ZENSHIN 2008/09/01(No2357 p08)
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週刊『前進』(2357号1面1)(2008/09/01 )
9・27〜28 全国でワーカーズアクションに立とう
新自由主義攻撃と総対決し青年労働者の怒りの反乱を
4者4団体路線粉砕・解雇撤回へ
11月労働者集会を1万人の大集会として何としても成功させよう! この集会は、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部、全国金属機械労働組合港合同、国鉄千葉動力車労働組合の3労組が呼びかけている。「生きさせろ! 大幅賃上げ 非正規職撤廃 怒りのストライキを」「国鉄1047名の解雇撤回」「万国の労働者団結せよ」――この三つのスローガンで闘われる11・2全国労働者総決起集会こそ、闘う労働運動を復権させ、青年労働者の未来を切り開くことのできる唯一の方針だ。
歴史動かす労働者の団結
この11月集会派と他の潮流が違う点はただ一つ。「労働者の団結した力だけが、歴史を動かし、社会を変革する唯一の力である」――この原則を貫いているかどうかだ。しかし、この原則の実践をめぐって労働運動内部に激しい分岐と激突が始まっている。しかもそれは日々の職場実践の中で問われているのだ。このインフレが吹き荒れる経済危機の中、低賃金でがまんするのか、一律大幅賃上げか。情勢が厳しいから和解するのか、解雇撤回を貫くのか。国際競争が労働者の利益なのか、国境を越えた労働者の団結なのか。
「賃上げ」や「解雇撤回」という当たり前のことが当たり前でなくなっている。一見厳しく見える情勢だからこそ、労働者の団結に一切をかけて闘うことが本当に問われている。
連合、全労連指導部はもとより、これまで一緒に闘ってきた身近な勢力とも分岐と激突が始まっている。世界中で首切りや賃下げ、民営化攻撃が吹き荒れている。だからこそ、「この時代に労働者はいかに闘うべきか」「労働組合はいかにして勝利するのか」――すなわち労働運動の路線をめぐって激突し、激突し、その中から絶対に崩されない労働者の団結がつくり出される。それが11月1万人決戦だ。
その核心は、私たち労働者の資本に対する怒り、資本の手先となって労働者を弾圧する体制内労働運動執行部への怒りだ。そして”職場を労働者の手に取り戻してやる””腐った労組幹部を絶対に倒して自分がやってやる”という強い思いだ。ここが揺るがなければ11月1万人結集は絶対にやれる。
青年労働者は職場から反乱を開始した。労働者の団結を組織して闘う一人の存在が決定的だ。
「正社員にしろ」と会社に訴えたら即解雇――ふざけるな! だったら毎日職場の門前に立って闘ってやる! この非正規労働者の仲間は、毎日の職場闘争で新たな組合員を獲得した。「職場の全労働者の一律大幅賃上げ・非正規職員を全員正規雇用に!」――看護師と医者がストライキに決起。この決起は、資本家と一体となって労働者を弾圧する日本共産党の労組執行部と闘う一人の決起から始まった。全国の郵政職場からも反乱を開始した。要員不足・労働強化という民営化の破綻――この民営郵政を支えているのがJP労組執行部だ。「闘わない執行部を打倒する」と11月集会派が名乗りをあげた。「一人の怒りは、職場全体の怒りだ」と言って彼らは闘っている。
まだまだ少数だが、この団結が資本・御用組合執行部を震え上がらせている。私たち青年労働者は、資本と、その手先となって闘いを放棄する体制内労働運動執行部と闘うことで、自分たちの持つ力に目覚めた。一人で闘ってはダメだ。団結! 団結! 団結を組織しよう! 私たちがつくる団結は、既成の労働組合が使ってきた「団結」ではない。彼らの言う「団結」は、労働者の決起を押さえつけるための「団結」であり、自分たちの地位や利益を守るために「団結」しろと言っているのだ。労働者の真の団結とは、資本と非和解であることを現場で貫くことだ。「職場やこの社会は、労働者が動かしているんだ」という思想を実践で貫き、労働者としての誇りを取り戻すことだ。最後まであきらめず、徹底的に団結をつくりだして闘おう! そうすれば労働者は必ず勝利する!
あらゆる反動を打ち破り
11月集会をめぐる最大の焦点が1047名解雇撤回闘争だ。「解雇撤回」を引きおろし、動労千葉を排除して進められている「4者・4団体」路線による「政治解決」に絶対反対しよう。
1987年に強行された国鉄分割・民営化に対する反対闘争は、民営化・規制緩和と労働組合破壊の新自由主義攻撃との最先端の闘いだ。国鉄分割・民営化の最大の破綻点は、動労千葉を先頭とした1047名闘争の存在と闘いにある。1047名闘争は、新自由主義攻撃の破綻をついて闘う階級決戦であり、すべての青年労働者の未来をかけた決戦なのだ。
この決戦を回避して動労千葉と11月集会を破壊しようとするすべての反動と徹底的に闘おう。とりわけ、革共同から脱落・逃亡し、転向を深める塩川一派は絶対に許さない! 塩川一派にとって労働組合とは、労働者の改良的諸要求実現のために資本と交渉する組織でしかなく、あくまで体制の枠内にとどまるべき存在でしかない。彼らはそうした自己を合理化するために、動労千葉と11月集会に敵対する。
動労千葉の闘いの中に、新自由主義攻撃を粉砕し、労働運動が勝利する展望がある。動労千葉は、国鉄分割・民営化に対し2波のストライキを闘い、1990年4月1日の「清算事業団からの2度目の首切り」を前に、3波のストライキでこれを迎え撃った。当時、動労千葉の中野洋委員長は「労働組合の委員長が整理解雇で勝利だというのはおかしい。にもかかわらず1047名が解雇されて本格的闘争に入ると決断したとき、これで勝ちだと思った」と言っている。動労千葉の闘いがあらゆる政治解決=屈服路線を打ち破って、1047名闘争の出発点をつくり出したのだ。だから、国労の指導部は「理由なき組合差別で清算事業団に送られた」と言うが、動労千葉争議団は「闘った結果の処分だ」と胸を張っている。動労千葉の解雇撤回闘争は、政府への「お願い」ではなく、JR資本と真っ向から闘い抜いて追い詰める闘いとして貫かれている。闘いの基軸は職場にこそあるのだ。
今こそ国鉄分割・民営化絶対反対の原点に立ちきり、動労千葉のように闘おう。JR本体の労働者と被解雇者が一つに団結して、1047名解雇撤回闘争勝利の展望をこじ開けよう。
そして、もうひとつ決定的なのが国労5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いだ。2002年5月27日の国労臨時大会で国労本部は、「JRに解雇の法的責任はない」と認めろと迫る「4党合意」に反対して闘う闘争団を、査問委員会に送り、権利停止の処分を強行した。これに対してビラをまき、組合員への説得活動を行ったのが5・27被告団の行動だ。動労千葉のような闘いを職場に、国労内につくりだすために闘おうという主体的決起だった。こうした当たり前の決起に対して、国労本部が組合員を警察に売り渡したのだ。この弾圧を契機に、国労本部はさらに屈服を深め、政治和解路線・裁判依存にのめりこんだ。
この5・27闘争は、「解雇撤回」を投げ捨てた1047名闘争の政治解決を粉砕し、闘う国労を職場からつくり出し、平成採の青年労働者を獲得する闘いであり、被告団を中心に新たな指導部を生み出す闘いだ。これに対して5・27旧弁護団と一部事務局員は、被告の闘いを権力・資本に頭(こうべ)を垂れる裁判にねじ曲げ、被告の闘う主体を真っ向から否定した。このことに怒りを爆発させ、7被告が旧弁護団9人全員の解任を決断したことは百パーセント正義だ。
1047名解雇撤回闘争と5・27闘争は、国鉄分割・民営化絶対反対を貫き、JR体制を打倒する闘いだ。連合支配を打ち破り、闘う労働組合の全国ネットワークをつくりだす最先端の闘いなのだ。ここに11月1万人結集の展望がある。絶対に勝利しよう!
「生きさせろ」ゼネストを
この国鉄1047名闘争をめぐる攻防に勝ち抜き、動労千葉が呼びかける「生きさせろ!」の賃上げゼネストを実現しよう。「生きさせろ!」の叫びと一律大幅賃上げ要求は、本質的に革命の要求である。11月1万人結集を目指し、「生きさせろ!」の賃上げゼネストを掲げて闘われる9・27〜28ワーカーズアクション(実行委員会呼びかけ)を、全国の青年労働者の団結で圧倒的に成功させよう!
「生きさせろ!」のゼネストは、新自由主義攻撃に対する青年労働者の総反乱の闘いだ。アメリカのサブプライムローンの破綻を引き金とする世界金融大恐慌が爆発し、行き場を失った投機資金が原油や穀物価格をつり上げている。全世界で激しいインフレと大不況が進行し、同時に、グルジアや中東を発火点とする新たな世界戦争の危機が深まっている。こうした中で倒壊寸前の福田政権は、社会保障費2200億円の削減、徹底した民営化と200万人公務員労働者の首切りを強行し、侵略戦争への道を突き進む以外にない。一切の矛盾を青年労働者に集中し、生き延びようとしている。
しかし、破綻しているのは敵の方だ。動労千葉を先頭とした国鉄1047名闘争は、この20年間、新自由主義攻撃の最先頭で闘って陣地を守ってきた。こういう情勢が来るときのために闘ってきたのだ。1047名解雇撤回闘争が、私たち2000万青年労働者の怒りと結合し、決定的に威力を発揮する情勢が来た。この結合を押しとどめているのが「4者・4団体」路線であり、それを支持する塩川一派だ。絶対に打倒する以外にない!
「生きていけるだけの賃金をよこせ!」――これは青年労働者の革命の叫びだ。この社会をつくっているのは労働者だ。しかし資本主義社会では、労働者は自らの労働力、すなわち自分たちの存在そのものを他の商品と同じように売ってしか生きていくことができない。そして、明日また資本家のもとで働くための最低限の生活費を賃金として受け取り、労働によって生み出した残りの圧倒的大部分は資本家によって搾取される。資本主義は賃労働と資本が非和解的に対立する社会だ。
新自由主義の破綻は、青年労働者に働きたくても働けない、働いたって食っていけない状況を生みだした。私たち青年労働者が人間として生きるためには、職場で資本と非和解で闘い、この賃労働と資本の関係を根本から覆し、資本主義社会を全面的に転覆して、団結した労働者の手にすべてを奪いかえす以外にない。動労千葉とともに賃上げゼネストが実現できる労働組合をつくり出そう! マルクス主義青年労働者同盟はその先頭に立とう!
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週刊『前進』(2357号1面2)(2008/09/01 )
反対同盟が招請状 北延伸阻止・市東さんの農地守れ
10・5三里塚大集会へ
三里塚芝山連合空港反対同盟が10・5全国総決起集会の招請状を全国に向けて発した。全国から三里塚現地に大結集しよう。(編集局)
招請状 三里塚芝山連合空港反対同盟
全国の労働者・農民、闘う仲間のみなさん。三里塚芝山連合空港反対同盟は10月5日に全国総決起集会を開催します。わが反対同盟と真に連帯して闘うすべてのみなさんが、大挙結集されることを心から訴えます。
侵略と勢力圏づくりのアジア・ゲートウェイ構想のもと、政府・国交省は欠陥・未完の成田空港の再構築に全体重をかけて突進しています。地元自治体や利権団体が、飛行回数の1・5倍化(年間30万回)と24時間空港化を叫んでいます。09年度内完成を掲げる暫定滑走路北延伸工事で、東峰地区を分断し天神峰の農地を強奪して切り崩し、南北の滑走路をつないで3800bとする攻撃との全面的な決戦に突入しました。
攻防の焦点は日々の現地の闘いと、これと一体で闘う裁判闘争です。土地収用法を失効に追い込まれた政府権力は、農地法や民法などによる土地の公用収用という、常軌を逸した攻撃にでてきました。71年代執行阻止決戦以来の、直接的な農地収用攻撃との全面激突がいま闘われています。反対同盟は「農地死守」を敢然と掲げ、この攻撃を実力で粉砕する決意です。
この攻撃は敵の強さの表れでしょうか? 断じて否、追いつめられたあげくのあがきです。アジア・ゲートウェイ構想は、新自由主義政策の最も遅れた産業部門として航空と農業問題をあげ、その解決を絶叫しました。成田空港は、物流の死命を制する国際ハブ空港から陥落し、日本の航空政策は20年型の遅れをたどっています。暫定滑走路を北に延伸しても「へ」の字誘導路によってジャンボが飛べない事実が暴露され、「成田パッシング(素通り)」と嘲笑(ちょうしょう)されています。
これを強制したものこそ、わが反対同盟の農地を守る闘いです。WTO(世界貿易機関)の決裂でEPA/FTA(経済連携協定/自由貿易協定)がさらに激化するこの時、闘いの始めに「日本農民の名において農地を守る」と宣言した三里塚闘争は、農業切り捨て・農地破壊と真っ向から闘う農民の砦です。
イラク・中東への侵略戦争、ロシアによるグルジア侵攻で反戦の怒りが広がるなか、東欧では米核戦略のもとで配備が続く新型ミサイル(PACV)に対する反対運動が激化しています。新テロ特措法を強行し給油法の延長を策動して改憲攻撃に突進する福田内閣に対して、反対同盟は成田空港防衛のためのPACV配備(自衛隊習志野駐屯地)を弾劾し、成田の軍事基地化と闘います。ここに三里塚闘争は、農業切り捨てと勢力圏づくりの国策に真っ向から立ち向かう新たな段階に突入しました。
穀物、原油の高騰と世界に広がる飢餓暴動、ストライキとデモの波、――資本と支配者どもは、その矛盾を労働者・農民からの徹底収奪で生き残ろうとしています。首切りと雇い止めと低賃金労働、増税と医療・福祉切り捨て、労働運動つぶし、農地解放以来の土地制度の解体攻撃の根はひとつです。生きることも許されないこの社会のあり方と、戦後体制の転換攻撃をうち砕くために、いまこそ闘う人民は総決起しよう。
勝利への道は「空港絶対反対」「農地死守」「実力闘争」の闘争原則と、動労千葉とともに切り開いた「労農連帯」の闘いです。反戦・反核・反権力、反差別の広範な市民運動、住民運動との連帯です。そして全世界の労働者・農民との国際連帯です。反対同盟は人民の勝利を確信します。
戦争と改憲反対! 労働者・農民は共闘してFTAに反対しよう。市東さんの農地裁判と天神峰現闘本部裁判を始めとするすべての裁判闘争に勝利しよう。三里塚の地に3000人の大隊列を! 10・5三里塚に全国から総決起されるよう訴えます。
2008年8月25日
暫定滑走路北延伸阻止 市東さんの農地を守ろう
憲法改悪絶対反対 成田を軍事基地にするな
10・5全国総決起集会
【日時】10月5日(日)正午
【会場】成田市東峰 反対同盟員所有地
【主催】三里塚芝山連合空港反対同盟
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週刊『前進』(2357号1面3)(2008/09/01 )
“民営化絶対反対で闘おう”
自治労大会 警察導入した本部弾劾、組合員と合流
自治労第80回定期大会が8月28、29日、千葉市で開かれた。今大会の焦点は鮮明だ。200万人首切り=民営化と道州制に絶対反対を貫くか、攻撃に屈して自治労解散の道を進むかだ。
地公3単産(都市交、全水道、自治労)組織統合や名称変更問題、銚子市立病院の休止と190人全員解雇問題などが議題となる中、全国から結集した労組交流センター自治体労働者部会は絶対反対派として登場し、「民営化反対と生きさせろのゼネストを闘おう」「現場の労働者の力を信じない中央本部を打倒しよう」と訴えた。
昼休みには地元の青年労働者も合流して約50人が集会。機動隊が導入され、一時は騒然となったが、青年労働者の真剣な訴えに反動ダラ幹も沈黙し、500人近い組合員が立ち止まって耳を傾けた(写真)。圧倒的な合流感だ。民営化絶対反対の動労千葉派こそ全労働者を獲得できると確信した。
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週刊『前進』(2357号2面1)(2008/09/01 )
“1047名解雇撤回の先頭に立つ”
国労5・27臨大闘争弾圧被告団の声明
旧弁護団解任・弁論分離の正しさと新たな裁判闘争の出発
国鉄1047名闘争は、4者・4団体路線のもとに圧殺されるのか、解雇撤回の原則を貫き労働者階級の壮大な反乱の先頭に立つのかをかけた決戦を迎えている。この中で、国労5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いは、1047名闘争の命運を決する位置にある。5・27臨大闘争弾圧被告団による旧弁護団の解任と、松崎被告との弁論分離は、4者・4団体路線を打ち砕き、1047名闘争の勝利を切り開くために、絶対に避けて通れない選択だった。8月23日に開かれた「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会発起人・呼びかけ人・全国代表者会議」で、被告団はこのことを全面的に主張しきった。7被告支持の立場を鮮明にした運動も、各地区で始まっている。この会議に向け、被告団が出した声明を紹介します。(編集局)
国労5・27臨大闘争弾圧被告団
富田益行(近畿地本兵庫保線分会)
橘日出夫(近畿地本奈良電車区分会)
東 元 (近畿地本大阪事業分会)
原田隆司(近畿地本福知山分会)
小泉 伸(近畿地本大阪貨物分会)
羽廣 憲(九州エリア本部小倉地区闘争団)
向山和光(国鉄闘争支援者)
はじめに
7月14日の鉄建公団訴訟控訴審で東京高裁・南裁判長が、裁判外での和解を提案した。15日には冬柴国土交通相が「誠心誠意、解決に向けて努力する」との談話を出し、17日には4者4団体が「誠意をもって交渉に応ずる」と表明した。
国労本部と4者4団体の一部指導部は、7月30〜31日の国労大会で、「裁判所からの『提案』を受け入れる」と屈服和解を全面的に推進することを宣言した。しかも、国労共闘や闘う闘争団員が国労本部と4者4団体の屈服和解に抗議するや、彼らは警察権力を大会会場内に引き入れて「5・27弾圧の再現」を狙うという許しがたい策動に走ったのだ。国労共闘は、これと対決して、屈服和解粉砕・本部打倒の闘いを貫徹した。
国鉄1047名闘争は、分割・民営化以来の闘争史上最大の決戦に突入した。この重大局面にあたり、私たち国労5・27臨大闘争弾圧被告団は、国鉄闘争の血と汗の歴史のすべてを背負い、1047名闘争の屈服和解を拒否し、国労本部打倒・1047名解雇撤回、JR体制打倒の先頭に立つ。そのために、旧弁護団解任(2月22日)と松崎被告人との弁論分離(5月12日)について、その正当性と不可避性を明らかにし、開始された新たな裁判闘争と第2次国鉄決戦を発展させていくために全力を尽くす決意である。
T 私たちの裁判闘争方針は松崎被告人・同弁護団の方針と全面的に異なっており、弁論の再併合など絶対にできない
(1)私たち7被告人の裁判闘争方針がどのようなものであるかは、8月1日の公判での富田被告人への被告人質問において全面的に明らかにされた。
それは一つは公判廷においても完全黙秘を貫くということであり、もう一つは、4者4団体路線を徹底的に批判し、国労本部打倒を絶対にかちとるということである。
(2)公判廷においても完全黙秘を貫くことについて。
完全黙秘・非転向は、打倒対象である国家権力との非和解・非妥協の思想の貫徹であり、捜査段階はもとより、裁判闘争においても貫かれなければならない。私たちはこの階級裁判の原則に立ち戻って裁判闘争を闘う。その第一歩が8・1公判だった。
これに対して、旧弁護団の裁判闘争方針は、検察官が公訴提起している各行為について、被告人質問の場で被告人自身に供述させて、その弁解的な供述によって裁判長に「無罪の心証」を形成させようとしてきた。だが、そのようなことで無罪判決をかちとるというのは幻想にすぎず、権力への全面自供に行き着く屈服の道でしかない。
(中略)
完全黙秘を解くことと偽装転向の表明を強要されてきた被告人の葛藤と苦悩の深さを、旧弁護団は知るべきである。
(3)4者4団体路線を徹底的に批判し、国労本部打倒を絶対にかちとることについて。
