ZENSHIN 2010/09/20(No2456 p06)

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第2456号の目次

3日に開かれた総決起集会。「保育所民営化と辺野古新基地建設に絶対反対」を掲げ宮城議員(手前中央)を先頭に必勝を誓った(北中城村)

1面の画像
(1面)
菅ブルジョア救済内閣打倒
4・9政治和解と「新成長戦略」=労組破壊・非正規化・戦争に反撃を
公務員大攻撃を粉砕しよう
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沖縄・北中城村議会選挙 宮城盛光さん7選勝利
「民営化と基地に反対」貫き(9月12日)
保育所民営化を許さぬ 宮城さん・勝利の言葉
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『綱領草案』(解説つき)を発刊 記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
(2面)
教育現場で激増する非正規職
分断打ち破り11・7大結集で公務員全員首切りと対決を
革共同教育労働者委員会
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“8・6処分撤回せよ”
広島人事委公開審理 職命出した校長を追及(広島T・G)(9月13日)
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相模原の政令指定都市化
エスカレートする道州制攻撃 「軍都相模原」復活を絶対阻む
革共同神奈川県委員会
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(3面)
JR東日本はグリーンスタッフへの労働強化、雇い止め解雇やめろ
仲間を集めて声をあげよう!
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国労東日本定期大会 JR資本に全面屈服
「総合協約」締結方針を強行(9月2、3日)
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日帝の釣魚台侵略弾劾する   “領土問題存在せず”と前原国交相
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(4面)
農地強奪阻止!10・10三里塚へ
日帝のアジア侵略−第3誘導路建設阻止へ労農同盟の発展を
白川 賢治
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市東さん農地裁判 NAAの土地特定は誤り!
裁判長“訴訟棄却も”(9月10日)
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10・10三里塚に総結集を  反対同盟が熱烈に訴え(下)
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日誌 2010年 9月8日〜14日
海保、釣魚台沖で中国漁船長を逮捕/名護市議選、市長派が勝利
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(5面)
全学連大会 11月結集と学生自治会復権を宣言
法大闘争勝利へ不抜の団結  “大恐慌と対決し未来切り開け”(9月9、10日)
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織田委員長のまとめ
団結し大恐慌と闘うため皆が指導部に飛躍しよう
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仲間を見捨てない
斎藤・法大文連委員長の発言
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法大処分撤回!1万筆署名の力で
キャンパス支配権奪還へ(マル学同中核派・法大支部)
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(6面)
天野芳郎同志を追悼する
労働者魂あふれた不屈の生涯 自前の印刷工場建設の礎築く(9月7日)
弔辞 献身的で原則的な闘い受け継ぎ必ず勝利する
革命的共産主義者同盟書記長 天田三記夫
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団結ひろば 投稿コーナー
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週刊『前進』(2456号1面1)(2010/09/20 )

 菅ブルジョア救済内閣打倒

 4・9政治和解と「新成長戦略」=労組破壊・非正規化・戦争に反撃を

 公務員大攻撃を粉砕しよう

 日帝政治危機の絶望的激化

 9月14日の民主党代表選は、日帝ブルジョアジー、財務省・官僚組織、マスコミの露骨な支援、さらには“対米対抗性の強い小沢よりは菅”という米帝の思惑をも背景に、現首相・菅が小沢を大差で破り勝利した。
 日本経団連は、直ちに「歓迎」を表明し、「新成長戦略」の前倒しでの実施を新政権に要求している。菅政権の正体は、大恐慌下で日帝ブルジョアジーの意思を全面的に体現して、外に向かっては「東アジア共同体」を掲げた侵略と戦争、内に向かっては公務員大攻撃を軸とする階級戦争の激化に全力を挙げる、むき出しのブルジョア救済内閣である。
 しかも菅政権は、一方では大恐慌の激化と財政破綻、円高の進行に痛撃されて、9月15日、ついに輸出大企業の救済へ大規模な円売り・ドル買い=日帝単独の為替介入に踏み切った。また他方では参院では少数政権として、部分連合など野党の協力なしには法案一つ通せないという、絶望的危機にある。
 しかも、菅と小沢が党を二分して激突した民主党分裂的情勢は打開の展望もなく継続しており、政界の反動的再編をもはらんだ日帝政治危機の激化は不可避である。
 こうした中で、だからこそ菅政権はますますブルジョアジーと一体化し、公務員労働者360万人のいったん全員解雇と再雇用、労働者の9割を非正規職化する攻撃を強め、消費大増税の強行や、沖縄の辺野古新基地建設などの戦争政策に突き進もうとしている。
 いよいよ資本家階級と労働者階級の激突ですべてが決まる時代の到来だ。一切は労働組合と労働者の団結をめぐる攻防にかかっている。国鉄闘争全国運動の推進で職場・地域の団結を組織し、11・7労働者集会の1万人大結集で菅民主党政権打倒へ攻め上ろう!

 「雇用創出」とは非正規化だ

 11・7労働者集会の1万人結集の力で、菅政権の新成長戦略を粉砕しよう。新成長戦略こそ、日帝ブルジョアジーの絶望的な延命路線だ。新成長戦略の本質は、労働者階級への大攻撃とアジアへの侵略と戦争である。しかしこんなもので、日帝は足元の大恐慌から抜け出すことなどまったくできないのだ。
 菅は、「一に雇用、二に雇用、三に雇用」「新成長戦略で500万人の雇用創出」などと言っている。だがこの雇用創出とは、労働者の9割を非正規職化することだ。公務員労働者から身分保障を奪い、360万人を全員解雇=非正規職化し、「新しい公共」と称したボランティア動員と合わせて、公務員労働者を徹底的に無権利とワーキングプアにたたき込むことだ。
 新成長戦略は、医療・福祉・介護や保育園などを市場原理にさらし、資本の金もうけの餌食としていく。それは労働者の生活を一層破壊する。しかも、水道、新幹線、原発などパッケージ型のインフラ輸出を行い、相手国の生産基盤を握り、日帝の勢力圏に組み込むことを狙う。これはアジア侵略そのものであり、米帝や残存スターリン主義・中国との激しい争闘戦であり、帝国主義の侵略戦争・世界戦争の危機を激しく促進する。
 実際、菅政権はこの新成長戦略と一体で年末に策定する新防衛大綱をもって、「専守防衛からの転換」「日本版海兵隊創設」という自衛隊の侵略軍隊化への大転換を狙っている。「離島奪還訓練」と称した上陸訓練まで予定している。中国領・釣魚台で海上保安庁の巡視船が中国漁船と衝突、船長を逮捕した事態は、日帝の戦争意志を激しく示した。
 だが許し難いことに、連合という労働組合のナショナルセンターが、この新成長戦略の先兵になっているのだ。新成長戦略実現会議には、経団連会長や経済同友会代表幹事など資本家の頭目と肩を並べて、連合会長・古賀が出席し、連合事務局長・南雲は「成長戦略をいかに実現させるかが重要」と言っている。連合は現代の産業報国会にかじを切った。JR総連は新幹線輸出、電機連合・電力総連は原発輸出、全水道は水道事業輸出の推進を運動方針に掲げ、国労や自治労も大会で新成長戦略推進を決定した。あろうことか労組が侵略の先兵になっている。
 だが新成長戦略は労働者の怒り、労働組合の存在・闘いと、絶対に激突せざるをえない。国鉄全国運動で職場の労働者を組織し、労働貴族・ダラ幹を打倒し、組合権力を握って連合支配をうち破ろう。闘う労働組合と労働者は11・7労働者集会に総決起し、新成長戦略粉砕・菅政権打倒をかちとろう!

 「生首」「民間並みリストラ」

 「国鉄分割・民営化25年」をめぐる攻撃、公務員制度大改悪と道州制攻撃、国鉄1047名解雇撤回闘争をめぐる4・9政治和解の反革命は、新成長戦略と一体の労働者階級への歴史的な大攻撃としてある。
 「国鉄分割・民営化25年」攻撃は、国鉄1047名解雇撤回闘争を解体し、JRで働く労働者を全面的に非正規職にたたき込む攻撃だ。JR資本はJR東労組や国労本部と結託し、外注化強行へと再度動き出している。その核心的な狙いは動労千葉の解体だ。国鉄決戦は労働者の未来をかけた最先端の攻防である。JRの青年労働者を獲得し、動労千葉とともに外注化攻撃を粉砕しよう。職場に動労千葉とともに闘う労働組合をつくろう。4・9政治和解を拒否して闘う9・28鉄道運輸機構訴訟に圧倒的に結集しよう。
 菅は代表選の公約で「国家公務員人件費の2割削減に向け、人事院勧告を超えた削減を目指すとともに、労働基本権付与を含めた公務員制度改革を加速させる」と言っている。「労働基本権を付与して、民間並みのリストラ、人員整理ができるように」「生首が切れる、リストラできる法改正を」という議論が平然と国会で行われている。これこそが公務員制度改革攻撃だ。公務員の身分保障を解体し、360万人全員をいったん解雇し非正規化し、全労働者の9割を非正規職へとたたき込む大攻撃なのだ。
 連合や公務労協は「スト権はいらない」などと言っている。団体交渉権も労使交渉で賃下げを決めるためのものだ。「スト権抜きの労働基本権付与」とは、公務員労働者のみならず全労働者のストライキを禁止し、連合や自治労がスト圧殺の先兵になるということだ。公務員制度大改悪とは、「労働基本権の付与」と称して労働3権を解体し、戦後の労使関係を全面的に転覆する、事実上の改憲攻撃なのだ。
 自治労委員長・徳永は「正規・非正規の賃金シェアに大胆に取り組む」と徳島大会で発言した。これは自治労が正規職の大幅賃金カットを認め、非正規職の拡大を推進するということだ。社会保険庁の解体で社保庁労働者の首切りと非正規職化に全面協力・推進したように、今や自治労本部が日帝ブルジョアジーの手先になりつつある。
 すでに時代は、戦後革命期のようなプロレタリア革命をかけた階級決戦に突入した。一切は、職場・生産点での攻防で決まる。国鉄全国運動こそ公務員労働者を組織する最大の水路である。国鉄労働者や公務員労働者が先頭に立って、11・7集会1万人決起を実現し、「国鉄分割・民営化25年」攻撃と公務員制度大改悪を断固粉砕しよう!

 11・7集会が歴史的決戦に

 4・9政治和解という歴史的な大反革命と断固対決しよう。4・9で、国家的不当労働行為が容認され、解雇自由も認められ、解雇しても政府や資本の責任が一切問われないとなった。労働基本権の全面否定とはく奪だ。4・9政治和解を労働組合が認めた瞬間、労働組合を資本の側に丸ごと売り渡すことになるのだ。新成長戦略との闘いは、4・9政治和解を粉砕する闘いそのものである。
 4・9政治和解によって、11・7労働者集会は従来の延長ではなく、労働者階級の未来をかけた歴史的決戦となった。4・9政治和解とブルジョアジー救済の菅政権に真っ向から対決する労働者の怒りの総結集として、11・7労働者集会をかちとろう。国鉄全国運動で6千万労働者と深く結びつき、動労千葉を支援する会を全国1千カ所にうち立て、3千人の会員をつくりだそう。6千万労働者の最先頭で決起する1万人集会としてかちとろう。青年労働者を先頭に派遣法・非正規職撤廃のうねりをつくりだそう!
 4・9政治和解は、沖縄闘争や三里塚闘争をつぶす攻撃でもある。だが、9月12日の沖縄県北中城村議選挙では「基地絶対反対・民営化阻止」を闘う宮城盛光さんが当選し、名護市議選では辺野古新基地建設反対派が過半数の議席を獲得した。沖縄の労働者人民は沖縄闘争解体攻撃をうち破り、辺野古新基地建設阻止・菅政権打倒に突き進んでいる。
 三里塚闘争は、市東孝雄さんの実力決起を先頭に、反対同盟と労働者の闘いが労農連帯の強化をつくりだし、三里塚闘争解体攻撃をうち破って勝利している。10・10三里塚全国闘争への大結集で、第3誘導路建設阻止、市東さんの農地強奪を断固粉砕しよう!
 大恐慌の激化のもとで、世界の労働者階級の闘いが激しく爆発している。11・7集会を労働者国際連帯の大発展としてかちとろう。新たに発刊された革共同の『綱領草案』で武装し、革共同に結集しよう。ともに11月へ、プロレタリア世界革命へ突き進もう!

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週刊『前進』(2456号1面2)(2010/09/20 )

 沖縄・北中城村議会選挙 宮城盛光さん7選勝利

 「民営化と基地に反対」貫き

 9月12日の沖縄・北中城(きたなかぐすく)村議会議員選挙で、宮城盛光候補が激闘の末、堂々の7期目の当選をかちとった(396票、14位)。
 午後9時の開票開始から2時間余、「当選」の報告が入ると、待ちわびていた支持者や闘う仲間、家族・親戚・友人などから、いっせいに「勝った!」「やった!」「よかった!」と歓声がとどろいた。あちこちで抱き合って喜び合い、固い握手がかわされた。涙する人もいた。直ちに全体で勝利の祝杯をあげ、後援会長、宮城候補から勝利のあいさつがなされた。最後は村の青年会の仲間が勝利を祝い力強い踊りを披露(ひろう)した。全員が深夜まで勝利の喜びに浸った。
 今回の選挙戦は当初からかつてない激しい党派闘争として闘われた。最大の焦点は唯一、絶対反対派の宮城候補の当落であった。
 宮城候補は、保育所民営化絶対反対・辺野古新基地建設絶対阻止を真っ向から掲げて、闘いぬいた。これで勝負するということだった。とくに今回の選挙戦の最大の争点が保育所の民営化問題にあり、民営化を強行する新垣村政およびそれを支持する他候補と宮城候補との間で、激しい闘いが繰り広げられた。
 宮城候補に他の全候補・既成勢力が襲いかかる構図だった。村長が元村職労委員長であり(それが今や民営化の最悪の推進役になっている)、村内政治だけにとどまらない、社民勢力を先頭とする沖縄全体の既成勢力・体制内勢力がこぞって宮城候補をつぶしにかかる構図でもあった。
 しかしそれに対して、宮城候補は、ともに闘う仲間や家族(親戚)、労働者・住民の固い団結で跳ね返し、みごとに勝利をかちとった。とくに、宮城議員とともに保育所民営化絶対反対で闘ってきた保育所で働く労働者と保護者(同じ労働者だ)の支持は大きかった。
 何よりも今回の選挙戦は、沖縄県党と労組交流センターがうって一丸となって決起したことが決定的だった。地域オルグから全戸ビラ入れ、職場ビラ、スポット街頭宣伝行動への決起など、当該地区の仲間や家族とともに全力で闘いぬいた。これが勝利をたぐり寄せた主体的要因といえる。
 今回の選挙戦には、全国の闘う仲間から圧倒的な支援のカンパや檄布(げきふ)、手紙などが寄せられ、これがものすごい力になった。また選挙戦最終日の11日には大阪・泉佐野市の国賀祥司議員が駆け付け、宣伝カーで応援してくれた。
 今回の選挙戦の核心には、4・9政治和解=労働組合解体攻撃に絶対反対で闘うことがあった。この路線を貫いてかちとった決定的な勝利だ。
(写真 3日に開かれた総決起集会。「保育所民営化と辺野古新基地建設に絶対反対」を掲げ宮城議員【手前中央】を先頭に必勝を誓った【北中城村】) ------------------------------

