ZENSHIN 2008/12/08(No2371 p06)

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第2371号の目次

 

 

 

 

 

 

獄中の9学生を奪還

  法大弾圧で不当勾留され続けてきた9学生が12月5日、保釈・奪還をかちとった
1面の画像
(1面)
12・14国鉄闘争集会に大結集を
「派遣切り」−大リストラの嵐に年末年始「生きさせろ」の反撃へ
記事を読む  
「派遣」大量解雇に怒り
日比谷集会 森精機ストライキに共感
記事を読む  
大恐慌を世界革命へ!闘う革共同にカンパを 記事を読む  
獄中の9学生を奪還(12月5日) 記事を読む  
日程 12・13三里塚現地闘争 記事を読む  
(2面)
解雇・賃下げ粉砕!怒りのゼネストへ
奈良 森精機で第2波スト
技能育成分会 組合破壊を団結に転化(投稿・関西合同労組大阪東部支部 長田徹)(11月27日)
記事を読む  
東京・板橋 精研労組80人連続スト
“一時金14万円削減を許さぬ”
記事を読む  
動労千葉など ハイテック争議支援
来日の韓国労働者と合流
記事を読む  
暴言連発、橋下に怒り
「教育討論会」入口で街宣(11月24日)
記事を読む  
(3面)
道州制粉砕へ橋下打倒を
11・21大阪府庁前行動の基調報告
“動労千葉のように闘おう”(11月21日)
記事を読む  
〈焦点〉 オバマ新政権は戦争内閣だ
2大政党制突破する労働者の闘い
記事を読む  
国労5・27弾圧裁判 向山さんが革命語る
“労働者被告とともに闘う”
次回は田中動労千葉委員長の証言(11月28日)
記事を読む  
(4面)
裁判員制度を廃止に追い込もう
最高裁が通知発送 全国で怒りの行動
記事を読む  
「大運動」が抗議声明
“通知は国民へのおどかし”(11月27日)
記事を読む  
“パトリオットいらぬ”
百万人署名運動、労組など岐阜基地に配備反対デモ(11月29日)
記事を読む  
日誌 2008年 11月26日〜12月2日
イラク空自に撤収命令/タイのソムチャイ政権が崩壊
記事を読む  
(5面)
法大包囲デモ 首都圏100人の学生が決起
呼び出し・処分策動に反撃
文連パワーで当局を圧倒(12月4日)
記事を読む  
法大弾圧裁判
検察立証の破綻相次ぐ
5・28弾圧 映像に暴行場面なし
星の偽証に怒りの弾劾(11月27日)
記事を読む  
法大弾圧裁判
検察立証の破綻相次ぐ
7・24弾圧 星証人がうそ認める
“入構者を排除していた”(12月2日)
記事を読む  
法大弾圧裁判 5・29弾圧2グループ
検察立証の破綻相次ぐ
証人の偽証を追及
デッチあげ張本人・大久保(12月3日)
記事を読む  
後藤さんの「保護室」監禁弾劾
東京拘置所が暴行、虐待(11月21〜24日)
記事を読む  
12・21東日本共闘総会へ
大恐慌下の部落解放闘争を
記事を読む  
(6面)
“星野さんを必ず取り戻そう”
第2次再審へ決意新た
11・29全国集会 勝利の道筋つかむ(11月29日)
記事を読む  
爆取差し戻し審 検察立証が破産
「発射実験の遺留品」 被告と関連なし(12月1日)
記事を読む  
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  

週刊『前進』(2371号1面1)(2008/12/08 )

 12・14国鉄闘争集会に大結集を

 「派遣切り」−大リストラの嵐に年末年始「生きさせろ」の反撃へ

 大恐慌が激しく進行している。信用収縮、貸し渋り、貸しはがし、減産、操業停止など全世界的な恐慌の進展で、労働者階級が大量に職場から放り出されている。資本主義の命脈は尽きた。今こそ資本主義=帝国主義の息の根を止め、労働者階級の社会をつくろう。全世界の労働者階級が急速に闘いに立ち上がり始めている。本当に〈闘わなければ生きていけない革命情勢〉だ。青年労働者・学生を先頭に、一切の体制内労働運動指導部を打倒し、階級的労働運動の荒々しい発展をかちとろう。この年末年始こそ勝負の時だ。12・14国鉄闘争勝利集会に大結集しよう。

 国鉄闘争の決定的意義

 09春闘、生きさせろ!ゼネスト貫徹へ、12・14国鉄闘争勝利集会の呼びかけが、動労千葉と国労5・27臨大闘争弾圧被告団から発せられた。そして12月1日付で動労千葉に平成採の青年労働者が結集した。「自分の考えを貫き通せる組合に」と動労千葉に結集したのだ(「日刊動労千葉」6732号)。断固、この闘いに続こう。
 11・2労働者集会の地平を真に打ち固め、階級的労働運動路線の全産別、全戦線での発展をかちとる道はどこにあるか。それは、4者4団体路線を粉砕し、第2次国鉄決戦―1047名闘争の革命的復権と爆発をかちとる中にこそある。
 動労千葉の田中康宏委員長は11・2集会のアピールで、1047名解雇撤回闘争の重大な意義をとりわけ強調し、これを裏切る4者4団体路線を徹底的に批判した。今後の労働運動の路線をめぐるものすごい分岐と激突がここにある。
 日帝支配階級は、国鉄分割・民営化攻撃の核心的狙いであった国鉄労働運動絶滅の攻撃をいまだ貫徹できないでいる。その中で絶望的な体制危機に突入してしまった。20年以上にわたって闘い続けてきた1047名解雇撤回闘争が、いよいよその蓄積、真価を全面的に発揮する時が到来しているのだ。
 民営化攻撃との闘いは新自由主義との対決の基軸だ。「絶対反対」の立場をとことん貫いて闘いぬくことが勝利の道である。それを示しているのが1047名闘争だ。この闘いは、日本労働運動史上に例のない大量首切りをめぐる長期争議であり、1047名の被解雇者は「日本労働運動の宝」なのだ。
 それにもかかわらず4者4団体は、「国家権力と真正面から闘っても労働者は勝てない」という敗北の思想を振りまき、解雇撤回の要求を投げ捨て、裏切りの政治解決路線に走っている。
 この裏切りと幕引きを許すのかどうかに、労働運動全体の死活がかかっている。闘う労働者は4者4団体路線と真剣に対決し、大恐慌下の労働運動の巨大な展望をかけて、4者4団体路線を徹底弾劾し打倒しよう。
 日帝国家権力の総力をあげた労組つぶしの攻撃と対決できるのは、口先ではない本物の階級的労働運動だけだ。国鉄分割・民営化攻撃と真っ向から対決し、2波のストライキをとおして組合の団結を守り抜いたのは、動労千葉だけだった。
 今、1047名闘争を復権させるためには、動労千葉労働運動=階級的労働運動をJR内外で本当に実践していくことである。そして、それを国労内部で先駆的に実践したのが国労5・27臨大闘争弾圧の被告団だ。彼らは、腐りきった国労本部と対決し、体を張って闘争団員への統制処分と闘ったのだ。
 被告団の闘いは今、4者4団体路線に屈服する旧弁護団を解任し、裏切り者=松崎との弁論分離をかちとり、来春結審―09年内にも判決という重大情勢を迎えている。12・14集会の呼びかけが、動労千葉とこの5・27被告団によって発せられたということの中に、11・2勝利の地平と09年決戦の巨大な勝利の展望がある。
 法廷でも完黙・非転向の階級裁判を自己解放的に貫き、意気軒高と闘う7被告、そして動労千葉の呼びかけにこたえて12・14国鉄闘争勝利集会に大結集し、1047名の解雇撤回・国鉄闘争勝利の大路線をうち立てよう。

 大恐慌下の勝利の路線

 9・15リーマン破綻からわずか3カ月にも満たない中で、大恐慌は急速に深まっている。新自由主義の下で世界を超バブル経済へとたたきこんできた最末期帝国主義の経済は完全に行き詰まり、世界を一挙に恐るべき金融的・実体的な恐慌に引きずり込んでいる。
 全米経済研究所(NBER)は、米経済が07年12月から景気後退(リセッション)期に入ったと宣言した。10月の個人消費は7年ぶりの落ち込み(4カ月連続で前月比マイナス)、10月の住宅着工件数は18年ぶりの低下を示し、住宅価格も過去最大の下落率を示している。10月の貿易収支は28年ぶりの赤字で、08年度財政赤字はついに4548億j(約42兆7千億円)と過去最高を記録した。
 この中でGMなどビッグスリー(3大自動車メーカー)の激しい危機が進行している。GMは「来月半ばまでに資金が枯渇する」と叫び、3社は総額3兆2千億円もの緊急融資を政府に求めている。一切の犠牲を労働者階級に転嫁して生きのびようとしているのだ。
 しかしこんなもので今の帝国主義ブルジョアジーのすさまじい危機が乗り切れると思ったら大間違いだ。世界金融大恐慌の爆発は必ず労働者階級の闘いの血みどろの発展をつくりだす。労働者階級は大恐慌下で生活と権利を守り、働く職場を確保するために命がけで決起する。そしてそれは、あらゆる意味で帝国主義・資本主義の社会的制約を革命的に取り払い、社会の革命的変革への決起と一体化していく。それは渾然(こんぜん)一体となって階級闘争の白熱的爆発をつくりだしていくのである。
 11・2闘争の地平を武器にして闘う森精機の派遣労働者のストライキ決起は決定的に重要だ。それは、日帝の中枢=トヨタ資本にも大打撃を与えている。大恐慌下の一方的首切りに対して労働者はどう闘うか、団結して闘うことの威力を鮮やかに示している。この闘いに続こう。
 11・2労働者集会は、「ひとつの組織をつくろう」と日韓米の労働組合の団結でかちとられた。そこでは、全参加者が気持ちをひとつにして階級的労働運動=世界プロレタリア革命へつき進むことを確認した。そして、それを直ちに全国・全世界の自己の職場=部署で展開していくことを誓った。11・2闘争は真に偉大な、階級闘争の新たな時代を押し開いたのだ。

 道州制粉砕・橋下打倒を

 11・2労働者集会で切り開いた世界革命の展望をさらに前に進めよう。青年労働者が歴史の前面に躍り出て、危機に立つ麻生政権をぶっ飛ばそう。小沢・民主党も労働者の敵だ。動労千葉の呼びかける09年「生きさせろ!ゼネスト」へ立とう。
 闘いの焦点は道州制との対決であり、大阪府知事・橋下打倒の決戦である。道州制は、日帝支配階級の唯一の延命策として打ち出された。自治体を解体し、地域を大資本が丸ごと簒奪(さんだつ)し、利潤追求のために食い物にしようとしている。
 道州制は自治労・日教組など労働組合を解体し、すべての労働者に一層の非正規化、労働強化を強いる攻撃だ。今こそ労働者がひとつになって団結し、「道州制粉砕・民営化絶対反対・橋下打倒」のストライキに全国で立とう。
 世界は革命情勢だ。法大・増田総長体制を打倒し、9学生奪還の大勝利に続き、残る獄中10学生の即時奪還を絶対にかちとろう。1億円保釈金カンパ、年末一時金カンパ闘争に総力で決起しよう。
 三里塚反対同盟が呼びかける12・13現地集会に大結集し、勝利の偉大な09年へ進撃しよう。
 すべての労働者・学生は革共同に結集し、最末期帝国主義の打倒、世界革命の勝利にむけてともに闘おう。

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週刊『前進』(2371号1面2)(2008/12/08 )

 「派遣」大量解雇に怒り

 日比谷集会 森精機ストライキに共感

 「派遣社員はモノじゃない!」「こんな働き方をなくすまで闘う!」「次の仕事を保障しろ!寮から追い出すな!」
 「派遣法の抜本改正をめざす12・4日比谷集会」(実行委員会主催)に2000人を超える労働者が集まった。”派遣切り”と言われる非正規雇用労働者への大量解雇攻撃に激しい怒りが爆発した。
 自動車・電機を始め、あらゆる産業で派遣労働者や期間社員に対する首切りの嵐が吹き荒れている。その数は「数万人」と報道されているが、すでに十万人、数十万人にのぼることは間違いない。
 集会には10〜11月過程で一方的に首を切られ、次々と労組を結成して闘いを開始している派遣労働者が全国から集まった。「現場の仲間の声」のコーナーでは「いきなり『今日で終わり』と言われた。許せない」「昨日、組合を結成したばかり」「直接雇用を認めさせるまでがんばる」と怒りの発言が続いた。集会後、参加者は国会請願デモを行った。
 動労千葉を先頭とする”11月集会派”は、数百人の大隊列で参加し、「派遣法は世の中からなくせ!」「ストライキで闘おう!」と闘いを力強く牽引(けんいん)した。
 また、ひときわ輝きを放ったのが、トヨタ資本とも激突して闘う関西の森精機の派遣労働者だ。結集する労働者に2波のストライキの熱い息吹を伝えるビラをまき、「非正規職撤廃! ”生きさせろ!”の叫びをゼネストへ」と熱烈に訴えた。スト支持の団結署名とカンパが続々と寄せられた。
 動労千葉の田中康宏委員長は総括集会で、「今日の闘いは、年末年始から春にむけた”派遣法を粉砕して生き抜いてやる!”という壮大な闘いの出発点だ。09春闘の爆発にむけて団結して闘おう」と提起して、この日の闘いを締めくくった。

”派遣法は世の中からなくせ!”動労千葉を先頭とする11月集会派は、労働者派遣法と闘う日比谷集会を力強く牽引した(12月4日 東京・日比谷野外音楽堂)

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週刊『前進』(2371号1面3)(2008/12/08 )

