ZENSHIN 2008/10/06(No2362 p08)

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第2362号の目次

集会後のデモで賃上げゼネストを呼びかけ。沿道からも合流した(文京区民センター)=記事へ

1面の画像
(1面)
11・2日比谷野音に大結集を
世界金融大恐慌爆発を迎え撃ち「生きさせろ」大幅賃上げストへ
国鉄1047名解雇撤回かちとれ
記事を読む  
ワーカーズアクション 全国17都市で一斉行動
東京集会650人 “職場闘争で団結を”
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(2面)
ワーカーズアクション “生きさせろゼネストを”の叫び
麻生政権打倒の戦闘宣言
青年を先頭に11月へうねり(9月27、28日)
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(3面)
結成30年、新たな飛躍へ  動労千葉定期大会 1047名闘争再構築を
11月と組織拡大へ方針確立(9月28、29日)
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あくまで解雇撤回貫こう  闘争解体の4者・4団体路線 記事を読む  
「日教組をぶっ壊す」と叫ぶ 中山成彬を弾劾・打倒せよ
30万組合員のストで反撃を
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“空港建設を阻止する”  反対同盟が中山暴言に抗議(9月30日) 記事を読む  
“労働者には無限の力が”
国労5・27弾圧裁判 東被告が法廷圧し宣言(9月26日)
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(4面)
11・2労働者集会 UNITE!
11・2一万人決起で賃上げゼネストへ前進を
資本主義は終わった!労働者のための世界をともにつくろう
東京北部集会の基調報告(要旨)
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11月1万人結集をかちとろうA  マル青労同に入ろう
怒りぶつけ闘う日教組に  教育労働者 小脇美咲
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(5面)
11・2労働者集会 UNITE!  11・2一万人決起で賃上げゼネストへ前進を
戦後革命と賃金闘争の教訓
2・1ゼネストへ600万人が進撃 ブルジョア権力打倒の寸前に(坂本千秋)
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欧州で労働者が続々とスト
新自由主義への怒りが爆発 「生きるため」の賃上げ要求(川武信夫)
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(6面)
青年を先頭に11・2日比谷野音へ
塩川一派の体制内運動を粉砕し民営化絶対反対の階級的団結を
革共同合同・一般労組委員会
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市東さんの農地の強奪許すな  群馬「守る会」を結成(9月28日) 記事を読む  
ゆうメイト、2波のスト 広島西局  「解雇」通告に怒りの反撃
職場に分岐と流動つくる(投稿/広島連帯ユニオン・吉田雅之)
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日誌2008年 9月24日〜30日
中山国交相が暴言連発で辞任/「憲法解釈変えるべき」と麻生
記事を読む  
(7面)
10・17法大キャンパス大集会へ
“監獄大学”は支配の破綻だ  資本の奴隷になること拒否する
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法大弾圧裁判  法廷が革命の演壇に
5・29弾圧裁判第1G初公判 「弾圧は200%無効だ」(9月29日)
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7・24弾圧初公判 思想弾圧を強く弾劾  「この場にいるのが誇り」(9月25日) 記事を読む  
三里塚本部裁判 裁判官、法廷から逃亡
機動隊導入で検証封殺 抗議の同盟員を逮捕(9月25日)
記事を読む  
対象地特定できず
農地強奪阻止行政訴訟 県の処分は無効だ(9月30日)
記事を読む  
10・1法大 第5波包囲デモ貫く  処分阻止! 10・17集会へ(10月1日) 記事を読む  
(8面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
迎賓館・横田爆取差し戻し審 全「証拠」排除せよ
警察が違法・不法の限り(9月30日)
記事を読む  
星野パンフ活用を  階級的労働運動の力で星野同志を取り戻そう 記事を読む  
ロマ人の指紋を採取  イタリア 極右政権に怒り爆発 記事を読む  
新刊紹介 コミューン11月号  世界戦争の発火点  記事を読む  
日程 迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧差し戻し審 記事を読む  

週刊『前進』(2362号1面1)(2008/10/06 )

 11・2日比谷野音に大結集を

 世界金融大恐慌爆発を迎え撃ち「生きさせろ」大幅賃上げストへ

 国鉄1047名解雇撤回かちとれ

集会後のデモで賃上げゼネストを呼びかけ。沿道からも合流した=記事へ

 世界は革命情勢だ。世界金融大恐慌が日々、本格的に爆発し激化している。資本主義社会の終わりが始まった。労働者は低賃金でこき使われ、働いても食っていけない。会社の都合で簡単に首を切られ、働きたくても仕事を奪われる。わずかばかりの年金から保険料を天引きされ、高齢者も生きていけない。石油の高騰や農業切り捨て政策で、農民や漁民も生きていくことができない。一体どこまで耐えろと言うのか! もう我慢の限界だ。それでも結局やっていけないなら、資本家はもうやめろ! 労働者がお前たちに代わってやってやる。資本主義の生産を握っているのは労働者だ。労働運動の力で革命をやろう! 11・2労働者集会に大結集しよう。
(写真 「路線で勝負」と11・2大結集への熱気があふれた東京集会【文京区民センター】)

 「ウォール街と戦争に金使うな」

 「米経済は危機的な局面にある」「いまは緊急事態であり、何もしなければ状況は日々悪化する」――あのブッシュが真っ青になってアメリカ帝国主義崩壊の危機を叫んでいる。米下院は9月29日、公的資金で金融機関から不良債権を買い取る金融安定化法案を否決した。ニューヨーク株式市場は777j安の史上最大の下げ幅を記録し、30日の東京株式市場は一時580円超も急落した。ヨーロッパでも銀行の破綻と国有化の動きが止まらない。
 世界各国の首脳が、アメリカは責任を自覚し、金融安定化法案の成立を急ぐべきだと迫っている。冗談ではない! どうして7000億j=約75兆円(日本の国家予算に匹敵する!)もの公的資金を資本家救済に投入しなければならないのか! この間、アメリカの低所得層の労働者は詐欺同然でサブプライムローンを組ませられ、ほとんどが途中で返済できず、家からたたき出されてきた。公的医療が削られ、無保険者は4700万人にも上る。貧しい患者は医療費が払えず、病院から連れ出されて路上に捨てられている。その生き血を吸って、資本家は莫大な利益を得てきた。ゴールドマン・サックスの最高経営責任者の昨年のボーナスは、77億円だというではないか!
 ふざけるな! ブッシュや資本家どもには怒り以外にない。「救済ではなく、やつらを監獄にぶち込め」「ウォール街と戦争にこれ以上金をつぎ込むな!」――アメリカの労働者はこう叫んで全米デモに立ち上がっている!
 私たちの怒りも同じだ。小泉改革を引き継ぐ麻生政権、御手洗経団連も同罪ではないか。最低賃金600円台、年収200万円にも届かない「ワーキングプア」を激増させてきたのは一体誰だ! 青年労働者の2人に1人が非正規職という状態で、いくら働いても貧困から抜け出せない。労働者から誇りを奪い、ブッシュを支え、金融大恐慌をつくりだすことに加担してきたのは日本の支配階級ではないか!
 資本主義社会はもう終わりだ。「競争原理こそ万能」の掛け声のもと、民営化、規制緩和、労働組合破壊を強行し、社会保障制度を解体し、戦争をやり、支配階級はかろうじて生き延びることができた。しかし、「競争原理」を徹底的に推し進めた結果、破綻したのは支配階級の方だ。大資本・大銀行救済の公的資金投入は、新自由主義の破綻を自ら認めるものでしかない。
 たとえ金融安定化法案が可決・成立し、75兆円が投入されたとしても、危機は深まるだけだ。アメリカには巨大な財政赤字がある。住宅価格の下落はこれから進行し、住宅ローンの不良債権はもっとふくらむ。さらに「住宅の価格は上がり続ける」という神話のもと、バブルの資産効果をもって消費を拡大し、投資を拡大し、生産を拡大してきた結果、各種ローンなど社会全体の不良債権化が進んでいる。公的資金の際限ない投入は、国家財政の破綻とドル崩壊につながるのだ。しかも労働者階級にはさらなるリストラ、低賃金、労働強化、世界戦争の攻撃が強まる。資本主義は、社会のより大きな破綻を準備する以外になくなったのだ!
いよいよ労働者が権力をとる時が来たのである。

 3本のスローガンで

 この情勢の中で、11・2労働者集会が掲げている「『生きさせろ!』大幅賃上げ/非正規職撤廃/怒りのストライキを」「国鉄1047名解雇撤回!」「万国の労働者団結せよ」の3本のスローガンの実践こそ、青年労働者の未来をかちとる路線であり方針だ。何より、この腐りきった資本主義社会の現状を、世界の労働者のストライキと団結でひっくり返そう。
 金融大恐慌の中でインフレが進行していることにもう我慢がならない。資本家連中は、リストラを強行し、正規を非正規にし、低賃金、労働強化で得た利益を、石油や穀物の投機に費やしてきた。今後09年春に向かって、ガソリン、小麦など生活必需品の価格は高騰し、労働者の賃下げ、首切りはより一層激しく進行する。「生きていけるだけの賃金よこせ! ゼネストをやろう」――この要求は、搾取され、奪われ続けてきたものを資本家から奪い返す、根底的で革命的な闘いだ。
 「会社が発展すれば給料は上がる」というのも大ウソだ。大企業は過去最高の利益を更新してきたのに労働者の賃金は下がり続けている。「これ以上賃金を上げたら会社がつぶれる」という資本の論理とも徹底的に闘おう。資本がなければ賃労働は成り立たない。しかし、資本の側も労働者の労働があって初めて利潤を得ることができる。だから「労働者を食わせていけない資本家はもう辞めろ」というストライキ決起と一体で闘うのだ。プロレタリア革命は、資本主義が生み出した膨大な生産力に依拠して闘う闘いだ。その生産を握っているのは労働者階級だ。職場と地域と国境を越えて、ゼネストで団結し、労働者が資本家に代わって社会を動かしてやろうではないか。
 そして、この世の中から非正規雇用を撤廃させよう。派遣やパートの労働者は職場では一層、モノのように扱われている。しかし、いまや非正規雇用労働者がいなければ、トヨタだってキヤノンだって、何ひとつ生産もできない。現場を動かしているのは労働者だからだ。ストライキは実際には誰でもできる闘いだ。動労千葉の田中委員長は「『この日は休みをとってみんな国会に集まろう』という日を設定し、全国に大号令をかけたい。その日をこれから組織すべきゼネストの出発点にしたい。そういう闘いを11月から始めたい」と訴えている。これにこたえて一斉に休暇を取ろう。使い捨てにされるぐらいなら、やつらに一泡ふかせてやろう。労働者がいなければ資本家は成り立たない。これが敵の最弱点だ!

 民営化絶対反対こそが団結の道

 そして、「国鉄1047名解雇撤回」をスローガンの軸に掲げる11月集会こそ、新自由主義攻撃をうち砕き、勝利できる闘いだ。2000万青年労働者の現在の状況をつくり出したものこそ、国鉄分割・民営化以降の民営化、規制緩和、労働組合つぶしという新自由主義攻撃であった。今こそ、1047名闘争が、2000万青年労働者の怒りと結合し、決定的に威力を発揮する時がきたのだ。
 国鉄分割・民営化と闘って勝利してきた動労千葉が呼びかけるゼネストだからこそ展望がある。第2の分割・民営化攻撃にさらされているJRの平成採の労働者。200万人首切りの対象になっている自治体青年労働者。そして教育青年労働者には、管理職にならなければ一生賃金が上がらない、主任以外はみんな非正規にするという攻撃が始まっている。当局に逆らえば免許更新制度、分限免職制度で首切りの対象にされる。日々進行している民営化・規制緩和の中で、賃下げ、首切りの現実と闘うJR、自治体、教育現場などで働く青年労働者こそ、「賃上げゼネスト」の最先頭で闘い、自己解放を闘い取るべき決定的存在なのだ。
 これに対し、国鉄1047名の解雇撤回を投げ捨て、民営化に屈服し、JR資本や政府に和解を求める4者・4団体とその路線は、国労の解体と連合化に行きつく路線だ。彼らは自分の職場や組合でも、「情勢が厳しいからストなんかやったら会社に処分される」「会社を発展させるために労働者はもっと働こう」と、闘いを抑えつけている。「労働者に社会を変える力はない」とさげすんでいる。現場労働者の団結した力を何も信じないのだ。4者・4団体路線と徹底対決し闘おう。
 民営化攻撃は闘ってこそ粉砕できる。国家財政の破綻、帝国主義の危機が根底にあるからだ。分割・民営化の核心は、首切りの恫喝(どうかつ)で労働者を分断し、職場の団結を破壊して、闘いを解体することにある。職場で絶対反対で団結すれば勝てるのだ。
 動労千葉の職場闘争とその団結は、日々民営化を打ち破っている。ここに解雇撤回の展望もあるのだ。動労千葉は、分割・民営化以来の21年間、「JR体制の矛盾をついて闘おう」と構え闘ってきた。矛盾とは徹底した合理化による要員不足の問題であり、安全問題であり、JR東労組の裏切りによってのみ分割・民営化を強行できたという矛盾である。動労千葉の民営化絶対反対の闘いは、要員問題、安全問題という民営化の破綻をついて闘い、JR総連の裏切りを暴き出し、平成採の青年労働者を動労千葉に獲得する闘いとして現に前進しているのだ。
 労働者の団結を破壊し、人間性のすべてを奪う民営化と、労働者は絶対非和解だ。そこに労働者の怒りは必ず生まれる。だから、動労千葉のように民営化絶対反対で資本と体制内指導部と闘う青年労働者が一人でもいれば、民営化攻撃は足元から崩壊していくのだ。民営化に賛成する腐った幹部を打倒し組合からたたき出し、闘う労働組合につくりかえよう!
 残り1カ月間、職場で、街頭で、キャンパスで、労働者階級の怒りを11・2日比谷野音に向け全力で組織しよう。プロレタリア世界革命の成否をかけ、1万人結集を絶対に実現しよう!

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週刊『前進』(2362号1面2)(2008/10/06 )

 ワーカーズアクション 全国17都市で一斉行動

 東京集会650人 “職場闘争で団結を”

 9月27〜28日、東京・大阪を始め全国17都市でワーカーズアクション(WA)が一斉に闘われた。世界金融大恐慌、日帝の絶望的危機の中で発足した麻生反動政権と対決して、集会、デモ、街頭宣伝などが闘いぬかれた。(2面に各地の記事と写真)
 東京では27日夜、650人の労働者・学生が文京区民センターでの集会の後、神田・錦華公園までデモした。
 WA9・27で首都圏の闘う労働者・学生は、麻生打倒の闘いを開始すると同時に、大幅賃上げゼネストを宣言し、国鉄1047名解雇撤回を貫き、労働者国際連帯を発展させる11・2労働者集会1万人結集への1カ月決戦に踏み出した。
 集会の最初に動労千葉の川崎昌浩執行委員が発言に立った。「金融大恐慌で瀕死(ひんし)の状態にある資本主義・帝国主義、ぐらぐらの麻生内閣を労働者の闘いで打倒しよう」と革命の必要性を明らかにした。
 さらに川崎さんは、「加藤晋介弁護士は『しょせん鉄建公団訴訟は負け戦』『解雇撤回を掲げ、和解を拒否して突っ込むアホ(ママ)がいるか』と言った。資本の側に寝返り国鉄1047名闘争を裏切る4者・4団体の屈服路線は許せない。原則を貫き、動労千葉のように闘えば、展望を切り開くことができる。国鉄闘争を中心に日本の労働運動を前進させるため、11・2労働者集会に1万人を集めよう」と訴えた。
 次に国労秋田闘争団の小玉忠憲さんが「秋田闘争団を守る会で4者・4団体路線に反対する決議をかちとった」と報告、「最高の闘いのチャンスだ。私は今、楽しくてしょうがない。4者・4団体路線を徹底批判し、すべての労働者に10・24か11・2か選択を問おう」と確信に満ちて語った。
 基調報告を行ったのは全逓の青年労働者。「資本主義にとどめを刺す存在が私たち労働者だ。世界中で資本と御用組合幹部を打倒してデモとストが闘われている。世界の労働者とつながりゼネストをやろう」と訴え、「今『おれたちに権力をよこせ』と立ち上がったら勝てる情勢だ。それを抑え込んでいる体制内労働運動指導部を打倒しよう。民営化攻撃には絶対反対を貫いて闘う以外に展望はない。仲間の決起を信じ、大路線論争をやろう」と強調した。さらに「4者・4団体路線と10・24集会には絶望しかない。動労千葉と1047名闘争の存在は国鉄分割・民営化を破産させ、勝利の展望を与えている。国鉄闘争は産別を超えた闘い。青年労働者の未来のかかった11・2集会に1万人を集めよう。きょうのデモで麻生内閣打倒の先陣を切ろう!」と力強くアピールした。参加者は圧倒的な拍手でこたえた。
 全学連の織田陽介委員長が「小泉がやめた。私たちの怒りが敵を追いつめて次々ぶっ倒している。路線を貫いて闘えば新自由主義に勝てる」と高らかに宣言した。続いて学生、現場労働者が次々と発言したなかで、医労連傘下の労働者が鮮烈な提起を行った。「組合執行部の日本共産党系役員が合理化を経営と一体で推進していた。彼らのやろうとしていることは、医労連のやり方そのものだ。けっして許されない。日本医労連−東京医労連に宣戦布告する。医療・福祉産別は日共と激しく党派闘争をやる。革命をめざすわれわれの団結こそ、医労連傘下の十数万の労働者を決起させられる。全産別でそういう闘いを大胆にやり、党派闘争で鍛え上げた青年労働者、活動家1万人を11・2集会に登場させよう」
 全体が熱く燃え立った。デモは、機動隊の大型バスのバリケードと機動隊・私服の弾圧態勢を圧倒した。
(写真 大阪の9・28WA。「食える賃金よこせ!」「橋下たおせ」とデモ)

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週刊『前進』(2362号2面1)(2008/10/06 )

 ワーカーズアクション “生きさせろゼネストを”の叫び

 麻生政権打倒の戦闘宣言

 青年を先頭に11月へうねり

写真左】 大阪 大阪市役所に隣接する中之島公園に330人が結集し大高揚。「橋下たおせ」「解雇撤回」のボードを掲げコール
【写真右】 広島 100人が結集し中心街をデモ。「社会を動かしてるのは労働者だ!」の叫びに多くの青年労働者・学生が注目

 「こんな賃金で生きていけるか!」「労働者は使い捨て商品じゃない!」「こんな社会なんて変えてやりたい!」。全国17都市で9月27〜28日、ワーカーズアクションが闘いとられた。各地で青年労働者を始めとする飛び入りが相次ぎ、感動的な大合流がおこった。「生きさせろのストライキを!」――これこそ2千万青年労働者、6千万労働者階級の腹の底からの叫びなのだ。いざ11月1万人結集へ!〔各地の詳細な報告は『前進』速報版(ブログ)をぜひご覧下さい〕

 橋下を倒す!