7・14東京高裁の「裁判外での和解勧告」に対して、国労本部と鉄建公団訴訟原告団等4者4団体は、これを全面的に受け入れると表明した。
4者4団体路線とは、本件5・27臨大闘争弾圧で私たちを警察権力に売り渡した国労本部を引き入れる一方、解雇撤回闘争をJR資本との闘いとして正しく位置づけてJRの安全の崩壊を突いて闘う動労千葉を排除する政治和解路線である。
私たちは、この4者4団体路線を全面的に批判し、国労本部を打倒するまで闘う。
これに対して、松崎被告人と同弁護団は、国労本部を擁護し、4者4団体路線を支持している。
鉄建公団訴訟等の原告団の代理人として名を連ねている松崎弁護団の弁護士たちは、東京高裁の「7・14和解勧告」にすがりつき、解雇撤回の原則を投げ捨てて、1047名闘争を自ら解体する4者4団体を支持するのか。「5・27裁判勝利」とか「1047名闘争勝利」を言うのなら、その職をかけてこの4者4団体路線に反対すべきではないのか。
(4)松崎被告人と同弁護団は「7被告人と松崎被告人の裁判闘争方針は一致している。だから、裁判の併合が無罪獲得の道だ」と今なお言っている。
後述(松崎被告人との弁論分離)するように松崎被告人は、2006年7月時点で仲間を権力に売るビラを出し、5・27被告としてはあってはならない裁判方針からの逸脱と敵対をしていた。
さらに、弁護人解任と弁論分離の過程をとおして、上述したように、両者の裁判闘争方針は全面的に異なるものになったのである。
そして、8月1日の公判の冒頭、私たちの弁護人は、「2006年の旧弁護団の冒頭陳述書を撤回し、新弁護団の更新意見を冒頭陳述書にする」と宣言し、裁判所と検察官に「冒頭陳述書」を提出した。
松崎被告人と同弁護団が主張している「弁論の再併合」など絶対にできない相談であることは明らかである。
U 旧弁護団解任と弁論分離の事実経過について
言うまでもなく国労5・27臨大闘争弾圧粉砕闘争の主体は、国労の屈服と腐敗、1047名闘争の危機に対して立ち上がり、不当弾圧を受けた私たち被告人である。
(中略)
旧弁護団解任問題はきわめて単純明解だ。旧弁護団が、私たち被告人の意思を尊重せず、私たちの依頼人としての要求を拒否し続け、信頼関係を自ら破壊した。だから、旧弁護団は解任されたのである。(中略)
旧弁護団は「被告人は弁護士の言うことを聞いていればいいのだ」と、被告人を裁判の主体として、自己解放の主体として認めてこなかった。そして旧弁護団は、私たちを「党の介入」に屈した「盲従分子だ」とさげすみ、今でも被告人の主体性を無視し、私たちを「党の操り人形」のようにしかみていない。だから、私たちの積年の怒りが爆発したのだ。
(1)裁判事務局員・米村氏の解任(2007年11月)
私たちは、被告人との信頼関係を崩壊させ、国鉄闘争と5・27裁判闘争をめぐって全面的対立関係に入った裁判事務局員・米村氏を昨年11月、解任した。
5・27決起は、2002年5月27日の臨時大会において国労本部が鉄建公団訴訟を提起した闘争団員を査問委員会へ送致し、除名等の統制処分をすることに反対する抗議のビラまき・説得活動であった。同時に、JR資本と徹底対決する動労千葉のような闘いを国労内でつくり出すための国労共闘としての主体的な決起であった。
米村氏は、この国労本部と対決する私たち国労共闘の主体的な決起を見ようともせず、私たちのその日の闘いを「闘争団支援行動」としてのみに位置づけることに固執した。
また、2005年9・15判決が1047名闘争にとって、また動労千葉にとってとうてい受け入れられない反動判決であることを認めず、「歴史的な成果だ」と評価した。
そして、今日の国鉄闘争の勝利を切り開いてきた原動力である動労千葉の闘いを否定し、「中野顧問を打倒する」との態度をあらわにしてきた。
さらに彼は、国家権力の弾圧との闘いの原則中の原則である完全黙秘・非転向を「ケースバイケースだ」と否定した。その考え方を本裁判闘争に持ち込み、被告人質問での公訴事実に関する供述を推進したのが米村氏だ。その結果、これまでの5・27裁判は、階級裁判の基本である完全黙秘・非転向を解体しつつ進行していたのである。
(2)旧弁護団の解任(2008年2月)
@このように、信頼関係を崩壊させ、国鉄闘争と裁判闘争をめぐって全面的対立関係に入ったため、私たちは米村氏を裁判事務局員から解任し、旧弁護団に対し同人を裁判に関与させないでほしいと求め、粘り強く説得した。
ところが旧弁護団は、こうした私たちの決断を否定し、あくまでも米村氏を裁判に関与させることに固執した。その最大の原因は、一瀬主任弁護人が、依頼人である被告人の立場に立つのでなく、一事務局員である米村氏を擁護したことにあった。(中略)
それ以降、被告団は3カ月にわたり旧弁護団を説得した。旧弁護団は、米村氏を、当初は裁判事務局員にとどめるべきだと言い張り、それが無理な話とわかると「弁護士の補助者」として使い続けることを主張し、その要求を私たちが受け入れるよう迫り、譲らなかった。この根本的な意見対立の結果、私たちは旧弁護団をやむをえず解任したのだ。被告人の意思を尊重せず、依頼人の要求を拒否し続け、信頼関係を自ら破壊した弁護人は解任されて当然なのである。
A旧弁護団は、2月4日の被告人と弁護団との合同会議で、「弁護士が米村氏を使っても解任しない」と言ったとして、被告人が「解任しない、すなわち米村氏を使ってもよい」と認めたと主張している。いわゆる「2・4合意」なるものである。
しかし、これはとんでもないデッチあげである。富田被告人も向山被告人も、「米村氏をこの裁判に関わらせることにはあくまでも反対である」と主張し続け、「米村氏を使ってもよい」などと認めていない。(中略)
Bその後、被告団は、被告人と弁護人がこのように対立していては公判など開ける状況ではないとして、「公判期日の取消請求」をするように申し入れた。ところが、旧弁護団は、2月18日の弁護団だけでおこなった会議において、この申し入れを無視するとともに、3月7日の公判でおこなう更新手続きの計画を具体的に決定して、被告人の意思を無視して裁判を強行しようとした。
ここに至って、旧弁護団の被告人無視の横暴を食い止め、被告団の団結を守るには、弁護団解任しかとるべき手段がなかったのである。
C旧弁護団解任を「党の介入」によるものという旧弁護団の主張は、弁護人解任問題の本質を覆い隠すためのペテンである。
問題の核心は、旧弁護団の解任は被告人自身の主体的な決断によるものだということである。
(中略)
(3)松崎被告人との弁論分離(2008年3月請求、5月決定)
国労5・27臨大闘争弾圧は、国労本部が私たちを警察権力に売り渡すことで、国家権力が「暴力事件」としてデッチあげた事件である。したがって、国労本部に対する姿勢と評価が裁判方針の基本になることは明らかである。この点で、私たち7被告人と松崎被告人との間に決定的な対立が生じ、弁論分離が不可避となったのである。
@松崎被告人は、国労本部が2006年12月、鉄道運輸機構に対し解雇撤回・原職復帰を求めず、損害賠償のみを請求した訴訟を提起するや、これを評価する立場を表明した。
この訴訟は、訴訟の形をとって政府・JRへの屈服を表明するものでしかない。国労本部も訴訟をしているという形をとることによって、4者4団体の枠組みを固定化させ、先行している鉄建公団訴訟原告団等を本部方針のもとに従わせる悪辣(あくらつ)な意図をもったものであった。
ところが、松崎被告人は2007年1月から2月にかけて、この国労本部の意図を暴露し、国労本部訴訟を批判する私たちを「腐り果てた姿」などと非難するビラを大衆闘争の現場で繰り返し配布した。
松崎被告人と同弁護団は、松崎被告人は「本部訴訟を国労再生のために活用しよう」と訴えただけで、国労本部を賛美したわけではないなどと弁解している。
しかし、松崎被告人は本年4月18日、自らのホームぺージで「7被告や国労共闘は、本部派の訴訟を『金目当ての妨害物』として切って捨てているようであるが、果たしてそれだけの批判ですむのかということである。今日的には『4者・4団体』の共闘に対する態度として貫かれている。私がこれを批判せずに評価しているから共同被告人の関係を絶つと言っている。」と述べている。松崎被告人はさらに「国労本部を含めた陣形でないと何事も動かない」とか「だから嫌がる本部を動かしてここまで来ている」とかと言って、国労本部が主導する、動労千葉を排除した4者4団体の政治解決路線を支持する立場をはっきりと表明している。
そして、松崎被告人は動労千葉・関西生コン・港合同の3労組呼びかけの2007年11月労働者集会への参加を拒否し、国労本部ら4者4団体が主催する11月30日の集会に参加した。
さらにこれに加えて、松崎被告人は、権力との闘いの原則を踏み破って、羽廣被告人を「盗人」(全くの事実無根!)呼ばわりして、権力に売り渡すビラを全国にまき散らした(2006年7月)。また、「革共同の7被告」と私たちを権力に売り渡す声明を出した(2008年2月)。そして、5・27弾圧を「本部執行部が政府権力に利用され、労働者を権力に売ることを強制され」たものという国労本部を免罪し擁護する声明を出した(2008年4月)。
私たちの裁判方針の基本=国鉄闘争の路線は、〈国労本部打倒・4者4団体路線反対、1047名解雇撤回・JR体制打倒〉である。しかし、松崎被告人の主張は、〈国労本部擁護・動労千葉排除の4者4団体路線支持〉であり、この両者がまったく相容れないことは明らかである。
A他方、松崎弁護団は、このような松崎被告人の言動に対する批判をいっさいせず、パンフレット形式の『弁護団声明』(6月6日付)で、「鉄建公団訴訟原告団は、……裁判外では国労本部を巻き込んだ4者・4団体で解決するとし、国労本部の屈服路線を抑えようとした」(6n)と4者4団体路線をなにひとつ批判せず容認している。そればかりか、「1047名闘争がそう〔1047名の団結した共闘に〕ならなかったというのは、残念なことである」として動労千葉が「解雇撤回の原則」を堅持して、4者4団体陣形に入らなかった方が間違いなのだと言わんばかりの見解を示した。
かように松崎弁護団の立場も、〈国労本部擁護=動労千葉排除の4者4団体路線支持〉なのである。
B1998年5・28東京地裁反動判決に屈服した国労本部が2000年5月の4党合意の受け入れに行き着いたように、鉄建公団訴訟の2005年9・15判決に屈服した原告団一部指導部等が4者4団体路線を生みだしたのだ。
私たちは9・15判決を反動判決であると断言する。だが、松崎被告人と同弁護団はこれを「歴史的成果」と評価する。この意見の対立は絶対非和解である。
9・15判決は、解雇撤回を拒否し、1人あたり500万円の慰謝料を認めただけのものである。しかも、国鉄時代に停職6カ月以上または停職2回以上の処分を受けた者などはJR不採用になって当然だとした反動判決だった。これは動労千葉と本州の闘争団の徹底排除を狙ったものだ。1047名の分断を図るこの判決を受け入れたところから、4者4団体路線は出発している。
4者4団体路線の破産は、今年3月13日の鉄道運輸機構訴訟の東京地裁判決によって全面的に明らかになっている。この判決は、解雇撤回を求めた原告の訴えを、時効を盾にことごとく退けた。
にもかかわらず、4者4団体路線を推進する者たちは、7・14東京高裁和解勧告に依拠して、「最後の機会」とばかりに屈服和解に身をゆだね、1047名闘争解体・国労解散の坂を転げ落ちている。
松崎被告人は、この3・13判決について「9・15判決、1・23判決という勝利の流れを阻止、逆転させるもの」(5月10日付「がんこもんニュース」)と言って9・15判決を「勝利判決」と積極的に評価している立場を明らかにしている(中略)。だが、鉄建公団訴訟があくまで1047名の解雇撤回をかちとる闘いである以上、解雇撤回を否定したこの判決を徹底的に弾劾することが、1047名の団結を固め、勝利まで闘いぬく強固な意志を打ち固めることになる。
私たちは、鉄建公団訴訟等を1047名の団結を固めることを総括軸に闘うべきだと考えている。その観点からすれば、解雇撤回をあきらめさせる意図をもった9・15判決は、反動判決として徹底弾劾すべきである。
また9・15判決は、国鉄時代に停職処分を受けた人は一切救済しないとして1047名の中に分断を持ち込んでいるのだから、1047名全体の団結を維持するためには、判決を徹底的に弾劾するしかない。「9・15判決は部分的にいいところもある」という評価では、1047名は団結できないからである。
Cさらに、私たちの弁論分離請求に対し、松崎弁護団は「救援連絡センターの公判闘争論からも決定的誤り」とか「敵を利する」とかと言っている。しかし、それは明らかな欺瞞(ぎまん)でありゴマカシだ。
たとえば、被告団の中から権力への投降者が生じた場合の統一公判維持とは、権力側の攻撃にほかならないからだ。実際、本件での私たちの弁論分離請求に対し、検察官は「併合審理が相当であり、分離請求は直ちに却下すべき」と主張した。そして、松崎弁護団は検察官と瓜二つの構成と内容をもって「分離請求はいずれも認められるべきではない」と主張したのだ。「敵を利する」のは一体どちらであったのか、言うまでもない。
V 革命情勢の到来が階級裁判への転換を求めた
サブプライムローンの破綻が示す新自由主義の行き詰まりが、世界を1929年恐慌を超える世界金融大恐慌の爆発の中にたたき込んでいる。ついに戦争、インフレと食糧危機という革命の大テーマが21世紀の現代世界に登場した。その革命の実現に向かって全世界の労働者人民は、ストライキ、ゼネスト、暴動に決起している。(中略)
戦争か革命かが問われる時代には、中間主義や日和見主義、体制内労働運動では闘えない。闘えないばかりか、過去の歴史が示すように排外主義と戦争に取り込まれてしまう。こういう時代だからこそ、階級闘争の原則を貫くことが求められている。
とりわけ帝国主義の最後の攻撃である新自由主義攻撃の核心は、民営化・規制緩和と労働組合の徹底解体である。その新自由主義攻撃の日本での最大の突破口であった国鉄分割・民営化攻撃と闘うにあたって、憲法の枠内での団結権擁護=基本的人権を守れの闘いにとどまっていては勝利できず、JR体制打倒―日本帝国主義打倒を目指す大闘争の一環として闘う中で勝利の展望を切り開くことができるのである。
このように、第2次国鉄決戦は、新自由主義攻撃粉砕の柱であり、日本労働運動の革命的再生を担う戦略的闘いである。したがって、JR体制打倒―日本帝国主義打倒の闘いとして1047名闘争や5・27裁判闘争を位置づけて闘う飛躍が、私たちと旧弁護団に突きつけられたのだ。
これに対して、私たちは、この飛躍を拒否した米村氏と旧弁護団を解任し、松崎被告人との弁論分離をかちとり、新冒頭陳述を確立することで本裁判闘争を階級裁判として再確立し、第2次国鉄決戦の主戦場に躍り込むことに成功した。
7・14屈服和解提案にすがりつく4者4団体路線によって、22年間不屈に闘い続けてきた1047名闘争が日本の階級闘争から抹殺されてしまうのか、それとも4者4団体路線を粉砕して解雇撤回を貫くのか、国鉄闘争はその重大な岐路に立っている。1047名闘争の勝利は、平成採の青年労働者の怒りと結合してJR体制を打倒し、新自由主義攻撃をうち破る闘いへと自ら発展させることの中にある。(中略)
私たちは、尼崎事故から3周年の4月26日、動労千葉とともに尼崎現地闘争を闘った。羽越線や伯備線の事故弾劾の闘いに毎年取り組み、職場で安全問題をテーマにJR資本と闘うことをもって、1047名闘争と一体になってその勝利を切り開く闘いとして打ち抜いた。(中略)
さらに、解任・分離問題についてその正当性を訴え、国鉄闘争の発展のために被告人が先頭に立って全国キャラバンをおこなっている。すでに全国各地で7被告人を招いた集会をかちとり、各「許さない会」から「7被告人支持」の圧倒的な決議が寄せられている。
そして動労千葉は、解雇撤回闘争と職場闘争を一体で貫き、JR資本を追いつめ、JR体制に破産を強い、ついに平成採の青年労働者を獲得する重大な勝利を切り開いた。
私たちは、5・27裁判闘争を、新自由主義攻撃をうち破り、JR体制を打倒するものとして、動労千葉とともに国際連帯をかけて、11月労働者集会の歴史的成功を実現するために闘う。(中略)
弁護団、家族、闘う国労組合員、「許さない会」を始めとする支援のみなさんと固く連帯し、この闘いに勝利する決意である。
(以上)
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週刊『前進』(2357号2面2)(2008/09/01 )
8・4〜8・21
人勧、現行水準据え置き勧告
●日本経団連、新内閣に要望 日本経団連は消費税引き上げを含む税制抜本改革などを求める福田改造内閣に対する8項目の要望を発表した。(4日)
●トヨタグループ、非正社員削減広がる トヨタ自動車グループの国内生産拠点で北米市場での販売不振に伴う減産を理由に、非正社員の削減が進んでいる。直近3〜4カ月間で、デンソー、関東自動車工業など主要5社の削減人員数は、派遣社員・期間従業員を合わせて約2300人に上った。さらに、同日トヨタ九州の派遣社員計約800人の契約を解除。(5日)
●08年度の最賃改定目安提示 中央最低賃金審議会は、地域別最低賃金の引き上げ目安を示した。全体の加重平均で時間額15円強(昨年は14円)の引き上げとなる(水準で702円程度)。ランク別の目安額は、東京や大阪などAランク15円、埼玉や京都などBランク11円、北海道などCランク10円、青森や沖縄などDランク7円。CDランクは昨年とほぼ同水準を確保しているが、ABは3〜4円低い。(6日)
●インドネシアから205人が看護師など目指し来日 日本とインドネシアとの経済連携協定(EPA)に基づき、インドネシア人の介護福祉士と看護師の候補者が来日した。第1陣は介護職101人、看護職104人の計205人で、6割強が女性。(7日)
●人勧、08年度の給与据え置き 人事院は08年度の国家公務員の給与改定について、月例給・ボ−ナスともに現行水準に据え置くよう国会と内閣に勧告した。(11日)=要旨別掲
●公務員制度改革本部の顧問会議 政府は国家公務員制度改革推進本部の顧問会議のメンバー11人を決定。御手洗経団連会長などが就任。(15日)
●国民年金保険料、実質納付率が最低に 07年度の国民年金保険料の全加入者で見た実質納付率は47.3%で、過去最低となった。(19日)
●オールテイク社の派遣事業の許可取り消し 厚労省はオールテイク株式会社(仙台市)に、一般労働者派遣事業及び有料職業紹介事業の許可を取り消すと発表。派遣法が禁じている警備業への派遣を行ったため。(20日)
●派遣労働者の労災が3年で9倍 07年に労災で被災した派遣労働者(休業4日以上の死傷者数)は5885人(うち死者36人)。製造業への派遣が解禁された04年に比べ約9倍に増加したことが厚労省のまとめで判明。(21日)
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08年人事院勧告(要旨)
・一般行政職の現行給与水準(平均年齢41.1歳)は月例給38万7506円、一時金支給月数4.5カ月で月例給の官民較差が136円と極小で一時金も均衡していることから、給与改定を見送る。
・09年度から職員の勤務時間を1日あたり15分短縮して7時間45分にする。
・非常勤職員の処遇に関する指針を策定する。(@給与は俸給表1級の初号俸を基礎として決定、A通勤手当を支給、B長期勤務者に期末手当を支給するよう努力)。
なお、俸給表1級の初号俸(13万5600円)とは、時給換算で782円。高卒初任給である1級5号俸(14万100円)よりも低い。
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週刊『前進』(2357号3面1)(2008/09/01 )
11月労働者集会へ3労組がよびかけ
ゼネストが必要な情勢だ!