 大恐慌を世界革命へ!闘う革共同にカンパを

 革共同は今、世界革命実現への確信と展望に満ちあふれています。11・2全国労働者集会には、国境を越え、日米韓の労働者5700人が結集しました。なによりも世界金融大恐慌情勢に立ち向かい、世界革命を実現する新しい労働運動と新しい労働者党をつくろうと日米韓3国の労働者階級が固く一致したことのすごさです。全世界の労働者階級がひとつの軍勢となり、資本主義社会を転覆する革命をやりぬく時代がついに来た! 革命のロマンになんと胸躍る思いではありませんか。
 革共同は創立以来、〈反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命〉の旗を掲げ、国家権力の弾圧やファシストによる白色テロルと徹底的に闘い抜き、様々な試練をくぐってきました。そして、この闘いから脱落した塩川一派の敵対を粉砕してきました。この半世紀を超える壮絶な闘いの一切は、今日この日のためにあったのです。
 11・2集会は、確実に階級闘争の新たな段階を切り開いています。訪韓闘争に続いて、韓国・民主労総のハイテックRCDコリア支会の仲間と日本の労働者の共同闘争が直ちに始まりました。正規・非正規の分断をのりこえ、国境さえも越えた闘いです。そして、「生きさせろ!ゼネスト」の戦取に向け、11・2集会に結集した派遣労働者や医療労働者が次々とストライキ闘争に立ち上がっています。動労千葉派が全社会的に登場し、4者4団体などの体制内勢力をなぎ倒し、社会のあらゆるところに満ちあふれる怒りに火をつけるところまで来ているのです。
 だからこそ、革共同に課せられた歴史的任務は重大です。世界革命を本当にやりぬく党に生まれ変わること――その核心は、青年労働者・学生を先頭に、職場細胞を軸にした強大な労働者党をつくり出すことです。資本主義・帝国主義への反乱を開始した青年たちを隊列に迎え入れ、革共同は日々、みずみずしく自己変革をかちとっています。
 この歴史的事業をやり遂げるために、あなたの決起が必要です。闘う革共同へのカンパを思い切って寄せてください。私たちの生活すべてが資本と賃労働の関係に支配されている今の社会において、革命党へのカンパは、賃金奴隷の鉄鎖を断ち切り、自己を解放していく価値創造的な闘いです。星野文昭同志と、残る法大弾圧の全学生同志を獄中から奪い返そう! 職場で資本と非和解で闘い抜き、「甦れ労働組合」の闘いをやりぬこう!麻生政権をぶっ飛ばそう!

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週刊『前進』(2371号1面4)(2008/12/08 )

 獄中の9学生を奪還

 法大弾圧で不当勾留され続けてきた9学生が12月5日、保釈・奪還をかちとった! 法大5・29デモ弾圧裁判被告(第1グループ)の7学生(内山佳久君、内海佑一君、後藤玲子さん、山本進君、中島敦史君、野地川泰介君、原田幸一郎君)、7・24法大弾圧被告の2学生(鈴木研也君、市川知寛君)だ。
 9人の学生は午後5時半から順次、東京拘置所の門を出て、出迎えにやってきた数十人の仲間との再会を果たした。あいにくの雨になったが、悪天候を吹き飛ばすような歓喜が爆発した。これは、敵を圧倒しぬいた非転向の獄中闘争、キャンパスでの力関係を完全に逆転した法大での闘い、そして高額保釈金攻撃を打ち破った全労働者人民の力でかちとった共同の大勝利だ。7・24弾圧被告の内田晶理君の保釈請求は不当にも却下された。絶対に許せない! 1億円カンパ闘争に総力で決起し、残る10学生の即時奪還をかちとろう!
(12月5日 東京拘置所門前)

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週刊『前進』(2371号1面5)(2008/12/08 )

 日程 12・13三里塚現地闘争

市東さんの農地を守れ! 暫定滑走路北延伸阻止!
12・13三里塚現地闘争
12月13日(土)午後1時半
成田市東峰・開拓組合道路(東峰十字路北側。こちらに変更になります)

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週刊『前進』(2371号2面1)(2008/12/08 )

 解雇・賃下げ粉砕!怒りのゼネストへ

 奈良 森精機で第2波スト

 技能育成分会 組合破壊を団結に転化

 トヨタ資本など自動車産業を支える工作機械メーカーの森精機で、派遣労働者が解雇攻撃に対するストライキを決行、業界全体を揺さぶっている。派遣元の労働組合、関西合同労組大阪東部支部・技能育成センター分会の労働者による第2波スト決行の報告を紹介します。(編集局)
 11月27日、関西合同労働組合大阪東部支部・技能育成センター分会は、「森精機は解雇を撤回しろ!」「非正規職撤廃=派遣法粉砕!」を掲げ、第2波ストを断固貫徹した。派遣労働者が組合に団結し、派遣先で派遣元を串刺しにした11・13第1波ストは、社会に衝撃を与えた。すべての労働者は勇気と感動を覚え、資本家どもは震え上がった。
 グラグラになった森精機資本は、卑劣な団結破壊攻撃を仕掛けてきた。「直接の雇用関係にない」と団交を拒否したのである。突然一方的に首を切ったのはどこの誰だ! 黙っていたら次々と仲間が首を切られ、12月末には全員解雇だ。派遣法を盾に、見え透いた責任のがれを行う一方で、必死で組合切り崩しをやる森精機資本を絶対に許さんぞ!
 技能育成センター(親会社はラディアホールディングス=以下「技能センター」)は「ストはやめてくれ」と悲鳴を上げた。しかし技能センターは団交で何か一つでも回答をしたか! ゼロではないか! これ以上正当なストライキがあるか! しかも技能センターは、森精機を解雇された組合員を片道2時間もかかる派遣先に配転して団結を破壊しようとした。
 俺たちは卑劣な組合つぶしに腹の底からの怒りを燃やし、家族のこと、生活のこと、議論を積み重ねた。俺たちは自分たちだけのために闘っているんじゃない、すべての労働者の先頭で闘っている、そう言えるだけの団結を、分会での真剣な討議をとおして作ってきた。そして、断固第2波ストに打って出たのだ。 
(写真 不当解雇を撤回せよ! 派遣労働者が構内デモ【11月27日 大和郡山市】)

 解雇撤回まで闘う決意

 第2波ストは第1波以上に感動的だった。
 早朝の門前ビラ、スト通告、構内集会、2度にわたる構内デモを次々と打ち抜いていった。どの顔も実に生き生きしている。「第2波スト決行中」の立て看、寄せ書きの入った赤い檄Tシャツ、組合旗やのぼりが森精機前を制圧している。通りがかる車の注目で道路は渋滞だ。多くの仲間が支援にかけつけた。自治体や教育労働者、ス労自主、八尾北労組、全社連、全学連、国賀泉佐野市議、末光八尾市議ら総勢60人が心をひとつに闘った。地元の教育労働者から缶コーヒーの差し入れ、1万円カンパをもって激励にくる労働者、本当にうれしい。
 二つのことを報告したい。一つは、森精機と技能センターが一体であることを彼らが自己暴露したことだ。ストの監視に来た技能センターの2人に対して、俺たちは「要求に回答しろ!」と迫った。2人は顔面そう白で守衛室に逃げ込んだ。すると森精機は2人を守衛室にかくまい、俺たちに「構内から出て行け」と命令したのだ。ふざけるな! 正体を見たぞ。
 もう一つ、支援の全学連の仲間はストレートに資本に怒り、「労働者の手に社会のすべてを奪い返そう」と訴えた。自分たちはすごい闘いをやっていると気づいた時、あっという間にひとつになれた。これが団結だ。
 午後の決起集会で支援にお礼を述べ、「今日ストに決起して良かった。まだ第1ラウンドであり、最後まで闘う」と決意表明した。動労千葉と婦人民主クラブ全国協の熱いメッセージがうれしかった。森精機の伊賀工場や千葉工場に全国の仲間がビラをまいてくれたことにも勇気づけられた。
 近鉄奈良駅前の街宣では800枚のビラが30分でなくなり、「労働者はひとつだ。派遣法をぶっ飛ばそう」とアジった。夕方、森精機に戻ってスト貫徹を報告。退勤する労働者は笑顔で応えてくれた。資本の切り崩しをはね返して第2波ストを貫き、俺たちの団結はいっそう強まった。
 今や、金融危機が世界恐慌に発展、「トヨタショック」で資本主義の屋台骨がグラついている。日本中がまるで“首切り列島”だ。自動車だけで8千人以上、全体で3万人を超える派遣労働者が一気に解雇された。
 こんなやり方がどうしてまかり通るのか。もともと労働者派遣は法律で禁じられていた。資本主義が危機になり、資本家どもは製造業にまで派遣労働を拡大した。そして労働者同士を競争させバラバラにしてきた。これが通用しなくなったのだ。俺たち派遣労働者自身が団結しストに立ち上がったからだ。
 第一に、俺たちはあくまでも森精機による契約解除=解雇を撤回させるまで闘いぬく。
 第二に、森精機は派遣も契約も全員を正社員にしろ。非正規職撤廃、派遣法は粉砕だ。
 第三に、恐慌の始まりは資本主義の終わりであり、革命の時代だ。「生きさせろ! ゼネスト」を闘いぬこう。
 第四に、森精機で起こっているような労働者の決起は全国どこででも次々と起こる。解雇撤回の立場を捨てて屈服する「4者4団体路線」と対決して、動労千葉のように原則的闘いをすれば必ず勝てる。
 俺たちは何度でもストライキをたたきつけてやる。関西合同労組大阪東部支部は闘うぞ!
 (投稿・関西合同労組大阪東部支部 長田徹)

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週刊『前進』(2371号2面2)(2008/12/08 )

 東京・板橋 精研労組80人連続スト

 “一時金14万円削減を許さぬ”

 精研労組が年末一時金の超低額回答に反対し、6波の連続ストライキを貫徹する勝利をかちとった。精研労組は東京武蔵野病院で働く医療労働者の労働組合だ。
 経営は、昨年の年末一時金より平均14万円以上も減額しようとかたくなな態度で迫ってきた。
 人員不足による労働強化と低賃金が日常的に医療労働者を襲っている。その上、これだけ一時金を減額されては生きていくことなど到底できない。「もうだめだ! 辞めてやる」と退職を口にする労働者も続出した。
 「労働条件の悪化や、一時金の低さが労働者を退職に追いこむような現状を突破する闘いをやります。生活できる一時金にしろ!」

 青年労働者軸に6波の指名スト

 組合員たちは腹を固めてストライキに突入した。文字どおりの「生きさせろ」ストライキだ。
 指名ストは11月25日を皮切りに連続6波にわたった。参加組合員数は延べ80人以上。昼休みを2回に分けて行う院前集会は10回を数え、延べ370人以上が結集した。
 「こんなに仕事に真剣に取り組んできたのに、この仕打ちはなんだ!」「私は本当に怒りでいっぱいです! これまで職場で組合加入など訴えてこなかったけど、みんな怒っていますから言います」「人員不足で職場はもう回らない。それなのにこの対応か!」「全面ストライキやろう!」 
 集会では次々と怒りの声が上がった。スピーカーも理事会がいる建物に向けられる。「私の生活を返して下さい! 私の夢を返せ!」と初めてマイクを握る青年労働者もこぶしをあげた。
 また、夜勤明けにもかかわらず病院周辺や患者家族へビラを配る、「おれもストに入れてくれ」と、積極的に動く青年労働者も続々と現れた。ストを経験したこともない青年労働者が前面に立ったのである。
 経営は「ストをやらないでくれ。シュプレヒコールはやめてくれ。赤い旗を振るな」と悲鳴をあげ、組合批判の文書を全職場にまき、切り崩しを図ってきた。団交では「将来展望のためにも赤字計上はできない。これが理解できなければやめて結構」と言い放つ。
 だが、こうした経営の態度に組合員は怒りと闘う意欲をさらに爆発させた。青年労働者は「労働組合が闘う意味が分かった。この現実を職場で知らせて団結をつくりたい」「お金を上げることも重要だけど、労働者の誇りですよね」と階級性に目覚めていった。
 「自分をストに入れてくれるなら組合に加入する」。非組である「隣の労働者」もストに圧倒的な共感を示した。そうした反応がスト決起の背中を押す。現場労働者が一丸となった。団結はますます固くなり、労働者は、自分たちが現場を動かしているという自信と誇りを取り戻していった。この力をして、一時金アップの再回答を引き出し、ストを勝利的に貫徹したのだ。
(写真 一時金減額撤回を訴え院前集会【東京・板橋】)

 再回答かちとりみなぎる勝利感

 「やったね!」
 12月2日昼休み、再回答の知らせを聞いた組合員が組合事務所に集まってきた。
 「経営の鉄の意志を崩した。ストはすごい攻撃力だ。この闘いはまったく正当なものだ。職場にどんどん広げていく」と青年労働者が自信をもって勝利の報告を行った。また、ストに入る予定だった青年労働者は「ストライキに入るのを楽しみに待っていたのに残念!」と笑顔で語った。
 委員長はこの闘争を「経営を動かしたのは、みんなで闘ったからだ」と総括し、「この闘いを春闘まで持続していく」と戦闘宣言を発した。
 書記長は「現場といっしょになって闘う執行部へと労働組合のあり方を変革して闘った」「今、リストラの嵐。この闘いをやめたらメシを食っていくこともできなくなる。病院を動かしているのは僕ら労働者だ。労働者には誇りがある。力がある。地域全体に春闘を広げる。春闘集会に総決起し、経営に圧倒的力を見せつけてやろう」と力強く方針を提起した。
 「生きさせろ!」ゼネストの09春闘へ向け、職場と地域の組織化が始まった。精研労組の闘いに続こう!
 (本紙記者・K)

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週刊『前進』(2371号2面3)(2008/12/08 )

