ZENSHIN 2010/12/20(No2469 p06)
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週刊『前進』(2469号1面1)(2010/12/20 )
戦争と大失業を革命勝利へ
外注化阻止と国鉄全国運動で危機と凶暴化の菅政権を倒せ
冬期カンパ・機関紙拡大に全力を
全世界で戦争と大失業に怒りが爆発している。日帝・菅政権はグラグラになりながらもより一層の反動攻撃しかないところに追い込まれている。これに対して、青年労働者・学生を先頭にした画然たる闘いが11・7労働者集会からさらに拡大した。労働組合で、青年部で、大学で、動労千葉に続く拠点を無数につくろう。この力で南北朝鮮の労働者階級と連帯して朝鮮侵略戦争を阻止し、日本革命を実現するのだ。国鉄闘争全国運動の強力な発展を軸に、すべての職場で年末年始攻防と組織建設に勝利して、2011年決戦に躍り出よう。
米帝による朝鮮侵略戦争だ
11月23日に朝鮮半島の延坪島(ヨンピョンド)で起きた北朝鮮軍と韓国軍の砲撃戦をもって世界史は一変した。これはアメリカ帝国主義(米日帝)による朝鮮侵略戦争がついに始まったということを意味している。このことを鮮明にさせる必要がある。
この戦争は第一に、世界大恐慌の重圧が米中矛盾を激化させ、朝鮮侵略戦争として爆発していく歴史的事態だ。この戦争が今後どのような経緯をたどるにせよ、決定的なことは、世界の基軸帝国主義である米帝が主導して戦争を引き起こしていることだ。基軸的帝国主義である米帝が、世界のGDP上位を独占する米日中間でのつぶし合いを決断し、世界を戦争に巻き込もうとしている。
重大なことは、これが大恐慌情勢のさなかで起きていることだ。これは1950年朝鮮戦争の時とも、北朝鮮の核開発をめぐる94年の戦争切迫情勢とも決定的に違う。北朝鮮スターリン主義が砲撃戦に出たのも、帝国主義に追いつめられ、体制崩壊の危機にあえいでいるからだ。
この戦争は第二に、労働者階級の(国際的)団結を破壊するための階級戦争である。07年パリバショック以来進展する大恐慌が、OECD(経済協力開発機構)30カ国だけで約5千万人の大失業に発展し、さらに恐るべき勢いで拡大している。世界中で爆発する労働者や学生の闘いにブルジョアジーは心底震え上がっている。労働者階級の歴史的決起を弾圧するために戦争を始めたのだ。
このような階級情勢の中で労働者階級は、体制内指導部と一緒に「平和」をお願いすべきだろうか? 否である。戦争は偶然に起こっているのではない。帝国主義者が労働者を支配し、搾取する悪らつな目的をもって始めるのだ。
問題になっているのは「戦争か平和か」ではなく「戦争か革命か」だ。帝国主義は2度も世界大戦を引き起こし、戦後も絶えず戦争をくり返してきた。資本主義を打倒するプロレタリア世界革命だけが帝国主義戦争の根拠を完全になくし平和をつくるのだ。
この戦争は第三に、動労千葉を軸とした日韓米労働者の国際連帯を抱え込み、階級的労働運動の徹底的な推進によって帝国主義戦争を内乱=プロレタリア革命へ転化していく重大な展望を開くものだ。これは過去の歴史とまったく違う事態だ。
11月23日の砲撃戦に対し韓国民主労総は、現代自動車ウルサン工場ストライキで「戦争は南北間で延坪島で行われているのではなく、このウルサンで現代自動車と非正規職労働者の間で行われている」と宣言し、世界の労働者へ檄を飛ばした。
日韓米労働者の国際連帯の存在は、反帝国主義・反スターリン主義世界革命の巨大な展望を全世界に開示している。
“帝国主義戦争を内乱へ!”
帝国主義戦争は国家総力戦であり、労働者の戦争動員を不可避とする。だから、この攻撃に対する一つひとつの職場闘争のすべてが、同時に反戦闘争となる。
第1次世界戦争が切迫する1912年に開催されたプラーグ協議会でレーニンは革命を準備する決定的な存在として労働組合の革命論的意義を確立した。労働組合で活動し、そこに党の細胞を建設し、組合員と一体となって闘うために労組権力を獲得する闘いに全力を尽くした。
ボルシェビキは、職場に党を建設する度合いに応じて、党と労働組合運動を一体化させていった。レーニンはその最大の武器として機関紙活動を重視した。工場で1枚のビラをまくこと、機関紙を配布することが戦争下では内乱として敵に打撃を与え、味方を獲得する。階級的労働運動こそ「帝国主義戦争を内乱へ」の、革命を準備する闘いの基礎なのだ。
事実、1917年10月革命では、労働組合的団結を拠点に労働者階級は軍隊も獲得し、最小限の流血と犠牲で勝利した。帝国主義の戦争に対し階級的労働運動路線の実践が何より求められている。職場に闘う労組をうち立てよう。
階級的労働運動の展望を開いた
闘う労働者・学生は本紙新年号アピールの「国鉄決戦でプロレタリア世界革命を」の路線で全力で闘ってきた。
動労千葉は今年4月1日の検修外注化計画を粉砕し、国鉄−JR情勢を革命的に揺さぶった。すべてはここから始まった。この闘いは、85年の国鉄分割・民営化に対する動労千葉の2波のストライキを引き継ぎ、それをも超える闘いだ。
動労千葉の外注化との闘いは10年前から、メンテ部門合理化攻撃、シニア制度導入との死闘として闘われてきた。国労の4党合意受諾や闘争団切り捨て策動は、この合理化攻撃に屈服する政治的表現だった。
この攻撃は大恐慌の中で実際の鉄道業務をすべて外注化し、責任も安全も投げ捨てて、自らは持ち株会社として利潤だけを追求する攻撃だ。外注化攻撃は、新自由主義の最も腐敗した、最悪かつ最後の姿だ。本質的に歴史的生命力を失った最末期の資本主義の展望のない攻撃である。
外注化は究極の合理化攻撃だ。労働者から団結と職場を奪い、労働者を非正規雇用に突き落とし、低賃金・無権利化していく攻撃だ。動労千葉の外注化阻止闘争は、産別も世代も国境も越えてすべての労働者を結集させる闘いだ。
動労千葉の闘いは、JR資本と日本帝国主義の生き残りの展望をかけた攻撃(路線)を打ち砕いた。国鉄1047名解雇撤回闘争をめぐる4・9反革命は、動労千葉の外注化阻止闘争に対する大反動でもある。
こうした動労千葉の闘いの基軸をなす路線こそ反合・運転保安闘争路線だ。動労千葉は72年船橋事故闘争をもって、戦後労働運動の限界を超える反合・運転保安闘争路線を確立した。今回の検修全面外注化攻撃との闘いは、外注化×非正規職化×体制内労組の協力という攻撃と唯一対決できる闘いとして切り開いてきた、画期的な勝利だ。
この地平は同時に、関西地区生コン支部と港合同、動労千葉の3労組共闘の11月労働者集会運動や、三里塚芝山連合空港反対同盟との40年を超える労農同盟によって実現したものである。
こうした地平をすべて結集して国鉄闘争全国運動が6・13大集会をもって始まった。これが関西生コン支部の4カ月を超える産業ゼネストに引き継がれ、階級闘争を戦闘的に発展させている。
階級的労働運動の前進に応じて安保・沖縄闘争や三里塚闘争など全戦線の闘いが発展する。全国の職場に動労千葉を支援する会をつくろう。全国運動を核に職場で闘う団結を築こう。
青年労働者・学生を先頭に
2011年の決戦の勝利を切り開くために冬期カンパ闘争に総決起しよう。今こそ党と階級の力を、戦争下に勝利する強大な非合法・非公然の党建設に集中しよう。
そのための年末年始の最大の課題は、冬期カンパ闘争に勝利することだ。社会を丸ごと変える壮大な革命の事業には壮大な資金が必要だ。思い切ったカンパ闘争の決起をかちとろう。
青年労働者や学生が続々とマル青労同やマル学同に結集している。大恐慌−戦争の激動する世界の中で多くの青年労働者や学生が「人はいかに生きるべきか」と考え始めている。綱領草案に凝縮されている革共同の時代認識と路線こそが求心力を持っている。
年末年始のすべての闘いを白熱的に爆発させて、勝利の2011年を切り開こう。
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週刊『前進』(2469号1面2)(2010/12/20 )
ギリシャでゼネスト
全世界で学生デモが爆発
世界中で学生の学費値上げ反対デモが激発し、街頭を席巻している。
イギリスでは11月10日を皮切りに24日、30日、12月9日と連続的にロンドンをはじめ全国の諸都市で学生デモが行われている。毎回数万人の規模で高校生や労働者も参加している。ケンブリッジなど20大学で占拠闘争が3週間以上続く。
14日、国会議事堂前デモ(下の写真)の中、学費値上げ法案(@現行年間3290ポンド〈約40万円>を最高9千ポンドへ引き上げA大学教育基金の大幅削減)が下院を小差で通過した。政府はさらに16〜18歳の生徒への手当もなくす方針だ。
学費値上げは政府の財政危機のりきりと通貨・国債防衛のための財政緊縮政策の一環だ。
各国政府は大恐慌で破綻した大銀行や大資本を救済するために膨大な財政投入を行った。そして財政赤字削減のために一斉に緊縮政策をとった。学費値上げや年金削減、公務員賃金・人員削減、付加価値増税などだ。
財政赤字の責任を学生や労働者に転嫁し、資本と国家が延命するのだ。だがこの緊縮政策で大恐慌はますます深化する。
15日にはギリシャで政府の財政緊縮策に反対して今年7回目の官民2大労組のゼネストが行われ、2万人が首都アテネで抗議デモに決起した(上の写真)。官公庁や病院、学校、公共交通機関が止まった。
イタリアでも30万人デモと暴動が闘われた。
いずれの国でも労働者たちは資本・政府と対決し、労働者の利益、生活と権利を守るために立ち上がっている。国家がいかに危機であろうと、戦争中であろうと、階級間の休戦はありえない。つまりスターリン主義や社会民主主義などの体制内勢力の枠を越えて、ランク&ファイルで決起しているのだ。
階級対立は非和解だ。階級的な闘いはおのずから内乱的・国際的だ。大恐慌がプロレタリア世界革命に転化する展望は日々開けていく。連帯して闘おう。
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週刊『前進』(2469号1面3)(2010/12/20 )
「戦争か革命か」の決戦に絶大なカンパを訴えます
すべての労働者の皆さん。
いよいよ「戦争か革命か」という歴史的な決戦期に突入しました。その革命の資金を革共同への一時金カンパとして圧倒的に寄せられることを訴えます。
11月23日の朝鮮半島の延坪島(ヨンピョンド)での北朝鮮軍と韓国軍の砲撃戦をもって、世界大恐慌の戦争への転化が激しく始まり、ついに新たな世界戦争の時代に突入しました。今日の世界大恐慌の爆発が、大失業のみならず戦争まで生み出したのです。
しかも、基軸帝国主義である米帝オバマ政権が世界大恐慌の爆発・激化の中で危機に追いつめられ、なりふり構わず新たな朝鮮侵略戦争に突入しようとしています。
また日帝・菅政権も、帝国主義としての存立をかけて、この朝鮮侵略戦争の過程に参戦しようとしています。そのために菅政権は、「動的防衛力」なる新概念を盛り込んで「防衛大綱」を大転換させ、さらに対北朝鮮の「過去最大、世界的にも最大規模」の米日合同軍事演習を朝鮮半島周辺でくり広げています。
しかし、帝国主義の侵略戦争の究極的な階級的本質は、かつての1950年朝鮮侵略戦争が示しているように、労働者階級の革命運動に対する大反動としてあるのです。韓国の現代自動車を相手にストライキで闘う労働者が「戦争は南北間で、延坪島で行われているのではなく、このウルサンで資本と非正規労働者の間で行われている」と鋭く喝破(かっぱ)しています。
そして、帝国主義戦争突入は同時に、1917年ロシア革命の勝利が示しているように革命への絶好のチャンス到来です。現に今、全世界で資本主義・帝国主義に対して「生きさせろ!」のデモやゼネストの決起が陸続と始まっています。
社会のすべてを生産している「社会の主人公」である労働者が、資本と闘う武器である闘う労働組合をよみがえらせ、国際的に団結して、「歴史の主人公」として時代の最前線に躍り出た時に、労働者階級人民の未来も切り開けます。
「大恐慌をプロレタリア世界革命へ」の帰趨(きすう)も、労働組合・労働運動をめぐる革命と反革命との激突にかかっています。国鉄1047名解雇撤回闘争をめぐる4・9政治和解との対決は、この巨大な階級戦争としてあったのです。
4・9反革命とは、日本階級闘争の背骨だった1047名解雇撤回闘争を解体することで、日本労働者階級の階級性と日本労働運動の根絶・一掃、そして何よりも動労千葉と、闘う労働運動の根絶を狙った攻撃でした。
この日本労働運動の巨大な大反動としてあった4・9反革命攻撃を許さず、動労千葉組合員を先頭に「国鉄闘争の火を消すな!」「大恐慌に立ち向かう新たな労働運動をつくろう!」と、多くの闘う労働者人民を糾合して始まったのが国鉄闘争全国運動です。
この全国運動は4・9反革命を根幹ではね返し、逆に階級的労働運動をよみがえらせ、プロレタリア世界革命を実現する最高の武器となったのです。国鉄決戦こそ日本労働者階級が、社会全体をひっくり返す「アルキメデスのテコ」です。この闘いに日本労働者階級の展望と未来があります。断固として闘おう。そして勝利しよう。
革共同は2010年、動労千葉の中野洋前委員長と北小路敏同志という誇るべき指導者を失いながらもこの1年間、全力で闘い抜くことで飛躍的な前進をかちとってきました。革共同は、この切り開いた勝利の地平を土台に、来る2011年、「大恐慌をプロレタリア世界革命へ」をたぐり寄せる闘いに勇躍打って出ます。
一切は、革命を準備するための闘いの資金の圧倒的実現にかかっています。2011年、切り開かれたプロレタリア革命の展望をたぐり寄せるために革共同への圧倒的な冬期一時金カンパを心から訴えます。
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週刊『前進』(2469号1面4)(2010/12/20 )
おしらせ 次号は新年特別号です。
12月27日発売/12ページ500円
革共同政治局の1・1アピール/マル青労同、全学連アピール/議員座談会/三里塚反対同盟
※全国の闘う労働者・学生に勧めよう。
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週刊『前進』(2469号1面5)(2010/12/20 )
前進速報版から
▼富山大で反戦集会▼現代車非正規支会、スト再突入を決定▼日航の整理解雇通告に緊急抗議行動▼東北石けん労組、地労委1日行動
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週刊『前進』(2469号2面1)(2010/12/20 )
北小路敏同志の逝去に際し、万感の思いを込めて心から追悼の意を表す
革命的共産主義者同盟議長 清水丈夫
(1)
私は、学生時代・青年時代から今日まで、全闘争生活・全組織生活を北小路同志とともにしてきました。北小路同志の御逝去に際して、本当に万感の思いを禁じえません。北小路同志の存在と指導性、そして偉大な力量に依拠することなしに、絶対に私自身ここまでやってくることができなかったことは明らかです。本当に北小路同志にいくら感謝しても感謝しすぎることはないと思っています。
心から御冥福を祈ります。
(写真 法政大での講演集会で訴える北小路同志【77年9月30日】) (2)
北小路同志!
