ZENSHIN 2008/12/01(No2370 p08)

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第2370号の目次

 “裁判員制度は廃止だ!”とデモ 「さあ廃止だ!裁判員制度」を掲げ全国一斉行動が闘われた。東京では社会文化会館に640人が結集し、2時間のデモ行進を貫徹した(11月22日 新橋)=記事7面

1面の画像
(1面)
大恐慌と闘う労働運動を
吹き荒れる大量解雇の攻撃にストと国際連帯で反撃しよう
派遣法粉砕・非正規雇用撤廃へ
記事を読む  
12・14国鉄集会に大結集を
動労千葉、5・27被告団が呼びかけ
記事を読む  
(2面)
切り開いた21世紀革命の展望
11・2集会の地平を徹底総括し全国に第2、第3の動労千葉を
革共同中央労働者組織委員会
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(3面)
12・14国鉄闘争勝利集会へ
国労5・27臨大闘争弾圧粉砕 1047名解雇撤回貫徹を
原則貫く7被告とともに闘おう
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スペイン 日産工場で労働者デモ
学生、高校生もゼネスト決起
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〈焦点〉 ソマリア沖への海自派兵法案
武力行使狙い自公民結託
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〈焦点〉 トヨタなどで「派遣」大量解雇
高まる青年労働者の怒り
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(4面)
“橋下ぶっとばせ” 11・21大阪
ワーカーズアクション
200人が府庁包囲のデモ
道州制=首切り粉砕へ闘う熱気(11月21日)
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大阪・西郡 住宅民営化に反撃
市の説明会、中止させる
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人生かけ革共同にカンパを
獄中の19学生を即時奪還し国際的な労働者党の建設へ
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新刊紹介 コミューン 1月号
中国人民の大反乱
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(5面)
法大・増田総長打倒し19人の即時奪還を
新自由主義大学は破綻した! 全力で1億円保釈金カンパを
マル学同中核派法政大学支部
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法大弾圧裁判 5・29デモ弾圧1G 強権的訴訟指揮を追及
検察の「証拠」撤回相次ぐ(11月20日)
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アメリカの学生運動 「占領ではなく教育に」
サンフランシスコ州立大学 予算削減に抗議集会(11月12日)
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圧巻 迫力の意見陳述集
保釈金カンパに活用しよう
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(6面)
不屈の武装解放闘争と労働者の決起
米軍支配突き破る闘い
敗勢深める米帝のアフガン・イラク侵略戦争
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婦民全国協 関西ブロック総会 大成功
階級的団結路線で新たな出発(投稿/斉藤理絵子)(11月23日)
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日誌 2008年 11月19日〜25日
幕僚学校「歴史観」講座に「つくる会」/沖縄への原潜寄港、5倍超に
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(7面)
裁判員制度への怒り 銀座に響く
裁判員制度はいらない!大運動
600人のデモに熱い共感
“なりたくない、廃止しかない”(11月22日)
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裁判員制度 5・21実施を阻止しよう
わずか3日で死刑判決も
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萩原進さん新著『農地収奪を阻む』 盛大に出版記念会
“三里塚闘争は現在進行形”(11月24日)
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11・16「食と農」集会 市東孝雄さんの訴え
空港会社の提訴こそ不当 畑を耕すことが私の闘い(11月16日)
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(8面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
紹介 09年星野カレンダー
新たな再審闘争へ
記事を読む  

週刊『前進』(2370号1面1)(2008/12/01 )

 大恐慌と闘う労働運動を

 吹き荒れる大量解雇の攻撃にストと国際連帯で反撃しよう

 派遣法粉砕・非正規雇用撤廃へ

 “裁判員制度は廃止だ!”とデモ 「さあ廃止だ!裁判員制度」を掲げ全国一斉行動が闘われた。東京では社会文化会館に640人が結集し、2時間のデモ行進を貫徹した(11月22日 新橋)=記事7面

 世界金融大恐慌が世界革命情勢をどんどん成熟させている。実体経済の収縮が急速に進行し、減産とリストラ・解雇の攻撃が労働者を日々襲っている。12月闘争は本当に決定的だ。11・2労働者集会の地平を引き継ぎ、職場でとことん闘おう。街頭で真っ向から訴えよう。資本による減産・首切り攻撃に怒り、「生きさせろ!」の大幅賃上げゼネストへ、労働者は団結して立ち上がる時だ。第2次国鉄決戦を軸に09春闘を大爆発させよう! 給油法延長、ソマリア派兵、派兵恒久法の策動を許すな。道州制導入・民営化と労組破壊、改憲と戦争の麻生政権打倒! 青年労働者・学生を先頭に闘おう!

 怒りの声総結集しゼネストへ

 世界金融大恐慌は激化の一途をたどっている。世界の大手銀行・証券会社の米サブプライムローン問題に関連した損失額合計が7100億j(約70兆円)に達した。保険会社や政府系住宅金融機関を含めると1兆jだ。しかしこれも氷山の一角でしかない。
 こうした中、世界最大級の金融機関であるシティグループが従業員の15%=5万人の削減を発表し、10月に続いて2度目の公的資金注入を受けた(計450億j)。しかも不良資産損失約2500億jを米政府が負担することになった。金融安定化法で確保した公的資金枠7000億jさえすぐに底をつく状況だ。
 他方、米自動車大手3社(ゼネラル・モーターズ、フォード、クライスラー)が「壊滅的な崩壊」(ワゴナーGM会長)に直面している。これこそアメリカ実体経済の破綻を象徴するものだ。「破綻したら300万人の雇用が失われる」(GM会長)と叫び、公的資金による救済を求めたが、再建計画が示されないかぎり救済できないと議会に拒否された。もはや大幅な減産や解雇、賃下げが打ち出されることは明白である。
 すでに全米で人員削減が急加速している。今年7〜9月期では約22万人がレイオフ(首切り)を迫られた。自動車産業が集積するミシガン州では、10月の失業率が8・7%から9・3%に上昇している。
 世界金融大恐慌は日帝を直撃している。麻生政権は底なしの危機に陥っている。2期連続のマイナス成長、輸出、設備投資、個人消費のすべてが悪化している。とくに自動車、電機産業での減産とリストラ・解雇が激化している。
 トヨタ・ホンダ・日産など日本の自動車メーカー8社が計画している減産規模は、来年3月までで176万台だ。8社が計画している人員削減規模も国内と海外でそれぞれ7000人と2500人。トヨタは国内の臨時職6000人のうち半分の3000人を解雇する計画だ。鉄鋼大手5社は10月から来年3月までの減産量を400万dとした。
 こうした中、輸出型製造業を中心に「派遣切り」が拡大している。これに対して、森精機奈良第一工場で闘われた派遣労働者のストライキは実に決定的だ。派遣元と派遣先を串刺しにして立ち向かった派遣労働者の怒りは、まさに「生きさせろ!」ゼネストの突破口を開く決起だ。

 11・2〜訪韓闘争が築いた歴史的な地平

 われわれは11・2労働者集会と訪韓闘争の歴史的地平をかちとったがゆえに、この激しい12月〜1月情勢に真に対応することができる。このことをもう一度確認したい。
 どのような地平がかちとられたのか。第一は、世界大恐慌と資本主義の終焉(しゅうえん)という大情勢に対して、プロレタリア世界革命を対置する国際連帯陣形の形成が進展し、その団結が力強く拡大し、全参加者がその闘う主体として確信を持って登場したことである。米韓の革命的労働者は「国際的な労働者階級のひとつの組織が必要だ」と熱烈に訴えている。実に歴史的事態である。
 第二は、革命的激動情勢がもたらす分岐と激突、党派闘争に不屈に原則的に勝ち抜く主体として、国鉄1047名闘争を先端とする6大産別・全産別の攻防の渦中に自己を立たせてきたことである。
 第三は、このようなあいまいさのない屹立(きつりつ)によって、階級的労働運動を圧倒的に推進していくことへの確信を深め、第2、第3の動労千葉をつくりだす可能性を示したことである。それは何よりも、青年労働者の獲得と組織化を全体の主体的課題にすえることであり、団結を総括軸とした職場生産点での闘い、街頭での闘いをさらに徹底して実践していくということだ。
 この三つの総括の視点は非常に重要だ。この地平を共有して12月〜1月決戦を闘おう。09春闘に向けて、大幅賃上げ獲得、最低賃金引き上げ、非正規職撤廃―労働者派遣法の全面撤廃を求める怒りの声を結集していこう。われわれがやるべきことは、「団結すればゼネストは絶対にできる!」という声をそれぞれの職場、地域にとどろかせることである。

 1047名闘争の勝利を開け

 国鉄1047名解雇撤回闘争は、これからの労働運動全体の帰趨(きすう)のかかった闘いだ。世界金融大恐慌下の日本階級闘争を、圧倒的に推進していく勝利の道筋である。われわれ11月労働者集会派こそ今、1047名闘争の勝利に責任を取りきる勢力として最前線に登場すべきだ。
 国鉄分割・民営化は戦後最大の労働運動解体攻撃であり、新自由主義政策を社会全体に貫徹する決定的な突破口だった。しかし国鉄労働者はこの攻撃に屈せず、20年を超える闘いを継続してきた。戦後日本労働運動の全蓄積が生み出した闘いだ。そして、大量不当解雇攻撃を受けながら団結を守り、発展させてきたのが動労千葉だ。
 いま、国鉄分割・民営化の矛盾がいたるところで噴出し、現場労働者の怒りが渦巻いている。”もう我慢できない、闘って生きたい”と「平成採」の青年労働者が動労千葉に結集している。分割・民営化体制=JR体制の矛盾を突いて闘えば、力関係を逆転し、1047名闘争の勝利をかちとることはまったく可能だ。
 政府や鉄道運輸機構が1047名闘争の終結を策したねらいは明らかだ。絶望的危機に陥っている自公政権の唯一の延命の道として、公務員労働者200万人首切り―自治体民営化攻撃を始め、さらに激しい階級戦争に訴えようとしているからである。そのために、1047名闘争の「決着」を決断したのだ。言いかえれば、1047名闘争が全労働者の怒りを結集する闘いの先頭に立てば、労働者の闘いは間違いなく爆発的に前進する。
 そのためには、4者・4団体による政治解決路線の裏切り性をさらに徹底的に暴露・弾劾しなければならない。動労千葉を排除し、解雇撤回要求を引き下ろし、JR資本と和解してストライキも投げ捨て、政府や民主党、連合にひざまずいて「救済」を求めるような運動は絶対に間違っている。
 12月14日、東京で、動労千葉と5・27被告団が呼びかけた「国鉄闘争勝利集会」が開催される。12・24鉄建公団訴訟控訴審の結審を前にしてますます政治和解に走る4者・4団体と対決し、1047名闘争勝利の展望を示す集会である。また、1047名闘争の魂を守り抜いている国労5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いを拡大する集会である。そしてなによりも、11・2労働者集会を引き継ぎ、09春闘に向けて「生きさせろ!」ゼネストの闘いを切り開く集会である。1047名闘争は、4大産別―6大産別決戦の最大最高の課題である。職場や地域や学園から、ともに闘う仲間とともに総結集しよう。
 「橋下打倒」の闘いを全国の自治体職場で! 道州制導入、丸ごと民営化、200万人首切りの公務員絶滅攻撃に根底から反撃しよう。
 郵政民営化絶対粉砕を貫いて、年末繁忙期を物ダメストライキ・超勤拒否で闘いぬこう。
 教労戦線でこそ橋下打倒を! 教育の民営化攻撃を粉砕し、職場から不起立闘争を発展させよう。
 労働者派遣法と闘う12・4集会(日比谷野外音楽堂、午後6時30分〜)に動労千葉を先頭に決起しよう。

 19学生の保釈奪還へ1億円の大カンパを

 法大弾圧救援会が訴える1億円保釈金カンパ闘争に全国で総決起し、19人の学生の保釈奪還をなんとしてもかちとろう。
 06年3月14日の29人逮捕以来、法政大学で逮捕された学生はのべ88人。今年5月〜7月では43人の学生が逮捕され、19人が起訴された。学内デモやクラス討論をしたことが「建造物侵入」とされ、ガードマンに暴行をふるわれて「暴行」で起訴。こんなデタラメな弾圧は本当に許せない!
 だが、法大学生運動は圧倒的に勝利している。どんなに弾圧されても絶対に屈しない強固な団結と活動家が次々に生まれている。まさに歴史的な出来事だ。ジャージ軍団という右翼暴力警備員を完全に一掃した。法政大学文化連盟の学生は、「われわれは間違いなく奇跡を起こしたのであり、勝利を手にしたのであり、展望を開いたのである。流れは変わった。いや、変えたのだ」と言い切り、新たな処分策動と闘っている。
 学生19人の保釈・奪還は、この偉大な勝利を切り開いている法大闘争に、さらに決定的な力をもたらすことは間違いない。保釈・奪還のための1億円を全力で集めよう。
 世界は今、ゼネスト闘争の嵐だ。ヨーロッパ各地で教育の民営化に怒り、学生や教育労働者の闘いが爆発している。やればできるということだ! マルクス主義青年労働者同盟1000人とマルクス主義学生同盟1000人の建設を圧倒的に推進して、その力強い展望を切り開こう。年末一時金カンパ闘争に勝利しよう。

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週刊『前進』(2370号1面2)(2008/12/01 )

 12・14国鉄集会に大結集を

 動労千葉、5・27被告団が呼びかけ

 動労千葉と国労5・27臨大闘争弾圧被告団が「12・14国鉄闘争勝利集会」の呼びかけを発した。奴隷的屈服を深める4者・4団体路線と対決し大結集しよう。(編集局。3面にアピール)

 「国鉄1047名解雇撤回! 5・27臨大闘争弾圧粉砕! 生きさせろ!09春闘ゼネストへ 12・14国鉄闘争勝利集会」への賛同と参加のお願い


 国鉄千葉動力車労働組合

 国労5・27臨大闘争弾圧被告団


 たたかう労働者の皆さん。
 11月2日、港合同・関西生コン支部・動労千葉の呼びかけで日比谷野音で開催された11・2労働者総決起集会は、米・韓からの代表団をはじめ、全国から青年労働者を先頭に5700名が結集して大成功をかちとりました。
 11・2集会は、世界的な金融恐慌情勢下で労働者の国際連帯の新たな画期的地平を開き、この時代に回答を与えることができるのは唯一、労働者の団結した力だけであること、資本主義の命脈はすでに尽きており、いまや世界の労働者はひとつであることを示し、「革命をやろう」「ひとつの組織をつくろう」と高らかに宣言したのです。
 さらに、国鉄1047名闘争をめぐり、4者・4団体路線による「政治和解」路線に反対し、あくまで解雇撤回を貫いて闘うことを宣言し、09春闘、生きさせろ!ゼネストの実現へ、全国至るところから総決起をかちとることを重大な決意を込めて明らかにしたのです。
 資本主義の終わりの時代に、「労働者の団結した力だけが社会を変革し、歴史を動かす力であり、それは可能だ」ということをアメリカ、韓国、ドイツ、フランス、イギリス、そして日本を含めた全世界の労働者の闘いが示しています。
 こういう情勢への突入の中で、国鉄1047名闘争は今、重大な岐路を迎えています。4者・4団体路線による「政治和解」路線の道か、あくまで解雇撤回を貫いて闘うのか。4者・4団体はあろうことか10・24集会で警察権力・機動隊を導入し、解雇撤回を掲げる国労組合員らを排除し、10・26団結祭りでは、解雇撤回を貫く動労千葉を始め、解雇撤回で闘うべきと主張する労組・諸団体の参加を拒否するまでに至ったのです。7・14の鉄建公団控訴審、東京高裁南裁判長の「裁判外での和解」勧告以来、12・24の結審を前に追い詰められた4者・4団体は、ますます屈服的な「政治和解」路線に走っています。解雇撤回闘争とJR職場での闘いが一体となって進んだとき、JR体制を打倒して1047名闘争の勝利をかちとることは絶対に可能です。
 02年5月27日、鉄建公団訴訟を提訴した闘争団員を統制処分しようと開催された国労臨時大会に反対し、「奴隷の道を拒否せよ」とビラまき、説得活動に立ち上がった国労組合員らを、国労本部が警察権力に売り渡したのが国労5・27臨大闘争弾圧です。1年3カ月もの勾留を完全黙秘・非転向で闘い抜いた7被告は、今年2月の旧弁護団解任、5月の分離公判をかちとり、今、労働者の自己解放性にあふれる階級裁判を闘っています。5・27臨大闘争弾圧・7被告の闘いこそ、1047名解雇撤回闘争の魂を守り抜き、4者・4団体路線を根底で撃つ闘いです。
 世界金融大恐慌情勢下、倒産・首切り・リストラ・賃下げ・労働強化、民営化攻撃の激化に対し、今こそ1047名解雇撤回闘争を軸に、労働者の怒りを結集する時です。09春闘を「生きさせろ!ゼネスト」で闘いましょう。世界の労働者と連帯し、職場から団結を固めて闘い抜きましょう。
 1047名解雇撤回・5・27臨大闘争弾圧粉砕、生きさせろ!09春闘ゼネストへ、12・14国鉄闘争勝利集会へ、志を同じくするすべての皆さんの賛同と参加を心よりお願い申し上げます。
 2008年11月

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週刊『前進』(2370号2面1)(2008/12/01 )

 切り開いた21世紀革命の展望

 11・2集会の地平を徹底総括し全国に第2、第3の動労千葉を

 革共同中央労働者組織委員会

5700人が結集し、国際的・階級的団結をうち固めた11・2集会(東京・日比谷野音)

 5700人の結集でかちとられた11・2全国労働者集会は、世界と日本の労働者階級の闘いの決定的な前進を切り開いた。かちとられた豊かな地平をとことん教訓化し、闘いの糧にしよう。大恐慌は帝国主義の死の苦悶(くもん)であり、世界革命の時代の到来を告げている。動労千葉労働運動と日韓米国際連帯を武器に、労働組合を体制内幹部から労働者階級の手に奪い返し、プロレタリア世界革命の勝利に向かって進撃しよう。

 大恐慌時代を闘いぬく労働者国際連帯の前進

 11・2労働者集会で日韓米の闘う労働者は次のように発言した。
 「闘う労働組合を歴史の最前線に登場させよう」(動労千葉の田中康宏委員長)
 「労働者階級の国際連合をつくり、社会主義変革運動へと進んでゆこう」(民主労総ソウル本部のイジェヨン本部長)
 「民営化、非正規職化、規制緩和、自由貿易協定……帝国主義戦争に対する闘い−これらすべての闘いは、国際主義的労働者、革命的な労働者の党によって組織される」(ILWU〔国際港湾倉庫労組〕ローカル10のジャック・ヘイマン執行委員)
 この発言に明らかなように、11・2集会の成功は、世界金融大恐慌情勢に対し、プロレタリア世界革命をもって対決する国際的陣形を、現場労働者の苦闘の中からついにつくりだした。自分はこの日のために闘ってきたのだという、胸躍る感動を5700人が共有したのである。
 革命の原動力は、新自由主義とその破綻が生み出した現実に対する労働者階級の腹の底からの怒りだ。支配階級は「市場原理がすべてを解決する。民営化だ、小さな政府だ」と言って、この間、労働者階級に対するすさまじい攻撃を続けてきた。彼らは、国家財政を天文学的な赤字にたたき込んでも、大銀行・大企業の救済のために巨額の公的資金を投入しようとしている。公的資金とは、労働者階級から搾り取ったものだ! しかも救済の条件は、どれだけ多くの労働者をリストラしたかだというのだ。こんな資本家や国家権力が許せるか!