 動労千葉など ハイテック争議支援

 来日の韓国労働者と合流

 02年から7年間、激烈な長期争議を闘っている民主労総・金属労組ソウル支部ハイテックRCDコリア支会のチョンウンジュ副支会長とイヨンシン組織部長、民主労総ソウル本部のクォンスンファ組織局長の3人が11月28日(〜12月1日)、第2次日本遠征闘争のため来日した。
 11・2労働者集会参加の前後1週間にわたった第1次日本遠征闘争を引き継ぐ闘いであり、ハイテック資本の日本法人が出店している「ラジコンフェスタ2008」への宣伝戦、抗議行動を闘いぬくためだ。工場閉鎖−法人分離―整理解雇という新たな労組弾圧と闘いぬくハイテック闘争の勝利へ、国境を越えた連帯闘争が取り組まれた。
 11月29、30日、東京・江東区有明の東京ビッグサイト前で動労千葉、全国労組交流センターを中心に東京東部ユニオン、なんぶユニオン、東京西部ユニオン、福祉労働者連帯ユニオン、ちば合同労組や婦人民主クラブ全国協議会などが続々と結集し、ラジコンフェスタ参加者に支援の署名・カンパを呼びかけた。
 マイクを握ったチョンウンジュ副支会長は、「悪質な労働者弾圧、労働組合つぶしを続けているハイテック資本に対し、私たちは労働者として当然の闘いを行っています。私たちが職場に戻れるよう、日本の皆さんの支援をお願いします」と訴えた。日本の労働者も次々とリレートーク。「僕も大手派遣会社から解雇されましたが、絶対に納得できません。ハイテックの労働者とともに闘います」「派遣や有期契約の労働者だって人間だ! なんで真っ先に資本の犠牲にならなきゃならないんだ!」「世界の労働者と団結して『生きさせろ!ゼネスト』を」
 両日の街宣参加者はのべ100人にのぼり、「ハイテック資本は労組に対する不当労働行為を中止し、製造ラインの別法人化を中止し、組合員に対する整理解雇通告を撤回せよ」との要請署名は300筆、カンパは6万円を超えた。30日には、就職説明会に参加する青年・学生たちとの合流もかちとられるなど、闘うハイテック労働者への共感が寄せられた。今、街頭は労働者・学生の怒りに満ちている。
 30日午前には、ハイテックRCDコリア闘争支援連絡会議結成に向けた準備会議が開かれた。「単なる『支援』『応援団』であってはならない。真の国際連帯は日本帝国主義、自らの資本と非妥協的に闘いぬくこと、職場・産別・地域で闘いぬくことだ」と確認、「15万4千ボルトの高圧送電塔の上で高空籠城(ろうじょう)30日、ハンスト籠城20日を闘いぬき、新たな『闘争事業共同闘争戦線』構築のために再来日したハイテックの同志との共同戦線を形成しよう」と決意を固め合った。
(写真左 街宣を終えて「トゥジェン!」【11月29日 東京・有明】)(写真右 マイクを取るチョンウンジュさん【30日】)

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週刊『前進』(2371号2面4)(2008/12/08 )

 暴言連発、橋下に怒り

 「教育討論会」入口で街宣

 11月24日、関西労組交流センター教育労働者部会の労働者を先頭に10人の労働者が、橋下大阪府知事による教育討論会の会場前に怒りを燃やして登場した。会場前は、朝早くから多数の警察官が徘徊(はいかい)し、「日教組をぶっつぶせ」の横断幕や「日の丸」を持った右翼が押しかけてくるなど、騒然とした状況になった。
 10月26日の第1回討論会で、橋下知事の「1割のどうしようもない先生を排除してください」などの暴言に激しい怒りがたたきつけられた。これに追いつめられた大阪府教育委員会は、今回、ビラ配布やヤジを一切禁止する措置をとった。こんなことで労働者の怒りが抑えられるものか! 会場内でも断固として怒りのヤジがたたきつけられた。
 私たちは「橋下知事のの教育非常事態宣言を粉砕しよう!」「君が代不起立の拡大で橋下を打倒しよう!」の教労部会の横断幕を掲げビラまきを行った。「金融大恐慌に労働者は“生きさせろゼネスト”に立とう」「資本主義を救済する道州制導入の先兵・橋下打倒!」「教育も含めた大阪府丸ごと民営化=公務員労働者の首切りを許すな!」「『公務員労働者・教育労働者はなまけもの』の大ウソを扇動する橋下をストライキで打倒しよう!」と訴えた。11・2労働者集会を写真と共に報告したビラ千枚がまたたくまに労働者の手に吸い込まれた。
 今回の討論会でも、橋下は「競争を否定できるのは絶対に倒産がない公務員だから。それが教員の無責任さだ」と発言した。絶対に許さない!
教育労働者は過労でヘトヘトだ。賃金を5万円も下げられ、過労死するほど働かせて「倒産がないから無責任」だと! こんな暴言で教育・公務員労働者と民間労働者を分断し、道州制を導入して労働者に犠牲を押しつけようとしているのだ。
 私たちは、11月21日の大阪府庁前集会で、公務員労働者も民間労働者もひとつに団結し、橋下を打倒すると宣言した。21日のデモは労働者の大きな注目を集め、若者が飛び入り参加するほど盛り上がった。
 今回の街宣に参加した仲間たちは、最後に「11・2労働者集会で切り開いた力で、大阪から橋下府政打倒・麻生政権打倒へ攻め上ろう」と確認した。警察権力や右翼の妨害をはねのけ、意気軒高と闘いぬいた。  (G)
(写真 「民営化粉砕、橋下打倒」を訴える【11月24日 大阪】)

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週刊『前進』(2371号3面1)(2008/12/08 )

 道州制粉砕へ橋下打倒を

 11・21大阪府庁前行動の基調報告

 “動労千葉のように闘おう”

 11月21日、ワーカーズアクション・カンサイが主催する「ぶっとばせ!橋下 府庁前行動Part1」が、府庁本館の目の前にある大阪城公園で、関西の労働者・学生200人を結集し闘われた(前号既報)。自治体労働者が行った集会の基調報告を紹介します。(編集局)
「道州制粉砕」「橋下をぶっ倒そう」と熱気溢れる府庁包囲デモ(11月21日 大阪)

 11・2から新たな闘いが始まった。世界は革命情勢!日本も革命情勢!

 11・2全国労働者総決起集会、みなさん参加しましたか。参加した人も参加しなかった人も、あそこで元気をもらって、新しい闘いが始まったと思います。
 世界大恐慌―資本主義がついに終わろうとしている。労働者をこき使って、搾取して、巨大な富を築いてきた資本家階級をついに打倒する時がきたということです。
 みなさん。日比谷野音で聞きましたか?
 「レボリューション、レボリューション、レボリューション。世界革命をやる労働者の党をつくろう」とアメリカの労働者、韓国の労働者は訴えました。世界革命の時はきたということです。
 リーマンショックに続いてトヨタショック。そう、金融恐慌ってアメリカだけの話ではありません。日本のトップ企業だって倒産するっていうことです。トヨタ・日産・マツダで派遣労働者がどんどんクビを切られています。
 そういう中で、派遣労働者の新しい画期的な闘いが始まりました。関西合同労組大阪東部支部・技能育成センター分会のストライキです。
 労働者派遣法が派遣先に対するストライキ権を認めているかどうかなんて関係ないんです。労働者が団結して、実力で、「この工場を動かしているのは、俺たち労働者だ。だから、この工場で働かせろ」って資本家に強制するストライキです。
 資本家の顔色をうかがって、資本家にお願いして、この工場に居させて下さいじゃないんです。そんな労働運動はもうこれからは通用しないんです。労働者の団結だけに賭け切って、麻生とか橋下とか御手洗とか、資本家階級を全員引きずり降ろして、私たちがこの社会を回していく。きょうはそれを宣言する集会です。
 資本家たちにしがみつこうとする労働組合の幹部なんか、ぶっとばすしかない。
 一昨日、うちの組合でも大会がありました。
 いよいよ、楽しくなってきました。弾圧なかったらウソでしょう。
 こんなしょうもない幹部をぶっとばして、橋下ぶっとばそう。

 橋下知事は絶対に許せない!怒りを爆発させよう!

 橋下知事は絶対許せません! 労働者の敵だから絶対に許せません!
 この前、天王寺できょうの集会に集まろうって訴えたら、中学生が一緒にビラまきました。「橋下知事が私学助成金を削るのが許せない」って、「みんな学校に行けなくなるからこのビラ読んで」と言ってビラまきました。
 橋下知事は「私学助成金削らないで」と訴えた高校生に「今の世の中、自己責任。それが嫌なら日本から出て行け」って言ったんですよ。労働者はみんな橋下知事に怒っています! 絶対あんなやつ許せんって。
 橋下知事が「自分は脅迫されているから、土、日、フィットネス・クラブに行くのに公用車使わせてくれ」って。公用車も私用で使う時は「警護専用車」と名前を変えて使うって。あんた何様のつもりなのか。
 府の職員には、タバコ休憩も「さぼり」といって許さないと言いながら、職務を抜け出して、フィットネス・クラブ行くし、今度は、公然と「タクシー代、自腹切るのは大変だから、公用車でフィットネス・クラブ行かせろ」って。ふざけるな!
 橋下知事は、学力テストで大阪の成績低いのは「日教組が悪い、公務員でぬくぬくしている」なんて言っている。絶対に許せない。
 教育現場がどれだけ残業強いられているか分かっているのか。正規を補充しないで、非常勤講師をどんどん入れて、その非常勤講師も足りなくなって、病気で休みたくっても授業が回らないからって教育労働者は休みがとれない。
 8月から5万円も給料削られて、どんどん残業増えて、全国学力テスト、府の学力テスト、市の学力テスト、採点・採点・採点。校長あんた代わりにやれっていう話! ぜったい許せません。
 それだけじゃない。「早く高速道路を作らないと通行料が損する」と言って保育所の畑を取り上げる。
 「民間会社なら当たり前」と言って、自分の秘書にビデオカメラ持たせて監視する。「破産会社の従業員は賃金2分の1にカットは当たり前」と賃金カット。
 絶対に許さない。労働者の団結した力で絶対ぶったおそう!

 道州制―関西州絶対反対

 大阪府つぶして関西州つくるのが、つまり道州制が橋下知事のやりたいことです。
 道州制って、いまある47都道府県をなくして、9〜12くらいの州にするということです。市町村も今、1800ある市町村を300にするという話です。
 これって自治体のリストラ。日本経団連は「究極の構造改革」だと言っています。
 つまり、これまで民間企業が入れなかった国と自治体の業務を丸ごと民営化する。企業がもうけを出すのに今の市町村や都道府県の規模では小さいから合併してもうけがでるだけの大きな規模にするということです。
 だから、道州制のキーワードは「自治体丸ごと民営化」です。
 保育所も学校も民営化。水道もゴミ回収も民営化。病院も診療所も民営化。なんでもかんでも民営化です。
 金のないやつは保育所預けるな。学校来るな。ゴミ出すな。水飲むな。病院くるな。ケガするな。という社会になる。『貧困大国アメリカ』になるということです。
 でも、世界大恐慌の中で、いくら企業が倒産しそうだといって、自治体の仕事をやればもうかるなんてはずがない。民間企業が自治体の業務をやるようになったら、赤字部門は廃止。倒産で廃業だって、なんでもありなんです。
 そしてこれが一番肝心ですが、麻生政権は、来年1月の通常国会には道州制基本法案を出すと言っています。ものすごく焦っているんです。
 なんで急に「道州制」「道州制」なのか。それは、自治体労働者、教育労働者の団結つぶしたいからです。労働者という意識、労働者としての団結つぶして、国の言う事を聞く、公僕(国家の奴隷)にしたいからです。
 国がつぶれそうで、アメリカとかEUとの競争に勝つには戦争やらないといけない、どんどん戦争やりに日本は行きます。橋下知事とか、田母神(たもがみ)みたいな自衛隊の幹部も出てくるんです。
 その時、国や国の支配機構で働く労働者が、「賃金上げろ」「首切り許さん」「残業やめろ」と言って反乱起こしたら、国はひっくり返る。
 そうなったら困る。だから、労働運動、労働組合つぶすことに必死なんです。
 つまり、道州制の一番の狙いは労働者の首切りと労働運動つぶしです。
 関西経済同友会の提言では、410万人の国家・地方公務員のうち、警官・自衛官のぞいた360万人は首を切る。州政府には民間から新たにまったく違う人を雇う。
残す場合でも「半分の人員で倍の仕事やる能力ある」人だけ残す。
 ただでさえ、賃金カットと残業・残業で生きていけなくなっているのに、「去るも地獄、残るも地獄」です。無茶苦茶なリストラ計画ですが、そこまでやって国家に忠実なしもべを一から作り直すしかないと考えているんです。
 だから、道州制のもう一つのキーワードは「職員全員解雇」と「半分の人員で倍の仕事」です。
 これは、自治体労働者、教育労働者だけの問題ではありません。あらゆる産業の労働者に対してやろうとしているんです。
 正規職を日本の中からなくして、みんな非正規職にする。契約解除でいつでも首切れるようにする。すべての労働者の賃金を今の半分に下げて、今までの倍の仕事をしろということです。
 労働運動つぶして、お国のために働く産業報国会、大政翼賛会を作っていく。
 絶対に許せない。絶対ぶっとばそう。

 道州制―関西州なんかぶっとばせる。動労千葉のように闘おう

 でも、こんな橋下知事の計画は絶対にぶっとばせます。
 国鉄分割・民営化というのが21年前にありました。道州制はその焼き直しです。
 国鉄労働運動をつぶして、社会党・総評をつぶして、「立派な憲法を床の間に安置する」と当時の中曽根首相は言いました。
 国労は闘わなかった。組合員は無方針のまま放置された。分断され、バラバラにされた。活動家は人材活用センターという現代の収容所に送り込まれた。
 たしかにそれで退職勧告に応じて、10万人近くの国労組合員が組合を辞め、依願退職しました。悩みに悩んで自殺した組合員も200人出ました。
 しかし、闘った組合があったんです。組合員の団結にだけ依拠してストライキに立った組合があったのです。そうです。それが国鉄千葉動力車労働組合、動労千葉です。

