ZENSHIN 2009/06/29(No2397 p06)
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週刊『前進』(2397号1面1)(2009/06/29 )
国鉄決戦軸に民営化・道州制粉砕へ
国労5・27臨大闘争弾圧粉砕、7月最終弁論に大結集しよう
獄中弾圧やめろ! 8学生奪還!
6・14―15連続闘争は、日帝権力との階級的な全面激突として闘われた。「社会不安が広がっている。発生しうる不測の事態について感覚を研ぎ澄まして検討し、平素から備えよ」。6月1日、警察庁長官・吉村は全国警察本部長会議でこう訓示し、日帝権力は最大級の危機感をもってこの6月に臨んだ。大地に満ちた階級的怒りに6・14―15闘争が火をつけ革命的大激動に発展することを阻止するために、日帝権力は法大「暴処法」弾圧に訴える以外に道はなかったのだ。6・14―15が切り開いた労学共闘の大高揚を発展させ、国鉄1047名闘争を基軸とする4大産別決戦の前進と道州制・民営化粉砕決戦の大爆発へ、8・6広島―8・9長崎―8・15闘争から11月1万人大結集の歴史的実現へ、猛然と進撃しよう。
(写真 “違法企業JR許さない!” 動労水戸、動労千葉、国労秋田闘争団、国労共闘はJR東日本株主総会弾劾闘争に決起。JR体制打倒を宣言した【6月23日 四ツ谷駅前】=記事2面) 6・14-15闘争の感動的地平
この間、新自由主義、戦争と大失業の攻撃と全力で闘ってきた労働者と学生は、獄中で全員が完黙・非転向を貫く法大文化連盟・全学連と固く団結し、「暴力行為等処罰法」という不当極まる大弾圧への怒りを、逆に職場・キャンパスからの6・14―15総力決起のバネに転化して闘った。
6・14―15闘争の結集力、集中力と戦闘性、高揚感は、労働者と学生が完全にひとつになり、戦争・大失業と新自由主義への怒りの火の玉となって団結した結果だ。動労千葉派の主流派的な登場。それはまさに圧巻だった。ともに資本・権力と真っ向から闘い抜くもの同士の、真の階級的連帯の素晴らしさ。6・15法大包囲デモを、法大生は「赤い塊」がやって来たと表現している。この労学共闘の「赤い塊」の力は、腐りきった最末期の資本主義を根底的に覆すまで拡大し続ける。
ついに階級的労働運動の新たな発展がかちとられた。この闘いの土台は最末期帝国主義と新自由主義に対する激しい怒りだ。権力・資本を打倒する不屈の意志だ。労働組合をめぐる攻防に、勝利か敗北か、革命か戦争かがかかっている。資本と非和解的に闘い、体制内指導部を打倒し、職場・生産点で労働者を組織しぬくこと。これこそ階級的労働運動路線の真骨頂であり、実践的結論だ。
動労千葉派の進撃と対照的に、今や他のあらゆる体制内勢力が無惨な破産を遂げている。大恐慌と戦争の時代に、労働者階級に絶望して敗北主義をまき散らし、階級的労働運動を否定しそれに敵対するあらゆる勢力が没落するのは、歴史の必然だ。彼らは青年労働者をまったく獲得できない。彼らが「戦闘性」を示すのは、なんと階級的労働運動派に敵対する時だけである。
この間の重大な動向は、体制内派と階級的労働運動派の力関係の転換に恐怖する資本と権力が、「暴処法」などで弾圧を強める一方で、青年労働者の反動的組織化を開始していることだ。青年労働者と学生をいったい誰が獲得し組織するのか。今やこの一点に、階級闘争と革命勝利の興廃がかかっている。
国鉄1047名闘争を基軸とする4大産別決戦と法大闘争の発展で、革命勝利の道をこじ開けよう。国労5・27臨大闘争弾圧粉砕、7・17最終弁論公判と集会に圧倒的に結集しよう(2面にアピールと要項)。7―8月の攻防と11月1万人大結集へ向け、職場・生産点で道州制・民営化粉砕決戦にいよいよ総決起していこう。
大失業と戦争の攻撃が激化
すでに統治能力を喪失している日帝・麻生政権と大ブルジョアジーは、株価や生産が上昇したことなどをもって、「景気は底を打った」などと、極めて政治的に叫び出した。しかし設備投資も個人消費も下がり続け、米欧日の長期金利の異常な上昇が、大恐慌の深刻化とドル暴落の危機を引き寄せている。何よりも失業率が全世界で急上昇し「生きさせろ!」の怒りが充満している。アメリカは失業率10%、日本も5%を超えた。
しかし日本の統計には1週間に1〜9時間の仕事しかできない200万人を超す短時間就業者や、150万人を超す休業者は含まれていない。これらを加えれば実質失業率は実に11%を超える。まともに生活できない労働者が巷(ちまた)にあふれているのだ。
米製造業を代表してきたGMの破綻と国有化こそ、米帝と資本主義の終わりを象徴している。GMの再建などできるはずがない。基軸的産業である自動車をめぐる争闘戦での米帝の敗北は致命的だ。しかも世界の自動車産業全体が、40%もの過剰資本・過剰生産能力にあえいでいるのだ。
それにGM破産に伴う債務保証の支払いはいったいどうなるのだ。巨大なCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)問題の爆発は、金融大恐慌をさらに決定的に激化させる。オバマ政権の米国債発行と財政赤字は天文学的に膨らみ、それが長期金利上昇とドル暴落を現実化させる。大恐慌はいよいよ深刻化し、結局、最末期帝国主義は戦争と労働者への賃下げ・大失業の攻撃に突き進んでいくのだ。
大恐慌下で、今や世界戦争の危機が切迫している。イランの大統領選問題に端を発した内乱的激動は、イスラム支配体制の終わりの始まりと、未完のイラン労働者革命の勝利の現実性を突き出すと同時に、イラク・アフガニスタン・パキスタン情勢と一体のものとして、米帝の中東支配の危機をさらに促進している。他方で米帝オバマと日帝は、国連新制裁決議をもって北朝鮮侵略戦争の発動と世界戦争に向かって突き進んでいる。
横須賀基地所属の米イージス艦による、北朝鮮貨物船カンナム号への船舶検査=臨検のための追跡行為は、まさに戦争挑発そのものだ。日帝・麻生は北朝鮮への輸出全面禁止を閣議決定し、「海賊対処法」の衆院再可決・成立を強行し、さらに「貨物検査特措法」の今国会での成立を策動している。米日帝の北朝鮮侵略戦争が切迫するただ中での、「対北朝鮮、戦うべき時は戦う」という麻生の街頭演説など、断じて許し難いことだ。
ここでの大問題は、連合中央や日本共産党スターリン主義がオバマを全面的に礼賛し、対北朝鮮の排外主義の先兵となり、侵略戦争翼賛へと転落していることだ。労働者階級の闘いを抑圧している体制内勢力を打倒し、今こそ青年労働者を先頭に、闘う労働組合を取り戻すときだ。労働組合の職場からの闘いと国際的団結で、米日帝の北朝鮮侵略戦争を阻止しよう。8・6―8・9―8・15闘争に職場生産点から総決起しよう。
4大産別・法大決戦勝利へ
6・14―15闘争が示したように、青年労働者と学生の獲得・決起に一切がかかっている。4大産別決戦と法大決戦で青年労働者・学生が屹立(きつりつ)し、先頭に立って闘えば、大恐慌下の階級闘争の主導権は動労千葉派と労働者階級が握ることができるのだ。11月労働者集会の1万人大結集の実現に向け、今から全力で闘おう。
そのために7―8月の闘いにおいて、国鉄1047名闘争を基軸に4大産別決戦をいよいよ本格的に爆発・前進させよう。動労千葉は6月21日に定期委員会を開催し、1047名解雇撤回闘争の勝利に全責任をとる勢力として登場することを宣言し、9月定期大会までに2桁(けた)の平成採獲得―青年部結成をめざす大方針を決定した。4大産別を先頭に全労働者は動労千葉の闘いに続こう。
その闘いの決定的武器は、動労千葉物販・NIPPO物販と、法大暴処法弾圧粉砕の「全国声明」だ。全国の職場・キャンパスと街頭で、物販闘争と「全国声明」の賛同署名運動をどん欲に大々的に展開しよう。
さらに国労5・27臨大闘争弾圧粉砕の裁判闘争を武器に、1047名解雇撤回へ、攻勢につぐ攻勢に打って出よう。7・17最終弁論公判と集会の成功へ総決起しよう。
4大産別決戦と一体的に結合して、法大闘争をさらに前進させよう。法大文化連盟と全学連の学生の不屈の団結と、坂野陽平全学連委員長代行などの新たなリーダーの登場に打撃を受け、追い詰められているのは権力と法大当局だ。起訴された8人の学生は今も拘置所へ移監されず、獄中弾圧にさらされている。直ちに全員を釈放しろ! 接見禁止を解除しろ! 獄中弾圧をやめろ!
7・5三里塚闘争、7・19関西新空港闘争が決定的となった。反対同盟と固く連帯して市東さんの農地を守り抜き、新誘導路7月供用―北延伸滑走路10月供用攻撃を、労農連帯の力で打ち砕こう。泉州住民の会の呼びかけに応え、労働組合と住民運動が一体で関空闘争を爆発させよう。
東京・杉並を最大の焦点とした「つくる会」教科書攻撃を全都の労働者の総決起で粉砕しよう。また山田杉並区長の全面的後援を得て強行される7・13「田母神1000人集会」(杉並公会堂)を絶対に許すな!
ここからさらに、8・6広島―8・9長崎―8・15闘争へ、階級的労働運動路線と4大産別決戦と反戦・反核闘争の新たな発展をかけて、職場生産点から進撃しよう。
これらの闘いの成否は、一切がマル青労同・マル学同の1000人組織建設にかかっている。だからこそ革共同は、青年労働者・学生に革命党への結集を心から訴えたい。
夏期一時金カンパ闘争と機関紙1割拡大闘争に全組織が勝利し、11月1万人決起へ怒涛(どとう)の進撃をかちとろう。
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週刊『前進』(2397号1面2)(2009/06/29 )
7・5三里塚現地闘争に結集を 4面にアピール
現闘本部裁判 証拠調べ打ち切り弾劾
事務局次長萩原進さん NAAのウソ暴く証言
6月25日、千葉地裁で天神峰現闘本部裁判が開かれ、三里塚反対同盟事務局次長・萩原進さんが証言台に立った。原告・成田空港会社(NAA)のウソを根底から打ち砕く証言に圧倒された仲戸川隆人裁判長はまたしても、証拠調べの打ち切りを宣言する大暴挙を行い、支援・傍聴に駆けつけた80人の労働者・学生が反対同盟とともに徹底弾劾して闘いぬいた。
萩原さんは証人宣誓の後、生い立ちから語り始めた。東峰という戦後の開拓部落で苦労して育った青年だった。国からシルクコンビナート(近代的養蚕事業)構想が提示され、必死に取り組んだ。だが新空港決定で一瞬で吹き飛ばされた。「国策とは何だ。戦争となれば兵隊に取られ、食糧を供出させられ、戦後は空港問題で土地を寄こせと迫られる。私は農民として、空港と一生かけて闘うと決意した」と怒りを表した。
反対同盟元副委員長の石橋政次氏とは家族ぐるみのつき合いだった。副委員長解任後にも石橋氏が「現闘本部は残す」と明言したことを確認した。「空港問題が村落共同体を破壊した。空港に賛成して出ていく者はいない」と萩原さんは悔しさをにじませた。
その後移転先の石橋家を訪れ、息子の武司氏と何度か話し合い、1988年5月に現闘本部の増改築を告げ、年間5万円の地代を支払うことにした。武司氏は最初はお金を受け取ることを固辞したが、受け取った上でカンパとして同じ金額を反対同盟に提出した。そのいきさつを詳しく再現した。
NAAが出してきた武司氏の妻・恵美子氏の陳述書は「義父は嫌がらせを受けて底地を残すしかなかった」などと事実を180度ねじ曲げて描いている。萩原さんはこれがNAAの作文に過ぎないことを怒りを込めて指摘し、批判した。そして「石橋は反対運動のため現闘本部を残していった」という事実が揺るがぬことを告げ、建物の実地検証を要求し、3時間を超える証言を終えた。NAA代理人は、反対尋問を一切放棄した。
続いて、反対同盟法対部として活動していた元永修二氏が証言した。石橋家に15回地代を払いに行った様子を語り、武司氏が「反対運動が続く限り使用を親父の名で約束した」と公団の土地譲渡の申し入れを拒絶したことを明らかにした。
これらの証言の迫真性に追いつめられた仲戸川裁判長は、反対同盟側が再三要求してきた石橋証人、法理証人の再喚問と建物の実地検証を却下し、証拠調べを打ち切り、次回を最終弁論とすると一方的に宣言した。一瞬にして法廷が怒りのるつぼと化し、反対同盟、弁護団、傍聴者が一体で仲戸川を追及した。
千葉市ビジネス支援センターで弾劾決起集会が開かれた。北原事務局長は、「今日の裁判は絶対に認められない!」と語気を荒げた。葉山岳夫弁護士始め弁護団全員が、証人尋問で仲戸川を追いつめた手応えを感じつつ、裁判所の大暴挙を断罪した。動労千葉の後藤俊哉さん、群馬の青柳晃玄さん、関西実行委などが連帯のあいさつを行った。萩原進さんは「今日は敵を押し込んだ。極悪裁判長仲戸川を孫子の代まで追いつめてやる。まずは7・5の大爆発だ!」と結んだ。「農地死守」を貫く反対同盟にこたえ、7・5三里塚現地闘争に大結集しよう。
(写真上 「仲戸川裁判長の暴挙に対し農地死守の実力闘争を!」と労農学が怒りの弾劾決起集会【6月25日 千葉市】)
(写真下 「敵を押し込んだ」と萩原進さん)
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※7月5日(日)午後1時30分
東峰十字路北側開拓道路集合/敷地内デモ
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週刊『前進』(2397号1面3)(2009/06/29 )
大恐慌を世界革命へ革共同に大カンパを
大恐慌をプロレタリア革命に転化するために、圧倒的な夏期カンパを訴えます。
動労千葉が呼びかけた6・14労働者集会―15法大解放闘争は、大高揚をかちとりました。この闘いの中にこそ、労働者階級の勝利の道があります。闘争爆発のニュースは全世界に発信され、各地で闘う労働者・学生を大いに奮い立たせています。世界の労働者階級がひとつに団結して闘えば、絶対に帝国主義をうち倒すことができます。いよいよその決戦の時が来たのです。
