争との闘いとして闘われた。既成のすべての勢力が「大恐慌と大失業・戦争の時代」において祖国擁護派へと転落し、労働者階級の利害を資本家階級に売り渡した。このような中でわれわれの闘いは、動労千葉労働運動に学んで階級的労働運動を復権する激戦激闘の1年だった。同時に『綱領草案』をもって革共同が反スターリン主義・革命的共産主義運動の半世紀の歴史の地平の上にプロレタリア世界革命の思想をよみがえらせた1年であった。
2011年は階級的労働運動と革命的共産主義運動の勝利に向けた歴史的な決戦の年である。その決定的な柱は国鉄1047名解雇撤回・JR全面外注化絶対阻止の国鉄決戦だ。動労千葉の闘いと固く連帯し、国鉄全国運動の爆発で、国労の解体・連合化へと突き進む国労本部を打倒して、闘う国労の旗を日本プロレタリアートの手に取り戻そう。ここに21世紀の日本と全世界の労働運動と階級闘争の一切がかかっている。動労千葉(動労総連合)の組合員、闘う国労の組合員、そして何よりもJR体制下で決起を開始した平成採の青年労働者と固く連帯して、沖縄県委員会は2011年国鉄決戦を全力で闘いぬく決意である。
◇
この国鉄決戦の勝利的貫徹こそが沖縄の労働運動と階級闘争を切り開いていく。昨年の県知事選の結果は、体制内のあらゆる勢力が沖縄の労働者階級人民に何の展望も指し示せないことを明らかにした。戦後沖縄の「革新共闘」は最後的に崩壊した。だからこそ沖縄の労働運動の階級的再生と発展が求められている。
国鉄決戦と安保・沖縄決戦は二つにして一つの闘いである。今年は国鉄決戦の年であると同時に沖縄決戦=安保・沖縄決戦の年だ。
菅民主党・連合政権は、沖縄を米帝(米日帝)の朝鮮侵略戦争・中国侵略戦争の軍事要塞・最前線基地とする決断をしている。
地元紙の新年号で北沢防衛相、前原外相は何と言っているのか? 「『米軍再編』で米軍がグアムに移転するから沖縄の自衛隊の強化を」(北沢)、「辺野古移設が進まなければ普天間基地の継続使用」(前原)。これが菅政権が進めようとしていることだ。沖縄を帝国主義の侵略戦争の軍事要塞と化して、一切の矛盾と犠牲を沖縄に押しつけ続けようとしている。昨年の日米共同演習はそのことを衝撃的に突きつけるものだった。ホワイトビーチ沖を埋め尽くす艦船の影。公道をわが物顔で移動するPAC3を始めとする軍用車両の列。嘉手納基地や普天間基地での軍用機やヘリの激しい演習で、学校の授業や試験は中断を余儀なくされた。「軍事一色の島『異様』」(地元紙)――このことへの怒りが渦巻いている。
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日米安保体制の矛盾の集中点とは、実は帝国主義の世界支配の最大のアキレス腱(けん)であるということだ。帝国主義の対北朝鮮・中国の侵略戦争の最前線基地である沖縄こそ、帝国主義を打倒する全世界の労働者階級人民の闘いの拠点=革命の火薬庫にほかならない。今こそこの革命の火薬庫に火を放ち、全世界の労働者階級人民の怒りの炎で帝国主義を焼き尽くせ! この闘いの先陣を切る栄誉を沖縄の労働者階級が断固として担い抜こう。
さらに沖縄闘争と三里塚闘争の連帯は日本階級闘争のかけがえのない財産である。沖縄県委員会は反対同盟と連帯して闘いぬく。この闘いの中で全証拠の開示をかちとり、星野文昭同志の奪還を実現しよう!
闘いの旗印は「国鉄1047名解雇撤回・外注化阻止」「米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」だ。基地労働者を先頭に、NTT・自治労・教労・全逓、そしてすべての労働者が団結して闘いに立ち上がろう。今こそ動労千葉派・革命派の不抜の拠点職場をあらゆる職場と地域に無数につくり出そう。体制内指導部を打倒して、闘う労働運動を復権しよう。この先頭に青年労働者は沖縄の未来を賭けて立ち上がろう。反帝国主義・反スターリン主義世界革命の勝利へ、沖縄の闘う青年労働者と学生は革共同沖縄県委員会に結集してともに闘おう!
マルクス主義の根本思想で労働者の多数を獲得しよう 革共同中四国地方委員会
2011年、大恐慌―大失業・戦争を世界革命に転化する巨大な階級決戦の幕が開けた。日本帝国主義支配階級は年頭から「閉塞(へいそく)感を打破せよ」と絶叫している。この「閉塞」とは何か。まさに資本主義体制そのものである。労働者階級だけが、大恐慌―大失業・戦争の破滅しかもたらさないこの資本主義体制の「閉塞」を爆破し、人類史の前史に終止符を打ち、階級を廃止した後史=本史を開くことができる。
「ブルジョア制度は全世界で最大の革命的危機にある。革命的党は、この危機を利用して革命を成功させ、勝利させるにたる自覚、組織、被搾取大衆との結びつき、決意、能力をもっていることを、いまやその実践によって『証明』しなければならない」(レーニン、1920年コミンテルン第2回大会)。この実践的「証明」を国鉄全国運動の本格的発展、闘う労働組合と党の一体的建設をもって成し遂げよう!
