ZENSHIN 2008/11/24(No2369 p06)

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第2369号の目次

イタリアでゼネスト イタリアで11月14日、大学の教職員を先頭に労働者200万がスト。ローマは100万人の労働者・学生デモで埋めつくされた=関連4面

1面の画像
(1面)
青年先頭に“生きさせろ!ゼネスト”へ
闘う労働組合よみがえらせ民営化・道州制・改憲粉砕を
獄中学生同志を直ちに奪還しよう
動労千葉への不当捜索 弾劾する 動労千葉の声明=4面
記事を読む  
12・14国鉄闘争集会へ  6大産別決戦の発展かちとれ 記事を読む  
資本主義は終わりだ!革命勝利へ大カンパを 記事を読む  
(2面)
金融大恐慌―世界革命情勢の成熟にあたって 全世界の労働者階級に訴える
労働者自己解放の思想であるマルクス主義を今こそ全面的に奪い返して闘おう
革命的共産主義者同盟
記事を読む  
11・2報告集-あの感動を仲間に 記事を読む  
(3面)
関合労大阪東部支部 “派遣労働者の解雇を撤回しろ”
森精機で24時間スト  派遣元と派遣先を串刺しに
(投稿/関西合同労組大阪東部支部・長田徹)(11月13日)
記事を読む  
道州制=200万人首切り粉砕を  先兵・橋下大阪府知事を打ち倒せ
日本経団連 「09年に基本法の制定を」
記事を読む  
スト中止に強い怒り  都労連08賃金闘争  現業賃金8%削減 弾劾(11月18日) 記事を読む  
〈焦点〉 大恐慌に無策の金融サミット  ドル基軸性巡り米欧対立 記事を読む  
〈焦点〉 「生活給付金」実は消費大増税  税金使い露骨な選挙買収 記事を読む  
(4面)
「食と農を考える会」開く
三里塚・市東さん「私は一歩も引かない」(投稿・市村岳志)(11月16日)
記事を読む  
労働組合への弾圧許すな
警視庁の不当捜索 動労千葉が弾劾声明(11月10日)
記事を読む  
世界は革命情勢 大恐慌にヨーロッパで闘いが爆発
鉄道握り社会止めるスト
鉄道・教育労働者、学生が最前線に/『資本論』が売り切れ、゙階級闘争を!”
記事を読む  
日誌 2008年 11月12日〜18日
米原潜、5日間で3隻が沖縄寄港/イラク政府、米駐留協定案を承認
記事を読む  
(5面)
星野奪還11・29集会に結集を
階級的団結で再審勝利へ  全国に「救う会」を結成しよう
記事を読む  
田母神前空幕長 の開き直り許すな
侵略戦争史の正当化を図る計画的な反革命クーデター
記事を読む  
法大弾圧裁判 5・29弾圧裁判第2グループ
またも証拠撤回(11月13日)  検察立証は完全破綻
記事を読む  
法大弾圧裁判 7・24弾圧裁判
星警備員の偽証を弾劾  不当勾留を被告が追及(11月19日)
記事を読む  
日程 法大裁判に集まろう! 記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  

週刊『前進』(2369号1面1)(2008/11/24 )

 青年先頭に“生きさせろ!ゼネスト”へ

 闘う労働組合よみがえらせ民営化・道州制・改憲粉砕を

 獄中学生同志を直ちに奪還しよう

 

 世界金融大恐慌は、実体経済全般に波及し激化している。これから米・日・EUを始めとする世界の帝国主義は奈落の底へどんどん転落していく。いよいよプロレタリア世界革命が求められる情勢だ。絶望的危機にあえぐ帝国主義は、労働者階級への攻撃を強めている。米大統領選で勝利したオバマは、アメリカ革命の現実性に対する予防反革命として登場した。ブルジョアジーの救済のためにプロレタリアートの闘いを必死に抑えつけようとしている。日本の階級情勢も大激動に突入した。とりわけ田母神前空幕長の論文と国会での発言は超重大である。自衛隊内部からの組織的な「反革命クーデター」だ。その矛先は労働者階級に向けられている。全力で対決し、階級的労働運動の白熱的実践に一切をかけて闘おう。

 11・2のかつてない地平

 この激しい階級情勢だからこそ、11・2労働者集会の大成功は決定的に重要である。11・2集会は、これまでとは次元を画するかつてない勝利と成果を実現した。革共同創成以来50年、われわれは全国の闘う労働者とともに、革命的共産主義運動の最高の地平をついに手にしたのだ。
 総括の第一の核心点は、世界金融大恐慌という歴史的情勢に対して、「資本主義はおしまいだ」「労働者に権力をよこせ」という時代認識で立ち向かう、労働者階級の国際的な団結を推し進めたことである。階級的労働運動の白熱的な展開をもって、日本と世界の労働者階級に世界革命を鮮明に提起したのだ。
 世界金融大恐慌に対置すべき回答は、プロレタリア世界革命以外にない。労働者階級には、没落する資本主義・帝国主義と闘いぬいて勝利する圧倒的な展望が開かれているのだ。
 民主労総ソウル地域本部のイジェヨン本部長はこう語った。「全世界の労働者よ、団結せよ。資本主義に対して闘おう」「労働者の世の中をつくるために、われわれ労働者はひとつに固まらなければなりません」「改良主義を克服し、資本主義の生産様式を打破し、社会主義へと進む変革的労働運動で自らを革新しよう」「全世界の労働者が労働者階級の国際連合をつくり、社会主義的変革運動へ」
 ILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル10執行委員のジャック・ヘイマン氏はこう発言した。「帝国主義戦争に反対し、私たち自身の利益のために闘う労働者階級の党、私たち自身の党を必要としている」「民営化、非正規職化、規制緩和、自由貿易協定、移民労働者の権利はく奪、労組破壊、失業、インフレそして帝国主義戦争に対する闘い――これらすべての闘いは、国際主義的労働者、革命的な労働者の党によって組織されるのです」
 社会主義革命と国際的階級的団結、国際的な労働者階級のひとつの組織、労働者革命党の呼びかけが真正面から発せられたのだ。これは、本当にすごいことだ。
 5700人の結集は、このような時代認識と路線による革命的国際的な団結だ。資本と非和解的に対決し職場生産点から決起した5700人の動労千葉派が、世界金融大恐慌情勢と対決してここに登場したのだ。
 世界大恐慌そのものが資本主義・帝国主義の大崩壊として爆発する。これを革命の勝利に転化することが、国際労働者階級の課題として提起されている。1930年代のアメリカと世界(日本も)がそうであったように、大恐慌下、労働者階級は生きるための闘いに猛然と立ち上がる。階級闘争は巨大なスケールで内乱化し革命化していく。労働者階級が全権力を握り、資本主義の全世界的な転覆の上に、まったく新たな、真の人間的共同性にもとづく社会(共産主義社会)を地球的規模で打ち立てる――今こそ、このプロレタリア世界革命を、断固としてかちとる時である。

 体制内勢力と対決貫く

 11・2闘争の第二の核心点は、国家権力と資本、「4者4団体」派や塩川一派など11・2集会の破壊を策した反動勢力と真正面から対決して勝利したことだ。とくに「4者4団体」派の10・24国鉄闘争幕引き集会か、それとも11・2集会かという、労働運動の死活をかけた党派的=路線的分岐を積極的にやり抜いて、階級的労働運動を力強く推し進めた。
 世界大恐慌が日に日に激化していく中で、この分岐と激突が進行した。国鉄1047名闘争は、最末期帝国主義の新自由主義攻撃の柱である民営化・労組破壊攻撃との最前線の闘いだ。解雇撤回を投げ捨てるのか、解雇撤回を貫くのかをめぐる対立と分岐は、大恐慌で崩壊のふちに立つ資本主義を救済するのか、それとも打倒するのかをめぐる対立と分岐でもある。
 動労千葉の田中康宏委員長は11・2集会で、日本労働運動の命運をかけて国鉄1047名解雇撤回闘争を訴えた。ここに日本と世界の労働運動の未来を決める重大問題があるからだ。
 そして全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の高英男副委員長は、この11月集会の3労組共闘が「1047名の解雇を許してはならないという国鉄闘争として開始された」と述べ、1047名解雇撤回闘争を「集会参加者一人ひとりの課題として、各地の地域・職場で闘争を組織しよう」と訴えた。
 ジャック・ヘイマンさんも、「階級協調派のイデオロギーが世界中で労働運動を支配している」ことに対して、「労働運動内の国際階級闘争派の存在が差し迫った要求となっている」と訴えた。
 国鉄闘争は、労働組合と労働運動の現在と未来をかけた決戦だ。階級戦争そのものだ。だからこそ、広範な支援陣形が形成され、長きにわたって不屈非妥協で闘われてきた。勝利の展望は、今こそ開かれてきている。これが動労千葉派の、そして3労組共闘の情勢認識と確信だ。
 ところが、「4者4団体」路線派は、国鉄分割・民営化から21年間、ここまで激しく敵を追いつめてきたのに、「敵陣営は揺るぎなく、盤石だ。わが方はもう持たない」とか、「解雇撤回は玉砕主義だ」などと言って敗北主義を振りまき、団結を破壊し、階級性を曇らせ、闘いから逃亡しようとしているのだ。こんなことが許されるはずがないではないか!
 裏切りの「4者4団体」路線との闘いは、これからますます重要だ。世界大恐慌下の労働運動がどこに行くのかが、ここにかかっているからだ。徹底的に対決して、「4者4団体」路線を打倒し、4大(6大)産別−全労働者の闘いの陣形を強固につくりあげていこう。
 11・2集会では、”1047名を絶対に裏切らない。とことん闘う”と誓った5700人が日比谷野音に結集した。これは昨年とは決定的に違っている。あいまいなものは一切吹き飛んだ。吹き飛ばした。そして、この党派闘争と反動との闘いにかちぬき、鍛えられた青年労働者と学生が、2000万青年労働者の怒りと結合して、みずみずしく登場したのだ。

 第2、第3の動労千葉を

  11・2闘争の第三の核心点は、08年から09年へ、階級的労働運動を白熱的に実践していく出発点を築いたことだ。11・2闘争は、第2、第3の動労千葉をつくり出す可能性を圧倒的に示した。革命的労働組合をつくりだし、職場拠点、組合権力を強化・拡大し、地域を階級的労働運動で制圧するのだ。この飛躍と実践を、5700人が断固として決意した。ここに1万人結集の決定的なカギもある。
 中野洋動労千葉前委員長の『新版 甦(よみがえ)る労働組合』が出版され、11・2集会を組織する大きな力になった。このタイトルどおりに闘う労働組合を甦らせる闘いが、11・2に向かう過程で音を立てて始まった。この本には、生きたマルクス主義の実践がぎっしりつまっている。
 09春闘の「生きさせろ!ゼネスト」へ、職場生産点での実践を、11・2闘争の地平でやり抜こう。第2次国鉄決戦を先頭とする6大産別決戦を資本・権力と非和解的に対決して貫き、体制内派・階級協調派との党派闘争を激しくやりぬこう。道州制は自治労、日教組など労働運動解体の大攻撃だ。200万人首切りを狙う道州制と民営化攻撃を粉砕し、その先兵=橋下大阪府知事を打倒しよう。
 マルクス主義青年労働者同盟1000人とマルクス主義学生同盟1000人の建設を全力で推進しよう。11・2闘争の高揚は、青年労働者・学生が巨大な規模で決起を開始したことを端的に示した。『甦る労働組合』の学習会を組織し、職場細胞を建設しよう。労働学校をさらに充実させ、全国各地に広げていこう。
 そして、第2次国鉄決戦を先頭に6大産別の闘いを前進させ、とりわけ12・14国鉄集会の成功をかちとることである。4者4団体路線を許したら、全産別全職場が反動的に一変するのだ。怒りを燃やして4者4団体路線弾劾の闘いを全戦線で展開し、11月潮流への獲得戦を猛然と推進しよう。
 獄中同志奪還の保釈金1億円カンパ、冬期一時金カンパ闘争を、「生きさせろ!ゼネスト」に向かう階級決戦の一環として闘いとろう。カンパ闘争は、闘いのすそ野を圧倒的に拡大する価値創造的な闘いであり、組織建設的な闘いだ。
 富山大学の武藤淳範君と11・2デモ弾圧の全逓労働者の奪還に続いて、19人の学生同志を直ちに奪還しよう。高額保釈金攻撃を打ち砕こう。
 獄中34年の星野文昭同志が、世界大恐慌の革命への転化を徳島刑務所から激しく訴えている。「星野文昭さんを自由に!11・29全国集会」を圧倒的な結集で成功させよう。

 動労千葉への不当捜索 弾劾する 動労千葉の声明=4面

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週刊『前進』(2369号1面2)(2008/11/24 )

 12・14国鉄闘争集会へ

 6大産別決戦の発展かちとれ

 

