ZENSHIN 2008/10/13(No2363 p06) |
週刊『前進』(2363号1面1)(2008/10/13 )
11・2労働者集会1万人決起の一撃で 麻生政権打倒し革命勝利へ
世界金融大恐慌の本格的爆発は労働者が主人公の時代の到来だ
動労千葉を先頭に国鉄闘争勝利を
労働者が団結すれば勝てる
三里塚空港廃港・農地死守へ団結 10・5現地総決起集会に1420人の労農学が決起。反対同盟(演壇)と固いきずな=記事4面
1929年の大恐慌をはるかに超える巨大な世界金融大恐慌が始まっている。リーマン破綻ショックを契機に、全世界で信用収縮と貸し渋りが極限的に激化し、短期金融市場は取引停止状態だ。株価も全世界的に暴落している。企業倒産やリストラ・賃下げも始まっている。資本家たちはパニック状態だ。
IMF(国際通貨基金)は7日、サブプライム関連の損失は4月推計の1・5倍、143兆円に膨張したと発表した。本当はどこにどれだけ損失があるか誰も分からない。ハゲタカのように低所得層から収奪したサブプライムローンが、金融工学という詐欺的手法で証券化商品に姿を変え、「投資リスク分散」のふれ込みで世界中の金融機関にばらまかれた時限爆弾は、資本家たちも掌握できない。資本主義の命脈は尽きたのだ。
問題は、この世界金融大恐慌の時代に、労働者はいかに闘い、いかに生きるかだ。この大恐慌は資本主義の危機であって、労働者にとっては資本主義=帝国主義を打倒し終わらせる歴史的なチャンス到来である。
金融大恐慌の震源地アメリカで、労働者はFRB(米連邦準備制度理事会)などへ一斉にデモをかけ、労働者の進むべき道を指し示している。「市場原理」「官より民」「自己責任」「福祉無用」と居丈高に新自由主義政策をふりかざしてきた資本家連中が、政府の公的資金注入で生き残ろうと必死である。これに対する、「ざまを見ろ!」「お前たちこそ自己責任でやれ!」「金持ちへの福祉をやめろ!」という怒りが、金融救済法案を下院で否決に追い込んだのだ。
恐慌は純粋に経済的要因のみで起こるのではない。サブプライム問題が示すように、社会的階級的要因にも規定されて危機が激化し爆発するのだ。今、労働者階級に必要なことは、金融大恐慌を歓迎し、階級闘争の激化で恐慌をもっと激化させ、資本主義・帝国主義打倒のチャンス到来として闘うことだ。倒産、首切り、賃下げ、過労死、インフレ攻撃に対して、”会社などつぶれて構わない”という階級的革命的な立場から、ストレートに怒りをぶつけ、「生活できるだけの賃金よこせ」「生きさせろ」のゼネスト決起へ闘おう。
ところが、これまでは体制内労働運動の指導部によって、怒りは抑え込まれ、譲歩につぐ譲歩を強いられてきた。だがはっきりしたことは、いくら譲歩しようが、結局、資本家は労働者を切り捨て、自分たちだけが総額2兆j(200兆円)もの公的資金(税金)の投入で救済されようとしていることだ。現にたくさんの労働者が首を切られ、路頭に放り出されている。その一方で、かの破綻したリーマン・ブラザーズの最高経営責任者の00年以降の報酬総額は、なんと480億円だ。それがさらに膨大な退職金を懐に入れようとしている。
こういう連中を救済すればどうなるか。よりあくどく労働者から搾取・収奪し、あげくに資源・市場のぶん取り合いのための侵略戦争へ駆り立てていくのだ。資本家と労働者は非和解だ。労働者は団結して、資本家を打ち倒さない限り生きることはできない。労働者は国際的にひとつの階級であり、団結して闘えば世界革命をやれる力をもっているのだ。
資本主義の最後の救済者である体制内指導部を打倒し、4者・4団体路線と対決して、11・2労働者集会の1万人大結集で世界革命勝利の突破口を開こう。
階級戦争と戦争・改憲の攻撃
世界金融大恐慌下で発足した麻生政権は、階級戦争と侵略戦争を強行する超反動政権だ。小泉「構造改革」攻撃への労働者の怒りで吹き飛ばされた安倍、福田の後を継ぐ麻生は、体制的・政治的危機にあえぎながら、自民党と議会制度の枠内でなんとかしようと考えるのではなく、労働者階級への階級戦争として、すべての事態をとらえている。
民主党との対決を前面に押し出した所信表明演説の本質は、安倍・福田を葬った労働者階級への打倒宣言なのだ。激動期・動乱期には階級戦争に勝たなければブルジョア独裁を貫けないことを、麻生は自覚している。
この時、労働者階級が議会主義的幻想をもったら敵の餌食になるだけだ。労働者に民主党への幻想がカケラでもあったら、たたきつぶされる。敵は議会主義に労働者階級を引き込み、階級戦争を貫徹しようとしている。そもそも小沢・民主党は労働者階級の敵だ。ゴリゴリのブルジョア改憲政党であり、公務員200万人首切りの道州制導入を公約に掲げる反労働者的な政党だ。連合と一体となって労働者の闘いを抑圧する、帝国主義の最後の救済者だ。麻生もろとも小沢・民主党と連合指導部を打倒しなければならない。
麻生政権の本質は、中山前国交相の「成田は『ごね得』」「日本は単一民族」「日教組をぶっ壊す」という超反動発言に凝縮している。日教組や自治労など4大産別の労組を解体することこそ麻生政権の本音だ。麻生は戦争と改憲をも狙っている。「教育勅語」の言葉で始まる麻生の所信表明の結論は、「地域主権型道州制」の導入と「日米同盟の強化」だ。麻生は「国益」をかけ給油新法を延長し、侵略戦争に突入することを宣言した。
超反動の麻生政権を階級的労働運動と11・2労働者1万人決起の一撃で粉砕しよう。
4者・4団体路線との闘い
世界金融大恐慌が爆発し、麻生が階級戦争を仕掛けているまさにこの時に、帝国主義の最後の救済者として階級的労働運動に敵対するのが、塩川一派と4者・4団体だ。
われわれはこの間、「10・24国鉄闘争幕引き集会は絶対に許さない」と各地区連鎖集会に参加し、4者・4団体路線を弾劾してきた。闘争団との激突も辞さず、「解雇撤回を投げ捨てるな」「動労千葉排除を許さず、1047名は団結し解雇撤回で闘おう」「5・27弾圧で組合員を権力に売り渡した国労本部を許すな」と、必死に訴えてきた。この中で、問題の本質はいよいよはっきりしてきた。
4者・4団体路線を進める体制内指導部が依拠するのは、労働者階級ではなく資本主義・帝国主義だ。資本と賃労働は絶対非和解という階級的原則を完全に投げ捨て、「労働者は闘っても勝てない」という敗北主義に骨の髄まで侵され、階級的原則を貫くものを憎悪し排除する。そこまで彼らは転落する。加藤晋介弁護士の「一か八かで解雇撤回を掲げ、和解を拒否して突っ込むアホ(ママ)がいるか」という発言こそその証拠だ。
ある闘争団員は「俺たちは革命を目指してない。革命やるなら勝手にやれ」と捨てぜりふを吐いた。だが国鉄分割・民営化という新自由主義攻撃と対決し解雇撤回を貫くことは、労働者の社会をつくる闘いではないのか。
加藤弁護士は「国鉄改革法23条には勝てない。だから政治解決だ」という。しかし裁判で負けたって解雇を撤回させた輝かしい闘いがあるのだ。動労千葉は分割・民営化反対ストで不当解雇された28名の解雇撤回を、JR資本を不屈に追いつめる闘いでかちとった。全金本山労組は最高裁で負けようが34年間にわたる職場実力闘争の力で、解雇撤回の完全勝利をもぎり取った。今こそJR資本に対する職場実力闘争を闘い、本隊と闘争団が一体となり解雇撤回の大攻勢をかけるべき時だ。
4者・4団体路線を粉砕することなしに、帝国主義打倒の労働者階級の革命的な決起をかちとることはできない。ここに4者・4団体路線との闘いの死活的意義がある。10・24の国鉄闘争幕引き集会を許さず、11・2労働者総決起集会へ大結集しよう。
11・2労働者集会は、@「生きさせろ!」の大幅賃上げゼネスト、A国鉄1047名解雇撤回!、B戦争・改憲阻止、麻生政権打倒!、C「万国の労働者、団結せよ!」の国際連帯を中心スローガンとする大闘争だ。
韓国の民主労総ソウル本部は大訪日団を送ることを決定している。アメリカからはUTLA(ロサンゼルス統一教組)の闘う教育労働者や、5・1メーデーストを実現したILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル10の労働者らがやって来る。全世界の労働者は一つに団結し、新自由主義をぶっ飛ばそう!
11・2まであと3週間。時代認識と路線で真っ向勝負し、11・2の1万人大結集を実現するためにすべての闘いをやりぬこう。
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週刊『前進』(2363号1面2)(2008/10/13 )
世界教師デー 都庁前で150人が集会
都教委と中山暴言に怒り
10月6日、教育労働者の国際連帯・都庁前行動が闘いとられた。10月5日は「World Teachers’ Day」。世界の教育労働者の一斉行動の一環として、東京では都庁第2庁舎前で6日の夕刻から集会が開かれ、東京や神奈川の教育労働者を中心に150人が結集した。
(写真左 都庁前で集会。根津公子さんの訴えに聞き入る)
(写真右 大阪府庁前で教育労働者が国際連帯行動。20人余りが次々とマイクを握り橋下知事を弾劾した)
この日の行動の呼びかけ人である東京教組の米山良江さんがマイクを握り、ロサンゼルスではUTLA(LA統一教組)が職場で落ちこぼれゼロ法との闘いに決起し、サンフランシスコでは集会が開かれていること、また大阪府庁舎前での行動(写真下)が行われていることを報告した。(大阪の記事詳報は次号)
さらに国土交通相・中山の「日教組はガンだ。解体しろ」発言を徹底弾劾。こうした攻撃と闘わないばかりか、現場の闘いをつぶす日教組中央を強く批判した。また「分限指針」という形で、闘う教育労働者の職場からの排除を狙う石原・都教委の攻撃を粉砕し、不起立闘争の継続・拡大を訴えた。そして教育労働者の国際連帯を発展させ、11・2全国労働者総決起集会への大結集を呼びかけた。
呼びかけ人の一人で、今年3月「君が代」不起立での解雇を阻止した根津公子さんは、「09年の3月まであと半年、この勝負をしっかり闘いぬく。毎年異動をさせられるので、行く先々で『歩く宣伝マン』になって不起立を訴えます。6カ月の停職が解けて出勤したら、とたんに都教委から10月22日に再発防止研修を受けろと言われた。この日を抗議のワンデーアクションにしましょう」と提案し、共鳴の拍手に迎えられた。
アメリカでイラク募兵活動と闘うCAMS(校内の軍国主義に反対する連合)の教育労働者、アーリーン・イノウエさんからの連帯メッセージが読み上げられた。イランにおいてデッチあげの罪で死刑判決が確定している教育労働者ファルザード・キャマンギャルさんの即時釈放を求めるアピールが行われた。民営化攻撃と闘う自治体労働者、残業を強制する資本に怒る青年福祉労働者、大学の新自由主義化を進める増田総長体制と対決する法大生などが次々と発言に立った。
東京の教育労働者は「教員の半数が非正規化されている。業績評価は教育労働者を精神的、経済的に追いつめるものだ」と弾劾した。神奈川の教育労働者は「査定給の導入に対し断固闘う。都の職員も賃金15%カットに黙っていていいのか!」と訴えた。
集会の締めくくりに動労千葉の川崎昌浩さんが「われわれの『生きさせろゼネスト』の訴えは全労働者獲得の一歩手前に来ている」と語り、11・2集会1万人結集を熱を込めてアピールした。
参加者は最後に都庁舎に向けて何度も「都教委弾劾!」のシュプレヒコールをたたきつけた。
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週刊『前進』(2363号1面3)(2008/10/13 )
日程 11・2全国労働者総決起集会
改憲・戦争と民営化・労組破壊に立ち向かう労働者の国際的団結を!
11・2全国労働者総決起集会
東京・日比谷野外音楽堂/11月2日(日)正午開会
(呼びかけ)全日本建設運輸連帯労働組合・関西地区生コン支部/全国金属機械労働組合・港合同/国鉄千葉動力車労働組合
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週刊『前進』(2363号1面4)(2008/10/13 )
日程 10・17法大キャンパス集会
10月17日(金)12時40分 法大集合
【主催】3・14法大弾圧を許さない法大生の会
法政大学文化連盟/5・28―29法大弾圧救援会
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週刊『前進』(2363号2面1)(2008/10/13 )
11・2労働者集会 UNITE!