 大恐慌下の労働運動

 いま世界の階級闘争が直面している課題は、革命を圧殺する反革命との激闘に、革命派があいまいさなく勝ち抜くことだ。労働者のわき上がる怒りを団結させ、階級的労働運動を大前進させることだ。そして、帝国主義の大攻撃とまったく闘わず、何とか身をすくめて攻撃をかわそうとする体制内労働運動勢力との激突に勝ち抜くことだ。そうすれば労働者は革命まで一気に闘いぬく。大恐慌とはそういう情勢だ。
 実は1929年恐慌の時もそうだった。特にアメリカの場合、自動車や鉄鋼、炭鉱、海運、港湾など、帝国主義の典型的な基軸産業のプロレタリアートが30年代の中ごろから闘いの最前線に続々と登場してきた。それまでの職能的組合の限界をのりこえ、非公認で産別的に労働者を組織し、恐慌がいったん底をついた34年から35年にかけて、こうした大産業の労働組合が銃撃戦の中でストライキに決起した。まさに革命情勢そのものだった。
 しかも、こうした労働運動の中には、共産主義者、共産主義的労働者が大量にいた。組合指導部の多くが共産党員と共産主義的労働者だったと言われている。中でもILA(ILWUの前身)は、当時の共産主義的労働運動の最大の拠点だった。
 こうした大組合の激烈な闘いを抑え込み、体制内に取り込んで帝国主義の危機をのりきるために出されたものがニューディール政策だった。労働組合を認知し合法化するが、共産主義は絶対に認めない。こうしたくさびを打ち込まれた時に、スターリン主義のアメリカ共産党は労働者階級を裏切って、ニューディール政策を支持し、その先兵に転じたのだ。
 今日の世界金融大恐慌情勢でも、同じことが問われている。アメリカはこれから29年恐慌時のような惨たんたる状況へ向かってどんどん進む。その中でアメリカ労働者階級は、30年代の階級闘争の敗北をのりこえる闘いに立ち上がっているのだ。ILWUのメーデーストライキを先頭に、ボーイング社の2カ月間の長期スト、GMを揺るがす労働者のストライキなどがアメリカの大ブルジョアジーを徹底的に追い詰めている。

 オバマは労働者の敵

 こうした情勢の中で米次期大統領にオバマが登場した。オバマ自身がルーズベルトを意識し、その再来として自己を押し出している。しかし、労働者階級にとってオバマは完全に打倒対象だ。オバマは、労働者階級が革命に立ち上がっていく決定的瞬間に、それに対する反革命として登場した。オバマは、「自動車産業が崩壊すれば大惨事になる」と述べ、必死になってブルジョアジー支援を打ち出している。しかも支援の条件として、「労働組合が自動車産業を持ちこたえさせる計画に同意すること」を挙げているのだ。”大量首切りも賃下げも、文句を言うな! 労働者の闘いをつぶせ”ということだ。
 戦争政策でも「イラクから撤退する」と言うが、できるわけがない。逆に「アフガニスタンに突っ込め」と言っている。ブッシュ以上に抜き差しならない泥沼にはまり込んでいくことは明白である。
 結局、オバマが本当にやろうとしていることはただひとつ、ブルジョアジーの救済だ。そのために階級闘争を必死で抑圧するのだ。オバマ政権のブレーンには、ルービン元財務長官をはじめブルジョアジーのそうそうたるメンバーが名前を連ねた。そしてAFL−CIO(米労働総同盟・産別会議)の労働貴族が、ブルジョアジーと並んで全力でオバマを支えている。崩壊の危機に直面する米帝が、自らの救済に役立つ政権を「挙国一致」体制でつくり上げようとしているのだ。このオバマとAFL−CIO執行部を串刺しにして打倒することこそが、アメリカ革命の道だ。
 11・2労働者集会は、これをうち破る国際的陣形をつくり出した。29年恐慌の時は、労働者の側が「資本主義が一切の元凶だ」と言い切って闘うことができなかった。その結果、第2次世界戦争に突入した。だが、11・2では、大恐慌への突入段階で「資本主義打倒!」を訴えた。しかも、実践の中からスターリン主義の裏切り、体制内労働運動指導部の裏切りを徹底的に弾劾し、「社会主義を目指す新しい労働運動」と「国際主義的な労働者の党」をつくり出そうと、日韓米の労働者が心から一致したのである。
 だからこそ11・2集会は、職場で資本と非和解に闘い、体制内労働運動指導部と非妥協的に闘ってきた私たち労働者が切り開いた〈21世紀革命の展望〉なのだ。断固、この道を進もう!

 解雇撤回貫く動労千葉の強固な団結の勝利性

 こうした勝利と一体で動労千葉の勝利がある。国鉄1047名闘争を戦場にして、「解雇撤回」を投げ捨てた4者4団体派との激しい路線闘争をやりぬいた。これで4者4団体指導部に勝ち抜いたことが決定的だ。このことが日韓米労働者の団結をより一層深めた。そして動労千葉とともに青年労働者が路線闘争、党派闘争の先頭に立った。あいまいなものをすべてぶっ飛ばして闘ったことによって、われわれはついに2千万青年労働者の怒りと結びついたのである。
 あらためて原点に返り、国鉄1047名闘争がもつ意味をはっきりさせよう。1980年代に強行された国鉄分割・民営化攻撃は、戦後最大の労働運動解体攻撃であり、新自由主義攻撃を社会全体に貫徹する決定的な突破口だった。6年の間に20万人の国鉄労働者が職場を追われ、200人が自殺に追い込まれた。そして総評・社会党が解体されて、階級的力関係が歴史的な転換を強いられた。
 しかし、国鉄労働者は攻撃に屈したわけではない。動労千葉は国鉄分割・民営化攻撃に対し、首をかけて2波のストライキに立ち上がり、40人もの不当解雇攻撃を受けながら団結を守り抜いた。この闘いが1047名闘争を生み出し、100万人の全国の支援勢力とともに20年に及ぶ解雇撤回闘争を今日まで闘い続けてきたのである。
 動労千葉は特別な組合ではない。「団結した労働者の力だけが社会を変革し、歴史を動かす力だ」というただその一点に依拠し、労働運動の原則を守って闘ってきた労働組合だ。

 4者4団体路線粉砕

 民営化攻撃の核心は労働者の団結破壊であり、労働組合の解体だ。民営化攻撃に対しては「絶対反対」で階級的団結を打ち固めることが唯一の勝利の道だ。だから、団結の勝利の証しである「1047名解雇撤回」を不屈に貫くことが、労働者階級の団結を打ち固め、新自由主義攻撃をうち破る勝利の道なのである。
 そして、どんなに組合が小さくとも、自分たちだけの利益ではなく日本の労働者階級全体の立場に立って闘ってきたのが動労千葉だ。これに対して4者4団体は、「闘争団はもうもたない」とか「1047名闘争は賞味期限切れだ」などと言って政治解決に走っている。体制内指導部は困難に直面した時に、「闘っても勝てない」とすべてを現場労働者のせいにして屈服を繰り返してきたのだ。問題は、労働者をとことん信頼する指導部の構えだ。1047名闘争をめぐる4者4団体派との路線闘争は、労働運動がこの大恐慌情勢と対決してどのような道を進むのかをめぐる決定的な闘いなのである。
 10・24集会で機動隊を導入し、動労千葉を排除するという歴史的暴挙に出た4者4団体派を、われわれは断じて許さない。解雇撤回を掲げた1047名闘争が、すべての労働者の闘いの先頭に立てば、闘いは間違いなく爆発的に進んでいく。派遣労働者の首切りが年末にかけて数万人の規模で行われようとしている。JRや郵政職場でも、徹底した合理化の中で、安全問題、労務政策の破綻という形で民営化の矛盾が爆発し、青年労働者の怒りが高まっている。とりわけ、道州制と自治体丸ごと民営化で、200万人が首を切られようとしている自治体・教育労働者の怒りの決起が始まっているではないか。この決定的瞬間に解雇撤回を投げ捨て、国家権力に労働者を売り渡そうとする4者4団体派の大裏切りを徹底的に弾劾する! 
 11・2労働者集会に集まった5700人こそが、1047名闘争の勝利に責任を取り、全労働者階級の未来をかけて闘い抜く勢力だ。この力で12・14国鉄闘争勝利集会を全力で成功させよう!

 「体制内」と徹底対決し労働組合を甦らせよう

 さらに、11・2集会で示されたことは、階級的労働運動路線の圧倒的正しさである。ここで決定的なことは「労働組合を甦(よみがえ)らせよう」「第2、第3の動労千葉をあらゆる職場につくり出そう」ということだ。団結をつくりだすこと、この一点に労働者階級の未来がかかっている。
 労働者が資本と非和解で闘い、職場で団結した時に、「労働者が社会の主人公であり、労働者が団結したら、あいつらをぶっ倒せる」と実感する。この自己解放性に目覚めた時に、隠れていたエネルギー、能力が、労働者の内側からわきあがってくる。労働者が自分の能力に目覚め、「おれ達だってこういう力があるんだ」という自覚ができた時に運動は進む。そうした労働者が無数に生みだされた時に階級的労働運動は革命に向かってどんどん前進するのだ。こうした人間の持っている素晴らしさをどんどん発揮させるのが労働組合の団結だ。
 4者4団体派はどのように言って動労千葉を排除したか。最後は、「動労千葉は解雇撤回闘争を革命と一緒にしている。おれ達は単なる解雇撤回闘争を闘っているんだ」と言って排除した。塩川一派との決別は、「労働運動の力で革命をやろう」と青年労働者が闘い出したことに、彼らが徹底的に敵対してきたことだ。しかし、革命は一切れのパンをめぐって起こるものだ。あるいは一人の労働者の解雇を許さないということから革命的闘争に発展することは歴史上いくらでもある。ましてや国鉄では1047名の首が切られたのだ。
 こうした労働者の怒り、存在、闘いと革命運動を切り離し、”労働者、労働組合は革命をやる存在ではない”ということで4者4団体派も塩川一派も今の情勢に完全に屈服しているのだ。
 11・2闘争に向かう過程で、いくつもの職場・労働組合内部で、こうした腐った労働組合幹部と徹底的に路線闘争をやり抜き、組合権力闘争に断固うって出た。いくつかの職場では体制内組合執行部との二重権力状態に持ち込むことができた。
(写真  森精機奈良工場で第2波スト ”契約解除=解雇を撤回しろ!”。11月27日、森精機奈良工場で働く派遣労働者が13日の第1波に続き第2波ストを決行。資本による分断工作をうち破り団結した。全国の派遣労働者はともに立ち上がろう)

 組合と一体で闘う党

 そして、階級的労働運動路線とは、革命に勝利する労働組合の団結を甦らせると同時に、それと一体で革命に勝利する労働者党をつくりだす路線だ。革命運動の歴史を総括するとき、重大な闘いは、労働組合を体制内に取り込む攻撃との徹底対決だ。その場合、党と労働組合を徹底的に引きはがすという攻撃と、それに屈服する労働者内部からの反革命との非妥協の対決だ。まさに4者4団体派指導部がそうであり、塩川一派がそうではないか。「第2、第3の動労千葉」をつくりだす闘いとは、こうした党派闘争に勝ち抜き、主流派になることだ。
 ある職場では、派遣労働者の解雇をめぐってストライキをやるかどうか、組合で徹底的に論議した。これまでの指導部のもとでは、「労働条件をいかにかちとるか」という闘い方だった。その指導部を打倒し、時代認識で徹底的に論議し、「ものがとれない時代だ。団結するにはストライキしかない」と闘いに立ち上がった。また、別の職場では、「過激派は組合役員にはしない」と言われ、一方的に組合役員を降ろされた。「労働組合は条件闘争をやるところであって、革命をやるところではない」という体制内組合幹部と激突した。当該の仲間たちは「革命をめぐって分岐をつくり出して空気が入った。労働組合を現場からつくり直す」と総括している。
 重要なことは、労働者の党がどういう路線を持っているのか、自分たちの路線が本当に労働者を獲得する路線なのかどうかだ。党員自身が労働者の中に分け入り、獲得する先頭で闘い、その中で自己変革していくことである。
 資本・当局・体制内労働運動執行部との路線をめぐる激突でつかんだことは、職場の労働者との格闘の中に党派闘争があるということだ。敵は労働者同士ではなく資本家だ。労働者は、競争をやめ、団結すれば勝てるという路線をつかめば、御用組合を革命的存在へとつくり変える闘いに立ち上がるのだ。労働組合を甦らせるのも、革命党をつくり革命を担うのも、労働者自身だ。資本と非和解で闘う職場生産点にこそ革命の現実性があり、一人ひとりの労働者の中にこそ、革命をやる力がある。徹底的に党派闘争をやりぬき、その中から労働組合を革命の武器として育て使いきる党を、労働者自身の手でつくりだそう。

 連合中央打倒!09春闘で怒りのゼネストを!

 11・2で切り開いた世界革命の展望をさらに激しく前に進めよう。青年労働者が歴史の前面に荒々しく登場し、崩壊の危機に立つ支配階級と一戦交えよう! 危機に立つ麻生政権をぶっ倒そう! 小沢民主党も労働者の敵だ! 動労千葉の呼びかける09春闘「生きさせろ」ゼネストへ!
 派遣や季節工など非正規雇用労働者の大量解雇が全国で起きている。絶対に許すことはできない。自動車部品工場で働くある女性労働者は、午後6時半から午前3時半までの夜勤専属で日給6500円、夜勤手当は240円。昼夜逆転の生活で睡眠障害を患ったにもかかわらず労災も認められず、突然の雇い止めを通告された。派遣労働者ということで人間扱いされず、一挙に数百人や千人という大量解雇が許されていいはずがない! 「派遣労働をなくせ! トヨタをつぶせ」と今こそ闘う時だ。「工場を動かしているのは労働者だ」ということを資本に強制してやろう。それが「生きさせろ」ゼネストだ。
 今こそ資本の弱点を突き、日本資本主義を揺るがす闘いを起こそう。資本の労働者支配は一見盤石に見えるが、中身は非常にもろい。結局、労働者がいなければ資本は成り立たないからだ。例えばトヨタのジャストインタイム生産システムは、労働者の抵抗にあった場合にはものすごくもろい。派遣労働者がたった一日、「今日はみんなで休もう」と団結してストライキに立ち上がったら、全国の生産ラインがすべてストップする。解雇も処分も、こういう時代認識・路線で闘えば、決定的チャンスになるのだ。

 道州制粉砕・橋下打倒

 4大産別−6大産別決戦に猛然とうって出よう。闘いの焦点は道州制との対決であり、大阪府知事・橋下打倒の決戦である。橋下は「大阪府をつぶして関西州をつくる」とぶち上げた。これは道州制導入の突破口を開くものだ。関西経済同友会の提言では、自衛官・警察官などを除く公務員360万人をいったん解雇し、200万人の首を切れと提言している。
 道州制は、日帝支配階級の唯一の延命策としてうち出された。自治体を解体し、地域を大資本が丸ごと簒奪(さんだつ)し、利潤追求のための食いものにしようとしている。それは、自治労・日教組を解体し、すべての労働者に一層の非正規職化、労働強化を強いる攻撃である。公務員と民間労働者、非正規と正規労働者の分断をうち破り、労働者がひとつに団結できる闘い、それが「道州制反対・民営化絶対反対・橋下打倒」のストライキだ。
 また、道州制との闘いは、戦争と改憲に突き進む麻生政権を打倒する闘いだ。道州制は国の役割を外交・軍事に特化する国家大改造である。これと一体で田母神前空幕長が侵略戦争を正当化し、日本経団連会長・御手洗が給油新法延長法案の採決を叫んでいる。道州制粉砕の闘いは、侵略戦争をやる以外に生きていけない日本帝国主義を打倒する闘いそのものである。 「生きさせろ!ゼネスト」の先頭に、道州制と闘う4大産別の労働者が立とう!
 金融大恐慌情勢下で郵政民営化は完全に破綻している。民営郵政と、「生産性向上」を綱領に掲げたJP労組執行部のもくろみは、現場労働者の怒りと闘いでガタガタだ。年末繁忙期が民営化絶対反対で闘うチャンスだ。ゆうメイトの使い捨て、雇い止めを許すな! 全逓労働者は、年末物ダメストライキで闘おう。
 医療・福祉現場で働く労働者は、職場における実力闘争に立とう。日本共産党や塩川一派は、「患者」や「地域医療」を盾にして、”敵は資本ではなく国だ、経営を守るために賃下げや労働強化に従え”と労働者を恫喝している。ふざけるな! 医者も看護師も労働者だ。資本との非和解の闘いで団結し、賃金奴隷としての鎖を引きちぎる力をもっている。大幅増員要求、大幅賃上げ要求、「非正規職労働者を直ちに正社員にしろ」の要求を掲げ、資本と徹底的に闘おう。
 そしてすべての闘いに体制内労働運動執行部との党派闘争を貫こう。動労千葉派として職場で旗を揚げ、組合権力を奪取する闘いにうって出よう! 連合・全労連指導部を打倒し、階級的団結をつくりだすこと、それこそが革命に向かう最大の闘いだ。

 マル青労同に入ろう

 それと一体で新たな労働運動、革命運動の指導部として、マル青労同1000人建設をかちとろう! 全世界の支配階級を相手に闘うには、少なくとも1000人の階級の指導部が必要だ。それがマルクス主義青年労働者同盟だ。マル青労同は「労働者階級の思想であるマルクス主義を学習しよう」「職場で動労千葉のように闘おう」という2本柱で、「労働運動の力で革命を」闘いとる革命組織だ。「100年に1度」の世界革命のチャンスをものにしよう! すべての青年労働者はマル青労同に加盟してともに闘おう!