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われわれは動労千葉の決起を先頭に4・9反革命の歴史的試練に真っ向から立ち向かい、2010年11月の地平を切り開いた。JALの解雇強行、公務員360万人大量首切り――まさに大失業攻撃がこれから本格化する中で国鉄1047名解雇撤回闘争を全労働者階級の心棒、結集軸として守り抜いたことは実に決定的なのだ。
国鉄全国運動の組織化は労働組合に革命的権力を打ち立てる闘いだ。それは労働者細胞建設、党建設と一体である。われわれが国鉄決戦を軸に推進している階級的労働運動路線こそ、権力奪取、プロレタリア独裁樹立に必要なもの一切をつくり出す唯一の道だ。これこそ動労千葉との団結と中野洋同志の指導を通して、革共同が綱領草案の核心にすえきった「労働者階級の解放は、労働者自身の事業である」というマルクス主義の根本思想を貫くものだ。
帝国主義侵略戦争の内乱への転化、労働者の武装、資本家なしでの生産と社会の組織化――これらをどう実現するのか、本気で考えたことのない者たちが、労働組合をめぐる体制内指導部との死闘から、労働者の多数を獲得する闘いの困難さから逃亡していった。だが、われわれは革命を根本的に準備するために労働組合をよみがえらせ、奪還し、労働者を組織し、組織し、組織する。
何よりも国鉄での組織化だ。昨年、不当解雇された動労西日本の山田和広副委員長を先頭に、解雇撤回・外注化阻止、契約社員制度廃止・非正規職撤廃を掲げ、平成採、契約社員、外注会社の青年労働者の団結を組織する。国労共闘・米子は、動労千葉の外注化阻止決戦と固く団結し、「共に闘う国労の会」を組織する。
8・6反戦闘争参加による不当処分撤回の闘いで、反動広島県教委と人事委員会を追い詰めてきた広教組・高教組の教育労働者は、職場の団結を取り戻し〈11・23>情勢下での「日の丸・君が代」闘争の新たな発展を切り開く。
国鉄全国運動の先頭に立ち、社保庁解雇撤回、公務員大量首切り粉砕へ決起する中四国の自治体労働者、労働組合の闘いこそ、「第二、第三の動労千葉」の展望を切り開くものだ。全逓戦線は、民営化の破産をさらなる大合理化・外注化でのりきろうとする郵政当局とその手先・JP労組本部への怒りを爆発させ、拠点建設へ圧倒的前進をかちとる。NTTを始めとする民間、医療・福祉、合同一般労組は、大失業と非正規職化の攻撃と闘う膨大な青年労働者の階級的団結を組織化する最前線だ。
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大恐慌の爆発と資本主義の崩壊のもと、侵略戦争、世界戦争・核戦争は不可避だ。米帝の朝鮮侵略戦争突入情勢下、8・6反戦反核闘争はいよいよ決定的だ。国鉄全国運動勢力を中心とする8・6ヒロシマの闘いは、「第2インターナショナルの崩壊」情勢を突き破り、帝国主義の戦争・核戦争に反対する被爆者・全世界労働者階級人民の巨大な陣形をつくり出す展望をもっている。
革共同中四国地方委員会は、これら一切の闘いを星野文昭同志と心をひとつに闘う。マル青労同、マル学同1千人建設、党勢2倍化を実現し、プロレタリア世界革命実現への第1年を切り開く。
労働者党員の新議長を軸に国鉄全国運動を力強く推進 革共同九州地方委員会
2011年こそ、「侵略を内乱へ」の旗のもと、4・9反革命、11・23情勢と対決し、国鉄全国運動を軸に動労千葉型労働運動を推し進め、それを基礎にした階級的労働運動を力強く推し進める。闘う労働組合をよみがえらせ、労働者階級の党を建設する闘いの飛躍的の年とする決意である。
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2010年は九州地方委員会の飛躍の土台を築く年であった。革共同九州地方委員会は昨年、労働者党員を新議長にした地方委員会をつくりあげ、そのもとで国鉄決戦を軸に運動的組織的前進を闘いとってきた。「労働者が党の指導部になるなど考えられない」と弱々しくつぶやいていた平田派を打倒し、のりこえる党建設の画期的地平を闘い取ったのである。
そのもとで九州地方委員会は、4・9「政治和解」という国鉄闘争の一大転換点を攻勢的に迎え撃って決起した。動労千葉の呼びかけ、羽廣憲さん、石崎義徳さんら国労闘争団の和解拒否の決起に導かれながら、4・9反革命との闘いに組織をあげて総決起していった。6・13国鉄闘争全国運動のスタートに呼応し、1047名当該を先頭に、心ある労組活動家、学者、弁護士の呼びかけで「国鉄全国運動・九州」を立ち上げ、11月労働者集会の先頭で闘いぬいた。
4・9国鉄「政治和解」攻撃とは、1047名解雇撤回闘争を葬り去り、動労千葉を先頭にした国鉄労働運動を最後的に解体する大反革命攻撃であった。日本労働運動の基軸であった国鉄闘争を最後的に解体し、闘う労働運動を体制内勢力にからめ取り、戦争と大失業の攻撃を一気に強める大反革命であった。11・23朝鮮侵略戦争開始情勢との関係で言えば、戦争前夜の労働運動壊滅攻撃であった。
われわれは4・9反革命と対決し、これを突きぬけ、全国の闘う労働者とともに、新自由主義と対決する新たな労働運動の創造へ歴史的第一歩を踏み出した。国鉄全国運動を軸に、腐りきった連合支配を切り裂き、日本労働運動再生の突撃路を開いたのだ。
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われわれの目の前に広がる世界は革命情勢だ。果てしなく進む大恐慌情勢は昨年の「11・23」をもって分水嶺を越えた。侵略戦争に訴えても延命しようとする資本主義・帝国主義を打ち倒す絶好の機会が来たのだ。まさに革命が希求されている。2011年は「侵略を内乱へ」の旗のもと、革命を目的意識的に準備していく革命的行動を開始する決戦の年だ。
このとき必要なものは何か。それは、いよいよ革命の時代が来たという鮮明な時代認識と路線である。「われわれこそが時代を変える主役である」という燃えるような主流派精神である。それに基づく階級的革命的実践である。それを何よりも労働組合運動、さらに革命党建設でこそ示しきらなければならない。
九州地方委員会は2011年、国鉄全国運動を職場実践の中心にすえ、職場と地域に拠点をつくりあげる。その先頭に青年労働者が必ず立って闘う。
国鉄決戦は今年が最大の正念場だ。動労千葉を先頭にJR検修全面外注化阻止の闘いがすでに火を噴いているが、この闘いこそ外注化、賃下げ、労働強化、首切りが吹き荒れるJRにおいて労働運動の大再編をつくり出す闘いになる。また闘争団を切り捨て連合への流れ解散を策す国労情勢も超重大情勢に突入する。われわれは、動労千葉、動労総連合、国労共闘を先頭に闘い、JRに革命的拠点を打ち立て、権力奪取の本格的挑戦をここから開始しよう。
さらに公務員制度改革360万人首切り攻撃、民営化・非正規化への怒り、戦争への危機感と三里塚、沖縄の怒りもいよいよ高まっていく。これらの怒りと決起にしっかりと応えていく。
まさに2011年決戦の基調こそ内乱の開始である。
当面、6・5国鉄全国運動結成1周年集会の大高揚をみすえ、2・27久留米国鉄集会の成功に全力をあげて闘う。ここで今ひとつ決定的な地平を打ち立て、6・5全国集会を頂点に、3月朝鮮侵略戦争阻止の反戦全国集会、4−5月沖縄闘争、そして8・6−8・9反戦反核闘争へ突き進んでいく。全国の同志諸君! わが九州地方委員会とともに勝利の2011年決戦を進撃しよう!