GM破綻は、争闘戦に敗北した米帝の保護主義を極限的に激化させ、オバマは、イラン、北朝鮮侵略戦争にカジを切りました。国際帝国主義の最弱の環である日帝・麻生は危機感を募らせ、「戦うときは戦う」と、北朝鮮に対する実際上の侵略戦争宣言をするに至っています。民営化・労組破壊と戦争・改憲攻撃は一体です。一切は労働者階級の団結、労働組合的団結をめぐる攻防にあります。
資本主義・帝国主義を打倒するのか救済するのか、すべての分岐はここをめぐって起きています。帝国主義に屈服する連合本部など一切の体制内勢力をうち破って、闘う労働運動をよみがえらせましょう。
新自由主義は、歴史上かつてないほど巨大な労働者階級の隊列、すなわち「資本主義の墓掘り人」を登場させました。デモ、ストライキ、ゼネストの大波が全世界に広がりつつあります。その先頭に、動労千葉を軸にした日米韓の国際連帯闘争が立っています。これこそ革命的情勢ではありませんか。革命の時が来たのです。
労働者階級はいかにして革命に勝利するのかが最大の問題になっています。革共同は、革命勝利の路線を国鉄決戦基軸の4大産別決戦として打ち立てました。国家権力機構の内部に強固な党細胞と闘う労働組合、革命の拠点を建設し、6千万労働者階級の怒りと真に合流していくのです。
この路線は全党の確信となり、6・14―15闘争の大勝利を実現しました。4大産別決戦と法大闘争が革命勝利の道なのです。
法大闘争は、110人が逮捕、33人が起訴される中で、全員が不屈非妥協の完全黙秘を貫くという戦後階級闘争の最高の地平を実現しています。若き革命のリーダーを一刻も早く奪還しよう。
大恐慌を世界革命の勝利に転化するために、そして革命の時代にかちぬく非合法・非公然の革命党を建設し強化するために、革共同に絶大な資金カンパをお願いします。
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週刊『前進』(2397号1面4)(2009/06/29 )
前進速報版から
▼ロンドン地下鉄全線で48時間スト▼6・23沖縄―本土をむすぶ労働者集会開く▼京都で法大弾圧粉砕と星野第2次再審を訴え街宣
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週刊『前進』(2397号2面1)(2009/06/29 )
“1047名闘争の最前線に”
動労千葉定期委 11月1万人結集へ全力
“職場で闘って組織拡大を”
動労千葉は6月21日、第61回定期委員会をDC会館で開催した。09春闘と結成30周年記念行事を始めとする今年前半の闘いを総括するとともに、さらなる飛躍をかけて〈組織拡大〉と〈11月労働者集会への1万人結集実現〉を車の両輪として闘う方針を決定した。
あいさつに立った田中康宏委員長は、「今年前半は大変な情勢の中での闘いだった。根底から時代が動き出している。闘う労働組合なしに労働者はもう生きられない時代だ。最大の課題である組織拡大闘争に全組合員が目の色を変えて突入し、さらなる飛躍を実現しよう」と呼びかけた。
続いて、繁沢敬一副委員長が総括を、長田敏之書記長が情勢・方針を提起した。長田書記長はとくに、「4者4団体による政治和解路線と対決して1047名解雇撤回闘争を再構築しなければならない。今こそ動労千葉が1047名闘争勝利に責任をとる勢力として最前線に登場しなければならない」と強調した。
(写真 動労千葉は結成30年をステップに新たな挑戦に踏み出した【6月21日 千葉市・DC会館】)
幕張支部破壊総力で粉砕へ
とりわけ重要だったのは幕張支部への組織破壊攻撃をめぐる討議だ。
JR千葉支社は6月1日から、幕張車両センターでの交番検査から動労千葉組合員を完全に排除するという重大な組織破壊攻撃に踏み込んできた。交番検査は平成採の若い労働者ばかりにされ、動労千葉のベテラン労働者は「機動班」という作業グループに集められた。
交番検査は、鉄道の安全運行の要となるきわめて大事な業務だ(JR東日本では交番検査の周期は90日以内・3万キロ以内)。作業の重要性、技術継承の観点から、これまでは必ずベテランと若手が一緒に配置されてきた。
JR資本は、今春闘ストにおいても”平成採を動労千葉に加入させない”という一点でスト対策をとった。今度は安全をまったく度外視し、平成採と動労千葉の労働者を引き離すためだけに、とんでもない暴挙に踏み込んだのだ。さらに千葉支社は、支部役員の強制配転さえ策動している。
動労千葉の抗議に対してセンター長は「(全員平成採でも)検査はできる」と断言した。しかし6月12日には、ある車両の修理ができないという状況が現実に生まれ、5月まで交番検査をやっていた動労千葉組合員らが呼ばれて修理するという事態が起こった。
組織拡大軸に闘う方針確立
委員会の討論では怒りの発言が相次いだ。幕張支部の組合員は、「当局は、何がなんでもベテラン排除の一点張り。しかも、もし事故が起こっても管理者は一切責任をとらず現場に押しつけるつもりだ。絶対に許せない」と弾劾した。
長田書記長は本部答弁で、「幕張の交番検査の問題は”これ以上、動労千葉には組織拡大させない”と会社が構えたということ。ここで、もう一歩、組織拡大で前進することこそわれわれの回答だ」と述べた。
田中委員長も総括答弁で、「『異常』という一言ではすまない。会社は、現場には平気で規程違反をやらせ、業務がまわるかどうかなんか関係ない。この全部がとてつもない矛盾となって爆発する」と怒りを込めて当局を弾劾した。その上で、「今日の討論で組織拡大闘争の展望が出たなと感じた。幕張の問題を、全支部の総力をあげて闘おう。敵の攻撃には必ず矛盾がある。この攻撃を打ち破った時にこそ組織拡大の展望が出てくる」と述べた。そして「いま労働者階級を襲っている現実のすべては国鉄分割・民営化から始まった。だからこそ1047名解雇撤回闘争は絶対に負けるわけにはいかない。いまこそ労働者階級の側から分割・民営化攻防に決着をつけるべき時だ。11月労働者集会に最低でも1万人の労働者を結集し、日本の労働運動を塗り替えよう。職場闘争の中から組織拡大闘争に全力をあげよう。この闘いを車の両輪として後半戦にうって出よう」と討論をまとめた。
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週刊『前進』(2397号2面2)(2009/06/29 )
“水泥棒のJR打倒”
6・23東京 株主総会直撃する怒り
6月23日、動労千葉、動労水戸、国労秋田闘争団、国労5・27臨大闘争弾圧被告団、国労共闘の闘う労働者は、JR東日本の株主総会と本社を直撃する弾劾闘争に決起した。朝は株主総会会場にほど近い四ツ谷駅前で、正午からは新宿駅南口のJR東日本本社前で、赤旗を林立させ、巨大プラカードを掲げて、積年の怒りをたたきつけた。
先陣を切って動労千葉の後藤俊哉特別執行委員がマイクを握り、「信濃川で水泥棒を長年続けた清野社長ら役員は全員解任だ!」「今日も総武線が止まっている。こんな会社は労働者がぶっ倒す」と激しく弾劾した。
動労水戸は石井真一委員長を先頭に決起し、「JRの違法行為は信濃川だけではない。闘う組合つぶしの不当労働行為という違法行為をずっと続けてきた」と訴えた。
JR東日本は、運転士の資格を持つ動労水戸組合員を、動労水戸に所属するというだけで運転士に登用しない不当労働行為を続けてきた。昨年12月の最高裁判決で運転士登用差別は不当労働行為だと断定されたにもかかわらず、JR東日本は団交で「間違っていたとは思わない」と居直り、動労水戸への攻撃を続けている。動労水戸はこの現実に怒りをぶつけ、「JRは私鉄に比べ11倍以上の事故を起こしている。JR東日本でも尼崎事故のような大惨事が起こりかねない」と深刻な安全破壊の実態を暴露した。
国労秋田闘争団の小玉忠憲さんは、解雇以来23年の怒りを込めて「JR体制を打倒し解雇撤回・JR復帰をかちとる」と戦闘宣言。「JRは盗んだ水で首都圏の電車を動かしてきた」「分割・民営化がこの違法企業を生み出した」と断罪した。四ツ谷駅前は2時間にわたりJR弾劾の怒りの声に包まれた。
「政治解決」路線にのめり込む4者4団体幹部らは、「一株株主会」という形をとって四ツ谷駅前で宣伝し、株主総会に向かったが、これは労働運動での勝負を放棄したということだ。
正午からは新宿駅南口に陣取り、JR東日本本社と東労組カクマルを直撃する弾劾行動を貫徹。「労働者を苦しめる元凶はJRだ。裏切った東労組、そして国労本部も許せない。労働者は今こそ立ち上がろう」という熱い訴えが響き渡った。
この日もJR東日本はガードマンを張り付け、玄関前を固めた。新宿駅の管理職も駆り出して弾劾行動を妨害した。行動参加者は本社ビル玄関前まで進み、シュプレヒコールをたたきつけた。朝、昼の行動とも労働者の圧倒的注目を浴び「頑張って」「同感だ」という声が多数寄せられた。
JR資本との闘いこそ国鉄1047名の解雇撤回をもぎりとる勝利の道だ。JRで働く全労働者の怒りを集め、JR資本との闘いをさらに強めよう。
(写真左 ”違法企業JRを許さないぞ!”2時間の弾劾闘争を闘い気勢をあげる【6月23日 四ツ谷駅前】)
(写真右 多数のガードマンを配置して抗議・申し入れを拒絶するJR資本を弾劾【新宿・JR東日本本社前】)
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週刊『前進』(2397号2面3)(2009/06/29 )
国労5・27臨大闘争弾圧裁判 最終弁論で論告を圧倒
国労本部と警察の結託暴く
6月19日、国労5・27臨大闘争弾圧裁判の第110回公判が東京地裁刑事第10部(植村稔裁判長)で開かれ、弁護団が最終弁論を行った。公判闘争は次々回7月17日の公判で結審という大詰めの局面を迎えている。
判決は早ければこの秋にも予想される。権力は有罪判決を狙い、JR資本はそれを口実とした懲戒解雇の攻撃を振り下ろそうとたくらんでいる。5・27臨大闘争弾圧との闘いは、こうした攻撃と全面的に激突する新たな段階に突入した。
2月27日、検事は国労組合員の各被告に懲役1年、向山和光被告に懲役1年6月を求刑した。弁護団の最終弁論は、これを真っ向から弾劾し、被告の無罪を明らかにするものとなった。
この弾圧には暴力行為等処罰法が使われた。法政大学生運動への弾圧にも発動されている暴処法は、労働者人民の団結した行動それ自体を犯罪とするものだ。
暴処法弾圧と全面的に対決して不抜の団結を固めてきた被告団の闘いは、国鉄1047名闘争と労働者階級の勝利の展望を照らし出している。
松崎弁護団の敵対うち砕き
公判の冒頭、富田益行被告団長が意見を述べ、暴処法を打ち破って勝利すると宣言した。さらに富田さんは、今に至るも7被告との弁論併合を求めている松崎博己被告とその弁護団を徹底的に弾劾した。
昨年秋、彼らは裁判所に7被告と松崎被告の裁判を併合するよう申し立てた。だが、7被告側は徹底した反論をたたきつけ、裁判所は6月15日、松崎被告らの申し立てを却下した。この過程で松崎被告とその弁護団が提出した弁論併合申立書には、7被告の黙秘方針を非難して、「一刻も早く悔い改め、反省し、関係者とりわけ5・27裁判を支援してきた多数の関係者に対して謝罪すべきである」などという暴言が書き連ねられていた。
富田さんはこの事実を暴き出し、4者4団体路線に転落した松崎被告とその弁護団を渾身(こんしん)の怒りを込めて弾劾、「彼らのあらゆる妨害を粉砕して勝利する」と断言した。
弁護団が格調高く最終弁論を行った。
「はじめに」で検察論告を包括的に批判し、第1章では新自由主義の戦略的攻撃として強行された国鉄分割・民営化の全体像を暴くとともに、02年5・27臨時大会に至る国労本部の裏切りの歴史と、これに抗して闘ってきた国労共闘の闘争史が語られた。5・27臨大における被告らの決起の正当性が明らかになった。
第2章では、暴処法の制定過程と戦前・戦後を通じてのその発動の状況が具体的に明らかにされ、労働者の階級的団結の破壊を目的とした暴処法の本質が説得力を持って語られた。
暴処法は違憲被告は無罪だ
弁護団は、暴処法自体が憲法違反であり、暴処法による公訴提起(起訴)自体が棄却されるべきだと強調した。
第3章では、この弾圧が国労本部と公安警察の結託によってつくり出されたデッチあげであることが、具体的事実に基づき全面的に暴き出された。酒田充東京地本委員長(当時)や吉田進長野地本書記長(同)ら国労幹部は、傘下の本部派組合員に対して「被害届」を出させ、被害者証人となることを強要した。「証拠」となるビデオを撮って警察に提出したのは、東京地本執行委員だった鈴木勉だ。
被告団と傍聴者は、あらためて国労本部への怒りを燃やし、国労本部を打倒して国鉄闘争に勝利する決意を固めた。
7・17一日行動に結集を
弁護団の最終弁論は、次回7月3日の公判に続行される。さらに7月17日の公判では、7被告が最終意見陳述を行い、弾圧への怒りと国鉄闘争勝利−階級的労働運動の実践にかけた思いを縦横に語る。
7月17日は、午前中にJR東日本本社と鉄道運輸機構本社に対する抗議行動、公判終了後に有罪判決粉砕に向けた総決起集会が闘われる。
5・27臨大闘争弾圧との闘いは、これから有罪−解雇攻撃粉砕、1047名解雇撤回をかけたJR資本との正面戦に入るのだ。
この弾圧との闘いは、被告を権力に売った国労本部を打倒し、4者4団体の屈服路線を粉砕して、1047名闘争の勝利の路線を打ち立てる闘いそのものだ。
最終盤に突入した公判闘争に結集し、7月17日の終日にわたる闘いを全力で打ち抜こう。
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週刊『前進』(2397号2面4)(2009/06/29 )
闘う拠点の破壊を狙う 田母神反革命を許すな
田母神講演会(7・13杉並8・6広島)粉砕を
北朝鮮侵略戦争と核武装を扇動
日帝・麻生は6月7日の街頭演説で「対北朝鮮、戦うべき時は戦う」(東京・吉祥寺駅前)と叫んだ。自民党は次期「防衛計画の大綱」に「敵基地攻撃能力の保有」を盛り込もうとしている。衆院憲法審査会規程と海賊対処法案の可決を強行し、船舶検査特別措置法の成立を狙っている。イラク・アフガニスタン・ソマリアに続いて日帝は、北朝鮮侵略戦争発動体制に入ったのだ。この攻撃の最先兵が田母神(たもがみ)だ。7〜8月、田母神反革命と闘い抜こう。
