ZENSHIN 2008/04/14(No2339 p06)

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第2339号の目次

環境アセス調査の中止を!“海と陸の闘いで阻む”
3・29辺野古の浜で200人が集会
記事5面
1面の画像
(1面)
福田政権打倒へ4-5月大攻勢を
青年労働者と学生を先頭に世界革命情勢を切り開こう  4大産別決戦で前進かちとれ
記事を読む  
JR尼崎事故糾弾! 尼崎労働者集会へ 記事を読む  
“住宅は権利、絶対動かない”  アメリカで住宅闘争 記事を読む  
(2面)
分割・民営化が107人を殺した
事故糾弾! 4・26尼崎闘争へ  平成採の青年労働者の決起を
記事を読む  
紹介 『ソリダリティ4号』で青年組織しよう  全人格かけて職場で勝負
マル青労同1年間の実践の迫力(K)
記事を読む  
(3面)
人員削減と団結破壊を狙う大攻撃
5月中郵廃局・銀座移転阻止へ〔革共同東京中部地区委員会〕
記事を読む  
道州制 政財界が2015〜2018年導入を提唱  既成事実化許さず粉砕へ 記事を読む  
〈焦点〉 米経済に続き金融恐慌不可避  欧州で信用収縮が深刻化 記事を読む  
〈焦点〉 統治能力喪失した日帝・福田  政治危機と「3つの空白」 記事を読む  
(4面)
奴隷の鎖を引きちぎり革命やろう  医療福祉労働者委員会の結成宣言
「労働者はひとつ」「資本とは非和解」を貫き団結つくろう
記事を読む  
命を縮めろと言うのか  後期高齢者医療制度許すな 記事を読む  
日誌 2008年4月2日〜8日
NATO、アフガンに長期関与/米軍司令官、「撤退中断」を提言
記事を読む  
(5面)
環境アセス調査の中止を!  “海と陸の闘いで阻む”
3・29 辺野古の浜で200人が集会(M・S)(3月29日)
記事を読む  
沖縄・青年労働者のアピール  基地撤去こそが回答だ! 国境こえた団結とストへ 記事を読む  
イギリスからの報告 石油奪う流血やめろ  5万人がイラク反戦デモ 記事を読む  
基地撤去へ!  3・23沖縄県民大会に参加して 現地インタビュー(下) 記事を読む  
三里塚「団結花見の会」盛大に(4月6日) 記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
“さあ、日弁連の再建だ”
裁判員制度はいらない!  憲法と人権の日弁連をめざす会 4・18集会へ
記事を読む  
外登法・入管法と民族差別を撃つ全国研究交流集会
民族・国籍・国境を越えて  4・20京大で団結しよう
記事を読む  

週刊『前進』(2339号1面1)(2008/04/14 )

 福田政権打倒へ4-5月大攻勢を

 青年労働者と学生を先頭に世界革命情勢を切り開こう

 4大産別決戦で前進かちとれ

 3・16を頂点とする1〜3月闘争は歴史的勝利を切り開いた。この地平から4〜5月闘争とサミット決戦に突入していこう。世界金融大恐慌情勢が進展し、中国スターリン主義へのチベット人民の世界的反乱が起き、日帝・福田政権の未曽有の政治危機が進行して、08年の世界は大激動のただ中にある。まさに世界は革命情勢だ。「革命の現実性は革命家の執念に宿る」。4大産別を軸に、階級的労働運動路線をさらに圧倒的に実践しよう。4・26尼崎闘争へ総結集しよう!

 職場闘争と階級的団結

 3・16全世界一斉デモを頂点とする1〜3月闘争と、それを引き継ぐ4月闘争は、ものすごい地平を切り開いている。それは何よりも、青年労働者・学生がプロレタリア世界革命を実現する実践集団として、階級的労働運動のリーダーとして自己を登場させ、闘いぬいていることである。
 動労千葉の春闘ストと連帯して全国17都市で闘われた3・16闘争は、「世界は革命情勢だ」「労働者の団結が戦争を止める」「労働運動の力で革命をやろう」を真っ向から訴えてかちとられた。青年労働者を先頭に、体制内労働運動と激突した職場闘争の実践を基礎にして、3・16闘争は切り開かれた。
 この革命的な勢いに恐怖した権力は、6人の青年を狙い撃ち逮捕した。だが青年たちは、弾圧を団結拡大の決定的チャンスととらえ、職場と街頭で猛然と団結を組織し決起していった。単なる奪還闘争にとどまらず、弾圧への怒りに燃えて、弾圧を団結拡大へと転化したのであった。
 この闘いは、3・30三里塚闘争の圧倒的爆発につながった。春闘と職場闘争を闘った新たな青年労働者が続々と結集し、奪還された6人と合流した。三里塚がプロレタリアートの闘争として前進している。労農同盟が新たに発展しつつある。
 さらに根津公子さんへの解雇攻撃を粉砕する偉大な勝利がかちとられた。「たとえクビになっても不起立を貫く」という根津さんの闘魂が階級的団結をつくりだし、石原・都教委への実力抗議闘争が連続して闘われ、全国で不起立闘争が拡大した。10・23通達粉砕の展望がはっきりと開かれた。闘う日教組再生のチャンスの到来である。
 さらにまた闘う学生は4・3法政大入学式闘争から連日のキャンパス闘争に突入し、サミット粉砕・全国学生ゼネストへ進撃を開始した。裁判所をも集会や団結の場に化して闘っている。闘う青年労働者は、確信に満ちて体制内労組執行部と激突し、職場闘争を非妥協的に前進させている。

 隣の労働者が共に闘う同志

 3・16闘争に向けた実践を深部で支えたものは階級的団結論と絶対反対論だ。それは動労千葉労働運動の中に存在してきた。そこから貪(むさぼ)るように学び主体化してきた青年労働者・学生は、階級的労働運動の白熱的実践の中で、それを労働者階級の普遍的武器として確立してきた。
 特に階級的団結論は、労働者階級への圧倒的信頼を前提にし、隣の労働者を闘う同志として措定している。そこには賃労働と資本の非和解性の中で、労働者は必ず決起するという確信がある。他方で階級的団結論は、労働者を分断して極限的労働を強制する資本主義・帝国主義に対する根底的怒りを沸き立たせる。そして労働者が団結して闘うならこの社会は変えられることを、団結の姿をとおして明示していく。自分が革命の主体だと。
 この階級的団結論のもとで弾圧粉砕闘争が展開され、新しい地平が築かれた。青年労働者と学生は、まさに弾圧を養分にして闘い、団結を拡大した。階級的団結論をもって職場・生産点で闘うなら、必然的に組織拡大に発展するということだ。階級的団結論と絶対反対論と組織拡大論は一心同体。これに圧倒的な確信をもって闘い抜こう。
 今や青年労働者が「生きさせろ」の叫びをあげ続々と結集してくる情勢だ。職場闘争を闘うことが階級的団結のための実践である。職場闘争を闘い、団結を拡大することで、全世界の労働者がつながっていることを実感できる。ここでつかんだ地平をしっかり確認し、さらに階級的労働運動を一層白熱的に実践しよう。第2次国鉄決戦を軸とする4大産別の闘いを圧倒的に前進させよう。

 サミット粉砕の大決戦

 国際帝国主義は7月7〜9日に、北海道・洞爺湖で帝国主義強盗会議=サミットを開催する。われわれはサミット決戦に断固として立つ! それは世界に貧困と戦争をもたらしている帝国主義を打倒する闘いであり、世界革命の現実性を世界に示す国際連帯の闘いだ。「労働運動の力で革命をやろう」の闘いを職場・生産点で実践し、労働者階級の総決起と全国学生ゼネストの爆発でサミットを粉砕しよう!
 今、世界金融大恐慌が現実化している一方で、洞爺湖サミットと北京オリンピックを焦点に、世界の労働者人民の怒りと闘いが爆発している。その中で日帝・福田政権はすさまじい危機に陥っている。世界的に革命情勢が成熟している。革命情勢を現実の革命に転化する意志と実践が、今こそ決定的である。それが4〜5月闘争であり、サミット決戦なのだ。
 サミットの最大テーマは「恐慌対策」と言われている。だが国際帝国主義には世界金融大恐慌を回避する手段など何もない。すべての矛盾を労働者階級に押しつけ、世界の資源と市場を奪い合う抗争と戦争に、絶望的に突進する以外にない。
 実際にアメリカでは人員削減の嵐が吹き荒れている。ベア・スターンズを吸収したJPモルガン・チェースは1万3千人、シティグループは2万人の削減を発表した。リストラを続けてきたGMやフォードは、さらに早期退職制度を導入し、クライスラーは1万人削減計画を打ち出した。パソコン大手デルで8千8百人削減、さらに各州の教員や公務員のリストラが激化している。
 さらにサミットの中心テーマに「地球温暖化問題」が掲げられている。だが地球を破壊してきたのは帝国主義だ。CO2問題もゴミ問題も、すべて資本主義・帝国主義が引き起こした問題ではないか。ところが「CO2排出量取引」を商品化し金もうけの道具にしようとしている。帝国主義はここまで腐っている。革命が絶対に必要だ。
 さらに、「大量破壊兵器の不拡散」や「テロ対策」と称して、アフガニスタン、イラクからイラン、パキスタン、北朝鮮への侵略戦争の拡大が策動されている。またアフリカをめぐる資源と勢力圏の争奪戦も熾烈(しれつ)を極めている。
 だがこうした中で米帝は、イラク侵略戦争の泥沼でもがいている。イラク駐留米軍のペトレイアス司令官は8日、増派部隊の削減は今夏、予定通りやるが、追加の削減は中断すると表明した。これを受けてブッシュは米軍13万人の長期駐留を訴えた。米帝が米帝であるかぎり、誰が大統領になろうとイラクから撤退できないのだ。イラクの石油労働者を先頭とする人民の闘いに連帯し、帝国主義打倒へ闘おう。

 統治能力喪失にあえぐ日帝

 日帝・福田政権は、世界金融大恐慌情勢に痛撃され、帝国主義の「最弱の環」としての現実に打ちのめされている。ガソリン税・暫定税率の期限切れや日銀総裁空席問題で統治能力の崩壊が露わとなり、内閣支持率も2割台に急落、不支持が6割というどんづまりの危機にのたうっている。
 だが日帝ブルジョアジーは、8日の経済財政諮問会議で「骨太方針08」の検討に入り、社会保障費削減などを強行しようとしている。公務員への丸ごと民営化攻撃も激化し、4月からの後期高齢者医療制度や、物価値上げ、賃下げ・首切り攻撃などに対する労働者階級の怒りが、いよいよ爆発する情勢だ。階級的労働運動の力で福田政権を絶対打倒しよう!
 何よりもJR尼崎事故から3年目の4・26現地闘争に総力結集しよう。動労千葉の田中委員長は三里塚現地集会で「107人を殺したのが分割・民営化の正体だ。JR資本打倒を真正面から掲げる以外に1047名闘争の勝利もない。JR総連カクマルを打倒して、闘う労働運動を復権するチャンスだ。4・26尼崎現地闘争への全国結集を呼びかける」と訴えた。
 第2の分割・民営化攻撃が、「平成採」のJR労働者に襲いかかっている。JRの青年労働者の決起と結集を軸に、4・26尼崎現地闘争の大爆発をかちとろう。
 さらに学生戦線の新歓闘争の高揚をかちとり、新たな決意で4〜5月入管闘争を闘い、5・18の08年5・15沖縄現地闘争に全力で決起しよう。
 塩川一派打倒の闘いをさらに推し進め、「党の革命」を前進させよう。
 マル青労同・マル学同の1000人組織建設を推進し、産別委員会と地区党建設をやりぬこう。

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週刊『前進』(2339号1面2)(2008/04/14 )

 JR尼崎事故糾弾! 尼崎労働者集会へ

 JR尼崎事故から3年。「4・26尼崎労働者集会への賛同と結集のお願い」が集会実行委員会から発せられました(編集局、関連2面)

