ZENSHIN 2008/09/15(No2359 p06)

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第2359号の目次
1面の画像
(1面)
自民党・民主党ぶっ飛ばし11・2労働者集会大結集を
青年労働者と学生の決起先頭に 民営化絶対反対の大闘争へ
記事を読む  
街頭は熱く燃えている
福田打倒で高揚感 渋谷などで大街宣に立つ(9月6日、7日)
記事を読む  
(2面)
国鉄闘争解体する4者・4団体
民営化推進の「10・24集会」許すな
11月労働者集会の大爆発こそ国鉄1047名闘争勝利の道
革共同国鉄委員会
記事を読む  
派遣の労災が3年で9倍
労働者を「使い捨て」
記事を読む  
資本攻勢&労働日誌 8・23〜9・4
派遣法の見直し論議が始まる
記事を読む  
(3面)
大幅賃上げゼネストやろう!
9・27〜28ワーカーズアクションへ
「民営化絶対反対」を鮮明に
記事を読む  
全社労東京行動
“首切り入札やめろ”
健康管理センター廃止・売却弾劾(9月8日)
記事を読む  
〈焦点〉 “労働者が権力とってやる”
福田辞任とブルジョア独裁の破綻
記事を読む  
(4面)
非正規雇用の切り捨て急増
日帝経済 最大の危機に突入
“生きさせろ”のゼネストを 
島崎 光晴
記事を読む  
ロス労組連が根津さん支持
80万人の組合 11月国際連帯へ感動的闘い
記事を読む  
日誌 2008年 9月3日〜9日
08年版「防衛白書」を閣議決定/米日などがインドへの核輸出解禁
記事を読む  
(5面)
〈道州制と民営化〉に反撃を 記事を読む  
08年版「防衛白書」を批判する
給油新法継続と「恒久法」の制定に延命かける日帝
記事を読む  
核空母G・ワシントン配備阻止!
9・25横須賀現地闘争へ
記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
9・25千葉地裁デモへ
現闘本部裁判傍聴を
裁判所は実地検証行え
記事を読む  
爆取弾圧差し戻し審
“こんな裁判は不要”
十亀・須賀被告が怒りの陳述
岡田証人(元大阪府警)と検察を粉砕(9月10日)
記事を読む  
日程 迎賓館・・横田爆取デッチあげ弾圧差し戻し審 記事を読む  
日程 法大裁判に集まろう! 記事を読む  

週刊『前進』(2359号1面1)(2008/09/15 )

 自民党・民主党ぶっ飛ばし11・2労働者集会大結集を

 青年労働者と学生の決起先頭に 民営化絶対反対の大闘争へ

 9月1日の福田辞任表明以降、「多彩な候補者の競演」などと称し、福田の責任など棚に上げ、一種異様な自民党総裁選キャンペーンが行われている。しかしこんなものは見かけ倒しの大騒動で労働者階級人民を欺き、破産し崩壊した日帝・自民党支配(ブルジョア独裁)の延命をはかる反動的策動だ。あわよくば「小泉郵政解散」の再現を狙い、総裁選を受けた「解散・総選挙」でなんとか安倍に続く福田辞任の失地を回復したいという、日帝・支配階級の絶望的あがきだ。こんなものを断固爆砕して、9・27〜28ワーカーズアクションで、労働者階級の革命的回答をたたきつけよう。福田を打倒した力がここにある。11・2労働者集会の大結集へ、9月を決戦として闘おう。

 小泉改革―新自由主義の破産

 自民党支配の歴史的な崩壊

 国鉄分割・民営化攻撃以来、二十数年間の新自由主義攻撃は、今や無残に破産した。一方で、小泉=奥田(当時日本経団連会長)体制による労働者階級への貧困・格差拡大の攻撃は、何よりも2000万人の青年労働者をワーキングプアの状態にたたき込み、その怒りと反乱が、安倍と福田を追い詰めて打倒する根底的な力となった。
 だが、それだけではない。他方で自民党員はピークだった91年の547万人から昨年の110万人へ、16年間で5分の1に減った。自民党支部の解散も続出している(9月8日付朝日新聞)。小泉の構造改革路線は、政権政党の支持基盤さえ破壊したのだ。日帝は今やぼろぼろだ。
 福田の次に誰が首相になるかとか、自民党か民主党かなど、まったく意味がない。議会制民主主義という戦後のブルジョア独裁のあり方そのものが、音を立てて崩れ落ちたのだ。今や内乱と革命に恐怖する支配階級と、搾取・抑圧に怒り「生きさせろ」と叫ぶ労働者階級とが、職場と街頭でぶつかり合っている。内乱的な激突だ。
 世界金融大恐慌とインフレの爆発の真っただ中で、労働者の実質賃金はさらに低下している。大資本は02年以来、賃金を削って「史上空前の収益」を謳歌(おうか)してきたが、今や資源高と景気後退を理由に、より一層の低賃金を強制しようとしている。非正規雇用を皮切りに新たな首切りが激化している。
 11・2労働者集会への1万人結集を最大の闘いの結節環として、今秋から来春へ、一律大幅賃上げ要求と「生きさせろ」のゼネストに立とう。民営化絶対反対・リストラ阻止、戦争・改憲攻撃粉砕の大闘争に、4大産別を先頭に決起しよう。
 今や労働者階級自身が社会の主人公として、職場・生産点から、資本と権力に対し「俺たちに権力をよこせ!」と、すごい決意と迫力をもって闘うときが来たのだ。

 御手洗発言が示す日帝危機

 9月8日、日本経団連会長の御手洗が記者会見で、インド洋での海上自衛隊の給油活動について「延長を断固支持する」「(テロとの戦いに日本が加わらなければ)外交の要である日米同盟にも亀裂が生じる」と公言した。さらに自民党の次期総裁への要望として「2011年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化は国際公約だ」とも述べた。
 このことが示しているように、日帝は福田辞任情勢に危機感をあらわにし、今まさに帝国主義としての存亡をかけて新自由主義攻撃と戦争・改憲攻撃の貫徹に全力をあげようとしているのだ。
 世界金融大恐慌のただ中で、今や帝国主義の侵略戦争―世界戦争に火がついている。アフガニスタンはあらためて、イラクとともに国際帝国主義が中東・中央アジアの石油資源を支配する上できわめて重要な、侵略戦争の最先端の戦場になってきた。米軍はここを「テロとの闘いの前線」などと位置づけ、4500人の増派を決定した。
 だが日帝は衆院での3分の2以上の賛成による「再議決」でしか法案が成立しない状況で、昨年に続きまたもやインド洋での海自の給油活動が中断するという事態が現実になろうとしている。またアフガン本土への自衛隊派兵を画策し、調査団も送り込んだが、破産した。この日米同盟の危機にも痛撃されて、福田政権は倒壊したのだ。
 このイラク・アフガニスタン情勢と同時に、カスピ海の石油利権確保をかけたロシアによるグルジアへの軍事侵攻が起こり、ここが帝国主義的侵略戦争―世界戦争の新たな火点となっている。グルジアの背後にいる米帝とロシアの軍事的緊張も一気に激化している。
 世界金融大恐慌の爆発のもとで、帝国主義間・大国間の争闘戦が石油・資源の確保をめぐって激化し、それが帝国主義侵略戦争―世界戦争に転化していく過程が、今や激しく進行している。

 戦争・改憲をめぐる大攻防

 日帝はこうした情勢への帝国主義としての歴史的無準備性にあえいでいる。08年版防衛白書は、インド洋での給油活動の継続の必要性を強調するとともに、派兵恒久法制定の必要性を初めて明記した。すでに経済同友会が04年に、日本経団連が05年に派兵恒久法の制定を提言し、06年には石破防衛庁長官(当時)の試案が発表されている。
 御手洗の先の記者会見発言は、日帝支配階級の戦争・改憲への衝動として極めて重大である。
 こうした中で、9月25日に米核空母ジョージ・ワシントンが横須賀に配備―母港化されようとしている。これは米軍再編推進と世界戦争の攻撃であると同時に、日本労働者階級の団結と闘いの圧殺を狙った、絶対に許すことのできない攻撃だ。労働者が総決起し、大反撃をたたきつけよう。
 11・2労働者集会へ、4大産別を先頭に新自由主義攻撃粉砕・民営化絶対反対を貫き闘おう。戦争・改憲との闘いを〈攻めの改憲阻止闘争>として強化しよう。

 4者・4団体路線粉砕しよう

 民営化絶対反対を貫くのか、民営化に賛成し翼賛するのか――ここが日本労働運動の激突の最大の焦点だ。そしてここで今、歴史的屈服と変質・転向が生まれている。
 国鉄1047名闘争陣形の中から、動労千葉を排除し、解雇撤回を投げ捨てて民営化に屈服・賛成し、国鉄闘争を解体する動きが起きている。それが4者・4団体による「政治解決」=和解路線と「10・24集会」だ。
 彼らは「解決は当事者が決める」「敵陣営は22年間、乱れていない。乱れているのは、わが方」などと言っている。
 これこそ、歴史上のあらゆる闘いで裏切り者が口にする共通の言葉だ。闘いを裏切り脱落していく者たちは、常に「当事者が判断することに他のものは口を出すな」と言ってきた。これこそ階級的団結と共闘の拒否であり、階級闘争の否定に他ならない。
 しかし動労千葉、動労千葉争議団こそ、当事者中の当事者ではないか。ストライキで分割・民営化と闘って大量解雇攻撃を受けながらも、民営化絶対反対の闘いを敢然と貫いて勝利してきた唯一の労働組合である動労千葉、この1047名闘争を生んだ当事者を排除して、「当事者の決定」も何もないではないか。
 「敵陣営は22年間、乱れていない」とは、開いた口がふさがらない。これは「闘っても勝てない」という、実に腐りきった奴隷の思想、情勢認識だ。22年前から民営化に屈服してきた者には、確かにそう見えるのだろう。実際、国労は分割・民営化と闘ってこなかった。常に動労千葉の闘いに対抗的に屈服を強めてきた。東京清掃や自治労なども、民営化を受け入れ屈服してきた。「乱れているのは、わが方」だと? ふざけてはいけない。団結を乱し破壊しているのはお前たちだ。

 闘争に幕引く「10・24集会」

 こんな連中が、動労千葉への敵意をむき出しにして「10・24集会」を打ち出している。これは、「政治解決」=和解路線のための闘争の幕引き集会に他ならない。国労解体=連合化を狙う策動だ。民営化に賛成し、4大産別の闘いに敵対して、11・2労働者集会を破壊する大反動である。
 こんなものを労働者は認めない。粉砕あるのみだ。9・27〜28ワーカーズアクションの怒りの炎で10・24集会を焼き尽くし、いざ11・2へ!
 4大産別を先頭に、職場から民営化絶対反対の団結と闘いをつくりだそう。階級的労働運動と国際連帯の発展で、体制内労働運動を打倒しよう。
 10・5三里塚闘争へ、労農連帯の力で大結集を闘いとろう。市東孝雄さんの農地死守の闘いにこたえて総決起しよう。
 20人の獄中戦士との団結を打ち固め初参加者を圧倒的に結集して、歴史に残る全学連第69回定期全国大会が開かれた。福田打倒の地平から11月に向けた大攻勢の号砲だ。獄中33年の星野文昭同志、獄中の若き革命家の同志たちと団結し、決戦の9月を闘い抜こう。
 転向・腐敗し最悪のスパイ集団に転落した塩川一派を粉砕し闘おう。

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週刊『前進』(2359号1面2)(2008/09/15 )

 街頭は熱く燃えている

 福田打倒で高揚感 渋谷などで大街宣に立つ

 

 ワーカーズアクション実行委員会は9月6日午後に御茶の水駅前、7日午後に渋谷駅ハチ公前広場で街頭宣伝に立った。ワーカーズアクション9・27(東京)と9月13〜15日の全学連大会、11・2全国労働者総決起集会への大結集を訴えた。併せて全学連の学生は法大弾圧に対する救援署名運動も行った。2日間でビラが1300枚まかれ、9・27への賛同が37筆、11・2への賛同が74筆寄せられた。
 ワーカーズアクション実行委の労働者は「福田内閣は労働者の怒りに包囲されて打倒された。資本家階級はもう権力を維持できなくなっている。ブルジョア独裁が崩壊し、労働者が権力を取る時が来た。すでに全世界で労働者が続々とストライキに決起している。日本でも賃上げゼネストをやり、労働者階級の力を示そう」と訴えた。
 さらに「今、青年労働者・学生は低賃金・不安定雇用、競争・分断、団結破壊、インフレの中にたたき込まれている。大学にも自由はない。生活保護費以下の超低賃金・日雇い派遣労働でどうやって生きていくのか! 
 正規職の労働者だって過労死に追い込まれている。ところが体制内労働組合は資本・当局と一緒になって、闘う労働者を弾圧・排除してくる。体制内労働運動を打ち破らなければ展望は開けない」と強調した。
 そして「動労千葉のようにストライキで闘う労働組合運動をつくり出そう。青年労働者・学生は9月27日のワーカーズアクションに集まり、団結し、大幅一律賃上げを要求するデモをやろう。来春闘には賃上げゼネストをやろう」と強烈に呼びかけた。
 熱烈な訴えに対して「団結をつくり、会社に文句を言いたい」「賃上げゼネストをやってみたい」「会社は残業代を払え」などと青年労働者が反応、街頭が討論の場となった。『前進』9月1日付けの「激発!!世界のストライキ」が大きな関心をよび、買い求める人があいついだ。11月集会に向け職場での闘いとともに街頭での宣伝戦に猛然と打って出よう。
(写真左 賛同の呼びかけに応え連れだって署名する青年が目立った)
(写真右 労働者集会の宣伝パネルの前で、学生が法大弾圧への救援を訴え注目を集めた)