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週刊『前進』(2471号4面2)(2011/01/17 )
2010年 12月22日〜31日
韓国軍が大規模合同訓練/警視庁、公安情報の流出認める
●関電、プルサーマル起動 関西電力は、同社初のプルサーマル発電となる高浜原発3号機(福井県高浜町)の原子炉を起動した。国内のプルサーマルは九州、四国、東京の各電力に続き4社目。(22日)
●高江ヘリパッド、工事再開 米軍北部訓練場の一部返還に伴う沖縄県東村高江へのヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)移設で、沖縄防衛局は、2月から中断していた工事を10カ月ぶりに再開した。防衛局は、現場で座り込みを続ける住民がいない午前6時半前に作業を開始。住民らが駆けつけ中止を求めたが続行された。(22日)
●比謝川にジェット燃料流出 沖縄防衛局によると、沖縄市や嘉手納町などにまたがる嘉手納弾薬庫地区で米軍のジェット燃料約151g(ドラム缶1本の約4分の3)が漏出し、うち約38gが比謝川に流出した。比謝川は本島中南部に水を供給している。米軍は、ジェット燃料が入った装備品をカートに載せ移動する際、装備品を誤って排水溝に落下させたと説明。(22日)
●韓国軍が大規模実弾訓練 韓国陸軍は、南北非武装地帯に近い同国北部の京畿道抱川市の射爆場で空軍との大規模合同実弾訓練を実施した。韓国国防省によると、訓練には兵士約800人が参加し、F15戦闘機やF16戦闘機も加わった。(23日)
●高江ヘリパッド、米軍ヘリ接近 東村高江へのヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設に反対し、住民らが座り込むテントの真上で米軍ヘリが約1分間ホバリング(空中静止)し、テントの鉄製の足が曲がり、椅子1脚が約40b吹き飛ばされるなどの被害が出た。けが人はなかった。(23日)
●警視庁、流出を認める 個人情報を含む「国際テロ」関係情報がインターネット上に流出した事件で、警視庁が「警察職員が取り扱った蓋然(がいぜん)性が高い情報が含まれていると認められた」との見解を発表し、警視庁公安部外事3課など警察の内部文書であることを事実上認めた。(24日)
●たちあがれ日本、連立拒否 たちあがれ日本が党本部で全議員総会を開き、菅首相から打診された連立政権参加に応じない方針を決めた。与謝野共同代表は連立入りを主張したが、党の存在意義が失われるなどとする慎重論が上回った。(27日)
●8500人が裁判員、辞退52% 全国60地裁で10年に実施された裁判員裁判は1422件(被告は1499人)で8500人を超える有権者が裁判員を経験したことが分かった。裁判員の辞退率(10月末現在の最高裁集計)は昨年をわずかに下回る51・8%だった。判決は無罪が2人で有罪率99・9%。3人に死刑が言い渡され、無期懲役は34人。(29日)
●F15訓練、一部グアムへ 沖縄県の米軍嘉手納基地に所属するF15戦闘機の訓練の一部について、米領グアムに移転することで日米両政府が合意した。嘉手納基地から国内の自衛隊基地へ振り分けてきたF15の訓練移転先に国外を加える構想。北沢防衛相が菅首相や関係閣僚に説明した。(31日)
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週刊『前進』(2471号5面1)(2011/01/17 )
米日韓軍事体制が急進展
日米安保強化と参戦狙う 民主党菅政権
朝鮮侵略戦争を労働者の内乱へ
世界大恐慌の深まりを画期として世界経済のブロック化と帝国主義的争闘戦が進展し、圧倒的な軍事力とドル基軸通貨体制に支えられてきた米帝の世界支配力の相対的な後退が顕著となる中で、昨年来、米帝はついに朝鮮侵略戦争への歴史的踏み切りを含む対中国スターリン主義の対峙・対決政策に踏み切った。11・23に発生した北朝鮮と韓国の砲撃戦は、そうした米帝による朝鮮・中国侵略戦争の実戦段階への突入そのものである。日帝・菅政権がこの朝鮮侵略戦争への事実上の参戦体制に急激に移行している現実を徹底的に暴露し弾劾しなければならない。朝鮮侵略戦争に向かう米帝および日帝の昨年来の動向をあらためて直視しよう。
「北」海岸線から15キロの至近で挑発した米韓軍
昨年来、新興大国として台頭する中国スターリン主義と米帝の軍事対立が、とりわけ東アジアの制海権をめぐってエスカレートしていることが連日報道されている。そして北朝鮮スターリン主義の体制崩壊の危機の中で、米帝が軍事介入(軍事的転覆)の意図を明確にしたことが朝鮮・中国情勢を一気に緊張させた。11・23砲撃戦の引き金を引いたのは紛れもなく米帝(米日帝)なのである。昨年春からの具体的な経緯を見よう。
昨年春、朝鮮危機を一気に激化させたのは、3月26日の韓国海軍の哨戒艦「天安」沈没事件だった。この事件は一方的に北朝鮮の仕業と断定され、国連安保理による北朝鮮非難声明が全会一致で採択された。この種の事件の真相は常に不明だが、明白な事実は、事件当日を挟んで大規模な米韓合同軍事演習「キー・リゾルフ」「フォールイーグル」が事件が起きた海域を含む韓国全域で行われていたことだ。
この合同演習はマスコミではほとんど報道されなかったが、沈没した「天安」が展開していたペンニョン島近くの海域は、11・23砲撃戦が起きた延坪島(ヨンピョンド)よりもさらに北方の38度線付近で、北朝鮮の首都ピョンヤンまでわずか140`の地点だ。ペンニョン島と北朝鮮の海岸との距離はわずか15`である。
仮に三浦半島沖15`の地点で「敵軍」が大規模軍事演習を行えば何が起きるかを想像すればわかるが、米韓演習は「挑発」の域を超えた侵略戦争行為そのものなのだ。
(写真 演習で米海軍の補給艦から給油を受ける自衛艦。後方は米の強襲揚陸艦【12月5日 沖縄近海】)
自衛隊がオブザーバーで米韓軍事演習に参加
この事件を皮切りに米帝はすさまじい軍事挑発をエスカレートさせた。まず7月と8月に連続して強行された米韓合同演習である。朝鮮半島を取り囲むように日本海と黄海の両方で強行されたこの演習には、米海軍最強の原子力空母ジョージ・ワシントンを含む艦艇数十隻以上、航空機約200機以上が参加し、8月の演習に至っては米韓両軍あわせて8万人を超える部隊が展開する空前の演習となった。岩国基地所属の米海兵隊の航空機は異例の全部隊参加となった。米軍当局は「この演習は今後、数カ月にわたる同様の演習の一環だ」と公言した。
そして決定的なことに、この大規模演習に日帝・海上自衛隊が「オブザーバー」と称して初参加した。沖縄をはじめとして横須賀や佐世保、相模原などの在日米軍基地がフル稼働したことは言うまでもない。日帝の朝鮮侵略戦争参戦という事態がすでに事実として進行しているのだ。