 保育所民営化を許さぬ 宮城さん・勝利の言葉

 勝利しました。
 保育所民営化絶対反対で新垣村長と真っ向から闘いぬいた。民営化は絶対に許せない。保育所で働く労働者の非正規化、労働条件の悪化、子どもたちへの影響、保護者の負担の増加、これは絶対に許してはならない。このことを全力で訴えました。
 厳しい闘いだったが、多くの支援を受け当選することができました。家族、親戚のみなさん、支持者のみなさんにご心配をかけましたが、堂々の勝利だと確信します。
 今回は、全国から、闘う仲間からたくさんのカンパ・檄布が来て、たいへん勇気づけられました。
 闘いはこれからです。みなさん、頑張っていきましょう。

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週刊『前進』(2456号1面3)(2010/09/20 )

 『綱領草案』(解説つき)を発刊

 『革命的共産主義者同盟・綱領草案』がコンパクトな冊子として発行された。昨年秋の第25回拡大全国委員会総会で採択された綱領草案と、その懇切ていねいな解説を収録している。巻末には「革共同の歩み」「革共同規約」「革命的共産主義運動の略年表」が収められている。これ一冊で革共同のすべてと現代世界、プロレタリア世界革命の道筋が完全に明らかになる。職場でキャンパスで地域で、隣の仲間に広め、革共同に結集してともに闘うことを呼びかけよう。
◆B6判144ページ/定価700円(本体)+税
(3面に広告)

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週刊『前進』(2456号1面4)(2010/09/20 )

前進速報版から 前進速報版から

▼鈴木さん一坪裁判で謙太郎さんが遺志継ぐ宣言▼中国・深■の日本企業で数百人がストライキ▼インドで1億人がゼネストに決起

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週刊『前進』(2456号1面5)(2010/09/20 )

 集会要項 三里塚10・10全国総決起集会/鉄道運輸機構訴訟 9・28再開控訴審闘争

 10・10全国総決起集会 第3誘導路粉砕! 団結街道廃止許すな! 現闘本部の破壊を阻止し、市東さんの農地を守ろう! 軍事空港建設粉砕・改憲阻止!

10・10全国総決起集会

10月10日(日)正午 成田市東峰 反対同盟員所有畑
主催/三里塚芝山連合空港反対同盟v 【会場への行き方】成田駅からタクシーで「東峰十字路」まで2500円。車は成田インターから国道295号線、日航ホテルの所を左折し小見川県道、東峰十字路近くへ。

 鉄道運輸機構訴訟 9・28再開控訴審闘争

 □控訴審傍聴 9月28日(火)午前11時〜12時 東京高裁101号法廷
 □JR東日本本社前行動 午後1時半〜 新宿駅南口
 □国鉄闘争勝利!鉄運訴訟控訴審報告集会
 午後6時開場 文京区民センター 3F大ホール
 主催/国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回を共に闘う国労の会

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週刊『前進』(2456号2面1)(2010/09/20 )

 教育現場で激増する非正規職

 分断打ち破り11・7大結集で公務員全員首切りと対決を

 革共同教育労働者委員会

 国鉄全国運動と11・7全国労働者集会への1万人結集で闘う労働運動を復権し、労働者階級の時代を切り開こう。これこそ公務員制度改革―公務員労働者全員首切りの大攻撃に対するわれわれの回答だ。全国労組交流センター教育労働者部会は、8月訪米闘争をとおしてアメリカの教育労働者との団結を打ち固め、「『教育の民営化』絶対反対は世界の教育労働者のスローガンだ」「体制内労組幹部を打倒して階級的潮流が組合権力を取ろう」「11月労働者集会が世界の闘う労働者の結集軸となっている」とあらためて確信した。職場からの闘いを組織し、組織し、組織し抜いて11・7に大結集しよう!

 公務員制度改革粉砕

 現下の階級決戦の最大の焦点は公務員制度改革との激突だ。公務員労働者360万人の大首切り攻撃が始まっている。4・9政治和解こそその突破口だった。
 公務員制度改革は、人勧制度を廃止し、「身分保障」を解体して首切りを自由にし、どこまでも賃下げし、外注化・民営化を推進する攻撃だ。この急先鋒(きゅうせんぽう)となっているのは「労働基本権を与え、代わりに身分保障を外し、民間並みのリストラを実施」と選挙公約に掲げたみんなの党だ。そして菅民主党政権による密集した大反動攻撃が押し寄せている。
 日教組本部が盛んに持ち上げている協約締結権付与とは、労働基本権そのものと言える争議権の永遠の剥奪(はくだつ)だ。自治労本部や日教組本部の側が「争議権は与えないでくれ」と懇願したことは、ストライキの永久放棄宣言であり、全労働者へのストライキ禁圧に道を開き、労働組合の側がスト撲滅を呼号する大攻撃だ。4・9政治和解と一体の攻撃であり、労働組合が日帝ブルジョアジーの先兵として労働者に襲いかかるということだ。
 4・9政治和解と対決して開始された国鉄全国運動と11・7労働者集会は、この大攻撃と唯一対決する闘いであり、全労働者階級の結集軸だ。

 多忙化と教育の崩壊

 公務員制度改革は、同時にすべての公務員労働者を非正規化する大攻撃だ。労働組合の屈服により、学校現場でもすでに激しく非正規化が進み、この10年間で非正規教員は倍増した。給食調理員、学校用務員など学校現業も定数削減や丸ごとの外部委託で非正規職化はすさまじい。
 低賃金ゆえのダブル・ジョブ、トリプル・ジョブや生活保護の受給、長時間の無給労働(授業の準備やテストの採点)など非常勤講師が強いられているものは文字どおり奴隷労働だ。
 常勤講師も地方公務員法での規定により最長で1年の契約を繰り返す。退職金もなく正規との賃金差は生涯賃金1億円。毎年つきまとう雇用への不安。地公法の「1年をこえない」という規定の恣意(しい)的運用で3月30日にいったん雇用が打ち切られ失業手当が受給できなかったケースや、4月中に保険証が交付されず、病院での受診を躊躇(ちゅうちょ)し重病化した例もある。
 教育そのものの崩壊も始まっている。「臨時教員が足りず、入学式で担任の発表ができなかった」「理科の臨時教員が確保できず、自習続きの上、中間試験ができなかった」――「学校に穴があく」と表現される、このような事例が全国で起こっている。
 新規採用を抑制する一方、法律で決められた教員定数を正規職で埋めず、非正規化で対応してきた。少人数学級、加配教員に臨時職員があてられ、それ以外にも多数の非常勤講師が配置され、臨時教員も不足している。今や非正規職員の奪い合いが起こっている。労組がその窓口にすらなる。労資がともに「派遣労働の必要性」を叫ぶ自動車産業や電機産業など製造業の現場となんら変わらない事態が教育と教育労働者をめぐっても起こっているのだ。
 学校現場の非正規化は正規労働者の多忙化を激化させてきた。過労死ラインを越えた超過勤務が多くの青年教育労働者に常態化している。
 この中で08年には病気休職が過去最多の8578人となった。そのうち6割強が精神疾患で、精神疾患による休職は10年間で3・15倍。しかもこれは1年以上の休職であり、30日以上を集計すると数万人規模にのぼる。こんな異常な職場がいったいどこにあるか! 明らかに外注化・非正規化と一体で進行してきた事態だ。
 学校現場はどこから怒りが爆発してもおかしくない。それを解き放つのが国鉄全国運動であり、11・7への大結集だ。

 新成長戦略うち砕け

 求められているのは労働運動の再生だ。こうした学校現場の現実は、国鉄分割・民営化をとおした労働運動の解体と一体で強行されてきた。
 教育の民営化は、「教育の自由化」(香山健一)や「家族の尊重」を掲げた中曽根政権下の臨教審(1984年設置)から始まった。教育の自由化は、公教育を資本が食い荒らし、子どもたちと労働者家族から教育を奪う「自由」であり、正規・非正規を問わず教育労働者からとことん搾り取る「自由」であった。
 国鉄分割・民営化―総評解散・連合結成の過程で、日教組本部は「400日抗争」という醜悪な権力闘争に明け暮れて機能停止し、臨教審との対決を放棄し、連合に合流した。行き着いた先が、95年の「文部省とのパートナーシップ」路線だ。日経連が「9割の非正規化」を主張したまさにその時に、政府・文部省と手を組んだのだ。
 また新自由主義攻撃が激化した小泉政権下において完全に文科省の手先となった。この歴史的屈服のただ中で、「定数崩し」の合法化(01年)、総額裁量制導入(04年)、義務教育費国庫負担金削減(06年)という非正規職化の仕組みがつくられてきたのだ。そして日教組本部は今、ついに公務員首切りの手先になり果てた。
 昨年1年間で自ら命を絶った教育労働者は144人。多くの仲間が、新自由主義のもたらした教育崩壊を自分の力不足によるものと思わされ、孤立して追い詰められてきた。また組合破壊と当局の先兵化が職場の団結の解体を促進してきた。国鉄分割・民営化の過程で200人の労働者が自殺に追い込まれたのと同様の事態が、数倍する規模と激しさで起こっている。

 非正規化進める新定数改善計画

 日教組本部は、ストライキ放棄を宣言しただけでなく、日帝のアジア侵略をついに全面的に推進し始めている。
 文部科学省は8月27日、「新・教職員定数改善計画(案)」を発表した。30人・35人学級のため8年間で6万人の教員増員、「30年ぶりの学級編成基準の引き下げ」とうたわれている。これは菅政権の「新成長戦略」の具体化である。「新成長戦略」は、日本経団連、民主党政権、連合が日本帝国主義の延命をかけて帝国主義間争闘戦と侵略戦争に総力で突入していくものだ。大学を頂点とした全教育体系を侵略に動員し、資本家が必要とする「人材」育成のためだけに「教職員体制の見直し」「教員の教育力向上」をやるというのだ。
 「新・定数改善計画」は、これまでとは次元を異にする新たな非正規職激増の大攻撃だ。予算編成の段階で教員賃金のさらなる削減が求められることは必至だ。また義務教育費の国庫負担金は06年に2分の1から3分の1に減額されたため、国庫負担金の増額分の2倍が地方自治体の新たな出費となる。現在でも地方自治体の教育予算は定数崩しや賃金削減によって次々と削減されている。都道府県が国庫負担金の算定基準をも超えて教職員賃金を下げた結果、国から都道府県に支出された国庫負担金を国庫へ返還するという異常事態まで起きている(08年度は16道府県)。
 文科省は「新・定数改善」予算を「元気な日本復活特別枠」として要求した。「政策コンテスト」の名で各省庁が予算を奪い合っている。
 日教組本部や全教本部は文科省とますます一体化していく。実際、全教本部は「歓迎します」「貴重な成果」ともろ手を挙げて賛成だ。日教組本部は「政策コンテスト」に合わせて文科省激励の中央集会まで呼びかけようとしている。公務員大攻撃のただ中で、日教組本部が「新成長戦略」を推進する大衆行動を組織するのだ。日教組本部は完全に「教え子を再び戦場に送る」道に転落した。
 破綻した新自由主義教育の中で、青年労働者の中には孤独や不安が渦巻いている。誇りを奪われれば奪われるほど、人間的怒りが噴き出し、団結を心底から求め始めている。団結して闘うことのみが労働者、とりわけ青年労働者の未来を切り開く時代だ。アメリカの教育労働運動においては次々とランク&ファイルの組合権力が打ち立てられている。
 新自由主義の大破綻と教育崩壊の中で、すべてを解決する力は労働者の団結と労働組合にあることを誰もが感じているのだ。日本の現場もまったく同じだ。職場と労働組合を劇的に変えることは絶対に可能だ。職場労働者の団結にこそその力がある。
 職場に「動労千葉を支援する会」を職場闘争フラクションとして組織しよう。その力で体制内労組幹部を打倒しよう。
 11・7労働者集会1万人結集こそが、階級的力関係を転換させ、闘う労働運動の再生するものすごい飛躍点だ。11・7への1万人結集に一切をかけて闘い抜こう!

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週刊『前進』(2456号2面2)(2010/09/20 )

 “8・6処分撤回せよ”

 広島人事委公開審理 職命出した校長を追及

 9月13日、広教組組合員の倉澤憲司さんに対する「8・6処分」の撤回を求める広島県人事委員会の第1回公開審理が行われ、倉澤さんと広教組組合員2人ら代理人4人が県教委・校長を徹底追及した。8・6ヒロシマ大行動呼びかけ人で被爆者の下田礼子さんら24人が傍聴した。
 「8・6処分」とは09年8月6日、倉澤さんが8・6ヒロシマ大行動に参加するため年休を申請したことに対し、「10年経験者研修」の日であることを理由に校長が研修参加の職務命令を出し、集会に参加した倉澤さんに県教委が戒告処分を下したものだ。倉澤さんの決起が県教委の強権支配を打ち破ったことへの報復処分である。しかし広島と全国の労働者・被爆者の怒りを前に、県教委は今年から「8月6日には研修を行わない」と決めた。あらかじめ勝っている闘いだ。
 人事委委員長は審理開始前に傍聴者の写真撮影を禁止。傍聴者、代理人らは委員長に激しく抗議した。20分遅れて始まった審理では、倉澤さんに職務命令を発した校長が証人として登場。反対尋問に立った倉澤さんと代理人の追及を前に校長は「(職務命令のために10分おきに何回も電話したのは)異常だと思う」と手を震わせながら自認。さらに「(8・6に研修を入れないことになったのは)原爆が投下された日で、平和記念の日だからと思う」と答えた。裁かれているのは校長と県教委なのだ。
 県教委は早く審理を終わらせようと、倉澤さんが申請した広教組青年部員と下田礼子さんの証人採用の却下を求めた。委員長は青年部員の証人は認めたが、下田さんは保留とした。倉澤さんへの処分の不正義性が全面的に暴かれることに恐怖している。下田さんの証人採用をかちとろう。
 次回は10月26日午後3時から。広教組青年部員が多忙化をもたらす10年研や官製研の実態、青年教育労働者の現実を暴露し、処分の不当性を明らかにする。
 (広島T・G)
(写真 人事委員会第1回公開審理で処分撤回を求める広教組組合員・倉澤憲司さん【右端】)

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週刊『前進』(2456号2面3)(2010/09/20 )