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週刊『前進』(2359号2面1)(2008/09/15 )

 国鉄闘争解体する4者・4団体

 民営化推進の「10・24集会」許すな

 11月労働者集会の大爆発こそ国鉄1047名闘争勝利の道

 革共同国鉄委員会

 国鉄1047名闘争の絶対勝利の路線か全面敗北の路線か。民営化絶対反対か賛成か。第2次国鉄決戦か国鉄闘争の最後的解体か。日本労働運動は国鉄闘争の路線をめぐって大激突を開始した。国鉄闘争の幕引きを図り、民営化推進へと労働者階級の総屈服を組織する4者・4団体の「10・24集会」を粉砕し、11月1万人結集を実現しよう。そのことこそが最末期帝国主義の新自由主義攻撃を打ち破って勝利する唯一の道だ。
(写真 動労千葉と国労共闘の国鉄労働者は、JR尼崎事故から3年目の今年の4月26日に現地闘争を闘った)

 解雇撤回放棄した原告団一部指導部

 解雇撤回を投げ捨てた4者・4団体は国労内外のすべての体制内労働運動指導部を糾合して、民営化賛成に転落し、国鉄闘争の解体に突き進もうとしている。とりわけ、鉄建公団訴訟・鉄道運輸機構裁判訴訟原告団の一部指導部は4者・4団体の先頭に立ち、「当事者」の名をもって国鉄闘争の終結を図り、闘争団員、組合員、そして支援全体に民営化攻撃に対する総屈服を強制しようとしている。
 彼らこそ国労本部以上に悪質な役割を演じていることは今や明らかだ。

 JRに屈服し民営化に賛成

 7月の国労全国大会で解雇撤回を投げ捨てた原告団の一部指導部は、「雇用要求は多岐多様」「(闘争団の)事業体をどう発展させるのかであり、事業体どうしの連携やネットワーク化、JRからの支援策も解決要求事項であり、JR関連会社の下請けや仕事の発注、駅舎内テナントでの活用などを求めていくことになる」と発言した。解雇撤回を投げ捨てて民営化に協力するからJRに援助してほしいと言うのだ。分割・民営化攻撃に屈せず闘いぬいている1047名の階級的誇りをこれほどまでにおとしめる屈辱的な発言があるだろうか。首を切った張本人であり仲間を自殺に追いやったJRに資金援助を請うために国鉄労働者は21年間、闘いぬいてきたのではない! JRの奴隷頭にまで彼らは転落したのだ。これほどの侮辱を黙って聞いていられるか!
 福田政権の崩壊は、4者・4団体路線に根底的な破産を突き出した。世界金融大恐慌が本格化し、全世界で労働者階級が新自由主義の攻撃に対する一大反乱に立ち上がる中で、福田は労働者の決起におびえて政権を投げ出したのだ。労働者階級はこの情勢の中で、国鉄分割・民営化以来の民営化攻撃に対する一大反撃をたたきつけようと熱意をわきたたせている。
 ところが、こうした労働者階級の闘いに背を向け、なんら展望のない「政治解決=和解」路線に一層激しくのめり込んでいるのが4者・4団体だ。彼らは、路線的な破産に直面しつつも、「当事者が決めたことだ」の一点張りで一切の裏切りを居直り、10・24集会を国鉄闘争からの総撤退集会としようとしている。
 当事者が決めたことだと? 現場の国労闘争団・組合員や支援者に秘密にしたまま「民主党白紙委任」という無条件降伏を進めておいて何を言うのか! まして当事者そのものである動労千葉は、解雇撤回を投げ捨てた4者・4団体路線を一度たりとも認めたことはない。国労闘争団の中からも、解雇撤回をあくまで貫くという不屈の決意を打ち固めた勢力が現れているではないか。
 4者・4団体路線が1047名にもたらすものはもはや明白だ。4者・4団体は、「雇用・年金の要求には対応できない」「鉄道運輸機構が対応できるのは解決金だけ」とうそぶく鉄道運輸機構の言い分に屈し、涙金で1047名闘争を終結させる和解交渉にのめり込んでいるのである。
 かつて4党合意に反対したすべての体制内政党指導部は、4者・4団体路線のもとに国鉄闘争の終結にむけ一斉に動き始めたが、とりわけ新社会党はその先兵役を担っている。

 国鉄闘争解体策す新社会党

 新社会党は、4者・4団体の国鉄闘争終結策動を正当化するために、「国鉄闘争は分割・民営化に敗北した」「国鉄闘争は賞味期限切れ。早く手をうつべき」「国労再生は不可能」などと、ありとあらゆる場で敗北主義のイデオロギーをまき散らしてきた。
 存亡の危機に直面した国家権力・総資本の全体重をかけた分割・民営化攻撃に対して、これに屈せず立ち上がった1047名の決定的位置を彼らは見ることができない。10万人首切りの恫喝で現場の団結を分断破壊しようとした攻撃に対し、1047名もの労働者が仲間を裏切らず団結を守りぬき、現在も闘いぬいている。
 そのことが、最末期帝国主義の新自由主義政策=大民営化と立ち向かおうとしている日本の労働者階級をいかに鼓舞激励し、階級的反撃の結集軸となっていることか。しかし、体制内政党である彼らは、労働者階級の革命性を信頼できず、その位置を低め、資本の奴隷となる思想を振りまいているのだ。
 国鉄闘争を裏切った党は誰なのか? 日本の労働者階級は国鉄闘争を裏切った党に階級的裏切り者の刻印を押し、労働者階級の名において徹底的に辱めなければならない。

 政治解決路線は総破産した

 以上のように、4者・4団体の路線の中にあるものは、国労本部委員長・高橋が明確に宣言したように「いざ、撤退へ!」これがすべてなのだ。政治和解路線の枠内にいた体制内労働運動指導部間の「対立」は一切なくなった。
 4者・4団体路線とは、分割・民営化体制=JR資本に屈服を表明し、闘争団を切り捨てるため、ひたすら労使関係の正常化=労使協調を目指してきた政治和解路線が行き着いた姿なのだ。それは、民営化攻撃に対し「労働者は権力と闘っても勝てない」という体制内労働運動指導部の総破産であり、逆に、1047名解雇撤回闘争は動労千葉のようにJR資本と徹底的に闘いぬく中にこそ唯一の勝利の道があることを示しているのだ。

 JRと徹底対決し解雇撤回の展望を

 動労千葉のように職場反合闘争でJRを攻め続けることこそ、1047名解雇撤回闘争勝利の道だ。1047名闘争は分割・民営化絶対反対闘争であり、分割・民営化攻撃は国鉄労働運動の再生が二度とできないほどに根絶する攻撃である。そこに、JR資本と労働者の妥協の余地はない。

 職場支配権に挑戦しよう!

 動労千葉はJRとの職場支配権をかけたJR資本に対する闘いを貫き、97年には、分割・民営化反対のストライキで公労法解雇された28人の仲間の解雇撤回をかちとった。すべての労働者が民営化に協力し、ストライキは一切なくなるはずだったJR職場において、千葉支社管内ではストライキが意気軒高と打ちぬかれ、職場支配権をかけた反合闘争が闘いぬかれている。そして、ついに平成採の青年労働者の合流が始まった。
 分割・民営化をめぐる勝利者はいったい誰なのか? 一目瞭然(りょうぜん)ではないだろうか。この地平の上に立って、07年に動労千葉は「分割・民営化に対する勝利宣言」を発し、いよいよ平成採青年労働者の組織拡大を軸にJR体制を打倒する第2次国鉄決戦を宣言した。
 国労の中に分割・民営化絶対反対の職場反合闘争を闘う動労千葉派をつくること、そして、国労5・27臨時大会闘争弾圧7被告とともに国労本部を打倒する潮流をつくること、これこそが国労の中で1047名解雇撤回闘争を貫く唯一の方針だ。すでに、国労5・27臨時大会闘争弾圧7被告の仲間は、4者・4団体路線のもとへの屈服を迫った旧弁護団全員の解任をかちとり、国労の中にJRと徹底的に闘い、国労本部を打倒する絶対反対派として闘いぬく戦闘宣言を発した。
 この事態は直ちに転向集団・塩川一派や与田−平田派らの密集せる反動を生み出した。この中に、5・27臨大闘争弾圧7被告の存在が、いかに国労本部ののど元に突き刺さった鋭いトゲであるかが示されている。組合員を権力に売り渡した国労本部の姿と、それに追随して恥じない原告団・共闘会議一部指導部を中心とした4者・4団体の階級的正体は今や明らかだ。この事実から4者・4団体はけっして逃れることができない。

 原則貫く動労千葉への憎しみと排除

 動労千葉と5・27臨大闘争弾圧7被告に対する階級的憎悪。これこそが4者・4団体を突き動かしているもうひとつの反動的原動力だ。
 そもそも4者・4団体に1047名闘争を語る資格はない。4者・4団体こそ、動労千葉争議団・国労闘争団・全動労争議団が解雇撤回の一点で一致した「1047連絡会」を破壊した張本人だからだ。
 「1047連絡会」のもとで、JRと闘いぬく動労千葉と解雇撤回の統一行動をとることは階級闘争的には何を意味するのか? 原告団一部指導部ら4党合意に反対したすべての体制内指導部は、国労本部の政治和解路線と動労千葉の階級的労働運動路線との路線選択をあいまいさなく突きつけられた。だから、日共は「1047連絡会」の結成直後から直ちに破壊策動に入った。原告団・共闘会議の一部指導部は、民主党とのパイプ形成をも契機としながら、動労千葉の排除を決断し、「1047連絡会」を破壊して4者・4団体の結成に突き進んでいったのだ。
 4者・4団体路線は、民営化攻撃と動労千葉の階級的労働運動路線との双方から、全面的破産を突きつけられた政治解決路線の最後の姿だ。これを打ち破った時、国鉄1047名解雇撤回闘争は動労千葉労働運動を軸に新たな発展をかちとることができる。

 新自由主義への綱領的屈服

 以上のように、4者・4団体路線とは、最末期帝国主義の新自由主義・大民営化攻撃に対し綱領的に屈服し、民営化推進に回り、動労千葉労働運動を否定するための転向運動だ。
 原告団・共闘会議の一部指導部は、動労千葉を排除するために自ら進んで解雇撤回の旗を降ろしたのだ。彼らは「国鉄闘争は永久闘争ではない」「国鉄闘争は階級闘争ではない」と言い、JR資本との闘いから逃亡し、1047名解雇撤回闘争を革命運動から切断することで資本にわずかばかりの金銭で手を打とうとしているのだ。さらに、彼らは国労5・27臨大闘争弾圧7被告の闘いの協力要請に対し、「話し合い拒否」を正式に決定し、国家権力の軍門に下る立場を鮮明にした。
 今や4者・4団体は、「高裁判決が出たら勝てない」「国鉄闘争は勝てない、判決が出る前に手を打つしかない」という敗北主義を最大の結集軸にしている。公務員200万人首切りを水路にした大民営化攻撃を前に「闘っても勝てない」「民営化に協力するしかない」という絶望を組織しようとしているのが10・24集会だ。
 民営化攻撃をストライキで革命的に突き破った動労千葉の階級的労働運動は、新自由主義と対決する労働者階級が切実に求めるものとなることは間違いない。大幅賃上げゼネスト! 1047名闘争勝利! これこそ階級自身が求めているものだ。10・24集会を粉砕し、11・2日比谷1万人結集に突き進もう! 1047名の解雇撤回を掲げる11・2集会こそが、国鉄闘争の勝利を切り開く。闘う国鉄労働者は革共同に結集しよう!

