ZENSHIN 2010/05/17(No2439 p06)
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週刊『前進』(2439号1面1)(2010/05/17 )
国鉄分割・民営化反対! 1047名解雇撤回!
6・13集会へ大結集運動を
労働者の未来奪う「政治解決」に全産別から怒りの反撃に立とう
国鉄-安保・沖縄闘争で鳩山政権打倒へ
日比谷メーデー“国労闘争団員が闘争継続”訴え 5月1日、全労協の日比谷メーデーで、全国労組交流センターが宣伝活動に立った。国鉄闘争「政治解決」の内容を知らされていない多くの組合員から大きな反響が寄せられた=記事3面
国鉄1047名解雇撤回闘争を貫徹し発展させる新たな大運動の号令が発せられた。労働運動の階級的原則を守り団結を固めよう! 「国鉄闘争の火を消してはならない!」という動労千葉の決意と熱意に応えて結集した呼びかけ人および団体のもとで、4月30日に「国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する新たな全国運動」が発足した。わが革共同は、この全国運動の呼びかけを心から支持しともに闘う。6・13大集会を成功させるために残り1カ月間、全力で闘い抜こう。会場をあふれる大結集で日本労働者階級の戦闘性・階級性をよみがえらせ、歴史的な闘いを宣言しよう。
ギリシャ第6波ゼネスト
最末期帝国主義の絶望的延命形態である新自由主義は総破産し、1929年大恐慌−30年代危機を超える世界大恐慌が激化し、深化・発展している。ギリシャ危機が「第2のリーマン・ショック」として世界を震撼(しんかん)させている。米欧日やIMF(国際通貨基金)が危機感にかられ「ユーロ防衛」に躍起となっているが、ギリシャの財政破綻とデフォルト(債務不履行)の危機は、大恐慌の新たな「爆弾」そのものだ。
これに対しギリシャの労働者は、5月5日に2月以来6度目となるゼネストに立ち上がった。首都アテネでは15万人の激しいデモが爆発した。デモ参加者の大半は、大失業と闘う青年労働者である。国家財政の破綻の責任を、公共部門を始め全労働者に転嫁する攻撃に対し非妥協的な大反撃に決起しているのだ。
このヨーロッパの火薬庫バルカンで始まった内乱的決起は、瞬く間にスペイン、ポルトガル、イタリア、全ヨーロッパにも広がっている。大恐慌下のギリシャのゼネストは、世界の労働者に「出口は革命しかない」ことを提起している。
ギリシャの労働者は、世界大恐慌のただ中でナチスと闘ったレジスタンスの勝利感と、スターリン主義の裏切りへの怒りを呼び覚まして決起している。それは本質的に「万国の労働者は立ち上がれ!」という、世界革命への呼びかけだ。必要なのはまさに革命的指導部と党である。そしてギリシャ労働者の決起は、全世界的な階級的労働運動の復権・再生と、単一の新たな共産主義インターナショナルの建設を切実に求めているのだ。
全国運動に大きな展望が
全労働者の未来を奪う4・26国労臨時大会のおぞましい姿が明らかになっている。民主党の三日月大造や社民党の辻元清美とともに「解決案」を作成した国民新党の自見庄三郎が、来賓あいさつで「中曽根元首相に解決案を見せたところ『よく解決ができたな』『政権交代がよい形で現れた』と褒められた」と発言したのだ。これを臨大はヤジもなく受け入れた。
「国労をつぶし総評を解体し、改憲の地ならしをするために国鉄を分割・民営化した」と公言してきた中曽根の前にはいつくばり、「国鉄改革の完遂」(前原国交相)に突き進むための「解決案」をありがたく押し頂くというのか。この全労働者に敵対する大反動に都労連がいち早く応え、政治解決を「日本労働運動の未来を指し示す」と賛美するコメントを出した。まさに破廉恥の極みと言うしかない。
「国鉄改革の完遂」とは何か。国労を分割・民営化の推進部隊に転向させ、解雇撤回闘争と動労千葉を解体することだ。労働組合の抵抗をすべて根絶し、道州制と民営化で360万人公務員のリストラ・首切りを強行し、憲法改悪をやり遂げるということである。
国鉄分割・民営化攻撃こそ、新自由主義攻撃の突破口だった。労働者に現在襲いかかっている攻撃は、すべて出発点がここにある。それは労働組合を「社会の敵」と言い、労働者に意識改革と思想攻撃を強め、改憲と戦争国家化を狙う攻撃だった。そして地域を破壊し社会をも崩壊させた。
資本の意のままに法律を変え、連合指導部の容認のもとで膨大な労働者を使い捨ての非正規雇用に突き落とした。青年と学生から未来を奪い、すべての労働者に賃下げ、首切り、長時間労働、無権利を強制してきた。
JR職場では、この20年で350人以上の労働者が労災で命を奪われた。尼崎事故は今現在の問題だ。それなのにここで解雇撤回を放棄し、闘いの旗を降ろして、何が「日本労働運動の未来」か。「青年にこんな社会を残してしまっていいのか」という和解案を拒否した国労闘争団員の叫びは、まさに血の叫びだ。
動労千葉は、分割・民営化攻撃に対して2波のストライキを打ち抜いて組合組織と団結を守り、今日まで分割・民営化と闘い続けてきた。1047名の解雇撤回闘争を生み出し、24年間不屈に闘ってきた。この24年間の新自由主義・民営化攻撃との長期強靭(きょうじん)な闘いこそが、中曽根の改憲プランを阻み、自民党支配を打ち倒す力をつくり出したのだ。
動労千葉はまた、JR東日本の検修業務全面外注化の4月1日実施をストを闘い阻止した。大恐慌下で、資本にとって死活的な合理化攻撃を実力で阻んだ。1972年の船橋事故闘争以来つくり上げてきた反合・運転保安闘争こそ、この時代に通用する闘いの路線であることを、動労千葉労働運動は示したのだ。
この路線のもとでこそ、2千万青年労働者、6千万労働者階級を組織できる。ここに全国大運動の展望がある。戦後労働運動の限界を突き破り、大恐慌と対決し、新自由主義と闘う労働運動をつくろう。青年労働者の決起と国労本隊の中から絶対反対派の潮流をつくり出して、1047名解雇撤回闘争の新たな不屈の前進をかちとろう。
安保・沖縄闘争は勝てる
日本革命の火薬庫・沖縄でも歴史的な闘いが巻き起こっている。世界を覆う労働者人民の決起のうねりがついに日本で始まった。この歴史的な闘いのエネルギーを6・13大集会へ注ぎ込もう。
「学ぶにつけ、沖縄の米軍全体が連携して抑止力が維持できているという思いに至った」(鳩山、5月4日)とは何という言い草だ。沖縄人民を、労働者階級をなめるのもいい加減にしろ!
結局、基地と日米安保を容認しろ、沖縄の労働者人民は耐え忍べということではないか。「普天間県外移設」のペテンで沖縄を取り込むことは、結局できなかった。当然である。労働者階級が求めているのは普天間即時閉鎖・新基地建設阻止と日米安保粉砕、鳩山民主党政権打倒だからだ。
その中で破産した姿をあらわにしているのが日本共産党だ。「軍事同盟絶対は時代遅れ」「日米安保条約を廃棄し、日米友好条約を」と言い、世界は平和に向かっていると帝国主義を賛美して、労働者人民の闘いに敵対している。これこそ国鉄闘争の「政治解決」の土台にある時代認識だ。
新たな安保・沖縄闘争は絶対に勝利できる。その根拠は、すでに一度、辺野古海上基地建設を実力闘争で粉砕した勝利である。体制内労組幹部がいかに裏切りに走っても、この地平を揺るがすことはできない。沖縄はすでに「コザ暴動」前夜だ。鳩山には沖縄問題の解決などできない。一切を治安問題として国家暴力で解決するしかない。だがそれは安保・沖縄決戦に火をつけるだけだ。
安保・沖縄闘争が勝利する今ひとつの根拠は、沖縄の基地労働者と青年労働者の存在だ。彼らこそ「島ぐるみ」の大闘争の中軸に座る存在だ。沖縄の階級的矛盾の最も普遍的な姿は労働者の状態にあり、その象徴が基地労働者と青年労働者にほかならないのである。
安保・沖縄闘争と国鉄闘争は一体だ。全国大運動は、70年をも超えて反戦政治闘争を実現する闘いでもある。6・13大集会は、歴史を変える出発点だ。3000人大結集の実現へ奮闘しよう。
動労千葉物販を職場と地域に持ち込み6・13に組織しよう。全国に「動労千葉を支援する会」をつくろう。職場にも街頭にも、闘いと組織化の可能性が圧倒的にある。歴史的チャンスの到来だ。国鉄決戦勝利と労働運動の戦闘的階級的再生へ、全国で6・13大結集運動を巻き起こそう。
公聴会粉砕へ
さらに国鉄―安保・沖縄と一体の闘いとして、鳩山民主党・連合政権と徹底対決し、5・16三里塚闘争に続く5・24公聴会粉砕闘争(要項5面)に全力で決起しよう。
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週刊『前進』(2439号1面2)(2010/05/17 )
“国鉄闘争の火を消すな”
新たな全国運動を呼びかけ
4月30日、14氏・1団体により、「国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する新たな全国運動」の呼びかけが発せられた。全国運動をスタートする6・13大集会へ、職場で地域で仲間を組織して駆けつけよう!
国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する新たな全国運動の呼びかけ
(1)
国鉄分割・民営化から24年、国鉄闘争が重大な局面を迎えています。
4月9日、国鉄1047名問題について、与党3党・公明党と政府の間で「政治決着」の合意が成立し、同12日、国労本部など4者4団体代表が連名で受け入れを表明しました。戦後最大の労働争議といわれる国鉄1047名解雇撤回闘争が大きな岐路に立たされています。
「和解」の動きは、昨年、4者4団体が民主党に白紙委任したことにより、1047名の怒りや要求とは無関係に進められてきました。その内容は、国土交通大臣が「国鉄改革は国民に対して大きな成果をもたらした。国鉄改革の完遂に全力を挙げる」との談話を発表しているとおり、国家的不当労働行為への謝罪も、解雇撤回もなく、いくばくかの金銭と引き替えに国鉄分割・民営化を正当化するものです。しかも、合意文書には「動労千葉を除く」と明記されています。その理由は、動労千葉が1047名解雇撤回、国鉄分割・民営化反対を掲げ闘い続けているからにほかなりません。
動労千葉は、「1047名の人生をかけた闘いが踏みにじられようとしている。23年間の闘いはなんのためだったのか。国鉄分割・民営化との闘いは何ひとつ終わっていない。動労千葉と動労千葉争議団9名にとってすべてはこれからである。国鉄闘争の火を消してはならない。この闘いの勝利の中に労働者と労働組合の未来がかかっている」と訴えています。
私たちは、労働者の権利回復と労働運動の発展を願い、さまざまな立場から国鉄闘争に心を寄せてきました。それゆえに、国鉄分割・民営化反対闘争がこのような形で幕を下ろそうとしていることを危惧し、動労千葉の呼びかけにこたえて声をあげることを決意しました。
(2)
「戦後政治の総決算」を掲げて登場した中曽根首相(当時)は、国鉄分割・民営化について「行革でお座敷を綺麗(きれい)にして立派な憲法を安置する。それがわれわれのコースだ」「国労をつぶし、総評・社会党を解体することを明確に意識してやった」と公言しています。激しい組合破壊攻撃が吹き荒れ、1981年当時24万人を組織していた国労は、民営化までの6年間のうちに4万人に切り崩されました。その過程で20万人の国鉄労働者が職場を追われ、200人が自殺に追い込まれたのです。
国鉄分割・民営化は戦後最大の労働運動解体攻撃でした。そして、ここから今日に至る民営化・規制緩和の大きな流れが始まり、1千万人をこす労働者が非正規雇用、ワーキングプアに突き落とされました。市場原理・競争原理にすべてを委ねることを最善の道とした新自由主義政策は、必然的に激しい労組破壊攻撃を意味するものであり、その最も典型的で暴力的な姿が国鉄分割・民営化だったのです。
こうした攻撃に、30年近くにわたり頑強に抵抗し続けた国鉄労働者の闘いは、日本はもとより国際的にも希有(けう)の存在であり、新自由主義の攻撃に対抗し、労働運動を再建する大きな力を形成するものでした。特に、この攻撃にストライキで立ち向かい、団結を守りぬく動労千葉の闘いは注目に値するものです。また、1047名闘争を中心に全国各地に無数の地域共闘が生まれ、闘いの火を燃やし続けてきたことは、日本の労働運動にとって大きな財産でした。さらに大規模な民営化攻撃が進められようとしている今、「国鉄改革」が正当化され、それに反対する闘いが失われることにより、道州制―360万人首切り・選別再雇用の攻撃など、さらに拍車がかかることが懸念されます。
(3)
国鉄分割・民営化攻撃との闘いは終わっていません。現在のJRの職場では、鉄道のあらゆる業務を外注化することにより、数百の子会社・孫会社に分割し、労働者を強制出向や転籍にかりたてる究極の合理化攻撃が進められています。こんなことを続ければ、第二の尼崎事故に行き着くことは不可避です。動労千葉はこうした現実に対し、「反合・運転保安闘争と、1962年の三河島事故、63年の鶴見事故以来の国鉄労働運動の総括をかけた数年がかりの大闘争に入る。これは新たな分割・民営化反対闘争だ」との闘争宣言を発して闘いを開始しています。
私たちは、以上の趣旨から「国鉄闘争の火を消してはならない」と訴える動労千葉の「4・9声明」に応え、国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する新たな全国運動を呼びかけるものです。
2010年4月30日
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呼びかけ人
伊藤 晃(日本近代史研究者)
入江史郎(スタンダード・ヴァキューム石油自主労 働組合委員長)
宇都宮理(愛媛県職員労働組合委員長)
大野義文(元安芸労働基準監督署長)
大和田幸治(全国金属機械労働組合港合同事務局長)
北原鉱治(三里塚芝山連合空港反対同盟事務局長)
金 元重(韓国労働運動史研究家)
高 英男(全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部副委員長)
鈴木達夫(弁護士・法政大学弾圧裁判弁護団長)
高山俊吉(弁護士・憲法と人権の日弁連をめざす会代表)
中江昌夫(元国鉄動力車労組副委員長)
葉山岳夫(弁護士・動労千葉顧問弁護団長)
山本弘行(動労千葉を支援する会事務局長)
矢山有作(元衆議院議員)
全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部
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国鉄闘争の火を消すな! 国鉄分割・民営化反対!