●関西
大阪・中之島公園には小雨がぱらつく中、330人が結集。橋下府政の下で闘う大阪市職労の青年労働者が司会だ。
住宅明け渡し攻撃と闘う部落解放同盟全国連西郡支部、民営化絶対反対に立ち上がった八尾北医療センター労働組合、法大決戦を闘う全学連が特別アピール。国鉄労働者、自治体労働者、教育労働者、医療労働者、ス労自主などから発言が続いた。「橋下は“ダメ教師”などとわれわれを罵倒(ばとう)している。現場に怒りが満ちている」と教育労働者。民間労働者は「橋下は『民間では当たり前』と言うが、民間で橋下のような社長がいたらたたき出す!」。「橋下打倒」「1047名解雇撤回」を訴えデモを闘った。
●中国・四国
広島行動には100人が参加。集会では雇い止め攻撃に対して2波のストライキに立ったゆうメイトA君の闘いの映像が流され、一気に解放的空気に。特別報告に立ったA君は「おれがストをうち、ビラをまいていることで“労働者は闘っていいんだ!”ってことが職場の中でハッキリした」と発言。各産別からの発言が続く。自分の職場で闘いを始めた労働者の発言は心に響いた。
岡山、松山、高松、徳島でもワーカーズアクションが闘われた。

 

【写真左】 岡山 ゆうメイトの仲間の首を切った岡山中央郵便局前で怒りの抗議! 【写真右】 松山 坊ちゃん広場で集会後、デモ。HPを見て飛び入りも

 

【写真左】 高松 高松市内で街宣、集会、デモ。青年が最先頭に 【写真右】 徳島 市内で街宣とデモ。星野同志、法大弾圧の20同志の奪還を訴える

 

【写真左】 名古屋 労働者の血と汗を吸い続けるトヨタ資本へ怒りのデモ! 【写真右】 富山 「獄中の武藤君、仲井君とともに闘おう」。富山駅前をデモ行進

 解雇に怒り

 岡山では、懲戒解雇を強行した岡山中央郵便局に激しい怒りのシュプレヒコールを繰り返し繰り返したたきつけた。
●東北・北海道
仙台では、法大弾圧に怒る青年の飛び入りを始め多くの仲間が結集。非正規の青年労働者のデモコールで繁華街を席巻した。集会では現場労働者からの怒りの発言が相次いだ。「県内の自治体でも数年で2割のリストラが始まっていて、職場からは『人が足りない』『このままじゃ過労死だ』と怒りの声があがっている」。東北大生は「2年半の法大決戦でかけがえのない団結をつくった。10・17法大集会から11月集会1万人結集へ闘う」とアピールした。
このほか秋田、福島、新潟でも青年労働者を先頭に創造的な闘いが展開された。
北海道では、サミット粉砕決戦の地平を引き継ぎ、札幌・室蘭の2カ所で街宣行動に決起した。

 

【写真左】 秋田 秋田の最低賃金審議会に押しかけ要請行動。報告チラシを駅で配布 【写真右】 福島 駅前での街宣の後、集会とデモ行進を貫徹。女性労働者が先頭に

 

【写真左】 新潟 職場で反乱を始めた労働者が次々と力強い発言。デモに大注目 【写真右】 札幌 11・2へ札幌と室蘭で同時街宣。札幌では狸小路商店街でビラまき

【写真】 仙台 法大弾圧に怒る青年の飛び入りを始め、多くの青年・学生が集まった。「生きられるだけの賃金よこせ!」

 組合旗先頭に

●群馬
労組交流センター、婦人民主クラブ全国協の仲間を軸に28日、前橋市内をデモ。足尾鉱毒現地(群馬側)住民や化学労組の仲間が、組合旗を持ってデモを牽引した。
●東海・北陸
名古屋ではトヨタ(名古屋駅前ビル)への怒りのデモ。トヨタを解雇され東海合同労組に加入した青年は「トヨタは派遣労働者への差別でいっぱい。汚い会社だ。トヨタはおれたち働く人間をゴミ扱いするな!」と怒りの発言。「労働者の血と汗を返せ」「下請けいじめをやめろ」のデモコールに沿道から大注目。「がんばれ」の声援も。
富山でも駅前ビルで集会後、解放感いっぱいに市内をデモ。富山大の武藤君、仲井君の獄中アピールも紹介された。
●沖縄・福岡
那覇では「生きさせろ! 賃金よこせ! 怒りのトークライブ」。三つのブロックに分かれての白熱的討論が展開された。その後、討論を終えて国際通りをデモ。注目度は抜群だ。飛び入り参加もあり大いに盛り上がった。
福岡では、青年労働者を先頭に天神の警固公園からデモ。「こんな安い賃金で生きていけるか」「支配者のピンチは労働者のチャンス!」「労働者の団結で社会を変えよう!」と訴えた。

【写真左】 那覇 「生きさせろ! 賃金よこせ! 怒りのトークライブ」の終了後、国際通りを貫くデモに。注目度は抜群だ
【写真右】 福岡 “街頭の労働者との合流”をテーマに多数のビラまき隊配置しデモ

 2千万青年労働者と結合

 ビラやホームページを見て、あるいはデモを目の当たりにして、続々と青年労働者が飛び込み、怒りのこぶしをあげた。
 「100時間を超えるサービス残業。青年が食い物にされている。怒りでいっぱいだ。思っていることを本音で思いっきり叫ぼう。自民党と民主党の政権争いに労働者の未来はない」(松山、飛び入りの青年)「社長は私たちを人間と思っていない。ゴミ扱い。許せない」(新潟)。参加した青年労働者は自らの思いのたけを解き放った。
 「生きさせろのストを!」「俺たちに権力を寄こせ!」の呼びかけは時代とがっちりかみ合っている。9・27〜28ワーカーズアクションは、麻生反動政権の登場、世界大恐慌情勢に対する労働者階級の戦闘宣言だ。
 雇い止めや懲戒解雇の攻撃を受けたゆうメイトの青年、体制内労組ダラ幹と激突を開始した労働者が全国で闘いを牽引した。職場闘争をがんがん始めた現場労働者の発言は、ものすごい説得力を示し、共感を広げた。

 4者・4団体路線と対決し

 4者4団体による屈辱的和解路線との対決をゴリゴリと貫いて全国のワーカーズアクションが闘いとられたことが決定的だ。大阪の青年労働者は「1047名闘争が動労千葉の守り抜いてきた団結と11月集会で結びついたらどうなるのか。1047名闘争が2千万青年労働者の怒りと結合し、決定的に威力を発揮する情勢が来た。労働者の展望はここにある!」と確信に満ちて訴えた。
 ワーカーズアクションは11月への大きなうねりをつくりだした。参加者全員が最高の組織者だ。オルグ、オルグ、オルグ! いざ残り4週間の決戦にうって出よう!

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週刊『前進』(2362号3面1)(2008/10/06 )

 結成30年、新たな飛躍へ

 動労千葉定期大会 1047名闘争再構築を

 11月と組織拡大へ方針確立

 動労千葉は第37回定期大会を9月28〜29日、DC会館で開いた。08春闘とライフサイクル粉砕・組織拡大の闘い、11月労働者集会と国際連帯闘争の画期的前進を中心とした1年間の闘いの勝利を高らかに総括するとともに、反合・運転保安闘争のさらなる発展と本格的組織拡大にむけた方針を確立した。代議員に加え、会場を埋めつくすほどの傍聴者が結集し熱気あふれる大会となった。
(写真 動労千葉の原点に立って職場闘争を闘い、1047名闘争の勝利を切り開こうと訴える動労千葉の田中康宏委員長【9月28日 千葉・DC会館】)

 ライフサイクル2次配転と闘う

 冒頭あいさつに立った田中康宏委員長はまず、
「動労千葉は来年で結成30年。新たな飛躍をかけた大会だ。新自由主義との激しい攻防に勝利してきた動労千葉の団結を、若い仲間を獲得し、さらに大きく広げよう」と呼びかけた。そして、世界的な金融大恐慌と世界戦争の切迫、全世界で津波のようにまきおこる労働者の決起など、歴史的激動に突入した内外情勢を全面的に明らかにした。
 さらに田中委員長は、4者・4団体の屈辱的和解路線について「こんな幕引きを絶対に許すことはできない!」と怒りを込めて弾劾。「いまの時代の中で国鉄1047名闘争は限りない可能性を握っている。いま起こっている分岐は『可能性』だ。この攻防の中から本物の労働組合、本物の闘いの高揚が生まれる。動労千葉の飛躍をかけて闘いを再構築し、展望をこじ開けよう」と述べた。
 大会の正面課題となったのは、1047名闘争解体を始めとする第二の分割・民営化攻撃との対決だ。危機と破綻を極めるJR資本はこの間、新中期経営計画「グループ経営ビジョン2020―挑む―」をもって、さらに徹底的な競争原理と外注化を推進し、より強権的な職場支配への転換を策している。ライフサイクル攻撃はその基軸だ。資本に対する国労本部の全面屈服や、4者・4団体路線のもとでの1047名闘争の危機も、こうしたあいまいさを許さぬ新たな資本攻勢=国鉄労働運動絶滅攻撃と表裏一体で進んでいるのだ。
 田中委員長は、「動労千葉は徹底して職場にこだわる。あらためて反合・運転保安闘争という動労千葉の原点に立ち帰ろう。この間、運転行路の下り勾配の再調査で、速度超過が何十年にもわたって運転士に強制されてきたことが明らかになった。鉄道を動かす会社としてめちゃくちゃになっている。安全崩壊や当局の職場支配と対決することが土台中の土台だ」と訴えた。そして「11月労働者集会への1万人結集を石にかじりついてでも実現しよう。09春闘は決定的に重要になった。動労千葉が先頭に立ち、時代に火をつけよう」と締めくくった。
 闘いの経過と総括を繁沢敬一副委員長が、情勢と方針について長田敏之書記長が全面的に提起した。長田書記長は、とりわけ組織拡大闘争について「来年3月の動労千葉結成30周年までになんとしても二けたの平成採を獲得し、動労千葉加入の大きな『流れ』をつくろう」と強調した。
 質疑応答では安全崩壊、恒常的要員不足、賃金抑制などをめぐって真剣な意見が次々と出され、新たな資本攻勢が生み出している職場の現実が浮き彫りになった。組織拡大闘争をめぐる苦闘なども率直に語られた。大会1日目には、7月に動労千葉に加入した平野嗣朗君が登壇し「千葉支社も貨物会社も牛耳れるまでに組織を拡大しましょう。私も、どこにでも駆けつけて話をしに行きます」とアピール。万雷の拍手がおこった。
 2日間の討議をとおして動労千葉は、11月労働者集会の1万人結集にむけて総力決起するとともに、来年2月1日と予想されるライフサイクルの第2次強制配転粉砕に向けて直ちにスト準備態勢に入ることを決定した。また、1047名闘争当該である中村仁さんが満場一致で新たに本部執行委員に選出された。

 三里塚反対同盟“さらに絆強め”

 大会には多くの来賓が駆けつけた。三里塚反対同盟の萩原進事務局次長は「長い闘いの中で動労千葉と三里塚だけが日本階級闘争の中で残った。車の両輪としてさらに絆(きずな)を強めて闘っていこう。11・2労働者集会と10・5三里塚集会を一体のものとしてかちとろう」と熱烈に訴えた。顧問弁護団の葉山岳夫弁護士、動労水戸、ス労自主、支援する会、OB会、家族会、勝浦市議の水野正美さんなどのあいさつが続いた。

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週刊『前進』(2362号3面2)(2008/10/06 )

 あくまで解雇撤回貫こう

 闘争解体の4者・4団体路線

 4者・4団体の主催する「10・24集会」は国鉄闘争解体の集会だ。他方、「国鉄1047名の解雇撤回」を掲げる11・2労働者集会は、国鉄闘争と日本の労働者階級の未来を切り開く闘いだ。
 ついに世界金融大恐慌が始まった。資本主義は終わりの時を迎えている。大恐慌と大インフレ、大失業のただ中で、全世界の労働者階級はゼネスト・暴動に立ち上がっている。国鉄1047名闘争の勝利は、こうした闘いの最先頭に立つことによってのみ、切り開かれる。ところが、これに完全に背を向け、労働者の主体的闘いを否定して、自ら1047名闘争を敗北に導いているのが4者・4団体路線だ。

 破産した「政治解決」に固執

 9月24日の鉄建公団訴訟控訴審後の報告集会で、同訴訟主任代理人の加藤晋介弁護士は、「一か八かで解雇撤回を掲げ、和解を拒否して突っ込むアホ(ママ)がどこにいる」と言い放った。ここに象徴されるように、10・24集会はまさに「闘っても無駄」という絶望を組織する集会だ。
 加藤弁護士は、7月14日の南裁判長による「裁判外和解」の提案と、翌15日の冬柴国交相の発言は、自分が仕掛けたものだと自慢げに吹聴した。民主党をつうじて、裁判長からの勧告があれば、冬柴はそれに乗るという感触をつかんだので、南裁判長に頼んで「ソフトランディングを求める」と発言させたというのだ。だが、それによって「政治解決」を引き出そうとした浅薄な思惑は、福田辞任でたちまち宙に吹き飛んだ。
 何ということだ。労働者の団結と闘いを基軸に置かず、小手先で「政治を動かす」やり方は、国労本部が過去に何度も試み、その都度、敵階級の手玉に取られ、敵のさらなる攻撃を誘発してきた手法ではないか。どんなに言い繕おうが、まさにこれは4党合意の二の舞いだ。
 裁判長の提案に対し、鉄道運輸機構側は、「交渉は裁判内で」「交渉の対象は解決金だけで、雇用・年金は対象外」「基準は原判決マイナスアルファ・アルファだ」と言い張ったという。05年9・15判決で鉄道運輸機構が支払った慰謝料をそっくり返せ、というのが彼らの主張だ。敵の側は、とことんブルジョアジーとしての階級意志を貫いている。1047名には一切の救済を与えないということだ。これは、鉄道運輸機構だけでなく、政府・国交省も同じだ。
 麻生内閣成立後、直ちに辞任に追い込まれた中山国交相は、「日教組はぶっつぶす」「三里塚闘争はゴネ得だ」とわめき立てた。これが敵階級の本音だ。「国労は闘争団もろともぶっつぶす」「1047名のゴネ得は許さない」というのが、自民党の一貫した意志なのだ。
 4者・4団体は、福田辞任で政治解決が一頓挫したことに大打撃を受けつつ、総選挙での民主党の躍進に期待を膨らませ、一層の政治解決路線にのめり込んでいる。だが、民主党も民営化強行路線において自民党と変わらない。「公務員賃金の2割削減」を絶叫する民主党に依存する4者・4団体路線とは、国鉄闘争支援陣形全体を民営化攻撃に屈服させようとするものにほかならない。
 これを居直る加藤弁護士らは、「裁判では国鉄改革法23条の壁は越えられないから、政治解決を図る」と言う。裁判だけに依拠して国鉄改革法23条を打ち破ることができないのは、そのとおりだ。だからこそ、解雇撤回を掲げ、原則的に闘う必要があるのだ。
 ところが4者・4団体は、「裁判では駄目だから政治解決を図る」と言い、「政治解決を促進する」ものとして解雇撤回の旗を降ろした。これは事実だ。「裁判か政治解決以外に道はない」という路線が、解雇撤回の放棄を必然化させたのだ。
 1047名闘争の主体は1047名当該と国鉄労働者、そして国鉄闘争支援陣形だ。1047名を先頭とする労働者の団結に依拠して闘えば、どんな反動も打ち破れる。そこに解雇撤回をかちとる力もある。ところが4者・4団体は、労働者の主体的闘いを否定し、労働者の誇りを投げ捨てることで、裁判所や民主党に救いを求める方針しか持たない。こんな屈辱はもうたくさんだ。

 11・2集会こそ勝利切り開く

 解雇撤回を掲げて闘うことは、無謀でも玉砕でもない。福田辞任と、リーマンショックで本格化した世界金融大恐慌は、国鉄分割・民営化以来の新自由主義攻撃がついに破産したことを示している。非正規雇用と貧困に突き落とされた2000万青年労働者の怒りの反乱も始まった。こうした情勢をつくり出した根源にあるのは、国鉄分割・民営化への怒りを忘れず不屈に闘いぬいてきた1047名の存在だ。
 JR体制も、安全問題、要員問題、労務支配のすべてにおいて破産をさらけ出している。そののりきりをかけた新たな攻撃に対し、ふつふつとした怒りがJR職場に沸騰している。4者・4団体は、JR本体におけるJR資本との闘いを何ひとつ位置付けないが、1047名闘争がJR本体の職場闘争と結びつけば、必ず勝利を切り開くことができる。
 そうした闘いを実践しているのが動労千葉だ。動労千葉は、平成採の青年労働者を結集し、勝利の道をこじ開けている。動労千葉には、解雇撤回の原則を貫き、28人の公労法解雇を撤回させた実績もある。
 国労5・27臨大闘争弾圧被告団もまた、あらゆる反動と対決し、国労を動労千葉と並ぶ階級的労働組合によみがえらせるために、不屈に闘いぬいている。
 11・2労働者集会に結集し、労働者階級自身の闘いで1047名の解雇撤回をかちとる総決起の陣形を打ち固めよう。

