ZENSHIN 2010/10/18(No2460 p06)

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第2460号の目次

農民の心意気示すトラクター・デモ 団結街道封鎖への怒りを胸に、市東さんの農地へ向け4台のトラクターが反対同盟デモの先頭を切って進んだ。運転手は前から萩原富夫さん、鈴木謙太郎さん、伊藤信晴さん(10月10日 成田市取香)

1面の画像
(1面)
労働組合を甦らせ11・7日比谷へ
大失業攻撃と戦争の菅政権を国鉄決戦の前進で打倒しよう
辺野古新基地建設阻止・安保粉砕を
記事を読む  
10・10三里塚 “農地死守”誓い1560人集う  「30万回化」絶対阻止の決意(10月10日) 記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
(2面)
11・7日比谷で世界各地からやって来る闘う労働者と大合流しよう
11・7実行委 “原点に返り職場で闘いを”  1万人大結集へ方針と討論(10月9日)
記事を読む  
「全国運動・神奈川」が発足
“闘う拠点つくろう”(神奈川労組交流センター I)(10月8日)
記事を読む  
米・韓・ブラジル・ドイツの労働組合代表らが参加決定 記事を読む  
中央本部は総退陣しろ
JP労組中央委で宣伝戦  民営化・非正規化に怒り噴出(10月14、15日)
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雇い止め撤回させたぞ 現場労働者からの報告
現場の怒りで郵政当局もJP労組幹部も態度変更
記事を読む  
(3面)
11・7日比谷で世界各地からやって来る闘う労働者と大合流しよう
「4・9和解」反革命と対決し1万人結集の最先頭に立つ
「点」から「面」へ組織強化・拡大を  革共同合同・一般労組委員会
記事を読む  
都労連賃金闘争 10・5万円(平均年収)削減の都人勧  ストライキで反撃を(10月7日) 記事を読む  
法大生300人が右翼を包囲
「反戦」「11・7」を訴え大討論(法政大 倉岡雅美)(10月11日)
記事を読む  
東北石けん 会社側の主張が崩壊
地労委1日行動打ち抜く(投稿/東北石けん労働組合 洞口明)(10月6日)
記事を読む  
(4面)
“三里塚は戦争と軍事空港を阻む”
10・10集会 第3誘導路阻止へ総決起  「農地強奪許さぬ」と戦闘宣言(10月10日)
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反対同盟の発言 労農学の団結の力で(10月10日) 記事を読む  
田中・動労千葉委員長の訴え
かけがえのない三里塚闘争 次は11・7日比谷に大結集を(10月10日)
記事を読む  
10・6 “八尾北医療センター売却許さぬ”
労組先頭に市役所を弾劾 (投稿/八尾北医療センター労組・青木麻季)(10月6日)
記事を読む  
日誌 2010年 10月6日〜12日
超党派議連が「尖閣」を視察/米が未臨界核実験
記事を読む  
(5面)
11月横浜APEC粉砕へ
アジア勢力圏化めぐる米日中争闘戦と戦争を加速する会議  国際的団結で反対デモ爆発を
記事を読む  
寺尾判決36ヵ年糾弾・第3次再審貫徹  狭山集会に集まろう 記事を読む  
石川さんは無実だ 記事を読む  
日程 10・31狭山集会 記事を読む  
日程 幕引きの秋 裁判員制度 10・20集会 記事を読む  
(6面)
東京・新橋 再審連絡会議が事務所開き  星野同志奪還へ新たな出発(10月11日) 記事を読む  
マルクス主義学習講座  『共産党宣言』をとらえ返す(下)
資本の支配と全社会的秩序を覆すのは、労働者階級自身だ〔仲山良介〕
記事を読む  
フランス労組がゼネスト  年金改悪反対で交通・石油も(10月12日) 記事を読む  
法大裁判に集まろう! 記事を読む  

週刊『前進』(2460号1面1)(2010/10/18 )

 労働組合を甦らせ11・7日比谷へ

 大失業攻撃と戦争の菅政権を国鉄決戦の前進で打倒しよう

 辺野古新基地建設阻止・安保粉砕を

(写真 農民の心意気示すトラクター・デモ 団結街道封鎖への怒りを胸に、市東さんの農地へ向け4台のトラクターが反対同盟デモの先頭を切って進んだ。運転手は前から萩原富夫さん、鈴木謙太郎さん、伊藤信晴さん【10月10日 成田市取香】)

 11・7労働者集会1万人大結集へ、国鉄闘争全国運動を最大の武器に全力で総決起しよう。必要なのは1万人結集を絶対にやり遂げる情熱と執念であり、「絶対に実現できる」という確信と展望だ。世界大恐慌の激化の中で全世界の支配階級は明日をも知れぬ危機に追い詰められている。労働者階級が団結すれば勝利できる。情勢は成熟している。問題は労働組合の決起だ。職場ですべての仲間に「みんなで日比谷に行こう。闘う労働運動をともに甦(よみがえ)らせよう」と真正面から訴えよう。その時、職場と社会を変えるものすごい可能性が切り開かれる。残された3週間、全力で闘いぬこう。
(写真 第3誘導路建設を粉砕し農地を実力で守りぬくことを誓い合い、全国から結集した労農学1560人が団結ガンバローを三唱【10月10日 成田市東峰】)

 関西生コン支部のゼネストが大勝利

 11・7全国労働者集会は、これまでの地平からもさらに画然とした飛躍をかちとる闘いだ。
 第一にそれは、2012年を階級攻防の焦点とする全面的な階級決戦の扉を労働者階級の側から押し開く歴史的決戦である。だからこそ階級的労働運動の創造・発展をかけ、4・ 9政治和解の反革命と必死に闘い抜いてきた力の一切を1万人結集へと結実させることがなんとしても必要なのだ。闘いはすでに始まっている。6・13で開始された国鉄闘争全国運動と新しい労働運動創造への挑戦が動労千葉を牽引(けんいん)軸に日本階級闘争の中に確かに存在し、前進しているのだ。
 動労千葉は9月定期大会で、千葉駅発のローカル線・特急の大幅削減と検修業務の全面外注化攻撃に対し、12月ダイ改阻止へ組織の総力をあげストライキで闘うことを決定した。勝利の核心は組織拡大闘争にあることを鮮明にし、壮絶な闘いにすでに突入した。
 「分割・民営化25年問題」という国鉄分割・民営化の大破産を突きつけられているJR体制は、なりふり構わず外注化や賃金削減、路線削減に突き進んでいる。これに対し11・7集会は、日帝の新自由主義攻撃の軸であるJR体制の打倒をかけた闘いにまで上りつめた外注化阻止決戦への動労千葉と世界の闘う労働者の総決起集会となった。
 一方で関西生コン支部は3カ月にわたる壮絶なゼネストで大林組や竹中工務店などの大手ゼネコンに白旗を揚げさせ、闘争体制を継続して11・7集会に結集する。労働者の団結にかけきって闘い、一産業を丸ごと組織する産業別闘争で大手ゼネコンを圧倒したストは、国家をも揺るがす歴史的闘いだった。
 大手ゼネコンの現場はほとんどが外注化された労働者だ。敵は一見強大に見える。だが実態は矛盾だらけで、生産点を握る労働者が団結すれば絶対に勝利できるのだ。11・7集会は労働者魂と団結の勝利を日本と世界の労働者が共有する闘いの舞台だ。
 「現場での闘いこそが最大の支援だ」と関西生コン支部の高副委員長は6・13集会で訴えた。それが国鉄闘争全国運動なのだ。動労千葉、関西生コン支部、港合同という11・7集会の呼びかけ3労組の闘いを先頭に、全国で闘いと動労千葉を支援する会が組織され、膨大な労働者が職場での闘いの中で誇りを奪い返し立ち上がっている。
 日帝・菅政権は、第2次国鉄分割・民営化と公務員大攻撃に向け、絶望的攻撃を策動している。だが新自由主義と闘う新たな労働運動の創造への挑戦がつくり出す力を一点、11・7に大結集させるなら、敵の攻撃を墓穴に転じ、労働運動の巨大な可能性を押し開くことが必ずできる。

 大恐慌の激化と資本主義の終わり

 11・7労働者集会は第二に、2012年の階級決戦に向けて、国鉄闘争全国運動の発展と1万人結集で「大恐慌をプロレタリア世界革命へ」の歴史的な突撃路を切り開く闘いだ。
 帝国主義は完全に歴史的生命力が尽きた。空前の財政投入と超金融緩和で大恐慌は回避されたのか。否だ。新たな回復過程などまったくの幻想だ。実際には不良債権の山と住宅市場の底なしの崩壊であり、その中で巨大金融機関と大企業が国家丸抱えの救済と投機でぼろもうけしている現実だ。まさに「我なきあとに洪水よ来たれ」という資本主義の本質がむき出しになっている。過剰資本・過剰生産力という帝国主義の基本矛盾は何も解決されず、大失業と財政破綻とドル暴落へと今や突き進んでいる。
 帝国主義は結局、内への大失業と階級戦争、外への侵略と戦争、市場・資源・領土・勢力圏をめぐる帝国主義間・大国間の争奪戦・争闘戦に突入していくしかない。大恐慌は輸出戦争・通商戦争と一体となった古典的な通貨切り下げ競争・為替戦争に突入している。1930年代がそうだったように、大恐慌は保護主義から為替戦争やブロック化へ、さらには世界戦争へと向かう。今こそ労働者の国際的団結と闘いが決定的だ。
 とりわけ日帝の危機はすさまじい。追い詰められて非常手段として行った為替単独介入も、ゼロ金利の復活や量的金融緩和も、その効果は一瞬で消え、米雇用統計の悪化とFRBの追加金融緩和への予測などから、米株価の上昇、ドル安・円高が加速するものすごい悪矛盾に一気に突入し、全世界で為替戦争はいよいよ激化している。
 11月に開催予定のソウルG20と横浜APECは米日帝と中国スターリン主義を軸とした激しい通商戦争、為替戦争、ブロック化戦争となり、軍事的には北朝鮮侵略戦争への対応をめぐり強盗的な戦争会議になる。
 米帝が9月15日に06年以来24回目の未臨界核実験を行ったことが明らかになった。オバマの大統領就任以来、初の核実験だ。基軸帝国主義から没落する米帝は、大国化する中国スターリン主義への戦争的圧力を強め、北朝鮮の体制崩壊を自己のヘゲモニーで推し進めることを狙い、北朝鮮侵略戦争を完全に構えている。それは核戦争だということを今回の未臨界核実験は示した。
 オバマのプラハ演説を賛美し、オバマを「核兵器の役割を縮小しようとする立場です」(4月11日付『赤旗』主張)と持ち上げてきた日共スターリン主義の犯罪性はいよいよ明白だ。
 14日からは、日米韓など4カ国が参加し、PSI(大量破壊兵器拡散防止構想)に基づく海上封鎖訓練が韓国・釜山沖で行われている。この北朝鮮侵略戦争策動に11・7決起で大反撃しよう。
 大恐慌のただ中で、世界で階級闘争が大爆発している。9月29日のスペインのゼネスト・デモの1千万人決起に続き、フランスでも年金制度改悪に対し、10月12日に350万人のスト・デモが打ち抜かれた。9月の法案提出以来、第4波となる闘いで、高校生や大学生も大合流し、最大規模となった。11日夜から国鉄労組が無期限ストに入っており、16日にも第5波が予定されている。
 「財政赤字だから仕方がない」「労働者は立ち上がらない」という体制内労働運動がまき散らすイデオロギーをぶっ飛ばし、政府と激突し、追い詰め、膨大な労働者階級が社会の真の主人公の自覚をもって決起している。決定的なのは労働組合だ。今こそ闘う労働組合を甦らせ、11・7に大結集しよう。国鉄闘争全国運動の前進と11・7の1万人結集の力こそ労働者の勝利の時代を切り開く。

 青年の決起先頭に11・7へばく進を

 11・7労働者集会は第三に、青年労働者こそが国鉄決戦を圧倒的な基軸とする階級的労働運動の担い手となり、その団結した力で未来を奪い返す闘いだ。
 連合と結託し、旧社会党や元市民運動活動家らを政権中枢に据えた菅政権は、プロレタリア革命への恐怖から労働者の闘いにむき出しの反革命として襲い掛かってくる政権だ。4・9反革命の本質もここにある。国鉄闘争全国運動と11・7で菅政権を打倒し、プロレタリア革命勝利へ闘いの前進を開くのだ。
 菅政権は法人税減税と消費税大増税に向けて動き出した。JALは1万6千人の人員削減に向け、年齢や病休歴を理由に750人の整理解雇を狙っている。これらは青年労働者をいよいよ非正規職に突き落とす攻撃でもある。それが既成の労働組合の容認と協力のもとで行われているのだ。
 不当労働行為も、解雇も、それに対する資本の責任も、すべて労働組合の側が不問に付す4・9反革命がこの一切の根幹にある。これまで青年労働者にとって労働組合とは、闘いを抑圧し、資本に代わって自分たちを支配する存在でしかなかった。その中でどれだけ青年労働者が絶望やあきらめを強いられたか。
 しかし今は違う。11・7集会を呼びかける3労組が労働者として胸を張り、労働組合こそが唯一の展望だと、職場生産点からの血みどろの実践で示している。新自由主義と対決する新たな闘う労働運動をつくろうと呼びかけている。
 「動労千葉とともに国鉄闘争全国運動で労働運動を甦らせよう」――これが11・7に向けた青年労働者の合言葉だ。世界単一の革命的階級である労働者階級は、職場生産点を握り、勝利する、社会の真の主人公として誇り高き存在だ。その生きた回答が11・7日比谷野音にある。
 国鉄闘争全国運動パンフや『綱領草案』を武器に、11・7の1万人大結集へ突き進もう。職場、大学、街頭、地域で猛然と11・7結集を訴え、チケットを販売し、参加を組織しよう。11・7日比谷で世界の闘う労働者と大合流し、「大恐慌をプロレタリア世界革命へ」の血路を切り開こう!

