ZENSHIN 2008/07/21(No2352 p06)

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第2352号の目次

“関空闘争と三里塚はひとつ” 7月13日、大阪・泉佐野市で関西新空港反対全国集会がかちとられた。集会後、デモに出発=記事3面

1面の画像
(1面)
青年・学生は党に入って革命やろう!  8・3東西革共同集会へ
7・24全国集会に大結集し闘う法大生と団結しよう
8月広島・長崎反戦反核闘争へ
記事を読む  
6・29サミット粉砕渋谷デモで逮捕の  8人全員奪還の大勝利(7月18日) 記事を読む  
(2面)
屈服和解拒否し解雇撤回貫こう
「平成採」の怒りと結びJR体制打倒の決戦へ  国労全国大会に向け訴える
記事を読む  
サミット粉砕!7・6札幌集会
革命をなしとげる時が来た!動労千葉のように職場で闘う
北海道現地の労働者の発言(要旨)(7月6日)
記事を読む  
怒りを革命の炎に  みなさんの熱いカンパを! 記事を読む  
資本攻勢&労働日誌 2008 6・27〜7・11  非正規雇用が35.5%に拡大 記事を読む  
(3面)
7・13泉佐野 関空粉砕へ怒りのデモ
“空港と住民は非和解だ”  三里塚と一体の勝利誓う(7月13日)
記事を読む  
7・13泉佐野 関西新空港反対全国集会  泉州住民の発言(7月13日) 記事を読む  
7・27三里塚現地闘争へ  労農連帯の力で農地死守を 記事を読む  
ワーカーズアクション実行委員会 サミット闘争に勝利宣言
“もう1人の自分を獲得したい”(7月12日)
記事を読む  
〈焦点〉 破産し危機深めたサミット  戦争・恐慌・貧困の帝国主義打倒へ 記事を読む  
日程 7・27三里塚現地闘争 記事を読む  
(4面)
世界金融大恐慌が現実に
バブル中枢米住宅公社2社が経営破綻へ  島崎光晴
記事を読む  
“漁に出れん!”
燃料代が5年で3倍 20万隻が一斉スト(7月15日)
記事を読む  
日誌 2008年 7月8日〜15日
アフガン「支援」拡大方針/独島、中学指導要領の解説書に
記事を読む  
(5面)
7・24集会アピール 3万法大生の怒りの爆発へ
“新自由主義大学”を粉砕し世界革命へ固く団結しよう  マル学同中核派・法政大学支部
記事を読む  
7・16法大 2学生の処分阻む  教授会を怒りの声で包囲(7月16日) 記事を読む  
勾留43日、A君奪還
5・29法大闘争弾圧 「革命家として成長」(7月11日)
記事を読む  
「公妨」で追起訴  5・29決起に震撼する権力(7月15日) 記事を読む  
全国被爆者青年同盟アピール
祈念式典糾弾・福田政権打倒!8・6広島-8・9長崎大闘争へ
記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
星野再審 最高裁が特別抗告を棄却  労働者の力で奪還を(7月14日) 記事を読む  
星野再審 最高裁が特別抗告を棄却  ★獄中から怒りの声明(7月16日) 記事を読む  
星野さんとともに
星野美智恵さんを偲ぶ会  “新たな文昭さんが誕生”
杉並・星野文昭さんを救う会 谷沢備作(7月5日)
記事を読む  
爆取差し戻し審 3同志が裁判長忌避  “証人調べは無意味だ”(7月16日) 記事を読む  
4・27法大弾圧 友部君が堂々証言  “権力から引きずり降ろす”  記事を読む  
クラス討論弾圧裁判 増田体制を批判  文化連盟O君が証言(7月11日) 記事を読む  

週刊『前進』(2352号1面1)(2008/07/21 )

 青年・学生は党に入って革命やろう!

 8・3東西革共同集会へ

 7・24全国集会に大結集し闘う法大生と団結しよう

 8月広島・長崎反戦反核闘争へ

“関空闘争と三里塚はひとつ” 7月13日、大阪・泉佐野市で関西新空港反対全国集会がかちとられた。集会後、デモに出発=記事3面

 動労千葉の呼びかけのもとに結集した労働者階級の怒りと6・29渋谷デモの爆発は、G8洞爺湖サミットを痛撃し、最末期帝国主義に死を宣告した。7月15日には燃料高騰で生きていけない全国の漁民が、一斉に20万隻の休漁ストに立ち上がった。世界金融大恐慌の激化と階級支配の危機の中で、迫りくる破局におびえる日帝・福田政権は、中学校の新学習指導要領解説書で韓国領・独島(トクト)を「日本固有の領土」と教えることを求め、国益主義と排外主義をあおり立てる攻撃に出た。これへの労働者階級の回答は、「国境をのりこえる苛烈(かれつ)な連帯闘争」(民主労総ソウル地域本部代表)で、帝国主義の戦争と排外主義攻撃に革命的に対決して闘うことだ。7・24法大闘争勝利全国集会と8・3革共同政治集会の大成功をかちとり、サミット決戦の地平から11月労働者集会へと攻め上ろう。8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争、8・15靖国闘争を国際連帯の大闘争として圧倒的に打ちぬこう。7・13関西新空港闘争に続き、7・27三里塚現地闘争(要項3面。会場は東峰の萩原進さんの畑に変更になりました)に決起しよう。

 サミット決戦爆発への共感

 「法政大弾圧ぶっ飛ばせ!7・24全国集会」の呼びかけを、北海道から沖縄まで、青年労働者と学生が圧倒的な共感をもって受け止めている。世代を超えて法政大闘争に共感と支援が集まっている。職場でも街頭でも、6・29渋谷デモと法大闘争を報道する『前進』が売れている。ビラを読み、訴えを聞いた人びとの中から、「こんな弾圧は聞いたことがない! 求めていたのはこういう怒りと団結だ! 法大のように闘おう!」という声が巻き起こっている。ここに「秋葉原」情勢と『蟹工船』情勢への回答がある。
 7月15日、日帝・東京地検は、5月29日の法政大学への「建造物侵入」で起訴した後に「公務執行妨害」で再逮捕した全学連の闘う学生を、追起訴した。そしてサミット粉砕6・29渋谷デモで8人を逮捕した(全員を不起訴奪還)。どれもこれもひとつ残らず、でたらめ極まりない不当な弾圧である。だがそれは逆に権力が法大決戦とサミット決戦にいかに敗北し、打撃を受けたかをよく示している。
 そればかりか、さらに7月14日、最高裁第3小法廷は、徳島刑務所に在監の星野文昭同志と再審弁護団が行っていた再審請求について、特別抗告を棄却した。断じて許し難い。徹底弾劾する。
 これらの新たな弾圧攻撃は、大量不当逮捕と処分、襲撃的な家宅捜索、渋谷駅前デモの禁止という弾圧体制を実力デモで打ち砕いて、サミット粉砕決戦が大爆発したことへの、権力の報復にほかならない。プロレタリア世界革命がいよいよ現実になる情勢への、恐怖に満ちた反動だ。サミット決戦は画期的に勝利した。権力は敗北した。理不尽な弾圧は、階級的労働運動路線の戦闘性、勝利性を敵の側から逆に証明しているのだ。
 サミット粉砕の6・29渋谷デモは、資本主義・帝国主義への怒りの反乱だ。警視庁の公安刑事百数十人によるキャンパス乱入・襲撃を、一歩も引かずに迎え撃った法大生と全学連の戦闘性が、青年労働者の魂をとらえ、資本と非和解の職場闘争・実力闘争が生まれ、デモ禁止攻撃を突き破る実力デモになった。あのデモの強固なスクラムは、階級的団結の象徴だ。マルクス主義で闘う力の証しだ。
 星野同志は、「われわれが目指すものの大きさを権力が圧殺しようとするのは無理です」と、第2次再審闘争勝利への戦闘宣言を発している。この星野同志の闘いと連帯して、獄中で20人近い初逮捕者を含めて、50人もの青年・学生がこの間、一人の例外もなく完全黙秘・非転向を貫いている。革命家として不屈に闘い成長している。弾圧も処分も無力だ。7・24法大闘争勝利全国集会に、青年労働者・学生の総決起を実現し、闘う法大生と固く団結しよう。ともに革命をやろう。
 まさに今、資本主義の弔鐘が鳴りわたっている。プロレタリア世界革命の波が全世界を覆っている。革命前夜の恐怖にうち震えるG8の強盗どものみすぼらしい姿を見たか! われわれは、韓国の100万人決起を先頭に世界中でストライキやデモ、暴動に立ち上がっている労働者階級人民と固く団結し、G8の強盗どもに階級的怒りをたたきつけた。
 サミット粉砕決戦に勝利した革共同は、11月労働者集会1万人大結集と革命勝利への展望をつかんだ。8・3東西革共同政治集会は、革命に生きようとするすべての労働者、学生、人民の総決起大会だ。とりわけ青年労働者と学生のみなさんに総結集を訴えたい。革共同に加入し、ともにプロレタリア革命へ闘おうではないか。

 金融大恐慌・インフレ・失業

 資本主義の最後の発展段階である帝国主義は、まさに「死滅しつつある資本主義」「プロレタリア世界革命の前夜」であり、今や最末期の姿をさらけ出している。新自由主義攻撃のもと、戦争と恐慌、失業と貧困を世界に強制し、破滅に突き進む最末期帝国主義に対して、青年労働者と学生を最先頭に、国際プロレタリアートの階級的団結と革命的決起をたたきつける時がやってきた。
 世界金融大恐慌が今や現実のものとなり、日々激化している。この情勢はもう絶対に後戻りがきかない。3月の米証券大手ベアー・スターンズの破綻(はたん)に続いて、米住宅ローン総額の約半分、5兆2千億ドル(約550兆円! 日本のGDPに相当)もの住宅ローン担保証券を保有する米住宅金融公社2社、ファニーメイとフレディマックが、経営破綻寸前に陥っている。
 この2社の破綻は、世界の金融システムを全面的に崩壊させる。債務不履行による世界金融大恐慌の全面化と、ドル暴落に直結する。破綻の危機にある銀行は、全米で150行。すでに9行の地銀が救済合併され、米住宅ローン大手のインディマック・バンコープが先に経営破綻した。大変な情勢だ。
 これが帝国主義の「最弱の環」である日帝を直撃する。90年代のバブル崩壊と長期大不況の打撃から回復できないでいる日帝を、これまで誰も経験したことがない新自由主義とグローバリズムのもとでの21世紀の新たな金融大恐慌が襲うのだ。
 そして今、この金融大恐慌の本格化は、労働者階級に不況の深刻化、大失業とリストラ、インフレの爆発として襲いかかっている。世界で革命情勢が成熟している。ブルジョアジーは、これが内乱と革命に直結することを知っている。しかし、それを止めることはできない。すでに全世界の労働者階級と被抑圧人民は生きるためのスト、デモ、暴動に立ち上がっている。アメリカは1930年代の大恐慌下の農民の怒りと闘いを描いた『怒りの葡萄(ぶどう)』、日本は『蟹工船』情勢。起きていることは、1929年世界大恐慌―1930年代と同じだ。

 団結し体制内勢力と対決を

 労働者階級こそは、労農同盟のもとに、この破産した資本主義・帝国主義を打倒・転覆してプロレタリア革命を闘いとり、社会主義・共産主義の実現に向かって前進し、階級社会を廃絶できる存在である。労働者には、この社会を根底から変革する力がある。それこそ国境を越えた階級的な団結の力だ。
 動労千葉など3労組が呼びかける11月労働者集会で、われわれは日韓米3国の労働者の国際的団結の力を、熱い心ではっきりと見た。動労千葉の国鉄分割・民営化絶対阻止の闘いは国鉄1047名解雇撤回闘争をつくり出し、改憲攻撃をも阻止してきたのだ。
 こういう階級の団結した力を恐れるブルジョアジーは、絶えず労働者の中に競争を持ちこみ、対立させ、殺し合いと戦争にさえ駆り立てる。資本が繰り出すあらゆる攻撃は、つまるところすべてが団結の破壊だ。そのために支配階級は、体制内や帝国主義的労働運動を育成し、労働者の決起を抑え込んで、階級支配の支柱とするのだ。
 だが今や、日帝・福田政権を労働者階級の激しい怒りが包囲している。自民党や自公連立政権では、もう支配が成り立たない。しかし労働者階級のその怒りの力を、連合や民主党、あるいは「野党」などの体制内勢力が抑えつけている。彼らは労働者の力を議会主義、体制内の枠の中に押し込み、支配階級との取引の道具にしているのだ。
 全郵政と全逓が統合したJP労組は、ブルジョアジーの要求でしかない「生産性向上」を掲げた。国鉄1047名闘争の中からも、動労千葉を排除して「闘争は賞味期限切れ」などと言い、全面降伏に走る「4者・4団体路線」が出てきた。こんな体制内勢力に沈黙していることは、労働者にとって屈辱と敗北以外の何ものでもない。
 革命情勢の到来は、体制内的勢力に容赦なく破産を刻印すると同時に反動へと転化させる。だから、塩川一派は革共同から脱落・逃亡したのだ。体制内労働運動の産業報国会化は、逆に革命をわが手でたぐり寄せる時代が来たことを労働者階級に示している。今やここに最大の攻防がある。
 この『前進』を手にしている青年労働者・学生の皆さんに訴える。8月3日に東西で同時開催する革共同政治集会は、11月に1万人の国際的な革命の軍勢を登場させるための総決起大会だ。プロレタリア世界革命を実現する労働者党、革命党の大会だ。
 革共同は、君たちとともに革命に絶対に勝利したい。7・24法大闘争勝利全国集会の成功をかちとり、さらに8月3日に総結集することを熱烈に呼びかける。ともに熱い夏を闘いぬこう。青年・学生こそが、革命的労働者党、革共同に結集し、ともに革命をやろう。

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週刊『前進』(2352号1面2)(2008/07/21 )