あなたは全人生をかけ、帝国主義に対する激しい怒りを全身にたぎらせて、まさに仁王のごとく立って、プロレタリア革命の勝利のために、闘って闘って闘い抜かれました。
そして、日本における反スターリン主義・革命的共産主義運動において、その草創期から今日にいたる戦略的前進の全過程の先頭に立って、指導的重責を担い抜かれました。
そして今日、帝国主義とスターリン主義の世界体制が、大恐慌の重圧のもとで崩れかかりつつあり、資本主義の終わりがはっきりと見えてきた中で、階級的労働運動路線のもとに、闘う労働者とともに革共同・マル青労同・マル学同の全同志が一体となって、「大恐慌をプロレタリア世界革命へ」「国鉄決戦を貫徹してプロレタリア世界革命へ」の合言葉のもとに前進を開始している現実を、心からよろこび、プロレタリア革命の勝利への絶対的確信を日々強めて闘っておられたことと推察しています。
北小路同志!
私は、同志が切り開き、築いた土台の上で、革共同の同志たちが、その遺志を継いで、必ず帝国主義の打倒、プロレタリア革命の勝利に向かって驀進(ばくしん)していくことを確信しています。私も、同志たちとともに徹底的に闘い抜くことを固く誓います。
(3)
北小路同志は、周知のように、他に類をみないスケールの大きさと精神的強靭(きょうじん)性をもった同志でした。これは、戦後革命以来の日本階級闘争の戦闘的伝統を踏まえつつ、反スターリン主義・革命的共産主義の労働者階級自己解放闘争の思想と実践の苦闘の中で、北小路同志がマルクス主義を本当に血とし肉とされたことに根拠があると思います。
この労働者階級の革命性、階級性への全幅の信頼を不動の基盤とし、それに裏づけられて、北小路同志には、いくつかのすぐれた特質があったと思います。
ひとつは、帝国主義・資本主義へのすさまじい怒りと憤りです。搾取、収奪、抑圧と支配、殺戮(さつりく)、反動、侵略、弾圧などをこととする帝国主義・資本主義を打倒せずにはやまずという精神がみなぎっていました。この意味で、彼は一度に何万という人びとに訴えかけ、心を揺さぶる力を秘めていました。
いまひとつは、本当に徹底的に実践的であることに執念を燃やし、そして、いったん開始した実践は必ず貫徹することに徹底的にこだわる人だったということです。本当に心づよい、頼りがいのある同志だったと思います。私はいつも、このすごさに頭をたれ、敬服していました。
(4)
北小路同志を追悼するにあたって、何よりも決定的に確認すべきことは、わが反スターリン主義・革命的共産主義運動の闘いの歴史において、同志が残した足跡の大きさということです。
数多くある中で、きわめて重要と思われる二点について提起します。
ひとつは、何といっても60年安保闘争における6・15国会突入闘争の最高指導者として、断固たる闘いを貫徹し勝利したことです。
もちろん60年安保闘争は、大きな歴史的背景と労働者階級人民・青年学生の総力をあげた闘いとして実現されたものですが、しかし、60年安保闘争が60年安保闘争として今日語られるようなものになったのは、やはり6・15闘争の革命的爆発を抜きにはありえなかったことだと思っています。
そして、その60年安保闘争は、戦後の社共的指導下の政治闘争の継続として爆発したものではけっしてないということです。端的にいって、日本における50年代後半以来の反スターリン主義・革命的共産主義の闘いが一定の前進を切り開き、日本階級闘争の大地に根付き始めたことこそ、60年安保闘争をあのように爆発させるものとなったのだということです。
だからこそ、60年を主導したブンドは崩壊したけれども、60年安保闘争で立ち上がった青年労働者・学生をはじめとして、労働者階級は、スターリン主義・日共を前衛とは認めず、社共を超える労働者党の建設こそ、本当に安保粉砕・日帝打倒を可能とするものであるとして、大きく革共同のもとへの結集を開始するにいたったのです。
かくて革共同を主軸として、日本の反スターリン主義・革命的共産主義の闘いは歴史的な歩みを開始しました。そして、革共同による革命的左翼の統一をバネに、革共同の闘いは前進し、労働者階級の党に真に成長するためには労働組合運動の戦闘的展開の先頭に立つべきだという、かの3全総決議への道が切り開かれたのです。
このように見てくるならば、60年安保闘争がスターリン主義的勢力との激しい党派闘争の中で、反スターリン主義の影響下にある戦闘的学生のヘゲモニーで、6・15闘争として爆発し、勝利したことの意義は決定的に大きいのです。
私がここで提起したいことは、反スターリン主義・革命的共産主義運動の影響を強く受けることをとおして、60年安保闘争はあのような歴史的大爆発をとげ、またそのことをとおして真に開示されたものは、日本の労働者階級の持つ反戦政治闘争(ひいては帝国主義打倒)へのとてつもない可能性、現実性だったということです。労働者階級が根底から全面的に決起したら、本当に天地をひっくり返す階級的力があふれ出てくるのだということが明らかになったのです。
ちなみに、次のように言うこともできます。革共同は、3全総―3回大会をへて70年安保闘争に突入しますが、徹頭徹尾、革共同のヘゲモニーのもとで実現されたこの巨大な反戦政治闘争は、60年安保闘争の獲得した地平を前提に、いわばそれを一種の歴史的予行演習としてとらえ、真に労働者階級の党の立場に立って意識的に組織されたのです。こうして組織された70年闘争は、労働者党建設の圧倒的前進を切り開くものとなったのです。
北小路同志の御逝去に際し、彼の遺志を受け継いでいく上で、これらの点について、しっかりと確認することは意義あることだと思います。
さらに、北小路同志の闘いの足跡という点では、70年闘争へのファシスト的反革命としてのカクマルとの激しい二重対峙・対カクマル戦を、革共同は徹底的に闘い、勝利しました。この過程における同志の指導力、意志の強さ、貫徹力というものが、いかに決定的であったかは明白だと思います。
さらに、北小路同志は、本多延嘉同志の提起した革命的議会主義の闘いを、杉並の地で現実に開始するという創業的闘いを、全同志の先頭に立って闘い抜きましたが、このことは決定的意味をもっています。
そして、言うまでもなく、この過程は、国鉄決戦と三里塚決戦が歴史的な大爆発をとげた過程であり、北小路同志はまさにその先頭で指導的重責を担い抜いたのです。これは、同志の不滅の貢献だったと思います。
さらに、5月テーゼから今日にいたるまでの北小路同志は、革命家魂をたぎらせて、全党の先頭に立って闘い抜きました。まさに、同志は闘って闘って闘い抜いた偉大な革命家そのものでした。
北小路同志。50年余のわれわれの闘いはついに若き全学連運動を生み出し、大恐慌をプロレタリア世界革命へ発展させる最大の階級決戦へ突入しようとしています。
このことは、北小路同志と私が心から望んでいたことであります。
(5)
北小路同志!
いまや大恐慌は、大失業のみならず、戦争を生みだしています。そして、戦後体制は、国際的にも日帝的にもガラガラと崩れています。
先の11月労働者集会において、この情勢を革命に転化するために、「大恐慌を世界革命へ」「大恐慌・大失業・戦争を世界革命へ」という、まさにそのために、国鉄決戦を2011年階級決戦として圧倒的に闘い抜こうという確認が行われました。
北小路同志が全人生をかけて切り開いてきた反スターリン主義・革命的共産主義運動のこの地平に立って、いま全同志たちは、闘う労働者の先頭に立って闘いに立ち上がろうとしています。自分自身、この同志たちとともに、どこまでも闘い抜くことを表明して、北小路同志への贈る言葉とさせていただきます。
北小路同志よ。いつまでもわれわれとともにあって、日帝打倒=プロレタリア革命のその勝利の日まで見守ってくれ。
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週刊『前進』(2469号2面2)(2010/12/20 )
「教育の民営化」と徹底対決へ
非正規職化と教育破壊への怒り解き放ち組合権力奪取へ闘おう
革共同教育労働者委員会
11・23南北朝鮮の砲撃戦は世界を完全に一変させた。これを契機にアメリカ帝国主義の朝鮮侵略戦争が巨大な規模で発動されようとしている。他方で全世界の階級闘争は、画然たる高揚を開始している。それは中国や北朝鮮などスターリン主義諸国においても同じだ。労働者階級の立場を貫けば絶対にひとつになれる。その路線こそ反帝国主義・反スターリン主義世界革命だ。
(写真 全国から結集した教育労働者は11・7全国労働者総決起集会の先頭で闘い抜いた)
“教え子を戦場に送るな”
今まさに「戦争か革命か」の歴史選択が問われている。これはわれわれに、一切のあいまいさも中途半端さも許さない画然たる飛躍・変革を要求している。今や本格的な革命を準備する時が来た。レーニンがプラーグ協議会路線の地平から「帝国主義戦争を内乱へ」を掲げ、とりわけ1917年「4月テーゼ」以降、圧倒的に労働者・労働組合を組織し、組織し、組織し抜いて党派闘争を勝ち抜き、ソビエト権力を樹立した闘いを今こそやり抜こう。2011年は検修全面外注化阻止決戦を基軸に戦後最大の階級決戦の年となる。問われているのは労働組合であり革命党だ。開始された国鉄闘争全国運動の力を遺憾なく発揮し、反合・運転保安闘争路線で職場に階級的労働組合をつくり出そう。
教育労働運動の原点は戦争反対
”戦争反対”は戦後教育労働運動の原点だ。今こそ朝鮮侵略戦争絶対反対、”教え子を再び戦場に送るな”の闘いを街頭で、地域で、そして何よりも職場で闘い抜こう。
「11・23」で始まったことは、アメリカ帝国主義による、北朝鮮侵略戦争、中国侵略戦争だ。米帝の命運を中国スターリン主義が握っているというこの極限的な現代世界の矛盾的構造、そして世界大恐慌の激化の中で、米帝は耐えられず、ついに自ら戦争を発動することで危機を突破することを決断した。世界大恐慌が大失業の重圧を深めながら、ついに戦争として爆発し始めている。
外への侵略戦争が、内なる階級戦争を激化させることは必至だ。菅政権は改憲と戦争へ向かって、すでに公務員労働運動の解体・翼賛化に照準を合わせて攻撃を開始している。その反革命攻撃の核心中の核心が、国鉄1047名闘争をめぐる4・9政治和解だった。
実際、連合本部は「不測の事態に備え万全の体制の整備」をと有事体制による参戦を叫んでいる。日教組本部も北朝鮮非難に終始し「両国政府に平和的手段による問題解決を」と主張することで現場労働者の決起に敵対している。
しかも現場では、4・9政治和解が11月集会派への力ずくの壊滅攻撃となって激化している一方、この「和解思想」にどっぷりと浸かった体制内労組幹部は資本や当局と完全に一体化し、立ち上がろうとする青年労働者たちに憎しみをもって襲いかかっている。ある単組では、青年が組合方針を真面目に実践することが恫喝の対象となり、現場からの「戦争の危機を見据えよう」という呼びかけすら日教組幹部が公然と侮蔑(ぶべつ)する。これほどおぞましい腐敗と堕落があるか!
しかしこの時こそ、階級的労働運動をよみがえらせていく歴史的チャンスだ。問われているのは大失業と戦争に真っ向から対決する労働運動を、職場の闘う労働者とともに革命党が再生する展望を切り開くことだ。
1950年朝鮮戦争時、朝鮮戦争反対の先鞭(せんべん)をつけたのが日教組だ。戦争開始直後には「軍事基地提供」と「原爆使用」に「断乎反対する」と声明。「教え子を再び戦場に送るな!」が戦争ただ中の51年に採択された。また同年、平和教育推進のために第1回全国教研集会を開催した。翌年には「教師は労働者である」とする「教師の倫理綱領」を決定する。こうした闘いが広島・長崎反戦闘争や勤評闘争へと引き継がれていった。
4・9−11・23情勢は、教育労働者に脈々と受け継がれるこの戦闘性と闘いの歴史すべてを継承し、階級的に発展させて、指導部として破産した社民協会派や日共スターリン主義にかわって、動労千葉と革共同が戦後労働運動の限界を突破する時が来たということだ。その武器こそ、動労千葉労働運動であり、反合・運転保安闘争路線だ。2010年の1年間の死闘がついにこうした情勢を引き寄せた。
失業者があふれ、「日の丸」デモを組織しようと右翼ファシストが跋扈(ばっこ)する今こそ、職場の団結と労働組合の力で「日の丸・君が代」不起立闘争の爆発をつくり出そう。大恐慌と大失業・戦争の時代に今こそ真正面から職場で不退転の闘いをつくり出そう。
公務員制度改革うち砕け
2011年は公務員制度改革との大決戦だ。JR検修全面外注化攻撃と完全に一対の大攻防だ。公務員の身分保障を解体し、首切り自由で民営化・外注化をとことん推進し、さらに「労働基本権回復」の大ペテンで日教組本部が労使合意で賃下げ・首切りを推進する戦時下の産業報国会化の大攻撃だ。
また幼・保一体化は、小学校・中学校など義務制民営化への突破口となっている。教育の民営化―120万教育労働者の首切り・非正規職化との本格的決戦が始まった。
学校現場の外注化・非正規職化はすでに激しく進んでいる。09年の全国の小・中・高・特別支援学校教員総数は111万5千人。文部科学省発表『学校基本調査報告書』の集計ですら、そのうち非正規教員は16万4779人にのぼる。全教員の14・8%、実に7人に1人が非正規労働者だ。とりわけ公立小中学校での増加率はすさまじい。1980年には2・6%であったものが、90年には5・0%。とりわけ2000年代に激増し、09年には10%を超えた(11%、7万5千人)。国鉄分割・民営化を経て、公立小中学校では非正規教員が4倍化した。これらはあくまで文科省統計であり、実際には非正規教員は20万人(5人に1人!)にのぼると推計されている。
この中で、ものすごい教育破壊が進行している。「学校に穴が開く」と表現されているように、非正規教員の枠を増加させ過ぎ、正規教員が不足し”担任が決まらない””授業ができない”ケースも出ている。「生徒『放課後先生いない』」「同僚教師『指導ぶつ切り』」(朝日新聞10・23付)は日常茶飯事だ。
学校給食や学校用務など学校にかかわる業務の民間委託=民営化もすさまじい。行革推進法が地方公務員の純減を義務付けている中で、定数法による縛りのない給食や用務に人員削減が集中し、民間委託が激しく進行しているのだ。
「学校現場は多忙を極めている。教育委員会は『創造性豊かな教育を』と言いながら、労働者は多忙化で創造性も何もあったものではない」「今学校には機械ではなく人を、非正規ではなく正規を」と10・3首都圏青年集会で青年教育労働者は心からアピールした。外注化・非正規職化は学校と教育を崩壊させている。しかし、ここから青年労働者を先頭に労働運動を再生していくチャンスもあるということだ。
実際、A県では”安全な給食を提供することへの危機感”から組合員が丸ごと団結し、学校給食民営化=非正規職化と闘っている。B県でも管理職による「日の丸・君が代」の強行を「組合員全員が定時で帰る」という闘いでたちまち粉砕した職場闘争の経験がある。これは学校現場が労働者の超勤なしにひと時も成立しないことを示しているが、それを切実な要求と一体で職場闘争に転じたのだ。何よりも人事評価・査定給制度は、これを推進する体制内指導部をくし刺しにして勤評闘争以来の労働者の怒りを解き放ち始めている。
学校現場は反合・運転保安闘争路線で闘う宝庫だ。2010年を通して、青年労働者を先頭にその闘いの萌芽(ほうが)が生み出されてきている。一切の根源は、民営化=非正規職化にある。教育労働の誇り=職能意識と密接に結合し、自己の労働の支配権をめぐって職場丸ごとの団結を生み出す時が来た。
新自由主義は、未来を切り開くという教育の意味を完全に粉砕した。また、だからこそ新自由主義は、教育労働者が自らの未来と子どもたちの未来をかけて誇りと自負をもって闘う条件を圧倒的につくり出している。必要なのは、労働者階級に対する信頼と、教育と労働現場を破壊しつくす新自由主義に対する怒りだ!