 賛同と結集のお願い

 乗客・乗員107人の命を奪ったJR尼崎事故から3年がたとうとしています。
 わたしたちは尼崎事故を絶対にあいまいにすることはできません。尼崎事故こそ、全世界・全社会で吹き荒れる民営化=新自由主義攻撃の必然的帰結であり、労働者は闘わなければ、殺されてしまうのです。まさに「闘いなくして安全なし」です。尼崎事故3カ年を徹底的に糾弾し、2度と尼崎事故をおこさせてはならないという決意のもとに4・26尼崎現地闘争に結集しよう。
 3月13日、東京地裁は、鉄道運輸機構訴訟において解雇有効・損害賠償なしの超反動判決を出しました。政府・JR資本による国鉄1047名闘争解体の許し難い暴挙であり、徹底して反撃していかなければなりません。もはや政府・JR資本には何の幻想も持つことはできません。労働者の団結で資本・政府と非妥協でたたかうことのみが1047名闘争を勝利させることができます。たたかいは原点に戻ったのです。
 いま、全世界・全社会で新自由主義攻撃=民営化・労組破壊・団結破壊が、労働者に襲いかかっています。国鉄に続いて、2007年10月郵政が民営化されました。それだけではなく、自治体で、医療・福祉で、住宅で、社会のあらゆる領域で、民営化=新自由主義攻撃がかけられています。
 87年国鉄分割民営化は、新自由主義攻撃の突破口でした。新自由主義とは、「社会のすべての紐帯(ちゅうたい)をとことん破壊して、資本が好き放題の社会をつくる」ということです。これは、レーガン・サッチャー・中曽根による徹底的な労働組合つぶしとして開始されました。労働者の団結は徹底的に弾圧され、労働者は資本の奴隷になれという攻撃がかけられてきました。他方、資本の利潤を生み出さない鉄道輸送の保守部門は徹底的に合理化されてきました。儲(もう)からないことはしないというのです。事故やミスを犯した労働者を、「会社の敵」として、「日勤教育」で、徹底的に痛めるつける労務支配が横行してきたのです。
 そして、こうした攻撃は政府が民営化・規制緩和政策として推し進めてきました。107人の命を奪ったのは、JR西日本であり、政府です。絶対に許すことはできません。
 問われているのはわたしたち労働者の団結であり、労働組合の闘いです。尼崎事故は、同時に、資本の首切り・合理化と闘わない労働組合がもたらしたものです。JR総連、JR連合(JR西労組)は言うにおよばず、国労や全動労までもが、資本と闘わず、尼崎事故が起きて以後も、資本にすり寄り、「労使安全会議」に参加する始末です。遺族は、この現実に「JRの西日本は労使一体であり、腐敗の限りをつくしている」と糾弾しています。
 動労千葉は、87年国鉄分割民営化攻撃に、28人の解雇を受けながら、2波のストライキを闘いぬきました。尼崎事故に対して、「尼崎事故を繰り返してはならない」をスローガンに、危険箇所での減速運転をともなう安全運転闘争を処分の恫喝(どうかつ)をはねのけてやりぬきました。レールの破断が相次ぐ事態の中で、130`に及ぶレールの交換を実現させたのです。また、安全無視の体制下で起こった事故に対して、運転士個人への責任転嫁を許さず、
「事故の責任は労働者にはない、当局にあり」と一歩も引かず、闘いぬき勝利してきています。
 このように、政府・資本の総力をあげた攻撃に、団結をより強化して闘いぬいてきたのが動労千葉の闘いです。原則的に闘えば、勝利することができることを示してきました。
 逆に国労本部は政府・資本に屈服し1047名の闘争団に「4党合意」「3与党声明」を強要し、抵抗する闘争団員を除名処分にまで追いやろうとしました。02年5・27国労臨時大会で、そうした本部方針に反対した組合員を警察権力に売り渡すまでにいたりました(国労5・27臨大闘争弾圧)。被告とされた組合員を先頭に国労本部を打倒し、たたかう国労につくりかえるたたかいが力強く進められています。
 こうした闘いは、同じく原則的なたたかいを貫く港合同・関西生コン支部との合流から三労組の共闘に発展し、「労働運動の闘うネットワークをつくろう」という新潮流運動に発展し、さらに日米韓の国際連帯闘争に発展しています。グローバリズム・新自由主義に対する、ただ一つの回答は、世界の労働者階級の団結です。国境・民族を超えた労働者階級の団結こそ、新自由主義を打倒する力です。分割民営化に唯一闘いぬいてきたからこそ、アメリカの戦闘的労働運動、韓国・民主労総との合流がありました。
 サブプライムローン問題から、世界経済は、ドル暴落・世界恐慌に突入しようとしています。いまこそ労働者が団結を武器としておどりでるときです。全世界で労働者の闘いが巻き起こっています。日本でも、北海道教組1万5千の1時間スト、全駐労スト、石原都政と対決する「日の丸」「君が代」反対の首をかけた闘い、そして動労千葉の春闘ストと、闘う労働運動が時代の前面に出ようとしています。その先頭に、「生きさせろ」という青年労働者の闘いがあります。
 3年目の尼崎事故を弾劾し、新しい労働運動をつくりだすために4・26尼崎集会への賛同と結集をお願いします。
 2008年4月6日
 4・26尼崎集会実行委員会(よびかけ団体代表・国鉄千葉動力車労働組合)
 連絡先 スタンダード・ヴァキューム石油自主労働組合大阪支部連合会

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週刊『前進』(2339号1面3)(2008/04/14 )

 “住宅は権利、絶対動かない”

 アメリカで住宅闘争

 住宅占拠で立ち退き命令に反撃

 サブプライムローンの返済不能で100万の住宅が差し押さえられている。また、賃貸住宅からも大量の労働者が追い出されている。ほとんど大恐慌の現実だ。
 これに対して、全米で大反撃が始まっている。
 ボストンの一例を見よう。今年1月23日、サブプライムローンで住宅を差し押さえられ、退去を求められた母親、メロニー・グリフィス・エバンズさんと子ども3人の家族が、ベランダに「差し押さえ止めろ!」の横断幕を掲げて実力で抵抗した。近隣の住民、労組活動家などが支援にかけつけた。
 メロニーさんは、近くのコミュニティー・センターで働いていたが賃金が安く、ローンは組めないと考えていた。だが、2004年に、住宅ローン会社が、「2カ月後には、借り換えをさせて、返済額を下げさせるから大丈夫」といって、彼女にローンを借りさせた。だが、約束は守られず、結局、06年には、ローンの返済ができなくなってしまう。この会社はマサチューセッツ州から業務停止処分を受けたが、ローンの債権はUS銀行に渡り、07年、彼女の家は銀行に差し押さえられ、12月31日に裁判所が立ち退き命令を出した。
 メロニーさんは、ボストンの借家人会(借家人とローンで家を買った人の住宅闘争団体)に加わって闘うようになった。1月23日の闘いでメロニーさん家族の退去執行は中止されたが、ボストンの1500家族の差し押さえ、追い出しとの闘いがこれから続いていく。
 このような実力闘争が全米各地で起こっているのだ。
(写真 住宅差し押さえに実力で闘うメロニーさんの家族と支援にかけつけた住民【1月23日 ボストン】)

 公営団地再開発との実力闘争

 ニューオーリンズでは、ハリケーン・カトリーナ災害からの復興に名を借りた大規模な都市再開発が行われ、多数の労働者、特にアフリカ系アメリカ人が住宅から追い出されている。
 昨年12月には市議会が3カ所の公営団地の取り壊しを可決した。市議会がごく少数の公営住宅住民しか議会に入れなかったことに対して、議場の内外で激しい弾劾行動がたたきつけられた。
 また公営団地では、警官隊と重機が迫る中、住民や支援者が窓枠や非常階段の手すりに体を鎖で縛りつけて闘っている。
 全米各地の住宅闘争をを闘っている70以上の団体が、4月16日に首都ワシントンでMBA(住宅ローン・銀行協会)を弾劾し、差し押さえ、退去強制中止を求める行動をおこす。
 住む権利、生きる権利を求める闘いは、資本主義の息の根を止めるまで止まない。
(写真 公営団地の取り壊しを決めるニューオリンズ市議会に激しい弾劾行動【昨年12月20日】)

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週刊『前進』(2339号2面1)(2008/04/14 )

 分割・民営化が107人を殺した

 事故糾弾! 4・26尼崎闘争へ

 平成採の青年労働者の決起を

 JR尼崎事故から3年を迎える4月26日、「JR尼崎事故糾弾!4・26尼崎労働者集会」が現場の国鉄労働者を先頭に闘いぬかれる。107人の乗員・乗客の命を一瞬にして奪った05年の尼崎事故は、国鉄分割・民営化の必然的な結果だった。尼崎事故の犠牲者は、国鉄分割・民営化によって殺されたのだ。日本において新自由主義の攻撃は国鉄分割・民営化を切っ先に始まった。08年、第2次国鉄決戦を軸にこれを根底から打ち砕く時が来た。全世界で新自由主義への反撃の火の手が上がっている。4・26尼崎闘争は、この闘いをさらに大きく切り開くものとなる。
(写真 尼崎事故から2年、職場から反合・安全闘争をつくり出す決意を固めた昨年4月の尼崎現地集会)

 民営化と規制緩和こそ大惨事の真の原因だ!

 JR体制下で安全の崩壊はすさまじいまでに進行した。分割・民営化で「民間会社」となったJRは安全を無視し、私鉄との競争に躍起になって無謀きわまる過密ダイヤとスピードアップを強行した。
 もともと無理なダイヤを「定時運転」するために、JR西日本は労働者を徹底的に締め付けた。わずかな遅れを出したり、ささいなミスをした運転士には、「日勤教育」という名の制裁が加えられた。トイレにも行かせず反省文を書かせ、草むしりや窓ふきをさせる。果ては、ホームに立たせ、入って来る電車に向けて自分のミスを復唱させる。まさに精神的虐待と言うほかにない。
 事故電車の運転士は、遅れを出せば再び「日勤教育」が強いられるという恐怖の中で、超スピードで事故現場の急カーブに突っ込んだ。「魔のカーブ」と言われるこの急カーブは、阪急と競争して乗客を争奪するために、無理な設計のもとにつくり出されたものだった。事故現場のカーブには、列車が遠心力により転倒しないために造られるカント(外側のレールと内側のレールとの高低差)や、直線からカーブ(円曲線)への移行区間に設けられる緩和曲線の長さが短いなど、線路構造に欠陥があった。
 しかもこのカーブは、危険性が指摘されていたのに、自動列車停止装置=ATS−P型が設置されていなかった。自動列車停止装置が設置されていれば、電車のスピードは制限され「定時運行」はできない。だからJR西日本は、安全装置の整備を怠ってきたのだ。
 事故電車は、コスト削減を目的とした強度を欠く軽量化車両だった。分割・民営化後、JR各社は極限的な車両の軽量化を追求し、「ボルスタレス台車」を使用した車両を競って導入した。ボルスタレス台車とは、旧来型車両では作り付けられていた頑丈な枕梁(まくらばり・ボルスタ)を取り払った台車のことだ。これは、車両と台車の位置関係が不安定になりやすい。これも、事故の被害を拡大した。
 幾重にも重なったこうした事故原因は、すべて国土交通省による規制緩和によってもたらされたものだ。国土交通省は、JRを極限的な利益追求に走らせるために、安全に関する規制をことごとく取り払った。制限速度は撤廃され、電車・線路の検査周期・検査基準も廃止されて鉄道事業者の判断に任されている。
 こうした新自由主義政策の必然的帰結が、尼崎事故だったのである。
 この事故はまた、国鉄分割・民営化による労組破壊攻撃に労組幹部が屈服した結果、引き起こされたものだった。JR西日本の強権的な労務支配は、国鉄分割・民営化を率先推進したJR連合・西労組や、JR総連・西労による労働者支配を前提に成り立ってきた。
 そればかりではなく、革同支配下の国労西日本エリア本部もJR体制に最終的に屈服した。これが、労働者に分断と孤立化を強い、「成果」をめぐる競争に労働者を駆り立ててきたのだ。

 体制内労働運動が分断支配生む

 労働組合・労働者が階級的に団結していれば、安全を無視した資本の理不尽な命令・指示をはねのけることはできた。体制内労働運動こそ、そうした団結を自ら解体してきたのである。
 国労西日本エリア本部は、今や完全にJR西日本の代弁者と化している。彼らは「日勤教育について国労は否定しません」と言い放ち、事故原因を運転士一人に転嫁して恥じない。「事故と民営化は関係ない」とまで言って、JR体制への忠誠を誓っている。
 この現実を現場組合員の手で打ち破る闘いが、4・26尼崎現地闘争だ。

 第2次国鉄決戦の爆発でJR体制うち倒そう

 尼崎事故が示しているのは、国鉄分割・民営化が完全に破産したという現実だ。特に、00年以降、一挙に推し進められた外注化を軸とする大合理化は、安全破壊を極限的に促進した。
 それによる矛盾は、青年労働者に最も激しくのしかかっている。ひとたび事故が起これば、その犠牲となり、責任をとらされるのは青年だ。尼崎事故の運転士も、伯備線事故の責任を取らされ有罪判決を受けた労働者も、羽越線事故時の運転士・車掌も、平成採の青年労働者だった。
 「ライフサイクル深度化」もそうだ。JR東日本は、運転取り扱い資格を持つ駅員の養成を怠ってきたつけを、平成採の運転士を駅にたらい回しにすることでのりきろうとしている。また、営業部門に導入された契約社員は低賃金でこき使われ、しかも「正社員採用の試験を受けるためには現場長の推薦が必要だ」と脅されて分断と競争を強いられている。将来展望を持てずに青年労働者が1、2年で職場を去っても、代わりの労働者を低賃金で雇えばいいというのが、JRの一貫した政策だ。
 こんなやり方がJRをまともに鉄道運行できない状態にしてきたにもかかわらず、JRはそこにますますめり込む以外にない。だが、こんなことがいつまでも続けられるわけがない。JR総連の分裂は、青年労働者の怒りを抑え込んできた最後の留め金を外した。至る所で青年労働者の怒りはくすぶり、火を噴き始めている。
 国鉄分割・民営化から21年、その矛盾は青年労働者にのしかかっている。4大産別決戦の基軸に位置する第2次国鉄決戦の主役に青年労働者が躍り出た時、国鉄分割・民営化に労働者の側から真の決着をつけることができる。「ライフサイクル深度化」もそのように闘えば粉砕できる。
 JR職場からの青年の反乱は、もはや破産した新自由主義にしがみつくしかない最末期帝国主義を打ち倒し、プロレタリア世界革命を押し開く労働者階級の闘いを最先頭で牽引(けんいん)するものとなる。
(写真 動労千葉が主催した2・17労働者集会後、「解雇撤回」「春闘勝利」を掲げ力強くデモ【水道橋】)