 動労千葉はなぜ闘えたのか

 動労千葉はなぜ闘えたのでしょうか。それは、動労千葉がマルクス主義で組合員のハートをがっちりつかんでいたからです。
 マルクスは、世界で初めて「労働者こそ、この社会を動かしている」と訴えた革命家です。マルクスは「資本家・経営者と労働者は絶対非和解だ」「労働者は自分たちの団結した力で資本家と闘うことができる」ということを主張したんです。
 動労千葉は、このマルクスの主張を、そのまんま実践してきた労働組合です。
 動労千葉は要求が実現しなくても「闘いによってどれだけ組合員の団結が固まったか」ということを、たった一つの総括軸にして闘ってきました。
 そして、どんなに小さな労働組合であっても、日本の労働運動全体、日本の社会全体の中で自分たちは何をしたらいいのか全組合員で徹底的に論議して、「日本中の労働運動を復権させて、労働組合をよみがえらせて、資本家階級に一泡ふかせてやろう。労働者の団結した力を思い知らせてやろう」って闘ってきたんです。
 そうやって、国鉄分割・民営化という、国家の総力をあげた組合つぶしの攻撃に対して、組合員全員が解雇を覚悟してストライキを闘うところまで団結を固めたんです。
 でも、動労千葉は何か特別な組合ではありません。日本中、世界中、どこの労働者でも、このマルクス主義の立場に立って闘えば、同じ闘いができるんです。

 世界中の労働者が動労千葉と一緒に闘おうとしている。11月集会が切り開いたもの

 世界中で日本と同じように新自由主義―民営化と規制緩和の攻撃が吹き荒れています。世界中の労働者が「動労千葉のように闘おう」と日本に集まってきています。アメリカ・韓国の労働者とは丸5年、11月労働者集会で団結してきました。
 そして、今年の11月、世界金融大恐慌に突入する中で、ついに「世界の労働者は世界革命をめざして、国境をこえて一つの労働者党をつくろう」という共通の結論にまで達したんです。
 動労千葉の思想、動労千葉の路線と同じ考えの労働者が海の向こうでも闘っているんです。同じ労働者として、世界の労働者は団結できるんです。
 日本の中で、これと同じ労働者の団結がつくれないわけがありません。
 世界大恐慌―倒産・首切り・失業―そして道州制攻撃に対して、私たちの答えは、「労働者の団結した力で、この資本家の支配を終わらせよう。革命やって、労働者の国家、労働者の政府を打ち立てよう。そのために、世界の労働者と一つになって、労働者の党をつくろう」っていうことです。

 国鉄闘争と自治体・教労先頭に、全産別の労働者が大合流して闘うときがきた

 世界大恐慌に入って、倒産・首切り・失業の大攻撃が迫っています。
 でも、大切なのは、動労千葉の闘い、国鉄闘争をつぶし切れなかったということです。動労千葉・国鉄闘争と自治体労働者・教育労働者をはじめとして、あらゆる産別の労働者が大合流して、資本家・経営者に実力・非妥協の「生きさせろ」の闘いをたたきつける時がきたのです。
 この決定的・歴史的な瞬間に、この大合流を阻止しようとする大反動が労働運動の中から生まれました。それは、「4者4団体」です。国鉄分割・民営化の時に政府・資本とまったく闘わず、逃げ回った連中です。
 それが、国鉄闘争と全労働者が合流すると、革命になっちゃう。現場の労働者の怒りの決起で資本家もろとも自分たちも打倒されるのを恐れて、国鉄闘争をもっとも惨めな形で終わらせようと、幕引きしようと動いたんです。
 動労千葉とともに闘う国労の仲間を先頭に私たちは、この数カ月、この大反動と非和解で闘ってきました。そして、逆にこの反動と闘う中で「国鉄闘争ってすごい力がある。動労千葉ってすごい力がある」ということに気づかされたんです。
 そうです。私たちには、倒産攻撃や民営化に勝てるお手本があるんです。

 闘いの方針「《生きていけるだけの賃金よこせ》のストライキをたたきつけよう」

 最後に、これからの私たちの闘う方針を訴えます。それはただ一つです。動労千葉のように闘おう、動労千葉のように職場の団結で勝負しようということです。労働者の団結体としての労働組合をよみがえらせよう。闘う労働組合をつくろう。
 この立場に立って、橋下徹をぶっとばして、知事から引きずりおろそう。
 私は、このことが一番大事だと思います。だから、私はこれを自分の職場で実践します。
 「ぶっとばせ橋下 府庁前行動」を橋下を倒すまで、何度でもやりましょう。そして、今度は組合の旗を立てて、組合が呼びかけて、「ぶっとばせ!橋下」やりましょう。来年の3月、国際婦人デーにあわせて、ぜひ実現しましょう。
 これを「生きていけるだけの賃金寄こせ。元の職場に戻せ。残業やめろ。人員増やせ」という大幅賃上げ要求の09春闘の闘いとして呼びかけましょう。
 橋下なんかに未来はない。未来は労働者のものです。ともに団結して闘いましょう。

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週刊『前進』(2371号3面2)(2008/12/08 )

焦点 オバマ新政権は戦争内閣だ

 2大政党制突破する労働者の闘い

 「オバマの戦争内閣」――ウォールストリートジャーナル11月28日付社説のタイトルだ。米金融資本の代表紙が、ゲーツ国防長官の留任とジョーンズの国家安全保障担当補佐官への指名を歓迎し、「戦争内閣」と名づけたのだ。
 ゲーツは、米軍3万人イラク増派を立案・実行した。しかし、イラク戦争の泥沼化は解決せず、結局、市街地爆撃などイラク人民虐殺をエスカレートしていった。
 ジョーンズは典型的な軍産複合体代表だ。NATO最高司令官を退任して、米商工会議所に入り、07年7月にボーイング社の取締役となった。08年5月に大石油企業シェブロンの取締役になった。
 政権の要である首席補佐官にはラーム・エマニュエルが指名された。彼の父親はイルグンのメンバーだ。イルグンとは、パレスチナ人を大量虐殺して難民の波を作り出し、空き地になった町や村を乗っ取ってイスラエル国家を作る計画を実行した白色テロ組織だ。彼自身もイルグンを賛美する極右であり、イスラエル軍に志願し、レバノン侵攻を担っている。
 エマニュエルを軸に進めるオバマの「中東和平政策」とは、パレスチナ人民に全面降伏を要求し、弾圧と侵攻をさらに凶暴化し、そしてイスラエルのイラン核施設爆撃などを推進するものだ。
 新国務長官ヒラリー・クリントンは、強硬に軍事力行使を主張し、米軍増強法案などを推進してきた。またイスラエルの軍事侵攻の強力な支持者だ。
 世界金融恐慌の中で最も重要な経済閣僚は、金融資本への徹底した規制緩和・労働者攻撃を行ってきた者たちで構成されている。
 財務長官にはニューヨーク連銀総裁のガイトナーを、行政予算局長にはクリントン時代の大統領経済諮問委員だったオルザクを起用した。両者ともルービン元財務長官系で、一緒に金融規制緩和をやってきた。
 また、国家経済会議の委員長に指名されたサマーズはルービンの後任の財務長官(1999〜2001年)として銀行と証券の垣根を取り払う規制緩和を行った。オバマの経済閣僚全員が、今日破裂している天文学的な金融バブル、金融詐欺を作り出した張本人だ。
 以上のように、新政権の構成は、オバマが戦争拡大・大軍拡と金融資本救済=労働者への犠牲転嫁の政策を、公々然と開始したことを示している。
 「チェンジ」を叫んで登場したオバマが、ブッシュの国防長官をチェンジするどころか、そのまま留任させたのだ。また、ブッシュの金持ち減税の撤廃を語っていたが、これも存続を決定した。
 確かに、歴史上のどの大統領も公約を破った。だが、今回ほど急速に、手のひらを返すように露骨に破ったことはない。こんなやり方をすれば、必ずイデオロギー支配の危機をもたらすからだ。
 だが現在、アメリカ支配階級には他の選択肢は残っていない。資本主義始まって以来の危機に直面し、民主・共和の「対立」の形を作っている余裕などないのだ。
 このオバマの身もふたもないやり方は、オバマ支持運動を推進してきたAFL−CIO(米労働総同盟産業別組合会議)、CTW(勝利のための変革)の体制内労働運動の権威に決定的な打撃を与えている。
 もともと、今回の選挙では、予備選の段階から2大政党制と民主党を支持する体制内指導部に対する階級的潮流からの批判が激しく展開されてきた。資金源をウォール街とするオバマが労働者の敵だということは最初から明らかだった。パキスタン爆撃を主張するなど、「イラク戦争反対」のインチキも明白だった。
 そして、すでに2006年の選挙後の民主党の「裏切り」を全人民的に経験していた。
 民主党は、ブッシュ批判票を集めて上下両院で絶対多数を占めたにもかかわらず、戦争拡大を推進した。AFL−CIOやCTWの推薦を受けたのに、組合側が要求していた労組破壊攻撃防止の立法措置は棚上げだ。民営化・労組破壊、社会福祉破壊を率先して進めた。労働者人民のエネルギーを共和、民主両党の偽の「対立」の中に閉じ込めるシステムは、破綻を開始していたのだ。
 何よりも、労働者階級が自分たち自身の力への自信を回復したことが2大政党制を打ち破る挑戦の基礎になった。
 5月1日、ローカル10(第10支部)の発議に基づいてILWU(国際港湾倉庫労組)の労働者はイラクからの即時撤兵を求めて西海岸全29港を封鎖し、イラク港湾労組の連帯ストをかちとった。
 その広範な影響力を示している例が、このかん一貫してILWUローカル10と行動を共にしてきた「反戦の母」シンディー・シーハンさんの下院議員選挙闘争だ。彼女は、体制内「左派」の「オバマ批判は運動を狭くする」という非難に屈せずにオバマ批判を貫いた。結果は、初挑戦で16%の得票率、4万5千票で大健闘だった。しかも民主党の中で最も選挙に強いペロシ下院議長との真っ向勝負の結果だ(ペロシ20万票、共和党候補2万9千票)。
 職場・生産点からの労働者の決起で、体制内労働運動と激突し、オバマを打倒して革命への道を切り開こう。
 労働者階級が歴史の前面に登場する時代が来た。革命の時代だ。国際連帯を強め、共に闘おう。

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週刊『前進』(2371号3面3)(2008/12/08 )

 国労5・27弾圧裁判 向山さんが革命語る

 “労働者被告とともに闘う”

 次回は田中動労千葉委員長の証言

 11月28日、国労5・27臨大闘争弾圧裁判の第99回公判が東京地裁刑事第10部(植村稔裁判長)で開かれ、向山和光被告への被告人質問が行われた。国鉄闘争支援者の向山被告は、ついに到来した革命的情勢の中で、第2次国鉄決戦と5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いが持つ意味を、全面的に語りきった。
 冒頭、原田隆司被告が意見を述べ、傍聴者に対する公安刑事の情報収集活動を直ちにやめさせることなどを要求した。
 向山さんは、中国東北部の吉林省で生まれた生い立ちを述べ、それが戦争反対の信念を打ち固めることになったと語った。山梨大学入学後、革命運動に身を投じた向山さんは、70年安保・沖縄闘争を始め40年にわたる闘いを貫いてきた。ことに、佐藤首相の南ベトナム訪問阻止を掲げ闘われた1967年10月8日の羽田闘争は、人生の転機になったという。こうした闘いの原動力となったものは何かと問われて、向山さんは「労働者自己解放の思想であるマルクス主義に出会ったことだ」と明快に答えた。
 向山さんは、「国鉄闘争支援者は共同闘争者である」と述べ、1047名闘争の当該はもとより支援者も、国鉄闘争が労働者階級全体の命運を決する位置にあることを自覚し、分割・民営化絶対反対、解雇撤回の原則を貫くべきだと力説した。そして、4者4団体路線を推進する支援労組の幹部たちは、自らにかけられた民営化攻撃に屈したと痛烈に批判した。
 さらに向山さんは、世界金融大恐慌下の今日の情勢を「資本主義の終わりの始まり」と喝破し、11・2労働者集会で世界革命の出撃拠点を形成したと断言した。革命を熱く語る迫力に、検察官も裁判官も一切、口をさしはさむことができない。
 旧弁護団解任と松崎被告との弁論分離に触れた向山さんは、7被告は国鉄分割・民営化絶対反対を貫き、動労千葉のような階級的労働運動を実現する立場から裁判闘争を闘っているが、4者4団体を賛美する松崎被告は分割・民営化に根底的に屈服したと弾劾。旧弁護団解任で被告団は第2次国鉄決戦の主体として登場したと言いきった。
 向山さんは最後に、「私は5・27弾圧の被告になれてよかった。6人の労働者被告から、仲間を裏切らない精神、階級の指導部として自己を律する生き方を学んだからだ。闘う労働者とともに革命の完遂まで闘う」と宣言した。そして、検察官や裁判官の質問には黙秘すると表明した。
 検察官が反対質問を始めようとすると、すかさず弁護団が「黙秘を表明する被告への質問は違憲・違法である」と異議を述べた。裁判長は異議を棄却したが、「黙秘権を行使するかどうかだけ確認を」と検察官に指示し、検察官の質問は「一切答えないのか」の一問だけで終了した。
 次回12月19日の公判は、動労千葉の田中康宏委員長が証言に立つ。大詰めの攻防を迎えた公判闘争の傍聴に集まろう。

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週刊『前進』(2371号4面1)(2008/12/08 )

 裁判員制度を廃止に追い込もう

 最高裁が通知発送 全国で怒りの行動

 裁判員制度は「現代の徴兵制」だ。最高裁が裁判員候補者への通知を11月28日に一斉に発送したが、勝手に選ばれた人から辞退や抗議、怒りの声が最高裁にたたきつけられている。闘いはこれからが本番だ。22日に東京で600人の集会と銀座デモが闘われた(前号既報)のを始め、全国に闘いが広がっている。労働者の力で来年5月の実施を阻止し、廃止に追い込もう。