国鉄全国運動を軸に据え
一切は職場が出発点だ。職場の我慢はすでに限界点を超えている。とりわけ青年教育労働者の怒りと不安は、「どうにかしなければ」という思いを拡大しつつ闘いの方針を求めている。それがさしあたり闘いの形にならないのは、支配体制内部に深々と組み込まれた体制内指導部が、「闘っても勝てない」と職場労働者の怒りを抑え込み、さらに「財政危機への協力」と称して「国家救済・自治体救済」政策へ組合員を動員しているからだ。
だからこそ、職場に組合そのものを再建し、職場闘争をつくり出し、その闘いの中で職場労働者の階級的団結を取り戻す必要がある。闘う教育労働者にとって「職場が組合」なのだ。職場は資本・権力の攻撃が表現される場であり、矛盾の集中点だ。「日の丸・君が代」強制は、都教委の一片の通達から始まったが、具体的には学校現場の「校長の職務命令」という形で強制されてきた。
労働組合とは資本と闘うための組織であり、武器だ。今の教育労働者の現実は、実際には職場から労働組合が奪われてしまった結果だ。ゆえに、本当に労働運動を一から再生していくためにまず自分の職場から勝負していくことだ。
職場に組合を実体的につくる―この武器が国鉄闘争全国運動であり、「動労千葉を支援する会」の組織化だ。動労千葉が切り拓いた4・1検修業務全面外注化阻止の地平が、国鉄闘争全国運動を生み出し、11・7労働者集会の成功をつくり出した。そして12・3〜4ストライキが全労働者を鼓舞激励している。この動労千葉の闘いと結合し、職場にフラクションをつくり出し、支部・分会権力として成長させよう。この結実した力が体制内指導部を打倒する力となる。その力の根源は党細胞と地区党の団結した力だ。教育現場は矛盾の集中点であるがゆえに、一歩を踏み出せば、青年労働者に対するものすごい求心力をもつことは間違いない。
「希望は団結」だ。2010年にかちとった国際連帯の地平を、組合権力奪取の闘いでさらに発展させよう。菅民主党政権を打倒しよう。すべての闘う教育労働者は『綱領草案』のもと、革共同教育労働者委員会に結集しよう。
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週刊『前進』(2469号3面1)(2010/12/20 )
2011年国鉄・公務員決戦へ
階級的労働運動を徹底推進し「戦争を内乱へ」=革命準備を
革共同自治体労働者委員会
2010年の11月労働者集会は、国鉄闘争における4・9政治和解という大反革命と真っ向から対決する国鉄闘争全国運動の陣形を登場させた。この地平に立ち、米帝の朝鮮侵略戦争を阻止する労働者階級の国際的団結を強化し、菅民主党・連合政権の道州制・公務員制度改革=公務員360万人首切り攻撃と闘う階級的労働運動を大きく前進させよう。また菅政権を支え首切り・民営化・戦争を推進する自治労本部を国鉄全国運動の発展で打倒しよう。全国の闘う自治体労働者は青年労働者・非正規労働者との団結を強め、2011年国鉄・公務員決戦に突入しよう。
(写真 闘う自治体労働者も全国から参加した11・7集会【東京】)
大恐慌下で米帝の朝鮮侵略戦争が開始された
11月23日の北朝鮮軍と韓国軍との砲撃戦をもって米帝の主導する朝鮮侵略戦争が現実のものとなった。世界大恐慌の激化・深化の中で戦後世界体制の基軸国・アメリカ帝国主義は歴史的没落の危機にあえぎ、そこからの突破と自らの延命のために帝国主義・大国間争闘戦を仕掛け、侵略戦争を拡大しているのだ。
11月のソウルG20と横浜APECは、帝国主義・大国間の激烈な争闘と対立、世界経済の分裂・ブロック化の趨勢(すうせい)をあらわにした。北朝鮮スターリン主義が体制的崩壊の危機を深める中、朝鮮半島―東アジアの勢力圏化をめぐって米帝と日帝そして中国スターリン主義が激突した。世界大恐慌の世界戦争への転化は不可避だ。これをはっきり示したのが11・23砲撃戦だ。
時代は世界戦争かプロレタリア世界革命かの歴史選択を全労働者階級に問うている。新たな世界戦争を止めるには労働者階級の国際的団結を強化しプロレタリア世界革命を実現する以外にない。革命を準備することが戦争開始の中でのプロレタリアートの任務だ。革命をやり遂げる力を全力を挙げて蓄積する――これがレーニンの「帝国主義戦争を内乱へ」のスローガンの実践的な意味だ。
11・23砲撃戦で始まった戦争の本質は帝国主義の侵略戦争である。侵略戦争は国内の階級支配、労働運動弾圧、民族的抑圧の対外的な継続・拡大・延長だ。戦争は最大の労働運動弾圧だ。帝国主義は戦争で労働者同士を虐殺させて自らの延命を図る。だから「帝国主義国のプロレタリアートは自国政府の敗北を願わなければならない」(レーニン)のだ。
戦争は大恐慌の進行を加速し、労働者階級への攻撃を一段と激化させるが、労働者階級の猛然たる反撃も始まる。各国政府は行き詰まり、国家崩壊の危機に突入する。この情勢に対応できるように革命を準備・組織しなければならない。その核心は階級的労働運動を内乱的精神で前進させることだ。反戦政治闘争はその中に位置づけられる。階級的労働運動路線こそ「侵略戦争を内乱へ」の路線なのだ。
戦時下で「資本家を倒せ」と叫ぶこと、ストライキを組織することは内乱となる。工場の前で一人でビラをまくことも「内乱」だ。これが最大の反戦闘争であり、「戦争の内乱への転化」だ。
韓国の労働者が「戦争はヨンピョンドではなくウルサンの工場で、資本と労働者の間で起きている」と言った。ここに革命的祖国敗北主義の原基がある。職場で資本とのゲリラ戦を日常的にやり、団結をつくろう。
レーニンは、革命への主体的条件の形成とは第2インターナショナルの指導部から労働運動の主導権を奪い取ることだと強調した。日和見主義と社会排外主義、とりわけカウツキー主義との党派闘争を徹底的にやった。
今日、菅政権を支え戦争協力に走る連合本部や4者4団体派との党派闘争を徹底的にやろう。党派闘争を貫き、階級的労働運動の拠点をつくり出し、労働組合権力を奪取することが内乱であり、革命の準備である。
狙いは公務員360万解雇
戦時下の階級的労働運動の基軸は国鉄闘争全国運動だ。
大恐慌のもと戦争と大失業と対決する労働者階級の闘いが全世界で爆発し、革命情勢が日々深まっている。この情勢に追い詰められて日帝支配階級は4・9政治解決の反革命攻撃に出た。
国鉄闘争を終わらせ、動労千葉を孤立させて解体し、階級的労働運動を絶滅することがその狙いだ。国鉄闘争陣形を担う自治労・日教組など「抵抗勢力」、公務員労働運動を最後的に解体し、改憲と戦争への流れをつくり出そうとしたのだ。だがそれは6・13国鉄大集会と11・7労働者集会の成功で打ち返された。
しかし日帝は国鉄分割・民営化の完遂をあくまで追求している。公務員制度改革をてこに公務員労働者360万人の首を切り、総非正規化し、公務員労働者の階級的団結を破壊しようとしている。階級的労働運動を解体し、全労働者の9割を非正規化しなければ、大恐慌をのりきり、資本を延命させ、戦争のできる国にすることができない。日帝こそ存亡の危機に立たされているのだ。
だから今、国鉄全国運動を基軸に階級的労働運動を前進させ、4・9反革命を粉砕することが決定的なのだ。
国鉄闘争全国運動の力で自治労本部打倒せよ
われわれ自治体労働者委員会は1047名解雇撤回を貫く動労千葉と団結し、国鉄闘争を軸に4大産別決戦で革命を切り開く路線のもと、4・9反革命に対して総反撃に打って出た。国鉄闘争全国運動の先頭に立ち、2010年11月労働者集会に攻め上った。
8月の自治労徳島大会で徳永委員長は「正規労働者の賃金を削減し非正規労働者の待遇改善を」と述べた。正規・非正規労働者の分断を前提とする「賃金シェア」を提言した。同時に「持続可能な日本社会のグランドデザイン構想案」を採択、菅政権の「新成長戦略」を推進する立場に立った。階級和解を説き、労働組合としての闘いを投げ捨て、「もっと働け」「国家の危機を救え」と階級的自治体労働運動の絶滅を宣言した。
われわれはこうした自治労本部を暴露・断罪し、11月集会への組織化を進めた。
11月集会と同時に開催された自治労全国地方自治研究集会で自治労本部は、全行政分野での職場実践の基調に「新しい公共」の「コーディネーター」論を据えた。これは革命の主体である自治体労働者の階級意識、団結と闘いを根絶する攻撃だ。
大恐慌下、自治体の仕事の全分野で住民=労働者階級と自治体行政=日帝国家権力が対立し、激突している。労働者階級の怒りの爆発で日帝支配が揺らいでいる。現場労働者は労働を通して日々そのことを実感し、菅民主党政権に対する怒りを燃やしている。これに対して自治労本部は、資本・国家権力と労働者階級の階級対立を覆い隠す「コーディネーター」論で自治体労働者を国家権力の支配機構に縛り付け、労働者階級の決起を抑え込もうとしている。
だがここに革命の現実性を根底からつかみとることができる。何がコーディネーターだ。ふざけるな! お年寄りも、子どもも、障害者も、青年労働者も、この社会の中では生きていけない。夢も希望も未来もない!
生産を担い社会を成り立たせている労働者階級を搾取し苦しめる逆立ちした社会、これをひっくり返すプロレタリア革命こそが今必要なのだ!