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週刊『前進』(2359号2面2)(2008/09/15 )

 派遣の労災が3年で9倍

 労働者を「使い捨て」

 派遣労働者、とりわけ青年労働者が職場で「使い捨て」にされている。そのような実態を痛感させられる数字が明らかになった。8月20日に厚生労働省が発表した「派遣労働者の労働災害の発生状況について」という統計がそれだ。
 これによると、2007年の派遣労働者の労働災害による休業4日以上の死傷者数は、5885人(うち死者36人)に上り、製造業への派遣が解禁された04年と比べて、約9倍に激増した。
 07年の労働者全体の労災死傷者数は13万1478人で04年からほぼ横ばいだ。派遣労働者の労災数だけが突出している。
 業種別に見ると、製造業が2703人で最も多く、前年比で1・9倍。以下、運輸交通業316人(同1・9倍)、商業308人(同2・0倍)、貨物取扱業127人(同2・4倍)などとなっている。特に日雇い派遣が多いとされる貨物取り扱いや運輸交通での増加が目立つ。
 年代別で見ると、30代が29%、20代が26・9%で、20〜30代で過半数を占める。派遣しか働き口がない青年労働者が被災している実態が浮かび上がってくる。
 このように派遣労働者の労災が急増したのは、工場や倉庫業での日雇い派遣に典型的に見られるように、危険な作業であるにもかかわらず、企業が労働安全衛生法上の安全配慮義務をまったく無視して、作業時の安全上の注意もせず、安全靴や安全ベルト、防塵マスクなどの安全具などの貸与も行われないケースが多いからだ。
 まさに非正規雇用の労働者を安上がりの「使い捨て」の取り替え可能な物として扱っているということだ。しかも、企業の悪質な労災隠しは後を絶たない。立場の弱い派遣労働者に労災申請を認めさせない悪質な企業も多い。だから、これらの数字は氷山の一角であり、実態はもっとひどいと見るべきだ。
 今や、最末期帝国主義の新自由主義による規制緩和攻撃によって非正規雇用は労働者階級の35・5%を占め、とりわけ青年労働者においては過半数を超えており、矛盾が集中している。
 労働者階級は団結して闘わなかったら徹底的に搾取されたあげく虫けらのように殺されてしまうのだ。「生きさせろ!」の声を今こそ上げよう。11・2労働者集会に怒りを込めて結集しよう。
 (湯村宏則)

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週刊『前進』(2359号2面3)(2008/09/15 )

 資本攻勢&労働日誌 8・23〜9・4

 派遣法の見直し論議が始まる

農業危機訴え3千人がデモ JAグループ高知と高知県農業会議共催の「農業危機突破高知県生産者大会」が開かれ、3200人が参加。(8月23日)
「最近の非正規雇用の動向」を分析 内閣府はレポート「最近の非正規雇用の動向」を発表。過去5年で男女問わず契約社員や派遣社員の増加が目立っていると指摘。(25日)
介護職の3分の2超が仕事継続に不安 低賃金や人手不足による過密労働などで、3分の2を超える介護・福祉労働者が仕事を続けていく上で不安を感じていることが日本医労連がまとめた「介護・福祉労働者の労働実態調査」の報告書で明らかに。(27日)
派遣法改正案の検討始まる 厚労省は労働政策審議会の部会に労働者派遣法改正案の骨子を提示し、見直しの検討がスタート。(28日)=要旨別掲
自治労が定期大会 自治労は29日まで定期大会を開催。都市交、全水道との10年秋の組織統合後の名称問題で「自治労以外の名称を選択する」ことが、賛成多数で可決された。(28日)
JAMが定期大会 中小の金属機械メーカーを多く組織するJAMは29日まで定期大会を開き、09年度活動方針を決めた。物価上昇分を含む賃上げ要求案の策定に意欲を示した。(28日)
7月の完全失業率、前月比0.1ポイント低下 総務省統計局公表の労働力調査によると7月の完全失業率は4.0%で前月と比べ0.1ポイント低下。厚労省発表の一般職業紹介状況によると7月の有効求人倍率は0.89倍と前月を0.02ポイント下回り、04年10月以来の低水準。(29日)
大阪市、給与5%カットへ  大阪市が財政再建の一環として、来年度から17年度までの9年間に職員給与を総額で5%程度削減する方向で最終調整していることが分かった。(29日)
金属労協が定期大会 金属労協(IMF・JC)が定期大会を開き2年間の運動方針を決定。役員改選では加藤裕治・自動車総連会長(全トヨタ労連)が議長を退任し、後任に西原浩一郎・日産労連会長を選出した。(2日)
自動車総連が大会 自動車総連が定期大会を開催。役員改選では西原浩一郎会長(日産労連)、相原康伸事務局長(全トヨタ労連)を選出。(4日)
基幹労連が大会 基幹労連が5日まで大会を開き、向こう2年間の運動方針を決めた。「物価は非常事態だ。2年サイクルの賃金闘争で本当によかったのか」という意見も出た。(4日)
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 厚生労働省の労働者派遣法見直し案骨子

・「日雇い派遣の禁止」
 30日以内の短期派遣を原則禁止することで実現するとしている。ただし、専門26業務に加えて「専門性があり労働者保護に問題のない」ことなどを条件に例外的に認める業種のリスト化を提案しており、実効性に疑問がある。
・「グループ内派遣」 (専ら派遣:企業が同じグループ会社に派遣)は、派遣数全体に占める専ら派遣の割合を8割以下に制限する。
・「登録型派遣の禁止」「直接雇用のみなし規定」(違法派遣すれば、派遣先が雇用したとみなす)
 企業の努力義務のみで、禁止規定は盛り込まれず。

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週刊『前進』(2359号3面1)(2008/09/15 )

 大幅賃上げゼネストやろう!

 9・27〜28ワーカーズアクションへ

 「民営化絶対反対」を鮮明に

 労働者の怒りで福田を打倒した。今、社会は「生きさせろ!」の叫びで満ちている。漁民のスト、農民のデモ。労働者の怒りも我慢の限界だ。「生きていけるだけの賃金よこせ!」――労働者が人間らしく生きていくための当然の要求だ。すべての労働者の怒りをひとつに、大幅賃上げゼネストをやろう! 9・27〜28ワーカーズアクションをその第一歩にしよう!
(写真 昨年9月に行われたワーカーズアクションのデモ【東京・池袋】)

 新自由主義に怒り世界はスト情勢!

 世界は大幅賃上げストライキ情勢だ。ドイツの機関士労組は、30%の賃上げを要求し、波状ストライキで11%の賃上げをかちとっている。デンマークでも、医療福祉労働者10万人が8週間におよぶ賃上げストライキ。インド全土で数百万人、スコットランドでも賃上げを掲げ史上最大の自治体ストに15万人が参加した。フランスでは公務員が民営化反対で幾度もスト。これらはほんの一例にすぎない。どこの国でも、史上初や何十年ぶりかの大ストライキだ。
 資本家階級に取って代わり、労働者階級が社会の主人公になる時代が到来している。
 要員を極限的に削減し、過労死になるほどの労働を強いているのは誰だ! 非正規職労働者を大量に生み出してきたのは誰だ! 名ばかり管理職にしてあくどく搾取してきた連中は誰だ! 「200万人の公務員の首を切る」と民営化を進めるのは誰だ!
 新自由主義攻撃に突っ走る資本家階級とその手先となった小泉、安部、福田らと、労働組合の腐った幹部どもだ。
 新自由主義は、公的部門の民営化をとおして労働組合をたたきつぶし、非正規雇用化を推し進めた。日本では80年代、中曽根政権の国鉄分割・民営化を皮切りに、連合・全労連の裏切りに支えられ、小泉構造改革のもとで一気に遂行された。資本が生き残るためなら、労働者がどれだけ犠牲になっても構わない、とした結果が今の青年労働者たちの状況なのだ。

 民営化反対で闘う労働組合の登場を

 だが、その新自由主義も大破産している。サブプライムローン問題の爆発を契機に世界経済は金融大恐慌に突入し、日本経済もついにマイナス成長に入った。資本家階級は、労働者から搾り取った投機マネーで生活物資をつり上げ、労働者を飢餓に陥れている。その上に一層の首切りと賃下げを強行しようとしている。他方でイラン・グルジアに戦火を拡大し、世界戦争さえ引き起こそうとしている。
 ふざけるな! 労働者階級の怒りは増すばかりだ。全世界のストライキは、資本家階級とその新自由主義攻撃に対する「生きさせろ!」という怒りの決起だ。資本家に搾取され奴隷のように扱われてきたことへの怒りだ。この怒りは全国・全世界共通だ。新自由主義攻撃を絶対に許さず、民営化絶対反対をはっきりさせて闘った時、労働者は怒りをひとつに団結することができる。民営化絶対反対で闘う労働組合の登場こそが全労働者に待ち望まれているのだ。

 民営化賛成の4者・4団体

 労働者の怒りの総反乱を組織するのか、それともたたきつぶすのか。国鉄1047名解雇撤回闘争が日本の労働運動の命運をめぐる鋭い攻防になっている。国鉄1047名闘争は、国鉄分割・民営化攻撃で不当に解雇された1047名が21年間闘い続けてきた民営化絶対反対の大闘争だ。ここで闘いぬけば、新自由主義攻撃に怒る全労働者と結びつくことができる。
 だが国労本部や体制内労働運動の指導部は〈4者・4団体>の枠を設け、1047名の解雇撤回の原則を投げ捨て、原則を曲げず闘う動労千葉を排除し、敵に和解を求めている。政府やJR資本に頭を下げ、もう闘わないというのだ。新自由主義・民営化攻撃への屈服だ。許せない!

 団結した労働者は必ず勝利できる!

 「労働者は闘っても勝てない」と労働者の力を低め解雇撤回を投げ捨てる腐った労働組合の幹部を現場労働者の力で打倒し、民営化絶対反対で闘う、ストライキのできる労働組合をつくろう! 団結した労働者は必ず勝利する。なぜならば、労働者がこの世の中を動かしているからだ。社会のすべての生産を労働者が担っているからだ。
 それにもかかわらず、生産手段を独占している資本家階級が労働者階級を支配している。資本家は、他の材料と同じように労働者を商品として扱い、最大限の利潤を得るために働かせる。労働者同士を競争させ、個々バラバラにし、賃金を引き下げる。
 しかし、分断された労働者同士を結びつけ、資本と闘う武器こそ労働組合だ。労働者は、労働組合のもと、資本との闘いをとおして団結を固め、社会の生産のすべてを担う自分たちが社会の本当の主人公であることを自覚していく。労働組合は、労働者の階級的力と誇りをよみがえらせ、資本家階級に代わって労働者階級が社会を運営する能力を形成する役割をもっている。労働者階級が人間らしく生きるには、資本と非和解に闘い仲間をつくり団結する以外にない。
 この労働組合の原則を実践してきた動労千葉は、国鉄分割・民営化攻撃にストライキで反撃し、JR資本に1047名解雇撤回、大幅賃上げ、安全確保を要求し、毎年春闘をストライキで闘っている。動労千葉の闘いは、韓国やアメリカの労働者階級との国境を越えた団結にまで拡大している。新自由主義攻撃に勝利してきたのだ。

 職場の闘いが世界を変える

 全国の青年労働者は職場から反乱を始めている。職場こそ新自由主義攻撃を打ち破る戦場だ。郵政民営化絶対反対を貫く全逓労働者は、民営郵政を支える支部執行部を打倒する闘いを開始した。自治体職場では民営化絶対反対・査定昇給反対を掲げて体制内執行部との激突が全国各地で始まっている。自分の職場から闘いを始めよう! 一人の決起が民営化絶対反対の大闘争に発展する情勢だ。ワーカーズアクション−11月労働者集会に向かって団結しよう!

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週刊『前進』(2359号3面2)(2008/09/15 )

 全社労東京行動

 “首切り入札やめろ”

 健康管理センター廃止・売却弾劾

 9月8日、全国社会保険協会連合会労働組合(全社労)の呼びかけで、大阪・福嶋、長堀、淀川の3健康管理センター(*)の廃止・入札・売却・職員解雇に反対する東京行動が取り組まれ、二十数人が参加しました。
 全国社会保険協会連合会(全社連)、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構(整理機構)、みずほ信不動産販売はこの日、雇用責任を放棄したまま健康管理センターを入札にかけました。全社労は、午前8時半に高輪の全社連、10時半に新日本橋の整理機構、午後0時半に八重洲のみずほ信不動産に行き、抗議・申し入れ行動を元気いっぱい展開しました。「首切り入札やめろ」「一人の解雇も許さないぞ」。シュプレヒコ
ールが響き渡ると、道行く労働者が注目、ビラを次々と受け取りました。
(写真 健康管理センター廃止・解雇攻撃に抗議する全社労【9月8日 東京・高輪の全社連前】)
 健康管理センター廃止・売却・職員解雇攻撃との闘いは、新自由主義の医療・社会保障解体との闘いであると同時に、社会保険庁解体を突破口とする国・自治体の民営化、公務員制度改悪、公務員200万人首切り・非正規職化、道州制導入の攻撃との闘いです。
 全社労の仲間は、全労働者階級の命運のかかった闘いとして「一人の首切りも絶対許さない」「国民皆保険制度・医療破壊を許さない」を掲げて立ち上がりました。数々の解雇攻撃、不当労働行為を跳ね返してきた闘う労働者としての誇りをかけて闘っています。
 健康管理センターの廃止・売却の動きを知った時点で、健康保険病院労働組合(健保労組)の支部として整理機構と全社連の使用者責任を問い、団体交渉を要求し、労働委員会闘争を行いました。ところが、健保労組本部は「団交事項にそぐわない」「労働委員会闘争を引き下げろ」と全社連当局とともに解雇絶対反対の闘いを敵視し、つぶそうとしてきました。
 健保労組に従っていたら闘えない。当該支部はセンター廃止・売却・解雇絶対反対を貫いて闘うために今年3月、全社労を立ち上げました。4月と6月にストをやり、2万人を擁する全社連の職員部長を大阪に引きずり出して3回の団交を行い、徹底追及しました。全国の支部にニュースを送ると、組合本部は支部との連絡を絶ち、統制処分をも策動してきましたが、跳ね返しました。他の健康管理センターの労働者にも団結を拡大、新たな組合員を獲得しています。
 全社労は闘争終了後、闘争宣言を発しました。「2009年3月の『事業廃止』をつきぬけて全社連の雇用責任をとことん追及する」「2010年の整理機構解散まで売却阻止を求めて闘う」「絶対反対を貫き階級的団結を固めるなかでのみ勝利をもぎり取る」「激しい統廃合・整理解雇に直面する公的医療部門・公益法人100万の労働者の先頭で闘う。公務員制度改悪・道州制・公務員200万首切りとの闘いの先頭に立つ。医療崩壊に苦しみ怒るすべての労働者と連帯して闘う。資本攻勢が生み出した2000万プレカリアート、資本主義の墓掘り人たちの怒りの先頭に立つ」
 年金を散々食い物にしてきた資本家や政治家や官僚どもが施設を廃止・売却して新たな利権を手に入れ、労働者を大量に解雇するなんて絶対許せません。全社労闘争に労働者の誇りを強く感じ、今後もともに闘う決意です。皆さん、近くの社会保険病院、厚生年金病院の労働者にもこの闘いを伝えてください。(投稿/労組交流センター医療福祉部会・小川恵)
*健康管理センター 主に政府管掌健康保険に加入している中小企業労働者の健康診断業務を担う労働者医療機関として役割を果たしてきた。05年10月、社会保険庁解体の一環として整理機構に移管され、全社連が経営を委託されている。整理機構は09年3月9日で全社連との委託契約を打ち切り、センターを廃止・売却し、職員を解雇しようとしている。大阪3健康管理センターで07年度は年間13万人の健診・外来治療を行った。今年10月には全国53の社会保険病院、10の厚生年金病院が整理機構に入ることが決定されている。これらも廃止・売却・整理解雇の対象となる。