 動労千葉と共に職場から闘おう

 尼崎事故から3年をへた今も、安全を破壊するJRの経営姿勢は何ひとつ変わらない。JR西日本は4月1日、「安全基本計画」なるものを打ち出した。JR西日本はそこで、「指差・喚呼の徹底」をあらためて強調し、現場労働者に事故責任を転嫁する姿勢をむき出しにしている。
 安全は闘いによって資本に強制する以外にない。「安全は労使共通の課題」などと言って「労使安全会議」に参画することが安全確保につながるなどというのはまったくの幻想だ。利潤追求に走る資本は、常に安全を犠牲にして合理化・効率化に突き進む。安全と資本の利益は相いれない。
 動労千葉は、反合・運転保安闘争路線のもとに、現場労働者への事故責任の転嫁を絶対に許さない闘いを貫いてきた。安全問題こそJR資本の弱点であることを見抜き、階級的団結を固めてJRと立ち向かってきた。尼崎事故直後の05年5月から危険個所では減速するという安全運転闘争に立ち、翌年の06春闘でも同様の闘いを貫いて、破断が続発する危険なレールを130`にわたって取り替えさせた。こうした闘いを貫いてきたからこそ、動労千葉は「国鉄分割・民営化攻撃との攻防に勝利した」という勝利宣言を発することができたのだ。

 権力と資本に屈服した4者・4団体路線打破を

 国鉄分割・民営化の破産が明らかになればなるほど、支配階級は「国鉄改革は正しかった」と居直り続けるほかにない。
 3月13日に出された鉄道運輸機構訴訟の東京地裁反動判決は、このことをはっきりと示した。判決は、90年4月の国鉄清算事業団による解雇を有効とし、JR採用を拒まれたことによって奪われた賃金相当額の賠償請求は、時効を口実にそのすべてを切り捨てた。
 05年9月15日の鉄建公団訴訟判決や今年1月23日の全動労訴訟判決とは異なる全面棄却判決を下すことで、国家権力は1047名闘争を「ゼロ回答」でたたき伏せるという反動的意志をむき出しにしたのだ。
 そこにあるのは、1047名の団結をことごとく破壊し、それをもってJRの現場労働者の闘いの一切を封じ込めるという敵階級の意志だ。これに対して、被解雇者と現場の労働者が団結を固めて立ち向かえば、敵の攻撃は必ず破産する。
 にもかかわらず、相も変わらぬ「政治解決」「裁判所和解」を追い求めて自ら団結を解体しているのが、動労千葉を排除し、解雇撤回を投げ捨てた4者・4団体にほかならない。
 それは、1047名を塗炭の苦しみに投げ込むばかりか、破産を深めるJRに力を与え、青年労働者をJRのえじきに差し出す裏切りだ。事実、国労本部は3月27日、JR貨物と和解し、7件の紛争案件を取り下げた。しかも国労本部は、その際、JR貨物が打ち出した「ニューストリーム2011」合理化への全面協力を誓っている。
 JR東日本も、こうした屈服を突いて「グループ経営ビジョン2020−挑む−」と題した新経営戦略を打ち出し、「競争に勝てる優位性確保」「コストダウンの徹底」を叫んでいる。4者・4団体路線は、こうした攻撃を後押しするものだ。
(写真 動労千葉の春闘ストの先頭に平成採の青年労働者が立った。平成採こそ第2次国鉄決戦の主人公だ)

 5・27弾圧被告が先頭に立つ闘い

  4・26尼崎現地闘争は、国労本部の国家権力・JR資本への屈服を突き破り、国労を階級的労働組合として立て直す闘いでもある。尼崎闘争の先頭に立っているのは、国労5・27臨大闘争弾圧の被告たちだ。彼らは、裁判闘争を階級的原則に立脚した闘いとするための新たな挑戦に踏み出す一方、尼崎事故弾劾を軸とする職場闘争の最先頭に立っている。
 この尼崎闘争に、動労千葉が合流する。ここから、新自由主義を打ち破る第2次国鉄決戦の突破口が開かれる。帝国主義は、今や世界恐慌とドル暴落の危機の中でのたうち回っている。労働者の階級的団結と、職場から資本と非和解的に対決する階級的労働運動の実践こそが、この帝国主義を打ち倒す。尼崎事故弾劾の闘いは分割・民営化粉砕の最も激しい攻防点に位置する。青年を先頭に尼崎現地に全国から結集しよう。
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 尼崎事故

 2005年4月25日午前9時18分頃、JR福知山線の塚口駅〜尼崎駅間で上り快速電車が脱線・転覆し、死者107人、負傷者562人を出すJR史上最悪の事故となった。戦後の鉄道史においても八高線事故(死者184人、1947年)、三河島事故(同160人、62年)、鶴見事故(同161人、63年)などと並ぶ惨事である。
 事故は半径304bの右カーブで発生した。脱線した電車は線路脇の9階建てマンションに激突し、先頭車両は1階駐車場部分に潜り込み、2両目は「く」の字型に折れ曲がった状態で原形をとどめないまでに大破した。
 事故現場は96年12月、福知山線と東西線(京橋駅〜尼崎駅、97年3月8日開業)を連結させるために、半径600bの緩いカーブから半径304bの急カーブに造り変えられていた。(右図参照)
 事故直後から、動労千葉や国労5・27臨大闘争弾圧被告を先頭とする現場労働者は「事故の全責任はJR資本にある!」「極限的なスピードアップと超過密ダイヤこそ原因だ」「魔の急カーブのレールを引きはがし、安全な線路に造り直せ」と声を上げ、反合理化・安全闘争に決起してきた。
 しかしJR西日本資本は、責任を運転士や車掌に押しつけ、「日勤教育は必要」「事故は予見できなかった」などと会社の責任を否定し、完全に居直り続けている。

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週刊『前進』(2339号2面2)(2008/04/14 )

新刊紹介 『ソリダリティ4号』で青年組織しよう

 全人格かけて職場で勝負

 マル青労同1年間の実践の迫力

 青年労働者が革命に賭けて闘う時代が来た。前号の第3号からの1年間の実践をとおして、そして帝国主義の崩壊的危機を前にして私たちは次のように断言できる。「団結した労働者は資本主義を打倒して、社会の主人公となれる。労働運動の力で革命をやろう」――この言葉とともに『ソリダリティ4号』を全国の青年労働者に届けたい。
 世界中で労働者の闘いが高揚している。全駐労や北教組など日本でもストライキが復権しつつある。権力の弾圧も凶暴化しているが、それは5倍、10倍の労働者の決起を引き出す団結の糧でしかない。
 新自由主義は、私たちの社会を根底から破壊している。医、食、住、教育……資本家階級は延命のために社会の土台・根幹をも食い物にし、揚げ句の果てに完全に破綻(はたん)した。資本主義は、新自由主義に代わるものなど何ひとつ提示できない。
 新自由主義は、あらゆる社会的紐帯(ちゅうたい)・連帯を徹底的に破壊し、むき出しの現金勘定(市場原理)に置き換えた。貧しい労働者を餌食にして破綻したサブプライム問題。次は石油や穀物で暴利。資本主義に存在意義はない。団結した労働者に置き換える必要がある。
 資本主義社会では労働者はバラバラであり無力だ。生産手段を独占する資本家は、金の力で労働者を商品とし支配する。だが労働者は資本と非和解で闘い、団結と誇りを取り戻す。労働者の社会的力をひとつに結集するのが労働組合の歴史的使命だ。
     *
 すべての読者、闘う労働者のみなさんに、ぜひ『ソリダリティ4号』を青年組織化の最強の武器として使い切ってほしい。第1部は、マル青労同第4回大会の報告・決定集。大会基調や討論を収録している。第3回大会で打ち出したスローガン「労働運動の力で革命をやろう」の1年間の実践とその総括をめぐり、鋭く、厳しい論議が掲載されている。「革命情勢は切り開くもの」「波風を立てるために不起立をする」「革命は労働者が職場支配権を握ること」「自己解放的に自分の壁を取っ払う」「階級社会をぶっ壊すことにかけた」――労働者革命家として全人格をかけて職場で勝負してきた迫力が紙面をつうじて伝わる。
 第2部は、同盟員が執筆した産別論文や『俺たちは鉄路に生きる3』の感想文など。
 黒部同志の「不起立の拡大で職場支配権を取り戻そう」は、英米における新自由主義教育改革を詳細に研究。英米でも教育が市場原理に委ねられ、軍事化が進んでいることを明らかにしている。だが、一連の攻撃がもたらしたものは現場教育労働者の怒りと闘いだ。根津公子さんの闘いが、世界の教育労働者の感動と連帯を生み出すには理由があったのだ。
 柳原同志の「動労千葉型で自治体労働運動を」。民営化・道州制・公務員制度改革攻撃は、自治体労働者の2人に1人を職場から追放する200万人リストラ攻撃だと指摘する。国鉄分割・民営化攻撃に勝利した動労千葉のように闘おうと提起し、戦後革命期に10日間の業務管理闘争を闘った都労連の闘いの歴史を復権している。
 青野同志の「合同労組は革命の入り口」は、職場で闘う組合をと訴える。それぞれの職場でストライキをできる組合をつくり、産別を越えて、ほかの職場の組合とつながる地区労の大切さを強調。
 第3部の学習講座では、日本経団連が打ち出した「生産性の伸び率1・5倍」論を徹底批判。返す刀で経団連と同じ主張をする連合(体制内労働運動)を一刀両断している。「レーニン『帝国主義論』を学ぶ」は、レーニンの問題意識がマルクス『共産党宣言』の復権にあったと展開。『帝国主義論』を革命の書として再生させることに成功した意欲作だ。
 (K)

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週刊『前進』(2339号3面1)(2008/04/14 )

 人員削減と団結破壊を狙う大攻撃

 5月中郵廃局・銀座移転阻止へ

 東京中央郵便局の廃局が5月7日にも強行されようとしている。職場では青年労働者を先頭に、「中郵の廃局=銀座移転・統合絶対反対」の闘いが進み、新たな闘う団結が拡大している。この闘いは、全逓労働者がつぶされるか、それとも新たな階級的指導部として登場できるかの決戦だ。郵政民営化絶対反対を貫き、超勤拒否・ストライキで闘おう。革共同東京中部地区委員会は、闘う全逓労働者とともに全力で決起する。

 青年先頭に絶対反対貫き闘おう

 銀座移転・統合は、中郵の廃局攻撃である。人員削減を進めるための大合理化攻撃であり、職場の団結をズタズタにする攻撃だ。絶対に認めることはできない。
 今、中郵では「もう疲れた。銀座に行ってまでこき使われたくない」と職場を去る労働者も出ている。欠員による多忙化でイライラが募り、労働者同士でののしり合う状況も生まれている。本来は当局にたたきつけるべき怒りが、労働者同士に向かっている。体制内指導部のもとで職場の団結が奪われている。絶対に許せない。
 当局と体制内指導部は昨年9〜12月を超勤拒否で闘った全逓労働者の団結を恐怖し、中郵廃局をとおして分断し解体しようとしているのだ。だが、全逓労働者が格闘しながらつくり上げてきた団結は、そんなもので破壊されるものではない。「闘う俺たちが全逓だ」と青年労働者を先頭に階級的指導部として登場している。ここにこそ郵政民営化粉砕の展望と核心がある。
(写真 1978年の反マル生闘争【東京中郵前】。「郵便物が目に見えてたまり、職場を支配しているのはわれわれ全逓だと皆が実感した」【『全逓東京中郵史』より】)

 民営化粉砕のチャンス到来

 中郵の廃局・銀座移転攻撃は郵政民営化攻撃そのものだ。民営化攻撃の破綻(はたん)点を徹底的に突き、勝利の展望をこじ開けよう。
 1987年に強行された国鉄分割・民営化攻撃は、戦後最大の労働運動解体攻撃であった。中曽根が「(国鉄分割・民営化で)総評を解体し、新憲法を安置する」と公言したように、それは労働組合を解体し、戦争国家体制をつくり、労働者階級を再び戦争に動員しようという攻撃だった。しかし、この攻撃は、動労千葉を先頭とする国鉄労働者の闘いと「1047名闘争」という日本労働者階級の共同闘争によって、破産状態にたたきこまれた。とりわけ、安全問題、要員問題、労務支配問題ですさまじい危機を爆発させている。そしてそれは、郵政民営化でもまったく同じだ。
 郵政民営化の絶対的破綻点こそ要員(欠員)問題だ。1万5千人の欠員で出発した郵政民営化は、さらに今後4年半で2万4千人を削減しようとしている。極限的な合理化なしには資本として成り立たないのだ。
 だが中郵の現実が示していることは、そもそも民営化会社として成り立っていないということだ。職場の労働者が一斉に超勤拒否に立ち上がれば、たちどころに会社は破産してしまう。連合JP労組執行部が、当局と一体となって「会社をつぶす気か」と闘いを抑圧していることで、かろうじて成り立っているにすぎない。資本に身も心も売り渡した体制内執行部を打倒して、超勤拒否の実力闘争に決起しよう。動労千葉のように、郵政民営化攻撃の最大の破綻点を突きまくろう。
 見よ。労働者階級は続々と決起している。米軍基地で働く全駐労は、全国一斉のストライキ闘争に立ち上がった。北教組は、1万5千人が24年ぶりの1時間ストライキに決起し、処分と闘っている。春闘では動労千葉の24時間ストが闘いぬかれ、さらに私鉄バス6組合を始め、全国の職場でストライキが闘われている。そして「君が代」不起立で闘いぬく教育労働者・根津公子さんは、不起立を貫いて解雇攻撃を打ち破った。労働者階級の大反撃が始まっているのだ。
 郵政職場には巨大な怒りが渦巻いている。とりわけ欠員による過酷な労働強化に対し、現場労働者の怒りは爆発寸前だ。全逓労働者は必ず決起する。中郵廃局・銀座移転阻止の闘いは、労働者の怒りに火をつけ、郵政民営化粉砕の全国的決起を必ず爆発させる。