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週刊『前進』(2362号3面3)(2008/10/06 )

 「日教組をぶっ壊す」と叫ぶ 中山成彬を弾劾・打倒せよ

 30万組合員のストで反撃を

 中山成彬国土交通相がわずか5日間で大臣を辞任した。「成田空港は『ごね得』」「日本は単一民族」「日教組が強いところは学力が低い」などと許し難い反革命的暴言を連発して、労働者階級人民の怒りで追い詰められ打倒されたのだ。
 しかし辞任で済む問題ではない。中山などという反労働者的な極右的ファシスト的な人物が国会議員であること自体が許し難いことだ。労働者階級の決起で徹底弾劾、打倒することが必要だ。
 中山は辞表提出後の記者会見などで「ごね得」と「単一民族」発言については「言葉足らずだった」と、口先ばかりの撤回をした。だが日教組批判については傲然(ごうぜん)と居直り、「日教組をぶっ壊すために私は火の玉になる」「日教組解体の先頭に立つ」とうそぶいた。特に「日教組の過激な一部が考えられないような行動を取っている」と非難・攻撃し、「日の丸・君が代」不起立闘争への敵意をあらわにしている。
 中山は「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」会長であり、「自虐史観」攻撃を信条とする「つくる会」系の極右政治家である。日教組解体と自治労への攻撃(記者会見では「社保庁の労働組合」に対しても憎しみを込めて非難)に、自分の超反動的な政治生命をかける人物なのだ。
 中山は、文科相時代に全国学力調査を提唱した理由も、「日教組が強いところは学力が低い」という自説を証明するためだと公言している。学力調査強行の狙いも日教組解体だというわけだ。
 日教組中央は中山発言に「暴言だ」と形ばかりの抗議をした。だがそんなことで済ますのか。中山は全国に向けて、日教組という労働組合を「ぶっ壊す」「解体する」と叫んでいるのだ。権力と右翼的世論を扇動しているのだ。中山発言に示された日帝支配階級の反革命的意図を30万組合員に訴え、怒りを組織し、団結を固めて、ストライキに訴えても大反撃すべき事態ではないのか。
 かつて1961年の全国一斉学力テストを、日教組は全国各地で実力阻止し、中止や不完全実施に追い込んだ。弾圧は、父母や支援の労働者を含め逮捕者61人、起訴29人に及んだ。結局、裁判で国の学力調査は違法と認定されたこともあり、66年に全面中止になった。だが日教組中央がこうした闘いを放棄し屈服したことが、今回の攻撃をももたらしているのだ。
 そもそも「学力低下」とは何か。労働者の子弟から教育を受ける機会を奪っているのは誰だ! 非正規雇用が労働者の3人に1人、年収200万円以下の労働者が1千万人を超えている。労働者とその家族に貧困や格差を強制しているのは資本家であり自民党ではないか。従順な労働力をつくるための新自由主義教育と「日の丸」戦争教育を無理強いし、教育を荒廃させているのは自民党や経団連ではないか!
 しかし日教組中央は、文教族で文科相でもあった中山のような連中とパートナー路線で癒着・協調して、職場の闘争を抑圧、放棄し、「日の丸・君が代」強制や教育基本法改悪などともまったく闘わないできた。今こそ30万組合員がランク&ファイルから闘いを巻き起こし、腐り切っている中央を打倒しのりこえて、中山なんかをぶっ飛ばす時なのだ。
 中山は「民主党が政権を取れば、日教組、自治労の支援を受けているので、日本が大阪府みたいになる」ともうそぶいた。日教組と自治労を主敵とする今回の中山発言との闘いは、4大産別を先頭とする全労働者の決戦攻防そのものなのだ。
 日教組中央を打倒し、現場の労働者の怒りと団結と闘いに依拠し、日教組30万組合員の誇りをかけて、中山発言を徹底弾劾し、日教組解体攻撃にストで反撃しよう。不起立闘争のさらなる全国的発展をかちとろう。
 「ごね得」「単一民族」発言についても断じて許さず大反撃しよう。三里塚反対同盟との血盟にかけ、10・5全国闘争の大爆発から、農地死守と中山弾劾・打倒、11・2労働者集会へと攻め上ろう。

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週刊『前進』(2362号3面4)(2008/10/06 )

 “空港建設を阻止する”

 反対同盟が中山暴言に抗議

 三里塚芝山連合空港反対同盟は9月30日、千葉地裁で、市東孝雄さんの農地強奪阻止・行政訴訟裁判の第5回弁論闘争を闘い(記事7面)、終了後の記者会見で、中山暴言に対して怒りを込めて以下の抗議声明を発表しました。(編集局)
(写真 記者会見で抗議声明を読み上げる鈴木謙太郎さん【9月30日 千葉】)

抗議声明

中山発言を徹底弾劾し、成田空港の建設を絶対阻止する

 麻生内閣の中山国交大臣が、人民の激しい怒りに耐えきれず、就任後5日で辞任した。「成田はゴネ得」「日教組が強いところは学力が低い」「日本は単一民族」――どれ一つとっても耳を疑うこれらの発言は、失言のレベルを超えた言葉の暴力である。これは個人の資質に根を置くべきものでもなく、麻生内閣に象徴される支配者たちの意思であり、闘う者への攻撃にほかならない。
 成田の空港反対闘争は、「国策」に名を借りた農地強奪に対して42年間、身体を張って闘い続けてきた。空港は未(いま)だ完成せず、ぶざまな姿をさらしている。中山発言はその打撃と無力、あせりの表明にほかならない。
 いま、世界では9億人が飢えている。投機マネーが穀物価格を高騰させ、飢餓暴動を生み出した。若者たちは食うための最低限の賃金も保障されず、農家は激減の一途である。矛盾の一切合財が、労働者と農民、弱者、高齢者におし着せられる。われわれ三里塚の農民は、農業つぶしと農地破壊、政府の暴政が続く限り、闘い続けるのである。
 市東孝雄さんの農地取り上げ阻止! 天神峰現闘本部と一坪共有地を守りぬく。暫定滑走路北延伸による闘争破壊をうち破り、3800メートル軍用滑走路の建設を阻止する。10・5三里塚全国集会への大結集を呼びかける。
 2008年9月30日

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週刊『前進』(2362号3面5)(2008/10/06 )

 “労働者には無限の力が”

 国労5・27弾圧裁判 東被告が法廷圧し宣言

 9月26日、国労5・27臨大闘争弾圧裁判の第95回公判が東京地裁刑事第10部(植村稔裁判長)で開かれ、東元(あずまはじめ)被告への被告人質問が行われた。
 公判の冒頭、橘日出夫被告が意見陳述に立ち、7被告によって解任された旧弁護団らに「特別傍聴」を認めている裁判長を弾劾した。松崎博己被告との弁論分離をかちとった7被告にとって、松崎被告の弁護人となっている旧弁護団が法廷に来ること自体、許し難いことだ。橘さんは、松崎被告が4者・4団体の主催する10・24集会を公然と賛美している事実を挙げ、これを擁護する旧弁護団に怒りをたたきつけて、「特別傍聴を辞退せよ」と声を強めた。
 東さんへの被告人質問は、国鉄分割・民営化以来、不当配属の中でうつ病になりながら、あくまで闘いを貫いてきた人生を感動的に描き出した。
 貧しい家庭に育った東さんは、子どものころから社会の矛盾を強く感じていたという。
 大阪の森ノ宮電車区分会青年部で活発に活動していた東さんは、分割・民営化攻撃の中で人材活用センターに送られた。
 1986年10月の国労修善寺大会後、国労旧主流派は鉄産労を結成し、国労を脱退した。東さんのいた森ノ宮電車区分会でも、執行部を先頭に多数の国労組合員が脱退させられた。東さんは分会再建の闘いに取り組み、87年2月の分会再建大会で分会執行委員に選ばれた。分会委員長には橘さんが就任した。
 JR発足後は、鉄道本来業務を外され、喫茶店や輸入肉販売、コンクリートの支柱づくり、駐車場管理などの仕事に就かされた。仲間と会話する機会もない孤立した職場である駐車場に配属される中で、東さんはうつ病を発症した。それは、96年の8・30申し入れで国労が国鉄改革法を承認し、「JRの発展に寄与する」と全面屈服する過程と重なっていた。
 東さんは、「労働者の団結が解体されることと、病気になることは不可分の関係がある。私が病気と闘い、日常の労働や生活ができているのも、国労共闘の仲間や国労組合員との団結を求めて絶えず闘っているからだ。闘う以外に自分を維持できない」と述べた。5・27臨大における東さんの決起も、団結を求めての行動だったのだ。
 東さんは、国鉄分割・民営化反対の動労千葉ストライキの支援に駆けつけた体験に触れ、「動労千葉の根幹にあるのは職場生産点の闘いを一切の土台に据えていること」「動労千葉は国鉄当局やJR資本と一歩も引かずに闘いぬくことで、心と血の通った組織をつくりあげてきた」と動労千葉への共感を熱く語った。
 まとめの言葉を述べた東さんは、森ノ宮電車区分会青年部の時代に『共産党宣言』の学習会をする中で「ブルジョアジーの没落とプロレタリアートの勝利は不可避だ」という言葉に出あい、「労働者階級には無限のエネルギーがあることをつかみ、今までの狭い世界がパッと広がるときめきを感じた」と語った。その確信こそが、病気と闘いながら、資本や権力と不屈に対決してきた東さんの根源にあるものだ。
 弁護団の質問に答え、東さんは検察官や裁判官の質問には一切黙秘すると宣言。検察官の質問に黙秘を貫いた。
 次回公判は原田隆司被告への被告人質問が行われる。白熱的攻防にある公判傍聴に結集しよう。

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週刊『前進』(2362号4面1)(2008/10/06 )

 11・2労働者集会 UNITE!

 11・2一万人決起で賃上げゼネストへ前進を

 資本主義は終わった!労働者のための世界をともにつくろう

 東京北部集会の基調報告(要旨)

 9月23日、東京・北部労働者集会が66人の参加で開かれました(前号既報)。青年労働者が行った基調報告は、世界金融大恐慌=世界革命の時代に、労働者階級はどう生き、かつ闘うのかを鮮明に提起し、11・2への熱烈な檄(げき)となりました。その要旨を紹介します。(編集局)
(写真 闘いの熱気あふれる発言が続いた東京北部労働者集会【9月23日】)

 今日はどういう日なのか

 報道でも言われているように、麻生が自民党の総裁になった。だけど、そんな生易しいことではない! 金融大恐慌がもう始まった。もっと言えば“資本主義は終わった!”ということです。
 資本主義始まって300年の中で、いまだかつて体験したことのない史上最大の危機が到来している。はっきり言ってハンパない状況です!
 明日いきなり職を失ってもなんらおかしくない状況になっていることをはっきりさせたい。
 グリーンスパン米連邦準備制度理事会の前議長が「1世紀に1度の危機だ」と言っています。今起こっていることは、29年恐慌なんか、へでもないくらいのとてつもない状況だということです。
 これに対して国はこの事態についてどうしているのか? 「このままじゃ資本主義が終わる」という恐怖から、日米欧の中央銀行が36兆円もの資金供給を行い、アメリカはさらに72兆円の公的資金を投入しようとしている。日本も同様だ。
 公的資金とは、私たち労働者から奪い取っていったものです! ふざけるんじゃない! なんでオレたち労働者が新自由主義の破綻のツケを払わなければならないんだ!
 ごく一握りの人間が「もうけるためにどんなことだってしていい」と、民営化や規制緩和、とんでもない貧富の格差をつくりだし、世界中で戦火をばらまき、ありとあらゆることを許し、職場で今のような労働を強いて、オレたちの生活をここまでどん底にたたき落とした新自由主義の破綻に、なぜわれわれ労働者が責任を取らされなければならないのか!
 もうガマンできない! オレたちが一体どれだけ必死に働いてると思っているんだ! 金で遊んでいるような、金のために戦争をするような、いきなり首相を退陣するような無責任なやつらの責任を、なんでオレたち労働者が取らなきゃならないんだ! 絶対に許さない! 
●世界は革命情勢だ
 世界は革命情勢だ。なぜかというと、以上のような状況と、そして私たちが会社では徹底的に物のように扱われている、ということです。労働条件が厳しい、人が足りない、事故を起こしても「自己責任だ」と会社から処分される、労働時間が長い、残業代が出ない、有給だって取りにくい、物価が上がっても賃金は上がらず、むしろ目減りしている。介護保険や後期高齢者医療制度、住民税が上がって、家計は圧迫されている。
 働きたくても仕事がなければ「やる気がないニート」と呼ばれ、仕事があってもダブルジョブ、トリプルジョブで命を削って働くしかないワーキングプア……。どっちに転がっても“もう私たち労働者は生きていけない”ということです。それは、この資本主義社会が労働者を食わせていけなくなったということです。資本主義は終わっている。
 そして、ただ絶望だけじゃない。この現状に「ふざけるな、生きさせろ!」――そんな思いで世界中の労働者、日本の労働者がストライキに立ち上がっている。そしてここに集まっている人たちがいる。それはどういうことか。
 新しい時代が始まろうとしているのです。そしてその新しい社会の主人公は、私たち労働者階級だということです。

 資本主義はどう終わっているのか?

 金融大恐慌が始まった。これはサブプライムローンの破綻から始まりました。
 サブプライム問題に関して言えば、一つ目にはそれが破綻することは誰の目にも明らかだったということ。二つ目には、危険を承知でサブプライムローンで食いつなぐということが資本主義を維持する上で絶対に必要なものだったということ。三つ目には、そのサブプライムローンの破綻を引き金にして、今まで無理やりとり繕ってきた資本主義の経済システムが芋づる式に破綻しているということです。
 それが食料、原油の高騰という形から入り、ついにはリーマンブラザーズを始めとした投資銀行の破産、株価の下落というように、この社会システムの根幹を成す金融にまで打撃を与えているのです。今まで隠しに隠し、無理やりなんとか問題を先延ばしにして回し続けてきた資本主義の構造的欠陥・矛盾が、サブプライムローン問題で一挙に、しかも全世界で噴出した。これは新自由主義の破綻です。
 ではこの新自由主義はいつから始まったのか?
 1970年代までは、この社会はある程度、私たち労働者を食わせていくだけの余裕がまだありました。資本主義とは本来、資本家が労働者の労働を搾取して、そのもうけで成長していくものであり、放っておけば労働者を死ぬまで搾取を続けてしまう。しかし、あまりにも賃金を下げたり、生活を保障できないと労働者が怒って立ち上がってしまう。だから国が資本の行動に対してある程度の規制をかけ、労働者が生きていけるだけの賃金と福祉を整えたのです。しかし、そんな時代も長く続かなかった。労働者を食わせていけるだけの余裕がなくなったからです。
 そこで登場したのが新自由主義でした。国鉄分割・民営化から約20年、小泉内閣以後の「構造改革」攻撃のもとでどうなったでしょうか? 郵政の民営化、タクシーの規制緩和、給食の外部委託、介護保険、有料老人ホーム……。まさに新自由主義のど真ん中にたたき込まれ、徹底的に分断され、労働者の生活も、安全も、労働者の誇りもすべて経営の利潤の名のもとに捨てさせられている。もうこのままでは、労働者は生きていけないところにたたき込まれた。
 新自由主義とは、資本主義の本来の、しかも最後の姿――つまり労働者にとってみたら資本主義最後の攻撃だということです。労働者にとって、新自由主義こそが敵だ、ということです。
 やつらは私たちになんと言っているか。「職場がうまく回らないのは、あの労働者がさぼっているからだ」「人員がいないなら、その人員でなんとかしろ。それができないのはお前の能力がないからだ」「残業代はつけられない。でも責任は最後まで果たせ」………。
 ふざけるな! “人間らしい生活や、職場の安全なんてどうだっていい。とにかく1円でも多くもうければいいんだ”と言ってるんです。だからこそ私たち労働者は、こんなにも激しく怒るのです。
 だからこそ言える。福田首相が倒れたのは自ら倒れたのではなく、この新自由主義に「もうガマンならない!」と闘ってきた私たち、日本中の労働者の怒りが倒したのだということです。
●グルジアから見える、世界で戦争が始まろうとしている!
 資本主義国家はどうしようもなくなったら必ず戦争という選択をします。他国に侵略しないと自分の国の経済が崩壊してしまう。石油の利権であったり、新たな市場を分捕ろうと思った互いの国が、私たち労働者を使って殺し合いをさせる。
 グルジアをめぐってのロシアとアメリカをみればわかります。グルジアを通る石油パイプラインや天然ガスの利権・支配権をめぐって水面下でえげつない駆け引きをしている。イラク戦争も、今となっては石油利権のための戦争だったことは明白です。