 6・29サミット粉砕渋谷デモで逮捕の

 8人全員奪還の大勝利

 6・29サミット粉砕渋谷デモで不当逮捕され勾留されていた8人の青年労働者・学生を、7月18日に全員奪還した。大勝利だ。
 この間、逮捕された8人の職場・大学・地域で、奪還のための闘いが全力で展開されてきた。渋谷や池袋、御茶ノ水などでも8人の奪還を呼びかける署名・宣伝活動が行われ、大きな反響をつくり出した。家族の感動的な決起もあった。
 何よりも獄中の8人が渋谷デモを最先頭で闘った誇りをもって日帝・警視庁の転向強要攻撃と対決し、完全黙秘・非転向を貫いて闘った。また勾留理由開示公判には、多くの仲間が駆けつけ、3人の弁護人が不当な逮捕・勾留を徹底弾劾して裁判官・検察官を追いつめた。全員の不起訴奪還は、こうした獄内外一体の闘いがかちとった“団結の勝利”だ。
 勝利を実現した核心的な力は、国家権力のデモ禁止攻撃を打ち破り、6・29渋谷デモを大衆的実力闘争として大爆発させたことだ。
 戦争、貧困、失業を押しつける帝国主義の打倒―世界革命の勝利にむかって、自分の職場でさらに階級的労働運動を推し進めよう。7・24法大闘争全国集会で8人の仲間と大合流しよう。

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週刊『前進』(2352号2面1)(2008/07/21 )

 屈服和解拒否し解雇撤回貫こう

 「平成採」の怒りと結びJR体制打倒の決戦へ

 国労全国大会に向け訴える

 国鉄1047名闘争は今、重大な危機にある。7月14日の鉄建公団訴訟控訴審で、東京高裁が裁判外での和解を勧告し、冬柴国交相が「解決に向けて努力する」との談話を出したことを受け、和解の動きが急速に進み始めた。JR体制との闘いを放棄し、解雇撤回の原則を投げ捨てた4者・4団体路線のもとで進められる和解が、きわめて屈辱的なものになることは明らかだ。しかし、国労本部と鉄建公団訴訟原告団指導部は、7月30、31日に静岡県伊東市で開かれる国労第76回定期大会で、この和解へ突進しようと策している。1047名闘争は、この和解策動を打ち破り、解雇撤回に向けて立ち上がるのか否かをめぐる重大な攻防に入ったのだ。4者・4団体路線を打ち破り、職場で団結を固めてJR体制を打倒する第2次国鉄決戦の路線を確立することが、今大会の重大な課題として浮上した。この攻防に勝ち抜き、動労千葉の組織拡大闘争の前進に続いて、JR体制下で怒りを燃やす「平成採」の青年労働者をマルクス主義青年労働者同盟のもとに組織することこそ、第2次国鉄決戦の軸である。
(写真 尼崎事故3カ年弾劾!4・26尼崎現地闘争)

 4者・4団体路線は完全破産

 福田政権がその命運をかけて強行した洞爺湖サミットは、労働者階級の激しい決起を引き出すことによって逆に帝国主義の墓穴に転化した。動労千葉の呼びかけのもと、6月29日に代々木公園に結集した労働者は、警察権力と激突して渋谷大デモを革命的行動として貫徹した。札幌現地でも戦闘的な集会とデモがかちとられ、日本の階級闘争は新たな激動過程へと突入した。
 帝国主義の最後の延命策である新自由主義の攻撃は、全世界で打ち破られつつある。それはまさに、プロレタリア世界革命が間近に迫っているということだ。韓国では、米国産牛肉輸入再開問題をきっかけにイミョンバク政権打倒を掲げた100万人規模のデモが闘われ、民主労総のゼネストが打ち抜かれた。ヨーロッパ各国では、公共部門や医療労働者を中心とする数十万人のゼネストが激発している。
 これらの闘いはいずれも、労働者階級の闘いを体制内に押しとどめようとする既成の労働運動指導部の反動を、現場労働者が職場に依拠した団結でぶち破ったことによりかちとられた。
 こうした時代は、あらゆる勢力をふるいにかけずにはおかない。
 日本において闘う労働運動の結集軸となってきた国鉄1047名解雇撤回闘争は、この情勢にあるからこそ、重大な岐路に立っている。あくまで解雇撤回を掲げて国家権力やJR資本との非和解的な激突を貫くのか、権力・資本に頭を垂れて闘いの旗を降ろすのかをめぐって、鋭い分岐が現れているのである。
 4者・4団体路線のもとで、国労本部は「いざ撤退というときにも一糸乱れず機敏に行動する」(週刊金曜日、高橋伸二委員長)と言い放ち、1047名闘争の早期終結願望を隠さない。鉄建公団訴訟原告団指導部もまた「年内または年度内に解決しなければ闘争としても賞味期限切れ」と言って、国労本部に唱和している危機的状態だ。
 国鉄1047名闘争は本来、全労働者の怒りを束ね、労働者階級解放に向けた壮大な闘いに発展させる結節点に位置している。
 現に今、国鉄分割・民営化を皮切りに始まった新自由主義の攻撃の中で、一切の権利を奪われ「ワーキングプア」状態を強制された青年労働者の反乱が、いたるところで始まっている。国鉄闘争が階級的原則に立ちきった闘いとして発展し、労働運動の最先頭に立つならば、日本において数百万人規模のゼネストを実現することは必ずできる。
 ところが4者・4団体路線を推進する者たちは、労働者階級が持つ力への確信を失い、ただひたすら政府やJRにすがりついて、敗北的和解に向けて走り出した。
 98年5・28反動判決に屈服した国労本部が00年5月4党合意の受け入れに行き着いたように、鉄建公団訴訟の05年9・15判決への屈服が4者・4団体路線を生み出した。9・15判決は解雇撤回を拒否し、国鉄時代に停職6カ月以上または停職2回以上の処分を受けた者はJR不採用となって当然だとした反動判決だった。1047名を分断するこの判決を受け入れたところから、4者・4団体路線は出発している。
 だが、こうした裁判所依存路線の破産は、今年3月13日の鉄道運輸機構訴訟判決によってすでに全面的に明らかになっている。この判決は、解雇撤回を求めた原告の訴えを、時効を盾にことごとく退けた。
 にもかかわらず、4者・4団体路線を推進する者たちは、またしても裁判所の和解勧告に依拠して、「最後の機会」とばかりに屈服的和解にのめり込んでいる。
 だが、21年にわたる解雇撤回闘争を闘ってきた闘争団員全員を、こんな道に引きずり込むことなど断じてできない。和解絶対反対を貫く闘争団員と現場組合員の決起でこの策動を打ち破ってこそ、1047名闘争の勝利は切り開かれる。

 青年獲得できる労働運動に

 日本において新自由主義攻撃の突破口となった国鉄分割・民営化も、今や完全にその破産をあらわにしている。尼崎事故に示される重大事故の続発は、その最たるものだ。また、分割・民営化以来、継続されてきたJR資本とJR総連の結託体制が、ついに崩壊の時を迎えている。JR総連カクマルを補完物とすることによって成り立ってきたJR体制にとって、これはその存立にかかわる事態である。さらに、要員問題の矛盾も爆発し始めた。
 まさにJR体制打倒のチャンスが来ているのだ。動労千葉を始めとするJRの現場労働者の闘いと、1047名闘争の不屈の展開こそが、分割・民営化から21年目にしてJRに大破産を強制したのである。
 この現実を階級的立場からとらえきった動労千葉は、JR体制と真っ向から激突し、勝利をたぐり寄せている。昨年秋の大会で、「国鉄分割・民営化との攻防に基本的に勝利した」と宣言した動労千葉は、その攻防に最終的な決着をつけるため、直ちに平成採の青年を組織する新たな挑戦を開始した。今春闘では、「ライフサイクル深度化」の攻撃に対してストライキを構えて反撃し、傘下の青年労働者の駅への強制配転を阻止した。この動労千葉に今、続々と平成採の青年労働者が結集しつつある。
 動労千葉に新たに加入した青年は、「将来のことを考えると不安はありますけど、不安を払拭(ふっしょく)するためにも、まず自分が何かをしないと変わらない。指をくわえて見ているだけでは前に進まない」と語っている。
 JR資本が強いる競争と分断の攻撃の中で、青年労働者は闘いと団結を激しく求めている。人間性を奪い尽くすJR資本や、それと結託したJR総連=東労組への激しい怒りを抱いている。その怒りと結びつき、ひとつに束ねた時にJR体制は打倒できる。
 駅業務の全面外注化を前提に、輸送職の養成を意図的に怠ってきたJR資本が、そのつけを平成採の運転士の駅への強制配転でのりきろうとするのが「ライフサイクル」攻撃だ。労働者をたらい回しにするこんなやり方に、怒りが噴出しないはずがない。
 動労千葉への青年労働者の結集は、JRの労働運動が大再編の時代に入ったことを告げ知らせた。資本=カクマル結託体制を始め、労働者の決起を抑えてきたあらゆる反動が、青年の怒りによって吹き飛ばされる新たな情勢が始まったのだ。
 動労千葉がついにこの情勢を切り開いたのは、00年以降、一挙に激化した第二の分割・民営化攻撃――外注化を軸とした極限的な合理化攻撃と根底的に対決してきたからだ。とりわけ、尼崎事故後、反合・運転保安闘争路線を再確立し、安全運転闘争を始めとする闘いを、階級的団結を打ち固めて貫いてきたからだ。
 その対極に国労本部の裏切りと転落の歴史がある。4党合意を受け入れた国労本部は、1047名闘争に敵対し、鉄建公団訴訟原告を統制処分にかけ、これに抗議した組合員を5・27臨大闘争弾圧で国家権力に売り渡した。そして、包括和解でJRとの闘いを最終的に投げ捨てたのだ。
 資本と闘わない労働組合では、平成採には見向きもされない。JR体制打倒、1047名闘争勝利のカギは、平成採の怒りの決起をつくり出すことにある。そのチャンスがようやく到来したこの時、勝利の道を自らふさいでいるのが4者・4団体路線にほかならない。
 勝利の道は、平成採を結集できる階級的労働運動を生み出すことだ。

 5・27弾圧粉砕し本部打倒を

 国労5・27臨大闘争弾圧被告団は、動労千葉とともに4・26尼崎現地闘争を成功させ、サミット決戦を青年労働者や学生とともに担った。
 被告団は、弁護団を再編し、階級的な裁判闘争を貫く新たな闘いに踏み出している。それは、1047名闘争が4者・4団体路線へと転落していく中で、動労千葉と並ぶ階級的労働運動を国労の中につくり出すために闘われた5・27闘争の原点を再確立するために、必要不可欠な選択だった。その厳しい決断を貫く中で、被告団は協会・革同の体制内労働運動の牙城(がじょう)である国労の中に、階級的労働運動の核となる存在として登場したのである。
 5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いは、1047名解雇撤回闘争、JR体制打倒の闘いと一体であり、その勝利は被告団と国労共闘が階級的労働運動の実践者となることによってこそ切り開かれる。現に、国労本部がJR資本との闘いをもことごとく圧殺している中、これに憤る国労組合員は、被告団とともに闘う道を選択しつつある。さらに、5・27臨大闘争弾圧との闘いは、1047名闘争を階級的に立て直す軸となるべき闘いだ。
 JR体制の崩壊が進む中で、JR東日本は「グループ経営ビジョン2020−挑む−」を発表した。JR東日本はそこで、「収益拡大」のために「不断の創造的破壊が必要」であり、「人材育成と人事・賃金制度を戦略的に見直す」と言っている。その核心は団結の解体だ。だが、それは平成採を始めとしたJR労働者のさらなる怒りをかき立てずにはおかない。
 1047名闘争は、その怒りの結集軸となった時にこそ輝かしい歴史的勝利を手にできる。今大会で1047名闘争終結の策動を真っ向から打ち破り、国労本部を打倒して、国労を青年労働者の怒りと結ぶ階級的な労働組合に変革しよう。

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週刊『前進』(2352号2面2)(2008/07/21 )

 サミット粉砕!7・6札幌集会

 革命をなしとげる時が来た!動労千葉のように職場で闘う

 北海道現地の労働者の発言(要旨)

 7月6日に開かれた「サミット粉砕!全国労働者総決起集会」(前号既報)での、北海道の労働者の発言を紹介します。(編集局)

 ●基調報告 団結し新たな一歩踏み出す 北海道労組交流センター事務局長

 労働者の団結した力で帝国主義打倒の社会主義革命をなしとげることだけが、私たち労働者と全世界人民に解放の明かりをもたらす唯一の道だ。ついにその時が来たんだ、とはっきりさせるのが今日の闘いです。北海道の労働者も、私たち自身が団結して新たな一歩を踏み出すものとして、積極的にこのサミット粉砕闘争を迎えました。
 政府は「サミットを利用し、観光や国際会議誘致などで北海道は生きていけ」と無責任なことを言っています。その観光が破産して、いま夕張はどうなっているのか。核施設や演習場の誘致しか生きる道がないところに追い込まれています。北海道を道州制導入の実験場にし、最後は核や戦争に協力して生き延びろ、帝国主義の奴隷になって生きていけというのか。冗談じゃない!
 資本と労働者とは絶対に非和解だ、労働運動の力で革命をやって労働者は生きるんだ――これをはっきりさせることが必要です。団結を総括軸にすえた闘いを始め、手応えを感じ始めています。この道こそ革命への突撃路だという確信にあふれています。この道をまっしぐらに突き進みたい。

 ●特別報告 労働者の手に世界獲得する 交運グループ共闘会議 Sさん

 私はタクシー労働者です。1993年ごろを頂点にして利用者が減り、運賃を値上げしても売り上げが上がらない状況が続きました。利用者が減ってるんだから台数を減らすのが普通です。しかしタクシー自由化・規制緩和を前に経営がやったことは、台数を増やし、労働者に労働強化・競争を強制することでした。
 小手先の闘いでは絶対に対応できない。経営がやってきたことは「労働者に死ね」という攻撃だから、私たちはそういう提案を絶対に認めるわけにいかない。”労働者は団結して闘って生き抜くんだ”と闘ってきました。私たちは7年間、会社の提案について協約を結んでいません。労働委員会、裁判闘争を闘うとともに、3労組が呼びかける11月集会陣形に結集し、闘う労働組合の全国ネットワークの一翼を担う闘いを続けてきました。
 こういう団結をつくることでしかG8サミットは粉砕できない。帝国主義は打倒できない。昨日(5日の社共共闘)の集会のように何らかの政策対置じゃなく、あいつらに取って代わって世界を労働者の手に獲得するんだ。私自身、そういう決意を職場闘争を闘うことをとおして固めていきたいと思います。

 ●青年労働者の決意

 “隣の仲間”に闘い呼びかけ

 私は全道庁(自治労全北海道庁労働組合)の組合員です。隣の仲間との団結が大事だということで、ビラを手渡し、サミット粉砕の闘いに立ち上がろうと呼びかけてきました。職場では、成果給・能力給というとんでもない団結破壊の攻撃がかけられようとしています。絶対に許すことはできません。動労千葉のような闘いを自分の職場でもつくっていきたい。今日の闘いを職場の仲間に報告できるよう頑張る。

 労働者の分断動員許せない

 私はサミット会場のそばで働いています。昼夜をとわず検問が行われ、朝出勤するまでに3回も検問される状況です。「サミット期間中は外出を自粛していくれ」とか住民のことをなんだと思っているんだ! まったく怒りしかありません。
 私の職場でも連日、パトロールに駆り出され、休みの日にはボランティアで職員を動員しています。労働者を分断し、互いに監視させサミットに動員しようという攻撃は絶対に許せない。

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週刊『前進』(2352号2面3)(2008/07/21 )

 怒りを革命の炎に

 みなさんの熱いカンパを!