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週刊『前進』(2370号3面1)(2008/12/01 )

 12・14国鉄闘争勝利集会へ

 国労5・27臨大闘争弾圧粉砕 1047名解雇撤回貫徹を

 原則貫く7被告とともに闘おう

11・2集会の後、1047名の解雇撤回を訴えてデモ行進する国鉄労働者(東京)

 国労5・27臨大闘争弾圧被告団と動労千葉は、「1047名の解雇撤回、国労5・27臨大闘争弾圧粉砕、生きさせろ!09春闘ゼネストへ 12・14国鉄闘争勝利集会」を呼びかけている(要項1面)。11・2労働者集会は、世界金融大恐慌のただ中で、資本主義を打ち倒す労働者階級の国際的団結とその隊列を鮮明に登場させる歴史的闘いになった。その偉大な地平を引き継ぎ、国鉄1047名解雇撤回闘争の勝利の路線を打ち固めるのが12・14集会だ。

 体制内労働運動との決別と世界革命宣言した11・2集会

 資本主義の命脈はもう尽きている。80年代以来、全世界に吹き荒れた新自由主義の攻撃は、労働者階級を貧困に突き落とす一方で、資本主義自身にも制御できない金融投機を生み出した。その破産とともに、資本主義は奈落の底にたたき込まれている。
 労働者に一切の犠牲を押しつけてこの危機をのりきろうとする資本主義など、打倒する以外にない。11・2労働者集会は、日米韓の5700人の労働者が、国際的な団結のもと、世界革命に向けて突き進むことを公然と宣言する場になった。
 資本主義を延命させる方策など、もはや何ひとつない。にもかかわらず資本主義体制が維持されているのは、ひとえに体制内労働運動が労働者階級の決起を抑えつけているからだ。
 国鉄1047名解雇撤回闘争をめぐる4者・4団体との攻防は、階級的労働運動か体制内労働運動かをめぐる分岐と激突の最先端に位置している。国鉄を先頭に全産別の闘う労働者はこの秋、4者・4団体路線と徹底的に対決する中で11・2へと上り詰めていった。その激烈な攻防こそ、体制内労働運動を打倒して、動労千葉派が労働運動の主流派にのし上がることができるという強固な確信を打ち固めてきたのである。
 体制内労働運動との対決は、全世界の労働者にとって普遍的な課題になっている。米大統領選挙でのオバマの勝利は、米帝ブルジョアジーが労働運動を体制内に抑え込み鎮圧することの一点にかけて資本主義を延命させる道を選択したことを示している。いわばそれは、4者・4団体路線のような労働運動内部の裏切りと転向を、国家が総力で援護する体制が形づくられたということだ。
 ILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル10や韓国民主労総ソウル地域本部もまた、日本における動労千葉派とまったく同じように、労働運動の中に巣くう体制内派との全面的な対決を貫いている。だからこそ彼らは、動労千葉とともに世界革命を実現する労働者革命党の必要性を、渾身(こんしん)の叫びとして、11・2集会で真っ向から提起したのである。
 11・2に結集した日本の闘う労働者が、これと真正面から呼応することができたのは、国鉄分割・民営化以来二十数年、民営化攻撃と根底的に対決してきた動労千葉の闘いがあり、これを軸とした闘う労働者の団結が形づくられているからだ。そして、その動労千葉の実践の上に、全産別の闘う労働者が、この08年、国鉄1047名闘争をめぐる4者・4団体路線との攻防を、一切の退路を断って闘いぬいてきたからなのである。

 旧弁護団解任が押し開いた4者4団体との激烈な攻防

 4者・4団体路線との非和解的対決は、今年2月の国労5・27臨大闘争弾圧7被告による旧弁護団解任という身を切るような決断によって先駆的に開始された。それは、一切の体制内的なものと決別するという、被告団の主体的な決起だった。被告団は、旧弁護団解任と松崎被告との弁論分離を闘いとることをとおして、動労千葉と並ぶ第2次国鉄決戦の主体へと躍り出たのだ。
 この決断を最深の根拠に、国鉄を始め全産別の闘う労働者が、解雇撤回の原則を投げ捨て民営化を容認して敵階級の軍門に下った4者・4団体と、全力で対決できたのだ。11・2は、こうした闘いを基盤として闘いとられたからこそ、世界金融大恐慌の時代に通用する階級的労働運動の復権に向けて、突撃路を切り開くものとなったのである。
 7被告による旧弁護団解任と弁論分離の正義性は今日ますます明らかになっている。今や松崎被告は次のように公言し、4者・4団体を賛美してはばからない。「(支配階級は)4者4団体に亀裂を持ち込み、国労本部を離脱・屈服させ、分裂させ、国鉄闘争を破壊することを狙っているのです。このような動向を許すことはできません」
 松崎被告を擁護する旧弁護団もまた、7被告が法廷において検察官・裁判官の質問に一切答えないという完全黙秘の方針をとっていることを「事実上の裁判放棄」と誹謗(ひぼう)・中傷しつつ、7被告と松崎被告との弁論併合を執拗(しつよう)に要求し続けている。
 5・27臨大闘争弾圧は、闘争団への統制処分に反対し、国労臨時大会でビラまき・説得活動に立った国労組合員が、国労本部によって公安警察に売り渡された弾圧だ。だから、国労本部を打倒し、国労を階級的原則に立つ労働組合へとつくりかえることこそ、5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いの核心的な課題をなしている。
 ところが松崎被告と旧弁護団は、国労本部を団結すべき相手と見なし、動労千葉を排除する4者・4団体に公然とくみして、5・27弾圧粉砕の闘いを根本からねじ曲げたのだ。
 彼らが今も声高に、7被告と松崎被告との弁論併合を唱えているのは、まさに4者・4団体路線のもとに7被告を屈従させ、7被告に権力への転向を強要する許し難い策動だ。7被告による旧弁護団解任と松崎被告との弁論分離が正しかったことは、この一点を見るだけでも明白だ。

 1047名闘争の魂守った被告団の完黙・非転向の闘い

 5・27臨大闘争弾圧被告団は、弾圧粉砕の闘いを、国労を動労千葉と並ぶ階級的労働組合につくりかえるためのものと位置付け、確信も固く生き生きと裁判闘争を闘いぬいている。1年3カ月に及ぶ長期勾留を完全黙秘・非転向で闘いぬいた被告団は、その不屈の闘いによって1047名解雇撤回闘争の魂を核心において守りぬいたのである。それによって被告団は、1047名闘争勝利の不抜の砦を形成した。
 ところが旧弁護団は、被告たちの5・27決起を「闘争団支援」としか位置付けず、被告たちの主体的決起であったことを否定して、在京闘争団一部幹部のもとに被告たちを屈従させようとした。
 その在京闘争団一部幹部は、階級的労働運動を鎮圧するためには、警察権力とも手を組むという恥ずべき姿をさらけ出した。4者・4団体が主催した10・24集会には、闘う労働者を排除するために警察機動隊が導入された。彼らはまた、10・26団結祭で動労千葉派の排除に躍起となった。まさに彼らは、国家権力・資本の手先へと、あからさまな転落を遂げたのだ。
 4者・4団体は、労働者の団結と闘いにこそ、すべての困難を突破する力があることをけっして認めず、労働者の持つ力を根底から否定している。だから彼らは、政府や政権与党に依存する「政治解決」にのめり込む以外にないのだ。だが、現実はその破産を容赦なく突きつけている。総選挙での民主党の勝利に期待し、それによって「不採用問題の解決」が一挙に進むかのように唱えてきた4者・4団体は、解散・総選挙の決断もできない麻生政権と相並んで、ぶざまな姿をさらけ出している。
 こんな4者・4団体路線のもとに、二十数年にわたり解雇撤回闘争を闘ってきた闘争団を始め、現場の国労組合員がいつまでも組み伏せられているはずがない。4者・4団体路線との攻防は始まったばかりだが、これに決着をつけ、圧倒的多数の闘争団員と現場の国労組合員を、階級的原則のもとに獲得できる展望は圧倒的に存在する。
 今まさに世界金融大恐慌のただ中で、全世界の労働者は「資本主義を打倒せよ」と闘いに立ち上がっている。日本資本主義の根幹をなしてきた自動車産業が大不況に陥る中で、真っ先に首切りの対象とされた派遣労働者の荒々しいストライキ決起も始まっている。
 国鉄1047名闘争が解雇撤回の原則を真っ向から貫くならば、それはこうした労働者の闘いを牽引(けんいん)し、その中で歴史的勝利を手にすることは絶対にできる。100万ともいわれる国鉄闘争支援陣形が、今日まで国鉄闘争を支えてきたのも、そのためであったと言って過言でない。
 それに背を向け、敵階級の絶望的延命策としてある民営化と非正規雇用化の先兵と化したのが4者・4団体路線だ。12・14集会は、これと真っ向から対決して、国鉄闘争を基軸に全労働者の勝利を切り開く闘いだ。

 動労千葉と共に職場から闘おう

 動労千葉と5・27臨大闘争弾圧被告団が、ともに国鉄闘争勝利に向けて集会を呼びかけたのは、決定的な意味を持つ。
 分割・民営化以来の国鉄闘争の継続に追いつめられ、破産をあらわにしているのはJR資本の側だ。安全問題、要員問題、労務支配のすべてにおいて、JR体制は破綻している。この矛盾を突いて勝利を切り開いてきたのが動労千葉だ。JR体制の矛盾を背負わされた「平成採」の青年労働者の怒りの反乱も始まっている。職場生産点で資本と対決すれば、労働者は勝利できる。
 1047名解雇撤回闘争勝利の展望もそこにある。12・14集会に結集し、5・27臨大闘争弾圧粉砕・国鉄闘争勝利に向かって前進しよう。

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週刊『前進』(2370号3面2)(2008/12/01 )

 スペイン 日産工場で労働者デモ

 学生、高校生もゼネスト決起

 スペイン北西部に位置する同国第2の大都市バルセロナ(カタルーニャ州)で10月29日の晩、2000人の労働者が日産自動車の首切り計画に抗議してデモを行った。これは日産が同13日に、バルセロナで日産工場労働者の40%にあたる1680人の解雇を発表したことに対するものだ(同国全体での日産の労働者数は6100人)。労働者の闘いは11月11日にも闘われ、このときは数百人が集まり、日産の事務所に対してビンを投げるなど抗議行動は一層激しさを増した。
(写真 左 日産自動車の首切り計画に反対して、2000人の労働者が抗議のデモ【10月29日 バルセロナ】)
(写真 右 数十万の学生・高校生が全国60カ所で、教育の民営化反対のゼネストに決起【11月13日】)

 世界金融大恐慌が爆発する中、スペインでは失業率が急上昇している。EU統計によれば同国の9月の失業率は実に11・9%で、EU平均の7%を大きく上回り、加盟国中最悪だ。また、欧州自動車工業会が14日に発表した10月の欧州新車登録台数は前年同月比14・5%減と大きく減少している。とくにスペインで40%減、イギリスで23%減と驚くべき落ち込みだ。このため、アメリカのGMやスペインメーカーのセアト(SEAT)も解雇計画を発表している。
 またイギリスとスペインはアメリカと同様、住宅バブルの激しい崩壊に見舞われている。EU委員会の経済予測では、10〜12月の成長率がイギリスでマイナス0・4%、スペインでマイナス0・3%だ。
 このような中、スペインでも労働運動が日々激しさを増している。特徴は、イタリア・ドイツ・フランスなどに見られるように、この闘いに学生が大合流していることだ。
 11月13日に、バルセロナ7万人、マドリード3万人を先頭に全国60カ所で数十万人の大学生、高校生が教育の民営化反対のゼネストに決起した。世界大恐慌の深まりの中、「生きさせろ!ゼネスト」は今や全世界の労働者階級人民の共通の叫びとなった。

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週刊『前進』(2370号3面3)(2008/12/01 )

焦点 ソマリア沖への海自派兵法案

 武力行使狙い自公民結託

 政府は、「アフリカ・ソマリア沖で頻発する海賊行為からタンカーや商船を守る」という口実で海上自衛隊の護衛艦などを派兵するための特別措置法を来年1月予定の通常国会に提出しようとしている。東京新聞11月25日付によると、その素案は以下のとおり。
 護衛対象は日本関係船舶とそれ以外の外国船籍を含む各国船舶。海自艦の具体的な活動に@海賊船への停船命令や立ち入り検査、A海賊船から攻撃を受けた場合、正当防衛に必要な武器使用、などを挙げている。P3C哨戒機による洋上監視も検討対象としている。
 「海賊」から守ることを掲げているが、その実体はロケット砲や機関銃で装備された武装勢力であり、それとの「正当防衛に必要な武器使用」とは、憲法9条1項で禁止された武力行使であり、2項で禁止された交戦権の行使そのものである。そして、日本船のみならず、外国船を守るとして武力を行使すれば、集団的自衛権の行使となり二重三重に憲法からの逸脱になる。日帝の海外派兵の歴史の中でも、武力行使に直結する、決定的なエスカレーションである。
 同法案の推進では民主党も同罪だ。同趣旨の議員立法を目指す超党派(自・公・民)議員連盟「新世紀の安全保障体制を確立する若手議員の会」に民主党前代表・前原誠司らが加わっている。小沢民主党もアフガニスタン侵略戦争、ソマリア沖海自派兵を進めることは間違いない。
 今年6月、国連はソマリア沖で海賊行為が頻発しているとして、各国に対処行動を求める決議を採択した。ソマリア沖派兵法案はそれを根拠にしている。だが、ソマリアへは、米帝の支持の下でエチオピアが軍事介入しており、ソマリアの武装闘争勢力と戦争状態にある。米帝は武装闘争勢力の一部をアルカイダとみなし、07年1月には南部の拠点を空爆し多数の死傷者を出した。
 ソマリア沖の「海賊」は、もともとはソマリアの漁師で、仕事を失った人びとだといわれる。「海賊」組織の広報担当は「ソマリアに軍を送る国は、米国であれ日本であれ間違っている。我々の海をもてあそぶな。すべての外国船が出ていくまで戦う。死ぬのは一度。怖くない」と帝国主義の侵略戦争と闘う立場を明確に表明している(朝日新聞11月15日付)。
 日帝はイラク侵略戦争から撤退を決めたが、アフガニスタン侵略戦争のための給油活動は必死に継続しようとしている。また、アフリカの鉱物資源や市場、勢力圏をめぐっての帝国主義間争闘戦にも全力で対応しようとしている。
 こうした中で、ソマリア沖での「海賊」を口実とする臨検活動は、ソマリア侵略戦争であると同時に、アフガニスタン・イラク侵略戦争支援の臨検でもある。ソマリア沖とはインド洋であり、アフガニスタン沖、ペルシャ湾沖、紅海沖と重なっている。日帝はこの地域で給油活動に加え、新たに臨検という「戦争行為=武力行使」を行おうとしているのだ。この侵略戦争の拡大を阻止しよう。

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週刊『前進』(2370号3面4)(2008/12/01 )