 相模原の政令指定都市化

 エスカレートする道州制攻撃 「軍都相模原」復活を絶対阻む

 革共同神奈川県委員会

 今年4月1日、相模原市は政令指定都市への移行を強行した。昨年来、2万7千筆を超える政令指定都市移行の是非を問う住民投票を行う直接請求のための署名が提出されるなど、議会内外からの多くの反対の声が上がってきた。それらを踏みにじって強行された暴挙を徹底弾劾する。
 相模原市「政令指定都市化」は新自由主義攻撃そのものである。今次世界大恐慌は新自由主義攻撃が破産した結果だ。にもかかわらずどれだけ破産し絶望的であろうが、選択の余地もなく新自由主義攻撃を推し進めている。ここに根本的な矛盾と危機がある。
 全世界で民営化攻撃に対して公務員労働者がストライキで闘っている。ギリシャでのゼネストに続き、フランス全土で大ストと200カ所のデモが闘われ、南アフリカでも130万人の公務員労働者が3週間のストを打ち抜いた。インドでは1億人のゼネストだ。
 闘いの方針は鮮明だ。「労働者を食わせていけなくなった資本主義は滅べ!」―−資本主義の救済ではなく資本主義の打倒、革命を対置して闘おう。全世界の労働者と団結した相模原市「政令指定都市化」との闘いは、「大恐慌をプロレタリア世界革命」への闘いである。
(写真 2010国際婦人デーさがみはら行動で、米軍相模総合補給廠へのデモに立つ【3月6日】)

 公務員大攻撃との階級的激突の開始

 相模原市の政令指定都市化は第一に、大恐慌情勢下での「改憲・戦争と道州制・民営化=労組破壊」攻撃の一大エスカレーションである。資本家階級と民主党政権、連合が一体になって推し進める「新成長戦略」「地域主権戦略」「新しい公共」などの攻撃を貫こうとするものだ。
 それは単に相模原だけの問題ではない。道州制攻撃としても決定的なエスカレーションである。最大の核心は、世界大恐慌の激化の中で、「2012年問題」=公務員制度改革をめぐる階級的激突が相模原で政令指定都市化攻撃として始まったということである。
 1999年「地方分権一括法」から10年間の「平成の大合併」で、「地方分権」という名の中央集権化が進められてきた。しかしもはやこの延長線上で日帝が生き延びることはできない。
 相模原市の小川前市長、加山現市長は反対意見を踏みにじって、06〜07年に城山、津久井、藤野、相模湖の4町との合併を強行した。そして昨年10月には、鳩山政権が相模原市の政令指定都市化を決定した。
 日帝は「新成長戦略」「東アジア共同体」を唯一の危機突破策としている。しかし国家財政が破綻し、米帝、EUとの争闘戦で完敗している日帝に展望などまったくない。その中で「3大都市圏の国際競争力強化」を掲げ、首都圏、関西圏をアジア侵略の一大拠点に再編する大都市圏戦略を打ち出した。それは大都市圏に「ヒト、モノ、カネ」を極限的に集中する一方、地方を徹底的に切り捨てる攻撃だ。
 何よりも重要なのは、これらが菅民主党・連合政権によって強行されていることだ。菅政権は「新成長戦略」を見れば明らかなように、完全に資本救済の立場に立った政権だ。菅政権が掲げる「地域主権」「新しい公共」「東アジア共同体」とは、徹頭徹尾資本の利害を貫いた攻撃である。
 大阪府知事・橋下、神奈川県知事・松沢らは、「関西州」「大阪府・大阪市一元化」「大都市構想」などの名称で道州制構想を打ち出している。いずれも資本家どもがどれだけ地方を食い物にするかをめぐる醜悪な分捕り合いであり、断固粉砕あるのみだ。

 民営化で首切りと非正規化、大増税

 政令指定都市化は第二に、自治体丸ごとの民営化・労組破壊、解雇・非正規職化、公務員労働運動の解体を狙う、4・9政治和解の反革命と完全に一体の攻撃だ。
 4・9政治和解は動労千葉と国鉄1047名解雇撤回闘争を解体し、さらに公務員360万人首切り=外注化・民営化・9割非正規化へと突き進み、戦後労働運動を根絶しようとする大攻撃だ。体制内労組幹部の屈服をテコに、労働者の誇りを最後のひとかけらまで奪い去ろうとする攻撃だ。
 政令指定都市化は一つに、自治体労働者を歯止めのない非正規化にたたき込む。すでに給食調理、学校用務、保育園、出張所、図書館窓口業務などで民間委託、指定管理者制度が導入され、職員の3分の1近くが非正規化されてきた。相模原市は職員1人あたりの人口が156人で、政令指定都市の中でもきわめて多い。これまでも徹底的な人員削減が強行されてきたからだ。
 にもかかわらず加山市長は、行財政改革「アクションプラン」でさらなる民営化の拡大を打ち出した。政令市移行に伴い県から移管する事務事業が1134項目あり、そのためは150人の職員増と12億円の経費が必要だ。しかし逆に50人の定数削減と非正規職化による人件費削減を行おうというのだ。
 二つに、政令指定都市化によって、成果主義、顧客主義、市場主義を導入し、少子高齢化や財政難を口実に医療・福祉、社会保障を破壊し、一切を利潤追求の手段にしようとしている。
 「都市経営」が自治体運営の理念とされる一方、労働者に非正規化、低賃金を強いて、地域住民も含めてボランティアに動員する「新しい公共」で襲いかかろうとしている。何が「市民が心豊かに安心して暮らせる社会を作り出す」(加山市長)だ。何が「行政区が設置され……地域の拠点を活かしたきめ細かなサービスが実施できる」(同)だ。ふざけるな!
 三つには、大増税や医療費値上げである。
 大恐慌下で市民税、法人税減収、県財政からの負担分増加なども含めて市財政破綻の危機が深まっている。しかもあたかも財政破綻の責任が労働者にあるかのようにキャンペーンし、増税、医療費値上げなど一切の負担を労働者に押しつけようとしている。特に「相模原は人件費率が19政令指定都市で最高の20%」(神奈川新聞4・15付)と公務員労働者バッシングが加えられている。国鉄分割・民営化に先駆けて「国鉄労働者=国賊」論が大宣伝されたのとまったく同じだ。
 連合、全労連・日本共産党、協会派、反革命カクマルはみな日帝の攻撃の先兵となった。自治労大会での「正規・非正規の賃金シェア」「納得感のある人件費削減」論は、まさに4・9反革命の自治労版である。
 民営化とは最後は命まで奪う攻撃である。こんな攻撃を現場労働者は誰一人認めていない。にもかかわらず攻撃が貫徹されるのは、労組幹部が現場労働者の闘いを必死で抑え込んでいるからだ。
 問われているのは労働組合だ。現場には怒りがある。動労千葉がJR検修業務全面外注化の4月実施を阻んだように、郵政労働者がJPEXを破産に追い込んだように、団結して闘えば勝利は切り開かれるのだ。
 「国鉄闘争の火を消すな」「新自由主義と対決する労働運動」を掲げた国鉄全国運動の登場こそ、闘う労働組合・階級的労働運動を復権する闘いだ。自治体、教労を始め4大産別で職場から国鉄闘争全国運動を猛然と組織し、現場から闘う労働組合をよみがえらせ、民営化攻撃・相模原政令指定都市化攻撃を打ち破ろう。今こそ11月派が労働運動の主流派に躍り出て、労働者階級の怒りと結合して闘おう。

 米軍基地の強化と革命の拠点つぶし

 政令指定都市化は第三に、米軍再編、相模原の基地強化攻撃そのものである。朝鮮侵略戦争情勢が緊迫する中、9・1防災訓練が、新たに相模原市が加わった9都県市合同防災訓練として強行された。政令指定都市になるということは、こうした戦争国家化−戦争動員攻撃を率先推進する主体になることなのだ。
 米軍は8月25日、相模総合補給廠内で建設中の戦闘指揮訓練センターで発見された戦時中の不発弾処理を強行した。昨年12月に続く事態だ。また9月25日、米原子力空母ジョージ・ワシントンが母港化2周年を期して横須賀に入港しようとしている。菅政権は日米安保体制を堅持し、沖縄辺野古新基地建設を推進し、米帝と一体で朝鮮侵略戦争に突き進んでいる。
 軍都・相模原を象徴する軍事基地である米軍相模総合補給廠は、もともと戦前日帝が中国侵略戦争に突き進む中で農地を強奪して造った相模陸軍造兵廠だった。日帝の敗戦後、米軍が接収し、朝鮮戦争、ベトナム戦争への兵站(へいたん)基地としてきた。だが労働者は70年安保・沖縄決戦の中で72年相模原闘争に立ち上がった。組合の赤旗を林立させて補給廠前に座り込み、ベトナムへ兵站物資を運ぶ米軍タンクを実力で阻んだのだ。
 決定的なことは、この闘いをとおして相模原の地に革命的反戦闘争の火柱が打ち立てられ、今日まで闘いが営々と継承されていることだ。
 政令指定都市化とは革命的反戦闘争、革命的議員、革命党破壊の攻撃でもある。その根幹にあるのは、革命的情勢が成熟する中での革命的拠点の存亡をめぐる激突なのだ。このことを誇りと確信を持って確認しよう。
 われわれは全党、とりわけ神奈川県委員会の総力を挙げてこの攻撃を粉砕する。革命の拠点を守り発展させ、地域ソビエトの拠点として形成し、プロレタリア革命へ進撃する。民族・国籍・国境を越えた労働者の団結で軍都・相模原の復活を絶対阻止しよう。
 階級的労働運動路線の真価をかけ、青年労働者、婦人民主クラブ全国協議会を先頭に70年をはるかに超える巨大な反戦闘争を爆発させよう。革命的議員の存在と闘いはますます決定的である。
 神奈川は沖縄に次ぐ米軍基地密集地域だ。相模原―横須賀―座間―厚木を貫き、沖縄の労働者と連帯して、安保粉砕・米軍基地撤去、APEC粉砕の反戦・反基地・反核闘争を爆発させよう。
 相模原政令指定都市化=改憲・戦争と民営化・労組破壊攻撃を、11・7集会1万人結集で粉砕しよう。労働者をとことん信頼し、労働者にとことん依拠して闘いぬこう。

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週刊『前進』(2456号3面1)(2010/09/20 )

 JR東日本はグリーンスタッフへの労働強化、雇い止め解雇やめろ

 仲間を集めて声をあげよう!

 国鉄1047名問題をめぐる「4・9政治和解」は情勢を一変させた。11・7全国労働者集会は、公務員制度大改悪=公務員360万人首切り、国鉄分割・民営化から25年を期したJR大合理化との歴史的決戦の始まりだ。攻防の帰すうを決めるのは青年労働者の決起だ。新自由主義攻撃の破綻が生み出す全矛盾を青年に押しつけるJRに対し、動労千葉の青年組合員を先頭に、国労やJR総連・東労組傘下の青年が決起を始めている。職場に分け入り、正規・非正規の分断をのりこえ、煮えたぎる青年の怒りをひとつに結集し、なんとしても1万人決起を実現しよう。JRで働く青年労働者の現実を暴いた全国労組交流センターのビラを紹介します。(編集局)
(図 JR東日本の人権費と経常利益)

 外注化と非正規職化に青年から怒りが噴出!

 「コスト削減」のもとJRで大規模に導入された契約社員(グリーンスタッフ)制度。国鉄分割・民営化破綻の矛盾を背負わされたその現実を知れば、本当に怒りがこみあげてくる。
 契約社員の仲間は、十分な研修もされないまま、入社していきなり正社員と同じ24時間拘束の泊まり勤務につく。8〜9回の泊まりと4〜5日の日勤で正社員と同じように働かされても、月収は手取りで16万円程度とあまりに安い。また、事故や故障で列車が止まったり遅れたりすれば苦情の矢面に立たされる。「毎日のように起こる事故や故障の対応で乗客から文句を言われ、『パニック症候群』や『うつ』を発病して退職を余儀なくされる青年が増えている!」――新宿駅で働く労働者が現状を怒りをもって語ってくれた。
 非正規職化の一方で、JR東日本の25人の役員は、08年度に合計9億5千万円の報酬を受け取った。09年度は「収益は過去に例のない大幅な落ち込み」だと言いながら、清野社長をはじめとした会社役員は前年同様9億円の役員報酬をせしめている。「民営化で一番変わったことと言えば、役員報酬が大幅に増えたことだ」。国鉄時代を知る熟練労働者はこう語る。外注化、駅の契約社員化の裏で進行しているのはこういうことなのだ!
 この現実は、闘わない労働組合の問題でもある。「5年たってJRを解雇されたら組合は責任とってくれるんですかね?」――東労組に加盟する30代の契約社員の青年が話してくれた。鉄道にたずさわる仕事が好きでJRの契約社員に応募したという。彼はいま正社員になるための試験に受かろうと必死だ。
 JRの契約社員制度は1年ごとの契約で5年が限度。3年働けば正社員になる試験を受けられると「希望」を語っておいて合格率は3割にも満たない! 「試験」とは名ばかりで、会社に逆らわず「使える」と会社が思った人間だけが選ばれる。受からなければ5年後に何の保証もなく放り出されるのだ。「狭き門」と将来の不安の中で、ますます仲間との競争を強いられる。契約社員の仲間が、こうしたプレッシャーの中で激務についていることに対し、会社も東労組幹部も何の痛みも感じていない!
 JR東日本では01年から「第2の分割・民営化」というべき大合理化が始まった。メンテナンス部門の全面外注化に始まり、駅業務の大規模な契約社員化が始まったのは07年からだ。3年が経過した今年、試験を受けたが落とされた仲間が数多く生まれている。JRは契約社員を「いくらでも代わりのきく安い労働力」として扱い、東労組幹部は、契約社員制度に協力することで自らの出世が保証されてきたのだ。絶対に許せない!

 岡山で雇い止め解雇撤回の闘い

 正社員とまったく同じように働いても賃金は半分、いつでも雇い止めにすることができる。同じ労働者でこんな扱いが許されていいはずがない。契約社員制度は撤廃する以外にないのだ。
 JRは青年労働者の不満を抑えるため、組合差別で徹底した労務支配を行ってきた。しかしいま、その支配が崩れつつある。「組合活動をやれば昇進させない」「国労に入れば試験に受からない」と会社から脅されていても、東労組から国労に加入する契約社員の仲間は後を絶たない。東労組の中からも公然と不満が噴き出している。「おかしいことにはおかしいと声を上げよう」――JRで働く青年労働者たちは、この現実を変えるために職場から立ち上がり始めた。
 JR岡山駅で働いていた契約社員の山田和広さんは「青年を使い捨てにする契約社員制度は許せない!」と労組交流センター傘下の動労西日本に加入し、公然たる闘いに立ち上がった。JR西日本は今年3月末で、契約を更新せず報復的な雇い止め解雇を強行したが、山田さんは「解雇撤回! 契約社員制度を即刻廃止せよ」と要求し解雇撤回闘争を闘っている。

 検修外注化をストップさせた動労千葉の闘い

 国鉄千葉動力車労働組合(動労千葉)には、現在6人の青年労働者が加盟している。どの青年たちも、「動労千葉に入れば将来は保証できない」という会社からの脅しをはねのけ、JR東労組などを脱退し動労千葉を選択して加入した。「外注化されてからでは遅い」――この思いが青年たちを突き動かした。
 「外注化ということで自分たちの身の振り方をどうされるかわからない不安の中で、会社の査定とかも気にしながらやっていたら、結局文句も言えなくなると思うんです。動労千葉に入って声を大にして反対だと言いたいと思い決断しました」
 動労千葉の青年労働者はこう決意して闘い、JR東日本の検修業務全面外注化の4月1日実施を完全にストップさせた。JRほどの大企業のアウトソーシング計画を労働組合の闘いで阻んだのは、日本の労働運動の長い歴史の中でも例がない。動労千葉の闘いは「闘えば勝てる」という勇気と展望を多くの青年労働者に与えている。

 追い詰められているのはJR東日本の方だ!

