ZENSHIN 2009/04/06(No2386 p08)

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週刊『前進』(2386号1面1)(2009/04/06 )

新入生歓迎特集 新入生歓迎特集

 300万学生は大恐慌に立ち向かおう

 全学連委員長 織田 陽介

 不当処分撤回・監獄大学粉砕 4・24法大解放総決起集会へ

 世界大恐慌が日々激化する中で、教育の民営化と戦争をめぐる学生たちの抗議の嵐が世界中で広がっている。88人もの逮捕者を出しながら不屈に闘う法政大学を先頭とする日本の革命的な学生運動は、その最先端を開く闘いだ。全国の大学の新入生諸君へ、全学連・織田陽介委員長からの熱いメッセージを送る。(編集局)
 300万の学生のみなさん、とりわけ新入生のみなさん! 親のリストラや学費の高騰、寮の廃止によって学生は教育を奪われ、大失業・内定取り消しによって未来まで奪われている。そして、大学を監獄化し、学生を商品と化して団結を破壊し、学生から搾り取って放り捨てる、一言で言って「全国大学の法大化」として、教育の民営化=道州制攻撃が狙われている。学生はこんな攻撃に屈していいのか。教育を取り戻せ! 世界大恐慌に対して立ち向かう300万学生の大反撃として「不当処分撤回! 監獄大学粉砕! 4・24法大解放総決起集会」を大爆発させよう!

 ついに情宣活動禁止

 88人のデッチあげ逮捕、22人の起訴、退学・無期停学処分、ビラまきも看板も集会も禁圧された法政大学の監獄化は、ついに裁判所と結託した「情宣活動禁止等仮処分命令」にまで行きついた。学生を「確保」するための「営業権」の侵害であり「回復し難い甚大な損害が生じる」として、オープンキャンパスにおけるビラまき等、表現活動の一切を禁圧したのだ。法大資本は、処分撤回の訴えに対して、数十人の暴力ガードマンと暴力職員を雇い、集会についてはキャンパス中央広場を封鎖して圧殺をはかってきた。たった数人であろうと、処分撤回闘争に立った文化連盟の仲間の闘いが学生の団結を回復し、法大資本の暴力的学生支配をぶち破る力を持っている証左だ。4月24日、キャンパス封鎖や暴力ガードマン、それをも超える妨害があろうと、中央広場を埋め尽くす学生1千人の結集が、正義を貫いたがために大学を追われた学生を取り戻し、大学がその本質を取り戻す歴史的事件となる。あなたはその主人公だ。
 4・24は第一に、「営業権」を語って教育を破壊する法大当局のあり方、そしてその全大学への拡大としての教育の民営化=道州制を粉砕する全学生の闘いである。

 大学は「営業」の場か

 「営業権」とはよくぞ言ったものだ、法大総長増田よ! 教育機関の仮面もかなぐり捨て、利潤追求の自由という資本家の権利を叫んでいる! この「営業権」のもとで何が行われてきたか? 人件費は02年からの5年間で14・8ポイントも削減された。多くの職員が解雇され、教員1人あたりの学生数は43・9人と大学では最低レベルとなった。教職員は半年で解雇される派遣労働者に替えられた。新しい価値や文化を生み出すはずの大学で、声すら上げられない労働条件が強制されるなど、あっていいはずがない!
 さらに学費は123万〜177万円にもなり、親には「寄付金5万円、4口以上」などと迫る。払えない学生には奨学金を借りさせる。月12万円を4年間、3%の利子で借りると775万円だ。奨学金を「無職・低賃金」などで返済できない学生がこの数年で4倍に跳ね上がった。「教育」を語れば学生も親も、バイトや借金をしてでも金を出すというのが法大資本の本音だ。未来の賃金まで奪い取り、就職できない学生には「エンプロイヤビリティ(雇われる能力)がない」とののしり、奨学金返済の「誓約書」まで書かせる。就職内定取り消しに対しては「10万円でもう1年いられる」とあくまでビジネスチャンスを見いだす。何が「回復し難い甚大な損失」だ。徹底的に搾り取られ、使い捨てられ「甚大な損失」を被っているのは学生の方だ!
 そもそも法大資本の「損失」など自業自得である。法大資本は教育を商品化し、「大学に入らないと就職できない」という脅しで学費を高騰させてきた。大恐慌になって学生が国立大学に流れ、もしくは進学をあきらめるや、その構造が破産しているのだ。あげく653億円もの学費を資産運用に投じ、昨年3月段階で8億6千万円もの損失を出している。リーマンショックから半年、この損失がいくらにふくれあがっているのか。まさに新自由主義大学という名にふさわしい金もうけをしてきた法大資本の破産だ。学生へ責任を転嫁するな!
 自民党と日本経団連は「教育の自由化」を掲げ、貪欲(どんよく)な資本に教育を解放しようと、道州制を“全国の大学の法大化”として進めようとしている。すでに東北大学や富山大学などで寮生の自治と団結を破壊する廃寮攻撃や、寮を民営化し金もうけの対象にする攻撃が始まっている。しかし教育でもうけようという発想自体が百パーセント間違っている。学生は資本とは非和解だ。資本家階級に教育を語る資格も能力もない。学生が大学の主人公になろう! 教育の民営化=道州制粉砕! 全国大学の法大化を許すな! 正義を貫いたがために愛する母校への入構をガードマンに阻止されている処分された仲間を実力で大学に取り戻し、増田独裁体制が私物化してきた大学を取り戻す、それが4・24だ。4月は全世界の学生が「教育を取り戻せ!」を合言葉に行動に立ち上がる。すべての学生は法大闘争に立て!

 大恐慌と戦争に対決

 そして第二に、大恐慌に対して改憲・侵略戦争と首切り、民営化・労組破壊を進める帝国主義への大反撃だ。
 米大統領オバマは「アフガン・パキスタン包括戦略」を発表し、帝国主義戦争へのさらなる決意を示した。UAW(全米自動車労組)に一層の屈服を要求してGM再建計画をはねつけ、金融サミットには保護主義政策をもって臨んだ。各国帝国主義が決裂したG20は世界戦争の時代の幕開けとなった。日本帝国主義はソマリア沖での自衛隊の武装展開を開始、さらに「北朝鮮のミサイル」への迎撃体制で戦争的機運を高め、国会では共産・社民を含む全会一致で北朝鮮非難決議があがるという異様な空気が覆っている。
 アメリカでは、高校が軍隊への生徒名簿提出を拒否すると、補助金をカットされるという攻撃が始まった。道州制攻撃は、新自由主義大学の破産的な赤字を戦争衝動へと転化する、再びの学徒動員の攻撃である。
 何より、国鉄分割・民営化型の公務員労働者360万人のいったん解雇・選別再雇用の攻撃で、自治労・日教組の現場組合員の団結を破壊し、労組幹部を屈服させる攻撃だ。国鉄分割・民営化の時に率先して首切りに協力したJR総連カクマル・松崎は「社会主義はすぐにはできない。労働者は理想を食っていけないから軍需産業でもやる」と語っている。民営化と闘えなければ帝国主義戦争と対決することはできない。逆に、このときストライキで立ち上がった動労千葉は「労働者はストライキで戦争を止める歴史的任務をもっている」と訴え、今も団結してストライキを闘っている。戦争が学校から始まる以上、これと対決し止めることは可能だ。動労千葉を先頭にして連綿と闘い抜かれている国鉄分割・民営化反対闘争―1047名解雇撤回闘争に大合流して、戦争と民営化に立ち向かう学生運動をまき起こそう!

 ともに革命をやろう

 第三に、300万学生が団結を回復し、帝国主義世界支配に内乱的反撃をたたきつける闘いだ。
 この間起きていることは、貪欲な資本主義の欲望が戦後憲法を粉砕したことだ。新自由主義政策の破産は、世界中の労働者を「生きさせろ!」のストライキ闘争へと立ち上がらせ、法大でも学生の革命的闘いを生み出した。私たちは、逮捕や処分を覚悟するたびに生き方をかけて団結し、弾圧を打ち破ってきた。法大資本は「表現の自由」を幻想的妥協的に規定した戦後憲法的支配の変更を迫られ、裁判所に「憲法を踏み破れ!」と要求したのである。改憲は、労働者階級人民が内乱を対置すべき革命情勢だ。
 FRB(米連邦準備理事会)の国債買い取りへの踏み切りと労働者の大量解雇で「3月危機」をなんとか回避した帝国主義は、一方でドル暴落とますます巨大な恐慌を準備し、他方で労働者階級の怒りと労働運動・学生運動の復権の条件をつくり出している。
 私たち学生は徹底的に競争させられ、団結を奪われてきた。大学では刺殺事件や放火という形で“秋葉原情勢”が生まれている。団結を求める学生によって大学生協で『蟹工船』が売れている。「1人の仲間も見捨てない」と仲間の処分に対して立ち上がってきた処分撤回闘争は、300万学生にとって団結を回復する待ちに待った歴史的闘争である。仲間へのみせしめに怒りを燃やし、1千人集会で団結を取り戻そう! 団結して生きる無限の可能性をつかみ取ろう。4月24日は、抗いがたい魅力をもって引き返せない革命的な人生へと踏み出すにふさわしい日となるだろう!