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週刊『前進』(2359号3面3)(2008/09/15 )

焦点 “労働者が権力とってやる”

 福田辞任とブルジョア独裁の破綻

●ブルジョア独裁の歴史的破産
 1年前の安倍の突然の辞任に続いて、今度は福田が同じように政権を投げ出した。戦後の歴史にかつてないこの異常な事態は、一方で日帝が政治的にも世界の帝国主義の「最弱の環」であることを突き出すと同時に、他方では戦後の自民党支配の崩壊、選挙と議会をつうじたブルジョア独裁体制の最後的破産を、衝撃的にさらけ出した。
 レーニンは、第1次大戦勃発(ぼっぱつ)後の1915年当時の世界情勢について、「政治的危機は現にある。一つとして、明日に確信をもっている政府はない。……あらゆる政府は噴火山上に生きている」と述べている(「第2インターナショナルの崩壊」)。今やそれと同じような革命的情勢が日本でも世界でも、現に成熟してきている。
●福田政権打倒した根底的な力
 安倍政権と同じく福田政権も、小泉構造改革以来の新自由主義攻撃の本格的展開とその破産という情勢に根底から規定された政権であり、資本主義・帝国主義の体制的な危機と破綻にあえいできた政権である。郵政民営化の強行や労働者派遣法の大改悪で小泉改革が生み出したものは、何よりも2千万人の青年労働者の非正規雇用化と耐え難い貧困・格差の拡大であり、怒りの反乱への決起であった。安倍や福田の統治能力、政策遂行能力を喪失させた「ねじれ国会」も、まさにこの新自由主義攻撃の破産の帰結である。
 福田に辞任を強制し、政権を打倒した根底的な力こそ、2千万人の青年労働者を先頭とする労働者階級と、農民、漁民などすべての人民の激しい怒りだ。そしてこれと結合して、体制内労働運動の屈服、裏切り、総転向を打ち破り階級的労働運動を全力で推進してきた動労千葉と、それを軸とした動労千葉派の存在と職場・生産点での闘いが、福田を追い詰めてきた。それはまた全世界で激発するスト、デモ、暴動と連帯し、日韓米の労働者国際連帯を発展させてきた。
 そしてこれを背景とした5・28〜29法大決戦の爆発や6・29サミット粉砕決戦の世界にとどろいた圧倒的な貫徹が日帝権力と福田とを痛撃した。さらには弁護士戦線の司法改革反対・裁判員制度粉砕の闘いの大前進が権力と福田に肉薄し追い詰めた。世界的な革命情勢の中でのこの階級的・国際的な闘いの発展こそが、民主党・連合や1047名闘争を解体する4者・4団体などの体制内勢力の総屈服と敵対を突き破り、ついに福田を辞任に追い込んだのである。
●日米同盟の危機と内政の破産
 同時に、国際帝国主義の「最弱の環」=日帝の政治委員会として、福田は外交と内政で完全に行き詰まり、政権を投げ出した。
 外交という点では日米同盟の危機と破綻である。その最大の問題は、年内で期限が切れる対テロ新特措法(給油新法)を臨時国会で成立させる展望が立たず、インド洋から再び海自補給部隊を引き揚げざるを得ない事態に、福田が戦慄(せんりつ)したことだ。
 日帝は、安倍辞任による改憲戦略の後退、世界戦争危機と世界金融大恐慌の爆発という情勢下で、侵略戦争衝動と歴史的無準備性のギャップにあえぎ、日米同盟は歴史的危機に直面している。日本経団連の御手洗が9月8日の記者会見で、給油新法の延長を「断固支持」と表明したことは、帝国主義間争闘戦で敗北することへの激しい危機感の表れだ。
 内政問題で決定的なことは、小泉改革の柱であり“日帝再建プラン”としての「2011年までにプライマリーバランス(基礎的財政収支)を黒字化する」(骨太方針Y)という大路線を、麻生と公明党が組んで骨抜きにしてしまったことだ。福田はこれに打撃を受け内政運営の展望を失ったのだ。
 以上のことから明白なように、安倍に続く福田の突然の辞任は、自民党支配の最後的崩壊であり、ブルジョア独裁そのものとしての戦後の議会制民主主義的な統治形態の破産と崩壊である。その基礎には資本主義・帝国主義の決定的な体制的破綻がある。
●「労働者に権力をよこせ!」
 誰が首相になろうが、民主党が政権を取ろうが、この危機は絶対に打開できない。新自由主義を絶望的に貫き、戦争・改憲の攻撃を強行する、強権的で極右的・ファシスト的なブルジョア政治家と政権以外は、またすぐ吹き飛ばされるであろう。しかしそれは階級矛盾と階級激突をいよいよ激化させ、革命情勢をさらに促進する。
 今、歴史的に問題となっていることは、ブルジョア独裁に代わるプロレタリア革命である。労働者が生産と社会の真の主人公として権力を取ることだ。「労働者に権力をよこせ。労働者が権力を取って社会を運営する」の決意と気迫に満ちた闘いこそが求められている。今こそ「労働運動の力で革命をやろう!」ということだ。選挙や議会での決着ではなく、プロレタリアートとブルジョアジーの激突こそが新たな歴史を開く。11・2労働者集会こそプロレタリア革命勝利の道だ。
 職場と街頭で、自民党総裁選の大キャンペーンと「解散・総選挙」の政治的激浪に真っ向から立ち向かおう。民営化攻撃容認の4者・4団体路線を粉砕し、一律大幅賃上げ要求と「生きさせろ!」ゼネストの貫徹へ、11・2集会1万人結集をかけて闘おう。 

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週刊『前進』(2359号4面1)(2008/09/15 )

 非正規雇用の切り捨て急増

 日帝経済 最大の危機に突入

 “生きさせろ”のゼネストを 

 島崎 光晴

 米住宅バブル崩壊を機に世界金融大恐慌が現実化するなか、日本経済もついに不況に突入した。過去6年間の景気浮揚期に輸出依存度を高めた日本経済は、輸出の減退によって日本現代史上で最も深刻な危機に陥り始めた。不況への突入により、日帝の経済・財政の基本戦略である「財政再建」計画は完全に破産した。また、7月を転機にして資本家階級は非正規雇用を大規模に切り捨て始めた。すでに生きていけないほど賃金が下げられてきたが、不況への突入とともに一段の賃下げと物価高騰が襲いかかろうとしている。「生きさせろ」の賃上げゼネストへ、11・2労働者集会になんとしても1万人結集をかちとろう。

 輸出も海外投資も瓦解へ

 マイナス成長

 日本経済は07年秋をピークに不況に突入し、今や急坂を転げ落ちつつある。鉱工業生産は1〜3月期、4〜6月期と2四半期連続で低下した。特に6月は、97年11月以来の全業種での生産低下となった。97年11月というのは、北海道拓殖銀行や山一証券が破綻し、金融恐慌が始まった時だ。その時以来の広範囲な生産低下である。このため4〜6月期の実質成長率も2・4%(4%に改定の見込み)のマイナスに転じた。
 また、ユーロ圏15カ国の4〜6月期の実質成長率も0・8%減と、99年の通貨統合以来初めてマイナスとなった。世界金融大恐慌が米日欧の全帝国主義国での不況化という、新たな局面に入ったのだ。
 日本経済は02年2月から若干、浮揚してきた。とはいっても、約6年間の実質成長率は年平均2・2%で、80年代後半のバブル期の5・4%の半分以下だ。しかも、そうした微弱な景気浮揚は、労働者を徹底的に犠牲にすることで成り立っていたにすぎない。
 何よりも大企業は、労働者の非正規雇用化、そして賃下げ、長時間労働、合理化によって利益を絞りだしてきた(『共産主義者』155号・島崎論文24n〜参照)。企業の経常利益は06年度には54兆円と、過去10年間で倍増した。一方、雇用者報酬の総額は97年から05年の間に23兆円も減った。額を比べると、雇用者報酬の減額分がほぼ企業利益の増加分に相当する。
 賃金を削って、大企業は利益を伸ばしてきたということだ。小泉「構造改革」を始めとする新自由主義政策が、これほどの極限的な搾取を許してきた。
 さらに、02年からの景気浮揚は、輸出増加に支えられていた。約6年間の実質成長率への輸出の寄与度は約6割で、戦後の景気浮揚局面では最高だった。07年下半期には輸出額が、戦後初めて民間設備投資額を上回った。輸出というのは海外市場を荒らし回るということだ。しかも資本家どもは、輸出のために「国際競争力の強化、生産性の向上」と称して、労働者をますます搾取・収奪してきた。
 こうした輸出増加によって、日本経済は従来以上の輸出依存構造に様変わりした。製造業の売上高に占める海外の割合は08年3月期には過去最高の45・3%にもなった(表参照)。売り上げのほぼ半分近くが海外市場なのだ。特に自動車では海外売上高の比率が68%、電機では50%に上った。食品や日用品など内需型企業も海外依存を強めた。

 企業減収減益

 しかし今や、この景気浮揚は終わった。何よりも輸出が減退し始めたからだ。対米輸出は07年9月に、EU向け輸出は08年5月にマイナスに転じた。輸出全体も6月についにマイナスとなった。このため、上場企業の経常利益は1〜3月期、4〜6月期と2期連続して減益に落ち込んだ。特にトヨタの4〜6月期の純利益は前年同期比28%減となり、四半期ベースで初めて減収減益となった。利益の約5割を稼ぎだしてきた北米では、営業利益が前年比でなんと半減した。
 しかし、こんなもので済むわけがない。米経済が急下降するのはこれからだ。今は、対米輸出の減退を対アジア輸出の増加によってしのいでいる。しかし、すでに中国バブルが崩壊し始めており、対アジア輸出も崩れていかざるをえない。
 97年以降の恐慌を輸出依存で脱却した結果、輸出が行きづまると日本経済全体が瓦解する構造になっているのだ。。29年大恐慌下の「昭和恐慌」や、97年からの恐慌をも超える、日本現代史上で最大の経済危機となるのは確実だ。トヨタを始めとする自動車資本を筆頭に、日本の資本家どもは恐るべき危機に見舞われるのだ。

 資源高が直撃

 しかも単に輸出がダメになるだけではない。安い原材料・資源を輸入し製品に加工して輸出する、という加工貿易型の経済構造自体が成り立たなくなっている。今の石油・資源の価格高騰は、直接には投機資金や投資資金の流入が原因である。しかし、石油・資源をめぐる帝国主義間・大国間の争奪戦が激化し、グルジアに見られるように戦争にまで至っていることが背景にある。だから、石油・資源高は短期に終わるものではなく、中長期的に続くと見るべきだ。
 日帝は自前の資源を持たず、商取引で資源を安く買って加工貿易型構造を築いてきたが、そんなことはもはや通用しない。イタリアですら準石油メジャーを持っているが、日帝には何もないに等しい。資源なき日本経済などひとたまりもない。
 日本経済は一方で、企業の海外投資を増やし、その収益に依存する傾向を強めてきた。海外の子会社からの利益や、海外の株式・債券への投資による配当や利子所得だ。海外投資収益の増加で、国際収支上の所得収支黒字は貿易黒字を上回っている。05年度から3年間もそれが続いている。モノを輸出するだけでなく、それ以上にカネ=資本を輸出して稼ぐ構造なのだ。
 ところが、この海外投資もまた日帝の弱点に転化しつつある。米国での自動車の現地生産は、GMなど米ビッグ3の経営危機を引き起こしており、対日保護主義が再燃するのは必至だ。一方、中国での生産も、賃金の急上昇で超低賃金体制が崩れているため、暗礁に乗り上げつつある。
 このように日帝は輸出、資源、海外投資のいずれでも歴史的な行きづまりにぶつかっている。かといって、これらを維持できるような権益や勢力圏など持っていない。30年代のように世界経済がブロック化していけば、輸出、資源、海外投資のすべてが一瞬にして吹っ飛ぶ。WTO交渉の決裂は、その現実性を示す。日帝はいよいよ”帝国主義の最弱の環”に転落するのだ。
 日帝が改憲攻撃を強めながら侵略戦争に踏み出しているのは、こうした危機を戦争で突破しようとしているからだ。帝国主義の戦争に対する労働者の唯一の回答は、「万国の労働者、団結せよ」である。このスローガンで11・2労働者集会を闘いとろう。
(写真 愛知県豊田市のトヨタ工場。北米現地生産と対米輸出に依存するトヨタは大打撃を受けつつある)