1047名解雇撤回! 新たな全国運動スタート
6・13大集会
■呼びかけ人からのアピールほか
6月13日(日)正午開場 午後1時開会 東京・文京シビックホール
東京メトロ「後楽園駅」、都営地下鉄「春日駅」下車すぐ、JR「水道橋駅」から徒歩8分
連絡先 国鉄千葉動力車労働組合
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週刊『前進』(2439号1面3)(2010/05/17 )
前進速報版から
▼沖縄米軍基地撤去求め仙台で一日行動▼オバマの移民弾圧にロサンゼルス、シカゴで10万人デモ▼米オークランド教組が全市でスト
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週刊『前進』(2439号2面1)(2010/05/17 )
国鉄闘争の火を消してはならない
6・13大集会に全力で結集しよう
1047名闘争の新たな発展を軸に新自由主義と闘う労働運動を
新たな1047名闘争への突入を宣言した4・24国鉄闘争勝利総決起集会
「国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する新たな全国運動」の呼びかけが発せられた。そのスタートとして、来る6月13日に東京・文京シビックホールで大集会が開かれる。革共同はこの呼びかけを心の底から支持し、闘う労働組合を先頭にすべての闘う労働者人民がこの運動の担い手となり、6・13集会に総結集することを訴える。この運動は国鉄1047名闘争の新たな発展を切り開く闘いであり、日本の労働運動・労働組合の階級的再生をかちとる闘いだ。大恐慌・大失業と戦争の時代に立ち向かい、プロレタリア革命への扉を開く闘いとして全力で勝利をもぎとろう。
国鉄分割・民営化の正当化絶対許すな
この新たな全国運動の巨大な意義は第一に、「国鉄闘争の火を消すな」という、動労千葉を始めとした闘う国鉄労働者の渾身(こんしん)の訴えに応える闘いとして呼びかけられていることにある。
与党3党・公明党と政府が出した4・9「政治解決案」と、国労本部など4者4団体幹部によるその受諾は、絶対に許すことができない。1047名の当該である動労千葉争議団を最初から排除し、4党に事実上の白紙委任をして行われたのが今回の「政治決着」だ。そこには謝罪も解雇撤回もないばかりか、不当労働行為や解雇について「二度と争わない」ことが条件とされている。
しかも国交相の前原は「解決案」発表に伴う談話で、分割・民営化を「国民に大きな成果をもたらした」と全面賛美するとともに、「国鉄改革の完遂」に今後も全力を挙げると宣言した。鉄道業務の外注化・分社化を始めとする一層大規模な首切り・合理化攻撃に突き進む宣言だ。そのためにこそ、いくばくかの金と引き替えに4者4団体に無条件降伏を迫り、国労の完全な御用組合化と国鉄闘争の全面解体を狙ってきているのだ。
国鉄分割・民営化は、20万人の首を切り、労働者とその家族の生活をずたずたに引き裂き、人間的尊厳を踏みにじり、200人以上を自殺に追い込んで強行された、戦後最大の労働組合破壊攻撃だ。これこそ今日に至る労働者階級全体の非正規職化、無権利化、ワーキングプア化の引き金を引いた元凶だ。これを前原の言うとおりに「正しかった」と認めておいて、労働運動など成り立つのか。絶対に否だ!
労働者の誇りにかけ、資本家階級とその政府が分割・民営化でやったことの犯罪性をとことん暴き、全社会の名において今こそ断罪し尽くさなくてはならない。これは国鉄労働者だけではなく、4大産別を始めとする全労働者にとって死活のかかった問題だ。分割・民営化を絶対に認めないという1047名闘争の24年にわたる不屈の継続こそ、日本の労働運動をぎりぎりのところで守り支えてきた最大の拠点だ。この火を消すことは国鉄闘争の解体のみならず、全労働運動の解体・絶滅に道を開くことにほかならない。
すでに、動労千葉は9人の争議団を先頭に、動労千葉を排除して演出されている「政治解決」を徹底弾劾し、分割・民営化絶対反対を組合の総力を挙げて貫き通す新たな戦闘宣言を発している。さらに、国労闘争団の中から国労本部の大裏切りに満身の怒りをたたきつけ、「解決案」を敢然と拒否する歴史的な決起が始まっている。
1047名闘争団・争議団の人生をかけた闘いは、どんな卑劣で暴力的な手段をとろうと圧殺し尽くせるものではない。労働者の怒りを甘く見るな! 全国鉄労働者、闘う全国の労働者の総決起によって4者4団体幹部の恥ずべき総屈服と転向を打ち破り、現場労働者の組合の枠を越えた団結の力で、1047名闘争の革命的再確立と新たな発展を切り開こう。
全職場で反合・運転保安闘争路線貫き
全国運動の決定的意義は第二に、この運動が、新自由主義攻撃と真っ向から対決する労働運動の歴史的登場をかちとる闘いとして呼びかけられている点にある。連合の労働貴族や全労連などの体制内指導部のもとで、日帝資本の悪らつな攻撃のすべてに闘わずして屈服に屈服を重ねてきた労働運動を、国鉄闘争を基軸に根底から階級的に再生していく闘いだ。
80年代の国鉄分割・民営化に始まる規制緩和・民営化と労組破壊の攻撃は、資本主義・帝国主義の最末期の危機と腐敗を決定的に激化し、ついにその全面破産を世界大恐慌として爆発させた。だが資本家階級は、大恐慌下であがけばあがくほど労働者階級への凶暴な新自由主義攻撃に一層のめり込む以外にない。
今や、非正規職化と極限的な労働強化が横行する中で、JRを始めあらゆる職場で事故が激増し、労働者が毎日のように次々と殺されている。さらに、教育も医療も福祉も解体されて資本の金もうけの手段に変質し、社会全体が崩壊のふちに立たされている。この一切が、新自由主義のもたらした結果だ。だがそれだけではない。本来、労働者階級の利益を守って闘うべき労働組合が資本との闘いをことごとく放棄し、むしろ率先して資本の合理化攻撃に協力し、資本の手先に転落してきた結果ではないか。
この現状を打ち破り、労働者が職場生産点で絶対反対の階級的団結を打ち固めて決起すれば、圧倒的な展望が切り開かれる。追いつめられているのは日帝の側だ。闘えば勝てる!
現に動労千葉は、JR東日本による検修業務全面外注化の4月1日実施を5波のストをもって実力で阻止した。動労千葉が実践してきたこの反合理化・運転保安闘争を今こそ全労働者が自らの職場で貫き、闘う労働組合を現場からよみがえらせていく時だ。腐敗し変質した労組幹部をぶっとばし、新自由主義を粉砕する階級的労働運動の巨大な流れをつくりだそう。
沖縄の怒りと結び資本の支配覆そう
この全国運動は第三に、全世界で民営化攻撃と闘う労働者が団結して闘う運動だ。ギリシャと全欧州を先頭に、体制そのものを揺るがす決起がまきおこっている。プロレタリア革命勝利の時代が来ているのだ。新自由主義攻撃を根幹において打ち破り続けてきた国鉄1047名闘争こそ、そのさらなる革命的発展をつくりだしていく決定的位置を持っている。
また、この闘いは同時に、沖縄労働者階級の米軍基地撤去、日米安保粉砕の闘いと結合し、民主党・連合政権打倒、戦争・改憲攻撃粉砕への突破口を開く闘いだ。大失業と戦争の攻撃を労働者階級の団結の力で打ち破り、賃金奴隷制=資本主義社会そのものの転覆へ向かってのぼりつめていく闘いだ。
資本家階級の支配を打倒して、労働者階級こそが全権力を握る時代が来た。労働者階級がその団結の力で全社会を再組織し、人間が本当に人間らしく生きられる社会を自らの手でつくりだす時が来た。その出発点が国鉄決戦勝利のこの全国運動だ。6千万労働者階級、とりわけ2千万青年労働者のすべてに真正面から総決起を呼びかけよう。全力で6・13集会への大結集をかちとろう。
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週刊『前進』(2439号2面2)(2010/05/17 )
“解雇撤回なき「解決」認めぬ”
「和解」拒否した闘争団員の会見(要旨)
4月27〜28日、鉄道運輸機構訴訟原告・秋田闘争団の小玉忠憲さんと鉄建公団訴訟原告・旭川闘争団の成田昭雄さん、同・小倉地区闘争団の羽廣憲さんが、「解決案」を拒否して訴訟を継続するとともに、解雇撤回まで闘い抜く鮮烈な意志を明らかにした。28日に厚生労働省記者クラブで行われた記者会見での3人の発言、記者との質疑応答を紹介します。(編集局)
冒頭発言
不当労働行為を闇に葬る解決案
国労秋田闘争団 鉄道運輸機構訴訟原告 小玉忠憲さん
4者4団体の一部の人たちが「政治解決」を進めていますが、私ども原告に対しては労働組合からも代理人弁護士からも今もって一切説明がありません。4月26日の国労臨時大会の傍聴にも行きましたが、本部の役員などに入場を阻止され、警察力を使って強制的に排除されました。こういう現状が変えられなければ代理人を解任せざるを得ないということで私は昨日、代理人18人全員を解任しました。訴訟を継続して争うつもりです。
国鉄分割・民営化によって旧秋田鉄道管理局では私一人だけが不採用になりました。JR東日本では5千人以上の定員割れだったにもかかわらず本州で七、八十人が選別的に不採用となりました。
これは過去の問題ではありません。いま青年労働者、学生のみなさんが置かれている非正規労働、派遣労働の現実は、国鉄分割・民営化と同時進行で始まりました。私たちの争いは私たちだけの問題ではない。
「解決案」は、不当労働行為については一言も触れられていません。まして謝罪もありません。JRの責任もありません。生活のことを考えますとお金は重要ですが、肝心要なことが何ひとつ触れられないまま、当時の中曽根総理大臣、あるいはJR東日本元会長である松田昌士さん、JR東海会長である葛西敬之さんらの責任が不問にされようとしている。
特に葛西さんについては過日の動労千葉鉄建公団訴訟の中で、採用候補者名簿を直接作成したスタッフの一人であるJR高崎支社長・伊藤嘉道さんが「実は採用名簿にみなさんは載っていたが、87年2月12日の設立委員会直前に、当時の上司であった葛西さんからの指示で削除した」と証言している。ようやく23年かかって事実が明らかになったのに、闇に葬られようとしている。解決案には絶対に同意できないという思いで訴訟を継続することにしました。
(写真 厚生労働省記者クラブで会見に臨む3人の国労闘争団員【4月28日】)
殺された仲間の汚名そそぎたい
国労旭川闘争団 鉄建公団訴訟原告 成田昭雄さん
私は北海道出身です。北海道は雪国ですが、国鉄時代には昼夜を問わず汗水垂らして線路を守ってきました。JRになってからは合理化で要員が減らされ、ホームには人がいない、線路を直す人がいない、修繕・検査をやる人もだんだん減ってきた。外注化で利益優先になり、事故が多発してしまった。
清算事業団や人材活用センターは、出て行っても何もすることはなく、塀のない刑務所みたいなもので、抗議すると「処分する」という脅しを受けてきました。
この問題の「解決案」について、弁護士は決まったことは4者4団体には伝えてきますが、私たちは中身について何ひとつ知らされていない。私たちの手の届かないところで一人歩きしちゃっています。
私は解決案を一切受け付ける気持ちはありません。裁判を取り下ろす気もありませんし、納得できる闘いをしていきたいと思っています。
やはりきちんと原点に戻って約束を守ってもらいたい。謝罪をしてもらいたい。生活がありますからお金が必要ないとは言いません。しかし、汚名を着せられた多くの仲間が死んでいった。200人の仲間が殺されてしまった。あるいは五十何人の仲間が志なかばで死んでいったことを考えると、やはり一番最初に謝ってもらいたい。
私は、この根っ子のところまでしっかり下がって、学生や青年、年金生活者も含めて本当に社会からはじき出されている状況を許せないということがありますから、分割・民営化の根本とは何かを問いながら、謝ってもらうことは謝ってもらって、一日も早い解決を望んでいます。
同じ考えの仲間はたくさんいる
国労小倉地区闘争団 鉄建公団訴訟原告 羽廣憲さん
解雇された時は25歳でした。闘争団をつくり、私は物資販売だけで生活してきました。生活が成り立たない時は、実家に泣きつくなどまでして自分たちの意志は絶対に曲げずにやってきました。そこには「違法なことを労働組合として、一人の人間として絶対に許してはならない」という23年前の原点がずっとあるわけです。
自分たちの目の前で、仲間が組合を脱退していくことが日々起こった。生活に追われ、国労を脱退せざるを得ない。仲間を売ってまで家族や自分の生活を守らなければいけないような実態を23年前に強制した分割・民営化を絶対に許さないとがんばってきた。それが今回の「解決案」には何も入っていない。
私は一貫して「政治解決にはのりません。政治解決で得られる和解金は1円もいりません。私は解雇撤回です」と言ってきました。だから今回もいかなる内容であっても私はのらない。金額が少ないとか多いとかいう問題ではありません。解雇撤回じゃないからのらないんです。
本日のこの会見を終わり次第、私は鉄建公団訴訟の原告ですから弁護人の解任の手続きをとります。国交省は「910人全員に判をもらってこい」と言っているみたいですが、押すことはあり得ないということです。
解雇撤回まで闘うと人生をかけて決意した以上、闘える限りどこまででも続けたい。それが私たち解雇された闘争団員の任務ではないかと思います。
今日は3人ですが私たちと同じ考えの仲間がもっとたくさんいるはずです。「やはり解雇撤回しかない」という方々に私たちの声を届けたいという思いと、こんなところで金をもらってやめていいのかという問題を含めて、今日この場を設けていただきました。
質疑応答
――朝日 JRの責任は最高裁で否定されており、東京高裁判決が解決金の算定根拠になっている。闘い続けても厳しい中、他の原告が現実的な判断をすることを非難できるのでしょうか。
羽廣 私たちはこの闘いを国家的不当労働行為との闘いと位置づけてきました。国家のやった違法行為について裁判所がどんな判決を出そうと、解雇されている事実は23年前から何も変わっていません。人道上の問題以前に、そんな法律が通用するのかということです。私たちには解雇される理由はないですよ。採用通知が来ていないだけですから。私たちは「解雇撤回、元の職場に戻せ」と言っているんです。こんな首切り認めたら、これからどうやって生きていくんですか。こんな解雇を絶対に認めてはいけないんです。
小玉 解決案に応じる原告の方々がいるとすれば私たちはそれを非難するつもりはありません。それぞれの方の判断ですし。ただ「これは納得できない」という私たちになぜ襲いかかってくるのか。組合や代理人弁護士が結論だけを押しつけ「さあ受諾するのかしないのか」と迫るようなことをなんでやってくるのか。私たちが闘いを継続したいということを踏みにじらないでもらいたいということです。
――読売 きちんと連絡があった場合は受け入れるんですか。
小玉 いや受け入れません。
――読売 最終的に不満なのは解決案の内容なわけですね。
小玉 2006年2月16日に1047連絡会が労組の違いを越えて初めて結成されました。その年の4月に国交省に出した統一要求書には「解雇撤回」を明記しています。なぜそこから逸脱するのかということです。このことについていろいろな場で「おかしい」と議論してきたのに、この解決案が出る時点で役員たちがそうした議論の場を設定せず排除する形で今のような状態になっているということです。
――読売 みなさん国労の組合員ですか。
小玉 そうです。
――読売 国労を脱退する考えは。
小玉 ありません。国労の現場の分会から本部に対して「この解決案は納得できない」という決議や意見書が寄せられているそうです。JRに採用された国労組合員は現在も、不当な配置転換を受け、昇給・昇格試験にも一切受からない。私の秋田管内でJRに採用された電気技術者がいますが、彼は今も草むしりです。冬は除雪作業。そして無人駅の清掃、窓ふき。23年ですよ。絶対に元の職場に戻さない。国労であり活動家だったからです。そういう問題が何の解決もないままに葬り去られてしまうのではないかと現場が受けとめているんです。
――朝日 迷いは。
小玉 私も含めてみなさん迷いはあるんじゃないでしょうか。訴訟ということもありますが、私は基本的には労働組合ですから労働運動の力で勝負をするのが基本だと思っています。仮に裁判でいい結果が出なくても、私はそれで絶望するという考え方ではありません。26日の国労臨時大会当日も夕方から集会があり、私たちを支援してくれる方が400人集まりました。そういう方々がおりますので、やれるところまでやっていきたいと考えています。
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週刊『前進』(2439号2面3)(2010/05/17 )
追悼式で労働者が殺された!