 「日本のデモ隊はこの日、予想外の『戦闘力』を示した。日本警察に対し激しい肉弾戦を辞さなかった」(韓国・ハンギョレ新聞)。サミット粉砕の6・29渋谷デモと7・6札幌闘争は、「日本の労働者階級ここにあり!」を世界にとどろかせました。
 動労千葉を中軸に、新自由主義粉砕を掲げたサミット粉砕闘争が爆発したことは、世界の労働運動に地殻変動を起こす決定的事態です。「世界革命派」として、2150人の怒れる労働者が登場したのです。
 世界のストライキ情勢を見てください。今年のメーデーでアメリカ西海岸の港湾を封鎖するストに決起したのも、韓国100万人デモを主導するストを打ち抜いたのも、中心で担ったのは11月労働者集会でともにスクラムを組んだ私たちの仲間たちでした。”11月労働者集会の1万人結集を実現したら、もっとすごいことができる”――世界革命をたぐり寄せている実感に、胸がワクワクするではありませんか!
 そうであるからこそ革共同は、世界革命を実現する労働者党に今こそ飛躍する決意ですす。その核心は、マル青労同・マル学同各1000人建設を絶対に実現することです。
 6・29を闘った青年労働者たちは、「ここが本当の意味での職場闘争のスタート。壁にぶち当たっても、弾圧の壁をともにぶち破った仲間がいるから、資本家なんかぶっ倒せる」と新たな職場闘争を開始しています。ある青年労働者は、「今後も6・29のような闘いをするなら、自分個人のための一時金なんてないと思った方がよいですね」と、数十万円単位のカンパを革共同に寄せました。
 そうです! 何度も何度も6・29のような非和解の闘いを、資本家どもや国家権力に対してたたきつけてやろうではありませんか。青年・学生が世の中を変える時代が本当に来たのです。そのことを全社会に告げ知らせる闘いをともにやりたい。そのための軍資金がぜひとも必要です。
 原油・食料品高騰や大インフレなどへの積もりに積もった怒りを、資本主義を滅ぼす革命の炎に転化する行動として、カンパの集中を心から訴えます。
 さらに、サミット粉砕闘争を切り開いた法政大5・28〜29決起に対する大弾圧を何としても粉砕しましょう。国家権力の憎しみを一身に受けながら獄中で意気軒高と闘いぬく若き革命家たち17人の存在と闘いこそ私たちの誇りであり未来です。
 裁判闘争費用、保釈金は数千万円にのぼることが予想されます。獄壁を打ち破り、早期奪還をかちとる力として、みなさんの熱いカンパをぜひ寄せてください。

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週刊『前進』(2352号2面4)(2008/07/21 )

 6・27〜7・11

 非正規雇用が35.5%に拡大

完全失業者数、12万人増 総務省発表の労働力調査によると、5月の完全失業率は前月と同じ4.0%。完全失業者数は前年同月比12万人増の270万人で5年4カ月ぶりの大幅増。厚労省が発表した一般職業紹介状況によると、5月の有効求人倍率は0.92倍と前月を0.01ポイント下回った。(6月27日)
連合、テロ支援国家指定解除を憂慮 連合は米国による北朝鮮に対するテロ支援国家指定解除を憂慮する古賀事務局長の談話を発表。談話は日本政府に対して、洞爺湖サミットや6者協議で拉致問題について取り上げるとともに、日本独自の経済制裁は解除するべきではないと強調している。(30日)
年金機構、被処分者は長期雇用せず 政府の年金業務・組織再生会議は、「日本年金機構」に関する最終報告書をまとめた。懲戒処分歴のある職員は1年の有期雇用とした上で「長期雇用しない」ことを明記した。(30日)
最低賃金、中央の審議開始 08年度の最低賃金改定の目安を審議する中央最低賃金審議会が始まった。(30日)
「教育振興基本計画」を閣議決定 政府は閣議で、今後5年間で取り組むべき施策などを示す「教育振興基本計画」を決定。日教組、全教ともに抗議声明を発表した。(7月1日)
日雇い派遣、原則禁止 自民、公明両党の「新雇用対策に関するプロジェクトチーム」は日雇い派遣を原則的に禁止する案をまとめた。(1日)
規制改革会議の中間とりまとめ 内閣府の規制改革会議が「中間とりまとめ」を発表。(2日)=要旨別掲
「緊急調整地域」指定要件を緩和 国交省は、タクシー事業者の新規参入や増車を禁止する「緊急調整地域」の指定要件を緩和し、対象地域を増やす案を公表した。(3日)
電機連合大会 電機連合は4日まで大会を開催。2年間の運動方針や第6次賃金政策などを論議。(3日)
非正規就業者35.5%、10年前の1.5倍に 総務省統計局が発表した「2007年就業構造基本調査(速報)」によると、パートなどの非正規就業者数は1890万人で10年前の約1.5倍に増加し、過去最高を記録した。(03日)
NTT労組大会 NTT労組は9日まで大会を開き、08〜09年度の運動方針と新役員体制を決めた。(08日)
公務員改革推進本部が発足 政府の国家公務員制度改革推進本部が発足し、事務局開きが行われた。(11日)

 規制改革会議の中間とりまとめ(労働分野)要旨

 昨年5月の同会議の部会(労働タスクフォース)提言、「権利強化や処遇改善を進めると、企業はかえって雇用を控えたりするから、労働者にはマイナス」という主張と基本線は同じ。
 派遣法について、「派遣を臨時的、一時的な需給調整制度として例外視する法律」から「労働市場の環境変化に合わせて派遣が有効活用されるための法律」へ転換していくよう見直しの検討を求めている。
 最低賃金についても、その引き上げは「低賃金労働者の雇用機会を減少させ、かえって格差の拡大をもたらす可能性がある」との見方を紹介し、引き上げに反対している。

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週刊『前進』(2352号3面1)(2008/07/21 )

 7・13泉佐野 関空粉砕へ怒りのデモ

 “空港と住民は非和解だ”

 三里塚と一体の勝利誓う

 7月13日、大阪・泉佐野市の末広公園で関西新空港反対全国集会が行われた。真夏の太陽が照りつけ暑い中、地元泉州住民、大阪湾岸住民を先頭に195人が参加した。住民に矛盾と負担を押し付ける関西新空港を必ず粉砕するぞと、熱気ある集会とデモを闘いとった。
 集会には、6・29―7・6サミット粉砕決戦を圧倒的に打ち抜いた高揚感をもって労働者、学生が決起した。また“破綻(はたん)した関空を救済するために住民と労働者を犠牲にする国や大阪府をもうこれ以上絶対に許さんぞ”という怒りにあふれて、地元から多くの住民、労働者が参加した。
 集会は、安藤眞一淡路町反対同盟事務局長の司会で始まった。主催者あいさつに立った山本善偉東灘区住民の会代表は、「連絡橋を国有化するのは軍事空港のため。三里塚とともに東西軍事空港反対で闘おう」とあいさつした。
 三里塚反対同盟から伊藤信晴さんが参加し連帯のあいさつを行った。伊藤さんは「三里塚闘争が一番大変だった83年3・8分裂の時、反対同盟は動労千葉との信頼関係に支えられた。脱落派の激しい攻撃にも、びくともしなかった。大阪でも府労連の決起が始まっている。労働者と固い結合を果たしたとき、泉州でも三里塚でも必ず勝利できる」と情勢の核心をつくあいさつをした。
 次に連帯のあいさつに立った全国被爆者青年同盟の代表は、「法大で逮捕されている被青同の誇るべき仲間とともに8・6を闘う。ヒロシマ大行動と朝デモに参加してください」と訴え、とりわけ8・6朝デモへの決起を強く呼びかけた。
 動労千葉と森田恒一・泉州住民の会前代表のメッセージが紹介された。
 基調報告を国賀祥司泉州住民の会事務局長(泉佐野市議)が行った。国賀さんは最初に、破綻している関空情勢に触れ、「燃料高騰を理由に日航と全日空が減便、廃止を発表した。これで欧米路線はなくなる。新自由主義がつくりだした破綻だ。そして軍事空港化だ」「連絡橋の国有化で、府に1400億円も負担させ、泉佐野市民に8億円も負担させる。関空労働者に首切り、賃下げ攻撃がかけられる」「地元の住民はますます関空の犠牲にされる。連絡橋の国有化で8億円の税金が入ってこなくなるので、市は『通行税』を言い出した。市立病院が破綻し、市民の命が犠牲にされている。関空と住民、労働者は非和解だ。関空を粉砕するまで闘おう」と訴えた。参加者は大きな拍手で応えた。
 カンパアピールを明石住民の会が行い、各団体の決意表明に入った。泉州住民の会、東灘区住民の会、関西労組交流センター、関西合同労組泉州支部、部落解放同盟全国連、婦民、全学連と続いた。とりわけ泉州住民の会役員3人の決意表明(別掲)には、参加者から大きな共感の拍手が送られた。
 最後に、永井満淡路町反対同盟代表(関実代表)がまとめを行った。「今こそ団結して闘わなければならない。40年間、立場の違いをのりこえ、力を合わせて闘ってきた。今日の状況は残念だ。関空の軍事使用にあらゆる方向から反対していこう。三里塚は必ず勝てる。三里塚のように闘おう」と訴えた。
 さあ、デモだ。関空対岸のりんくうタウンに向けて出発した。宣伝カーを先頭にシュプレヒコールを上げながらデモ行進を行った。沿道には応援の住民が出てきている。途中から合流した青年が解散集会で発言し、「熱いハートだ! やろう!」と資本に対する怒りの叫びを上げた。
 泉州も全国・全世界と同様、帝国主義への怒りが渦巻いている。関空粉砕、帝国主義打倒の闘いは確実に進んでいる。
(写真 集会をかちとり、“破綻した関空を粉砕するまで闘うぞ”と全員でこぶしを上げた【7月13日 泉佐野市・末広公園】)

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週刊『前進』(2352号3面2)(2008/07/21 )

 7・13泉佐野 関西新空港反対全国集会

 泉州住民の発言

プラカード・横断幕を掲げ、元気よくデモに出発

 ●Hさん サミットに首脳たちは何しに来たのか、許せん気持ちだ。関空反対! 死ぬまで頑張る。
 ●Kさん 連れあいの給料が13年前から2割も減らされ、ボーナスカットされたまま。買い物に行ったら品物は1・5倍に値上げされ、生活できない。こういう情勢にしたのは誰や。出てこい。大阪府は橋下が500億円も関空会社に無利子で貸して税金で70億円も負担している。そんな金があるんやったら、こっちに回さんかい! 腹立つのを解消するのは闘うしかない。
 ●Nさん 2年前にごみ有料化に反対した時、新田谷市長は「共存共栄のために連絡橋の税金45億円の減免は仕方ないんや」と言ってきた。しかし連絡橋が国有化されることになって固定資産税8億円が入らなくなったら、今度は連絡橋を通る車から通行税200円も取るという。こんなことをしたら、どこの市町村も道路を走る車に税金がかけられるようになる。
 市民病院は、立派な病院をつくりながら診てもらえない。救急体制もなくなってしまった。みんな怒っている。どうしてこんなことになったのか。空港と住民は「共存共栄」できないことがはっきりした。関空をつぶすまで闘いましょう。

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週刊『前進』(2352号3面3)(2008/07/21 )