 12月14日、東京で国労5・27臨大闘争弾圧被告団など3者の呼びかけで「国鉄闘争勝利集会」が開催される。この集会は、国鉄1047名解雇撤回、国労5・27臨大闘争弾圧粉砕と、階級的労働運動、6大産別決戦の全面的発展をかけた重要な集会だ。全力で結集しよう。
 11・2全国労働者集会は5700人が大結集し、日米韓国際連帯を打ち固め、プロレタリア革命の勝利に向かって大きな前進をかちとった。この勝利を跳躍台に、階級的労働運動を全国に押し広げることが決定的に問われている。その基軸が、動労千葉を先頭とする国鉄1047名闘争であり、5・27臨大闘争弾圧粉砕闘争だ。
 1047名闘争は、動労千葉を排除し「解雇撤回」を投げ捨てた国労本部など4者4団体の政治和解=全面屈服路線によって重大な危機に直面している。屈服と腐敗を深める国労本部や在京の一部闘争団幹部は、10・24集会では、抗議する国労組合員を排除するために警察を導入するところまで転落した。
 帝国主義やJR資本の危機が決定的に深まり、労働者階級が勝利できる情勢が到来しているときに、なぜ「解雇撤回」を下ろし、闘いを投げ捨てるのか! こうした1047名闘争の危機をうち破り、解雇撤回をとことん貫いて、勝利に向かって前進しよう。
 今、なぜ国鉄闘争をめぐって激しい分岐と対立が起きているのか。それは、世界大恐慌への突入が戦後の労働運動・労働組合のあり方をふるいにかけ、本物か否かを無慈悲に問うているからだ。大恐慌のもとで民営化・不当解雇との闘いを貫けるか否かが、全世界の労働者に問われている。
 こうした分岐の最先端で、国労5・27臨大闘争弾圧粉砕闘争が闘いぬかれている。裁判は2月の旧弁護団解任、5月の公判分離以来、1047名闘争と完全に一体で闘われ、国鉄分割・民営化の反労働者性を暴き出し、国鉄労働運動のあり方を根本から問う階級裁判として発展してきた。
 100回近く開かれた裁判は大詰めを迎え、7被告への被告人質問が白熱的に闘いとられている。怒りと決意にあふれた被告の陳述は、権力と国労本部、JR資本を串刺しにし、大打撃を与えている。
 今こそ階級的労働運動派=動労千葉派が一堂に会し、密集した団結で国鉄闘争の新たな発展を切り開こう。それが全戦線での新自由主義攻撃との闘い、民営化=労組破壊攻撃との闘いの勝利を切り開くのだ。
 1047名闘争を切り捨て、連合化に突き進む国労本部を打倒し、国労の階級的再生をかちとろう。12・14集会に全国の労働者は大結集しよう。

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週刊『前進』(2369号1面3)(2008/11/24 )

 資本主義は終わりだ!革命勝利へ大カンパを

 読者の皆さん! 世界革命の扉を大きく開く闘いに、ともに立ち上がりましょう! 世界革命をめざして闘う労働者は、労働者階級の党を切実に求めています。革共同をますます強靭(きょうじん)な労働者の党として建設しましょう。
 今年の冬期一時金カンパ闘争は、11・2全国労働者集会の画期的な成功の上に闘われます。11月2日、東京・日比谷野外音楽堂に結集した5700人の労働者は、革命とその激動の中にある自分の位置と真剣に向きあいました。それは強固に築きあげられつつある労働者国際連帯を基礎に、世界革命の達成をきわめて現実的なものとして、自らの課題にたぐり寄せる経験でもありました。
 だから今年の冬期一時金カンパ闘争は、昨年までとも次元を画する決定的な闘いです。世界大恐慌情勢のもとで世界革命をもぎりとるためのカンパ闘争そのものです。革共同へ絶大なカンパを寄せて下さい。全世界の労働者階級による共同の闘いとして、冬期カンパ闘争に勝利しよう!
 世界金融大恐慌への突入は、文字どおり「資本主義の終わり」を鮮明に突き出しました。資本家や政治権力者どもはあらん限りの金切り声を上げて「危機」をあおり立て、マスメディアはそのお先棒を担いで絶叫しています。
 だが、資本主義が終わりを迎えることは、いったい誰にとっての危機でしょうか? 誰にとっての不安でしょうか? 労働者階級にとっては、自分たちから徹底して搾り取ってきた資本主義体制の終わりであり、自分たちを徹底して抑圧してきた体制の破綻であり、自分たちを徹底しておとしめてきた体制の崩壊でしかありません。
 世界大恐慌への突入は、いよいよ労働者階級が社会の主人公になる時代の始まりであり、労働者にとって希望に満ちあふれた時代の始まりなのです。破綻と崩壊のふちにある資本主義を、”生きさせろ!大幅賃上げゼネスト”で撃破しよう!
 11・2全国労働者集会には、多くの青年労働者と学生が参加しました。労働者階級が社会の主人公になる時代を引っぱるのは、青年労働者・学生です。法政大弾圧で今獄中にとらわれている19人の学生の仲間たちは、その闘いの先頭に立っています。彼らは全世界の労働者階級の誇りです。1日も早く私たちのもとに奪い返しましょう!
 1億円保釈金カンパと併せて、冬期一時金カンパ闘争の歴史的勝利を実現しましょう! 
 反帝・反スターリン主義世界革命の旗のもと、万国の労働者、団結せよ!

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週刊『前進』(2369号2面1)(2008/11/24 )

 金融大恐慌―世界革命情勢の成熟にあたって 全世界の労働者階級に訴える

 労働者自己解放の思想であるマルクス主義を今こそ全面的に奪い返して闘おう

 革命的共産主義者同盟

「国境を越えた団結を!」日米韓の労働者が道いっぱいのデモ(11月2日 東京)

 11・2全国労働者総決起集会とそれに続く訪韓闘争は、労働者階級の国際連帯の決定的な新地平を開いた。革命的共産主義者同盟はここにおいて、全世界の労働者階級に対して日米韓の3カ国語によるアピールを発し、世界金融大恐慌の爆発をプロレタリア世界革命の勝利に転化するために、マルクス主義の復権と世界単一の労働者党の建設に向けてともに闘おうと呼びかけた。その全文を掲載する。(編集局)

 資本主義・帝国主義の大崩壊が始まった。プロレタリア世界革命をやりぬく時代がついに来た

 1929年の大恐慌をはるかにこえる世界金融大恐慌が爆発した。最末期の帝国主義はこの数十年、新自由主義の規制緩和・民営化のもとで資本主義の弱肉強食の論理を極限まで満展開させてきた。労働者階級へのすさまじい強搾取・強労働と福祉はく奪、全人民の収奪、貧困化の上に、一握りの大ブルジョアジーが法外な利益をむさぼってきた。その結果がついに、資本主義の経済社会システムそのものの中心部からの瓦解となって現れた。
 今や、全世界の帝国主義者、資本家階級はパニックに陥っている。しかし彼らにできることは、この世界金融大恐慌の中で他を蹴落としても自分だけが生き残ろうとあがきにあがき、その結果、大恐慌を底無しに激化させていくことだけだ。最後は世界経済の完全な分裂・崩壊と新たな世界戦争の破局に突っ込んでいくしかない。彼らにとって、もはや出口はどこにもない。
 労働者階級にとっては逆に、待ちに待った決定的なチャンスの到来だ。長きにわたるブルジョアジーの支配を最終的に打倒し、終わらせる時がついに来たのだ! 全世界の労働者階級と、搾取され抑圧されているすべての人民にとって、いま必要なことは、資本家階級と一緒になって世界大恐慌から資本主義を救い出す道がどこかにあるのではないかと探し求めることでは断じてない。それは資本家とともに破滅への道を歩むことであり、第一、そんなことは不可能だ。いま起きているのは、1917年ロシア革命によっていったんその一角を打倒されながら、ロシア革命を変質させたスターリン主義の裏切りに助けられて延命してきた帝国主義が、ついにその終末を迎えたということだ。この資本主義・帝国主義の断末魔のあがきに終止符を打ち、社会を崩壊のふちから救い出すのはただひとつ、プロレタリア世界革命の完遂だけである。
 われわれ労働者階級が望むのは、この社会の部分的な改良ではなく、全面的な転覆だ。そもそも、資本主義体制になんらかの改善を加えることで搾取や貧困の問題は解決できるなどという幻想は、これまでの歴史がそのインチキをとっくの昔に暴いているではないか。われわれは単に、不平等に対して平等を、貧困に対して豊かさを求めているのではない。労働者階級に対する賃金奴隷制の廃止、人が人を搾取することで成り立つ社会そのものの廃絶を求めている。資本の利益の前には労働者の生命など虫けら同然とされ、金がすべてを支配しているこの社会を、根底からぶちこわすことを求めているのだ。
 社会の真の主人公である労働者階級が全権力を握り、資本主義の全世界的な転覆の上に、まったく新たな、真の人間的共同性にもとづく社会(=共産主義社会)を地球的規模で打ち立てること――これがわれわれの目標である。今こそこのプロレタリア世界革命を、断固としてかちとる時代が来たのである。

 世界を変える力は労働者階級の階級的・国際的団結とその闘いの前進の中にある

 プロレタリア世界革命の条件はすでに圧倒的に成熟している。資本家階級はどこでも、もはや従来のやり方では労働者階級を支配できなくなり、統治能力を失っている。今や誰もが、現状の根本的変革を心の底から望んでいる。
 革命を起こす力はどこにあるのか。労働者階級自身の中にある! 団結した労働者の力だけが、社会を変革し、歴史を動かす力だ。資本の支配を打ち破る力は、実は一人ひとりの労働者の中に備わっている。この力は、労働者がバラバラに分断され、互いに対立・競争させられて、団結できない状態に置かれている時には認識できない。だが労働者がこの分断を打ち破って、この社会を動かしている本当の主役は自分たちだという誇りと自覚に目覚め、階級としてひとつに団結し、資本家階級との非和解の闘いに立ち上がっていく中で、それまで思いもよらなかった自己解放の力が労働者自身の内側から解き放たれてくるのである。
 しかも労働者階級は、国際的に単一の階級であることをその本質としている。プロレタリア革命は、本質的に世界革命である。国境や民族による分断と差別・抑圧は、帝国主義が、世界革命へ向けたプロレタリアートの国際的団結を破壊するために、意識的に作り出してきたものだ。だが労働者階級は、同じ敵に対して同じ闘いを闘っている仲間だと互いに認識しあった瞬間に、あらゆる分断をのりこえてひとつになれる階級である。そして労働者階級の階級的団結が、国境をこえた団結へと発展したとき、それはまさに全世界を変革する力を獲得する。
 そして今、「万国のプロレタリア、団結せよ!」という『共産党宣言』の言葉が文字どおりの現実になる時代がやってきたのだ。マルクスが「資本主義の墓掘り人」と呼んだ労働者階級の存在と闘いは、今や世界のあらゆる地域に、膨大な数で広がっている。世界中で労働者の「生きさせろ!」の叫びと嵐のようなストライキ、デモ、暴動が起こっている。とりわけ2008年5月1日のメーデーで起きたことは決定的である。アメリカの港湾労働者とイラクの労働者が連帯して戦争協力拒否のストライキに立ち上がった。労働者が国際的に団結して決起すれば、戦争も実力で止められる! 帝国主義は倒せる! ここにプロレタリア世界革命の圧倒的な現実性がある。
 世界革命へ向けた労働者階級の国際組織である新たなインターナショナルの創設に踏み出す時が来ている。日本の動労千葉が呼びかけ、毎年11月に開催されてきた日米韓3国労働者の国際連帯集会は、その母体となるものだ。ここで形成される団結をさらに強化・拡大・発展させ、世界の労働者を今こそひとつにつなげる闘いを開始しよう。

 労働者階級への不信と絶望をあおってきたすべての反動的イデオロギーを粉砕し、本物のマルクス主義を復権させよう

 プロレタリア革命の本質は、労働者階級が自分で自分を解放する、労働者階級自己解放の闘いである。そして労働者階級は、賃金奴隷制のくびきから自らを解放することによって同時に、階級社会の廃絶とあらゆる抑圧からの全人間の解放を可能にする。このことを明らかにしたのがマルクス主義だ。
 ロシア革命を変質させたスターリン主義はしかし、マルクス主義の核心であるこの労働者階級自己解放の思想を根本からゆがめ、否定した。世界革命を裏切り、放棄したスターリン主義が、その裏切りを「一国でも社会主義は建設できる」と言って居直ったことが歪曲と変質の出発点となった。ソ連スターリン主義は「労働者国家」を名乗りながら、実際には党と国家を私物化した一部の特権官僚が逆に労働者大衆を支配するという自己矛盾の中で、最終的に崩壊した。さらに、スターリン主義の破産はその対極に、「プロレタリア革命をやってもそれだけでは社会の矛盾はなくならない」として、マルクス主義以外のところに救いの道を求める様々な思想と運動を生み出した。20世紀の終わりには、それらは一種の「流行の思想」にまでなっていった。
 このすべては、労働者階級の革命性を否定し、「現実の労働者には社会を変える力はない」としていく点で根本的に誤っている。労働者を自己解放の主体ではなく、単なる「救済の対象」としてしか見ない。したがって、資本の支配を実力で覆す労働者階級の闘いが本格的に開始された時、その闘いに逆に恐怖し、敵対する存在へと転落するのである。
 世界革命情勢の急速な成熟は、労働者階級への不信と絶望を組織するこれらの反動的イデオロギーと徹底的に闘って、本物のマルクス主義を労働者階級の手に取り戻す闘いを絶対不可欠としている。動労千葉の中野洋顧問(前委員長)は、「僕は、労働者を軽んじ、蔑視する考えに取り込まれない限り労働者は必ず勝てると確信している」と言い切っている。そのとおりだ。動労千葉は、1980年代以来の新自由主義攻撃の重大焦点であった日本における鉄道の大民営化攻撃に、真っ向から闘いを挑んで勝ちぬき、生き残ってきた、世界にもまれな労働組合だ。その強さの秘密はまさに、労働者一人ひとりのもつ自己解放の力に対する徹底した信頼と、それに基づく団結にある。言い換えるなら、本物のマルクス主義を労働組合の日常の実践の中に貫き通して闘ってきたことにある。
 プロレタリア革命とは、どこにでもいる「普通の労働者」が全員、プロレタリア権力の直接の担い手となり、名実ともに社会の主人公となって自ら全社会を支配することだ。それを可能にするのは労働者階級の団結だ。労働者階級は、その階級的団結の形成と発展をとおして、階級社会のもとで奪われ続けてきた人間本来の共同性を実力で奪い返していく。団結とは、コミューンの原基体だ。労働者階級はその団結した力をもって、職場生産点の支配権を資本家の手から奪い取り、さらに農民をはじめ帝国主義と闘うすべての勤労人民をも自らのもとに結集して、ブルジョア国家権力を打倒し、革命に勝利する。そこでブルジョア独裁に代わって打ち立てられるプロレタリアートの独裁は、いわば団結の究極の拡大なのである。
 そして支配階級となったプロレタリアートは、その瞬間から自己の「階級としての死滅」を準備し始める。すなわち、古い社会の解体と搾取なき社会の建設をとおして階級と階級対立の発生する物質的根拠を取り除き、その代わりに、一人ひとりの自由な発展が、すべての人びとの自由な発展の条件となるような真の共同社会を実現するのである。
 このように、プロレタリア革命とは労働者階級自身による壮大な事業である。その第一歩は、労働者階級が自らの思想であるマルクス主義を、あらゆる歪曲を取り払って自分自身の手に奪い返し、実践していくところから始まるのだ。