米帝(米日帝)によるこのすさまじい戦争挑発のただ中で、あの「釣魚台(尖閣列島)事件」も起きた。東中国海や南中国海での米中の軍事的緊張が限りなく高まっていることを完全に承知で、日帝・菅政権はこれまでの慣例を破って中国漁船の船長逮捕・勾留に踏み切ったのである。
そして11月23日の延坪島における砲撃戦だ。これもほとんど報道されなかったが、事件の当日、韓国軍は黄海の北朝鮮に迫る海域で大規模な実弾射撃演習を強行していた。砲撃戦を仕掛けたのは、強大な米軍事力を背景にした米韓連合軍の側なのだ。そしてこの砲撃戦を受けて、米軍は待ち構えていたかのように、年末年始をかけて再度の米韓および日米の大規模合同演習を日本海と黄海で再開したのである。
米帝はこの演習でついに原子力空母艦隊を中国海軍の本拠地の目と鼻の先の黄海に進入させた。そして12月3日〜10日の日米合同演習では本格的な「尖閣奪回作戦」演習も強行された(本紙2468号参照)。後者は非公開となったが、佐世保基地を母港とする米海軍強襲揚陸艦エセックスを中心とした第7遠征打撃群が集結し、日米の陸海空3軍によるきわめて実戦的な統合演習となった。
日韓間で物品・役務や軍情報の融通・交換へ
日帝・菅政権の日米安保強化と軍事政策での踏み込みは、空前の政治危機とは裏腹に決定的にエスカレートしている。
12月17日、菅政権は「新防衛大綱」と23兆円にのぼる中期防(11〜15年度)を決定した。ここで「基盤的防衛力」という戦後憲法下でのペテン的な立場をついに転換し、中国の軍事的台頭を名指しにして「動的防衛力」と称する「脅威対抗型の軍事力」の整備に移行すると表明した。防衛省内では「憲法9条と日米安保条約との矛盾を解消するもの」と強弁されている。
そしてこうした動きと並行して12月8日、米軍制服組のトップであるマレン統合参謀本部議長がソウルで記者会見し、「米韓軍事演習に日本の自衛隊の参加を希望する」と公然と要求。菅政権はこれにただちに反応し、前原外相が1月3日、韓国紙に「北朝鮮の武力挑発に備え、日韓安保同盟を希望する」という談話を発表した。
さらに1月6日、前原訪米によるクリントン米国務長官との会談で「日本有事や周辺事態での自衛隊と米軍の円滑な連携を加速させる」「春の菅首相訪米で日米の新戦略目標を策定する」ことで一致したと発表された。また北沢防衛相は、「朝鮮半島有事を想定」し、周辺事態法を改定する方針を発表した。米軍への弾薬の直接補給や、自衛隊が戦域に進入することの制約を取り払うことなどが想定されている。
さらに訪韓した北沢防衛相は10日、韓国国防相との会談で、自衛隊と韓国軍が食料や輸送作業を融通し合う物品役務相互提供協定(ACSA)の締結へ協議入りすることで合意したと発表。また軍事秘密情報を交換する時の規則を定める日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)も、締結に向けて正式に協議入りすることを公表した。韓国内では、こうした日帝・自衛隊との軍事同盟締結への動きに対する労働者人民の激しい怒りの声が上がっている。
そしてたたみかけるようにゲーツ米国防長官が来日、1月13日の菅首相および北沢防衛相との会談で「日米の共通戦略目標の見直し作業を加速」「普天間移設の日米合意の実施」「日米韓の軍事的連携」を強く確認した。昨年来の日米合同演習もなお続いている。米海軍は1月10日、原子力空母カールビンソンが海上自衛隊の護衛艦と長崎県の五島列島沖の東中国海で強行中の演習の一部を公開し、「実戦突入」をあおり立てている。
事態は矢継ぎ早である。敗戦帝国主義国としての日帝のさまざまな制約(最大の制約が階級的労働運動の存在だ)との決定的な緊張をはらみつつ、日米帝国主義の朝鮮侵略戦争態勢は完全に実戦発動モードに移行しつつある。国鉄決戦を先頭とする階級的労働運動を基軸に、米日帝国主義の朝鮮侵略戦争を革命的内乱に転化し闘おう! 階級支配の危機を排外主義と侵略戦争に転化する日帝・菅政権を打倒せよ!
〔森田幸三〕
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週刊『前進』(2471号5面2)(2011/01/17 )
法大包囲デモ 「禁酒」に怒りの反乱
“処分阻止” 1年生が決起
1月13日、法政大学文化連盟と全学連の主催で「全面禁酒粉砕! 倉岡さんへの処分阻止! 戦争反対! 『お願い』ではなく反乱を!」を掲げて新年1発目の法大包囲デモを打ち抜きました。
デモに先だって、次々と学生が熱烈にアピール。「結局こいつら金もうけなんだ。そのためにおれたち学生の未来が踏みにじられている。学生は反乱を開始しよう!」(文化連盟委員長・斎藤郁真)。「昨日、人間環境学部教授会が行われた。しかしそこでもまた、私への処分は議題に上らなかった。『授業準備妨害』看板ももう出すことができなくなっている。学生は勝てる!」(人間環境学部3年・倉岡雅美さん)。「今の時代、中途半端なものが通用しなくなっている。だから闘う私たちは過激派でなければいけない」(上智大生)。「戦争の時代だ。危機の時代であるからこそ、それはチャンスの時代だ。私たち学生が社会を動かす時代が来た!」(全学連委員長代行・坂野陽平君)。
そしてついに法大の1年生が法大当局の前に姿を見せて発言。「学生が一生懸命、交渉で『お願い』をしてきたのに、法政大学はそれを全部無視してキャンパス全面禁酒を決定した。しかもこのルールはおかしい。大学が指定する業者の酒を1万円以上買うならOKだということだ。『飲酒が危険』だといってこのルールを作ったのに、結局『カネを払え』ということしかいっていない。法政大学は学生のことなんか考えていない。『お願い』は破産しました。あとは反乱しかありません!」。とうとうと語る力強いアピールにその場のムードは大高揚。最後に文化連盟委員長の斎藤が「増田総長に激しく『あけましておめでとうございます』と『今年もよろしくお願いします』をたたきつけてやろう!」と呼びかけてデモに出発しました。
法大1年生の新たな決起に公安警察も法大当局も終始憔悴(しょうすい)した顔をしていた中、市ケ谷の街を力強くデモ行進。「お願いではなく反乱を!」「学生は反乱に立ち上がろう!」「教育の民営化粉砕!」の声がアンニュイな昼下がりの街頭を席巻しました! 街頭の注目も熱く、勝利感にあふれてデモを貫徹しました。
闘う法大生はこの間、押しに押しまくっています。12月22日には、それまでの交渉を無視した突然の全面禁酒に学生の怒りが爆発し、デモの前日には私たちに話しかけてきて「こんな大学も社会も爆破したほうがいい」と訴える学生まで現れています。
法大闘争は、勝利への展望が大きく見え始めています。絶対に倉岡さんへの処分を阻止しよう!
(投稿/法大文化連盟委員長・斎藤郁真)
(写真 「さあ総長室に進撃だ!」【1月13日 法政大学九段校舎前】)
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週刊『前進』(2471号5面3)(2011/01/17 )
法大裁判に集まろう!