焦点 トヨタなどで「派遣」大量解雇

 高まる青年労働者の怒り
 世界大恐慌の中、自動車、電機などで大量首切りが激化している。とりわけ非正規労働者の青年たちが真っ先に解雇されている。
 トヨタ自動車は10月に派遣、季節工合わせて3000人を解雇、年度内にさらに3000人を解雇するとしている。外国人労働者が多数解雇されている。トヨタ自動車九州はすでに800人を解雇、来年1月以降さらに850人を解雇する。地元の街は若者が大きく減り、がら空きのアパートがあちこちに並ぶという。
 いすゞ自動車は、国内2工場で派遣、期間工全員1400人を12月末で解雇すると発表した。シャープは携帯電話の部品を造る福山工場(広島県)の派遣労働者300人を12月末までに解雇する。解雇者は自動車・トラック・電機大手だけですでに1万7千人規模に達し、下請け・関連企業を含めれば数倍に膨らむ。
 資本家は「期限切れで契約を打ち切り、期限前でも1カ月以上前に通告すれば合法だ。何の問題もない」というが、そんな問題ではない。正規労働者の半分や3分の1という、まともに生活できない超低賃金で雇い、企業がもうからなくなれば真っ先に首を切る、労働者の生活のことなど知ったことではない――一体、こんなことがどうして許されるだろうか。労働者は、資本家の奴隷ではないぞ!
 いったん首を切られたら、次の仕事を見つけるのも大変困難だ。住居からも追い出され、文字どおり路頭に放り出される労働者が数多くいる。本当にこれは労働者にとって「死ね」という攻撃だ。
 政府が今国会に提出した労働者派遣法改定案は、この現実を何ひとつ変えるものではない。最大焦点である登録型派遣の規制は見送られた。法案づくりの過程で資本家が主張したことは、「われわれは、低コストで便利な派遣労働を前提にしたビジネス・モデルを構築した。その成功の条件を崩すべきでない」ということだ。
 これは、”労働者を人間として扱わない。賃金奴隷として使いまくるぞ”という宣言だ。
 森精機奈良第一工場で、解雇通告に怒った派遣労働者が24時間ストに立ち上がった。「会社がもうからなくなったら、ボロぞうきんのように捨てられる。絶対に許せない」と、組合結成後1カ月でストに立ったのだ。派遣会社を相手に闘うだけでなく、首切りと虫けら扱いの元凶である派遣先の大企業に真っ向からストをたたきつけたことが決定的だ。派遣元と派遣先を串刺しにする決起だ。
 中野洋動労千葉顧問は、非正規雇用労働者の現実は厳しいけれど「この現実を逆手にとって労働者が団結して闘えば、相当思い切ったことができる」と語っている(『新版 甦る労働組合』)。それを証明したのが森精機の派遣労働者の闘いだ。
 派遣法粉砕、非正規職撤廃、「生きさせろ!ゼネスト」の実現に向かって全力で労働者階級の闘う団結をつくりだそう。労働者を虫けらのように扱う資本家どもを打倒し、労働者階級が権力を握り、新しい社会をつくろう。

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週刊『前進』(2370号4面1)(2008/12/01 )

 “橋下ぶっとばせ” 11・21大阪

 ワーカーズアクション

 200人が府庁包囲のデモ

 道州制=首切り粉砕へ闘う熱気

 11月21日、ワーカーズアクション・カンサイが主催する「ぶっとばせ!橋下 府庁前行動Part1」が200人の結集で闘われた。午後6時30分、府庁本館の目の前にある大阪城公園に関西各地から続々と労働者・学生が結集した。
「橋下打倒!」「首切り粉砕!」。府職労働者が注目、沿道の学生らが合流したワーカーズアクション・カンサイのデモ(11月21日 大阪)
 集会の基調報告を行った豊中市職の労働者は「今日は労働者の団結だけにかけきって、麻生とか橋下とか資本家階級を全員引きずり下ろして、私たちが社会を回していくことを宣言する集会です。労働者の敵であり資本家の手先の橋下が進める道州制とは、公務員労働者全員の首を切って、労働運動をつぶす攻撃です。でもこんな橋下の計画は絶対にぶっとばせます。世界恐慌に対して革命をたたきつける労働運動、つまり11・2労働者集会で示した動労千葉労働運動のように闘えば、この国家あげての攻撃をぶっとばすことができます。今日はその第一歩。橋下を倒すまで、何度でもやりましょう」と意気高く訴えた。
 続いて発言した大阪府職の労働者は「労働者から搾取し労働者を殺していく資本主義社会を一日も早く終わらせましょう。橋下がやっていることは『資本主義を続けるために労働者はガマンせよ』ということです。橋下と労働者は一生、平行線。グラグラになっている橋下を打倒してこの社会を変えましょう」と元気いっぱいに発言した。
 また大阪市の教育労働者も「橋下の『教育非常事態宣言』は、教育を民営化して労働者を全員解雇し、国家のために働く者だけを再雇用しようという攻撃だ。橋下よ、処分するならしてみろ! 私たちは職場から橋下打倒の闘いを組織していく」と怒りをたたきつけた。
 民間の青年労働者は、「今の大阪府の財政赤字をつくったのは今までの知事と財界じゃないか。犠牲だけを労働者に押し付ける資本主義は終わっています。もうこれは革命しかありません。11月2日の労働者総決起集会で分かったことは労働者は業種や雇用形態、地域や国が違っても置かれている状態は同じだということです。公務員も民間も、正規職も非正規職も関係ありません。労働者は一つなんです。万国の労働者と団結して闘えば、本当に世の中変えられるんだと見せ付けてやりましょう」と訴えた。
 派遣先の森精機奈良工場でストライキで闘った関西合同労組大阪東部支部・技能育成センター分会の労働者は、「資本に対して第2波、第3波のストライキで最後まで闘い抜きます」「今、全国で何千人と首切りされた人たちが、何とか立ち上がってほしいという願いでさらにストライキに立ち上がります」「おれたちは血の通った人間だ。雇用契約を破って平然と居直る技能を許さず、森精機と技能育成センターを串刺しにする闘いをやります。新自由主義の突破口としてある労働者派遣法の粉砕をこの闘いから始めます。全国の非正規労働者の反乱は必ず起きると確信しています」と訴えた。
 さらに、部落解放同盟全国連西郡支部、泉州住民の会、全学連、国鉄1047名解雇撤回を闘う国労組合員らが、次々と橋下の道州制攻撃への怒りを目の前にある府庁にたたきつけた。最後に大阪市職の青年労働者が団結ガンバローの音頭をとり、集会の熱気も冷めやらぬ中で府庁を包囲するデモ行進を行った。
全員プラカードを持ち意気高く行進
 参加者全員が「橋下倒せ」「解雇撤回」のプラカードをもち、道幅いっぱいに広がってデモ行進。府庁の建物の窓という窓からは、残業を強いられている府職の労働者がデモ隊を注視していた。また、沿道の学生らがともにこぶしを突き上げてシュプレヒコールを行い、デモ隊に合流してきた。
 橋下打倒の闘いがついにその足元から始まった。これは橋下と資本主義社会を丸ごとひっくり返す歴史的闘いの出発点だ。

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週刊『前進』(2370号4面2)(2008/12/01 )

 大阪・西郡 住宅民営化に反撃

 市の説明会、中止させる

 世界金融大恐慌が始まった中で、新たな八尾市丸ごと民営化攻撃に対し、西郡闘争は住宅説明会を中止させる決定的な勝利をかちとった。「闘いを恐れたんですね」「うちらはすごい力があるんやな」と意気はますます上がっている。
 橋下知事の道州制を支持する田中八尾市長は、突然「11月23日と25日に公営住宅のあり方検討についての説明会をする」と言い出した。中身は「行財政改革に沿って、市営住宅に関する事務事業の総点検」を行うというものだ。同和住宅を解体し、西郡住民を追い出す住宅の民営化攻撃だ。
 その一方で田中市長自らが本部長となり、12月を「債権滞納整理特別強化月間」に決め、市税、国保、住宅、保育料などの「滞納者」に強制執行も含む取り立てを行うと宣言した。
 ふざけるな! 金融大恐慌による失業・倒産で真っ先に部落の労働者は首を切られている。応能応益家賃制度を導入し国保の減免を廃止して、払いたくても払えなくしているのは八尾市や資本家だ。そもそも財政赤字の責任は労働者や住民にはない! だいいち差別と闘って建てさせた住宅だ。八尾市の勝手にさせないぞ!
 ムラぐるみの怒りを引き出し、新たな応能応益絶対反対の闘いの決定的チャンスだ。全国連西郡支部は、八尾北労組、守る会、供託者とともに拡大闘争委員会を開催、猛然と反撃に立ち上がった。ビラ入れ、宣伝カー、オルグに走った。八尾市とその手先・解同本部派=「まちづくり委員会」との激突が不可避になった。闘いの爆発を恐れた八尾市は、急きょ22日夜「説明会」の中止を決定した。大勝利だ。
 住宅民営化は、400万人公務員全員をいったん解雇する橋下の道州制攻撃の一環だ。労組指導部が屈服していても、悪質サラ金以上の取り立て屋にされてたまるかと、青年労働者を先頭に公務員労働者は立ち上がっている。
 「生きさせろ!」の反乱が始まった。「強化月間」の中止に向かって闘おう。
 12月12日(金)午前10時と午後3時、西郡住宅裁判闘争に決起しよう。
(写真 11・21橋下打倒集会に決起し、集会で「住民説明会」粉砕の決意を語る西郡支部)

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週刊『前進』(2370号4面3)(2008/12/01 )

 人生かけ革共同にカンパを

 獄中の19学生を即時奪還し国際的な労働者党の建設へ

 労働者階級が切望した革命の時、世界金融大恐慌がついに到来した。
 この日に向かってあらゆる反動を撃破し、職場で、地域で、学園で、最高の団結を固めて闘ってきたすべての同志の皆さん、『前進』読者の皆さん、支持者の皆さん。
 革共同は今、皆さんとともにかちとった11・2集会により、党創設以来最高の到達地平に立っています。
 皆さん! 資本主義300年の歴史の中でついに切り開いた革命的情勢と闘いをがっちりとつかんで離さず、世界革命への大決戦に勝利する歴史的な大カンパを熱く訴えます。

 青年・学生が先頭に

 08年の血路をまず切り開いたのが青年労働者と学生でした。5・29法大デモに恐怖した法大当局と権力は学生に襲いかかってきたが、学生は一歩もひかずに徹底抗戦で迎えうちました。2年間で計88人逮捕、22人起訴という大弾圧に、全員が「完黙・非転向」で団結を守ったのです。だから彼らは喜びに満ちあふれています。権力は大消耗です。
 この史上最強の学生革命家集団が生まれた根拠は、「新自由主義大学」=法大への極限的怒りでした。競争をあおり労働力製造工場と化した法大は、反抗する学生には右翼を警備員として雇って暴力の限りを尽くす無法地帯と化していました。
 これに対して全学連は、「階級的団結論」「絶対反対論」を武器に断固として立ち上がりました。これに文化連盟も続き、団結が団結を生み、学生が続々と決起し、革命が起きたのです。
 学生と青年労働者の怒りは同じ怒りです。学生は労働者階級そのものです。獄中の大事な仲間を絶対に奪還しよう。保釈金は1人あたり400万円、全員で1億円という途方もない額を強要しようとしています。裁判所は彼らの存在を恐れているからこそ、こんな高額保釈金攻撃にうってでてきたのです。団結の力を発揮し保釈金カンパを圧倒的に集めよう。この闘いの中で絶対に星野文昭同志を奪還しましょう。
 すべての原動力は「動労千葉のように闘おう」という団結の力でした。
 今年前半の大決戦、サミット粉砕の6・29渋谷スクラムデモは老若男女が力を振り絞り、団結のすごさを共有しあいました。「労働運動の力で革命を。団結の拡大が革命だ」という路線の正しさを誰もが実感しました。こうして私たち労働者の体内にマルクス主義が甦(よみがえ)ったのです。まさしく日本の階級闘争の歴史を塗り替える大転換を実現したのです。

 世界革命をやろう

 さらにまた、11・2労働者集会を頂点とする国際連帯の諸行動をとおして、日米韓の労働者は歴史的な挑戦をしています。世界大恐慌に対して資本主義の命脈は尽きたという時代認識、体制内労働運動との対決、革命に向けた路線的・戦略的意志一致、帝国主義とスターリン主義に関する現代社会の根底的把握、労働者階級と一体となったボルシェビキ党の建設。こうしてついに世界革命へのリアルな巨歩を踏み出しました。米韓の労働運動の現場は党を求めて11月集会に結集し、労働者階級と一体となった革命の党、労働者の党を建設することを誓いあいました。
 世界革命をやるためにこそ、革共同は闘ってきました。それがいよいよ目の前に広がっています。勝利のために必要な莫大な闘争資金を団結の力で集めよう。人生をかけたカンパへの決起を熱烈に訴えます。
 金融大恐慌は全世界の金融機関を破綻に追い込んでいます。帝国主義は銀行に公的資金を投入していますが焼け石に水です。アイスランド、ハンガリーなどは国家破綻です。
 リーマン破綻の衝撃は、今やビッグ3にまで及んでいます。米帝は顔面まっ青です。それ以上なのが日帝です。利益の6割を北米市場に依存してきたトヨタは74%の減益です。いわゆる「トヨタ・ショック」は日本帝国主義の崩壊そのものです。
 死の苦悶(くもん)にのたうちまわる資本主義は、犠牲を労働者に全部おしつけてきています。首切り、賃下げ、強労働、増税、医療費値上げ、年金切り捨て。大恐慌は社会の崩壊です。それは戦争と一体です。ドルは揺らぎ、帝国主義は分裂し、グルジアでは火が噴いてます。危機に駆られて自衛隊も田母神発言を皮切りに侵略衝動を絶望的に募らせています。

 今が歴史の分岐点

 300年続いた資本主義は命脈尽きました。今や世界革命は全世界の労働者の唯一の希望であり、切実な欲求です。ボーイング社でのストライキ、ハイテックコリアの籠城(ろうじょう)闘争、ドイツのゼネスト、ウォール街でのデモ、ロンドンシティーでの銀行突入。世界中が内乱です。世界金融大恐慌をめぐる闘いがそのまま革命に直結していく情勢になっています。世界中の労働者階級が心からそれを望んでいる叫びが聞こえてきます。
 この激動の時代にあえて圧倒的なカンパをお願いするのは、今この瞬間が、資本主義の延命を許すのか、世界革命かの分岐点だからです。
 金融大恐慌情勢に震え上がる日本の体制内労働運動=「4者4団体」路線に対して、全世界の労働者は「解雇撤回を投げ捨てることは非常識」と弾劾しています。資本家にひざまずくことは労働組合の死です。戦前の日本は労働組合が国家にすがるお願い運動に走ることで産業報国会になり、戦争を許したのです。だからこそ、ここでの勝敗は歴史を左右します。今こそ、動労千葉のように闘う労働組合を甦らせる時です。
 民主労総が「動労千葉は潜在的に巨大なパワーをもっている。無限の可能性がある」と述べているように、動労千葉労働運動は世界を獲得しています。この中で革共同は、第2次国鉄決戦を軸にした全産別での闘いに飛び出し、三里塚反対同盟農民との労農同盟の圧倒的強化をはじめとして全戦線で歴史的闘いにうって出ています。
 皆さん! 日本と世界の労働者階級は、ついに歴史を大転換させる大胆なる魂のもとに、路線と党を獲得しました。
 史上空前の大恐慌へ突入した今、革共同は09年、大恐慌に「生きさせろ!ゼネスト」を対置して革命をぐいぐいとたぐり寄せます。歴史的挑戦をやりぬく革共同に、人生そのものの全力の大カンパを訴えます。

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週刊『前進』(2370号4面4)(2008/12/01 )

 新刊紹介 コミューン 1月号

 中国人民の大反乱

 世界金融大恐慌の直撃を受け、中国経済は輸出減退と、バブル崩壊に直面している。工場閉鎖が相次ぎ、労働者階級人民のストライキや暴動が頻発している。中国スターリン主義は新自由主義政策を満展開し、「資本主義国家も顔負けの資本家寄り」と言われるほど労働者農民に対する搾取の限りをつくしてきた。噴出する労働者農民の怒りは必ず中国スターリン主義打倒の中国第2革命にのぼりつめていく。
 第1章は、「世界金融大恐慌の直撃受け陥没する中国経済」で、世界大恐慌の真っ只中にある中国経済の危機の諸様相と爆発する人民の闘いを伝えている。
 第2章は、「WTO加盟後に一挙拡大した貧富の2極分化」で、改革・開放政策の行き詰まりを、胡錦涛政権が体制護持をかけて成長路線を推進してきたが、今や完全に破綻していることを暴いている。
 第3章は、「中国スターリン主義の労働者支配の要=工会」で、中国労働者階級にとって今や労働者統制の要である総工会(労働組合)支配の打倒が問題になっていること、その闘いが始まっていることを描いている。
 翻訳資料は、イランの労働者階級の闘いに関する「イラン労働者支援国際連合」の資料。激しい弾圧に屈せずストライキとデモで闘う労働者の現状が生き生きと伝わる。

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週刊『前進』(2370号5面1)(2008/12/01 )

 法大・増田総長打倒し19人の即時奪還を

 新自由主義大学は破綻した! 全力で1億円保釈金カンパを

 マル学同中核派法政大学支部

「増田は出てこい!」と総長室前でシュプレヒコール(10月17日)

 すべての同志のみなさん、読者のみなさん、支持者のみなさん! この12月、獄中同志19人を奪還する闘いにいよいよ突入しました! 11・2労働者集会を頂点とする08年決戦でかちとったすべての力を結集して、裁判所を大包囲し、1億円の保釈金カンパを集めきろう! 獄中同志19人の年内奪還を絶対にかちとろう! 