 骨太Yの財政再建は破産

 日本経済の不況突入はまた、日帝の「財政再建」戦略を大破産に追い込んでいる。
 日帝は97年からの恐慌に対し、大銀行・大企業を救済するため国債を増発して巨額の政府支出を行った。その結果、国債発行残高のGDP比が151%と、第2次大戦末期の44年の147%を上回るまでにいたった。敗戦直前の時よりもひどい状態なのだ。
 日帝はなんとか財政を再建しようとあがき、06年の「骨太方針」で「2011年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字にする」と決めた。この基本戦略にそって、民営化や道州制の攻撃を仕掛けてきた。
 しかし、この国家戦略は完全に破産した。それは、世界金融大恐慌と日本の不況化によって日帝の税収プランが崩れたからだ。また、社会保障制度・医療制度の改悪に対する労働者人民の怒りが噴出しているからだ。
 このため、財政再建計画に固執する福田と、一定の景気刺激策を唱える麻生幹事長および公明党とが対立し始めた。8月末の政府の経済対策には所得税などの定額減税(08年度内実施予定)が盛り込まれた。もはや国債増発は避けられなくなった。政府は明示には認めていないが、これで「11年度プライマリーバランス黒字化」が不可能となったのだ。日帝の経済・財政に関わる最も基本的な国家戦略が破産したのだ。福田辞任の最大のきっかけはここにある。
 これほどの大破産のなかで日帝はますますあがき、民営化、社会保障解体、究極の民営化である道州制の導入を一段と進めようとしている。どれほどほころびようと、資本家階級には新自由主義攻撃以外にない。
 すでに経済・財政の国家戦略が大破産しているのに、「財政再建」と称して労働者人民への攻撃だけは強めてくる。こんなことを許してたまるか! 大破産している資本家階級に、労働者階級が猛然と挑みかかる時だ。「国鉄1047名の解雇撤回、民営化絶対反対」を高く掲げて、11・2労働者集会を大高揚させよう。

 正規も賃下げ

 日本経済の不況化は、すでに非正規雇用の削減という形で労働者階級に襲いかかっている。07年には非正規雇用は約1894万人で、全体に占める割合は35・5%と過去最高になった。20年前の2倍近く。非正規雇用がこれほど高い割合になって初めての不況を迎え、資本家は真っ先に非正規雇用を切り始めている。
 トヨタ自動車は最近3〜4カ月で、デンソーや関東自動車工業など主要5社で派遣社員・期間従業員を約2300人も削減した。悪名高い日研総業は「7月から派遣の解約が出始めた」と言う。
 非正規雇用約1894万人のうち仮に1割が削減されるとしても、なんと189万人という膨大な数となる。今ですら生きていけないのに、非正規職からも締め出されたらどうすればいいのか。「非正規職を撤廃せよ、正規職にしろ」という叫びを、11・2労働者集会に結集させよう。
 非正規職だけではない。すでに今、正社員も賃下げによって生きていけなくなっている。正社員の賃金は98年以来下がり続けてきた。だから、貯蓄率(可処分所得のうち貯蓄に回した割合)は、06年度にはわずか3・2%に落ち込んだ。97年度から10年足らずで3分の1以下に下がった。貯蓄率は戦後は2ケタ台が普通で、3・2%というのは第2次大戦期以来のこと。
 貯蓄する余裕などない、という戦中並みの生活苦になっているのだ。戦時下でもないのにこんな生活苦を強いる資本家階級――絶対にこいつらを憎み倒してやろう。
 しかもその上、大恐慌下で賃金はさらに引き下げられようとしている。7月の厚労省調査では、全国の中小企業(従業員300人未満)のうち、賞与や賃金を切り下げた企業が57%にも達している。今後、日本経済が深刻な危機に陥っていくと、資本家階級は全労働者への大幅賃金カットに出てくるだろう。
 その一方では、生活必需品価格はますます急騰している。7月にはガソリンが前年比28・7%、灯油が53・2%も上昇した。7月の企業物価は前年同月比7・1%増と、第2次石油危機の際の81年1月以来の伸びとなった。石油危機並みの物価高騰が襲いかかっているのだ。
 8月には最低賃金の引き上げが決まった。全国平均でわずか15円の引き上げでしかない。これで初めて時給は700円超となる。しかし、時給700円で1日8時間、月30日間働いても、たった16万8000円にしかならない。こんなので生きていけるか! 最低賃金を大幅に引き上げろ!

 11月大結集へ

 今ですら戦中並みの生活苦なのに、さらに賃下げと物価高騰となれば、どうすればいいのか。賃上げを求めて闘うしかない。しかし、資本家は賃上げを認めようとはしない。だから労働組合の最高の武器であるストライキで闘うのだ。それも個々ばらばらだと分断されてしまう。全国の労働者が団結して、ゼネラルストライキに立ち上がるのだ。「生きさせろ」の賃上げゼネストをやろう。11・2労働者集会に、その怒りと決意を総結集させ、1万人の叫びを上げよう。

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週刊『前進』(2359号4面2)(2008/09/15 )

 ロス労組連が根津さん支持

 80万人の組合 11月国際連帯へ感動的闘い

 都教委・日教組に手紙を送付

 「AFL−CIO傘下のロサンゼルス郡労組連盟は、日本の学校で平和と正義のために闘う根津公子さん、河原井純子さん並びに410名の教師たちを支持します」
 このような手紙が8月11日、マリア・エレナ・ドゥラーソ事務総長名で東京都教育長・教育委委員長、さらに日教組委員長・森越に送付された。
 ロサンゼルス郡労組連盟は、ロサンゼルス市一帯のほぼすべての労働組合(350組合)が加盟し、組合員総数は80万人を超える。AFL−CIO(米労働総同盟産業別組合会議)の機関だが、05年にAFL−CIOが分裂し、CTW(勝利のための変革連合)が作られた後も、CTW系組合も加盟し続けている。
 06年5月1日、ロサンゼルスでは「新移民法反対」を掲げた80万人の空前のデモと大規模なストライキが行われた。全米で200万人のデモ、1000万人のボイコット決起が行われたが、ロサンゼルスが最大だった。
 この移民労働者の巨大な闘いを組織した全米各地の諸勢力の中でも、ロサンゼルス郡労組連盟とドゥラーソ事務総長の出身母体のホテル従業員組合の果たした役割は大きいと言われている。
 このような労働組合連合が、不起立闘争支持を決定したのだ。

 ロス統一教組と11月派の団結

 これは、昨年の11・4労働者集会にロサンゼルスから参加したCAMS(校内の軍国主義に反対する連合)のアーリーン・イノウエさん(今夏の広島・長崎反戦闘争にも訪日)、グレゴリー・ソティアさんたちの尽力によって実現された。
 11月集会から帰国直後、CAMSはホームページトップに11・4集会と11・3教育労働者交流集会、そして根津公子さん、河原井純子さんの闘いを掲載した。そして、UTLA(ロサンゼルス統一教組、4万8千人)の指導部と組合員に訪日報告をし、不起立支持を組織した。UTLAのダフィー委員長は昨年12月7日、日教組、東京教組、多摩教組、都障労組に、根津さんと不起立闘争を支持する手紙を送った。
 UTLAは、ロサンゼルス郡労組連盟の最有力加盟労組であり、全米第2の地域教組だ。UTLAの働きかけで、CFT(カリフォルニア州教員連盟)の大会でも「日の丸・君が代」不起立支持・処分反対の決議がかちとられている。
 CAMSとUTLAが、このように11月集会派と固く団結して闘っているのは、UTLA自身が05年に戦闘的潮流による旧執行部の打倒=組合再生を経験しているからだ。今年は6月6日に、シュワルツェネッガー州知事の新自由主義攻撃――社会保障、教育予算削減に反対して4万人のストライキを闘った。
(写真 ロサンゼルス郡労組連盟に結集するホテル労働者が労組設立妨害に抗議して座り込み。400人が逮捕された。加盟する多くの他労組も支援に【06年9月】)

 裏切りを深める体制内派に痛打

 新自由主義攻撃に日々直面している日教組の組合員は切実に闘いを求めている。だが日教組本部は不起立を組織しないどころか、根津さんを解雇させない闘いにさえ敵対している。
 また、国鉄1047名解雇撤回闘争を解体する「4者・4団体」路線を推進する勢力は、「日の丸・君が代」不起立闘争に対しても同じ路線を押し付けようとしている。彼らは不起立闘争の継続・拡大にも、日教組の裏切り指導部の打倒にも反対している。
 そこにあるのは「闘いの拡大は不可能」「闘っても勝てない」という思想だ。彼らは、不起立闘争が、戦場に志願する青年を作り出せていない日本帝国主義の弱点を突いた戦略的闘いであり、処分が敵の弱さの現れであること、そして不起立が職場の団結を作ることを否定している。
 だが、ロサンゼルス郡労組連盟の不起立支持は、原則的な不起立闘争が太平洋も越えて団結を作れることを証明した。
 11・2労働者集会にはロサンゼルスから昨年を大きく上回る派遣団が参加する。1万人結集で労働者の国際的団結をさらに強化しよう。

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週刊『前進』(2359号4面3)(2008/09/15 )

日誌'08 2008年 9月3日〜9日

 08年版「防衛白書」を閣議決定/米日などがインドへの核輸出解禁

●夜間に市街地飛行 沖縄市は、米軍嘉手納基地を離着陸する米軍機の飛行経路や機種などを確認する目視調査を実施した。航空機騒音規制措置(騒音防止協定)には、市街地上空の飛行は避けるとの条項があるが、調査によって順守されていない実態が明らかになった。(4日)
●イージス艦事故、海自側が争う姿勢 海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船が2月、千葉県房総半島沖で衝突し、漁船の2人が犠牲になった事故の第1回海難審判が横浜地方海難審判庁で始まった。士官らは「漁船の右転で危険が生じた」として、漁船の航路や操船について、事実を争う姿勢を示した。(4日)
●ライス米国務長官、カダフィ大佐と会談
 米国務長官として55年ぶりにリビアを訪問したライス米国務長官は、首都トリポリで同国の最高指導者カダフィ大佐と会談した。ライスは「永遠の敵はいない」と、03年に核開発計画を放棄したリビアとの関係改善をあらためて強調した。(5日)
●08年版防衛白書 林防衛相は閣議で08年版防衛白書を報告、了承された。中国の軍事力について、射程約8千`の新型潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を搭載する潜水艦建造や宇宙の軍事利用、サイバー戦専門部隊の編成など近代化が進み「地域や日本の安全保障にいかなる影響を与えていくか懸念される」と強調。北朝鮮は「重大な脅威」と強い警戒感を示した。(5日)
●普天間移設、県内が「現実的」と知事 
沖縄県の仲井真知事は、普天間飛行場移設について県民に理解を得るため「県の考え方」をまとめ、公表した。6月に県議会で可決された「名護市辺野古への新基地建設反対決議」について、知事の姿勢が十分理解されていないと反論した。(5日)
●インドへの核輸出解禁 原子力供給国グループ(NSG、日本など45カ国)の臨時総会が開かれ、米国とインドの原子力協力協定をめぐり、核不拡散条約(NPT)未加盟のインドを例外扱いし、原子力関連の対印輸出を解禁することを全会一致で承認した。ブッシュ政権任期中の米印協定発効を目指す米国の主張が通り、74年の核実験を機に30年以上続いたインドへの禁輸措置は解除されることになった。(6日)
●米原潜また寄港 米海軍のロサンゼルス級攻撃型原子力潜水艦「シティ・オブ・コーパス・クリスティ」が沖縄県うるま市のホワイトビーチに寄港した。同型原潜の放射能を含む冷却水漏れ事故が発覚した後、同基地への原潜寄港は、今年に入って28回で過去最多。(6日)
●民主代表選、小沢が3選 民主党代表選が告示され、小沢代表だけが立候補の届け出をしたため、小沢の無投票3選が決まった。任期は2年。(8日)
●御手洗、給油延長を「断固支持」 日本経団連の御手洗会長は記者会見で、来年1月で期限が切れる補給支援特措法について「延長を断固として支持する」と述べた。御手洗は「国益や経済活動を損なわないようにしてほしい」と求めた。(8日)
●イラク米軍8千人削減 ブッシュ大統領はワシントンの米国防大学で、イラクに駐留する米軍部隊(現在14万数千人)について、来年2月までに約8千人削減する方針を発表した。今年7月でいったん停止していた削減を再開し、アフガニスタンへの増派に部隊を振り向ける。(9日)
●給油法1年延長案を与党が合意 自公両党は、インド洋での海上自衛隊の給油活動を1年間延長するため、補給支援特措法改正案を提出することで合意した。政府は福田在任中に閣議決定し、臨時国会に提出する方針。ただ、冒頭解散に踏み切れば、臨時国会での成立は困難となる。(9日)