 労働組合こそ資本と闘う武器だ。資本の手先に転落した御用組合幹部を追放し、労働組合を現場労働者の手に奪い返して闘おう

 プロレタリア世界革命を実現していく最大のカギは、階級的労働運動の再生だ。その核心は、労働者階級の最も基本的な団結形態であり、資本と闘う決定的な武器である労働組合の、本来の姿をよみがえらせることである。
 これまで、スターリン主義や社会民主主義、あらゆる色合いの体制内改良主義が、世界の労働運動を長い間牛耳ってきた。他方で、組織された労働者の闘いにはもはや社会変革への希望を見出せないという、労働組合と労働運動への不信と絶望の思想がやはり世界にはびこってきた。これらが労働者階級の闘いへの妨害物となり、その怒りの爆発をおしとどめ、新自由主義のもとでの資本の無制限の搾取を助長し、膨大な労働者をワーキングプアに叩き込んできた元凶である。これと徹底的に闘い、打ち破ることが必要だ。組合を支配してきた御用幹部をランクアンドファイル(現場組合員)の決起によって打倒・追放し、動労千葉のような本当の闘う労働組合を、すべての職場によみがえらせていこう。
 体制内労働運動の幹部たちは言う。「会社がつぶれたら労働者も生きられない」と。資本家階級は言う。「自分たちなしでは社会は運営できない」と。大うそだ。確かに資本主義社会では、資本の存在がなければ労働者の賃金労働は成り立たない。だが実際に生産に従事して、この社会を動かしているのは労働者だ。教育や医療もすべて現場の労働者が担っている。資本家階級は労働者を搾取してそこから莫大な利潤を吸い上げているが、本質的には労働者階級の労働に寄生しているにすぎない。資本家階級を追放して、彼らの私有財産にされていた社会的生産手段のすべてが団結した労働者の手に移されれば、労働者はその団結の力で立派に社会を運営できるのだ。しかも搾取階級という寄生物がいなくなることで、労働者が生み出す巨大な生産力は、そのすべてを人間社会の発展のために役立てることが可能になる。
 労働組合は、労働者階級が資本の際限のない搾取と必死に闘って生きぬくために、自らつくりだした階級的団結の砦だ。それは、資本との日常的なゲリラ戦を闘いぬくと同時に、賃金鉄鎖をひきちぎる闘いに向かって労働者が自分自身を訓練し、準備し、自らの職場生産点をプロレタリア革命の拠点に変えていくための組織である。この階級的労働運動と革命運動は、限りなく一体だ。だからこそ全世界のブルジョアジーは、階級的労働運動の発展を阻むために、御用組合幹部をも手先に使って、労働者の団結破壊に必死になっている。これを打ち破って進むことが決定的だ。闘う労働組合の力強い姿を、今こそ歴史の前面に登場させよう。

 プロレタリア革命に勝利する労働者階級の党をつくりだそう

 革命的共産主義者同盟は、日本の地で、動労千葉と連帯し、ともに歩んできた共産主義者の組織である。われわれは、1950年代後半、当時のソ連に代表されるスターリン主義と決別し、日本共産党から分離独立して自らの組織を創立した。そして〈反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命〉の綱領を掲げ、国家権力の弾圧やファシストによる白色テロルと徹底的に闘い、様々な試練をくぐりぬけて半世紀を超える闘いを貫いてきた。われわれの同志の一人、星野文昭は、1971年の沖縄闘争でデッチあげ逮捕され、不屈・非転向の獄中闘争をすでに34年にわたって闘いぬいている。そして今、われわれは、資本主義・帝国主義への大反乱を開始した青年労働者や学生とともに、21世紀の革命を絶対にやりぬく決意に燃えて新たな進撃を開始している。
 労働者階級がプロレタリア革命に勝利するためには、労働組合と並んで、労働者の政治組織、党が必要である。革共同は、動労千葉の闘いに学びつつ、労働者階級の党、マルクス主義の党として自己を建設するために不断の自己変革を重ねてきた。われわれは、帝国主義やファシスト勢力との血みどろの闘いと、スターリン主義やあらゆる体制内運動との非妥協的対決の中で、本物のマルクス主義をつかみ直すための真剣な努力を積み重ねてきた。そして今日、その到達点を、『共産党宣言』『賃労働と資本』をはじめとするマルクス主義基本文献の学習に関する一連の本の刊行をもって明らかにしている。
 われわれは今、あらためて、全世界の労働者階級に呼びかける。本物のマルクス主義を今こそ復権しよう。本物のマルクス主義の党、世界革命に勝利する労働者階級の党をともにつくりだそう。全世界の労働者階級が一つの軍勢となり、資本主義社会を転覆する革命をやりぬく時代がついに来たのだ。1871年のパリ・コミューン、1917年のロシア革命が切り開いた地平を真に継承し、発展させ、ともに最後の勝利に向かって攻めのぼろう。「プロレタリアは、この革命において鉄鎖以外に失うものは何もない。獲得すべきは全世界である」――この『共産党宣言』の言葉に、生きた魂を吹き込む闘いをやりぬこうではないか。

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週刊『前進』(2369号2面2)(2008/11/24 )

 11・2報告集-あの感動を仲間に

 11・2労働者集会実行委員会から『11・2全国労働者総決起集会報告集』が発行されました(写真)。韓国・米国労働組合の代表団の発言や呼びかけ組合からのアピール、国鉄1047名闘争や「日の丸・君が代」闘争、沖縄行動団の特別報告、決意表明など、11・2集会の全発言を掲載しています。
 さらに、日米教育労働者の国際連帯交流集会や、動労千葉と民主労総ソウル本部が行った第1回理念交流、ILWU代表との会議など、集会を前後して行われた企画の記事も充実しています。
 報告集を職場や地域で仲間に広め、11・2の感動を伝えよう。
    *
◆11・2集会実行委発行/B5判52頁/頒価500円
◆注文先 千葉市中央区要町2−8 DC会館/電話 043―222−7207/FAX 043−224−7197
◆E-mail: doro-chiba@doro-chiba.org

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週刊『前進』(2369号3面1)(2008/11/24 )

 関合労大阪東部支部 “派遣労働者の解雇を撤回しろ”

 森精機で24時間スト

 派遣元と派遣先を串刺しに

 「森精機は契約解除=解雇を撤回しろ!」  11月13日、関西合同労組大阪東部支部・技能育成センター分会は、派遣先の森精機奈良第一工場において24時間ストを打ち抜いた。森精機構内での集会とデモを闘いとった実に感動的なストライキだ。やったぞ! 分会の仲間は勝利感でいっぱいだ。「生きさせろ!」ゼネストの突破口を切り開く歴史的な決起だ。 9人の仲間の偉大な決起、万歳!
 「おれたちはモノじゃない!」と怒りのストに決起(11月13日 奈良県大和郡山市)

 「派遣」300人に突然解雇通告

 10月9日、森精機は突然、奈良第一工場で働く俺(おれ)たち派遣労働者全員の契約解除=解雇を通告してきた。11月10日には、技能育成センター(技能)から派遣された4人の仲間が首を切られた。12月末までに全員が首を切られるのだ。派遣元である技能は、技能に戻るか辞めるかを迫ってきた。技能に戻っても、来年1月には技能は同じ系列の派遣会社・プレミアラインに統合される。何割かの労働者は「プレミアラインに行けない」と言われており、統合の過程で労働者が次々と首を切られていくんだ。これで黙っていられるか!
 森精機は世界に名の売れた工作機械メーカーだ。この5年間で大幅に増収しているが、リーマン・ショックに端を発する金融恐慌、円高で輸出が減ったとして派遣労働者300人を突然削減すると発表した。森精機には5社もの派遣会社が入っている。元々禁止されていた製造現場への派遣が解禁されたことを悪用し、大量の派遣労働者を正社員の半分以下の賃金でこき使って、景気が傾けばいつでも首を切る対象としてボロもうけしてきた。森精機の莫大(ばくだい)な富はすべて労働者が働いて生み出したものだ。突然の契約解除など絶対に許せない!
 そもそも俺たちは派遣元である技能にものすごい怒りをもっている。低賃金である上に、手当や一時金など約束どおり支払われたことがない。俺たちは職場の仲間に声をかけ、労働組合に入って闘おうと呼びかけた。その最中に森精機による突然の全員解雇だ。ふざけるな! 俺たち派遣労働者はモノじゃないぞ! 工場を回しているのは俺たち労働者だ!
 俺たちは森精機と技能を串刺しにする闘いを決意し、10月15日、関西合同労働組合技能育成センター分会を結成した。そして10月29日と11月7日の2回、技能に団交をたたきつけたが、技能はまったくのゼロ回答だ。上等だ! 交渉で何とかなるなんて最初から思っていない。

 分会を結成後1カ月でスト

 ストライキで闘おう!
 俺たちは、仕事を終えてから連日の分会会議をもち、議論に議論を積み重ねた。みんなそれぞれ不安や葛藤(かっとう)と闘いながら、技能育成センター分会は急速に団結を固めた。ほんのこのあいだまで「労働組合って何?」という仲間がほとんどだった。一人ひとりが「13日の蜂起」に向かって、ものすごい飛躍と転換をかちとっていった。分会結成から一月もたっていない。これが「革命」だ!
 この日、分会の仲間、支援の仲間は朝7時半出勤時からのビラまき、スト通告、構内でのシュプレヒコール、構内デモ、集会、近鉄奈良駅前での情宣、退勤時のビラまきと終日ストをやりぬいた。退勤時、「ストライキを貫徹したぞ」という分会員のアピールに満面の喜びを示す労働者が増えていた。拳を上げて応える労働者が何人も出てきた。
 働き盛りの労働者を派遣や期間工や社外工として正社員の半分や3分の1の低賃金でこき使い、空前の収益を上げてきた自動車や電気、機械などの大企業の資本家どもよ! 森精機派遣労働者のストライキの前に戦慄(せんりつ)するがいい! 労働者はあらゆる分断をのりこえて団結して立ち上がる。
 大恐慌の時代は、労働者が社会の真の主人公として立ち上がり資本家から権力を奪い取る時代だ! 資本家どもの時代はもう終わった! 京品ホテルの闘いが示すように、資本家などいなくても労働者はこの社会を動かすことができるんだ!
 闘いはこれからだ! 11月末に森精機から首を切られる仲間がいる。12月末には全員が切られる。俺たちは、第2波、第3波のストライキをたたきつけてやる! 関合労は闘うぞ! 技能育成センター分会は闘うぞ!
 (投稿/関西合同労組大阪東部支部・長田徹)

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週刊『前進』(2369号3面2)(2008/11/24 )

 道州制=200万人首切り粉砕を

 先兵・橋下大阪府知事を打ち倒せ

 日本経団連 「09年に基本法の制定を」

 「2015年導入」へ第2次提言

 世界金融大恐慌―世界同時不況のもと帝国主義間争闘戦が激化しているなかで、日帝・支配階級はその延命をかけて一斉に道州制導入に向かって動きを加速させている。
 道州制とは何か。端的にいえば公務員200万人首切り、公務員労働運動解体、改憲・戦争の攻撃だ。直接には@都道府県を廃止して全国を約10の道または州に分割し、道州に国の権限を移譲するA市町村合併で最終的に300の基礎的自治体に再編するB国の役割を外交・軍事などに特化する――国家大改造だ。戦後民主主義から戦争国家体制へ転換する改憲クーデターだ。
 日本経団連は11月14日、「道州制の導入に向けた第2次提言」を発表した。2009年に「道州制推進基本法」を制定し、2015年に道州制を導入すべきだと主張、道州制導入を麻生政権と「軌を一にして前に進めたい」と強調した。
 自民党道州制推進本部も11月13日、道州制基本法案を検討する委員会の設置を決め、基本法案の来年の国会提出を目指す方針だ。年内に道州制の理念や移行目標などを定めた基本法案骨子をまとめる。
 麻生首相は、政権発足時に公明党と「道州制に関する基本法の制定に向け、内閣に『検討機関』を設置する」ことで政権合意を交わし、所信表明演説でも、国の出先機関を地方に移すなど地方分権を進めた上で「最終的には地域主権型道州制を目指す」と表明していた。
 政府の道州制ビジョン懇談会(江口克彦座長)は3月の中間報告で2011年の通常国会に基本法案を提出するとしていたが、2年早めるのだ。
 新たに設置された自民党の「道州制基本法制委員会」の杉浦正健委員長は、次期衆院選の政権公約(マニフェスト)に「『道州制実現』と踏み込み」、「3年以内に基本計画策定」と盛り込むことを明らかにした。
 一方、民主党も11月13日の分権調査会で、市町村合併を進めて全国を700〜800の自治体に再編し、最終的には都道府県を廃止して小沢一郎代表の『日本改造計画』(1993年)がうたう「300程度の基礎的自治体」からなる地域主権型の国家を目指す方針を打ち出した。
 とりわけ橋下徹大阪府知事は道州制導入の最先兵だ。橋下は、関西財界の手代として大阪府廃止・関西州設置が目標だと宣言し、そこに向かって大阪府丸ごと民営化の攻撃を強行している。