 法大当局、国家権力を追いつめる階級裁判に

 法大裁判は、法大キャンパスの闘いと一体的に前進し、東京地裁を揺るがす一大階級裁判として闘われている。数十人の廷吏や警備員の包囲する警備法廷裁判、東京拘置所職員による重戒護態勢の中、19人の被告は退廷も辞さず裁判長と対決し闘っている。19人の被告が獄壁をのりこえて団結し、弁護団や傍聴の仲間と一体となって裁判所・検察を追いつめ、圧倒している。回を追うごとに、被告団は裁判の主導権を奪い返している。裁いているのは裁判所ではなく被告団の方だ。
 法大裁判は、「監獄大学」としての法大の実態を満天下に暴きながら闘われている。弾圧部隊=ジャージ部隊の正体も「警備員」、要するに「偽装職員」であったことが判明した。学生支配のために、60個以上の監視カメラで武装し、警察と結託する当局の実態を暴ききった。
 被告団の闘いは検察側立証の破綻を強制している。5・29法大裁判では、検察が証拠申請していた証人2人を撤回、写真報告書などの調書も取り下げた。検察はグラグラである。大量弾圧、政治弾圧であるがゆえに、ボロがどんどん出て、裁判などもはや成り立たないところにまで追い込んでいるのである。「証拠隠滅の恐れ」などという理由で、19人を半年以上、いや一日、この一瞬たりとて勾留する根拠など何ひとつないのだ。検察は、証拠の訂正、差し替えなどで事件を捏造(ねつぞう)し、ひたすら長期勾留のための裁判をやっているのである。
 19人を釈放せよ! 法大裁判はもはや裁判の体をなしていない。そもそも「革命」を裁判では裁けないのだ。だから権力は刑事事件を捏造する。検察による弾圧は全部破産している。検察側立証を中止し、今すぐ公訴を棄却し、即刻19人を釈放せよ! 裁判所、検察庁を包囲し、法廷を制圧し、19人の「保釈」を声を大にして訴え、即時奪還をかちとろう!

 弾圧を糧に不屈に成長する獄中の革命家たち

 獄中の19人は革命運動にとってかけがえない同志たちだ。東京拘置所の中で、未来の革命的共産主義運動を担う若い同志が日一日と革命の指導部へと成長している。
 19人の意見陳述集は、あふれる個性と革命への情熱のつまった偉大なものだ。意見陳述集は多くの労働者の心をとらえ、獲得している。四つの裁判では、被告が毎回毎回怒りの意見陳述をたたきつけ、裁判長の支配する法廷を「革命の演壇」へと転化している。
 獄中の19人は『資本論』をはじめとするマルクスやレーニンの文献をむさぼり読み、マルクス主義者として自己を鍛え上げている。とりわけ、中野洋前動労千葉委員長の『新版 甦る労働運動』、萩原進反対同盟事務局次長の『農地収奪を阻む』を刊行後真っ先に学習し、闘う武器としてわがものとしている。獄外には文献の書評、感想文が多く寄せられている。まさに、東京拘置所は「小菅キャンパス」であり、文字どおり「革命の学校」だ。
 東京拘置所の弾圧も激しい。アーリーン・イノウエさんの差し入れたTシャツを着たという理由だけで、さらには法廷で傍聴人と握手をしたことが「不正連絡」だと強弁して、2人の学生に「懲罰」攻撃をかけてきた。そして拘置所当局はついにTシャツを全員から強奪、この暴挙を弾劾して拒否した同志も「懲罰」にした。裁判自身が大破綻するなかで、獄中同志に言語道断の制裁を科しているのだ。
 しかしこうした懲罰や制裁にもまったくひるむことなく、逆に19人の団結を拡大し、弾圧をも獄中闘争の糧にして闘っている。この19人だからこそ、検察官と裁判長は、保釈することにものすごく恐怖しているのだ。
 法大当局よ! 検察、裁判所よ! お前らのもくろみは、とっくの昔に崩壊しているのだ! 無駄なあがきはやめ、19人を釈放しろ!

 12・4対総長室デモで仲間を取り戻すぞ!

 今こそ獄中19人を奪還しよう! 19人の即時奪還に向けて、キャンパス、裁判所を揺り動かす獄外の闘いが決定的だ。12・4法大デモは、増田総長打倒を掲げ、処分を粉砕し、獄中同志を奪還する闘いだ。検察側立証はもはや破産した。12・4で増田総長を追及し、即刻起訴状を取り下げさせ、19人を奪還しよう!
 ついに大学が倒産する時代に突入した。金融大恐慌が爆発するなか、駒沢大学が154億円、続いて立正大学も148億円の損失を出して経営破綻した! 年間120万円もの学費を学生からむしり取り、その金を担保にして証券化商品を買いあさり、利益に群がろうとする新自由主義大学の路線が破綻したのだ。
 倒産の危機に立つ大学は、延命のために必死にあがいている。法政大学では「奨学金を返すという誓約書を書け」という放送が毎時間流されはじめた。麻生政権の「9カ月以上の延滞に対しては支払い督促申し立てなどの法的措置をとる」というサラ金政策を率先して行っている。
 学生を借金漬けにしなければもたない大学などつぶれてしまえ! そもそも年間120万円の学費など労働者が払えるか! たとえ年間法外な学費を払って卒業しても、金融大恐慌のなかで学生の就職内定がバンバン取り消されている。道州制の導入で、警察と消防以外の公務員は200万人規模で首を切られる。弁護士だってワーキングプアを強いられる時代だ。
 ついに、清成総長以来掲げていた「自立型人材」「キャリアパワー」を大学のスローガンに掲げた法大当局の路線は、金融大恐慌と資本主義体制の崩壊のなかで完全に吹き飛んだ。授業や単位、資格といったものは、一片の価値もなくなろうとしている。すべて大学の「貧困ビジネス」だった。
 破産しきった法大当局は、闘う学生への年内処分強行方針に、どこまでもしがみついている。何が処分だ! そもそも演説やビラまきが規則違反だというが、2年間で88人の学生を逮捕させる大学、ジャージ部隊を「嘱託職員」と偽って投入し暴行させる大学、ジャージ部隊の正体が暴露されても平然として恥じず、職員を動員してビラまき弾圧、ストーカー、ジャージ部隊以上の弾圧をやる大学に、学生を処分する資格も力もないのだ。法大当局こそ処分されるべきなのだ。増田総長こそ、法廷に引きずり出して処断されるべきなのだ。
 もはや腐りきった監獄大学には、一分一秒も我慢ができない。大学を止め、社会を止めることなしにわれわれは生きることができない。法大当局の言う「キャリアパワー」ではなく、「一人の仲間も見捨てない」と労働者学生の団結にかけきって闘うことこそが学生の生きる道だ。
 大学の破綻と時を同じくして、「全世界学生ゼネスト」とも言うべき学生の闘いが全世界で始まった! 学生の闘うスローガンには「教育の民営化反対」「教育の新自由主義化反対」が共通して掲げられている。「資本論を読もう!」と、マルクス主義の復権が叫ばれている。まさに学生も「生きさせろ!」だ。
 12・4総長室デモは、この世界の闘いとひとつの闘いだ。法大決戦は、金融大恐慌にプロレタリア革命をたたきつける世界最先端の闘いだ。12・4を突破口に09年学生ゼネストへと攻め上ろう!

 19人即時奪還かちとり09年法大決戦の爆発へ

 19人の即時奪還の勝利をかちとり、09年法大決戦を爆発させよう!
 法大決戦は、2年間でのべ88人の逮捕者、22人の起訴者を出しながら、法大当局・資本と絶対非和解的に対決し、団結のみに依拠して闘ってきた「21世紀型学生運動」である。労働者階級の先頭で、最も激しく資本と衝突してきた闘いだ。この法大決戦の爆発の中に日本階級闘争の未来がある。獄中で闘う19人の学生は、09年の日本階級闘争にとって必須不可欠の指導部なのだ。
 12月、法大決戦の勝利的地平に立ち、裁判所を包囲して、裁かれるべきは裁判官・検察官、そして総長・増田寿男であることをつきつけ、団結の力で同志たちの奪還をもぎりとろう! 東京地裁を揺るがし、力関係をひっくり返し、全員の保釈をかちとろう!
 いよいよ本格的な保釈金闘争に突入しよう! 富山大で「建造物侵入」で、逮捕・起訴された武藤淳範君の保釈金は400万円。不当に高額な保釈金を要求する裁判所に負けるわけにはいかない。20人全員の保釈をかちとるためには、合計で8000万円、裁判闘争費用、獄中闘争費用を合わせて1億円を年内に集めきる闘いが大決戦となっている。
 すべての皆さん! ぜひとも力を合わせて19人全員の保釈・奪還をかちとろう!

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週刊『前進』(2370号5面2)(2008/12/01 )

 法大弾圧裁判 5・29デモ弾圧1G 強権的訴訟指揮を追及

 検察の「証拠」撤回相次ぐ

 11月20日、法大5・29デモ弾圧裁判(第1グループ)の第5回公判が、東京地裁(稗田雅洋裁判長)で行われた。
 冒頭、後藤玲子さんが退廷命令をはじめ不当な訴訟指揮への怒りを表明した。「前回公判で私たち4人と傍聴者の多数を退廷にした。その後、抗議し説明を求めた私と原田幸一郎君を再び退廷させ審理を進めた。私たちは『逃亡の恐れあり』などと言って、半年も仲間や家族・友人と隔離され自由を奪われている。しかし法廷から排除しているのは裁判長だ。前回審理がよくわからないまま私はこの場にいる。こんなふざけた訴訟指揮は断じて許されない」
 さらに「なぜ山本進君だけ公務執行妨害の疑いがかけられているのか。5月29日、法大当局と公安が一体となった政治弾圧に怒り、全員が全力でこれを『妨害』した。不当逮捕を止めに入ることが犯罪とはふざけんな。分離公判を許さない」と、裁判所が山本君単独の公判開催を考えていることを厳しく批判した。
 内山佳久君が証拠採用について意見を述べた。「検察官は、請求した証拠を相次いで取り下げている。下手な鉄砲も数撃ちゃ当たると思っているかもしれないが、自爆している。大量逮捕と長期投獄だけが政治目的だったからこそ検察立証は破綻した。勾留をいますぐやめ、デタラメな検察側の証拠を採用するな」
 そして「証拠」のお粗末さを暴いた。建造物「侵入」の入り口を間違えた実況見分調書。公安刑事が早朝から長時間、学生を無差別に盗み撮りしたビデオ映像。「偽装職員」と判明したジャージ部隊・永島や、学生盗撮常習犯の職員・猪脇が撮影したビデオ。「こんなものを採用決定する裁判とは、検察と裁判官が一体となった茶番だ。すべてを撤回せよ!」
 今回、証人として現れたのは、警視庁公安4課の刑事、河原崎久登だ。麹町署の公安刑事太田善昭の作成したデタラメな写真撮影報告書を撤回せざるを得なくなった検察官が追加請求したのだ。
 河原崎は、5月29日に逮捕された学生の写真撮影を麹町署で行い、現像して提出したという。しかし、2〜3週間後に麹町署から写真の改竄(かいざん)を求められた。河原崎は学生の両脇に立つ2人の警官を隠すために、写真に黒い紙をのせて学生だけを再撮影した。太田は自分の報告書にこの写真をはった。5・29弾圧の下手人たちを隠すために、組織的な隠蔽(いんぺい)工作が行われた。それが河原崎の証明した事実だ。こんな捏造写真が証拠になるわけがない。
 その後、証拠採用の手続きとして、実況見分調書の提示とビデオ映像の上映が行われた。ビデオ映像には、ジャージ部隊による暴行場面がはっきり映っている。一方で、5・29集会とデモに参加する学生の生き生きとした姿があふれ出した。
 そして、建造物侵入デッチあげの最後の検察側証人として、清宮隆前総務部長が登場した。06年の3・14弾圧から5・29弾圧に至るまで、総務部長として学生弾圧を指揮してきた極悪人だ。現在「通信教育部事務部長」だという清宮は、ジャージ部隊とともに闘う学生の前から姿を隠そうとしている。声には力がなく「……と聞いている」などと自分の責任をごまかす証言ばかりを続ける。
 検察官が「警備員の増員でデモや集会は収まったか」と問うと、清宮は「逆にかえってひどくなったと理解している」と答えた。だから「今年の4月1日、新たな警備員を入れた」というのだ。4月1日にジャージ部隊を配置したのは清宮だ。非合法の暴力部隊に学生を襲わせた責任をごまかそうとしても無駄だ。
 次回12月8日の公判は、清宮への反対尋問を行う予定だ。卑劣な弾圧者の正体を暴き、その責任を問う裁判を行う。
 この日、弁護団は保釈請求書を裁判所に提出した。いますぐ全員を釈放せよ。圧倒的な傍聴と保釈金カンパ闘争への決起を呼びかける。

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週刊『前進』(2370号5面3)(2008/12/01 )

 アメリカの学生運動 「占領ではなく教育に」

 サンフランシスコ州立大学 予算削減に抗議集会

 アメリカ学生運動も新自由主義攻撃との闘いに立ち上がっている。課題は全世界共通だ。金融大恐慌に立ち向かう世界の労働者、学生と連帯して闘おう。
 11月12日、サンフランシスコ州立大学で、予算カットに反対する学生たちの大規模な抗議集会が行われた(写真)。3億1千万jの予算カットが夏に発表されていたが、さらに6億6千万jのカットが発表され、授業料は10%値上げだ。正午になると学生は一斉に教室から出て中庭になだれ込んだ。ほとんどの学生が黒い服に身を包み、多くの横断幕は予算カットは許せないと明確なメッセージを掲げていた。
 「クラスを守れ! 予算は占領ではなく、教育に! サンフランシスコの学生は団結しよう!」
 この集会のために「予算カット反対同盟」が立ち上げられ、集会では学生や大学職員が苦しい状況について発言した。
 今回の予算カットに先立つ昨年段階の授業料のレベルでさえ、学生の3分の1がドロップアウトしてしまっている。生活が苦しいため、卒業に平均6年かかってしまうという。そして卒業生の46%が多大な借金を抱えている。今回の予算カットで最も影響を受けるのは、教育の機会を奪われている低所得層の学生やアフリカ系、ラティーノの学生だ。
 何人かの発言の後、予定されていた副学長との話し合いが延期されたことがわかると、学生は学生部へデモ行進した。警備員に阻止され建物に入ることができなかったので、学生は整然と座り込みをした。ついに副学長は姿を現さざるをえなくなり、学生の前に出てくると「わたしは学生の味方だ」と言った。
 夕方になるとキャンパスには寝袋が広げられ、たくさんの食べ物が持ち込まれた。徹夜でキャンパスを占拠し、学生の固い意志を示すためだ。州立大学には自宅から通う学生が多く、今までは連帯感があまりなかったが、泊まり込みで団結をつくることができた。
 途中、警察や当局が妨害に来たが、学生たちは朝まで今後の活動方針などについて議論を続けた。翌朝の8時には解散したが、1週間後にも集会が企画されている。
 「学生部、理事会、そして政府を打倒しよう! 学生、労働者は団結しよう!」 (W)

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週刊『前進』(2370号5面4)(2008/12/01 )

 圧巻 迫力の意見陳述集

 保釈金カンパに活用しよう

 法大弾圧で起訴された学生19人が、裁判の冒頭に行った意見陳述を収録した「意見陳述集」ができました(写真左)。自分たちがなぜ立ち上がったのか、法大闘争にかける思いを真剣に訴えているすばらしい内容です。法大闘争を広めるため、ご活用ください。
 「日本の学生運動史上最大の弾圧に対して、日本の学生運動史上最大の団結で闘い抜いている」(法大文化連盟委員長)法大闘争とともに闘おう! 19人全員の一日も早い保釈をかちとろう!
★『法大弾圧裁判・意見陳述集』B5判96n/頒価1000円/注文は法大弾圧救援会へ 電話 070−5084−7410
E-mail: houdaikyuenkai@yahoo.co.jp
★「法大弾圧救援会ニュース」第3号(写真右)は1部100円

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週刊『前進』(2370号6面1)(2008/12/01 )

 不屈の武装解放闘争と労働者の決起

 米軍支配突き破る闘い

 敗勢深める米帝のアフガン・イラク侵略戦争

 日帝・麻生政権は、米帝のイラク・アフガニスタン侵略戦争が完全な泥沼に陥り、敗勢を深めているにもかかわらず、新テロ対策特措法の延長法案を強行し、侵略戦争参戦を継続しようとしている。新テロ対策特措法延長阻止に向けて、また海上自衛隊のソマリア派兵阻止に向けて、アフガニスタン、イラク侵略戦争の現状を見ていこう。(秋原義明)