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週刊『前進』(2386号1面3)(2009/04/06 )

 農地死守誓い決戦の三里塚に大結集

 3月29日、三里塚反対同盟主催の全国総決起集会が成田市天神峰の市東孝雄さんの畑で開催され、全国から1580人の労働者・農民・学生が結集した。直前に起きた貨物機炎上事故を弾劾、農地強奪攻撃を実力で阻止し廃港まで闘うことを決意した (3面に記事)

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週刊『前進』(2386号3面1)(2009/04/06 )

 3・29三里塚 農地強奪攻撃と貨物機事故に怒り

 農地死守の原則貫き廃港へ

 “現闘本部裁判を実力で闘う”

 3月29日、三里塚全国総決起集会が反対同盟の主催で開かれ、快晴の空のもと、会場となった天神峰の市東孝雄さんの畑は全国から結集した1580人の労働者・農民・学生で埋め尽くされた。農地強奪攻撃と危険極まりない欠陥空港への強い怒りが、この日の闘いを爆発させた。日本帝国主義打倒へ向け、三里塚43年の不屈の闘いの真価が今こそ発揮される時だ。
(写真 「農地死守」を貫いた43年の勝利の地平に自信を深め、反対同盟を先頭に長蛇のデモ隊列が集会場から出発した【3月29日 成田市天神峰】)

 「決戦の三里塚」に

 集会場は動労千葉の動輪旗を先頭に組合旗、大学旗、のぼりなどが林立し、「決戦の三里塚」にふさわしい熱気があふれた。正午から婦人行動隊の宮本麻子さんの司会で集会が始まった。
 森田恒一さんが開会宣言を行い、「私はもうすぐ92歳だが、市東さんの土地取り上げの代執行が行われる事態になれば先頭に立って粉砕する」と決意を表した。
 北原鉱治事務局長が主催者あいさつに立ち、「今日の参加者は非常に多い。自らの手でこの社会を変えようとする労働者・農民がこれだけ多く集まった。学生は大学キャンパスを自分の手に取り返せ。三里塚は君たちの未来のために闘う」と高らかにアピールした。
 続いて萩原進事務局次長が基調報告を行った。「成田空港での3月23日の米貨物機事故は欠陥だらけの空港としての現実を突きだした。ウインドシアによるオーバーランの大事故は03年1月にも起きている(注)。われわれの43年の闘いが空港の惨めな現実を強制している。暫定滑走路北延伸阻止、市東さんの農地を守る闘いから、この成田を廃港へ追いつめていこう」と怒りを込めて訴えた。
 さらに「@天神峰現闘本部裁判を実力闘争として闘おう。仲戸川裁判長の常軌を逸した訴訟指揮を許さない。A農地収奪を粉砕し、市東さんの農地を守る陣形を構築しよう。”農地死守・実力闘争”で闘おう。B農地法改悪と闘い、全国農民の決起をつくりだそう。C成田の軍事空港化を阻止しよう」との鮮明な闘争方針を打ち出し、秋の10・11全国集会へのさらなる大結集を呼びかけた。この基調報告に全参加者が奮い立ち、拍手を送った。
 続いて動労千葉の田中康宏委員長が特別報告に立った。「動労千葉は闘いの原則を曲げず、国鉄分割・民営化攻撃と闘いぬいたことによって今日勝利の展望を開いている」と結成30年の核心的総括を明らかにした上で、3月25日の鉄建公団訴訟の反動判決を満身の怒りを込めて断罪した。「不当労働行為があったと認めながら『解雇は有効』だって? 冗談じゃない! 絶対に認められない。4者4団体が『政治解決』の幻想をあおることをもう許さない。道州制でこれから公務員360万人に『いったん解雇し再雇用』という同じ攻撃が襲いかかろうとしている。今こそ労働運動の原点に帰るときだ」と体制内労働運動指導部の責任を厳しく追及し、反対同盟との労農連帯を一層打ち固めて闘うことを明らかにした。
 次に関西実行委の永井満さん、山本善偉さんが発言。永井さんは「関西は当初から反対同盟に学んできた。三里塚とともに関空の軍事空港化阻止を闘う」と表明した。
 反対同盟事務局の鈴木謙太郎さんが「農地法改悪阻止・農民アピール」(別掲)を読み上げた。
 さらに沖縄からの現地報告として読谷村議の知花昌一さんが登壇し、「沖縄の闘いのために三里塚から学ぶ」とあいさつした。

 農地裁判勝利訴え

 市東孝雄さんの登壇で集会の熱気は最高潮を迎えた。市東さんは三つの農地裁判を全力で闘いぬいてきた自信にあふれ、「私は自分の畑を耕すことで、農家切り捨てに対し闘う」と揺るぎない決意を表し、拍手と歓声がひときわ高く響いた(発言要旨別掲)。
 市東さんとともに登壇した「市東さんの農地取り上げに反対する会」井村弘子共同代表、農民の会員、「群馬・市東さんの農地を守る会」の方々が市東さんとともに闘う決意を述べた。この中で北総の農民は、農業切り捨て政策を厳しく批判し、「農地法による農地取り上げは、全国農民にかけられた攻撃と連動している。大木よねさんへの代執行のようなことを繰り返させてはならない。腹を固めて市東さんを守る」と決意を表した。
 反対同盟顧問弁護団が勢ぞろいし壇上に並んだ。最初に葉山岳夫弁護士が仲戸川裁判長の忌避却下、裁判強行、ビデオリンク方式での証人調べ、反対同盟側証人の採用取り消しなどの暴挙を具体的に挙げて「裁判官としての自殺行為」と弾劾し、4月23日の現闘本部裁判への傍聴・支援の結集を呼びかけた。さらに各弁護士が決意を表明した。
 婦人行動隊の鈴木加代子さんが「農地を守り、軍事空港にはさせない」とカンパアピールを行った。
 住民団体・共闘団体の決意表明に移り、部落解放同盟全国連、婦人民主クラブ全国協議会、障害者、山谷・福日労の各代表が発言した。婦民全国協の西村綾子代表は「女性労働者の現場に吹き荒れる攻撃の中で労働者も家族も怒りが煮えたぎっている。こんな社会をひっくり返して、生きられる社会を」と訴えた。
 全学連の織田陽介委員長は、「成田を廃港にするしかない。市東さんの農地強奪、農地法改悪は道州制攻撃そのものだ。資本家は内定を取り消された学生を”在庫”と呼んでいる。労働者・農民・学生の決起は一つのものだ」と訴え、4・24法大闘争への結集を呼びかけた。
 集会の締めくくりに事務局の伊藤信晴さんが集会宣言を読み上げ、太郎良陽一さんがスローガン採択とガンバロー三唱を行った。
 長蛇のデモ行進が北総台地を力強く進んだ。この日の大結集に圧倒された機動隊が、一人の青年労働者に襲いかかり不当逮捕した。これに対する抗議闘争が猛然と爆発し、弾圧態勢を破り翻弄(ほんろう)しながら、参加者は攻防の焦点である天神峰字南台の市東さんの耕作地までの実力デモを貫徹した。

 労農連帯で大結集

 3・29三里塚闘争は、大恐慌のもとで全世界の労働者・農民・学生・人民が陸続とデモ、スト、実力闘争に立ち上がっている革命情勢と完全に一体で闘いぬかれた。三里塚現地の全国集会としては、近年を圧倒的に上回る大結集がかちとられた。
 3月23日の米貨物航空機の事故は労働者・農民の闘いに追いつめられた「世界で最も危険な空港」としての成田空港の大破産を露呈した。こんな欠陥空港、軍事空港のために農民が丹精込めて耕してきた農地を奪うことなど断じて許さない。この怒りが、集会・デモを終始貫いた。それは職場でリストラ、賃下げ、解雇、雇い止めと闘う「生きさせろ!」の労働者の叫びと一つのものだ。
 三里塚闘争43年の不屈の歴史が、市東さんの鮮明な決意が、そして反対同盟と動労千葉のきずなを中心とする労農連帯が、敵を追いつめていることがあらためてはっきりした。そうであればこそますます成田空港会社(NAA)と千葉地裁は結託して、暫定滑走路北延伸、市東さんの耕作地強奪のためになりふり構わぬ攻撃をさらに激化させるだろう。望むところだ! 
 「農地死守・実力闘争」の原則を貫いて闘うことこそ勝利のかぎである。
 天神峰現闘本部裁判、市東さんの農地裁判を全力で支援し、傍聴に駆けつけよう。仲間を誘い、援農や現地調査に訪れよう。労農連帯・国際連帯の力で三里塚の勝利を実力で闘いとろう!
 (注) 03年1月の事故
 1月27日、暫定滑走路に着陸したソウル発成田行きのエアージャパンB767―300型機が、追い風の中で速度超過のまま着陸しオーバーラン、滑走路南端を超えて約70b暴走し、過走帯を10b超え航空灯火をなぎ倒し、東峰神社の目の前約50bの草地でようやく停止した。事故当日は、風の速度や方角が急変する「ウインドシア」と呼ばれる状態だった。空港公団総裁・黒野匡彦は会見で、滑走路の短さについて質問されても答えず居直りを決め込んだ。
(写真 市東孝雄さんが登壇するとカメラやマスコミ取材が集中。不動の決意に会場は大きな拍手と歓声に包まれた)

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週刊『前進』(2386号3面2)(2009/04/06 )

 市東孝雄さんの闘いの決意

 胸を張り畑を耕し続ける

 農地法第1条は「耕す者に権利あり」。今話題の映画の中でも、ゲバラが「土地はそこを耕す農民のものだ」と叫ぶそうです。
 私は胸を張ってこれまでどおり畑を耕作していきたいと思います。
 今国会ではこの農地法の大本を削り取るとしています。私は自分の畑を耕すことで、企業優先、農家切り捨てに対し闘っていきます。
 この2月3日に三つ目の裁判が始まりました。これは農地法による農地取り上げ裁判です。先日の現闘本部裁判の暴挙と司法の反動は許さないという気持ちを込めて闘います。みなさんもぜひ傍聴闘争に参加してください。
 二つ目に、先日の貨物機の事故を皆さんもテレビなどで見たと思います。実はあれと同じ原因であわや大惨事の事故が6年前の1月、わが家のすぐ前で、100人が乗った旅客機エアージャパンで起こっています。東峰神社の手前で止まりましたが、突っ込めば爆発炎上の大惨事です。力ずくでつくった成田は欠陥だらけ、そしてまた北延伸で進入灯の下を東関道が横断している。こんな空港はありません。廃港にすべきです。
 三つ目に、ここに集まった労働者、農民、学生、そして市民運動、反戦運動のみなさん、必ずや勝利しましょう。労働者から職場を奪い農民から農地を取り上げる今の政権に政府をまかせることはできない。戦争に絶対反対、道州制に反対、改憲に反対。反対同盟の原則を守り、労働者の先頭で闘う動労千葉とのきずなを固め、これからも一生懸命闘います。

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週刊『前進』(2386号3面3)(2009/04/06 )