解雇絶対反対貫く社保決戦
公務員労働者360万人首切り大攻撃は、社保庁解体・民営化=分限免職攻撃としてすでに始まっている。525人の首切りに対して絶対反対で闘う平口雅明さんを先頭に人事院公平委員会公開審理闘争が全国で行われている。社保庁解体の核心は「いったん全員解雇・選別再雇用」攻撃による労組破壊だ。審理の中でそのことがはっきりした。国鉄分割・民営化型の攻撃を全公務員労働者にしかけ、労働運動を解体する突破口として社保庁解体が強行されたのだ。われわれは4・9反革命との闘いであらためて社保庁闘争の決定的意義をつかんだ。この闘いは全国に新たな団結をつくり出している。闘いを広げ、進撃しよう。
幼保一体化は60万人首切り
4・9反革命に対する反撃は、菅内閣が進める幼保一体化の「子ども・子育て新システム」=幼保労働者60万人首切り絶対反対の闘いとして激しく始まっている。
新システムは「60年続いたやり方を壊す」(11月の名古屋自治研集会での小宮山厚生労働副大臣の発言)という攻撃であり、幼保労働者60万人の「いったん全員解雇・選別再雇用」を通して、闘う幼保現場労働者の団結を破壊する攻撃だ。特に公立保育所・公立幼稚園を全廃し、民営化・非正規化によって資本の「成長分野」とすることを狙っている。
われわれは、夏の自治労の和歌山全国保育集会で幼保一体化・新システム絶対反対を宣言し、公務員360万人首切り阻止の闘いの重大な一環として全国で闘いを開始した。
2011年は児童福祉法改悪、幼保一体化・新システム関連法案をめぐる決戦の年だ。闘う保育労働者は幼保労働者60万人の怒りの先頭に立ち、日共スターリン主義や社会主義協会の屈服と敵対を粉砕し、新システム推進の自治労本部を打倒するために今こそ総決起しよう。
動労千葉を支援する会を全職場で組織しよう
4・9反革命と対決し、国鉄全国運動を全国の職場・労働組合に組織する闘いこそ「第2インターナショナルの崩壊」情勢、朝鮮侵略戦争開始情勢に対応する革命的方針だ。動労千葉の12・3―4ダイヤ改定・外注化阻止ストライキ決起に続き、年末年始の大組織戦に打って出よう。
菅民主党政権を支える自治労本部は、日帝の朝鮮侵略戦争参戦に協力し自治体労働者を戦争遂行・動員の先頭に立たせる先兵だ。2011年、自治体労働者の怒りを「動労千葉を支援する会」に組織し、国鉄全国運動の全面的な発展をかちとろう。
11月集会には新たな青年労働者が多数決起した。「非正規職撤廃」を掲げ、正規・非正規の分断を打ち破る新しい団結をつかみとっている。戦争と革命の時代認識と、動労千葉と団結し国鉄闘争を基軸に勝負する路線で職場・労働組合の仲間を正面から獲得しよう。
第一に、国鉄全国運動すなわち「動労千葉を支援する会」の組織化を闘いの総括軸に据え、仲間と徹底討論し、大胆な組織化に踏み出そう。最大の武器は動労千葉物販運動だ。職場に物販を持ち込み、物販活動家を育て、「動労千葉を支援する会」に組織しよう。動労千葉が培った反合理化・運転保安闘争路線で資本・当局と非和解的に対決し、階級的団結をつくりだし、職場支配権を握ろう。
第二に、青年労働者に「一緒に革命をやろう。戦争を絶対阻止しよう」と魂を揺さぶる人生をかけた訴えを日々実践しよう。
第三に、労働学校を国鉄全国運動と一つのものとして進めよう。青年をはじめ仲間とマルクス主義を学ぶ学習会をうまずたゆまず実践しよう。
第四に、『前進』を仲間に広げよう。『前進』を軸とする細胞会議を全員参加で開催し、徹底した討論と一致をかちとり、実践し、細胞の団結で総括する生き生きとした党活動へ変革しよう。
最後に、「革共同綱領草案」を共同で学習しよう。綱領草案は2010年の闘いの勝利を根底において保障した。革共同の50年にわたる闘いの到達地平である。11月集会に参加した多くの仲間が「綱領草案ははっきりしてよくわかる」と感想を述べている。一緒に学習会を始めよう。
2011年、階級的労働運動の推進で帝国主義の侵略戦争を阻止し、革命の時代を切り開こう。闘う自治体労働者は自らの飛躍と変革をかちとり、前進しよう。
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週刊『前進』(2469号3面2)(2010/12/20 )
社保525名解雇撤回闘争が拡大
<大失業・戦争><大失業・戦争>への社会的反乱
公開審理で暴かれる不当・不法
2011年の国鉄・公務員大決戦に向かって、全国社保庁闘争が新たな発展局面に突入している。
第一に、社会保険庁解体、正規・非正規職労働者2万8千人の全員解雇・選別採用と525人の分限免職処分という歴史的攻撃に対して、解雇撤回を求める人事院公平委員会公開審理の闘いが全国で前進し、共闘陣形が拡大している。
8月、広島県福山社保事務所の平口雅明さんに始まる公開審理闘争は、同じ福山の分限免職者の決起から11月沖縄、12月山口の闘いへと全国に広がっている。その一つひとつの審理過程で、歴代自公政権と民主党・連合政権によってなされた不当・不法行為の数々が次々と暴き出されている。その闘い自体が、解雇された社保庁労働者の裁判闘争も辞さぬ解雇撤回・原職復帰の強い決意を引き出している。
昨年夏に社保事務所前で労組交流センターの1枚のビラを受け取った分限免職者が怒りを蓄え、熟考を重ねた末に「私も闘いに加わりたい」と連絡してきた。彼は「社保庁解体は国鉄の分割・民営化に始まる労働者への攻撃だ」と怒りをにじませて語った。こうして国鉄闘争と結合した新たな決起が始まっているのである。
「生首を飛ばす」ための採用審査
このかんの一連の公開審理闘争で判明したことは、社保庁労働者に対する厚労省と年金機構設立委員会、採用審査委員会による採用審査なるものが「いかに大量の公務員の生首を飛ばすか」を目的に行われた、でたらめ極まりないものだったことである。
そこには国家公務員法や人事院規則にのっとった「公正・公平」な審査基準も「分限免職回避努力」もない。まともな手続きすら何ひとつなされなかったのだ。それどころか、処分歴のある者はあらかじめ年金機構への応募から排除した上で、第1希望から第3希望までを書き出させたあげくに「第1希望が厚労省ではなかった」ことを理由に面接すらせず、不採用とする詐欺まがいの手口が横行した。
また「年金記録」問題を現場の労働者の責任として面接審査で面罵したり、「コンプライアンスについてどう考えるか」などと悪意ある質問に答えさせた上で不採用とした。不当な社保庁バッシングと過酷な労働強化のもと、公務災害で病気発症した休職歴をもっていたり現在も療養中の労働者に対しては、本来なら解雇できないにもかかわらず全員不採用とした。幼い子どもをもつ女性労働者は、広域移動に応じられないことを理由に不採用とされた。
こうした政府厚労省・社保庁当局の権力意志は現場の社会保険事務所長にすら隠され続けたまま、09年12月31日の分限免職処分を迎えた。不採用通知を受けた社会保険事務所の仲間たちは、「民主党政権によって救われる」「公務員の身分保障は守られるはずだ」とする連合・自治労・社保労組本部の大ウソを信じて裏切られた。525人の分限免職者には525通りの不当・不法行為が行われ、多年にわたって年金業務にたずさわってきた社保労働者の誇りすら踏みにじり、見せしめ的に大量の生首が飛ばされたのだ。
まさに、社保庁解体・民営化は、国鉄分割・民営化の手口を踏襲し、それをエスカレートさせた歴史的な公務員全員解雇・選別採用の大攻撃であった。このでたらめ極まりない暴挙は、国鉄1047名闘争解体の「4・9政治和解」と一体で進められてきた労働組合の根本からの変質と協力抜きには絶対にありえなかった。どうしてこれが許せるかだ。
大恐慌が大失業と戦争の攻撃として全社会的に進行する中で、解雇された525人を先頭とする全社保労働者の怒りと闘いは、むしろこれから本格的に爆発する。独立行政法人である雇用・能力開発機構の廃止法案のなかでは、「雇用は承継せず」とする文言が条文の中にまで盛られた。社保庁解体・民営化は、公務員360万人首切り・道州制攻撃の突破口である。国鉄決戦を基軸とする2011年階級決戦の中で、菅民主党・連合政権を直撃する社保労働者525人の解雇撤回闘争もまた本格的な発展局面に突入するということである。
年金機構の雇い止め絶対反対を
第二に、日本年金機構に年金記録対応分として採用された特定業務契約職員2千人から3千人の2011年3月末での雇い止めが迫っている。さらに厚労省に採用された非正規職労働者3千人の2012年3月末雇い止め、そして2015年までに日本年金機構に残った准職員、特定業務契約社員、アシスタントのうち3千人の雇い止め計画がすでにうち出されている。職場では、非正規職の青年労働者を先頭に社保庁解体時に続く大量解雇と労働者分断、無権利・低賃金と労働強化に対する不安と不満が高まり、御用組合と化した日本年金機構労組の支配では抑えることのできないまでに怒りが充満している。
すでに大破産した新自由主義の続行としての全面外注化・非正規化の攻撃は、業務それ自体の破綻と崩壊をもたらす。JRや郵政、NTTなど民営化・外注化された現場のいたるところで安全が崩壊し、事故が頻発している。年金業務についても同じだ。日本年金機構が外注化した民間業者による国民年金保険料の納付催促の破綻が明らかとなっている。その犠牲にされるのはすべて現場労働者だ。
労働組合の闘う団結が問われている。職場における反合理化・運転保安闘争の推進と「動労千葉を支援する会」運動の前進の中に労働組合の再生と労働者の未来はある。職場の怒りに火をつける1枚のビラが決定的である。
国鉄1047名闘争に続く社保労働者525名の解雇撤回闘争は、年金事務所労働者の解雇絶対反対の闘いと一つのものとして燃え広がろうとしている。JR全面外注化阻止、幼保「新システム」粉砕・公務員360万人首切り絶対反対の闘いと固く結びついて、社保庁闘争は大恐慌下の大失業と戦争の攻撃に対する全社会的反乱の戦略的闘いとして発展しようとしている。2011年の国鉄・公務員決戦を闘いぬこう。
(大迫達志)
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週刊『前進』(2469号3面3)(2010/12/20 )
「関西州」狙う関西広域連合
道州制攻撃の先兵=橋下打倒を
大阪、京都の2府、兵庫、滋賀、和歌山、徳島、鳥取の5県が参加し、都道府県を超える全国初の広域自治体として「関西広域連合」が発足し、12月4日に大阪市で初会合を開いた。初代連合長に兵庫県知事の井戸敏三が選ばれた。また「国出先機関対策委員会」を発足させ、委員長に大阪府知事の橋下徹が就任した。
関西広域連合は道州制=公務員360万人いったん解雇・選別再雇用・非正規化への決定的なステップであり、道州制への実体づくりだ。菅民主党政権が公約に掲げながら進まない「国の出先機関の廃止」=国家公務員20万人首切り攻撃を自治体首長の突き上げを受ける形で実行する反動攻撃だ。
20万人の首切り
関西広域連合は第一に国の出先機関の廃止の「受け皿」として自らを押し出している。橋下は「これで(国が出先機関を)渡さないと言ったら民主党の地域主権は虚像だ」と菅民主党政権に“宣戦布告”をつきつけている。
国の出先機関の広域連合への移管で、出先機関で働く国家公務員20万人は全員解雇され、広域連合の地方公務員に選別採用される。重複し余剰となった地方公務員が玉突き排除される。「職制もしくは定数の改廃」を理由に分限免職処分が発動される。さもなくば退職を強要される。社会保険庁解体=2万8千人解雇・選別再雇用・525人分限免職に次ぐ行革リストラ・公務員20万人解雇=労組破壊攻撃だ。
関西広域連合への移管候補として▼企業誘致などを担う経済産業省近畿経済産業局▼道路や河川を管理する国土交通省近畿地方整備局▼国立公園の保全などを行う環境省近畿地方環境事務所▼厚生労働省の各府県労働局などが挙げられている。
関西広域連合は第二に府県を超える事業を行うことを打ち出している。「第1段階」で行う主な業務は、防災(兵庫)、観光・文化振興(京都、鳥取)、産業振興(大阪)、医療(徳島)、環境保全(滋賀)、資格試験・免許(大阪)、職員研修(和歌山)の7分野だ。食料備蓄(防災)やドクターヘリの運航(医療)などが共同化される。効率化・合理化による公務員首切りだ。
関空の存続狙う
関西広域連合は、数年後の「第2段階」で関西3空港(関西国際、大阪国際、神戸)の一体運営をやろうとしている。関西財界と直結する橋下の狙いは3空港一体運用で関空を存続させ、軍事空港化することだ。
大阪国際空港は、騒音問題はあるが利便性が高く黒字経営だ。兵庫―大阪にまたがっているため大阪府の一存ではつぶせない。他方、関空会社は1兆円を超える有利子負債を抱え、国と大阪府が毎年百数十億円を補給している。2期工事完成のめども立たない。日航や全日空が一部撤退、発着回数も減少傾向にある。
関空の借金を全関西の労働者に転嫁し、軍事空港化を狙う橋下を労働運動の力で打倒しよう。
関西州―大阪都
橋下や関西財界は関西広域連合の将来像として「関西州」への移行を描いている。関西州では最大人口を有する大阪に権力を集中することが橋下の狙いだ。橋下は戦時総動員体制としてつくられた東京都に倣い、大阪市を8区前後に再編し、大阪府と併せ「大阪都」とし、関西州の首都にするとしている。トップが大阪府知事と大阪市長の2人から大阪都知事1人になる。橋下は「政策決定の迅速化と行政運営の効率化」が図られ、「大阪の都市機能が強化し、世界の都市と戦える」と言う。橋下と関西財界は関西の独裁支配、侵略拠点化を狙っているのだ。
橋下は「大阪市役所と府庁をぶっ壊す」「公務員改革を徹底的にやる」と叫び、来年の大阪市長選に乗り込み、大阪市をリストラし、大阪都実現への道を開こうとしている。平松邦夫大阪市長は橋下に対抗し、大阪市職員1万人削減、大阪市営地下鉄民営化で労組を解体しようとしている。
道州制攻撃と真っ向から対決する動労千葉派の自治体労働運動の先頭に青年労働者、保育労働者が立っている。道州制・民営化=労組破壊に屈服する体制内勢力を打倒し、2011年国鉄・公務員決戦を闘おう。
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週刊『前進』(2469号4面1)(2010/12/20 )
全学連 朝鮮侵略戦争阻止に立つ
世界の学生の決起と連帯
イギリスを始め全世界で爆発する学生の決起と連帯して、日本では朝鮮侵略戦争阻止を掲げた12月全国学生統一行動が、7日の上智大学を皮切りに、9日法政大学、広島大学、13日富山大学で闘い取られた。17日は京都大学がこれに続く。東北大学の学生自治会選挙では戦争反対の石田真弓新執行部が選出された。またアメリカのカリフォルニア大学バークレー校のSWATから法大デモに連帯声明(別掲)が寄せられた。全学連は世界の闘う学生に連帯メッセージ(別掲)を発した。
上智大で反戦行動 富山大 広島大 集会とデモでアピール
学生運動やろうと呼びかけ
7日昼休み、上智大学で、「朝鮮侵略戦争阻止!」の反戦行動が打ち抜かれた! 12月全世界統一反戦行動の口火を上智大生が切った!
最初に上智大生が「世界中の大学で反戦行動が行われる中、この上智大学でも、上智大生による反戦運動、学生運動を始めよう!」と堂々とアピールした。次に、上智大生で全学連委員長代行の坂野陽平君が「私たち学生の力で朝鮮侵略戦争を止めよう! 戦争を必要とするようなこの社会をまるごとひっくり返そう!」と基調を提起した。
広島大学、慶応大学を始めとした首都圏の学生たちからも発言。当日は上智大生を弾圧するために、数十人もの上智大学当局の職員がキャンパスを徘徊し、警視庁公安部まで弾圧と監視に来た。しかし弾圧をはね返して多くの上智大生と討論になり、署名が集まった。
(全学連 B)
(写真 上智大学・四谷キャンパス門前で訴え【12月7日】)
弾圧はね返し正門前で集会
13日、富山大学学生自治会は、切迫する戦争情勢に対して朝鮮侵略戦争阻止の富大反戦集会とデモをかちとった。
正午、降りしきる雨の中、法大に次ぐ監獄大学の富大では、「マイク、ビラまきの禁止」「集会の禁止」の集会弾圧の立て看板が設置され、ガードマンが配備されている! しかし、この弾圧をはね返し、富大正門前を学生が制圧して反戦集会が始まった。
基調報告は退学処分を受けている富大生が行い、富大当局の学生支配をぶっ飛ばして富大全体の雰囲気を反戦一色に塗り替えた。ガードマンを横目に富大生と圧倒的に合流。ビラがどんどんまけ、法大の処分撤回署名が集まった。富大生の雰囲気も明るい。また、集会に駆けつけた京大生も次々に発言した。
そして、集会で圧倒的に高揚した学生は元気よくデモに打って出た。「朝鮮侵略戦争を阻止しよう!」のコールに誰もが大注目だ。家からわざわざ出てくる人や中学校の教室からは学生が身を乗り出した。
(富山大学 K)
(写真 富山大学・五福キャンパス周辺をデモ【12月13日】)
反戦の訴えに注目と共感が
9日、「反戦反核のメッカ」・広島大の学生は「朝鮮侵略戦争阻止! 菅政権打倒!」の「第3波広大反戦集会」を打ち抜いた!