闘う労働運動復権させよう
11・2全国労働者総決起集会に向けて全日建運輸連帯労組関生支部、全国金属機械港合同、動労千葉からアピールが発せられました。青年労働者を先頭に多くの労働者の11月労働者集会への参加を訴えます。(編集局)
たたかう労働組合の全国ネットワークをつくろう!
改憲―戦争と民営化―労組破壊にたち向う労働者の国際的団結を!
11・2全国労働者総決起集会への賛同と参加のお願い
全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部
全国金属機械労働組合港合同
国鉄千葉動力車労働組合
全国のたたかう労働者の皆さん!
労働者の団結した力が時代の最前線に登場しなければいけないときが来ました。
吹き荒れる新自由主義の激しい攻撃が全世界で労働者人民を深い眠りから呼び覚まそうとしています。世界中で、首切りや賃下げ、民営化攻撃に対する津波のようなストライキの嵐が轟いています。食料暴動や民族解放の闘いが燃え広がっています。韓国では、百万人のデモが街頭を埋め尽くし、民主労総の仲間たちがゼネストに立ち上がっています。アメリカでは、ILWUの仲間たちが、イラク戦争に反対して西海岸の全ての港を止めるメーデーストに立ち上がりました。日本でも怒りの声は社会の隅々まで満ち、とくに「ワーキングプア」という現実に突き落とされた青年たちが闘いにたちあがりはじめています。「蟹工船」ブームや、この間の漁民ストは、怒りの声が巨大なマグマとなって吹き出そうとしていることを示しています。新自由主義攻撃の中で後退を強いられてきた労働運動がいよいよ荒々しく復権しようとしています。
「競争原理こそ万能」「企業活動に無制限の自由を」という掛け声のもとに推進された新自由主義政策は、全世界に貧困、飢餓、格差を蔓延(まんえん)させました。民営化、規制緩和、労組破壊攻撃の中で、無数の労働者が非正規職に突き落とされ、社会保障制度や教育が崩壊し、イラク―グルジアと続く戦争の危機が生み出されています。
バブルとその崩壊を繰り返してきた20年余りの世界経済の異常なあり方がついに限界に達し、アメリカでのサブプライムローンの破綻以降、行き場を失った投機資金が原油や穀物価格をつりあげ、全世界で激しいインフレと大不況が同時進行しています。これは資本主義体制が行き着いた腐れ果てた最後の姿です。
日本経済もついにマイナス成長に転落し、福田反動政権は倒壊寸前です。一方こうした現実が、2百万公務員労働者への民営化―首切り攻撃、社会保障費のさらなる削減、大増税等、より一層激しい労働者への犠牲の転嫁や改憲と戦争に向う政治反動を呼びさまそうとしています。
求められているのは闘う労働運動を復権させることです。私たちは本年の11月労働者集会に向けて三つのことを訴えます。第一に連合や全労連の屈服を突破する現場からの反乱を組織することです。ヨーロッパを覆うストライキの波は「08賃金反乱」と呼ばれています。インフレに火がつき、無数の労働者が「生きさせろ!」という声をあげている状況の中で、非正規職撤廃、生活防衛、大幅賃上げ獲得、最低賃金引き上げを求める怒りの声を結集しなければなりません。私たちは09春闘に向けて、「ゼネストが必要な情勢だ! 闘う労働運動を復権させよう!」という訴えを全国に発信します。
第二に、国鉄1047 名の解雇撤回闘争を先頭に、民営化―労組破壊と、改憲―戦争に立ち向かう全ての労働者の怒りの声を結集することです。1047名闘争は正念場を迎えています。私たちは、「解雇撤回」を引き下ろし、動労千葉を排除して進められようとしている「4 者・4 団体」による「政治解決」に絶対に反対します。1047名闘争は全ての労働者の権利と未来をかけた闘いです。
第三に、5年間積み上げてきた労働者の国際連帯闘争を大きく発展させることです。今ほど万国の労働者の団結した力が求められているときはありません。
この一年、私たち三組合は、労働運動の再生をめざして闘いを積み上げてきました。連帯労組関西地区生コン支部は大弾圧をはね返して産別政策闘争の画期的な地平を守りぬいています。港合同は「団結こそ命」を掲げて中小零細企業に働く仲間を地域で組織し、倒産・解雇攻撃と対決して闘いぬいています。動労千葉は原則を貫いて1047名闘争や反合理化・運転保安確立、組織拡大の闘いを貫いています。
私たちは昨年の11月労働者集会で、「職場から闘いに立ち上がり、全国に闘う労働組合の共同センターや労働学校を網の目のように組織しよう」というアピールを発信し、今こそ全国で職場・地域から闘う労働運動再生への火の手をあげようと確認しました。この訴えは、各地の仲間たちの手によって具体的な形となり、全国で20カ所近い労働学校が開催されるという大きな成果を生み出しています。今なによりも求められているのは、不一致点は留保し、一致点を拡大して闘う労働組合の全国ネットワークをつくりあげることです。労働者が団結を取り戻し、労働組合を甦(よみがえ)らせることです。自らのもつ力と可能性を自覚し、誇りを取り戻すことです。
私たちは、本年の11月集会を、自らの飛躍をかけた闘いとして全国の仲間たちに呼びかけようと討議しました。渦巻く怒りの声をここに総結集し、労働者の団結した闘いこそが、歴史をつくり、社会を変革する力だと宣言しよう。志を同じくするすべての皆さんの賛同と参加を心よりお願い申し上げます。
2008年8月
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週刊『前進』(2357号3面2)(2008/09/01 )
“今年こそ1万人を”
第1回実行委員会を開く
8月24日、千葉市のDC会館で11月労働者集会に向けた第1回実行委員会が開かれた。約100人が参加して、「今年こそ1万人結集を実現し、労働運動を大きく前進させよう」と活発な討論が行われた。
今年の労働者集会は11月2日(日)正午から東京・日比谷野外音楽堂で開催される。例年どおり、闘う3労組(全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械港合同、動労千葉)が呼びかけ団体となり、実行委員会がスタートした。
実行委では、動労千葉の田中康宏委員長が基調報告を行い、「11月集会」運動の到達地平、とりまく情勢、集会の獲得目標などについて、1時間を超える、相当突っ込んだ提起・提案を行った。
とりわけ、今年の集会の獲得目標として、@「生きさせろ!」のゼネストを訴えよう、A国鉄1047名解雇撤回闘争勝利、新自由主義攻撃粉砕―民営化粉砕の総決起集会としてかちとろう、B国際連帯闘争のさらなる前進を――の3点が提起され、この中身で組織化することを全体で確認した。
提起を受け国鉄、自治体、全逓、教労を始め各労組、団体から活発な意見が出された。
年々重要性を増す11月集会、それゆえに激化する大反動との対決に勝ち抜いて11月集会の大成功をかちとろう。
(写真 約100人が参加して白熱した討論。発言しているのは動労千葉の田中委員長【8月24日 千葉】)
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週刊『前進』(2357号3面3)(2008/09/01 )
銀座局 8・30全逓と全郵政との支部統合に反対しよう!
東京銀座郵便局では、8月30日に全逓(JPU)と全郵政の支部統合大会が開催されようとしています。全国労組交流センター全逓労働者部会のビラを転載します。(編集局)
闘わない組合幹部は俺たち現場の敵だ!
銀座郵便局ではたらく労働者のみなさん。全逓(JPU)組合員のみなさん。
ついに、糀谷(こうじや)執行部体制を打倒して、組合を現場に取りもどすときが来ました。闘わない執行部に組合を明け渡すわけには行きません。民営化反対の旗を降ろしたJPU中央本部は、ついに全郵政との組織統合で「生産性向上で企業につくす」をスローガンにJP労組を立ち上げ、今年7月の第1回全国大会で現場組合員の討議もなく、民営郵政当局への忠誠を誓いました。
今また、現場組合員の討議もなく、支部段階での組織統合が推進されています。それが8月30日、日本郵政グループ労働組合・東京銀座支部結成大会です。「代議員は誰?」「組合員の声は反映されるの?」「職場の大混乱をよそに、何が結成大会だ!」「パーティー会場で何が組合大会なんだ! 酒でも出るのか!」これが現場の声です。「組合で決定した」と言うけれど、そもそも現場組合員の総意でない結成大会など認められません。しかも支部のオルグもないではありませんか。
民営化スタートから、職場の混乱は東京中郵廃局・銀座移転によってさらに深まっています。「こんな職場に誰がしたんだ」職場の怒りは、民営郵政当局はもとより、何もやらない執行部に向っていることを知っているのか。5月銀座移転で職場実態調査を頼んだのは誰だ。3カ月も経って、要求書すら出していません。各班で協力してくれた仲間の声は、「ふざけるな、お願いだけしておいて」「これで少しは変わると思ったのに」というものです。まじめに考えている組合員をなめているのか!
(写真 “支部統合反対を”全国労組交流センター全逓労働者部会の労働者が銀座局前で連日ビラ配布【8月25日】)
民営郵政の破綻は誰もが知っている
07年10月1日からスタートした民営郵政は、すでに破綻しています。東京中郵の廃局・銀座移転で分りやすくなりました。東京中郵廃局絶対反対の超勤拒否が現場から闘われる中で、5月7日、東京中郵は廃止され銀座移転を迎えました。当局は、机上の計算で打ち出した統廃合後の、配達シミュレーションの破綻の責任を現場労働者に押し付けています。その中身は、本務者の欠員の穴埋めも無く、たらい回しの局内異動が大規模に行われ、さらに日逓の請け負い配達が導入されましたが、要員不足による超勤は増える一方ということです。2カ月で80時間を越える超勤も発生しています。この実態を無視して、当局の言っていることは、「超勤が多すぎる」「減らす努力をしなさい」ということです。そもそも人がいないんだ! 普通は、仕事が忙しくて終わらないから残業というのでしょ?
明日も集荷に行く人がいません。人が入らなかったら、明日も明後日も永遠に超勤が続くということです。こんなおかしなことはありません。
当局は矛盾を抱えながら、それでも生産性を上げろと言っています。それが意味することは、民営郵政の生き残り策としての、人員削減を至上命題とする方針の押しつけです。当局は徹底して、現場に強労働を押しつけ、「超勤が多いのは、お前らの働きが悪いからだ」と言うのです。この中で、正規、非正規の分断が行われているのです。破綻の責任は現場の俺たちには一切ありません。敵は当局です。ゆるせないことに、この状況にさらに追い討ちをかけているのが、JP労組中央本部とそれにつき従う支部執行部です。
組合員を裏切る「組織決定」は無効だ!
JP労組中央本部は、民営化の破綻を現場組合員の総力で取りつくろえと言っています。今年の5月30日に出された日本郵政の決算(07年10月〜08年3月)では、日本郵政グループとして2772億円の黒字ですが、郵便事業の694億円は、計画の7割です。当局と一体となった組合本部は、事業の成長発展として24000人の削減に協力し、出向・転籍のルール化=協約化、作業の機械化、外部委託、日通との事業統合(JPエクスプレス株式会社)を見すえた「ゆうパックセンターの拡大」と宅配便事業の統合など、合理化で命を削るような労働によって民営郵政を支えろと言っているのです。こんな本部方針に従っている限り、本務者の減員と非正規化、極限的な強労働、慢性的な超勤による過労死、殺人的な深夜勤の拡大、労働災害、心身の破壊、労働者の生活破壊はさらに拍車がかかる一方です。この期におよんで、糀谷執行部は本部方針に従うの
か?!
組織決定とは、現場組合員の利益になるべきものであって、組合員を裏切って、当局にすり寄るような組織決定は間違いです。現場の利益を代表した支部執行部を確立すれば、中央本部を打倒して闘う労働組合を取り戻すことは可能です。
現場に権力よこせ!
もうひとつは、現場労働者に権力をよこせということです。「会社あっての労働者」などというのは、もはや幻想でしかありません。世界中で貧困と失業・戦争が拡大しています。7月に開催されたG8洞爺湖サミットで、環境問題、食糧問題は何ら解決の糸口さえ見出せなかった。1千兆円もの借金を背負った小泉政権がやったのが郵政民営化だったではありませんか。ブルジョア政権の支配者どもは、労働者に責任など取れない状況なのです。漁民だって全国でストライキに立ち上がったではないですか。
今度は、労働者の出番です!