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週刊『前進』(2460号1面2)(2010/10/18 )

 10・10三里塚 “農地死守”誓い1560人集う

 「30万回化」絶対阻止の決意

 10月10日、三里塚芝山連合空港反対同盟が主催する三里塚全国総決起集会が開催された。集会場の成田市東峰の萩原進事務局次長の畑には、前夜から断続的に降り続く雨をものともせず、全国から1560人の労働者、農民、学生、市民が大結集した。
 欠陥だらけのぶざまな姿をさらす成田空港は、今また市東孝雄さんという一農民の営農を破壊して「第3誘導路」を造ろうとしている。日米安保体制下で成田は、侵略戦争のための軍事空港、巨大兵站(へいたん)基地になろうとしている。
 集会は、この攻撃を労農連帯の力で必ず粉砕し、戦争への道を絶つという怒りと闘志が満ちた総決起の場になった。(記事、発言は4面
 集会が締めくくられた午後3時にはすっかり雨はやんだ。いよいよデモ出発だ。その時、力強いエンジン音を響かせながら4台のトラクターが現れ、デモの先頭に立った。運転するのは萩原富夫さん、鈴木謙太郎さん、伊藤信晴さんら反対同盟と現闘だ。それぞれに「農地死守」「耕す者に権利あり」などののぼりを2本ずつ立てている。土に生きる農民の心意気を示す圧倒的迫力、重量感だ。これに続いて反対同盟が行進し、さらに労働者、支援団体、全学連などが連なる長蛇のデモが、ジェット機の騒音と機動隊の規制をはねとばして進んだ。
 デモは、東峰地区を縦断し、天神峰の市東さん宅前を通り団結街道入り口の封鎖地点を右に見つつさらに進み、危険なヘアピンカーブを右折、市東さんの南台の畑まで。直線でつながっていた団結街道の3倍もの道のりの「迂回(うかい)」を市東さんは農作業のたびに強いられている! この怒りをデモ参加者全員が実感し共有した。
(写真 第3誘導路建設を粉砕し農地を実力で守りぬくことを誓い合い、全国から結集した労農学1560人が団結ガンバローを三唱【10月10日 成田市東峰】)

 格安航空誘致だけが延命策

 成田空港の年間発着枠を現在の22万回から30万回に拡大する計画を、周辺の九つの市町村が受け入れ表明したと、13日に報道された。空港の利権に群がる連中は、羽田の第4滑走路オープンによって没落への危機感を募らせ、騒音被害を拡大し安全をも無視し、何より反対同盟・地元農民の生活と営農を踏みにじって、やみくもに発着を増やせと叫んでいるのだ。絶対に許してはならない! しかも成田空港会社(NAA)は、格安航空会社の誘致がほぼ唯一の延命の方策であるとあけすけに認めている。
 こんな悪あがきは成田の地盤沈下、没落への道を止めるどころか加速するものでしかない。44年間「農地死守」の闘争原則を不屈に貫いてきた反対同盟を先頭に、今こそ成田を廃港へ追い込もう。戦争国家化を進める菅民主党政権を三里塚の力で打倒しよう。
 10・10三里塚闘争の爆発は、11・7全国労働者総決起集会1万人大結集への素晴らしい跳躍台となった。11・7日比谷野音を、万余の労農学人民で埋め尽くそう!

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週刊『前進』(2460号1面3)(2010/10/18 )

前進速報版から 前進速報版から

▼10・10三里塚闘争の動画▼JP労組中央委へ宣伝▼仙台で労働者集会▼国鉄闘争全国運動・神奈川の発足集会▼八尾市役所弾劾行動

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週刊『前進』(2460号2面1)(2010/10/18 )

 11・7日比谷で世界各地からやって来る闘う労働者と大合流しよう

 11・7実行委 “原点に返り職場で闘いを”

 1万人大結集へ方針と討論

 関生スト完全勝利

 10月9日午後、11・7全国労働者総決起集会の第2回実行委員会が都内で開かれた。
 冒頭、呼びかけ3労組と、今年新たに呼びかけ団体に加わった国鉄闘争全国運動が発言した。
 まず全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の高英男副委員長が、7月2日から実に3カ月に及んだストライキ闘争について、「生コン価格の値上げに最後まで抵抗し続けてきたスーパーゼネコン、竹中工務店と大林組が9月27日、ついに値上げに同意した。3カ月の闘いは実に大きな成果をかちとって勝利した。生コン支部47年の歴史の中でも、歴史に残る闘いをやりきって、ゼネコンに勝ちきった」と報告した。7月から大阪を中心に生コン関連産業全体が生コン価格値上げに応じないゼネコンに対する出荷を停止、建築現場に生コンが届かず現場を実力でストップさせてきた。労働者のストライキが社会を揺るがし、ついに巨大資本をして値上げを認めざるを得ないところに追い込んだのだ。
 高副委員長は「核は労働者であり、労働組合です。生コン支部はそういう闘いをやりきったから、勝利することができた」と力強く語り、「敵は必ず巻き返しを狙ってくるだろう。それを許さないために始めた『関西生コン関連ストライキを支援する緊急共同アッピール』にぜひ協力を」と訴えた。
 全国金属機械労組港合同の中村吉政副委員長は、「港合同に労働相談が持ちかけられた職場では、もともとあった組合の幹部がまったく闘わないがゆえに別組合をつくったら即刻解雇。しかも堕落した幹部が労働者を食い物にしている。人の血を吸うような一部の労組幹部の本性を暴き出して闘う」と述べ、「だからこそ11・7集会の成功が重要」と強調した。
 国鉄闘争全国運動からは、動労千葉を支援する会の山本弘行事務局長が、全国各地・各職場で支援する会や全国運動の結成が進んでいることを報告した。
(写真 「ストライキでスーパーゼネコンに勝ちきった」と報告する関生支部の高副委員長【10月9日】)

 労組の転向と対決

 次に動労千葉の田中康宏委員長が、呼びかけ4団体を代表して経過と方針を提起した。まず動労千葉自身の闘いについて、「当局は御用組合・東労組とつるんで、水面下で検修業務外注化の全準備を進めている。この闘いは単にJRの一部門、一企業の問題ではなく、これから起きる労働者のすべての権利がかかった闘い。だからこそ徹底抗戦して絶対にとめてみせる」と宣言した。
 もう一つは、国鉄1047名闘争の政治解決という情勢の大きさだ。「国鉄闘争に終止符を打つことをとおして、労働運動全体の決定的変質が現実に進んでいる。国労本部の大変質に続き、自治労委員長も『非正規との賃金シェア』などと言い始めた。組合幹部を取り込み手先にして、膨大な非正規労働者を生み出し、年金も医療も社会福祉もみな破壊していく。これに立ち向かうのが国鉄分割・民営化反対の全国運動だ。原点に返って、職場から労働者の団結をつくり出し、労働組合を一からつくり直す闘いをやりぬこう」
 そして、「こうした情勢の中で関生支部のストライキが大勝利した。この闘いだけで1万人の労働者を組織しておかしくない。怒りの声は世の中に充満している。労働者に具体的な展望を示し、職場で起きるさまざまな問題を闘いにして、11・7集会にあらゆる怒りの声を結集しよう」と呼びかけた。呼びかけ団体からの提起で、今年の11・7集会の重要性がますますはっきりした。
 討論では、自治体労働者や医療労働者、教育労働者、合同労組で闘う仲間、学生などが発言。職場や地域で動労千葉を支援する会や全国運動を組織しながら、11・7へ向けた街宣やオルグ、解雇撤回闘争や組合役員選挙戦など日々奮闘していることを次々と報告。参加者は、残り4週間、大結集へ全力を挙げることを誓った。

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週刊『前進』(2460号2面2)(2010/10/18 )

 「全国運動・神奈川」が発足

 “闘う拠点つくろう”

 10月8日、横浜市で103人が参加して「国鉄闘争全国運動・神奈川」発足集会を行いました。
 神奈川労組交流センターの共同代表が開会あいさつ。続いて同事務局長が基調報告を提起。6・18神奈川集会以降、職場・地域で動労千葉を支援する会を結成するなど、運動が大きく前進していることを報告し、「11・7へ人生をかけて闘おう」と訴えました。「左派」と思っていた職場の正規職組合員が自治労委員長の「賃金シェア」発言に対して「自分の給料の一部が非正規の人にいくのはいいことだ」と評価したことをあげ、「4・9政治解決や新成長戦略との対決の場は職場にある」ことを強調しました。
 全国運動呼びかけ人の伊藤晃さんが講演しました。伊藤さんは「菅政権は本格的な右派政権、中曽根の正統的後継者だ」と断定し、「1047名問題の和解はこれからの労働政策の基本になる」と警鐘を鳴らしました。また、動労千葉の労働運は「組合員が共通して感じる怒りや不安」「資本の合理化政策には必ずある矛盾」を運動の形にした点で他の戦後労働運動にない運動であると指摘し、国鉄闘争全国運動はこれを参考にした労働運動を全国につくり出す運動だと提起しました。
 国労闘争団の成田昭雄さんは「国鉄労働者がどれだけ大変な状況にあったかを忘れてはいけない。すべての労働者が1047名だ」「理屈をこねるのではなく壁をぶち破って団結しよう。全国運動で労働者が必ず勝てる時代が来る」と檄(げき)を飛ばしました。
 動労千葉の川崎昌浩執行委員は「物販や支援する会のいい点は、職場・地域での一人ひとりの活動が組織化につながっていくこと」と訴え、一層の取り組みを呼びかけました。動労千葉を支援する会の山本弘行事務局長は「日航が病欠を理由に指名解雇しようとしている。安全を完全に投げ捨てるものだ」と弾劾し、「一から運動をつくり出そう」と訴えました。
 県内各地で開催された国鉄集会や職場で支援する会を結成した労働者からの発言、決意表明を受けて、司会が「国鉄闘争全国運動・神奈川」呼びかけ人ならびに要綱を発表し、大きな拍手で発足を確認しました。
 最後に「国鉄全国運動・神奈川」事務局長になった二本柳実さん(神奈川労組交流センター共同代表)が、行動方針として「戦争・民営化と闘う拠点をつくるために全国運動を使おう。相手の職場の状況に向き合い、闘いの展望を語り、主体的決起をかちとろう。11・7は結集運動ではなく全国運動の組織化だ。敵の支配体制はボロボロだ。神奈川県下の労働運動を塗り変え、11・7へ神奈川から千名の隊列を登場させよう」と提起し、参加者は11・7への決意をうち固めました。
 (神奈川労組交流センター I)
(写真 103人の労働者が参加して「国鉄闘争全国運動・神奈川」がスタート【10月8日 横浜市】)

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週刊『前進』(2460号2面3)(2010/10/18 )

 米・韓・ブラジル・ドイツの労働組合代表らが参加決定

 11・7集会には世界各地から労働組合代表がやって来る。韓国からは民主労総ソウル地域本部の代表団、アメリカからはILWU(国際港湾倉庫労組)とUTLA(ロサンゼルス統一教組)の代表、ブラジルからはナショナルセンター・コンルータスの代表、ドイツからはレーテデモクラシー委員会が参加を決めている。以下、各労組を紹介します。(編集局)

 韓国・民主労総

 民主労総(全国民主労働組合総連盟)は韓国の労働組合の全国組織だ。もともと韓国には軍事政権が育てた労資協調の全国組織(韓国労総)があったが、民主労総は95年に政府非公認のまま闘う労働組合の全国組織として出発した。ソウル地域本部は最大の地域組織で、約20万人を組織する。
 97年のアジア通貨危機から劇的に進む非正規雇用化との闘いが大きな課題だ。昨年、傘下の双龍(サンヨン)自動車労組が整理解雇に反対して工場を占拠して闘い、世界中に大きく報道された。
 1970年11月13日、青年労働者・チョンテイル烈士が炎に身を包んで「勤労基準法を守れ!」と叫んでから40年。今、こぶしを突き上げる韓国の労働者のゼッケンに記されたスローガンは「派遣制を廃止しろ」「非正規職撤廃!」だ。
 同じスローガンで闘う数十人の同志たちがソウルから11・7日比谷にやって来る。
(写真 「派遣制を廃止しろ」「非正規職撤廃」を掲げて闘う民主労総【10月13日 ソウル】)