 7・27三里塚現地闘争へ

 労農連帯の力で農地死守を

 三里塚芝山連合空港反対同盟が発した7・27現地闘争アピール(前号)に応え、全力で立ち上がろう。成田空港会社(NAA)による市東孝雄さんの耕作地に対する強奪のたくらみを、現地デモの爆発で吹き飛ばそう。
 NAAは「地主」のような顔で「賃借契約はおしまいだ」「不法耕作だから出て行け」などと迫っている。盗っ人猛々しいとはこのことだ。NAAの前身である空港公団は、1988年に底地を旧地主から買収したことを15年間も、耕作者である市東家にひた隠しにしてきた。どこからどう見ても違法そのものだ。
 こんな詐欺まがいの手口のごり押しは、日帝・国家権力の焦りの現れだ。反対同盟の闘いによって土地収用法による事業認定はとっくに失効してしまった。そして何より、市東孝雄さんが「金で心は売らない」「私のつくる大根には1億8千万円以上の価値がある」と決意を表明し、反対同盟が「農地死守」「空港絶対反対」の原則をテコでも曲げないことに、敵は本質的に「打つ手なし」の状態に追い込まれている。市東さんの農地を守りぬこう!
 今や労働者、農民、漁民―全人民が、闘わなければ生きていけない現実に直面している。
 新自由主義攻撃は資本の利益のためのむき出しの「自由競争」を激化させ、民営化、非正規雇用化、労組破壊、社会保障切り捨てを極限まで推し進めてきた。4大産別を先頭に労働者が自分の労働現場での闘いを開始し、体制内労組指導部の制動・抑圧を打ち破って決起している。全国各地で農漁民の激しい反乱が開始されている。
 40年を超える三里塚闘争は、一方では国家権力によるむき出しの暴力との激突であり、他方では闘いを「体制内」=条件闘争へとねじ曲げようとする攻撃との死闘の歴史だった。そうした試練を経て反対同盟は今日、動労千葉とともに「車の両輪」を形成し、国際連帯の闘争拠点として“G8サミット粉砕”を全世界に向けて呼びかけた。
 血と汗を流して実力闘争をともに闘ってきた労働者人民、そして新たに闘いの戦列に加わった青年労働者・学生は今こそ労農連帯の力を発揮して立ち上がろう。FTA(自由貿易協定)・EPA(経済連携協定)推進による農業・農民切り捨て政策を許さず、全国各地・各職場で三里塚のように「不屈・非妥協」「絶対反対」で闘おう!
 反対同盟破壊を狙った攻撃はますます激化している。暫定滑走路北延伸関連工事が強行され、住民の頭上40bをジェット機が轟音(ごうおん)を立てて離着陸している。東峰部落つぶしの暫定滑走路3500b化、年30万回飛行を許してはならない!
 福田首相は、スーダンに展開するPKOに自衛官を派兵する方針を打ち出した。アフリカへの派兵は重大事態だ。軍事空港阻止の旗を一層高く掲げ、成田からのPKO出兵を断固粉砕しよう。
 こうした攻撃のすべてが日帝打倒―日本革命の現実性への敵のおびえの現れなのだ。日本階級闘争の白熱の攻防点=三里塚に駆けつけよう。7・27現地闘争に総決起しよう!
(写真 「北延伸阻止・農地死守」を掲げ三里塚緊急現地闘争に330人が結集した【6月8日】)

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週刊『前進』(2352号3面4)(2008/07/21 )

 ワーカーズアクション実行委員会 サミット闘争に勝利宣言

 “もう1人の自分を獲得したい”

 12日、ワーカーズアクション実行委員会のサミット粉砕闘争の総括会議が開かれ、サミット粉砕の完全勝利を宣言した。
 「サミットで何一つ『対応策』も『展望』も示せない帝国主義に対して、5・28〜29法大闘争、6・29実力デモで『団結した労働者は必ず勝てる』と労働者の生きる道を示したことが勝利だ」と実行委員会事務局は提起した。
 さらに織田陽介全学連委員長は、「最も困難な職場・キャンパスで勝負してきた。路線の勝利だ」とはっきりさせた。全逓労働者も「労働者集会としてかちとったサミット粉砕闘争だった。資本・当局と非和解で職場で総決起し、総団結して闘ったことが勝利」と言い切った。
(写真  「渋谷へ進撃だ!」【6・29デモ出発点 代々木公園】)

 デモで団結

 職場・キャンパスの闘いを体現したものこそ6・29渋谷大デモだ。電機労働者は「権力の弾圧もものともせず闘った。それだけですでに勝っている」と確信を語り、全逓労働者は「あのデモのなかに渋谷の労働者と合流するんだという気迫があった。ゼッケンがはずれても団結したスクラムデモが街行く人をひきつけた」と話す。名前も知らない隣の労働者ともスクラムを組んだ。「知らない人も労働者として手をつないでいける」と実感した運輸労働者。団結のみを武器にしたスクラムデモ。この団結とは「どんな犠牲も恐れず資本や権力と闘い抜き、革命まで闘う労働者の団結」(事務局提起)だ。5・29決起の学生A君も「獄中では6・29の闘う姿に元気づけられた。団結を感じることで闘えた。団結に生きたい」と明るく決意を表明。獄壁をも越えて、デモで団結したのだ。

 確信を深め

 6・29を闘い抜き、自分たちの闘いに自信と確信を深めたことが、仲間との団結の欲求となった。職場闘争が画然と発展している。全逓労働者は「6・29をやりきって、『民営郵政打倒、資本はつぶれてもいい、という労働運動をやろう』と職場で主流派として言い切れるようになった」。初めて職場会議を持つことができた派遣労働者。医療労働者Bさんは、職場の仲間と6・29報告会を開くことが決まった。「社前闘争をやりたい」という民間労働者は、最近、組合を結成するに至る。デモの団結が職場に拡大している。
 なぜ、このデモが実現できたのか。それは5・28〜29法大闘争のように、仲間との団結にかけきり資本・権力と非和解で闘えば勝てると確信を持って決起したからだ。学生A君は「団結があれば逮捕なんてまったく怖くない」と確信をもって語る。
 医療労働者Cさんも「経営なんかつぶれてもいい闘いで弾圧を団結拡大のチャンスにしてきた」と指摘する。自分が闘うことに今一歩踏みだせない仲間が、弾圧の当該になった瞬間に怒りを燃やし闘う主体へと変わった。「街頭でも職場でも、徹底的に資本・権力とぶつかることが人を一番獲得し、“確信犯”としていく」と総括した。

 11月1万人へ

 組織し、組織し、組織しぬこう! 全逓労働者は「初参加者もデモで同志になっちゃう。あの瞬間、組織したい」と思い、直ちに革命家になろうと呼びかけた。「資本と絶対非和解で仲間を裏切らないで闘い抜けば、必ず隣の学生・労働者は仲間になる。私たちの隊列を2倍、3倍にしよう。もう1人の自分を獲得しよう。11月1万人集会へ夏秋を闘おう」。事務局の総括提起に会場全体が拍手で応えた。

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週刊『前進』(2352号3面5)(2008/07/21 )

焦点 破産し危機深めたサミット

 戦争・恐慌・貧困の帝国主義打倒へ

 G8サミットは大破産を遂げた。厳戒体制を打ち破った6・29渋谷デモを始めとする国際プロレタリアートの怒りの決起に迎え撃たれただけではない。ブルジョア的な意味でも失敗したのだ。
 米・EU・日・ロの間でも、G8にG5(中国、インド、ブラジル、メキシコ、南アフリカ)などを加えた主要排出国会議(MEM)やアフリカ7カ国を加えたサミット拡大会合でも、あらゆる問題において深刻で激烈な矛盾と対立があらわとなり、ほとんど何も一致できなかった。国際帝国主義とG8サミットは、もはや世界を統治する力を失っている。帝国主義の世界支配自体が破綻(はたん)している。帝国主義諸国は、サミットをも契機に自らの延命をかけて外への侵略戦争―世界戦争と内への階級戦争とを絶望的に強めざるをえない。そしてそれは労働者階級・被抑圧民族人民の怒りの大反乱をますます呼び起こすのだ。
●「50年までに50%削減」消滅
 最大の焦点に設定された地球温暖化対策問題では、G8首脳宣言は「2050年までの温室効果ガス排出量半減」という世界全体の長期目標について「国連気候変動枠組み条約のすべての参加国との共有を求める」とするにとどまり、「G8の合意」として明記することもできなかった。しかもMEMでは「50年までに50%削減」の長期目標数字さえ消された。
 米帝が「G8の合意は他のすべての国の合意があって初めて成り立つ」(米政府高官)と言っているように、中国やインドなどの大量排出国が参加するMEMが行動しない場合、G8宣言は「空証文」に終わる仕組みになっている。米帝は中国やインドの抵抗を当て込んで「共有」の文言盛り込みに賛成したのだ。
 しかも許せないことに、「気候変動対策」と「エネルギー安全保障」の名で核=原発推進が積極的に位置づけられたのである。
●世界金融大恐慌に無力を暴露
 世界経済、つまり世界金融大恐慌対策、投機マネー・ドル安・インフレ(原油と食糧の高騰)対策の問題については、米帝自身がこれに触れることさえ嫌がり、まともな論議にもならなかった。帝国主義諸国は、金融大恐慌の現実に対して無力であり、恐慌対策をめぐって分裂・対立している姿を世界にさらけ出した。サミット後も米住宅金融公社2社の経営危機が激しく爆発し続けている。
 異常な原油価格高騰に対して、G8首脳宣言は「強い懸念」を表明。価格高騰の原因をめぐって需給逼迫(ひっぱく)説と投機資金説とで意見が対立した。具体的には精製能力の増強、産油国への増産要請、消費国の省エネルギー推進など中長期的対策を提起したが、これらは強力な施策ではない上に、投機資金を規制できず、G8には原油価格高騰を止められないことが明らかになった。
 インフレの要因となっているドル安への対応については、ブッシュの「強いドルは自国の利益だ」との発言には反論が唱えられず、欧州首脳のほぼ全員が「ユーロは強すぎる」との認識で一致した。しかしドル安是正策は議論されず、表面的な協調が保たれただけだ。現実にはサミット直前の7月3日に欧州中央銀行(ECB)が利上げに踏み切るなど、ユーロとドルとの争闘戦が激化している。
 金融市場の混乱には打つ手がない。G8首脳宣言は「深刻な緊張が依然存在している」と事態を追認することしかできなかった。
 食糧価格の高騰問題に対応して「食糧安全保障」に関する特別声明が出された。高騰の原因と指摘されるバイオ燃料についての指針づくりや、輸出規制の撤廃、国際的な備蓄制度の検討、農業増産へ投資の増加などの方針が打ち出された。投機資金規制策は盛り込まれず、当面の穀物価格の上昇には歯止めはかからない。
 何よりも帝国主義がアフリカを始めとする新植民地主義体制諸国(「途上国」)の農業を徹底的に破壊してきたことが食糧不足、食糧暴動、飢餓の根本原因だ。帝国主義には食糧問題を解決することはできないのだ。
●イラン包囲網で侵略戦争切迫
 政治問題では、イランと北朝鮮への圧力・包囲網が確認された。
 イランに対して「深刻な懸念」(議長総括)を表明、ロシア以外の全体が「このままなら制裁強化しかない」と大合唱するに至った。ブッシュは「イランのウラン濃縮活動の断念に向けた連携強化」をロシアのメドベージェフ大統領やドイツのメルケル首相らに求め、イラン包囲網構築に躍起となった。対イラン制裁強化の恫喝にもかかわらず、イランはむしろ帝国主義への対抗を強め、7月4日からの米英のペルシャ湾軍事演習、6月のイスラエルの大規模軍事演習に対抗して中距離弾道ミサイル発射実験を行った。
 北朝鮮に対しては、「核申告」と「テロ支援国家指定解除」、数百万dの食料援助、6者協議再開で封じ込めを図り、拉致問題の「早期解決」を迫ったが、米日帝が戦争政策を転換したわけではまったくない。
 結局、帝国主義はイラン、北朝鮮に戦争圧力を強めるしかない。
 洞爺湖サミットの大破産と反動性・反人民性はいよいよ鮮明だ。階級的労働運動の白熱的展開で、戦争・失業・貧困をもたらす最末期帝国主義を打倒し、世界プロレタリア革命を実現しよう。

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週刊『前進』(2352号3面6)(2008/07/21 )

 日程 7・27三里塚現地闘争

 暫定滑走路北延伸阻止
 市東さんの農地を守ろう
7・27三里塚現地闘争
【日時】7月27日(日)午前10時
【場所】開拓組合道路(東峰十字路北側)
【主催】三里塚芝山連合空港反対同盟 
 ※集会デモ終了後、団結「海辺の集い」

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週刊『前進』(2352号4面1)(2008/07/21 )

 世界金融大恐慌が現実に

 バブル中枢米住宅公社2社が経営破綻へ

 島崎光晴

 7月に入って、米政府系住宅金融会社(以下「住宅公社」と略す)である米連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)が経営危機に陥った。この2社は米住宅バブルの最もバブル的な核心部をなす。それがついに崩れ始めたのだ。06年からの米住宅バブル崩壊の中で最大の出来事と言っていい。世界金融大恐慌は今や現実のものとなった。すでに生活必需品価格の暴騰とインフレという形で、世界金融大恐慌は労働者階級に襲いかかっている。労働者が生きていくには、本当にプロレタリア革命しかない。そういう時代が完全に到来している。

 住宅ローン債権550兆円保有

 資本金はわずか1・6% 証券化商品の信用が崩壊
 06年から始まった米住宅バブル崩壊は07年夏には信用収縮を引き起こし、米・世界の金融危機が噴出し始めた。さらに今年3月には、米大手証券ベアー・スターンズが実質破綻(はたん)し、アメリカ金融恐慌が始まった。「市場はわずか8〜9カ月の間に、信用拡大の絶頂から1930年代以来最悪の信用危機へと転落した」(ニューズウィーク誌4月2日号)
 これに対しFRB(連邦準備制度理事会)は、金融市場にさらに資金を投入するとともに、証券会社に直接に資金を供給する策に出た。ベアー・スターンズ救済だけで300億j(約3・2兆円)、1日平均で55億j(約5800億円)もの特別融資をした。しかし、こんなもので危機が収まるはずがない。
 6月には株価が、3月の金融恐慌突入の時よりも下がり、年初来の安値をつけた。シティグループとGMの株が「売り」対象とされた。米経済を代表する金融機関と製造業が、市場で「ノー」を突きつけられるという惨状に至ったのだ。

 公的資金投入の重大事態に

 