 動労千葉は400人ほどの組合で、JR全体から見れば小さな組合だ。ストライキを打っても成果が上がらないことのほうが圧倒的に多い。しかし、動労千葉が東労組や国労と決定的に違うのは、資本と非和解で闘う中で、労働者が団結して闘うことのすばらしさを学ぶということだ。
 「『これだけの列車を動かすのに何人の運転士が必要か』『修繕する人が何人必要か』、すべてを労働組合が十分わかっている。だからJR当局がいなくても、千葉の電車はすべて動労千葉が動かせる。動労千葉の組合員の方が会社側よりよほどうまい。自分たち労働者が権力を握ったときの能力を労働組合運動の中で身につけるのだ」と動労千葉は言う。労働組合には本来、職場を安全に動かし、社会を動かす力がある。労働組合の闘いのなかにこそ現実を変える力があるのだ。
 いくら会社が偉そうなことを言っても、現場は労働者がいなければ成り立たない。この当たり前のことが労働者の最大の強みであり、会社の最大の弱点だ。現場からは「人員削減は限界にきており、安全を脅かす状況になっている」(JR四国の労働者)と悲鳴が上がっている。
 安全問題は会社のアキレス腱(けん)だ。尼崎のような事故が起こり続けても要員削減や全面的な外注化をやり続けますとは、JRも絶対に言えない。労働条件の悪さで契約社員がどんどんやめていく現状、技術の継承がまともにできない現実、劣化した部品を使い続けている現状の中で、労災や事故が多発している。JRもこの現状を放置できなくなっている。分割・民営化24年の矛盾に追いつめられているのは会社の方なのだ。
 安全を守ることができるのは、現場を知り尽くしている労働者だ。尼崎事故後の調査で、JR西日本は事故当時、現場のカーブはATS(自動列車停止装置)を優先的につける場所と見なしていなかったが「運転士の41・5%は『当時から設置は必要と思っていた』」(9月4日東京新聞)という。「このままでは事故が起こる」――日々の仕事の中で感じるこの現場感覚こそ圧倒的に正しい! この声を集め、力にし、会社に安全を強制できるのが労働組合の闘いだ。職場の現状は闘えば変えられる。正規・非正規、組合差別で分断された現状をうち破り、JR職場を労働者の手に取り戻そう。

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週刊『前進』(2456号3面2)(2010/09/20 )

 国労東日本定期大会 JR資本に全面屈服

 「総合協約」締結方針を強行

 国鉄1047名闘争解体のための「4・9政治解決案」を受け入れた国労執行部は、急速に裏切りを深め、連合との合流にひた走っている。
 9月2〜3日にさいたま市の「ラフレさいたま」で開かれた国労東日本エリア本部の定期大会は、JR資本に最後的に屈服した国労執行部の裏切りをきわめて明白に突き出した。
 この大会で、東日本エリア本部執行部は、来年4月にJR東日本と総合労働協約を締結するとの追加方針を提案した。大会では、追加方針の削除を求める修正動議を否決して、この歴史的裏切り方針が押し通された。
 総合労働協約とは、JR資本が一方的に策定した就業規則を、そのまま労働協約にするというものだ。もともと労働協約は、労働組合の団結と闘いを基礎に、就業規則を上回る労働条件を資本に強制するために結ばれるものだ。就業規則をそのまま労働協約にすることなど、労働組合の根本的な否定にほかならない。
 JR資本は一貫して、就業規則を丸ごと協約化したものでなければ、労働条件に関する労働協約は結ばないという態度をとってきた。国鉄分割・民営化を率先推進したJR総連やJR連合は、JR発足後、いち早く総合労働協約を結び、資本の手先となって傘下組合員を抑圧してきた。国労も、東海エリア本部はJR東海とすでに総合労働協約を結んでいる。
 東日本エリア本部に巣くうチャレンジ一派は、この十数年来、一貫して総合労働協約の締結を策してきた。だが、現場組合員の強い怒りの前に、このもくろみは阻まれてきた。4・9政治和解をへて、東日本エリア本部は、ついに総合労働協約の締結を公然と打ち出してきたのである。
 まさにこれは、JR資本への最後的な屈服だ。就業規則をそのまま労働協約化すれば、組合幹部は資本が強行する合理化攻撃を現場組合員に強制する責任を負うことになる。東日本エリア本部執行部は、合理化攻撃の先兵となって生き延びることを自覚的に選択したのである。
 今日、菅民主党政権は360万人公務員労働者
への大首切りと大幅賃下げを狙い、公務員制度改革の攻撃に乗り出している。公務員労組に「協約締結権を付与」し、首切りと賃下げを認める労働協約を結ばせて、大リストラを強行しようというのである。国労執行部はこの攻撃をも率先推進しているのだ。まさにこの事態は、4・9反革命の帰結にほかならない。
 そもそも、JRの就業規則は徹頭徹尾、国鉄労働運動を解体するという目的に貫かれている。国労執行部は、JRの就業規則を国労自身の「規範」とすることにより、率先して労働運動を解体しようとしているのだ。これはまさにスト絶滅の「労使共同宣言」だ。
 総合労働協約の締結は、国労が連合に合流しようとする限り、避けて通れない関門だ。国労執行部は、そこに向けての最後の一線を飛び越えようとしているのだ。

 「25年問題」と執行部の転向

 総合労働協約締結の追加方針は、大会のわずか4日前に策定された。そこには、間違いなくJR東日本の強烈な意志が働いている。
 東日本エリア本部執行部は、総合労働協約締結の前提としてJR東日本が国労に突きつけた、成果主義賃金への賃金体系の抜本改悪をも受け入れようと策している。
 急坂を転げ落ちるような国労執行部の転向は、「国鉄分割・民営化25年」が迫る中で起きている。大恐慌下、JRはさらなる大合理化を強行する以外に延命できない。
 動労千葉を先頭とする闘いは、検修部門の外注化をひとたび頓挫させた。だが、JR東日本は東労組カクマルと結託し、再度、外注化を強行しようと構えている。
 また、JR東日本は「設備・電気部門におけるメンテナンス体制の改善について」と題する合理化計画についても、支社ごとの業務計画として10月1日の強行実施を狙っている。
 国労執行部はこの攻撃の先兵に転落したのだ。

 “解雇撤回を貫け” 裏切りを弾劾し宣伝行動

 だが、こんな裏切り方針に現場組合員は絶対に屈服しない。東日本エリア大会1日目の9月2日、国労秋田闘争団の小玉忠憲さんを先頭に、国労共闘、埼玉労組交流センターの労働者は、大会会場前で参加者に対する宣伝行動に立った。
 「1047名解雇撤回、検修業務全面外注化阻止!」「政府・JR・鉄建公団は責任をとれ」と大書された横断幕を張り出し、のぼりを林立させての宣伝行動は、裏切り執行部を徹底弾劾するとともに、闘いを求める現場組合員を激励した。
 政治和解を粉砕し、あくまで解雇撤回を貫き闘う小玉さんの登場は、圧倒的注目を浴びた。
 国労本部は7月の全国大会で、闘争団員を「特別組合員」とする方針を押し通し、来年6月までに闘争団員から組合員資格を奪い去ろうとたくらんでいる。事実、小玉さんは秋田地本執行部から「来年4月までにJRに雇用されない闘争団員は、次の大会では組合員でなくなる」と通告されている。
 こうした策動と根底的に対決し、宣伝隊は「1047名解雇撤回闘争を貫徹しよう」と訴えた。小玉さんを原告とする9月28日の鉄道運輸機構訴訟への結集と、11・7労働者集会への総決起を呼びかけた。
 安全問題を始め、JR体制は至るところで破産をさらけ出している。これに対する労働者の怒りを体制内労組幹部が抑えつけていることにより、かろうじて成り立っているのがJR体制だ。JRの大合理化攻撃と全面的に対決し、体制内労組幹部もろともJR体制を打倒しよう。国鉄全国運動を発展させ、11・7労働者集会1万人結集へ総力で闘いぬこう。
(写真 和解を拒否した闘争団員を先頭に国労東日本本部の大裏切りを弾劾し宣伝戦【9月2日 さいたま市】

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週刊『前進』(2456号3面3)(2010/09/20 )

 日帝の釣魚台侵略弾劾する

 “領土問題存在せず”と前原国交相

 釣魚台は中国領

 9月7日、中国領・釣魚台(ちょうぎょだい、日本名「尖閣列島」)付近で中国漁船と海上保安庁の巡視船2隻の「衝突」が引き起こされた。海上保安庁は船長を公務執行妨害で逮捕し、漁船と乗組員を石垣島に連行した。絶対に許せない。
 前原国交相は14日の記者会見で「東シナ海(ママ)にはいかなる領土問題も存在していない。日本の主権を脅かす活動や行為には毅然(きぜん)と対応していくに尽きる」と発言した。これは釣魚台のみならず東中国海一帯までにらんだ他国領土侵略宣言である。
 今回の事態は民主党・連合政権の北朝鮮・中国侵略戦争に向けた攻撃だ。世界大恐慌の激化と、それに規定された菅・小沢対決が示す支配階級の分裂状態、さらに階級支配の危機に、日帝は出口のないところに追いつめられている。名護市議選での基地移設反対派の勝利は日帝ののど元を締め付けている。この突破をかけ、菅民主党政権は自民党も踏み切れなかった侵略戦争の道に突き進み始めたのだ。
 釣魚台は歴史的にも完全に中国の領土である。
 @釣魚台は「日清戦争」末期の1895年1月に日帝が「国標柱」を建て、4月の「下関条約」による台湾略取の一環として略奪した。日帝は敗戦後もこそくに領有権を主張している。
 A釣魚台は中国大陸に接続する大陸棚が海面に突き出たものだ。沖縄(琉球)群島との間には2千b以上の海溝(沖縄トラフ)が横たわる。
 B昔から台湾漁民の漁場であり、しけの時の避難場所であり、水の補給や休息の場所であった。

 大恐慌と争闘戦

 起こっていることは何か。世界大恐慌の深化・発展を基底として帝国主義間・大国間の争闘戦が激烈化し、領土をめぐって火を噴き始めているのだ。米韓合同軍事演習は北朝鮮・中国侵略戦争を射程に入れた行動だ。
 日帝もこの動きに急テンポで踏み込み始めている。「新成長戦略」を振りかざしつつ「東アジア共同体」の構築に乗り出した。同時に、新安保懇報告の内容を、10日に閣議了承された2010年版防衛白書に反映させて「南西諸島防衛」を打ち出し、石垣島、宮古島に陸自配備を強行しようとしている。「公務員制度改革」もこれと一体だ。
 他方で中国スターリン主義も軍事力を使った領土略奪の道に踏み出しつつある。ベトナム沖の西沙諸島や、中国とは遠く離れたフィリピン海域の南沙諸島まで中国領と主張し、今春には漁業監視船に改造した海軍退役艦(自衛隊の中型護衛艦クラスのものまである)がインドネシア海軍に向けて「威嚇発砲」を行う事態まで発生させている。
 米日帝を始め、中国スターリン主義をも含めた帝国主義間・大国間の争闘戦、領土略奪戦が世界戦争に至ろうとする時代が始まっている。求められているのは労働者階級の国際的な団結と、帝国主義打倒・スターリン主義打倒の世界革命だ。

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週刊『前進』(2456号4面1)(2010/09/20 )

 農地強奪阻止!10・10三里塚へ

 日帝のアジア侵略−第3誘導路建設阻止へ労農同盟の発展を

 白川 賢治

 10・10三里塚全国集会が目前に迫った。この集会は、成田空港平行滑走路の第3誘導路建設と市東孝雄さんへの農地強奪攻撃を根底から打ち砕き、「新成長戦略」や東アジア共同体構想を始めとする日帝の新たなアジア侵略と全面的に対決する総決起集会だ。労農学人民の総決起で10・10三里塚現地へ! その力で11・7全国労働者集会の歴史的成功へ進撃しよう!

 現闘本部撤去を実力で阻止

 帝国主義が破局の時を迎えている。ドル暴落、日本国債暴落が現実のものになろうとしている。世界大恐慌下の財政破綻の危機に陥る各国帝国主義は、むき出しの争闘戦に打って出るしかない。世界は急速に分裂化・ブロック化から侵略戦争へと突き進んでいる。それは同時に労働者人民の生活を破壊し、侵略戦争に動員する攻撃である。
 国鉄「4・9政治和解」は、日帝が国内階級支配の危機をのりきるために、1047名解雇撤回闘争を解体し、国鉄労働運動と戦後労働運動を解体する攻撃である。新基地建設の辺野古への舞い戻りは、沖縄県民の米軍基地と戦争への怒り、平和への願いを踏みにじる大攻撃だ。
 6・13国鉄大運動の推進と沖縄県民の安保粉砕・基地撤去の闘いはこれらの攻撃を突き破り、日本階級闘争の新たな段階を切り開く力だ。
 2010年前半、三里塚闘争もまた、国鉄・沖縄の攻防と一体で闘いとられた。
 2・25天神峰現闘本部裁判判決においては、判決確定を待たずに建物を撤去できる仮執行宣言を粉砕し、成田空港会社(NAA)のプランをズタズタにした。
 5月17日、市東孝雄さんは団結街道廃道化を通告するNAAの不当看板設置に対しただちに渾身(こんしん)の実力決起をたたきつけた。市東さん不当逮捕に対し、反対同盟と支援は一丸となって不眠不休で闘いぬいた。5月24日、第3誘導路の公聴会に対する弾劾デモで権力は萩原富夫さんを不当逮捕したが、市東さん、萩原さんともに完黙・非転向を貫いて奪還された。「俺たちが本気だと知らしめた」との市東さんの獄中メッセージは、闘う人民を奮い立たせた。NAAは夜陰に乗じて団結街道閉鎖を強行し、反対同盟の裁判日を襲って市東さんの農地を鉄板で囲い込んだが、市東さんを先頭に反対同盟は「農地死守・実力闘争」の真価を発揮して国家権力とNAAを追いつめた手応えを実感し、意気高く闘っている。
 三里塚闘争は、44年の地平の上に日本階級闘争の最前線で新たな決戦の火ぶたを切ったのだ。