 ■農民アピール

 農地法改悪反対! 労働者・農民は連帯して闘おう

 皆さん、ついに農地法の改悪案が国会に上程されました。法案は、「耕すものに権利あり」をかかげた農地法の第1条を削除し、大企業が自由に農地を使えるようにするものです。農民を農業から排除することにほかなりません。政府の農民切り捨てはここに極まりました。戦前からの小作争議と戦後の革命情勢の中で闘いとった農民の権利を、やすやすと明け渡すわけにはいきません。
 韓国とEUのFTA(自由貿易協定)が暫定合意したことで、自動車や家電製品が売れなくなると財界は焦りにかられています。「農業改革の遅れが、日本の通商交渉の妨げになっている」と農業に責任を転嫁しようとしています。冗談ではない。恐慌にあえぐ資本の生き残りのために、農産物市場を開放し、農家をつぶしてよいという政策をどうして許すことができるでしょうか。
 また、石破農水相は、自由競争を掲げて米価暴落を引き起こす「減反選択制」をにわかにうち出しました。今でも食べていけない米農家に死を宣告するに等しい政策です。
 今回の農地法改悪は「52年制定以来の大改革」といわれています。まさに、道州制や裁判員制度と一体の戦後体制の大転換、改憲攻撃そのものです。
 日本の農民は大恐慌の時に、実力で闘いぬいた輝かしい歴史を持っています。三里塚は戦前戦後の農民闘争を引き継ぎ闘います。
 農地法改悪反対! 労働者と農民は分断をうち破り、団結して闘おう。

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週刊『前進』(2386号4面1)(2009/04/06 )

新入生歓迎特集 新入生歓迎特集

 ブルジョア国家を打ち砕き労働者階級が社会を運営する

 レーニン『国家と革命』を学ぼう

 はじめに

 世界革命の時代が到来している。 世界大恐慌下、資本家階級は首切り・賃下げと戦争で労働者階級を犠牲にして延命しようとしている。こんな資本主義はもう終わりだ。資本家階級を打倒し、労働者階級が社会の主人公となり人類史を新たに切り開く時が来た。
 今、労働者階級の闘いは、資本との非和解的激突のみならず、同時に国家との対決へと不可避に発展している。京品ホテルの労働者の自主営業闘争や西郡住宅闘争に対する警察権力の投入、法大当局による情宣禁止仮処分攻撃など、国家に対するあいまいな態度を許さない局面へと進展している。
 資本や国家との非和解的激突を恐れ、資本と国家の危機を救おうとする勢力が労働運動の中にいる。国鉄1047名闘争を敗北の沼地に引きずり込もうとする4者4団体指導部や連合・全労連中央、日本共産党、カクマルなどの体制内派だ。彼らは「資本を救え」「国益を守れ」の大合唱に加わっている。そして、澎湃(ほうはい)と決起する労働者階級を圧殺している。労働者階級の進むべき路線を巡る対立は、「国家に対する態度」として最も先鋭な形で表れるのだ。
 私たちが現在直面しているこの課題とまったく同じ課題に直面していたのがレーニンとボリシェヴィキのもとに結集したロシアの労働者階級だった。
 第1次世界大戦はロシアの労働者・農民に極限的な窮乏をもたらした。1917年2月、その怒りが爆発。労働者のゼネスト・デモ、兵士(農民)の反乱で帝政ロシアは打倒された。二月革命である。労働者・兵士代表ソヴィエト(評議会)とブルジョア臨時政府との二重権力が成立した。ブルジョア政党による臨時政府にメンシェヴィキやエスエルなど口先だけの「社会主義者」=日和見主義者が加わった。体制内派が総結集する連立内閣だ。レーニンは、革命の社会主義革命としての貫徹をかけ、日和見主義者との党派闘争を徹底的に展開、労働者階級に熱烈に呼びかけた。「ブルジョア国家を粉々に打ち砕け! すべての権力をソヴィエトへ! 労働者階級にはそれができる!」と。それが『国家と革命』だ。1917年10月、ロシアの労働者階級は体制内派をぶっ飛ばし労働者階級の自己権力を樹立した。『国家と革命』の内容で十月革命に勝利したのだ。
 今こそ『国家と革命』を復権し、プロレタリアートの独裁を打ち立てよう! 資本の鎖を労働者に巻きつける体制内派をぶっ倒す「史上かつてない徹底的な党派闘争」を!
(写真 1920年5月5日、モスクワのスヴェルドロフ広場で演説するレーニン。カーメネフとトロツキーが演説の順番を待って演壇のステップにいる)

 階級対立は非和解 だから国家が生まれるのだ

 国家とは何か? それは「階級対立の非和解性の産物」であり、階級支配の機関であり、一階級が他の階級を抑圧するための組織された暴力である。軍隊と警察、そして監獄は国家権力の主要な力の道具である。支配階級はこれらの公的な暴力装置をつくり出す一方、「住民の自主的に行動する武装組織」を解体し暴力を独占する。こうして国家権力は確立される。
 支配階級や体制内派は「民主主義」や「選挙制度」をもって国家の存在を正当化するが、それらの本質は「議論」などではなく、「従わないやつには暴力で強制する」ことを合法化し公認することである。それは、この社会が「話し合い」ではけっして一致できない非和解的利害対立をもった諸階級に分裂していることを示す。資本家階級と労働者階級の対立、賃労働と資本の関係を基軸とする近代ブルジョア社会こそ、最も完成された階級社会である。

 国家の起源は何か?

 人間社会は労働によって成り立っている。他人と協働して自然に働きかけ、さまざまな生産物をつくり出すことで社会を形成してきたのが人類だ。社会の生産力は協働によって発展する。協働によって発展する生産力は、生きていくのに必要な最低限以上の生産物=剰余生産物をつくり出す。
 そして剰余生産物を私的に独占し、所有することで自らは労働することを必要としないような人間が存在することも可能になる。これが住民の階級への分裂である。
 剰余生産物を労働者ではなく一人の資本家が独占すると、その一人は労働から解放され、剰余生産物を蓄積することができる。1年たってみれば、労働者にはなんの蓄積も財産もなく、相変わらず働くための自己一身、労働力以外には何もないが、一人の資本家には膨大な労働生産物、財産が蓄積されている。こうした関係が構造的に組み込まれた社会が階級社会だ。この階級社会を固定化し、維持しつづけるためにつくり出されたのが国家である。

 生産手段の独占所有

 資本家は何ゆえに剰余生産物を独占することができるのか? それは資本家が生産手段を独占しているからだ。生産行為=労働のためには、さまざまな生産手段が必要である。生産手段が生産活動の直接の担い手=労働者たちのものではなく、労働しない者=資本家の手に独占されているのが私有財産制度であり、資本主義社会だ。この社会では、私有財産としての生産手段を用いて生産されたものはすべて資本家の所有となる。生産手段が資本家に私有されていることで、労働者は資本家に雇われなければ生きていくこともできない。そして、資本が労働者を雇い入れるのは、労働者の労働が剰余価値を生み出すからであり、資本が剰余価値を取得し増殖するためである。
 「われわれが廃止しようとするのは、資本を増殖させるためにのみ労働者が生き、支配階級の利益が必要とする限りにおいてのみ労働者が生きていける、というこの取得の惨めな性格である」(『新訳・共産党宣言』35〜36n)
 プロレタリア革命とは、この賃労働と資本の関係を転覆する闘いだ。

 階級支配の道具 「公的暴力」を粉砕する革命

 労働者が階級的に団結し、資本家による生産手段の独占と生産点における統制を粉砕し、生産手段との結合を自分たちの意思のもとに行えば、賃労働と資本の関係が打ち砕かれ、生産物は剰余生産物も含めてすべて労働者階級のものとなる。そこでは階級社会など一瞬たりとも成り立たないのだ。
 資本主義社会、私有財産制度は、労働者の分断と競争の上にのみ成り立ち、労働者の団結によって粉砕される。資本家階級は、これまでのすべての支配階級と同じく、物理的な強制力=暴力によって労働者の反乱を鎮圧し、自らの取得の様式ないし「万人に与えられた生来の権利」としての私有財産権を守ってきた。
 この公的暴力=国家を粉砕することなくして、労働者は賃労働と資本の関係、階級支配を覆すことはできない。労働者階級と資本家階級の利害は非和解的に対立している。それゆえに階級支配を貫徹するための暴力装置である国家とも労働者階級は非和解だ。
 だが、すべての体制内派は、この「国家に対する態度」において完全に資本家階級に屈服している。
 日本共産党は「ルールある資本主義」を標恫(ひょうぼう)している。それは「私有財産制度が法律によって擁護されている」ということではないか! 「格差を是正せよ」だの「福祉を充実せよ」だの言いながら、賃労働と資本の関係には指一本触れない。この「ルールある資本主義」、賃労働と資本の関係の中でこそ、労働者は資本家に雇われ、資本を増殖する限りで労働にありつけ、生きていくことが許されるのだ。自分を切り売りしなければならない労働者とは、他の販売品目と同じ一商品でしかない。人間がモノにされ、賃金奴隷にされる社会、それが資本主義だ! 
 共産党の求める「ルール」は結局のところ、労働者という「商品」が「あまり乱暴に扱われないように」と資本家に配慮を求めることでしかない。そのために労働者階級には「よく手入れされたミシン」「磨き上げられた工具」として扱われることに満足しろ、永遠に奴隷でいろ、と説くのだ。
 国家は、資本が労働者階級を賃金奴隷として搾取するための道具だ。だから国家を、そして結局のところ資本主義を前提とする体制内派の運動は必然的に労働者を「救済の対象」とする。だが、労働者階級の解放は労働者階級自身の事業だ。それは、国家に対する日和見主義を粉砕し、ブルジョア国家を粉砕するなかで貫徹される。