正午。「今日の集会は、日米合同軍事演習の真っただ中で行います!朝鮮・中国侵略戦争阻止の意思を示そう!」という司会の呼び込みにキャンパスの注目が集まる。
冒頭、全学連の学友が高らかに基調報告した。「一つに、米日の朝鮮侵略戦争を止めるために、菅政権を打倒しよう。二つに、アメリカは激しい危機ゆえに、国内の怒りを外にねじ曲げるため侵略戦争をやっている。三つに、全世界の労働者・学生が団結して、世界を変える時代の到来だ!」
さらに12・7上智大学反戦行動に参加した広大生が、「田母神の『日の丸』デモや、日本共産党のリクルートスーツ・パレードに社会を変える力はない。自分のキャンパスから行動に立ち上がることこそ、戦争を止め、社会を根底から変える力だ」と力強く訴えた。
最後に沖縄闘争のアピール。「この軍事演習で沖縄はすでに準戦時下だ」「基地撤去の怒りはますます高まっている。沖縄と連帯し、学生運動を復権させよう!」
学生はスペイン広場の階段に座って集会に聞き入っていた。ビラの受け取りは後期最高だった。
(広島大学 R・D)
東北大自治会選に勝利 戦争反対、当局と対決貫き
戦争絶対反対の旗を掲げて勝利
2〜10日、東北大学で学生自治会執行部選挙が行われ、石田真弓統一候補が総投票数567票のうち、331票(不信任151票、白票61票、無効票24票)の信任を獲得し、新執行部として信任された。世界大恐慌が「戦争と大失業」攻撃、「教育の民営化(私物化)」攻撃として進行してくる中で、この攻撃と真っ向から立ち向かう全学連運動の復権をかけて、大きな勝利をかちとった。今こそ全国の学生は反戦行動に立ち上がろう。その闘いの中から学生自治会をつくろう!
今回の選挙の意義は第一に、世界大恐慌=「戦争と大失業」へ本格的に突入するという歴史的情勢の中で、朝鮮侵略戦争阻止をストレートに訴えて331人の学生の信任をかちとったことだ。
11・23砲撃戦をもって朝鮮戦争情勢は一挙に激化した。世界大恐慌がついに帝国主義侵略戦争として爆発しようとしているのだ。
この情勢の中で、「戦争反対!」を真っ向から掲げて闘われた自治会選挙は、何よりもまず資本・大学当局との党派闘争として闘われた。11月25日、井上明久東北大学学長を始め全国11大学の学長が連名で、提言「『新成長戦略』実現のために、高等教育・科学技術への投資拡充を」を菅政権に提出した。新成長戦略とは、アジア侵略宣言そのものであり、これに大学が率先協力していくことを、東北大学が全国大学の先頭で宣誓したのだ。
この事態を前に、許しがたい行動に出てきたのが日本共産党(民青)だ。選挙期間中の6日、東北大学の正門前に登場した日本共産党は「アジアに自由と平和を」と訴え、ファシスト田母神と見間違えんばかりに中国や北朝鮮への排外主義を扇動した。反戦平和の装いをとりながら学生の反戦意識を解体し、「リクルートスーツ・パレード」に学生を組織し、学生の決起を資本への「お願い」行動に組織する。
こういうあらゆる幻想と屈服、絶望の思想をぶっ飛ばして、学生の団結した力の中にこそ大学を変え、社会を変える力があると訴えて執行部選挙を闘い勝利した。それは、「学生とはいかなる存在か」を問う闘いであり、331人の学生が石田新執行部を支持し、戦争反対の意思を示したのだ。
(写真 信任された石田真弓君【中央】と新執行部)
567人が投票当局の支配覆す
第二に、戦争反対こそ東北大・井上学長体制との闘いであり、井上打倒−菅打倒の闘いとして行われたことだ。
選挙が始まる前日の1日、大学当局は全教官に「授業妨害について」なる通達を配布した。「クラス投票が授業に重大な支障を生じさせ」るからやらせるな、という文書だ。これは、自治会選挙そのものの破壊であり、全学生にかけられた攻撃だ。「学生は戦争反対を言うな」「逆らうな」「黙って従え」というのだ。「大学の主人公は学生である」という真実をトコトン否定し、覆い隠す支配の論理だ。
しかし、この支配を打ち破って567人の学生が投票に決起し、331人の学生が信任票を投じた。「俺たちは商品でも、資本・当局の奴隷でもない」ということを567人の学生が投票によって反撃したのだ。
第三に、自治会選挙を通して学生の根底的決起をかちとったことだ。とりわけ、この重圧を打ち破った核心は1年生の決起だ。1年生が先頭に立って、投票を呼びかけ、集票に走り回り、ビラを書いて投票を呼びかけた。「大学が激しくバッシングしている自治会は、実はとても真っ当なことをしています。学生のためになることもしています。なぜ戦争反対を訴える自治会が避けられるような目にあわなければならないのでしょうか? ぜひ一度自分で考えてみて下さい。そして、その思いを、投票することで示しましょう」などのメッセージを載せたビラがドンドン学生に読まれ、投票が増えていく構造が生まれた。
学生は、大学当局に認められる限りで「自由」を保障されるような、ちっぽけな存在ではない。学生は大学を変革し、社会を変革する決定的存在だ。自治会選挙を通して学生の決起が始まった!
最後に、この闘いは11年決戦の展望を切り開いた。来年、反戦政治闘争、安保・沖縄闘争の爆発は不可避だ。選挙戦を通して、反戦政治闘争の中から学生の団結が生まれ始めている。この学生の団結こそが「教育の民営化」を粉砕する。大学を今こそ安保粉砕・日帝打倒の砦(とりで)にしよう。学生自治会を全国の大学に建設し、2011年を学生運動の一大飛躍の年としよう。
(東北大学 A)
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週刊『前進』(2469号4面2)(2010/12/20 )
アメリカの学生から12・9法大デモへの連帯声明
カリフォルニア大学バークレー校SWAT
(STUDENT WORKER ACTION TEAM)
日米帝国主義者の北朝鮮侵略、そして大学当局の抑圧に対する皆さんの重要な闘いに敬意と連帯を表して、カリフォルニア大学バークレー校のSWATから声明を送ります。教育の民営化に反対するのみならず、また帝国主義に反対する闘いとして、一体的な国際学生運動をつくりあげていきましょう。
ここカリフォルニアで私たちも、アメリカ帝国主義の政策と教育のための闘いとの関係を強く認識しています。現在の教育予算の切り捨てと米政府による戦争やその他軍事予算の浪費との間には露骨な結びつきがあります。さらに私たちは、教育のための闘いは教育のひとつの展望そのものであると認識しています。真に社会的で誰もが享受できる、そして民主的な教育の展望です。この展望は、現在の政府の教育の民営化計画、そしてアメリカ帝国主義の計画に深々と取り込まれた私たちの学校の社会的な機能に、真っ向から対立するものです。
国際学生運動の構築に向かって連帯しましょう。帝国主義戦争にノーを突きつけましょう! 弾圧や金もうけを根本から取りさった、無償かつ公共の大学のために!
闘いはひとつ、戦いもひとつ!
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週刊『前進』(2469号4面3)(2010/12/20 )
英、米、オランダ、ギリシャ……全世界の学生へ
全学連の連帯メッセージ
イギリスを先頭に、世界の学生が立ち上がっている。ギリシャでは15日に労学スト。アメリカでは、学費値上げと職員の賃下げに反対する11月闘争逮捕者の裁判が14日に行われた。オランダでは9日に全国統一行動、アムステルダムで5千人がデモをした。こうした闘いに全学連は以下の連帯メッセージを送った。
(編集局)
*
日本の学生を代表して、連帯の意思を表明します。
この12月、イギリスの学生の闘いを先頭に、世界の学生が行動に立ち上がっています。私たちの闘いもその一環です。
私たち学生の闘いは正義です。イギリスの学生が「暴徒」などと言われ、日本の法政大学では戦争反対の演説が大学当局によって「騒音」「授業準備妨害」などとされたあげくに学生の停学・退学処分の理由にされようとしていますが、学生の行動が正義であることに変わりはありません。
大恐慌と財政赤字を理由に、教育予算のカットが叫ばれていますが、そもそも財政赤字は、金融バブルによってボロもうけし、世界の労働者・学生を虐殺するための戦費を費やしてきた資本家の責任であり、私たち学生には一切の責任はありません。教育を金もうけに変え、学生から教育も未来も奪うような体制には未来はない。資本家連中は歴史のくずかごに行け! この怒りを実力をもって示すのは学生の当然の権利でしょう。
日本の全学連は、世界の学生と連帯し、12月反戦行動に立ち上がっています。朝鮮半島で始まった戦争は、アメリカ、日本、中国をめぐる世界戦争へと発展する情勢です。基地の島・沖縄の怒りが、日米安保同盟と米軍基地の現実をすべて吹き飛ばそうとしています。
日本の学生の使命は、日本帝国主義の参戦を許さず、沖縄の労働者・学生と連帯して、安保粉砕・帝国主義打倒の闘いに立ち上がることです。世界の労働者・学生の国際連帯こそ、戦争を止める最大の力です。
教育予算のカットは軍事研究に、学費・奨学金の借金と就職難は学生を戦場に送る道へと転化しています。私たち学生は売れ残った労働力商品などではなく、世界を語り、戦争を止め、未来を創る歴史の主人公だ。このことを反戦闘争に立ち上がる中で、学生自らが証明していかなければならない。全学連は、世界の労働者・学生の最後の勝利まで、ともに闘うことを明らかにします。
2010年12月9日
全日本学生自治会総連合 執行委員長 織田陽介
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週刊『前進』(2469号4面4)(2010/12/20 )
法大裁判に集まろう!
★5・28暴行デッチあげ裁判(控訴審)
第6回公判 12月22日(水)午後1時30分
★暴処法裁判
第21回公判 1月14日(金)午後1時30分
いずれも東京地裁429号法廷 12時30分に傍聴券配布所に集合
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週刊『前進』(2469号4面5)(2010/12/20 )
動労総連合定期大会 外注化阻止、組織拡大へ
2011年決戦方針を確立
動労総連合の第25回定期全国大会が12月12〜13日、千葉市内で開催された。
戦争と大失業の攻撃がますます激化する中で、動労総連合はいよいよその真価を発揮する時を迎えている。大会は、この時代に立ち向かう強固な方針を確立した。
大会の冒頭、動労総連合の結成以来その先頭に立ち、3月4日に逝去した中野洋前動労千葉委員長への黙祷(もくとう)が行われた。
石井真一副委員長(水戸)が、「動労総連合はこの1年、中野前動労千葉委員長の死という試練をのりこえ、検修全面外注化攻撃や1047名闘争をめぐる4・9政治和解という大反動と全力で対決し、大きな前進を切り開いてきた。来年は冒頭から検修全面外注化との闘いの本番、国鉄分割・民営化25年問題、新人事賃金制度との闘いになる。今大会で議論を深め2011年の決戦に向かおう」と呼びかけ、大会の開会を宣言した。
あいさつに立った君塚正治委員長(千葉)は、激動する内外情勢に触れつつ、「資本主義は労働者を食わせられないところに来ている。菅民主党政権は大企業を救済するため湯水のように税金を投入する一方、公務員の大量首切りを狙う公務員制度改革に踏み込もうとしている。国家主義が台頭し、戦争があおられている。労働運動が資本主義の枠内で闘えるのか。動労総連合は資本主義打倒で行く」と断じた。
経過報告と総括を石井副委員長が、情勢と方針を川崎昌浩書記長(千葉)が提起した。川崎書記長は「4・9政治和解の攻撃は動労総連合への組織破壊攻撃そのものだった。動労総連合として試練にさらされたが、同時に、新たな闘いの展望を切り開いた1年でもあった」と今年の闘いを勝利的に振り返った。そして、@国鉄闘争全国運動を軸とする1047名解雇撤回闘争、A検修構内業務全面外注化との対決、B反合・運転保安闘争と組織拡大闘争の一体的前進、C11春闘、D改憲・戦争、民営化・労組破壊攻撃との対決、E動労総連合の組織拡大闘争――の6点にわたって闘いの方針を提起した。
これを受けて活発な討議が行われた。動労西日本の代議員は、山田和広副委員長の不当解雇撤回―契約社員制度撤廃の闘いを報告した。
動労連帯高崎の代議員は、要員が極限的に削減された検修職場の現実を怒りを込めて暴露した。
動労水戸の代議員は、東労組による労働者支配が崩壊する中で、職場支配権を奪還し、青年労働者の本格的な組織化に打って出る決意を語った。
動労千葉の代議員は、3人の新組合員の結集をかちとった12・3〜4のストライキを総括し、さらなる組織拡大に打って出る決意を表明した。
総括答弁に立った川崎書記長は、来春までの連続する闘いの中で、JRへの最大の反撃は組織拡大にあると強調した。君塚委員長は、敵の攻撃の激化を組織拡大のチャンスに転じようと訴えた。
運動方針を満場一致で採択し、動労総連合は2011年の決戦を闘いぬく揺るぎない路線と団結をうち立てた。
(写真 2011年の決戦方針を確立した大会参加者は、組合歌を歌って団結を打ち固めた【12月13日 千葉市】)
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週刊『前進』(2469号4面6)(2010/12/20 )
2010年 12月8日〜14日
マレン「米韓演習に日本の参加を」/韓国に自衛隊派遣を打診
●「米韓演習に日本の参加を」 韓国を訪問した米軍制服組トップのマレン統合参謀本部議長が、韓国軍トップの韓民求(ハンミング)合同参謀本部議長との共同記者会見で「北朝鮮の脅威に対し、われわれは団結しなければならない。(米韓合同軍事演習への)日本の参加を望む」と表明した。(8日)
●朝鮮半島有事を想定 自衛隊と米軍が日本国内や周辺海域・空域で12月3〜10日まで実施する日米共同統合演習(実動演習)は「朝鮮半島有事に連動して起きる日本への弾道ミサイル攻撃や航空侵攻」を想定していることが分かった。防衛省は「特定の国からの攻撃を想定したものではない」としてシナリオを公表していない。(3日)
●PAC3、基地外訓練を拡大 米軍は、米陸軍パトリオット・ミサイル(PAC3)システムを沖縄県うるま市のキャンプ・コートニーから国道329号など公道を使い、名護市のキャンプ・シュワブに移動。米軍は移動自体も訓練だとし、基地外での訓練が拡大している。公道使用について事前通告はない。(8日)
●米軍ヘリ、渡名喜島に緊急着陸 米空軍嘉手納基地所属のHH60救難ヘリ1機が機体の不具合を伝える警告灯が作動したため、渡名喜村の急患搬送用ヘリポートに緊急着陸した。けが人はいなかった。小中学校と約100bしか離れていないヘリポートへの緊急着陸に、村民は「一歩間違えば大事故につながりかねない」と不安と怒りを募らせた。(8日)
●日米演習で貨物遅れ 米軍と自衛隊による日米共同統合演習の影響で、東京などから沖縄に向かう航空貨物に遅れが出ていることが分かった。日本航空(JAL)によると東京で40〜50dが滞留している。(9日)
●死刑求刑に無罪判決 鹿児島市で昨年6月に老夫婦を殺害したとして強盗殺人罪などに問われた男性の裁判員裁判で、鹿児島地裁は、死刑の求刑に対し、立証が不十分だとして無罪判決を出した。死刑が求刑された裁判員裁判で、無罪判決は初めて。(10日)