 アメリカ

 ILWU

 ILWUは、アメリカ西海岸の港湾関係の労働者を組織する労働組合だ。世界最強の港湾労働者の労働組合と言われる。ILWUは08年5月1日のメーデーで、イラク戦争に反対して全一日のストライキを決行した。数万人の港湾労働者が職場を離脱、貨物船が港を去り、アメリカ西海岸の全港湾の貨物取り扱いがストップした。
 ILWUは1930年代世界大恐慌の時代にサンフランシスコのゼネストの中から誕生した。警察や州軍隊の弾圧で2人の組合員を殺されながらも2カ月もの間、西海岸の全港湾を封鎖。ついに労働者の就労を労働組合が管理する制度を獲得した。ILWUはこのゼネストの伝統を今も引き継ぐ労働組合だ。
 ローカル10(第10支部)は、サンフランシスコ・ゼネストで指導的な役割を担った組合であり、今もILWUの中で最も階級的・原則的に闘うことで知られている。
(写真 ILWUローカル10がガザ救援船襲撃に抗議しイスラエル船の荷揚げ阻止【6月20日】)

 UTLA

 UTLAは、全米第2の大都市ロサンゼルスの4万5千人の教育労働者の組合。アメリカで最も戦闘的な教員組合だ。
 アメリカでは、教員組合がNEA(全米教育協会)とAFT(アメリカ教員連盟)の二つに分かれているが、主要都市で唯一の統一組合を実現しているのがUTLAだ。1970年の全市教育ストライキを機に統一が実現したのだ。
 そして5年前の役員選挙で、戦闘的に闘う執行部を再確立し、大恐慌下の教育予算の大幅カット、公立学校の民営化、大量解雇と闘っている。
 今の焦点は、オバマが大統領就任後急激に推進している、生徒の点数と教員の給与をリンクする成績給制度だ。マスコミが生徒の点数による教員査定を実名で発表して教育労働者をバッシングしていることに対して、抗議闘争を展開している。

 ブラジル・コンルータス

 コンルータスは、03年の公務員労働者の40日間のストライキを闘うためにつくられたブラジルの労働組合の全国組織だ。現在のルラ政権を支持する既成の全国組織に反対して、約300万人を組織している。現在の最大拠点はGM工場だ。
 ルラは元は労働組合役員で、失業対策や格差是正を掲げて大統領に就任したが、国営企業の民営化や年金改悪など新自由主義政策を進めた。またアメリカ主導のハイチのクーデーター後、占領軍の中心部隊を派兵し、レジスタンスを弾圧するなど、中南米の労働者人民に襲いかかっている。
 コンルータスは、戦争と民営化=労組破壊と闘うために中南米、全世界の労働者との国際連帯を推進している。
(写真 メーデーのデモに立ち上がったコンルータスの労働者たち【5月1日 サンパウロ】)

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週刊『前進』(2460号2面4)(2010/10/18 )

 中央本部は総退陣しろ

 JP労組中央委で宣伝戦

 民営化・非正規化に怒り噴出

 10月14〜15日、東京豊島区でJP労組第6回中央委員会が行われた。初日の14日朝、労組交流センター全逓労働者部会の仲間は会場のホテル前に登場し、宣伝戦を闘いぬいた。「本部は責任をとって総退陣しろ」の見出しが鮮やかな全逓部会のビラと11・7労働者集会への参加を呼びかけるタブロイド判が会場のホテルに入ろうとする中央委員、関係者の手に次々と手渡された。
 郵政の職場では今、「もう我慢できない!」と郵政資本とJP労組中央本部に対する怒りが噴出している。職場を現在のような過酷な状況に追いやった一方の張本人こそ中央本部だ。今回の中央委員会は民営化の破綻と自らの裏切りを開き直り、さらに郵政民営化を進めるためのものだ。
 「7・1宅配事業の統合」の大破綻に直面し、中央本部は日本郵政に対して「郵政改革の動向にも影響を与える重大な問題」「危機管理体制の整備を求める」なる申し入れを行った。郵政労働者のさらなる分断と労務支配の強化で民営化を徹底しろということだ。
 「10万人正社員化」はどうなったか。応募者を制限したあげく1次試験の合格者は1万3千人だ。2次試験でさらに減らし、「10万人」など有名無実化するのが資本の思惑だ。それに対して、今中央委員会では抗議の声ひとつあげていない。そもそも郵便事業会社の労働者の6割の非正規化を容認し支えてきたのが中央本部だ。
 これに対する現場の怒りを束ね、今こそ団結を取り戻し、職場から闘いを始めよう。
(写真 「非常勤撤廃! 全員正社員化しろ」のビラに注目が【10月14日 東京・豊島区】)

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週刊『前進』(2460号2面5)(2010/10/18 )

 雇い止め撤回させたぞ 現場労働者からの報告

 現場の怒りで郵政当局もJP労組幹部も態度変更

 郵政当局は8月、非常勤職員に対して「来年4月1日で65歳以上の人は契約を打ち切る」という説明書を配布した。職場に怒りが広がっている。
 こうした状況の中で、私の勤めるF局では、2人の63歳の非常勤職員が雇い止めを通告された。2人は元本務者(正社員)で、30年も40年も集配課で配達の仕事をしてきたベテランだ。
 周囲の多くの労働者から怒りが噴出し、抗議の声が公然と上がった。これに押されて組合の執行部も動かざるを得なくなり、6回の窓口交渉で雇い止めは撤回された。当局は最初は「決まったことだ」と抵抗していたが、現場の怒りの大きさを知って動揺し、態度を変えたのだ。
 御用組合幹部は、これまでさんざん現場の闘いを抑えつけてきた。しかし今回の雇い止めを容認したら、これまでの現場労働者の不満が爆発すると思ったのだ。それほどみんな怒っていた。
 しかし当局は、雇い止めが撤回となった2人を他班に動かすとか、来年春の契約延長は不明とか言っている。ナンセンス! 本当に懲りてない。今回見せた現場の団結を力として絶対に阻止するぞ!

 非常勤職員が65歳で雇い止め

 残念なこともあった。集配で働く65歳の非常勤職員が年齢を理由に雇い止めされた。おとなしい人で、ひどい目にあっても誰にも相談しなかったので、誰も気付かなかった。後から班員の話でわかったのだ。その人は組合員だ。組合員が雇い止めにあっているのに執行部も気付かない? 本当に悔しく憤りを感じる。
 65歳でクビなら、郵便課では今後かなり多くの人が首を切られる。朝の集配課への交付はどうなる? こういうとんでもないことを考える連中は、熟練労働者がどれほど多くの仕事をこなしているか、何も知らないのだ。彼らは毎日ものすごい量の郵便をまるで魔法のように素早く正確に手区分し、朝8時の結束時間に間に合わせている。
 もし結束が間に合わないと、もう1回郵便物の抜き取りをやり、道順をつけた郵便物の山に、もう一度「差し込み」をしなければならない。ひどく手間どる仕事だ。
 差し立て(トラック便を送り出す)では、合理化によってこの局の郵便物だけではなく、区内の別の集配局の郵便物や隣町の郵便物まであって、ものすごい量だ。それを地域区分して結束し、新東京局へのトラックに載せる。熟練労働者をクビにしたら混乱は必至だ。現場のことは現場労働者が一番よく知っている。これは小包の大混乱で証明されたではないか。65歳雇い止めを当局が撤回するまで闘おう!
 非正規職問題が社会問題となる中で注目された非常勤の正社員登用試験は、1次試験の合格者が40・5%。わずか1万3千人だった。「10万人正社員化」の公約はどこへ行った? ふざけるなと言いたい。

 組合を下から変えることは可能

 3年以上も一生懸命に働いてきた労働者に試験で差をつけて分断すること自体が許し難い。無条件で正社員にすべきだ。彼らは集配で1日8時間働いて年収は250万円以下だ。労働者を消耗品のように使うな! 民営化とは、本来労働者の収入になる賃金を資本が搾取しているのだ。10月の支部大会をひかえ、私は分会の昼休み集会でこの2点を現在の執行部に強く訴えた。
 今回の教訓は、現場の怒りが束になった時の力の大きさだ。御用執行部でも現場の怒りには勝てない。組合を下から変えることは可能だ。労働組合は労働者の権利を守り、地位と生活を向上させるためにある。今回の勝利を生かし、闘う労働組合を復権させる闘いはこれからだ。
 (投稿/東京F局・森内一郎)

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週刊『前進』(2460号3面1)(2010/10/18 )

 11・7日比谷で世界各地からやって来る闘う労働者と大合流しよう

 「4・9和解」反革命と対決し1万人結集の最先頭に立つ

 「点」から「面」へ組織強化・拡大を

 革共同合同・一般労組委員会

 11・7全国労働者総決起集会まで3週間。全国の仲間の力でなんとしても1万人結集を実現しよう。11・7とは、あえて言えば国鉄闘争圧殺をもくろむ4・9政治和解という反革命に対し、われわれ階級的労働運動派が設定した政治決戦だ。4・9反革命以降、情勢は革共同、動労千葉派と日帝支配階級・ブルジョアジーとの死闘戦に完全に突入した。この死闘に勝ちぬこう。戦争政策を推し進め、労働者階級を殺してでもブルジョアジーを救済しようとする菅民主党政権を打倒しよう! その鍵は国鉄決戦での組織戦であり、「労働者(階級)」という自覚と認識にほかならない。6千万労働者すべてに団結を呼びかけ、「闘えば勝てる!」を合言葉に猛然と組織戦に打って出よう!

 非正規職・派遣法撤廃の白熱的実践

 国鉄闘争全国運動がスタートした6月13日、これと一体のものとして合同・一般労組全国協準備会が結成され、8月5日、広島で全国協議会が正式に発足した。合同・一般労組全国協議会が階級決戦の主戦場=国鉄決戦の中で誕生したことの意義ははかり知れない。
 4・9政治和解で問われたことは、国鉄分割・民営化反対闘争―1047名解雇撤回闘争を解体する攻撃を「日本労働運動の重大な危機」「歴史的分岐点」として真正面から見据えきることができるか否かということにある。これは、単に4者4団体が屈服したというレベルの問題ではない。
 国鉄闘争解体攻撃は全労働者にかけられた攻撃だ。「国鉄改革の完遂」(前原談話)とは、JRを先頭に外注化・非正規雇用をどんどん拡大し、国鉄分割・民営化型の攻撃を全社会化するということだ。民営化の実態は外注化であり非正規雇用化である。民営化・外注化は現場の労働者の団結を破壊し、業務を奪い取り、それを下請け・外注会社へ丸投げするものだ。こうして正規雇用労働者を非正規雇用に突き落としていくものが「外注革命」だ。
 動労千葉はこの攻撃に敢然と立ち向かい、全世界の労働者に向けて「労働者は団結しよう! 闘えば必ず勝てる!」と檄(げき)を発した。
 国鉄分割・民営化型の攻撃、外注化攻撃は90年代以降、全産別に拡大した。4大産別のみならず製造業、交通運輸、IT部門、金融、医療・福祉など、攻撃はまさに全面的に展開された。
 問題はこの攻撃に対抗し、打ち勝つ労働運動が成り立つかどうかということだ。問われているのは世界大恐慌と新自由主義に立ち向かう労働運動の路線である。国鉄闘争全国運動は、新自由主義の攻撃と真っ向から対決する歴史的闘いとして登場した。
 合同・一般労組全国協議会は、4・9反革命と真っ向から対決するものとして結成された。4・9和解とその後の全事態は、非正規雇用撤廃闘争の階級的意義をますます明らかにしている。
 全国協結成は労働組合再生の闘いだ。連合を始めとする既成労組に対して、階級的に闘えば勝てる闘いを実践で示さなければならない。全労協解体情勢は全国一般全国協議会の解体に直結し、われわれの存在と闘いが決定的なものとなる。
 全世界の労働者の中で非正規職が問題になっている。「民営化・非正規職化を許すな!」は11月集会のメインスローガンでもある。
 非正規職撤廃・派遣法撤廃の具体的闘いは、わが協議会に結集した全国の合同・一般労組によって必死に白熱的に闘いぬかれている。
 関西合同労組技能育成センター分会の派遣先企業=森精機でのストライキ闘争を皮切りに、JAM神奈川ジェコー労働組合行田分会のジェコー資本に対する正社員化と解雇撤回を求める2波の実力スト、東北石けん労組の解雇撤回闘争、さいたまユニオンによるホンダ系部品メーカー、ショーワの「派遣切り」を撃ち生産点をぶっ止めるストライキ決起、3カ月での契約更新を強制されてきた東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の非正規職労働者の闘い、さらに大失業攻撃と対決する全国各地の怒りの決起……。まさに現実の闘争の中で創意あふれる闘いが展開されている。
 各労組の闘いの核心には国鉄決戦−4大産別決戦と結びついた階級的労働運動路線がある。動労千葉の反合・運転保安闘争に学び、資本との攻防の中でこれを発展させてきたのである。
 今、問われているのは、国鉄全国運動の中で階級的労働運動を実践する労働組合を全国各地に結成することである。「点」として存在するわれわれの労働組合を強化・拡大し「面」として発展させていくことだ。