世界金融大恐慌 資本主義崩壊と革命の時代
ウォール街大デモ 「資本家救うな!刑務所行きだ!」
世界は革命情勢――これが現在進行している事態だ。単なる株価の暴落や金融危機の経済事象ではない。資本主義という社会経済組織の崩壊が始まったのだ。米ブッシュ政権が一度否決された金融救済法を通した。日本の国家予算に匹敵する70兆円で金融機関の不良債権を買い取るものだ。だが株価は再び下落、ニューヨーク株式市場は1万jの大台を割った。ブルジョアジーはさらなる暴落の不安におびえる。世界の資本主義を支えてきたアメリカ資本主義が音を立てて崩壊を始めた。(写真右=9月25日、NYウォール街で金融救済法に怒りを爆発させる労働者たち)
30年代をも超える危機
われわれは今、資本主義の倒壊の現場を現在進行形で目の当たりにしている。歴史的に言えば、資本主義はいったん第1次世界大戦と1917年ロシア革命で破産した。それを再建し、約1世紀にわたり支えてきたアメリカ資本主義が瓦解(がかい)を始めたのだ。
人類に未曽有の惨禍をもたらした第1次世界大戦(1914〜19年)。ヨーロッパは焼け野原となり、戦争、虐殺、伝染病、飢餓などで約6千万の人びとが死んだ。工場、農地、鉄道、道路も徹底的に破壊された。資本主義の中心だった欧州は瓦礫(がれき)の山となって劇的に没落した。世界革命の波が押し寄せた。ロシアでは世界最初のプロレタリア社会主義革命が勝利。ドイツなど欧州全域で資本主義の危機は深まり、革命運動が高揚した。
他方で戦場化を免れた米国は第1次大戦をとおして、資本主義国として類例のない成長を遂げる。数年で工業生産は2倍になり、世界の工業生産の半分を生産するようになった。14年には米国は35億jの海外負債を抱える債務国だったが、大戦後一挙に130億jの債権国になった。ニューヨークは世界の金融の中心地となった。存亡の危機に立つ資本主義世界を米国基軸で再建したのだ。
「永遠の繁栄」と呼ばれた資本主義の発展をおう歌していた米国を大恐慌が襲った(29年)。株価は8割下落し、1万の銀行が閉鎖された。工業生産の規模は6割弱に落ち込んだ。失業率は25%になり、4人に1人が路頭に迷った。
29年世界大恐慌は資本主義を根底から動揺させた。こうした中で33年に政権の座についたルーズベルト大統領は前代未聞の資本主義の救済政策を展開した。金本位制を停止し、産業を強力に統制した。巨大な公共事業を実施し、850万人の失業者を政府が雇った。さらに労働者の団結権と団体交渉権を認め、労働者の支持を得た。
30年代は米国の過去の歴史で最も激しい階級闘争の時代だった。自動車や鉄鋼労働者を組織したCIO(産業別組合会議)は、GM(ゼネラル・モーターズ)やUSスティールで流血のストを闘った。経営者たちは私立警察を雇い、大量の機関銃や催涙・嘔吐(おうと)ガスを購入した。CIOも共産党も社会党もニューディール政策に屈し、ルーズベルトと政治的同盟を結んだ。それは第2次大戦賛成にまで行き着く。
ニューディールは前例のない規模の資本主義救済の政策だった。だが、これは30年代の米国だからできたのだ。英国に代わり世界の盟主なった新興帝国主義の米国には世界の金の半分以上が集まっていた(実際に本格的な景気の回復は第2次世界大戦による軍需の増加による)。米国は、第2次も勝ち抜き、第1次大戦で破産した資本主義を1世紀近く支えてきた。そのアメリカ資本主義が崩壊を始めているのだ。
基軸通貨ドルの暴落へ
今度こそ資本主義の最期が始まった。今の米国にはニューディール政策を行う力はまったくない。米国に代わって資本主義を再建できる力量を持つ資本主義国もない。資本主義はもう絶対に立ち直らないのだ。
金融大恐慌の発端となったリーマン・ブラザーズ倒産にしてもブッシュ政権は全力で対応しても破綻を阻止できなかったのだ。そもそも米政府がすべての民間会社を救済することは不可能だ。
危機に陥っているのは金融機関だけでない。自動車最大手GMの経営危機も深刻だ。GMの4−6月期の赤字は154億7100万j(約1兆5500億円)。6月末時点の債務超過額は570億j(約5兆7千億円)と天文学的な数字だ。経営破綻が現実味を帯びている。世界最強企業と呼ばれた電機・金融大手GE(ゼネラル・エレクトリック)ですら資本増強せざるをえない情勢だ。
7000億j(70兆円)という巨額の金融救済資金を投入しても問題は何も解決しない。そもそも住宅ローンの焦げ付き問題には直接の効果はない。住宅ローンの支払いが継続できない家庭はまだ数百万件も存在する。住宅ローンの焦げ付きは日増しに増加し、70兆円をはるかに上回る。金融機関が抱えている資産の価値がどこまで悪化するかはもはや誰にも分からないのだ。
売るに売れない不良債権を米政府はいくらで買うというのか。買取価格が救済する金融機関の「言い値」に近い水準になれば、損失リスクは政府に丸ごと移る。逆に価格が低水準に抑えられると金融機関は大幅な損失計上を迫られる。身動きが取れないのだ。
だいたい金融救済法は資本主義の自己否定だ。新自由主義とは弱肉強食ではなかったのか。ブルジョアジーは「弱い資本は強い資本に食われる」とうそぶいてきた。だがその最強の資本が次々破産しているのだ。ブッシュの泣き言を見よ。「論議している時間はない」「このままでは悲惨なことになる」――新自由主義をこのまま続ければ資本主義は瓦解すると告白しているのだ。ブッシュが演説するたびに株価が下落していく。
米政府が金融機関に投入を表明した公的資金枠は2兆jに迫る。こんなことを続ければ必ず財政は破綻する。米国の累積財政赤字は11兆j(1100兆円)を超す。それがわずか1年間で2兆j以上の赤字が増えるペースだ。公的年金や医療保険も加えた累積赤字は53兆j(5300兆円)を突破している(07年11月米会計検査院の報告)。国家丸ごと倒産に等しいものになっているのだ。
これはドル暴落を必ず招く。基軸通貨の崩壊は資本主義の歴史では前例がない。29年恐慌の比ではない事態が起きようとしているのだ。ドル紙幣が紙くずになる。そうなれば世界中の為替取引が止まる。世界貿易は急激に縮小し、米国債や米株価の暴落が各国に連鎖する。資本主義は破局だ。日本の外貨準備もほとんどドルだ。ドルが凍結状態になれば、日本は石油も食料も買えない。
だからドル防衛に必死なのだ。もはや米1国では対応できない。米欧日が共同で何十兆円ものドルを湯水のごとく市場に供給し、なんとか全面的な崩壊を免れているにすぎない。それでも金融収縮と貸し渋りは進行する。金融危機は実体経済の危機に進む。
「資本主義はもう死ね」
70兆円という膨大な税金投入をわずか1週間で決めようなど絶対に許されるものではない。70兆円はすべて労働者から搾り取ったものではないか。「税金を投入しなければ恐慌になって失業者が増え、労働者の生活が苦しくなる」などと言い訳している。
冗談ではない! これまで労働者を苦しめ、徹底的に搾り取り、ボロもうけした末に、行き詰まったからと救済し、もっと徹底的に労働者から搾り取ろうなどという魂胆に屈してなるものか。
金融救済法を主導したポールソン米財務長官はどんなやつか。99年から06年まで証券1位ゴールドマン・サックスのCEO(最高経営責任者)だった。05年度の報酬額は約40億円、政権入りが決まった06年は半年で約20億円。財務長官になる際に受け取った退職金は約500億円(誤植ではない)。しかも財務長官になったため無税だった。このポールソンに70兆円の使い道を白紙委任するのが金融救済法なのだ。
この恥知らずなブルジョアジーに対し、労働者階級の怒りが爆発した。ニューヨークのウォール街を始め、各地の連邦準備銀行前で一斉に労働者の抗議デモがたたきつけられた。「行動するなら今だ。今ならまだ救済策をめぐる議論に影響を及ぼすことができる。ウォール街でデモを」という1通のメールが米国中の労働者の街頭デモに発展した。
「われわれは家を失い、職を失ったのに、ウォール街を助ける必要はない」「救済するな! 刑務所にぶち込め」。ウォール街には怒りが噴出した。議員事務所には「反対票を投じよ」というメールや電話が殺到した。下院で修正前の法案に反対票を投じたのは民主党の議員が4割、共和党は7割に上った。
新自由主義は、労働者を徹底的に搾取し、ボロもうけした揚げ句の果てにパンクしたのだ。こんなやつらを救済する必要は毛の先ほどもない。資本主義はもう死ね! ブルジョアジーは全員くたばればいいのだ。少しでも救済し、立ち直ったら、もっと労働者を苦しめるだけなのだ。
これこそが新自由主義のもとで辛酸をなめ、また資本と非和解で闘ってきた米国の労働者の階級感覚であり、歴史認識だ。ブルジョアジーは、新自由主義の旗のもと「資本主義は弱肉強食だ。飢えさせれば労働者は一生懸命働く。社会保障制度で労働者は堕落した」などとうそぶいていた連中なのだ。
労働者の怒りと憎しみが米国の階級闘争の大地を揺るがしている。労働者階級の怒りという階級闘争の論理が「否決」情勢をつくり、経済事象を動かしている。大恐慌の爆発とは、純経済事象ではなく、階級闘争の問題なのだ。
労働者の怒りの爆発が恐慌過程で、打倒対象であるブルジョアジーを大混乱にたたきこむのだ。恐慌によって経済は縮小し、解雇・失業・賃下げで労働者は塗炭の苦しみにあう。労働者の生きるための闘いは生活防衛にとどまらない。困苦の根源である資本主義を打倒する革命に行き着く。11・2労働者集会に結集し、世界の労働者とともに「資本主義を倒せ!」の大デモをかちとろう!