現場労働者が権力をとれば、明日からでも業務を回す力を持っています。欠員の穴埋めと、移転に伴う増員があれば、俺たちで業務運行など出来るのです。管理者は、「超勤が多すぎる!」と文句をいうだけで、配達に行くのか? 集荷に行くのか? 口だけではないですか! それだけでも明らかです。
闘う執行部確立しよう
職場の混乱をよそに、当局を呼んで酒でも飲んでいるようでは、欠員の穴埋めなどあるはずがありません。当局に忠誠をちかう大会になろうことは、職場の誰もが気づいています。大会会場は銀座のパーティールームです。こんなことを許していて、俺たちの未来はあるのか。8・30支部統合大会が『当局との酒飲み大会』として開催されるのであれば、9月から直ちに超勤拒否の実力闘争に入ろうではありませんか。
こんな状況では、今年の年末はさらに大混乱は必至です。しかし、現場からの決起で展望は開けます。その決定的要因は、ひとりひとりの組合員の存在と力にあるのです。世界はゼネスト情勢です。われわれの闘い如何(いかん)で、それは可能です。
今秋、万余のデモを首都東京で実現しようではありませんか。「もうガマンの限界だ! 賃上げストライキをやろう! たたかう労働運動をやろう! ワーカーズ・アクション9・27」に、青年労働者と共に立ち上がろう。
11月2日、三労組が呼びかける1万人結集の労働者集会(会場・日比谷野音)に参加し、銀座で1万人のデモをやろう!
銀座局で働く労働者のみなさん、俺たちの組合を、デモとストライキで闘える労働組合にしよう。東京中郵・銀座局から全逓を変えていこう。組合員の怒りは全国の職場に満ち満ちています。共に闘おう。
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週刊『前進』(2357号3面4)(2008/09/01 )
給油新法再延長阻止へ
今秋臨時国会の重要な焦点
帝国主義的権益確保の軍事政策
臨時国会が9月12日に招集されることが決まった。倒壊寸前の福田政権にとって、臨時国会の最大の課題は、インド洋上での海上自衛隊の給油活動の根拠法である給油新法=新対テロ特措法の期限延長問題だ。同法の期限は来年1月で二度目の期限切れを迎える。今年1月、参議院で否決された直後の衆院本会議で57年ぶりの再議決(3分の2以上の賛成)という暴挙で、かろうじて同法の1年延長を通した日帝福田政権にとって、給油新法更新問題は、今や政権崩壊にも直結する難問と化している。
戦争とインフレ、貧困の強制に対する怒りを爆発させる世界の労働者人民と固く連帯し、職場と街頭で福田政権打倒、11月総決起の闘いを爆発させ、自衛隊のインド洋―イラク派兵阻止・給油新法延長断固阻止をたぐり寄せよう。
日帝・政治委員会は、改憲攻撃が彼らの思惑どおりに進まず、集団的自衛権の行使が憲法違反であるとの政府解釈も未だ変更できていない。自衛隊の海外派兵を保証する「恒久法」も未成立だ。この中で、給油新法に基づくインド洋での米軍等への給油活動は、日帝が帝国主義の侵略戦争に参戦し、中東の石油権益など海外の帝国主義的権益を確保するための軍事的プレゼンスを拡大する生命線となっている。
首相の福田は、さる7月のG8洞爺湖サミットで、「インド洋での給油活動を継続する」と米帝ブッシュに直接確約していたことも明らかになったが、6・29渋谷デモの爆発は、この福田政権に対する痛烈な打撃だった。いまや次期衆院選で「与党議席が3分の2を占める」体制が消滅することは必至の情勢で、自民党は94年総選挙以来の与党陥落の危機に脅かされている。福田政権にとって、臨時国会は同法が生き残りの最後の機会になる可能性が高い。
そして、廃案―再度のインド洋撤退という事態に追い込まれれば、沖縄・辺野古新基地建設をはじめとする米軍再編攻撃のさらなる動揺と崩壊につながることも必至だ。日米安保体制の根幹が揺らいでいるのである。これは、小泉構造改革以来の新自由主義攻撃のエスカレーションに対する労働者人民の反乱が拡大する中で、支配階級の動揺と分裂を極点まで高めずにはおかない。
この事態を避けるための”再々度の再議決”という最終手段も、福田政権に対する労働者人民の怒りの火に油を注ぐ。それゆえ日帝・政府与党もこの問題で分裂を抱えているのだ。給油新法問題は、ひとつの法案の成否という次元を超えて、日帝の存立それ自体を左右する問題となった。
世界戦争情勢下の海外派兵阻め
グルジア問題で火を噴いた米欧帝国主義とロシアとの領土・資源戦争は、ついにNATOとロシアの決裂という事態に発展し、新たな世界戦争の危機を急速に成熟させている。WTO(世界貿易機構)のドーハ・ラウンドも決裂し、世界の分裂とブロック化、帝国主義間(大国間)の争闘戦が激化する中で、日帝の海外派兵体制にくさびを打ち込む闘いの意味は決定的である。給油新法を粉砕し福田政権を打倒しよう。11月労働者集会1万人結集へ闘いぬこう!
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週刊『前進』(2357号4面1)(2008/09/01 )
〈特集〉世界は革命情勢! 全世界をおおうストライキの大波
労働者の力が荒々しくよみがえり始めた
11.2労働者集会 大幅賃上げが闘いの軸
鉄道スト転機に「スト共和国」 ドイツ
左 【フランス】年金制度改革に反対し8つの労組の全国組織70万人が全土で一斉にデモ
右 【ドイツ】自動車産業で金属産業労組の9万人がスト。公共部門のストが飛び火し拡大
全世界でものすごいストライキが闘われている。世界の労働者は完全に闘う力を覚醒(かくせい)させつつある。全世界の労働者が「生きさせろ」の叫びを上げている。革命の要求だ。今日の世界的スト情勢は、文字どおり資本家階級が生き延びるか、労働者階級が生きていくかをかけた非和解の激突だ。資本主義の根底的な危機が背景にある。
◎西ヨーロッパ
ドイツでは、機関士労組(3万人)が30%賃上げを要求して昨年夏から半年に渡り大規模な波状的ストを貫徹、11%の賃上げをかちとった。
ドイツ経団連は「自動車工場の生産がストップし、国際競争力が損なわれる」と悲鳴をあげ、激しく非難した。ナショナルセンターの労働総同盟と他の二つの鉄道労組は屈服し、スト破りを策動した。
だが、機関士労組は「長年の賃金カットと労働強化にはもう我慢できない」「打撃を与えてこそストだ」とストを貫徹。公共部門の労働者が大合流し、統一サービス産業労働組合(230万人)が組織する近距離交通・空港・病院・保育園・清掃などの労働者が大幅賃上げを要求して、繰り返しストに入った。
新聞は「ドイツはスト共和国と化した」と書いた。ついに4月中旬には無期限ゼネストが計画されたが、中央指導部が裏切って回避。各所で山猫ストが起きた。
郵政労働者が大規模な物ダメに入った。約3千万通の郵便物が止まった。フランクフルト国際空港の空港郵便局の労働者は1日で百万通の郵便物を止めた。5月29日には、首都ベルリンで公共部門数千人がスト、官庁や自治体の窓口は一日完全に閉鎖された。
公共部門の闘いはついに自動車産業に飛び火した。6月上旬、ダイムラーやアウディなどの自動車や自動車部品を製造する150の工場で9万人がストに入った。
フランスでは、ル・モンド紙が4月、ストによって創刊以来初めて休刊になった。4月23日には、マルセイユやボルドーなどフランスの主要港で港湾労働者が政府の港湾民営化計画に反対して24時間ストを闘った。
6月10日には、国鉄・教育・その他の公務員が民営化反対でスト。国鉄は62%を組織する3つの労組が24時間ストに突入し、特急の半分が止まった。サルコジ政権は公務員や教員を大幅に削減する攻撃をかけている。
イギリスでは、4月下旬に70年ぶりの精油所ストでパイプラインが稼働を休止した。わずか1200人の48時間ストで全英の石油・ガスの4割の供給が止まった。6月にはタンクローリー労働者がスト。全英のガソリンスタンドの4分の1が供給ストップとなり、空港でも相当数が欠航になった。
4月24日、教育労働者4万人が21年ぶりの全国ストに突入。全英の学校の3分の1(8000校)が閉鎖になった。同日、公共部門40万人の労働者が24時間スト。公共部門数百万人が低賃金にすさまじい不満と怒りを持つ。
7月16日、公共部門50万人が再び全英で48時間のゼネスト。学校・社会福祉事務所など地方官庁、図書館や博物館などが全面閉鎖、ゴミ収集もストップした。大幅賃上げを要求するストだ。
ベルギーでは5月14日、鉄道労働者が全国24時間ストに突入。全国の鉄道が完全にストップした。イタリアでも7月6日、24時間の全国スト。地下鉄・バスなども一斉に続き、首都ローマを始め、イタリア全土で公共交通のすべてがストップした。
医療労働者が8週間のスト デンマーク
【スウェーデン】看護師を先頭に福祉労働者がストに突入。デンマークでは無期限ストが
◎北欧
4月に始まったデンマークの看護師・ヘルパー・保育士らの無期限ストは、全国10万人に拡大した。約8週間のストでキャンセルされた検査や手術は40万件に及ぶ。賃上げ額はわずかだったが1万人近い若い組合員を獲得した。「福祉国家」と宣伝されるデンマークでは看護師の賃金が非常に低く、他の公共部門で働く労働者より3割も低い。スウェーデンでも看護師ら数千人が4月にストに入り、その数は倍増した。
◎東欧
ギリシアでは5月以来、タンクローリー1700台以上が13%の賃上げを要求し、ストに突入。ガソリンスタンドの9割が供給不可能になった。5月15日には通信・銀行・運輸・自治体・病院・港湾・航空などを網羅する民営化反対のゼネストに発展した。ギリシアでは国営通信企業の株の4分の1をドイツ企業が買い占めている。「通信をもとどおり百%公共部門に戻せ」のスローガン。
チェコでは、プラハなど主要都市で百万人が1時間のゼネスト。チェコの人口は約1025万人。医療労働者が牽引(けんいん)し、建設・土木・鉱山、鉄道・交通、郵便・教育労働者などが参加。医療は朝6時から全日のストを貫徹した。
ハンガリーでも7月14日、10%の賃上げと約20万円の一時金を要求して鉄道スト。首都ブダペストの交通稼働率はわずか2%になった。ロシアでは鉱山労働者が決死の長期ストに立つ。稼働率は半分になった。鉄道運転士の独立労組は4月28日、24時間スト。数百本の列車が運休した。
【インド】トラック運転手400万人以上が無期限ストに突入した。燃料費の高騰に抗議
◎中東・アジア
インドの首都ニューデリーでは4月24日から24時間のゼネスト。公共・民間部門や未組織労働者も参加し、都市機能が停止した。7月2日からはトラック運転手400万人が無期限スト。8月11日にはプランテーション労働者30万人が賃金2倍化を要求してストに。8月20日、インド全土で数百万人の労働者が再び12時間のスト。大幅賃上げ要求と政府の経済政策に抗議した。国営銀行を始め銀行員だけで90万人が参加。空港・鉄道・通信・自治体・大学、バスやトラックの運転手など、きわめて広範な産別・職種の労働者がストに参加した。
【韓国】民主労総は金属労組の全国240の職場で12万人がストに決起化学や建設労組も
韓国では、軍事独裁政権を打倒した1987年の民主化闘争から21年目の6月10日、イミョンバク政権打倒の百万人デモが全土を覆った。民主労総傘下の貨物連帯は6月13日、燃料価格高騰による生存の危機突破の要求を掲げて無期限ストに入った。鉄道・港湾・空港の労働者も貨物の代替輸送拒否を決定。プサン港を始め全港湾の機能が停止した。
6月16日からは建設機械労組(7千人)も無期限ストに入った。韓国労総も合流し、全土の物流がガタガタになった。7月2日から金属労組12万人がストに突入した。
【アメリカ】ILWUの港湾封鎖のストに参加した運輸労働者合同労組。各大学で学生も
◎アメリカ
ILWU(国際港湾倉庫労組)の2万6千人の港湾労働者が5月1日のメーデーで西海岸の全港湾29港を止めた。シリコンバレーの清掃労働者やアメリカン・アクスルやGMなどUAW(全米自動車労組)の労働者などがストに決起し闘いは広がっている。
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週刊『前進』(2357号5面1)(2008/09/01 )
〈特集〉世界は革命情勢! 全世界をおおうストライキの大波
労働者の力が荒々しくよみがえり始めた
「生きさせろ!」は革命の要求だ
資本主義の根本矛盾が背景に
まさしく世界の労働者が覚醒し始めた。津波のように世界を覆うストは、その規模や影響力において戦後史を画する。最大の特徴は、全世界の労働者が「もうこれでは生きていけない」と不退転の決起をしていることだ。この一点にこそ資本家と労働者の非和解的階級対立がある。
ストを牽引するのが鉄道・公共部門・医療労働者の闘いだ。ドイツでは機関士の非妥協的な闘いが「スト共和国」の転機を生んだ。仏独英では公共部門の労働者が数十万人単位でストに入っている。新自由主義政策による公共部門の民営化や公務員の大幅削減が背景にある。
北欧や東欧などでは医療労働者がゼネストの先頭で闘っている。福祉国家の欺瞞(ぎまん)が暴かれている。
全国規模に波及する前に転機となる闘いがある。原油高騰によるバスやトラック、石油関連の労働者の闘いが出発点となるケースが多い。それに公共部門など全産業の労働者が合流している。
トラック労働者のストはギリシャに始まり、スペイン・ポルトガル・フランスへ拡大した。ついにはドーバー海峡を越えてイギリスに押し寄せ、商業新聞でさえ「ストの波に包まれるヨーロッパ」と呼ぶ情勢をつくった。漁民や農民の闘いも国境を超えた闘いになっている。
大幅賃上げは全世界共通の要求だ。インフレや食料・燃料の高騰と政府の経済政策への怒りは大きい。また民営化、非正規雇用化との闘いも、労働者の生存をかけた重要な課題となっている。
闘いはどこでも既成指導部と現場の労働者の分岐の中から組織されている。ドイツではナショナルセンターの裏切りに対し、まず機関士労組の非妥協のストが情勢を切り開き、郵政労働者や空港労働者の山猫ストが全産業の労働者の決起を引き出した。
世界情勢の核心は、〈労働者こそ、この社会を転覆し、階級社会を廃絶できる〉〈今が資本主義を打倒して革命をやるチャンスだ〉――の立場で世界を見ることが大事だ。
世界情勢を規定するのは、資本主義の根本矛盾そのものである。資本主義世界の巨大な生産力と富は、一握りの資本家階級が握っている。そして社会の生産活動の一切がこの少数者の利益のために組織されている。一握りの資本家が利潤を得るためだけに社会的な生産が行われている。この点こそが資本主義社会の最大の矛盾なのだ。
賃下げ、非正規雇用化、民営化と規制緩和、国や地方の1100兆円の借金、トヨタやキヤノンの工場で働く青年労働者の半数が派遣で、時給幾らで一生奴隷のように働かされるのも、すべて資本家が社会的生産から利潤を引き出すためだ。
それら一切合切が破産し始めたのだ。史上最大のバブル崩壊は、資本主義史上で最大規模の金融大恐慌を引き起こした。利潤を求める莫大な投機マネーは石油や穀物に殺到し、世界中の労働者を飢餓に陥れている。労働者の失業や生活苦のみならず、全産業の生産が空転し始めている。
サブプライムローン危機が世界の金融市場に激震を与えてから約1年。サブプライム関連の損失は百兆円を超す。アメリカの政府系住宅金融公社も経営危機に陥っている。
これまでは世界中から米国に資金が流れ込み、不動産や証券市場が高騰、資産価格の上昇で消費を拡大し、企業業績を底上げしてきた。が、サブプライム危機で歯車が一気に逆転したのだ。金融機関の不良債権が急増し、経営が悪化した金融機関は貸し渋りに走っている。米大手500社の営業利益は前年同期比で17%減。4四半期連続のマイナスになった。米経済は〈景気減速・住宅価格の下落・原油高騰・金融不安・ドル安〉の五重苦に入っている。
日本も同じだ。自動車や電機など大手製造業は、仕入れや賃金をぎりぎりまで抑制し、バブル期を上回る過去最高益を更新し続けてきた。その結果が今日の労働者の状態である。昨年の雇用者の賃金総額263兆円は、景気後退期だった01年の269兆円を下回る。しかも日本経済はマイナス成長に突入した。
これは資本主義の根源的な危機だ。もはやどんなに無茶なことをしても利潤が上がらない。それは資本主義の原理の否定そのものだ。資本主義は、本当に利潤が上がらなければ、生産力は破壊力に転化し、生産はストップする。
勝利のチャンスが到来した!
いま一つ重大なことは、資本主義の危機が世界中の労働者・農民の闘う力を覚醒させ、世界的な団結をつくり出していることだ。
新自由主義政策で、労働者階級への攻撃と犠牲転嫁によって、かろうじて延命してきた資本主義のあり方が完全により巨大な矛盾に転じたのだ。
資本主義を打倒して、革命をやるチャンスだ。革命の条件は完全に成熟している。社会主義の客観的前提条件はある。資本主義の危機の激化こそ革命の原動力だ。
現代の資本主義世界は、ほんの一握りの巨大金融独占資本(大銀行と大企業)が生産を支配している。あらゆる産業を一握りの巨大資本が独占的に掌握している。原料・資源の占有に始まり、生産と分配、労働力や技師、交通機関に至るまですべてを系統的に組織し、支配している。
そのことを逆に示すのが世界のスト情勢だ。労働者の組織的闘いは、今すぐにでも労働者がこの社会を運営できることを示している。高度に社会化された生産のあり方は、最初は少数の闘いでも、全産業のストに容易に発展する。社会の主人を、金融独占資本に代わって団結した労働者階級に置き換える現実性を示している。
ストライキは資本主義社会の本質そのものから生まれる。労働者が団結してストを闘う時、事態は変わる。労働者がいない限り、資本家は生産できない。利潤を得ることはできないのだ。ストは、資本家と労働者のどっちが社会の主人かを労働者に教える。
労働者が資本家に服従することを拒否し、ストで生産をストップさせることであらゆる分断や違いを超えて団結できる。労働者は階級全体のことを考えるようになる。
動労千葉の田中委員長は、11・2労働者集会の課題として、「生きさせろ!」のゼネストを提起している。大幅賃上げという当たり前の要求に根底的な社会変革が宿る時代が来たと訴えている。
世界のスト情勢に続く闘いをやろう。これ以上資本家階級の暴虐を許してなるか。あらゆる職場からストを追求して闘おう。「万国の労働者、団結せよ」が今秋の方針だ。11・2労働者集会に1万人を集めて、日本の労働者の力を覚醒させよう。
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週刊『前進』(2357号5面2)(2008/09/01 )
法大決戦勝利! 11月労働者集会へ
全学連大会に大結集を
招請状
全国の学友のみなさん!