 危険な同時並行の離着陸も

 三里塚への攻撃の激化は、日帝の対アジア政策の危機と、成田の「アジアハブ(基軸)空港」からの陥落を根拠としている。
 成田の暫定滑走路は、2度の北延伸で当初計画の2500bになったが、欠陥空港としての現実を補うことなど到底できず、韓国インチョン空港にハブの座を奪われ、”ジャパンパッシング(素通り)”という事態をもたらした。
 日帝は、羽田空港を基軸とする航空政策へと転換を余儀なくされた。それが昨年10月12日の前原国交相の「羽田ハブ化」発言となって表れ、成田関係者は顔面蒼白(そうはく)となった。
 本格的なアジアハブ=国際化を企図する羽田空港の4本目の滑走路が10月21日に完成し、羽田は米欧と東南アジアの15都市と結ばれる。
 大恐慌情勢のもとでのフラッグキャリア・日本航空の破綻にみられる航空資本の行きづまりと航空需要の低迷は、「貨物・LCC(格安航空)専用空港」と言われるほどに成田空港の地位低下をもたらした。三里塚の不屈の闘争が日帝のアジア侵略と航空政策に大打撃を与えた結果だ。
 追いつめられたNAAは、無謀にも「年間飛行回数30万回化」を掲げ、そのために「へ」の字誘導路緩和工事、同時並行離着陸、そして第3誘導路建設を打ち出した。
 「へ」の字誘導路の緩和とは何か? 滑走路に食い込むように曲がり、最も狭い誘導路と滑走路との離間距離を、現状の107bから120bに、たかだか13b広げる工事だ(地図参照)。「へ」の字の欠陥はまったく解消されない。NAAはこれをもって今までの信号機による制御をやめ、ノンストップで誘導路を走行させるというのだ。あからさまな国際航空条約違反、安全基準の無視だ。
 また、これまで踏み切れなかった同時並行離着陸を、30万回化のために危険性を無視して強行しようとしている。
 JRの尼崎事故をも上回る大惨事がいつ起きてもおかしくない状況だ。成田空港もまた、徹底した資本の論理による利益優先、人命軽視が貫かれているのだ。
 こんなデタラメな空港のために農民の土地を奪うことなど、だれが許せるか!
 団結街道の廃道化と第3誘導路の目的は、大工事を強行し、誘導路と誘導路の間に市東さんの家や畑を挟み込み、大騒音で市東さんの生活と営農を妨害し、闘争精神をくじくことにある。だが、市東さんは微動だにせず「どんな攻撃にも屈しない。私はここで農業を続ける」と述べている。この熱い決意に応えて、破綻した空港を廃港にたたき込むために立ち上がろう。

 労組解体と農業破壊の攻撃

 菅・民主党政権は東アジア共同体構想を根底におく新成長戦略を打ち出した。これと表裏一体で「武器輸出3原則の緩和」「集団的自衛権の解釈変更」「非核3原則の見直し」を柱とする新安保懇(新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会)報告が出された。
 民主党政権の新成長戦略は、東アジア共同体構想のもとに、アジア勢力圏化に向かう大攻撃である。内に向かっては階級闘争、労働運動の解体攻撃である。
 4・9反革命による国鉄労働運動・戦後労働運動解体攻撃は、道州制攻撃と公務員制度改革による公務員労働者360万人の首切りと9割の労働者を非正規職化する攻撃へと激化している。
 これと軌を一にして、日本農業を破壊し農民を切り捨てる攻撃が始まった。自由貿易協定(FTA)の推進だ。
 FTAで農産物の関税を全廃して自由化すれば、食料自給率は12%にまで落ち込み、日本農業は壊滅する。トヨタやキヤノンなど自動車やハイテク機器の輸出を拡大するために、日本の農産物市場を明け渡そうというのだ。こうしたやり方が、日本経団連のもとで進められている。その結果もたらされるものは、「300万農家を40万戸にする」という、すさまじい農業破壊だ。
 農林水産省が9月7日に発表した2010年の「農林業センサス」(暫定値)によると、農業就業人口は、この5年間で22%・75万人減、260万人となった。耕作放棄地は増加の一途をたどり、40万f(滋賀県の面積に匹敵)に達した。耕作面積1f未満の小農家の時給は、平均300円である!
 これが今の日本農業、農民の現実だ。食べていくことも家族を養うこともできない。資本主義は農業から徹底的に収奪する。農地取り上げと闘う市東さんの闘いは、日本農民の縮図なのだ。
 日帝の農業破壊はアジア侵略の道である。労働者の戦争動員に直結する問題である。帝国主義を打倒しなければ生きていけない現実は労働者も農民も同じなのだ。だからこそ労農同盟を築き、共同の事業としてプロレタリア革命は闘われる。
 農業破壊の現実はまったなしだ。三里塚が動労千葉とともに闘いとった労農連帯をさらに発展させよう!

 市東さんの農地死守しよう

 この秋の階級攻防は、11月アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に帝国主義としての存亡をかける日帝との総対決の過程である。三里塚闘争の勝利で、11月1万人結集の力で、階級闘争の力関係を大きく変えよう。当面する四つの方針を提起したい。
 第一に、10・10三里塚全国集会の大結集をかちとろう。青年労働者、学生こそがこれをけん引する力だ。全学連現地行動隊は5月以来、反対同盟とともに現地闘争を担い、援農を通して団結を深めている。全学連は仲間を引き連れて、反戦のとりで三里塚に闘う学生の大隊列を登場させよう。闘う青年労働者は「非正規職撤廃!」の息吹を、10・10で日帝打倒の力にしよう。
 第二に、反対同盟とともに現地実力闘争に決起しよう。
 反対同盟は「空港絶対反対・実力闘争」の原則を貫いてきた。4・9反革命と闘う動労千葉をはじめとする国鉄労働者の決起は、これと一体である。この闘いの魂こそ、労働運動の現場でも、沖縄の闘いの中でも生きるのである。一朝事あらば、ただちに現地に総結集してともに闘おう。そうしてこそ反対同盟との不抜の団結がつくられ、階級的労働運動のもとでの労農同盟の深化・発展が闘いとられる。
 第三に、市東さんの農地裁判と現闘本部裁判攻防に勝ち抜こう。
 とりわけ重大な局面を迎えているのが天神峰現闘本部裁判控訴審である。NAAは強盗の居直りよろしく、付帯控訴理由書を出してあらかじめ仮執行宣言をつけるよう求めている。攻防は東京高裁による審理打ち切り策動との緊迫した過程に入っている。現闘本部の破壊・撤去攻撃粉砕へ! 11・5裁判当日、東京高裁を包囲する霞が関大デモに決起しよう。
 第四に、援農・現地調査、街宣、支援運動に取り組もう。闘う団結を日常的に強化していこう。
 三里塚の勝利は、労農学の団結した力の中にある。韓米をはじめ全世界の労働者人民との国際連帯の中にある。その鍵は11・7労働者集会の1万人結集である。すべてが壮大な闘う労働者隊列の登場にかかっている。
 11月1万人結集をめざす労働者は、最先頭で10・10に総力結集しよう。10・10の大爆発をかちとり、その力で11・7に向かって突き進もう。

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週刊『前進』(2456号4面2)(2010/09/20 )

 市東さん農地裁判 NAAの土地特定は誤り!

 裁判長 “訴訟棄却も”

 9月10日、千葉地裁で三里塚芝山連合空港反対同盟・市東孝雄さんの二つの農地裁判の口頭弁論が連続して開かれた。
 空港会社(NAA)は2006年に千葉県から賃貸借契約解除許可決定を受け、「地主」の顔をして市東さんに対し「土地を明け渡せ」と迫っている。二つの裁判は、@原告・市東さんが千葉県を「許可は無効」として訴えた行政訴訟と、A原告・NAAが市東さんに土地明け渡しを求める訴訟だ。反対同盟をはじめ支援の労働者、市民が「農地死守」の気概に燃えて傍聴席を埋めた。
 この日は裁判長の多見谷寿郎への交代に伴う更新手続きで、ただちに市東さんが力強く陳述書を読み上げた。
 市東さんは、5月の裁判期日が団結街道の封鎖攻撃による不当逮捕・勾留で延期になったことに抗議した。そして現在の「へ」の字誘導路に象徴的に表された欠陥空港の実態を暴き、弾劾した。最後に「農地は私たちの命。畑を作り続けることこそ公共です」と締めくくった。この誇り高い闘争宣言に一同は惜しみない拍手を送った。
 続いて葉山岳夫弁護士を先頭に反対同盟顧問弁護団が全力を傾注して書き上げた準備書面の要旨を分担して陳述した。
 「事業認定が失効し強制収用ができなくなった土地を民事裁判で奪い取るなど許されない」
 「耕作者の同意のない農地の賃貸借解約は違法・違憲である」
 「成田市農業委員会、千葉県農業会議での手続きはデタラメであり、許可は無効である」
 「空港公団(NAAの前身)は本社が東京にある不在地主であり、買収は農地法違反である」
 「NAAによる土地の特定が誤っており、市東家が一度も耕したことのない土地を賃借地だと主張している」
 弁護団はNAAの恥知らずな違法脱法の数々を余すところなく暴露・断罪し、今後もNAAと県を徹底追及する姿勢を明らかにした。
 この内容に圧倒された多見谷裁判長は今後の進行を確認するやりとりの中で、NAA代理人に向かって「航空写真を見ると確かにその土地は耕作しているとは認められず、この点がはっきりするとこの訴訟は棄却になりますね。そこを踏まえて今後のご主張を」などと述べた。居直りとだんまりを通してきたNAAの弁護士も「棄却」の一語に顔色を失い、打撃感を隠せない。
 次回期日を11月26日として閉廷した。
 千葉市ビジネス支援センターで記者会見と報告集会が、鈴木謙太郎さんの司会で開かれた。
 最初に市東さんが「向こうのデタラメをどんどん追及し押し込んでいく裁判を弁護士さんとともにやっていきます」と決意を表し、大きな拍手を浴びた。続いて弁護団が法廷での闘いを振り返り、決意を述べた。
 北原鉱治事務局長が「今後、第3誘導路による市東さんの家の囲い込み攻撃との闘いになるだろう」と述べ、10・10全国総決起集会への大結集を訴えた。さらに動労千葉、市東さんの農地取り上げに反対する会、群馬・市東さんの農地を守る会、関実が連帯発言を行った。動労千葉の滝口誠さんはAPEC首脳会議を弾劾し、「今こそ労働者と農民が共同して闘う時」と訴えた。
 最後に萩原進事務局次長がまとめの発言に立ち、「市東さんの闘いは全国全人民自らの課題であることを訴えて、農地強奪を阻止し、今年前半戦の勝利からいよいよ後半戦に突き進もう」と呼びかけ、10・10大結集をアピールした。
(写真 「法廷でもNAAを追いつめる闘いをやる」と市東さんが決意表明【9月10日 千葉市】)

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週刊『前進』(2456号4面3)(2010/09/20 )

 10・10三里塚に総結集を

 反対同盟が熱烈に訴え(下)

 日本一忙しい農民と自負 事務局次長 萩原進さん

 現在の民主党の支配体制はある意味で崩壊の始まりと言ってもいい事態だ。経済の混乱が政治の混乱にも拍車をかけ、出されてくる政策も、体制を維持するためにことごとく反人民的なものとならざるをえない。あらゆる戦線に一挙的な反動攻撃がかけられる時代。そういう敵の余裕のなさを見通せれば十分に闘える。
 三里塚においても、市東さんの逮捕、団結街道の封鎖と、かけられてきた攻撃は激しいが、すべて敵のあせりから出てきたものだ。もともとNAAは現闘本部裁判判決で仮執行宣言がついて建物をただちに撤去できるというもくろみに基づいてプランを立てていたが、そこからするとすべて失敗続きなんだ。逮捕された市東さんが全国へ獄中から檄(げき)を飛ばすことなど、向こうにしてみれば大誤算だろう。
 われわれは敵を追いつめているという手応えと廃港への闘いの大きな展望をもって闘い、今年前半の勝利を確認し後半戦に入っている。現地闘争においても時と場所を選んで、ここだというところで決戦を構える。
 東京高裁での現闘本部裁判、千葉地裁での市東さんの農地裁判、それぞれ正念場を迎えている。今の裁判支援陣形をさらに拡大しなければならない。
 沖縄の人びとの願いは米軍撤去以外にないし、それは安保をなくすことを意味する。「抑止力として必要」との支配者の言葉を今ここで粉砕しなくてはならない。沖縄の切実な声に本土でどう応えるのかが問われる。その旗を振る役は三里塚だと自負している。
 ほんの一握りの百姓が国にたてついて40年以上も闘っている。逮捕しようが道を封鎖しようが屈服しない。それがやつらには悔しくてたまらないのだ。われわれは敵と四つに組んでがけから転げ落ちても絶対に手を離さない、そういう気概だ。
 猛暑の中、農作業に追われつつ、各地を飛び回り、裁判に足を運び……、われわれは日本一忙しい農民だと自負しているが、そうやって呼びかけた10・10三里塚により多くの人びとが結集してくれることが何よりも大きな喜びだ。全国の労働者、学生、あらゆる階層の人びとがともに闘っている。その思いが闘いの原動力だ。10・10へともに闘いましょう。

 同盟と人民自身の闘いだ 事務局員 鈴木謙太郎さん

 2010年前半、反対同盟はもてる力をふりしぼって闘った。市東さんを先頭に文字通り本気で闘うということを敵に示した。
 2・25判決で仮執行宣言をつけられなかったことも、これまでの同盟の闘いの迫力に仲戸川裁判長が圧倒されたからだ。これでNAAのスケジュールに大打撃を与えた。
 5・17で市東さんが不当な看板に怒りをもって立ち上がったことは、だれの目から見ても正義だった。あれで逮捕し23日間も勾留するとは本当に許せない。反対同盟と支援は心から一体となって警察、検察、裁判所に猛抗議を行った。こういう理不尽な攻撃に対して、反対同盟がどれだけ怒っているかを知らしめた。なんと言っても市東さん自身の踏ん張りが本当にすばらしかった。
 NAAはそういう市東さんをなんとか屈服させて追い出したいわけだが、それがどうしてもできなくて参っている。市東さんひとりの闘いではなく、同盟全体の闘いであり、全国のみなさん自身の闘いでもあることを理解してほしい。
 確かに団結街道は封鎖されてしまったが、第3誘導路との闘いはまだまだこれからだ、敵がさらに市東さんの生活を妨げる攻撃に及んだときは、必ず粉砕する。
 成田の利権にからむ人たちは「年間離発着を30万回に」と騒いでいるが、現在の22万回という数字さえ達成できてないというのが現実だ。成田市長や芝山町長がいくら騒いでも、需要がないのだからどうしようもない。森田県知事は成田にカジノをつくれなどと愚かなことを叫んでいるが、あまり相手にもされていないようだ。
 今民主党のもとで農家はますます厳しい状況を強いられている。先日もうちの近くで戸別所得補償制度の説明会というのが開かれたようだが、その手続きはとてつもなく煩雑で、高齢者によって支えられている零細農家は対象にならない。
 FTAを推進し農業を切り捨てる民主党政権を許さず、三里塚は全国の農民の先頭に立つ気概だ。猛暑はさすがに峠を越したが、まだまだ熱い闘いが続く。労働者と農民との連帯で10・10大結集をかちとろう。