(片瀬 涼)
(写真 米ニューヨーク証券取引所前での抗議集会【9月25日】)---------------------------------------------------
週刊『前進』(2363号2面2)(2008/10/13 )
11月1万人結集をかちとろうB
マル青労同に入ろう
査定給反対!現場が動く
自治体労働者 真柴圭太
査定昇給に絶対反対で青年部の選挙に立候補したんです。組合本部は査定昇給に賛成で現場はあきらめムード。でも、3分の1の青年部員が僕らに投票してくれました。
今は一人の決起が現場に火を付けることを実感しています。団結の力に本当に感動した。単に一つの職場の小さな闘いではなく、〈民営化と道州制〉絶対反対の路線をかけた問題だったと思います。
査定昇給が提案された時、青年部の中でも「闘っても誰もついてこない」「働かない職員もいる」という声もありました。査定昇給に賛成する青年部ではやれない、と悩みました。それでマル青労同の仲間と相談し、〈査定給絶対反対〉で立候補することを決めたんです。それまでは、4〜5年は経験を積んでから、と思っていた。仕事もまだまだでしたしね。
経験なんか関係ない
「組織破壊者」と非難もされた。でも僕が腹を決めたら職場全体が変わりました。予想外のすごい応援だった。経験は現場の労働者には関係ないんです。経験不足を批判してきたのは査定給賛成の役員だけです。
決意して立つことが現場を変えるんです。「組織、組織」と言ってエスカレーター式で組合で出世する連中は、上しか見てない。現場の組合員は嫌気がさしている。労働法や当局との交渉のプロではなく、本気で職場と組合を変える人を求めている。
怒りを思い切り訴えて社会を変えたい――もんもんと悩んでました。それを一緒に実際の闘いに転化させたのがマル青労同の仲間です。この思いを実際に貫くのは重圧もあります。でも真っすぐ行動するのがマル青労同です。みんな職場も年齢も違います。でも労働者は一つというのがマルクス主義です。
(写真 プラカードを書く青年労働者【5月沖縄県民大会で】)
分断破り団結したい
選挙で労働者は一つだと訴えました。民間も公務員も同じ。一緒に団結できる存在です。今の現場は「あいつは仕事ができない」「あの人は仕事しないのにおれより給料が高い」という分断攻撃に屈している。組合員と非組の分断もあります。
職場の要員は減るのに仕事量は同じ。忙しくなるほど分断が起きる。病気で休むだけで労働者同士で非難する関係になってしまう。体制そのものへの怒りに変えずに分断は打破できない。今の組合は「よりよい査定給」論。こういう民営化や人事評価制度に屈服する組合こそが職場の労働者の分断を生み出している。これを打ち破りたかった。
これまで一緒に闘ってきた青年が弾圧の先頭に立った。組合で決まったことだと。僕も最初は日和った。だけど名前入りのビラを全職場に配ったらメールがどんどんきた。ワクワクする闘いになった。青年部の仲間のメールにうれしくて泣きました。現場には仲間がいる。本当の団結を学びました。
ビラをたまたまみつけて電話してきた青年部員もいる。ある仲間は「こっちが面白い。組合は腐っている。もうやめようと思っていた。真柴君と出会えてよかった」と言ってくれた。
体制内労組幹部を倒す
今、労働者が犠牲になる社会を根本から変える絶好のチャンスが到来しています。資本主義はもうボロボロ。麻生政権は、道州制と自治体民営化以外に体制の延命策をもっていない。公務員労働組合の絶滅にすべてをかけている。中山発言は麻生の本音。けれども、現場労働者は怒りでいっぱいだ。この怒りを解き放てば、麻生なんか一発でぶっとばせる。これが11月集会なんです。そして、それを切り開いたのが今回の青年部選挙だったと思います。
連合や自治労といった体制内労組の幹部が現場の怒りを抑えつけている。組合本部は当局の規定を盾にしてビラを回収した。当局と完全に一体です。それをのりこえて決起した時に現場が動き出した。この中から本当の団結が生まれる。確かにすごい緊張関係に入ります。だから党派闘争を徹底的にやる。体制内労組幹部をひきずり降ろし、闘う労働組合をつくる――これがマル青労同の闘いです。
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週刊『前進』(2363号2面3)(2008/10/13 )
9・24〜10・2
労働者派遣法「見直し案」発表
●労働者派遣法の見直し案を建議 労働政策審議会は厚生労働大臣に対して、日雇い派遣の原則禁止を柱とした労働者派遣制度の見直しについて建議した。(9月24日)=要旨別掲
●鉄建公団訴訟、12月に結審 鉄建公団訴訟の控訴審で東京高裁は12月24日に結審することを決めた。来年、判決が言い渡される見通し。(24日)
●生活保護世帯、前年度比2.7%増加 厚労省が発表した社会福祉行政業務報告によると、07年度に生活保護を受けた世帯数は1カ月平均で110万5275世帯と前年度比で2.7%増。(26日)
●労働者派遣の「クーリングオフ」禁止の通達 厚労省は派遣労働者の派遣期間終了後に、企業が3カ月の「クーリング期間」と1日だけ直接雇用し、再度派遣に戻すこと(「クーリングオフ」)を違法とする通達を出した。多くの製造業で09年に最長3年の派遣満了期間を迎えるための措置。(26日)
●中山前国交相が「日教組をぶっ壊す」発言 中山前国交相は宮崎市で「日本の教育のがん(ママ)が日教組。日教組をぶっ壊すために私は火の玉になる」「日教組。全員ではないが、過激な一部が考えられない行動を取っている。教育基本法改正の時も、毎日、何百人という先生が国会議事堂を取り巻いていた」と25日に続き日教組批判の暴言を行った。(27日)
●「名ばかり管理職」厚労省基準に反対続出 連合は厚労省が9日に発表した「管理監督者の新通達」に反対する緊急集会を開催。日本労働弁護団も意見書を発表。これらを受けて厚労省は10月3日に基準を見直した。(29日)
●自治体職員の28%非正規 自治労発表の地方自治体職員の勤務実態調査で臨時雇いや非常勤などの非正規職員が全体の27.8%を占めることが判明。非正規職員の少なくとも67.1%が「年収200万円以下」と見られる。(29日)
●8月の完全失業率悪化 総務省発表の労働力調査だと8月の完全失業率は4.2%で、前月比0.2ポイント悪化。厚労省発表の一般職業紹介状況だと8月の有効求人倍率は0.86倍と前月を0.03ポイント下回り04年9月以来の低水準。(30日)
●銚子市立総合病院が診療休止 銚子市立総合病院が反対の声を押し切って診療を休止した。(30日)
●経団連、消費税の5%引き上げなど提言 日本経団連は社会保障費の財源として消費税率を現行の5%から10%に引き上げると提案。(10月2日)
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厚労省労働政策審議会の報告書要旨
(1)日雇い派遣の原則禁止
日雇い派遣や雇用期間が30日以内の労働者派遣は原則禁止。ただし、通訳など18業務は例外として認める。
(2)派遣料金や手数料率の公開
(3)「グループ派遣」の制限
企業内の派遣会社がグループ企業に派遣する人員を8割以下に制限する。
報告には、@登録型の規制強化A均等待遇原則の法制化B「みなし雇用制度」 を求める労働側の意見を付記したのみで、派遣労働を増大させた、仕事のある時しか働けない「登録型派遣」への規制強化は見送られている。
これを受けて厚生労働省は今後、法案要綱作成に入る。
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週刊『前進』(2363号3面1)(2008/10/13 )
11・2日比谷野音に怒りの大結集を
民営郵政とJP労組中央を職場闘争の力で打倒しよう
全逓労働者の大隊列を11月へ
11・2労働者集会まで残り3週間となった。闘う全逓・郵政労働者は、怒れる労働者1万人の日比谷野音大集会実現のために全力疾走しよう。階級的労働運動の路線と方針で体制内指導部との党派闘争にかちぬき、とりわけ青年労働者の総決起をかちとろう。その力で、麻生政権を労働者の敵・小沢民主党もろとも打ち倒そう。郵政民営化絶対反対の路線と階級的団結で、西川民営郵政を打倒しよう。労資運命共同体の連合JP労組中央を打倒し、超勤拒否、物ダメ・ストライキで闘う階級的全逓労働運動を職場からつくりあげよう。
超反動の麻生政権打倒せよ
ウォール街の花形だった米5大証券が姿を消し、世界最大の保険会社AIGが破綻して実質上国有化された。日々刻々、世界金融大恐慌の現実が世界の帝国主義に襲いかかっている。帝国主義の最後の選択だった新自由主義が破産したのだ。金融破綻、株価暴落、一方のインフレ……。帝国主義・資本主義の命脈は尽き果てた。
米政府が巨大金融機関の救済で投入する公的資金(税金)の合計は何と1兆j(約百兆円)を超えようとしている。それでもNY株式市場はついに1万jを割り込み、底割れ状態に突入してしまった。欧州・アジアでの連鎖的な株暴落も拍車がかかり始めた。過去最悪の米財政赤字拡大が米国債とドルの暴落に行き着くことも不可避となった。資本主義は完全に末期状態となった。ここが核心問題だ。
日帝・麻生政権は世界金融大恐慌に直撃されている。ドル体制が崩壊すると日本経済は一瞬にして吹き飛ぶ。三菱UFJの米金融市場参入はドル崩壊への恐怖のためだ。この超ど級の危機の中で、麻生政権は資本優遇の「景気対策」、インド洋での自衛隊給油法延長、道州制の検討機関設置に動きだしているが、もはや自民党の政権自体が崩壊している。
対する小沢・民主党の政策の柱は、自民党が挫折した「真の構造改革」である。民主党は労働法制改悪に賛成する労働者の敵であり、インド洋給油法の対案としてアフガニスタンへの自衛隊派遣を主張する改憲政党だ。規制緩和・民営化でボロもうけし、非正規雇用の2000万青年労働者から搾り取った利潤やマネーゲームで肥え太ってきた金融資本のよりどころが麻生・自民党であり小沢・民主党なのだ。そして、それを支えているのが連合を始めとする体制内労働運動である。小沢・民主党もろとも麻生政権を打倒しよう。
世界恐慌の爆発が労働者階級にもたらすものは再びみたびの戦争と失業だ。むき出しの階級闘争の時代であり、労働者階級が政治権力を取ることが必要なのだ。プロレタリア革命を引き寄せる力は、怒れる労働者1万人が結集する11・2日比谷野音の労働者集会にあることを心から訴えたい。労働者に権力をよこせ! 体制内指導部と職場で地域で激突し、分岐をつくりだそう! 「生きさせろ」の大幅賃上げとゼネストを切り開こう!
「4者・4団体路線」うち砕け
この情勢下で、国鉄1047名闘争をめぐって労働者階級の闘う路線が決定的に問われる事態が生まれている。分割・民営化から21年間闘ってきた国鉄1047名闘争と、200万首切り攻撃と対峙している自治体労働運動、「日の丸・君が代」攻撃との攻防を貫く教労、郵政民営化攻撃と激烈に闘いぬく全逓、この4大産別が階級的労働運動に合流することに、日帝と体制内労働運動指導部が恐怖し、一切の階級的な闘いを終わらせようとしているのだ。国鉄闘争から解雇撤回の旗を降ろした「4者・4団体路線」との闘いがまさに正念場である。
「今こそ政治決断で解決」をうたう4者・4団体路線に密集する勢力の10・24幕引き集会の矛先は、動労千葉と11月労働集会にむけられている。
11・2労働者集会は、「4・4」和解・屈服派か動労千葉派か、体制内労働運動か階級的労働運動か、民営化推進か絶対反対かの路線的大激突に決着をつける場となった。ここが階級闘争の歴史的分岐点である。「4者・4団体路線」をうち砕き、解雇撤回、民営化絶対反対の路線と階級的団結で、第2次国鉄決戦を基軸に4大産別(6大産別)決戦の戦略的前進を闘いとろう。
動労千葉派、職場の主流派に
昨年10・1郵政民営化から1年を迎えた。国鉄分割・民営化に続く、日本における新自由主義攻撃の本格的エスカレートを目指した「小泉改革」の中軸=郵政民営化攻撃に対して、われわれ全逓委員会と闘う全逓労働者は真っ向から「絶対反対」の闘いを挑み、民営化の狙いを破綻させる突破口を切り開いた。全逓労働者の闘いは、民営郵政と、それを支える連合JP労組中央を打倒し、動労千葉派が闘う全逓労働運動の主流派として登場していく新たな段階に突入した。
郵政民営化攻撃は、国鉄と並んで戦後労働運動の中軸を支えてきた全逓労働運動を葬り去る攻撃であり、戦争と改憲の道=労働運動総体の産業報国会化をめざす一大反革命だ。
またこの郵政民営化攻撃は、その本質(資本としての生き残りをかけた大合理化と労働運動の破壊)に規定されて、JP労組中央の完全な屈服と先兵化を条件にして初めて遂行されたものだった。
全逓委員会は、民営化で一気に激化した労働強化や締め付け、労働災害、非正規労働者の使い捨てなどに対する職場の怒りを、職場の階級的団結に転化し、非和解的な職場闘争として闘い抜くことを決意し、真っ向から闘いを挑んだ。
郵政民営化の決定直後の04年秋、「民営化絶対反対」「連合全逓中央打倒」の路線と、物ダメ・ストライキの方針を確立し、昨年9月に超勤拒否闘争を闘い、民営化を迎え撃ったのである。
とりわけ東京中郵では、銀座局への統廃合・合理化に対する闘い(4月)を皮切りに、全逓と全郵政の支部段階での統合(8・30)に対して、支部執行部選挙に名乗りを上げた。動労千葉派が郵政職場の主流派になる闘いに公然と踏み出した。
そしてこの東京中郵の闘いに呼応し、4月の仙台での非正規青年労働者に対する雇い止め=首切り攻撃との正規・非正規一体となった闘い。8月広島・岡山・埼玉における雇い止め攻撃に対する闘いが、現在も非妥協的に貫かれている。
これらの闘いは、民営郵政とそれを支える連合JP労組中央の支配を根底から覆し、わが動労千葉派が文字どおりの主流派として勝利するまで止むことのない非和解の闘いだ。われわれはそうした闘いをついに開始したのである。正規・非正規の団結を固め闘おう。
正規・非正規の団結で闘おう
民営郵政の破綻は、現場労働者が「民営化絶対反対」で闘い始めたとたんにあらわとなった。そもそも、始まった世界金融大恐慌に民営郵政は直撃される。巨額の国債を買い支えてきた郵便貯金や保険預金の信用が揺らぎ、残高自体が急激に減少している。また1万5千人の欠員で出発した民営郵政の絶対矛盾が、職場の極端な労働強化として噴きだしている。
郵政当局は、他の運輸資本との競合でさらに2万4千人を削減しなければ生き残れない危機にある。それゆえ本務者を減らし、低賃金のゆうメイトなど非正規労働者を増やしたにもかかわらず、早くもそのゆうメイトを次々と使い捨て(雇い止め)にしなければならない矛盾に陥っている。要員問題の爆発こそ民営化の破綻の結果だ。極端な労働強化と誤配の続出、相次ぐ事故や労働災害などは、民営化の破綻がもたらしたものだ。まさに民営化の絶対矛盾である。労働者にとっては、まさに「闘わなければ生きていけない」状態が郵政職場全体を覆っている。
郵政民営化は、「1企業1組合」のもとで、労働組合を労資一体の“産業報国会”に変質させることをもって初めて成立する問題だった。全逓・全郵政の「組織統合」でダラ幹が結託しても、闘う全逓労働者の現場を完全に解体しなければ民営郵政の破綻は決定的となる。だからこそ、このかんの超勤拒否の闘い、非常勤労働者の雇い止め阻止の闘いを始め、階級的団結を基礎とした職場闘争に火がつき始めた瞬間、当局と御用組合幹部の結託による職場支配はたちまち揺らぎ始めたのである。
民営化絶対反対、民営郵政打倒、そして御用組合=JP労組中央打倒の路線の下に、真に階級的な団結を強化・拡大していくことが決定的なのである。最末期帝国主義を打ち倒し、労働者の政治権力を目指すマルクス主義に立った動労千葉労働運動の実践こそが勝利の指針だ。自信と確信をもって職場での勝負に突き進もう!