 国家と革命の関係 労働者国家は国家死滅の道

 階級対立の廃絶

 プロレタリア革命の目的は、労働者階級の解放であるが、それは資本主義的生産様式の廃止、賃労働と資本の関係の廃絶をつうじてなされる。労働者が生産手段から切り離されていて、資本家がこの生産手段を独占的に所有している、この所有関係を覆すことだ。所有権とブルジョア的生産関係を専制的に侵害することだ。資本家階級を打倒して新たに支配階級となった労働者階級が、その政治支配を利用して資本家階級から資本を奪い取り、生産手段を社会の共有に変え、社会的共同生産を計画的に組織化することだ。
 これは資本家の存在を全否定する。これに素直に従う資本家諸君はいないであろう。だから、労働者の革命は必ず暴力革命となる。
 しかも、プロレタリア革命が暴力革命であるのは、それが支配階級の抵抗を打ち砕くことを必要としているためだけではない。暴力革命は、労働者がこの革命の主体となり、新たな支配階級として共産主義社会を実現するために、必須不可欠なことであるからだ。労働者階級が自らを新たな人類社会の能動的主体的担い手として登場させるためにこそ、資本家階級を抑圧し、その抵抗を打ち砕き、私有財産を暴力的に奪い取ることが必要なのである。
 「したがって革命が必要なのは、たんに支配階級を他のいかなる方法によってもうちたおせないからだけではなく、うちたおす階級が、ただ革命のなかでのみ、いっさいの古い汚物を払いのけて社会をあらたに樹立する力を身につけることができるようになるからである」(新訳『ドイツ・イデオロギー』50n)
(写真 1917年3月初め、タヴリーダ宮殿での兵士代表ソヴィエトの集会)

 プロレタリア国家

 プロレタリアートがブルジョア国家を粉砕した場合、問題になるのは、「粉砕した国家機構を何ととりかえるか?」ということだ。ブルジョア国家の役割は、資本、私有財産、資本家階級の利益を保護することである。だからプロレタリアートが粉砕すべき国家機構とはまず、直接的に資本を防衛する暴力装置である常備軍、警察、監獄である。この労働者権力が、残存する資本家階級の反抗を最終的に打ち砕き、資本家階級の存立の諸条件をなくしたとき、最後の国家としてのプロレタリア国家は、その役割を終えて死滅する。

 スターリン主義

 プロレタリアートの独裁は、ブルジョアジーの反抗と存立条件を廃絶するとともに死滅する権力だ。ロシア革命において実現されたソヴィエト権力も、当初はそのような労働者自己権力として打ち立てられた。しかし、それはスターリン主義によって歪曲され、労働者階級と切り離された権力となった。ロシア共産党とソヴィエト権力を内部から変質させ簒奪(さんだつ)したスターリニスト官僚がプロレタリアート独裁や世界革命の名で労働者・農民を抑圧するようになったのだ。国家死滅の過程としてのプロレタリアート独裁=過渡期を歪曲・固定化した。
 こうしたスターリン主義の発生の根本原因は、世界革命の遅延、ソヴィエト・ロシアの孤立、ロシアの農業国的後進性という現実への屈服、それを合理化するための一国社会主義論、世界革命の放棄という裏切りにある。こうして帝国主義との共存を自己目的化し延命を図ったソ連スターリン主義は、帝国主義の包囲のもと、一国社会主義的根本矛盾を爆発させて崩壊した。
 かくして「共産主義は新たな階級支配を生むだけ」「共産主義は失敗した」という誤った思想が一時的にせよ大きく広がった。現代にプロレタリアートの独裁を提起する場合、このスターリン主義による歪曲を粉砕し、マルクス主義に基づく『国家と革命』の内容を復権することが絶対に必要である。
 「しかし、社会主義をなにかある死んだ、硬化した、一度あたえられたらそれきりのものと考えるありきたりのブルジョア的観念は、際限もなく誤っていることを、理解することがたいせつである。実際には、社会主義のもとではじめて、社会生活と個人生活のすべての分野で、住民の大多数が参加し、ついで全住民が参加しておこなわれる、急速な、ほんとうの、真に大衆的な運動が始まるのである。」(国民文庫『国家と革命』 170〜171n)
 ここにあるのは、プロレタリアートへの信頼である。資本主義を打倒し生産手段の共有のもとに生産と社会の運営を開始した労働者の社会がいかなるものとなるかについて、公式的に語ることは確かに不可能である。明言できるのは、プロレタリアートの独裁とは、ブルジョア国家を粉砕し、労働者階級が社会の運営を自ら担うことであり、それは生産手段の共有に基づいている以上、徹頭徹尾労働者階級の団結に依拠してのみ成り立つ。だから、過渡期をどのようなものとして考えるかは、プロレタリアートの団結をどのようなものとしてつくり出すのか、ということとイコールである。自分自身、あるいは隣の仲間である労働者階級をどういう存在として見ているか?がそこで隠しようもなく現れる。マルクス主義とスターリン主義の立場はここにおいて決定的に違う。

 プロレタリア独裁 労働者の職場支配権が基礎

 プロレタリア階級闘争とは、プロレタリアートの独裁を今日的に貫くことである。職場生産点においては労働者・労働組合の支配権の確立を闘いとることである。体制内派はこの職場支配権をめぐる闘いから逃げ回り、「選挙で『人民の意思』が体現される。その枠の中であらゆる問題を解決すべきであり、それ以外ない」という見解を垂れ流す。しかし、これは偽りである。資本主義社会においては取るに足らない少数の支配階級の手に社会的な力が集積され、それが累進的に強化されていく。ブルジョア社会においては、商品交換関係における外見的自由・平等に基づく政治的自由・平等の一方で、社会的経済的には階級間の実質的不平等が生じ拡大する。現実の労働者の闘いを見れば明らかである。
 例えば京品ホテルの自主営業闘争。リーマンブラザーズの破綻によってホテル売却が計画され、労働者が解雇された。京品ホテル労働者の闘いは、労働者はこんな理不尽な私的所有を認めないし、資本=「社会的に集積された力」の運営に関して資本家が責任をとれないというなら労働者が責任をとる、ということだ。こうした行動に労働者が出たとき、国家はそれを暴力的に鎮圧し、資本−私的所有を守ろうとしたのである。
 「私的所有を認めない。私的所有は必要ない」という見解は、生産点における資本の支配を粉砕し、労働者の支配を確立する中から生まれてくる。労働者の生きんがための反乱、議会的おしゃべりの「外側」でのみ、私有財産制度の粉砕は現実的問題となるのである。だから、プロレタリアート独裁を樹立するというとき、その核心は、資本家階級の支配力の源泉である職場生産点において、その支配を覆していくということである。

 労働組合の意義

 プロレタリアート独裁は、職場生産点における労働者の支配権の確立をその実体的基礎とする。
 「労働組合というのは、階級対立に伴う社会全体の転覆の準備手段である。……労働組合運動の中で、労働者階級は、自分たちが権力を握ったときの能力を身につけるわけだ。動労千葉でいえば列車を動かす能力を身につけるということだ。……『これだけの列車を動かすのに何両の電車が必要か』『何人の運転士が必要か』『修繕する人が何人必要か』すべてを労働組合が十分にわかっている。……そういうふうに自分たち労働者が権力を握ったときの能力を労働組合運動の中で身につけるわけだ。」(『甦る労働組合』176n)
 労働者がストライキをとおして生産点における支配権を資本家から奪っていくということは、単に生産における労働者の優位を形成するだけにとどまらない。そのような資本主義の枠の内側での力関係の変革ということをはるかに超えて、労働者階級総体が生産の主人公になっていく。また、それは少数の人間が多数を支配する階級社会であるがゆえに避けられない国家機構の官僚主義化と国家による人間の支配とを根本的に覆す根拠となる。レーニンは以下のように確認している。
 「(コミューンは)第一に、行政、司法、教育上のいっさいの地位につくものを、関係者の普通選挙権に基づいて選び、しかもその関係者がこれをいつでも解任できることにした。第二に、地位が高かろうが低かろうが、あらゆる職務に対して他の労働者なみの賃金しか払わなかった」(『国家と革命』133n)
 「国家を廃絶するためには、国家公務の諸機能が、住民の大多数のものに、あとでは全住民一人ひとりにも、手におえる、こなすことのできる、統制と計算の単純な作業にならなければいけない。」(同131n)
 「実生活では、民主主義はけっして『個別的にある』ものではなく、他のものと『一体をなす』、それは経済にたいしてもその影響をおよぼし、経済の改革を促し、経済的発展の影響をうける、等々。これが生きた歴史の弁証法である」(同135n)
 労働者が自ら社会を運営するということは、理想の制度を適用するということではまったくない。「即時の解任制をともなった選挙制」と「労働者なみの賃金」は、社会運営への全人民の参加を可能にする制度である点で重要だが、「国家の諸機能が、一人ひとりの手におえるものになる」ことで保障される。それは「上から」諸制度を保障することではけっして生み出されない。社会の運営や民主主義の貫徹は「個別的にあるのではなく、他のものと一体をなす」。この「他のもの」こそ生産点における労働者の支配権の確立である。
 プロレタリア独裁権力は「経済(生産点における力関係)の改革を促し、経済的発展(生産点における労働者支配の強化)の影響をうける」のだ。資本との対決をとおして職場生産点を運営する力を身につけることと、政治権力をとおして資本家の反抗を粉砕していくこととが一体的に進行する中で、プロレタリアート独裁は社会主義建設を爆発的に前進させることが可能になる。
 スターリン主義やカクマルなど体制内派の理論(ならざる「理論」)における最大の誤りは、「経済的発展」を団結(共同性の発展)の問題ではなく、技術や制度の問題にすりかえることにある。その結果、労働者は革命とプロレタリアート独裁の能動的主体ではなく、ある特定の思想や方策を追認し実行する受動的存在、客体へとおとしめられる。

 まとめ

 『国家と革命』に貫かれているのは労働者階級自己解放の思想だ。レーニンは労働者の団結にとことん依拠し、その力を徹底的に引き出そうとしている。『国家と革命』は「労働者は絶対に革命ができる!!」という渾身(こんしん)のアジテーションだ。1917年、ロシアのプロレタリア革命の勝利の鍵は、ソヴィエトが小ブルジョア的体制内派(メンシェヴィキやエスエル)に歪曲されることなく、ボリシェヴィキがそのヘゲモニーを握り、労働者権力として自己を最後まで貫徹することにあった。
 現在の日本においても、国鉄1047名闘争が、体制内派によって解体されるか、動労千葉−階級的労働運動派によって不屈に闘われ続けるかが階級闘争の帰趨(きすう)を決する。
 労働者階級は社会のすべてをその手に奪い返す存在だ。一切の体制内派を粉砕し、第2次国鉄決戦を軸とする道州制・民営化粉砕の4大産別決戦を全労働者階級の団結で闘おう!