 大資本の利益と繁栄図る

 「道州制導入に向けた第2次提言」は、@道州制導入による公共投資の効率化など国内全体で少なくとも約5兆8500億円の行政経費の削減が可能A地方の農政局、整備局など国の出先機関の原則廃止などで、新たに国と地方で約3万3000人の公務員削減が可能――として、道州制の効果を「試算」してみせ、アピールしている。
 日本経団連はこのように、国から道州への行政権限や税財源の大幅移譲、行政経費の節減など行財政改革を行い、「分権型国家を構築し、広域経済圏を形成」すれば、地方が活性化し、日本経済全体の成長力、国際競争力を向上し、日本の繁栄が保証されると描く。資本が直接統治する道州制の導入で帝国主義間争闘戦に勝ちぬき、生き残ろうとしているのだ。
 道州は、公務員の定数削減・賃金削減、公共投資削減でひねり出した財源で私企業向け産業政策を展開し、経済を成長させ、基礎的自治体は、住民福祉・医療・介護などを住民の相互扶助・共助、自己責任・連帯責任にまかせる、という計画だ。つまり道州制導入は大資本の利益の増進と繁栄のためにのみ行われるのだ。その結果は日本の貧困大国化だ。
 道州制導入で、1000兆円に上る累積債務を抱える国・地方の矛盾は基礎的自治体に押し付けられる。自治体の事務・事業は市場化テストなどで丸ごと民営化され、人員削減、正規職の臨時・非常勤への置き換えが進む。分限免職も発動される。200万人首切りだ。
 この200万人首切り攻撃は、日本経団連の「道州制導入に向けた第1次・第2次提言」では隠されているが、2006年4月の関西経済同友会の提言「5年後に『連邦的道州制』に移行せよ」ではより露骨に主張されている。

 ストライキで団結守ろう

 関西経済同友会の提言は「国・地方合わせて55兆円の歳出削減」「新たな政府で働く人材は『半分の人員で倍の仕事』を」と明記している。「410万人の公務員のうち自衛官・警察を除く360万人弱を関係法を制定の上、いったん(全員)解雇する。85万人を削減した上で……新たなエリートを中央・道州政府に登用する」「教育公務員など126万人の現業公務員は、国立・公立学校を私学化するなど組織を公設民営化した上で再雇用の機会を与える」
 85万人プラス126万人、計211万人の公務員が首になる。失職する85万人は国鉄分割・民営化時の人材活用センターや国鉄清算事業団と同様の「公務員支援事業団」に送られる。国鉄分割・民営化=20万人首切り攻撃をも上回る大攻撃だ。動労千葉のようにストライキで闘う以外にない。
 この提言を実行に移しているのが橋下徹・大阪府知事だ。橋下は「半分の人員で倍の仕事をする能力」のあるものだけが関西州で採用されるとうそぶき、「財政非常事態」「教育非常事態」「大阪維新」を叫んでリストラ・民営化を強行している。府職員の賃金を4―16%、393億円削減し、「だめ教員は分限免職にする」と叫び、学力テストの結果公表を決め、教育民営化を強行しようとしている。道州制の先取りとして大阪府と大阪市の水道事業統合=民営化を始める。
 橋下は「怠け者の労働者が社会を悪くした」と転倒した観点から労働者階級を攻撃する。労働者階級の怒りと団結の力を甘く見ているのだ。労働者が誇りと怒りをもって決起すれば橋下を打倒することができる。金融大恐慌で彼らの足元はぐらぐらなのだ。体制内労働運動を打倒し、階級的労働運動の力で道州制導入、自治体丸ごと民営化、200万人首切り、人事評価=査定給、労組破壊、改憲・戦争国家化を阻止しよう。
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●日本経団連「道州制導入に向けた第2次提言」(骨子)
・2015年に道州制への移行を提案
・行政経費を年間5兆8483億円削減内訳は公共投資4兆3353億円と地方公務員人件費1兆5130億円
・国と地方で3万3000人の公務員削減
・全国を10程度に区割りし、道州を設置。北海道と沖縄は単独の「特別型道州」とし、国が時限的に財政支援
・地方の自立や活性化で格差を解消
・全国1800弱の市町村を合併で約1000に集約し、道州傘下の基礎的自治体に移行
・東京の首都機能は移転せず、経済都市として国際化し、地方に富を分配

●関西経済同友会提言「5年以内に『連邦的道州制』へ移行せよ」(骨子)
・憲法を改正し、5年以内に「連邦的道州制」へ移行
・国、地方合わせて55兆円の歳出削減
・国債・地方債の発行を停止
・改憲し参議院を「道州代表制」に改組
・議員を2万1000人削減
・公務員はいったん解雇、85万人削減
・教育公務員等126万人を民間に

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週刊『前進』(2369号3面3)(2008/11/24 )

 スト中止に強い怒り

 都労連08賃金闘争

 現業賃金8%削減 弾劾

 都労連は18日1時間ストライキを中止し、当局の提案を受け入れ08賃金闘争を収拾した。ストで闘わないのは組合員と労働者階級への裏切りだ。
 業務職給料表(現業賃金)の8%引き下げ(交通局現業職員を除く。2010年4月実施)、賃金カーブのさらなるフラット化、主任教諭の新設とそれに伴う新給料表の導入、小中高統一給料表の導入。現業賃金削減が当初提案の15%から8%に緩和されただけだ。8%だったらいいのか!
否だ。食っていけない。白紙撤回あるのみだ。これを許したら次は分限免職、生首が飛ぶ丸ごと民営化、都労連の団結の最後的解体だ。スト貫徹が唯一の方針なのだ。
 現場は怒りであふれている。スト以外にありえない。ストを打てば勝てる情勢だ。にもかかわらず都労連執行部はストを中止したのだ。
 「ストを倒して妥結」の報を聞いた保育園の非正規職員は「正規職ががんばらなかったら、すぐ自分たちのところに攻撃が降りかかる。なんだと思っているんだ」と怒りをあらわにした。
 現場は本部執行部への怒りで充満している。
 都労連執行部は「労使協議を尽くして自主解決を図る」ことに汲々(きゅうきゅう)とし、今回も都との「信頼関係」の維持と引き替えに大幅賃下げ提案をのんだ。これは、恐慌下では他の労働者への破壊的な賃下げ・首切り、民営化・外注化につながる。このままでは都労連の際限のない屈服と後退、連合化だ。国鉄1047名闘争の解雇撤回要求を投げ捨てた4者・4団体と同じだ。こんな腐った執行部は直ちに引きずり降ろそう!
 最末期帝国主義の新自由主義政策が破産し、世界金融大恐慌が起きている。資本主義は終わりだ。世界中の労働者が賃下げ・首切り攻撃に「生きさせろ!」とストで反撃している。11・2労働者集会5700人結集は世界大恐慌を世界革命に転化するプロレタリアートの国際的陣形が登場したことを表している。この世界革命情勢下で日帝の首都機能を握る都労連5万3000組合員がストに決起することは決定的だ。
 中野洋・動労千葉前委員長は「なぜ資本家階級の支配が成り立ってきたのか。労働者の階級的利害を貫くものが主流派にならなければ労働者の勝利はないのだ。労働組合を甦(よみがえ)らせること、この一点に労働者階級の未来がかかっている」と言っている(『新版 甦る労働組合』)。体制内思想に侵され、当局に屈服し妥協に走る労組幹部をぶっ飛ばそう。
 絶対反対を貫き団結の強化を総括軸とする階級的労働運動へと都労連を現場の力でつくり変えよう。09春闘生きさせろゼネスト――ここに都労連の展望がある。
(写真 石原知事に向かって「現業賃金引き下げを許さないぞ」と都労連労働者【11月17日 都庁モール】)

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週刊『前進』(2369号3面4)(2008/11/24 )

焦点 大恐慌に無策の金融サミット

 ドル基軸性巡り米欧対立

 11月14〜15日に金融サミットが開かれた。帝国主義国だけでなく、ロシア、中国、韓国、インド、ブラジルなど20カ国首脳が集まる初の会議(G20)となった。しかし、資本家階級は「百年に一度の危機」と認識していながら、有効な対策を持ち合わせていないことを露呈した。むしろドルの基軸性をめぐって米欧が対立するなど、帝国主義間争闘戦の激化を浮き彫りにするものとなった。G20をも機に、帝国主義を打倒する情勢はいよいよ深まっていく。
 金融サミット首脳宣言は、金融安定化のために「あらゆる措置」を取るとした。だが、どんな措置をとっても世界金融大恐慌は押しとどめられない。すでに金融市場への大量の資金供給、銀行への公的資金の投入などが実施されてきた。しかし、世界的な信用収縮は一段と深刻化している。銀行間取引で資金を供給しているのは、各国の中央銀行ぐらいだ。民間の金融機関は逆に貸出資産を圧縮している。銀行による貸し渋りと貸しはがし(融資回収)が世界中で起きている。貸し渋りは企業・家計に破壊的な作用を及ぼす。こうなると、もはやどういう措置をとっても無駄だ。
 現在の大恐慌の一因となった信用格付け会社やヘッジファンドの動きを監督し規制することも議題となった。しかし、米帝が米金融資本の利益を守るために反対し、規制は決めなかった。帝国主義は80年代以降、金融投資・投機でしか延命できなくなり、格付け会社やヘッジファンドは好き放題の投機を繰り広げてきた。そういう帝国主義の末期性こそが世界金融大恐慌を引き起こしている。金融規制とかではどうにもならない。
 金融サミットの合意で具体性を持つのは、「財政出動策を取る」と確認したことぐらいだ。しかし、すでに全帝国主義国の財政が破綻しており、30年代のような「ニューディール」は再現できない。それでも大規模な財政出動策を取るのなら、国債増発と金利上昇、通貨価値の暴落を引き起し、大恐慌を促進してしまうだけだ。
 さしたる具体的な確認がなかった一方で、ドルの基軸性を維持するのかどうかを巡り米欧間で激しく対立した。仏サルコジ大統領は金融サミット直前に、「米ドルはもはや世界の基軸通貨ではない」と明言した。帝国主義国首脳がこのように言うのは歴史的に初めてだ。欧州帝国主義は、基軸通貨ドルを支えるIMFなどの抜本的改革さえ主張した。それほど米経済とドルが没落してしまったのだ。これに対し米帝は、ドル本位制にしがみつくのに必死になった。
 こうした対立が始まったこと自体、ますますドルを暴落させていくものとなる。そして、基軸通貨が吹っ飛び、かといってユーロがそれに取って代わることもできず、世界経済が大崩壊していく。そうした過程が始まったのだ。
 日帝・麻生はサミット前に「ドル基軸維持に努力する」との異例の声明を出した。日帝は通商面で米帝と対立していながら、通貨面ではドルにすがるしかない。帝国主義としてどうしようもない弱さをさらけだした。日帝打倒の展望もいよいよ鮮明になっていく。

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週刊『前進』(2369号3面5)(2008/11/24 )

焦点 「生活給付金」実は消費大増税

 税金使い露骨な選挙買収

 「世界金融大恐慌が実体経済への壊滅的な打撃となって進行し、その対応で右往左往する麻生政権は、10月30日に新経済対策なるものを発表、その目玉として総額2兆円、国民1人あたり1万2000円の「定額給付金」を配るとした。自民党政権の底が抜けた危機の中で、文字どおり選挙目当てに公金をばらまき、票を買うという愚劣な買収策である。資本主義経済システム自体が崩れ始めた現状で、ブルジョア・ジャーナリズムからさえも「公職選挙法違反すれすれ」とか「天下の愚策」などと批判されている。
 そもそも「給付金」というが、原資は人民から搾った税金だ。それを選挙目当てにばらまくなど論外である。そもそも新自由主義政策で労働人口の4割にも迫る非正規雇用労働者をつくり出し、毎年2200億円も社会保障費を削り続け、働いても働いてもまともに生活できない状況に人びとを追い込んだのは日帝・自民党政権ではないか。そうした事実を開き直って何が「生活給付」なのか。
 しかもこの「生活給付金」はサラ金まがいのペテンである。麻生は発表の同じ場で「3年後の消費税引き上げ」を宣言。翌日の経済財政諮問会議で、早くも「消費税率8%台」への議論を始めた。
 消費税率を現行の5%から8%へ引き上げると、年間で約8兆円の増税となる。「生活給付」と称して2兆円をばらまき、わずか3年後に8兆円を回収するのだ。2兆円が3年で8兆円に化ける。サラ金の法定金利をはるかに超える悪質高利貸しである。以後、消費税率は限りなく20%水準にまで引き上げられる。塗炭の苦しみの大衆増税の道。この手始めが今回の「生活給付金」なのだ。
 このような「政策」を採用すること自体が資本主義の末期状態を象徴している。
 また今回の新経済対策のもうひとつの目玉である「住宅ローン減税」もしかりだ。住宅ローン残高の一定割合を所得税から控除する金額を、現在の160万円(10年間で)から最大600万円に引き上げるというが、「600万円の控除」を受けられる対象者とは、頭金を支払った上で毎年のローン残高が10年間にわたって6000万円を超える物件を買える高額所得者だ。何のことはない。大金持ちと建設・不動産資本の救済策なのだ。この結末も大増税である。これが景気対策の目玉とは労働者人民をなめきっている。
 そもそも金融大恐慌自体が、新自由主義攻撃によって労働者人民から極限的に富を搾取・略奪し、「小さな政府」と称して社会保障を破壊し、一握りの大資本家のもとに腐るほどの富を集積させてきた結果ではないか。それが破綻したのだ。その途端に膨大な公的資金(税金)を使って、この腐り果てた資本家どもと資本主義体制を救済するために、大増税への道を開こうとしているのである。
 資本主義を救済するな! 階級的労働運動の力で日帝・麻生政権を打倒しよう! いまこそプロレタリア革命で労働者人民の政府を打ち立てよう!