 体制内派打倒し闘う指導部を

 中郵の廃局・銀座移転の攻撃は、大都市部での大合理化攻撃の始まりだ。集配拠点の再編では、地方の集配特定局1500局が閉鎖され、大量の労働者が削減されている。この郵便局の統廃合・大合理化を大都市部で進めようという攻撃の第1段が、今回の東京中郵廃局攻撃だ(当局の計画では、今年5月に大阪中郵も廃局となる)。
 一昨年から埼玉で導入された「地域ネットワークの再編」では、県内の郵便局をいくつかのグループに分け、各グループ内の一つの局を集中処理局とし、他局を配達専門局とした。その結果、人員が大量に減らされ、風邪をひいても病休すら取れない状態になっている。民営化とは、徹底した人員削減攻撃だ。
 この人員削減攻撃の矛盾と破綻が極限的に爆発しているのが、現在の中郵職場だ。大量の欠員は、慢性的な超勤や昼休みも取れない極限的な労働強化を生んでいる。定年退職の前日に深夜まで超勤させられている。「このままでは、業務は回らない」――これが全労働者の実感だ。ところが当局は、自らの責任を棚上げして、「会社がつぶれてもいいのか」と、労働者に超勤やサービス残業を強要している。
 事態ははっきりしている。当局は業務破綻まで行き着こうが、当局や体制内派に従う職員をつくれればそれでいいと考えているのだ。中郵廃局絶対反対派の反撃を許さず、団結を解体できれば勝利だと考えているのだ。これこそ民営化攻撃の真の狙いなのである。
 この4月、中郵の労働者が団結して超勤拒否闘争に立ち上がれば、業務は間違いなくパンクする。われわれは超勤拒否の実力闘争によって、欠員の穴埋めをやらない当局に一切の責任があることを徹底的に突きつけてやろうではないか。この闘いで労働者の誇りと団結を取り戻すのだ。
(写真 民営化強行を前に昨年9月28日、「絶対反対」で闘う全逓労働者【東京】)

 超勤拒否闘い団結取り戻せ

 そして連合JP労組執行部を今こそ打倒しよう。JP労組中郵支部執行部は、当局による課長代理・総務主任の自局任用や優遇的労務政策によって買収され、この攻撃に完全に沈黙している。そればかりか彼らは資本の救済者として労働者の団結破壊、闘争破壊に血道をあげているのだ。
 今問題となっていることは、合理化することなくして生きられない資本主義を否定することであり、まさに革命の問題である。体制内派は革命の現実性の前に屈服し、資本に忠誠を誓って労働者の敵対者として立ち現れている。だが、現場の労働者が待ち望んでいる方針は超勤拒否であり、革命なのだ。
 超勤拒否は、実質ストライキ闘争である。欠員で代替要員がない中での超勤拒否はすさまじい闘いである。だが、この闘いに意を決して踏み込んだ仲間が新たな階級的指導部となれるのだ。革命家となるのだ。青年労働者先頭に、中郵の闘う仲間はいま本気の団結をつくっている。体制内派を打倒し、組合権力を革命的に打ち立てよう。職場の仲間が全員、超勤拒否闘争に立ち上がれば、当局の5月移転計画は、完全に破産する。確信をもって闘おう。
 革共同東京中部地区委員会は、職場実力闘争を闘いぬく中郵の全逓労働者と団結し、中郵廃局・銀座移転攻撃と死力を振り絞って闘い抜く。
 〔革共同東京中部地区委員会〕

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週刊『前進』(2339号3面2)(2008/04/14 )

 道州制 政財界が2015〜2018年導入を提唱

 既成事実化許さず粉砕へ

 この3月、「道州制」に向けての「提言」が各界から出された。
 @3月13日、自民の道州制推進本部(本部長・谷垣禎一政調会長)が「道州制のあり方に関する第3次中間報告の『たたき台』」を示した。全国に10程度の道州を置き、市町村合併をさらに進めて700〜1千の基礎自治体に再編し、2016年〜2017年に道州制を導入する。
 A3月18日、日本経団連(御手洗冨士夫会長)が「道州制の導入に向けた第2次提言―中間とりまとめ―」を発表した。
2010年度までに地方で働く国家公務員を21万6千人から12万1千人にし、2010年に道州制基本法を制定、2015年に道州制を導入する。
 B3月24日、増田寛也道州制担当相の私的懇談会「道州制ビジョン懇談会」(座長=江口克彦PHP総合研究所社長)が「中間報告」をまとめた。「地域主権型道州制」と称し、2011年に道州制基本法を制定、2018年まで道州制に移行することを目指す。 中央に加えて都道府県も道州制導入への動きを強めている。C3月27日、大阪府など13の府県・政令指定都市と経済団体でつくる「関西広域機構」が関西の府県で地方自治法に基づく広域連合を結成することを7月に基本合意すると決めた。
 D民主党は「行政刷新会議」を設立し、全国を300の基礎自治体に再編し、権限を移譲するというマニフェストを昨夏の参院選で示している。
 これらの道州制論に共通していることは、都道府県を廃止してブロック単位の新たな広域自治体である道州に代えることであり、国を「スリム化」し、権限・財源を国から道州へ、都道府県から基礎自治体へと移譲させることだ。国家公務員の地方移管で、国に残る公務員は大幅に減らされる。玉突きで地方公務員も減らされ、総計で200万人が首を切られ、ワーキングプア化する。
 ブルジョアジーは、道州制は明治以来の国家の統治構造(中央集権制。国、都道府県、市町村の3層構造)の大転換、「究極の構造改革」(日本経団連、江口克彦、堺屋太一ら)だと言う。道州制には改憲が伴う。

 中央権力強め戦争国家狙う

 なぜこのように政府・与野党・財界がそろって盛んに道州制を論議し提言をするのか。それは今日、帝国主義間争闘戦と侵略戦争の激化、世界金融大恐慌の始まり、世界戦争の危機のなかで、日本帝国主義は戦争国家体制を構築し、本格的に侵略戦争を遂行しなければ延命できないからだ。
 帝国主義の盟主・米帝は歴史的没落を深め、帝国主義間争闘戦に訴え、他の帝国主義を蹴落としてでも自らを延命させようと行動している。しかしイラク侵略戦争が泥沼化し、金融大恐慌が始まり、世界戦争に転化しようとしている。世界の労働者階級が闘いに決起する革命情勢だ。
 このなかで日帝が生き残るためには中央集権的な戦争国家、強力な治安国家に移行する必要がある。そのための道州制導入なのだ。道州制導入で国は、地方や労働者人民の生活など顧みず、戦争と外交に特化する。強力な中央国家権力が国力・国民を戦争に総動員する。道州制は、戦後的な地方自治や民主主義の否定であり、「地方分権」「地域主権」などまやかしだ。

 「国民の理解」獲得へ躍起に

 自民党、政府、大資本はばら色イメージで道州制を描き、導入スケジュールを立てて宣伝している。「世論」が高まらず「国民の理解」が得られていないからだ。道州制とは「国そのものの民営化」「日本株式会社」だと江口克彦は言う。その民営化・規制緩和が首切りと労組破壊、格差と貧困の拡大、「地方の崩壊」しかもたらさないことを労働者人民はいやというほど知っている。
 道州制導入は既成事実ではない。福田政権は統治能力を失い、政策貫徹力を持たない。江口は道州制の成否について「リーダーシップを発揮できる首相が出てくるかどうかだ」と言った。福田政権では攻撃が進まないということだ。
 現に支配階級は動揺と分裂を来している。道州制を射程に入れた地方分権改革に政府省庁は「ゼロ回答」を示した。政府省庁の市場化テスト導入実績は12事業にとどまる。また道州制の前提をなす市町村合併も、第1幕(1999年4月〜2007年3月)では3000以上あった自治体を約1800へ大幅に減らしたが、第2幕(2007年4月〜2010年3月)は停滞気味だ。合併で住民サービスが低下し、行政の無駄もなくならないという印象を住民は持った。合併への財政優遇措置も減った。
 道州制導入で200万人の首を切られる公務員が黙ってやられているはずがない。自治体労働者、公務員労働者が既成事実化を許さず、「絶対反対」を貫き、団結を固めて職場から闘いに決起するならば、道州制は粉砕できる。政府・財界、民主党と協議し「地方分権」の名で道州制を押しつける体制内労働運動指導部を打倒しよう。戦争と総動員体制のための道州制を自治体労働者の団結の力で阻止しよう。

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週刊『前進』(2339号3面3)(2008/04/14 )

焦点 米経済に続き金融恐慌不可避

 欧州で信用収縮が深刻化

 米経済はすでに金融恐慌に突入し、ドル暴落も始まった。その一方で、欧州金融市場も信用収縮を深め、欧州金融危機が世界金融大恐慌を加速しようとしている。
 欧州の金融機関は、米住宅ローン担保証券など米証券化商品を大量に購入してきた。06年だけで約28・6兆円もの米証券化商品を買っている。そもそも米民間の住宅ローン担保証券の海外保有分のうち3割がユーロ圏、英を含めると欧州勢が半分近くを占める(06年6月)。例えばスイス最大手で預かり資産が世界最大のUBSは米国内拠点でサブプライムローンを扱っており、サブプライム関連などの損失も約370億jと米シティグループやメリルリンチをかなり上回る。英銀最大手HSBCも米サブプライムローン会社を買収し投資にのめりこんでいた。
 こうした中で、米住宅ローン担保証券の信用崩壊が始まった昨夏、欧州市場でも信用収縮に陥った。8月にドイツのIKB産業銀行がサブプライムローンで巨額損失を出し、フランス最大手でユーロ圏2位のBNPパリバ銀行が、サブプライム関連の投資をしてきた傘下のファンドを凍結。9月には英ノーザン・ロック銀行で100年ぶりの取り付けが起きた。
 さらに昨年11月半ばから年末にかけ資金調達がますます困難になり、今年3月には銀行間の資金の目詰まりがさらに進んだ。このため欧州中央銀行(ECB)は昨年12月の越年対応の大量資金供給に続き、この3月までで欧州短期金融市場に1500億ユーロ (約23兆6000億円)の資金投入枠を決め、金融危機の抑え込みに躍起となっている。また、各国中央銀行による金融機関の救済措置も発動され、英中銀はノーザン・ロックに半年間で約5兆円を融資し、最終的に2月に国有化した。今回の米住宅バブル崩壊の過程での国有化は、世界でも初めてだ。
 しかし、金融機関がいくら損失処理しても、証券化商品の値下がりで新しい損失が次々に生まれている。しかも、すでに昨秋から銀行の貸し渋りが始まっている。大手金融機関が資金調達難でいつ経営破綻してもおかしくない。米金融恐慌に続いて欧州金融恐慌も不可避な情勢なのだ。
 もう一つ重大なのは、欧州自体の住宅バブルの崩壊が欧州金融危機を促進していくことだ。この10年間の住宅価格の上昇率は英国で3・1倍、スペインで2・9倍と米国の約2倍を上回る。フランス、アイルランドも同様だ。しかし、これらの諸国で昨年末から住宅価格が下がり始めた。これが欧州金融機関の損失を一段と膨らませ、欧州金融市場の信用収縮に拍車をかけるのは必至である。
 さらに、欧州金融危機の深まりはドル暴落を促進する。巨額の米経常赤字の補てんは、欧州などの金融機関が米住宅ローン証券化商品を買うことで成り立っていた。欧州金融危機が深まると、こうした資金還流は途絶していき、ますますドル暴落が加速するのだ。
 こうして世界金融大恐慌の過程が始まった中で、今や全世界で革命情勢が成熟してきている。6〜7月サミット決戦の爆発をもって帝国主義打倒へ闘う時である。

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週刊『前進』(2339号3面4)(2008/04/14 )