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週刊『前進』(2359号5面1)(2008/09/15 )

 11・2労働者集会

 〈道州制と民営化〉に反撃を

 

 

スコットランドで史上最大の自治体スト 8月20日、イギリス北部のスコットランドで自治体労働者が賃上げを求めて24時間ストに立った。公共部門労組(UNISON)など3労組15万人が参加した。スコットランドで史上最大の自治体ストとなった。

 〈道州制と民営化に絶対反対する〉路線こそ、自治体労働者が団結し、展望を切り開いていく路線だ。道州制と民営化は公務員労働者200万人の首切り攻撃だ。自治体に国鉄分割・民営化を超える攻撃が来ている。唯一ストで闘い抜き勝利した動労千葉のように闘おう。原則と路線を貫く労働運動だけが勝利の展望を開く。11・2全国労働者総決起集会に〈道州制・民営化絶対反対〉派は総結集しよう。

 「丸ごと民営化」アメリカのケース 民間企業が一括受注 市職員は4人

 アメリカには市政全体を丸ごと民間企業に委託した自治体がある。ジョージア州アトランタ市に隣接するサンデースプリングス市。アトランタ市から05年の住民投票で市として独立した。人口が約10万人の自治体で市役所職員はわずか4人。警察と消防を除くほぼすべての行政事務が全米有数の建設会社(CH2M社)の子会社に一括委任された。
 CH2M社は、韓国ピョンテクの基地建設や各地の原発建設などにもかかわっている。契約した小会社は、公共サービス、特に下水道などの公益事業の運用・維持管理、廃棄物浄化などを行う会社だ。
 同社の業務は、道路や公園の維持管理や補修から開発計画の認可、予算の編成、事業免許の許可、上下水道やごみ収集の契約管理、地方裁判所の支援、コールセンターの対応、広報誌の発行、税金の徴収まで含む。
 市長は「税金を最も効率よく使う方法を考えた結果」という。同市の予算は同規模の市の半分以下だ。その実態は、現場の労働者の低賃金と強労働で支えられる。社員の多くは、元々の自治体である郡および各地の自治体から採用された。
 こうした自治体丸ごと民営化は各地で増えている。これらの市の市長は「民間企業は地方公務員規則に従わなくてもよいので社員の増減が容易。建物や設備も減らせるので借入金も少ない」と利点を説く。周辺地域でもCH2M社に委託する動きが進んでいる。既存の市(ルイジアナ州セントラル市)で全面委託したケースも生じた。
 「人口25万人以下の自治体であればこの手法がベストだと確信している。この前提に立てば10兆円以上の市場がある」――発案者はうそぶく。

  杉並も全事業民営化計画

 これが民営化の行き着く先だ。東京都の各自治体でも丸ごと民営化プランが軒並み出ている。杉並区は「スマートすぎなみ計画」で800人近くの職員が減らされた。学校給食も約半数、学校警備は3分の2が民営化・民間委託化された。保育園や図書館や学童クラブも進む。杉並区では全事業869をすべて民営化の対象とする「杉並行政サービス民間事業化提案制度」を実施している。山田区長の思惑どおりにうまく進んではいないが、文字どおりの「丸ごと民営化」制度だ。
 こうした「丸ごと民営化」計画は、都内だけでも「江東区アウトソーシング基本計画」「江戸川区行財政改革推進プラン」「立川市経営改革プラン」など、まちまちの名称でほぼすべての自治体にある。民営化攻撃は必ずサンデースプリングス市に行き着く。
 その上で、道州制こそ「丸ごと民営化」攻撃の主柱だ。その最先頭に立っているのが大阪府の橋下知事だ。橋下の狙いは、大阪府政を解体して、道州制の突破口を開くことにある。

  道州制こそが橋下の狙い

 「大阪府の『発展的解消』が将来目標。これにより関西州へのステップを確かなものにする」――橋下改革=「大阪維新プログラム」の最大の狙いは道州制導入だと公言している。
 橋下は「民間の破産会社なら解雇・賃下げは当たり前」と声高に叫び、府の職員の賃金の4〜16%削減を強行した。その額は計330億円。そして「住民サービスは市町村、府は産業政策に特化する」「高齢化社会を乗り切るのは自己責任と互助」として府から社会保障、社会福祉の一切合切を切り捨て始めた。
 他方で「すべては関西州という視点で考えている」として、新名神高速道路、府庁のWTC(ワールドトレードセンター)移転、伊丹空港の廃止、淀川左岸線延伸部の整備などを関西州構想の観点から推進している。
 橋下の問題意識は、国家の枠組みを超えた都市間の国際競争に競り勝つことだ。道路・都市計画・関空関連事業などを推進し、効果的な産業戦略を展開できる司令塔機能を有した関西州を設立したいのだ。そのためには大阪府を廃止するという構想だ。
 日本経団連の御手洗会長は、道州制について次のように説明している。
 「都道府県を全廃し、10程度の道州に統合。市町村・道州・国の三層構造の統治体制にする。住民サービスは市町村が一手に担い、内政はその大半の権限を国から委譲された道州が行う」
 「住民サービスは自立自助を基本とし、市町村がその財政に応じて実施する。道州は、現行の都道府県の枠組みを超えて産業振興策を推進し、道州内のインフラ(道路や港湾、空港)整備などを担う。国は軍事や外交、治安に専念する」
 橋下と御手洗は完全に一致している。
 道州制は第一に、1千兆円を超える国と自治体の借金をすべて労働者に負担させ、国と自治体の事務・事業を丸ごと民営化して金融独占資本が独占・私物化する、国・自治体の究極の分割・民営化攻撃だ。
 第二に、帝国主義間の国際競争に競り勝つために戦後的な地方自治制度を解体する国家統治構造の大再編でもある。
 東海・北陸は〈自動車・輸送産業〉、関西は〈ハイテク・バイオ〉、九州は〈自動車・半導体〉など大企業の国際競争力の強化を一切の基準に産業政策を進めるというものだ。産業拠点化と経済圏構築のために都市計画や税制の優遇措置、金融政策を進めることに道州の役割を特化しようというのだ。
 道州制は、自治体を丸ごと大資本が簒奪(さんだつ)し、利潤追求のための食いものにした上で、資本のやりたい放題ができる地域を生み出すものだ。

 「絶対反対」で分岐を 現場の怒りを路線での団結に

 自治体に、80年代の国鉄分割・民営化を超える攻撃が来ている。すでに道州制と自治体丸ごと民営化で公務員200万人の仕事を民間に移す試算が出ている。国と地方の1千兆円の借金を公務員労働者のせいにし、200万人をリストラしようとしているのだ。
 自治体労働運動の最大焦点は、労働組合解体と公務員労働者200万人の首切りだ。労働組合の闘う路線として、〈道州制と民営化絶対反対〉の路線を確立することだ。絶対反対派として、自治労・自治労連の都道府県本部・単組・支部・分会・職場レベルで登場しよう。民営化容認へ転落した体制内派と激突し、職場の中に〈道州制・民営化絶対反対〉路線で団結をつくろう。
 体制内派と階級的労働運動との〈違い〉〈対立〉〈展望の有無〉はこの路線の違いにある。
 要員問題、サービス残業、公務員バッシング、メンタルヘルス、非正規労働者の増加……現場は労働者の怒りで満ちている。現場の怒りと闘う意欲に依拠する以外に労働運動は成り立たない。職場の現実と労働者の怒りと闘う意欲を〈道州制と民営化絶対反対〉の路線による団結に転じよう。
 労働組合の力は職場の労働者の団結以外にない。労働組合の力は労働者の存在にこそある。労働者が働かなければ資本は1円の利潤も得られない。自治体業務も1日も回らない。労働組合は、この労働者の力を一つにする団結体なのだ。
 原則と路線で団結を組織する労働運動こそが展望を切り開く。動労千葉は〈分割・民営化絶対反対〉で「たとえ闘ってクビになっても仲間は裏切らない」と団結を守り抜き闘い抜てきた。〈絶対反対〉の階級的団結こそ勝利の道なのだ。

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週刊『前進』(2359号5面2)(2008/09/15 )

 08年版「防衛白書」を批判する

 給油新法継続と「恒久法」の制定に延命かける日帝

 08年版「防衛白書」が9月5日に閣議で了承された。自衛隊は、日帝・資本家階級の利益を守るために、全世界の労働者階級に銃口を向けようとしている。日帝の戦争国家への道をはっきりと打ち出したのが今年の「防衛白書」だ。重大なことは、インド洋での給油活動を継続するための「給油新法」の延長と「派兵恒久法」の制定を押し出していることだ。絶対に許してはならない。労働者階級の闘いで両法案の制定を粉砕しよう。これは9条改憲阻止の闘いそのものだ。
(写真 市街地戦闘訓練を行う陸自隊員)

 中国や北朝鮮への「脅威」論

 労働者階級の怒りと闘いで福田政権はぶっ飛んだ。戦後長きにわたった自民党政治支配体制の最後的な崩壊が始まった。支配階級はかつてない危機感を強めている。この絶望的な危機をのりきり、侵略戦争と革命鎮圧を行うために、自衛隊を一層強化しようとしている。「防衛白書」は日帝支配階級の危機と絶望的凶暴化を示すものだ。
 「白書」は中国や北朝鮮の「脅威」を叫び、”だから一層の防衛力=軍事力強化が必要だ”と正当化を図っている。その上で、より直接的に今日の日帝が狙っていることは、自衛隊を米軍のように他国の労働者階級を殺戮(さつりく)できる本格的な帝国主義軍隊に仕立てることだ。このために「国際平和協力活動に主体的かつ積極的に取り組む」と強調している。帝国主義的な利益のための侵略出兵を「平和協力活動」などと呼んでごまかそうとしている。

 インド洋での給油継続狙う

 日帝は、来年1月で期限が切れる「給油新法」の延長と「派兵恒久法」の制定に全力を挙げている。08年版「白書」もそれを強調している。
 インド洋での海自の補給活動は「各国艦艇が海上阻止活動を実施する上での重要な基盤となっている」「この地域の平和と安全に貢献し、資源の多くを中東地域に依存するわが国の国益にも資するものである」と帝国主義的利害をむき出しにしている。
 これは、御手洗・日本経団連会長の発言にもあるとおり、日帝資本家階級の死活がかかった課題なのだ。今秋の臨時国会に給油法1年延長法案を提出することが、9日の自公協議で決定された。
 「派兵恒久法」についても「白書」で初めて1項目を設けた。「わが国が『平和協力国家』としての役割を果たす上で、……望ましく……有意義」であるとして、強く制定を求めている。
 派兵恒久法は、これまでの特別措置法を無期限の恒久法にするというだけの攻撃ではまったくない。自衛隊を侵略軍隊として他国に送り込み、血みどろの殺戮戦に突っ込ませることを前提にした侵略戦争法案である。
 自民党国防部会防衛政策検討小委員会がまとめた「派兵恒久法案」(国際平和協力法案、06年8月)を見てみよう。実に重大な侵略戦争法案だ。

 派兵恒久法は侵略戦争法だ

 第一に、自衛隊を海外派兵する要件を大幅に拡大・緩和している。これまでの特措法が一応の建前としてきた国連安保理決議がなくとも、「国際の平和および安全を維持するため」に必要と認めれば、自衛隊を派兵できるとしている。相手国の同意も不要だ。問答無用の侵略出兵法そのものだ。
 第二に、自衛隊の行える活動を、これまでの「後方支援」から、「安全確保活動」「警護活動」「船舶検査(臨検)」まで広げている。米軍がイラク、アフガニスタンで行っている戦闘行動に自衛隊も参戦できるようにする。「安全確保活動」とは、例えば「イラク人による米占領軍への抗議・抵抗運動の鎮圧」(政府の国会答弁)だ。
 第三に、武器使用に関して、「正当防衛や緊急避難」の場合だけでなく、「抵抗の抑止」にも使用できるとしている。労働者人民の抗議デモにも発砲できるのだ。使用する武器も「小型武器」に限定せず、重機関銃、戦車・装甲車、迫撃砲、地対地ミサイル、地対空ミサイルなど、一挙に多数の人間を殺傷できる本格的な戦闘行動を想定している。

 労働運動の力が戦争なくす

 このように、「防衛白書」と「給油新法」「派兵恒久法」は、日帝が絶望的危機を深める中で全世界の労働者階級にかけてきた大攻撃だ。絶対に粉砕しよう。
 安倍も福田も打倒され改憲攻撃が思うように進まない中で、日帝は嵐のような労働者階級の反乱の時代に突入してしまった。日帝は帝国主義世界体制の「最弱の環」だ。団結した労働者の闘いが日帝の危機をストレートに激化させ、革命情勢を現実の革命に転化できる時代が来たのだ。自衛隊=帝国主義軍隊を解体しよう。階級的労働運動、労働者の国際的団結の力で自衛隊兵士を労働者階級の側に獲得しよう。
 職場・生産点で資本家階級やその手先=体制内労働運動勢力と非和解的に闘いぬき、労働者の階級的団結を強固に発展させていくことこそが勝利のかぎだ。この闘いに敵対する日本共産党や塩川一派の叫ぶ「反戦」や「改憲反対」など、まったくニセモノだ。
 帝国主義を打倒し、労働者が全世界の権力を握り、資本による賃労働の搾取・支配を一掃してこそ、戦争も軍隊もなくせる。その闘いの大前進をかけて11・2労働者集会に大結集しよう。

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週刊『前進』(2359号5面3)(2008/09/15 )

 核空母G・ワシントン配備阻止!