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週刊『前進』(2369号4面1)(2008/11/24 )

 「食と農を考える会」開く

 三里塚・市東さん「私は一歩も引かない」

 千葉市で11月16日、「市東さんの農地取り上げに反対する会」主催の「食と農業・農地問題を考える 11・16講演&パネル・ディスカッション」が開かれました。
 三里塚で市東孝雄さんにかけられている農地取り上げ攻撃の根本には、農業問題があります。全国の農民が「このままでは生きられない」という現実は日増しに過酷になっています。昨年の9・8講演会に続き、「食と農」を問題提起と討論で掘り下げようとする非常に意欲的な企画です。三里塚反対同盟も北原鉱治事務局長を始め、総出で参加しました。
三里塚の農地破壊やFTA問題を報告(11月16日 千葉市)
 司会は成田市議の足立満智子さん。最初に科学ジャーナリストの天笠啓祐さんが「穀物高騰と農業危機――食糧危機と脅かされる食の安全」と題して講演し、世界で噴出する諸矛盾を「崩壊の過程に入った資本主義」の問題として縦横に解き明かしました。
 続くパネルディスカッションでは天笠さんに加え、反対同盟事務局次長の萩原進さん、秋田県大潟村農民の坂本進一郎さん、『農民新聞』記者で全日農アルバイトの林伸子さん、編集工房・朔主宰の三角忠さんが壇上に並び、報告が行われました。
 萩原さんは「三里塚で農地破壊攻撃がストレートに行われている。県内での農地転用が毎月300件の規模で次々と起こっている。だがわれわれは『大地を食べて』生きている。人間が生きるために必要な土地を守るのが、本当の公共性ではないのか」と”公共”に名を借りた空港建設の強行を批判しました。
 また萩原さんが「FTAは労働者の問題と訴えてきた」と述べたことに応じて、坂本さんは「中曽根政権でレーガンに出された前川レポートは、『農業を差し出すから自動車を買ってくれ』という内容。トヨタを守るために農民を犠牲にするもの」と暴露しました。天笠さんは昨今の穀物危機で穀物メジャーが莫大な利益を上げたことを明らかにし、萩原さんが最後に「資本主義の崩壊を進めてやろう」と締めくくりました。
 後半、市東さんのあいさつ(写真)は、農民としての誇りにあふれた素晴らしいものでした。空港会社が10月17日、ついに農地明け渡しの提訴を行ってきたことに怒りをあらわにし、「罪を犯してもいない私がなぜ被告にされるのか。への字誘導路は、もともと畑があったところに無理やり造ったもの。責任は空港会社にこそある。今日のお話を聞いて農業をますますしっかりやろうという気になった。私は一歩も引かない」と述べました。これらの一語一語が参加者の心を打ち、大きな拍手が起きました。
 続いて葉山岳夫弁護士が、三里塚闘争の歴史を振り返りながら、今回の空港会社の提訴の不法とデタラメを明らかにする裁判報告を行いました。また、森林保護の訴え、残土・産廃問題の提起、「群馬・市東さんの農地を守る会」結成のあいさつなど、内容は盛りだくさんでした。会の活動報告では、共同代表である坂本さんが会員拡大と財政強化を訴えました。
 会場入り口では三里塚の野菜、萩原さんの新著『農地収奪を阻む』などの販売コーナーができ、非常ににぎわいました。また、市東さんの畑から運ばれてきた本物の土が置かれ、参加者はその黒く柔らかい土に見入り、手を当て、肌で感じていました。
 初参加者を含め150人が会場を埋め発言を真剣に聞き入り、質疑応答が行われました。これほど多くの人びとが市東さんの農地と農業問題に関心を寄せていることはうれしい驚きでした。この陣形を広げ、非道な農地強奪を絶対に阻止しましょう。
 (投稿・市村岳志)

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週刊『前進』(2369号4面2)(2008/11/24 )

 労働組合への弾圧許すな

 警視庁の不当捜索 動労千葉が弾劾声明

 警視庁公安部が11月10日、動労千葉への不当家宅捜索を行った。11・2労働者集会の成功に対する反動であり、断じて許せない労働組合弾圧だ。しかも、民主労総の労働者大会に参加するために田中康宏委員長を先頭に本部役員が訪韓した留守を狙った悪らつなものだ。国際的な抗議の声が寄せられている。英独のレイバーネットが「日本では戦闘的労働組合に対して系統的な弾圧の政治がある」と抗議の報道を行った。11月14日付「日刊・動労千葉」に掲載された動労千葉の弾劾声明を紹介します。(編集局)
 11月10日、警視庁公安部公安第一課は、11・2全国労働者総決起集会後のデモ行進において「公務執行妨害」で1名を不当逮捕したことを口実にして(被逮捕者は12日釈放)、集会のよびかけ団体であった動労千葉に対する不当な家宅捜索を強行してきた。しかも、本部役員が韓国・ 民主労総労働者大会出席のため訪韓の最中を狙ってやって来たのだ。
 家宅捜索は、警視庁公安部公安第一課の私服警察官約60名及び機動隊でDC会館を包囲し、10時前から12時過ぎまで2時間半にわたって行われた。
 彼らは7月4日の家宅捜索で捜索場所の名称すら間違い、そのことを指摘されたことに逆上して「そんなの関係ない」と本部役員を暴力的に排除して違法な捜索を強行した。今回彼らは、そしらぬ顔でこっそり「DC会館」と書き直してきたのだ。警視庁と令状を交付した東京地裁裁判官は前回と今回の捜索場所の相違になんと応えるのか。
 しかも、「組合事務所」とは、全く関係のない貸し会議室や借り主が全く別の個人の住居なども令状なしに捜索し、会議室を借りていた人を外で待たせるなどの営業妨害を行うなど、違法の限りを尽くした。重ねて令状発出の東京地裁裁判官の責任が問われなければならない。
 さらに、組合事務所から事件と全く関係のない組合大会議案書や機関会議資料、支部の大会資料、日刊なども号数ごとに洗いざらい押収し、外部からの電話の応答を遮断し、あからさまな組合業務妨害を行った。さらに押収できない組合の連絡表や任務分担表などのメモをこっそりとろうとするなど、捜索はデタラメきわまりないものであった。また、私物の携帯電話や手帳、ノートパソコン、カメラのメモリーカードなどを根拠なく押収しさった。断じて許せない。
(写真 不当な家宅捜索を行う警視庁公安部の私服刑事)

 11・2労働者集会と労働運動爆発の予兆に脅える権力

 今回の不当家宅捜索は、11・2労働者集会が新たな階級的労働運動爆発の突破口を切り開いたからこそ襲いかかってきた弾圧だ。
 世界中で金融恐慌が始まり、世界大恐慌へと突入しようとしているなかで、全世界で労働者人民の決起が始まっている。ドイツでは、空前の「資本論」ブームが巻き起こっている。
 この時代に唯一これと立ち向かう労働者の国際的団結勢力として11月労働者集会があること、そしてその予兆を権力者の嗅覚でかぎ取ったからこそ、彼らは闘う労働組合を弾圧の対象として措定し、違法な家宅捜索を強行したのだ。
 われわれは今回の不当家宅捜索を徹底的に弾劾する。労働組合に対する弾圧を断じて許さない。これを強行した警視庁公安部、東京地裁の責任を徹底的に追及する。そして、階級的労働運動の再生と国際的労働運動の爆発に向けて全力で闘いぬく決意である。

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週刊『前進』(2369号4面3)(2008/11/24 )

 世界は革命情勢 大恐慌にヨーロッパで闘いが爆発

 鉄道握り社会止めるスト

 鉄道・教育労働者、学生が最前線に/『資本論』が売り切れ、゙階級闘争を!”

 米国発の金融大恐慌が猛威を振るう欧州で労働者階級のストライキが再びの高揚局面に入っている。鉄道と教育労働者、学生の闘いが顕著だ。

 フランス

 パリで11月13日、約2万人の鉄道労働者がEU(欧州連合)の鉄道民営化政策に反対してデモを行った。EUの鉄道民営化は、すでに貨物輸送から始まり2010年までに国際旅客輸送にまで広げられる。デモには15カ国以上の鉄道労働者が集まり、民営化による労働条件や生活条件の低下に抗議した。横断幕には「鉄道民営化にノー」というスローガンが仏英独語で掲げられた。
 英RMT(鉄道・海運・運輸労組)の労働者は「サッチャーによって開始された英国の鉄道民営化は、公共サービスにおける質や安全面を悲惨なものにした。1996年に英国が犯した誤りをくり返すな」と語った。仏CGT(労働総同盟)鉄道部門の労働者も「鉄道民営化は安全輸送義務を無にしかねない」と危惧する。
 11月5〜7日にはフランス全土で鉄道ストが行われた。今回は貨物部門の労働条件の改悪に反対するもの。貨物と旅客の運転士がともに決起した。ストは6日午前8時から24時間の計画だったが、実際にはスト準備として5日晩から前倒しで突入。事実上36時間ストとなった。運転士の55%以上がストに参加した。TGV(新幹線)の3分の2がストップ。地方の急行列車やパリ市街の鉄道なども2分の1から3分の1が止まった。
 ストに入った運転士たちは、貨物の労働時間の改悪に反対している。当局は、夜間の最大労働時間を現行の6時間から最大7時間半まで延長しようとしている。組合は「夜間における7時間半もの運転は労働者の肉体的限界を超え、安全を脅かす」と指摘している。
 国鉄総裁は「私鉄と同じくらい能率よく働き、競争力をもつことが大切だ」と公言する。当局は、組合側との交渉が不調に終わり、自発的協力者(裏切り者)を募った。当局によれば800人が新しい労働条件に応じた。分断・切り崩し攻撃だ。フランス国鉄は約16万が働く。運転士は1万6千人、うち4千人余が貨物だ。
 国鉄当局は赤字の貨物輸送部門の再建を目標の一つにしている。規制緩和・市場開放政策で貨物輸送部門を国際的な民間資本との競争に投げ込む。労働強化で生産性を上げ、赤字を解消しようというのだ。
(写真 「鉄道民営化反対」の横断幕【11月13日 パリ】)

 ドイツ

 ドイツで11月12日、ついに全国学生ゼネストが敢行された。大学生だけでなく小中高校生も一斉決起した。学校当局による処分の脅しを振り切っての大反乱だ。教育労働者や保護者も合流。参加者は40都市で実に10万人に上る。
 首都ベルリンでは数千人のデモ隊がベルリン大学を包囲、数百人が大学に突入して占拠、2階バルコニーとキャンパスを結ぶ大集会を実現した。
 学生らの要求は、教育予算の増額、1クラスあたりの生徒数削減、正規教員の増員、授業料の低減・教育の無料化など。
 「競争社会・蹴落としあい反対」「銀行ではなく教育に金を」などに加えて、「階級闘争を」「資本主義を廃止しよう」というプラカードも見られた。新自由主義のもとで進行する公教育の解体と教育の民営化に怒りが爆発している。「大学で『資本論』を読もう」というユニークなスローガンもあった。
 デモに参加した高校生は「すべての大学・高校がストをやるべきなのよ。先生と生徒が一緒になってね」「銀行に大金を投入し、国の未来を担う俺たちには一文も出さない。許せない」「ストだけじゃ解決しない。大学や学校を占拠するくらいしなきゃ」と語る。
 スペインで13日、イタリアでは14日、それぞれ数十万人の大学生・高校生のゼネスト的闘いが起きている。1968年の国際的な学生大反乱のような事態が予感される。労働者階級の「生きさせろ!ゼネスト」と一体であり、世界革命を急速にたぐり寄せる。
(写真 バルコニーとキャンパスを結ぶ大集会【12日 ベルリン大学】)

 イタリア

 イタリアで10月30日、再びゼネストが打ち抜かれた。17日に続くもの。教育労働者数十万人が参加した。前日29日の教育改悪案可決に反撃するものだ。政府は、国立大学の民営化や3年間で教職員13万人以上の解雇、教育予算7%削減などを狙う。この非常事態に圧倒的な教育労働者が決起、学校の9割以上が閉鎖になった。ローマのデモには、労働者や学生が全土から貸し切りバスや特別列車で乗り込んだ。ストとデモで都市機能が停止した。
 ベルルスコーニ右派政権は、上下両院で圧倒的多数を確保している。だが、労働者が職場・生産点でストに決起した時、権力者にはなす術がないことが明らかになった。法案は上下両院を通過したものの、政権は完全に危機に陥った。ローマでは極右がデモ隊に鉄パイプで襲いかかった。だが分厚い隊列に阻まれ、素手で応戦した労働者や学生によってたたき出された。

 ギリシャ

 ギリシャでも大規模なデモとストが闘われている。10月21日のストには200万人、全労働者の3分の1が参加した。ギリシャの人口は1065万人で文字どおりのゼネスト。公共交通は完全に止まり、経済活動はほとんどストップした。ギリシャでは2週間前の10月8日にも国営オリンピック航空の民営化や生活費の高騰に抗議して10万人が24時間の全国ストを打ち抜いたばかり。