7月13日、田母神俊雄前航空幕僚長が杉並公会堂に来る。杉並では山田宏区長による「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書採択の動き、拉致問題を利用した北朝鮮侵略戦争の扇動が渦まいている。8月6日には、日本会議の主催で広島の地で田母神講演会が計画されている。その狙いは戦後の反戦反核闘争、そして戦争・改憲、民営化・労組破壊攻撃との闘いの拠点である杉並、広島の闘いの破壊にある。
(写真 拉致問題を利用し北朝鮮侵略戦争を扇動する杉並区主催の「つどい」に反対し街宣【6月2日 荻窪】) 軍部中枢でクーデターを企てる
田母神の第一の罪状は、航空自衛隊幕僚長という軍部中枢にあって反革命クーデターを企て、組織したことだ。
田母神は昨年10月31日、「わが国が侵略国家などというのは濡れ衣(ぬれぎぬ)」とする論文を懸賞論文で発表したことが発覚し、同日夜に解任された。アパグループ(金沢市に本拠を持つホテル業)が主催する「真の近現代史観」懸賞論文の応募者は自衛隊の佐官・尉官の幹部自衛官だけで90人。所属別では幕僚部4人、航空総隊71人(小松基地が62人)、航空救難団16人などだった。
田母神は98年に第6航空団(小松基地)司令に着任。ここでアパグループ代表の元谷外志雄と知り合い、元谷を介して森元首相や安倍元首相と結びついた。元谷をF15戦闘機に乗せてやったり、アパグループのホテルへの基地隊員宿泊紹介が7割を超えるという腐った利権関係を形成した。
田母神は、02年〜04年まで統合幕僚学校長を務め、田母神派形成のために「歴史観・国家観」講座を新設した。講師は「つくる会」メンバーや桜井よし子などで、受講した幹部は390人。全部が佐官クラスだ。
その後、田母神は航空総隊司令官を経て、安倍政権のもとで07年3月に航空幕僚長に抜擢(ばってき)された。着任後、直ちに軍内部で安倍―田母神の反革命派形成に走った。
田母神の基本的主張は@日本が侵略国家だったというのは濡れ衣A集団的自衛権の行使と憲法改正B安保に依拠せぬ自主国防、という「つくる会」と一体のもので、北朝鮮侵略戦争に直ちに突入する国家体制構築を求めるものだ。これは、対中国全面戦争と対米戦争をやりうる国家体制を求めた1936年2・26事件を想起させる反革命クーデターだ。
田母神の第二の罪状は、北朝鮮侵略戦争の口火を切ろうと反革命デマ宣伝に明け暮れていることだ。
各地で侵略戦争扇動に明け暮れ
田母神は「対テロ戦争への協力より拉致テロの解決を」と叫び、「拉致被害者を返さないなら武力攻撃で被害者を取り返す」「北朝鮮ミサイル基地を空自戦闘機の空爆でたたけ」と叫ぶ。そして「それをやるためには詳細な地図が必要だが、今の日本ではそうした地図をつくることさえできない」と嘆く。
だが実際に自衛隊中枢は、米軍と一体となって「戦争計画5055」に沿った北朝鮮侵略戦争の具体的準備を進めているのだ。北朝鮮侵略戦争が発動されれば日米韓3軍が一体となり、北朝鮮人民を数万人、数十万人の規模で殺傷する戦争になる。この北朝鮮侵略戦争に”直ちに突入せよ!”と明けても暮れても扇動しているのが田母神だ。
田母神の第三の罪状は、「日本は侵略国家ではなかった」「対華21カ条の要求は当たり前の要求」「日韓併合で朝鮮は恩恵を受けた」などと排外主義で塗りたくった大ウソを恥ずかしげもなく述べ立てていることだ。
田母神の父親は、徴兵され、中国侵略戦争の最前線に立ち、二等兵から軍曹まで異例の出世をした。この父親から日本軍の自慢話を聞いて田母神は育った。70年安保・沖縄闘争の大激動時には防衛大生(67〜71年)だった。デモ隊の戦闘的行動に接した時、「物を壊すのはよくない」と小ブル的な恐怖と憎悪を感じていた。田母神は、一貫して労働者階級人民の生きた姿と闘いから自らを遮断し、防衛大学と自衛隊幹部出世コースの世界に住み続け、支配階級の凶悪な先兵となり果てた。
田母神は「日本をいい国だと思わなければ自衛隊は戦争ができない」と主張する。再び朝鮮・中国侵略戦争を始めるためには戦後的な歴史観・価値観を一掃する必要があると焦っているのだ。
労働運動の力で田母神打倒へ!
田母神の第四の罪状は、改憲・核武装を公然と主張していることだ。
田母神は、戦後の米軍占領下における新憲法制定、教育勅語・国家神道の廃止を「国際法違反だ」などと泣き言を言っている。戦後の日本をダメにしたのはアメリカだとし、いつまでも日米同盟には頼れない、自衛隊を米軍と対等の国防軍にせよ、と言っている。
田母神の核武装の主張は、日帝中枢の本音だ。支配階級内部で、核武装への強烈な衝動が募っている。そうしなければ、第3次世界大戦前夜というべき情勢を帝国主義国家として勝ちぬけないからだ。しかし、日帝の核武装を米帝は絶対に認めない。だから極右軍部の田母神が突出して核武装を叫び立てているのだ。
こんな考えは被爆者を先頭とする労働者人民の激しい怒りで粉砕されるだけだ。核・核兵器への怒りを甘く見るな。
田母神は、7月13日には杉並で、8月6日には広島で日本の核武装を主張しようとしている。絶対に許せない。他方、日本共産党や連合・原水禁などがオバマのプラハ演説に飛びつく大反動が渦巻いている。今年の8・6ヒロシマ―8・9ナガサキ反戦反核闘争は2正面からの大反動との決戦だ。
田母神反革命粉砕の道は6・14〜15闘争に示された労働者階級の団結と闘いの中にある。国鉄を軸に4大産別決戦を闘い抜いて労働組合を帝国主義打倒の拠点とし、田母神反革命を打倒しよう。
(宇和島洋)
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田母神講演会粉砕! 「つくる会」の教科書採択阻止!
7・12労働者集会
7月12日(日)午後1時半
杉並区産業商工会館3階
呼びかけ/西部労組交流センター 東京西部ユニオン
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週刊『前進』(2397号3面1)(2009/06/29 )
道州制・民営化・戦争協力の自治労本部を打倒しよう!
8・25-28自治労熊本大会決戦へ
賃下げ提案策す本部許すな
“4大産別決戦で革命をやろう”
革共同自治体労働者委員会
6・14―15闘争の大高揚から戦争阻止・革命勝利の時代へ
自治体現場で働く労働者の怒りが渦巻いている。2003年横浜大会での「『自治労21世紀宣言』否決」の前から8年にわたって自治労本部が全力で進めてきた地公3単産(自治労、全水道、都市交)の組織統合は、現場労働者の怒りで粉々に打ち砕かれた。3・6大阪府庁前行動、5・9全都労働者集会をはじめ民営化絶対反対・道州制粉砕の全国の現場労働者の闘いが3単産統合を破綻に追い込んだのだ。
動労千葉が呼びかけた6・14―15連続闘争は労学共闘として大結集と大高揚をかちとった。国鉄闘争と法大闘争を両軸とする4大産別決戦の大前進だ。時代認識と路線確立の勝利だ。世界大恐慌下、4大産別決戦を一層推進し、09年11月労働者集会1万人結集を実現しよう。8月25―28日の自治労熊本大会は11月への決定的な跳躍台だ。ぐらぐらになっている自治労本部を現場労働者の怒りと団結で打倒しよう。
6・14―15闘争は、世界大恐慌が日々深まる中で、労働者階級の怒りと団結の力で帝国主義を打倒し、世界戦争を阻止し、世界革命を実現しよう、と全世界の労働者人民に宣言を発した。6月14日、「1047名解雇撤回! 労働者派遣法撤廃! 改憲阻止! 麻生内閣打倒!」を掲げた全国労働者総決起集会は、2100人の労働者・学生を結集し、戦闘的デモで渋谷を制圧した。
6月15日、法大当局と警視庁による法大学生運動への暴処法弾圧、警察・機動隊の国家暴力に守られた法大という現実に怒る1200人の労学が法大包囲デモに決起、獄中8学生と3万法大生に連帯して「新自由主義大学粉砕! 監獄大学ぶっ飛ばせ!」と叫んだ。
法大正門前で法大生は「仲間を絶対に裏切らない」「3万法大生の怒りで絶対に勝利する」と発言した。これこそ動労千葉に学び自らの実践でつかんだ階級闘争の要諦(ようてい)だ。すべての労働者・学生が心の底から勝利を確信した。この力で勝利しよう。この団結を全国の職場・学園でつくり出そう。
6・14―15闘争には、09年前半、怒りのストライキを先頭に民営化絶対反対・道州制粉砕を掲げて全国の職場・学園で闘ってきた青年労働者が圧倒的に結集した。法大学生運動とそれへの大弾圧は、支配階級=資本家階級と労働者階級との力と力の激突であり、時代の最先端を行く攻防だ。
首切り・賃下げに対する労働者・学生の怒りの沸騰を国家暴力で抑えつけることなど絶対できない。6・14―15闘争の地平を確認し、09年夏秋、国鉄決戦、法大決戦を先頭とする4大産別決戦を職場から推進しよう。
(写真 ワーカーズアクションinMIYAGIが道州制・民営化に反対する仙台市役所包囲行動に立った【6月10日 仙台】)
現場労働者の激しい怒りに自治労本部は今やグラグラ
全国の自治体労働者は、世界大恐慌のもとで激化する日帝の戦争・改憲、民営化・労組破壊、道州制、首切り・賃下げの大攻撃に激しく怒っている。闘いを抑えつけ団結を阻害する自治労・自治労連=体制内労働運動指導部に怒っている。
連合は大恐慌下の09春闘において、戦争・大失業・賃下げ攻撃の激化に直面し、「労使共同宣言」「政労使合意」を結び、資本・国家に屈服し忠誠を誓った。瀕死(ひんし)の資本・国家を救うために、労働者階級の怒りと決起を抑え込み、スト禁圧に全力を挙げた。労働者はこの連合に「今、労働組合が闘わなくてどうするんだ!」と激しく突きつけている。
職場には極限的な人員削減で体と心を壊し、働き続けられない労働者がたくさんいる。非正規労働者や外郭団体の労働者、公共民間(自治体業務を委託された民間企業)の労働者は、首切り・賃下げ攻撃に対して「我慢も限界だ」と闘いに立ち上がっている。住民である労働者人民は、介護、医療、子育て、学校、税金など、解決できないあらゆる問題を抱え苦しんでいる。自治体労働者は毎日、新自由主義攻撃による社会崩壊の現実に直面し、「ふざけるな」と怒っている。
この怒りの前に、自治労本部は、5月28―29日に奈良市で予定していた中央委員会を新型インフルエンザを口実に中止、傍聴を排除した1日だけの東京開催に逃げ込んだ。本部は屈服と裏切りの路線が破綻し、ぐらぐらで、現場組合員の怒りと追及を恐れたのだ。
3単産統合を怒りで粉砕
自治労本部の路線的破綻点は第一に、地公3単産組織統合を断念せざるをえなくなったことだ。
3単産統合は「労使協働」、民営化推進の「21世紀宣言」路線に基づく「200万自治労構想」として打ち出された。しかし自治労は民営化推進路線のもとで組織人員を100万人から87万人に減らす危機的事態に陥っった。しかも世界大恐慌下、大失業と戦争、革命情勢が到来した。この中で民営化・道州制推進のための3単産統合は新たな産業報国会、体制翼賛しか生み出さない。全逓に続き、自治労、日教組、国労がその名称を捨て去り、4大産別の労働組合が資本・国家の言うがままに自治体丸ごと民営化、道州制、戦争・改憲の攻撃を推進することになる。こんなものを現場組合員は認めない。
自治労中央は5月29日の中央委員会で、自治労と全水道との組織統合協議の決裂の結果、地公3単産統合を断念したと報告した。「産別継承組織となる『部門組織』に対するイメージが合意に至らなかった」(岡部謙治委員長)、「本部に配置する役員数の考え方の相違」(植本真砂子副委員長)と理由を挙げた。
しかし、3単産統合が破産した真の理由は、戦争・改憲、民営化・労組破壊、道州制、賃下げ・首切りの攻撃に屈服する自治労路線に対し、現場労働者の怒りが噴出していることだ。病院、保育所、給食、公営水道、公営交通などが公務員バッシングをてこに次々と民営化される中、現場労働者は怒りを募らせ、闘いの方針を求めている。だが3単産統合の21世紀宣言路線は、民営化推進、「質の高い公共サービス」の提供のための賃下げ・首切り、長時間過密労働の強制だ。ついには大恐慌で危機に陥った資本・当局の救済を労働組合の役割とした(労使共同宣言と政労使合意)。この本質が明らかとなった結果、3単産統合は必然的に破産したのだ。
現に本部の道州制・民営化推進路線のもと今や全国の自治体で60万人を超える非正規職労働者が働いている。極度の低賃金と劣悪な労働条件に置かれている自治体の非正規職労働者は「私たちは使い捨ての部品じゃない。人間だ。労働者だ」と叫び、闘いを始めている。全国の自治体の現場労働者の怒りと新たな団結を求める闘いは自治労本部を追いつめている。
自治労本部の路線的破綻点は第二に、本部が公務員の夏季一時金0・2カ月削減攻撃に完全に屈服したことだ。
大幅賃下げに何ひとつ闘いを組織しない労働組合を労働組合と言えるのか。「凍結」なんてごまかしだ。春に闘わず「秋に反撃を」なんて成り立たない。今夏(秋)の人事院・人事委員会勧告がさらなる大幅賃下げ攻撃となることは必至だ。現場労働者はそれを見ぬいている。東京都の現業青年労働者は「正規職の初任給14万円では生活保護単身者と変わらない。生きていけない」と怒る。
全国自治体で吹き荒れる賃金大幅切り下げ、非正規職化、「公務員ワーキングプア化」の攻撃に対して、青年労働者が正規―非正規、現業―非現業の分断を打ち破って団結し、その力で新たな賃金闘争を開始している。
現状2割下げの「標準給与」
自治労本部の路線的破綻点は第三に、5月19日に自治労本部労働局が2012年人事院勧告制度廃止を前提に「地方公務員の標準的給与のあり方について(原案)」を提起したことだ。
自治労本部労働局は、5月13日に国会の全会一致で成立した「公共サービス基本法」の「地方公共団体の実状に応じた施策」を引き合いに、公務員の全国一律賃金体系を解体し、各自治体ごとに個別賃金を決める「最低基準」として、現状を2割引き下げる大幅賃下げ案を自治労本部が提案したのだ。「地域民間準拠」を組合の側から提案する「攻めの賃金対応」だ。賃金による分断と団結破壊を自治労本部がやろうとしているのだ。