★5・28暴行デッチあげ裁判(最終弁論)
第7回公判 1月26日(水)午後1時30分
東京地裁429号法廷
12時30分に傍聴券配布所に集合
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週刊『前進』(2471号5面4)(2011/01/17 )
“整理解雇撤回せよ”
12・24-25有楽町で大街宣
全学連がJAL労働者と連帯
12月24、25日の両日、日本航空の202人整理解雇攻撃に反対して闘う日本航空キャビンクルーユニオン(CCU)、日本航空乗員組合、航空労組連絡会が東京・有楽町マリオン前で街頭宣伝行動を行った。24日は200人以上、25日は約150人が参加、客室乗務員やパイロットの制服を着た当該2労組の組合を先頭に支援を含めた大街頭宣伝行動は、有楽町を完全に席巻した。CCU組合員を始め当該はみな不当な解雇通告に激しく怒っており、闘う意欲は十分、みな元気だ。全学連、労組交流センター、なんぶユニオン、東部ユニオンなども合流し、ともに闘った。
25日、街頭宣伝が始まる前に全学連がCCUにあいさつした。解雇撤回要請署名数十筆と檄布を手渡し、大歓迎された。CCU組合員が次々に集まってくる。檄布を見て「字が若い!」と大受けだ。一緒に並んで記念撮影も。檄布は受付簿や署名簿が置かれた机の前に垂らされた。CCUの闘いを紹介した法大のビラを渡し、法大での学生運動大弾圧の現実を知らせると、CCU組合員たちは一様に驚きと怒りを表した。「それはひどい」「戦前に戻ったみたい」「私たちも一緒に法政大学に抗議に行きたい。ぜひ呼んでください」など共感を示し、ともに闘いたいという申し出もなされた。資本・当局の不当な攻撃を受け、それを跳ね返して闘う者同士が一瞬にして分かり合った瞬間だった。全学連は初対面のCCU組合員との連帯、きずなをわずか数分にしてかちとった。
寒風の吹きすさぶ中、1時間にわたって解雇撤回を求める署名運動とビラまきを行った。締めくくりとして内田妙子CCU委員長が演説した。「30年、40年と安全運航のためにまじめに働いてきた労働者を(年齢・病休を理由に)解雇するなんて許せない。日本航空の破綻は労働者には一切責任がない。労働者の首を切り、労働者だけに犠牲を強いる日本航空は再建などできない。安全運航の確保もできない。31日に解雇を撤回させて新年を明るく迎えたい」
行動が終わっても興奮が冷めず、交歓が続いた。全学連とCCU、乗員組合の組合員が数十人で肩を組み、跳びはね、もう一度「団結してがんばろう」を三唱した。CCU、乗員組合の組合員たちは、支援行動に立ち上がった全学連を大歓迎し、若者への強い期待を表した。「おじさんもがんばる」と決意を明らかにするベテラン機長とも交流した。不当解雇撤回へ闘う日航CCU、乗員組合と連帯して闘おう。
(写真 全学連が手渡しした解雇撤回署名と檄布にCCU組合員は大歓迎で応えた【12月25日 有楽町】)
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週刊『前進』(2471号5面5)(2011/01/17 )
菅支持しTPP参加要求
財界年頭会見の超反動性
日帝財界トップが年頭一斉に、内への階級戦争と外への侵略戦争を一層激化させる発言を行った。
1日付の商業新聞各紙は日本経団連の米倉弘昌会長のインタビュー記事を載せた。米倉は2011年を「平成改革に向けて第一歩を踏み出す年」とし、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)早期参加を政府に要請、「長期政権になってもらわないと日本は沈没する」と菅政権全面支持を表明した(朝日新聞)。またTPP参加のために農業の規制緩和、農業改革の推進を求めた(読売新聞)。他方「賃金への配分総額1%引き上げ」という11春闘での連合の裏切り的屈服的要求さえ「経営実態を無視している」と突っぱねた(毎日新聞)。
さらに「安定的な社会保障の基礎をつくるには消費税を早期に10%、ゆくゆくは欧米各国並み(15〜20%)に引き上げるべきだ」と述べた(日本経済新聞)。しかも12月16日に閣議決定された税制改正大綱での法人税の実効税率5%引き下げに飽き足らず、「さらに引き下げを求める声が強い」と言い放ち(同)、「消費税を含む税制、財政、社会保障(低負担から中負担へ)の一体的改革」を求めた(産経新聞)。そしてアジアの連携強化が「一番重要だ」(同)とアジア勢力圏化への野望をあらわにした。
5日には日本経団連の米倉会長、経済同友会の桜井正光代表幹事、日本商工会議所の岡村正会頭の経済3団体トップが合同記者会見を行い、政府にTPP参加への「決断」を強く迫った。「今年は『開国元年』とするべきだ」(米倉)。「躊躇(ちゅうちょ)していると大変なことになる」(桜井)。「地域統合は世界の潮流。参加しなければ日本は世界の孤児になる」(岡村)。また財政、税制と社会保障の一体的改革を求めた。これは消費大増税ということだ。経済の見通しについては「今年後半からの回復」と希望的観測を語りつつ、円高に関して「一段と懸念材料になる」(米倉)、「大幅な円安は期待できない」(岡村)と危機感を表した。
これに先立ち、経済3団体の祝賀パーティーで菅首相は、自身の1日の年頭所感、4日の年頭記者会見をふまえ「第三の開国」と銘打つTPP参加、日米同盟強化、消費大増税、社会保障解体、普天間飛行場県内移設=辺野古新基地建設強行を表明した。菅は完全に財界の先兵として動いている。
11日には経済同友会が「2020年の日本創生」と題した提言を発表、消費税17%(17年)、地域主権型道州制(18年)、TPP参加表明(11年)、国会改革などの具体的プログラムを打ち出した。
日帝ブルジョアジーと菅内閣が一体となって労働者・農民に襲いかかってきている。TPP参加、農業破壊、消費大増税、企業減税、規制緩和、民営化・外注化、賃下げ・非正規職化、アジア侵略と戦争、社会保障制度解体、春闘解体・労組破壊など、一大階級戦争の始まりだ。世界大恐慌の深まりと帝国主義間・大国間争闘戦、ブロック化、朝鮮侵略戦争切迫、財政破綻の中で絶望的に凶暴化している。国鉄決戦を軸に菅政権を打倒し、大恐慌をプロレタリア革命に転化するために闘おう。
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週刊『前進』(2471号5面6)(2011/01/17 )
消費増税と法人減税狙う
財政破綻示す政府予算案
菅政権が決定した2011年度政府予算案は、日本帝国主義のすさまじい危機をまざまざと示している。一般会計予算は92兆4116億円で、過去最大に膨らんだ。そのうち、新規国債発行でまかなわれるのは44兆2980億円、税収の見積もりの40兆9270円を上回った。税収を上回る国債発行という異常な事態は、昨年度予算に続き2年連続となった。