 全世界で労働者の反乱が始まった

 だがそんな中、黙っていない人たちが世界中にいる。それが私たち労働者であり、労働組合です。今世界中の労働者がゼネストで“生きさせろ、賃金を上げろ、民営化反対”と闘っています。「経済に打撃を与えてこそのストライキだ!」と、ヨーロッパでは鉄道労働者が、郵便労働者が、教職員が、福祉労働者がストライキをバンバンやって、すごい闘いが繰り広げられています。
 インドではトラック労働者が300万人でストライキ、アフリカでは食糧暴動、アメリカのディズニーランドのホテルではミッキーや白雪姫の格好をした労働者が「賃金上げろ」と千人規模の抗議を行っています。今やミッキーやピーターパンも「生きさせろ!」と闘っているのです。
 そんな中、今年のメーデーですごいことが起きました。それはILWU(国際港湾倉庫労組)というアメリカ西海岸の上から下までを占める労働組合が、「もうイラク戦争なんて認めるか。オレたちを生きさせろ!」とストライキをやりました。するとそれにイラクの港湾労働者が、この勇気ある行動に連帯して、1時間のストライキで応えたのです。
 その瞬間、侵略している国・されている国という対立構造が吹っ飛んで、同じ労働者として共通の問題を闘い、軍事物資の輸送を止めてしまったのです。労働者が立ち上がれば戦争は止められるということです。つまり、この世界は労働者が動かしている。だからこそ次の社会の主人公は私たち労働者=労働者階級だということです。
●労働者の闘いを捨てる10・24集会は認められない!
 「立ち上がっていないのは日本だけ」――そんなことでもない。現に農民・漁民やトラック労働者が立ち上がっている。その中で本命中の本命、労働者・労働組合の決起が遅れているのです。それはなぜか。
 日本の労働組合が立ち上がっていないのは、立ち上がろうとする労働者を徹底的につぶしにかかろうとする連中がいるからです。それが、闘わない体制内組合(御用組合)の執行部だということです。
 テレビでは11月にも総選挙だと報じています。では民主党に1票投じることが労働者の選ぶべき道なのでしょうか?
 答えはNOです。両方の傘下の連合・全労連の現場での闘いを見ればわかります。本来なら労働者の最先頭で闘うべき人たちが裏切って、しかも闘おうとする人をつぶしにかかる。これが体制内組合の今の姿です。絶対に許せない!
 私たちがすべきことは会社のイヌになった御用組合執行部など絶対に認めず、闘う労働組合を取り戻すために絶対に引かない闘いをすることです。それは、国鉄分割・民営化に絶対反対し、解雇された1047名の解雇撤回を掲げて20年以上闘い抜いている国鉄闘争と、その先頭で闘っている動労千葉のように闘うことなのです。
 4者・4団体による「10・24集会」は、この国鉄分割・民営化反対闘争を終わらせ、解雇撤回を下ろそうとしています。民営化=新自由主義を受け入れ、これから立ち上がってくるたくさんの青年労働者の希望を絶望にしようとしている。オレたちに人間らしい生活をするなと言っているのだ。そんなことは絶対に認められない!
 この国鉄分割・民営化との闘いと青年労働者が結びつけば、ものすごいことになります。しかも民営化反対は全世界の労働者の共通の闘いであり、世界中の労働者とつながる闘いなのです!
 とにかく怒れ、激しく怒れ! 本当に資本主義は労働者を食わせていけなくなった! あなたの仲間はたくさんいる。その胸にある怒りを引っ張り出して立ち上がろう!

 まずは職場でガンガン闘おう!

 職場を私たち労働者の手に取り戻そう。偉そうなことを言っていた経営はもはや顔面蒼白(そうはく)です。あとはもう虚勢だけ。みんなが絶対に許さないと団結したら簡単にぶっ飛ばせる!
となりの労働者と団結しよう!
 職場で起きているすべての矛盾は経営が起こしていることです。それを労働者同士でたたき合っても、向こうの思うつぼです。怒りを向けるべきは労働者ではない、経営だということです。もはや「自分ひとりがよければいい」なんていう時代は終わった。このままじゃ会社に殺されてしまう、というだけじゃなく、“会社のやっていることはおかしい、そんなこと許せるか、ふざけるな!”――その思い、怒りはみんな同じです。だからこそ労働者は団結できるし、ともに闘えるのです。職場で新自由主義に対して闘おう! 
 北部の職場闘争委員会では、「明日から職場でどう闘っていくか」を話す中で、どういう路線で闘っていくのか、団結するのかをみんなで話して、職場で闘っている。ここで団結しよう。そしてそれだけではなく、この北部地区に影響を及ぼす、強力な労働者の団結、ゼネストをやれるネットワークをつくろうということです。そしてそれで日本中の労働者とストライキで団結して、世界の労働者とゼネストで団結する。それを全世界の労働者と確認するのが、今年の11月集会だ!

 今年の11月集会はすごいことになる

 金融大恐慌、民営化、新自由主義。それに対する怒りは私たちだけのものではなく、世界中の労働者がみんな同じ怒りを感じています。だからこそ日・韓・米の労働者が集まる11月2日の全国労働者集会が決定的なのです。ここに来るアメリカや韓国の労働者と出会って5分くらい話をすれば、見ず知らずの、職場や職業が違うだけじゃない、国籍や人種、肌や目の色が違ったって、全世界の労働者とすぐにわかりあえてしまう。
 世界中のみんなが今日まで新自由主義のもとでリストラ・賃下げ、過酷な労働で殺されそうになりながら、「いつかみてろよ」と思い、耐えに耐え続けてきた。そんな私たち労働者が会社や国、資本主義社会に対して一斉に“生きさせろ”の声を上げ始めたのです。
 闘う労働者には、もはや国境や身分その他あらゆる差別・分断もない。あることはただひとつです。“オレたちを生きさせろ! それができないならオレたちに代われ! オレたちを生かすこともできない資本主義なんか終わらせてやる。なぜならばオレたち労働者がこの世界を動かしているからだ。社会の主人公はオレたちだ!”――これらをキーワードに、すべての労働者と無限に広がる団結をつくっていくために、職場と職場闘争委員会、北部、日本、世界の労働者と団結しよう。
 11月2日に世界中の労働者と団結して、新自由主義と、経営と闘い、労働者のための世界をともにつくりましょう!

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“ウォール街を救済するな!” 

 9月25日、労働者人民が7000億jの金融資本救済新法への怒りのデモに決起した【ニューヨーク証券取引所前】。詐欺と投機で破綻した奴らを何で救済するのか。「ジェイル! ノット・ベイル!【刑務所だ! 救済するな!】」「ウォール街を救済するな! 労働者に金よこせ!」というコールがとどろいた。21日の新法案発表から短期間で、全国各地に闘いが拡大し、29日までに250以上の集会、デモが行われている。

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週刊『前進』(2362号4面2)(2008/10/06 )

 11月1万人結集をかちとろうA

 マル青労同に入ろう

 怒りぶつけ闘う日教組に

 教育労働者 小脇美咲

 マル青労同に入ろうと思ったのは、教育基本法が改悪された時です。連日、何時間も残業して働いているのに「歴史未履修問題」で教員バッシングの大宣伝。なのに何もやらない組合にすごく腹が立って「組合を辞めようか」と思っていた。そういう怒りがこみ上げた時に、マル青労同の仲間に出会った。
 ほかの人に相談しても、「大変だけど頑張るしかない」と、元気が出ない言葉ばかり。でもマル青労同の人に「毎日夜2時まで持ち帰り仕事をしている」と言ったら、「何それ? 不払い残業じゃん」とすごく怒った。そして「ろくでもない組合は辞めちゃえ」ではなく、「闘う組合につくり変えよう」と。「この仲間となら、この現実は変えられる」と思ったんです。
 今の組合の青年部は飲み会やレクリエーションをやるばかり。「組合に入ったら楽しいことがあるからおいで」と飲み会に非組を集めるけど、管理職まで呼んだりする。闘うための組織じゃなくなっています。
(写真 昨年11月集会の国際連帯デモ)

 アメなめて多忙解消?

 今、青年教育労働者の状況は無茶苦茶です。学校に夜9時、10時までいたり、そこからさらに家に持ち帰り仕事をしたり。土日も休みがない。しかも「それが当たり前。もっと頑張らなきゃ」と思わされる。
 この現実に対して、組合の役員が「多忙感をなくそう」と言うんです。「『お疲れさま』と声をかけ、アメを一個配る。それだけでも気が紛れる」と。ふざけるな、と言いたい。これほどの忙しさを「気の持ちよう」と言うのか。多忙化をなくすために闘うべきなんです。闘いを放棄して「多忙感解消」なんて言う幹部は本当に許せません。
 私が「闘うべきでしょう?」と言うと、「『闘い』なんて言うと組織率が下がって、教育委員会になめられる」と言う。それでは何も変わらない。みんな怒りを持っているんだから、その怒りをぶつけて闘える日教組にしたい。自分たちの要求を突きつけてストライキができるような団結をつくりたい。
 マル青労同には、本当に団結できる仲間がいる。私がちゃんと闘えていない時は批判もしてくれる。この仲間たちがいるから、職場でも仲間をつくろうと闘っていける。そして私も変わってくることができたから、「職場のみんなも一緒に闘える仲間だ」と確信できる。
 今の日教組本部はろくでもないけど、それを変えていける力がマル青労同にはある。この仲間とともに日教組を変えたい。

 私たちは労働者だ!

 私たちは教育労働者です。「教師としていい教育実践をして社会を変える」んじゃない。文科省がろくでもない学習指導要領をつくり、その内容を実践させられる。これからは、それに反対するとクビになる。いくら「良心を守っていい教育をしよう」と考えても限界がある。
 教育労働者も労働者として労働運動を闘って、その力でこの社会を変える。マル青労同に出会って、「自分は労働者だってことを軸に置いていいんだ」とはっきりした。
 職場でストレートに訴えたら引かれるかなとビビる気持ちもあったけど、やってみたら「ビラ、読んでるよ」「組合の会議できちんと言ってくれてうれしかった。頑張ってね」と言ってくれる仲間が出てくる。「頑張ってね」から「一緒に頑張ろう」にしていきたいけど、一緒に闘っていける仲間がいる。

 教育の民営化と対決を

 今、免許更新制ができ、査定昇給が導入され、分限免職まで始まろうとしている。教育の民営化攻撃と対決し、新自由主義教育改革をぶっ飛ばす闘いを職場からつくり出したい。職場で暴れまくって、青年の反乱を起こしたいと思っています。
 11・2集会には、アメリカや韓国からも仲間が来ます。動労千葉の闘いと並んで、教育労働者の「君が代」不起立闘争が、国境を越えた労働者の国際連帯をつくり出しています。
 11月集会のデモはすごく解放的で楽しい。警察がいっぱい来ても、断固やり合う。今の組合の1〜2列でちょろちょろ歩く遠足みたいなデモ、シュプレヒコールもほとんど言わないようなデモとは全然違う。だから、「とにかく1回来てみて。あのデモをやれば、すごく楽しいってわかるから」と訴えたい。

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週刊『前進』(2362号5面1)(2008/10/06 )

 11・2労働者集会 UNITE!

 11・2一万人決起で賃上げゼネストへ前進を

 戦後革命と賃金闘争の教訓

 2・1ゼネストへ600万人が進撃 ブルジョア権力打倒の寸前に

 世界金融大恐慌の時代は、労働者階級が生存をかけて、嵐のような闘いに立つ時代だ。日本の労働者階級は敗戦直後、「生きさせろ!」のゼネストに立ち上がり、日帝打倒の革命の寸前まで闘いぬいた歴史をもっている。1947年の2・1ストがそれだ。当時の闘いをよみがえらせ、のりこえて進む時代がやってきた。11・2労働者集会をその突破口としよう。

 組織労働者の99%が立つ

 2・1ストは実際には、突入の前夜にストを指導していた日本共産党が米占領軍=GHQの中止命令に屈服した結果、最後の段階で不発に終わった。しかし、当時の組織労働者の実に99%、約600万人がゼネストに向け一糸乱れず団結して決起した闘いの革命性は、消すことのできないものであり、国際階級闘争の歴史に燦然(さんぜん)と光り輝いている。
 国鉄労働者でスト指導部の一員であった鈴木市蔵は語っている。2・1ストは当初、戦後インフレの嵐の中で飢餓線上をさまよっていた労働者の、生きる最低条件をかちとるための闘いとして出発した。「この経済的闘争が政治闘争へ、さらに革命的闘争へと転化発展した」。そして「『2・1』の革命性は要求の政治闘争化とともに、敵階級の政府をたおして、自らの政権樹立、すなわち『民主政府』『民主人民政府』をもとめて総決起したことである。しかもその武器としてゼネストの行使が確認された。これは典型的で本格的な労働者階級の革命的パターンであった」(『証言2・1ゼネスト』)
 さらに、当時全逓青年部員だった宝樹文彦(60〜71年に全逓委員長)は2・1ストについて次のように証言している。
 「革命前夜という感じですね。私はそう思いました。ほんとうにプロレタリア革命ということが行われるということなら、まさに私はこれだろうと。……労働者自身がすべての産業、交通、情報、通信、あらゆるものを全部握った。銀行も休み。こういう姿・形、私は率直に言わせていただければ、世界の労働組合運動史上、古今東西これだけの大規模なものはなかった」(『証言構成・戦後労働運動史』)
(写真 国鉄労働者は2・1ストの先頭に立とうと呼びかける国鉄総連合の職場ポスター)

 ゼロから団結を強化拡大

 600万人もの労働者が職場・産別・地域を越え、ナショナルセンターと党派の枠を越えて階級として完全にひとつに団結し、資本家階級との非和解の一大決戦に立ち上がった。ここに2・1ストの巨大な意義がある。
 しかもこの600万人は、1945年8月の敗戦時には全員が未組織労働者だった。日帝の戦争体制下で労働者はあらゆる団結を奪われ、天皇制イデオロギーによる徹底した差別分断支配のもとに置かれていた。しかしその同じ労働者がわずか1年半の間にゼロから労働組合を結成し、自分たちこそ社会の主人公という自覚にめざめ、闘いの中で団結を強化・拡大し、ついに空前の一大ゼネストを組織するまでに成長したのである。
 それを可能にしたのは何よりも、敗戦直後の飢餓状態の中での「生きさせろ!」の切実な叫びだった。そして闘いを開始する中でつかんだ「団結すれば勝てる」という確信だった。と同時に、侵略戦争・帝国主義戦争で労働者と農民に多大な死と犠牲を強要した上に、戦後もそのツケをすべて人民に押し付けて生き延びようとしていた天皇と日帝ブルジョアジーに対する、労働者階級としての根源的な怒りの爆発であった。
 敗戦と米軍占領下での旧国家機構の解体は、日帝を体制崩壊の寸前に追いつめていた。資本家階級は延命に必死となり、その本質をなりふりかまわずむきだしにした。軍需産業に群がっていた資本家どもは政府・高級官僚と結託し、軍が備蓄していた食糧や石炭その他の膨大な物資の略奪と隠匿に走った。さらに、戦争中に政府が銀行や企業に約束した総額750億円(現在の貨幣価値で数十兆円)もの軍需補償金を、直ちに最優先で支払うことを要求した。
 その結果、物資の極端な不足に加え、激しいインフレが労働者人民を襲った。ブルジョアジーは生産を再開するよりも、隠匿した物資を闇市場に流すことで、インフレによるぬれ手にあわの利益をむさぼった。その一方で労働者の賃金は最低限の生存を確保することもできず、失業者は45年末で1300万人に達し、道端には餓死者があふれ出た。
 労働者階級は、団結して闘わなければもはや飢えて死ぬしかない。このぎりぎりの状況の中から決起が始まった。いったん口火が切られるや、闘いはせきを切って爆発した。45年秋に始まった労働者階級と資本家階級とのこの非和解の激突が、46年に入って全階級・全人民を巻き込む巨大な闘いに発展し、頂点に上りつめていったのが47年の2・1ゼネストである。それはまさに「プロレタリア革命の前夜」として、日帝の全支配階級はもとより米帝・GHQをも恐怖させたのだ。

 実力で賃金統制うち破る

 2・1ストの柱は賃金闘争だった。決定的だったのは、官公労働者(今日でいう国鉄・全逓・教労・自治体の4大産別)が闘争の中心にすわったことである。これが闘いを巨大なゼネストに発展させる原動力となった。
 その第一は、インフレが爆発する中で、労働者とその家族全員が実際に「食える賃金」をよこせという闘いだった。
 大幅賃上げ要求に対して政府と資本家階級は、「会社が倒産してもいいのか」「こんな要求をのんだら国がつぶれる」「賃金を上げたらインフレがもっとひどくなる」とわめいた。労働者の怒りはこれを真っ向から粉砕した。「労働者が働かなければ国も社会も成り立たない。おれたちが生きられるだけの賃金をよこせ!」――これは全労働者の共通の最も切実な叫びだった。
 実際に、労働組合は結成と同時に賃金の3倍、5倍引き上げを求めて直ちに争議に突入した。京成電鉄労組のように、10倍の賃上げを要求してその全額を実力でかちとったところもあった。組合のない職場でも、膨大な労働者が「食える賃金をよこせ」とまず立ち上がり、その闘いの真っただ中で労働組合が結成されていったのだ。
 第二は、政府による賃金統制を実力で打破することであった。
 日帝は46年3月、賃上げに次ぐ賃上げという闘いの大爆発を抑え込むため、賃金・物価統制令を発動した。物価を戦前の10倍、賃金は5倍の水準に固定して凍結し、同時に預金を封鎖した。そして労働者の生活費を5人家族で1カ月500円と勝手に決め、それを上回る賃金は現金で支給せずに強制的に預金させ、かつその預金を引き出すことを制限する措置をとったのである。公的物価は凍結されても闇物価はますますはね上がる。だが賃金は極度の低額に釘づけにされ、実質的にはどんどん下がっていったのだ。
 当時、独身者でさえ月に最低700円の収入がなければ生計を維持できないとされていた。これ以降、「500円枠」を実力で打ち破ることが全労働者の死活の課題となっていった。
 第三に、賃金によるあらゆる差別・分断を絶対に許さないという闘いである。
 戦前・戦中の労働者支配は、工員と職員、現業と非現業の間に身分制的な区別を設け、さらにそれぞれについて雇用形態も賃金も異なる無数の等級を設けて労働者を徹底的に分断していた。この身分制・職階制賃金の打破、あらゆる差別待遇撤廃の要求は、大幅賃上げや8時間労働制と並んで労働組合の結成当初から一貫して掲げられた。
 とりわけ官公労働者は「全員を年齢と勤続年数だけを基準とする1本の賃金表にせよ」「男女同一賃金」を掲げてその先頭に立った。今日まで続く公務員労働者の「男女同一賃金」や現業・非現業1本の賃金表は、この時の闘いによってかちとられたものである。
 賃金統制打破の闘いは46年8月、産別会議と総同盟という労働運動の二つのナショナルセンターの結成を契機に本格化した。9月、大量首切りを白紙撤回させた国鉄・海員の勝利が反転攻勢の突破口となった。産別会議の10月闘争がストライキの嵐となってこれに続いた。特に全国的な大規模停電ストを構えて闘われた電産争議は、その威力をもって2200円の大幅賃上げをかちとり、生活保障給を柱とするいわゆる「電産型賃金」を日帝資本に強制した。
 この勝利は官公労働者を奮い立たせた。当時、公務員の賃金は民間の半分以下に抑えられていた。政府は教育労働者の賃上げ要求に対し、「教師は労働者ではない。天皇の官吏だ」と言い放って組合代表との面会すら拒否するという、傲慢(ごうまん)きわまりない態度で臨んでいた。これへの怒りが爆発した。
 11月26日、国鉄労働組合総連合会、全逓信従業員組合、全日本教員組合協議会、全国官公職員労組協議会、全国公共団体職員労組連合会(のちの自治労)の呼びかけで、全官公庁共同闘争委員会が結成された。これに都労連、都市交、全医療などが加わり、13組合・260万人の一大賃金闘争がスタートした。民間労働者もこの闘いを支持し、これに呼応して決起し、「ゼネストへ!」の叫びがたちまち全国に広がった。