過労死の責任はJR西に
尼崎事故に絡み、JR西日本は労働者の命をまたも奪った。05年の尼崎事故からちょうど5年目の4月25日、JR西日本主催の「福知山線列車事故追悼慰霊式」に動員されていたJR西日本・大阪電気工事事務所所属の51歳の労働者が、過労死に追い込まれた。この労働者は、追悼式の会場となった尼崎市総合文化センター地下1階トイレで倒れているところを同僚に発見されたが、すでに死亡していたという。
亡くなった労働者は、この日、朝から「体がしんどい」と周囲に漏らしていたが、被害者対応に当たらされた。JR西日本は、事故列車の運転士に続き、尼崎事故で労働者を二度、殺したのだ。
その一切の責任は、労働者に「犠牲者への懺悔(ざんげ)」を強い、尼崎事故を労務管理の手段として徹底的に利用してきたJR西日本にある。
JR西日本の経営陣は、尼崎事故に対する反省のかけらもなく、事故調査委員会の報告書の改ざん策動を繰り返した。井手、南谷、垣内、山崎の歴代4社長が起訴されると、佐々木社長ら現経営陣は、これによって尼崎事故問題のくびきを逃れ、一層の合理化に打って出ようと策している。
体制内労組幹部にも、労働者を過労死に追いつめた責任がある。JR連合・西労組、国労西日本エリア本部、建交労、JR総連・西労ら既成の労組幹部は、今回の事態に抗議の声一つ上げていない。彼らは、尼崎事故の責任を現場労働者になすりつけるJR西日本と一体となって労働者を「懺悔」の運動に駆り立てるとともに、合理化にも率先協力してきたのだ。
安全崩壊させたJR体制打倒へ
この日、動労千葉−動労総連合や国労5・27臨大闘争弾圧被告団を先頭とする闘う国鉄労働者は、全国から結集した480人の労働者・学生とともに尼崎事故弾劾の集会とデモに決起した。
この闘いは同時に、1047名闘争を最後的に圧殺し、国労に「国鉄改革完遂」の先兵となることを強要する政府「解決案」と、これを受け入れた国労本部ら4者4団体幹部を徹底弾劾する闘いとして打ち抜かれた。
1047名闘争圧殺の攻撃は、JR本体の労働者をJR資本のもとにがんじがらめに縛り付けようとするものでもある。
だが、JR東日本の検修業務外注化4月実施を阻止した動労千葉の闘いの勝利の上に、新たな全国運動が呼びかけられた。6・13大集会の圧倒的な成功を突破口に、安全を根底から崩壊させ、労働者に事故死、過労死を強い続けるJR体制打倒へ突き進もう。
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週刊『前進』(2439号3面1)(2010/05/17 )
屈辱的な「解決案」断固拒否を
「国鉄改革完遂」の先兵となり改憲攻撃に加担する国労本部
4・26国労臨大が示したものは何か
4月26日の国労臨時大会で国労本部は、4月9日に政府が示した「国鉄改革1047名問題の解決案」を受け入れた。彼らは1047名闘争を最後的に圧殺しただけでなく、「国鉄改革完遂」の先兵となることを政府・JR資本に誓ったのだ。これは、戦後労働運動の歴史を画する重大な事態だ。だが、この大反動に抗して、「国鉄分割・民営化に反対し、1047名の解雇撤回闘争を支援する全国運動」が提起され、6・13大集会が呼びかけられた。これは、国鉄闘争を新たな段階に押し上げる決定的な闘いだ。国労本部が臨大で政府「解決案」の受け入れを決定しようが、1047名闘争はけっして終わらない。解雇撤回を貫く新たな闘いの力強い登場は、労働運動全体を革命的に塗り替えるチャンスの到来を示している。
(写真 4月26日の国労臨時大会を徹底弾劾し、会場の社会文化会館前で抗議する国労組合員ら)
雇用・年金ゼロ受け入れ生活援助金・物販も停止
4月26日の国労臨大を前後して、国労本部や鉄建公団訴訟原告団幹部らは、闘争団員に対し、政府が示した解決条件のすべてを受け入れたと表明させる承諾書の提出を迫った。これは国鉄分割・民営化に反対して闘ってきた闘争団の人生そのものを否定させ、権力と資本の奴隷となることを誓わせる許し難い攻撃だ。
さらに国労本部は、闘争団への生活援助金の支給停止と、物販会社「アルバ」の解散方針を決定した。ついに国労本部は、闘争団の糧道を断つ暴挙に踏み込んだのだ。
政府「解決案」には、「不当労働行為や雇用の存在を二度と争わないこと。したがって、今回の解決金は最終のものであり、今後一切の金銭その他の経済的支援措置は行われないこと」「JRによる採用を強制することはできないことから、人数等が希望どおり採用されることは保証できないこと」と記されている。
雇用と年金はゼロ、解決金も鉄建公団訴訟判決で示された「慰謝料」に涙金をプラスしただけの「解決」を押しつけられ、加えて生活援助金も物販も打ち切られたら、闘争団はどうして生きていくことができるのか。
4者4団体幹部は今なお「JRを中心とした雇用を獲得する」などとうそぶくが、「不当労働行為や雇用の存在を二度と争わない」と敵階級に誓った彼らは、もはや雇用を政府やJRに哀願することさえできない立場に追い込まれている。
国労本部は、闘争団員を大恐慌下で路頭に迷わせるとともに、その組合員資格さえ剥奪(はくだつ)して、単一体としての国労を解体し、JR連合に合流する反動的もくろみをあらわにした。臨大方針に言う「JR産別の企業内組合として社会的責務を自覚した未来志向の国労運動」とは、そういう意味だ。
こんな「解決」に心底納得している闘争団員・国労組合員は一人もいない。すでに、3人の国労闘争団員が「解決案」を拒否し、解雇撤回まで闘う姿勢を公にした。これに続き、屈辱的「解決案」を受け入れた4者4団体幹部への闘争団員・国労組合員のすさまじい怒りは必ず爆発する。
中曽根が「解決案」絶賛 こんなものに従えるか
4・9政府「解決案」の提示とともに、国交相の前原誠司は、「国鉄改革は、国民に対して大きな成果をもたらした」「国鉄改革には……未解決の課題が残されています」「国鉄改革の完遂に全力を挙げてまいります」という談話を出した。「解決案」を受諾した以上、国労は「国鉄改革完遂」の先兵になれと叫びたてたのだ。
これは、4者4団体幹部が一切の闘いを放棄し、組合員の抵抗を抑圧して、すべてを与党3党と公明党に「白紙委任」してきたことの当然の結果だ。それが、闘争団と国労組合員の誇りを泥靴で踏みにじるような、屈辱的「解決案」を引き出したのだ。
4者4団体幹部が「白紙委任」した4党代表者のうち、国民新党幹事長の自見庄三郎は中曽根康弘直系の極反動だ。4者4団体幹部は、1047名の命運を国鉄分割・民営化の張本人である中曽根にゆだねたのだ。
国労臨大で自見は「4日前に中曽根元首相と会い、今回の『解決案』を見せたところ、『よく解決できたな』『政権交代がよい形で現れた』と喜んでおりました」といけしゃあしゃあと発言した。こんな人物の「来賓あいさつ」を、代議員はヤジ一つ飛ばさず拝聴したのだ。ここにこの臨大の異様さが現れている。
国鉄分割・民営化を前に、中曽根は「行革でお座敷をきれいにして立派な憲法を安置する」と言い放った。その後も「国労が崩壊すれば総評が崩壊することを明確に意識して国鉄改革をやった」と繰り返し述べている。
これに国労本部は最後的に屈服し、「国鉄改革完遂」を突破口に改憲に突き進むという敵階級の野望に道を開いたのだ。
今、大恐慌のただ中で、ギリシャを始め全世界で労働者階級の闘いが巻き起こっている。米軍基地撤去を求める沖縄の労働者人民の闘いは、民主党・連合政権と激突して貫かれている。この闘いに、国労本部ら4者4団体幹部は敵の先兵となって襲いかかったのだ。
100万の支援陣形へ獲得戦に打って出よう
1047名闘争の行方は、100万人といわれる国鉄闘争支援陣形を始め、労働者階級全体の命運を決める位置にある。
国労臨大直後の4月28日、都労連執行部は「JR不採用問題解決に向けた都労連コメント」を出し、「長期の闘いの中では、多くの困難もあったが、『4者・4団体』として団結して闘ってきたことが、政府の責任で『政治解決』の扉を開けさせることができた。このことは多くの争議を闘う仲間に勇気と激励をあたえ、日本労働運動の未来を指し示すものである」と表明した。
これは、雇用ゼロで闘争団を切り捨て、国労に「国鉄改革完遂」の先兵となることを誓わせた今回の「解決案」を「勝利」と言いくるめるとんでもないペテンだ。断じて許せないのは、「4者4団体の団結」が「政治解決の扉を開いた」としていることだ。4者4団体はそもそも、解雇撤回の原則を貫く動労千葉争議団を排除することによって結成された。だから4者4団体は解雇撤回の原則を平然と投げ捨て、政府やJRと自ら対決することも一切せず、ついにはすべてを4党に「白紙委任」した。その結果が今回の「解決案」だ。
都労連執行部は、そのすべてが正しかったと強弁している。彼らは、民主党・連合政権のもとでますます激化する道州制導入−公務員労働者360万人解雇攻撃に屈服し、民営化の先兵となる道を選択したのだ。
これは、戦後労働運動の絶滅を狙う支配階級に呼応した、ただならない転向と投降だ。国労本部の裏切りが、こうした事態を促進しているのだ。
だが、既成労組幹部のこの裏切りに対し、傘下組合員の怒りが噴出しないわけがない。100万国鉄闘争支援陣形に分け入り、獲得する闘いに打って出る時が到来した。その武器は動労千葉物販、NIPPO物販だ。
6・13大結集で勝利の展望開け
新たに呼びかけられた「国鉄分割・民営化に反対し、1047名の解雇撤回闘争を支援する全国運動」は、敵階級と4者4団体幹部による国鉄闘争解体攻撃を打ち破り、労働運動全体を革命的に塗り替える闘いだ。
この闘いの根底には、JR東日本の検修業務外注化4月実施を阻んだ動労千葉の勝利がある。また、運転士登用差別を打ち破り、ハンドルを取り戻した動労水戸の勝利、暴力行為等処罰法を打ち砕いた国労5・27臨大闘争弾圧被告団の勝利がある。団結して闘えば、労働者は勝つことができる。今やJRの青年労働者の怒りは噴き出し、JR体制は安全を崩壊させながら破産をさらけ出している。JR資本との徹底対決を貫けば、1047名の解雇を撤回させることはできるのだ。
24年に及ぶ1047名闘争が屈辱的「解決案」で終わることなどあり得ない。勝利の展望が示されれば、闘争団と国労組合員は絶対に決起する。新たな全国運動は、闘争団・争議団とJR本体の分断を打ち破り、勝利の展望を指し示す闘いだ。
6・13大集会に結集し分割・民営化絶対反対・解雇撤回を貫く1047名闘争の鮮烈な登場を敵階級にたたきつけよう。
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週刊『前進』(2439号3面2)(2010/05/17 )
「公務員庁」設置を許すな
賃金2割削減へ「労使合意」狙う
民主党は4月22日、参院選マニフェスト(政権公約)原案に「公務員庁」設置方針を盛り込んだ。4月9日の国鉄1047名問題「解決案」に続く公務員労働運動解体のための新たな攻撃だ。
民主党はマニフェストを5月末に完成させ、来年の通常国会に公務員庁関連法案を提出しようとしている。公務員庁と労組の交渉で労使合意・協定を結び、国家公務員の総人件費2割削減のマニフェストを貫徹することが直接の狙いだ。
さらに自治労、日教組など公務員労働運動を最後的に解体・変質させ、戦争・改憲、道州制(地域主権)、東アジア共同体の先兵に仕立てようとしている。だがこれらは連合の協力なしにはできない。
国鉄分割・民営化反対、1047名解雇撤回の新たな大運動、安保・沖縄闘争、反合・安全闘争を軸とする職場闘争の爆発で動労千葉派が連合から労働運動の主導権を奪い、鳩山民主党・連合政権を打倒しよう。公務員庁設置、道州制・民営化、公務員360万人首切りを粉砕しよう。
地域主権改革と360万人解雇