 世界は革命情勢

 世界大恐慌情勢の中で、欧州鉄道労働者のストとデモは、鉄道民営化攻撃への大きな反撃となった。欧州各国の国鉄は、運輸交通網の中で依然として大きな比重を占める。鉄道労働者のストライキは数百万、数千万人の労働者の出勤を止め、社会全体をストップさせる力を持っている。欧州の鉄道は国境を越えてつながっており、一国のストが周辺国の貨物・旅客に影響を与える。
 各国の国鉄労働運動は、欧州労働運動の戦略的拠点、根幹を形成している。鉄道という社会で最重要の基幹産業を労働者が掌握する闘いとして欧州のスト情勢が急展開しているのだ。
 昨年来の欧州鉄道労働者のストライキの継続と発展は「労働者こそ社会の主人公」「労働者こそが世の中を変革する力を持つ」という見地から見た時、とてつもない意義を有している。
 攻防の核心は、労働組合の破壊だ。組合員の切り崩し工作との闘いが焦点となっている。今回の全国ストは、世界大恐慌情勢で危機に陥るサルコジ政権への強力な打撃となった。
 学生や教育労働者の闘いは歴史を画する新局面を迎えた。独伊などでは学生運動に火が付いた。書店ではマルクス『資本論』が飛ぶように売れ、大学で読書会が行われている。「階級闘争を」「資本主義を廃止しよう」など、スローガンも歴然と変わった。デモも戦闘的だ。警官隊と激しく衝突している。
 各国のデモは1930年代におけるナチスとの街頭戦を想起させる様相だ。極右やファシスト勢力の白色テロと対決して、欧州の労働者階級は革命の力量を蓄えつつある。

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週刊『前進』(2369号4面4)(2008/11/24 )

日誌'08 2008年 11月12日〜18日

 米原潜、5日間で3隻が沖縄寄港/イラク政府、米駐留協定案を承認

●米原潜相次ぎ寄港 かつて核弾頭ミサイル搭載の戦略原子力潜水艦で、昨年から対地攻撃や特殊部隊潜入用に改装された最新鋭の巡航ミサイル搭載の米海軍原子力潜水艦「オハイオ」が沖縄県うるま市のホワイトビーチに初めて寄港した。それに先立ち同日、ロサンゼルス級原潜「ハンプトン」も寄港した。(12日)
●鳥島射爆撃場「返還は厳しい」 沖縄県の仲井真知事らが米軍横田基地(東京都)の在日米軍司令部を訪ね、鳥島と久米島の両射爆撃場の返還、沖縄本島の東に位置する「ホテル・ホテル訓練区域」の一部解除を要請した。仲井真知事によると、対応したウィルツィー第5部企画政策部長は「重要な場所なので返還は厳しい」と難色を示した。対応策として「訓練の時間を調整することを検討した」と述べた。(12日)
●米原潜に海自2幹部 ホワイトビーチに再寄港した原潜オハイオに、日本の海上自衛隊から潜水艦隊司令官ら幹部2人が搭乗していた。再寄港の目的は海自幹部の降艦。在日米海軍と海上自衛隊は13日から19日まで南西諸島海域で合同の年次演習を実施。10日には原潜プロビデンスが事前通報のないまま入港しており、5日間で3隻が4回も寄港する異例の事態となっている。(14日)
●イラク政府、米駐留協定案を承認 09年以降も米軍のイラク駐留を可能にする米・イラク安全保障協定について、イラク政府は、米政府側が「最終草案」として示した協定案を閣議承認した。来年6月末までに米軍がイラクの都市部から撤退し、11年末までに完全撤退する、などとした内容。イラク政府は国民議会で是非を問う方針。昨年、シーア派与党連合から離脱したサドル師派は、協定成立で米軍が占領を続ければ攻撃を開始するとしている。(16日)
●クラスター爆弾「搭載可能」と展示 航空自衛隊が10月19日の航空観閲式で、政府が廃棄方針を決めているクラスター爆弾を戦闘機に搭載可能な兵器として紹介、展示していたことが分かった。当時の実施責任者は、解任された田母神(たもがみ)前航空幕僚長。田母神は同爆弾の禁止に反対で、意図的に展示した可能性もある。観閲式は、茨城県の空自の百里基地で一般市民を含む約7千人が参加。麻生首相らも出席して、自衛隊機のデモ飛行や展示が行われた。(17日)
●国会会期延長は必至 民主党の小沢代表が麻生首相と会談し、第2次補正予算案の今国会提出を求めた。首相が回答を保留したのを受け、民主党は補給支援特別措置法改正案を30日の会期末までに参院で採決するとの与野党合意を破棄し、2次補正を出さなければ当面の参院採決を見送る方針を固めた。18日、麻生は「相手次第で、当然のこととして延長して、審議をされないというのであれば、60日、きちんと対応していかねばならん」と語った。(17日)
●「ソマリアへ海自」要請 アフリカ・ソマリア沖で多発する海賊に対応するとして、超党派でつくる「新世紀の安全保障体制を確立する若手議員の会」の代表幹事の中谷・元防衛庁長官らが麻生首相と会い、海上自衛隊の艦船などの派遣を要請した。麻生は海賊対策のための新法について「早急に検討しなければならない」と回答した。(18日)
●PKO講師に陸自2人 防衛省は、アフリカでの国連平和維持活動(PKO)に参加する人材育成のための「エジプトPKOセンター」の講師として、陸上自衛官2人をカイロに派遣すると発表した。21〜30日の予定で、中東のゴラン高原でのPKOやイラク「復興支援」など、自衛隊の経験を軍関係者らに伝えるという。(18日)

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週刊『前進』(2369号5面1)(2008/11/24 )

 星野奪還11・29集会に結集を

 階級的団結で再審勝利へ

 全国に「救う会」を結成しよう

 「星野文昭さんを自由に 第2次再審勝利へ 11・29全国集会」が、「星野さんをとり戻そう! 全国再審連絡会議」の主催で行われる。デッチあげ無期攻撃と対決し、34年間獄中で不屈に闘いぬく星野同志を奪還するために、総結集しよう。職場、学園、地域で闘うあらゆる仲間に参加を呼びかけよう。
 11月14日、「沖縄万人の力で星野さんを取り戻す会」と「京滋星野さんを救う会」の仲間と金山克巳同志が、星野同志との面会に行ったところ、なんと徳島刑務所は、沖縄と京都の2人の仲間の面会を拒否してきた。06年5月に友人面会をかちとって以降初めての事態である。3人は、怒りを爆発させて猛然と抗議した。刑務所当局は「新しい制度になった。受刑者から出された面会者リストの一人ひとりを精査して許可する。2人は保留」と言う。ふざけるな! 3人は「星野さんと面会したい人は世界中にいる。34年も獄中に閉じ込めて、1カ月に3回だけの面会も自由にさせないというのか」「もっと人間扱いしろ」と、必死に面会を求めた。しかし、この日は金山同志しか面会できなかった。
 10月には、星野同志が「工場」で使っているミシンのライトに落書きがあったことを口実に、星野同志に対して取り調べが強行された。落書きは星野同志が書いたものではなく、結局「懲罰」をデッチあげることはできなかったが、「見つけた時に申告しなかった」と言いなして「統括訓告」なる処分をしてきた。
 帝国主義の危機の中で、刑務所では暴力的支配、管理強化、許しがたい非人間的処遇が一層強化されている。星野同志は、そういう中で生きかつ闘いぬいているのだ。この闘いの勝利の根源について星野同志は次のように言っている。
 「無期の重圧・分断に屈せず跳ね返し、自他の自己解放の思いと力を信頼し、獄中・家族とすべての労働者人民の解放をかちとるものとして闘い、その内実と力を蓄積することによって勝利してきました。だから、それは常に、動労千葉、沖縄、三里塚をはじめとした闘いとつながり、一体の闘いでした」「11・2労働者集会によって、新自由主義を打ち破り、労働者自己解放=人間解放の勝利を開く動労千葉、3労組、日米韓の闘いを圧倒的に発展させるという新たな闘いが開始されています。その闘いの中で、青年・学生を先頭に、星野のように闘おう、星野を取り戻そうという声が広がっていることに、心からの一体感を感じています」
 星野同志との団結を強化し、なんとしても獄壁を打ち破り奪還しよう。
 第一に、階級的労働運動の猛然たる前進だ。世界金融大恐慌情勢に、労働者階級の怒りが根底から噴き出している。資本・権力・体制内勢力と非妥協に闘い、資本主義・帝国主義の崩壊を革命へ転化させよう。その力で、星野同志を奪還するのだ。
 第二に、再審闘争の大前進だ。星野同志に加えられた国家権力による極悪のデッチあげを暴き、第2次再審闘争へ力強く進もう。そして、星野同志の闘いと奪還を労働者階級に訴えよう。プロレタリア革命と革命党を求めて決起した労働者階級は、星野同志の闘いの中に革命を見て取り、絶対に星野奪還の声を上げる。
 法大弾圧を跳ね返して獄中で闘う学生19人の同志は、星野同志と完全に一体となった。獄壁を越え、世代をこえた革命家同士の固い団結だ。
 徳島の青年労働者は、星野同志と面会した日に「職場で逃げずに闘うぞ」と腹をくくった。3日後に解雇されたが、「やっと胸が張れるようになりました」と門前闘争に入った。さらに、青年自治体労働者は「星野さんとの面会から帰った私は今、星野奪還=革命の闘いをしています。星野さんとともに闘っていると胸を張って言いたいと思います」と言って職場闘争の先頭に立っている。
 革命情勢の到来の中で、星野奪還闘争が、階級的労働運動とひとつになり、奪還勝利に向かって荒々しく前進を開始した。
 塩川一派は、星野同志と星野奪還闘争への敵対・破壊のために介入を策動している。塩川一派は血債主義丸だしで、「取り戻せていない無力さ」ばかりを強調する。感傷にひたって自己満足しているだけならまだしも、それは結局、「絶望」「屈服」「分断」の道であり、星野同志の奪還を永遠のかなたにおいやるものでしかない。
 塩川一派を粉砕し、労働者階級の力で星野同志を奪還しよう。全国に「救う会」を結成し、広範な統一戦線を形成しよう。11・29全国集会を大成功させ、星野同志奪還の展望を力強く押し開こう。

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週刊『前進』(2369号5面2)(2008/11/24 )

 田母神前空幕長の開き直り許すな

 侵略戦争史の正当化を図る計画的な反革命クーデター

 1月に「問題を起こす」と予告

 「マスコミも反日の意見はどんどん取り上げますが、親日的な意見はなかなか取り上げてくれない。われわれ自衛隊は親日の代表みたいなものだ。だからわれわれが外に向かって意見を言っていかなければなりません。しかし意見を言うと必ず問題が起こります。問題が起きた時は航空幕僚長を筆頭に航空自衛隊が頑張るしかない。問題はなんぼ起こしてもいいから頑張って下さい」
 これは、「日本が侵略国家だったというのはぬれぎぬ」という論文を書いて航空幕僚長を更迭された田母神(たもがみ)俊雄が、今年1月30日に空自熊谷基地で行った講話である。ここには1200人の自衛官が参加したと言われている(週刊金曜日11月14日付)。
 ホテルチェーン「アパグループ」の懸賞論文に応募し最優秀賞になる、そして更迭されて国会に参考人として呼ばれ、自説を公然と主張する――この一連の事態がきわめて組織的計画的な意識的行為であったことは、この1月「講話」をみれば明白だ。まさに田母神の侵略戦争正当化とその開き直りは、軍部のトップによって企てられた反革命クーデターである。
 まず、懸賞論文で主張していることの超反動性、デマ性。日本は一貫して被害者で、正しいことをやってきた、悪いのは蒋介石でありルーズベルトであるということを強弁するために、その背後で操っていたのはコミンテルンであるというとんでもない歴史の偽造をやっている。ファシスト・カクマルと良い勝負の「謀略」史観である。歴史的事実をまるで無視したデマゴギーだ。
 また、コミンテルンが短い論文に6回も出てくるのは、田母神が共産主義やプロレタリア革命を本能的に恐怖し身構えていることを自己暴露している(コミンテルン自体は30年代以降はスターリン主義的に変質して世界革命を裏切る役割を果たしたのだが)。

 「つくる会」や安倍とも一体

 さらに重大なことは、田母神がこういう主張を空自の幹部に一斉に書かせ、一民間会社の懸賞論文に応募させたことだ。アパグループは、田母神とごく近しい関係にある元谷外志雄(もとや・としお)の経営する会社だ。元谷は安倍晋三元首相の後援会「安晋会」の副会長である。今回の事態の元凶は、この田母神を制服組のトップ・空幕長に任命した安倍と、それを引き継いだ麻生だ。
 元谷は田母神に請われて「空自小松基地友の会」を立ち上げた。今回、94人もの現役の空自幹部が懸賞論文に応募、そのうちの62人が小松基地所属だった。田母神が主導する組織的な「一斉決起」だったのだ。
 田母神は、04年に統合幕僚学校長だった時、「歴史観・国家観」の講座を新設した。その講師を務めた大学教授は、いずれも「新しい歴史教科書をつくる会」の正副会長に就いたことのある福地惇、八木秀次、高森明勅という面々だ。受講した幹部自衛官は陸海空合わせて400人に上る。田母神自身、当時から今回と同じ歴史観を示す文章を再三にわたり発表している。
 まさに田母神は今回、“積年の言動で空自の中はかなり掌握できた”と読んで、のるかそるかの勝負に出たのだ。 

 日帝の末期的な危機の表現

 田母神がでたらめな歴史観を満展開して過去の日帝による侵略戦争の正当化を繰り返しているのは、それ以外に自衛隊を帝国主義軍隊に作り変える方途がないからだ。しかし、その中身はずさんで稚拙、でたらめの集大成だ。労働者階級が職場から団結して階級的に立ち向かえば、必ず粉砕できる。
 田母神問題は、日帝の末期的な危機の表現である。何よりも世界大恐慌の情勢の中で、日帝は帝国主義の最弱の環として追いつめられている。イラク・アフガニスタン侵略戦争と北朝鮮をめぐる6者協議などの中で、日帝は日米同盟自体の動揺に直面している。さらに自民党政権は安倍政権以来がたが来て、まともな政権運営もできないほどだ。イラク・アフガン侵略戦争への参戦と防衛庁の省昇格によって世界の帝国主義の中に出ていこうとしているが、戦後憲法的制約はいまだ突破できていない。
 この中で軍部が自己主張を始め、制約を取り払おうと突出を始めた。しかもそのよって立つイデオロギーは、靖国思想、「大東亜戦争肯定」論であり、いったん完全に破産したしろものだ。
 日帝が憲法を改悪し、自衛隊の帝国主義軍隊化を果たすためには、「日本は素晴らしい国であり、死を賭して守るに値する国である」という扇動が必要だ。「日本がいい国だと思わないでどうして命を投げ出せるか」というのは確かに田母神が言うとおりなのだ。だが、日本の軍隊はぬぐってもぬぐいきれない血にまみれている。どんな正当化の試みも跳ね返す事実の重さがある。これが日帝の決定的な弱点だ。