 そして7月に入ってついに、ファニーメイとフレディマックという住宅公社2社の経営危機が表面化し始めた。
 2社は住宅ローン業者や民間銀行から住宅ローン債権を買い上げ、住宅ローン担保証券などに仕立て直して市場で売ってきた。この住宅ローン担保証券には、証券が焦げついた時に2社が元利を支払うという保証をつけている別掲の解説・図1参照)。民間の金融保証専門会社(モノライン)による保証もあるが、近年は政府系の証券化商品の方が圧倒的に多い(図2)。また、2社は投資目的でサブプライムローンを含めた住宅ローン担保証券を保有している。
 この間の証券化商品の価格暴落で、直接保有している分と保証している分の両方で、2社は巨額の損失をこうむった。「すでに両社は破綻状態」との見方すらある。
 この公社2社の経営危機は、米住宅金融の中枢の崩壊を意味する。米住宅金融は、この2社が民間から住宅ローン債権を買い取ることで成り立ってきた。民間の住宅ローン会社や銀行は住宅ローン債権を2社に売って得た資金で、新たな住宅ローンを貸し出すことができたが、それが困難になる。また、米住宅金融は実は、2社が支払い保証をつけることで初めて成り立ってきた。公社2社の保証がなくなれば、証券化商品の信用は完全に崩壊してしまう。
 2社が民間金融機関から住宅ローンを買い取ったり、支払い保証したりしたローン債権は5・2兆j(約550兆円)と、米住宅ローン残高全体の半分にも及ぶ。日本の年間の国内総生産(GDP)をも上回る額だ。ところが2社の資本金はわずか810億j(8・6兆円)と、5・2兆jの債権・保証額の1・6%にも満たない。
 住宅公社は、政府の暗黙の保証がついているのをいいことに、途方もない額の住宅ローン債権の保有・保証をしてきたのだ。ここにこそ米住宅バブルの最もバブル的な核心がある。そのバブルのコア部分がついに崩れ始めたのだ。その破壊力は、従来のどの恐慌とも比べものにならない激烈なものとなる。
 さらに、ファニーメイ債をはじめ公社などの政府機関が発行する債券のうち、外国人による保有額は1兆3050億j(約138兆円)にも上る。中国が3760億j、日本が2290億jを抱える。2社の経営危機は、こうした政府機関債への売り圧力の増大、つまりドル信認の一層の低下を引き起こす。米国債の投げ売りによるドル暴落よりも、政府機関債の投げ売りによるドル暴落の方がむしろ現実味があるのだ。
 これほどの危機だから、米帝は住宅公社への公的資金の注入や特別融資など、ついになりふりかまわない策に訴え始めた。しかし2社の抱える住宅ローン債権は500兆円以上もあるのだ。どんなにあがいても2社の経営危機を抜本的に解消できるはずがない。せいぜい小手先の救済策を繰り返すだけだろう。そうしたのりきりの過程が、結局は世界金融大恐慌を大爆発させていくことになる。今や断言しなければならない。バブルに踊った米・世界の資本家どもには、恐るべき破滅が訪れつつあるのだ、と!

 底なしに下落する住宅価格

 こうした住宅公社の経営危機の背景には、米経済が金融面でも実体経済面でもますます悪化し続けていることがある。
 まず第一に、住宅価格の底なしの下落、住宅ローンの焦げつきの増加、住宅不況の歴史的な深刻化である。主要10都市の住宅価格は今年1月から4月まで連続して2ケタの下落が続いている。しかし、なおバブル部分が全部吹っ飛んだわけではない。サブプライムローンが多いカリフォルニア州では、3月までの1年間の下落幅は6・6%にすぎず、5年前に比べてなお69%も高い。
 住宅差し押さえは1〜3月だけで65万件。サブプライムローンは当初の優遇期間がすぎると金利が大幅上昇するケースが多く、今年中だけで9000億j(約95兆円)ものローンが金利上昇を迎える。差し押さえはますます膨大になろうとしているのだ。
 第二に、米金融機関の損失が果てしなく拡大している。サブプライム関連の証券化商品の値下がりで巨額の評価損が発生しているからだ。また、商業用不動産、サブプライム以外の住宅ローン、消費者・企業向けローンの損失も日ごとに膨らみつつある。こうした損失に対し米金融機関は資本増強で対応しようとしている。
 しかし、金融機関の株価が急落し、これまで増資に応じた株主は損失をこうむっており、新たな資金の出し手をみつけにくい。結局、自身の資産を圧縮するしかなく、貸し渋り・貸しはがしに拍車をかけている。
 7月に入って、米地方銀行で住宅ローン大手のインディマック・バンコープが経営破綻した。同社は預金者が解約に殺到するという「取り付け」によって業務停止に追い込まれた。いつ金融恐慌が再激化してもおかしくない情勢だ。
 第三に、実体経済も確実に恐慌に向かっている。4月から所得税減税が実施されており、総額1070億j(約11・3兆円)を小切手で還付する仕組みだ。これによって小売売上高は若干の伸びをみせている。しかし、この減税効果も7月中旬には消滅するため、消費は減退していかざるをえない。すでに自動車販売では、6月まで8カ月連続でマイナスとなり、93年以来15年ぶりの低水準となっている。
 また、企業収益面では、主要500社の4〜6月期の純利益が前年同期比11・3%減と、約6年ぶりに4四半期連続で減少する見通し。GMは巨額赤字を出して株価が10jを割りこみ、1954年以来の安値となった。GEも1〜3月期に9四半期ぶりの減益となり、4月11日に株価は13%安と、87年のブラックマンデー以来の大幅安となった。GM、GEという米資本主義の屋台骨をなしてきた大企業が、陥没しつつあるのだ。
 これら一切が、今後ますます世界金融大恐慌を加速させるものとなる。特に輸出に依存してきた日本経済は、世界の中で最も打撃をこうむりつつある。世界革命によって帝国主義を打倒する時がやってきたのだ。
(写真 11日に経営破綻した米地銀インディマック・バンコープの店頭に、預金を引き出すため大勢が殺到)

 リストラとインフレの爆発

 金融緩和で投機資金流入 革命情勢が一気に成熟へ
 世界金融大恐慌は一方で、大リストラおよび生活必需品価格の暴騰とインフレという形で労働者に襲いかかっている。もともと新自由主義攻撃のもとで、世界の労働者階級は革命以外に生きられない状況にあった。これに加え大リストラと生活必需品暴騰の中で、すぐにでも革命をやる以外にない。かつて29年大恐慌後の30年代、世界中で革命情勢が生じた。同じように、世界金融大恐慌下で革命が労働者の生々しい欲求になっているのだ。
 米帝の雇用削減は、金融業・建設業だけでなく自動車や航空会社などにも急速に拡大している。1〜6月の雇用削減数は約47・5万人にも上った。年間で削減数は3年ぶりに100万人を超すのは必至の状況。GMでは早期退職制度に国内工場従業員の約4分の1にあたる1万9000人を応募させた。これで従業員を減らしたうえで、給与を半分ほどに抑えた新賃金制度で新たに従業員を採用する。
 一方、米主要500社のうち223社の最高経営責任者(CEO)の報酬額の平均は883万j(約9・3億円)だ(07年)。業績悪化にもかかわらず前年比1・3%増加してさえいる。新自由主義が生み出した事態だ。こんな階級社会は一刻も早く終わらせなければならない。
 一方、「原油をはじめ、ほとんどの一次産品の価格が過去200年間で最高の水準まで上昇している」(ニューズウィーク誌6月11日号)。その最大要因は、米帝が恐慌対策として金融緩和策をとったことにある。
 昨年12月から5月までの緊急の資金供給枠だけで総額3000億j(32兆円弱)にもなる。それが商品市場に流入して行った。原油価格の指標となっているニューヨーク商業取引所のWTI先物市場の時価総額は約1800億j。ニューヨーク株式市場の時価総額15兆jの100分の1の規模にすぎない。資金が株式から原油や穀物など商品市場に移ると、たちまち価格がつり上がる。
 もともと90年代以来、金融経済が肥大化していた。世界の金融資産総額は90年の39・6兆jから06年には167兆j(約1京7700兆円)に膨らんだ。70年代半ばに製造業が過剰資本状態に陥ったあと、帝国主義は実体経済とかけ離れた金融業で延命してきた。そして米住宅バブルもまた、そうした金融業での投機による延命だった。それが崩れるや、今度は金融緩和で膨大な資金をたれ流し、あげくのはてにインフレを引き起こしてしまったのだ。まさに最末期の帝国主義そのものではないか!

 ドルの没落で延命策尽きる

 また、インフレはドルの没落の結果でもある。ドルの信認の低下につれて、資金がドル資産から商品市場にシフトしている。ドルという国際通貨・金融の要が崩れたことによって、世界の資源や穀物の価格が暴走し始めたわけである。
 世界大恐慌がインフレを伴うというのは歴史的に初めてのことであり、その意味でも末期的だ。29年大恐慌の場合は金本位制だったため、通貨供給量が金の保有量によって制約されていた。だから29年大恐慌の際はデフレとなった。
 第2次大戦後は金本位制を再建できず、金とドルの交換制度によって世界経済体制を再編した。しかし、米経済の没落でその金ドル交換制も71年に廃止された。その後、米帝はドルが依然として基軸的通貨であることにあぐらをかき、ドル本位制とも言うべきドル体制を世界に押しつけた。80年代以降の米経済での金融肥大化と21世紀に入ってからの住宅バブルも、そうしたドル体制下で初めて生じた。しかし今やこの全構造が崩れ、金融恐慌とドル没落が同時に起き、それがインフレを噴出させる結果となっているのだ。それは、戦後帝国主義−現代帝国主義のあらゆる延命のあり方が、すべて行き詰まったことを意味する。
 帝国主義がなんとか延命してきた時代は終わったのだ。帝国主義を打倒すること、これこそが唯一の解決だ。それこそが労働者階級の解放の道だ。
 革命のために、労働者階級の共同の事業として革命党をつくりだそう。党こそ最高の団結体だ。階級の指導部となって、ともに党を発展させよう。すべての「前進」読者は革共同に結集しよう。8・3革共同集会をともにかちとろう。
解説
 米住宅公社
 米連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)、米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)は、形式上は民間会社だが、政府の影響力が強い「半官半民」的機関で、政府支援機関と呼ばれる。
 2社は債券を発行して資金を調達する。その資金で住宅ローン会社や銀行から住宅ローン債権を購入する。それを住宅ローン担保証券に組み替えて投資家に売却する。その際、証券が焦げついた場合、公社が投資家に元利を支払う保証をつける。
 2社が発行する社債は、従来は米国債並みの信用を得てきた。また、政府の暗黙の保証がバックにあるから、2社の住宅ローン担保証券も信頼されてきた。このため2社が発行する社債は、米国債発行規模の3割強にあたる1・6兆j(約170兆円)に、2社が保有・保証する住宅ローン担保証券も、米住宅ローン総額の半分近い5・2兆j(約550兆円)に膨張した。

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週刊『前進』(2352号4面2)(2008/07/21 )

 “漁に出れん!”

 燃料代が5年で3倍 20万隻が一斉スト

 日本階級闘争史上初の事態だ。全国漁業協同組合連合会(全漁連)などが15日、燃料高による漁業の危機的状況を打開するため、全国一斉ストライキに立った。国内で稼働する漁船約20万隻が各地の港にとどまった。
 東京・日比谷公園では、全国から結集した漁師ら約4000人が「漁業経営危機突破全国漁民大会」を開催し、官庁街をデモ隊列で席巻した。
 宣伝カーには「漁に出れん!」「全国一斉休漁中!」のスローガン。漁師の黄色いゼッケンにも「漁に出れん!」「燃料高騰対策を」。「漁業者はもう限界をこえている!」は横断幕。大漁旗もはためいた。
 シュプレヒコールは「赤字で漁に出られないぞ!」「国は漁業を守れ!」「国は食料の安定供給を確立しろ!」などだ。不慣れなシュプレヒコールに初めは戸惑う参加者も、すぐに自分たち流に「オー」と気勢をあげ、足並みをそろえた。
 「漁業がなくなっちゃう」「政府かえたいね。総理大臣はクビ。クビだ」とデモ参加者は怒りを露わにする。60代男性は、ストライキに決起した思いを「政府に思い知らせてやる」と語る。
 この5年で3倍にふくれあがった燃料の重油代。「投機マネーを追い出せ!」のプラカードも目立つ。漁師の敵もはっきりしている。資本家階級であり、G8に集まる帝国主義強盗どもだ。
 全国一斉ストライキに至る過程では、各業種や地方レベルでのストライキや抗議集会が積み重ねられた。今年6月18日には、全国の小型イカ釣り漁船が一斉ストライキに突入。7月12日には福岡県でも約7000隻が県内一斉ストライキ。全国各地でも数百人規模の決起集会が開かれた。そういう情勢の中で6月25日、全漁連が全国一斉ストライキ方針を確立したのだった。
 そしてこの日の集会。全国からの結集だ。岡山からは70人が新幹線で、函館からは120人が飛行機で駆けつけた。労働組合では全日本海員組合が参加。また、全国集会と連帯して北海道各地区でも200人から800人規模の集会・デモが行われた。
 全世界的な原油・食糧高騰への暴動・ストライキが、日本にも波及している。漁民ストは日本のゼネストの夜明けだ。福田政権は漁師の怒りを押さえ込もうと必死だが、世界金融大恐慌の現実を前にした帝国主義には解決不能だ。まさに革命情勢だ。  (水森健介)
(写真 東京・日比谷野音で総決起集会後、約4000人が大漁旗を林立させ「漁業者はもう限界をこえている!」と訴え官庁街をデモ【7月15日】)

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週刊『前進』(2352号4面3)(2008/07/21 )