 帝国主義の攻撃に屈服する既成勢力

 現下の階級情勢を規定しているのは4・9反革命だ。
 その本質は闘う労働運動のせん滅にある。核心は動労千葉の壊滅であり、国労の解体、労働者の団結と戦闘性そのものの最終的な解体だ。そうして、圧倒的な未組織・非正規職労働者を極限的に搾取・収奪しようとするものであり、また失業者を生きることのできない存在として徹底的におとしこめる攻撃だ。
 帝国主義には大恐慌の解決策など絶対にない。すでに各国は巨大な財政赤字の重圧で恐慌対策そのものが行き詰まっている。ブルジョアジーが生き延びるためには、徹底的に労働者から搾取・収奪し、後は戦争という労働者どうしの殺戮(さつりく)に労働者自身を動員するしかない。
 「解雇解禁」(週刊ダイヤモンド8月28日号)という見出しが躍り、国会では全政党を挙げて「公務員制度改革」=公務員の首切り自由化が論議されている。しかし、動労千葉派の階級的労働運動が残っていて、そうした攻撃が実現できるのか? 階級的労働運動をたたきつぶすしかブルジョアジーの生き延びる道はない。だからこそ、敵の攻撃の目標は革共同と動労千葉労働運動に注がれている。
 今や社民党・共産党を始めとした既成政党、4者4団体を先頭とした既成労働組合幹部、右翼・民間反革命など、帝国主義に屈服した全勢力が日々、労働者階級を「沼地」へ誘い込んでいる。労働者に”屈服しろ! 協力しろ!”と激しい恫喝を繰り返している。それは”産業報国会化の先兵になれ”というところにまで必ず行き着く。
 これを背景に、菅政権は一気に侵略戦争へと突き進んでいる。釣魚台(ちょうぎょだい、「尖閣諸島」)を巡る東アジア地域の戦争危機は、まさに4・9反革命の帰結そのものである。
 マスコミや既成政党、体制内労働運動の執行部など全勢力が「尖閣は日本固有の領土」と叫び立て、「中国による侵略」というデマゴギーをまき散らし、排外主義を徹底的に鼓吹している。
 革共同は、革命的共産主義運動50年の歴史の一切をかけて、この攻撃と真っ向から対決する。この攻撃は「外に向けての侵略戦争・内に向けての階級戦争」そのものだからである。
 労働者には「固有の領土」など存在しない。「労働者は祖国を持たない」と宣言した『共産党宣言』こそ革共同がすべての労働者に訴える「階級の言葉」であり、「労働者(階級)」の一員であるという自覚こそ組織戦の最大の武器だ。
 3カ月以上もゼネコンの工事を止めた全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部のスト、動労千葉の検修全面外注化4月1日実施阻止の闘いに続き、全国で陸続と階級的労働運動を担う闘う労働組合がつくられるならば敵の攻撃など絶対に跳ね返せる。その意味で、合同・一般労組の位置と存在はきわめて重要だ。

 派遣法は「改正」でなく撤廃あるのみ

 非正規職撤廃闘争とは何か? それは資本主義という体制そのものとの対決以外にありえない。
 資本は、徹底した非正規職化をもって労働者に分断を持ち込み、屈服を迫る。制度的にも、戦後革命の圧殺のために戦後憲法と同時に制定された戦後労働法体制は、特例法制定や労働基準法のあいつぐ改悪を通して換骨奪胎され、「工場法以前」の状態の雇用関係がつくり出されてきたのである。その転換点の最たるものが国鉄改革法であり労働者派遣法制定だった。

 非正規職つくる資本主義廃絶へ

 労働者派遣法「改正案」は先の通常国会に提出されたが、継続審議になり、今臨時国会で審議される予定である。労働者派遣法改正案について「今歴史上初めて規制が加えられようとしている。このことは運動の成果であると評価すべき」との意見がある。しかし、改正案の内容は、登録型派遣、製造業派遣の「原則禁止」どころか、横行する違法行為・脱法行為を合法化し追認するものでしかない。改正や規制ではなく、改悪そのものであることをはっきりさせたい。4・9反革命と一体の派遣法改悪攻撃だ。
 派遣法は全面的に撤廃する以外にない。そもそも派遣会社は「手配師」が会社組織になったようなものだ。通常の賃労働と資本の関係における搾取と、ピンハネという二重の搾取を行うのが派遣労働という形態である。派遣法が存在する限り、非正規雇用はなくならない。派遣法撤廃=非正規職撤廃=資本主義社会の廃絶である。非正規職撤廃の闘いは派遣法全面撤廃と同義なのである。
 「『非正規職闘争』というのは、非正規職の労働条件を改善することだけを言うのでなく、非正規職を正規職化することだけに限られるわけではない。非正規職を作りだしたこの社会を作り直すことこそ真の『非正規職闘争』だ。この闘いをとおして共同で残さなければならないのは『労働者の階級性』だ」(『熊たちの434日/終わっていないニューコア労働者の闘争(抄訳)』)。
 11・7労働者集会への組織化とは、この闘いそのものだ。11・7集会に向かう必死の組織戦の中での無数の成功と失敗、必死の実践と苦闘、その教訓の中から、われわれが「労働者の階級性」を奪い返すことに核心的に成功するならば、2010〜12年の歴史を分かつ階級決戦の中で、われわれは全階級を獲得できる! 全階級が「労働者の階級性」を取り戻すこと、それは革命だ!
 残り3週間、11・7に向かって全国の仲間が、自分が実際に何をやるのか、誰をどういう内容でオルグするのかをマルクス主義的に鮮明にさせることが一切だ。国鉄全国運動の拡大・組織化、職場生産点と街頭での闘いを通して、なんとしても11・7労働者集会1万人結集を実現しよう。合同・一般労組委員会はその最先頭で闘う。

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週刊『前進』(2460号3面2)(2010/10/18 )

 都労連賃金闘争 10・5万円(平均年収)削減の都人勧

 ストライキで反撃を

 東京都人事委員会は10月7日、都職員賃金に関する勧告を出した。例月給の0・29%引き下げ、特別給(一時金)の0・2カ月分引き下げで、年間平均10万5千円の減収になる。6年連続のマイナス人勧だ。8月10日の人事院勧告、年間平均9万4千円削減を上回る大幅賃下げ攻撃だ。特別給の年間支給月数は49年ぶりに4カ月以下、3・95カ月に引き下げられる。
 特別区人事委も10月12日、職員賃金を年間で平均10万8千円引き下げる勧告を出した。一時金は3・95カ月分となり、4カ月を切るのは1978年の同人事委設置以来初めてだ。すでに全国の県・政令市人事委も軒並み10万円を超える大幅賃下げ勧告を出している。
 生涯賃金にすれば、昇給カーブのフラット化とあわせて今年だけで1千万円単位の賃下げだ。石原都政の12年で平均年収は130万円以上減らされている。人事考課による能力・業績主義的管理も強められる一方だ。人員削減、非正規職への置き換え、民営化で官製ワーキングプアが大量に生み出され、労働強化・管理強化でメンタルヘルス不全の休職者が激増している。怒りに堪えない。今こそ反撃に立つ時だ。
(写真 「不当勧告糾弾!」――都人勧への怒りが爆発した都労連集会【10月8日 都庁前】)

 公務員連絡会が人勧を丸のみへ

 ところが公務員連絡会(自治労、日教組、国交連合、全水道、都市交など)は10・13秋闘中央行動(日比谷野音集会)をとりやめ、自治労都本部は単組動員を中止した。「政府と民主党との協議で、本年給与改定は人勧を重視し、総人件費削減は今後別途に措置していく」と確認したからだという。全国で大幅賃下げ人勧を丸のみするということだ。
 しかも国会では13日、民主党政府と江田憲司議員(みんなの党)が「国の出先機関の廃止で人件費2割削減、道州制の受け皿を準備する」と議論している。「総人件費削減は別途措置されるからよい」などとは絶対にいえないのだ。
 自治労本部は8月自治労徳島大会での徳永委員長発言、「正規・非正規の賃金シェアで賃下げ人勧をのむ」方針を今実践しているのだ。賃下げも首切り・非正規化もOK、積極的に進めるということだ。

 人勧体制打破・スト権実力奪還

 10賃金闘争は歴史的な大決戦だ。公務員制度改革=360万人首切りを進める菅民主党との全面的対決であり、その先兵・自治労中央本部との激突だ。この中で、人勧体制打破・スト権実力奪還のスローガンを掲げて闘おう。10・8都労連賃金闘争第2波総決起集会には千数百人の現場労働者が結集し、怒りを爆発させた。階級対立は非和解だ。大恐慌と財政危機のもとで賃下げ・年金削減・解雇反対のゼネストが世界中で起きている。青年労働者、非正規労働者を始め職場に渦巻く怒りを解き放てば都労連ストライキは実現可能だ。
 職場生産点で「動労千葉を支援する会」を組織し、国鉄闘争全国運動を発展させ、11月労働者集会1万人結集と国際連帯をかちとろう。

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週刊『前進』(2460号3面3)(2010/10/18 )

 法大生300人が右翼を包囲

 「反戦」「11・7」を訴え大討論

 大学と戦争をめぐる激突、戦争翼賛と戦争反対の対決が大学キャンパスで開始されました。
 「反戦やりたいなら中国へ行け」「反戦は大学で言うことじゃない」「日本共産党だって日本の領土だと言っている」――10月11日、法大市ケ谷キャンパスに2台の右翼街宣車が来たのです。これに対して、300人の法大生が正門前に出てきて街宣車を取り囲む形になりました。
 「右翼相手にがんばってるな」「もっと言い返したらいいのに」「右翼は戦争ありきなのか?」「北朝鮮が攻めてきたらどうしたらいいのかな」――ビラ配りをしていた洞口さんと活発な議論が巻き起こり、ビラもどんどん受け取られていきました。私も演説を行い、10月15日の法大包囲デモや11・7集会への結集を訴え、「これが戦争の現実だ。学生がキャンパスで反戦を訴え、議論し、行動することは当たり前のことなんだ」とアピールしました。 
 その対極にあったのは法大当局です。日ごろ、私たちの演説に「授業妨害」「平穏な教育研究活動の妨害」を叫んでいますが、右翼街宣車が授業時間中20分にわたってがなっているのに一切抗議しません。当局の化けの皮が完全にはがされた瞬間でした。
 右翼には一切抗議しない一方、私たちの演説が1秒でも授業時間に入るとすぐさまガードマンが来て弾圧し、正門を封鎖する始末。私たち以外の学生が右翼の前にさらされようともそんなことは当局にとってはどうでもいいことなのです。さらには大学キャンパスが授業時間中に右翼に蹂躙(じゅうりん)されていることに対し、見て見ぬ振りをするか傍観している教授たち。常日頃、平穏な教育研究活動を声高に叫んでいる教授も、教室内で「憲法」や「人権」を教授している教授も、右翼の暴力を前にして何もすることができない。暴力の前では無力になる学問ってなんなんだ!? 大学が戦争に加担していく姿を実感した瞬間でもあり、学生のラジカルさをあらためて実感した瞬間でもありました。戦争を賛美する右翼に対して行動したのは学生のみだったからです。
 今回のようにいざ戦争賛美の勢力を前にした時に自分自身が、大学が、いかなる態度をとるのかが問われます。戦争反対、戦争阻止の闘いはいつの時代も実力行動だと実感しました。
 私たちは実現不可能な理想を掲げているわけではありません。労働者のストライキで戦争を止める。国際連帯の力で戦争を止める。それを実践している労働組合が日本にもあり、世界からもやって来る――これが11月労働者集会です。
 戦争に突き進む菅政権に対して、領土問題を通して大学と学生の生き方が問われている時代です。戦争と大失業の時代とは、敵の側が「中間」の選択肢を排除した時代です。すべての人が、いかなる態度をとるのかを敵の側から突きつけられています。だからこそ私たちは全学生に「この道を行こう」「ここに展望がある」と11月集会を訴えていきます。魂と魂がぶつかり合う議論をもっと開始していこう。
 (法政大 倉岡雅美) 
(写真 2台の右翼街宣車を包囲する法大生。当局は右翼を容認し闘う学生を弾圧した【10月11日 千代田区】)

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週刊『前進』(2460号3面4)(2010/10/18 )