 アフガン 武装勢力の制圧地域拡大

 米次期大統領に決定したオバマは米帝の戦争政策の柱として危機に立つアフガニスタン侵略戦争の巻き返しのためにアフガニスタンへの米軍増派を行う方針を打ち出している。が、そのアフガニスタンでは米・NATO軍の敗勢がますます深まっている。今や完全に米帝にとって底なし沼になっており、米帝はさらにパキスタンにも泥沼的に侵略戦争を拡大しようとしているのである。
 タリバン勢力が急速に拡大し、米軍は、わずかな点でしか地上を制圧できていない。米軍幹部自身が軍事的にはまったく見込みがないことを公然と認めざるを得ない状況にある。7年間に及ぶ米帝の侵略戦争は、アフガン人民の生活を根底的に破壊しており、人民は米軍を追い出す以外に生きられないことを実感し、続々とタリバンに加わっているのだ。
カイバル峠を制圧したパキスタンの武装勢力。米軍はアフガンへの物資陸上輸送のルートを失った 
ケシ栽培がタリバンの資金源になっているという口実のもとに、農民の唯一の収入源といってもいいケシ畑を焼き払うような米軍のやり方に、アフガン人民の怒りが高まっている。しかも米軍は追い詰められてますます無差別攻撃を強めており、家族や地域の仲間を殺害された住民の怒りが燃え上がっている。こうして住民が続々とタリバンに結集する中で、タリバンを掃討するどころか、米・NATO軍、政府軍が完全に包囲されているのである。
 米軍が軍事的に絶望的状況に陥る中で、カイライのカルザイ政権も追い詰められている。カルザイが米帝の同意なしにタリバンに和解交渉を呼びかける事態になった。11月16日にはカルザイは「オマル師がアフガニスタン訪問や和解交渉を望むのであれば、私は大統領として(師の)保護に全力を尽くす」と述べた。だが、それもパフォーマンスの域を出ない。和解交渉の提案はタリバンにあっさりと拒否された。だが、米軍の無差別住民虐殺に対してなんの措置もとれないカルザイにアフガン人民の怒りが高まり、カルザイが決定的に追い詰められている。
 そうした中で、タリバンの出撃拠点がパキスタンのワジリスタンにあるとしてこの間、地上軍をも投入した越境攻撃を行ってきたのだ。だが、そこでも地上軍が跳ね返され、現在では空からの空爆に頼らざるを得なくなっている。
 決定的なのはパキスタンからアフガンへの要衝のカイバル峠をパキスタンの武装勢力におさえられたことだ。11月11日、カイバル峠を通っていた輸送部隊を武装勢力が攻撃し、小麦などを積んだ13台のトラックと米軍のハンビー(多用途車両)を押さえて峠を制圧した。これによってアフガンへの陸上輸送ルートが閉ざされた。米軍は作戦遂行に支障はないと言っているが、食糧や軍事物資のすべてを航空輸送に頼らざるを得ないことは決定的な痛手である。
 こうした中、米軍はパキスタン北西部への空爆を強めている。その多くが無人偵察機プレデターで衛星電話の電波をキャッチして位置を特定してミサイルで爆撃するというもので無差別爆撃そのものだ。米軍の無差別爆撃に対してパキスタン人民の怒りが燃え上がっている。
 パキスタンでは世界大恐慌の影響による経済破綻で賃金未払いや解雇攻撃、物価上昇の中で労働者階級のストライキやデモも広がっており、パキスタン政府は国際通貨基金(IMF)からの75億j融資で経済・財政の危機を乗り切ろうとしている。だが、それによる増税は、労働者人民の生活をさらに圧迫し、生活を破壊する。
 こうした状況の中での米軍の越境攻撃と無差別虐殺は、パキスタン人民の怒りを決定的に高めるものであり、武装決起がさらに拡大していこうとしている。パキスタンは今や完全に内戦の危機にある。パキスタンはムシャラフ政権下でワジリスタン州への武装勢力掃討作戦を続けた結果、それが経済を疲弊させた一方で、軍事的にも政府軍が大打撃を受け、武装勢力の制圧地域に手を出せない状況になっている。オバマが米軍増派作戦でパキスタンへの地上軍投入を拡大すれば、パキスタン自身が内戦の泥沼になり、米帝は完全にそこから抜け出せなくなるのだ。

 イラク 米軍駐留に怒りのデモ爆発

写真左 政府の3割賃金カットの中止を要求し、鉱物産業省に向けてデモをするイラクの労働者
写真右 銃を構えた政府軍の規制を打ち破って鉱物産業省前まで行き、代表団の鉱物産業相との面会を要求

 米帝の中東侵略戦争の中軸であるイラク侵略戦争も泥沼であることにまったく変わりない。米帝がスンニ派の一部部族勢力に資金と武器を提供して取り込んで以来、米軍へのゲリラ戦争は減少しているが、それでも着実に戦われている。米軍がイラク人民の武装闘争を制圧することはまったく不可能だ。
 この間、来年1月に国連決議の期限が切れ、イラク駐留の米軍や連合軍の法的根拠(それ自身デタラメなものであるが)がなくなることから、米帝はカイライのマリキ政権との間で米軍地位協定の締結に向けて交渉を重ねてきた。だが、協定はまだ締結にいたっていない。
 地位協定をめぐる交渉は、米帝は国内手続きとの関係で9月が期限だとしてイラク側に早期締結を促し交渉を続けてきた。しかし、イラク国内の米軍長期駐留への反発で、交渉が遅れてきた。10月にも両政府間で合意がなされたと発表させたが、実際はイラク政府内でも反発が強く閣議決定までにはいたらなかった。そして11月16日に「最終案」と称する再修正案で合意がなされ、イラク政府が全会一致で閣議決定したものの、イラク議会でサドル派やスンニ派勢力、世俗主義勢力などの激しい反対で議会そのものが流れる事態になった。その後、マリキはイラクのシーア派の最高権威であるシスタニ師の同意を取り付け、協定案賛成を表明してもらうことで議会での同意を取り付けようとしたが、11月25日の議会でも議決ができてない。
 協定案の内容は、駐留米軍が来年の半ばまでにイラク人居住区から郊外へ撤退し、2011年末までに完全撤退する、イラク領を近隣諸国への米軍の出撃拠点とすることは禁止する、米軍兵や傭兵の基地外での任務以外の時の犯罪についてはイラク法を適用する、双方は1年以上前の事前通告で協定を破棄することができるというものだ。米帝にとって破産したイラク占領の狙いを貫徹するために駐留継続を何がなんでも確保しようということである。
 地位協定締結に対してイラクでは大規模な抗議デモがわき起こった。基本的にはシーア派のサドル支持者によるものだが、イラク人民の中に米軍駐留に激しい怒りがあり、サドル派が支持を拡大している現実がある。その一方で、米帝によって首相に据えられたマリキの米軍駐留継続の押しつけに対して怒りと反発があり、議会過半数が容易に確保できない現実がある。
 イラクでは今、マリキ政権の鉱物産業省労働者に対する3割賃金カットの攻撃に対して労働者が激しく抗議闘争に決起している。11月23日、バグダッドを始め、ナジャフ、クート、ナシリアでデモが闘われた。7月1日に強行された3割の賃金カットは労働者の激しい抗議でいったんは撤回されたが、4カ月半にわたる賃金未払いの上に、さらに3割賃金カットを強行しようとしているのだ。バグダッドでの鉱物産業省に向けたデモ隊は、装甲車と自動小銃を構えた政府軍のデモを解散させようとする規制、警告発砲をはねのけ、鉱物産業省前までデモを貫徹した。
 労働者はこの闘いでハリリ鉱物産業相と代表団の面会を実現し、マリキに要求を伝えることを約束させ、2日間その回答を待つことにしてこの日の闘いを勝利的に貫徹した。
 米軍の占領と世界大恐慌の深化の中でイラク労働者人民の生活も直撃されており、労働者階級の闘いは占領支配を突き破って爆発しようとしている。イラク労働者の革命的な決起こそが米軍支配やカイライ政権を打ち破り、全世界の労働者とともに世界革命の道を切り開く根底的な力なのだ。
米軍駐留の継続を狙う米軍地位協定の最終案に大規模な怒りの抗議デモを行うイラク人民

 帝国主義倒せ今こそ闘う時

 米帝のイラク・アフガニスタン侵略戦争は米帝の死地と化している。米帝が世界を支配する帝国主義であり続けるためにはここで敗退するわけにはいかない。といってこの戦争を勝利的に切り抜ける展望は1ミリもない。次期大統領のオバマがアフガンへの軍の増派を行ったとしても、それはパキスタンを内乱へと引きずり込み、パキスタン労働者階級の怒りの決起に火を付けるものに転化するだろう。オバマが選挙期間中に主張していたイラクからの16カ月以内の撤退も実現不可能であり、米軍はズルズルと居座り続けようとする以外にない。まさにイラク・アフガン侵略戦争は米帝にとって死の苦悶になっているのだ。
 米国内では金融大恐慌の爆発から、自動車産業を始めとした全産業に恐慌が拡大している。労働者階級の決起が広がっている。次期大統領のオバマは体制内指導部を取り込んで労働者階級の闘いを圧殺しようという策動を強めている。このオバマの策動を打ち破り、打倒することが労働者階級の闘いの焦点になっている。そして労働者階級がオバマへの幻想を吹き飛ばして闘う時、米帝の侵略戦争とそれへのアメリカ労働者階級の怒りは、労働者階級の革命的決起を拡大し、革命勝利への決定的な要因となるだろう。
 イラク・マリキ政権がイラク経済を立て直すいっさいの方策をもたない以上、イラク労働者の決起がさらに拡大することは不可避だ。イラク労働者階級は今、米軍占領支配の一切の重圧をはねのけて不屈の決起を開始したのだ。それは、カイライ政権への一切の幻想を吹き飛ばして米帝の占領支配の狙いを打ち砕くものであり、同時にイラクプロレタリア革命への勝利の道を切り開くものである。
 米帝のイラク・アフガン侵略戦争の泥沼的破産、世界金融大恐慌の爆発の中でプロレタリア世界革命の時代がついに到来したのだ。
 11・2労働者集会で切り開いた日韓米国際連帯の新たな地平を受け継ぎ、さらに麻生政権打倒に向けて全力で闘い抜こう。

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週刊『前進』(2370号6面2)(2008/12/01 )

 婦民全国協 関西ブロック総会 大成功

 階級的団結路線で新たな出発

 婦人民主クラブ全国協議会関西ブロック総会が11月23日、102人の結集で大成功した。8月の全国総会で塩川一派の脱落・逃亡を徹底弾劾し、婦民全国協の路線「女性の解放は労働者階級の解放の中にある」を確立し、闘い取った地平を引き継ぎ、関西ブロックの新たな出発がここに圧倒的にかちとられた。
 共闘あいさつの最初は、部落解放同盟全国連西郡支部。2月に供託差し押さえで貯金通帳も全部とられたが「絶対反対」を貫き自信がついたとの報告。「なんでもやる」の決意に会場全体が鼓舞激励された。
 続いて国労5・27臨大闘争弾圧被告家族の会。旧弁護団の解任や松崎被告との分離裁判をとおして、4者4団体の奴隷の屈服路線か解雇撤回を貫くのかが問われた。「有罪、来るなら来い」と解放的に階級裁判として闘っている。動労千葉の田中康宏委員長、法大弾圧被告の後藤玲子さんのアピールが代読された。
 関西ブロック代表の山本美知子さんが基調報告を行った。
 第一に、情勢認識の重要さを確認した。全世界で労働者のストライキが爆発。日本でも派遣労働者が闘いを始めた。森精機のスト決行をどう見るのか。資本主義は終わり、革命が実現できる情勢が来ていることを真っ向から提起した。
 第二に、婦民全国協の進む道を綱領、路線と原点から〈階級的労働運動路線を貫く女性解放闘争>として打ち立てた。核心は〈女性の解放は、労働者の解放の中にある>という路線を実践することをとおして団結することだ。
 婦民全国協の原点である1984年の本部派との分離・独立は、国鉄分割・民営化絶対反対の闘いを貫き、だからこそ「男女雇用機会均等法」攻撃に対しても「絶対反対」と「階級的団結」を対置して闘った。それは動労千葉や三里塚、北富士との共闘の中で深めていった。婦民全国協は、女性労働者、家族を始め、あらゆる女性の階級的結集軸=〈革命の主体>である。
 第三に、関西ブロックの新たな出発にあたり、この1年の塩川一派=脱会派との激突・分岐が〈革命と女性解放闘争をめぐる路線選択>であり、婦民全国協としての路線と原点・原則を守り抜いた勝利としてはっきりさせた。
 西村綾子代表が「年齢・階層をこえて団結し、地域ソビエトの核となるものであり、関西での実践がその一歩を踏み出した」と熱い訴え。
 フリートークでは、大阪北支部、大阪南支部、神戸支部、京滋読者会、八尾読者会、泉州会員が「革命をめざし、労働者階級とともに婦民全国協を一から作り直す」と決意を示した。
 労働組合大会で塩川一派と激突して、組合を二分する闘いをやり抜いた高槻医療労組団結速報グループが決意表明。「労働者は経営と非和解であり、革命をめざす労働者の組合をつくる」と語った。派遣労働者のストライキに決起した関西合同労組大阪東部支部技能育成センター分会は、全国の派遣労働者の先頭に立ち、第2波ストに決起すると語った。
 民営化反対を貫いて闘う八尾北労組、関西労組交流センター女性部、関合労かねひろ分会などの決意表明が行われた。
 星野文昭さんの奪還や来年の3・6橋下打倒闘争の訴えに続き、団結ガンバローとインターナショナルで全員の決意は最高に固まった。婦民全国協を戦線主義や血債主義に歪めてきた歴史を主体的にのりこえ、「労働者階級の解放だけでは女性は解放されない」として、革命と労働者階級への絶望と不信を組織する腐った思想と決別し、階級的労働運動の白熱的実践で進撃しよう。
 (投稿/斉藤理絵子)
(写真 「女性の解放は、労働者の解放の中にある」と階級的労働運動の実践を誓った【11月23日】)

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週刊『前進』(2370号6面3)(2008/12/01 )

日誌'08 2008年 11月19日〜25日

 幕僚学校「歴史観」講座に「つくる会」/沖縄への原潜寄港、5倍超に

●幕僚学校「歴史観」講座に「つくる会」関係者3人 防衛省は、田母神(たもがみ)前空幕長が統合幕僚学校長時代に新設した同校講座「歴史観・国家観」の講師名と講義の概要を公表した。08年度の講義には「現在の日本の歴史認識は歪曲」など田母神の論文に近い内容が含まれており、主な講師4人のうち3人は「新しい歴史教科書をつくる会」関係者だった。(19日)
●海自MD、2度目は迎撃失敗 防衛省は、弾道ミサイル防衛(BMD)の海上配備型迎撃ミサイルSM3を搭載した海上自衛隊のイージス艦「ちょうかい」が、米ハワイ沖で発射実験を行ったと発表した。発射は成功したが標的のミサイル迎撃には失敗した。海自のSM3発射試験は昨年12月に続いて2度目。今回は標的の発射時刻などをイージス艦に知らせない条件で実施された。海自は10年度までにイージス艦4隻をSM3搭載型に改造する予定。(20日)
●海賊防止法素案、護衛の武器使用容認
アフリカ・ソマリア沖の海賊対策として、政府が海上自衛隊の護衛艦を派遣するための「海賊行為防止活動特別措置法案」(仮称)の素案をまとめた。自衛官の正当防衛に加え、海賊が武力で抵抗した場合の武器使用を容認する考えを打ち出し、護衛対象に外国船も含めた。政府は来年の通常国会での法案提出を目指す考え。(20日)
●在沖米海兵隊が北海道・矢臼別で実弾射撃訓練 在沖米海兵隊は北海道の陸上自衛隊矢臼別演習場で実弾演習を開始した。沖縄の県道104号線越え実弾射撃訓練の本土移転に伴うもので、1997年以来10回目。訓練には第12海兵連隊第3海兵大隊の約230人が参加。12月3日まで行う。(20日)
●原潜寄港、冷戦期の5倍超 沖縄の米軍ホワイトビーチ(沖縄県うるま市)への米原子力潜水艦の寄港回数が00年代以降、年平均で冷戦期の5倍以上に増加し、国内最多の原潜寄港先になっていることが分かった。80年代は年平均3・3回だったが、90年代は10・8回、00年代は17・9回と徐々に増加。07年は24回、今年も37回と、2年連続で最多記録を更新した。(20日)
●日米首脳会談、給油活動継続に決意 APEC参加のためペルーを訪問した麻生首相は、ブッシュ米大統領と初の首脳会談を行った。麻生は新テロ対策特別措置法延長法案の衆院再可決を念頭に、海上自衛隊によるインド洋での給油活動継続へ決意を示した。(22日)
●米兵の刑法犯86%不起訴 法務省は、在日米軍人らが公務外で起こした事件の処理に関する07年の統計を明らかにした。全722件のうち、半数を上回る371件が不起訴となっている。起訴したのは大半が道路交通法違反(286件)で、強姦や強盗など刑法犯だけに絞ると86・6%が不起訴となっている。資料によると、強姦や傷害致死、強盗、詐欺、横領はすべてが不起訴。住居侵入、自動車などによる業務上過失致死傷、窃盗なども大半が不起訴となっている。(22日)
●APEC首脳会議 アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議がペルーの首都リマで開催され、地域経済統合の推進や地球温暖化対策などを盛り込んだ首脳宣言を採択して閉幕した。(23日)
●嘉手納基地拠点に合同即応訓練へ 米軍嘉手納基地報道部は、同基地の第18航空団と米海兵隊合同の即応訓練を12月1日から5日までの日程で実施する、と発表した。海兵隊は岩国基地(山口県)所属のFA18戦闘攻撃機など約35機と人員約700人が参加する。嘉手納基地を拠点に、空軍と海兵隊が合同で大規模な即応訓練を実施するのは昨年12月に続き、2度目。(25日)

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週刊『前進』(2370号7面1)(2008/12/01 )

 裁判員制度への怒り 銀座に響く

 裁判員制度はいらない!大運動

 600人のデモに熱い共感

 “なりたくない、廃止しかない”

弁護士に続き、動労千葉、動労水戸を先頭に労働者のデモ隊列が銀座を行進。支持の声があちこちから上がった(11月22日)