 新潟 現代の徴兵制許さぬ 市繁華街で宣伝とデモ

 

11月29日、新潟で「裁判員制度はいらない! 大行動in新潟」が四十数人の参加で行われた。この行動は最高裁から裁判員候補者に通知が発送された翌日だったこともあり、マスコミを含めて圧倒的な注目と共感を呼んだ。
 初めに新潟市の繁華街で宣伝をやり、労働者市民に制度の反動性を訴えた。その後、近くの公園で集会を行い、メインストリートの古町通り3`の道のりをデモ行進、新潟弁と関西弁を交互にした「裁判員制度、いらんこて〜」と訴えた。
 集会では、参加者から裁判員制度が労働者民衆を支配機構の中に取り込み、危機に立つ帝国主義の延命を図るものであること、まさに「現代の徴兵制」だという指摘があった。また、「裁判は事件の社会的背景を考えるものであるのに、裁判員制度は3〜5日で重大事件の判決を出すという拙速なものであり、必ず冤罪を生み出す」という懸念の声が出された。
(写真 「裁判員制度、いらんこて〜」。最高裁からの通知発送の翌日、高島弁護士【前列左から2人目)らを先頭に新潟市の繁華街をデモ行進(11月29日】)
 新潟で裁判員制度反対の運動を呼びかけた高島章弁護士は「通知が到着してからでは遅くないかという意見もあるが、これで事態は大きく変わる。今日一日だけの行動でなく、今後も反対運動を継続していきましょう」と呼びかけた。
 さらに無実の星野文昭さんの救援運動に関わっている女性は、「裁判員制度は星野さんのような冤罪を生み出す。廃止に向けて頑張ろう」と訴えた。
 参加したキリスト者は「聖書には『人を裁くな』と書いてある。宗教者としてはこの制度には絶対承服できない。しかも、心のケアがなされない」と廃止をアピールした。

 広島 講演と学習会で団結 本田兆司弁護士が熱弁

 11月29日、「百万人署名運動広島県連絡会」主催の「やっぱりおかしい裁判員制度」講演と学習集会に参加しました。
 講演は広島弁護士会の本田兆司さんです。本田さんは裁判員制度はいらない11月全国一斉行動の呼びかけ人の一人です。講演を聞いて、あらためて裁判員制度のデタラメさが明らかになりました。
 制度に一貫性がないだけでなく、理念そのものがまったくないということです。くじで選ばれた人が人の命まで奪うことができる制度!
 なぜ重大事件だけなのか。何を根拠に裁判官3人に裁判員6人なのか。なぜ多数決なのか。裁判員に選ばれた人が途中で出頭できなくなった場合、途中から裁判員を補充することになっているが、その人はその時点からの認識で「裁く」ことになる。争点や証拠の意味を理解できるのか。
 「国民の視点、感覚が裁判の内容に反映される」とうたっていながら、裁判員制度で有罪になった事件の2審は裁判員制度では裁かれない。控訴して2審になれば裁判官だけが裁くということです。まったく一貫性がない。
 守秘義務の点も、裁判員だから公判があるため仕事を休む、ということを上司には知らせてよいという場合も、他の人には理由も知らせずに休むことになる。最短3日と言っているが、長引いたら「あの人がいなくても職場はまわる」という状況にもなりうる。旅費、日当、宿泊費など膨大な浪費である。
 そもそも憲法違反である。公平な裁判所(37条)、裁判官の独立(76条)、思想・良心の自由(19条)、苦役からの自由(18条)――裁判員制度は徴兵制だ。
 本田弁護士は講演の最後を、「裁判員制度はつぶれる!」という言葉で締めくくりました。そうだ! 裁判員制度をつぶそう! ガンガンにつぶしにかかろう!(投稿/N)
(写真 本田弁護士の講演に聴き入る参加者【11月29日 広島】)

 福岡 弁護士が次々と弾劾 リレーアピール大注目

 「裁判員制度にみんなでnoを!11・22リレーアピール&天神一周ウォークデモ」を60人の参加でにぎやかに闘った。
 リレーアピールの会場である福岡中心街の警固公園には子連れの親子、若い男女などたくさんの人出だった。そこに登場したのが最高裁の宣伝着ぐるみ”裁判インコ”をパロッた”裁判員はいらなインコ”。さらに”ストップ裁判員制度”のスローガン入りのハート型の風船。公園内の大人も子どもも大注目! さあアピールだ。
 ”せからしか!裁判員” リレーアピールは、主催である「市民のための刑事弁護を共に追求する会」の事務局長、共同代表をはじめ4人の弁護士が次々と発言した。「たった3〜5日の審理で真実が追求できるか。裁判は処罰のための儀式になってしまう」「厳罰で国民を動員するのは現代の赤紙だ」「危機に立つ国家の規範に国民を動員し国民をして国民を裁かせる制度だ」
 100人を超す公園内の人々は、次々とビラを受け取り、私たちを取り囲むようにそれぞれ座って熱心に聞いていた。
 遠くからは大分の益永さん(85歳)もかけつけ、「いや応なしに集められ死ぬまで秘密を守らせる制度は戦中と同じ。もうあんな思いはしたくない」と訴えた。さらに「裁判員なんかなるものか」の自作歌を、ギターを弾きながら歌ってくれた青年などの参加でリレーアピールはあっというまに過ぎていった。
 その後元気よくデモに出発した。福岡では初めての裁判員制度反対デモで圧倒的な注目だった。デモの脇で配布したリーフレットも次々と通行人に渡され、関心の高さを示していた。
 裁判員制度に賛成か反対かのシール投票も行われ、200人近い人が参加した。結果は3対2の比率で反対が上回った。
 さらに11月28日、最高裁が裁判員候補者に通知を発送したその日に、抗議の記者会見を行い、最高裁・法務省・日弁連に抗議声明をたたきつけた。(投稿/中原真理)
(写真 福岡で初の裁判員デモに市民も圧倒的注目【11月22日】)

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 「裁判員候補者」の通知が届いた人へ

 最高裁に対して、私たちの名前が勝手に登録されたことに強く抗議しよう。通知表(のコピー)を「裁判員制度はいらない!大運動」に送り、団結して廃止をめざしてともに闘おう。
 (「大運動」の住所は別掲)

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週刊『前進』(2371号4面2)(2008/12/08 )

 「大運動」が抗議声明

 “通知は国民へのおどかし”

 09年の裁判員候補者になった全国の29万5千人余に対し、最高裁は11月28日、反対の声を押し切って一斉に通知を郵送した。これに先立ち27日午後、「裁判員制度はいらない!大運動」は、東京で記者会見を行い、以下の声明を発表したので紹介します。(編集局)

 裁判員候補者への登録通知に抗議する声明
 2008年11月27日

 裁判員制度はいらない!大運動 呼びかけ人
 足立昌勝(関東学院大教授)/嵐山光三郎(作家)/今井亮一(交通ジャーナリスト)/蛭子能収(漫画家)/織田信夫(弁護士)/崔洋一(映画監督)/斎藤貴男(ジャーナリスト)/新藤宗幸(千葉大教授)/高山俊吉(弁護士)/西野留美子(ルポライター)/山口孝(明治大教授)
    ◇
 私たちは、裁判員制度に反対する市民団体です。
 明日(11月28日)、最高裁判所(竹崎博充長官)は、来年5月21日から制度実施を強行するため、来年度分の裁判員候補者名簿の登録通知を全国の約29万5000人もの国民に送付しようとしています。
 私たちは、裁判員制度そのものに強く反対する立場から、このような最高裁の行動に抗議し、以下のとおり声明します。
1 裁判員制度の実施に反対する
 私たちが、本制度の実施に反対する理由は次のとおりです。
 第1に、裁判員制度は、そもそもその実施を国民が望んでおらず、国会でもまともな討論がほとんどないままに成立したものです。また、各種の世論調査によれば、制度の実施が約半年先に迫った現時点でも、国民の8割前後が消極意見を持っています。すなわち、裁判員制度は、国民の要求とはおよそかけ離れた、とんでもない制度です。
 第2に、裁判員制度は、非公開で行う「公判前整理手続」と3〜5日で終える連日法廷による拙速審理により、被告人の防御をつくす機会を制限し、その権利を侵害するものです。さらに、「人を裁きたくない」と考える裁判員候補者であっても、その思想信条を無視し、罰則付きで裁判員になることを強制し、人を処罰させようとするものです。
 このように、裁判員制度は、多くの人々の基本的人権を侵害する極めて危険な制度というほかありません。
2 最高裁判所による名簿登録通知は私たち国民へのおどかし
 この間、法務省や最高裁は、膨大な費用を費やして、テレビCM、折り込み広告等の裁判員制度普及のための大キャンペーンを行ってきました。しかし、制度に対する国民の反対の声は強まるばかりです。
 にもかかわらず、最高裁判所は、明日、全国の約29万5000人にのぼる国民に対し、裁判員候補者としての通知を発しようというのです。
 裁判員候補者への通知につき、各地の地方裁判所ではなく、最高裁判所がこれをなすべきと定めた法律は存在していません。あえて最高裁判所の名において直接国民に通知するという今回のやり方は、裁判員制度に反対する圧倒的声に対する権力のおどかしです。私たちはこのようなやり方にも強く抗議します。
3 国民の力で裁判員制度を廃止へ
 私たち「裁判員制度はいらない!大運動」は、昨年4月の発足以降、全国各地で集会、学習会や街頭での宣伝活動をくりかえし行い、本年6月13日には、日比谷公会堂にて約1500名を結集する全国集会を行いました。また、本年11月中旬以降は、全国一斉行動として、北海道、宮城、千葉、神奈川、静岡、長野、福岡の各地で集会やデモなどを展開してきたほか、11月22日には、東京で約600人の参加による集会と銀座デモを行いました。さらにこの全国一斉行動は、来週以降の新潟、山梨、広島等と続きます。
 街頭では、多くの国民が私たちの意見に共感し、私たちを激励してくれます。全国各地で私たちの配るビラは吸い込まれるように受け取られ、あっという間にたくさんの反対署名が積み上げられています。
 私たちはこうした多くの国民とともに今後も運動を強め、来年5月21日の裁判員制度実施を必ず阻み、廃止に追い込む決意です。
4 裁判員候補者名簿に登録されたとの通知が届いた皆さんへ
 私たちは、明日以降、最高裁から裁判員名簿に登録されたとの通知が届いた皆さんに次のことを訴えます。
 最高裁に対し、私たちの名前が勝手に登録されたことへの抗議の声をあげましょう。 
 皆さんの住所・氏名が書かれた通知表を「裁判員制度はいらない!大運動」事務局あてに送ってください。 
 送付方法は、ファックスまたはコピーを郵送でお願いします。 
 通知票の受け取りを拒否した方、候補者名簿から削ることを裁判所に求めた方は、その旨を書いて「裁判員制度はいらない!大運動」事務局にお知らせください。氏名を公表されたくない場合は「公表不可」とお書きください。 
 大運動事務局は、こうした様々な抗議の声を集約し、時期を図ってこれを明らかにするなど、この制度の実施をさせないために活用させていただきます。(以上)------------------------------
「裁判員制度はいらない!大運動」の住所
東京都新宿区西新宿3―2―9新宿ワシントン
ホテルビル本館2406号/新都心法律事務所
〒 160-8336
FAX 03-3348-5153

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週刊『前進』(2371号4面3)(2008/12/08 )

 “パトリオットいらぬ”

 百万人署名運動、労組など岐阜基地に配備反対デモ

 11月29日、東アジアに軍事的緊張をもたらすミサイル配備構想に反対し、「岐阜基地へのパトリオットミサイル配備はいらない!」のスローガンを掲げて、集会とデモ行進が「各務原行動実行委員会」の主催で闘い抜かれました。
 集会は、各務原で基地闘争に取り組んできた住民を中心に岐阜、三重、愛知の百万人署名運動、ス労自主、東海合同労組など労働組合も加わって約50人が参加しました。
 主催者から力強いアピールがありました。「ミサイル配備はアメリカの先制攻撃戦略から出ている。国民保護法と組み合わせて戦争体制に国民を組み込んでいこうとしているが、米軍再編、自衛隊の変貌(へんぼう)などにも目を向け、戦争協力拒否の声をあげていきたい」「補給廠(しょう)のある基地と軍需産業を守るために住民の頭にミサイルの破片が落ちてくる。自治体は実態を知らないまま協力させられている。配備反対の声を強めていきましょう!」
 このアピールと行動提起を受けて、岐阜基地まで約2`の道のりをデモ行進し、市民と隊員に「配備反対!」を訴えました。
岐阜基地まで2`をデモ。市民・隊員に訴え(11月29日)
 
基地に隣接する宿舎では、子どもたちが駆け寄ってきて「パトリオットはいらない」と一緒に声をあげ、市役所の近くの住民は道路に出てデモ隊を激励しました。
 岐阜県警と基地の警備隊はこれまでにない規制を加えてきましたが、10団体あまりが基地への申し入れ行動を行いました。「パトリオットミサイル配備反対!」の声が基地を最後まで揺さぶりました。(投稿/S)

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週刊『前進』(2371号4面4)(2008/12/08 )