青年労働者の大結集実現を
郵政職場においても、勝利のカギを握っているのは青年労働者の闘いだ。相次ぐゆうメイトの雇い止め攻撃など、民営郵政の矛盾がここに集中している。しかし、民営郵政による労働者支配の最大の危機もここにある。民営化後、職場に急激に拡大した労働監獄の現実の最も鋭い現れが、ゆうメイトなど非正規労働者の拡大とその首切りだからだ。
体制内執行部が完全に職場闘争を放棄し、これを抑え込む側に転じる中で、ありとあらゆる職場の不満や怒りを残らず徹底的に組織化していくチャンスがここにあるのだ。ここから、支配階級が最も恐れる労働者の総反撃が始まるのだ。正規労働者と非正規労働者の団結は一切の土台である。全国で民営化絶対反対の新たな「郵政の1047名闘争」をつくりだそう。
民営郵政と非和解的に激突する新たな全逓労働運動の勝利の道は、動労千葉派の労働者が産別の枠、国境の壁を超えて結集し団結する闘いの中にこそある。11月集会こそ、新自由主義=民営化攻撃と闘いぬく集会であり、「民営郵政打倒」の闘いそのものだ。安倍、福田に続き、郵政民営化攻撃の張本人・小泉をついに労働者の怒りで打倒した。次は麻生の番だ。11月労働者集会1万人結集の力で麻生政権を打倒しよう。
11・2労働者集会に闘う全逓・郵政労働者の根こそぎの結集を実現するために、ありとあらゆる闘いを粘り強い執念でやり抜こう。青年労働者の大きな結集を何がなんでも実現しよう。雪崩を打つ体制内労働運動の屈服・和解路線を粉砕し、階級的労働運動で勝負する団結した隊列を11・2日比谷野音に登場させよう。
〔革共同・全逓委員会〕
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週刊『前進』(2363号3面2)(2008/10/13 )
米韓から闘う代表団
11・2は国際連帯の大集会だ
今年も11・2労働者集会に、すごい闘いを引っさげてアメリカ・韓国の労働者代表がやって来る。続々と来日メンバーが決定しつつある。
ILWUや闘う教育労働者
アメリカからは、全米第2の地域教組であるロサンゼルス統一教組(UTLA、4万8千人)の闘う教育労働者の参加が決定した。
UTLAは、組合員80万人を組織するロサンゼルス郡労組連盟の最有力加盟労組だ。同連盟は今年8月、不起立闘争を闘う根津公子さんらを断固支持する声明を発し、都教委・日教組に送った。この支持声明の実現を始め、全米各地に不起立闘争支持を広げたのがUTLAであり、CAMS(校内の軍国主義に反対する連合)のアーリーン・イノウエさんたちだ。UTLAは05年、戦闘的潮流が旧執行部を打倒し、組合の階級的再生を実現。今年6月には教育・医療福祉予算削減に反対する4万人のストライキを打ち抜いた。
ILWU(国際港湾倉庫労組)からは港湾労働者メーデー組織化委員会を始め、5・1メーデーストライキの中心を担った現場労働者が11・2集会に参加する。
ILWUは今年5月1日、米西海岸の全29港湾を封鎖する歴史的ストライキを成功させた。この闘いに、イラク港湾労組が占領下の連帯ストライキで呼応した。
このストは、昨年10月に開かれた「国際反戦会議」での討議を経て実現された。会議は、ローカル10、ローカル34が主催し、動労千葉やRMT(イギリス鉄道港湾運輸労組)などが参加した。激烈な討議をとおして「職場からの労働者の直接行動で、戦争を止める闘いを組織しよう」という方向性をつかみ取ったのだ。
(写真 ロサンゼルス統一教組の4万人のスト。2万人以上の保護者、生徒、地域の労働者もピケットラインに立った【6月6日】)
民主労総との「理念交流」も
韓国からはイミョンバク政権打倒の百万人デモに決起した韓国労働者階級を代表して、今年も民主労総ソウル地域本部の代表が大挙やって来る。
民主労総は、軍事独裁政権下の民主労働運動を土台に1995年に結成された。06年には御用組合である韓国労総をおさえ、韓国最大のナショナルセンターに成長。世界最強の労働組合だ。この中でソウル地域本部は組合員17万人を組織し、徹底的に現場労働者に依拠して闘う「現場派」だ。
今年は11月集会を前後して、ソウル地域本部と動労千葉による社会主義「理念交流」が計画されている。両国の労働運動をめぐる情勢、ぶつかっている課題を共有し、労働者自己解放闘争の展望について模索するために設定されたものだ。
民主労総中央の右傾化に抗して闘っているソウル本部イジェヨン本部長は、今年の8・15集会で「それぞれの国のバラバラの組織ではなく、一つの組織として闘おう」と発言した。日米韓の国際連帯は、共同の路線と展望のもと、文字どおり“ひとつの闘い”として闘う画期的地平に達しているのだ。
なぜ世界で最も闘っている労働組合が11月集会に注目し、代表を送ってくるのか。それは、動労千葉が国鉄分割・民営化という大攻撃と真正面から闘って勝利し続けてきたからであり、新自由主義という“共通の敵”を打ち破る力が11月集会にあると見ているからだ。この11月集会と国際連帯の闘いがもっている意義と力、巨大な展望を職場の仲間に訴え、11・2日比谷野音に1万人の大結集を実現しよう!
(写真 百万ロウソク決起を発展させようと民主労総ソウル本部が集会。動労千葉国際連帯委も参加【7月24日 ソウル駅前広場】)
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週刊『前進』(2363号3面3)(2008/10/13 )
動労千葉冬季物販の訴え
階級的路線拡大する絶好機
08年冬季物販闘争は、世界金融大恐慌の情勢下での物販闘争となった。資本の時代は終わりを告げた。われわれ労働者が全世界を手にする時代がやってきたのだ。この革命情勢の到来を眼前にして、すべての労働者と組合活動家が、方針を求めて動労千葉の物販を待っている。「大幅賃上げゼネスト! 国鉄1047名解雇撤回!」の階級的路線をすべての職場と労働組合に持ち込もう。
08年冬季物販にさいして第一に訴えたいことは、資本主義の危機のなかで「安全、要員、結託体制」というJR体制の「三つの矛盾」が噴き出し、JR体制をたたきつぶす好機が到来しているということだ。
矛盾のひとつめは「安全の崩壊」だ。現在、下り勾配個所で「速度違反」の運転が強制されている。JRは昨年11月に国土交通省から下り勾配個所での速度制限の指導を受けていた。だがそれを1年間も放置し、規定・省令に違反した速度オーバーを現場に強制し続けてきた。動労千葉は10月3日付で緊急申し入れを行い、10月4日から下り勾配個所での時速5`減速運転の指示を組合員に下ろし、安全運転の闘いに突入している。
矛盾の二つめは、業務遂行すらできないほどの合理化による「要員のパンク」である。会社は、熟練労働者とその技術力を切り捨てる業務の全面的な外注化を強行し、羽越線事故の原因となった駅の無人化をも推し進めてきた。またライフサイクルでは、運転士を駅にたらい回しにしようとしている。ライフサイクルの強行は、必ずJR青年労働者の反乱を引きおこしていく。
矛盾の三つめは、矛盾に満ちたJR体制を支えてきたJR資本とJR総連・カクマルとの「結託体制の崩壊」である。JR東日本は労務政策を転換し、JR総連・カクマルを切り捨て、「純粋御用組合」の設立に動いている。それはJR総連・カクマルによる異常な労働者支配に見切りをつけ、資本による直接的な職場支配への転換を意味する。しかしそれは、JR総体の労働組合の大再編をもたらし、JRの全労働者を階級的大激動の中にたたき込む。
したがって第二に訴えたいことは、1047名解雇撤回闘争を軸にJR体制を打倒する第2次国鉄決戦の爆発をかちとろうということだ。
ところがこのとき4者・4団体は、解雇撤回を投げ捨て、分割・民営化に最後的に屈服する道をとろうとしている。解雇撤回を貫こうとする者に対して「解雇撤回を掲げ、和解を拒否して突っ込むアホ(ママ)がいるか」とまで言うに至っている。解雇撤回をめぐる争議で、相手が和解交渉の席にもついていないのに、あらかじめ解雇を容認して和解を求め「納得のいく解決」をかちとった例など一度もない。動労千葉の公労法解雇28名全員の解雇撤回も、全金本山の勝利も、「解雇撤回」という一点で闘いぬいた結果の勝利であった。分割・民営化に屈服する10・24中央集会を断じて許してはならない。
以上の結論として第三に訴えたいことは、11月1万人結集から来春へ、09春闘を大幅賃上げゼネストとして闘うために攻め上ろうということだ。
全世界で労働者の賃上げゼネストが巻き起こっている。ILWUは西海岸29のすべての港を止めるストライキに立ち上がった。民主労総は、5〜6月100万人決起を引き継ぎ、イミョンバク政権を労働運動の力で打倒する闘いに立ち上がっている。
09春闘を大幅賃上げゼネストで闘おう。賃金闘争を階級的に闘うならば、広範な労働者の団結をつくり出すことができる。あらゆる賃金闘争が一夜にして体制打倒の闘いへと一変する。それが革命情勢だ。その先頭に1047名闘争が立つ。11月1万人結集を実現し、崩壊する資本主義に引導を渡そう。その勝利をかけて、08年冬季物販闘争に全力で取り組もう。
◇販売品目◇ (円)
1 天津甘栗 500
2 焼カシューナッツ 650
3 ドライマンゴー 1000
4 ピリ辛イカづくし 650
5 あずき最中 500
6 特選甘納豆 500
7 抹茶のど飴(浅田飴) 650
8 崖の上のポニョカレンダー 1600
9 種ぬきプルーン 900
10 北海道レアチーズケーキ 950
11 パスタとソースセット 3200
12 薩摩のいも焼酎 2900
13 山梨ワイン 2900
14 グリコハムセット 3500
15 落花生(八街産) 1500
16 アソートチョコレート 1400
17 もずくスープ生タイプ 550
18 即席みそ汁(20食) 1300
19 野菜たまごスープ 1300
20 おかゆ三種 1000
21 ポケットチーズ 900
22 丹波の黒豆 650
23 にしん昆布巻 700
24 どんこ(はねだし) 1000
25 静岡茶 650
26 ブレンドコーヒー 850
27 寒干し味噌ラーメン 1300
28 博多ラーメン 1000
29 喜多方ラーメン(生) 1100
30 北信濃手折りそば 1700
31 讃岐うどん 1550
32 北海道鮭ふりかけ 1100
33 梅にんにく 1300
34 日高昆布(北海道産) 1000
35 ひじき 房総産100% 650
36 根昆布しょうゆ 600
37 天然だしパック 1300
38 ナガイの焼きのり 1700
39 紀州南高梅 1900
40 ビーフカレー20食 3100
申込先/動労千葉協販部 TEL 043(227)7833 FAX043(227)8125
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週刊『前進』(2363号4面1)(2008/10/13 )
市東さん“農地に手をかけたら実力阻止”
労農連帯の力に勝利を確信
10・5三里塚 中山「ゴネ得」発言に怒り
市東さんの耕作地守れ! 動労千葉を先頭に意気高く敷地内をデモする反戦共同行動委員会(10月5日 成田市東峰)
10月5日、成田市東峰で三里塚芝山連合空港反対同盟主催の全国総決起集会が開催され、1420人の労働者・農民・学生・市民が「市東さんの農地を絶対に守る」「暫定滑走路の北延伸を許さない」という決意をみなぎらせて大結集した。
闘いの主導権はわれわれに