 官民一体の大ゼネストへ

 闘いは、労働者階級と資本家階級との互いに総力を挙げた一大激突へと発展した。47年1月には全国労働組合共同闘争委員会が結成され、鉄鋼・金属・化学・造船・機器・港湾・海員・炭労・電産・全繊・新聞・印刷など、基幹産業労働者を先頭に全国全組合が全官公庁共闘との共同闘争に立ち上がった。2月1日午前零時を期して600万人が全国一斉無期限ゼネストに突入することが宣言された。
 労働者階級の隊列は完全に一枚岩だったわけではない。社会党系の総同盟の中には戦前の産業報国会から横滑りした反共右派の幹部がいて、労資協調路線をとり、ゼネストには反対していた。だが闘う労働者の怒りの決起は、激しい党派闘争をとおして総同盟傘下の現場労働者の圧倒的多数をも獲得し、右派幹部に対して、公然と裏切ることを許さない関係を実力で強制していたのだ。
 経済闘争は政治闘争に転化した。今やブルジョア政治権力の打倒が階級闘争の日程に上った。日帝支配階級は土壇場に追いつめられていた。ここで介入したのがGHQである。米占領軍による武力弾圧をふりかざしたマッカーサー最高司令官のスト中止命令と、これへの日本共産党の屈服が、ぎりぎりのところで日帝を救った。ゼネスト突入時刻の数時間前、1月31日午後9時すぎ、全官公庁共闘議長の伊井弥四郎はNHKのマイクの前に立ち、涙ながらにスト中止の放送をした。
 歴史的な2・1ストがなぜ不発に終わったか。その総括については別途、詳しい考察が必要である。だがここで指摘したいのは次の点だ。すなわち2・1ストは、帝国主義の崩壊的危機の時代には、大幅賃上げという労働者の切実な生活要求の闘いそのものの中から革命への道が直接に切り開かれることを明白に示したのである。
 60年前の日本労働者階級が闘った賃金闘争は、そのまま今日の労働者の課題でもある。「生きさせろ!」のゼネストを今度こそかちとり、21世紀のプロレタリア革命に勝利しよう。
 〔坂本千秋〕

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週刊『前進』(2362号5面2)(2008/10/06 )

 欧州で労働者が続々とスト

 新自由主義への怒りが爆発 「生きるため」の賃上げ要求

4月24日、ストライキに入った公務員労働者・教育労働者が英リバプールで集会とデモ

金融大恐慌下全産業分野で職場から決起 

 世界金融大恐慌が破滅的な局面に突入し、ブルジョア支配階級は震え上がっている。資本主義の歴史的崩壊が始まったからだ。このなかで全世界の労働者階級は「生きさせろ」の怒りの叫びをあげて、大幅賃上げ要求を掲げ、青年労働者を先頭にストライキに立ち上がっている。
この決起は、昨年来サブプライムローンの破産が全世界的な金融危機として拡大・深化していったただ中で拡大してきた。昨年夏から半年におよび、30%賃上げを要求して長期ストを闘いぬいたドイツ機関士労組(GDL)を先頭に、イギリス郵便労働者の7月から10月にかけての賃上げ要求・首切り反対の物ダメ波状スト、10月から年末へのフランス交通労働者、公共企業労働者、公務員労働者の賃金・年金問題でのストと大デモ(95年のゼネスト以来といわれる)と続いた。
闘いの高揚は、今年に入り、金融危機が実体経済の収縮と世界経済の分裂に転化する中で、ますます全世界に拡大し、あらゆる産業部門、社会的領域におよんでいる。08年のドイツでは、機関士労組に引き続くベルリン交通労働者の39時間スト、そして公務員労働者・教育、医療・福祉労働者の全国的波状的ストライキ、郵便労働者の主要都市における集配ストとして展開した。そして、不況への突入が明らかになるなかで、IGメタル(金属労組)の自動車・電機労働者がストに立ち上がり、6〜7月のルフトハンザ航空労働者のストライキ、さらに金融恐慌で直撃されている銀行労働者の画期的決起を引き出すにいたった。
イギリスでは、4月に公立学校の3分の1が、賃上げ要求の24時間ストで閉鎖。この教職員労組の十数年ぶりの闘いに、40万人の公務員労働者がストライキで大合流。7月には、ロンドンの地下鉄労働者、バス労働者が、民営化による分断をのりこえる統一賃金要求を掲げて48時間のストライキ闘争を闘った。
フランスでは、大学民営化攻撃に反対する昨年末の大学キャンパス占拠闘争に続き、教育制度改悪反対を掲げた今年4月の高校生の全国的決起と各都市でのデモにこたえ、教育労働者・公務員労働者30万人が、5月に全国でストとデモに立ち上がった。さらに、6月国鉄労働者、9月には郵便労働者が民営化反対のストを行っている。
イタリアでも、7月から9月にかけて、鉄道労働者、航空労働者がストライキを闘っている。

 全世界で体制内労働運動との分岐始まる

 このように、新自由主義の強行と破綻にさらされて怒りを燃やす労働者は、資本と体制内労働運動指導部の一体となった攻撃、「闘えば会社がつぶれる」「賃上げは国際競争力をそこなうものだ」「不況のさなかに大幅賃上げなどとんでもない」などという攻撃を、いたるところで実力によって打ち破り、階級的な闘いに決起している。階級的労働運動を求めて新たな分岐が世界的な規模で開始されているのだ。 
 新自由主義への労働者の積年の怒りと闘争力の高まりは、世界各地の闘争におけるスト権投票の80〜90%という圧倒的高率に示されている。ロンドンのバス運転士組合では、反対がたった1票と報告されている。さらに、労働組合本部の妥結提案が現場労働者に拒否されている。資本とその手先=体制内労働運動指導部への怒りが爆発しているのだ。
 闘争は、どこでも圧倒的にストライキという形態をとっている。いったんストに立ち上がった労働者は、自分たちの階級的な力に目覚め、自信を強めていく。ストライキをとおして、職場を回しているのがだれか、社会を動かしているのがだれかを階級的に自覚していく。ストライキを軸とする職場からの決起が階級的団結を固め、職場集会、ピケット、街頭デモ、連帯集会などとして発展し、職場を越え、企業の枠を越え、さらに国境を越えて、さらなる団結を求めて発展している。これが、初めて決起した労働者にとって巨大な共同の経験として主体化されていく。「今度のストで、ピケットを越えるスト破りは、私たちの職場では一人もいなかった」と、イギリスの公務員労働者はスト総括集会で誇らかに報告している。
 この間の闘争のほとんどが、生きるためのぎりぎりの要求として大幅賃上げを掲げている。新自由主義が国際競争力強化のためと称して、体制内労働運動の協力のもとで、徹底的に賃金を切り下げてきたからである。
 「大幅賃上げ」の要求と闘いのなかには、新自由主義への労働者の積年の怒りがこめられている。この怒りの爆発としての闘いは、労働者の階級的な力を解き放つ。

 階級的労働運動で分断打破し国際連帯を

 その典型的な例がドイツである。今年の第2四半期のドイツの賃金上昇率は、前年同期比でわずか0・7%だった。これは、EU27カ国平均の上昇率3・4%(賃金が急上昇したEU新加盟国を含んだ平均)からみて最下位である。英仏なども平均より低率だ。かつての「高賃金国」ドイツの実質賃金が昨年、20年前の水準にまで落ち込んだ。ここにインフレが直撃した。
このような状況のなかでIGメタル(金属労組)は、9月の協約交渉で電機産業部門の要求として、8%の賃上げを打ち出した。16年来(!)の高額賃上げ要求だといわれている。この16年間、ドイツの労働者は、賃金要求を低額に抑えつけられてきたのだ。このIGメタルを民間労組の柱とし、Ver−di(統一サービス労組)をもうひとつの支えとするDGB(ドイツ労働総同盟)は、1998年に政権についたシュレーダー(社民党と緑の党の連立)の「構造改革路線」=新自由主義攻撃を公然と支持した。さらに、それを引き継ぐ現メルケル政権(キリスト教民主同盟・社会同盟と社民党の大連立)による資本家階級への減税、低賃金、社会保障制度の解体、非正規雇用の拡大などを労働者階級に押しつける先頭に立ってきたのである。
ドイツ労働者階級の昨年来のストライキ闘争は、体制内労働組合と対決し、労働運動内部の新たな分岐を恐れない、運転士労組(GDL)のような闘いとして、初めて前進することができたのだ。ドイツ資本は、90年代以来、国際的争闘戦の激化のなかで、「高賃金」がドイツの国際競争力をそぐとして、拡大EU内の「低賃金国」への工場移転を強行してきた。「賃上げを要求するなら、低賃金国に工場を移転させるぞ」と脅し、賃上げ要求を抑えてきた。だがいまや、それが粉砕されつつあるのだ。
昨年来、その「低賃金国」(チェコ、ポーランド、ハンガリー、ルーマニアなど中東欧諸国)の労働者の反乱が相次いでいる。さらにEU域内を越えて、中国やインド・パキスタン、そして中東ではクウェートなどの労働者が、20〜30%の賃上げを要求して決起している。
大幅賃上げを求める世界各国の労働者の闘いは、国境を越えて団結を拡大し、帝国主義の新自由主義政策をさらに破綻に追い込んでいる。
1929年世界大恐慌に続く30年代、ILWU(国際港湾倉庫労組)を始めとするアメリカ・プロレタリアートは、旧来の労働運動の壁を破り、ストライキ・工場占拠など、職場からの実力行動を展開し、30年代の革命的激動期に突入していった。そのような歴史的過程が、いま新たな歴史的条件のなかで始まっている。最末期帝国主義の破局のなかで労働者階級が立ち上がり、ますます団結を拡大し、階級的自信を深め、社会を転覆する力を形成している。その先頭に立つものこそ、動労千葉を軸とする3労組共闘・3国連帯の前進であり、11・2集会への1万人結集である。
〔川武信夫〕
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全世界でストライキの嵐【詳しくは本紙速報版ブログ参照】

■アメリカ
5.1  ILWU(国際港湾倉庫労組)がイラク労働者と連帯して反戦スト
7.14 カリフォルニア大学の現業労働者が賃上げでスト
8.28 カリフォルニア医療労働者が労働条件改善要求で24時間スト
9.6  ボーイング労働者が賃上げでスト突入
■ドイツ
5.29 ベルリン公共部門労働者がスト
6.4〜9/17 IGメタル(金属労組)の自動車労働者が年金問題でスト
6.23 ルフトハンザ地上勤務労働者が4時間の山猫スト
7.22/28 ルフトハンザのパイロット組合、整備・清掃労働者がスト
9.8  IGメタル、電機部門労組が賃上げでストへ
9.8/23 銀行労働者がスト
9.25 ベルリンで13万人の医療労働者が賃上げ要求、政府の医療政策反対でデモ
■フランス
5.15 教育・公務員労働者ら30万人が教育制度改悪反対などでスト・デモ
5.22 年金制度改悪反対で70万人がデモ
6.10 国鉄・教育など公務員労働者がスト
9.23 郵便労働者が民営化反対スト
■イギリス
4.24 公務員労働者40万人が賃上げ要求スト
7.1  ロンドン地下鉄の清掃労働者が賃上げで48時間スト
7.16 公共部門労働者50万人が賃上げ要求で48時間スト
7.28 12,000人の鉄道労働者が18時間スト
8.20 スコットランドの自治体労働者15万人が24時間スト
8.26 ロンドンのバス運転士が24時間スト。9月12日にも48時間スト
■イタリア
7.6  鉄道労働者が24時間スト
7.18 航空労働者がスト
9.26 鉄道労働者が全日スト
■その他(韓国・中国は今回省略)
5.19 ベルギー鉄道労働者が24時間スト
5.31 ロシア鉄道労働者が会社前でピケ
7月  クウェートの移民労働者3日間のスト
7.14 ハンガリー鉄道労働者賃上げ時限スト
7.30 パキスタン電機通信働者5万人がスト
8.20 インド公共機関労働者が12時間スト
8.20 チェコのジーメンス労働者が工場閉鎖に反対してスト
8.29 ポーランドのワルシャワで5万人デモ

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週刊『前進』(2362号6面1)(2008/10/06 )

 青年を先頭に11・2日比谷野音へ

 塩川一派の体制内運動を粉砕し民営化絶対反対の階級的団結を

 革共同合同・一般労組委員会

 世界金融大恐慌への突入で新自由主義と民営化の破産は完全に明らかになった。資本主義は命脈が尽きた。今こそ労働者階級は団結し、資本家階級を打倒して、新しい社会をつくろう。国鉄1047名闘争解体のための10・24集会を怒りを込めて弾劾し、11・2集会1万人結集をなんとしても実現しよう。合同・一般労組委員会に結集する同志はその最先頭に立とう。
(写真 東京西部ユニオン高栄運輸分会が初めての24時間ストを貫徹【3月25日 東京・立川】)

 10・24集会弾劾し解雇撤回を貫こう

 世界は金融大恐慌に突入した。新自由主義攻撃が全面破産し、末期帝国主義の根本矛盾がついに爆発したのだ。日帝は自治体労働者200万人の首切りを始め、青年労働者を貧困と窮乏の極致にたたき込み、全労働者に矛盾の一切を押し付け生き延びるために1047名闘争解体の大攻撃にうって出てきた。階級的なものを解体・根絶する大攻撃である。それが南裁判長による裁判外での和解勧告であり、それを受けた4者・4団体の全面屈服である。
 10・24集会はその攻撃に完全に屈した体制内労働運動の破産の極みである。4者・4団体は解雇撤回を投げ捨て、動労千葉を排除して1047名闘争の解体のために形成された組織であり、10・24集会はその幕引きのための集会だ。4者・4団体の運動は闘争団員を含む国労組合員を警察権力に売り渡した国労本部と手を組む運動である。国労5・27臨大闘争弾圧は1047名の解雇撤回闘争をたたきつぶすためにかけられた前代未聞の弾圧だった。4者・4団体の「運動」も、国労本部が1047名闘争を解体するために介入してきたものだ。
 4者・4団体を容認することは、5・27弾圧を容認することと同義だ。転向スパイ集団・塩川一派が10・24集会を賛美する松崎と一体となり、「5・27臨大闘争弾圧を許さない会」運動の破壊のためにうごめき、ついに4者・4団体を賛美するに至ったことは、「背教者カウツキー」の彼らの本性が浮き彫りになったということだ。10・24集会を徹底弾劾し、その悪らつな策謀を暴露していくことが、国労闘争団の闘いの再生の道なのだ。
 4者・4団体派は「国労闘争団はもう闘う力がない、だから政治和解するしかない」と悪宣伝する。だが、けっしてそんなことはない。国労闘争団は闘う力を持っている。動労千葉と固く結びついて闘うならば1047名闘争はこれからますます光り輝く闘いなのだ。
 10・24集会か11・2集会かという攻防は、資本との非和解的対決、体制内労働運動との対決を通じて階級的団結をいかに形成していくのかという路線問題そのものである。国鉄1047名解雇撤回闘争は、今こそ新自由主義の攻撃を打ち破る世界の労働者の結集軸になる闘いなのだ。世界は革命情勢だ。「生きさせろ」のストライキが全世界で闘い抜かれている。日本の階級闘争の激変が始まったのだ。