日誌'08 2008年 11月26日〜12月2日

 イラク空自に撤収命令/タイのソムチャイ政権が崩壊

●インド同時襲撃、死者125人 インド西部の商都ムンバイで、中心部にある高級ホテルや鉄道駅など10カ所で武装集団による同時襲撃事件があった。銃の乱射や手投げ弾により約125人が死亡した。武装集団はホテルで人質をとって立てこもり、治安部隊と銃撃戦を展開した。(26日)
●タイ2空港に非常事態宣言 タイのソムチャイ首相は、民主主義市民連合(PAD)の抗議活動で閉鎖された首都近郊2空港周辺に非常事態を宣言した。PADは、タクシン元首相の退陣を目的に06年に結成された。タクシン政権時代に利権から遠ざけられた旧支配層の支援を受ける。06年の軍クーデターでタクシンは追放されたが、昨年末の選挙で再び政権を握ったタクシン支持派の改憲の動きがタクシン復権を目指すものとして反政府運動を展開。(27日)
●鳥島射爆場、米側に返還の意思なし 米軍訓練区域のホテル・ホテル区域の一部解除と鳥島・久米島両射爆撃場の返還について、浜田防衛相は、「在日米軍司令部に確認したところ、米側は引き続き米軍施設区域として維持する必要があると認識しているとの回答を得た」と述べ、米側に返還の意思がないことを説明した。(27日)
●裁判員候補者への通知始まる 裁判員制度の来年5月開始に向けて、最高裁が裁判員の候補者に選ばれた約29万5千人に対して通知を発送した。裁判員候補者は前年の後半に一度に選ばれる。最高裁が設けたコールセンターには、通知を受け取った候補者から初日だけで約870件の質問や相談が殺到。半数は辞退の条件についての内容だった。(28日)
●イラク空自撤収へ 浜田防衛相は、イラクで空輸支援活動をしている航空自衛隊部隊に撤収命令を出した。サマワで展開した陸自部隊は06年7月に撤収しており、イラク復興支援特措法に基づく約5年間にわたる自衛隊の活動はすべて終了する。空自は04年3月から週5便前後、多国籍軍や国連の物資や要員を輸送。11月26日までの実績は810回、要員4万5800人、物資671dにのぼる。(28日)
●クラスター爆弾「全廃」と防衛相 浜田防衛相は記者会見で、政府がクラスター爆弾禁止条約署名に関連し、「クラスターという名のものは使わない」と述べた。だが防衛省の豊田報道官は「中長期的な観点から防衛大綱や中期防衛力整備計画の議論で引き続き検討しないといけない」と、将来の新型保有の可能性に含みを持たした。同条約は、クラスター爆弾の使用、生産、保有などを禁止し、原則8年以内に保有する爆弾の廃棄を義務づけている。(28日)
●田母神「(反戦地主は)国のやることを邪魔している」 田母神・前空幕長が今年1月に熊谷基地で講話した際、沖縄の反戦地主について「国のやることを邪魔しているだけ。南京大虐殺も靖国参拝もみんな一緒で、うそばかり報道される」と批判していたことが分かった。(30日)
●米国務長官にヒラリー・クリントン オバマ次期米大統領は、次期政権の外交安保チームの主な顔ぶれを正式発表。国務長官にヒラリー・クリントン上院議員を指名し、国防長官にブッシュ政権下で06年末から現職に就いているロバート・ゲーツを留任させた。(1日)
●タイ政権崩壊 昨年の総選挙での選挙違反事件をめぐり、タイの憲法裁判所は、タクシン元首相派で最大与党の国民の力党(PPP)を含む連立与党3党に解党を命じた。ソムチャイ首相ら3党の幹部計109人は5年間、公民権が停止される。ソムチャイ政権は発足から2カ月半で崩壊した。空港占拠を続けてきたPADは撤収方針を表明。(2日)

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週刊『前進』(2371号5面1)(2008/12/08 )

 法大包囲デモ 首都圏100人の学生が決起

 呼び出し・処分策動に反撃

 文連パワーで当局を圧倒

 12月4日、法政大学当局による闘う学生への退学処分策動に対する一大反撃として、文化連盟と全学連の呼びかけで法大包囲デモがかちとられた。文化連盟の学生で委員長の斎藤郁真君、同副委員長の恩田亮君、倉岡雅美さん、洞口朋子さんに対して、それぞれの学部からこの間一斉に「呼び出し」の通知が届けられた。10・17法大での闘いなどを口実に、いよいよ具体的に処分を下そうというのだ。だが、この金融大恐慌情勢の下で、学生を労働力商品として競わせ金もうけに血道を上げてきた大学の新自由主義は無惨に破産した。折しも、5・29弾圧で獄中で不屈・非転向で闘い、革命家として鍛え抜かれた学生が次々と出獄しようとしている。権力も法大当局も完敗している。そして法大生の怒りは爆発寸前だ。全国の学生が団結して立ち上がる絶好機は今だ。
 法大生と首都圏の学生を中心に昼休みの集会・デモに100人が駆けつけた。
 キャンパス中央はまたも完全封鎖。だが暴力職員たちは日頃の尊大さはどこへやら、外濠校舎前に闘う学生が集まりだすと脱兎のごとく校舎内に逃げ込み、あわてて扉を完全封鎖し角材でつっかい棒をして奥の薄暗がりから外をうかがうという有り様だ。これでは最初から勝負ありだ。
 「学生注目!」「なんだーっ」という恒例の掛け合いで集会が始まった。恩田君がマイクを握り、前日の自分自身と斎藤君に対する呼び出しを拒否したことを報告し大きな拍手を浴びた。
 続いて洞口さんが「今日の呼び出しを断固拒否します。私たちを退学にしたらどうなるのか、本日のデモと集会ではっきりさせてやろう」と元気よくアピールした。
 さらに各大学からの発言として、学内でのビラまきに対する弾圧で7カ月の獄中闘争を貫いて帰ってきた富山大学の武藤淳範君を先頭に、京都大学の冨山小太郎全学連書記長、広島大生、東北大生、首都圏の大学の学生や労働者が次々とアピールした。
 ここで文連が、横浜事件被告の息子である法大職員小野新一が率先して学生を弾圧していることを暴露し、校舎内でこちらをうかがっている小野に「言論弾圧を受けた父親に顔向けできるか!」とキツい弾劾を浴びせた。すかさず、横浜事件弁護士の森川金寿さんの息子の森川文人弁護士が絶妙のタイミングで紹介され発言した。「裁判証人として増田総長を出廷させる。違法をやっているのは大学当局だ」と弾劾した。
 全学連の織田陽介委員長は「法大の言うキャリアパワーで幸せになれないことがはっきりした。文連パワー、全学連パワーで勝利しよう」と呼びかけた。無期停学処分中の法大生久木野和也君は「怒りのデモをやろう。ここで勝てば全部勝てる」と発言した。
 集会の締めで斎藤君が「みんな集まってくれて私はうれしい! 今日の発言は全部よかった。デモでわれわれの正しさを訴えよう!」と叫び、正門前からデモに出発した。
 この日も大勢の公安刑事が弾圧を虎視眈々(こしたんたん)と狙っていたが付け入るすきを与えず、明るくエネルギッシュなデモが市ケ谷一帯を練り歩いた。デモコールも斎藤君が持ち前のパワーで終始リードした。靖国通り沿いの総長室前では徹底的に弾劾のシュプレヒコールをたたきつけた。道行く人が次々とビラを受け取り、不当な弾圧・処分攻撃に衝撃と怒りを表した。
 法大正門前に到着し、洞口さんが再度「呼び出しを拒否する」と決意表明して処分の脅しを一蹴(いっしゅう)した。最後に斎藤君の音頭で団結ガンバローを三唱。”不当処分粉砕”の熱気が法大前を制圧した。
(写真 増田打倒の怒りをたたきつける【12月4日 総長室前】)

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週刊『前進』(2371号5面2)(2008/12/08 )

 法大弾圧裁判

 検察立証の破綻相次ぐ

 5・28弾圧 映像に暴行場面なし

 星の偽証に怒りの弾劾

 11月27日、法大5・28暴行デッチあげ弾圧裁判の第5回公判が東京地裁刑事第18部で行われた。
 冒頭、藤田正人弁護人が裁判の進行について強く抗議した。前回の公判で裁判所は、「11月27日は年内最後の期日となる。検察側の残る3人の証人の主尋問をまとめて行う」と説明したが、前日になって「12月に3日間の公判期日を入れたい」と要望してきた。3証人とは、法大警備員の星景、正木敦行、富山豪也だ。藤田弁護人は「先行する証人がマズイことを言ったら、後の証人で尻ぬぐいしたいだけだ。それが立証計画なのか」と批判した。河村健夫弁護人も、「被告人を拘置所に閉じこめ、反対尋問に制限を加えようという考えだ。人質司法を容認するのか」と強く抗議し、ただちに保釈決定を行うように要求した。
 新井拓君からは、「今朝も、東拘職員から『服をまくって見せろ』と言われ、CAMSのTシャツを着ていないか暴力的に点検された。こんな状況を容認していて公平な裁判などできるのか。偽装や隠蔽(いんぺい)をしているのは、法大当局と検察官だ。裁判所は拘束する相手を間違えている」
 中島宏明君は「東拘では、裁判の前日に法廷に持って行くノートを預けさせられる。検閲のためだ。今日は、そのノートの持ち出しを忘れそうになっていた。こんな状況で、まっとうな裁判の準備などできない。防御権を行使させろ。そのためには今すぐ保釈しろ」と強く迫った。
 証人の綜警ビルサービス・上杉一は、前回、「証拠」のビデオDVDを、いつ、何枚作成したのか分からなくなった。今回上杉は、突然「作業メモがあった」などと言いだし、6枚のDVDの作成日時を証言した。しかし、メモがあったなら、なぜ最初から言わないのか。結局、いつ、どこで、誰が作成したかも不明なDVDであることが証明されただけだ。
 東京警備保障警備員の星景は、「入構禁止者が学内に入っても追いかけたり手を出したりはしない」などと言い、「うそをつくな」と被告席、傍聴席から怒りの声があがった。「新井君に殴られた」と言うが、検事が見せるビデオ映像の説明をするだけだ。しかも、DVDの不鮮明な映像には殴る場面などない。
 次回は、星への反対尋問だ。デッチあげと暴力警備員の正体を暴こう。 12月2日、福崎裁判長は保釈申請を却下した。断じて許さない。2人を直ちに釈放せよ。

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週刊『前進』(2371号5面3)(2008/12/08 )

 法大弾圧裁判

 検察立証の破綻相次ぐ

 7・24弾圧 星証人がうそ認める

 “入構者を排除していた”

 12月2日、7・24法大弾圧の第4回公判が東京地裁刑事第21部(半田靖史裁判長)で行われた。半田裁判長が証人の警備員・星景を呼ぼうとすると、すかさず市川知寛君が手をあげて「意見がある」と発言を求め、内田晶理君も続いて発言を求めた。2同志は半田裁判長の発言圧殺をはねのけて意見陳述を貫徹した。
 市川君は、「裁判所は被告人の防御権侵害をやめよ。腐った国家権力どもに未来はない。世界中でストライキやゼネストが起き、日本では11月2日の集会で09春闘ゼネストを闘いとる決意を固めた。資本家どもの時代はとっくに終わっている。公訴を棄却して釈放しろ」と迫った。
 内田君は、東京拘置所によるCAMSのTシャツの強奪と後藤玲子さんに対する保護室虐待を弾劾し、一切の責任は勾留を続けている半田裁判長にあると怒りをたたきつけた。
 警備員・星に対する反対尋問が前回に続いて行われた。前回公判で星は「入構阻止が任務で、入ってしまった者の排除行為は警備業法に違反するのでしない」と証言した。そこで、星らが法大生を排除している写真を示して、弁護人が質(ただ)した。証拠を突きつけられた星は、「隊長の指示があったので、以前は排除していた」と認めざるをえなかった。
 弁護人と市川君、内田君、鈴木君が次々と星の尋問に立った。7月3日のことをなぜ記憶しているのかと質した。星は、監視カメラの映像をプリントした写真を何度も見たり、他の警備員と議論して「記憶喚起」したと、本件の7月3日のことは何一つ覚えていないことを白状した。
 また、「入構禁止」とされていない法大文化連盟の学生に対する出入構チェックについては「していない」とうそをつき、学生に暴行を振るったり罵声(ばせい)を浴びせたことなど、都合の悪いことは「知らない」「覚えていない」を連発した。
 続いて、当時、法大総務部長だった清宮隆の主尋問が行われた。清宮は、美観が損なわれるから立て看板を禁止に、ビラまきや演説は教育環境を損なうから禁止した。入構禁止の根拠は、思想・信条を理由としているのではなく、ビラまきや演説という「行為」を問題にしているのだと言い張った。次回12月17日公判の反対尋問で、弾圧の責任者・清宮を徹底的に弾劾しよう。
 弁護団は公判終了後、3君の保釈を請求した。保釈金カンパ1億円を集めきり、19人の学生の保釈を絶対にかちとろう。 

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週刊『前進』(2371号5面4)(2008/12/08 )

 法大弾圧裁判 5・29弾圧2グループ

 検察立証の破綻相次ぐ

 証人の偽証を追及

 デッチあげ張本人・大久保

 12月3日、法大5・29デモ弾圧裁判(第2グループ)の第4回公判が、東京地裁刑事第16部で行われた。
 この日の法廷には東京警備保障の警備員・大久保廣宣が呼ばれている。これに対し田中藤男君が意見を表明した。「大久保の証人採用をやめよ。大久保は、06年の11月29日に自分から転んで『傷害』事件をデッチあげ私を罪に陥れようとした。この男が証言台に立つことは、それ自体が偽証だ。まともな証拠もないということだ。革命に向けたデモを裁くことなどできるわけがない。検事は公訴を取り下げよ。裁判所は公訴棄却し、私たちを今すぐ釈放せよ」
 検事は、取り下げてしまった写真撮影報告書を補うために、河原崎久登という公安刑事を呼び出した。公安4課に所属し、写真撮影や現像を担当しているという河原崎は、5・29当日の学生の服装を特定する写真を撮影したという。そしてこの写真に手を加え、一緒に写っている公安刑事たちをすべて消してしまった。罪証隠滅とはこのことを指すのだ。
 続いて呼び出されたのは、上原信彦という麹町署の公安刑事だ。田中君が大学構内に入った地点を特定する実況見分調書を作成したという。田中君は5・29弾圧の際に、公務執行妨害でデッチあげ逮捕された。しかし、後から容疑が建造物侵入に切り替わった。とにかく何でもいいから逮捕することが優先された弾圧に怒りの声が上がった。
 そして、大久保が登場した。うつむいてしゃべる言葉ははっきりせず、かすかに震えている。06年9月に警備員の正体を隠してスーツを着込み、学生へのビデオ撮影、脅迫、尾行を繰り返してきた大久保は、「大学から求められ、自分だけスーツを着ていた」という。ジャージ部隊と同じ非合法の「偽装職員」の始まりだ。その大久保が「田中君が正門の脇から構内に入るのを目撃した」などと証言した。
 田中君も反対尋問を行った。在学生に対しても不当な入構チェックや実力阻止を行っている事実を突きつけられると、大久保は「知らない」と偽証を連発した。犯罪者は大久保だ。
 最後に、金子悠太君、松室しをりさん、仲井祐二君が次々に立ち上がり、裁判所を徹底的に弾劾した。追いつめられた後藤裁判長は仲井君を退廷させたが、東京拘置所をつかった暴力支配を続けている裁判所への怒りは拡大するだけだ。デッチあげ裁判をやめろ。全員を直ちに釈放せよ!