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週刊『前進』(2456号4面4)(2010/09/20 )

日誌'10 2010年 9月8日〜14日

 海保、釣魚台沖で中国漁船長を逮捕/名護市議選、市長派が勝利

●釣魚台、中国漁船の船長逮捕 釣魚台(尖閣諸島)付近で7日、中国のトロール漁船が石垣海上保安部(沖縄県石垣市)の巡視船に衝突したとして、同保安部が漁船の中国人船長を公務執行妨害の容疑で逮捕し、発表した。(8日)
●オスプレイ日本配備を伝達 米国防総省のモレル報道官は、米海兵隊の新型垂直離着陸輸送機MV22オスプレイについて、日本国内に配備する考えをすでに日本政府に伝えたと明らかにした。配備の時期や場所については明らかにしなかった。(9日)
●ソマリア沖の護衛範囲拡大 防衛省の折木統合幕僚長は、海上自衛隊の護衛官によるソマリア沖・アデン湾の「海賊」対策の活動範囲を拡大する方針を明らかにした。現在は、湾内の東西約900`の範囲を艦艇2隻で護衛しているが、10月以降、東側に約200`広げる。(9日)
●未使用砲弾2700発 7月末に返還された沖縄・北中城村の米軍泡瀬ゴルフ場跡地から米軍のものとみられる未使用の20_砲弾2700発、機関銃弾60発、150_砲弾3発、照明弾26発など計2789発以上が地中から見つかった。沖縄防衛局から委託を受けた業者が磁気探査作業中に発見し、北中城村に報告した。沖縄警察署は、小火器弾や火薬など約8940個が発見されたと発表した。住民の証言や沖縄戦直後に発刊された英字新聞の記事などから、米軍が意図的に弾薬を地中に埋めた可能性が出てきた。(9日)
●民主党政権初の防衛白書 北沢防衛相が閣議で10年版の防衛白書を報告した。民主党政権となって初めて刊行された防衛白書で、中国について「国防政策の不透明性や軍事力の動向は、わが国を含む地域・国際社会にとっての懸念事項」と指摘した。(10日)
●オバマ「テロ脅威は長期間継続」
オバマ米大統領は、9・11ゲリラから丸9年を前にホワイトハウスで行った記者会見で、米国に対するテロの脅威は「これからも長期間続く」と厳しい認識を表明。一方で米国の敵はイスラム教徒全体ではなく一部の過激派だと強調し、米国とイスラムが敵対すれば国際テロ組織アルカイダを利するだけだと述べた。(10日)
●名護市議選、市長派が勝利 米軍普天間飛行場の移設先として日米が合意した名護市の市議選(定数27)が投開票され、移設に反対する稲嶺市長を支持する候補が16人当選し、過半数を占めた。選挙結果について仙谷官房長官は「移設計画や負担軽減の具体策について地元の意見を聞き、誠心誠意説明して理解を求めるという態度を貫く」と述べた。(12日)
●中国漁船員14人帰国へ 釣魚台付近で中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突し、公務執行妨害の容疑で逮捕された事件で、日本政府は、船長を除く漁船の乗組員14人を帰国させ、漁船も返還すると発表した。(13日)
●民主代表選で菅首相が再選 民主党代表選が臨時党大会で投開票され、菅首相が小沢前幹事長を破り、再選した。(14日)

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週刊『前進』(2456号5面1)(2010/09/20 )

 全学連大会 11月結集と学生自治会復権を宣言

 法大闘争勝利へ不抜の団結

 “大恐慌と対決し未来切り開け”

 全学連第71回定期全国大会が9月9〜10日、東京・文京区民センターで開催され、全国300万学生に11月労働者集会と学生自治会復権の大宣言を発した。大恐慌が戦争の危機を引き起こし、青年・学生の未来を奪う中で、多くの初参加者が大会に結集し、全学連とともに自らの未来を切り開く決意を固めた。本大会をもって全学連は11月1万人結集と学生自治会建設の展望を握りしめ、全学連運動の壮大な復権への歴史的挑戦を開始した。

 全学連執行部

 委員長 織田陽介(東北大・理)
 同代行 坂野陽平(上智大・文)
 副委員長 安藤聡男(広島大・文)
 副委員長 倉岡雅美(法政大・人間環境)
 書記長 冨山小太郎(京都大・農)
 書記長次長 石田真弓(東北大・経)

 全学連運動の歴史的挑戦

 大会は坂野陽平委員長代行の「大恐慌を革命に転化するために、法大闘争に勝利しよう! 学生自治会を建設しよう! 11月集会1万人を集めきろう!」という決意に満ちた開会宣言で始まった。
 議案提起は織田陽介委員長と坂野委員長代行が行い、学生自治会運動復権への挑戦が高らかに宣言された。
 「今こそ壮大な学生運動の復権が必要である。日本全国300万の学生が世界を変革するために立ち上がる時だ。これが全学連の時代認識であり、立場である」「全学連は、大学における大衆的な学生自治会を建設し、その政治的結集体として壮大なエネルギーを発揮して闘う。こうした全学連の真の復権こそ私たちのやりたかったことであり、ついにこの挑戦に着手するときがきた」(第一議案・総括)
 それは何より、大恐慌がもたらす戦争・民営化・団結破壊、民主党政権の「新成長戦略」と根底的に対決するためのものだ。4年半の法大決戦の勝利の地平がこの展望を切り開いたのだ。
(写真 2日間の活発な討論をかちとり、全学連運動の復権へ歴史的挑戦が始まった。11月集会1万人結集へむけて団結ガンバロー【9月10日 東京・文京区民センター】)

 法大文化連盟三役が先頭に

 2日間にわたる討論をリードしたのは法大生だ。停学1年の処分と闘う倉岡雅美副委員長は「法大闘争は、敵が誰かをはっきりさせ、徹底的にキャンパスにこだわってきた」と述べた上で、「処分撤回署名運動と反戦政治闘争が学生のエネルギーを引き出す。法大闘争は300万学生の未来を切り開く闘いだ」と勝利の方針を鮮明に提起した。無期停学処分と闘う洞口朋子さんは「法大闘争は新自由主義に学生は勝利できることを示してきた。弾圧・処分に負けない段階から、本格的に組織をつくる段階に入っていく」と確信に燃えて訴えた。
 とりわけ、昨年の暴処法弾圧を打ち破った文化連盟の三役がそろって参加し、斎藤郁真委員長(発言要旨別掲)を先頭に熱烈なアピールを発したことが、参加者の心を揺さぶった。「全学連と文連は一体で闘い、118人の逮捕者が出ても誰一人裏切らなかった。その根本にあるのは、権力・当局への怒りと義理・人情だ」(恩田亮副委員長)。「1年生の決起が重要だ。その力も受けて法大闘争の勝利へと闘っていきたい」(増井真琴企画局長)

 初参加者も率先して発言

 それに応えて、全国の学生から烈々たる決意が語られた。
 「全国学生の力で法大決戦に勝利しよう。日就寮を先頭に学生の団結を甦(よみがえ)らせる」(東北大学)。「労働者との団結が勝利の展望だ。すでに熊野寮から11・7集会への決起が続々と決まっている」(京都大学)。「反戦政治闘争は学生の根底的な決起を引き出す。APEC粉砕・菅民主党政権打倒の反戦政治闘争として11月決戦を闘い抜こう」(広島大学)
 決戦真っただ中の富山大・新樹寮で闘う仲間からは、「新樹寮の闘いは、法大に続く教育の民営化との最先端の闘いだ。闘わない執行部と対決して、寮の完全封鎖と立てこもりで闘った。国立大学法人化、新成長戦略粉砕の闘いを巻き起こし、団結の力で廃寮攻撃を粉砕する」と戦闘宣言が発せられた。
 本大会では多くの初参加者が率先して発言に立った。「11月集会を絶対に成功させたい」「8・6ヒロシマ闘争を闘ってきた。戦争を止めるのは私たちの日常の闘いだ」「未来を主体的に切り開いていこうと本気の討論ができてうれしい」。この真剣な思いとエネルギーこそ、全学連運動の爆発的発展の端緒だ。
 また、三里塚の現地攻防を先頭で闘った現地行動隊の学生が10・10三里塚闘争へのアピールを行った。
 さらに、ブラジルの学生団体ANEL(全国学生会議・自由)から呼びかけられた「ハイチ国連部隊の即時撤兵」「パレスチナ人民との連帯」の2本の決議が国際部から提起され、満場一致の拍手で採択された。
 大会の最後に、織田委員長がまとめの発言(要旨別掲)を行い、すべての参加者が全学連運動の歴史的復権に向けての決意を固めた。
月集会1万人結集へむけて団結ガンバロー【9月10日 東京・文京区民センター】)
(写真 全国から結集した学生が次々と決意表明【10日】)

 三里塚・北原事務局長が檄

 また、本大会には多くの来賓が参加した。三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱治事務局長は「君たちの若い情熱と正義に感動した。全学連には300万学生を牽引(けんいん)してほしい」と期待と共闘の思いを語り、10・10三里塚全国集会への大結集を呼びかけた。革共同の木崎冴子同志は「11月1万結集と学生自治会建設は二つにして一つの闘いだ。すべての攻防の焦点が労働組合と大学に集中している今だからこそ、11月集会で労働者とともに新自由主義を打ち破ろう」と全学連運動の歴史的使命を明らかにした。さらに、法大弾圧裁判弁護団の藤田正人弁護士、動労千葉の越川幸夫執行委員、マルクス主義青年労働者同盟の同志から力強い檄が発せられた。

 切り開いた画期的な地平

 本大会は第一に、11・7労働者集会1万人結集を、大恐慌情勢と対決し、300万学生の未来を切り開く決戦方針としてうち立てた。
 第二に、全学連運動における反戦政治闘争の復権を本格的に宣言した。反戦闘争と国際連帯こそ学生自治会の綱領だ。
 第三に、法大闘争がキャンパス支配権をかけた新段階に突入したことを確認した上で、法大闘争勝利を全国学生の方針として鮮明にした。
 第四に、法大処分撤回署名運動の全国的爆発の方針だ。全国1万筆署名を担う活動家を大量に生み出すことが学生自治会建設の絶対的基礎だ。
 第五に、新樹寮決戦を先頭に自治寮廃寮攻撃を打ち破る闘いを法大闘争と並ぶ全国的決戦課題として押し上げた。
 第六に、あらゆるブルジョアイデオロギーを粉砕し、未来を取り戻せという学生の団結を復権させていくためにも、マルクス主義に基づく時代認識、大衆的路線、“一人の仲間も見捨てない”という義理・人情が決定的であることを確認した。
 本大会での熱烈な討論から、ただちに11月1万人の組織戦に突入しよう! すべての学生は、全学連の旗のもとに結集し、学生自治会建設の闘いをともに担おう! -------------------------

 大会スローガン

◆「新成長戦略」粉砕! 帝国主義侵略戦争阻止! 大恐慌と対決し、民主党・連合政権を打倒しよう!
◆法大闘争勝利! 処分撤回署名運動の全国的爆発から学生自治会建設へ!
◆全国自治寮を防衛し、新樹寮闘争に勝利しよう!
◆国境をこえた学生の国際的団結で、「教育の民営化」を阻止しよう!
◆闘う労働者・労働組合と団結し、11・7労働者集会への1万人結集を実現しよう!

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週刊『前進』(2456号5面2)(2010/09/20 )

 織田委員長のまとめ

 団結し大恐慌と闘うため皆が指導部に飛躍しよう

  学生が団結して大恐慌に立ち向かおうと、真正面から訴えよう。

 菅への怒りを真剣に訴える

 第一に、11・7労働者集会に必ず1万人結集を実現しよう。
 一つは、この社会、菅政権への怒りを自分たちの言葉で真剣に訴えることだ。首切り、増税、大学予算の削減……。「国家がギリシャのようになったらどうするんだ」と言われて納得できるか。そもそも誰の責任で財政破綻になったのか。自民党が選挙のために新幹線を引いて赤字をつくってきた。そして銀行を救済するために何億円とつかってバブルを生み出し、全部破産して大恐慌、大失業だ。銀行はこの何年、1円も税金を払っていない。それで大増税だ。ふざけるな。
 二つに、11月集会は国鉄集会であることをはっきりさせたい。国鉄1047名闘争は、本当に日本の労働運動全部を必死になって支え、学生の権利を守る防波堤になり、新自由主義と対決してきた。23年間、闘ってきてくれた国鉄労働者を一緒になって勝利させ、新自由主義に断を下そう。
 三つに、1万回のドラマを巻き起こして1万人集会を実現しよう。1人を獲得するのも大変だ。簡単にはいかないところにドラマがある。そういう1万人が集まったときにどんなエネルギーが発揮されるのか真剣につかもう。この社会を変革することが可能だと人の心が動く中に革命の現実性がある。この時代の中で、本当に怒りの塊になった1万人が東京に登場することが人の心を動かし日本の労働運動、学生運動を変えることが絶対にできる。

 魅力ある義理人情の組織へ

 第二に、法大闘争についてだ。全学連は文化連盟と完黙・非転向の獄中闘争をともにした同志として、どこまでも義理・人情で闘う。その最大の行動方針は、全国1万筆の署名でこの処分を絶対に撤回させることだ。処分を許せないという怒りと学生の誇りで1万筆を集めよう。法大闘争に共鳴して、一緒に行動する仲間をつくるための1万人署名を集めて、本当に法大闘争を勝利させていこう。
 最後に言いたいことは、学生自治会をどう建設するのかということだ。核心は指導部をつくることだ。指導部の力に応じて組織は増える。しかし組織化の中でしか指導部ができない。われわれ一人ひとりが、指導部になっていく。オルグに次ぐオルグ、生き方をかけて時代認識を議論し、本当に1人、2人の学生と団結をつくることだ。
 人間をどう位置づけていくかが問われている。資本家は人間を商品だ、モノだと位置づける。だけど俺たちは、一人ひとりのいいところを見つけ出し引き出し、ほれ込んでいく。人間を愛していく。そうやって義理・人情で団結をつくっていく。それがマルクス主義だ。マルクス主義は人間を変革の主体として位置づける。われわれ全学連はマルクス主義をはっきりさせ、魅力あふれる義理・人情の組織になって組織を拡大しよう。
 大会では、資本主義が終わりの中で、戦争、大失業許せないという形でラジカルな問題意識がバンバン出された。しかし、新自由主義大学は学生を過去に縛り付け、この問題意識を一つも受け止められない。われわれは、この問題意識を本当に収斂(しゅうれん)していく未来の組織が必要だと、学生自治会の建設を訴えている。学生はこの社会を動かしていく次の未来だ。学生が何を考えているのかが次の社会の思想的核心だ。学生の思っていることをラジカルにつかみ、戦闘性を引き出し団結させて組織をつくっていこう。

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週刊『前進』(2456号5面3)(2010/09/20 )

 仲間を見捨てない

 斎藤・法大文連委員長の発言

 法大の状況は資本との激突だった。だから法大闘争は生きざまをかけた闘いになる。
 07年の法大当局による学生団体つぶしに対して学生に分岐が起こった。“反対勢力を切り捨て、いったん後退してから、団結を固め直す”という勢力は、CSK(御用学生団体)ができて、「われわれは主体性をもたない組織です」となった。人を切り捨てる先に団結はない。文化連盟のスローガンは「一人の仲間も見捨てない」。そこをあいまいにしたら必ず負ける。
 大学は、学生から金をむしりとり学問を商売にしている。学生の未来を奪うことでしか自分たちの現在をつくれない。われわれは抵抗するだけではなく、あいつらをぶっ倒し、われわれ自身の力で自分たちのルールをつくる。それが学生自治会建設だ。必要なことは政治運動、反戦活動。他人のためにやる運動だからだ。この中で、学生が自分たちの本当の可能性を取り戻すことができる。
 攻撃は全世界的な生産過剰が原因である以上、個別法大だけの問題ではない。だからこそわれわれには希望がある。いくらでも仲間がいるからだ。全国学生のために法大闘争に勝たなければならない。ともに闘おう。

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週刊『前進』(2456号5面4)(2010/09/20 )

 法大処分撤回!1万筆署名の力で

 キャンパス支配権奪還へ

 全国学友のみなさん! 9月全学連大会は、文化連盟三役−新入生を中心にした法大生の歴史を画する結集をかちとり、全国学生との熱い団結を固め、画期的な成功をかちとった。この勝利の上に、9月下旬開講の法大キャンパスに勇躍飛び込み、3万法大生の組織化と法大闘争の前進に向かって闘おう。いよいよ民主党・連合政権による「新成長戦略」および侵略戦争国家化攻撃との大激突が、まずは法大から始まる。法大闘争の爆発で勝利の展望を指し示そう。処分撤回! 大学祭規制粉砕! 11・7労働者集会の1万人大結集へ!