集会会場はそびえ立つ空港のフェンスに囲まれた反対同盟・萩原進さんの畑だ。目の前の空ではひっきりなしにジェット機が爆音を立てて離陸していく。大量動員された機動隊の検問を抜けて会場にたどりつくと、黒い豊かな土の耕作地がこの日ばかりは数多くの人びとの色とりどりのゼッケン、旗・のぼり、横断幕で埋められている。
正午、婦人行動隊の鈴木加代子さんの司会で集会が始まった。
関西から千葉県佐倉市に移り住み反対同盟に加わった森田恒一さんが「91歳を迎えた。敵の心胆を寒からしめる闘いを」と力強く開会宣言。
北原鉱治事務局長が主催者あいさつに立ち、「43年間”空港絶対反対”を貫いてきた。金や物をくれなどと要求したことはない!」と中山前国交相の「ゴネ得」発言を厳しく糾弾した。
萩原進事務局次長が基調報告を行い、「成田空港はいまだに完成せず、われわれは空港予定地のど真ん中で堂々と集会をやり、闘いの主導権を握っている」と三里塚の勝利性を確認、来春3・29全国集会への大結集を訴えた。ここで、萩原さんの著書『農地収奪を阻む――三里塚農民怒りの43年』が10月24日に発刊されることを伊藤信晴さんが発表し、紹介した。
動労千葉の田中康宏委員長が特別報告に立った。車の両輪としてともに歩んできた反対同盟との共闘の歴史をふりかえるとともに、4者・4団体路線を怒りを込めて弾劾、11・2労働者集会への大結集を呼びかけた。
続いて全関西実行委世話人の永井満さんと山本善偉さんが発言に立った。永井さんは「反対同盟と動労千葉の闘いに学んで”いざ鎌倉”というときには駆けつける。代執行当時の実力闘争を再び闘うつもりで農地強奪攻撃を打ち砕く」との決意を表した。
地元千葉県の北総農民が演壇に立ち、農家が置かれている「このままではやっていけない」窮状を具体的に報告した。さらに「全国農民の闘いは必ず三里塚闘争に合流する。農業は資本主義のアキレス腱(けん)。今の社会を変えるしか農民の生きる道はない。反対同盟と動労千葉が切り開いてきた労農連帯を、全労働者と全農民に拡大し勝利を」と訴えた。
鈴木謙太郎さんが反対同盟の「農民アピール」を読み上げた。さらに秋田県農民のメッセージが紹介された。
沖縄から駆けつけた知花盛康さんが発言に立ち「沖縄の農民として、市東さんの土地を奪おうとする攻撃にがまんがならない。沖縄の反基地闘争が示したように、民衆が体を張って闘えば巨大な敵を倒し勝利することができる」と訴えた。
(【写真 上】市東孝雄さんの鮮明な決意に、全参加者がともに闘う決意を固めた。支援者と手を取り合い拍手にこたえる市東さん/【写真 下】デモの先頭に立つ反対同盟)
市東さん発言NAAを撃つ
マスコミの注目の中、市東孝雄さんが登壇した。カメラが殺到し、拍手と声援が一段と高まった。市東さんは「NAA(成田空港会社)が私の農地に手をかけてきたら実力で阻止します」ときっぱりと宣言し、万雷の拍手を浴びた。この発言は日帝とNAAを決定的に打ちのめした。
さらに市東さんとともに大挙登壇した「市東さんの農地取り上げに反対する会」、そして発足したばかりの「群馬・市東さんの農地を守る会」から、それぞれ代表がともに闘う固い決意を表し、市東さんと手をつないで高く差し上げ、連帯と勝利の報告を行った。
9月25日の現闘本部裁判の前に公務執行妨害で不当逮捕され奪還された太郎良陽一さんが弾圧粉砕の報告を行った。
裁判闘争報告として、葉山岳夫弁護士を始め反対同盟顧問弁護団5人が登壇し全員が発言。葉山さんは「収用法による裁決が不可能になった今、政府・NAAは裁判所を事実上の収用委員会に仕立て上げ、現闘本部や市東さんの農地を収奪しようとしている」と弾劾、違法不法な土地強奪、反対同盟つぶしの策動を許さない決意を表した。
婦人行動隊の宮本麻子さんがカンパアピール。
住民団体として婦人民主クラブ全国協議会代表の西村綾子さんが「三里塚は労農連帯の実践道場、世界に誇る反戦闘争のとりで」と熱い連帯を表明。8月婦民総会の大成功を報告して「婦人民主クラブ結成の原点に立ちきって闘う」と宣言。11・2への結集を訴えた。さらに反戦被爆者の会・下田礼子さんのメッセージが紹介された。
共闘団体の発言で全学連の織田陽介委員長は怒りをあらわに、「中山は農民の誇りをかけた闘いを私利私欲と呼んだ。ふざけるんじゃない。サブプライムローンでボロもうけした連中に日銀は大量の資金を投じて救済しようとしている。あいつらこそ私利私欲じゃないか。労働者・農民の実力で打ち倒そう!」と叫び、11・2への1万人大結集を呼びかけた。
集会の最後に野平聰一さんが中山暴言を弾劾し農地取り上げ攻撃との対決を訴える集会宣言を読み上げ、伊藤信晴さんがガンバローを三唱。ただちに北総大地を揺るがすデモに打って出た。
現闘本部まで戦闘的なデモ
東峰部落を通り、団結街道を北上、封鎖されている天神峰現地闘争本部わきの市東さんの耕作地まで、市東孝雄さん本人を最先頭にデモ行進を貫徹した。この土地が現闘本部建物とともに、暫定滑走路の誘導路を「へ」の字に曲げている。
畑には緑の作物が並び、あるいはマルチが張られて、きれいに整えられていた。NAAは市東さんに対し10月12日以降にも「賃貸借契約は終わりだ。この畑を明け渡して出ていけ」という提訴を行おうとしている。法も常識も無視した暴挙だ。だがそれこそ敵の焦りと行き詰まりの現れだ。市東さんとともに闘おう! 労農連帯の力で勝利しよう!
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週刊『前進』(2363号4面2)(2008/10/13 )
三里塚反対同盟の闘争宣言
青年の未来をかけ空港絶対反対貫く 事務局長 北原鉱治さん
私たちは43年間、成田空港絶対反対を貫いてきた。43年間も「ごね得」をやってる人がいますか? 物をくれとか、金をくれとか、そんな要求をしたことは一切ない。だから三里塚の闘いがここにあるのです。
成田空港には、「有事」の際にアジア防衛のためという名目で米軍50万人が配置されることがすでに明らかにされています。戦争へと歩む準備が進められている。
これからの時代を背負う若い人びとの将来を考えたときに、成田空港絶対反対の闘いを貫かなくてはならない。
今、労働者は安心して職場で働けますか? あの秋葉原で青年が起こした事件は、誰かが彼のそばにいて肩をたたいてやれれば、ああいう事態にはならなかったんじゃないかと、悔やまれてならない。
この三里塚の大地に立ってほしい。ここに自らの力で未来を開く闘いがある。今日の集会を第一歩として元気に闘ってもらいたい。そして世の中を変える準備をしよう。
畑が私の闘争現場一歩も引かない! 敷地内 市東孝雄さん
空港会社が契約解除を通告してきたのが一昨年の7月。それから2年間、二つの裁判を闘ってきました。ひとつは空港会社が私を「不法耕作」として訴えた民事訴訟、もうひとつは千葉県の解除許可決定取り消しの行政訴訟です。また新たに10月12日をもって農地取り上げの裁判が起こされようとしています。
私はこれを法廷だけの闘いだとは思っていません。三里塚43年の歴史は、力による農地強奪の歴史、法律も正義もありません。うそとだましの土地買収、そして力ずくで工事は続行。これが国とNAAのやり方です。
だから私は一歩も引きません。畑をつくることが実力闘争です。畑は私の闘争現場です。この先、向こうが畑に手をかけた時点で、私は実力阻止の闘いをします。
これは全国の反戦闘争や住民闘争の人たちにとっても意義のある闘いだと思っています。
全国からここに集まったみなさん、「反対する会」の方々の支援があり、群馬でも新たに「守る会」が設立されました。本当に勇気づけられています。自分の生きる権利をかちとるために、これからもどんどん闘っていきたいと思います。
ともに闘いましょう!
現地攻防・裁判闘う北延伸を許さない 基調報告 萩原進さん
安倍・福田が政権を投げ出して、小泉が逃亡し、麻生内閣が発足した。そして中山が本音で話をして反発を受けてやめた。麻生は、日本を回ってみんなの意見を聞くんだと言っている。だが、民衆が怒っている現実はわざわざ回らなくても誰でも知っているだろう。労働者が、農民が、そして老人や「障害者」が生きられない、殺される。そんな社会をつくったのはだれか! こうした中で自民党政権が右傾化・反動化・強権化していくのは間違いない。
この間4人の農林大臣が任期をまっとうできずに辞めた。それだけ農業問題は今むずかしい。防衛族の石破などにできるはずがない。
世界を見ればアメリカで住宅バブルが崩壊し、金融恐慌の波が襲っている。制御できない怪物が世界を席巻している。これこそ資本主義の姿だ。
今、労働者は働いても食べられない。農民もやっていけない。根源は同じじゃないか。だから一緒に闘おうと呼びかけたい。同時に「軍事空港反対」を貫こう。
暫定滑走路北延伸の狙いは、北に延ばすだけじゃない。頭上40bに大型ジェット機を飛ばし、その重圧で東峰の住民を追い出し、滑走路を南側にも延ばして4000b近いのを造る、そして三里塚闘争をつぶす。これが真の狙いだ。
だがわれわれは今こうして「空港内」予定地真ん中で集会をやっている。市東さんも胸を張って大道を歩き、空港反対を唱えている。空港では開港30周年イベントなどやっているが、結局まだ完成なんかしていない。農民と全国の労働者が主導権を握っているのだ。
三里塚と動労千葉との共闘をもっと結合し発展させ、全国化していくことが必要だ。そして反戦・反核、反差別など、あらゆる階層で闘っている人との結合を求めなければならない。
国境を越えて闘う労働者・農民、国際連帯の絆(きずな)を作り出すことも急務だ。戸村委員長や羽仁五郎が言ったように「三里塚を労農コミューンに」していこう。
われわれは来春3月29日に全国集会を開催します。来春に向け彼らも必死に攻撃してくる。現地攻防戦を闘いつつ、裁判闘争支援を大衆的に拡大しよう。やはり数の結集は決定的だ。3月はもう間もない。みなさんそれぞれがもう一人の同志を募って3・29に参加してください。
(事務局次長)
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週刊『前進』(2363号4面3)(2008/10/13 )
4者・4団体許さず怒り結集し11・2へ
動労千葉 田中康宏委員長
動労千葉は来年3月で組合結成30周年を迎えます。これまでは、この情勢が来る時のための助走であり準備であったと言えます。
動労千葉が分離・独立する際に「三里塚と絶縁しろ」と迫る動労本部=カクマルに対しどう闘うのかが最大の問題だった。「冗談じゃない」と拒否して連帯を貫いたから、今ここで胸を張ってあいさつができる。
国鉄分割・民営化攻撃に対してはストで立ち向かうと大会で決定し、その直後に85年10・20三里塚の機動隊との大衝突があった。動労千葉はこの10・20集会に組合員の5割動員を決定し600人の大部隊が参加しました。この力で、首をかけた分割・民営化反対ストに立ち上がることができた。困難が突きつけられたときにきっぱりと路線と原則に基づいて決断し、全組合員で一致し闘いぬく。そこで労働組合の原則を貫いてきた。
多くの組合が新自由主義の攻撃になすすべもなく屈服してきました。今ここで労働者の団結した力を歴史の前面に出せるかどうかが問題です。
「解雇撤回」を引き下ろす4者・4団体路線、政治決着運動を絶対に認めることはできません。今彼らが取り組んでいる署名では「不当労働行為の存在を前提とするのではなく」と書かれている。こんな形で22年間の闘いの一切をドブに捨てていいのか!