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週刊『前進』(2386号5面1)(2009/04/06 )

新入生歓迎特集 新入生歓迎特集

 学生の力で世界を革命しよう マル学同中核派の各支部から訴える

 4・24法大解放集会で教育の民営化ぶち破る 法政大学支部

 マルクス主義学生同盟中核派法大支部は、4・24法大解放集会の爆発をもって全世界で吹きあれる「教育の民営化」をぶち破ることを宣言する!
 新入生のみなさん。世界大恐慌が始まり、資本主義が音を立てて崩壊している。労働者が社会の主人公になる時代が来た。この時代にともに闘えることが心の底からうれしい。人間を金で支配し、学生をモノ扱いし、教育を金もうけの道具にしている資本主義をぶっつぶそう。新たな社会を創造する仲間としてともに生き、闘っていこう。
 この3年間の法大闘争は資本と国家権力のむき出しの暴力との激烈な闘いだった。さらに「学生には力がない」「闘っても勝てない」と学生の決起を押さえ込む体制内学生団体執行部との闘いでもあった。
 法大資本と国家権力は、06年から88人の逮捕、22人の起訴、12人の退学・停学・入構禁止処分――あらゆる暴力と権力を使って大弾圧をしてきた。
 この未曽有の大弾圧に対し「21世紀最初の学生暴動」――10・17闘争の爆発で暴力ガードマンを追放し、国家権力・法大資本との力関係をひっくり返してきた。監獄大学と言われる法大キャンパスのど真ん中に闘う火柱をうち立て、革命の拠点としての法大学生運動を継承・発展させてきた。
 4・24への激闘は開始された。法大と裁判所は、キャンパス周辺での情宣活動を禁止する仮処分を決定した。ビラまきや演説が大学「営業権」に「回復困難な損害を与える」から禁止というのだ。ビラ1枚が法大資本を破綻に追いつめているのだ。4・24闘争は教育の民営化粉砕の闘いそのものだ。
 さらに闘う法大生、倉岡雅美さん(人間環境学部3年)の追加処分を狙っている。これ以上、学生が支配され、処分されてたまるか。情宣禁止の仮処分攻撃を粉砕し、倉岡さん追加処分絶対阻止の闘いで4・24に攻め上ろう。処分撤回闘争は大学・教育の場を学生の手に奪い返していく価値創造的かつダイナミックな闘いだ。勝利はすでに切り開かれている。今こそ反転攻勢に打って出よう!
 学生を資本の金もうけの道具にされてたまるか。学生は腐ったルールや「しょうがない」に支配される存在ではない。未来を語り、世界を突き動かす存在だ。資本による競争によって奪われてきた団結を4月24日、監獄大学の象徴―法大キャンパスで奪い返そう。法大生はマル学同法大支部に加盟し、ともに歴史の最前線に躍り出る闘いを作っていこう。全国学生は4月24日に総決起しよう。
(写真 4・24法大集会へ 3年前の3・14弾圧を弾劾して法大を包囲デモ。法大解放1000人集会を訴えた【3月13日】)

 学生の分断をうち破りストの爆発切り開こう 東北大学支部

 世界大恐慌は、労働者・学生の「生きさせろ!」の闘いを呼び起こし、資本主義の破産を刻印している。もはや資本家の存在そのものが青年・学生にとっての疎外物だ。「資本独占は……この生産様式の桎梏となる。生産手段の集中も労働の社会化も、それがその資本主義的な外皮とは調和できなくなる一点に到達する。そこで外皮は爆破される。資本主義的私有の最期を告げる鐘が鳴る。収奪者が収奪される」(マルクス『資本論』)。プロレタリア世界革命勝利へ、世界の労働者階級とともに学生は立ち上がろう!
 その攻防が「大学の民営化」との対決だ。ブルジョアジーが「教育」の名のもとに学生・保護者から搾取している。学生を資本の奴隷とし、侵略戦争へと動員しようとしている。その最先端が88人逮捕−22人起訴をぶっ飛ばして闘い抜かれてきた法大決戦だ。
 東北大学生運動は法大決戦の最先頭で全力で決起してきた。00年には国立大学法人化(民営化)に反対して全学ストを打ちぬき、有朋寮廃寮阻止決戦を団結を崩すことなくうち抜いた。
 東北大当局は団結の拠点=日就寮、サークル協議会や学生自治会の破壊に絶望的に突進してきている。日就寮の食堂廃止=生協による民営化を推し進め、自治寮解体を狙っている。
 民営化された学生寮で何が起きているか? 寮費の高騰、全室のカードキー化、家具のレンタル制など、資本の利潤のために学生が食い物にされる。在寮期限は1年で追い出される。こんなもの寮でもなんでもない!
 結局、カネのない学生は大学に来るなということだ。資本主義と新自由主義がわれわれの未来を奪っている。寮生・学生の「自治寮を守りたい。団結して闘いたい。後輩のために安い寮を残したい」の思いは当然だ。だからこそ大学当局の入寮妨害文書による分断をうち破り、食堂廃止反対を闘う日就寮生と受験生の結合が生み出された。
 学友会本部が「サークルの勧誘活動禁止」通達を出してきた。サークル同士の競争・分断、恫喝と抑圧は許せない! 他方で授業は学生を奴隷化する支配装置になり、研究室は資本の利潤を生み出す道具に成り下がっている。
 この転倒したあり方をぶっ飛ばすのが4・24法大集会だ。1千人の結集でキャンパスを学生の手に取り戻そう。09年、東北地方の全大学にマル学同の真紅の旗をうち立て、全国300万学生ゼネストに進撃する。マル学同中核派に結集し、4・24から東北大ストの爆発を切り開こう。

 民営化攻撃を粉砕して大学と教育を取り戻せ 京都大学支部

 マルクス主義学生同盟中核派京大支部は、すべての新入生と固く団結し、4・24法大集会に決起する。世界金融大恐慌が激化する中、全世界で労働者・学生の「生きさせろ!」の怒りが爆発している。労働者を片っ端から解雇している資本家どもが教育をダシに金もうけし、学生の未来を破壊し、大学を蹂躙(じゅうりん)している。これ以上認めることができるか。もう黙っていない。法大を1千人の学生で埋めつくし、大学・教育を奪い返す学生蜂起をたたきつける。全国学友は「教育の民営化粉砕! 法大決戦勝利」で団結し、4・24から全国学生ゼネストへ、いざ進撃しよう!
 誰も経験がない大恐慌が進行している。資本家の虚構が崩壊し始めた。金融・自動車・電機など全産業が崩壊する時代だ。もはや資本主義は労働者を殺しながらブロック経済と戦争に突き進む以外にない。資本家の時代は終わった。労働者階級が団結して資本主義をぶっ倒す革命の時代の到来だ。
 学生が団結して資本家階級との闘いに立ち上がる路線は「道州制・民営化攻撃粉砕! 全国大学の法大化阻止! 法大決戦勝利」だ。道州制は全社会の民営化であり、団結破壊による労働者・学生支配だ。医療・教育・大学を民営化する。キャンパスを資本の論理で蹂躙し、教育を破壊し、学生がモノとして扱われる。こんなものはもはや大学ですらない。爆砕あるのみだ!
 私立大学の15%が学生や親から集めた学費で投機に走っていた。理事会や経営協議会の懐に消えているのだ。これが詐欺でなくて一体なんだ!
 京都大学の松本総長は、資本による大学の独裁支配を最先頭で推し進めている。全国の大学で非常勤職員の大量首切り攻撃が始まり、自治寮の破壊が本格化している。これほど学生の寮が必要とされる時代に、自治寮をつぶして金もうけの手段にするほどふざけたことがあるか。こんな奴らに「教育」を語る資格は一ミリもない。「頭を下げて折り合いをつけるしかない」という奴隷根性をぶっ飛ばして闘おう。今こそ京大生は大学のすべてを取り戻すストライキをやろう。
 最大の方針が4・24法大集会だ。法大当局は、学生がビラをまき、大学当局を批判することは「営業権」侵害であるとして、裁判所に「情宣禁止仮処分」を申し立てた。ふざけるな。4・24は、怒れる学生が大学のすべてを取り戻す集会だ。学問も教育も未来も団結も、すべて取り戻そう。4・24法大集会に総結集しよう。

 「自己責任」ふざけるな資本主義に引導渡そう 大阪市立大学支部

 4・24法大集会に大結集し、道州制と教育の民営化に一大反撃をたたきつけよう。労働者を搾取し、学生を金もうけの対象としてきた資本家どもの悪あがきを許しておくことはできない。資本主義を粉砕し、労働者や学生の手に社会のすべてを奪い返す時がやってきた。300万学生ゼネストで資本主義に引導を渡そう。すべての学生はマル学同に結集しよう!
 内定取り消し1500人! 奨学金による借金が卒業時点で775万円!
これが資本主義体制が学生に用意した「教育」の現実だ。教育に名を借りて、大学を僭称(せんしょう)して競争をあおって学生や保護者から金をふんだくっている。ふざけるな! 
 新自由主義のもとで、資本家はさんざん自己責任をあおってきた。授業料を払えないのも、就職できないのも、過労死も自己責任。電車が脱線して死んでも、戦争で殺されても自己責任!
 だが大恐慌のただ中で、資本家どもは何を言っているのか? 「公的支援」を叫び、何百兆円もの金をのみ込んでいる。すべて労働者から搾り取った税金だ。ふざけるのもいい加減にしろ! 資本主義は破産した。もはや労働者、学生が引導を渡す時だ。
 全世界で「教育の民営化」が吹き荒れている。資本主義は、教育をまともに保障できなくなったばかりか貧困ビジネスへと変質させている。
 大阪市大でも2部(夜間)の廃止、府立大との統合を、府知事・橋下が画策している。「関西広域連合」のもとで市と府の行政区分を超えた大学統合を行い、道州制を先行実施するのだ。
 その狙いは徹底的に団結解体だ。市大、府大生の多くが関西の自治体や学校に就職する。関西の自治労、日教組の中心部隊が市大、府大の出身者で構成されている。市大や府大の学生自治と団結を破壊することは、4大産別解体攻撃に直結する。
 自治労、日教組解体を核心とする道州制の先取りとして、市大の2部廃止−府大との統合は狙われているのだ。
 道州制・民営化攻撃は、敵の決定的な弱点だ。何より橋下や資本家どもは学生の怒りと団結をなめている。「学生は体制内化される存在」というのが道州制・民営化の前提だ。だが法政大学の闘いを見よ。学生は資本主義の現実にどこまでも怒り、団結できる存在だ。4・24法大集会から、全国学生ゼネストの号砲を打ち鳴らそう。