これこそ道州制攻撃推進路線だ。世界大恐慌で資本主義が危機だから賃下げは仕方がないというのだ。民営化・賃下げを前提に「職の確立」「民間譲渡と雇用確保法」「公契約条例」制定運動を提起し、「攻めの民営化対応」で自治体丸ごと民営化・非正規職化・低賃金化を組合として推進する。このような自治労本部は全労働者の敵だ。公務員労働者への大幅賃下げは全労働者への賃下げ攻撃だ。公務員労働者は今こそ全労働者の先頭で一律大幅賃上げを要求して闘おう。
御手洗と橋下が「国民運動」
総じて自治労本部は、日帝の道州制導入と戦争動員の攻撃を労組の側から推進している。これが自治労本部の路線の最大の断罪点だ。
世界大恐慌の深まりは、帝国主義の世界戦争に向けた動きを加速させている。4月、北朝鮮スターリン主義の「弾道ミサイル発射」を前に麻生首相は「破壊措置命令」を発した。自衛隊はMD(ミサイル防衛)としてPAC3を全国に配備、イージス艦を展開させた。秋田県、岩手県をはじめ全国の自治体を自衛隊が直接指揮した。有事体制が事実上発動されたのだ。秋田では「空襲警報」が鳴り、学校で児童・生徒が避難、自治体はそれらを指揮し命令した。自治体労働者は「有事」に住民を動員する役割を担わされた。
6月、今度は北朝鮮の核実験をとらえ、麻生首相は「戦うべき時が来たら戦う」と公言した。自民党は敵基地攻撃(能力保有)論、核武装論、国連脱退論を噴出させている。排外主義扇動と戦争挑発、軍拡が公然と行われている。
ところが自治労本部は麻生政権の自治体戦争動員攻撃に一言の抗議も反撃も組織しない。連合の北朝鮮非難声明を支え、排外主義を大合唱している。そればかりか、米帝オバマの核独占政策と核戦争戦略の先兵となろうとしている。自治労本部は連合・原水禁・核禁会議呼びかけのオバマ賛美の「核廃絶1000万署名」や8・6広島にオバマを呼ぼうという運動の先頭に立っているのだ。これらは戦後の反戦・反核運動、原水禁運動を解体し変質させるものでしかない。8・6ヒロシマ大行動の圧倒的な高揚で粉砕しよう。「戦争を遂行するのも阻止するのも労働者だ」(6・15集会の基調報告)。自治体労働者は反戦反核闘争の先頭に立とう。
道州制攻撃は戦争と改憲、戦争国家体制をつくる攻撃だ。道州制で自治体労働者は再び戦争動員の先兵にさせられる。
御手洗冨士夫・日本経団連会長が日本経団連定期総会で道州制導入の国民運動を提起した。財政改革、社会保障削減、農政改革、アジア経済圏づくりなどとともに道州制・行政改革を政府が取り組むべき課題として提起した。経済同友会も道州制導入を衆院選の公約に入れろと各政党に要求している。ブルジョアジーは大恐慌下、破産した新自由主義攻撃にしがみつくしかない。
その先兵が橋下徹・大阪府知事や中田宏・横浜市長らだ。ブルジョアジーの意を受けて「地方分権」「霞が関解体」の名で道州制国民運動を開始した(「橋下・中田対談」産経新聞6月22日)。彼らの弱点はその足元だ。自治体職場で労働者が反乱したら道州制も民営化も自治体運営もできなくなる。職場闘争を巻き起こし、御手洗、橋下、中田を打倒しよう。
当局・体制内派と非和解で闘いぬき職場の団結作ろう
6・14―15闘争は、職場生産点で資本・当局、体制内派との非和解的対決を勝ちぬき、階級的団結を打ち固めることを一切の土台にしてこそ、中央政治闘争による階級的力関係の転換が可能になることを示した。それは労働運動の階級的戦闘的潮流の形成とそこでの職場細胞、地区党を基礎とする単一の革命党の建設として進められる。その最大のてこはマル青労同、マル学同各1000人建設の前進だ。
この闘いの基礎をなすのは「世界大恐慌は資本主義の終わりだ。今こそ労働者階級は帝国主義打倒・プロレタリア革命の闘いに立ち上がり、労働者階級が自ら(プロレタリアート独裁をつうじて)社会を根本から変革する時が来た」という時代認識であり、「社会の真の主人公は労働者だ。労働者は社会を変える力をもっている」という階級意識であり、「労働組合は労働者の団結のとりでであり、自己解放の闘いの武器だ」という労働組合論だ。
ところが自治労本部=体制内労働運動は、労働者とその力をまったく信用していない。「闘っても負ける」という奴隷根性にとらわれている。
職場の労働者の力、団結の強化こそ勝利の原動力であり、闘いの総括軸だ。民営化絶対反対・道州制粉砕、戦争協力拒否の路線のもと、労働者の怒りを引き出し、その先頭に立って職場闘争を展開しよう。分断を打ち破り、隣の労働者を組織し、職場に階級的団結をつくり出そう。
6月17―19日のJP労組第2回定期大会(仙台)では「経営との一体化」で郵政民営化の危機をのりきろうとする本部の路線に、全国から集まった闘う全逓労働者が激しい怒りをたたきつけた。今夏4大産別決戦の火ぶたが切られたのだ。
自治労熊本大会は、自治体労働者にとって、全労働者にとって歴史的な決戦となる。「労働者が戦争を担うのか阻止するのか」をかけた決戦だ。大会で時代認識と革命情勢を訴え、民営化絶対反対・道州制粉砕、戦争協力拒否の路線を提起し、本部の反動性・破綻性を徹底的に暴こう。公立病院、保育所などの民営化、人事評価、首切り・大幅賃下げの攻撃に絶対反対を貫いて闘おう。闘う自治体労働者は、本部への怒髪天をつく怒りを満身にたぎらせ、青年労働者を先頭に火の国・熊本に攻め上る。大会を現場労働者の怒りのるつぼとし、本部を打倒しよう。8・6ヒロシマ大行動の成功をばねに11月労働者集会1万人結集へ!
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週刊『前進』(2397号3面2)(2009/06/29 )
“労働者の誇り奪い返せ”
JP労組仙台大会闘争
「中央本部打倒」を訴え大反響
現場労働者に組合を取り戻す
6・14―15がつくり出した高揚と一体感、闘いの熱気そのままに、第2回JP労組大会(仙台市)闘争が現場組合員と全東北の労学一体の団結で大爆発した。われわれはこの闘いをもって、獄中で労働者階級の利益を体現し完全黙秘・非転向を貫き闘いぬいている法政大学の学生同志と獄壁を越えて固く団結したのだ。JP労組仙台大会はこれから始まる4大産別の全国大会闘争の緒戦である。ここにおいて、革命に至るわれわれの路線を真っ向から提起し、職場の労働者の怒りと一体となって資本と体制内労働組合を串刺しにする大勝利をかちとったのだ。
連合―JP労組中央に代表される体制内労働組合は、本当に現場組合員をなめきっている。闘わない労働組合がどれだけ仲間の首を切り、自殺に追い込んできたか。ただ働きに示される劣悪な労働条件がどれほど組合員に屈辱を与え、労働者としての誇りを踏みにじってきたのか。だからわれわれが掲げた「労働者の誇りを奪い返せ」のスローガンは圧倒的に職場の声であり、正しいのだ。そのことは、現場労働者の決起でJP労組幹部を打倒し、労働組合を現場組合員の手に取り戻すことで実現される。
大会闘争に早朝から結集した全国の仲間は、真に職場の声を代表して本部弾劾を開始した。青年の組合員が次々と怒りをたたきつける。今や職場の圧倒的多数になった郵政内非正規雇用の青年が物のように資本に首を切られる中で、日逓(日本郵便輸送)中野営業所勤務のK君をはじめ、全国各地で首切りを認めない解雇撤回の闘いを自ら先頭に立って闘っている。その前に立ちふさがり資本と一体となって首を切ってくるのがJP労組中央と支部・分会役員だ。この裏切り者たちに向ける怒りは資本に向ける怒り以上だ。労働組合とは徹頭徹尾、労働者の利害を貫く団結体であり、一人の仲間を守るために全員が闘い、一人の仲間も見捨てないからだ。裏切り者を許さないのは労働組合にとって絶対的原則なのだ。
この青年労働者の怒りの本部弾劾が大会を圧倒している。だれが組合員の声と労働者階級の利害を体現しているのかがはっきりしているからだ。われわれこそが組合員の代表であり、労働組合そのものだ。大会会場前の集会こそが本当の全国大会なのだ。そのことをこの大会闘争でJP労組幹部に強制したのだ。
今大会をもってJP労組委員長を退いた山口義和が、「成果主義賃金」やJPEX子会社化での首切り・強制出向を無理やり組合員にのませることを手柄に、日本郵政顧問・郵便局会社監査役に転身することへ弾劾の発言が相次いだ。「労使一体から資本そのものになるという体制内労働組合すらも超えた暴挙は絶対許せない。労働組合は出世の道具じゃない」「本部の提案など一つも現場では認めていない。粉砕あるのみ」。怒りの発言の前に本部役員連中はこれから何が起こるのか戦々恐々としている。
やつらがよりどころとしているのは唯一、資本との一体性だ。大会会場内での委員長あいさつは今やぐらぐらになっている西川への忠誠であり、労働者階級への敵対だ。組合員を生産阻害物呼ばわりすることなど絶対に許さない。反対派組合員排除を狙うユニオンショップなど笑止千万。組合員の怒りで西川や山口こそ郵政からたたき出せ。
(写真 西川続投を歓迎し、「経営との一体化」を掲げるJP労組中央を弾劾。青年労働者を先頭に大会会場をデモで包囲した【6月17日 仙台】)
郵政民営化絶対反対を貫く
思い返せばこの大会闘争の大勝利を結実させたものは、06年の郵政民営化絶対反対の路線の確立から開始された闘いだ。自らを絶対反対の立場で屹立(きつりつ)させ、自らの内外にある体制内的なものと激しく分岐をし、「生きさせろ」と決起を開始した青年労働者とどうやったら団結をつくり出せるのか、仲間の怒りを体現するとは何なのか、団結論と自己解放的決起とは何か――一つひとつ討論と実践を全国で開始する中で確立してきた。
そしてそのことは自らを切開するような苦闘と失敗の連続であった。どうしても体制内労働運動にとらわれてしまい、なかなかそこから脱却できなかったり、組合と革命を使い分けたり、分岐と流動をつくり出すために一時職場でひとりぼっちになるような恐怖感にとらわれたこともあった。
青年の決起と真正面から向き合い、首をかけることで青年と団結ができる。一つひとつの身に刻む実践がわれわれ自身を一番大きく変えたのだ。そして労働組合のあるべき姿として具体的に第2第3の動労千葉になろうと今、職場で奮闘を開始している。その自信が全闘争参加者にみなぎって本部を圧倒したのだ。
労働組合は組合員に依拠する以外に力は出せない。同日カクマルはこそこそと現れ、ビラもろくにまけずわれわれ現場労働者に圧倒され、逃げ帰った。カクマルはかつて国鉄分割・民営化に賛成し協力した。労働者階級を裏切った者は永遠にその罪から逃れられない。JP労組中央の意気消沈は、われわれの後ろに怒れる膨大な組合員の姿を見ているからだ。われわれこそ本部を打倒し組合を組合員の手に取り戻そうと攻めているのだ。
大会闘争に勝利したわれわれのすべきことはただ一つ、11月へ向けて組合を現場労働者の手に取り戻すこと、怒れる仲間を組織し、組織し、組織しまくることだ。全国の仲間の皆さん。この大会闘争の攻勢のまま郵政の青年労働者を獲得し、マル青労同1000人建設をなしとげよう。11月労働者集会1万人結集で日本労働運動をひっくり返そう。革命勝利まで団結して闘おう。
(宮城・全逓労働者 森山哲也)
(写真 代議員、傍聴者が次々にビラを受け取る)
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週刊『前進』(2397号4面1)(2009/06/29 )
7・5三里塚闘争に立とう
労農連帯・国際連帯の力で新誘導路の7月供用阻止を
三里塚闘争は、7月4日、成田に閣議決定(1966年)してから43年を迎える。43年間、帝国主義国家権力と不屈の「農地死守・実力闘争」を闘いぬいてきた三里塚芝山連合空港反対同盟が、「新誘導路の7月前倒し供用阻止!市東さんの農地を守れ!7・5三里塚現地闘争」への呼びかけを発している(要項1面)。結審攻撃と断固闘いぬいた6・25天神峰現闘本部裁判の傍聴闘争に続き、新誘導路7月供用阻止へ、7・5現地闘争に立ち上がろう。暴処法弾圧を打ち破る6・14渋谷大デモ―6・15法大解放闘争の爆発と高揚を踏まえ、4大産別決戦を基軸に夏〜秋の三里塚攻防に全力で決起しよう。
43年の歴史かけた決戦へ
この43年間、三里塚芝山連合空港反対同盟は、帝国主義国家権力に対して絶対に妥協することのない姿勢を貫き、労働者・農民・学生・人民と固く連帯し闘ってきた。闘いの渦中で生まれた日本共産党や反革命カクマル、脱落派などの反動と裏切りを一ミリたりとも許さず、動労千葉との共闘を通じ、韓国・民主労総ソウル本部や全世界との労農連帯、国際連帯の闘いを切り開いてきた。
世界大恐慌は戦争と大失業の攻撃となって労働者、農民に襲いかかる。全世界で闘いが爆発している。三里塚闘争は、まさにその重要な一翼である。
6・15法大解放闘争で参加者が見たものは、おびただしい数の武装警官によって固められた法大キャンパスだった。外濠校舎の吹き抜けにはロープが張られ、学生が出られないようにガードマンと職員が廊下で監視するという監獄大学そのものの異様な光景であった。
世界に例のない超危険な誘導路
成田空港の現状は、空港の周囲20`を、微電流を流した警報装置つきの三重のバリケードで取り囲み、ある地方県警の警察官の総数をも上回る1500人の機動隊が24時間の監視体制をとっている。日常的な営農活動に対して、尾行、張り付き、職務質問を繰り返し妨害を続けている。まさに法大の現実そっくりだ。しかし、われわれの闘いが、敵をここまで追い込んだのだ。
米貨物機の爆発・大破・炎上事故が3月に起きた。成田空港の運航上の初めての死亡事故(乗務員2人)であり、頭上40bの飛行下で営農する反対農民は日常的に同じ危険にさらされているのだ。この欠陥空港への反省のひとかけらもなく、国土交通省と成田空港会社(NAA)が打ち出したのが、延長滑走路10月前倒し供用―新誘導路7月供用の攻撃だ。
そのために工事が急速に進められ、滑走路北側では東関東自動車道の上部をまたいで、900bもの巨大なハシゴ状の鉄橋を築き、進入灯を設置した。この構築物は前例のない、パイロットにとっても運航上危険なものといわれている。