 東北石けん 会社側の主張が崩壊

 地労委1日行動打ち抜く

 東北石けん労働組合は10月6日、結審の近づく中、地労委1日行動を闘いぬいた。
 朝8時から愛島(めでしま)台新工場門前に、当該・支援が年休を取って結集した。会社の110番通報で駆けつけた警察権力の介入・弾圧をはじき飛ばして、畑惣商店・畑文雄、東北石鹸・佐藤吉範に対しごうごうたる怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。
 正午には場所を仙台市役所前に移して街頭宣伝を行った。ビラの受け取りがいつもと全然違う!通りかかった人が声をかけてきて討論の輪がいくつもできた。「石けんの値段が2倍にもなって許せない」「首切りとはひどい。頑張ってくれ」。自分から千円札をカンパしていく人も。地熱が高くなっているという確信を街宣に参加した全員が持った。
 午後2時からは新たに駆けつけた支援の仲間も加え、大詰めを迎えた地労委での調査に臨んだ。
 東北石鹸・佐藤吉範は、新たに苦し紛れのウソの書面をまたもや出してきた。「組合の求めに応じて休憩室をつくり、組合事務所として提供した」というのだ。馬脚を現すとはこのことだ。休憩室がつくられた時点で組合はまだ結成されていなかった! それどころか、組合結成と要求書提出に激怒し、ほかならぬこの休憩室で「廃業=全員解雇」を怒鳴り散らし、組合提出の書類を突き返し、組合の解散を迫った者こそ佐藤吉範、おまえではないか! うそもいい加減にしろ! 佐藤は便宜を図るどころか組合を最後まで認めようともしなかったのだ。
 調査の場で、さらに決定的な追及が行われた。株式売買合意を破棄し、東北石鹸佐藤工場とはまったく関係なくなっていたはずの畑が、佐藤工場のゴム印・印鑑を使っていた疑いが濃厚になったのだ。これは、新工場からの組合排除・組合つぶしを決断した畑が、自らの主導で別会社として東北石鹸の事業を継承するために動いていた決定的な証拠だ。畑文雄側提出書類の書面に使われている「(有)東北石鹸佐藤工場」の会社名ゴム印・印鑑と、佐藤側提出の書類に使われているのゴム印・印鑑はまったく違う。合意解約後も畑は、業者との契約内容変更の書類に、自らつくった東北石鹸のゴム印・印鑑を使っていたのだ。関係ないどころの話ではない。
 「別会社で東北石鹸とは無関係」「組合員の雇用義務など存在しない」と強弁していた畑側の主張がガタガタに崩壊し始めたのだ!
 「ゴム印は重要ではない。問題は印鑑だ」と言っていた畑・佐藤双方の弁護士も、印鑑が違うことを突きつけられ顔面蒼白になった。
 一切は明白だ。畑と佐藤が、弁護士などをかき集めて共謀し、組合破壊、排除を目的として佐藤工場の業務の一切を継承して新工場を建設し、立ち上げたということだ! 絶対に許さない!
 わが労組は、この日の闘いに続いて、11・7集会1万人結集へ全力で闘う!
 (投稿/東北石けん労働組合 洞口明)
(写真 新工場門前に結集しシュプレヒコール。その後、街宣、地労委に向かった【10月6日 宮城県名取市】)

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週刊『前進』(2460号4面1)(2010/10/18 )

 “三里塚は戦争と軍事空港を阻む”

 10・10集会 第3誘導路阻止へ総決起

 「農地強奪許さぬ」と戦闘宣言

(写真 集会をかちとった反対同盟はトラクター車列を先頭に戦闘的デモに打って出た【成田市東峰】)

 排外主義の嵐と対決

 10月10日、三里塚は朝から雨で、集会場の東峰の畑は、ゼッケン、合羽、長靴などで身を固めた、第3誘導路建設=農地強奪攻撃に怒る労働者人民で埋め尽くされた。
 正午、萩原富夫さんと宮本麻子さんの司会で集会が始まった。森田恒一さんが開会宣言に立ち「市東さんへの強制代執行になったら、命がけでこれを阻まなければならない」と強く訴えた。
 続く主催者あいさつで北原鉱治事務局長は、「成田空港そのものが日本の将来を沈没させる元凶だ」と一喝し、全学連の法大闘争への限りない連帯を表した。
 基調報告に立った萩原進事務局次長は、今年前半期の闘いを勝利的に総括した上で、釣魚台問題で噴き出した排外主義の嵐に警鐘を鳴らし、戦争に突き進む菅民主党政権打倒を呼びかけた。そして闘いの方針として、@現地闘争と裁判闘争、A労働運動、住民運動、市民運動との連帯、B農地強奪、農業つぶしとの対決、C沖縄の反基地闘争との連帯、D労農連帯、国際連帯を提起した。
 万雷の拍手で確認された基調報告を受け、特別報告として動労千葉の田中康宏委員長が立った。田中委員長は反対同盟との労農連帯のかけがえのない意義を総括し、今日かけられている国鉄1047名闘争解体攻撃の本質を鋭く批判した。そしてJR全面外注化に対しストに立ち上がることを宣言し、11・7全国労働者総決起集会への大結集を熱く訴え、全参加者の闘志をかき立てた。
 さらに特別報告として沖縄の安次富浩さん、関実の永井満さん、山本善偉さんが発言し、さらに全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の連帯メッセージを萩原富夫さんが代読した。
 事務局の鈴木謙太郎さんが「亡くなった父の遺志を継いで闘う」と宣言し、「農民アピール/FTA(自由貿易協定)に反対し農地と農業を守ろう!」を力強く読み上げた。続いて北総農民が発言に立ち、市東さんと連帯し三里塚勝利へ闘う決意を表した。
(写真 市東さんの怒りを共有し、動労千葉、動労水戸、反戦共同行動委、全学連などの大隊列が「迂回ルート」をデモ行進した【10月10日 成田市取香】)

 握手求めて列が続く

 ひときわ熱い拍手と歓声の中、市東孝雄さんが登壇した。「畑を耕し続けることが公共だと私は信じる。信念を曲げず闘い続ける」。この鮮明な決意を受けて、一緒に登壇した市東さんの農地取り上げに反対する会、群馬・市東さんの農地を守る会が連帯を表明した。
 葉山岳夫弁護士を先頭に反対同盟顧問弁護団が次々マイクを握り、11・5現闘本部裁判控訴審で東京高裁の事実審理打ち切り策動を粉砕することを強く呼びかけた。
 鈴木加代子さんのカンパアピールに続いて、婦人民主クラブ全国協議会、全学連をはじめ各支援・共闘団体が決意を表明した。徳島刑務所在監の星野文昭さんの「三里塚に一日も早く合流する」との連帯メッセージを、妻の暁子さんが読み上げた。多くの三里塚初参加者を組織した全学連の織田陽介委員長は、「戦争への道を突き進む菅政権を打倒する11月へ攻め上ろう」と熱烈にアピールした。
 野平聰一さんが集会宣言を、太郎良陽一さんがスローガンを読み上げ、悪天候を吹き飛ばす熱気の拍手で確認された。
 大地を揺るがす1560人の団結ガンバロー三唱で集会を締めくくり、反対同盟のトラクターを先頭に戦闘的デモに出発した。
 デモの到着地点は市東さんの南台の畑だ。団結街道の封鎖・破壊と鉄板による包囲で周囲の情景が様変わりしていることに、多くの人が驚きを隠せない。だが、豊かな土とそこに育つ作物は何ら変わっていなかった。
 デモを終えた市東さんは、畑の真ん中の農道に停めたトラクターの運転席にいた。参加者が引きも切らず市東さんに駆け寄り、握手を求め列ができた。
 ジェット機の轟音、大量の機動隊、高い鉄板フェンスに迫られながら、微動だにせず、農民としてこの農地を守り続ける威風堂々のたたずまいを、すべての人が目の当たりにし胸に刻んだ。
(写真 握手を求める人びとに次々応じる市東さん。手の温かさと心意気が直に伝わった)

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週刊『前進』(2460号4面2)(2010/10/18 )

 反対同盟の発言 労農学の団結の力で

 若者の未来のため 主催者あいさつ 事務局長 北原鉱治さん

 三里塚は44年間にわたり終始一貫、暴力的な軍事空港建設に反対して闘ってきた。
 今「尖閣列島」をめぐって中国と日本に摩擦が起こされているが、これを見ても明らかなように、有事の際には50万の米兵がこの成田に飛来するだろう。有事とは戦争そのものだ。戦争態勢のために米軍・自衛隊が成田、沖縄に配備される。
 これでいいのか!と、若者、法政大学の学生たちが自分の未来をつくるために立ち上がりつつある。学生がビラをまいたことで処分を下すとは、まったく正義を知らない大学当局だ。学生が立ち上がるのは当然だ。
 ではそれを支える者はだれなのか。われわれ熟年者にはその責任がある。黙って見ているわけにはいかない。だから三里塚は若い人たちの未来のために闘う。
 NAAは市東さんの家と畑を第3誘導路を造って空港の中に囲い込もうとしている。これで市東さんが生活できるか。絶対に許せない。こんな空港はいらない!
 労働者、農民、学生は団結してともに闘おう。ほかの誰かをあてにするのではなく、自らの力で日本の将来のために立ち上がろうではないか。

 民主党政権打倒へ 基調報告 事務局次長 萩原進さん

 日航は50歳以上の熟練パイロットをクビにすると発表した。会社のためならお客も安全も関係ないというのだ。
 空港は国策だ、国益だ、それに反逆するものは国賊だと言われてきたが、今はっきりした。空港と農業のどっちが大切なのか。農業だ! 会社と労働者のどっちが大切なのか。労働者だ!
 NAAは年間の離発着を30万回にするという。1本の暫定滑走路に対して3本の誘導路を造り、農地法を逆手にとり農地を奪おうとしている。常識では考えられないやり方だ。第3誘導路建設、市東さんの農地強奪攻撃に対し総決起しよう。
 今年前半われわれは、2月25日の現闘本部裁判で仮執行宣言を粉砕した。団結街道の廃道化に対し反対同盟の実力決起を示した。現地支援の人たちは1日30時間も働くような闘いを展開した。この勝利を後半から来年につなげよう。
 民主党政権への幻想はなくなった。体制の危機を戦争で突破しようとする排外主義の嵐を、こっぱみじんに粉砕しよう。非核3原則、武器輸出3原則を見直し、集団的自衛権を持ち出して戦争をやろうとする民主党政権を打倒しよう!
 闘いの方針は第一に、断固として現地闘争を闘う。それと一体で裁判闘争を激しく闘う。
 第二に、労働運動、住民運動、環境問題など市民運動と連帯を深める。
 第三に「農地強奪、農業つぶし阻止」を掲げアジア侵略のためのFTA(自由貿易協定)に反対して闘う。市東さんへの農地取り上げは、農家への攻撃の縮図だ。
 第四に、沖縄を始め反戦反基地闘争と連帯する。本土での闘いの旗振り役を三里塚が担う。
 第五に、労農連帯とインターナショナルだ。農業・食糧問題は一国では解決できない。農民と労働者の連帯闘争を国際的に展開する。関西生コンは、ゼネコンを相手に長期ストを打ち勝利した。動労千葉とともにJR東日本会社打倒へ闘おう。
 最後に農地裁判、一坪裁判への傍聴を。そして11月5日の現闘本部裁判控訴審に対し、東京高裁を包囲するデモへの大結集を訴え基調とします。

 耕す者に権利あり 敷地内天神峰 市東孝雄さん

 検察が証拠を偽造し、中国との領土争いで艦隊を派遣しろなどと声があがり、労働者には仕事がなくて食べていけない……。農家もこの5年間で20%減って75万人が廃業しています。このまま行けば日本はどうなってしまうのかと心配です。
 三里塚でもおかしなことが44年間続いてきました。農家の頭上40bを大型ジェット機が飛んで離発着している。東峰の森をつぶして東側の誘導路を110億円もかけて造ったら、すぐ使用をやめた。今度はうちのそばに200億円かけて第3誘導路を造るという。
 もう成田空港は破綻しているんですよ。団結街道をつぶしてきましたが、力ずくで農地を取り上げるやり方は40年前と全然変わらない。
 三里塚は共闘と結集のとりでです。空港は国策、公共事業というけれど、農地を守り、畑を耕し続けることこそが公共だと信じています。
 政治とカネ、わいろの公共事業で環境が破壊され、農地がどんどんつぶされました。そしてできたのが今の社会です。人間は土を耕し生きてきた。この当たり前のことに立ち返るべきです。
 三里塚で闘いの原点を守ることが皆さんとの連帯と団結をつくり、動労千葉を始め労働者と、基地と闘う沖縄とつながることになると思います。
 耕す者に権利あり。これからもこの信念を曲げず、自然体で闘います。

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週刊『前進』(2460号4面3)(2010/10/18 )

 田中・動労千葉委員長の訴え

 かけがえのない三里塚闘争 次は11・7日比谷に大結集を

 三里塚闘争が44年間国家権力のあらゆる攻撃から闘いの拠点を守り抜いたことが、どれほどかけがえのないことか。三里塚があったから、労働者人民は闘いを守り、力関係を築き、戦争や改憲を止めてきた。こんなすごい闘いは日本階級闘争においてほかになかった!
 動労千葉は反対同盟と車の両輪として、ジェット燃料貨車輸送阻止闘争を闘うことで、動労本部の統制処分と闘い、その後の国鉄分割・民営化攻撃と闘う力を得た。中曽根の改憲と戦争の攻撃を阻んだ力も、三里塚の労農連帯から始まった。
 資本主義が足もとから崩れ去ろうとしている時、戦後60年の労働運動のすべてをかけて闘わなければならない。
 この状況の中、解雇撤回を貫いてきた国鉄1047名闘争に重大な攻撃が加えられてきた。「政治解決」というのは、解雇された当事者に自分の首切りが正当だったと言わせるということだ。それをとおして、民営化と労組破壊を進め、労働運動を最後的に解体するということだ。絶対に認められない! 分割・民営化以降、労働者を襲った現実を変えなくてはならないと、私たちは国鉄全国運動を始めた。
 動労千葉は第39回定期大会を開いて、JR全面外注化攻撃との闘いに立ち上がる戦闘宣言を発した。JR当局は、安全を無視し、鉄道業務を数百の子会社・孫会社にバラバラに分割し、ボロもうけをしようとしている。その先にあるのは「公務員制度改革」の名での全公務員労働者の首切りと権利破壊、全労働者への非正規化と全面解雇攻撃だ。
 この4月の外注化をわれわれは5波のストライキで完全阻止した。今度はJR東日本当局と東労組カクマルが手を組み、団交も開けず水面下で進めようとしている。
 1047名解雇撤回と外注化阻止へ、動労千葉はストに立ち上がる。関生の勝利は労働者の団結の力を示している。
 11月7日、日比谷野音で全国労働者総決起集会を開催する。1万人を結集して、労働運動の歴史を塗り替える出発点を築きたい。全世界から仲間が駆けつけます。労働者に、領土や国境はない。11・7に大結集をお願いします。