 大学祭規制と処分に怒りを

 後期キャンパス開講にあたって全法大生に訴えたいことは第一に、7月に下された洞口朋子さん(経済学部2年)への無期停学処分を絶対に許さず、処分撤回の大署名運動を巻き起こそう、ということだ。さらには、自主法政祭(10月29日〜11月1日)への規制に対する怒りを爆発させよう。
 4月開講以降の新入生の決起と文化連盟の組織拡大に対する恐怖の表れが無期停学処分だ。当該の教官も学生も否定している、クラス討論での「授業妨害」のデッチあげを「処分の理由」とすることなど断じて認められない。この「処分のための処分」「排除のための処分」が法大生の怒りをかき立てている。
 そして、洞口処分と一体で自主法政祭への規制が始まっている。社会科学研究会の企画からの排除が、学祭実をとびこえた法大当局の直接裁決で決定された。学祭規制の本質は、飲酒や教室使用など、あらゆる学生の活動を大学当局の管理下に置くことによって、それを「学生の代表」を名乗る学祭実が追認していくことによって、「キャンパスを支配するのは学生ではなく大学当局だ」と宣言し学生を組み伏せていくことにある。
 しかし、こんなものに屈しないことに法大闘争と法大生の魂がある。処分撤回署名は法大キャンパスで三ケタをこえて集まり、学祭実に対しては7月全学説明会で多くのサークルから「不信任」がたたきつけられた。この怒りと「キャンパスの主人公は学生だ」という欲求こそが、学生自治会建設の原動力だ。学生の原始的団結体としての学生自治会は、新自由主義大学における学生支配に対する闘いから生まれ出る、学生の利害を貫く権力だ。
 そのためには、活動家とリーダーが必要だ。われわれはキャンパスの多数派にならなければならない。キャンパスに渦巻く怒りを糾合する武器が処分撤回署名だ。全国1万筆署名運動で学生自治会をつくり出そう。
 第二に、新自由主義のもとでのあらゆる攻撃をはね返し勝利してきた法大闘争の中に、3万法大生と300万学生の未来はあるということだ。

 新段階に突入した法大闘争

 大学への新自由主義の攻撃は、80年代の国鉄分割・民営化、95年の日経連プロジェクト報告を大きな契機とし、21世紀に入ってからの小泉構造改革路線、04年国立大学法人化攻撃、全国自治寮の廃寮化として推し進められてきた。法大においては清成総長路線の登場と04年の学生会館解体があった。「教育の民営化」を極限まで推し進め、キャンパスを資本が蹂躙(じゅうりん)し、学生の未来を奪うこの新自由主義を根幹のところでぶち破ったのが、06年3月14日以来の法大闘争だった。大量弾圧と処分攻撃をのりこえた法大闘争こそ、「学生の団結と行動に大学と社会を変える力はある!」ことを示したのだ。
 勝利の地平は一つに、新自由主義攻撃の核心としての団結破壊に対し、組織建設でもって対決したことだ。その結晶こそ、08年4月決起以来の新生文化連盟であり、織田委員長を先頭とする全学連運動だ。「闘いに絶対に分断を持ち込んではならない。『一人の仲間も見捨てない』、ここに既成勢力とわれわれとの分岐点がある」(文化連盟委員長・斎藤郁真君)
 法大での本格的な組織建設をめぐる攻防は新たな局面に突入した。
 文化連盟と全学連が法大生を獲得し始めているからこそ、今秋から国家権力との法大をめぐる激突はさらに激しくなる。弾圧粉砕の地平から全面的な組織建設へ! 処分撤回署名運動をその最大の武器に! 全国学友が未来をかけて法大闘争勝利に全力を集中する土台は築かれた。
 二つに、「営業権」「施設管理権」というむき出しの資本の論理と対決し、「教育の民営化粉砕!」という普遍性を持ったスローガンを確立してきたことだ。法大闘争は資本主義との生きざまをかけた闘いだ。であるからこそ、悩み、格闘の中から絶対に突き崩されることのない不抜の団結と決起が生み出されてきた。「資本に負けない団結」――ここに、新自由主義をうち破る21世紀の新たな学生運動の萌芽がある。攻撃に頭を垂れ、絶望をあおり、「闘っても勝てない」「資本主義にはまだ可能性がある」など、大学教授どものふりまく腐ったブルジョア・イデオロギー(幻想)をなぎ倒していく路線と求心力を法大闘争は生み出してきた。

 菅民主党政権打倒の11月へ

 第三に、11・7全国労働者集会に、法大生は全国学生の最先頭で決起しようということだ。労働者階級との団結、国際連帯、そして反戦政治闘争こそが学生運動に力を与え、敵を鮮明にさせ、勝利の展望を照らし出す。
 今年前半、全学連と文化連盟は5月沖縄闘争−8月ヒロシマ闘争を連続的に成功させ、新入生の感動的な決起を実現し、鳩山−菅の民主党政権と真っ向から対決する中で組織と路線をうち鍛えてきた。この成果をバネに、そして処分撤回闘争と学祭規制粉砕闘争の中で、11月7日の日比谷野外音楽堂に三ケタの法大生を登場させよう! 新自由主義大学をうち破ってきた法大生こそ11月大結集運動の先頭に立ち、全世界の労働者階級との団結を深めよう。
 マル学同法大支部は、今春−今夏過程での組織建設闘争の勝利の上に、大衆運動形成能力と政治指導力をさらに獲得し、そしてプロレタリア革命に責任をとる革命党の指導部として飛躍し、全国学生運動の最も勢いある牽引(けんいん)車となる決意だ。法大生のみなさん、全国学友のみなさん、ともに闘おう!
 (マル学同中核派・法大支部)

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週刊『前進』(2456号5面5)(2010/09/20 )

 法大裁判に集まろう!

★暴処法裁判
 第18回公判 10月1日(金) 午後1時30分
★5・28暴行デッチ上げ裁判(控訴審)
 第2回公判 9月22日(水)午後1時30分
 いずれも東京地裁429号法廷 12時30分に傍聴券配布所に集合

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週刊『前進』(2456号6面1)(2010/09/20 )

 天野芳郎同志を追悼する

 労働者魂あふれた不屈の生涯 自前の印刷工場建設の礎築く

 早すぎる逝去悼みお別れ会

 革共同の誇るべき戦士である天野芳郎同志が9月7日朝、肺炎で亡くなった。昨年3月に作業中の事故で頭を負傷して以来、1年6カ月の闘病生活を続けていた。63歳だった。
 12日、都内文京区の会場でお別れ会が開かれた。遺影の脇には深紅の革共同旗が掲げられた。天野同志が富山再審闘争をともに闘った富山保信同志が司会を務めた。革共同への結集以来40年間、反革命カクマルとの内戦期の自前の印刷工場建設を始め、つねに困難な闘いの先頭に立ってきた天野同志の死を悼んで、100人を超える同志、友人が参列した。
 冒頭に、天野同志が最後に所属した経営局の同志があいさつし、闘病生活と彼の闘いの軌跡を報告した。労働者魂にあふれた天野同志の生涯をみなが胸に刻みつけた。 続いて、革共同を代表して天田三紀夫書記長が弔辞を述べ、彼のあまりにも早すぎる死を悼んだ。次に、富山再審闘争をともに闘った葉山岳夫弁護士が弔辞を述べた。
 さらに、天野同志が最初に所属した東京東部地区や自前の印刷工場建設をともに闘った同志が、思い出や病床を見舞ったときのことを語った。学生時代から家族ぐるみのつきあいをしてきた友人からは心からの哀悼の言葉が寄せられた。会の最後に「同志はたおれぬ」の曲が流れる中、全参加者が白いカーネーションをささげて別れを告げた。
 やりたいことがまだいっぱいあっただろう。革命の事業半ばの、本当に悔しい、早すぎる死だった。参列した同志たちは天野同志の闘いを引き継ぎ、プロレタリア革命に絶対に勝利することを誓った。
 翌13日、親族、同志が集まって最後の別れを告げ、亡きがらは革共同旗に包まれて荼毘(だび)に付された。

 「カメさん」と誰にも愛され

 多くの同志から「カメさん」と親しまれた天野同志は、党と階級に対する献身性の塊のような同志だった。どんな困難な任務も「よっしゃー」と引き受けて貫徹した。
 1947年1月13日、静岡県清水市の青果店の5人きょうだいの末っ子として生まれた。66年4月に東邦大学薬学部(船橋市)に入学し、山岳部で活躍。70年安保・沖縄闘争を闘い71年に卒業。東京東部地区で就職し、その後、江戸川反戦に結集して反戦青年委員会運動を闘い、マルクス主義青年労働者同盟に加盟した。
 党の存亡をかけた反革命カクマルとの激闘のさなか、「自前の印刷工場建設」の大方針が決定され、74年1月、印刷技術の習得のために印刷会社に就職した。
 そして74年8月に前進社が豊島区千早町に移転して以降、党の印刷工場建設の先頭に立ち大奮闘した。工場の創成期に活版印刷大組班の責任者として重責を担い、15年間活動し、今日の前進社印刷工場の基礎を築いたのである。
 大組とは活字や写真凸版などを並べて1面分の紙面に組み上げる作業であり、経験と熟練、体力を要する職人仕事である。カメさんは「大組のプロ」だった。
 88年に胃がんが発見され、胃の全摘手術を受けた。がんを克服した後の90年、富山保信同志の再審闘争を闘うために救対部に移籍した。富山同志はデッチあげ弾圧で懲役10年の獄中闘争を闘っていた。この弾圧に心から怒り、苦労をものともせずに闘った。そして、94年に再審請求を闘いとった。
 その後02年に前進経営局に移籍した。『前進』の街頭販売ではバイタリティーとパトスで労働者を熱くオルグし、他の同志よりも抜きんでて多く販売した。
 03年、07年の杉並・東大阪の選挙戦では、総務や食当、印刷などの任務を献身的に担った。
 この数年はデジタルアーカイブの仕事を熱心に続けた。『前進』デジタル縮刷版第1巻、デジタル版『本多延嘉著作選』作製のために、スキャナーで文書を読み込み校正する仕事だった。根気のいるその仕事を、周囲が体の心配をするくらい熱心に続けた。
 「カメさん、元気?」と尋ねると、「絶好調!」と答えるのが口癖だった。どこへ派遣されても、そこで任務を全うすることを誇りとしていた。だから誰からも愛され、信頼された。
 天野同志の遺志を引き継ぎ、国鉄闘争全国運動を水路にプロレタリア世界革命の勝利をかちとろう。そのために全力で闘う時、カメさんは私たちの胸の中に生き続ける。

 弔辞 献身的で原則的な闘い受け継ぎ必ず勝利する

 革命的共産主義者同盟書記長 天田三紀夫

 革共同は、わが同志・わが友・天野芳郎同志とのお別れにあたり、謹んで哀悼の意をささげます。天野同志の63年の人生は革命的共産主義運動の歴史そのものでした。あまりにも早すぎた逝去でした。本当に残念無念でなりません。
    ◇
 私たちは、あなたの闘いに革命的共産主義運動の前進の姿をみることができます。
 70年安保・沖縄闘争を闘い、東京東部地区党に所属し、印刷所建設の闘いにはせ参じ、対カクマル戦争を先頭で闘い、国家権力のデッチあげ攻撃と闘い、機関紙活動を先頭で担い、党の革命を断固支持し、前進社九州支社などの事務所防衛を闘い、デジタル版『本多延嘉著作選』刊行にあたっては不眠不休で活動をしました。周囲の同志が心配するほどでした。今もこれらの活動がわれわれの脳裏から離れません。
    ◇
 40年間のあなたの活動は革共同の闘いそのものでした。革共同はあなたの生活のすべてでした。あなたのような、革命運動に献身的で、原則的で、マルクス主義に忠実な、多くの革命家によって革共同の革命党としての基礎が築かれました。あなたの人生をかけた決起は、革共同に労働者階級の党としての変革を促しました。あなたの生きざまは、多くの青年労働者・学生の同志に語り継がれ、革命的共産主義運動の礎となっていくことは間違いありません。
    ◇
 天野同志! 大恐慌が本格化し、全世界の労働者が新自由主義との闘い、決起を開始しています。
 私たちは、新自由主義の攻撃に屈服し、大失業と戦争への道への水先案内人になっているすべての体制内勢力を打倒し、動労千葉労働運動を基軸とする階級的労働運動と党の力でプロレタリア日本革命勝利への道を驀進(ばくしん)します。
    ◇
 天野芳郎同志! あなたは、あなたが呼吸し、生活し、活動した革共同を必ず勝利へ導いてくれると思います。
 あなたは、天から空から党と労働組合の闘いをあのあなたの優しいほほ笑みをもって見守って下さい。
 私たちは今日この日を期して階級的組織的団結をさらにうち固め、日本革命勝利へ闘うことをお誓いして、永久(とわ)のお別れの言葉とします。
 2010年9月12日
(写真 全国から同志・友人が駆けつけた中、天田書記長が弔辞を読み上げた【9月12日 東京】)