5月には新誘導路での電波誘導によるジャンボ機走行テストが行われた。新誘導路を走行するために、信号を使って滑走路南端を2度横断するという、世界中探しても例がない前代未聞の危険な誘導路だ。これまでの中型機に加え大型ジャンボ機をも民家の頭上40bで離発着させ、殺人的騒音をまき散らそうというのだ。
天神峰現闘本部と市東さんの農地を強奪し天神峰・東峰の農民をたたき出し、反対同盟の闘いを解体するところに本当の狙いがあるのだ。
市東さんの農地守りぬけ
反対同盟解体攻撃の最大のものは、祖父の代から90年間耕作してきた市東孝雄さんの農地を、民事裁判をとおして収奪するという攻撃だ。追いつめられた日帝・国交省、空港会社は、市東さんへの農地強奪に全体重をかけ、あらゆる攻撃を一挙に強めている。世界大恐慌が戦争と大失業の攻撃となって労働者人民に襲いかかっているが、まさにそれと同じ攻撃だ。三里塚闘争の帰すうを決する闘いであり、農地強奪粉砕の階級的大反撃をたたきつけよう。
市東さんへの農地強奪になんの正当性も、法的整合性も、理屈もない。これまでの「無法」にさらに輪をかけ、得手勝手な法解釈をデッチあげて、土地収用法で取れなかった農地を、農地法によって奪おうとする悪辣(あくらつ)な攻撃=新たな攻撃に打って出てきている。
市東さんは堂々と闘っている。「私はこれまでどおり堂々と畑を耕し続けます。罪を犯してもいない私が、なぜ法廷に呼ばれなきゃいけないのか。被告側に座るのは誰なんだ。私はここであらためて言いたいと思います。一歩も引きません」(昨年11月16日、市東さんの農地取り上げに反対する会の集いでの発言)
市東さんのこの土のにおいのする誇るべき感動的な決意に断固連帯し、反対同盟の「農地死守・実力闘争」の原則を貫いて、敵の攻撃を猛然と打ち返してきた闘いに連帯してともに闘おう。
戸村精神をよみがえらせ闘おう
勝利のかぎは、労農連帯の力で闘うことだ。革共同は反対同盟との血盟をかけて三里塚闘争の勝利をもぎりとる。動労千葉と反対同盟との労農連帯、民主労総ソウル本部やILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル34などとの国際反戦共同声明にあらわれている国際連帯の闘いは、日本プロレタリア革命の勝利を切り開き世界革命へと進む闘いだ。今年、戸村一作反対同盟委員長の生誕百年を迎えた。戸村委員長は「動労千葉は鉄路を武器に、反対同盟は農地を武器に闘う。これが労農連帯だ」と明快に喝破し、「車の両輪」論を鮮明に提起した。戸村精神をよみがえらせ、労農連帯の力で市東さんの農地を守ろう。
天神峰現闘本部の撤去策動が強まる中、現闘本部撤去攻撃を階級的大反撃で粉砕しよう。
非妥協・不屈の団結武器に
今こそ労農連帯の真価を発揮し、新誘導路7月供用、暫定滑走路北延伸10月前倒し供用を粉砕し、市東さんの農地を守りぬこう。
反対同盟は、極悪非道の限りをつくした国家暴力に、「農地死守・実力闘争」の非妥協・不屈の原則を貫き闘ってきた。この原則は、国家の総力をあげた攻撃に一歩もひるまない決死の闘いが生み出したものだ。それは人間解放のエネルギーとなって解き放たれ、どんな攻撃をも打ち砕く鋼のような団結をつくり上げてきた。
6・14―15連続闘争で労農学の破竹の進撃が始まった。戦争・改憲と民営化・労組破壊、道州制、暴処法弾圧、そして三里塚攻撃を打ち砕く力がこの団結にあることを誰もが確信した。6・14闘争で反対同盟の北原鉱治事務局長は、「労働者が、そして若い諸君が未来を描ける時代にしていくには、君たちが立ち上がる以外にない。キャンパスを奪い返す以外にない。三里塚闘争は、君たちの未来を決める闘いでもある。反対同盟は、どこまでも君たちの先頭に立ってともに闘う」と言って全参加者に檄(げき)を飛ばした。三里塚も一体となってかちとったこの力、団結が勝利のかぎである。なにものをも、どんな攻撃をもぶち破ることができる。
闘いの変質解体を狙う塩川一派
危機を深める転向スパイ集団・塩川一派は、彼らの『通信』(1月20日付)において「1984年の第4インターに対する軍事的せん滅戦にかんする自己批判」なる文章を掲載した。これは、三里塚闘争から脱落し、反対同盟の3・8分裂(83年)を強行させた脱落党派である第4インターを免罪し、塩川一派が脱落派の立場に立つことを内外に明らかにした歴史的な反革命転向宣言である。
第4インターなどの脱落派は、三里塚闘争に対する最大の破壊攻撃であった「話し合い」攻撃に屈服し、「農地死守・実力闘争」の原則を貫いて闘う反対同盟と敷地内を平然と見捨てた。塩川一派の立場は、「農地死守・実力闘争」「労農連帯」という三里塚闘争の階級的核心を限りなく汚し踏みにじり、三里塚闘争を権力と妥協できるものに変質させ、解体するものだ。徹底的に粉砕しなければならない。
7・5三里塚現地闘争に全力で立ち上がろう。北朝鮮侵略戦争が具体的に切迫する情勢下で、成田の軍事基地化を絶対に阻止しなければならない。
今こそ労農連帯の真価を発揮し、新誘導路7月供用、暫定滑走路北延伸10月前倒し供用を粉砕し、市東さんの農地を守りぬこう。
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週刊『前進』(2397号4面2)(2009/06/29 )
被爆64周年 8・6ヒロシマ大行動へ
実行委員会が呼びかけ “オバマと麻生を倒せ”
被爆64年目の8・6ヒロシマは、米日帝の戦争・核戦争策動と真っ向から対決し階級的労働運動の大発展を押し開く決定的な闘いである。「オバマと麻生を倒せ!」と呼びかけるヒロシマ大行動の成功へ、ヒロシマ大行動実行委員会の呼びかけ文を紹介します。(編集局)
被爆64周年目の8・6ヒロシマは、世界大恐慌と戦争の時代の到来のなかで重大な転機をむかえています。今こそ私たち自身の手で戦争を阻止し核を廃絶するために、私たち自身の力ある行動が必要です。全国、全世界のみなさんに、8・6ヒロシマ大行動にご賛同・ご参加いただくよう心からよびかけます。
オバマ賛美をぶっ飛ばせ!
オバマ大統領のチェコ・プラハでの演説は、日本共産党や連合中央、秋葉広島市長らが絶賛するような「核廃絶演説」などではまったくありません。オバマは「核兵器が存在する限り、敵を抑止するための、安全、確実で、効果的な核兵器を維持する」と明言しており、アメリカの核独占とそれによる世界支配を継続しようというものです。「核兵器を使用したことがある唯一の核強国としての道義的責任」とは、「核の傘」をふりかざし北朝鮮やイランに対して核使用をも辞さない侵略戦争をやるということです。大恐慌の危機にあえぐアメリカ資本主義が生き延びるため、再び世界戦争にうったえようとするものです。圧倒的な核軍事力を独占し、イラク・アフガニスタンへの侵略戦争を拡大しているオバマ大統領こそが、最大の「戦争放火者」です。8・6ヒロシマを「オバマ賛美」で埋めつくすことなど、絶対に許してはなりません。
戦争・改憲に向けた「8・6つぶし」と対決を
末期的危機の麻生政権も戦争以外にすがるものがなくなっています。北朝鮮のロケット発射や「核実験」を口実に、「敵基地攻撃能力保有」「核武装化」論を噴出させ、「戦うべき時は戦う」と首相自ら戦争を絶叫しています。そして「海賊対処法」に続き、北朝鮮船舶への臨検・戦争挑発法である「船舶検査特別措置法」の今国会成立も狙っています。裁判員制度実施、憲法審査会設置など改憲への動きも急です。こうした中で、何と8月6日の広島で、侵略戦争を肯定し公然と核武装を主張する田母神前空幕長が講演会を開くというのです。被爆者・労働者民衆の核と戦争への怒りを、北朝鮮に対する排外主義と侵略戦争に向けさせようというのです。
戦争と改憲を進める勢力が、ついに真っ向から「8・6ヒロシマつぶし」に出てきたのです。ところが、既成の原水禁は、これと対決するどころか、オバマ賛美と北朝鮮への排外主義に完全にとりこまれています。8・6大行動は、「核独占と戦争のオバマと麻生を倒せ! 北朝鮮への侵略戦争絶対阻止!」を掲げ立ち上がります。
労働者の団結こそ核をなくし戦争とめる
今こそはっきりさせましょう。戦争を阻止し核兵器を廃絶する力は、米日の支配権力者たちにではなく、私たち労働者民衆の中にこそあります。
1047名解雇撤回を貫く動労千葉を先頭とする国鉄労働者の22年余に及ぶたたかい、「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンを掲げる教育労働者の「日の丸・君が代」不起立闘争、道州制・民営化とたたかう自治体労働者、破産した民営郵政と対決する郵政労働者――これら「戦争と民営化・労組破壊」に立ち向かう全国の現場労働者のたたかいこそが、戦争への道を阻止しています。ビラも看板も禁止という法政大学では、学生たちが3年間で110人逮捕(30人起訴)という大弾圧をうち破り、自由と解放を求めてたたかっています。アメリカのILWU(国際港湾倉庫労働組合)の労働者は、昨年のメーデーでイラク戦争の即時停止を要求して港を封鎖するストに決起。イラクの港湾労働者は、これに呼応して連帯ストに立ち上がりました。戦争による分断をもうち破るたたかう労働者の団結。ここに展望があります。
1929年恐慌からアジア侵略戦争・第2次世界大戦に突き進み、ヒロシマ・ナガサキの原爆投下に至った歴史をくり返すのではなく、日本と全世界で燃え上がる労働者や学生のストライキやデモ、民衆のたたかいと団結し、私たち自身の手で戦争を止め、核をなくそう。全世界の労働者民衆の核と戦争への怒りをひとつに集め、09年8・6を、世界を核戦争に引きずり込むオバマや麻生に対する一大反撃のときとしましょう。オバマ賛美と北朝鮮への戦争扇動による原水禁運動の解体攻撃をうち破り、8・6ヒロシマ大行動を国際的な反戦反核運動の本流へ! いっしょに団結して行動しましょう。
被爆64周年8・6ヒロシマ大行動実行委員会
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全世界の労働者・民衆の団結で、核をなくせ! 戦争・改憲をとめよう! 被爆64周年
8・6ヒロシマ大行動
と き 8月6日(木)12時半/集会 3時/デモ
ところ 広島県立総合体育館小アリーナ
関連行事 8月5日(水)
午後/産別交流集会&学生集会 (東区民文化センター)
午後6時/青年労働者交流集会 (東区民文化センター)
●オバマの世界核支配と戦争を許さない!
●麻生を倒せ! 北朝鮮への侵略戦争阻止!
日本の原発推進・核武装を許すな!
●戦争・改憲と民営化・労組破壊にたちむかおう!
主催/8・6ヒロシマ大行動実行委員会
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6日(木)午前7時 祈念式典弾劾―麻生来広弾劾デモ
7日(金)午前9時 碑めぐり
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週刊『前進』(2397号4面3)(2009/06/29 )
「海賊対処法」成立弾劾
世界全域で武器使用を狙う
ソマリア沖への自衛隊派兵に続き、事実上の海外派兵恒久法となる「海賊対処法案」が、19日の衆院本会議で再可決―成立させられた。現行憲法体系を踏み破り、海外での武力行使をも可能にしたこの攻撃を弾劾して、反戦共同行動委員会は国会行動に決起した。
まず全学連の学生が「法大弾圧は外に向かっての侵略戦争と一体の攻撃だ。110人の仲間が完黙を貫いている。この団結こそが戦争を止める力だ」と訴えた。労組交流センターの労働者は「連合は戦争情勢下でアメリカの独占的な核は容認、北朝鮮の核は許さないという排外主義に転落した。オバマを全面賛美する日本共産党も同じだ」と、体制内派の戦争翼賛への怒りをこめた。
都政を革新する会の長谷川英憲さんは「オバマが核独占を宣言し、ソマリア沖に派兵された自衛隊が武器使用寸前だ。これに全野党が翼賛している」と、既成政党の総屈服を弾劾した。東京反戦共同行動委の仲間は「麻生政権を人民は誰ひとり支持していない。帝国主義は労働者の力で必ず打倒できる」と訴えた。
(写真 「海賊対処法」=海外派兵恒久法の衆院再可決の暴挙に対し、全学連を先頭に反戦共同行動委員会が怒りの国会行動【6月19日 衆院議員会館前】)
職場を基礎に戦争と闘おう
「海賊対処法」の重大性は、@武器使用基準の緩和と、A外国船も警護対象にできるということを新たに定めた点にある。
これにより、「海賊」(実体は帝国主義の侵略で漁場などを奪われ生活基盤を失った漁民・人民だ)に、自衛隊が「危害」を加える船体射撃が可能になり、「海賊」が停船命令に従わない場合は、相手が攻撃してこなくても船体射撃ができることになったのだ。
さらに、これまでの海上警備行動では日本関係船舶に限定された警護対象を、外国船まで拡大したことで、海域に限定なく世界のどこでも、どの国の船舶でも「警護」が可能となった。海外派兵と集団的自衛権行使の決定的エスカレートだ。
「海賊事件」は15日現在、すでに昨年を31件上回る142件が発生し、30隻210人の乗員が人質になり、14隻はいまだ抑留中だと宣伝されている。今月11日から現地で作戦体制に入ったP3C哨戒機などと連携し、自衛隊の艦艇が米軍などと共同して、実戦そのものに踏み込むことが現実のものとなっている。
同時に、北朝鮮核実験に対する国連新制裁決議1874(6月12日採択)を受けて、日帝・麻生政権は、公海上で軍事力による船舶への臨検を可能とする特別措置法の今国会成立を狙い、法案の提出を急いでいる。
自民党プロジェクトチームは、船舶の追跡・検査は海上保安庁でなく自衛艦が行うこと、活動範囲を制限しないこと、国会承認は事前も事後も不要であることなど、実に超反動的な方針を確認した。
今や米日帝は北朝鮮侵略戦争発動の準備に突入している。シンガポールに向かって航海中の北朝鮮貨物船を、横須賀配備の米海軍イージス艦が追跡中であると報じられていることも超重大だ。
6・14―15連続闘争の大勝利を引きついで、戦争と大失業に反撃する職場・生産点を基礎とした闘いを強めよう!