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週刊『前進』(2460号4面4)(2010/10/18 )

 10・6 “八尾北医療センター売却許さぬ”

 労組先頭に市役所を弾劾

 10月6日午後4時半、八尾市役所は60人の労働者・住民の怒りで包囲された。八尾北労組、部落解放同盟全国連西郡支部、八尾北命と健康を守る会、労組交流センターの仲間がマイクを握り、自治体労働者に限りない連帯と合流を呼びかけた。八尾市は戦々恐々とし、大阪府警公安三課も引きずり出された。
 5時20分、デモに出発し近鉄八尾駅前からショッピングセンターへ。退勤する市役所職員や買い物の住民がデモに注目し子どもたちが手を振る。
 そして夜6時半、プリズムホールに120人が結集し総決起集会がかちとられた。基調は八尾北労組の藤木好枝委員長が行った。労組結成以来10年間で2度、八尾北医療センターを売り飛ばす攻撃を打ち破った誇りと自信に満ち、「菅政権は大恐慌による危機ゆえに新成長戦略で、医療・介護、保育・学校、住宅、水道・ゴミ収集など何もかも民営化し、9割非正規化・首切り自由の攻撃に出ている。今こそ八尾北労組を軸に築き上げた地域的団結を武器に、6千万(2千万青年)労働者と結びつく時だ。11・7日比谷、11・10八尾北明け渡し裁判闘争に総決起しよう」と訴えた。
 続いて関西労組交流センターの富田益行代表が「10・15関西労働者集会を国鉄1047名解雇撤回・生コンゼネスト報告集会としてかちとろう」と呼びかけた。奈良の教育労働者は、訪米でつかんだ動労千葉労働運動の国際性と講師解雇攻撃との闘いを報告。国鉄全国運動の大きな展望が参加者を奮い立たせた。
 これに応え、西郡支部の岡邨(おかむら)洋支部長、辻西幸子書記長と副支部長が「13年にわたる応能応益家賃絶対反対は新自由主義攻撃との最先端の闘い。来年1・28住宅明け渡し判決と差し押え控訴審を闘う」と決意表明。守る会は「医療・介護で金もうけするな。八尾自衛隊基地ヘリ墜落事故弾劾、世界の労働者の団結で戦争を止めよう」と訴えた。
 関西合同労組の宮本隆男書記長は「10・15集会への青年アピールが発信され、4大産別の労組青年部から次々とアンケートが送られてきている。私は先頭で闘う」と決意を述べた。全国連杉並支部、全学連、自治体労働者の熱い発言が続いた。すべてが国鉄全国運動としてつながり、新たな意欲と勇気を生み出した。
 最後に、八尾北労組特別執行委員の末光道正市議が八尾市の800事業で働く青年労働者と一気に結合できる情勢にあることを語り、八尾北労組の久原正子さんが八尾北明け渡し裁判闘争への決意を述べた。
 10・6行動は、9・27八尾北医療センター労組大会と10・1住宅明け渡し裁判闘争の勝利を11・7労働者集会1万人の団結に発展させ、国鉄全国運動で戦争と大失業の菅政権を打ち倒そうとの執念で闘いとられた。八尾北労組を軸にした地域ソビエトへの展望あふれる行動だった。一切を11月へ! (投稿/八尾北医療センター労組・青木麻季)
(写真 八尾市役所での弾劾行動に続いて市内最大の繁華街をデモ【10月6日 八尾市】)

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週刊『前進』(2460号4面5)(2010/10/18 )

日誌'10 2010年 10月6日〜12日

 超党派議連が「尖閣」を視察/米が未臨界核実験

●嘉手納F15、普天間で123デシベル 沖縄県宜野湾市の伊波市長が記者会見し、10月5日に米空軍嘉手納基地所属のF15戦闘機が米軍普天間飛行場に飛来した際の騒音が過去5年間で最大の123・6デシベルを記録したと明らかにし、抗議声明を発表した。嘉手納基地の滑走路修復工事に伴い、嘉手納所属機の飛来が増えた。120デシベルは航空機のエンジンのそばにいる状態に近く、人の聴覚の限界に迫るとされる。(7日)
●仲井真知事「県内容認なくなった」
 沖縄県の仲井真知事は定例記者会見で、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を念頭に、今後の県内移設受け入れの可能性について「まず、なくなったと言える」と強調した。県内移設反対を明確に示さないことについては「イエス、ノーというような(はっきり言える)のは、よほどクイズ番組ぐらい」と述べ、従来通り県内反対を明確にしなかった。(8日)
●中国、フジタ社員を釈放 中国河北省の軍事管理区域に侵入し、ビデオ撮影をしたとして中国当局に拘束され、4人のうち唯一取り調べが続いていた日本の準大手ゼネコンのフジタの社員が釈放された。ほかの3人は9月30日に釈放されていた。(9日)
●超党派議連が「尖閣」視察 超党派の国会議員でつくる「国家主権と国益を守るために行動する議員連盟」の原口前総務相らが釣魚台(尖閣諸島)を上空から視察し、石垣市内で地元漁師や石垣市、竹富町、宮古島市の首長や議員らと尖閣諸島に関する意見交換会を開いた。(9日)
●「武器輸出3原則見直し検討」 北沢防衛相はベトナム・ハノイで米国のゲーツ国防長官と会談した。ゲーツは「海洋でのさまざまな関係国の間で、緊密な連携を続けていくことが重要」と述べ、北沢は武器輸出3原則の見直しを検討することを伝えた。仙谷官房長官は翌12日の記者会見で武器輸出3原則の見直しについて「これから議論が展開されることになる」と述べた。(11日)
●給油機に攻撃装備、普天間配備も
9月末に公表された米海兵隊の11会計年度航空機配備計画で、普天間飛行場に配備されている第36海兵航空群を傘下に置く第1海兵航空団のKC130J空中給油機に、情報偵察と攻撃能力を持つ兵器の装備が盛り込まれていることが分かった。装備の時期は明らかでないが、普天間のKC130にも装備される可能性がある。(12日)
●オスプレイ配備で再アセス「不要」
 菅内閣は、米軍普天間飛行場の代替施設建設に伴う環境影響評価(アセスメント)について、普天間に配備予定の海兵隊輸送機MV22オスプレイの飛行に関連したアセスのやり直しは必要ないとする答弁書を閣議決定した。(12日)
●米が未臨界核実験 米政府が9月15日に未臨界核実験をネバダ州の核実験施設で実施していたことが分かった。同実験は06年8月以来で、通算24回目。オバマ政権下では初めて。米エネルギー省が発表した。(12日)

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週刊『前進』(2460号5面1)(2010/10/18 )

 11月横浜APEC粉砕へ

 アジア勢力圏化めぐる米日中争闘戦と戦争を加速する会議

 国際的団結で反対デモ爆発を

 労働者に無権利と超低賃金

 アジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議が11月13〜14日、横浜で開催される(実務者・閣僚会議は7日から)。米大統領オバマを中心に21カ国の首脳が集まり、直前(11〜12日)に韓国ソウルで開催されるG20財務相・中央銀行総裁会議とともに、支配階級の延命をかけた「貿易自由化」などの経済問題を中心に協議する。
 議長国の日帝・菅政権は、政権の基本路線「新成長戦略」の中に、APECの枠組み全体での「アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)」の構築を明記しているが、今回の首脳会議はアジアの「経済統合」(域内の貿易関税などを撤廃した経済ブロック)をめぐる米・日・中のむき出しの利害衝突となる情勢だ。とりわけ「アジア回帰」を鮮明にし、通貨戦争をも絡めてアジア市場への強引な割り込みに乗り出した米帝と、GDPで日本を上回る規模に成長した中国スターリン主義の利害衝突は、大恐慌のもとで激烈を極めている。アジアの海洋権益をめぐる軍事的衝突すら現実となりつつあるのだ。
 この渦中で、日帝が釣魚台(尖閣諸島)を「日本固有の領土」と公言、ついにアジアでの独自の軍事行動に踏み出し、すさまじい国家主義と愛国主義・排外主義を噴出させている。こうした米中日の争闘が、体制崩壊的情勢に突入している北朝鮮スターリン主義に対する侵略戦争の危機をも激しく促進しているのだ。
 また主要議題の「自由貿易」と経済統合をめぐる競争は、国内政策的には各国労働者・農民をさらなる民営化・規制緩和の渦中にたたき込み、労働運動を破壊して工場法以前の無権利と超低賃金で搾取し、その途方もない犠牲の上に、どの国の支配階級が延命するかを競い合うという問題だ。APEC首脳会議とは、大恐慌下で戦争と民営化・労組破壊の攻撃を加速させる場なのだ。それゆえ会議の開催自体が、アジアと世界の労働者・農民・学生たちの激しい怒りの対象となっているのである。
 11・7労働者集会を、労働者の国際的連帯でこのAPEC横浜会議と全面的に対決し粉砕する闘いとし、11・13〜14APEC粉砕に立とう!

 東アジア経済圏と日米激突

 今回の横浜会議は、94年のインドネシア・ボゴールでの同首脳会議で「先進国は2010年までに貿易・投資の自由化を達成」と決めた目標年度にあたる。だが米帝はAPEC参加国の一部を引き抜いて独自の広域FTA(環太平洋経済連携協定TPP=図参照)を推進。中国も東南アジア諸国連合プラス日・中・韓(ASEANプラス3)など別の枠組みでの主導権を重視しており、APECでの合意はほぼ不可能化している。
 しかしアジアの「経済統合」は激しい利害衝突の中で実質的に進んでいる。東アジアをASEAN10カ国プラス3(日中韓)という枠組みで見ると、域内貿易依存度は北米自由貿易協定(NAFTA)の46%(02年)をしのぎ5割を突破、EUの62%に迫る。大恐慌下での世界経済のブロック化の動きはアジアにおいても進行しているのだ。
 米帝はアジア独自のブロック化を阻み、軍事介入も辞さない姿勢だが、域内では日中がASEAN諸国をはさんで個別2国間の自由貿易協定(FTA)で激しく競い合い、ベトナム等の旧植民地諸国も巻き込んだ広域「自由貿易」体制への移行が加速している。アジアの領土・資源・市場など勢力圏をめぐる米日帝国主義・国際帝国主義と中国の激突は本格的な段階に入ったのだ。緊迫する北朝鮮情勢のただ中で米韓軍が黄海を含む合同演習(9月)を強行しこれに日帝自衛隊も参加、中国が同じ海域で軍事演習をぶつけるという事態は、侵略戦争前夜情勢そのものだ。

 日本経団連が9条改憲提言

 この四半世紀で、東アジア経済統合へ最初に動いたのは日帝だ。米帝が仕掛けた急激な円高で日本企業の海外移転が加速したからだ。85年に6・8%だった国内各社の海外生産比率は急拡大し、09年には56%にも達している(毎日新聞9・20付)。その海外生産拠点の約3分の2が中国を始めとする東アジアだ。
 こうした事情を背景に日帝は1989年APEC発足を主導、翌年にはマレーシア首相・マハティールが、日本を軸に米国を除いた「東アジア経済圏(EAEG)構想」を提唱するに至った。
 これに米帝は激甚に反応した。93年、クリントン政権はマハティール構想を力ずくで放棄させ、APECを自らが主導するアジア地域の経済統合の枠組みだと宣言し、首脳会議に格上げした。
 しかし米金融資本を中心とした新自由主義のバブル経済が97年アジア通貨危機を引き起こすと、日帝はアジアの経済統合で強力な巻き返しに出た。タイ、インドネシア、ベトナムなどASEAN諸国に計800億jもの資金協力を実施、さらに日帝が軸となった「アジア通貨基金(AMF)」構想を発表した(新宮沢構想)。実質的な「円経済圏」構想だ。その規模は1000億jと発表された。戦後日帝のアジア外交(再侵略)の画期をなす構想だった。だがこの計画も、再び米帝とIMFの激しい反対にあって、あえなくつぶれた。そしてこのAMF構想の失敗と重なるように日本は金融恐慌に陥り、いわゆるデフレ・スパイラルにのみ込まれていった。
 日帝ブルジョアジーがこのアジア通貨危機とAMF構想の敗北で総括した問題は、”帝国主義としての国家戦略と軍事力なき外交政策は空論だ”との古典的な命題だった。05年に日本経団連が自ら9条改憲を核とする改憲提言を発表したのは、こうした争闘戦の現実を背景にした帝国主義的衝動そのものだ。そして国内政策では小泉政権の構造改革路線のもとに「東アジア自由経済圏のための規制緩和と民営化路線」の強力な推進を、ブルジョアジーの至上命令として打ち出したのだ(03年奥田ビジョン)。