 動労千葉の闘いに敵対する塩川一派

 転向スパイ集団・塩川一派は、『展望』2号において「『国鉄分割・民営化攻撃に勝利した』とする安田派の総括は、根本的に間違っている」と述べている。国鉄分割・民営化攻撃と全力で闘ってきた動労千葉の闘いの地平を全否定している。
 こんな奴らの言い草を絶対に許してはならない。彼らは「国労闘争団を4者・4団体路線のもとに置き去りにして決別するのは絶対に誤りだ」と言い、4者・4団体の和解路線に闘争団を引きずり込もうとしている。
 また塩川一派は、非正規雇用労働者の問題を情勢一般としては語るが、彼らがどう闘おうとしているのかを明らかにしたことはない。エセ「革共同通信」16号では「反貧困ネットワーク」の「反貧困キャラバン」や10・19反貧困集会を賛美している。サミット闘争がそうだったように、こういう運動の尾っぽにくっついていくのが彼らの「路線」なのだ。
 この集会は連合の笹森清らが名前を連ねている。連合は昨年10月に「非正規労働者センター」を立ち上げたが、連合の主張はせいぜい「派遣法を99年以前に戻せ」というものだ。塩川一派もその程度のことしか言わない。「派遣法」は全面撤廃あるのみだ。
 塩川一派にあっては労働運動はあくまで体制内の運動であってそれ以上のものではない。「動労千葉を含むすべての労働組合が体制内である」「体制内からの決別をテーゼ化すれば……労働運動総体と階級からの決別に行き着く」というのが彼らの主張だ。
 労働者階級は本質的に革命的階級である。資本主義社会を打ち倒し、階級社会を廃絶していく力は労働者階級自身の中にあるのだ。このマルクス主義の核心が塩川一派には完全に欠落している。労働組合と労働運動はプロレタリア革命とは別個のもの、本質的に体制内的なものとしか位置づけないのだ。労働運動と革命を完全に切り離している。労働組合を革命の拠点に変えていくという考え方が微塵(みじん)もないのは驚くばかりだ。
 マルクスは『賃金・価格・利潤』の結語として「労働組合は……ただ現存の制度を変えようとせず、その組織された力を労働者階級の終極的解放すなわち賃金制度の最終的廃止のための梃子(てこ)としてつかわないならば、全面的に失敗する」と述べている。『労働組合、その過去・現在および未来』では「労働組合は、その最初の諸目的は別として、いまや、労働者階級の完全解放という大利益において行動することを学ばなければならぬ」「労働組合は、その諸努力が、狭量かつ利己的なものではけっしてなく、踏みにじられた万人の解放を目的とするものであることを、全世界に納得させねばならぬ」と書いている。
 レーニンはロシア革命で、労働組合と工場委員会に依拠して労働者民兵を組織化した。革命情勢が近づくにつれ労働組合自身が武装化され、労働組合と工場委員会の代表が蜂起指導部である革命軍事委員会の主力メンバーとなった。労働組合が体制内運動であるという塩川一派の考え方は、マルクスやレーニンの思想とは無縁である。

 労働運動全体の変革のために闘う

 塩川一派は非正規労働者の正規化が労働運動の最重要の課題であるかのように述べる。しかし、今青年労働者が置かれている現実は、正規も非正規も生きていけない現実だ。「正社員にいたっては、4割近くが残業代不払いの状態」「契約社員や派遣社員の4割以上が元正社員」だ(『世界』10月号)。『ルポ”正社員”の若者たち』(岩波書店)でも、きついノルマ、長時間労働・過密労働、低賃金の実態が暴露されている。『官製ワーキングプア』(七つ森書館)にも描かれているように自治体労働者の200万人首切りはすでに始まっている。JRでも同様だ。JR西日本は87年の分割・民営化時の社員数が5万1530人だったものを07年には3万350人にまで4割も削減した。保線作業は下請け・孫請けに丸投げ状態だ。JR東のライフサイクル制度は外注化と人件費削減をさらに推し進める攻撃である。 
 したがって正規・非正規一体となった4大産別の闘いが基軸になるのである。4大産別の体制内労働運動の敗北の結果として非正規雇用の増大がある。4大産別における非正規雇用を生み出さない闘い、民営化絶対阻止の闘いが基軸なのだ。
 合同・一般労組の運動を、4大産別や正規雇用の体制内労働運動の敗北の結果生み出された非正規労働者を組織対象として、非正規雇用労働運動のネットワークのようなものにしてはならない。合同・一般労組は常に4大産別や労働運動全体の変革のために闘う。合同・一般労組が民営化絶対反対の闘いの先頭に立たなければならない。合同・一般労組の組織化や闘いは、争議を含めてそこで自己完結するような運動では、結局体制内労働運動に取り込まれていく。合同・一般労組の運動はすべての産別にまたがり、非正規雇用労働者を主要な組織対象とするだけに、そういう方向に流れる危険性を常にはらむことを自覚的にとらえなければならない。
 今、仙台、岡山、広島などのゆうメイトの青年労働者に対して、雇い止め=解雇が乱発されている。岡山の場合は解雇撤回闘争に恐怖して懲戒解雇攻撃をかけてきた。岡山の青年労働者は「体制内労働運動を階級的労働運動に変えたい」と職場前でビラをまき闘っている。また広島の青年労働者はストライキで反撃している。
 彼らの闘いは、郵政民営化絶対反対とJP労組の体制内指導部打倒を掲げた、郵政職場での「1047名」闘争そのものである。ゆうメイトの青年労働者の存在抜きに郵政事業は成り立たない。大小8000社に及ぶ派遣労働者の存在抜きに日帝経済は一日たりとも立ち行かない。ゆうメイトが組織されストライキに立ち上がったら郵便事業は止まる。国鉄1047名の解雇撤回闘争と派遣・非常勤などすべての産別の青年労働者が結合して決起したらどうなるのか。青年労働者の総反乱を日帝は心底から恐れているのだ。
 塩川一派は仙台・岡山・広島のような青年労働者の革命的な闘いの絞殺者として登場してきたが、青年たちは塩川一派のような体制内的な合同労組運動のあり方を完全にのりこえ、粉砕しつつある。わが合同・一般労組委員会は、マル青労同1000人建設の先頭に立つ。
 11・2集会(日比谷野外音楽堂)は1047名闘争勝利(第2次国鉄決戦−4大産別決戦勝利)、新自由主義攻撃粉砕−民営化粉砕の全労働者の総決起の場だ。非正規・正規、あらゆる世代、あらゆる産別の労働者が国境を越えてひとつになる集会である。1万人結集の実現のために全力で闘いぬこう。

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週刊『前進』(2362号6面2)(2008/10/06 )

 市東さんの農地の強奪許すな

 群馬「守る会」を結成

  9月28日午後2時から群馬県民会館で、「市東さんの農地取り上げを許さない 9・28群馬集会」が開催された。
 冒頭、映画「襤褸(らんる)の旗」の資料映像と、「大地の乱」が上映され、司会が、本日の集会をもって「群馬・市東さんの農地を守る会」を結成するものとしてともにかちとろうと宣言して集会が始まった。
 開会のあいさつを三里塚をたたかう全群馬実行委代表世話人の小池正男さんが行った。連帯のあいさつに続き、実行委員会から、昨年9月の「群馬・市東さん集会」以来の経過報告と、呼びかけ人と事務局体制、会の規約の案が提案された。市東さんの農地を守ることが三里塚闘争の勝利の道であり、そのために「守る会」を発展させようと訴えられた。
 カンパの訴えに続き、いよいよ三里塚現地からの訴えだ。市東孝雄さんは、「大根」の話など、ユーモアたっぷりに話しながら、9・25現闘本部裁判の報告も含めて、裁判所と空港会社を弾劾した。また、「こうして群馬で『会』をつくってくれたおかげで、これから運動をどう進めていけばいいのかが見えてきた。皆さんといっしょに勝ちたい」と語った。
 「市東さんの農地取り上げに反対する会」事務局が登壇し、市東さんの裁判闘争の意義が熱く語られた。さらに10月12日にも農地取り上げの新段階に入ることへの攻勢としての新たな裁判闘争への決意と、それを支える会員の拡大が強く訴えられた。
 市東さんの熱い訴えに会場から発言もあり、全員が市東さんへの圧倒的な拍手で連帯を誓った。
 共同呼びかけ人から、「群馬・市東さんの農地を守る会」の結成が宣言された。最後に、集会実行委員会の青柳晃玄さんから御礼とまとめがなされた。司会が、10・5三里塚現地集会への結集を提起し、大きな拍手で確認された。
 集会後の交流会には新たな参加者も加わり、大いに盛り上がった。
(写真 会場から発言もあり、熱気あふれる集会。発言しているのは市東孝雄さん【9月28日】)

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週刊『前進』(2362号6面3)(2008/10/06 )

 ゆうメイト、2波のスト 広島西局

 「解雇」通告に怒りの反撃

 職場に分岐と流動つくる

 広島西郵便局の「ゆうメイト」A君は、郵政民営化絶対反対の先頭に立ち、職場で郵政資本と非和解で闘い抜いてきた。8月30日、資本はA君に「9月いっぱいでの『雇い止め』」通告=首切り・解雇攻撃を行った。A君はこの攻撃と徹底的に闘い、断固として2波のストライキに立ちあがった。
  第1波ストは、9月16日9〜12時の3時間闘いぬかれた。局構内に私服車やパトカーを導入した卑劣な団結破壊策動を跳ねのけ、断固貫徹された。A君は、職場の仲間が圧倒的に注目する中、決然とストライキを通告し、ストに突入した。仲間にビラをまき、堂々と職場を離れた。
  20人を超える支援の仲間の労働者と合流し、局前でスト集会がかちとられた。A君は会社への怒りを爆発させて、働く仲間に「ともに闘おう」と訴えた。その後、仕事に復帰した。ストで職場の仲間は分岐と流動を開始し、多くの仲間が激励の声をかけてくれた。
  その日の夕方には、広島地区の各産別の仲間が駆けつけて、郵政労働者交流集会が開催された。広島労組交流センター全逓部会を始めとして、勤務を終えた郵政の職場からも仲間が参加した。岡山の「ゆうメイト」の労働者のアピールや愛媛で民営化と闘う仲間、婦人民主クラブ広島支部の仲間からは檄布が寄せられた。圧倒的な明るさと解放感の中で、「雇い止め撤回まで断固闘おう!」と全員で拳を突き上げた。
  9月24日、A君は第2波のストライキに決起した。震え上がった西局の管理職は、遠巻きに見守ることしかできない。またしても制服警官が弾圧に来たが、怒りのアジテーションの前になすすべもなく退散した。
  第1波以上の多くの労働者や学生が大結集して、再び西局前を「解放区」とした。職場の仲間の圧倒的な注目、期待、共感をもって第2波ストは、第1波よりもさらに解放感をグレードアップしてかちとられた。
  団結をかけて闘いにはせ参じた地域の働く仲間の間に解放感が爆発的に拡大して、”次はウチでやりたい!””オレもできるかも!”という声が広がっていく。ストを経験したことのある人も初めて見た人も、一様に「ストはできる!」と確信させるA君のスト決起だった。また、ともにストを闘うことで地区の労働者の一体感・団結の環が生まれた。
  夕方、団交が開催された。この場においてA君は、民営郵政を打倒し、「雇い止め」撤回まで闘いぬくことを宣言した。
  要員問題に示されるように、郵政民営化は破綻している。しかし、それを支えているのがJP労組指導部だ。民営郵政打倒―JP労組指導部打倒の闘いが職場からまき起これば郵政民営化は粉砕できる。東京中郵(銀座局)を先頭に全国で郵政労働者の反撃が始まった。ゆうメイトの「雇い止め」粉砕の闘いも各地で爆発している。本務者と非正規(ゆうメイト)が団結して闘えば、民営郵政を打倒し、「雇い止め」も撤回させることができる。
  11・2集会に向けて、職場で嵐のような闘いを展開して、1万人結集を何としても実現しよう!
(写真 「民営郵政打倒」「雇い止め撤回まで闘うぞ」。広島西局前でスト集会【9月16日】) 

【A君の16日の集会発言】

朝9時ジャストにスト通告。何も分からない課長は「仕事に戻れ」という始末。あ然とする管理職たちをしりめに、働く仲間にビラ入れ。「オレ、ストに入ったから」と話しかけると一人の労働者が笑顔になった! 
連休明けで通常の3倍以上のブツがあったが、スト破りは出なかった。そもそも時間内に普通に配れない量なのだ。集配業務自体が欠員を出して破綻している。会社は、たった一人のストを認めざるをえなかった。西局始まって以来のストだ!
郵政民営化は完全に破綻している。西局内でも全国の郵政職場でも、正規と非正規が団結して闘えば郵政民営化による監獄職場もひっくり返せるし、私に対する「雇い止め」も撤回させることができる。郵政労働者の決起を抑えつけているのがJP労組指導部だ。こんな奴らをぶち倒し、オレ達の手で闘う組合をつくろう。正規・非正規の分断をのりこえて闘おう。
今、世界は革命情勢。昨日15日、米大手証券会社のリーマン・ブラザーズが破綻。ついに大量首切り、大リストラの時代に入ったのだ。ストに決起する世界の労働者とつながっていく。オレのストは、小さな郵便局のもめごとではなく、世界とつながった闘いだと実感した! 世界の労働者の闘いの中心にオレがいるということだ。誰でも、労働者はストをやっていいし、やれるんだということを示すことができた。東京中郵(銀座局)を始め全国の郵政職場の正規労働者、ゆうメイトの労働者と団結して闘っていく。
(投稿/広島連帯ユニオン・吉田雅之)

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週刊『前進』(2362号6面4)(2008/10/06 )

日誌'082008年 9月24日〜30日

 中山国交相が暴言連発で辞任/「憲法解釈変えるべき」と麻生

●麻生政権が発足 自民党の麻生総裁が衆参両院による首相指名投票を経て第92代首相に選ばれ、自民、公明両党による連立政権を発足させた。与党は10月にも衆院を解散する方向で準備を進めており、事実上「選挙管理内閣」となる。(24日)
●北朝鮮、核施設の封印を撤去 国際原子力機関(IAEA)は、北朝鮮が寧辺の使用済み核燃料再処理施設の封印と監視カメラの撤去を完了させたと明らかにした。IAEAの報道官によると、北朝鮮は、稼働停止・封印の監視検証活動をしているIAEAの要員の再処理施設への立ち入りを今後は認めないとも通告してきたという。(24日)
●米原潜ホワイトビーチ寄港30回目 沖縄県基地対策課は、米海軍のロサンゼルス級原子力潜水艦アッシュビルがうるま市勝連の米軍ホワイトビーチに入港したと発表した。18分間沖合停泊し、出港した。原潜の沖縄寄港は9月20日の同じアッシュビル以来。今年に入って30回目で、年間最多寄港数の更新が続いている。復帰後の沖縄寄港は308回目。(24日)
●米原子力空母が入港 米原子力空母ジョージ・ワシントン(GW)が神奈川県横須賀市に入港し、米海軍横須賀基地に配備された。1973年に米軍が日本に空母を配備して以来、原子力空母の日本母港化は初めて。近く退役する米軍唯一の通常型空母キティホークと交代した。横須賀は米軍最大の海外軍港であり、弾道ミサイル防衛に対応できるイージス艦5隻を含む11隻が、西太平洋からペルシャ湾に至る広大な海域で様々な作戦にあたっている。今後、GWはその中枢として活動する。(25日)
●麻生内閣支持48% 麻生内閣の発足を受けて、朝日新聞社が実施した全国緊急世論調査によると、内閣支持率は48%、不支持率は36%だった。安倍内閣発足時(06年9月)の63%、福田内閣発足時(07年9月)の53%を下回った。(24、25日)
●中山国交相が暴言連発 中山国土交通相が報道各社のインタビューで問題発言を連発した。三里塚闘争について「ごね得というか戦後教育が悪かったと思いますが、公共の精神というか公のためにはある程度は自分を犠牲にしてでも捨ててもというのがなくて、なかなか空港拡張もできなかった」と述べた。訪日観光客を増やすには閉鎖的な国民性の克服が必要ではないかとの質問に「日本はずいぶん内向きな、単一民族といいますか……」と答えた。大分県教委の汚職事件については「日教組の子どもは成績が悪くても先生になる。だから大分県の学力は低い」と主張した。(25日)
●「憲法解釈変えるべき」と麻生 麻生首相は国連総会で一般討論演説を行った。演説後、集団的自衛権の行使を禁じた憲法解釈について「基本的に変えるべきものだ。ずっと同じことを言っている」と記者団に述べ、行使を可能にするよう見直すべきだとの考えを示した。(25日)
●鳥島射爆場の返還要求へ 沖縄県議会で仲井真知事は、鳥島射爆撃場と久米島射爆撃場の返還と、沖縄本島東方50`に位置する訓練空域・水域のホテル・ホテル訓練区域の一部解除について「日米両政府に対して強く求めていきたいと考えている」との見解を示した。仲井真知事が両射爆撃場の返還などを求めるのは初めて。(26日)
●中山国交相が辞任 中山国交相は、麻生首相に辞表を提出し、受理された。辞表提出後の記者会見で中山は「ごね得」「日本は単一民族」の発言は撤回する考えを示したが、日教組批判については「国交省の建物の中で発言したことは撤回したが、政治家中山成彬としては撤回したという考えはなかった」と語った。(28日)

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週刊『前進』(2362号7面1)(2008/10/06 )

 10・17法大キャンパ ス大集会へ

 “監獄大学”は支配の破綻だ

 資本の奴隷になること拒否する

 残り10日と迫った「10・17法大キャンパス大集会」へ総結集を!
 06年3月以来、のべ88人の逮捕者と22人の起訴者を出して不屈に闘いぬいた法大闘争は、08年前半戦で「20人の獄中戦士(富山大弾圧の武藤君を含む)」と「闘う文化連盟誕生」の地平を切り開き、7・24集会の460人結集にのぼりつめた。
 そして9月開講以来、「一人の仲間も見捨てない! これ以上の当局の暴挙を絶対許さない!」のスローガンのもと、連日の激突が開始された。闘う学生への新たな処分攻撃を粉砕し、10・17キャンパス集会とデモを1千人結集でぶち抜こう! 腐りきった増田総長独裁体制を打倒し、大学の主人公は学生であることを宣言しよう!
 「資本主義の終わりの始まり」=革命の時代が始まった。10・17大爆発の力で、法大生と全国学生は11月労働者集会1万人結集(学生1千人)を絶対に実現しよう!
(写真 法大5・29デモ弾圧と7・24弾圧の裁判が始まった。友人・家族、仲間が被告と合流【9月25日 東京地裁】)