 自衛隊解体、兵士の獲得へ

 だから、問題は自衛隊の存立を前提とした「文民統制」や「制服組の規制」ではなく、自衛隊解体であり、このような自衛隊を持つに至った日本帝国主義を打倒せよ、ということだ。
 軍服を着た労働者である兵士を獲得し、帝国主義軍隊を解体しよう。イラク派兵とともに自衛官の自殺は増大し、隊内でのいじめ、パワハラ、セクハラが増え、死者まで出している。それも田母神問題と一体のものだ。
 国のため、日本のためと言うが、その実体は、一握りの資本家階級のためだ。兵士の倒すべき相手は、「敵国」の労働者ではなく、自国の支配階級だ。労働者の膨大なストライキへの決起と資本主義打倒の闘いへの決起こそ自衛隊の解体、兵士獲得の道だ。労働者に国境はない。労働者の国際連帯で帝国主義を打倒しよう。
 対テロ新特措法(給油新法)延長法案の成立を阻止しよう。
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 田母神論文の要点

◎ 日本が相手国の了承を得ないで一方的に軍を進めたことはない。
◎ 我が国は蒋介石により日中戦争に引きずり込まれた被害者である。
◎ 我が国は満州や朝鮮半島や台湾に学校を多く造り現地人の教育に力を入れた。
◎ 多くのアジア諸国が大東亜戦争を肯定的に評価している。
◎ 我が国が侵略国家だったなどというのはまさにぬれぎぬである。

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週刊『前進』(2369号5面3)(2008/11/24 )

 法大弾圧裁判 5・29弾圧裁判第2グループ

 またも証拠撤回

 検察立証は完全破綻

 11月13日、法大5・29デモ弾圧裁判(第2グループ)の第3回公判が、東京地裁刑事第16部(後藤眞理子裁判長)で行われた。
 11月10日に釈放をかちとった富山大の武藤淳範君が傍聴に駆けつけ、被告席から歓声があがった。一挙に熱を帯びた法廷では、破綻した検察立証に対する怒りが爆発した。前回の法廷で検察官は、証拠申請していた写真報告書を取り下げた。同様に今回、法大職員の小澤雄司が撮影したとするビデオ映像を直前に取り下げた。法廷に持ち込まれる前から証拠が2回続けて撤回されるという異例の事態だ。冒頭、後藤裁判長もたまらず検察官に説明を求めた。
 検察官は「小澤証人にビデオ映像を見せたところ、本人が撮影したものでないと判明したので、取り下げた」と言う。検察官のデタラメを捕らえ、本山隆介君が断固たる意見を述べた。
 「こんな破綻した検察側立証のために、日一日と私たちの勾留が延長されている。一体どういうつもりか裁判長ははっきりさせろ。私たちは『罪証隠滅の恐れ』などといって5カ月半も勾留されている。証拠の訂正、取り消し、差し替えなどで『事件』を作っているのは検事の方じゃないか!」「しかも検察側立証はまったく争点からはずれている。こんな証人調べをやる前に法大総長・増田を呼んでこい、ということだ」「裁判所は、サンドイッチ戒護をやめさせ、被告人の防御権を保障せよ。繰り返される検察側証人の取り下げについて裁判所の見解を示せ。拘禁延長のための、デタラメかつ争点から外れた検察側証人をすべて却下せよ。政治弾圧をやめて、公訴棄却し、私たちを釈放せよ!」
 続いて、仲井祐二君が立ち上がった。その迫力に圧倒されて裁判長は制止することもできない。仲井君が上着を脱ぐと、その下はCAMSから送られた真っ赤なTシャツだ。「東京拘置所による弾圧を許せない。今日もこのTシャツを脱がせようとして、東拘職員7名が私に襲いかかり、ビデオカメラ2台で撮影していた。こんなことを許しているのもすべて裁判所の責任だ。先日、祖母が亡くなったが、不当な長期勾留によって別れの時間を奪われた。今すぐ全員を釈放せよ!」
 後藤裁判長は沈黙の後、「証人取り消しによって裁判が空転していることは遺憾」と一言つぶやいた。勾留を正当化する理由などひとつもない。「ふざけるな、今すぐ釈放しろ」と被告席と傍聴席から怒りの声がわき起こった。
 第1グループの裁判に続いて、ジャージ部隊の責任者永島博文と法大職員の猪脇和夫が登場した。ジャージ部隊が学生の首を絞める場面がビデオ上映され、「お前が歩きゃいいんだよ、早くよ」という永島の声も入っている。ジャパンプロテクションという警備会社の警備員であるにもかかわらず、法大当局はジャージを着せて「嘱託職員」と正体を偽らせた。「正当な警備業務」と永島は開き直るが、非合法の暴力行為をやらせていると法大当局は自覚していた。その腐敗と犯罪性は明らかだ。
 ビデオ盗撮の常習犯猪脇は、5・29当日も撮影をやめるよう学生から警告されていた。しかし、校舎に多数の公安刑事が突入したと見るや、警察官の後ろから大胆に撮影を開始する様子はあまりにも卑劣だ。
 こんな証人のために、裁判所は不当な勾留を続けるのか! 直ちに全員を釈放せよ。
(写真 富山大の武藤君とともに19人の仲間の奪還を誓ってシュプレヒコール【11月13日 東京地裁前】)

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週刊『前進』(2369号5面4)(2008/11/24 )

 法大弾圧裁判 7・24弾圧裁判

 星警備員の偽証を弾劾

 不当勾留を被告が追及

 11月19日、7・24法大弾圧の第3回公判が、東京地裁刑事第21部(半田靖史裁判長)で行われた。公判開始と同時に、被告の鈴木研也君と内田晶理君が意見陳述を求めた。半田裁判長は「不相当」と言って、まったく聞こうとしない。フザケルナ! 3同志への逮捕・起訴は、法大弾圧粉砕の「7・24全国集会」破壊を目的に強行された政治弾圧で、まったく不当だ。裁判長は3人の怒りの声を聞くべきだ。被告団・弁護団・傍聴人が激しく弾劾し、裁判長は「法廷の最後なら」と認めざるをえなかった。
 裁判では、監視カメラ映像(DVD)の証拠採用に対する弁護人の異議を棄却して、映像の上映が強行された。法大当局は、学生弾圧のために無差別に撮影した監視カメラのビデオを何回も麹町警察署に提出している。監獄大学そのものだ。
 続いて、警備員の星景(ほし・けい)の証人尋問が行われた。星は、傍聴に駆けつけた法大生らの怒りの声を浴びて、びくびくしながら証人席に座った。
 星は、弁護人の尋問に「(キャンパスに)入られてしまったら、無線で報告するだけ。追いかけて排除することは警備業法に反するのでしない」と証言した。弁護人の「ジャージ軍団(偽の法大職員)がいなくなったあとは、誰が排除しているのか」という尋問には、「本当の教職員が行っている」と答えた。星の口からも、警備員であるジャージ軍団が身分を「法大職員」と偽って、闘う法大生を違法に排除してきたことが明らかになった。責任者・増田総長は、法廷で真実を明らかにしろ!
 弁護人が、「それでは、証人は法大生らに暴行を振るうことはないのか」と尋問した。「日頃からケガをしないように、させないようにしている」と証言。学生への暴力の常習犯に被告・傍聴人の怒りが爆発した。裁判長は、傍聴人に退廷を連発したが、すかさず内田君が異議をたたきつけた。「退廷になったのは全員法大生だ。法大生は真実を知っているからこそ星の偽証を弾劾した。真実の声を上げた者をなぜ退廷にするのか」
 反対尋問に立った内田君は、5・28「暴行」デッチあげ弾圧のために「全治5日」の診断書を偽造した星を徹底的に弾劾した。そして、警備員が法大生の排除に加担している写真(ビラ)を示して尋問をしようとすると、あわてて検事が妨害した。ここでこの日の尋問は終了となったが、次回も星に対する反対尋問を継続する。デッチあげ弾圧の下手人・星を、次回公判でも徹底的に追いつめよう。
 最後に3人が意見陳述を行った。鈴木君は「われわれには逃亡の恐れも証拠隠滅の恐れもない。私の発言中に、いきなり閉廷した前回公判の訴訟指揮は許せない。裁判長は被告の意見を聞け」。
 内田君は「1週間も後に祖母の死を知らされた悔しさがわかるか。ウソで塗り固められた証拠によって逮捕・起訴され、いまだに勾留されている。星景の証人尋問の通知が来たのが5日前だ。こんなんで裁判の準備ができるか」。市川知寛君は「被告の防御権を侵害する裁判は許されない」と言い、全員がデッチあげ裁判を強行する裁判長を徹底的に弾劾した。
 この日、弁護団は、3人の保釈請求を裁判所へ提出した。違法・不当な勾留を直ちに取り消せ。武藤君の奪還に続き、19人の学生全員の総奪還をかちとろう。

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週刊『前進』(2369号5面5)(2008/11/24 )

 日程 法大裁判に集まろう!

★11月27日(木)5・28「暴行」デッチあげ裁判
  第5回公判 午後1時30分開廷 
★12月2日(火)7・24法大弾圧裁判
  第4回公判 午後1時30分開廷
★12月3日(水)5・29デモ弾圧裁判Aグループ
  第4回公判 午後1時15分開廷
★月8日(月)5・29デモ弾圧裁判@グループ
  第6回公判 午後1時15分開廷
★12月15日(月)5・28「暴行」デッチあげ裁判
  第6回公判 午後1時30分開廷
★富山大ビラまき弾圧裁判(富山地裁)
  第4回公判 12月16日(火)午前10時開廷

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週刊『前進』(2369号6面1)(2008/11/24 )

団結ひろば 投稿コーナー

 

 11・2、11・9を闘って 京品ホテルに宿泊し檄布と署名を手渡す 岡山 ミスター・リー

 11月2日、京品ホテルに宿泊しました。品川駅の前にマイクを持って街宣している人がいる。ホテルの壁には、たくさんの檄布が、抗議文が張ってあり、早速チェックインして、街宣している人に檄布(げきふ)と署名を渡した。東京ユニオンの執行委員長の渡辺さんと書記長の島崎さんに手渡し、激励してまいりました。今連休中なので休み明けには何かの動きがあるのでは、と言っておられました。
 その夜は自主営業中の居酒屋で食事をしたのだが、客席は満席で、支援の人が続々来ているのではと思うほど繁盛していて心強く思った。
 その日も遅くまで街宣しておられ、次の日の朝も数名の人が行動を行っていました。11・2の集会で署名と檄布に協力してくださった皆様、ありがとうございました。労働者の手にホテルが取り戻せるまで支援してまいりましょう。
 全国の読者の皆様。「京品ホテル、自主営業中!」(http:keihinhotel.blog49.fc2.com/)のサイトに京品ホテルの存続を求める署名用紙がアップされています。署名と檄布を送りましょう。
 最後の最後までガンバロー!!
◎送り先/労働組合東京ユニオン京品支部(東京都新宿区西新宿7−22−18)

 11・2、11・9を闘って 国際連帯の真の意味を求めてソウルへ 三里塚現闘 岸本豊和

 11月8日夜、ソウル駅前を占拠した前夜祭の人だかり。争議労組の屋台も出て、数千人の労働者、市民が交流する姿は圧巻でした。歌、踊り、アジテーションがひっきりなしにソウルを扇動する。
 フィナーレは色とりどりの五角形の熱気球の打ち上げだ。炎で舞い上がった紙風船がソウル駅前のビル間を舞う光景はいかにも幻想的でした。ぜひ日本でもやってみたいと思いました。
 警察部隊の動向は、前夜祭=団結の周囲を警備するだけで何が起こるのかとその顔は引きつっていました。それだけ人民の怒りと熱気がすごいということです。
 11月9日は、民主労総労働者大会に参加しました。場所は鐘路5街の大学路で4車線道路を600bくらい占拠しての座り込み闘争です。日本で言えば東京駅か渋谷駅、新宿駅前を占拠するような集会です。
 この集会=闘争も無許可だと思います。何しろ労働者人民の人の波で通路−道路が完全に埋め尽くされているんですから、権力なんかへたな手出しはできない状況でした。しかし、その後のデモが貫徹されずに流れ解散に終わったのは残念でした。
 大会に先立つ9日午前は、漢江・楊花大橋のほとりの高圧送電大鉄塔に籠城(ろうじょう)しているハイテックコリアのキムヘジン支会長、コルテックのイイングン支会長への激励行動です。
 鉄塔の高さは60〜70b、籠城は40bの籠の中、死を決しての闘いに自分は圧倒されました。24時間、すでに1カ月近くも40b上空で生活するのを皆さんも想像してみてください。自分はすぐに三里塚闘争の77年大鉄塔決戦(開港阻止決戦)を思い出しました。実力闘争のなんたるかを心に刻みました。
 国際連帯の真の意味を求めて闘った3日間の闘いが、これからの自分に大きな力になると確信を持ちました。階級闘争は荒々しい時代に突入しています。喜びをもって自分も立ち向かいます。