彼らは「もう闘争団が持たない。賞味期限切れだ」と言うが、そういう現実を変えていくのが労働運動ではないのか。「仕方がない」と現実に屈服していった結果が、1千万ワーキングプアであり、雇用・賃金・労働条件が破壊されて労働者が生きていくことすらできない現状ではないか。
日本の労働者はそんなやわなのか。絶対にそんなことはない。
動労千葉は11・2全国労働者総決起集会を呼びかけています。日本の労働者が置かれている現実を変えたいし、それは変えられるからです。嵐のようなスト、デモ、食糧暴動、燃料暴動が広がり世界を覆っています。荒々しく労働者階級の闘いが復権している。日本の労働者だけが違うとは言えない。
11・2にあらゆる怒りの声を結集し「生きさせろ!」というゼネストの声を上げたい。
生きるための闘いに社会変革の根本的な要求が宿る時代が来た。解雇撤回を真正面から掲げ、新自由主義と民営化に絶対反対する総決起集会として、11・2にみなさんの参加を強く訴えます。
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週刊『前進』(2363号4面4)(2008/10/13 )
農民アピール 労農連帯でFTA反対を
BSE(牛海綿状脳症)、農薬混入輸入食材と食品偽装、そして汚染米の組織的な不正転売――まさに不信と疑惑の連鎖である。政府・農水省に人々の怒りが沸騰している。
汚染米問題はミニマムアクセス(MA=最低輸入機会)問題である。工業製品の輸出と引き替えて強行した、コメの市場開放が原因だ。MA米を処理したい農水省、そこに目をつけ安く買って不正に高く売り抜ける流通業者。ここにもたれ合いと癒着の仕組みができた。「不信と疑惑の連鎖」は、農業切り捨て政策の結果である。
米価は下落の一途である。10年前に1俵2万円をつけたコメの価格は、いまや半値となった。原油と穀物価格の高騰が飼料価格を引き上げ、畜産農家は廃業を強いられている。
あいつぐ離農で耕作放棄地は埼玉県の広さに及ぶ。政府・財界は300万農家を14万経営体にするという。農業法人化による家族農業つぶしである。そしてついに、戦後農地改革以来の農地法と土地制度に手をつけた。
われわれはもう黙ってはいられない。
労働者に対する非正規雇用と低賃金、増税と医療・福祉の切り捨てが強まっている。このことと食の危機、格安輸入食材や汚染米は裏表の関係だ。
いまこそ、農民・労働者は団結しよう。「FTA反対」を共同のスローガンとして闘おう。農地と農民の権利を守る農地法の改悪を阻止しよう。
2008年10月5日
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週刊『前進』(2363号4面5)(2008/10/13 )
2008年10月1〜7日
スーダンPKO派兵を閣議決定/麻生「給油継続は選挙の争点」
●嘉手納即応訓練グアムへ 米軍嘉手納弾薬庫地区のシルバーフラッグサイトで実施している地上爆発模擬装置(GBS)などを使用した即応対応訓練機能をグアムに移転する米空軍の計画が分かった。嘉手納弾薬庫地区の即応訓練は、基地への攻撃を想定した滑走路の修復訓練。訓練をめぐっては、爆発音や煙が住宅地に流れ込み、苦情が相次ぐなど住民生活に影響を与えている。(1日)
●麻生「村山談話を継承」 麻生首相は衆院の代表質問で、共産、社民両党の議員から歴史認識を問われ、95年の村山首相談話について「私の内閣でも引き継いでおります」と答えた。(2日)
●劣化ウラン弾、国連が初の報告 国連が劣化ウラン弾について、「使用の影響」に関する初めての報告をまとめた。近く国連総会に提出する。報告によると、ボスニアは、ボスニア紛争中の94年、米軍が劣化ウラン弾を使用した地域で住民を調査した結果、他の地域の住民に比べ「がんの死亡率が4倍になった」として「調査が必要」と主張している。(2日)
●スーダンPKOを閣議決定 政府は、スーダン南部での国連平和維持活動(PKO)の司令部に自衛官2人を派遣することを決めた。派遣先は、国連スーダン派遣団(UNMIS)の司令部がある首都ハルツーム。自衛官らはPKOの一員として、南部に展開する軍事部門の補給を調整する「兵站幕僚」とデータベースを管理する「情報幕僚」の任務を担う。(3日)
●沖縄密約文書「ない」と国 1972年の沖縄返還に至る過程で日米政府高官が交わした行政文書3通の情報公開請求について、外務省と財務省は「対象文書は保有していない」として不開示(不存在)を決定した。請求者らは、決定を不服として、行政処分の取り消しを求めて提訴する方針。両省への異議申し立ても協議する。元毎日新聞記者の西山太吉さんら63人が9月2日に請求。対象文書は、69年12月2日付の「秘密合意議事録」と71年6月11、12両日付の「秘密合意書簡」の計3通。(3日)
●内閣支持41% 朝日新聞社が実施した世論調査によると、麻生内閣の支持率は41%で前回発足直後の調査(9月24、25日)の48%から下落した。不支持率は42%(前回36%)に上昇し、支持と不支持が伯仲した。(4、5日)
●F15が未明に離陸強行 米空軍嘉手納基地第18航空団所属のF15戦闘機と空中給油機KC10が米国本土での訓練に参加するため、中継点のハワイ州ヒッカム空軍基地に向けて未明に離陸した。北谷町砂辺地区で最大108・8デシベルを2回記録した。F15の未明・早朝離陸は、5月以来で今年は4度目。(4日)
●米兵、タクシー盗み事故 運転手が離れたすきにタクシーを盗んだとして、沖縄署は、窃盗容疑で在沖米海兵隊員2人を現行犯逮捕した。米兵2人は盗んだタクシーで逃走中、宜野湾市の国道58号で信号待ちの車列をすり抜けようとして、車5台と接触する物損事故を起こした。けが人はいなかった。調べでは、北谷町美浜の路上に駐車中のタクシーを盗んだ疑い。タクシーの運転手は車を離れていた。(5日)
●給油継続「争点に」 麻生首相は衆院予算委員会で、解散・総選挙に踏み切る時期を問われ、「民主党との間に争点を設定しないといけない。国際貢献などいろいろある」「そういうものをきちんとした上で、どちらが政権担当能力があるかを明らかにすることが必要だ」と語り、来年1月に期限が切れるインド洋での補給支援活動の是非が、総選挙の争点のひとつになるとの見方を示した。(7日)
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週刊『前進』(2363号5面1)(2008/10/13 )
寺尾差別判決34ヵ年糾弾! 10・26狭山集会に結集を
不屈に闘う石川さんとともに階級的団結の力で狭山勝利ヘ
労働者を賃金奴隷の鎖に縛りつけてきた資本主義の崩壊が始まった。世界金融大恐慌への突入だ。労働者同士を競わせ団結を破壊して搾り取ってきた資本家の支配が吹き飛ぼうとしている。新自由主義に最後の望みをかけて生き残ろうとしたが完全に破産した。トドメを刺すのは労働者だ。労働者と部落民など被差別・被抑圧人民が体制内勢力をぶっ飛ばして階級的に団結して、ともに自己解放をかけて闘うときがきた。10・26〜27(西郡)狭山集会を成功させ、差別の壁を取り払う非正規職撤廃と大幅賃上げのゼネストを呼びかける11・2労働者集会1万人結集へ全力で突き進もう。
新自由主義と非和解で対決する西郡住宅闘争
もう資本家に世界金融大恐慌を解決する方策はない。打倒されるのを待つだけだ。労働者が権力をとって社会を動かす時がきた。
民営化に絶対反対で闘って団結を拡大してきた動労千葉のように闘う労働組合と被差別・被抑圧人民が階級的に団結できるかどうかがカギだ。資本主義を終わらせ部落解放をかちとれるかどうかは、この一点にかかっている。だから住宅民営化絶対反対で闘う部落解放同盟全国連西郡支部の存在は決定的だ。
民間への払い下げを前提にした同和住宅への応能応益家賃制度の導入は、部落の共同体を解体し「野たれ死にしろ」という極限的な部落差別攻撃だ。西郡支部は「供託」を武器に絶対反対で闘ってきた。
この闘いに八尾北医療センター労働組合が合流した。大病院への売り渡し攻撃を阻止して職場支配権を確立した労組だ。
八尾市は供託者の給料と年金を差し押さえ、住宅明け渡し裁判にかける攻撃に出てきたが、西郡支部と供託者は「裁くのはわれわれだ!」と八尾市を提訴して反撃に立っている。「供託という武器を手放さず、労働者と団結し、国境を越えた連帯に勝利の展望がある」と言って、11・2労働者集会の成功にかけている。
一方、解同全国連中央本部は、住宅闘争で絶対反対の旗を下ろし「分納(分割払い)でも団結は守れる」などと言って、応能応益を認めたことを隠そうともしない。1月の拡大中央委では、「この差別を許さないという一点で」なら「自民党とも解同本部派とも手を組む」とまで言いだした。デッチあげ「広島差別事件」の「糾弾闘争」に部落大衆を引きずり込んで、資本主義の下で差別“解消”を求める融和主義運動を進めようとしている。さらに西郡で「青年部」を、八尾北で「二組」をデッチあげた。本部による敵対・破壊を許さず西郡住宅闘争支援基金運動を広げよう。
明治以来の分断攻撃を打ち破る
西郡住宅闘争は、部落解放闘争と労働運動の歴史を塗りかえる闘いに発展している。
部落民は、資本主義・帝国主義の下で、労働者階級の団結を破壊するために「人間外の人間」として差別され迫害を受けてきた。生まれによって人生が決められてしまう身分制度はないはずの世の中なのに、そうではない。部落民は身分的差別を受けて階級内部で分断され、最底辺の賃金奴隷にされて食うや食わずの極限的な搾取を受けてきた。その怒りと悔しさは想像を絶する。なぜこんな差別がまかりとおっているのか。
資本家階級は、明治維新から3年後に労働者権力の樹立(1871年パリコミューン)に直面、労働者階級の団結した力と革命に対して恐怖と憎悪をいだいた。資本の蓄積もないまま植民地を奪い合う戦争ができる帝国主義に一気に飛躍しなければならなかった。ここから部落民をはじめ被差別人民を、これ以上ない低賃金で劣悪な条件の労働に突き落としてはい上がれないようにしておいて、労働者階級全体を分断して搾取するテコにしていったのだ。
動労千葉とともに闘う米のILWU(国際港湾倉庫労組)の指導原則に「差別はボスたちの武器」「労働者を他の労働者にけしかけて労働者自身を破滅させる目的のためにこそ使われてきた」とある。ボスは資本家のことだ。労働者同士を分断、対立させて搾取する資本家の武器が差別だ。これと闘う労働者の武器は団結だ。職場で団結して差別と闘うのだ。
新自由主義と闘い労働者の国際的団結を拡大していく中に部落解放の展望がある。そこに気づいて進んでいる西郡支部の闘いは、明治以来の階級分断攻撃を根底で打ち砕いている。それは八尾北労組が民営化と非和解で闘い、西郡支部の「最大限の信頼を確保」しているからだ。
被差別・被抑圧人民は、労働者が団結して階級として闘いぬいている時、その中で内在的に共同性を得ることができ階級的に団結できる。被差別・被抑圧人民とともに労働者が新自由主義と非和解で闘い、階級的団結を拡大して、資本家階級を倒して資本主義を終わらせ賃金奴隷制を廃止する。そのとき抑圧―被抑圧、差別―被差別の関係は消滅する。賃労働と資本の関係の廃止こそが部落解放、民族解放になるのだ。
労働者が団結するためには資本家の武器=差別との闘いが不可欠だ。部落解放闘争はプロレタリア独裁と労働者階級の自己解放闘争の不可欠の一環なのだ。これまでのような「支援・連帯」の枠にこもらず、階級としてともに団結することが必要だ。八尾北労組の闘いに続こう。
階級分断・団結破壊の部落差別裁く階級裁判
1963年5月、女子高校生誘拐殺人事件・狭山事件が起こった。真犯人を取り逃がした警察は、失態をとりつくろうために、被差別部落に集中的に見込み捜査を行った。数十戸の部落に200人を超える刑事がおしかけ、リスト化した青年120人を一人残らず取り調べた。そして石川一雄さんを「犯人」にデッチあげたのだ。
国家は資本家が労働者を搾取するために政治で支配する道具だ。警察・検察・裁判所は国家権力=暴力装置だ。この装置が揺らぐとき賃金奴隷制も危うくなる。資本家の労働者支配を維持するために国家権力が部落を襲撃して、無実の石川さんを31年7カ月も監獄にぶち込んで、仮出獄以後も「殺人犯」扱いして、監視して再収監のおどしで縛りつけている。絶対に許せない。
第一審で検事は、石川さんの生い立ちをあげつらい死刑を求刑。浦和地裁は死刑判決を下した。この検事論告を、第3次再審闘争で関東の部落の女性が糾弾し撤回を求めた。「小学2年で石川さんは畑仕事に出て畑ごと八百屋に売る大根を作った。4年で農家の日雇い、6年の途中で子守奉公に出たあと、靴店、お茶工場、漬け物工場に住み込みで働いた。16か18歳あたりから穴掘り、土管埋めの力仕事に就き、船荷の積み上げや船の修理もやった。米軍基地でも働いた。日雇いや請け負いだった。整理解雇、賃金未払いもあった。菓子工場にも勤めたが書類を書けなくて辞めた。養豚場でも働いた。そのあとトビの見習い。事件の日は仕事にあぶれていた。幼くても一人の労働者として社会に出ていた。検事論告は、石川さんが小さい頃から親と離れて働きに出たことを理由に、『社会の秩序に対する順法精神』が欠如するんだ、と言っている。社会の成り立ちを180度転倒させて、まるで自分たちが社会を動かしているかのような高見に立って労働者を見下して、不安定でいちばんキツイ労働を強いられてきた部落民の石川さんに『社会の敵』というレッテルを張って『死刑にしろ』と要求した。これが部落差別でなくて何なんだ!」
部落民は、つねに仕事にあぶれる最底辺の賃金奴隷として搾取されてきた。教育を受ける機会を奪われ定職に就けず差別が再生産されてきた。存在が資本家の支配を脅かすとして治安の対象にされてきた。部落差別は賃労働と資本の関係の外にあるのではなく、「非資本主義的要素」ではないことを、石川さん自身が証明している。
権力との非和解貫き門野打倒を
新自由主義攻撃が開始された80年代、石川さんは千葉刑務所に囚われていた。第1次再審請求を棄却されても、ただちに第2次再審請求に立った。90年代に再審請求取り下げと引きかえの仮釈放攻撃がかけられ、既成解同からも重圧が加えられたが、これをはね返して95年12月、出獄をかちとった。
74年の無期懲役判決のあと計7度にわたる棄却攻撃を受けたにもかかわらず、石川さんは06年5月23日、第3次再審請求を東京高裁に行い、不屈に闘いぬいている。不当逮捕45カ年の08年5・23アピールでは、狭山差別裁判が「司法権力に因(よ)る連綿たる部落差別攻撃」だと糾弾して、「今度こそ、正真正銘の権力打倒に燃え、完全勝利を手中に収めるべく全力で闘う」と激しい闘志をみなぎらせている。
国家権力と非和解で闘う石川さんは、まさに労働者階級の指導部だ。狭山闘争は、石川さんを階級の指導部として、労働者階級が国家権力による差別分断・団結破壊の攻撃としてある部落差別を裁く階級裁判だ。