 「資本主義は死んだ」のデモ

 第一に、10・17集会への1千人結集の力で資本主義・帝国主義に断を下そう。今こそ学生は、自らの生き方として資本のくびきを引きちぎろう。
 リーマン、メリル・リンチ、AIG、ワコビア……名だたる米金融機関が破綻し、労働者を食い物にしたバブル経済で延命してきた虚構が崩れ去ろうとしている。ドル暴落と世界金融大恐慌だ。支配階級の金融政策が下手だからなのではなく、資本主義そのものの崩壊だ。アメリカ帝国主義の「本丸」が総崩れの危機を前に、支配階級は「1世紀に1度の事態」(前FRB議長・グリーンスパン)、「29年大恐慌以来、最も深刻な金融危機」(オバマ)と震え上がり、労働者階級へのさらなる犠牲転嫁に突き進んでいる。
 何が問題か? もはや資本主義という体制にしがみつく限り1ミリも前進しないということだ。
 米株価が史上最大の暴落を記録した9月29日、ウォール街は労働者の「資本主義は死んだ!」という怒りのプラカードに包囲された。そうだ。資本主義はすでに死んでいる。資本主義社会で最も抑圧されているゆえにもっとも革命的である人びと、労働者階級の手でとどめを刺そう。学生もこの闘いに合流して社会の主人公になろう。それが、動労千葉をはじめ3組合が呼びかける11月労働者集会だ。
 11月集会は、労働者自身の力による社会変革を呼びかけている。日米韓国際連帯の中軸にいる教育労働者は、法大決戦に「私はアメリカの人びとに法政大学の闘いを伝え、資本主義の抑圧からの解放と正義のためにともに闘います」(アーリーン・イノウエさん)と熱烈な連帯アピールを発している。全国の学生は10・17の爆発から11月集会、そして世界革命に突き進もう。

 新自由主義の心臓を射抜く

 第二に、10・17集会への1千人結集を、新自由主義大学への全国学生の総反乱の号砲としよう。
 「私には法大当局に対する怒りがある。学生を人間扱いせず、人間の誇りを踏みにじり、人間関係を破壊している。法大は監獄大学であり、新自由主義大学だ」(5・29戦闘裁判、内山佳久君の冒頭意見陳述)。四つの法大裁判が開始され、獄中同志が検察・裁判所を圧倒している。すべての意見陳述に貫かれているのは、学生の団結を徹底的に破壊し、弾圧・処分でしか成立しえない新自由主義大学=法政への烈々たる怒りだ。そして、自らの闘いで団結を守り発展させてきたことへの揺るぎない誇りだ。
 法大当局は、資本主義への幻想をあおり、教育を金もうけの手段にして資本に提供し、キャンパス中に監視カメラを張り巡らせて“ジャージ軍団”を徘徊(はいかい)させ、学生の存在をおとしめている。破産しきった新自由主義大学の姿だ。
 「地方自治体労働者の27・8%が非正規、うち三分の二が年収200万円以下の官製ワーキングプア」(東京新聞)。資本主義の危機が民営化・大リストラ攻撃として襲いかかっているまさにその時に、「公務員になって夢をかなえよう」「キャリアアップして勝ち組に」などとデマをあおり、大失業攻撃をもダシにして金を巻き上げようというのが法大当局の姿だ。そのために、資本以上にあくどく団結を破壊し、「教育と学問」の名をもって学生から誇りを奪っているのだ。
 法大当局への怒りは、人間的怒りであるとともに資本への怒りであり、奴隷であることを断固拒否する怒りだ。法大決戦の爆発は、必ず新自由主義の心臓部を射抜き、全世界の青年・学生の怒りの噴火口になる。

 1人の仲間も見捨てない!

 第三に、「新たな処分」をめぐる攻防を発展させる中から、1千名結集の展望は切り開かれる。
 9月末からの、文化連盟・S君と倉岡さんに対する処分の是非を問う学内シール投票が、法大当局を追い詰めている。危機感にかられた当局はシール投票を「誹謗中傷」「人権侵害」などと叫んで妨害し、ジャージ軍団が朝から晩まで闘う法大生へのストーカー犯罪行為を繰り返している。ふざけるな! よくも「人権侵害」などと言えたものだ。警視庁公安部と癒着して学生を売り渡し、キャンパス内での言論・表現・集会の自由を奪い、鉄柵と鉄条網だらけの監獄大学にしているのはお前たちだ!
 処分阻止闘争を爆発させ、キャンパスの主人公は学生であることを宣言しよう。「一人の仲間も見捨てない」闘いを貫き、誇り高い法大生の団結を取り戻そう。数々の悪行に手を染めながら逃亡を続ける総長・増田を引きずり出し、われわれ自身の手で打倒しよう! それが10月17日のキャンパス大集会だ。
 法大生のみなさん。全国の学生・労働者のみなさん。20人の同志奪還と法大闘争勝利、そして11月労働者集会大爆発に向かって、10・17法大集会に結集しよう! 
 〔マル学同中核派・法政大学支部〕

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週刊『前進』(2362号7面2)(2008/10/06 )

 法大弾圧裁判

 法廷が革命の演壇に

 5・29弾圧裁判第1G初公判 「弾圧は200%無効だ」

 9月29日、法大5・29デモ弾圧裁判(第1グループ)の第1回公判が東京地裁で始まった。出廷したのは起訴された14人のうち内山佳久君、内海佑一君、後藤玲子さん、山本進君、中島敦史君、野地川泰介君、原田幸一郎君の7人。逮捕から4カ月。引き締まった7人の顔つきに、駆けつけた法大生や全国の学生、家族、労働者から歓声があがった。
  冒頭、検察官の起訴状朗読への求釈明が行われた。何と「革共同全国委員会(中核派)全学連の構成員又は同調者」ということが「看取者(増田法大総長)の意思に反する」から「建造物侵入」に当たると主張していたのだ。あからさまな思想差別、革命への弾圧だ。
  被告団長の内山君が意見陳述。ゆっくり火を噴くような怒りを爆発させた。「起訴状は間違いだ。正しくは『被告人である法政大学総長・増田は、日帝・資本家階級の構成員又はその同調者だが、警視庁公安部と共謀の上、法大キャンパスに100人以上の公安警察を侵入させ、学生33人を不当逮捕させた』。罪名は革命弾圧罪」。法廷は革命の演壇に一変した。
  内海君は、傍聴席に向かって元気いっぱいのアジテーション。「われわれは本気で怒った。そして怒りが爆発した。文化連盟と全学連が歴史的合流を果たし、O君への処分粉砕に決起した。こんな処分を認めたらわれわれは永遠に奴隷だ。絶対に一人も見捨てない」「自分はこれからも法大で生きていく。『増田が看取する』だって? キャンパスは増田の私物ではない。学生のものだ。学生に返せ!」
  後藤さんは、闘う仲間を脅して分断してきた法大当局に、涙を流し怒りを爆発させた。「学外者だろうと誰であろうとこんな弾圧が許されるわけがない! 私たちには血の通った団結がある。クラス討論弾圧で逮捕された時、顔も知らない仲間が怒り立ち上がった。私はこの弾圧を通じて団結は”数の結集体”ではなく、人と人の感動のつながりだと感じ、この団結にかけて革命に生きる決意をした」と、法廷を感動で包んだ。
  原田君は、法大当局と権力を一刀両断。「大学に入ったから建造物侵入とはふざけるな! そんなもの200%無効だ。お前たちこそこの世から去れ!」「われわれが法大に来た理由は、当局・権力に怒りをたたきつけ、法大生と団結することだ。帝国主義サミットを粉砕するためだ。これに勝る正当な理由が他にあるか!」と、闘う立場を鮮明にした。
  裁判所は、学生の怒りで制圧された。次回10月6日には第1グループの残る3人が、10月16日には第2グループの7人が登場する。
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法大裁判に集まろう!

★10月8日(水)5・28「暴行」デッチあげ裁判
第3回公判 午後1時半開廷
★10月16日(木)5・29デモ弾圧裁判Aグループ
第1回公判 午後2時開廷
★10月22日(水)5・29デモ弾圧裁判@グループ
第3回公判 午後1時15分開廷
★10月23日(木)7・24法大弾圧裁判
第2回公判 午後1時半開廷
★10月24日(金)5・28「暴行」デッチあげ裁判
第4回公判 午後1時半開廷
★10月29日(水)5・29デモ弾圧裁判Aグループ
第2回公判 午後1時15分開廷

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週刊『前進』(2362号7面3)(2008/10/06 )

 7・24弾圧初公判 思想弾圧を強く弾劾

 「この場にいるのが誇り」

 9月25日、7・24法大弾圧の第1回公判が東京地裁で開かれた。被告の内田晶理(てるまさ)君、鈴木研也君、市川知寛(かずひろ)君の3人が元気に出廷、仲間や家族と合流を果たした。
 7・24弾圧とは「法政大弾圧ぶっ飛ばそう!7・24全国集会」を破壊するための弾圧だった。3週間も前にキャンパスに「侵入した」事件をデッチあげ令状逮捕した。
 弁護人の求釈明に対して検察官は、被告が中核派であることが「事件」と関連し、「共謀」については「実行共同正犯」だと釈明、その他は釈明しないと開き直った。弁護人は、思想弾圧を弾劾し、「共謀」の具体的態様が示されなければ防御できないと追及した。検察官は釈明できず、裁判長はこれを擁護した。
 被告3人が「世界革命の団結を作るために登壇した」と宣言し、意見陳述を行った。
 内田君は「ついに法大総長・増田を打倒する裁判が始まった。2年間の怒りを解き放ったスト=5・29戦闘、40人の逮捕と16人の起訴に怒った法大生のハンスト、渋谷を法大に変えたサミット粉砕闘争…7・24弾圧は、根底的な学生決起が始まったことへの増田と権力の敗北宣言だ」と喝破した。「3万法大生の決起をつくる場としてこの裁判を闘う」との宣言に、傍聴席から大きな拍手と歓声が起こった。
 市川君は「鈴木君の起訴は共謀罪の先取りだ。革命思想の弾圧で、許せない」と弾劾。「私はクラス討論弾圧の開示公判が闘いの始まりだった。今、内田君と共にここにいることを誇りに思う。家族や多くの仲間が決起してくれた。あの時、「授業」という支配の鎖を引きちぎって本当に良かった」と述べた。
 鈴木君は「僕らは法大キャンパスで、ジャージ軍団に暴行され、悔し涙を流した。それでも僕らは法大生に訴え続けた。『団結し、大学を学生の手に取り戻そう』。僕たちの団結をうち砕くことなど権力にはできない」と表明。「私はこの仲間たちと革命をやりきる」と高らかに宣言した。
 傍聴者は声援と拍手で3人と交歓し、笑顔で団結を確認しあった。

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週刊『前進』(2362号7面4)(2008/10/06 )

 三里塚本部裁判 裁判官、法廷から逃亡

 機動隊導入で検証封殺 抗議の同盟員を逮捕

 9月25日、千葉地裁で天神峰現闘本部裁判が開かれ、三里塚反対同盟が顧問弁護団、支援の労働者・学生とともに怒りに燃えて決起し、仲戸川裁判長を決定的に追いつめた。
 午前8時半、千葉市中央公園での集会からこの日の闘いが始まった。結集した90人に北原鉱治事務局長が「裁判所に現闘本部建物の実地検証を認めさせるまで闘おう」と呼びかけ、反対同盟を先頭にデモに出発、千葉市民にアピールした。
 この迫力に恐れをなした千葉県警は地裁前に大量の警察官を配置した。そして、過剰警備に対し抗議した反対同盟の太郎良陽一さんを公務執行妨害をデッチあげて逮捕した。
 10時半に開廷。ただちに葉山岳夫弁護士が裁判所を問いただした。「機動隊を引き入れた裁判所の責任は重大だ。萩原進事務局次長はけがをさせられた。裁判長はどう考えているのか!」。この追及に仲戸川裁判長は「答える必要がない」の一点張りだ。弁護士が次々と抗議し、法廷が弾劾と怒号で騒然となる中で、仲戸川は「証拠決定をする」と突然言い出した。建物検証の要求を踏みにじり、さっさと証人調べに入って裁判を終わらせたいというのだ。
 「なんだと!」「認められるか!」
 弁護団から即座に「裁判官忌避」がたたきつけられた。被告席の北原事務局長、萩原事務局次長、鈴木謙太郎さん、傍聴席の市東孝雄さんが立ち上がり猛然と抗議、裁判官席に詰め寄った。
 怒りの爆発にうろたえ、3人の裁判官は開廷後わずか10分で職務放棄し法廷から完全逃亡するという前代未聞の事態となった。不当な訴訟指揮を行ってきた仲戸川の完敗宣言だ。すごすごと退場していく空港会社(NAA)の代理人弁護士にも徹底的な弾劾が浴びせられた。
 その後ただちに全員が千葉県警本部前に詰めかけ、不当弾圧に対する猛抗議のシュプレヒコールをたたきつけた。県警はまたしても大量の機動隊を動員して暴力的な規制を行ってきたが、反対同盟と労働者・学生の怒りの前には防戦一方だ。「今すぐ釈放しろ!」「弾圧を許さないぞ!」のコールが響き渡った。
 この日の警察と裁判所の動向すべてが敵のあせりの現れだ。現闘本部建物は反対同盟と人民のものだ。絶対に渡さない! 
写真上 同盟員の不当逮捕を弾劾する反対同盟と支援者たち【9月25日 千葉県警本部】)
(写真下 裁判に先立ち千葉市内をデモする反対同盟【9月25日】)

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週刊『前進』(2362号7面5)(2008/10/06 )

 対象地特定できず

 農地強奪阻止行政訴訟 県の処分は無効だ

 9月30日、市東孝雄さんが千葉県を相手取り、農地賃貸借契約の解除許可処分の取り消しを求めた行政訴訟の、第5回弁論が千葉地裁で開かれた。NAAが市東さんが一度も耕したことのない土地を「市東さんの賃借地だ」と誤って決めつけていることを、反対同盟は当初から明らかにしてきたが、被告・千葉県は「それが賃借地ではないなら原告には訴えの利益がない」ととんでもない暴論を主張しだした。耕作地の場所を正確に特定すらできずに、3代90年耕してきた畑を奪おうというのか。恥を知れ!
 弁護団は「訴えの利益がない」との主張が途方もない失当であることを明らかにする準備書面を提出し、陳述を行った。被告・千葉県の代理人弁護士は「検討してから……」と一言の反論すらできないありさまだ。
 裁判終了後、弁護士会館で記者会見と報告集会が開かれた。冒頭に、中山国土交通相発言に対する反対同盟の怒りの抗議声明が発表され(3面に全文)事務局の鈴木謙太郎さんが読み上げた。
 続いて市東孝雄さんが「この裁判に勝たなくては先に進めない」と不屈の決意を述べた。
 北原事務局長は、群馬での市東さんの農地を守る会の発足を喜びをもって確認し、「モノや金をくれと言ったことは一切ない。軍事空港阻止の闘いを43年非妥協に貫いてきた」と中山発言を痛烈に批判した。
 守る会の発足に奔走した群馬の青柳晃玄さんは、市東さんに学び10・5全国集会に大挙参加すると決意を述べた。
 さらに市東さんの農地取り上げに反対する会、動労千葉の滝口誠さん、関実の松原康彦さんが次々とあいさつをした。
 萩原進事務局次長が発言に立ち、「NAAは10月11日以降にも市東さんの土地明け渡しを求めて提訴してくるだろう。来るなら来い! われわれは9・25の激突で一歩も引かず勝利した。10・5全国集会で農地を絶対に守ると宣言し、現地をデモ・集会が連日連夜席巻している状況をつくろう」と訴えた。次回弁論は年明けの1月20日。

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週刊『前進』(2362号7面6)(2008/10/06 )

 10・1法大 第5波包囲デモ貫く

 処分阻止! 10・17集会へ

 「処分阻止! 10・17法大1000人集会へ」――第5波法大包囲デモが10月1日、戦闘的にうちぬかれた。
 昼休み。軽快な音楽がキャンパスに鳴り響き、集会は始まった。今回は「サウンドデモ」だ。文化連盟(文連)が闘志満々の発言に立った。
 常日ごろ、闘う学生をつけまわしビデオ撮影など我が物顔でストーカー行為を繰り返す暴力弾圧部隊=ジャージ軍団。やつらに命令を下している連中こそ、木原学生センター長ら学生部であり、「学生は黙って大学に従え」と倉岡さんや文連S君に処分を画策する教授会、増田総長である。
 怒りは沸点を超えた。「大学を批判したら処分か!」「ジャージ軍団たたき出せ!」「大学はおれたちのものだ!」。文連は積年の怒りをたたきつけた。
 キャンパスでは連日、「処分されるのはどっちだ!?−S君・倉岡さん
ジャージ軍団」のシール投票が行われ、法大当局・ジャージ軍団に対する学生の怒りが解放されていく状況にある。
 これに戦々恐々とする法大当局は、この日もジャージ軍団や木原らを先頭に必死で集会弾圧に襲いかかるが、文連は一歩もひかず、その場で徹底弾劾し追い払った。法大生の集会への注目はさらに高まった。
 「処分粉砕! 20名早期奪還!」と書かれた横断幕や「監獄大学法大攻め落とせ」などのプラカードを掲げ、総長室にむけ元気よくデモに出発。大音量の音楽とシュプレヒコールに、沿道から圧倒的注目が集まった。10・17法大集会に全国から駆けつけよう!