鳩山民主党・連合政権は現在、地域主権改革(道州制導入)・公務員360万人首切りに向かって地域主権戦略会議を開くとともに地域主権改革関連法案、公務員制度改革関連法案を国会で審議している。公務員の労働基本権の回復(一部)については「2011年6月までに法案を準備できるよう努力する」と4月6日に仙谷国家戦略相が述べた。独立行政法人を対象とする事業仕分け第2弾も行われた。国の出先機関を全廃して地方に移管することを前提に、来年の国家公務員の新規募集を半分にする方針も決められた。
他方、国の監督・指導のもと泉佐野市など21の早期財政健全化団体が財政健全化計画を実行に移し始め、公務員・住民負担増、公務員人件費削減、労組破壊の攻撃を強めている。
このなかで公務員庁設置方針が打ち出された。公務員庁は、国家公務員幹部職員人事を一元管理する内閣人事局とは別に内閣に置かれる。現在、定員管理を行っている総務、財務の両省の一部を統合し、給与・手当・退職金の規定などを見直すとともに、担当大臣と労組が交渉当事者となる。
人事院が廃止され、公務員庁が設置されると、担当大臣と労働組合の直接交渉で賃金(基本給、手当、年金)が決まることになる。人事院の仕事は公務員共通の研修や官民の給与比較の研究などの分野に限定される。
民主党は昨年の衆院選で「非現業」の公務員に労働基本権のうち争議(スト)権と団体交渉権の一部である協約締結権を付与することを公約に掲げる一方で、国家公務員の総人件費の2割削減を打ち出した。それを公務員庁設置による労使交渉をとおして実現しようとしているのだ。つまり労働基本権回復と引き換えに公務員賃金大幅引き下げ、360万人首切りの道州制(地域主権)を労使合意の名で労働者にのませるということだ。
すでに自治労本部は、民主党・連合政権を支え国・自治体財政を健全化するために組合員=公務員労働者は賃下げ・首切りをのんで協力しろと迫っている。昨年の熊本大会で自治労は労働者階級の生活と権利、利益を守り要求する労働組合であることをやめ「公共サービス」の提供をとおして「社会的責任」を果たす団体に転換することを宣言した。その前の5月には2割削減の標準的公務員給与表を提案した。それを作った自治労労働局長・江崎孝が参院選の自治労組織内候補だ。ブルジョアジーの側に階級移行し、鳩山民主党政権の反動諸政策を組合権力を使って労働者に押しつける自治労本部を打倒しなければならない。
職場闘争復権し自治労本部倒せ
ギリシャの公務員労組をはじめとるす労働者は今年5回のゼネストに決起し、パパンドレウ社民政権の公務員賃金・人員削減、年金削減、増税などの緊縮財政策に実力で対決している。米カリフォルニア州の労働者・学生も財政破綻を理由にしたシュワルツェネッガー知事の公務員・教育労働者大量首切り・賃下げ、学費大幅値上げの攻撃に100万人の3・4教育ゼネストをたたきつけた。なぜ汚職と腐敗にまみれた資本家政府がつくった財政破綻のつけを労働者は払わなければならないのか、と怒りを爆発させている。ここには反戦と祖国敗北主義=プロレタリア国際主義の精神が流れている。
「財政再建」を理由に民営化・外注化、公務員賃金2割削減、非正規職化など、労働者を犠牲にして帝国主義の延命を図る鳩山・民主党政権を国鉄大運動と沖縄決戦の爆発で打倒しよう。国鉄1047名問題「解決案」と同様、公務員人件費2割削減のための公務員庁設置に心から賛成する公務員労働者などいない。公務員攻撃の先兵に成り下がった自治労・自治労連本部打倒へ、6・13大集会に結集し、階級的労働運動で席巻しよう。
(写真 東京地公労メーデーで沖縄闘争と国鉄闘争大運動を訴え【4月29日 明治公園】)
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週刊『前進』(2439号3面3)(2010/05/17 )
全労協メーデー “訴訟取り下げ拒否”訴え
闘争継続宣言に共感
5月1日、全労協の日比谷野音メーデーに東京労組交流センター、全学連の仲間20人でビラまきを行った。野音入り口のスロープで「1047名解雇撤回」などの横断幕とのぼりを立て、国労闘争団の3人が政府和解案を拒否した記者会見を報じるビラなど3種類、約5千枚をまききった。国労本部は4・26臨時大会で政府案丸のみだけでなく「企業内組合化」を決め、国労組織、闘争団・支援組織の解散に走ろうとしている。組合員や支援者にはほとんど知らされていない。マスコミの「ついに解決」報道だけが走っている状況だ。
そこに「闘争団3人が闘争継続を宣言」「訴訟取り下げ拒否」のビラが手渡された。「国労闘争団員が政府和解を拒否しました」「1047名解雇撤回の大運動を」などのかけ声に大半の参加者が一瞬驚き、手をさし出して受け取った。引き返してきて「仲間と読むから10枚くれ」と要請する参加者も多数いた。
会場内では国労共闘の仲間が国労組合員に直接ビラを配ると、全員が食い入るようにビラを読んでいた。解決案を絶賛する都労連の武藤委員長の発言は異様だ。「政府案の受諾」を勝利として受けとめる者はだれ一人いない。みなJRの謝罪、解雇撤回を求めて闘ってきたのだ。政府解決案の居丈高な組合破壊の内容を知れば、解雇撤回を貫く闘いが圧倒的な支持を得ることは確実だ。
国鉄分割・民営化反対、1047名解雇撤回の新たな全国大運動で、現場組合員・支援者の獲得と決起はまったく可能だと感じた。(T)
(写真 闘争団3人の和解拒否宣言は大きな反響を呼んだ【5月1日 日比谷野音】)
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週刊『前進』(2439号3面4)(2010/05/17 )
連合メーデー 鳩山政権支える連合
「民営化」「地域主権」に怒り
4月29日に東京・代々木公園で開かれた連合中央メーデーは、民主党・連合政権の危機性と反動性、それに対する労働者階級の底深い怒りを鮮明にするものとなった。
(写真 労働者の敵=鳩山政権の打倒を3万人の参加者に訴え【4月29日 代々木公園】)
昨年9月の民主党・連合政権の成立後の初めてのメーデーということもあり、鳩山首相、平野官房長官、長妻厚労相や政府の官僚ども、民主党、社民党、国民新党の代表がこぞって参加し、口々に昨年総選挙への礼を述べ、7月参議院選挙への協力を訴えた。
2001年、当時の小泉首相が出席して以来、現政権の首相が連合メーデーに参加するのは9年ぶりだが、首相と官房長官がそろって参加するのは異例である。連合の支持・協力抜きに政権が成立しない鳩山政権の脆弱(ぜいじゃく)性を鋭く示している。
目立ったのは結集人数の減少だ。連合はメーデーへの動員を増やすためと称して2001年以降、メーデー本来の開催日である5月1日開催を放棄し、ゴールデンウイーク最初の休日である4月29日や土曜開催としてきた。だがこの10年間で最低の約3万3千人しか集められなかった。政権母体になったにもかかわらずこの減少ぶりは、労働者の民主党・連合政権への根深い不信と怒りを表している。
一方で、結集デモを闘った自治体の労働者たちは口々に「憲法改悪反対」「普天間基地の県内移設は許さないぞ」「労働者の使い捨ては許さないぞ」と叫び、指導部の裏切りを突き抜けて闘う意欲が広範に存在することを示した。
社保庁解体で大量首切りを行った長妻厚労相とともに登壇した鳩山首相は、「第2弾の事業仕分けが始まりました」「民間のみなさんができることはすべて民間のみなさんにやっていただける世の中にする」「むしろ地域主権の世の中にすることで、日本国中にある大きな無駄遣いを結果として一掃する」などと発言し、自民党政権時代の規制緩和の路線を継承・拡大し、公務員首切りと大幅賃下げ、民営化と労組破壊、外注化・非正規化の事業仕分け、「地域主権」=道州制攻撃の断行をぶち上げた。
古賀連合会長は最初のあいさつで、「昨年9月政権交代、私たちも応援団の一員として最大限努力した」と発言、ブルジョア政党・民主党の支持勢力であることをアピールし、「6月には新成長戦略や中期財政フレームが発表され、ようやく国づくりの姿が明らかになる」などと、国家財政破綻の中で消費大増税を打ち出すことになる「新成長戦略」を全面賛美するありさまであった。
その上で、「社会の変革はようやく始まったところ。この流れをけっして止めてはなりません。確固たる政権基盤を築くには7月に予定されている参議院選挙がきわめて重要。その勝利に向け、連合も一丸となり最大限の力を発揮することをこの場で誓い合いたい」と、臆面もなく述べた。
沖縄基地問題や金権腐敗問題で鳩山民主党・連合政権への労働者階級の怒りが沸騰しているにもかかわらず、いやそれだからこそ労働者階級の怒りを圧殺し、参議院選挙に全面協力することを誓ったのだ。
福島社民党党首は、許しがたいことにメーデーに結集する労働者への宣伝カー上でのアピールで、「社民党の努力もあって国鉄1047名闘争は解決しました」などと発言した。
国鉄1047名闘争圧殺の「解決案」作成の張本人のひとりである自見国民新党幹事長は、国民新党亀井が唱える郵政非正規10万人正規職化が選別再雇用でしかないことを自己暴露した。
連合は国鉄分割・民営化による総評解体攻撃の結果生まれた。その連合が大恐慌時代、革命が問題になる時代に資本主義社会の最後の支柱となっており、連合の周りに国鉄1047名闘争解体の張本人どもが結集している。そして民主党・連合政権への労働者階級の怒りもまた鮮明となった。今こそ国鉄決戦を基軸に連合中央を打倒し、11月集会派が日本労働運動の主軸に躍り出よう。
(写真は壇上で握手する古賀会長〈左〉と鳩山首相)
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週刊『前進』(2439号4面1)(2010/05/17 )
大恐慌と対決する学生運動
4月新歓-5月沖縄の地平から強大なマル学同の組織建設へ
革共同中央学生組織委員会
法大を先頭とした全国大学キャンパスにおける新歓闘争は、4・23法大闘争の成功を頂点に勝利的に打ち抜かれた。そして、5月沖縄闘争が沖縄労働者・学生の根底的怒りと結合しながら闘われた。世界大恐慌が深化し、国鉄闘争と安保・沖縄闘争が最大激突攻防となって鳩山政権打倒へと上りつめようとする中、この闘いと一体で学生運動の歴史的復権を目指して立ち上がろう。6・13国鉄集会への大結集を実現し、強大なマルクス主義学生同盟・中核派を建設しよう。
(写真 “法大解放”を掲げ250人が決起した4・23闘争)
新段階に突入した法大闘争
日本帝国主義国家権力および法大資本と真正面から闘ってかちとった法大4月新歓闘争と4・23集会は、歴史的な勝利を実現した。全国学生が結集し、労働者階級との団結をさらに固め、法大新入生の決起を敵にたたきつけた。「06年3・14弾圧以来の4年間の大激闘に勝ち抜いて、ついに法大闘争と全国学生運動の全面的爆発の可能性をつかみとった!」。われわれは確信をもってこう断言できる。
大量逮捕−起訴、暴処法弾圧、そして入試ビラまきに対する「営業権」を掲げての逮捕。あらゆる反動をはね返し、資本・権力が一体となった暴力支配という厚い岩盤をぶち破った。悪質デマキャンペーンや学生証チェックなどあらゆる攻撃があろうとも、法大生と新入生は必ず怒りに燃えて立ち上がり、キャンパスを実力で取り戻す闘いに決起するという現実性を示した。これこそが、08年5月にたった3人の命がけのキャンパス内決起から始まった文化連盟の存在の普遍性であり革命性だ。
数人から始まった新入生の決起に対して、そして学生証チェック弾劾のクラス決議に対して、顔面蒼白(そうはく)になって4月23日にキャンパス全面封鎖と機動隊導入に踏みきった増田総長体制のぶざまな姿を見よ。絶対に正義を譲らない一人の決起が、そして文化連盟の存在が、一見強大に見える法大資本をグラグラに揺さぶり、反動的本性を暴き出し、それが法大生の意識の流動化と分岐と結集を生み出し始めている。