全学連中央執行委員会は、帝国主義・資本主義の戦争・搾取・抑圧をぶっ飛ばす学生の固い団結をつくり出すため、9月13日〜15日に全国大会を開催します。いまだ国家権力にとらわれ続けている20人の仲間と獄壁をうち破って団結し、新自由主義大学との激突である法大闘争勝利の展望をつかみ、動労千葉(国鉄千葉動力車労働組合)をはじめ3労組が呼びかける11月全国労働者集会の1万人結集へ突進しよう。何よりも、結集したすべての仲間が学生運動のリーダーへと飛躍しよう!
第一に、本大会から法大10・17キャンパス大集会と今秋ストライキに総決起しよう。7月24日には、なかのZEROホールを埋める学生・労働者460人の結集で、怒りを込めて総反撃を宣言しました。これに恐怖した警察権力は集会前後に3人の学生を令状逮捕し、8月14日に起訴しました。絶対に許すことはできない!
法政大学ではこの2年半で88人の逮捕、22人の起訴、4人の退学、1人の無期停学。闘う学生を警察権力と結託して弾圧・処分し、追放していく法大当局の暴力支配。そして他方では徹底的に学生を分断し、自治団体やサークルをつぶし、資本主義への幻想をあおり、貧困ビジネスさながらに学生にたかる。「もう我慢ならない!」「団結してキャンパスを学生の手に取り戻そう!」「帝国主義強盗のためのサミットは粉砕だ!」、この腹の底からの怒りの爆発が5月29日の暴力職員・ガードマン・公安警察を圧倒した闘いでした。法大5・29戦闘は青年労働者の心をとらえ、6月29日のサミット粉砕の渋谷大デモに引き継がれました。そしてこの闘いの中で、ついに法大文化連盟(文連)が立ちあがった! 闘う法大生への弾圧・処分攻撃に対し「一人の仲間も裏切らない!」、この文連と全学連の団結こそが法大闘争の核心であり、法大当局の攻撃をことごとく破産させてきました。
新自由主義は危機に立つ帝国主義の最後の延命策であり、新自由主義大学と非和解で闘う中で真の団結が生み出されます。法大総長・増田は、一方で「自由な大学を」などと許せぬデマを振りまき、他方で「社会的要請に応える自立型人材の育成」などと、資本家の要求を忠実に実践する先兵であることを自認しています。教育と学生を資本に都合のいい商品にし、弱肉強食の自己責任を強い、そしてそれに声をあげればむき出しの暴力で押しつぶす。これこそ戦争への道そのものではないか! 法大こそ資本・国家権力との激突の最前線です。新自由主義には3万法大生の決起で応えよう! 10・17法大集会に全国から総結集し、今秋法大ストライキを実現しよう!
第二に、法大と全国大学で闘いを爆発させ、11月集会への1万人結集−学生1000人結集をかちとろう! 帝国主義の世界支配が崩壊し、米サブプライムローン破産とインフレが労働者階級の生活を直撃しています。その中から、資本主義の打倒に行きつく激しいストライキ、デモ、暴動が全世界でまき起こっています。穀物をつくる農民が飢え、社会の生産をすべて担う労働者がワーキングプアになるというこの転倒! その頭目である福田、ブッシュらを許すな! もはや資本主義は労働者・農民をまともに食べさせることすらできません。いよいよ命脈の尽きた資本主義を労働者の手で打倒する、胸踊る時代が始まりました。
労働者こそ社会の主人公です。労働者の団結にこそ未来社会の展望があります。動労千葉はじめ三組合の呼びかける11月集会は、日本階級闘争の先頭に立ち、南朝鮮・韓国やアメリカの戦闘的労働運動と結合し、世界革命の司令塔になろうとしています。資本への怒り、新自由主義への怒り、分断と団結破壊への怒り、われわれ学生の怒りは労働者とまったく同じであり、11月集会への1万人結集を火花にして6500万労働者−2000万青年労働者−300万学生の総反乱をつくり出すことは絶対にできる!
第三に、獄中20同志のように闘おう! 「5・29法大戦闘は短時間とはいえキャンパスの支配権を学生が握る事実上のストライキとしてうち抜かれ、資本・権力によるサミット体制は崩壊した。サミットを粉砕した力で、新自由主義をぶっ飛ばそう! 獄内外で団結し、法大から第2波ストライキをやろう!」(全学連副委員長・内海佑一、法政大学)、「団結しよう! ともに闘おう! 団結こそ俺たちの最大の武器だ。団結すれば必ず勝つ! 監獄大学・新自由主義粉砕へ今こそ立ちあがろう!」(全学連書記長・原田幸一郎、京都大学)。
警察権力の逮捕・転向強要攻撃を全部はね返した獄中同志は、熱烈に団結を求めています。10人の弾圧には100人の決起で、100人の弾圧には1000人の決起で応えよう! 本大会を獄中同志と完全に一体化してかちとろう!
最後に、08年前半の闘いの一切は昨年の全学連大会の大成功によって準備されました。大会の中の激しい論議で格闘し、悩み、その中から逮捕・処分を恐れない、そして学生の団結と決起をトコトン確信する素晴らしいリーダーが次々と生み出されていきました。
彼らの多くが今、東京拘置所を新たな戦場として不屈に闘い抜いています。資本家どもによる支配を突き破る真の団結がここにある。労働者階級とともに生き、そしてともに全世界を獲得していく人間的生き方がここにある。すべての学友は、全学連大会に結集しよう! 革命的激動に切り込んで、ともに闘おう! 福田政権を倒そう! そして20人の仲間を奪還しよう!
2008年8月15日
全学連中央執行委員会(織田陽介委員長)
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週刊『前進』(2357号5面3)(2008/09/01 )
クラ討弾圧裁判 内田君と熱い交歓
荻野富士夫さんが証言
8月27日、07年10・17法大クラス討論弾圧裁判第10回公判が東京地裁(半田靖史裁判長)で開かれた。被告の内田晶理(てるまさ)君は「法政大弾圧ぶっ飛ばそう!7・24全国集会」当日、法大構内への「建造物侵入」デッチあげで逮捕・起訴され、留置場からの出廷。二度にわたる起訴にまったく屈しない元気な笑顔で、傍聴に集まった学生と熱く交歓した。
今回は弁護側証人として小樽商科大学教授の荻野富士夫さんの尋問が行われた。荻野さんは戦前の治安維持法体制研究の第一人者で、小林多喜二『蟹工船』感想文を組織して『私たちはいかに「蟹工船」を読んだか』をまとめた方でもある。
荻野さんは冒頭、「20世紀に入って戦争が国家総がかりの総力戦になったため、総力戦体制をつくるための治安体制が確立された」と述べた。
そして「治安維持法を主翼とし、特高警察や思想検事、軍隊の憲兵などを担い手とした治安体制において、学生運動弾圧は大きな比重を占めていた」と指摘。治安維持法の初適用が1926年の京都学連事件だったこと、29年には文部省に学生弾圧のための「学生部」がつくられ、内務省から特高課長をリクルートして学生弾圧にあたらせたこと、治安維持法で検挙された学生に「転向すれば復学を認める」と脅して転向を迫ったことなどを明らかにした。
さらに45年の敗戦後も警察や司法は治安維持法を廃止するつもりはなく、「軍隊がなくなれば、自分たちがますます治安体制を維持しなければならない」と考えていたことなど、戦前の治安弾圧体制が戦後も引き継がれたことを断罪した。
最後に弁護士が「今はどの時代と類似性があるか?」と問うと、「1931年の『満州事変』前夜に治安体制を確立した、その一歩前まで来ている」と断じた。
戦前と戦後の連続性、そして今がまさに戦争前夜であることを暴いた荻野さんの証言に、傍聴席からは大きな拍手。法大弾圧との闘いに戦争を阻む大きな力があることをますます確信した。
(写真 東京地裁前で宣伝活動を行い、「獄中の仲間をすぐ釈放しろ」とシュプレヒコール【8月27日】)
次回、7・24弾圧初公判に結集を
10・17法大クラス討論弾圧裁判は今後、7・24集会当日に不当逮捕された内田晶理君、鈴木研也君、市川知寛君の3人の裁判として進む。9月25日の第1回公判に集まろう!
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週刊『前進』(2357号5面4)(2008/09/01 )
日程 法大弾圧裁判
第1回公判 9月25日(木)午後1時半開廷
◎東京地裁。傍聴は1時間前に集合
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週刊『前進』(2357号5面5)(2008/09/01 )
コミューン 10月号
日韓国際連帯が鍵
韓国は、革命情勢に突入している。革命に勝利するために労働運動の変革、革命党の本格的建設が切実な課題になっている。11月労働者集会で積み重ねられてきたソウル本部と動労千葉の日韓国際連帯の意義が今こそ決定的になっている。
第1章は、イミョンバク政権打倒論。イミョンバクは、徹底した新自由主義政策をとり、ついにBSE(牛海綿状脳症)米国産牛肉の輸入解禁と教育規制緩和を強行した。これへの怒りに端を発して100万人の巨大デモが闘い抜かれ、イミョンバク政権打倒の情勢に入った。プロレタリア革命が問題になっている時、全国金属労働組合を先頭に民主労総は7・2ゼネストに決起した。この激動情勢に迫る。
第2章は、民主労総ソウル本部と動労千葉の理念交流のいきさつと討論内容が具体的に述べられている。「8・15労働者・市民の集い」で、ソウル本部のイジェヨン本部長が「それぞれの国のバラバラの組織ではなく、一つの組織として新たに生まれ変われるよう、よりいっそうの組織化に向けて頑張ります」との発言の背景がよく分かる。
翻訳資料は、アーリーン・イノウエさんが所属する「ロサンゼルス統一教組(UTLA)のストライキ」。組合員4万人は教育予算削減に反対し1時間のストを闘った。現地新聞の報道を紹介。
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週刊『前進』(2357号6面1)(2008/09/01 )
グルジア侵攻 帝国主義大国化を狙うロシア
帝国主義間・大国間の争闘戦が侵略戦争-世界戦争へと転化
石油・資源の確保が根底の動機
グルジアをめぐり米ロ対立が激化し、それを契機に帝国主義の争闘戦と侵略戦争が拡大し、世界戦争爆発の危機が高まっている。世界を戦争に引きずり込む最末期帝国主義を打倒し世界革命を実現するために、今こそプロレタリアートの国際主義的な団結を強め、闘おう。その最短コースが階級的労働運動の白熱的展開と11月労働者集会への1万人結集である。
「大国復活」かけた戦争
8月8日にロシアとグルジア(米帝に支援された)が南オセチアの分離独立問題をめぐり軍事衝突した。ロシア軍は、グルジア軍を撃破してグルジア領内に侵攻した。13日の6項目停戦合意への署名後、22日に「撤退完了」を宣言したが、一方的に「緩衝地帯」を設けてグルジアにとどまっている。米欧はロシアに完全撤退を迫っているが、ロシアは動こうとしない。しかもロシアは26日に南オセチアとアブハジアを国家として承認した。米英独仏日は一斉にロシアを非難した。米ロの政治的軍事的応酬は激化するばかりだ。
ロシアが米帝との緊張・対立の激化も辞さずグルジア侵攻・駐留を続けるのは、これをロシアの帝国主義大国としての復活をかけた戦略的な戦争の開始として位置づけているからだ。とくにカスピ海地域の石油・天然ガス利権、パイプライン利権の獲得は死活的だ。そこでロシアは南オセチア、アブハジアへの介入を正当化しつつ、グルジアへの軍事的くさびを打ち込もうとしている。
帝国主義にとっても、カスピ海の石油・天然ガス資源とそれを運ぶパイプラインの確保は死活的だ。だからカスピ海と黒海の間に位置するカフカスの戦略的要衝、グルジアの支配をめぐっては、ロシアとの間で激しい暗闘を展開してきた。また米帝と欧州各国帝国主義との間でも、この地域のエネルギー資源確保をめぐる争闘戦が展開されてきた。
今や帝国主義は、米帝を先頭に、ロシアのグルジア侵攻をとらえてグルジアに全面介入し、親米政権を軍事的に支えてグルジアへのロシアの影響力を実力で排除しようとしている。これは、帝国主義によるカスピ海・黒海地域への侵略戦争の新たな開始だ。米帝は「ロシア=悪」を大宣伝し、「新冷戦」といった帝国主義的なイデオロギーをふりかざすことで、自らの侵略戦争拡大を正当化し、ロシアを排除して資源・市場を独占しようとしているのだ。
すでに黒海東部では、ロシア黒海艦隊のミサイル巡洋艦と、米第6艦隊の最新鋭ミサイル駆逐艦が互いににらみ合いを続け、米ロ海軍が激突寸前の状況に入りつつある。世界金融大恐慌の爆発が始まったなか、石油・天然ガスなど資源の確保を軸とする世界の帝国主義間・大国間の争闘戦が、今や新たな世界戦争に転化しようとしているのだ。その火点の一つがグルジアだ。
「2国独立承認」を強行
8月26日、メドベージェフ・ロシア大統領は、南オセチアとアブハジアの2地域のグルジアからの独立を承認した。メドベージェフは、軍事衝突の発端となったグルジアの先制攻撃を強く非難し、「2地域には民族自決の権利がある」と独立承認を正当化した。
だが、こうしたロシアの行動は、大ロシア主義的、帝国主義的な領土併合であり、民族問題を利用したグルジアへの侵略と介入、分割、転覆の策動だ。ロシアは、グルジアに侵攻・駐留し、2地域を国家承認することでグルジアにくさびを打ち込み、親米国家グルジアを屈服させ、戦略的要衝としてのグルジアを支配下に入れようと躍起になっているのだ。
グルジアのサーカシビリ大統領は「これはロシアによる2地域の事実上の併合だ。欧州では大国が他国の領土を併合するのはナチスドイツとスターリン以後初めてだ」などと最大級の非難を浴びせ、領土復活のためのグルジアへの支援を帝国主義諸国に訴えた。
米欧ロの軍事的な対峙
米欧日の帝国主義はこのグルジアを即座に支持し、一斉にロシアを非難している。米帝ブッシュは26日、2地域の独立を「承認しない」と宣言、ロシアをG8から外すことも検討するとし、NATOはロシアとの軍事協力を停止し、演習を中止した。米ロ原子力協定も凍結する方針だ。
また米帝は、グルジアとウクライナのNATO加盟を支援する方針をあらためて強調した。20日には、米帝とポーランドがミサイル防衛(MD)の迎撃ミサイル基地をポーランドに設置する協定に調印した。10基配備される迎撃ミサイルは、チェコに設置されるレーダー基地と一体運用される(チェコとはすでに協定に調印した)。グルジア問題の爆発がポーランドのMD配備協定調印を早めた。米帝はいかにロシアを刺激しようが両国へのMD配備を強行し、最前線基地化しようとしている。
米帝に対抗してロシアはNATOとの協力関係を凍結した。プーチン首相はWTO加盟交渉の凍結方針を表明した。EU・ロシアパートナーシップ協定の協議も凍結されようとしている。メドベージェフは26日、グルジアのサーカシビリ政権との断交を宣言した。
グルジアは、ロシアが主導する独立国家共同体(CIS)からの脱退を表明した。これにウクライナやアゼルバイジャンも連動し、ロシアを牽制しようとしている。また「併合された領土」をロシアから奪回すべく、あらためてロシアとの戦争を構えようとしている。これらはすべて米帝の支持を背景にしている。
24日、黒海のグルジア西岸・バトゥーミ港に米海軍第6艦隊旗艦、イージス駆逐艦マクフォールが入港した。さらにロシアが現在支配するポチ港にマクフォールと沿岸警備隊の巡視艦ダラスを入港させ、ロシア軍と直接対峙しようとしている。「人道救援物資の供給」を目的に掲げているが、ロシア側は「武器をグルジアに運んでいる」と非難しており、戦争挑発そのものだ。
今や米ロがなんらかのきっかけで軍事的に衝突し、それが戦争に発展しても何ら不思議ではない状況に入っている。米帝は、こうした状況を意識的につくり出して、ロシアへの軍事的圧迫、NATO拡大を正当化し、推進し、自らの勢力圏を広げようとしている。こうした米帝の行動は、帝国主義大国としての復活をめざすロシアの対抗的軍事行動を引き出す。世界はますます侵略戦争と世界戦争へ突き進むのだ。
(写真 8月10日、南オセチア州都ツヒンバリでグルジア軍の砲撃で崩壊した病院の地下室に横たわる負傷者と医師)
石油・ガス-戦略的要衝
グルジアをめぐる米ロ対立の激化の最大の理由は、カスピ海のエネルギー資源を欧州・アジア方面に輸出するパイプラインがグルジアを経由しているからだ。世界金融大恐慌への突入下、石油・天然ガスのエネルギー資源をめぐる世界の帝国主義間・大国間の争奪戦はますます激化し、グルジアの戦略的位置は一層高まっている。
米帝はソ連崩壊後、「民主化拡大」戦略をもって旧ソ連諸国に乗り込んだ。米帝は03―04年、親欧米でありながらロシアとも友好関係を保つシェワルナゼを「バラ革命」で追い落とし、サーカシビリを新政権に送り込み、極端な親米政権をつくった。米帝の言う「民主化」とは親米化の方便にすぎない。また米帝は02年以来、「テロ対策」の名で100人の米軍事顧問団を派遣し、グルジア軍を育成・訓練してきた(英仏、イスラエルも小規模ながらこれに続いた)。そこから2000人のグルジア部隊がイラクに派兵されてきた。米帝のグルジアへの軍事援助・武器供与は毎年2000万jに上る。