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週刊『前進』(2371号5面5)(2008/12/08 )

 後藤さんの「保護室」監禁弾劾

 東京拘置所が暴行、虐待

 5・29法大弾圧と闘う後藤玲子さん(大阪市立大学)が、11月21日から4日間、東京拘置所内の「保護室」(実質は虐待部屋)に監禁された。
 「保護室」は弁護士を呼ぶこともできない。歯みがきもさせない。上着と靴下をはぎとられ、寒い中、Tシャツとズボンのみで放置され、メガネもとられ、裁判資料さえ見ることができない。食事は窓口から落とされてひっくりかえる、トイレの水を流さない。寝具は毛布2枚とキルティングの布のみだ。「保護室」とは、東拘が被告人を虐待・拷問するための監禁部屋そのものだ!
 「保護室」への連行は21日の午後3時すぎ。後藤さんが「裁判の時に東拘職員の暴行によってケガをさせられたところをカルテにとること」など4点を要求した「苦情申立」への回答の時だ。回答は、「決定を行うことなく処理を終結する」とふざけきったもの。後藤さんが「意味が分からない。説明しろ」と要求すると、区長は「辞書をひいて調べなさい」と言い、帰ろうとした。後藤さんが、「ドアを開けてきちんと説明しろ」と強く抗議したことに対して、区長はいきなり「保護室!」と叫ぶや、ドアの外に待ちかまえていた8人ぐらいの職員がなだれ込み、後藤さんの両手両足を持ち上げ、さらにその様子をビデオ撮影しながら無抵抗の後藤さんの腕を後ろにひねりあげて連行したのだ。
 「保護室」へ連行される途中、頭から床に落とされた。「保護室」に監禁されてからは、小窓から出した手を窓で挟む、ひねるなどの暴行を加えられ、両手は傷だらけでつめも欠けた。
 後藤さんが「裁判資料をどうして渡さないのだ」と抗議すると、返事はすべて「そういうお部屋なの」と、ふざけきった対応に終始した。「保護室」では人間がクズみたいに扱われる。ギタギタに暴力をふるってもよい部屋をつくっているのだ。言うことを聞かない、気に入らない者はそこに入れて痛めつけ、暴力で制裁するという東拘の本性むきだしである。
 「保護室」監禁は、法大弾圧と、東京拘置所の人権無視に対して、心底からの階級的怒りを爆発させて決起した後藤さんへの許しがたい報復だ。
 弁護団は東拘に抗議し、裁判所には直ちに保釈することを迫った。裁判所前では、連日怒りのビラまきが繰り広げられた。獄内外から激励と怒りの声がわき上がった。
 追いつめられた東京地裁は、ついに12月3日、保釈許可を決定した。不当な長期勾留によって、学生同志の命までも奪われようとしていることに腹の底からの怒りを爆発させ、団結の力で19人全員を奪還しよう!
「頭から床に落とす」などの暴行や監禁時の虐待で負傷した個所を詳細に描いた後藤さんの獄中からの手紙(11月25日 弁護士へ発信)

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週刊『前進』(2371号5面6)(2008/12/08 )

 12・21東日本共闘総会へ

 大恐慌下の部落解放闘争を

 部落解放東日本共闘会議の第17回総会が、12月21日(日)に開催される。 10・26狭山集会―11・2労働者集会をかちとった地平から、この1年間の闘いを総括し、狭山闘争と住宅闘争を両輪とする09年の闘う方針を確立するための総会だ。
 国家権力に屈服し、もっぱら労働者のみを差別糾弾の対象とする帝国主義的融和主義運動と徹底的に闘い、新自由主義と非和解で闘う西郡住宅闘争と、「権力打倒に燃え」不屈に闘う石川一雄さんと階級的団結をかちとろう。解放共闘の呼びかけに応え、総会に結集しよう。
 11・2労働者集会は世界革命の時代が来たことを告げ知らせた。1929年の大恐慌をはるかに超える世界金融大恐慌への突入の中で、「資本主義は終わりだ」の時代認識に立って「労働者はひとつ」「労働者の力で世界を変えよう」と宣言した。そして、「革命」を共同の決意としたプロレタリア世界革命に勝利する日米韓労働者の国境を越えた階級的団結をかちとった。
 この歴史的場に全国連杉並支部、品川支部、西郡支部を先頭にして多くの部落大衆が参加した。真に闘う部落大衆の隊列が断固として登場したのだ。ここに部落民と労働者の未来がある。
 階級的部落解放闘争が、世界金融大恐慌突入情勢のなかで新たな前進を遂げている。
 10・26狭山集会は、融和主義的部落解放運動を進めようとする勢力と真っ向から激突し、部落解放闘争を恐慌情勢下の階級的部落解放闘争として復権する歴史的な第一歩を踏みだした。資本主義体制が私たちの目の前でガラガラと崩れ落ちている。このことは、部落完全解放の日が目の前まで迫っているということだ。労働者、部落民が階級的に団結して権力を取って社会を動かす時が来たのだ。
 新自由主義攻撃―民営化攻撃・団結破壊と一歩も引かず応能応益家賃絶対反対を貫いて非妥協で闘う西郡住宅闘争を絶対に勝利しよう。西郡住宅支援基金運動を断固推進しよう。
 45年間の石川一雄さんの狭山差別裁判と部落差別との不屈の闘いこそが部落完全解放、革命勝利への展望を切り開くのだ。狭山闘争を「証拠開示運動」「門野打倒」の運動に切り縮めることなく、恐慌下での〈部落解放・日帝打倒〉闘争として発展させよう。労働者階級と部落大衆との連帯―階級的団結こそが狭山闘争勝利の道だ。
 日本帝国主義・麻生政権を労働者階級の力で打倒しよう。その情勢に完全に入った。自動車、鉄鋼、電機が減産とリストラ―解雇を激化させている。トヨタでは2万人のリストラ・解雇が進行している。学生の採用取り消し―事実上の解雇が相次いでいる。リストラ・解雇、首切り、賃下げが労働者に津波のように襲いかかっている。部落民労働者の切り捨てが激しく始まっている。
 私たち労働者は資本家の奴隷ではない。派遣で働く青年労働者が24時間ストライキに起った。介護労働者が、医療労働者が職場からストライキに立ち上がっている。スト!スト!ストライキの嵐だ。部落民労働者の未来もここにある。職場、地域から09春闘「生きさせろ!ゼネスト」へ向かって進撃しよう。
 大恐慌下で、資本主義・帝国主義を打倒する部落解放運動をつくりだそう。労働者と部落民が階級的に団結にし、ともに自己解放の闘いとして部落解放運動を発展させていこう。部落解放東日本共闘会議第17回総会を成功させよう。

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週刊『前進』(2371号6面1)(2008/12/08 )

 “星野さんを必ず取り戻そう”

 第2次再審へ決意新た

 11・29全国集会 勝利の道筋つかむ

 「星野文昭さんを自由に/第2次再審勝利へ/11・29全国集会」が11月29日夜、東京・新宿区の四谷区民ホールで開かれ、全国から440人が集まった。主催は「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」。7月14日に最高裁が再審請求棄却への特別抗告棄却決定を行ったことに対する怒りにわきたち、これを打ち破って第2次再審を絶対にかちとろうという熱気が満ちあふれた。世界金融恐慌下、世界の労働者が立ち上がっている。来春、「生きさせろ!」ゼネストの実現へ、この階級的高揚の力で星野同志を取り戻す時がやってきた!(本紙・高田隆志)
440人が星野奪還を誓い合った「星野文昭さんを自由に/第2次再審勝利へ/11・29全国集会」(11月29日 東京・四谷区民ホール)

 特別抗告棄却弾劾する

 杉並・救う会の狩野満男さんが開会あいさつ。「この集会の主役は(徳島刑務所の)星野文昭さんだ。特別抗告棄却は、70年安保・沖縄闘争のような闘いをさせないという国家意志だ。われわれは70年を超える闘いで反撃しよう」と述べた。共同代表の柴田作治郎さん(北海道)のメッセージが代読された。
 山本志都弁護士が、病気のため公判手続きが停止している奥深山幸男さんに対し東京高検が審理再開を申し立て、「訴訟能力あり」という山上鑑定を出させるという重大事態だと警鐘を鳴らし、免訴を訴えた。
 星野同志からの集会メッセージを広島・救う会の会員が朗読した。「獄中・家族と労働者人民のすべてを奪おうとすることに、すべてを奪い返そう、その解放をかちとっていこうという星野闘争は、今日のすべてを奪い尽くそうとする新自由主義をふりかざす資本・帝国主義を粉砕して、すべてを奪い返そう、解放をかちとろうとする闘いと真に一つです」
 34年にわたり無実の罪で獄中にとらわれている星野文昭同志の、再審無罪・釈放の闘いと全労働者階級の解放の闘いを一つのものとして闘うことを呼びかける鮮烈な革命的アピールだ。
 最近、星野さんと友人面会した人びとからの報告を受けた。徳島の青年労働者は「生き生きと闘っている星野さんを見て職場で闘おうと決意した」と感動を語った。
 沖縄・取り戻す会の知花盛康さんは、「いろいろ深刻なことがありますが、みんなで協力してのりこえていきましょう」と述べた。沖縄と京都の女性は11月14日に面会に行って徳島刑務所から不許可とされたことを激しく弾劾した。まったく許せない分断攻撃だ。
 全学連の織田陽介委員長は、19人の獄中の仲間を年内に奪還し、その力で星野奪還に進むことを訴えた。そして、来日して闘争中の韓国・金属労組ソウル支部ハイテックRCDコリア支会の労働者3人がこの会場に来ていることを紹介、壇上に招き上げた。チョンウンジュ副支会長が、三里塚、動労千葉、星野闘争と固く連帯して闘う決意を表明した(発言要旨別掲)。場内の高揚感が一気に広がった。
 休憩時間、ロビーに人があふれた。星野同志の絵5点が展示され、カレンダーが売られた。カレンダーは200冊が売り切れたそうだ。
 5・27国労臨大闘争弾圧被告の富田益行さんは、星野さんが獄中で奪われたものを奪い返す、飛躍すると言って闘っている姿に励まされ、職場で闘って日本革命を切り開く決意を語った。

 階級的労働運動の力で

 再審弁護団から、鈴木達夫弁護士が特別抗告棄却を跳ね返して来春に第2次再審請求の闘いに入ることを宣言した。そして、この裁判が単なる冤罪一般ではなく階級裁判であること、資本主義の終わりの始まりの中で職場の闘いを鼓舞激励する革命家・星野との合流を阻止する攻撃であること、したがって革命に向かっての高揚をつくり出す中でこそ星野奪還をかちとることができること、階級的労働運動にはすべてを奪い返す力があることを力説。勝利の道筋を説得力をもって指し示し、圧巻だった。
 岩井信弁護士は、特別抗告棄却の矛盾点、弱点を具体的に批判した。最高裁が服装の色についてK証人の供述に「誤りがあったと認められる」としながら、「後ろ姿」や「声」の問題を持ち出して棄却決定したことに弱点があると指摘し、さらに今後の闘いに向けて頑張ることを誓った。和久田修弁護士は「私たちは最高裁をあと一歩まで追いつめた」と強調した。
 新たな「救う会」結成をめざして闘う千葉、新潟、福島、大阪の代表が報告と決意を述べた。
 星野同志の家族から、弟の修三さん、いとこの誉夫さんがあいさつした。誉夫さんは、文昭さんの連れ合いの暁子さんが体調を崩して集会に参加できないことを報告し、冤罪を晴らし獄中から取り戻すことを切実に訴えた。
 全国連絡会共同代表の平良修さんがまとめの発言に立ち、特別抗告棄却直後の星野同志のアピールを朗読し、「勝てる力が、われわれにはあります。1回、2回で通るような再審ではないと思います。一番大切なのはくさらないことです。われわれの正しさに確信を持ち、力を数倍、数十倍にして第2次再審で勝利しましょう」という星野さんの訴えに対する大きな応答がこの場で生まれてきていることを確認した。そして、原点に戻って闘うことを訴えた。
 星野同志は権力との攻防の文字どおり最先頭で闘い、われわれを鼓舞激励している。今こそ、まさに革命への高揚の中、階級的労働運動の力で星野同志を奪還しよう。

 “一日も早く元気な姿で” チョンウンジュ副支会長

 民主労組と生存権をかちとるために7年間闘っていますが、日本に来て三里塚、動労千葉、星野文昭同志の闘いを見て、私たちの闘いは必ずしも長いとは言えないと思います。
 同志たちが闘いを投げ出さないのは、暴力的な資本と政権に膝を屈しない信念と、この正当な闘いを支持し守る同志たちとの信頼があるからではないかと思います。
 星野文昭同志の描いた絵は自由を渇望するものだと思います。一日も早く元気な姿で自由をかちとりましょう。星野連絡会議から贈られた檄布を広げるハイテックRCDコリア支会の女性労働者たち(11月29日)