もうこのうねりは止められない。法大解放は法大生の団結と行動によってのみかちとられる。われわれは、組織拡大の力によってのみ、攻撃をはね返し闘いを前進させられることを4月の闘いの中で確信した。法大闘争は新歓闘争の勝利をもって、文化連盟の発展を軸にした3万法大生の総決起とキャンパス支配権の奪還をかちとるまったく新たな段階へ突入する。それは、新自由主義大学に対する反乱として全国大学へ拡大する。
さらに4・23法大闘争は、4月25日の米軍新基地建設絶対阻止の沖縄10万人決起−5・15沖縄闘争、そして4月26日の国労臨時大会における1047名解雇撤回闘争解体策動に対する動労千葉と国労内絶対反対派の決起とも一体で闘い抜かれた。共通の敵である新自由主義とブルジョア支配に反撃し、全国学生は沖縄と国鉄決戦を相乗的に闘い、勝利者として5〜6月決戦に乗り込んだ。
広がる“教育の民営化粉砕”
1〜4月攻防によってつかみとった路線的核心について提起したい。
第一に、「営業権」に対する激しい怒りと批判の中から、新自由主義大学における資本の学生支配と真っ向から対決するスローガンとしての「教育の民営化粉砕!」をつくり出し、それが闘いの経験をとおして大衆的確信と行動へと発展していこうとしていることだ。
「立て看板とビラまきを、自由にできるか否かを争っているわけですが、でかい話をすれば資本主義と争っているわけです」(本紙2433号新入生歓迎号座談会、文化連盟委員長・斎藤郁真君)。これが法大闘争を最前線で闘う学生全員が、闘いの中でつかんだことだ。動労千葉の反合理化・運転保安闘争は、@資本との絶対非和解性を現場に貫き、A安全問題をとおした反合闘争で職場支配権を確立することによって組合員の圧倒的な階級意識と団結を形成する革命的なものである。われわれはこの闘いに学び、学生戦線で、教育破壊に対する絶対反対闘争の中から資本との激突にのぼりつめ、広範な団結と行動を生み出していく水路をこじ開けつつある。
新自由主義大学の許しがたい現状への怒りは高まっている。私立大学生の保護者は、実に収入の3分の1を「教育費用」として資本に吸い取られている。法人化された国立大学では、施設管理業務や図書館業務を突破口として、「民間活用」という名の外注化・合理化が襲いかかっている。自治寮への廃寮化(民営化)攻撃も次元を画して始まっている。この怒りを今こそ一つの路線へと束ね上げるときだ。
さらに、3月カリフォルニア教育ゼネストに合流した訪米闘争でも明らかなように、「教育の民営化粉砕!」は全世界で噴き上がる学生の怒りの中心的内容でもあり、国際的団結の形成の核にある。「教育の民営化粉砕!」を、どこまでも大衆的で革命的なスローガンとして発展させることが2010年決戦の最大課題だ。「われわれは、あらゆる改良主義思想が生みだす分断を峻拒(しゅんきょ)し、現代世界の根底的対象化=批判にもとづく変革をかちとるものとして、『教育の民営化粉砕!』を提起する。これこそ、学生運動の歴史を塗り替える国際的団結を生みだすものとなる」(『共産主義者』164号、中央学生組織委員会論文)。
第二に、法大処分撤回の闘いが求心力を持ち、学生自治の復権の核心的内容となっていることだ。法大4月新歓闘争は、3月末の斎藤委員長への「退学処分」、倉岡雅美さんへの「停学1年処分」への怒りをバネに日々署名運動を拡大していった。処分は学生支配のための恫喝であるが、逆に処分によってしか決起を抑えられず、処分をのりこえて学生が立ち上がり始めたときに他に抑え込む手段を持たない敵の破綻点でもある。ここに勝利を切り開く突破口がある。処分粉砕闘争の中から学生自治の原点がよみがえり、当局支配の不正義性の徹底的暴露の中からのみ、大衆的信頼が獲得されキャンパス支配権が形成される。法大闘争の不屈性は、まさにこの処分粉砕闘争から生まれているのだ。
第三に、法大攻防と一体で、安保・沖縄闘争を最先頭で闘う全学連運動として飛躍しようとしていることだ。法大闘争に対する最大の「援軍」として、4・25沖縄10万人決起はあった。4月決戦を打ち抜いた法大生は、自らの闘いとして5月沖縄現地闘争に結集した。
大恐慌が生み出すものは、「戦争と大失業」だ。帝国主義戦争に絶対反対の立場を貫き、反戦・反核・反基地・反安保を闘い抜く中から、革命的な階級意識が生み出されていく。70年安保・沖縄闘争においてわれわれは、全学連と反戦青年委員会運動の大衆的爆発を基礎にして、大学闘争と職場闘争を「米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」の街頭政治闘争として爆発させ、スターリン主義と社会民主主義の限界性をのりこえ日本帝国主義の存立基盤を揺さぶった。世界大恐慌に対して階級的団結を復権させてきたわれわれは、70年闘争を数倍数十倍する巨大な闘いを実現していく可能性を手にしている。学生運動はその最先頭に立とう。
総じて、われわれは本年初頭において新自由主義−世界大恐慌と対決する革命的学生運動の可能性をつかみとり、端緒的に物質化してきた。300万学生の本格的獲得と総反乱に向かって、さらに路線を磨きあげ、大衆的宣伝・扇動を武器にして闘いを推し進めよう。
国鉄と安保・沖縄を闘おう
学生戦線の5〜6月決戦方針は鮮明だ。動労千葉をはじめとした陣形が呼びかける国鉄1047名解雇撤回闘争の新たな全国大運動に合流し、6・13大集会の成功の一翼を青年労働者とともに担おう。民主党・連合政権を打倒し、労働者権力を目指す階級的労働運動とともに進む学生運動へ挑戦しよう。
6・13大集会への全国学生の結集は、帝国主義戦争を阻止し、改憲・道州制攻撃を粉砕する立場からも決定的だ。かつて国鉄分割・民営化攻撃の旗を振った中曽根元首相は、「行政改革とは精神革命であり、国家改造計画だ。滅私奉公の精神、『私』は捨てて『公』のために尽くす人間への意識改革、これを軸に据えないコスト削減だけではダメ」、「行政改革の次は教育改革。それによってお座敷をきれいにして、立派な憲法を床の間に安置する」と叫び、国鉄労働運動の解体と日本プロレタリアートの階級意識の解体の中から、侵略帝国主義への飛躍をもくろんだ。しかしその策動を、動労千葉のストライキ決起と1047名解雇撤回闘争の不屈の継続によって挫折させ続けてきた。「戦争と大失業」の時代を切り裂く最大の対決軸として国鉄闘争を発展させよう。
その上で一つに、処分撤回闘争を軸に法大闘争をさらに全国大学キャンパスへ、世界へと拡大していくことだ。とりわけ、処分撤回闘争をとおして、学生支配の御用機関であるCSK(サークル支援機構)の裏切りを暴き、CSKのもとにいる法大生を丸ごと文化連盟に獲得しよう。結成以来2年、「営業権」と「施設管理権」のもとに屈服し、サークル活動も大学祭も自治も売り渡してきたCSKはもはや法大生にとっての妨害物でしかないことが日に日に明らかになっている。「法大当局と友好的に交渉すれば何がしかの権利やカネを獲得できる」などというペテンは破産し、当局決定を「法大生の自主的決定」の名のもとに押しつけていくための支配機構に成り下がっている。資本や当局との非和解性を否定し、ずるずると屈服と裏切りに手を染めるそのあり方は、国労本部や4者4団体と一体何が違うというのか。4・23集会を打ち抜いた今こそ、文化連盟の組織拡大のチャンスだ。
学生寮めぐる闘いの勝利を
二つに、「教育の民営化」との最も激しい激突点である全国学生寮(自治寮)攻防に総決起するときだ。ここに、むき出しの資本との対決軸がある。自治寮死守決戦こそ、学生の“生きさせろ!”の闘いだ。廃寮や民営化(寮費の高騰)で、大学に通うことのできない学生が膨大に生み出されている。それは根源的な怒りであり、生活をかけて団結を固めていく自治の復権だ。京都大学熊野寮・吉田寮、富山大学新樹寮、東北大学日就寮の三大攻防点で一歩もひかず、寮生の団結力と勝利の展望を満天下に示し、全国寮運動の爆発をかちとろう。
三つに、5月沖縄闘争を闘い抜いた地平の上に、反戦政治闘争をさらに発展させて8・6ヒロシマ闘争への大結集を実現することだ。戦後反戦闘争の二大柱である沖縄−ヒロシマでオバマ−鳩山と対決しよう。
四つに、ブラジル労働者階級と全学連の連帯闘争(6月)を大成功させ、国際的団結を拡大することだ。「反米大陸」である南米、その中心点であるブラジルにおいて新自由主義を撃つ階級的労働運動が爆発しようとしている。昨年11月労働者集会に参加したCONLUTAS(全国闘争連盟、200万人)の存在が決定的だ。世界革命の炎をさらに燃え上がらせるため、断固ブラジル階級闘争に合流しよう。
さらに国際連帯闘争の核心課題が、スターリン主義反革命を歴史的にのりこえる反スターリン主義の革命的労働者党建設に絞り上げられてきている。革共同綱領草案と動労千葉労働運動、法大闘争の地平で世界革命に向かう扉を押し開こう。
総じて、圧倒的な組織建設を実現していく5〜6月決戦としよう。組織拡大は指導部建設と同義だ。それは、300万学生の反乱の先頭に立つ若き全学連執行部の登場であり、法大文化連盟の拡大であり、何よりもマル学同法大支部の建設だ。その可能性をつかんだのが4〜5月決戦であった。断固この道を進もう。2010年決戦に勝利するのはわれわれだ。
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週刊『前進』(2439号4面2)(2010/05/17 )
ギリシャ 官民2大労組がゼネスト
アテネ市で15万人デモ 労働者が権力とる革命情勢
●2月以来6波の大スト
財政破綻のギリシャでは、全世界を揺るがす労働者のゼネスト、デモが連続的に闘われている。
パパンドレウ・全ギリシャ社会主義運動(PASOK)政権は財政再建策として公務員の賃金カット、年金受給額の削減、大増税を打ち出した。GDP比13・6%もの単年度の財政赤字をかかえるギリシャは、EUとIMF(国際通貨基金)から1100億ユーロ(約13兆円)の融資を受ける条件として今後3年間で約300億ユーロ(3・6兆円)の財政赤字の削減を約束した。財政破綻のつけを労働者に押しつけようというのだ。
5月5日のスト前日、公務員労組委員長パパスピロスは「ギリシャが債務を返済できなくなる状態にしてはならない」と、政府やEU、IMFへ忠誠を誓った。だがこのような指導部の裏切りを乗り越え、ゼネスト、デモが2月以来すでに6波という空前の規模と激しさで行われている。
4月22日には公務員労働組合が24時間ストに突入。26日、空軍パイロット100人以上が訓練飛行をキャンセル。軍隊にはスト権がないため「病欠」を理由にした事実上のストだ。29日、約500人が財務省に突入しようと警察隊と激突。5月1日、アテネで数万人がデモ。メーデーとしては「過去最大規模」(国営テレビ)だ。3日、国公立学校教員約20人が国営テレビ局を一時占拠。教育相のインタビュー番組を中断させ、「1万7千人の非常勤教員の解雇に抗議する」と番組で訴えた。4日は公務員労組「ギリシャ公務員連合」(75万人)が48時間ストに突入した。
そして5日、官民の2大労組の呼びかけで、公・民労働者が一体となった24時間全国ゼネストが爆発した。過去最大規模の100万人以上の参加だ。都市機能は完全に停止した。鉄道、バス、フェリー、飛行機は止まり、病院は急診部門以外は休止。学校は休校となり、放送労働者のスト決起でニュースは配信停止になった。
アテネ市内では15万人以上がデモ、「政府は、こそ泥と同じだ」と国会議事堂前の広場に押し寄せた。街頭では警官隊と激突。銀行の建物も炎上し行員3人が死亡した。政府は「殺人だ」とデモ隊を非難したが、銀行職員労組は「行員が犠牲になったのは政府の責任」と24時間抗議ストに決起。また緊縮財政法案可決に抗議し議会周辺に1万人以上が結集した。