●シュワブで山火事 名護市の米軍キャンプ・シュワブで激しい爆発音を伴う実弾射撃訓練があり、山火事も発生した。(10日)
●日米軍事演習が終了 自衛隊と米軍の日米共同統合演習(実動演習)が終
了した。(10日)
●内閣支持率21% 朝日新聞社が実施した全国世論調査によると、菅内閣の支持率は21%で、内閣発足以来最低となった。不支持率は60%。11月13、14日の前回調査では支持27%、不支持52%だった。(11、12日)
●韓国に自衛隊派遣を打診 朝鮮半島での有事が発生した場合、日本政府が在韓日本人を避難させるため、韓国への自衛隊派遣を韓国政府に打診していることが分かった。周辺事態法にあわせた自衛隊法の改定で自衛隊派遣は可能。防衛省は朝鮮半島有事に際し、ソウル、仁川、釜山へ政府専用機や輸送機、自衛艦を派遣し、空港や港湾で日本大使館から日本人を引き継ぐ計画を練っている。(11日)
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週刊『前進』(2469号5面1)(2010/12/20 )
米日帝の戦争策動と対決を
米軍は「米日韓」軍事演習狙う
「朝鮮派兵」を打診した菅政権
11月23日、韓国・延坪島(ヨンピョンド)で起こった砲撃戦は米帝(米日帝)の朝鮮侵略戦争の始まりを意味している。大恐慌はすでに対策が不可能なまでに至った。帝国主義打倒の歴史的闘いがヨーロッパ、アメリカ、そして全世界でストライキ・デモ・暴動となって荒々しく始まっている。米帝・日帝は帝国主義間の死闘戦の勝利と、国内危機を排外主義的に転化することに延命の道を求め朝鮮侵略戦争を開始している。米韓、日米演習以降の米帝・日帝動向を徹底的に批判する。
(写真 8日、ソウルの国防省で会談に臨む米韓両軍の制服組トップ。右が「米韓演習に日本も参加を」と発言したマレン)
朝鮮侵略戦争へ複数の「作戦計画」
11月下旬から12月初旬にかけて行われた米韓、日米の軍事演習以降、事態はさらに加速している。とりわけ重大な動向は米帝が対北朝鮮・中国侵略戦争のために日帝の全面的動員に踏み切り、日帝の側もそれに積極的に応じていることだ。
米軍制服組の最高指揮官であるマレン統合参謀本部議長は韓国で12月8日、米韓合同軍事演習に「日本の参加を望む」と表明した。これに関連してマレンは「多国間で協力する必要がある。いま朝鮮半島は非常に切迫し、緊急性がある」と述べ、「過去に縛られてはいけない」と自衛隊(日帝)に対する韓国・朝鮮人民の怒りを踏みしだいて参加することを要求した。9日には防衛省で北沢防衛大臣とマレンが会談した。ここでもマレンは米日韓の連携強化を要求し、北沢も「連携を深めたい」と応じた。
本紙前号で弾劾したようにマレンは8日、韓国の韓民求(ハンミング)合同参謀本部議長と会談し、「北朝鮮の先制攻撃」を受けた場合、韓国軍が戦闘機で北朝鮮を爆撃する方針を決定している。金寛鎮(キムグァンジン)国防相は、同相の指針としすでにこれを第一線部隊に通達した。
米帝は朝鮮侵略戦争の「作戦計画」をすでに四つないし五つ立案している。99年に策定された「5029」は「北の混乱」に乗じて軍事介入することを軸とする。最も新しい03年策定の「5030」は「数週間にわたる予告なしの軍事演習を行い、北朝鮮の航空燃料や食料など戦時備蓄を枯渇させる」ことを核としている(解説参照)。実際にはいくつかの「作戦計画」が組み合わされ重層的に実行される。7月から始まった米韓、日米の連続的「軍事演習」は「作戦計画5030」の実際の発動だ。米帝は北朝鮮への侵略戦争に踏み切ったのだ。
さらに重大なことは、米帝の動向は対中国戦争をも射程に入れているということだ。米韓合同軍事演習での黄海への空母ジョージ・ワシントン(GW)の投入は、中国侵略戦争演習でもある。朝鮮半島の対岸、黄海に面する山東半島の青島(チンタオ)には中国北海艦隊の青島海軍基地があり、演習海域とは目と鼻の先だ。GWは全長333b、約10万d、FA18攻撃機など総計60〜70機の航空機を搭載し、核兵器も持つ“強力な航空基地”だ。GWはこの青島基地とそこの艦船・航空機を一挙に壊滅させる攻撃力を持っているのだ。
アメリカのウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は6日、北朝鮮の核開発をめぐり、技術支援をしたのは中国で中国こそ制裁の対象になるべきとの社説を掲載した。米帝の体内から中国侵略戦争の衝動が高まりつつあるのだ。
「派兵へ法整備」の菅発言に怒り噴出
菅首相は「朝鮮半島有事」の場合「拉致被害者救出」のため自衛隊機の派兵を政府内で検討していることを明らかにした。韓国と「議論を進めている」とも語った。さらに「韓国に在留する日本人の救出」のため自衛艦の派兵を韓国に打診していることも判明した。菅は「法整備も進める」とも発言している。
政府や防衛省の関係者は打ち消しに躍起となっているが、すでに政府内で検討が進み韓国との間でも議論がなされていることは明らかだ。日帝はこれまでも「拉致問題」を対北朝鮮排外主義の扇動のために使ってきた。日帝は今、さらにそれを北朝鮮への自衛隊の派兵・侵略戦争の口実にしようとしている。
「有事」の際の「邦人保護、救出」は、帝国主義が侵略戦争に突き進むための決まり文句だ。1927〜28年、日帝は中国人民の反日運動の高まりに対して「在留日本人の保護」を名目に中国山東省への陸海軍の出兵を強行し、中国侵略戦争を拡大していった。
日帝は帝国主義間争闘戦の敗勢に追い詰められ、米帝の朝鮮・中国侵略戦争に必死に食らいつこうとしている。日帝はその衝動に突き動かされ、朝鮮人民(アジア人民)の日帝への怒りにペテン的に対応する余裕も失い、侵略戦争に突入しようとしているのだ。
すでに韓国ではこの日帝の自衛隊派兵策動に怒りが爆発している。ハンギョレ新聞は12・12社説で「どんな名目であれ、韓半島に日本兵力が再び進出することがあってはならない」と弾劾した。民主労総を始めとした韓国・北朝鮮の労働者階級と連帯し、日帝の侵略戦争を絶対に阻止しよう。
対中国シフトへと転換の新防衛大綱
日帝は17日、新たな「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」(11〜15年度)を閣議決定した。「大綱」は日帝の中長期の「安全保障」や軍事力の基本方針、それに基づく自衛隊の部隊規模、戦車や戦闘機などの武器や装備品の大枠などを示した基本指針である。1976年につくられたのが最初で、今回で3度目の改定だ。
今回の改定はこれまでの改定とは抜本的に異なる。米帝が中国との対峙・対決政策に踏み切った中で、それと競合しつつ北朝鮮・中国への侵略戦争に突き進むための戦略的な大転換だ。それを示すのが、「基盤的防衛力構想」から「動的防衛力」への転換と「南西諸島の防衛態勢強化」だ。沖縄本島以西の地域・海空域に自衛隊の大部隊を展開するということだ。
それは、新「大綱」が掲げている部隊配置方針で鮮明だ。今年3月には先取り的に那覇市にある陸上自衛隊第1混成団(約1800人)を約300人増やし、第15旅団に格上げした。これまでは那覇から与那国島までは陸上部隊は配置されていなかったが、今後与那国島に100人規模の部隊を配置する。
陸自の戦車数を現「大綱」の約600両から200両削減し、南西諸島の軍事力強化に予算や人員、装備を振り向ける。旧式の戦車や装備を大幅に削減し、「動的防衛力」=機動力と即応力を向上させるのだ。那覇基地の戦闘機を現在の24機から36機へ1・5倍増強する。しかも最新の「F15改」を配備して緊急発進能力を向上させる。現在16隻の潜水艦を22隻に増やし展開する。迎撃ミサイル搭載のイージス艦を現在の4隻からさらに増強するなどだ。
これらのすべてが対北朝鮮・中国侵略戦争を見すえての布陣である。中国と正面対峙し、米帝と競り合いながらともに侵略戦争に突き進むことを狙っている。
仙谷官房長官の「沖縄の方々には、米軍基地の存在を甘受していただく」なる発言(13日)は、米軍基地のみならず自衛隊の大増強をも受け入れろ、日帝が生き延びるために沖縄は再び“捨て石になれ”ということだ。沖縄と本土の労働者階級に対する絶対に許せない攻撃だ。
階級的労働運動を徹底的に前進させていくことこそ最大最高の反戦闘争だ。戦争と大失業への怒りを全身にみなぎらせ、年末から2011年決戦を全力で闘おう。
(北沢隆広)
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(解説)作戦計画50××
米韓の北朝鮮侵略戦争のための「作戦計画」はこれまで四つから五つ立案された。
●「作戦計画5026」
1990年代初頭に作られた。核施設を精密誘導弾でピンポイント攻撃することが柱。
●「作戦計画5027」
つくり出した戦争状態に乗じて北朝鮮の首都ピョンヤンを攻略し、韓国による北朝鮮の武力統一を果たすことを戦略目的とする。その後2度にわたり修正された。
●「作戦計画5029」
1999年に策定された。以下のような「北朝鮮の混乱」を「戦時」と判定し、軍事介入する戦略を軸とする。中心は核兵器、核物質の確保。
@クーデターや内戦の発生。
Aそれに伴う「核、ミサイルの統制・管理機能不全や海外流出」「大量脱北者発生」など。
●「作戦計画5030」
最も新しい計画で03年に立案された。
北朝鮮の体制崩壊を積極的に促進する「かく乱工作」で、米国防情報局(DIA)を中心に立案された。
@数週間にわたる予告なしの軍事演習を繰り返し、北朝鮮人民を防空壕に退避させ、食料や保存食などの戦時備蓄を枯渇させる。
A北朝鮮領空付近で偵察飛行をひんぱんに行い、北朝鮮空軍機に緊急発進させ、航空燃料を消費させる。
B戦略レベルのニセ情報を流布し混乱を助長する。
C要人の亡命を積極的に支援する。
D金正日総書記の資金源を壊滅させる。
――これらの作戦を組み合わせて実行する。
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週刊『前進』(2469号5面2)(2010/12/20 )
現代自動車非正規職支会 新段階の闘いへ
団結守り資本と対決
(写真 「不法派遣NO」「われわれは正規職だ」を掲げ、再ストライキを決議した現代車非正規職支会【12日 蔚山】)
12月9日午後4時、蔚山(ウルサン)の現代自動車非正規職支会は、第1工場占拠を解いて正門から外に出、工場の外で座り込み闘争を守り支え続けた仲間たちと熱く抱き合った。11月15日の工場占拠突入以来、現代資本のあらゆる暴力をはねのけ、飢えや寒さにも耐えて座り込み場を死守し続けてきた248人の労働者たちだ。
この日午前9時から、第1工場内では緊急組合員総会が開かれ、今後の闘争方針について白熱した議論を繰り広げた。正規職組合である現代車支部のイギョンフン支部長が非正規職支会に対して「座り込み解除」を要求し、それまで継続してきた座り込み場への食糧搬入の闘いも中止するなど、ストライキ破壊に公然と動く中で、組合員の意見は二つに割れた。「飢え死にしても最後まで座り込みを死守する」という意見と、「このままではバラバラになる。いったん解除して闘争態勢を立て直そう」という意見が拮抗(きっこう)した。だが最も重要なことは、あらゆる困難に打ち勝って組合員の団結を守り抜くことだ。組合員たちは最後に、座り込み解除についての判断をイサンス支会長に一任することを全員一致で決定した。
午後2時すぎ、イサンス支会長の決定が現場に伝えられた。支会長が金属労組委員長と現代車支部長との協議の上で座り込み解除を決断したのだ。イサンス支会長は、「今回の闘争は現代資本の心臓に一度ナイフを突き刺した。堂々と胸を張って闘争の戦士として現場に立とう」と、組合の団結を維持し、新たな闘いに出発することを宣言した。
非正規職支会第1工場のキムソンウク代表は「われわれは25日間奇跡を実現した。最後まで頭を下げず堂々と歩いていこう」と呼びかけた。
午後4時すぎ、大工場の組合員たちが正門を出ると、待ちかまえた組合員家族、支援者から拍手がわき起こり、熱い抱擁が交わされた。誰もが「闘いは終わったのではなく、これからが闘争の始まりだ」と語り、新たな闘志を燃え立たせた。
「今日は私たちの力が足りず座り込みを解くが、次はもっと大きな闘争にする」「他の工場をいつでも占拠できるという自信もできた」「さらに力を蓄積して準備して、再挑戦しよう」――これが組合員の声だ。そこには、資本との非和解の激突をくぐりぬける中で大きく成長した組合員の姿があった。
工場占拠解除後ただちに現代自動車元・下請け会社側と金属労組、現代車支部、現代非正規支会の5者が顔合わせをしたが、会社側は「交渉」であることを認めず、会合はわずか35分間で終わった。
再ストを決議
12日、現代自動車非正規職支会は蔚山で全組合員の決意大会を開き、現代資本との交渉に進展がなければ再ストライキに突入する方針を決定した。大会には、病院からパジャマ姿で駆けつけた組合員も含め約600人が参加した。イサンス非正規支会長の委任を受けて登壇した蔚山第2工場のイジンファン代表は、「14日の交渉で資本が態度を変えないなら、15日からまたストに入る」という方針を提起した。全員が「トゥジェン!」の熱烈なシュプレヒコールで応えた。
15日に開かれた「交渉」も進展なし。現代車非正規職支会は、組合員らに懲戒手続きが通知されればただちにストライキに入ることを決めた。次回の「交渉」は20日に予定されている。
「われわれは闘う準備ができている。指導部は絶対に揺れるな」と闘う現場組合員の闘志は揺るぎない。正規職化は夢ではなく、現実の獲得目標なのだ。
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週刊『前進』(2469号5面3)(2010/12/20 )
東北石けん労働組合 解雇許さぬと追及
地労委1日行動を貫く
7日、東北石けん労働組合は、結審情勢の中、地労委全1日行動を断固打ち抜いた。延べ60人の仲間が年休を取って結集した。
朝、地労委直近の仙台市役所前で20人で街頭宣伝を行った(写真)。ビラの受け取りは圧倒的にいい。初参加の青年が演説すると、青年の怒りが市役所前を席巻した。「解雇を撤回しろ! こんな社会は今すぐ変えよう!」。10時からの地労委第7回調査でもこの怒りが審問廷を圧倒した。
許し難いことに、この調査を前にして労働委員会は、新工場・畑惣商店側に対して「求釈明なし」の対応をしてきた。国鉄分割・民営化でJRを解雇責任から救済したのと同じ姿勢だ。こんなことが許せるか! 東北石けん労組は、次々と畑惣商店・畑文雄の解雇責任を追及した。
株式売買による法人格を維持したままでの新工場移転を、労組を新工場から排除するために合意解約して個別売買に切り替える過程で、なんと東北石鹸佐藤工場のゴム印と代表印(畑文雄が使用)が使われている。畑は東北石鹸と無関係どころか、代表取締役退任後も印鑑を持ち続け、これを使用していたのだ。
この印鑑を「私が押しました」と開き直る佐藤吉範も畑と一体だ。自分の旧来の印鑑を持っていた佐藤が、自分のものではなく畑の印鑑を使うことなどありえない。畑惣商店と東北石鹸佐藤工場の一体性は明らかだ。
顔面そう白となった畑、佐藤、その代理人弁護士に、さらなる追及がたたきつけられた。畑が交付してきた「労働条件通知書」には、「本社」として仙台市太白区郡山の住所が記入されている。だが東北石鹸には「本社」など存在しなかった。こんなデタラメな文書で労働者を首にできるのか!