  2008年 7月8日〜15日

 アフガン「支援」拡大方針/独島、中学指導要領の解説書に

●チェコ、米とMD協定 チェコ政府は、米国が東欧に計画しているミサイル防衛(MD)システムのうちレーダー施設をチェコ国内に設ける内容の協定を米国と結んだ。米ブッシュ政権は、イランの脅威などを理由に、チェコとポーランドにMD配備を計画。最新の世論調査は68%が反対。周辺市町村も住民投票で反対を表明。プラハで大規模な抗議デモが行われた。(8日)
●北海道洞爺湖サミット閉幕 主要8カ国(G8)など計22首脳が集まった北海道洞爺湖サミットが3日間の日程を終えて閉幕した。(9日)
●普天間爆音、国も控訴 米軍普天間飛行場の周辺住民約400人が国を相手に米軍機の夜間飛行差し止めや過去・将来分の損害賠償などを求めた普天間爆音訴訟で、被告の国側は、過去分の損害賠償として総額約1億4672万円の支払いを命じた一審判決を不服として、福岡高裁那覇支部に控訴した。(9日)
●P3C送信所計画中止に 防衛省は、沖縄県本部町の上本部飛行場跡地に計画していた海上自衛隊P3C哨戒機との交信施設、ASWOC(対潜水艦戦作戦センター)用送信所の建設の中止を決めた。(9日)
●誤爆で民間人47人死亡 アフガニスタン東部ナンガルハル州で7月6日、米軍機による空爆で結婚式の車列が誤爆されて女性と子ども39人を含む計47人が死亡した。アフガニスタン政府が発表した。米軍側は「死んだのは武装勢力」と主張しているが、政府の調査チームは「タリバンやアルカイダとはまったく関係のない民間人が誤爆された」と断じた。(11日)
●アフガン「支援」拡大方針 政府は、アフガニスタン復興支援活動に関し、インド洋での海上自衛隊による給油活動に加え、本土での人的支援を拡大する方針を固めた。陸上自衛隊の派遣も視野に支援内容の検討に入っており、8月下旬召集予定の臨時国会までに具体案を詰める。(11日)
●「基地近くに建設許す宜野湾市に疑問」
 ケビン・メア在沖総領事が定例記者会見で、宜野湾市の伊波市長が米軍普天間飛行場は米軍内部の安全基準に違反すると指摘したことに対し、「基地外の建設を制御する安全基準で、逆に滑走路の近くの基地外になぜ、宜野湾市が建設を許しているのかという疑問がある」と答えた。強制的に接収され、建設された米軍基地の成り立ちを踏まえない発言に「本末転倒」との憤りが噴出している。(11日)
●6者協議、核無力化「10月までに」 北京で開かれていた北朝鮮の核問題をめぐる6者協議首席代表会合は、「施設への立ち入り」など北朝鮮の核申告に対する検証3原則や、核施設の無能力化を10月末までに完了させることなどを盛り込んだ報道発表文をまとめ、閉幕した。検証の具体的方法や時期までは合意できなかった。(12日)
●内閣支持24% 朝日新聞社が実施した全国世論調査によると、福田内閣の支持率は24%(前回6月14、15日調査は23%)で低迷、4月から30%割れが続いている。不支持率は58%(同59%)。(12、13日)
●陸自への攻撃13回、22発着弾 陸上自衛隊初の戦地派遣となったイラクのサマワ宿営地で13回受けた迫撃弾・ロケット弾攻撃の詳細が統合幕僚監部の資料から明らかになった。着弾は22発あり、宿営地に4発落下したほか、宿営地外周から1`以内に14発が落下していた。(12日)
●独島、中学指導要領の解説書に 政府は、中学校の学習指導要領をめぐり、独島(竹島)について初めて記述した同要領の解説書を公表した。「日本固有の領土」とする表現は避けたが、韓国で怒りが高まっている。(14日)

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週刊『前進』(2352号5面1)(2008/07/21 )

 7・24集会アピール 3万法大生の怒りの爆発へ

 “新自由主義大学”を粉砕し世界革命へ固く団結しよう

 マル学同中核派・法政大学支部

 「仲間を処分するなら、まず自分を処分しろ」――法大で立ち上がった学生の団結は、クビをかけて闘う労働者のように熱い! この力で法学部と人間環境学部教授会による処分を粉砕した! この団結の力こそ新自由主義大学粉砕、世界革命の力だ。法大闘争は新自由主義をぶっ飛ばすすべての労働者・学生の闘いだ。法大闘争の歴史的任務と誇りを提起し、全労働者・学生の団結と共闘を呼びかける。「法政大弾圧をぶっ飛ばせ! 7・24全国集会」へ!

 新自由主義の団結破壊。もう我慢ならぬ

 もう我慢ならない。法大の現実に、そして法大総長・増田に怒りが収まらない。「大学は自由で何でもできる」「自分が一番苦しいときに相談できる一生付き合える友人を作って欲しい」(増田総長)。闘う仲間に次々と退学処分を下し、「学外者!」とののしる暴力職員を差し向ける。「中核派と付き合うと人生を棒に振る」「君も退学になるぞ」と脅して裏切りを迫る。就職率40%の競争社会に乗じてべらぼうな学費を払わせ、奴隷になれと迫る。経済的理由や精神的苦痛で大学を去った友人、命を落とした友人を知らない者が一人でもいるだろうか? 自由? 友人? 増田がすべて奪っている! 増田、お前を絶対に打倒する! この怒りであらゆる弾圧や処分の脅しをぶっ飛ばし、すばらしい団結と友人ができたことを報告しておこう!
 この卑劣な団結破壊こそ新自由主義だ。80年代、レーガン・サッチャー・中曽根によって、「フレキシブルな競争を実現するために、あらゆる社会的連帯を断ち切る」(サッチャー)という言葉から新自由主義攻撃が始まった。イギリスでは炭鉱労働組合を炭鉱ごとつぶす攻撃として始まった。
 日本では国鉄分割・民営化攻撃だ。「3人に1人」の大首切りで、国鉄職場は「俺よりあいつのクビを切れ」という分断・団結破壊との闘いとなった。国労では毎月の脱退者が1万人、200人の自殺者を出した。
 動労千葉は、ストライキ以外に団結を守れないと全員がクビを覚悟し、40人の解雇者を出しながら2波のストをぶちぬき、労働組合の団結を守り抜いた。今や動労千葉は国境を越えた労働者の団結を組織し、組織を拡大し、新自由主義への勝利を宣言した。労働者が団結すれば新自由主義は粉砕できる! 「4人に1人」の大首切り=社保庁解体攻撃や民営郵政になった郵政労働者への攻撃もぶっ飛ばそう!
(写真 「教室から反乱を起こそう」の法大学内デモ。この直後に権力が乱入した【5月29日】)

 5人に3人が就職前に首を切られる大学

 今、法政大学は就職率40%だ。「5人に3人」が就職前からクビを切られている!
 「資格をとって差を付けろ」「単位だ、テストだ」と教室の中ですさまじい団結破壊が横行している。「努力すれば何とかなる」と幻想を振りまくことが教授の仕事で、ここに資格学校の資本が群がる。まさに新自由主義大学だ。教育は貧困ビジネスにまで落ちぶれた。「何でもできる自由」(増田)とは、学生を弾圧する自由であり、学生の人生と誇りをも資本に売り渡す自由だ!
 5割を超えた派遣労働者を次々と作り出しているのは、他でもない大学だ。秋葉原事件の真犯人は、派遣労働者がいなければ成り立たないトヨタやキヤノンであり、福田政権であり、そして大学総長の増田、お前だ! 
 派遣大手のグッドウィルが労働者の怒りで廃業に追い込まれた。労働者たちは「当然だ!」と叫んでいる。ピカピカの車を作るために労働者がボロボロにさせられる。こんな派遣労働がないと成り立たない資本も社会もぶっつぶせ! 教室の中での団結が破壊されている限りにおいて、派遣労働なる現実が生み出されているにすぎない。学生は団結しよう! 非正規職撤廃! 労働者とともに立ち上がり、こんな社会はぶっつぶそう!

 貧困をビジネスにする資本主義を倒そう

 新自由主義とはボロボロになった帝国主義の最後の姿だ。敵もギリギリであり、団結し立ち上がれば勝てる時代だ!
 世界は食糧暴動やストの嵐だ。労働者・農民・漁民の怒りが世界を覆っている。石油高騰で全国の漁民がストに入った。大規模な意識変革が起こっている。ストライキをやった労働者の解放的な顔! 「職場が止まった。俺たちが社会を動かしていたのだ!」
 サブプライムローンの崩壊は、ついに世界的なインフレに転化した。過剰な資本が商品市場に流れ込み、価格をつり上げ、資本家がぼろもうけしている。市場に米が山積みされているのに、泥を食べているハイチの労働者たち。労働者が作り出したものを労働者が食べることさえできない現実! 投資雑誌のタイトルは「食糧争奪戦の時代はこの株を狙え!」。食うこともできない事態すら金もうけの道具にして投機にのめり込む資本家ども! 住宅に住めない「ネットカフェ難民」が問題になれば、「ネットカフェはもうかる」と言ってネットカフェを乱立させる資本家。すべてが転倒している。食糧は食べるためではなく、家も住むためではなく、すべてが金もうけの手段だ。
 社会を発展させている力は労働者なのに、労働者のクビを切ってもうける資本。派遣労働者の年収は約200万円なのに、1人派遣した派遣会社の取り分は400万円。なぜ汗水流す労働者が200万で、働いてもいない資本家に400万なのか。労働者が食えないのは「労働者が働いていないから」というのは完全なデマゴギーだ。
 新自由主義攻撃の始まりは、74〜75年恐慌で突き出された過剰資本・過剰生産力状態だ。労働者から搾取し蓄積した膨大な富と資本が世界の労働者の生活を破壊し、資本家を肥え太らせている!
 生活保護打ち切りや年金破壊! 自治体・国家が生きるために労働者が殺されている! 民営郵政では労働者のクビを切りすぎて手紙が届かない。「労働者に社会を仕切らせろ!」「労働者に権力をよこせ!」。これが時代の声なのだ!
 韓国では100万人のデモが起こっている。中高生は「もう競争はたくさんだ」とデモに合流した。韓国の中高生の思いはわれわれと同じだ。ガソリン高騰でストに入った運輸労働者。このストが10日続けば韓国経済は崩壊し、アジアの恐慌が爆発したと言われる。サミット粉砕6・29渋谷デモの怒りは、次はオリンピック粉砕の中国労働者にバトンタッチだ。
 帝国主義経済を支える中国バブルは、中国労働者がタダ同然の低賃金で働かされている限りにおいて成り立っているにすぎない。中国労働者が立ち上がれば世界経済なんて崩壊だ。
 「もう一度、一億総中流の時代へ」とか「北欧型資本主義へ」などの問題ではない。資本主義を労働者の団結でぶっ倒そうじゃないか。新自由主義は革命前夜だ。

 法大の闘いは人類史を作る最先端の闘い

 帝国主義・新自由主義は、新しい社会への、社会主義への過渡だ。新たな社会と同時に、新たな価値観、教育もまた生まれる。われわれが生み出すのだ。労働者の団結のみが資本主義社会を打倒し、新たな社会を作り出す力だ。隣の仲間に団結する相手を見いだすのではなく、競争する相手を見いだす教育。他人より多い知識、多い努力が人間の条件であるかのようなブルジョア教育!
 「ワーキングプアにならないための教育」だって? いくら資本がクビを切っても、教育が良ければ正社員になれるかのような虚構! こんなものはもう必要ない。こんなもので団結を奪い、社会を変革する力を奪うことはもうできない。新しい教育、新しい価値観、新しい大学は、学生の団結した闘いによって始まる。法政大学での、処分覚悟で仲間を守る団結を貫いた闘いをみよ。腹の底からの怒りと破壊への欲求。ストライキの中から、職場やキャンパスのバリケードの中から、もしくは獄中闘争の東京拘置所の中から、新たな人類史が始まる。
 現代の青年・学生こそ歴史を作る主人公だ。新自由主義大学粉砕の闘いは、創造的なすばらしい闘いだ。法大闘争はその最先端の闘いだ。
 法大は怒りのマグマが爆発寸前だ。どんな暴力支配もこれを抑えられない。今こそ怒りを解き放とう! 7・24集会を爆発させれば3万法大生の怒りに火を付けることができる。5・29戦闘の爆発と、それを引き継ぐ法大生の処分粉砕闘争で突破口は切り開かれた! 
 7・24全国集会に結集しよう! すべての学生はマル学同中核派に結集し、革命に向かって強固な団結を作ろう!

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週刊『前進』(2352号5面2)(2008/07/21 )

 7・16法大 2学生の処分阻む

 教授会を怒りの声で包囲

 7月16日、法大当局による闘う学生への処分を阻止する大勝利をかちとった!
 法大当局は、5・28−29弾圧の学生が釈放され、弾圧が粉砕されると同時に、ただちに2人の法大生に対する処分を策動してきた。しかも、キャンパスで演説したことや5月28日に「公務執行妨害」でデッチあげ逮捕されたことを処分の理由にしてきたのだ。こんなデタラメな処分があるか! 
 16日の人間環境学部の教授会に対して、法大キャンパスで教授会に対する文連の処分阻止闘争が闘われた。大学当局は、10人の教職員を動員して、抗議の声を圧殺。マイクで抗議の演説をする学生につかみかかり、暴力的に学外へ排除してきた。排除の先頭に立ってきたのは、人間環境学部教授・梶だ。
 「お前は処分賛成なのか、反対なのか、はっきりさせろ!」。梶を厳しく追及し、教授会は怒りの声で包囲された。
 あまりにデタラメな処分策動に対する学生の怒りの前に、教授会では処分問題を議題にあげることすらできず、処分を決められなかった。
 学生の団結で処分を阻止した大勝利だ。この勝利的地平のうえに、「法大弾圧ぶっ飛ばせ!7・24全国集会」の大成功をかちとろう!
 (写真 「不当処分は許さない!」。教授会に怒りを叩きつける【7月16日 法大】)

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週刊『前進』(2352号5面3)(2008/07/21 )

 勾留43日、A君奪還

 5・29法大闘争弾圧 「革命家として成長」

 7月11日午前、5・29法大闘争で逮捕され東京少年鑑別所(練馬)に収監されていた学生A君を「不処分」で奪還した。警察署に22日間、少年鑑別所に21日間、計43日間の長期勾留に対して、完全黙秘・非転向を貫き、A君は元気一杯で仲間たちと合流した。
 A君は「獄中で分断されていたが、サミット粉砕6・29渋谷デモで、みんなすごい勢いで闘っている姿に本当に元気づけられた。自分たちの決起がこういう闘いをつくりだしたんだと団結の力を感じて獄中闘争を闘い抜けた」と出獄のあいさつをした。
 逮捕されても仲間が必ず続いて決起する。見事にそれを実現した6・29渋谷デモ。獄内外がひとつになってサミット粉砕闘争を闘い抜き、A君を奪還したのだ。団結した力の勝利だ。
 さらにA君は「逮捕なんか全然怖くなくなった。こんな社会はまるで展望がない。みんなとの団結なしに生きていくことはできない。獄中闘争を闘い抜いて本当にスッキリした。革命家として成長できた」と語った。獄中闘争が、また新たな若き革命家を生み出したのだ。A君に続き獄中の仲間を奪還しよう! 7・24集会に集まろう!