 核戦争を繰り返すな!君の決起が歴史動かす 広島大学支部

 大恐慌の時代を、世界の労働者・学生の団結で革命に転化しよう。この時代をともに生き、闘うことができることを心から喜びたい。
 世界大恐慌は、史上最大の革命情勢だ。世界中の人びとを搾取し、貧困に落とし込め、金融ギャンブルにふけってきた奴らが、その破産のツケをすべて労働者に支払わせようとしている。支配階級どもは社会を運営することも、まともにモノを生産することもできなくなった。
 奴らのやっていることは、クビ切りと公金横領、民営化と戦争だけだ。道州制と民営化で社会のすべてを金もうけの手段に変え、医療や教育などをズタズタに破壊したあげく、行き着く果てはヒロシマ・ナガサキを繰り返す世界核戦争だ。ふざけるな! こんな奴らは一秒たりとも地球上に存在する資格はない。人類史の名において引導を渡す以外にない。社会のすべてを労働者階級の手に取り戻そう。
 学生には、腐りきった資本主義に終止符を打ち、新しい社会を建設・運営できる歴史的な力がある。大学を頂点とする現在の学校教育機関は、資本主義体制の存続を前提とし、その中で労働者階級の子弟を資本家階級の支配下に屈従させるための機関に堕落させられてきた。「営業権」を振りかざして学生の情宣活動を弾圧する法大当局こそ、まさに落ちるところまで落ちたとしか言いようのない姿ではないか! 
 大学で学生が立ち上がり、誇りと団結を取り戻し、ストライキで教育を奪還していく闘いは、資本の支配を根底から揺るがし、世界中の労働者の心を激しくゆさぶる――この確信は、この3年間の法大闘争を通じてつかんだものだ。昨年、広大支部は3人の仲間を半年獄中に奪われながら、一歩もひかずに国家権力・法大当局と対決し、獄壁を突破する団結の力で全員を奪還した。もはや恐れるものは何もない!
 広大支部は労働者階級の先頭に立って、昨年の8・6ヒロシマ闘争を大成功させた。階級的反戦闘争の拠点=ヒロシマで闘う学生として、核戦争を絶対に許さない! 保護主義政策とアフガン増派に突撃しているオバマは、就任演説で原爆投下を含めた米帝の侵略戦争の歴史を全面的に肯定した。新たな世界核戦争を準備するオバマを、世界の労働者とともに打倒しよう。
 法大闘争勝利―全国300万学生のゼネストを一緒にやろう。君の決起が歴史を動かす。マル学同に結集してともに闘おう!

 新樹寮廃寮絶対阻止!実力で自治寮を守るぞ 富山大学支部

 全世界の労働者が団結し、世界革命に立ち上がる時が来た。資本主義を打倒し、共産主義革命へと突き進む歴史の大転換点に、われわれは学生として存在している。ともに資本主義を倒す革命を目指そう!
 世界大恐慌によって工場閉鎖、大減産が相次ぎ労働者の大量解雇、学生への超就職氷河期の大攻撃が吹き荒れている。自衛隊のソマリア沖派兵に続いて、北朝鮮の「人工衛星」発射への戦時体制への突進と、支配階級は激しく戦争への衝動を強めている。恐慌と戦争をなくすために資本主義社会を根底から変革しよう。
 最大の階級的対決点は道州制と民営化だ。道州制導入によって教育、医療、福祉などを民営化し、労働組合を破壊し、地域を丸ごと資本家が好き勝手に金もうけの道具に変えようとしている。労働者は生きられない。今こそ国鉄分割・民営化に勝利してきた動労千葉労働運動が光り輝く時だ。
 3年におよぶ法大決戦は、教育の民営化と徹底的に闘い抜いてきた。何が「営業権」だ! 「情宣活動禁止仮処分」を絶対に許さない。これこそ学生を金もうけの道具として見る法大当局の本性だ。4・24法大集会の爆発で監獄大学をぶち壊して解放しよう。
 法大決戦の爆発から全国大学で「法大化阻止」の闘いを巻き起こそう。その第一弾が富山大学新樹寮への一方的な「入寮募集停止」と「改修」を粉砕する廃寮阻止の大決戦だ。
 学長選で2割しか得票できなかった富山経済同友会の先兵=西頭(さいとう)学長は、警察権力と結託して、闘う学生を逮捕・起訴し、破廉恥にも学長の座に居座っている。そして09年、西頭はついに新樹寮の廃寮攻撃=民営化に手をかけ、大激突が始まった。学生自治会つぶしを粉砕する闘いで培ってきた団結が、全学生の西頭独裁体制への怒りと結合する時が来た。
 新樹寮「改修」=民営化の目的は寮自治をつぶし、寮を民間アパートと同じように資本家の金もうけの道具に変えることだ。世界大恐慌の中での「入寮募集停止」など許せない。寮生を強制的に部屋からたたきだす「改修」は断固拒否だ! 闘う新樹寮生は「自治寮つぶし絶対反対」「資本家の金もうけのための『改修』粉砕」の路線を確立して闘いを開始した。マル学同・富山大支部は、法大決戦と一体で新樹寮決戦の先頭に立ち、大学の資本家独裁をぶっ飛ばし革命に突き進む。ともに闘おう!

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週刊『前進』(2386号6面1)(2009/04/06 )

新入生歓迎特集 新入生歓迎特集

 大恐慌を世界革命勝利へ

 労働者・学生の団結で資本主義を打倒しよう

 革共同中央学生組織委員会

 はじめに

 「ブルジョアジー(資本家)の没落とプロレタリアート(労働者)の勝利は、いずれも不可避である」(『共産党宣言』)。このマルクスの言葉がまさに現実のものになろうとしている。
 産業革命による資本主義の確立から約250年、金融大恐慌の直撃で資本主義的生産システムは無残に崩壊した。マルクスは19世紀の恐慌での「過剰生産という疫病」を指摘し、「社会は、突然、一時的に未開状態にひきもどされたかのような状況になる。飢餓や全社会的な破壊戦争がおこり、社会がすべての生活手段から切断されてしまったかのようになり、工業と商業も破壊されてしまったかのようだ」「社会はブルジョアジーのもとでは、これ以上生きていくことはできない。ブルジョアジーの存在は、もはや社会とはあいいれない」と怒りを込めて弾劾したが、21世紀に生きるわれわれの前にまったく同じ事態が起きている。
 一方で、運転を止めた膨大な工場や空き家があり、他方で数千万人規模の失業者が街にあふれ、所得格差と貧困は資本主義史上かつてなかったほどに拡大した。生産の主人公である労働者階級がモノのように使い捨てにされ、人類を発展させていくべき巨大な生産力が「凶器」として襲いかかってくる。これこそ、歴史的生命力の尽きた資本主義の倒錯しきった姿だ。
 「生きさせろ!」、全世界で労働者・学生のデモ・ストライキ・暴動が爆発している。世界は革命情勢だ! 新入生の皆さん、もはや人間社会の発展にとっての桎梏(しっこく)でしかなくなったこの資本主義という外皮を爆破し、人類史を前進させるのはわれわれ青年・学生だ。プロレタリア世界革命にこそ人生をかけよう。マルクス主義学生同盟中核派に結集し、法大4・24集会と全国学生ゼネストへ決起しよう!
(写真 日韓米の労働者が団結し、労働者党の建設とプロレタリア世界革命に向かって進撃。昨年11月2日、東京・日比谷で)

 世界史の大転換=資本主義の終わりの時代が始まった!

 昨年9月に米大手証券会社のリーマン・ブラザーズが史上最大規模の負債を抱えて経営破綻したことを契機に、世界金融大恐慌はいよいよ本格的な新しい段階に突入した。それは、1929年世界大恐慌を広さ、深さ、長さのすべてにおいて上回る、底なしの恐慌になろうとしている。

 資本主義の矛盾の歴史的大爆発

 大恐慌の引き金を引いたのは、米住宅ローンとサブプライムローンの破産だ。労働者に詐欺まがいの手法で住宅購入ローンを組ませ、その住宅を担保に借金をさせて国内消費を増やすという末期的なあり方が破綻したのだ。しかもそのローンを細切れに証券化した商品は約1兆j(100兆円)、損失補填(ほてん)のためのCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)は保証金額が実に6000兆円という天文学的な額になった。
 束の間のバブルに踊ってきたブルジョアジーどもは顔面蒼白(そうはく)だ。巨額の財政出動によっても危機は解決されるどころか、国家財政赤字は約170兆円へと膨れ上がり、ドルそのものが紙クズになる日が迫っている。そもそも、労働者階級に対する徹底的な首切りと賃下げで延命してきた連中が、いざ自分たちがピンチに陥るや湯水のように公的救済資金(税金だ!)をつぎ込むなど許せるか!
 しかも実体経済の危機は拡大し、資本主義の屋台骨の大独占資本がバタバタと倒産しようとしている。GM(ゼネラル・モーターズ)は約8兆円の債務を抱えて瀕死の状態、世界最大の米シティ銀行は2月末に事実上の国有化状態に置かれた。CDS販売の主役であった世界最大の保険会社・AIGは、約6兆円の赤字を出している。米雇用者数は昨年12〜2月で200万人以上も減少し、今年の世界の失業者数は2億3千万人に達する。
 米バブルに依拠して「輸出立国」で命をつないできた日本経済も、本格的な瓦解過程に入った。2月の自動車生産台数は前年同月比で56・2%減で、もはや一つの産業として成り立っていない。2月の輸出額も前年同月比で半減し、過去最悪の減少率。鉱工業生産は前月比で1割減を繰り返すという垂直落下状態だ。昨秋以降に解雇された非正規労働者は、政府発表でも約20万人。大資本は減産に走る一方で、首切り・賃下げ、内定取り消しにのめり込んでいる。