畑も佐藤も代理人弁護士も、何の説明もできず弱々しく「文書で」と逃げるのが精一杯だ。労働委員会が資本の意を呈して、労働者の救済機関としての立場さえ捨て去るなど絶対に許さない!
引き続き名取市愛島台の新工場門前に移動し、勝利感に満ちて畑と佐藤を弾劾した。
(東北石けん労組・H)
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週刊『前進』(2469号5面4)(2010/12/20 )
追加景気対策で金利急騰
オバマ恐慌対策は破滅的
12月6日、米帝オバマは減税などの追加景気対策を発表し、関連法案が年内にも成立する見通しとなった。米帝は11月3日の自己破綻的な追加金融緩和策に続いて、こうした追加対策で2番底やデフレの危機を回避しようとあがいている。しかし、危機は押しとどめられないどころか、追加対策で財政赤字を膨張させ、何よりも金利上昇という最悪の事態を招き、さらにはドル暴落を切迫させる。
追加景気対策では、今年末で期限切れとなるブッシュ政権時代の減税を2年間延長する。オバマは「年収25万j以下の層だけ減税延長」を公約にしてきたが、共和党の主張を受け入れて25万j以上の富裕層にも延長することにした。さらに新規に、企業の設備投資への減税、給与税の2%引き下げなどを決めた。
これにより、財政負担は今後10年間で8578億j(72兆円)も増える。この額が、09年2月に成立した景気対策法の規模7870億jを上回ることから、「第2次景気対策」(JPモルガン・チェース)などと持ち上げられているが、8578億jの景気対策がとられるわけではない。給与税の減税は家計所得の上乗せ効果があるとされるが、額は年間1200億j(約10兆円)程度である。一方で09年景気対策法の個人向け税還付が年内で打ち切られるため、実際の追加的な減税額は550〜660億jとされる。
こうした追加対策が若干の浮揚効果を持つとしても、大恐慌を押しとどめることなどできない。現に住宅価格(全米ベース)は7〜9月期には前期比3・4%の下落となり、再びマイナスに転じた。商業用不動産でも13年に向けて、バブル期に実行された1兆j規模のローンが満期を迎え、返済不能となるのは必至だ。
さらに重大なのは、保険会社であるモノライン大手のアムバックが11月に経営破綻した。モノラインは住宅ローン担保証券などの保証をしてきた機関であり、住宅バブルの中軸の一つだった。しかし今秋、住宅ローン担保証券を持つ投資家が金融機関に買い戻しを求め始めたため、住宅ローン担保証券の信用が再低下し、保証をしていたモノラインが膨大な保険請求を受けるに至った。金融恐慌の再爆発の火種が生じているのだ。
今回の追加景気対策は、米財政赤字を一段と膨らませるものとなる。オバマは今年2月の予算教書で「13年までに財政赤字半減」などと言っていたが、大破産した。
さらに、オバマ政権がブッシュ減税の延長を決めたのを機に長期金利が上昇し、14日には一時3・49%になった。財政赤字が拡大すると米国債の信用が下がるため、米国債の価格が低下し、それに反比例してその利回り=長期金利が上がる。「長期金利の危険水域は3%」とも言われ、住宅ローン金利の上昇、住宅ローン担保証券の相場の低下、銀行の不良資産の増加をもたらす。金利上昇は、金融政策など他の恐慌対策をすべて無にしてしまうほど、米経済に破壊的な作用を及ぼす。さらに金利上昇・債券価格低下は、米国債などドル債全般の評価損をもたらし、ドル暴落をますます促進する。
11年が世界大恐慌の再激化の年となるのは不可避である。
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週刊『前進』(2469号5面5)(2010/12/20 )
警察の犯罪・危機・居直り
「国際スパイ情報」が流出
10月下旬、警視庁公安部外事3課の「国際テロ対策」秘密捜査資料が、当の警視庁公安部の内部から、しかもその中枢部から大量にインターネット上に流出していることが判明した。APEC横浜会議の直前に、議長国たる日本政府とブルジョアジーの国際的「信用」を失墜させる事態で、警察権力や政府関係者が震撼(しんかん)する空前の事件だった。
「流出」した情報の中身は、中東諸国の大使館などを監視した記録や「警戒対象人物」の仔細(しさい)な個人情報、さらには米FBI(連邦捜査局)の依頼で関係者を聴取した記録、「情報提供者」との接触方法やその中身まで多岐・詳細にわたる。都内にあるモスク(イスラム教の礼拝施設)やアラブイスラーム学院(東京都港区)などの宗教・文化施設も、膨大な人員と時間を割いて監視体制に置かれていた。「2週間にふたつのモスクで3600人以上のムスリムをチェック」という具体的な暴露もある。
またイラン大使館では、大使以下80人もの大使館員の銀行口座情報を東京三菱銀行から非合法的に入手し、出入金記録を詳細に調べ上げていたことも分かった。都内のレンタカー会社からは、紹介文書もなしに随時、利用情報を警察が入手できる体制になっている事実も判明した。
ちなみに流出情報の中には、「国際テロ対策」に従事する警察官一人ひとりの住所、氏名、顔写真、電話番号、家族構成から「人質交渉係」などの役割にいたる警察内部情報も含まれていた。
問題は、権力犯罪の事実を含むこれらの情報流出について、当の警視庁公安部が自らの「内部情報」であるとは一貫して認めず、しかし追い詰められて不特定の外部の者を「容疑者」として「捜査」するというペテンで乗り切ろうとしていることだ。権力が非合法手段で人民を監視したり、弾圧の口実を捏造(ねつぞう)することは公然の秘密だった。その氷山の一角が特捜検察の「証拠書き換え事件」で白日の下にさらされたばかりだが、在日ムスリムを全員「テロリスト容疑者」と決めつけて日常的な尾行体制を敷いたり、事件とは無関係に銀行口座の記録を引き出したりしていたことは純然たる犯罪行為だ。
これに対して菅政権やほとんどのマスコミが沈黙し、事態の沈静化に躍起となっていることは許し難い。また「警察を民主的にコントロールする」建て前の国家公安委員会や国会が、完全に沈黙していることも犯罪的である。
さらに今回の事態は、ブルジョア階級支配の危機が一線を超え、国家権力の暴力装置の中枢にまで分裂が拡大し始めたことの現れでもある。特定の幹部しかアクセスできない警視庁の専用サーバー(大型コンピューター)に保管されている機密情報を、警察権力の中枢にいる人間が故意に流出させたかつてない事件だからだ。
菅政権が、この問題をスパイ防止法(国家機密法)制定策動にすり替えようとしていることを許してはならない。当の警視庁を徹底断罪すると同時に、迷走を極める民主党政権もろとも、今こそブルジョアジーの支配を根本的に打倒するために闘おう。
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週刊『前進』(2469号6面1)(2010/12/20 )
団結ひろば 投稿コーナー
社保庁免職取り消し人事院審理を傍聴 沖縄 玉城正実
11・7労働者集会の直後から、沖縄で社会保険庁分限免職にかかわる人事院公平委員会の公開審理闘争が闘われました。分限免職者9人のうち7人が不服申し立て・処分取り消し請求に決起するという画期的闘いが沖縄で始まったのです。
7人が三つのグループに分かれ、計10日にわたり、今回の分限免職に対する悔しさ、怒りをぶつけ、労働者としての誇りと生きざまをかけた渾身(こんしん)の決起として闘われたのです。
今回の審理で明らかになったことは、社保庁の解体とこの分限免職処分のデタラメさ、理不尽さ、不当性です。同時に、請求人=当該労働者の誇りと決起の正義性、勝利性です。このことは、本来処分者側証人になるべきはずの社会保険事務所の所長が請求者側証人として立ち、「この分限免職は不当で許せない」と証言したことにも現れています。
重要なことは、この三つのグループの請求者側証人として、広島で同じ社保労働者として解雇撤回を闘う平口雅明さんが登場したことです。平口さんは、今回の分限免職を徹底的に弾劾し、「消えた年金問題」は「労働者に責任はない。一切は国の責任だ」と喝破して7人を激励し、ともに闘いぬきました。
平口さんから始まった525人の闘いは沖縄で完全に火がつきました。国鉄1047名闘争をしっかりと据えてきたからこそ、社保労働者の決起と結びつくことができたのです。当該の労働者は解雇撤回まで徹底的に闘う決意を固めています。闘いはこれからです。
日航客室乗務員組合 解雇通告に緊急行動 東京 KW
12月12日、冷たい雨の中、東京地裁前で日本航空の不当な202人整理解雇通告に対する怒りの緊急抗議行動が行われた。当該の日航キャビンクルーユニオン(CCU=客室乗務員組合)、日航乗員組合、航空連を先頭に支援の全労連、全労協、自由法曹団など200人が決起し、労組交流センター女性部、婦人民主クラブ全国協議会なども合流した。
集会で内田妙子CCU委員長は、けさ届いたという自身への解雇通告をかざして「直ちに送り返す」と戦闘宣言を発した。その上で決意表明を兼ねてCCUの抗議声明を読み上げた。「日本航空は、退職を強要した結果、削減目標を上回る希望退職が出ているのに200人以上の労働者に整理解雇を通告してきた。理由として53歳以上、病気・休職などを挙げている。まったく違法・不当だ。しかも整理解雇の4要件さえ満たしていない。労働組合を破壊しつぶそうとしているのだ。しかし労働者が安心して働けない職場では安全は守れない。日本航空の不当な解雇通告の撤回を求めて勝利するまで闘います」。揺るぎない決意をこめて日航に怒りをぶつける内田委員長に支持と共感の拍手と声援が巻き起こった。
婦民全国協と交流センター女性部は、24―25日にストライキに立つCCUへの檄布を内田委員長に手渡し、闘うきずなを固めた。
日航乗員組合の宇賀地竜哉委員長も「常軌を逸した解雇攻撃だ」と解雇通告を弾劾、闘う決意を表明した。
獄壁をうがつ団結へ 星野同志に年賀状を 吉島光
獄中の星野文昭同志に1枚の年賀状を出す。多忙な方も、ぜひ新年号を読むときなどに5分でも時間をとってみてください。実は韓国民主労総でも獄中の仲間へのクリスマス・年賀が呼びかけられていました。松川闘争でも闘われました。獄中年賀は獄中と獄外の団結の証しであり、各国労働者が取り組んでいます。獄壁を内外からうがつ「共同闘争」だからです。
2010年の攻防を振り返ると、決してオーバーな表現ではないです。獄中と獄外との交流は、それ自体が敵階級との白熱的な攻防点となりました。日帝鳩山・菅政権は革共同の獄中同志に対して、国鉄屈服和解攻撃・沖縄辺野古攻撃とまったく同時期に懲罰、面会禁止、弁護士面会禁止、夫婦の手紙のやりとりも削除という獄中抹殺の攻撃をしかけてきました。国鉄闘争をつぶして、労働運動全体を壊滅させるという攻撃とまったく同じ攻撃が、沖縄闘争である渋谷暴動の被告にかけられたのです。
支配権力にとって非転向の獄中革命家とはどのような存在か? これを敵側から徹底的にはっきりさせてきたのです。たんに個人への攻撃ではないのです。動労千葉が職場組合員と争議団員の強固な団結を形成するのに積み重ねた努力。それを国労本部の和解と対決すればするほど感じました。その意味で通信という形ですが、獄内外の確実な物質的呼吸です。可能な方はぜひ、お願いします。
日米軍事演習反対! 広島で緊急反戦行動 広島 竹林かな
朝鮮情勢の危機の中、日米合同軍事演習が開始された翌12月4日、8・6ヒロシマ大行動が緊急反戦行動を呼びかけ、原爆ドーム前集会・デモ・街頭宣伝をやりました。よびかけ人を先頭に40人が駆けつけました。
集会では、下田礼子さんが「今の状況は誰も戦争反対を言わない。実際に目の前で戦争が始まる時は、こうやって静かに始まっていく。戦前の状況とそっくりだ。戦争絶対反対の声をあげていこう」と訴えました。
百万人署名運動広島県連絡会の仲間やセイブ・ザ・イラクチルドレン広島の方が発言、動労西日本は前日始まった動労千葉のストライキの報告をしました。最後に広島大学の学生が「アメリカが危機ゆえに戦争へと突っ込んでいる。国際連帯で戦争を止めよう! 広島からもっと反戦の声をあげるべきだ!」と呼びかけました。デモでは沿道の市民、労働者の圧倒的共感を得ました。うれしそうに写真を撮る若者や「頑張れ!」と声をかける人、一緒にこぶしをあげる人。解散地点では一緒に団結ガンバローをした青年が私たちの輪の中に入って討論しています。
街宣では百万人署名運動の沖縄署名と同時に、動労千葉の12・3ストライキの報告ビラもまきました。戦争を阻止し労働者階級の勝利の展望を持っているのは、国鉄全国運動を闘う私たちです。さらに労働者民衆の中へ!