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週刊『前進』(2397号4面4)(2009/06/29 )
2009年 6月17日〜23日
米軍、北朝鮮船を追跡/防衛相が「海賊対処」準備指示
●米下院公聴会「北朝鮮の攻撃対象は日本」 米下院外交委員会の公聴会で、国際政策センターのセリグ・ハリソン氏が証言し、北朝鮮が戦争状態に陥った場合、韓国ではなく日本を攻撃するとの見方を明らかにした。(17日)
●「イラン、核兵器開発狙い」 国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は、英BBC放送とのインタビューで「イランは中東の大国をめざし、核兵器開発能力を持とうとしている」と語った。(17日)
●臓器法改悪A案が衆院通過 衆院本会議は臓器移植法改悪案を採択、原則「脳死は人の死」とし、本人の意思が不明な場合でも家族が同意すれば臓器提供できるとするA案を賛成多数で可決した。残りのB、C、D各案は採択されないまま廃案となった。(18日)
●原発比率「20年に40%」 経済産業省が「原子力発電推進強化策」をまとめた。エネルギーの安定供給と地球温暖化問題への対応を両立させるためには原発が不可欠と位置づけ、総発電量に占める原発比率を「2020年時点で40%程度」との目標を掲げた。(18日)
●米軍、北朝鮮船を追跡 複数の米メディアが、国連決議で輸送が禁じられた武器や関連物資などを積んだ疑いがあるとして、米軍が中国近海で北朝鮮船を上空から追跡していると報じた。決議に従った形での北朝鮮船の追跡が表面化するのは初めて。オバマ米大統領は「決議実施の真剣さがシグナルになる」としている。(18日)
●ハワイ迎撃態勢を強化 ゲーツ米国防長官は、北朝鮮が長距離弾道ミサイルの発射準備を進めていることを受け、ハワイに地上配備型迎撃ミサイルと海上配備型レーダーの追加配備を指示したことを明らかにした。(18日)
●「海賊対処法」成立、自衛隊に準備指示 午前の参院本会議で否決された「海賊」対処法が衆院本会議で再可決・成立した。これを受け、浜田防衛相は自衛隊に準備指示を出した。これまで自衛隊法に基づく海上警備行動で派遣されていたが、新法をもとに「海賊対処行動」を発令し、活動期間や部隊編成などを定めた「対処要項」を作る。2次隊は6月中にも日本をたち、7月下旬に現地で新法に基づいた活動を始める。(19日)
●区域外降下「通知必要なし」と米軍
6月11日に沖縄県うるま市の津堅島訓練場水域で実施した米軍のパラシュート降下訓練で区域外に着水し、当初報告がなかった問題で、在沖米海兵隊報道部は、当初報告しなかったことについて「けが人もなく、民間人や財産に危険は一切なく、米軍が地元自治体に通知する必要はない」と回答、区域外降下は地元報告の対象ではないとの見解を示した。(19日)
●沖縄戦が64年 沖縄戦で日本軍の組織的抵抗が終わったとされる日から64年が経過した。糸満市摩文仁の平和祈念公園で沖縄県など主催の「沖縄全戦没者追悼式」が行われ、麻生首相も参列した。麻生の訪沖は今年3月に続いて2回目。(23日)
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週刊『前進』(2397号5面1)(2009/06/29 )
8月広島・長崎−9月全学連大会へ
6・14-15労学共闘の地平から法大と全国学生の総反乱を!
革共同中央学生組織委員会
警察権力の意をくんだ「暴処法処分」許さない
全国の労働者・学生のみなさん。6月20日、暴処法弾圧を打ち破って奪還された文化連盟A君(社会科学研究会所属)に対し、文学部教授会は「停学1カ月」の処分を下した。徹底弾劾する! 処分理由は「今年2月19日の正門前での看板破壊に加わった」とされている。5月暴処法弾圧の逮捕「容疑」をそのまま書き写したものだ。
暴処法弾圧は、そのあまりのデタラメさゆえに労働者・学生の激しい怒りの声に包囲され、被逮捕者11人の全員起訴策動は粉砕された。しかし今度は法大当局が警察権力の意をくんで、釈放をかちとったA君に処分を下し「入構禁止」にするというのだ。なんという腐りきった癒着か! われわれはこの「暴処法処分」を絶対に許さない!
文化連盟と法大生の団結を破壊するためのこの処分に対し、法大生からは続々と怒りの声が上がっている。弾圧に次ぐ弾圧、処分に次ぐ処分によってしか学生支配を維持できない法大当局はもう終わりだ。6・14―15連続闘争を打ち抜いた勝利の地平の上に、3万法大生の総決起で増田総長独裁体制を打倒しよう。そして、その力で獄中で不屈に闘う8同志をただちに奪還しよう。
労学共闘の団結の力で戦争と民営化打ち破れ
6・14―15闘争は、3年間の法大闘争の質を飛躍させ、日本階級闘争を一変させる歴史的・画期的闘いだった。
それは第一に、渋谷2100人―法大1200人という大結集で結実した「労学共闘」の威力だ。動労千葉労働運動と法大闘争がついに結合した。「労学連帯」の無限の団結と可能性は、帝国主義打倒―プロレタリア世界革命勝利の日まで発展し続ける。
8時間労働制や不当労働行為の禁止など、資本へのあらゆる規制や制限を撤廃し、「無制限の搾取の自由」を狙う新自由主義は、80年代、過剰資本・過剰生産力の重圧に押しつぶされ、破産した資本主義の延命策として登場した。日本では国鉄分割・民営化を皮切りに、労働組合を破壊し、医療や福祉を奪って労働者に犠牲を強いる攻撃として、社会を隅々まで襲った。大学は、学問や教育までが資本の利潤追求の餌食とされ、資本に都合の良い安価な労働力製造工場と化した。しかし、この新自由主義と真正面から対決し、ブルジョアジーの階級支配を破産させているのが国鉄1047名闘争であり、3年余りの激闘を勝ち抜いてきた法大闘争なのだ。
そして今、日帝・麻生政権が世界大恐慌と帝国主義間争闘戦激化の危機に追いつめられ、道州制攻撃に踏み込んできていることは、われわれ11月大結集運動を闘う労働者・学生にとって決定的なチャンスだ。道州制攻撃は、4大産別を中心とした全労働者に仕掛けられた攻撃であり、公務員のいったん全員解雇―選別再雇用、そして民営化で労働組合・労働運動をたたきつぶし、労働者階級を戦争・改憲へ駆り出すことに核心的ねらいがある。
しかし4大産別の中核に動労千葉が深々と根を下ろし、民営化攻撃に対し日々団結を守り抜いて勝利している。この動労千葉が新自由主義攻撃に対する勝利の展望を指し示し、4大産別の労働者と劇的な合流を始め、労働運動の主流派に躍り出る大決戦が始まっているのだ。動労千葉労働運動と国鉄1047名解雇撤回闘争の存在こそ敵の破綻点であり、労働者階級が4大産別を軸に道州制攻撃を迎え撃ち、日本革命に勝利していく道だ。
14日の集会では、国鉄1047名闘争と法大闘争のような闘いを全国大学・職場に押し広げる決定的意義が満場の一致で確認され、その力が翌15日、1200人もの労働者・学生が法大闘争に立つ大決起を生み出した。
ちょうど時を同じくして「国際反戦共同声明」が三里塚反対同盟・動労千葉・民主労総ソウル本部・ILWUローカル34・運輸労働者連帯委員会の連名で全世界に発せられた。声明は「戦争と民営化、労組破壊と闘う全世界の労働者階級の団結した世界規模での行動のみがこの軍国主義化と労働者階級に対する攻撃の激化を食い止める力を有しています」と締めくくられている。世界の労働者階級の課題は、戦争と民営化、労組破壊との対決だ。6・14―15はこの声明を現実の運動に転化する決定的闘いとなった。その地平は、7月サンフランシスコ国際会議から8月広島・長崎反戦反核闘争、11月集会へと世界の労働者階級と結合しながら進んでいく。
(写真 動労千葉を先頭に労学1200人が法大を包囲した6・15闘争)
“法大戒厳令”を粉砕し侵略戦争を阻止しよう
第二に、6月15日、1200人が目にしたあの法大キャンパスの光景こそ、侵略戦争に突入する日本帝国主義の姿そのものだ。あらゆる門や窓、屋上までが封鎖され、法大生が真実を目にすることが完全に禁圧された。3万法大生が弾圧の対象とされ、昼休みは全員が教室内に「監禁」されたのだ。暴処法に続くキャンパスの全面封鎖。まさしく「戦時」とも言うべき戒厳体制ではないか。
かつて大学キャンパスであのような光景が一度だけあった。それは第2次大戦前だ。1925〜26年、社会科学研究会の学生が一斉検挙された京都学連事件を皮切りに、治安維持法と暴処法が猛威をふるった。これよって労働者・学生の団結が破壊され、職場や学校が戦争の拠点に変えられていった。法政大学においても1930年、哲学科の三木清教授が治安維持法で追放され、以後中国侵略の拠点校にさせられた。学徒出陣の先陣を切り、900人もの法大生が戦地に送られた。
法大当局は、学生が真実を知ると必ず立ち上がることを恐れている。4月24日、文化連盟への不当処分撤回を掲げて行われた集会に1000人もの法大生が合流し、そのことを証明した。「法大生の主体性を認めると大学支配は成り立たない」――この恐怖があれほどまでの弾圧態勢の引き金になった。「4・24を繰り返させない」という一点のために、すべての法大生の目をふさぎ、耳をふさぎ、手足の自由を拘束し、全面的な弾圧に手を染めたのだ。
学生がキャンパスで自由を奪われ、再び侵略戦争のお先棒を担がされようとしている。しかしそれは逆に、法大闘争を先端とした全国キャンパスでの300万学生の反乱こそが、日帝の戦争攻撃を真正面から粉砕していく決定的な闘いということなのだ。
第三に、「教育を取り戻せ!」というスローガンを、新自由主義攻撃と闘う労働者・学生の共通のスローガンとして打ち立てたことだ。
06年3月、法大当局が一方的に立て看板・ビラまきを規制し、抗議した学生29人を警察へ売り渡した。あの事件から3年。法大当局は声を上げる学生を次々と処分し、警察に売り渡してきた。逮捕者はのべ110人、起訴者は33人に及ぶ。今年の3月には、ビラまきを禁止する「情宣禁止仮処分」を発令。大学の「営業権」を理由に、キャンパスの半径200b以内を憲法停止にした。そして6月15日の戒厳令封鎖。新自由主義大学のなれの果ての姿が、あのキャンパスの惨状だ。
法大生は誰一人この大学を承認していない。あのキャンパス封鎖こそ、法大当局が法大生をまったく獲得できていない恐怖の裏返しなのだ。法大闘争3年間の激闘から生み出された「教育を取り戻せ!」という叫びは、最末期の資本主義・帝国主義によってすべてを奪われ殺されようとしている300万学生・2000万青年労働者の、革命に突き進む団結のスローガンだ。
(写真 法大正門前で労学がスクラム。インターナショナルを斉唱)
8月オバマ打倒闘争に立ち11月労働者集会へ
6・14―15闘争の実践的結論を鮮明にさせたい。それは一つに、ついに手にした「労学共闘」の地平を押し広げ、戦争と民営化との闘いに総決起することだ。二つに、処分阻止(撤回)闘争を軸に法大キャンパスでの攻防をさらに激しく燃え広がらせることだ。そして三つに、何よりも8月広島・長崎反戦反核闘争をオバマ・麻生打倒の一大階級決戦へと押し上げ、9月全学連大会への爆発的結集をかちとることだ。その力で、11月労働者集会への1万人結集、全国学生の1000人結集を実現しよう。
米帝オバマ政権打倒が国際階級闘争の大焦点だ。クライスラー・GMが破綻し、ドル暴落が現実化する中でオバマが向かうのは、保護主義(ブロック化)と労組幹部を屈服させ独占資本を救済することであり戦争への道だ。オバマはプラハ演説で、核兵器独占とその使用を宣言し、イラン・北朝鮮侵略戦争発動を世界に宣言した。北朝鮮「核実験」への国連制裁決議を受け、オバマは韓国に「核の傘」を提供すると明文化した。韓国と日本を核戦争の拠点にしようというのだ。日帝・麻生政権もまた、ソマリア沖派兵の拡大や「海賊対処法」「貨物検査特措法」で改憲・戦争へ突き進んでいる。
このオバマを「平和の使徒」と絶賛する日本共産党スターリン主義を、怒りを込めて打倒しよう。委員長・志位はプラハ演説をほめたたえるオバマへの書簡に返事が来たと大喜びし、その姿は「恋文」(東京新聞)と揶揄(やゆ)されるほどの異様さだ。あげくに「保守層の人も、わが党に安心感を持っていただいた」とブルジョアジーに恭順の意を示す始末だ。ただただ労働者の帝国主義への怒りに敵対し、闘いをおとしめ、幻想をあおる最悪の裏切り者だ!
今夏8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争はオバマ打倒の大決戦であり、大党派闘争だ。広島市長も既成勢力も、軒並みオバマ翼賛に転落した。あの田母神元空幕長まで広島に乗り込んで来る。6・15法大闘争は戦争阻止の闘いだ。6・14―15の勝利を引っさげ、全国学生は広島・長崎に総結集して闘おう!
そして6・14―15の闘いの中で、獄中に奪われた織田陽介全学連委員長に代わって、坂野陽平君(上智大)が委員長代行として鮮烈に登場したことは決定的だ。時代をしょって立つリーダーを続々と生み出してきたのが法大闘争だ。全国大学で法大型の激突が始まっている。富山大・新樹寮廃寮攻撃に対し、「自治寮を守れ!」をスローガンに寮生が立てこもって闘い抜いている。京都大学では関経連加盟に対し、京大生の怒りのデモがたたきつけられた。学生運動が爆発的に高揚する時代の到来だ。
全国の学友の皆さん!獄中8同志と固くスクラムを組み、8月反戦反核闘争から9月全学連大会へ! そして11月労働者集会1万人結集へ意気高く闘おう。
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週刊『前進』(2397号5面2)(2009/06/29 )
入管法改悪衆院可決弾劾 参議院で廃案に!
在留カード導入許すな
6月19日、衆議院で出入国管理及び難民認定法(入管法)、日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(入管特例法)、および住民基本台帳法の改悪案の可決が強行された。日帝・法務省は、さらに直ちに参院での審議を開始し、早期成立を狙っている。衆院可決を徹底的に弾劾し、参院での廃案をかちとろう!