焦点 統治能力喪失した日帝・福田

 政治危機と「3つの空白」

 福田政権は完全に破産している。日帝は未曽有の政治危機を深めている。政府の支持率は30%を切り、労働者階級人民が誰も支持していないだけでなく、ブルジョア政治委員会としての統治能力を完全に喪失している。連合指導部を取り込んだもう一つのブルジョア政党である小沢・民主党が参院で多数を制して、そもそも支配階級自身が分裂してしまっている。
 福田政権の危機と統治能力の喪失を象徴する事態が「三つの空白」だ。第一は、日本銀行総裁ポストの空席、第二はガソリン税・暫定税率の3月末期限切れ、第三は在日米軍への「思いやり予算」の空白=3月末期限切れだ。
 日銀総裁ポストは、4月9日に白川副総裁を衆参両院の承認で総裁に昇格させ、かろうじて「空白」を脱したが、政府・自民党が新たに提案した財務省出身の副総裁候補は、参院で否決されている。日銀総裁の空席は戦後初の事態であり、世界金融大恐慌という大嵐のただ中で、日本の中央銀行の総裁が短期間だが空席となったことは、日帝の政治的体制的な危機をまさに象徴している事態だ。
 ガソリン税の暫定税率も、参院の反対で期限切れ・廃止となり、4月1日から全国でガソリン価格が20円以上さがるという情勢に入っている。だが福田が道路特定財源の一般財源化を提唱する一方で、自民党は衆院での再議決を狙い暫定税率も復活させようとしている。今さら何をか言わん。「ふざけるな!」ということである。
 ガソリン税は本則税率(本来の税率)の約2倍の暫定税率が適用されてきたが、今後も10年で59兆円(国交省が出した道路整備中期計画)に及ぶ道路予算を、自民党、高級官僚、建設・道路業界などが食い物にしようというのだ。
 ロシア革命後の1918年の米騒動が示すように、そもそも労働者にとって、物価上昇は生活にかかわる深刻で根本的な問題だ。空前の原油高によって、寒い冬の間、北海道や東北地方では高齢者が暖房に必要な灯油も買えなかった。4月から政府が製粉会社に売る輸入小麦価格も3割値上げされた。食料品とエネルギー関連の物価上昇、4月の一斉値上げで、労働者の生活が痛撃されている。
 労働者を食わせることも生きさせることもできない支配階級は去れ! 労働者や農民は実力で生きてやる! 権力を取ってやる! 革命をやろうということだ。
 日帝が在日米軍の駐留経費を負担する「思いやり予算」も3月末に期限が切れ、08年度分の1438億円が4月から空白状態だ。福田政権は条約・協定の衆院可決から30日での自然成立を待っているが、これも日米同盟という日帝の死活的領域で統治能力の危機をさらけ出した重大事態なのだ。
 さらには4月1日から始まった後期高齢者医療制度、不明年金問題、イージス艦事件、沖縄米軍少女暴行事件など、労働者階級人民の大衆的な怒りが爆発している。
 まさに日帝の政治危機は、同時に革命的情勢の成熟だ。階級的労働運動の発展とサミット決戦の爆発で、日帝・福田を打倒しよう。

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週刊『前進』(2339号4面1)(2008/04/14 )

 奴隷の鎖を引きちぎり革命やろう

 医療福祉労働者委員会の結成宣言

 「労働者はひとつ」「資本とは非和解」を貫き団結つくろう

 医療福祉産別で働く労働者は、職場・生産点である医療福祉現場での階級的労働運動の必死の実践をとおして、真に労働者の党を心の底から必要とし、ついに革共同に医療福祉労働者委員会を立ち上げるにいたりました!  革共同医療福祉労働者委員会は、“労働者はひとつ”“資本とは非和解”の「階級的団結」をつくり、この闘いの中で時代と場所をこえて培われ続けているマルクス主義の階級的英知を、全労働者の自己解放の武器としてうちきたえます!
(写真 イラク反戦5周年・全世界一斉デモの先頭に医療福祉労働者が立った【3月16日 渋谷】)

 「6人のように闘おう」と決起して弾圧に勝利

 私たちは、医療福祉労働者委員会を結成した力で、3・16へ一丸となって向かいました。階級的労働運動の前進に恐怖した国家権力は、3・9国際婦人デーのデモで2人、3・16全世界一斉デモでは4人の青年労働者を不当逮捕した! スクラムデモの団結が警察権力を震え上がらせ、東京・渋谷で青年労働者=労働組合運動指導部を1千名もの警察権力を動員して襲いかかって逮捕する、前代未聞の大弾圧を行ったのです! 渋谷は労働者の怒りで包まれ一時騒乱状況となり、マスコミには「過激派労働組合の登場」という文字が躍りました。
 上等だ! 「暴力と分断で私たちの団結が破壊できると思ったら大間違いだ。私を逮捕しなかったことを後悔させてやる!」――青年労働者の無数の怒りが職場で、街頭で爆発しました。弾圧は労働者革命家を一挙に、大量に生み出しました。
 「獄中の6人のように闘おう!」――固い団結の拡大が、やつらに恥多き敗北を強制しているのです! 弾圧への反撃が労働者自己解放の力を一挙に解き放ち、無限の可能性を持つ階級的団結を生み出したのです。
 6人の青年の奪還は、3・16闘争の偉大な勝利を完全なものにしました。今回の弾圧は何よりも、「『労働者はひとつだ』とストをうって闘う動労千葉労働運動だけが世界革命の展望を開く。私は革命がしたい! 私たちに権力を寄こせ!」という、医療労働者の基調提起に対する扇動罪です。絶対に許すことはできない!
 しかし弾圧は、1ミリの揺らぎもなく団結にかけきる闘いをもって、革命情勢を一挙に引き寄せました。逮捕された仲間の奪還を目的化した途端に、私たちの路線は腐っていたでしょう。弾圧との闘いの総括軸は、地区党、細胞の団結の強化・拡大と、職場闘争の階級性の純化です。この勝利こそ、革命に向かう勝利です。この地平こそが医療福祉労働者委員会結成の切り開いた地平です。

 「聖職者」論と対決して階級的団結を奪い返す

 私たち医療福祉労働者は、資本主義社会であくどく搾取されて資本家を肥え太らすための労働を強いられている賃金奴隷にほかなりません。だからこそ、資本主義社会への根源的怒りを持ち、階級的に団結する革命的存在なのです。
 これまで医療福祉現場では、私たち医療福祉労働者が賃金奴隷であり資本と非和解の関係なのだということを押し隠すための考え方が、多かれ少なかれ当たり前のように労働者を支配してきました。
 しかし、この考え方で労働者をしばり続けてきたのは、もっぱら資本家と体制内労働運動です。体制内労働運動やプチブル的民主化運動、人権運動に労働者をからめとる運動は、医療福祉労働を“患者の命と人権を守る” “弱者を救う”「聖職」「特別な任務」と言ってきました。医療福祉労働者が「労働力商品」である事実を覆い隠し、団結して賃金奴隷の鎖を引きちぎる闘いから意識的に逃亡する言い訳にし、「ストは患者の人権を侵害する」といううそで労働者の階級的決起を抑え付けてきたのです。そのうそをごまかすために要求実現(モノ)の積み重ねの先によりよい資本主義が待っているかのような幻想を振りまいてきました。
 医療福祉現場で階級的労働運動を実践する時、このようなさまざまな考え方と折り合いをつけずに格闘しなければなりません。それこそが真にわれわれを階級的に育て、体制内労働運動を食い破り、職場支配権をうち立てる階級的団結をつくる闘いであり、自らが執行部になっていく闘いそのものです。
 私たちにも、自分一人では気づくことができないような体制内的考え方や、階級的団結なしでは引きちぎることができない、資本主義にしばり付ける鎖が巻きついています。だから闘いの中で当然悩みますし、仲間の力が必ず必要になります。
 悩んでよし! 仲間を求めてよし! だからこそ私たち革共同医療福祉労働者委員会の階級的団結が必要なのです!

 「社会保障拡充運動」は労働者の闘う道でない

 医療労働運動は、これまで共産党・全労連―医労連など既成指導部のもとにありました。彼らの「民主主義」や「日本国憲法」を守れという運動は、階級的団結をつくらせないために、資本主義が階級社会であることを隠します。建前としてもうけた「民主主義」「日本国憲法」をあがめているに過ぎないのです。
 憲法に基づく基本的人権の保障、社会保障制度と私たちの労働を見るなら、それは私たちを資本主義につなぎとめる最後の鎖となることをはっきりさせなければなりません。
 戦後、労働者の闘いが世界革命に発展することに恐怖した支配者階級は、労働者階級に対する最大の譲歩として憲法を制定しました。この憲法で「人類普遍の原理」とあがめている人権は本質的には「個」の権利であり、「基本的人権」として侵してはならないとしているのは私有財産の「所有権」です。団結権をうたいながら徹底して個の財産を侵してはならないと聖域を設けているのです。
 しかし、私有財産(資本)を侵さない範囲で抑止する団結は、階級的団結ではありません。私有財産を侵すまでに拡大する団結で私たちが手に入れるのは、「人類普遍の原理」などとあたかも“ある”かのように信じ込む人権ではなく、一人ひとりの幸せや発展のための、生きる行為としての本来の「労働」なのです。
 このように見る時、社会保障制度は、その担い手である医療福祉労働者が階級的に、私有財産を侵すまで闘わない限り、資本主義社会の体制維持装置でしかありません。私たち労働者が革命を実現して人間が生きる行為としての本来の労働を取り戻さない限り、「よりよい医療福祉」などあるわけがないのです。
 しかし「社会保障制度の拡充要求」でモノが取れていた時代には、「よりよい資本主義の追求に展望があるのではないか」という幻想を簡単には打ち破れない現実がありました。
 しかし今、資本主義こそがその社会保障制度をぶっ壊しているのです。それが新自由主義政策です。新自由主義下の社会保障制度は、「命は平等」などの人間面した建前を自らたたき壊しています。安全の崩壊、要員不足、医療福祉労働者のワーキングプア化。労働基準法を順守するだけで現場が回らなくなる現状。地方自治体の病院は軒並み病棟閉鎖や経営破綻(はたん)で医療労働者の職場を奪い、医療過疎地域は拡大しています。そして患者を捨てに行かされる病院労働者……。幻想は崩壊しました。
 この期に及んで体制内労働運動は、沈みゆく帝国主義体制下の経営にしがみつき、労働者救済のモノ取り主義運動から、モノも取れない今、自分(の手が握りしめたモノ)を守る衝動に駆られて、労働者そのものを所有・支配する自衛的プチブル運動に転落したのです。資本家の社会保障制度解体攻撃を貫徹させているのです!

 資本家と体制内幹部を串刺しにする職場闘争

 私たちが「改憲阻止」という時、それはけっして社民党や共産党のように憲法をあがめ、憲法にすがる運動ではありません。資本家の新自由主義攻撃への階級的戦闘宣言なのです。
 実際、怒りを抱えて生きる労働者は、憲法崇拝運動など見向きもしません。帝国主義が最末期の危機を爆発させている現代、格差は爆発的に拡大しています。「希望は戦争」という青年労働者は、“(階級が)固定化して変わらない、働いても食べていけない現状を戦争で流動化して変えたい”と言っているのです。帝国主義下で生きていけない労働者、とりわけ青年労働者を戦争が組織するのか、革命が組織するのか。これが「戦争か革命か」の情勢です。
 私たちが街頭で、そして職場で徹底的に革命の立場から「改憲阻止!」を扇動したら、必ず労働者は元気に立ち上がります。それは徹底的に「革命する!」という答えを持って、職場で資本と非和解に、体制内労働運動と折り合いをつけずに闘って、はっきりします。
 体制内労働運動は、階級社会を隠蔽(いんぺい)します。ここが実は体制内左翼の弱点です。
 「そんなのうそだ、階級社会だ!」と見破る労働者の怒りを「不平等は民主主義の未熟さゆえ」というありもしない幻想に流し込むことができたのは、もう昔です。共産党や体制内労働組合指導部への労働者の怒りと絶望を、私たちが職場・生産点での体制内との激突をとおして、徹底的に階級的に組織しよう! 保身のために労働者を抑え付け、資本家の意志の貫徹を助ける体制内労働運動をぶっ飛ばそう。
 私たちが握りしめて離さないのは仲間の手、階級的団結です! この団結にかけきろう。私たちが闘いの中で困難にぶち当たった時にこそ、団結にかけきろう。「迷った時は左!」。迷った時にこそ自分の中にある「資本家に食わせてもらおう」という幻想をぶっ飛ばし、マルクス主義者として純化する時です。

 路線を実践に貫き団結強化

 医療福祉労働者委員会の結成は、まさに職場で路線を貫く激烈な創造的苦闘の過程でした。労働者の生存をも脅かす現場の安全崩壊に対して「患者の人権」を対置するのではなく、「事件・事故の一切の責任は資本にある!」と、賃労働と資本の対立からすべてをとらえ、事故問題を「要員問題」として、徹底的に労働者の団結の立場から闘いを組織することが問われました。血債主義や「聖職者」論と根底的に決別し、マルクス主義=階級的労働運動に一切をかけきることが現場で真に求められたのです。
 その中心にはマル青労同の決起がありました。動労千葉労働運動を主体化して闘うマル青労同が「労働運動の力で革命をやろう!」という鮮烈なスローガンを持って指導部として登場し、革共同の労働者同志が結びつく中で、2千万青年労働者、6千万労働者のプロレタリア革命への組織化を真にやり遂げるための産別委員会の結成がかちとられたのです。