党の時代認識に確信 『前進』論文の再読を 河北まりも
4月9日の政治和解と11月23日の北朝鮮砲撃をめぐって、いかなる立場と行動をとるのか、全勢力・全党派がふるいにかけられています。この情勢下で、あらためて『前進』2459号4〜5面論文の再読を全同志に熱烈に呼びかけます。
約1カ月前の論文ですが、アイルランドの破綻、朝鮮侵略戦争、沖縄新基地建設攻撃……と「ズバリ! そうなっている!」ことばかりです。再読し、この現実に体中に電流がビリビリっと激流したような感覚になりました。生まれて初めてのことです。革共同の「予想」が「的中したこと」に感動したわけではありません。革共同の党員として、あらためて革共同の時代認識に獲得され、「大恐慌と戦争の時代を革共同の時代認識で勝ち抜いていける」「断固この道を突き進んでいこう」と自信と確信を与えられました。
「国鉄決戦を基軸として、国鉄決戦の前進と、朝鮮侵略戦争反対闘争、沖縄闘争を独自の反戦政治闘争として闘いぬくことを、革命的に統一して闘おう」は、今職場・キャンパスで求められていることです。責任勢力になるとは反戦政治闘争を担える勢力になることです。4〜5面論文を再読して、時代認識を体中に染み込ませ、自身の革命運動を不動のものにしていきましょう!
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週刊『前進』(2469号6面2)(2010/12/20 )
『最前線』ダイジェスト復刻版刊行に寄せて
動労千葉特別執行委員 滝口誠さん
“70年を超える壮大な反乱を”
反戦を闘いつつ青年部運動
どのようにして闘う組合になったのか
このほど刊行された『最前線』69〜72年ダイジェスト復刻版の巻頭に、「火花・職場からのレポート」として「滝口誠君(動労千葉地本)に懲戒免職」というマル青労同国鉄委員会署名の解雇撤回闘争報告が掲載されている。この闘いの当該で、今日動労千葉特別執行委員として活躍中の滝口さんに、当時の闘いの教訓や今日の青年労働者への期待を語っていただいた。(取材・構成 村雨省吾)
中野さんにオルグされ国会デモへ
『最前線』のダイジェスト版を手にとって、最初は「懐古的な記録版かな?」と思ったけど、自分の解雇撤回闘争が目に飛び込んできて、「オオッ」と思ってショックもあり、全部の章を吸い付けられるように読みました。
僕は1963年に国鉄に入りました。葛飾区の新小岩駅に巨大な機関区があって、まずそこの整備係から出発しました。当時の機関区職場は他の産別職場とはまったく異なっていて、「戦争のにおい」が残っていました。ロシアや中国帰りの先輩が仕切っていて、軍隊的な職場環境だった。管理職や先輩のイジメが日常茶飯事で、よく殴られました。
職場の環境もひどくて、SL(蒸気機関車)の煙で体中がいつも真っ黒くなるくらいだった。だから僕が同僚を代表して、労働組合の支部に「石けんや軍手が少ないのをなんとかしてくれないか」と頼みに行ったんです。でも組合の部屋に入るなり、いきなり「汚いから出て行け!」って支部長から怒鳴られたんです。「社会主義」とか「労働組合」に崇高なイメージをもっていた当時の僕は、ひどくショックを受けました。新小岩だけではなくて、機関区職場全体がこんな雰囲気に覆われていました。
そういう時に、新小岩の寮で同期の仲間たちとダンスの練習をやっていると、たまに千葉から中野さん(中野洋動労千葉前委員長)がオルグに来るわけです。「上達したかあ? ダンスもいいけど、日韓闘争のデモに行かねえか?」って。執拗(しつよう)なオルグから逃れるために「1回行って終わりにしよう」と思って行ったのが運のつき。国会前で機動隊とぶつかって、それがやみつきになったわけです(笑)。これがきっかけで、反戦闘争を闘いながら、職場で仲間を集めて青年部運動を始めます。
当時、地区にも反戦青年委員会ができて、僕が葛飾地区反戦の議長になります。葛飾反戦は労働運動の歴史が深くて、協会(社会主義協会)と日共(日本共産党)を除いて全党派があるから、毎晩激烈な議論を交わしていましたね。また、職場で闘いだせば、まだ職場には戦争体験者や若いもの同士でも「おめえなんかに戦争のことがわかんのか!?」って怒鳴られて、すごく激論になった。でも本気で激論を交わしたやつほどこっちに来ましたね。
国鉄の劣悪な環境で不満を抱いていた青年たちの「今の職場のあり方はおかしい」「戦争絶対許せない」っていうストレートな気持ちが職場から出てきて、闘争のたびにでっかい闘いになっていった。
この積み重ねが67年10・8羽田闘争に決起するバネになります。当時の新小岩支部は、青年部の中心的メンバーが必死に組織して、ほとんどの青年が羽田に駆けつけました。10・8闘争は激しい闘争で、僕も逮捕されそうになったけど、ガソリンスタンドのお兄ちゃんに助けられて、生還した。仲間の一人は、機動隊と激しくぶつかって肋骨(ろっこつ)を折られた。10・8を貫徹した後は、街頭のデモの武勇伝で職場はすごく活気があったよ。
現場の力で懲戒免職を撤回させる
10・8を起点に、大学闘争と一体で反戦青年委員会運動が社・共の思惑を超えて爆発していきます。焦点は沖縄と国鉄。国鉄の5万人大合理化攻撃との全面的な激突で、長年にわたって阻止し続けてきた機関助士廃止闘争が敗北します。70年決戦の全体の闘いは高揚していきますが、機関区職場は敗北の疲れと失望感が覆っていました。
なんとか青年部を元気づける闘いをやらないと――こういう思いを抱いている中で、68年10月、僕に対して懲戒免職・解雇攻撃がきました。しかも”酒”を理由にすれば反撃できないだろう、と。動労内の多数派だったカクマルは、もちろん「千葉地本が悪い」と投げ捨てます。動労内の犠牲者救済委員会でも「12対11」で中野さんや僕たちは負けます。当時の中野さんの鬼のような顔は今でも忘れません。
当時は民事裁判で解雇撤回闘争を闘う経験もイロハもありませんでした。だから必死になって「滝口誠君を守る会」を現場からつくっていきます。僕たちの闘いに反対していた人間も含めてオルグして「守る会」に入れさせて組合全体の力関係をひっくり返した。解雇から2年余りの闘いで、ついに裁判闘争に完全勝利し、見事に解雇撤回をかちとり職場に復帰します。”負けて勝つ”――まさに劣勢であっても団結の拡大でつかみとった勝利でした。そしてこの2年間は、組合権力を完全に奪取して中野体制を確立する闘いと一体でした。この解雇撤回の勝利がなければ、今の僕の闘いはありません。
船橋事故と闘い力関係を変えた!
70年に入り職場の闘いは高揚していきますが、70年決戦の全体は、破防法が適用され、一方でカクマルの襲撃が開始され、権力とカクマルとの闘いが本格化していく時代に入っていきます。動労の動員や会議、集会の現場に行くたびにカクマルから暴行を受け、組合員のカクマルへの怒りが高まっていきます。
こういう中で、72年3月、船橋事故が起きます。この時の順法闘争の組合員のエネルギーは半端じゃなかった。この背景には「高石正博君を守らなきゃ」とか「事故は運転士の責任じゃない」とか色々怒りはある。その中で松崎明(動労カクマル)が「事故問題は労働運動の範疇(はんちゅう)じゃない」って言いだします。「松崎がそう言うんなら徹底的にやってやろうじゃないか」って。これが超ど級の怒りになった。
当時は今みたいに「反合運転保安闘争路線」としてあらかじめきちっとあったわけじゃないけど、中野さんは闘いの中で「これだ!」と気がついた。「高石君が実刑になっても絶対に職場に戻す」と檄(げき)を飛ばした中野さんを先頭に、当局の弱点を握ったら離さず、路線化して闘います。
この船橋事故闘争の時のエネルギーが当局、カクマルとの力関係をつくっていきます。動労千葉の団結は、何十年という闘いの中でつくられてきたものです。一人ひとりの闘いがあって、「俺たちの動労千葉だ」っていう思いがある。中野さんが言うから従うっていうわけじゃない。
この70年決戦で培った闘いが、77年の三里塚闘争と連帯して闘ったジェット燃料輸送阻止闘争、79年の動労本部からの分離・独立の闘い、87年の国鉄分割・民営化との闘いへと発展します。
”敵よりも一日長く”――動労千葉は中野さんの卓越した指導力によって闘ってこれました。それだけではなくて、中野さんのような指導者(部)をつくった組合員の力と団結によって闘うことができました。そして、限りない犠牲を払っても動労千葉を支えてくれた多くの仲間の力添えがあった。次代の田中康宏委員長体制をつくり、そのもとに全組合員が団結し、今でも組織拡大で闘っています。
(写真 68年、解雇撤回へ向けた「守る会」結成大会で決意表明する滝口さん)
『最前線』から今日何を学びとるか
これからの時代は戦争とファシズムに対して団結して対決して勝っていく。そういう時、われわれがイマジネーションを豊かにし、強さ弱さを検証して、質量ともに飛躍していく必要があります。周りをオルグしてともに闘っていく主体的条件は満ちています。
これからは巨大な闘いをつくり、戦争をぶっ止める闘いをつくりだすために何が必要か?――このイメージが必要です。動労千葉はジェット闘争の時、「拒否から阻止へ」と闘った。もし朝鮮半島で戦争になって、「自治体や港湾を使うよ」ってなったらどうしますか? 1回のデモではすまない。労働者が職場支配権をとって戦争協力を拒否しなければ、戦争は止められない。闘いの本番はいよいよこれからです。
僕は動労千葉の物販回りで全国を歩いています。その中でつかんだものがあります。「労働者の良心はまだまだ生きている」「むしろわれわれの方が見逃している」ということです。だからこそ、70年闘争を超えるような壮大な青年労働者・学生の反乱をつくろう! 『最前線』は、その可能性と展望を指し示しています。とりわけ青年労働者に言いたい。希望や野心を持って『最前線』からつかんで欲しい、と。
★滝口処分撤回闘争
1968年10月5日、国鉄当局は動力車労組千葉地本新小岩支部青年部長の滝口さんに対し、何の根拠もなく「乗務仕業勤務時間中の飲酒」など4点をデッチあげ、懲戒免職を通告した。拠点支部青年部長への解雇という当局の組織破壊攻撃に対し、ただちに新小岩支部と千葉地本青年部を中心にして「守る会」が結成された。当時の動労千葉地本執行部は不当処分であることを認めようとせず、闘いは困難を極めたが、独自の裁判闘争を闘い労組全体の力関係を変えていった。70年10月28日、東京地裁で地位保全の仮処分を認め「懲戒免職は無効」とする判決をかちとり、滝口さんは復職を果たした。
(写真 69年「滝口処分撤回、助士廃止粉砕、東鉄三分割阻止」を掲げ新小岩機関区で青年団結集会)
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週刊『前進』(2469号6面3)(2010/12/20 )
前進社国賠訴訟 11月不当捜索を弾劾
釈明拒否し逃げ回る警視庁
12月10日、前進社不当捜索国家賠償請求訴訟の第4回口頭弁論が東京地裁民事第1部(甲斐哲彦裁判長)で行われた。
前回の口頭弁論で、原告は、「今年も11月労働者集会への事前弾圧をやるのか。そんなことは許さない!」と弾劾した。にもかかわらず警視庁はまたも、でたらめな不当逮捕を強行し、それを口実にして集会直前に前進社本社など全国で不当極まる家宅捜索を行った。これに対し原告と弁護団は、警視庁と令状を発布する裁判所を徹底的に弾劾する決意に燃え、法廷闘争を闘い抜いた。
前回の裁判で原告弁護団は、警視庁が公安条例違反とどのような関連性があると判断して大量の記録媒体等を押収したのかについて、釈明を求めていた。しかし、被告東京都が提出した準備書面(2)なるものは、まったくその求釈明に応じるものではなかった。
この点について原告弁護団が追及すると、被告は「書面記載の通り」と繰り返すのみで、まったく答えることを拒否した。違法な押収を開き直り、不遜(ふそん)な態度に終始する被告・東京都を、原告と傍聴人が怒りを込めて弾劾した。
また、原告弁護団が捜索差押許可令状請求書や捜査報告書などの提出を求めたが、これらにも被告の東京都と国は一切応じなかった。刑事裁判での証拠の改ざんや隠滅という国家権力の体質は、国賠訴訟においてもまったく変わらない。
このような卑劣で硬直的な対応に終始する被告らに対し、原告、弁護団、傍聴人は激しく弾劾、追及した。しかし裁判長は被告らの不遜な対応を擁護するばかりであった。断じて許し難い。
さらに、原告の代表が立って、国賠提訴に追い詰められながらも、今年もまた11月労働者集会と横浜APEC粉砕闘争への事前弾圧に走った警視庁と裁判所を、厳しく弾劾し追及した。
国鉄1047名闘争の解体を狙う4・9政治和解の反革命をはね返し、「国鉄闘争の火を消すな!」と例年にも増して一層団結を拡大し、前進する労働者階級の闘い。これに警視庁は恐怖し、いたたまれずに、集会前日になって前進社本社の家宅捜索を強行し、全国にも捜索を拡大した。
しかも今年はそのための口実に、アパートを借りるに際し中核派であることを隠して住んでいたから「詐欺罪」だという、とんでもない容疑をデッチあげ、2人を不当逮捕したのである。本当にふざけきっている。
現在闘っている国賠訴訟は、警視庁公安部を始めとする日帝権力の、革命運動と革命派を圧殺するための、まったくためにする許し難い政治弾圧を弾劾し、粉砕する決定的な闘いである。傍聴をさらに強め闘い抜こう。
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