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週刊『前進』(2456号6面2)(2010/09/20 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 全学連大会を闘って

(写真 イラスト/法政大H)

 学生の未来がつまっている 法政大1年 T

 大変エネルギーを感じた大会でした。
 ここに学生の未来がつまっていると思います。
 この時代だからこそ学生は立ち上がるんだと素直に感動しました。

 空論ではなく現実の闘いで 首都圏A大 うな

 私は全学連大会に初参加しました。
 今回、全国の学生が東京に集結し、さまざまな熱い議論が活発になされ、さまざまな現実の問題意識が取りざたされました。結論として、参加者すべてがこの社会に対し問題意識、批判的な考えを持っているということです。根源的な愛情や哀(かな)しみや怒り、絶望と希望を止揚し束ね、腐敗した国家体制を突き崩し、新しい未来をつくるひとつの勢力として全学連があるわけですが、また一歩前進したと思うのです。私も生涯共闘しますよう!
 さらなる団結を求めます。学生のみならず、すべての階層の人民と団結するべきなのです。
 最終日の解散の際は、大人数の公安が恫喝、追い回し、ビデオ撮影などの暴挙に走り、私たちは顔を隠し、ひたすら走って、初参加の方は本当に緊張したと思います。しかし、その国家体制の不当性や暴力性が無理やり身体的に体現させられたと思うのです。悪いことしていないのにあんな暴力をかましてきて、そんな不当性に絶対負けたくないでしょ? 私も、不当性への怒りがこみ上げるのを感じていました。
 もっとも強調したいのは現実の闘いであり、机上の空論ではなく、痛みを感じる闘いなのだから。弾圧をのりこえ、来年もさらに強く団結し、仲間を増やして集まりましょうね。
 もっと来年は皆と仲良くなりたいな。皆だあいすきよ。また会いたいです。

 新しい仲間と有意義な大会 法政大 恩田 亮

 新しい顔にたくさん出会えて実に有意義な時間をすごせました。
 何よりも今年は誰も獄中にいないことが喜ばしいことです。2年ぶりの大会を満喫しました。

 新自由主義に絶対反対です 広島大3年 A

 今回初めて全学連大会に参加したのですが、全学連のこれからの方針や目標を聞けたことがとても勉強になりました。
 私自身も大会に出るまでは法政大学の処分撤回運動などについて活動のおおまかな部分しか知らず、関心もいまひとつでしたが、いろいろな人の意見が聞けてすごく熱気と信念を持って権力と闘っていることが伝わってきました。
 特に学生寮の自治をかちとるために闘っていることを聞いて、自分自身はまったく考えもしなかったことだったので感動しました。
 やはり大学で学生が自由に意見を言えて行動できてこそ、これからの日本の未来を明るくすることができると思うから、学生のみならず労働者までも虐げる「新自由主義」に絶対反対です。
 私もこれから微力ではあるけど、大学で学生が少しでも自治権を持つことができるよう皆と一緒に頑張りたい。

 法大処分撤回運動の意義 京都大 G

 法政大学の処分撤回運動の意義は僕の中でさまざまに変化してきました。初めは、もし斎藤君や倉岡さんが友だちだったとしたら、ただ集会を開いただけで処分されるのは許せないよね、ってクラス入りをしてて。
 そのうちに学生が自治をしていたら、当局と非和解になる仕組みがわかってきて、学生のために激しく行動したら処罰されるのは当たり前だと気づいて。だから自治をする人は同じく当局と闘う法大とともに抵抗軍として団結をしようって。
 予算削減、自治破壊の嵐の中、団結しないとつぶされちゃうもん。
 でも今、自治会に所属していなくとも、僕はここにいます。
 旅先で出会うさまざまな人の笑顔をみたいと願う僕たち人間は、今自治をしていない人でも、この署名でつながれるということです。
 なぜならば必ず国と対立するから。(医療、雇用他)
 いや、もう対立してる。未来のための勉強で忙しい。いつか解決するなんて言わないで。
 今まさに学生の未来をかけて国と闘う学生を見捨てて、みんな明日くう飯がうまいかよ!
 僕は最近ご飯がおいしい。

 法大署名貫く強い気持ち B大1年 W

 今回、初めて全学連大会に参加しました。この大会の熱気、それは予想をはるかに上回るものでした。一人ひとりの発言が力強くて、とても心に入りました。
 特に「法大署名を貫く」との言葉には強い気持ちが込められていました。
 多くの同志たちが集まり行われたこの大会の雰囲気は、とても言葉で言い表せるものではありませんでした。そして、この大会の雰囲気をもっと多くの人たちと共有したいという気持ちになりました。
 なにより、本当の「闘い」とは何か、「闘う」とはどういうことか、また「闘う」ことによって初めて何が得られるのかが教えられる大会だったと思います。

 “時代が変わり始めた!” 法政大2年 N

 今回全学連大会に参加してもったのは、”時代が変わり始めた!”という感覚です。
 「運動に興味があるから」といった理由での参加よりも、「世界を変えたい!」と熱く考える学生の結集が明らかに増えています。
 思想的には、ポストモダンが人間を個人に押しとどめ続けてきたというのが世界のこれまでの30年でしたが、明白な危機のもとでそれが役に立たなくなったとき、求められるのはやはりガチさなのでしょう。
 明白な政治性とそこから導かれる路線。時代認識や路線が多少間違っていたとしても問題はありません。何よりも運動に加わっている人間がそれを覆すほどのやる気をもてる組織であることが、何よりもすばらしいことです。

 大きく門戸を開く大会へ! 法政大 大塚暁生

 社会に一矢を投じ切り込むためには、何か自分にとっての憤りを突き詰め理論を練り、次第に突き動かされる力によって行動がなされるのであると考えます。
 しかしそのためには、もとより自分の憤りを知ることから始めなければならず、しかしそういった中で、今、誰が(とりわけ若者が)、何に憤りを覚え、何に向かって行動がなされるのか、その動向を俯瞰(ふかん)して見詰めるまなざしが求められているように思います。
 そういった情勢の中で、自らの中の問題意識を刺激し喚起させる機会の一つとして、大会が機能しているのであれば良いと考えます。多種多様に混在する憤りを、何かしら統合して具体的に行使するための機会として大会が機能していく一方で、またその導入部分、若者の憤りの矛先を知るための機会として、社会には数多の考えを持つ人びとが混在していることを広く受け入れた上で、組織として柔軟なスタンスをとれるような展望と、大きく門戸の開かれた大会としての発展を、今後に強く求めます。

 あいつを11月集会に誘おう 東北大 S

 「全学連?まだそんなもん残ってたのかよ!」
 まったく失礼な! 僕の旧友はしかしきっとシンプルな驚きを口にしたのだろう。彼は今、就活に苦しみ、奨学金の返済に悩んでいる。
 全学連大会が終わって次の晩、相談の電話が僕にかかってきた。彼は言う。「内定なかなかもらえなくって……大学院まで行かせてもらったのに両親にあわす顔がないよ」
 彼は30分ほどしゃべり続けた。僕は、正直ちょっとためらった。でも彼に全学連とその大会の様子を話して聞かせた。彼はそして冒頭の台詞(せりふ)を、とてもうれしそうに言ったのだ。
 「お前には仲間がいるのか……いいなあ」
 僕は「お前の仲間でもあるんだぜ!」と言ってみた。たいして活動家でもない僕がこんなことを言ってもいいのだろうか。けれど大会の熱気が僕を積極的にしていた。
 電話を切ってふと思い出した。「全学連に対する印象がすっかり変わりました!」。初参加者の言葉だ。今、「全学連」が全国の学生とがっちり噛(か)み合い始めたのだ!
 これは大変だ! 世の中がひっくり返るぞ! よし! あいつを11月集会に誘ってみようか。義理人情で資本主義を粉砕してやろうじゃないか!

 現場から生の闘い伝えたい 法政大1年 H

 「修正では袋小路に行きつく」――これが、高校2年のときに出た結論であった。
 では、どう変革するか。これを自分で見つけようという観点から大学で広範な学問的知識を身につけ、多角的な観点から現在を見る――これが「大学に行こう」という動機であった。
 だが、実際に大学に行ってまさに「絶望した!」としか言えなかった。どの教授も修正論しか出さない。教授から一方的に教えられる教育。大学に逆らう者は見せしめとして監視され逮捕され処分される。
 だがこの中で、現在の社会の本質が見えた。”国民を「臣民」化し、何も考えないようにさせて、少数の権力者による支配を徹底させることである”ということをつかみ取った。
 また「現場にいるから」その生々しさが余計に伝わる。この闘いを他に持ち込みたい。
 本質は後になって初めてわかるようになるので、まず、この深刻な事態と若人の可能性を伝えたい、そう思う大会でした。

 世界の学生からメッセージ 全学連国際部

 全学連大会には、今年前半期、連続的にかちとった国際連帯闘争の中で出会った、アメリカ・ブラジル・ドイツの学生から熱いメッセージが寄せられました。
 3月訪米しともに教育ゼネストを闘ったアメリカ・カリフォルニア大学バークレー校のSWATは「あなたがたが今日取り組んでいる課題――ひとつに、菅政権の労働者・学生に対する攻撃への反撃の開始、ふたつに、次なる闘いの巨大な高揚にむけた前進のための学生運動の再組織化は、日本だけでなく国際的な運動の前進にむけた巨大な一歩となるでしょう。世界規模での教育の民営化計画と対決する私たちの国際的な連帯と団結を、引き続き拡大・強化していきましょう」、ブラジルのANELからは熱いハグとともに「私たちは、二つの国際声明を提案したいと思います。これらは私たちの共闘を進歩させ、世界中の国際主義的・階級的な運動を闘う若者を団結させ、今とは違う世界―若者が将来に対する権利を得ることができる世界、資本主義の世界ではなく社会主義の世界―に向かっての闘いを前に進める助けとなるでしょう」とのメッセージ。
 8月に来日し一緒に闘ったドイツのKDR(レーテ・デモクラシーのための委員会)のモニカ、イングリット、ローラの3人も「私たちは、日独国際連帯の礎をしっかりと築きました。みなさんの闘いは私たちの闘いです。すべての国境を越えた団結のために!」とアピール。
 心から通じ合い、ともに勝利に向けて闘い抜く最高の仲間が世界にいる。法大闘争を先頭にした全学連運動は世界とつながっている。本当に感動的です。

 「難民に自由を!」と嵐突き東京入管デモ 東京なんぶユニオン S

 9月8日、台風のまっただ中で品川駅から東京入管収容所に対するデモが闘われました。スリランカ難民を支援する会などでつくった「難民に光を実行委員会」の呼びかけで100人に達するかという大デモが実現したのです。(写真)
 難民申請者に対する収容、再収容・再々収容の攻撃が民主党政権・千葉法務大臣のもとで激しくなっています。長期収容から仮放免された直後にまた収容されるという拷問的事態まで起きています。絶対に許せません。
 午後1時に品川駅に到着すると、すでにたくさんの難民たちが集まっていました。「台風だけど大丈夫だろうか」などと日和ったことを考えていた私は、もうそれだけで自分の甘さを突き付けられる思いでした。
 一瞬やんだ雨は、デモ出発点の芝浦中央公園に移動するころから激しく降り始め、デモが新港南大橋を渡るころには、橋上が5aくらいの水流で川のようでした。「フリーファーザー! フリーマザー! フリーチルドレン!」――黒人女性のコールが響き渡ります。家族全員で来たんだ、と誇らしげに語っていたクルド人一家が先頭にいます。
 東京湾に面した東京入管収容所を周回する時には雨に暴風が加わって、何人もの傘が壊れて吹き飛ばされ、なかなか前に進めません。しかし、難民を始めデモ参加者は、ひるむことなく歩き続けています。まるで、日本で難民が置かれている状況さながらの天候でしたが、東京入管に到着、当局への申し入れ行動も含めて、予定した行動を全部やり抜きました。
 全員が同じようにずぶ濡れになりながら、団結が一層強くなったことを実感しました。
 「今度は11月7日に子どもも一緒に行くから」と難民の方が約束してくれました。

 ギリシャで公共交通民営化に反対しスト 東京 国木田亨

 9月8日、ギリシャの公共交通労働者はパパンドレウ政権が狙うすさまじい首切り民営化攻撃に反対して5時間のストライキを決行した。
 バス、地下鉄、国内外の鉄道が正午から停止し、数百人の労働者が「われわれは売り物ではない!」「ギリシャも売り物ではない!」と叫びながら財務省に向けてデモをした。
 パパンドレウ政権はEUとIMFの指導下で6千人の鉄道労働者の半分の首切り、10%の賃金カット、公営鉄道の48%の売却というすさまじい首切り民営化を狙っている。
 ギリシャの失業率は5月に12%に拡大し、相次ぐ中小企業の倒産や夏の観光産業の季節雇用がなくなる秋にかけて、労働者の雇用状況はますます悪化し、労働者たちはこれ以上の負担には耐えられないと怒りを爆発させている。
 パパンドレウ政権は7日に大規模な内閣改造を行い、いよいよ本格的な緊縮財政攻撃=資本救済と首切り民営化攻撃を開始しようとしている。
 ギリシャ交通労働者のストライキは、緊縮財政攻撃との闘争の最大の核心がやはり民営化攻撃との現場攻防にあることを示している。何より日本の国鉄分割・民営化反対闘争の攻防が世界を貫く階級攻防の最焦点をめぐる闘いであることを突き出す闘いだ。そして7日のフランスの全国ストと一体となり、この秋、ヨーロッパ・世界中に労働者の反撃を大爆発させていく先陣を切る闘いだ。
 民営化攻撃と闘うギリシャ労働者と連帯し、国鉄1047名解雇撤回! 非正規職撤廃の11月労働者集会の大成功を闘いとろう!
(写真 首切り民営化反対でストライキに決起した交通労働者【9月8日 アテネ】)

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週刊『前進』(2456号6面3)(2010/09/20 )

 訂正

 前号1面最下段にある「牛久入管や品川入管では職員の暴行が連続し、『抗議すると1カ月間も半身不随になる強い注射をうたれる。食事に薬を混ぜられる』という暴虐が横行している。在日・滞日労働者と連帯し、入管法・入管体制粉砕をかけて11・7へ大結集しよう」という記述は、事実誤認に基づくものであり、以下のように訂正します。
 「今ほど民族・国籍・国境を越えた労働者の共同闘争が力を発揮する時はない。圧倒的多数が非正規職労働者である在日・滞日外国人労働者との団結こそ、11月労働者集会が掲げる派遣法・非正規職撤廃への道であり、敵の分断支配を打ち砕く闘いだ。横浜APECを見据えた治安弾圧、難民申請者の入管収容所への収容・再収容=退去強制攻撃を強める民主党・連合政権を打倒しよう! 11月1万人の大結集をかちとろう!」

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