 9・25横須賀現地闘争へ

 核空母ジョージ・ワシントンの横須賀配備が9月25日に強行されようとしている。これは、米帝が米軍再編を決定的に推し進め、米日帝の世界戦争体制を構築する重大な攻撃である。また、日本の労働者の闘いの圧殺を狙うものだ。労働者階級が先頭で決起し、核空母G・ワシントンの横須賀配備を絶対に阻止しよう。9・25横須賀現地闘争(早朝行動・全国集会=要項1面)に全力で決起しよう。
 核空母ジョージ・ワシントンの横須賀配備は、何よりもロシア、中国、北朝鮮に対する戦争体制と軍事重圧の圧倒的な強化を狙った攻撃であり、アジアにおける米軍再編攻撃の大きな柱である。
(写真 ジョージ・ワシントン 92年に就役したニミッツ級原子力空母の第6番艦。満載排水量10万2千d、戦闘攻撃機48機など約70機を搭載。乗員約5750人。自艦の燃料がいらないため航空燃料、弾薬を多く積め、16日間航空攻撃を続行できる。原子炉2基で小ぶりの原子力発電所並みの出力。)
 米帝は、帝国主義世界経済が歴史的な行きづまりにぶち当たる中で、帝国主義間争闘戦に勝ち抜くために、米帝が持つ圧倒的な軍事力を武器に戦争発動による世界再編を推し進めてきた。とりわけイラク侵略戦争によって中東石油資源を米帝の軍事的制圧下に置いた。
 その一方で、米帝に次ぐ核軍事力を保有するロシアに対して、ワルシャワ条約機構解体後、NATO拡大を推し進めてきた。旧東欧スターリン主義諸国やバルト海諸国がNATOに加盟したばかりか、今年4月、ウクライナとグルジアの将来加盟を認めた。その上で今年7、8月、東欧ミサイル防衛(MD)配備計画を強行、チェコ・ポーランドとレーダー・迎撃ミサイル基地設置協定を結んだ。東欧MD配備はロシアをにらんだものだ。
 この米帝の重圧に対抗してロシアは、グルジアの軍事行動を挑発しつつ南オセチア、アブハジアを越えたグルジア領内にも軍事侵攻すると同時に、南オセチアとアブハジアのグルジアからの独立を承認するという行動に出た。これに対し米帝は、地中海やアラビア海に四つの空母打撃群を配備する動きに出たばかりか、人道的救援物資輸送の名でグルジアの黒海沿岸2港にも米艦船を派遣した。
 米帝は戦争政策を世界中でエスカレートさせる一環として核空母G・ワシントンの横須賀配備を強行しようとしているのだ。空母航空団は一国の航空戦力を上回る戦力を持っている。さらに艦船や潜水艦からの巡航ミサイルや航空機からの対地攻撃力もあり、それ自身が巨大な軍事重圧だ。
 核空母G・ワシントンの横須賀配備と一体で辺野古への新基地建設の攻撃が進められており、MDのための自衛隊のパトリオットPACVミサイルの配備が進められている。日帝は米帝の戦争政策と一体となって侵略戦争政策を決定的に強化している。
 日本経団連・御手洗は、福田辞任で補給支援特措法が期限切れの危機を迎えていることについて「延長を断固として支持する」と発言し、帝国主義の利益を守るために派兵を続けろと要求している。日帝は、自衛隊のイラク派兵・インド洋派兵でイラク・アフガニスタン侵略戦争の重大な一翼を担っているのだ。
 そうした中で、日帝は核武装に向かって核開発政策を進めている。G・ワシントンの横須賀配備は、日帝の派兵恒久法制定と改憲攻撃と一体なのである。

 労働者こそ戦争と闘う先頭に

 G・ワシントンの横須賀配備は日本の労働者の団結と闘いを圧殺する反革命的な攻撃でもある。横須賀配備を阻止し、米日帝の戦争政策を粉砕し、日帝の派兵恒久法の制定、憲法改悪策動を打ち破るために、今こそ労働者階級が闘いの先頭に立とう。職場生産点を握る労働者階級にこそ戦争を止め、帝国主義を打倒する根本的な力がある。資本に屈服しその手先に転落している体制内労働運動を職場の闘いで打倒し、闘う労働運動が闘いの中軸に躍り出よう。
 すでにその闘いは力強く開始されている。6・29サミット粉砕闘争は、職場の闘いを基礎にした労働者の団結した力で機動隊の壁を突き破る戦闘的デモでサミット治安弾圧体制を打ち破り、日本の労働者階級の存在を世界にとどろかせた。
 世界金融大恐慌がますます深刻化する中で、全世界で労働者人民のストライキやデモ、食糧暴動が巻き起こっている。帝国主義は歴史的な危機に突入しており、労働者人民を犠牲にしてしか生きられなくなっている。そうした帝国主義の戦争政策に対して、今こそ労働者階級が根底から決起することが求められているのだ。
 動労千葉、全国金属機械港合同、全日建運輸連帯労組関生支部の3労組が呼びかけ、日韓米3国の労働者が集う11月労働者集会は、闘う労働者国際連帯の力強い発展を切り開いてきた。
 今夏8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争、8・15闘争は、校内での米軍募兵活動と闘う教育労働者のアーリーン・イノウエさん、韓国民主労総ソウル本部のイジェヨン本部長を迎えて労働者国際連帯闘争の大きな前進を切り開いた。その成果の上に立ち、11・2全国労働者集会で労働者階級の巨大な決起へと押し広げよう。
 9・25核空母G・ワシントン配備阻止横須賀現地闘争は、11・2労働者集会へ向けた重大な闘いだ。7・19横須賀闘争を倍する闘いで、日米帝の戦争政策を打ち砕こう。11・2労働者集会の1万人結集を絶対に実現しよう。

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週刊『前進』(2359号6面1)(2008/09/15 )

団結ひろば 投稿コーナー

 支店長はゆうメイト雇い止めを撤回しろ 広島・ゆうメイト A

 8月30日、広島西郵便局は、オレを9月末で雇い止めにすると通告してきた。オレは雇い止めを絶対に認めないし許さない。絶対に撤回させる。
(写真 広島県労組交流センター全逓労働者部会のビラ)
 オレに対する雇い止めは、単にオレ一人の問題じゃない! これは郵政職場で働く労働者全員が直面している問題だ。
 ちょっと上司に逆らったり、文句を言っただけで、ゆうメイトは雇い止め。本務者(正社員)は強制配転とパワハラ、処分で退職に追い込む。こんな郵政資本のやり方に労働者は本気で怒っている。オレのビラを見て、たくさんの激励や当局への怒りの声が届いた。JP労組が「生産性向上」などといって労働者の怒りを抑えつけても、現場の怒りは爆発寸前だ。
 だから今こそ労働者は団結しよう。団結して怒りを郵政資本にたたきつけよう。100人が反乱を起こしてストライキで闘ったら、当局は100人の労働者をクビにできるのか? やれるものならやってみろ!
 毎日毎日、郵便物をさばいて業務をまわしているのはオレたちだ。実際に職場を動かしているのは現場労働者だ。郵便事業に支店長なんて必要ない。オレじゃなくて、支店長こそ辞めてしまえ!
 管理職たちに現場の怒りを思い知らせるには郵便物をためるしかない。
 オレの配達区は、4時間勤務にもかかわらず平均2時間、ひどい時には4時間近い超勤をしないと配りきれない。オレは昼休憩もとらずにぶっ続けで配達してきた。管理職はこれだけの業務を誰に押しつけるつもりなのか? そもそもどのくらいの業務量があるのかわかっているのか?
 だからオレは9月2日から一切の超勤を拒否し郵便物をためて闘っている。オレをクビにするということがどんなにデタラメなことなのかをたまった郵便物の山でわからせてやる。
 定時までに配りきれなかった郵便物は、オレをクビにした支店長が配れ! オレがためた郵便物を同じ班の労働者に押しつけるな!

 ゆうメイトI君懲戒解雇に怒りの抗議 岡山 塚田 昇

 9月6日、岡山中央郵便局で不当な雇い止め=解雇の攻撃と闘うゆうメイトの青年労働者I君に対して、郵便事業会社当局は懲戒解雇を言い渡してきた。民営郵政の不当きわまりない労働者支配に対して怒りの声を上げた青年労働者を懲戒解雇するとは、何という暴挙か! 作業中の同僚が固唾(かたず)をのんで見守る集配課のフロアで、I君は懲戒解雇の通告に来た職制・管理職に激しい怒りをたたきつけた。
 6日午前、組合と地域の闘う仲間がただちに局前抗議闘争に集まった。さらに同日午後、県内各地から急を聞いて駆けつけた組合と地域の闘う仲間20人が局前抗議闘争に立ち上がり、激しい怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。
 プラカード、横断幕を掲げ、ビラが次々と手渡される。集まった仲間たちが次々とマイクを握り、1時間半の抗議集会を実力で打ち抜いた。
 当該のI君は激しい怒りのアジテーションをたたきつけた。「この懲戒解雇は郵便事業会社当局の完全な敗北宣言だ。たった一人のゆうメイトを職場から追放するために、こんな手段を取らなければならないほど追いつめられているのは、会社の方だ。懲戒解雇は絶対に認めない。局内の労働者のみなさん、監獄職場をつくり変えるために一緒に闘おう!」
 そうだ。不当な雇い止め通告から9日間、朝夕連日の抗議行動に立ち上がり、職場の中に激しい分岐をつくり出したI君の闘いが、当局をギリギリと追いつめたのだ。
 職場の中からも公然と怒りの声が上がり始めている。職場内外を貫く労働者の団結で、この不当な懲戒解雇攻撃をはね返そう。

 「監獄職場」を変えて仲間と団結したい! 岡山・ゆうメイト I

 自分がなぜここまで日本郵便と徹底して闘うのか! それは「監獄職場」でホントに苦しんでいる仲間と団結したいからなんです!
 岡山のゆうメイトのIです。
 8月29日、9月末の雇い止め通告、9月6日に日本郵便岡山支店より不当な懲戒解雇を受けました。
 毎日の抗議行動の中で、よくぞ言ってくれた、ホントに胸がすっきりしたと言って目を赤くして握手してくれた人、雇い止めはヒドイとビラを受け取り配達に行く集配課の同僚、差し入れをくれた人、局前での訴えを聞いてくれた人、こういった人は本当に職場で苦しんでいる者の気持ちのわかる人たちなんです。こういった人たちと勇気を出して職場を変えてゆきたいんです。
 当たり前ですが、労働組合は労働者を守るために存在します。しかし、昨今は会社と一体となって労働者の締め付けに加担している組合がほとんどです。このように腐りきった労働組合を現場労働者と団結して資本と闘う階級的労働組合に変えたいのです。階級的とは、労働者自身が世の中を動かす力があるんだと自覚して闘うことなんです。だから自分は支店長にでも何のためらいもなく意見することができるんです。
 確かに今の世の中、階級的に生きることはそう簡単ではありません。しかしこの壁を打ち破り、本当に苦しみ虐げられた世界の人たちと団結して世の中を変えたい、それだけなんです!