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週刊『前進』(2352号5面4)(2008/07/21 )

 「公妨」で追起訴

 5・29決起に震撼する権力

 7月15日、東京地検は大阪市立大学の山本進君を「公務執行妨害」で追起訴した。絶対に許せない。山本君は5・29法大闘争に決起し、6月19日に「建造物侵入」で起訴された。その5日後の24日には「公務執行妨害」容疑で再逮捕された。計45日間も、国家権力は転向強要のための取り調べを続けた上で追起訴したのだ。ふざけるな! 
 山本君への起訴攻撃は追いつめられた国家権力の姿にほかならない。
 5・29法大決起は公安刑事どもを圧倒した。これに続けと打ち抜いた6・29渋谷大デモは、戒厳体制をぶちやぶり渋谷の街を席巻し、全世界の労働者との大合流をかちとった。世界を覆いつくす暴動・ストライキ。一点の火花で燃え広がる労働者階級の闘い。国家権力は5・29決起―6・29デモに革命の現実性をみて震え上がったのだ。だからこそ、その先頭で決起している山本君を起訴したのだ。
 山本君は完全黙秘・非転向で意気揚々と闘い抜いている。5・29法大―6・29渋谷デモに続き、山本君と団結して崩壊寸前の資本主義を打倒しよう。7・24集会は獄内外が団結する闘いだ。大結集しよう!

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週刊『前進』(2352号5面5)(2008/07/21 )

 全国被爆者青年同盟アピール

 祈念式典糾弾・福田政権打倒!8・6広島-8・9長崎大闘争へ

 全国被爆者青年同盟は闘うすべての労働者と団結し、6・29サミット粉砕デモを闘いぬいた。この勝利と団結のもと、被爆63周年8・6広島―8・9長崎に総結集しよう。被爆者、被爆2世、3世を先頭に福田政権打倒! 被爆者英霊化・祈念式典糾弾の怒りのデモをたたきつけよう。

 くりかえすな!今度こそ革命を

 「ヒロシマ・ナガサキ」の無差別大量殺戮(さつりく)は、世界戦争・核戦争で延命する「死滅しつつある資本主義」と労働者階級が絶対非和解であることを世界史に刻印した。戦後革命期以来、被爆労働者は帝国主義への根底的な怒りを体現し闘い抜いてきた。帝国主義とそれに屈服した体制内労働運動―反核運動は、被爆者の闘いを労働者階級と分断し「同情と救済の対象」へ落とし込めてきた。「核廃絶は人類の悲願」だと? ふざけるな! 核を必要とする帝国主義の打倒=世界革命こそが問題なのだ。
 世界中で労働者がストや暴動に立ち、革命情勢をこじ開けている。被爆者は「くりかえすな」の血叫びをあげて立ち上がっている。被爆者とすべての闘う仲間が労働者階級として団結し、今度こそプロレタリア世界革命を実現しよう。
 福田首相の祈念式典出席は、被爆者の怒りを抑えつけ、「国家のための尊い犠牲」として被爆者を英霊化し、労働者の闘いと被爆者を分断するものだ。福田は02年の官房長官当時、「憲法改正の時代だから、非核三原則だって、国際緊張が高まれば核を持つべき、となる」と発言した改憲・核武装論者だ。福田の式典出席を被爆者・被爆2世は絶対許さない。

 日帝の核武装と世界核戦争阻止

 日帝は日米開戦前夜から原爆開発を開始し、敗戦後も「平和利用」を口実に一貫して核武装を追求してきた。94年のイギリス国防省秘密報告では「日本は核兵器製造に必要なすべての部品を保有している。濃縮プルトニウムを組み込むだけで完成する爆弾を製造した可能性がある」としている。95年に重大事故を起こした高速増殖炉もんじゅの08年運転再開と六ケ所村再処理工場の本格稼動を狙っている。
 06年の北朝鮮核実験を口実に、日帝は核武装の準備を加速した。07年の日米首脳会談で「日米核エネルギー共同計画」を締結、米帝は新型核弾頭用に高純度プルトニウムを必要とするため、「共同計画」で日本の核燃サイクル・高純度プルトニウム保有を黙認する方針に転換した。
 日帝は「唯一の被爆国」を逆手に取り、「今度は核戦争で勝つために核武装する権利」を主張している。政府は「国民保護計画」に基づき、広島市に「核兵器で攻撃された場合を想定した」避難計画作成を指示した。日帝自ら核戦争を準備し、被爆者に「再度被爆して『生き延びる』準備をせよ」と言っているのだ。
 これに対し、体制内原水禁運動は、闘うどころか「北朝鮮の核無能力化」を掲げ、「ヒロシマ・ナガサキをくりかえすな」を日帝の軍事外交―侵略戦争推進のスローガンにしている。断じて許すことはできない。
 全国被爆者青年同盟は、6月青森での核サミット粉砕闘争の先頭で決起した。日帝の核武装阻止! 世界核戦争を阻止するために、被爆者・被爆2世は闘おう!

 敵対の与田残党・塩川一派粉砕

 「広島差別事件」をデッチあげて党と革命から逃亡した与田残党・石嶺らは、帝国主義を免罪し、労働者階級と被爆者の分断をはかる「8・6ヒロシマ集会」なるものを開催しようとしている。塩川一派はこれと野合を目指し「今年の8・6ヒロシマ行動はなくなった」とのデマでもぐりこもうとしている。
 与田残党らの呼びかけ文は「労働者」の文字が抹殺されている。彼らの言う「ヒロシマの原点」には、アジア侵略とヒロシマ・ナガサキを引き起こした帝国主義への弾劾のかけらもない。「日本が15年戦争で侵略した加害責任を反省……その結果がヒロシマ・ナガサキ・オキナワ」と帝国主義・資本家階級と労働者階級を一緒くたに「日本」とし、階級対立を否定している。打倒対象は何か、誰がどう打倒するのかを徹頭徹尾あいまいにし、唯一の革命的階級としての労働者階級への不信をあおり、被爆者を分断と絶望に追い込むものだ。
 完全黙秘・非転向をめぐる討論を「差別」とデッチあげた彼らは、権力・資本と絶対非和解で闘う思想や実践を投げ捨てた。「血債主義」「糾弾主義」の行き着いた先であり、被爆者解放闘争への敵対そのものだ。被青同は、彼らの粉砕・打倒を宣言する。

 団結こそ勝利だ

 法大の闘いを見よ! 6・29デモを見よ! ここに被爆者解放の道筋が示されている。闘いを牽引(けんいん)し、逮捕・起訴攻撃を一身に受けて闘う青年労働者・学生、広大生や被爆3世の闘いを、被爆者・被爆2世は心の底から誇りに思う。同志よ! 獄壁を越えて団結しよう。
 イラク石油労働者とアメリカILWUの連帯、アメリカ教育労働者の闘い、韓国民主労総の決起と結合し、被爆者と青年労働者は団結しよう。「ヒロシマ・ナガサキをくりかえすな!」は世界革命、世界の労働者のスローガンだ。8・6広島―8・9長崎反戦闘争をかちとろう!

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週刊『前進』(2352号6面1)(2008/07/21 )

団結ひろば 投稿コーナー

 洞爺湖サミット粉砕札幌で闘いぬいたぞ 北海道・金融労働者 小松青海

 7月5〜7日の3日間、サミット粉砕札幌現地闘争を全力で闘いぬきました。地区には、かつてない充実感と勝利感があふれています。
 5日、NGO系の集会に登場しビラまきをしました。塩川一派とカクマルもいます。こんなやつらにサミット粉砕を語る資格などない。「全世界の労働者の団結でサミット粉砕、世界革命へ」と鮮明に訴えるビラがどんどん受け取られていきます。塩川一派は「新自由主義反対」「労働運動がこれまでの壁をやぶって発展する時代」などと書いてはいるが、動労千葉や韓国労働運動、アメリカ・イラク労働者の連帯ストについては全くふれていない。カクマルは偽善G8と「偽善」がキャッチコピーのようだ。彼らの主張には帝国主義打倒がない。帝国主義打倒のないサミット偽善論、カクマルこそ偽善だ。
 6日、街宣のあと集会です。全国から260名の結集で、闘う意欲と楽しさにあふれた集会でした。北海道の仲間も集会の運営にかかわりましたが、非常にいい経験となりました。いつまでも中央におんぶに抱っこではいけないと、一人ひとりが必死でした。やりきって自信もつきました。デモ行進は、権力が時間の変更やコースの短縮と規制を加えてきましたが、最後まで「サミット粉砕、団結勝利」のコールで戦闘的にアピールしました。
 7日、前日の闘いを報告するビラまきと街宣をしました。労働者の関心は非常に高く、いつもより注目度が違います。法政大生不当逮捕救援署名が多数集まり、『前進』もこれまでの水準を超えて売れ、討論が起こりました。やっぱり労働者は闘う方針を求めている。
 TVではサミットについての街頭インタビューが放送されている。労働者は「こんなにお金をかけて何を話し合ったの」と口々に怒りをあらわにしている。勝たなければ死ぬしかない帝国主義に「ルール」などできるわけがないのだ。喜んでいるのは「特需」に沸いた地元ブルジョアジーだけだ。3日間を闘いぬき、ますます階級的労働運動路線に確信を持ちました。団結を固め、11月集会に向かいたい。
(写真 札幌街宣ポスター)

 サミット粉砕を訴え工場街で『前進』売る 神奈川 河木実

 サミット決戦の過程で工場街で『前進』を売ったところ、青年労働者が気持ちよく買ってくれました。『前進』は売れる、これが実感です。
 退勤時の2時間、工場から出てくる労働者にサミット粉砕のビラをまきながら、受け取ってくれた人に「うちの新聞いかがですか」「労働者の団結で世の中を変えようという新聞です」と訴えました。
 初回は2部売れました。自転車で帰る35歳の労働者と機械修理の30歳の青年でした。
 1週間後の2回目は3部売れました。産廃職場の20歳と炉で働いている25歳の青年、もうひとりは27歳の天井クレーンの運転士。彼は「4年間働いた非常勤講師を辞めて社会勉強のために今の仕事についたが、そろそろ闘いを始めないと」と語り、マルクス主義に関心を示しました。
 サミット決戦を闘いぬいた直後の3回目は5部売れました。初回に買ってくれた機械修理の青年とは顔見知りになり、今回も買ってくれました。「労働者の立場に立って書いているのが良いですね」とストレートな感想を述べてくれました。
 26歳の化学工場で働く派遣労働者は「大学を出て今の職場で働いて3年目だけどまだまだ仕事に慣れなくて」と仕事への不安を語ってくれました。「あなたこそ社会の主人公です。団結すれば世の中だって変えられます」と訴えて買ってもらいました。30歳の『赤旗』読者には、日本共産党批判のページを広げて、ここをぜひ読んで下さいとオルグして買ってもらいました。
 青年労働者は闘いと団結を求めています。まずは定期的に登場して労働者と顔見知りになることです。近いうちに定期購読の読者網もつくれそうです。

 「障害者」と向き合い 革命よびかけ「解雇」 東京・東部 風実

 6月29日、僕はサミット粉砕の集会デモに行った。先進国が途上国の資源を奪おうという強盗会議を日本でやらせてたまるか! その怒りを、僕たちはぶつけてやろう! 二度とサミットなんかできないくらい、奴らを恐怖させてやろう。そういう気持ちでデモ許可もない渋谷の街を暴動のごとく機動隊、警察とぶつかり合い、衝突し、歩いた。僕たちは勝利した! 国家権力より、団結の力が勝利した!
 1980年代以来、バブル破綻(はたん)から増え続ける日本の借金。そんなツケをまわされてたまるか! どんなに低賃金になろうと、消費税が上げられようと、日本の借金はなくならない! 破綻しきった資本主義社会に未来はない。こんな社会は続けさせない。労働者が働かなければ資本家は食っていけない。団結して、革命おこして労働者が権力とろう!
 僕が「態度が悪い」と解雇通告されたのは、利用者の障害者と向き合ったからだった。生活のほとんどに介助をつかい、あらいざらいを見せる障害者。僕も「僕を隠しちゃいけない」と思った。介護時間が必要だと闘う障害者の人、地域で自立生活をしようと闘う障害者の人に、僕は向き合えばこそ革命をよびかけた。そうでなければ、人間と人間の関係ではないと思った。
 社長からは「障害者と向き合おうとしていない。障害者の痛みをわかろうとしていない」と言われた。「障害者=痛み」としか見ることのできないゆがんだ発想を押しつけ、サービス残業を強制し、権力をふるうけど、現場の人員不足なんて全然考えていない。働いてやっているのは、労働者たちじゃないか。
 いったんは解雇は撤回させたけれど、まだまだ僕の闘いは続く。