(写真 官民労働者が議会へ向けデモ【5日 アテネ】)
●賃下げ、解雇、大増税
ギリシャの労働者は緊縮財政策に絶対反対だ。官民とも労働者の生活は苦しい。平均月収は1千ユーロ(約12万円)。他のEU諸国の6割程度の水準だ。非常勤教員は月450ユーロ(約5万5千円)の超低賃金である。
だが政府は、公務員の3年間の昇給や新規採用の凍結、賞与の廃止や年金受給額約30%の削減、付加価値税(消費税)を21%から23%にまで引き上げるつもりだ。さらに国の外郭団体の廃止による1万人以上の解雇や国鉄の民営化を狙う。
IMFやEUの管理下で、新自由主義攻撃は一層激化する。無料の学費、格安の医療費といった社会保障の解体や病院の民営化も必至だ。
労働者の間には「なぜ豊かでないわれわれが犠牲を払わなければならないんだ」「IMF管理は、大量失業につながる」と不満が満ちている。国家財政破綻の危機をゼネストで迎え撃つことは、本質的にプロレタリア革命にいきつく決起である。
世界大恐慌は現在、各国政府の財政危機として進展し、赤字削減のための攻撃が大失業、大増税として労働者に襲いかかっている。ギリシャをはじめ全世界で階級的激突が爆発し、支配体制の崩壊が始まっている。
ギリシャ危機は、ポルトガルやスペインにも波及し、ユーロ危機に発展しようとしている。ゼネストは、政治危機を促進すると同時に大恐慌を激化させている。
ギリシャは完全に革命情勢である。労働者が権力をとる以外に、いかなる出口もない。革命的指導部こそが求められている。ギリシャの労働者と連帯して闘おう。
(写真 火炎瓶と催涙弾が飛び交った【5日 アテネ】)
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週刊『前進』(2439号4面3)(2010/05/17 )
2010年 4月28日〜5月11日
辺野古に「桟橋滑走路」/韓国艦沈没「火薬の成分が検出」
●辺野古に桟橋滑走路 鳩山首相は、沖縄県宜野湾市の普天間飛行場の移設案を固めた。鹿児島県徳之島の既存の空港と、名護市辺野古沿岸に「桟橋方式」で新たに建設する滑走路を併用する。(28日)
●嘉手納地区騒音が最多 沖縄県嘉手納町は、米空軍嘉手納基地の09年度騒音発生回数を発表した。町の中央に位置する嘉手納地区で70デシベル以上の騒音が2万5170回を記録、96年の測定開始以来最多となった。深夜・早朝の騒音回数も最多だった。(28日)
●米、核5113発保有と公表 クリントン米国務長官は、国連本部で開幕した核不拡散条約(NPT)再検討会議で演説し、米国が保有する核弾頭数についての機密指定を解除、公表する方針を表明した。これを受けて国防総省は、昨年9月時点で、攻撃に使用できる5113発の核を保有していると公表した。(3日)
●鳩山が訪沖 鳩山首相が就任後初めて沖縄県を訪問し、「現実に日米の同盟関係、近隣諸国との関係を考えた時に、抑止力という観点から(国外移設は)難しいという思いになった」と説明し、米軍普天間飛行場の機能の一部を県内に移設させる方針を仲井真知事らに伝えた。(4日)
●もんじゅ運転再開 1995年のナトリウム漏れ事故で停止していた高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)が運転を再開した。原発の使用済み燃料を再処理してプルトニウムなどを取り出し、再び燃料として使う仕組み。運転再開から3日目の8日、原子炉内で核分裂反応が連続して起きる臨界に達した。(6日)
●韓国紙「火薬の成分が検出」 韓国の東亜日報は、沈没した同国海軍哨戒艦の船体から、魚雷に使われる火薬の成分が検出されたと1面で報じた。沈没現場から回収された、哨戒艦と材質の異なるアルミニウム片は、魚雷の破片であることが判明。沈没原因は北朝鮮による攻撃との判断で米韓が一致したと伝えた。国防省報道官は、火薬成分検出とアルミニウム片に関する報道内容を否定。北朝鮮による攻撃との米韓の判断についてはコメントしなかった。(6日)
●徳之島3町長が拒否 鳩山首相は、鹿児島県徳之島の3町長と首相官邸で会談し、米軍普天間飛行場の機能の一部を受け入れるよう要請した。だが3町長は拒否し、今後の話し合いにも応じない考えを表明した。(7日)
●鹿児島市内で移設反対集会に5千人
米軍普天間飛行場の移設問題で、政府が検討している鹿児島県徳之島への訓練移転などに反対する県民集会が鹿児島市で開かれ、約5千人が参加した。徳之島の3町長や伊藤鹿児島県知事も出席した。(8日)
●普天間閣僚協議で辺野古移設の原案確認 鳩山首相は、普天間移設問題で関係4閣僚と協議し、辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部の沖に、くい打ち桟橋(QIP)方式で代替施設を造る県内移設を中心にした政府原案を確認した。徳之島への一部ヘリ訓練の移転も追求する。(10日)
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週刊『前進』(2439号4面4)(2010/05/17 )
集会要項 5・23狭山集会
5・23狭山集会
東京
5月23日(日)午後1時
東京/水道会館
主催 部落解放東日本共闘会議
大阪
5月23日(日)午後2時
八尾市/桂人権コミュニティセンター
主催 部落解放同盟全国連西郡支部/八尾北医療センター労働組合/八尾北命と健康を守る会/関西労働組合交流センター/道州制・民営化と闘う共闘会議
広島
5月23日(日)午後2時
広島市西区福島町/西地域交流センター
主催 部落解放広島共闘会議
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週刊『前進』(2439号5面1)(2010/05/17 )
「辺野古新基地」を宣言した鳩山民主党政権を打倒せよ
「抑止力が必要」と開き直り
4・25沖縄県民大会の9万人の怒りの大結集を受け継いで、4・28首都・日比谷の「普天間基地即時閉鎖・辺野古新基地建設阻止」沖縄デー集会とデモは、圧倒的に戦闘的にかちとられた。新たな安保・沖縄闘争の革命的大爆発に向かっての出発点が切り開かれた。沖縄基地撤去の闘いを安保粉砕・日帝打倒へ、国鉄決戦と一体のものとして、鳩山民主党・連合政権打倒へ闘っていこう。6・13「国鉄闘争の火を消すな」大集会とともに5〜6月安保・沖縄闘争の大爆発をかちとろう。
(写真 5月4日、青年労働者を先頭に鳩山の来沖に対し徹底弾劾の街宣に立った【名護市】)
「日米同盟重視」と沖縄基地押しつけ
鳩山は、5月4日首相になって初めて沖縄を訪問し、沖縄県民に向かって、「沖縄の皆さんにも負担をお願いしなければならない」と、普天間基地の県内移設を要求するという許し難い行動に出た。沖縄県庁でも、普天間第2小学校でも、名護でも、集まった労働者人民のごうごうたる怒りの叫びに迎えられ、立ち往生しながら、鳩山は「抑止力のためには沖縄基地が必要」と繰り返し、自らの「公約違反」を開き直って、沖縄県民に新基地建設受け入れを求めたのだ。
昨年9月の民主党・連合政権発足以来8カ月、沖縄の「負担軽減」だとか、「現行案復帰はない」とか、さんざんペテン的言動を繰り返した揚げ句、やはり沖縄で引き受けろと要求するとは何だ! ふざけるな!
しかも、それは辺野古への「くい打ち桟橋方式」での新基地建設だというのだ。結局、辺野古に舞い戻ってきたのだ。
鳩山は、4日言った。
「私は(「最低でも県外」と言った)当時、海兵隊の存在そのものが、必ずしも抑止力として沖縄に存在しなければならない理由にはならないと思っていた。このことを学ぶにつけて、沖縄の米軍の存在全体の中で海兵隊の役割を考えると、それがすべて連携し、その中で抑止力が維持できるという思いに至った」
要するに、鳩山は政権を取る過程よりも今日の方が、海兵隊について、抑止力について、「認識が深まった」と言っているのだ。やはり沖縄基地は重要だ、だから受け入れてくれ、と。
日米帝との非和解的激突が始まった
大恐慌下、日帝の危機の中で、労働者人民に打倒された自民党支配に代わって登場した鳩山民主党政権は、連合に支えられ、ボナパルティズム的性格をもったインチキな政権だった。それは対米対抗性をもって、「対等で緊密な日米同盟」「東アジア共同体」を掲げ、自民党にはできなかった改憲と戦争の道をめざした。普天間基地移設についても、これまでの米軍再編計画の一定の変更を求めて、対米交渉を行おうとした。もともと、「常時駐留なき安保同盟」を主張し、海兵隊不要論を掲げていた鳩山は、ここで政権交代の「意義」を示すような得点を上げようと考えていた。
もとよりそれは、労働者人民、沖縄県民にとって、何か自民党よりましなものを実現するためのものではない。米帝べったりではなく、独自の軍事力を強め、「国連のもとに」、米軍と肩を並べて対外侵略戦争に乗り出すことをめざしたものでしかなかった。
しかし、このもくろみは完全に裏目に出た。沖縄の労働者人民は「普天間基地閉鎖・撤去」「辺野古新基地建設阻止」を掲げて一斉に声を上げ闘いを開始した。他方、米帝は、普天間に代わる新鋭大基地を辺野古に造ることについて一歩も譲らず、国外はおろか県外などの提案も一蹴し、日帝を恫喝した。そこには明確に「東アジア共同体」など許さないという米帝オバマの対日争闘戦が貫かれている。
追いつめられた日帝・鳩山は、北朝鮮情勢の切迫化の中で海兵隊の存在理由も認識したとして、開き直って「日米安保は重要」「抑止力は必要」と、なりふり構わず沖縄にすべての犠牲を負わせる道を選択したのだ。回り回って再び沖縄基地問題の原点に戻ったのだ。
鳩山は、「普天間の危険性除去」や「地位協定見直し」や一部基地の返還など「負担軽減」と称する案を追加して、仲井真知事に受け入れを迫り、沖縄県民を屈服させようとしてくるだろう。
安保の真の姿が沖縄にある。沖縄の基地なしに日米安保体制は成立しないことが、あらためて突き出されたのだ。
だが、沖縄の怒りは奥底から沸騰しており、非和解的激突はこれから本格的に始まる。
(写真 9万人が大結集し基地にNOをたたきつけた4・25沖縄県民大会。この怒りが鳩山政権を追いつめている【読谷村】)
日米安保容認する体制内派のりこえ
闘いの根底的勝利のためには、民主党政権に翼賛するすべての体制内勢力をのりこえ、基地撤去・安保粉砕を真っ向から掲げて闘うことが必要であり、その主導権を打ち立てる度合いに応じて闘いは前進する。
4・25県民大会は、あれだけの広範かつ鋭い怒りを結集しながら、その主催者も発言者も、鳩山民主党政権にあくまで期待し、お願いするスタンスでしかない。
「国外・県外移設要求」も、結局戦争のための基地を他県や他国に肩代わりさせる要求でしかなく、安保体制を別の形で維持・強化する要求にほかならない。沖縄に基地を押しつける日米帝国主義と労働者人民は非和解的関係であるのに、それを「沖縄対本土」の対立であるかのようにすり替えてしまい、結局帝国主義の手先となって「負担の分担」を求めるものとなるのだ。
その典型が政権の一角を担う社民党である。社民党議員は、本土の各地を奔走し、あるいはグアムやテニアンに行き、移設をお願いして回るというおぞましい策動の中心を担っている。グアムやテニアンならいいと言うのか。米帝の植民地としてじゅうりんされてきたこれらの島の住民に犠牲になれとどうして要求できるのか。これが基地強化・安保維持の帝国主義的下手人でなくて何か。
そして、その社民党に追随して、その下僕となっているのが塩川一派だ。社民党議員の発言を塩川通信紙上に麗々しく掲げて恥じない。それどころか、彼らは驚くなかれ、革共同が「鳩山政権打倒」を主張していると言って非難している!