今回の入管法改悪攻撃は、「外国人の公正な管理」と同時に「適法に在留する外国人の利便性の向上」をうたい、新たな在留制度をつくることを掲げているが、その狙いは在日・滞日外国人と日本の労働者階級との徹底した分断と団結破壊である。とりわけ、非正規滞在者や難民申請者らをこの制度から徹底的に排除していることは断じて許されない。
「中長期滞在の外国人」を在留カードで管理し、さらに永住者でも歴史性のある特別永住者のみを外国人住民台帳に組み込むなど、新たな分断を持ち込むものだ。すべてを入管法に一元化し、法務大臣の自由裁量を一層拡大する攻撃である。
「短期滞在者」や法務省が「不法在留」とみなす「適法に在留していない」外国人に対しては「在留カード」は交付されない。非正規滞在者や難民申請者とその家族から一切の人間的権利、労働者として生きる権利を剥奪(はくだつ)する攻撃だ。昨年の難民申請者は1599人にも上った。しかし日本政府の難民認定数は毎年わずか数十人のみだ! その人たちを日帝は「在留カードなし」として強制追放の対象にしようというのだ。
衆院での修正協議では「特別永住者証明書」の常時携帯義務が削除されたが、本質はなんら変わっていない。要は「必要に応じて」「必要な措置を講ずる」ということであり、法務省・法務大臣の裁量ですべて決めるということだ。「外国人は煮て食おうと焼いて食おうと自由」という日帝の入管攻撃の核心―徹底した分断、同化攻撃が貫かれている。
入管体制は、全世界の労働者が団結することを恐れた国家権力とブルジョアジーによってつくられた体制だ。労働者階級が団結を求めて決起したとき、入管体制は無力になってしまう。新自由主義というあらゆる社会的な紐帯(ちゅうたい)を破壊する攻撃は、全世界の労働者を一つにした。
マルクス主義を貫く階級的労働運動路線=動労千葉労働運動路線の全面的な実践こそが唯一の勝利の道だ。この道をまっすぐに貫いてきた4―5月入管闘争、6・3入管法改悪阻止!渋谷デモ、そして6・14―15闘争の大勝利をとおして、自分たちの存在と職場での絶対反対の闘いが情勢を切り開くことを完全につかんだ。入管法改悪阻止! 「在留カード」導入を粉砕しよう! 11月労働者集会への1万人結集へ攻勢的に闘いぬこう。
(写真 6月3日の渋谷デモ。在日・滞日を先頭に)
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週刊『前進』(2397号5面3)(2009/06/29 )
イスラム体制崩壊の始まり
未完のイラン労働者革命へ
6月13日の大統領選を契機として、イランのイスラム体制に対する労働者人民の積年の怒りが噴出している。選挙結果が発表された直後から、労働者人民は「不正選挙」を弾劾して街頭に進出し、治安部隊と激突した。15日には、政府のデモ禁止命令や、ムサビ元首相らのいわゆる「改革派」指導部のデモ中止や平和的デモの呼びかけにもかかわらず、反政府実力闘争は全国に波及し、50万人以上が現体制弾劾の行動に決起した。
それは79年のイラン2月革命以降最大の反政府闘争として、現政権を決定的窮地に追い込むものとなり、明確に現体制打倒の性格を持つ闘いとして発展し始めた。
これに対しイラン現政権は、革命防衛隊やバシジという民兵組織を動員して弾圧体制をとり、15日にデモ隊の7人を射殺、20日には13人を射殺する事態となった。また「改革派」といわれる勢力など2000人以上が逮捕された。だがイランの内乱的激突はさらに発展している。これはイスラム支配体制の崩壊の始まりだ。
●イスラム体制下の支配の現実
現在のイラン情勢の核心は、報道されているような、大統領選の不正をめぐる現体制と「改革派」の対立などにあるのではない。
今日のイラン・イスラム体制は、都市労働者を主体とした全人民的規模の武装蜂起でパーレビ国王の独裁体制を打倒した79年2月のイラン革命の成果を簒奪(さんだつ)し、保守的なイスラム主義による「法学者の統治」で労働者人民を支配・抑圧してきた反動的体制である。それは、2月革命後に形成された労働組合のナショナルセンターである労働評議会や、当時のフェダイーン・ハルク(イラン人民義勇戦士)やムジャヒディーン・ハルク(イラン人民聖戦士)など、革命を牽引(けんいん)した左派武装組織を反革命的内戦によって暴力的に解体した、イスラム法学者とその支配を軍事的に支えた革命防衛隊やバシジによる特殊な支配体制であった。
この体制のもとでは、伝統的な宗教勢力やバザール商人などの民族ブルジョアジーの利権が重視され、労働者階級人民の利害は完全に無視されてきた。石油産業や各種基幹産業を始めとする国営産業も、これらの支配階級と革命防衛隊や軍などの利権の手段とされてきた。労働者の利益を代弁する労働組合・労働運動も、徹底的に弾圧され、解体された。労働組合の解体、団結権や交渉権の否定、「イスラム労働評議会」という官製の御用組合による全一支配のもとに、労働者の権利要求の闘いは封じ込められてきたのである。
さらに女性や少数民族も、イラン・イスラム体制を護持するために徹底的に抑圧され、さまざまな権利を奪われてきた。
●体制の危機と対米強硬政策
このような本質的に反動的体制への労働者階級人民の怒りが蓄積される中で、支配階級は、国内矛盾を対外的緊張激化によってのりきるために、より一層の対米強硬路線をとってきた。これに対してもともとイラン革命の転覆を狙ってきた米帝は、石油権益の取り返しをもかけて、イランへの経済制裁や戦争的重圧を強めてきた。それは今日、対米強硬政策を一段と強化するアフマディネジャド政権下のイランに対する侵略戦争政策としてエスカレートしている。
イランの労働者人民の生活は、この米帝の経済制裁や戦争重圧によってさらに厳しいものになっている。労働者人民の闘いを弾圧し、ムサビ元首相ら「改革派」という名のあくまでも「法学者の統治」に固執する本質的には守旧派の動きを押さえ込むための現政権の対米強硬政策と、米帝やイスラエルによる侵略戦争政策の両方に対し、イラン労働者人民の怒りはもはや極限に達しているのだ。
●労働者階級の闘いに未来が
今日のイランの労働者人民、学生の決起の背後には、こうした現実への激しい怒りがある。彼らは今、再び79年2月のような労働者人民の蜂起と革命を実現して、現体制を打倒しなければ、もはや生きていけないと感じている。
だからこそ彼らは、すでに1999年以降のハタミ大統領の時代に破産したにもかかわらず、今日再びムサビを代表とする「改革派」勢力として登場している、イスラム体制内の本質的に守旧派的な運動に依拠するのではなく、自らの力によって自分たちを解放する闘いに決起し始めたのだ。そして何よりもこの闘いの主軸を担う存在こそは、労働者階級である。
79年2月革命によってパーレビ王政を実力で打倒し、労働評議会を形成した伝統をもつイランの労働者階級は、全人民の怒りを結集してイラン・イスラム体制を打倒しようとしている。また同時に、イラン現政府の反体制デモ弾圧などを非難しつつイラン侵略戦争の動きを強める米帝とオバマの策動を根底から粉砕するためには、自らの力で権力を奪取し、未完のイラン革命を最後まで貫徹しなければならないと決意している。
いわゆる「改革派」がイスラム体制内のより守旧派的勢力でしかないことを見抜いた労働者たちは、今日、石油、自動車、炭鉱、繊維、交通などの国営企業の民営化攻撃や労働運動解体攻撃と激しく激突して闘っている。労働運動指導部の相次ぐ逮捕、投獄、拷問、処刑、亡命にもかかわらず、イランの労働運動は新たな歴史的な発展段階に入った。
まだ労働者階級の前衛党は未形成だが、イランの労働者はイスラム体制との今日の激闘の中で、必ずや自らの前衛党を創成し、勝利に向かって進撃するであろう。
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週刊『前進』(2397号5面4)(2009/06/29 )
日程 法大裁判に集まろう!
★7月14日(火)5・29デモ弾圧@グループ
第16回公判(判決) 午後1時30分開廷
★7月15日(水)5・28「暴行」デッチあげ裁判
第13回公判(最終弁論) 午後1時30分開廷
★7月16日(木)5・29デモ弾圧Aグループ
第14回公判(判決) 午後1時30分開廷
◎いずれも東京地裁429号法廷
開廷1時間前に地裁傍聴券配布所に集合を!
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週刊『前進』(2397号6面1)(2009/06/29 )
大恐慌とアメリカ労働者階級
サンフランシスコゼネストの地平引き継ぐILWUの闘い
GM破産は、アメリカ資本主義の終わりだ。連邦政府も州政府も財政破綻し、一切の犠牲を労働者に押し付けている。1934年のサンフランシスコのゼネストの経験を現代に生かし、闘いを切り開くためにILWUローカル10、34(国際港湾倉庫労組第10、34支部)と動労千葉、民主労総ソウル地域本部を軸に戦闘的・階級的労組が7月、ゼネスト75周年の地に結集する。
ランク&ファイルが闘いを開く−30年代
アメリカの1930年代大恐慌の時代は労働者が生き生きと闘った時代だった。その突破口を開いたのが、1934年のサンフランシスコ、ミネアポリス、トレドの三つのゼネストだった。特にサンフランシスコのゼネストは現在のILWUに継承されており、今日的意義が大きい。
このサンフランシスコ地域一帯の全産業の労働者が参加した大ストライキは、まず港湾・海運部門の闘いから始まった。
34年5月9日、アメリカ西海岸の全港湾でILA(国際港湾労組)の諸支部が一斉にストライキに突入した。数日後、船員組合も続いた。
このストが可能になったのは、ランク&ファイル(一般組合員)の指導部ハリー・ブリッジスらが、腐敗していたILAをランク&ファイルの職場闘争でつくり変える闘いを貫いたからだ。ブリッジスらは全港湾を回ってランク&ファイルの団結をつくった。
また、ILAがアフリカン・アメリカンを組合から排除し、そのために経営側に彼らをスト破りとして使われてきたことを総括し、「差別はボス(経営者)の武器」として、人種を超えた団結を形成していった。
「経済学者や法律家、財務顧問、それに組合幹部さえも、尊敬に値する真に有能な助言者であっても、自分たち労働者の団結した力に勝る存在であるとは考えなかった」(ハリー・ブリッジス)
労働者の団結を一切の軸とした闘いにより資本のスト破壊策動を打ち破り、7月まで2カ月も西海岸の全港湾を止め続けることができたのだ。
7月5日、警察はピケ隊に催涙弾を打ち込み、騎馬警官隊が突入した。拳銃が火を噴き、2人の労働者が殺された。この日が「血の木曜日」と呼ばれている。
この事態の中で、カリフォルニア州知事は州兵部隊を展開し、連邦軍部隊も警戒態勢に入った。
ブリッジスは7月7日、サンフランシスコ労組評議会にゼネスト突入決定を要請した。
多くの既成労組指導部はスト反対だった。特にチームスターズ(トラック運転手などの組合)は港湾荷役に密接に関係する組合だが、中央本部も地元の指導部も港湾・船員ストに敵対的だった。
だがチームスターズのランク&ファイルが決定的役割を果たした。7月8日、チームスターズのサンフランシスコとオークランドの両支部が、支部執行部の反対を押し切ってストライキ突入決議を上げたのだ。そして7月14日、躊躇(ちゅうちょ)していたサンフランシスコ労組評議会がゼネスト突入を決議した。ゼネストには、小売商店を含めてあらゆる階層が参加し、文字どおり労働者が地域の主人公になった。
このゼネストの結果、労働者の就労を労働者自身で決定する組合管理のハイヤリングホール制度が確立され、「港のネズミ」と蔑視されてきた港湾労働者は誇り高い「港の主人」になっていく。労働者の職場支配権が確立されたのだ。
これに恐怖したルーズベルト大統領は35年に労組結成を基本的に認めるワーグナー法を制定せざるをえなくなり、36〜37年にはGMの労働者の工場占拠闘争が爆発していく。これがAFL(米労働総同盟)の右翼的指導部と闘うCIO(産業別組合会議)の躍進をもたらした。ブリッジスらは、ILA本部との激闘の末、ILAの西海岸組織全体をILWUとして分離独立させていった。
(写真 サンフランシスコのゼネスト。警官隊と激突する労働者【1934年7月】)
GM破綻と各州破綻資本か組合かの争い
現在の大恐慌は、30年代の恐慌の比ではない。
失業率は9・4%だ。ビッグ3の本拠地ミシガン州は14・1%、デトロイトでは25%を超える。財政破産で公務員が大量解雇されているカリフォルニア州では11・5%だ。1年半で倍増だ。
オバマ政権は、破産法申請の直前まで「全米自動車労組(UAW)が譲歩せねば破産法申請だ」といってUAWに年金、医療カットをのませた。
UAW本部は、三十数年間も組合員の権利を売り渡す資本への譲歩を重ねる一方で、本部役員の報酬は超高額、その上UAW所有の高級ゴルフ場で無料で遊興するという典型的労組ダラ幹だ。今回の破産過程での譲歩もすさまじい裏切りだ。
だがUAWには、1936〜37年のフリントでの工場占拠闘争の勝利を始めとした闘いの伝統をもつランク&ファイルが存在している。だから、いかにUAW本部が資本の手先でも、資本は組合の存在をもはや許容できない。
そのため、今回の破産法申請直前のUAWとの新規協約調印では、労働協約の更改時にスト権を放棄させ、仲裁人の裁定に従う義務を明記させたのだ。これは、労働組合の存在そのものの否定に等しい。
体制内指導部を打倒しないかぎり、もはや労働組合そのものが成立しない時代に入ったのだ。
米資本主義の破綻にメーデー復権の闘い
昨年5月1日、ILWUローカル10、34は、ILWU本部の闘争破壊策動と対決し、ILWU全体のイラク反戦西海岸港湾封鎖の先頭に立った。港湾という戦略部門の封鎖に全産業の労働者が結集し、メーデーが復権され、体制内指導部と対決する勢力を大規模に登場させた。そしてイラク港湾労組との世界史的な国際連帯が形成された。
その上に立って、カリフォルニア州の公共労働者の大結集が呼びかけられている。その先頭でUTLA(ロサンゼルス統一教組)は、州の教育予算カット・8000人解雇策動を職場でのテスト拒否闘争、ピケット、巨大街頭デモで押し返した。現在も2500人解雇攻撃に対して闘っている。UTLAは、校内での募兵活動との闘いなど、職場での反戦闘争を闘うことによって、これほどの力を形成してきたのだ。これを軸に、諸教組、AFSCME(米自治労)の諸支部などとの統一的な闘争が形成されつつある。