カスピ海に面するアゼルバイジャンには、ソ連崩壊後、欧米メジャーが国家がかりで乗り込み、バクー沖で石油と天然ガスを探査・掘削・開発した。アゼルバイジャンのアリエフ政権は、スターリン主義を引き継ぐ独裁政権の2代目だ。「民主主義」とは無縁だが、帝国主義にとって石油利権を確保できればそれはどうでもよいことだ。
帝国主義とメジャーは、バクー沖の石油・天然ガスを欧州方面に独占的に大量輸出するために、ロシアを経由せず、またトルコのボスポラス海峡を通らず欧州方面に出る新たなパイプラインを建設することにした。バクー・トビリシ・ジェイハン(BTC)パイプラインは100億jの資金を投入して完成、06年に開通した。1日100万バーレルが輸出される。
天然ガス輸送のためにはバクー・トビリシ・エルスルム(BTE)パイプラインが建設され、稼働している。さらに中央アジアからグルジア、アルメニア、トルコを通り欧州へ向かうナブコパイプラインも計画されている。いずれもグルジアを経由するものだ。グルジアをめぐる米欧ロの争闘戦、侵略戦争の再爆発は不可避である。
世界革命完遂で対決を
グルジアでの軍事的緊張の激化、一触触発情勢への突入は、世界の労働者階級にとって実に重大な事態だ。世界金融大恐慌とインフレの爆発に加えて、最末期帝国主義と新自由主義の破産の危機がついに新たな世界戦争として爆発しようとしているのだ。国際プロレタリアートの大決起でこの世界戦争を絶対に阻止し、プロレタリア世界革命の完遂による帝国主義の打倒を一刻も早くやりぬかねばならない。
グルジアで起きていることの本質は、「冷戦の復活」ではない。20世紀の二つの世界戦争を経て延命した最末期帝国主義が、ソ連スターリン主義の崩壊以後の帝国主義の基本矛盾の全面的爆発という情勢の中で、旧スターリン主義国のロシアや残存スターリン主義・中国などの大国をも巻き込んで、その積もり積もった全矛盾を最後的に、新たな世界戦争として爆発させ始めた点にある。それは同時に、世界革命情勢の決定的な成熟だ。11・2労働者集会1万人結集を、その突破口としてかちとろう。
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週刊『前進』(2357号6面2)(2008/09/01 )
危機と混迷パキスタン情勢
ムシャラフ辞任・連立与党分裂 米帝のアフガン侵略に大打撃
シャリフ派が連立与党からの離脱を表明
パキスタン情勢が大激動に突入している。
8月18日、パキスタンのムシャラフ大統領が国営テレビで演説を行い、辞任を発表した。クーデター以来国軍の力を背景に権力を握ってきたムシャラフは、ついに辞任に追い込まれたのだ。
直接の原因は、前最高裁長官を始め60人にも及ぶ判事の更迭などに対する議会での大統領弾劾手続きが差し迫ったことによるが、根底的には労働者人民の怒りの高まりによって打倒されたのだ。
ムシャラフは率先してブッシュ政権の手先となり、アフガニスタン侵略戦争の決定的な一翼を担ってきた。米帝はこの政権を躍起になってテコ入れしてきたが、ついに見限らざるをえないところに追いつめられた。これによって米帝自身がとてつもない打撃を被ったのである。
(写真 労働組合の承認を要求して闘い続けるパール・コンチネンタル・ホテルの労働者【7月23日 カラチ】)
今や米帝のアフガニスタン・イラク侵略戦争、さらにイランへの侵略戦争策動、グルジアでの領土と資源をめぐるロシアとの対立・争闘戦が、総破綻(はたん)の危機に直面している。
ムシャラフの辞任に続いて8月25日にはパキスタンで政権与党が分裂するという事態にいたっている。今年2月の総選挙で「反ムシャラフ」を掲げ躍進したのが政権与党のパキスタン人民党とイスラム教徒連盟シャリフ派だが、シャリフ派が連立から離脱したのだ。
人民党のザルダリ共同代表(ブット前首相の夫)は、ムシャラフに追放されていた前最高裁長官チョードリら判事が復職することを拒否した。シャリフ派はこれを「選挙公約違反」と激しく非難し、離脱を表明。ザルダリは前最高裁長官の復職が、かつて追及されていた自分自身の汚職問題再燃につながることを恐れたのだ。
次期大統領選は9月6日に上下両院と4州議会の間接選挙で行われるが、人民党はザルダリ共同代表を、シャリフ派はウズ・ザマン・ジディキ元判事を候補に立てることになっている。だが、大統領選挙が実施され次期大統領が選出されたとしても、「与党分裂」の影響は大きく一層の政局混迷は不可避だ。
これは、米帝ブッシュ政権にとって決定的な危機である。アフガニスタン侵略戦争の拠点とも言うべきパキスタンでムシャラフを失っただけでなく、核武装したパキスタンで今後どのような政治勢力が権力を握るか分からない混迷に突入しているのである。
タリバン勢力に敗北重ねるパキスタン軍
ムシャラフは、アフガン侵略戦争の一環として、04年にパキスタンのパシュトゥーン人地域ワジリスタンに軍を送り込み、タリバン掃討作戦を激しく展開してきた。また米軍にとってもパキスタン軍の情報がタリバンとの戦争を進める上でのよりどころになっているのだ。だが、パキスタン軍は度重なる敗北を喫し、掃討作戦は何の効果も上げることができず、パキスタンのタリバンは数万人とも言われる人員を擁するまでにいたっている。ムシャラフ辞任後もタリバンによる爆弾ゲリラや自爆戦闘が続いており、19日には公立病院で約30人、21日には軍需工場で71人が死亡している。
しかも、アフガニスタンではタリバンが地域を面的に支配するところまで復活し、カルザイ政権はかろうじて主要都市の中心部を押さえているにすぎない状態だ。米軍・NATO軍は、増派を重ねているが、地上部隊がタリバンに包囲される事態が頻発している。
18日から19日にかけて首都カブール郊外でフランス軍部隊が襲撃され10人が死亡した(ル・モンドの報道では米軍による空爆だったと言われている)。アフガニスタンでの米・NATO軍の死者が、このところイラクを上回る事態が続いている。
あせりにかられた米軍は、結婚式などの人民の集まりに対し見境なく空爆を繰り返すありさまだ。8月21日にアフガニスタン西部のシンダッドで、子ども60人を始めとした90人の市民が米軍の空爆で殺された。
何よりも、世界恐慌の深化の中でパキスタンでも食料品価格、原油価格が高騰し、労働者への解雇攻撃も広がっており、労働者の賃上げストが続発し、労働組合権の保障要求や労働組合結成の闘い、非正規職の正規職化を求める闘いが続発している。
労働者が生きるためには階級の団結した力で、資本による搾取と帝国主義の戦争を打ち砕く以外にないところにまで立ちいたっているのだ。
当面、パキスタン人民党は米帝の侵略戦争に協力する立場であり、ムシャラフの辞任によって米帝の侵略戦争が直ちに困難になるわけではない。
米帝の手先化する人民党も怒りの標的に
だが、米帝に率先協力してきたムシャラフが人民の支持を失ったように、人民党がやがてパキスタン人民の怒りの的になることは避けられない。
米帝のアフガニスタン・イラク侵略戦争は完全に抜き差しならない泥沼に陥っている。しかし、世界金融大恐慌の激しい進展に追いつめられた米帝は、侵略戦争の拡大で帝国主義間争闘戦を激しく進め、それに打ち勝つことで生き残りをはかろうとしている。それ自身が世界恐慌をもさらに激化させていくものになるのだ。
今こそ帝国主義打倒へ労働者階級の闘いを爆発させよう。9・27〜28ワーカーズアクションの大高揚をかちとり、11・2労働者集会の1万人結集を全力で実現しよう。
〔秋原義明〕
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週刊『前進』(2357号6面3)(2008/09/01 )
2008年 8月20日〜26日
グルジアの港に米ミサイル駆逐艦/陸自第1混成団を「旅団」に格上げ
●米・ポーランドMD調印 ワルシャワを訪問したライス米国務長官とシコルスキ・ポーランド外相は、東欧に計画するミサイル防衛(MD)システムの迎撃ミサイル基地をポーランドに設置する協定に調印した。MD計画にはロシアが強く反発している。米国は協定に基づき、迎撃ミサイル10基をポーランド北部に配備する。(20日)
●駐日大使「給油継続を」 米国のシーファー駐日大使は、自民党の麻生幹事長を訪ね、海上自衛隊によるインド洋での補給活動について「日米同盟にとって大切であるだけでなく、日本と国際社会との関係においても非常に重要だ」と述べ、継続を求めた。(20日)
●防衛相、名護市長と会談 林防衛相が名護市の島袋吉和市長と会談し、米軍普天間飛行場の名護市キャンプ・シュワブ沿岸部への代替施設移設について意見交換した。島袋市長は「可能な限り沖合に出してほしい」と建設位置の沖合移動を求めたのに対し、林防衛相は「合理的な理由がなければ、なかなか難しい」と述べた。(20日)
●海軍と初の日米合同図上訓練 米軍機の墜落事故を想定した日米合同の図上訓練が行われた。空軍や海兵隊との訓練は3度実施したが海軍は初めて。訓練はうるま市のホワイトビーチ内で米海軍のボート同士が接触事故を起こし負傷者が発生、救助するため同ビーチから離陸した海軍所属のヘリコプターが南原漁港周辺に墜落し、搭乗員ほか飛散物で地元住民が負傷、駐車中の車両が損傷したと想定した。(21日)
●イラク米軍「11年末に国外退去」 米国がイラク駐留米軍の今後の処遇をめぐり同国政府と続けている交渉で、戦闘部隊を09年6月までに市街地から引き揚げ、11年末までに全戦闘部隊を国外へ撤退させる日程で合意した。ニューヨーク・タイムズなどが報じた。米高官らは、撤退の正式判断は状況次第で、変動しうる努力目標だと強調しているという。(22日)
●グルジアの港に米艦船 南オセチア自治州をめぐりロシアとの軍事衝突が起きたグルジアの黒海沿岸の港バトゥーミに救援物資を載せた米ミサイル駆逐艦が到着した。米国が計画する計5隻の艦船派遣で初めてとなる。(24日)
●ロシア大統領が独立を承認 ロシアのメドベージェフ大統領はテレビ演説で、グルジアからの分離独立を求める南オセチア自治州とアブハジア自治共和国の独立を承認する大統領令に署名したと発表した。分離独立に反対する欧米諸国は独立を認めない方針。(26日)
●北朝鮮、核無能力化を中断 北朝鮮外務省報道官は声明で、6者協議の合意を受けて寧辺の核施設で進めていた無能力化作業を中断すると表明した。核計画申告の厳密な検証を求めて米国が北朝鮮のテロ支援国家指定解除を見合わせていることを「合意に反する明白な違反」と批判し、中断措置は14日に発効済みだとした。(26日)
●アフガンで日本人拉致 アフガニスタンとパキスタンで活動する日本のNGO「ペシャワール会」の日本人職員と現地の運転手の計2人がアフガニスタン東部のジャララバード近郊で拉致された。(26日)
●陸自第1混成団2100人体制に 防衛省は、陸上自衛隊第1混成団(那覇市)を09年度中に「第15旅団」に格上げし、定員を約300人増強、約2100人体制とする方針を固めた。敵情を視察する偵察隊や化学防護隊もそれぞれ新編するなど、大幅に組織を改編する。第1混成団は「離島タイプの即応近代化旅団」に変容。島しょ侵攻への対応が重視される中、「離島タイプ」と位置付けられる国内唯一の旅団となる。(26日)
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週刊『前進』(2357号7面1)(2008/09/01 )
8・23〜24婦民全国協総会 革命の時代に新たな団結
“闘いの原点ねじ曲げるな”
11月労働者集会へ総決起誓う
「私たちは仲良しクラブではありません。本当に路線で一致し、この時代に必要な本物の階級的団結をつくりましょう」――8月23〜24日、婦人民主クラブ全国協議会の第25回全国総会が神奈川県相模原市で開かれた。80歳を超えた婦民の大先輩から若い女性まで、2日間で121人が集まり、実に真剣で熱気に満ちた討論が交わされた。(本紙・坂本千秋)
あいさつに立つ西村代表
関西ブロックを再建
今回の総会を前にして関西の2人の元運営委員が塩川一派に走り、婦民新聞の配布を勝手に停止するなど、婦民全国協の組織破壊に公然と動き出していた。それが破産するや彼女たちは総会の直前に脱会届を出し、関西ブロックの「解散」をも表明して闘いの戦列から完全に脱落・逃亡した。
この事態を受けて開かれた総会は、参加者の一人ひとりが自らの闘いの原点に向き合い、飛躍をかけた新たな決意をうち固める場となった。
全国協の西村綾子代表は、戦後革命期の婦人民主クラブ創立から62年、体制内に転落した本部派と決別して全国協を結成(1984年)してから四半世紀を経た現在、「婦民の進路は再び天下分け目の選択の時を迎えている」と提起した。そして逃亡した元運営委員らが動労千葉の闘いを否定し、11月労働者集会や青年労働者の闘いに悪罵(あくば)を投げかけてきたことを徹底弾劾。「革命を言ったら大衆は退く、とあの人たちは言うが、退いているのは彼女たちではないですか! 権力や体制内勢力と非妥協で闘う人びととともに歩んできたのが婦民の歴史。今こそ革命の時代が来たことに喜んで先頭に立ちましょう」と訴えた。
続いて鶴田ひさ子事務局長が総会議案を提起した。「女性の解放は労働者階級の解放の中にあると言い切って80年代の均等法制定攻撃と闘い、動労千葉や三里塚とともに闘う道を選んできた。この全国協結成の原点をねじ曲げることを断じて許さない。階級的団結に一切をかけて闘おう」と訴え、全員が胸の内を吐き出して、路線をめぐる徹底討議をやりぬこうと呼びかけた。
討論の冒頭、神戸支部を先頭に関西から8人が続々とマイクを握り、塩川一派の脱落・逃亡に対して「新しい関西ブロックを立ち上げた。トゥジェン(闘争)!」と勝利を宣言した。「闘いを始めた時の初心に立ち戻ることができた。ここにいる仲間と団結して支部再建をかちとる」(大阪北支部)、「25年前の全国協の分離・独立は私の誇り。この精神を断固貫いて闘う」(大阪南支部)と、どの顔も晴れ晴れと輝いていた。
部落解放闘争を闘ってきた会員から、組織破壊のために「広島差別事件」をデッチあげるやり方は絶対許せないと怒りの発言。杉並支部からは元支部長の変質・逃亡への弾劾がたたきつけられた。さらに「11月労働者集会1万人結集実現の中にこそ、私たちの未来と革命への展望がある」と、今秋11月に向け、職場と地域に思い切って打って出ようという決意が全国各地の会員から熱く語られた。
討論は、間に分散会をはさんで2日目も続いた。今まで新聞『婦人民主クラブ』の読者にとどまっていたが今日から会員になる、自分の地域に新たに支部を立ち上げるという決意表明に、会場が沸いた。反戦被爆者の会の下田禮子さんや初参加者を含め今総会に大挙して参加した広島支部からは、今年の8・6ヒロシマ大行動の成功を闘いとった自信と確信にふまえた新たな決意が語られた。婦民会館建設へのカンパの訴えも行われた。
共闘団体からエール
総会には多数の共闘団体から、西村代表の提起を断固支持し、ともに闘うという熱い連帯のあいさつやメッセージが寄せられた。動労千葉の滝口誠さんは「動労千葉の分離・独立時の闘いを思い出す」。全国労組交流センター女性部長の長谷川ユキさんは「女性解放を男対女の問題に切り縮めることに断固対決しよう」と階級的団結の重要性を訴えた。ワーカーズアクション実行委員会の青年労働者は「私が闘い始めたきっかけは婦民新聞との出会いと国際婦人デー闘争への参加だった」と語り、「みんなが一つに団結し、ここで勝負する闘いをやろう」と9月闘争から11月への総決起を訴えた。
北富士忍草母の会の天野美恵さんから声のメッセージ。三里塚から反対同盟とともに闘ってきた現地闘争本部の女性が労農連帯の強化を訴え。さらに、沖縄民権の会の座覇光子さん、部落解放同盟全国連杉並支部、全学連を代表して闘う法大生、法大弾圧で逮捕・起訴された学生の両親があいさつ。すべての発言をとおして、求められているのは絶対反対を貫くことと、「一人の仲間も見捨てない団結」であることが突き出された。
総会は最後に新運営委員を選出し、組織破壊策動と闘って婦民全国協の旗を全国に打ち立てようという特別決議(別掲)を議案とともに満場一致で採択した。
閉会し解散する直前、相模原支部の丹治孝子さんが「もう一言だけ言わせて」と立ち上がった。「昔も今も、世界大恐慌の次に来るのは戦争だ。かつての歴史を繰り返してはならない。戦争を必要とする社会を絶対に打ち倒したい。そのために力を合わせよう」。戦争体験世代である丹治さんの全人生をかけた訴えに、感動の拍手がわき起こった。