 「人を裁くことを強制するな」「裁判員制度は現代の『赤紙』だ」。裁判員制度への怒りのシュプレヒコールが都心に響き渡った。11月22日、東京・銀座で裁判員制度廃止を訴える労働者、学生、弁護士、市民ら600人のデモが闘われた。弁護士や学者たちが呼びかける「裁判員制度はいらない!大運動」が主催した。最高裁が11月28日に「あなたは裁判員候補者名簿に記載されました」という通知書を30万人に一斉に送付し、5月21日に裁判員制度を開始しようとしていることへの先制反撃となった。
 「ストップ裁判員制度」と赤地に白く大書した鮮やかな横断幕を先頭にしたデモは、最高裁のある三宅坂から赤坂見附を通り、首相官邸前で怒りをこめてひときわ大きな声で麻生太郎首相を弾劾、新橋から数寄屋橋交差点に向かった。
 「大運動」呼びかけ人や「憲法と人権の日弁連をめざす会」の弁護士が宣伝カーから訴えた。「裁判員制度は国家による苦役の強制であり、憲法違反。裁判への人民動員は戦争への動員、徴兵制への道だ。死刑を含む判決に加担することはできない。裁判員を拒否しよう。反対の声を広範に上げれば阻止できる」
 真剣な訴えに街頭から「そうだ」「裁判員にはなりたくない」「拒否できないなんて困る」という声が返される。舗道からデモに加わる青年も現れた。「がんばって!」と手を振って応える人も多い。商店主が店から出てきて「私も裁判員制度に絶対反対だ」とデモ隊に告げる。デモ中に沿道で配布した「ストップ!裁判員制度」のビラは2500枚。かつてないことだ。
 デモは圧倒的な支持と共感を得て銀座・数寄屋橋交差点を席巻し、常磐橋公園まで全行程5・7`、たっぷり2時間に及んだ。「裁判員制度絶対反対。廃止しかない」という声は今や世のほとんどを占めていることが示された。

 東京集会 「ノーの声上げよう」

 

デモに先立って「さあ廃止だ!裁判員制度 11・22東京集会」が社会文化会館で行われ、640人が結集した。
 「大運動」呼びかけ人で交通ジャーナリストの今井亮一さんは開会あいさつで「6月13日に日比谷公会堂で1500人を集めて裁判員制度反対集会をやったことが世論に流動を起こした。社民党や共産党が裁判員制度見直し・延期へ態度を変えた。最高裁などが必死の巻き返しに出ているが、制度に人民が参加しなかったら成り立たない。ノーの声を大きく上げよう」と訴えた。
 作家で臨済宗僧侶の玄侑宗久さんはビデオレターで登場し、「これまで日本では人が人を裁くことを拒否してきた。人を裁くのは神かそのなり代わりだった。ところが裁判員制度が導入されると、法や国家に市民が合体させられ、市民が裁判にけちをつけられなくなる。怖い世の中になる」と批判した。
 新潟の高島章弁護士が新潟地裁と新潟地検の前でデモとシュプレヒコールをやると11月29日の行動を予告。続いて高山俊吉弁護士がコーディネーターとなってパネルディスカッションが行われた。パネリストは漫画家の蛭子能収(えびすよしかず)さん、元小学校教員、FM放送のパーソナリティ、台東区の町内会長の4人。蛭子さんは市民が裁判に参加する怖さを訴えた。元教員は教育基本法改悪などと並ぶ教育現場にかけられた戦争への攻撃だと指摘した。パーソナリティは「死刑判決を出してよいのか」という疑問が模擬裁判の放送で出されたことを紹介した。町内会長は、国家が「義務」と押し付けで人民を戦争に動員し、自らも軍国少年になった苦い体験を踏まえ、「裁判員制度に絶対反対だ」と強い意思を表明した。
 最後に一言ずつデモのプラカードに意見を書いた。「迷惑だ。店がつぶれる」「知れば知るほど怖い」「国家による殺人(死刑・戦争)に加担させられる裁判員制度反対」「それでも僕は裁判員になりたくない」。参加者は「そのとおり」とうなずき、拍手で応えた。
 最後に「大運動」の事務局長である佐藤和利弁護士がまとめと行動提起を行った(要旨別掲)。「私たちの決意は現代の赤紙の絶対阻止と制度の廃止です。権力が攻撃を強めるほど運動は一層強化される。裁判員制度廃止へ、労働者、市民、自営業者、弁護士は一緒に闘おう」と訴えた。また連合が日本経団連とともに裁判員制度を推進している状況を覆す鍵を握っているのは労働者、労働組合だと強調し、「ぜひ、春闘のスローガンに『裁判員制度はいらない』を加えてほしい」と提案した。「闘いを積み上げ、3―5月に大集会はもとより、ストライキや一斉休業、署名などあらゆる闘いを展開しよう」と呼びかけると、参加者一同が大きな拍手で応えた。佐藤弁護士の「やればできる! 政府の言いなりになる従順な民ではないことを態度で表そう」との行動提起を受け、勇躍デモに出た。
 11・22東京行動をはじめ「さあ廃止だ!裁判員制度 11月全国一斉行動」は、5月裁判員制度発足を既定方針のごとく強行しようとする最高裁、麻生政権・法務省、日弁連執行部に決定的な打撃を加えた。国家権力は追いつめられている。「裁判員制度はいらない!大運動」の提起する4月の大集会(東京)の成功をかちとり、裁判員制度廃止の決定打としよう。
(写真 パネルディスカッションの最後にプラカードに一言。「怖い」「なりたくない」) 

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 労働者の闘いが鍵 「大運動」事務局長 佐藤和利さんのまとめ

 11月28日、最高裁は全国一斉に29万5千人の裁判員候補者に勝手に名簿登録の通知を発送する。10月から10億円をかけてテレビCMと新聞折り込み広告を開始した。政府、最高裁がどんなに金を使って制度の推進を画策しようとも反対の声は鎮まらない。反発と抗議の声は広がっている。
 本東京集会をはじめ全国一斉に裁判員制度反対の集会やデモなどが取り組まれている。私たちの決意は「現代の赤紙」絶対阻止と裁判員制度の廃止です。
 来年5月21日からの制度の実施は既定方針として変更はないと強硬姿勢を示して、反対の声をあきらめさせようと、推進勢力も必死だ。昨日、最高裁長官を退官した島田仁郎に「裁判員制度の準備はかなり整ってきた」「裁判員制度の広報をつうじて裁判所と国民の距離が近くなった」と記者会見させ、新長官には、最高裁事務総局の中で司法改革を推進してきた竹崎博允東京高裁判事を異例の14人最高裁判事飛び越しで就任させ、制度開始・定着を狙っている。
 よいではないか。権力が攻撃を強めるほど私たちの運動は一層強化される。本集会の成功が制度廃止の確信になった。請願署名、ビラまきに取り組み、集会や学習会を開こう。
 「大幅賃上げ、首切り反対、非正規職撤廃」など春闘のスローガンに「裁判員制度はいらない」を加えてほしい。連合は日本経団連とともに裁判員制度を積極的に推進している。労働者の闘いが鍵を握っている。
 3―5月に大集会はもとより、ストライキや一斉休業、署名などあらゆる闘いを展開しよう。やればできる! 政府の言いなりになる従順な民ではないことを表そう。

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週刊『前進』(2370号7面2)(2008/12/01 )

 裁判員制度 5・21実施を阻止しよう

 わずか3日で死刑判決も

 裁判員制度絶対反対の大運動を巻き起こし、裁判員制度の5月21日実施を阻止しよう。
 裁判員制度は、国家権力による国家の側への人民動員だ。人民が人民を裁く。死刑判決を含む人民の権力行使、国家の側への人民の取り込みだ。
 資本家階級は、新自由主義政策の結果、今や被支配階級を統治に動員しなければ階級支配が成り立たないほど危機に陥っている。新自由主義政策が破綻し世界金融大恐慌が爆発した。階級闘争は必然的に激化する。そこで資本家階級は治安の切り札として人民を国家統治に動員する裁判員制度を導入したのだ。
 裁判員制度は、人民による人民の監視であり、「隣組」の復活、憲法改悪の先取り、究極の治安政策だ。しかし、労働者階級を国家統治に動員すること自体が資本家階級の危機と矛盾だ。絶対反対を貫き闘えば裁判員制度を粉砕・廃止できる。

 候補名簿記載に抗議しよう

 最高裁は11月28日から29万5千人に裁判員候補者名簿に記載したことを知らせる通知書と調査票を送った。最高裁は全国民からくじ引きで29万5千人を選び、勝手に候補者名簿に載せたのだ。これ自体が許し難い。
 5月21日以降、裁判開始の6週間前に裁判員候補者約50人に質問票と呼び出し状が送付され、裁判所に呼び出される。呼び出しを「理由なく」拒否したら、過料(罰金)を払わされる。
 裁判所に出向くと、事件の概要を告げられ、裁判員になる要件を満たしているかどうか書面で尋ねられる。回答によっては裁判長から面談で「公平な裁判ができるかどうか」質問される。最終的にはくじで6人を選ぶ。午後から裁判が始まる。
 次の日と3日目の午前中が審理にあてられ、、3日目午後には有罪か無罪か、量刑はいくらか、死刑か無期懲役かなどが評議の上、多数決で決められる。例えば5対4で死刑が決まる。すべてを3日間でやる。実質審理は2日間だ。
 被告人の裁判を受ける権利、防御権は著しく侵害される。被告人は裁判員裁判を拒否できない。
 「公判前整理手続き」によって密室で公判の内容や争点、進行が決めれているから裁判は3日間で終わる。裁判員裁判は3日間の儀式なのだ。裁判員は、裁判官の判決に市民の判断という「お墨付き」を与えるために利用される。裁判員裁判は冤罪の温床になるとさえ指摘されている。事実を誤認し、有罪・死刑判決を下したらどう責任をとるのか。一生悩まなければならなくなる。

 竹崎長官就任で強行を狙う

 11月25日、最高裁新長官に竹崎博允(たけざきひろのぶ)前東京高裁長官が就任、最高裁は裁判員制度シフトをとった。
 竹崎は最高裁の経理局長や事務総長時代から裁判員制度実現の急先鋒(きゅうせんぽう)だった。最高裁は00年9月、市民が法廷で意見を述べるが、判決に参加しない形を提案したが、判決に加わる形に持っていったのが竹崎だ。「『最高裁が導入へとかじを切ったのは竹崎の存在があったから』というのが法曹界の一致した意見だ」(東京新聞11月25日付)
 竹崎の最高裁長官就任はきわめて政治的だ。麻生は政権交代の前に竹崎を長官に指名した。麻生と竹崎を串刺しにして打倒しよう。「裁判員制度廃止」を09春闘スローガンに加え、「裁判員制度はいらない!大運動」に合流して闘おう。

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週刊『前進』(2370号7面3)(2008/12/01 )

 萩原進さん新著『農地収奪を阻む』 盛大に出版記念会

 “三里塚闘争は現在進行形”

 11月24日、三里塚芝山連合空港反対同盟事務局次長の萩原進さんの新著『農地収奪を阻む――三里塚農民43年の怒り』の出版記念会が、千葉市のDC会館で開かれた。
 三里塚闘争の長い歴史の中でついに著された待望の書に喜びと祝福を込めて各地から83人がかけつけ、盛大な会となった。反対同盟は、北原鉱治事務局長、市東孝雄さん、鈴木謙太郎さんを始め総出で参加した。
 司会は本の発行者である編集工房朔(さく)主宰の三角忠さん。売れ行き好調で早くも第2刷が出たことを報告した。
 あいさつの冒頭はこの日の呼びかけ人を代表して全関西実行委の永井満さん。「実にすがすがしい読後感。三里塚闘争のバイブルのように広めていく」と絶賛した。
 続いて北原鉱治さんが「彼の人生は波瀾万丈。労働者と農民が結合すれば世界平和はつくれるとの信念で書き上げた一冊だ」と述べ、乾杯の音頭をとった。酒と料理が振る舞われ、和やかな歓談となった。
 群馬実行委の青柳晃玄さん、ス労自主の入江史郎さん、本の中の農民座談会出席の小川浩さん(千葉県)、坂本進一郎さん(秋田県大潟村)、「市東さんの農地取り上げ に反対する会」の共同代表・井村弘子さん、葉山岳夫弁護士を始め反対同盟顧問弁護団、そして市東さん、鈴木さんが次々とお祝いの言葉を述べた。萩原さんはたくさんの人の求めに応じて著書にサインした。
 この日の席を用意した動労千葉から、まず中野洋常任顧問があいさつした。「民主労総が毎年三里塚を訪れ、“40年以上闘ってるなんて信じられない!”と驚いている。外国から評価されないとなかなかその価値が分からないのが日本人のくせだ。世界に誇れる闘いは千葉県の三里塚闘争と動労千葉だ。その真価を発揮する時が来た」とユーモアを交え語った。
(写真 感慨のこもったお祝いの発言が続き、参加者は温かい拍手でこたえた【11月24日 千葉市・DC会館】)
 続いて田中康宏委員長が「今の動労千葉の土台を作ったのは三里塚。機動隊との激しい衝突をやりぬいた85年10・20闘争に組合員が大挙参加して力を得て分割・民営化粉砕のストに立ち上がった。“百事一新”の気概で闘おう」と、不滅の労農連帯を謳歌した。
 革共同の藤原慶久同志は11・2労働者総決起集会の画期的成功を振り返り、「反対同盟とともに必ず三里塚闘争に勝利する」と決意を表した。
 最後に萩原進さん、静江さん夫妻が並んで立った。二人に心づくしの花束と記念品が贈呈されたのち、まず進さんがマイクを握り「闘いは現在進行形。原則を守り勝ちぬいてきた」とあいさつした(別掲)。静江さんははにかみながらも「43年間をこの本に詰め込んであるが行間も読みとってほしい。若い人たちにも闘いを受け継いでもらいたい」と述べ、拍手と歓声が最高潮に達した。
 三里塚闘争は、全国集会、現地闘争、裁判闘争と休む間もなく全力で走り続けてきたが、この日は43年の歴史に携わった闘う人びとが一堂に会し、感慨と決意が笑顔とともに交わり、明日からの闘いへの大きな活力となった。
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 萩原進さんのあいさつ

 2年あまりかかったが、納得できるものができました。今日の闘いの中でこそ生きる紙の爆弾として、全国にばらまきたいと思っています。
 この本は今までの歴史を振り返って解説しているのではありません。三里塚は現在進行形です。これまでため込んできた闘いの勝利性をもう一度ここで発揮して突き進もうということです。
 原則的に闘ってきたからこそ今日まで残り、勝ちぬいてきた。中野顧問が言われたように、奇しくも動労千葉と反対同盟という千葉県の二つの組織が手を携えてやってきた。この二つが存在する限り、日本の階級闘争は必ず勝利します。これからも北原事務局長を先頭に闘います。

 

 

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週刊『前進』(2370号7面4)(2008/12/01 )

 11・16「食と農」集会 市東孝雄さんの訴え

 空港会社の提訴こそ不当畑を耕すことが私の闘い

 11月16日、千葉市で開かれた「食と農を考える講演&ディスカッション」で三里塚反対同盟の市東孝雄さんは、不当な提訴と闘い農地を守る決意を表しました。以下はその発言です。(編集局)

 畑の位置誤り

 空港会社は先月17日畑を奪い取るという形のまた新たなる裁判を起こしてきました。これはまったく不当な裁判であります。私は断固として裁判闘争を闘います。
 私は農民ですので、畑を耕しながら野菜を作る。そして90年代々耕作してきた畑を畑として守り続ける。そういうことも裁判の中での闘争だと考えています。法廷では原告の空港会社が肝心要の土地の位置の特定を間違えているという証拠を突きつけました。
 私はこれまでどおり正々堂々と畑を耕し続けます。罪を犯してもいない私がなぜ法廷に呼ばれなければいけないのか、被告側に座るのは誰なのか。一歩も引きません。
 この畑を耕作してました私の親父には一切秘密にし、空港会社は畑を買収しました。それから15年間、土地を手放したはずの旧地主の藤崎は、私たち親子から地代をだまし取っていた。それは空港会社がやらせたことかもしれませんが、そういう事実があります。
 そして、成田市の農業委員会、千葉県の農業会議、そして堂本知事も、空港会社の農地法違反や位置の誤りを調べもせず会社に加勢しました。まったくひどい話です。
 畑の離作補償額は1億8千万円です。これだけ出せばもう文句はないだろうと、空港会社や県の役人は開き直っています。お金を出せば何でも解決できるという、空港会社、国の思い上がりには本当に腹が立ちます。

 金よりも大根

 三里塚では激しい抵抗闘争が闘われました。そして血が流れ、尊い人命も落とされました。国は権力を振り回す姿勢を変えず、今も東峰部落の島村さんの頭上40bでジェット機を飛ばしています。そしてなおかつ工事もそのまま続けています。反対同盟の東峰住人を報道を借りて国賊呼ばわりし、追い出そうとしています。中山大臣の「成田ごね得」発言には心の底からの憤りを抑えることはできませんでした。1億8千万より大根1本が大事だと言い続けてきましたが、お金で買えないもっと大事なものがあると私は考えています。
 農地法第1条、農地はそこを耕す農民のものです。この畑は大正時代に私のじいさんが開墾し、以後90年間誰にもじゃまされず、休まず耕してきた畑です。空港会社は、誘導路がへの字に曲がっていることを提訴の理由の一つに挙げている。しかしへの字に曲がっているのは、この畑が曲げたんじゃないんです。畑があったところに空港を無理やり造った、それは今の空港会社の責任です。
 今日の講演とみなさんのお話を聞きながら、私はあらためて自分の仕事、農業をしっかりやろうという気持ちにますますなりました。農地と農業を守ることは、空港を造るよりも大切と考えています。
 今世界で9億人の飢えが出ています。日本では食についての信用が失われました。農民が農業で食べていけない、これでいいんだという人は誰もいないと思います。このことと労働者の低賃金や生活苦による自殺の増加は、無縁ではないと思います。私の農地の問題は講演で明らかにされた深刻な社会問題につながっています。これからも今まで以上にがんばりますので、みなさんよろしくお願いします。
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 日程 三里塚闘争
 市東さんの農地を守れ・暫定滑走路北延伸阻止!
 12・13三里塚現地闘争
  12月13日(土)午後1時半 主催/反対同盟
  成田市東峰・開拓組合道路(市東さん方南側)