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週刊『前進』(2362号8面1)(2008/10/06 )

団結ひろば 投稿コーナー

 国労組合員・東さんの法廷証言に感銘 東京 岡田智春

 9月26日、「国労5・27臨大闘争弾圧裁判」を傍聴し、被告の東元(あずま・はじめ)国労組合員の「証言」に深く感銘しました。特に感動したのは以下の二つです。
 一つは動労カクマルとの闘いです。1983年、動労カクマル40人ほどが、東さんが当時勤務していた森ノ宮電車区に押しかけてきました。権力の弾圧を引き出すために、勤務中の橘日出夫さん(同じく5・27被告)の前でわざと転んで写真をとって暴行事件をデッチあげようとしたのです。しかし、橘さんと東さん、電車区の国労組合員はこの策動をものの見事に粉砕したのです。
 かつて動労千葉が分離独立する過程では、角材や竹ザオで武装した全国動員の動労カクマルが津田沼電車区に押しかけ、動労千葉の組合員に瀕死(ひんし)の重傷を負わせ、しかも、機動隊の前をそのまま逃げ帰ったことがありました。当時、動労カクマルは国鉄新潟をはじめ全国の国鉄職場で白色テロルを繰り返していました。今さらながらカクマル・松崎の反革命行為に激しい怒りが込み上げてきました。
 もう一つはJRの労働者(国労)敵視政策との闘いです。JRは94年に東さんを森ノ宮駅の隣の玉造駅の駐車場係に飛ばします。駐車する車などまれにしかやってこないにもかかわらず、ただただ東さん(ほか2人)を隔離し孤立させ、階級性・人間性を破壊するためにのみ、畳半分ほどの管理人室に約5年間も拘束してきたのです。
 そして、ついにある日、東さんは管理人室の手前で足が止まってしまうという事態になり、「うつ病」を発症することになるのです。以来、東さんは一層厳しい闘いを続けながら、国労組合員との団結を求めて5・27臨大闘争に決起していったのです。
 被告人質問は、いよいよ佳境に入ってきました。裁判の傍聴に駆けつけよう!

 今が共謀罪永久廃案の絶好のチャンスだ 東京 伊南政文

  労働者階級の団結、労働組合、労働運動・革命運動を一切禁止する法律。職場や組合事務所などで、闘う組合をつくろうとか、ストライキで大幅賃上げをかちとろうとかを、仲間同士で話し合っただけで逮捕される――それが国会で継続審議となってきた共謀罪だ。治安維持法はなにも戦前だけの話ではない。こんなとんでもない法案なんか絶対にぶっ飛ばしてやる。
  内務省型政治の復活を狙う自民党麻生新政権に対し、臨時国会開会日の9月24日に「破防法・組対法に反対する共同行動」は衆議院前で断固座り込み、昼集会をかちとり、共謀罪絶対粉砕の固い意志をたたきつけた。(写真)
  すきあらば瞬間解凍して共謀罪法案を一挙に成立させようと共謀しているのが、日帝・自民党・法務省の連中だ。だが、金融大恐慌の到来、労働者階級人民の怒りの反乱の前に、自民党支配はがたがたになっているではないか。共謀罪の永久廃案をかちとる絶好のチャンスである。
  10月18日正午から文京区民センターで「共謀ひろば3」が開かれる。新自由主義と治安法に反対し、権力の弾圧と闘う労働者・学生、労働組合、大衆団体の“共闘ひろば”として設定された。ここでさらに団結を固め、追撃・追撃して共謀罪を葬り去ろう。11・2労働者総決起集会への1万人結集を実現し、その力で戦争と治安弾圧の道を断ち切ろう。   

 

 獄中から 10・17法大キャンパス集会に結集しよう! 法大退学処分者 内海佑一

 獄中より『前進』読者のみなさんに「10・17法大キャンパス集会に結集しよう!」ということを訴えたい。
 法大闘争は新たな段階に突入した。全学連大会をもって前半戦の勝利を圧倒的に確認し、「一人の仲間も見捨てない! これ以上の法大の横暴を絶対に許さない! 全国大学の法大化阻止!」という路線を打ち立て、キャンパス開講からただちに処分粉砕決戦に打って出ている。
 そして来る10月17日、昨年、内田君が不当逮捕された日にキャンパスを解放する大集会が行われる。法大弾圧に怒れる人は全員集まってほしい。
 訴えたいことは、法大闘争は今や法大生・全国学生のみならず、全労働者階級が主役だということだ。
 法大の監獄のような現状は青年労働者の現状とまったく同じであり、だからこそ法大の闘いは労働者の闘いと圧倒的に団結できる! それを示したのが5・28〜29から6・29の闘いだ! 自分はこの闘いで起訴されたことに限りない喜びと誇りを感じている。
 10・17法大集会と11・2労働者集会の大爆発こそ、獄内外と300万学生、6000万プロレタリアートが団結できる闘いだ! 団結しよう! ともに闘おう!
(法大5・29デモ弾圧裁判被告/東拘在監)

 獄中から 「裁判を併合せよ」の声、東京地裁へ集中を 法政大学 新井 拓

 東京地裁による悪らつな団結破壊攻撃に反撃しよう!
 私と友部君は約1年にわたって4・27法大弾圧被告としてともに裁判闘争を闘ってきました。これ自身、分離公判策動を打ち破って闘い取ったものです。
 ところが、私と中島君が不当逮捕・起訴される(5・28法大弾圧)と、東京地裁刑事第18部・福崎裁判長は、友部君の判決のみを私(と中島君)の裁判と切り離して強行しようとしています。
 4・27と5・28の法大弾圧は一体のものであり、裁判も一つのものとして進めていくべきです。私たち3名の被告、弁護団はともに一致して裁判の併合を要求してきました。しかし福崎裁判長は私たちの当然の要求を踏みにじり、勝手に裁判予定まで決めてきたのです。9月19日の公判では友部君を傍聴席に座らせた上、抗議した彼に退廷処分を下したのです。
 友部君の判決を切り離すことは、これまで団結して裁判を闘ってきた地平の破壊です。また、友部君の判決のためという口実で5・28裁判の進行を遅らせ、そのことによって私と中島君を一日でも長く勾留しておこうというのです。本当に卑劣な分断! 絶対に許せません!
 法大裁判は国家権力=裁判所との非和解的激突そのものです。私たちは裁判の併合をかちとるため、一歩も引かず闘います。東京地裁刑事第18部に「裁判を併合せよ」の声を集中してください!(法大5・28「暴行」デッチあげ弾圧裁判被告/東拘在監)

 獄中から 短歌 法政大学 中島宏明(東拘在監)

 格子壁隙(すきま)を覗(のぞ)けば池田屋のペンキ看板今日も聳(そび)えて
 切り花の百合の艶(つや)めくさま見れば蕊(しべ)なる字義を知った気もして
 真っ先に外に連れ出されし君の声、姿、影みな焼き付けり
  法政大学 中島宏明(法大5・28「暴行」デッチあげ弾圧裁判被告/東拘在監)

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週刊『前進』(2362号8面2)(2008/10/06 )

 迎賓館・横田爆取差し戻し審 全「証拠」排除せよ

 警察が違法・不法の限り

 9月30日、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判差し戻し審第7回公判が東京地裁刑事第20部(林正彦裁判長)で行われた。

 架空の理由で暴力襲撃

 冒頭、板垣宏同志と十亀弘史同志が意見陳述を行った。まず板垣同志は「前回の元大阪府警警察官・岡田鎮也に対する弁護人の反対尋問によって、橿原借家の捜索押収は、結局のところ捜査の理由も架空でデタラメ、実施方法は暴力的な襲撃。押収手続きはずさんで、何が実際そこにあり、何を押収したのかまったく分からない。徹頭徹尾違法捜査・違法押収だったことが明らかになった。次回尋問予定の吉田喜平(元警視庁公安)も含め、橿原関連証人の採用を取り消し、すべての関係証拠を証拠排除せよ」と要求した。
 また、前回の公判調書が公判前日(29日!)ようやく自分たちの元に届いたことを怒りを込めて弾劾した。 「これでは反対尋問の準備ができない。最低でも公判1週間前には手元に来るように手配せよ。それができないなら公判期日を延期する以外ない」と語気鋭く要求した。
 次に十亀同志が立ち、まず調書問題を追及弾劾した上で、9月19日の、厚生労働省職員による『しんぶん赤旗』配布弾圧事件での一審有罪判決への弾劾を切り口にして、裁判にかかわる根本的問題を提起した。
 「裁判所はしばしば自らの『中立』を言明します。しかし、その中身は結局『権力のやることはすべて正しい』とするものでしかありません。そんなごまかしを労働者の闘いが大きく吹っ飛ばす新しい時代が来ています。金融大資本が次々に崩落していますが、裁判所も自らが寄りかかっている権力の危機に気付くべきです。私たち労働者階級は、警察・検察のデッチあげを引き継ぐだけの裁判、証拠による判断ではなく政治による判断を押し通すような裁判を許しません。とことん闘いぬく」と締めくくった。
 岡田に対する反対尋問は、前回に続き藤沢抱一弁護人が行った後、板垣・十亀同志が1時間ずつ行った。

 2同志が鋭く反対尋問

 板垣同志は、橿原借家捜索が突入型の違法な暴力的襲撃そのものだったことをさらに暴露する立場から、追撃戦を行った。令状を居住者にちゃんと指し示したか否かについての迫力ある追及に、ついに岡田は、「準備行為として令状を掲げた」と述べ、その際、すでに他の警察官が住居の中に突入していたことを自己暴露した。
 十亀同志は、この捜索が大阪府警察庁舎へのロケット弾発射事件を口実に、借家にあるものすべてを片っ端から押収するという、違法・不当の限りを尽くしたものだったことを明らかにした。
 次回10月20日の公判では須賀同志が尋問に立つ。検察側は反対尋問妨害を狙って4人体制で臨んできているが、われわれは弁護団4人プラス3同志という7人の強力布陣の上に傍聴団が一体となって闘う。傍聴に決起し、ともに勝利めざして闘いぬこう。

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週刊『前進』(2362号8面3)(2008/10/06 )

 星野パンフ活用を

 階級的労働運動の力で星野同志を取り戻そう

 獄中34年、星野文昭同志奪還のための決定的なパンフレット、「7・14最高裁の特別抗告棄却決定を許すな!/星野文昭同志を奪還しよう」が、8月に革共同救対部から発行された。
パンフレットは、全国で星野同志奪還闘争を闘う同志たちが、第1次再審棄却攻撃に怒りを燃やし、それを跳ね返して、なんとしても無期の獄中から星野同志を奪還したいと、懸命な議論を積み重ねて作成された。階級的労働運動の白熱的実践、塩川一派への徹底批判をとおしてつかみとった、星野同志奪還闘争の新たな路線を全面的に提起した画期的なパンフだ。
第一に、星野同志の闘いの階級的意義と勝利性を全面的に明らかにしている。
国家権力は、71年安保・沖縄闘争の爆発から70年代階級闘争の本格的発展へ進もうとした青年労働者・学生の闘いを圧殺するために、星野同志にデッチあげ無期攻撃という極限的弾圧を加えた。しかし、星野同志はこれに屈せず、国家権力と非妥協の絶対反対闘争を34年間貫いてきた。星野同志は「わたしのたたかいが、革共同の本物性、正義性、勝利性を指し示している」と、確信に満ちて語っている。
世界金融大恐慌が始まり、プロレタリア世界革命への歴史の大激動期の開始を告げている。
この時代を切り開くのが、新自由主義攻撃と真っ向から闘い続ける動労千葉であり、資本・体制内労働運動と非妥協で激突する青年労働者の闘いであり、法政大学で処分・逮捕・起訴攻撃を跳ね返して前進する学生戦線の闘いであり、34年間デッチあげ無期攻撃と絶対反対で闘う星野同志の闘いだ。
星野同志と獄中で闘う20人の学生同志は完全に一体となった。獄中の学生たちは、織田委員長が星野同志と面会し、固く手を握りあったことに心から感動し、裁判での意見陳述で、異口同音に「星野同志の奪還を誓う」と宣言している。獄壁による分断を打ち破って星野同志と団結しよう。青年労働者・学生の中へ団結を拡大しよう。
第二に、階級的労働運動路線こそ星野奪還をかちとる道であることを鮮明にさせている。
一つは、塩川一派打倒の闘いである。「完黙はケースバイケース」「権力との闘いは取引だ」と恥ずかしげもなく公言する塩川一派と、星野同志の不屈・非転向の獄中闘争とは1ミリも相入れない。権力に屈服し、スパイ集団へ転落した塩川一派の介入策動を粉砕しよう。
二つは、最高裁の特別抗告棄却決定を徹底弾劾し、第2次再審請求へ力強く進むことだ。国家権力の悪質なデッチあげをどうして許すことができるか。怒りの再審闘争で裁判所をぶっとばそう。
三つは、「星野さんを救う会」を全国津々浦々に拡大することだ。無実の星野同志を34年間も獄中に閉じ込めている国家権力への怒りを噴出させ、労働者階級人民の新自由主義への激しい怒りと結合し、「星野さんをとりもどそう」の広範な決起を生み出そう。
このパンフを活用し、11・2労働者集会と11・29星野奪還全国集会への大結集をかちとろう。

(写真 ☆星野奪還パンフA4判24n/300円◎お申し込みは 前進社まで!!)

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週刊『前進』(2362号8面4)(2008/10/06 )

 ロマ人の指紋を採取

 イタリア 極右政権に怒り爆発

  今年4月の総選挙で復活したイタリアのベルルスコーニ極右政権がロマ人(ジプシーと呼ばれてきた)だけを対象に「指紋採取」するという前代未聞の政策を強行、イタリア―全世界で抗議が巻き起こっている。
 ベルルスコーニ内閣には、「移民排斥」を掲げるファシスト政党・北部同盟から4人が入閣しており、その一人がマローニ内務相である。もう一つのファシスト政党・国民同盟も閣内協力をしている。
 マローニ内務相は5月11日、公に「すべてのロマ人のキャンプはただちに撤去されなければならない。居住者は国外追放されるか投獄される」と発言。この排外主義扇動の2日後、約60人の群衆がナポリのロマ人キャンプを火炎瓶で襲った。
 6月8日、数千人のロマ人がローマ市内でデモに立ち上がった。全世代にわたる人びとが「ロマ人を犯罪者扱いするな」などと書かれたプラカードを掲げて行進した。あるロマ人は「今日はロマ人にとって偉大な日だ」と語った。
 6月28日、マローニ内務相が子どもを含むロマ人居住地すべての住民の指紋採取を行う計画を発表した。ヨーロッパ全体で1200万〜1300万人のロマ人がいるとされる。そのうち約15万人がイタリアに在住、その半分がイタリア国籍を持つ。7月3日から人口調査と指紋採取が始まり、ミラノ、ナポリ、ローマと行われている。
 イタリアを含む世界各地でロマ人への指紋採取に対する抗議の声が高まった。ところが9月4日、EUの執行機関、欧州委員会は、イタリア政府の指紋採取政策を支持することを公式に表明した。全世界で一層の憤激が巻き起こっている。
 (写真 数千人のロマ人がデモ【6月8日 ローマ】)

 階級的労働運動で分断打破を!

 イタリア労働運動は2002年以来、ベルルスコーニ政権とその新自由主義政策、イラク参戦政策と対決してきた。02年4月16日には労働憲章改悪に反対して1300万人(労働者の90%)がゼネストを闘った。公共機関、鉄道、工場、商店、すべてを止めた。03年にはローマで2月200万人、3月300万人がイラク反戦デモに決起した。03年10月26日には3大労組が年金制度改悪反対のゼネストを行った。
 06年にベルルスコーニ政権は打倒されたが、今年復活した。しかし、世界金融大恐慌情勢の中でイタリアの経済危機は深刻だ。05年から06年にかけて貿易赤字額が2倍以上に膨れ、07年10〜12月期のGDP成長率は前期比マイナス0・4%だ。
 今年7月6〜7日、24時間の鉄道ストが闘われた。ローマを始めイタリア全土で地上の公共交通のほぼすべてが停止。べルルスコーニ政権をぎりぎりと追いつめている。
 労働者階級の闘いを切り崩し、分断し、排外主義、差別主義に屈服させようとする攻撃と闘うことができるのは階級的労働運動の発展である。
 (投稿・城山 豊)

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週刊『前進』(2362号8面5)(2008/10/06 )

 新刊紹介 コミューン11月号

 世界戦争の発火点 

 今日、イラク、アフガニスタン、イラン、グルジアなどにおいて、西欧帝と日帝を巻き込んだ米帝の侵略戦争が激しい勢いで展開されている。世界金融大恐慌がついに始まり、帝国主義が最末期的危機に突入する中で、米帝が帝国主義としての延命をかけ中東と中央アジアで資源略奪戦争に突進しているからだ。だがこれら諸国の民族解放闘争とアメリカの階級的労働運動の爆発で、米帝の侵略戦争政策は重大な危機に直面している。
 第1章は、グルジアへの米帝の戦争的介入が、ロシアや西欧帝、日帝との激烈な争闘戦を繰り広げながら中央アジアとカスピ海周辺地域の石油・天然ガス資源を独占しようとする米帝の資源戦略から必然となったことを明らかにしている。
 第2章は、イラク侵略戦争の現段階と米占領支配の危機的段階への突入について分析している。
 第3章は、アフガニスタン情勢が占領支配の最後的崩壊という重大局面に突入したばかりか、その危機がパキスタンにも波及していることを明らかにした。
 第4章は、米帝のイラン侵略戦争が開戦直前の段階に入っていることを暴露している。
 特集資料は世界の石油開発の歴史と石油と戦争について。討論資料は、グルジアをめぐるEUの対米・対ロ争闘戦の激化について分析している。

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週刊『前進』(2362号8面6)(2008/10/06 )

 日程 迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧差し戻し審

 第8回公判 10月20日(月)午後1時15分開廷
 ◎東京地方裁判所

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