 危機はこれからいっそう本格化

 資本主義の歴史的全矛盾が爆発し、もはや資本家は労働者をまともに食わすことすらできない。しかし、金融大恐慌はまだまだ「入り口」だ。万策尽きた資本家どもに、「次」はない。帝国主義が帝国主義である限り、過剰資本・過剰生産力の圧力による大恐慌、そして市場争奪戦をめぐる世界戦争突入という矛盾から絶対に逃れられないからだ。延命しすぎた帝国主義は、革命によって打倒するしかない。
 1917年ロシア革命と29年大恐慌を受けての30年代革命情勢を、ソ連スターリン主義の裏切りでのりきったブルジョアジーは、第2次世界大戦後に異例の「成長」を実現する。しかしその特殊的あり方はただちに行き詰まり、71年ニクソン・ショック(金ドル交換停止)と74−75年の世界同時恐慌で帝国主義世界経済の統一性は崩壊、自立的成長が不可能になってからは、ひたすら労働者階級に対する階級戦争(民営化・労働組合破壊)である新自由主義攻撃と、投機(バブル)経済に血道を上げるようになった。
 そのなれの果てがサブプライム破産と金融大恐慌だ。そして、全面的な保護主義=ブロック化へと突き進み始めた。米帝の「バイ・アメリカン」(米製品優先購入)条項を先頭に、1月末〜3月までで世界の保護貿易措置は4倍強に急増した。かつての大恐慌の際、世界貿易額が4割以下に落ち込み、世界戦争に至った過程と同じだ。資源・勢力圏争奪戦の中で、米欧日帝はイラク、アフガン、パレスチナ、イラン、北朝鮮へ侵略戦争を拡大しようとしている。

 1930年代の激動こえる巨大な世界革命情勢が到来

 しかしこれは、ことの半面だ。金融大恐慌は、全世界で労働者・学生の歴史的決起を生み出す。3月19日にはフランスで300万人の大ゼネストが闘われ、20日には日本で動労千葉(国鉄千葉動力車労働組合)を先頭にイラク反戦6周年の戦闘的デモがうちぬかれた。1930年代革命情勢をはるかに超える、全世界プロレタリアートの世界革命に向かっての嵐のような進撃が09年にわき起こる。日本の300万学生がその先頭に立とう。

 世界大恐慌下で労働者が進撃

 1930年代、アメリカの工業生産は29年から33年までに半減し、失業者はピーク時には1600万人を超えた(実質失業率は67%に達した)。まさに資本主義の全面的な破産状態だ。
 アメリカ労働者階級は生きるために続々と労働組合に結集し、座り込みスト−工場占拠、大デモ、地域ゼネストを闘い、資本主義の足元を揺るがした。完全に資本主義的生産力の奪取=革命が問題になっていた。しかし、その闘いに真っ向から敵対したたきつぶしたのがアメリカ共産党=スターリン主義だ。いま金融大恐慌の時代、「資本主義の救済」を叫ぶ体制内勢力やスターリン主義との全面的な党派的激突が再び激化する。

 体制内諸勢力の裏切りを許すな

 30年代の米帝ルーズベルトのニューディール政策は、革命のうねりを抑え、労働運動を資本主義の枠内に取り込むことが核心だったが、ソ連スターリン主義とアメリカ共産党はこれを礼賛し、労働者の革命的な決起を血の海に沈めた。
 体制内勢力こそ、倒壊寸前の帝国主義を支える極悪の先兵だ! 全米自動車労組(UAW)はオバマの恫喝を前に組合員の権利を次々に明け渡し、日本の連合指導部は経団連・御手洗や麻生と握手を交わし、「ワークシェアリング」の名のもとに首切り・賃下げに協力している。日本共産党に至っては、「『ルールなき資本主義』を正し『ルールある経済社会』をつくる」「大企業との関係は、新しい経済体制の下で共存共栄を図る」(委員長・志位)などと、ブルジョアジーにこびを売っているありさまだ。
 史上最大の大恐慌であるがゆえに、労働者・学生の怒りはさらに噴きあがり、「革命の現実性」の前に震え上がる体制内勢力は必死にプロレタリア革命に敵対する。徹底的な党派闘争を貫き、マルクス主義の真の労働者党を建設しよう。

 人間としての生き方をかけ中核派に結集し共に闘おう

 社会変革の力は、労働者・学生の団結の中にある。資本主義を革命で打倒し、労働者が主人公の共産主義社会をつくることこそが唯一の人間らしい生き方だ。
 資本主義社会における生産手段は資本家に私的に独占され、生産の動機は利潤追求だ。人間関係は商品と商品の関係におとしめられ、労働者は労働力を商品として資本家に売ることでしか生きていけず、資本家は労働者の労働をとおして膨大な利潤(剰余価値)をせしめている。しかし、この賃金奴隷である労働者階級にこそ、資本の鉄鎖を打破して生産力を奪取し、ただちに社会を運営する力があるのだ。
 日本の地では、動労千葉と11月集会潮流が米韓の戦闘的労働者と結合して大恐慌に立ち向かう団結を形成してきた。動労千葉が実践する階級的労働運動こそ、日帝の労働組合解体攻撃としてあった80年代国鉄分割・民営化に勝ちぬき、21世紀に入って組織拡大しながら全世界の闘いの先頭に立っている。

 4・24法大集会が歴史を変革する

 

日帝・麻生政権の道州制攻撃を粉砕しよう!
道州制攻撃の核心は民営化(労働組合破壊)であり、改憲・侵略戦争への突入だ。
06年3月から3年にわたって闘いぬかれてきた法大闘争こそ、教育を資本家が独占して金もうけの手段とし、青年・学生の未来を奪うあり方に真っ向から立ちはだかってきた。学費を高騰させてデリバティブ取引で大損失を出し、自由も自治も破壊する「教育」や「大学」など、つぶして当然だ。学生はストライキをやって、キャンパスを実力で取り戻そう。
4・24法大1000人集会の大爆発を突破口に、全国学友は資本主義・帝国主義を打倒する学生ゼネストに立ち上がろう!  中核派に結集し、プロレタリア世界革命へ突き進もう!
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法大裁判に集まろう!

★4月14日(火)5・29デモ弾圧裁判Aグループ
第11回公判 午後1時30分開廷
★4月15日(水)5・29デモ弾圧裁判@グループ
第13回公判 午後1時30分開廷
★4月17日(金)7・24建造物侵入デッチあげ裁判
第10回公判(最終弁論) 午後1時30分開廷
★4月23日(木)5・28「暴行」デッチあげ裁判
第10回公判(弁護側冒陳・被告人質問)
午後1時30分開廷
◎いずれも東京地裁429号法廷
開廷1時間前に地裁傍聴券配布所に集合を

★富山大学ビラまき弾圧裁判(富山地裁)
第8回公判(最終弁論)4月17日(金)
午後1時30分開廷

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週刊『前進』(2386号7面1)(2009/04/06 )

 西郡住宅闘争を徹底推進し部落解放・日帝打倒へ前進を

 旧与田派の闘争破壊粉砕しよう

 世界大恐慌は帝国主義の末期的危機の爆発であり、プロレタリア世界革命を闘いとる時代への突入である。全世界で労働者階級が「生きさせろ!」の闘いに立ち上がっている。今こそ階級的労働運動を全面的に発展させよう。日帝権力に屈服し、西郡闘争と革共同の破壊策動にのめり込む旧与田派残党分子を一掃し、プロレタリア革命を闘いとる部落解放闘争の発展をかちとろう。
(写真 西郡での強制執行に対し、ストに決起しガードマンと実力対決する八尾北労組員ら労働者【2月26日 八尾市】)

 部落解放の新地平切り開く西郡闘争

 この階級的な大激動の時代に、大阪・西郡住宅闘争は部落解放闘争の新たな革命的発展を切り開いている。それは同時に、住宅をめぐる労働者階級と日帝権力・支配階級との激突としての意義を持つものである。
 部落解放同盟全国連合会西郡支部は、「部落民は労働者階級の一員である」という階級的路線的確信を決定的な力として、部落解放闘争の歴史を引き継ぎ、のりこえ、発展させているのである。
 森本政二さんを住み慣れた住居・店舗から追い出そうとした八尾市当局に対して、2・26強制執行阻止闘争がたたきつけられた。西郡闘争は、今ひとつ新たな発展段階を切り開いた。
 帝国主義の危機の中で日帝権力は、国鉄分割・民営化を突破口に、労働者階級に対する搾取と労組破壊、社会保障切り捨てなどの攻撃を決定的に強めてきた。1990年代後半以降、日帝は新自由主義政策にもとづく民営化攻撃の一環として公営住宅制度の抜本的大改悪に踏み切り、公営住宅の民営化、応能応益家賃制度への転換を強行した。これは正規から非正規へ雇用形態の全面的転換を打ち出した95年の日経連プロジェクト報告と軌を一にする攻撃であり、戦後労働者支配の大転換である。それはまた民営化を核心とする道州制の先取りでもある。
 応能応益家賃と闘う西郡の住宅闘争は、部落解放闘争の闘いとってきた地平を実力で守りぬくとともに、6千万労働者階級総体にかけられた民営化・新自由主義攻撃と真正面から対決するものである。西郡の部落大衆は労働者階級の最先頭で闘う気概と誇りをもって立ち上がっている。それがより広範な労働者階級の団結と決起をつくり出しているのだ。
 2・26強制執行に対して、地元の八尾北医療センター労組は同日、「強制執行絶対反対、八尾北医療センター民営化反対」「道州制攻撃粉砕」を掲げてストライキに決起しともに闘った。このストライキは、西郡の部落大衆の決起と並ぶ、きわめて階級的意義のある実力闘争として打ちぬかれた。
 闘えば闘うほど、怒りとエネルギーがわいてきて、労働者の団結が広がるような闘いを西郡は実現している。断固この道を進もう。
 この西郡の闘いと八尾北ストに大打撃を受けているのが、部落解放同盟全国連合会に巣くう旧与田派残党だ。