 市東さん耕作権裁判
  12月8日(月)午前10時半/千葉地裁
 暫定滑走路認可取り消し訴訟控訴審
  12月17日(水)午後2時/東京高裁
  (市東さんの証言)

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週刊『前進』(2370号8面1)(2008/12/01 )

団結ひろば 投稿コーナー

 韓国の女性たちはパワフルで元気溌剌 民間・青年労働者 結城 華

 初めて訪韓闘争に参加しました。「万国の労働者は団結できる!」――私の一番の感想です。11月8日の前夜祭から10日の日韓交流まで、韓国の労働者と本気の団結が創(つく)られつつあると実感しました。
 訪韓団の大規模さにビックリ。青年を含め、100人を超える大人数の人が休みを取って参加した、全国の仲間たちの熱意。覚悟していたほど寒さはキツくなく、韓国の闘う労働者の熱気と人情の温かさに暖められた3日間でした。
  特に印象的だったのは、韓国のオバチャンたちのパワフルさ、元気溌剌(はつらつ)さ。雨の中での集会でも、喜々として鳴り物たたいて歌って笑って踊って、手作りの差し入れ回して……。とにかく参加することそのものを楽しんでいるのが伝わってきました。「日本の労働者集会もあんな元気いっぱいのオバチャンたちが大挙して参加したら、もっと盛り上がって楽しいのに!」とも思いました。
 ハイテックRCDコリアの闘争といい、韓国の労働運動は全体的にオバチャンだけでなく、女性の主体的参加に大いによっています。私たちも負けていられない! パワーを分けてもらった訪韓でした。
  早速、訪韓報告会に元同僚を誘いました。「韓国では悲惨な現状を変えようと大勢の人が立ち上がっている。職場で感じていた生きづらさは自分だけじゃない。怒ってもいいんだと確信した」と感想を述べ、今後も学習会をやることを約束しました。
 今回学んだ国際連帯を身近なところから実践していこうと思います。高空ろう城という過酷な闘いを続けているハイテックコリアの同志に、日本でどんな闘いで応えるのかを考えながら。

 派遣労働者が歴史的なストライキ決起! 関西合同労組大阪東部支部 中村 喬

 関西合同労組大阪東部支部技能育成センター分会は、今年中に全員を契約解除=解雇を強行する派遣先の森精機に対して、職場で働くすべての労働者の正規職を要求して11月13日、24時間ストを打ち抜いた。
 世界金融恐慌への突入の中で資本家どもは、全国の派遣労働者を虫けらのように首を切っている。ふざけるな! 正社員の半分の賃金でこき使ってぼろもうけし、必要なくなったらボロくずのように切り捨てる森精機に「俺(おれ)たちはモノじゃない、血のかよった人間だ」と怒りを爆発させ、実に解放的で感動的なストライキを貫徹した。労働者を低賃金で働かせバラバラに分断して肥え太ってきた派遣元の技能育成センターをも串刺しにして闘うぞ。非正規職撤廃! 労働者派遣法を粉砕するまで分会は何度でもストライキでに決起する。
 ついに「生きさせろ」ゼネストの突破口を切り開く歴史的闘いが始まった。

 体制内労働組合運動の指導の限界 谷 秀樹(40代)

 連合や全労連などの体制内運動の活動スタイルは、たとえ一人の仲間からでも学習を指導すべきなのにしないのです。
 体制内労働組合の学習は、労働基準法と労働組合法、労働組合の作り方、労働組合の運営です。しかし、マルクス主義の労働組合論の学習が、皆無に近いのです。しかも、このような労働組合の学習は、労働者学習組織に委託しています。
 これらの労働組合がやっていることは、「労働者の統一と団結」を旗印にした上位下達の組織運営、少数分会の組織強化の手抜き、家庭の生活状況を考えない要求闘争です。
 私は、少数分会でも闘いの姿勢を確立して自分たちによる労働組合のスタイルを貫くことだと思います。職場と産業、地域との関係で多面的な闘いをすることです。
 闘いの知恵は、所属している分会の闘いの経験やマルクス主義の学習、他の労働組合の闘いの経験から出てくるのです。

 あらゆる分断攻撃をのりこえ階級的復活 鳥取・青年労働者 立花悠希

 11・2結集。それはあらゆる分断攻撃をのりこえ、ついに文字どおり階級的復活を果たした感動的瞬間だった。
 この直前、「私に対する得手勝手かつ理不尽な労務管理、及び私に対する不当解雇は、絶対に認めない!」と通告して、同時にあの体制内地域合同労組に引導を渡して決別した。
 その私に対する「一から労働運動を再生しよう。階級的労働組合を創ろう」という多くの仲間からの提起は、大いなる励ましと団結の呼びかけでもあった。
 だから、壇上で発言したすべての仲間の怒りを全身で受け止め、怒りを共有できていた。
 加えて、私の11・2結集は、一人の労働者であると同時に、一人の部落民である私と部落解放同盟全国連杉並支部、品川支部の仲間たちとの再合流、そして応能応益家賃(民営化)絶対反対を貫徹し、あの八尾市の暴挙と真っ向から闘っている西郡支部の仲間たちとの合流を果たした感動的瞬間でもあった。
 私は、差別事件をデッチあげ、差別糾弾の政治利用をして、同時に全国連創立の原点を自ら完全に放棄して、西郡の仲間たちの渾身(こんしん)の闘いを妨害・中傷して変質・転倒した全国連中央を許さない! 階級的労働運動路線に依拠した部落解放運動の再生、西郡の仲間の応能応益家賃絶対反対の住宅闘争にこそ、真の部落解放の道筋がある! すべての労働者の団結をもって、ともに住宅闘争、狭山闘争に勝利しよう!
 11・2結集までの過程で得たものは、現場と社会全体は現場労働者が動かしているという階級的誇りであり、その現場労働者一人ひとりが資本・権力を打倒して革命を成し遂げる無限の力を持っている階級的誇りを取り戻したこと、同時に、自己解放闘争への覚醒(かくせい)と、一人の労働者として、同時に一人の部落民としての階級的復活だった。
 11・2結集で握手したすべての仲間の手の温もり、仲間の資本・当局との非和解的な闘い、体制内派との分岐での仲間の屹立(きつりつ)が、私にさらなる団結を呼びかけている。ともに「生きさせろ!」のゼネストにうって出よう!

 世界の闘う労働者とつながる闘いしたい 広島・医療労働者 風見虎太郎

 今年の11・2労働者総決起集会に参加して国際連帯を強く感じました。
 毎年、動労千葉の米韓労働者歓迎会に参加していますが、今年は韓国の民主労総とアメリカのILWU(国際港湾倉庫労組)、CAMSなど50人ぐらいの労働者がいて、動労千葉の労働運動に連帯している労働組合の団結が確実に大きくなっています。
 4日にはアメリカの4人の仲間が広島を訪れ、再び熱い交流と団結をかちとりました。労働者は国境を越えて同じ敵に向かって闘えることがはっきりしました。この時にマルクスの「万国の労働者よ団結せよ」という言葉がはっきりと理解できると思いました。
 今こそ金融大恐慌情勢を世界革命に転化する闘いをこの国際連帯の力でやっていきたい。そのためには、自分の職場で労働者が「モノ」のように扱われていること、生命や生活を奪われていることに労働組合が怒りを持って闘うことが不可欠です。
 われわれ医療労働者は新自由主義攻撃の中に置かれて団結を破壊され、「患者のため」に自己犠牲的に働くことを強要され、「聖職」として位置づけられて、闘うことを抑圧されてきました。
 しかし今、世界各地で医療労働者を先頭としたストライキが闘われています。労働者として資本によって奪われ続けてきた団結と闘いを奪い返し、患者も労働者階級として獲得して闘う仲間として団結していく。
 世界の医療労働者、闘うすべての労働者とつながれる闘いをしていきたい。

 「突き当たっている壁は一つ」だと確信 東北大学 時枝 章

 今回、11月7日〜10日まで訪韓闘争に参加しました。イミョンバク政権による激しい労組つぶし、弾圧をはね返して数万人が結集した労働者大会の迫力! 「労働者が団結すれば革命できる!」と心の底から確信しました。
 中でも感動したのが、江南聖母病院の非正規職労働者との闘争現場での交流です。9月30日をもっての派遣打ち切りという攻撃に対して、病院のロビーを占拠しての座り込み、幾度もの管理職・暴力ガードマンの排除―病院内への立ち入り禁止をもぶち破って闘っている姿は、自信と誇りに満ちあふれていました。
 この病院では、正規と非正規というだけでなく、非正規職であっても直接雇用と派遣という何層にも分断させられているそうです。組合員は8人ですが、非正規労働者の組織化のために病棟や地域の病院を回ってオルグしているとのことです。資本に対する怒り、労働者は人間だという誇り、そして労働者が主人公の新しい社会を創造していくんだという希望がそこにはあります。
 日韓交流をとおして感じたことですが、「突き当たっている壁は一つ」だということです。いま日本の私たちが突き当たっている壁、そして自分自身が突き当たっている壁は、米韓の階級的労働運動を復権させようと闘っている同志たちと同じ壁です。みんなここを突破しようと苦闘しています。このことが分かった時、自分の闘いが本当に世界の労働者とつながっているんだという実感がわいてきました。
 あらためて11・2労働者集会の素晴らしさ、動労千葉派の労働運動が未来を切り開いていく展望が確信できました。

 太陽と共に働く農民武骨な素晴らしい手 三里塚現闘 藤川大央

 普段は畑仕事で野菜と雑草取りが中心で都会の通勤ラッシュの経験のない私にとって3万人を超える集会は圧倒的の一言。人波にのまれ、酔いそう……それでも「2日の日比谷野音に参加した人が5人ずつ増やせば実現できるな!」と思いつつ、部隊とはぐれることなく参加できました。
 集会も半ば、サイバー労働大学のキムスンホ代表と韓国の米軍基地拡張に反対する農民と会うことになったのですが、一目で誰が農民か分かりました。4人とも日に焼けた顔、武骨な素晴らしい手、太陽とともに働く、日本の農民と何も変わりません。私はうれしくて両手で握手を求めていました。農民もまた、同じ年代の現闘の手を見て、「おお、この手は農民の手だ」と感激し、親しみを込めて迎え入れてくれました。
 集会の興奮もあり、ソウルの地下鉄構内で見た38度線のフェンスと有刺鉄線が10年前の成田空港を囲む姿と同じだったこと、今はより頑丈なコンクリートの壁を造り、有刺鉄線を隠しただけで、依然として人々の怒りを恐れる空港であること、成田の軍事空港に反対する同盟と米軍基地拡張に反対する農民の闘いは同じですと一気に話しました。
 韓国の米軍基地拡張に反対する闘いはまだ始まったばかり、これからさまざまな困難に向かい合うと思いますが、三里塚闘争の43年の歴史はそれらをのりこえる闘いとしてありました。困難に原則的な闘いを貫くことが唯一の解決策です。
 韓国農民に手渡した萩原進さんの著書『農地収奪を阻む』は、必ず闘いの指針となります。短い時間でしたが、再会を確認し、民主労総大会に合流しました。

 新しいインターナショナルはつくれる 全国沖縄青年委員会 本田ヒトシ

 今年も動労千葉訪韓団に参加した。日韓双方の労働者の課題や問題意識について論議した。
 韓国のある労働者は「これまで自分は日本が嫌いだったが、この間日本に行き、一緒に闘って日本の労働者が好きになった」と率直に述べた。この発言が一番印象に残った。「新しいインターナショナルはつくれる」とあらためて感じた。
 他にも「29年恐慌の後で労働運動は高揚したが、結局ナショナリズムに敗北した。その危険性はないのか?」という問題提起も出された。しかし、数年来の動労千葉と民主労総ソウル地域本部がつくりあげてきた国際連帯・階級的団結そのものがこの問いに対する答えだと思う。
 支配階級による侵略戦争・植民地化や民族差別など最悪の階級分断・団結破壊の攻撃を私たちは打ち破りつつある。労働者階級だけが国家や民族の壁を壊すことができる。勝利の道は自らの職場・組合・地域で階級的労働運動を貫くことだ。
 沖縄闘争の直面する課題も同じだ。辺野古現地闘争で体制内労働運動派との激突が公然と始まっている。在本土沖縄出身労働者の闘いも自分の居る場所で闘うことから始まる。血債主義・糾弾主義や沖縄主義を克服し、打倒する道もこの中にある。
 「来年は青年労働者の交流会を開けるようになろう」という提起がなされた。その場に多くの新しい青年労働者の姿があるように、組織化の闘いを進めたい。

 獄中から 非和解の怒りと団結あとは執念あるのみ 東北大学 内田晶理

 10・17の蜂起をひっさげた文連の11・2登場、本当に感動しました! 奪還をかちとった武藤さんからの差し入れも!
 獄中のみんな、元気ですか? デッチあげ懲罰やCAMS(校内の軍国主義に反対する連合)のTシャツ強制接収(室内禁止!)、分離強行など東拘・裁判での許せない弾圧が続いています。だがあえて言おう! 追い詰められているのは敵の方だ!
 この間、5・29裁判がジャージ部隊の正体を暴いた勝利はでかい。法大当局が右翼警備会社の暴漢を職員と偽り、殴る蹴るの違法業務をやらせていたことが暴かれた。これは、そのジャージを法大生が追放したキャンパスの勝利と一体です。
 08年、ジャージと処分で闘いをつぶそうとした増田総長は、全学連と団結した文連の決起で破産し、5・28−29闘争弾圧や7・24集会弾圧へと追い込まれました。
 今やジャージと処分と裁判が敵の最大の弱点です。ジャージ追放後も背広と警備員が闘う法大生の排除やビラ取り上げをやっていますが、本当にふざけるな! 今こそ裁判も攻勢に出る時です。すべての責任は増田にある。増田を引きずり出そう!
 裁判の鍵は、敵の権力犯罪を裁く立場、キャンパス、他裁判との一体性を貫くことだと思っています。この非和解の怒りと団結、あとは執念のみ。みんな一つの怒りの火の玉となって増田打倒・革命勝利に攻め上ろう!
(うちだ・てるまさ/法大5・28暴行デッチあげ裁判被告/東拘在監)

 11・2デモで逮捕され獄中闘争に完全勝利 埼玉・全逓労働者 大熊豊彦

 11月2日の労働者集会後のデモで不当逮捕された大熊です。完黙・非転向で獄中闘争を闘い取り完全勝利しました。
 この2年間は闘いの連続でした。2年前、郵政当局と体制内組合は私に対して強制配転をしかけてきました。この攻撃に対して断固として職場で反撃し、強制配転を完全に粉砕しました。連合派の組合は「大熊さんはこの局でいいです」と弱音を吐く始末でした。
 また今年当局は、私の仲間のゆうメイトさんに対して雇い止め攻撃をかけてきました。これに対しては、朝ビラをはじめ、ありとあらゆる戦術を駆使し、埼玉の仲間が一丸となってこの攻撃を粉砕し、雇い止めを粉砕することができました。
 この私の闘いに恐怖した国家権力・公安警察と機動隊は、11・2労働者集会の銀座デモで私に襲いかかり、「公務執行妨害」をデッチあげて逮捕したのです。
 私は1カ月でも1年でもがんばるつもりでしたが、12日間の連日の取り調べに対して完黙で闘い、仲間の皆さんの力強い応援をいただき奪還されました。
 この1〜2年で世の中の情勢は一気に変わりました。資本家はプロレタリアートを食わせていけないところまで追いつめられています。しかしブルジョアジーは、銀行や証券会社がつぶれては困るといって、米帝ブッシュは70兆円にものぼる税金を資本注入(救済資金)と称してつぎ込みました。労働者人民の怒りは大爆発しています。世界中で連日のデモやストがふくれあがり、労働者たちは「資本家は監獄に入れ!」「苦しくて食えないのはわれわれ労働者だ」と叫んで団結しています。革命がいつ起こるか分からない情勢なのです。
 まさに09年は、この闘いの帰すうがかかった、われわれ労働者の時代です。革命を求めて世界の労働者が立ち上がる年に間違いありません。これからもがんばります。

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週刊『前進』(2370号8面2)(2008/12/01 )

新刊紹介 09年星野カレンダー

 新たな再審闘争へ

 

  

星野文昭さんが獄中で描いたカレンダーができました。
 星野さんは、1971年11月14日の沖縄返還協定批准阻止闘争でデッチあげ無期懲役攻撃を受け、現在、徳島刑務所で闘っています。獄中34年です。
 今年7月14日、最高裁は星野さんの再審・特別抗告に対して棄却決定を出してきました。共犯者供述の一部に誤りがあることを認めながら、あくまで星野さんに無期懲役を言い渡した決定です。
 この特別抗告棄却決定への怒りをもって新たに第2次再審闘争に打って出ましょう。
 星野第2次再審闘争支援のため、カレンダーをご注文ください。
 ☆FumiAkikoカレンダー2009 絵・星野文昭同志
 1冊 1200円 5冊以上@1000円(送料別)
 *前進社でも扱います

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