 新興大国中国と米帝の対立

 こうした日帝のアジア支配の”後退”を受けて、東アジア経済統合へ名乗りを上げたのが中国スターリン主義である。中国は01年にWTO(世界貿易機構)に加盟、けた外れの外資導入による危機的構造ながら、9億人を超える農民からの猛烈な収奪を基礎に、今やGDPで日本を上回る経済規模となった。
 アジア通貨危機以後、東アジア経済統合の中心となってきたのは、実はASEANプラス3(日中韓)の枠組みだ。ここで矢継ぎ早に各国とのFTA(自由貿易協定)を成立させたのは中国だった。ASEAN・中国FTAは03年に締結・発効。ASEANプラス3全体を包括する大FTA構想も、中国主導で05年から共同研究が始まった。日本・ASEANがEPA(FTAを含む包括的経済連携協定)に調印できたのは08年だ。
 このかん中国スターリン主義は軍事力も飛躍的に増大させ、東中国海や南中国海で領土や資源、海洋権益の実効支配を強めた。イラク戦争の敗退も相まって、米帝の独壇場だった東アジアの戦略環境は激変した。
 米帝は02年に「ASEANイニシアティブ」を発表し、東アジアへの経済的・軍事的関与の姿勢を明確にした。以来、経済統合の動きにはAPECを対抗させ、ASEAN諸国との対中牽制(けんせい)の軍事協力にも公然と乗り出した。黄海での米韓合同演習後、米軍は南中国海に空母ジョージ・ワシントンを投入し米・ベトナム合同演習まで強行した。同海域で頻発する米中海軍の接触事件は偶然ではない。
 そして今回のAPECを前に日帝も猛然と動き出した。日帝は07年にASEANプラス6(日中韓と印、豪、NZ)の包括EPAの共同研究を提案・主導しているが、さる9月、日本・インドEPAの大筋合意を発表した。そして軍事的にも「尖閣奪回」を想定した日米合同演習を11月に強行する。米中激突に割って入り、帝国主義国家としてアジアの権益争奪戦に参入する意思表示である。それゆえ釣魚台侵略での今回の日帝の踏み込みも、外交的”敗北”にもかかわらず歴史的に重大事態なのだ。
 まさに「資本主義の基礎の上では、一方における生産力の発展および資本の蓄積と、他方における植民地と金融資本の勢力範囲の分割との間の不均衡を除去するのに、戦争以外のどのような手段があるか」(レーニン)という情勢なのだ。
 国鉄闘争に対する民主党政権の「4・9政治和解」という階級圧殺攻撃も、こうした支配階級の延命をかけた政治的・軍事的突出と表裏一体の問題なのである。
 このようにAPEC横浜会議は、アジア太平洋地域のすべての労働者人民の階級的利益に真っ向から敵対し、労働運動破壊と帝国主義的争闘戦―北朝鮮侵略戦争情勢を加速させる戦争会議だ。11・7労働者集会を圧倒的な国際連帯で打ち抜き、11・13〜14横浜APEC粉砕闘争に立とう!
 〔森田幸三〕

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週刊『前進』(2460号5面2)(2010/10/18 )

 寺尾判決36ヵ年糾弾・第3次再審貫徹

 狭山集会に集まろう

 狭山事件の犯人にデッチあげられた無実の部落青年・石川一雄さんに、東京高裁の寺尾正二裁判長が無期懲役判決を下した1974年10月31日から、36カ年を迎えようとしている。
 菅民主党・連合政権は、世界大恐慌のもと危機を深める日帝ブルジョアジーの延命をかけ、外に向かっての侵略戦争、内に向かっての公務員大攻撃を軸とする階級戦争に全力を挙げている。この中で、4・9政治和解による国鉄闘争解体攻撃と軌を一にした、部落解放同盟(解同)の3者協議路線による狭山闘争解体攻撃が激化している。今こそ新自由主義と真っ向から対決する狭山闘争・部落解放闘争の路線的確立と、その実践が求められている。
 国鉄全国運動の推進と一体で、狭山解体攻撃を打ち破り、第3次再審闘争の勝利を切り開こう。東京・広島・大阪で開催される10・31狭山集会を打ち抜き、11・7日比谷野音を1万人の結集で埋め尽くそう。

 狭山解体の解同3者協議路線

 菅民主党・連合政権のもとでは最初の、4回目の狭山裁判の3者協議が9月13日に行われ、その反動的・階級的本質があらわになった。
 この3者協議に際し解同は、これまで記者会見などで明らかにしてきた協議の中身はおろか、開催日時までも一切公表しなかった。これは解同が検察・裁判所と一体となって第3次再審闘争を司法の枠に閉じ込め密室化させ、階級的糾弾闘争を圧殺・解体するということだ。しかし、完全無罪をかちとるという石川一雄さんの不退転の意志と国家権力に対する非妥協性で、狭山闘争は歴史的勝利を積み重ねてきた。この攻撃を打ち破って必ず勝利する。
 狭山闘争は、戦後の労働者支配の決定的一環としてあった、部落民への分断・差別・抑圧体制を打ち破り発展してきた。70年安保・沖縄闘争における学生・青年労働者の国家権力を震え上がらせる決起が、狭山差別裁判糾弾闘争として爆発した。それは、部落解放闘争を体制内に押しとどめようとする解同指導部の制動を超えた部落大衆、とりわけ部落青年の自己解放的決起でもあった。この地平は、今日の階級的労働運動路線に脈々と受け継がれている。
 70年代、東京高裁を包囲した11万人の決起は過去のものではない。狭山闘争・部落解放闘争が階級性を徹底的に貫き、激化する分断攻撃に階級的団結で立ちむかうとき、現実のものとなるのだ。

 西郡・杉並・品川の3支部と共に

 解同全国連中央による支部役員除名・支部解散攻撃を粉砕し、今年7月、全国連西郡支部、杉並支部、品川支部の定期大会が相次いで成功した。狭山闘争と西郡住宅闘争を軸に階級的労働運動路線で闘ってきたこれら3支部は、この間、新たな部落解放闘争の地平を実践的に切り開いてきた。今回の大会をもって3支部は、全国連中央との路線闘争に完全に勝利した。
 もはや、菅政権の懐に飛びこんだ全国連中央・旧与田派の破産は明らかだ。旧与田派は戦後解放運動の体制内改良主義を一歩も越えることができなかったことを自ら暴露し、国鉄闘争における4者4団体指導部以上の反革命へと転落した。打倒・一掃あるのみだ。
 一方、西郡支部は、住宅闘争で応能応益家賃制度絶対反対を貫き、今、八尾北労組と団結して八尾北医療センターの明け渡し攻撃と果敢に闘っている。品川支部も「資本とは非妥協」を貫き、支部員が地域の労組に加盟し、労働者として団結し解雇撤回闘争を闘っている。ここにこそ部落解放闘争の本来の姿と未来がある。階級的労働運動路線で闘うことが部落差別を撤廃する部落解放闘争の唯一の路線だ。3支部とともに、階級的団結を基礎にした新自由主義と対決する部落解放闘争路線を打ち立てよう。

 狭山勝利へ階級的団結の主体に

 国鉄1047名解雇撤回闘争は、動労千葉を先頭に4・9政治和解をのりこえ、国鉄全国運動として発展している。部落解放闘争が国鉄全国運動を主体的に担い、職場・地域で部落民労働者が決起し階級的団結の主体となり、6千万労働者階級を獲得していくことだ。この労働者階級全体を獲得する立場と実践が部落大衆をも真に獲得していく。そしてこの闘いの中にこそ狭山闘争の勝利の道があるのだ。
 それは、狭山差別裁判の階級的本質が、国家権力による部落差別をあおっての労働者階級への分断攻撃であり、階級的団結を破壊する攻撃として現在もあるからだ。この部落民を含む労働者階級総体に対する分断を打ち破る闘いとして、狭山闘争は屹立(きつりつ)している。勝利の展望は解同の3者協議路線や取り調べ可視化にではなく、労働者階級の闘いの発展の中にこそあるのだ。
 狭山闘争が階級闘争の大地によみがえるとき、勝利をもぎり取ることができる。国鉄全国運動はその扉をこじ開ける闘いだ。不屈に闘う石川一雄さんと固く連帯し、寺尾判決36カ年糾弾・狭山第3次再審闘争勝利にむけた東京・広島・大阪の狭山集会に結集しよう。11・7労働者集会の大爆発をかちとろう。

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週刊『前進』(2460号5面3)(2010/10/18 )

 石川さんは無実だ

 石川一雄さん(71歳)は、47年前の1963年5月1日、埼玉県狭山市で起こった女子高校生誘拐殺人事件の犯人にデッチあげられた。真犯人を取り逃がした警察は、市内の被差別部落の青年を狙って集中捜査を行い、5月23日、石川さんを別件で逮捕。石川さんはハンストまでして無実を主張したが、兄を犯人と思わせる手口で「自白」を強要され、起訴された。検事は作文を裏付ける証拠をねつ造し、「部落民ならやりかねない」と死刑を求刑。浦和地裁はこれを支持し翌年3月に死刑判決を出した。警察・検察・裁判所がぐるになった国家権力の差別犯罪への怒りは、狭山差別裁判徹底糾弾闘争として爆発。国家権力打倒に燃える石川さんに応え、74年9月には11万人が日比谷公園を埋めた。しかし、同年10月31日、東京高裁による無期懲役判決で下獄し、千葉刑務所から再審を請求。31年7カ月の獄中闘争を不屈に闘い抜き、再審請求取り下げの強要を跳ね返して94年12月21日に仮出獄した。現在、東京高裁に第3次再審請求中。

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週刊『前進』(2460号5面4)(2010/10/18 )

 日程 10・31狭山集会

 寺尾差別判決36カ年糾弾! 狭山第3次再審闘争勝利!
 10・31狭山集会

■広島
10月29日(金)午後6時30分
いきいきプラザ(広島市西地域交流センター、西区福島町1-19-12)
主催 部落解放広島共闘会議

■東京
10月30日(土)午後6時30分
南部労政会館(JR大崎駅南口すぐ)
主催 部落解放東日本共闘会議

■大阪
10月31日(日)午後2時
西郡第3集会所(八尾市幸町5―44)
主催 部落解放同盟全国連合会西郡支部/八尾北医療センター労働組合/関西労働組合交流センター

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週刊『前進』(2460号5面5)(2010/10/18 )

 日程 幕引きの秋 裁判員制度 10・20集会

 幕引きの秋 裁判員制度 10・20集会
 10月20日(水)午後6時〜8時
 東京・弁護士会館2階講堂 クレオ(東京メトロ・霞ケ関駅B1出口)
●講演 池田浩士さん(京都大学名誉教授)
 「ファシズムは市民参加で!――ボランティアから裁判員まで」
●報告 高山俊吉さん(呼びかけ人・弁護士)
 「ここまできた!破綻」
●ビデオメッセージ 高橋伴明さん(映画監督)
 「国のタクラミが気にくわない」
●各地の取り組みと報告
主催 憲法と人権の日弁連をめざす会

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週刊『前進』(2460号6面1)(2010/10/18 )

 東京・新橋 再審連絡会議が事務所開き

 星野同志奪還へ新たな出発

 10月11日午後、東京・新橋で、「星野さんをとり戻そう! 全国再審連絡会議」の事務所開きが行われた。新装となった事務所はこれまでの3倍の広さ。見違えるようにきれいになった事務所に、前日の三里塚闘争に参加した全国の代表も交えて40人が集まった。
 司会は、再審連絡会議・事務局の神藤猛雄さん。共同代表の戸村裕実さんが開会のあいさつに立ち、「新しい酒は新しい革袋に」と三里塚反対同盟の戸村一作委員長が愛した言葉を引用して、星野文昭同志奪還への新たな決起を訴えた。続いて、星野暁子さんが「革命の勝利に向かう時には、奇跡のようなことが起こる。それは、地道な努力の積み重ねの上にのみ成立する。攻撃を跳ね返す闘いを進めて、文昭を取り戻そう」と訴えた。その後、共同代表の狩野満男さんの音頭で乾杯した。
 革共同の天田三紀夫書記長が祝辞を述べ、「4・9情勢下で、国鉄闘争と星野闘争が大きく前進した。11・7集会、11・27星野全国集会を成功させ、星野同志を必ず奪還しよう」と語った。
 鈴木達夫弁護団長は、「9月30日に、補充書(1)と鑑定書その1を提出した。この二つで敵を追い詰めている。再審の実現に向けてさらに攻め続ける」と報告した。
 都政を革新する会代表で、百万人署名運動杉並の事務局の長谷川英憲元都議、織田陽介全学連委員長が祝辞を述べた。
 続いて、福島、徳島、岡山、大阪・京滋、茨城、千葉、東京連絡会、杉並、東京東部、東京北部準備会、三多摩、神奈川、埼玉・越谷実行委などの救援会、奥深山さんの免訴を実現する会が次次と闘う決意を語った。
 さらに、沖縄民権の会、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判被告の家族、裁判員制度はいらない!大運動の事務局、百万人署名運動・事務局からも祝辞が述べられた。最後に、事務局の金山克巳さんが閉会のあいさつをし、大喝采の中、終了した。
 新事務所建設は、星野同志奪還運動の新たな出発だ。日帝・民主党政権は、今年3月から星野同志へ連続懲罰、友人面会拒否、弁護人接見の権利を奪う攻撃を連続的にかけてきた。これは、体制崩壊の危機に瀕する日帝の4・9反革命攻撃そのものだ。国家権力のデッチあげ無期攻撃に屈せず、獄中36年を非転向で闘いぬく星野同志と、全国的な星野奪還運動の大前進が、生きられない現実を強制されている青年労働者・学生のうずまく怒りを糾合して大爆発することに、革命の恐怖を感じているのである。
 星野同志へのいかなる攻撃も絶対に許さない。全国の組織と奪還運動を圧倒的に拡大して大反撃し、星野同志奪還へ力強く進もう。11・7労働者集会1万人結集、11・27星野全国集会の大成功をかちとろう。
(写真 「地道な努力の積み重ねを」という星野暁子さんの訴えに再審への決意を新たにした【10月11日 東京】)