民主党・連合政権が、ブルジョア独裁政権であり、帝国主義の政府であることを否定し、労働者階級の怒りが爆発することに恐怖しているのだ。
また、その親社民党の姿勢は、国鉄闘争に対する4者4団体派支持、1047名闘争解体攻撃への加担と一体だ。その反革命的正体を暴き、粉砕打倒するのみだ。
一方、日本共産党は、「移設ではなく無条件撤去しかない」と言い、一見原則的な方針を掲げているかのように振る舞っている。しかし、それはまったくペテンだ。彼らはそれを何か平和的な話し合いで実現できるかのように言う。安保とその最大実体をなす沖縄基地が、日米帝国主義の死活的利害にかかわるものであり、その成否が帝国主義の体制そのものの問題であることを否定し、「資本主義の枠内」で解決するかのようにたぶらかすものだ。沖縄県民の怒りが根底から爆発することを恐怖し、「基地撤去」の声を、参院選での票集めに利用しようとしているにすぎない。
沖縄は「コザ暴動」前夜だ。こうした一切の体制内派的制動を打ち破り、始まった日米帝との根底的非和解的激突を徹底的に推し進めよう。
沖縄基地全面撤去・安保粉砕・日帝打倒へ5〜6月全力で闘おう。
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週刊『前進』(2439号5面2)(2010/05/17 )
“安保粉砕・基地撤去を”
5・15沖縄闘争へ各地で集会
処分撤回闘う仲井君が基調 富山
4月28日富山市で、北陸労組交流センター、北陸ユニオン、富山大学学生自治会、百万人署名運動富山連絡会の呼びかけで、4・28沖縄デー集会がかちとられた。
集会は、不当な退学処分撤回を闘う富山大学学生自治会の仲井祐二君が基調提起。4・25沖縄県民大会9万人結集を感動的に報告し、「米軍基地はどこにも造らせない。国鉄1047名闘争勝利と安保粉砕・米軍基地撤去を一体のものとして闘い、グラグラの鳩山民主党・連合政権を労働者・学生の団結した力で打倒しよう!」と力強く訴えた。続いて富山大学の女子学生が、「学生のみなさんに問いたい。今の社会で満足ですか? 未来に希望が持てますか? 社会をつくっていくのは私たちです。5月15日沖縄に一緒に行きましょう!」と元気よく呼びかけた。
北陸労組交流センターの青年労働者が、「沖縄の労働者と連帯して、本土の私たち労働者が団結して米軍基地を撤去しよう」と熱烈に訴え、デモに出た。
翌29日、青年労働者と学生を先頭に連合富山中央メーデーへの情宣を行った。国鉄闘争を訴える労組交流センターのビラを労働者にまききった。
原爆ドーム前 広大生先頭に 広島
4月29日朝9時、広島の労働者・学生は連合広島の第81回中央メーデー(広島市中央公園)への大宣伝行動に広島労組交流センターを中心に登場した。「国鉄1047名闘争の解体を許すな」「沖縄9万人決起と怒りをひとつに、米軍基地撤去! 日米安保をぶっつぶそう」「民主党政権と連合本部を打倒しよう」と呼びかけた。計2500枚のビラが吸い込まれるように受け取られた。社保庁分限免職者の平口雅明さんは解雇撤回の署名を求め、多くの労働者が応じた。
午後1時からは原爆ドーム前に移動し、広島反戦共同行動委員会主催で「4・28沖縄デー」集会を行った。4・25沖縄県民大会に参加した仲間から「沖縄の労働者民衆の思いは米軍基地撤去だ」とリアルな報告が行われた。動労西日本の大江照己委員長は、決戦局面を迎えた1047名解雇撤回闘争の勝利への特別アピール。広大の新入生とともに登場した全学連の学生は「5・15沖縄に青年・学生の大隊列を登場させ、本土−沖縄を貫く労働者の団結で民主党・鳩山政権を打倒しよう」と決意を述べた。
集会後、青年労働者を先頭に広島市の繁華街一周デモに出発した。
4人の派遣団が熱烈な決意 新潟
5月3日、新潟市の中心街で「普天間基地即時閉鎖! 辺野古新基地建設阻止! 沖縄―本土の怒りで民主党政権を打ち倒そう! 5・3沖縄集会」とデモが60人の結集で闘われた。
5・15沖縄闘争に決起する青年労働者が司会をつとめ、DVD「沖縄戦後闘争史」と沖縄の青年・富田晋君のアピールが上映された。続いて、新潟大学教授・宮薗衛さんが「沖縄米軍基地の歴史」について講演した。
主催者の百万人署名運動新潟県推進委員会事務局は基調報告で、「沖縄の労働者民衆とともに第3次安保・沖縄闘争を爆発させよう、青年の怒りと情熱で鳩山政権打倒を」と提起した。
特別報告に立った国労の青年は、政治解決案に絶対反対している動労千葉と国労闘争団を支える決意を語った。4人の沖縄派遣団は5・15〜16現地闘争への決意を語り、熱烈にカンパを訴えた。集会後、新潟市の象徴である万代橋を渡り、連休のイベントでにぎわう若者の街、万代シティまで圧倒的な注目を浴びながらデモを貫徹した。
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週刊『前進』(2439号5面3)(2010/05/17 )
対北朝鮮の戦争危機切迫
安保・沖縄闘争で対決を
大恐慌下で北朝鮮侵略戦争の危機が新たに切迫している。3月に黄海で韓国軍の哨戒艦が「爆発」によって沈没し46人の乗員が死亡した事件について、韓国政府および米オバマ政権は「北朝鮮軍の仕業」と事実上断定するような見解を発表し、米国務副長官はワシントンで「今後の対応はあらゆる可能性を排除しない」と挑発的な態度表明を行った。外交用語で「あらゆる可能性」とは軍事攻撃を含むという意味だ。
これに関連し「北朝鮮軍が南北非武装地帯付近に特殊部隊5万人を配備」などの挑発的報道も飛び交う。韓国軍は、06年以降中断していた38度線での心理戦(拡声器放送などで相手軍兵士の動揺を誘う目的の作戦)の再開を準備し、また黄海での米韓連合軍の対潜水艦演習の実施準備に入ったと発表した。韓国と日本のブルジョア・マスコミは連日のように対北朝鮮の排外主義をあおっている。
侵略戦争が切迫しているのだ。それがプロレタリア自己解放と世界革命の道を裏切り、人民への極限的な軍事支配と収奪で権力を維持してきた北朝鮮スターリン主義の崩壊的危機に乗じて起こっている。帝国主義者たちが最も恐れているのは、南北朝鮮の労働者人民自身が分断打破と革命的統一への主導権を握ることだ。その闘いが分断と民族抑圧を強制してきた帝国主義とスターリン主義に対する根底的怒りとして解き放たれることである。
沈没事件の真相は不明だ。しかし朝鮮を南北に分断する38度線は、ソ連崩壊後の現在も100万人の北朝鮮軍、69万人の韓国軍、4万人の在韓米軍が対峙し続ける世界戦争級の危機の最前線だ。そして北朝鮮の体制崩壊とは、中国スターリン主義の経済的・軍事的「台頭」の中で、大国ロシアをも巻き込んだ北東アジアの軍事支配の再編という大問題を引き出す。
これは大恐慌の進展のなかで米帝の世界支配を決定的な次元で揺るがす問題だ。基軸通貨・ドル体制の最後の砦は、ほかでもなく軍事力だからである。昨年11月には、米韓両軍が「北朝鮮の体制崩壊時の強襲計画」を完成させ、今年3月には、この作戦計画に基づく米韓合同軍事演習も行われた。そしてこれと時を同じくして、米太平洋海兵隊司令部の司令官が2月、日帝・防衛省との会合で「沖縄海兵隊の(攻撃)対象は北朝鮮だ。金正日体制の崩壊時に北朝鮮の核兵器を速やかに除去するのが最重要任務だ」とぶちあげたのだ。すさまじい戦争挑発である。
こうした中で今回の沈没事件も起きた。米オバマ政権が、第2次大戦と朝鮮戦争以来の“アジアの要石”である沖縄基地の維持を強硬に主張する理由は、まさに侵略戦争の実戦的要請なのである。
日帝・鳩山政権は、ブルジョアジーの政府としての正体を日々むき出しにし、新たなアジア勢力圏化と「日米同盟の深化」をうたい、沖縄の労働者人民の闘いとの非和解的な激突に自己の延命をかけようとしている。米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒の闘いは南北朝鮮人民と連帯し、帝国主義の新たな朝鮮侵略戦争と全面的に対決する闘いだ。5・15を突破口に新たな安保・沖縄闘争の爆発をかちとろう。
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週刊『前進』(2439号5面4)(2010/05/17 )
タイの占拠闘争新局面へ
基底にある失業と生活苦
3月中旬以降始まった、タクシン元首相支持派「反独裁民主統一戦線(UDD)=通称赤シャツ隊」による首都バンコク中心街占拠の集会・デモの闘いは、「アピシット首相即時退陣、解散・総選挙」を求めて2カ月に及ぼうとしている。5月3日、アピシット首相は収拾に向けて新たな国民和解案を出した。それには11月の総選挙実施のほか、王政の堅持、貧困層の福祉向上、マスコミの中立確保、衝突事件の真相解明などが盛り込まれている。海外のタクシン元首相自身「和解の時が来た」とこれを歓迎し、UDD側はこれを受け入れると発表した。
政府は、9月15〜30日に国会を解散すること、4月11日の衝突の治安責任者である副首相を治安当局に出頭させるなど、UDD側が受け入れ条件とした件に回答し、占拠を解くよう促している。
これまでに27人が死亡、1千人近い負傷者を出してなお、市街地の占拠と集会・デモが実力貫徹されてきたことは重要な意味をもっている。タイ政治体制の崩壊を招きかねないこの闘いは、「即時解散・総選挙」を掲げたタクシン派指導部の思惑を超え、たじろがせて収束へ向かわせたといえる。
UDDの母体は確かにタクシン元首相支持派であり、タクシン首相時代に恩恵を受けた新支配層、東北地方の農民層が主体とされている。だが、実は数万を数える集会・デモ参加者には、世界恐慌の中で職を奪われた失業者、非正規職労働者や既成の労働組合から排除された未組織労働者など、生きていけない下層労働者、都市貧困層が数多く含まれている。現状打破を求める怒りと不満がこの占拠に凝縮していたのだ。
4月11日、政府は治安部隊を使って強制排除行動に出たが,労働者人民の怒りの大衆的決起と武装反撃で粉砕されてしまった。農民出身の下級兵士や元兵士もUDDを支持していることが明らかになった。そして闘いは、全国的に広がり、タイ全土での内戦的反乱へ発展する状態へと突入した。政権だけでなくタイの政治体制そのものが労働者農民の力で打倒される現実的条件を示し始めた。それはUDDやタクシンの制御を超える勢いで発展し始めた。
武装した治安部隊突入に対し、バリケードとささやかな武器で体を張って戦い、実際に撃退・勝利した実力占拠の闘争は、労働者人民に圧倒的高揚感を与えた。この闘いは、旧来の財閥、国王、僧侶、貴族層、枢密院、軍指導部、裁判所などのエリート層に依拠したアピシット政権に対してだけでなく、UDD指導部にとっても脅威となり、今や国民和解案で鎮めるしかなくなったのだ。この怒りの爆発はさしあたりはタクシン派の政治として進みながら、本質的にはその枠内に収まり切れない。
だがタイの労働組合のナショナルセンターは、従来から3者委員会(政労使委員会)の一角を占めて政府に抱え込まれてきた。
タイ労働者のプロレタリア革命への道はどこにあるか。タクシン派のもとで闘うことではなく、闘う労働者党の建設と新たな労働組合の組織化、既成労組幹部打倒をとおして新旧支配層、アピシット、タクシンをともども打倒する闘いの中にある。
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週刊『前進』(2439号5面5)(2010/05/17 )
日程 集会、裁判
三里塚第3誘導路認可・着工阻止
5・24公聴会粉砕闘争
5月24日(月)午後2時 開拓組合道路(天神峰の市東さん宅南)に集合/成田市内デモ ★主催/三里塚芝山連合空港反対同盟
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三里塚裁判傍聴を!
◎市東さん行政訴訟
5月25日(火)午前10時30分 千葉地裁
◎市東さん農地法裁判
5月25日(火)午前11時30分 千葉地裁
※同日に同じ法廷で連続して開かれます。
傍聴券抽選のため午前9時半に集合を
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週刊『前進』(2439号6面1)(2010/05/17 )
“世界の労働者はひとつ”と大合流
第21回外登法・入管法と民族差別を撃つ全国研究交流集会
民主労総ソウル本部迎え
6・13大集会へ総決起を宣言
5月9日、横浜市鶴見で開かれた第21回外登法・入管法と民族差別を撃つ全国入管研究交流集会に510人が集まった。韓国から民主労総ソウル地域本部とソウル京畿仁川(キョンギ・インチョン)移住労働者労働組合が参加。ソウル本部のノミョンウ首席副本部長のリードで「労働者は一つだ!」とこぶしを突き上げた。動労千葉の田中康宏委員長が「地球全体に満ちている労働者の怒りを6・13大集会に結集しよう!」と大号令を発した。11月労働者集会に連なる「春の労働者集会」として、在日・滞日外国人労働者との団結を拡大し、民族・国籍・国境を越えた階級的労働運動の展望が指し示された。民主党・連合政権を打倒し、入管体制を粉砕しよう。(本紙・室田順子)
労働運動と国際連帯で
集会に先立って「全学連の訪米報告」のビデオが上映され、3・4カリフォルニア100万教育ゼネストの高揚感が会場内にあふれる中、司会の三浦半島教組の教育労働者と全学連・坂野陽平君が開会を宣言した。
婦人民主クラブ全国協代表の西村綾子さん(相模原市議)が開会あいさつに立ち、「実践に次ぐ実践の1年を闘って集まった。ギリシャでは労働者を犠牲にする国家など滅びてしまえとゼネストが闘われている。この水脈を大河のうねりにしよう」と呼びかけた。
全学連の松室しをり国際部長が「教育の民営化粉砕のスローガンで世界とつながった。この闘いを勝利させるために組織をリーダーをつくらなければならない」と訪米闘争でつかんだ確信を力強くアピールした。
憲法と人権の日弁連をめざす会の森川文人弁護士は、「韓国併合100年」が民衆の闘いとそれを分断しようとする予防反革命の歴史だったと語り、「裁判員制度も裁く者と裁かれる者の分断だ。もう終わりにしてしまおう」と、裁判員制度にとどめを!5・18大集会への結集を訴えた。
獄中35年、無実の星野文昭同志から届いた「あらゆる分断をのりこえた労働者人民の団結した力でこの資本主義・帝国主義を終わらせ、全世界を人間本来の姿を回復した真の共同社会としていく。私たちの闘いは今そのことに挑戦しています」との熱いメッセージを茨城・星野文昭さんを取り戻す会が代読し、無期懲役と闘う星野同志の奪還を訴えた。
集会のメイン企画は、牛久入管収容所問題を考える会とともに登壇したビルマ、クルド、イラン、スリランカ、パキスタンなどの滞日外国人たちのリレートークだった。まず、牛久の会の田中喜美子さんが鳩山政権下で収容者の自殺・自殺未遂が続発していることや、強制退去の執行中ガーナ人がに航空機内で死亡した事件などを報告、15年にわたる入管収容者との面会行動を踏まえて収容の実態を告発した。「怒りのマグマが収容所の中で燃えさかっています。移民、難民を生み出した新自由主義そのものを倒す力はここにあります」
難民申請者たちも「安心して住めること、難民申請しても収容されないこと、これが大事。日本の今の制度を変えなければならない」「入管収容所は刑務所と同じ。今、戦争になったらどうなるか。世界中で戦争をやめてほしい」などと、口々にアピールした。
続いて、昨年に続き、静岡労組交流センターの労働者が、派遣切りに遭って仕事と住居を一度になくし県営団地に緊急入居した日系ブラジル人・ペルー人たちが、期限切れによる追い出しと団結して闘い、期限延長をかちとっていることを報告した。朝鮮学校の保護者は民族差別への怒りと署名運動の取り組みを訴えた。
(写真 鳩山政権打倒・入管体制粉砕へ510人が結集 【=5月9日 横浜 鶴見公会堂】)
怒りを一つにして反撃
全国実行委員会から「怒りを一つに! 民主党・連合政権を打倒しよう!」と鮮明な基調提起が行われた。「在日・滞日外国人労働者とともに怒りを一つに団結し、民主党・連合政権を打倒しよう。大恐慌下の入管闘争を実践しましょう。労働者階級が民族・国籍・国境を越えて団結した時に国家権力によってつくられた入管体制は必ず粉砕することができます。その闘いの柱が動労千葉が呼びかける国鉄分割・民営化反対、1047名解雇撤回の新たな全国大運動の推進です。団結して勝利しましょう!」
韓国から駆けつけた民主労総ソウル本部のノミョンウ首席副本部長、移住労組のミッシェル委員長、チョンヨンソプ事務次長が登壇し、「労働者はまさに闘いの中で一つになる」と宣言、新たな日韓連帯の闘いがスタートした。(発言別掲)
動労千葉の田中康宏委員長が特別報告に立ち、6・13大集会に向け、歴史的な大号令を発した。「分断の根を断つ闘いに立ち上がろう。国鉄分割・民営化から24年、今度の『政治和解』は日本の労働運動の火を消そうとする攻撃。だけど逆に日本中に火をつけて回れば、労働運動の誇りを取り戻すワンチャンスになる。ここで反撃に立とう! 6・13大集会に3000人の大結集を実現しよう」
東京労組交流センターの青年労働者が決戦の5・15沖縄闘争への檄を飛ばし、全学連の織田陽介委員長が「入管体制への怒りを形にしなければならない。それは職場、キャンパスで闘うことだ。私たちが変わらなければこの社会は前に進まない。私たちは差別を打ち破る力を持っている。動労千葉の闘いが示している。韓国の労働者の闘いに応える闘いを5−6月絶対にやろう!」とまとめた。団結ガンバローとインターナショナルが会場にこだました。
(写真 牛久入管収容所問題を考える会とともに壇上に立ち、入管収容所の過酷な実態をアピールする在日・滞日外国人たち)
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6・17起点にゼネストへ 民主労総ソウル本部 ノミョンウ首席副本部長
労働者は一つだ!