 青年を先頭に地区党建設へ

 また、この産別委員会の結成は、同時に地区党の生き生きとした建設を推進しています。「党の革命」以降、全党の労働者同志が「関西の同志のようにあろう」と労働者党建設へのあふれ出る情熱を発揮しています。産別委員会の結成を経て、地区党の変革、階級の指導部を建設していく闘いが猛然と開始されています。ここでもマル青労同の同志の闘いが決定的な軸になっています。労働者指導部が真に地区党において屹立(きつりつ)することが、労働者細胞をつくり、情勢を切り開く鍵です。
 そしてこの労働者党建設は、地区の全労働者を対象とした、日常的な団結形態としての地区労建設を展望する団結へと高められています。資本との非和解の闘いが生み出す労働者の地区労的団結への熱望は、プロレタリア独裁勝利のための全国にわたる労働者の自主組織=ソビエト建設の闘いの先取りです。
 激動の革命情勢に対応する、全国に網の目のように張り巡らされた地区党を今こそ建設しよう!
 医療福祉労働者委員会の建設は、産別委員会の戦闘的な前進と地区党建設が一体で進んでいく、3全総以来の革共同の労働者党建設の道を文字どおり進んでいます。この道を断固進もう!
 今こそ私たちが階級の結集軸として登場し、労働者の階級的団結だけをよりどころにして賃金奴隷の鎖を引きちぎる、動労千葉労働運動にうって出よう。時代は私たちの登場を待っています!
強靱(きょうじん)なボルシェビキ魂(主流派意識=初めから全労働者は私たちの仲間だという信念)で団結の強化・拡大をつくり出そう。職場の階級的団結を、労働者階級VS資本家階級の、プロレタリア革命勝利へ向けた団結に拡大しよう!
 私たち医療福祉労働者の第2次国鉄決戦、サミット決戦、4大産別を軸とした階級決戦は、この当たり前の闘いを生き生きとやり抜くことです。そして今年の11月集会に胸を張って参加しようではありませんか! 労働者階級が世界史の主役になる闘いを、職場・生産点でやり抜こう!

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週刊『前進』(2339号4面2)(2008/04/14 )

 命を縮めろと言うのか

 後期高齢者医療制度許すな

 前首相・安倍晋三はその著書『美しい国へ』で「少子国家の未来」と題して「本来の寿命が来るまでに、病気で苦しんだり寝たきりになったりしている期間がある。この不健康な期間を短くし、平均寿命と健康寿命の落差を小さくすることができれば医療費や介護費用が大いに節約できる」とうそぶいている。まさにこの「命を人為的に縮める」政治が4月、福田内閣の後期高齢者医療制度の開始とともに始まっているのだ。
後期高齢者医療制度とはそれまで行われてきた国保や健康保険加入を前提とした世帯単位を含む医療制度(老人保健法)とはまったく異なる。75歳以上(65歳以上の一定の「障害者」も含む)を完全に分離し、要は「高齢者だけ独立採算でやってくれ」というとんでもない医療切り捨て策だ。 
これまで保険料無料だった被扶養者200万人が新たに徴収に組み込まれ、生活保護者を除き1300万人近い人が平均毎月6千円を取り立てられる。遺族年金や障害年金からは禁止されていたはずの保険料天引きも介護保険と同様に強行される。当面、被扶養者の2年間徴収軽減が行われるというが、保険料見直しでいくらでも値上げできる。国庫負担・支援金引き下げも可能で労働者家族への直撃は必至だ。
他方、医療内容はどうか。08年改定時に後期高齢者医療制度に対応して新診療報酬体系に変わった。75歳を境に「年齢で異なる診療報酬」という珍妙でおぞましい分断と抑圧の格差医療が登場したのだ。
(1)「後期高齢者診療料」(600点)。これは担当医制を伴った包括定額制の導入である。患者や医者の選択によって診療報酬の総額を決めた医療を選べるというが、実は定額制のもとで検査や診断等の「手抜き」を誘い、医療機関のもうけを導き出すための道具であることを弾劾しなければならない。
(2)「後期高齢者総合評価加算」(50点)「後期高齢者退院調整加算」(100点)。これは入院当初よりあらかじめ「退院後の生活を念頭に置いた医療を行う」ことを奨励し、報酬を出すのである。つまり病院からの追い出し攻撃そのものである。
(3)「後期高齢者にふさわしい医療」の柱に「終末期医療」を掲げて、「後期高齢者終末期相談支援料」(200点)を新設した。患者を「終末期」(まったくのインチキな造語である!)と見なして本人の同意を文書や動画で取りさえすれば「延命治療の中止等ができる」と強弁するものである。まさに「リビングウイル(生前の意思表示)」の強要であり、75歳以上の患者を「死に急がせる」ことで最末期の資本主義を防衛しようとしているのである。しかし死すべきは資本主義・帝国主義だ!
新自由主義攻撃のもとで世界的な医療・福祉の民営化が始まっている。労働者階級の分断に乗じ、スキあれば資本家だけが搾取し収奪し肥え太ろうとしている。しかし労働者階級は団結することで資本主義を終わらせることができる。後期高齢者医療制度を階級的労働運動の力で粉砕しよう。
(高野晶)
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後期高齢者医療制度のポイント

◆75歳以上は強制加入
75歳以上が全員強制加入。「障害者」や寝たきりの人、人工透析患者は65歳以上から。
◆保険料を年金から天引き
後期高齢者医療保険料を徴収。被扶養者(家族)からも保険料を徴収。月1万5000円以上の年金受給者は年金から天引き。介護保険料と合わせれば月1万円以上に。
◆医療費負担も増加
70〜74歳の患者負担(窓口負担)も1割から2割に、「現役並み所得者」は3割に。
◆「包括払い」で医療を制限
診療報酬の「包括払い」で高齢者の医療を制限。病院は検査や手当などをやればやるほど赤字。長期の治療が必要な慢性疾患患者は病院から追い出されることにつながる。「家で死ねっていうこと」「病院に連れてくるな」(厚労省発言)
◆保険料を払えない人から医療を奪う
滞納者からは保険証を取り上げて短期保険証・資格証明書を発行し、医療を奪う。

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週刊『前進』(2339号4面3)(2008/04/14 )

 日誌 2008年4月2日〜8日

 NATO、アフガンに長期関与/米軍司令官、「撤退中断」を提言 2008年4月2日〜8日

●「靖国」5月上映へ ドキュメンタリー映画「靖国」上映中止問題で、大阪市淀川区の映画館が5月に予定どおり上映することを決めた。作品の配給協力・宣伝会社の「アルゴ・ピクチャーズ」などは、今後、上映を予定している映画館が東京都内の1館を含む全国21館に達したことを明らかにした。(2日)
●嘉手納離着陸、最多1日204回 沖縄県嘉手納町の基地渉外課は、07年度の米空軍嘉手納基地の目視調査結果を発表した。3度実施した目視調査では1日で最多204回の離着陸回数を確認した。同基地所属のF15戦闘機を中心に外来の戦闘機も加わっての激しい訓練が同基地で実施されていることが浮き彫りになった。(2日)
●タクシー殺人で米兵逮捕 神奈川県横須賀市のタクシー運転手殺害事件で、県警は米海軍横須賀基地所属のナイジェリア国籍の1等水兵を強盗殺人の疑いで逮捕した。3月19日、同市内で、タクシー車内で運転手を包丁で突き刺し、タクシー料金1万9560円を支払わなかった疑い。(3日)
●NATO、アフガンに長期関与 北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議は、焦点のひとつだったアフガニスタンの増派問題について、アフガニスタンに長期的に関与していくことなどを盛り込んだ戦略計画を採択した。フランスのサルコジ大統領は、700人規模の部隊を東部に派遣することを発表し、ポーランドなども増派を表明した。また米国がこれまで独自にポーランド、チェコへの配備を計画してきた欧州ミサイル防衛(MD)システムを、NATOの集団的防衛の枠組みと統合させていく方針を決めた。(3日)
●脱走兵情報を通知 日米両政府は、米側が脱走兵と認定した米兵について今後、すべて日本側に通知することで合意した。脱走兵認定基準は陸海空軍と海兵隊の4軍で異なるが、脱走の意思が明確な場合や約30〜40日間所在が分からなくなった場合などに脱走兵と見なされる。(4日)
●基地に迫撃砲、米兵3人死亡 イラク政府施設や米大使館のある首都バグダッド中心部の米軍管理区域「グリーンゾーン」や、首都東部の米軍基地に対してロケット弾や迫撃砲による攻撃があり、米兵3人が死亡、少なくとも31人が負傷した。米軍の被害としては過去数カ月で最大規模とみられる。(6日)
●米軍司令官、撤退中断を提言 イラク駐留米軍の兵力水準について、現地最高責任者のペトレイアス司令官は、今年7月の時点でイラクからの撤退を一時停止するよう提言した。ブッシュ大統領は提言を受け入れる方向で、来年1月に発足する米国の次期政権が、少なくとも10万人以上のイラク駐留を引き継ぐことは、ほぼ確実になった。(8日)
●裁判員制度、来年5月21日施行へ 法務省は、来年から市民が刑事裁判に参加する裁判員制度の施行日を、裁判員法が成立した「5月21日」に決めた。施行日以降に起訴された重大事件が対象で、実際に裁判員裁判が開かれるのは「09年7月下旬〜8月上旬」になると見られている。(8日)
●沖縄の米軍基地で自衛隊研修32回 沖縄県内の米軍基地で行われている自衛隊の研修が07年度は32回を数え、対前年度比で14回増加したことが防衛省作成の資料で分かった。在沖米軍基地で行われている自衛隊の研修の全容が明らかになったのは初めてで、自衛隊が恒常的に米軍の技術を学んでいる実態が浮き彫りとなった。研修場所は、米軍キャンプ・ハンセンや嘉手納基地など、在日米軍再編で日米共同使用の対象とされた基地が大半を占めている。(8日)

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週刊『前進』(2339号5面1)(2008/04/14 )

 環境アセス調査の中止を!

 “海と陸の闘いで阻む”

 3・29 辺野古の浜で200人が集会

 3月29日夜、「環境アセス調査の中止を求める現地集会」(ヘリ基地反対協主催)が名護市辺野古の浜で開かれ、200人が参加した。
 沖縄防衛局は3月17日から普天間飛行場代替施設建設に伴う環境影響評価(アセスメント)を辺野古・大浦湾の海域で開始、初日はジュゴンの出現で中止になったが、18日からは違法な調査が行われている。
 辺野古の海を眼前にした小高い丘の宣伝カー前が演壇になった。小雨模様で強風の中、「命を守る会」のおじいやおばあも参加。ヘリ基地反対協、二見以北十区の会や高江のヘリパッド建設反対住民運動のノボリなどが海風にはためく。
 命を守る会書記の富田晋さんが「防衛局は土曜日も調査をしている。海の闘い、陸上での闘いでアセスを阻止しよう」と力強く呼びかけ、集会が始まった。
(写真 若手を中心とする弾圧対策弁護団の8人が全員発言。右端が命を守る会の富田晋さん【3月29日 名護市】)

 自衛隊と米軍の共同演習も

 ヘリ基地反対協の大西照夫代表委員は、海の行動から今あがってきたばかりと言い、慌ただしく着替えた様子で「防衛局が提出したアセス方法書に住民の意見は反映されていない。追加方法書には『ヘリは民家上空を飛ぶ』など、ジュゴン訴訟で明らかになった内容を後追いで書いている。違法な調査を中止させよう。われわれの闘いで国の計画を1年間分遅らせている。今後は海と陸の闘いになる。そして世論づくりで阻止しよう。毎週土曜には12人乗りの海上学習船を出す。サンゴや魚、海上行動も見ながら闘いを共有しよう」と発言した。
 11年間座り込みを続ける地元代表として嘉陽宗義さん=通称「嘉陽のおじい」が「われわれは必ず勝てる」と85歳を超えた体で杖(つえ)を片手に檄(げき)を飛ばす。おじいの家のそばには沖縄防衛局名護連絡所が新たに開設され、地元住民に圧力を加えているが、「それを跳ね飛ばして連日頑張っている」と司会が説明すると新たに大きな拍手が起こった。
 次に「9・29〜3・23の県民大会を中心で担ってきた燃える男」との司会の紹介で沖縄平和運動センター事務局長の山城博治さんが「アセスが開始された日は、キャンプハンセンで自衛隊が米軍と共同演習を始め、日本軍が沖縄に殴り込みをかけてきた。10万人、20万人の沖縄の闘いで日本政府を恐怖させよう」と呼びかけた。
 統一連代表の発言に続き、平和市民連絡会の当山栄さんは「2004年4月から1年間の海上でのボーリング調査阻止闘争では海上に1万人、陸上のテント村に6万人が参加した。これに加え県民の熱い支持があり、権力も弾圧できなかった。大衆の力が運動を支えている。埋め立ての時が本番と思っている人もいるが、今が本番。今アセスをストップすれば埋め立てはできない」と多くの人の参加を呼びかけた。
 次に池宮城紀夫弁護士が「弾圧対策弁護団を先週結成し今14人、もうすぐ20人になる。この海を守るためガンバロー」と訴えた。それを受け7人の若手弁護士が宣伝カーの前にズラリと並び1人ずつ発言した場面は圧巻だった。