 荻窪駅前で街頭宣伝11・2へ豊かな出会い 東京・西部 今川 裕

 9月1日、荻窪駅前で11・2労働者集会の街宣を夕方2時間やりました。1人がアジテーション、1人がビラまき、3人が署名を集めました。この日、私は、チケットは1枚しか売れませんでしたが、多くの出会いがありました。
 パートで清掃の仕事をしている20代の女性は、賛同署名をしてメッセージ欄に「格差をなくせ!」と書き、今日から正社員なんだと言う19歳の男性医療労働者は、「大幅賃上げ賛成!」と書きました。また42歳のアフリカン・アメリカンの独身男性は、日本に6年いて英語を教えているそうですが、英語で「憲法を変えることは、日本の未来を傷つける!」と書いてくれました。チケットを買ってくれた人は、日本に何年もいる白人の40代くらいのアメリカ人男性で、『前進』も2号分買ってくれ、子どもが3カ月前に生まれたばかりで、「たぶん11月2日ごろも日本にいると思うから行ける」と言っていました。
 彼ともっと話をしたかったのですが、その途中で韓国人の女性が日本人の男性と一緒に近づいてきて、私にもビラを下さいと言ってきました。「民主労働党員だった。民主労総は頑張って闘っているけど、離れていく人もいる、自分はしばらく客観的に見てみたい。今はパートの仕事をしていて大変」と言うので、署名はしてもらえなかったのですが、『前進』を2号分贈呈し、他にユニオンのリーフと動労千葉の独島に関する声明のコピーを渡しました。
 街頭は短い出会いですが、革命情勢の接近でますます豊かになってきています。11月1万人決起へ、頑張れば絶対に可能だと思います。

 御用組合を倒すため合同労組分会で団結 交通労働者 栗山直樹

 私は、今年の春闘で、社長となれ合う御用労組と非和解の闘いを展開し、仲間の先輩とともに名誉の「除名処分」をかちとりました。
 それ以来、新たにランク&ファイル派の機関紙を作って配ったり、向こう側の執行委員と闘っていましたが、どこか御用組合との「均衡」を保つことに慣れてしまった自分がいました。この均衡を打ち破るために、地域の闘う合同労組に加盟し、数人で分会を結成しました。目的は、ただ一つ。「資本・御用組合を打倒し、労働者の団結した力で組合を取り戻し、労働者階級の怒りを現場から爆発させよう!」ということです。
 5日前ぐらいに社長からの命令で「会社の講習会を30分早めます」という張り紙がありました。これは、講習会前に行ってきた組合の集会をつぶす目的です。闘う組合員を追い出した今、もう職場集会すらもやらないだって!? ここまで御用組合は会社側とグルになったのです。
 会社と御用組合がそうくるなら、こっちも自主的に30分早めて職場集会をやるだけです。その場にいた労働者は10人ぐらいでした。そこでこちらの機関紙を活用して、御用組合が「会社の売り上げに貢献しますから何卒(なにとぞ)春闘を妥結してください」と会社に土下座している文章を暴露しました。
 一人が「今の組合体制を倒すにはどうしたらいいんだ?」と発言し、そこから「御用組合執行部を打倒し、労組をつくりかえよう!」ということになり、その場にいたほとんどの人が分会に加入してくれました。《議論・方針・行動》というまさに労働者の決起が感じられました。これで分会は一挙に5倍となりました。
 新たな仲間の一人は、以前から元の組合に誘っていた人ですが、今回「あの組合には入らないが、君らの分会には入るよ」と決起してくれました。他の組合員のほとんどは、今の御用組合との二重加盟です。腐った体制内組合をひっくり返す心強い仲間たちです。
 現場には怒りがあふれている。その怒りを爆発させるのは大きな一歩を踏み出した労働者の決起だ! この仲間がいれば団結が渦となって拡大する! 徹底的に現場で闘って仲間を増やし、みんなで11月労働者集会に参加します。

 11月には6・29デモを1万人でやるのだ! 神奈川・化学労働者 秋田一雄

 11月には、6・29渋谷のデモを1万人でやるのだ、11月に革命を起こすのだ、というワクワク感でいっぱいです。絶対実現しましょう!
 今、職場では不当な報復人事に絶対反対で闘っています。会社の労働者支配の根幹をなす人事権に対し、「そんな権利はお前らにはない。労働者が決めるのだ!」ということをはっきりさせる闘いです。
 闘い始めて半年、配転強行から4カ月になりますが、門前闘争や団体交渉、街宣など、合同労組と労組交流センターの仲間との団結の力で、日々勝利をかちとっています。会社から妥協案も出てきたりするわけですが、一切拒否して、労働者の誇りにかけて、今の職場での就労以外はありえない、という闘いを続けています。この絶対反対、非和解の闘いは、日本中で、世界中で資本と非和解で闘う労働者とつながることのできる闘いです。この自信と確信をもって、門前で、街頭でぶつかっていきます。
 11月1万人へ向けての闘いは、けっして楽な道ではないです。職場や街頭での組織化、これは困難な闘いですが、これこそ今の時代に最も求められていることなのです。『蟹工船』情勢や秋葉原事件にあるように、世の中には労働者の怒りと団結を求める心があふれまくっています。この怒りの先頭に立つ存在、6000万労働者の団結の先頭に立つ存在が求められているのです。この闘いを必死になってやりぬくことで私たち自身の大きな飛躍もかちとれるのです。だからみんなで闘いぬきましょう!
 先日の街宣で「これ以上なめられてたまるか! ストライキやろう!!」と書いた幕を出していたのですが、ティッシュ配りの労働者がこれを見て「ストライキやりたいねえ〜」と言っていました。これこそ街の声です。ともにがんばりましょう。

 パキスタンで5万人がストライキで勝利 山梨 織田三郎

 パキスタン最大の電気通信会社・PTCLの労働者が7月、経営側による労働協約の破棄と新賃金体系の導入に反対し、契約労働者を正社員にすることを求めて、全国規模のストを決行した。
 5万人の労働者がストに参加し、ほとんどの電信・電話局が営業中止に追い込まれた。民兵がピケットラインを破ろうと、催涙ガスや警棒を使って労働者に襲いかかり、実弾を空へ発砲して労働者を威嚇した。かなりの数の労働者が負傷したが、労働者の固い団結と戦闘性の前に軍はピケットラインを崩すことがついにできなかった。
 これはPTCLが2005年に民営化されてから最大規模の争議だ。スト4日目の7月21日、ラホール、イスラマバード、カラチなどの主要都市では事業所が完全封鎖されていた。ストは2週間続き、7月30日、労働者側の勝利で終了した。
 合意内容は、@賃金を即時35%引き上げる、A8000人の契約労働者を正規職に格上げし、賃金を35%引き上げ、かつ他の労働者と同じ手当を受ける――というものである。全世界で新自由主義が渦巻く中、国際労働者階級がかちとった大きな勝利だ。
 「社会主義インターナショナル」にも加盟しているパキスタン人民党(PPP)の影響下にある労働運動の既成指導部は、政府閣僚との密室協議に手を染め、労働者間に亀裂を持ち込むためにできることは何でもやった。しかし、労働者たちは既成指導部の指導を拒否し、「パキスタン労働組合の権利運動」(TURCP)のもとに闘った。そして日和見主義者を打ち負かし、ボスから大きな譲歩をかちとったのである。パキスタン労働者の階級闘争は、ムシャラフ大統領を辞任に追いやった一つの大きな原動力になっている。

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週刊『前進』(2359号6面2)(2008/09/15 )

 9・25千葉地裁デモへ

 現闘本部裁判傍聴を

 裁判所は実地検証行え

 9月25日、天神峰現闘本部の実地検証を求めて決戦となっている裁判が開かれる。反対同盟は、当日早朝に千葉地裁デモをやろうと呼びかけている。デモを闘い、傍聴闘争に駆けつけよう!(編集局)
 闘う仲間の皆さん! 9月25日の天神峰現闘本部裁判は、裁判所による実施検証をめぐる重大な決戦を迎えました。当日、早朝8時30分から千葉市中央公園において集会と千葉地裁にむけてデモに決起します。その後、傍聴闘争を闘います。
 仲戸川隆人裁判長は、登記物件である木造建物・天神峰現闘本部の検証要求が被告の反対同盟と原告の成田空港会社(NAA)の双方から出されているにもかかわらず、検証を拒否して証人調べを強行しようとしています。建物の存在をめぐる本件争点の核心部分の検証を行わないのは、誰が見ても公正な訴訟指揮とは言えません。なんとしても裁判長に検証をやらせねばなりません。
 そのためには、裁判長を追い詰める闘いが決定的に重要です。9月25日の裁判当日の法廷は、激突不可避です。旧現闘本部の「木造建物は解体された」と真っ向から対立しているNAAの主張を粉砕するためにも検証は不可欠です。「証人調べを先に進めながら検証問題を判断する」などという裁判長の反動的訴訟指揮を許さず、絶対に検証の確約をかちとろうではありませんか。
 8時30分からの集会・デモに決起し、反対同盟を先頭に弁護団・傍聴団一体となって検証を勝ち取るため裁判所を圧倒する大傍聴闘争に結集されるようお願いします。
 三里塚芝山連合空港反対同盟
(連絡先)
 成田市三里塚115 事務局長 北原鉱治
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 ●9・25千葉地裁デモ
 9月25日(木)午前8時30分
 千葉市中央公園集合(パルコ前/JR千葉駅から徒歩10分)

 ●現闘本部裁判傍聴闘争
 9月25日(木)午前9時45分千葉地裁前集合
 午前10時30分開廷/千葉地裁
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 三里塚裁判に結集を
9月30日(火)
 市東さん農地強奪阻止行政訴訟 (原告/市東孝雄さん)
 午前11時開廷/千葉地裁 ※傍聴券抽選のため10時結集
10月23日(木)
 鈴木幸司・いとさん一坪訴訟
 午前10時30分開廷/千葉地裁

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週刊『前進』(2359号6面3)(2008/09/15 )

 爆取弾圧差し戻し審

 “こんな裁判は不要”

 十亀・須賀被告が怒りの陳述

 岡田証人(元大阪府警)と検察を粉砕

 9月10日、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判差し戻し審の第6回公判が東京地裁刑事第20部(林正彦裁判長)で開かれた。
 冒頭、十亀弘史同志と須賀武敏同志が意見陳述を行った。
 十亀同志は裁判所への怒りで体を震わせて述べた。「私は裁判のために、愛媛から東京に向かう列車の中で、いつも激しい怒りにとらわれます。なんでこんな裁判を繰り返さなければならないのか!という怒りです。私は無実です。それは一審で完全に明らかにされています。なんで今また裁判のために東京と愛媛を往復しなければならないのか。愛媛での父の介護はいわば一時も目を離せないものです。誰がこの苦しみを私に強いているのですか。警察・検察であると同時に、裁判所じゃないですか」
 次に須賀同志が法廷に響き渡る声で裁判所を徹底弾劾した。「1989年、奈良の橿原借家で押収されたものは、迎賓館と横田基地へのロケット弾戦闘とも、私たち被告ともまったく関係ありません。だから、橿原借家関係のすべてを『取り調べる必要なし』と却下した、差し戻し前一審の判断に誤りはありません。さらに、橿原借家へのガサ(捜索)は、婦人警察官が『隣に引っ越して来た者です。ごあいさつに来ました』とウソをついてドアを開けさせ、捜索令状も示さずに多数の警察官が室内に突入し、室内にいる者を制圧し、公務執行妨害罪をデッチあげて逮捕したというもので、恐ろしく違法です。違法ガサで押収したメモは違法収集証拠ではないか。そんなメモに関する証人調べは不要です。直ちに証人調べなどやめろ」
 当初、林裁判長は「意見はひとり5分で認める」と言っていたが、2同志の迫力ある意見陳述に何も口を挟めず、結局2同志は30分近い意見陳述をたたきつけた。

 「捜索」は違法な暴力的襲撃

 続いて、橿原借家の捜索押収の責任者だった岡田鎮也(元大阪府警警察官)に対する反対尋問が行われた。藤沢抱一弁護人は、大阪府警による「捜索」が違法な暴力的襲撃であったことを、言を左右にして隠そうとする証人を、迫力ある尋問で追い詰めていった。
 弁護人が、橿原借家と捜索した「事件」との関連を問うと、岡田証人は「府下の一番大きな事件だから、それを理由に捜索した」と証言し、予断に基づくデタラメな捜索であったことを自ら暴露した。さらに「令状は示していない。逮捕した人間に示すつもりはなかった」と違法捜索を開き直るしかなかった。
 岡田の証言に慌てふためいた検察官は、藤沢弁護人の反対尋問に「異議」を連発したが、裁判長はすべて却下した。すると検察官は「異議」とも言わないで突然立ち上がり、弁護人の反対尋問に難癖をつけ、執拗(しつよう)に妨害してきた。しかし、藤沢弁護人は「反対尋問に介入するな!」と一喝。被告・傍聴人も弁護人と一体となって検察官を激しく弾劾・追及し、完膚なきまでに粉砕した。
 次回公判、9月30日も岡田への反対尋問が行われる。国家権力と非妥協で対決している21年間の裁判闘争の地平の上に、差し戻し審での闘いを打ち抜き、爆取デッチあげを粉砕しよう。

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週刊『前進』(2359号6面4)(2008/09/15 )

 日程 迎賓館・・横田爆取デッチあげ弾圧差し戻し審

 第7回公判 9月30日(火)午後1時15分開廷
 第8回公判 10月20日(月)午後1時15分開廷
 ◎東京地方裁判所

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週刊『前進』(2359号6面5)(2008/09/15 )

 日程 法大裁判に集まろう!

★5・28「暴行」デッチあげ弾圧裁判
 第2回公判 9月19日(金)午後1時30分
★7・24弾圧裁判
 第1回公判 9月25日(木)午後1時30分
★5・29デモ弾圧裁判・第1グループ
 第1回公判 9月29日(月)午前10時〜12時
 第2回公判 10月6日(月)午前10時〜12時
★5・29デモ弾圧裁判・第2グループ
 第1回公判 10月16日(木)午後2時
◎いずれも東京地裁429号法廷
 開廷1時間前に地裁傍聴券配布所に集合を!

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