大恐慌下で戦争、民営化・労組破壊と闘うランク&ファイルの運動が、体制内労働運動と対決しつつ急速に台頭している。アメリカの労働者階級と団結し、アメリカ資本主義・世界の資本主義を打倒し、労働者が主人公となる社会を建設していこう。
(村上和幸)
(写真 港湾を封鎖し、メーデー行進をするILWUローカル10の部隊【2008年5月1日、サンフランシスコ】)
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週刊『前進』(2397号6面2)(2009/06/29 )
田母神講演会・つくる会教科書阻止へ
沖縄−本土をむすぶ労働者集会
6・23杉並 5〜6月の高揚引き継ぎ
6月23日夕、沖縄―本土をむすぶ労働者集会が、東京・阿佐谷の杉並産業商工会館で開かれ、110人が集まった。主催は沖縄―本土をむすぶ労働組合連絡会と沖縄民権の会の呼びかけによる実行委員会。
集会は5月沖縄現地闘争と6・14―15闘争の大高揚を活写したビデオの上映で始まった。この闘いを受け継ぎ、沖縄闘争の新たな発展をかちとる決意を固め合った。
沖縄民権の会代表の座覇光子さんが開会あいさつで「道州制に賛成する人は階級性を失っている」と体制内派を批判し、「闘うことは楽しいこと」と語った。
基調報告をなんぶユニオン書記長の宮里勝博さんが行った。5月沖縄闘争で若者との画期的な合流がかちとられたことを報告し、5・17沖縄県民大会で「道州制反対」を訴える宣伝活動に体制内指導部が制動を加えてきたことを弾劾した。宮里さんは3月14日の沖縄―本土をむすぶ労働者集会でも道州制粉砕を訴えたが、そこでの主張の正しさが沖縄現地で実践をとおして検証された自信に立って、さらに「沖縄単独州」粉砕の闘いを進めることを呼びかけた。
そして当面の闘いとして、特に杉並区で田母神講演会、「つくる会」教科書の採択が策動されていることに強い怒りを表明し、粉砕を訴えた。また、星野文昭さん奪還に向け、目前に迫った「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」の全国総会への結集を訴えた。
基調報告を受け、法政大学の久木野和也君が6・15闘争を闘って「労学連帯で法大解放をかちとる展望を開いた」と自信と確信を表明し、「法大決戦は戦争との闘い」と述べた。各団体からの発言では、法大闘争をわがものとし、職場から巻き起こすことがさまざまに語られた。
辺野古闘争を闘う富田晋さん支援の訴えがあった。集まったカンパは、法大闘争を闘う坂野陽平全学連委員長代行と富田晋君と共に闘う会の両方に折半されて手渡された。
「つくる会」の教科書採択に反対する杉並・親の会からは、戦争と民営化の教科書を阻止する決意が述べられた。
解雇撤回闘争を闘う東京西部ユニオンの青年労働者が、会社と一緒に弾圧する組合執行部の姿を暴露し、就労闘争を勝利感に満ちて報告した。
8・6〜8・9反戦反核行動の呼びかけを8・6〜8・9全国統一実行委員会事務局長の三角忠さんが行った。
杉並・星野さんを救う会は、「この時代こそ星野さんを取り戻すチャンス」と、重大な決意をもって全国総会をかちとることを訴えた。
部落解放同盟全国連杉並支部、教育労働者、自治体労働者から闘いの決意が述べられた。
以下の集会スローガンが拍手で確認された。「道州制・民営化絶対反対!」「沖縄『単独州』粉砕!」「辺野古新基地建設阻止!」「米軍再編・日米安保粉砕!」「米軍基地撤去!」「改憲阻止・『つくる会』教科書採択許すな!」
杉並・田母神講演会を弾劾する7・12集会・デモから「つくる会」教科書採択阻止闘争、8・6ヒロシマ―8・9ナガサキ、8・15反戦闘争、11月集会へ前進しようと全体で誓い合った。
(写真 労働運動の力で道州制・民営化を粉砕することを確認した【6月23日 東京・杉並産業商工会館】)
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週刊『前進』(2397号6面3)(2009/06/29 )
全金本山 菅原さん偲ぶ会開く
”最後に勝つのは労働者”
6月7日、全金本山労組・菅原徹さんを偲(しの)ぶ会が仙台市内で行われました。菅原さんは全金本山労組の副委員長などを歴任し、34年に及ぶ争議に勝利し「解雇撤回・職場奪還」を果たした本山闘争を先頭で闘い抜いた人です。菅原さんご自身も2005年3月に職場復帰をかちとり、60歳の定年年齢を越えて07年12月まで本社工場での闘いを貫きました。そして、昨年開校したみやぎ労働学校の呼びかけ人として、青年に闘いの魂を伝え始めた矢先の逝去、享年64歳でした。
偲ぶ会では、菅原さんとの思い出が口々に語られました。「本山のマルクス主義者」として「事実は真実、事実を直視せよ」が口癖だった菅原さん。お酒をこよなく愛し、物販オルグで全国に団結を広げた菅原さん。「労働学校、もう少しやってみたいなあ」と語っていた菅原さん。そして、3月8日の動労千葉結成30周年レセプションに「絶対に行きたい」と涙していた菅原さん。まさにその3月8日の朝、菅原さんは帰らぬ人となりました。
偲ぶ会に参加した動労千葉の田中康宏委員長は「菅原さんほど”生涯一労働者”という言葉が合う人はいない。日本労働運動に金字塔を打ち立てた本山闘争を生かすのはこれから」と決意を込めて発言。全金本山の組合員からも「彼が目指した”労働者の世界”を実現するために闘う」「ストライキを構えて闘う」と決意表明がなされました(全金本山労組は、6月11日に37年ぶりにストライキを決行!)
私と菅原さんが出会ったのは11年前、私が大学に入学したばかりのころでした。”一人の首切りも許さない”という生きざまに、「この人、かっこいいなあ!」が第一印象でした。私が持病で入院した時には、ひょっこりとお見舞いに見えて、固い握手で元気づけてくださいました。
昨年は体調が優れないにもかかわらず、春と秋の三里塚全国闘争、そして11月の全国労働者総決起集会に最先頭で参加されました。11月集会でお会いした時に、「私は自分のことマルクス主義者だと思っているんですよ。資本家連中が大恐慌だなんだってごちゃごちゃ騒いでも、最後に勝つのは労働者だってね」と語られた笑顔を忘れることができません。
4者4団体を始めとする体制内労働運動の指導部が雪崩を打って資本に屈服する中、それとは正反対に菅原さんが最期まで貫かれた「一人の首切りも許さない」労働者の生き方を絶対に青年労働者の中に継承します!
菅原さん、どうか温かく私たちの闘いを見守っていてください。絶対に勝利します!
(投稿/宮城・青年労働者 A)
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週刊『前進』(2397号6面4)(2009/06/29 )
団結ひろば 投稿コーナー
『俺たちの怒りと誇り』読み革命に確信 関西 渋谷
5・27被告団のみなさんの労働者魂を貫いた「肉声」に感動しながら読んでいます。2008年の闘いは、5・27被告団の2・22弁護団解任がその後の党と階級情勢(党派闘争)を決めたという確信を持っていましたが、証言集を読んで、国労内で80年代前半から国鉄分割・民営化絶対反対を貫き、陰湿な活動家つぶし攻撃に労働者の誇り、魂をかけてはね返し続けてこられた具体的なことを知り、あらためて労働者階級が革命的階級であることが生きた姿として分かりました。
人材活用センター送りや、毎日毎日当局に取り囲まれる屈服強要に絶対に屈せず労働者魂を売り渡さなかった「被告」たち。分割・民営化攻撃の核心を粉砕し続けています。本当に感動しました。
私は5人の「被告」と長年同じ関西で活動してきたのに、たまに「許さない会」会報は見ていましたが、これまでみなさんの80年代からの不屈の闘いを知らなかったことを恥じ入るばかりです。(「失われた20年」という感じもします。自分も責任がありますが、党がバラバラだったゆがみだと思います)
でも遅くないと思います。国鉄分割・民営化攻撃が始まって以来三十年近くも動労千葉と5・27被告団、1047名解雇撤回闘争は、日本の労働者階級の最先頭で新自由主義攻撃を阻み続けてきました。この国鉄決戦を基軸に闘い、戦争と民営化、労組破壊、大量解雇、超低賃金化攻撃に怒れる労働者と大胆に結びつきましょう。革命を労働者の手で実現しましょう。
みなさんの闘いを読んで、獅子身中の虫ということがよくわかりました。本当に感動しました。感謝! 5・27被告や同じ暴処法弾圧を受けた学生たちは、権力や資本がどれほどつぶし攻撃をかけても絶対つぶされない、労働者階級の不滅の革命意志を示してくれていると思います。
労働者階級の団結の力に確信を持ちきった彼らの意志を知るとき、「勝利するのは労働者階級だ! 私たちは革命に勝利できる」と深く確信を持つことができます。全国の同志、読者のみなさん、ぜひ『俺たちの怒りと誇り』を読んで下さい。
国労5・27臨大弾圧7被告は労働者の宝 東京 佐賀秀也
法政大の学生に暴力行為等処罰に関する法律(暴処法)を使った弾圧がかけられた。国労5・27臨大闘争弾圧で使われているのと同じ法律だ。だが今、国鉄闘争と法政大闘争の結合で暴処法弾圧を粉砕し、労働者権力を樹立する革命の展望が大きく開かれていると実感する。
02年以来8年闘ってきた被告団がパンフレット『俺たちの怒りと誇り』を出した。さっそく読んだが、すごく胸を打たれた。被告の全員が分割・民営化攻撃の嵐の中で、労働者魂を守り、労働運動の原則を守り、甘い誘惑やあきらめを拒否して闘い抜いてきた生きざまに衝撃を受けた。半端な闘いではない。
なんと言っても人材活用センターや清算事業団での「意識改革」との攻防の激しさだ。当局は、屈服の証しとして仲間の前で「左よし、右よし」と言わせ、奴隷になれば仕事とJRへの切符を与えた(羽廣さん。52n)。こんなやり方で労働者を自殺に追い込んだのだ。一言で「20万人追放」と言うが、どれだけの家族、仲間のつながりが破壊されたか。考えるだけで、怒りがわき出す。涙なしには読めない。
保線という死亡事故と隣り合わせの現場で安全闘争を続けている富田さん、幹部の裏切り・逃走に抗して森ノ宮電車区分会を再建した橘、東、小泉さん、動労千葉と交流したため報復され、スト破りのバスの前に潜り込んで止めた原田さん、「首謀者」とされ求刑1年6月の「名誉」を与えられた向山さん。それぞれすごい話だ。
さらに職場での攻撃や「4党合意」を跳ね返し、逮捕・長期勾留に勝利した被告たちのまさに解放された証言の豊かさ。弾圧何するものぞ、来るなら来いで痛快ですらある。その源泉は、旧弁護団の解任と松崎被告との裁判分離だったことも分かった。
このパンフは、体制内労働運動のすべてを突き刺す国鉄闘争勝利の武器だ。読むほどに味が出る。一歩引いていた国労の友人が、読んで基金の会員になってくれた。特に青年に読んでもらいたいという思いが強い。パンフを持ってJRの職場に足を運びたい。
京都で法大弾圧粉砕と星野再審署名訴え 京都 K
6月20日に京都・三条で法大弾圧粉砕と星野第2次再審署名行動を共同で13人でやり抜きました。14―15日の1047名解雇撤回!派遣法撤廃!法大弾圧粉砕!闘争の息吹をガンガン訴えました。街宣時間は1時間強でしたが、署名数が約40筆でカンパが約2000円集まりました。
特に法政大学でのこの間の弾圧について、地元の全逓労働者が訴えると圧倒的に注目されました。「今法政大学では、大学でビラをまくだけで逮捕されます。これも新自由主義の大学=金もうけの機関の現実です。しかし法政大で起こっていることは、実はおれたちや皆さんの職場でも数年前から起こっていることではないでしょうか? 日々、管理職から処分だ、ノルマだと言われる。道州制=民営化攻撃こそ職場と学校を破壊するものだ。もう我慢の限界だ。今こそ学生と団結して職場から社会を変えていこう!」
14―15日の連続闘争を闘いぬいてこそ、開眼した地平かとあらためて思います。
そして、逮捕・起訴されて獄中で頑張っている学生は星野さんのように闘っている。星野さんの闘いと学生の闘いが結びついていることを実感した街宣でした。
労働組合運動に革命を持ち込むべきだ 宮城・民間労働者 松島悟志
労働組合は賃上げ闘争や解雇撤回闘争を闘います。しかし、労働組合はそれだけでよいのでしょうか。つまり、そのように限定してしまってよいのでしょうか。私は、これは駄目だと思います。
特に「労働運動に革命を持ち込むな」という意見は有害だと思います。私は、逆にあらゆる問題を労働運動(組合)に持ち込むべきであり、特に革命を持ち込むことは時代認識や現在の情勢から緊急の課題だと思っています。
労働者が団結して賃上げを要求し闘うこと、あるいは解雇撤回を要求して団結して闘うことは労働運動(組合)として当然のことです。だが、この団結が物取り限定の団結、奴隷生活の向上のための団結にとどまるならば、不況で経営が悪化し賃下げ攻撃を受けるときあるいは会社解散・倒産に至ったとき、団結はどうなるのでしょうか。
22年前、東北造船労組御用幹部どもは、「首切り・合理化反対闘争は労働者に利益はありません」として「少しでも有利な条件を得ることが重要」としました。そして、賃下げ攻撃を認め、失業を防ぎ、さらには倒産を避け犠牲を最小限にするためと称して、会社解散を承認し、退職金増額と再就職斡旋(あっせん)に(会社・商工会議所・市・県そして労組が一体で)取り組むとしたのでした。
この会社解散・全員解雇の攻撃に東北造船労組として団結して反撃できなかったことは敗北ではありますが、その敗北をのりこえて全造船東北造船分会を結成して解散・解雇と闘ったことは絶対的に勝利だと確信しています。東北造船労組にとどまり御用幹部とともに(4者4団体のように)屈服していたら、私は今ごろ労働運動をしていなかったでしょう。
ここにはっきり言えることは、労働運動は、あるいは真の団結は、賃金奴隷としての労働条件の維持・向上の「道具」に過ぎないものではなく、賃金奴隷制そのものへの闘いに団結して立ち上がる武器だということです。それは、狭い労働条件のやり取りから始まっても、やがて地域の闘い、全世界の闘いに触れて、労働者は階級としての存在、世界史的存在を自覚していきます。
そこでの団結は御用幹部の言う「奴隷の団結」ではまったくなく、資本主義を打倒するという革命的団結になることは言うまでもありません。
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