 土・日も海上行動の支援を

 頼もしい限りだ。これまでの闘いがこうした若い力を呼び寄せたことを実感した。決議文採択、団結ガンバローで力強く集会を閉じた。
 二見以北十区の会や高江住民の発言が時間の都合でできなかったことや、土曜・日曜も海での調査が強行され、海上行動隊が手薄で、土日が休みの人は駆けつけてほしいなどと司会から報告と要請があった。
 集会後は海上行動隊は弁護団とともに今後の闘いの打ち合わせ会議に臨んだ。
 他の参加者は辺野古・豊原・久志の地元の三集落に戸別ビラ人れを行った。
 (M・S)

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週刊『前進』(2339号5面2)(2008/04/14 )

 沖縄・青年労働者のアピール(下)

 基地撤去こそが回答だ! 国境こえた団結とストへ

 沖縄の青年労働者・富田晋さんが3・16ワーカーズ・アクションに寄せたメッセージ(抜粋)を紹介します。
     *
 沖縄は怒りに燃えています。昨年9月29日の11万6千人決起に続き、ゼネスト状態へと突入しました! 政府は辺野古V字型新基地建設のアセスを15日から開始し、来週にも本格的に強行しようとしています。
 政府は沖縄の原点である沖縄戦を「集団自決は軍命ではなかった」と踏みにじり、少女(女性)暴行事件はくり返されている。こんな政府はいらない! 青年を食わせられなくなった資本主義など滅びてしまえ!
     *
 問題解決は政府の言う小手先の「綱紀粛正」ではありません。「すべての基地撤去」以外に解決方法はありません。全軍労(基地労働者組合)が掲げた「死すべきは基地であり労働者は死んではならない」「解雇撤回・基地撤去」――沖縄が語り継いできた闘いの教訓は、いま青年労働者の魂を揺さぶっています。国境と産別を越えた労働者の団結とストなくして基地はなくせない! 資本主義を終わらせ、労働者が主人公の世界を勝ちとる展望はそこにある!
     *
 フランスで移民の少年が警察に殺され、数十万の青年労働者は街頭で怒りを表した。韓国で女子中学生が米軍装甲車にひき殺された翌日、数十万の青年労働者・学生が米軍フェンスをぶち破った。イラクの石油労働者は米軍による石油強奪を止めるためにストと武装蜂起で闘っている。私たちは何をすべきか。沖縄から労働者を分断する基地を撤去する闘いに全国の職場から立ち上がろう!
     *
 今日集まった労働者・学生は、職場・学園で隣の仲間に声をかけ、議論し葛藤(かっとう)し、時には苦境に立ち、弾圧されながら、地域も巻き込んで駆けつけた仲間たちだと思います。失敗あり成功ありの凝縮された闘いだった。それこそが勝利なのだと考えます。たった一人、最後まで仲間を裏切らず闘う人間が職場にいることで、6000万労働者を牽引(けんいん)し、どんな弾圧もはね返す団結を作れる。辺野古新基地建設阻止もすべての基地撤去もそこに展望がある。
     *
 辺野古は来週から環境アセスなる「環境保護」に名を借りた基地建設着工との闘いに入ります。故金城祐治・命を守る会代表の遺志を受け継ぐ私たちは、最後まで労働者との固い連帯を信じ、闘って勝利するのみです。
 4月には「兵舎の取り壊し」。2010年からは「埋め立て開始」。闘いは続きます。やってやろうじゃないか! ゼネストで世界を変えよう! こんな腐った社会とおさらばして俺たちの社会を作ろう!

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週刊『前進』(2339号5面3)(2008/04/14 )

 イギリスからの報告 石油奪う流血やめろ

 5万人がイラク反戦デモ

 3月15日にイギリスのロンドンで闘われたイラク反戦デモの現地からの報告を紹介します。
(編集局)
     *
 イラク戦争開戦5周年を前に、イギリス反戦連合、CND(英国核廃絶運動)と英国ムスリム・イニシアチブの呼びかけで、ロンドンのトラファルガー広場に数千人が集まり、イラクとアフガニスタンからの英軍撤退、イランへの武力攻撃阻止などを訴え、集会を行いました。主会場のトラファルガー広場は、プラカードを掲げた参加者で埋まり、身動きできない状態でした。(主催者発表では5万人の参加)
 ロンドンでは、2003年3月のイラク戦争開戦時に100〜200万人が参加する空前の反戦デモがありましたが、今回はそれ以来の大規模な行動として報道されました。
 会場正面に掲げられた横断幕のメイン・スローガンは、こうです。
 「軍隊はイラクとアフガニスタンから出て行け
/イランへの攻撃をやめろ/ガザの包囲を解け/パレスチナに自由を/兵士を家に戻せ」
 主催団体であるイギリス反戦連合のトニー・ベン議長は「不正義に対する怒りの炎、より良い世界を創っていこうとする希望の炎は誰にも消すことはできない。私たちはこの闘いを、何度も何度もくり返し闘っていかなければならない。私たちの後に続く世代が闘いを引き継ぎ、担っていかなければならない……議会の代表者はもう過去のものとなった。未来は街頭が担っている」と発言。
 フセイン統治時代に父親を暗殺され、亡命してきたサミ・ラマダーニさんはこう発言しました。
 「占領を終わらせるという、とてつもない大仕事を成し遂げるために、イラク内の占領に反対する勢力、解放と民主主義、社会の安定に尽力しようとするすべての政治勢力の幅広い連帯が必要だ。アメリカがこれを妨害している。世界中の、とりわけアメリカとイギリス国内での反戦運動が死活的に重要だ」
 国会議事堂をぐるりと一周したデモのシュプレヒコールは「われわれが欲しいものは? 正義!/われわれが欲しくないものは? 戦争!/自由を! パレスチナに!/占領は犯罪だ!」と叫んでいました。揚げられていたプラカードは「軍隊はイラクから出て行け/イラク攻撃をやめろ/ガザから出て行け/石油のための流血はもうやめろ/パレスチナ連帯/流血を止めろ」等々。
 近くにいた人と少し話をしてみました。「イギリス人のほとんどは戦争に反対だけど、多くの人はデモや集会に出て来る暇がないか忙しすぎる」「この国でデモクラシーとは単なるジョークだ」「ものすごくたくさんの人が参加してうれしい。この戦争をやめさせるために政府に圧力をかけなくては」「デモは、世界に少なくとも自国政府の政策にすべてのイギリス人が賛成しているのではないことを示すことにはなったと思う」
 家に帰ってニュースを見ましたが、何の報道もありませんでした。その次の日もありませんでした。集会で国会議員のジョージ・ギャロウェイが「この国のメディアはすべて、特にBBCは『戦争翼賛勢力』と化している」と言っていたのは本当だと思いました。
 (K・S)
(写真 ロンドンでのイラク反戦デモ【3月15日】)

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週刊『前進』(2339号5面4)(2008/04/14 )

 基地撤去へ!

 3・23沖縄県民大会に参加して 現地インタビュー(下)

 前号に続き、3・23沖縄県民大会会場でのインタビューを掲載します。(編集局)

 若者が運動の中心になったミュージシャン まよなかしんやさん

 集会でのジェーンさん(米軍犯罪被害者)の性犯罪、強姦を許さないというナマの発言が、いまの沖縄の現実を明確に示してくれた。「基地あるがゆえに起こる犯罪を絶対に許しちゃいけない」「基地が諸悪の根源だ」「撤去させないといけない」という気持ちを強くみんなで共有できた集会でした。
 ぼくは1万人以上集まったと思うんだけどね。でも、この雨の中を6千人もの人が来たということは、それだけ「米兵の犯罪は許せない」「基地をなくさないとわれわれの明日はない」という意志を示すものです。みんなでさらに前進していきたいですね。
 3月16日に沖縄でも、イラク反戦から5年目の世界一斉行動に取り組みました。去年までは百万人署名運動を軸に、われわれ中年というか、ベテラン(笑)が中心にやってきたんですが、今回は、若者たちがたくさん参加して、主催の中心になった。運動というのは、若者たちが引き継いでいくことが必要です。
 3・16イラク反戦行動について「若者が中心になってやりたい」という申し出があったときはうれしかったですよね。そして、僕から見たら娘みたいな23歳の彼女から、すごく展望ある基調報告が提起されたのも良かったと思う。
 アメリカのイラク占領、基地の問題、教科書問題を一つのものとして取り組むものになったと思います。
(写真 那覇市内での労働者デモ。右端がまよなかさん【3月16日】)

 職場に革命を起こして結集 沖縄労組交流センター 真喜志康彦さん

 集中豪雨に降られて「県民大会、どうなるかな」とちょっと思ったが、今日は絶対に成功すると確信していた。数は問題じゃない。大雨の中を続々と、切れ目なく貸し切りバスで参加者が集まってきたのには感動しました。内容的には、なんといってもジェーンさんの発言。本当に心を動かされた。
 3・16全世界一斉デモの取り組みと一体で、今回の県民大会を総括することじゃないかと思っています。3・16は、ものすごい革命的な決起でしたよ。これまで運動に一切かかわったことがなかった若者が数十名も決起してぼくたちと合流した。ここに3・16沖縄集会の意義がある。わたしはロートルですが、若者たちと一緒に実行委を結成して頑張った。NTTの職場では、仲間が職場に革命をおこして頑張っている。このふたつの闘いが相乗効果をおこした。これは一回きりの取り組みではなく、これから大きく発展していく出発点になりました。
 これと、今日の3・23県民大会はひとつの闘いです。3・16をやり抜いたわれわれだけが、今日の3・23県民大会を本当の意味で総括できる。職場の仲間が「3・16が今日の県民大会を実現した」と言っていた。3・16にはそれぐらいの輝きがある。体制内労働運動と決別して新たな運動を旗揚げしたところに大きな意味がある。
 そういうところから、今日の県民大会を総括するということではないかと思います。

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週刊『前進』(2339号5面5)(2008/04/14 )

 三里塚「団結花見の会」盛大に

4月6日、成田市の三里塚第一公園で反対同盟主催の「団結花見の会」が盛大に開かれ、満開の桜の下で3・30集会の労をねぎらいあった。最後に全員で「♪誇りも高き農地死守」と『反対同盟の歌』を合唱した

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週刊『前進』(2339号6面1)(2008/04/14 )

団結ひろば 投稿コーナー

 3・16に青年労働者とともに参加した 東京・三多摩 中原一朗

 3・16イラク反戦全世界一斉デモに、青年労働者Aさんとともに参加した。30代フリーターのAさんは、昨年11月集会に続いての参加。デモで、警察権力がデモ隊を分断して何度も足止めを食わされた時はイライラしていたようだったが、デモのあと、4人が不当逮捕されたことを知らされると、「本当に許せない」と怒っていた。
 根津さんについて、「“自分で考え、違うと思ったことには違うと声を出す”ということが誰でもできるようになれば差別も抑圧もなくなるはずだ」と感想を述べていた。そのとおり!
 3月27日、翌28日の都教委定例会を前にした根津さんの申し入れ行動に参加した。この日、都教委は根津さんが座ろうとしたイスを引っ込めて、根津さんにしりもちをつかせるという暴力行為を働いた。
 その直後に来たAさんに事態を説明すると、彼は「ひどいですね。ケガするじゃないですか」と怒った。
 コソコソとエレベーターで逃げ帰ろうとした都教委の1人を引き留めて、根津さんは追及した。「私は、『日の丸・君が代』の強制に従うことが子どもたちを洗脳することにつながる、教師としてそれだけはできない、と不起立をした。間違っているなら、間違っていると言いなさい」
 しかし都教委は、薄笑いを浮かべながら「完黙」で突っ立っているだけ。この態度には本当に怒り心頭に発した。
 これが都教委なのだ。処分しようとしている相手を見据えようともせず、話も聞こうとしない。何が正しいのか「自分で考え」ようともしない。こんなやつらが石原都政を支えているのだ。
 最後にAさんは、「志を同じくする人と団結することで、世の中を変えていきたい」と言っていた。本当にそう思う。団結! 団結! 団結して革命をやろう。

 京大入学式で革命派がストライキを訴え 京都 碧海

 4月7日、京都大学入学式で革命派が登場しました! 法学部自治会は、オリエンテーションで300人もの新入生を前に「6月にストライキをやろう!」と真っ向から訴えたのです。いまだかつてないほど緊張しましたが、この中に未来の同志がいるのだと思い、希望に満ちたアピールができました。
 サブプライムローン問題から、法大、西郡住宅闘争のことまで、資本主義の破綻(はたん)について語り尽くしました。そして何より強く訴えたのは、「学生には社会を動かす力がある。団結しよう」ということです。新入生は真剣に聴き入り、ワーキングプア弁護士の話や法大、西郡の闘争について特に敏感に反応していました。
 回収した100枚以上の感想用紙には「熱い想いが伝わってきた」「圧倒された」「共感した」「法大や西郡のことはまったく知らなかった。許せない」というものや、「ストをしたらどうなるのか知りたい」「ストを身近に感じた」というものが何枚もありました。
 わたしたちがより具体的な方針や展望を示すことが求められているのをあらためて実感しました。京大でもすごいことが起こっているんです! 全国の学生、労働者は団結の旋風を巻き起こしましょう!!