 旧与田派が許し難い中傷

 日帝権力への屈服・転向を本質として革共同から脱落した彼らは、全国連の部落大衆から「西郡のように闘うべきだ」「西郡と一緒に闘いたい」という声が出ていることに衝撃を受け、その鎮圧に必死になっている。
 そのために、全国連のホームページで、2・26闘争を闘った森本さんや西郡の部落大衆に対して、許すことのできない誹謗(ひぼう)中傷を加えている。そして、「逮捕者も出るかと思っていたが、拍子抜けした」と、実に反動的な心情を吐露している。彼らは警察が西郡に襲いかかり、闘いをつぶすことに期待をかけていたのだ。
 また、八尾北労組のストライキに憎悪をむき出しにし、権力や資本家階級の手先となって「スト撲滅」論を振りまいている。「患者を犠牲にしてまでなぜやるのか」「もっと別のやり方があるはず」と非難し、「ストライキは許せない、つぶせ」と叫んでいるのだ。
 同和対策事業の全廃攻撃の中で、権力にすがって延命しようとしている旧与田派残党分子は、西郡の部落大衆が権力・資本と激しく闘っていることに恐怖し憎悪を募らせ、闘いをつぶすことに全力を挙げているのだ。それは、西郡闘争が続く限り、彼らの裏切り、権力への屈服は誰にも明らかであり、その正体を隠せないからだ。そして、西郡闘争をつぶすために、彼らは西郡とともに闘う革共同を「差別者」に仕立て上げ、西郡闘争への襲撃を正当化しようとしているのである。本当に、どこまで腐り切っているのか! 怒りを抑えることができない。

 全国連大会議案を怒りこめ批判する

 「部落解放新聞」3月10日号に解同全国連第18回大会(4月に開催予定)の議案が掲載されている。その内容は、旧与田派残党=権力投降分子が全国連を私物化し引き回していること、さらに、彼らが「革共同破壊」を唯一の存在目的とする集団に転落していることを示している。

 “反革共同”の反革命に転落

 旧与田派残党は、「革共同糾弾」を全国連の運動方針として押しつけることで、部落大衆のプロレタリア革命への決起を圧殺し、帝国主義への転向と屈服の道に引きずり込もうとしている。怒りをもって「革共同破壊」の反革命的運動路線と対決し、粉々に粉砕しなければならない。
 第一に、腹わたが煮えくりかえることは、旧与田派残党分子が、06年3月の「党の革命」によって打倒された与田の恐るべき組織的・金銭的腐敗、それと一体の対権力防衛闘争での投降・屈服について、(与田の最も身近にいた者たちでありながら)自己切開的な総括を一切拒否し、開き直っていることである。
 さらにいまひとつ決定的なことは、中田書記長の「略式起訴受け入れ―完黙・非転向の思想の崩壊」について、完全に容認し開き直っていることである。
 それどころか、旧与田派残党は、与田と中田書記長の問題を厳しく原則的に批判して闘う革共同を憎悪し、「広島差別事件」をデッチあげて「革共同は差別者だ」と攻撃しているのである。
 事態の経緯を知る者にはまったく明らかだが、彼らが叫ぶ「革共同による広島差別事件」なるものは、前記の総括も自己批判も拒否し、開き直るためにデッチあげたものでしかない。彼らは学生戦線における、プロレタリア革命運動と部落解放闘争の路線をめぐる真剣な討議を、相当時間が経過してから「広島差別事件」なるものにデッチあげ、「革共同糾弾」なる運動を始めたのである。同志からの批判、特に中田書記長の略式起訴受け入れ問題での批判を「中田書記長打倒の陰謀だ」「部落民への差別襲撃だ」と言って、革共同と全国連の間に分断を持ち込み、デマで部落大衆をだまし、革共同への敵対をあおってきたのだ。これこそ部落解放闘争に対する最も悪質な利用主義、破壊行為である。
 だが、デマで労働者階級を組織し動員することなど絶対にできない。実際この1年半、全国連の部落大衆を「差別なき糾弾闘争」に動員しようとした策動は完全に失敗した。それでも、彼らは今でもこれを全国連の運動の基軸に据えるしかない。「権力の軍門に下った革共同を歴史のくずかごに捨て去れ」などと言いなして、革共同への攻撃を公言している。
 議案では「路線的位置づけや、これまでの運動との整合性などは後回しにして」「これまでの価値観、考え方を思い切って捨てるべき」と異様に強調している。これは旧与田派残党分子が帝国主義と闘うポーズすらかなぐり捨て、権力に屈服し投降し、帝国主義者のおこぼれで生きていこうということだ。それは、「自民党や解同(本部派)にも呼びかけて、ともに革共同糾弾をやっていく」(08年1月の全国連拡大中央委、小森糾弾闘争本部長発言)という帝国主義擁護、反革命の路線に「思い切って」かじを切るということだ。
 労働者階級・被抑圧人民にとって、生きるか死ぬかが問われる大恐慌と戦争、革命の時代に、中間的な立場はない。旧与田派残党は、帝国主義に完全に屈服して生き延びようとしているのだ。その立場から「スト絶滅」「革命反対」「革共同つぶせ」と叫んでいるのだ。

 権力への投降深め「スト撲滅」を叫ぶ

 第二に、今日の大恐慌突入情勢について、「どこかの軽薄な党派のように、即『革命情勢』と手放しで喜ぶ感性とは、私たちは無縁」「今は恐るべき戦争と差別の時代だ」と暗黒一色に描き上げている。労働者が派遣切りや解雇・失業、賃下げ攻撃に対して激しい怒りを爆発させ、闘っていることへの共感など、どこにもない。
 全世界で労働者階級・被抑圧人民が帝国主義の支配に怒りを爆発させて、暴動・ゼネスト・街頭デモ・職場占拠などの闘いに立ち上がっていることなど、まったく問題意識になく、これが日本のプロレタリア革命の援軍であり、部落解放の援軍だというとらえ方が、まったくできない。それどころか、この怒りが革命に結合することに恐怖して、「今は革命情勢ではない」と必死に叫びたて、革命をめざして闘う革共同の打倒を呼びかけている。 そして部落大衆に向かって、「労働者は差別者だ」と絶望と不信をあおり、労働者と部落民の階級的団結を分断しているのである。

 階級的労働運動への憎悪

 第三に、彼らがストライキについて触れるのは、「労働者の闘いが、部落民や在日アジア人民の排除を要求するストライキのような形で、帝国主義の手先に組織されていくことも起こる」と言っている部分だけである。ストライキが、部落大衆に敵対する、否定すべきものとしてしか語られない。いや、ここにあるのは「ストライキ撲滅」論だ。そして、ストライキで闘う動労千葉に対する憎悪と敵対だ。
 ストライキは直接的に資本に打撃を与えるだけではない。ストライキをとおして労働者自身が、自らが社会的生産の主人公であることを自覚し、階級的団結を拡大して、資本主義を根幹からひっくり返す武器となっていくものである。だから、資本家階級は「ストライキには革命のヒドラ(怪物)が宿っている」と恐れおののくのだ。旧与田派は、こうしたストライキの革命的意義を一言も語らず、否定的なものとして言及するだけである。権力への投降・屈服を深める彼らは、帝国主義者と同じ心情でストライキの爆発に恐怖し、「スト撲滅」論を叫んでいるのだ。それが八尾北労組のストライキへの敵対・憎悪として現れているのだ。

 賃金制度廃止こそ解放の道

 第四に、差別・抑圧との闘いを言いながら、その根源である資本と賃労働の本質的階級関係、搾取の問題、賃金奴隷の鎖について語らない。資本への怒りがなく、資本と非和解で闘う思想が根幹から欠けている。
 そして、「差別の激増は、社会の矛盾、不安の広がりが背景にあることは明らかだが、それ以上に問題なのは、糾弾闘争がなくなったこと」であるとして、「私たちのただひとつの回答は、差別糾弾闘争の復権以外にない」と言っている。
 旧与田派は、激しい首切り・賃下げ攻撃を強行している日本帝国主義・資本家階級への怒りをそらし、「社会の矛盾」「不安の広がり」というあいまいなものにし、プロレタリア革命闘争に対立させて、差別糾弾闘争の唯一性を強調している。
 しかも権力に屈服・投降している旧与田派残党の「差別糾弾闘争」とは、権力とまったく闘わないものだ。逆に、闘う労働者や革共同を「部落差別だ」と言って攻撃する、とんでもなく転倒した「差別糾弾闘争」である。
 全国連西郡支部の闘いこそ、差別行政を行う日帝権力・八尾市当局・資本家階級に対する徹底的な差別糾弾闘争であり、部落解放・日帝打倒につながる闘いなのだ。
 求められていることは、西郡のような闘いである。プロレタリア革命の勝利の中にこそ部落解放の道があることを確信し、労働運動と部落解放運動の合流・結合をとことんつくり出すことである。プロレタリア革命は部落大衆自身の切実な要求であり、叫びなのだ。
 「そこ(プロレタリア革命)では労働者の解放だけが問題になっているかのように見えるが、そうではなく、むしろ労働者の解放の中にこそ一般的人間的な解放が含まれているからである」「生産に対する労働者の関係の中に、人間的な全隷属状態が内包されており、すべての隷属関係は、この関係の単なる変形であり帰結であるにすぎない」(マルクス『経済学・哲学草稿』)
 このマルクス主義の原点に立ち返ってこそ、部落解放闘争の勝利の道筋も鮮明になるのである。
 部落民労働者は職場・生産点で、そして居住地域で団結を組織し、資本と権力に対する闘いの先頭に立とう。そのようなものとして、部落を闘いの砦としてうち固めよう。西郡闘争と狭山闘争を両軸として、階級的労働運動と固く結合した部落解放闘争を力強く発展させようではないか。解放共闘の旗のもと、無実の石川一雄さんと固く連帯し、狭山第3次再審闘争勝利へ、5・23狭山闘争に総決起しよう。

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共産主義者160号

国際労働運動5月号