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週刊『前進』(2460号6面2)(2010/10/18 )

 マルクス主義学習講座

 『共産党宣言』をとらえ返す(下)

 資本の支配と全社会的秩序を覆すのは、労働者階級自身だ


 【目 次】
◆前書き、第1章「ブルジョアとプロレタリア」前半(2454号)
◆第1章後半(2455号)
◆第2章「プロレタリアと共産主義者」(2458号)
◆第2章後半、第3章、第4章(今号)

 プロレタリア独裁の思想 2章後半

 「労働者革命の第一歩はプロレタリアートを支配階級へ高めること、民主主義をたたかいとることである」「プロレタリアートは、その政治支配を利用して、ブルジョアジーからしだいにすべての資本を奪い取り、すべての生産用具を国家、すなわち支配階級として組織されたプロレタリアートの手に集中し、生産力の総量をできるかぎりはやく増大させる」
 「このことは、まずは所有権とブルジョア的な生産諸関係にたいする専制的侵害をつうじておこなわれる以外にない」「この方策は、経済的には不十分で維持できないように見えるが、運動の進行のなかで自分自身をのりこえて進む」「生産様式の全体をくつがえす手段として不可避な方策である」「国によってもちろん違ってくるであろう。しかし、もっとも進んだ諸国ではかなり一般的に、次のような諸方策が適用されうるであろう」(として10項目が個条書きされている)
 ここで〈労働者革命の第一歩としてたたかいとられる民主主義>は、議会制民主主義とは別の意味だ。その次の「国家、すなわち支配階級として……」の部分と重なる。この段階でのマルクスの「プロレタリアート独裁の思想」の表現である。ブルジョアジーを倒し、それにとって代わって労働者階級が政治的支配の力をもつことをとおして社会全体を掌握する。
 次に、ブルジョアジーの所有すなわち資本を〈しだいに奪い取る>としている。しかし、「しだいに」奪い取るというと、ブルジョアジーの実質的経済支配が長く存続しているように受け取れる。じつはここのところは、パリ・コミューン後の1872年第二版序章などにおける『共産党宣言』の「部分的修正」の問題につながっている。
 マルクスとエンゲルスは、この部分について、10項目の具体的方策と関連するかたちで、「今日では別の書き方がなされるべき」と述べた。明らかに、「労働者階級は、できあいの国家機構をそのまま手に入れて自分たちの目的のために使うことはできない」というパリ・コミューンの総括と関係している。労働者階級は、自ら立ち上がって「ブルジョアジーの国家機構をこなごなに打ち砕き」、コミューン型の政治形態をつくりだす。〈しだいに>ブルジョアジーから資本を奪い取るのではなく、コミューン=労働者権力をとおして、自分たち自身による社会的生産全体の掌握と運営に大胆に乗り出す(掌握と運営そのものを学びつつ実践していくわけだが)。
 マルクスはパリ・コミューンを見て「これこそ可能な(現実的な)共産主義」と呼んだ。『フランスの内乱』で、「(労働者階級は)運動の進行のなかで自分自身をのりこえて進む」という『宣言』でも述べられている思想が、パリ・コミューンの現実の経験を踏まえて、もっと確信的に力強く論じられている。

 結語部分――階級の廃止、国家と古いブルジョア社会の廃止

 「発展が進むにしたがって、階級の区別が消滅し、すべての生産が結合した諸個人の手に集中されると、公的権力は政治的性格を失う。政治権力とは、本来の意味では、一つの階級が他の階級を抑圧するための組織された暴力である。プロレタリアートがブルジョアジーとの闘争において、必然的に階級へと結集し、革命によって支配階級となり、支配階級として古い生産諸関係を暴力的に廃止するときに、プロレタリアートは、このような生産諸関係とともに、階級対立の存立条件と階級そのものの存立条件を廃止し、それによって階級としての自分自身の支配を廃止するのである」「階級と階級対立の存在する古いブルジョア社会のかわりに、一人ひとりの自由な発展が、すべての人びとの自由な発展の条件となるようなアソシエーション(協力体=連合体)が登場する」
 国家は階級支配のための機関である以上、階級関係の消滅とともに消滅していく。国家と市民社会の対立関係および国家を疎外した市民社会もまた消滅する。その後に生じてくる「自由に結合した労働者」が形成する社会的関係の全体(その結合関係が「一人が万人のために、万人が一人のために」の標語で象徴される)を指して、当時の論議や用語に基づいてアソシエーション(協力体=連合体)という言葉が使われている。
 このような関係への「前段=助走」として、プロレタリアート独裁がある。また、このような関係の「母体」として、闘う労働組合を基礎とする労働者の階級的団結をとらえかえさなければならない。動労千葉の存在と闘いは、まさにこのようなレベルで全世界の闘う人びとの魂をとらえている。この点に関しては、第1インターナショナルの決議『労働組合、過去・現在・未来』などがあらためて参照されるべきである。

 旧来の〈社会主義・共産主義〉批判 第3章

 ここは、エンゲルスの『共産主義の原理』にはなかったもので、マルクスが工夫して付け加えたところだが、「歴史的」であるだけでなく、現在にも通じるきわめて実践的な(普遍的な)意味をもっている。幾つかのポイントを確認しよう。

 「真正」社会主義批判

 古い昔を懐かしむだけの「封建的・反動的な社会主義」を批判したそのあとに「真正社会主義」批判が出てくる。それは、「小ブル的なドイツ的社会主義または共産主義」批判と言い換えることができる。ここに、ヘーゲルそのものからフォイエルバッハを含むヘーゲル左派まで入っている。当時の党派関係と書かれている内容を照らし合わせると、マルクスは、昨日までの自分たち自身をもここに入れていることが分かる。その意味で、ここはこの学習の第1回目(本紙2454号)で述べた「自己批判→階級移行の貫徹」としての意味も含まれている。

 プルードン批判。保守的あるいはブルジョア的社会主義

 ブルジョア社会のために社会的弊害を取り除こうとしている連中である。いろんないんちき改良家。代表者は社会主義的ブルジョアのプルードンだ。この連中は、労働者階級の政治闘争(権力奪取=文字どおり労働者が社会の「主人」となる)を絶対に認めない。また、本質的には同じだが、労働者階級の闘争を必死になって「狭い意味での政治改革闘争」にそらし、閉じ込める。「政治改革」とはブルジョア社会内での階級支配の効率化ということだ。階級関係そのものには手をつけない。(21世紀現在の「トウの立った体制内派」になんとよく似ていることか。)

 批判的・空想的な社会主義および共産主義

 ここでは空想的社会主義のかの「創始者」たちを批判し、歴史的に位置づけている。彼らは「たしかに階級対立も認識しているし、現在の社会そのものの内部でこれを解体していく要因が働いていることも認識してはいる。しかし、プロレタリアートの側に歴史的自発性も独自の政治的運動も認めない」「プロレタリアートを階級へ一歩一歩組織化していくかわりに、得手勝手なプランにもとづく社会の組織化が登場する」「これら創始者たちは、かれらの計画がなによりも、もっとも苦しんでいる階級としての労働者階級の利益を代表していると思っているが、プロレタリアートを、このようにもっとも苦しんでいる階級としてしか見ることができない」
 「だから、これら創始者たちは、いっさいの政治行動とりわけ革命的な政治行動を拒否する。かれらは、平和的方法で自分たちの目的に達しようとして、小さな実験によって、つまり実例を示すことによって、新たな社会的福音〔救い〕への道をきりひらこうと試みる」
 しかし、彼らの批判は「現存する社会の根底をすべての面にわたって攻撃している」「(彼らの)未来社会にかんする積極的な諸命題、たとえば都市と農村の対立の廃止、家族・私的営利・賃労働の廃止、社会的調和の告知、たんなる生産管理機関への国家の転化――こうした諸命題は、すべて階級対立の消滅を表現している」「弟子たちはきまって反動的宗派(セクト)を形成している」(だけであり)「熱烈な迷信にのめりこむ」「したがって、弟子たちは、労働者のすべての政治運動に激しく反対する」 現在的にとらえ返すべき深さがある。労働者階級の存在と闘いの歴史的意義をしっかりととらえることが一切の基礎である。共産主義とは、〈階級対立の消滅>を別の言葉に置き換えたものなのだ。だからこそ、それは労働者階級自身の事業なのである。

 全世界の労働者はひとつだ 4章

 「共産主義者は、労働者階級の直接当面する目的と利益を実現するためにたたかうが、現在の運動のなかにあって、同時に運動の未来を代表する」(だから、共同して闘う諸党派の空文句や幻想にたいする批判の権利を放棄しない。)

 ドイツについて

 ドイツはブルジョア革命の前夜にあるが、イギリスやフランスとは違う条件のもとでこのブルジョア革命をなしとげる。ドイツのブルジョア革命はプロレタリア革命の直接の前奏曲になるしかない。〔『共産党宣言』における「永続革命論」を今日的なプロレタリア世界革命論とそのなかでの革命的統一戦線問題としてとらえかえす領域。文字どおり実践的な問題〕

 まとめ

 「共産主義者は、どこでも現存の社会的政治的状態に反対するすべての革命運動を支持する。こうしたすべての運動において、共産主義者は所有(財産)の問題を、その発展形態のいかんにかかわらず、運動の根本問題として提起する」
 「共産主義者は、自分たちの見解と意図を隠すことを軽蔑する。共産主義者は、自分たちの目的が、これまでのいっさいの社会秩序の暴力的転覆によってしか達成されえないことを、公然と宣言する。支配階級よ、共産主義革命のまえに震えあがるがよい! プロレタリアは、この革命において鉄鎖以外に失うものは何もない。プロレタリアが獲得すべきは全世界である。万国のプロレタリア、団結せよ!」
 労働者階級は国境や国家・民族の枠をこえて世界単一である。それを分断との闘争として実践的・動的にとらえる。そうすれば、労働者の階級的団結こそが一切を切り開くということが、はっきりと浮かび上がってくる。この確信に基づく高らかな革命の「宣言」=よびかけで全体が結ばれている。
 ところで、〈隠すことなき自分たちの見解・意図>とは何か。運動のどの段階でも「所有の問題を根本問題として提起する」。これと、階級的搾取、階級抑圧、階級的支配つまり〈これまでのいっさいの社会秩序を暴力的に根本的に転覆し、そして廃止する>を一体的にとらえなければならない。資本の支配(資本は賃労働に基づいている)に現在の社会の基礎がある。資本の搾取と支配を廃止することが階級社会の全面的な廃止なのである。
 労働者階級は、資本との日常的攻防を基礎にして階級的団結を形成し、ついに「公的社会のいっさい」を吹き飛ばし身を伸ばし、社会の現実の主人公となり、自分たち自身で全社会を運営することをとおして、階級対立と階級の存在そのものを完全に廃止することのできる世界史的存在である。ブルジョアジーの打倒=プロレタリアートの階級的解放(プロレタリアートの勝利)はそうした根底的革命である。今まさに、そうした条件が成熟してきている。
 (おわり)
 〔仲山良介〕

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週刊『前進』(2460号6面3)(2010/10/18 )

 フランス労組がゼネスト

 年金改悪反対で交通・石油も

 10月12日から、サルコジ政権による年金制度改悪に反対して、フランスの主要労組が全土でストライキに突入した。9月の法案提出以来、第4弾となる闘いの爆発だ。
 鉄道・運輸労働者は、国鉄やパリ市内の地下鉄、バスなど公共交通機関を大幅に運休させた。石油労働者は、国内の12製油所のうち9カ所でストに決起し、8製油所で燃料の供給をストップさせた。この中には国際石油資本の中でもスーパーメジャーと呼ばれるトタルの6製油所が含まれている。ストは複数の燃料備蓄所を閉鎖に追い込み、東南アジアから欧州にガス・原油を輸送するタンカーの少なくとも3隻の運行を止めた。
 高校生も決起している。12日の抗議行動では、全国4300余りの高校のうち約350校で正門を封鎖するなどの闘いが爆発。15万人の高校生がデモに合流した。世論調査では69%が抗議行動を支持し、61%が長期化に賛成だ。国鉄各労組は無期限ストに入り、主要労組は16日も大規模なストやデモを構えている。
 サルコジ打倒へ闘うフランス労働者と連帯し、11・7集会大結集で菅民主党政権を打倒しよう。
(写真 12日、「撤回」の横断幕でマルセイユをデモ)

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週刊『前進』(2460号6面4)(2010/10/18 )

 法大裁判に集まろう!

 ★5・28暴行デッチあげ裁判(控訴審)
  第3回公判 10月21日(木)午後1時30分
 ★暴処法裁判
  第19回公判 11月1日(月)午後1時30分
  いずれも東京地裁429号法廷
  12時30分に傍聴券配布所に集合

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