 「侵略史講座」会場で林歳徳さんを偲ぶ会 東京 高橋陽子

 4月27日に急逝された林歳徳さんを偲(しの)ぶ会を7月12日に行いました。林さんとともに「日本のアジア侵略史を考える市民講座」を担ってきた実行委員が中心になって準備したもので、14年間にわたってその講座を開いてきた文京区民センターが会場でした。
 約30人の参加者から林さんの生涯の一断面がさまざまに語られました。
 1989年、朝日新聞の「昭和人間史」というシリーズで林さんの半生を連載された元朝日新聞記者の方は、戦後50年の歴史の前に侵略の50年があることを林さんは指摘し、自らを「第4種日本人」と呼んで日本の近代史を知る上で大切な視点を提起し続けてきたことを、さまざまなエピソードを交えながら語られました。
 また在日台湾人2世の女性は、林さんと出会って初めて自分の歴史を取り戻すことができたこと、林さんからは、日本と台湾の架け橋になっていけばいいよ、と励まされてきたこと、人間は生きている一生が闘いだ、ということを教えてくれた素晴らしい人生の先生であり、今も胸に生きつづけていることなどが語られました。
 さらに婦人民主クラブ全国協からは、今年の3・9国際婦人デー集会に参加されていた林さんと固い握手を交わしたことが紹介されました。
 林さんは、11月労働者集会をはじめすべての闘いに杖(つえ)をつきながら参加され、いつも参加者に分厚いチラシの束を手渡していました。
 林さんは、死の直前まで、つねに闘いの中に存在し続けていました。私は「天皇制日本帝国ある限り、アジアに平和は来ない」との林さんの訴えにこたえ、「星火団」として闘いぬくことこそ、林さんの遺志にこたえる道だと確信しました。

 『蟹工船』を読んで―キーワードは“団結” 青森 深沢走

 @資本家階級の労働者支配の論理は今と同じ「分断」。国際的分断=「露助」に比べて「日本人」は勤勉で偉い。工場内での分断=競争。アメとムチ。
 A闘いの場は自分の職場。嵐でロシアに助けられ、船に戻らない選択もありえたが、過酷な労働を強制される船に戻って闘いを組織。
 B労働者が団結する基盤は資本家が用意してくれる。出身階層がさまざまな労働者が、働くことで意識を共有。
 C労働者を導く党が必要。「吃(ども)り」は帝国海軍を味方と誤認して1回目ストは敗北。党があれば、初めから”敵だ”と暴露できた。
 D闘いをつくる論理。「今こそ内へ内へとこもっているが、火薬よりも強い不平不満がつまっている。それを頼りにしている」今はまだ立ち上がる時ではないと言うのに対し、「殺される時も仕方ねえか」「今殺されているんでねえか。小刻みによ」。資本家の目的は労働者を搾取してもうけること。労働者を殺せば損するのは資本家。「駆逐艦がきたら一人残らず引き渡されよう」「先の成算なんてどうでもいい。死ぬか生きるかだ」
 国鉄分割・民営化時の動労千葉の決断と同じだ。隣の職場の労働者がストに対して「やれやれ」と言うのに対し、「やれやれじゃねえ。やろうやろうだ」。みんな一斉の「サボ」に対する監督の反応を見て、「やれる」と労働者が自信を取り戻す。闘いの経験が労働者を変える。キーワードは”団結”。
 最後。勝って投獄されても、闘いの火種は広がり、労働者がいる限り闘いはやまない。

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週刊『前進』(2352号6面2)(2008/07/21 )

 星野再審 最高裁が特別抗告を棄却

 労働者の力で奪還を

 星野文昭同志と再審弁護団が申し立てていた特別抗告に対し、7月14日、最高裁第3小法廷(那須弘平裁判長)は、これを棄却する決定を行った。
 送達が届いた15日、再審弁護団は直ちに記者会見を行って決定内容を弾劾した。(写真)
 16日、徳島刑務所で決定を知った星野同志は、面会に訪れた同志をとおして怒りの声明(別掲)を発表した。
 東京高裁の確定判決は、星野同志の服装を「きつね色背広上下」とする共犯者供述を事実認定の柱にしている。しかし、実際に彼が着ていたのは水色のブレザーとグレーのズボンだ。再審弁護団が提出した新証拠・警視庁公安部の「総括捜査報告書」は、デモ隊の指揮者が「薄青の背広」を着ていたと明記している。
 最高裁は、これに追い詰められ、星野同志の服装が「薄青の背広」であったことは認めた。しかし、色に関する記憶違いがあったとしても、殴打に関する供述は信用できるとする。実に政治的かつペテン的な判決だ。革共同は、腹の底からの怒りを込めて弾劾する。
 わが革共同は、今回の最高裁決定の中に、体制的危機を深める日帝の動揺と、この脆弱(ぜいじゃく)な日帝を打倒してプロレタリア革命に転化する決定的な現実性を見る。「星野さんに続け」という青年労働者・学生の陸続たる登場こそ、革命の現実性そのものだ。
 青年労働者・学生を先頭とする労働者階級の闘う力で星野文昭同志を絶対に奪還することを宣言する。

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週刊『前進』(2352号6面3)(2008/07/21 )

 星野再審 最高裁が特別抗告を棄却

 ★獄中から怒りの声明

 まったく、事実・真実を見ない不当な決定です。許せません。
 真実は、われわれの側にあります。われわれが目指すものの大きさを権力が圧殺しようとするのは無理です。
 われわれのめざすものの「大きさ」と「正しさ」、その二つで再審実現をめざして闘います。
 勝てる力が、われわれにはあります。1回、2回で通るような再審ではないと思います。
 一番大切なのは、くさらない事です。われわれの正しさに確信を持ち、力を数倍、数十倍にして第2次再審で勝利しましょう。(08年7月16日)

☆星野文昭同志に激励の手紙を! 徳島県徳島市入田町大久200−1 星野文昭様

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週刊『前進』(2352号6面4)(2008/07/21 )

 星野さんとともに

 星野美智恵さんを偲ぶ会

 “新たな文昭さんが誕生”

 杉並・星野文昭さんを救う会 谷沢備作

 私は、6・29渋谷デモの躍動感、解放感をもって7・6札幌闘争に参加し、北海道の労働者との合流をかちとりました。
 6日のサミット粉砕!労働者集会では、柴田作治郎さんが北海道救う会の仲間とともに壇上に立ち、星野奪還を訴えました。会場では、星野文昭さんの実家に実った真っ赤なサクランボが振る舞われました。集会の突き抜けた明るさ、その後の戦闘的デモ。私も「星野のぼり」を持って元気いっぱいデモをしました(写真上)
 最末期帝国主義足下で時代のヒーロー・ヒロインは団結し行動するわれら労働者階級なんだと、奮闘する全世界のプロレタリアート人民に世界革命を発信する闘いでした。
 その前日の5日、昨年6月に逝去された文昭さんの母・星野美智恵さんを偲ぶ会が、札幌市内の月寒教会で開かれました。私は、杉並・星野文昭さんを救う会の一員として参加しました。
 礼拝堂入り口の壁一面に、長男・治男さんが用意した美智恵さんの写真が飾られていました。最初にキリスト教による「記念式」が行われ、次に偲ぶ会となりました。(写真下/左から星野治男さんと弟の修三さん)
 北海道救う会の方が次々に発言して、美智恵さんの思いにこたえ、一日も早く文昭さんを取り戻そうと誓いました。徳島刑務所の文昭さんからのメッセージも読み上げられました。
 私は、美智恵さんと初めて会った日のことを思い出しました。小柄なのにせっかちな早足で歩く人でした。「文昭が何をしたんですか」という言葉は、本当に重みを持っていました。美智恵さんの生前に奪還できなかった悔しさをかみしめながら参加しました。
 星野文昭さんのことを「私の息子には革命家がいます」と言い切った美智恵さんに今、自信を持って言えることがあります。われわれの運動はついに、あなたの息子、娘たちを大量に生み出しつつあります。法政大学や青年労働者の中に、新たな星野文昭さんが生まれているのです。
 この力で星野文昭さんを奪還しよう!

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週刊『前進』(2352号6面5)(2008/07/21 )

 爆取差し戻し審 3同志が裁判長忌避

 “証人調べは無意味だ”

 7月16日、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判、差し戻し審第4回公判が東京地裁刑事第20部(林正彦裁判長)で行われた。3回廷を使った冒頭手続きが終わり、事実審理の開始である。
 この日、冒頭から午後5時の時間切れまで、検察官と一体化した裁判所に対して、被告・弁護団の激しい弾劾の闘いが展開された。対決と激突が始まったのだ。
 検察官は前回までの冒頭手続きにおいて、起訴状の要旨を2〜3分読み上げただけで、冒頭陳述も証拠意見も述べなかった。本差し戻し審において、何をどのように立証するのかさえ明らかにできないまま、ただ「従前どおり」の一言で済ませ、「証拠」採用だけを要求するという、ふざけきった態度をとった。
 それに対し、林裁判長は卑劣にも、公開の法廷ではなく、密室における期日外の決定という形をとって、検察官請求の「証人」を採用し、早速この法廷で2人の警察官証人の尋問に入ろうとしてきた。
 しかし、検察官が請求してきた橿原借家関係、関之沢林道関係、金沢借家関係の3「証拠」群は、差し戻し前の一審において、実に1年半もかけて求釈明−釈明の攻防を経て、裁判所が「関連性なし」として採用を却下した証拠群でしかない。被告とも、本件両事件とも、まったく関係のない証拠なのだ。とりわけ関之沢林道関係「証拠」なるものは、その「発見」の経過からして警察による証拠の捏造(ねつぞう)が強く疑われる、とんでもない代物なのである。
 須賀武敏・十亀弘史・板垣宏の3同志と弁護団は、そのような3「証拠」群にかかわる証人調べなど、まったく無意味であり違法だ、絶対に認めない、として次々に異議をたたきつけた。異議の中で、あらためて控訴審判決の違憲・違法・不当性を全面的に明らかにし、差し戻し審はまずその誤りを正すべきだと強く迫った。その迫力の前に、それまで一見物わかりの良さを振りまいていた林裁判長は、メガネを替えて六法全書をめくるなど動揺し始め、異議申し立てに対する却下を連発した。ついにその正体を現した! 断じて許せない。
 3同志は、裁判長の忌避を突きつけ、追い打ちをかけた。裁判官席に一番近い須賀武敏同志が怒りを全身で表し、裁判長の態度表明を厳しく求めた。それに対し裁判長は、一時判断停止状態に陥ったあげく、須賀同志に退廷命令を発した。
 16年にも及ぶ一審裁判をとおしてつねに攻勢をとり、不屈非妥協で徹底的に闘いぬき、無罪判決をもぎりとった3同志と弁護団は、今また新たな激闘を開始した。2人の証人尋問を予定していたが、結局、岡田鎮也という大阪府警公安(現在は退官)の主尋問をようやく終えるだけにとどまった。
 裁判所は次回、7月23日に警視庁公安・吉田喜平の主尋問に入ろうとしている。吉田は岡田と同じく橿原借家関係証人であり、事件とも被告とも無関係の証人である。無意味な証人調べを許してはならない。裁判を傍聴し、3同志とともに怒りの声を上げよう。

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週刊『前進』(2352号6面6)(2008/07/21 )

 4・27法大弾圧 友部君が堂々証言

 “権力から引きずり降ろす” 

 5・28法大弾圧裁判が、いよいよ8月29日から始まる。今年4月11日に法政大のガードマンに暴力を振るったとして、5月28日に法大生の中島宏明君と新井拓君がデッチあげ令状逮捕された事件だ。
 5・28裁判は、現在進行中の4・27法大弾圧裁判に併合され、新井君、友部博文君、中島君の3被告がそろって裁判闘争を闘うこととなった。
 併合裁判の第1回公判は、新井君と中島君の意見陳述だ。5・29法大弾圧裁判闘争の口火を切る闘いでもある。第1回公判は決定的だ。
 7・24全国集会を皮切りに、8月29日午後1時半から始まる第1回公判に大結集し、獄内外団結して闘おう!

 被告人尋問で当局を追及

 7月15日に東京地裁で開かれた4・27法大弾圧裁判第20回公判は、友部博文君への被告人尋問だった。新井君も団結Tシャツを着用し、勾留されている東京拘置所から意気揚々と出廷し、ともに闘った。
 友部君は、06年3・14弾圧を口実に退学処分を受けてから現在に至るまでの闘いを明らかにした。尋問の最後には、これまで闘ってきた自分の思いをまとめた。
 「3・14弾圧以降、同じような弾圧を繰り返さないために闘ってきた。法大当局・裁判所に誠意ある対応を求めてきた。しかし、退学や停学処分。新井さん、内田君への弾圧。5・28〜29の大量逮捕。そしてO君、K
さんには新たな処分が生まれようとしている」友部君はこみあげる怒りに言葉をつまらせながら声をふりしぼった。
 そして、「弾圧・逮捕を繰り返す国家権力・法大当局に対して、権力の座から引きずり降ろすまで闘う!」。傍聴席は大きな拍手につつまれた。裁判官は退廷命令を出すこともできない。
 友部君は検察官の反対尋問に対しては黙秘で闘い、証言を堂々と締めくくった。

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週刊『前進』(2352号6面7)(2008/07/21 )

 クラス討論弾圧裁判 増田体制を批判

 文化連盟O君が証言 

 7月11日、10・17法大クラス討論弾圧裁判第8回公判が東京地裁で開かれた。
 前回6月18日の公判では内田晶理君が裁判官の不当な制止を振り払い、5・28〜29法大弾圧を弾劾する意見陳述を行った。今回は弁護側の証人尋問だ。法政大学文化連盟のO君が胸を張って証人に立った。
 O君は、10・17クラス討論弾圧について「こんなことで逮捕するのはおかしい。大学は広く一般に開放された場所だ。クラス討論は大学では当然の行為」ときっぱり述べた。
 また、大学批判を始めたO君や友人に、職員・ガードマンや公安警察の執拗な監視・弾圧が行われている実態を暴露し、「『大学に刃向かうと逮捕・処分』という恐怖が、法大の学生に充満している」と監獄大学=法大の現実を暴露した。
 この中でO君自身も停学2週間の処分を受け、マイクを握りアピールするようになった。「黙っていたら僕らの存在はすたれてしまう」と監獄支配を打ち破るO君の決起の過程が語られた。
 法大・増田総長の「大学は自由で何でもできる」という新聞紙上の発言についても、O君は「法大が自由であるなら、内田君が捕まるはずはない」「私は大学の自習室使用も禁止され、教職員に妨害を受け活動もできない」と増田体制を批判した。法大弾圧の不当性は明らかだ。

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