婦民全国協の巨大な飛躍と、11月総決起への出発点が築かれたと確信できる総会だった。
総会には2日間で121人が参加。胸躍る革命の時代の到来に、一人ひとりが結集したときの原点に立ち返り、新たな決意を固めた。会員拡大と新支部建設への意欲が会場にみなぎった(8月23日 相模原市)
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週刊『前進』(2357号7面2)(2008/09/01 )
特別決議
婦民全国協の原点をねじ曲げる組織破壊策動とたたかい、闘う婦民全国協旗を全国津々浦々にうちたてよう
総会を目前にして松野尾かおる・杉村尚子元運営委員らは、ついに脱会届を提出してきました。婦民全国協の原点をねじまげ、飛躍を押しとどめようとする反動、組織破壊は結局破綻したのです。
この半年、私たちは婦民全国協の綱領・路線と運動をめぐって激しく闘い時代にみあう飛躍をかちとろうとしてきました。そして分岐がうまれ、彼女らは脱落したのです。
世界が革命情勢を迎え、いよいよ動労千葉をはじめとした階級的労働運動が前進しはじめ、青年労働者や学生たちの熱い息吹が階級闘争をぬりかえるような状況に入ってきました。婦民全国協の原点である「女性の解放は労働者階級の解放の中にある」の展望を我が手につかめるところまできたときに彼女たちは逃げ出していったのです。
両名は、全体に責任をとる立場にありながら、運営委員会で提起され、真剣に討議した時代認識・たたかいの路線、方針・実践課題について、運営委員会では一言も自らの意見は言うことなく沈黙を押し通しながら、関西に帰ると事実を真反対にねじ曲げて「反対」を組織していました。それこそ関西ブロックの私物化です。11月日・韓・米国際連帯労働者集会に対して「11月集会のデモは不可解、逮捕されたらどうするのよ」「動労千葉だけ持ち上げすぎよ」と悪罵を投げかけ、「世界は激動でも日本は違う」「労働者は差別・排外主義にまみれていて糾弾をうけなければダメだ」「革命なんて言えばみな引くだけだ」などと言いまわっていたのです。また、青年学生の「生きさせろ、革命がやりたい」の心からの決起を「空叫び」となじり、「労働者階級の解放で、簡単には女性解放にはならない」と決起を抑える側にまわりました。そして「あんな新聞は配れない」と婦民全国協の新聞『婦人民主クラブ』の大幅減紙を組織したのです。批判されると「大衆団体だからいろんな意見があってもいいはずだ」と居直るなど、婦民の中にいることで、婦民を破壊し続けていたのです。断じて許すことはできません。
私たちは、婦民を屈服の道に引きずり込むこれらの反動策動をみごとに打ち破りました。しかし、闘いはこれからが本番です。すでに、関西ブロックは、新たに山本美知子さん(神戸支部)が代表となって仲間の結集が始まっています。新聞読者・会員を拡大し、全国に支部を創りましょう。全国津々浦々に闘う婦民の旗を翻して前進しましょう。
以上、決議します。
2008年8月24日
婦人民主クラブ全国協議会第25回全国総会・参加者一同
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週刊『前進』(2357号7面3)(2008/09/01 )
『部落解放新聞・号外』を批判する
旧与田派が全国連を私物化 西郡住宅闘争に憎悪と敵対
小山たかし
はじめに
最末期帝国主義は延命をかけた新自由主義にもかかわらず世界史的な危機にひんし、革命情勢が到来している。プロレタリア革命の勝利をかちとるために、階級的労働運動路線と7・7思想を豊かに発展させる闘いが、動労千葉や法政大の学生や青年労働者の階級的団結と戦闘的な闘いとして、『蟹工船』ブームの中で前進している。帝国主義を打倒する部落解放闘争の本格的な推進も待ったなしに問われているのである。
このとき全国連中央本部は、『部落解放新聞・号外』(以下『号外』とする)を「2008年6月5日付」をもって発行した。「西郡支部の『第17回全国大会に対する態度表明』について」という見解を、「部落解放同盟全国連合会中央執行委員会(2008年5月18日)」名をもって表明し「批判」したのである。これは、西郡支部への組織破壊策動であり、断じて許すことができない。4月の全国連第17回大会は、転向を宣言する歴史的な意味を持っており、不参加を態度表明して身を処することは、不退転の決断による正しい選択であった。
『号外』に対する批判は、革共同から脱落・逃亡した旧与田一派らとの党派的、路線的決着をつける闘いであるばかりではない。住宅闘争や狭山闘争を労働者階級の課題に押し上げていくためにも、階級的労働運動路線と7・7思想の実践の真価のかかった闘いである。
そして、その実践的結論は、新自由主義攻撃をあくまでもごり押しする最悪の福田政権の打倒を目指して、11・2労働者集会への1万人結集を実現することである。
(写真 不屈に供託を貫く西郡支部【2月24日 八尾市】)
融和主義へと転落した17回全国大会
『号外』全体の核心問題は、「西郡支部が革共同と共闘していることが問題である、革共同と手を切れ」と、激しくわめくように言い立てているところにある。その狙いはいったい何か。革共同から「集団脱党」した旧与田一派らは、全国連中央本部を牛耳り、全国連を私物化し、全国大会では「革共同との断絶決議」まであげた。「マル学同広島大支部の合宿での討論」を「差別事件」としてねつ造し、「自民党や解同本部派とも手を組んだ糾弾闘争」を運動の基軸に据えたのである。全国大会は、転向を宣言する反階級的な大会であり、これを批判し不参加を表明した西郡支部を恫喝し、暴力的に抑え込むことに、生き残りの一切をかけているのだ。
『号外』の第一の問題は、結論部分にあたる「誰の利害のために」において、「『西郡支部態度表明』は、……デマと歪曲に基づいた意図的な文書」でしかない、とまず事実を歪曲し、「ただ革共同のほうをむき、革共同擁護あるのみ、革共同の利益のためだけの文書です」と、口をきわめて叫んでいるところにある。さらに言葉をつづけて、「その背景には、革共同が存在し、革共同に追随する一部役員が暴走していることは誰の目にも明らかです」と断じるのである。
これに類した物言いは、随所にみられる。「西郡支部の執行部の一部の諸君は、革共同の東大阪地区委員会に所属しています」とか、「彼らの指導部、東大阪地区委員会の副委員長の要職にある人物も」である。このくだりは、警察権力の文書と見紛うばかりである。「たれこみ」と言うべき利敵行為そのものであり、断じて許すことはできない。
革共同から脱落・逃亡した旧与田一派らは、与田を打倒した〈党の革命>を承認しないことを根本におき、それを共通の確認とし、全国連中央本部書記長の略式起訴受け入れ=完黙・非転向の不貫徹、権力への屈服問題や、東大阪市議選敗北の自らの責任を主体的に総括することを拒否した。そのあげく追いつめられて、革共同へすべて責任転嫁したばかりでなく、「広島差別事件」をねつ造して革共同を「差別主義集団」と規定し、「糾弾」することに自らの反階級的延命をかけたのである。
そのために旧与田一派らは、全国部落青年戦闘同志会を解散し、こぞって革共同からの「集団脱党・離脱」に踏み切ることをもって、帝国主義国家権力に対し闘わずして屈服し、投降したのである。
第二の問題は、「大会」への不参加の態度表明をめぐる問題である。「西郡支部態度表明」は冒頭、「大会に西郡支部は参加しません」と、態度を明らかにし、全国大会を前に「4月9日付」の文書を全国連中央本部に郵送して、「不参加」をきっぱりと通告した。「不参加」理由の核心問題は、「(糾弾闘争を)『自民党や解放同盟(本部派)にもよびかける』方針は全国連の旗を降ろすこと」であり、この重大な誤りをとらえて「不参加」を決断したのである。
“自民・解同本部派とも組む”と言明
その「第一の理由は、1月12日〜13日の拡大中央委員会での討論です」と指摘し、次のように問題を突き出している。「小森糾弾闘争本部長は、中央執行委員会で討議した方針として以下の提案をしました。『革共同への糾弾闘争を、自民党や、(革マル派と日本共産党を除く)解放派など様々な党派、解放同盟(本部派)にも呼びかけ、この差別は許さないという一点ですべての勢力を結集してたたかう』という方針です」
西郡支部は、「自民党や解同本部派とも一緒にやるというのは全国連でなくなること」「部落解放闘争をめぐる路線論争を差別問題にすべきではない」と即座に批判し、つづいて「国を相手の糾弾闘争を軸にすべきだ」と批判した。
この全国連中央への反対意見には、「『殺したろか』というヤジや罵声(ばせい)が浴びせられ、方針は拍手で採択されてしまいました」というのである。ヤジや罵声は、「広島差別事件」と「糾弾方針」への反対意見や批判を一切認めず抑え込むための、全国連本部権力を行使した旧与田一派らの暴力的恫喝と脅迫にほかならない。
「西郡支部態度表明」は、小森糾弾闘争本部長の発言を問題にしたが、『号外』は「(小森発言の)一部分のみをとりあげ、かつその部分すら歪曲して大騒ぎしています」と反論している。そして「実際の小森発言は次のようなものです」と臆面(おくめん)もなく披瀝(ひれき)するが、聞くに堪えないおぞましい内容だ。
「私たちは、革共同の政治利用を絶対に許さないし、私たちが政治利用する何ものもありません。私たちはこのことを断固として確認し……革共同を断固として糾弾していかなければならないと思います」「そのうえで、各地で真相報告集会を開催していきます。自民党から解放派からさまざまな党派、あるいは解放同盟にも呼びかけをしてですね、すべての勢力を結集して真相報告会をもってですね、糾弾闘争になっていく。糾弾闘争というのは、〈この差別を許さない>という一点でたちあがっていくわけです」
この発言で強調されている内容は、全国連中央本部の今日の反動的立場が、「自前の運動」という主張とも相まって、階級的立場を放棄し敵階級の側に完全に移行することを鋭く表している。「〈差別を許さない〉という一点でたちあがっていく」ということは、“部落民は部落民の利害以外では決起しない”ということを意味するのである。
つまり、“革共同を糾弾することは部落民の利益であり、そのためなら誰とでも一緒にやる”と言い切ってはばからないのだ。それは、徹頭徹尾、部落民主義に依拠し血債主義・糾弾主義思想にもとづき、労働者階級との階級的団結を破壊する立場に立つという反階級的なものである。
だが、このことこそが、「広島差別事件」のねつ造と糾弾闘争の偽らざる内実であった。その意味では、全国大会は、帝国主義的融和運動へと決定的に踏みこむものであり、全国水平社の幕引きとなった水平社第16回大会(1940年)にも匹敵する部落解放闘争の〈歴史的な汚点>を刻む大会となったのである。
階級的団結めざす西郡と共に闘おう
第三の問題は、『号外』が「住宅闘争について」で取りあげている、「分納」か「供託」かという住宅闘争の方針をめぐる問題である。住宅闘争とは何か。それは、最末期帝国主義の新自由主義が、「同和対策法」失効後をとらえて「公的」な「同和住宅」を市場原理によって民営化する攻撃との闘いであり、住居を奪いムラを解体し、部落民の団結を破壊する差別攻撃との闘いである。西郡支部は、応能応益家賃絶対反対を掲げ供託方針を貫き、差別行政による「住宅明け渡し」や「給料や年金の口座の差し押さえ」による団結破壊の攻撃と全力で闘っているのである。
新自由主義は部落民への攻撃であるとともに全労働者への攻撃でもある。膨大な非正規雇用労働者の創出や民営化=労組破壊、賃金削減や労働強化、リストラ、そして医療や福祉切り捨てなど極限的な搾取と収奪に対して、「生きさせろ!」という闘いが労働者階級の深部から大きなうねりとなって起こり始めている。住宅闘争は、この怒りの反撃と結合し、労働者階級とともに闘うとき、勝利の展望を切り開くことができるのだ。
「西郡支部態度表明」は、「住宅闘争は供託を貫くべき―大会方針の分納方針は敗北の道」だと本部方針を批判している。西郡支部の住宅闘争は、「応能応益家賃絶対反対・供託方針」を断固貫くところに基本をおき、差別行政糾弾闘争として支部大衆の主体的な決起と団結によって推進されている。それは動労千葉型の闘いと言える。困難ではあっても、ここに住宅闘争の正義性と勝利性があり、労働者がともに団結して闘う根拠がある。
『号外』は、一方では「大会議案書」を長々と引用し、奈良の住宅闘争の取り組みを最大限に評価し、「分納においても団結しだいで、たたかいの武器に転化できます」と、とんでもない転倒を行い、“これ以外に全国連の方針はあってはならない”と西郡支部を恫喝しているのだ。他方では、「明け渡し攻撃。必ず、やがて執行段階がやってきます。そのときどうするのですか」という行政権力そっくりの物言いをして、「闘っても勝てない」と敗北意識をもたせ屈服させようとしている。
いずれも恫喝と脅迫による卑劣な支部破壊策動である。これに対し、身ぐるみ剥(は)ぐような理不尽な攻撃にも動ぜず、もはや失うものを持たない西郡支部と支部大衆、八尾北診療所労組などのともに闘う労働者・労働組合にとって、団結こそ武器であり、恐れるものは何もないのだ。
『号外』は、こうした階級的団結にたいする分断と破壊のためのデマゴギーに満ちており、満身の怒りを込めて徹底的に弾劾し粉砕し尽くさなくてはならない。
“労働者との階級的団結こそ勝利の道”という確信を、西郡支部は07年11月労働者集会に参加し戦闘的デモをやり抜く中でつかみとった。自分たちの闘いが世界につながり、全世界の労働者階級・被抑圧民族との結合と階級的団結の中に、部落解放があることをつかみとったのだ。
今年前半、5・23狭山闘争をうちぬいた東日本で、関西で、広島で、部落解放共闘会議の闘いが前進している。旧与田一派らのあがきを踏みしだき、解放共闘の旗を高々とかかげて、10・31寺尾差別判決34カ年糾弾―狭山第3次再審闘争に立ち上がろう。11・2労働者集会の1万人結集をかちとろう。
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週刊『前進』(2357号8面1)(2008/09/01 )
8・28〜29自治労大会を闘って 自治労青年部大会で本部打倒と革命訴え 自治労 里山大介
8月23日、自治労青年部全国大会で本部打倒と革命を訴えてきました。
私たちが登場すると、千葉県本部の書記やダラ幹どもが血相変えて飛んできた。見覚えのある顔が勢ぞろいし、こちらの前に立ちふさがりマイクを奪い、「お前はすでに除名されたんだ」「警察を呼ぶぞ」などと、罵声(ばせい)を浴びせかけてくる。まさに腐り切った裏切り者の姿だ。これが労働組合か!
私は声を限りに「今、本部がやろうとしていることは自治労解散だ。本日の青年部大会から、自治労本部を打倒する決起大会にしよう」「大阪など全国で闘う仲間と連帯していま訴えています。私と一緒に闘おう」と声を大にして訴えた。
目の前で「動員」されている青年部役員が話しかけてくる。「お願いだからマイクを使う演説をやめて。今、公務員バッシングがすごいでしょ。ここは住宅街だから住民から苦情がきて、ますます風当たりが強くなる。僕らは税金から給料もらっているでしょ?」――はぁ? 自治労を闘えない組合にしているのはお前らじゃないか。
別の青年部役員に民営化についてマイクを向けても、一言も発言できない。そうだ、連中は民営化や勤務評定など核心部分は一言も答えられない。
起きていることは民営化をめぐっての路線転換と、労働組合による団結破壊そのものだ。こんな連中は現場からの決起と、11月集会の大爆発で絶対にぶっとばすぞ☆
情宣の近くで座っていた青年と話すことができました。こちらの自己紹介をして組合除名問題や今回の大会などのことを話した上で、持っていた公立病院の廃止反対署名に応じてくれました。きちんと話せば絶対に獲得できると確信しました。
全国の自治労青年部のみなさん、ともに革命やろう。
8・28〜29自治労大会を闘って 自治労大会会場前に青年労働者デモ登場 千葉・自治体労働者 土井真彦
「革命の千葉へようこそ!」――青年労働者のアピールで情宣が始まりました。8月28日、千葉で開かれた自治労大会に登場したのです。
昼は千葉の青年労働者も合流して、会場から離れたところで集会を始めた。だが、ともにスクラムを組みたい仲間はすぐ前にいる。私たちは「民営・粉砕」「闘争・勝利」のコールでデモをして会場前に到着した。
その途端に制服警官と「防衛隊」が制止して弾圧をうかがっている。国労大会と同じじゃないか。
こっちは200万人の首切りがかかっている。青年が必死になって「一緒に闘おう」「自治体だけの問題じゃない」と訴えた。
タバコを吸いに出てきた自治労の仲間は本当にこちらの訴えを聞いていた。その数500人。ついに千葉で「500人集会」をやったぞ!