革命情勢の到来の中で再審棄却策動が激化している。07年5月23日、担当裁判官が門野博に代わった。門野は今年7月布川事件の再審を決定したが、名古屋高裁時代に名張毒ぶどう酒事件で無実の奥西さんの再審決定と死刑執行停止を取り消した極悪裁判官だ。
弁護団は8月、無実を示す3点の新証拠―「脅迫状の筆跡」「目撃証言」「真犯人の声」に関する鑑定書と補充書を提出した。検察が隠し持つ全証拠を開示させ、新証拠をはじめ事実調べと再審をかちとろう。資本・国家権力と非和解で闘う労働者と部落民との階級的な団結の力が、門野体制を打倒し狭山勝利の扉を開ける。動労千葉を中心とする11月集会派だけが「権力打倒に燃え」る石川さんと固く団結できるのだ。
国家権力と取引して平然としている全国連中央のような融和主義運動は門野体制を支えるものでしかない。国鉄分割・民営化を認めて1047名の解雇撤回を投げ捨てる4者・4団体路線も同じだ。国家権力と和解して労働者の団結を守れるわけがない。権力にすりよる「10・24集会」に反対しよう。
部落青年の未来かけ11・2集会へ
前述の女性は闘う労働者に呼びかけている。「小学2年から働きづめだった石川さんこそ筋金入りの労働者だ。部落民は最底辺の労働者だ」「いま、青年の2人に1人は一生フリーターで将来に希望がもてない。労働者が食えなくなっている。部落はなおさらだ。〈部落〉も〈一般〉もない。同じ労働者として団結して立ち上がるときではないのか」
まったくそのとおりだ。70年代、労働者は反合理化・賃金闘争を闘い職場から狭山闘争に続々と決起していった。主力は4大産別だった。日比谷公園を11万人で埋めた74年9月の第二審公判闘争を頂点に、ストライキや戦闘的デモをやりぬき逮捕や処分の攻撃も受けた。このとき、「支援・連帯」の枠にとどまらないで労働者の団結を拡大する闘いとして闘われていたら、34年前の10月31日、東京高裁寺尾裁判長は無期懲役判決を下すことはできなかっただろう。労働者階級と部落民が分断を打ち破って階級として団結したら革命になることを資本家どもがいちばんよく知っているからだ。
資本主義の終わりは、差別を武器に労働者階級を分断支配してきた資本家の最期だ。資本主義を終わらせることと石川一雄さんの無実をはらすことはイコールだ。狭山差別裁判を徹底的に糾弾して労働者階級の団結拡大のために、全国で寺尾判決34カ年糾弾・第3次再審闘争勝利にむけた10・26〜27狭山闘争に立ち上がろう。
11・2労働者集会の柱の一つである「『生きさせろ!』大幅賃上げ/非正規職撤廃/怒りのストライキを」のスローガンこそ、〈部落〉も〈一般〉もなく、同じ労働者として資本と闘う方針だ。ここに300万部落民、とりわけ部落青年の未来がある。11・2集会の1万人結集をかちとろう。
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週刊『前進』(2363号5面2)(2008/10/13 )
法大弾圧裁判 3被告が冒頭意見陳述
法大5・29弾圧裁判第1G公判 “法律で革命は裁けぬ”
10月6日、法大5・29デモ弾圧裁判第1グループの第2回公判が、東京地裁刑事第15部(稗田雅洋裁判長)で行われた。前回の4人の被告人意見陳述に続く山本進君、野地川泰介君、中島敦史君と弁護人の意見陳述が行われた。
冒頭は山本君。証言台の前に立つと「結集したみなさん、ご苦労様です」と傍聴席にあいさつ、堂々と陳述を開始した。「法律が革命を裁くことはできない」「私たち5・29被告団は革命そのものである。法大闘争とは、闘いの中で団結が生まれ、互いが互いを獲得しあって拡大していく過程そのものである。法大当局の弾圧と真っ向対決する被処分者ら法大生の闘いが私を獲得し、その私たちの大学の壁を越えた存在と闘いが益森君(法大生)を獲得し、闘うことで解き放たれた益森君をとおして体現される3万法大生の怒りと誇り高さが、また私たちを獲得していく」「われわれをこの場に立たせている国家権力の行為が犯罪なのだ。労働者階級の手によってこれを断罪していく」
野地川君は、痛烈に法大当局を批判した。「増田総長は『本当の友人をつくるのも大事です』『自分が一番苦しい時に相談できる、一生付き合えるような友人をつくってもらいたい』と言っている。不当な学生支配と闘う仲間が団結を呼びかけている時に、それにこたえて一緒に立ち上がるのが『本当の友人』ではないだろうか」。さらに、裁判長に動労千葉の『俺たちは鉄路に生きる2』『同3』を示し、「われわれ学生の置かれた現実は新自由主義そのものであるから、『動労千葉のように闘う』ことで未来は切り開ける。裁判長は、次回の公判までにこの2冊を読んでおくように」と言って裁判官にその場で本を受け取らせた。
中島君は、「裁判所が公安警察・検察と結託して5・29デモを『犯罪』として有罪判決を下したとしても、私を『反省』させたり、あるいはこれを見せしめとして闘いが広がるのを阻止することはまったく不可能だ。法大当局の暴虐に屈せず闘う法大生・文化連盟のかけがえのない仲間たちと団結するために『学籍』などという分断事項を粉砕する。これが『300万学生ゼネスト』だ」。
最後に弁護人が意見陳述を行った。井堀哲弁護士は、「増田総長は『世界的な問題について学生は関心を持った方がいい』とか、『教員と対等に議論するように頑張って、教員が勉強して来なかったら怒るくらいになれ』とか言う。その点で被告人らは理想の学生像だ」と、学生たちへの共感と法大当局への怒りに満ちた陳述を行った。
学生たちの闘いによって、東京地裁はすでに揺るぎない革命の演壇となり、法大闘争の前進を強くリードしている。さらなる傍聴を呼びかける。
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週刊『前進』(2363号5面3)(2008/10/13 )
証拠のデタラメ次々
暴行デッチあげ裁判 「公訴を棄却しろ」
10月8日、新井拓君と中島宏明君の5・28暴行デッチあげ弾圧裁判の第3回公判が、東京地裁刑事第18部(福崎伸一郎裁判長)で行われた。
冒頭、中島君と新井君が、前回の公判で公安警察官・服部が出した実況見分調書のデタラメさを弾劾し、「ただちに公訴を棄却し、私たちを釈放しろ」と迫った。さらに福崎裁判長が友部博文君の裁判を併合することをいまだに拒んでいることを弾劾し、「どんな分断にも負けず、団結を貫いて闘う。ただちに友部君の裁判を併合せよ」とたたきつけた。
続いて、麹町署の公安警察官・高橋の証人尋問が行われた。「暴行」事件をデッチあげた4月11日に、市ケ谷キャンパス外濠校舎門にある監視カメラで学生を不当に撮影したビデオ映像を証拠として採用するために、「防犯カメラシステムについての捜査報告書」を作成した高橋を証人としたのだ。
公判では、高橋の作成した「捜査報告書」のデタラメさが次々と暴かれた。高橋が法政大学に行った日付が違う(報告書には14日と記載しているが、「実は13日にも行った」と訂正)。さらに法大当局がビデオを警察に提出した日付について、報告書には4月13日とあるが、「4月16日だった」と訂正した。しかも捜査に同行した他の警察官の名前も記載がない。一から十まで、すべてデタラメ極まりないのだ!!
なぜこれほどデタラメな証拠ばかりなのか? 「暴行」が百パーセントデッチあげだからだ。
「こんな間違いだらけの報告書に、証拠能力などない!」「こんな証拠で4カ月あまりも勾留を続けるなど許されない」。新井君、中島君、そして弁護士も傍聴人も怒りをたたきつけた。
次回・第4回公判は10月24日に行われる。「友部君の併合を」の声を引き続き裁判官にたたきつけ、団結して闘おう。
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週刊『前進』(2363号5面4)(2008/10/13 )
日程 法大裁判に集まろう!
★10月16日(木)5・29デモ弾圧裁判Aグループ
第1回公判 午後2時開廷
★10月22日(水)5・29デモ弾圧裁判@グループ
第3回公判 午後1時15分開廷
★10月23日(木)7・24法大弾圧裁判
第2回公判 午後1時半開廷
★10月24日(金)5・28「暴行」デッチあげ裁判
第4回公判 午後1時半開廷
★10月29日(水)5・29デモ弾圧裁判Aグループ
第2回公判 午後1時15分開廷
★富山大ビラまき弾圧裁判(富山地裁)
第3回公判 11月11日(火)午前10時開廷
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週刊『前進』(2363号6面1)(2008/10/13 )
“万国の労働者団結せよ”
民族・国籍・国境を越えて団結し在日・滞日労働者と共に11・2へ
全国入管闘争組織委員会
11・2全国労働者総決起集会が目前に迫った! 世界金融大恐慌を「労働者の時代が来た!」と胸躍らせて迎え撃つ場が11・2労働者集会だ。韓国からは民主労総ソウル本部とその傘下労組から数十人の代表団がやって来る。「イミョンバク政権は退陣せよ」と百万人決起で闘い、公共企業民営化攻撃と正面対決している労働者たちだ。アメリカからは5・1メーデーにイラク労働者との連帯ストを実現したILWU(国際港湾倉庫労組)の現場労働者や根津公子さんらの「君が代」不起立闘争に連帯して闘うUTLA(ロサンゼルス統一教組)の教育労働者がやって来る。日本全国から在日・滞日労働者、難民、学生・留学生が大挙参加する国際連帯集会だ。あらゆる分断を打ち破って団結し、11・2日比谷野音に集まろう!
9月25日、アメリカ。金融機関救済のために国家財政7000億j(約70兆円!)を投入する法案に反対し、ニューヨークのウォール街を始め各地の連邦準備銀行前などで一斉に労働者がデモに立ち上がった。「ウォール街に金を出すな! 労働者に金を寄こせ!」と叫んで街頭に飛び出した労働者たちは、解放感にあふれ輝いていた。「ウォール街と戦争に金を使うな!」「資本主義は死んだ!」「やつらを監獄へ!」――これらは革命のスローガンだ。
動労千葉を中心に広がる国際連帯の輪
資本・政府の権威が崩壊した今、それに連なる体制内勢力も展望を見い出せずに意気消沈している。やって来たのは、労働者階級がすっくと立って闘えば全世界を丸ごとつかむことができる情勢だ。これを喜ばずにいられるだろうか。まさに時代は革命情勢だ。
今春、4−5月入管闘争は動労千葉労働運動=階級的労働運動と結合し、新たな、そしてプロレタリア革命に内在する本来の入管闘争への飛躍をかちとった。それは同時に、階級的労働運動と7月テーゼに敵対し転向スパイ集団に転落した塩川一派を打倒し、階級的団結=革命を実現する入管闘争への飛躍でもあった。
動労千葉の田中康宏委員長は5・11入管集会で、「今直面している職場なり、地域なりで真剣に立ち向かわない限り、絶対に国際連帯はできない。僕はこの思想がマルクス主義だと思う。マルクスがなぜ『共産党宣言』の最後を『万国の労働者、団結せよ』と結んだか。労働者には力がある。そして実践の中にこそ団結がある。実践の中にこそ革命はある」と提起した。
以来、半年。動労千葉派の入管闘争は、新たな実践へと踏み込み、激闘に次ぐ激闘を闘いぬいてきたのだ。6・29サミット粉砕デモ−北海道現地闘争、8・6ヒロシマ−8・9ナガサキ反戦反核闘争、8・15靖国闘争のすべてが国際連帯闘争であり、在日・滞日労働者との共同闘争として打ち抜かれた。
さらに、被逮捕者全員の完全黙秘・非転向をもって敵階級の凶暴な弾圧を打ち破ってきた法大決戦、全国大学の法大化阻止の闘いも、全世界に発信され、世界の全学連として勇名をはせている。
9月11日には動労千葉が軸となってイラン大使館抗議行動が取り組まれた。東京労組交流センターを始め各地の合同・一般労組や婦人民主クラブ全国協、全学連など約50人が結集し、イランの教育労働者ファルザード・キャマンギャルさんへの死刑判決の取り消しと多くの政治犯に対する拷問・虐殺の中止を要求した。
ファルザードさんの死刑阻止の署名は、昨年の11月集会に続いて今夏来日し8・6−8・9反戦反核闘争に参加したUTLA・CAMS(校内の軍国主義に反対する連合)代表のアーリーン・イノウエさんによってアメリカに持ち込まれた。根津公子さん、河原井純子さんへの「君が代」解雇を許すなという署名とともに、労組での取り組みが始まっている。
「世界教師デー」に日米連帯行動
その教育労働者の国際連帯行動として10月6日、「ワールド・ティーチャーズ・デー(世界教師デー)」の世界一斉行動が東京都庁前と大阪府庁前で闘いぬかれた。統一スローガンは、「▼イラン人教師ファルザード・キャマンギャルさんへの死刑判決弾劾! 直ちに釈放せよ! ▼『日の丸・君が代』強制反対、闘う教育労働者への処分を許さないぞ! ▼教育労働者に対する一切の弾圧をやめよ! ▼学校の軍事化、校内募兵活動を許すな! ▼公教育を破壊する学校の民営化を絶対に阻止しよう!」。
アメリカでは10月5日、組合員4万8000人のUTLAが職場で行動に立ち、サンフランシスコでは「反戦の母」シンディー・シーハンさんが「労働者の代表として闘う」と宣言した。シーハンさんはカリフォルニア州で民主党のナンシー・ペロシ下院議長に対抗して下院選挙に立候補するのだ。
闘いが国境を越えて広がることが、それぞれの労働現場での日常的な取り組みの強化を生み出していく。国際連帯は連鎖的に拡大し、爆発的な威力を発揮する。
アメリカでは9月6日から航空機大手ボーイング社の最大労組、国際機械工労組(IAM)2万7000人が外注化・非正規化に反対してストライキに入った。すでに1カ月以上もの長期ストを闘っている。ボーイング社は02年以来、3万3000人を解雇し、徹底的にリストラ・外注化を進めてきた。IAMの体制内指導部は、この攻撃を労働協約で承認し、現場に強制してきた。これに現場労働者の怒りが爆発した。金融大恐慌下、資本主義を痛撃する闘いだ。
団結した労働者の力こそが歴史を動かす
動労千葉と韓国・民主労総ソウル本部との交流も今夏、5年目を迎えた。8月15日、イジェヨン本部長は動労千葉とともに靖国デモを闘い、「8・15労働者市民のつどい」(同集会実行委主催)で熱烈に訴えた。
「私は、小さな一歩から実践する同志たちの姿こそ、日韓両国の組織が交流してきた5年間の成果だと確信しています。さらに一歩進んで、理念的交流を実現し、両国間の壁を越えて団結して闘えば、資本と政権による新自由主義の壁は打ち破れると確信します。それぞれの国のばらばらの組織ではなく、一つの組織として新たに生まれ変われるよう、より一層組織化に向けて頑張ります」
動労千葉とソウル本部を中心に築き上げてきた日韓労働者の連帯は、大きく前進し、「社会主 義に向けた一つの組織」を切実に求め、具体的に構想するところまで至ったのである。
他方、「1日だけの国際連帯で国境を越えられるなんてうそだ」とうそぶく塩川一派。彼らがいかに国際連帯と無縁なところから動労千葉の階級的労働運動を非難し、憎悪していることか!