このため11年度末の国債発行残高は668兆円に膨らむ見通しだ。国と地方の長期債務残高は11年度末には891兆円に達し、政府の見通しでもそのGDP比は184%になる。IMF(国際通貨基金)の試算では、日本の累積財政赤字は2015年度にGDPの250%にもなると言われている。財政の破綻があらわになったギリシャでさえ、10年度末の政府累積債務のGDP比は129%程度だ。日帝の財政危機はこれをはるかに超えている。
こうした中で、ブルジョアジーは消費税の大増税を一斉に叫び始めた。日本経団連会長の米倉弘昌は「新年メッセージ」で「新成長戦略を早期に実行するとともに、一刻も早く、消費税率の引き上げを含めた税・財政・社会保障制度の一体改革を断行せよ」とぶち上げた。経済同友会代表幹事の桜井正光も、年頭見解で「消費税の拡充の議論は避けて通れない」として、消費税率を17%に引き上げろと唱えている。商業新聞も軒並みこれに呼応して、「消費税率を引き上げる以外に、もはや財源確保の道がない」などと書き立てた。菅もまた、今年6月までに消費税増税について結論を出し、12年度から増税に踏み込む構えでいる。連合会長の古賀伸明も消費税増税を全面的に容認した。
だが国家財政をここまで破綻させたのはブルジョアジー自身にほかならない。財政破綻の原因は、74−75年恐慌以来、巨額の資本救済費が延々とつぎ込まれてきたことによる。とりわけ08年のリーマンショック以降、大恐慌下でそれは度を超えたものになった。
また、ブルジョアジーは「国際競争力強化」を叫んで法人税の大減税をごり押しした。11年度税制改定で、法人税の税率は30%から25・5%に引き下げられる。それでも法人税減税の規模がまだ小さすぎると叫んでいる。その上で労働者人民に対しては消費税の大増税を強行しろとわめいているのだ。しかし消費税増税が強行されたとしても、それは結局は法人税を始めとする資本減税の穴埋めに回される。「財政再建」など1ミリも進まない。財政危機は資本主義そのものの破綻の象徴なのだ。
菅政権がますます混乱・迷走する中で、菅は大資本の忠実な先兵となっている。だが、予算案の今年度内成立さえ危ぶまれている状況で、菅のもくろみがストレートに貫かれることなどあり得ない。
今や全世界で財政危機が爆発し、支配階級は「緊縮財政」を掲げて消費税(付加価値税)の大増税や社会保障の解体、公務員リストラに踏み込んでいる。だが、それに対して欧州を始め全世界で労働者階級のゼネストが繰り返したたきつけられている。帝国主義=資本主義は「支配する能力」を失ったのだ。プロレタリア世界革命だけが情勢を突破する道だ。
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週刊『前進』(2471号6面1)(2011/01/17 )
団結ひろば 投稿コーナー
全学連三里塚援農記
三里塚反対同盟の怒りを実感 人生をかける気になれる闘い 全学連委員長 織田陽介
三里塚反対同盟の怒りを実感 農業に慣れていない学生が援農に入り、どれだけの力になったかはおいておくとして、援農に入って初めて三里塚闘争とはどんな闘いかを実感する。デモの意味が浮かび上がってくる。
今回は萩原進さんの家におじゃまし、最初に東峰の森で肥料にする落ち葉を集めた。第2誘導路建設の際に伐採された東峰の森がどういう生活の場なのか。ひとつの作業をするたびに過去のデモの意味を確認し、怒りがわいてくる。
農業とは資本主義の矛盾が集中する産業であることも、あたらめて実感した。ひとつの家族が大きな機械や機材を所有し維持しなければならない。農家が赤字を背負って初めて農業が成り立っている。「大企業が農業なんてできるわけがない」と進さんが語った意味はよく分かる。これだけ必死に農業を支えてきて、農業の破壊や「強い農業」=企業化を語られ納得できるわけがない。
何より、これだけ大切につくっている農地を強奪するなど絶対に許せない。農地死守・実力闘争という言葉に込められた怒りの大きさをあらためて実感し獲得できるのが援農だと思う。
法律や機動隊を持った国家権力が、土地を奪うことができない。ここまで成田空港を破綻させてきた農民の激しい怒りがここにある。農業への誇り、戦争を止め、新しい社会を建設する動力がここにある。
三里塚闘争は気持ちのいい闘いだ。その歴史は一筋縄ではいかない大変なものだったが、国家権力と絶対反対で激突し、正義を貫いてきた。誰もがここで闘い、生きる意味を感じ、人生をかける気になれる闘いだ。闘う者同士、立ち向かっている課題も苦闘もすべて理解できる。学生運動の復権の道は三里塚闘争を真正面から闘うことにあると確信します。
「評価シート不提出」処分撤回へ裁判開始 埼玉 C
埼玉県立学校教職員2人が「自己評価シート不提出への処分は不当」と埼玉県を訴えた裁判が12月22日、さいたま地裁で始まりました。県外者も含め30人余りが傍聴席を埋め、関心の高さをうかがわせました。
冒頭、原告のNさんが「自己評価シート不提出は正しかったと確信している」、Yさんは「職務命令で教育をしないことが教師の使命だ」と、法廷を圧倒する陳述を展開しました。
裁判終了後、地裁近くの会場で約40人で報告集会を行いました。支援団体の代表の元教員が「2人が勇気ある第一歩を踏み出したことで、すごいと思っている教師が多い。これからが闘い」とあいさつ。弁護団からは人事委員会闘争以降の経過報告や裁判上の争点の説明がありました。
つづいて全国労組交流センター教労部会の仲間がアピールしました。「11・23で朝鮮侵略戦争も予想される状況下で、政権を批判した自衛隊幹部が文書注意で、Yさん、Nさんは減給処分。戦前の5・15クーデターの兵士嘆願と同時期の長野県教員赤化事件(教員138人逮捕)をほうふつさせる。業績評価をめぐる闘いは全労働者の闘い。評価に基づく国鉄、社保庁型の首切りとの闘いだ。『国鉄全国運動』と一体で闘うなら、社会のあり方を問う大きな闘いになる」
かけつけた教員や他産別の仲間の発言もあいつぎ、人事評価との闘いの出発点を築く闘いとなりました。
青年労働者を先頭に塩竈神社の初詣街宣 みやぎ連帯ユニオン 金子哲夫
みやぎの闘う労働者は1月1日、全国の仲間とともに郵便局への早朝チラシまきを行い、その勢いで11時〜13時、塩竈神社初詣街頭宣伝を貫徹しました。穏やかな日差しの中、本塩釜駅前に登場した私たち7人はのぼりを立て、ゼッケンをつけ、青年労働者がつくったチラシを配りながら、声を限りにマイクで訴えました。