ここで私は「職場の隣の仲間を思い出してほしい。怒っている。今こそ一緒に闘おう」と声を限りに訴えた。
今回の大会は、自分の職場での闘いの上に勝ちぬいた。この勢いと内容を値引かずに職場で訴えていきたい。
8・28〜29自治労大会を闘って 動労千葉派の登場で現状は打開できる! 関東 増渕一歩
8月28日、自治労大会情宣に参加しました。午前中は青空が出たりして日焼けするほどの強い陽射しでしたが、昼前からは断続的にゲリラ豪雨に見舞われる、激しい天候の中を終日闘いぬきました。
圧巻は、昼休み情宣でした。千葉の青年を始めとした「動労千葉派の青年労働者」など50人が会場前の広場で集会を開催。私はその周りで、11月集会の賛同署名取りとチケット売り。
「三里塚闘争と動労千葉の革命の炎が燃える千葉県へようこそ!」。地元青年の、労働者的団結と連帯を求める歓迎は、ものすごい注目を浴びました。さらに青年たちは会場まで20bをデモ☆これに恐怖したのが自治労本部と権力でした。朝から配備していた千葉県警機動隊を、あわてて会場入り口前に並ばせて阻止線を張るではないか! 3単産統合・自治労解散を推進し、民営化・200万公務員首切り攻撃に加担する自治労本部は、青年たちに突入されると恐怖したに違いない。
この本部や警官隊と対峙し激しく弾劾する青年労働者たちの姿は、本当に胸を打つものがありました。その真剣な演説に、たくさんの大会参加者が足を止めて聞き入っていました。
私の方は、「大幅賃上げのゼネストを!」「国鉄1047名闘争の圧殺許すな!」「11月労働者集会の団結署名です!」と訴えていました。署名で足を止めてから、「ここは動労千葉が国鉄分割・民営化をぶっ飛ばして来た土地です」「労働運動の命運を左右する国鉄闘争の圧殺策動を粉砕する1万人集会です」など、話しました。結果は署名が11筆にチケットが3枚でした。この日、全体では52筆と9枚。『前進』は13部です!
すでに始まっている200万人首切り攻撃は、まだまだ切迫した問題だと感じられていないようです。しかし、私たちの訴えは真剣に聴いている。体制内指導部が議論も闘いも組織しない状況下では当たり前だと思います。青年たちがこの日やったように、動労千葉派の鮮烈な登場こそがこの現状を打開できると実感した一日でした。
8・5教労集会−情勢を開く出会いと団結 東京 大築恒久
うだるような暑さは今年も変わらないが、8・6ヒロシマの空気は一変した。何といっても、「労働者の闘い」が反戦反核闘争の軸に座ったからだ。米国の闘う教育労働者アーリーン・イノウエさんの初参加は、この1年間における階級的団結、国際連帯の飛躍的な前進を実感させてくれた。
私にとっては、8月5日の教育労働者集会(広島市東区民文化センターでの六つの産別集会の一つ)が特に印象深かった。
アーリーンさんは、この集会のために原稿用紙40枚分もの草稿(日本語訳)を準備。その冒頭の「アメリカと日本の教育労働者の闘いはまったく一つのもの」「同じ敵と闘っていることを知った」という発言にすべてが込められている。
このきっかけをつくったのが動労千葉であり、訪米した佐藤江都子さん、そして根津公子さんとの出会いだった。
「この偶然に見える出会いは、実は運命の出会いでした」という述懐を聞いて私は、あらためて「世界は革命情勢」ということの現実性を感じた。まったく思いがけない形で「出会い」が生まれ、それが大きな「団結」に発展していく。新自由主義の破綻(はたん)がついに全世界の労働者を結びつけ始めたのだ。
基調提起をした広島の青年教育労働者は、この情勢を「おかげさま情勢」と名付けた。動労千葉労働運動―階級的労働運動路線の勝利だ。
今夏8・6ヒロシマの転換的大高揚を11月1万人決起の実現へ。アーリーンさんが日本語で言った「ガンバッテ(いこう)」にこたえて、私もがんばるぞ!
星野さんは獄内外の団結を築こうと奮闘 徳島 T
7月29日、星野文昭さんと岡山と徳島の星野さんを救う会が面会し、請願行動を行いました。星野さんは元気いっぱい。棄却なんて吹き飛ばす笑顔です。工場から汗だくで出てこられました。
星野さんは、渋谷デモに続き、出身地の北海道の同志がサミット決戦で開いた快挙に高揚されていました。法政大の闘い、青年の闘いにぜひよろしくとのことでした。
徳島刑務所は、昨年11月の医療虐待による刑務所暴動以来、原因究明ではなく厳罰化で、1000人の受刑者を締め上げています。服のたたみ方、房の机の置き方が規則と違うなどで処分乱発。処分複数回で「類」降格。星野さんも食事前に手紙を触っていたことで処分をとられました。これでは、居房でも息がつけない緊張状態です。
その上、さらに今年の猛暑により工場、居房ともは35度を超え、通気の悪さ、自由に動けない環境の中で、熱中症の危険、不眠などの苦痛まで強いています。
救う会からは、面会回数や手紙の枚数で受刑者間に格差をつけ、人間関係を破壊していく「類」制度の廃止(監獄法での「級」)、熱中症の危険性を訴え暑さ対策を「請願」しました。
星野さんは、いま猛然と獄内外の団結を築こうと奮闘されています。外からの手紙を心待ちにされています。どしどし手紙を書きましょう。初めは絵葉書からでも、可能ならぜひ職場の報告、大学のビラを送って獄内外の団結を!
星野無期は階級的団結への無期懲役だ。沖縄ゼネストと本土労働者・学生の合流への無期懲役だ。無期懲役には無制限の団結拡大を。11月、1万人の団結の登場は、資本主義ルール無用の星野さんの1万2000日の生きざまの開花でもある、と思います。
「奴隷」に追いやられた「名ばかり経営者」 高井信宏
労働者の闘いの気運がこの数年で急激な高まりを見せている。ところで、あまり世間からは注目されていないが、この国には資本家でも労働者でもなく結果、「奴隷」という立場に追いやられている存在の人民がいる。
コンビニエンスストアを始めとするフランチャイズオーナーたちである。彼らは、元々労働者階級出身(脱サラ)の者が多く、労働者時代に貯蓄した賃金を元手にフランチャイズ本部に加盟し、開業するわけだが働けど働けど、ロイヤリティと称する上納金(大概50%を超える)などで本部に搾取され労働者時代の賃金を稼げればまだいい方で、1日14、15時間夫婦で働いて手取り、20、30万円といった収入のケースがザラだ。
下手をすれば労働者以上に厳しい搾取と抑圧を強いられているが、労働者ではなく名ばかりでも「オーナー」である以上、彼らを保護する法律はない。また、本部も「皆さんはワーカー(労働者)ではなく経営者なのですから」と甘言をそそのかす。その結果、過労死・自己破産・夜逃げが後を絶えない。ぜひ、「名ばかり経営者」と言われる彼らの問題も取り上げてほしい。
許せない!イランの労働者弾圧と処刑 東京 Y・A
イラン・イスラム政権による教師で組合活動家のファルザード・キャマンギャルさん(32)の死刑執行を阻止しようとイギリス、アメリカ、カナダを始め世界的に怒りが広がっています。国際教員組合(EI)は、抗議文を発表し、EIのベルギー支部は、イラン大使館を訪れ、キャマンギャルさんへの死刑判決を批判し、裁判をやり直すように要求している。イランのアフマディネジャド政権は、8月4日にもジャーナリストでNGO活動家のヤグーブ・メハマハドさんを処刑しました。7月27日には30人もの人が処刑されました。
キャマンギャルさんは7月11日に既に2審でも死刑判決を受けており、いつ刑が執行されるかわからない状況にあります。彼は、爆発物を所持していたとかクルド民主党のメンバーであるとデッチあげて死刑判決が出されたが、そうした事実はまったくありません。
イラン・イスラム政権のこうした弾圧は、体制的危機に追いつめられた焦りにかられた弾圧であり、労働運動を圧殺しようということに核心的な狙いがあります。
イランの労働者のストライキが拡大しています。5月14日にはイラン南部のブシェールにあるサドラ造船の労働者がストライキに突入しました。また5月11日からハフタッペのサトウキビ労働者がストライキに突入し、6月29日に会社から未払い賃金支給の約束を勝ち取りストを終結した。さらにコドロ自動車の数千人の労働者が6月28日からストライキに突入しました。国営のキーアン・タイヤ工場労働者が7月10日からストライキに突入しました。
こうした労働者のストライキ闘争の爆発にたいしてアフマディネジャド政権は激しい弾圧に出ています。今年5月1日のメーデー行動に参加したことを理由に、裁判所はソウサン・ラザニさんとシバ・ケイラバディさん、アブドーラ・カニさん、セイード・カレブ・ホセイニさんに拘留とムチ打ちを宣告しました。
05年5月からのテヘランのバス労働者の独立組合結成の闘いを指導したマンスール・オサンルさんは07年7月に再び逮捕され5年の刑を受けて現在も長期の獄中闘争を闘い抜いています。オサンルさんの釈放を要求する闘いはヨーロッパやカナダなど運輸労働者を始めとした労働者がねばり強く闘い抜いています。
イラン政府の労働者に対する弾圧とデッチあげによる処刑は絶対に許せません。
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週刊『前進』(2357号8面2)(2008/09/01 )
インドネシアから看護・介護労働者
分断超えて団結を
8月7日、インドネシアから205人の介護福祉士、看護師労働者が日本に到着した。これは今年7月1日に発効した日本とインドネシアとの経済連携協定(EPA)に基づいたもので、外国からの看護師・介護士導入政策の第一弾である。
2年間で看護職400人、介護職600人の計1000人を導入する計画だが、初年度から計画を大きく下回った。
8月7日、成田空港に205人のインドネシア人労働者が到着。ほか3人が9月末に来日予定
外国人労働者政策の大転換
今回の受け入れは、日本の外国人労働者政策の大転換であり、日帝が少子高齢化社会の中でいかに必要労働力を確保するかという観点から外国人労働力の導入に踏み切ったものである。
もともと日本は外国人労働者について専門的・技術的部門以外の導入を正式には認めていない。しかし、単純労働力の受け入れ禁止を建前としながら、実際には技能実習・研修生制度を駆使して、3K労働の現場で多くの外国人労働者を奴隷労働的に酷使してきた。インドネシアからの労働者導入は、一切の歯止めをはずして外国人労働力を導入する第一歩だ。
日帝は、2050年以降に現在の生産力を維持するためには毎年65万人の外国人労働力が必要となる、と試算。この労働力不足という現実を東アジア経済圏構想の中で解決しようというのが、EPAによる労働者導入政策なのだ。インドネシアのほか、フィリピン、ベトナム、タイなどからも看護師・介護士労働者を導入する計画になっている。
今回のインドネシア医療労働者のうち、例外的に日本語能力を認められた3人は来日後すぐ医療現場に入って就労するが、それ以外の人は、まず6カ月間、日本語研修を受けた後、来年に入って全国98施設の病院、老人ホームなどで「研修」し、看護師は3年後、介護士は4年後に資格試験を受ける。その試験にパスした人だけが引き続き働くことができる(3年ごとの更新が必要)。試験に不合格の人は即刻帰国となる。
しかし、このインドネシア人労働者は、すでに看護師の資格をもち、最低2年間の臨床経験のある人たちだ。インドネシアで看護師としての実績を積んできた労働者が日本に来てなぜ看護助手としてただ働き同然の扱いを受けながら、揚げ句は帰国を強制されるなどという話があるのか!
同じくEPAで看護師・介護士の派遣を決めているフィリピンの場合、この不当な現実に対する批判があって、いまだにフィリピン上院で承認されていない。フィリピンの場合、年間1万人の看護師資格を持つ労働者が生まれているが、国内で働く看護職労働者が少なく、近い将来、フィリピンの医療現場で看護師不足という事態が生まれるという声もある。これはフィリピンに限らず、送出国に共通の矛盾となっている。
「研修手当」と低賃金で酷使
今回のインドネシア人医療労働者の導入は、第一に徹底した奴隷労働であり、使い捨て労働力としてインドネシア人労働者を酷使すること以外の何ものでもない。
そもそも研修生は労働者ではなく、労働法規の適用を受けず、研修中の事故や疾病について一切労災補償は受けられないことになっている。しかも、「労働者ではない」から賃金ではなく、研修手当として月12万円が支給される。しかしこのうち5万円は母国と派遣機関にあらかじめ取られるので、実際は6〜8万円が支給されるのみで、そこから食費などを引かれれば、後はほとんど残らない。
第二に、インドネシア人労働者に対して3年ないし4年間を無償労働に近い劣悪な労働環境を強制することをとおして、医療・福祉労働者の賃金引き下げ、労働環境の引き下げを強行し、職場の中に分断を持ち込もうとする攻撃そのものだ。
相次ぐ介護報酬の引き下げによる賃金切り下げと労働条件の劣悪化によって、介護労働者の離職率は20%を超えている(05年統計)。
われわれ労働者は、国境を超えてやってくるアジア人労働者と革命的に合流し、職場からの反乱を生み出そうではないか。医療労働者は、あらゆる分断を超えて団結し、職場で闘いを巻き起こそう。この職場の怒りを11月労働者集会1万人に結実させよう。
(佐久間祐)
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週刊『前進』(2357号8面3)(2008/09/01 )
星野さんとともに
星野さん奪還を誓う
本物のマルクス主義者最高に団結したい仲間
全学連委員長 織田陽介
ついに星野文昭さんと会ったぞ! 20人の獄中闘争を闘う仲間を生み出した全学連の闘いを代表して面会に行けたこと、特に獄中の仲間に誇りをもって報告します。
☆
いざ面会の時間。面会室に入るとすぐに星野さんが登場。自己紹介をすませると、息もつがずに星野さんがアジる、アジる! 塩川一派などに対する星野さんの主体的な決別と弾劾だ。
「自分のつくり出した地平にとどまっていたら人間はダメになる。絶えず闘い、自分が変わっていくこと。この運動は未来の運動だから」と。
内容のあまりの正しさもさることながら、そのエネルギーあふれる姿! 完全に圧倒され、言葉も出ずに聞き入った。
星野さんの自画像から受けたイカツイ印象とは全然違う、優しく、快活な印象。獄中闘争を闘う力は、我慢強さとかではなく、仲間とともに団結して生きる人間的な力だとすぐに伝わってきた。
実はこの日も地元の青年労働者や救う会の仲間、そして星野暁子さんが、一生懸命準備し、送り迎えや歓迎会までしてくれ、星野文昭さんとともに強く闘う姿を見た。
新自由主義攻撃のもと、キャンパスも職場も監獄だ。どこにいようと支配をぶっ飛ばして人間らしく生きる力は仲間との団結なんだ。これが星野さんのパワーの秘密なのです。星野さんは本物のマルクス主義者だ。ヒロシマでも自分には最高の仲間がいると確信しましたが、ここにも本当にすばらしい仲間がいる、と。
☆
星野さんは、「今の学生や青年労働者は、自分のやりたい闘いをやってくれている」と語った。たくさんの苦難をのりこえてすばらしい獄中闘争を闘いぬいてきた仲間からの、最高にうれしい言葉だ。
そして「みんなは自分たちの子どもみたいなものだ」と。反スターリン主義・革命的共産主義運動に出会って本物の人生が始まった自分が、その運動を根底から支え抜いてきた星野さんの子。なんだか納得するものがあった。
30分という時間のあまりの短さに、星野さんに穴のあくほど見入って、声を聞き、もう自分が何を話すか考える余裕もない。看守が時間だと合図し、「もう終わりか!」と思ったとき、心の奥からジワジワわいてきたのは「奪還」の2文字。ここまで来てなんと月並みなことを自分は言うのかと迷ったが、気が付いたら「絶対奪還します!」と口が動いていた。やっぱこれしかない。こんな弾圧、認められないものは認められない!
面会を終えて、30分はあっという間に過ぎてしまい、消化不良の思いと、しかし、快活な星野さんのエネルギーに触れた感動が混ざり、不思議な気分になった。外で心いくまで話をしたい。星野さんは最高に団結したい仲間だ。面会後の駅前情宣では、汗だくになって星野奪還を訴えた。
☆
私は、星野奪還の最高の方針は11・2の1万人結集だと訴えたい。
71年当時、沖縄の怒りはゼネストとして爆発した。そしてこれをつぶしにかかる総評指導部! 星野さんたち当時の若者の闘いは、これをぶっ飛ばして労働運動を変えるような青年たちの歴史的な闘いだった。本土と沖縄の労働者の団結をただ求めて立ち上がった。
現在もまったく同じだ。体制内労働運動指導部は、青年とともに社会を変える気など一切ない。こんなやつらぶっ飛ばせ! 青年・学生は、星野さんのように闘えば、絶対に社会は変えられる。星野さんはその闘いによって見せしめどころか全労働者の展望となった。
星野さんを見せしめにしても無駄だ! 青年・学生はバンバン闘ってやるぞ! と国家権力に嫌と言うほどつきつける闘いこそが、奪還の最大の力だ。それが11月1万だ。星野無期をぶち破って、法政大学から学生運動の復活の時が告げられている。星野さんを奪還し、生き生きとした大学キャンパスのバリケードの中に迎えようではないか。
星野さんのように闘おうと訴えて、11・2労働者集会への1万人結集を呼びかけよう!
(写真 星野文昭同志 徳島刑務所在監、62歳。無実で獄中34年)---------------------------------------------------
週刊『前進』(2357号8面4)(2008/09/01 )
日程 迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧差し戻し審
迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧差し戻し審
第6回公判 9月10日(水)午後1時15分開廷
第7回公判 9月30日(火)午後1時15分開廷
◎東京地方裁判所
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週刊『前進』(2357号8面5)(2008/09/01 )
日程 三里塚裁判に結集を
9月10日(水)
暫定滑走路変更認可取消訴訟控訴審(原告/反対同盟) 午後3時 東京高裁
9月25日(木)
天神峰現闘本部裁判(原告/成田空港会社)午前10時30分 千葉地裁
9月30日(火)
市東孝雄さんの農地裁判(行政訴訟 原告/市東さん)午前11時 千葉地裁
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