「動労千葉の国際連帯がどうして成り立ったのか」。運輸労働者連帯委員会のスティーブ・ゼルツァーさんは動労千葉の闘いを「民営化、新自由主義政策に立ち向かい、団結を守り抜いた国際的に希有(けう)な闘いだ」と評価し、「その生きた経験こそが全世界の労働者に今何よりも求められているものだ」と、動労千葉とともに闘う意義を語っている。
田中委員長は、「幹部が韓国を訪れて握手すれば国際連帯、そんなことは一切やる気がなかった」「自らの職場で一人でもいいから闘うこと、それが国際連帯だ。それが全世界の労働者につながっていく。労働者には歴史をつくる、世の中を動かす力があるということなんだ」と語る。
この労働者階級に対する信頼こそ、今、最大の攻防となっている国鉄1047名闘争でも問われている。政府・JRにひれ伏し1047名解雇撤回を投げ捨てて連合に合流する4者・4団体の「政治解決」路線など絶対に認めない。
麻生政権はぐらぐらだ。1047名解雇撤回をめざして一気に攻め立てる時だ。1047名闘争に幕を引く4者・4団体路線の「10・24中央集会」か、国鉄分割・民営化絶対反対の11・2集会か、〈10・24vs1・2>の選択を一人ひとりの労働者に問い、階級的労働運動の11・2集会に獲得しよう。
1万人の決起で麻生政権打倒を
麻生政権発足早々、国交相の中山成彬が「成田は『ごね得』」「日本は単一民族」「日教組が強いところは学力が低い」と発言。辞任に追い込まれたが、さらに居直って「日教組は解体する」とうそぶき、民主党の支持基盤として日教組とともに自治労を攻撃した。つまり、これが麻生政権の本音なのである。
世界金融大恐慌下で麻生政権は、戦争・改憲と民営化、労働組合破壊の新自由主義政策を強める以外になくなっている。破産と行きづまりは明らかだ。
われわれ労働者階級の進む道は鮮明だ。支配階級によって築かれた分断の壁を打ち砕き、民族・国籍・国境を越えた全世界の労働者階級の団結をかちとるのだ。在日・滞日労働者人民とともにマルクス主義で武装した単一の革命党を建設しよう。そのかぎは地区党建設だ。
東京、大阪、全国で青年労働者が「生きさせろ!」と叫び、体制内労働運動を突き破って続々と決起している。今こそ2000万青年労働者と合流し、11・2に全世界の労働者の1万人決起で麻生政権を打倒しよう!
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週刊『前進』(2363号6面2)(2008/10/13 )
獄中から 祖父・国労、父・全逓敵より一日長く闘う 富山大学 仲井祐二
東拘では昔のこともよく思い出します。うちの祖父は10年前ほどに亡くなったが国労だった。父は全逓だ。大学に入って活動するまで知らなかった。しかし、子どものころ祖父に連れられてよくSLを見に行ったり、家の庭や小屋にレール間に設置されている歩行用ブロックや郵便カゴがあったり、全逓トレーナーがタンスに入っていたりした。無意識に影響を受けていたかもしれない。
2年前に帰省した時に父親とケンカになった。父「学生運動やめろ」
俺「やめない」
父「郵政民営化なんてできるはずない」
俺「屈服反対」
その時、動労千葉の話をしたら「祖父は『動労は組合じゃねえ』と言っている」と反論してきた。ムムッ動労!? それはカクマルのことだ!
祖父は分割・民営化直前に定年退職になったみたいだが、動労カクマルの裏切りに怒りを燃やしていたみたいだ。祖父の闘いとつながった。
今日、国鉄1047名闘争は民営化、新自由主義攻撃の粉砕をかけた日本階級闘争の一大決戦だ。10・24集会をぶっとばし、11・2集会1万人結集へ! 東拘で国鉄労働者とともに「敵より一日長く」闘い抜く!
(法大5・29デモ弾圧裁判被告/東拘在監)
獄中から 飛躍は仲間との団結に確信をもつこと! 慶応大学 松室しをり
5・29以来、この弾圧に対して法大闘争勝利のために絶対に飛躍しよう!と思って闘ってきました。しかし意見陳述書をまとめるにあたり、自身のあり方を省みるなかであまりの課題の多さに押しつぶされてしまい、このところなかなか空気の入る闘いができずにいました。そんななか、差し入れてもらった辺野古の闘いの写真集を開いて、一気にいろいろなことがはっきりしました。痛感したのは、私があたかも「独力」で、「個人」の力で飛躍できるかのように誤解していたということです。
なぜ獄中で楽しく闘えているのか。それは、この闘いが決してわれわれ「個人」の、一人の闘いなんかではないからです。絶対に奪うことのできない団結でつながっているがゆえに仲間の闘いが仲間の闘いで完結せず、自分の闘いが自分の闘いで完結しない、それがわれわれの闘いだ! このことを理屈ぬきで実感しました。
「獄中にいる」ことの直接の結果として飛躍があるわけではなく、獄壁の存在を逆手にとって団結が何倍にも強化されるからこそ、そしてその団結に絶対の確信をもってこそ飛躍できるのであって、そのための飛躍だし、それ自体が飛躍! 転倒しきった社会に徹底的に怒り、仲間との団結をもっともっと求めるなかにしか答えはないと改めて確信しています。
(法大5・29デモ弾圧裁判被告/東拘在監)
獄中から 俺たちの最高の仲間星野さん取り戻そう 京都大学 原田幸一郎
星野文昭さんへ。全学連の仲間の星野さんとの面会報告を読み、心の底からわき上がる思い。「俺たちの最高の仲間、星野さんを取り戻さずにおくものか!」
ついに訪れた世界革命の時代に求められる飛躍に猛然と挑みかかり、すべての支配・抑圧を吹き飛ばす仲間との団結。これに追いつめられた資本家・権力が革命の圧殺のために全反動を集中するデッチあげ無期。絶対に許せない! 団結の力でこの獄壁をぶっ壊す!
5・29裁判でつかんだこと。法廷という戦場で、私たちが頭のてっぺんからつま先まで怒りの塊となり、絶対非和解で闘う主体として登場しきった時、真に人間的な生き生きとした力をかちとることができる。逆に資本家の階級意志と国家の暴力装置を体現する裁判官・検察官は、無残に破産した正体をさらけ出す。あらゆる階級闘争と同じくここでも勝利をつかみ取る唯一の武器は、原則・路線を貫く団結。それを体で実感した。
資本家・権力が依拠するのは、労働者・学生の分断と競争によってのみ成り立つ「私有財産制」です。すべてを生産する労働者を商品に落としこめ、大学を増田のほしいままにさせるブルジョア社会! こんなものは、私たちが「生きさせろ」と団結し、階級として自覚・決起した時に土台から崩壊します。未来を握る青年・学生の団結の破壊力を見よ!
私たちは本裁判と法大闘争、プロレタリア世界革命・人間解放に突き進むすべての闘いでその力を爆発させ、星野同志を奪還します。
(法大5・29デモ弾圧裁判被告/東拘在監)
獄中から 星野同志! 米沢でお会いしましょう! 上智大学 坂野陽平
星野同志! 星野同志のことを想う時ほど「団結」という言葉が本来の輝きをとり戻すことはありません。動労千葉、ILWU、イラク港湾労組――それぞれの点が一つの線となるように、星野同志と私も団結という一本の強固な鉄鎖で結びついていると確信しています。この団結こそ全世界の労働者階級人民を獲得し、「一人ひとりの自由な発展がすべての人びとの自由な発展の条件となるようなアソシエーション」『宣言』をつくる最大の根拠です。
私も暁子さんと同じ米沢の生まれです。星野同志の米沢の絵は、私が生まれ育った風景そのままで、故郷の土のにおいまで伝わってくるようです。必ず外で、そして米沢でお会いしましょう!
共に闘える喜びをかみしめつつ、奪還を誓って。東京拘置所より。
(法大・5・29デモ弾圧裁判被告/東拘在監)
( 「獄中から」カット、絵/東北大学内田晶理【東拘】。「緊急告知」絵広島大学 鈴木研也【東拘】)
「普通の青年」たちの “空気”はストライキ四国 村田広介
獄中の法大戦士のみなさん、富大の武藤さん。秋ですが体調いかがですか? 顔写真入りのメッセージ集を見て、みなさんの決意に心ふるえます。「前進上で星野さんに手紙を」という山本進さんの発想に星野さんもニンマリでしょうか? 徐勝氏の『獄中19年』(岩波新書)に韓国民主化学生活動家と長期獄中者の交流が描かれていたのを見ているようです。
加えて「ボルシェビキの新聞は労働者の手から手へボロボロになるまで回し読みされた」「第1次大戦の塹壕(ざんごう)のなかでも読まれていた」という話を思い出しました。うん、そうや! 11月で実現しようとする資本と非和解に闘う団結の壮大な計画に比して、まだまだこの点で不足でした。11・2労働者集会まで残り1カ月。『前進』を隣の労働者に紹介して革命にとって、「黄金の1カ月」にしようと思います。
先日、ある工場に10・24集会批判ビラをもって組合訪問しました。休憩中の若い人たちに11・2チラシを渡しました。すると、油まみれの手で「なあ、おれらもストライキに参加するか?」。そんなストレートな! たしかに赤いチラシの真ん中で青年が「ストライキで社会を変えよう!」とプラカードを掲げてます。「普通の青年」たちの空気です。
時代は世界金融大恐慌。ちなみに『週刊ダイヤモンド』10月11日号は「世界大破局!」でした。なんとストレートな! お体お大事に。
街頭で11月集会への結集を訴えています 東京 四ツ木智子(59)
今、私は11月労働者集会への結集を街頭で次のように呼びかけています。
皆さん、一番大事な時代が来ました。今立ち上がらないといけないと思います。
私たちの世代は、60歳になったら年金で暮らせるものと思い、一生懸命払ってきた。ところがその年金は勝手に建物を造ったり、投資して金もうけするために使われていました。その結果、支給年齢が引き上げられて、ちゃんと払った人がもらえない。年金だけで暮らせる人は、ほんの一握りしかいません。
ブルジョアジーや官僚の思いのままにさせてはなりません。
最近、JRで事故が多発しています。電車が何時間も動かないことがあったりします。国鉄の民営化や外注化で労働者の連携をできなくさせたツケが回ってきたのです。今後は郵政民営化でまた色々なトラブルが出てくると思います。本島から離れた島々や山の奥にも人はいます。どうしてくれるのでしょうか。
来年、裁判員制度が始まろうとしています。民が民を見張り、裁くことは許されません。
でも今、石油が上がったと漁民がストをやり、トラック協会がストをやっています。
大事なことは労働者の力だと思います。特に家計を守っている婦人です。一人の女では弱いけど、みんなが集まれば強いのです。団結して声を大にして意志を伝えれば、世の中も変わっていくでしょう。昔ロシアでは女の人が立ち上がって革命を起こしました。
労働者・婦人が立ち上がれば、私たちによい風とよい波が押し寄せてきます。いい風に押されいい波に乗るのは、皆さんの団結の力です。
私たち労働者の手で日本、そして世界の未来をつくり上げましょう。今、立ち上がり団結しましょう。11月2日労働者集会に集まりましょう。
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