「青年が非正規雇用で未来を描けない資本主義は終わっている。労働組合をよみがえらせ、資本主義を倒そう!」「11・23朝鮮半島での砲撃戦で朝鮮侵略戦争が始まった。戦争を労働者の国際的な団結で止めよう」「動労千葉を先頭に私たちはJRの検査・修繕業務の外注化を阻止した。職場で分断をのりこえ、仲間と労働組合をつくって、外注化を阻止し、非正規雇用をなくそう」
絶えることのない人の流れにどんどんチラシが吸い込まれていきます。参加者全員が代わる代わるアジテーションをしました。全金本山労組や東北石けん労組の仲間も解雇撤回闘争を誇りをもって押し出し、ともに闘おうと訴えました。
私たちの勢いに賛意を寄せる人、討論を求める人が現れ、『前進』が2部売れました。チラシは400枚まき、国鉄署名は5筆集まりました。「解雇撤回・首切り反対」で職場・地域の仲間と団結する2011年の第一歩を塩竈で踏み出せてよかったです。
国鉄全国運動を軸に団結の強化・拡大を実現するべく闘いましょう。
北小路氏逝去は残念 遺志をついで前進を K・O
『前進』2467号に北小路氏の逝去の見出しが目に入り、思わずタメ息が出ました。革命を志す人にとって死は常に隣り合わせなのですが、反革命カクマルとの戦争を戦い抜き、勝利し生き延びたのに、まことに残念しごくです。
ところで法大の反動営利主義ぶりを『前進』で読むたびに、いつの間にこうなったのか信じられないほどです。71年だったと思うのですが、ひょっとすると72年かも分からないですが、ヘルメットの三里塚援農部隊40人ほどが法大に集結し、飯田橋駅で機動隊の妨害を打ち破って援農を貫徹したことがありました。私もその中にいた一人です。
三里塚は私にとって特別な思い入れがあります。東京での学生生活を終え、田舎に帰ってからも、何回か現地闘争に参加しました。動労千葉が動労本部から分離独立する少し前、白ヘルに泣く泣く青テープを貼っていたのを今でも思い出します。
北小路さんの遺志をついで来年もさらに前進しましょう!(12月15日)
西村市議が元旦駅頭で国鉄闘争勝利訴え 神奈川 K
1月1日、神奈川労組交流センター、婦人民主クラブ全国協議会相模原支部、そして西村あやこ相模原市議は、小田急線相模大野駅前に旗を林立させ、駅前広場でビラまきと国鉄署名・百万署名の街宣に決起しました。
「日本航空の大みそか解雇を許さない」「国鉄闘争全国運動を発展させ闘う労働運動をよみがえらせよう」「JR外注化阻止」「非正規職を粉砕し青年労働者と団結しよう」「朝鮮侵略戦争反対」「基地の街・相模原から戦争反対の大きなうねりを」「政令指定都市は戦争へむけた臨戦態勢と現業の民営化、非正規職化だ」「相模原市議選必勝を」とマイクで次々と訴えました。とりわけ西村議員は二度にわたってマイクを取り、自ら国鉄闘争全国運動、労働運動の先頭に立って闘う決意を表明しました。
寒風を吹き飛ばす熱い訴えに、労働者がビラを受け取り署名に応じ、討論の輪が広がりました。
相模原に帰省中の私鉄で働く青年労働者は動労千葉への共感を、父親が元国鉄労働者の青年は国労の裏切りに対する怒りを、私鉄のバス労働者は国鉄分割・民営化絶対反対への共感を語り、元電機労働者は熱いエールを送ってきました。用意したビラはなくなり、80筆を超える署名と多くのカンパが集まりました。
街宣に先立ち、40人を超える神奈川の仲間は、県下30の郵便局に2千枚を超える元旦ビラをまききりました。
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週刊『前進』(2471号6面2)(2011/01/17 )
写真集『イサーン 目撃したバンコク解放区』を出版
報道カメラマン三留理男さんに聞く
新自由主義と闘うタイの“戦場”に密着
写真集『イサーン 目撃したバンコク解放区』(毎日新聞社)を昨年秋出版した報道カメラマンの三留理男(みとめ・ただお)さんにお話を伺った。三留さんは1960年安保闘争から70年安保・沖縄闘争、三里塚闘争に密着した報道写真を撮り、『叛逆の記録』や『燃える北総台地』(08年に『三里塚 成田闘争の記録』として復刻)などの写真集を発行してきた。(高田隆志)
バリケードの中から
昨年3月から2カ月間にわたって、タイのバンコク中心部を占拠して闘った、反独裁民主戦線(UDD)の動向を、闘いの内側から取材した三留さんは、同書の中で、その様子を次のように記している。
「目の前で展開されていることは、戦場と武器に制約を課した、戦争の一種だと思った。正規軍同士が衝突するのでも、ゲリラ戦でもない、新しい方式の戦争ではないだろうか。
ただ、フル装備の陸軍、空軍に対して、首都の繁華街を占拠した側の主要な武器は竹やりであり、ごく一部がライフルを持ち、火炎瓶や手製のロケット砲を使っていた。
この2つの陣営がにらみ合ったわけだが、その戦力はアンバランスで、戦闘が始まる前から勝敗は決まっていた。だから、必ず負ける側にとって、勝負は戦闘が始まるまでであった」
UDDは日本の伊勢丹などもあるバンコクの繁華街を約3平方`にわたって占拠し、竹や古タイヤでバリケードを築いて数千人の民衆が現政権と真っ向から闘った。
数カ月間、この闘いの中で暮らした三留さんは、「赤シャツ隊」と呼ばれた闘う民衆のリーダーの一人であるカティヤ・サワディポン陸軍少将が、ビルからの狙撃で殺される現場に居合わせた。取材を受けている最中で、カメラを構えていた三留さんと50aの距離だった。間違って被弾していてもおかしくない近さだ。
1989年10月のベトナム・カンボジア国境での3日間にわたる戦争で、補給がなく撤退したベトナム軍の戦利品のキャタピラを持ち上げて喜ぶポル・ポト派の写真など世界的なスクープ写真をいくつもものにしている三留さんだが、この至近距離での射殺は最も衝撃的な事件だった。
この一連の闘いを通じて、三留さんは、「この騒乱の本質はイサーン(タイ東北部)の農民一揆だ」と喝破した。それは(06年に)政権を追われたタクシン派対現政権であるアピシット派の単なる政争の枠を超えた、もっと根本的なタイ人民の地の底からの反乱であることを一言で言い表したものだ。
この反乱は、タイの労働者階級人民に対する新自由主義的な搾取、収奪、弾圧を推し進める政権(帝国主義に結びついたタイのブルジョアジー、支配階級)への怒りにみちた決起として、世界大恐慌のなかで立ち上がる全世界の労働
者人民の闘いにつながる普遍的な意味を持っているのだ。それは労働者階級への限りない連帯の呼びかけでもある。生の写真を通してそのことが伝わってくる。
三里塚から世界へ
三留さんは、三里塚では、71年9月に敷地内で農業を営む大木よねさんの取材中、権力がだまし討ちの代執行を強行し、機動隊が数人がかりでよねさんを抱え上げて排除する様を生々しく報道した。よねさんの怒りの形相と全身を使っての抗議は、その写真で伝えられ、日本中の闘う労働者人民の心を激しく揺さぶった。それは後に『大木よね』という写真集となった。