 豪雨の中で都立高校入学式ビラを貫徹 東京・西部 T・M

 4月8日、都立高校で一斉に入学式が行われ、私ももう一人の同僚とともに杉並区のある高校の正門朝ビラ入れを担当することになりました。
 当日は、天気予報どおり、あいにくのすさまじい横殴りの雨と強い風。同僚の傘はたちまちこわれてしまいました。しかし、ビラは薄いビニールの袋に1枚1枚入れておいたので、安心です。衣服はビショビショにぬれましたが、ビラは全然ぬれませんでした。
 「不起立で石原を倒そう」「不起立で10・23通達をなくそう」と声をかけながらまきましたが、雨にもかかわらず次々に受け取ってくれました。「ごくろうさま」「雨なのに大変ですね」と声をかけてくれる人もいて、結局、雨天でないときにまける数と全然変わらない数をまききることができました。
 また、通勤して来る教職員の表情が、卒業式のときと比べてとても明るくなっていることを同僚とともに実感しました。根津さんの解雇をうち破ったことが、東京の教育労働者の階級的魂を大いに揺さぶっていることだろうと思います。
 1時間のがまん道場のようなビラまきになってしまうかなという不安があったのですが、大きな手ごたえを感じた豪雨の中のビラまきでした。

 横浜事件「免訴」の反動判決を弾劾する 迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判被告 須賀武敏

 3月14日、戦時下最大の言論弾圧とされる横浜事件の再審で最高裁は、有罪か無罪かの判断をしない「免訴」判決を言い渡した。
 私はこうした最高裁による、真実と事実を詭弁(きべん)によって隠蔽(いんぺい)・絞殺する司法犯罪を絶対許すことはできない。
 横浜事件の真実とは何であったか。それは特高警察が帝国主義戦争に反対する民衆の声を圧殺するために、残虐きわまりない拷問により虚偽の自白をさせて事件を捏造(ねつぞう)した思想・言論弾圧事件であり、それに司法が加担した犯罪が厳しく問われる事件であった。
 実際、治安維持法弾圧で拷問を受けた被害者は20万人。うち2千人が獄死。横浜事件でも4人が拷問死している。再審公判では、この問題の深刻さと重大さ、死をもたらした特高警察の拷問の実態がリアルに暴き出され、立証された。だからこそ東京高裁も再審開始を認めざるをえなかった。にもかかわらず最高裁は、無罪判決を出せば司法の戦争責任が厳しく問われることに恐怖して、そこから逃げるために「免訴」を言い渡したのである。
 今日、最高裁は再び戦争への道を掃き清めるために、裁判員制度を柱として戦時司法への転換を強行しようとしている。戦後憲法を司法権力が自ら破壊する攻撃に出ているのだ。
 3月27日の福嶋昌男同志への控訴棄却の極反動判決もその一端だ。私たちの差し戻し審もこれから始まるが、司法犯罪を徹底的に暴き弾劾する闘いをやりぬき、再び無罪判決をかちとりたい。それが横浜事件の遺族と弁護団の闘いに連帯する道だと思っている。

 東拘で面会―内田君が頼もしく見えた! 学生 村雨省吾

 「接見禁止が解けた!」――弁護士からこの一報を聞き、3月26日、ただちに東京拘置所に飛び、内田君と面会することができました。
 内田君は、半てん姿で面会室に現われ、とても元気そうでした。前日、法廷でお互い顔を合わせたばかりで、「久しぶり」という感じはまったくなく、同じ闘いを闘っているのだと実感しました。
 内田君は、接見禁止解除にも「一喜一憂」することなく、獄中闘争を自分の闘いの場として闘う決意を語ってくれました。ガラス越しに見えた内田君の落ち着いた姿からは、獄中闘争を現在進行形で闘い抜いている凄(すご)みと、獄外とは違う「時間」の流れを感じました。
 許せないのは面会時間です。内田君に限らず、拘置所に面会に来るすべての人が、たったの11分なのです。
 翌々日、東京高裁が地裁の決定をくつがえし、またしても接見禁止が決定されました。東京高裁は、あらためてあいまいさのない国家権力の立場を鮮明にさせたのです。今度こそ、必ず「保釈」=奪還をかちとるぞ!

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週刊『前進』(2339号6面2)(2008/04/14 )

 “さあ、日弁連の再建だ”

 裁判員制度はいらない!

 憲法と人権の日弁連をめざす会 4・18集会へ

 法務省は4月8日、裁判員制度を来年5月21日から実施することを決定した。そのための裁判員候補者名簿の選定作業が今年8月にも始まろうとしている。憲法と人権の日弁連をめざす会主催の4・18弁護士・市民集会は裁判員制度を柱とする司法制度改革を粉砕し、新自由主義攻撃を打ち破っていく決定的な闘いだ。弁護士の闘いと大合流し、団結を固めよう!

 “人を裁きたくない”の声続出

 「人を裁くことはやりたくない」――裁判員制度に対する労働者の怒りや不満が続出している。法務省や最高裁が裁判員制度の宣伝のために作ったパンフやチラシは、計約1889万部、広告用DVDは計約38万枚。しかし、最高裁が1日に発表した意識調査では、「参加したくない」という人が82・4%にも上っている。しかも、全体の37・6%が「義務でも参加したくない」。労働者階級は裁判員制度・司法改革に絶対反対だ。
 司法改革攻撃の狙いは、新自由主義攻撃を貫徹し、戦時司法体制をつくり出すことであり、日弁連(日本弁護士連合会)を解体し、弁護士をその手先にすることだ。
 “国民も裁判所と一体となって主権者として国を統治できる”などと言われている。ふざけるな! 労働者階級はお前たち国家権力、支配階級とは非和解だ。それを「国民の司法参加」などと言いくるめるのは、体制内への取り込み以外の何ものでもない。 
 裁判所の本質は、資本主義体制を維持するための国家権力装置である。70年安保・沖縄闘争が革命に発展しようとしたその瞬間、恐怖した国家権力は報復、見せしめのために、星野文昭同志をデッチあげ逮捕し、無期懲役攻撃をかけてきた。
 労働者階級は、裁判所に「正義」を求め、救ってもらう気など毛頭ない。団結し、階級社会を自分たちの力で転覆し、社会の主人公となっていく存在なのだ。正義は、階級的に団結した闘いにのみ宿るのだ。

 有給扱い要求する連合方針

 連合は08春闘の方針に、「裁判員に選ばれた場合は、原則として辞退は許されない。したがって、労働時間中に、裁判員候補者として地方裁判所の呼び出しを受けた場合、および裁判員として地方裁判所に出席する場合は、全従業員を対象に有給扱い(特別休暇)とする労働協約の締結を進める」として、日産、東京電力などで次々と労働協約を締結し、裁判員制度導入を推進している。
 宮崎誠日弁連会長もまた8日の記者会見で、「市民のみなさんは最初は戸惑いを感じても、終われば有意義だったとの感想を抱かれるものと確信する。弁護態勢の確立をめざしてさらに努力する」と制度導入の最先頭をひた走っている。
 しかし、この日弁連執行部を打倒し、日弁連を再建していく闘いが大前進している。2月の日弁連会長選挙では、司法改革絶対反対派の高山俊吉弁護士が43%の得票率で勝利に肉薄した。
 この根底には、新自由主義攻撃に対する弁護士の決起、特に政府の弁護士激増政策で就職もできない状況にたたき込まれている青年弁護士の決起があった。「生きてやる!」という青年労働者とまったく同じ闘いが始まっているのだ。
 彼らは、司法改革における弁護士激増、裁判員制度、改憲といった新自由主義攻撃に全面対決する決意で4・18集会を呼びかけ、労働者民衆との団結を求めている。
 最末期帝国主義は、労働者、弁護士を国家権力に動員する以外に、もはや支配する手立てを失っている。逆に言えば、労組や日弁連の体制内執行部を打倒し、労働者と弁護士が充満する怒りをひとつに団結させて裁判員反対ゼネストをやれば、司法改革攻撃もろとも支配階級をぶっとばすことができる。4月18日(金)午後6時、弁護士会館(霞が関)2階クレオに大結集しよう!
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 裁判員制度

 裁判員は有権者からくじ引きで選ばれる。6人の裁判員と3人の裁判官が審理し、有罪・無罪ばかりではなく刑の重さも決める。殺人、強盗など重大事件が対象。
 密室で行われる「公判前整理手続き」によって公判の内容や進行はすべて決められ、ほとんどの事件が3日間くらいの法廷審理で終わる。迅速・重罪の裁判。被告は「裁判を受ける権利」を著しく侵害される。
 また、裁判員は原則として辞退できず、参加を強制される。評議内容を外部にもらしたり、出頭しなかったりすると罰せられる。

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週刊『前進』(2339号6面3)(2008/04/14 )

 外登法・入管法と民族差別を撃つ全国研究交流集会

 民族・国籍・国境を越えて

 4・20京大で団結しよう

  4月20日、「外登法・入管法と民族差別を撃つ全国研究交流集会・第17回関西集会」が京都大学(文学部新館2階第3講義室)で午後1時から開催されます。同実行委員会の呼びかけにこたえ、全国、とりわけ全関西から総結集しよう。
 関西生コン、港合同、動労千葉の3組合が呼びかける11月労働者1万人決起と結合した階級的共同闘争が今ほど求められている時はありません。階級的労働運動を365日実践している動労千葉は、80年代以降、世界中に吹き荒れる新自由主義攻撃の切っ先としてあった国鉄分割・民営化に絶対反対で立ち向かい、首を切られながらも逆に団結を強化してきた。
 一方、韓国の労働者たちも民主化の波が巻き起こった87年、労働者大闘争で歴史的飛躍をかちとり、既成の御用労組を打ち破って95年に民主労総を創立した。韓米FTA(自由貿易協定)との闘いを始め労働者をないがしろにする戦争と民営化攻撃と対決している。
 昨年11・4労働者集会でソウル本部のチェジョンジン副本部長は、「歴史の主人公はいつもわれわれ闘う労働者だ。お前ら(政権と資本)は少しずつかじり取るが、われわれは一挙に取り戻す」と宣言、「労働者の武器は団結と連帯と闘争だ。新自由主義に対抗して闘うわれわれは一つ。闘う世界の労働者は一つだ」と国際連帯を訴えた。
 新自由主義攻撃が本格化する90年に始まった入管研究交流集会は今年、関西集会が17回、全国集会が19回を迎える。外登法(外国人登録法)と入管法(出入国管理及び難民認定法)を柱とする日本の入管体制は、徹底した治安管理と排除をもって成り立ってきた。
 日帝の侵略戦争と植民地支配の生き証人(とその子孫)である在日朝鮮人・中国人管理から始まった戦後入管体制は、80年代以降、新たに大量に入国してきたアジア人労働者問題に直面し、さらに01年9・11を契機に「テロ対策」を前面に押し立てた戦時入管体制へと転換した。そして昨年11月には、80〜90年代を貫く在日を先頭とする指紋押捺(おうなつ)拒否闘争によって全廃となった指紋押捺制度を顔写真とともに復活させた。しかし、これでも足りないと焦る日帝・法務省はさらに在留カード導入をも策動している。
 何がここまで日帝を追い詰めているのか。拉致問題をテコに吹き荒れる民族差別・排外主義とは何か。それは明らかだ。帝国主義どもは労働者の階級的団結をとことん恐れているのだ。
 最末期帝国主義はまやかしの排外主義キャンペーンで差別・分断をあおることしかできない。悪しき血債主義・糾弾主義と対決し、差別・分断のくさびを引き抜こう。民族・国籍・国境を越えた労働者階級の団結をつくり出そう。それは11月労働者集会の日米韓3国連帯で動き始めている。3・16世界一斉デモで力を倍増している。一気にすべてを労働者の手に奪い返す時がやって来た!
 世界は革命情勢だ。「生きさせろ」の叫びが、「生きてやる!」の闘いになり、「この世界を動かしているのは労働者だ」との誇りと自覚となって広がり、すぐそこに革命がたぐり寄せられている。
 これこそ新たな入管闘争だ。戦争と改憲を狙う日帝が国内治安管理体制を強化しようと入管攻撃を激化させるなら、これをつかんで階級的団結で入管体制を突き破ろう。闘いは弾圧を引き出すが、その弾圧はより大きな団結を育てる。これが3・9〜3・16不当逮捕でつかんだ教訓だ。
 動労千葉労働運動が日々実践しているように、職場・生産点で隣の労働者と団結し、資本を打ち倒そう。隣にいる在日・滞日外国人とスクラムを組んで闘おう。4・20京大で団結しよう!
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 外登法・入管法と民族差別を撃つ全国研究交流集会

 打ち破ろう分断! 取り戻そう団結!民族差別・排外主義と入管体制を打ち破り、全世界の労働者は団結しよう!

 第17回関西集会


4月20日(日) 午後1時京都大学・文学部新館2階第3講義室
主催/外登法・入管法と民族差別を 撃つ全国研究交流集会実行委員会

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