世界の労働者は一つだ! 民主労総ソウル本部16万組合員に代わって熱い連帯のごあいさつを申し上げます。
資本は新自由主義の名のもとで世界の労働者の血を吸って蓄積しているものです。検修業務の外注化を闘いをもって粉砕し、民主党政権と闘い、国鉄闘争の解雇者たちの原職復帰のために献身的に闘っておられる動労千葉の同志の皆さんに敬意を表します。
今の韓国はイミョンバク政権のもとでイミョンバク個人の会社のように運営されています。労働者民衆には法を守れと強制しながら、自分たちは守っていません。民主労組が団体交渉をできないように改悪されました。公務員労組も設立申告を3度にわたって却下されました。鉄道労組や全教組など公共部門の労働者が弾圧されています。韓国1600万労働者のうち1000万人が非正規労働者です。
民主労総は怒っています。すでに貨物・トラックなどの労働者はストライキに入っています。民主労総は6・17を起点にゼネストに入ります。
必ずイミョンバク政権を打倒するゼネストにし、勝利の報告を皆さんに届けます。
連帯の力見せつけよう ソウル京畿仁川移住労働者労働組合 ミッシェル委員長
動労千葉のもとに結集する日本の仲間の皆さん。遠く離れていても、言葉や文化が異なっていても、世界中の労働者にとってそんなことはなんの障壁にならないという証しがここにあります。
資本主義・帝国主義が不当で抑圧的な現実をもたらしています。根本的な問題は登録・未登録を含めた移住労働者の数の多さではなく、移住労働者が祖国からの追放を余儀なくされ、生きていける場所を求めてさまよっているということです。
労働者が互いに競争しあうことは、私たちを敗北へと導いてしまいます。移住労働者とその国に暮らす労働者は敵対的ではなく、同志的な関係であるべきです。労働者は本来、人種や肌の色、宗教、ジェンダー、階層で分断されるのではなく、それを克服してともに事を成し遂げる存在なのです。
わずかな機会をとらえて行動を起こしましょう。極力妥協しないでいきましょう! 私たちの権利は安売りしません。
心配はいりません。私たちの団結にはものすごい力があることをやつらに見せつけてやりましょう。
私たちのパワーは連帯の力です。国際連帯万歳!
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週刊『前進』(2439号6面2)(2010/05/17 )
もんじゅ運転再開反対
5・6 敦賀現地で抗議行動
5月6日、8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会と北陸労組交流センターは、福井県敦賀市で高速増殖炉「もんじゅ」の運転再開阻止の闘いに決起した。この日、プルトニウム確保と自前の核武装の道をがむしゃらに進める鳩山民主党・連合政権は、ナトリウム火災事故で14年半も停止していたもんじゅを動かそうというのだ。絶対に許せない!
早朝、JR敦賀駅前に登場し、駅長と警察の妨害をはねのけ、もんじゅ再開絶対反対の街頭宣伝を展開した。
マイクでの訴えに通勤・通学中の労働者・学生が熱い注目。ビラの受け取りは抜群だ。地元では、北陸新幹線などの利権を最優先して住民の命を無視し運転再開を共謀・決定した西川福井県知事と河瀬敦賀市長、さらに民主党政権への怒りが渦巻いている。
この圧倒的多数の運転再開反対の声を胸に、敦賀半島白木の「もんじゅゲート」前に直行。「日本に核兵器を絶対作らせない!」と大書された横断幕を掲げて即時運転中止の申し入れ・抗議行動に断固突入した。あわてふためき妨害に必死の警察権力。殺到するマスコミ取材記者たち。
再開一色の空気が一変する中で、8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争全国実行委の三角忠事務局長が、日本原子力研究開発機構・岡崎俊雄理事長らもんじゅ推進トップ3人に対する抗議文を読み上げ、応対の課長に手渡した。
そして制御棒が引き抜かれ始めた午前10時36分、もんじゅ建屋が一望できる白木海岸で、「運転再開強行徹底弾劾! もんじゅを解体するまで闘うぞ!」と怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。その後、市街にある同機構敦賀本部に寄り、抗議文を受け取らせ、近隣の櫛川社宅へのビラ入れも行った。
われわれ11月集会派は国鉄・沖縄の怒りと一体となり、唯一、午前中の運転再開強行と対決し、日帝の核武装絶対阻止の闘いを貫徹した。5・15沖縄闘争、6・13「国鉄闘争の火を消すな」大集会を柱とした5〜6月決戦へ進撃しよう。
(W)
(写真 敦賀半島白木の「もんじゅゲート」前で即時運転中止を申し入れる全国実行委員会【5月6日】)
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週刊『前進』(2439号6面3)(2010/05/17 )
団結ひろば 投稿コーナー
オーストリアで法大闘争をラジオ放送 東京 沢崎翔太
昨年8月、全学連にオーストリアの女性ジャーナリストから取材をしたいというメールが入りました。そこで法大生の洞口さんと全学連書記長代行の松室さんが会うことになり、私が通訳として同席しました。
法大近くの喫茶店で話は1時間半に及びました。その前に、洞口さんとそのジャーナリストは一緒に大学構内に入り、大学当局の監視状況を「視察」しながら話ができたそうです。
そしてそれが、今年4月26日、オーストリア国営放送のラジオ番組で取り上げられました。タイトルは「日本の大学における言論の自由のための闘い」。30分のルポルタージュです。番組は昨年末の8学生同志の感動的奪還から始まり、この間の日本の大学の、とりわけ法政大学の新自由主義的変質が相当詳しく紹介されていきます。また、警察が「学生運動の難攻不落の拠点」をなんとかつぶそうと大学当局と一体となって襲いかかったことが指摘されています。06年3月から4年間で実に118人が不当逮捕され33人が起訴、「営業権」を盾にキャンパスから半径200b以内での一切の政治活動の禁止、そして戦前1926年に労組弾圧のためにつくられた暴処法が発動されたことなどが、非常な驚きをもって紹介されています。
洞口さんや松室さんのインタビューでの発言も多く取り上げられ、きちっとした報道番組になっています。法大闘争は全世界・全人民を獲得できると強く感じました。
4・25沖縄県民大会で10万人の怒りと結合 神奈川労組交流センター 秋田一雄
4月25日の沖縄県民大会闘争に参加し、10万人の基地反対の怒りと結合してきました。
会場入り口付近での宣伝行動では、準備した1万枚以上のビラが参加者にどんどん吸い込まれ、集会開始を待たずになくなりました。多くの人が「ごくろうさま」「がんばって」と声をかけてくれました。全学連の仲間と、沖縄現地で闘う青年労働者の力強いアジテーションにも皆真剣に聞き入っていました。
年配者から青年、学生、子ども、労組の旗を掲げた労働者など、あらゆる人たちの途切れることのない波をみて、基地を撤去する力、戦争を止める力がここにあると感じました。その力は、選挙などの資本家を守るための「民主主義」の枠内にとどまらない革命的なものです。
集会では議員や首長らが発言していましたが、「基地絶対反対!」で決起した10万人の力こそすべてを決めるのであって、鳩山や国会議員、知事・市長が決めるのではないのだとあらためて確信しました。また基地の撤去・閉鎖のみならず、鳩山政権打倒、安保粉砕の現実性がここにある、という大集会でした。
この沖縄の怒りは、沖縄だけでなく、すべての労働者階級の怒りと一体です。出口のない大恐慌下、首切りと戦争を労働者に強制する攻撃が、沖縄では基地強化、国鉄労働者には1047名闘争解体攻撃だと思います。
ソビエト形成展望し泉佐野市議選を闘う 神奈川 野田利一
革命へ向けた最先端の闘いが泉佐野で始まっています。
今回の泉佐野市議選は「財政健全化」計画との対決です。労働者住民に536億円も負担させるなんて誰しもおかしいと思っています。しかし「夕張のようになるな」と財政危機の責任が労働者住民にあるかのように宣伝されています。
財政危機は当局も認めているように関空の膨大な赤字によるものです。労働者には何一つ責任はないのです。本当はわかりやすい話です。しかしこのことを真正面から言い切る勢力がいるかどうかです。
資本主義の打倒なのか、救済なのか――。問題の核心はこれです。「絶対反対派」の国賀祥司候補の闘いは、大恐慌下、民主党・連合政権の登場の中で、より鮮明に道州制・改憲攻撃と対決し、労働者の団結した力で資本主義を打倒する闘いそのものとなっています。動労千葉労働運動の実践そのものです。
私たちもこのことを真正面から支持者に訴え、「こんな資本主義は倒していいんだ。そう言っていいんだ」と討論の中で相互に解放されていく、こんな自己解放的決起が始まっています。泉佐野10万労働者住民全体を対象にした選挙闘争は間違いなく地域ソビエトの形成へ向けた闘いにも直結しています。
星野文昭さんの誕生日ライブに参加して 東京西部 黒島保子
4月25日、渋谷の「公園通りクラシックス」で星野文昭さんの誕生日ライブ「あふれる光の中の対話」が行われました。同時刻に沖縄で開催されている普天間基地撤去・辺野古新基地建設反対の県民大会と呼応したイベントとなりました。
最初に田沼雄一さんのギターの伴奏で星野暁子さんが詩を朗読しました。スクリーンには文昭さんの絵が大きく映し出されました。
暁子さんは、静かに、時には力を込めて詩を朗読しました。裁判の傍聴や面会をとおして文昭さんの生き方・人柄に感動し、当時、最愛の兄を失った喪失感に苦しんでいた暁子さんと獄中で闘う文昭さんが真剣にお互いを必要とし、結びついていったこと。獄中結婚から24年、夫婦として同志としての年月を積み重ね、闘いの中でどんな力でも断ち切れない絆(きずな)をつくりあげてきたこと。暁子さんの表情、言葉から、文昭さんとともに歩んできた誇りと自信を感じました。
ピアノの丸尾めぐみさん、ギターの福山竜一さんの演奏、暁子さんとのジョイントは、星野さんの闘いと存在の中にある全世界を揺るがす力を示していました。福地一義さんが文昭さんの手紙を読みました。
3月10日に星野さんに戒告処分がかけられました。消灯直後に手紙を一行だけ書き直したのが理由とのことです。ぜんざいを冷ますための行為を理由に1週間正座を強制するという不当な懲罰も、3月末にかけられました。この処分で面会の回数などが減らされました。星野さん自身は冷静に受け止めているようですが、許せません。抗議を集中し、星野さんとの結合を強めましょう。
安保沖縄・国鉄闘争と結びついて、第2次再審請求は権力を追い詰めています。星野文昭さんの不屈の闘いがついにデッチあげ弾圧を打ち破る時が来たのだと思います。
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週刊『前進』(2439号6面4)(2010/05/17 )
法大裁判に集まろう!
★暴処法裁判
第14回公判 6月21日(月)午後1時30分
★4・24集会弾圧裁判(最終弁論)
第14回公判 5月19日(水)午後1時30分
※いずれも、東京地裁429法廷 12時半に傍聴券配布所へ
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