権力と労働者・学生・人民の激突の現場で、彼はつねに闘いの側に身を置いて取材した。権力の後ろから、権力に守られて撮影する「客観的報道」とはいつも一線を画していた。
現在、毎日新聞の日曜版(日曜クラブ)に毎週、自身の半生記とも言える「目撃された戦後/報道カメラマン三留理男」を連載している。
70年安保闘争の後、文革の渦中の中国を取材するが、中国政府が至れり尽くせりのおぜん立てをした上での取材という制約に違和感を覚え、中国を離れ、東南アジアやアフリカ、中東に取材対象を広げていく。
「やはり自分の目で見るには自分の金で行くしかない。その国に金を出してもらったら、悪くは書けなくなってしまう」
ここでも、視点は民衆の側にあった。
「ほかの連中は、例えばパレスチナの取材だと、まずアラファトから会う。上から見ていく。しかし、俺は人が集まるスラムや市場から人を見る。また制服で見る。制服が多い国はだめ。軍服が少ない国はいい国だ」
今、「戦場カメラマン」がもてはやされているが、闘いの側に立つ三留さんのポリシーは変わらない。
(写真 毎日新聞社刊 定価2800円+税)
闘いはつながっている
バンコクのバリケードの闘いの時、タイの労働者はどうしていたのだろうか。
「タイでは、ほとんどが外国資本との合弁企業の中での闘いだ。あちこちで労働者の闘いは起こっている。給料はバンコクで日給200バーツ(約600円)ほど。地方では150バーツくらいになる。田舎ほど労賃は安い。企業は土地も賃金も安い郊外に逃れている。だからしょっちゅう労働争議は起こっている。ほとんどが賃金をめぐる闘いだ。そういう労働者が赤シャツの中にたくさんいると思う」
新自由主義とグローバリズムの攻撃の中で、外国資本のもとで低賃金と闘う労働者と、地方から都市に出てきた農民の合流が、起こっている。
「TPP(環太平洋パートナーシップ協定)で関税が撤廃されると、日本の農業は壊滅すると言われているけど、タイの農民にとってもひとごとではない。アジアの農民と三里塚の農民がつながってほしい」
最後に、本紙の読者へのメッセージを聞いた。
「この本を手にとって、解放闘争の中身を良く理解してほしい。これは歴史を踏んできた闘いだ。70年代の学生革命を闘った闘士が、その後中国に逃げて、また戻ってきて、あきらめず闘っている。今回、バリケードは撤去されたけど、何も解決されていない」
階級的労働運動とアジアの労働者・農民・人民の反乱の結合で、世界革命を切り開く立場から、タイ人民の闘いとの連帯を模索する上で、きわめて示唆に富む写真集だとあらためて思った。
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週刊『前進』(2471号6面3)(2011/01/17 )
共産主義者167号
綱領草案の地平と精神貫く 2011年決戦闘う絶好の武器
2011年決戦がうなりをあげて始まった。本号は、昨年9月刊行の『綱領草案』で武装した革共同の路線的地平の高さと革命への精神(ガイスト)が全部の論文に貫かれている。本号を『前進』新年号アピールとともに、2011年決戦の絶好の武器として活用してほしい。
大恐慌の深化が戦争を現実化
巻頭の島崎光晴論文は、2011年の時代観・時代認識を明確に打ち出した情勢論文である。新年号アピールの学習にとっても必読の論文だ。「世界経済は2番底に向かい『後のない』大恐慌が本格化する」と明快に言い切っている。08年リーマンショック以後に発動された財政・金融措置は効果がなくなり、大恐慌の進行を防ぐすべは完全になくなった。いよいよ世界経済は「2番底」へと急降下し、世界大恐慌がますます深化し、戦争が現実化する。11・23をもって米帝が朝鮮侵略戦争に突入したことは超重大情勢だ。根底には米帝の歴史的な没落がある。帝国主義間・大国間の通商戦争・通貨戦争が激化し、ブロック化へと突進している。そして米中対立の激化がドル暴落の危機を促進している。島崎論文は、大恐慌の爆発は同時にプロレタリア革命情勢の到来であることを具体的に論証しきっている。
阪本元論文は、朝鮮侵略戦争が現実化する中で、韓国労働者階級の闘いの歴史と到達地平を明らかにしている。「戦争は南北間でヨンピョンドでおこなわれているのではなく、このウルサンで現代自動車と非正規職労働者のあいだでおこなわれている」と喝破し、現代自動車の非正規職労働者は工場占拠闘争に立ち上がった。阪本論文は、韓国の労働運動を歴史的に総括し、非正規職撤廃で団結する韓国労働者階級の闘いの革命的意義を明らかにしている。
11月労働者集会でつくりあげてきた国際連帯をさらに発展させる時だ。この戦争情勢は危機であると同時に労働者階級にとってチャンスだ。いまこそ日韓米、日朝中の労働者が国際的に団結し戦争を止める時だ。
三倉伸行論文は、2011年、教育労働者の闘いは国鉄闘争とともにあり、国鉄全国運動を武器にしていくことこそ勝利の道であることを明らかにしている。職場細胞建設こそ、職場支配権を奪還し、組合権力を握る基礎である。このことは、昨年夏・秋のUTLAとの国際連帯の飛躍的発展によって、より一層鮮明になった。菅民主党政権の教育における新自由主義攻撃を真正面から見すえ、教育の民営化粉砕の路線を深めていくための論文だ。
革共同体現する爆取被告4同志
迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判被告団執筆の論文は、若い同志を先頭にぜひとも読破してほしい。23年にわたり、獄中と法廷を舞台に闘われた4人の被告団の壮絶かつ感動的な闘いは、革共同の不撓(ふとう)不屈の精神・歴史そのものだ。4被告の23年間の闘いは革命に生涯をかけた自己解放的な闘いであり、国家権力を震撼(しんかん)させた闘いであった。国家権力・東京地裁は一審無罪判決を覆し、差し戻し審で有罪判決を下した。しかし、4被告の闘う意志はますます揺るぎないものになり、星野文昭同志奪還闘争とともに、あらゆる弾圧との闘いに勝利する大道を示している。「階級的労働運動の力で弾圧を必ず粉砕する!」という決意のこもった被告団の戦闘宣言だ。
さらに、昨年11月13日に逝去した北小路敏同志の偉大な指導者としての足跡をたどり、その遺志を引き継ぎ、革命勝利まで闘うことを宣言した革共同政治局の声明を掲載している。
本号の最後を飾るのは、「国鉄全国運動の大爆発で階級的労働運動の拠点建設を」と題した無署名論文だ。11月労働者集会前の『前進』2459号の4、5面に掲載されたものに、11・23をもって朝鮮半島を舞台にして始まった大恐慌の戦争への転化という情勢の進展を踏まえて、大幅な加筆・修正を加えた。その内容は今日、一層輝きを増している。
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