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☆FumiAkiko カレンダー

絵・星野文昭同志
1冊 1200円 5冊以上@1000円(送料別)
*前進社でも扱います

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週刊『前進』(2371号6面2)(2008/12/08 )

 爆取差し戻し審 検察立証が破産

 「発射実験の遺留品」 被告と関連なし

 12月1日、東京地裁刑事第20部(林正彦裁判長)で迎賓館・横田爆取デッチあげ裁判の差し戻し審第10回公判が行われた。
 冒頭、板垣宏同志と十亀弘史同志の意見陳述が行われ、板垣同志は「現在行われている審理は一片の正義もなく、法的根拠も理由もない。今日の証人に関する関之沢林道関係の立証は本件両事件とまったく関連がない。いかに取り調べようとそこから関連性など導き出せない」と弾劾した。十亀同志は裁判員制度を批判し、「これは『裁判に市民の良識を持ち込む』制度ではなく、市民の中にリンチを持ち込む制度であり、国家権力との一体感、治安弾圧の意識を育てるもの。それは戦争準備の一環であり、労働者はだまっていない。制度全体を打ち砕く」と述べた。傍聴席から大きな拍手が起こった。
 今回の古池澄夫、青木幸雄の2証人は、いずれも元警視庁公安部の刑事であり、静岡県井川の関之沢林道終端付近の捜索(山狩り)などを行った人間である。関之沢林道とは、85年冬に迎賓館・横田事件の迫撃砲の発射実験を行った場所だと検事が主張している場所だ。93年3月に福嶋昌男同志がデッチあげ逮捕された後、勾留満期直前に、急きょこの林道終端付近の捜索を行って、発射実験の「遺留品」を「発見」したと言うのだ。経緯からも、時期からみても福嶋同志を無理やり起訴するために権力が「発射実験現場」の存在をデッチあげたことは明らかなものである。
 一審ではこのような立証はあまりにも関連がないとして検事の取り調べ請求が却下されたものだ。それを、控訴審判決が不当にも「審理不尽」であるなどと言いなし、差し戻し審で審理されることになったのだ。
 青木は93年5月に行われた林道終端捜索の責任者である。坂井眞弁護人は橿原借家で押収されたとするメモに記載されている飛翔弾の発射実験場所が、この林道終端と一致するとの主尋問での主張に対し、直接現地調査を行った体験に基づき、メモと現地の状況は相違するとの強い印象を受けた事実を突きつけるとともに、自ら撮影した現場写真や捜索当時の航空写真、森林計画簿・地図を示して追及した。事実の迫力の前に青木はその事実を認めざるをえなかった。青木は対応不能となり、裁判長も検察官も席から立ち上がって注目せざるをえなかった。
 さらに坂井弁護人は畳みかけて尋問した。
 弁護人「井川から3人と本件両事件を直接結びつける何らかの事実は明らかになりましたか」
 青木「ありません」
 弁護人「井川で発見されたものは、何か被告人との関連を示す点がありましたか」
 青木「分かりません」
 青木は検察官が「証拠」だとする関之沢林道関係証拠が本件と関連性がないことを認めたのだ。決定的な証言だ。検察立証の破産がより一層明らかになった。青木尋問は次回12月18日に継続する。差し戻し審の大きな山場だ。傍聴に総結集してともに闘おう!

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週刊『前進』(2371号6面3)(2008/12/08 )

団結ひろば 投稿コーナー

 資本主義を打倒する労働運動をつくる! 自治体労働者 山崎彩乃

 今回、初めて韓国現地の闘いに参加することができた。11・2労働者集会の後、日本で行われた公務員労働者同士の交流会でも、韓国の公務員労働者と実際に会話を交わし、短い時間ながら互いの理解を深めることができた。今回訪韓し交流したことで、また一段階きずなが深まり、本当に「韓国に同志がいる!」と実感できた。
 9日の民主労総大会は、まずその数に圧倒された。言葉の点で内容が理解できないのと、デモができなかったのはとても残念だったが、韓国の闘う労働者の中に自分がいるという体験は本当に感動的だった。すぐ後ろには生コンの運転をしているという労働者がいて、集会中に仲良くなって一緒に写真を撮ったり、隣の女性労働者からお菓子をもらったり、一気に距離が縮まった気がした。
 韓国の労働運動にも「本気で資本主義を打倒する労働運動をつくれるのかどうか」が同じように求められている。同じように目の前の労働者を相手にして、本当に立ち上がるのかどうか悩むこともある。でもその答えは明確だ。やはり、動労千葉のような階級的労働運動の実践であり、「マルクス主義の学習と職場闘争の実践」というマル青労同の闘いだ。
 韓国の労働者と世界革命を問題にするような壮大な話を語れば語るほど、目の前の一見ちっぽけな職場闘争がいかに重要な闘いかがはっきりしてくる。
 革命の現実性は一人ひとりの労働者の職場闘争にあり、職場闘争こそが世界の労働者との団結をつくるんだということがよくわかった。職場で団結をつくることが最も大変で難しいけれど、最も革命的で解放的で世界的な闘いなのだ。
 韓国の労働者との連帯にかけても、ここで得た感動と団結を必ず自分の職場で実現したい。この路線に確信をもって、堂々と職場闘争に打って出て行こう。

 労働者が国際組織で団結する強さと希望 東京・北部 田中洋子

 私にとっては2回目の訪韓となりましたが、初めて行ったときとは全然違う思いを感じました。
 印象的だったのは、非正規職の集会で全学連の学生が登壇し、法大闘争について発言したら、それを聞いた非正規の労働者たちがめちゃくちゃ空気が入っていたことです。「88人の逮捕者を出してもなお団結固めて闘っている」というところで「ウォー!!」という歓声と拍手がありました。逮捕にひるまず闘う決起が瞬間接着剤となり一瞬にして心と心がつながれたことを感じました。
 動労千葉・田中委員長の「日本の労働運動は落ちるところまで落ちた。これからは甦(よみがえ)るのみだ」という発言に対して韓国の仲間から「韓国の労働運動は(体制内労働運動に)落ちかけている。落ちるところまで落ちたという日本のみなさんに、どうすれば動労千葉のような組合が維持できたのか教えて欲しい」という発言がありました。
 私はここに労働者が国際組織として一つに団結することの強さと希望を感じました。国こそ違えど、同じ思想のもとに闘い、失敗も成功も共有しあって同じベクトルで進んでいく、ここにこそ未来への展望があると思いました。その展望とはまさに世界革命です。万国の労働者階級が階級として団結できたら必ず実現できます。
 “世界中の労働者階級に国境なんてないんだ!”この思いを原動力にして世界金融大恐慌を労働者階級が団結するチャンスに変えて世界革命へと邁進(まいしん)していきたいと思います。

 11・30ハイテック闘争に西部の青年が結集 東京西部ユニオン 里見鉄郎

 今日はハイテック資本と非和解で闘う韓国の仲間たちと一緒に闘うために西部の青年が結集した事が最大にうれしかったです。
 江東区有明の東京ビッグサイトの前で横一列にビラをまき、「こんな世の中おかしいから変えよう、自分たちのものに取り返すために」。そう訴えて立ち上がったのは決定的です。世界の主人公はおれたちだ。この仲間がいる限り、絶対に可能だ。そう思えた一日でした。みんなありがとう、お疲れした〜
 以下、みんなからのメールです。
★韓国の労働者といっしょに行動できてよかったです。
 この前の学習会で、金融恐慌の勃発(ぼっぱつ)で派遣労働者がどんどん解雇されてるという話がありましたが、正社員の解雇も始まるようです。「ついにきた正社員“首切り”ラッシュが止まらない」(ゲンダイ)。日本IBM1000人、富士ゼロックス1250人、田辺三菱製薬2550人、パイオニア300人、西友350人……まさにハイテックと同じ状況。
 でも、じゃあどうすんのか? 能力がないから首切られんのか? かわいそうだから助けて下さいとお願いするのか?
 そうじゃない。労働者は力をもってる。団結すれば世の中を変える力がある。今日のように。
 解雇撤回などを掲げて団結して何年も闘っているハイテックの労働者は本当にすごいと思う。そんな人たちといっしょに闘えてよかった。誇らしい顔が印象的でした。皆さんそれぞれの心からのアジテーションが聞けてよかったす。(R)
★世界のあちこちで悲惨な状況ですが、国を超えて闘い、分かち合えた今日の出来事は、革命への前進だと信じてます。
 まあ、私の場合直ぐに解雇とかって事でないけれども、もうじき始まる暗いうちに家を出て、日付ギリギリに帰宅し、残ったわずかな体力で、シャワーを浴びるか一箱のカロリーメイトを食べるかの、難しい選択を迫られる賃金奴隷の日々とか、やはり他の人の状況が、自身の闘争における重要なヒントだとも思ってます。いつか皆さんで笑いながら会いたいですよね?(P)
★ハイテック闘争!
 韓国の仲間と団結して「共通の敵=資本家を打倒して労働者が社会の主人公になろう!」という街宣をやりました。
 「この人がハイテック闘争の先頭で闘ってきたんだ!」と感動。彼女と交わした握手の力強さはわたしたちの団結そのものだと思いました。この手で物を生産し、団結する。労働者が団結すればぜったい勝てる!
 歴史的な行動をみんなとやりきったってことが最高にうれしい! 
 団結にかけるエネルギーはぜったい惜しまないぞと思い、今日も昨日より団結するために闘おう。(M)

 11・2から学生も「生きさせろ」ゼネストへ 広島大学 チェ・ドンゴン

 世界金融大恐慌は深刻さが顕在化してきており、社会の主役であるはずの労働者が真っ先に路頭に放り出されている。学生にとっても看過できない事態が続出している。就職内定の取り消し、奨学金の回収強化、大学の経営破綻。学生たちの未来そのものが音を立てて破綻している。
 11・2全国労働者総決起集会はこうした社会情勢の中で闘いぬかれた。私は初参加だったが、学生と労働者の団結を体感し気分が高揚した。あの日、日比谷野音で学んだことは怒りを声に出してぶつけること。デモでは喉(のど)をからしながら「法大、解放」「団結、勝利」のシュプレヒコールを叫んだ。
 11・2が終わり、広島の大学キャンパスの雰囲気は変化しているように思う。法大闘争へ賛同する学生も徐々に出てきているからだ。しかし、多くの学生が危機感と閉塞(へいそく)感の向かう先を見いだせていないようだ。そこで私は「生きさせろ」の声をともにあげることの大切さを学生に対して説くように心がけている。
 学生も労働者と一緒に「生きさせろゼネスト」へ。これが時代を切り開く大きな展望になるはずだ。今こそ学生と労働者が行動で団結を示し元気に声を張り上げる時なのだ。一人でも多くの学生が「生きさせろ」と闘いに立ち上がり、獄中の19人の仲間を奪還しよう。

 獄中から 萩原本全体に革命の熱いアジテーション 法政大学被退学処分者 内海佑一

 反対同盟事務局次長の萩原進さん著『農地収奪を阻む/三里塚農民怒りの43年』を読み、あらためて三里塚闘争勝利へ向けて総決起していくことを決意しました。本書はとりわけ青年労働者や学生にぜひ読んでもらいたい一冊です。
 何よりも全体に貫かれているほとばしるような革命へのアジテーションが、読むだけで体を熱くさせてくれます。
 43年間ただの一度たりとも権力と妥協せず闘いぬいた路線の勝利性を明らかにし、「資本主義に農業問題は解決できない」とハッキリさせ、動労千葉との労農同盟の地平から「労農コミューン」論が展開されていく様などは『蟹工船』の比ではない感動をわれわれに与えてくれます。これこそ闘いの中から生まれた社会主義の展望そのものです。
 今や民主労総とも圧倒的な連帯をつくり出し、世界革命の突破口として三里塚闘争はますます重要なものとなってきています。
 本書で再武装し、市東さんの農地強奪粉砕の闘いに総決起しよう!
 すべての労働者・学生は三里塚精神で闘おう!
 自分も獄中で全力で格闘していきたいと思います。(法大5・29デモ弾圧裁判被告/東拘在監)
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 訂正
 前号本欄の内田晶理君は「7・24法大集会弾圧裁判被告、07年10・17弾圧被告」です。おわびし、訂正します。

 『農地収奪を阻む』を労働者の武器として 三里塚現闘 白川賢治

 「俺たちの産直は農民と労働者の共同性の回復をはっきり意識している」
 衝撃だった。私も三里塚現闘として25年、ずっと産直野菜運動に携わってきた。だけどここまで考えたことがあっただろうか。
 冒頭の引用は、この秋出版された反対同盟の萩原進事務局次長の著作『農地収奪を阻む』の一文だ。引きずり込まれるように一気に読んだ。“三里塚農民怒りの43年”そのうち半分以上を、自分もともに闘ってきた。だけど初めて知ることが意外に多い。43年の闘いが何だったのか、あらためて振り返ると、市東さんの農地強奪攻撃がこれまでとは次元を画する攻撃であることがよくわかる。
 萩原さんは常々、労農連帯、労農同盟を訴えてきた。この本で本当にその熱い魂を感じることができた。それが私にとっては先の一文だった。
 この本をとりわけ若い労働者の皆さんに読んでほしい。「生きさせろ」と叫ぶのは、労働者だけではない。日本農民をまるごとつぶさなければ生き延びられないような帝国主義に絶対未来はないと確信できる。それはすなわち革命の現実性だ。
 本気で帝国主義を倒そうと思ったら、労働者と農民が同盟軍として闘うことが必要だ。それを国家権力と43年も渡り合った反対同盟農民が労農同盟を築こうと呼びかけている。これほど力強いことはないではないか。動労千葉の闘いを、三里塚43年とのがっちりとした労農連帯の闘いとして学び、階級的労働運動の前進をかちとろう。

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