 11・2、11・9を闘って 処分撤回と市職労の強化へ役選に立候補 宮城・10・20三里塚被免職者 金子哲夫

 私は85年10・20三里塚決起で塩竃市当局から懲戒免職処分を受けて以来、処分撤回と塩竃市職労の闘いの強化をめざし闘ってきました。それを踏まえ、11月集会の組織化をかけて、9月に市職労役員選挙に立候補しました。財政赤字を口実とした民営化、賃下げ、団結破壊の攻撃に真っ向から闘いを組もうとしない現執行部のあり方を変え、現場の怒りや悩みを一つにして反対を貫く労働組合運動をつくりたかったからです。
 私が立候補すると執行部は突然、「金子には組合員としての身分は存在しない」と言い始めました。「98年の最高裁判決の時に組合員としての身分は失効した」と7月9日の執行委員会で決めたというのです。しかし、私はこれまでずっと市職労の一員として闘いに参加し、役員選挙の投票もしてきました。執行部から「あなたは組合員ではない」と言われたことは一度もないし、そもそも7・9決定は、立候補まで当事者の私に伝えられていなかったのです。組合3役との会見で「立候補時点で私の身分はあった。筋が通らない」と言うと、書記長は「筋が通らないのはそのとおり。しかし、やるしかない」と認めました。副委員長と書記次長は「立候補を認めたら当選するかもしれない。当選してしまったら、その人の身分を奪う提案を大会にするというおかしなことになってしまう」と言いました。自分たちの執行部権力を脅かされると組合員の身分まで剥奪(はくだつ)する、こんなことは絶対に認められません。
 労働組合とは組合員を守るための組織ではないでしょうか? 委員長は身分剥奪を正当化するために「三里塚闘争への参加は組合決定ではなかった。最高裁判決が出ている」と強調しています。しかし、全金本山のように首切り処分と闘う組合員を守るのが労働組合の原則だと思います。
 今回の問題では職場から「執行部のやり方はおかしいぞ」という声が広範にあがりました。
 残念ながら10月17日の定期大会では私の身分を奪う経過報告が通ってしまったのですが、3人の代議員が修正案を出して最後まで闘ってくれました。これは私と彼ら、彼女らがつくってきた団結そのものであり、私はそれを誇りに思います。
 これからも仲間とともに原則を貫き、団結を何よりも大切にする市職労運動をつくっていくために闘います。

 11・2、11・9を闘って 団結が血肉になるのを実感する11月集会 民間労働者 朴 智恵

 「私たちは、動労千葉派です」。壇上では裁判員制度阻止を闘う弁護士の高山俊吉さんが連帯アピールしています。日比谷に集まった誰もが「動労千葉派」であることを確認し、自信と誇りに満ちて活(い)き活きした顔。その中に私もいます。興奮せずにはいられません。
 呼びかけ組合からのアピールで関西生コンの高英男さんが、「組合として違いがあるからこそ団結し連帯する意義がある。呼びかけ3労組は、国鉄1047名解雇撤回をかちとるまで闘うことを確認しました」。この提起で「政治解決」を図ろうとする国労の思惑は粉砕されました。労働者であることの原則を守り抜くこと、信頼し団結して闘うことに労働者として立つことの意味を見いだしたのです。
 外国人労働者も多く参加していました。年々国際色ゆたか、というより現実の労働現場の状況に近づいてきたということです。派遣・請負で働かされる在日労働者の姿は、見えないものとして扱われてきました。それが、同じ現場で働く者として認識され、ともに闘う存在になったのです。
 11月労働者集会に参加するたびに自分に問いかけます。労働するとは? 労働者とは何者か? そのたびにマルクスの教えを再度確認します。日々の生活の中で分断され区別され、自分さえよければ……という思いにとらわれることを反省し、一人ではない、ここにいる仲間がいる、信頼できる労働者がいる。安心と自信と信頼を感じ、団結という単語が血肉になるのを実感します。勇気と力をもらう集会。それが11月労働者集会であり、在日の私が一人の労働者として連帯できる仲間と出会う場でもあります。

 11・2、11・9を闘って 重大「ヒヤリ」に直面11・2集会に初参加 東京 相馬 修

 私の組合の分会では2回にわたって11・2のための学習会的会議を持って、11・2の分会賛同と分会決定での集会参加を決定し、5人の参加が確定していた。
 しかし、あと1人の組合員が参加するのか否かはなかなか決まらなかった。その組合員は「集会には興味がないから行かない」と言い張る。しかし大きな転機が訪れた。その彼自身が職場で一歩間違えば死んでいたかもしれない重大事故に直面したのだ。
 職場では「ひやり」としたことや「はっと」した事故一歩手前の危険について「ヒヤリ・ハット」を出そうということが資本の側からも励行されている。しかし資本は本当に重大な事故や危険があった時はそれを隠してうやむやにして、本人の不注意による事故であるかのようにするのが常だ。
 今回も重大ヒヤリについて組合に敵対する反動分子は上司に報告すると言いながら、それを隠して、死にそうになった本人の不注意で事故が起きそうになったかのように言いくるめようとした。
 そのことが11・2に向かう学習会的会議の中で報告され、動労千葉の反合理化・運転保安闘争や動労千葉労働運動とはどのようなものかが議論された。
 次の日、本社レベルで重大ヒヤリを大問題化させ、職場の会議でも事故が起きそうになったのは、職場環境にあることをはっきりさせ、安全確保の措置をすぐさまとらせた。
 その職場闘争をとおして組合の団結と動労千葉労働運動の何たるかをその当人が身をもって自覚して、ついに初めて11月集会参加に結びついた。

 11・2、11・9を闘って そうです!団結があればなんでもできる 学生 渡久地東亜

 11月労働者総決起集会は大成功だったと思います。11月集会は2回目ですが、去年とは雰囲気がまったく違いました。
 まず感動したのが韓国の民主労総の発言。「私は今日、このように日本で多くの同志たちとともに、『全世界の労働者よ、団結せよ。資本主義にたいして闘おう』と叫ぶために、海を渡って韓国の民主労総ソウル本部の組合員たちとともにこの場にやって来ました」
 開始早々、去年より数段パワーアップしているなと感じました。アメリカの労働者が壇上でなんども「Revolution(革命)」と叫んでいたことも強く印象に残っています。
 どの参加者の発言もよかったのですが、僕が一番空気がはいったのは闘うゆうメイトの労働者の発言です。実はこの人、僕の知り合いなのですが、彼の発言、「みなさん、闘うゆうメイトです。11・2日比谷団結してますかー! 団結があればなんでもできる!」――これに11月集会のすべてがつまっているような気がします。
 そうです! 団結があればなんでもできる! 革命だってできる!! 来年こそは11月集会に1万人、いや10万人集めたいと思います。

 獄中から 12・14国鉄集会からゼネスト決戦へ! 大阪市立大学 山本 進

 世界大恐慌の現実化と、世界中の労働者の闘いの中で、11月14、15日、アメリカで「G20」金融サミットが開かれた。これで新自由主義体制の基軸をなした「G8」体制は崩壊が確定した。「G20」は始まる前から深刻な不一致テンコ盛りですでに破産している。ここにわれわれ、そして全世界の労働者階級の08年サミット粉砕決戦完勝を宣言する!
 一方で連合やAFL−CIOなど「階級協調派」=帝国主義労働運動の頭目どもは危機にのたうつ資本家を救済する一点で団結し、金融サミットと同じ時間と空間を共有して「G20労組サミット」を開催した。こんなにもあからさまな裏切り者としての自己暴露は歴史上でも例がない。
 世界中の労働者が「敵は誰か」について史上最高に鮮明な一致をかちとれる情勢の到来だ。「体制内派を粉砕し、ホンモノの労働者党を建設する」ことが、全労働者の唯一無二の一致点だ。
 その闘いの最先頭に動労千葉とともに立つ5・27臨大闘争弾圧裁判の7被告と国労共闘の呼びかける「12・14国鉄闘争勝利集会」こそ、4者4団体路線を粉砕し、連合支配をたたきつぶす09春闘ゼネストの号砲だ!
 「生きさせろ!ゼネスト」を実現する力は、あらゆる弾圧も分岐も恐れない7被告の路線と団結の中に宿っている!
 「12・14」に結集し、ゼネスト決戦の火ぶたを切ろう。僕も獄壁をぶち破って「12・14」に参加します!
(法大5・29デモ弾圧裁判被告/東京拘置所在監)

 階級的労働運動の力で星野同志奪還を! 東京・三多摩 加納敏弘

 星野文昭様
 11・2労働者集会1万人結集運動を進める中で、無期懲役攻撃と不屈に闘う星野同志のプロレタリア革命にむけた闘いと、青年労働者の闘いが限りなく一体化していることをつかみとりました。
 ある日のこと、駅頭街宣をしていたら、客待ちをしていたタクシーから運転手が降りてきて、「星野のぼり」をじっと見つめ、再審署名をしてくれました。また、初めて星野さんのことを知った労働者は、「昔は労組も狭山とか取り組んでいたけれど、今はだらしがなくなっちゃったから」と言い、11・2賛同署名にも応じてくれました。
 私は、星野街宣では、71年沖縄協定批准阻止闘争が、沖縄と本土の分断をのりこえた青年労働者と学生の実力決起であったことと、現在の青年労働者を塗炭の苦しみに追い込んでいる現実への怒りを重ねて訴えるようにしています。そうすると、71年当時の、集会もデモも禁圧してペテン的沖縄返還協定を批准しようとした日帝に対する「ふざけるな!」という怒りが、「明日解雇になるかもしれない」青年労働者にストレートに響くのです。
 これもまたある日のこと、街宣を終わろうとしていたら、商業宣伝用のチラシ配りをしていた20歳前後の青年が、「ちょっといいですか」とわれわれのマイクを握って、「サブプライム・ローンとかわかんねえけど、金持ち、ふざけんな」と、ラップを始めました。
 聞いたら、「時給700円で、朝から晩まで配っても7000円にもならない」とのこと。こういう若者が出始めています。
 階級的労働運動の力で星野奪還を! 11・29全国集会をその突破口にしたいと思います。

 毎日が資本との闘い10・17で感じたこと 学生 崖っぷちポニョ

 10・17法大集会にはとにかく仲間と団結したくて参加した。そのために授業をふっとばして東京まで行ったことは意義のあることだと思う。
 法大に実際に入ることによって怒りがこみ上げてきた。門の前には必ず数名の警備員がいて、黒い制服を着た権力の連中が学生を尋問していた。「なんなんだこの大学は」と、信じられない感覚だった。
 しかし、その怒りを軸にした集会で、全国学生が正門横の講義棟のドアを全力で開けて突破しようとした。資本と絶対非和解で学生の自治を権力から取り戻す闘いを目のあたりにして感動と興奮で胸がいっぱいであった。全国学生が団結してこそ闘えるんだということが実感できた。大学当局に対し一歩もゆずることなく、むしろ正面から突っ込んでいった。
 集会後のデモは自分が解放されるような気分となった。特に「あたり前のことを言って何が悪い」というシュプレヒコールは、本当にそのとおりだと思った。デモの途中に疲れが出てあきらめかけたこともあったが、大きな声を張り上げている隣の学生の姿を見て、あきらめることなく、デモを貫徹できた。ここでも団結の力を見せつけられ、実感できた。
 この集会で最も感動的だったのは、文連の学生たちが、この前の全学連大会に増してより活動的になって、法大でぶっ立っていることだった。
 10・17法大集会は、11・2へとつながる意義のあるものだった。また、11・2を特別なものととらえるのではなく、毎日が資本との闘いだということを意識して日々闘っていくことが大事だと実感した。

 医療者と患者を特別な関係とする塩川派 長野 S・H

 『前進』第2365号「『医療福祉委論文批判』を弾劾する」を読んで、不思議に思ったのは、塩川一派が終始一貫して医療者と患者を対置して特別な関係のように議論している点です。
 患者といってもけがや病を負った、医療者と同じ労働者だと僕は考えています。立場は違っても同じ労働者なので、両者が団結して共通の敵と闘う可能性は十分にあると思うのです。だからこそ一般労働者と同列に置くべきだと思うのです。
 ところが塩川一派はこういう認識が持てず、医療者と患者を特別な関係のように扱って、いかにもプチブルが喜びそうな美辞麗句を並べ立てている。このへんが塩川一派の思想的限界なのか、それとも労働者を限りなく分断していこうとする意識の表れなのか。いずれにせよ、医療者と患者の団結を展望できない塩川一派は、革命を目指して原理原則を貫いている労働者によって歴史のくずかごに葬り去られるべきだと思います。
 医療・福祉というのは社会保障の分野ですが、見方を変えれば「労働者(労働力)の再生」として考えることもできます。けがや病および「障害」を負って働くことが困難になった労働者を、けがや病を治して、または障害を克服(軽減)して仕事に復帰させる目的があると思うのです。
 しかし、せっかく治したり軽減したりしても、資本に奉仕するだけの賃金奴隷にしてしまったのではむなしいだけです。何のための「再生」なのかということです。
 新自由主義が登場して以来、労働者の使い捨てが始まり、それと同時に社会保障も縮小されてきました。特に小泉政権のもとでは直接資本に寄与しない児童・老人および障害者の医療・福祉はひどいありさまです。当事者のニーズは無視、予算削減の大前提ありきの介護保険・後期高齢者医療および障害者自立支援法などに皆怒っています。
 それに政府・資本などは「少子化、少子化」とわめき散らしていますが、そもそも子どもを生み、育てる中心世代となる若年労働者の雇用を不安定にして、経済的に追い詰めているのはお前たちじゃないか。また、産科医師や小児科医師の不足を招いているのもお前たちだ。
 今こそ、患者・医療者、老人、障害者の立場を超えて団結だ!!
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 〈投稿規定〉

 原稿は600字以内。紙面の都合で短くする場合があります。原稿は返却しません。都道府県名または地方名、職業、所属組織・団体、希望のペンネームを添えてください。
 あて先は、〒132−0025 東京都江戸川区松江1−12−7 前進編集局「団結ひろば」係。『前進』ホームページの「安心メール」でも受け付けます。

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